ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 年金局が実施する検討会等> 第10回年金広報検討会(2021年6月7日)議事録 - (1)

 
 

2021年6月7日 第10回年金広報検討会

年金局

○日時

令和3年6月7日(月)14:00~16:00

 

○場所

東京都千代田区平河町2-4-2
全国都市会館 3F 第1会議室(オンライン開催)

○出席者

上田 憲一郎(座長) 
太田 英利(構成員)
尾崎 俊雄(オブザーバー)
佐久間 智之(構成員)
殿村 美樹(構成員)
富永 朋信(構成員)
野 口  尚(オブザーバー)         
原 佳奈子(構成員)  
森 浩太郎(構成員)
森下 郁恵(構成員)   
山口 真一(構成員)
横尾 良笑(構成員)       
吉野 隆之(オブザーバー)
 

○議事

○上田座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第10回「年金広報検討会」を開催いたします。
皆様、大変お忙しい中、御参加いただきまして、誠にありがとうございます。
今回も前回同様、オンラインの開催とさせていただいております。
本日の出欠状況ですが、全ての構成員の方が御出席となっております。
それでは、議事に入ります前に、事務局から資料の確認をさせていただきます。
○古川年金広報企画室長 構成員の皆様にはあらかじめ資料を事前にメールで送付させていただいておりますが、改めて確認させていただきます。
本日の資料は、
議事次第、
資料1 年金広報検討会開催要綱、
資料2 若年世代向け学習教材の開発、
資料3 個々人の年金の「見える化」のための取組み、
資料4 「いっしょに検証!公的年金」のリニューアルについて、
です。
事務局からは以上です。
○上田座長 それでは、カメラの方がいらっしゃいましたら、ここで退室をお願いいたします。
これより議事に入りたいと思います。
本日は、「年金広報検討会開催要綱の改正について」「若年世代向け学習教材の開発について」「個々人の年金の『見える化』のための取組みについて」「『いっしょに検証!公的年金』のリニューアルについて」の4つを議題といたします。
では、まず議題1の「年金広報検討会開催要綱の改正について」、事務局から御説明をお願いいたします。
○古川年金広報企画室長 御説明いたします。
お手元の資料1を御覧ください。
別紙になりますが、構成員の森下郁恵様の役職名が、株式会社宣伝会議『広報会議』編集長から株式会社宣伝会議『ブレーン』編集長に変わることになりましたので、こちらについて修正させていただきます。
また、オブザーバーにつきまして、企業年金連合会のオブザーバーは、足利聖治様でしたが、福本浩樹様に変更になりましたので、こちらについても修正させていただいてございます。
私からの御説明は以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
続きまして、議題2の「若年世代向け学習教材の開発について」に入りたいと思います。
事務局から御説明をお願いいたします。
○古川年金広報企画室長 資料2を御覧ください。
まずは1ページ目を御覧いただきたいと思いますが、昨年度、年金教育動画及び年金教育図書を作成させていただきました。
皆様から多大なる御尽力をいただき作成させていただきましたが、おかげさまで、YouTubeのQuizKnockの動画も、学研プラスと協同で作成させていただきました『年金のひみつ』につきましても、大変御好評いただいております。
1つずつ状況について御説明させていただきたいと思いますが、まずYouTubeのQuizKnock動画でございます。QuizKnock動画は今年2021年の3月24日に公開させていただきまして、約1か月で視聴回数が54.2万回となっています。
昨日確認したところ、すでに57万回を超える視聴回数になっております。
先日、QuizKnock様と打合せをさせていただいたときにお話しいただきましたが、1年もたてば100万回の再生は超えるだろうとおっしゃっておりました。
100万回再生と申し上げますと、大体テレビの視聴率で1%を超えてくるぐらいの視聴率に換算できますので、相当の数の方々に御覧いただけるコンテンツができたのではないかなと思ってございます。
あと、特筆すべきはということで、こちらもQuizKnock様との打合せのときにお話しいただきましたが、特に評価をしていただいた方々の高評価率が高いと。
98.8、ほとんど99%に高い評価をいただいているということがこの動画の特徴だそうです。
年金を題材にして99%も高評価をいただけるというのは、私たちとしても非常にうれしい、また快挙だと思っています。
この高評価の中の主なコメントでございますが、「こーゆー案件、どんどんください! すっっっごく勉強になります」とか、「22歳です。中学生くらいから見たかったな」、「若年層に人気あるQKがこういう動画をしっかりした提供で出してくれるの本当に大事!」、「これ、学校の授業で流してほしい」など、非常に私どもが自然と笑顔になるようなコメントをいただけたかなと思ってございます。
続きまして、学研プラス様とコラボレーションして作りました『年金のひみつ』でございます。
資料の右上に閲覧回数(週次)という図を掲載させていただきました。
相乗効果を狙って、3月24日、QuizKnockと同じタイミングで公開させていただきました。春休み直前というタイミングの影響から、最初の2週間で閲覧回数が下がっていないのが特徴的です。
先日、学研プラス様と打ち合わせをした際に、伺いましたが、閲覧回数が非常に多いことと、さらに最初の2週間、閲覧回数を維持できたことの双方の効果で、閲覧回数が多いという結果に繋がっているとのことのようです。
それに加えまして、本日はデータを出しておりませんが、5月に入りましてゴールデンウイーク、ステイホームの影響もあるのかもしれませんけれども、5月に入って閲覧回数はやや取り戻しているという状況であります。
また平時に戻って回数は戻っているのですけれども、中期的、長期的な休暇があると御覧いただける、閲覧回数が回復するという傾向があるのかなと思っています。
クイズ動画のコメントにもありましたが、クイズ動画も漫画も今後は中高生をターゲットとした授業に活用していきたいと考えております。
次のページを御覧いただければと思いますが、今年度は若年世代向けの学習教材を開発したいと考えております。
『年金のひみつ』は小学校高学年以上の方々が楽しめるように、また、クイズ動画は大学生あたりが中心になってご覧いただいているところ、中学生、高校生あたりをターゲットにしたコンテンツがまだ足りないかなと思っております。
このため、今年度は中学生、高校生向けの教育コンテンツをつくっていきたいと思っているのですが、その前段としまして、この漫画と動画をうまく使ってモデル授業というものをやってみたいなと思っております。
座長の上田先生にも多大なる御尽力をいただきまして、まず1学期中に高校3年生と市立中学校の2年生に対してモデル授業を実施することを予定しています。
こういったモデル授業を通じまして、中高生向けの学習教材の開発につなげるのが一点と、もう一点としまして、今、大学生向けに実施している学生との年金対話集会を、中高生向けに拡大できないか検討しています。
うまくいけば、来年度以降の中高生版の対話集会の全国展開も視野に入れていきたいと考えています。
ちなみに、資料の左下に参考までに書かせていただきましたが、すでに令和3年度も大学生との年金対話集会を開催させていただいてございます。
5月14日名古屋大学、5月18日一橋、5月20日お茶の水女子大学ですでに実施しており、令和3年度は令和2年度の倍の約20校での開催を予定しております。
私からの御説明は以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等ございましたらお願いいたします。
山口先生、どうぞ。
○山口構成員 国際大学の山口です。
御説明いただきましてありがとうございました。
まず全体の感想としては、動画につきまして非常によかったと思いますし、テーマを考えれば再生回数はかなり多いほうかなと感じております。
また、漫画のほうもアクセスが相対的にかなり多いと伺っておりますので、非常によかったなと考えております。
また、モデル授業を踏まえて教材を作成して全国展開を目指すというのもとてもよい取組だと私は考えております。
1つコメントさせていただきますと、これは何度も話が出ていましたけれども、QuizKnockさんはテースト的に年齢層がやや高めということがございますので、今回かなり大成功したということで、この成功を踏まえて、今度はターゲットの違うような人気クリエイターとまた組んで新たな動画を作るというのもあるのかなと感じております。
以上です。
○古川年金広報企画室長 ありがとうございます。ぜひそういった企画もこれから考えていきたいなと思っております。
○上田座長 ありがとうございました。
続きまして、原さん。
○原構成員 ありがとうございました。
私からも2点あるのですが、QuizKnockさんの動画につきましてはすごく反響も大きくて、もともとのファンの方もいらっしゃったと思うのですけれども、そこから全く知らない方も見ていただいているものと思っておりますが、誰が説明をするのかということも大きいですし、演出とかというのも大きいですし、また、どうやって説明すればいいのかというのも逆に非常に参考になったというか、図形を使ったりというところも参考になったところではあります。
それを受けて、次のページにモデル授業を今後やっていくということでお話がありましたけれども、令和3年度についてはこのクイズ動画を見てもらいながら、例えば中学生へのモデル授業へとなるのかと思います。中学生がQuizKnockを知っているかどうかはわかりませんが、知っている人も多いと思うのですが、そういう中で見てもらうということで、自分で知るということも大事ですし、あとは動画を使った授業ということで教え方というか、どういうふうに動画を使いながら教えるかというところも何か記録に残すなりしておいたほうがいいかなと思います。
あとは、もし可能であれば、これは別の機会かと思うのですけれども、同じ内容で違う人がしゃべったらどうなるかということです。
もちろんQuizKnockの方のインパクトとか話力がすごいので、もし同じような内容を学校の先生がしゃべっても受け入れられるのかとか、あるいは違う人、年金事務所の人とかがしゃべっても受け入れられるのかなど、そこはちょっと興味があり試してみたいところではあります。
なので、こういう人気クリエイターの方にどんどんやっていただくというのももちろんなのですが、中身の発想もすばらしいなと思ったので、そういう意味で、いろいろな角度から検討材料として使ってと言ったらあれですけれども、使わせていただきたいなと思いましたので、よろしくお願いします。
○上田座長 ありがとうございました。
殿村さん、どうぞ。
○殿村構成員 PRプロデューサーの殿村です。よろしくお願いします。
私からは提案なのですけれども、せっかくこのようなすばらしい動画などを使って学習教材の開発でモデル授業をやるということなので、中高生だけがただ「面白かった」で終わるのはもったいないと思います。
なので、できたら両親も全部巻き込んで、参観日のように公開すれば効果的だと思います。今はオンラインも可能ですから、イベント的に家族も巻き込んで年金を学ぶ授業をして、家に帰ってからもこういう話が持続するような工夫をしたほうがいいと私は思うのです。
私が知る限り、中高生というのはなかなか集中して聞かないようなイメージがあります。
また、年金を身近に感じられないとも思います。
それに対してリアル感を持って聞けるのはかえって家族のほうかもしれないと思いますので、相乗効果を狙ってイベント化するというようなプランを考えていただければいいのかなと思います。
以上です。
○古川年金広報企画室長 ありがとうございます。
まさに先ほどの原さんからいただいた御指摘にありましたが、他の人がやったらどうなるかという視点はすごく重要だなと思っております。
今年度、モデル授業の開催を予定しているという御説明をさせていただきました。
さらに、できれば来年度ぐらいから、うまくいけばそれが全国展開できればという話も御説明させていただきました。
当然、私ども年金局の年金広報企画室のみで全国津々浦々回るのは不可能でございます。
モデル授業のカリキュラムや指導要領といったものを作成することができた暁には、日本年金機構や年金事務所と緊密に連携しながら、誰がやっても分かりやすく年金制度について説明できるようにして、全国展開していくといったことも視野に入れて考えていきたいと思っております。
また、殿村さんからいただいた家族も巻き込んでというのはすごくいい御提案だなと思います。
モデル授業での学びを家に持ち帰って、生徒が家族と話とする、というような展開になるべく、そういう家族の視点も持ちながら、モデル授業を展開していきたいと考えております。
ありがとうございました。
○上田座長 ありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。
佐久間さん、どうぞ。
○佐久間構成員 PRDESIGNの佐久間です。
この素敵な2つの事業がうまくいって、僕自身もすごくうれしかったです。
その中で、動画の件につきまして、分析のところで再生回数と高評価というところだけではなくて、流入がどこから来たのかとか、その辺も細かく分析を出していただいて、そこから年齢層だとか性別とかその辺の傾向を分析して今後に役立てていただきたいなと思いました。
一方で、アンチの方のいろいろな声というのもあると思うので、そこもピックアップしながら、いろいろな視点があるということを踏まえながら次の動画作りに生かしていただければと思いました。
今後の実装するような広報の仕方というのも多分必要だと思うので、それが今回のモデル事業というものを活用できるのかなと思いました。
説明するときに、先ほどおっしゃっていたように、プロの方が話すのと学校現場で話すのはちょっと違うと思うので、もし可能であれば、例えば今回のQuizKnockの方のどういうふうなポイントが伝わるようなクイズの形式になるかとか、その辺のレクチャーを先生だとか、予算的に厳しいかもしれないですけれども、キックオフのときに例えば出前でプロの方が説明するみたいなことでプロモーションをするとか、そういうこともできるのではないかと思いました。
以上でございます。
○上田座長 ありがとうございました。
野口さん、どうぞ。
○野口オブザーバー このような教材を作っていただきまして、ありがとうございました。
先ほど全国展開の話と年金機構のお話もいただきましたので、十分協力もさせていただきまして、連携もさせていただければと思っております。
私どもは、高校のほうは年金セミナーという形でかなり訪問させていただいております。一方、中学校はそれに比べると極めて少ないというのが実情でございます。
また、高校のほうも、分かりやすく言いますと、卒業後、就職なりをされる高校のほうが比較的セミナーを引き受けてくださる。
したがって、その後すぐ就職されるような方々、給料から天引きされるような方々を念頭にセミナーとして受け入れていただいているという状況もございます。
今後は、現状において比較的実施数の少ない進学校、あるいは中学校も含めて、限られた資源の中でどのように効率的に進めるのか、教材をどうするのか。
私どものほうも教材はありますので、それとうまいこと調整をしなければいけない問題もあると思いますので、ぜひ御指導いただきまして、協力させていただきたいと思っております。
○上田座長 原さん。
○原構成員 今の機構の方の件に続けてなのですが、私も所属しておりますが、全国社会保険労務士会連合会でも、特に中学生のほうに、地域によって違いますが、出前授業といった形で各社労士が教えにいっていらっしゃると聞きます。
東京都などでは東京都で派遣したりしているとお聞きしてますので、そういったところでうまくいろいろコラボレーションできれば良いのではないかと思っております。
情報としてつなげておきたいと思います。よろしくお願いします。
○上田座長 ありがとうございました。
あとはよろしゅうございますか。
横尾さん、どうぞ。
○横尾構成員 コンテンツ自体はとても良いものができたと思います。
また、閲覧者からの評価もいただいて、総合的にすごくよかったのではないかというのが感想です。
次に、私が、企業が全社を上げてブランド力をもう一度再燃しようというプロジェクトのお仕事を経験させて頂いてきた視点から述べさせていただきます。
今回のようなコンテンツについては、「広報ツールとしての位置づけの明確化」と「今後の活用方針の共有」を念入りに行うことができるかどうかが、とても重要だと感じています。今回のコンテンツについて私が感じているのは、これは年金広報における広報ツールとして、1つのキラーコンテンツという位置づけになりうるということです。
このコンテンツを見た人が面白いとか興味が湧くとか、そういう心に響くようなものができたことの価値を、今後、年金広報においてどのように活用していくかがキーになると思います。
今後の活用方針としては、そのまま活かすというのが、効果的ではないかと思います。このコンテンツの内容を別の方がやる、という方向性もあるかと思いますが、プレゼンテーションの8割は言葉や内容ではない部分が占める割合が大きいと言われています。
そのため、キラーコンテンツができた場合は、それをそのまま生かすというほうが効果的な場合が多いです。
例えば、いろいろなセミナーをやるときに、先生や講師の方がこのコンテンツの内容をかみ砕いてやり直すのではなくて、映像があるのですから、そのまま流せばいいと思うのです。
コンパクトなコンテンツで、3時間見ろというお話ではないので、これはそのまま活かすことを考えたほうがいいのではないかと思います。
例えばセミナーの一番初めに映像を持ってくるのか、本を事前に読んでもらうのか、一つのコンテンツとしての活用を考えていただいたほうが私は有効活用できるのではないかなと思います。
せっかくあるのにそれをまたほかの人がやり直すという手間ももったいないのかなという気がしますし、年金についてはまだまだ知られていないことが沢山あり、面白いことも興味深いことも知っておくべきこともあると思うので、授業をつくる方にはもっと別のことをコンテンツ化することに尽力して頂いたほうが人材リソースの有効活用なのではないかなというのが個人的な意見でした。
ただ、全体としてはすごく良かったと思います。ありがとうございました。
○古川年金広報企画室長 横尾さん、ありがとうございます。
私の説明の中ではしょってしまった部分があって、誤解されてしまった点があるのではないかなと思います。
御懸念はごもっともで、もちろんこちらの作った動画や漫画をアレンジするという気は全くなくて、モデル授業と呼ばせていただいた例えば45分間とか50分間の中でどこにこの動画を素材として取り込んで、その50分をどういうふうに使うのかということについて、カリキュラムといいますか、構造化できるといいのかなと思っておりますので、冒頭でどーんとQuizKnockから始まるのがいいのか、真ん中ぐらいがいいのか、最後の落ちがいいのかみたいなところも含めて、学生さんたちの反応を見ながら、いい50分になるようにシナリオをつくっていきたいと思っております。
ありがとうございました。
○上田座長 森下さん、どうぞ。
○森下構成員 2つありまして、一つは横尾先生が今おっしゃったことに近いのですけれども、今、企業さんとかもよく動画とかを作られますが、ネットで流すだけではないなというケースが多くて、企業さんでいったら、就職の採用説明会や株主総会、あとは会社の受付で流すとか、いろいろな場所で流すことで動画自体の効果も広がりますし、認知も広がりますし、製作費を回収できると思うので、まさに横尾先生がおっしゃったとおりで、いろいろなところで使っていかないと、ネットは一番ダイレクトな反応が見えやすいので、それでよしと思ってしまいがちなのですけれども、そうではないところでも波及させる努力が必要なのかなと思いました。
もう一つは出張授業に関してですけれども、やはりリアルでこうやって直接お話を聞くって中高生にはすごく影響が強いことだと思うのですが、一方で、今、対面での開催が難しいとか、企業の研修などもそうですけれども、オンデマンドがどんどん広がっている状況がありますので、今後オンデマンドでQuizKnockさんみたいなつかみのようなコンテンツとは別にしっかり教えていくコンテンツって、もともとDVDにしたり配付したりしていらっしゃると思うので、そういうものをますます強化していく必要があるかなと思うのですけれども、もしその辺のプランがありましたらぜひ伺えればと思います。
○古川年金広報企画室長 ありがとうございます。
まさに今年度の後半に開発を検討している中高生向けの学習教材において実現していきたいと思っております。
まだ実は構想があやふやといいますか、固まっていない状況なので、実際に中高生向けの学習教材とは何ぞやと言われると、まだ漠然とどんなものがいいかなと考えている段階です。
いろいろなパターンが考えられるのかなと思っておりますが、学習教材について、学校の先生がそれを見て授業にすることができるようなものというのも一案だと思いますし、そもそも中高生自身が御覧になって、自習して分かるようなものというのも一案だと思います。
なので、この辺も含めて試行錯誤しながらつくっていきたいなとは思っておりますが、まさにその思考すべき一つの要素として、御指摘のオンデマンドのコンテンツというのも含まれてくるのかなと思っております。
検討を深めていく中で、こうした論点について御相談させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○上田座長 ありがとうございました。
そのほか、皆さんから特に御意見はございませんか。
では、私も一言感想を述べさせていただきたいと思いますが、今回の2つのコンテンツ作成は大変すばらしい試みだと思っております。
動画のほうにつきましては、大学で授業をやっておりますと、年金の授業はやはり非常に堅いのです。細かくいろいろなことを伝えなければいけないので、どうしても堅くなってしまう。
そういうときに、入り口を非常に易しく、ハードルを下げる意味では、導入として使って非常に授業が盛り上がりましたので、そういう使い方もあるのかなと。
大学の授業をやっていますと、90分一方的に先生がしゃべるだけではなくて、考えさせるきっかけとか、あるいは動画を見て実体験させるようなコンテンツがあるといいなとずっと思っておりましたので、非常にありがたいというか使い勝手のいいツールを作っていただいたなと思っております。
QuizKnockの動画は大学生に非常に受けて、ゼミでもこれを流してみたのですけれども、学生の感想の第一声は、先生、アサリですかと。
アサリだったのですねというちょっと意外な反応があって、なるほどなと思いました。
一方で、『年金のひみつ』というのは小学生に大変人気のシリーズですので、理解を幅広く広めていくには大変いいツールかなと思っております。
あと、高校については、私も大学の附属高校に年金の授業でお邪魔したことがありました。
野口さんからもお話がありましたけれども、高校生の授業をやりますと、非常にひたむきなというか、真剣な眼差しに圧倒されまして、やはりこういう人たちにきちんとした情報を届けてあげなければいけないなという思いを強くいたしました。
若年世代への年金広報というのは事ほどさように非常に重要な意味を持っていると思いますので、私も力を尽くしていきたいと思いますし、また、構成員や関係者の皆様にも引き続き御協力、御支援をお願いできればなと思っております。ありがとうございました。
続きまして、議題3の「個々人の年金の『見える化』のための取組みについて」に入りたいと思います。
それでは、事務局のほうから御説明をお願いいたします。
○古川年金広報企画室長 御説明いたします。
お手元の資料3を御覧ください。
個々人の年金の「見える化」のための取組みについて御説明いたします。
令和2年度に開催させていただきました年金広報検討会の場でも御紹介させていただいておりますが、まずは資料の1ページ目を御覧ください。
こちらは年金簡易試算Web案について、全体の大きなコンセプトを書かせていただいております。
以前御説明させていただいたものから変更はございませんが、利用者の方々が年金簡易試算Webにアクセスしていただきまして、それぞれのいろいろな条件を入れていただきますと、将来の年金額を試算することができるという簡易試算の機能を持ったWebアプリを作っていきたいと考えております。
具体的にスケジュールを下の段に書かせていただきましたが、6月の広報検討会とあるところが本日で、次回の検討会は7月1日を予定してございますが、皆さんに御議論いただきたいと思っております。
この7月1日は、開発に携わっていただく委託事業者が決まっているタイミングだと考えておりますので、次回の検討会の場でWebアプリを開発していただく事業者に、コンセプトや機能、デザインなど幅広く御説明いただき、御議論いただきたいと思っております。
本日はその前段としまして、私たちがどういった機能を持たせたいのかということについて、資料をまとめてきましたので、そちらについて御説明させていただきたいと思います。
当日投影資料として皆さんにお配りしているものです。
対面の会議でやる場合のいわゆる机上配付資料と同様の扱いにさせていただきたいと思っております。
というのも、まだコンセプト自体が固まっていない段階ですので、いわゆるたたき台と位置づけて、このような取り扱いにさせていただきたいと思ってございます。
おめくりいただきまして、年金簡易試算Webの画面イメージ案です。
重要なのがこのトップページの真ん中です。
「年金額の簡易試算」というところになりますが、こちらをクリックしていただきますと、次のページに行きまして、「年金額の簡易試算ご利用にあたって」と、よくこういうものがあると思います。
これで何らかの同意事項を記載させていただいて、同意しました、確認しましたかといって「はい」を押していただけると、次の画面に飛んでいきます。
ステップを4つ書いていますが、必ずしもステップが4つ必要と考えているわけではございませんが、まずはねんきん定期便情報の確認という画面に飛んでいただくようなイメージで考えております。
こちらは令和4年4月以降に配付させていただきますねんきん定期便と連動させようと考えており、ねんきん定期便に付されておりますQRコードを読み込むと、この画面に遷移するイメージです。
この場合、ねんきん定期便の表面に記載されている情報をわざわざ御自身で入力していただかなくとも、QRコードを読むとねんきん定期便の表面情報はここに記載された状態で表示されるといったことを想定しています。
次のステップです。
STEP2になりますけれども、基本情報を入力してくださいということで、ねんきん定期便の表面情報の中で実際に何の情報をQRコードで連携させていくのかということについてこれから考えていきますが、このSTEP2はねんきん定期便の表面に記載されている情報の中でQRコードと連動しない部分を御自身で入力していただくというイメージです。
今、仮に年齢と性別が書いてありますけれども、具体的な内容は今後検討していきたいと思っています。
次のページです。
STEP3、今後の働き方についてということで、今後の働き方を入力してくださいとしてございます。
重要なのは、今後の働き方は変わらないよという人は結構多いと思うので、まず変わらないという欄は必要なのかなと思っています。
変わる方々は、例えば会社員から自営業に変わりますといったプランを記載いただけると、最終的なSTEP4で試算結果が出てくることになります。
御案内のとおり、年金の支給開始年齢は65歳ですが、個々人の御判断によって、それを繰り上げる、早めることもできますし、それを後ろに倒す、繰り下げることもできますので、実際に自分は何歳から年金を受け取りたいか入力いただき、その結果として、最終的に年金額が表示されるといったことを考えております。
一番最後の8ページ目ですが、こちらは試算した結果につきまして、自分のスマホだったりというところに保存することもできる、保存したものにつきましては、個々人でダウンロードされているアプリケーションとも連携させるといったこともできるようにしていきたいかなと考えております。
以上がグランドコンセプトです。
私からの御説明は以上です。ありがとうございました。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問がございましたらお願いいたします。
先ほど古川室長からの御説明にもありましたが、この後のスケジュールを勘案しますと、だんだん後になるほど固まってきて修正は難しくなってきますので、今日、早めに皆様からお気づきの点をフランクにいろいろ出していただければと思っております。
太田さん、どうぞ。
○太田構成員 ありがとうございます。
商用のシミュレーターがついているサイトは結構あって、コンセプト的には違うと思うのですけれども、似た部分もあるので、幾つかセオリーというか傾向みたいなものがあるので、実際はこれからベンダーさんを選定される中で提案があるとは思うのですが、そういったことを念頭にお話を聞いていただければいいかなと思いました。
一つは、トップ画面で試算のところをクリックしてから遷移するみたいなつくりになっていたと思うのですけれども、利用促進ということを考えると最初から入力カラムがトップページにあったほうが一般的には利用されやすいと言われています。
あと、もちろん入力前にパーミッションが必要ということだと思うので、そういったものはポップアップウインドウとかで対応すればいいかなと思うのですけれども、まず、最初から入力ができるということを可視化することが利用されるところで大事なポイントだったりします。
あと、パラメーターを入力して結果が基本的には同じページにあるのがいいと言われていて、というのも、例えば受給開始年齢を入力して次の画面に飛んで、今度はまた変えて結果を見てみようとすると行ったり来たりしなければいけなくなってしまって、途中で離脱する人も非常に多いので、基本的には1ページで全部完結するのが一般的にはいいと言われています。
商用サイトだとそこから簡易で見積もりさせて問合せさせて営業するというのがセオリーなのですけれども、そういう使い方に慣れている方からすると、分からないところがあったら問合せができるというような窓口があるとなおいいかなという感じはします。具体的には、UI、UXに絡むところですので、今後業者さんからいろいろと提案があると思いますけれども、要件としてそういった最低限の遷移に関する考え方みたいなものは盛り込んでもいいのかなと思いました。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
続いて、ほかの方、いかがでしょうか。
では、横尾さん、どうぞ。
○横尾構成員 横尾です。
質問です。先ほどQRコードを読み込んでという話があったので、携帯での利用をメインとされるのかなと思ったのですけれども、今資料に出てきているページはパソコンで見るときに最適化されたデザインになっていると思うのですが、これは両方つくるのか、それとも一つのサイトでやるのか方針が決まっているのでしょうか。
ウェブで見ていくにはすごく分かりやすい感じになっているなと思ったのですけれども、どちらをメインで考えられているのか。
もしくは両方メインなのでしょうか。
○事務局 事務局の菊地でございます。
今回の会議でお示ししているweb画面のイメージは、PC版で表示させていただいています。現在、厚生労働省のホームページは、レスポンシブ対応が原則になっています。このため、PCでもスマホでも両方とも使えるというのが前提になっております。
PC版で開発したものをスマートフォン版に最適化し直すことも含めて検討しているところでございます。
○横尾構成員 ありがとうございます。
その整理のところの要件について、もしまだ発注前で指定できるのであれば、ご指定されるとよろしいかと思いました。
それぞれに最適化したものを作るのか、もちろんレスポンシブで変えるというケースは通常あるのですけれども、変えた結果、スマホのほうの使い勝手はあまりよくないとか、レスポンシブの場合はどちらかというとウェブに最適化されているケースが多かったりするので、まだご指定可能であれば、と思いました。
具体的には、どういうアウトプットを出さないといけないのかということを要件定義しておくといいのではないかというのが意見でした。
ありがとうございました。
○事務局 事務局の菊地です。ありがとうございます。
まだ細かい画面設計の前でございますので、先ほど太田先生からも一つのページで入力できたほうが利用がいいなど、御指摘をいただいていますので、今日の後議論いただいた上で、どのような形が最適になるのか検討してまいりたいと思います。
○上田座長 ほかはいかがでしょうか。
原さん、どうぞ。
○原構成員 先ほど、今日早めに言っておいたほうがいいという座長からの御案内があったので、私がこれから話すことは細かいこともあるかもしれませんけれども、端折っていただくことは端折っていただいて構わないですが、一応お話だけさせていただきます。
ただし、年金の試算ということで、最低限数字の意味とか、あるいは正確な知識をこれで持ってもらうという願いも含めて、細か過ぎるところは適当に削っていただければと思います。
まず始めに、対象の年齢なのですけれども、これをできる人は全世代なのか、あるいは50歳未満と50歳以上でねんきん定期便の種類がもちろん違いますし、60歳以上で受給して働いている人はどうするかとか、対象の年齢はこういう人ですというのは考えて入れておくとかしたほうがいいのかなと思います。
あと、3ページで、QRコードを読み取ると、これは50歳未満だと思うのですが、加入実績に応じた年金額が出てきます。
できれば、これは細かいかもしれませんが、月数も出てくるといいのかなと思います。
ねんきん定期便の50歳未満は分かりにくくて、自分が国民年金は何月で厚生年金は何月でというところが見づらい部分があったりするのではないかと思われます。
なので、今、受給資格期間の必要最低月数は10年、120月になってしまったということはあるかもしれませんが、ただ、40年納付という義務もあるので、そういった意味では、老齢基礎年金は何月分、特に厚生年金に何月入っているかみたいなことも出てくると、月数の意識というものをどこまでやるかというのはあるかと思います。
年齢と合っているかとかということもあるので、その辺は検討していただきたいと思います。
それから、5ページなのですけれども、これからの働き方ということで、例えばパートタイマーとかいろいろな働き方が今あると思うのですが、自分では会社員と思っていても、実は厚生年金に入っていないとかという部分もあったりするので、その横にポップアップか何かで厚生年金と自動で出てきて、入ってなかったらそれを訂正できるとか、そういう細かい意識も入れたほうがいいかなと思います。
あと、35歳から45歳も月数がぽんと出るとか、何月払っているか、未納はないかみたいな部分の意識を持たせるというのは、あまりぱちぱち出て細かすぎるならやめてもいいと思いますが検討はしてもよいかと思います。
あと、厚生年金は70歳までですので、例えば75歳まで会社員ですとか入れてしまったりするとエラーが出てくるとか、制度と違っていることを入れてしまったりしたら、ポップアップではないですけれども、そこは違いますとか、そういう細かい配慮はしていただいて、意識をしていただくようなことも入れていただきたいなと思います。
細かいですが、ボーナスは年間で50万とか、回とかではなくて年間でもいいかと思いますし、お給料も手取りでなく支給総額ですとか、そういう形も入れていただきたいなと思います。それは細か過ぎたらカットしてください。
あとは、6ページのところも良いと思います。
簡潔な説明を入れたりするということだと思いますし、7ページでは何歳から受け取るかでいろいろな、年間でいいと思うのですけれども、累計というのは難しいのかなとは思います。
繰下げ、繰上げと金額が増減するのが分かるので、年単位のほうがいいのではないかなと個人的には思いました。
8ページで、最後、終わったところで保存をするなど下に3つボタンがあって、保存して、そこで自分のデータなどをハードディスクなりクラウドなり自分のところに保存して、まずはこのものについては終了だと思います。
ここから先、データを自分の責任でと言ったら変ですけれども、自分で使ってほかの民間のアプリと連携させるとか、そこはシミュレーションでは関与しないところだと思いますので、やった結果を保存して終了ということだと思いますので、そのあたりは、はっきりとしたほうが良いと思います。
ねんきんネットもありますから、あまり細か過ぎてもやらなくなってしまうと思うので、ただ、これはスマホでできるという簡潔さも必要ですけれども、自動的に出てくる情報はうるさければ消してもらってもいいのですが、読む人は読むだろうし、というのも、最初のページで「年金制度について」というのがあると書いてありますが、年金額の簡易試算だけやる人もいると思うので、そういうところでどちらかに飛ぶとか、リンクを貼るとかでもいいのですが、そういう工夫もしていただきたいなと思います。
以上です。
○古川年金広報企画室長 ありがとうございます。
まさに今御指摘いただいた点につきましては、これから開発する上でいろいろと検討していきたいなと思います。
原さんからの御指摘にもありましたように、こちらはねんきんネットの簡易版をイメージしております。
従いまして、こちらをあまり細かく機能を付与しすぎると、ねんきんネットと変わらなくなってしまう、仮に詳細にお知りになりたい方はねんきんネットをご覧いただくよう誘導していくのではないかと考えています。
むしろ、ねんきんネットで確認するもう少し手前の段階で粗い概要を知りたいという方々が御利用いただけるターゲット層になってくるのではないかなと想定しているところです。
対象年齢につきましても、一応20歳以上の方々が皆さんお使いいただければと思っております。
その辺りにつきましても、どのぐらいの情報量で入れていくと皆さんが快適に見ていただけるのかなというところの検討をこれから進めていきたいと考えています。
私からは以上です。ありがとうございました。
○上田座長 ありがとうございました。
ほか、皆さんいかがでしょうか。
佐久間さん、どうぞ。
○佐久間構成員 今回のこちらのほうなのですけれども、そもそもねんきん定期便をお持ちの方とお持ちでない方がいらっしゃると思うのです。
ここの入り口のところを、定期便をお持ちの方と持っていない方、持っていない方というのは本当に簡易で知りたい方だと思うので、そこら辺も入り口のところでターゲティングを絞ってもいいのかなと若干思いました。
あとは、こちらのほう、入力していってスマホで入れるとすると、数字を入れてエンターでリアルタイムでがちゃがちゃ全てが連動して動くような1ページでやるのがスマホをいじっている方々のニーズに一番合うのかなと思ったのが一点で、最後のスマホでCSV出力をするというのはそんなにスタンダードでないかなと思うのです。
PC上のブラウザで使われている方がCSVで保存するというのはスタンダードだと思うのですけれども、PCよりもスマホを使われている方のほうが多い現状の中で、保存のやり方というのも分かりやすい方法にしないと、またそれもわずらわしくなると思うので、そこはすごくシンプルに、もしくはスマホのほうはないとか、保存の仕方は別の方法で考えるとか、先ほど横尾さんがおっしゃったようにすみ分けをしっかりしたほうがいいと思って、ブラウザのものを踏襲してスマホ版よりも、切り分けて別々ぐらいの感じでいいのかなと僕は思いました。
以上でございます。
○古川年金広報企画室長 ありがとうございます。
今、佐久間さんから、御指摘いただいた点については、全て参考にさせていただきたいと思っています。
1点、定期便を持っている方と持ってらっしゃらない方がいらっしゃるわけですが、基本的には定期便がなくても使えるようにはしていきたいと考えています。定期便がある方はQRで連動できるので、入力の手間が省ける、そのぐらいの相違というイメージでつくっていきたいと思っております。
あと、スマホでCSVはなかなかないよねというのは御指摘のとおりだなと思っておりまして、その辺はスマホでどういうふうに保存するのかというやり方の検討と、そもそもそうやってCSVでつなげることがスマホでやるときに本当に必要なのかどうなのかという点についても検討させていただきたいと思います。
○上田座長 では、野口さん、どうぞ。
○野口オブザーバー 私どものこの事業ということで、ねんきん定期便の来年4月からの調達に向けて今動いてございます。
具体的には、4月から誕生日を迎える方に順次定期便が行きますが、その定期便からこの試算に使えるQRコードをつけていこうという形で調達を進めておりまして、そういう意味では、スケジュール管理が非常に重要だと思っておりまして、QRコードはあるのだけれどもまだウェブができていないというわけにもいきませんので、その辺はよく御相談しながら進めていきたいということ。
あと、1年かけて数千万人の方々にQRコードを新しくつけた定期便が届きますので、そのQRコードで、恐らく民間アプリのほうではソースコードを提供されて、正しい試算が出るような形にするのだと思うのですが、世の中にいろいろな試算があるとすると、本当に正しい試算なのかという混乱が起きてもいけないと思いますから、それも恐らく厚労省さんのほうで、これは正しい試算ウェブなのだということを認証されるというか、何かそういうことをされるのだと思います。
そういう形で混乱を避けていただくような手立てをされていると思いますので、その辺を私どもとしてもお客様によく周知していくということは気をつけなければいけないと考えております。
○古川年金広報企画室長 ありがとうございます。
スケジュールにつきましては、御指摘のとおり、日本年金機構とよく連携して進めていきたいと思っております。
ソースコードについては、まずは私どものほうで開発するというフェーズですので、今後オープンソース化することを検討するタイミングではもちろんそういう御指摘もあるのかなと思いますが、まずは当方での開発を進めていきたいなと思っております。
少なくともねんきんネットとこちらの簡易試算で出す結果が大きくずれてしまうと、混乱を生じさせることになりますので、ねんきんネットとの乖離がなるべくないように、もちろん四捨五入の関係とかでややずれるとかということはあるかもしれませんけれども、基本的にはねんきんネットと同じような結果になるように開発していきたいと思っています。
○上田座長 続きまして、殿村さん、どうぞ。
○殿村構成員 ありがとうございます。
先ほどからねんきんネットとねんきん定期便との違いを論議されているのですが、実際に私、最初にこれを拝見したときにどう違うのかよく分からなくて、説明をお聞きしてやっと分かった次第です。
年金簡易試算という表現が非常に分かりにくいので、わかりやすい呼びかけのような導入が要るのではないかなと思いました。説明を聞かせていただいて、一番の違いは、これから人生100年時代において、どれだけ働けるかによって年金を受け取る年齢が変わってきたり、その額が変わってきたりというようなことが分かるのかなというイメージを持ちました。
それで正しければ、最初の呼びかけの導入表現に、あなたはいつまで働きますかとか、それが駄目だったら、65歳以上の年収計画とか、そういうような分かりやすい入り口が要るのではないかなと思うのです。
そうでなければ、どうしてねんきんネットとまたダブルでつくるのだろうというような疑問が最初に湧いてくるような気もしますので、先ほどから出ています差別化の部分で、使い方を動機づける表現の差別化を打ち出すことを提案させてもらいます。
以上です。
○古川年金広報企画室長 ありがとうございます。
私、1つ説明を省略してしまっていた部分があるのですけれども、ねんきんネットとこの簡易試算の一番の違いは個人情報かどうかという点です。
ねんきんネットの場合、非常に膨大な個人情報を管理しているサーバーがあって、そこにアクセスするということになりますので、パスワードから何からいろいろ設定が大変といったご意見をいただいているところです。
結局、アクセスキーなどを発行しなければいけなかったりするので、それが面倒で離脱していく方が多いというのがねんきんネットだと思っています。今回開発するウェブアプリは、仮の数字を入れると将来の年金の見込み額が試算されるという単なる計算機と位置づけて開発していきたいなと思っております。
個人情報を取り扱うということではなく、仮に数字を入れると機械的に計算結果が出てくるという計算機の扱いにすることでねんきんネットで離脱される方でも簡単に年金額が分かるものをつくろうと考えて検討を始めたというところになります。
まさに殿村さんの御指摘のとおり、読み方は分かりづらいので、分かりやすい名前にしたいなとも思いますし、どういう場面に使えるよといったユースケースみたいなものをリアライズしていきたいと思っております。
一つ、65歳以上のなっても継続して働く方へのメッセージもそうだと思いますが、どちらかというと私どもが考えていたのは、まさに人生、働き方は単線ではなくて複線化している。
一つの会社で働き続けて退職金をもらうというひと世代前の同質・同一な働き方ではなく、人生で2~3回ぐらい転職して働き方暮らし方を変える方々がだんだんと増えてくるのではないのか、自分の年金もそれに応じて変わっていくのだなということが手に取るように分かるようにしていきたいと考えています。そういった方々へのメッセージも出していければなと思っています。
昨年の制度改正で、社会保険の適用拡大において短時間労働者の方々も社会保険に加入できるようにという方向で政策を進めているところです。
こうした対象になる方々への周知にも使えるといいと考えています。
このように、メッセージを発信する対象についていろいろと考えているところですが制作段階で、コンセプトについても、どこを重視していくのか、そのために必要なメッセージはという点につきまして、改めて御相談させていただきたいと考えております。
○上田座長 ありがとうございます。
横尾さん、どうぞ。
○横尾構成員
佐久間構成員、殿村構成員、原構成員の意見に賛成なのですが、その中で、佐久間構成員と殿村構成員の意見への補足情報を述べさせていただきます。
佐久間構成員からスマホのケースでCSVで保存するのは一般的ではないというお話がありましたが、その場合、企業さんでよくやられているのは、「データをメールに添付して送付しますか」と最後にメッセージを出すというやり方で、そういうパターンも考えられるかと思います。
同時に、今回調達した事業者にやり方のアイデアを3つぐらい出してくださいと要求するということも御検討いただけるといいかなと思います。
これが1点目です。
次に、殿村構成員からすみ分けのお話があったのですけれども、なぜそれが必要かという点について、私たち、実利用者研究機構では、実際にいろいろなユーザーの方の検証をしている経験から、本件における棲み分けの重要性について、述べさせていただきます。
実際に、このようなケースにおいてウエブの棲み分けを行わなかった場合に何が起きるかというのを本件に当てはめて説明すると、このサイトでシミュレーションをしたことによって、「年金局での手続を終えた」と思ってしまう人がいるのです。
「厚生労働省のウェブサイトでしょう?」と。
「これはちゃんとデータを読み込んだよね?じゃあ年金局は分かっているはずだよね?」と、「自分は手続を終えた」と思ってしまう方が結構いらっしゃるのです。
「厚生労働省と私はやり取りをしたぞ」と思ってしまう、やり取りはしている‥と言えば、しているのでしょうけれども‥。
このような勘違いを利用者にさせないために、先ほど殿村構成員がおっしゃった計算機というコンセプトだったら、本当に名前を計算機にされるとか、それぐらいのことはきっと必要なのだろうなと、私たちがユーザーを見ている限りだと思いましたので、その点、補足でした。
最後に、年金局様がおっしゃっていたメッセージ性を強く打ち出していくというのは、私達の経験上も、利用者の理解の手助けとしても、とてもいいことだと思います。
このシミュレーターが始まる前に、「厚生労働省としてはこういうことを皆さんに考えていただきたいという思いでこういうものをつくりました」ぐらい出してもいいのではないかと思います。
それによって「このサイトが何なのか」という認知を、ユーザーの方がしやすくなるメリットからも、いいのではないかと思いました。
以上です。
○古川年金広報企画室長 ありがとうございます。
厚労省の手続を終えたと思ってしまう方がいるという点は想定していなかったので、御指摘の点についても少し配慮していきたいなと思います。
あと、分かりやすいメッセージはもちろん考えていきたいなと思いますので、引き続きご意見をいただけるようよろしくお願いします。
○上田座長 ありがとうございました。
皆様、ほかに何か御意見はよろしいでしょうか。
私から1点だけいいですか。個々人の年金の見える化については、例えば確定拠出年金や企業年金など、各制度との連携等についてもこの後いろいろお話が出てくるということでいいでしょうか。
○古川年金広報企画室長 まずは公的年金でと思っておりまして、先ほど佐久間さんとか横尾さんからCSVについても御指摘いただきましたが、まずは、私的年金については民間の創意工夫を活用することを考えております。私どものほうで公的年金の計算結果というものを出し、その結果を例えば別途家計簿アプリとかをやっているような方々が読み込むことによって、その家計簿アプリの中に企業年金とか個人年金の情報が入っていて、公的・
私的年金の全体が見られるようになるといったことを現時点では考えているところです。
○上田座長 分かりました。ありがとうございます。
皆さん、ほかはよろしゅうございますか。
それでは、皆様もいろいろ御意見をありがとうございました。
次回の検討会におきまして最新の使用イメージを出していただけるということでございますので、引き続き議論をしていきたいと思っております。
続きまして、議題4の「『いっしょに検証!公的年金』のリニューアルについて」に入りたいと思います。
事務局から御説明をお願いいたします。
○数理課免田補佐 年金局数理課の免田と申します。
どうぞよろしくお願いします。
資料4を御覧いただければと思います。
「いっしょに検証!公的年金」のリニューアルについてでございます。
2スライド目を御覧いただきたいと思います。
まず、そもそも「いっしょに検証!公的年金」というのはどのようなものかということでございますけれども、公的年金の仕組みや財政検証につきまして漫画等を使ってなるべく分かりやすく説明し、公的年金の制度であったり、財政検証について理解を深めることを目的としてつくっているものでございまして、厚生労働省のホームページで漫画を使っていろいろと内容を御説明しているというものでございます。
ちょうど2スライド目の右下にホームページのイメージも出ておりますけれども、こういった形でホームページのほうで周知をさせていただいておるということでございます。
3スライド目を御覧いただきたいと思います。
年金局では、5年に1度、財政検証と申しまして、公的年金の財政状況がどのような状況になっているのかというのを定期的に調べるという検証を行っておりますけれども、この「いっしょに検証!公的年金」のホームページの内容につきましては、平成26年の財政検証結果を基にしてつくっております。
しかしながら、令和元年検証というものが既にできておりますので、今回、その令和元年検証の結果に即した形で内容をリニューアルしたいと考えてございまして、漫画のほうもそれに合わせてリニューアルしたいと考えております。
先生方のお手元には、机上配付資料といたしまして、ネームと呼ばれるラフなイメージで漫画の構成案を示したものを事前にお配りさせていただいているかと思います。
先生方におかれましては、その内容につきまして、ちょっと気になる表現があったり、もうちょっとこういった観点で内容を見直してはどうかといった御意見がもしございましたら、ぜひともこの場で賜れればと考えてございます。
また、3スライド目の右のほうに「アンケート調査について」という項目もあろうかと思います。
こちらにつきましては、下のスケジュールにも書いてございますけれども、大体夏から秋ぐらいにかけて、アンケート調査と申しまして、一般の国民の方々に対するモニター調査もやろうと考えてございます。
下のほうに調査対象者とか対象の規模などについても書いてございますけれども、こういったアンケート調査を行うに当たりまして、気をつけなければいけないこと、例えば質問の内容であったり、対象者を選ぶときのポイントであったり、そういったアンケート調査を行う際に留意すべきことも、もし我々が知っておくべきことがございましたら、ぜひとも御意見を賜れればと考えてございます。
また、今後のスケジュールにつきましても先ほど軽く触れましたけれども、恐らく7月に業者と契約が固まりまして、その後、モニター調査であったり、ホームページの開発、UI、UX等の改善等もここで考えてございますので、漫画の内容だけではなく、ホームページ上に掲載する際にUIやUX、また、内容、見せ方にも何か御意見等がございましたら、ぜひとも御意見を賜れればと考えてございます。
説明は以上でございます。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明について御意見、御質問をお願いしたいと思います。
まだこういうネームの段階ではございますけれども、皆様御承知のように過去いろいろな経緯がございましたので、様々な角度から御意見をいただきまして、議論を尽くしておきたいと思っております。
御意見、御質問等ございましたらぜひよろしくお願いいたします。
では、山口先生、どうぞ。
○山口構成員 国際大学の山口です。
御説明いただきましてありがとうございました。
私からは、漫画の内容について2点のコメントと、アンケートについて3点ございます。
まず漫画については、こちらからいろいろ御提案をさせていただいたと思うのですけれども、そちらの内容を非常に丁寧に反映していただいて、私も読んでいてとても面白いなというような漫画になっているなと感じております。
こちらは2点ございまして、事前のやり取りでもお話しさせていただきましたが、21ページ目に低収入とか高収入の方とかというイメージ図があるのですけれども、そこで低収入の方を髪の薄い男性にしているところがあるのですが、この辺は多分リスク要素です。
また、高所得の方が高齢の方になっているのですが、そもそもそれは誤解を招きかねないですよね。
だって、ここでは年功序列で年収が高いという話は一切関係ないはずですので、そういったところに気をつけていただければと感じております。
もう一つ、こちらのほうはかなり重要かなと思うのですけれども、58ページから60ページの辺りは、端的に言うと長く働きましょうという話なのです。
この長く働きましょうというのはとても分かる話なのですけれども、ネットを観察していると、この主張に対してやはり物すごく反発がある。
これは日本だけではなくて、例えばフランスとかでも定年延長みたいな話をすると物すごい暴動が起きたりするわけなので、どこの社会でも多分そうなのです。
ただ、おっしゃっていることは間違っていないというか正しいので、内容について何かあるわけではないのですけれども、どうあっても炎上する可能性はゼロにできないなと感じております。
なので、こういう点において批判を浴びる可能性があるということを予想した上で、いざ起こったときにどういう対応をしておくかというところをシミュレーションしておくといいかなと考えております。
続きまして、アンケートに関して、私は統計分析が専門ですので、そちらの立場から申し上げますと、まず今回400のサンプルサイズというところで、こういうアンケート調査をするときには母集団をどこにするかというのがとても大切なのですけれども、今回でいうとこの年齢の範囲内の方たちだと思うのです。
なので、この年齢に該当する方たち、16歳から75歳の性年代別の人口比に応じて割付けをするか、あるいは5歳刻みとかの性年代別の同数割付けのどちらかにするのがいいのかなと考えております。
今回400サンプルしかないので、人口比に応じて割り付けてもたかが知れている話になるので、それをやるのなら同数でもいいのかなと。
つまり、各セクターで50人ずつとか、そういう割付け方が妥当かなと。そうしますと、性年代別の傾向の違いとか、ここにはこういう問題視する意見もあるのだというようなことが分かったり、そういうことがあると思いますので、いいかなと思います。
オンラインアンケートでされるということは、匿名性が高いところですので私は完全に同意するところなのですけれども、ただ、選択肢ならいいのですが、自由記述だとかなりいいかげんになる傾向があるのです。
今回、20問程度(自由記述)とあるのですが、そんなことはないと思うのですが、もしもこれが全部自由記述という意図であれば、それはやめたほうがいいと思いますということで、基本は選択問題で1~2問自由記述があるというような扱いとか、あるいはその他を選んだら自由記述にするとか、そういった設計がよろしいかなと思います。
最後に、例えば複雑なマトリックス質問とかそういったものになってくると、必ずいいかげんに回答する人が現れるのです。
もちろん全部1とかストレート回答は業者のほうではじきますけれども、それでもどうしてもいいかげんな方は出てくるということで、ダミーの選択肢を一部の問いで用意するとかでスクリーニングをかけるといいかなと。
つまり、よく読んでいるかどうか分かるような質問を入れておくというところがコツとしてあるかなと思います。
以上です。
○数理課免田補佐 どうもありがとうございました。
まずネームの中身についての御意見、どうもありがとうございました。
構成員の先生だけに通じる話で申し訳ないのですけれども、21ページの絵につきましては、今はまだネームの段階ということでございまして、既に公表しております年金のホームページからイメージを切り取って張り付けさせていただいておるということでございまして、これはあくまでこういったものをイメージとして出したいという本当にラフなイメージにすぎませんので、具体的にどういったキャラクターをこういったところに漫画として表現していくかにつきましては、先生の御意見も参考にさせていただきながら、具体的な漫画の絵姿を考えさせていただきたいと思います。
また、オンラインアンケートにつきましても大変ありがとうございました。
設問数20問程度(自由記述)のことでございますけれども、こちらにつきましては、正直、どの程度自由記述にして、どの程度の問題を選択肢にするかということもまだ検討中の段階でございますので、全て自由記述ということまでは現時点では考えてございませんでしたので、そのバランスにつきましてもまた参考にさせていただきながら考えたいと思います。
○上田座長 ありがとうございました。
山口先生、よろしゅうございますか。
そのほか、皆さんいかがでしょうか。
どうぞ。
○富永構成員 富永です。
私もアンケートについてコメントしたいのですけれども、このアンケートをやっていく意図は、このコンテンツについて対象者からの評価を数値化したいとか、その数値を使ってこのコンテンツはいいコンテンツなんだよみたいなマーケティングをしていきたいという意図があるのだったら、選択式のやり方がいいと思うのです。
一方で、もしこの意図が事前にコンテンツのどこが火種になるかというところをあらかじめ分かっておくとか、場合によっては変えるといったことになるのだったら、オンラインアンケートとか、そもそもアンケートでそれをいぶり出そうということ自体に無理があるかなと思います。
設問を準備するというのは、しょせんこちら側が想像する範囲で一所懸命設問をつくって聞くという形にしかならないわけであって、こちら側が想定しないような気になるポイントをいぶり出すことができなくなってしまうわけです。
なので、もしそこが狙いだったとしたら、ちょっと負荷がかかるかもしれないのですけれども、もっと人数を絞ってデプスインタビューとかをやっていくようなやり方のほうがより意図に合ったインサイトが取れるかなと思いましたというのがコメントです。
○数理課免田補佐 どうもありがとうございました。
アンケート調査につきましては、一つの目的としては、やはり不快な表現とか不適切な表現がないかについてぜひとも幅広い御意見を賜りたいというのが目的の一つでございました。
ただ、おっしゃるようにそれがモニター調査であぶり出すのが難しいということであれば、実際にできるかどうかはこれから検討させていただきますけれども、御提案いただいたようなデプスインタビューも、必要があるかどうかも含めて検討をさせていただきたいと思います。どうもありがとうございます。
○上田座長 ありがとうございました。
横尾さん、どうぞ。
○横尾構成員 私のほうからも、アンケートと漫画、両方意見を述べさせていただきたいと思います。
まず、富永構成員のおっしゃっていたことに付随して、私からもお話をできたらなと思った点があります。
まず人間の意識できることと無意識に感じる部分というものがありまして、意識できることのほうが研究ではおおむね5%程度と言われております。
95%は無意識で感じ取っている部分になります。
この年金広報全体についてのお話ですが、年金の広報は、年金広報検討会が始まり私たち構成委員がアドバイザリに入る前からずっとやってきていらっしゃるわけです。
年金の情報発信は当然色々なところで色々な方がされてきていたはずで、その中で年金は絶対に信用できないとか、そういう情報を流した方は一人もいないと思うのです。
つまり、過去に国が行った広報活動において、年金のネガティブイメージを流した広報活動は一つもなかったはずなのです。
にもかかわらず、なぜ不信感が生まれたのかというのが、年金広報において、すごく大事なポイントだと思うのです。
つまり、書いてある情報を全部一つ一つチェックしても悪いところは見当たらないと思います。
では、何でそこで不快に思ったり信用できないと思ったりしてしまったのか、というところは、無意識の部分になってくると思うのです。
無意識というのは思っていても言語化できなかったりする部分なのです。
例えば、利用者が正しく理解できないことが、言いくるめられそうなのではないかというような不信感につながるケースというのは、私達が利用者の思考行動観察調査をしていても、結構あったりします。
同様のケースが、私達が調査と改善に関わった企業の取扱説明書などでもよく起きてきました。
「情報が多過ぎて読んでいない」と利用者が言うケースで、詳細は省きますが、実態調査により、実際には言語化できない別の問題によりそのような感想に繋がっていたということが判明し、その点を解決したことで、ページ数は増えたにも関わらず、大変高評価を頂くようになったというケースが大半です。
「情報が多すぎる」「ページ数が多すぎる」は私達の経験上、別の問題が隠れていることが多いと実感しています。
結論としては、言語化されていない部分というのもあるので、その点を調査されるのは価値があることだと思います。
その点を見るためには富永さんがおっしゃっているようなデプスインタビューという方向性もあるのかなと思います。
調査担当者のスキルによって相当な差が出るので、ただやればいいというものではないということは富永さんも当然、分かっていらっしゃる上でおっしゃっていると思いますが、もちろんやってみるところからスタートしていくしかないとは思います。できればきちんと質のいいものをやるというのは私も賛成です。
今後の展望としては、このコンテンツだけではなくて、全てのものに対して利用者の実際の思考や行動に触れる体験としての調査をやっていくことで皆さんの気づきが得られて、さらに良い結果を産む好循環が生まれると思います。そういった調査の様子を撮影した動画が残っていると、その動画を見る体験から受け取る、人間のメッセージは大きいです。
ただのグラフで「わからない人が何%でした」というのと、実際の利用者の生の反応を見る体験をするのは、全然違うインパクトがあって、それは今後事業者に頼むときにも事業者に見てもらうことでコンテンツの質が上がっていくという効果もあります。
製作者側のためのキラーコンテンツではないですけれども、そういった意味でも、人間の本当のリアクションを見る機会を作っていくということは全体の広報活動の一環として意味があることだと私は思います。
次に、漫画のターゲット層の設定、アンケート調査の対象者の選定について述べさせていただきます。
まず漫画のターゲット層と調査対象者の選定基準は当然同じ対象者だと思いますが、その選定要素について、私達が利用者調査を行ってきた経験から、より良い結果に結びつくために重要性を日々感じている点についてです。
結論から申し上げると、対象者として年齢層ももちろん大切ですが、それに加えて、「年金に対してどのような理解度と意識」を持っている人をメインターゲットとするのかが重要であると、私達の経験からは感じます。
具体的には、この漫画を素直に拝見すると、「年金に強い不信感がある人」をメインターゲットとしているような印象があります。それが本当にメインターゲットで良いのかという点について、今一度ご検討いただくと良いのではないでしょうか?「これは不審なものではありません」と何度も説明していく内容構成が有効な時期もあったと思いますが、年金広報の段階として次のステージに行ったほうが、特に若い世代にとっては受け入れやすいのではないかと思います。
様々な角度から年金広報の充実を図って来ている今、素直に年金のことを面白いなとか、すごくいいなとか、QuizKnockさんもコンテンツもそうですが、若い世代を中心にいろいろな方が興味を持って、年金に好意的な印象と興味を持ちつつある若い世代が増えつつあり、これからも増やしていこうという状況だと思います。
漫画は若年世代だけのものではないですけれども、やはり若年世代のほうが読む率が高い部分もあると思います。
その中で、年金に不信感を持っていないのに、この漫画を通じて、年金に不信感を持っているのが普通だという姿勢を提供者側自ら出していくというのは、返って、若い世代に不信感を与えてしまう可能性もあると思います。
少なくとも子どもたちはまだ年金に不信感を持つところまで至っていないと思います。
その状況でこの漫画のトップページの一番初めから「年金はどうせもらえないのでしょう」「私たちには残っていないんじゃないの」みたいな話からスタートしている状況を見て、「本当はそんな話になっていたのか!」と思ってしまうという事態になるのではないかなと言う点が気になりました。つまりそれは、誰がメインターゲットなのか、という話なのです。
ここまで不信感を持っている人をメインターゲットにするのではなく、まずはフラットな意識を持った、QuizKnockさんや年金のひみつから入ってきた若い世代をメインターゲットに据えてはいかがでしょうかというのが私の個人的なお勧めです。
私の仕事の中で、払込票のコンテンツやデザインの改善により不払い率を低減する、期限内にきちんとお振込みをなさらない方を減らすというプロジェクトで、不払い者数を最大8割を減らすことができたケースがあるのですが、このようなプロジェクトで大きな成果を出す上で一番重要なのは、もちろん個別のテクニックもありますが、今お話している「誰をメインターゲット」にコンテンツをデザインするかということを丁寧に整理しなおすということなのです。
提供者側は払ってほしいので、どうしても感情的に「払わない人」「もともと払う気がないのに購入した確信犯の人」に着眼してしまいがちです。
しかし、「払う気はあったんだけど、うっかり忘れてしまった人」や「払う優先順位が下がってしまった人」などのほうが、実際にはずっと多いですし、それらの人に払ってもらう方が、労力もずっと少なくてすみます。
同じことが年金広報のコンテンツデザインにも言えます。
年金の仕事に関わる方々からすれば、感情的には「年金は絶対に信用できないと思い込んでいる人」を何とかしたいと感じてしまい、コンテンツを作るときのメインターゲットに据えてしまいがちなこともあると思います。
年金への不信感の強い方々の意識を変えてもらう労力が100ぐらいだとすると、「年金のことはよく知らないけれどもどうなのかな」ぐらいに思っている、不信感を抱くには至っていない方々に、年金のファンになってもらうほうが、労力は100分の1ぐらいで済むというのが、私の経験上の体感的な感覚です。
それは、メインターゲットにそのような方々を設定したほうが、全体としてみると、総数として、もっとたくさんの人の年金に対する理解と信頼につながるということです。1つのコンテンツでできることには、どうしても限りがあります。
年金にすごく不信感がある人に力を注ぐのはもうやめたほうがいいのではないでしょうかというのが私の個人的な意見です。今回そこまでできなかったとしても、年金に対する不信度や興味度などをどれぐらいの方を対象にするのかというのは明確に決められたほうがいいのではないかなと思います。
長くなりましたけれども、最後に、漫画における伝え方について、感想です。私の印象ですけれども、面白くないことを無理やり猫に言わせて、ばーんとかどーんとかやって何とか面白そうにしているという感じで、これの何が面白いのかは多分描いている作者には充分に伝わっていないのではないかと思います。
そこからできれば脱却したいなという気持ちになりました。
コンテンツの一個一個自体は面白い内容を取り扱っていると思いますので、これを実際に描いている作者の方にも、「この内容の何が面白いのか」という点について、本当に理解していただいて、その面白さを伝えていただけるようなコンテンツにされたらいいのではないかなというのが、漫画のコンテンツのほうに対する私の意見になります。
最後にミクロの話としては、漫画のコマとしてネガティブに取り上げられやすいと思うので、猫がいじわるではないほうがいいのかなと思いました。
また、全体として、貯金もしないで散財する人を救うのが年金だと取られないように、キリギリスではなくてアリに焦点を当てたほうが令和には合うかなと思いました。
女しかいないのは何でなのかなというのもちょっと気になりました。
以上です。ありがとうございました。
○上田座長 ありがとうございました。
ありますか。
○数理課免田補佐 どうもありがとうございました。
アンケートにつきましては、横尾先生からもデプスインタビューも取り入れてはどうかという御意見を賜りましたので、そちらも検討させていただきたいと思います。
また、アンケート調査の対象につきましては、そもそもこの漫画は、厚生労働省のホームページにアクセスして御覧になっていただくので、恐らく年金に興味を持ち始めてこれから勉強しようかなという人が対象になってくるのではないのかなとこちらでは考えてございますので、そういった方々に正しい理解をしていただけるようなコンテンツになるようにというのが我々も目的の一つとしているところでございますので、そういったことが達成できるような調査対象者の選定も考えていきたいと思います。
また、コンテンツの内容につきましても、いろいろ御指摘いただいてありがとうございました。
こちらも参考にさせていただいて、今後のネームの修正に反映させていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
○上田座長 ありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。
では、原さん、どうぞ。
○原構成員 これは数理課さんが作成される5年に1回の財政検証を中心として、そこからいろいろな年金の仕組みを漫画でもって解説していくということで、私は以前から読んだり活用したりさせていただいてます。
どちらかというと中級者向けと言ったら変ですけれども、本当に初めて触れるというよりは、この漫画の下に説明が載っているのは継続されると思うのですが、漫画の下に文章と図でこういうことを意味していますという補足の説明がついています。
時々私も見返したりすることに使わせていただいているので、割と年金を教える人とか、最初の一歩は分かったから、次にもうちょっと年金財政や財政の仕組み、財政検証というところにもということで、中級者向けなのではないかなという位置づけで考えておりました。
そういった意味では、そこは分かりやすくしていくという部分があると思うので、ちょっとした言葉でひっかかってしまわないような形で進めていっていただければと思います。
以上です。
○数理課免田補佐 どうもありがとうございました。
先ほど私も申し上げましたように、恐らくこの漫画を御覧になる方というのは年金に興味を持ち始めている方が対象なのではないかなと考えてございまして、そういった方々にも分かりやすく年金について御理解いただけるようなコンテンツにするとともに、先ほど原先生もおっしゃっていただいたように、下に詳細な説明資料もつけさせていただいておりまして、そこを読むと、さらに興味が出てきた方につきましてはもう少し理解が深まるようなコンテンツ等にしているつもりでございますので、そういったことがより分かりやすくなるように、内容につきましては今後ともよりよいものにしていきたいと考えてございます。
○上田座長 ありがとうございました。
では、森下さん、どうぞ。
○森下構成員 ありがとうございました。
内容面でというよりは、表現方法の手段について意見を申し上げられればと思っております。
前回は2014年に作成されたということで、前回の漫画と今回のネームを併せて見させていただいておりますが、この7年の間にネット上で見る動画やアニメ、コミックのコンテンツの表現がどんどんリッチになっていて、多分漫画家さんが描くのは普通に絵を描いてペンを入れてみたいなので変わらないのですけれども、見る人がやるときに、両方選べるところも結構あるのですが、電子コミックなどは1こまずつスクロールしてぽんぽんぽんとテンポよく読んでいく読み方というのが今は結構多いなと。
なので、要は一画面で表示される情報量はもっと少ないのです。スクロールの回数は多いのだけれども、一画面でぱんと全部入ってくるように読めるような仕掛けが多いなと思っていて、今公開されているものを改めてスマホで見てみると、一回で視認するには量が多過ぎてしまって、前だったらこれは紙を置き換えたものだからこれで耐えられるなと思うのですけれども、今の人たちの感覚はすごくネットに対してせっかちな気持ちがあって、例えばQuizKnockさんの動画もすごくテンポがいいじゃないですか。言うことは絞り込んでいるのだけれども、すごくさくさく見られますと。
企業さんの動画などを見ても6秒動画みたいなものがはやっていたりして、何しろテンポ感がこの近年すごく変わっていると思うのです。
おっしゃるように、関心がある方だったらこの情報量で旧来の表現でも見てくれるなという思いもありつつも、今の人たちがこれから入ってくるというときに、感覚的なものかもしれないけれども、テンポ感が違うなと思うところが私はあります。
今回はもしかしたらある程度プランが進んでいらっしゃったらなかなか難しいかもしれないし、予算のこともあると思うのですけれども、漫画自体の表現がそもそも変わっているぞという話と、あるいはスライドアニメーションみたいにスライドで見せて声がついているとか、リッチな表現はいろいろあるので、もしかしたらそういうところの見直しもされるといい部分があるかもしれないなと漫画の表現一つでも思ったりしました。
以上です。
○数理課免田補佐 どうもありがとうございました。
今のネームは、どちらかというとPC等でブラウザで見ているもののイメージでできているのではないかなと考えておりまして、恐らくスマホで御覧になる方がこれから大多数になるのかなと思うと、御指摘のように、こま割りといいますか、見せ方といったものは工夫していかないといけないのかなというのは、今の御意見を伺いまして思いましたので、そちらにつきましては、これからUI、UXにつきましても検討していく予定でございますので、そういった中で反映させていただければなと考えてございます。
○上田座長 続きまして、殿村さん、お願いします。
○殿村構成員 ありがとうございます。
今のお話の続きみたいな感じになってしまいますが、一つ提案として、導入がみんなネガティブな部分を修正した方が良いと思います。
最初からポジティブな表現なら受け取り方がのまったく異なってくると思うのです。
例えば少子高齢化が進むと保険料をもっと上げないといけないのか、というネガティヴな疑問から漫画が始まっている部分について、少子高齢化が進んでも年金はもらえるんだ、といったポジティヴな表現から明確にイエスと答えておく、それから詳しい背景や理由を紹介した方が読む人が増えると私は思うのです。
先ほど仰っていた、年金を理解してみたいという方がアクセスされるとしても、最初の導入だけポジティブにして、明確にイエスかノーかを明示することで理解力が数段変わると思います。一度ご検討いただければと思います。
以上です。
○数理課免田補佐 貴重な御意見をありがとうございます。
正直、我々が想像していなかった話の構成でもありましたので、そういった観点も含めながら、どういった構成にすればより皆様がこれを読んでみようかなと思うようなコンテンツになるかというのは考えさせていただきたいと思います。
どうもありがとうございます。
○上田座長 ほか、皆さんいかがでしょうか。
野口さん、どうぞ。
○野口オブザーバー 1点だけ申し上げたいと思います。
ネームの22ページに厚生年金の加入と正職員というところが直接結びついているような表現がありまして、それはそれで別におかしいことではないのですが、昨今の正規と非正規のいろいろ微妙な問題もございますし、私ども、事業所調査でも被保険者たるべき人をいかに見出して加入いただくかということで、むしろそこはターゲットは非正規の方々ということになっておりますので、そういう意味でも、短時間適用の拡大の問題も若干含めて、やや施策の動向から見てもおやという感じもなきにしもあらずでありますので、いけないということではないのですが、もし御考慮いただけるのなら御考慮いただければなと思います。
○数理課免田補佐 どうもありがとうございます。
確かに厚生年金は今適用拡大のほうを進めておりまして、短時間労働者の方も厚生年金に加入ができるということもございますので、表現ぶりにつきましては工夫させていただきたいと思います。
○上田座長 ほかの皆さん、いかがでしょうか。
佐久間さんや太田さん、特に御意見、コメント等はいかがですか。
○佐久間構成員 僕も個人的に漫画はめちゃくちゃ見るのですけれども、文字がそこそこ多いから、ちょっとスリムにしないととっつきにくいかなというのは、先ほどの補足ではないですが、これだと数ページでもういいやみたいな感じになってしまうと思うので、全体的に言葉をちょっと減らしたほうがいいかなと思いました。
以上です。
○上田座長 ありがとうございます。
太田さんは。
○太田構成員 僕も拝見して、なるほどとここで初めて納得がいくようなこともあったのですけれども、やはりおっしゃるとおり、ボリュームが70ページ近くあるので、読むのにそれなりにカロリーを使ったなという印象はあります。
なので、文字数もあるのかもしれないですけれども、ページ数が70ページ近いと、漫画とはいえ読むのにカロリーをかなり使うなという印象はありました。
ただ、内容に関しては本当に分かりにくいことを分かりやすく表現していて、個人的にもかなり有意義なコンテンツだったなと思いますけれども、先ほどの森下先生のお話でもありましたが、やはり読んでもらうためにもう一工夫あってもいいかなという印象は持ちました。
○数理課免田補佐 どうもありがとうございます。
我々といたしましては、伝えたいメッセージをあれもこれもと欲張っているところがもしかしたらあるかもしれませんので、そもそも読んでもらえるようなコンテンツ、途中で離脱することがないようなコンテンツにしないと意味がないというのは全くもって御指摘のとおりだと思いますので、そういったことも踏まえながら、内容を引き続き精査していきたいと思います。
○上田座長 ありがとうございます。
私も佐久間さんと同じ感想で、せりふが多くてあふれてきているかなという印象がありましたので、全く同感でございます。
横尾さん、どうぞ。
○横尾構成員
今の佐久間さん、太田さんがおっしゃっているところの流れなのですけれども、取扱説明書やパンフレット、御案内などで、絶対に読んでもらいたいとか、絶対に理解してもらいたいものを、実際に読んでもらえるようにするための調査と改善の仕事が結構あるのですけれども、そういったツールを調査すると、利用者からすると、ちょっと見たらぱたっと閉じたくなるものが多いです。
そのときに絶対に気をつけていただきたいのは、皆さんが描いている「伝えたい内容」を減らすのは絶対にやめた方がいい、ということです。
それは伝えなければいけない内容だから書いてあったほうがいいのです。伝え手側が伝えたいと思っているということは、読み手側が知ったほうがいい理由があるのだと思うのです。
ですから、伝えるべき内容は削らない。
情報の内容の精査ではなく、これを読んでいるときに、これを読み込みたいと思うほどのモチベーションが発生しなかったという点の改善に、なるべく多くの労力を注力すべきだと思います。
もしかしたら、今、漫画を読むのが辛かったという方も『ワンピース』などの長編漫画は読んでいるかもしれないのです。
つまり、コンテンツの量が多くても、興味があれば読んでくれるわけです。
今、最も良くない点は、やはりこの作者の人がこの内容の何が面白いのか一切分かっていないということだと思います。
今回、最終的には質の高いコンテンツを作ってくださっQuizKnockさんの動画も、一番はじめに本検討会に提出された内容のままではここまで面白くはならなかったと思います。作者の方は、この内容の面白いところが分からないから、何とか猫やゆいちゃんに楽しくさせようとしているのですけれども、残念なことに、これは連載漫画でも何でもないので、私たちはゆいちゃんや、ゆいちゃんがいかに自堕落かに興味を持ちにくい。
なので、それをずっと出されるのがかなりつらいと思うのです。
でも、作者の人はそれは同じで、もともとの年金の内容が分からなくて、年金の内容を読むのが辛かったからこそ、それを何とかしてあげようと思ってゆいちゃんとか猫とかいろいろ出しているのだと思います。
一番初めのページも年金の話に行くまでゆいちゃんが自堕落だという話で丸々3ページ使っています。
興味を持ってもらうべきはゆいちゃんではなく、年金のことなのです。だから、年金の面白さを作者の方にも本当に分かってもらわないといけない。
作者の方はQuizKnockの映像とかを見ていないのではないかとも感じました。要は、まだ興味を持っていない。こちらのキラーコンテンツをできるだけ見てもらうこともあるし、できれば年金局の方が直接作者の方と面白みが伝わるぐらいまで、じっくり、しっかり、話をしたほうが、良いと思います。
一次体験、一次情報ってすごく大事なのです。直接話す機会をぜひ持っていただきたいです。
年金局の方とコミュニケーションを取っただけでも多分年金に対する信頼度がすごく上がりますし、つまり、年金局の人が言っていたことを自分が聞いたという一次情報、実体験は皆さんが思っているよりもインパクトがあると思います。
ありがとうございました。
○数理課免田補佐 どうもありがとうございます。
このネームにつきましては昨年度作成させていただきましたけれども、そのときも作者の方とはある程度は連携を密にしてやっていたつもりではございますが、もしかしたら足りていない部分もあったのかもしれませんので、この修正のときにはまた作者の方とも連携をさらに密にして、よりよいものを作っていきたいと考えてございます。
○上田座長 ありがとうございます。
それでは、そろそろお時間が大分迫ってまいりましたので、特に何かこれを言い残したというものがあればお受けしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
私から、細かいところなのですけれども、気になったところを2~3点言っていいですか。
6ページから7ページあたりで、貯蓄というのが非常に前面に出ているのですけれども、財政検証の話なので致し方ないのですが、できればiDeCoとかといったものをさらりと入れていただいたらどうかなと。
あとは13ページの一番右上にある掛け軸の「棚から牡丹餅」というのが非常に気になりまして、これは炎上するのではないかなと。
きっちり加入、しっかり受取りとか、保険なので加入と保険料支払い、それできっちり受け取りというのを入れたらどうかなと思っています。
逆に14ページは、高齢者の方にあまり肩身の狭い思いをさせてはいけないと思いますので、このせりふもちょっとお考えいただいたほうがいいかなと思っております。
あとは、32ページで、積立金が脇役ということにはなっているのですけれども、表現的にやはり150~160兆円あるわけなので、かなり重要な国民の資産ですし、脇役というか助演俳優賞みたいな力強いバックアップという表現もいいかなと思いました。
39ページでは、よくGPIFさんの運用が四半期で赤字が出るとすぐ責められたりするのですけれども、やはり長期投資の観点をここで入れておいたらどうかなと思っています。
どうでもいいことなのですけれども、猫はお風呂が嫌いだと思いますので、55ページの猫をお風呂に入れる表現はちょっとあれかなと。
あと、57ページから58ページあたり、さっき山口先生から長く働くことへの御指摘がありました。
ただ、一方で、企業には本年4月から70歳までの就業の確保についての努力義務が課されましたので、そういう事象も少し入れてみたらどうかなと思いました。
私は重箱の隅をつつくようなミクロの指摘で申し訳ありません。その辺り、受け止めていただいたらと思っております。以上です。
では、原さん、どうぞ。
○原構成員 今の座長の御発言を酌んで1個だけ、私、山口先生に逆に聞きたいぐらいのことなのですけれども、前々から見て気になっていて、細かくて申し訳ないですが、先ほど横尾先生がおっしゃったような伝えるべきことは伝えるということと、漫画というのは、前はプラスアルファの落ちみたいなところがあったりしたのですが、特に38ページで気になっているのが、最後、真ん中にお菓子を食べてる女の子がいて、今の自分が未来の自分を作ってるよ、という5年後の写真が太っている絵があるところですが、そのあと、ちょっとジョギングしてくる~みたいな流れになっています。
これはそういう提案だと思うのですけれども、5年後の太っている人のイメージをそういうふうに描いてしまうというこの絵はまず大丈夫かなと。
心配し過ぎなのかもしれないのですけれども、必ずしもこういうジョギングしてくるとかという落ちがいるのかとか、これはどなたに聞いたらいいのか分からないのですけれども、漫画としては面白いかもしれませんが、逆に本筋とは関係ないオチのようなところで、つつかれてしまうといけないと思いました。
こういう絵とか表現は、若干気になっていたので、こういうものは別に大丈夫なのでしょうか。
今の座長の御発言を酌んで1個だけ、私、山口先生に逆に聞きたいぐらいのことなのですけれども、前々から見て気になっていて、細かくて申し訳ないですが、先ほど横尾先生がおっしゃったような伝えるべきことは伝えるということと、漫画というのは、前はプラスアルファの落ちみたいなところがあったりしたのですが、特に38ページで気になっているのが、最後、真ん中にお菓子を食べてる女の子がいて、今の自分が未来の自分を作ってるよ、という5年後の写真が太っている絵があるところですが、そのあと、ちょっとジョギングしてくる~みたいな流れになっています。
これはそういう提案だと思うのですけれども、5年後の太っている人のイメージをそういうふうに描いてしまうというこの絵はまず大丈夫かなと。心配し過ぎなのかもしれないのですけれども、必ずしもこういうジョギングしてくるとかという落ちがいるのかとか、これはどなたに聞いたらいいのか分からないのですけれども、漫画としては面白いかもしれませんが、逆に本筋とは関係ないオチのようなところで、つつかれてしまうといけないと思いました。こういう絵とか表現は、若干気になっていたので、こういうものは別に大丈夫なのでしょうか。
○山口構成員 国際大学の山口です。
私のほうからお話ししてもよろしいですか。
ここは、私も読んでいてそんなに違和感はなかったので、見落としていた部分なのですけれども、確かに御指摘いただくと、リスクがゼロかと言われれば正直ゼロではないなと思うところではあります。
特にイメージ絵として太った女性をわざわざここへ出す必要は全くないところであえて出しているので、漫画の落ちとしてはふふっとなって終わりかもしれないですけれども、不快に感じられる方がいらっしゃるかどうかという話でいうと、確かにいないことはないのかなというところですので、変えられるのでしたら表現は変えたほうがより無難なのかなと私の個人的な意見としては感じるところです。
以上です。
○原構成員 ありがとうございました。
○上田座長 時間も大分迫ってまいりましたので、また皆さんお気づきの点がございましたら、事務局のほうへメールなりお電話等で個別に御指摘をこの後もいただけたらと思います。
横尾さん、手を挙げていらっしゃいましたら。
○横尾構成員 ありがとうございます。
私も個別のことは言わなかったのですけれども、原構成員がおっしゃられたところも、ユニバーサルデザイン的な視点でも「自堕落だと太る」という前提のメッセージは失礼というか、病気で太る方もいらっしゃるので、「太っているということ自体が恥ずかしいことだ」という表現はいまいち受け入れ難い方もいらっしゃると思いますし、私は猫とゆいちゃんのところは、地雷が多過ぎるというか、全部なくていいのではないかと個人的には思っております。
個別にということで座長からもおっしゃっていただきましたし、この場では言わなかったけれども、気になっているところがたくさんある方はもっといらっしゃるのではないかなと思うので、今後個別にまたやり取りをしていただけるとすごくいいのではないかなと思いました。
○上田座長 それでは、また皆さん個別にお気づきの点等ございましたら、事務局のほうへぜひお伝えいただけたらと思います。
では、これで議題4の議論を終わりにいたしたいと思います。
事務局のほうから御連絡等ございましたら。
○古川年金広報企画室長 事務局でございます。
6月1日から第3回の年金広報コンテストの募集を開始させていただきました。
私、第1回目から携わらせていただいておりますが、今回は手ごたえを感じております。
というのも、まだ募集開始から1週間足らずですけれども、とある県の教育委員会から県内の高校、中学に周知してもよいかという問い合わせをいただいたり、某美術大学から応募するにはどうしたらいいのかというお問合せをいくつかいただいている状況です。募集開始から1週間足らずでここまで反響があったのは、これまでで初めてです。
その要因について、いろいろ考えてみましたが、議題2でも御議論いただきましたが、まず令和2年度に作成した年金クイズ動画や年金漫画の影響がやはりそれなりにあるのだろうなと思っております。
さらに、年金漫画が完成した際に、学研プラス様から全国2万校の小学校に学研漫画を作成した旨を周知するダイレクトメールを送っていただき、その中で、年金広報コンテンストについて併せて紹介いただきました。こうしたことも影響しているのではないかと思っております。
今後、公募ガイドや朝日小学生新聞、朝日中高生新聞への広告記事の掲載などを予定しており、さらに、各都道府県の教育委員会や校長会などにもご協力いただきながら、徹底した周知を図っていきたいと考えています。
第1回、第2回の年金広報コンテストにおいて応募いただいたポスターや動画といった作品を広報活動に活用できていないという実態もあります。
今回第3回目はこのように世の中の反響もだんだんと出てきている状況でもありますので、厚生労働大臣賞などそれぞれ各協賛賞の受賞作品を、今回はうまく年金広報に使っていきたいと考えております。
年金広報コンテストの御紹介は以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、特に皆様から御指摘、御意見等なければ、次回の御案内を。
○古川年金広報企画室長 会議の中でも御説明させていただきましたけれども、次回は7月1日14時から、ウェブにて開催させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、これで本日の会議は終了いたしたいと思います。
皆様、どうも大変ありがとうございました。
 

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 年金局が実施する検討会等> 第10回年金広報検討会(2021年6月7日)議事録 - (1)

ページの先頭へ戻る