ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 年金局が実施する検討会等> 被用者保険の適用拡大に関する効果的な広報のためのアドバイザー会議> 第1回被用者保険の適用拡大に関する効果的な広報のためのアドバイザー会議(2023年9月1日)議事録

 
 

2023年9月1日 第1回被用者保険の適用拡大に関する効果的な広報のためのアドバイザー会議

年金局

○日時

2023年9月1日(水)11:00~13:00

 

○場所

東京都千代田区平河町2-4-2全国都市会館3F 第2会議室
 

○出席者 (五十音順)

                     
上田 憲一郎(座長)
宇佐川 邦子(構成員)
岡村 正昭(構成員)
佐藤 博樹(構成員)
佐藤 麻衣子(構成員)
島貫 智行(構成員)   
宮武 貴美(構成員)
諸星 裕美(構成員)
山口 真一(構成員)
横川 楓(構成員)


○議事

○芦田年金広報企画室長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第1回「被用者保険の適用拡大に関する効果的な広報のためのアドバイザー会議」を開催いたします。
 改めまして、皆様、お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 私は、年金局総務課年金広報企画室長の芦田と申します。
よろしくお願いいたします。
 開催に先立ちまして、事務的な御連絡を申し上げます。
本日はオンライン併用によるハイブリッド形式にて開催いたします。
会場にて御発言をされる際は挙手をしていただき、座長の指名を受けてから御発言をお願いいたします。
また、オンラインで御参加される委員におかれましては、会議中御発言される際は「手を挙げる」ボタンをクリックして、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除して御発言をお願いいたします。
御発言終了後は再度マイクをミュートにしてくださいますようお願いいたします。
 なお、議題内容に対して御賛同いただく際は、カメラに向かってうなずいていただくことにより、異議なしという御意思の旨を確認させていただきたいと思います。
 それでは、構成員名簿に沿って、今回就任いただいた構成員の皆様について御紹介させていただきます。
 まず、上田憲一郎構成員です。
帝京大学経済学部経営学科の教授でいらっしゃいます。
○上田構成員 上田です。
よろしくお願いいたします。
○芦田年金広報企画室長 宇佐川邦子構成員です。
株式会社リクルートジョブズリサーチセンターの所長でいらっしゃいます。
○宇佐川構成員 宇佐川です。
よろしくお願いいたします。
○芦田年金広報企画室長 岡村正昭構成員です。
実利用者研究機構CEOでいらっしゃいます。
○岡村構成員 岡村です。
よろしくお願いいたします。
○芦田年金広報企画室長 佐藤博樹構成員です。
東京大学の名誉教授でいらっしゃいます。
○佐藤(博)構成員 佐藤です。
よろしくお願いいたします。
○芦田年金広報企画室長 佐藤麻衣子構成員です。
株式会社ウェルスプランの代表取締役でいらっしゃいます。
○佐藤(麻)構成員 佐藤麻衣子です。
どうぞよろしくお願いいたします。
○芦田年金広報企画室長 島貫智行構成員です。
中央大学大学院戦略経営研究科の教授でいらっしゃいます。
○島貫構成員 島貫です。
よろしくお願いいたします。
○芦田年金広報企画室長 宮武貴美構成員です。
社会保険労務士法人名南経営の特定社会保険労務士でいらっしゃいます。
○宮武構成員 宮武です。
よろしくお願いいたします。
○芦田年金広報企画室長 諸星裕美構成員です。
オフィスモロホシ社会保険労務士法人の代表社員でいらっしゃいます。
○諸星構成員 諸星です。
よろしくお願いいたします。
○芦田年金広報企画室長 
 本日オンラインでの参加になっておりますけれども、山口真一構成員です。
国際大学のグローバル・コミュニケーション・センターの准教授でいらっしゃいます。
○山口構成員 国際大学の山口です。
よろしくお願いいたします。
○芦田年金広報企画室長 横川楓構成員です。
一般社団法人日本金融教育推進協会の代表理事でいらっしゃいます。
○横川構成員 横川です。
よろしくお願いいたします。
○芦田年金広報企画室長
 本日の会議は構成員全員が出席されておりますけれども、先ほど申し上げたとおり、山口構成員はオンラインによる御出席となります。
 なお、佐藤博樹構成員、島貫構成員、山口構成員は、所用により途中退席となる予定でございます。
 次に、事務局より年金局長の橋本が御挨拶を申し上げます。
○橋本年金局長 おはようございます。
年金局長の橋本でございます。
 本日は、お一人お一人、大変お忙しい中、また、このように大変暑い中をお運びいただきまして、誠にありがとうございます。
また、このたびはこの会議の構成員をお引き受けいただきましたこと、誠にありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
 さて、政府におきましては、被用者、言ってみればサラリーマンでございますが、被用者の方々には年金や医療について、被用者にふさわしい社会保障を受けていただきたい。
それを実現するために、短時間労働者として働いている方々などへの厚生年金や健康保険といった制度の適用の拡大ということを今、進めているところでございます。
去年の10月からは、それまでは500人超という規模の企業に限られておりました短時間労働者への適用を100人超という規模まで引下げを行い、そして来年10月からは50人超の企業というところまで規模を引き下げて短時間労働者の適用を広げていくということが決まっておりますし、また、これからも働く方々や、あるいは事業主の方々の御理解をいただきながら、この適用拡大ということを着実に進めていかなければならないと考えております。
 ただ、御承知のとおり、社会保険の仕組みというのはどうしても複雑で分かりにくいところがございまして、従業員の方々にとっても、また事業主の方々にとっても社会保険の適用を受けるということによって具体的にどういうふうに変わるのか、そしてまた御自身にとってどういうメリットかあるのかということをよくよくお分かりいただくということが、皆様方の御理解を得ながら着実に進めていく上で欠かせないわけでございます。
 そういう状況でございますので、この適用拡大をさらに進めていくための環境整備であると同時に、また、広報の充実ということを考えまして、これまで実際にいろいろと取り組んでおられる企業のよい事例、好事例というものを活用しながら広報していく。
そういったやり方について、専門的あるいは技術的な観点から皆様方から様々な御意見、御助言を賜りたい、そういう思いでこの会議を開催させていただいております。
構成員の皆様方からは忌憚のない御意見を頂戴できればと考えておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
○芦田年金広報企画室長 それでは、そのほかの事務局の出席者について御紹介いたします。
 年金担当の大臣官房審議官の泉です。
○泉審議官 よろしくお願いいたします。
○芦田年金広報企画室長 年金局総務課長の小野です。
○小野総務課長 よろしくお願いいたします。
○芦田年金広報企画室長 年金局年金課長の若林です。
○若林年金課長 よろしくお願いいたします。
○芦田年金広報企画室長 年金局総務課年金広報企画室年金情報企画係長の菊地です。
○菊地係長 よろしくお願いいたします。
○芦田年金広報企画室長 また、適用拡大に関する企業の好事例を収集するための調査業務について、その受託事業者から中堂薗様、吉村様が御出席されております。
○受託事業者 よろしくお願いいたします。
○受託事業者 よろしくお願いいたします。
○芦田年金広報企画室長 続きまして、議事の公開に関する説明と資料に関する補足説明を少しだけさせていただきます。
 まず、参考資料でお配りしている開催要綱に基づきまして、本会議及び議事録については、原則として公開することにしております。
傍聴される方は、あらかじめ厚生労働省のホームページでお知らせしておりますとおり、御自身のタブレットなどの携帯端末を使用してホームページから資料をダウンロードして御覧いただくこととしております。
 次に、資料に関する補足説明でございますが、まず資料2-1につきましては、本年8月9日に開催された第18回年金広報検討会での提示資料と同一の資料となっております。
 また、資料3に関する議論において使用するアンケート内容の詳細につきましては、この会議の後も修正が入ることが想定されることなどを踏まえまして、本日は机上のみの配付とさせていただいておりますので、御協力をお願いします。
 続きまして、本会議の座長を御紹介したいと思います。
本会議に関しましては、年金広報検討会との連携を図る観点から、上田構成員に座長をお願いすることとしておりますので、御報告いたします。
 それでは、ここからの議事運営につきましては上田座長によろしくお願いいたします。
○上田座長 帝京大学の上田でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
 先ほど橋本局長からお話がございましたように、この被用者保険の適用拡大というのは、社会保障の充実におきまして大変重要なことだと思っております。
この拡大のためには、事業者の皆さん、それから働く皆さん、併せて広く社会一般から御理解をいただくことが大切だと思っております。
効果的な広報を行うに当たりまして、皆様の豊富な御経験、深い知見を生かしまして、ぜひ有益なアドバイスを頂戴できればと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、カメラの方はこちらで退席をお願いいたします。
 続きまして、議事に入らせていただきます。
 本日は、「被用者保険の適用拡大に向けた広報の取組について」「被用者保険の適用拡大に関する広報資料の作成に関するアンケートについて」、この2つを議題としております。
 まず、「被用者保険の適用拡大に向けた広報の取組について」、事務局より御説明をお願いいたします。
○菊地係長 資料2-1をお開きください、被用者保険の適用拡大に向けた広報の取組について、御説明いたします。
資料1ページ目を御覧ください。
短時間労働者に対する被用者保険の適用の拡大の概要でございます。
先ほど年金局長の橋本からも御案内を申し上げましたとおり、これまで2016年10月から500人超、2022年10月から100人超、2024年10月から50人超の企業に社会保険の適用拡大が進められていくこととなります。
 これらの社会保険適用拡大において、素晴らしい取り組みが進められていると考えられているところでございます。
 資料2ページ目をお開きください。
こちらは被扶養者認定基準と被用者保険の適用の拡大の関係について示した資料でございます。
被用者保険の適用拡大により、被扶養者である短時間労働者が加入になった場合、保険料の負担が新たに生じるものの、給付も充実するという関係性に立っています。
これらの関係性については、複雑な部分もあるところではございますが、具体的なメリットを把握していただくということが重要でございます。
3ページ目をお開きください。
社会保険の適用拡大を進めるにあたり、これまで様々な周知・広報の取組を進めてまいりました。
そして、社会保険の適用拡大に関して、年金広報をより充実させていこうという観点から、令和4年12月に全世代型社会保障構築会議の報告書において以下のようなことが定められております。
「被用者保険の適用拡大の更なる推進に向けた環境の整備・広報の充実」でございます。
今後、充実した広報を実施するため、アンケート調査による好事例の収集、本検討会での助言を承りながら、具体的にメリットが感じられるような広報コンテンツを制作していくこととなります。
 資料4ページ目をお開きください。
今回の議論に移る前に、これまでの社会保険適用拡大に関する広報の取組を御紹介いたします。
今回資料2-2から資料2-6まで、これまで年金広報企画室及び厚生労働省が制作したリーフレット等が添付されているところでございます。
これまで厚生労働省では特設サイトの運営に加え、動画やガイドブックをご提供しております。
その後、公的年金シミュレーターが導入されることにより、個々人の年金額を試算しメリットが視覚的に分かるよう広報を充実させてきました。
 5ページ目は、アドバイザー会議の設置要綱でございます。
 6ページ目をお開きください。
今回の適用拡大に向けた広報の充実の取組案として、現在、事務局側が検討している内容となります。
この資料は、企業側と従業員側双方のターゲットを設定し、様々な広報コンテンツを制作するということを検討しております。
現在、ガイドブック、チラシなどを制作しているところですが、これに加えまして、好事例集、労働者目線でのモデルケース、経営シミュレーション、従業員向けの説明マニュアル、企業内での説明の手引の動画等々を制作するということを検討しているところでございます。
 最後に7ページ目でございます。
適用拡大に関する今後の検討のスケジュール案でございます。
本日は9月1日ですので、アドバイザー会議の第1回目が開催されております。
本会議でアンケート等の設計を行いまして、厚生労働省及び受託事業者様がアンケートを実施いたしまして、11月にはある程度の中間的な報告、及びサイトとかそれらの広報コンテンツのデザインの制作の方向性等々を議論させていただきます。
 そこでの御助言を踏まえ広報コンテンツの制作を進めさせていただき、1月にはアドバイザー会議を改めて開かせていただくことを予定しているところでございます。
ここで改めて制作物に対しての御助言をいただき、ブラッシュアップした後、来年3月には年金広報検討会において広報コンテンツ等の報告ができればと考えているところでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○上田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、これから構成員の皆様から御意見を頂戴いたしたいと思いますが、御退席予定の構成員の方もいらっしゃいますので、まず山口先生と島貫先生から全体を通して御助言を頂戴できればと思います。
まず、山口先生、よろしくお願いいたします。
○山口構成員 ありがとうございます。
 御説明いただきありがとうございました。
私は11時半には出てしまいますので、今、御説明いただいた資料並びにアンケート調査についてもここでお話しさせていただければと思います。
 まず、広報の方針とか進め方というところは全く違和感がないところです。
 もう一つのアンケート調査というところについて幾つかコメントをさせていただければ幸いです。
まず、今回かなりいい調査内容になっているなという印象も受けておりまして、設問も既にかなり完成度が高いものになっていると思うのですが、1つは、いろんな取組をしている企業で、その中でも既に取り組んでいる企業が対象になるわけですが、実施した施策がうまくいっている企業とうまくいっていない企業があるわけです。
それらの両方を一遍に傾向を統計分析するということだけではなくて、うまくいっている企業というところにフォーカスして、その傾向を分析するというのも大事かなと思っております。
つまり、ただこのアンケートによって全体の統計並びに事例のピックアップということをするだけではなくて、うまくいっている幾つかの企業の傾向を見るということです。
 そこに関して言いますと、適用による変化というアンケート項目があると思うのですが、そちらの結果で分類できるということがあると思うのですけれども、ただ、一方で、数値的なものだけでいいかどうかということの評価が難しいケースもありますので、実施した施策が実際にうまくいっていると主観的に思っているかどうかという自己評価も1~10点とかで評価させてもいいのかなと思うところです。
 その上で、うまくいっていると評価している企業のベストプラクティスを見るとか、それで事例集をつくるということだけでなくて、ぜひその企業たちが何をやったかというところのテキスト分析をしていただきたいのです。
例えばうまくいっている企業が30社ありました。
その企業たちがやっていることをテキスト分析を行うと、どういうことをやっているかという最大公約数的なものが出てくると思うのです。
そうすると、そういった内容をみんなに参考として伝えることによって、さらにそれが広まるというような展開があり得るかなと思います。
 もう一つは、これはどこまでできるか分からないのですけれども、うまくいった企業とうまくいっていない企業があるわけですが、その差を見るというのも結構大事かなと思います。
ただ、アンケート調査結果でうまくいっていない企業というのを定義してしまうので、そこはうまく工夫はする必要があると思うのですけれども、そういったところの差、あるいは統計的な有意差、こういったところも見ると、さらによいかなと思います。
 最後になりますが、企業の観察できていない変数というのが、統計分析的には課題としてありまして、経済学では内生性と言うのですが、つまり、ある企業はリテラシーがすごい高いと。
これまでもいろんな取組をしています。
その企業ではこういうことをやると、すぐみんなが反応してくれて、うまくいきましたということは十分考えられるわけです。
その場合、その企業がやった取組というのは、ほかの企業がやって成功するとは限らないという問題が発生します。
こういうことを考えますと、その企業のリテラシーとかこれまでやってきた取組とか、そういったことを聞いておいて、それによって、分析する際、それはクロス分析でもそこの差というのをうまくコントロールして回帰分析までするのだったら、もちろん変数に入れてコントロールしたりということができると思いますので、今回の件だけではなくて、そもそもそういったことのリテラシーとか、あるいはどういう専門家と連携しているかとか、そういった情報もひっくるめて調査すると、例えばこういうレベルの企業だと、こういうことは効果があったけれども、こういうレベルの企業だと、むしろこういうことが大事ではないかというような資料、さらに詳細な資料がつくれるかなと思った次第です。
 私からは以上です。
○上田座長 山口先生、どうもありがとうございました。
 続きまして、島貫先生、よろしくお願いいたします。
○島貫構成員 
島貫です。
今、山口先生からお話があったポイントですけれども、私も同感するところがたくさんありました。
今回のアンケートの目的として、好事例を収集するということと、アンケートのデータを分析してどういう傾向があるのかを確認することの2つがあるとすると、後者に関して、山口先生がご指摘されたポイントはとても大事だと思っています。
 私からは、もう一つの好事例を収集するという観点から2点コメントしたいのですけれども、まず好事例を収集するということで、アンケートについて後ほど皆さんで議論いただくと思うのですが、いろいろな項目が既に設定されていると思います。
追加していただきたい点としては、それぞれの企業がいつからその取組を始めたのか。
法適用のどのくらい前から取組み始めたのかという点を加えていただけるといいと思います。
多くの場合、制度改定、あるいは制度の変更に関する周知・浸透は時間がかかると思います。
なるべく早く着手したほうが労働者の理解が進むという観点もあろうかと思いますので、補足いたします。
 もう一つは、好事例というところで特に関連するのですけれども、それぞれの企業が例えば周知する、説明をする、パンフレットをつくる、いろいろな取組みがあると思うのですが、実際それをどういうふうに工夫しているのかという点を自由記述で聞いていただくと良いように思います。
恐らく今の設計ですと、例えばチラシを配布している、説明会をしている企業が何%ある、という比率とか数の問題として出てくると思うのですけれども、それに加えて、うまくいっている企業の創意工夫をピックアップしていただけるといいかなと思います。
 中小企業は大企業と比べると、いろいろな施策を同時にたくさん実施することはかなり難しいと思います。
そうすると、中小企業にとっては、自分たちの会社であれば、幾つかの取組みの中でもこれは実施できるとか、これは使えそうだなと思うものを好事例としてバラエティーをもって提示できればいいように思います。
 以上です。
○上田座長 島貫先生、ありがとうございました。
 事務局、何かコメント。
よろしいですか。
○受託事業者 はい。
○上田座長 それでは、続きまして、被用者保険の適用拡大に向けた広報の取組について、今、御発言いただいた先生方のほかに御意見、御質問がある方がいらっしゃいましたらお願いいたします。
佐藤先生、どうぞ。
○佐藤(博)構成員 好事例を集めるということで、好事例は何かということで、これを見ると、事業主が労働者に社保に入りませんかと。
あるいは今よりもうちょっと長く働けるのではないですかと働きかけるということですけれども、ただ、短時間で働いている人は2種類あって、いわゆる就業調整です。
社会保険に入りたくないので短くしている人と、短時間だから働けるという人がいるわけです。
社保を負担しないでより短時間にしているような企業もありますけれども、逆に短時間の働き方を用意することによって多様な人材に働いてもらうということなので、これをどう区別するかというのが結構大事で、社保に入れてもらえるようにしますよ、短時間働くという会社は、考えによってはよくないのです。
 なので、就業調整をしている人に理解していただいて、あなた、入れるのではないですかという働きかけと、そうでなくて、短時間だからこそ働けるという人がいるので、この人を活用する企業は決して悪いわけではないので、この辺を分けて好事例を集めていただけるといいかなと思います。
 シミュレーションは、企業に向けては、社保に入れたほうが一見負担は増えるけれども、トータルはコストが安いというシミュレーションだと思うのです。
つまり、社会保険のコスト以外に、長く働いてもらうと、例えば活用する人の人数が減りますから採用コストが減りますし、離職率が一定であれば成功しているわけですね。
育成コストが減るとか、あるいはロッカーの数なんか、分かりやすく言えば減るのですけれども、そういう意味では、社保に入ってもらったことによる負担増と、採用なり育成なり、あるいは全体として見るとお得なのですよというシミュレーションはないのではないかなと思いますので、それをやっていただくといいかなと思います。
 そういう意味では、先ほどの点で言うと、大学生などを活用しているのは、もともとこれは適用外なのだけれども、今の大学生で言うスポットワークみたいなので働いている。
これもそういう働き方だから大学生が働くというところがありますので、それはちょっと御留意いただければと思います。
 もう一つ、今、20時間でも適用されている企業に働いていると。
だから、社保に入っているのだけれども、では、転職すると。
転職先でも社保に入りたいと思ったときに、では、どの会社に転職すれば社保に入れるかというのが実はなかなか見えないのです。
ここに企業規模で適用拡大と。
僕はずっと言っているのですが、「企業規模」というのは、普通の従業員規模ではないのです。
社会保険は30時間以上加入者が500人以上なのです。
これはどこを見ても書いていないのです。
外からは。
ですから、求職者が転職するときに社保に入れる企業に転職したいなと思ったときに、任意適用もありますからね。
でも、従業員規模ですねと言っても、うちは社員数何人ですと書いてあることと、これは社会保険を適用している人が何人以上なのです。
僕はいつも言っているのですけれども、これもやめてほしいと。
「従業員500人以上」というのは、うそですね。
ここに書いてあるのは。
だから、うそがずっと伝わってしまっているのは広報上マイナスではないか。
それをきちっと広報していただきたいなと思います。
 最後ですけれども、個人について言うと、社保に入ったほうが長期で絶対得なのです。
これは分かっているのです。
分かっているけれども短期を選んでしまう。
ここをどうするかだと思うのです。
行動経済学で「ナッジ」という議論がありますけれども、お得なのは明らかなのです。
だけど、短期で選択してしまうというところをどう変えるかということなので、多分資料を幾らつくっても駄目なのですよ。
個人について言えば、資料ができているのです。
 だから、行動を変えてもらうためにはどういう情報提供をして、働き方がいいかということを議論すべきで、出す資料はもうできているのだと思うのです。
ちゃんと説明すれば、あ、そうだよな。
でも、私はこちらを選びますというところをどうするかということかなと思います。
あちらに行ったり、こちらに行ったりですけれども、御検討いただければと思います。
○上田座長 ありがとうございました。
 そのほか、全体を通してこの取組について御意見等ございましたら。
また、アンケートの内容等につきましては、この後、事業者の皆さんのほうから御説明がございますので、またその後で御議論いただければと思いますが。
取組全体については何かございますでしょうか。
よろしいですか。
 それでは、次に、被用者保険の適用拡大に関する広報資料の作成に関するアンケートについて、本アンケート調査業務の受託事業者の皆さんより御説明をお願いいたしたいと思います。
○受託事業者 こちらは私、吉村より御説明させていただきます。
資料3をお開きいただきたいと思います。
 1ページ目は本資料の構成です。
最初、簡単に本事業のステップを確認した後に、本日主に助言いただきたい対象企業の抽出方法、実際の調査項目、また、アンケートの配布・実施方法について説明させていただきます。
 3ページ目が本事業における実施ステップとなっております。
まず最初に調査を2種類行います。
先ほどからお話に挙がっておりますアンケート調査に加え、それを基に実施するヒアリングを実施した後、それらの結果を分析いたしまして、最終的には企業の方、従業員の方が活用できるような経営シミュレーション資料や広報コンテンツを作成していくという流れになっております。
本日は、最初のこの調査における調査対象と調査項目、実施方法について御助言いただければと考えております。
 4ページ目がアンケートの調査概要になっておりますが、調査の背景については先ほど菊地様よりお話がありましたので、こちらは省略させていただきます。
 主なアンケート調査の目的というところですが、主な目的は、好事例となるような企業を洗い出すというところになっております。
こちらは先ほど佐藤博樹委員のお話にもありましたが、従業員個々人の状況をあくまでも踏まえた上で、各短時間労働者が就業調整等を意識せずにそのまま働いてもらったり、いわゆる企業の期間従業員として働いてもらっているような企業の取組を本アンケート調査で洗い出せればと考えております。
 本アドバイザー会議後、こちらの調査項目自体を少し更新する予定ですので、約2~3週間後、9月中下旬頃から調査を実施いたしまして、約1か月間で実施できればと考えております。
 アンケート調査対象としては2種類を想定しておりまして、最初が既に強制適用となっているような従業員が101人以上の企業を500社。
2種類目として従業員が100人以下、かつ労使の合意に基づいて短時間労働者へ被用者保険を適用した企業500社というところで、いわゆる任意適用しているような企業を考えております。
 1つ目は企業データバンクさんから情報を抽出いたしまして、2つ目は、データバンクさんで情報の取得が難しいということでしたので、厚生労働省様と年金機構様からの情報を用いて調査対象を抽出する想定でございます。
 詳しい調査項目と方法の説明については後ほどのページでございますので、こちらは省略させていただきます。
 5ページ目は企業の抽出方法でございます。
大きく分けて4STEPを踏んでおりまして、最初の3STEPで主な企業の属性を分けております。
今回短時間労働者に対してどういった取組をしているかというのを確認する調査ですので、最初のSTEPとして、短時間労働者が全従業員の中に占める割合がどれほどかというところで区切っております。
その次に、大企業ばかりですと、ほかの中小企業等がまねできることも少ないと考えられますので、企業規模についてもしっかりと均等になるように分割できればと考えております。
 抽出STEP3です。
こちらも企業の所在地で分ける想定でして、都市部と地方部では情報の流入経路や仕事の仕方等も異なるかと思いますので、こちらの中でも偏り過ぎないように抽出STEP3で分けられればと考えております。
そうした分けた層から無作為抽出を行って、最終的な調査対象企業を抽出する予定でございます。
 6ページ目が調査項目の内容になります。
本アンケート調査は主に3つの目的を据えておりまして、1つ目が一番主なところで、優良事例の掘り起こしと置いております。
その優良事例の具体的な内容等、どういった課題があって、どういうふうに取り組んだのかというところを落としていくような広報コンテンツの基礎資料。
また、優良事例の具体的な、企業の方がより納得していただけるようなものとして作成していくような経営シミュレーション資料等を作成する。
こういったデータのインプットなるものを今回のアンケート調査で明らかにしたいと考えております。
 具体的には上の「明らかにしたい内容」のところですが、効果的かつほかの企業でも導入しやすいというところで、何かその企業ならでは。
賃金が高いからとか、リテラシーが元から物すごく整ってやっていましたというところ。
それこそ前提がどこでも共通して誰でもできるよねという取組を探せればと考えております。
 具体的な取組としては、先ほどから申し上げているとおり、短時間労働者が就業調整を考えずにその取組を行ったような企業様。
具体的なところとして、そのとき短時間労働者がどういう状態でいて、そのときに企業からどういう働きをすることで効果的にいろんな適用の方が促進を進められたのかというところを明らかにしたいと考えております。
 それに加えて、最終的には各企業の方が、短時間労働者が今回就業調整をせずに働いてもらうことによるメリット等も明らかにしたいと思っておりますので、そういった意味で、適用による変化についても今回のアンケートでは伺っております。
 7ページ目は、今回のアンケート調査を考える上で参考にしたような行動変容プロセスとなっております。
こちらにつきましては、基本的に「認知」「理解」「当事者意識」「決定」と置いているのですが、各従業員がこのプロセスどおりに必ずしも被用者保険に加入しているとはもちろん考えておりません。
ただし、いわゆる従業員の状態を網羅的に把握するためにこの4つのプロセスを置きまして、それぞれ認知、理解に至るような、従業員がどうやったら当事者意識に進むのか、どうやったら決定に進むのかというところで、各プロセスごとに有効な取組は何なのかというところで、最終的に分析を容認するためにこのプロセスを用意しております。
 また、回答者側もやった取組が昔でなかなか思い出せないといったこともあるかと思いますので、時系列に並べることによって少しは取組を想起させるような効果も狙っております。
 8ページ目は調査項目ではなくアンケートの配布方法というところになりますが、今回実施する想定は、Web回答と紙回答の併用というところになります。
Web回答を行うことで回答の集計や分析、手間等も削減できますので、こちらをメインと考えておりますが、企業によってはネットワーク環境等でなかなか回答ができないことも考えられますので、紙回答を併用することで一定の回答率を担保できればと考えております。
 9ページ目は、本アンケートは、回収率を担保するということよりも、好事例を発掘するということに目的を置いておりますが、その上でも好事例を行っている企業が今回のアンケートに答えてもらうために少し工夫を設けております。
 1点目が、今回封書で送る想定ですが、封書の目立つところに厚生労働省様のロゴを掲載して、はがき自体も目立つような暖色の色にして送付するということを考えております。
また、一定期間後、回収率を鑑みた上でリマインド。
こちらは架電なのか、郵送で再送するのかは、回収率を見て考慮できればと考えておりますが、この3つの手段で一定の回収率を担保できればと考えております。
 10ページ目は参考になりますが、弊社のほかの事業のところで実施したところ、はがきよりも封書のほうが回答率が上がったというところがございますので、今回封書のほうで送付することを想定しております。
 こちらがアンケート調査の概要の簡単な御説明になりまして、この後、別添の資料として調査項目案を設けておりますので、こちらを御説明させていただきます。
 こちらは101人以上の企業と100人以下の企業というところで、2種類設けておりますが、基本的な大枠は同じところが大きいですので、まずは101人以上の企業のアンケート調査項目から御説明させていただきます。
こちらが主に3章立てになっていまして、最初のオレンジのところが企業情報。
2つ目がいわゆる好事例の内容を聞くような保険適用に伴う取組。
3つ目がその適用に伴う変化・効果等を問うような質問となっております。
 最初の「企業情報」というところは、単体で利用するというよりも、2番目にあります取組の内容と併せて分析することで、どういった企業の特徴によってどういった取組が行われているのかというところを分析するために設けている設問群となっております。
 最初が業種というところで、こちらも複数置いておりまして、2つ目が所在地。
こちらは申し上げたとおり、地方部と都市部で整っているというふうに今は考えております。
 また、従業員規模と資本金。
こちらも会社の体力によってできる、できないといった取組があるかと思いますので、設問を設けております。
 また、短時間労働者の割合というところで、こちらも多いところだからこそやっているような特徴的な取組、少ない中でもやっているような取組というところでこちらを明らかにできればと考えております。
 続いて、第2章については具体的な好事例を伺うような設問になっております。
最初2-1の設問というところで、短時間労働者の加入促進に当たって何か制度の見直し・取組を行っているかという設問を置いておりますが、こちらはこれまで2016年、2022年、様々なタイミングで強制適用になった企業がございますが、そのタイミングにかかわらず、短時間労働者の加入促進に当たって何かしましたかというところで全体的に設問を聞いております。
 その次に2-2というところで、それに当たって、短時間労働者がその当時どういった課題を抱えていたのか。
このときに先ほどのプロセスごとに各選択肢を設けております。
そもそも知らなかったのか、それとも知っているけれども自分ごとでないのか。
自分ごとに当てはめたときに、ただただデメリットが上回って、こちらも誤認が大きいとは思うのですけれども、なかなか入らないという決断をしているのかといった形で、各プロセスごとに設問を分けております。
 その次の2-3-1というところで、それぞれの課題ごとに企業がどういった取組を行ったのかというところを選択肢で置いております。
選択肢に置いている理由としては、その次に自由記述は設けているのですけれども、企業がどういったことをやったのかというのをすぐに思い浮かばなかったり、どういったことを書けばいいのかというところが少し浮かばないという可能性もございますので、まずは選択肢を設けることで各企業の方が記憶を想起できるような形にしております。
 その次、2-3-2というところで具体的なところを記載していただく予定です。
なので、2-3-2が記載されていくような企業はまさに好事例となっていくと考えております。
 続いて、2-4というところで、その中で特に効果的な取組を行っております。
こちらは最終的に広報物をつくっていくときに、こういう状況の従業員がいたら、こういう取組が一番いいですよと。
何が一番いいのかというのを明らかにするために、こちらも企業の自己判断になりますが、こちらでお伺いする予定でございます。
 最後、2-5というところで、こちらはあくまでも任意回答にはなりますが、それまでうまく取組がいかなかった場合、何かやったのかというところで、こちらも念のため伺っております。
 最後は第3章というところで、こちらは先ほど申し上げたとおり、短時間労働者の加入による効果を伺っている設問になります。
定性的なものと定量的なものを両方設けておりまして、上記3つは定量的なものを伺っております。
どれほど対象者が増えたのか、企業全体の雇用者数がどう変わったのか、経常利益がどう変わったのかというふうに置いております。
もちろん、短時間労働者の就業調整のみによって経常利益や雇用者数が増えたということはないと考えているのですけれども、一要因としてこちらで傾向が見られればと思っております。
 続いて、3-4、3-5というところで、こちらは定性的なところ、いわゆる短時間労働者にどういう変化があったのかというところで、企業に5段階評価と自由記述で効果を述べてもらうような形にしております。
 こちらが大枠は一緒の設問になるのですけれども、100人以下の企業のところで異なる部分がございますので、そちらだけ簡単に御説明させていただきます。
 まず最初、企業情報というところで、従業員規模は100人以下のアンケートについてはかなり細かく切っております。
1-3のところです。
こちらは1~4人、5~9人というふうに分けておりますが、組織形態としてそもそも人事労務担当を置いているとか、社労士の方と一緒に働いているとか、もう少し状況が変わってくるかと思いますので、こちらは少し細かく状況を切ることによって、今後適用対象となるような50人超えの企業だったらどうなのかというところで傾向もつかんでいければと考えております。
 また、第2章というところで、最初の設問3つは先ほどのところでない設問となっておりまして、いわゆる任意適用しているような事業者さんは、自ら企業側も進んでやっているというところになりますので、社会保険にどういった魅力を感じて、どういった情報を取得して、どういったところが特に刺さって踏み切ったのかというところを捉まえることで、広報物の中に何が一番魅力的なのかというところに落としていけると考えておりますので、各企業がどういう課題を抱えて、そのときにどういう情報を取得したのかというのをこの設問で伺っております。
 それ以降の設問については、基本的には先ほど申し上げたとおりの設問群となっておりますので、この後の設問の説明は省略させていただきます。
 駆け足になってしまいましたが、以上が今回のアンケート調査項目とアンケート概要の説明になります。
○上田座長 御説明どうもありがとうございました。
 本議題につきましては、アンケートの対象者や実施方法などアンケートの実施概要に関する論点、アンケートの質問内容そのものに関する論点と2つの論点があろうかと思います。
この2つの論点につきまして、皆様から御意見を頂戴できたらと思っております。
なお、島貫先生と佐藤先生は途中で退席されるとお伺いしておりますので、まず両先生から御意見を頂戴できればと思います。
では、島貫先生からお願いいたします。
○島貫構成員 ありがとうございます。 
アンケートの内容や項目に関しましては、先ほどお伝えしたとおりです。
 改めて御説明を伺って思ったのですけれども、先ほど佐藤先生がおっしゃっていた短時間労働者の人たちに対してどう周知していくかという点についてです。
短時間労働者の皆さんが自分で問題意識を持って、実際に必要と思うから加入するという点が大事だという御説明があったと思います。
そういう意味で言うと、例えば就業調整をしている人がどのくらいいるのか、短時間だから働ける人がどのくらいいるのか、といった短時間労働者の就業希望や就業実態の特徴を確認した上で、企業がどのような取組をしているのかを把握する必要があるように思いました。
○上田座長 ありがとうございました。
 それでは、佐藤先生、お願いいたします。
○佐藤(博)構成員 調査票を拝見すると、101人以上で言うと、従業員規模というのは、帝国データから出るものね。
表紙を見ると、短時間労働者というのは、短時間・有期労働法だと、フルタイムで短いのが短時間なのね。
だから、これだと企業によって短時間労働者の定義が違うのね。
 これは何割と書いてあるけれども、これは従業員の中の割合ですか。
○受託事業者 ありがとうございます。
 こちらは従業員の中でパート・アルバイトが占める割合、短時間労働者といったところでまず足切りといいますか、調査対象を絞ると。
○佐藤(博)構成員 分かりました。
そうすると、法律上はフルタイムより短い人が短時間だから、企業によって短時間労働者が違うですね。
フルタイムより短い。
フルタイムが週35時間で、短い人。
40だと40。
それはいいのだけれども。
そうしたときに、その中には30時間以上の人もいるわけだし、それ未満の人もいる。
そういう意味では、それが分からないのですね。
 だから、短時間で働いている人の労働時間構成ですね。
そうすると、もともと社保適用外みたいなところをたくさん活用しているのか、でないのか。
それを活用しているのはなぜかです。
島貫先生が言われたように、就業調整でそうなってしまっているのか。
あるいは業態上、短時間の人が必要な業態の場合もあるからね。
だから、短時間と言っても、1日6時間で3日と言うと18時間でしょ。
こういうのも結構多いのです。
なので、その辺が全然分からないのかなと。
ですから、この企業は、まずどういうふうに短時間労働者を使っていて、その短時間の人が、特に保険適用外の人がいるとすれば、これはなぜいるかですね。
それを入れるような取組をやっているのだけれども結果的にいるという場合もある。
これは働く人たちの選択もあるのでしようがないよね。
その辺がこれだと分からないのではないかなと思いました。
○上田座長 ありがとうございました。
○受託事業者 ありがとうございます。
 今、御指摘を頂戴いたしましたとおり、短時間労働者みたいなところの定義は企業によっても様々で、短時間労働者の中でも実際に短い時間の中で働くということを希望されている方と、就業抑制をしてしまっている方、大きく2パターンがあるというふうに先ほどおっしゃっていただいたと思いますので、そこがアンケートを取る中でも、企業様にいらっしゃる短時間労働者様がどういった方が多いのかといったところは把握できるような形で設問とかを見直させていただくことを検討させていただければなと思います。
ありがとうございます。
○上田座長 ありがとうございました。
 そのほか御意見。
では、岡村さん、どうぞ。
○岡村構成員 御説明いただきありがとうございました。
 私はふだん実利用者研究機構というところで、実際の利用者の使いにくさとか分かりにくさというのを研究する研究機関でございます。
銀行とか保険会社とか、そういった金融系のアンケート物件も含めて様々な調査とか改善をさせていただいております。
その上で少しお話をさせていただきます。
 まず、今回このアンケートの設計ですけれども、逆算したところ、目的は広報コンテンツの作成のためにこのアンケートを行うというお話の中で、では、アンケートを行う上でもターゲットが重要ではないかということで、当然我々はアンケート設計をする上でターゲットを分析するのです。
今回、この制度に関してもう既に興味がある、やりたい方というのは、もうやっていただければいいと。
ただ、そのときにやろうとしたら、窓口がとか、説明資料がというのは、そこは改善しましょうということで、年金機構の事務所の説明資料とか、入るための資料を改善するということはやったほうがいいと思います。
 問題になるのが、興味がない、分かっていない方々や、そもそもこれはやりたくないと思っている方々に対して、どのような施策をしていこうかという話が今回のポイントになると思いますが、興味がないとか分かっていない方々といったときに、大体すぐ出てくるのが壁の話です。
何万円の壁でと。
そこに対しては、確かに制度の仕組みが分かったらという話があると思います。
そこに関してはしっかりとメリット・デメリットが何なのかということを説明していくことが重要だと思いますが、ただ、やりたくないと思っている人とか、本当はやりたいけれどもできない人たちの実態は把握しているのですかという話があって、例えばその中で、それはパートで短時間労働ですという話には出てくると思いますけれども、実際問題はパートとかアルバイトとか短時間でいたい本当の理由が何かというのがすごく細分類化されるかなと思っております。
 それは個人の収入の話とかだけではなくて、例えば今、日本はひとり親世帯が140万人以上いますという話があったり、つまり、子供の面倒を見ないといけないということもありますし、子供の不登校児も問題になっています。
20万人以上いるということで、子供が常に家にいる状態になっています。
あとは、子供も大人も含めてひきこもりの方々というのは150万人に近づいているという話なので、人が1人いますよという話もあります。
 ほかにも、保育園に行けなくて待機児童だったり、あとは単純にアルバイトでいたい理由としては、夢を追いかけている。
役者になりたいとか、バンド活動でいつか芽を出すぞとか、そういう方々もいますよという話の中で、では、そういった方々がいますよ、それを合意して雇っていますよという企業に対して何をすればいいのか。
企業はどうすればいいのか。
その人たちはどういう選択をすればいいのか。
その辺りをしっかりと指し示すような広報コンテンツというのもしっかり考えていかなければ、今回冒頭御挨拶にありましたふさわしいというものにならないのかなと思っていますので、そこも把握した上で、しっかりと施策をやっていくということが重要になるかと思っています。
 その中では、今、言った子供の面倒を見ないといけないというだけではなくて、例えば単純に企業の中では雑務と呼ばれているものもあります。
短時間だからこそ意味がある業務というのもあったりします。
そういうのに働いている方もいるかもしれないというのもある。
その上で、その方々に合意をしていこうということで、基本的には合意をするときにメリット・デメリットを伝えましょうという話があるのですけれども、メリット・デメリットというのは人によって違う、立場によって違うということが重要で、特に好事例でこうですよと言われても、それは私に当てはまらないということもありますという話です。
 私はその時代に生きていませんが、時代劇とかで見ると、家に入るときに毎回足を洗ってから拭いて入るというのを見かけることがありますが、普通に考えたら面倒ですね。
でも、メリットは何か。
家の中が汚れないからという話です。
では、現代において、皆さんは多分靴を脱いで入っていますよね。
本当は靴を脱がないで入ったほうが合理的ではないですか。
だって、簡単に入れるから。
でも、わざわざ脱いだり履いたりするという動作がある。
でも、それはメリットがあるから。
そこに合意しているからそれをやっていますよねという話があるので、そこにしっかりと合意形成を得るための内容をつくるための実態把握をするアンケート調査であるべきだと思っております。
 アンケートに関してそういった実態を知っていくということが重要だと思いますが、今のこのアンケートの内容を確認させていただきました。
とても悪いわけではないのですが、ただ、100人以下の中小企業、零細企業は忙しいです。
アンケートに答える時間がないよという話だったり、書類を読む時間がないよという話の中で考えたときに、まずこのアンケート項目自体、見直しが必要です。
これだと返答率はすごく低いし、逆に返答される企業に偏りが出ますという話です。
返答できるだけの余裕がある企業しか集まらなかったら、本当に知りたいのは何ですかという話になります。
 その上で、この設問等に関してもそうですが、この設問で出てきた答えがこうなりますねと予測をしたときに、その答えから今回つくろうとしている成果物の広報コンテンツというのはできますかという話があって、つまり、本来であればアンケートをするというやり方ではなくて、広報コンテンツをつくる上で、現状分かっていないことがここにある。
それをちゃんと把握した上で、そこにも属した広報物をつくりましょうという話になってくるのですけれども、今は好事例集を集めるというアンケートというところの項目が非常に大きいかなと思うので、今回においては好事例を集めるというよりは、好事例がどういう考え方でどうやってつくられていったのかという考え方を実際知っていこうということで考えると、難しいかもしれませんが、私が思っているのは、あくまでアンケートは、いろいろ確認する中で、うちの会社は従業員98人だけれども、短期労働者に対してどうしていいか分からないという企業とかが見つかったら、そこに実際に行って実態調査をして、そこに対してはこういう話をして、こうしていったら改善していったという事例は好事例になると思うのです。
 なので、そのためのアンケート調査であれば、それを発掘する調査としてはいいかと思いますが、好事例がありますかと聞いて、その好事例を載せていくというのは、今回対象となる企業がグラデーションがございますので、当てはまらない事例をつくってしまったら、ちんぷんかんぷんでふさわしくないというものになるかなと思っているので、ちょっとその辺りを思いました。
 長くなりましたが、以上です。
○上田座長 ありがとうございます。
 よろしいですか。
○受託事業者 ありがとうございます。
 今の御指摘を踏まえまして、アンケートの調査項目とかいろいろ見直しをさせていただければなと思います。
 1点補足をさせていただきますと、一応このアンケート調査をやらせていただきました後に、今回のアンケートに書いていただいた結果とかを基に、好事例先というものを抽出させていただいて、その企業に対して具体的なヒアリングをさせていただくような想定ですので、もしアンケートでなかなか書いていただけなかったり、なかなかアンケートでは見切れないところにつきましても、ここはうまいことやっているよねという企業様がいらっしゃいましたら、お時間を取っていただけるかというところもあるかなと思いますが、そこのヒアリングでできる限り情報は具体なところを抽出できればいいなと考えているところでございます。
補足になりますが、ありがとうございます。
○上田座長 ありがとうございました。
 そのほか、皆さん。
諸星さん、どうぞ。
○諸星構成員 ありがとうございます。 
まず、アンケートの細かい中身は後でお話しさせていただくのですが、101人以上のアンケートでは、規模が今回501人以上も含めて聞いているということですけれども、労使協定は100人以下ということになっています。
実は501人以上になったときに労使協定で加入をされた事業所が結構多かったので、一方の100人以下の適用のところに絞ってしまったのかが一瞬疑問になったのです。
先ほど厚労省が100人以下の労使協定を適用した事業所のデータを出されると言ったのですけれども、500人のときにかなり適用が進んだというのを覚えていますので、その辺りを何で分けたのかお聞きしたいと思いました。
 少し細かいところに入りますが、先ほど佐藤先生がおっしゃっていた1割未満の部分です。
この部分は回答者からすれば、上に従業員数として何人と聞いているのに1割って何?となりますし、それを人数として出した方が答えやすいと思います。
先ほどもご意見がありましたけれども、答えやすい、そういったものを統一して数字にして進めるのがいいのかなと思います。
 もっと細かいところに入ってしまうと、これから事業者さんのほうでいろいろ細かいことを見ていただくと思いますけれども、具体的に言うと、2-4、当事者意識のところで、加入者のことだと思うのですが、これは両方とも同じですかね。
101人ですから2-2ですね。
すみません。
101人以上のアンケートで見させていただきます。
2-2で言うと、例えば「扶養から」というのは何の扶養ですか。
税金の扶養ですか。
健康保険の扶養ですか。
税金と健康保険がごっちゃになっている。
それこそ130万、103万という表記を入れたほうが一番答えやすいと思います。
事業所側も分かってはいるけれども、「扶養」というのはどちらだろうとなってしまいますから、そういったところを数字で示して、回答がしやすいアンケートにするということがちょっと必要なのかなと思いました。
 今回、101人以上は、先ほどお話ししたように501人以上ということで、規模にかかわらずということで、経営者、2-3-1にあるマル3、認知のところです。
現場で見ると、経営者も大事なのですけれども、人事担当者、総務担当者、そういった方々が一生懸命サポートしてやっているところもあるので、経営者でくくるのではなくて、そういった実務的な部分もやっていらっしゃる方の聞き取りをするということもあり得ますし、もう一つ、2-3-2で言うと、意外と事業主が年金事務所へ相談に行って加入をしているパターンが現場では多いのです。
年金機構が一生懸命現場サイドで頑張っているのです。
いろんな書面が事業所へ送られてくるので、これは何のことだろうと疑問に思って、年金事務所に相談することも実は多いのです。
特に私どものような社労士の専門家がいないところは、それがきっかけで入るというところもあるので、細かいこところで申し訳ないのですが、そういう部分も確認してあげて、年金機構が頑張っているというところを入れて聞いてあげるというのも必要なのかなと思います。
 先ほど佐藤先生がおっしゃっていた2-3-2のところの働き方の部分で、これは実際今回のアンケートの目的としては直接関係ないのですが、短時間労働者というものを設定することによって社会保険の適用対象となりますし、あくまで短時間の、先ほどおっしゃっていた正社員でなくて、そうでない20時間の方々がどのくらいいるのかということを確認するために、この辺の回答の中身をちょっと工夫して、とにかく書きやすい、回答しやすいというところをしていただければなと思います。
 2-3のところで適用拡大後の変化ということで、定量的に企業全体の雇用者数とか経常利益額と書いてありますけれども、これは中小企業では回答しづらい項目と思います。
今はとにかく人手不足ですから、適用拡大を進めた結果、本当に応募者が増えたかというところは少し疑問ですし、これを答えろというのは結構酷なものだと感じます。
もしかしたら大企業だったら答えられるかもしれませんけれども。
あとは経常利益を聞くということもちょっと現実的ではないので、私は個人的にここを聞くのではなくて、3-4、3-5をもう少し深堀りしてあげるなどして、メリットと、もしよければデメリットの部分も自由回答でもいいし、それは厚労省があまり聞きたくないということだったら別なのですけれども、定性化の部分のところをもうちょっと詳しく聞いていったほうがよりいいアンケートになるのではないかなと思います。
 以上ですけれども、冒頭の質問だけ厚労省あるいは事業者が分かれば回答していただければと思います。
○受託事業者 いろいろありがとうございます。
 御質問を頂戴いたしました企業設定みたいなところは、後で厚生労働省様も補足等があればお願いしたいのですけれども、今般500人以下で実施していたところ、500人以上、過去設定されたときに入った人が多いのではないかというお話があったかなと思うのですが、今般の改変に当たって選択をされた企業様も一定数いらっしゃると考えておりまして、そこの情報を拾いに行けたらよいなというところで設定されたものと認識をさせていただいております。
○上田座長 どうぞ。
○諸星構成員 ありがとうございます。
 501人のときに、その後労使協定方式での加入がすごく増えたのです。
それは広報がよかったと思うのですけれども。
そうなると、今回の100人以下の、昨年以降に適用された対象を見るだけであって、その前の数字は見ない形なのでしょうか。
そこなのですよ。
せっかく労使協定で加入したところへアンケートするので、回答数を多く欲しいし、501人超えのときでも、規模が小さいところでも結構加入をしているのを知っているのです。
ですから、そういったところも拾い上げて聞いてみることも必要なのかなと、ちょっと思ったので、御質問させていただきました。
以上です。
○受託事業者 ありがとうございます。
 そちらの501人以上のところは、従業員101人以上のアンケート配布のところで調査対象として見ていくものかなと認識しております。
○諸星構成員 なぜ労使協定をやってまで加入をしたのかということを確認することは重要ではないのでしょうか。
そういう意味です。
○受託事業者 御認識のとおりかなと思います。
ありがとうございます。
○上田座長 ありがとうございました。
 よろしいですか。
○諸星構成員 はい。
○上田座長 そのほか御意見ある方。
では、宇佐川さん、どうぞ。
○宇佐川構成員 御説明ありがとうございました。
 まずは回答精度を担保するために回答者の認識、ルールを合わせる。
次に好事例を探す観点では、その事例が動いて欲しい相手に合っている抽出になるように幾つかお伝えしたい。
 1点目、前提をそろえる必要がある、回答者がルールそのものを理解していないケースも多い。
まずは、知っているかを聞いてから始めてもらうか、分かっていないお人は対象外にするか検討が必要かもしれないです。
 同様に、前提をそろえるという観点では他にもあるので点検してほしい。
従業員規模は会社によって、正社員のみと思う人、アルバイト・パート、派遣が入るか入らないか。
嘱託はどうかと認識のずれがでるため、定義を入れていただいたほうがよいです。
 短時間についても、アルバイト・パートと言うだけでは駄目。
アルバイト・パートでフルタイムの方もおられるので、35時間未満、30時間とか定義を記載してほしい。
集めたい事例にも関わるのが業種。
卸・小売、サービス業は、今回の対象になると想像しているのですが、小売業とか飲食店の単位ではなく、コンビニとかスーパーというレベルに落とすほうがよい。
飲食もファーストフードやファミリーレストランのチェーンである程度オペレーティブにできているところと、居酒屋やバーは形態が違う。
 介護もそうですね。
医療・福祉の中に対象となる介護が混ざってしまい取り出しにくい。
介護はむしろ細分化させ施設型か、訪問型かぐらいは分けたい。
打ち手が違ってきますし、従業員規模、対象者の比率が変わりますので、このままの業種でいいのか、あえて中分類的に幾つか分けたほうがよいか、併せて従業員の規模も、人数がこのピッチでよいかは検討いただきたい。
 同様に5ページの抽出対象を選ぶときに業種の割りつけをしますか。
今回対象となる業種を漏れなく拾うには、従来から回答率の高い製造業よりも、他産業、サービス業関連などを多めにまくとか。
 大事なことのゴールは、この調査目的とそろえるべきだと思うのですが、業種掛ける従業員規模掛ける今回の対象となる人の有無か割合。
掛け合わせたときに、指したいところが拾える状態になっていないと、事例は集まったが全部製造業でしたとなりかねないです。
なので、その点を意識していただきたい。
 あわせて、階層を拾っていただきたい。
人材サービス産業協議会で、本部の人事制度をつくるレイヤーと、支店や店舗、現場の人を分けて、こういう法律がどれだけ認知されているかの調査をしているのですが、どの法律・制度でも本社は分かっているが現場が知らない。
認知の乖離が2割程度あるケースも。
 この法律の場合、現場が口説いているので、現場の人がやりたいと思えるものを拾いたい。
事例の中で会社の組み立てが1本部1勤務地なのか、人事が本部にいて、分かれているのかを区別できるようにしていただきたい。
 回答者についても、その方の役割と答えられる範囲を明確にしておかないと、一部分だけ、事業所だけの話なのか、人事からの全体の話かわからなくなりかねないので、回答者属性は取っていただく、むしろスクリーニングするかも検討ください。
 最後です。
事例収集のために、連絡先が前半に必須で設定されていますが、ここで脱落しそう。
企業名、住所、担当者、電話、メールアドレスまであると、多分答えてくれないですね。
今回の調査結果の報告や、あなたのところがどういう位置づけになるかというレポートを作成してお送りするなど、インセンティブを書き、その連絡先を下さいと最後に記載するというような工夫をしていただいたほうがよろしいかと思います。
 以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
○受託事業者 ありがとうございます。
 今、御指摘頂戴いたしました属性のところとか業種のところも含めて、どういうふうに聞いていくかとか、そもそも設問を設計させていただくのかというところは、厚生労働省様とも議論させていただいて、検討をぜひさせていただければなと思います。
 最後おっしゃってくださった企業の連絡先のところにつきましても、今、企業属性といったところでまとめて上に書かせていただいた部分ではあったのですが、おっしゃるとおり、一番最後に持っていかせていただくのと、インセンティブみたいなところに触れさせていただくということもぜひ検討させていただければと思います。
ありがとうございます。
○上田座長 ありがとうございました。
 ほかの委員の皆さん。
宮武さん、どうぞ。
○宮武構成員 ありがとうございます。
 私のほうからは6点、7点ほどあるので、お話をしたいと思います。
 まず、アンケートの項目ですけれども、101人以上の企業向けのものの中で、501人以上の企業にも聞こうとされているのですが、501人以上の企業規模が社会保険の適用拡大になったのが2016年10月だったかと思います。
恐らく担当者は代わっていらっしゃるのではないかというのと、あと、50人、51人以上の企業規模の事例とは大分異なってくるのではないかなと思っていて、そこを聞く意味が本当にあるのかなというのが1点疑問に思ったところです。
 2点目が、島貫先生がおっしゃっていたのですけれども、いつから取組を始めたかという部分、どれぐらいの期間を要したのかというのも重要になるかと思っていまして、私はもう既に60人ぐらいの企業規模から社会保険の適用拡大に関する質問を受けているのです。
もう個別に面談をして、シミュレーションみたいなものもして、意見も聴いているという状況があるので、その企業はちょっと早いかなと感覚的には思っているのですが、逆に言うと、好事例としていつから動き始めなければいけないのかということもちょっと把握をされるといいのではないかなと思いました。
 3点目が、加入をされた人数みたいなことも聞くといいのではないかと思っていまして、実際に対象者が20時間から30時間の人が30人いましたと。
その中で何人が社会保険の適用拡大に行ったのか。
逆に就業を抑制したのかという話も重要になるのではないかと思っております。
 4点目が、いろんな広報ツールを出されていて、私も社労士として企業さんにいろいろお話をするときに活用させていただいているのですが、案外ツールが知られていないようなところもあるように思っておりまして、せっかくですので、どのようなツールをどういうふうに使ったのかというところも聞かれると、今後の広報というところにつながっていくのではないかと思っています。
こんなのがありますよと言うと、知らなかったということがかなりあるので、すごく宝の持ち腐れをしているように感じておりまして、そこもあるといいのではないかと思ったところです。
 5点目が、従業員の声も聞けるような記述項目があるといいのではないかと思っています。
従業員がどのように判断をして加入に行ったのか、加入を抑制したのかとか、加入しなかったのかという面も、よくいろんなお話を企業さんから聞いて、ああ、なるほどなと思うようなことも多いものですから、そのように感じました。
 6点目です。
用語がちょっと難しいのかなと。
今日用語の話も出てきていたのですが、「被用者保険」という言葉は、分かるのだけれども、分からないようなところがあるのではないかと思ったり、「加入促進」という言葉も、慣れないとちょっと引いてしまうような言葉になっているのではないかと思っておりますので、そこら辺の言葉の工夫というのも恐らくあるのではないかと思っております。
 プラスして、社労士として、企業さんにアンケートが来たときに、これは何ですかと聞かれることが非常に多いのです。
答えなければいけないのですかというのも非常に多くて、回答に困るのですけれども、そのようなアンケートをやっているということも周知するということがあるといいのではないかと個人的には思っています。
私も企業さんの代わりにそのアンケート先に、これは義務ですか、どういう目的ですか。
先ほど宇佐川さんがおっしゃったように、書いたら連絡が来るのですかというのを聞いてやっているので、そこら辺ももう少しフォローして、分かりやすく、こういうためにやっているのだよという広報のほうも必要なのではないかと思いました。
 以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
 何かございますか。
○受託事業者 いろいろ御指摘を頂戴いたしました点、今後検討させていただければなと思います。
ありがとうございます。
 最初おっしゃってくださいました今回501人以上の企業のところでアンケートをまくというところも、正直そのときに改定された方と担当者も代わられているケースが結構多いのかなと推察しているところでございます。
小さい企業様に果たして大企業様が取り組まれた内容がそのまま適用できるのかといったところは1点懸念もあるかなと思っているものの、共通してできることももしかしたらあるかもしれないというところで、そういった仮説の下、今回の調査対象に入れさせていただいているところではございます。
ただ、おっしゃってくださったとおり、そこがメインの調査対象ではないかなと思っておりますので、調査をまく対象を決めさせていただくときには、そこのバランスといったところはぜひ気をつけてまかせていただきたいと考えています。
○宮武構成員 ありがとうございます。
○上田座長 ほかにいかがでしょうか。
では、佐藤さん、どうぞ。
○佐藤(麻)構成員 御説明いただきありがとうございました。
 私も質問内容について2点お伺いしたいと思っていまして、今回の適用拡大の要件が20時間以上、8万8,000円とありますけれども、これは時給の相場によって状況が結構変わるのですね。
例えば1,700円の時給の会社であれば、就労制限がすぐに来てしまう。
ただ、地方に行くと、業者によっては時給950円というのもあると思いますから、時給の中央値みたいなものを質問項目に入れると企業の就労制限にかかる状況が推察でき、時給水準が近い企業における好事例を検討する上でいいデータが取れるのではないかなと思いました。
 もう一点は、企業負担も個人負担も保険料がネックになるのではないのかなと。
短時間労働者の場合、3号が注目されがちですが、実際は3号の方、20時間以上30時間未満で働く契約社員の1号の方とか、あとは高齢者に大きく分類されます。
3号と違って1号の方は加入するメリットが大きいですし、高齢者の場合は、国民年金の保険料も負担していないので、現役世代の1号の方とは保険料への影響度合いが異なります。
年金収入があるケースもあるので、年金収入を加味しないで医療は保険料が設定され給付が手厚くなる点はメリットに感じるかもしれません。
属性によって家計の事情、影響が変わってくると思うので、好事例として被保険者に訴求するポイントも変わってくるはずです。
アンケートで3号、1号、高齢者という属性のデータをどう取るのかというのは難しいのですけれども、忙しいと想定される事業所の担当者に回答していただくためには、高齢者、主婦層、1号、あるいは契約社員、割合はどのぐらいですかといった項目があるといいのではないかなと思いました。
 以上になります。
○上田座長 どうぞ。
○受託事業者 ありがとうございます。
 先ほどほかの委員の皆様からも頂戴いたしましたとおり、従業員の方々、要は、短時間労働者の方々の定義とか、今回調査を任せていただく方々の企業様の従業員構成みたいなところを聞かせていただく中で、ちゃんと整理できるような形で設問は追加とかを検討させていただければなと思います。
ありがとうございます。
○上田座長 どうぞ。
○佐藤(博)構成員 ごめんなさい。
出てしまうので、1つだけ。
「従業員数」と言っているけれども、いわゆる従業員数ではないのですね。
100人以上というのは、フルタイムで4分の3以上というのは、年金に入っている人の数だからね。
この言い方をやめてほしいのです。
普通は従業員数というのは、その企業が雇っている人だからね。
でも、違うのですよ。
 だから、「厚生年金適用者数」ですね。
加入者数ですと聞かないと。
この調査も書いていないのです。
従業員数を答えてくださいしかなくて、分からないのですね。
これをやめないと駄目ですよ。
だから、こう書いてあるのですね。
でも、ここまで来てやっと従業員数の意味が分かるのですよ。
いわゆる世の中で言う従業員数は、ここで使っている従業員数とは違うのですね。
だから、これはみんな誤解するので、ここでぜひ使わないようにしてほしいのです。
僕はずっと言い続けても変わらないのね。
○上田座長 ありがとうございました。
 では、横川さん、どうぞ。
○横川構成員 御説明ありがとうございました。
 先ほどほかの方のお話にもあったのですけれども、質問項目が全体的にリテラシーが高いものになっているかなと思いました。
特に規模が小さい会社さんほど若い方であったり、それこそベンチャー企業の方とかが多いかなと思うのですが、そういった方々が質問にわざわざ回答する、人数が少ない中で時間を割くとなったときに、ぱっと見て言葉が難しかったり、イメージがつかないような内容があると、よくないかなと思います。
 先ほどのお話にもありましたが、「被用者保険」という言葉も、今日配付していただいている資料2から5とかのものにも全部「社会保険」というふうな記載になっておりますし、日頃何かしらの業務をしていて「被用者保険」という言葉はあまり聞かないかなと思いますので、そういったところも補足説明するなど必要かなと思います。
 広報コンテンツをつくるに当たってというところですけれども、取るのが難しいかもしれないのですが、コンテンツをつくるとなったときに、好事例を収集するに当たって、好事例、うまくできているような会社さんの平均の年齢、年代がどれくらいかというところも取れたほうがいいのかなと思っていて、なので、質問項目に働いている方の平均年齢とか、回答者の方の年齢でもいいと思うのですけれども、何かしらその年代とかが測れる内容があったほうがいいのではないかなというところ。
 ベンチャーの方とかの話を聞いていると、御自身で従業員に対する説明資料とかをつくられている会社さんも多いように感じておりますので、説明をするに当たって、もっとどういう資料があったらよいのかというところも質問項目としてあったほうがいいのではないかなと思いました。
 以上です。
○上田座長 ありがとうございます。
○受託事業者 ありがとうございます。
 ほかの委員の皆様からも御指摘を頂戴いたしました点で、かなり分かりづらい文言とか、このまま読むとなかなか理解ができづらいものにつきましては、今おっしゃってくださったとおり、補足の部分とか、「従業員」というお話もございましたが、言葉を変えたり、そこは重々注意して設問設計をしてまいれればと思います。
ありがとうございます。
○上田座長 皆様から一通り御意見を頂戴したのですけれども、そのほか、もし追加で御意見があれば。
特によろしいですか。
では、宮武さん、どうぞ。
○宮武構成員 先ほど言い忘れたことが1つあると思ったので。
アンケートで従業員100人以下のものの中に何で任意加入したのというのを。
項目が見当たらなかったのですけれども、私自身も素朴に思うので、そこら辺は聞かれる項目として入れられたらどうかなと思っております。
 以上です。
○上田座長 どうぞ。
○受託事業者 ありがとうございます。
 今おっしゃってくださったとおり、企業が加入する上でどういうボトルネックがあったかというところから入らせていただくような形になっておりますので、その前段として、ほかの調査でも取っていただいているところがあるかなと思いつつも、今回の調査でも改めて入れさせていただくということは検討できればなと思います。
ありがとうございます。
○宮武構成員 ありがとうございます。
○上田座長 諸星さん、どうぞ。
○諸星構成員 私も100人以下の任意加入のところで質問事項として、従業員からの要望があって入ったというのを現場でよく聞きます。
もう一つ結構聞かれるのが、同業他社はどうしているかという言い方をされるので、そういったところもちょっと入れたほうが答えやすいと思います。
とにかくアンケートに答えてもらいたいのですが、あまり入れてしまうと項目数が増えてしまうから、そこはちょっと難しい部分なのですけれども、そういったところをもうちょっと吸い上げて入れたほうがいいのかなと思いました。
 ちょっと気になったのが、両方のアンケートにもあったのですが、「短時間労働者の福利厚生等を充実させた」と。
これは何を言っているのか分からなくて、福利厚生というのは結構範囲も広いですし、場合によっては社会保険料を負担してもいいから入りなさいよと。
それはまた別の問題になってしまうのですけれども、意外とそういう形での加入を聞くこともありますので、その辺の福利厚生とは何なのかというところも入れたほうがいいのかなとちょっと思いました。
以上です。
ありがとうございました。
○受託事業者 ありがとうございます。
 まさしく今おっしゃってくださった福利厚生のところにつきましては、手当とか保険料に係る部分について企業側で負担をされたり、そういったものを想定していたのですけれども、もうちょっと具体的にどういうものを指しているのかというところを括弧書きとかで分かりやすいように記載とかを検討させていただければと思います。
ありがとうございます。
○上田座長 ありがとうございました。
 ほかはよろしゅうございますか。
宇佐川さん。
○宇佐川構成員 広報のところも含めて伝えてもよいですか。
○上田座長 はい。
○宇佐川構成員 ありがとうございます。
 個人側から「私、該当しているのですか」とか、声を上げてもらうのが一番効果的です。
企業にとっては、今、従業員から逃げられるのが一番嫌ですし、特に調整をしている方には、調整してほしくないのが企業ニーズなので、当人から「私、どうなのですか」と聞いてもらうのが一番いいのです。
 アンケートに、個人から聞かれたか、言われて動いたかぐらいの軽いもの、イエス・ノーで答えられるものを入れてはと思いました。
後で拾いに行くのであれば、声がかかったから動いたのか、どう動いたのか、どんな要望だったのかをと取ればいいと思うのです。
 広報観点では個人がサイトやリーフレットを見たときに、企業に気安く教えてと言える関係のとこと、そうでないところとか、誰に言っていいか分からないとか、企業に言いにくい場合はどこに相談するか等、個人の視点で妄想して広報の流れをつくれるとよいと思いました。
 企業はもっと働いてほしいと思っているので、口説きたいときはどうすればよいか分かるといい。
悩み別でフローをつくる。
例えば、適用対象になる人がいるかも分からない、個人から「該当するか」と聞かれているとかのシーン別にお勧めフロー、ツール、口説き方が展開する誘導を広報につくり込むとよいと思いました。
 以上です。
○上田座長 何かありますか。
○菊地係長 事務局でございます。
 広報のコンテンツに関しては、今後受託事業者を選定し具体的なコンテンツを企画する際に、Webページ等においてご指摘の内容を反映できないかも検討させていただきたいと思います。
○上田座長 あとはよろしゅうございますか。
では、岡村さん、どうぞ。
○岡村構成員 補足だけになるのですけれども、アンケートの調査設計をたくさんさせていただくのですが、回答率だけを上げようと思ったら、設計次第では幾らでも上げられるのです。
ただ、設計が下手なところは上がらないですけれども。
その上で、重要なのは回答率が上がることなのか、中身が何なのかというところがあって、知りたいところに対して的確に答えが上がるのかどうかというところもあるので、その辺りをバランスよく見ていただかないと。
 要は、たくさんの要望を盛り込んだアンケートは答えるのに30分かかるというのが結構あったりしますよという話があります。
その中で、知りたいところが、たとえ数が100件中100件返ってこなくても、100件中30件だとしても、それがよく分かるような答えだったり、そういったところも含めて並行して見ていかなければアンケートの意味がなくなってくるので、その辺りはちょっとコメントさせていただきました。
 以上でございます。
○上田座長 ありがとうございました。 
ほかに御意見がないようでしたら、私も最後に座長の立場で一言だけ。
一言でないかもしれないですけれども、皆さんの御意見を拝聴しながら考えたことをちょっと述べさせていただければと思います。
 宇佐川さんも先ほどアンケートの回答のことをおっしゃっていたのですが、今回アンケートの回答が来るのは、恐らくうまくいっている企業なのだろうなと思うのです。
そこでなぜうまくいっているのか。
恐らく分からないということもあると思うし、うまくいっていないということもあると思います。
そこで、被用者保険という言葉を超えて、会社の企業の経営がうまくいっているのかどうかとか、従業員との関係がきちんと構築できているのかどうかとか、従業員との交流ができているかどうかとか、一種、経営分析的なというか、人事戦略的分析というか、こういった要素が、鳥の目で見たときに大きく見ると多分関わってくるだろうなと思っています。
そういう意味では、冒頭のほうにそのような経営分析的な質問項目を入れていただいてもいいのかなと思っています。
また、何で回答がこないのか、それがうまくいっていないのはなぜかという辺りも本来的には拾えたらいいのかなと感じました。
全体をマクロ的に見るとそのような感想を持っております。
 ミクロ的に見ると、先ほど諸星さんから御指摘がありましたけれども、私も長年企業年金の現場におりまして、いろんな企業さんとお話をさせていただいていたのですが、人事部の担当の方が非常に問題意識が強くていろいろ上に進言しても、なかなか経営層に浸透していないというか、経営層の理解が進んでいないとなかなかこういうものは進んでこないと思いますので、この辺、質問項目で例えば人事の部署があるかどうかとか、特に小さい企業の場合、そのような質問項目を入れるとか、あるいは経営者と人事担当との間に意識の齟齬がないかどうか分かるような項目があればよりいいのかなと思いました。
 中小企業の経営者の方はふだんから大変経営に悩んでいらっしゃって、いろいろお話をお伺いすると、例えば社労士の方とか税理士とか、あるいは商工会議所とか経営コンサルタントとか、非常に相談相手を欲しがっているところですので、広報・周知という観点で見ると、このような、いろいろな組織をうまく利用していくのが一つの手段なのかなという感じがいたしました。
 ミクロの話、あと1~2点ですけれども、用語の話は、皆様御指摘のとおり、どうしても専門分野で正確を期そうとすると言葉が難しくなってしまって、正確を突き詰めていくと一般的には分かりにくくなってしまう。
逆に一般的に分かりやすくしようとすると、言葉を砕いていくと正確性があやふやになるところがございまして、これは私も昔から悩んできたところではあるのですが、アンケートを皆さんにお分かりいただきやすいような言葉を使うというのも一つの手なのかなと思っております。
場合によっては簡単な用語集みたいなものをつけるとか、注意書きをつけるとか、そういったことも必要かなと思っています。
 これは余談ですけれども、私の授業で社会保険の説明をすると、「先生は『分かるよね』とよく言うけど、私たちは分かっていないんです」と後で学生の感想文に書かれるのです。
こういったことを踏まえると、分かりやすい言葉を使うというのも非常に大切なことかなと。
特に50人以下の小さい企業になると、皆さん、時間もないし、人もいないし、お金もないという状況が多いと思いますので、お忙しい中でどうやって答えていただくか、この辺を考えることも重要なポイントになってくるかなと皆様のお話をお伺いしていて感じたところでございます。
以上、意見です。
 そのほか特に御意見ございませんようでしたら、本日予定した議事につきましては以上でございます。
 事務局から御連絡等があればよろしくお願いいたします。
○芦田年金広報企画室長 本日は貴重な御意見を数多くいただきましてありがとうございました。
こちらを踏まえまして引き続き検討、準備を進めてまいりたいと思います。
 次回の議題や開催日程につきましては追って連絡をいたします。
○上田座長 ありがとうございました。
 そのほか特に補足等はよろしいですか。
○芦田年金広報企画室長 特にございません。
○上田座長 それでは、本日の議事は以上で終了となります。
皆様、本日はお暑い中、また御多忙の折、御参集いただきまして、誠にありがとうございました。
 

 

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