ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 年金局が実施する検討会等> 第17回年金広報検討会(2023年3月16日)議事録

 
 

2023年3月16日 第17回年金広報検討会

年金局

○日時

2023年3月16日(木)14:00~16:00

 

○場所

東京都千代田区平河町2-4-2
全国都市会館 3F 第2会議室

○出席者 (五十音順)

泉 潤一(オブザーバー)
板谷 英彦(オブザーバー)
上田 憲一郎(座長)
太田 英利(構成員)
岡村 正昭(横尾構成員の代理として)
高橋 和久(オブザーバー)
樽見 英樹(オブザーバー)
殿村 美樹(構成員)
富永 朋信(構成員)   
中村 裕一郎(オブザーバー)
原 佳奈子(構成員)
森下 郁恵(構成員)
山口 真一(構成員)
 

○議事

○上田座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第17回「年金広報検討会」を開催いたします。
皆様、大変お忙しい中、御参加いただきまして、ありがとうございます。
前回同様、対面とオンラインを併用したハイブリッド方式での開催とさせていただきます。
次に、構成員の出欠状況です。
佐久間さん及び横尾さんから御欠席の御連絡をいただいております。
なお、横尾さんの代理として、実利用者研究機構CEOの岡村様が御出席されています。
また、オブザーバーに交代があり、年金積立金管理運用独立行政法人からは泉審議役、企業年金連合会からは高橋審議役が御出席をされております。
なお、本日、事務局からは、橋本年金局長、岡部総務課長が御出席されております。
橋本年金局長に、最初に一言御挨拶を頂戴いたしたいと思います。
○橋本年金局長 年金局長をしております橋本でございます。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御参集いただきましてありがとうございます。
年金というのは国民一人一人の生活に直接響くものでございますので、広報というのは大変大事なものでございます。
一人一人の国民の心に届くような広報となるように、本日も忌憚のない御意見をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
○上田座長 御挨拶ありがとうございました。
それでは、カメラの方がいらっしゃいましたら、ここで退室をお願いいたします。
これより議事に入りたいと思います。
本日の議題は、議事次第に記載のとおりですが、議事進行上、議題(2)から議題(4)の説明は連続で行うことといたします。
まず、議題(1)の「年金広報検討会開催要綱について」、岡部課長から御説明をお願いいたします。
○岡部総務課長 総務課長の岡部でございます。
本日はよろしくお願いいたします。
最初に、年金広報検討会の開催要綱の改善についてでございます。
本文ではございませんで、構成員名簿の書き方を変更しております。
今回、企業年金連合会さんと年金積立金管理運用独立行政法人さんは出席者が交代になっているところであります。
今までオブザーバーのところには団体の代表の方のお名前を記していたところですが、そのような出席者の交代に機敏に対応できるようにするために、オブザーバーの方につきましては団体名だけを記すということにしたいと思います。
以上でございます。
○上田座長 ありがとうございました。
次に、議題(2)の「学生との年金対話集会について」、議題(3)の「令和の年金広報コンテストについて」、議題(4)の「公的年金シミュレーターの運用状況について」、御説明をお願いいたします。
○岡部総務課長 再び岡部です。
よろしくお願いします。
時間の関係上、3つまとめて説明させていただきます。
はじめは、学生との年金対話集会の今年度の実績・来年度の方向性でございます。
まず、対話集会の内容について改めて御紹介いたします。
趣旨については、学生と厚生労働省(年金局)職員が年金をテーマにして直接フリートークをすることを通じまして、学生が年金について考えるきっかけにするとともに、学生からの意見や指摘を今後の年金行政に活かすことを目的としております。
概要のところは、方法でございます。
全国各地の大学に出向いて開催ということが基本ではあるのですが、時節柄、オンラインでの開催も大分多くなっているところです。
通常のやり方といたしましては、最初、例えば30分なり、1時間なり、年金制度に関する説明を年金局の職員が行った後に、座談会形式で学生と職員が意見交換をしております。
開催後、厚生労働省のホームページまたは大学のホームページなどで様子が公開されているところが多くなっています。
開催実績は下に書いてあるとおりでございまして、今年度は延べ25校でございます。
全国各地、北海道から九州まであり、一つの大学で複数回、別の事業とかでやった実績もございます。
こちらは、事後に取りました学生のアンケートの結果でございます。
5が満足で、1が不満ということですが、御覧のとおり、満足度4、満足度5が足して9割を超えているところでございます。
かなり満足度は高いのかなと思います。
また、理解度につきましても、理解度5、理解度4が足して9割弱ということで、こちらも学生の評価がかなり高くなっているところでございます。
これはアンケートの自由記載からピックアップしたものでございまして、ほかの取組にも参考になることがいろいろ書いてありますので、ちょっと細かいのですが、何個か御紹介いたします。
まず【わかったこと】の1つ目といたしまして、左側のいちばん上でございます。
老齢年金だけを考えると、年金というのは高齢者のためだけだと自分は思っていたけれども、障害年金や遺族年金があるということで、大学生が利用するかもしれない制度があるということが分かって、年金へのイメージが前向きになったということでございます。
2つ目です。
負担と給付の関係の話で、これはよくある話でありますけれども、マクロ経済スライド、積立金の存在、これはよく分かったということで、負担が無尽蔵に増えることはないのだということを理解できたということ。
3つ目です。
年金だけの話ではなくて、経済や労働市場といった要素も絡むこと、社会の動き自体が年金制度と密接に関わると。
年金単独で考えるのではなくて、社会の動きも考えなければいけないということ。
こんなことが分かったということです。
いちばん下も見ていただきまして、年金制度が歴史的に考えられてつくられているということ、だんだん時代とともに変わってきていて、過渡期にあるということ。
こういう多面的な、時間軸を置いた理解もされているということで、学生によっては随分考えも進んだのかなと思います。
右側の【もっと知りたかったこと】も、何個かありますのでかいつまんで申しますと、例えば2つ目のiDeCo、NISAのメリット・デメリットを知りたかった。
これもなかなか難しいことがありまして、大学生に私的年金の貯蓄のことをどこまで知らせるべきかということはあるのですが、そういう要望があったということです。
3つ目、マクロ経済スライドという仕組みをもうちょっと詳しく知りたいとか、4つ目、世界の年金制度を見て、その違いを知りたいと。
これは、年金対話集会で職員がしゃべったことをさらに発展させたことを知りたいということであります。
ですので、後に出てきますが、内容を少し発展させてもいいのかなということが言えるかと思います。
次は、今後の方向性について、我々として考えてみたことでございます。
最も行いたいことは対象校の量的、面的な拡大ということです。
それが3つ目まで書いてあります。
まず1つ目でございます。
結構、営業というか、大学にアプローチするのは、我々年金広報企画室でここはという先生に直接連絡することが多いのですけれども、大学のホームページで社会保障に関係する講義、研究を受け持っていらっしゃる先生を見つけて、そこに直接飛び込み営業しています。
これをもっと大規模に行いたいと考えております。
それから、新規ということですから、できるだけ早く声かけをしたいと。
大学のカリキュラムが早く決まりますので、早く入ってしまおうということです。
それから、2つ目です。
大学とのコネクションという意味では、地方厚生局や市区町村にもありますので、特に地方厚生局は年金委員の選定とか、国民年金保険料の納付事務の特例事務法人の関係で大学とつながっている場合があるということですので、ここのネットワークを活用したいということです。
3つ目は、ちょっと趣旨が違いまして、今まで基本的には大学生向けということをやってきましたが、だんだんもうちょっと下のほう、高校生、中学生向けにも軸足を広げてもいいのではないかということです。
具体的には、社会科の先生のネットワークを通じて声かけをするとしています。
2つ目ですが、大学に進まずに高校から直接就職される学生も多いということです。
よく社会保障教育の中で、社会保険の意義みたいなことを教育すべきだというのがもともとあったのですが、特に年金につきましては、国民年金の1号ではなくて、厚生年金に加入することの意義、厚生年金がある会社に就職する意義をよく分かってもらうことが大事ですので、そういう観点も重視していきたいと思います。
3つ目はちょっと毛色が違いまして、いろいろな役所とかが出前授業しているようでして、そういうのをまとめたサイトがどうもあるようでございます。
こういうところにも漏れなく載っけてもらうような営業をするということです。
1~3が面的な拡大でございまして、いちばん下は教材コンテンツの充実でございます。
いちばん上は、先ほど申しました厚生年金の意義を強調した内容にしたいということ。
2つ目は、先ほどマクロ経済スライドとか外国の例という話がありましたが、大学生向けの教材を、1つのものではなくて、例えば社会保障なり、経済学なり、法学なり、高い専門性のある学部、学科、それから高い学年次、もしかしたら大学院生など、専門性の高い対象に特化したような資料をつくってもいいのかなと考えています。
いちばん下の障害年金・遺族年金は、先ほど学生の声にありましたが、老齢年金だけではなくて障害・遺族もあるということを分かると非常に理解が進むということですので、これはまず学生向けの資料には必ず充実させたいなということでございます。
続きまして、年金広報コンテストの結果の御報告と来年度の方向性についてでございます。
令和4年度、今年度の広報コンテストは、ポスター部門と動画部門の2つに分けて実施をしております。
こちらは件数と、それぞれ応募された方の年代を分けたものでございます。
問題は、右側の昨年度に比べて、ポスター部門は135から121、動画については22から10と、大分減っている、少なくとも全然増えていないということでございます。
年齢につきましては、ポスター部門は、小・中学生と、一般というのは高校生の部分ですが、10代が多いという特徴がございます。
こちらは、ポスター部門、それから動画部門はワンショットですけれども、受賞作品を厚生労働大臣賞、年金局長賞などを並べたものでございます。
右側のほうは、11月30日の「年金の日」のコンテストの模様です。
我々の畦元政務官から表彰状を授与しているところでございます。
こちらも、今年の振り返りと来年に向けた対応策ということで並べてみました。
何より応募件数が非常に減少しているというところで、次のコンテストに向けましては応募件数を増やすための対応が必要だと考えております。
具体的に下の青いところを御覧いただきまして、応募者の属性を見ますと、これは高校生以上ですが、専門学校などで美術とかデザインを学んでいる方が、腕試しだと思いますけれども、そういう方からの応募が目立っているところです。
逆に、もともと何年かずっと同じ応募者だったり、団体だったり、結構固定化されているという問題がございます。
これに対応するために、右側のピンクのところです。
美術とかデザインとか動画の専門課程を有する大学や専門学校、高校にもこういうコースがございますので、そこにピンポイントで募集を強化するということです。
それから、対話集会で構築されました先生とのネットワークを通じて、こちらも直接お声がけをすることを考えます。
2つ目の課題でございます。
青のところ、アンケート回答を見ますと、これは小・中学校だと思いますが、学校でポスター募集の紙を見てとか、夏休みの課題で応募したというケースがございます。
もっとここを増やすというのは効果的だと思いますので、今回の受賞作品のデザインを入れましたポスターを作りまして学校に送付する。
今までレターだけ送っていたところですので、例えば学校の廊下の掲示板に貼ってあるというような姿を考えますと、それなりの効果があるのかなと考えております。
それから、大学も同じですけれども、学校でのカリキュラムの中に入る必要があるということですので、周知期間を十分に確保するために、告知の開始日を前倒ししたいと考えております。
最後、いちばん下の左側です。
まず、そもそも「ポスター」という名前が昭和な感じがするということです。
それだけで自分と関係ないのかなと思わせてしまっているのではないかということ、そういう意味ではハードルが高くなっているということです。
それから、動画部門におきましても、結構長い動画が多かったのですね。
かなり手がかかって長い作品が多かった。
「動画」というタイトル自体も、長いものでないといけないのかなということなので、この点について右側です。
ポスターの応募ハードルを下げるために、これは仮称ですが、例えば「ポスター・静止画部門」、写真にちょっとした文字が入っているだけでもいいとか、ポスターとしての完成度が必ずしも高くなくても、年金の大切さを訴えるような画像であればいいのかなと。
もう一つ、これはまさに今どきの話なのですが、例えばインスタグラムとかではいろいろなテンプレートが入っていまして、自分の好みの映像を簡単に撮れると承知しています。
こういうものを使って応募できるということを周知することで、できるだけ幅広い層に訴えていきたいと考えております。
これについては、また御意見をいただきたいと思います。
最後、公的年金シミュレーターの運用状況と、次の方向性についてお話をいたします。
公的年金シミュレーターを、昨年の4月から運用を開始いたしたところです。
具体的な使い方は、全被保険者に配布されておりますねんきん定期便に二次元コードを付して、昨年の4月から送っているところでして、その二次元コードに登載されたねんきん定期便に書いてあるのと全く同じ情報を読み取って、②、生年月日を入力していただくと、将来の年金受給見込み額、これは老齢年金ですが、表示されるという機能でございます。
さらに、将来については、働き方とか、収入とか、自分が今後どう生きていくのかということを自分で設定できることによって将来の年金額がどういうふうに変わるかということが分かる仕組みになっております。
特徴といたしましても、左上、先ほど申しましたとおり、ID・パスワードはなくて、ねんきん定期便のQRコード、二次元コードがあればすぐに使えるということ。
それから、右側、働き方・暮らし方に応じたシミュレーションができるということです。
それから、左下です。
これは表示というか、操作性と見やすさに大分こだわったものでありまして、非常にスムーズに動くものになっております。
使いやすい機能になっているということです。
右下です。
そもそもねんきん定期便に載っている名なしの情報、誰のものか分からないけれども、過去の被保険者期間が何年で、標準報酬の平均額が幾らみたいなものだけが入っている情報ですので、もともと秘匿性というか、個人情報としての危険度は低いものですけれども、これを使った後は個人情報は記録されず、すぐに消えてしまうという意味でも安全・安心なものだということでございます。
まず、今年一年やってきまして、このシミュレーターの取組をいろいろなメディアに掲載していただいたところです。
左上です。
令和4年度、例えば雑誌では『日経トレンディ』とか『婦人公論』、新聞については大きな新聞は熱心に取り上げていただきました。
また、ウェブで、金融関係のページですけれども、東証マネ部とかフィナンシャルフィールド、こういうところで取り上げていただいております。
我々から何か営業したわけではないのですけれども、興味を持ってアプローチしていただいて、非常にありがたいと思っております。
これにつきまして、かなり周知啓発としては意味がありますので、下のほうであります。
そもそも定期便は全被保険者に送られるので、周知の仕方としてはこれ以上ない強力な仕組みですが、残念ながら定期便はなかなか開けられないと承知をしております。
ですので、定期便を開けていただいて、二次元コードを使ってシミュレーターにアクセスしてもらうという行動を促すために、このようなメディアでの掲載を増やしたいということです。
今後、機能追加とかを考えておりますので、そのタイミングにおいて、またさらに各種メディアに少しアプローチをして、広報に資するような記事を書いていただければと思っております。
それから、右側ですが、ちょっと先に進みまして、社団法人の生命保険協会さんが生命保険の加入者向けの案内チラシをつくっているところでございます。
これは、過去の経緯としては、生命保険の販売におきましては、公的年金の内容についても必要な情報は周知すべきであるということで、これは金融庁さんの指導だと聞いております。
その中で、公的年金シミュレーターがあるということを一緒に、こういうのがあるので自分で将来の年金額を見てみたらどうでしょうかという案内をしてもらっているということです。
左側の緑の下の矢印のところにそういうことが書いてありまして、右側の公的年金シミュレーターのチラシは生命保険協会さんのチラシと一緒に、これはホームページ上、電子データとして一体のもので掲載されているところです。
実際にどう使われているかというのを詳細はよく分からないのですが、恐らくこれは一体のものとしてお客様のほうに案内がされているのではないかと思っております。
同じことは、生命保険の勧誘をする代理店の募集人に向けの解説資料にもありまして、こちらは公的年金シミュレーターの機能についてかなり詳しく説明がされているというところであります。
こういう直接国民一人一人にアプローチして働きかけてもらえるようなチャンネルというのは非常に貴重ですので、この点について同じようなことがほかにできないかなというふうに考えました。
これが右側でございます。
今、お話ししましたとおり、民間企業、特に生命保険協会で活用されているというところであります。
下側、5年度の取組といたしましては、同じく機能追加のタイミングにおきまして、こういうふうなものがあるということを改めてお知らせをして、継続的に協力していただけるようにお願いするというところであります。
このような仕組みを通じて広報というか、端的に申しますと定期便を開いて使ってみようよというような働きかけをしたいと考えています。
最後に、まず公的年金シミュレーターは、ねんきん定期便は被保険者の誕生月ごとに送られますので、4月生まれ、5月生まれという形で徐々に新しくQRコードがついたものが送られているわけですけれども、それを反映いたしまして、この利用状況は右肩上がりというか、直線的に増えているという状況です。
2月15日時点では170万件のアクセスがあったということで、これは相当多いのではないかと考えております。
現在、我々がやっておりますこととしては、公的年金シミュレーターのプログラムを民間の事業者に渡しまして、このプログラムを解析していただく。
解析というのは、役に立ててもらうという意味で解析をしてもらっております。
具体的には、ソースコード(プログラム)を渡しまして、民間事業者が自分の会社、企業で運営しているアプリなど金融サービス、アドバイスを受けられるようなサービスに組み込める、部品としてビルトインできるかどうかという検証をしてもらっているところです。
これは既に終わっております。
参加企業から何か課題があった場合には報告してもらっております。
今後、公的年金シミュレーターのプログラムの改善に役立てたいと考えております。
その結果です。
参加企業は全部で11社ありまして、その成果報告書をまとめたものでございます。
まず左側、プログラムの構造、内容を解析できたかどうか。
結構複雑なプログラムで、我々は全然手も足も出ないような会社が多いかなと危惧をしていたのですが、それは杞憂に終わりまして、11社中10社はもうプログラムの解析ができましたということです。
そのプログラムの中には、コアの部分である年金額の計算の式がビルトインされているところです。
各社さんは多分それがいちばん知りたかったところですけれども、それをうまく見られたというところです。
さらに、自社のアプリサービス、ITサービスに組み込むことができたかということでは、「できた」が6、「できなかった」が4ということで分かれております。
この「できた」の6の中には、下のほうですけれども、実際にシミュレーターの機能を搭載したサービスを提供するかどうかという、近日中にやる可能性はあるというところは4つございました。
この結果としまして、今後の方向性です。
このソースコードを公開して、民間のサービスに組み込んでもらうことで、その民間サービスを使ってシミュレーターと同じ機能の年金額試算をする方が増えてくることを期待しているところであります。
もう一つ、下のほうです。
参加企業からの要望として2つございました。
老齢年金だけのシミュレーターなのですけれども、特に生命保険会社から要望があったのは、遺族年金、障害年金についても機能が欲しいということ。
それから、紙の定期便ではなくて、ネットで同じような試算に必要なデータが取れるような仕組みがつくれないかという御要望がございました。
この辺についても今後検討していきたいと思いますし、後で障害・遺族年金についてはまとめて今後の方向性をお話しいたします。
以上でございます。
○上田座長 御説明ありがとうございました。
それでは、これから皆様と御議論をお願いいたしたいと思います。
各項目とも大変重要な項目でございますので、ぜひ活発な御議論をお願いしたいと思いますが、この後、各団体からの令和5年度の年金広報についての発表もございまして、多くの項目が控えてございますので、活発な御議論をお願いしたいと思いますが、できましたら御発言をなるべく簡潔にお願いできたら幸いでございます。
まず、今御説明いただいた項目の中で、学生との年金対話集会について、令和の年金広報コンテストについて、この2つは関連部分も多うございますので、まずこの2つから皆様の御意見、御質問をいただきたいと思います。
なお、この後、多くの項目が控えておりますので、一定の時間が参りましたら、「令和5年度の年金広報について」を御説明いただいた後で、また関連する御質問、御意見等を頂戴いたしたいと思います。
以上でございます。
皆様のほうからいかがでしょうか。
では、私から口火を切らせていただきまして、まず、学生との年金対話集会については、長年取り組んでいただきまして、若年者に対して大変理解が進んできていると思います。
大変すばらしい取組でございますので、引き続きぜひ続けていただきたいと思っております。
学生の皆さんからの意見の中にもあったのですが、例えば、今、DCが非常に広がってきておりまして、4年生を考えると4月からすぐ社会に出て、即、投資を行わなければいけないという学生さんも多い中でございますので、今まで年金対話集会の中では公的中心の御説明をいただいてきましたが、ぜひ私的年金についても一部御説明を取り入れていただいたらいかがかなと思っています。
それから、周知についてできるだけ早期化を図るというお話もいただきましたが、これも大変すばらしいお話だと思っています。
山口先生も御存じのとおりですけれども、大学は最近、授業内容などはできるだけシラバスに表記するように指導する傾向があるようでございますので、シラバスに書き込めるタイミング、あるいは4月の初回の授業のイントロダクションの中でこういったものが学生に対して説明できるような、そういうタイミングでお願いできればと思っています。
最後に1点ですけれども、いろいろな周知の対象を社会科の先生だけではなくて、高校の家庭科でも金融教育が必修で入ってきておりますので、家庭科の先生も対象に加えられたらいかがかなと考えております。
以上でございます。
口火を切らせていただきました。
殿村さん、どうぞ。
○殿村構成員 ありがとうございます。
私は令和の年金コンテストの募集要項について提案があるのですけれども、ポスターというのは古いのではないかというお話で、静止画と書いていらっしゃるのですが、静止画のほうが古いように思うので、ビジュアルイメージなど、若い人たちの価値観に合った表現に変えられたほうがいいと思います。
また、ポスターは別に古くないと思いますので、もっとリベラルに考えられたら、と思います。
以上です。
○上田座長 ありがとうございます。
事務局、何かございますか。
○岡部総務課長 ありがとうございます。
ポスターということが古いかなというだけで、ポスターを排除するものでは当然ありません。
できるだけ広く、自分も応募できるのだということがよく分かるようなタイトルなり、説明を工夫したいと思います。
ありがとうございます。
○上田座長 ありがとうございました。
原さん、どうぞ。
○原構成員 ありがとうございます。
御説明いただきましてありがとうございます。
私も、学生の対話集会とコンテストについて簡単にコメントさせていただきます。
まず、対話集会のほうは、資料2の5ページに1、2、3、4と並んでいますが、高校生もそうですけれども、大学生についても、私も現在大学で年金全体の講義を持たせていただいてますが、公的年金から私的年金まで全て授業ではとりあげるわけですが、公的年金の意義とか役割はもちろん大事なのですが、すぐ就職するという学生が多いので、例えば人事制度とかキャリア形成とか雇用とか労務管理といった、わりと就職活動で興味を持ってもらえるような話も入れながら、そこから働き方とか、適用拡大とか、そういった話につながっていくと、年金制度の現在の課題も理解してもらえると同時に、自分が就職したらどういう制度に加入するのかということが理解してもらえるなと実感したので、そのような厚生年金への加入の意義というのを入れるというのはすごくいいことだと思います。
あと、4の教材コンテンツのところですけれども、もちろん障害年金・遺族年金の充実は必要だと思うのですが、一点気になったのが、大学生のニーズに幅広く対応するための資料の多様化、あるいは先ほど高度といいますか、割と専門性が高い教材とおっしゃっていたのですが、もちろんオプション的に順次用意していくというのは必要かと思いますけれども、なぜ公的年金が必要なのかというベースのところがまだ伝わっていないところも多いと思いますので、まずはそこをたくさんの学生にしっかりと知ってもらって、その上で、専門性が高い教材といったものを順次オプションとして用意しておいて、適宜、対象者に合わせていけばよいのではないかと思います。
あと、コンテストですけれども、私が気になったのは、静止画は仮の言葉だとおっしゃっていたのですが、写真が送られてきたときに、先ほども写真と文字という言葉がありましたけれども、何か決まり事をつくったほうがいいのではないかと思います。
写真だけ送ってくる場合もあるかもしれませんので、どういう意味を込めてのものなのか、例えばタイトルかコメントをつけるとか、何か決まり事はあったほうがよいかと思います。
写真だけの加工しないものが出てくる可能性があるのか、あるいはそうしないのか、静止画というものの定義、決まり事などをつくっておいて、何を静止画で伝えたいかというのが分かるような形をとるのがよいのではないかと思います。
いわゆる写真だと、審査が難しくなるのではないかと思いましたのでお伝えいたしました。
よろしくお願いします。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
そのほか、皆様いかがでしょうか。
森下さん、どうぞ。
○森下構成員 では、私からもコンテストの件で幾つかお話しできればと思います。
まず、「令和の年金広報コンテスト」という名称ですけれども、「広報」というのは主催する側からの発信の言葉なので、応募する方からしたら、「ポスター・動画コンテスト」みたいな、違う言い方のほうがいい。
「広報」というのはこっち側の事情の言葉だなという感じもするので、そもそもの名称が少し硬いかなと。
今、ポスターもありますが、動画のコンテストというのが世の中で非常に増えておりますので、応募する方もいろいろな選択肢があって、その中で年金のムービーをつくりたいと思わせる何かが必要ではないかというのがあります。
私も会社でムービーのコンテストの主催のサポートをしたり、そういうものを取材することが多いのですけれども、応募のモチベーションというのは、応募された方が特にプロ志向の方だと実績づくりになるかとか、その後、実際の広報にどのぐらい使ってもらえて、どのぐらい世の中に露出するのかというのがどのぐらい担保されているのかなというのを結構見ているような感じもするので、例えばそこで集まった動画をYouTube広報で使いますよとか、そういうのが可能性が絶対にありますというのではなくて、ある程度見えているほうが応募のモチベーションは高まるかなというのが一つあります。
それから、動画のコンテストは、私も最近自分の雑誌のものの審査会などに出まして、私どもの会社でやっているものは3分以内の動画という規定を設けているのですが、この令和の年金広報コンテストですと、募集要項をさっき見たのですが、厳密に決まってなさそうな書き方だったなという印象がありました。
例としてショート動画、6秒から30秒程度、あるいは感動や共感を呼べる31秒以上5分以内と書いてあって、多分5分以内なのだろうなというのは分かるのですけれども、どういう方面を求められているのかなというのが割と広いなと。
私たちが3分以内で募集すると大体3分ぴったりで出されてきていて、でも、審査員からすると別に6秒でもいいのにねみたいなところもあるので、その辺は私たちも課題だなと言っていたのですが、もう少し具体的に尺の感じとか、尺を決めるのはその後の活用可能性によるところなのかなと思うので、その辺りを考えていただくといいのかなと。
特に、例えば縦型とか、短い動画が今プラットフォームでは多いと言われていますので、そういうものになるとつくるハードルも少し下がるところもあって、でも、どういうものを求めていらっしゃるかによると思うので、そういうものも今の感じに下ろしてきて考えてみてもいいのかなと思いました。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
岡村さん、どうぞ。
○岡村代理 本日、横尾の代理で入っております岡村でございます。
よろしくお願いいたします。
御説明ありがとうございました。
まず、学生との年金対話集会のほうからですけれども、私自身も、今、金融とか保険会社さんの分かりにくいものを分かりやすくするというお仕事をさせていただいている中で、今回の対話集会は、ある意味啓発・啓蒙活動というか、年金の中での誤解を解いていくという流れがどんどんできてきていて、実際、学生の方のリアクションもよかったと思うのですね。
そのときに我々がいちばん重要視するのは、提供者側と利用者側のギャップをいつも見るのです。
つまり、厚労省さん側からしたら、学生はこんなことがギャップに感じていたのだ、分かっていなかったな、これが分かったら逆に理解度は上がったのだ、これが分かったら逆にイメージが変わったのだみたいなものはしっかりと残していって、むしろそれをしっかりと広げていくほうがよいかなと思っています。
逆に、その部分は、訪問した学校だけとか、そういったことを教えている教授の方のクラスだけではなくて、誰でも見えるものにしておいたほうがいいかなと思っています。
この後にもつながるのですが、年金広報コンテストも、そういったギャップがちゃんと解消されたような内容を見てから作成していただいたほうが、審査する側としてもすごくいいのかなと思っています。
誤解したままでつくってもらっても残念だと思うので、ちゃんと理解した上でつくってもらうほうがいい仕組みかなと思っています。
あとは、先ほどもありましたが、特に金融関係ですけれども、今、新社会人になったら、人事から私的年金、iDeCo、NISAの説明があって、初めからよく分かっていないけれども入る人もいる中で、そういったこともある上で、この年金の仕組みをちゃんと理解していきましょうねということの学生に対してのPRも必要かなと思っております。
要は、ビジネスマナーと同じ感覚で、名刺を渡すなどと同じように、こんなことは学ばなければいけないということの必要性も出したらいいかなと思っております。
あとは、年金広報コンテストですけれども、ちょっと拝見させていただいて、何のために数を増やすのかというところがいちばん重要かなと思っています。
それはもちろん方向性がありますが、ハードルを下げるために数を増やすのか、クオリティーを上げるために数を増やすのかというところもあると思いますので、何のために増やすのかというところだと思っております。
ポスター・静止画の話があったと思うのですけれども、我々、実利用者研究機構の多様性のところの話をさせていただくと、学生によっても得意な媒体というのがあります。
パワポが得意な方もいれば、エクセルが得意な方もいれば、手書きが得意な方もいれば、いろいろな方がいるので、媒体というのはパワポでプレゼン形式でもいいのかもしれないし、逆にウェブが使えない方に対しては、紙芝居とか4こま漫画でもいいかもしれないという中の選択肢の一つにインスタもあるという形で、得意な媒体で応募できるということになってくれば、クオリティーは下げずにハードルは下げられることができるかもしれないので、そういったところまで検討していただければいいのかなと思っております。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
ここまでで事務局のほうから何かございますか。
よろしいですか。
山口先生、どうぞ。
○山口構成員 ありがとうございます。
御説明いただきありがとうございました。
私からも幾つかお話しさせていただきたいのが、まず年金対話集会についてですけれども、非常にいい評価を得ているということで、大変いい取組なのだなと理解しております。
その中で、主な意見として出てきた中で、他国の年金制度を知りたかったとか、あるいは公的年金シミュレーターを実際に一緒に操作したかったみたいなことがあったかと思います。
この辺りはすごく重要なことだと思っていて、自分の国の年金への理解を深めるのには、他国の状況も知った上で自国がどうなっているかというのは大変重要なことだと思うのですね。
また、公的年金シミュレーターは物すごく評判がいいということで、こういったものを自分でも使ってみることによって身近に感じることができると思います。
つまり、年金というよく分からないシステムに対して、自分の使い慣れているスマホで簡単に操作して把握できるというのはとてもいいことだと思うので、こういったことを今後の対話集会の中では入れていくのがいいのではないかと思った次第です。
続けて、年金広報コンテストについては、何のために開催するのかという話も少し出ていたと思うのですけれども、数を増やすのかという話ですね。
何のためにというのは結構重要なキーワードだと思って、一つ私が思っているのが投稿する人のインセンティブって何なのだろうなというのが若干あります。
例えば今回SNSという話が出てきていると思うのですけれども、私はそれはすごくいいと思っています。
つまり、例えば募集のときにみんなが身近で使っているSNSで気軽に動画をアップして、その中で広まっていく。
それをほかの人が見ることができるような状態は、すごくハードルが下がるし、投稿する側にとっても非常にインセンティブになるのではないかな。
今まであったちょっと長めの動画とポスターとなると、どうしても賞を取ったら嬉しいという段階で終わってしまうことも多いのかなと思いますので、より身近なサービスで応募を促すというのは、私はすごく賛成するところです。
その中でショートムービーがいいのかとか、あるいはインスタに合ったポスター風な画像がいいのかとか、あるいは先ほどプレゼンの話があって、私はすごく興味深く聞いていたのですけれども、その動画をつくるときに簡単にプレゼンするような動画でもいいわけですね。
そういったいろいろな形式があると思うので、多種多様なニーズに応えられる応募方法をするといいのかなと思った次第です。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
太田さん、富永さん、よろしいですか。
○太田構成員 大丈夫です。
○富永構成員 私も大丈夫です。
既に論点がカバーされております。
○上田座長 事務局のほうから何かございますか。
よろしいですか。
○岡部総務課長 ありがとうございました。
いろいろ示唆に富む御意見をいただきました。
特に、今後、広報コンテストの方向性をもう少し考えるというか、具体化して、ハードルを下げるなり、上げるなり、数を増やすなり、何を目指しているのかということを明確にするべきではないかということはそのとおりだと思います。
もともと広報コンテストを何のためにするかというと、できるだけ多く参加してもらって、つくったり、考えたりするプロセスにおいて年金に対する理解を深めていこうということがあったのだと思うのですけれども、そうはいっても、ポスターとか動画で賞を取って、それが広報に使われるかもしれないというところで、インセンティブとしてはそういうところだと思うので、バランスがなかなか難しいなと思っています。
これは、我々はもうちょっとよく考えて、まず数を増やすことが本当に必要なことかどうか。
今の数はさすがに少ないのかなと思って、ああいう方向性を出してみたところですけれども、数を増やすだけではなくて、質を上げるための取組をよく考えなければいけないのではないかというところ。
それから、先ほど山口先生から、自分の得意な応募方法でというのがいいのではないか、それはそのとおりだと思いますので、もしかしたらほかの応募方法とかもよく考えなければいけないのかなと思いました。
また引き続き御指導いただければと思います。
ありがとうございました。
○上田座長 ありがとうございました。
続きまして、公的年金シミュレーターについて御意見、御質問がある方はお願いいたします。
岡村さん、どうぞ。
○岡村代理 続いてで申し訳ございません。
公的年金シミュレーターのほうも非常に評価が上がって、利用される方も増えて、とてもいいなと思っております。
先ほども申しましたが、私たちが保険会社、金融会社のコンサルティングもさせていただく中で、ねんきん定期便を開けてもらうための施策が必要だという件について話をしたいのですけれども、開けてもらうためには、やはり開けてもらうためのデザインを設計しなければいけないというところがあるのです。
逆に、開けてもらえない結果があるならば、そこには「開けて読まなくてもいい、後で読めないいい」と思わせるようなデザインになっているという構造があるので、その辺をしっかりと学習してデザインの設計もやらなければいけないというところです。
あとは、QRコードに関してですけれども、我々、特に高齢者の調査をたくさんさせていただいている中で、QRコードってまだまだ読んでくれない方は非常に多いよという話があります。
その中で、QRコードを読ませるための仕掛けとか仕組みも利用者を分析して考えていくということも実践しているので、このはがきの中でそういったところのデザインとかレイアウトとか、実際にここに誘導するための考え方が別途必要かなとは思っておりました。
それで、どんどん使ってくれる方が増えていくというところがあると思います。
ただ、一つ注意点として思っているのが、分かりやすくなるとか利用者が増えていくというタイミングは、同時に誤解とか間違えた認識も増えてしまうタイミングでもあるのですね。
なので、我々、すごく分かりやすくした結果、読む人が増えることで逆にコールセンターに問合せが増えることも結構見かけていますので、分かりやすさが広がっていくと同時に、誤解がないかとか、逆にそこで間違った、優良誤認という言葉を私たちはよく使いますけれども、勝手にプラスの認識を持って、そうだと思い込んでしまうということもあるので、そういったものがないかということは再三気をつけて検証した上で進めていくのがいいのかなと思っております。
以上でございます。
○上田座長 ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。
山口先生、どうぞ。
○山口構成員 ありがとうございます。
公的年金シミュレーターに関しましては、まずアクセス数がいまだに線形で伸びているというのは、私は非常にいいことだなと思います。
そろそろ1年という中で、まだまだこれからも増えていくのかなと期待しています。
ただ、来たときに、1年に1回来るこのはがきから来ている人が多いという可能性もありますので、そういった中で、1年たった後に一体どういう曲線を描いていくのかなというのが私は非常に興味深いところで、ぜひこの会議でまたシェアしていただければ幸いです。
今後、障害年金とかいろいろな方向で、また同じように、今回評判がよかったのでこういうシステムを作っていくということになると思うのですが、それに当たって、その開発に行く前に、今回アクセス数が170万を超えているということで、結構多くの人が使っていますので、ぜひ定量分析をしてほしいのですね。
つまり、大規模アンケート調査をすれば、スクリーニングでもう利用者が出てくると思いますので、そういった人たちに対して、満足度とか、どういうふうに活用してどういうふうに参考になったかとか、あるいは改善点とか、そういったことについてぜひ分析していただければ効果があるのかなと思います。
同時に、例えばスクリーニングクエスチョン。
スクリーニングクエスチョン自体は安くできますので、それをばっと投げれば、またこういったものがあるということの周知にもつながるのかなと思いますので、定量分析をすることは恐らく意義がありますので、そういう調査をして、しっかりとエビデンスに基づいて次の開発をしたり、あるいはこのアプリの改善をしていくということをすればいいのかなと思う次第です。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
そのほか、よろしゅうございましょうか。
私から一言だけ。
今回、生命保険協会さんの取組を御紹介いただいているのですが、ただ、企業年金関連でいきますと、信託協会、損保協会、銀行協会、証券業協会など、関連団体があろうかと思いますので、いろいろな団体の取組を御紹介いただければ、また参考になるものがあるのかなと思っております。
事務局から何かございますでしょうか。
○岡部総務課長 ありがとうございました。
定期便を開けてもらうためのデザインということで御指導いただいたところです。
御存じのように、ねんきん定期便はあまり大きくないものでして、その中に大量の情報を盛り込まなければいけないという制約がございます。
定期便自体をどういうふうに皆さんに開けていただいて中の内容を理解していただくかは、もともとあった課題ですので、このシミュレーターの取組とともにできる限り改善を図っていきたいと思います。
もう一つ、これだけ大きく使ってもらうと誤解も増えているのではないかということは、確かにそうかと思います。
この話は、いろいろな広報の取組の中で単独でやっていることによるいいことと、恐らく悪いこともだんだん出てくるのだろうということで、いろいろな取組を有機的に結合させてと言うと簡単なのですけれども、一つの取組だけではなくて、いろいろな取組によって総合的に年金に対する正しい理解を上げていくことを考えなければいけないと思っております。
恐らく、このシミュレーターに限らず、いろいろな取組の中でそういうことを考えなければいけないので、これはまた次の段階の大きな課題だなと考えております。
それから、シミュレーターの1年後、定期便の発送が誕生日一巡して1年後どうなるかというのはまさに心配なところです。
今後の動向はよく見ていきたいということと、何らかの形で利用者の方の使ってみた感想というか、感覚をつかまなければいけないなとも思っております。
その場で直接つかまえるのがなかなか難しい仕組みになっていますので、この辺についてはやり方をまた考えていきます。
それから、生命保険協会以外にもいろいろ協力できるのではないかというところもあるかと思います。
これもまた広報全般の方向性としては大事なことですので、また開拓に努めたいと思います。
ありがとうございました。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、時間も大分押してきましたので、次に議題(5)に入りたいと思います。
積み残しの御質問、御意見等がございましたら、また後ほどの議論のお時間で御意見を頂戴いたしたいと思います。
それでは、議題(5)「令和5年度の年金広報について」、説明していただきたいと存じます。
資料番号順に、まず厚生労働省から御説明をお願いいたします。
○岡部総務課長 私から、まず初めに厚生労働省の取組でございます。
後で言い忘れないように先に申しますと、これは我々の広報企画室で取組を中心に行っておりまして、先ほども言ったような課題ではあるのですけれども、例えば年金機構さんとの取組についての連携が正直あまり図れていないという状況があります。
この点については、引き続き来年度の課題として考えていかなければいけないなということを思っております。
それから、先ほど上田先生からもありましたが、やはり公的年金だけを中心にした取組に今なっておりますので、私的年金、企業年金について、特に若者向けにどういうふうに理解をしてもらうかということも本格的に考えたいと思います。
以上の前提でお話をさせていただきます。
まず、年金広報の考え方でございます。
これは我々独自に、あまり深く分析できているかどうかは自信がないのですが、広報を考える上では質の向上と面の拡大が大事かなと考えております。
質の向上というのは何かというと、中身ですね、広報のコンテンツをよくしていくものということと考えております。
それに対して面の拡大というのは、できるだけ多くの人にアプローチをするということでして、参加者を増やすといった、この2つに大きく分けて方向性を考えていきました。
いろいろな取組があるのですが、まずは若年者を対象とした広報でございます。
先ほど対話集会とコンテンツについては詳しくお話ししましたので、その他について中心にお話しします。
この図は、年齢階層別にやっていることを並べたものです。
まず、いちばん左のほうは、小中学生向けで、こども霞が関見学デー。
これは、昨年は霞が関全体で小中学生に対してアピールをする場を設けていたのですけれども、これは本来は霞が関に物理的に来ていただいて職員がいろいろ用意したものを体験していただくということだったのですけれども、コロナ禍において大体オンラインで各役所はやっておりました。
年金局もここに参加いたしまして、右側に小さく映っておりますけれども、人間型ロボットを使ってオンラインで対話集会を行ったというところです。
今年は恐らくリアルな形で集会ができるかなと思っています。
とはいえ、せっかくオンラインの取組をしたので、うまく対面とオンラインを組み合わせた形で、可能な限り多くの子供たちにアクセスするとともに、融合した効果みたいな、何か新しい取組ができないかなと考えています。
その右側です。
既につくっております学習漫画『年金のひみつ』の活用でございます。
来年度、これを新しくするということは特に考えてはいないところですが、これは全国のほぼ全ての小学校に本を配布しているのと、ネットにデジタル教材という形で掲載をしているところです。
これがどれだけ読まれているかというのはまだ定量的に把握はできていないのですけれども、少なくとももっと読んでくださいと子供たちにアピールするための取組が必要だと思っているのですが、正直ここをどうしようかなと。
なかなかうまい策が思いついていないところですので、この『年金のひみつ』の閲覧を促すような周知の方法は何かいいものがあれば御教示いただきたいと思います。
それから、2つ目、下に行っていただきまして、年金広報コンテストは先ほどお話ししたとおりでございます。
特に、ちょっとお話も出ていましたが、インスタグラムなどSNSを活用してまず周知をする、できるだけ多く応募をしてもらうということと、応募しやすくなるということ。
これは言うは易しで、では果たしてどういうふうにやればいいのかというのはなかなか知恵がないところですので、これについてまた御意見をいただければと思います。
その下のほう、対話集会については先ほどお話ししたものの要約でございますので、省略いたします。
いちばん下、これは学生にとどまらず、20代から30代ぐらいの若者に向けてのお話です。
既にYouTubeでQuizKnock、面白クイズをいろいろ動画をつくって載せている会社ですが、こちらに年金の仕組みについての動画を既にアップしているところですけれども、もう既にこれは制作中です。
障害年金・遺族年金をテーマにした動画をつくっておりまして、これは近日に公開する予定であります。
続きまして、それ以外の取組です。
まず、社会保険の適用拡大に関するお話です。
ちょっと堅い話で恐縮ですが、昨年の12月に全世代型社会保障構築会議、これは総理官邸のイニシアチブで始まって、今も続いている会議でありますが、この報告書が出まして、この中で被用者保険のさらなる適用拡大に向けてこういうことをやりなさいということを言われています。
問題意識は、事業主なり労働者本人が適用拡大の意義を十分に理解していないので、誤解をしているのではないかということは強い問題意識でありまして、この2つ目の段落、「また」のところ、特にいわゆる「就業調整」、就労の壁みたいな話、労働者がここを非常に気にして就労を抑えてしまうことが今、時給が上がる中で問題になっているわけですけれども、これについては、被用者保険の適用に伴う短時間労働者の労働時間が長くなって、労働者が基幹化する、基幹従業員として従事することによって企業活動が活性化するような事例があるのではないかということ、それを、業所管省庁というのは例えば経済産業省とか実際に企業を管轄している役所ということですけれども、そこの協力を得てそれを積極的に集めて、このような好事例と具体的なメリットを労働者や事業主が実感できるような広報コンテンツ、それから活用法を広報実務の専門家、雇用の現場に詳しい実務家などの参加を得て、検討・作成し、継続的な広報・啓発活動を展開しなさいということを言われております。
正直なところ、この広報実務の専門家というのはまさにこの広報検討会そのものだと思っております。
今の我々は、好事例、メリット、これは学者さんとか、アドバイスを得ながら、どうやってつくろうかなというのを内々に検討を始めたところであります。
来年度の事業として何かしらのコンテンツをつくっていきたいと考えております。
恐らく遠からずコンテンツの活用についてこの場において御覧いただいて、アドバイスをいただこうかなと考えておりますので、その際はよろしくお願いします。
この適用拡大につきましてはこういう大きな方向性がある中で、「質の向上」に関する課題としては、令和2年改正法の施行前につくったものですので、今みたいな企業活動の活性化などの好事例はまだ取り込めていないところです。
これをどうやってつくっていくかということ。
それから、これは広報コンテンツの問題というよりは、そもそも適用拡大に関する理解を得るためのアプローチがいろいろ不足しているのだなと。
ここち一つ書いたのは、新聞なり、テレビなり、雑誌なり、マスメディアの理解を得ていくための取組をもうちょっと強化する必要があるのなと考えていますので、これについてもまた具体的に考えて御報告したいと思いますし、またアドバイスをいただければ幸いと思っております。
次に、その他の取組としまして、まず公的年金シミュレーターでございます。
先ほどお話ししましたとおり、質の向上では障害・遺族年金の機能の追加、それから、面の拡大といたしましては民間事業者に活用してもらうということ、それから、広報を強化したいと思っています。
真ん中の年金ポータルは、厚生労働省のホームページの中で年金に関する情報を一つにまとめたサイトであります。
これは平成31年4月に公開していまして、当時は非常に力を入れてつくったものですが、恥ずかしながらその後あまり抜本的にアップデートしていないというところで、4年とはいえ、インターネットの技術とか使い方も大きく変わっておりますので、今の世の中に合ったような構成に改善したいと思っております。
いちばん下は大きな話ですけれども、パブリックリレーション活動の改善。
つまり、年金局からということで書いていますけれども、世の中とのつながりをもっと深めていきたいと考えています。
質の向上として書いたのは、年金についての議論がいろいろ行われているときに、特にインターネット上の議論に資するために、正しいファクトについて簡単にまとめたシンプルな資料をつくれば、それを引用していただいて議論をして活性化してもらえるのかなと考えています。
これはヨーロッパなど諸外国の年金の当局でもやっているような政策でございますが、こういうシンプルでグラフィカルな資料みたいなものを作って、ホームページなどで公開したいなと考えています。
それから、面の拡大といたしましては、公的年金なり私的年金に対して理解をしていただいているような有識者の方々とのつながりをもうちょっとよくつくっていきたいと思っております。
つながりというのは、単に知っているというだけでなくて、恒常的に意見交換とか情報交換をすることによって、厚生労働省年金局の活動を目に見える形で知っていただいて、可能であればいろいろ応援していただきたいと考えています。
最後に、その他のテーマでございます。
障害年金・遺族年金、これは先ほど何回かぽろぽろ出てきていますけれども、まとめますと、年金制度の意義について理解を深めていただくためには、老齢年金は特に若者にはなかなか縁遠いということで、障害年金・遺族年金の存在を知っていただくことは非常に効果的だということが分かってきました。
ですので、いろいろなチャンネルでこれを公開したいと思います。
1つ目は、先ほどお話ししましたとおり、シミュレーターで機能を追加する。
それから、2つ目、対話集会の資料に追加するということです。
矢羽根の2つ目に書いてありますのは、厚生年金保険云々ですけれども、厚生年金保険の意義を語るときにも、障害厚生年金、遺族厚生年金について入れるとさらに効果が大きいのかなということです。
最後、QuizKnockの動画においても障害年金・遺族年金に関する動画を今つくっておりますので、近日公開で、ぜひ御覧いただければと思います。
私からは以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
続きまして、日本年金機構さんから御説明をお願いいたします。
○日本年金機構(樽見) 日本年金機構の副理事長の樽見でございます。
まずは、令和5年度の広報活動のポイントとして考えているものを1枚にまとめてございます。
日本年金機構は、ここに書いてあるとおり、無年金・低年金の発生を防止して、制度の公平性を維持して、正確に給付するということをやっているわけでございます。
制度について、国民の皆さんが知らなかったので損をするということがないようにするということを何とか徹底してやらなければいけないということがポイントになるわけですが、その中でも特に今年は、下のほうに書いてありますけれども、基幹業務の着実な取組、保険料をちゃんと収めていただいて、また給付をきちんとやるということに直接つながるような広報。
それから、特にオンラインビジネスモデルの確実な推進というところに重点を置いてやりたい。
ですので、例えばまず基幹業務_国民年金のところですと、今年から、例えばスマホのアプリで電子マネーで保険料の納付ができるようになったとか、ペイジーで納付ができますとか、口座振替も電子申請ができるようになってきていますので、こうした点のPRをきっちりやっていきたい。
右に行っていただいて、オンラインビジネスモデルで、これは事業所向けに、もともと電子申請がかなり進んできているのですけれども、令和5年1月から、オンライン事業所年金情報サービスといいまして、毎月の社会保険料額等を電子送付するサービスを開始しました。
また、昨年度から、電子申請をしていただきましたら、いただいた情報を電子化したものを一回フィードバックするというサービスをやっています。
これをやりますと、事業所のほうでもそれに基づいてその後の手続が進みやすくなりますし、確実に確認もできますので、そういうようなことをやっていますということをきちんとPRしていこうと。
その右側の真ん中に行って、オンラインビジネスモデル_個人向けサービスでも、国民年金保険料の関係、それから、扶養親族等申告書、税金のときに扶養親族申告書を出していただくのですが、こうしたことについても電子申請ができるようになる。
それから、控除証明書、源泉徴収票も電子送付サービスができるようになっている。
こうしたことに力を入れていきたいと思っています。
左側に戻っていただいて厚生年金のところで言うと、先ほども話が出ましたが、短時間労働者の適用拡大というところについて、これは去年からやっていますが、引き続き力を入れていきたい。
それから、給付については繰下げみなし増額、遅く請求された場合にはみなし増額という形にするとか、それから、先ほど申し上げましたが、扶養親族等申告書など、給付にまつわるいろいろな税制その他での手続が電子申請でやりやすくなっていますので、そうしたことをやっていきたいと考えているところでございます。
次のページからは、4年度の実績報告という形でありますが、こんな広報をやっていますということの例を幾つか今年は持ってきました。
まず、ホームページですけれども、先ほどの短時間労働者の適用拡大の話につながるのですが、ホームページのアクセス数を令和3年、令和4年で取ってみますと、令和4年の10月というのは明らかに増えたのですね。
ここを分析してみると、厚生年金保険に加入の方、事業主の社会保険事務担当者のアクセスが多いということで、やはり短時間労働者の適用拡大というところが割と正直に反映しているのかなというところで、そういうところでホームページを御覧いただいて手続を進めていただいているというところがあるという、一面手応えということでもあろうと思っていますので、引き続いてホームページの充実ということをやっていきたいと思っています。
中身については充実させていくのですが、それ以外に、次のページになりますが、利用者区分ということで、社労士の先生方、年金委員、市町村の担当者というところのカテゴリーを追加いたしまして、そういう方々に特に見ていただきたい情報を特記するというところをつくった。
あとは、日本にお住まいの外国人、あるいは海外にお住まいの日本人というところも、これは実は結構私どもに寄せられる情報の希望が多いものですから、こういうところを改善するということをいたしました。
それから、さっき二次元コードがねんきん定期便に出ているという話がありました。
ねんきん定期便を開けてもらうための工夫ということについては、その議論を踏まえて私どもも考えていかなければいけないなと思いましたけれども、二次元コードを掲載するということを励行しているところでございます。
それから、ツイッターに関して言うと、画像・動画付きのツイートを増やそうということでやっています。
フォロワー数はまだまだ少ないのですけれども、令和4年は令和3年に比べると17%増となりまして、画像・動画付きを増やそうといって取り組んでいるということもそれなりの効果を出しているのではないかと思っております。
最後のページになりますが、先ほど年金局のほうで学生さん向けの年金対話集会の話がありましたが、実は私どものほうも高校、大学に、大学が多いですけれども、出前に行って対話集会、セミナーをやっています。
これは、私どもは今年は11月時点で1,531回やっています。
これは各地の年金事務所が中心になって出かけてやっています。
ただ、先ほどの年金局のほうで言うとどちらかというとその制度の理解みたいな話になるのですが、我々のほうは、二十になったら国民年金に入るのですよ、保険料を納められない方は学特がありますよというところで、学生特例の扱いがあったり、免除があったり、より身につまされるような話を中心にするという形になっています。
これは幸い各地で好評で、来てほしいという声も増えています。
これだけになってきましたので、これは先ほど年金局さんのほうと情報を必要に応じて共有しながら、それぞれのコンテンツの相乗りみたいなことも考えていったらいいのかなということを今思っていたところでございます。
それから、右側のほうはむしろ会社のほうに出向いてやる年金制度の説明会ということで、これも実はコロナになってからオンラインが一般化しましたので、オンライン会議が一般化したということはよかったなと思っていますが、今年は11月時点で2,531回もできています。
こうしたところを引き続いて、これはそういうことで、それぞれの会社、あるいはそれぞれの学生のそれぞれの皆さんのニーズに応じた内容が我々の場合には多くなりますけれども、それを超えるような形の方向につなげるような仕組みということをやっていければと思っているところでございます。
私の話は以上ですが、発言の機会に、先ほど出た話で、2点ほどコメントさせていただきたいと思います。
1点は、ポスターの話がありましたが、私ども年金機構、それからこれは年金局と一緒ですが、「わたしと年金」エッセイ募集を毎年やっています。
作文ですね。
これは学生さん、小学校、中学校、高校、大学を含めて、一般の方もそうですが、これは非常に多くの方に応募をいただいていて、たしか1,500件を超える応募が毎年ここ数年来ているという形になっていると記憶をしています。
そういう意味で言うと、ポスターとか動画というところはそれとして、こういう広くいろいろな人に年金を考えてもらって参加してもらうというところで言うと、このエッセイ募集もやっていますので、それと併せて、作文なのか、絵なのか、それこそ先ほど山口先生が言われましたけれども、SNSみたいなところを使うことによる気軽な参加ということを含めて、それぞれの媒体の特性に応じたことを考えていければいいかなと思ったのが1点。
もう一つは、先ほどのシミュレーターに関わりますが、去年、この春にシミュレーターを出す前に、私も年金局と一緒になってシミュレーターの仕組みをつくるところの議論に加わっていたときに思ったことで、今日出ていないので申し上げておきたいと思うのですが、このシミュレーターのいいところは、ねんきん定期便とか、あるいは年金の今までの媒体というのは、働き終わった人がどれだけ年金をもらえますかということですが、シミュレーターは若い人がこれから途中で変えるとどうなりますかが出るという、若い人対応ということだと思うのですね。
ですから、先ほど例えば扶養の130万の壁というところが今問題になっているということがありましたが、それを答える広報のコンテンツとして、例えばこのシミュレーターで、さっきもどこかの資料にも入っていましたが、今は被扶養者だけれども、これを外れて働いたら保険料は増えるけれども給付も増えるのですが、どっちがどう得になるのでしょうかというようなことに答えるコンテンツになるだろうと思いますので、そうしたことを年金局と一緒になって、むしろ若い人向けの広報というか、考えてもらうための道具という形でこのシミュレーターは使えるのではないかと思っています。
そのことをコメントとしてつけ加えさせていただきたいと思います。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
続きまして、年金積立金管理運用独立行政法人から御説明をお願いいたします。
○年金積立金管理運用独立行政法人(泉) GPIFで審議役を務めております泉と申します。
今御覧いただいておりますのは、私どもが用意いたしました資料の1枚目でございますが、進んでいただきまして2枚目ですけれども、GPIFでは中期目標を厚労省からいただきまして、それをもちまして中期計画を立てまして5年ごとに更新をすることになっております。
今御覧いただいておりますのが、第4期の中期計画の広報などに関するところの抜き書きでございます。
国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上ということで、幾つかの措置を講じることとされております。
かいつまんで御紹介させていただきますが、国民の関心等に応じまして広報活動の在り方を検討しまして、専門家のみならず国民やメディアに対する情報発信、広報活動の一層の充実に取り組むとされておりますし、また、その評価や効果の把握・分析に努めるとされておるところでございます。
また、中ほどの赤字のところでございますが、当法人は数十年の投資期間を有する超長期の投資家でございます。
今後数十年にわたりまして積立金が大きく積み上がっていく可能性が大きいという特性を有しておりますので、そうした多面的な観点から国民の理解を得られますように、分かりやすい情報発信の在り方について検討を深めることとしています。
また、当法人のホームページで公表する、年に一度の業務概況書、そうしたものの一層の充実を図るとされております。
こうした広報の取組については、定期的に検証を行いまして、継続的に改善していくということになっております。
3ページ目でございます。
当面の広報の取組として、一般の年金被保険者の方々に情報発信を強化することとししています。
公式ウェブサイトにおきましては、アクセス数を測定して、導線の見直しとか、内容の改善などを実施いたします。
私どもはSNSを活用させていただいておりまして、ツイッターですね、ごく短いものですけれども、毎朝7時半頃、フォローしていただいている方々のところに届くようにさせていただいております。
また、後ほど出てまいりますけれども、YouTubeでの動画なども作成しております。
マスメディア等の外部媒体におきましても、私どもは取り上げることがままあるわけですけれども、取材に対しましては積極的に対応することとさせていただいております。
新型コロナウイルスは落ち着いた状況でございますが、これまで広報にもオンラインツールを活用しておりました。
それから、厚生労働省による年金広報の動きとも連携させていただくということにいたしまして、財政検証のデータを活用いたしまして、数十年の投資期間を有する超長期投資家であるということを繰り返し発信させていただいております。
また、広報活動に関する効果測定も実施をさせていただいているという状況でございます。
4ページ目でございます。
具体的に図入りで御説明させていただいておりますが、ツイッターでございます。
先ほど御紹介いたしましたように、7時半頃発信をさせていただいておりますけれども、フォロワー数5.7万人ということで、3年度より若干増をしております。
御覧いただきますと、図と7~8行ぐらいのメッセージとともに分かりやすい形でお届けをするということでございまして、熱心に見ていただいている方もいらっしゃるかと存じます。
5ページ目ですが、これはYouTubeの動画です。
10分で分かるということで、込み入った解説はなかなかしづらいのですけれども、10分程度で私ども職員が出演いたしまして、分かりやすく説明するというものでございます。
昨日、私どものCIOの植田が出演したものがアップされております。
進んでいただきまして6ページ目ですけれども、理事長の会見の機会も年2回ほどつくっておりまして、これは直近の1月の新年メディア懇談会で理事長がGPIFの活動について説明した機会の動画でございます。
年金運用は専門的な内容が多くなりますので、こうした機会を通じて記者の皆様方の御理解を深める努力させていただいております。
進んでいただきまして、広報活動の写真です。
左側の写真が、ハフポスト日本版の取材をいただいたときの様子でございます。
ほかにもテレビ局の取材なども最近いただきまして報道されたこともございますけれども、こうした取材に積極的に対応することにしております。
右側は、オンラインの年金に関する情報の海外の情報サイトでございますが、そこで私どものマークが取り上げられ、イラストも公表されたということもあったということでございます。
これは御参考でございます。
私どもの活動は以上でございます。
○上田座長 どうもありがとうございました。
続きまして、企業年金連合会から御説明をお願いいたします。
○企業年金連合会(高橋) 企業年金連合会の高橋と申します。
令和5年度企業年金連合会の広報活動について報告申し上げます。
企業年金連合会は、企業年金を会員としている組織でございまして、1,200ぐらいの企業年金に加入していただいているのですけれども、企業年金の制度運営の支援、人材育成等を目的とする事業展開を通じた広報活動を実施しております。
主な広報媒体ですけれども、まずウェブサイトはほぼ毎日更新しています。
右側に写真がありますが、これがウェブサイトのトップページでございます。
直近1年の実績で申し上げますと、ページビュー数は月77万件で、前年度比では13%ほどページビュー数が増えております。
どういうページが多く閲覧されているかといいますと、「年金Q&A、確定拠出年金のしくみ」のページとか、「いつから老齢年金が受給できるのか」のページ、「これから(将来)年金を受給する方」のページ等が上位に上がってきております。
それから、広報誌、これは企業年金宛てに定期的にお送りしているものですけれども、年10回雑誌として発行しております。
PDFでも見られるようにしております。
それから、ニュースレター、これはメルマガのような形で、制度改正とかその時々のトピックを企業年金に発信しております。
そのほか、資料の一番下に会員向けホームページの開設・運営サービスとありますけれども、これは企業年金が加入者や受給者、事業主向けに情報開示やお知らせなどをする手段としてホームページを開設する支援を連合会として提供するというサービスをしております。
次のページをお願いいたします。
新しい取組としまして、企業年金連合会の通算企業年金等に関する広報活動でございます。
企業年金の加入者等の老後資産形成を図るために、企業年金制度間のポータビリティの仕組みを説明したり、連合会が実施している通算企業年金についても周知を図ることを目的として、広報活動をこの2月から開始しております。
背景には、雇用の流動化で中途退職される人も増える中で、例えばDCのほうですと、前の職場で積み立てたDCの資産を移換する手続を忘れて放置されているものが相当数あるという報道があったり、あるいは、DB、確定給付企業年金のほうにつきましては、中途退職される際に脱退一時金を一時金で受け取られる方が多いということで、そうしますと老後に向けた資産形成の観点からということでポータビリティという制度がせっかくあるわけですから、その前の職場で積み立てた資産を次の職場なり、iDeCoに、あるいは通算企業年金に持ち運びできますよという制度を周知することとしております。
下のほうにありますように、ウェブサイト上に特設ページを開設しております。
右側にある写真がこの特設ページのトップページですけれども、特に工夫したのが言葉を柔らかくしようと。
硬い言葉だとなかなか関心を持って見ていただくことが難しいだろうということで、例えば資産を移し換えるというのを移換と言うのですけれども、移換という言葉だとなかなか取っつきにくいということで、それを「移しカエル!」ということでカエルのキャラクターを使ったり、それから、文字情報だけではなかなか見ていただけないだろうということで、その下に2つ写真があるのですけれども、これは動画ファイルでございまして、転職する右側の男性と左側のカフェのバリスタが企業年金のポータビリティについてやり取りするというドラマ仕立てで仕組みを説明するようにしております。
それから、②の広報用チラシです。
せっかく特設サイトを開設しましたので、できるだけ多くの人に見ていただきたいということで、この特設ページを案内する広報用チラシを作成しまして、これを全国の企業年金に配布したいと思っております。
このチラシには、QRコードを印刷しまして、このQRコードをスキャンしていただきますとこの特設ページに入っていただくことができて、動画も見ていただき、さらに興味があれば、その下のほうの文字情報でより詳細な仕組みについても御覧いただけるというふうにしております。
これにつきましては、2月から開始しておりますけれども、令和5年度も継続する予定でございます。
次のページをお願いいたします。
最後ですけれども、投資教育サービスについては従来からやっておりまして、まず①のほうですけれども、企業型DCの加入者さんに対する投資教育ということで、これは事業主に努力義務がかかっているわけですけれども、自ら投資教育をすることが難しいという事業主については、連合会が委託を受けて投資教育を実施しております。
それから、右側のiDeCoの加入者等に対する投資教育ですけれども、こちらは国民年金基金連合会からの委託を受けまして、iDeCoの加入者等に対する投資教育も企業年金連合会のほうでさせていただいております。
資産所得倍増プランという中で金融リテラシーの重要性についても指摘されておりますので、企業年金連合会としましても金融リテラシーの向上に向けてさらに取り組んでまいりたいということでございます。
説明は以上になります。
○上田座長 ありがとうございました。
最後に、国民年金基金連合会さんから御説明をお願いいたします。
○国民年金基金連合会(中村) 国民年金基金連合会の審議役の中村と申します。
それでは、進めさせていただきます。
国民年金基金連合会におきましては、国民年金基金と個人型確定拠出年金iDeCoの運営に関わる業務を担当しております。
これらはそれぞれ国民年金法と確定拠出年金法に基づく個人単位の私的年金でありまして、個人の方々の意思によって任意に加入いただく制度であるということが共通しております。
一方で、国民年金基金については確定給付の終身年金を基本としているのに対して、iDeCoは自らの指図によって掛金の資産の運用をした、その成果に応じて一般に有期の年金給付を受ける、こういった違いがございます。
国民の皆様方には、こうした制度それぞれのそもそもの存在から特性までを十分に御理解いただくことと同時に、特に国民年金の第1号被保険者の方々におかれましてはどちらの制度についても加入が可能ということになっておりますので、生活面や経済面の個人的な御事情とか、老後の所得や資産運用に関する考え方に応じて、双方を特性を踏まえて比較検討いただいて適切な選択をしていただくことが重要と考えており、そういったことに資することも含めて広報のほうも考えていきたいと思っております。
このような考え方に基づきまして、資料上は、2つの制度は別のものということもございまして、1ページ目が国民年金基金、2つ目がiDeCoということで御用意いたしておりますので、それに沿って個別の取組について御説明いたします。
今映っております1ページ目の国民年金基金でございますが、私どもは各国民年金基金の連合会、つまり法人の連合会ということで、その立場から御説明申し上げますけれども、個別の基金でもいろいろ取り組んでいただいておりまして、中でも規模とか加入できる人の範囲が最も大きい全国国民年金基金という法人がございまして、そちらでの取組を含めてお示ししてございます。
まず、①にありますダイレクトメールというものがございますが、こちらは潜在的な加入者である第1号被保険者の方々と広く接点を得たいということで、厚生労働省の御協力もいただきながら、情報をいただいてダイレクトメールをお送りし、これを受けた資料請求や照会に対応して勧奨するというような取組を従来から実施してきております。
このダイレクトメールも、ねんきん定期便以上に恐らく開けていただくことがなかなか厳しいところもございまして、こちらは封筒の形状を工夫しておりますということも記載しておりますが、今後ともどういう工夫ができるかということはいろいろ考えていきたいと思います。
これに加えまして、②に書いてございますテレビ広告も従来から行ってきておりますが、近年は新たな経路ということでインターネットの活用に取り組んでいます。
一つは、まだ効果的な手法を模索中というところもあるのですけれども、インターネット広告について、様々なメディアややり方があるようで、どれが国民年金基金にとって効果的なのかというところがまだ見えてきておらないのですけれども、いろいろなものを試して、効果を見ながら入れ替えていくというようなことで活用を試みているところでございますので、これを引き続き行っていきたいと思っております。
また、昨年度、全国国民年金基金におきましてYouTubeのチャンネルを開設しております。
そこには、従来はテレビCMの動画をそのまま載せるというような形でスタートしておったのですけれども、やはりテレビ広告ですと時間も短いので内容もあまり盛り込めないということで、最近は漫画風のコンテンツで制度の内容とか利点をより分かりやすく説明するような動画を順次載せ始めておりまして、そういったコンテンツの充実を引き続き図っていきたいと考えております。
次に、今の左半分の一番下のところでございますが、先ほど申し上げた国民年金の第1号被保険者の方々の選択に役立てるという観点から、従来は国民年金基金とこの後のiDeCoとで別々にやっていたオンラインセミナーを、今年度、初めて共同で開催したのですけれども、これを来年度も実施していくようにするとか、あるいは次の④のところに書いてあります両制度を紹介するパンフレットの作成・活用を進めるといったことで、さらにこのような取組を充実させていこうと考えております。
次のページをお願いします。
iDeCoにつきましては、一般的な制度の認知向上というところももちろん実施しておりますし、それについては実際に手続の窓口となる各金融機関さんのほうでも営業努力という意味合いもあっていろいろ取り組んでいただいているところでございますが、ここではそれ以外のところを中心に幾つか御説明したいと思います。
まず、①の確定給付企業年金との合算管理等の施行に向けた周知及び広報というものであります。
内容的には、恐縮ですが、具体的にまだ広報活動というところに至る準備というような意味合いが強いのですけれども、iDeCoの場合、制度改正が断続的に続いておりまして、既に加入いただいている方々も含めてその内容を適切なタイミングで周知することも重要と考えております。
当面、前回の令和2年の確定拠出年金法改正のうち、まだ施行されていない事項として、iDeCoの掛金の拠出限度額の判断に当たりまして、企業型DCに加えてDB、確定給付年金の拠出額も考慮する形で、これを私どもは合算管理という言い方をしておりますけれども、その仕組みが拡充されることになっております。
これは令和6年12月の施行を予定されておりますので、具体的な周知広報の取組は再来年度から本格化させることを想定しております。
ただ、その上で、それを見据えた課題として、先ほどからホームページの話も幾つか出ておりますが、iDeCoの公式サイトについては、これまでのいろいろな改正でかなり制度が複雑となってきているところにあまり追いついていなくて、閲覧に来られた方々が欲しい情報をすぐに見つけにくい状況となっているのではないかと考えております。
また、技術的仕様に限界があって、情報の発信の仕方を少し変えようと思っても、その工夫が柔軟にできないような構造になっておりまして、ウェブサイトの在り方そのものを抜本的に見直す必要があるのではないかという認識を持ってございます。
そのため、令和6年度にまた新しい制度改正の広報というものを適切に実施できるようにという意味も含めまして、来年度リニューアルを検討することとしているというものでございます。
次に、②のところですが、認知度の向上と理解の促進のための更なる取組という中で、単純な制度の認知というだけではなくて、国民年金との共同セミナーというのは先ほども申し上げたものですが、その下のiDeCoプラスについて若干御説明したいと思います。
iDeCoプラスにつきましては、中小企業におきまして従業員が個人で加入しているiDeCoの掛金に対しまして事業主のほうで掛金を上乗せする制度で、今まで個人の方々を対象とする広報ということでお話をしてまいりましたけれども、これは事業主の方にしっかり知っていただくことが必要というものになります。
そのため、中小企業の事業主や福利厚生の担当の方々向けに、iDeCoプラス導入のメリットや典型的な導入ケースを紹介するオンラインセミナーを今年度開始しております。
このセミナー自体は今年度も引き続きやっていきたいと思いますが、このセミナーなどを通じまして、iDeCoプラス導入時の手続が難しそうなので詳しく知りたいと。
具体的には、労使協議が必要とか、就業規則など社内規定を整備する必要もあるということもございまして、なかなか難しそうだなといった声も寄せられておりますので、来年度はこのセミナーに併せまして、事前の社内準備をどうしたらいいかというようなところに特化した動画を作成して、これを見ていただけるようにしていくということも新たに取り組んでいきたいと思います。
なお、昨年度、この検討会の同じような場で、上田先生のほうからiDeCoプラスにつきましては社労士会などへのアピールをというような話もいただいておりましたので、このiDeCoプラスセミナー開催に当たりましては、全国社会保険労務士会連合会にも御協力いただいて、iDeCoプラス導入に当たっては、先ほどの社内規定の見直しなどが必要な場合は、社労士においてお問合せに対応いただけるといった案内もしていただいておりまして、引き続きこういった関係の方々との協力もやっていきたいと思っております。
最後の③の投資教育動画につきましては、先ほど企年連さんのほうから説明をいただいた内容になりますけれども、私どもとしても委託をさせていただいた側の立場から、iDeCo加入者の方々などに広く視聴いただけるように、公式サイトから行けるようにしていくこととか、いろいろな書類を送るときに併せて情報提供をしていくとか、そういった工夫をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、皆様から御意見、御質問等をお受けしたいと思います。
岡村さん、どうぞ。
○岡村代理 全部話すと時間もないので、幾つかかいつまんで話させていただきます。
御説明いただきましてありがとうございます。
まず、厚労省さんから御説明があったのですけれども、社会保険適用拡大、すごくいいなと思っていて、実際、うちの従業員も当てはまる方がいたので窓口に行ったのですけれども、窓口に行って話を聞いたら、通常の手続よりも複雑だと言われて、一旦諦めて帰ったという話がありました。
このように制度が変わるときは、職員の方とか窓口の方がちゃんと対応できるようになっているかとかも含めて、施策と現場の両方とも見ていく必要があると思いますので、社会保険適用拡大はいいことかなと思っておりますので、ちゃんとそこのことも踏まえて説明ができるようになっておけばいいかなと思っております。
続いて、日本年金機構さんからの御説明もありがとうございました。
オンラインビジネスモデルという話があったので、ちょっとお話をさせていただくと、コロナの影響もあってテレワークやオンラインのビジネスモデルは確立できてきたと思っております。
その中で、多様性の視点からお話をさせていただくと、例えば肢体不自由の方が車椅子で移動しなければいけないとか、視覚障害の方で移動するとか、精神障害の方で人混みが得意じゃないとか、育児をしていて通勤などの移動する時間もない、そういう余裕がないよという人からすると、オンライン対応ができるようになってよかったと思っている方は結構多いのですね。
逆によくなかったという人もいますが、よかったという人もいるので、コロナの状況とかいろいろな状況がまた変わったとしても、現在のオンライン対応をやめないで引き続き選択肢としてちゃんと残して、メリットがあると思っている人が選択できるようにしてほしいなと思っております。
続いて、GPIFさんの説明もありがとうございました。
幾つかお話があったのですけれども、我々実利用者研究機構は、まさに銀行、保険会社でこういった難しいものを説明してもらうときのアドバイスというか、コンサルティングの中で、広報や説明の仕方についてアドバイスするときに、漏れのない業務の報告とか、後から文句を言われないための説明とかではないですよと話をしています。
分かりやすくするためのアドバイスとして、どういう人にどういう影響を与えたいのかをちゃんと設計しましょうねという話なのですね。
分かっている人に分かっている内容を伝えても意味がなくて、分かっていない人に理解してもらうために何がわからないのか?分かるようになった結果、どういう行動をとってもらいたいのか?をきちんと分析して改善していくことが重要で、ただ紙いっぱいに情報を載せて説明するだけで終わりとなったら、それは当然分かりにくいと言われてしまうので、この部分が分かりやすい広報というところにつながってくるのかと思っております。
続いて、企業年金連合会さんの報告もありがとうございました。
こちらは、実は私も銀行系の担当もしているので気になるポイントがあったのですが、退職後のDCの放置とか、中途退職で一時金を移換しないで、要は自分にとってメリットがなくなってしまう方が非常にいます。
そのためのこういう説明とか動画をされているというのは非常にいいと思っているのですが、実際問題、退職をしたとか転職をしたという人たちは、転職活動とか退職後の活動でばたばたしていたり、余裕がない状況なので、その瞬間に見るとか説明を聞くというのは余裕がないから放置してしまって抜け落ちていくことがありますよねという話があるので、しっかりと利用者側の状況とか立場を考えながら、どの時点でも見られるとか、どういった時点で見たほうがいいとか、そういった利用者に寄り添った考え方も計画していかれるほうがいいかと思っております。
全体的なまとめですけれども、先ほど言葉もありましたが、どうしても広報活動となると、これは民間企業もそうですけれども、やり方で行かれる方が多いです。
やり方というのはどういうことかといったら、キャラクターを作りましょうとか、イメージタレントを載せましょうとか、漫画にしましょうとか、SNSにしましょうとか、YouTubeにしましょうとか、流行りの人にあやかりましょうということで、やり方だけに行かれる人が多いのですが、先ほどもありましたが、どういう在り方で行くのかとか、どういう在り方でいたいのかというところを全体的にしっかりと足並みそろえて行かれたほうが、ばらばらにもなりませんし、しっかりと目的が達成しやすいかなと思いましたので、何となく全体でそのような点に気をつけた方が良いかなという気がしました。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
私の差配が悪くてだんだん時間が迫ってきていまして、御発言はできるだけ簡潔にお願いできれば幸いです。
原さん、どうぞ。
○原構成員 ありがとうございました。
厚生労働省さんへのコメントです。
3ページに「令和5年度の年金広報の取組(若年層を対象とした広報)」というのがございまして、令和5年度では難しいかもしれないのですが、社会人のところに、広報というのか、教育になかなか近いものがあるのですけれども、会社の新入社員向けとか、若い方で会社に入ったばかりの方々にも目を向けていただきたいと思います。
以前、私も幾つか行ったことがあるのですけれども、例えば給与明細の見方から始めて、負担だけではなく将来こういう給付がある、特に厚生年金という部分の周知をお願いしたいです。
企業の人事とか事務担当者向けではなくて、開拓というのは難しいと思うのですが、例えば教材とかツールだけでも新入社員向けというものも検討いただけないかと思います。
というのも、大学までに年金教育を受けていない人が多いと思いますが、その一方で、会社に入ってすぐに企業型DCの導入企業であれば、投資教育を受けることになります。
確かに投資教育の中には年金制度の内容が入っているとは思いますが、部分として少ないものと思われますので、そういった意味ではDC導入企業では、最初に新人ではDCの研修、投資教育を受ける、ということになってしまいます。
そういった点からも公的年金について社会人向け、特に若手社員なり、新入社員向けなりのものをバランスよく教育・広報の中に入れていただくとよいのではないかと思っております。
大学生プラス社会人のところで、新人とか若い社員などに向けた教材やツールなど、そういったものだけでもぜひ少しずつ検討していただき用意していっていただければと思っております。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
殿村さん、どうぞ。
○殿村構成員 ありがとうございます。
根本的なことを申し上げてもよろしいでしょうか。
私の方が誤解していたら申し訳ないのですけれども、国民の年金に対する根本的な誤解を解かないと何をやっても無駄なような気がするのです。
皆さん、マクロ経済スライドを説明すれば分かるとおっしゃっていますが、今、「マクロ経済スライド」を検索してみたら、日経の用語解説に少子高齢化で年金給付を抑制すると出ているのですね。
要するに、少子高齢化だと年金がもらえないという意味に見えるので、みんな誤解してしまうのです。
一方、民間の年金のシステムのPRがとてもうまくて、その影響で国民は、国の年金もすべて積立だと思っています。
しかも、積み立てたお金が自分に返ってこずに上の世代にみんな取られて、少子化とともに自分はもらえないのだと諦めてしまっているまでここを根本的に変えないと、どんなに訴えても駄目だと私は思うのです。
そんな中、私は伊沢拓司さんの動画を見せていただいて、税金が使われているというように説明されていたことに、これはとても分かりやすいと思いました。
税金が使われていることを明確に説明することの是非は私はよく分かりませんが、国の年金に加入したら国が支えてくれるのだという概念を広める必要はあると考えます。
例えば年金を表現するビジュアルについて、今は若い人が高齢者を支えていますといった有名なイラストありますけれども、そこに国をイメージする人を入れて、若い人と国が支えているイラストに変えるといった形で民間の年金とは違うのだよ、国がちゃんと税金を投入して支えてくれるのだよということをしっかりと伝えないと、どんなに頑張って年金を理解してくださいと言われても、昨今の少子高齢化を考えると難しいと思います。
現在は正直な話、会社に入ったら厚生年金を自動的に取られるから仕方がない、諦める、掛け捨てだ、としか思えないので、ねんきん定期便が来ても、今の時点のものだから将来は分からないよねと思い込んでしまいます。
つまり、パフォーマンスにしか見えていない、ということです。
ですから、今回、広報の考え方の抜本的な見直しを、全世代型社会保障構築会議でされる話がありましたので、これを機に、この根本的な誤解を解く広報について検討したほうがいいと思います。
私からは以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
そのほか、皆さんいかがでしょうか。
山口先生、どうぞ。
○山口構成員 御説明いただきありがとうございました。
私も厚労省さんの御発表について少しコメントさせていただければと思います。
若年層を対象とした広報というところで、スライド3で描いていただきありがとうございます。
大変分かりやすいです。
この中で、先ほど社会人という話があって、私はそこの領域もすごく大事だと思いますし、もう一つ小中学校のところも、子供の頃からそういうものに触れるというのはとても大切だと思うので大事かなと思っている次第です。
その中で私の経験からお話しさせていただきますと、今まさに総務省と連携して青少年のスマートフォン利用とか学習用端末の利用に関する保護者向けの啓発コンテンツを毎年作成しているのですけれども、今年はウェブというのも意識して、スマートフォンで読むことを前提に縦長のコンテンツをつくったのです。
大変受けがよかった。
受けがよかったというのは、対象としてはペアレンタルコントロールに関心のない保護者、実施もしていない、関心もない保護者でも受けがよかったのです。
ただ、出てきた意見として、これだと子供に見せるのは大変というか、読むのが難しいかもしれないので、やはり動画が欲しいという意見がかなり出ていたのです。
コンテンツについてはかなり簡単につくったと思うのですけれども、それでも動画のニーズが高いなと改めて感じた次第です。
なので、広報という意味でいうと、動画というものの重要性が今物すごく高まってきているなと実感したところです。
そういう意味でいうと、QuizKnockさんはどちらかというと高校生以上向けということで、今後も、特に小中学生に受けのいいYouTubeクリエーター、あるいはティックトッカー、そういった方と組んで動画をつくっていくことが物すごく効果が高いのではないかと思っておりますので、ぜひそういったところも注目していただけますと幸いです。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
QuizKnockは私のゼミの学生に大受けでございました。
動画が大切だと私も実感しております。
そのほか、いかがでしょうか。
太田さん、どうぞ。
○太田構成員 ありがとうございます。
ちょっとかぶるところがあるかもしれないのですけれども、これは年金局と企業年金連合会さん向けかなと思うのですが、前半でもあったように、学生さんとの対話集会で割と認知とか啓発活動が進んでいるというのはすごく喜ばしいことだと思います。
先般、私はもともと原籍が商社なのですけれども、そちらで企業年金の401kの運用状況が公開されていて、日本でも有数のお金にうるさい会社だと思うのですけれども、その結果が結構びっくりしたのが、3分の1以上が元本保証型のデフォルトの設定になったままみんな放置しているという結果が出ていて、金融リテラシーが比較的高い人たちの集まりだとは思うのですけれども、そのぐらいのリテラシーの人でもそうなっているということで、優先順位として当然公的年金の理解を若年層に進めるというほうがプライオリティーは高いと思うのですけれども、意外と大企業に勤めている人も認知という意味ではまだまだ進んでいないのかなという印象を持ったので、次は公的年金以外のところ、企業年金とか私的年金みたいなところの広報もちょっと広げて力を入れていく必要があるのかなという印象を持ちました。
以上です。
○上田座長 ありがとうございます。
私も全く同感でございます。
あとはいかがでしょうか。
富永さん、よろしいですか。
○富永構成員 では、一言だけ。
今日のお話の中にも、広報は一般的にそうだと思うのですけれども、調べに来てくれるとか探しに来てくれる情報をどう出すかという側面と、積極的に発信をして認知を周知していきたいような側面と2本あると思うのですね。
前者については、分かりやすく説明するとか、概念化するみたいなことだと思うのですね。
後者については、いかに話題になっていくように設計をするかみたいなことが大事だと思っていて、それは発信するエンティティーが発信した内容がメディアとかSNSの中でいかに二次的に取り扱われるかみたいなことであって、そのために話題を仕込んでいくみたいなことだと思うのですね。
そういうことをやるのが非常に上手な企業もたくさんありますし、そういう事例を研究されて話題化をうまくやっていくと、意図に合った発信ができるかなということを思いました。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
森下さんはよろしいですか。
○森下構成員 では、最後に少しだけ。
私も原さんのおっしゃっていた若手社員、新入社員向け教育は非常にニーズがあると思っていまして、よく若手に、何を見て勉強したらそういうのが分かるのですかと聞かれるのですけれども、そういうときにこれを見せたらいいのですよという鉄板のコンテンツがちょっと分からないというか、いろいろなところからいろいろな動画もあるし、発信されているので、それがQuizKnockさんのはいい例だとなってきていると思うので、鉄板のコンテンツがどこかから出てくるといいなと思っております。
あと、GPIFさんが先週WBSに出ていらっしゃったかと思います。
運用の現場に初めてカメラが入りますというのは、とてもよい形の露出なのかなと思いました。
やはり、さっき富永さんがおっしゃっていましたけれども、SNSとかオンラインというのはある程度興味のある方がいらっしゃるので、公式発表をする場以外でマスメディアに出ていくというのもこういうふうに増やしていくというのは非常に大事なのではないかと思いました。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
新社会人向けも非常に重要で、ただ、社会人になる以前で、大学4年生のうちにいろいろやることがあるのではないかなと、大学生を預かっている立場から感じております。
あと、先ほど樽見さんからいろいろ御指摘があったのですが、これは非常に大きなお話になりそうなので、また事務局を中心に別途御検討いただくということでお願いできればと思います。
最後、事務局のほうから、今の御意見について何かございますでしょうか。
○岡部総務課長 ありがとうございます。
時間がないのでまとめてコメントさせていただきます。
複数の方から社会人、新入社員向けの教材・ツールとか広報を強化すべきではないかという話があったと思います。
まず1つは、社会人は会社に取り込まれてしまうのでなかなかアクセスができないということで、逆に大学生向けの広報を強化しているところです。
ですので、まず社会人になる前にいろいろ分かってもらわなければいけないのだなということがますます大事だなということが一つ言えると思います。
もう一つ、社会人、新入社員向けの広報というのは2つありまして、1つは原さんがおっしゃったこととして、公的年金に対する理解というのを改めて分かってもらう必要があるのだということです。
これもアプローチはなかなか難しいということはあるのですけれども、これは新入社員向けに限らず、若い社会人に向けて、特に公的年金に対する信頼感が低い層ですので、どういうふうに分かってもらうのかということは引き続き考えていかなければいけないことかと思います。
もう一つ、特に企業型DCのある企業において、投資教育の面からどういうふうにアプローチしていくのかということで、これはまず2つ考えなければいけないことがあると思っています。
そもそも、ずっと公的年金と私的年金を併せてどういうふうに広報していくのかということは、最初に私が申しましたとおり、まだよく考えられていないところですので、一つの場面ですね、新入社員にどうやって投資というものを位置づけて、例えば22歳で会社に入った方が65歳まで40年以上の投資期間があるのをどういうふうに考えていくのかというのはかなり新しい課題だと思います。
そういうような公的年金と併せてどういうふうに考えていくのかというのをよく考えなければいけないということ。
今ちょっと言いましたが、投資教育の中で何をしていくのか。
公的年金と私的年金の連携ができていないところの一つの具体的な事例としては、DCの投資教育の中に、特に公的年金に関するコンテンツをどういうふうに入れ込んでいくのかというのは、正直、我々も追いついていないところがありますし、あと、企業でどのように投資教育がされているのかというのも、最近、資産所得倍増計画もありまして、長期の国民の投資を促していくという観点からももう少し中身を見直さなければいけないのではないかという新しい課題も出てきていますので、これは恐らく来年4月からの年でちゃんと考えなければいけないことなのだろうなと思っております。
この辺についてもまたアドバイスをいただければと思います。
ありがとうございました。
○上田座長 ありがとうございました。
私の議事運営が悪くて、最後、皆さんの御発言を急かすような形になりまして大変申し訳ございませんでした。
それでは、事務局のほうから事務連絡がございましたらお願いいたします。
○岡部総務課長 本日は本当にお忙しいところをありがとうございました。
次回の日程につきましては、後日また事務局より御案内させていただきます。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、皆様、本日はお忙しい中御参集いただきまして、大変ありがとうございました。
これで本日の会議を終了いたしたいと思います。
ありがとうございました。
 

 

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 年金局が実施する検討会等> 第17回年金広報検討会(2023年3月16日)議事録

ページの先頭へ戻る