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2019年4月10日 第170回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成31年4月10日(水)15:30~17:30

 

○場所

ベルサール御成門タワー ホール(3階)
東京都港区芝公園1-1-1

 

○出席者

安藤、井口、石田、伊藤、今井、江澤、荻野、尾﨑(沖本参考人)、小原、亀井、河村、河本、小泉、齋藤(訓)、齊藤(秀)、
佐藤、武久、田中、田部井、東、藤野、堀田、松田(敬称略)

○議題

 
1.平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成30年度調査)の結果について
2.平成30年度介護従事者処遇状況等調査の結果について
3.福祉用具貸与価格の上限設定について
4.その他
 

○議事

○川口企画官 それでは、定刻になりましたので、第170回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席賜りまして、まことにありがとうございます。
 会の開催に当たりまして、まず、前回の会議から委員の交代がありましたので、新任の委員を御紹介いたします。
 日本介護福祉士会の藤野裕子委員でございます。
 次に、本日の委員出席状況ですが、井上委員、大西委員、河村委員より御欠席の連絡をいただいております。
 それから、伊藤委員がおくれて御出席という御連絡をいただいております。
 また、尾﨑正直委員にかわりまして、沖本健二参考人に御出席いただいております。
 以上により、本日は21名の委員に御出席をいただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告いたします。
 続きまして、事務局に異動がありましたので、紹介をさせていただきます。
 介護保険指導室長の里村浩でございます。
 それでは、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきます。御協力をよろしくお願いいたします。
 では、以降の進行は田中分科会長にお願いをいたします。
○田中分科会長 皆さん、こんにちは。
 本日の議題1つ目は平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査、2つ目、平成30年度介護従事者処遇状況等調査の結果、3つ目、福祉用具貸与価格の上限設定などについて御議論いただきます。
 事務局より、資料の確認をお願いします。
 すみません。事務局、待ってください。
 河本委員、どうぞ。
○河本委員 申しわけありません。本日の議題に入る前に一言申し上げさせていただきたいと思いまして、お時間を頂戴いたしました。
 マスコミでも報道されておりますとおり、今回、介護納付金の係数の算定誤りによって、健保組合を初めとする保険者が負担する介護納付金の額が予算編成時の見込みから大幅に増加するという事態が発生しております。このような事態が発生したということは、介護納付金の納付義務を負います私ども医療保険者、それから、そのバックにいる介護保険料を負担する現役世代、この介護保険事業に対する信頼を損なうことにつながると考えております。きわめて遺憾であると言わざるを得ません。
 現在、私どもの健保組合で言いますと、総報酬割の影響も含めて介護納付金が急激に増大をしておりまして、財政運営に苦慮している状況でございます。今年度も全体の3分の1の組合が介護保険料を引き上げております。
 そうした状況のもとで、予算が確定した後に追加の納付を求められることは正直大変厳しいと言わざるを得ないところであります。保険者に対して、今回のように大幅な予算以上の納付を求めるような迷惑をかけないようにするとともに、2020年度への柔軟な納付の猶予とかを初めとして最大限の対応を厚生労働省に図っていただきたいと考えるところでございます。
 また、健保組合では、今回の事態への対応について、加入者や事業主にきちんと説明をしなければならないということになります。そのため、厚労省には速やかに経緯を説明していただくとともに、再発防止策について明示されるようにぜひお願いしたいと思います。
 以上です。
○田中分科会長 大事な点なので、事務局、お答えください。
○大島老健局長 今、河本委員からお話のございました今年度の介護納付金算定に関しまして、事務誤りがございました。御報告とおわびをさせていただければと思います。
 各医療保険者は毎年度支払基金が設定する係数に基づきまして、介護納付金額、それに応じた介護保険料率を予算で決定しております。予算編成に間に合わせるために、年度末で示す係数の確定値とは別に年末段階で係数の参考値を示しております。今回、この計数値に誤りがあったというものでございます。
 このため、健保組合や共済組合の一部におきまして、2019年度予算での予備費や準備金の活用、あるいは翌年度への納付猶予という余分なお手間をおかけすることになります。介護保険制度を所管する厚労省として、このような事態を招いたことは極めて遺憾に存じます。
 このことにつきまして、経過がございます。もともと昨年末にこの参考値を出したのは支払基金でありますが、実はその後経過がございまして、1月23日に支払基金担当係長より介護保険計画課担当係長に対しまして、電話にて参考値の一部について誤りがあり、納付金額のもととなる1人当たり年間負担額が2,000円程度増額の可能性がある旨連絡がありました。介護保険計画課の担当係長は、確定した数値を報告するように指示をしております。
 そして、3月6日になりまして、支払基金から介護保険計画課に対しまして、参考値の一つに誤りがあったということと、それに関連する確定値の御報告がありました。その結果、その後、来年度対応をどうするかということを考えて、まず一つには、健保組合、共済組合等に関連いたしまして、十分な予算を組んでいらっしゃるところはいいわけですけれども、そうでない場合は、不足する分を手当てする必要がございます。そのための方策として、予備費や準備金の活用、それから、介護保険法に納付猶予という仕組みがございます。その活用。これを選択していただいて対応できるようにする方針としております。
 いずれのケースにつきましても、今年度の保険料水準への影響は及ぼさないで済むことと考えております。
 それから、新聞でも200億円欠けるのではないかとか、そういうことで介護保険の保険者である市町村にも御心配をおかけしているかと思います。そういうことは決してございません。今、約2.9兆円の交付金が今年度介護納付金をもとに市町村には交付金として交付される予定となっておりますが、今回はもともとの介護納付金に加えまして、必要に応じて28年度の剰余金、1700億円程度ある見込みでありますので、これを活用することにいたしますので、市町村にわたる交付金は必ず全額確保されます。このため、市町村の介護保険財政の影響は生じないこととなると考えております。
 一部報道で支払基金が市中銀行から借り入れ等々というお話もございましたが、この剰余金という形の範囲で対応が可能と考えております。
 こういった事態が起こり、当然再発防止策等もきっちり支払基金において、厚労省において、双方において対策を講じていく必要がありますので、早急にその対策を進めていきたいと思っております。
 それから、こうした経過を踏まえまして、昨日、厚生労働大臣から担当部局である老健局長の私と支払基金理事長の双方に対して厳しく注意がございまして、正確で丁寧な事務の遂行の徹底の指導がございました。そういうことでありまして、今年度予算運用が円滑に回りますよう最大限努力してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
 制度面の不安はありませんので、市町村におかれてもお金に穴があくという話では決してございませんので、その点につきましては我々も周知を図ってまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○田中分科会長 河本委員、よろしゅうございますか。
 その点については、きちんと処理をお願いいたします。
 では、事務局、改めて資料の紹介をお願いします。
○川口企画官 事務局でございます。
 資料の確認でございます。
 今回、非常に資料がたくさんございますが、ペーパーレス化ということで、本日もタブレットを活用してということでございます。
 まず、資料1「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成30年度調査)の結果について(案)」というものがございます。
 資料1-1から資料1-7というものがございます。それぞれの調査の結果概要(案)がございます。
 資料2「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る評価シート」というものがございます。
 資料3「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果のポイント(案)」というものです。
 資料4、同調査の結果の概要(案)というものでございます。
 資料5「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果(案)」というものでございます。
 資料6「福祉用具貸与価格の上限設定について」というものがあり、その後ろに参考資料1から参考資料6までがございます。
 最後に「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成30年度調査)の報告書(案)」というものがございます。
 もし資料の不足等がございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 早速、議事次第に沿って進めてまいります。
 なお、紹介にありましたように本日は報告が多く、時間に余裕がございませんので、事務局は資料説明を簡潔に行ってください。
 各委員におかれましても、申しわけありませんが、御発言は論点に沿って簡潔に行っていただくよう御協力をお願いいたします。
 では、まず「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査の結果」について議論を行います。事務局より説明をお願いします。その後、委員会における議論を踏まえて松田委員長から概要の説明をお願いいたします。
 老人保健課長。
○眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
 それでは、資料に沿いまして、資料1、そして、資料1-1から1-7までございますけれども、この1-1から1-7を用いまして、御説明をさせていただきたいと思います。
 分科会長の御指示どおり、簡潔に説明させていただきたいと思います。
 資料1-1「介護保険制度におけるサービスの質の評価に関する調査研究事業」でございます。
 1ページ目、本調査の目的でございますけれども、○にございますように、「褥瘡マネジメント加算」を算定するまでのプロセス及び課題を整理しつつ、その効果を検証すること。今後どのようにサービスの評価が可能か検討するため、各施設・事業所での評価項目の収集状況を把握すること。昨年度事業におきまして作成いたしましたデータ項目につきまして、Barthel IndexとかFIMにおける類似項目の相関関係を把握すること。こういったことを目的といたしまして、それぞれこの調査方法にあるような客体に調査を行ったところでございます。
 2ページ目、図表1でございますが、こちらは褥瘡マネジメント加算の算定状況を示しております。「算定している」と回答した施設は、介護老人保健施設では37.3%、介護老人福祉施設では19.2%でございました。
 図表2がございますけれども、こちらは褥瘡の定義をそれぞれの施設がどのように定義しているのかをアンケートしたものでございますけれども、施設によって定義はさまざまであったということが示されております。「持続する発赤」を「褥瘡」の定義としているところと、皮下組織までの損傷から捉えているところがございます。
 3ページ目、図表3でございますが、こちらは施設の褥瘡の定義が、先ほど申し上げたようにさまざまであったということでございますけれども、その定義がございますが、定義別に施設で褥瘡が発生した入所者の割合を示したものでございます。定義が軽度である、つまり「持続する発赤」と捉えているというように軽度なものを「褥瘡」と定義をしている施設ほど、検出している褥瘡の数が多いことがわかったというものでございます。
 4ページ目、図表4でございますが、こちらはリスク評価の実施頻度であります。前年度と比較いたしまして、今年度は3カ月に1回と回答した施設、これは褥瘡マネジメント加算の算定要件でもございますが、それが褥瘡加算の有無にかかわらず増加していたところでございます。算定しているところは言うまでもなく、この褥瘡マネジメント加算を算定していないところも3カ月に一度ちゃんと評価しているところは増えている状況でございました。
 5ページ目、図表5と図表6です。これは褥瘡マネジメント加算の算定状況別にリスクの評価、褥瘡ケア計画の作成状況を比較したものでございます。褥瘡マネジメント加算を「算定している」と回答した施設では「全ての入所者について実施している」という割合が高いということで、積極的に取り組んでいらっしゃる状況がわかったということでございました。
 6ページ目、図表7と8がございますが、8でございます。図表8は褥瘡マネジメント加算を算定していない施設に対しまして、算定していない理由を調査したものでございますけれども、入所者ごとの褥瘡ケア計画を作成するのが難しいと回答した施設が最も多かったということでございます。その他の回答も一定数ありましたので、図表9にその他の中の主なものを整理してお示ししているところでございます。
 7ページ目以降、こちらは目的の2つ目、入所者・利用者の心身状況に関する記録・評価の状況を示したものであります。この図10でございますけれども、施設・事業所におきまして、主に使用しているアセスメント様式でございます。この中では包括的自立支援プログラム方式が比較的多いということでございますけれども、それぞれの施設で独自のものを使っているところもありますし、BarthelあるいはほかのMDSとかICFステージングといったものを使っているところで、それぞれの施設があるということでございました。
 8ページから11ページにわたりまして、こちらは心身の状態に関する情報の記録・評価の状況と、その情報収集する負担感を調査したものでございます。
 8ページは既往歴の記録、9ページは体重の記録、10ページが栄養状態の記録、11ページが過去3カ月の転倒の有無ということでございます。この順番で記録をしている、情報を収集しているという割合自体は下がってくるものでございますし、また、その分記録をする、把握する負担感は上がってきているということでございました。
 12ページ目、こちらは図表19でございますけれども、各種記録の保管方法をアンケートしたものでございます。こちらは見ていただきますと、居宅介護支援事業所では「介護ソフト」と回答した事業所が多うございました。老健施設では「紙」としているもの、これは併用している場合もあるかと思いますけれども、そのように回答していたところが多かった結果でございました。
 1-1につきましては、以上でございます。
 続きまして、1-2「介護ロボットの効果実証に関する調査研究事業」でございます。
 1ページ目、こちらの目的でございますが、本調査は見守り機器を初めとする介護ロボットの活用の実態把握を行うことを目的といたしております。これまで国の補助金を受けて介護ロボットを導入した施設や反対に介護ロボットを導入していない施設に対するアンケート調査のほかに、昨年度の介護報酬改定の議論に当たりまして御協力いただきました施設に対するヒアリングなどを行ったものでございます。
 2ページ目、左の図は導入した介護ロボットの種類の割合を示しております。「見守り」が70.8%と最も割合が高いということでございます。右側の図でございますが、こちらは介護ロボット購入時の費用の負担方法でありますけれども、助成や補助を受けたものが約半数、48.4%であったということでございました。
 3ページ目、4ページ目、こちらは介護ロボット導入のきっかけ、そして、また目的というところでございますけれども、赤線で囲っておりますが、きっかけといたしましては、理事長の御判断、施設長の御判断、導入に関して助成・補助があったというところが多くございました。
 4ページ目、目的でございますけれども、「利用者の負担軽減」、そして「職員の負担軽減」が主な目的となっております。結果として離職防止、ヒヤリハット・介護事故の防止というところも高うございます。
 5ページ目、利用者に対する効果についてでございますけれども、ほとんどの介護ロボット種別で「自分が介護者に気を遣わなくても良い」というアンケートの結果が高く、「見守り」につきましては「転倒が減る」が37.1%で最も割合が高く、次いで「緊急時にすぐに対応してもらえる安心感がある」という結果が出てございます。
 6ページ目、これは職員さんに対する効果でございます。ほとんどの介護ロボット種別で「身体的負担(体の痛みなど)の軽減」の割合が最も高く、「見守り」では排せつや夜間行動における「利用者の行動パターンが把握できる」が67.8%と最も割合が高く、次いで「優先順位の判断ができる」というものが64.7%であったところでございます。
 7ページ目は割愛をさせていただきます。
 8ページ目、左の図でありますけれども、効果実証の実施についての割合でありますが、「実施している」と回答していただいた割合が21.3%でございました。このうち「見守り」における実証方法としましては、アンケートが37.2%、タイムスタディをやっているというところが26.1%あったところでございました。
 9ページ目は飛ばさせていただきまして、10ページ目、左の図が介護ロボット導入前後のヒヤリハット、それから、介護事故発生件数についての割合を見たものでございます。最も多かったのが「変化なし」であったところでございますけれども、次いで「0件超~5件未満減少」と回答いただいたところが26.8%でございました。
 このうち「見守り」というところで見ていただきますと「0件超~5件未満減少」というところが29.9%と最も割合が高かったところでございます。
 11ページ目、左の図は見守り機器の導入による夜間職員配置加算の届け出の状態でございますけれども、届け出が「あり」と御回答いただいたところが5.8%でありました。
 右の図でありますけれども、こちらは当該加算を届け出していない理由の割合でございます。見守り機器の導入がなくとも、こちらが人員配置基準を満たしているということが55%と割合が最も高いということであります。次いで、これは要件でありますけれども、入所者の15%以上という要件がございますが、それを満たす見守り機器の台数を導入していないというところで31.4%であったところでございます。
 12ページ目、これは見守り機器の導入による夜勤職員配置加算に関する項目でありまして、利用者数では「0人超5人以下」というところで、これが67.3%と最も割合が高かったところでございます。
 13ページ目、こちらは介護ロボットを導入して感じた課題、そして、14ページ目、これは介護ロボットを導入していない理由ということでございますが、比べていただきますと、同じようなところがハイライトされているかと思います。導入のための費用が高額であるところが大きいかと思います。あとは、研修や使い方の周知が必要というところも高い割合で回答があるところでございます。また、していない理由の中には、14ページ目でございますけれども、機器に関する情報が少ないという答えもございました。
 最後の15ページ目、今後の介護ロボットの導入意向でございますが、「見守り」に関するロボットを導入したいというところが最も多く、次いで「移乗支援(非装着型)」を御検討されているところでございました。
 以上、1-2の御説明でございます。
 次に、1-3「居宅介護支援事業所及び介護支援専門員の業務等の実態に関する調査研究事業」でございます。
 1ページ目、本調査でございますけれども、平成30年度の改定で居宅介護支援事業での提供にどのような影響を与えたかを調査するとともに、次の介護報酬改定の検討に資する基礎資料を得ることを目的としてございます。
 調査票のみならず、介護保険総合データベースも用いてございます。レセプトデータの集計ですとか居宅介護支援、介護予防支援事業所、その重要な連携先となります医療機関を対象とする調査も行ってございます。
 2ページ目、図表1と2がございますけれども、居宅介護支援のレセプトデータの集計結果でございます。今回の改定で見直しを行った加算・減算を赤枠で囲ってございます。加算の算定割合でございますけれども、見ていただきますと、右側に赤で囲ったところがございますが、特定事業所加算(I)は3.1から3.0%というふうに平成29年度から平成30年度でほぼ同じでございますが、(II)を算定しているところは35.3%から37.2%と若干ふえているということでございます。
 次に、特定事業所集中減算に関しましては、平成28年度が最も高く7.4%でありましたけれども、29年度、30年度に関しましては5.9%、5.5%と減少傾向にあるということでございます。
 3ページ目から5ページ目でございますが、こちらは調査の対象となりました事業所の基本属性でございます。3ページ目で申し上げますと、全体の施設は1,288の事業所を調査したわけでございますけれども、そのうち「併設施設あり」が88.9%ということで多かったということでございます。
 4ページ目、1事業所当たりの利用者数でございますけれども、「41人以上80人以下」が最も多く、次いで「21人以上40人以下」というところが多かったところでございまして、「21人以上80人以下」というところで、ここがボリュームゾーンかと思います。
 また、ケアマネさんお一人当たりの利用者数でございますけれども、「30人以上40人未満」が多いところでございました。
 5ページ目、こちらは利用者の基本情報ということでございますけれども、ここで図表9の中に赤枠で囲っているところでございますが、まず、平成30年度の入院、退院、みとり等の特殊な状態にも該当しないで安定的に居宅サービスを使っていらっしゃる方に関しましては、要介護1、要介護2の方が割合としては多いということでございます。また、みとりを行った利用者では、その他ということで、認定申請中という方の割合も高かったところでございます。
 6ページから8ページは、入院時の医療機関連携についてお尋ねしたものでございます。
 6ページ目、図表12でございますけれども、平成30年の7月から9月に入院した利用者に関する調査でございます。真ん中に図表12がございますけれども、医療機関に入院した利用者がいる事業所は1,288ございまして、その中で平均8人の方が医療機関に入院していたと。医療機関に情報提供を行った利用者がいる、そういう事業所で聞いたところ、そのうち6人に関しましては情報提供を行っていたということでございました。
 7ページ目、こちらは入院時の情報提供において困難と感じた点をお聞きしたものでございます。利用者さんを給付管理しているわけでございますけれども、入院したことについてすぐわからなかったというところが多かったところでございます。
 8ページ目、こちらは医療・介護連携、入院時のものでございますけれども、利用者が入院する際の居宅介護支援事業所と医療機関の連携におきまして、医療機関がケアマネジャーさんから提供される情報のうちに不足していると感じた内容でございます。こちらは図表15、3列ございますが、その左にあります「在宅生活に必要な要件」で32.1と赤で囲っている数字があろうかと思います。これが最も多かったところでございます。次いで「入院前の本人の生活に関する意向」が30.2%、これが医療機関からケアマネさんに情報提供が不足していると感じている内容であったということでございます。
 次に、ケアマネジャーが医療機関に提供している情報では「ADL」が最も割合としては高かったということでございます。
 9ページ目、この9ページから11ページは、先ほどと違いまして、今度は退院時に医療機関とどのような連携がなされているかというものでございます。
 9ページ目、図表16でございますけれども、これは調査年の7月から9月に退院して給付管理を行う対象となった利用者に関する調査でございます。1事業所当たり平均5.7人の対象者のうち、4.2人に対しまして医療機関と連携しているということでございました。
 10ページ目、図表18でございます。医療機関がケアマネジャーさんに対して求めている役割、11ページ目の図表19とあわせてごらんいただければと思いますけれども、連携が問題である、困難であると感じる点につきまして、医療機関と居宅介護支援事業所、それぞれどう考えているか、比較できるように形を整えてございます。
 11ページ目、例えば図表19を上からごらんいただきますと、左が事業所調査、これはケアマネ事業所さんにお聞きした調査、右側が医療機関にお聞きした調査の結果でございます。一番上をごらんいただきますと「退院時カンファレンスが行われていない」とケアマネ事業所が感じている割合が25.9%、そして、右側の医療機関調査では「退院時カンファレンスを実施していない」というところが9.5%となっているところでございます。
 真ん中のところに長い棒がありますけれども、ケアマネ事業所におきましては、医療機関から急な退院の連絡があり、対応が困難であったと感じておられる割合が50.5%で、逆に医療機関の側でも、治療等の場合によって、ケアマネジャーさんへの退院の連絡が直前になることがあるというような結果が出ているところでございます。割合は相関しているかなと見てとれるかと思います。
 12ページ目、こちらは医療機関と日常的にどのような連携をしているかということでございますけれども、1つ目の○にございますように、居宅介護支援事業所のケアマネさんから主治の医師等に対する情報提供でございますが、みとりを行った者に対して「服薬管理」というものを提供している割合が非常に高かったと。次に「褥瘡の状況」ということでありました。
 13ページ目、こちらは末期の悪性腫瘍の利用者に対するケアマネジメントであります。このケアマネジメントプロセスの簡素化ということでございますけれども、末期のがんの患者さんに対しまして、4月から9月末までの期間に亡くなった利用者は「1人」が多かったわけでありますけれども、その次の○で、主治の医師等に助言を得ることを前提として、ケアマネジメントプロセスを簡素化した割合はなかなかいなかったということで「0人」が高かったわけでございます。次いで「1人」で11.9%であったというものでございました。
 14ページ目、こちらは加算の届け出でありまして、特定事業所加算を届けているかどうかというものでございます。届けているところというところで、(I)を届けているところが5.4%、(II)が53.8%と最も多いところでございました。また、届け出がなかなか行われないという理由も課題というところで下に聞いているところでございます。
 15ページ目、16ページ目でありますけれども、こちらは主任ケアマネさんがいらっしゃるかどうか、管理者が主任ケアマネさんかどうかをお聞きしたものをお示ししてございます。主任ケアマネさんが管理者であるというところが51.2%、そうでないというところが43.7%ということでございました。
 16ページ目、管理者が主任ケアマネさんであるかどうかとは別にミーティングをどのぐらいやっているかと回答いただいたところでございまして、管理者が主任ケアマネジャーさんでいらっしゃるところのほうがミーティングの頻度が高いことがお示しされているかと思います。
 17ページ目、18ページ目は、これはそれぞれ同一法人かどうか、そして、障害福祉制度の連携でありますけれども、こちらは説明を割愛させていただきます。
 次に、1-4の御説明に入らせていただきます。こちらはきょうの3つ目の議題にも関係してくるところでございますけれども、「福祉用具貸与価格の適正化に関する調査研究事業」でございます。
 1ページ目、目的でございます。平成30年10月、去年の10月に施行されました貸与価格の上限設定の影響を把握することを目的としたものでございます。
 2ページ目、制度施行1年前の平成29年10月の貸与実績と比較いたしまして、今回、上限を超えた部分を財政効果として推計したものでございます。上限を超える貸与件数は61万件あったということでございますけれども、財政効果をこれで算定いたしますと、約3.4億円とこれが算定されるところでございました。これが10月単月での財政評価でございます。
 3ページ目、図表2でございますが、貸与価格の上限を超える貸与が1件でもあった事業所の割合を示してございます。これは全体では95.7%ということでございました。また、利用者さんの単位で見ますと、貸与価格の上限を超える利用者の割合を示しておりまして、全体の25.5%であったということでございます。
 4ページ目、図表5でありますけれども、上限を超えたもの、超えていないものも含めて同一商品における施行前後での実際の貸与価格の変化に伴う財政効果でございます。先ほど計算では3.4億と御説明したところでございますけれども、実際の貸与価格でこちらを計算いたしますと、4.5億円の削減となっていたということでございます。
 5ページ目、図表6でございますが、制度施行前後で要介護度や貸与商品数に変化がない利用者1人当たりの平均貸与価格の変化を示したものでございます。今回の上限設定によりまして、平均貸与価格自体は下落していることがわかっていただけるかと思います。
 6ページ目、7ページ目でございますが、図表7、8、9でございますけれども、こちらは施行前後の貸与価格がどのように分布するかということで、仮に今後も継続的に貸与価格の上限を設定した場合に、全国の平均貸与価格の上限に関するシミュレーションを行ったものでございます。
 例えば6ページの図表7でごらんいただきますと、今回の上限設定では貸与件数の6.2%が上限を超えていたと推計されておりますが、10月に上限価格を設定したことによりまして、それまで超えていたものが上限価格に張りつくという前提のシミュレーションでございますけれども、そのようなことを行いますと、次にまた上限設定を行いますと、その分丸々次の上限価格を超えることになりますので、24.1%が上限を超えるというシミュレーションになるということでございます。
 8ページ目、図表11でございますけれども、上限設定による財政効果をシミュレーションしたものでございます。先ほど申し上げましたとおり、平成30年10月実績ではそれなりに削減率2%ぐらいで3.4億円なり4.5億円ということで削減の効果はあったわけでございますけれども、次回以降、0.7%あるいは0.3%というように削減率自体は下がってくるというシミュレーションができるということでございます。
 9ページ目、事業者への調査でございます。商品の価格でございますけれども、増額ということが1品でもあった割合でございますけれども、これは17.1%である一方、減額ということに関しましては87.6%となっているところでございます。
 10ページ目、図表14でございますけれども、こちらは貸与価格の変更に伴いまして、事務負担、経費負担を示しているところでございます。利用者さんとの契約変更手続ということで負担がある、これが70.8%。商品カタログの価格修正・再印刷の発注などがこれも7割程度ということでございました。
 11ページ目、図表15でございますが、貸与事業所の収益への影響でございますが、収益が減少した、あるいは減少する見込みという回答があった事業所は74.2%ということでございます。
 最後に14ページ目、図表20でございます。こちらは貸与価格の見直しによる利用者への影響を示したものでありまして、上限を超えた商品でありましても、実際のサービスに変化があったというのは2.7%と、現時点ではその影響は限定的だと考えられるところでございます。
 以上、1-4の御説明でございました。
 次に1-5「介護医療院におけるサービス提供実態等に関する調査研究事業」でございます。
 1ページ目、こちらは新たに創設されました介護医療院につきまして、円滑な転換の促進等のためにどのような対応を図ることが適当なのか検討するための調査でございました。調査対象は介護医療院、介護療養型医療施設、医療療養病床、そして、介護療養型老人保健施設に調査を行ったものでございます。
 2ページ目、図表1は開設主体でございまして、これはそのとおりでございますが、介護医療院では大部分が医療法人立であったということでございます。
 3ページ目、図表3でございますけれども、こちらは医療区分を調査したもの、そして、図表4が要介護度を調査したものでございます。細かなパーセンテージは申し上げませんけれども、その図表3、図表4の中で、一番上のものが介護医療院の帯グラフでございまして、その下が介護療養型医療施設の帯グラフとなります。
 ごらんいただきますと、医療区分で申し上げて医療区分3、2、1と、3のほうが重いわけでございますけれども、3、2、1の方の割合というのは、介護医療院と介護療養型医療施設が大体似通った形になっているかなということが見てとれるかと思います。
 また、右側の要介護度をごらんいただきましても、左から要介護度5、4、3、2、1と並んでございますが、介護医療院、そして、また介護療養型医療施設、非常に要介護度5の重い方が多いことがわかっていただけるかと思います。
 4ページ目、こちらが高齢者の日常生活自立度、いわゆるJ、A、B、Cですね。それから図表6が認知症高齢者の日常生活自立度で、これはI、II、III、IV、Mとあらわされるものでございます。それぞれどのような割合で要介護者が入所していらっしゃるか、入院していらっしゃるかということでございます。介護医療院、介護療養型医療施設、非常に重い方が多いということでございました。
 5ページ目は割愛をさせていただきます。
 6ページ目、こちらは図表10、12等で、ACP、アドバンス・ケア・プランニングですとか、あるいはターミナルケアに関する取り組みの有無に関して調査したものでございます。それぞれ取り組んでいる割合は介護医療院が最も高かったということでございます。
 7ページ目、図表13であります。こちらは介護医療院の開設を決めた理由ということでございますけれども、理由としましては、左から2つ目「自院(施設)には介護医療院にふさわしい利用者が多いと考えられた」という割合で答えていただいたところが75%であります。「病院からの退院先となる場合には自宅等として取り扱われることに魅力を感じた」が62.5%であったというところでございました。
 また、介護医療院開設に当たりまして、図表14でございますが、開設移行前から転院せずに移行していたということで、87.5%の方はそのまま入院から入所に継続していらっしゃったということでございます。
 8ページ目、9ページ目、10ページ目は割愛させていただきまして、11ページ目に行かせていただきます。図表22がございますけれども、これは介護療養型医療施設の移行予定を調査したものでございます。2023年度末までに介護医療院への移行を予定しているということでございますけれども、縦に棒グラフが5つございますが、その一番右をごらんいただきますと、こちらで見ますとI型の介護医療院の移行を検討しているのが43.4%、II型が9.3%ということで、合計すると52.7%の施設はこういう割合で介護医療院への移行を検討しているということでございます。
 13ページ目、これは医療療養病床のうち、療養病棟入院基本料の経過措置の対象となっているところの移行をお聞きしたものでございます。図表26も縦に棒グラフが5つありますけれども、2023年度末に介護医療院への移行を予定しているというのは、この2023年度末のところをごらんいただきますと、I型への移行が4.7%、II型が6.8%とありまして、合計11.5%ということでございました。
 14ページ目、図表28でございますが、2023年度末で変更がないという施設について、移行を検討しない理由を調査したものでございます。介護療養型医療施設で最も割合が高かった理由としましては「2021年度介護報酬改定の結果を見て判断するつもりである」というところが40.3%であったということでございました。
 16ページ目、図表31でありますけれども、介護医療院に移行すると仮定した場合に、課題と考える項目を調査したものでございます。いずれの施設類型におきましても、最も割合が高かったものは「施設経営の見通しが立たない」というところでありました。
 18ページ目、こちらに図表33がございます。こちらは介護医療院に移行する際必要と考えられる支援策についてのアンケートでございます。介護療養型医療施設におきましては「家具・パーティション等を調達するための助成金」の割合が最も高かったところでございます。
 最後の19ページ目、先ほどの結果を反映していると思いますけれども、移行する際に必要と考える支援策といたしまして「家具・パーティション等を調達するための助成金」ですとか、「介護医療院の基準・制度に関する情報提供」が高いという割合が示されているところでございます。
 以上、1-5でございます。
 あと2つです。資料1-6と資料1-7について御説明を続けさせていただきます。
 「介護老人福祉施設における安全・衛生管理体制等の在り方についての調査研究事業」でございます。
 1ページ目、本調査は、介護老人福祉施設におけます介護事故等のリスクマネジメント及び介護老人福祉施設から市区町村への報告状況、市区町村(都道府県)における事故等の収集状況や活用状況等につきまして、実態を明らかにすることを目的に行ったものでございます。なお、自治体の市区町村ですとか都道府県調査に関しましては、介護老人保健施設の実態についても対象としているものでございます。
 2ページ目、施設の基本状況でございますが、運営主体ですが「社会福祉法人」が98.2%であったということでございます。
 3ページ目、指針やマニュアルについて調査したものでございます。こちらにございますとおり、図表5がございますけれども、事故発生の防止のための指針の見直し状況でございます。定期的あるいは不定期、事後ということで見直していただいているところが大半でございますけれども、一方で「見直していない」というところも21.3%あったところでございます。
 4ページ目は飛ばさせていただきまして、5ページ目、委員会について調査をしたものでございます。事故発生防止のための委員会ということでございますけれども、こちらは図表16でございますが、この委員会の検討事項でありますけれども、「介護事故やヒヤリハット等の発生件数や発生事例の報告」が93.4%ということでございました。
 6ページ目、事故の認識・把握・分析について調査したものでございます。図表21をごらんいただきますと、発生した介護事故の分析の有無でありますが、やはりちゃんと分析していただいているというところが95.8%でございました。
 7ページ目、こちらは市区町村にどのように報告しているかというところでございます。その報告について調査したものでございまして、図表23は施設から市区町村への報告対象の範囲であります。
 そして、7ページ目の右側にありますけれども、こちらは施設から市区町村へ報告する被害状況の範囲でございます。こういったところで一時的な治療が必要なもの、受診が必要になったものは「転倒」の場合は報告をしているということでございました。
 8ページ目、こちらはヒヤリハットの把握について調査をしたものでございます。図表26がございますが、施設内でヒヤリハットとして報告対象の範囲内であり、事故等は発生していないけれども、事故発生につながる可能性が高い状態・事例を高い割合、93.0%で把握をしているということでございました。
 9ページ目は割愛させていただきまして、10ページ目、こちらからは自治体、市区町村にお聞きしたものでございます。10ページ目、市区町村への報告について調査したものでございますけれども、図表35、ページで言うと下側でございますが、市区町村が介護施設に介護事故の報告を求めている場合の定めでございます。報告する事故の範囲を「定めている」が6割弱ということでございまして「定めていない」が41.6%でありました。
 11ページ目、報告の活用状況について調査したものでございまして、市区町村に報告された介護事故情報について、図表39は集計・分析状況、図表40は情報の活用状況、図表41は支援内容、図表42は実地検証の実施状況でありますけれども、こちらは集計・分析支援等に活用されていない場合も一定程度あるということでございます。
 12ページ目、こちらは都道府県票でございます。都道府県における事故情報の収集でございます。それから、市区町村から都道府県への報告について調査したものでございます。
 図表44でございますが、事故情報の収集の有無でありまして、「はい」ということで収集をしているということが97.8%と非常に多かったということでございます。そして、市区町村からは53.3%、事業者からは48.9%ということで報告を求めていただいていることがわかります。
 13ページ目、事業所から都道府県への報告について調査したものでございまして、結果は12ページの都道府県が市区町村に介護情報を求めている場合とほぼ同じ傾向であったところでございます。
 最後の14ページ目、都道府県における報告の活用状況等について調査したものでございます。こちらは11ページに同様のものを市町村に向けて聞いてございますけれども、比較をしていただくと、市町村での活用状況に比べまして、都道府県では活用していただいている割合が高い傾向が見てとれるところでございます。
 駆け足になって申しわけありません。最後の1-7「介護老人保健施設における安全・衛生管理体制等の在り方についての調査研究事業」であります。
 1ページ目、こちらは先ほどの老人福祉施設に続きます一連の調査のものでございますけれども、介護老人保健施設において行われている医療処置等の実態を踏まえまして、事故、衛生管理、身体拘束廃止、災害対策、家族等からのクレームへの対応状況を明らかにすることを目的としたものでございます。
 2ページ目、これは施設の基本情報を調査したものでございます。運営主体といたしまして、図表1でありますが、「医療法人」が72.9%でありました。図表2でありますとおり、これは施設類型で申し上げましたものでございますが、「基本型」が38.9%ということでございました。
 3ページ目、医療処置等の実施状況を調査したものでございます。入所時点で行われていなかった治療、処置を行った利用者数(延べ人数)は1万4570人ということでございました。図表7につきましては、治療等の原因となった疾患でありますが、字が小さくて恐縮でございますけれども、こちら「肺炎」が11.1%、「膀胱炎」が7.1%、「誤嚥性肺炎」が5.2%ということでございます。
 4ページ目、こちらは事故防止・安全管理について調査したものでございます。図表11につきまして「専任の安全対策を担当する者あり」と回答していただいた施設が69.5%、また、全老健、全国老人保健施設協会のリスクマネジャーさんがいると答えていただいた施設が19.3%でございます。
 5ページ目、こちらは損害賠償保険の加入の有無でございますが、96.4%の施設は加入されているというものでございます。
 6ページ目、指針やマニュアルについて調査したものでございます。図表19でございますが、事故発生の防止のための指針の見直し状況でございまして、こちらも先ほど老人福祉施設でありましたけれども、定期、不定期、事後に見直していただいているところが大宗でございますが、一方で「見直していない」も12%ということでございました。
 7ページ目、リスク評価に関する調査結果、そして、8ページが事後報告のルールでございますけれども、説明は割愛させていただきまして、9ページ目、市区町村への介護事故報告について調査したものでございます。図表31は施設から市区町村への報告対象の範囲でありまして「定められている」が9割弱ということでございます。
 10ページ目、ヒヤリハットの把握・介護事故の分析について調査したものでございます。図表35でございますけれども、施設内でヒヤリハットとして報告対象としている範囲でございまして、「事故等は発生していないが、事故発生につながる可能性が高い状態・事例」というものが93.1%、図表36は、発生した介護事故の分析の有無でございまして、分析しているというところが95.1%でございました。
11ページ目、こちらは衛生管理・感染管理について調査したものでございます。図表39にございますとおりで、専任の感染対策を担当する者がいらっしゃるというところが65.6%ということでございました。
 12ページ目、こちらは身体拘束について調査したものでございます。図表44がございますけれども、身体拘束廃止についての方針を表明しているという施設が93.1%、図表46にございますとおり、身体拘束廃止を担当する専任の方がいらっしゃるというところが60.3%でありました。
 13ページ目、こちらは災害対策について調査したものでございます。図表48がございますけれども、非常時・災害時に関する計画・マニュアルを策定しているというのが85.2%でございます。図表54、いわゆるBCPですね。事業継続計画を策定しているところが34.8%でございます。
 最後のページはクレーム対応ということでございますけれども、説明は割愛させていただきます。
 以上、駆け足になりまして大変恐縮でございました。資料1-1から1-7に関しましての御説明であります。
 資料2に関しましては、それぞれの調査でどのような評価であったかをまとめたものでございます。
 また、参考資料6でございます。きょう、欠席ということでございますけれども、日本経済団体連合会の井上委員から、こちらの意見の提出がございました。この中でも、特に介護ロボットの効果実証に関する調査研究事業等につきまして、それから、今後御議論いただくことにつきましても御意見をいただいているところは御紹介させていただきます。
 以上、事務局からの御説明でございました。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 松田委員長、お願いします。
○松田委員 では、概要について御説明したいと思います。
 平成30年度の調査結果につきましては、先月14日の介護報酬改定検証・研究委員会において最終版として承認いたしましたので、これを最終報告として御報告申し上げたいと思います。
 ただ、1点補足としまして「(6)介護老人福祉施設における安全・衛生管理体制等の在り方についての調査研究事業」及び「(7)介護老人保健施設における安全・衛生管理体制等の在り方についての調査研究事業」に関してですが、3月14日の委員会におきまして、脚注として記載していた介護事故による死亡の報告件数に関連して、以下のような意見がございました。ばらばらな基準で報告されている曖昧な数字であり、数字がひとり歩きする危険性が高いため、記載することに賛成できない。あるいは、自宅と施設の状況を比較せずに、施設の状況だけを見て議論することに意味はなく、誤解を生まないような対応をとるべき。こういった意見をいただきました。
 このことを踏まえまして、死亡事故を含め、事故の報告件数につきましては、そのまま取り扱うのは適当でないと考えまして、今回の結果概要、報告書において、これらの数値は記載しないこととしています。これにつきましても、(6)の報告書の279ページ、(7)の報告書の146ページにそれぞれ詳細について理由について記載しておりますので、御了承いただけたらと思います。
 以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 では、説明のありました事項について、御意見、御質問があればお願いいたします。
 齋藤委員、どうぞ。
○齋藤(訓)委員 改定の効果検証の調査という目的で行われた調査でございましたけれども、非常に中身の充実した調査結果ではないかと思っております。
 幾つかコメントさせていただきたいのですが、一つは質の評価の「褥瘡マネジメント及び褥瘡マネジメント加算の状況」のところです。3カ月に一度のリスク評価が難しい、あるいは入所者ごとの褥瘡ケアの計画が難しいということが褥瘡マネジメント加算を算定しない理由に挙がっているのですが、その難しいという背景が職員の業務量なのか、あるいは褥瘡の評価記録が難しいのかというのは、この調査からは読めないので、もし後者であるのであれば、きちんと評価ができる人材の育成方法を検討していく必要があるのではないかと考えております。
 ロボットに関しましては、介護ロボット導入による職員に対する効果として「行動パターンの把握」や「優先順位の判断」が高いという結果が出ていて、人の手のかわりにするというよりは、そのロボットを置いたことによって利用者さんごとに個別性を踏まえたケア内容の検討が行えることにロボット導入の効果性があるのではないかと考えております。今後もこういったテクノロジーの開発はますます進むものと考えておりますので、ケアへの効果性がより高いものから導入していくことを進めてよいのではないかと考えました。
 資料1-3ですが、今回の調査で療養の場によって提供される情報の優先度が異なるのだということがわかりましたし、医療機関とケアマネジャーの双方がどのような情報を求めているのかも明らかになりました。ただ、両者非常に多忙な中で、情報提供の仕方を少し考えていかなければいけないのではないかと考えました。網羅的というよりは、相手が必要とする情報を、ポイントを絞って提供していくことを考えていかなければいけないと思います。医療機関への情報提供については以前の研究事業等でガイドラインのようなものができていたかと認識しておりますが、今回の調査結果を反映して、そのガイドラインを見直していく方法もあるのではないかと考えています。
 それから、ケアマネジャーから見て医療機関との入院時の連携の窓口や担当者がわからなかったというのも挙がっておりまして、これは医療機関側にも工夫が求められると思います。外の人から見てここに連絡すれば必ずつながるのだという窓口をきちんと開示していくことが必要なのではないかと考えます。
 資料1-6、1-7につきましても、こういった施設系の安全に関して初めて調査がなされたのではないかと認識しています。多くの施設で、安全・衛生管理の取り組みが分析等も含めてきちんと行われているという結果ではありましたが、こういった介護事故等に関する報告内容については、いろいろな施設で共有できるような仕組みが必要なのではないかと思っています。各施設から行政に挙げられた事例報告がきちんと共有されて、介護事故や感染症が発生しない、あるいはきちんと予防できる、そして、自分の施設にはどのような対策が足りず、そのために何を実施していけばいいのかを認識できる体制づくりについて、ぜひ検討していただきたいと考えました。
 そういうことを考えますと、この資料の事故情報として収集する範囲も都道府県等によって異なっているように見受けられるので、こういった施設における安全・衛生管理について、ある程度全国一律の基準、最低限の基準は示されてもよいのではないかと考えていますので、今後の検討課題ではないかと思っています。
 以上です。
○田中分科会長 コメントありがとうございました。
 小原委員、どうぞ。
○小原委員 ありがとうございます。
 資料1-3について、報告書全体から、この30年4月改定を受けて医療・介護の連携が促進されてきていることに、介護支援専門員がハブとして地域や国民の生活支援をしていく専門職として貢献できていることはうれしく思います。
 その中で2点あるのですけれども、まず、退院時の連携についてですが、10ページの図表18に「退院日程に合わせた迅速なサービス調整・ケアプラン作成」について、医療機関側からの期待が高い中で、居宅側は実施していると88.1%回答しているのに対して、医療機関側はケアマネジャーが実施していると回答したのは56.2%となっています。
 一方で、11ページの図表19には、居宅側が困難と感じる点・問題と感じる点として、急な退院の連絡があって対応困難というのが50.5%、医療機関側からも困難と感じる点・問題と感じる点として、治療等の都合によりケアマネジャーへの退院の連絡が直前になることがあるというのが72.7%と回答がありまして、両者で同様の課題を感じている割合が高くなっています。
 実際に退院予定日がケアマネジャーに退院前のどのくらいのタイミングで伝わっているのか、あるいは伝わったらよいのかも確認しながら、ここを円滑化することで利用者さんにとってもスムーズな退院調整をしていくことになりますし、今後に向けても有益なことだと考えています。
 今回の検証で見えた、医療機関側で欲しいとか役に立つ内容がわかったことによって、医療・介護の連携はますます進みますし、その内容を取りこぼさないようにし、効率化を図っていくために情報提供シート等の連携ツールをさらに進化させていく視点も必要となると思いますし、取り組みについても検討していきたいと思います。
 もう一点ですけれども、居宅介護支援事業所の管理者要件について、16ページの図表30、31から主任介護支援専門員が管理者である事業所が、事例検討会とか同行訪問などの育成・研修の取り組みがされているということはよく見えてきたと思います。
 一方で、15ページの図表28、29を見ますと、平成30年度時点で43.7%の事業所で管理者が主任介護支援専門員ではなくて、そのうち今後実務を重ねても、令和2年4月時点で実務経験5年に達しない、つまり、令和2年度中に主任介護支援専門員の研修を受けられない管理者が、図表29から業務経験3年未満が17.2%・97事業所あります。さらに業務経験3年から4年未満の管理者9.6%・54事業所においても、本調査の1年後の令和元年度の業務経験は4年から5年未満となり、令和2年度中の主任介護支援専門員研修の開催時期に実務経験を満たさない管理者も一定数含まれ、仮にここの数を半数とカウントした場合4.8%・27事業所となります。つまり、令和2年度中に主任介護支援専門員研修を受講できない管理者が、業務経験3年未満とあわせると22%・124事業所となり、居宅介護支援事業所全体からすると9.6%に当たる事業所が、今の基準でいくと事業が継続できない可能性があります。
 分科会の中でも管理者要件については動向を見て適切な対応をすることを要望として述べてきましたけれども、業務経験については30年4月改定前から事業を行っている事業所については、努力して解決できない物理的な課題でもありますので、例えば今年度中や来年度早期に管理者要件の延長や柔軟な対応について、方向性を決める必要があると要望します。
 以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 田部井委員、お願いします。
○田部井委員 認知症の人と家族の会です。
 3つ質問をさせていただきたいと思うのですけれども、サービスの質の評価、介護保健施設における安全・衛生管理体制の調査が行われて、先ほど、齋藤委員からも非常に中身の濃い調査ではないかという評価をお聞きしましたが、先日、虐待の調査が公表されたと思います。その虐待の調査と例えば今回の質の評価の調査であるとか、安全・衛生管理体制の調査であるとか、それが何らかオーバーラップしてさもありなんということであったり、これはちょっと変だなとか、オーバーラップして調査されるようなことが今まであったかどうかということと、もし今後それに意味があるとすれば、やられるようなことが考えられるかどうか、お考えをお聞きしたいと思います。
 1-7の調査の件で、先ほど松田先生から御報告をいただいたのですけれども、今回のことにつきましては非常にばらつきがあって、もともとのデータのあり方、死亡事故件数については公表しないことについては了解できると思うのですけれども、それではもっときちんとしたばらつきのないような調査をすれば、今回の調査についても何らか公表されることはあり得るのか、あるいは今回の調査では難しいけれども、新たにやる調査についてはそのことがきちんと報告できるような形が考え得るのかどうか。今後のことについてお考えをお聞きできればと思います。
 1-2のロボットのところですけれども、8ページにその導入の効果検証をしていないというのが61.5%あるというのは、私ども素人からするとせっかく新しいものを導入したのだから、それがいいものであれば評価をしてどんどん導入しろとしていくのが真っ当なことではないかと思うのですが、これはどう考えたらいいのだろうかと理解しがたいところがありますので、もしここのことについて御説明をいただけるようであればお願いしたいと思います。
 以上です。
○田中分科会長 老人保健課長。
○眞鍋老人保健課長 まず私から、この前記者発表もしましたけれども、虐待の調査の関係について御説明申し上げますと、きょう御報告しておりますのは、30年度改定を検証しましょうということで、そのときに介護報酬の審議報告で、こういったことを検証調査として調査すべしと御指示いただいたものがございます。それに沿いまして、私どもとして最後の2つの1-6と1-7でございましたけれども、リスクマネジメントですとか事故報告のありようをお聞きしたものでございます。ですので、虐待の公表とは直接にはリンクしていないということでございます。
 もう一つ、この死亡者数に関してということでございますが、確かに検証調査委員会で死亡と報告されましたけれども、例えばこれが感染症によるものなのか、あるいはどういうものによるものなのか、あるいは基準についても今のままでは実態を捉えたことにならず、そのまま数字がひとり歩きすることはよくないという議論があったのは、松田委員長の御報告にあったとおりでございます。
 まさに今回の調査でばらつきがあることがわかったことに意味があると思っていまして、こういうことを踏まえまして、今後さらに実態をきちんと把握するにはどのようなやり方がいいかについて、今後検討を深めていきたいと思っているところでございます。
 ロボットとこちらのことに関しましては、別途回答させていただきます。
○武井高齢者支援課長 高齢者支援課長でございます。
 今、老人保健課長から話がありました虐待のことに関しまして補足をさせていただきますと、虐待の調査に関しましては、平成18年度に高齢者の虐待の防止に関する法律が制定されて以降、毎年度調査しているものでございまして、養護者による虐待、施設職員などによる虐待、そういったことについて件数も含めて調査を続けているところでございます。
 通報件数あるいは虐待と認定した件数ということで、市町村が虐待と認定したものについて、数を集計して厚労省に報告をいただき、公表しているものでございまして、今、老人保健課長からお話がありましたように、今回の調査とは直接的なリンクはございません。ただ、話がありましたように、今後どういったルールで、事故あるいはその中で虐待を伴う事故、そういったことがあるのかどうかも含めてどういったルールで事故に関する調査の状況を把握していくのかについてのルール化の検討をこれから進めていきたいと思っています。
 ロボットに関しまして、評価しているところが非常に少ない。私どもも非常に少ないと感じたところでございます。ですので、施設に関して申し上げますと、平成30年度に私どもは業務改善の手引ということで生産性の向上に関する取り組みを介護現場でやっていただくためのガイドラインを作成したところでございます。そこでもこういうロボットやさまざまな業務改善の取り組みをやった後、しっかり評価をして、次の改善につなげていくことが非常に大事であると位置づけておりまして、その普及を今年度から業界の団体の皆様方と一緒に進めていきたいと思っておりますので、そういった中でロボットも含めた効果の検証を促していきたいと考えております。
○田中分科会長 石田委員、どうぞ。
○石田委員 ありがとうございます。
 まず、資料1-6、1-7で行われました施設における介護事故の件でございます。この調査は非常に新しいということで、本当にこれをやっていただいてよかったなと思うのですけれども、私はこの委員会のほうにもかかわっておりましたので、そこで出た意見を申し上げたいと思います。例えば施設の場合ですと、1-6の資料における10ページ、1-7の資料における7ページ、8ページにあるように、どういう内容のものを「事故」と定義するかというと「転倒」「転落」「誤嚥」が多いとなっています。しかし、これがもし自宅で転倒、転落、誤嚥したという場合は、大きなことにならなければ「怪我」とかで終わってしまうことも往々にしてあるのではないでしょうか。それなのに、場所が施設であったりすると、「事故」になってしまう訳です。
 そこで、どこまでを「事故」と見るのか、いわゆる「怪我」との違いは何なのかというところを明確にする必要があるのではないかと思います。この辺が施設の側の人に言わせると、先ほども説明がありましたが、数字だけ出てしまうとそれがひとり歩きしてしまうことになりかねず、すべてを「事故」として届け出たために、ここの施設は事故が多い施設と評価されてしまうのです。けれども、例えば利用者さんのためには、できるだけ自力で歩くことがプラスになると考えて積極的に歩いてもらっていた結果、それが事故件数を増やすことにもなり、反対にずっとベッドに寝ているだけなら当然ながら事故はゼロとなりますが、それでいいのかどうかは疑問です。利用者にとってどちらが自立支援になっているかと言えば、答えは明らかなのではないでしょうか。ですから、こういったことをもう少ししっかり定義していくためにも、このような調査は非常に重要と考えます。ぜひもっと深めてやっていただきたいので、それは要望としてお願いいたします。
 さらに言えば、これが「事故」から「事件」に変わることもあろうかと思います。つまり、死亡ということになると、それは「事故」にとどまるのか、本当に悪くすれば「事件」になってしまって、3月にもそういう内容の判決が長野県松本の地裁で出てしまいました。松本地裁のように有罪という形で判決がおりてしまうことになると、施設における「事故」についての定義づけが非常に重要になってくると思います。繰り返しになりますが、この調査については今後もさらにもう一歩、二歩進めて実施していっていただきたいと思っております。
 もうひとつ介護ロボットにつきまして、5ページの表なのですけれども、利用者の方への調査をしていただいたのは大変ありがたいと思うのですが、利用者からの回答の中の数値が相対的に低いような印象を受けました。つまり、介護ロボットの導入については、どちらかというと施設に働く方々の仕事の軽減であるとか、そういったところに少しウエートがかかっているのではないかと思っております。ぜひ利用者への調査についても、もう一歩踏み込んで展開していただき、介護ロボットの開発に利用者の側の意見を反映していただきたいと思っています。
○田中分科会長 意見、ありがとうございました。
 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 まず、資料1-3の居宅介護支援について、連携はかなり進んできている印象を持ったのですが、今回出ている12ページで、居宅介護支援事業所からケアプランを提出したけれども、医療側で活用されていない/活用されているのか不明という回答が半分近くあるという結果で、せっかくケアプランを提出しても張り合いがないとがっかりされないように、さらに活用されるように促していく対応が必要になってくることが見てとれたと思いました。
 先ほど指摘がありましたけれども、管理者が主任ケアマネだと事業所内ミーティングの回数なども著しく多くなっていますし、かなり充実した取り組みがされていることが見てとれます。一方、経過措置期間内に主任ケアマネになる必要がありますので、さらなる支援をしていただいて、きちんと配置がされるようにしていくことが重要だと思っています。
 介護ロボットについても指摘があったのですが、導入の効果実証について実施しているとの回答が21.3%で、それに対してこの調査によると国・県・市町村の助成/補助を受けているとの回答が48.4%、有効回答数はほぼ同じですので、こうやってお金を受けているところであっても全然効果実証がされていないというのは不十分だと言わざるを得ませんので、これはぜひきちんと実証できるようにしてもらうことが必要だと思います。
 事故の話は本当に重要だと思っています。これを国として再発防止につなげていく形で、国としての収集・活用を進めていく方向で考えてもらいたいと思っています。医療でも病院は医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業などで再発防止につなげています。ああいう形で原因究明、再発防止につなげていくのが大切だと思います。
 以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 お願いします。
○荻野委員 ありがとうございます。
 私からも資料1-3でありますけれども、8ページでございます。入院時の連携としてケアマネジャーさんから提供される情報のうちに、役に立つ内容として「薬剤管理の状況」が58.6%、「服薬状況」が59.7%となってございます。
 一方で、これらの情報が不足している内容との回答でありますけれども、「薬剤管理の状況」が22.3%、「服薬状況」が24.1%となっておりまして、他の項目に比べますと、若干高い数値と認識しております。
 こうした薬の情報でありますけれども、お薬手帳に薬剤管理の状況、服薬状況を追記したり、挟み込んだりして、医療機関に情報提供することで一定程度は改善できると思っておりますが、どのような情報を記載したほうがよいかなど、薬剤師としてもサポートしていきたいと考えているところであります。
 また、ケアマネジャーさんや医療機関からお薬手帳に記載されている薬局に連絡いただければ、服薬情報等の補足も可能かと考えておりますし、お薬手帳などのツールを活用したケアマネジャーさん、あるいは医療機関、薬局間での連携を今後さらに進めるべきではないかと感じておりまして、現場レベルでもどのような工夫ができるか考えていきたいと考えているところです。
 以上、意見として申し上げました。
○田中分科会長 荻野委員、ありがとうございました。
 江澤委員、どうぞ。
○江澤委員 幾つか意見と質問を伺いたいと思います。
 まず、資料1-2の14ページに介護ロボットを導入していない理由のトップが「導入費用が高額」ということでございますので、ぜひここは今後現場が導入可能な適切な価格について検討していただきたいと思いますし、あるいは開発段階からそういった適切な価格を踏まえた取り組みも必要ではないかと思っております。
 あわせて、業務の効率化に関するエビデンスの追求もお願いしたいと思います。
 資料1-3の14ページ、約4割の事業所が特定事業所加算を算定していると思いますが、現場においては特定事業所加算を算定している事業所がなかなか地域で把握しづらい状況があります。特定事業所加算を算定している事業所は、医療ニーズの対応であったり、さまざまな困難事例に対するアドバイスをしたり、そういったものに対応するというのが特定事業所加算算定事業所でございますので、そのあたりの現場での連携がうまくいくように御支援いただければと思います。
 質問ですけれども、13ページの昨年の改定で主治の医師等に助言を得ることを前提として、ケアマネジメントプロセスを簡素化することが新たに設定されましたが、そこで簡素化した利用者数が「0人」という回答が72.0%で最も多いのですが、これは主治医との連携がまだまだうまくいっていないと考えるべきなのか、そもそもサービス担当者調整会議を開いてケアプランを変更したのか、あるいは、またそういったケアプランを変更する事例がなかったのかどうか、もし調査研究でおわかりであったら教えていただきたいと思います。
 続きまして、資料1-5でございます。6ページですけれども、ここにACPに取り組んでいるということで、図表11がございますが、ACPの非常に重要な項目でございます「入所者の価値観や目標」、あるいは「入所者の気がかりや意向」に対する取り組みがまだ少なく感じますので、これについてはまた普及啓発等でいろいろな取り組み、あるいは御支援をいただければと思っているところでございます。
 質問ですけれども、7ページの図表16の活用した経過措置の内容と、10ページの図表21の介護医療院のデータが一致していないように感じます。特に療養環境減算(I)の廊下幅のところですけれども、図表16だと廊下幅については7.5%になっていますが、図表21だと環境減算(I)あるいは(I)かつ(II)を合わせると5割近くになるのですが、このあたりが現行どうなっているのかわかれば教えていただきたいと思います。
 11ページの図表22とか13ページの図表26、療養病棟の経過措置のところですけれども、年数がたつにつれて未定が非常にふえてきておりますので、このあたりについてはまた、もちろん業界団体も含めて、あるいは行政も適切にいろいろ支援がまだまだ必要ではないかと思っております。
 特に14ページの図表28で、介護療養病床の4割が2021年の改定を踏まえて判断するということになっていますから、ということは、思っていたほど移行定着支援加算が余り効果的ではないのか、あるいはそれより経営不安が大きいのかというところだと思いますけれども、そのあたり、非常にまだまだ迷われている状況がうかがえますので、またいろいろな懇切丁寧な説明のもと、うまく経営判断できるように御支援賜りたいと思います。
 特に生活施設としての取り組み、工夫というところも非常に迷われている部分だと思いますので、特に現場職員向けの研修がまだまだ今は不足していると思っていますので、そのあたりはいろいろ今後、これはもちろん業界団体も含めて検討していくべき課題だと思っています。
 最後に資料1-7の12ページですけれども、図表45で身体拘束の実施が34.3%とありまして、これは我々の現場の感覚というか、思っているよりかなり数字が多く出ているような気がしております。このあたり、専任の担当する職種がございますけれども、厚生労働省の身体拘束の内容においては、担当職員が当然直接かかわりますが、それを現場の職員一人で判断しない、事業所あるいは組織的に身体拘束すべきかどうかを判断することになっておりますので、こういった担当の職種を置かれていることは非常にいいかと思うのですけれども、それに加えて組織的な対応について、実際にどうなっているのかを含めて今後御検討いただければありがたいと思います。
 以上、意見と質問でございます。ありがとうございます。
○田中分科会長 質問にお答えください。
○尾崎振興課長 振興課長でございます。
 ケアマネジメントプロセスの簡素化の関係で御質問をいただきました資料1-3の13ページでございます。末期がんで亡くなられた方の人数が1人なり2人というところが多い中で、ケアマネジメントプロセスを簡素化した人数はゼロが一番多い。つまり、プロセスが簡素化されていないということでございますが、今回の調査ではその理由までは聞いていないということでございまして、詳細はわかりませんが、今後の課題とさせていただければと思います。
 以上でございます。
○眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
 介護医療院に関する調査の図表16と図表21の関係でございます。確かに7ページの図表16に関しましては、これは介護医療院に移行してくるときに活用した経過措置でございまして、その中では施設から回答があったのは7.5ということでございます。こちらの療養環境減算、これは報酬算定上なのですけれども、確かに数字を足すと40%ぐらいになるのですが、合わないという御指摘はそのとおりかと思っていますが、そこの関係性について、もう少し私どもも深めて分析させていただければと思います。
○江澤委員 ありがとうございます。
 恐らく部屋の面積のほうは大体数字が合っておりまして、回答施設はほぼ同一だと思いますので、また今後よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○田中分科会長 一当たりよろしゅうございますか。
 時間の都合もありますので、議題1についてはここまでといたします。
 議題1については、本日の資料を最終報告とすることといたします。御議論をありがとうございました。
 次に、議題2「平成30年度介護従事者処遇状況等調査の結果」について取り上げます。
 こちらについては、先ほど行われた介護事業経営調査委員会において了承されております。
 事務局から資料の説明をお願いします。
○眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
 資料3、資料4、資料5を用いまして、御説明をさせていただきたいと思います。こちらもポイントを絞って御説明させていただきたいと思います。
 資料3でございます。2つこまがあろうかと思いますけれども、恐縮でございますが、2こま目、こちらの状況等調査の概要から御説明をさせていただきたいと思います。調査時期は30年10月ということでございました。調査対象はここにありますとおりで、介護老人福祉施設、老人保健施設、介護療養型医療施設、訪問介護事業所等が並んでございます。抽出方法は層化無作為でございまして、客体数が1万を超える施設・事業所、そして、その中で有効回答数は8,000弱ということでございまして、有効回答率は74.1%ということでございました。
 1こま目に戻らせていただきます。これで1つ目の○の四角の中にございますが、介護職員の処遇改善加算、現行(I)から(V)がございます。これを算定している施設・事業所にお聞きしたものでございます。そこにおける介護職員さん、月給・常勤の者の平均給与額につきまして、平成29年と平成30年を比較いたしましたところ、1万850円の増となったところでございます。
 その下に表でございますけれども、平成29年9月と平成30年9月の値がございます。平成29年9月が29万120円、30年9月が30万970円となってございまして、差が1万850円ということでございます。このように、1万円以上の給与の引き上げが行われて、かつ30万円を超えたということで御報告をさせていただきます。
 そして、その下でございますが、給与等の引き上げの実施方法とございます。そこに表がございますが、俸給表を改定して賃金水準を引き上げたもの、これが21.1%、定期昇給を実施、これが69.9%、手当の引き上げ・新設予定というのが31.3%、賞与等の引き上げが16.0%ということでございました。
 その下に処遇改善加算の取得状況がございます。現行の(I)から(V)を合計しまして、何らかの処遇改善加算を取得しているという事業所割合は91.1%でございました。その中でも処遇改善加算(I)を算定している事業所が多くなってございまして、それが69.3%、以下、(II)が11.6%、(III)が9.1%と続いてございます。
 逆に(IV)と(V)、これは将来的には廃止が決まっておりますけれども、これは0.4%、0.6%となっているところでございます。
 右側に行きまして、まず、加算(I)を届け出ているところ以外のところで加算(I)の届け出が困難な理由といたしまして、複数回答ですが、こちらは職種間・事業所間の賃金バランスがとれなくなることが懸念されるですとか、昇級の仕組みを設けるための事務作業が煩雑であるということがございます。
 次に、加算(II)の届け出が困難な理由といたしまして、キャリアパス要件、これは賃金体系の整備でございますけれども、これを満たすことが困難である。こちら、研修を満たすことが困難という回答が多うございました。取得していないというところも、こちらにも理由を聞いてございまして、主な理由としましては「事務作業が煩雑」「利用者負担の発生」「対象の制約のため」ということでございました。
 これをもう少し細かく見ておりますのが資料4でございます。こちらが概要でございます。
 3こま目、介護職員処遇改善加算の取得の届け出の状況でございまして、今、申し上げましたとおりで、加算(I)を届け出ているところが一番多く、全体として届け出ているところが91.1%ということでございました。
 4こま目、(I)の届け出が困難な理由、先ほどこれは資料3で御説明したとおりでございます。
 9こま目まで行っていただけますでしょうか。介護従事者等の平均給与額の状況についてということでございまして、9こま目のどのようにして引き上げたかでありますけれども、マル1、マル2、マル3、マル4とございまして、給与表を改定した。これは先ほどの資料3にあったとおりでございまして、それぞれマル1が21.1%、定期昇給実施が69.9%、マル3が31.3%ということでございました。
 その下に、10こま目、これは介護従事者等の平均給与額の状況ということでございまして、介護職員さんが先ほど申したとおり1万850円上がったわけでございますけれども、他の職種も30年度、29年度に比べますと増加しているということでございます。
 11こま目、これは給与増を何でやっているかということでございまして、平均基本給額でございますが、これで幾ら上がったかということを見てみますと、3,230円という値が介護職について出ております。
 12こま目、参考で3,230円と申し上げましたけれども、先ほどの1万850円との関係でございます。これをあらわしたのが12こま目でございまして、トータルとして1万850円上がったわけでございますが、そのうち基本給で上がったのが3,230円、手当で上がったのが3,610円、そして、一時金として賞与等で上がったのが4,010円という割合でございました。
 13こま目、この1万850円の上がり幅でございますけれども、勤続年数によってどのように違うのかということをあらわしたものが13こま目でございます。見ていただきますと、1年目、2年目、3年目、4年目、5年から9年目、10年目以上ということで表をつくらせていただいていますけれども、全体としては申し上げたとおり1万850円の増なのでございますが、1年のところが非常に多く伸びていまして、2万8000円余りの増ということでございました。
 次に、非常勤のところでございます。16こま目、介護従事者等の平均給与額の状況でございます。これは時給・非常勤の者でありますが、ここで見ていただきまして、表がございまして、各職種、並んでございますが、介護職員のところを見ていただきますと、29年と30年の差としては1,730円増となっているというものでございました。
 ほかの職種で△が立っているところがございますけれども、きょうは割愛しますが、定性的に申し上げますと、実労働時間数自体が減っていまして、基準として下がったわけではなくて、実労働時間数が少し下がったことによって、この△が出ているということでございました。
 17こま目、こちらは介護従事者等の平均基本給額、時給・非常勤の者の職種別の時給がどのぐらい上がったかということでございますけれども、介護職員で見ますと20円上がっているということでございました。
 最後のスライドでございます。18こま目でございますけれども、給与等の引き上げ以外の処遇改善状況ということで見ていただきますと、左側、資質の向上といたしましては、働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修の支援をしておると。あるいは、キャリア段位制度と人事考課との連動などをしている。あるいは、右側に行きますと、労働環境・処遇の改善で申し上げると、ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化などという理由が高くなっているところでございます。
 こちらも駆け足で失礼いたしました。説明は以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 では、ただいまの説明に関して、御意見、御質問がありましたら、お願いいたします。
 安藤委員、どうぞ。
○安藤委員 ありがとうございます。
 ただいまの資料4の6ページにキャリアパスの要件(II)を満たすことが困難な理由というところがありまして、かなりの数の方たちが困難だとおっしゃっているのですけれども、こうした事情に対応するために地域医療介護総合確保基金において、介護人材キャリアアップ研修支援であるとか、研修にかかわる代替要員の確保などが介護人材確保のためにメニューとして設定されているものであると理解しております。それなのにもかかわらず、このような調査結果が出ているということは、この基金の使い勝手が悪いのか、また、そういった支援メニューが現場まで浸透していないのかということが考えられると思うのですけれども、その辺、事務局としてはどのように分析していらっしゃるのかなと考えております。
○田中分科会長 お答えください。
○眞鍋老人保健課長 まず、資料4の6ページでございますけれども、キャリアパス要件が(I)と(II)とございまして、その中でそれぞれこういうものが困難な理由として挙げられているというものでございます。
 今、安藤委員から御指摘をいただきましたとおりで、支援するためのツールとして基金でメニューを要しているのは御指摘のとおりでございます。ただ、私どもとしては、なるべく高い加算の類型をとっていただきたいと思いまして、頑張ってきたところですけれども、事業所として例えば周知が足りないのか、また、あるいはそれでも事務が煩雑なのかに関しての分析がなかなかそこまで至っていないところでございます。
 一方で、私どもはなるべく高い加算をとっていただけるよう支援するための事業費は今年度も計上させていただいておりまして、そういうものを通じまして、これは都道府県に行っていただく事業なのですけれども、周知徹底を図り、こういう支援策がいろいろありますということを御説明申し上げて、少しでも高い加算をとっていただくように進めたいと思っているところでございます。
 以上です。
○安藤委員 ありがとうございます。
 せっかくこれだけの調査をしていただいておるのですから、ただいま申し上げました点に限らず、調査結果を踏まえまして、厚生労働省もしくは市区町村、自治体においてどのような支援ができるのかをしっかり検討していただければありがたいと思います。
 以上です。
○田中分科会長 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 まだ十分詳細までは見られていないのですけれども、今回もトータルの数字で見ますと、加算(I)から(V)を取得した事業所では1万850円、これは月給・常勤の介護職員ですけれども、加算(I)を取得した事業所についても1万1490円ということで、同じ1万1000円前後での改善です。それから、時給・非常勤の介護職員の時給換算で見ても、例えば一番典型的な訪問介護で加算(I)の事業所でも45円ぐらい改善しているので、それなりに着実な改善はあったと見えます。
 ただ、指摘しておきたいのは、加算を取得していない事業所が若干残っていて、今回は8.8%、分母から計算すると700事業所以上あります。前年度の平成29年度の調査と比較すると30事業所ぐらい加算を取得していない事業所がふえてしまっているのではないかと思います。こういうところも詳細に見ていく必要がありますし、引き上げ方法を見ても、手当と賞与が減って定昇がふえたというのはいいのですけれども、給与表の改定によって賃金を引き上げるという一番左側の21.1%が減っていることは非常に残念なことで、人材の定着のために継続的な賃金の改善を図る賃金制度にしていくことが十分事業所に伝わっていないのではないかと思っています。
 それから、加算(I)の届出が困難な理由で、昇給の仕組みを設けるための事務作業が煩雑という回答が2番目に多くて37.2%。加算(II)でも、キャリアパス要件(I)を満たせない、つまり賃金体系の整備が満たせないという回答が一番多く62.1%。これは前年度に比べ多くなっています。賃金制度の整備が介護事業所においては以前からの課題でありまして、これに対する支援が重要だと思っています。厚生労働省においては、賃金制度づくりに対してどんな支援をされているのか教えていただきたいと思います。
 これは毎度指摘していることなのですけれども、この調査はその年度ごとのサンプルに対して前年度との比較を聞くということですので連続性がない調査です。今回も見てみますと、発射台としての平成29年9月の賃金は、前年度の調査の結果として出てくる数字よりも下がっていますので、この1万850円の改善額だけをとって、これを足し合わせて平成21年度以降4万5000円相当の効果とか5万3000円相当の改善といった説明はこれまでされていますけれども、乱暴でミスリードになりますので、丁寧な説明をしていっていただきたいと思います。
 これも本当に毎度お願いしていることなのですけれども、(I)から(V)の全部を丸めた調査結果と(I)だけしか出ていないのです。(I)(II)(III)(IV)(V)を個別に全部見たいので、ぜひその政策効果も問われているところですので、そういうことをちゃんと出してもらいたいと思います。
 (IV)(V)の取得促進支援事業の実施状況については、また改めて聞きます。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 質問が1つ含まれていました。お願いします。
○眞鍋老人保健課長 基本的な俸給表、賃金制度を確立するための支援としてどのようなものをやっているかという御質問でございました。私どもとしては、福祉人材全体としてのことを今お話しできる担当がおりませんけれども、この介護の中で申し上げれば、伊藤委員におっしゃっていただいたとおり、処遇改善加算取得促進事業の中で社労士さんを派遣したり、そういうことでなるべくこの賃金制度を確立していただきたいという支援をしているところでございます。
 以上です。
○田中分科会長 河本委員、お願いします。
○河本委員 ありがとうございます。
 18ページ目に給与等の引き上げ以外の処遇改善状況を整理していただいておりますけれども、ほぼ全ての項目で去年よりは実施が上がっているところですが、これまでも議論になったように、そもそもの目的である介護職員の職場定着の促進においては、職場環境が極めて重要であるとこの場でも随分議論されてきた話でございます。
 まずはそれぞれの項目について、実際にどの程度職場環境の改善がされ、離職の防止につながったのかという検証が必要だと思います。また、結果で気になったのは、新人介護職員の早期離職防止のためのエルダー・メンター制度導入について、エビデンスがない中で、素人的に考えるとまさに離職防止のためには重要と考えますが、その実施率がいまだに40%に達していない状況です。
 職場環境や離職防止などの効果検証の必要性については、これまでも申し上げてきましたけれども、実態調査を通じてエビデンスを集めて、離職防止等に効果的な項目を加算要件にするなどそういう検討に資するような調査にしていただけないかという要望でございます。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 藤野委員、どうぞ。
○藤野委員 ありがとうございます。
 1点意見を申し上げます。15ページに保有資格別の平均給与が示されていますけれども、今後のデータの出し方として、介護職員の内訳は10月からの特定処遇改善加算の導入や厚労省が示す介護人材の機能の明確化、富士山型の人材構造のあり方を踏まえると、リーダー級の介護福祉士、それ以外の介護福祉士、それ以外の介護職員といった内訳で比較検証するべきではないかと思います。
 以上です。
○田中分科会長 御意見ですね。よろしゅうございますか。
 では、議題2については、本日提示された内容で本分科会として了承することでよろしゅうございますか。
 ありがとうございます。
 次に、議題3の「福祉用具貸与価格の上限設定」について事務局より報告があります。
 説明をお願いします。
○武井高齢者支援課長 高齢者支援課長でございます。
 お手元、資料6をお開きくださいますようお願いいたします。
 2ページをお開きください。福祉用具貸与価格の上限設定について御審議をいただきます。
 福祉用具につきましては、平成30年10月から商品ごとに貸与価格の上限設定を行っております。
 平成30年度介護報酬改定に関する審議報告では、設定された貸与価格の上限につきまして、平成31年度以降もおおむね1年に一度の頻度で見直しを行うなどの内容が盛り込まれますとともに、これらに関しましては「施行後の実態も踏まえつつ、実施していく」旨が明記されたところでございます。
 このため、先ほど御審議いただきました「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査」におきまして、上限設定後の貸与価格の実態や経営への影響などにつきまして調査を実施してまいりましたが、この調査結果を踏まえまして、次のような対応を行うこととしてはどうかという御提案でございます。
 まず、調査結果からは、おおむね次に申し上げますような内容が確認されたと認識しております。
 まず、上限設定によりまして、高額な保険請求自体は排除されております。また、上限を超える商品を1件でも貸与している利用者は25%存在しておりますけれども、具体的なサービスの変化が生じているのは3%未満と現時点では限定的であるということ。
 さらに、シミュレーションでは、設定された上限の見直しによる影響が拡大していくことが想定されていますこと。
 最後に、福祉用具貸与事業所の74%で収益が減少した、また、見込みと回答し、具体的な経費への影響を確認しましたところ、多くの事業者におきまして、カタログの価格の修正や再印刷の発生、また、システムの改修作業の発生が事務・経費負担となっており、今回の変更の影響を精査する必要があると考えております。
 これらのようなことを踏まえまして、30年10月に設定されました貸与価格の上限につきましては、31年度中の見直しは行わないこととしてはどうかということでございます。
 ただし、新商品に関しましては、31年度中も上限価格の設定を行うこととしてはどうかということでございます。
 あわせまして、効果検証、調査研究に関する調査につきましては、継続的に貸与価格の実態や経営への影響などにつきまして調査を実施し、必要な検討を行っていくこととしてはどうかということでございます。御審議をお願いいたします。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 では、ただいま説明のあった事項について、御意見、御質問をお持ちの方はお願いいたします。
 小泉委員、どうぞ。
○小泉委員 ありがとうございます。老人福祉施設協議会でございます。
 本調査の結果を踏まえて、必要な対応を行うこととしてはどうかについてでございますけれども、対応案の下から2番目の○に記載されておりますとおり、平成30年10月に設定された貸与価格の上限については、平成31年度中の見直しは行わないこととしてはどうか。ただし、新商品については、平成31年度中も上限設定を行うこととするべきであると思います。
 業者に尋ねてみました。こちらの対応案のところに書かれているとおりのことを言われましたので、これが現状なのだろうと思います。福祉用具貸与の業者も、見直しが行われるとそのたびに価格の変更やカタログの改定、利用者との契約の変更が生じて事務的にも大きな支障を来すとのことでございます。価格の上限設定により、業界全体は経営的にも厳しくなっておりますので、効果的には非常にあったと理解してよろしいのではないかと思います。
 以上、意見でございます。
 効果検証及び調査研究に係る調査のところで、一言報告をさせていただきたいと思っておりますが、介護事故におきまして、全国老施協でも非常に重要視しておりまして、第1弾として、まず誤嚥事故の防止やその他に対するマニュアルの改定を進めております。会員施設を中心に組織を挙げて、場面に応じて適切な対応を図ることができるよう普及してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 東委員、お願いします。
○東委員 もともとこの福祉用具貸与価格の上限設定、全国平均貸与価格プラス1SDというものを始めたきっかけは、この福祉用具の額に非常に外れ値があって、これは問題ではないかというところで始められたところだと思います。そういう意味では、今回このような条件設定をすることにより外れ値がほとんどなくなっているというのは大変効果があったと私どもも考えております。
 一方で、今、小泉委員もおっしゃいましたけれども、事業者の74%が減収をしているということ、それから、毎年価格が変わることで大変事務作業負担が多くなっていることも重視をしますと、私も31年度中の見直しは行わないという事務局の対応案に賛成でございます。
 以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 結論から言えば、調査をさらにやって必要な検討を行っていくということでいいとは思うのですけれども、平成30年度介護報酬改定に関する審議報告ではおおむね1年に一度の頻度で見直すという議論をこの場でしたわけですし、では、どういう場面で改定をしていくのかというルールがないとお手盛りというか、何かの理由をつけて下げるとか上げるとか何とかということになりかねないと思うので、この辺はきちんと議論をしていく必要があるのではないかと思います。
 その際、先ほどもう終わってしまった形になっているのですけれども、資料1-4で福祉用具貸与の調査研究事業の中の9ページで、増額が1商品以上あった事業所の割合について、全体で17.1%も増額したところがあるという結論になっています。これがどういう理由なのかを分析していく必要があると思います。というのは、上限価格を設定して下げた分をほかの商品を上げることで収益を維持するということであれば、単につけかえ、移転ということでしかないですし、どういう理由で上げる必要があったのか。つまり、分析の仕方としては減額をすることになったところが上げているのかということで、個票で見ていくことでできると思うのです。そのような詳細な分析をぜひ今後していって、こちらに示していただきたいと思います。
 以上です。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 齊藤委員、どうぞ。
○齊藤(秀)委員 事務局の提案で30年改正が極めて精度の高いものとして出てきましたので、毎年という必要は私もないと思っております。
 ただ、今、伊藤委員からもお話がありましたように、しっかりと検証するルールがないままその都度都度というのは、いささか今後のことについては疑問点もありますので、一定程度の期間は設けていくべきではないかと思いますので、そこはぜひ今後の課題として御検討いただければありがたいと思います。
 10ページ、収益が極めて影響があったことはよく出ているのですが、費用に関して、右側の16の中で全体としては影響はなかったという中で、確かに人件費はいろいろな形で手間がかかってしまったということでそこはわかるのですが、それ以外の部分に関して比率自体は大きくないと思いますけれども、例えばフィッティングの費用だとか、モニタリングとメンテナンスとか、今回の影響がそこに及ぶというのは余り考えにくいなと思います。とり方の問題で、どういう設定、また仮説を立ててこういう影響のとり方をしたのかわかりませんけれども、余り上限とメンテナンスと直接的な関係はないように思いますので、今後調査するに当たっては、調査項目設定の仕方みたいなこともあわせて御検討いただければありがたいと思います。
 以上でございます。
○田中分科会長 御意見ありがとうございます。
 武久委員、お願いします。
○武久委員 福祉用具に天井がなかったこと自身が実際はおかしいなと思っておりましたけれども、非常に適切にやっていただいたなと思います。
 皆さんもお感じになると思いますけれども、きょうの資料を見ても膨大ですね。ほとんど月に3回ないし4回、介護給付費分科会は開かれていて、本当に担当課は御苦労さまでございますけれども、リハビリテーションが医療から介護へ行っています。そうすると、この福祉用具等もいろいろ複雑になってくると思いますけれども、きょうの全般から言うと、本当は2番のところの処遇改善は今までもいろいろ問題になりましたが、きょうはお話はしませんでしたが、資料1-1から1-7についても非常に細かな調査をされておりますので、私は非常に感心しているのです。
 ただ、参考資料4のように、委員長は皆それぞれ違う方にやっていただいているので、共通の質問をそれぞれの施設の協会が全部答えるというようになっていなくて、それぞれに単独にやられているというのが多かったように思いますので、介護医療院に対しては今は数も少ないですし、これからのことだと思いますけれども、この介護給付費分科会は非常に重要だと思いますので、これからも一生懸命勉強して対峙したいと思います。ありがとうございました。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 松田委員長、個別の研究プロジェクトの委員長同士の連携について、少し御説明していただけますか。
○松田委員 数年前ですけれども、全体の委員長の方に集まっていただいて、共通項目については同じ質問をしてもらうようにということで、そういう配慮はしているところでございます。
 ただ、その後、どうしても調査によって、それぞれの委員長の研究者としての視点がありますので、微妙にずれてきていますけれども、今御指摘いただきました点につきまして、ことし御意見を反映させていただいて、共通項目についてはできるだけ効率的にやれるようにしたいと思います。
○田中分科会長 御指摘ありがとうございました。
 ほかによろしゅうございますか。
 では、ただいまいただいたさまざまな意見を踏まえて、今後事務局において本課題について必要な対応を進めてください。
 本日の議論はここまでといたします。
 最後に、次回の分科会の日程等について、事務局から説明をお願いします。
○川口企画官 次回の日程につきましては、追って事務局から御連絡をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日はこれで閉会いたします。お忙しいところをありがとうございました。

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