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2018年6月21日 第26回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成30年6月21日(木)11:00~12:00

 

○場所

ホテルグランドアーク半蔵門 3階 華の間
東京都千代田区隼町1-1

○出席者

井口、田中、千葉、藤井、堀田、山本(敬称略)

○議題

1.平成30年度介護従業者処遇状況等調査の実施について
2.その他

○議事

○西嶋介護保険データ分析室長 それでは、定刻となりましたので、第26回「社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会」を開催いたします。
初めに、本日の委員の出席状況でございますけれども、全ての委員に御出席をいただく予定でございます。なお、藤井委員は、少し遅れて来られる予定でございます。
それでは、議事に入ります前に、お手元の資料について確認をさせていただければと思います。
資料1 平成30年度介護従事者処遇状況等調査の実施について(案)
資料2 平成30年度介護従事者処遇状況等調査 調査票(案)
参考資料 平成30年度介護報酬改定における介護職員処遇改善加算の見直しについて
資料の不足等がございましたら、事務局までお申しつけください。
それでは、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただければと思いますので、御協力をお願いいたします。
以降の進行につきましては、田中委員長、よろしくお願いいたします。
○田中委員長 おはようございます。
早速、議事次第に沿って進めてまいります。議題1「平成30年度介護従事者処遇状況等調査の実施について」、事務局より説明をお願いします。
○説明者 それでは、平成30年度介護従事者処遇状況等調査の実施案につきまして、説明いたします。資料1をごらんください。
最初に1ページをごらんください。まず「1.調査の目的」でございますが、介護従事者処遇状況等調査は、介護従事者の処遇の状況及び介護職員処遇改善加算の影響等の評価を行うとともに、介護報酬改定の基礎資料を得ることを目的としている調査です。
本調査は、これまで3年ごとの介護報酬の改定年に実施することを基本としつつ、その時々の政策上の必要性を踏まえて臨時で追加的に実施してきたところでございます。本年度は報酬改定年に当たりまして、定期で調査を実施する周期に当たりますことから、このたび本調査を実施することといたしまして、30年度の報酬改定の影響等を把握することとしております。
「2.調査時期及び公表時期」でございますが、これまでどおり10月に調査を実施いたしまして、翌年の3月に公表する予定としております。
「3.調査対象及び抽出方法・抽出率」ですが、29年度調査と同様とする予定でございます。
具体的な抽出率は、4ページに掲載させていただいてございます。こちらに記載のとおり、施設・事業所票の抽出率は昨年度調査と同じでありまして、従事者票の抽出率につきましても同じとしております。
なお、このページのそれぞれの表の※に記載しておりますが、本調査は、政府統計の一般調査でありまして、調査の実施に先立ち総務大臣の承認を受ける必要がありますため、本日お示ししている抽出率などの調査事項につきましては、総務省による審査の過程で変更があり得ますので、あらかじめ御承知おきください。
次に、資料の2ページ目、「4.調査項目」と「5.調査項目等の変更について」でございます。これまで調査内容については、賃金改善の状況を継続的に把握するための調査項目を設定するとともに、加算の算定要件の変更などを踏まえて調査項目を見直してきたところでございますが、3ページの主な変更点をごらんいただきながら、御確認いただければと思います。
左から27年度、28年度、29年度、30年度案を表示しております。本年度は定期の調査でございますので、29年度の臨時の報酬改定も踏まえつつ、30年度の報酬改定後の処遇の状況等を把握するため、従前の調査に準じた内容に戻すこととしております。
具体的には、下から3つ目の枠ですけれども、前回の調査において加算(I)にかかわる調査項目を追加するために削除しました、加算(II)の届け出を行っていない事業所について、キャリアパス要件(I)またはキャリアパス要件(II)を満たすことが困難とする具体的な事情、及び下から2つ目の枠でございますが、処遇改善加算の届け出を行っていない事業所のうち、「対象の制約のため困難」または「事務作業が繁雑」と回答している事業所について、具体的な事情を把握するための調査項目を追加することとしています。
一方、今回削除する項目ですが、前回の調査は29年度の介護報酬改定を受けて加算(I)の効果を把握する内容に重点化したところでございますが、今回はより上位の加算の取得に資する調査項目を優先することといたしまして、加算(I)につきましては、最小限の項目を設定するとともに、これまでの調査結果においておおむね傾向を把握できている特別事情届出書の提出状況を把握する設問は削除することとしております。
なお、その他の調査項目については、調査年度の修正と形式的な変更を除いて、変更はございません。
続きまして、資料2をごらんください。資料2は30年度調査の調査票案でございます。本日は時間の関係もありますので、前回の29年度調査からの変更点を中心に御説明いたします。
まず、5ページをごらんください。5ページには、加算(III)、(IV)、(V)を取得している事業所に対する設問をまとめております。変更点は黄色で着色させていただいております。
まず、問2の(7)でございます。こちらはすぐ上の問2の(6)において、加算(II)の取得が困難である理由として、「1 キャリアパス要件(I)を満たすことが困難」を選択した事業所に対して、キャリアパス要件(I)を満たすことが困難な具体的な事情を聞く設問でございます。こちらは前回の調査において、加算(I)にかかわる項目を追加するために削除した項目になりますが、平成28年度調査では、旧加算(II)から(IV)を取得している事業所が、旧加算(I)のキャリアパス要件(I)を満たすことが困難な理由を把握するために設けていた設問になります。今回は定期に実施する調査ですので、従来と同じ項目を設定し、継続的に把握させていただくこととしております。
その下の問2の(8)は、問2の(6)において「2 キャリアパス要件(II)を満たすことが困難」を選択した事業所に対する設問で、こちらにつきましても、従来と同じ項目を設定して、キャリアパス要件(II)を満たすことが困難な理由を継続的に把握させていただくこととしております。
続いて、6ページをごらんください。6ページには、処遇改善加算を取得していない事業所に対する設問をまとめています。
まず、問2の(10)でございます。こちらはすぐ上の問2の(9)において、処遇改善加算の届け出を行わない理由として「1 対象の制約のため困難」と回答した事業所に対する設問で、届け出を行わない具体的な事情を把握させていただこうというものです。
この設問につきましても、5ページに追加した設問と同様に、29年度の調査において加算(I)にかかわる設問を追加するために削除した項目になりますが、このたび改めて追加し、継続的に把握していこうというものであります。
その下の問2の(11)につきましても、平成28年度調査と同様に、問2の(9)において「2 事務作業が繁雑」と回答した事業所における具体的な事情を継続的に把握させていただこうというものであります。
なお、先の平成30年度介護報酬改定に関する審議報告におきまして、加算(IV)及び加算(V)は一定の経過措置期間を設けた上で廃止することとされていることを踏まえまして、5ページ及び6ページに追加した項目のうち「その他」を選択した場合には、具体的な内容を記入していただきまして、きめ細かく把握していくこととしております。
今回の平成30年度調査案において新たに追加した調査項目は、以上になります。
また、今回の調査で削除する項目につきましては、先ほど説明させていただいたとおりでございます。
最後に、調査票の構成になりますけれども、1ページから3ページまでは全ての事業所に回答いただいて、以下、4ページにつきましては加算(II)を取得している事業所に、5ページは加算(III)から(V)を取得している事業所に、6ページは加算を取得していない事業所に回答いただくといった形にしておりまして、回答する側にも配慮した工夫をさせていただいたところでございます。
その他の調査項目につきましては、時間の関係もございますので、説明は割愛させていただきます。
事務局からの説明は以上でございます。
○田中委員長 ありがとうございました。
ただいま説明のありました事項について、御意見、御質問がございましたら、お願いいたします。
千葉委員、どうぞ。
○千葉委員 今、説明いただいたとおり、今回の調査は定例調査に戻ったというか、3年ごとの調査に戻ったということで、前回の29年調査の調査設計のときも申し上げたのですが、前回の調査は、ちょうどあのときできた新しい加算(I)のところを深掘りしようという臨時調査だということで、逆に言うと、それを深掘りするために全体のボリュームをふやさないという配慮から、それまでの定例調査の項目を外したということでありました。あのとき申し上げたのは、臨時調査で削除した項目について、ずっと外しっ放しにしないでくださいということでした。今夏の調査設計においては、その点についての御配慮があったのかなということでございます。そういう意味では、今回の調査内容はまた本来の継続的な調査、状況把握に資する調査に戻ったと思っております。
単に前にやっていたからやるという前例主義というよりは、その調査の必要性というところで、今の事情、現場を深掘りできる情報が必要かと思います。今回の調査で復活したものは、いずれもそれに当たるのではないかと思っているので、基本的にはこの修正案でよろしいのではないかと思います。
以上です。
○田中委員長 事情が去年と違うから、もとに戻るほうが正しいと言っていただきました。ありがとうございます。
委員の皆さん、この調査になれてしまったから質問がないかもしれませんが、しかし、テクニカルにここはおかしいと御指摘いただいたり、あるいは確かめるたりする質問でも結構です。お願いします。
藤井委員、どうぞ。
○藤井委員 委員長がおっしゃったので、大変細かいことで恐縮ではあるのですけれども、調査票の3ページの一番下の問2の(3)からそれぞれに飛んでいくということになっているのです。本当にテクニカルなことなのですが、問3にお進みください、問2の(4)にお進みください云々と記載されているところ、3ページ以降全部そうなのですけれども、問2の(2)、問2の(3)という書かれ方をしていないために、3ページから問2の(4)に飛ぼうとすると、これは4ページの(4)と書いたところに飛ぶことになっているのですけれども、これが問2の(4)であることがわかりにくくなっているかなと思います。これは同じページなのでいいですけれども、問2の(6)に飛ぶには5ページに飛ばなければいけないのです。これまでこれでやっていて余りミスがないのであればいいのですけれども、改めて見ますと、もう少し丁寧に「問2」とつけていただいたほうが、よりミスが減るかなということに今改めて気がつきましたので、指摘させていただきたいと思います。
それに関連して、今、千葉委員がおっしゃったように、黄色の部分が復活したということは、本当に千葉委員の御指摘されたことが適切に反映されたということで、これでいいと思うのですが、5ページに関しては、そもそもの制度の文言といいますか、書き方に倣いながら書いていることですから、回答の選択肢はこのとおりでいいと思うのですけれども、戻すということですから、改めて文言がわかりやすいのかとか、あるいは過去に回答率が悪いとか、その部分を見ていただいたときに、6ページの問2の(10)、(11)に当たるところなのですけれども、一つ一つの文章が非常に長くてわかりづらい気がしますし、ここまで厳密に書かなくてもいいのではないかという気がいたします。改めて戻すという機会でございますので、過去にデータをとられたときに無回答が多いとか、そういうことがないようであれば、これで十分調査のフィージビリティーがあるということだと思うのですけれども、ここで無回答が多いなということであれば、もう一回文言は改めて見ていただいたほうがいいのかなと。特に、問2の(11)の「3 勤務時間や勤務日数等に応じて、処遇改善加算の総額から個々の職員の支給額を算定する事務作業が繁雑であるため」というのは、もうちょっと省略も可能ではないかと思ったりしたものですから、そのあたりを改めて見直していただければと思います。
以上です。
○田中委員長 アドバイスをありがとうございました。
検討してください。
○説明者 御指摘ありがとうございます。
問何番とつける部分につきましては、どこまで工夫できるかは考えさせていただきたいと思います。
また、文言の件でございますけれども、もともと通知に従って記載さてもらっているところですが、この点につきましても御指摘いただいた内容を確認させていただき、どこまで工夫できるか考えたいと思います。
以上でございます。
○田中委員長 私からも質問を1つ。10月1日までに介護医療院になっていた場合、それはデータから除くのですか。それとも同じ職場で看板が変わっただけと考えて入れるのか、事業種別が変わったから排除するのか、当たったところはどのように対応するのでしょうか。
○説明者 介護医療院の取り扱いにつきましては、この調査はもともと前年度と今年度ということで2年分を確認させていただく調査でございます。介護医療院は今年度から施行された施設類型でございますので、仮に介護医療院に転換していた場合には、今回の調査においては対象にならないという扱いとする予定でございます。
以上でございます。
○田中委員長 同じ職場で同じ人が働いていても、看板が変わったから外してしまうのですね。
○説明者 もう少し細かなところを申し上げますと、介護医療院につきましては、現状では母集団がない状況でございますので、全国推計ができないことから、そういう点も鑑みまして、集計の対象から外すということでございます。
以上でございます。
○田中委員長 それは理解します。介護医療院を調査対象にしろとの意見ではなくて、介護療養病床を持っていたところが答えようとしたけれども、実はうちは介護医療院になっている法人はどうしますかを尋ねた質問です。
○説明者 その点につきましては、調査への回答につきましては不要とさせていただくことにしております。失礼しました。
○田中委員長 ありがとうございます。
どうぞ。
○藤井委員 今の点なのですが、前回申し上げたのは、この加算をほぼ満額にとりつつある中で、介護療養型医療施設がとっている比率が非常に低いと。将来的に介護療養型医療施設は廃止ということですので、改めてという気だったのだけれども、介護医療院という形で残るからには、改めて介護療養型医療施設の加算の取得状況が低いことを問題にすべきではないかという意見を申し上げたところなのです。そういう意味では、介護療養型医療施設あるいは介護医療院のデータがどうなっていくかというのは結構重要なことだと思っております。
技術的に母集団が捉えられていない状況で今回の調査は介護医療院を外さざるを得ないということは結構なのですが、田中委員長がおっしゃったように、私のところに調査票が来たけれども、これは関係ないなと思われた方が、そのまま回答しないということとして扱うのか、それとも、私のところは介護医療院になったから返しますよという処理をするのとでは、ちょっとデータの見方が違ってくると思うのです。回収率が低いことそのものも問題にしたいと思いますので、回収率に当然影響が出ると思いますので、ぜひ、今から可能なのかどうかわかりませんが、介護医療院に転換した場合にはこういう形でお返しくださいとしていただいて、回収率を見るときに、介護医療院であったがゆえにこの回収率が低いとか、回収率そのものが低いというのは、言い方は悪いですけれども、介護療養型医療施設あるいは介護医療院というのが介護職員の給与を引き上げることに対してどうも前向きではないのではないかと考えられ得ることであります。回収率が低いということも、調査に関して御協力いただけないという意味では同じようなものとして考えられますので、回収率を見る上で、介護医療院であれば答えないということで統一していただくのも結構だと思いますので、介護医療院になったので答えないという形で返送していただくようにしていただければと思います。
ついでに、対象のことが出ましたので言わせていただきますと、今回が3年に1回の本調査ということなのですけれども、事実上、処遇改善加算が前倒しでやられたということですから、前回の調査と基本的には変えないほうがいいだろうと理解しております。ですので、今回直ちにということではないのですけれども、今回の調査対象を最初に設定して以来、こういう調査ですから、いつ見直すかというタイミングがあると思います。今回見直すべきではないという前提で申し上げているのですが、例えば、小規模多機能型居宅介護というのは非常にふえておりますし、介護職員の方にも人気のあるサービスの一つであるということもありまして、そこの介護職員の給料がどうなっているのかというのは見ておく必要がありますので、いつかのタイミングでこの対象を見直すことを、本調査に関係ないのですが、今回だけではないということで、介護医療院の話も中長期的にテークノートしておいていただければと思います。
以上です。
○田中委員長 ありがとうございます。そうですね。小規模多機能がふえていますものね。
山本委員、どうぞ。
○山本委員 今回の調査項目をふやすといいますか、復活させることにつきましては、より現場の実態を把握するという趣旨におきまして、私も賛成をさせていただきます。
その点で、ちょっと細かい質問になるのですけれども、2点ございます。6ページのところで追加されるといいますか、復活する設問が入っておるのですけれども、それの(10)です。「対象の制約のために困難」であると書かれた場合に、どういう制約がということをより突っ込んで聞くことで、これは非常に重要だと思います。より現場の実態を深く理解するという意味では、「その他」のところでより実態的なところがつかめてくればいいのかなと思うのです。ただ、ここをむやみやたらにふやすと書く側の手間もふえるというのは承知の上で申し上げるのですけれども、賃金バランスがどうであるというような質問があるのですが、私の観点からすると、賃金、給与だけではなくて、処遇改善という意味でいきますと、今、働き方改革という観点からすると、勤務実態の管理をするための仕掛けをどうつくっていくのかというような仕掛けづくりのところにお金を使うであるとか、あと、私が現場でクライアントの方といろいろお話をしておりますと、介護の方は現場での実務的なところでも非常にお忙しいところはあるのですが、終わった後の間接業務というのでしょうか。いろいろな日報書きであるとか、特に訪問系の方は、行って帰っていろいろ事務処理をまとめているのが非常に煩雑だというお話もされておりますので、そういうところで最新のIT機器を導入しながら職場の改善をしていくというのでしょうか。これも一つの処遇改善だと思います。
ですので、そういうところにも使えないのかというような、財源の使途というのでしょうか。使い道みたいなところでのいろいろな御意見もいただいたほうがいいのかなと。これまでの議論でもそういう話題も出ておりましたので、それをその他のところにどこまで書くかという論点もあるのですが、細かい点ではあるのですけれども、あえてそういう意見を申し上げさせていただきます。
同じように、次の(11)の設問でも、「事務作業が繁雑」であるということで、下の注のところにも、どのように作成したらよいかわからない場合も含むと書いていただいているのですが、もっと具体的に、何がわからないのか。そもそもこういう情報が伝わっていないのかもしれないし、この報告書、計画書をつくるためのいろいろなデータ項目があると思うのですけれども、このデータ項目が書きにくいのではないかとか、もっと実態を把握するという意味では、細かいところまでわかってくれば、次の改善のためのアクションも打ちやすいのではないかと思います。「5 その他」も、括弧があって、具体的にと書いてあるのですけれども、こちらのほうから手を差し伸べるような設問もよろしいのではないかと思いました。
ただ、繰り返しになりますけれども、書く方の手間をふやしたいという意図で申し上げておるのではないということは付言させていただきます。
以上でございます。
○田中委員長 ありがとうございます。3年前に比べると働き方改革の議論も進んできましたので、処遇改善が賃金だけではないとの御主張は当然ですね。ただ、この調査が向いているかどうかは別なので、厚労省の持っているさまざまな研究の手だて、あるいは諸団体が持っている自発的な研究等で、今、言われたように、賃金だけではなく、ICT等を使う労働時間の削減とか、保育園や託児所をつくる働き方支援とか、そういうものも調査すべきでしょうね。この調査が向いているかどうかは別の話ですが、御指摘ありがとうございます。
堀田委員、どうぞ。
○堀田委員 今の山本委員と藤井委員の御意見と重なる部分もありますが、当初、この処遇状況調査を始めたときに、まさに今の山本委員のような御指摘にも対応するために、資料2の調査票で言うと問3のところで質問項目をいろいろと検討した記憶があります。今のICTだったら(H)のところに入っていますけれども、いろいろな項目を幅広に設定した経緯はあって、ただ、これは今年度見直してほしいということではないのですが、2つありまして、当初検討した記憶がある(A)から(U)に至る項目も、その後、もっと新たな形で給与以外の労働環境の改善ということで取り組まれるようになってきた中身もあるのではないかと想像しますので、こちらの検討ということも今後あってもいいのかもしれないというのが、これに関する1点目です。
それから、この調査を始めたときに、処遇改善の加算の届け出をしているのかどうかということと、給与等の引き上げ以外の処遇改善状況の関連についても見ようということを申し上げて、問3のとても面倒くさいものを入れるべしというようなことをやっていた記憶があるのです。他方で、その後、この調査をやりながら、そういった分析をしていたかしらというような気もしまして、今、委員長もおっしゃってくださいましたが、ほかの調査でさまざまな処遇改善の状況を見ることもできますけれども、山本委員の御指摘と重ねると、問2のところで、その他に書いていただくというのも結構ですけれども、加算の状況と後ろの動向を組み合わせて検討してみるということもやられる余地があるのではないかと思いますというのが2点目です。
それから、さかのぼりますと、藤井委員の御指摘のことを私も今ごろになってふと思っていまして、そもそもこの調査の調査対象の事業種別はどうやって決めたのかしらと。まさに小規模多機能は5,000事業所ぐらいあるにもかかわらず、何で入っていなかったのだっけと思いまして、これも現実的に今期から加えてほしいということではないのですが、私も同じ意見で、今後、調査対象の事業種別についての再検討ということもぜひとも考えていただきたいなと思います。
以上です。
○田中委員長 ありがとうございます。
何かお答えはありますか。
○説明者 補足説明という形になるかもしれませんけれども、まず、堀田委員から御指摘のあった1点目の(A)から(U)のお話でございますが、こちらは職場環境等要件ということで通知に定めている項目に準じて記載させていただいているところでございます。
2点目の調査対象ですが、この調査は、特に介護職員の給与の把握が重要という観点から、全ての介護職員数に占める割合が高いサービスを対象とするということで実施してきたところでありまして、例えばお話のありました小規模多機能を見ますと、全介護職員に占める割合は、現行の調査対象サービスよりは比較的低い状況があるということで補足させていただきたいと思います。
以上です。
○田中委員長 井口委員、お願いします。
○井口委員 調査を重ねるごとに介護職員の給与改善の効果は着実にあらわれていると思います。十分かどうかは別として、この3年間を見ましても、1万3,000円から1万円程度の増額という数字が出ているわけでございます。介護の仕事といいますと、一部には、仕事のしがいはあるけれども、安くて重労働だというイメージがあるので、厚生労働省の宣伝がうまいかどうかは別として、処遇改善が行われているということについて国民の皆様にしっかりお知らせをして、介護の仕事に一層関心を向けてもらうことが非常に大切だと思いますので、今後ともこうした形で調査を行い、その調査の結果に基づいてしっかりと対応していただければありがたいと思います。要望です。
○田中委員長 大きい時代の流れからいうと大切な点ですね。
藤井委員、どうぞ。
○藤井委員 済みません。調査票でまた細かいことに気がついたというか、確認したいのですけれども、17ページに一覧表がございまして、いろいろ工夫した結果こうなったのだと思うのですが、(9)の資格の取得状況の12番の認知症関係の研修修了者ということで、これがイメージしているものは何を挟んでいるかということはわかるのですけれども、昨年度ではなかったかと思うのですが、認知症室の所管になっている認知症介護基礎研修というのがあるかと思うのです。施設職員の方に1年目か2年目ぐらいに認知症のことを勉強してもらうためのプログラムができたと思うのですけれども、それもマルをしてしまうのではないかという気がするのです。それは趣旨ではないと思うのです。たしかその研修の場合は、施設職員の方が全く研修等を経ないで無資格で入られたケースに、認知症のことは勉強していただく必要があるということで認知症室が特別につくられたプログラムで、まだまだそんなに広がっていなかったように記憶しているのですけれども、それの混乱があるといけないかなということで、大変細かいことですが1点。
それから、委員長が先ほどおっしゃったように、この調査でやるかどうかといいますか、この調査は給与を把握することが目的ですし、かなりの量をやりますので、この調査でということではないのです。ただ、先ほど堀田委員の意見を聞いていて改めて思ったのは、ずっとやっていたことを今後見直す方向性といいますか、例えば介護福祉士の給料をもう少し見たほうがいいのではないかとか、あるいは今使っているお金を介護職員以外にも使えるようにという声は、山本委員がおっしゃったのもありますし、あるいは関係者はほかの職種に使いたいという声も大きくなっているということがあります。それから、そもそも介護職員の給料のためだけに加算をつけ続けることの意味といいますか、緊急的にやらざるを得ないという理解はしているのですけれども、やはりちょっとゆがみをもたらすのではないかと。わかりやすく言うと、介護職員の方の給料を上げたほうがいいという政策的な方向性はわかるのですが、地域によっては、その他地域でくくっている中には給料がもともと全般に低い地域もありますので、既にかなり給料が高くなっていて、他の産業の人を奪いかねないという実態を時々耳にいたします。これは施設の経営者等がおっしゃっておられまして、施設の求人を地域で出したら行政にクレーム的なことを言われたと。その給料で出されると、例えば地域の観光業に従事している人が全部そちらに行くとかですね。だから、他県で募集せよということを言われたという話を耳にしたことがございます。
そういう状況の中で、全般としてはこの制度がすぐになくなることはないと思うのですけれども、地域によってはとか、あるいは違う形でという話はそろそろ出てくるのではないかと思います。そうは思うのですけれども、この調査では、1つはここで膨大なデータをとっておりますので、堀田委員がおっしゃったような分析がし切れていない部分は、こういう調査のデータをもとに、あるいは何かほかのデータと突合する等して分析することを老健事業でやられることもあると思いますので、今後の政策を展開する上での分析もしっかりやっていただきたいなと思っております。
それに関連して、前から申し上げているのですが、加算(I)が大変でとれないというのが、私が経営者と話をしたり、事務担当者のやっていることを見るにつけ、よく理解できないのです。これは山本委員がおっしゃったことなのですけれども、これをこの調査でやり切るには限界があると思いますので、実際に非常に難しいとおっしゃっている事業所に、何がどう難しいのかを個別に把握するといった質的な調査みたいなものを老健事業であわせてやっていただいて、ほとんどのところが加算をとれるというところまで来たと思うのです。問題は、介護療養型医療施設という大きな枠があるとして、今度は(I)がとれないのはなぜだろうかということを本気で考える上でも、事務負担の大変さとか、おっしゃる部分は何なのか。あるいは職種により、施設によりアンバランスが生ずるというものも、給与設計等を考えればやりようは幾らでもある話なのかもしれないとか、そういった話の細かい点に、せっかくやっている制度ですから、よりよく使っていただくような研究をやっていただいてもいい時期かなと思います。
以上です。
○田中委員長 ありがとうございます。
このデータをもとに研究をすることは必要ですね。先ほど堀田委員が言われた7ページの問3も、項目としては入っていますが、これは経営者側が前回より充実したと答えているだけで、それで効果があったかどうかはこの調査からはわかりません。研究者としては、このデータを出発点に何らかの研究を進めていきたいですね。この調査の外側ですが、そういう方向も感じます。
ほかによろしいですか。
繰り返しますが、これだけの調査は、研究者として見たらデータの宝庫です。これにもう一歩踏み込んで調べたくなります。今後はこれを給付費分科会に上げることになるわけですね。
以上で、特にございませんか。
ありがとうございました。
本日の議題1については、きょう、提示させていただき、皆さんから意見を頂戴しました。基本は当委員会として了承し、後日開催される介護給付費分科会に報告することでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○田中委員長 一部はテクニカルな修正が入るかもしれません。大きな修正は今日はなかったですけれども、ちょっとした、問幾つとつけるなどの指摘への対応が可能かどうかは私と事務局に一任していただくことになりますが、よろしいですね。

(「異議なし」と声あり)

○田中委員長 本日の議論はここまでといたします。
次回の予定について、事務局より説明をお願いします。
○西嶋介護保険データ分析室長 本日はありがとうございました。
次回の日程等につきましては、事務局より追って御連絡をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○田中委員長 では、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

(了)

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