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2021年9月30日 第13回年金広報検討会

年金局

○日時

令和3年9月30日(金)14:00~16:00

 

○場所

東京都千代田区平河町2-4-2
全国都市会館 3F 第2会議室(オンライン開催)

○出席者 (五十音順)

板谷 英彦(オブザーバー)
上田 憲一郎(座長) 
太田 英利(構成員)
中村 裕一郎(オブザーバー)
殿村 美樹(構成員)
富永 朋信(構成員)
野 口  尚(オブザーバー)         
原 佳奈子(構成員) 
福本 浩樹(オブザーバー) 
森 浩太郎(構成員)
森下 郁恵(構成員)   
山口 真一(構成員)
横尾 良笑(構成員)       
 

○議事

○上田座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第13回「年金広報検討会」を開催いたします。
皆様、大変お忙しい中、御参加いただきまして、誠にありがとうございます。
前回同様、今回もオンラインの開催とさせていただきます。
本日の出欠状況ですが、佐久間委員から御欠席の連絡をいただいております。
なお、本日は、議題2の関係で株式会社日立製作所の御担当者様、議題4の関係で株式会社日本廣告社の御担当者様に御出席いただいております。
また、金融庁の方がオンラインで傍聴されていらっしゃいます。
それでは、議事に入る前に、事務局から資料の確認をさせていただきます。
○田中課長補佐 構成員の皆様には、あらかじめ資料を事前にメールで送付させていただいておりますが、改めて確認させていただきます。
本日の資料は、
議事次第、
資料1 第3回令和の年金広報コンテストの実施状況、
資料2-1 年金の「見える化」Webサイト(仮称)デザイン説明資料、
資料2-2 年金の「見える化」Webサイト(仮称)デザイン説明資料(別紙)、
資料3 若年世代向け年金学習教材の開発、
資料4-1 モニター調査に関する調査結果(速報)、
資料4-2 財政検証ホームページデザイン等のリニューアル、
資料5 年金広報検討会開催要綱、
でございます。
事務局からは以上でございます。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、カメラの方がいらっしゃいましたら、ここで退室をお願いいたします。
それでは、これより議事に入ります。
本日は「第3回令和の年金広報コンテストの実施状況について」。
「個々人の年金の『見える化』のための取組みについて」。
「若年世代向け学習教材の開発について」。
「『いっしょに検証!公的年金』のリニューアルについて」。
「その他」の5つを議題といたします。
まず、議題5の「その他」からになりますが、人事異動の関係で、年金広報検討会開催要綱の改正がございます。
資料5について、事務局から御説明をお願いいたします。
○田中課長補佐 資料5の御説明をさせていただきます。
年金広報検討会開催要綱でございますけれども、別紙のオブザーバーに変更がございました。
今回から、オブザーバーである国民年金基金連合会審議役が尾崎俊雄様から中村裕一郎様に替わることになりました。
つきましては、開催要綱の別紙の名簿を御覧のように改正することといたします。
なお、事務局にも異動がございまして、年金広報企画室長の古川が異動となり、新たに年金局総務課長の三好が年金広報企画室長も兼任することになりました。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、国民年金基金連合会審議役の中村様から一言御挨拶を頂戴いたしたいと思います。
○中村オブザーバー 9月15日に国民年金基金連合会審議役に着任いたしました中村と申します。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
○上田座長 ありがとうございました。
続いて、三好年金広報企画室長より一言御挨拶を頂戴いたします。
○三好総務課長 皆様、こんにちは。
御紹介いただきました、今回、厚生労働省年金局総務課長になりました三好でございます。
御紹介いただきましたように、年金広報企画室長も兼務ということになりまして、前任の古川室長の破天荒なキャラクターに比べるとあれなのですけれども、皆様の議論に早くキャッチアップしていきたいと思ってございます。
年金広報の分野というのは、年金制度は社会保障連帯の仕組みでございますので、当然、加入される方々の理解と、その信任をいただかなければいけないという意味で、極めて重要な分野だと思っておりまして、これまでも委員の先生方から大変有益な御意見、議論をいただきながら施策を進めていると承ってございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、議題に入っていきたいと思いますが、御覧のとおり、本日は討議事項が非常にたくさんございます。
ぜひ皆様にできるだけ要点をまとめて御発言をお願いして、議事進行に御協力をいただければと思っております。
よろしくお願いいたします。
それでは、議題1「第3回令和の年金広報コンテストの実施状況について」に入りたいと思います。
まずは、資料1について、事務局からの御説明をお願いいたします。
○田中課長補佐 御説明いたします。
年金広報コンテストでございますが、今年の6月1日から9月10日までの期間、募集させていただきました。
今年も、昨年に引き続き、ポスター部門と動画部門という2種類の部門を設定させていただきましたが、ポスター部門につきましては、昨年の30件から4.5倍増の135件という多くの応募をいただいております。
特に10代までの応募が突出して増加し、全体の約半数を占めております。
さらに、動画部門でも、昨年、新型コロナ感染症の影響で大学生同士での共同制作が難しかったと思われ、3件となっておりましたが、今年は7倍強の22件になっております。
20代からの応募が18件と、過去2回と同様、最も多くなっております。
この結果について、年金広報コンテストの地道な周知・広報が実を結んだと手応えを感じております。
具体的には、文部科学省を通じて国公私立大学をはじめとした教育機関に御案内をし、小学校向けには「学研キッズネット」に年金漫画「年金のひみつ」を掲載した際に、全国の小学校の校長先生にメールを送付し、その中に年金広報コンテストについても記載したり、朝日小学生新聞への広告の掲載を行いました。
さらに、中学校・高校向けにも夏休み直前、首都圏の中学校・高校向けにメールやチラシを送付したり、朝日中高生新聞への広告の掲載を行いました。
また、全国の美術系専門学校に対しても個別にメールで御案内をするなど、様々な働きかけを行いました。
その結果、作品の応募数もさることながら、クオリティも非常に高くなっております。
なお、年金広報コンテストの厚生労働大臣賞等々の候補作品を決めるための審査会につきましては、別途設置させていただいた上で、改めて年金広報検討会において結果を御報告させていただきたいと考えております。
私からは以上でございます。
○上田座長 ありがとうございました。
大変たくさんの応募があって、すばらしいことだと思います。
それでは、ただいまの御説明について御意見、御質問がございましたら、お願いいたします。
特によろしゅうございますか。
それでは、また年金広報コンテストが引き続き盛り上がっていくように、皆さんで御支援申し上げたいと思います。
それでは、議題2「個々人の年金の『見える化』のための取組みについて」に入りたいと思います。
資料2-1及び資料2-2について、委託事業者の皆様から御説明をお願いいたします。
○株式会社日立製作所 御紹介にあずかりました日立製作所でございます。
1か月前の広報検討会におきましては、デザインに関しては、生年月日や画面の同意事項のチェック欄、試算画面のグラフなどの御意見をいただきました。
また、ねんきん定期便のQRコード読み込みとウェブ検索からのというユースケースによる違いについても御質問をいただきました。
そこで、今回は、前回からの画面デザインの変更点及びユースケースごとの画面遷移について説明いたします。
なお、過去に説明済みの内容については、割愛させていただきます。
では、こちらの資料なのですけれども、4ページ目までスライドをお願いいたします。
こちらの画面デザイン概要資料に関しては、画面の差し替えのみなので、詳細な説明を割愛いたしますが、この後、ユースケースで説明する内容につきましては、2番、真ん中の列の検索サイトからサイトにアクセスする流れとねんきん定期便のQRコード読み込みからサイトにアクセスする、大きく2つの流れについて説明させていただきます。
では、次の資料に移動をお願いいたします。
こちらが修正後の画面デザインの資料でございます。
左からトップページ、試算画面の初期表示画面、さらに、試算画面の入力項目を全て表示した場合の3画面がございます。
まず、①の画面についてですが、サイトの名称を年金広報企画室と相談しまして「公的年金シミュレーター」という名前で検討しております。
続いて、入力項目ですが、生年月という項目は、法的な年齢到達の考え方が難しいということで、生年月日に変更しております。
また、性別についても、考慮しなくていい方式に変更しまして削除しております。
また、同意のチェックボックスについても不要という意見を前回いただきましたので、削除しております。
続いて、②の画面に移ります。
こちらも前回御意見をいただきました試算結果のグラフですが、前回の面グラフから直感的に年ごとに幾らもらうか分かりやすい棒グラフに変更しております。
また、グラフの下の文言なのですけれども、この試算結果がシミュレーションである旨というのが重要な情報になりますので、試算結果と併せて表示されるこの位置に変更しております。
さらに、一番右は③の画面ですが、こちらの画面で、前回の御指摘を踏まえまして、これまでの加入実績に応じた年金額という欄を前回までは表示していたのですけれども、その点に関して、御指摘いただいたとおり、情報量が多い割に重要ではない項目ですというところで、ユーザーにとって誤解を与えやすいという御指摘をいただきましたので、そちらに関しても削除いたしております。
そのほか、軽微な文言の修正等がございますが、画面デザインに関する修正は以上となります。
続きまして、ユースケースの説明に移りたいと思いますので、次の資料をお願いいたします。
お待たせいたしました。
今回、ねんきん定期便のQRコードからアクセスする場合と、もう一つはウェブ検索結果から遷移する場合の2つのユースケースについて、それぞれ2パターンずつ計4種類のユースケースをお持ちいたしております。
1つ目は、1.1ですけれども、QRコードからアクセスしてスライドバーを操作する場合となります。
まず、一番左の画面で生年月日を入力して試算ボタンを押します。
すると、真ん中の画面のようにぱっと試算結果が出力されます。
そこから真ん中の赤い線で囲ってある部分ですが、受給開始年齢を65歳から62歳にスライドしますと、一番右の画面のようにグラフが変化する動きとなっております。
次のページをお願いいたします。
続きまして、こちらがQRコードからアクセスした場合で、かつ、働き方・暮らし方を入力する場合となります。
こちらは①に関しては同様なのですけれども、②の下のほうの赤枠で囲まれている部分になりますが、こちらで働き方・暮らし方などの入力を変更したい内容を開きます。
そうすると、その右側のところで具体的な入力内容という入力画面が開きます。
ここで変更したい働き方に合わせて入力します。
その結果、一番右の画面の一番上のグラフが、一個前の状態から変更することで、グラフも変化する形となります。
次のページをお願いいたします。
続いて、こちらがウェブ検索サイト等からアクセスしまして、その際にねんきん定期便を持っていないような方になります。
その場合は、①の画面は変わりませんけれども、②の画面で試算ボタンを押した後、現時点ではねんきん定期便等からの情報の入力がないため、グラフに関してはまだ表示が不可能となりますので、グラフには文言として受給額を表示するには、項目を入力くださいとメッセージを入力し、その下の情報についても非活性となっております。
そして、下のほうに行っていただきまして「年金に関する入力をします」というところを開きますと、右側のように、QRコードの読み込みの案内が出ますので、こちらでQRを読み込みしますと、一番右の図の上の部分のようにグラフが表示される流れとなっております。
続いて、最後のユースケースになりますけれども、ウェブ検索からアクセスして、かつ、ねんきん定期便をお持ちでない方向けになります。
その場合、①、②のところは変わらないのですけれども、③の下のほうを表示いただけますでしょうか。
その場合は、こちらのように、働き始めてからの収入等に関する情報を入力していただきます。
20歳から60歳までは幾らでといったところの情報を入力します。
それを入力して試算ボタンを押しますと、一番右の上のように、これも同様にグラフが表示される形となります。
駆け足になりましたが、これらのユースケースの説明で、使い方のイメージがついていただければ幸いです。
本日の説明としては、以上になります。
○上田座長 ありがとうございました。
本件につきましては、前回の広報検討会で皆様から大変活発な御議論をいただきまして、多くの御意見をいただいて、基本的な課題はほぼ出たのかなという認識でおります。
あれから1か月たちまして、かなりスケジュールも進んでおりますので、基本的なところを今から変更するのはなかなか難しいかと思いますが、今回は、特に変更点、あるいは修正可能な表現とか表示の辺りを中心に、皆様から御意見、御質問等をお出しいただければと思います。
いかがでしょうか。
原さん、どうぞ。
○原構成員 ご指名していただいてありがとうございます。
また、ご説明いただいてありがとうございました。
すごく分かりやすくて、最初の生年月日を入れてぱっと出るということで、非常に分かりやすくなったと思うのですが、もし変更可能であれば、あるいは文言的なところで気になったところを幾つかコメントさせていただきます。
まず、最初のページの1.1で、これは説明用の資料なので、この例だと思うのですけれども、もし使い方の例とかそういうのをつくるときに、専門用語で申し訳ないのですが、これは65歳の受け取りを62歳にしたらと繰上げの例になっているので、40歳ぐらいの方なので、そう考えると、繰下げの見本のほうがいいかなと思います。
でも、今後のことを思うと、繰上げは非常に制約があって、これでぱっと自分で決めてしまうというにはいろいろなことが発生するので、これから働く期間が長くなって、繰下げする方も増えてくるかと思いますので、もし、見本などをつくる場合であれば、65歳を67歳にするとか、後ろのほうでもらう例にしていただきたいと思います。
それから、その次のところで、どうしても文言で気になっているところがありまして、資料1-2のライフイベントのところです。
ライフイベントというか、これからの働き方・暮らし方の入力というところが資料1-2の2枚目にあると思うのですけれども「働いていない」という表現があると思うのです。
これはたまたま40歳ぐらいの方の例だと思うのですけれども、まず何歳まで入れることができるのかにもよって、例えばリタイアしているからもう働いていないなのか、まさか将来の病気を予想して入れるわけではないと思うので、例えば「働いていない(学生など)」とか、40歳でも途中で大学に通ったりする方もいらっしゃるので、そういう前向きなメッセージというか「働いていない」というのは、ライフイベントとかライフプランをつくるときに、それを予定するということがなかなかないと思われます。
不慮のことで突然働けなくなるということはありますけれども、学生に戻るでもいいのですが、そういう何か前向きな形の表現にしていただければ。
「働いていない」というところが入力の項目の中に入っているのが若干気になりました。
御検討いただければと思います。
あと、気になったところは、これはちょっと専門的なのですけれども、受け取りの開始の年齢については、最初にボタンでスイングさせて行うと思うのですが、3の1に全部まとまったものが出ていて、3の1の続きの下に、改めて「年金を受け取る年齢の入力」というのがあります。
これは「受給開始年齢」と最初のバーではなっているので、その辺の表現はどうするかというところです。
続きの、後ろに行くのですか「65歳」というのが一番上に来ているページに出るという形になると思います。
気になっているのは、その下なのですけれども「免除期間の入力」というのは、最初は入力欄を閉じるではなくて、ここにあえて入れる必要があるのかなと思います。
過去の話になるので、閉じておいて入力したい人は開くとかでもいいと思います。
あるいは4の1、4の2とかでプラスアルファの税支払額の試算結果の前に入れるとか、多分、受け取りの開始年齢の選択とはちょっと違うと思うので。
要は、未納になってしまっているところを基礎年金に反映させるために、免除期間がある方は、第1号の方で入力してもらうというプラスアルファのシミュレーションをしたい場合にこれを入れると思います。
多分、自分は4分の3免除が何か月あったかとかは分からない方が多いと思うのです。
これはいきなり非常に難問になると思います。
あとはねんきんネットを見てくださいということになるかと思いますので、4の4のところのその他の試算結果で開くなど、何かプラスアルファでもう少し詳しく試算したい方向けかと思います。
私は免除が多いからということでやるということだと思いますので、それが受け取り開始年齢の続きに入っているということと、ちょっと難しいから、最初は閉じておいて、ねんきんネットを見てやりたい人は、未納になっているところを免除にして、さらに基礎年金に反映させるためなのかと思います。
そこの免除期間の入力はちょっと難しいと思いますので、工夫していただければと思います。
以上です。
よろしくお願いします。
○株式会社日立製作所 御意見いただき、ありがとうございます。
いただいたデザインのレイアウトのお話であったり、文言のお話は、おっしゃっていただいているとおり、より分かりやすくするために、取り込みを検討させていただきたいと思います。
ありがとうございます。
○上田座長 ありがとうございました。
ほかの皆様、いかがでしょうか。
山口先生、どうぞ。
○山口構成員 ありがとうございます。
冒頭に、先ほどのコンテストについて、一言だけコメントさせていただきますと、10代、20代の応募が急増しているというお話は、私は大変いいなと思いましたので、ぜひ今後、続けてさらに増えていくことを大変期待しております。
今回御説明いただきましたサービスについて、まず、御説明いただきまして、ありがとうございました。
こちらは以前、私もかなりコメントさせていただきましたし、多分、ほかの有識者の方々もいろいろなコメントをしたところだと思うのですけれども、そちらをかなり反映していただきまして、対応していただいたことに非常に感謝申し上げます。
その上で、今回、4点ほどありまして、1点が、ぱっと試算できるというところはいいなとも思うのですけれども、見たときに若干違和感があったところです。
ただ、これは別に私が回答を持っているわけではなくて、ほかの方も表現のところで何かあれば、ぜひ提案していただけると幸いです。
2点目なのですけれども、これは結構重要なところでして、最初にデフォルトで入っている年収の値が300なのです。
一般的に考えると、平均値とか中央値に近いものが入っていたほうが明らかにいじらなくて済むというか、妥当なところになるはずだと思います。
ここは300になっていますね。
もう少し妥当な数字にすべきだと思いますし、仮に300にこだわりがあるのでしたら、ロジカルにそれを説明できる用意があったほうがいいかなと考えております。
私のお勧めは中央値に近い値です。
500とかそういう話です。
もう一つありまして、年収といったときに、世帯年収なのか、個人年収なのかは明確にしなければいけないと思います。
私も調査をするときには、必ずそこをはっきりさせて、両方聞いたりするのですけれども、今だと恐らく回答者がかなり混乱いたしますので、そちらは世帯年収なのか、個人年収なのか。
本当は、額面とかそういったことまで書いたほうが伝わりやすいということで、一般的に調査をするときにはそういう工夫をしているのです。
ですので、そういう書き方のほうがよろしいかなと思いました。
最後に、今は見えなくなっている部分とかがいろいろとあると思うのですけれども、ねんきん定期便からではなくて、検索で来た場合がさきのほうにあったかと思います。
そのときに、何をしたらいいのかがよく分からないのです。
それを少し下にスクロールしていただきますと、ねんきん定期便をお持ちの場合、何をするべきか分かるのです。
でも、このUIは、持っていない場合にどこから始めればいいのかというのが、実ははっきりしていないのです。
ですので、下のほうのボックスに働き始めてからの何ちゃらとあると思うのですけれども、そこの前に、ねんきん定期便をお持ちでない場合、こちらから何々を入力してみたいな表現を書いていただけると、恐らくそういった方でも分かりやすいかなと思いますし、何だったら「ねんきん定期便をお持ちの場合」「ねんきん定期便をお持ちでない場合」という部分は太字にするとか、そういう強調表現があるとかなり使いやすいのかなと感じました。
私からは以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
事業者の方、何かありますか。
○株式会社日立製作所 貴重な御意見をいただき、ありがとうございます。
おっしゃっていただいた内容で、表現の部分だったりというところは、より分かりやすくするために、ぜひ取り込みを検討させていただきます。
また、平均値、中央値といった表現に関しても、その辺りの御指摘いただいた内容を反映させていただいて、よりよい画面をつくっていきたいと思います。
そのほかに関しても同様に、取り込めるところは取り込みまして、よりよいものをつくっていければと考えております。
以上になります。
○上田座長 ありがとうございます。
あと、デフォルトの年収の表記や世帯・個人、額面とかいろいろと御指摘をいただいたので、これは事務局とも併せて御検討いただければと思います。
○田中課長補佐 承知いたしました。
○上田座長 あと「ぱっと」という表現はどうですか。
どなたか何か。
殿村さん、どうぞ。
○殿村構成員 ありがとうございます。
私はPRの専門家として常に平均的日本人の感覚を維持していますが、一般庶民というのは、この「ぱっと」とか、こういう擬音みたいなものが大好きなので、私は物すごくインパクトがあって、よく反映されていると思います。
この裏には、恐らくねんきん定期便をもらえるように年金を収めましょう、といったメッセージも隠れていると思いますので、今のワクチンではありませんけれども、このシステムを介して年金を払うように誘導しても構わないと思います。
実際、この間も申し上げましたけれども、自分でこれまでのことを全部入力するというのは無理があると思いますので、ねんきん定期便とひもづけたほうが実用的なのかなと私は思います。
それから、山口先生は、東京の中心で物すごくハイレベルなところにいらっしゃるので、年収平均500万とおっしゃったのですけれども、地方だと300万でも結構いいほうだという考え方が結構ありますので、全国平均で考えていただければと思います。
私はよく地方のPRをやらせていただいているのですが、これはコロナの影響もあってのことですが、今、飲食業界ではのは年収200万もあったらいいぐらい、といった現実がも結構あるのです。
その辺を考えると、実際にこのシステムを使おうとした人が、いきなり年収500万と書いてあったら、ああ、もう私は関係ないと引いてしまうかもしれないと思います。
しかし300万ぐらいだったら、手の届く範囲だと思います。
よって、年収のモデル評価は少し低めのほうが良いと思います。
特に今のコロナ禍、これからのアフターコロナを含めて考えた場合は、地方も考えて、私は300万ぐらいが妥当かなと思います。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
ほかの皆様、今の点についてはいかがでしょう。
では、横尾さん、どうぞ。
○横尾構成員 今の点についてというよりは、全体になってしまうのですけれども、日立製作所で前回の指摘内容を全般的に反映させていただいて、とてもよかったと思います。
その中で、まだ文字関係は変更できると伺っています。
今回、全て修正すべき点について取り上げようと思うと時間の関係もございますので、割愛しますが、多分、細かく見ていくと、様々な改善の余地があるように思いますので、今後、別の機会にさらなる議論を進めたほうが良いだろうとは思っています。
その中で、図の部分とか展開の仕方というところは、今後、変えることがなかなか難しいと伺いましたので、その点について意見を述べさせていただきます。
まず、年金の受給額のグラフなのですけれども、こちらは棒グラフになったことで、受取金額は年間に幾らなのだということが直感的に理解できるようになったかと思いますので、その点はとてもよかったと思います。
ただ、明確であるがゆえなのですけれども、83歳までで終わるような印象がちょっとあるので「~」をつけるとか、この先も続くということ、一生涯もらえるということが年金の一番のポイントだと思うので、そこのところの表現を御検討いただけたらと思います。
2点目は、皆さんのおっしゃっている内容と同じような話になってくるのですけれども、やはり製作者側の言葉になっていて、ユーザー側の言葉になっていないとか、明確でないということはあると思うので、この辺りは今後もちょっと見直しが必要なのだろうと思います。
先ほどの年収の話も「年収」と書いてあるのですけれども、1号、2号、3号がいて、フリーランスとか自営業が初めに選ぶ項目としてあるということは所得ではないのかと感じる方もいると思います。
私にはその辺が実際にはどのような理解をするのが正解であるのかわかりませんでしたが、この点、改善の余地があると思います。
皆さんも例として山口先生の働き方を取り上げていますが、私も例として挙げさせていただきますと、一般的には大学の先生をされていて、その大学からの給与のほかに、例えば本の売上げの関係で雑所得があったりなどで、結局、確定申告していますという場合は、合計のほうになるのか等、今、働き方が多様化している中で、何の金額を入れるのかは教えてもらいたいというか、分かったらいいのではないかと思っています。
これは聞いていってしまうと、実際は複雑なことになってくるのかもしれないのですけれども、ちょっと伺ったところによると、結局、1年間に収入としてどれぐらいあったかということで平均的に出していくような形に変えたというお話があったので、それであれば、そういうことが分かるといいのかなと思いました。
あとは、職業の選択の部分です。
私たちも民間保険商品の検証をすることが多い関係で、皆さんが働き方というか、自分の職業を選ぶのがすごく難しいということを実感しています。
対面でない、書面だけの場合には、実際の利用者を観察してみると、自分の職業が何に該当するのかというのを選ぶのは、結構間違えがちでもありますし、自分がこの中にいないと思う方も結構いらっしゃるのです。
なので、ここの点は、分け方を含め、物すごくたくさんの職業を書くというケースもあるのですけれども、このアプリにはそれがあまり適合しないのかなと思うので、それであれば、いっそのこと1号、2号、3号にして、1号というのはどういう考え方で、2号というのは定期収入でこのように給与でもらっている人なのだとか、そういうのを説明するほうに行ったほうがいいのではないかとか、この辺りは実際の利用者の様子を見ながら検証をして、いい方法を見つけるとよろしいかと思います。
というのも、これは今後も年金の広報をやる上でずっと付き合っていかなければいけない問題なので、どのように国民に伝えるのが一番分かりやすいかということの検証に一度取り組んでおくと良いのではないかと思います。
あと、職業のところで船員や農家等をされている方は別の年金で、この年金試算WEBで試算できるのは国民年金と厚生年金だけと伺ったので、その点を早期に明確に伝わるようにすべきかと思います。
私たちが検証している中で一番よくないケースは、例えば自分が農家でこの年金試算WEBを使ってみたら、自分は該当しなかった。
国が用意したものを使う利用者として自分が想定から外れているという状況は、自分は国に認識されていないのではないかという印象を持ち、不安や怒りを感じる方もいますし、あまり印象もよくないということもあります。
自分はこの年金試算WEBの利用者に該当しないと分かるタイミングや伝え方について、検討の余地があると思います。
例えば、「国民年金分はこちらで試算の上、農家向けの年金はこちらのリンクから、別で試算してください」とか、「ここでわからない年金について知りたい方はこちらのほうに行ってください」とか、そういう案内が必要であると思います。
ただ、最後の3個目の意見なのですけれども、そういったことはいろいろとあるのですが、全体としてPDCAサイクルを回しながら改善していくという流れが今後できていくということで伺っていますので、そういった流れにしていけるようになったということが、この年金広報検討会の一つの大きな成功だと思います。
とてもよかったと思いますし、今後とも期待しています。
ありがとうございました。
○上田座長 ありがとうございます。
何かありますか。
○株式会社日立製作所 御意見ありがとうございました。
ユーザーに向けて、曖昧性とかそういったところを排除するように、いただいた内容の取り込みを検討させていただきます。
御意見ありがとうございました。
○上田座長 森下さん、どうぞ。
○森下構成員 かなりシンプルにもなりつつ、いろいろと細かい改善をいただいてありがとうございました。
私からは一つ、最初のところの表現で意見を述べさせていただきたいのですが、前回、大きなタイトルが「年金簡易試算Web(仮称)」となっていたところがシミュレーターとなったので、この辺が厚労省とお話し合いの上、これでほぼ決定という意味合いなのか、それとも、もう少し検討なされているフェーズなのかを一応確認したいと思ったのが一つと、今「ぱっと試算できる」ということについて御意見もありましたけれども、こういう新しい何かを使ってもらうことを提示するときは、多分、ユーザーにとってのベネフィットが的確に分かりやすく表現されていることが大事なので、試算できるということを伝えるという意味では、私は「ぱっと」がいいかなと。
いろいろと御意見があると思うのですが、よいのかなと思うのですけれども、その下の「働き方・暮らし方の変化に対応」というのが、ちょっと作り手側の目線のように見えるというか、対応しましたという更新情報みたいな感じで書かれているので、何か皆さんの働き方・暮らし方の変化に合わせて何々ができるというベネフィットに言い換えることがもう少しできるのかなと思ったりしましたというのが一つ。
もう一つが、ここまで完成形に近づいてくると、最初は多分、厚労省のフレームの中でサイトをつくるみたいな話があったような気がするのだけれども、厚労省の名称がちょっと見当たらないというか、もしかしたらこれにフレームにつくのかもしれないのですが、これがいかにオフィシャルなシミュレーターであるかというのが、どこかでもう少しプッシュされていても。
下にコピーライトがあるから大丈夫ですか。
そういうのが、今後、どのように変わっていくのかなというのが少々気になったりしました。
というのは、シミュレーターとかこういうものは、何か詐欺のおとりではないかと思う方もいるのかもしれないみたいなのが少しあるのかなと思いました。
もちろん、定期便から来たら、そんなことはないと思うのですけれども、何かその辺の担保を今後、どのように進められるかというのがあれば、お聞かせください。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
○株式会社日立製作所 御意見ありがとうございます。
まず、サイトの名称に関しては、まだ検討段階の部分もございますので、今後も詰めていければと思っております。
また、それ以外にも、ユーザー側の目線で見たときにどういう表現がいいかという辺りは「ぱっと」という部分はこれでいいのではないかと御意見いただき、ありがとうございます。
また、その下の文章に関しても、もう少しユーザー目線の表現を検討させていただきたいと思います。
最後に、厚生労働省の名称とかお墨つきみたいな部分です。
こちらに関しては、おっしゃっていただいたとおり、コピーライトの部分であったりとかというところで表現を検討しております。
なので、最終的にはそういった部分もつけて、厚生労働省が提供するシミュレーターだというところが分かるような表現にさせていただきます。
回答は以上になります。
○上田座長 ありがとうございました。
ほかの皆さんの御意見はいかがでしょう。
山口先生、どうぞ。
○山口構成員 ありがとうございます。
2回目ですみません。
一応、経済学者として誤解のないようにお話しさせていただきますと、日本全国の世帯年収の平均値が550万、中央値が450万ということを念頭に置いて発言したものですので、大体その辺りだと、私にとっては違和感がないというところでした。
これは厚労省の発表している統計データなので、釈迦に説法だとは思うのですけれども、一方で、先ほど殿村先生がおっしゃっていたように、例えば自分が300万の年収のときに、500と提示されていたら、どういう気分になるかというのは、非常に考えるべきことだと思いますので、もちろん下げておくということもあると思いますし、一方で、私のように統計を知っていると、何だろうな、これとも思うので、何か理由が背景に用意されていればいいのかなと感じた次第です。
また、先ほど横尾先生がおっしゃっていた総収入なのかみたいな話はすごく重要な観点だと思いますので、それが分かるような表現になっていると、なおよいのかなと感じました。
以上です。
○上田座長 ありがとうございます。
ほかの皆様、太田さん、富永さん、よろしいですか。
では、太田さん、どうぞ。
○太田構成員 表現に関しては、いろいろと御意見があると思うのですけれども、多分、そのシステム的なワイヤーフレームでいくと、もうスケジュールぎりぎりだと思うので、機能的には今まで指摘されたことを実装されていて、非常にいい形になったかなと思います。
いわゆるホームページだと、つくって、納品して、数年後にリニューアルという考え方だと思うのですけれども、こういう機能的なサイトだと、アジャイルではないですが、ずっとその意見を聞きながら改変、改良していくみたいな体制が必要になってくると思うのですけれども、これはどちらかというと契約の中身の問題だと思うのですが、これをつくってリリースして終わりではなくて、継続的にこの機能的な部分を改修できるように体制をつくっていくのが望ましいのではないかと思います。
なので、その辺はいわゆるホームページのつくり方とは違って、機能的なものというのはそういう体制が必要だと思うので、その辺も御検討いただけたらいいかと思いました。
以上です。
○上田座長 ありがとうございます。
これは御要望、御意見ということで承ればよろしいですか。
○太田構成員 はい。
○上田座長 ありがとうございます。
富永さん、いかがですか。
○富永構成員 ありがとうございます。
これは今言うには手後れ気味の話なので、次回以降でということだと思うのですけれども、サイトの語り手が誰なのかみたいなことがちょっと気になりました。
ほかの年金系のサイトだと坂本龍馬君というキャラクターがしゃべっていたりとか、いろいろな語り手を立てて、割とハートウォーミングな感じのトーンにしたりとか、パーソナリティが感じられるようなつくりになっていたりするのもある中で、非常にメカニカルになっていて、そこまで考慮してつくり込まれるとよりよいのかなというのが私の感覚です。
○上田座長 ありがとうございました。
ほかの皆様、よろしいですか。
どうぞ。
○原構成員 先ほどコピーライトの話があったのですけれども、これは多分、事務局の方だと思うのですが、コピーライトのところにするのか、厚労省のロゴマークを使えるのか、あるいは年金ポータルのキャラクターでしたか、ああいうのも入れられるのかという形で、一般のサイトにはいろいろなシミュレーションが、金融機関などからも出しているものがあります。
それは商品を販売するためとかもあるので、これは厚労省がやっていますということをきちんと出せるようにしたほうがよいかと思います。
今、ねんきん定期便を見たら「ねんきん太郎」というのがいますね。
なので、そこをきちんと厚労省がやっているものですというのは、コピーライトのところだけだとなかなか目立たないかなと思います。
あと、今、太田先生におっしゃっていただいたみたいに、少し温かみがある感じがあったほうがと思ったので、そこのところはまた一緒に御検討いただければと思います。
よろしくお願いします。
2度目で申し訳ございません。
○上田座長 ありがとうございます。
どうぞ。
○菊地係長 年金広報企画室の菊地でございます。
事務局からお答えします。
厚生労働省では、特設サイトを制作する際のガイドラインがございます。
厚生労働省が運営するホームページでは厚生労働省のロゴを掲載することとされています。
また、厚生労働省年金局が著作権を保有しているキャラクターについても本Webサイトで使用することが可能であり、他の特設サイトとどのようにリンクさせるかも含めて全体的に検討させていただきます。
○上田座長 それでは、皆様から一通り御意見をいただきました。
今御意見を出していただいた点は、表示として年収なのか、所得なのか、あるいはその数字をどうするのか、あるいは語り手は誰か、あるいは作り手側ではなくてユーザー側の言葉にすべきとか、職業の表示とか様々な点、主に表示について御意見をいただきましたので、今後、事務局と事業者で打合せをしてよくもんでいただければと思います。
あと、内容ではないのですが、私から1点だけコメントさせていただきたい点がございます。
今後、このシミュレーションを公開していくことになると思うのですけれども、恐らく、各金融機関、事業会社が顧客サービスの一環として、これをベースとしていろいろな顧客サービスを組み立てる上で大変注目されていらっしゃると思います。
これから先、このような取り組みをされる金融機関あるいは事業会社を対象としてどのような形でリリースされていくのか、あるいは内容についていろいろな要件を御説明されていくかという辺りについても、事務局と一緒にいろいろとよく御検討いただければと思います。
ありがとうございました。
それでは、ここで次の議題3「若年世代向け学習教材の開発について」に入りたいと思います。
それでは、資料3について、事務局から御説明をお願いいたします。
○田中課長補佐 御説明いたします。
これまでの学生との年金対話集会や、中学、高校での授業を踏まえて、学習教材の中身そのものの改善を重ねてまいりました。
このたび、デザイン性を高め、より視覚的に理解が進むよう、パワーポイントのデザイン制作を専門する事業者に委託し、分かりやすいビジュアルや図表を活用したパワーポイントの年金学習教材を作成いたしました。
現在投影しているのはPDFですけれども、実際のパワーポイントにはアニメーションや音もついており、賦課方式の説明やマクロ経済スライドが発動した場合の動きなどを分かりやすく表現することができました。
本日の資料として御用意したのは中級編ですが、初級編については、このスライドの冒頭に「社会保障とは?」「社会保険とは?」「公民の教科書には何と書いているでしょうか?」といった導入を加え、途中で2回程度動画を挟む工夫をした構成としたいと考えております。
使い勝手がよいパワーポイントの特性を生かし、対話集会の対象となる学生に柔軟に合わせ、オーダーメイド型で初級編、中級編のスライドを組み合わせていく予定です。
令和3年度の年金対話集会については、既に今年度前期に17校で実施しておりますが、後期においても、現時点で大学10校を予定しておりますので、早速、この新しい学習教材を後期から使用し、学生の反応やアンケート結果を基にパワーポイントの継続的な改善を行っていきたいと考えております。
次に、この中級編の資料を簡単に御説明させていただきます。
まず、表紙ですが「皆さんと一緒に年金制度について考えたい わたしの年金とみんなの年金」という明るい色合いの表紙から語りかける形で始めます。
公的年金制度の概要の導入として、第1部の前に、冒頭の4枚は、おなじみの3階建ての複雑な図を極力文字を減らしてシンプルなデザインにして、また、ライフコースごとの年金についても、人物のイラストを使い、視覚的に理解ができるようにし、いつもと違う切り口での投げかけをしていく旨をこのスライドを使いながら紹介していきます。
そして、第1部は、まず、「わたしの年金」という視点で、年金って必要なの?、自分で老後に備えて貯金すればいいではないかという話を「よくある疑問(その1)」として投げかけ、自分が何歳まで生きるか、老後にどれぐらいお金が必要か、今の1万円のものが将来幾らになるか予想できますかと質問し、年金が要るか、要らないかを一緒に考えてもらう。
実際のデータをグラフやイラストで示しながら、「自分が」何歳まで生きるか予想するのは難しいよね、老後の生活費をそれぞれが全部準備することは大変だよね、将来の物価や賃金の変化を正確に予想するのは難しいね、と対話を続けます。
また、年金には老齢期の老齢年金だけでなく、病気やけがで障害が残った場合に受け取る障害年金や、家計の支え手が亡くなった場合に受け取れる遺族年金もあるんだよ、と紹介し、公的年金は一生涯の「保険」、社会保険なんだ、という気づきの体験を一緒にしてもらう。
さらに「よくある疑問(その2)」で、私の年金って将来いくらもらえるの?という疑問に、保険料の支払額と受取額のモデルケースを示して、具体的な年金額のイメージを持ってもらいます。
第2部で、今度は「みんなの年金」の視点で考えてもらいますと打ち出し、「よくある疑問(その3)」年金は将来、先細っていくんじゃないの?に対し、年金制度は、その時代の現役世代の方々が支払う保険料をその時代に年金を受け取る方々に使う賦課方式というものであるのだよとアニメーションの力を借りつつ説明し、疑問への回答として、人口減少による保険料の減少分については、実は第1世代の年金受給の段階で、第2世代が納めた保険料を全額年金に充てているわけではなく、積立てもしているから、将来の現役世代の人口減少による保険料の減少分は、積立金の財源で賄う見込みなので、将来の受給世代の年金は確保されているんだよ、ということや、マクロ経済スライドという人口動態の変化に合わせて支払われる年金額が増え過ぎないよう自動調整する仕組みを設けているんだよ、など、将来の人口動態の変遷や経済社会の変化を見越した仕掛けがいろいろと年金制度にビルトインされているんだよ、ということをお話ししながら、みんなで理解を深めていきたいと思っています。
第3部については、第1部、第2部で理解したものについて、それぞれ、自分ごと、みんなのこととして考えてみよう、とした上で「みんなの年金」という視点で見たときに、公的年金は、人口動態や経済・労働市場の状況に大きく影響を受けるのだけど、例えば平均寿命とともに健康寿命も延びている中で、年金を「支える人」は「働いている人」を指していて、多様な働き方の推進や、女性が働きやすい環境づくり、高齢者が元気に働ける社会づくりなど手を打っていけば、実は昔も将来も、1人を支える人数はそれほど変化があるわけではない、ということを例示し、人口動態は予測できるのだから打つ手はあるんだ、将来の経済や労働市場は創れる、みんなで創ろうと呼びかけて、年金対話集会後半のディスカッションにつなげていくという流れになっています。
第1部から第3部を通じて、よくある疑問に答え、一つ一つ誤解を解消しながら、「わたしの年金」と「みんなの年金」という2つの視点から見た年金制度の世界観の違いを体感してもらい、年金の未来を共に創っていくために、語り合おう、という年金対話集会の意義を、資料のデザインの力を借りて、さらに高めていきたいと思います。
私からは以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
年金広報企画室の皆さんが多くの大学、高校、中学を御訪問されて、いろいろな対話集会や模擬授業を繰り返した上で、そういう現場で感じられたことを反映した資料がだんだん出来上がってきているのかなと感じております。
それでは、皆様から御意見、御質問を頂戴いたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
殿村さん、どうぞ。
○殿村構成員 ありがとうございます。
まず、山口先生におわび申し上げます。
私は、山口先生のご意見を否定しているわけではないので、お許しください。
私は個人年収のお話をしておりますので、世帯年収とちょっと違うかもしれませんので、その辺は御理解いただければと思います。
今のお話なのですけれども、この教材はすごくよくできていて、今の年金を理解するには、物すごくすばらしい、これ以上ない教材だと思うのですけれども、理解しようとする気持ちの整備が必要と思います。
例えば先日の総裁選で年金が課題に上がって、制度を変えると大臣の皆様がおっしゃったりすることで、国民としては、ああ、やはり変わってしまうのか、今の年金を学んでも仕方がないのではないか、という気持ちになってしまうと思います。
実際に私が非常勤講師として教えている大学の生徒たちも同じことをよく言うのです。
今年金を学んでも、すぐに変わってしまうものだから、別に学ぶ必要はないのではない、いう意見がとても多いのです。
なので、もちろん、福祉として年金を学ぶのは必要なのですけれども、入り口のところで政治経済という視点で学ぶという切り口を加えると、これが急に学ぶ意味が見えてくるのです。
年金から政治経済を学ぶとスイッチが替わるのです。
実際、私の周りの学生は目も変わってきました。
今の政治経済が分からないから、年金から理解をしようという意識に変われば興味が湧いてくるのです。
なので、時代ごとに年金は変わると政治家がおっしゃっているぐらいですから、一応将来、年金制度が変わることをスタンダードと考えて、今の年金を政治経済の視点からも検証してみようという形で学校で教えられるということを考慮されてみれば、説得力が増すのではないかと思います。
御検討いただければと思います。
○上田座長 ありがとうございます。
事務局は何かありますか。
いいですか。
○田中課長補佐 大丈夫です。
○上田座長 ほかに御意見はいかがでしょう。
太田さん、どうぞ。
○太田構成員 質問なのですけれども、これを説明するに当たって、セッションの時間はどのぐらいを標準で考えていらっしゃるのかというのが一つの質問で、コンテンツでいくと、多分、全部説明しようと思うと2時間で収まらないぐらいのボリュームだと思うのですが、ディスカッションの時間とかも踏まえて、もし例えば1時間ぐらいのセッションであるとしたら、多分、説明の時間は30分以内に抑えないといけないと思うのです。
そうすると、コンテンツのボリュームをかなり絞って、必要なものはアペンディックスに回すという工夫が必要になると思うのですけれども、基本的に全体としてのセッションの時間はどのぐらいで考えていらっしゃるのか、お聞かせいただけたらありがたいです。
○田中課長補佐 ありがとうございます。
前半の講義部分については30分で、ディスカッションの座談会形式のものが60分の計90分の、大学の1コマの講義の授業の時間をそのような形で使いたいと思っております。
○太田構成員 ありがとうございます。
当然、資料はフルパッケージだと思うので、取捨選択してということだと思うのですけれども、構成はある程度工夫される必要はあるかもしれませんね。
分かりました。
ありがとうございます。
○田中課長補佐 ありがとうございます。
工夫していきたいと思います。
○上田座長 年金対話集会は、大体同じような時間配分で、前半は古川さんに御説明いただいて、後半は車座になって、学生と意見交換して盛り上がるというケースが多かったですね。
あと、山口先生、手を挙げていらっしゃいましたが、どうぞ。
○山口構成員 ありがとうございます。
御説明いただきまして、ありがとうございました。
事前にかなりコメントをさしあげてしまっていたところなのですけれども、既に多くの対応をしていただいたところでして、大変ありがとうございました。
その上で、そのときもしていたコメントなのですけれども、2点ほどコメントを申し上げますと、まず、最初の部分で問いを出しているというのは大変いいところだと思うのですが、少し行くと、資料で申しますとスライド5~7の辺りは、大変重要であることは私は重々理解しているのですけれども、私が学生だったら、これが3連続で出てきたら相当スイッチがオフになるかなと思うところはあるのです。
それは私が不真面目だったからかもしれないのですけれども、何かもうちょっとつかめるといいかなと思う次第でして、例えばQuizKnockの動画は非常に面白いわけですが、結構つかみの部分で工夫されていると思うのです。
何か最初につかむというところにもうちょっと力を入れてからこういう難しい話に移れると、なお皆さんの関心を引けるかなと感じました。
先ほどおっしゃっていた動画を2本ほど使ってみたいなところが最初に来るということであれば、もしかしたらそれでもいいのかもしれないと考えている次第です。
もう一点が、フォントサイズです。
こちらは既に改善していただいたところなのですけれども、やはりまだかなり小さいものが多いということになっております。
配付資料であれば、このフォントサイズでもいいと思うのですけれども、投影資料は、大体18~20ぐらいは最低でもあったほうがいいと思いますので、正直かなり小さいかなという印象を受けております。
直していただいた上で、フォントサイズが小さいままである部分は、恐らく情報量的にこれ以上は無理だということだと私は理解しているのですけれども、それであると、やはり重要度の最も高いグラフとか図のみにフォーカスして、あとは口頭説明に落とすというのが投影資料の在り方としてはいいのかなと。
配付資料はこのままでもいいのですけれども、投影資料はもっと情報をそぎ落としたほうがいいのではないかと考えております。
例を挙げますと、スライドでいいますと、例えばスライド11を見ると、65歳の女性が何歳まで生きるとか、男性が何歳まで生きるという面白いデータが入っているのですけれども、これは絶対に情報量が多いのです。
例えば女性で90歳まで生きる人は60%もいるというのはかなり面白い話ですね。
男性が35%。
まず、上の段はこの2つだけでいいですね。
その推移を描くときも、どこの数字にフォーカスするかという数字をチョイスして、そこだけを大きくすればいい話だと思います。
下のグラフの話をしています。
究極的には、そのグラフもそんなに要るのかどうかは分からないですけれども、そのような工夫をして、投影資料により引き込みやすいようにするということが非常に重要なのかなと考えております。
せっかくすてきなデザイナーを入れているところですので、ぜひそういう工夫をしていただけると幸いです。
ちなみに、欧米のリテラシー教育資料は、写真だけとか、グラフぼん、写真ぼんみたいなものが結構続くというのがかなり多いので、もちろん、そこまでそぎ落としたら逆に入ってこないかもしれないのですけれども、ある程度は参考になるかと思いますので、できるだけ情報を落としてフォントを大きくするという工夫をしていただけると幸いです。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
特によろしいですか。
それでは、御意見としてお伺いしておきたいと思います。
ほかの皆様、いかがでしょうか。
森下さん、どうぞ。
○森下構成員 私も内容というよりは、プレゼンテーションの仕方のところでちょっと気になったところをお伝えさせていただきます。
山口先生のお話と同様で、やはり情報量が多いのかなと。
それでも多分、既存のものよりはずっとすっきりされたのだと思うのですけれども、配付資料とかがあるのだったら、配付資料と投映資料で情報量をすみ分けるというのは、やられてもいいのかなと思いました。
お役に立つか分からないけれども、実は当社とかでもパワーポイント基礎講座みたいなものをオンデマンドとかでやっていますので、もし御興味があったら使っていただいたらと思うのですがというのが一つ。
あと、これは本当に普通の素人というか、普通の学生が見て、そんなに気になるものではないと思うのですけれども、使われているイラストのパターンが複数あるのがどうもちょっと私は気になるというか、アニメチックなのが出てきたり、かわいいのが出てきたり、2種類ぐらいならまだ許せるのですが、3種類か、4種類ぐらいあるのです。
何か隙間があると埋めたくなるというのは、結構日本人的発想かなというのがあるのですけれども、そこを統一するだけでもすごくブランドイメージとして、この講義はこういうものだというのがすごく伝わると思うので、もしデザイナーを入れていらっしゃるのであれば、何か一つのトーンに統一したほうがいいのかなと。
ただ、それも例えば初級編、中級編と書かれていたので、その級によって変える分にはいいと思うのですけれども、その1時間の中では一つの世界観の中で話すというのは、もう少し考えられてもいいのかなと一つ思いました。
あと、実際の授業を見たことがないのと、もしかしたら皆さんのほうがお詳しいのかもしれないのですけれども、こういうときに、特に小さいお子さんとかだと、投映資料以外のプレゼンテーションや話し方とか小道具みたいなのがあると、すごく目を引くというか、眠くなっていませんかみたいなスライドもすごくいいと思うのです。
これも御存じでしたら申し訳ないのですけれども、ある行政機関では鉄板のシナリオがあって、それを持っていろいろな学校に講義に行くらしいのですが、小道具として札束のダミーみたいなものを持っていくと、それだけでキャッチーになるみたいな話があって、例えば中に出てくるもので、何かそのように立体物にできるものや、ちょっとした演出になるようなものとか、そのようなものを見せられるというのも一つ講義なんかでは使えるテクニックなのかなと思うのです。
そんなことは知っていますみたいな感じだったら申し訳ないのですけれども、そんなアイデアももうちょっと取り入れたりしても面白いのかなと思いました。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
よろしいですか。
ほかの皆様、いかがでしょうか。
原さん、どうぞ。
○原構成員 資料のほうは本当にきれいに、情報量もきちんと入れていただいてありがとうございました。
皆さんにいただいたところで、私も特に8ページとかのイラストに統一感がないかなと思ったので、8ページで急に割と大人っぽい女性が出てきたり、かわいい人が出てきたりするので、それは対象者によってだと思うのですけれども、資料は、一つの講義の中でいうとツールの1つなのです。
30分、60分というお話がありましたが、全体の90分の中で、対象者に合わせてどういうカリキュラム、どのように演出していくかというものは、難しいのですけれども、小学生は分かりませんが、中学生にはある程度こうという形で動画を使ったり、もちろん、パワーポイントにアニメーションはあると思うのですが、配付用、投映用というのはそうなのですけれども、そういった意味で90分をどう使うかというのは柔軟にするのと、何パターンか先にカリキュラムというか、全体像を準備しておく必要があると思います。
講義する人は、演者で、シナリオがあって、プロデュースしてという形でということも企業研修をするときとかはよくあるのですが、そういった意味で皆さんに注目してもらえるよう、特に若い学生さん向けなので、飽きないように、それこそクイズを入れたりとか、動画を入れたりというのを何パターンか示していただければと思います。
シラバスではないですけれども、カリキュラムは、大学生向けであればこのままいけると思うのですけれども、若くなっていくというときに、グループワークが60分でいいのかというのもあるので、先生も入ったりとかすればいいですし、そういうのも柔軟に考えてみていただければと思います。
多分、取捨選択してやっていくので、多めにつくってあると思いますので、この教材を活かして、全体のカリキュラムというか、いろいろな講義の演出を考えていただければ、より伝わりやすくなると思いますので、このまま進めていただければと思います。
ありがとうございます。
○上田座長 では、御意見として承るということでよろしいですか。
あと、横尾さん、手を挙げていらっしゃいました。
どうぞ。
○横尾構成員 ありがとうございます。
利用者となる生徒の皆様や先生、講師の方々などの反応や、その時の経済状況とかいろいろなものもあると思いますので、このスライドといいますか、「教材開発自体を、これからPDCAサイクルを回しながら、現場の反応を見て変えて、成長させていけるという内容であるということ」が素晴らしいと思います。
ここまで年金広報検討会で様々な教材開発やツール開発がなされてきましたが、そのような変化に柔軟に対応できるスタイルでの運用もセットにできた点が、一つの大きな進歩だと思います。
とても良かったのではないかと思っています。
今申し上げたことが主な意見なのですけれども、その上で、私から2点意見を述べさせていただきます。
主に、PDCAで回したときに、意見として出てきにくい改善の部分を述べさせていただきます。
まず、漢字のレベルは、必ずその学校の程度に合わせるべきだと思います。
もちろん、中学生だったら、全員同じ学力では全くないのです。
でも、これは全国みんな強制加入のものですから、全員が取りこぼしがないようにできるように、その学校の先生とも相談しながら、ある程度どれぐらい平易な言葉にしていくのかというのも研究していかれるといいのかなとは思います。
漢字が読めないということは恥だと思っているので、わざわざ「この漢字が読めません」という指摘が来ることは、ほとんどないので、提供者側で配慮が必要だと思います。
次に、不信感になりやすいところで、優良誤認させようとしているのではないかと思われるような表現をなるべく避けるというか、そうならないように考えられているとはすごく思うのですけれども、時々「約」という言葉がなくなっていたり、そういう学生というか、小学生、中学生、高校生で分かるような言葉が省かれているのはなるべくなくしたほうがいいかなと思います。
現在65歳の人の今後の平均余命ですね。
この授業を受ける生徒の方々が65歳になった後の話ではないですね。
そういう細かい部分の積み重ねも信頼関係を構築する上では、無意識の部分で印象が違ってくる部分もあります。
細かい部分ではありますが、利用者からの声としては上がらない部分ですので、意見として述べさせていただきます。
あと、ちょっと気になったのは、オーダーメード型と書いてあったのですけれども、本当にオーダーメード型なのか。
カスタマイズ型の間違いかなと思ったのですけれども、その学校ごとにカスタマイズするという意味だったら、表現はそのほうがいいかなと思いました。
オーダーメードというのは、学校からオーダーが来て、そのオーダーどおりにつくるということですが、カスタイマイズということでよろしかったでしょうか?
○田中課長補佐 はい。
おっしゃるとおり、カスタマイズしていきたいと思います。
御指摘ありがとうございます。
○横尾構成員 そうですね。
多分、学校ではなく、話者になる方であるとか、そういうことにもカスタマイズしていくということだということですね。
言葉を分けて、これは1人の方が教えるのではなくて、言葉を分けて、このスライドを使って講義をされる方を講師、受入れの学校の方を先生というふうに呼ばせていただきますが、講師の方向けの本教材の使い方ガイド、例えば、自分のこういう写真をここに入れてくださいとか、そういうガイドは必要になるのではないかと思います。
先ほどのパワーポイントのつくり方の話もありましたけれども、そこのところで最低限絶対に言ってほしいところは、きちんとノートのところに入れておくとか、もちろんそういったこともあるでしょうし、その辺の充実は、取り組む価値があると思います。
また、講師の方にとってもちゃんと魅力的に映るようにというか、モチベーションがちゃんと上がるような仕組みをつくっていただくと、よりよろしいのではないかと思います。
学校の先生向けの教材も可能であれば検討してみても良いと思います。
私たちもいろいろな学校の修学旅行生を受け入れたり、講演に呼ばれたり、色々なことをしていますが、多分、厚生労働省の講師の方が来て、講義をやりましたとなったら、これは学年が下がれば下がるほどなのですが、次の授業でそれを受けて、何か授業がなされるケースは結構多いと思うのです。
なので、例えば、そのときに使うようないい教材が何かあるのであれば、それも一緒に提供して、強制的ではなく希望があればという形で、そういうキットを提供する。
私たちが今よく教えるような内容だと、これは実は公民の教科書のここに書いてあるのと連携しているとか、何かそういうのも書いてあるような、学習指導要綱に沿ったような、ちょっとしたテストというか、クイズとかそういうのが用意されるケースというのは割とあって、そのときにグッズ、いろいろなものがセットになったようなボックスが用意されているケースが、私たちのやっている分野においては結構あるのです。
なので、そういうのも御検討いただくとよろしいかなと。
また、講師に合わせた自己紹介などのスライドのカスタマイズ化についてですが、私は年金教育を海外の高校で受けたのですけれども、そのときに、山口先生が言っていたような写真が実際に使われるのですが、その写真は、その話をする方が、自分は、例えば教職員であれば、大体は2号ということですね。
でも、自分のお父さんの妹は1号でとか、そういう自分の知っている人が何歳で、今、年金をもらっているのか、何年後に幾らもらう予定なのかと事例が出てきたり、あとは自分が将来何の職業に就くか、ちょっと検討してみてもらって、別に決まっていない人は適当に決めてもらって、それだったら何号になるかとか、では、幾らもらえそうというのを、実際のその地域の求人雑誌、日本ならハローワークでもいいかもしれませんが、そこから自分の職業を決めて、計算したりというプログラムが結構なされているのです。
生徒たちにはとても好評でした。
なので、その時の求人情報も一つの教材になりますので、何かそういう具体的な小道具は、いろいろなケースを考えていただいて、幅広くご検討いただくと面白いのではないかと思いました。
すごくいいと思いますので、とても応援しています。
ありがとうございました。
○田中課長補佐 ありがとうございました。
○上田座長 ありがとうございます。
ほかはよろしいでしょうか。
○野口オブザーバー 簡単に一言コメントさせていただきたいと思うのですが、年金の対話集会ということを前提にされて、非常にすばらしい教材をつくっていただいているかと思います。
自分は、大学で教えることが個人的にございまして、ぜひこの教材を使ってコミュニケーションをしていきたいと思うわけなのですが、一方で、私は、年金機構として、実務として年金セミナー等を実施しているところがございますので、せっかくつくっていただいた教材をどう利用していくのかというところで考えていかざるを得ないと思っております。
私どもは制度の趣旨を御理解いただいた上で、さらにどう制度に御参加いただくのかというところに結構重点がございまして、例えば学生の方についても、学生納付特例があります、それで参加いただくと猶予されて、未納になりません、もしそれをほっておくと、例えば障害年金は出ませんと。
脅しではないですけれども、そういう参加をすることの意味と、参加をする際の手続は、御自分でアクションを起こしていただかなければいけませんとか、そういうことを結構強調したようなことを実務としては申し上げるということになって、そのことが結果的に未納の縮小につながり得るというところで、各拠点で頑張っているというのが現状でございますので、この非常にすばらしいことを私どもの限られた実務の場においてどう活用していくのか、今のようなところをどう盛り込んでいただけるのか。
あるいはこれはこれとして、それを前提として私どもも考えなければいけないと思うのですが、その辺の今後のこの教材ができた暁の使い道といいましょうか、対話集会やゼミの教材とかは非常によろしいと思うのですけれども、私ども実務としてこの使い方を考えた場合に、ぜひ御指導もいただければと思っております。
○上田座長 御意見ありがとうございました。
それでは、時間が大分押してまいりましたので、次の議題に移っていきたいと思います。
皆様からたくさんの御意見を出していただきましたので、また事務局で御意見をもんでいただければと思います。
私も、年金対話集会を3回やっていただいて、徐々に資料がブラッシュアップしてきて、どんどんいいものになってきているという実感を持っておりますので、ぜひ引き続き頑張っていただきたいと思います。
それでは、議題4「『いっしょに検証!公的年金』のリニューアルについて」に入りたいと思います。
資料4-1及び資料4-2につきまして、事務局及び委託事業者の皆様から御説明をお願いいたします。
○免田数理課長補佐 年金局数理課でございます。
「いっしょに検証!公的年金」のリニューアルについて御議論いただければと思います。
御議論いただきたい点といたしましては、大きく2点ございます。
1点目でございますけれども「いっしょに検証!公的年金」につきましては、インターネット上で公表しているものでございますけれども、その中のコンテンツの一つとして、漫画がございます。
この漫画につきましては、公的年金制度や財政検証についての説明をさせていただいておる漫画でございますけれども、こちらについて、今、リニューアルを考えてございます。
前の広報検討会におきましても、委員の皆様におかれましては、大変貴重な御意見をいただいたところではございますけれども、この年金の漫画のネームと申しまして、下書きみたいなラフ絵のものを、実際にインターネットを用いてモニター調査を行わせていただきましたので、今回、その調査結果につきまして御説明させていただき、その結果を踏まえていろいろと御感想を賜れればと思います。
また、これに関連いたしまして、机上配付資料といたしまして、今の漫画のラフ絵、ネームと呼ばれているものと、実際にモニター調査を行った際の調査票、また、その調査票におきましては、フリーコメント、自由回答を記載していただけるところもございましたので、そちらの一覧につきましても、こちらは委員の皆様限りで恐縮なのですけれども、机上配付として配らせていただいておりますので、併せて御確認いただければと思います。
漫画につきましてが1点目でございまして、もう一点目につきましては、先ほど申しました「いっしょに検証!公的年金」につきまして、漫画のリニューアルと併せてホームページのデザインそのものもリニューアルを考えてございます。
こちらも使い勝手のいいUI、UXにしていきたいと考えてございまして、そのリニューアル案につきまして御説明さしあげたいと思いますので、こちらにつきましても御意見を賜れればと思いますので、よろしくお願いいたします。
そしたら、内容につきまして、実際に御担当されている日本廣告社から説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○株式会社日本廣告社 それでは、まず、モニター調査について御説明させていただきます。
まず、調査概要なのですが、対象者が16~75歳の1,200名を対象といたしました。
まず、この1,200名の方々全員に12話を全部読んでいただいて、次に、3グループに分けまして、1グループ当たり400名の方々に各4話ずつ御覧いただいて、アンケートを1話につき2問お答えいただくという形になっております。
そして、最後にまとめて6問ほど漫画全体についての評価を伺っております。
回答者の属性でございます。
年代分布、性別の分布と職業とのクロスでございます。
やはり会社員の方が中心にはなっているのですけれども、高年代層になると、定年退職されている赤い帯になるのですが、そこが多くなってくるという形になっております。
最初に、全体のまとめということで、漫画全体について、どのように評価されたかということになるのですが、最初に、今回の回答者全体で見ますと、年金について、おおよそ内容まで御存じの方を含めて大体7割ぐらいの方が年金の制度を御存じであると回答されております。
約3割の方が、今回の漫画で初めて知ったというお答えをいただきました。
こういった方々に対して、漫画全体の評価としましては、大体過半数ぐらい、55%の方から「わかりやすい」「どちらかといえばわかりやすい」というお答えをいただきました。
この作品自体が、厚労省が発表する作品としてふさわしいかどうかということに関しましても、約6割の方から「ふさわしい」「どちらといえばふさわしい」という回答をいただいておりますので、現状の下書きの段階ではあるのですけれども、約過半数の方から評価いただけるような作品となっている形になっております。
逆に「ふさわしくない」とお答えいただいた方がなぜふさわしくないのかという理由を自由回答で聞いて、それを分類したものが右下のグラフになります。
一番大きな意見が、内容の情報量が多くてごちゃごちゃしているということが最も大きく挙げられております。
続いて、キャラクターが少し軽過ぎるのではないかという意見、もう一つは、表現がメリット側にちょっと寄り過ぎているのではないかということが挙げられております。
それを示しまして、左側のほうにもなるのですが、全体の漫画の評価ということで、一番多く選択肢の中で選ばれたものが「ゴチャゴチャしている」「情報量が多い」というところが非常に回答を集めたという形になっております。
ですので、全体の改善点としましては、文字量を減らして、もう少し余白をつくるということと、専門用語の部分でやはり分かりにくいというお言葉が出てきておりますので、そこら辺をもう少し分かりやすく伝えていく必要があるかと考えております。
以降、各話について、どんなことが伝わったか、そして、改善すべき点はどんなところがあるかということを、左側の4つのグラフが、選択肢の中から選んだトップ3をそれぞれ選んでいただいております。
各話ごとになっております。
右側の帯グラフが、自由回答を分類したものになっておりまして、各話ごとにどれぐらい指摘をいただいたかというものと、その指摘の内容がどんな内容であったかというのが右の下のグラフになっております。
各話とも、テーマについては、大筋は伝わってはいるのですが、やはり指摘も受けております。
その指摘に関しても、全体を通してごちゃごちゃしているという意見が多くはなっているのですが、個々の話数につきましても幾つか細かい点の指摘をいただいております。
例えばですが、1話ですと、8000万円という表示もあるのですが、そういったところの何で8000万円なのだということが1話で出てきていたりといったところを指摘いただいたりしております。
次のページに参りまして、5~8話でどんなことが伝わったかというのが、同じように左の4つのグラフになります。
上位3つ、そして、一番下は「特に伝わったことがない」と最後に選択肢として設けたものなのですが、それとの比較のために一番下につけてございます。
右側に関しましても、自由回答で不適切な点、炎上しそうな点を書いていただきまして、それを分類したものです。
これも大体同じように2割ぐらいの方から何かしらの回答をいただいておりまして、下に内訳を分類した帯グラフをつけております。
これもやはり全体を通してごちゃごちゃということが書かれてはいるのですが、指摘される点としましても、各話ごとに幾つか指摘が上がってきている状況でございますので、指摘いただいた点に関しましては改善を考えたいと思っております。
3ページ目が、9~12話に関して伝わったことで、ここで9話から後ろに関して、少し課題があるかと感じております。
と申しますのも、9話、10話の辺りの左の上のグラフを見ていただくと、9話はオレンジ色の色をちょっと変えさせていただいているのですが「特に伝わったことはない」がトップ3の選択肢よりも上に上がってきてしまっているということがありましたり、10話に関しましても、ブルーの帯グラフは誤回答の選択肢なのですが、それが上位に上がってきてしまったりしているということで、少し専門的な話数になりますと、伝わり度合いが弱かったり、誤った回答をされたり、自由回答の具体的な指摘の中にも、専門用語が分かりにくいとか、財政検証というのは一体何のことだかよく分からなかったという御意見をいただいておりますので、こういった専門的な言葉が出てくる話数に関しては特に注意して、改善する必要があるかと考えております。
それを裏づけるように、右側の帯グラフの自由回答につきましても、先ほどの頭の1話とかに比べますと、自由回答で指摘される意見が、若干ではありますが増えてきているという形になっておりまして、具体的な指摘もいただいている状況でございます。
ですので、全体の情報量をもう少し抑えることを考えつつ、文字数をもう少し削減することを考えつつ、内容についてもより分かりやすく伝えていくという改善が必要かと考えております。
以上、御説明となります。
○上田座長 ありがとうございました。
自由回答といいますか、アンケートの対象の皆様から、かなり広範囲にわたって多くの厳しい御意見がたくさん御指摘として出てきておりましたので、かなりの部分については、既にこの自由意見でカバーされているのではないかと思いました。
これから皆様から御意見を頂戴しようと思いますが、司会の運びが悪くて、時間があと30分ぐらいになってまいりましたので、恐縮ですが、皆様からの御発言は要点を絞ってお願いできればと思います。
多くの御指摘があろうかと思いますので、皆様から御発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
山口先生、どうぞ。
○山口構成員 ありがとうございます。
御説明いただきまして、ありがとうございました。
私からお話しさせていただきますと、まず、いただいた様々な御意見について、対応しなくてよいものと必要なものがあると思うのです。
まず、しなくてよいものとしては、例えば国が信用できないとかうそっぽいといったものは恐らく無視してもオーケーでしょう。
要するに、どんな表現をしても無理。
あるいは事実に対する反応で、例えば長く働かなければならないのかという意見が結構出ているのですけれども、表現の改善の余地はあるかもしれないのですが、基本的にはそこを前提としたような話がかなり展開されますし、寿命の話も事実ですので、その辺も対応しなくてよいと考えております。
一方で、対応が必要な点として、表現の難しさが一つあると思うのです。
まず、目につくのが、ごちゃごちゃという御意見で、これは私も確かにそうだなと思うところでして、特に今の漫画は、昔に比べて1ページ当たりのこま数、文字数が少ない傾向にあるのです。
『ジャンプ』では大体1ページ6こまぐらいなのですけれども、そう言われている中で、今回はかなり多い。
今回のレベルで人気のある漫画は、私は『コナン』ぐらいしか知らないので、やはりそこはもうちょっと工夫の余地はあったかなと考える次第でして、今さらちょっと難しいと思うのですけれども、はっきり言うとページ数を増やしてこま数を減らすとか、情報をそぎ落とすとかポイントを絞るということはあり得たかなと考えております。
今のはちょっと難しいだろうという話でして、ここからはできれば変えたほうがいいのではないかというところで、まず、財政検証、所得代替率という言葉に対して、かなり分かりにくいという意見が来ていますので、そこはより分かりやすく平易に説明するというところが一つ重要かなと思います。
最悪、落とすという手もあると私は思うのですけれども、それは趣旨と反してしまうと思いますので、できるだけかみ砕いて説明するというのが大事かなと思います。
また、年金のおかげみたいな表現に反応している方が結構いますので、そこももうちょっとフラットな表現にしてもいいかなと思います。
また、8000万円については、たしかこの会議でも意見が出ていた気もするのですけれども、削除してもよいかなと正直思いました。
残りの点は、炎上という観点なのですけれども、1点目が、マイナス面が書いていないという批判があったと思います。
これは恐らく炎上ポイントになり得ます。
ただ、結構どうしようもないと思いますので、誘導的とか、マイナス面を書いていないという発言、批判が出るということは、ある程度予想した上で展開するのが重要なのかなと思います。
もう一つの点は、ヒロインがずぼら過ぎる、女性を軽視しているなどの批判がありました。
こちらは改善できるかもしれないと思っております。
やはり若い、無知な女性に教えるというテイストがどうしても生まれてしまうのです。
この表現は、極めてリスクのある表現でして、もちろん、反応しない方もいっぱいいらっしゃるのですけれども、かなり強く反応する方々もいらっしゃいます。
特に、今回、400サンプルとかあったと思うのですけれども、もしかしたらそこで出てきていないような方にもそういう方が一定数いると私は予想しております。
これの改善方法なのですけれども、例えば男主人公にすればいいという話ではなくて、同じように悩んでいるとか、年金のことが気になっている男性の友人や同僚が出てくるとか、友人として出てくる人がわざわざ女性になっているのですが、そういう性別多様性を持たせるとか、あるいは家族描写で弟を出すとか、それでもっと絡ませるとか、そういう工夫はあるかなと。
私は、漫画としてこれはかなり面白いと思っているし、非常にいいものだと思っているのですけれども、やはり同世代のよく分かっていない男性が異常に出てきていないと思うのも事実ですので、そこの工夫は何かあってもよいかなと感じました。
以上です。
○上田座長 どうぞ。
○免田数理課長補佐 どうもありがとうございました。
まず、いろいろと調査で出てきた結果といいますか、反応は、我々といたしましてはぜひとも大事にしたいと考えております。
ただ、一方で、山口先生がおっしゃるように、必ずしも全て対応するものでもないのかなとも思ってはおります。
ただ、どういったものを対応させていただいて、どういったものはそれほど気にしなくてもいいのかなという取捨選択は、これから悩ませていただきたいと思います。
また、女性が多く出過ぎていて、男性があまり出ていないとか、主人公の女性がちょっとずぼら過ぎるのではないかといった御意見があるという点は、実は、これからまた別にデプス調査と申しまして、数名ではございますけれども、このモニター調査を行った際に、少し否定的な御意見をいただいた方を中心に、実際にインタビュー調査も併せてやらせていただきましたが、そちらにつきましては、まだ調査結果がまとまっていないので、今回は御紹介できなかったのですけれども、そちらでもヒロインの女性がずぼら過ぎて違和感があるみたいな御意見もいただいたところでございますので、どういった修正をするかというのはなかなか難しいのですが、悩みながら少しでもいいものをつくっていきたいと考えております。
どうもありがとうございます。
○上田座長 ほかの皆様、いかがでしょうか。
財政検証とかマクロ経済スライドは、年金の授業でも学生に教えるのはなかなか難しいのです。
でも、これを落としてしまうと、肝が抜けてしまうので落とせないというジレンマがあって、なかなか難しいですね。
あと、ほかの皆様の御意見は。
横尾さん、どうぞ。
○横尾構成員 ありがとうございます。
私からは、これは漫画直接ではないのですが、モニターの実際の声のコメントを全て読ませていただいたのですけれども、今後、このような意見は、いろいろなところで共有して、改善していくというのがすごく大事なことかなと思います。
2割書いていただいているというのはすごくいいことで、提供者としてはすごく批判されているという気持ちになってしまうところがあるかもしれないのですけれども、期待していなかったら書いてもくれないのです。
取り方もいろいろとあるのであれなのですが、平均的には5%という数字もあるぐらいなので、言っていただいている、そこに対応していくというのはすごく重要だと思います。
先ほどあったように、対応できるもの、できないものはもちろんあるのですけれども、優先順位をつけて、共有していくと良いのではないかと思います。
参考までに、私たちがやるときは、今回は絶対に対応しようねというものと、できればやろうねというところと、何年かかるか分からないけれども、今後の展望としてやっていけるように、将来的にそういう方向に頑張っていこうねというものと分けて対応方法を考えていく方法をとっています。
あと、キャラクターに関しては、少し古いと言いますか、女性軽視というか、女性は大体あまり考えていないと取られかねないキャラクター設定が良くないということももちろんあるのですけれども、厚労省が出している主人公が「何も考えないで無駄遣いする」というキャラクターは、私は変えたほうが良いのではないかと思います。
年金に関わる方々の感性として、ゆいちゃんみたいに、何も考えないで無駄遣いする感性に違和感がないように感じられて、どちらかというと年金に対する信頼感を得る方向のキャラクターではないのかなという感じはします。
もう一つ私が気になったのは、本気の人がいなさ過ぎる。
共感があったり、応援したりする気持ちを持ちにくいのかなと。
今の人たちの心を掴んでいる漫画や物語は、もちろん『鬼滅の刃』でも何でも、本気で頑張っている。
もともと能力が低い、知識がないかもしれないけれども、本気で年金のことを知ろうとしているとか、逆に猫の方が本気でゆいちゃんの無理解に危機感を持って、猫に年金を教えようという本気があるなどでしたら、まだ良いかもしれないですが、誰も本気ではないというのが、ちょっと読み進めにくいという印象があります。
誰か一人でも本気の人がいるといいなと個人的には思いました。
以上です。
○免田数理課長補佐 どうもありがとうございました。
特にキャラ設定といいますか、出てくるキャラクターの設定についての御意見だったと思うのですけれども、先ほどの山口先生と同様のコメントになってしまって恐縮なのですが、いただいた御意見を踏まえて、本当にどうやっていくのかというのを今本当に悩んでいる最中でございます。
また、そういった結果をどういった形で表現できるか、何とも申し上げにくいのですけれども、何らか生かしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○上田座長 ありがとうございました。
では、殿村さん、どうぞ。
○殿村構成員 今までの議論を聞いて、提案ですけれども、コミュニケーションで言う「つかみ」がこの漫画にはないと思うのです。
タイトルの下に、すぐにストーリーが配置されているので、もしできるのなら、タイトルとともに1ページでぱっと見て分かるようなイメージビジュアルを1枚置いて、このストーリーはどういうものかをビジュアルで印象づけた上で、ストーリーに入るという構成だと説得力が増すと思います。
ページ数は増えるかもしれませんが、このような構成の漫画は、最近では非常にたくさんあるため、最初にイメージビジュアルがないと分からないぐらいだと私は思っています。
ですから、もしこれからでも改善できるのなら、最初のタイトルのところに1枚イメージビジュアルを入れて、それからストーリーという形に変えてみたら改善できると思いますので、参考にしていただければと思います。
以上です。
○免田数理課長補佐 大変貴重な御意見をありがとうございます。
どういったことができるかも含めて、ぜひ検討させていただきたいと思います。
ありがとうございます。
○上田座長 ほかの皆様、いかがでしょうか。
原さん、どうぞ。
○原構成員 御説明いただき、ありがとうございました。
アンケートもいろいろな意見があってと思うのですけれども、内容的には、メインになる中身というか、皆さんに伝えたい情報はこのままでいいと思うのです。
漫画にしたときに、いろいろな会話とかそういうのも細かく入っているので、細かいといいますか、やり取りといったことを全部言葉にしていると、すごく文字がわっと出てきてしまう感じがするので、そういうところはそぎ落としながら簡素化していって、伝えたいメッセージの幹のところはもちろん残しておいて、枝葉のところのやり取りで不要なところは外していくのかと思います。
言葉で「ピカーン」や「ゴロゴロ」とかは、全て要るかどうかはわかりませんが、そぎ落とせるものはそぎ落としていくのと、あとは情報量が多いかなというところは、説明をいっぱいしたいかもしれないのですが、少しスリムにするとか簡素化するということをしてもよいかと思います。
あとは言葉の工夫という形でいけば、核になるストーリーとか伝えたいメッセージは、内容的には全部そろっていていいと思いますし、多分、このアニメに今の漫画でいうと、その下に細かい解説がつくと思いますので、フォローもできると思います。
そういった意味では、私はキャラクター云々ももちろん、男性がいないというのは確かにそうだと思いましたので、男性も検討しながら、文字とか割と小さい絵が多いという感じでごちゃごちゃしているという印象だと思うので、その辺を工夫していただければいいものになると思いますので、よろしくお願いします。
○上田座長 ありがとうございました。
ほかの皆様、いかがでしょうか。
太田さん、富永さん、よろしいですか。
○太田構成員 情報量が多いというのはあると思うのですけれども、ラフ画というのもあると思うのです。
ちゃんと原稿を描き上げるとごちゃごちゃ感はかなり軽減されるのではないかと思うので、それも踏まえて評価しないとなかなか難しいと思いますけれども、情報量はある程度取捨選択する必要はあるかなと思いました。
○上田座長 あと、富永さん、いかがですか。
○富永構成員 私はインパクトがあることが大事だと思っていて、一般的に人の言うことをどんどん聞き入れていくとインパクトが落ちていくので、山口先生もおっしゃっていましたけれども、聞くものと聞かないものをちゃんと峻別して対応することが大事だと思います。
○上田座長 ありがとうございます。
あと、森下さん、よろしいですか。
○森下構成員 はい。
大丈夫です。
○上田座長 皆様、ほかに御意見はよろしいですか。
私も、今回、これを拝見させていただいて、伝える内容のレベルが全然違うのですけれども、この前、年金広報企画室でつくっていただいた「年金のひみつ」を見ると、やや手前みそですが、非常にすっきりとしてよく分かりやすく、展開もうまくできていると思いまして、それと何が違うのだろうと、その辺りを比較していただくといいのかなという気がいたしました。
あと、私が昔、金融機関にいたときに、顧客向けのパンフレット等を作ると、よくお客様に言われたのは、だから金融機関は真面目過ぎて駄目だとよく怒られて、必要な情報を全部入れようとすると字が多くなってしまうのです。
そうすると、伝わりにくくなって、もっと絵を多くして、字を落とさないと駄目だと。
ただ、こちらの立場とすると、正確性を期すとか、法令を遵守するという立場でいくと、ここだけは落とせないという点が出てくるので、そのバランスをどう取っていくか、というのはなかなか難しい点かなと実感した次第です。
そのほか、特に皆様から御意見がなければ、本日の御議論、御意見を踏まえまして、引き続き検討を進めていただきまして、修正点等を御対応いただいて、作成の際の参考としていただければと思います。
どうもありがとうございました。
そのほか、構成員の皆様から特によろしいですか。
○免田数理課長補佐 すみません。
もしお時間があるようでしたら、もう一つの資料4-2の御説明もさせていただければと思います。
○上田座長 失礼しました。
では、資料4-2の御説明をお願いいたします。
○株式会社日本廣告社 それでは、引き続き、ホームページのデザインのリニューアルについて御説明させていただきます。
現状、こちらの作業に関しましては、先ほど御報告しました調査結果を基に、新たな漫画を執筆予定でして、そちらの漫画が完成した仕上がりのタイミングに合わせて公開となるものになりますので、そちらの作業にも影響して、少し想定と変わるところがございますので、本日は簡単に進捗を御報告させていただければと思います。
まず、改修の方針としましては、資料の1ページ目にございますとおり、幅広い方々がお使いになるサイトであるという観点から、使い勝手と内容の分かりやすさ、見やすいデザインを念頭に置いて政策を進めてまいります。
次のページにあるとおり、昨今、スマートフォンでの御利用が多数になっているというところで、3ページ目以降でお示ししているとおり、現在のサイトが2014年に制作されたものであるというところからも鑑みまして、結構改善の余地があるかなと捉えております。
特に、5ページ目に記載がございます漫画の操作性に関しましては、少しスマートフォンに対応しているところになりますと、使いにくいのかなという御意見もかねてからあったかと思いますので、こちらも中心に改善を図りまして、全体でユーザビリティーの向上を図ってまいりたいと考えております。
そこで、今回、まず、御提案として現状、デザインさせていただいているのが7ページ目。
こちらの方向性で今、操作性や視認性、デザイン性を損なわないような形で新たなデザインを製作中というところでございます。
トップページの全体像に関しては、次のページに画像を貼り付けておるのですけれども、こちらも先ほどから御議論いただいております漫画の絵を完成させた後に、そちらのビジュアルが入るというところがございますので、そちらはデザインイメージに大きく左右されるところがありますので、調整の余地があるかと思うのですが、全体のトンマナと操作性に関しましては、追従のナビゲーションを設定したり、先ほども扉があると分かりやすいといった御意見もいただいたかと思うのですけれども、トップページに漫画の各話のイラストも設定して、漫画のイラストをサムネイル表示するなどの工夫を加えた上で、操作性については改善を図ってまいりたいと考えております。
続いて、漫画ページの構成に関しましては、まだデザインには至っていないのですけれども、次のページにありますとおり、今回は、ページめくりで読み進める現在の操作性を廃止いたしまして、横幅いっぱいに漫画を表示した上で、スクロールにより読み進めるような仕様を現在想定しております。
ページが長くなってしまうのではというデメリットもあるとは思うのですけれども、スワイプですと、少しリテラシーが必要だというところで、そこの操作をせずに、単純なスクロールでどなたでも使っていただけるような操作のみで漫画を読み、完結できるような形というところを配慮した設計になっております。
漫画コンテンツに特化したようなアプリとかサイトであれば、恐らく漫画が読みやすいというところが第一優先かなと思うのですけれども、こちらのコンテンツ自体は、財政検証をはじめとした年金の情報をしっかりと学んでいただくコンテンツになっておりますので、メインコンテンツは漫画になるのですが、あくまでもウェブサイトであるというところを重視いたしまして、どなたでもサイトを利用する方が慣れている、ストレスのない操作のみで漫画を面白く読んでいただけるというところでUIを設計していきたいと考えております。
一方で、この漫画ページに詳細を見る、もっと詳しくといったコーナーがあるのですけれども、そちらは次のページにございますとおり、少し長くなるというところと、情報量が多く、詳しく知りたい方のみがアクセスできればよいという意図もございますので、こちらについては、開閉式にさせていただいて、詳しく知りたい方のみがアクセスできるというところがあればよいかなという設計になっております。
以上、現状の進捗になっておりまして、次のページからは、ガイドラインといいますか、サイトの設計において配慮している制作基準を列挙しておりますので、こちらは細かい点になりますので、御説明は割愛させていただきます。
進捗の報告は、以上になります。
○上田座長 ありがとうございました。
失礼いたしました。
この御説明に対して、皆様、御意見、御質問等がありましたら、お願いいたします。
山口先生、どうぞ。
○山口構成員 御説明いただきまして、ありがとうございました。
これが完成するのを非常に楽しみにしております。
私からは1点で、漫画の表示に関してのところなのですけれども、おっしゃっていることはよく理解しました。
ただ、個人的な意見としては、縦スクロールで漫画を読むという文化は、かなり根づいていない気がするので、どちらといえばスワイプして見るほうがいいのではないかと思うところなのです。
これはかなり悩みどころだと思うのですけれども、例えば縦のときに、もちろん、縦を前提とした漫画は今結構あって、つながっていたりするわけです。
そういったものでつくっているのでしたら、私はよく理解できるのですけれども、今回、普通の漫画を想定して漫画をつくっているにもかかわらず、縦にするというのは、若干違和感がある。
例えばページの途中で切れていて、スクロールしないと駄目とか、そういうことが頻発して、正直、縦読みというのは、読む立場からすると結構読みにくいです。
ですので、できれば「LINEマンガ」とか「ジャンプ+」みたいな漫画アプリまでは多分、無理だと思うのですが、ブラウザベースでスワイプベースでのほうが読む人は読みやすいのではないかと感じる次第です。
ただ、一方で、御懸念事項がなぜ発生するかというと、例えば「ジャンプ+」をブラウザで、PCで読もうとすると、必ずどうやって操作するかというのがかなり丁寧に書かれているわけです。
あれは恐らく、初めての人が相当難しいからだということも私は理解していますので、そういったところを鑑みてどっちがいいのかなというのは迷っているところで、個人的には、ほかがたどり着いた点はスワイプ方式で、特に若い世代は慣れていると思いますので、恐らく慣れている方もスワイプだといいのではないかと感じている次第です。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
これは御意見として承るということでよろしいですか。
ほかの皆様、いかがですか。
特によろしいですか。
それでは、引き続き、今日いただいた御意見を基に、御検討をさらに進めていただければと思います。
どうもありがとうございました。
先ほど森下さんから出た年金の小道具というのもなかなか面白い案だと思いまして、すぐに想像がつかないのですが、もし皆様から御意見があれば、また後で事務局宛てにメール等でいろいろと御提案いただければと思います。
最後に、事務局からお知らせがございます。
○田中課長補佐 昨年度作った年金クイズ動画ですが、現在、69万回の再生回数でございます。
今年の3月末から公開でしたので、約半年で69万回ということになります。
このクイズ動画を作成したQuizKnockという会社ですが、このたび、創立5周年ということでイベントをやるそうです。
その記者発表の中で、5年間の活動事例の一つにこの年金クイズ動画も紹介されるということです。
御紹介です。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、今後の予定等について、御説明をお願いいたします。
○田中課長補佐 次回は、冬になったあたりでの開催を予定しております。
日程につきましては、後日、御連絡させていただきます。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、構成員の皆様、本日も活発な御議論、御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
それでは、本日の会議を終了いたしたいと思います。
御参加どうもありがとうございました。 

 

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