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2019年3月29日 第3回 社会保障審議会企業年金・個人年金部会 議事録

年金局企業年金・個人年金課

 
1.日時:平成31年3月29日(金)13:00~15:13
2.場所:AP新橋 3階ルームA
3.出席者:
(委 員) 神野部会長、森戸部会長代理、伊藤委員、井戸委員、臼杵委員、内田委員、大江委員、小川委員、金子委員、小林委員、白波瀬委員、藤澤委員、渡邊委員
(オブザーバー)永原国民年金基金連合会理事長、村瀬企業年金連合会理事長
 
4.議題
関係団体からのヒアリング
 
 
議事内容
○神野部会長
それでは、定刻でございますので、ただいまから第3回「社会保障審議会企業年金・個人年金部会」を開催したいと存じます。
桜の花は、今を盛りとさんざめいておりますが、皆様方には、年度末の大変お忙しいところを御参集くださいまして、ありがとうございます。心より御礼申し上げる次第でございます。
本日は、山本委員から御欠席との御連絡を頂戴しております。
御出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりますので、この会議は成立していることをまずもって御報告申し上げます。
それでは、議事に入らせていただきますけれども、その前に事務局のほうから資料の確認をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 
○吉田企業年金・個人年金課長
企業年金・個人年金課長でございます。どうぞよろしくお願いします。
本日は、2回目のヒアリングを議題とさせていただきます。資料としては、
資料1 ヒアリング出席者一覧
資料2 信託協会提出資料
資料3 全国銀行協会提出資料
資料4 日本証券業協会提出資料
資料5 生命保険協会提出資料
資料6 日本損害保険協会提出資料
参考資料1 委員名簿
参考資料2として、2月に当方から出した資料を用意させていただいております。
事務局からは以上でございます。
 
○神野部会長
ありがとうございます。
それでは、議事に入りたいと思いますので、カメラの方がいらっしゃれば御退室をお願いいたします。
 
(カメラ退室)
 
○神野部会長
今も事務局のほうから御説明がありましたように、本日は、前回に引き続きまして「関係団体からのヒアリング」を議題とさせていただきます。大変お忙しいところを、万障繰りあわせて、快く私どものヒアリングに御出席いただきました5つの関係団体の皆様方には、心から御礼申し上げる次第でございます。どうもありがとうございました。
本日、5つの団体、信託協会、全国銀行協会、日本証券業協会、生命保険協会、日本損害保険協会から御意見を頂戴することといたします。
本日の議事の進め方でございますけれども、前回と同様でございまして、それぞれの関係団体の方々には、10分から15分程度で御発表をお願いしたいと考えております。5つの団体から御発表いただいた後に、まとめて委員の皆様方との意見交換を予定しておりますので、御承知おきいただければと思います。
それでは、まず初めに、信託協会から御発表をお願いいたします。岩田様と岡本様から御発表いただくことになっておりますので、よろしくお願いします。
 
○信託協会
信託協会業務部長、岩田でございます。
本日は、こうしたヒアリングの機会を設けていただきまして、まことにありがとうございます。
早速でございますが、資料の説明に入らせていただきたいと思います。
資料2「信託協会提出資料」をお開きください。
スライドで申し上げますと3枚目、2ページ、信託協会の概要をご覧いただければと思います。当協会の概要を簡単に御説明申し上げます。
当協会は、1つ目の目的にございますとおり、信託制度の発達を目的とした一般社団法人でございます。
3つ目の組織のところにございますが、加盟会社は、本年4月1日付で、正会員に当たります社員会社4社、準会員に当たります準社員会社65社、計69社で構成されております。
信託業界の企業年金の受託状況をご覧いただければと思います。受託しております企業年金の資産で申し上げますと、加盟会社全体で、確定給付企業年金では46兆円、厚生年金基金では16兆円、確定拠出年金では資産残高で12兆円となってございます。
本日は、当協会社員会社間での議論を踏まえまして、当協会意見として、当協会会長会社三井住友信託銀行岡本様より御説明いただくことになっております。
よろしくお願いいたします。
 
○信託協会
本年度、信託協会の年金専門委員長を勤めております三井住友信託銀行の岡本でございます。
本日は、企業年金の資産運用及び資産管理に加え、日々、企業年金制度の運営全般に対し、微力ながら支援を行っております信託銀行の立場から、今後の企業年金・個人年金制度のあり方について提言させていただきたいと思います。
お手元の資料、3ページをご覧ください。人生100年時代とも呼ばれるように、高齢期の長期化による資産形成への意識・機運の高まりや、マクロ経済スライドによる公的年金の給付水準の調整等に伴い、私的年金制度の重要性が今後ますます増加していく中、私的年金制度をより一層充実したものにしていくためには、企業年金制度の発展と加入者等の自助努力の進展を図ることが重要だと考えます。当協会としては、労使合意を基本とする企業年金制度と、加入者の自由意思を基本とする個人年金制度、両制度の長所、すぐれた部分を伸ばしていくことで、それが実現できると考えております。
資料、4ページをご覧ください。本日は、本部会にて企業年金・個人年金制度のあり方として挙げられております、早期からの継続的な資産形成と、多様な就労と私的年金・公的年金の組み合わせに関する具体的な提言として、大きく5点を御説明させていただきたいと思います。
資料、5ページをご覧ください。まず、早期からの資産形成に向けた提言として、特別法人税の撤廃と、DCのマッチング拠出制限の撤廃と拠出限度額の引上げの2つを挙げております。
このうち特別法人税については、拠出時、運用時、給付時の企業年金税制全体のあり方とともに検討すべき課題と認識していますが、企業年金制度・個人年金制度のさらなる発展という観点から、厚生労働省におかれましては、凍結ではなく、撤廃に向けた御検討をぜひお願いしたいと思っております。
次に、企業型DCのマッチング拠出制限の撤廃と、企業型DCとiDeCo、両制度の拠出限度額引上げについてです。まず、マッチング拠出制限の撤廃ですが、こちらは企業型DCにおける加入者掛金は、事業主掛金を超えてはならないという制限を撤廃することで、早期からの資産形成を望む加入者を支援するというものです。ここで、その期待される効果について、要望の背景等も含め、少し詳しく御説明させていただきたいと思います。
資料、6ページをご覧ください。こちらは、信託協会会長会社である三井住友信託銀行個社のデータではありますが、表1として、マッチング拠出実施割合の推移と、表2では、マッチング拠出実施企業における事業主掛金額を掲載しております。
まず、表1についてですが、企業型DCにおいてマッチング拠出が認められた2012年から2018年までのマッチング拠出実施割合の推移となります。およそ6年間で、実に約50%もの制度においてマッチング拠出を導入していることが示しているのは、労使ともに加入者の自助努力の重要性を認識し、それを推進したいという強い姿勢の存在だと思っております。
次に、表2についてですが、マッチング拠出を実施している事業主における事業主掛金額を、20代から30代のいわゆる若年層に属する加入者と、40代から50代の中高年層に属する加入者とに分けてお示ししたものでございます。ここで注目いただきたいのは、20代から30代の事業主掛金額の実に4分の3が1万円未満であること。40代から50代の事業主掛金額も、おおよそ半数が1万円未満であることです。このように、事業主掛金額が低額であるという事実と、加入者掛金が事業主掛金を超えてはならないという制限は、加入者の自助努力を推進したいという労使双方の意向に対する大きな制約となっております。
これらのデータを踏まえれば、マッチング拠出の制限の撤廃は、若年層の資産形成に加えまして、中高年層の老後の資産準備の加速も期待できるという点において、私的年金制度の充実を図るために非常に有効なものであると考えており、ぜひ実現いただきたいと考えております。
さらに、iDeCoを含めた拠出限度額引上げによるさらなる支援について、ぜひ御検討をお願いしたいと考えております。
資料、7ページをご覧ください。次に、多様な就労への対応に向けた提言として、定年延長に伴うDB制度変更の柔軟化、DCの加入可能年齢の拡大。さらに、次のページに記載しております、DCの脱退一時金の支給要件の緩和の3つを挙げております。
まず、定年延長に伴うDB制度変更の柔軟化ですが、現状では、DBの給付総額を維持する場合であっても、支給時期がおくれることにより支給減額と判定されるため、制度変更を行うに当たり、加入者の同意取得手続が必要となります。給付減額の手続上の要件が厳格なものであることは、加入者の高齢期の所得を確保するという点において、もちろん重要だと考えておりますが、定年延長もまた、高齢期の所得確保に資するものであることを踏まえ、年金一時金の給付総額が変わらないなど、加入者にとって不利益とならないことを前提に制度の柔軟化を要望するものです。
次に、DCの加入可能年齢の拡大ですが、現状では、iDeCoの加入年齢は60歳未満とされています。また、企業型DCの加入年齢は、労使合意により65歳まで引上げ可能であるものの、60歳以上で同一規約内の実施事業所間を異動する場合には、異動先で加入者となることができないなど、制約がございます。加入者の多様なライフプランへの対応と、事業主の高齢者雇用の柔軟化を図るため、iDeCo、企業型DC、ともに加入可能年齢を拡大するよう御検討いただきたいと考えております。
資料、8ページをご覧ください。多様な就労への対応に向けた提言の3つ目、DCの脱退一時金の支給要件の緩和についてです。現状では、DC脱退一時金の支給要件は、個人別管理資産が1万5000円以下の企業型加入資格喪失者、または国民年金保険料免除者であることなど、非常に限定されており、加入者にとって利便性が低いものとなっております。税制上の優遇措置、特に加入者拠出分に対する税制優遇との関係から難しい面はあると思いますが、家族の介護、本人の病気療養等、やむを得ない事由に限り、追徴課税を条件としまして支給要件を緩和することは、確定拠出年金制度の普及促進につながるものと考えております。
以上が信託協会からの主な提言となりますが、資料の最後にその他としまして、平成31年度税制改正要望の主な項目と、平成30年度規制改革要望の主な項目も記載しております。本日御説明させていただきましたものも含めまして、これらの事項を実現していくことが、企業年金制度の発展と加入者等の自助努力の促進につながり、私的年金制度のさらなる充実につながるものと考えております。
最後に、冒頭にも申し上げましたが、私的年金制度の改正を考える際には、労使合意を基本とする企業年金制度と、加入者の自由意思を基本とする個人年金制度、両制度の長所、すぐれた部分を伸ばしていくという視点が最も重要だということを申し上げまして、私からの御説明の結びとさせていただきたいと思います。
御清聴ありがとうございました。
 
○神野部会長
どうもありがとうございました。
それでは、早速で申しわけありません。引き続きまして、全国銀行協会から御発表をお願いしたいと思います。深田様、石井様から御発表いただけると伺っておりますので、よろしくお願いいたします。
 
○全国銀行協会
全国銀行協会でございます。本日は、当協会の考え方を御説明させていただく貴重な機会を頂戴いたしましたこと、まずは御礼申し上げたいと思います。ありがとうございます。
企業年金・個人年金部会におかれましては、企業年金・個人年金制度に関する多岐にわたる論点に関しまして御審議がなされていると承知しておりますけれども、本日は時間も限られているところでございますので、当協会からは、確定拠出年金制度に関する見直しの部分に関しての考え方につきまして、資料に沿って御説明申し上げたいと思っております。
資料3のスライドで1ページ目をご覧ください。まず、主な検討課題に関する考え方ということでございまして、本部会の初回の会合において、お示しされていると承知しております検討課題に合わせまして、当協会の考え方を、簡単ではございますけれども、整理させていただいております。お示しされた課題につきましては、幅広い論点を含んでいると理解しておりますので、必ずしも完全に合致しているものではないかと思っておりますが、その点は御容赦いただきたいところでございますけれども、一旦、表に整理させていただいているということでございます。
まず、1点目といたしまして、高齢期における多様な就労等を踏まえた環境整備等の部分ということでございます。これは、もう既に多くの関係団体の皆様方からも考え方がお示しされていると承知しておりますけれども、大きく言えば、拠出限度額の見直しや、加入者の資格要件関係の見直し等を挙げさせていただいております。
2点目といたしましては、働き方等に左右されない自助努力にかかる環境整備という部分といたしまして、ペナルティを課した上での脱退一時金支給制度の新設といったところをお示しさせていただいております。
3点目といたしましては、制度の安定的な運営のための体制整備の部分といたしまして、iDeCo等に関する事務手続の見直しといったところをお示しさせていただいているところでございます。
詳細に関しましては、以降のスライドで御説明を申し上げます。
スライドの2ページ目をご覧ください。まずは、拠出限度額の見直しというところでございます。確定拠出年金制度が始まって以来、銀行界といたしましても、制度を運営する当事者といたしまして、その制度の普及等に向けてはさまざまな取組を行わせていただいているところでございますが、制度のさらなる普及というところで、機会がある際に申し上げているところは、まさにこの拠出限度額の見直しということでございます。今も関係団体の皆様から同様の意見がございますけれども、こうした見直しの貴重な機会におきましては、例えば企業型DC、iDeCoの拠出限度額の引上げですとか、その撤廃を含めた見直しといったものを御検討いただければと考えているところでございます。
背景の2つ目の丸のところにも記載しておりますけれども、iDeCoの拠出限度額というものが、国民の自助努力に基づく老後の生活資金の確保の観点から十分な水準にあるのかどうか。また、iDeCoに関しましては、皆様御承知のとおりでございますけれども、加入者の資格によって拠出限度額が異なるということもございまして、結果として、事務手続のほうにも影響が及んでいるということでございます。
こうした点も含めまして、今般の御審議の中で、さまざまな観点から御検討いただきたいと考えているところでございます。
続きまして、3ページ目でございます。拠出限度額の考え方(続き)で、例えばということでございますが、企業型DCとiDeCoの掛金上限の合算の見直しといったところも挙げさせていただいております。この部分は皆様御承知のことと存じておりますけれども、企業型DCの加入者が一定の条件のもとでiDeCoに加入する場合の、企業型DCとiDeCoの掛金上限の合算の撤廃といったことも含めた見直しというものも考えられるのではないかということでお示しさせていただいているところでございます。
この拠出限度額のあり方全般に関しましては、おそらくさまざまな御議論があると承知しております。制度の平仄とか加入のしやすさ。企業も個人も双方がより活用しやすい、わかりやすいといった観点からの御検討をいただければなと考えているところでございます。
4ページ目でございます。特別法人税に関する考え方ということでございます。この点も、制度が始まって以来、関係団体・関係方面からも一致してお示しされている考え方かと理解しております。多くを申し上げるところでもございませんけれども、銀行界といたしましても、退職年金等積立金に対する特別法人税のあり方の見直し、これは撤廃というところもございますけれども、今般の制度全体の御議論の中でぜひ御検討いただければと考えているところでございます。課税のあり方ですとか税制のあり方そのものということでもございますので、政府の税制調査会ですとか関係会合といったところでの御検討ということも承知しておりますけれども、この機会に改めて申し上げる次第でございます。
スライドの5ページ目でございます。次に、資格喪失年齢に関する考え方でございます。この部分も皆様御承知のところでございますけれども、iDeCo加入者の資格喪失年齢の見直しということで挙げさせていただいております。関係団体からも別に意見が出ていると承知しておりますけれども、企業型と同様に、iDeCoにおいても加入者資格喪失年齢を65歳まで引上げ、掛金を拠出し続けられるような見直しといったこともあるのではないかと考えているところでございます。
この辺もまた詳細を申し上げるところではございませんけれども、高齢社会対策大綱という政府がお示ししている大きな方針を着実に実現していく、制度の平仄といった観点から、ぜひ今般の審議の中で御検討いただければと考えているところでございます。
スライドの6ページ目でございます。続いての資格喪失年齢に関する考え方ということでございますが、資格喪失年齢引上げ時における企業型DCの加入者の資格要件の見直しでございます。この点は、加入者の資格喪失年齢を60歳以降に引上げた場合のケースということでございますけれども、加入者資格要件が60歳に到達した前日において雇用されていた実施事業所に60歳以降も継続して雇用されることとなっております。65歳までの雇用確保といった観点ですと、同一規約内の事業所への異動については、加入資格を維持できるように要件を見直すといったことも考えられるのではないかということでございます。
こういった考えの背景にあるのは、これも御承知のとおりでございますけれども、例えば60歳になりまして、グループ内の別会社に転籍するケースは一般的に行われているのではないかと理解しておりまして、制度全般の見直しにおいてもそうでございますけれども、そういった企業の実態ですとか就労の形態を踏まえた見直しというものも御検討いただきたいと考えているところでございます。
スライドの7ページ目でございます。次に、脱退一時金支給要件に関する考え方でございます。具体的には、追徴課税等のペナルティを課した脱退一時金を支給する制度等の新設ということでございます。この点につきましては、仕組みとしても難しい面があるというのは承知しているところでございますけれども、他の企業型年金制度と同様に、一定の条件のもと、年金資産の中途引き出しを可能とするといったこと。また、外国籍の加入者が退職して本邦を出国するに当たりまして、再来日の予定がない場合におきましては、脱退要件に関係なく、脱退一時金の請求を可能とするといったことが考えられるのではないかということでございます。
この点は、加入者の利便性を促進するという観点、これもまた制度の平仄、制度自体のわかりやすさといったところを検討していくということは、有用なことではないかなと考えているところでございます。
8ページ目でございます。次に、さらなる制度普及推進に向けてということでございます。具体的には、iDeCo加入手続等の事務手続の見直しを挙げさせていただいております。この点につきましては、国民年金基金連合会様や関係者の皆様におかれて、継続的に検討が進められているものと承知しております。制度の普及や加入者の負担軽減、利便性の向上等の観点から、インターネット等の電磁的方法による事務手続といったものによっての受付を可能とするといった、加入手続そのもの、事務手続そのものではございますけれども、全般の見直しを進めていくということも考えられるのではないかと考えております。
年金制度の性格ですとか、税制のさまざまな制度設計があることは重々承知しておりますけれども、事務手続自体が煩雑であることをもって、加入を検討している方々の加入の意欲を削ぐといったことを減らしていくことは、地道な取組として重要ではないかと考えております。
また、この点につきましては、政府からも行政手続全般のオンライン化の方向性が示されているところでございますので、こうした大きな方針で示された社会をしっかりと着実に実現していくという観点からも、年金制度全般におきましても、手続を極力簡素なものとして、利用者利便の向上を目指す、加入を躊躇することがなくなるような制度に設計していくことを、今般の審議の中でも御検討いただければと考えているところでございます。
9ページ目でございますけれども、このページにつきましては、当協会がこれまでも厚生労働省様、規制改革会議等の場におきまして、御要望、御提言申し上げた事項を記載しているところでございます。
最後に改めて申し上げますと、前回の本部会や今回も関係団体のさまざまな考えがお示しされているところでございますけれども、銀行界といたしましても、これまでに示されているそうした考え方と大きく異なる部分はないと理解しております。高齢社会でございますし、勤務形態などにも大きな変化がある中でございますので、制度自体のわかりやすさ、さまざまな方が加入・利用しやすい、手続が簡素でシンプルである。こうした点が重要ではないかと考えております。
繰り返しになりますけれども、年金制度の趣旨ですとか税制そのものの考え方、解釈といったものがあるのも承知しておりますけれども、そういったロジックも含めて、本部会で御審議いただければ幸いでございますし、重要かと考えております。
最後、加えてでございますけれども、当然ながら、現在も制度自体は運営されておりまして、加入者の方々がいるということでございますので、安定的な制度運用ということで、金融機関も大きなシステム対応等をして対応してきているところでございます。制度の見直しにつきましても、また大きなシステム対応等といったものが余儀なくされることになりますと、利用者の方々にも影響が出るといったこともございます。
そういった関係者の方々に新たな負担や事務負荷が出てくるということになった際に、利用者、加入者の方々の手続自体に何か影響が及ぶことがないよう、十分に御留意いただきながら、必要に応じて関係団体にヒアリングを行っていただき、慎重な、丁寧な御審議をいただければと考えているところでございます。
簡単ではございますが、説明は以上でございます。
 
○神野部会長
どうもありがとうございました。
それでは、引き続きまして、日本証券業協会から御説明を頂戴したいと思っております。山川様、島村様から御発表いただけるということでございますので、よろしくお願いいたします。
 
○日本証券業協会
日本証券業協会 個人の自助努力による資産形成に関するワーキングの主査を務めております、野村證券の山川と申します。
本日は、貴重な機会を賜りまして、まことにありがとうございます。
早速ですが、御用意いたしましたお手元の資料によりまして、第1回会合で提示されました主な検討課題ごとに説明させていただきます。関係各業界団体様よりお話のあったことと幾分ダブるところもあるかと存じますが、お聞きいただければと思います。
早速、2ページをご覧ください。確定拠出年金、DC制度ですが、時代の要請に応じながら改正が行われてまいりました。既に皆様、よく御存じだと思いますが、2017年1月より個人型DC、iDeCoの加入可能範囲が拡大されまして、その後加入者が急増し、2018年末には112万人超に達したことは、この見直しがまさに国民のニーズを的確に捉えたものであると考えております。
一方で、平均寿命が延びまして、老後に向けた自助努力の重要性がますます増しております。その中で、企業年金や個人年金への加入者の割合は決して高くなく、これを今後、いかに高めていくのかが喫緊の課題であると認識しております。また、働き方、そしてライフコースの多様化が見込まれる中で、これらに対応した制度が求められております。
証券界といたしましても、こうした問題意識を念頭に、DC制度が国民により広く受け入れられ、そして利用していただくような制度となるよう要望したいと思います。
お手元3ページ目から、第1番目の検討課題についてでございます。
具体的には、4ページ目をご覧くださいませ。人生100年時代を迎え、長期化する高齢期の経済基盤の充実、そして高齢期における多様な就労年金の組み合わせを可能にする環境の整備の必要性は、ますます高まっております。今後、予想される公的年金の受給開始年齢の引上げ等も踏まえまして、自助努力による老後の資産を形成できますよう、DCの加入(拠出)可能年齢の引上げ等の施策は喫緊の課題であるかなと考えております。
また、5ページ目になりますが、老後の資産形成のためには、拠出限度額の引上げも重要な検討課題と考えております。ライフコースが多様化する中で、所得の高い時期に集中的に拠出を可能とする制度のニーズが高まっていくのではないかと想定しております。加入者の属性により拠出限度額が異なること。これは、制度利用のハードルの一つになっていると考えられます。
そこで、余裕のある時期、つまり所得が比較的高まるときに、余裕のなかった時期の積み立て不足を補える水準に拠出限度額を引き上げる等の検討が必要かと思います。また、iDeCoの拠出限度額を可能な限り統一し、事務手続を簡素化することも、加入促進に向けた課題と考えております。
例えばでございますが、6ページをご覧くださいませ。こちらは、第2号被保険者の拠出限度額に関してですけれども、こちらを統一して引き上げることで、iDeCoの制度理解や加入手続の簡素化につながると考えておりますので、こうしたこともぜひ御検討いただければと思います。
また、拠出限度額に関しましては、企業型DCのマッチング拠出額も課題であるかと存じます。
7ページ目をご覧ください。現状、加入者掛金は事業主拠出以下という制約がありますために、企業型DCの事業主拠出が少額にとどまる加入者は、マッチング拠出可能額も少額に抑えられ、結果として拠出枠の使い残しが生じるケースがございます。そのためには、企業型DCにおけるマッチング拠出額を、拠出限度額上限まで拠出できますよう、事業主掛金の額を上回ることを可能とするといった見直しも重要ではないかと考えております。
次に、8ページ目、老齢給付金の受給について申し上げます。現在、約9割の受給者の方々が一時金を選択しております。年金を選択する受給者は、現在のところ限定的なわけですが、今後、高齢期の受給環境をさらに整え、十分な老後資産を計画的に確保することが可能になりますよう、年金形式での給付の利便性のほうを高める必要があるのではないかと考えております。多様化するライフコースに合わせまして、幅広い選択肢が可能になりますよう、図にございますように、現行5年から20年と定められております老齢給付金支給期間を規約に定めた期間とし、また、現在、70歳と定められております裁定請求期限の引上げもしくは撤廃することなどの措置の検討が必要と考えております。
また、9ページ目です。DCの加入期間によって受給開始可能年齢の制約がないように、通算加入期間にかかわらず、60歳から給付を可能とする等、給付の利便性向上もあわせて求められるのではないかと考えております。
そして、10ページ目になります。こちらは、これまでも要望されてきましたが、中途脱退要件の緩和についてでございます。災害時や外国人の帰国時等のやむを得ない事情において中途脱退を可能とする以外にも、加入者等の利便性の観点から、年金資産を裏づけにした緊急時における融資制度といったものも考えられるのではないでしょうか。
次に、2番目の課題、事業主の取組を支援する環境の整備について、この後お話しをさせていただければと思います。12ページをご覧ください。法改正により導入されました、中小企業施策であるiDeCo+ですが、徐々に拡大してきております。しかしながら、従業員100名弱の企業では、将来、この企業が成長した場合に要件を満たさなくなる可能性があるということから、導入を諦めたり、躊躇するといったケースが現場ではまま見られます。
また、従業員数100名以上の企業群とiDeCo+のニーズがマッチングするといったケースもありますことから、iDeCo+導入手続の電子化などをするということで、事業者側の負担を軽くするような効率化を図った上で、従業員数100名以上の企業でもiDeCo+を導入することが可能なように拡大することも必要なのではないかと考えております。
次に、働き方や勤務先に左右されない自助努力を支援する環境の整備についてでございます。
その次の14ページをご覧ください。現状、マッチング拠出を導入している企業型DCの加入者様は、iDeCoへ加入することができないという課題がございます。このような加入者も、本人の希望により、また可能であれば企業型DCの規約の変更がなくとも、iDeCoの加入を可能とし、国民皆iDeCoの実現により普及促進を図ることも重要ではないかと思います。
また、iDeCoのさらなる普及の課題といたしましては、15ページにありますように、事務手続の煩雑さを挙げさせていただきます。具体的には、申込時や住所変更等、諸変更時に全て書面による手続が必要となること。また、第2号被保険者の場合、事業主証明書が必要なことが挙げられます。別途、事業主は、事業主証明書の発行や現況届の手続をしなければならないなどの手続がございます。
現在、厚生労働省、運営管理機関連絡協議会及び国民年金基金連合会において、これらの事務手続の電子化を検討されているという認識を持っております。事務手続の電子化は、さきに述べました課題を解消することにつながりますので、ぜひ実現に向けて御検討いただければと存じます。
一方で、16ページにございますように、iDeCoの事務手続は、例えばマイナンバーの活用により、一定の簡素化が図られるのではないかとも想定しております。こちらの図を見ていただきたいのですが、例えば日本年金機構におけるマイナンバー利用を参考といたしまして、国基連様などの機関において、基礎年金番号をマイナンバーとひもづけた管理などが考えられるのではないでしょうか。金融機関が管理しているマイナンバーとあわせ、国基連等がJ-LISの本人確認情報を利用することにより、住所変更の手続等を不要にするなどといった方法も考えられるかと思います。
次、17ページになります。こちらでは、iDeCoの加入者への運用支援について御説明いたします。法改正によりまして、継続投資教育の義務化及び指定運用方法制度等、運用支援施策が導入されました。iDeCoへの加入を検討しているお客様からの、ライフプランに応じた全体的な資産運用に関する個別相談を営業職員が受ける際、具体的な投資アドバイス等を求めるニーズは根強いと考えられます。
さらなるiDeCo普及・拡大のためには、特に運用未経験者への充実した支援が不可欠であると考えております。例えば、加入を検討している顧客からの資産運用に関する個別の相談に対応できるよう、投資アドバイスや投資一任などの資産運用支援を可能とする施策を再度検討いただければと存じます。
続いて、4番目、老後資産の形成、取り崩しに関する選択を支える環境の整備についてです。19ページになります。定年退職を境に、どんな資産額の積み上げ、それから積み崩しが行われるかというイメージ図ですが、人生100年時代に対応しました給付方法、特に年金による給付を促進するための施策が求められると想定されます。現行の老後資産形成を目的とした運用商品だけではなく、例えば高齢期の取り崩しにも対応できるような年金型給付専用商品などといった商品の導入の検討も重要な課題ではないかと考えております。
なお、当該商品につきましては、給付時指定運用方法としての設定をすること。また、給付時運用商品の事前選択を可能とすること。運用商品の上限数35本の対象外とすることなどの観点も踏まえた検討が必要ではないかと考えております。
長くなりましたが、最後にその他といたしまして、他の団体様からも要望されております特別法人税の撤廃につきましては、継続して要望させていただきたいと存じます。
以上、長くなりましたが、証券業協会からの要望として提言させていただきました。ありがとうございます。
 
○神野部会長
どうもありがとうございました。
それでは、引き続きまして、生命保険協会から御説明を頂戴したいと思います。須崎様、長谷川様から御発表いただけるということでございますので、よろしくお願いいたします。
 
○生命保険協会
生命保険協会の須崎でございます。よろしくお願いいたします。
本日は、このような機会をいただき、まことにありがとうございます。
それでは、早速、御説明に入らせていただきます。資料5「生命保険協会提出資料」をお開きください。
1ページをご覧ください。生命保険会社では、企業年金・個人年金として、DBやDC、個人年金保険等を提供し、お客様の退職給付制度の安定的な運営や高齢期の所得確保等をサポートしております。なお、個人年金保険につきまして、以降で触れている箇所もございますが、当部会の検討対象には含まれないため、個人年金保険に関する検討課題として記載しているものではございません。
次のページをご覧ください。続いて、生命保険協会の考える企業年金・個人年金制度に関する検討課題の全体像について御説明いたします。公的年金の給付水準の見直しが想定される中、公的年金を補完する企業年金・個人年金を取り巻く環境として、高齢者の雇用機会の拡大や働き方の多様化、長生きリスクによる退職後資金の不足の不安、低金利が継続する厳しい運用環境等があるものと考えます。
そのような中、企業年金・個人年金制度に関する検討課題としては、大きく4点。高齢者の雇用機会の拡大に合わせたDB・DC制度の見直し、高齢者の働き方の多様化に合わせた受け取り方法の柔軟性の確保、終身年金の理解・利用促進、年金資産の安定・形成に資する税制があるものと考えます。
次ページ以降で1つずつ御説明させていただきます。
3ページをご覧ください。1点目の検討課題は、高齢者の雇用機会の拡大に合わせたDB・DC制度の見直しです。
次のページをご覧ください。政府においては、65歳以上の継続雇用年齢の引上げ等、高齢者の雇用機会を拡大する方向の検討が行われているものと承知しております。
そのような中、まずページ左のDCにつきましては、現行の加入資格喪失年齢は原則60歳とされ、規約に定めることで、同一事業所に継続雇用されている場合のみ65歳まで引上げ可能となっております。したがって、例えば60歳超で転籍等した場合は、定年退職まで掛金を拠出し続けることはできません。
そのため、今後の検討の視点としまして、同一事業所に継続雇用されていなくとも、65歳超の一定年齢まで加入資格喪失年齢を引き上げることができるようにして、定年退職まで掛金を拠出し続けられるようにすることが考えられます。
次に、DBにつきましては、現行の支給開始要件は、1、60歳以上65歳以下の規約で定める年齢到達時、または2、50歳以上の退職時とされており、例えば、定年が65歳超の場合には、繰り下げをしない限り、定年退職前に支給が開始されることとなります。
そのため、今後の検討の視点として、1の要件については、60歳以上65歳超の一定年齢以下とすることで、個々の加入者が繰り下げせずとも、定年退職に合わせて支給を開始できるようにすることが考えられます。
5ページをご覧ください。2点目の検討課題は、高齢者の働き方の多様化に合わせた受取方法の柔軟性の確保です。
次のページをご覧ください。高齢者の働き方が多様化する中、企業年金・個人年金を退職後の所得確保に活用するには、個人の状況に合わせて受取方法を柔軟に選択できることが重要であると考えます。
そのための方策をページ右に記載しております。
まず、上段のDB・DCの受取方法の選択肢の拡充・見直しについてですが、現状、法制上の枠組みのみならず、個々の規約上、受給開始時期や受給期間等の受取方法が規定されていることから、加入者にとっては受取方法の選択肢に制約が存在します。そのため、規約上の受取方法の選択肢の拡充・見直しを行いやすくすることが考えられます。
また、下段に記載しておりますが、DB・DCにおいて、規約上の受取方法の選択肢の拡充・見直しを促進したとしても、加入者にとっては、受取方法の制約が残ります。そのため、個人個人がより自在な受取方法を選択できる個人年金保険等と組み合わせた受取をすることが有効と考えます。例えば、DBにおいて、終身年金の受取ができない場合に、個人年金保険を上乗せとして終身年金で受け取ることなどが考えられます。
上段の受取方法の選択肢の拡充・見直しを行いやすくするための制度・手続の整備の具体内容について御説明いたしますので、次ページをご覧ください。
ページ左に記載のとおり、DB・DCにおける受取方法については、現状、DBの受給開始時期は、受給開始年齢や繰り下げの有無等が規約により異なります。また、DB・DCの受給期間は、終身年金の選択可否、確定年金の受給年数等が規約により異なります。
下段になりますが、各規約の終身年金の採用状況としましては、DBが10.8%、DCが26.5%となっておりまして、特にDBでは採用率が低くなっております。
このような状況を踏まえ、ページの右に受取方法の選択肢の拡充・見直しを行いやすくするよう、制度・手続の整備を行う場合の検討事項を記載しております。
まず、受給開始時期については、DBにおいて、受給開始年齢を見直す際、定年延長に伴う給付額が下がらない場合等の一定の要件を満たす場合に、不同意申出方式による減額同意等を可能にするよう、規約変更の申請書類を柔軟化すること。2点目、任意の繰り下げ規定導入時の手続を届出で可とすることが考えられます。
次に、受給期間についてですが、DBで終身年金を採用する場合、事業主が長生きリスクを負うこと等から、その負担を軽減するよう、現在の保証期間の上限20年を長期化し、保証期間よりも長生きするリスクを縮小することや、その他、保険等を用いて、長生きリスクを外部移転すること等について、海外事例を参考に検討することも考えられます。
なお、DCでは、事業主等が終身年金受取が可能な生命保険商品を採用することなどにより、個々の加入者が終身年金を選択できるようになっております。
8ページをご覧ください。3点目の検討課題は、終身年金の理解・利用促進です。
次のページをご覧ください。ページ中段、1にあるように、個人単位では平均寿命を大きく超えて長生きする方が相当程度存在します。そのような長生きリスクへの備えとして、生存中の収入を安定させることができる終身年金を利用することが考えられます。
一方で、2のような、終身年金に対する認識や心理的な傾向があることから、制度上は、受給者が終身年金を選択できるケースにおいても、3のように、実際に選択されているケースは少ない状況にあります。
この点、OECDは、4のように、DCのよりよい制度設計として、長生きリスクに対応するため、終身年金化の働きかけをすることを指摘しており、金融教育により、終身年金の需要は促進され得るとしております。
これを参考に考えますと、ページ上段の四角囲み、3つ目の白丸のように、長生きリスクや終身年金のメリット・デメリットについての周知・啓発等を行うこと。さらに、公的年金の状況に応じて、企業年金・個人年金の終身年金による上乗せとしての役割をより重視する場合には、補助金・税制を含めたインセンティブを付与すること等を検討することが考えられます。
10ページ目をご覧ください。4点目の検討課題は、年金資産の安定・形成に資する税制です。
次のページをご覧ください。公的年金の給付水準の見直しが想定される中、企業年金・個人年金により公的年金を補完し、退職後の所得を確保することはますます重要になると考えられます。
そのような中、ページ左になりますが、2020年3月末に課税凍結期間が終了する特別法人税については、安定的な資産形成に向け、撤廃することが必要であると考えます。
次に、ページ右にDBの拠出限度額の検討について記載しております。DBにおいては、現在、拠出限度額が設定されておりませんが、DCとのイコールフッティングの観点から、拠出限度額の設定が過去検討されたことがあるものと認識しております。この点、DBが退職給付制度として広く活用され、また、その水準は企業により区々であることから、現行制度のように、労使合意を前提に自由な制度設計を妨げないことが重要であると考えます。
御説明は以上です。ありがとうございました。
 
○神野部会長
どうもありがとうございました。
それでは、最後になりましたけれども、日本損害保険協会から御説明を頂戴したいと思います。野田様、清水様から御発表いただけるということでございますので、よろしくお願いいたします。
 
○日本損害保険協会
日本損害保険協会の年金制度PTリーダーを務めております野田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
日本損害保険協会の会員各社におきましては、企業年金・個人年金の部分に関しましては、確定拠出年金制度のみを扱っておりますので、今回は確定拠出年金に絞って御説明させていただきたいと思います。
今回、要望としまして、5つ取りまとめさせていただいておりますが、1つ目でございます。加入年齢の引上げでございます。既にほかの団体様からも御提言されている内容でございまして、重複する部分がございますが、個人型・企業型、いずれも加入年齢を65歳、もしくは70歳まで引き上げて、現状では継続して60歳未満からということであれば、企業型は加入できますけれども、60歳以降の者でも新規で加入できるようにするというのを、1つ、御提言としてさせていただきたいなと思っています。
個人型につきましては、あくまでも個人の自助努力の制度でございますので、資格喪失年齢につきましては、60歳以上であれば、御本人の意思のタイミングで資格喪失できるとすべきかと考えております。
2つ目でございますけれども、加入年齢引上げの場合に、企業型DCの同一実施事業所の継続雇用者であることにつきましては、先ほど来御説明があるように、60歳定年を迎えた時点でグループ内に転籍でありますとか、他の企業へ再就職するというケースが実態として多くなっております。ですので、加入年齢の引上げを行う際には、あわせてこの要件を撤廃するのが望ましいと考えてございます。
加入年齢を引き上げた場合でございますが、通算加入期間10年もしくは資格喪失後、一定期間を経て、60歳から70歳の任意の間で受給できるようにするということが、現行の60歳になれば受給できるというところからの使い勝手の後退とならないことから、必要なポイントかと考えてございます。
1ページ目の下段、iDeCoの拠出限度額の統一のところでございますが、現在、手前どもでも確定拠出年金に関するコールセンターを運営している中で、お客様方からお問い合わせが多いのが、加入を検討しているけれども、自分は毎月、一体幾らまで掛金を出せるのかというお問い合わせが非常に多いです。その実態としまして、第2号被保険者で会社員の方からのお問い合わせのケースが非常に多くなっております。
そこにつきましては、運営管理機関側でも、お勤めの企業の企業年金制度の実態によって変わってくるところがありますので、全くお答えができないというところで、掛金が幾ら出せるのかわからないというところで、1つ目として、加入意欲を阻害してしまうという問題が実態としてありますので、ここは、第2号と第3号を少なくとも統一してシンプルにすれば、そういったところのお問い合わせが減ることにつながるのかなと考えております。
また、第2号被保険者の掛金限度額を統一することになれば、ここもまたiDeCoの普及阻害要因の一つとして考えている、事業主の証明書。お勤めの企業でどういう企業年金を実施しているかということを証明するために、現在、事業主の証明書の提出が義務づけられておりますけれども、お問い合わせをされてこられる多くの皆様は、自分で掛金を払って、自分で老後の資産形成をするのに、なぜ勤め先から証明をとらなければいけないのだということで、現状、制度としてそうなっていますという御説明はさせていただいています。
ですが、そこで加入検討をやめるという方も一定いらっしゃいますので、そういった掛金限度額の統一が実現できれば、このあたりが不要となって普及促進につながるのではないかと考えております。
3つ目、企業型DCのマッチング拠出における事業主掛金上限の撤廃でございますが、こちらにつきましては、申しわけございません、後ろのページの別紙1をご覧いただけますでしょうか。この図は、企業型DCのマッチング拠出における事業主掛金と加入者掛金の分布状況をあらわしておりまして、横軸が月額の事業主掛金、それに対して、縦軸が月額の加入者掛金となっております。
2万7500円を頂点としまして、左と右に分かれておりますが、左側の赤字で示している数字、パーセントであらわしている数字は、加入者掛金の金額が、事業主掛金の金額から1000円を引いた金額です。これより高くなっている割合を示しています。例えば、事業主掛金が1万円から1万4999円の部分に関しましては、赤字で48.2%となっています。
これは、自助努力によって、老後の資産形成の観点から加入者掛金をたくさん拠出したいと考えている方がいらっしゃって、ただ、それは事業主掛金の金額がキャップとして制限を受けてしまっていて、ほぼ同じ金額まで出しているという方の割合を示していますが、これが事業主掛金の金額が低くなればなるほど、そこの制限にかかっている割合が高くなっているということを示しております。5000円から9999円の分布のところでは53%、4999円以下の事業主掛金のところでは74.7%の方が、本来はもっと加入者掛金を拠出したいと考えていると、この図では捉えることができるかと思います。
その次の別紙2をご覧いただけますでしょうか。これは、年代別に事業主掛金の分布をあらわしたものですけれども、若年層、10代、20代において、事業主掛金が低水準である割合が大きく、加入者掛金の金額に関する制約の影響が大きい部分を黄色くあらわしております。ここでいきますと、10代ですと9999円以下ですと、82.9%と17.1%ということになっていまして、ほぼ100%ですね。20代におきましても、54.6%と21.0%ということで、75%ぐらいが金額の制約を受けているのではないかと考えられます。
下段のほうでございますけれども、事業主掛金が高水準の場合の年代別平均加入者掛金となっておりますが、下の表の場合は、若年層が中高年層よりも加入者掛金が高い傾向にあることを示しておりまして、若年層における私的年金のカバー率向上が期待できると思います。
これらの状況を踏まえ、マッチング拠出における事業主掛金を上限とする規定の撤廃を要望しております。
戻っていただきまして、5.iDeCoにおける掛金払込方法の多様化でございます。この最後の要望に関しましては、前段の要望内容とは若干趣が異なっておりますが、先ほど来出ておりますiDeCoの手続の電子化等々を踏まえますと、現在、iDeCoの掛金の払込方法は、個人払い込みの場合においては、口座からの銀行引き落とししか認められておりません。この払込方法の多様化を前提としなければ、電子化への道というのはなかなか厳しいものがあると想像されますので、まずは、ここの払込方法の多様化として、クレジットカード払い等々の検討を要望させていただくものでございます。
説明は以上でございます。
 
○神野部会長
どうもありがとうございました。
御発表いただきました5つの団体の皆様方には、大変要領よく御発表いただきましたことに深く感謝を申し上げる次第でございます。
それでは、御発表いただいた内容につきまして、委員の皆様方から御質問等々ございますか。
大江委員、どうぞ。
 
○大江委員
ありがとうございます。
各団体の皆様、非常に限られた時間の中でわかりやすい御説明をいただきまして、誠にありがとうございました。
私は、DCに関して、事業主や加入者の方に実際にヒアリングなども行ったり、アンケートなどの調査も行っているものですから、そうした多くの現場の皆さんの意見を踏まえて、何点か申し上げたいと思います。
まず、第1回の部会でも御報告申し上げましたように、皆様からの要望にもあったマッチング拠出の事業主掛金の制限の撤廃というのは、本当に多くの事業主から御要望が出ている事項であり、ぜひ実現していただきたいと思っております。
次に、加入資格年齢ですが、65歳まで働き続けるということが当たり前になりつつあることを鑑みますと、iDeCoの加入年齢を65歳まで延ばすこと。そして、企業型DCにつきましても、多様な働き方を選択できる社会というのであれば、制約をなくすべきだと思います。企業型のDCは、現在も規約で加入資格年齢を65歳まで引き上げるということはできますが、同一規約・同一事業所に勤務する加入者のみという制約はございますので、この制約を取り払って、グループのみならず、それこそ同一の規約という制約も設けず、60歳以降の新規加入も認めてもよいのではないかと思います。
あわせて、60歳時点の加入者等期間による受け取り開始可能年齢の制約も撤廃して、50歳以降でも、そこから老後資金を積み立てしやすい環境整備が必要だと思います。
3点目は、脱退一時金の要件緩和ですが、老後資金ということなので、安易に認めるべきではないと思います。しかしながら、外国籍の方につきましては、全銀協さんの7ページに御提案のございました国民年金や厚生年金に倣う運用というのが適切ではないかと思います。
それから、給付につきましては、日証協様、それから生保協会様より御提案がございましたが、年金での受け取りが少ないのは、経済的なデメリット、具体的には、残高がある間、かかる口座管理料とか税金の負担というものが要因と考えておりまして、受け取り用の商品の充実というのは不要と思います。特に、保険の商品につきましては、コストの情報開示が不十分で、投資信託や預金を分割して受け取る場合との比較が非常にしづらく、企業型実施事業主の御担当者の方はもちろん、コールセンターでもこの説明に窮するというのが現状と聞いております。
それから、iDeCoの限度額につきましては、今後、オンライン化に合わせて、シンプルでわかりやすく、事務運営がしやすいルールというのが適切だと思います。
最後に、小規模事業主さんの企業年金制度の普及施策の御提案が余りございませんでした。老年期の所得格差を少なくするということでいけば、ある部分、少し強制力を働かせるような、例えば英国のNESTのような仕組みも検討すべきではないかと思います。
長くなりました。以上です。
 
○神野部会長
ありがとうございました。
コメントをいただいたということで、承っておけばよろしいですか。はい。
ほか、いかがでございましょうか。どうぞ。
 
○井戸委員
ありがとうございます。井戸でございます。
御説明ありがとうございました。
証券業協会様の資料で少し教えていただきたいことが1点ございます。8ページの請求期限の引き上げか撤廃ということで、現在70歳のところを撤廃したらどうかという御提案でございます。9ページでは、10年にならなくても、60歳から受け取りができるようにというお話だったと思いますけれども、この2つのページをあわせますと、60歳以降はいつでも請求期限なしに、利便性を向上させるという目的で御提案されたのでしょうか。教えていただければと思います。
 
○神野部会長
どうぞ。
 
○日本証券業協会
御質問ありがとうございます。
今、御指摘していただいたとおりでございまして、60歳以後、個人にもいろいろな御事情がおありになるかと思いますので、自助努力で積んでいく土壌をきちんと拡充していくためにも、60歳以降でも、少なくとも自分の御都合に応じて取り崩せるという制度が1個。
もう一つは、ある一定のメルクマールが必要なのかもしれませんが、今後、長寿社会になっていく中で、このときが来たら、とにかく一時金で戻すということではなく、いろいろな可能性、選択肢を持っておいたほうがいいのかなということも思います。
ただ、同時に、私ども、ずっと申し上げているとおり、そのためには、掛金をかけていただく人々に、何のためにこれを御自身で積んでいらして、どういうふうにそれを老後の生活のために役立てていくかという意味において、投資教育といいますか、ライフプランといった継続的な教育、こちらもあわせて拡充していくことが極めて重要ではないかと思います。
 
○井戸委員
ありがとうございます。
70歳以降になると、いつ、どういうふうに請求するのかという判断がだんだん難しくなってくると思いますので、その辺の教育とかもお力添えいただければうれしいと思います。
 
○日本証券業協会
ありがとうございます。
弊社、野村證券もそうですし、証券業協会全体といたしましても、ジェロントロジー、老年学ということで、そういった場合にどういった対応が必要なのかということもあわせて、業界を含めて検討しておりますので、非常にいい御指摘、ありがとうございます。
 
○井戸委員
ありがとうございました。
 
○神野部会長
内田委員。
 
○内田委員
ありがとうございます。労働側の内田です。
私からは、生命保険協会さまに質問がございます。資料の9ページ目になりますが、高齢期の所得保障の機能を企業年金が十分に果たすためには、御指摘いただいたとおり、終身年金の利用を促進することが重要だと考えております。
その観点で、2点、質問させていただきます。
まず、1点ですが、DBでは7割、DCでは9割が一時金で受給している現状がありますが、年金で受給することを促進する方策について、何かお考えがあればお伺いしたいと思います。
もう一点ですが、終身年金の利用促進策について、「補助金・税制を含めたインセンティブ付与等の検討が考えられる」と例示されておりますが、こちらについて具体的な制度設計のイメージをお持ちであれば、お伺いできればと思います。
また、4のOECDによる指摘のところに「終身年金の需要は金融教育により促進され得る」という記載がございますが、どのような金融教育等が啓発や利用促進に効果的だとお考えになっているのか、もしあればお伺いできればと思います。
以上です。
 
○神野部会長
9ページで、2点というか、OECDも加わって3点だと思いますが、よろしくお願いいたします。
 
○生命保険協会
まず、1点目の御質問でございますけれども、今、DBでは7割、DCでは9割の方が一時金を受け取っていて、年金受取がなかなか進んでいないとのお話がありましたが、この点につきましては、制度のみならず税制の課題も大きいと思ってございまして、退職所得控除の額と比べたときに、一時金の選択がどうしても多くなっていると思ってございます。ただ、老後の生活を考えたときに、年金受取のほうがいいという判断もあろうかと思いますので、我々としましても、年金受取の重要性については、従業員の方々に周知・啓発・教育という形で進めていくということも1つの方策としてあろうかなと思っております。
次に、2点目の補助金・税制を含めたインセンティブ付与等の具体的な設計内容でございますけれども、こちらについては、特段、現時点で何か具体的なものは持ってございませんけれども、ここに記載しているように、まさに公的年金の状況に応じて、企業年金・個人年金の終身年金による上乗せという役割をもっと重視するべきだという議論が高まっていた場合には、何らか、そういった終身年金を受け取るようなことを促進するようなことが考えられるのではないかということで書かせていただいたということでございます。
次に、3点目、最後のOECDの金融教育の具体的な内容ということでございますけれども、終身年金の重要性につきましては、例えばということで1つ挙げさせていただきますと、40代から60代等、高齢期に向けた資産形成を本格的に行う層、受け取りをするタイミングが近づいている層に対して行うということが考えられるかと思っております。
就労の有無等の状況に応じまして、例えば企業に勤めている方に対しては、DCの投資教育や退職後の生活に関するセミナー等の中で、資産形成のみならず、資産の取り崩しについても終身年金を含めて周知することや、例えば企業に勤めていない自営業者や専業主婦等に対しましては、公的機関、地方公共団体等が周知・啓発するといったことも考えられるかなと思っております。
御説明は以上となります。よろしいでしょうか。
 
○内田委員
ありがとうございます。
 
○神野部会長
どうぞ。
 
○金子委員
基本的に、皆さんが挙げていらっしゃった要望というのは、大方、私ももともと思っているところがございまして、賛成なのですが、その中でも幾つか、特に申し上げたいものがございますので、申し上げたいと思います。
1つは、iDeCoも企業型も含めてなのかもしれませんけれども、事務手続の簡素化とか諸手続の電子化みたいなものに関してですけれども、例えば民間企業であれば、新たな金融商品を出すときに、その商品性がいかに魅力的になるかという検討もさることながら、利用者がスムーズに申し込みを進められるように、かなり十分に検討するはずだと思います。そうしないと売れないというか、普及しない、それくらい大事だということだと思います。
この感覚からすると、iDeCoについても、もう少し申し込みの手続とか掛金等の変更の手続など、電子化も含めて検討されるべきではないかと感じております。人的なリソースも、あるいは資金的なリソースももう少しつけたほうがいいのではないかという気がしております。
それから、2つ目が、これは日証協さんが挙げられたと思いますけれども、アドバイスというか、運用支援とおっしゃっていました。余りこういうことを言うと怒られるときもあるのですけれども、昔からこの辺の話はよくされていて、ニーズとしては多分あるのだと思います。私、そういう話を聞くときに、一方でDCについては、金融機関は採算というか、コストのことをいろいろ意識されて、どうせアドバイスを認めたところで、実際にやらないのではないかと思っていたのです。
ただ、昨今のITの進歩みたいなものがあって、現実的に個々のニーズに合わせて提案することができるでしょうし、しかもロジックがおかしいかどうか、人がやってしまうと、その品質にばらつきが出てきてしまって、変なことになることもあるかもしれないですけれども、ITであるロジックでやっておりますので、その品質についてもそんなにばらつきのないものができつつあるということもあります。そういう環境の変化も踏まえて、もともとニーズがあったわけですから、今、まさに考えていくタイミングがあってもいいのかなと思っております。
それから、3点目がiDeCo+の導入要件ですけれども、今、100名というあたりで切れていると思います。たしか、1回目に厚労省さんからいただいた「企業年金・個人年金制度の現状等について」の43ページ目あたりをご覧いただきますと、10年ぐらい前と今と比較して、企業規模別に退職給付制度がどれぐらいあるのか、ないのかということを示したものでございますけれども、99人以下のところに限らず、その上のあたりまで含めて、退職年金制度がある割合が随分減っている感じです。意図的に赤の点線で囲っているような気もしないではないですけれども、そういう意味では、300名とどうしても見てしまうのですが。
この切り方がいいのかどうかは別として、特に規模の小さいところに関しては、昨今、退職年金制度がある企業の割合がかなり減少しているということもございますので、この要件、今、100で切っているところの変更というのも考えてみるべきじゃないかと思った次第でございます。
以上でございます。
 
○神野部会長
これも承っておけばよろしいですか。はい。
ほか、いかがでございますか。
 
○生命保険協会
済みません、1つ前の質問に対して。
 
○神野部会長
どうぞ。
 
○生命保険協会
申しわけございません。
先ほど、補助金・税制を含めたインセンティブ付与等の具体的な設計が何かあるかということで、現時点でこれといったものは持ち合わせていないという説明をしましたけれども、1点だけ御紹介ということでお伝えしたいと思っております。生保協会では、平成28年2月に「安心社会を実現するための社会保障制度の構築に向けて-公的年金を補完する『長寿安心年金』の創設-」と題する提言をしてございまして、この中で、少子高齢化が進む中で社会保障制度の持続可能性を高めていくには、公的保障の役割や機能を、私的保障、自助努力によって補っていくことが不可欠と考えまして、その一手段を検討したものでございます。
この「長寿安心年金」につきましては、既存の個人年金保険等をベースとしまして、全国民を対象とし、運用成果等によって大きく減少することなく、安定的に終身年金を受け取る制度で、保険料支払い時に定額の補助金を支給することで、低所得者層に重点を置く資産形成支援策の一つとして提言を行わせていただいております。こういった定額の補助金の支給を通じた低所得者層に対するインセンティブを、過去、提言しているということで、御紹介させていただきたいと思います。
 
○神野部会長
コメント、ありがとうございます。
臼杵委員、どうぞ。
 
○臼杵委員
ありがとうございます。
各機関の方、御説明いただきまして、どうもありがとうございました。
おっしゃっていることは、おおむね私も賛同いたします。例えば、加入年齢、受給開始年齢の引下げというか、引上げというか、よくわかりませんけれども、高齢期への対応ですとか、払い込み、申し込み等の手続の簡素化、あと、DBの保証期間を延長して、20年を少し長くするとか、いずれも賛同することが多いかと思います。
それで、1つお伺いしたいのは、マッチングの上限、事業主拠出を天井にするという上限をなくしてほしいという御要望が信託協会さんと証券業協会さんと損保協会さんから出ていて、あと全銀協さんからは、スライドの3ページにあるように、企業型に入っていた場合の個人型の上限を撤廃してほしいというお話もあったのですが、上限撤廃という場合に、いずれも青天井というわけには多分いかないと思います。
マッチング上限撤廃という場合は、結局、合計で5万5000円という上限をお考えなのか、あるいは個人型の普通の2万3000円をお考えなのか。もし5万5000円だと、例えば1000円単位だったら、事業主が1000円出せば、マッチングを5万4900円できるということになるのか。そうすると、今の個人型とかなりアンバランスになるのかなという気もするのですが、そのあたりをどういうふうにお考えなのかを、それぞれお伺いしたいのです。
 
○神野部会長
マッチングについて、信託協会さん、よろしいですか。
 
○信託協会
マッチング拠出の上限額の撤廃は、例えばDBと併存しておりますと2万7500円がDCでの上限、ない場合ですと5万5000円ということになります。現時点において、具体的な水準を設けているわけではないのですけれども、空き枠の部分、上限枠に対する事業主掛金との差額部分をどう埋めるかというところがまず第1だと考えております。ここからの上限額の引き上げについては、税制等、諸課題があろうかと思いますので、もう少し議論を深めていきたいと思っております。
 
○神野部会長
続いて、証券業協会、よろしいですか。
 
○日本証券業協会
大変恐縮ですけれども、資料の7ページに戻っていただくとわかりやすいかなと思っております。証券業協会提出資料の7ページでございます。マッチング拠出の弾力化というところで、現状認識、使い残しを何とかしたほうがいいのではないかということが骨子です。こちら、月間拠出限度額2万7500円となる中での、現行、左の部分で、会社様からの掛金と加入者様の掛金、使い残しができたときに、これを加入者の掛金でここまで拠出することができればいいのではないかという考えでございます。
 
○臼杵委員
そうすると、2万7500円が加入者マッチングの上限という理解でよろしいですか。
 
○日本証券業協会
そうでございます。
 
○神野部会長
引き続いて、損保協会。
 
○日本損害保険協会
損保協会でございますが、考え方としましては、現状の拠出限度額の枠内で事業主掛金と同額という制限のみ撤廃するということで現時点では考えておりましたので、2万7500円、もしくは5万5000円ということで考えております。
 
○神野部会長
全銀協さん、特にございますか。あれば。
 
○全国銀行協会
他団体と同じで、我々も、特に幾らというのはなく、限度額の枠を有効活用できるようにと考えております。
 
○神野部会長
ありがとうございます。
はい。
 
○森戸部会長代理
皆さん、ありがとうございました。
もう既に出ていますが、皆さんが割と一致しておっしゃったような特法税の話とか、加入年齢、人生100年とか、65まで働けという時代に60じゃおかしいだろう等々、基本的に賛成できるところが多くて、別に言わなくてもいいのかもしれませんが、何か言ったほうがいいかなと思って、そういうところはぜひそういう方向で検討できればと思います。
それで、1つコメントと、あと質問が、証券業協会さんと生保協会さんかな。コメントは、信託協会さんと生保協会さんもおっしゃっていたのですが、例の定年延長、給付減額の話ですね。これは、コメントだけですけれども、給付減額の要件が厳しいから、定年延長とセットのようなときは規制緩和できないかという御意見がありました。それは、コメント、感想ですけれども、いわば承認・認可という企業年金法上の話ですけれども、それに労働法的な、全体としての労働条件の変更の合理性みたいな考え方を入れるべきだ、入れようという発想なのかなと思って伺っておりました。それは感想です。
質問のほうは、事実確認みたいな話になってしまって恐縮ですが、1つは、証券業協会さんのほうで、19ページでしたか、取り崩しの年金型給付専用商品の採用を要望ということで、私が不勉強で、余りよくわかっていないのかもしれませんが、採用という、つまり今、できないことをできるようにしてほしいという要望だとすると、今、何がこれを妨げているのか、何がだめなものをどうしてほしいのかというのが、ちょっとイメージがわかないのと。
そもそも、年金型給付専用商品というもののイメージも、この説明を読むと、35本の対象外とかは、これを認められればある意味規制緩和だから、意味はわかるのですけれども、あらかじめ選択ということは、積み上げ時に選択しておくという話なのかなと思って理解しているのですが。そうすると、ずっと積んできたけれども、最後、スイッチングしたらどうするのかとか、いろいろなことを考えてしまいまして。
要は、質問は、この商品のことをよくわかっていないと思うので、何とかジャーナルの何ページを読めでもいいのですけれども、少しわかりやすくイメージを教えていただければいいのと、現状、何が問題で、これができないのかということを教えていただければと思います。それが証券業協会さんへの質問です。
生保協会さんのほうには、質問というか、2点ぐらいありまして、1つは、これもまたちょっと教えてくださいという話ですが、6ページでおっしゃった、個人年金保険と組み合わせてできたらいいのではないかという説明があって、ちょっと済みません、そこを多分聞き逃したのですが、個人年金保険とどういうふうに組み合わせるというイメージ、組み合わせというのはどういう意味でおっしゃっているのかというのを、もうちょっと詳しく御説明いただきたいというのが1点。
もう一点は、もらい方の話ですね。資料で言うと9ページでしょうか、終身年金の話。ほかの方もおっしゃったりしました。それから、大江さんの御発言もある意味関係するのかもしれませんが、終身年金というと、確かに生保商品としての親和性が高い、生保の専門分野だから、当然話として出てくるのはわかるのですけれども、現状、この資料だと、終身年金、長生きリスクに対応する、いいもののはずなのだが、要するにみんなが過小評価している、みんながよさをわかっていない。OECDも教育金融すればいいぞと言っているということなのですが。
そうすると、生保業界としては、DCに限らず、生保として、こういういい商品なのに、みんな余り買ってくれないから、いいものなのだと言って一生懸命売っているという気が余りしない。業界で激推ししている雰囲気もない気がして、どういうふうにこの商品を捉えているのか。つまり、何かインセンティブとか、国がバックアップしてくれないと売る気がしないのですけれども、というものなのか。
今、DCとかDBにこういう企業年金の制度に取り入れるか、取り入れないか以前の問題として、そもそも生保の一般の終身年金の商品もあると思うのですけれども、そういうものの売れ行きと言ったらあれですけれども、業界としてどういうふうに捉えられているのかということをもうちょっと突っ込んで聞きたいなと思いました。つまり、結局、終身がいいのだよと言っても、受け皿なり、商品としてちゃんと成り立たないと余り意味がないと思いましたので、ちょっと言い方は悪いですけれども、その辺の状況を教えていただければというのが2点目の質問です。
以上です。
 
○神野部会長
ありがとうございます。
それでは、最初に証券業協会さんから19ページの商品について、阻害要因も含めて御説明いただければ。
 
○日本証券業協会
阻害要因といいますか、先ほどこの中でも問題意識として、例えば受給開始年齢のときに一時金でお受け取りになる方が多い。それから、本来であれば、人生100年時代になったので、年金型で受け取れるようになったほうがいいのではないかということもあわせて申し上げましたが、その際に、運用しながら資産を長生きさせていくという意味がございまして、例えば目標利回り分配型といった商品、これは今ないのですけれども、こういったものはできないか。例えば、債券のようなものを用いながら、一定の運用成果を目指す、比較的安定的な運用に基づいて、定期的に定額を解約・分配しながら、資産の保全と維持を目指す運用商品の導入等はできないか。
毎月分配型とは異なりまして、退職後の資産・管理をサポートするという意味で、運用しながら分配も取り崩しもしていく。それは、もちろん商品の開発等も必要なのですけれども、そういった形で運用と給付をあわせていく。
もちろん、先ほど大江委員のほうから御指摘もございましたように、そういったものを商品のディスクローズ等々もなくやってしまっていいのかという問題はもちろんございますので、どういったリスクがあり、どういった期待のリターンがあるのかということは、もちろんしっかりと御説明した上で、そういったもののニーズがあるという方には、運用しながら、なるべく資産の寿命を延ばしていただくといったことが可能である商品の御提供というのもあるのではないかということで、1案として提示させていただきました。
 
○神野部会長
それでは、生保協会様の6ページにかかわって個人年金の組み合わせの問題と、それから9ページにかかわる終身年金のことについて御説明いただければ。
 
○生命保険協会
まず、6ページ目の内容でございますけれども、DB・DCと個人年金保険を組み合わせた受け取りということで、御説明で挙げさせていただいたものでございますけれども、例えばDBの中で、終身年金の受け取りの選択肢がない場合におきまして、将来の終身年金部分での年金の上乗せがしたいといった御要望を持たれるような方もいらっしゃるのかなと思っております。その際に、個人年金保険を活用して終身年金で年金の上乗せをするといったケースもあろうということで、一例として挙げさせていただきました。
 
○森戸部会長代理
それは、勝手に自分で買うのと何が違う。
 
○生命保険協会
違いはなく、まさしくそのようなケースを指しております。
 
○森戸部会長代理
ありがとうございます。
 
○生命保険協会
2点目に御質問いただいた、9ページの終身年金に関するところでございますが、終身年金の販売について、生保各社でスタンスが異なるところもございますが、会社によっては、終身年金の受け取りを前提に、いわゆるトンチン性を高めた、死亡保障を行わない分、生きているほかの契約者の方の年金額を厚くする年金を提供し、低金利環境下でも年金額の受け取りを大きくできるような工夫をして、終身年金を提供しているようなケースもございます。
今回、9ページに終身年金の理解・利用促進ということで挙げさせていただいた理由を補足いたします。例えば、確定年金と終身年金を選べる状況において、終身年金を選ばない理由には幾つかあると思いますけれども、ここに記載していないようなところでは、積立額が非常に小さいと、終身年金で受け取っても年金額が非常に小さくなってしまいますので、終身年金のメリットが余り感じられないというケースもあると思います。そういったケースにおいて確定年金を選ぶというのは、もちろん加入者様の選択ですので、それはそれでよいと思ってございます。一方で確定年金と終身年金を選ぶ際に、終身年金については、どうしても認知バイアスと申しますか、資料に書いてあるような心理的な傾向もあって選ばれにくいという面も一部あるのかなと思ってございまして、そこを埋めるような情報提供等が必要ではないかと考え、挙げさせていただいているところでございます。
 
○森戸部会長代理
ありがとうございます。
 
○神野部会長
よろしいですか。
伊藤委員、どうぞ。
 
○伊藤委員
ありがとうございます。
本日は、専門の運用とか商品を売ったりされている方からのお話を伺えたので、さらに認識が深まったと思っております。
2つ伺いたいと思います。
ほぼ全部の機関の方にお聞きすることになるのですけれども、まず1点は投資教育についてです。証券業協会さんからは具体的な提案がありました。あと、生保協会さんのほうは、終身年金のメリット・デメリットについての啓発を自らの役割と先ほどおっしゃったように感じましたので、それはそう理解します。そこで、信託協会さんと全銀協さんと損保協会さんについては、投資教育は直接の役割じゃないということもあるかもしれませんけれども、どのような役割を果たせると考えていらっしゃるかをお聞かせいただきたいと思います。
証券業協会につきましては、iDeCoの加入者支援ということでの御提案があり、営業職員に対する個別相談のニーズが高いので、こうしたニーズにこたえていきたいという前向きなことだと思うのですけれども、この際のコストについて、どのように考えていらっしゃるのかをお聞かせいただきたいと思います。
2点目は、各団体とも、自助努力の範囲を広げる、つまり、個人型の拠出限度額を有効に使わせてもいいのではないかということとか、中小に使われている仕組みの対象事業所をもうちょっと拡大してもいいのではないかといった要望が共通していたと思いました。これに対して、一方で、拠出できる人との格差という問題があると思っています。
中小企業における普及の問題、非正規労働者における退職給付の問題がある中で、このような拡大をする、有効利用させるということが、税制優遇という、みんなのお金を使って自助努力を支援していくということに、どういう合理性があるかということは考える必要があると思っています。こうした格差とか中小・非正規の人の所得保障について、どのように考えていらっしゃるのかをそれぞれお聞かせいただきたいと思います。
 
○神野部会長
今の御質問は全部それぞれ。つまり、まず投資教育については、証券業協会様のところには特別に御質問がありましたが、あと、それに触れていらっしゃらない団体について、見解をお聞きすればよろしいですか。
 
○伊藤委員
生保協会さんは、さっきそのように理解したので、間違っていなければ、それで結構ですけれども、それ以外のところはお聞かせいただきたいと思います。
 
○神野部会長
では、証券業協会から、さっき御質問があった点について、お答えいただくということですね。
 
○日本証券業協会
御質問の点ということでよろしいでしょうか。iDeCoの加入者等への運営支援という点での御質問にお答えいたします。
コストの点を御質問と承っておりますが、問題意識は、店頭もしくはお電話でいろいろな御相談を我々、受けるときに、お客様のほうからiDeCoについて御相談があった。ここまでは御案内、例えば商品はこんなものがございますということで御提示はできるのですが、私はどんなものを選んだらいいのかしらというときに、そこから先はお答えできませんというのが、お客様にとっては非常に不便であるかなということがありますので、現実的な問題に対処するために、こういったものを撤廃していただくことが普及につながるのではないかと思っております。
コストの面につきましては、もちろん我々にとっても重要な考え方でございますが、先ほど金子委員のほうから御指摘ございましたが、我々証券業協会も、対面を中心としている証券会社、ネットを中心とした営業をしている証券会社さんがいろいろございますが、恐らく今後は、そういったネットとか、そういったものでの教育の普及であるとか、提示の仕方であるとか、そういうことは可能であるかと思いますので、そこは何とかコストとも折り合いをつけながら、なるべく広くいろいろな方にわかりやすい情報を届けるということは、技術の革新とともに、将来できるようになればいいかなと思っていますので、ここは企業の努力も含めて達成していきたいと考えております。
 
○伊藤委員
コストは誰が負担すべきかということをお聞きしたいと思ったのです。投資一任的なアドバイスということが御提案だと思うのですけれども、確定拠出年金については投資教育の努力義務もかかっている中で、誰がコストを担うべきなのかという考え方のところをちょっとお聞かせいただければありがたいなと思ったのです。
 
○日本証券業協会
証券業協会の島村と申します。
法令で努力義務と書いていただいておるというのが、まず前提でございまして、業界といたしましては、お客様に対する利便性の提供ですとか投資者保護の観点ですとか、金商法などの法律もございますので、そういう説明義務をいっぱい負っておりまして、その中で、今おっしゃったコストのところについては、どこから頂戴するのかというのは常に悩ましい問題だと認識しております。ここからいただくべきだとか、そういうところをなかなか業界から申し上げにくいというのが正直なところでございます。
ただ、iDeCoの制度・普及を業界として一生懸命やっているというのは事実でございますので、そういった中で、この制度の枠組みの中で、コスト面のところについても御配慮いただけるような流れというか、考え方があれば、そこは大変ありがたいのかなと思っておりまして、お答えになっているかどうかわからないのですけれども、そういうふうに考えております。
 
○神野部会長
それでは、それぞれの団体の皆様方に、後者といいますか、2番目の問題、拡大・普及していくと、どうしてもそれに参加できないようなさまざまな格差の問題をどう考えるかということと。
それから、投資教育について触れられなかった団体については、そのことについても触れていただくということで、2点お願いできますか。
まず、信託協会様のほうから、投資教育について、どう考えるか。もう一つは、先ほど申し上げたような格差が生じることについては、普及によって、負の面といいましょうか、それについて、どう考えるかという2点お聞かせください。
 
○信託協会
投資教育は非常に大事な要素だと思っております。特に、企業型DCがわかりやすい例なのですが、企業との接点を持ち、投資教育機会を有する企業型DCでのマッチング拠出の急激な広がりというのは、投資教育のたまものだと思っております。そういった意味では、投資教育機会をいかにつくっていけるかというのが、一番大事な要素だと思っております。
一方で、iDeCo、個人型DCにおきまして、投資教育機会をいかに生めるか、ここが一番悩ましいところだと思っております。先ほど金子委員からも御案内ございましたけれども、コストの問題もございますし、機会もどう考えるかという点も悩ましいところです。
先ほど御紹介ございましたとおり、FinTechやAIが進歩する中で、プラットフォームをこちらで御用意して、個人の方に自由に使っていただくということも一つの方法であり、そういった形で教育機会を提供するというのも1つの方法だと思っております。
また、コールセンターですとか、窓口にいらっしゃるようなお客様にも、そういった御案内ができるような機会が生み出せたらいいなと思っておりますが、iDeCoに関しましては、その機会をいかに生んでいくかということが一つの課題だと考えております。
 
○神野部会長
ありがとうございます。
あと、普及に伴う。
 
○信託協会
ちょっと言葉は悪いかもしれませんが、金持ち優遇のような負の面もあろうかと思います。この部分については悩ましいところがございまして、この場で何か御回答をきっちりとできるようなところがないというのが正直なところでございます。
 
○神野部会長
ありがとうございます。
全銀協様にも、同じように2点、お願いできますでしょうか。
 
○全国銀行協会
全銀協と言いますか、銀行界としての取組ということで業界ベースになりますけれども、制度の中での投資教育の部分は、先ほど日証協さんからもありましたけれども、努力義務の中での考え方はいろいろとあろうかと思っております。それは、会員銀行の経営の判断もあると思いますが、業界ベースでは、iDeCoとか確定拠出年金に限らず、金融経済教育というものは重要な柱として業界で取り組む必要があるということで位置づけておりますので、学生も含めて、若年層の方々にもわかっていただこう、金融に触れていただこう、制度を理解していただこうという取組というのは、これまでも取り組ませていただいているところでございます。
実際、銀行界もさまざまな商品を取り扱っておりますので、今般のような年金制度ということだけではなくて、預金取引から、借りていただくローンの話もありますし、投資商品やNISA、それぞれの非課税制度もございますので、今、注力させていただいているのは資産形成を推進するというところで、制度に触れていない方々、まだよくわかっていらっしゃらない方々に早期の段階で知っていただくというのは重要なのだろうという認識は、当然ながら持っているところでございます。
基本的には銀行でございますので、預金ですとか貸出といったものが最初に来ると思っておりますが、そういったところは、実は小学生向けですとか中学生向け、高校生向け、また大学においては講義など、パンフレットや教育のツールを御用意させていただいて、業界ベースで取り組ませていただいているということでございます。
実際にこうした非課税制度を含めて、年金というものも含めたときに、職場の方々にいかにしてアプローチするかということも課題なのだろうということは承知しておりますので、今年度は今日で終わりでございますけれども、来年度もそういったものを業界ベースとして、どういったことができるかというのは継続して考えてまいりたい、取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
もう一点の格差の拡大に伴う負の要素といいますか、デメリットというか、こういう御指摘かと思うのですが、信託協会さんと同じく、そういったところの考えを何か取りまとめているということはなく、コメントは難しいのですけれども、基本的には、この年金制度も資産形成促進という大きな流れがある中で、拠出の限度額も含めたときに、制度の平仄をどう見るかということだとも考えております。
先ほども申し上げましたが、制度の平仄ですとか、わかりやすさといったものを総合的に御検討いただく中で、その拡大というものがどの辺にあるのかということも御審議いただけるものと理解しておりますので、お答えになっているかわからないですけれども、そういったお考えも含めて御審議いただければと考えております。
以上でございます。
 
○神野部会長
証券業協会様から、負の部分について何か御見解が。
 
○日本証券業協会
御質問の趣旨、よく理解しております。格差への対応ということで、特にこれがきくとか、これがあればということはなかなか難しいと思います。業界としても、何かコメントとして確たるお答えを御用意しておりません。
一方で、普及が全体的な最適を図るのであれば、それに対して業界としてやれることはしっかりやっていきたいと思いますし、その点も含めて、当審議会を初め、いろいろな機会で御指摘・御議論いただいて、全体のバランスと格差是正について、いろいろ御意見いただければと思います。
 
○神野部会長
生保協会様についても、先ほどの投資教育について、それでよければということなので、そこについて特に御発言があれば。
あと、普及拡大に伴う格差の問題について、何か御見解があればお願いします。
 
○生命保険協会
まず、先ほどほかの業界の方々からもございましたけれども、一般の方々向けに、協会として金融教育のツールといったものは提供しております。
我々として、少し触れさせていただきたい格差の点という意味におきましては、特に中小企業に向けて、どのように年金制度を広げていくのかという点があるかと思うのですけれども、中小企業に対応するような年金制度としまして、例えばわかりやすい制度設計とする必要があるとか、または運用不足時に追加拠出が生じないようなDBの制度にするですとか、簡易な事務手続にする等々については、少なくとも必要であろうかなと思ってございます。
ただ、そういった制度をつくったとしても、普及はなかなか難しいというのは重々承知しているところでございますけれども、そういったものを通じて、中小企業に向けても年金制度が広まっていくような取組がなされればいいなと思っております。
 
○神野部会長
ありがとうございます。
それでは、損保協会様も2点お願いできますでしょうか。
 
○日本損害保険協会
投資教育に関しましては、当然ながら重要な問題と考えておりまして、2つステージがあると認識しております。
まずは、例えばiDeCoの場合ですと、加入検討時にiDeCoのみならず、税制であったり、公的年金制度といったものを理解した上での老後の資産形成というところがポイントになってまいりますので、各運営管理機関、資料請求されると、スターターキット、またお手続セットというものが御自宅に届くような中において、日常的に触れることのない方が初めて見てもわかるようなものを、ツールとして御提供している。これも一種の投資教育のやり方の一つと捉えております。加入者になられる前の方に対しては、こういったアプローチの仕方というものが現状ではいいのかなと認識しております。
一方で、加入された後、iDeCoしかり、企業型DCの加入者に関しましては、さまざまな投資教育、継続教育の提供というのは、各運営管理機関が行っておりまして、当然ながら対面でのセミナー、それからウェブを使ってのe-ラーニングの提供、もしくは現状、どこまでできているかわかりませんが、パーソナライズド動画のようなものを使った、個々人の特性に合わせたコンテンツの提供といったものを、従来以上に重要な課題として捉えております。
当然ながら、ここにはコストがかかってまいりますけれども、企業型におけるセミナーなどにおいては、事業主に一定負担いただくというのが従来以上に一般的かと思いますが、個人型の例えばパーソナライズド動画を使った継続教育というところについては、一定部分までは、日常的な運営管理手数料の中から提供させていただいて、それを超えるものについては、例えば課金するような仕組みをとるといったことも、仕組みとしては複雑になりますので、こちらのコストもかかりますが、考えていくのがよいのではないかと考えております。
それから、格差のところでございますけれども、拠出できる人とできない人の差というのは、利用すれば広がっていくという認識はありますが、それに対する答えはというところは非常に難しい部分ではあります。中小企業における所得のところでございますが、一般的には、大企業と異なって、中小企業は退職金制度、いわゆる企業型の部分において、金額が十分ではないといったところは1つあろうかと認識してございます。
企業年金の普及につきましては、歴史的に大企業を中心に普及してきた経緯がございまして、税制適格年金は中小企業も普及しておりましたが、税制適格年金がなくなった現状においては、特に損害保険協会所属の損害保険会社は、企業型DCにおいては、大企業というよりも中小企業を中心に普及活動を進めてまいりましたので、そこは格差の軽減に一定寄与できているのではないかという認識を持ってございます。
以上でございます。
 
○神野部会長
どうもありがとうございました。
小川委員、どうぞ。
 
○小川委員
日本年金数理人会理事長の小川です。
終身年金について、ちょっとコメントさせていただきたいと思うのですけれども、前回、第2回のときは、私は委員でもありますけれども、ヒアリングもしていただいたということで、生保協会さんの9ページ、ないしはその前のほうのページもそうなのですけれども、終身年金については、日本年金数理人会としても非常に大事だと思って、前回コメントさせていただきました。
まず、制度として、例えばDBにおいて、終身年金を企業・事業主が制度として用意するかどうかという観点と、先ほどコメントにもあったのですけれども、用意しているのだけれども、それを選ぶかどうかと、2つあるのですね。どちらかというと、用意しているかどうかというところが今、非常に大事なのではないかということです。ほとんどの方がおわかりだと思うのですけれども、我が国におけるDB型の年金の場合には、退職金を下敷きに年金化していることが多いわけですね。
そうすると、例えば終身年金といっても、単純終身と申しまして、入ってすぐに亡くなってもらえなくなるのは困りますから、一定期間、保証期間というものをつけます。例えば、15年保証期間つき終身年金でありますと、60歳から開始して、75歳までは、生きていても亡くなっても、その部分は確保する。75歳以上については、生きている限り払うという制度がほとんどです。その場合に、退職金の原資を充てるのはその保証期間ですので、60歳から75歳までの、例えばそこで1000万円を原資にしますと、途中の63歳で亡くなっても、残りの1000万に達するまでの部分は御遺族に払うという制度です。
というと、その制度がなぜ今、普及しにくくなっているかというと、厚生年金基金の場合には終身が前提というか、終身でなければできなかったのですけれども、確定給付企業年金の場合には終身でなくてもできます。そうしますと、その終身部分、先ほどの例で申しますと、75歳以降の部分は、退職給付会計上、積まなければいけないことになりますので、そこの部分でどうしても事業主がPBOの負担が大きいから入れづらいということになります。
したがって、前回、数理人会から少しコメントさせていただいたのは、その終身部分の工夫を何かして、リスク分担型企業年金とかDCのように、退職給付会計上、そこの部分を企業が乗せなくていいようなことができないかという、かなりテクニカルな話をさせていただいたので、そういった意味で終身年金が制度として準備できるかどうかというのは、ちょっと考えなければいけないことだと。
それは、この生保協会さんの資料だと9ページの3に、恐らくこれは終身年金が用意されていて、あと選ぶかどうかという観点もあると思いますけれども、そこは今度、これも前に申し上げたのですけれども、終身年金として安心して一定程度の老後の生活ができるかどうか。換言すれば、公的年金のほうでどのぐらいの水準がもらえるかによって、終身でもらい続ける部分を個々人が幾らもらわなければいけないかというのを考えて、そこのところは公的年金で大体行けそうだということであれば、例えばつなぎ年金として終身はとらない。
こういう、実態として終身をどういうふうに普及させていくかということについては、まず繰り返しになりますけれども、制度として持てるようにするというところが私は大事なのではないかと思ってございます。
以上です。
 
○神野部会長
ありがとうございます。
ほかに御質問があれば頂戴しておきますが、いかがでございますか。
藤澤委員。
 
○藤澤委員
藤澤です。
定年延長と給付減額の部分について、コメントしたいと思います。
今回、信託協会と生保協会、前回も経団連と日本年金数理人会のほうから同じような要望があったと認識しておりますけれども、基本的に企業年金が60歳以降の多様な就労の足かせになってはいけないと思っております。今回、生保協会のほうから、例示として不同意をとるという方式がどうかというお話もございましたけれども、私は労働法はそんなに詳しくはありませんが、こういった部分を含めて、今後、この場で議論していけたらいいなと思っております。
もう一点、損保協会に対する質問ですが、別紙1でマッチング拠出の加入者掛金の分布がございました。こういった統計資料は説得力があって、集計していただいたことをすごく感謝しています。このデータですけれども、損保ジャパン日本興亜DC証券という受託機関といいますか、運営管理機関がベースになっているかと思いますけれども、ほかの会社でも同じような分布になっているのか、お手元に情報はないかもしれませんが、感覚でも構いませんので、事業主掛金が少ない部分で上限に結構張りついているのかどうかというところをコメントいただければと思います。
以上です。
 
○神野部会長
損保協会さん、今のデータのこと、よろしいですか。
 
○日本損害保険協会
このデータ自体は、今回、御提出するに当たって、事前にDC証券さん側から、他の運営管理機関側にも御通知はしておりますが、記録関連運営管理機関さんは、運用関連機関、多数のところを扱ってございますので、恐らくこういったデータ自体は、現時点ではおとりになられていないのではないかという認識をしております。
あとは、その中で感覚的なところでいきますと、恐らく一定、こういった分布に、ほかの記録関連運営管理機関の母数であっても出てくるのだと思います。ただ、当然ながら、企業の特性等々がありますので、若干ずれるところはあるかと思いますが、少なくとも記録関連としてのデータでございまして、フロント側の運用関連側、いわゆる企業に対してコンサルをやっている側でのデータとは若干違うとり方でございますので、バイアスはかかっていないという前提に立ちますと、ほかのところでも同じようなものが出てくるのではないかという認識は持っております。
 
○藤澤委員
どうもありがとうございました。
 
○神野部会長
では、白波瀬委員。
 
○白波瀬委員
ありがとうございました。
私は大ざっぱなことしか言えないのですけれども、皆さん、高齢者の働き方の多様化という同じ言葉を使っているのですが、その意味や内容は少しずつ違うのかなと思っているのです。制限を撤廃するという点では、簡単に言えば、入り口のところでその多様性が担保できるのではないかということ。でも、多分、多様化ということになると、特に高齢期だと、予想しなかった出来事が起こるという点では、出口というか、受け取り方をどういうふうにするのかということが、1つ、商品としても鍵になってくるのではないかという印象を持ったのです。
そのときに、証券会社さんのほうで最後のところの、これは私もちょっとお話を伺いたいなと思って、もう時間がないので簡単で結構なのですけれどもね。年金型給付専用商品の採用というのをここで出されているのですけれども、これは、給付時指定の運用方法として設定するということなのですけれども、運用商品上限35本以外のところで位置づけてはどうかということを書いていらっしゃるのですけれども、そのあたりのお考え、簡単にお聞かせいただければありがたいです。
 
○神野部会長
よろしいですか。
 
○日本証券業協会
現状、御用意している商品は、どちらかというと資産形成に役立つように、いい意味でリスクリターンを考えつつ、積み上げることを主眼としておりますので、どうしてもそういった運用手法になりますし、それから、最終的には加入者様がどういう商品を選ぶかになるのですが、発想としては、守る、もしくはふやすということでございます。そこに、例えば取り崩すとか、ふやしながら一部取り崩していくという商品の発想は今までございませんので、そういった意味では、ある一定の安全な資産で運用しながらも、分配金として払い出しながら、一定の元本といいましょうか、そういったものを守るような運用商品が案1。
案2といたしましては、例えば取り崩すことを前提として、ただ元本は運用していくほうが将来のもらえる期待は高まるわけなので、そういった形でやっていくのがいいのではないかということがこの発想でございます。
35本の対象外としているということは、先ほど申しましたように、今、35本は、いわゆる守り、ふやすことを中心とした商品設計になっているかと思いますので、それとは別の発想で、こういった商品を、例えばある時期から取り入れるとか、スイッチングしていくといった選択肢があると、より自分のライフプランや就労の方法によって期待できるものと近くなるのではないかという考えでございます。
 
○神野部会長
どうぞ。
 
○渡邊委員
少しだけコメントさせていただきたいと思います。今日、発表していただいた皆様に御礼申し上げます。
その中で出てきておりました要望の中に、マッチング拠出制限の話と中途脱退の要件の緩和というお話が共通して何回も出てきていたかと思います。一つ目のマッチング拠出制限については、特に事業主の負担が上限となっていることで、活用し切れない拠出制限枠があるということに関して、その有効活用の観点から上限の撤廃という要望が相次いでいたかと思います。ただ、この点に関しては、企業年金というのは事業主側が主導して制度を行っていく。その主導するといった点は、拠出の観点でも事業主のほうが主導権を握って行っていくということからしますと、労働者側の拠出のほうを拡大していくという方向性については、もう少し慎重に検討しなければならないのではないかと思いました。
もう一つの中途脱退の件に関しては、現行の中途脱退の要件が厳格過ぎるといいますか、厳し過ぎるということで、もう少し中途脱退しやすいようにすべきだという観点からの御提案があったかと思います。確かに外国人労働者が今後増えていくということからしますと、そういった外国人労働者の方との関係で見直さなければならない点は多々出てくるかと思うのですが、高齢期の生活を支える所得の原資という観点から、その中途脱退というものを安易に認めるべきではないという制度の趣旨といいますか、根底にある考え方を踏まえますと、要件をもし緩和するのであれば、こちらも慎重に検討する必要があるだろうと思いました。
以上でございます。
 
○神野部会長
どうもありがとうございました。承っておきます。
ほか、御質問があれば頂戴いたしますが、いかがでございますか。よろしいですか。
それでは、5つの団体の方々、本当にありがとうございました。的確な御発表をいただいた上に、質疑につきましても本当に丁寧に応じていただいたことに深く感謝申し上げる次第でございます。
本日頂戴いたしました意見等々につきましては、事務局のほうにおいて整理していただいて、今後の私どもの会議の運営、その他に役立たせていただきたいと思います。
本日はどうもありがとうございました。
それでは、本日、議事として用意いたしましたことは以上でございますので、これをもって、この第3回の部会を終了したいと思いますが、今後の予定について、事務局のほうから連絡事項があれば、よろしくお願いします。
 
○吉田企業年金・個人年金課長
本日はありがとうございました。
次回の部会の開催日時は、事務局から各委員の御都合をお伺いした上で正式な御連絡をしたいと思います。
 
○神野部会長
どうもありがとうございました。
それでは、これにて第3回の「企業年金・個人年金部会」を終了させていただきます。
御多忙のみぎりにもかかわりませず、お集まりいただきましたことに感謝いたします。また、御協力いただきました関係団体の皆様に、最後に重ねて御礼申し上げる次第でございます。どうもありがとうございました。
 

  
 

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(企業年金・個人年金部会)> 第3回 社会保障審議会企業年金・個人年金部会 議事録(2019年3月29日)

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