ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 年金局が実施する検討会等> 被用者保険の適用拡大に関する効果的な広報のためのアドバイザー会議> 第3回被用者保険の適用拡大に関する効果的な広報のためのアドバイザー会議(2024年2月21日)議事録

 
 

2024年2月21日 第3回被用者保険の適用拡大に関する効果的な広報のためのアドバイザー会議

年金局

○日時

2024年2月21日(水)12:00~14:00
 

○場所

全国都市会館 3F 第2会議室
千代田区平河町2-4-2

○出席者 (五十音順)

                     
上田 憲一郎(座長)
岡村 正昭(構成員)
佐藤 博樹(構成員)
佐藤 麻衣子(構成員)   
宮武 貴美(構成員)
諸星 裕美(構成員)
山口 真一(構成員)
横川 楓(構成員)


○議事

○上田座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第3回「被用者保険の適用拡大に関する効果的な広報のためのアドバイザー会議」を開催いたします。
 まず、本日の構成員の出欠状況ですが、島貫さん、宇佐川さんから御欠席の御連絡をいただいております。
 岡村さんが途中御退席とお伺いしておりますので、御意見は早めにお伺いしたいと思っております。
 なお、本日、橋本年金局長、小野総務課長、若林年金課長、芦田年金広報企画室長より御出席をいただいており、また年金広報企画室職員が出席いたしております。
 それでは、議事に入ります前に事務局から資料の確認をさせていただきます。
○芦田年金広報企画室長 年金広報企画室長の芦田です。本日もよろしくお願いいたします。
 本日の資料は、議事次第、資料1-1「被用者保険の適用拡大に関する効果的な広報のためのアドバイザー会議」開催要綱」。
 資料1-2「被用者保険の適用拡大に関する効果的な広報のためのアドバイザー会議」構成員名簿」。
 資料2「被用者保険適用拡大に関する広報資料の制作に関する調査(報告)」。
 資料3「被用者保険適用拡大に関する広報について」を準備しております。
 傍聴される方におかれましては、あらかじめ厚生労働省ホームページでお知らせしておりますとおり、御自身のタブレットなどの携帯端末を使用して、厚生労働省ホームページから資料をダウンロードして御覧ください。
 事務局からは以上でございます。
○上田座長 ありがとうございました。
 カメラの方がいらっしゃれば、ここで退室をお願いいたします。
 それでは、これより議事に入らせていただきます。
 本日は「被用者保険適用拡大に関する広報資料の制作に関する調査報告及び被用者保険適用拡大に関する広報について」を議題としております。
 まず最初に、被用者保険適用拡大に関する広報資料の制作に関する調査報告について、本アンケート調査業務の受託事業者の皆さんより御説明をお願いいたします。
○受託事業者 では、先ほどの資料2の「被用者保険適用拡大に関する広報資料の制作に関する調査(報告)」を用いまして説明をさせていただきたいと思います。
 まず2ページ目を御覧ください。
 先般、前回の第2回アドバイザリー会議においての主要な議論、御意見等を簡単にですが整理をさせていただいております。
 「ヒアリング内容、企業選定」についてですが、まず「ヒアリング内容」について幾つかの御意見をいま一度振り返らせていただきたいと思います。
 今回のヒアリングの中で従業員とどのようにコミュニケーションを取っているかですとか、加入に至るまでのスケジュール感やスケジュールを検討するに当たって企業側がどんな点を考慮したのか。また、助成金の活用有無、企業側の具体的なリソース、人員数、体制、加入した人数規模、加入しなかった理由、取組のメリット、延長した分の時間に充てた業務内容、加入促進に寄与した社内制度や社内の仕組み、例えば短時間正社員制度などについて聞いてはどうかというところを御意見としていただきました。
 次に進みまして、「ヒアリング対象企業の選定」についてです。こちらにつきましては、あまりやる気がない、取組当初はあまりうまくいかなかった、苦労を経験したなど、今回の適用に係る取組においていろいろ悩まれた企業を中心にヒアリング対象として含めるべきというところ、それからヒアリング対象企業について50人規模以下の企業も含めるべきというところ、または社内の人員のみで対応したケースと社外の専門家、当然社労士などの方々に頼ったケースなども把握すべく企業選定を行うようにというところもコメントとしていただいております。
 続きまして、3ページに進んでいただきたいと思います。「広報コンテンツ・ツール」についての御意見というところになります。
 「企業向け・従業員向け共通」として、幾つかコメントをいただいております。面談する際に活用可能なコミュニケーションサポートツールのようなもの、例えばこのような話が出たらこんな話をしましょうと分かるようなものを作成すべき、または短時間の動画を作成することも一案、または実際に従業員が短時間で働いている理由や今後の働き方の希望について把握可能なチェックシートや相談シートのようなものがあるとよいですとか、社会保険加入による負担額と将来もらえる金額をビジュアル化可能なコンテンツ・ツールとするものもいいのではないか。また、フローチャート等で対象企業か否かを各企業が把握可能なツールがあるとよいという点や、検討が必要な項目、例えば子供の学費等を洗い出して示すというのも一定程度効果があるのではないかという点、ペルソナを幾つか設定し説明することなども一案、将来的に受け取れる額が大きく異なる点なども伝えるべき、または視覚的に理解しやすいツール・コンテンツとすべき、炎上リスクを最小限にすることを意識したコンテンツ作成を行うべき、自社ごとにカスタマイズ可能なコンテンツ・ツールがあるとよいなどをコメントとしていただいております。
 続きまして、「主なヒアリング結果概要」というところに移りたいと思います。4ページ目を御覧いただければと思います。
 まず今回のヒアリング結果につきましては、大きく3つのシーンに分けてヒアリング内容というものを整理させていただいておりまして、そのシーンごとに各種コンテンツに内容が反映されているというふうに御理解をいただければと思います。
 まずシーンのほうだけ先に触れさせていただきますが、左表側部分を見ていただければと思います。
 1つ目は事業主が企業において社会保険の適用を検討・意思決定するシーン、次に5ページ目に進みまして事業主が従業員と社会保険の加入に向けて相談する際のシーン、最後に、従業員が御家族と労働時間など働き方を変える相談を行うシーンという大きく3つのシーンに分けて今回取りまとめをしております。
 では、まず最初に事業主が企業において社会保険の適用を検討・意思決定するシーンについて、どのような内容を、ヒアリングを通じて聞き取ったのかというところを簡単にかいつまんで御説明したいと思います。
 まず【適用拡大に関する認知のきっかけ】というところが1つ目、2つ目は少し詳細も触れさせていただきますが、【従業員説明に向けた準備】というところで、取組に関する企画や資料作成を人事労務担当で行ったのか、どういう体制で行ったのかという話ですとか、半年程度で取組を計画して実行した、社内報を作成し従業員に周知をした、人事・労務担当者から各拠点の部課長へ説明を行い、各拠点の部課長から対象職員へ説明するという形で、2段階で周知説明を行ったなどのケースがございました。
 また、人件費負担についてはシミュレーションを実施の上、役員や社長に具体的なインパクトなど適用拡大について報告を行うケースなどもお聞きしております。
 その中でも一部、拠点長について先ほど2段階でというところで御説明をしましたが、その際に社内のポータルサイト上で制度の概要ですとか、よくあるQ&Aなどを共有し、拠点長のサポートを行ったというようなケースも伺っております。
 また、個人別の保険料負担額の試算を上司と対象者に送り、相互に齟齬がないような形での案内通知を行ったような話も伺っております。
 加えて、正社員へ全体周知という一環で、朝礼などで適用拡大について周知し、正社員から対象となる部下のパート社員などに適用拡大対象となる旨を伝えてもらうというような形での周知などについても伺っております。
 続きまして、今回の適用拡大について具体的な保険加入に係る【企業側のメリット・取り組み意義】についても伺っております。
 主な内容としては、社会保険加入により法定福利費が上がったとしても、人材確保の観点でメリットがあり、当該メリットを優先したという点ですとか、法で定められている事項であまり企業側にメリットは感じていないという少しネガティブなコメントなどもお聞きしています。
 また、就業抑制ではなく従業員の労働時間を延ばすことに重きを置き、手取りなどが減らないような対策を講じたケースもあるようです。
 また、家庭事情などを理由に長時間働けないケースなどもあるということもお聞きしています。
 続いて、5ページ目に移りたいと思います。
 人事労務担当者向けの広報物について、どんなものがあるとよかったのかという点について少し御意見などを聞いております。
 詳細説明があったほうが理解しやすいため、数ページ程度のボリュームがあるような広報物、ガイドブックなどがあればよかったですとか、何を説明すればよいのかというポイントがどうしても担当者の場合、迷うケースもあるので、そういったところをポイントが分かりやすく説明されている広報物があるとよいというところも御意見として伺っています。
 また、【その他】の意見としては、キャリアアップ助成金について魅力的と感じるといった点も御意見としてお聞きしています。
 続いて次のシーンで、事業主が従業員と社会保険の加入に向けて相談をするシーンにおいて具体的に聞いた内容についてご紹介いたします。
 従業員向けの周知として、1つとしては社内報を独自に作成し、紙で印刷し、給与明細に折り込む形での全従業員への配布ですとか、既存のチラシ・ガイドブックなどを活用し、周知広報の実施ですとか、社会保険料の計算例及び手取り額のイメージをメールで通達するなど、各社各様で工夫をし、周知をしているようなケースが多いようにお聞きしています。
 また、コロナ禍で集合型の全体説明会が難しい中、オンライン環境にアクセス可能な人と難しい人がいたため、おのおの対面での説明会を複数回開催し、その際に人事側の工数的な苦慮などもあり、結果として動画作成に至ったというようなケースなども伺っております。
 動画内では「具体的に何が変わるか」という一番従業員から見て関心のある点などについて、分かりやすく伝えていただいたというところも伺っております。
 また、社会保険加入による手取りの金額を、シミュレーション可能なツールを会社独自にExcelで作成し、従業員へ参考資料として展開するようなケースもあったと伺っております。
 また、一部の希望者については個々の事情などもあるので、個別に説明を実施するなどもケースとして伺っております。
 また、厚生労働省の既存のチラシ・ガイドブック及び「雇用形態表」のような、主に勤務時間に応じて複数パターンの働き方を提示、各働き方における保険の適用有無や退職金、手当、休暇の付与の有無についての星取表で整理したものなどを配布し、今後の働き方について家族と話し合っていただくよう各職員へ伝達し、家族に対しての説明周知におけるサポート的な意味合いでの取り組みもあったと伺っています。
 では、続きまして6ページ目です。
 【従業員の説明内容・従業員からの反応】の部分になります。
 高齢の方には年金額の増加や病気・死亡時の保障の手厚さなどがメッセージとして刺さったですとか、働き盛り層や主婦層には出産手当金、傷病手当金、退職金、雇用保険がメリットとして刺さったというところ、またはコロナ禍だったというところもあり、傷病手当金の支給が特に魅力的だったなど、各対象層によっても少しメリットに感じたところが違ったといった点を伺っております。
 また、長期的に今後のキャリアを見据えて社会保険への加入を決めた従業員がいらっしゃったりですとか、一部扶養から外れてしまうことを懸念し、加入しなかった従業員が多かったりですとか、家庭の事情で労働時間はあまり増やせないことを理由に社会保険の加入を踏みとどまったようなケースも伺いました。
 次に【広報物について】の部分になります。社会保険加入により将来的にもらえる年金額が増える点を具体的な数値で示すことができると従業員の理解促進にもつながるというニーズを伺っております。
 また、従業員向けの案内資料として、A4裏表程度でシンプルなものがよいといった点や、平易な言葉や表現を使わないと理解してもらえないという点もコメントとしていただいています。
 また、社会保険加入について自分事として捉えることの重要性を訴えるような企業さんも一部いらっしゃいました。
 【社労士との連携】というところについても伺っております。一部のヒアリング先においては、専門家として顧問の社労士の方に御協力をいただいて従業員の説明などを行ったケースもありました。
 顧問の社労士からQA集などをもらって従業員からの質問について回答を行っていたという形で、法律的な見地から御相談をいただいていたようなケースもございました。
 最後に、従業員が御家族と労働時間など、働き方を変える相談を行う際のシーンについて幾つかコメントをいただいております。詳細は割愛しますが、配偶者の扶養手当などを家族へ確認するように個別にアドバイスしたことや、実際に加入したことで配偶者側に出る影響などについてアドバイスを行ったケースがございました。
 以上、簡単ではございますが、被用者保険適用拡大に関する広報資料の制作に関する調査について御報告をさせていただきました。
○上田座長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして「被用者保険の適用拡大に関する広報について」、事務局より説明をお願いいたします。
○菊地係長 資料3「被用者保険の適用拡大に関する広報について」、事務局から御説明申し上げます。
 それでは、まず資料の1ページ目をお開きください。
 まず初めに「本日ご助言いただきたい点等」に関しまして御案内申し上げます。
 第2回のアドバイザー会議において、企業への個別ヒアリングに関する御助言をいただき、ヒアリングを実施させていただきました。その内容は、ただいま受託事業者様からご報告をいただいたとおりでございます。現在、各企業からのヒアリング結果を踏まえ、新たな広報コンテンツ案を作成しております。本日は、その新たな広報コンテンツ案に関する御意見や今後の周知・広報活動についての御助言を中心に賜りたいということでございます。
 それでは、続きまして3ページ目をお開きください。
 現在、厚生労働省が制作してる、新たな広報コンテンツについてご説明します。
 新たな広報コンテンツは、「従業員向けチラシ」となります。これは社会保険加入のメリットや社会保険加入後の手取りシミュレーションができる内容になります。
 2つ目に「人事労務管理者向け手引き」、これは従前、経営シミュレーションと呼んでいたものですが、実際に社会保険適用に際して、各企業がどのように進めていけばいいのかというシミュレーションができる内容となっております。
 そして、3つ目にこれらのチラシや手引の説明を補完するための説明用の動画を御用意しております。こちらは、1分用のショート動画及び5分の解説動画となっております。
 そして、これらを取りまとめて掲載する特設ページを設置します。現在の特設サイトはかなり多くの方に検索をしていただいて閲覧いただいております。検索すると上位のほうに表示されますので、引き続きこのサイトの有用性、検索の容易性を活用しまして、現行の特設サイトを拡張する形でホームページの構築を進めてまいりたいと考えているところでございます。
 そして、「コンテンツの役割」ですが、従前からご提供してまいりましたガイドブック・チラシに関して、制度の内容や手続全般的な内容について幅広く御紹介するためのツールとして引き続きご提供する予定です。
 今回新たに御提供するツールに関しましては、各企業の好事例を踏まえた実践的な内容であり、現場で使えるツールとして御用意しており、既存コンテンツと新規コンテンツで役割分担してご提供する予定です。
 続きまして、資料の4ページをお開きください。
 本資料は企業向け、従業員向け、そして広報コンテンツの内容、広報媒体に分けて、どのような役割を担っているかを概念的に示したものでございます。
 続きまして、5ページ目をお開きください。
 「好事例を踏まえた広報コンテンツ案」の1つ目として人事労務管理者向けの手引がございます。先ほど受託事業者様から、様々な取組事例を御報告いただきました。
そして、様々な取り組み事例を年金局において、分析をさせていただいた結果、好事例として様々な取組が進められていますが、これらには通底する共通した進め方があるということが分かってきました。
 これまでのヒアリングの結果、適用拡大を円滑に実施するためには、各企業における社内説明が特に重要と把握しております。そして、経営者の方、現場責任者、従業員に対して、それぞれの立場に応じた適切な説明を計画的に準備して進めることが有効であると把握しております。
これらの好事例の取り組みの進め方について複数の企業で共通して行っていると把握したため、事務局案では各企業が社会保険適用に当たって、「こんなとき、どうしたらいいのかと」いう手引を作りながら、その中で事例を御紹介していくという形のツールを御用意しております。
 この表紙に関しましては、表面は「社会保険適用拡大のこんなとき!どうする?手引き」というふうに書いてあります。これは、各企業において従業員に向けた説明をするためにはどんなポイントがあるのかなということをまとめると4ポイントほどに集約ができます。
 1つ目は、そもそも制度が知りたい。2つ目は、説明の計画をするに当たってのポイントが知りたい。3つ目に、経営者の説明に当たってのポイントが知りたい。4つ目に、現場責任者の説明に当たってポイントが知りたい。こういうふうに集約されるというふうに把握しております。
 そして、表紙を活用することで、人事労務担当の方が、社会保険適用拡大を進めるにあたり、お困りになられたときに、ぱっと開いて調べていただくというような使い方もできるようなコンテンツにしています。
 そして、本資料の右側に書いてあるのが裏面となりますが、「チラシ・パンフレット一覧」として、これまで厚生労働省が提供してきた広報資料と、新たに御提供する広報資料がどのような場面でどのように使うと効果的なのかということをツールベースに整理し直して、お示ししているものになります。
 表面は実際に業務を進めるに当たってのご疑問をベースで構成されており、裏面はツールベースで何をどの場面で使用すると効果的なのかということを御紹介しております。
 続きまして、6ページ目をお開きください。
 様々な企業にヒアリングをさせていただく中で、企業内における説明を計画的に進めることが重要だと申し上げましたが、どのような点に考慮するといいのか、どのように進めたらいいのか。このようなご疑問に対して、ヒアリングから得られた情報を基に、社内計画の立て方、社内承認を得る上での説明ポイントを解説しています。
 こちらのほうに関しましては4ページ目、左のほうをお開きいただきますと、「社内周知までの流れ」といたしまして社内周知の承認プロセスとして3つのステップに分けています。
 1つは「事前準備」、2つ目に「経営陣や幹部への報告・承認」、3つ目に「現場責任者への案内・説明」として、それぞれのステップごとに細かくポイントが記載されています。
 そして、このようなポイントごとに、続く後のページで一つ一つ解説をしています。
 例えば、経営者や幹部陣への説明のポイントといたしましては、大きく企業のヒアリングを進めていく中で法律改正の要点、あとは適用拡大に当たった後の人件費の負担額が法人でどの程度になるのか。そして、従業員の個々の負担額がどのくらいになるのか。これは個別に計算するケースもあれば、大まかにモデルケースを設定して御案内しているケースもあると思います。
 そして、これらの内容を進めるに当たって、国からどのような支援が行われているのかということをお聞きになりたいという事業者さんも多くいらっしゃいました。例えば、こちらのキャリアアップ助成金だとか、専門家派遣活用支援事業だとか、そのような事業が当たるものでございます。
 そして、最も重要なのが5番目の「社内の周知スケジュール」でございます。こちらに関しましては、各企業の経営の仕方ないしは事業の形式によって異なるということが分かっております。
 例えば、様々な拠点に事業所をお持ちの場合、ないしは1つの工場の中で運営している場合、様々なケースがありますが、そのおのおのにおいて適切な社内周知のスケジュールを組みましょうということを解説しているものでございます。
 続きまして、7ページ目をお開きください。
 「好事例を踏まえた新たな広報コンテンツ案」の3つ目の内容として、「経営陣や幹部層への説明のポイント」や「活用可能な国の助成金や事業の活用検討」というものを解説しております。
 こちらに関しましては、経営陣や幹部層が気になる社会保険の適用による企業や組織の具体的なメリット、こちらもヒアリングの中で細かくお聞きをした中で、こういうところはメリットだよねというふうにお話をいただいた点について掲載させていただいているところでございます。
 そして、利用可能な国の支援制度、こちらに関しましてはキャリアアップ助成金だとか、専門家活用支援事業についてもポイントを記載し、そしてその間に事例Xと書いてありますが、実際に活用された企業様から、活用した結果どのような効果があったのか、ないしはその好事例をオレンジ色の枠の中に記載して掲載しているところでございます。
 今回、好事例を掲載させていただいているのですけれども、各企業の皆様にお聞きしたところ、ちょっと名称とかを特定されるのはなかなか難しいということをお聞きしておりますので、事例としてX社、企業規模だとか、どのような事業形態なのか程度の記載までは御了承いただいていますので、そこまでの記載で好事例として御紹介させていただいているところでございます。
 続きまして、8ページ目をお開きください。
 ここからは、どちらかというと現場寄りのものになります。
 左側に掲載されている1-4と書いてある「現場説明者への説明のポイント」というものがございます。企業の中で経営幹部陣に御説明をさしあげ、どのようなスケジュールで社内全体に周知を進めていくのかということを御決定いただくと、次に現場の説明者の方に、従業員お一人お一人に周知してください、御説明お願いしますということを御説明されるかと思いますが、その際にどのようなツールを使ってどのように説明していくのかというポイントを説明したものでございます。
 この青枠で囲まれている現場説明者のポイントのものに関しては全体像をお示ししておりまして、その右側に掲載している「2-1 従業員への説明内容のポイント」というものは具体の説明の仕方を掲載しております。
 例えば、2-1の「従業員への説明内容のポイント」というところの下段のほうに「「社会保険の加入メリット」チラシの説明内容・ポイント」が記載されています。こちらに関しましては、主婦・主夫層の従業員だとか高齢者層の従業員、全世代に向けてということで幾つかのカテゴライズをした中で、それぞれに応じて社会保険のメリットに感じる部分が異なりますので、その異なるメリットに関してそれぞれこういう点を御紹介すると、よりメリットに感じますよということを御案内さしあげているペーパーになります。
 チラシで分けるということも考えられるのですが、あまり多種のチラシを作りますと、現場で何を配布していいのか困るということがございますので、今回は手引の中でどのように御案内をしたらいいのかということを書き分けているということでございます。
 続きまして、9ページ目をお開きください。
 好事例を踏まえた広報コンテンツの手引きの5番目でございます。
 従業員への説明に関しては、ヒアリングの結果、先ほども申し上げましたとおり、その企業の形態により本当に様々な形態で行われています。例えば、遠方に事業所がたくさんあるという企業ですと、なかなか個人面談が難しいというお話をいただいております。その場合はメールで御案内されたりとか、メールで資料をお送りして疑問に思ったことは人事労務担当者に電話でお聞きいただくとか、または説明会でなかなか説明が難しいという企業さんは企業独自で動画をつくられたりしています。
 これらの事例について、2-1、2-2というふうに説明のポイントということで様々な事例を掲載しております。
 今回、好事例として特集した1つとしては事例A社と書いてあります。手取り額が確認可能なExcelを作成し、従業員に個別に案内しましたよということで、従業員御自身が御家庭に帰られて手取り額を計算できるということをしたりとか、あとは実際に事例C社ということで、長い目で自身のキャリアアップ、家計にプラスになることを考え、加入を決定、これは実際従業員の方に直接ヒアリングさせていただいて、どうして加入に至ったのかという経緯をお聞きしたところ、このような企業の取組の中で私自身もっと頑張って働いてみたいというようなお声があったということもありまして、事例として掲載させていただいているところでございます。
 続きまして、10ページ目をお開きください。
 今回の手引きに関しまして全てまとめますと、16ページ程度の冊子になることが予定されております。
 ただ、その16ページを一気通貫で読もうとするとなかなか大変ということもございますので、今回はこの好事例の手引を御理解いただけるに当たって、御活用いただけるよう、活用方法が分かる解説動画を5分程度作成し、まずはこの手引と併せて提供させていただき、御覧いただくということになります。
 こちらに関しましても、インフォグラフィックスを活用して文字で説明するというよりは、どちらかというと図表を分かりやすく記載をしてどのような順序で説明していくのかということも書いてありますし、字幕をつけて説明内容をお読みいただきながら理解いただくということもできるようになっているところでございます。
 そして、例えばこのコマの最後に、従業員の説明としてはチラシをお持ち帰りいただき、各御家庭でお話をいただいたり、関係者の皆様と御相談したりするときに活用できますよというようなことを御案内しているというものでございます。
 続きまして、11ページ目を御覧ください。
 ここからは、従業員向けのチラシになります。
 従業員向けの説明は、各家庭に持ち帰った後、各家庭だけでなく各御家庭や関係者と御相談いただく上でも、従業員やその御家族、関係者が御理解いただけるよう、分かりやすい言葉で、情報量が多くなり過ぎないコンテンツが必要であるということが分かりました。パート、アルバイトの方には年金のメリットだけではなく医療のメリットも説明すること、手取り収入の変化だとか加入後の給付シミュレーションを示すこと、そして家族や関係者への御相談を促すことが社会保険の加入に向けて非常に効果的であるということが分かってきました。
 このため、今回のチラシに関しましては、御覧いただいているとおり、非常にグラフィックが多く記載されています。なるべく文字で読んでいただくことも重要なのですが、図で理解をしていただいた上で、より疑問に思われる点はこちらのほうに、1分間で分かるQRコードはこちらと書いてあるのですが、QRコードに遷移していただいて動画で御理解いただける、そのようなコンテンツをつくっております。
 こちらに関しましては2種類用意しておりまして、1つは「社会保険加入のメリット」のチラシ、もう一つは「社会保険加入による手取りシミュレーション」ということで、表面には手取りのシミュレーション、裏面には将来の年金額がどのように変わるのかということを御理解いただくために、公的年金シミュレーターの使い方について解説するページを設けているところでございます。
 そして、これらについてやはり従業員の皆様から疑問をいただく点がございますので、例えば適用の対象者となるべき要件だとか、そのような細かい点についてはQ&A集を別途作成し、御提供さしあげる予定でございます。
 続きまして、12ページ目をお開きください。
 好事例を踏まえた広報コンテンツの案として4つ目でございますが、ショート動画でございます。
 従業員向けにニーズが高いと思われる内容に関しましてインフォグラフィクスを活用し、スマートフォンで確認しやすく、1分間でまとめた縦型のショート動画を5種類用意しております。
 この①から⑤に関しては「社会保険の加入対象者」「医療メリット」「年金メリット」「公的年金シミュレーターの試算」「手取りシミュレーション」とありますが、これらはニーズが高いと思われている内容に関しまして縦型動画で解説しているものでございます。
 縦型でチラシを御覧になっている方がそのままQRコードをお読みいただいたときに、すぐ読み込んで縦型の動画でそのまま見られるように、従業員自身の御理解だとか、御家庭に持ち帰られた後に、あれ、そういえば社会保険ってこういう制度だったっけ、どんな制度なのかなということを御家庭で共有いただくときに、どういう制度だったかなと思ったときにQRコードを読み込んでいただいて御家族でも共有できるような形で、なるべくショートの動画で御理解いただくようなものを御用意しております。
 13ページ目に関しましては「社会保険加入による年金メリット」の動画、4つ目に「公的年金シミュレーターによる試算」、こちらは試算の仕方を画面で分かりやすくグラフィックにしています。
 それから、14ページ目に関しましては「手取りシミュレーション」として、社会保険に加入すると手取りがどのように変わるのかということを円柱グラフを用いて、どういうふうに働き方を変えたり、手取りはどう変わっていくのかということをシミュレーションした内容を御理解いただくようなものにしています。
 これらをまとめたサイトについては、15ページ目をお開きください。
 特設サイトの拡充ということで、こちらのほうに掲載する予定でございます。
 左側にトップページがありますが、これは改修後のイメージでございます。改修後のトップページのちょうど中段に「これでバッチリ!社会保険導入推進マニュアル!」だとか、社会保険の加入のメリットということで特設サイトに移動できるようなバナーを張って誘導させていただくということで、その仮想ページが右側に掲載されているようなイメージになります。
 16ページ目に関しましては、現行提供さしあげている社会保険適用拡大のコンテンツについてお示ししているものですが、こちらについては引き続き提供させていただくことを予定しているところでございます。
 ここまでが広報コンテンツに関する御説明でございました。
 続きまして、今回のこのツールをどのように普及していくのか、どのように御案内さしあげるのかという周知・広報の観点からのデータの御説明になります。
 18ページ目をお開きください。
 こちらは、前回お示しさせていただきました、社会保険適用拡大特設サイトに関する合計のアクセス数を示していますが、こちらは700万回ほどいただいております。2022年9月、前回の適用拡大の1か月前に約100万件のアクセスが行われているのですが、直前にアクセス数が多いという状況があります。
 ただ、社会保険の加入に関しましては、これまでも御案内さしあげたとおり、様々な準備のステップを経てお一人お一人がお考えいただくというステップがありますので、なるべく早いうちから取り組んでいただいて御検討いただくという意味では、ホームページのアクセスもなるべく早いうちにアクセスいただきたいというような周知・広報ができればということを考えているところでございます。
 そこで、19ページ目をお開きください。
 今回、好事例ヒアリングをさせていただきましたということを御報告申し上げましたが、そのヒアリングを実施するために厚生労働省が実施させていただきました「パート・アルバイトで働く方への社会保険の適用に向けた取組に関するアンケート」調査を事前に企業ヒアリングをする前に行っております。
 こちらのほうはよく分析しますと、検討開始から取組実施までに要した期間というのは、2022年10月に適用対象になった従業員数が101人以上の企業の約75%以上が1か月以上、従業員に説明を始めるまでに準備期間が必要ですよということをお話しいただいています。
 また、労使の合意により、任意で適用拡大している従業員数が100人以下の企業の35%以上の企業が、1か月以上準備期間が必要ですよということをお話しいただいているのですが、このような状況を見ますと、かなり多くの企業で長い時間をかけて御準備をいただいている企業もたくさんお見受けいたします。このため、なるべく早いうちにこの手引だとかチラシを御覧になられて、自社においてどのように社内計画を立てて進めていくかということを早いうちから御議論いただくという周知・広報をすることが重要ということも考えられるところでございます。
 続きまして、20ページ、21ページから23ページまでは、これまでJILPTが調査してきた社会保険の適用拡大に伴う働き方の変化に関する調査が掲載されています。
 20ページに関しましては、どのような被保険者を適用する方針で調整したのかという理由が掲載されております。
 21ページ目に関しましても同様に、様々な理由で適用する、適用しない、ないしは適用を推進する主な理由として、どのような理由で行ってきたということがデータとして掲載されているところでございます。
 続きまして22ページ目をお開きいただきますと、社会保険の短時間労働者として働く理由だとか、被用者保険の魅力度に関して調査を行った結果が掲載されているところでございます。
 最後に、23ページ目に関しましては「適用拡大の短時間労働者への影響について」が掲載されているところでございます。
 続きまして、24ページ目に関しましては、今回厚生労働省が広報ツールをつくるに当たりまして、事業主にこの広報コンテンツについてどの程度御理解をいただけるか、アンケートを実施しております。
 その中で、社会保険の情報についてどのように調べているかということをお聞きしたところ、多くの企業が社会保険労務士、税理士などの専門家の方を通じて情報を取得したいという方が47%になっておりまして、かなり多くの企業で専門家の皆様の御助力をいただいて情報を取得したいというコメントが寄せられています。
 それ以外にも、従来の大手、マスメディアだとか、あとはインターネットのニュースサイトなどを通じて情報を取得したいということも出ているところでございます。
 続きまして25ページ目でございますが、今度は「従業員における社会保険の情報を取得する方法について」ということが掲載されているものでございます。
 このグレーの棒グラフに関しましては、平均値を載せています。平均値で見ると、マスメディア、テレビ番組だとかインターネットのニュースサイトを通じて情報取得をしたいというふうなお声が多く寄せられているのですが、年代別に着目していきますと、少し年代ごとにこだわった傾向が出ています。
 例えば、50代ではテレビ番組を中心に御覧になられたいという方もいらっしゃれば、40代になりますとインターネットのニュースサイトを通じて情報取得をしたいというお声が寄せられています。
 他方で、20代、30代と若い年代になりますと、家族との会話を通じて社会保険について理解したいというふうなお声が寄せられています。
 このように考えていきますと、各年代によって接触をしたい情報媒体というのが異なっておりまして、この各年代に応じた属性に応じて適切なタイミングで適切な情報チャネルによる情報提供という在り方がすごく重要だということが考えられるところでございます。
 最後に、26ページ目に関しましては参考といたしまして今年度のスケジュール案を掲載しているところでございます。
 今回は、事務局のほうから様々な広報コンテンツの内容だとか、周知・広報活動について在り方を御検討いただくに当たってのデータを御紹介させていただきました。私ども事務局といたしましても、いろいろな企業に御訪問さしあげて本当にすばらしい取組がたくさんありました。その一つ一つ丁寧にお聞きしていますと、非常に丁寧な取組が行われておりまして、そして各企業から好意的に様々な資料を御提供いただいたり、実際に現場で使われている資料を御提示いただきながら、このような説明をすると実際に理解できるようになりますよというコンテンツをたくさん御提供いただいて、そのエッセンスをまとめた内容をこちらの資料として掲載させていただいているところでございます。
 これまで短い期間ではございましたが、本当にいろいろな企業の方に御協力いただいて感謝申し上げますとともに、短い期間でまとめられるようになりました受託事業者様の皆様に関しましても御助力いただいて大変感謝申し上げるところでございます。
 事務局の説明としては、以上でございます。どうもありがとうございました。
○上田座長 御説明ありがとうございました。
 それでは、これから皆様に御意見を頂戴いたしたいと思いますが、内容につきましては今、菊地さんから御説明がありましたように、私自身も大変いいものができてきたかなと思っておりまして、特に企業の現場の皆さんの御意見を取り入れた、企業の現場の方々が動きやすいようなツールが数多く用意されて、大変すばらしいことかなと思っております。
 コンテンツの内容につきましては、今まで前回の会議でも、また、前回の会議以降も皆様から様々な御意見をお出しいただいて大分煮詰まってきているかなと思いますので、もちろん内容についても御意見をまたお伺いいたしたいと思いますが、本日はこの後半、適用拡大の対象となる企業の皆さんが早めに着手できて、かつ円滑に進むようにするにはどうしたらいいかという、それは周知・広報活動ですね。広報の実施時期ですとか、広報のターゲットとか、メディア媒体の活用法とか、あるいはそのチャンネルですね。この辺りを中心に御議論をお願いできればと思っております。
 まず最初に、内容につきまして今まで多々御議論いただいてまいりましたが、さらに、御意見を頂戴いたしたいと思います。いかがでしょうか。
 どうぞ。
○山口構成員 山口です。
 お時間いただき、ありがとうございます。すみませんが、若干お話ししにくい感じもあったのですけれども、私の率直な意見ということで少しだけお話しさせていただければ幸いです。
 内容のところということで申しますと、御説明いただきありがとうございました。大変すばらしいものができていると思いますし、ちょっとだけ前段で内容というか、いただいた資料についても触れさせていただきますと、私は認知度というところにすごく注目しまして、75%の方が御存じということで、これはもう成功していると言っていいのではないかというくらい私は非常に高いなというふうに感じました。
 また、手引が長め、16ページですね。それで、従業員向けが2ページの1枚というのは私は大変よいと思います。
 その上で内容について1点だけ申し上げますと、今回も改めて拝読していて思ったのが、やはり加入によるメリットのところが若干気になったのですね。その従業員向けのチラシのところです。
 それで、今回これを修正してくださいという話ではなくて、次回あったらこういうことも考えていただけるとうれしいなというところなのですが、やはり私が働く身だと仮定すると、加入によってこういう利益があるよねということだけではなくて、一体それによって私の給与とか手取りはどうなのかというところも一緒に知りたいと思うのですね。
 もちろん動画を見れば分かるという話でもあるのですけれども、それがこの1枚のリーフレットの中に全部入りだと、恐らく家族ですごく話しやすいなと思ったんです。やはりこのメリットのところだけ提示されると、旦那さんか奥さんがそれを見て、当事者ではないほうの家族が見て、あなたは何も変化ないのという話で、この話はメリットしかないのですかという話に多分なるのですね。そのときはうまく説明しにくいので、もちろん医療メリットも年金メリットもある。
 ただ、手取りの変化としてこんなこともあるよということが若干でも入っていると、すごく家族と相談しやすいのではないかなと思いましたので、また次回こういったものをつくるときがあれば、何かそういったことがぱっと分かるような内容になっているといいかなと思いました。
 例えば、今回の件で言うと、ちょっと年金のところが手厚く書かれているので、その辺りの記述を簡略化しつつ、そういうところも少し入れ込むと、なおいいかなと思った次第です。
 私からは以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
 それでは、岡村さんどうぞ。
○岡村構成員 御説明いただいてありがとうございました。今日は途中退出をしなければいけないので、円滑に浸透するための話も含めてちょっと話をさせていただければと思っております。
 資料のほうは本当にいいものができたなと思っていて、私自身がすごくよかったと思う点は、やはりちゃんと実際の利用者にお会いしていただいたことがよかったなと思っております。
 我々は調査研究機関としてもう20年以上やっている中で、1千の情報、1万の情報より、1人の利用者に会うほうがいいよということはいつもお勧めしているんです。そして何ができるかといったら、イメージができて、あの人たちだったらこれはどうかなとか、あの人たちだとこれは逆に伝わらないかもなどということがちゃんと想像できてくることのほうが、どんなに本を読むよりもいいよということを我々はよく言っておりますので、これによって実際の利用者のイメージがかなりできるような制作物になったのではないかと思っております。
 それで、ちょっとだけお話をするとしたら、いろいろなチラシの中で表面的なこととか情報とかはしっかり伝わっているのですが、そもそもこの適用拡大のコンセプトみたいなものもしっかりにじみ出るほうがいいかなと思っています。
 というのは、「適用拡大、適用拡大」とか、「社会保険、社会保険」よりも、そもそもこれは「被用者にふさわしい保障の実現」とか、「働き方や雇用の選択を歪めない制度の構築」とか、あとは「社会保障の機能強化」とか、そういったこととかがそもそもの一番のコンセプトの山の頂点で、そこからの流れだということも踏まえて、そこの中の一部なんだということを考えたときに、何か適用拡大のことだけではなくとか、その人が関わる今、自分が働いている状況、人生だったり、パートナー、家族、いろいろなものも含めて考える機会になるということなどのコンセプト的なものが打ち出されるほうが、よりよいかなと思いました。
 それで、すみませんが、ちょっとまとめて言ってしまいます。
 広報拡大というところで、より早く気がついて円滑に浸透するためにはというところもちょっと先走ってお話をさせていただきます。
 まず告知の時期に関しては、これはほかの皆さんも一緒だと思いますが、早ければ早いほどいいと思っております。それは間違いないです。その上で、やはりカウントダウンを告知するのも必要かなと思っています。
 というのは、障害者差別解消法という法律に関しても、今年の令和6年の4月1日から民間企業は努力義務から義務化に変わるよということのカウントダウンはかなり広報されていて、おかげさまで実利用者機構にもいろいろな企業からどうすればいいかという相談がくるわけですね。そういうふうに、やはりいつからなのかとか、ちゃんとそういった告知も含めて早め、早めに御案内をしていただくほうがいいなと思っております。
 続いて、円滑に浸透するためにということで、恐らくウェブとか、いろいろなメディアとかを使って浸透させていくということになるとは思っていますが、その中で情報を伝えたいのではなくて正しい理解を浸透させるということに意識を置いてほしいと思っております。
 というのは、例えば何かの食べ物とか飲料物みたいに、認知度だけを上げるための宣伝広告というやり方ありますよね。今回はそれではないんですよという話だと思います。適用拡大が始まりますよではなくて、それだとやはり制度としては伝わらなくて、これは何なのかという正しい理解を浸透させるということをしなければいけないので、どうしてもただの情報だけは広がる限界がありますので、そこで正しい理解を広げるための政策、施策を考えなければいけないなと思っております。
 では、それを考える上でちょっとアドバイザリー的なことで言うと、チラシとか縦型で見られるもの、スマホで見られるもの、いろいろなものが当然あっていいのですけれども、実際問題これがどういう場面で話が出るかなと思ったときに、恐らくこの適用拡大とかの話は、それこそ職場の休憩室だったり、御家族の食事中だったり、あとはもしかしたら車で移動している最中だったりとか、もしくは何か心配して親が電話してきてその電話で話すとか、そういったシチュエーションかもしれないときに、もちろんそこでチラシとかがあると、そのチラシに基づいて話すこともできますけれども、チラシが全くない状態でも、「あれって知っている?」とか「あれに入った?」とかという話は結構出てくると思うんです。
 そのときに、それが何かという話ができるのは情報とか知識というよりは、我々がお勧めするのはストーリー、物語ですね。これはこういう物語だよとか、こういうストーリーだよとか、こういう人が入ったらこうなったんだよとか、こういう状況の人はこういうふうなことによってけがをしたときこうだったんだよとか、そこのしっかりとした物語というのは結構暗記ができるのですね。
 全部の制度は覚えられないけれども、しっかりとそういったものが暗記できるようなストーリー的なもの、できれば今回まさにいろいろ調査して分かったとおり、いろいろな働き方の方がいるねとか、いろいろなニーズの方がいるねと分かったので、ではそういった方々それぞれのストーリーといいますか、そういったもののショート動画でも、物語の紙に書いた漫画的なものでも何でもいいですけれども、そういったものでその人、その人の心に刺さるようなものが覚えられたら、「知っている? あれってこういうことらしいよ」とかと話すと、そこからちゃんと調べてみるということでさらにつながってくると思うので、それこそが情報をただ伝えるのではなくて、正しい理解を浸透させるというところになるかなと思っております。
 それで、私自身が理想的だなと思っているのは、例えばいろいろな方々がこの話をするときに、適用拡大の話じゃなくて、社会保険に加入したかどうかではなくて、働き方の選択を考えてみたかとか、そういうことで会話が始まるとすごくいいのかなと思っていて、その中の一つに今回の適用拡大があるんだということを伝えていかなければ、何か制度が変わったから、コンプライアンス遵守しなければいけないから取りあえずやっていますみたいな話にどうしてもなりがちなところがあるので、そこをしっかりと意識したような広報のやり方というか、伝え方、浸透の仕方が必要かなと思っております。
 あとはもう一つ、これは実際に戦略の話になってきますけれども、ネガティブを乗り越えるということをしなければいけないなと思っています。
 というのは、制度の話というのは新しくなったときに必ずネガティブ情報が出ます。そうは言ってもそれってどうだね、こうだねという話の中で、今、実際に世の中には壁の都市伝説というか、壁信者と言っていいぐらい壁の話というのはみんな持っていて、それは間違っていない知識だったりもするのですが、でも壁の話からすると今回の話は、それはちょっと違うんじゃないのと言われがちなんです。
 そのときに、いや、何かチラシには書いてあったしとか、うちのマネジャーがこういう話をしていたけれども、それは違うよ、私が働いている頃は壁があったのよ。それはきっと間違いよ、やめたほうがいいわよとか言われちゃうこともあったりするときに、そこをしっかりと乗り越えられるような話のストーリーが必要かなと思っているので、そういったところをしっかり考えていけば勝手に広がっていく。チラシはチラシでしかないんだけれども、そのチラシから広がっていったりとか、それが口コミだったり、いろいろなところに広がっていって、どこまでいっても、ただ認知度が上がるのではなくて、正しい理解度がより増えていって、ここの制度に対して正しく関わっていただく人が増えていくことが重要かなと思っておりますので、その辺りを検討していただければと思っております。
 こんな感じでございますが、これで私は途中退出させていただきます。ありがとうございます。
○上田座長 ありがとうございました。
 それでは、引き続き皆様から御意見を頂戴いたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○諸星構成員 諸星です。
  まず今回の広報コンテンツについていろいろなヒアリングをしていただき、わかりやすく取りまとめもいただいてありがとうございました。とてもすばらしいものができたと思います。
 私もいろいろと個別に顧問先を回って、実際、今回の適用拡大の具体的な進め方の内容を確認してみたのですが、今後の問題として挙げられるものとして、労働集約型の企業には外国人の労働者が増えていたため、加入しなければならない外国人の方々に説明するのに非常に難儀したという話を複数のところで聞きました。
 これから年金部会の議論の中でも多分、支え手に外国人労働者が入ってくることを想定されているかと思いますし、将来的に考えても今回のコンテンツはとてもすばらしいので、そこの視点を入れたものも今後検討したほうがいいのではないかと感じました。 
以上でございます。ありがとうございました。
○上田座長 ありがとうございました。
 そのほか、皆様からいかがでしょうか。よろしいですか。
 佐藤先生、どうぞ。
○佐藤(博)構成員 いいものができたなと思うのですけれども、この拡大の資料なのですが、今回規模が51から100のところなので、例えばこの7ページ、スライド7だと経営陣への説明のポイントと書いてあるけれども、多分、大事なのは経営陣の皆さんは理解してくださいなんですよね。誰かがいて説明というよりは、大事なのは経営者自身へのメッセージだと思うんです。これは何となく人事担当者が説明するみたいな手続なんだけれども、多分7ページ目は最初にくる必要があって、経営者の皆さんはこのことを理解してください。
 1つはこういうメリットがありますよということと、従業員が理解してくれないとどうなるかというと、時間を短くすると辞めちゃうわけですよね。適用拡大することは法律上もあれだし、こういうメリットがあるから理解してもらえるのですけれども、もう一つは従業員に説明して理解してもらえないと、従業員は時間を短く働くか、辞めるしかないわけですよね。そうすると、もっとたくさん人を雇えるかというと、今の状況は雇えないですよね。
 そういう意味では、まず経営者の皆さんに理解してもらい、もう一つは何で従業員に理解してもらうかというと、従業員が入りたいと思ってくれないと、つまりなぜこれを丁寧に説明しなければいけないかなんですよ。理解してもらわないと、会社は困っちゃいますよということなんです。辞めちゃうとか、もっと短時間を選ぶということになるわけですよね。そうすると、もっと人を雇わなければいけないですね。
 でも、今はそんなことはできないので、まずは経営としてもこれを進める必要がありますよということを7ページで理解してもらい、次に大事なのは従業員の人に理解してもらうことです。だから、丁寧に説明しなければいけない。なぜそんなに手間暇かかることをやるのかというと、理解してもらえないと、過去のデータを見ると短時間のほうに、もっと短くというふうになってしまうわけですよね。そうすると、企業のほうからもっとたくさん雇う。
 この資料の20ページのところもそうですよね。だから、実際上、回避したところは、時間を短くしてと、これはできればいいですけれども、今は人手不足なので無理ですよね。
 ですから、なぜ説明することが、より今は重要なのかというと、できるだけ回避するんじゃなくてみんな入ってもらえるようにすることが今、経営にとってすごく大事な状況ですよというようなことをきちんと言ってもいいのではないかというのが1つです。
 いろいろやらないほうがいいかと思いますので、また後で。
○上田座長 では、取りあえず内容についてということで御意見をお伺いいたします。
 そのほか、皆様よろしいですか。事務局から何かありますか。
○菊地係長 事務局でございます。
 皆様、非常にすばらしい御意見をいただきましてありがとうございます。今後、3月末までに最終稿を作ってリリースを進めていくわけですけれども、本日いただいた意見も含めて、最終的な制作のスケジュールの中で可能な限り取り込めるものについては検討させていただいて、また最終稿に向けて制作を進めていきたいと思っております。ありがとうございます。
○上田座長 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして今度は後半のテーマですね。これからの広報の実施時期ですとか、広報のターゲットや媒体、それからチャネル、こういった周知・広報活動の方法について皆様から御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
 佐藤先生、どうぞ。
○佐藤(博)構成員 これは、基本的に事業主を通じて従業員にというふうになっていますよね。そうすると、事業主が従業員に情報伝達しないと従業員のところに行かないわけですよ。
 そういう意味では、前回の適用拡大のときも、従業員の意向に任せますと答えている事業者が結構います。これは、結局やっていないわけですよね。そういう意味では、従業員、つまり適用拡大の対象層になる人たちに、企業側からではなく行く方法は考えられないか。会社はあまりやりたくないなと思っていても従業員の人はしてほしいよね、この事業者は適用対象なんだからというようなことがパート・アルバイトの方から出てくるようなことを考えられないかということなんです。
 つまり、事業主がやらないと届かないわけです。そこをどうするかで、1つは雇用保険には入っている層ですね。そちらのほうで、でも雇用保険のほうは情報がいくようになっていないんだけれども、何か考えていただくといいかなと思います。
 あともう一つ、既に適用拡大したところでも就業調整が起きていたわけですよね。ですから、今回の資料も本来はそこで働いている人たちもさらに広げようということをやってもらうツールにも使えるわけですよね。101人以上のところも、実はその中でパートの人を短くしたということがありますよね。そこで働いている人たちにもっと入ってもらうというのも結構大事だと思うので、そこの事業所は入りたいんだけれども、パートの方が入りたくないと言った人などについては使える資料だと思うんです。
 ですから、101人以上の事業所でも、今回こういうものができたので長く働いてもらうようなメリットはありますよというふうにしていただくことも結構大事かと思います。今回の適用拡大層だけに注目しなくて、日本社会全体として入ってもらえるような働き方をしてもらうという形に使うのはあるかなと思います。
 以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
 ほかは皆さん、いかがでしょうか。
 では、佐藤さんどうぞ。
○佐藤(麻)構成員 本日は御説明をいただきまして、ありがとうございました。
 私のほうからは、この広報コンテンツが効果的に届くようにするために、事業所へのアプローチと労働者へのアプローチと2つを分けて考えることがまず大事だと思っています。事業所へのアプローチは、今回は本当に自信を持って出せるすごくいいツールができたので、できるだけこのツールが広く届くために、やはり企業規模から中小企業に関わる社労士や税理士、商工会議所といった方にまず知ってもらうことが大切だと思っています。
 これは、取組を進めるときも知るだけではなくて、実働できる人がそばにいるという意味でも、草の根活動として重要だと考えています。
 それから、そういうタイミングとしては4月入社の時期とか契約の更新の時期ですね。有期契約の方は4月に契約を更新することも多いですし、今年は法改正もあるのでそこが一つのタイミングと、あとは6月から7月あたりの算定をするときですね。労働保険料の算定の書類を送るときなど、そういったところでもし社労士からプラスでお伝えできると、8月とか9月より少し前に、知ってもらう山を持ってこられるのかなと思うので、そういう労務に関する手続きや相談が増える時期に合わせてタイミングよく伝えると届きやすいのかと思いました。
 それから、こういったツールはあっても、前回の2022年のときに対話というか、行政とそういった事業所なり労働者とのコミュニケーションみたいなものがなかったので、SNSでのやり取りは避けたほうがいいのかも分からないですけれども、可能であればセミナーみたいなものも数回開催して情報提供するという場もあったらいいのではないかと思います。
 労働者のアプローチというところは、1分の動画をつくって、これをショートで挙げるのもいいと思うのですが、さらに15秒くらいのものをつくって、そこからまた1分につなげてサイトにつなげてという、より細分化した動線をつくると、触れる機会が増えるかもしれません。特に、この適用拡大の資料の従業員ごとのメリットというところで、主婦層、高齢者、あとは働き世代に分けて説明されている部分、デメリットに関する部分、シミュレーションの部分など知りたいと思っているところだけを切り取ったキャッチーなものを簡単につくって、ぱっと興味を引けるとよいのではないかと思いました。
 最後ですが、資料3の24ページ目のところに、どういった媒体から情報を取得しているのかというのがあったと思うんですけれども、私もそうですし、横川構成員もそうだと思うのですけれども、FPの人が割合とこういった金融関係の記事を書くケースがあると思うので、そういう方が記事を書くときに紹介してもらえるように、FP協会をはじめとするFPの団体向けに、こういうツールがありますよというプッシュ型のお知らせをすると、皆さんが記事に書いて生活者のために発信してくれるのではないかと思いました。 以上になります。
○上田座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 では、横川さんどうぞ。
○横川構成員 御説明いただき、ありがとうございました。
 パンフレットのほうは、すごく分かりやすいものになったなと思います。私も先ほどのお話にもあったように、事業主経営ではなくいかに従業員側がどう築いていくかというところもすごく大事かなと思いまして、今、佐藤さんのお話にもあったのですけれども、メディアの活用というところをすごくしたほうがいいかなと思います。
 25ページの「従業員における社会保険の情報を取得する方法について」のアンケートで、20代、30代、家族との会話というのは29%はあるんですけれども、実際テレビ番組とインターネットのニュースサイトというところが割合としてはどの年代も多くなっているところを見ると、テレビはちょっと難しいかなと思うので、ネットニュースを活用するというところはすごくやっていく意味があるのではないかなと思います。
 ふだんお金の知識を届けるときに私自身が感じているのが、思っている以上に社会保険について知らない人が多いということで、社会保険というのは今回の対象者が拡大するというところ以前に、やはり社会保険というのは何かというところから、出産手当金があったりとか、傷病手当金の存在を知らない方がいらっしゃったりもするので、年金も老後のためだと思っているとか、そこを解消した上で今回こういうことがあって、こういうような拡大をされるのであなたも入ったほうがいいですよ、入るべきなんですというところの話の導線のつくり方みたいなものを意識しながら、そういう記事が結構あったらいいのではないかと思いますし、いかに従業員側がどう気づいていくかというところもすごく大事かなと思いまして。今、佐藤先生もおっしゃっていたように、やはりFPさんとか、私も結構、記事、媒体を書いているのですけれども、そういう記事を書いている筆者にアプローチしたり、あとはメディアにアプローチするのもいいと思います。
 結構、20代、30代向けに書いていても、40代、50代の方がPVでは見られていたりとか、逆の場合もヤフーニュースのPVを見ていて思ったりとかするので、いかに分かりやすい記事を書くかというところが重要になってくるかと思います。
 ですから、そういった記事というところ、インターネットのニュースサイトを見られている方が本当に多いし、そこからSNSに投稿して反響が広まったりもすると思うので、ニュースサイトの記事というところを結構意識すると、より従業員側から築くという意味で広がっていくんじゃないかなと思いました。
 以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 宮武さん、どうぞ。
○宮武構成員 御説明ありがとうございました。そして、出来上がったものを私は感動しながら拝見しておりました。
 私のほうからは、逆に企業のお話のところをしたいと思います。
 まず広報の実施時期ですけれども、全体に関してなるべく早くというのは皆さんおっしゃるとおりだと思っておりまして、あともう一つ大切なのが個別の広報だと思っておりまして、自分の会社が50人から100人のところで適用拡大に該当するんだよということを自分が気づかないと何も動かないというのがあると思います。それで、現在、年金機構、厚生労働省から出ているQ&Aのところでどういうような周知、通知がいくかというと、9月上旬に該当するところには該当するよというような通知が行われることになっているんですけれども、9月に通知をされて、では10月からこの手引にあるようなことができるかというと、ちょっと難しいというか、無理だと思いますので、なるべくそれを前倒しできないかと考えております。
 その内容に関しても、前回の適用拡大のところの通知を見ると、特定適用事業所に該当しますよとか、該当しましたよというような通知になっているので、そもそももらった方が「特定適用事業所って何だ」とか、「これをもらって何をしなければいけないのか」というところが、同封されているリーフレットを見てもちょっと分からないことになってきてしまって、結局それを開かずに置いてしまうというような現象が起こるのではないかと思っていますので、その部分をもう少し、特定適用事業所ではなくて特定適用事業所とは何かというところから解説をしなければいけないのではないかと思っております。
 併せて、データのほうで社会保険労務士や税理士の方から聞いたというようなアンケート結果が多かったと思うんですけれども、私は社会保険労務士として、適用拡大の年金機構さんから来るスケジュールだとか、一体事業所にどういうものが届くのかというのを知らずに、お客様のところにそれが届いてから、「それは何ですかね」というような話になっていたのですね。
 それで、ファックスをもらったり、PDFでもらったりして、「こんなのが届いています」というようなところからのスタートになるので、逆にそこは社会保険労務士会のほうを通じて、「こういうようなものが送られるよ。」そして、それがどういうような封筒で送られるよというところまで案内していただけると、社労士がフォローするのに非常に助かると思っています。
 これは恐らく諸星先生もそうだと思うのですけれども、労働保険の年度更新のときに毎年、黄緑色の封筒が送られてくるんです。それで、その黄緑色の封筒が送られてくると、社労士に連絡してくださいねということで、顧問先に御案内ができますので、そういうようなところを事前に私たちに周知いただくことで、かなり社労士の活用が広まるのではないかと思っております。
 あとは、適用拡大の対象のツールなどが51人から100人のところに向けて発信されていると思うんですけれども、私自身は対象になっていない、適用拡大ではない101人以上企業規模と、50人以下の事業所のところも少し周知をしていかなければいけないのかなと思っておりまして、それは恐らく家族で話をしてくださいというときに、その家族というのは既に適用拡大の事業所に勤めている方、もしくは50人以下の事業所に勤めている方、両方いらっしゃると思いますので、そこももしかしたら自分の奥さんが勤めている会社が適用拡大の対象になるかもしれないねというようなところで、逆に言うと、そういう適用拡大で加入したら自分の事業所ですね。もう既に適用拡大している事業所は、奥さんの扶養の削除の手続をしなければいけないということになりますので、そこら辺も併せて周知をしていけるといいのかなと思っています。
 あとは2つほど、佐藤先生がおっしゃっていた雇用保険の加入者のところに通じてという部分は、私も言われて、ああ、そうだなというふうにすごく思いまして、ここに関してはハローワークを使っての周知だとかということで事業所の方に、こういう適用拡大のせっかくつくった広報物を置いて周知をしたりということが考えられると思いますので、今ハローワークのところだけではなくて電子申請で手続の公文書が下りてくるわけですけれども、その公文書の中にリーフレットを入れるとか、リーフレットの案内を入れるというようなことも考えられるのではないかと思いましたので、そのようなことも御検討いただければと思います。
 最後に、適用拡大のサイトの部分ですね。9月に、ぐっと前回上ったということなのですけれども、実はちょっと気になったのが、そのぐっとアクセスが増えたところの流入元がどこだったのか。どこからきているのかというところもちょっと分析をして、実際に検索できているのか、どこのサイトのものからきているのか、SNSのところからきているのか、そういうところの分析をすると、どこに情報発信をしていかなければいけないのか、どこにお金をかけて広報していくのかというところが分かるのではないかと思いました。
 以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
 あとは、山口先生いかがですか。
○山口構成員 では、私のほうからお話しさせていただきます。
 広報という話なのですけれども、1つ思ったのが、まずは調査のところで、社会保険の情報を調べる手段というところで、そもそもこのSNSというのが挙がっている一方で、動画共有サービスというのが書かれていなかったと思うんです。もしかしたらSNSに含むというふうに明記しているのかもしれないのですが、官公庁調査ではよくSNSに動画共有サービスが入っているのですけれども、一般の感覚からすると入っていない人も結構いて、たしかこれは動画共有サービスはなかったですね。
 YouTubeなどはあるのかな。これは、従業員におけるというほうではないですよね。
 従業員における情報の取得方法でYouTubeがないと理解しています。私の漏れでしたら申し訳ないのですが、動画共有サービスというのは結構、今は活用されていることが多いのかなと思いますので、出してもよかったのかなというふうに思いました。
 それで、結構調べると、社会保険について頼んでいないのに結構解説してくれている人とかがいらっしゃいます。玉石混交なんですけれども、そういったものを参考にされる方も結構いらっしゃると思います。
 関連して、その広報という観点でいうと、やはり今までの議論でも出てきましたけれども、動画というのが一つはあるかなと思っています。それで、例えば以前、別の検討会ですが、年金広報のほうでインフルエンサーの方と組まれて動画制作をしたりということがあったと思うんですけれども、今のトレンドでいうとショート動画がすごく効果的で、私もGoogleと総務省と組んでショート動画キャンペーンというのをたびたびやっているという話をたしかこの検討会でもしたと思うのですが、以前、偽・誤情報の啓発キャンペーンというのを8人のインフルエンサーと組んでやったら今、1000万回再生以上されているんですね。驚異的なリーチをしているということで、何かそういったインフルエンサーマーケティング的なこととか、並びに動画というものを活用して従業員のほうにうまくリーチする。それで、従業員からこの話はどうなっているんですかというようなことで上にいくというようなルートを考えてもいいのかなというふうに感じました。
 以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
 そのほか、皆さん、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○諸星構成員 様々な御意見が出ており、ほぼ一緒にはなりますが、、私から4点ほど、広報の周知方法についてお話をさせていただければと思います。
 まず、私自身、以前の会議でもお話ししたと思うのですけれども、キャリアコンサルタントという立場を利用して就労支援セミナーをパートさんや、再就職する方々に向けてやっておりますが、先ほど岡村さんがおっしゃっていたような正しい理解を浸透するという趣旨もあり、それこそ年金というのはどういう仕組みかというところから、先ほど佐藤先生とかもおっしゃっていた働き方の選択とかの話を盛り込んで伝えておりました。そういった基本的な話をすると、案外皆さん方からは知らなかった、読んだことはあるけどよくわからないという声を聴いていました。きちんと説明をしますと103万、130万の壁の意味をきちんと知ることになるので、誤解が取り払われて、これから働くのには社会保険に入ったほうがよりいいんだという正しい理解をされることも多かったので、広報を広げていくということであればやはりそういった就労支援セミナーの中にコンテンツとして入れていただくというのは一つの手かなとまず思いました。
 次に、先ほど佐藤さんがおっしゃっていましたけれども、商工会議所とか、そういったところにも協力をお願いすることかと。今回の適用拡大の対象は51人から100人ですので、大体人事総務担当者が1名いるかいないかの規模なんです。或いは経営者がやっている、経営者の奥さんがやっているという規模が圧倒的に多く、また労働集約型でパートさんが極端に多いという場合も結構ありますから、そういった規模の方々に正しい情報を伝えるためには、やはりきめ細やかな広報が必要ですし、今回のこのコンテンツを最大限利用するためには、先ほどの商工会議所とか、青色申告会などの団体もありますので、そういったところで広報するのも一つの手かなと思いました。
 それから、すでに専門家活用支援事業というのがあるのですが、実はこれは社会保険労務士が年金事務所と個別に契約をするというような形で1時間派遣して幾らになりますよという限定された内容なんです。それで、先ほど報告があったヒアリングのところにもこの事業を使おうかなと思ったけれども使わなかったというような結果が出ていたのですが、実際に私が2年前に利用実績を調べたときにはあまりオファーがなかったというのをちょっと聞いていますので、今回これを本格的に活用するのであれば、やはり社労士会の連合会を通してやるということが必要ではないかと思いました。
 最後に、社労士会の関係者に公的年金シミュレーター、実は先週もちょっとあるところでセミナーをしましたけれども、意外と社労士でもそのアプリのことを知らなかったのか、目の前でいっぱいメモしているんですね。また社会保険の簡単シミュレーターというのもあり、いわゆる事業主側がどのくらいの保険料がかかって、従業員の手取りがどのくらいになるよという簡単なツールもあるのですが、これもなかなか広報ができていなくて、やはり専門家であるはずの社労士すら知らないという実態がございますし、私も公的年金シミュレーターを一回使ったのですけれども、先ほどの説明があればもっと早く使えたなというような状況でしたので、そういったものをどんどん伝えるためには社労士会を通すとか、FPの会も含め、いろいろな団体がありますから、そういったところに広くこういったものが使えますよということを御説明していくとまた広がるのかなと感じました。
 以上です。ありがとうございました。
○上田座長 ありがとうございました。
 あとは、皆さんいかがでしょうか。よろしいですか。
 では、私も一言申し上げさせて頂こうと思います。私が以前、厚生年金基金の総合型の加入会社、理事会社を訪問していたときの経験をちょっと振り返って思い出しますと、業界の中の横のつながりといいますか、情報交換が盛んに行われていて、あそこがやったからうちもやらなければというような話が業界の集まりでよく出るらしいんです。
 ですから、そういう意味では、例えば、外食産業とか、あるいは小売の業界団体とか、そのような関連する団体を通じて広報を図るというのも一つのやり方かなと思っています。
 あとは、中小企業ですと協会けんぽの中のいろいろな広報とか集まりとかあると思うので、そういうけんぽのつながりもうまく使わせていただくというようなことが有効かと思います。
 それから、先ほど佐藤さんがおっしゃった対談というのは非常に私もいいなと思っていまして、特にそういう業界団体の非常に影響力の強い会社さんなどにお願いして対談したものを、動画でいつでも見られるようにしておくというようなことが一つの方法としては考えられると思います。実際に今、私も授業のあるときは忙しくてなかなか時間の決まったセミナーというのは出られないのですけれども、動画で保存していただくといつでも自分の都合のいいときに見られるので、そういうことがあるかなと思います。
 あとは、皆さん商工会議所、社労士会ということをおっしゃったので、付け加えると税理士会とか法人会とか、そういうつながりも有効に使えるのかなと思っております。
 あとは、スケジュール的な話なのですが、皆さんおっしゃったとおりできるだけ早めのほうがいいと思います。以前、金融機関にいたとき、企業型DCの商品の指定に関する経験から感じたことです。ウェブとかコールセンターでそのアクセスを見ると直前に非常に集中するので、できるだけ4月以降早い時期にそれが集中しないように平準化するような早めの対策が必要なのかなと思っております。
 私からは以上でございます。 あとは、皆様よろしいでしょうか。
 事務局から何かありますか。
○菊地係長 菊地でございます。
 皆様、本当にすばらしい具体的な広報活動の在り方について御助言いただき、ありがとうございました。今回の御助言は、例えば専門家の皆様との協働による周知活動だとか、業界団体様との周知活動というコラボレーションという形でのものだとか、ないしは我々の今回つくっている広報コンテンツを拡張した形での例えばショート動画を考えたりとか、いろいろな多岐にわたる具体的な御指摘、御助言を賜りましたので、まずはこの広報コンテンツを今年度内にしっかり完成をさせて、それと同時にどのような広報展開、広報計画を行うと皆様のお手元に届くのかということを検討しながら、皆様方の御助言をぜひ踏まえて今後検討してまいりたいと考えているところでございます。どうもありがとうございました。
○上田座長 それでは、全体を通じて何か御意見等ありましたら。
 特によろしいですか。
 すみませんが、私から1つだけ。今回、適用拡大をしていくと、企業型DCを実施しているとか、総合型のDBに入っている中小企業は多いと思うのですけれども、適用拡大に伴って企業年金の加入要件とか資格の範囲を整理する必要のある企業さんも出てくると思います。公的年金とはまた別の話ですけれども、適用拡大に伴って関連してくる事項かと思いますので、例えばウェブページの最後に1行くらいで結構なので、こういったものも社労士さんに御相談くださいというような注意喚起を入れていただくとありがたいかなと思っております。もし可能であれば御検討いただければと思います。よろしくお願いします。
 そのほか、皆様から特によろしゅうございますか。
 それでは、本日予定している議事は以上でございます。今後の予定につきまして、事務局からお願いいたします。
○芦田年金広報企画室長 今後の開催日程につきましては、追ってまた御連絡さしあげます。
 本日も誠にありがとうございました。
○上田座長 それでは、本日の審議は終了いたします。御多忙の折、皆様御参集いただきまして誠にありがとうございました。

 

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