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2019年3月14日 第19回社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会議事録

政策統括官付参事官付国際分類情報管理室

○日時

平成31年3月14日(木)15:00~17:00

 

○場所

厚生労働省 専用第21会議室

 

○出席者

出江紳一委員、井上剛伸委員、大谷俊郎委員、奥平真砂子委員、鎌倉やよい委員、
才藤栄一委員、齊藤秀樹委員、中村耕三委員、橋本圭司委員、向野雅彦参考人


○参考人

高橋秀人参考人、向野雅彦参考人


○議題

1.WHO-FIC年次会議報告(2018ソウル)について
2.国際生活機能分類(ICF)の一部改正(2018)について
3.日・WHOフォーラムの報告について
4.ICFに関する国内の研究成果報告について
5.その他

○議事

 

○事務局
 それでは、時間になりましたので第19回社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会を開催いたしたいと思います。
 各委員の先生方におかれましては、お忙しいところご出席いただきまして誠にありがとうございます。事務局の政策統括官付国際分類情報管理室の森でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、まずお手元の資料の確認をさせていただきます。本日ペーパーレスということでタブレットを用意しておりますのでそちらをご覧下さい。
 議事次第
 資料1 WHO-FICネットワーク年次会議(2018 韓国会議)の概要
 資料2 国際生活機能分類(ICF)の一部改正(2018)仮訳(案)
 資料3 ICD-11第V章の仮訳(案)
 資料4 日・WHOフォーラム2018について
 資料5-1 向野参考人提出資料
 資料5-2 高橋参考人提出資料
 資料6-1 社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会運営要綱
 資料6-2 生活機能分類専門委員会ワーキンググループ設置要綱(案)
 資料6-3 生活機能分類専門委員会ワーキンググループ運営要綱(案)
 参考資料1 ICFの概念図とコードの概要
 参考資料2 ICF普及・活用に向けたイメージ図
 参考資料3 厚生労働省のICFに関する取り組み(日・WHOフォーラムポスター)
 参考資料4 ICD-11にかかる和訳の意見照会ついて
になります。タブレットで閲覧ができないなどありましたら事務局までお申し付け下さい。よろしいでしょうか。タブレットに格納できない書籍につきましては、テーブルに置いてありますので適宜ご参照いただければと思います。
 次に事務局を紹介させていただきます。本日、参事官の中井が出席予定でしたが、国会対応で席を外しております。私は、国際分類情報管理室の森でございます。同じく室長補佐の阿部でございます。同じく国際分類分析官の及川でございます。他に調整官の高橋が遅れております。
関係部局ということで障害保健福祉部より九十九補佐が出席、老健局は所用により欠席となります。事務局の紹介は以上になります。
 続きまして、本日ご欠席の委員につきましては、石川委員、小原委員、林委員の3名からご欠席との連絡をいただいております。才藤委員におかれましては、所用により16時目処にご退出をされる予定です。出席委員が三分の一を超えておりますので、会議は成立しておりますことをご報告申し上げます。
 それでは、議事に入りたいと思います。中村委員長、進行をお願いいたします。
 
○中村委員長
 本日は、年度末のお忙しいときにご出席いただきましてありがとうございます。
 それでは、議事に早速移りたいと思います。議事は1~7までになっておりますが、才藤委員長代理が1時間でご退出とのことですので、時間の配分も考えまして、最初に議事の5、6、その後1、2、3、4の報告、最後にその他という順番で進めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 早速議事5のICFに関する国内の研究成果報告について、向野研究班と高橋研究班からご報告をいただきます。
 それでは、最初に向野研究班の向野参考人より資料のご説明をお願いいたします。
 
○向野参考人
 藤田医科大学の向野と申します。私からは厚生労働科学研究費補助金で実施させていただいております今年度の研究の進捗についてご報告をさせていただきます。
 今回の研究の目的ですけれども、医療介護連携を促進するためのICFを用いた評価と、情報共有の仕組みの構築ということで、その前提となります国際生活機能分類の普及と臨床の仕組みの利用と併せて、ご報告させていただきたいと思います。
 ICFの普及における問題点につきましては、以前にもご説明をさせていただいたことがあるかと思いますけれども、評点の付けにくさの問題、実際に臨床で使いにくいという問題がありまして、それに対して2つのアプローチがあるというお話はさせていただきました。1つは既存のスケールの利用、それから、簡便な採点の仕組みの作成。我々の取り組みとしては、この両方を実施させていただいております。その背景を少しご説明させていただきます。
 既存のスケールの利用ということは、初期にWHOがICFを発表してから、その次の年には検討がなされたモデルで2002年にはこのLinking ruleというものも発表されておりまして、これのアップデートがいくつか行われております。この既存のスケールをどのようにICFに紐づけるのかということを決めたり、こちらを用いて既存のスケールを使って情報収集をしようとしたりするモデルは当初からございました。ただ、このようなことには少し問題がありまして、ひとつは、項目を対応させていくと必ずしも1対1対応をしないという事です。例えば、FIMの食事という項目がありますけれども、これはICFで言うと食べることと飲むことと両方を含んでおります。あるいは、FIMの歩行は内容としてはICFの歩行、移動、用具を用いての歩行の一部を含んでおります。
 また、例えば臨床で手の麻痺の評価に使うFug1-Assessment Scaleというようなスケールの項目が33項目ありますけれども、これがICFに紐づけをしますと結局4つぐらいの項目に集約されてしまうということで、このような場合に点数をどのように配分するか、あるいはそのいくつかの項目を埋めるのに沢山のスケールを用意しなければならないというような問題が生じる可能性があるということが問題となっております。
 それから、点数の換算方法にコンセンサスがないということも問題で、例えばFIMの5点は見守りで何かが出来るということですけれども、それはICFの評点の、例えば1にして良いのではないかという議論もあるわけですけれども、これに関してもWHOでそのような恣意的に決めていくというのは望ましくないというような議論があると、我々としては聞いておりまして、どのように換算したらいいのか、コンセンサスがないというところが問題で、そのLinkingいう話までは沢山出てくるのですが、その先が中々実現できないという問題が起こっています。現時点でこのようなものに対し行われている解決策をご紹介させていただきますと、こちらWHOのドイツ協力センターがよく行っているのですが、そこの解決策としましては、まずは項目については1対1対応しないけれども、そのスケールから問題のある項目リストの作成は可能ですので、スケールをつけてその点数からこういった項目に問題があるだろうということを出してくるということはまず可能です。
 それから、点数の換算方法に関しては合計点の分布から評点への換算式を作成するというアプローチがありますので、それを少しご紹介させていただきます。これは合計点から評点への換算ですけれども、例えば一番上、「b-1心身項目の精神機能」の項目の得点を全部足して、それをRasch分析という分析手法で分布を見て、それを0~100のスケールにして、それから、0,1,2,3,4のスコアに換算するというようなアプローチです。これはWHOの言っているその担当、対象のグループで較正をして、つまりキャリブレーションしていくという考え方に添ってはいるのですが、一定数の項目グループが必要ですし、その点数というのを、例えば1,200以上もあるような項目の中で、この5つぐらいの項目に集約して点数として出すということが果たして理想的であるかということも疑問であるという考え方もありまして、その件について我々としてどのようなアプローチをするかというところはずっと議論してきたわけでございます。我々としては、こちらのアプローチについても一緒に行っていくと共に、やはり、簡便なICFの項目セットと採点システムが中心にある上で一部はスケールで換算できます、リプレースできますよというような仕組みが良いのではないかということでこれまで進めてきたという経緯がございます。それで、簡便な採点の仕組みの作成ということで取り組んで参ります。最初に簡潔で直感的な説明文の作成という、ICFの定義に対し臨床家から見て分かり易い簡潔な説明文をつけるプロジェクトに参加をいたしまして、これは日本版を3年前に作成しております。それから、それを基にして採点をする為の採点用レファレンスガイドの作成を行いました。それはSwiss Paraplegic ResearchのICFユニットと共同で実施をいたしまして採点の例示を作成して、その作成したレファレンスガイドの検証というのを現在までに行ってきております。
 それから、今年度特に評価用のアプリケーションである学習ツールの開発というものを行って参りました。採点用レファレンスガイドの作成につきましては、原型となるようなものは前年度作ってありますけれども、その検証をまず実施いたしました。このレファレンスガイドについては、これまでにも評点の基準を作成する等いろいろありますけれども、恣意的に何が1点何が2点と決めるのは望ましくないというのがICF、ヨーロッパのICF研究者のコンセンサスということでありましたので、実際のもともとのWHOの評点ガイドラインに従って点数をつけまして、医療者が採点をする時にどのようなプロセスで採点をしていったかということを分析して、そこから例示、採点用の例示をつくるということを行いました。今年度は検者間の信頼性を検討して参りましたけれども、検者間信頼性は、概ね、0.6以上は良好だというふうにされておりますけれども、多くの項目で0.6以上という結果が得られました。ただ、特に心身機能の項目、例えば情動機能や痛みの感覚等について一致が低いという結果が得られました。ですので、こちらに関しては今年度新しくその基準をリニューアルしまして、それからあとでお話ししますeラーニングツールを使って練習をしてから実際の採点をして、それがうまくいったかどうかという事を現在評価しているところで、こちらは今日お出しできませんでしたけれども、今月中には結果が出る予定になっております。
 それから、教育ツールに関しては、いくつか作ってきておりまして、1つは採点用のアプリケーション。これまでに作ってきた簡潔で直観的な説明文、あるいは採点のレファレンスガイドをひとつひとつ載せて、それを見ながら採点できるようなアプリケーションを1つ作りました。それから、eラーニングツールを作りましたけれども、これは患者さんの例を出してそれを採点してもらって、それがある程度コンセンサスを得られるような答えを出来るかどうかという練習用のツールを作りました。それから、データ収集用のオンラインデータベースをウェブ上で作りました。教育ツールに関してはこのようかたちで、廃用による筋力低下を認め、ベッドから車椅子への移乗の際に軽介助を要する。ディスクリプション(定義)が少し書いてありまして、それを何点と評価するかということをクリックしますと正解であれば正解、後は説明が載っているというものを作りました。これは前回、スマートフォンで練習できる仕組みが望ましいのではないかというご議論もございましたので、スマートフォンでもできるような仕組みを作っております。こういった仕組みのベースとしておりますのは、ICF一般セット30項目版、これはICFリハビリテーションセットとこれまでは言っていたものですけれども、このようなものをベースとしております。これはICFコアセットのひとつで、主観的な健康感と最も良く関連している項目を統計学的に選んできたもので、それに専門家会議で臨床家が少し加えたというような形の項目セットになっております。ただ、30項目ありますけれども、実際に臨床で使いにくい項目というのもあります。例えば、b640の性機能やd470の交通機関や手段の利用という項目は、どうしても入院中に評価すると欠損値が出てしまう。そうすると総合比較がなかなか難しくなってしまうということで、総合比較するためには、どの項目が実際には揃っていれば良いのかということで、ある程度入院中にはこれは必ずつけて下さい。それ以外も問題があればきちんとつけて下さいというような形で採点構造を作ろうと考えまして、まず、データ欠損率をチェックします。これは300例の患者さんを対象にフィールドテストを実施いたしまして、欠損率が5パーセント以下の項目のみ選定しております。そうしますと、入院患者全体では欠損値の少なかった項目は21項目。それから、ICU、SCUなどの急性期ユニットにいらっしゃった患者さんではなかなかつけられない項目が多かったので8項目。ICF一般セットは30項目、これは慢性期の方ですので、今回はスタートとして8項目、21項目、30項目という3つの段階で項目セットをつくりまして、それは少なくとも埋めていただくというような形式にして始めたいと考えております。これらのデータに関しては、互換性のある仕組みというのが大事だというふうに考えております。更に、入院中に使うようなFIMやBarthel Indexといったものとリプレースできる仕組みというのも用意しないといけないと考えておりますので、これは別のデータ収集で100例ほどのデータでFIMと今のICF21項目、あるいは8項目のデータ収集を同時に行いまして、その換算式を作り、例えばFIMの16点ですと、だいだいICFの21項目、結果だと75点くらいに相当するという換算式ですけれども、そのような相互変換もできるし、さらにICFセットですとより多くの、実際にデータの分布を見ますとFIMはかなり自立できるかどうかというところにフォーカスした評価ですので、ICFだともう少し患者さんの機能程度が低い人、それから良い人という分布を表現できるという結果も得られましたので、そのような意味ではFIMでリプレースできるという仕組みともう少し広く表現したければICFを使うとより患者さんのバラつきを大きく、良い人も悪い人も評価できるというふうに仕組みを作っております。実際にそれを臨床で使えるようにするためにツールを準備しておりまして、まだ現在作っているところですけれども、実際の点数、それから依存している環境因子をつけていきますと、どのくらいの問題点があってさらに追加でどのような問題があるかということを記載していきますと、それがコードとしてリストされていく。こういったものをリスト化していくと、それから、そういったデータを標準化スコアにしますと、平均が0でマイナス2SDプラス2SD、もともとのデータがあればその中で、患者さんがどこに位置しているのかということがわかりますので、パフォーマンスとそれから環境にどのぐらい依存しているのかという点で、その患者さんのレベルを評価できる仕組みを作りました。これをアプリケーションにして今年度中に出したいと考えております。例が細かかったので拡大のものも用意いたします。全体構造としては、ICF一般セットを中心とした構造と、それにプラスして、既存の評価スケールを加えた仕組みを作っていきたいと考えております。来年度はこれを用いまして大規模データ収集のトライアルを行って、それから医療介護連携のための評価の仕組みを作って、それを使った情報共有シートというものを大夛賀先生と一緒に発展させていくという予定にしております。以上です。
 
○中村委員長
 どうもありがとうございました。それでは、ご質問等あるかもしれませんが、続けて、高橋参考人からご報告をお願いしたいと思います。
 
○高橋参考人
国立保健医療科学院の高橋でございます。本日はこの様な機会をいただき感謝申し上げます。
 まず、資料でございますけれども、報告1、報告2、机上配布資料の13.1にそのアブストラクトを掲載させていただいております。それから、報告1については机上配布資料の13.2、それから、報告2については机上配布資料の13.3ということになります。タブレットの方からご覧いただければと思います。今回の報告については、まだ論文として未発表ですので、非公開とさせていただいている点ご了解下さい。
 まず、机上配布資料の13.2の報告1の12ページからなる資料をご覧ください。報告のタイトルは「国連障害者権利条約(CRPD)と国際生活機能分類(ICF)統計資料収集等の枠組みに関する諸外国(スイス、ドイツ)の取り組みについて」です。これがメインの報告になります。
 まず、本研究の背景です。2018年WHOよりICD-11が発表され、V章に国際生活機能分類(ICF)に基づく項目が採用されました。その一方で障害者の権利に関する条約(CRPD, 障害者権利条約)第31条には、締約国にはこの条約を実行的なものとするための政策を立案し及び実施することを可能とするための適当な情報(統計資料及び研究資料を含む資料)を収集することを約束するとあります。このような状況の中、諸外国で近年どのようにこの課題に取り組んでいるかについてICF普及の観点から明らかにすることは、我が国の今後を考える上で重要であり、そのため、諸外国の取り組みを明らかにすることを目的と致しました。2ページ目をご覧下さい。方法は実際に訪問し、これらの課題について直接お話を伺うことにいたしました。
 第一の訪問先は、Swiss Paraplegic Centre(スイス対麻痺(下半身の麻痺)の専門センター)でそこに在籍されているStucki (ストゥッキ)先生で、第二の訪問先はドイツRosenheim(ローゼンハイム)大学のProdinger (プロジンジャー)先生です。お二人とも椎麻痺センターのWHO、ICFリサーチ ブランチにおられる先生でICF研究では多くの論文を書かれています。日程の都合上、第一の訪問先のStucki先生のところでは同じICF リサーチブランチで研究コーディネーターをされているSelb(セレブ)先生にご対応いただきました。両先生の所属については2ページの真ん中あたりに訪問先の選定、Swiss Paraplegic Centre(スイス対麻痺専門センター)の施設の説明については、3ページ目の真ん中あたりに記載しております。両先生への質問項目は3ページの下にあります2つです。
 第1の質問は、「あなたの国ではどのように国連障害者権利条約を実行していますか」です。これは「国連障害者権利条約を進めるうえでICFをどのように活用していますか」という意味でございます。第2の質問は、「社会指標としてどのようにICFを利用していますか」です。これは4つの部門、「ICFの活用状況」、「ICD-11の改訂の影響」、「ICFを用いた評価ツールの活用状況」、「ICFの活用領域」からなります。これらのこと及びこれに関連する内容を聞き取りして参りました。結果です。4ページの真ん中あたりをご覧ください。
 まず、第1の訪問先のセレブ先生からいただいた内容です。第1の質問、「あなたの国ではどのように国連障害者権利条約を実行していますか」については、ドイツはICFの概念を含む法律、ベーテーハーゲー(BTHG)を制定していますが、スイスにはそのような法律はありませんということでございました。第2の質問の補問(1)「ICFの活用状況」ですが、4ページ真ん中あたりに記載しましたように病院での教育、それから、小学校での生徒の状況の把握などにICFを用いているとのことでした。第2の質問の補問(2)「ICD-11の改訂の影響」ですが、まだ特別な動きはない、WHO-FICの動きを待っているとのことでした。それから、補問(3)「ICFを用いた評価ツールの活用状況について」ですが、病気に応じて多くのコアセットを提供しているが、当椎麻痺センターでは主に脊椎症用のコアセットを使用しているとのことでした。社会統計としてICFコアセットの一般セット(Generic set)の7項目、それから、WHO-DAS2.0の12項目のバージョンなどが有効であろうというようなことをお話しされていました。補問(4)「ICFの活用領域」については、今後世界で広く利用され、特にアフリカではWHOが力を入れているのだと思いますが、今後有効と考えられるとのことです。また、現在台湾は積極的にWHO-DAS2.0を使用しているということを回答いただきました。この聞き取りで2点強く印象に残っております。1つは臨床では、すでにデータベースシステムを用いてICFに基づいた評価が複数の専門家によって客観的になされていること、もう1つは、小学校の、小学生の把握状況として用いられている点、すなわち小学生ですから児童虐待等様々な問題がありまして、そういうような問題もICFに基づくスケールで評価されているという点でございます。
 続いて、第2の訪問先プロジンジャー先生からいただいた情報でございます。6ページの真ん中あたりをご覧いただければと思います。ドイツでは、第1の質問「あなたの国ではどのように国連障害者権利条約を実行していますか」について、6ページの下から8ページの真ん中をご覧ください。ドイツでは2009年に国連障害者権利条約に批准し、2016年にベーテーハーゲー(BTHG)という(Bundesteilhabegesetz, Federal Participation Law, 連邦政府による参加に関する法律)を制定いたしました。BTHGはICFの考え方をベースとして障害をとらえ、7ページ下の方下線で記しましたように、単に障害者のみならず生活困窮者なども対象者に入れて自己決定とその可能性を改善するための法律になっております。2017年~2019年の研究に基づいて連邦作業部会はリハビリテーション機関の評価をデータに基づいて行おうとしております。そのためデータ提供体制の構築や統計情報の作成、提供を準備し、またリハビリテーション活動と社会保険を用いた評価を行おうとしております。これは法律にリハビリテーション機関の評価やデータ収集評価を行うということを記載しているという意味でかなり強いものになっていると思います。また、8ページの下の方をご覧ください。8ページの下の方に記載しましたように、ドイツには社会保険が5つの主要制度から成立しておりまして、その会議においてICFの概念を用いて議論されているというような状況でございます。
 第2の質問の補問(1)である「ICFの活用状況」ですが、ICFに基づいたBTHGは、この政策決定として中心的な役割を果たしており、あらゆる状況でICFの利用を促進している。補問(2)の「ICD-11の改訂の影響」は今のところ公式な声明は発表されていないとのこと。それから、補問(3)「ICFを用いていた評価ツールの活用状況について」は、ICFコアセット、あるいはリハビリテーションセットがあり、これを障害と健康状態を把握するための中心的なツールになっているとのことでございました。補問(4)のICFの有効利用分野、活用領域としては、ドイツでは連邦政府がBTHGを実施し、段階的にこの国連の権利条約の理念を実現しているとのことです。ICFの概念は、状況全体を把握するためのツールとして中心的な役割を果たしております。現在のところ臨床評価ツールとして様々な種類のICFコアセットが適応されております。また、教育ツールとしては必須概念になりつつあります。統計ツールとして研究ツールとして、臨床ツールとして社会政策ツールとしてはいうまでもなく、現在は国家統計としてそれを実現するような段階にきているとのことでした。ICFには環境因子や個人因子という概念がありますが、その個人要因の分類についてもドイツの社会学予防協会のFrotkamp(フロットキャンプ)先生であるとか、スイスの椎麻痺センターのMuller(ミューラー)先生、Geyh(ゲーヤ)先生などが取り組まれているとのことでした。打ち合わせ後、プロジンジャー先生から10~11ページにあるようなメッセージをいただきました。つたない訳ではございますけれども少し読ませて下さい。「私は間違いなくICF分類に基づいた障害に関する国家統計が最終目標になるべきだと思います。しかし、そこに着くためには、その間に必要なステップがいくつかあります。ICFは健康に関する生物・心理・社会的モデルに基づいております。多くの国が健康の生物・医学モデルに基づく政策に頼っております。したがって健康と障害についてどう考えるかという点で、まず、そのシステムの変更が必要になります。このプロセスにはすべての利害関係者と一般市民との間で意識啓発が必要です。私たちは、人々がICFをうまく適用した例を見ております、彼らは分類を使用しませんが、ICFに含まれる全てのコンポーネントを扱っております。これは分類の観点から満足のいくものではございませんが、概念的な観点からはモデルの実装は達成されております。ICFは分類であり、評価ツールとしては開発されておりません。したがってICFに基づいて評価を作成するための作業が必要となります。ICFコアセットは何を測定するかを定義するための貴重な第一歩にはなっておりますが、それでもICFの概念を測定する方法を教えておりません。どの質問にするか、どの評価システムを使用するか等です。評価の枠組みとしてICFを使用するというような別の考え方もあります。したがって既存の評価ツールで収集された既存のデータセットをICFにリンクしてからICFに基づいてデータをするような必要があります。これはあなた方の情報で私たちが調査を行って報告したのですけれども、そのことと似ております」これが第2の訪問先のプロジンジャー先生からいただいた内容になります。
 これら2つの報告において考えるべきことがいくつかあるかと思います。11ページの下の方ですけれども、ICFの社会統計の利用という観点から、私は11ページ下の3点を今後考えていかなければならないと思っております。第1は障害者権利条約履行のための法律整備。ドイツの例は大きな効果があると考えられる点。すなわち障害者権利条約第31条の求める社会統計としての統計収集、これにも法律の制定が大きな効果があると考えられること。我が国でも法整備が進んでいると聞いておりますが、ICFの概念を用いたデータ検証型の仕組みが組み込まれているかどうかについては定かではありません。第2は障害者権利条約履行に必要な研究をどのように位置づけるか、動機づけるか。現在臨床的な観点からのICFの活用研究は進んでおりますけれども、第31条の求める研究資料収集として考えた場合に、研究にICFを紐づけることが必要になってきます。また、この権利条約履行を進める上で、その必要な研究、つまり政策上必要な研究を推薦するために、そのような研究を行ってもらうような仕掛けも必要になってくると考えられます。これらをどのように行うのかということも観点になるかと思います。第3は先ほども少しお話ししましたが、ICFはリハビリテーションを対象にするのみならず、児童虐待や生活困窮というより福祉的な領域においても使用されている点です。我が国において特に教育や研究、行政に対して今後どのようにこのICFの利用領域を広げていくかという点が重要になってくるのではないかと考えております。
 この訪問による結論は11ページ下の方にまとめました。障害者権利条約に基づく障害者統計の整備について諸外国でどのように取り組んでいるのか明らかにすることを目的にスイスとドイツ2か国を視察しました。スイスにおけるICFに基づいたリハビリテーションの臨床評価であるとかドイツのBTHGの法律に基づく統計整備状況など我が国が学ぶ点は非常に多いと思っております。他にも、取り組みに関して参考になる国はあると考えられます。以上が報告1になります。
 もう時間も少ないですけれども、プロジンジャー先生のメッセージにありました既存評価ツールで収集された既存のデータセットをICFにリンクしてから、ICFにも基づいてデータを報告する必要があるという、これはあなたの調査をはじめたことに似ていますというメッセージの私たちの研究について紹介したいと思います。これが報告2になります。机上配布資料の13.3をご覧下さい。生活のしづらさ調査と国際生活機能分類(ICF)について、これは最後のページだけご覧下さい。各項目にICFの概念であるSBDEと言う概念レベルと, 一層深い例えばS分類についてはS1からS5という、分類レベル。そこでどれだけ生活のしづらさ調査の質問項目にそのICFの概念が含まれているかという割合をそれぞれ求めまして、それをレーダーチャートにしたものでございます。これを見ますと、図1のように、生活のしづらさ調査では、E項目つまり環境因子に関する概念が多く含まれている。逆にS項目身体構造に関するようなものや, 心身機能に関するようなB項目が少ないことがわかります。これは生活しづらさ調査がそのような身体の物理的なものを聞いているのではなく意識的なことを聞いていると考えられるためであります。
 
○才藤委員
 この対象者は誰ですか。
 
○高橋参考人
 全国の生活のしづらさを抱える方であり、主に障害者手帳を持っている方です。
 
○才藤委員
 これはICFで見た時にこの調査が適当かどうか読み取れるという趣旨で例を出していただいたのですか。
 
○高橋参考人
 これは、今の既存統計に対してICFがどこまで説明できるのかとICFの概念をどこまで既存調査から吸い取ることができるかという趣旨で提示しております。
 
○才藤委員
 ということは、Sは吸い取れないと言っているわけですか。
 
○高橋参考人
 その通りです。報告は以上でございます。
 
○中村委員長
 はい、どうもありがとうございました。それでは3~4分、2つのご報告に対してご質問がありましたらお願いいたします。
 
○才藤委員
 高橋先生のお話は、非常にためになったのですけども、ただ、良く分からないのは統計という言葉を使っているときに、概念と統計は相当距離があって統計そのものはもっと方法論というか生々しいものをどのように見せつけるかという話しだと思うのですが、先生のおっしゃる統計とは何を指しているのでしょうか。
 
○高橋参考人
 まず、国連権利条約の履行を進めるための情報ということで、そこに統計収集とあります。
 
○才藤委員長代理
 例えば履行条約というのは、人の尊厳はこのくらいだと、そうするとこの指標だとこのくらいは上回ってなくてはならないといった条件づけだと思います。そのような考え方で合っていますか。それに値するものをICFで取り出せると考えているわけですか。
 
○高橋参考人
 そういう意味でいうと統計はその概念を数値化するすべてのところの過程を考えています。
 
○才藤委員
 数値化の手前ですよね。
 
○高橋参考人
 数値化までは、至っていません。
 
○才藤委員
 そうですよね。僕はずっとこの会議でその議論をしているのは、ICFが現れてきて、いつでも概念の発想は立派ですと言いながら、結局統計と言いながら統計ではなく、僕の考えだと辞書だと思うのですけども、そこで留まっているのもどうしようかというのがここの第1歩だと思っていて質問しました。
 
○高橋参考人
 どうもありがとうございます。
 
○橋本委員
 ICDにV章が入りまして、去年の話なので、それはまだ早急には出来ないと思いますが、この向こうにはやはりV章とのリンク。後で出てくると思うのですが、WHO-DASというものが明らかにそことのリンクがもうほぼイコールというくらいリンクされているので、将来的なゴールをやはりICF、今才藤先生が言ったようにICFというでっかい辞書をベースに作っていきたいのか、やはりICDのV章に集約していく方針なのか。決まっていなければ決まっていないでも結構なのですが、お二方のご意見をお聞きしたいのですが。
 
○向野参考人
 私としてはですね、ICD-11のV章というのは良い入り口になっているんじゃないかと思っております。私がやっておりますICF一般セット30項目すべてV章に入っております。ですので、それとV章ですね、ほとんどその30項目プラスWHO-DASの内容となっておりまして、今の研究班でも、私がICFリハビリテーションセット、それから大夛賀先生がWHO-DASを使った調査というものを行っておりまして、それを上手くICFのV章にリンクしていく方法を探るということをこの先の展開として考えています。
 
○井上委員
 高橋先生のご報告で、リハビリテーションの範囲というような話があったかと思うのですが、その辺というのは、やはりリハビリテーションの定義自体が変わってきているのか、リハビリテーション2030のドキュメントの中のリハビリテーションの定義というかそれだとオプティマイジングファンクショニングだったと思います。なので、そのようなところが様々なところで広まってきているのか、そのもともとファンクショニングの中にそういう生活の問題や生活保護等の問題は入っていないというふうに考えるのか、そのあたりどう捉えればよろしいですか。
 
○高橋参考人
 生活保護が入っているのは、ドイツのBTHGにはそのような記載があるためです。そのBTHGはその障害者権利条約を見据えており、BTHGはまたICFに基づいて作られていますので、ただそういう意味で間接的ではありますけれども、リハビリテーションという枠を超えてもっと広いところでICFを使っているのではないか、だからもっとICFは広いところで使える可能性があるというふうに私は理解しています。
 
○井上委員
 ありがとうございます。
 
○中村委員長
 他にございますか。それでは世界の状況と今我が国でリハビリテーション学会を中心に、向野先生を中心にやっていただいていることを念頭に入れて、大変勉強になったと思います。そういうことも踏まえて6番の議題に移りたいと思います。
 生活機能分類専門委員会ワーキンググループの設置要綱及び運営要綱について事務局からご説明をお願いいたします。
 
○事務局
 資料6-1から6-3をお開き下さい。特に6-2についてご覧下さい。
 当委員会の下にワーキンググループを設置することにつきましてのお願いでございます。ご存知の通り、ICFは2001年にWHOで採択されております。我が国においては、2006年にICF、本ICF専門委員会を設置いたしまして普及啓発をして参りました。これまで2018年の6月にICD-11が公表されまして、その中において第V章、生活機能評価に関するセクションが設けられております。このセクションの中には、健康に関連する生活機能レベルを定量化するためのICFの項目も含まれています。事務局といたしましては、専門的見地を兼ね備え、さらに実務者レベルであり、現場に即した具体的な対応、これらがこれまで以上に求められるようになってくると考えているところです。
 具体的にワーキンググループで検討いただく内容としましては、WHOが刊行しますICFの資料に関する翻訳案の作成、他にはICD-11のV章を国内に適用するにあたって具体的な活用案、まず、これを翻訳しまして引き続いてフィールドテストへ持って行くというような検討をしていただければと思っております。もうひとつはWHOから提案されておりますICFの年次改正案に対する検討、日本からもこれに対しまして改正案を出していけるような体制づくりを目指したいと、目指していただきたいと考えております。
 ご検討いただきました内容は委員会に報告して承認いただくことになります。以上を踏まえまして、今般ICF専門委員会のもとに生活機能分類普及推進検討ワーキンググループを設置することをご提案いたします。以上でございます。
 
○中村委員長
 ありがとうございました。ここに先ほど才藤委員からお話が出たように、十何年経ってもなかなか現実化していかない話があってというのがベースにあると思うのですが、ここに現実に即したとかいう言葉が出てきますが、この背景について才藤委員の方からもう少し背景の説明といいますかご発言いただけますでしょうか。
 
○才藤委員
 ありがとうございます。先ほどからの高橋参考人あるいは向野参考人からの話は非常にわかりやすい二つの例だったと思うのですが、要は、ICFは非常に優れた志を持ったものであるけれども「統計」という言葉に使うためにはかなり大きな問題を持っていると。これは我々の認識ですし、この数年この会議でやってきた議論で、そのためには、こう天から地面に降りなくちゃいけないと、地面に降りる降り方は何か所もあると思うのですね。これはそれこそ生活保護の問題だったり雇用の問題であったり、あるいは虐待児であったり。これは社会そのものですから、それを全部眺めているような辞書です。だけども、今のところこういう方法論というのは医療においてはかなりサイエンティフィックというか、制度に直結したような方法で起こってきて、ICDはそういう意味ではICFよりもずっと具体的で、分類が出来てから病気というのが世界各国で同じものを語るようになってきたわけです。まだこれでも問題があります。それと同じことをたぶんICD-11の第V章に出てきたものからきっかけとしていければいいなと。その時に実際にその地面までくっつく部分を作って初めて他の糸も垂れてくるのだろうというふうに思うのですね。今回そういう意味ではせっかくV章が出てきたので、そこにこう垂らす糸を作り、それを基に他の社会制度にも同じような事をし、その中でお互いが干渉しあってきれいなICFの世界が出来ればいいのではないかと。いずれにしろ地面まで一回着かないと、要はきちんと統計の世界に乗らないといけないのだけれども、概念では統計には乗らないので、それをこのワーキングで非常に短い期間で対応していただいて、そうするとこんな例がありますよと、じゃあそれは児童虐待にどうですか等という話になってきてそうやっていくつも糸が垂れてくると糸同士の糸が繋がり、きれいなネットが編めるんじゃないかということだと思うんです。そういう意味では地面まで一回降りましょうというのが多分このワーキングの一番大きな意義で、この中で言うと多分2番が一番中心でそれによって他のところに派生してくるというのが私の理解です。
 
○中村委員長
 どうもありがとうございました。昨年来、というかこの委員会が新しくなって以来、どのようにICFを国内で普及させるかというのが一番大きなテーマになっております。そういう認識からそのことに対する答えを出そうということで、この会議を年2回開催してもなかなか進まないので、こういう研究班が立ち上がって実際上のステップを歩み始めておりますので、これをベースにワーキンググループを作って一層推進していただくということが事務局の提案と考えますがそれでよろしいでしょうか。考え方は。
 
○事務局
 まとめていただきましてありがとうございます。
 
○中村委員長
 わかりました。では、そういうご提案が事務局からございましたので、これについてご意見等ありましたらいかがでしょうか。はい、出江委員。
 
○出江委員
 東北大学の出江です。今日は大変参考人の説明でよくわかりましたし、今後の方向性についてもよくわかります。同意できます。私はリハビリテーション学会の担当としてコアセットの日本語訳を担当しましたけれども、なかなかまだ具体的に現場で使うというところまではいっていません。ただ、かなり言葉は普及してきたと思いますので今これを始めればさらにこれを加速することができると思いますので、この提案に全く賛成でございます。
 
○中村委員長
 ありがとうございます。他にご意見ありますか。大谷委員いかがでしょうか。
 
○大谷委員
 私の立場は現場のデータというのを収集の入り口あるいは出口にはなかなか遠いのですが、お話を伺っていると、私でもわかるようなレベルまでだんだん降りてきているなという感じはいたしました。方向性としては非常に良いのではないかと思います。
 
○中村委員長
 どうもありがとうございます。奥平委員何かご意見ございますでしょうか。
 
○奥平委員
 質問で良いですか。
 
○中村委員長
 はい、どうぞお願いします。
 
○奥平委員
 このワーキンググループ、作業を進めるのにとても良いと思うのですが、期限は決めないのでしょうか。
 
○中村委員長
 いつまでに結論を出すかとか時間的な内容が入っているかどうかというご懸念でありますが事務局いかがでしょうか。
 
○事務局
 中身はかなりいろいろ検討しなくてはいけないかと思いますので、やればやるほどたぶんあると思うのですけれども、ただ専門委員が2年の任期でもありますので、まず2年を目安にして、その都度検討したいと思います。
 
○才藤委員
 2年間とおっしゃいましたが、現在、何年目と理解すればよろしいのでしょうか。
 
○事務局
 この委員会の委員の任期は、今年の3月26日で終わりです。
 
○才藤委員
 そうするとその次の2年というより、親委員会と同じ任期にしないと結論を聞かずにまた変わってしまうので、2年後にはきちっとした報告をしていただくと。そういうふうに決めたらいかがですか。その後も継続するかどうかはその時点で決めると。
 
○事務局
 そうですね、おっしゃる通り2年の終わりの頃にご報告、もしくは、その都度ご報告して継続するのかどうかご相談をさせていただければと思います。
 
○中村委員長
 ありがとうございます。要するにこの委員会では3月に任期が一応終わるわけですね。ですから、この2年間でやったことを2つの今ご報告をいただいたようなことが、ある意味成果でもあるわけで、これを引き継ぐと次のタームにワーキンググループを使ってさらにそれを進化させて具体的な案になるようにというのをこの委員会では出すという意味になろうかと思いますが、奥平委員それでよろしいでしょうか。
 
○奥平委員
 はい、ありがとうございます。
 
○中村委員長
 はい、他にございますでしょうか。
 才藤委員が時間でご退室されますので、一言いただければと思います。
 
○才藤委員
 それで、注文なのですが、やはりきちっとしたデータになるというためには、現場で働いてもらわなくちゃならない、色々なデータを取るには。そういう意味で是非、予算化をしていただいて、予算化というか研究費を上手くつけていただいて、2年できちっとした報告書が出るような規模の闘いを他部署とやっていただいてよろしくお願いします。これたぶん結構いいところまで来ていると思います。他よりも進んでいます。いろいろ僕は国際学会で話を聞いているのですが、みんなこう2年のところで止まってそれ以上行かないのです。良い仕事をして国民を幸せにするためには、ちゃんと地面に降りる仕事をするというのが、このたぶんワーキンググループの意義だと思うので、ぜひバックアップをお願いします。
 
○中村委員長
 どうもありがとうございました。地面に降りるというのはいい言葉でしたね、なんか糸を垂らして地面にまず降りると一回。というのは大変良いイメージが出来たように思います。では先生どうもありがとうございます。
 他にどうぞ。はい、鎌倉委員。
 
○鎌倉委員
 この調査の対象というのはどの範囲までになるのでしょうか。福祉や小学校での活用も視野に入れたお話が出てきているかと思うのですが、実際に看護の場面ですと広く在宅ケア等に関わってきますので、第一段階としてはどうなるのかということをお教えいただければ有難いです。
 
○中村委員長
 向野参考人お答えいただけますか。
 
○向野参考人
 我々の取り組みとしましては、まず医療の場面からということですけれども、やはりその先の介護福祉のところまでは、まず直結しているところですので、まずそこの範囲をカバーするということを第一において、それができたらそのあと広げていけるのではないかというふうには考えております。
 
○中村委員長
 よろしいでしょうか。
 
○鎌倉委員
 はい、わかりました。
 
○中村委員長
 今のお話ですと、まずICD-11のV章に入ったということは医療に入っているので、医療のところからスタートして1回その有効なもので地面に降りるということをサイエンティフィックにしかも裏付けられたもので1回やってみると。現実にICFを使ったそういう評価ができていないので、それをまず一度、まず医療からの障害について確認をするという作業だと思います向野委員のお話はですね。それから、高橋委員のお話は実はもっと広く、社会的な要求に対しICFを活用していく必要がある点は、まだまだ沢山あるわけですね。それを一度に全部やろうとすると今までのようにまた元に戻って進まないということになるので、この委員会が次の委員会にお願いしたいのは、医療に関するところでまず現実的な答えを出してもらって、社会の実証化まで進めたいということだと先ほどからの説明等は理解をしておりますが、事務局それでよろしいでしょうか。現在のところは。
 
○事務局
 これまでの専門委員会での議論を踏まえ、イメージ図も作ってきましたけれども、ICFの活用の場は沢山ありますが、実用化をまず着手するというところとしては、専門家が比較的集まっているところ、医療のところでまず実現化していって、そこから色々なところに広げていくというのを進めてはどうなかというのが、専門委員会のこれまでの議論もあったかと思いますので、それを踏まえてやっていければなと考えております。
 
○中村委員長
 よろしいでしょうか。現在のわれわれのステップとしてはそういう状況ということです。
 
○鎌倉委員
 はい、了解しました。在宅でも実は在宅医療ということで訪問看護ステーションなどがかなり医療行為をしているものですから、そのことも含めて考えたのですが、現段階としては病院などの実際の医療の場面ということですね。
 
○中村委員長
 それは向野委員いかがですか。基本は急性期ということですよね。急性期から繋いでいくためのもの。
 
○向野参考人
 我々の今までの取り組みは急性期回復期というところまででした。ただ、今回ですね研究費も医療介護連携を促進するための取り組みということで頂いておりますので、この先に在宅や施設での評価に繋げていくというところまでを我々としては考えております。
 
○中村委員長
 よろしいでしょうか。先はずっと見えているわけですけれども、進んでいく道は。
 他にございませんでしょうか。齊藤委員いかがでしょうか。
 
○齋藤委員
 ありがとうございます。私も同じ質問をしたかったのですが、医療で急性期から始めるというのは今までの研究の延長線上として理解できるのですが、今鎌倉委員がおっしゃったように在宅の医療もそうですけれども、医療介護連携ということが今大きなテーマになっていますので、そこまでの視野を広げておくというようなスタンスはあっても良いのではないかと思います。近い将来は少なくともここまでは行きたいというビジョンを示しておくべきじゃないかと感想めいたことになりますけれども、思った次第であります。以上です。
 
○中村委員長
 今貴重なご意見いただきましたので、このワーキンググループが立ち上がって、どういうスコープでどこまでやるかという中に今の齊藤委員のおっしゃったスコープをしっかり入れて先が見えるようにしていただく、見通しですね、ビジョンを我々持たなければいけないので、そのビジョンとして齊藤委員からご指摘があったように思いますが、よろしいでしょうか、ワーキンググループが今日ご承認を頂ければそういうことでお願いをいたしたいというふうに思います。他に出江委員それでよろしいでしょうか。
 
○出江委員
 全くその通りだと。介護、生活の在宅ですとかそういったところまでスコープを入れることになったら賛成です。
 
○中村委員長
 どうもありがとうございます。じゃあその点よろしいでしょうか。井上委員よろしいでしょうか。
 
○井上委員
 それで進めていただければと思いますが、診療情報の学会で少しICFのお話をさせていただいたときに、やはり診療情報を扱ってICDのデータを扱っている専門職ですか、そういう方々がこのV章のデータに非常に興味を持たれていましたので、まずそのあたりから始まるというのはノウハウも持っている人たちを巻き込んでやれますので、すごく広がりもいいのではないかというふうに思っております。
 
○中村委員長
 よろしいでしょうか。世界の潮流としてICD-11にV章が入ったというのがやっぱりすごく大きいことだと思うんですね、齊藤委員がおっしゃった通り。それを我々も同じような道を利用して進めたいということだろうと思います。
 他によろしいでしょうか。よろしければちょうど1時間を過ぎましたので、これで報告へ戻りたいと思います。それじゃ議題1についてお願いしたいと思います。事務局からご説明お願いします。
 
○事務局
 それでは、資料1に戻りまして、WHO-FICネットワーク年次会議(2018 韓国会議)の概要の資料をご覧ください。ご報告になります。昨年の11月にWHO-FIC年次会議が韓国で開催されまして、国内の協力センターや専門家の方々にご参加をいただきました。簡単にご報告になりますけれども、全体ではアルマ・アタ宣言というプライマリ・ヘルスケアの重要性をうたった宣言があり、40年経ました。テーマとしてこのようなプライマリ・ヘルスケア、アルマ・アタ宣言といったところがクローズアップされまして、より質の高い健康医療情報を集めていくということがうたわれました。ICDに関しましてはご承知の通り、昨年6月にICD-11が公表されまして、今年の5月に世界保健総会に提出される予定ということで着々と準備が進められております。ICFに関しましては、まさしく先ほどのICD-11にV章、functioningの章が作成されたこと、またICF自身に関しましては、2017年ということでオンライン版が完成したり、Education platformや eラーニングツール等についても共有されました。また、開発中の分類にICHI、Health Interventionsの国際分類といったものがあります。こちらは手術や検査、公衆衛生学的な介入等諸々が入った分類になりますけれども、今2018年β-2版といったものが公表をされております。今後教育ツールなどを用いてフィールドテストをした上で完成に向けて作業していくというような状況が共有をなされました。WHO-FICの各委員会については表にありますが、日本からも何名か共同議長を務めていただいております。
 2つ目、2ぺージ目になりますけども、ICF関連で主なものを共有いたしますと、これまでICF、ICDと同様に、URCと呼ばれるところで分類の改正改訂といったものを審議しておりましたが、ICD-11との動きと連動しまして組織改編が行われまして、CSAC分類・統計諮問委員会といったものに改組がなされております。この図にありますプロポーザルが左から提出され、真ん中の各種委員会で審議を行い、この中でICFに関しては下から2番目のFDRG (Functioning and Disability Reference Group)といったところがICFの担当になりますが、こういったところで審議を経て、最後に分類統計の視点からCSACにて審議を加えて、改正が行われるという流れ図に今後なっていきます。
 3ページ目になりますが、生活機能分類グループFDRGといったところのセッション、先ほど申し上げたようにICFの動向について共有がなされたのですが、今後の動向としてICF2020年版をまとめるとの話がありました。WHO-DASのChildren版を作っていくといったような話があります。また、EIC教育普及委員会というものがありますが、ICD-11の活動と、ICFに関してはeラーニングツールの開発を進めていただいていて、各国の翻訳作業といったものが進められております。
 その他になりますけれども、協力センター、日本からもポスターの申請、登録をしておりまして、ICF関連では3点、ポスターが会場でも掲載されました。そのポスターに関しましては、資料1の別紙2,3,4になりますけれども、1つは成育医療センターの玉井先生、橋本先生の方でご研究いただいたものが別紙2になります。別紙3は国立保健医療科学院の大夛賀先生が進めてくださったICFのWHO-DAS2.0を使った研究になります。別紙4は、奈良医大の小松先生の方でICD-11のV章とICFのマッピングや、比較検証していただいたポスターの内容になっております。次のWHO-FIC年次会議については、10月カナダを予定しております。申し遅れましたが、別紙1になりますが、CSACにおいてICF本体の改正の審議が行われまして、多数の審議がありましたが、その中で8件が承認をされて次のアップデートに反映をされるというような状況でございます。資料1については以上になります。
 
○中村委員長
 どうも、説明ありがとうございました。それではご質問等ございますでしょうか。報告についていかがでしょうか。
 
○奥平委員
 これは何か国くらい出ているのですか。分からないですか。
 
○事務局
 WHO-FICの協力センターは、19ぐらいとなっていまして、その他に民間団体であったり、医療情報系の学術団体であったり、大学等に参加をいただいています。また、韓国の会議では、韓国が色々な協力センターではない国も招聘をしていて、かなり大きな規模で国際会議として開いておりました。
 
○中村委員長
 他に質問、あるいはご意見、コメント等ございますでしょうか。
 また、最後に残ったものがあればお願いしたいと思いますので、議題2に移りたいと思います。ICFの一部改正2018年の仮訳(案)について、よろしくお願いします。
 
○事務局
 資料2をご覧ください。こちらは、一昨年2017年にWHO-FICで審議され承認されたものが、2018年の1月に、2018年版としてWHOで発表されまして、それを基に日本語に訳したもののリストでございます。
 内容に関しまして、仮訳の方針としては既存のこの国際生活機能分類の赤い本を踏襲するかたちにしています。けれども、原本にない言葉に関しては、なるべく分かり易い言葉、言い回しにしています。英語を日本語にするときに杓子定規な、辞書に書いてあるからというような訳し方ではなくて、なるべく分かり易くということを考えて仮訳をいたしました。仮訳の内容についてご覧いただきまして問題があるということであれば、3月末までに事務局にお知らせいただきたいと思います。この2018年版についきましては、先ほども報告がありましたけれども、WHOのホームページ、WEB上で新しくICF2017として検索ができるデータベースができています。それにプラスした2018が報告されています。先日WHOに対して、毎年ICFはアップデートされていくけれども、そろそろセカンドエディションは出版しないのですかという質問をしましたら、非公式情報ですが、今年のWHO‐FICで今までずっと懸案になっていた事項を整理しようとしている。今まで懸案だったものをきれいにして、次の年度で第2版を出そうと考えているようです。日本としては、これまで、日本語に訳したものが溜まっているので、日本語版としてまとめることを検討しようかと思ったのですが、WHOが第2版を出すのであれば、それを待って、日本版を作成することを考えているところです。ワーキンググループで内容の精査もしていただけると思いますし、向野先生が簡潔で分かり易い表現というご研究もされているので、注釈をつける等をして、より利用しやすいものが作れたらと思っております。仮訳に関してのご報告は以上です。
 
○中村委員長
 ありがとうございました。私も少し見ましたけれども、良く訳されているなという感じがしました。ご苦労様ですと思います。皆様は御一覧いただいて、何か問題やご意見がありましたら、3月までにご一報いただければありがたいというふうに思います。その場合はその時に対応を事務局の方でお願いしたいというふうに思います。ありがとうございます。 
 それでは、議題3でよろしいでしょうか、議題3はICD-11のV章の仮訳についてでございます。資料のご説明をお願いします。
 
○事務局
 資料3をご覧ください。WHOのWEB上に載っているV章を抜き出したものでございます。今現在、できる範囲で仮訳を施してございます。前回の委員会のときに、ICD-11に対応するICFのコードは何かというご質問をいただきましたので、表に付け加えてございます。既存のICFコードと1対1対応ができるものありますし、範囲が異なるものもあります。そして、WHO-DAS2.0の36項目全て入っておりますが、その英語を見ますと、微妙に少しずつ言葉が違ったりしています。V章として見たときに、記載されたその英語に対して、既に訳されたWHO-DAS2.0の日本語をそのままもってきて良いのか、あるいは、他の章との整合性を考え、V章として訳の工夫をするのかというのは、やはり議論していただく必要があると思っております。事務局として集めた資料から作った仮訳でございますので、是非これにもご意見をいただきたいと思います。以上です。
 
○中村委員長
 ご説明ありがとうございました。これも機会がありましたらご一読を是非お願いして、事務局の方へコメント等ありましたらご連絡いただきたいというふうに思いますがいかがでしょうか。現状でご質問等ありましたらお願いをいたします。
 これは、恐らくワーキングフループでも関連することだろうと思いますので、その点はワーキンググループが立ち上がりましたら伝えていただきたいというふうに思います。よろしゅうございますでしょうか。どうぞ。
 
○事務局
 補足になりますけれども。ICD専門委員会という別の組織があり、そこでICD-11全体の和訳案を作る予定となっております。ただしV章に関しましては、ルーツがICFですので、やはりこの委員会にご意見を伺うべきだろうということで、今回資料を出させていただいております。ご意見があればいただいた上で、ICD専門委員会に持ち帰って提示をしたいと思っております。V章に関しては、これまでに直接専門とされる学会もないため、他から意見は出てこないかと思うのですけども、ICD-11全体は日本医学会を通じて全学会に意見照会をしております。仮にそこを通じてV章に関しても意見が出てくる場合は事務局で調整をしたいと思っておりますが、その際はまた適宜ご相談をさせていただければと思います。
 
○中村委員長
 分かりました。ただ今のご説明もよろしゅうございますでしょうか。はい、橋本委員お願いします。
 
○橋本委員
 WHO-DASはせっかく出ていて、世界ではこれでいこうとなっている。それからチルドレンの案も出ていまして、研究を進めていくときに翻訳に関して微妙な違いがあります。例えば「可動性」よりも「運動」、「移動」のほうがしっくりきますが、「可動性」として日本レジリエンス医学研究所が発行元となり出版されていて、ネットでも無料でダウンロードでき、そうなった時に非常に研究がやりにくい。どちらがオフィシャルなのかという。そうなった時にやはりICD-11のV章の政府として、厚労省として認めているものに準じたWHO-DASといったものが必要になると思いますが、今後その点について何かもうひとつ政府見解として出版物にするかしないかは別として、公式な物を出す予定があるのかこれ非常に重要なことだと思いますけどいかがでしょうか。
 
○事務局
 少なくともICD-11につきましては、和訳をして、WEBでも日本語で見られるようにしたいと思っております。また、WHOで書籍が出てくればそれに準じた日本語を出したいと思っておりますが、それと現行のWHO-DAS2.0の書籍というのが、どのような関係になるか、出てきてからの検討になるのかなと考えております。
 
○橋本委員
 研究レベルで多分モディファイしたものを作ってやるほうが多分良さそうですね。つまり、今出ているものを引用するという使い方よりは、ある程度臨床の現場でコンセンサスが得られそうなものにしていく。ちょっとまだわからないですけどね。
 
○中村委員長
 でも、できれば何らかの国なり、どこでもなんだか用語委員会とかいうのは、ちゃんと学会レベルで立ち上がったり、国レベルで出たものが基本的には使われるということになるだろうと思いますけどね。
 
○事務局
 V章以外のところは、臨床分野の学会が用語委員会をお持ちで、そこでご検討いただいて、現在意見をいただいているところです。V章についてはどちらの学会に相談するというのもなかなか難しいところでして、お知恵をいただければなと考えております。
 
○中村委員長
 本当はここですか、出江先生
 
○出江委員
 ですかね、障害の医療ということであればリハビリテーション医学会ですが、医療以外の問題もございますので、そこは他のところとも連携しないといけないと思います。
 
○中村委員長
 基本はリハ学会が一番適当で、リハ学会の方で何らかの理由、例えば福祉用具のことなんかは井上先生に聞くとか、そういうふうにどこかでまとめていただくのは必要な気はしますけどね。リハ学会がハブの機能としては一番良いと思います。
 
○事務局
 リハ医学会の先生が沢山いらっしゃいますので、後程、ICD-11、V章の和訳についてご相談させていただいてもよろしいでしょうか。
 
○中村委員長
出江委員の方は、この間のコアセットの時もご活躍いただいて、知り尽くしておられるので、ご相談をされたらどうかというふうに思いますが、よろしくお願いします。
 
○事務局
 ありがとうございます。
 
○中村委員長
 次に資料4お願いします。
 
○事務局
 資料の4をご覧ください。今まで例年ICFシンポジウムとして過去7回ほどやってまいりましたが、昨年は日・WHOフォーラム2018として開催をいたしました。理由はWHOが6月にICD-11を公表したことがありまして、今後ICD-11を使っていただきたいというお披露目、ICFの一部が取り組まれたことも、皆様にそれを周知したいということがあって開催をいたしました。資料には、URLを書いてございますが、閲覧することができますのでどうぞご覧下さい。ICD-11は2007年にキックオフをしてから長い月日をかけてようやく公表、今年の5月に勧告になるわけですけれども、やはり色々な方にお世話になりました。そういう意味では、当日配布資料として、プログラム他にICD-11の今までの経緯みたいなものを何人かの先生に書いていただいたのですが、フォーラムの後、僕もこんなことやったよとか、こういう苦労があったよというようなお話しをいただいたり、学会としては何百人という方の協力があったというお話をいただいたりしたので、それでは、ご貢献いただいた方々のお名前も掲載した集大成版を作ろうと3月末を目指して、今一所懸命作業を行っているところです。十何年かけて作ったICD-11は、日本が大きく関与してできたということをご報告したいと思います。フォーラムの報告に関しては以上です。
 
○中村委員長
 ありがとうございました。フォーラムのご報告についてご意見、あるいはあのとき出席された先生方のご感想でもあればお伝え下さい、いかがでしょうか。
 
○井上委員
 フォーラム当日はポスターの発表もたしかありまして、色々な分野から出ていて本当にご覧になっている方がすごく多かったという印象がありますので、議事録等に残しておいていただければと思います。
 
○中村委員長
 井上委員からの要望のように、ポスター発表が何件あったかということは入れておいてください。
 
○事務局
 了解いたしました。
 
○中村委員長
 参照先をお示しいただく形でも良いと思いますけど。他によろしゅうございますでしょうか。
 それでは、1から6までの議事について何かお気づきの点がありましたらお願いをしたいと思います。ないようでしたらその他の方へお願いいたします。
 
○事務局
 本日の議事についてはこれで終了になりますけれども、全国老人クラブの齊藤委員より、資料をいただき、ありがとうございました。テーブルの方に配布をしており、ご紹介を齊藤委員からお願いできますでしょうか。
 
○齊藤委員
 貴重な時間を恐縮でございます。実は私どもの不手際でもう一冊あったのですが、指示出しが悪くて届いておりませんので、いずれ別の機会に配布させていただきます。
 今日ご出席の先生方皆様ご承知の通りではございますが、日本老年医学会でフレイルのお話をされて、今フレイル予防が全国で色々と進められております。フレイル予防の要素の中で、従来から言われている栄養だとか、運動ということは良く理解できるわけでありますが、今まであまり言われてなかった社会参加ということが非常に大事で、運動を一生懸命するグループだけじゃなくて、社会参加をやることが健康に非常にプラスになるというそういう考え方で、これを提唱なさっておられる東大の飯島先生に来ていただいて講演をしていただいたりしているわけです。老人クラブという組織は、今お手元に配布している資料で様々な活動を通じて外出の機会がある、それから、仲間と一緒に行動するというようなこともあって、私どもは体験的に老人クラブ活動をしていると非常に健康だという思いがあったのですが、飯島先生の話しにプラスして、JAGESという千葉大の近藤先生の研究グループの皆様が、高齢者をターゲットにして様々なその研究をされておられます。その中に組織に入っている高齢者と、そうでない高齢者をかなりの年数をかけて比較をして健康度を調べると、どうもその組織に入っている人に優位性があるといったようなデータがあります。また、運動しているということが大事だけれども、運動を1人でやって黙々と努力している方々と、グループで運動している方々では、やはりグループの方に優位性があるといったような興味深い研究が数多くございます。もう一冊今日忘れたというのはそちらの方の事をまとめて近藤先生たちからご協力いただいて作らせていただいたものなのですが、実はこういった事が先程来お話があります医療介護連携というようなことを考える上でも、増大する高齢者に元気度を保ってもらうかと、またフレイル状態になってもまた元気を取り戻していただくかということは、重要なテーマではないかなというふうに思っております。フレイルチェックは、100項目くらいのかなり細かなチェックポイントがあるわけでありますけれども、是非そういったものの中にこのICFの概念なども整理して入っていくと、科学的にもよく分かってくると言いますか、更に強化されるのではないかと個人的には思っているところもあります。是非そんなことの視点もこの委員会等々で色々と知見をいただきながら、高齢者が日ごろやっていることと健康との問題、また、その介護予防といいますか、フレイル予防との関係性が非常に深いということも研究を深めていただければ大変ありがたいと思っております。つたない資料で大変恐縮ではございますが、また別の機会に今回お見せできなかった資料についてはお届けいたしますことを約束させていただいて、私からのお話とさせていただきます。ありがとうございました。
 
○中村委員長
 齊藤委員、資料とご説明ありがとうございました。
 それでは、次回の予定や全体の話をご説明いただけますでしょうか。
 
○事務局
 次回につきましては、また後程日程調整のご連絡をさせていただきたいと思います。また、本日は現任期中で最後の委員会となります。委員の皆様におかれましては、ご多忙の中熱心にご議論、ご参加をいただきまして大変ありがとうございました。感謝申し上げたいと思います。今回で退任をされます大谷委員から一言ご挨拶をいただきたいと思いますが、よろいしでしょうか。
 
○中村委員長
 大谷委員お願いいたします。
 
○大谷委員
 やはりこの社会の基盤整備として、先ほどから議論されているように10年来の蓄積と言いますか、時間的な経過が、出口の見えないトンネルからトンネルの出口に少し明かりが見えてきたということが、今日分かりましたので是非地道にと言うか、先を見据えて進めていただきたいというふうに期待しております。ありがとうございました。
 
○中村委員長
 大谷委員どうもありがとうございました。引き続き、本委員会はICFの普及に努めて参りたいと思いますので、関心をよせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、今期の委員会としては本日が最後となりますが、次回、あるいは時期につきましては事務局から連絡があろうかと思いますのでよろしくお願いしたいと思います。
 それではこれで閉会といたします。
 
○事務局
 本日は活発なご議論、ご意見いただきまして大変ありがとうございました。以上で第19回社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会を閉会いたします。本日はお忙し中ありがとうございました。

 

(了)

政策統括官付参事官付
国際分類情報管理室 疾病傷害死因分類係
電話:03-5253-1111 内線7493

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