ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 年金局が実施する検討会等> 第6回年金広報検討会(2020年10月8日)

 
 

2020年10月8日 第6回年金広報検討会

年金局

○日時

令和2年10月8日(木)14:00~16:00

 

○場所

東京都千代田区平河町2-4-2
全国都市会館 3F 第1会議室(オンライン開催)

○出席者

足利 聖治(構成員)      
上田 憲一郎(座長) 
太田 英利(構成員)
尾崎 俊雄(構成員)
殿村 美樹(構成員)
野 口  尚(構成員)          
原 佳奈子(構成員)   
森 浩太郎(構成員)
森下 郁恵(構成員)       
横尾 良笑(構成員)       
吉野 隆之(構成員)
 

○議事

○上田座長 それでは、定刻前でありますけれども、皆様おそろいでいらっしゃいますので、ただいまより第6回「年金広報検討会」を開催いたしたいと思います。
皆様、大変お忙しい中、御参加いただき、誠にありがとうございます。
今回は、前回同様、オンライン開催とさせていただいております。
本日の出欠状況ですが、富永構成員から欠席の御連絡をいただいております。
また、本日は、議題2の関係で、株式会社博報堂の皆様にも御出席いただいております。
それでは、議事に入る前に、事務局から資料の御確認をさせていただきます。
○年金広報企画室長 構成員の皆様には、事前に資料をメールで送付させていただいております。
また、Zoomの画面上にも画面共有いたしますので、どちらか見やすいほうを御覧いただければと思います。
また、傍聴の方につきましては、御自身のタブレット端末を用いて、厚生労働省のホームページから資料をダウンロードしていただければと思います。
資料が見つからない方がいらっしゃいましたら、事務局にお声がけいただければ、場所を御案内いたしますので、よろしくお願いします。
本日の資料は、議事次第、資料1「年金広報コンテスト」、資料2「適用拡大に関する広報(厚生労働省作成部分)」、資料3-1、3-2は適用拡大に関する効果的な周知広報業務」の総論及び各論で博報堂様に作成していただいた資料ですので、御確認ください。
御不明の点等ございましたら、お知らせいただければと思います。
前回と同様になりますが、発言等について御説明させていただきます。
マイクの設定につきましては、御発言時以外はミュートにしていただければ幸いです。
また、御発言方法につきましては、会議中に御発言を希望される方は、カメラに向かって何らかアクション、例えば挙手をしていただければと思います。
座長からの指名を受けた後で、マイクのミュートを解除して御発言いただければ幸いです。
事務局からは以上でございます。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、カメラの方がいらっしゃいましたら、ここで退室をお願いいたします。
これより議事に入らせていただきます。
本日は、今、御説明ありましたように「(1)年金広報コンテストについて」、「(2)被用者保険の適用拡大に関する広報について」の2点を議題といたします。
特に、被用者保険の適用拡大に関する広報につきましては、構成員の皆様御存じのように、大変盛りだくさんの資料がございますので、議論のほうはこちらに多くの時間を取って中心に進めたいと思っております。
皆様におかれましては、御発言はできるだけ簡潔にお願いいたしまして、多くの論点を皆様から御指摘いただけるようによろしくお願いいたします。
それでは、まず議題1の「年金広報コンテストについて」、事務局より御説明をお願いいたします。
○年金広報企画室長 御説明いたします。
年金広報コンテストでございますが、今年の6月1日から9月11日までの期間募集させていただきました。
今年は、ポスター部門と動画部門という2種類の部門を設定させていただきましたが、ポスター部門につきましては、昨年の15件から倍増の30件という多くの応募をいただいております。
一方、ちょっと残念だったのが動画ですが、昨年11件ありましたが、今年は3件になっています。
動画部門は、昨年、20代からの応募が9名ありましたが、今年は3名でした。
昨年は、大学生が友達同士、ゼミの仲間同士で集まって作成作業をしていたようなのですが、今年は、新型コロナ感染症の影響で、集まることがなかなかやりづらかったようで、こうした点が応募が減少した主たる要因なのではないかと考えています。
なお、広報コンテストの厚生労働大臣賞等々の候補作品を決めるための審査会については、別途設置させていただいた上で、改めて年金広報検討会において、結果を御報告させていただきたいと考えております。
私のほうからは以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明について御意見、御質問ございましたら、挙手をお願いいたします。
特に御意見ございませんでしょうか。
なければ、続いて、議題2の「被用者保険の適用拡大に関する広報について」に入りたいと思います。
こちらの施策は、社会保障の裾野を広げる大変重要な施策であると思いますので、皆様にはぜひ多くの御議論をいただきたいと思います。
また、具体的な施策についての議論でございますので、この後、総論を御説明いただいて議論した後、各論に入りますが、できれば各論のほうにより多くの時間を割いて、具体的な議論を深めたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
まず、資料2について事務局から御説明いただき、その後、続いて資料3-1の総論の御説明をいただいた後に、ここで質疑応答を一旦行いたいと思います。
それでは、資料2の御説明からよろしくお願いいたします。
○年金広報企画室長 では、御説明いたします。
今回、令和2年の改正年金法の中で、被用者保険の適用拡大という項目を盛り込ませていただいたところでございますが、こちらにつきまして、私どもがどういう観点で、どういう層に対して広報していきたいのか、訴求していきたいのかということについて簡単に御説明させていただきたいと思います。
今回の適用拡大につきましては、まず対象となる事業主が、しっかりと理解いただくことが必要だと考えています。
これまで企業規模要件501人以上の事業所についてのみ、労働時間が20時間から30時間の短時間労働者の方々も厚生年金の対象としてきましたが、今回はその範囲を広げまして、2022年10月には100人超、2024年10月には50人超とすることとしています。
このように、短時間労働者の方々の社会保険、厚生年金の適用がどんどん広がっていきますので、こういう義務が追加されることを事業主さんにしっかりと理解していただきたいと考えています。
次に3ページ目ですが、繰り返しになりますが、今回の改正は義務が追加されることになるので、事業主に対しては、しっかりと制度変更について気づいていただく、知っていただくことが必要になるのですが、その上で、どういうメリットがあるのか。
例えば、労働者から見ると、社保完備というのはすごく魅力的なものなので、求人の魅力を高めることに繋がったり、さらにはこういった取組によって、主力級の役割を担っている短時間労働者の待遇改善、意欲向上に繋がるという意味もあるというメリットについても、併せて訴求していきたいと思っております。
次に4ページ目ですが、事業主以外で訴求したい対象として、従業員であると考えています。
資料では、全体像をお示ししてございますが、国民年金の1号被保険者として、主にシングルマザー、シングルファザーの方や、就職氷河期でパート労働を繰り返している方々が多く対象となっていますが、こういった方々のメリットについて訴求していきたいと思っております。
また、国民年金3号被保険者、いわゆる国民年金2号被保険者であるサラリーマンの方々の被扶養者ですが、こういった方々のメリットについても訴求していきたいと思っております。
次に5ページ目ですが、対従業員向けの広報につきまして、まず国民年金1号被保険者につきましては、真ん中辺りに月々の支払額と将来の受取額をお示ししてございますが、多くの方は恐らく支払う保険料額は減る一方で、受け取る年金額は、1階部分のみならず、2階部分の厚生年金が終身で受け取ることができるようになりますので、こういったメリットについて訴求していきたいと思っております。
医療保険につきましても、傷病手当金や出産手当金が受け取れるようになるというメリットについて訴求していきたいと思っています。
次に、もう一つの訴求対象である国民年金第3号被保険者の方々につきましては、この方々はもともと保険料をお支払いいただいていない方々なので、新たな保険料負担が生じるわけですけれども、国民年金第1号火被保険者と同じように、厚生年金の2階部分が終身でつくことに加えまして、傷病手当金、出産手当金という医療保険の給付が充実することに加えまして、扶養基準を意識せずに、希望どおり労働時間を延ばすことができるようになるということを訴求していきたいと思っています。
また、年金の給付ですが、先ほど御説明したとおりですので、ここでの説明は割愛させていただきます。
次に7ページ目ですが、老齢年金に加えて、障害年金についても障害厚生年金といった部分が上乗せされることになりますし、より軽い障害にも保障の範囲が広がるといったメリットもあるということです。
次に8ページ目ですが、健康保険上のメリットですが、先ほど御説明させていただいたとおりとおりでございますが、傷病手当金や出産手当金の給付が充実するということでございます。
次に9ページ目ですが、事業主が適切に短時間労働者を適用するために、いろいろと経営面を含めた準備が必要になります。
適用拡大により、保険料負担が当然増えますので、生産性向上などを図りながら企業の経営上の体力をつけたいという場合には、ものづくり補助金やIT導入補助金、持続化補助金といった補助金があることや、適用拡大に併せて短時間労働者の処遇改善や、雇用管理システムを見直そうといった場合には、労働保険、雇用保険特別会計の助成金があることについて訴求していきたいと考えています。
さらには、従業員の労働時間を減らさずに、むしろ労働時間を延ばした場合には、キャリアアップ助成金の支援が受けられること、適用に当たってどのような手続が必要なのか専門家の助言を必要とする事業主に対しては、専門家活用支援事業を活用することができることも訴求していきたいと思っています。
こうした補助・助成・支援などを活用し、10ページ目、最後でございますが、事業主が制度をしっかりと理解すること、そして、事業主が従業員に対して丁寧に説明していただくこと、従業員も、それをしっかりと理解できるという環境の整備を進めていきたいと思っています。
なお、今回の適用拡大は、2024年10月の50人というところで1回ストップするわけですけれども、企業規模要件につきましては、先の国会の審議の中でも、これは当然撤廃すべき、雇用や働き方の選択を歪めるものであり、また、被用者にふさわしい保障を実現するためには、要件を見直していくべきだという意見があり、更なる適用拡大について宿題をいただいているところでございます。
引き続き、将来に向かって、議論を進めていって、適用拡大の対象をさらに広げていかなければいけないという課題があるものでございます。
こうした背景事情も踏まえつつ、まずは、2022年10月の100人、2024年10月の50人を確実に施行することが必要です。
このように重要な適用拡大の広報ですので、広報に関する専門的見地を有する事業者に委託して広報活動を実施しようと考えてございます。
11ページ目ですが、総合評価落札方式ということで、企画案と予算案の2つを審査基準として事業者を選定させていただきました。
具体的には、まずは、中身が分かるものを掲載する特設サイトを作っていただき、その上でインターネット広報をしていただきたい。
具体的には、Yahoo!ブランドパネルとかLine広告などを使っていただきたいということをお願いしました。
その上で、具体的なコンテンツとしましては、チラシ、リーフレット、動画といったものを作成し、特設サイトに掲載することを考えています。
作成に当たっては、世の中の評価をしっかりと把握しなければいけないということで、プロトタイプ、試作品を作った段階で、今回の適用拡大の対象となる層を中心にヒアリング調査を行い、作成したものを順次改善する、最終段階では、アンケート調査なども行い、さらに改善させるということをやっていただきたいとお願いしたということであります。
本日は、受託者である株式会社博報堂様に来ていただいておりますが、私どもの調達の結果、幾つかの事業者さんに手を挙げていただきまして、先ほど申し上げた審査を経て一番点数の高かった株式会社博報堂様が落札したということになってございます。
私のほうからの説明は以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、続きまして、資料3-1の御説明をお願いいたします。
○博報堂 先生方、今日は貴重なお時間、どうもありがとうございます。
博報堂と申します。
今回、非常に重要な保険の適用拡大というものの広報をやらせていただくことになりまして、大変身の引き締まる思いでございます。
本日は、まず総論の部分で、私どもの企画担当のほうから御説明させていただきまして、その後各論ということで、クリエーティブのいろいろな製作物のお話しをさせていただこうかと思います。
まず、総論のほうを企画担当のほうから御説明させていただきます。
よろしくお願いいたします。
○博報堂 それでは、御説明させていただきます。
よろしくお願いいたします。
まず、表紙をめくっていただいて1ページ目ですけれども、事業内容及び実施方法についての全体的な考え方を整理いたしました。
次のページの事業の目的につきましては、今回の広報事業の対象であります制度改定がどのような意味を持つものかということにつきまして、改めて整理して、我々チームの中で共有したという次第でございます。
法改正の持つ意味につきましては、特に短時間労働という今回の対象者の皆さんが、短時間労働を選択している背景というのは多様化している。
働き方全体が多様化している中で、いろいろな働き方を選んでも、それができるだけ働き方とか会社の大小による違いなく、安心して働ける、将来に向けて幸福を追求できる権利が広がるのだという考え方で、その理解の下で生涯現役社会の実現という大きなテーマも見据えながら、企画を練っていくと捉えております。
次のページ、御覧いただきたいのですけれども、先ほど御説明のありました制度の改定につきまして、少し検証しました。
検証したもののうちの一つですけれども、こちらはちょっとややこしいので、細かいところの御説明は割愛させていただきますが、例えば、このたびの被用者保険に加入した人が10年間保険料を納めて、65歳から女性の平均寿命まで年金を受給されたら、トータルでお金ベースでどうなるのかということを計算してみたところ、損得で言うと必ずしもプラスであるとかマイナスであると言えないということが分かってまいりました。
ですので、特に3号被保険者の方については、手取りが減る分を将来にわたって取り返せますと言い切れない部分があるという認識で、これは金額ベースの話に矮小化するのは危険なのだ。
そういうところだけじゃなくて、トータルなメリットみたいなものをしっかりと伝えていかなければいけないという認識をしたところでございます。
次のページ、御覧いただきたいのですけれども、こちらは文字だけで箇条書きになっておりますが、この背景として、既存のいろいろな調査を分析したというところがございます。
その結果から導いたものをまとめたページが、こちらのページになっております。
対被用者、対事業主、対国民全般という3つの対象が、今回の公示事業の対象となっておりますという前提で、それぞれについて整理いたしました。
まず、今回の被用者の行動変容という視点で見ますと、「○○万円の壁」というものが幾つか世間で流布していますけれども、こういったものを基準にした就業時間調整をさせないことというのが非常に大きなテーマとなるのではなかろうかと考えております。
その場合に、現在、例えば「130万円の壁」を気にして就業時間調整をされているのは、20代~40代の既婚女性が中心であるという調査結果がございましたので、こちらの方をターゲットとしてしっかり見据えましょうということです。
実は、この人たちは、社会保険というよりも、税金の控除のほうをメインに考えて就業時間調整されているというところもあるので、彼女たち、彼らに社会保険に加入することがどういうメリットがあるのか、将来にわたってどういう安心が得られるのかということをしっかり訴求していくことが大切だと考えております。
我々の解釈では、行動変容、納得していただくことが一番難しい層だと考えていますので、これ以外の方たちに対しても必要十分なコミュニケーションとして設計できる考え方ではないかと考えております。
次に、対事業主様です。
こちらに対しては、該当する適用対象の企業様全てに関わる問題ですので、まず改正法を速やかに周知徹底すること。
該当する場合には、2年、4年という準備期間のある施行ですので、適切に準備するようにしっかり促していくことが大前提になります。
問合せ先や必要な情報もしっかり訴求していくということと、被用者の方が希望すれば適用に応じる準備があるというお考えが調査結果から出ておりますので、被用者の方が就業時間調整しないで加入したいという意識を持つ一方で、その人たちと正しく適用していきましょうと話し合う態度へと導いていくという考え方で、事業主さんへの訴求をしていきたいと考えました。
対国民全般に関しましては、広くは年金に対するネガティブな誤解とか疑念というものもありますので、ベースとして社会保障制度は大事だ、年金は大事だという理解をしっかり得てもらうことも踏まえつつ、制度の変更についてしっかりと伝えていくという考え方を持っております。
次のページ、御覧いただきたいと思います。
事業計画、具体的にどのようなステップでコミュニケーションをしていくかという計画でございます。
次のページを御覧いただきます。
今回のコミュニケーションマップというページになっておりますけれども、先ほど申し上げましたような被用者向けと事業主様向けというのが表裏一体となっている中で、さらに国民全般に対するコミュニケーションも、このブリッジとなっていく。
構造としては、チラシ・リーフレットのような紙物のツールと特設サイトが中心になって、さらに特設サイトに対して人を誘導していくインターネット広報みたいなものが補完的に存在します。
特設サイトの中では、特に動画コンテンツで事細かく、かんで含むように説明していくという構造です。
ですので、そういう一連のコミュニケーションの動線を経て、被用者のインサイトとしては、加入できる権利が得られる。働きたいだけ働こうじゃないかという前向きな就業態度を導いていきたい。
右側の事業主様に対しては、経営メリットもあるし、被用者さんのメリットもあることをしっかり分かっていただいて、対応準備をしていただく。
真ん中の国民全般に対しては、働き方の多様化を支える、よい改正が行われたのだという理解と信頼の拡大みたいなものにつなげていきたいという視点で、3対象に向けてのコミュニケーションを設計してまいります。
次のページですけれども、これは今、申し上げたようなことを、受け手側の視点で時系列に整理したカスタマージャーニーマップというものになっております。
上の2つは、雇用側と被用側ですけれども、制度の改善に関する気づき、その中身に対する理解、さらには自分自身についてのメリット・デメリットに対する理解、②と書いてあるところを経て、調整・決断というのは、事業主さんと被用者さんでしっかり話をしていただく。
最終的に適用・加入につなげていくという流れと、その下支えとして国民全般が社会保険に加入できる事業所がどんどん広がっていく、対象となる労働者も広がっているのはいいことだねというポジティブな評価を形成していくという流れを目指して企画しております。
次のページを御覧いただきたいのですけれども、具体的な広報事業の計画に落ちるプランニングの考え方になります。
次のページですけれども、具体的なスケジュールです。
こちらは、既に10月に入っておりますけれども、ひとまずそれぞれのクリエーティブの素案を作りまして、こちらを定性調査を経て具体的にブラッシュアップしていく。
最終的には、11月いっぱいに動画、印刷物、特設サイトを納品して、先ほどの時間調整のお話で言いますと、12月にそれがかなり実際に行われる。
そして、その後で影響とか印象が年明けに残っているところでございますので、それらの機を逃さないようにそれぞれの施策を打っていくという設計になっております。
次のページを御覧ください。
広報事業において、改めてどういうクリエーションをしていくかということについて、被用者、経営者、国民全般にどんな心理変容をもたらしていきたいかということについては、特にパート・アルバイトなどの女性労働者を代表として書いていますけれども、130万円の壁といったものを気にしたり、いろいろな形で就業調整をしようと思っている、しなければいけないと思っている、しているという人に対して、その壁が下に下がってくるからもっと減らさなければいけないのではなくて、壁を気にせずにたくさん働ける、将来もらえる年金も増える、正社員並みに扱われるという喜びも含めたポジティブな意識というものを生み出していきたい。
中小企業の経営者の方々には、今回の問題だけに限らず、いろいろな複合的なことを経営判断しなければいけない中で、この時期にいい人材を確保して、長い時間働いてもらって、離職率も減らして、いい人材も採れるというステップにするための機会として捉えていただきたいということです。
国民全般に関しては、あくまでも一般論として、いろいろな誤解とか疑念みたいなものを払拭していって、いい制度だねということを理解していただくという考え方でコミュニケーションを考えてまいります。
実際の政策の考え方というのを次のページに書いてございますけれども、これはそれぞれの方々に対して、合理的に行動変容を促す行動経済学、ナッジというものに基づいた手法を設計していくということです。
まず、中心になるのは、誰にとっても幸せを追求しやすい、よい環境を作るための改正なのだという、社会正義とベネフィットというものをセットにして広報していく。
いわば錦の御旗作戦と書いておりますけれども、こういった共感軸を中心に、損失を回避したいという人々の本能的なものであったり、同調行動みたいな行動原理を突いて、上手に望ましい方向に誘導していくというナッジ効果を意識した広報を考えてまいります。
次のページ、御覧いただきます。
最後に留意点がございます。
これは附帯的なものですけれども、用語の問題が幾つかあって、これはどの用語を使えばいいか、分かりやすいものと意味的に正しいものを使い分けていかなければいけないということで、資料をおつけしました。
プラス、最後に、次のページですけれども、今回、コロナということで、今まで続いてきた人手不足ということが必ずしも一元的に語れない中で、あるいは経営難の悲鳴みたいなものが上がっている中で、そういう状況も踏まえつつ、長い目で見た労働環境の整備みたいなことについては、しっかりと考えていきたいという考え方で留意点として付記させていただきました。
以上の考え方に基づきまして、具体的なプランについて考えてまいりました。
ちょっと長くなってしまい、申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして御質問、御意見などございましたらお願いしたいと思いますが、御発言の際には、資料2と資料3-1がありますので、どちらに対する御意見かを表明した上でお願いいたします。
また、先ほど申し上げたのですが、総論部分でございますので、各論に移る上での前提として、ここを確認しておかなければいけないということを中心に御意見をいただければと思っております。
よろしくお願いいたします。
まず、私のほうから一、二点よろしいですか。
皆さんの御意見を伺う前に申し訳ないですけれども、3点あります。
1つは、資料3-1の12ページの用語ですが、これは今までの検討会でも、たびたび横尾さんとか殿村さんから御指摘あったように、一般の方に分かりにくい用語は結構あるので、12ページの用語について御検討いただくのは大変いいことかなと思いました。
すみません、横尾さんの先取りをして申し訳ないです。
あと、今度、確認ですけれども、同じく資料3-1の3ページとか4ページとか10ページもそうかもしれません。
特に4ページですけれども、具体的な施策をこの後各論で展開していくのですが、広報の対象とすると被用者と事業主が中心になってくると思うのですね。
もちろん、国民全般の理解を得るのは大事なのですけれども、中心に置くのは被用者と事業主になる。
ただ、被用者のほうは、ほぼ3号のことしかコメントされていらっしゃらないのですが、1号についても、例えば今、40代後半ぐらいの方で、就職氷河期で社会保険の恩恵にあずかっていない方が結構いらっしゃるので、こういう方々もちょっと視野に入れる必要があるのではないかなという点が1点です。
もう一点は、同じく資料3-1の9ページのスケジュールですけれども、今日、検討会で、各論で御意見が多分出されると思いますが、この後すぐ、もう一回、この検討会ということになっていますが、スケジュールは大丈夫ですか。
検討会をもう少し後ろにずらして、間に時間を取ったほうがよろしいのではないかという気がしたのですが、いかがでしょうか。
○博報堂 すみません、スケジュールにつきましては、実は入札時に引いたスケジュールでございまして、これのとおりにできるとは思ってございません。
恐らくもう少し余裕を持って検討会もやらせていただきますし、納品そのものも少し余裕を持って、後ろにずれていくのかなという認識でおります。
ありがとうございます。
○上田座長 はい。
○年金広報企画室長 スケジュールについては、これから博報堂様と私どものほうで相談して進めていきたいと思いますけれども、上田先生から御指摘いただいたとおり、今日の検討会で皆さんから様々な御意見いただくと思いますので、そうした御意見を踏まえて、いろいろ修正作業等々をやることを想定しますと、2か月ぐらいはかかるのではないかというイメージを持っております。
また、委員の先生には日程調整させていただきますけれども、12月上旬ぐらいというのが次の検討会としてはイメージがよいのではないかなと思ってございます。
それに伴いまして、最終的な成果物の納品についても、11月末ではなく1月上旬ぐらいのイメージで作業を進めていただければいいのかなと思っているところでございますが、改めて皆さんと御相談させていただきたいと思います。
○上田座長 分かりました。
ありがとうございます。
私のほうからの指摘は以上ですが、あと、皆様のほうからいかがでしょうか。
では、横尾さん、どうぞ。
○横尾構成員 詳細は出ていることで承っておりますので、1つだけ、スケジュールの中の効果測定というところがあるのですけれども、どのような効果を測定するおつもり、御予定なのかというのをちょっと伺いたいなと思いました。
○博報堂 先生、ありがとうございます。
効果測定ですが、今、2回考えてございまして、1つは、これから作っていくものがどういうふうに受け入れられていくだろうかということがございますので、その定性と定量をやって調整するという調査を1回。
もう一回は、実施後にきちんとメッセージが届いているかということの調査をさせていただければと思っております。
○横尾構成員 分かりました。
そうすると、メッセージが届いていれば効果が出ていて、メッセージが届いていなければ届いていないということですか。
○博報堂 今のところはそういう設定にしていますが、今日御意見いただいて、その辺は組み直したいと思います。
○横尾構成員 分かりました。
では、詳細はまた各論でということで、よろしくお願いします。
○博報堂 よろしくお願いいたします。
○上田座長 原さん、どうぞ。
○原構成員 ありがとうございます。
まず、資料2についてコメントをさせていただきます。
こちらのほうで、当初から適用拡大を考えるに当たっての視点の中で、被用者にふさわしい保障の実現ということがあったかと思うのです。
先ほど座長もおっしゃられていましたけれども、働き方が多様化する中で、事業所とか企業規模に関係なく、被用者として働いている人が平等に保障を受けられるようにしていこうということだと思います。
そういった中で、4ページにもまとめていただいているのですが、特にこれまで第1号被保険者であったような方であっても、雇用者の方がいらっしゃると思うのですが、そういった方々が社会保険に適用されて第2号被保険者となることは、働く側にとっても安心して働ける1つのポイントになるかと思います。
この資料の5ページから8ページ目まで、対従業員の方の様々な訴求内容が、被保険者の区分と言っていいのか分からないですけれども、いろいろ載っています。
中には、経過的加算とか、ちょっと難しいかなと思いますが、一番のポイントになるのは、4ページの表にある老齢年金の充実ということだと考えます。
公的年金の支給というのが終身ですので、長生きリスクにも対応しています。
女性が男性よりも現在、平均寿命が長いという事実があるわけですから、男女関係なく、働いているのであれば、自分のためにも、将来、老後の所得の確保の面から考えて、自分の年金は自分で増やすということで、年金を増やすことについて、まず公的年金を活用して厚みを持たせるという発想で、厚生年金の加入については、雇用されて働く人、全ての方に考えていただきたいと思うようなメッセージが送っていただけるといいと思います。
短期的な視点になりがちですけれども、長期的な視点を持って、将来どうなるか分からないからこそ、将来、自分が受けられる保障は確保しておくという考え方はすごく重要だと思いますので、希望に応じてかもしれませんが、働きたいだけ働いて、今の収入も増やすというシンプルで前向きな、積極的なメッセージを訴求していただきたいと思います。
気をつけていただきたいのは、訴求する際、強弱をつけていただいて、一番伝えたいポイントは何かとか、どこの層に、年代層とかに一番伝わるといいなと思っているのか。
30代とか、若い方なのか分からないですけれども、ということも視野に入れていただきながら、シンプルで、前向きなものにしていただきたいと思います。
あと、従業員向け、事業主向けとするのはすごくいいことだと思うのですけれども、事業主向けについては、法律で決まっていることですので、丁寧に説明して、必要ならばアドバイザーなどの相談もありますということで、負担感はあるかと思いますけれども、働く人にとっての環境を整えることでモチベーションにつながるということも考えられます。
人材確保の面から見ても、そういう支援策を活用しながらやっていただけるように、丁寧に説明していただいて、従業員の方々ともよく話し合っていただくとか、労務管理上においてもスキルアップ研修とかで人材育成の考え方もあると思います。
なので、会社としても業界としても盛り上がるような方向で、今は負担感があるかもしれませんが、支援策等を活用していただきながら、そういうことを考慮していただけるような訴求にしていただきたいと思っております。
それから、資料3-1の博報堂様の総論のところですが、先ほど座長からもありましたけれども、従業員と被用者、適用拡大の対象者と事業主という2つの柱だと思いますので、そこでのメッセージ、公的年金・保険ということで長生きリスクに備えられるということもあります。
ですので、国民全般というのがもう一つあったと思うのですが、それは非常に重要なことで、逆に最初から国民全般に対して広報戦略をきちんと別に立てて、計画的に取り組むような大きなテーマだと思います。
なので、そこはあえて盛り込むとなると大変になると思われます。
今回は適用拡大がテーマでありますので、その中に要素は入れながらも、3つめのポイントにするのは今回はちょっと難しいと考えます。
それだけ別の一つの大きなテーマになると思うということは、ちょっと考えていただければなと思っております。
以上です。
ありがとうございます。
○上田座長 では、これは御意見ということでよろしいですか。
○原構成員 はい。
○上田座長 ほか、いかがでしょうか。
では、殿村さん、どうぞ。
○殿村構成員 博報堂さんに質問したいのですが、4ページの対使用者のところで、第3号被保険者をターゲットとして、それをすることによって、それ以外の被用者に対しても機能する必要十分なコミュニケーションと言えると書いていただいているのですけれども、これは1号というか、今回のテーマになっている氷河期の男性を含む非正規労働者の方だと思うのですけれども、この方に対しても十分なコミュニケーションになるという、ここをもう少し御説明をお願いできればうれしいなと思います。
よろしくお願いいたします。
○博報堂 承知しました。
先ほどの上田先生の御質問とも重なるところですけれども、基本的には、制度の意義、それから将来に向けて、あるいは不測の事態に向けて備えることの意義というものの、本質的なところについては、1号の方に対しても、3号の方に対しても変わらないと考えております。
ただ、3号の方々が130万円の壁と、あえて社会保険の加入を避けるような行動というのが、攻略対象としては注意しなければいけないと考えましたので、やや難易度の高いコミュニケーションとして、付加的に3号の方向けにはメッセージを加えなければいけないのかなと考えておりますけれども、基本的な骨子の部分については、全ての被用者の方に向けて、しっかりと正しいことを伝えていくと考えております。
○上田座長 殿村さん、よろしいですか。
はい。
あと、野口さん、どうぞ。
○野口構成員 野口でございます。
私ども、適用拡大の実務をこれから担当させていただきますので、このような広報を強力に進めていただくのは大変ありがたいことでありますし、御指導を得ながら円滑に進めていきたいと思っております。
どうぞよろしくお願いしたいと思います。
すみません、理解が不十分な点があるとしたら申し訳ないのですが、2024年10月までの2段階で65万人の方々を見込んで適用対象拡大されるということなので、まずは2024年までを見越した適用拡大対象の被用者、それから事業主を直接のターゲットにしながらも、拝見しますと、そもそも制度改正のもともとの趣旨でありますとか、規模の大小に関わらず、適用をなぜ進めていくのかという基本理念を打ち出されておりますので、そういう方向でやっていただきたい。
50人超の次も、その先はなかなか分かりませんが、どうするのかというところも入っていらっしゃるということで、そういう意味で任意適用の可能性もありますので、そういう広がりのあるところでやっていただくということは、私どもとしても非常にありがたいなと思っております。
そういうことによって、まさに直接のターゲットのところも理解が高まるということなので、まさにこういうやり方でやっていただくのがいいと思います。
ちょっとすみません。
スケジュールを見ますと、年度末までで一定の結末ということだと思うのですが、特設サイトができた後も続く話だと思うのですけれども、その後のメンテナンスなり、フォローなりというのも重要じゃないかと思うのですが、それはもちろん考えていらっしゃると思うのですが、その辺はどうなのかなというところをちょっと教えていただければと思いましたので、その辺をお願いします。
それから、各論のほうになると思いますが、それはまた後で申し上げたいと思います。
○年金広報企画室長 今の御質問ですけれども、まず、この特設サイトなりコンテンツを作るというのは令和2年度事業としてやらせていただきますが、このリニューアルや、バージョンアップにつきましては、引き続き、令和3年度事業で行うことを考えてございます。
まだ令和3年度予算は概算要求の段階ではありますけれども、この概算要求の中に盛り込ませていただいており、令和3年度も引き続きやっていきたいと思ってございます。
○上田座長 よろしいですか。
○野口構成員 よろしくお願いいたします。
○上田座長 ほか、いかがでしょうか。
よろしければ、続きまして、資料3-2の各論のほうの御説明をお願いしたいと思います。
○博報堂 では、御説明したいと思います。
めくっていただけますでしょうか。
次のページをお願いします。
先ほど広報戦略のお話の中で、錦の御旗作戦という話をしました。
パートや短時間労働者の方、事業者、そして国民の三者が正義を感じるというか、そこを抽出して、そこを我々はコピー化してきました。
次のページを見ていただきたいのですけれども、「社会保険のあんしんをもっとみんなに!」という正義を掲げたいと思っています。
SDGsとか、昔で言うと、環境省がチーム・マイナス6%とか、コミュニケーションワードとして正義を掲げて、そこにみんなで立ち向かっていこうという形で、今回、臨みたいと思っています。
基本的な義務ではありますけれども、それぞれのステークホルダーたちが自ら積極的に正義のために行くのだということが大事かなと思っております。
「社会保険のあんしんをもっとみんなに!」。
「あんしん」という言葉を使わせてもらったのは、それぞれに安心がある。
パートの方にとっては、将来の安心につながるというところ。
事業者にとっては、雇用の安定につながるという安心。
全国民にとっては、フェアな、安定した社会保険が実現するという安心。
その3つをもっと広げていくのだという言葉になっています。
そして、隣に猫がおります。
「あんしん招き猫」という仮の名前でございますけれども、今回、想定コアターゲット。
広告は、あらゆる人にというよりは、絞ったほうが強くなるので、30代の女性にまず伝えたいという思いもありますので、キャラクターを作りました。
最近、空前の猫ブームというか、写真集が出たり、キャラクターがあったり、漫画があったり、ターゲットで言うと、LINEを皆さん、使います。
LINEスタンプで、ゆるっとした猫のキャラクターがあったり、そういうこともございますので、あえてキャラクターを設定します。
キャラクターのデザインについては、今、詰めているところでございます。
これで絶対ということではございません。
ただ、その人に寄り添って、幸せを運んでくるみたいなイメージで言うと、猫というキャラを作るべきと思っております。
次のページをお願いします。
さらにめくってください。
まず、具体的な話だけ先にさせていただきます。
さらに行ってチラシのところです。
キャラクターがなぜ必要かという話は、先ほどちらっとお話ししました。
と同時に、インフォグラフィック、後ほど動画のほうの説明もいたします。
チラシにも入ってきます。
年金制度、少し分かりづらいところがございますので、そこを補足する意味でも、インフォグラフィックという言い方をしますけれども、ビジュアルで伝えるところを強調していきたいなと思っております。
次、めくってください。
これも先走って、いろいろ説明し過ぎましたので、飛ばします。
チラシ、動画、インターネット広報の方向性。
次、めくってください。
次も行ってください。
まず、チラシのお話しをさせていただきます。
先ほどの正義の部分、これは被用者向けになります。
被用者向けは、メインは30代の女性ということもありました。
親和性の高いピンクという色合いは、好感度がターゲットに高いということがデータで出ておりますので、ピンクをメインにしています。
「社会保険のあんしんをもっとみんなに!」。
キャッチコピーとしては、「思いっきり働けて、将来もあんしん!」という言葉を作りました。
右の面では、先ほどインフォグラフィックという話もありましたけれども、猫のキャラクターが今回の制度拡大のメリットについて、インフォグラフィックを使いながら易しく説明していくというのが右ページになっております。
「例えば、夫の扶養でパートにお勤めのあなたも厚生年金・健康保険などの社会保険の対象に」なりますと、言葉を分かりやすく作っております。
では、めくっていただけますか。
ここは、今、僕、語りましたので、さらにめくってください。
そして、事業者向けです。
先ほどと共通する正義を掲げておりますけれども、それぞれターゲットに応じて色を変えようと思っています。
事業者に対しては、安定・安心をイメージするグリーンをベースにデザインを作っております。
事業者の代表者として、中小企業の社長のような方をキャスティングしまして、「長く働いてもらえて、人材確保にもつながる!」「社会保険のあんしんをもっとみんなに!」というところをコピー化しました。
義務だから、しようがないからやるではなくて、いや、これは雇用の安定にとっても、積極的な意味でもいいことだと正義を感じてもらえるようなコピーにしたいなと思っています。
右側は、先ほど同様にインフォグラフィックを使ったり、もちろん事業者向けといえども、分かりやすさは共通だと思っていますので、先ほどのパート・短時間労働の方向けと同様に分かりやすく伝えていく。
また、猫が語っていくというやり方をしております。
次のページ、お願いします。
これも説明しました。
さらに行ってください。
そして、特設サイト、チラシ・リーフレット。
次をめくってください。
これも先ほど説明しました。
めくってください。
動画のコンテンツも今回作ります。
今、文字だけがあって、小さい文字で見えづらいのですけれども、これはナレーション原稿がここにあると思っていただければと思います。
先ほどインフォグラフィックとありましたが、インフォグラフィックを活用しながら、このキャラクターの猫が各ターゲットに対して解説していくムービーを作ろうと思っております。
とはいえ、余り凝ったことというよりは、本当にシンプルにアニメーションを使って語っていく、説明的な部分ももちろんありますけれども、シンプルな動画を考えています。
次、めくってください。
これは、各ターゲット向けに作っていきます。
基本的に、この動画の目的としては、社労士さんであるとか、説明するときのツールとして使うことを主な目的としております。
まず、これを見てください。
そして、社労士さんから詳しくお話しをするみたいな形で我々は考えています。
事業者向けも同様に作ります。
次のページ、保険全般と書いています。
これは国民向けになります。
今回、国民にとっても、これはフェアな社会保険制度、厚生年金が広がることはいいことだということで、国民向けのナレーションに変えて展開していきたいと思っています。
○博報堂 こちらは、中小企業の社会保険の担当者の方と、被保険者の方にそれぞれヒアリングを行っていくということで、それぞれの興味を最適化していくという流れについて御説明させていただいております。
申し訳ありません、ずっと戻っていただいて、特設サイトのパート。
基本的には、今、御説明しましたクリエーティブの内容を、特設サイトの中でも同様のコンセプトで表現していくことになります。
大きく全体の話をして、被用者とか事業主に分かれていくというよりも、まず最初に、何の話かという第一印象の後は、すぐに誰にとっての話かというところにできるだけ早く分かれて、それぞれ自分ごと化しやすい中で理解していただく。
その流れの中で、先ほど御説明しましたような動画コンテンツに行ったり、どこが知りたいかというピンポイントについて、詳細ページだったり、あるいはリアルな事例が分かるようなQ&Aに行ったりという構成であります。
次のページを御覧いただいて、今、御説明しましたような構成を、仮にトップページからの流れで図式化したものがこのページになります。
ですので、目立つところにパート・アルバイト等でお勤めのあなたへ。
もう少しターゲットを変えるのであっても、被用者向けの大きな見出し、事業主さん向けの大きな見出し。
それから、どんな法律なのかという大きな見出しがあるのと。
下に年金シミュレーションというところがございまして、こちらは私ども、当初、被用者の方が幾らもらえるのか、幾ら払うのかということをシミュレーションすると考えていたのですけれども、むしろ事業主の方に試していただくということで、次のページにあります。
月額給与とか従業員何名分ぐらいが今回変わるのかという試算が簡易的にできるような画面上のシミュレーションツールを設けて、個人の払う、受け取るものについては「ねんきんネット」に誘導するという考え方でございます。
飛ばした、それ以外のところは、調査とかのシステムの御提案になっておりますので、御説明につきましては以上とさせていただきます。
○上田座長 御説明ありがとうございました。
それでは、こちらの各論のほうにつきまして、皆様から御意見、御質問等ありましたら、よろしくお願いいたします。
太田さん、どうぞ。
○太田構成員 どうもありがとうございます。
事業者と被保険者でターゲットも違うし、伝えるべき内容も変わるので、サイトの入口で最初から切り分けるという手法は、すごくいいと思う一方で、クリエーティブに関して、せっかくトップで切り分けているのに、割とトンマナを合わせているところがちょっと気になったかなと思います。
私、事業者側にいて、毎年、例えば労働基準法とかも結構頻繁に変わって、会社としては対処しなければいけないですし、今年は個人情報保護法とかも変わって対処しなければいけないということで、その辺は会社として絶対やらなければいけないオブリゲーションということで、かなり気を使って細やかに対応しているのですけれども、特に事業者側のビジュアルがそういうオブリゲーション感が出ていないというか、ぱっと見ると、農協に置いているJAの学資保険みたいな感じに見えてしまう。
これは、3号被保険者をイメージして、そこにトンマナを合わせているから、こうなっているような気もするのですけれども、事業者からするとかなり大事な話なので、せっかく入口で切り分けてしまうのなら、余りトンマナを両方合わせる必要はないのかなという気もします。
もうちょっと事業者としてはクリティカルな話で、個人情報保護法とか労働基準法の改正とかも、なぜそれをするのかという意義は別で、いろいろとメッセージがあると思うのですけれども、事業者からすると、テクニカルに何をしなければいけないのかということのほうが重要だったりするので、これはターゲットが違うのであれば、伝えるべきメッセージも変えていいのかなという印象を持ちました。
この辺はいかがでしょうか。
○博報堂 ターゲットに関しては、今、サイトは1つのサイトを考えています。
なので、もともと切り分けるということではなくて、1つでと思っておりまして。
○太田構成員 サイトは1つで、入口が2つあるみたいなサイト構成になっていたと思うのです。
そこで動線を分けているというのはいいことかなと思ったのです。
それに伴って、チラシとかも含めて、せっかく分けているのに、トンマナが割と同じ感じでクリエーティブを作られているなというのが気になった。
○博報堂 そこは、おっしゃるとおり、分けていくという考え方ももちろんあると思います。
ただ、僕らの今日の提案というか、我々が考えていることというのは、事業者だけが変わっても駄目だし、パートやアルバイトの方だけがこれに気づいて動いても駄目で、その双方のコミュニケーションというのがすごく大事だと思っています。
例えば、これはカラーリングを変えているのですけれども、あえて同じようなテイストで作っているのは、分離したコミュニケーションというよりは、チラシを持って社長のところに行って、こういうことがあるのですけれども、うちはどうなのですか。
社長のほうは社長のほうで、こういう話があったのだけれども、君、どうですかという、切り分けないよさというか。
だから、これはみんなでフェアなというか、正義あるプロジェクトで、そこに我々は参加しているのだ。
義務なのだけれども、義務というところだけを切り分けてやるのではないという方向でやったほうがいいかなというデザインをしているつもりでございます。
○太田構成員 事業者からすると、招き猫というのは余りシンパシーが沸かないかな。
○博報堂 その辺の温度感に関しては、ちょっと議論かなと思います。
○太田構成員 3号被保険者のイメージとしては、すごくありかなと思うのですけれども、全く変える必要はないと思うのですけれども、事業者のほうは当然必要性を理解して、法律が変われば必ず対処しなければいけないという認識はもともと持っているので、もう少しテクニカルに何をしなければいけないのかというほうに寄せてもいいのかなというのは、一事業者としてちょっと思いましたという意見です。
○年金広報企画室長 すみません、一言だけ。
今回の資料は、適用拡大に関係の深い業界団体にも事前に御意見いただきましたが、まさに太田先生の御指摘と同じようなことを御指摘をいただいております。こうしたことも踏まえながら、今後、博報堂様と相談する上では、事業者向けのコンテンツは、もう少しエッジが効いたものとして、お忙しい事業主さんにお気づきになっていただけるようなものを作っていただきたいと思っている次第であります。
どうもありがとうございました。
○太田構成員 分かりました。
ありがとうございます。
○上田座長 太田さん、よろしいですか。
はい。
私も今までの経験で行くと、事業主の方はお忙しいので、ドーンと出さないとなかなか振り向いてくれないというのは御指摘のとおりですね。
あと、横尾さん、どうぞ。
○横尾構成員 よろしくお願いします。
今の太田さんのおっしゃったことと、厚生労働省様側がおっしゃっていることというのは、すごくよく分かりますし、一方、今日、お話を伺って、博報堂さんがおっしゃっていることもすごくよく分かって、そういうことだったのかと、すごく納得した部分がありました。
どういうことかというと、日本語の言葉の行き違いがもしかしたら生じているのではないかというのが私の感じたところで、そこをまず確認していきたいと思っています。
今回が本件詳細を本会議で検討する初回となりますので、とても重要だと思います。
まず、タイトルですけれども、被保険者適用拡大に関する効率的な周知広報業務というのが今回のテーマになるかと思うのです。
私は、博報堂さんは、被用者保険の適用拡大ということが、すごくいいものだという広報をする御提案をいただいたのだろうなというのが私の理解したことです。
それであれば、これはすごく的確で、今回の法律の変更がないのであれば、なるほど、保険を適用するのは良いことだねという一般論的な理解促進やイメージアップが目的であれば、良い広報だと私は思いました。
一方、私が今まで広報委員をさせていただいている中で理解してきたこととしては、「今回の法改正により影響を受ける人が具体的に内容を理解、手続きを行い、被保険者適用というもの自体を拡大する」というのが、厚労省さん側の目的の中心ではないかなと思うのです。
具体的に言うと、先ほど太田さんがおっしゃっていたように、この法律が施行されることによって、事業者は義務になるわけです。
ということは、経営者からすると上からの業務指示なのです。
なので、業務指示として何の手続を具体的にしなければいけなくて、いつまでに、誰が、何の手続をするのか。
自分は対象者なのか、対象者じゃないのか。
自分が対象者であれば、どこに行って、いつまでに、何をしなければいけないのか。
業務内容を的確に指示してもらいたいということになってくると思うのです。
逆に、3号被保険者の話がいろいろ出ていたのですけれども、3号からすると、保険料は払わなければいけないということと、もらえるという話を選択できるわけじゃないですね。
私の理解としては、適用義務なので、手続したら自動的になることだと思うのです。
なので、一般的な民間保険のような選択肢はなくて、これは義務で、こうなります、以上ということだと思うのです。
いいか悪いかは関係なく、これはそうなるのです。
なった結果、あなたにはこういう影響が出るのですという話だと思うのです。
その影響というのが、まず手続が要るのかどうかだと思うのです。
保険負担が発生するということは、いろいろなところにずっと書いてあるのですけれども、例えば私がもし3号だったら、「これは、いつ、どこで、どういうふうに払うのか。
払込用紙が送られてくるのか、サラリーマンの旦那さんの給与から天引きされるものなのか、保険適用になったことによって、何か書面が送られてくるようになるとか、手帳が送られてくるのか、どうすればいいのか」というのがさっぱり分からないということだと思うのです。
なので、今回の保険適用拡大が起きたことによって何が起こるのかということを知りたいと思います。
あとは、ちゃんと手続できたのか。
今回お持ちいただいたポスターを3号の方が見た場合に、「自分の夫の会社は200人くらいの規模だから、100人以上なので、専業主婦の自分も保険適用になるぞ!」と正しく理解したとしても、「何も変化がないし、毎月の振込票も送られてこないし、自分は本当に適用になったのか?」と不安になってしまう可能性もあります。
特に働きに出ていない主婦は何も生活が変わらない、事業所にも行っていないので、それがどうやったら確認できるのか、具体的な手続というか、「この法律が変更になりました。
この人はこの手続をしてください。
この人は適用になったはずなので、なっているかどうか、ここに行って確認を取ってください。
手続漏れがあったら、どこに行ってください」といった、自分に具体的にどのような変化が、保険適用拡大時に起きるのか。
そういう、影響を受ける人がどう行動すべきかという点を伝達する要素が、本広報において必要になるのではないかと思います。
先ほど効果測定のことを聞いたのですけれども、イメージの訴求とおっしゃっていたので、そういうことかと思ったのです。
もちろんイメージの訴求も大事だと思いますが、今回は、行動変容のほうが主軸であり、その点も効果測定すべきなのではないかというのが私の理解なのです。
行動変容の場合は、経営者の人は忙しいので、ぱっと見たときに、イメージ戦略だったら、ああ、いいねということで、いいと思うのですけれども、それ以上深く読み込まないと思います。
一方、自分が手続きをしないといけないということであれば、具体的にいつまでに、何を、誰がするかということになってくると思うのです。
なので、その根本的な日本語による言葉の掛け違いが生じていないかということを、効果測定というか、今回の広報による求めている結果というのがどこにあるのかというのを、まず厚労省さんに確認したいなと思っていて、そこがもし掛け違っているのであれば、考え方をシフトして、もう一回、広報戦略していただく必要があるのかなと思いました。
いかがでしょうか。
○年金広報企画室長 まず、今回の適用拡大に関しましては、義務という意味では事業主サイドへの訴求が重要になると思っています。
具体的には事業者さんについては、従業員規模が該当する場合であって、短時間労働者を雇っている場合には、その方々を、今まで1号だったのを2号に、3号だったのを2号に適用するという義務が発生するということになります。
もう一つのターゲットであります被用者、従業員の方々につきましては、個々人の方が何か手続をする必要があるというわけではなくて、そこの事業所にそのまま働き続けていると、事業主サイドの手続によって、その方々が1号だったのが2号になり、3号だったのが2号になるので、被用者の方々が何か特別な行動を取っていただく必要はありません。
博報堂様の資料が第3号被保険者にフォーカスし過ぎているきらいがありますので、むしろ第1号被保険者への訴求を強調していただきつつ、第3号被保険者への訴求もやっていただきたいなと思っています。
1つ、被用者サイドで、行動変容が起こってしまうリスクとして博報堂様が考えたのが、多分3号の方々のことだと思います。
放っておくと、2号になってしまうので、それを回避するために、労働時間を短くする、いわゆる就業調整という行動変容が生じるのではないか、それをなるべく回避すべきである、回避することが重要だという点に力点を置いて提案いただいたと思います。
そういう意味では、私たちが訴求していただきたいことと博報堂様の御提案というのは、ずれがあると思っています。
ただ、共通認識を持っている部分もあると思うので、その辺はこれからの対話で埋めていければいいのかなと思っているという状況であります。
○横尾構成員 つまり、事業者、経営者の方に対しては、物理的な手続を促すための広報ということでよろしいですね。
○年金広報企画室長 はい。
まず、気づきという意味では、そういうことだと思っています。
気づいていただいた上で、博報堂様に御提案いただいたような、事業主にとってもいいことなんだよということも、その次のステージというか、次のフェーズで理解いただきたいとは思いますけれども、まず、気づきというところから入っていただきたいと思っています。
○上田座長 横尾さん、よろしいですか。
○横尾構成員 そういうことになってくると、太田さんのおっしゃっていたような、経営者向けのポスターと3号被保険者向けのポスターで、イメージ戦略に差をつけたりということとリンクしてくるのかなと思います。
私のほうで気になったのは、経営者の方には行動変容を促すような、行動変容というよりは、物理的な作業指示にどちらかというと近いようなものにしていただいたほうが、アクションが取りやすいのではないかという点と、そのアクションが取れるかどうかという点を効果測定の基軸にしていただくとよろしいのではないかなと思います。
イメージが変わったかどうかよりも、ちゃんと手続がなされて、これに気がついて法律をみんなが守ってくれるという状態にすることを、効果測定というか、そこの基軸にされてはどうかというのが、ちょっと長くなりましたが、1点目になります。
効果測定の2点目がありまして、もう一つの効果測定の点としては、炎上しないといいますか、これを見て、だまされたと思わないようにするということになってくると思うのです。
誤解が生じて、自分が適用になると思ったのに違ったじゃないかとか。
それは、ユニバーサルデザインの適用も含めてだと思うのです。
障害者雇用を進めろと言っている割に、障害者には分からない伝達をするのかみたいなことも含めてだと思うのですけれども、その2点を効果の基軸として御再考いただくとすごくよろしいのではないかと思いました。
基本的には、今回のご提案がよくないというよりは、本広報活動において達成すべき目標といいますか、一番初めのところが掛け違っているのではないかというのが意見です。
長くなってしまい申し訳ございません。
3点目としては、座長のほうからも御指摘あったように、表現のところは私もすごくいいと思いますので、用語をきちんと解説する、統一していく。
それは、保険の用語だけではなくて、すべての用語を一度見直していただき、的確でわかりやすく、正しい内容理解が可能な言葉で統一するという必要があると思います。
例えば、「中小企業の皆様へ」と各論のところに書いてありましたね。
今回の適用拡大の対象者は、中小企業法で言う中小企業者じゃないのです。
中小企業法で言うと、例えば製造業は300人以下、卸は100人以下でとか、人数が違ってくるわけです。
なので、中小企業と言われたら、本当は適用拡大対象の事業者でも「自分は違うわ」と思ってしまう可能性もあり、国の発信する情報としては、正確でない表現となり、そういった表現も良くないと思うのです。
ですから、その辺の用語集も要るでしょうし、それは皆さんが話し合う上で、博報堂さん側も制度の理解をもっと深めていただく必要もあるでしょうし、厚労省さん側も伝えていく必要が当然あると思うのですけれども、そういうところをもう少し深く作っていただくといいのではないかと思いました。
こういう取組はとてもいいことだと思いますので、期待しています。
ありがとうございました。
○上田座長 では、御指摘いただいた各ポイントについては、厚労省さんと博報堂さんでこれからよくお打合せしていただくということで受け取りたいと思います。
では、森さん、どうぞ。
○森構成員 事業者について、事業者の方はプラクティカルな情報をまず第1に知りたい、義務をどうやって果たしたらいいかということについて知りたいということは、本当にそうだと思います。
他方、嫌々ながらというよりか、これをちゃんと気持ちよくやっていくためには、今回、博報堂さんで社会正義という形で掲げていただくというのも、今後あるかもしれない適用拡大、これからもということで、意義をよく分かってやっていただくことも、マインドの問題として重要だと思います。
なので、今回の博報堂さんの御提案と皆さんからご指摘ありましたプラクティカルなポイントが両立するといいなと、感想でございますが、思った次第でございます。
以上です。
○上田座長 森さん、今のは御意見として承るということでよろしゅうございますか。
○森構成員 お願いします。
○上田座長 では、殿村さん、どうぞ。
○殿村構成員 デザインとかはすばらしいので、その辺りのことは私は何も言うことはないと思うのですが、私、中小企業を32年間経営していまして、その体験から思うのですけれども、ベースの切り口に現場の実態が反映されていないように思います。
博報堂さんはすごい大企業でいらっしゃるし、厚生労働省さんも国家公務員でいらっしゃるので、考え方の視点がちょっと違っていると思いましたので、そこだけお話ししたいと思います。
中小企業を32年間経営していて、まず、事業者としては、社労士さんからやれと言われたら絶対やるということが基本にあります。
それで、社員にはやめてもらいたくないから、まるでストーカーのようにつきまとって、パートでもアルバイトでも、何でもやるからやめないでくれ、これが現場の本音です。
それでいて、この第3号被保険者、パートやアルバイトの女性の方が社会保険に何で入らないのかという一番の理由は、今まで何百人と雇ってきましたけれども、旦那さんの扶養手当がなくなるのが嫌だ。
これが最も多い理由です。
つまり思考が損失回避のほうに回ってのです。
計算とかを余りしないで、まず損をするのは嫌だという考え方と、自分が扶養手当ももらっているのに、働き過ぎて旦那さんの顔を立てられないみたいな。
昔からある、一歩、半歩下がった女性の日本らしい考え方がまだあるのです。
だけれども、本人は本当は働きたいのです。
ここを回避するために、経営者として一番説得力があったのが、「子供のために働いた方が得をしますよ」ということなのです。
子供のために2人で働いて社会保険に入ったら、両方から入るのだから、たくさんもらえるじゃないと言ったら、ああ、そうなのと納得するのです。
こういう体験を何百回もしてまいりました。
よって私は、子供のために社会保険にみんなで入ろうというメッセージのほうが響くような気がするのです。
私たち中小企業経営者としても、社員の家族を守るということが長く続けてもらう最低限の義務だと思うので、お金に限度はありますけれども、そのためには何でもやるというのが本音です。
猫のキャラクターはとてもいいと思いますし、それに加えて、社会保険の安心を未来のためにと訴えるキャッチコピーや、子供のために訴えるビジュアル、たとえばとてもかわいらしい子供が一生懸命お母さんの手を握っている写真や、未来を見つめているビジュアルのほうが、恐らく中小企業の現場にいる人々には心に刺さって、ああ、いい制度だな。
この保険料が将来不安だから徴収されるのではなくて、これは子供のためにやるべきことなのだと共感を得られるような気がするのです。
ここをどうデザインされるかはプロにお任せしますけれども、参考にしていただければなと思います。
以上です。
○上田座長 ありがとうございます。
何かコメントありますか。
○博報堂 ありがとうございます。
パートの方には子供という視点が効くというのは、すごくいい、コピーの参考にさせていただきたいと思います。
逆に、事業主に対してですけれども、さっきの横尾さんの話もちょっと関わるのですけれども、僕の考えが間違っていたかもしれないですけれども、今回の目的が適用外しとか、そういう話はすごく悲劇的というか、余りよくないことが起こり得る。
義務で、これをやれという広報で、ごめんなさい、もうちょっと働かないでいてくれると言われてしまうのはちょっと違うなと。
なので、事業主に対しても、そこの啓発をしなければいけないと思っていたのですね。
殿村さんの会社というか、御経験で、事業主に対して、さっき社労士さんがやれと言えばやるというわけです。
だから、今回の広報の目的のゴールがそこにある必要が本当にあるのかなと、ちょっと疑問に思った。
やらなければいけないわけだから、それを適用外ししない、積極的に事業者が取り組んでもらうのが一番いいわけなので、そのための広告なのではないかと、今日提案させてもらったのですけれども、殿村さん、逆に御意見を伺いたいのですけれども、どういうメッセージを事業主に発したらいいか、ヒントをいただけたらと思います。
○殿村構成員 持続可能な中小企業になりたいということでしょうね。
しっかりとした中小企業だという信用、ブランド、社会から信用されたいという願いが一番の目的です。
だから私ども、本当に利益とかはあまりないですけれども、社労士さんがこれをやらなければいけないと言ったら、それはやらなければいけない。
やらないと会社ではないと思っています。
最低限の義務だと思っております。
ただ、産業によっては違うと思いますから、工場で働く方に関しては、時間で区切るということもあり得るのかもしれないなと思います。
また今、コロナの異常下でリストラということは確かにあると思いますが、コロナが終息したら、また人材不足になるのは分かっているわけです。
このコロナを生き延びて、そして続けていこうという企業というのは、共通して人材の獲得は絶対欠かせなくて、今後の少子高齢化に突入する中で30代の女性というのはむちゃくちゃ大切なのです。
そういう意味でも宝物なので、働いてもらいたいというのが本音だと思います。
これは、私たちの周りにいる中小企業、みんなそうです。
ただ、いいかげんにやっていらっしゃるところは別かもしれません。
そこの見極めですね。
まとめると、私たちは基本的に、社労士さんに命じられると必ずやりますし、そうすることで、社会的に信用してもらえる中小企業になりたいと思っている、言い換えれば、社会的な証明になると思っている。
こんな感じでよろしいでしょうか。
○上田座長 あと、横尾さん、どうぞ。
○横尾構成員 私も小さいNPO法人を経営していて思いますけれども、それと法律を守る、守らないということで考えると、広報をするときに、企業さんでもそうですけれども、「絶対に法律を守ろうとしている人が絶対守れるようにしてもらうこと」をまず初めに考えるべきだと思うのです。
「経営者はどうせ法律を守りたくないだろう」という風に「法律を守るか守らないか検討する人」を主軸に考えるというのは、国の姿勢としても、感じが余りよくないので、ポスターの姿勢としては「事業者・経営者は、義務は絶対守ろうと思っている」という前提のほうがいいと思います。
特に、経営者であれば法律は絶対に守ると思っている企業のほうが、先ほどおっしゃっていましたけれども、事業の継続性が高いです。
逆に、法律を守るか守らないか検討してから守るかどうか決めるような会社は、そんなに長く続かない企業が多いですから、適用拡大しても1年ぐらいで潰れてしまうといったこともあり得えます。
その点からも、継続性の高い、法律や義務を守る気のある企業経営者にメッセージを主に出していく方が効果的だと思います。
小さい企業は、100社起業したら1年後には1社しか残っていない。
10年残っているといったら、その100分の1だと言われているぐらい少ないわけです。
なので、まともに経営を続けられる殿村さんのところみたいな、すごく優良な企業さんは基本的に残っていくわけです。
そういうところは、法律を破ってやるかどうかの検討というのはしないのです。
なので、「義務で法律で決まったのだと言ってもらえれば100%守りますから、そこは疑ってもらいたくないな」というのがまずあります。
ただし、自分が対象かどうか分からなくて、間違って義務を怠ってしまうということは本当に多いのです。
いろいろな調査を私たちもしているのですけれども、法律を破ってしまったというケースの中で、例えば納税の問題も芸能人とかもよくありますね。
それも気づかなかったとか、何だかんだあるのですけれども、それを意図的に絶対脱税してやろうと思ってやるのと、これはいいのかと思っていた、勘違いしていた人たちの割合で言うと、勘違いしていた人の割合は、この労働関係においては、割と多いのです。
なので、絶対勘違いさせないであげてほしいというのが願いです。
博報堂さんにも聞いてみたいのですけれども、私の父が経営していた会社は、そんなに大きくないですけれども、200人います。
でも、子会社と連結で200人です。
なので、元のホールディングスの会社は80人なので、これは適用なのですか。
博報堂さん、これを理解されていますかということです。
博報堂さんがそれを理解されていないのだったら、そこから出てくる伝達物にはそのことが分かるように書かれていないということになってきますね。
それが、先ほど言っていた、制度をちゃんと理解してもらいたいというケースです。
あとは、たしかここに書いてある以外の事業者も入っていいのですね。
いいはずです。
私の経営しているNPOも15年ぐらい前に加入可能であることを知って、社員が数名の頃に厚生年金に入っているのです。
だから、うちは、すごく短く働いている人も厚生年金に入っています。
ただし、現場で使われている用語とかなり差があるので、本件と全く同じ話かどうかは、何十年も入ってきているのに、よく分からないのです。
だから、社労士の先生を派遣してもらえるということなので、うちはちゃんとこれに入っているのですねともう一回聞いてみたいなと思いました。
私たちの組織の場合は厚生年金に入っていたら入っているのではないか、社会保険完備にしてほしいと言ったから、多分なっているのではないかと思っているのですけれども、そのような自分たちの組織は大丈夫なのかの判断基準も明確に書いてあれば、大変ありがいと思います。
経営者からすると、専門家に頼んでいるという認識で、細かいことは分からない方も多いと思います。
今回、社労士の方を派遣していただけるということは、私どものように顧問契約を結んでいる社労士の方がおらず、必要なときだけお願いするスタイルの企業をターゲットとしていると思います。
私たちのような組織には大変ありがたい制度です。
ただ、心配なこともあり、法改正や特別なことがあると、それに便乗して、不適切な方法でのようなものが発生することがあり、国の関係の支援策かと思ったら、詐欺まがいのことをする社労士集団だったというようなことにならないように、支援策についても、窓口や依頼方法を明確にしていただきたいです。
昨日もちょうど、コロナの助成金を社労士に依頼し言われた通りにしたら過剰請求をしてしまっていたというニュースでした。
経営者としては、そういうものには絶対引っかかりたくない。
小さい組織だからこそ、意図しなくてもそういうことをしたら、それこそブランドイメージも悪くなるし、いろいろな意味で絶対嫌だと思うので、怖いというのもあります。
私が今、言っているような話は、50人以下のところで特に重要になってくるであろうと思います。
とにかく義務は守る気はあるということだけ伝えたいなと思いました。
ありがとうございました。
○上田座長 何かよろしいですか。
○博報堂 ありがとうございます。
広報としては、適用かどうか、まずはチェックみたいな広告もあるということですね。
例えば、ウェブサイトにばんと飛んだら、それでまず検証してみようみたいな。
今、横尾さんがおっしゃった、守るという前提で、自分はどうなのかという。
僕自身もまだまだ勉強不足のところがあるのですけれども、そういう広報もあるかもと、今、ヒントをいただきました。
ありがとうございます。
○上田座長 あと、今、吉野さん、手を挙げていらっしゃいました。
○吉野構成員 シニアプランの吉野ですけれども、短く2点、お伺いしたいのです。
1つは、例えば事業主さん向けのパンフレットとかを見て、「ああ、これはいいことだ、ぜひ加入したい」と思ったときに、いつまでに、どこに相談に行けばいいのか、何を出せばいいのかという情報がないと思うのですけれども、そういったこととのつなぎというのは、このチラシの中でやるつもりなのか、どこか別のところでやるつもりなのか、実際の手続へのつなぎのところをどう考えていらっしゃるのかをお伺いしたいというのが1点と。
もう一つは、特設のホームページを作られるということで、大変役に立つホームページだと思うのですけれども、どこからそのホームページへ飛んでいくかということで、チラシを見て「あんしんネット」へ行くというのもあると思いますし、例えば会社の社内LANとか事業者団体のホームページから飛ぶとか、今いろいろやり方があると思うので、リンクボタンというのですか、バナーというのですか、そういったものを配布するとかして、ホームページ自体のアクセス数を増やすような試みをされたらいいのではないかと思うのですが、その辺りについての計画とかお考えはいかがでしょうか。
以上2点です。
○博報堂 ありがとうございます。
チラシにつきましては、必要な問合わせ先等の情報は煩雑にならない程度に載せて、プラス、分からない点については、特設サイトへという形で補完していくと現状考えております。
特設サイトへの誘導については、チラシとウェブ広告からの誘導というのを考えておりますけれども、もちろんいろいろな関係各所からのリンクを貼らせていただけるのであれば、それは最大限利用すべきであろうと考えております。
○吉野構成員 すみません、年金事務所とか年金機構まで、すぐつながる道を用意してあげないと、事業主さんにとってはなかなか厳しいのではないかと思います。
○年金広報企画室長 まず、この特設サイトを作って、チラシ・リーフレットを作った後の話ですけれども、資料2の9ページ目を御覧ください。
専門家活用支援ということで、令和3年の頭ぐらいから、特設サイトができた後のタイミングを想定していますが、各年金事務所にこういう適用拡大の改正の中身を理解した社労士などの専門家を配置して、そういった方々が各地域の業界団体などと繋がって、セミナーなどの開催を通じて適用拡大の普及をしていこうと思っています。
そのために特設サイト、チラシ・リーフレットを使っていきたいと考えております。
併せて、求めに応じて、専門家が個別企業に訪問するといったことも、現在、考えています。
2点目ですが、今、博報堂様からYahoo!のバナー広告という話もいただきましたが、それに加えまして、適用拡大を進めていくに当たって、私どもの方で、20から30ぐらいの業界団体と常にコミュニケーションを取っています。
その方々にこの特設サイトを作ることを全て説明済みで、特設サイトができた暁にはURLを貼ってくれることなども快諾していただいているところですので、そういったところで特設サイトのアクセスをなるべく増やしていきたいと思っています。
○上田座長 吉野さん、よろしいですか。
はい。
どうぞ。
○原構成員 ありがとうございます。
今、いろいろな意見が出てきていて、言おうと思ったことは、今、室長のほうから言われたので、事業主に対してということで、決まっていることなのでということもありますけれども、説明する人が必要なので、チラシを事業主が見る時間もないかもしれないということもありますから、一番近しいのは社労士なのかと思いますけれども、アドバイザーみたいな形で説明する人を通してきちんと説明できるようにしていただきながら協力していただくことが大事だと思います。
そこから事業主の人にも分かっていただいて、きちんと説明する、理解していただくということが非常に大事だと思います。
もう一つ、先ほど御意見があったと思うのですが、まず、私は、第3号被保険者の各論の資料3-2の18ページの写真がパートの方になっているので、いいのですけれども、正直、第3号にいきなり焦点を当てるのはどうかなと思っています。
最初にも申し上げましたし、最初のほうでも御意見あったと思うのですけれども、適用拡大というものをシンプルに考えたときの基本は、雇用されて働いている人というのは、みんなそれなりの保障を受けるということが基本なので、いきなり3号の論点に行ってしまうと、またなかなか前に進まなくなってしまいます。
なので、まずはシンプルに、御提案いただいたように、働きたいだけ働いて、今の収入も増やして、自分の将来の年金も増やすという、1号に向けてもそうですし、3号に向けてもそうですし、なにか、就業調整を意識したようなポスターが作られるのはどうかと思います。
これは年代にもよると思います。
私の経験上、パートで働いている方がたくさんいらっしゃるのですが、年代によっても就業調整の考え方はかなり違うと思います。
はっきり言ってしまえば、例えば50代以上の人というのは、パートで働いている年数が長いですから、就業調整という意識が残るのではないかと考えます。
マインドチェンジしてもらうのはなかなか難しいと思います。
一方、若い年代で、大学生とか新社会人とかに聞くと、専業主婦とか3号になりたいという人もいるかもしれませんけれども、今の人達は、育児休業など休業給付もすごく整ってきている環境の中で、一旦は3号になるかもしれないけれども、すぐ復帰するみたいな、継続して働くことが当たり前になっている方が多くなっているのではないかと思われます。
これは、詳しく調査したわけではないのですけれども、そういうこともあって年代によって考え方が違うので、誰に向けてという部分があるので、このポスターのような方にあまりこだわるのはどうかと、私も思います。
あと、年金とかに関してもいろいろヒアリングする中で、いろいろな方が今、いらっしゃるので、もちろん子供のために加入する方もいらっしゃるかと思いますが、50代とか40代の方向けに企業のライフプランセミナーなどを行っていると、単身者の方もいらっしゃいますし、いろいろなライフスタイルの方がいらっしゃるので、その辺には気をつけていただきたいと思います。
自分のために老後の収入を増やすということから考えても、厚生年金に入るのが一番最初に考えるべきことだと思います。
普通にシンプルに。
もちろん、ポスターの人はいいのですけれども、いきなり夫の扶養という言い方になっていますが、これはどうかと思います。
長くなりましたけれども、これで終わりたいと思います。
以上でございます。
よろしくお願いします。
○上田座長 では、御意見として承るということで。
では、森下さん、どうぞ。
○森下構成員 ありがとうございます。
皆様のお話を伺って、ツールをどういうふうに活用するかというベースで幾つか御意見というか、お話できればと思っております。
今の話からすると、最初に出てくる被保険者の方と事業者のイメージというのが、アテンションを取るためのビジュアルイメージだと思うのですけれども、セグメントされ過ぎていて、一括りに扱うのは難しいというのが皆さんの印象なのかなと思ったりしました。
けれども、アテンションは取らないといけないですし、こういうコミュニケーションは、ひとまず、ターゲティングをしないと機能しないというのはあるので、絶対駄目ではないけれども、もしかしたら違う表現があるかもしれないし、このまま行ってもいいかもしれないというのは、厚労省さんとお話いただければいいのかなと思ったりしました。
アテンションを取る役割のイメージと、実際、今、原先生とかがおっしゃったように、様々なニーズがあって、あるいは殿村さんがおっしゃったような事業者側の限界もあって、様々あると思うのですけれども、そういうときによりセグメントしたニーズに対して活用できるのは、動画とか、そういうツールなのかなと思っています。
各論のところでは、3つのタイプに対して5分の動画を1本ずつみたいに書かれていましたけれども、もしかしたら、使いようによっては、こういう状況の方はこの動画を見てくださいみたいな感じで、細分化したものを用意したりするといいのではないか。
さっき、スクリプトだけ、文字だけ見させていただいて、私、皆さんに比べて制度の知識がないですけれども、あれを見るとすごく分かるというか、分かりやすいなと思っています。
一方で、さっき横尾先生から指摘があったように、まだまだ穴があるというか、こういうケースはどうするのみたいなものが、それぞれの皆さんの立場から出てくるので、全部はカバーできないですけれども、もしかしたら、そういうものをきちんと説明するものを細分化して用意してもいいのかなと思いました。
5分というのは、興味がない人からしたら長いのかなと思ったのですけれども、もしそれが自分ごとだと、自分のための説明だと思えるのならば、長過ぎでもないかなと。
むしろ、もっと長くてもいい場合もあるかもしれませんので、そういった二段構えというのですか、コミュニケーションしていくというのも一つの手なのではないかということをちょっと思いましたので、今後の展開を考えて御検討いただければと思います。
以上です。
○上田座長 ありがとうございます。
コメントありますか。
よろしいですか。
では、貴重な御意見として承りたいと思います。
野口さん、どうぞ。
○野口構成員 すみません、簡単にやりたいと思います。
特設サイトということで、適用拡大に関するメインのアクセスポイントになるのではないかと思うのですが、その際、私ども日本年金機構のホームページもございますので、その辺を具体的にどう役割分担して、私ども、実際に適用拡大の対象となり得る事業所の皆さん方を訪問していろいろやるようなことも今後ありますので、どう活用していくのか。
できる限りこういうことを活用していきたいと思っていますが、どう役割分担していくか、よく御相談させていただければと思っております。
特に、私ども、短時間労働者の適用でいろいろ難しい課題が把握されてきております。
例えば、20時間労働というのでも、実際に20時間働いている実態を把握するということで、年間、業務の繁閑がかなりありまして、どうやったらその人が本当に適用なのかというのは、現実にはなかなか難しい問題がございます。
その辺について、事業主さんに対する訴求もそうですけれども、実際に施行間近になりますと、担当者の方からきちんとした適正な手続をしていただかなければいけないという課題になりますので、例えば従業員が99人だとどうするのかとか、そういう境目のところとか、かなり迷うところがあると思いますので、その辺についてのQ&Aをどう取り組んでいくのか。
特設サイトで網羅的にやるのか、そこはまた別にやるのか。
恐らくトータル的に活用されるということだと思いますので、その辺も含めて、また御相談させていただければなと思っています。
それから、これも言わずもがなでありますが、新たな適用拡大の事業主につきましては、電子申請をぜひ積極的に御活用いただきたいと思っておりますので、特設サイトでありますけれども、電子申請に誘導できるような仕掛けもお考えいただくと非常にありがたいなと思っております。
それから、担当者の方々にヒアリングするというお話もございました。
どの程度の規模か分かりませんが、担当者の方々に年金委員になっていただくと、それはそれで一つの財産になるかと思いますので、私どもの年金委員の拡大のほうとも歩調を合わせて、ぜひ協力させていただきたいと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
○上田座長 あと、いかがでしょうか。
太田さん、よろしいですか。
最後にここだけは言っておかなければというのがありましたら、お願いします。
では、横尾さん、どうぞ。
○横尾構成員 何度もすみません。
博報堂さんのほうでチェックをしたらどうかという話が先ほどあったのですけれども、「法律が変わりました。適用拡大をしました。」と言って頂くことを絶対に忘れないでいただきたいです。
殿村さんのところもそうですけれども、法律を守ってやっている事業者は、「自分は法律違反している義務違反しているのではないか」と思って調べることはないですから。
「変わった」ということだったら、「大丈夫かな?」というのをチェックしようとなりますけれども、変わったということを伝える、もしくは変わりますということですね。
そこの基軸を忘れないでいただきたいなというのが1点。
2点目は、原さんのお話にもあったのですけれども、100人以上は社労士さんがついていると思うのです。
50人はぎりぎりかなと思うのですけれども、その方々が説明するための資料なのかどうなのか、誰が使う、何のツールなのかというところを明確にしていただくということと。
そのときに、厚労省さんの資料2の10ページ目が基軸だと私は思っていたのです。
それはどういうことかというと、このポスターで、例えば経営者の方は社労士さんに手続を依頼してください。
その後、指示に従って、社内の給与体系を見直してください。
ちゃんとできているかどうか、定期診断を受けるようにしてくださいが1点目で、それ以外は10ページ目の社内周知、この内容について、事業所内で制度の変更を掲示してくださいとか、やらなければいけないことを業務指示していただくというのを経営者向けに社労士さんがやっていただける。
社労士さんから社内の人に指示をいただける、これは分かるのですけれども、それで終わりじゃなくて、経営者の方にはこの4点の社内周知をやってください。
労務管理対応で言うと、上の2つは手続じゃないので、3つ目だろうなと思って、加入・非加入の整理を社労士さんの指導の下、行ってください。
あとは、個別の丁寧な対応というので言うと、ここは分からなかったのです。
国でやることなのか、ぎりぎりどっちだろうというのが私のほうでは、今回の資料で判断つかなかったので、多分御検討いただくのでしょうけれども、メリットについてのパンフレットを今回作るのかなとか、従業員向けの個別相談窓口は、100人規模だったらどこかでやってくれるのかな。
50人規模になってくると、社内でそんな窓口を作るといっても、結局経営者に聞くのかなとか、その辺は今回の資料では明確に分からなかったです。
国の関係団体なり、国側で作るので、ここを御案内してくださいなのか。
なので、ここでやってきたようなことを、100人規模も50人規模もやらなければいけないのだけれども、その業務指示をちゃんとしていただきたいという内容をどうするのか、厚労省さんともう少し詰めていただいて、それの指示が的確に伝わるようにしていただくといいのではないかというのが、最後、気になったところでした。
すみません、どうもありがとうございました。
○上田座長 ありがとうございます。
御意見として承りたいと思います。
ほか、よろしいでしょうか。
最後に、私から1点だけ。
今、横尾さんからも御指摘あったのですけれども、社労士さんの団体に対して説明用のツールを作るとか、周知をするということも1つやり方としてあるかなと思います。
経営者側に対しては、例えば商工会議所などのルートも使う意味があるかなと感じました。
もう一点だけ。
ポスターの写真ですけれども、3号というイメージが非常に強く出ている印象があり、1号の方向けのイメージも考えていただく必要があるのではないかという感じがしましたので、その2点だけ御提案させていただきたいと思います。
今日は皆様より大変多くの論点から貴重な御意見をいただきました。
事業者様におかれましては、本日の議論を踏まえて、さらに御検討を進めていただきたいと思っております。
また、様々な議論もございましたので、先ほど古川室長からもお話しいただきましたけれども、スケジュールも御相談いただいて、検討会で改善点を中心に再度御説明いただいて、また皆様でぜひ議論して、いいものを作っていただきたいなと思っております。
事務局のほうから何かございますでしょうか。
よろしいですか。
それでは、以上で議題2のほうを終了いたしたいと思います。
そのほか、事務局のほうから。
○年金広報企画室長 前回の広報検討会で、横尾先生から、令和2年改正年金法の繰下げ受給の資料が、増額率、減額率の表記が非常に分かりにくいという御意見をいただいております。
それにつきまして、今、画面を映したいと思います。
小さくて見づらいのですけれども、もともとは繰り上げて受給した場合には何%減ります、繰り下げて受給した場合には何%増えますという表記だったので、例えば70歳だったらプラス42%していました。
こちらを改善させていただきまして、実際にどうなるか。
70歳だと142%になります、75歳だったら184%になりますという表記に改善をさせていただきましたので、その旨御報告させていただきます。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
そのほか、特に皆様から何かございますでしょうか。
ないようでしたら、今日は高橋年金局長に御臨席いただいておりますので、一言お願いいたします。
○年金局長 どうもありがとうございました。
年金局長の高橋でございます。
大変様々な、有意義な御指摘をありがとうございます。
今回の適用拡大は、2024年までに50人規模までということなので、今回の広報に込める意味は二つあります。
一つは、2022年、2024年の段階施行ですから、早く気づいて準備してくださいということ。
ぎりぎりになって、これは大変だとならないように、経営サイドも従業員のサイドも、早めに気づいて準備していただきたいということです。
もう一つは、今日もいろいろ御指摘いただきましたけれども、適用拡大はとても良いことなのだ、ということを知っていただきたいということ。
法案立案のプロセスでは、事業主さんの負担が増えるから大変だ、今、経営がすごく大変なのに負担増が大変だという、事業主さん側には、これは嫌なものだというイメージがあって、反対論が随分ございました。
でも、これは良いものなのだということを広めて、気持ち良く適用を進めていただくことが重要です。
また、それが今回の改正は50人超規模まででしたけれども、円滑な気持ちの良い施行、国民に歓迎される施行をすることは、その次へのステップになります。
こういった二つの思いを込めて、これは年金局挙げて、また日本年金機構とともに、先生方の意見もよく聞きながら、しっかり力を入れてやっていきたいと思っております。
今日はありがとうございました。
○上田座長 ありがとうございました。
最後、この後のスケジュールとか、何か御連絡事項がありましたら、室長からお願いします。
○年金広報企画室長 日程につきましては、12月上旬ぐらいの開催を見据えて日程調整させていただきますので、また御連絡させていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○上田座長 皆様、ありがとうございました。
それでは、議論も終わりましたので、本日の会議はこれで終了いたしたいと思います。
皆様、御多忙の折、御参加、誠にありがとうございました。

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 年金局が実施する検討会等> 第6回年金広報検討会(2020年10月8日)

ページの先頭へ戻る