ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(年金数理部会)> 第85回社会保障審議会年金数理部会 議事録(2020年9月3日)

 
 

2020年9月3日 第85回社会保障審議会年金数理部会 議事録

年金局

○日時

令和2年9月3日 10時00分~12時00分

 

○場所

TKP新橋カンファレンスセンター 15階ホール15D



 

○出席者

 
菊池部会長、浅野部会長代理、翁委員、小野委員、駒村委員、関委員、永瀬委員、野呂委員、枇杷委員


○議題

令和元年財政検証のヒアリングについて

○議事

 

○山本首席年金数理官 定刻より少し早いのですけれども、皆さんおそろいのようでございますので、ただいまより第85回「社会保障審議会年金数理部会」を開会させていただきたいと思います。
審議に入ります前に、資料の確認をさせていただきます。
会場のほうではペーパーレス開催でございますので、机上のタブレットでご覧いただきます。タブレットは今、既にマイプライベートファイルのフォルダになっていると思いますが、そちらのほうに資料一覧が表示されてございます。
本日準備をしております資料は、議事次第、委員名簿、座席図のほか、まず資料1「厚生労働省提出資料」でございますが、全部で3分冊になっておりまして、本体の資料のほかに資料1別冊1、資料1別冊2が付属してございます。フォルダ上には資料1-1、1-2、1-3という形で表示されております。
それから、資料2「財務省提出資料」。
資料3「総務省提出資料」。
資料4「文部科学省提出資料」でございます。
次に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
本日は全員御出席でございますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。
なお、前方スクリーンに映っておりますけれども、翁委員、駒村委員、関委員におかれましてはオンラインでの参加でございます。
また、前回の部会の開催以降に事務局で異動がございましたので紹介いたします。
大臣官房審議官の朝川でございます。
総務課長の内山でございます。
年金課長の岡部でございます。
それから、私の右手ですが、年金数理官の木村でございます。
それでは、以後の進行につきましては、菊池部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○菊池部会長 おはようございます。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきまして、ありがとうございます。また、直前に非常に激しい雨が降ってまいりまして、大変御苦労さまです。
社会保障審議会年金数理部会では、公的年金制度の安定性の確保の観点から、財政検証時における検証(ピアレビュー)を行うこととされております。このため、本日は所管各省から令和元年財政検証についてヒアリングを実施いたします。
カメラはいらっしゃらないですね。
それでは、ヒアリングに先立ちまして、事務局から本日の資料、ヒアリングの実施方法について御説明をお願いいたします。
○山本首席年金数理官 まず、本日の資料につきましては、作業班等を通じまして準備をしてまいりました様式に基づいて報告をいただいたものでございます。
このうち、財政検証の詳細結果というものがございまして、データで頂いておりますけれども、データがかなり膨大なものでございますので、本日は配付を省略しております。これにつきましては、事務局におきまして整理をした上で別途お示しいたします。
次に、ヒアリングの実施方法でございますけれども、5年前にピアレビューを行った際には、厚生年金・国民年金と3つの共済組合等、それぞれについて個別にヒアリングを行いました。当時は共済組合等にも法律上の財政再計算の義務がございましたけれども、平成27年10月に被用者年金が一元化されて以後、この義務がなくなっておりまして、現在は厚生年金の財政検証を厚生労働省と各共済所管省あるいは実施機関等が連携して作成しているということでございます。
したがいまして、今回のヒアリングは厚生年金保険及び国民年金(基礎年金)を一括いたしまして、まず厚生労働省から説明をした後、各共済所管省から担当部分について御説明をいただくという形で準備をしております。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、そのような形で進めさせていただきます。
本日は、お忙しい中、厚生労働省年金局数理課の山内課長、佐藤数理調整管理室長、伊藤課長補佐。
財務省主計局給与共済課の西尾共済計理官。
国家公務員共済組合連合会年金企画部数理第一課の高橋課長。
総務省自治行政局公務員部福利課の長田数理官。
地方公務員共済組合連合会年金業務部数理課の山内課長。
文部科学省高等教育局私学部私学行政課私学共済室の山口共済調査官。
日本私立学校振興・共済事業団数理統計室の松澤室長に御出席いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
それではまず、厚生労働省から説明をお願いいたします。
○山内数理課長 年金局の数理課長でございます。
令和元年の財政検証につきましては昨年8月27日に公表しまして、当部会でも昨年12月23日の部会で御報告をいたしましたが、今回、ピアレビューのために、厚生年金及び国民年金についての2019年財政検証について私のほうから御報告をするということでございます。
資料1-1、1-2、1-3とございますけれども、主には資料1-1で御説明をしたいと思います。
資料1-1をご覧いただき、1枚めくっていただきますと「目次」となっておりまして、2ページにわたって大きく7項目が表示されていて、これらについて御報告をするということでございます。
目次の2枚目の7番目の後のところに書いておりますけれども、別添資料といたしまして具体的あるいは詳細な資料を添付しているということでございまして、このうち、「2-3-3 基礎数の具体的な数値」「2-4-2-6 基礎率の具体的な数値」が別冊1になっていて、一番下に書いている参考資料に当たるものが別冊2となっているということでございます。
1ページ目でございます。
「1 財政検証の枠組みに関する資料」でございます。数理部会からいただいた御質問がゴシック体でございまして、私どもの回答が明朝体となっております。
まず「1-1 財政検証の枠組みに関する基本的事項」でございます。最初の2つのパラグラフで、平成16年改正によりまして、従来のような保険料の引上げ計画を策定するという意味での財政再計算は行われなくなったこと。他方で、2004年改正後の保険料固定方式の下でも財政状況を検証していかなければならないので、厚生年金保険法及び国民年金法において、少なくとも5年に1度財政検証を行うこととされていること。それから、法律上財政検証で行うことを分解してみますと、マル1からマル5のようになることを書いているということでございます。
そして、その次の「すなわち」からのパラグラフで、これらをまとめまして、財政検証はおおむね100年間の財政均衡期間の収支見通しを作成すること。それから、財政均衡期間の年金財政の均衡を図るためには、マクロ経済スライドによる給付水準をどの程度行う必要があるかを推計して、財政検証を行った時点で調整を終了しても年金財政の均衡が図られる見通しとなるときに給付水準の調整を終了することになるということを書き、さらにその次の「このように」というところで、財政検証は直近の人口や経済情勢を踏まえて財政の見通しを作成することによって、2004年改正法に基づいた長期的な財政の均衡が図られているか、持続可能性の観点ということでありますけれども、あるいは、給付の十分性の観点ということでありますが、給付水準調整終了後の将来の給付水準の見通しが十分であるかを調べまして、年金財政の健全性を検証するものであるということを書いております。
「また」からのパラグラフで、財政検証において5年後までの間に所得代替率が50%を下回る見込みとなった場合には、その時点において給付水準調整の終了について検討を行って、その結果に基づいて調整期間の終了、その他の措置を講ずることとされています。あわせて、その際には給付と負担の在り方についての検討を行って、所要の措置を講ずることとされているということを書き、最後、マクロ経済スライドをどこまでかけるかということに関する部分でありますけれども、今回の財政検証では令和97年度までを推計していますが、2115年度初めの積立金がその年度の支出の1年分となるようにマクロ経済スライドによる給付水準調整を行って、それ以上行う必要がないとなったところでマクロ経済スライドを止めて財政見通しを作成するという形でやっているということでございます。
それから、次の「1-2 将来見通しを作成する際に前提とした公的年金制度の内容」であります。2019年3月において施行されている法令及び2016年の年金改革法の未施行事項、具体的には国民年金の第1号被保険者の産前産後期間の保険料の免除、これは2019年4月の施行となっているわけなのですが、それと年金額改定ルールの見直し。これは賃金上昇率が物価上昇率を下回ってかつマイナスであった場合にも賃金変動に合わせて年金額を改定するということで、2021年4月の施行となっているわけなのですが、こういうものを前提としている。
さらに、法令上の規定にはなっていないのですけれども、従来から国会での答弁がございまして、これを踏まえて、既裁定者の年金については、新規裁定者の年金水準との乖離幅が2割となった場合には、新規裁定者の年金と同じ賃金上昇率で改定するように従来から推計していまして、今回もこのように推計しているということでございます。
2ページ目から4ページ目までが財政検証における推計方法に関する資料となっておりまして、2-1と2-2-1と2-2-2は別冊2を用いて御説明をしたいと考えておりますので、マイプライベートファイルに戻って、別冊2の資料1-3をご覧いただければと思います。
3ページをご覧いただければと思うのですけれども、「第1-1図 財政検証作業の全体図(概要)」という図があります。一番上の「被保険者データ(実績)」や左側にある「将来推計人口」や「労働力率の見通し」、「受給者データ」、「被保険者や受給者の動向に関する基礎率」、「賃金上昇率」や「物価上昇率」など、楕円で囲まれているものが出発データと言える基礎数やそれを動かすための基礎率になります。あるいは制度内容に当たるものもありますが、真ん中の矢印の推計の流れの中で、二重線で四角く囲まれている部分が推計作業、そこから下に出る矢印の先に楕円で囲まれているものが推計結果となります。一番下の二重線の楕円で囲まれているものが最終的な結果、財政見通し、収支見通しとなります。
これは細かい部分は省略しまして骨格を書いたものだということで御理解をいただきたいと思いますけれども、まず上のほうですが、被保険者データの実績を基礎にしつつ、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口や、JILPTと呼ばれています独立行政法人労働政策研究・研修機構の労働力需給の推計による労働力率の見通しなどを用いて、制度別の被保険者数の将来推計を作成します。
この作業は、将来推計人口をベースにして見れば、将来推計人口で示されている将来の性、年齢、各歳別の人口を、年金の実績や労働力率の将来見通しなどを踏まえて、各制度の加入者数に切り分けていくといったような見方でもよいかと思います。
それから、真ん中のほうになりますけれども、さらに受給者データの実績や基礎率、制度内容などを用いて、各制度の総報酬額や給付水準調整を行わない場合の基礎年金給付費、報酬比例部分の給付費などを推計するということになっています。
そして、これらと足下の積立金、運用利回りの仮定や保険料率など、各年度の各制度の被保険者数の将来推計から得られる将来のスライド調整率などを用いて、下の方にいって、給付水準の調整を行った上での厚生年金や国民年金の財政見通し、収支見通しが作成されるという流れになっています。
資料1-1で言えば、「2-2 推計方法(数理モデル)に関する資料」ということでございますが、引き続いて、今ご覧いただいている資料の5ページ目をご覧ください。
「第2-1図 厚生年金の給付費推計(給付水準調整前)のスキームの概要」となっていますが、厚生年金の給付費の推計についてのある年次の推計の概要を示しているということでございます。基本となるデータが被保険者データ、受給待期者のデータ、受給者データという形で整備されていて、そのそれぞれを前年度末の状況から当年度末の状況へと動かしていく作業になるということでございます。具体的には、前年度末の状況から当年度中の加入や脱退の状況で被保険者とか待期者のデータを動かしまして、被保険者期間や報酬累計を1年分更新し、当年に新しく受給者になる方々の新規裁定年金を推計し、それで受給者データを更新して、当年度末の状況を推計するという流れになっているということでございます。
そこから先、6ページ目から33ページ目が厚生年金の給付推計の具体的な変数や計算式の例を示したもので、ずっと飛んでいただきまして、34ページから46ページが国民年金について同様のスキームでの推計になっていることや具体的な変数や計算式の例を示したものでございます。
その次の47ページからは、最初の資料1-1でいいますと「2-2-2 厚生年金実施機関又は制度別の被保険者数の見通しの作成方法」になります。
先ほど2-1の将来推計の全体構造が分かる資料・フローチャートなどでお話ししたことと少し重なるのですけれども、48ページの「第3-1図 公的年金被保険者数の将来推計の方法」をご覧いただきますと、大きくは一番上の将来推計人口に、中ほどに点で囲ってありますが、労働力率を適用して労働力人口や就業者数や雇用者数などを推計しまして、これから厚生年金被保険者数を推計し、さらに厚生年金被保険者の関連として国民年金の第3号被保険者を推計して、総人口から厚生年金被保険者数や国民年金の第3号被保険者数を差し引きまして、国民年金の第1号被保険者数を推計するという流れになっております。
また、図の下に(1)※と小さい字で書いておりますけれども、厚生年金の第1号から第4号の被保険者、従来の厚生年金と各共済組合の被保険者につきましては、今御説明した厚生年金全体の被保険者数から、共済組合ごとにそれぞれの考え方でそれぞれの被保険者数の見通しを各共済で推計していただいておりまして、その考え方で推計された厚生年金の第2号から第4号被保険者を厚生年金全体の被保険者から差し引くような形で、厚生年金の第1号被保険者、従来の旧厚生年金に相当するものを推計しているということでございます。
なお、図の半分より上のほうに書いておりますけれども、労働力需給推計では、女性については将来の労働力率などが有配偶と無配偶別に示されていますので、将来推計人口から厚生年金被保険者数を推計する際に、国立社会保障・人口問題研究所の日本の世帯数の将来推計というものがございますので、これを用いて、女性については将来推計人口を有配偶、無配偶別に分けて推計しているということでございます。
49ページをご覧いただきまして、第3-2図が厚生年金被保険者数及び労働投入量の推計手順についてフローチャートで示したものでございます。将来推計人口から厚生年金被保険者数を推計する際には、今御説明したように、女性は有配偶、無配偶別に推計しているということと、フルタイム雇用者と短時間雇用者に分けて推計しているということでございます。推計した厚生年金被保険者数の方は、まさに財政検証の被保険者の見通しとなり、一方で、推計結果として出てくる労働者の総労働時間などが経済前提を検討する際の投入データになっていくというようなことでございます。
別冊2は以上でございまして、恐縮ですが、資料1-1にもう一度戻っていただきまして、2ページ目の「2-2-3 制度間、厚生年金実施機関間の資金の授受についての計算過程」でございます。
資金の授受は3つありまして、1つは基礎年金拠出年金と交付金、もう一つは厚生年金拠出金と交付金、それから、国共済と地共済の間の財政調整ということになります。
厚生年金拠出金・交付金と国共済、地共済の間の財政調整は、厚生年金全体の財政見通しに影響するものではございませんけれども、実施機関別の見通しには影響してくるということになります。基本的にはそれぞれ法令で算定式が決まっていますので、それに従って推計をしているということでございます。
ただ、実際の拠出金のやり取りの場合には、現実に行われていることは、概算で払いまして後で精算をするというようなプロセスや、調整のものによっては資産を時価ベースで評価するか簿価ベースで評価するかといったようなことがあるわけなのですが、従来から財政検証におきましては100年間の長期の話でありまして、1つは概算や精算のことを見込まずに基本的には確定ベースの値で推計をしているということと、もう一つは、資産についても非常に長期の話なので、足下の資産を時価、簿価の考え方を分けずに一つの資産ということで将来見通しをつくっているので、実際の調整のプロセスは、そういうところは少し違うところはございます。
3ページ目、「2-2-4 推計方法の開発・変更のプロセス」でございます。
「2-2-4-1 推計方法の開発・変更のプロセスに関する規定事項及びその遵守事項」につきましては、給付費推計や収支見通し作成のプログラムということなのですけれども、プログラム修正の際は修正方針を課内で確認しまして、体制は後で御説明しますが、担当者複数人で改修作業を行うことになっております。
それから、2-2-4-2の前回財政検証からの推計方法の変更点につきましては、基本的には2016年の年金改革法の内容を反映しているということであります。
「2-2-4-3 推計方法に関して変更を行わなかった箇所の妥当性や、全体としての整合性についての検証・点検状況」については、基本的には財政検証のプログラム自体が、従来から根幹の部分は引き続き使い、必要な修正を加えながらやってきているということなので、ずっと使い続けている部分の信頼性はそれなりにあると考えておりまして、これまでの推計方法に疑義がなければ変更は加えておりませんで、出力結果そのものや結果同士の差の比較といったことを行って整合性の確認などを行っているということでございます。
「2-2-4-4 決定論的手法・確率論的手法に関する検討状況」についてでございますけれども、従来から基本的に財政検証は決定論的手法と言ってよいのではないかと思うのですが、そういうやり方で実施しているということでございます。後の6の前回ピアレビューの提言の対応のところでも同様の御説明をさせていただくことになるわけなのですが、前回のピアレビューで確率論的手法についても検討するようにという御提言をいただいていたのですけれども、現時点における私たちの受け止め方としましては、ピアレビューの中でも難しい課題があることは御指摘いただいているということや、ピアレビュー後の年金数理部会の御議論の中でも、難しいなりに進めてみるべきではないか、やってみるべきではないかという御意見がある一方で、やはり課題がとても多いので実施は困難ではないかという両面の御意見があって、なかなか難しいところがあるかなという認識があります。
要するに、いろいろなことをやってみるということになりますと、重要な諸率の中に、かなり影響度の大きいものとしては人口や経済というものがあるわけなのですが、これらの将来の確率分布などについてどういうふうに設定していくかというのはなかなか難しいところがございます。財政検証に限らずいろいろな施策の基礎になっている人口の推計自体が、基本的にはポピュレーションプロジェクションといいますか、足下の状況を将来に投影したものである。そういうものをベースに、将来の人口の見通しがある中で一体どういうふうに考えていくかということもあります。
これは専門委員会の御議論でもあるのですけれども、経済前提などでも、指標の間の整合性ということで、将来は一応モデルを使って、それで整合的に設定していきましょうということもありますので、将来が不確実な中で、どういうふうに確率分布などを設定すれば有用な推計になっていくかというのは、今回のところは結論までたどり着くことは難しかったということでございます。
「2-2-5 シミュレーションの結果数値を、決算又は事業統計から把握した実績値と円滑に接続させるために起こったキャリブレーションの方法」については、基本的には基礎数、基礎率とも直近までの実績を用いておりまして、統計なども一部抽出はありますけれども、全数に近いものがかなりを占めていることもありますので、接続などについては確認をした上で行っているということでございます。
4ページ目、「2-3 基礎数に関する資料」でございます。
まず「2-3-1 基礎数の種類」とか「2-3-2 基礎数のもととなる統計と基礎数の作成方法等」です。ちょっと飛ぶのですが、この資料の11ページ目でございます。縦横の表示があれなのですけれども、11ページ目が国民年金で、12ページ目が厚生年金の基礎数となっております。
それぞれの表は同じような形をしているのですが、一番左の列に基礎数の種類を書いておりますけれども、それぞれの表の一番上の段にあるのが被保険者のデータ、真ん中の段が受給待期者のデータ、一番下の段が受給者のデータということになって、これが財政検証の出発データとなります。被保険者や待期者のデータでは、11ページの国民年金の場合は保険料納付期間とか免除期間のデータを持つというようなことで、12ページの厚生年金の場合は報酬などのデータを持つという形で設定しているということでございます。
左から2列目が元となる統計、3列目に作成方法を書いておりまして、11ページ目の国民年金は、日本年金機構の保有するデータから被保険者と待期者については100分の1抽出したもので、受給者については全数を基礎にして設定している。12ページ目の厚生年金につきましては、【旧厚年】と書いている部分が被用者年金一元化前の厚生年金に相当する部分、厚生年金の第1号被保険者ですが、ここは日本年金機構の保有するデータから、被保険者と待期者については50分の1抽出したもの、受給者については全数を基礎に設定。【共済】と書いている部分が各共済組合分でありますけれども、厚生年金の第2号から第4号被保険者でありますが、被保険者、待期者、受給者ともに各共済組合の全数データを基礎に作成ということでございます。
後で5のところで制度間などの連携についても御説明をしますけれども、11ページや12ページの基礎数とか、次に御説明する13~21ページの基礎率などは、基本的な考え方を共有した上で各実施機関で整理された統計を厚生労働省に集めさせていただいて、厚生労働省で作成して、各実施機関でも確認という形でやっているということでございます。
前回からの変更点としては、書いておりますけれども、制度改正に対応した変更を行っているということでございます。画面上の操作をしていただく必要はないと思うのですが、2-3-3の基礎数の具体的な数値については、別冊1の1ページから35ページまでに一部を抜粋して具体例をお示ししているということでございます。
恐縮ですが、資料1-1の4ページ目にもう一度戻っていただきまして、次は「2-4 基礎率(将来に関する仮定・前提条件)に関する資料」でございます。
まず人口・労働力・経済の前提でございますが、4ページの2-4-2-1に書いているとおり、複数の幅を持たせた上で推計を行っているということであります。人口に関しては2-4-2-2にあるとおり、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口を用いていまして、出生や死亡について中位、低位、高位の組合せがあるということでございます。経済に関しては、2-4-2-3にあるとおり、社会保障審議会年金部会の下に「年金財政における経済前提に関する専門委員会」というものを設置して、そこにおける検討をして、幅の広い6ケースということで設定しているということでございます。この辺りは前回の財政検証と同じような考え方でございます。
その他の基礎率でございますが、もう一度飛んでいただきまして、13ページから21ページになるのですが、13ページから17ページが国民年金の基礎率、18ページから21ページが厚生年金の基礎率となっています。これらの基礎率につきましても、基本は各制度の実績統計を平成26、27、28と3年分程度を基礎にしまして、それに生命表や国勢調査、将来推計人口あるいは将来の世帯数推計などを用いて作成しているということでございます。
例えば、14ページの一番上に遺族年金の発生率、子供の発生率などがありますけれども、これは将来世帯構造の変化などで変化し得るということで、左から3列目の囲みのオに書いているように、将来の世帯数推計を用いて変化させているといったようなことでありますし、中ほどから下のほうに各種年金の失権率があるわけなのですが、亡くなって失権ということが大体のケースだと思うのですが、これも将来推計人口の将来生命表をもって変化をさせるというようにしているわけであります。基礎率設定などでもなるべくフォワードルッキングな観点でというお話もあるわけなので、基本的には可能なものはなるべく将来の見通しなどを織り込んだ形の設定でやっております。
前回からの変更点でありますけれども、基本的には基礎数と同じように制度改正に対応しているというようなことであります。
それから、18ページの一番上に厚生年金の総脱退力があるわけなのですが、厚生年金の総脱退力自体が減少傾向にあるので、3年平均ということではなくて、直近年度、要するに27年度末と28年度末のデータを使って作っている、最近の傾向は見込めるものは見込んでいくといったことはしております。
合理性・妥当性の検証につきましては、表の一番右の列にそれぞれ書いておりますけれども、前回財政検証時の基礎率との比較や、数理課の中での検討、確認、ほかの統計との比較などを行っているということであります。具体的な数値につきましては、画面の表示はしませんが、基礎数と同じように別冊1のほうで36ページから206ページまでにそれぞれ厚生年金の第1号、それから2号、3号、4号と各共済の主な基礎率のグラフや具体的な数値をお示ししているということでございます。
それから、一回戻っていただくのも恐縮なのですが、資料1の4ページ目の一番下に「2-5 積立金の初期値の積算根拠」とありまして、それはまた基礎率のさらに後ろ、同じ資料の中の22ページ目と23ページ目でございますけれども、22ページ目が国民年金、23ページ目が厚生年金ということでございます。
国民年金、厚生年金ともに、毎年の決算の報告の財政検証との比較のときにも同じ操作をして、金額も注記をさせていただいているのと同じなのですけれども、国民年金、厚生年金ともに過去の国庫負担の繰延べ分の元利を加えているということでございます。この計算自体は厚生労働省で計算しているものでございますが、厚生年金については各実施機関が保有する額のほか、厚生年金基金のいわゆる代行部分がありますので、存続している厚生年金基金の最低責任準備金など、厚生年金基金の代行部分に相当する積立金の額を加えて足下の値を作成しているということでございます。
資料1の5ページ目にもう一度戻っていただきまして、「3 財政検証の詳細結果」につきましては、先ほどの首席年金数理官からのお話のとおり割愛しますが、基本的には厚生労働省のホームページでも公表させていただいているということでございます。
それから、6ページ目、「4 推計結果の分析及び財政検証結果の表示の適切性」でございます。
「4-1 財政検証結果として表示する項目の選定理由、表示項目に不足がないことの検証状況」でありますが、財政検証でやることと公表しなさいということは法令上決まっているものがありますので、これに沿って収支見通しやマクロ経済スライドの調整の終了年度の見込みなどをお示ししているということなので、基本的に、まず一つの考え方としては、法律に基づいて示すべきものは全部公表しているということで、不足は認識していないということでございます。
それから、もう一つのオプション試算などもやっているわけなのですが、オプション試算については法令上の規定があるわけではないのですけれども、どのようなオプション試算を行うかということや、当然、問題意識などは年金部会などで御議論いただいているわけなので、そういうことを踏まえて実施して必要と考えられる事項を示しているということでございます。
「4-2 推計結果に内在する不確実性を表現するための取組み又は工夫」です。経済前提を議論した専門委員会におきましても、財政検証自体、将来を正確に見通す予測というよりも、現在のデータを一定のシナリオで将来に投影するものという性格だろうという御議論をいただきまして、経済の前提も幅広い6ケースを設定しているということでありまして、この考え方を様々な機会に説明していっているということでございます。いろいろな不確実性があるわけなのですが、今経済の話をしているのですけれども、そのほかに出生率などについても上がった場合とか下がった場合とか、死亡率についても上がった場合とか下がった場合を示したりしているわけなので、そういう形で示している。ただ、繰り返しになりますけれども、どれがどのぐらいの確からしさで起きるかみたいところまではさすがにいっていないということでございます。
「4-3 結果の表示方法の変更点」でございます。前回の財政検証以降も様々御議論があったこともあって、オプション試算の充実や関連資料として資料も出しているのですが、そういうものの充実を図ったということであります。
オプション試算自体は前回もいろいろなことをやっているのですが、大きく今回のテーマとしては、Aとして被用者保険のさらなる適用拡大と、Bとして保険料拠出期間の延長と受給開始時期の選択肢の拡大がございますけれども、それぞれ様々な観点から設定されて、それぞれの中でいろいろなケースを試算しているということと、AとBの組合せといった試算なども行っています。
オプション試算の中の参考試算という位置づけで、2016年の年金改正の年金額改定ルール、賃金スライドの徹底とマクロ経済スライドのキャリーオーバーなのですが、平成26年の財政検証ではこういう試算を行っていなかったわけなのですけれども、制度改正の中でその効果をみたいこともあり、効果の試算を改めて行っているということでございます。
それから、公表した関連資料の中では、例えば我が国の経済全体の中における公的年金の規模感が把握できるように、GDPに対する公的年金の大きさが今後もそれほど変わらずに推移していく見通しでありますということや、スウェーデンのオレンジレポートの取組などを参考にしまして、今後、所得代替率が調整されていく中で、将来の受給者となる方、要するに今の若い方々がどれぐらいまで働いていつ頃から年金を受給すれば、足下の所得代替率といいますか、今、受給を始められる方々の代替率、6割ちょっとぐらいと同程度の水準を確保できるかといったこと。
あと、よくある話として、いわゆる給付水準を測る物差しとしてのモデル年金の計算の仕方は、法律にこういう世帯を前提に計算しなさいと書いてあるのですが、それ自体が現実と乖離しているのではないかみたいな議論はよくあるので、世帯類型ごとの代替率が必要なのではないかみたいな議論があるわけなのですけれども、日本の公的年金の水準は世帯類型で決まるわけではありませんで、世帯の1人当たり賃金水準で決まるので、それはいろいろな世帯類型があるのですが、どのような世帯類型であっても賃金水準のほうで決まっていくんですよといったようなことをなるべく分かりやすく解説したり、実態としてもいろいろな賃金水準の中にいろいろな世帯類型があるみたいなことを特別集計をしたりして示していっているということでございます。
それから、財政検証結果として公表された資料・報告書としては、昨年8月27日に「4-4 財政検証結果として公表された資料・報告書」に示しているものを公表しております。
また、「4-5 財政検証結果の公表の手段(ホームページ等への公開状況等)」の2つ目の○に書いておりますけれども、プログラムや基礎数、基礎率などの基礎データは、昨年12月に厚生労働省のホームページに掲載しております。
今後については「4-6 令和元年財政検証の情報公開に関する今後の予定」のとおりでありまして、これまでの財政再計算や財政検証でも作成してきておりますが、刊行物として詳細な結果レポートを公表するとともに、前回財政検証の際に漫画を作成しまして、分かりやすい情報発信をしようという試みを始めていますが、これを更新していくことを予定しているということでございます。
次の7ページでございます。
「5 財政検証の実施体制に関する資料」でございますけれども、7ページの表は財政検証公表時のものでございます。実人員で10名となっておりまして、数理課長が全体統括でございますが、総括担当を別にすれば、基本的には厚生年金担当、国民年金及び基礎年金担当、共済担当となっておりまして、厚生年金担当と共済担当とはほぼ一体的に業務を行っているということでございます。
財政見通しなどをつくるときには、基礎年金の仕組みを通じて、厚生年金と国民年金はつながっておりますので、作業においても当然日常的にということなのですが、厚生年金担当と国民年金及び基礎年金担当とはやり取りがありますし、厚生年金のうち共済に関する部分につきましては、共済担当として共済担当が各共済組合やその所管省とやり取りをするといったような形で作業を進めるということでございます。
財政検証のプログラムやデータは基本的には数理課の中で作成をしておりまして、「5-3 研修の実施状況」でございますけれども、基本的には上の表にあるように担当単位でシミュレーション方法の勉強や研修などを行っているということでございます。
設計、構造、操作などに関する文書については5-4にあるわけなのですけれども、要するに、財政検証結果レポートというものがかなりページ数が多いというか、かなり詳細なものと考えて整理をしているわけなのですが、かなり詳しくスキームや計算式をまとめていまして、プログラムやデータなどもホームページで公表しており、担当単位で勉強なども兼ねて引継ぎも行ってきているということでございます。
「5-5 仮定(前提)・基礎率の設定根拠と検討過程に関する文書の作成状況」でございます。基礎率といったときに一体何をどこまで範囲に含めるかはいろいろあるのですが、広い意味では人口、経済、労働力や経済といったものがあると考えておりますが、財政検証の前提として重要な人口や労働力については、それぞれ作成機関がありまして、その作成機関でかなり詳細な報告書が作成されているということでございます。それから、経済については、専門委員会の資料、議事、報告書は全て厚生労働省のホームページで公表されていますので、検討のプロセスも含めて追っていける形になっているということでございます。
それから、こういう前提で財政検証を行いますよということは2019年3月の社会保障審議会年金部会で御報告をして作業をしているということであって、それ以外の制度の状況や詳細などにつきましては、これまでも数理レポートと呼んでおります財政検証結果レポートでまとめてきましたし、今回もこれから公表する数理レポートでまとめるという対応でございます。
次のページに行きまして、「5-6、制度間または厚生年金実施機関間の連携」ということに当たるわけなのですが、これまでも将来推計の全体構造や基礎数・基礎率の説明の際にも少しずつ触れてまいりましたけれども、基本は厚生労働省、各実施機関、実施機関担当省の数理担当者と連絡会議を行って、どういうふうにやりますかという方針やスケジュールを決めて行っていくということでございます。(i)の最初のパラグラフのとおり、特に連携が必要な事項は、まず各実施機関の基礎数・基礎率をどのようにつくるかといったことなのですけれども、2つ目のパラグラフ以降や(ii)(iii)(iv)にあるように、基礎のデータを厚生労働省で提供を受けて、厚生労働省でつくって、各実施機関担当者に協議をかけるといったような形で進んでいるということでございます。
それから、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、被保険者数全体の見通しはそれぞれの共済組合の特徴がありますので、それぞれで作成して提供いただいているといった形で進んでいるということでございます。
「6 前回レビューの『今後の財政検証の提言』への対応状況に関する資料」でございますが、この資料の24~27ページに表の形でまとめさせていただいております。字が細かくて恐縮なのですけれども、24ページの表の左側が前回レビューの提言でありまして、右側が今回財政検証での対応になります。
まず24ページの一番上の段の1の(2)マル1でございます。基本的には経済前提の設定の仕方ということでありまして、前回の平成26年の財政検証のときには8通りだったのですが、要するに、複数のケースが並列的に扱われたままではスライドの終了時期を決められないのではないかという御指摘があったということでございます。
ただ、これについても、一方で成長率が非常に低いケースなども含めて幅広く出しているということ自体を評価していただいているということもあったりして、専門委員会などでも財政検証のプロジェクションの性質なども含めて、今回も基本的には同じような形で設定をしているということでございます。今回は6ケース設定していて、スライドの終了などについては総合的な判断をするということで考えているということでございます。
2つ目の御指摘でございますけれども、前回財政検証以降に行われた制度改正の財政影響につきましては、今回オプションにした参考資料という形でお示ししたということでございます。
3つ目の御指摘でございます。基礎年金の拠出金や交付金など、財政検証は伝統的に拠出金と交付金を差し引きした実質額で表示しているわけなのですけれども、全体額をまず表示したほうがいいのではないかといったような話がございますが、従来との連続性なども考えまして、今回は引き続き実質額で掲示をしていて、ただ、基礎年金の拠出金と交付金自体の見通しを別途示しておりますので、計数自体はそちらのほうで追っていけると考えているということでございます。
4つ目の御指摘は、分かりやすく工夫をということでございます。先ほども4-3で御説明したわけなのですが、なるべく分かりやすくということで工夫はそれなりにはしているのですけれども、いろいろ考えればさらにやれることもあるかもしれませんので、この辺りは引き続き努めていきたいと考えております。
25ページ目でございます。
一番上の御指摘なのですが、前回は基礎数や基礎率など、各実施機関でつくっていただいたものを受け取って作業をしたということがあったので、このような御指摘だったかなと思いますが、今回は一元化法が施行されまして、そもそもデータの収集、こういうデータを報告してくださいねということを省令に規定しておりまして、法令上の規定が整備されまして、5ポツでも御説明をしましたけれども、各実施機関から一定の整理に基づくデータを出していただいて、厚生労働省で基礎数・基礎率を作成して、各実施機関担当省でも確認するというやり方をしているということでございます。
フォワードルッキングの観点につきましては、先ほど基礎率などのところで少しお話ししましたけれども、最近の傾向がはっきりしているようなものや将来の見通しが一定程度あるものについては、そうした観点を踏まえた設定を行っているということでございます。
2つ目の御指摘なのですけれども、経済前提については引き続き研究、検討が望まれると。経済前提は従来からなのですが、議論にはなりやすいといいますか、いろいろな考え方があり得るというようなところだと思います。将来が不確実な中でどう設定していくかということで、なかなか難しいわけで、特にここは毎回専門委員会を設置させていただいて御議論いただいているということでございますが、どこまでやったらやり切ったところになるか、ゴールみたいなものがなかなかないのだと思うのですが、毎回なるべく最近の状況とか、改善できそうなところは見つけて改善をしているということでございます。今回は実質賃金上昇率の設定や運用利回りの設定などについて、ここに書いているような改善をしているということでございます。
26ページ目でございます。
上の2つの(4)は担当職員数や職員の資質向上、制度間の連携など体制に関する御指摘と考えていますが、人員の確保やコンピューターを含めITの活用、あるいはもちろん働き方の工夫なども通じまして、効率的な業務の遂行や研修や勉強の機会などにも引き続き努めていきたいとは思っています。また、制度間、実施機関の間の連携なども、今回は一元化後の大きな厚生年金を対象に財政見通しをつくるという2回目の機会だったわけなのですが、前回と比べてもそれぞれの役割や協力関係がかなり前進しているのではないかと思っていますので、次回に向けても引き続き連携を深めていきたいと考えています。
次の(5)は、実は今回の財政検証結果に対しても当てはまるといいますか、かなり重要な御指摘だと受け止めています。2004年の制度改正時の財政検証では、基礎年金も報酬比例部分もマクロ経済スライドの調整期間がどちらも19年ということで、同じ年数でバランスが取れていたわけなのですが、2009年の財政検証と前回2014年の財政検証ということで基礎年金のスライド調整期間が長くなってきていまして、長くなるに伴って基礎年金の水準の低下幅が相対的に大きくなってきているということでございます。
右に書いているとおり、今回は足下における雇用などの状況は比較的良好だったということもありまして、前回までのように基礎年金の調整期間の長期化が進んでいくという状況には多少歯止めがかかったようには見えますし、2016年改正の賃金スライド徹底の措置が来年度から施行されますので、今後についてもある程度の手当てはできていると思われます。
それから、今回お示ししたオプション試算はいずれも基礎年金の水準上昇に一定程度有効であることは示されているということであります。ただ、基礎年金のスライド調整期間をもっと短くして、報酬比例部分とのバランスを回復していくというようなことを考えるときには新しい施策を考えていく必要があるわけなので、今後大きな課題として検討していく必要があると考えているということでございます。
下のほうの(6)有限均衡方式でございますが、これまでの数理レポートでも説明していますが、引き続き数理レポートや年金の漫画など様々な形で丁寧に説明していきたいと思っています。
(8)でございます。今回、財政検証の公表時に厚生労働省のホームページにおいて実施機関別の収支見通しもお示ししているということでございます。
27ページの(2)の変動要因分析はやはりすべきではないかというお話がありまして、今回の財政検証では、2014年財政検証の前提とその後の実績といいますか、今回の財政検証における足下の実績の状況や、前回と今回の将来の仮定の状況がどうかといったようなことを比較して、2019年の財政検証にどのような要因がどのような影響を与えているかを整理して、公表資料としてお示ししているということでございます。それから、さきにも御説明しましたけれども、2016年年金改正の影響の試算も行っているということでございます。
(3)の確率的将来見通しについて、3ページの2-2-4-4のところでも御説明しましたけれども、今回は答えに至ることはできなかったわけなのですが、引き続き専門の先生方の御議論などをよく伺っていきたいなと思ってはいます。
今回の経済前提を議論していただく中で、将来の経済モデルをつくって将来の経済を見通して、その中で整合的に賃金などの経済前提を考えていくというのが設定の考え方で、前回もそうなのですが、今回やっていることです。そういう議論の中で、そこに投入するかなり影響の大きな要素として全要素生産性があるわけなのですが、投入した全要素生産性を複数通り設定する。それが幅の元になっているようなところもありますけれども、それについて、過去、一体どれぐらいをカバーしているのか。要するに、過去の分布みたいなことをお示ししています。
例えばよく成長するケースの一番慎重なケースということで、ケース3がよく引用されますけれども、それだと過去のTFPの63%ぐらいをカバーしています。だから、これは一種の過去の確率の状況。ただ、将来どの程度生じるかということは語っていないわけなのですが、そういう話はしています。あと、一番低いケースのケース6などは過去のTFPの状況を100%カバーしている。そういうものはお示ししている。そういうふうにできることはやっていこうとしております。
分布推計でございますけれども、従来からでございますが、現行の財政検証のシステムは集団の合計とか平均値を用いて推計する形になっているので、分布を考えるためには個人ごとに年金の1号から3号までの加入履歴がつながったデータが必要ということで、今回の財政検証ではそうしたデータを得ることが難しいということで、対応が難しいところがあったということでございます。ただ、財政検証から制度改正に至る議論でも分布の必要性などについては議論がありましたので、基盤やデータの整備の状況は進んできている面もあると思うので、次の検証に向けてどのようなことができるか検討したいと。
最後、9ページにお戻りいただきまして、「7 年金数理担当者の所見」でございますが、そこに書いてあるような所見を持っているところでございます。
時間を超過いたしましたが、以上でございます。すみません。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
それでは、説明を続けさせていただきます。時間の関係がありますので、それぞれ5分をめどにお願いできればと思います。
では、財務省から国家公務員共済組合に関してお願いいたします。
○西尾共済計理官 財務省主計局給与共済課で共済計理官をしております西尾でございます。
本日は、国家公務員共済組合連合会の担当者も同席させていただいておりますけれども、資料の内容につきましては私から説明させていただきます。
それでは、資料2「財務省提出資料」の1ページの「共済組合から報告を求める事項」、財政検証における推計方法のところから説明させていただきます。
このたびの令和元年財政検証につきましては、被用者年金一元化後の財政検証ということで、前回の平成26年の財政再計算とは違って、厚生労働省が作成する将来における財政見通しに用いるために、2-2-2の被保険者数の見通しを実施機関としての各共済組合で作成しておるところでございます。
国共済の被保険者数の見通しにつきましては、前回の平成26年財政再計算と同様でして、総人口に対する割合、足下でおよそ0.8%程度ということで、これを一定としまして、これが将来にわたり続くものと仮定をして推計をしておるということでございます。
細かいところを若干申し上げますと、ここで用いている脱退率によって、減った分、翌年度の総人口比一定とした分に足りない部分を整合的になるように新規加入のほうで補っていくというような形を繰り返すことによって、将来の被保険者数が推計されていくという流れになっております。前回は新規加入に占める女性の割合につきましては40%としておりましたけれども、今回の推計では直近の実績ということで約43%という水準を反映して推計をしておるということでございます。
次の2-2-3、国共済と地共済の財政調整につきましては、厚生年金保険のところと同じ記載内容ですので割愛させていただきます。
続きまして、「2-2-4 推計方法の開発・変更のプロセス」につきましては、被保険者数の見通し等を作成するに当たりまして、前回同様に国共済連合会における規定に従いまして、出力結果の整合性等を確認しました上で、決裁権者の承認を受けて提出していると承知してございます。
2ページ、「5 財政検証の実施体制に関する資料」でございます。こちらでは、被保険者数の見通しを厚生労働省に提出した平成30年11月末時点の体制を記載させていただいております。部長以下に次長がおりまして、その下に課が2つございます。数理第一課が数理計算を担当しておりまして、企画課のほうで規定に基づいた厚生労働省へのデータ提供、統計といったところを担当してございます。
前回平成26年の再計算時に比べますと、このたびの財政検証では共済組合の役割が限定されたということもありまして、前回に比べて担当者の減少がございますけれども、そこは各担当者が工夫、努力をすることで、現在の実施体制の下で確実に実施されていると考えてございます。
また、5-4にございます被保険者数などの推計方法に係る文書につきましては、適正に管理されていると承知しております。
5-6、推計作業の連携状況につきましては、今回の役割分担としまして、厚生労働省と実施機関としての各共済組合で事前に十分に協議を行ったということでございます。その後の推計作業期間中につきましては、厚生労働省作成の基礎率につきまして提供されるごとに内容を確認し、必要に応じて厚生労働省側と協議をすることで連携を図っておるということでございます。また、厚生労働省における厚生年金拠出金の将来見通しの作成におきましては、国共済、地共済間の財政調整を加味する必要があるため、この部分は厚生労働省に旧職域の拠出金の見通しを提供しているということでございます。
続きまして、3ページ目、6の前回レビューの提言への対応状況でございます。こちらは別紙となっておりまして、5ページ目、6ページ目にかけて記載がございます。
こちらにつきましては、全体的に申し上げますと、前回に比べて共済組合の役割は限定されてはございますけれども、例えば1の(3)マル4被保険者数の見通しですとか、同じく(4)実施体制、年金制度間での連携等につきましては、実施機関としての立場から年金数理部会の提言等を踏まえまして、数値の作成及び確認等を行っていると承知してございます。
それでは、3ページにお戻りいただきまして、「7 年金数理担当者の所見」としましては、懸念事項は特段ございません。
また、7-5、資金流動性に関するところにつきましては、積立金の運用に当たって運用方針等に従って保険給付に必要な一定の短期資金を持ちつつ流動性を確保しておりまして、毎年度の事業計画などでもし支出に支障が出ると見込まれる場合には、事前に投資計画を修正することなどで対応ができると考えてございます。もともと国家公務員は法令に基づいて定員が管理されておりますので、何か急激な変動で積立金が大幅に減少するといった事態は想定していないということでございます。
国家公務員共済組合につきましては以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
続きまして、総務省から地方公務員共済組合に関してお願いいたします。
○長田数理官 地方公務員共済組合につきまして御説明をさせていただきます。
私、総務省自治行政局公務員部福利課の長田と申します。よろしくお願いいたします。
私の後ろに、地方公務員共済組合連合会の者も同席しておりますけれども、地方公務員共済組合、地共済の資料につきましては私から御説明させていただきます。
資料3をご覧いただければと思いますけれども、先ほどから御説明がありますとおり、地共済の年金制度につきましては、平成27年に厚生年金に一元化されております。そのため、平成26年には財政再計算を行っておりますけれども、今回は主に財政検証を取りまとめていただいている厚生労働省のほうに地共済に関する必要なデータを提供するといったような対応をしているところでございます。
それでは、「2 財政検証における推計方法に関する資料」でございます。
「2-2-2 厚生年金の実施機関別又は制度別の被保険者数の見通しの作成方法」につきましては、前回平成26年の財政再計算と同じ方法により推計をしているところでございます。具体的には、平成29年度末の被保険者数と平成29年度末の将来推計人口との比率を計算しまして、その比率が将来にわたって一定であると仮定しまして、この比率を各年度末の将来推計人口に乗じまして、将来各年度末の被保険者数を推計しているところでございます。
次の「2-2-3 制度間、厚生年金実施機関間の資金の授受についての計算過程」につきましては、既に厚生労働省のほうから説明していただいたとおりですので、内容は省略させていただきます。
それから、「2-2-4 推計方法の開発・変更のプロセス」でございます。2ページですが、被保険者数の見通しの作成につきましては、Excelのワークシートを用いて作業をしているところでございます。作業に当たりましては、計算式を確認しまして、内容に矛盾がないかどうかの確認をしております。なお、作成に当たりましては、そのプロセスを含めて組織内の承認を受けた上で提出しているところでございます。
次の3ページに参りまして、「5 財政検証の実施体制に関する資料」でございます。下の表をご覧いただければと思いますけれども、今回の財政検証に関する作業は、地方公務員共済組合連合会の年金業務部数理課を中心にしまして、平成30年11月末時点において、部長以下7名で作業と確認を行ったところでございます。前回の財政再計算の際には部長以下8名ということでして、今回は7名でございますけれども、作業量は財政再計算より大幅に減ったと考えておりますが、体制としてはさほど変わらないものとなってございます。確実に作業を実施していただいたものと考えてございます。また、経験年数につきましては、地共済における年金業務関係の経験年数として記載のとおりでございます。なお、研修につきましては、被保険者数の推計を行うに当たりまして、必要な知識を共有するための研修を行っているところでございます。
「5-4 推計方法の設計、構造、操作などに関する文書の整理状況」でございますけれども、数値作成作業に用いましたExcelファイルにつきましては、マニュアルを作成しまして、数値の承認の際に併せて組織内の承認を得ているところでございます。
「5-6 推計作業における制度間又は厚生年金実施機関間の連携状況」は、厚生労働省からの説明と同じでございます。厚生労働省が作成しました基礎率等につきまして、内容や考え方などを確認しまして、厚生労働省を中心にして連携したところでございます。
次の4ページに参りまして、6の前回レビューにおける提言への対応状況につきましてですが、実施機関の立場から制度間で連携しつつ、提言を踏まえて作業をしたところでございます。
具体的には6ページ以降でございますけれども、1の(3)のマル4や(4)、(8)につきまして、記載のとおりでございます。内容につきましては、これまで御説明しましたところと重複しているところがございますので、省略させていただきます。
「7 年金数理担当者の所見」につきましては、7-1のほうは懸念事項は特にないとさせていただいてございます。
7-5の公的年金の資金の流動性に関する所見というところでございますけれども、まず積立金の運用に当たりましては、管理運用方針等に沿って将来の給付費や拠出金等の見込みも踏まえまして、一定の資金の流動性を確保して運用しているところでございます。
それから、積立金が急激に減ることはないのかということにつきましては、地方公務員の定員管理は各地方公共団体で適切に行われているところでございます。被保険者数や積立金が急に減少するといったことはないということを記載させていただいてございます。
地方公務員共済組合に関する説明は以上になります。
○菊池部会長 ありがとうございました。
最後に、文部科学省から私立学校教職員共済制度に関して説明をお願いいたします。
○山口共済調査官 文部科学省で私学共済を担当しております山口でございます。
本日は、私学共済制度を運営しております日本私立学校振興・共済事業団、私学事業団と呼んでおりますけれども、私学事業団より松澤数理統計室長が同席しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、資料の説明に入りたいと思います。資料4になります。
1ページをご覧ください。
まず、2-2-2です。私学共済の被保険者数、私学共済の場合は第4号被保険者数となりますけれども、その見通しの作成方法について御説明いたしたいと思います。
まず(1)平成30年度末の被保険者数ですが、これは30年8月末実績の学校種別、男女別の対前年同月差を29年度末の被保険者数におのおの加えることにより算出しております。
次に、令和元年から6年度までの各年度末の数字につきましては、学校種別被保険者数の動向を踏まえて推計しております。具体的には3つありますけれども、まず大学・高校・認定こども園を含む幼稚園については、今、少子化によって学齢対象人口が減少傾向にあるわけでございますけれども、この3種については被保険者数が増加しているというのが実態でございまして、その実態を踏まえて男女別に直近の増加率を6年間にわたり逓減させて、令和6年度に増加率がゼロになるように推計をしております。短期大学については減少傾向にございますので、男女別に直近の減少率を用いて推計しております。他の学種については増減が見込みにくいということで、一定、つまり平成30年度と同一としております。
令和7年度以降の各年度末については、学校種別の被保険者数がおのおのの学齢対象人口に比例して減少していくように推計しております。
推計方法の切替時点を令和7年度とする理由ですが、被保険者全体の45%は大学の被保険者数であることから、その増減は全体数の動向に大きく作用することになります。そうした中で、大学の被保険者数に影響を及ぼす18歳人口ですけれども、令和2年頃まで横ばいで推移をして、その後減少していくと見込まれておりまして、その減少が学年進行によって顕在化するのは令和7年頃になると予想されるためでございます。
続きまして、「2-2-4 推計方法の開発・変更のプロセス」ですけれども、推計方法のプロセスについては、前回財政再検証からの推計方法の変更点はございません。被保険者数の見通しの作成に当たっては、私学事業団において作成の上、その後文科省への説明を経て厚生労働省に提出しております。
2ページ目、「5 財政検証の実施体制に関する資料」でございます。
財政検証に関わる組織といたしましては、私学事業団において数理統計室が設置されており、数理業務につきましては、ここに記載されております室長、参事、副参事の3名が担当しております。担当業務については、室長、参事が取りまとめ・チェック、数理担当副参事が計算をしているという状況です。
研修状況につきましては、日本アクチュアリー会、日本年金数理人会の年次大会・実務研修会等に定期的に出席などして職員の資質向上に努めています。
組織体制がほかのところと比べて少人数でございますけれども、年金制度一元化前に比べて、財政検証における共済業務負担については、業務量が縮小していることから、引き続きこれまで同様に研修機会を確保していくことによって、現行の体制で問題なく業務が遂行されるものと考えております。なお、計算担当者が今、職員1人ということで、今後の実務の永続性について懸念されるところではございますけれども、私学事業団においても当面の課題と認識しておりまして、今、検討を行っていると承知してございます。
「5-4 推計方法の設計、構造、操作などに関する文書の整備状況」については、適正に保存されてございます。
続きまして、5-6は、先ほど来から説明がありますけれども、財政検証に向けて各実施機関の基礎数・基礎率の作成、被保険者数、将来推計などの課題について、それぞれ担当で連絡会議を持ちまして、以下の(ii)から(iv)のとおり分担等を定めて連携を深めて行っておるところでございます。
続きまして、3ページの6に移りたいと思います。前回レビューの提言の対応状況でございますけれども、6ページをご覧ください。実施体制については先ほど御説明いたしましたけれども、現体制で問題なく実施されておりまして、職員の資質向上のため、研修機会の確保に努めていきたいと存じております。また、年金制度の制度間連携については、さらに連携を進めてまいりたいと思っております。
それから、2の(1)財政検証の確実な実施についても、年金数理部会のいろいろな御指摘事項を踏まえながら、数値の作成及び確認等を確実に行っているものと承知してございます。
それでは、3ページにお戻りいただきまして、「7 年金数理担当者の所見」でございます。推計方法の妥当性に関しては、今のところ懸念事項は特にございません。資金の流動性に関しましては、私学事業団の積立の運用につきましては管理運用方針を定めてございますので、それに沿って給付費や拠出金等の支払いに必要な流動性を確保して運用を行ってございます。平成30年度末で支出の5倍程度の積立金を保有しておりまして、当面、給付費、拠出金の支出に支障を来すことはないと考えております。
また、先ほども申し上げましたけれども、被保険者数につきましては増加傾向でございますので、当面、被保険者数、報酬等の急激な変動によって突発的に積立金が大幅に減少する事態は避けられるものと考えております。
私学共済については以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、非常に長時間にわたる御説明をいただきましたが、これより委員の皆様から御発言をお願いしたいと思います。ただ、本日全員御参加ということ、そして、ちょっと時間が押してございます。それから、今日はリモート参加の委員の皆様もおられるのですが、私からは首を150度ぐらい回さないと拝顔できないという状況もございまして、申し訳ないのですが、時間の節約のため、まず枇杷委員、野呂委員、永瀬委員、小野委員からそれぞれ御発言をいただき、まとめてお答えいただく。その後、リモートで御参加の翁委員、駒村委員、関委員から同じように御質問をいただく。最後に浅野部会長代理にまとめも含めてお話しいただくという形で進めたいと思うのですが、何か中座されるというような委員がおられたら先にと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、すみませんが、御協力をお願いできれば幸いでございます。
早速、枇杷委員からお願いします。
○枇杷委員 御説明ありがとうございました。
幾つか質問を先にさせていただきます。
まず厚生労働省様ですけれども、所見のところで7-1から7-5までの5つの項目を求めさせていただいているのに対して、7-2と7-5に関する御説明が伺えなかったような気がいたしましたので、補足可能であればお願いしたいというのが1つです。
それから、国共済様と地共済様なのですけれども、これも資料の中で長期経理に関する状況のお問合せをしているのですが、これのコメントが書面にはなくて、私も聞き漏らしているのかもしれないのですけれども、なかったのかなということ。それから、職員の方の研修の対応が特に御記載もコメントもなかったように思いましたので、その辺をお聞かせいただければということです。
最後、もう一点なのですけれども、私学共済様に関してです。将来推計の方法、前提の置き方がほかの実施団体に比べると個別性が強いなという印象を受けました。学校の属性に基づいていろいろな前提を置かれているということなので、その中で3人で回されているというのは結構大変かなと思いましたということで、その辺の御苦労だとか、あるいは、こういうことなので、いろいろなほかの方とかマネジメントの方の御意向なども参考にされて決めていかれるというプロセスが本来必要なのかなと思うのですけれども、その辺をお聞かせいただければということです。
以上3点です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
野呂委員、お願いします。
○野呂委員 資料1の本体のほうで2点ほど質問があります。
1つは3ページ目の2-2-4-2の前回検証からところで、短時間労働者への適用拡大の話があろうかと思うのですけれども、そこの財政検証のシミュレーションをどうしているかという点でございますが、後ろの資料を拝見しましたところ、短時間労働者につきましては厚生年金被保険者割合というものを使っていらっしゃる。その割合といいますのは、今後給料が上がっていくと、上限の月額8万8000円でしたか、それを突破する割合が増えていく関係で、年とともに被保険者割合は増えていくと思いますし、また、シナリオの1から6によっても給与の上昇レベルが違いますから、それぞれのシナリオによって短時間労働者の被保険者割合は違ってくるのではないかなと思います。
さらに言うと、特に足下、いわゆる正規労働者に比べて短時間労働者のほうが圧倒的に給与の上昇値が高いのですが、そうした辺りも今回の財政検証で被保険者割合にどのように反映されているか等、中身を知りたいというのが1点でございます。
もう一つが、同じく資料1の最後のほう、22ページの積立金のところで、国年、厚年とあるのですけれども、これは翌年の2018年の実績と今回の財政検証の翌年見通しを比較すると、その前の財政検証に比べて一致しているといいますか、乖離が少なくなっており、そのことは非常にいいことだと思います。その理由というのも変なのですけれども、いろいろと新たな足下からの積立金の乖離が少なくなるように工夫をされたのか、それとも、今回の財政検証につきましては公表時期の関係で、例えば内閣府中長期試算を7月の分まで追い込んだとか、実績も直近まで追い込んだということもあって、それが翌年の実績等見込みの乖離の圧縮に寄与したのか、その辺りの積立金の乖離が少なくなっていることの理由について、実施担当部門のコメントが欲しいなというのが2点目でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、永瀬委員、お願いします。
○永瀬委員 御説明いただきありがとうございました。
私が伺いたいのは、参考資料の49ページの図3-2に厚生年金の推計手順です。有配偶割合については社人研の推計に従い推計すること、労働力率はJILPTの研究会の労働需給の推計に従って行ったことが書かれています。ただしこの2つの数値があるとしても、女性の場合は、男性と違って、労働力としても有配偶状態と収入水準によって1号、2号や3号に分かれることになるでしょう。つまり、1号、2号、3号の割合をどのように推計したかは重要な情報だと思うのですが、その辺がこの資料だけではわからないため、どのように推計されたのかなということを教えていただければと思いました。
加えて、100年先を予想するのが財政検証ではありますが、とはいえ100年先の予想はものすごく難しいことだと思います。ちなみに例えば現代社会を40年ぐらい前の社会と比較してみると、まず家族が大きく変わりました。40年前には普通に見られた3世代同居は大きく縮小しました。それから、仕事も大きく変わりました。自営世帯が縮小し雇用者世帯になっていきました。この先を見通すとこれから一番大きく変わるものの1つは女性の就業なのではないでしょうか。本格的に働く女性が大きく拡大するのではないかと予想しますが、政策にもよるでしょう。ただしそれでも100年先まで予想するのは非常に難しいと思うのです。
しかし国民としてはやはり未来を見たい。前回のピアレビューでは、今後の財政検証への提言ということで、分布推計を考えるべきと出されました。とはいえ、100年先までの年収分布を予想することはとてもむずかしいということも十分にあろうとは思います。ですけれども、100分の1とか50分の1で、実際の被保険者データを取って将来予測に利用しているということなので、現実の加入期間の分布や、賃金の高い者や低い者がいるといった現実の賃金分布統計を用いることができますので、そうした統計を用いて、20年程度先までの予想を出すことは一定程度可能なのではないかと思います。そこで幾つかのシナリオを置いて、こんなふうな加入資格や労働市場の発展があれば、こんな未来が想定される、という予想を出したらどうでしょうか。試算的なものになると思いますが、そういうものを示していただくと、一般の国民として、自分の20年後はこんなふうになるのかなと考える糧になるのではないかな、また可能な選択と制約を考える上でも糧になると思います。
日本は公的年金が充実する方向に向かっていく時期もありましたが、今考えれば、今後給付が下がっていくという見通しは明確に出されています。それがどの程度なのかというのを、20年後ぐらいを目安に、実データをもとに、世帯・個人類型別に幾つかのバリエーションを試算として出すことができれば、国民が将来を考える上で示唆的な情報となると思いました。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
小野委員、お願いします。
○小野委員 ありがとうございます。
私からは3つなのですが、まず第1点は総脱退力の話なのですけれども、シナリオによっては労働参加が進むケースやある程度進むケースがあって、就業率や労働力率は上がってくるということになっておりますが、それは、裏を返して言えば人が定着してくるという話にもなるのではないかなと思うのです。先ほど脱退力のところで、傾向を踏まえてということで直近の実績を考慮されるということがありましたけれども、将来的な話としても若干その辺りが考慮される可能性があるのかなという話です。この辺りは特に女性や高齢者の部分は影響してくるのではないかなと思います。
もう一つが、総脱退力に関して、公務員のグループは高齢者に特定の年齢に山というかこぶがあるのですけれども、これは例えば再任用制度の今後の動向、あるいは特例支給の老齢厚生年金の支給開始年齢の動向などが関係してくるのだろうと思うのですけれども、この辺りは将来的にはシミュレーションの中でどういうふうに処理されていくかというような話があろうかと思います。これが総脱退力に関する質問です。
2つ目は繰下げ受給です。これは現状見込んでいないということなのですが、法律改正も実現したということで、今後の課題としてはやはり考慮する要素の一つではあるかなと思っておりますけれども、その辺りの御見解を頂戴したいということです。
3つ目は野呂委員の御指摘と重複すると思うのですけれども、当初の試算の補正方法です。前回までの数理部会の分析によりますと、当初の試算のずれが平成26年の財政検証からの立ち上がりのところが結構大きかったということがあって、これが推計方法が変わってその誤差が縮小していくのかどうかというような、この辺りの手法と前回との違いがあれば、その辺りについても御説明いただきたいということでございます。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
多くの御質問をいただきましたが、まず厚生労働省さんからよろしいですか。
○山内数理課長 ありがとうございます。
まず枇杷委員からいただきました7-2と7-5の説明ということなのですけれども、データの十分性や信頼性などに関しては、元のデータが全数なり全数に近いものであったりしますし、そのほかに事業統計といいますか、実績統計が種々あって、そういったものとの比較チェックといったことをやっておりますので、そういう意味では懸念はないかなと思っています。
それから、厚生年金や国民年金に関することだと思うのですが、資金の流動性ということなのですけれども、これはどの部分を考えるかということなのですが、今回、幅の広い6ケースの経済前提で見通しをお示しする中で、一番成長率の低いケースでは途中で国民年金の積立金がなくなるといった試算は含まれている。一方で、流動性が資産の動き、年々の動きみたいな話だとすると、もともとこれは100年間の財政検証なので、経済前提を平均的な姿で示していますと言っていることとも関わるのですが、年々の指標の変動みたいなことは織り込んでいなくて、平均値で一つの率みたいな、それでずっと推移するということなので、そういう意味での資産の動きみたいなものは技術上は織り込んでいないということになります。
それから、野呂委員の御指摘の、まず短時間労働者のお話なのですけれども、年とともに増えるのではないかと。これはその部分は織り込んでいなくて、足下の比率で固定しているということになります。短時間労働者についてはそういうことなので、御指摘は当然あり得るような話だと思うのですが、今回の財政検証では織り込んでいない。今後どうするかということはあるかと思います。
2つ目の積立金の実績と見通しは、小野委員の3つ目とまとめてということなのですけれども、足下の積立金というのは、今回の場合だと2019年財政検証なので、2019年度初め、要するに2018年度末の積立金を推計して、そこが足下ということになるわけなのですが、その推計方法は2017年度末の積立金に2018年度の運用収益も合わせた収支を加えて推計するというやり方で、これは前回も今回も実は変わっていなくて、前回だと平成25年度末の積立金を推計したということなのですが、やり方としては同じです。
今回だと2018年度中の運用収入はどう推計したかというと、資産ごとの、運用資産のポートフォリオは分かっているので、それごとのインデックスみたいなものは大体分かるので、それで推計している。
結果として、実は前回も今回も、足下値、年度初めの数字はそんなにずれていなくて、前回財政検証で平成26年度末の積立金が見通しと実績でかなり大きく乖離したのですが、それは平成26年度の運用収入がすごくよくて、利回りがとても高かったので、そういった影響で足下のほうで乖離があるように見えているということかなと思っているということでございます。
それから、永瀬委員の第3-2図の1、2、3号の割合をどういうふうに推計したのですかということなのですけれども、基本的には第3-2図の下の方まであるように、要するに労働力から雇用者のところまで行って、そこに厚生年金の被保険者割合を掛けて2号の人を推計するということになっています。
1号や3号をどういうふうに推計するかというと、左の第3-1の図のところにありまして、2号とその配偶状況などが基礎数値の中にあるわけなので、そこに2号の状況からそれに連動する3号を推計し、1号は最終的にトータルの人口から2号と3号を引くような形で推計しているということです。元に使っている将来推計人口とか世帯数の将来推計での有配偶状況、有配偶者の推計みたいなのは世帯数の将来推計の中に入っていたり、労働力率の推計などで将来労働力率が上がっていくといった見通しは入っていますので、そういう基礎データのところで入っている部分の将来の見通しなどは入っているということになるかなと思っています。
十分かどうかはあれなのですが、時間もあれなので一旦進めさせていただきます。
それから、御指摘いただいた分布推計みたいな話で、これは、実は今回いろいろ制度改正の審議をする中でも議論になりまして、どのようなことができるかといったことは課題だよねと我々も思っているのです。ただ、被保険者の期間がつながったデータがこれまでなかなかなかったので、まずはそういうものを入手するところからどういうふうな工夫ができるかといったことを始めて、どのようなことができるかは次に向けてきちんと検討したいと思っています。
それから、小野委員の総脱退力の話なのですけれども、御指摘のとおり、前回財政検証と比べても今回の総脱退力は下がっているというか、要するに定着している。特に高齢層や若い女性などのところで下がっている。だから、これは社会の実感に合っているようなところがあります。
これを将来どういうふうに変化させていけるかどうかというのはなかなか難しいところがあって、今後またデータを見ながら考えていくということなのだと思うのです。ただ、1つだけあれなのは、公的年金の財政の検証のやり方の特徴みたいなところかと思うのですが、基本的に集団の大きさや年齢の構成などは脱退力で決まるのではなくて、最初に被保険者推計をするので、枠と呼んでいますが、枠で決めてしまっているので、脱退力で抜けた分は新規加入や再加入が入ってくるという前提になっているのです。なので、一般の通常の企業年金や通常の保険商品などとは多分影響の度合いというのは、脱退力の影響の仕方としては少し違うのかもしれないなとは思っています。ただ、被保険者期間などには当然影響するわけなので、そこら辺をどういうふうに見込むのがよりよいシミュレーションになるかどうかみたいなことは引き続きデータなどを観察して見ていきたいと。
あと、繰下げは御指摘のとおりです。今、繰下げは検証上見込んでいないのですが、これは今、1%ぐらいしかおられないというようなこともあるので、今回改正もしまして、あと、報酬比例部分も65歳支給になって、今後高齢者の就業が進めば増えてくる可能性はあるので、そうした点を踏まえて、次に向けてどうするかを考えたいということでございます。
○菊池部会長 それでは、国共済、地共済さんには、枇杷委員、小野委員からあったと思いますので、いかがでしょうか。
○西尾共済計理官 そうしましたら、まず枇杷委員のほうからございました長期経理のデータのところにつきましては、個別のデータのお求めとして、前回、前々回でしたか、御要請いただいたものでして、事務局のほうと整理させていただいた上で対応させていただければと考えております。
2点目にいただきました国共済連合会における研修の状況につきましては、将来見通しの作成に特化した研修がなかなか難しいものですから、特段記載しておりませんでしたけれども、例えば日本年金学会への出席や国共済の部内での研修といったところは行っていると承知してございます。
○長田数理官 地共済でございます。
枇杷委員の御質問につきましては、ただいま申し上げました国共済と同じような対応ということでよろしくお願いしたいと思います。
それから、枇杷委員からの御質問ですけれども、研修につきましては、現在、将来の被保険者数の推計を行うに当たりまして、必要な知識を共有するための研修を行っているところでございます。年齢別や性別などの受給権者数等も算出しておりますので、算出をしているExcelファイル等の確認、どういったような形でファイルがつくられているかといったことを着実に引き継げるようにしているところでございます。
年金数理的な話でございますと、日本アクチュアリー会が主催している講座に出席した際の助成を地共連のほうで行っていると聞いてございます。
○菊池部会長 よろしいですか。
○西尾共済計理官 あと1点、小野委員からいただいておりました公務員の脱退力の山ということで、国共済につきましては、将来的に未実施の雇用の延長みたいなところはなかなか織り込むのが難しかったわけですけれども、平成29年に再任用の年齢の延長があったところなどは基礎率のほうに織り込まれているというところでございます。その他、どうしても国家公務員の場合、55歳前後や65歳前後に職種の定年のもともとの規定によって山が生じることはございます。再任用などによります60歳前後の山が今後どうなっていくかというところは、公務員の定年の在り方の今後の動向次第かなと考えてございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、最後に私学共済さん、枇杷委員からの。
○松澤数理統計室長 私学事業団でございます。
枇杷委員の被保険者推計のマネジメントに関する御質問についてお答えしたいと思います。
私学事業団の被保険者数は制度発足以来ずっと増加し続けているということで、学齢人口減少との連動性がないということで、マネジメントが非常に難しいということでございまして、20年ほど前の財政再計算の時点では増加し続けているという事実を、将来一定になるということで安全性を見るという方式一本でやってきましたが、まさにこの年金数理部会にその御報告をする際に、それではおかしいのではないかという御指摘を受けました。総人口比例あるいは私どもで独自に考えました学齢対象人口比例ということで、そちらに連動させて推計してみたらどうかという御指摘を受けまして、その結果を踏まえたものが現在の推計方式の決定となってございます。
こちらは非常に厳しめに見る、総人口比例よりも被保険者の減りが激しいということで、財政的には安全性を見たいという要素が従来からございまして、そちらを適用しているということで、マネジメントというほどのことではないのですが、そういう形で採用してございます。
以上でございます。
○菊池部会長 多分皆さんコメントがおありだと思うのですが、まだ御発言をお待ちの委員がいらっしゃいますので、申し訳ありませんが進ませていただくことをお許しください。
今、いろいろございましたが、特に野呂委員、永瀬委員、小野委員からは御要望というか御提言といったものも含まれていたと思いますので、あるいは枇杷委員もそういった部分があるかと思いますので、そこは事務局も受け止めていただくということでお願いしたいと思います。
長時間にわたってお待たせして申し訳ございませんでした。
それでは、翁委員、お待たせしました。お願いいたします。
○翁委員 厚労省に細かいことも含めて4つほどあります。
1つは6ページの4-2の不確実性を表現するための取組ということで、今日も何回か御説明があったのですが、「長期の平均的な姿として複数ケースの前提を設定し」と書いてあるわけですけれども、それでメインのシナリオはないということの御説明はあったのですが、この6つが全て平均的な姿ということなのでしょうか。そうだとすると、平均的な姿という意味は、十分起こり得るということなのか、それともまれに起こり得るところまで含めたものなのか、この辺の考え方を教えていただきたいというのが1点目です。
次が、22ページに積立金の初期値で国庫負担繰延額というものが計上されていて、これについては元本に一定の仮定を置いて試算した運用収入相当額を加えたと書いてあるのですけれども、これの理解は、過去に繰り延べられていて、まだ入っていない国庫負担について、元本と遅れている利息相当額を加算したということなのですか。一定の仮定というのはどういう意味ですかということです。
3点目は、25ページで、経済前提の設定について運用利回りの設定を変えたと書いてあるのですが、今までは実質長期金利の平均値に株式等の分散投資効果を上積みしていたのだけれども、今回からGPIFの運用実績を活用したと書いてあるのですが、これは将来を見通すために過去の実績を使うことは適切なのかということについて議論はございましたでしょうか。
最後は確認なのですけれども、先ほど少し御説明があったのですが、26ページの給付水準調整期間に見る制度の安定性のところです。基礎年金水準の引上げに向けてこれから検討を実施していくということが書いてあるのですが、これは今までオプション試算などで議論されている基礎年金の加入期間の延長や被用者年金の適用拡大などがあるのですけれども、そういうことを含むことなのですか。そのほかに何か考えておられるのか、そこがよく分からなかったので教えていただければ。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、駒村委員、お願いできますでしょうか。
○駒村委員 ありがとうございます。
大きく5つあるのですけれども、1つは、本部会の役割に関する一般的なコメントでガバナンスに係る点なのですけれども、これは今日の議論からは外れますので、またそういう発言をする機会をいただければと思います。部会長のほうで記録を取っておいていただければと思います。次回以降でも結構だと思います。
今日の議論に関していきますと、厚生労働省の資料1-1に関係するのですけれども、4-2で基礎年金の給付水準に関する記述がある。今回の財政検証の結果、財政検証をどう利用するかということなのですけれども、国民にとってみると、年金の給付水準を示してもらうことによって、60歳、65歳以降、何年ぐらい働く必要があるのだろうかとか、私的年金に加入する必要はあるのだろうかという判断材料になると思うのです。
こういったときに、賃金で割り引いた所得代替率は低下するけれども、物価で割り引いたものであれば、これは基礎年金、モデル年金、既裁定、新規裁定といろいろあるのですけれども、あまり変わらないような伝え方になっている。こういう伝え方で、果たして国民とこの結果についてうまくコミュニケーションができていると理解されているのかどうなのか。これは1つ目の質問になります。
2つ目、2-2-4-4、不確実性といったものをどう読んでいくのか、変数間の相関みたいなものをどう考えていくのかという議論があったわけでありますけれども、今回の6つのケースの中では全要素生産性と労働力率に一定の組合せを考えて6つのパターンをつくったわけですが、ほかにも人口構成と全要素生産性、労働力人口の年齢構成比と全要素生産性の間の関係や、経済成長と出生率の間の関係など、いろいろな変数間の相関というものが存在する可能性がある。それはどこまで議論すべきなのかということも先ほど事務局から問合せがありました。もちろん5年間隔で不確実な将来を議論するということの制約条件はありますけれども、私の考え方としては、やはり学術的に確認されたり議論されている点については、一定議論は見ておく必要はあるのではないかなと思います。
さらに、今般の新型コロナに代表されるように、カタストロフィー的な大掛かりな国際的なインパクトによって経済が非常に停滞することもある。これは予測不可能な部分でありますけれども、既に金融界などではそういう大きなインパクトを与えるものとして気候変動が急激に議論されておりまして、資金移動も起きつつある。これからリスクの不確実性が非常に高まってくるというようなことも大きい経済の流れとしてあると思うのです。そういう経済あるいは経済の様々な研究みたいなものを全て考慮しろというのはとても無理な話だと思いますけれども、ここで質問なのですが、先ほどの数理課の体制の中で、年金数理の専門の方はそろっているというお話でしたけれども、経済の動向に関して継続的に調査、研究をされているような陣容になっているのかどうなのかということを1つ確認したいなと思います。
4つ目になりますけれども、分布については政策効果を見るためにも大変重要なデータだと思います。例えば年金機構の実際に加入している人の中から、世代ごとに何らかの方法で抽出して、過去の加入データに基づいて、このままいくとこういうような年金分布になるのではないかという方法で、政策や年金見通しからどういうことを考えておかなければいけないというようなことはできるのではないかなと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
最初の部会の在り方について御意見があるということですが、これはまた次回以降ということで、事務局のほうで押さえておいてください。
それでは、関委員、お願いします。お待たせしました。
○関委員 ありがとうございます。
1点目、一番最初の財政検証の枠組みに関する資料のところです。先ほどのお話にありましたように、今年度の法改正は織り込まれていないということは承知しておりますが、令和元年度の制度改正で重要な財政的影響を持つものがどれだと考えていらっしゃるのか御意見を厚労省の方に伺えますでしょうか。
2点目は、「2 財政検証における推計方法に関する資料」の国共済と地共済の間の財政調整についての話です。これはどなたにお返事いただくと良いでしょうか。こういうふうにいろいろと調整するということについて、前提等を細かくいろいろ検討されております。この点、例えば将来国家公務員のほうの積立金がなくなるという見通しなどもある中で、結構大きな財政調整が行われる可能性があります。すると、国共済と地共済はもともとは違う組織ですので、その中でそういった財政調整が行われることについて合意されていることがそれぞれの組合員レベルとかではあまり認識されていないのではないかと危惧しています。そういう中で大きな財政調整を行っていくということが将来どれぐらい可能なのか、合意形成されるのかということを考えると、最後の年金数理担当官の所見のところでは問題はないという形となっておりますが、そういうところに影響がないのかということを伺えればと思います。
次に、「6-1 前回レビューの『今後の財政検証への提言』への対応状況」なのですが、1の(2)の➀で「マクロ経済スライドの終了は、財政検証の結果を踏まえて総合的に判断」と書かれています。この総合的な判断をするに当たっての考慮要素みたいなものが何かという点をどのように考えられているのかをお伺いできればと思います。これは政令で定めるということにはなっていると思うのですけれども、この判断結果は給付の改定率を通じて、国民の受給権との関係で国民の権利に非常に大きな影響を及ぼすものです。この点を考えると、総合的に判断せざるを得ないとしても、もう少し予見可能性のある考慮要素みたいなものが提示されるといいのではないかと思っております。これは意見でもあります。
次に、9ページの「7 年金数理担当者の所見」なのですが、資金流動性に関する所見について特に明記されておりません。今回、コロナの影響で保険料の減収などいろいろなことが起きているかと思いますが、そういったものは資金流動性に影響を及ぼさないのか、コロナの影響について御意見を伺えればと思っております。
多くて申し訳ないですが、国共済、地共済、私学共済についての質問です。特に私学共済については、5-1を見ますと体制がやや縮小しているかと思います。私学共済は前回では6人体制であったのが今回大幅に縮小されていますが、そうした中で、業務を行っていくに当たって何か課題などはないのかということについて伺えればと思います。
最後になりますが、私学共済について、7-5で「被保険者数や報酬等の急激な変動によって突発的に積立金が大幅に減少する事態は避けられる」とあります。これもコロナの影響などを最も受けやすいところかと思うのですけれども、そういったものは何か考えられているのかということを伺えればと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
申し訳ありませんが、今日は非常に盛りだくさんで、少し時間をオーバーせざるを得ないことをお許しいただきたいと思います。
それでは、お答えのほうも端的にお願いできればと思います。
厚生労働省さん、お願いします。
○山内数理課長 翁委員から、まず平均的な姿とは何かということなので、これは先ほどもちょっと申し上げましたが、長期の将来の前提を、本当は変動するのだけれども、一定の値でそれぞれのケースについて置いているというイメージ、その部分を指していると御理解いただければと思います。それぞれのケースで賃金上昇率が何%で一定みたいな、そういう意味でそれぞれのケースの平均的な姿を示しているということでございます。
それから、22ページや23ページの繰延額の計算は、御指摘のとおり、元本に利率を複利計算で掛けていったということですので、使った利率は各年の10年国債の利率を使って複利計算で計算するとこうなったということでございます。
それから、運用利回りの推計方法の前回と変えている点につきましては、御指摘のとおり、前回は長期金利をベースにしていたのですが、それはマクロ経済モデルから出てくる利潤率と長期金利の関係みたいなことで設定していたのですが、今回の議論の中では、長期金利は政策の影響なども受けて、マクロ経済に関する試算の中での位置づけが分かりにくくなっているという面があることなども踏まえて、一方で、GPIFの実績が平成13年以降かなりそろってきたということもあるので、その実績をベースにしていくといったことであります。
財政検証で設定されるものと運用の実績の関係をどう考えるかかは当然あるわけなので、そこは過去の実績と利潤率と相関させる実績のほうをかなり慎重に見ていまして、下から30パーセンタイルぐらいの値を使うというところをかなり慎重に見るというような形で今回設定しているということでございます。
最後、26ページの基礎年金の水準のお話なのですけれども、基本的には今回のオプション試算の中でお示ししているものの中に、今回の制度改正で行われなかったものも含めてかなりいっぱいいろいろなものがあって、それは当然検討されるということだと思います。さらにそれに加えてどのようなことができるかということは、まさにこれからの検討かということで考えているところでございます。
それから、駒村委員でございますが、年金水準をどう見るかということで、これはとにかくいろいろな議論がこれまでもありましたし、最近でもあるわけなのですけれども、なかなか難しいところがあるのですが、基本的には代替率と物価で割り引いた購買力で見るという両面から見ていくことが大事ではないかということで、これまで説明をしてきているということであります。
これがどれぐらい理解を得ているかどうか、そこも議論はいろいろとあると思うのですけれども、引き続きまたいろいろ御説明していく中で、いろいろな御意見などを踏まえながら、どのようなことが考えられるかということかと思っています。
2つ目として、私たち数理課の中で経済を継続的に見ている人がいるかどうかみたいなお話だったと思うのですが、基本は年金数理のほうがバックグラウンドとしては強い面はあるのですけれども、その中には要素としていろいろ経済を見ていくという部分は入ってくるわけでありますし、実際としていろいろなデータや分析といったものは、何かレポートを公表していくというようなことはしていませんけれども、作業としては継続的にやっているということであります。
3つ目は、分布推計はやはり大事なのではないかという御指摘だったかと思うのですが、永瀬委員の御指摘もありましたけれども、それはそういうことなので、データが取れるかどうかというところが結構大きな問題ですが、どのようなことができるかは次に向けて検討したいと考えております。
関先生なのですけれども、今回の財政検証で財政に重要な影響を及ぼすものがあるかどうかみたいなお話だったと思うのですが、制度改正に取り入れられた適用拡大なども含めて、基本的には繰上げとか繰下げというのは年金財政に中立ということで設定していますけれども、それ以外の改正メニューなどは基本的には財政に一定の影響はある。今回の改正でも、適用拡大を進めることによって年金の代替率が若干上がるといったような改正になっているということでございます。
それから、マクロ経済スライド終了の総合的な判断ということなのですが、これは前回も今回も同じように並列で経済前提を置いたわけなのですが、今回の結果を見ますと、ケース3から6のケースでは次の財政検証までにスライドが終了する見通しにはなっていないので、そういう意味では今回はそんなに悩むことなくといいますか、スライド調整終了の時期ではないということは考えられた。
次の検証に向けて一体どのようなことになるかというのは、そもそも経済前提をどういうふうに設定するかといったことも含めて、これからの検討になっていくので、そういった中でどのような形で整理していくかということかと思います。
あとは、新型コロナウイルスの影響なのですけれども、年金財政なので100年ぐらいのスパンということで考えるわけなのですが、現在の状況が今後の100年ぐらいの中で一体どういう位置づけになるかといったようなことは、今の段階ではなかなか評価は難しいというところはありますので、終息後にいろいろ評価をしまして、次の財政検証までにまた足下の状況、今後に及ぼす影響、その他を検討していくということかと考えています。
以上でございます。
○菊池部会長 駒村委員の御質問は全て答えられましたか。
○山内数理課長 一応答えたと思うのですけれども。3つだと思っていて。
○菊池部会長 変数の間の相関の可能性は、学術的に意味がありそうなものは検討したほうがいいのではないかというようなお話が。
○山内数理課長 分かりました。
確率論、確率的将来見通しみたいな話とか、いろいろ経済学的には何か一定の知見があるものはやってみたらいいのではないかといった御指摘だったと思うのですが、専門家の御議論を踏まえながら、こういうものも一体何をどこまでできるかということはありますし、公的な年金の財政検証の中で一体どこまでをチャレンジするのがよいかどうかという話もあると思うので、当然その御議論は踏まえて、どのようなことが取り込めるかというのはこれからも検討していきたいと思います。
○菊池部会長 それでは、関委員との関係で共済のほうからお願いできれば。
○西尾共済計理官 まず1点目の財政調整の件でございます。こちらは、法律で手当てされて、法律に基づいてやったものでございますので合意はできていて、組合員への周知につきましてはホームページ等で周知もしているという状況でございます。
この財政調整による財政への影響につきましては、厚生年金の実施機関としての国共済、地共済内部の資金のやり取りでございますので、国共済、地共済の外に影響を及ぼすといったものではございません。そういう意味で、厚生年金全体の財政に影響するものではないということでございます。
2点目の国共済の体制縮小に伴う課題はないかといったところにつきましては、今回の財政検証では前回のような将来収支見通しまで全て国共済連合会のほうでつくるということではなくて、主として被保険者数の将来見通しをつくるところまでと業務の対象が縮小されておりますので、それに見合った分の体制は確保できているのではないかと考えております。
3点目にいただきましたコロナの状況下で積立金の突発的な減少などはないのかということに関しましては、マクロ経済全体として受ける影響は当然あると思いますけれども、特に公務員だからどうといったところはないのではないかと考えております。
○長田数理官 地共済でございます。
基本的にお答えにつきましては国共済と同じでございまして、まず財政調整につきましては法律に基づいて行っているということで、組合員に対しましても制度導入時、それ以降につきましても制度がこのようになっているようなことにつきましては、説明なり広報なりをしているところでございます。
それから、体制につきましては、地共済につきましても財政再計算をやっていた業務量から、今回被保険者数の推移を作成するということで、業務量としてはかなり小さくなったと認識しております。それに対応する体制につきましてはきちんと取られていると考えているところでございます。
積立金の関係につきましても、地方公務員につきましても積立金に対して何か影響するというようなことは今回のコロナの関係につきましてはないと考えております。
○菊池部会長 私学事業団のほうからは特に。
○山口共済調査官 コロナの影響ということでございますけれども、現時点で断定的にこうだと言うのはなかなか難しい状況でございますが、まず被保険者数などについては、大本の学校に対してなるべくコロナの影響を最小限に抑えるために、私学助成を拡充しておりますし、また、困窮する学生に対しても奨学金などを現在拡充しているところでして、なるべくコロナの影響を抑えるように施策を打っているところでございます。
また、私学の今の運用についても、年度今回の第1四半期については、運用利回りが8%ぐらいだったと思うのですけれども、プラスが堅調に続いています。ですが、今後どうなるかについては、時間が経過しないと分からないところがありますので、今後どういった影響があるのかについては注視していきたいと思っています。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、最後になりますが、浅野部会長代理から、御質問と御所見も含めて5~6分でお願いできればと思います。
○浅野部会長代理 本日は御説明ありがとうございます。
最初に所見ということでもないのですけれども、今日、各委員の先生方から幅広い御質問があって、一旦はお答えいただいたと思うのですが、きっと皆さんいろいろ幅広く議論をもう少ししたいところがあるのではないかなと思いますので、そこはぜひ今後よろしくお願いできればなと思います。
ただ、財政検証が進んでいく上で、当部会の意見も踏まえながら、徐々に高度化されているというところは確認できていると思いますので、引き続きよりよい財政検証に向けてよろしくお願いしたいなと思います。
私からの質問は大きく3つありまして、1つが不確実性の問題、2つ目が実施機関との連携の問題、3つ目が前回レビューに関する事項であります。
1点目が、不確実性の問題につきましては、今、少しお話も出ていたところではありますが、新型コロナウイルス感染症の状況はかなり経済や人口動態に影響を及ぼす可能性があるのですが、これは今、前提にある長期的な平均の姿の範囲内と思われているのか、それともまだそこもよく分からないので、それを超える可能性もあって、その場合は何らかの対応を取っていくというお考えなのかどうかというところをお聞かせいただければと思います。
2点目が実施機関の連携状況なのですが、これについては、今回被用者年金の一元化で初めて厚生労働省が各実施機関の基礎率などを作成するという形になったと思うのですが、したがいまして、これまでと作業工程が大きく変わったので、より今まで以上に緊密な連携が必要ではないかなと思います。これまでと違って、実施機関とどのようなことをやったのか。また、基礎率も全て厚生労働省が作成するというところだと思いますが、その作成に当たって厚生労働省としてどのような点に留意されたのかということであります。
また、各共済から受領したデータなのですが、もちろん各共済でもデータについては確認をしているのですが、一元的に対応する厚生労働省としては、このデータの完全性ということについてどのように確認をされたのか。それによって第三者、例えば年金数理部会に対してデータは完全であると言えるのかどうか、この辺りについて教えていただければと思います。
大きな3点目ですが、前回のレビューへの対応状況ということであります。1つは確率論的な将来見通しということについて、人口要素など非常に難しいということなので、そこは確かに難しいかなと思うのですが、経済前提について言いますと、例えば運用利回りなどはVaRを算定する際の手法を用いて確率分布を仮定し、そして、多くの金利パスを発生させて計算することもできるのではないかなと思うのですけれども、このように少しでも一歩ずつ進めていくことが大切ではないか。または、そうなったときの結果を見て、何か新しい知見が得られるのではないかと思うのですけれども、この辺りについてどのように考えられているかということ。
もう一つが、国共済、地共済につきまして、被保険者の見通しについて総人口比例ということで、これ以外なかなかいい方法が思いつかないということなのですが、例えばこの前提をやって、シミュレーションが進む中で、総人口に対して公務員の人数が物すごく非現実的な数値になってしまうというようなことがないのかどうか、この辺りについて教えていただければと思います。
以上です。
○菊池部会長 いかがでしょうか。
○山内数理課長 新型コロナウイルスの影響でございますけれども、現段階では分からないということだと思います。ただ、分からない中でどうするのかということも今の段階では申し上げるのはなかなか難しいところがあります。一方で、年金財政は100年間の見通しなので、100年の中の時間の流れに対してどういうふうに考えるかといったところもあると思うので、そこはよく現在の状況や終息後の状況をよく見ていくということかと考えています。
それから、連携の話も、説明の中でも少し触れたところではありますけれども、基本的にはまず法令が整備されて、データを収集するという規定は一元化で整備されているということがあって、かつ、そんなにメンバーが多いわけでもないので、連絡会議を行って分担やスケジュールをきちんと決めて、あとは日々の作業の中でも密接に連絡を取り合って確認作業などをしていくといった形で進めているということでございます。
データの完全性のお話もございましたけれども、もともとが割と全数に近いような統計をベースにやっているといったところと、他方で事業統計などもあって、いろいろな形でのチェックはできるということなので、そういった意味では懸念はないのではないかと考えているということであります。
あと、確率的な分布などのお話でございますけれども、これはいろいろな知見が当然あり得るわけなので、そうしたことをこれからもよく伺いながら、どのようなことができるかということかと考えています。
○菊池部会長 どうぞ。
○西尾共済計理官 国共済の被保険者数の将来見込みにつきましては経緯がございまして、平成21年の財政再計算の際には対生産年齢人口で一定割合ということでやっておりました。その際のレビューにおきまして、自衛隊や警察官の方のように人口が減少しても一定数必要と考えられる職種もあることから、生産年齢人口比例よりは総人口比例のほうがいいのではないかということで、平成26年の再計算から総人口に対して一定と整理をさせていただいております。
将来的にどの程度の公務員数が現実的かというところは非常に評価が難しいわけでございますけれども、足下で0.8%程度となっておりまして、これが将来にわたって推移するということで、ここ近年の公務員数の動向を見ましても、国家公務員数は微増傾向でございますので、平成26年再計算時の整理を特段変えるほどの理由はないのかなというところで、引き続きこの前提を使っているというところでございます。
○長田数理官 地共済でございます。
経緯につきましては国共済と同じでございます。地方公務員につきましても、その時々の行政需要や行政サービスの提供方法といったものに左右されて地方公務員数も変化していくものと考えておりまして、長期の推計はなかなか難しいというふうに御説明をさせていただいております。
今回の財政検証におきましても、いろいろ検討をいたしましたが、ここ数年の被保険者数や、それに応じた対総人口比というものが微増傾向にあるということで、実際に今回使用しました数値につきましても、前回よりは微増しているようなこともありまして、今回推計方法は前回と同じ方法とさせていただいたところでございます。
○菊池部会長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。
これで一巡したところで、本来であればここからもう少し深めていきたいのですが、あいにく時間が大幅に超過してございますので、以上をもちまして、令和元年財政検証のヒアリングを終わりたいと思います。
説明者の皆様には、お忙しい中、どうもありがとうございました。
なお、説明者の皆様へのお願いですが、委員から御質問のあった事項のうち、本日回答いただいていないものが残ったと思います。これについては、別途事務局まで御回答をお願いいたします。また、今後、審議の過程で疑義が生じましたら、事務局を通じて照会させていただきますので、御協力のほど、お願いいたします。
また、委員の皆様におかれましても、今日なかなかさらにもう一歩御質問いただけなかった部分もございましたが、後で気のついたことなどございましたら適宜事務局のほうへお寄せいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
今後の取扱いですが、これまでヒアリングをした令和元年財政検証に基づいて、年金数理部会として分析や検証を行い、その結果をまとめた報告書を作成していきたいと思います。分析や報告書の起草等の作業については、作業班にて行うことといたします。
それでは、最後に事務局から御連絡をお願いいたします。
○山本首席年金数理官 次回の部会の開催日時等につきましては、改めて御連絡をいたします。
以上です。
○菊池部会長 それでは、時間を超過いたしまして申し訳ございませんでした。
これにて第85回年金数理部会を終了いたします。どうもありがとうございました。


                                                                                                    

                                                                                       (了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(年金数理部会)> 第85回社会保障審議会年金数理部会 議事録(2020年9月3日)

ページの先頭へ戻る