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2018年10月15日 第162回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成30年10月15日(月)9:30~12:00

 

○場所

ベルサール半蔵門 ホール(2階)
東京都千代田区麹町1-6-4

○出席者

安藤、井口、石田、石本、伊藤、今井、江澤、荻野、尾﨑(岡林参考人)、小原、河本、齋藤(訓)、齊藤(秀)、佐藤、瀬戸、武久、
田中、田部井、東、堀田、松田(敬称略)

○議題

1.介護保険サービスに関する消費税の取扱い等について(事業者ヒアリング①)
2.介護人材の処遇改善について
3.平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査の進め方について
4.その他

○議事

○川口企画官 それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第162回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席賜りまして、まことにありがとうございます。
会の開催に当たりまして、委員に変更がございましたので、御紹介いたします。
民間介護事業推進委員会代表委員の今井準幸委員でございます。
本日の委員の出席状況ですが、井上委員、大西委員、亀井委員、河村委員より、御欠席の連絡をいただいております。
また、尾﨑正直委員にかわりまして岡林明子参考人に御出席いただいております。
以上により、本日は20名の委員に御出席をいただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告いたします。
また、本日は、議題の関係で社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室長の柴田拓己が出席しております。
それでは、冒頭のカメラ撮りは、ここまでとさせていただきます。
マスコミの皆さん、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○川口企画官 では、以降の進行は、分科会長、よろしくお願いいたします。
○田中分科会長 皆さん、おはようございます。
本日は「介護保険サービスに関する消費税の取扱い等について(事業者ヒアリング マル1)」です。
2番目に「介護人材の処遇改善について」。
3番目に「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査の進め方について」などについて御議論いただきます。
初めに、事務局より、資料の確認をお願いします。
○川口企画官 それでは、説明をさせていただきます。
今回、お手元に資料とタブレットがございます。
委員の皆様には、事前に御連絡をさせていただいておりますが、厚生労働省におきましては、審議会等の資料のペーパーレス化を進めるということになりまして、今回の会議よりタブレットを御用意しております。
初めての試みでございますので、本日は、紙媒体の資料もあわせて配付をしておりますが、次回以降の開催につきましては、原則タブレットにて資料をごらんいただくということになりますので、このタブレット操作を少しお試しいただければと思います。
これから、お手元の資料でカラーの「タブレット操作説明書」というものがございますが、こちらをごらんいただきながら、タブレットでの資料の確認方法について、少し御説明をさせていただければと思います。
机のタブレットをごらんいただきますと、資料がマイプライベートファイルに、右側のほうに資料が幾つか並んでおるかと思います。
少し試していただければと思うのですが、例えば、03、資料1「消費税負担に関する関係団体ヒアリングについて」というところをタッチペンあるいは指で押していただければ、さらに展開されて11から16とついた資料が幾つか出てまいります。
これを開いていただくと、例えば、12番の資料1-2、四病院団体協議会資料について、押していただきますと、資料が開かれます。
これについて、拡大するときは、皆さん御案内のとおり、指で広げたり、狭めたりすると拡大する。
さらにページをくくるときには、指で上下やればページが変わりますし、あとは、大変見にくいのですが、操作説明資料の2の(1)のところです。1ページずつ順番にめくりたいときには、タブレットの下のほうに幾つか記号がついているのですが、その右から2番目、3番目のところで、ページを1つ下にくくるもの、くくったりあるいは逆にページを戻したりというもののマークがついていますので、そこを押していただいてもページが変わるということになっています。
それから、操作説明資料の裏側の(2)というのをごらんいただければと思うのですが、ページ数が少なければ、1個ずつめくるという形で済むのですが、今回もそうなのですが、非常に枚数の多い資料がございます。
そこで、最初から十何ページというものを探しにいくときにはということの探し方について少し御紹介いたしますと、タブレットの、これまた、下のほうに幾つかの記号がついている中の一番左に棒線が3本入っているマークがあると思います。これを押していただければと思います。
そうすると、幾つか選択肢が出てきまして、この中の一番下、ファイル印刷に注釈をつけるというところを押していただきますと、この例だと、ページ数が3つしかないのですが、タブレットの下のほうに紙が小さくまとまったようなものが置いてありまして、ここでめくっていくと、任意のページを比較的探しやすいということもありますので、ページ数の多い資料については、こういった機能も御活用いただければと思っております。
これを戻していただきまして、左上の閉じるというのを押すと1個戻りまして、さらに右上といいますか、真ん中辺の戻るというのを押しますと、最初の資料一覧のページに戻るかと思いますので、まず、ここまで戻していただければと思います。
済みません、ここから本題の資料の確認をさせていただきます。
タブレットと資料とありますが、まず、タブレットに沿いつつ少し確認をいただければと思いますが、まず、資料として、座席表の下に01、02で議事次第、委員名簿がございます。
その後ろに03「資料1」ということで「消費税負担に関する関係団体ヒアリングについて」というものがございます。
今、一度押していただきましたが、これを押すとさらに資料が1-1から1-6までございますので、御確認いただければと思います。
済みません、戻りまして、以上が資料1です。
資料2ということで、タブレット上は04「資料2介護人材の処遇改善について」という資料。
資料3「事前確認シート」という資料。
資料4「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成30年度調査)の調査票について」という資料がございます。これも押していただきますと、別紙が1から7まであります。
最後、タブレット上は07「参考資料」ということで、これをまた展開いたしますと、101から901と、参考資料1から参考資料9までございますので、これは、平成30年度介護報酬改定の効果検証、調査研究の概要でありますとか、それぞれの資料、それから、団体からの提出資料というものが含まれておりますので、御確認をいただければと思います。
資料の不足等がございましたら、事務局にお申しつけください。
それから、タブレットの操作方法について、動かないとか、不備がございましたら、適宜事務局がサポートいたしますので、お声がけをいただければと思います。
よろしくお願いいたします。
以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。早速、議事次第に沿って進めてまいります。
議題1の「介護保険サービスに関する消費税の取扱い等について(事業者ヒアリング マル1)」を取り上げます。
本日は、3団体の方々にお越しいただいております。陳述人の皆様方、お忙しいところ、お集まりいただき、どうもありがとうございます。
平成31年度介護報酬改定における介護保険サービスに関する消費税の取扱い等についての検討の一環として、忌憚のない御意見を頂戴したいと存じます。よろしくお願いいたします。
進め方ですが、それぞれヒアリングと質疑を行うことといたします。
なお、時間が限られておりますので、プレゼンテーションは、あらかじめお伝えしてありますとおり、5分間の範囲で厳守をお願いいたします。
学会発表並みに1分前には、チャイムが2回鳴ります。時間が経過しましたらチャイムを1回鳴らします。私が鳴らすわけではなくて、どこかで鳴るようですので、それにあわせて進めていただくようお願いします。その段階でプレゼンテーションを終了していただきますので、あらかじめ御了承ください。
初めにヒアリングを行う3団体について、事務局から紹介をお願いします。
○眞鍋老人保健課長 おはようございます。老人保健課長でございます。
それでは、まず、ヒアリングを行います3団体について御紹介をさせていただき、その後、若干資料の御紹介をさせていただきます。
まず、四病院協議会を代表いたしまして、日本医療法人協会より伊藤伸一様にいらしていただいております。
次に、全国個室ユニット型施設推進協議会より藤村二朗様にいらしていただいております。
次に、日本認知症グループホーム協会より江頭瑞穂様にいらしていただいているところでございます。
資料は1-1からの一連のものでございます。
資料1-1につきまして、これは、おさらいになりますけれども、若干、御説明をさせていただきます。
本日のヒアリングでございますけれども、1-1の2のところにありますとおり、本ヒアリングは、介護保険事業に係る控除対象外消費税負担の現状等について実施するものでございまして、介護事業経営や、介護報酬全般についてヒアリングを行うものではないということは、再度周知をさせていただければと思っております。
その後、資料1-2、1-3、1-4と、きょうの3団体の方からの要望書、それから、御意見書がついてございます。
その後ろに、資料1-5といたしまして、日本福祉用具・生活支援用具協会様からの要望書がございます。
その後ろ、資料1-6、こちらは、リハビリテーション団体を代表してというものでございまして、資料1-6の右上にあります、これらの団体から意見書が出てきているところでございます。
時間の関係で、資料1-5、資料1-6に関しましては、ごらんいただければと思いますけれども、以上のような資料になってございますので、適宜御参照いただければと思います。
事務局からの説明は、以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
では、まず、日本医療法人協会の伊藤様より、説明をお願いいたします。
○伊藤意見陳述人 日本医療法人協会の伊藤でございます。
本日は、このように病院団体の要望をお聞きいただく機会をおつくりいただきまして、まことにありがとうございました。
それでは「介護保険サービスに関する消費税の取扱い等について」ということで、四病院団体協議会からの要望のお話をさせていただきます。
まず、最初に、そもそも消費税の負担ということについてお話を申し上げたいわけでありますが、これは、施設の種別のみならず、各個別のサービス提供施設が、どういう状況であるかということ、さらには、運用の方法によりまして生じる大きな個別の差がございます。
その中で、平成26年の消費税8%引き上げのときには、基本単位への画一的な上乗せ及び一部の加算単位への補填が行われたわけでございますけれども、加算部分の算定自体に施設間の格差がございますこと、施設によっては十分な補填ができているとは言えない状況がございます。
それぞれの施設で行う設備投資や外注業務の差によって施設間の控除対象外消費税の負担の差が大きく異なっていることから、今回、予定をされております10%への引き上げに向けて、平成26年の補填が適切に行われたかどうか検証することが必要だろうと、私どもは考えているところであります。
早急に、その補填の状況の実態の調査を行い、次回の消費税引き上げに伴う介護報酬改定の参考としていただきたいというのが私どもの要望でございます。
なお、本調査の結果のみならず、算定方法、プロセスでございますが、その過程についても公開をしていただいて、誰でもが後から検証ができる仕組みの創設をお願い申し上げるものでございます。
参考の資料として、四病院団体協議会の控除対象外消費税問題の解消のための新たな税制上の仕組みの創設ということで、診療報酬に関する要望をおつけしております。
2ページ目の中段にございますように、現に、中医協の診療報酬調査専門委員会、消費税に関する分科会では、27年に検証を行ったところでございますが、その際には、病院の補填率は102.36%であったと。おおむねマクロでは補填されていると報告をされたわけでございますが、現実に、2年数カ月後には、補填率が82.9%であったということで修正がされたわけでございます。
こういうことも含めて、診療報酬改定あるいは介護報酬改定が行われた際には、それが十分な形でもって個別性を持って補填をされているかどうかという検証が、これからは必ず必要になってくるということでございますので、ぜひ、この制度をおつくりいただきたいという要望でございます。
以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
次に、全国個室ユニット型施設推進協議会の藤村様より、御説明をお願いいたします。
○藤村意見陳述人 全国個室ユニット型施設推進協議会の藤村でございます。本日は、貴重な時間を頂戴いたしまして、大変感謝を申し上げる次第です。
意見として2つ準備させていただいておりまして、意見1ですが、消費税増税に関して、居住費と食費について基準費用額の見直しをお願いしたいという点。
2番目に、消費税増税に伴う、施設側の消費税負担増を介護報酬引き上げにて対応をお願いしたいということでございます。
理由といたしましては、食費につきましては、2015年、基準消費者物価指数の比較から平成25年から見ても10.6%物価が上昇していることに加え、調理委託を行っている管理費につきましても、消費税の影響を受けてしまうという点がございます。
ちなみに、当協議会の調査におきましては、平成25年度と29年度の食費の比較をいたしますと、25年度は1,396円、29年度は1,470円と1日当たり74円を上昇しているということでございます。
居住費につきましては、現在、建築費は平成20年から29年までに20%程度上昇していると思います。
同時に、今後、施設の老朽化対応を考えれば、改修や修繕、設備の更新も同等に単価上昇が予測できるということから、所要の見直しをお願いしたいということでございます。
「2.基本・加算報酬について」ですが、人材確保です。人材確保につきまして、介護職員、調理職員を含めまして、人材の不足は深刻な状態でございます。
それを補うところから、人材派遣や紹介、こういった外部の力をお借りしている施設も少なくございませんで、業務委託を活用する側も含めて消費税の影響を受けてしまうという実態でございます。
2番目に、平成27年度より特養の入所要件が要介護3以上になりまして、施設の中がさらに重度化が進んでいる状況の中で、おむつ、もしくは特殊な車椅子など、介護用品が多く使用されるケースがふえております。ここにつきましても消費税の影響を受けるということでございますので、お願いを申し上げたいと思っております。
3番目に介護ロボットなのですが、会員さんにアンケートを実施したところ、なかなか費用が高額なために、もしくは実証を検討していく中でちゅうちょしてしまう現実があるというデータが出ましたので、購入に当たって、高額な購入費用、また、消費税の負担増も影響を受けるということから、この2点についてお願いをしたいところでございます。
以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
続いて、日本認知症グループホーム協会の江頭様より、説明をお願いいたします。
○江頭意見陳述人 日本認知症グループホーム協会の江頭です。
本日は、このようなお時間をいただきまして、ありがとうございます。
日本認知症グループホーム協会のほうから、今回の消費税につきまして意見を4つ述べさせていただきたいと思います。
まず、1目がマル1のところにございます「消費税増税対応の行われました平成26年4月の報酬改定の際には、直近の『介護事業経営概況調査』の結果により『介護保険サービスにおける費用構造推計』が行われ、これに基づき報酬改定がなされましたが、今回も、消費税率引き上げにより事業者に新たな負担が生じないよう、同様の方法により基本的な対応を実施していただきたい」という要望でございます。
以下、3つにつきまして、各論の中での御考慮いただきたい部分について挙げさせていただいております。
マル2の部分「現在、介護業界全体の人手不足の中で派遣職員を使わざるを得ない事業者が増えております。人件費は基本的に非課税となりますがこの派遣職員費用は消費税課税となりますので、前記調査の結果を用いる際には実態をご調査いただき、今後この費用が増大していくことをご考慮のうえご検討いただきたい」と。
実際、今、グループホームで、事業所で派遣を受け入れているのが16.1%、介護労働安定センターの介護労働実態調査であります。
1事業所当たり2人、職員の割合は9.9%と、これは非常に高いものになってきておりますので、ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
マル3「今後、介護職員の負担軽減のため、介護ロボット、介護機器の購入、また事務負担軽減のためのICT導入が必須となります。しかし、これらは高額なものが多いため、消費税負担も大きくなり、小規模事業所では導入が困難であります。これら介護に係るロボット、介護機器、ICT機器につきましては、今後、この費用が増大していくことをご考慮のうえご検討いただきたい」ということであります。
このことにつきましても、現在、グループホームでは、同様の介護労働実態調査の中で、6.7%の事業所が導入しております。一昨年が5.4%でしたから、その需要は高まってきていると考えられますので、ぜひ、御考慮のほど、お願いいたします。
マル4であります。「近年、頻繁に発生している風水害、地震などの天災による被害は、要介護の方々にとっては生命にかかわることであります。各事務所においてはライフラインの停止等に備え、応急復旧用資機材の充実を図る必要がありますが、発電機等高額なものについては消費税負担も大きくなり、小規模事務所にとっては大きな負担となります。この点につきましても、ご考慮の上、ご検討いただきたい」。
家庭用であれば、20万程度ですけれども、やはり、グループホーム等々で使うものになりますと、発電機につきまして40~50万するという実態がございますので、ぜひ御検討、御考慮をいただきたいと思います。
以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
いずれも時間内での発表をありがとうございます。
では、ただいまの団体の皆様方の説明に対して質問がございましたら、どうぞ、お願いいたします。
どうぞ。
○安藤委員 質問なのですが、ただいまプレゼンしていただいた中で、日本認知症グループホーム様からの御報告の中で、現在、認知症グループホームでは、介護ロボットの導入が5.7%から6.4%に増加していますという御報告がありました。今後、6.7%からどのぐらいのパーセンテージまでふえるとお考えなのかということ。
もう一点、介護ロボットやICT機器にかかる費用が増大していく、これは、間違いないと思うのですけれども、その中で、介護報酬による対応ではなくて、税や補助金などの介護報酬とは別途の高額投資対応についての検討と理解してよろしいのでしょうか。
2点、質問でございます。
○江頭意見陳述人 御質問にお答えいたします。
まず、第1点目につきましては、何パーセントまでという部分につきまして、数字のほうは持っておりません。
ただ、グループホームは、最近、非常に重度化が進んでおります。この中で、導入されている機器の中でふえてきているものが、見守り機器がございます。要は、ベッドに寝ているのか、起きているのか等々をはかるものでございます。これが、6.7%のうちの2.5%。これの増加が今後ふえていくだろうということが想定されております。
これにつきまして、2つ目の御質問でありますけれども、どのような対応かという部分については、今回、消費税等々も含め、多面的なところから御考慮いただければありがたいと考えております。
よろしくお願いいたします。
○安藤委員 ありがとうございます。
○田中分科会長 ほかにいかがでしょうか。
私から伊藤陳述人に1つ質問をさせてください。
御提出をいただいた資料には、主に医療にかかわる消費税制のことが書いてありますが、介護保険サービスにかかる消費税制については、何か特段の違いがあるのでしょうか。それとも、これをこのまま横に読めばよいということですか。
○伊藤意見陳述人 社会保険診療、いわゆる医療費の補填に関しましては、かなりデータを細かくとりまして、特に5から8%のところに関しましては、相当ナショナルデータベースを含めて詳細に検討をした上で、それに対する消費税の実態、負担部分をいかに診療報酬へ反映させるかという形でもって議論を重ねてまいりましたので、介護報酬ですと、そこのところがなかなか見えてこないというのが、私どもの実感でございます。
そういう意味で、検証をお願いしたいということでございますが、そこのところの議論の根拠といいますか、それもきちんと公開をされながら、それぞれの個別の施設に対して大きな差異、マクロだけではなくて、ミクロでも差異が出ない形で御検討いただくのがよろしいかと私どもは考えているところでございます。
○田中分科会長 ありがとうございます。
ほかにございませんか。
ないようでしたら、本日、御出席いただきました団体からのヒアリングは、ここまでといたします。
陳述人の皆様方におかれては、大変貴重な御意見をいただき、どうもありがとうございました。
ここで御退席をお願いいたします。ありがとうございました。
(伊藤意見陳述人、藤村意見陳述人、江頭意見陳述人 退室)
○田中分科会長 次に議題2の「介護人材の処遇改善について」の議論を行います。
事務局から資料の説明をお願いします。
○眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
それでは、資料2、そして、参考資料1を用いながら御説明をさせていただきたいと思います。
参考資料のほうからで大変恐縮でございますけれども、参考資料1をごらんいただけますでしょうか。まず、参考資料1をお手元にお開きいただきまして、こちらは、前回の本分科会で提出しました資料を一部改編したものでございます。その中で、経緯を含めて、もう一度御説明をさせていただきたいと思っております。
参考資料1の2枚目をごらんいただきたいと思います。
「介護人材の処遇改善について」という紙がございまして、ここに「現状・課題」を整理させていただいております。全てを読むことはいたしませんけれども、介護人材の処遇改善については、多くの取組を行ってまいりまして、近年では、29年度にも行ったということでございます。
平成30年度介護報酬改定では、今、5段階あります介護職員処遇改善加算(Ⅳ)及び(Ⅴ)は、今後は廃止するということで決定をされたところでございます。
そのような中で、新しい経済政策パッケージが、昨年末に閣議決定されまして、2020年代初頭までに介護の受け皿を整備するということで、最大の課題が、介護人材の確保であるとし、介護人材確保のための取組をより一層進めるため、経験技能のある職員に重点化を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を進めるとされたところでございます。
具体的には、2つポツがありますけれども、他の介護職員などの処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認めることを前提に、介護サービス事業所における勤続年数10年以上の介護福祉士について月額平均8万円相当の処遇改善を行うことを算定根拠に、公費を投じ、処遇改善を行うということで、これは、介護報酬改定において対応し、2019年10月から実施するとされているところでございます。
その中、幾つか資料も改訂をさせていただいておりますけれども、37枚目のスライドでございます。後ろから2つ目のスライドでございますけれども、これが、先ほどの経緯の中にありました新しい経済政策パッケージの抜粋でございます。
こちらの中に「第2章 人づくり革命」という章がございまして、その中に「5.介護人材の処遇改善」というパラグラフがございます。
(具体的内容)でありますけれども、1段落目の下3行でありますが、これまで自公政権で月額4万7000円程度の改善を実現してまいりましたが、介護人材確保のための取組をより一層進めるため、経験・技能のある職員に重点化を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を進めるということ。
具体的には、これは、先ほど読んだとおりでございます。
実施時期としても、先ほど読んだとおりでございまして、こういった閣議決定がされているところを再度御紹介させていただきたいと思います。
資料が前後いたしますが、資料2に基づきまして、本日の御議論に供する資料を御説明させていただきたいと思います。
資料2をごらんください。
1枚おめくりいただきまして、スライド番号2からでございます。
スライド番号2、3、4で、前回の分科会での御意見を取りまとめております。
まず、2枚目でございますけれども「介護職員の更なる処遇改善の評価」ということでございまして、○が3つございます。
1つ目の〇は、介護職員の更なる処遇改善が行われることによりまして、自信を持って働くことができるようになる。
2つ目の〇は、今回の提案は大変評価できる。若い人への希望になる。そして、多くの潜在介護福祉士が現場に戻ってきてくれるという期待も抱かせる。
3つ目の〇は、介護職員の離職防止のためには、雇用管理や健康・安全が重要というのは確かであるが、年収で170万円程度格差があるという賃金の状況を踏まえれば、処遇改善が必要であるということでございます。
「他職種への拡大」ということでございますけれども、1つ目の〇は、先ほど御紹介申し上げたような閣議決定で柔軟に運用を認めることを前提にということは否定しないけれども、本来の目的である介護職員の処遇がきちんと改善されるようにしてほしい。
2つ目の〇は、これまでの処遇改善加算は、介護職員しか使えなかったというところで、ほかにも広げてほしい。ただ、本来の介護職員の処遇改善というところが損なわれてはいけない。
3つ目の〇は、介護従事者全体の賃金が低いので、介護職員のみならず、介護現場で働く従事者全体を考え改善すべきということでございます。
基本的には、労使間で進めるべきという御意見もありますが、まずは底上げが必要ということでございます。
4つ目の○は、介護の現場はチームで動いているということで、他職種も広く適用ができるように柔軟に考えるべき。
5つ目の○は、方向性としては賛同するけれども、他職種も勤務しているということで、運用面での幅を検討いただきたい。
6つ目の○は、更なる処遇改善は大変ありがたいということで、介護職員の処遇改善を基本としつつ、一定の範囲内で事業所の裁量を認めてはどうかということでございます。
最後の○は、他職種の処遇改善も必要であるが、現行の処遇改善加算で行ってきた、介護職員の処遇改善を変更せず、確保することが前提。10年以上8万円が一人歩きしている感もあり、今後、事実誤認がないような説明も必要ということでございます。
3枚目でございます。
「処遇以外の離職理由について」ということでございまして、1つ目の〇は、退職理由、前回に幾つかお示し申し上げましたけれども、事業所内の人材の活用、運用、マネジメントなども重要ではないか。
2つ目の○でございますが、人材確保に関連し、事業者には、離職防止の取り組みを広げていってほしいということで、定着しやすい職場環境に関連した、そういった指標も設けられないか。
3つ目の○でございますが、今回の処遇改善の内容については、根拠などの説明をお願いしたいというものでございます。
4つ目の○でございますけれども、離職理由を見ると、収入だけではないということでありまして、人間関係の問題はどの業種でもあるのではないかと思うが、理念や将来の見込みという点について、介護の職場環境に問題があるのではないか。
5つ目の○は、離職要因は賃金だけではないため、事業所側の働きやすい職場づくりの取り組みの推進もあわせてお願いをしたいということでございます。
最後の○は、介護福祉士のみならず、他職種も含め、やりがいをもって働けるようにすることが重要である。離職理由は給与だけではなく、他の理由についての対策も考えるべき。
4枚目でございます。
ここは「加算での対応について」という具体的なところでございますけれども、1つ目の○は、介護離職ゼロの趣旨については理解するが、処遇改善は、本来は経営努力や労使間の調整で行うものであり、特定の職種で実施するのであれば、税で対応するものではないかということでございます。
2つ目の〇ですが、介護職員の更なる処遇改善を行うに当たっては、保険料負担も生じるということで、コンセンサスも必要ではないか。
3つ目の〇ですが、中長期的には、加算で行うのか、交付金か議論が必要ではないかということ。
4つ目の〇でございますが、過去には税財源を活用し交付金で行っていたが、途中から保険料が使われることになった。当初、いろんな議論があったが、議論の結果、加算で行うことになったと理解をしている。
5つ目の〇でございます。基本的な方針について異論はないということでございますが、通常の介護報酬の財源とは別途対応されるべきものではないかということでございます。
また、議論の開始前から、保険料を使うことが実質的に決まっていることに違和感があるというものでございます。
最後の〇は、利用者の負担が増えることがわかったということで、利用者負担に関しまして、これは、3割までになると決まっておりますが、この負担になっていますが、そこまでの増ではないと思っておりまして、介護職員のために増えることも仕方ないということで、コンセンサスを得られるであろうと、今回の対応は歓迎したい。
「その他」といたしまして、医療現場で働く介護職員の処遇改善についても問題であり、今後どこかで検討をしたいということであります。
次の〇でありますが、これは、介護療養型医療施設に関するところでございます。これは、先ほど申し上げた処遇改善加算(Ⅰ)から(Ⅴ)がありますが、その算定率が低いということでございます。病院の中で医療保険の部分は処遇改善加算が適用されていないためである。介護は看護に包含されていて、同じ病院内で差をつけることはしにくいということでございまして、医療分野における介護職員についても考えてほしいと、こういう御要望がございました。
これが、主な意見として取りまとめたものでございまして、これらを受けまして、さらに私どもとしては、本日、論点として幾つか御説明をさせていただきたいと思います。
5枚目でございます。
論点1といたしまして、介護職員の更なる処遇改善について、これまでの処遇改善の取組と整合を図りつつ、今後とも確実な処遇改善を担保していくためには、「重点化」及び「柔軟な運用」の在り方を含め具体的にどのような方策が考えられるか。
対応案として4つ〇を設定させていただいております。
1つ目の〇は、未来への投資の実現する経済対策の閣議決定を踏まえまして、平成29年度に臨時で介護報酬改定を行った際の審議報告においては「介護人材の処遇を含む労働条件については、本来、労使間において自律的に決定すべきものであるが、他方、介護人材の安定的確保及び資質の向上を図るためには、介護業務の負担の軽減や事務の効率化を図る他、事業者における取組を評価し、確実に処遇改善を担保するために必要な対応を講ずることは、現状においても引き続き求められている」と、このようにされております。
更なる処遇改善についても、新しい経済政策パッケージに基づきまして、介護報酬における加算で対応することとしてはどうかと御提案をするものでございます。
2つ目の〇は、今回の更なる処遇改善を行うに当たっては、その趣旨が、これまでの介護職員の処遇改善の取り組みを一層進めるとともに、介護現場への定着促進であることを踏まえ検討することとしてはどうか。
3つ目の〇でございます。この趣旨を損なわない程度において、事業所内の配分に当たっては、介護職員の処遇改善に合わせて、事業所の判断でその他の職員の処遇改善にも充てられるようにすることについてさらに検討を進めてはどうか。
4つ目の〇でございます。この取り組みは、今般の更なる処遇改善に当たってのものであるため、現行の介護職員の処遇改善とは別の加算で対応する方針としてはどうかという御提案でございます。
6枚目でございます。これは、既存のスライドでございまして、現在、介護職員処遇改善加算(I)から(V)までございます。それを概念図でお示ししたものでございます。
この加算(IV)と(V)につきましては、算定をしている事業所も少ないこともあり、前回介護報酬改定の中におきまして、将来的に廃止ということが決まっているというものでございます。
7枚目でございます。これも前回にお示ししたスライドでございますけれども、1は就業形態でありまして、介護職員、訪問介護員につきまして、非正規職員の割合を青でハイライトをしております。
施設におきましては、非正規職員の割合は39%ということでございますが、訪問介護員に関しましては、69.7%と多いということでございます。
また、2が年齢構成でございまして、施設等の介護職員に関しましては、比較的若いところにピークがありますが、訪問介護員に関しましては、比較的年齢が高いところにピークがあるということでございます。
8枚目でございます。こちらも前回の資料の中で、25年度あたりから、右側に月別の有効求人倍率と失業率を示したものでございます。
月別に見てまいりますと、4月、5月のところぐらいで一度青いグラフは一回谷に落ちますが、その後、またぐっと上がってまいりまして、そして、また年度がかわるあたりで下がり、また上がっていくというサイクルがだんだん上昇基調の中で続いているということがわかっていただけるかと思います。
9枚目は、都道府県別に見た有効求人倍率のグラフでございますけれども、全国で見ましても非常に高いということと、それから、特に都市部で有効求人倍率が高くなっているということがわかると思います。
10枚目でございます。こちらも前回に出したスライドでございますけれども、これは、賃金構造基本統計調査に基づきまして、老人保健課で作成したものでございますけれども、産業計における平均給与と介護職員の平均給与に関しましては、依然、差があるということが見てとっていただけるかと思います。
11枚目でございます。介護職員の平均勤続年数ということでございます。
年齢が上がるにつれて、他職種では、勤続年数も上がっていくということでございますけれども、それが産業計、オレンジの折れ線グラフでございますが、この中で、介護支援専門員、そして、介護職員、やや濃いブルー、水色の折れ線グラフでございますが、これは40歳を過ぎたころから、若干勤続年数が短くなるというか、キープされると、一定であるという実態があるということでございます。
12枚目でございます。こちらは「介護福祉士養成施設の定員等の推移」ということでございますけれども、介護福祉士の養成施設は、近年、入学者が定員数を下回る状況が続いているということでございまして、28年度以降は、充足率が半分を下回っているということもございます。
13枚目でございます。論点2といたしまして、介護人材の更なる処遇改善を進めるに当たり、現行の処遇改善加算に基づくキャリアアップ等の取組との整合についてどのように考えるか。また、この更なる処遇改善に加え、介護事業所における他の人材確保に向けた取組を推進する方策としてどのようなものが考えられるか。
対応案といたしまして、離職理由として、賃金水準に関することに加え、将来の見込みが立たないということが挙げられていること。働きやすく定着しやすい職場環境の整備をさらに進めていく必要があることから、介護事業所がこれまで進めてきたキャリアアップの仕組みと整合のとれたものとなるよう検討してはどうか。
また、あわせて、介護事業所における離職防止や人材育成、雇用管理改善などの介護人材確保に向けた取組の支援に更に取り組むこととしてはどうかということでございます。
14枚目、これも前回に出したスライドでございますけれども、総合的な介護人材確保対策ということで、主な取組を1枚のスライドにまとめております。
15枚目以降は、前回の分科会で御指摘のあった事項について、さらに御説明をするものでございます。
16枚目をごらんください。これは、介護職員処遇改善加算の取得を促進する特別支援事業に関する説明でございます。これは、昨年度から開始した事業でございます。
先ほどのスライドにございましたけれども、IからVの加算がございますが、それをなるべくとっていただきたい。あるいは、とるにしても、なるべく高いレベルの加算をとっていただきたいということで、それを促す事業でございます。
事業の趣旨としましては、今、申し上げたところでございまして、事業内容は(1)から(3)までございます。「(1)制度の周知・広報」「(2)事業所への助言・指導」でございます。コールセンターを設置したり、あるいは専門的な相談員、社労士さんの派遣等によって、加算取得に必要な賃金規定の整備の具体的な手順ですとか、規定の内容に係る個別の助言や指導を行っております。
あとは「(3)審査体制の確保」ということでございまして、加算取得に係る審査業務の急激な増加が見込まれるということで、非常勤職員を雇用するなど、こういったことも補助しているところでございます。
この昨年度の実施状況でございますけれども、これが17枚目でございます。
29年度においては、本事業を実施した都道府県・指定都市は46の自治体となっております。加えて、一部の市区町村においても実施をされております。
下に表がありますけれども、都道府県47のうち35の都道府県で、右側にありますような事業をしていただいているということでございます。
指定都市につきましては、現在20ありますけれども、そのうち11のところで、ここに掲げてありますような事業を実施していただいているところでございます。
活用事例として、下に幾つか例をお示ししております。
A県の事業例といたしまして、人材育成、経営改善を行っている経営コンサルタント会社に委託をし、その会社が介護保険事業所に訪問し、就業規則等の作成に関する助言、賃金体系の整備に関するアドバイス等を行っている。
B県では、各事業所がキャリアパス要件を設定するに当たり、社労士さんへ就業規則等の作成に関する相談をした際に生じる相談料に対しまして補助を実施している。
C県では、県の社労士会に委託をし、コールセンターを設置し相談対応を行っている。あわせて、加算未届けの事業者等から要請があれば、社労士さんを事業所へ派遣し、加算の取得等に係る助言・指導を行っているということでございました。
最後のスライドであります。公費1000億円、この根拠についてという御質問がございました。
こちら約20万人ということでございまして、その算定根拠は、下の参考でございますけれども、平成31年度の10年以上の介護福祉士の見込み数に8万円の賃金の改善を行うということでございまして、12カ月分を計算いたしますと、約2000億になりまして、その半分の1000億円ということで、今回、公費1000億としたものでございます。
この20万人の算定根拠でありますが、その下にございますとおり、介護サービス施設・事業所調査や介護従事者処遇状況等調査等をもとに介護職員数の伸び率を勘案して算定をしてございます。これが150万人ということでございます。
この中で介護職員の占める介護福祉士の割合45%、そのうち勤続10年以上の割合ということで30%ということで、こういう掛け算をいたしまして、約20万人ということが出てきております。
もう少し続けさせていただきます。
参考資料8と9に関しまして、きょう、御意見書が出ておりますので、御紹介をさせていただきたいと思います。
参考資料8は、今回の大型の処遇改善のあり方についてということで、これは、公益社団法人日本介護福祉士会、きょうは、石本先生がいらっしゃいますけれども、石本先生が提出されたものでございまして、こちらは、きょうの御議論の中で御紹介をいただけるものではないかと思っておりますので、説明は割愛をさせていただきます。
参考資料9でございますけれども、きょうは、日本経団連の井上構成員が欠席でございますので、このような意見書が来ているということで御説明をさせていただきます。
まず「介護人材の処遇改善について」ということでございますけれども、本来は、労使間での交渉によってきちんとなされるべきものであろうということでございますけれども、その際に、今後、やっていくに際しても、その他職員として想定される職種や、介護事業所における賃金の状況についてデータを提出していただきたいというようなことが書いてございます。
また、生産性の向上施策を今まで以上に打ち出すべきであるということが書いてあるところでございます。
これは、前回もあったところでございますが、最後にありますが、そもそも処遇改善を介護報酬による対応で引き続き行うべきかについては、根本的に検討すべきではないかという御意見もいただいているところでございます。
若干長くなりまして恐縮でございました。
資料の説明は、以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
では、ただいまの説明に対して御質問、御意見があれば、お願いいたします。
河本委員、どうぞ。
〇河本委員 ありがとうございます。
これまでも何回か申し上げておりますけれども、やはり、今回、保険料、公費合わせて2000億もの巨額の費用が投じられるということでございますので、やはり、介護人材の確保と、職場定着、これが新たな加算の要件としてきちんと設定されるべきだと思います。
そうでなければ、言葉は悪いですけれども、単なるばらまきになってしまいますので、そのようなことにならないような取り組みをお願いしたいということです。
まず、先ほどの論点1の関係でございますけれども、経験・技能のある職員への重点化と、他の介護職員などへの柔軟な運用、そのバランスが大事であると、それはおっしゃるとおりと思いますけれども、やはり、そもそもの目的である介護職員の職場定着がしっかり担保されるべきだろうと考えております。
その意味では、新たな加算の事業所内における配分に関しては、全てその事業所の裁量に委ねるということではなくて、例えば、一定の割合は、基準の勤続10年以上等に該当する職員に配分するとか、そういった要件を設定する必要があるのではないかと考えるところでございます。
それから、論点2の関係になるかと思いますけれども、これまでも賃金以外の職場環境の改善について、その必要性が多くの委員からも指摘をされているわけでございまして、その意味では、新たな加算というのは、やはり、現行の加算よりも厳しい職場環境等要件の設定も必要なのではないかと考えております。
私どもは、介護職員の処遇改善については、本来、労使間で決定すべきであると、ずっと申し上げてきております。そのような観点からも、今回の新たな加算についても、最低限、現行の処遇改善加算と同様、例外的かつ経過的な取り扱いであり、恒久的な措置ではないということを、きちんと明文化をしていただきたいと考えております。
意見でございます。
以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
安藤委員、どうぞ。
〇安藤委員 ありがとうございます。
3点、コメントをさせていただきます。
まず、1点目なのですが、資料2の5ページ目の対応案の1つ目の〇の介護報酬における加算で対応することとしてはどうかとの記載に関しまして、今までもずっと申し上げてきておるのですが、今回の処遇改善の財源につきましては、消費税などの通常の介護報酬とは別途の財源のみにより対応することが基本であると考えておりますので、改めて検討して、申し上げさせていただきます。
2点目ですが、同じページの論点1の重点化につきましては、参考資料1のほうにもありましたけれども、政策パッケージの中では「経験・技能のある職員に重点化を図りながら」と記載されておりまして、今回のこの中に技能という部分が少し抜けているのではないのかなと見えます。
今後、介護の質を高めるためには、やはり、技能という観点は非常に重要だと思いますので、その点についても議論をすべきではないのかなと考えております。
3点目ですが、資料2の13ページの対応案の2つ目の〇につきまして、前回の分科会でもお示ししているのですけれども、やはり、処遇改善だけではなく、先ほど、河本委員のほうからもありましたように、働きやすい職場環境を整備してということが非常に大切であると思います。
先月、医療介護総合確保促進会議という会議がありましたけれども、その場でも同じようなことを申し述べさせていただいたのですが、限られた財源の中で、効果的な取り組みを実施するためには、介護事業者であるとか、都道府県任せにするだけではなく、取り組みの進捗状況を定期的に把握する、そして、評価するということを重点的に行って、真に効果の見込まれる事業により力を入れて取り組むべきではないかと考えております。
以上でございます。
○田中分科会長 御意見ですね、ありがとうございました。
石本委員、どうぞ。
〇石本委員 ありがとうございます。
前回も発言をさせていただきましたが、今回、意見書としてまとめて提出をさせていただいておりますので、改めて述べさせていただきたいと思います。
今回、事務局から出されております論点、それと対応案につきまして、私どもとしては、おおむね賛成でございます。
昨年、介護人材に求められる機能の明確化とキャリアパスの実現に向けてという報告書で、介護職チームの中核人材、そして、マネジメントを担うのは介護福祉士であるというのがまとめられた中におきまして、経験と技能を有するということで芽出しをしていただいたのは、私どもとして大変ありがたいと思っております。
今般の処遇改善につきましては、閣議決定されましたとおり、他職種、他産業との賃金ギャップの差が縮まること、さらに、それが定着促進、新規参入、そして、潜在有資格者の掘り起こし、これらが最大限のものになるということが一番重要であるということで、4点ほど申し上げたいと思います。
まず、マル1に、趣旨を踏まえればということで、賃金格差を埋めることが重要であり、経験、技能のある職員に対して重点的に配分するということが一番であると思います。それを踏まえて、当該者が処遇改善を十分に実感できるようにしていただきたいということが1点目でございます。
2点目「しかしながら」というところで、前回も申し上げましたが、介護現場は他職種で支えているという実態を踏まると、他の介護職員などに対して処遇改善を柔軟に活用するということを否定するものではないということを申し上げたいと思います。
3つ目でございますが、職場環境の整備も大変重要であると思っており、働きやすい職場環境をつくるということにおいては、人を育てる、人を育むことができる職場環境があるというのは、非常に重要な部分だと思っております。
その上で、私どもとしましては、資格取得後の体系的な継続教育を担保でき、学び続けることができる職場環境なども何らかの要件の中に入れていただき、教育を受けることができる環境を整備するということを大事にしていただければと思います。
4つ目でございますが、今回の対象者をどのように選んでいくのかというところ、これも前回も申し上げたところでございますけれども、現場の実態を踏まえますと、1カ所に、同法人、同事業所内に10年以上勤務している職員さん、業界に10年はいるけれども、数カ所転々とされている方、いろんな形態があります。一つ一つを言い出すと切りがないのは重々承知であるのですけれども、定着促進、そして、この業界を支えていただくという意味で、少し要件の部分を緩和して考えるということも大事ではないかと思います。その中で対象者が就労証明等を得るに当たって、なかなか得にくい状況があるという場合は、例えばですが、私ども職能団体が持っております登録情報、こういったものを御提供し、それが代替えとして認められるのであれば、救済策というところで、御協力をすることができればと思っております。
いずれにしましても、私どもとしては、今回のような形で介護福祉士を初め、介護職員に着目をしていただくというのはありがたいと思っているところでございますし、これを機に、さらに介護業界全体が底上げされ、介護の質が高まっていくこと、また、これにしっかりと邁進してまいりたいと思います。
以上です。
〇田中分科会長 具体的な提案をありがとうございました。
齋藤委員、次に伊藤委員、どうぞ。
〇齋藤委員 前回も申し上げたのですけれども、単に給料を上げるということではなく、働きやすくかつ定着しやすい、そういった環境整備にこの施策を使っていくということだと思っております。
事業所では、ほとんどチームで働いていますので、様々な教育背景を持つ人材が1つの事業所でチームをつくり上げていくときには、やはり、相当なマネジメントスキルが必要だと思います。
かつ、健康で長く働くという観点も必要ですので、職員の参入や定着率に影響する要因、どんな指標にするかというのはあるのですけれども、マネジメントスキルのことを何らかの形で入れて、この施策を進めていただきたいと思っております。
先般、第7期の介護保険事業計画が出そろいまして、2025年に向け、介護のサービス利用の見込みが出ていたと思うのですが、特に訪問看護や看多機など、いわゆる利用者のニーズが医療も入った非常に複雑なものに変わっていく、こういった方々のサービスをきちんと地域の中でやっていくことを考えたときに、やはり、適切なケアマネジメント、そして、医療サービスがきちんと提供できる訪問看護にも、今回の施策に関しては適用させるべきではないかと考えています。
特に訪問看護に関しましては、現在、事業所は非常にふえている状況ですけれども、まだ小規模が多いということ。それから、特にマネージャーの業務量が非常に大きくなってきています。
管理者は自分も訪問看護に回りながら日々のレセプト請求や、職員の育成、あるいは地域との連携もつくっていかなければいけないということがあります。事業所は1年間に何カ所もできているような状況ですけれども、一方で休廃止に追い込まれる事業所も多く、市町村の中には1つも訪問看護の事業所がないというようなところもございます。訪問看護職員に関しましては、全員とまでは言いませんが、特にこういったマネージャーに対して何か処遇の充実をしていく方向に向かっていければいいのではないかと思っています。
それから、論点2の今後さらに講じる対策として、前回も申し上げたのですが、資料2の14ページの「総合的な介護人材確保対策(主な取組)」のところで、「多様な人材の確保・育成」の育成の部分で、いわゆる現任教育の課題がなかなか見えづらいような状況になっているのではないかと思います。
ぜひ、先ほども言いましたマネジメント強化や現任教育等の研修なども充実していく形で、このお金を使っていければいいと思っています。
〇田中分科会長 ありがとうございました。
伊藤委員、どうぞ。
〇伊藤委員 ありがとうございます。
今般、処遇改善が他の介護職員以外の人材にも配分されるということで、この間、ずっとそれは希望して主張してまいりましたので、そういうような検討に至ったということは非常にありがたいと思っておりまして、ぜひ、前向きに検討を進めていただきたいと思っているところであります。
その際、政府からさらなる処遇改善で1000億円を投入するということについても、決まってから約1年たっているわけでして、その間の雇用情勢が逼迫してきているということを、ぜひ認識していただいて、ここにとどまらないということを共有していきたいと思っているところであります。
それで、処遇改善加算が、専ら介護労働者等の賃金に確実に反映されてこそ、処遇改善の趣旨が果たされると考えておりますので、そのような形で生かされるものにしないといけないと思っております。
今回、さまざま介護人材に配分されるというときに、先ほど、ヒアリングでも2つの団体から、派遣労働者がふえてきているというお話がありました。それはエビデンスを出していく必要があると思っておりますけれども、派遣労働者に対する処遇改善というのは、現状必須となっていないところであります。
これについては、ことしの働き方改革関連法で派遣法も改正されて、今、ガイドラインの作成をしているところでありますけれども、ぜひ、処遇改善加算が、きちんと均衡処遇の意味で、確実に派遣労働者に適用されるという考え方が含まれるべきだと思っております。
あと、論点2には、このさらなる処遇改善に加え、他の人材確保に向けた取り組みをどうするかという話が出ているわけですけれども、その中に1つ目の〇で最後のところ、現状の介護事業者が取り組んできたキャリアアップの仕組みと整合のとれたものとなるよう検討してはどうかという対応案となっておりますけれども、キャリアアップの仕組みが確実に事業者の間で構築されるということを促すような視点も重要だと考えております。
そして、質問をさせていただきたいと思うのですけれども、1つ目は、5ページの一番下の〇の「この取扱いは」というところで「現行の介護職員の処遇改善とは別の加算で対応する方針としてはどうか」と書いてございます。これは、現行の処遇改善加算が介護職員処遇改善加算だからという意味だとすると、介護職員以外のための処遇改善加算をつくるということを意味していると読んでみたところですが、その際、1000億円という公費の投入金額が示されているわけで、それが、介護職員処遇改善加算とそれ以外の処遇改善加算にあらかじめ配分しておくというようなことを意味しているのかというのが質問です。
もう一つ、これで終わりです。
今回の資料で、後ろのほうの17ページのところに、介護職員処遇改善加算の取得促進特別支援事業の実施状況を載せていただきました。私は、これをずっとこだわって聞いてきているので、それで出してくださったのかと思ったのですけれども、実は、これは去年の11月から繰り返しお聞きしておりまして、その中でも口頭で、おおよそ御回答をいただいているような内容で、都道府県、市町村という実施自治体について報告されているところであります。
私が繰り返し聞いているのは、助言・指導等の支援が幾つの事業所に届いているのですかということでありますので、そのことをぜひ御報告いただきたいのです。
かつて、12月6日の分科会で、これはお聞きして口頭でお答えになったところなのですが、ただ、実績につきましては、まだ事業半ばであるということから、どれだけの社労士の方が派遣されたかということは、統計をとっているわけではございませんと、まだ、事業半ばだからという話でした。もう事業は、単年度では終わっているわけですので、ぜひ、どれだけの事業所に社労士が行っているのかということを示していただきたいと思いますので、その点、御質問をさせていただきます。
〇田中分科会長 質問が2つございましたので、答えてください。
〇眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
まず、後段の御質問からでございます。介護職員処遇改善加算の取得促進特別事業でございますけれども、昨年、私の前任の課長がお答えしたとおりで、昨年度のものに関しましては、こういった事業実施主体である都道府県や自治体の数だけ把握をしていたということでございまして、今年度も、引き続きやっておりますけれども、今年度は、介護事業所の数や実際に助言・指導を行う回数とか、そういったものを把握することにしておりますので、それがまとまったら、また、御報告を申し上げたいと思います。
それから、先ほどの、この加算の位置づけというか、これまでの既存の処遇改善加算との関係に関するお尋ねでございますけれども、まず、新しい処遇改善に関しましては、公費1000億、そして、保険料1000億で、全体として2000億の加算になるということでございます。
これを財源とした加算として、別途、これまでのI、II、III、IV、Vのものとは別につくる加算としてはどうかと、ここで御提案をしているということでございます。
以上でございます。
〇田中分科会長 東委員、どうぞ。
〇東委員 ありがとうございます。
まずはじめに、参考資料1の6ページに、介護関係職種の有効求人倍率が非常に高い水準で推移していることが示されておりますし、現場の実感としても、介護職員は全く足らないという声が、悲鳴に似た状況で届いていることを報告します。
それを踏まえた上で、資料2の12ページ「介護福祉士養成施設の定員等の推移」でございます。これを詳しく見てみますと、養成施設数は平成25年度の378から平成29年度の382と増えているわけでございます。ただ、定員はだんだん減っております。また定員の充足率、入学者数ともにどんどん減っております。今や定員充足率は42.9%という状況です。この間、介護職員処遇改善加算が経年的に行われたにもかかわらず、こういう状況にある理由というか原因について、後で厚労省の考えをお聞かせいただきたい。私としては、3つほど原因があるのかなと考えております。
原因の1つ目は、介護職員処遇改善加算とか、介護福祉士養成校に対する学費等の補助金について、国民や若者に向けての周知不足というのがあるのではないか。私の近隣の高校生の親御さんが、こういう制度を知っているかというと、ほとんど知らないのが実情です。
原因の2つ目は、介護福祉士の仕事が魅力ある専門職であるということが伝わっていないということです。伝わらなければ、ここに入学する人はなかなか増えないのではないかと考えます。
では、魅力ある専門職とは何か。それは1つには、働きやすい職場環境があるということだと思います。具体的には、介護福祉士はちゃんとした専門職として直接介護を行い、周辺業務はほかに担ってくれる人がいるのだというような職場環境を構築する。
それから、介護福祉士は残念ながら名称独占であって業務独占ではないのですが、介護現場において、さすが介護福祉士だねと言われるようなことが国民に発信されていけば、介護を目指す学生も少しは増えるのではないかと思います。
最後に原因の3つ目は、加算という形で介護職員の処遇改善を実施してきましたが、これが本当に良かったのかということです。結局、加算という形ですと、はじめから介護職員の給与の中に入れ込まれてしまいますのでわかりにくい。交付金の時は、給与とは別に、処遇改善分として賃金を頂けたわけですから、その恩恵がわかりやすかったということがあります。
先ほどから経団連や健康保険組合の方からも、この加算の形でいいのかという御意見がありましたけれども、私は今後議論が必要かなと考えます。
次に2つ目の意見でございます。これは先程の資料2の12ページとは関係ありません。
先ほどある委員から、今回は「技能のある職員」というところの「技能」をきちんと担保すべきだという御意見がございましたが、私もそのとおりだと思います。
今回は、勤続10年の介護福祉士でと示されており、それから「技能のある職員」ということが言われているということから考えると、先ほど石本委員が「協力します」とおっしゃいましたけれども、日本介護福祉士会にきちんと協力をお願いして、「技能」を担保する仕組みを作ることが必要ではないかと思います。
以上でございます。
〇田中分科会長 1つだけ質問がありましたので、お願いします。
〇眞鍋老人保健課長 充足率が非常に低い、あるいはそれに伴いまして不足をしている原因として、厚労省は何を原因として考えているかというお尋ねでございます。
私どもは、直接の原因をアンケートなどで聞いたものはないわけでありますけれども、前回の資料でもお示ししたとおり、介護関係職種で辞めたような理由を幾つか聞いております。
その中では、やはり、職場の人間関係ですとか、あるいは処遇ですとか、自分の将来の見込みが立たないとか、そういうものがございます。
そういうことを何となく就職を考える段階で考えられて、そのときに、こちらを志す方が減ってしまっているということがあるのだろうと思います。なかなか定量的な分析はできず、定性的な分析で申しわけございませんが、以上のように思っております。
〇田中分科会長 小原委員、どうぞ。
〇小原委員 意見を述べさせていただきたいと思います。
今回、経験、技能というところで、齋藤委員のほうからもお話がありましたけれども、我々専門職というのは、技能としての専門性としてのスキルと、経験していく中でマネジメントとしてのスキル、この両方を学んでいかなければ、そして、実践していかなければ、いいサービス提供ができません。
そういった中で、今回の介護福祉士への処遇改善というのは、やはり、とても重要な要素でありますし、この技能、キャリアに応じた十分な処遇をしていただきたいということで、今回の論点につきましては賛成しております。
介護現場では、多職種協働のチームアプローチでケアサービスを提供していますけれども、こちらの資料2の11ページを見ますと、35歳以上、これから働き盛りになっていくところの勤続年数が、産業系よりも、特に介護福祉士とか、介護支援専門員は、大きく下回っております。皆さん、御存じだとは思いますが、多職種連携で互いの専門性を発揮して、その相乗効果をもって利用者さんの個別に応じたケアサービスを提供していくということがとても重要ですし、そういったことを達成されていくことが、働く専門職の満足度にもつながっていきます。ぜひ、処遇改善の重点化とあわせて、利用者にかかわる多職種への柔軟な運用で、スタッフの教育環境や職場環境の向上となっていくことで、さらなる多職種連携を促進させていただきたいとです。
そういうことが介護業界でしっかりとやられているということ、介護業界の仕事は格好いい仕事なのだとか、魅力があって、クリエイティブな仕事なのだということを発信することで、人材確保とか、人材定着につながっていくと思いますし、そういったことが最終的に地域住民の幸せへの貢献にもつながると思いますので、ぜひ、今回のことは進めていただきたいと思います。
以上です。
〇田中分科会長 ありがとうございました。
今井委員、どうぞ。
〇今井委員 ありがとうございます。
大局では、2件ほど意見をさせていただければと思います。
資料2の論点1についてです。先ほど、御提案がありました現行の介護職員の処遇改善とは別の加算で対応するという場合でございますが、現在、既に多くの加算が創設されている現状にございます。
複雑化していることから、さらに複雑にならないよう既存の加算で算定率が低いものは、これは決して他の加算が要らないというのではないのですけれど、簡素化した上で導入を検討していただければと思っております。
次に、柔軟な運用のあり方という面でございます。2つほど、意見をさせていただきたいと思います。
さらなる処遇改善につきましては、他の職種の処遇改善も可能となるような運用ができるようにしていただければというのが1つ目でございます。
2つ目は、その算定要件の策定についてでございます。2点申し上げたいと思います。
1点目は、経験年数を算定要件の基準とするような場合、私どもは事業開始から間もない事業所、これも多数抱えてございますので、それらが不利益とならないよう、経験年数の取り扱いについては検討をしていただければと思います。
2点目でございます。単に介護職の保有資格と経験年数だけを算定要件の基準とするのではなく、経験や業務内容に応じた、例えば、その方の役割とか、事業所内における活動状況、質の高いサービスに結びつくような取り組みを行っているとか、難しい評価だとは思いますけれども、この辺も算定要件として考えていただければと思います。
以上、意見でございます。
〇田中分科会長 石田委員、どうぞ。
〇石田委員 ありがとうございます。
今まで委員の皆さんからの御発言がたくさんあったのですけれども、私としては、意見だけ申し上げたいと思います。
今回の論点1にあります、重点化及び柔軟な運用というものについて、ポイントが、経験、技能のある方への重点化ということ。それから、介護にかかわる他の職員への改善も可能であるような柔軟な運用ができるという2点であることがよく分かりました。ただ、これまで幾度となく議論されてきたことではありますが、そもそもこういった介護報酬における加算のみで処遇改善がなされていることについて、まだ納得しきれていないところがあります。今回、消費税の引き上げに伴う報酬改定ということもありますが、やはり、こういったものにつきましては、どうしても対症療法的な印象が否めないのです。
ですから、先ほど、仕事をこの介護でやりたいという人たちにとっても、学校を卒業してから、例えば、今はもう人生100年時代ですから、40年以上、その業界で働き続けていくときのライフプランなどが、さっと自分で描けるような、そういう業界であるかどうかというところが、根本的に問われるのではないかと思うのです。
そうすると、そのとき、そのときの報酬改定であったり、こういった消費税に伴うというようなことの改定で対応していくだけでは、将来のライフプランというのが描き切れないというのが、介護人材養成校への入学希望者数の激減という実態の中に反映されているのではないかと思っております。確かに給料などが上がってきて、これは、プラスの評価だとは思うのですけれども、その根本的なところというのをどうしてもきちんと押さえた上での議論というのを、続けていただきたいと希望いたします。
〇田中分科会長 ありがとうございました。
堀田委員、お願いします。
〇堀田委員 ありがとうございます。
3点あります。
1点目は、もしかすると、前回、欠席してしまったので、前回に申し上げるべきだったかもしれないのですけれども、この処遇改善というテーマが、介護人材の確保とか定着ということを目的としているという位置づけであれば、今回も、あるいは前回の参考資料の26とか27にも整理をいただいているのですけれども、本来は、まず、需要の伸びを抑制するという観点から、例えば、生産性の向上とか、あるいは予防とか健康増進総合事業の推進みたいなことがある。
それから、新たな入職者をふやすという観点、学卒の方を確保するという観点からは、まず、きょうも話題になっていた、介護や福祉を学ぶ学校に入学する人たちをふやす。
さらに、卒業した人が就職するという割合をふやす。さらに、その学び、そういう学校ではないけれども、そこから介護福祉の仕事につく人たちをふやすという3つがあって、新たに入職するというときに、他職種とか、無業の方々が入ってくるようにというのがある。
そして、恐らく、報酬で直接的にというときには、入職者が就業継続をするということを、今回、想定しているということになると思います。
その中にも2つあって、今、勤めている事業所で就業を継続するということと、今、勤めている事業所は、ときにブラックなこともありますし、辞めたとしても、この介護福祉士の仕事をし続けたいというような選択ができる環境を整えるというような大きく3つの柱がある。
その中でも、それぞれ方策があり得て、今、全体として報酬だけではなくて、前回の参考資料の26、27のように、さまざまやっていらっしゃるのだと認識をしていますけれども、改めて今のような上位目標の確保、定着ということを考えたときに、この分科会の中で、報酬として対応すべきところはどこなのだということの整理が、多分、次は大分時間を置いてということになると思いますけれども、1枚つけていただけるとありがたいかなと思います。それが、今回の論点1、特に2にも関連しているかと思っています。
2点目は、とはいえ、事業所単位ではどのように考えるかということも、もちろん重要だと思いますので、そのときに、今まで各委員の方々もおっしゃったことに通じると思いますが、1つは就業を継続できるようにということを考えたときに、要件の中に、これは毎回申し上げていると思うのですけれども、まず、単にキャリアパスの要件をつくるとかということだけでは、実際には、その勤続先、勤務先での就業継続意向は高まらないということは、定量的にも明らかにされている側面があります。
それと自分が、この事業所のサービスの質を高めるということに貢献できているという手応えがセットになっていないと、つまり、それは、今まで各委員の方々がおっしゃったような、その事業所の中で力を高められるとか、あるいはサービスの質に結びついているというようなチームアプローチができているかとか、その背景にいろいろとあるわけですが、単純にキャリアパス、任用要件、賃金体系の整備とかができているからといって、もし、これが就業継続を高めるためにということであれば、もしかすると、十分ではないかもしれないということは、1つ言うことができるかなと思います。
さらに、就業継続ということを考えたときに、事業所で就業継続意向を規定している要因というのを幾つか整理してみると、仕事とか職場の特徴で言うと、組織コミットメント、さまざまなレイヤーで参画が保障されているかであるとか、それから、離職理由にも、結婚、妊娠、出産みたいなことも多く出てきますけれども、ワーク・ライフ・バランスといった要因も結構きいていますということがわかっています。
あるいは、入職後の能力開発の特徴としては、指導担当者がついているかどうかということが、有意にきいていますということがわかっているということがありますので、これまでの取り組み、事業所の事例ベースでも結構ですし、この10年ぐらい結構定量的な分析も行われているので、就業継続に影響を及ぼす要因みたいなものも、もう一度さらっていただけるといいかなと思います。
さらに、採用ということも、参考資料のほうでありますが、採用率が結構下がってきていて、かつ、人材の不足感の背景は、採用の困難というのが一番大きいというときに、一番不足感が高いのは訪問介護員なのですけれども、その一番人手不足感が高い訪問介護を取り出して、質、量ともにとれている事業所の特徴というのも分析していたり、その中でも地域に開かれた事業所づくりとか、地域メンバーシップということも1つの要因として出てきているところですので、そういった視点も含めていただくといいのではないかと思います。
最後に3点目なのですが、1つ目のところとも関係するのですけれども、論点の2の中にも、資料の13ページですけれども「介護事業所における離職防止や人材育成、雇用管理改善」と書かれているのですが、この業界全体として活躍し続けていただければ結構だということを考えると、今、2つ目で申し上げたような事業所としての取り組みに注目することも結構なのですが、これまでの各委員の御指摘にもありましたけれども、事業所を超えて、地域全体として、例えば、ネットワーク採用を進めるとか、卒後研修のキャリアをつくっていくということも、法人のアライアンスをつくって進めていくであるとか、あるいは、今、社援局のほうでやっている事業、介護・福祉デザインスクールなどの中でも、介護福祉の業界の中だけではなくて、まちづくりの方とか、教育関係者とか、自治体とか、あるいは利用している方、御家族なども含めた形デザイン思考の考え方から、ほかの風を入れながら、かつ単発のイベントではなくて、継続的なアクションにつなげていくということが、風通しをよくさせる、意欲を高める、あるいは、そこからの発信につながるということも言われていますので、そういった事業所を超えた地域としてのありようということも、これは、報酬上の対応ということでは必ずしもないと思いますが、整理の中に入れていただけるといいかなと思います。
以上です。
〇田中分科会長 人材活用について、示唆に富んだ意見をありがとうございました。
江澤委員から順番にお願いします。
〇江澤委員 幾つか質問と御意見がございますので、申し上げたいと思います。
まず、5ページでございますけれども、対応案のマル1に介護人材という言葉が出ているのですけれども、この介護人材の定義についてお伺いしたいと思います。
医療現場等で働く介護人材は、ここに含まれていないのか、いるのかどうかということでございます。
続きまして、マル4、この件に関しましては非常に賛成でございまして、特に今回大変ありがたい施策で、公費1000億円を投入していただいて、介護福祉士10年以上の経験者の人数に掛ける8万円という、非常に大きな背中を押していただけるような施策が盛り込まれている一方で、なかなか現場のチームケアとか、チームワークを重視して働く現場において、この施策は、介護職員以外の職員にも周知されていますので、そういったところの負の影響みたいなものが懸念されますから、この件に関しては、非常に賛成でございますし、特に、ここには出ていませんけれども、調理員等も非常に厳しい処遇に置かれているのではないかと思っておりますので、この件に関しては賛成でございます。
続きまして、〇の4つ目の別の加算でございますけれども、今回は、加算でいくということで致し方ないと思っておりますけれども、前回も申しましたが、今後、公費1000億円を投じるということは、加算で行う場合には、保険料1000億円も投じるということになりますので、そうすると、保険者、非保険者の御理解が当然必要ではあろうと思いますし、今後、このあたりを中長期的に見たときに、この加算でいくことがどうか、先ほど意見も出ておりますけれども、もともと公費でスタートしたこの施策でございますので、今後、またどこかで議論の場が必要ではないかと思っております。
次の議題にございます改定検証で、これは以前も申しましたが、介護処遇改善に対する、これだけ力を注いで長年取り組んできた施策に対しての結果の検証というのを、ぜひ一度やっておかないと、改定検証で一度も取り上げていないと思いますので、これが、処遇改善加算の、例えば、上位の加算をとっている事業所において定着率が高いのか、離職率が低いのかということ。
それから、他産業からの参入、他産業への流出、このあたりも含めて結果を見ていかないといけない時期が来ていると思っています。
続きまして、12ページ、先般、新聞報道等で平成30年度、さらに入学者数が右下がりに減る中で、外国人材が16%という報道がされたところでございまして、恐らく、それから粗い計算ですが推計いたしますと、多分、この5年程度の間に、日本人の入学者は、ほぼ半減に近い状況で、また、日本人の定員に対する充足率は、多分、2割ぐらい落ちているのではないかと思っています。
したがって、介護従事者の特に入り口に関しては、かなりこの施策のグリップがきいていないのではないかと、少し懸念をしておりますので、ぜひ、今年度新しい基金の対策で、この入り口等に対する施策が新しい新メニューで出ておりますけれども、さらに一層強化して入り口対策をどうするのか。
あと、景気の変動等の影響は最も受けやすい業界でございますので、そのあたりも含めて、ぜひ、入り口の対策の強化をお願いしたいと、人員不足は、この業界だけではなくて、恐らく多くの業界で人手不足というのは慢性的に起こっているのだろうと思います。2040年の医療福祉で働いている方が、労働生産年齢人口の19%でないといけないという状況でございますので、ぜひ、御検討をいただければ幸いでございます。
続きまして13ページ、先ほども御意見が出ておりますけれども、前回の会議の資料におきましても、介護関係職種の離職理由の第1位が職場の人間関係、第2位が結婚、出産、妊娠、育児のため、第3位が法人事業所の理念運営のあり方に不満があるということで、これがトップ3でございまして、収入が少ないというのは、第6位でございます。
したがいまして、恐らく収入も非常に重要ですけれども、より効果的な方法論等があるのではないかと思うので、以前から事業所の離職率等は二極分化しているという資料が、本会議でも、数年前にはかなり示されている中で、ぜひ、好事例をどう共有していくのか、あるいはITとかIOTをうまく加味して、職員の負担を軽減している好事例にどういったものがあるのか、こういったことを全国の事業所にお示しをして、できることから取り組んでいただくというのは、非常に重要ではないかと思いますので、ぜひ、こういったことを考えていただきたい。
対応案の1のところに、将来の見込みが立たないというのは、前回の資料ですと、離職理由の第5位でございますが、ここは推測になりますけれども、今、処遇改善加算で、入り口の賃金は上がってきておりますが、その多くが人件費に消費されている介護報酬がなかなか、今回は0.54%、大変ありがたいプラス改定をいただきましたけれども、なかなか中長期的に、まだ1年ごとに介護費用がプラス5、6%の伸びを示している状況の中、大変難しい状況ですけれども、なかなかそのあたりのベースアップが影響しているのではないかということも少し心配をしているところでございまして、そのあたりを含めていろんな好事例をしていただきたいと思います。
最後に2点、意見を申し上げさせていただきますけれども、平成28年の医療施設動態調査、病院報告におきまして、最近の傾向としましては、非常に医療機関で働く看護補助者が減ってきております。
一方で、介護福祉士は少しふえてきております。ちなみに、平成25年から平成28年で、医療機関で働く看護補助者は、1万3800人程度減っております。その間、介護士は6,500人ほどふえています。
ただ、特に26年から28年の2年間に限りますと、看護補助者が1万人程度病院の現場から減っているという現状があります。
そういった中で、25年から28年で看護補助者は7%、医療現場で働く数が減っている状況で、このあたり、前回の資料でも、介護現場で働く介護従事者というのは183万強で、毎年、最近微増でふえていますが、医療現場のほうは、むしろ減っていて、ただ、医療現場で看護補助者と介護福祉士で23万3000人、28年でいらっしゃるわけで、その23万人の方の処遇とのバランスをどうするかと、もちろん、この会議の範疇ではありませんが、これは、意見として述べさせていただきますけれども、そのあたり、かなり現場でも、医療現場の職員が介護現場にトラバーユしたりとか、あるいは同一法人内でかなり介護現場のほうにシフトさせてほしいという希望も、今、ふえてきている中で、当面、1つの課題ではないかと思っております。
最後のもう一点が、183万人の中のうち、訪問系職員が51万人程度いらっしゃいます。この51万人の方について、以前から出ておりますように、利用者の方あるいは患者さんの方に直接サービスが大体いつも調査で4割程度、日中8時間のうち3時間程度でございますので、今後、考えていかなければいけないのは、人材不足に加えて、医療、介護をどう効率的に提供体制を構築していくのか、ですから、提供体制の効率化というのは、非常に重要な課題で、要は、半分以上は直接サービスに接していない、だから、いかに間接サービスを落として、直接サービスをふやしていくのか。
住宅政策とも絡みますが、いろんな地域においては集住化政策というのも1つのアイデアでしょうし、今後、いかに効率的にサービスを提供していくかということは、これは、いろんな行政の方々も私たちも含めて、国民みんなで考えていく課題だと思っていますので、今後、医療・介護の、特に提供体制の効率化ということも着目をしていただければありがたいかなと思っております。
以上でございます。
〇田中分科会長 質問が1つありましたので、お願いします。
〇眞鍋老人保健課長 資料2の5ページ、介護人材というもの、この意味でございますけれども、医療現場で働く介護人材も含まれるのかという御質問でございました。
これに関しましては、具体的に申し上げますと、例えば、介護療養型医療施設ですとか、あるいは介護医療院で働かれます介護人材も当然対象となるということで考えております。
〇江澤委員 だから、病院現場の介護職員は、ここには当然含まれていないという理解でよろしいでしょうか。
〇眞鍋老人保健課長 あくまでも介護保険制度下の話でございまして、一般の病院は入らないということでございます。
〇田中分科会長 では、齊藤秀樹委員、お願いします。
〇齊藤(秀)委員 ありがとうございました。
論点1について、幾つか意見を申し上げたいと思います。
今回の論点1ですが、今回の改善では、まず、経験、技能に着目した介護職員に重点を置こうと、この方向性は賛同いたします。
また、今回の論点1の対応案の最後のところに、介護職員以外の職員についても別の加算を考えたいということについても、これはプラスとしての評価をしたいと思います。
なお、処遇改善は、本来、経営に関することでありますので、事業所が一定の範囲で裁量判断ができるようにするということも大事ではないかと思いますので、ぜひ、そういうことも組み込んでいただくようにお願いをしたいと思います。
論点の2でありますけれども、ここにキャリアアップの仕組みとの整合性ということについて振れられておりますが、これについては異論がないのでありますけれども、参考資料1、16ページでございますが「過去働いていた職場を辞めた理由」ということが複数回答で出ております。
この中で、将来のキャリアアップが見込めなかったというのが中段以降に出てきますが、比較的職を辞めた理由で多いものの中でピックアップしますと、まず、一番多かったのが健康の問題、心身の不調があった。
次に労働時間や休日や、勤務体制に関すること。
その次に出産、育児ということ。今、盛んに言われている、いわば働き方改革とも言えるような項目が上位を占めているなと思います。
これは、職場として、どういうふうに働きやすい環境を考えていくかと問われていることだと思いますので、対応案にも書かれておりますけれども、働きやすい職場環境の整備をさらに進めていく必要性があるということは記載されているわけでありますが、これが、やはり具体的に見えるような方向で政策誘導をしていただくということが大事ではないかと思います。
以上であります。
〇田中分科会長 瀬戸委員、どうぞ。
〇瀬戸委員 ありがとうございます。
前回も申し上げさせていただきましたけれども、論点1について新しい経済政策パッケージの趣旨を踏まえて、介護職員の処遇改善の、これまでの改善の効果を失することのないような方式と、その上で他の介護職員以外に配分できるような仕組みを考えるべきだと思います。
例えば、具体的に勤続年数の件では現行でサービス提供強化加算の3というのがあるのですが、そこではこう書かれていまして、当該事業所における勤続年数に加え、同一法人の経営する他の介護サービス事業所、病院、社会福祉施設等においてサービスを利用者に直接提供する職員として勤続した年数を含めることができるものとすると、こうなっていますので、これを参考にするということも必要ではないかと思います。
あと、介護職員からケアマネや相談員などに配置転換した場合にも、ぜひ、通算年数と加えるような、そんなような仕組みをしていただければと思います。
4つ目の〇について、別立てを考えるのであれば、現行の介護職員処遇改善手当をとった上でとれるような形、別立てだけとれるような形というのは、少し今の趣旨とは違うような気がしますので、そこのところの配慮をするべきだと思います。
以上です。
〇田中分科会長 ありがとうございました。
武久委員、お願いします。
〇武久委員 高齢者を取り巻く保険には、介護保険と医療保険とございますけれども、患者さんは医療保険に行ったり、介護保険に行ったり、また、両方を使ったりということで、1人の患者さんについては、分けられていること自身が不合理な場合も出てくると思いますが、いずれの保険を扱っている産業に関しましても、ほとんど民間事業者、社会福祉法人も民間といえば民間ですので、民間事業者が行っている業務に対して、このように処遇改善交付金が与えられるというのは非常にありがたいことで、本来は、我々が自分の経営の中で人件費を上げていくという経営努力というのが必要なわけですけれども、IT化がどんどん進んでおりますが、この介護保険におきましては、特に人件費は集約産業でございますので、なかなかIT化というものがうまくいかない。
一方で、介護人材、看護人材はどんどん減っていきまして、去年生まれた子もが94万人ということで、10年後、20年後は非常に厳しいということでございます。
人材不足をITで補いたいと思っても、医療は、まだモニタリングとかいろいろありますけれども、介護の作業をロボット化するということは非常に難しゅうございまして、どうしても、ここには人がたくさん要る。
では、介護処遇交付金は一体何かと言えば、介護報酬を全部上げていただいて、総収入の中からそれぞれの民間事業者等が考えて給料を出せばいいのですけれども、そうすると、人件費に回さない事業所もあったりするということで、多分、このお金は公的なものだけれども、人件費に充ててくださいといって指定して処遇改善交付金を与えてくれていると、我々は感謝いたしているところでございます。
とにかく数が減ってくることは事実です。東京都では、もう既に特養を開設しようとしても、介護職員が半分も集まらないで、定員どおりに開設できないことも起こっております。
これが、2025年になってくると、ものすごく著名になって、外国人に対して来てくれ、来てくれと言っても、なかなか数の上で、まだまだ非常に少ないというところがあります。
土地を買って、建物をつくって、建築費も高いですし、固定費用がたくさんいって、その中から人件費に回していかないといけない。回していかないと人が集まらずに、結局、ベッド稼働率、これは、医療保険も介護保険もそうですけれども、不足となってトータルの収入が減って、だんだん経営がうまくいかなくなっていく。
そうなってくると、候補の民間事業者としては、それでいいかもわかりませんが、国の全体とすると、そういう事業者がふえてくると、これは、サービス低下ということになって、政府の責任にもなってくると。
こういったことを全部勘案いたしますと、やはり、今後、近い将来、5年、10年後に東京都はどうなるか、過疎地はどうなるか、大体予測がつきます。それに対して、ぜひ、このような場で検討をしていただいて、目先のことだけではなく、大きな視点を持って将来を考えて、いろんなことを考えてもらわないと、現場にいるものは民間事業者ですから、好きにできるかといっても、収入の99%は保険から来る、すなわち国費から来る、保険料からも来ますけれども、そういった状態で、現場で非常に動きにくい状況に事業者はなっているということの御理解を賜って、現実問題として、介護療養型医療施設の処遇改善交付金の申請が非常に低いということも、この間、申しましたように、病院と併設の場合が多いために、そこまで出せないということもありますが、診療報酬については中医協のほうで検討するべきことで、これを介護職員、看護職員が集まらないのをどうするかというのは、そちらのこととは思いますが、同じ省内として連携をとっていただいて、5年先、10年先、20年先の計画を立てていただきたいなと思いまして、意見として申し上げました。
以上です。
〇田中分科会長 ありがとうございます。
ないようでしたら、私からも一言申し上げます。
先ほど江澤委員が御指摘になった12ページの介護福祉士養成施設の入学者数の推移、特に、これにさらにもう一年加えた平成30年度を考えると、まさに危機的状況です。
今回のさらなる処遇改善によって、定着を促進させることは、もちろん第一目標で問題ないと考えますが、同時に、新規に入ってくる若者がいなくなる将来は危機的です。看護系の大学や看護系の学校の入学者はここまで減っていません。よって、介護分野に入ってくる若者たちに魅力を伝えなければいけないと、東委員も言っていただきましたが、私も賛成です。
処遇改善加算だけが全てではありません。加算についても10年以上の方に着目し、一部、他の職種にも配慮していいと書いてありますが、他の職種以前に、まずは入ってきた若者に対しても配慮し、次が他の職種ではないかと言ってもいいと思います。
もちろん、加算だけではなくて、若者がこの分野に魅力を持つかどうかは、もっと全体的な別な広い討議が必要ですし、柴田室長のところにも活躍していただかなければならないですが、定着も大事だけれども、若者も大事だと私も考えますので、一言申し上げました。
この議題2については、今後も検討を進めてまいりますが、本日は、ここまででよろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
〇田中分科会長 ありがとうございました。
次に議題3の「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査の進め方について」の議論を行います。
事務局から説明を受けた後、委員会における議論の状況については、松田委員長から概要を御説明いただきます。お願いします。
〇眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
それでは、資料3、資料4、その後ろに続きます参考資料等を用いて御説明をさせていただきたいと思います。
まず、全体の流れについて御説明を申し上げたいと思います。
これも参考資料に飛んでしまって恐縮でございますけれども、参考資料3を開けていただけますでしょうか。
一番上に箱が2つございまして、左側に参考資料3と記載があるものでございます。
タイトルは「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成30年度調査)の進め方について」でございます。
では、説明を開始させていただきます。
参考資料3の中にスケジュール案がございます。今年度に入りまして、4月から6月、7月から8月というところで何をやっているかということを書いておりますけれども、今、10月でございまして、10月頃に介護報酬改定検証・研究委員会を開催し、これが先日の10月3日に開催されております。
その後、この分科会におきまして議論をし、そして、最終案を決定するということで、本日、このステージにあるということで御理解をいただければと思います。
その後、11月から12月頃に調査を行いまして、集計・分析・検証、そして、来年年明けに分析・検証を行っていく。
そして、3月頃に調査結果に対する評価を実施し、また、報告をすると、こういう流れになるものでございます。
次に、参考資料4でございますけれども、横長で、前回改定を踏まえた今後の課題及び次期改定に向けた検討についてということで、前回の審議報告の中に、今後の主な課題というのがリストアップされてございまして、このうち、きょう御審議をお願いします7つの調査について、この中にちりばめて入っているところでございます。また、来年度も行う調査は、別途、御説明をさせていただくことになろうかと思います。
7本の調査でございますが、その後ろ、参考資料6をごらんいただけますでしょうか。これも横長の表の資料でございます。
こちらは、今、申し上げました7本の調査に関しまして、それぞれ検討組織委員会というものを組織いたしまして、それぞれの調査、ここに網掛けがございますけれども、ここに掲げてある先生方を委員長として、これまで準備を行ってきたものでございます。
この中で(6)と(7)、介護老人福祉施設における安全衛生管理体制等のあり方についての調査研究事業と、(7)の介護老人保健施設における同様の調査でございますが、これは、過去の分科会で一本にできないのかという御指摘があったところでございますが、ここは、調査の実務上、分けさせていただいておりますけれども、(6)の特養に関する調査と、(7)の老健に関する調査でございますが、それぞれ委員長は、お互いの委員会の副委員長として入っていらっしゃるようなことで、全体の連携をとるようなことにさせていただいているところでございます。
参考資料7は、それぞれの調査の客体を一覧にしたものでございます。
それでは、先ほどの資料3及び資料4を用いまして、今回の調査に関しまして御説明をさせていただきたいと思います。
資料4は、具体的な調査票でございますので、ポイントを御説明したいと思います。
まずは、資料3でございます。
「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成30年度調査)の事前確認シートについて」ということで、(1)から(7)までございます。
1枚おめくりいただきまして、まず、事業番号(1)でございます。「介護保険制度におけるサービスの質の評価に関する調査研究事業」ということでございます。
調査の趣旨でございますけれども、より効果的・効率的な介護保険サービスの提供につきまして進めてきた。これは、介護報酬改定ごとにやってきている調査でございますけれども、介護保険制度におけるサービスの質の評価につきましては、平成25年度より、ここに書いてございますとおりで、効果検証及び調査研究に係る調査におきまして継続的に議論がされてきたところでございます。
過去、平成28年度の調査では、こちらの結果をもとにいたしまして、褥瘡などのハザードを発生する際のデータの妥当性を検証いたしました。
そうしたものに根拠を置きまして、前回改定で褥瘡マネジメント加算などが新設されたということでございます。
本事業では、褥瘡マネジメント加算を算定するまでのプロセス、そして、課題を整理しつつ、その効果を検証することを目的とする。
同時に、リスク評価及び報告を行うというプロセスにおきまして、今後、どのようにサービスの質の評価が可能であるか、各施設の評価項目の収集状況について調査を行うということでございます。
目的は、ここにありますとおりで、先ほど申し上げた褥瘡マネジメントに係る報酬の実態把握と、サービスの質の向上に係るデータ項目の収集状況、そして、収集可能性の把握などでございます。
内容でございますが、老健施設、特養、介護医療院を対象とする。そして、褥瘡マネジメントの評価・計画作成などの実態を把握するということでございます。
下でございますけれども、データ項目に関しましては、それら3つの施設類型に加えまして、居宅介護支援事業所も対象とするということでございます。
そして、4つの類型の施設サービス、そして、居宅介護支援事業所を対象といたしまして、データ項目ver.2.1の妥当性の検証を行うというものでございます。
続きまして、事業番号(2)でございます。
「介護ロボットの効果実証に関する調査研究事業」。2ページでございます。
前回改定で見守り機器の導入によりまして、効果的に介護が提供できる場合について、夜勤職員の配置加算の見直しを行ったところでございます。
審議報告では、今後の課題として、ロボットの幅広い活用ということで、効果実証等を進めるべきという内容が明記されております。
ということを受けまして、当該調査の目的といたしましては、見守り機器の導入によりまして、夜勤職員の配置の加算の取得状況等がどうだったかということ。
それから、介護ロボットの導入目的、導入に関する課題、活用効果等の把握・検証。
見守り機器の活用による長期的な効果の把握・検証などでございます。
調査内容は、その下にあるとおりでございまして、ロボットの導入状況ですとか、ICT等の導入活用状況、今後の活用の意向。
利用者票に関しましては、介護ロボットの活用による利用者への効果。
職員に対しても介護ロボットの活用による職員への効果などを調査することとなってございます。
3ページ、事業番号(3)でございます。
こちらは、「居宅介護支援事業所及び介護支援専門員の業務等の実態に関する調査研究事業」でございます。
平成30年度の介護報酬改定におきまして、医療・介護連携の強化が行われてございます。括弧内にあるようなたくさんの連携の強化が評価されたところでございます。
また、公正中立なケアマネジメントの確保等の観点から基準及び評価の見直しが行われておりまして、これらの見直しが居宅介護支援の提供にどのような影響を与えたかにつきまして調査をするということでございます。
調査内容に移らせていただきまして、4つの矢印がございますけれども、全国の居宅介護支援事業所と、そして介護予防支援事業所を対象としたアンケートを行いますということでございます。
その中で、事業所の調査、また、ケアマネジャーさんに回答をしていただくケアマネジャー調査、そして、ケアマネジャーが担当する利用者に関する利用者調査、そして、利用者本人または家族が回答していただく利用者本人調査の4つの調査を実施するというものでございます。
一方で、医療機関を対象といたしました医療機関調査も実施することにしまして、医療機関側から見た医療介護連携の評価と課題、連携内容について実態を把握するということでございます。
続きまして、4ページ、事業番号(4)でございます。
調査の趣旨でございますけれども、福祉用具に関しまして、貸与の適正化に関する調査研究ということでございます。
この10月から商品ごとの全国平均貸与価格の公表、そして、貸与価格の上限設定を行っているところでございます。
また、こういう改定を行った際の審議報告におきましては、今後、31年度以降も、おおむね1年に一度の頻度で見直しを行う等の内容が盛り込まれたところでございます。
これらが施行後の実態も踏まえつつ、実施していく旨、明記されたところでございます。
これらの見直し内容が、今月以降の福祉用具貸与価格や福祉用具貸与事業所の経営状況、提供されるサービス等に対して、どのような影響を与えたかを調査することを目的としております。
調査内容に飛ばせていただきますけれども、これは、全国の福祉用具貸与事業所を対象といたしましたアンケート調査によりまして、上限価格設定への対応及びサービス提供に与える影響について情報を収集する。
その中で、事業所の管理者に御回答をいただきます事業所調査、また、抽出されました利用者へのサービス提供状況等に関する利用者調査の2つを行うということでございます。
あわせて、介護保険総合データベースを活用いたしまして、制度施行後の貸与価格の変化を把握するというものでございます。
おめくりいただきまして(5)でございます。
「介護医療院におけるサービス提供実態等に関する調査研究事業」でございます。
新たに創設されました介護医療院につきまして、サービス提供の実態、介護療養型医療施設、医療療養病床からの移行状況を把握した上で、円滑な移行の促進、介護保険財政に与える影響の両面から、どのような対応を図ることが適当なのかを検討するべきとされておりまして、そのための基礎資料を得ることを目的としているものでございます。
目的に書いてございますけれども、①、②、③とございますが、サービス提供の実態の把握を行うこと。また、円滑な移行の促進に向けた課題を把握すること。そして、移行が介護保険財政に与える影響の検討に必要な情報を把握することを考えております。
調査内容といたしましては、介護医療院開設にあたっての取り組み、課題、利用者に実施されましたサービスの状況に変化があったのかどうなのかということでございます。
特に、生活施設ということがはっきり位置づけられておりますので、その生活環境を整えるための取り組みが、どのようなものがなされたかということでございます。
あとは、介護療養型医療施設等から介護医療院に移行していただく、そのお考えがある、なしということもお聞きすることでございます。
6枚目でございます。
事業番号(6)とございますけれども、こちらが「介護老人福祉施設における安全・衛生管理体制等の在り方についての調査研究事業」でございます。
こちらも平成30年度の審議報告におきまして、施設でどのようなリスクが発生しており、そのリスクにどのように対応しているかなど、その実態を把握した上で、介護事故予防のガイドライン等も参考に運営基準や、介護報酬上、どのような対応を図ることが適切なのか検討すべきであるとされているところでございます。
平成30年度は、介護老人福祉施設におきます介護事故等のリスクマネジメント、そして、自治体への介護事故等の報告に関する実態把握を行うということで、これとともに入所者が安全で安心した生活を送れるような施設の安全管理体制や自治体との連携のあり方を検討するということでございます。
目的の中にありますけれども、介護老人福祉施設におけます安全管理体制の実態を明らかにすること。
そして、介護事故等について、介護老人福祉施設から市町村への報告件数や報告方法等につきまして検証すること。
そして、市区町村(都道府県)において、介護老人福祉施設、加えて、ここには老健施設も対象となってございますことを付言させていただきます。それで、発生いたしました事故等の情報収集や活用状況等の実態を把握することということ。
調査内容としましては、その下にありますようなものを、それぞれ、介護老人福祉施設、そして、市区町村、そして、都道府県に対してお聞きするというものでございます。
最後、事業番号(7)でございますけれども、こちらは「介護老人保健施設における安全・衛生管理体制等の在り方についての調査研究事業」ということで、先ほどの介護老人福祉施設と対をなすものでございます。
趣旨、目的はほぼ同じでございますが、老健施設は、医療提供施設ということでございまして、医療処置等の実態を踏まえまして、事故、衛生管理、身体拘束、災害対応、家族等からのクレームへの対応状況などを明らかにするということを記載させていただいているところでございます。
調査内容は、介護老人保健施設の基本情報、職員体制。
そして、入所中に必要性が生じた検査、処置等の施設内外での実施状況。
そして、老人保健施設での事故や衛生管理、ここに書いてございますような状況をお聞きするということでございます。
以上が概要でございまして、資料4でございます。
資料4に関しましては、今、御説明申し上げました(1)から(7)のそれぞれの調査におきまして、施設票や利用者票、こういったものを、その後、別添1-1から7-1まであると思いますが、こういった別紙にありますような具体的な調査票をもって調査をさせていただきたいというものでございます。
御説明は、以上でございます。
〇田中分科会長 では、介護報酬改定検証研究委員会の松田委員長から説明をお願いします。
〇松田委員 松田でございます。
ただいま御説明をいただきました平成30年度の調査票につきましては、今月3日に介護報酬改定検証研究委員会において議論をいたしました。
主に、それぞれの調査目的に項目がちゃんと合っているのか、いろんな調査の中で、お互いに整合性をとらなければいけないものがありますので、そういう整合性のチェック。
それから、集めているデータが、後から後利用できるような組みを検証できないか、そういういろんなことを議論いたしまして、取りまとめました。
いただいた意見を踏まえまして、項目等の整理をいたしまして、資料4のほうにお出ししている調査票にまとめております。
一応、御報告を申し上げました。
〇田中分科会長 ありがとうございました。
では、ただいま説明のありました事項について御意見、御質問がありましたら、お願いいたします。
荻野委員、どうぞ。
〇荻野委員 ありがとうございます。薬剤師会の荻野と申します。
私からは、資料4の別紙3の部分でございますけれども「居宅介護支援事業所 事業所調査票(案)」ということで、まず、1ページ目に「2 併設施設の状況」という欄がございます。
(2)で、右左にそれぞれの施設の記載がございまして、右側の下から、その他の4番目に調剤薬局という名称の記載がございます。
この名称についてなのですが、正式には、余り調剤薬局という名称は使われないと理解をしておりまして、他の調査票も確認をさせていただきましたが、全て調剤薬局ではなくて、薬局という名称になっておったと思っております。
ですから、ここの記載も、ぜひ薬局という名称にしていただきたいということが1点でございます。
それから、同じ調査票の21ページの中段に「(5)服薬管理に関する取組の状況」という欄がございます。
その右側の欄に1)から4)までございまして、その中の4)のところの記載について、少し読ませていただきますが「利用者の課題分析を行う際に、服薬の副作用の影響を想定したアセスメントやモニタリングを行っていますか」と、そういった問いかけになってございます。
ここの質問の趣旨を確認した上で、私どもとしましては、服薬の副作用の影響という記載がございまして、副作用かどうかという判断は、薬剤師にとっても非常に難しい判断でございまして、やはり、医師と連携をとり、あるいはさまざまな状況を分析しながら副作用かどうかということを判断するわけでございますが、そういったことをアセスメントしていただくという問いかけが適当なのかどうかということを含めて、例えば、服薬状況というような表現に変えていただく等々のことを御提案させていただきたいと思っております。後ほど、また、その趣旨も含めて御説明をいただきたいと思います。
その上で、3つ目なのでございますけれども、30年改定の中で、平時からの連携の促進ということで、他職種、いろいろな職種との連携促進ということが書き込まれてきたと思っておりますけれども、そういった環境の中で、ぜひ薬局との連携状況ということも今後の調査の内容として、次回で結構でございますので、ぜひ、御検討をしていただきたいということを述べさせていただきたいと思います。
例えば、介護支援専門員の方とは、我々がふだん使っておりますお薬手帳を介して連携をしておりまして、患者さんごとにどなたが担当のケアマネージャーであるか、あるいはどちらのかかりつけ薬剤師にかかっているか、あるいは主治医の先生はどなたなのかというようなことも含めて、お薬手帳の情報で把握をし、連携をするということを日ごろ行っておりますので、そういったことも勘案をしていただきながら御検討いただければと思います。
私からは、以上です。
〇田中分科会長 事務局に発言を求められましたので、お願いします。
〇尾崎振興課長 振興課長でございます。3点ほど、御指摘をいただきました。
まず、1点目の1ページの表現ぶりでございます。調剤薬局の部分、いかがなものかということでございます。
こちらは、大変失礼をいたしました。他の調査票と同じように薬局という形に修正をさせていただければと思います。それが1点目でございます。
2点目は、21ページでございますが、服薬管理に関する取り組み状況のところで、服薬の副作用の影響を想定したアセスメントやモニタリングを行っているか、ここの部分の表現ぶりでございます。
趣旨としては、御指摘のとおり、ケアマネジャーさんが単独でということではなくて、医師や薬剤師と連携をすることによって、こういうことを行っていますかということを聞く趣旨でございます。
表現ぶりにつきましては、前回の調査票も同じ表現になってございますが、医師や薬剤師との連携によりという趣旨をはっきりさせていただく観点から、記載要領等に記載させていただくなりの対応をさせていただけるとありがたいと思います。
3点目の薬局との連携の状況についての調査でございます。
御指摘のとおり、薬局も地域の利用者さんの生活を支える上で大切なキープレイヤーの1人だと思ってございますし、連携も大切だと思ってございます。
そういった観点から、今後の調査の際に、いただいた御指摘も踏まえながら調査設計を考えさせていただきたいと思います。
以上でございます。
〇田中分科会長 石本委員、どうぞ。
〇石本委員 ありがとうございます。
1点質問なのですが、これは、基本的には紙媒体で送られて、それで回答するという認識でよろしいのでしょうか。
〇眞鍋老人保健課長 基本的には、紙媒体で配付をし、書いていただくということを想定しております。
〇石本委員 ありがとうございます。
私自身、現場にいたときに、この調査に忙殺されていたことを思い出します。このボリューム、内容が大事なのは重々承知しておりますし、こういったもので、しっかりと現場の実態が集められて、それがエビデンスになって、また、次の改定に生かされていくということは重々わかっているのですが、やはり、職場の負担感であったり、現場の負担感でありましたり、回収率を上げるというところの視点も大事だろうと思っておりまして、そういった中で、回答する側が回答しやすいためには、どうしたらいいのかなという視点は、今後、必要だろうと思うのです。
今回、そうしてほしいというわけではないのですが、例えば、ウェブ上で、何か回答ができるとか、何か回答のしやすさの工夫というのも、今後の視点の中でお考えいただけるとありがたいかなと思います。
〇田中分科会長 御要望ですね。
瀬戸委員、どうぞ。
〇瀬戸委員 点だけ質問なのですけれども、(3)の居宅介護支援事業所の調査に関してですが、今回の改定で、もう一つ大きなところは、3年後の主任ケアマネの管理者要件だと思うのですが、それについて今回のこの調査では、実態を問うような内容になっているかどうかを質問したいのと、もしなっていないのであれば、主任ケアマネがどれぐらいいて、取得の実態についても、いつ調査をするつもりなのかを教えていただきたいと思います。
〇田中分科会長 振興課長、お願いします。
〇尾崎振興課長 振興課長でございます。
御指摘の点につきましては、我々も問題意識として持ってございまして、調査票でいいますと、4ページの一番下の部分に管理者が主任ケアマネの資格を持っているか、持っていないかということを聞かせていただいています。
持っておられないという方もおられると思います。その方については、1個上の質問の(2)で管理者の方がケアマネとして業務経験がどれぐらいあるか、これがわかれば、研修を受ければ、主任ケアマネになれるかなれないかわかりますので、この組み合わせである程度実態がわかるのではないかと思ってございます。
以上です。
〇瀬戸委員 ありがとうございます。
ただ、その研修自体がかなり受けられないという声もありますので、その辺の調査もぜひどこかでしていただければなと思います。
〇田中分科会長 伊藤委員、どうぞ。
〇伊藤委員 資料4の別紙3-4という利用者本人調査票の37ページにQ10がありまして、「利用するサービスについて、特定のサービスや事業所を紹介されましたか」という設問ですけれども、「利用するサービスについて、特定のサービスや事業所を紹介されましたか」という表記では、意味がよくわからないと思いました。本人あるいは家族が記入ということが第1、第2に想定されているので、わかりやすくしていただいたほうがいいのではないかと思ったところです。「特定の」という表記もわかりにくいと思いますが、「利用するサービスについて、特定の事業所を紹介されましたか」でよくて、「サービス」という文言は要らないのではないかと思いますので、御検討をいただければと思います。
もう一つ、質問なのですけれども、資料4の別紙2-1、介護ロボットには、センサーは入らないということでよろしいのでしょうかということです。
そうだとしたら、そういうことにしたという今回の調査の目的をもう一回教えていただければと思います。
以上です。
〇田中分科会長 お答えください。
〇尾崎振興課長 振興課長でございます。
最初のほうの御指摘でございます。資料4別紙3の37ページの質問項目「利用するサービスについて、特定のサービスや事業所を紹介されましたか」。これは、質問がわかりにくいということで、「利用するサービスについて、特定の事業所を紹介されましたか」という形に修正したほうがいいのではないかという御指摘だと思います。
実は、前回の調査票もこのような表現になっているのですが、御意見もごもっともだと思いますので、修正できるかどうかを含めて検討をさせていただければと思います。
以上です。
〇田中分科会長 支援課長、どうぞ。
〇武井高齢者支援課長 高齢者支援課長でございます。
介護ロボットに関する調査につきまして、見守りセンサーについての取り扱いでございますけれども、この調査票の中では、今回の介護報酬改定の中で評価されました見守りセンサーについても、その活用状況について聞くこととしておりますし、また、それ以外の介護ロボット、移乗のロボットですとか、移動のロボット、それに関しても調査対象としているところでございます。
〇伊藤委員 そうしますと、別紙2-1の「介護ロボットの導入など」には、見守りセンサーも入っているということなのですか。
〇武井高齢者支援課長 入っております。
〇伊藤委員 では、どういうものが対象になるのかというのがもう少しわかりやすく書かれているほうがより正確な調査になると思いました。
以上です。
〇武井高齢者支援課長 御指摘ごもっともでございまして、今回、対象にしますロボットに関しましては、一覧表をつけまして、記入される方が選択しやすいように工夫することとしておりますので、御指摘のとおり対応していきたいと思います。
〇田中分科会長 安藤委員、どうぞ。
〇安藤委員 ありがとうございます。
資料4の別紙2-1「介護ロボットの効果実証に関する調査研究」の問い3の中に、ICT等の導入・活用状況についての設問がございます。
これは、介護ロボットと連動し得るものに限っての質問であると理解しておりますが、それでよろしいでしょうかということ。
あと、それであるならば、議題1の団体ヒアリングにもありましたように、介護の現場では、今後、ロボットと同じようにICTの導入も急速に進んでいくものであると考えております。
ですから、これは、介護ロボットと連動したICTということだけではなくて、今回の調査では入らないと思うのですけれども、別途ICT単体の調査も今後御予定されているのかどうかということにつきまして質問をさせていただければと思います。
〇武井高齢者支援課長 別紙2-1の10ページでございますけれども、まず、問い3の(1)のところでは、特に介護ロボットとの連動は関係なく導入の状況について確認をしておりまして、(2)のところでロボットと連動しているものがどれなのかということを聞くこととしております。
今回、対象となりますのは、介護ロボットを既に導入しているところ、また、今は導入していないところも含めて、その比較などもしていく予定としておりますので、この結果である移転の水準、ICTの活用の状況が見てとれるかと思っております。
〇田中分科会長 齋藤委員、どうぞ。
〇齋藤(訓)委員 質の評価に関する調査で、19ページの調査票を見ますと、アセスメント実施者の情報で、いわゆる有資格者について全て〇をするような形になっているのですけれども、施設系のサービスの中では、アセスメントは1人の有資格者のみでやっていることではなく、割とチームでいろんな観点からのアセスメントをしているのではないかと思いますが、この調査票では、いわゆるアセスメントにかかわった職種を全部選択するという理解でよろしいのかをお伺いしたいです。
〇田中分科会長 どうぞ。
〇眞鍋老人保健課長 このアセスメント実施者のところでございますけれども、ここは、1名選んでいただくようになっているのですけれども、ほかのところにもアセスメントを行った方に関しては、複数選べるようになっているところがございます。
ですので、1名選んでいくだけのものではないということで御理解をいただければと思います。
〇田中分科会長 当然ですね。よろしゅうございますか。
ありがとうございました。
平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査の進め方については、本日、皆様からいただいた御指摘や御意見等の反映については、私に一任いただくことになります。できる限り事務局で検討していただきます。
基本的には、改定検証・研究委員会で取りまとめられた内容でよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
〇田中分科会長 ありがとうございます。
本日の審議は、ここまでといたしますが、田部井委員、どうぞ。
〇田部井委員 その他のところでお願いしたいのですけれども、今月から訪問介護の生活援助の一定数以上のあれを含むケアプランについては届出制ということがスタートしました。
実際に動き始めて、市町村の動きであるとか、そういうところで、私もきちんと確認をしていないのですけれども、この居宅の事業所さんに発せられる文書で、これだと利用を制限するという方向に考えざるを得ないのではないかという文章もあるやに聞いておりますし、私も現実にケアマネージャーさんから純粋によくなったから減らしましょうということではなくて、こういう仕組みができたので減らさざるを得ないのですというような話を聞いて苦慮している利用者の声というのを聞いております。
もちろん、厚生労働省からは、これは決して利用制限ではないと、それから、利用者の同意を必ずとることということであるのですけれども、やはり、利用制限と受け取らざるを得ないような動きというのが現実に起こっていると言わざるを得ないと思いますし、同意と言いましても、例えば、ケアマネージャーさんから切々と、いろいろ大変なのですと訴えられたりすれば、それも含めて家族は同意をせざるを得ないわけです。純粋に中身として納得をして同意をするというよりも、そういう同意等もあり得る。でも、それは顕在化してこないわけです。
そうしますと、私は、この仕組みは、より適正なケアプランをつくるために資しているというところは少ないのではないかと。あるいは、それよりもむしろ、もちろんより適正なケアプランをつくることに資している面もあるかもしれないですけれども、その陰で利用者が泣いているということに、私たちの危惧よりも現実にそうなりつつあるのではないか。決して、そういうふうにしてはいけないのではないかと思っています。
実際に、厚生労働省として、市町村の動きで、これはいかがなものかという動きがあるか、ないか、あるいはそれについてどんなふうに対処しておられるか、あるいは直接ケアマネージャーさんなり、利用者の方からは、これは困るというような声が届いていたりということがあるとすれば、それについてどのようにお答えいただいているか、そういうことがありましたら、この場でお話をいただければありがたいと思います。
〇田中分科会長 事務局、お願いします。
〇尾崎振興課長 振興課長でございます。
田部井委員御指摘のとおり、今月から生活援助について、一定回数を超える場合のプランの届け出というルールが始まってございます。
このルールにつきましては、我々もサービスを制限するものではなくて、あくまでも利用者の自立支援、重度化防止にとってよりよいサービスを実現するためのものと思ってございまして、先週10月9日にもケアプランの議論の手引というのを我々から出させていただきましたが、その1枚目にもはっきりとその旨を書かせていただいているところでございます。
現時点で、このルールが入って困ったという声は、聞いてはございませんが、お問い合わせがあれば、当然、今回の制度の趣旨というものを丁寧に説明させていただきたいと思いますし、問い合わせがなくても、我々、今回のルールというのは、きちんとしたものとしていく必要があると思いますので、さまざまな関係者に情報提供をする場がありますので、そういう場を通じて今回のルールの趣旨を徹底していきたいと思ってございます。
以上になります。
〇田中分科会長 小原委員、どうぞ。
〇小原委員 この件につきまして、我々ケアマネージャーもいろいろな責任を持っていると思いますので、まずは、適切なアセスメントをしっかりやっていくということと、あくまでも、これは利用者さん本意に即してやっていくものでございますので、実態も含めまして、しっかりと対処をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
〇田中分科会長 では、本日も活発な御議論をありがとうございました。審議は、ここまでといたします。
次回の予定について、事務局から説明をお願いします。
〇川口企画官 事務局でございます。
次回の日程は、事務局から追って御連絡をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日は、これで閉会をいたします。
ありがとうございました。
〇田中分科会長 ありがとうございました。

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