ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(介護給付費分科会)> 第159回社会保障審議会介護給付費分科会議事録(2018年4月4日)

 
 

2018年4月4日 第159回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成30年4月4日(水)16:30~19:00

 

○場所

ベルサール半蔵門 ホール(2階)
東京都千代田区麹町1-6-4

○出席者

安部、安藤、井口、石田、石本、伊藤、稲葉、井上、小原、齋藤(訓)、齊藤(秀)、佐藤(小玉参考人)、鈴木、瀬戸、武久、田中、田部井、東(江澤参考人)、福田(福田(貢)参考人)、堀田、本多、松田(敬称略)

○議題

1.平成27年度介護報酬改定の効果検証及び研究調査に係る調査(平成29年度調査)の結果について
2.平成30年度介護報酬改定の効果検証及び研究調査に係る調査(平成30年度調査)の進め方及び実施内容について
3.平成29年度介護従業者処遇状況等調査の結果について
4.その他

○議事

○鈴木老人保健課長 それでは、定刻となりましたので、第159回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席賜りまして誠にありがとうございます。
本日の委員の出席状況ですが、大西委員、亀井委員、河村委員より御欠席の連絡をいただいております。なお、武久委員は、遅れていらっしゃる御予定です。
また、本日は、佐藤保委員にかわり小玉剛参考人、東憲太郎委員にかわり江澤和彦参考人、福田富一委員にかわり福田(貢)参考人に御出席いただいております。
以上により、本日は18名の委員に御出席いただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告いたします。
また、委員名簿にも記載させていただいておりますか、4月1日付けで田中分科会長が埼玉県立大学理事長に就任されておりますので、御紹介させていただきます。
続きまして、事務局に異動がありましたので、御紹介させていただきます。
介護保険指導室長の山本亨でございます。
○山本介護保険指導室長 山本でございます。よろしくお願いいたします。
○鈴木老人保健課長 それでは、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきます。撤収方、御協力のほどよろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○鈴木老人保健課長 では、以降の進行は田中分科会長にお願いいたします。
○田中分科会長 新年度第1回です。皆さん、こんにちは。
本日は、平成29年度の改定検証調査の結果、平成30年度の改定検証調査の実施内容及び平成29年度介護従事者処遇状況等調査の結果などについて御議論いただきます。
事務局より、資料の確認をお願いします。
○鈴木老人保健課長 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。
まず、議事次第と委員名簿がございます。
その後ろに、資料1、「平成27年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査の結果について(案)」というものがあります。それから、資料1の関連で、資料1-1から資料1-5まで、全部で5種類の資料をつけさせていただいております。
続きまして、資料2が、平成29年度調査の「評価シート」。
資料3「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査の進め方について(案)」です。
資料4が「平成30年度介護報酬改定を踏まえた今後の課題及び次期改定に向けた検討について」。
資料5「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査の実施内容について(案)」。
資料6、7、8が処遇改善の調査の関係になります。
資料9「介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会の検討結果について」というものがついております。
それ以外に、参考資料1から参考資料5までの資料がございます。
また、メーンテーブルには、平成29年度調査の5本の調査報告(案)冊子を置いております。大部でございますので、傍聴には資料としてお配りしてございません。介護給付費分科会で御承認いただいた後、当省のホームページに全て掲載いたします。
資料の不足等がございましたら、事務局にお申しつけください。
○田中分科会長 ありがとうございました。
ここから、議事次第に沿って進めてまいります。議題1と議題2については、一括して議題とします。
まず、事務局から資料の説明をお願いします。その後、委員会における議論の状況については、松田委員長から概要を御説明いただきます。
お願いします。
○鈴木老人保健課長 まず、関連しております資料1をあけていただければと思います。「平成27年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成29年度調査)の結果について(案)」でございます。
この調査につきましては、報酬改定の際に速報値という形で中間報告を一度させていただきました。その後に、それぞれのデータが全てそろいましたので、いわゆる確定という形でデータをそろえたものでございます。
調査の内容でございますが、ここにあります(1)から(5)。(1)は、定期巡回・随時対応サービスを含む訪問サービスの提供状況に関する調査研究事業。(2)医療提供を目的とした介護保険施設等の施設の役割を踏まえた利用者等へのサービスの在り方に関する調査研究事業。(3)認知症対応型グループホームにおける医療の提供等に関する調査研究事業。(4)介護保険制度におけるサービスの質の評価に関する調査研究事業。(5)訪問看護のサービス提供の在り方に関する調査研究事業ということで、これらについて調査を行っているところでございます。
その後、資料1-1から概要版を載せさせていただいておりますが、過去に一度、速報値ということで提出させていただいておりますので、そこから変更があった箇所について中心に御説明させていただきます。
まず、資料1-1の定期巡回の関係の調査ですけれども、これにつきましては、前回の速報値と変わっておりません。傾向につきましても、速報値で示した傾向と変わっておりませんので、これについての説明は省略させていただきます。
それから、資料1-2、医療提供を目的とした介護保険施設等に関する調査でございますが、変更がありましたのは9ページになります。医療提供を目的とした介護保険施設等の施設の役割を踏まえた利用者等へのサービスの在り方に関する調査研究事業で、介護療養病床、療養病床、参考として老健、それぞれにつきまして、その入所者に対してどのような検査等が実施されているかということについて、新たに今回、調査をまとめて追加させていただいているところでございます。
続きまして、同資料の15ページになります。この調査につきましては、今回、入院患者もしくは入所者の基本情報でタイムスタディを行っておりまして、そのタイムスタディの対象者についての基本的情報を載せさせていただいております。
それから、16ページが実際にタイムスタディを行ったときの結果になりますが、左のほうですけれども、ケアの状況ということで、直接的なケアの時間について、看護職員、介護職員、リハ職、それぞれ患者1人1日当たり、どの程度、提供されているのかということで表をまとめているところでございます。
これを見ていただきますと、一番多いのが療養機能強化型でございまして、看護職員が203.6分、介護職が254分、リハ職が37.8分ということで、500分弱のケアが提供されているということになっております。療養病床入院基本料2、これは医療療養のほうでございますが、このケア時間が一番短かったということになります。
一方で、老健につきましては右側にありますが、一番多かったものが療養機能強化型、いわゆる転換老健がこういったケアが多かったということになります。ただし、リハだけで見ますと、在宅強化型のリハ職の関与が48.8分ということで、ここが一番高くなっているという状況になっております。
続きまして、17ページになりますが、ここも新しく追加されているところでございます。これらにつきましては、それぞれの入所者に対しまして、一番上が寝たきり後の状況とか、その状況に応じまして、ベッド上でケアを受けた時間がどれだけあるのか等について、左側のほうで療養病床の関係をさせていただいています。
右側のほうにつきましては、同じようなことを老健で行った場合について、どのような状況になっているかということでございます。こういったことで表をまとめさせていただきました。
18ページも新しく追加されているものでございますが、夜間の直接的なケアを提供した時間について、療養病床、それから老健について表をまとめさせていただいております。
次の19ページにつきましても同様で、これは夜間の看護職員の関係で、看護職員でどれだけ提供されているのかということで、それぞれの施設形態において、どれだけ時間数が割かれているのかということをタイムスタディによってあらわしたところでございます。
資料1-2につきましては、以上が新しく追加されているところでございます。
それから、資料1-3、今度はグループホームの関係の調査でございます。
今回、ここで新しくされているのが11ページになります。介護保険サービスにおけます認知症高齢者に対する入退院支援調査ということで、入退院の連携がされているのか、どのような連携をしているのかということについて、それぞれ認知症の方々がいらっしゃいますグループホーム、それ以外に居宅介護支援、特定、小多機、特養で、それぞれどれだけの割合の方々が連携されているのか。
それから、Q2-6ですけれども、情報提供はいつごろされているのが一番多いのかということで、こういったことできちんと連携されているかどうかということを、今回、調査したところになります。
それから、新しくなっているのが13ページになります。特に退院時の関係について、入院中、退院後、随時という形で、左側にあります施設形態の中で、どのような対応がされている方がどれだけいらっしゃるのかということを一覧表にさせていただいております。
続きまして、14ページは退院時の受け入れに係る支援ということで、グループホームの認知症であることによる支援の内容の差異があるのかないのかということで、こういった調査をさせていただきました。
これらによりまして、グループホーム等におけます、いわゆる医療機関からの入退院の連携というものの加算の評価を行ったということになっております。
続きまして、資料1-4は、介護保険制度におけますサービスの質の評価に関する調査研究事業でございますが、これにつきまして新しくなったのが15ページ以降になります。個別のアセスメントにつきましては、前回の調査でさせていただきましたが、15ページ以降につきましては、アセスメント様式の互換性があるのかないのかということについて、各施設におきまして直接ヒアリングを行わせていただきまして、それらの調査様式の互換性の有無について、まとめたものでございます。これが15ページから最後の20ページまで、ずっと続いているところでございまして、こういった互換性を踏まえて、今後、質の評価、データベースのつくりの内容について検討していきたいと思っております。
それから、資料1-5、訪問看護のサービス提供の在り方についてでございますが、ここにつきましては、資料等の表が細かくなっているところがございます。
例えば、3ページになりますが、右側に訪問看護を専門に担当する部署で実施する場合の人数でございますけれども、これにつきまして、前回ですと病院と診療所だけで分けておりましたが、今回は病院の中でも200床以上と200床未満で、どのような差があるのかということを改めて分析したということになっております。病院全体では、3人未満は44%ですけれども、200床未満のところのほうが51.2%で、高くなっているという結果になっているところでございます。
ということで、一部のものにつきまして、病院の内訳を200床以上と200床未満ということで分けて分析しているというのが今回の変更点になっているところでございます。
それから、飛びますが、12ページになります。ここは、新しく評価が追加されたところになっております。左下になりますが、認知症高齢者の日常生活自立度の関係で、要支援者で訪問看護ステーションを利用している人の中で、日常生活自立度がどうなっているのかということでございますが、自立している人が約40%、病院・診療所を利用している人は約42.2%という結果が出ているところでございます。
大まかなところは以上でございます。
続きまして、これを踏まえまして資料2をごらんください。改定検証委員会のほうで、今回の事業の(1)から(5)について、それぞれ評価していただいているところでございます。その評価結果がここでまとまっております。
これにつきましてはごらんいただければと思いますが、(1)につきましては、検討すべき課題の妥当性、一番下にあります、結果及び結果から導かれる結論の妥当性については「とてもよい」。それ以外については「よい」という評価が受けられております。
2ページにつきましては、検討課題から見た対象の妥当性が「よい」ということになっていますが、それ以外は「とてもよい」という評価を受けております。
(3)の課題につきましては、検討課題から見た方法論の妥当性については「よい」となっておりますが、それ以外については「とてもよい」という評価を受けているところでございます。
4ページ、課題(4)についても同じように、方法論の妥当性につきまして「よい」となっている以外は、全て「とてもよい」という評価を受けております。
(5)についても、同様になっております。
こういった評価が受けられているところでございます。
続きまして、資料3をごらんください。「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成30年度調査)の進め方について(案)」ということで、今年度以降の調査の進め方のスケジュールになっております。
今年度につきましては、平成30年3月、昨年度になりますけれども、第15回改定検証・研究委員会をさせていただきまして、調査の進め方及び調査項目について議論させていただきました。
本日、第159回給付費分科会におきまして、できましたら調査項目・内容等についての議論をしていただき、決定していただくということを予定しております。
その後、仕様書を作成して、7月から8月に受託機関の決定。その後、改定検証・研究委員会委員を委員長といたしまして調査組織をつくりまして、その中で調査票の検討を行い、9月ごろに改定検証・研究委員会の調査票の取りまとめ。その調査票について給付費分科会で議論していただいて、10月から調査を実施。
裏面になりますけれども、11月から12月ごろ集計・分析・検証して、最終的に3月に報告をするというスケジュールで、これは例年と同じようなスケジュールで考えているところでございます。
今回の検討の内容につきましてですが、次の資料4をごらんいただければと思います。平成30年度改定を踏まえました今後の課題及び次期改定に向けた検討についてということで、今回、「平成30年度介護報酬改定に関する審議報告」におきまして、左側のボックスにありますが、今後の主な課題といたしまして、いろいろと書かれたものを、事務局のほうでこのような整理をさせていただいております。
まず、横断的な事項と居宅系事項と施設系の事項ということで、大きく3つに分けさせていただいておりまして、横断的事項につきましては、同一建物居住者へのサービス提供に係る報酬見直しの影響とか、質の評価・自立に向けたエビデンスの集積。あと、今回、行いました外部のリハビリテーション専門職との連携の実施状況、効果検証等々といったところを、全部で10課題を挙げさせていただいております。
それから、居宅系につきましては、訪問介護におけます今回の各種見直しの影響。ケアマネの公正中立性を確保するための取組及び質の評価の指標。3点目が共生型サービスの在り方等。4点目が定期巡回・随時対応型訪問介護看護のオペレーション兼務の要件緩和の影響といったものが指摘されたところでございます。
施設系につきましては、今回、つくりました介護医療院への転換状況把握とか、転換促進のための検討。それから、介護保険施設のリスクマネジメントに関する実態調査や今後の対応の検討についてといったところを、今回の審議報告で挙げさせていただきました。これらにつきまして、各種調査研究ということで、その中の幾つかの課題につきましては、この介護報酬改定の効果検証及び調査研究の中で対応させていただきたいと思っています。
それ以外にも、いわゆる経調とか処遇改善状況調査。それ以外に、老健事業とか文科の科研費といったものを活用しながら、この3年間の中で計画的に、審議報告で指摘されました課題について対応させていただきたいと考えているところでございます。
30年度の課題につきまして、資料5を見ていただければと思います。改定検証・研究委員会のほうで議論していただきましたが、本年度の実施内容につきましては、以下のようなことで課題を設定してはどうかということで、委員会のほうで取りまとまったところでございます。
2.調査項目にありますけれども、今年度につきましては、以下に掲げる7項目について調査を実施するということで、1つとしましては、介護保険制度におけますサービスの質の評価に関する調査研究事業。
2点目といたしまして、介護ロボットの効果実証に関する調査研究事業。
3点目が、居宅介護支援事業所及び介護支援専門員の業務等の実態に関する調査研究事業。
4点目が、福祉用具貸与価格の適正化に関する調査研究事業。
5番目が、介護医療院におけるサービス提供実態に関する調査研究事業。
6番目が、介護老人福祉施設における安全・衛生管理体制等の在り方についての調査研究事業。
7番目が、介護老人保健施設における安全・衛生管理体制等の在り方についての調査研究事業ということで、今回挙げさせていただいております。
なお、今回の改定の影響につきましては、少なくとも1年目はデータが収集しづらいということがございますので、そういったものについては2年目以降ということで設定させていただいているので、今年度はこの7課題でどうかということで考えているところでございます。
それぞれの詳細につきましては、後ろのほうに書いておりますが、まずは2ページ目をあけていただければと思います。質の評価について、これまでも行ってきているものでございますけれども、今回、新たに厚生労働省が構築しますデータ収集のデータベースでも活用することになりましたので、それまでの調査研究の成果を活用したサービスの質の評価について検証を行うということで、これはこれまで行ったものを引き続き継続的に行うものになっているところでございます。
3ページ、別紙2は、介護ロボットの効果実証に関する調査研究事業ということで、調査目的にございますが、今回の改定におきましては、見守り機器の導入について見直しを行ったということになっております。あわせまして、今回の改定の審議報告の中では、介護ロボットの幅広い活用に向けて効果実証等を進めるべきといったことがございますので、見守り機器等におきまして、安全性の確保とか介護職員の負担軽減、効率的な配置の観点も踏まえました効果実証というものを行ってはどうかということで提案させていただいております。
それから、別紙3、4ページですが、これはケアマネの関係で、居宅介護支援事業所及び介護支援専門員の業務等の実態に関する研究ということで、今回、介護報酬改定につきまして、医療・介護連携ですとか悪性腫瘍、いわゆるがん末期のケアマネジメント。それから、質の高いケアマネの推進、公正中立なケアマネジメントの確保ということから見直しを行っております。これらについて、どのような影響を与えたか調査するということ。
それから、33年度改定に向けて、利用者本位に基づいて、公正中立に機能し、サービスの質を担保するための効果的・効率的な事業運営の在り方について調査検証を行うことにさせていただいておりまして、調査の中身につきましては、特に今回はタイムスタディ等についても検討させていただきたいと思っているところでございます。
続きまして、別紙4、5ページになります。福祉用具貸与の適正化に関する調査研究事業ということで、今回の改定におきまして、平成30年10月から、商品ごとの全国平均貸与価格の公表、貸与価格の上限設定を行うことになっております。また、これにつきましては、31年度以降もおおむね1年に一度の頻度で見直しを行うことになっておりますので、本事業において、30年10月以降の貸与価格や経営に関する実態調査について行って、31年度以降の制度施行に向けた提案等を行うための調査研究を行わせていただきたいと思っております。
続きまして、6ページ、別紙5になります。介護医療院におけますサービス提供実態等に関する調査研究事業ということで、今回、介護医療院ができましたので、介護医療院について、サービス提供の実態とか、介護療養型医療施設、医療療養病床からの転換状況を把握した上で、医療と介護保険財政に与える影響の両面から、どのような対応を図ることが適当なのかということを検討するということなので、そのための基礎資料を入手するための調査を今回、行わせていただきたいと思っているところでございます。ですので、介護医療院だけではなくて、他の療養病床及び老健施設等におきまして、施設のサービスの実態状況とか加算の算定状況等々について調査するというのが今回の目的になっております。
それから、別紙6、7ページになります。介護老人福祉施設におけます安全・衛生管理体制の在り方についての調査ということで、審議報告の中におきましても、施設でどのようなリスクが発生しており、そのリスクによって、どのような対応をしているかなど、その実態を把握した上で、介護事故予防のガイドライン等も参考に、運営基準ですとか、介護報酬上、どのような対応を図ることが適切なのかを検討すべきであるという御指摘を各委員のほうからいただいたところでございます。
これに基づきまして、まずは、ここにおきましては、特に介護老人福祉施設におけます安全・衛生管理体制といったものについての実態把握とか、それらの研修等についての検討を行うということで、これをさせていただきたいと思います。
次の別紙7が、老健におきましても同様の管理体制についての研修のための検討というものを今回、行わせていただければと考えているところでございます。
済みません、早口でございましたが、改定検証については以上でございます。
○田中分科会長 松田委員長、お願いします。
○松田委員 松田でございます。
平成29年度の調査結果につきましては、先月5日の介護報酬改定検証・研究委員会におきまして最終版として承認いたしましたので、最終報告として、ここでは御報告させていただきたいと思います。
以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
ただいま説明のありました議題1、議題2について御意見、御質問等があればお願いします。
鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員 まず、前回改定の29年度調査についてです。これは、もう終わった話で速報値は出ているわけですけれども、そのときに十分議論できていなかったので、何点か確認をさせていただきたいと思います。
(1)、定期巡回の6ページを見ると、集合住宅までの移動にかかる時間は、徒歩でも自転車でも自動車でも何分ということで、それぞれの移動手段の特性を無視して、全部横並びにして平均しているので、実際とは掛け離れたデータになっているのではないかと思いますし、しかも、同一建物は移動時間ゼロということで、これは事実上施設だとを言っているのかという感じもするのですが、この考え方はこれからもずっと続けるつもりなのかを確認させてください。
14ページですけれども、サ高住、有料老人ホームの約4割が集合住宅減算の該当だとのことですけれども、サ高住プラス定期巡回の施設型の在宅が多いのだろうと思います。これについては、いろいろな不適切事例等も指摘されていますので、最後の年度ではなくて、今年度に間に合わなければ、来年度中にはしっかり検証・調査をしていただいて、使えるデータがきちんと出して、前回はデータがないというお話だったのですが、今回はそういう言いわけがないようにきめ細かく調査していただきたいと思います。
それから、認知症グループホームは結局、看護師の配置を評価することになったのですが、確かに4ページを見ると、看護師36.7%、准看護師18.4%で、結構いることになっているのですが、実際は夜勤・宿直は67.3%はいないとか、夜間・休日の電話連絡はほとんどないところが多くなっています。夜間・休日の呼び出しによる出勤も78.3%はほとんどないとのことで、日勤帯はいても、夜間はほとんど対応していないということです。そうなってくると、従来の24時間対応の訪問看護ステーションとの連携と、どちらが効率的かという気がするのです。もともと入所の方の人数が少ないので、その辺の検討が行われたのかを教えていただきたいと思います。
8ページにも、85.9%の事業所は、主治医又は協力医療機関に定期的に通院若しくは訪問してもらい、入居者の状態について情報共有しているとありますけれども、そうした対応をしていながら、内部の看護師はいないよりはいたほうがいいのでしょうけれども、費用対効果というか、効率的な配置という意味でどのように考えているのか。施設ごとに縦割りで、どこでも看護師をとのことで対応されたのかという気もするのですが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
サービスの質のところで、きょうは、江澤先生なので、少し言いにくいところもあるのですけれども、老健の3ページです。東会長は、よくR4とおっしゃるのですが、これを見ると、老健でR4を使用している施設が20.3%とのことで、結構少ないのです。言っている割には使われていないのではないかという気がするのですけれども、これについてはどのように評価されているのか。案外普及していないのではないかというということが1つあります。
(5)の訪問看護の14ページを見ますと、従来から200床以上の大病院と200床未満の中小病院で機能分化が進んでおり、200床以上の大病院は地域訪問看護ステーションとの連携で対応しているところが20%あります。そうした訪問看護ステーションにおける地域連携も重視すべきだと思うので、こうしたデータを生かす必要があると考えますが、それについて、どのようにお考えかということがございます。
15ページの看多機についてです。なかなか登録者がふえないという話も聞くのですが、平均20.4人とのことですけれども、小多機だともう少しふえているような気がするのですけれども、なぜそれ以上ふえないのか、それをどのように解釈されているのか、お話をお聞かせいただきたいと思います。
次に、平成30年度調査についてでございます。これについては、項目はもう決定とのことなので、それでよろしいと思うのですが、(2)の介護ロボットは、今回の報酬改定の要件を見ても、導入したところで効果を実証しなければならず、その意味では導入側の責任が非常に重いので、もし有効性が出なかったらどうなるのかということも考えられるわけです。今回も見守り機器を中心にというような書きぶりですけれども、それ以外についてはどうなのかということがあります。
さらに、従来より医療機器に倣って、有効性、安全性、そして経済性を審査する仕組みが必要ではないかという話をさせていただいているのですが、それについてはどのようにお考えなのか、聞かせていただきたいと思います。
最後に、(6)、(7)の老健・特養のリスクマネジメントの話ですが、これは今回、別々におやりになるとのことですけれども、実際、それを制度化をする場合には組織横断的にやらないと意味がないと思うのです。それぞれの施設における特徴というのはあるでしょうが、それを超えて対応することに意味があるので、それについてもどのようなお考えなのかを聞かせていただきたいと思います。
以上です。
○田中分科会長 では、老健については江澤参考人に答えていただくとして、それ以外、事務局からお願いします。
○込山振興課長 御質問ありがとうございます。
まず、第1点目の定期巡回の調査に関する御質問に対して、お答え申し上げます。資料1-1の6ページの集合住宅までの移動にかかる時間等に関する御質問でございました。御案内のとおり、集合住宅の減算などに関する基本データといたしまして、移動コストに着目しているということからして、こういった移動時間というものを把握させていただいております。現状、とり方としては、徒歩の場合、自転車の場合、自動車の場合といった形で分けて捉えさせていただいておりますが、これ自体は移動時間をどう捉えるかということで、今後もこういった形で把握させていただきたいと思っています。
ただ、御質問の点は、それをどう評価するかという点だと思います。近くの集合住宅に徒歩で行く場合の時間コストと、例えば遠くの一般住宅に自動車で行かれる場合のコストが、そういう時間のコストだけではかることがどうか。その他、例えばガソリン代といったお話もあろうかと思います。その辺のコスト全体の評価につきましては、今後の御議論を賜るというお話になろうかと思います。
また、調査の時期のお話もございました。集合住宅について、いろいろ御議論いただいているところでございますので、30年度の調査対象にはしてございませんけれども、今後、いつ調査するかということについては、また改めて検討させていただきたいと思います。
以上でございます。
○田中分科会長 認知症室長、どうぞ。
○田中認知症施策推進室長 認知症室長です。
グループホームの関係で、今回、医療連携体制加算の充実ということで、1事業所で看護師、准看護師を確保する場合の評価を創設していただいたところですが、御指摘の点、特に夜勤帯につきましては、引き続き24時間オンコール等で、訪問介護・訪問看護ステーション等と連携しながら体制をとるということも必要ということで考えております。日勤帯は、常勤加算で1名は確保していただくことが要件になりますが、夜間の時間は引き続きオンコール等で体制を確保していただくことが必要となってまいります。
○鈴木委員 そうすると、従来のIと、看護職員、准看でもいいIIと、それから看護師によるIIIとありますが、それはどうなりますか。
○田中認知症施策推進室長 常勤で看護師を1名、1事業所で確保していただく場合、また准看護師で確保する場合、IとIIという形で創設しておりますが、そのような場合も24時間、1名でみられるわけではございませんので、夜勤対応などはそうした連携体制を構築しながら対応していただくことが必要となってくるということです。ただ、従来に比べて、1事業所での看護師というのも確保しておりますので、柔軟にシフトを組みながらというところでは、対応力が少し向上していくのではないかと考えています。
○鈴木委員 24時間対応の訪問看護ステーションにより、いつでも対応してもらうほうが効率的ではないかと思います。看護師を小さな9人とか18人の認知症グループホームに張りつけることになります。看護師がたくさんいるところはいいかもしれないけれども、そうではないところに非常に負担だと思います。しかも、夜間帯はほとんど対応せず、夜間は結局、従来の訪問看護ステーションと連携するということなので、その辺が施設別毎に全部縦割りで横並びでという発想があったのかという気がするのですけれども、しっかり検証調査をしていただきたいと思います。
○田中分科会長 老人保健課長。
○鈴木老人保健課長 それでは、訪問看護関係です。訪問看護につきましては、今回、病院につきましては、200床以上、200床未満という新しい切り口でさせていただきましたが、これについてはとりあえずこういう形でさせていただきましたが、またいろいろと分析しなければいけないと思いますし、今後、訪看につきましては、いろいろなところで調査をかけさせていただきたいと思っておりますので、そのときにはまた先生にも御意見いただきながら、よりよい調査にさせていただきたいと思っております。
それから、看多機のところでなぜふえないのかという話ですけれども、これについて掘り下げた調査は実はしておりません。小多機の看護版ということもありますので、そういったところも影響しているかもしれませんが、そこもなぜふえないのかというところについて、ニーズの問題なのか、それとも事業所側の開設の問題なのかということもありますので、その辺は今後検討させていただきたいと思っております。
それから、調査検証事業の話で、6番と7番、老健と特養の関係で、それぞれ別で安全・衛生管理体制の2本立てにさせていただいております。先生おっしゃるとおり、共通する部分があると思っておりますが、一方で、施設の特性とか職員配置の関係で、かなり違うところもあると思いますので、今回につきましては、どちらかというと違うことを重要視させていただいたということになっています。ただし、それぞれの進捗なり何なりというのは、適宜情報交換しながら調査させていただければと思います。
○鈴木委員 医療機関では、急性期の大病院と地域の中小病院で違うということではなくて、同じです。ですから、力点の置き方は異なるかもしれないけれども、余り縦割りにしないほうがいいと思います。特徴が出せて、比較もできるのが、いいのではないかと思います。
それから、従来より、医療分野で200床以上の大病院と中小病院の機能分化が進んできており、それが反映されていると思うので、それをぜひ介護分野でも尊重して、機能分化と連携が進むようにしていただきたいと思います。大病院にとっても、ずっと慢性期に至るまで訪問看護を続けるよりは、地域の訪問看護ステーションにつないだほうが効率的だと思いますので、そうした視点が必要だと思います。
○田中分科会長 高齢者支援課長。
○武井高齢者支援課長 高齢者支援課長でございます。
平成30年度の報酬改定の検証・調査の介護ロボットの部分でございますけれども、今回、初めて介護報酬で見守り機器について評価を行うということに関しまして、安全性の確保というのは非常に重要な視点でございますので、9週間、安全に作動するなどの結果をきちんと得られたものについて、報酬上評価するというルールを置いたところでございます。
今回、改定検証で見守り機器について評価する、調査する内容でございますけれども、まず、評価するに当たって行った実証検証でも有効であるということが確認できたので評価したところでございますけれども、30年度の調査では、例えばどのような状態像の方に適用すると、より効果的なのかといった観点などを含めて、この調査で検証してまいりたいと思います。
この見守り機器等の「等」の部分でございますけれども、まだ具体的にどういったロボットについて評価するのかというのは、確定的なことは申し上げられませんけれども、例えば排泄を感知するような機器とうまく組み合わせると、利用者の方にとってもよりいいことが確認できるようなことが予測されましたら、またそれについても検証するなど、考えていきたいと思っております。
また、評価する仕組みを設けるべきではないかという御意見に関しましては、今、直ちに取り組むということについては難しい部分があるかと思いますが、実際に有効性・安全性の確認というのは非常に重要な視点でございますので、そういったことも念頭に置きながら実証を進めていきたいと考えております。
○田中分科会長 江澤参考人。
○江澤参考人 R4の使用率に関する鈴木先生の御指摘は、全老健の協会におきましても、課題という認識を十二分に持っています。加入率はずっと9割程度を維持していて、多くの施設が全老健に加入しているということも背景にあるかもしれませんが、一方で、前年度までの在宅強化型のほうの使用率が高いというデータもございましたし、今回の介護報酬改定の老健の在宅復帰に加えて、在宅療養支援機能を発揮することを考えましても、R4の中身というのは非常に今後の老健の機能に合致するアセスメントツールでございますので、現行も研修会等、行っておりますが、少しずつ右肩上がりでふえているところでございますので、今後、協会としてもまた取り組んでいきたいと思っております。
以上でございます。
○田中分科会長 本多委員、どうぞ。
○本多委員 この30年度の調査の進め方や、その実施内容については異論ございませんので、提案どおりに進めてほしいと思います。
ただ、資料4に示されているとおり、30年度改定に関する審議報告に示された今後の主な課題は多岐にわたっております。
審議報告の取りまとめに向けた検討の中で、我々としては、1つとして、介護サービスの適正化・重点化や加算の整理・統合といった報酬体系の簡素化に向けた検討。もう一つは、同一建物等居住者のサービスに係る報酬の見直しの影響。さらに、例外的かつ経過的な取り扱いである処遇改善加算の在り方の早期検討などについて、必要性を求めてまいりましたが、事務局におかれましては、各種調査研究を活用して、今、申し上げたような課題の検討に資するデータ等についても準備していただきまして、次期改定に向けて計画的な検討が行われるようにしていただきたいと思います。
○田中分科会長 御要望ですね。
齋藤委員、どうぞ。
○齋藤(訓)委員 ありがとうございます。
今回の報酬改定の審議報告に示された課題から、30年度はこの7つの調査を行うということで資料が示されていますが、意見が1点と、それから質問が2点ほどございます。
ここに掲げられている調査につきましては、報告で示された今後の主な課題から抽出されておりますので、特段異論はないのですけれども、先ほど鈴木委員が指摘されたように、特養と老健が別建ての調査になっていることについては、私もちょっと気になっていたところで、1つの調査として立ち上げてもいいのではないかと考えた次第です。
さらに、これは意見と質問になりますけれども、今回、施設の中での安全・衛生管理体制に着目した調査設計がなされていますが、訪問系のサービスの安全、労働管理あるいはハラスメント問題が顕在化してきている状況があろうかと思います。これは、特に兵庫県の訪問看護ステーションから情報提供があって顕在化してきましたが、訪問看護もさることながら、訪問介護の事案も顕在化してきています。兵庫県では実態調査を行って、例えば相談窓口を設けたり、複数名訪問の費用の一部補助といった県独自の対策を講じています。
施設に比べると、訪問系は密室で行われるサービスなので、利用者側でも、サービス提供者側でも様々な被害が潜在化しているのではないかと思います。訪問系サービスの安全・衛生対策につきまして、今後、厚生労働省としてはどのように取り組む予定なのかということを1点質問したいと。できれば、今回、特養と老健の調査を統合して、1本訪問系の調査を立ち上げることが可能なのかどうか、そのあたりもお伺いしたいと思っております。これからますます介護人材の裾野を広げ、離職をなるべく予防していこうという動きの中で、こういった危険因子があると、介護分野への参入が躊躇される可能性があり、人材確保に非常に直結するテーマだと考えますので、お考えを伺いたいと思います。
もう一点は、介護医療院についてです。10月に転換状況と、どういったサービス内容が行われているか調査することになっていますが、10月の時点で介護医療院が調査の母数として十分にあるのかどうか懸念しております。その辺の見積もりを事務局としてはどうお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○田中分科会長 では、質問にお答えください。
○鈴木老人保健課長 まず、第1点目でございますが、今回の介護報酬改定の効果検証及び調査研究につきましては、基本的には審議報告で指摘された事項というものについて、きちんと対応するということになっております。ただし、審議報告の中に書かれているものにつきましては、必ずしもこの調査研究の中でやるわけではなくて、ほかに、先ほどの調査ですと、処遇ですとか経営とか、それは別の調査があります。そういった中で、先ほど本多委員からおっしゃっていただきました処遇改善の関係の実際の影響といったものを把握する。いろいろなツールはありますので、そういった中でやらせていただきたいと思っています。
それにプラスして、老健局におきましては、老人保健健康増進等事業もありますので、そういった中でも対応し切れないものについては、対応するというのが基本的なスタンスになっています。ただし、改定検証につきましては、限られた本数ということがございますので、少なくとも今回の審議報告に明記されているものが中心になります。
御指摘の訪問系の安全・衛生管理体制の関係につきましては、実際に改定検証委員会におかれましても、将来的に可能であればこういったこともきちんとやるべきだという御意見をいただいております。ですので、そういったことを踏まえまして、次期改定に向けて、今後どのような調査を行っていくのかということについては、引き続き検討させていただきたいと思いますが、基本的にはそういったことについて、いわゆる老健事業等を活用しながら、事業として進めさせていただきたいと思っております。
それから、介護医療院につきまして、今どれだけというものはないのですが、一方で転換したいという話も聞いているところでございます。Nは集まりませんけれども、事例として集めるということも非常に重要だと思っておりますので、そういった中で適宜調査をかけて、パターンといったものが解析できるようになればと思っているところでございます。
以上です。
○齋藤(訓)委員 訪問系のサービスの調査につきましても、ぜひ前向きに御検討をお願いしたいと思っております。
○田中分科会長 井上委員、どうぞ。
○井上委員 ありがとうございます。
新年度になりまして、私の手元にも健保組合から介護保険料値上げの通知がまいりました。当然、この給付費分科会で御議論いただいたことを背景として、保険料の値上げということになっているわけでございますけれども、改めまして給付の裏には負担があるのだなという感想を持ちました。
それと、若者・現役世代と話をしていますと、どこまで保険料負担がふえるのですかねという議論が出てくると、これはほかの社会保険と相まって、将来不安につながっているのかなという感想を持ちました。
きょうの議題の介護報酬改定効果検証・調査研究に関しましては、このとおり進めていただいて結構だと思います。ただ、30年度調査の中で、先ほどもちょっと御意見ございましたけれども、介護ロボットにつきましては、産業界のほうではロボットの技術は日進月歩で進捗しています。また検証している間にも、新しい技術が次々と生まれてくると思いますので、その辺のことも踏まえながら、古い技術を対象とした検証が行われてしまうことがないように、うまく調整、工夫しながら検証していただきたいと思います。
以上でございます。
○田中分科会長 石本委員、先にどうぞ。
○石本委員 ありがとうございます。
お時間の関係もあるので、端的に1点。30年度の調査研究に係る案のロボット、今の井上先生の話の続きにもなりますが、調査目的を拝見し、その後、調査対象を拝見すると利用者調査等と書いてあるのですが、以前も申し上げたのですが、効果検証の際に、ロボットを使う側の効果としてどうだったという視点ももちろん大事なのですが、これを用いてサービスを受けた側が質の高いケアを受けることができたのかどうかという視点も、どうぞ忘れずに、その部分に資するような項目でしっかりとデータをとっていただくということを重ねてお願い申し上げたいという1点だけのお願いでございます。
以上です。
○田中分科会長 ありがとうございます。
伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 伊藤です。
今回の資料5で御提示いただいている7点について異論はございませんが、お願いしたいことがあるので、発言させていただきます。
まず、資料4で、今後の主な課題として、この分科会で議論したものが列記されているわけですが、これらのうち、今回、どれが2018年度の調査として行われるのかというのを見えるようにしていって、いずれ全部が塗り潰されるよう、きちんとやり残しがない形に資料もつくっていただきたいと思います。
その中で、資料4の横断的事項の7つ目、サ責の任用要件の見直しについて、この場では、1年間の経過措置の終了前に、サービス提供に支障がないよう人材確保の状況を調査していくというお答えをいただいていましたので、その点について、どのように調査をしていかれるのかということを質問させていただきます。
あと、資料5で2つお願いがあります。介護ロボットについては、介護労働者の安全衛生面の向上という点で期待しております。きょう、排泄が「等」の1つに考えられるというお話が先ほどあり、それよりも幅が広く考えられる可能性もあるようにお聞きしましたので、安全衛生面についての状況ということもぜひ調査していただきたいというお願いです。
最後に、別紙3のケアプランのことですけれども、こちらにつきましては、公正中立なケアマネジメントが機能しているかという点での基礎資料を得るということですので、ケアプランの作成者と、それに基づきサービスを提供する事業者との関係についても、踏まえた形での調査をお願いしたいと思います。
以上です。
○田中分科会長 質問にお答えください。
○込山振興課長 振興課長でございます。御質問ありがとうございます。
1点目のサ責の任用要件に関する調査について、お尋ねでございました。御指摘いただきましたとおり、審議報告には任用要件の見直しの影響についてということで、課題としていただいております。今後、こういった見直しの影響がどうなっているかというのはきちんと調査しなければいけないと思っておりますので、サービスに支障がない調査の時期も改めて検討したいと思っております。
以上でございます。
○田中分科会長 お待たせしました。稲葉委員、どうぞ。
○稲葉委員 資料1におきましては、平成27年度の報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査として、平成29年度調査の結果が示されています。先般の平成30年度報酬改定においては、この調査研究の一部が最終集計前のデータとして、この介護給付費分科会の資料の中で示されて議論の参考とされてきたと思いますが、全ての調査内容が調査結果として示されたのは今回が初めてだと思います。
そこで、今回お示しいただいた資料3や4において、これから平成33年度報酬改定に向けた効果検証及び調査研究に係る調査の進め方、あるいは平成30年度から32年度の全体像などが示されておりますけれども、次回の報酬改定の際には、この効果検証や調査研究の全てが示された資料が議論の参考になるように、少し先の話ではありますけれども、スケジュールを考慮いただければと思っております。
そして資料5には、平成30年度の調査項目が7項目ほどあります。いずれも重要なことだと思いますが、今、介護現場では、人材確保、担い手の確保が喫緊の課題として、日々、事業者は感じていることだと思います。そこで、これらの調査がやがてそういった担い手の確保、生産性の向上に効果を発揮できるような視点を生かしながら進めていただければと思います。
以上です。
○田中分科会長 御要望ですね。
小原委員、それから小玉参考人の順でお願いします。
○小原委員 ありがとうございます。
資料5の別紙3についてですけれども、省令改正で管理者要件の見直しがされ、極めて大きな改正だと思いますので、その影響について、主任介護支援専門員の養成の部分とあわせて、しっかりと検証していただきたいということが1点。
もう一点ですが、石本委員もおっしゃいましたが、サービスの質の評価について、受け手側の視点にも着目して検証していただきたいということをお願いしたいと思います。
以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございます。
小玉参考人、どうぞ。
○小玉参考人 ありがとうございます。
29年度の調査で質問が2つございます。それから、30年度の調査に関して、要望が1つございます。
歯科の治療とか歯科の疾患とか口腔ケアというところで、いろいろな方がかかわる調査を29年度にしていただいているのですけれども、まず訪問介護サービス提供の在り方という資料1-5の12ページで、支援者・介護者に対する口腔ケアの率が余り高くないかなと思いますので、専門的な歯科医師・歯科衛生士にその後伝える、つなげる方法が何かあるかということを考えておられるか、教えていただきたいと思います。
それから、資料1-3の認知症対応型グループホームにおける医療の提供等に関する調査研究事業ですけれども、そこの7ページ目で、いろいろな疾患の中で、入居者ベース、事業所ベースで疾患が出ているのですけれども、歯科疾患もほかの疾患と同じで、入居者ベースだと低いのですけれども、事業所ベースだとちょっと高く出てくることがあるので、この数の見方と、入居者ベースでもうちょっとよく調べていただく方法があるのかどうかということを伺いたいと思います。
それから、30年度のことですけれども、これは1つ、介護報酬改定の検証及び調査に係る調査の中で、ケアマネさんに対して、居宅介護支援事業所及び介護支援専門員の業務等の実態に関する調査研究の中で、医療・介護の連携の強化で、服薬・口腔の状態をつなげるということが今度示されてございます。通知でも、口臭とか出血のことを重視しなさいということがあります。ちょっと細かい話になりますけれども、そういった視点をいかにケアマネさんに広く伝えて、また我々につなげていただく具体的な方法を考えていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○田中分科会長 では、29年度のほうの御質問にお答えください。
○鈴木老人保健課長 済みません、歯科の部分で、資料番号とページをもう一度教えていただけないでしょうか。
○小玉参考人 恐れ入ります。
まず、資料1-5、訪問看護のサービス提供の在り方の12ページで、右側の訪問看護サービス提供の在り方に関する調査研究事業の表の真ん中に口腔ケアが出ているのですけれども、要介護の方には11.9%、看護師さんがこのサービスを実施されていて、要支援の方には0.8%ですけれども、これはもうちょっと数が多くてもいいのかなと思います。看護師さんも一生懸命やっていらっしゃるのですけれども、口腔衛生状態とか栄養状態をよく保つためにはケアが必要ですけれども、歯科専門職がかかわるようになると、もうちょっと質が上がったりしていいのではないかという議論も一方にはありますので、その方策がどこかにあれば、考えていただけるところがあれば教えていただきたいと思います。
○鈴木老人保健課長 おっしゃっていただいている12ページの口腔ケアについてですけれども、数字的には0.8%と11.9%になっています。現在の制度上のルールといたしましては、歯科医師もしくは歯科衛生士が在宅の患者さんに訪問看護と連携して入るという特段のルールは設けていないのが現状でございまして、それぞれ何かあれば入っていただくということになると思います。そういうのが現状です。
○小玉参考人 ありがとうございます。
○田中分科会長 認知症室長、お願いします。
○田中認知症施策推進室長 認知症対応型グループホームにおける調査の関係での御質問で、データとしては、こちらの表にありますように、歯科疾患であれば10.4%、事業所ベースであれば36.2%という数字で、入居者ベースで言いますとたしかに1割程度です。データとしては、このデータしかないのですが、事業所ベースとしては一定程度あるということで、歯科の協力医療機関との連携などを通じて、グループホームにおける口腔ケアというのも重要ということで取り組みを進めていきたいと考えております。
○小玉参考人 ありがとうございます。
○田中分科会長 石田委員、どうぞ。
○石田委員 済みません、1点だけ教えていただきたいのですけれども、資料1-4、サービスの質の評価の18ページの2つ目の○、見直しを踏まえても判断が難しく、課題が残ったというコミュニケーション、認知機能、周辺症状、歩行・移動。19ページも同じようなことが書いてあります。これにつきましての具体的な資料とか分析の内容というものがどこかに示されているならば教えていただきたいですし、その内容の詳細が知りたいものですから、お尋ねさせていただきました。
よろしくお願いします。
○鈴木老人保健課長 済みません、今、確認します。
○田中分科会長 田部井委員、安藤委員、瀬戸委員の順でお願いします。
○田部井委員 認知症の人と家族の会です。
平成27年度改定の検証というか、直接、給付費分科会の扱いではないのかもしれないですけれども、27年度には2割負担と補足給付の見直しがありまして、かなり厳しいということで、私どもは聞き取り調査を行って、影響はかなり大きいという結果が出ましたので、それに基づいて厚生労働省に2割負担あるいは補足給付の見直しはもとに戻すということで、ぜひお願いしたいという要望書を提出しております。その結果を、私たちはまだ諦めたわけではありません。
その話があったときに、たしか何らかの形でその影響は把握していきたいというお答えがあったように、最近、記憶がおぼつかないので、定かではないのですが、そういうお答えがあったように記憶しているのですけれども、2割負担、補足給付の見直しの影響調査というものは何らかなされて、どこかでその結果を見ることができるのか、あるいはこれから何らかの形でやられる予定があるのかについて教えていただければと思います。
○田中分科会長 介護保険計画課長、お願いします。
○橋本介護保険計画課長 介護保険計画課長です。
2割負担の関係でございますが、2割負担の影響に関する調査というものにつきまして、29年度の老健事業におきまして実施いたしておりますので、現在、その結果につきましては、取りまとめがこれから行われるという段階にございます。
○田中分科会長 老人保健課長。
○鈴木老人保健課長 済みません、先ほどの関係の資料でございますが、厚いほうの資料の「(4)介護保険制度におけるサービスの質の評価に関する調査研究事業報告書(案)」の、今、言っていただいているのは、112ページにヒアリングしたときの結果が出ております。
見ていただくと、例えば112ページの上のほうで、「自分の名前がわかりますか」というので、それぞれMDSでやったものをほかのもので代用した場合にどうなるかというものです。色を塗ってあるものについては、割と区別がしやすいのですが、例えばここにあります居宅介護計画ガイドラインですと、できると、できないというのはなかなか二分しづらいというのがあって、こういったものは判断が難しく、課題が残っているという評価をしたということになっています。
○田中分科会長 安藤委員、どうぞ。
○安藤委員 ありがとうございます。
30年度の調査研究に関しまして、何点かコメントしたいと思います。
今まで複数の委員からもコメントがあったのですけれども、3ページ目の介護ロボットに関する調査研究については、将来的に介護人材の確保であるとか負担軽減のために、より幅広い介護ロボットのさまざまな、より多くの機器についての有効性の検証も同時にやっていただきたいと思っております。
続きまして、4ページ目のケアマネの関係ですけれども、ケアマネの重要性というものがより評価されて、加算がつけられるようになっているのですけれども、その分、業務負担量もかなり多くなるのではないかなと思っております。ですから、今回の調査のときに、ケアマネさんの労働条件がどのように変化しているのかというところにつきましても、きちんと把握していただければなと思います。
あと、6ページ目の介護医療院ですけれども、これから介護医療院、出てくると思いますけれども、転換する前の介護療養病床も含まれると思われるので、今後の転換の意向であるとか、その時期についても同時に調査できれば調査していただければと思います。
以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
○瀬戸委員 資料5の30年度の改定検証についてです。先ほどちょっと議論がありました(6)と(7)の特養と老健のリスクマネジメントに関しての調査ですが、機能も違えば、人員配置、設備基準、あと入居者像も全然違いますので、それぞれの在り方についての調査をしていただいた上で、またその結果を踏まえて考えるという意味では、スタートとしては(6)と(7)を分けてやっていただいたほうが、当事者としてはありがたいと思います。
以上です。
○田中分科会長 一わたりよろしゅうございますか。
議題1、29年度調査については、本日の資料を最終報告とさせていただきます。
議題2については、さまざまな御意見をいただきました。今後、具体的な調査設計を行う際に、各調査検討組織における委員長の主導のもと、検討をお願いすることになります。そのような扱いとさせていただきます。松田委員長、全体の管理をよろしくお願いします。
次に、議題3「平成29年度介護従事者処遇状況等調査の結果」に進みます。こちらについては、先ほど行われた介護事業経営調査委員会において了承されたものです。
事務局から説明をお願いします。
○鈴木老人保健課長 それでは、詳細の調査報告書が資料8となっておりますが、資料6と資料7を使って御説明させていただきます。
まず、資料6でございますが、今回、ポイントということで1枚紙にしております。
まず、裏側を見ていただいて、2ページにありますが、今回の29年度介護従事者処遇状況等調査の概要でございます。これは、もともと目的にもございますが、介護従事者の処遇の状況及び加算の影響等の評価をするためということで行っているものでございます。
調査時期につきましては、ボーナスもこの中にきちんと反映するという関係から、平成29年10月を調査時点としております。
調査対象につきましては、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、訪問介護事業所、通所介護事業所、認知症対応型共同生活介護事業所、居宅介護支援事業所になっております。全体的な調査客体につきましては1万568で、有効回答数が7,660ということで、有効回答率は72.5%となっております。
続きまして、もとに戻っていただきまして、資料6の1ページ目、表を見ていただければと思います。結論から申しますと、今回、処遇改善加算(I)を取得している施設・事業所におけます介護職員(月給・常勤の者)の平均給与額につきまして、同じ施設の平成28年と29年を比較しましたところ、1万3,660円の増となっているという結果が出ているところでございます。
ちなみに、その下のボックスにありますが、処遇改善加算(I)~(V)を取得している施設・事業所、何らかの加算をとっている事業所におきましては、差額、1万2,200円の増となっているところでございます。
その下にありますが、給与等引き上げの実施方法でございます。これは、複数回答になっておりますが、一番多いのが、定期昇給を実施する、もしくは実施の予定であるところが66.4%、それから、手当の引き上げ、新設またはそれらを予定ということが44.7%ということでございます。
それから、処遇改善加算の取得状況でございますが、全体的に何らかの加算をとっているところが91.2%、取得していないところが8.8%となっております。取得している91.2%の内訳になりますが、処遇改善加算(I)をとっているところが64.9%。これは、従来、前回の処遇改善加算(I)、今で言いますと処遇改善加算(II)になりましたが、そのときの初回の取得率と当時の調査のときの取得率と、ほぼ変わらないような状況になってきているところでございます。
続きまして、右側になりますが、加算(I)の届出が困難な理由ということで、これも複数回答でございますが、加算(II)のところが加算(I)をとれない理由になりますけれども、一番多いのが「職種間・事業所間の賃金バランスがとれなくなることが懸念されるため」ということで、38.1%、そのほか「昇給の仕組みを設けるための事務作業が煩雑である」が33.5%、「昇給の仕組みをどのようにして定めたらよいかわからない」が24.3%になっております。
その下ですが、処遇改善加算(II)、今で言う処遇改善加算(III)、(IV)、(V)の方々が処遇改善加算(II)をとれない理由につきまして、「キャリアパス要件Iを満たすことが困難」が6割弱、「IIを満たすことが困難」が45%程度になっております。
それから、そもそも加算を取得していない8.8%の方々に対しまして、何で加算を届け出ないのかという理由について聞いておりますが、一番多いのが「事務作業が煩雑」ということで、約半数。それから、「利用者負担の発生」が約4割。それから、「対象の制約のため」が25%強になっているところでございます。
続きまして、資料7につきまして御説明させていただきます。資料7は、調査結果、厚いものをさらに概要版にさせていただいています。
これの構成ですが、3つのカテゴリーに分けておりまして、1ページ目に書いておりますが、1つは取得状況について。2点目が、平均給与額等のいわゆる給与面の関係についての状況。3点目が、いわゆる環境改善の関係ですが、給与等引き上げ以外の改善状況についてということで、この3つに分けております。
あけていただいて、2ページは先ほどの調査設計の関係ですので、割愛します。
3ページになりますが、ポイントで書かれております処遇改善になっておりますけれども、全体では91.2%で、しかも加算(I)をとっているのが64.9%となっております。これは施設ごとで分けておりますが、施設で一番高いのが特養になりますが、99%の施設が何らかの加算をとっていることになっておりまして、次に多いのが認知症グループホームという状況になっています。一方、一番低いのが介護療養型医療施設という結果になっております。ですので、届け出ていないところで一番多いのは介護療養型医療施設ということで、30.9%は届け出ておりません。
4ページ目は、29年度調査において新たにつくった設問でございますが、今回、(I)の加算をとっている事業所が、キャリアパス要件(III)、(III)が今回新しく追加されたものでございますが、その(III)の条件というのが、ここにありますマル1からマル3つの3つのパターンのいずれかを満たすこととなっておりますので、これらでどの要件を満たしているのかということについて、複数回答で回答を得ております。全体で一番多いのが「経験に応じて昇給する仕組みを設けている」。年齢とか勤続年数によって昇給するような形をとっているところが一番高くて、68.4%。2番目が「資格等に応じて昇給する仕組みを設けている」ところが63.5%になっているところでございます。
続きまして、5ページですが、これは届出が困難な理由になっておりますけれども、一番高いのが、マル4の職種間・事業所間の賃金バランスがとれなくなるというのが38.1%。これにつきましては、施設系の特養、老健、介護療養型医療施設で高い傾向にございます。次に高いのがマル2で、昇給の仕組みを設けるための事務作業が煩雑ということで、これにつきましては、若干ではございますが、下の3つ、訪問介護、通所介護、認知症グループホームのほうで高くなっているような傾向になっているところでございます。
6ページが今後の届出の予定の関係でございますが、赤で囲っております、処遇改善加算(II)を出しているところが、その後、ステップアップして(I)をとると回答しているところが37.7%ということになっております。ただし、現在、何が問題かというのがマル1で、どういう仕組みにしたほうがよいのかわからないというのが41.2%ということで、一番高くなっております。
7ページは、処遇改善加算(II)の届出が困難な理由ということで、これにつきましては、ポイントのほうでも示させていただきましたが、「キャリアパス要件(I)を満たすことが困難」というところが非常に高い状況になっております。
8ページは、処遇改善加算を届け出ていない理由ということで、8つの項目で複数回答にしておりますけれども、先ほど申しましたとおり、「事務作業が煩雑」、「利用者負担の発生」、制約というところが今回出ていないことになっておりまして、特に介護療養型医療施設ですと、マル1の割合が高くなっているような状況になっております。
9ページからが平均給与額等の状況ということでございます。
まずは引き上げの実施方法でございますが、全体ですと定昇で引き上げる、もくしは引き上げ予定が66.4%、手当が44.7%になっておりまして、定昇で引き上げるところが全体で見ても、施設ごとに見ても一番高くなっているという傾向になっております。
それから、10ページが実際の平均給与額の状況で、月給・常勤の者の職種別になります。介護職員につきましては、一番上にありますが、28年と29年の平均給与額の差につきましては、1万3,660円、上がっているところでございます。その他職種もある程度は上がっている状況になっておりますが、少なくとも介護職員につきましては、給与額そのものが若干低いという状況になっております。
11ページが月給・常勤の者の基本給の関係でございますが、基本給につきましても3,260円、ベースアップとして上がっているというのが現状です。
12ページが介護職員の平均給与額で、先ほど基本給、手当、賞与で上がっているそれぞれの割合がありましたので、平均すると、どこが、どれくらい上がっているのかという内訳を示したものでございます。平均給与額の増加分が全体で1万3,660円になっておりますので、その中の内訳として基本給部分が平均しますと3,260円、手当で上がっている部分が7,760円、一時金(賞与等)で上がっているのが2,630円という内訳になっております。
それから、時給・非常勤の方で同じような形でとっているところでございまして、13ページが平均給与額の関係で、3,780円上昇している。
14ページが基本給、いわゆる時給換算した場合のものでございますが、時給につきましては20円上がっているということで、これにつきましてはほかの職種ともほぼ変わらない上昇率になっております。
それから、15ページが処遇改善加算(I)をとっているところで、それぞれ勤続年数ごとに給与額及び給与の差を見ているところでございまして、全体的には、勤続年数にかかわらず増となっているというのが現状でございます。特に、1年目がほかの年数に比べて高くなっているというのが今回の調査で出ております。
それから、16ページも同様ですが、これは勤続年数別の基本給与額の状況でして、これにつきましてもどの勤続年数にかかわらず、全て増となっております。
17ページが介護職員の資格保有別の給与額のものになっております。全体は、平均勤続年数7.1年ですが、保有資格ありですと、平均勤続年数7.3年で、28年と29年の差につきましては1万3,160円の上昇があります。それから、保有資格なしの場合につきましては、平均勤続年数が4.4年になっていまして、アップ分については1万3,630円になっているところでございます。
続きまして、18ページがそれぞれの平均給与額で他職種との比較になっております。これまでは処遇改善加算(I)を提出している事業所でしたが、これからは処遇改善加算(I)から(V)、何らかの処遇改善加算等の届出をしている事業所のデータになります。職種ごとに出しているものがこれでございまして、介護職員につきましては1万2,200円の上昇になっています。
19ページが先ほどと同じように基本給の関係でございますが、3,140円上がっております。
20ページが平均給与額の中の内訳で、先ほどの加算(I)をとっているところと傾向は変わりませんけれども、基本給で3,140円、手当で6,650円、賞与等で2,420円のアップになっております。
21ページは、今回は時給・非常勤の方で同じようにやっておりますが、平均給与額は2,760円アップということになっておりまして、22ページが時給換算にしたときですけれども、20円のアップになっております。
23ページが平均給与額で、(I)から(V)をとっているところで勤続年数ごとに行ったものですけれども、(I)だけをとっているところと同様に、勤続年数にかかわらず、全て増となっております。
24ページの基本給についても、勤続年数にかかわらず、全て増となっております。
25ページが平均給与額で、保有資格あり、なしの場合でございますけれども、これにつきましても、保有資格の有無にかかわらず増になっております。
最後のページ、26ページですが、給与の引き上げ以外の処遇改善状況についてということで、処遇改善加算につきましては、キャリアパス要件、プラス環境要件がございますので、それについて聞いているところでございます。
資質の向上につきましては、研修の受講支援が一番多く、実施率が一番高いということで、67.4%。
労働環境・処遇の改善につきましては、「勤務環境やケア内容の改善」とか「事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成による責任の所在の明確化」といったものを実施している割合が高くなっているところでございます。
駆け足でございましたが、処遇改善の結果につきましては以上でございます。
○田中分科会長 説明ありがとうございました。
ただいまの説明について御質問、御意見ありましたら、お願いいたします。
石本委員、どうぞ。
○石本委員 ありがとうございます。
質問ではないのですが、介護福祉士会ということで、従事している者の団体として、これに対しての感想といいましょうか。
上げていただいて、大変ありがたいと思いますし、今後も引き続きという思いはあるのですけれども、今回、示されたデータ、平均値で出ているのですけれども、取得していないところはもちろん上がっていないということになろうかと思います。取得されているところでも、事業種別ごとに算定のパーセントが違うのは重々承知しているのですが、例えばものすごく上がっているところと、そこまでは上がっていないところの幅も多少あろうかと思いますので、そういったものが見られるデータが、この項目の資料の中にあるのかどうかということを教えていただきたいなと思います。
とはいえ、上がっていますよという平均値は出ているものの、実際従事している人たちの肌感覚で上がっているという実感がどれぐらいあるのかというところを知るというのも大事ではないかなと思うのです。それをリサーチするかどうかというのは少し置いておいても、そういった切り口で、この処遇改善というものを評価することも大事であろうと思いますし、それと、取得されていないところが8.8%あります。
取得していない理由というのもここにありますけれども、でき得れば、こういった処遇改善をする仕組みができ、かつ、そこに対してのお金というものも一定担保していただいている中においては、100%取得ができるような道筋をより具体的にてこ入れしていくことも大事だと思いますので、そういったバックアップも引き続き行政からもやっていただければというところをお願い申し上げたいと思います。
以上です。
○田中分科会長 分布についての質問がありましたね。お願いします。
○鈴木老人保健課長 分布につきましては、例えば厚いほうの資料3の62ページのような形で、どれくらいの事業所が上がっているか、とっているかということはやっているところでございまして、少し後ろのほうでも細かい分析もしておりますので、それは後で見ていただければと思います。
あと、8.8%のとっていないところへの対応ということでございますけれども、今年度の事業におきまして、こういったとっていないところ、もしくは(IV)とか(V)の上位の加算をとっていただくことを支援するための事業というものを今年度から開始することにしております。これにつきましては、都道府県に10分の1で補助をしまして、都道府県のほうから、こういった事業所に対して社労士などを派遣していただいて、そこで直接指導していただく。そうしますと、加算を届け出ない理由の中の事務作業が煩雑といった問題は解消されるのではないかということで、それで取得の促進を図りたいと思っているところでございます。
○田中分科会長 本多委員、どうぞ。
○本多委員 今般の調査結果を見ますと、介護処遇改善加算の臨時改定の結果、給与がさらにプラス1万3,660円、改善したということでございますが、処遇改善加算の本来の目的というのは、介護職員の人材確保、職場定着でありまして、給与等の処遇改善はその手段の一つにすぎないと思っております。
昨年8月に示されたデータを見ますと、介護福祉士が過去に働いていた職場をやめた理由について、収入が少なかったというよりも、業務に関連する心身の不調、理念や運営の在り方に不満があった、人間関係に問題があったというほうが多いという結果になっております。こうしたことを踏まえますと、処遇改善加算の累次にわたる拡充が、給与以外の処遇改善にどの程度寄与したのか。すなわち、人材確保、職場定着にどの程度寄与しているのかも重要なポイントであると思っております。
我々としては、この例外的かつ経過的な取り扱いである処遇改善加算については、介護報酬で行うことの是非を含めた検討を求めておりますが、この加算の在り方を検討する際には、こういった給与以外の処遇改善や人材確保、職場定着について、加算の貢献度も踏まえて議論できるようにしてほしいと思います。
○田中分科会長 御要望ですね。ありがとうございます。
稲葉委員、どうぞ。
○稲葉委員 質問を2点させていただきたいと思います。
今回、資料7の中で、加算の(I)あるいは(I)から(V)を取得したことによる結果、どのように処遇改善が行われたのかが示されておりますが、処遇改善加算の効果を見るということであれば、加算を全く取得していない8.8%の事業所の処遇改善がどのようになっているのか、というところがあるのではないでしょうか。これがあると、比較して加算の効果が把握しやすいのではないかと思います。1点目がそれです。
2点目としましては、資料7の例えば12ページあるいは20ページの中で、介護職員の平均給与額の内訳が示されております。資料6に大きく29万7,450円とありますが、内訳として、基本給、手当、一時金が書いてあるわけです。その下の注3を見ますと、手当というのはどういったものが含まれているのかがあり、その最後に時間外手当も含まれるとあります。時間外手当が含まれるといっても、労働時間は人それぞれ違うのではないでしょうか。もしそういうことなのであれば、実態を正確に把握するには別の表記をしたほうが比較はしやすく、労働時間が調査のたびに違っていると比較が正確にできないのではないかと感じましたので、質問させていただきます。
以上です。
○田中分科会長 お答えください。
○鈴木老人保健課長 1点目の取得をしていない方々の分析ですが、今回、データはありますけれども、分析しておりません。ですので、データがありません。
2点目の、ここにあります、時間外手当も含まれるのであれば、労働時間の関係とかで影響するのではないかという御指摘でございますが、基本的には同じ人に対して、前後で28年9月と29年9月で、手当も含めてどれだけの差があったのかという、同じ人間で比較させていただいているところでございます。ですので、確かに厳密に言えば、時間外手当がある月とない月で差が出てくると思いますけれども、その辺も平均して加味しているところでありますので、どこまで厳密性を求めるかという問題になってくると思います。今回につきましては、そこまでの厳密性というよりも、単純な前後比較ということでさせていただいて、こういうデータを出させていただいたという結果でございます。
○田中分科会長 どうぞ。
○稲葉委員 ありがとうございます。
時間外手当につきましては、同じ人の比較ということが行われていても、もしかしたら、平成28年度も29年度も時間の差は少ないかもしれないと、一定のことは言えるとは思いますが、実際にどれだけもらっているかは労働時間によって違ってくると思います。今後、こういった資料を出されるときには別に表記をされてはいかがと、意見させていただきます。ありがとうございます。
○田中分科会長 伊藤委員。
○伊藤委員 処遇改善に当たっては、厳しく対応していくべきという意見をずっと申し上げているわけですけれども、今回、改めてこの調査を見てみますと、1万4,000円から1万2,000円台、着実に上がっているということは言えると思います。
ただ、総理が今年の通常国会の施政方針演説でおっしゃっているように、自公政権で月額4.7万円の処遇改善を行ってきた。それに今回の結果を足すと合わせて6万円の処遇改善を行ってきたということになるのかもしれませんけれども、それはオーバーだということはもう一回指摘せざるを得ません。この調査は、調査対象者がその都度違うものですから、各回の結果を単純に足すべきではないと思っています。けれども、賃金構造基本統計調査を見ても、上がっているのはたしかなので、それは効果があるのだと思います。
ただ、歩みが遅いのではないかと言わざるを得ません。というのは、有効求人倍率の伸び方が、一般の全産業平均の有効求人倍率に対して、介護分野の有効求人倍率が急激に上がっているということは状況として受けとめざるを得ないわけですから、それで、現在の処遇改善施策で足りるのかと心配しています。賃金水準で見ても、賃金構造基本統計で言えば、年収ベースで全産業平均と比較すると160万円近く違います。かつて政府が、この場でも説明されていた対人サービス産業との比較で言っても33万円ぐらい差がありますね。最近、この対人サービス産業との比較を余りおっしゃらないような気がするのですけれども、差はまだまだあるわけですので、引き続きの処遇改善が不可欠だと思っています。
それで、この調査をきょう見て御質問したいと思っていることが2点ありまして、資料7の7ページで、キャリアパス要件を満たすことが困難というのが出ています。前回の平成28年調査と比較して、キャリアパス要件(II)を満たすことが困難というのが急激に上がっているようです。これは、研修の実施または研修の機会の確保だと思いますけれども、どういうように考えられるのかということをお聞きしたいと思います。逆に、(I)のほうは減っているので、それほど困難ではないということなのですかね。ということで、今、老健局でどのように評価されているのかということを教えていただきたいと思います。
それから、9ページのほうのどうやって引き上げたかということについて見ますと、今回はマル3の手当が急激にふえていまして、マル1もまあまあふえている。これはいいことだと思っているのですけれども、逆にマル2が少し減っていたりするので、なぜこういう変化が起きるのか。さらに、もう1年前の調査結果と比較してどのような傾向があるのか、現時点でどういうふうに評価されているのか、教えていただきたいと思います。
意見としましては、23ページだと、(I)から(V)を取得しているところで、1年から2年未満に厚く配分されていて、人材確保のためにこうなるのかなという気もするのですけれども、一方で、保育士の処遇改善加算の場合は、経験年数に応じて加算をつけるという仕組みでキャリアパスをつくっていくということを、加算制度の中でやっている。離職をなくしていく、減らしていくという意味でも、そういう仕組みを加算制度の中に埋め込んでいく必要が介護にもあるのではないかと思っております。
あと、最後ですけれども、昇給の仕組みを設けると職種間で賃金のバランスがとりにくいので、(I)の取得を諦めるという意見がまだ少しあるようですので、この辺については、対象職種の拡大ということも検討していく必要があると思っております。
以上です。
 
○田中分科会長 老人保健課長、お願いします。
○鈴木老人保健課長 まず、第1点目の7ページのキャリアパス要件(II)が困難というところがふえているのではないかというお話でございますが、結局、前回の調査と何が違うかというと、前回の調査の後に、今回の新しい加算の(I)とか従来の処遇改善加算(II)に行っている割合が割とふえてきていますので、そういった中で本当に移行できないところの割合がふえてきているのではないかと思っています。ですので、調査客体が前回とは少し違うのではないかという感じはしています。
それと同様ですけれども、先ほどの定昇の割合が若干減っているのではないかというお話もございましたが、これにつきましては、事業所の中でどのような形にするのかといったところに関与しますので、我々とすれば、今回の結果については、こういうパターンといいますか、こういう割合になったというところで、前回と比べるのはなかなかしづらいのではないかと思っているところでございます。
○田中分科会長 はい。
○伊藤委員 特に評価をされていないということのようですけれども、加算制度が介護職員の離職防止や確保という政策目的に関係するものであることは確実に言えると思っていますので、そこは分析した上で、加算制度の検討の中で生かしていく必要があると思いますので、もし可能でしたら、そういう分析もお願いしたいと思います。
以上です。
○田中分科会長 瀬戸委員、どうぞ。
○瀬戸委員 今回の調査で1万3,660円と、着実に賃金改善に功を奏していますので、今後も引き続き財源確保して、労働環境等の改善にこの加算を役立てていただきたいと思っていますが、(I)の届出困難な理由にも書かれていますけれども、職種間とか事業所間のバランスがとれないことが懸念されていますので、介護職員に限定せずに給付するということで、12月に閣議決定された新経済政策パッケージにもあるような、他の介護職員などに柔軟な対応ができるということも検討することが必要なのではないかなと思います。
一方、事務作業が煩雑でという理由が相変わらず高いので、これは政府全体として書類の半減という取り組み方針もありますから、これに関してはしっかりと対応できるようにしていただきたいなと思います。
以上です。
○田中分科会長 ありがとうございます。
鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員 資料7の10ページで、介護職員の給与が1万3,660円上がっていて、大分上がったなという感じがしますが、これを見ると、事務職員とか調理員は抜いてあります。管理栄養士・栄養士に近づいているとのことですが、看護職員という分け方があって、ここには結構な格差があるのです。看護職員の中には准看護師も含まれているのですが、以前は准看護師との逆転現象が何カ所かで起きていたので、現時点での准看護師との逆転現象はどのようになっているか、教えていただけますか。
○田中分科会長 老人保健課長、お願いします。
○鈴木老人保健課長 ここの介護職員につきましては、いわゆる看護職と准看護師ということで分けて調査してございません。准看と看護師ですので、経営実態調査のほうではそういう調査をしましたが、処遇改善の関係につきましては、そこで分けてとっていませんので、そこについてはわかりません。
○鈴木委員 准看護師との逆転現象が起きているのかどうか、ぜひ教えていただければと思います。
○田中分科会長 齊藤委員。
○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。
まず、感想めいたことで恐縮ですが、改善が徐々に進んでいるなという印象を受ける資料ですので、これは評価できることだろうと思います。その上で、加算の(II)以下の部分について、事務局のほうから支援策を具体的に講ずるというお話でしたので、ぜひこれは期待したいと思います。
その上で、各論で少し教えていただきたいのですが、資料7の3ページの説明がございましたが、全体的な数字は非常にいいものだと思いますが、施設間の差が随分大きいなという印象を持っています。先ほども説明がございましたが、特に介護療養型医療施設が、全体から見るとかなり差が大きいように感じます。加算(I)の取得率も非常に小さいので、どういうふうに理解していいのか、事務局としてわかることがあれば、ぜひ教えていただきたいと思います。
それから、5ページですが、先ほど来、ほかの委員からも(II)から(I)をとれない理由の一番大きなものとして、職種間の賃金バランスがなかなか難しいという指摘が従来からあるわけでありますが、他の職種にも加算を拡大するというのが一番手っ取り早い方法だと思いますが、それ以外の改善策ということを事務局として何かお考えがあるのかどうか。
ここにありますような昇給の仕組みづくりというのは、ある程度手伝えば、それなりに進む、また事務の改善みたいなものも、改善の仕組みみたいなことは手取り足取りである程度できる部分があるかもしれませんが、4番の職種間の賃金バランスが悩ましいということの解決策というのは、それぞれの施設側にとっては非常に大きな課題ではないかと思いますので、他の職種にも拡大するということ以外の、事務局としての何か具体的な方向性があるのであれば、ぜひ教えていただければと思います。
以上です。
○田中分科会長 質問にお答えください。
○鈴木老人保健課長 まず、1点目の、3ページで介護療養型医療施設だけ取得率が低いということの理由ですけれども、基本的には5ページの中で示させていただいておりますが、届出が出ない理由といたしまして、介護療養病床につきましては、一番高いのがマル4の職種間・事業所間のバランスというところになりますけれども、他の施設と比べると、それ以外のところについては余り差が見られない。施設として高いところの中で差が見られないということになっていますので、こういったところが複合されているものではないかと考えているところでございます。
あと、他の職種ということであって、賃金の対象にする以外の方法ということで御質問だと思いますが、現状ですと、それ以外の方法について、事務局のほうで何かいい案があるというわけではございません。対象制約の中で、こういった賃金バランスがと言われていますので、どうしても賃金に集約してしまうことがございますので、少なくとも原因を取り除くというのであれば、ここを何とかしないと、ということになると思います。それ以外は、先ほどの事務作業といったものについては我々ができると思いますが、賃金を上げないで賃金をどうするかという方策はなかなか難しいのではないかと思っています。
以上です。
○田中分科会長 安藤委員、どうぞ。
○安藤委員 質問させてください。今回、29年度の介護職員の報酬改定については、改善加算が1万円ということでやって、その結果、1万3,000円を超える結果が出ましたと。非常にいいことではあると思うのですが、この1万円を大きく超える結果になったということの要因について、事務局のほうで何が要因だったのかというのは、もしおわかりであれば教えていただきたいのですけれどもね。
○田中分科会長 老人保健課長。
○鈴木老人保健課長 これは推測でしかないと思いますけれども、1つは、今回の介護職員の平均給与が増加している要因といたしましては、この1万円の処遇改善を実施したというのが非常に大きいのではないかと思われます。
あと、それ以外にも、経営実態調査のほうでもありましたが、事業所の自助努力によりまして、経費削減ですとか、そういった努力もされているというのが別の調査で出ていましたので、そういったところで給与の引き上げというものもあわせて行われているのではないかという推測はできると思っています。
以上です。
○田中分科会長 よろしいですか。議論ありがとうございました。
次に、議題4「その他」として、「介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会の検討結果について」、事務局から報告をお願いします。
○武井高齢者支援課長 お手元に資料9の御用意をお願いいたします。「介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会の検討結果について」でございます。
表紙をおめくりいただきまして、1ページがその検討会の概要でございまして、このページの下の欄にあります構成員の方々によって検討いただいております。
検討事項といたしましては、福祉用具・住宅改修の新たな種目・種類の追加や拡充についての妥当性や内容に関することについて検討いただいたものです。
今回に関しましては、そのページの真ん中あたりに※印がございますけれども、検討会の開催日時、2月26日に開催いたしましたが、福祉用具19件、住宅改修4件の要望内容について検討いただきました。
2ページをお願いいたします。こちらは福祉用具の検討の概要でございますけれども、今回、御要望いただいた内容につきましては、14種目、19件でございました。掲載されておりますような要望内容でございましたけれども、検討の結果といたしましては、下の欄にございますように、この中では、要介護者ではない者も使用する一般の生活用品であること。また、医療の観点から使用するものであるなどの理由のほか、有効性や安全性の検証が十分ではないといった理由から、いずれの要望も給付対象外という結論を得ているところでございます。
次に、3ページをお願いいたします。こちらは、住宅改修の検討の概要でございます。掲載されております4種類の要望について検討いただきました。その検討の結果でございますけれども、小規模な改修工事とは言えないなどの理由から、いずれの要望も給付対象外という結論を得たところでございます。
説明は以上でございます。
○田中分科会長 これは報告事項ですが、何か御質問、御意見おありでしょうか。
鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員 どういう議論をもとに、どういう検討が行われたのか、ぜひもっと詳しく知りたいのですが、以前に福祉用具が1件上がってきたときは紙ペラ1枚で通してくれと言われて、私は医療機器も担当しているのでびっくりいたしました。こんなものでは審査できないということで保留にさせていただいたのですが。
介護機器を見ていますと、医療機器との違いがわかりにくいぐらい、いわゆる介護ロボットとか、そういうものが出てきているときに、一般の生活用品であることとか、医療の観点から使用するものであるということだけでは十分判断できない。ここにも有効性や安全性の検証が十分ではないということですが、有効性・安全性というのはどういうレベルの内容の検証をされたのか。それぞれどのぐらいの資料が用意されたのか、もうちょっと詳しく教えていただけませんか。
○武井高齢者支援課長 お手元の資料の5ページでございますけれども、福祉用具に関しましては、1番から7番に該当するものについて給付の対象とするという考え方で整理しておりまして、この観点から検討いただいているところでございます。
有効性・安全性の検証が十分ではないという部分についてでございますけれども、資料のボリュームで御説明するのも難しいのですが、例えば今回のものについて、2ページの一番上の片麻痺者用四輪歩行器というものでございますけれども、こちらは先ほど御説明しました専門家の方々からの御意見としましては、病院内で使う分には、ちゃんとしたサポートがあった上での利用であれば安全であろうけれども、在宅での利用を想定する福祉用具としては、車輪がついている部分があって、しっかり安全に使うことができるという確証がまだ持てない。今後検証が必要といった御意見なども出ております。
そういった専門家の方々に事前の評価も資料に基づいてしていただいた上で御意見をいただき、結論をいただいたところでございます。
○鈴木委員 何となく感性で評価しているような気がしますので、今まではそれでよかったのかもしれないけれども、介護ロボット、特に保険導入というものを前提にした場合に、それでは不十分だと思いますね。前にも言ったことがあるのですけれども、医療機器の審査に私、ずっと携わっておりますけれども、何も人の生死にかかわるような機器ばかりじゃなくて、部分痩せの機械とか、そういうものもたまには出てくるわけです。そうすると、それは薬事承認だけとって自由診療で使うということですけれども、その機器ですら、141ページの資料が出てきて議論するわけですね。
有効性・安全性というものが、そこでしっかり担保されているかどうか。薬事承認をするからには、非劣性といううまい言葉もあるのですけれども、そこはきちんと評価する仕組みがあるので、そういう感性で評価するような仕組みはもうやめにしないと、3年後は耐えられないと思います。人がいないとか予算がないとか、いろいろ言っているかもしれないけれども、これはやっておかないと、私は次の3年後に大変なことになるという話をさせていただきたいと思います。リスクマネジメントで、この2つは両方やらないと、何が科学的介護かということになると思いますよ。ぜひよろしくお願いします。
○田中分科会長 アドバイス、ありがとうございます。
伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 私も前回も鈴木委員と同じような立場で意見を申し上げているのですけれども、今回、出ている2ページ、3ページの資料だけでは、その要望内容もよくわかりませんし、それを却下する理由というのも個別にはわかりません。介護保険の給付対象にするかどうかということを検討会なるもので判断しているということであれば意見・要望を言っている人に対しては、個別にお答えしているのか。理由とかがわからないのでは、不服申立とかもされるのではないかと思いますし、この評価方法が行政手続法上の手続なのかどうかというのを教えてもらえますか。
○田中分科会長 支援課長、お願いします。
○武井高齢者支援課長 こちらの検討会については、御要望を随時受け付けており、その要望内容について、この検討会の中で構成されるメンバー、専門家の方々に御意見をいただくという場面でございまして、あくまで給付の対象にする、しないというのは、厚生労働省で判断して実施するものでございます。
要望されている方々への、どういう観点からしなかったかという趣旨の部分につきましては、検討会の実施について公開で行っておりますと同時に、検討会の議論の内容について、後日まとめてホームページで公開するということなどにより、今後、どういった検討・検証が必要なのか、どういった御意見だったかということについては周知していくこととしております。
○伊藤委員 これからという話なのか、されているという話なのか。
○武井高齢者支援課長 議事のホームページでの公開は、今後、近日中に行いたいと思っております。
○伊藤委員 そういうことでありましたら、検討会にそれなりの資料も出ているのでしょうから、給付を議論する本分科会にも提出していただきたいと思います。2回目のお話になりますので、よろしくお願いします。
○武井高齢者支援課長 今後、この検討会での議論の内容について、こちらの場で報告するなど、工夫はしてまいりたいと思います。
○田中分科会長 安部委員、お願いします。
○安部委員 今の説明で大体わかったのですが、今回、評価検討会で十分御議論いただいており、資料も手元にありませんので、これがいいかどうかという評価はこの場ではできないと思っているのですが、1つ教えていただきたいのは、今回、全部の要望が対象外という結論だったという報告でありますけれども、仮にこの中で、今回、対象とするという場合には、対象とした理由とか、その製品概要といったものが示されて、それによって、この介護給付費分科会で妥当か否かという判断をすべきだろうと思います。
今、資料については公表していただけるということなので、納得はいたしますけれども、そういった、特に対象とする場合についての取り扱いについても、しっかり公表するようにしていただきたいというのが1点であります。
それから、ちょっと疑問に思ったのですが、今回、2ページで認知症老人徘回感知機器2件というものが対象外となっていますが、4ページを見ますと、既に認知症老人徘回感知機器というものが対象になるとなっておりますけれども、この2件が対象外になった理由というものはどういったものなのか疑問に思いましたので、教えていただければと思います。
○武井高齢者支援課長 まず、1点目の対象にする場合の取り扱いに関しまして、前回、この給付費分科会で御議論いただきまして、先ほど鈴木委員から御指摘いただきましたように、最初、御提示した内容について不十分だということで、再度、整理いたしまして、2回目お諮りし、その際には、給付対象になった種目について、なぜ対象とするかということについても御報告し、御理解いただいたところでございます。
また、認知症老人徘回感知機器と、同じ文言を使ってしまいましたので、誤解を招いておりますけれども、現在、給付の対象にしております認知症老人徘回感知機器につきましては、自宅から出られるときに、自宅にいる家族にお知らせをするという機能を持った機器を対象としております。今回、提案にありました内容につきましては、靴の中にGPS機能を持ったインソールなどを設置して、それについて対象としてほしいという御要望をいただいたところでございます。
その場合に、GPS機能を持ったものについては、既に要介護者の方だけではなくて、広く一般にいろいろな方に利用されるということでございますので、そういった事柄について介護保険給付の福祉用具の対象にするということは、適切ではないのではないかという御意見をいただいたところでございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。よろしいですか。
本日、用意されている議題はここまでです。
その他で、田部井委員、どうぞ。
○田部井委員 現在、パブリックコメントが実施されています訪問介護の生活援助のことですけれども、私、最近、ある友人の担当者会議に出席する機会があったのですけれども、8事業者が絡んでいただいて、うち7つの事業所が出席して、主治医の先生も出席されて、1時間かけて情報を共有して、今後のケアの方向性を確認し合う会議でした。これは、介護保険ができて、私は本当によかったなと、じわっとくるものがあるほど、そういう気持ちを覚えました。そのようにしっかりやっているケアマネジャーさんはたくさんいますし、その周辺では担当者会議というものがしっかりと根づいているのではないかと私は思います。
そういう観点からしますと、今回の届出検証制度というのは、ケアマネジャーさんがしっかりやる。そのしっかりやるケアマネジャーさんに対する負担というものをやたらふやす結果にしかならないのではないかと思います。しっかりしたケアマネジャーさんは、回数制限があっても必要な生活援助を組み込んでくださるでしょうし、そうするとケア会議に呼ばれるという結果になるわけです。でも、しっかりやっていますから、結論は適切であるということになることは明らかだと思います。
一方で、必要があるのに自主規制したケアプランを立てれば、ケア会議には呼ばれないわけです。さらに、自主規制したかどうかということを検証する手だてというのはないと思います。だとしますと、届出検証制度で厚生労働省のほうでおっしゃっている質の高いサービス提供の実を上げることができないということは明らかじゃないかと私は思います。得られる成果があるとすれば、財務省も主張している、自主規制等の利用制限による出費の抑制以外には考えられないと思います。
財務省というところは、どういう考えに基づいて、生活が立ち行かなくなるのではないか、あるいは命にかかわる可能性もある生活援助の利用制限を提案してくるのか。命や生活というものをどういうふうに考えているのかということを知りたいと思いまして、この間の財務省をめぐるいろいろな動きについては、私としてはかなり注意深く見守ってきたつもりでしたけれども、残念ながら、省内の仕事にかかわって、失われた命に対する配慮というものをほとんど感じることはできませんでした。そういう形からしますと、身内にすら冷たいのと同じように、認知症の人や介護を必要とする人たちの命や生活というのも軽んじられているのではないかと思いましたけれども、そう思うのは私だけでしょうか。
そうであってはならないですし、命や生活というのは何より大事にしなければならないと思います。質の高いサービスの提供の実を上げることができずに、労多くして益がなくて、逆に利用者の生活を脅かすような利用制限を招く可能性が極めて高いケアプランの届出検証制度の導入というのは、私はせっかく11月22日のこの分科会に提示していただいた自治体調査というものがあるわけですので、そういう実態をきちんと踏まえて届出検証制度の導入というのは撤回すべきであると、改めて意見として申し上げたいと思いますけれども、ぜひ再考をお願いしたいと思います。
○田中分科会長 御意見ですね。ありがとうございます。
ほかにないようでしたら、本日の議論はここまでといたします。
次回について説明をお願いいたします。
○鈴木老人保健課長 本日はありがとうございました。
次回の日程につきましては、事務局から追って御連絡をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
冒頭、紹介のとおり、各委員のお席に本日の資料として報告書の冊子を置いておりますが、後日、正式なものを郵送させていただきますので、本日は回収させていただきます。
それでは、本日はこれで閉会させていただきます。お忙しいところ、どうもありがとうございました。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 

(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(介護給付費分科会)> 第159回社会保障審議会介護給付費分科会議事録(2018年4月4日)

ページの先頭へ戻る