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2018年12月14日 第79回社会保障審議会年金数理部会 議事録

年金局

○日時

平成30年12月14日 15時00分~17時00分

 

○場所

厚生労働省 専用第15会議室



 

○出席者

 

 
菊池部会長、浅野部会長代理、翁委員、小野委員、野呂委員、枇杷委員

○議題

(1)平成29年度財政状況について-厚生年金保険(第1号)-
(2)平成29年度財政状況について-国民年金・基礎年金制度-
(3)その他

○議事

 

○菊池部会長 それでは、定刻やや早いのですが、きょう御出席予定の委員の皆様がお集まりということですので、ただいまより、第79回「社会保障審議会年金数理部会」を開催させていただきます。
師走のお忙しいところをお集まりくださいまして、どうもありがとうございました。
○山本首席年金数理官 それでは、審議に入ります前に、資料の確認をさせていただきたいと思います。
委員の皆様方は、タブレットの左上の社会保障審議会年金数理部会という文字をタップしていただきますと、資料の一覧が表示されます。
本日準備をしている資料は、上から順に、議事次第、委員名簿、座席図、
資料1「平成29年度財政状況-厚生年金保険(第1号)-」、
資料2「平成29年度財政状況-国民年金・基礎年金制度-」、
参考資料「社会保障審議会年金数理部会の役割について」でございます。
なお、参考資料でございますけれども、前回の部会で年金数理部会と年金部会の関係などに関する議論がございましたので、年金数理部会の役割につきまして、改めて整理をしたものでございます。適宜御参照いただければと存じます。
次に、本日の委員の出欠状況でございます。
本日は駒村委員、関委員、永瀬委員から、御都合により欠席される旨の連絡を受けてございます。出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。
それでは、以後の進行につきましては菊池部会長にお願いいたします。
○菊池部会長 先日、第78回の部会におきまして、公開セミナーで委員の皆様に御協力いただきまして、ありがとうございます。
きょうからまた具体的な議論に向けてということでございます。
当部会では、年金制度の安定性の確保に関し、毎年度報告を受けております。
本日は、まず、厚生年金保険、そして、国民年金・基礎年金制度の平成29年度財政状況について、報告を聴取いたします。
それでは、説明者の方はどうぞ、説明者席へお移りください。
(厚生労働省 武藤数理課長、村田調査室長 説明者席へ移動)
○菊池部会長 御苦労さまです。
本日は、年金局数理課の武藤課長と年金局事業企画課調査室の村田室長に御出席いただいております。
それでは、まず、厚生年金保険(第1号)について報告を聴取いたします。
御説明をお願いいたします。
○武藤数理課長 数理課長でございます。本日はよろしくお願いいたします。
まず、平成29年度の厚生年金保険の財政状況でございますけれども、年金財政の関係につきましては私、武藤から、受給者、被保険者の実績の統計につきましては、隣におります事業企画課調査室長の村田のほうから御説明申し上げます。よろしくお願いいたします。
なお、冒頭、これは例年と同様でございますけれども、本日につきましては、基本的に旧厚生年金保険の範囲での御報告になっておりますことを申し上げておきたいと思います。
それでは、早速ですけれども、資料1「平成29年度財政状況-厚生年金保険(第1号)-」の1ページ目へ行っていただけますでしょうか。
平成29年度財政状況等の概要の「1.収支状況」でございます。平成25年度から平成29年度まで、時系列で並んでおりまして、右の平成29年度の欄をご覧いただきたいと思います。最初に、収入総額でございますけれども、基本的に積立金の運用に関しましては時価ベースで整理しておりますので、ここで括弧つきの時価ベースの数字を見ていただきますと、収入総額が56兆8713億円となってございます。平成29年度につきましては、時価運用収入がプラスでございましたが、同様に時価運用収入がプラスであった前年度の収入総額と比較すると、7000億円強増加しているというところでございます。
収入の内訳で主なところを申しますと、まず、保険料ですが、30兆9442億円、前年度と比べまして1兆4688億円、5.0%の増でございます。この増の要因といたしましては、被保険者の増加による影響が大きくて、5.0%のうち3.2%相当がそれに当たる。あと、保険料率の毎年の0.354%ずつの引き上げがございまして、平成29年は引き上げ最終年であることから、29年については0.118%の引き上げになりますけれども、それによる寄与が1.3%ぐらい。さらに、1人当たり標準報酬額の増加がございまして、0.3%ぐらいと分析しているところでございます。
次に、国庫負担でございますが、9兆4819億円ということで、2362億円の増になっているところでございます。
また、運用収入ですが、基本的に時価で考えることにしておりまして、括弧のついた時価ベースで見ていただきますと、9兆4401億円ということで、前年度も時価運用収入がプラスだったわけですけれども、それと比べましても2兆325億円の増となっているところでございます。
なお、丸い括弧つきの再掲で、年金積立金管理運用独立行政法人納付金が5800億円となってございますが、これは平成28年度末までの累積運用収益額の中から納付されたものでございます。
次は基礎年金交付金が5559億円でございます。また、その2つ下の段に、厚生年金拠出金収入4兆5309億円があります。これは平成27年10月の被用者年金の一元化によりまして、各実施機関が1・2階積立金や標準報酬などの負担能力に応じて厚生年金勘定に拠出することとなったものでございますが、前年度と同程度の規模となってございます。
収入欄の2つ下に行っていただきまして、解散厚生年金基金等徴収金の額ですが、1兆6153億円と昨年度より2兆7691億円の減となってございます。これは平成26年4月から厚生年金基金制度が見直されたことによりまして、特に平成27年度、28年度の額が大きくなっておりましたが、基金の解散がやや落ちついたことによるものと考えてございます。
また、積立金より受入ですけれども、平成26年度以降同様でございますが、平成29年度もございません。これは資金繰りのために積立金から受け入れるものでございますけれども、平成29年度についても保険料収入自体がふえたことや、先ほど申し上げた解散厚生年金基金等徴収金や、GPIFから納付金があることなどを受けたものでございます。
続きまして、支出の総額でございますけれども、46兆4234億円でございまして、7638億円の増になっているということでございます。このうち給付費が23兆6669億円でございまして、対前年度で1855億円の増。基礎年金拠出金が17兆8570億円でございまして、対前年度で5946億円の増になっているところでございます。
また、基礎年金拠出金につきましては、被用者年金の一元化におきまして、基礎年金勘定の積立金の一部が充てられることとなりました。つまり、基礎年金制度が導入された際に国民年金勘定にあった積立金のうち、それまで任意加入だった第3号被保険者に移った被用者の配偶者の保険料分、いわゆる妻積みとも呼ばれていた分ですけれども、これが基礎年金勘定の積立金として置かれておりましたが、それに対応する分が基礎年金拠出金に充てられることとなりました。その充てる額が厚生年金保険では約1300億円でございますけれども、この額を控除してこの数字になっているということでございます。
さらに、被用者年金一元化による平成27年度からの項目である厚生年金交付金は、各実施機関が行う厚生年金の保険給付に要する費用のために交付されるものでございますが、4兆7524億円。前年度と同程度の規模となっているところでございます。
全体をトータルいたしましての収支残は、時価ベースで見ていただきますと、10兆4479億円で、前年度に比べまして552億円の減になるわけでございます。
これらの点を踏まえて、年度末の積立金の時価ベースの額がどれだけになっているかを見ていただきますと、154兆9035億円となっておりまして、前の年に比べまして10兆4573億円の増になってございます。この数字は、先ほどの時価ベースの収支差引残がベースとなっており、これに加えまして、あとは業務勘定からの積立金への繰り入れが収支残のすぐ下にございますけれども、この94億円を足したものがちょうど一致しているということでございまして、これが実質的な収支残と申しますか、積立金の変化をあらわすものになるわけでございます。最後に積立金の運用利回りですけれども、一番下にありますように、時価ベースの数字で6.51%になっているところでございます。
収支状況は以上でございます。
○村田調査室長 事業企画課調査室長の村田でございます。よろしくお願いいたします。
私からは、受給権者及び被保険者の実績統計に関して御説明申し上げます。
まず、2ページをご覧ください。こちらは給付状況に関する資料になります。平成27年10月より、被用者年金制度が一元化されておりますけれども、給付状況の資料では、厚生年金保険(第1号)に係る数値を計上しておりまして、一元化によって新たに厚生年金保険に含まれることとなりました国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、日本私立学校振興・共済事業団の情報は含んでいないということに御留意いただければと思います。
また、特記事項の4に記載しておりますが、新法老齢厚生年金のうち、旧法の老齢年金に相当するものは「老齢相当」に、それ以外のものは「通老相当・25年未満」のところに計上しております。平成29年8月施行の受給資格期間の短縮によって、受給資格期間が10年以上25年未満の方も新たに年金の受給権が発生したわけでございますけれども、このような方々は通老相当・25年未満の区分の中に計上されております。
厚生年金の受給権者数でございますけれども、平成30年3月末、こちらが平成29年度末の数値になりますが、一番上の段をご覧いただきますと、受給権者数は全体で3717万9000人となっております。前年度と比べまして92万2000人、2.5%の増加となってございます。このうち老齢相当が1590万人で、前年度と比べまして1.3%の増加、通老相当・25年未満が1483万2000人で、4.4%の増加という状況でございます。
続きまして、年金総額について、1つ下の2段目になりますが、こちらは厚生年金の年金総額ですので、基礎年金分は含まれていないことに御留意いただきたいと思います。平成29年度末の年金総額は、受給権者全体で26兆8863億円、これは前年度と比べ0.3%の増加となってございます。このうち老齢相当が18兆1658億円で、0.4%の減少でございます。老齢相当の年金総額が減少した要因でございますけれども、1階部分込みで支給される旧法の受給権者が抜けまして、報酬比例部分のみの特老厚の受給権者が加入した、そういった人の入れ替わり等によりまして平成29年度の年金総額は減少したものと考えております。
続きまして、3ページは繰上げ支給及び繰下げ支給の状況でございます。まず、平成29年度から繰下げの判定を精緻化しておりまして、本来と繰下げの分類を変更することといたしております。そのため、平成29年度の数値は従来の数値とは直接比較することができなくなってございますので、こちらの統計表でも、その趣旨が明確となりますように、平成29年度末の単年度の結果を記載させていただいておりまして、参考として平成25年度末から28年度末の結果を右のほうに、従前の系列として分離してお示しさせていただいております。
具体的な分類変更の内容ですけれども、これは下のほうの特記事項の欄に書かせていただいているのですが、平成28年度までの本来と繰下げの分類につきましては、平成19年3月以前に本来・繰下げ支給の受給権が発生した受給権者の方については基礎年金の状況で判定しておりまして、平成28年度以前の数値には、そういった受給権者の方の中で、基礎年金のみ繰り下げている方が含まれてございました。そこで、平成29年度からはここを精緻化させていただきまして、そういった受給権者の方についても老齢厚生年金の状況で繰下げを判定するという形に変えさせていただいております。
数字のほうを見ていきますと、平成30年3月末の繰上げ支給の老齢厚生年金受給権者数は6万人となってございます。一方、繰下げ支給の老齢厚生年金受給権者数は、平成30年3月末で16万7000人となっております。また、今回から繰上げ・繰下げの状況につきまして、男女別についてもお示ししております。老齢厚生年金の繰上げ制度は、報酬比例部分の支給開始年齢の引上げに伴って導入されておりますので、現在、繰上げ支給は男性のみ可能となってございます。したがって、女性の繰上げ支給の欄は全てゼロとなってございますので、御留意いただきたいと思います。
続きまして、4ページは老齢年金受給権者の平均年金月額等についてでございます。男女合計の老齢相当の老齢年金の平均年金月額は、一番上の段にありますように、平成30年3月末で9万5210円となっておりまして、前年度に比べて1.8%の減少となってございます。こちらは基礎年金分を含まない厚生年金分だけの額となってございますので、この額に老齢基礎年金月額を加算しました平均年金月額をご覧いただきますと、3段下の欄になりますけれども、14万4903円となっております。こちらが基礎年金分まで含めた平均年金月額でございまして、前年度に比べて0.5%の減少となってございます。
厚生年金の平均年金月額、基礎年金を含まないものが1.8%減少した理由でございますけれども、高齢層を中心とした比較的年金額の高いかたが抜けていく一方で、60代前半の比較的年金額が低いかたが入ってくるという人の入れ替わりが一つ考えられます。
続きまして、5ページは新規裁定者に関する資料でございます。新規裁定者の年金は、基本的には特別支給の老齢厚生年金ということになりますので、定額部分のない報酬比例部分のみの年金となってございます。平成29年度の加入期間が20年以上の新規裁定者の平均年金月額は8万1175円となってございます。前年度と比べて10.9%の増加となっておりますが、これは新規裁定者の男女構成割合の変化によるものです。昨年度、平成28年度は、男性の特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢が引き上げられておりまして、このことによって男性の新規裁定者数が大幅に減少しております。これに伴って、平均年金月額の水準が低い、女性の新規裁定者の構成割合が高まりまして、その結果として28年度の男女計の平均が押し下げられておりました。今回、29年度は通常の男女構成割合の水準に戻っておりますので、結果的に昨年に比べれば女性の割合が低くなり、通常ベースに戻った結果、男女計の平均が昨年度に比べて上がったということでございます。
続きまして、6ページから8ページをご覧ください。こちらは老齢相当の老齢年金につきまして、給付状況を詳細に見たものでございます。特に60代前半につきましては、各歳別のデータとなっておりまして、支給開始年齢の引上げの状況が見てとれる形でお示ししております。
厚生年金の支給開始年齢の引上げは、男性と女性でスケジュールがずれておりますので、男女合計ではなくて男女別の資料をご覧いただきたいのですけれども、まずは7ページ、男性についての状況でございます。61歳の欄を横に見ていただきたいのですけれども、28年3月末と29年3月末の間で、受給権者数が大幅に減っているのが見てとれるかと思います。これは平成28年度に報酬比例部分の支給開始年齢が62歳に引き上げられたことの影響でございます。
次に、8ページは女性についての状況となってございます。先ほど申しましたように、女性の場合は支給開始年齢の引上げが男性より5年遅れのスケジュールとなってございます。左のほうから見ていきますと、25年度から26年度の2カ年につきましては、定額部分の支給開始年齢が63歳であったということで、平均年金月額の水準を見ますと、62歳と63歳の間で金額に段差がございます。平成27年度には、支給開始年齢が64歳に引き上げられたということで、そちらで63歳と64歳の間に段差がある、そういった状況になっているのがこの表から見てとれます。
続きまして、9ページは老齢相当の老齢年金受給権者の年齢構成でございます。平成29年度末は、いわゆる団塊の世代、昭和22年から24年に生まれた方が68歳から70歳になっているということで、そうしたこともございまして、65歳以上70歳未満のところの構成割合が26.1%と最も大きくなっている状況でございます。
10ページは老齢年金受給権者の年金月額の分布を示したものでございます。これは今回から初めてお示しさせていただいているものでございます。この年金月額は、基礎年金月額を含んだ金額となってございます。左側が老齢相当、右側が通老相当・25年未満の分布でございます。左側の老齢相当の分布を見ますと、男女計の平均年金月額が14.5万円となっている分布でございますけれども、10万円前後のあたりの階級が最も多くなっていることが見てとれます。一方で、右側にございます通老相当・25年未満の分布を見ていただきますと、平均年金月額は5.9万円でございますが、老齢相当と比較すると、低い金額の水準のところに分布していることが見てとれるかと思います。
次に、11ページからは被保険者の状況でございます。被保険者の統計につきましては、被用者年金一元化後は、第1号厚生年金被保険者、いわゆる、もとからの厚生年金の部分に係る数値を計上しております。
まず、被保険者数ですが、平成30年3月末、29年度末は3911万2000人となっておりまして、前年度に比べまして89万5000人、2.3%の増加となってございます。特に女性の伸びが大きく、3.2%の増加となっております。
次に、被保険者の平均年齢ですが、男性が44.4歳、女性が42.4歳、男女計で43.6歳となっております。前年度に比べて0.2歳の上昇という状況でございます。
次に、下の囲みの中段ぐらいのところを見ていただきたいのですが、「標準報酬総額〈総報酬ベース〉(年度累計)」という欄がございますけれども、その数値を見ていただきますと、こちらにつきましては171兆6136億円となっておりまして、3.4%の増加でございます。
1人当たりの標準報酬額の総報酬ベースの月額でございますが、こちらは一番下の段にありますように、男性が41万9175円、女性が27万6054円、男女計で36万5507円となっておりまして、前年度に比べて0.3%の増加となってございます。
また、平成28年10月から厚生年金保険の適用拡大が行われておりますが、一定の要件を満たす短時間労働者も加入対象となってございます。これに伴いまして、平成29年3月末と30年3月末の列のところに、短時間労働者の被保険者数等の再掲をつけさせていただいております。平成30年3月末におきましては、短時間労働者の被保険者数が38万3000人となっておりまして、前年度に比べて9万2000人、31.8%の増加となってございます。なお、平成29年4月から、従業員数が500人以下の会社で働く方も、労使で合意がなされれば社会保険に加入できるようになっておりますが、そのような任意加入の被保険者数は、特記事項に記載しておりますように、平成30年3月末現在で4000人となってございます。また、短時間労働者の被保険者の平均年齢は49.8歳でございまして、前年度に比べて0.5歳上昇したという状況でございます。
続きまして、12ページから14ページは被保険者の分布でございます。こちらにつきましても、平成28年10月の適用拡大に伴いまして、短時間労働者に関するデータもお示しするようにしております。上段が被保険者全体の分布、下段が短時間労働者の分布になってございます。
こちらも男性、女性別にご覧いただきたいのですが、まず、13ページの男性につきましては、上段の分布を見ていただきますと、40歳以上45歳未満のところと、45歳以上50歳未満のところの人数が多くなっておりまして、ともに14.0%でございます。ここをピークとした山の形となっております。一方、下段の短時間労働者の再掲を見ていただきますと、60歳以上65歳未満、65歳以上の人数が多くなっておりまして、高年齢にピークがあることがわかるかと思います。
続いて、女性の分布は14ページでございますけれども、まず、上段の分布を見ていただきますと、女性の場合はピークになる場所が2カ所ございまして、1つが25歳以上30歳未満のところの12.1%、もう一つが45歳以上50歳未満のところの13.5%となっておりまして、いわゆるM字カーブの形、山が2つある形となっております。こちらの分布の傾向につきましては、従来と変わっていないということでございます。一方、下段の短時間労働者の再掲を見ていただきますと、こちらは45歳以上50歳未満のところが14.9%と最も多くなっておりまして、ここをピークとした山の形になってございます。
15ページは標準報酬額月額別の被保険者の分布でございます。左側が被保険者全体の分布、右側が短時間労働者の再掲になってございます。まず、男性につきましては、一番多いのが62万円の等級でございまして、こちらが全体の9.5%を占めております。次に多いのが26万円、28万円、30万円あたりのところでございまして、それぞれ6.6%、6.2%、6.5%といずれも6%台となってございます。一方、女性につきましては、その右隣の列でございますけれども、22万円のところが最も多くなっておりまして9.8%、その前後のところが8%台ということで、多くなってございます。
右側の短時間労働者の標準報酬額月額の分布を見ていただきたいのですが、短時間労働者につきましては、男性のピークが11.8万円、女性のピークも同じく11.8万円ということで、比較的等級の低いところに山ができていることが見てとれるかと思います。
私からは、以上です。
○武藤数理課長 続きまして、16ページの「4.積立金の運用状況について」でございます。
年度末積立金154兆9035億円の資産構成割合でございますけれども、上の表ですが、預託金が4.8%、市場運用分が94.6%、財投債が0.5%となっているところでございます。下の表にございます資産区分別の内訳につきましては、GPIFにおきましては、厚生年金、国民年金を合わせて一体として運用しているところでございまして、年金特別会計も加えた全体の運用資産の平成29年度末の時価総額ですけれども、こちらにありますように161兆8755億円。その内訳の割合につきましては、国内債券が27.5%、国内株式が25.1%、外国債券が14.8%、外国株式が23.9%、短期資産が8.7%でございます。
続きまして、17ページは財政検証における将来見通しとの比較でございます。なお、平成26年財政検証自体は被用者年金一元化がありましたので、それを踏まえて足下から共済分も含んだ財政見通しをお示ししているところでございますけれども、本日は、冒頭にも申し上げましたように、ここでは平成29年度の旧厚生年金の実績と比較するということで、共済分を含まない数値を掲載してございます。
また、平成26年財政検証につきましては、幅の広い経済前提を設定して、複数の財政見通しを作成しているところでございますけれども、ここではケースC、E、Gの3つの数値を掲載しているところでございます。ただ、以降の御説明につきましては、一例としてのケースEの数値を参照しながら比較してお話しさせていただければと存じます。
この表の一番上の段に、厚生年金基金の代行が除かれているものの実績、いわゆる特会の実績を掲げてございます。これが1ページでも御説明させていただいた、いわゆる特会の実績なのですけれども、将来見通しは基金代行分も含んだ形で行われているということになりますので、将来見通しと比較するためにベースをそろえるということで、実績の欄の1つ下に、実績推計と書いている欄を設けてございます。例年どおりでございますが、これと将来見通しを比較するということで御説明申し上げたいと思います。
まず、実績推計の欄ですが、どのようにこの数値を作成するかについて、下の特記事項の欄を見ていただきますと、この辺は字が小さくなって恐縮ではございますけれども、主なところを見ていきますと、基礎年金交付金を収入支出の両面から控除するということ、保険料に厚生年金基金に係る免除保険料を加え、給付費には基金代行分を加えるということ、その他幾つか細かい加算や控除、適切な費目を加算控除するということなど、あと、大きいところといたしましては、積立金に存続厚生年金基金の最低責任準備金等を加えるということでございまして、これが9.6兆円でございます。それから、国庫負担繰延分3.8兆円を加えるということ、運用収入に基金の分の運用収入を加えるなど、このような補正を行いまして、将来見通しと比較できる数字にしているところでございます。
上の表に戻っていただきまして、まず、保険料収入でございますけれども、平成26年財政検証のケースEの将来見通しの数値は29.6兆円と見込んでいたところでございますが、この実績推計の数値で申し上げますと31.0兆円ということで、1兆円以上実績推計のほうが多いということになるわけでございます。こちらの差の主な要因といたしましては被保険者数の増加ということで、具体的には下に書いておりますとおりですが、見通しでは3522万人だったものが、実績では3913万人で増加しているということであります。これを大きな要因として、保険料収入に差が生じているという状況でございます。
次に、国庫負担でございますけれども、実績推計が9.5兆円、将来見通しが9.2兆円だったので、将来見通しよりはやや多くなっているということでございます。被用者年金一元化に伴って導入された厚生年金拠出金収入につきましては、将来見通しは4.8兆円と見込んでいたところですが、実績推計では4.5兆円ということでございます。一方、運用収益につきましては、将来見通しは3.6兆円と見込んでいたところが時価ベースの数値で10.1兆円でございます。要因として書いてございますのは、見通しでは2.57%という運用利回りの見込みだったものが、実績では6.51%だったということでございます。
支出の欄で、まずは合計でございますけれども、将来見通し47.7兆円に対して実績推計は46.8兆円です。これは給付費が将来見通し25.2兆円に対して実績推計が23.9兆円、基礎年金拠出金が将来見通しは17.6兆円に対して実績推計が18.0兆円という状況になっているところでございます。さらに、被用者年金一元化に伴い導入された厚生年金交付金につきましては、将来見通し4.8兆円に対して実績推計も4.8兆円でございます。
年度末積立金も財政検証ベースでございますので、基金代行分を含んでいるということでございますが、141.9兆円という見込みだったものが168.3兆円ということです。これはこれまでの運用実績がプラスであったことを受けて、実績推計のほうが上回った姿になっているところでございます。
以上ですが、続きまして18ページ、被保険者数及び受給者数の将来見通しの比較というところでございます。結果を見てみますと、受給者数はほぼ近い数値になっておりまして、被保険者数については実績のほうがやや大きいということでございます。
19ページは財政指標の比較でございますが、こちらのページは年金扶養比率でございます。何人で1人の受給者を支えるかという比率でございますけれども、平成29年度の欄では、左上の表の一番下の数字で2.59ということでございますが、財政検証の見通しでは、平成29年度は経済再生ケースで2.3であったというところで、実績のほうが大きくなってございます。前のページでも確認したところでございますけれども、財政検証の見込みと実績との間で被保険者の実績が多いことによるものでございます。
最後ですが、20ページの積立比率です。こちらに関しましては、29年度の数値、上の表の注1にも書いてございますけれども、存続厚生年金基金の代行部分を補正した率ですが、上の表の左下の4.9という数値が実績でございます。下の欄でございますが、平成26年財政検証における29年度の数値は4.2でございましたので、これを実績が上回っておりますが、これまでの運用のプラスを受けてこのような結果になっているというところでございます。
厚生年金の御説明は以上でございます。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に関しまして、御質問等をお願いしたく存じますが、最初に本日御欠席の永瀬委員より、書面で御質問をいただいているようですので、まずはそちらのほうを、事務局から読み上げをお願いいたします。
○山本首席年金数理官 永瀬委員からの質問を読み上げさせていただきます。
まず、1つが1ページ目について、厚生年金保険の財政状況を見ますと、国庫負担は平成25年度と29年度を比べると約1兆円ふえています。8.3兆から9.5兆ということです。これは高齢者の人数の増加が主因なのかということが1つ目です。
1ページについてはもう一つ質問があって、基礎年金拠出金は25年度が15.0兆だったのが、29年度は17.9兆と、2.9兆ふえていて、国庫負担は基礎年金の半分かと思っていたのですが、このような財源構成について説明をいただけないでしょうかということが1ページ目に関する2点目です。
あと、4ページについても、細かく言うと2点質問をいただいていまして、4ページなのですけれども、男性の老齢相当の平均年金額は、26年3月末で12万427円から30年3月末に11万3412円に下がっているのですが、加入期間は440月から442月にやや延びている。他方で女性については、平均年金額は6万3763円から5万8503円に下がっていて、加入期間は319カ月から330カ月に大きく延びている。給付水準の下落がどのような理由によるものか。平均年収は伸びていると思われ、加入期間も延びているとすれば、なぜ給付水準が下落するのでしょうか。それが今後、どのような形になるのかというのが3つ目の御質問です。
7ページ、8ページの65歳以上の本来支給の年金額について、例えば男性のほうで見ますと、25年度は約18万2000円が29年度には17万4000円ということで、約1万円下がっているのですけれども、加入期間が延びて平均年収がほぼ変わらないとすると、5年間でこれだけ差があるのがよくわからないので、その理由はなぜかということを御教示くださいという御質問でございます。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、まず、これに関しまして御回答をお願いします。
○武藤数理課長 数理課長です。
最初の1ページのほうの御質問からお答えしたいと思います。
国庫負担あるいは基礎年金拠出金の数字を比べて、その伸びが大きいのだけれどもふえる要因は高齢化が主要因であるかどうかということについてですが、それは主要因の1つということで考えております。また、厚生年金の基礎年金拠出金ということで考えてみますと、先ほど被保険者数の増のところでも確認しましたが、被保険者が厚生年金はふえておりますので、拠出金の按分率のほうも高くなっており、それによって伸びるという要素もあるかと思っております。
あと、基礎年金拠出金と国庫負担の関係で、約半分が国庫負担で、そこの伸びが微妙にずれているではないかということについてですけれども、基礎年金の給付に要する費用を賄うために基礎年金勘定に繰り入れる、いわゆる基礎年金拠出金の額は、基礎年金給付の増加によって、25年度と比べて2.8兆円ほど増加ということになってございます。
それに比べると、国庫負担の増加は1.2兆円ほどになっておりますので、基礎年金拠出金の増加の2.8兆円を半分で割った1.4兆円と比べると1.2兆円、2000億円ほどの差があるかなということです。厚生年金の国庫負担ですが、大宗は基礎年金拠出金の2分の1ということですけれども、それ以外にもありまして、基礎年金拠出金の算定対象とならない古い期間の経過的なものなのですが、昭和36年4月前の被保険者期間に係る給付費に対する国庫負担で、経過的に残っている国庫負担がございまして、これは経過的なものですので、減少傾向になっているということでございます。この経過的国庫負担の減によりまして、国庫負担の増が1.2兆円になっているという構造でございます。
私からは、以上です。
○村田調査室長 続きまして、4ページに関する御質問です。
4ページの男性の老齢相当の平均年金月額の欄で、一番左の平成26年3月末で12万427円だったものが、右の欄の平成30年3月末では11万3412円に下がった、これはなぜかという御質問でございます。これは一言で言いますと、旧法の受給権者が年々減少する一方で、新たに新法の受給権者が加わることによるものです。
先ほど言いましたように、厚生年金のほうの勘定では、基礎年金の給付はしておりませんので、旧法の厚生年金ですと1階部分を込みで支給されますが、そのような旧法の厚生年金の受給権者が抜けまして、かわりに新法になって2階部分と1階部分に分かれた、そういった受給権者の方が新たに加わってきますと、老齢相当の厚生年金には、その2階部分だけが計上されることになります。したがって、新法の受給権者のウエイトが高まるにつれて、ここの平均年金月額は構造的に減少することとなります。まとめますと、旧法厚生年金で1階・2階が一体となって支給されていたものが抜けて、かわりに新法になって1階部分、2階部分に分かれたほうの2階部分だけが計上されるということで、結果として、厚生年金部分の平均年金月額が減少して、基礎年金部分の平均年金月額が増加するといった形になります。
両者を合算した、基礎年金を足し込んだ平均年金月額も示してありまして、同じ資料の4ページの上から4段目の行を見ていただきますと、平均年金月額は14万5000円前後の水準で推移していまして、先ほど見たほどの減少は見られないかと思います。
これが今後どのぐらい続くかという御質問でございますが、こちらは旧法を受給されている方が減って、新たに新法の受給権者が入ってくるという、人の入れ替わりの過程で構造的に起きるものですので、今後もこの傾向は続くものと考えております。
それから、7ページ、8ページに関する御質問で、65歳以上の本来支給部分を見ていただくと、平成25年度の男性が18.2万円だったところが、29年度には17.4万円で1万円程度下がっている、これはなぜかということでございますが、厚生年金の場合は給付乗率によって年金額が算定されていますけれども、給付乗率は生年月日に応じて決まっておりまして、年齢が高いほど給付乗率が高く、年齢が下がるに従って給付乗率が低減しております。そうしますと、御指摘の平均年金月額が減少する要因としましては、給付乗率の小さい年金受給者が年々入ってきて、かわりに給付乗率が大きい年金受給者が減少していく。そういった人の入れ替わりが要因になると考えられます。
回答は以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、御出席の委員からよろしくお願いいたします。
翁委員、お願いします。
○翁委員 2つ質問したいのですが、11ページの被保険者の状況ですが、今回の収入総額の増加の主要因は、1つとしては被保険者がふえたということだと思うのですけれども、これで年齢別は、今年の段階ではどういう状況でばらついているかということについて、12ページ以下で、男女別で御説明いただいたのですが、今回、11ページでは、男性が1.8%、女性が3.2%ふえたということなのです。これは短時間労働者とそうではない方とで少し違いはあるかもしれないのですが、どの年齢層で前年と比べるとふえているのか。高齢者が少し働くようになってきているのかとか、それも含めてどういう傾向でこうなっているのかということがもしわかりましたら教えていただきたいというのが1つでございます。
もう一つは、16ページなのですけれども、特記事項で、財投債については簿価と書いてございます。国債については市場価格ということかと思うのですが、どうしてこういう区別をしているのかについて教えていただけますか。財投債も市場運用をされていると思うのですが、なぜこういう処理になっているのかがよくわからないので教えてください。
○石川資金運用課長 資金運用課長でございます。
先ほどの財投債についてお答えいたしますと、財投債は満期保有目的でありますが、これは独立行政法人の会計基準に従うものということでございます。独立行政法人の会計基準に従って、原価法、いわゆる引受価格と券面額との間に差がある場合には償却原価法をとることになっていますけれども、原価法に基づいて簿価による評価を行うことというように独法会計基準でなっておりますので、それに従ってこのような取り扱いをしているということでございます。
一方、積立金の運用状況については原則として時価評価ということになっておりますので、GPIFの業務概況書においても、時価で評価をして、簿価による評価と時価による評価をGPIFの業務概況書で記載して公表しているという取り扱いをしているところでございます。
以上です。
○翁委員 会計処理上はそのように決められているということでわかるのですが、市場運用についてはほぼ満期、両方とも、国債も財投債も同じような運用の仕方であるという考え方でよいわけですね。
○石川資金運用課長 はい。
○翁委員 わかりました。
○村田調査室長 被保険者の分布が昨年から今年にかけてどれぐらい変化したかということでございますが、まず、男性について申しますと、人数ベースで見ますと、30歳から45歳未満の範囲の3つの階級のところが、人数が若干減って、残りが増えているという状況になっています。パーセンテージ的に、特に一番増えているのが45歳から50歳のところと50歳から55歳、大体この2階級のところの増加が多いです。一方で、女性のほうにつきましては、こちらは人数ベースでは全ての階級で増加しているのですけれども、一番増加が大きいところは、やはり45歳から50歳と50歳から55歳のところという状況でございます。
○翁委員 ありがとうございました。
○菊池部会長 ほかにいかがでしょうか。
野呂委員、お願いします。
○野呂委員 2ページと11ページで御質問させていただきます。まず、2ページにつきまして、上から3行目の通老・25年未満で、右のほうで63万人、4.4%。これは加入期間10年から24年の方が新たに支給対象になったために非常にふえたという理由ではないかと思うのです。最終的には、今後これがどうなるかということに関して、10年から24年の請求権は持っているのだけれどもまだ今回は請求していない人、いわゆる未請求のままでいるような人がたくさんおられると来年も伸びるのではないかと思いますが、この辺の4.4%の伸びの見通しはどうなっているかということを、教えてほしいと思います。尚、意見としては、通老相当と25年未満というのは全然別物なので分けて表示したほうがいいような気もします。
2つ目が11ページ目でございまして、このページで2つ質問があります。1つは上の表の4段目、標準報酬額月額の平均を見てまいりますと、右のほうの括弧の短時間労働者ですが、大体9%から10%、短時間労働者の標準報酬額月額の平均が伸びています。厚生労働省の賃金構造基本統計調査とか、毎月勤労統計を見ましても、2%程度しか短時間労働者の時間当たり給与はふえていなかったと思うので、この伸び方が非常に大きいと思いまして、その要因がもし分かれば教えて頂きたいというのが1点目でございます。
もう一つが同じ11ページですけれども、被保険者数が2.3%とこのように増えておりまして、その要因が非正規すなわち、厚年の1号から正規になって厚年の2号に移ったということなのか、あるいはそもそも対象ではなかった60歳以上の方の労働参加が伸びたために被保険者数がふえているのか。どちらかが要因だと思うのですけれども、もし60歳以上の方の労働参加が伸びたということだと、厚年財政につきましてはそれで保険料収入がふえるかと思うのですが、基礎年金のところについては特に保険料収入がふえないので、マクロ経済スライドの効き方にひずみが出るのではないか。つまり、人数がふえたからということでマクロ経済スライドの調整率を小さくすると、厚年のほうはそれで何とかなるものの、国年財政は保険料収入がふえないのにマクロ経済スライドが効かないということになるのではないかと思うのです。こうした構造はどう見ればいいのかというのが最後の質問でございます。
○村田調査室長 まず、1つ目の今後、受給資格期間を短縮した影響はどうなるかということですが、第39回社会保障審議会年金事業管理部会で報告されたことによりますと、平成29年2月下旬から7月上旬にかけまして、保険料納付等期間が10年以上25年未満約67.6万人の方、対象者となられるであろう方に請求書を送付しております。それから、御自分で来られた方とかもいろいろ含めまして、平成30年6月末までに約58.5万人の方が請求書の受付けを済ませている状況です。実際に支払われた方としましては、29年10月から30年7月までの間に初回の支払いがされた方で受給資格期間が10年以上25年未満の方が、約55.1万人となっておりますので、かなりの方は請求を済ませているのではないかと思います。今後のことについては、新たに受給権が発生する方もいると思いますので、確たることはわからないです。
11ページの短時間労働者の標準報酬額が伸びている要因ですけれども、こちらの統計では、標準報酬額そのものしか知ることができないので、その背景となるようなデータといいますか、分析をするようなものを持ち合わせておりませんので、何とも言えなくて、ただ、まだ短時間労働者の適用拡大は始まったばかりということもありまして、29年3月末から30年3月末に31.8%も増えているということで、かなり性質が変わっている可能性もあるので、一概にこの伸びとほかの統計の伸びを比較するのはかなり難しいかと思います。
それから、被保険者の伸びのお話がございましたけれども、厚生年金の被保険者は89万5000人、2.3%伸びております。こちらでいろいろ考えられる原因としましては、まず、年金機構のほうで加入指導の適用促進をかなり頑張っておりまして、29年度に約23万人の方を新たに適用したという実績がございます。そこはかなり効いていると思うのですけれども、そのほかにも短時間労働者が昨年から今年度にかけて9万人増えていることとか、高齢者、60歳以上の方の雇用も増加しております。それから、何よりも雇用全体が拡大して景気もよくなって人手不足ということもあって、被用者として雇用されるという方も増えているかと思いますので、そういった原因がもろもろ重なり合いまして、こういった増加になっているのではないかと思います。
○武藤数理課長 野呂委員からの質問の後半のほうを、若干自分なりの補足をさせていただきたいと思います。まず、被保険者の増が、60歳以上の被保険者が多くて、そうであれば基礎年金の支え手がふえるわけではなく、公的年金被保険者全体としてはふえて、マクロ経済スライドの調整率が緩まるのではないかというところあたりについてです。厚生年金被保険者数がふえておりまして、どの年齢層でふえているかという御質問は、先ほど翁委員からも、昨年度と比べて今年度はどこの年齢層でふえているのかという御質問がありました。財政検証の見通しと比べて今に至った結果がどの年齢層でふえているのかということを確認しておきたいのですが、厚生年金の被保険者を10歳ごとの年齢区分で見て、20代、30代、40代、50代、60代というところで、どの年齢層が財政検証の見通しと比べて実績がふえているかということですと、確かに一番多いのは60代が多くて、101万人ふえているわけです。
ただ、そこだけがふえているのかということで言うとそうでもなくて、ほかの年齢層もふえているということです。つまり、20代ですと63万人、30代ですと61万人、40代ですと85万人、50代ですと76万人ということでふえていますので、確かに60代が多いのは多いのですけれども、ほかの年齢層についてもふえているということです。
結局2号がふえているということは、1号、3号から2号に移動してきているということが考えられますので、1号から2号へ移動されるということであれば、1号の被保険者数が減ることによって国民年金の財政が改善するということがございますので、そこは先ほど野呂委員がおっしゃったような要素もあると思いますし、もちろんプラスの要素も支え手がふえることによってあるということです。
もう一点、短時間労働者の賃金の伸びが9.7%というのは、他統計と比べても高いではないかということですけれども、ここは短時間労働者の適用拡大が28年10月からスタートしまして、徐々に被保険者がふえてきているのですが、ふえてきている過程の中で、被保険者の構造がやや変わってきているということもあるのかなと思っています。つまり、適用拡大直後の賃金分布統計と、1年たった後の賃金分布統計とを比べてみますと、数の増加に合わせまして賃金分布も高いほうにシフトしていますので、同じ適用のパートでずっととり続けている統計と、この統計とは、直接は比較しにくいところがあるのかなと思っております。
以上です。
○菊池部会長 よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。
枇杷委員、お願いします。
○枇杷委員 御説明ありがとうございました。
2つお伺いしたいことがございまして、最初は10ページなのですけれども、年金額の分布が出ているページです。基礎年金月額を含んでいるのに結構年金額が小さい方がそれなりにいらっしゃって、特に男性で老齢相当の方とかだと、1万円というのはどういう人なのか、ちょっと想像がつかなくて、この辺は実際にそういうことがあり得るかどうかという観点でまずは御説明いただきたいと思うのです。これが1点目でございます。
2つ目は、17ページで、先ほどの野呂委員の御質問ともかぶるかもわからないのですが、財政検証の見通しとの関係で、被保険者の数が見通しよりも400万人伸びているということなのですけれども、短時間の適用の方の人数だけだと当然これには全然足りないし、先ほどの年金事務所の御努力によるものの規模感を足しても、まだそういう感じではないので、自然増みたいなものが結構多いのかなと想像はするのですが、そういう傾向が今後も続くのかどうかとか、あるいは今、私が申し上げた見方でよろしいのかどうかというあたりを御説明いただければと思います。
○村田調査室長 まず、10ページの年金月額の分布のところで、男性の0万円以上1万円未満のところにかなり人数が、4万7000人ほどいるということについてですが、新法の老齢厚生年金におきましては、旧法の老齢年金に相当するものを老齢相当としております。原則として、これは厚生年金の被保険者期間が20年以上、あとはもろもろ、例えば女性でしたら中高齢特例で15年とか、ほかにいろいろあるのですが、そういった基準でやっておるのですけれども、被用者年金の一元化に伴いまして、共済年金の方々も厚生年金に入ったということで、平成27年10月以降の受給権者につきましては、共済組合の被保険者期間についても合算した上で、この老齢相当の判定をしております。一方で、ここに出ています年金月額につきましては1号厚年の統計ということで、平成27年9月以前は厚生年金の被保険者期間の分、27年10月以降については、第1号厚生年金被保険者期間に係る分ということで、共済組合の被保険者期間に係る分を含めてございません。したがいまして、被保険者の期間の多くが共済組合の期間であった方が、厚年に移られて、ちょっとだけ厚年の期間がある、そういった方がいらっしゃいますと、平均年金月額が低くなるということでございます。
さらに基礎年金部分もあるのにというお話でございましたが、例えば基礎年金部分だけを繰り下げて、厚生年金だけもらっているとか、あるいは特老厚みたいな形で、2階だけしかもらっていない方がいらっしゃいますので、そういった方ですと、2階だけで、しかも共済期間が長いといった方だと、この1万円のところに来る可能性があるのではないかと思っておりまして、多分、そういった方なのではないかと思っております。
○武藤数理課長 あと、後半の被保険者数の増についてなのですけれども、確かに最近の状況で見てみますと高齢者のほうがふえていて、高齢者雇用による増もありますし、年金機構の適用対策の効果とか、そういうものもあって、被保険者数がふえているところがあります。厚生年金の被保険者が、どこまでそういう効果が続くのかということで考えてみますと、厚生年金に限らず、被保険者というものは生産年齢人口の増減に大きく左右されると思いますので、やはり将来推計人口で見通されている20歳から65歳なりの年齢人口があって、どこかではそこの伸びに追いついていくのだろうということで考えられます。今いろいろふえている効果がどこまで続くかということはなかなか難しいところですけれども、長期的に考えたときには、被保険者数の増減は生産年齢人口の増減と連動していくものではないかと思っております。
○枇杷委員 ありがとうございます。
○菊池部会長 ほかにはいかがでしょうか。
小野委員、お願いします。
○小野委員 3つ質問させていただきます。
3ページの基準変更の趣旨は了解したつもりで、2階部分の繰り下げということを純粋に抽出したということと理解しました。実務がよくわからないので教えていただきたいのですが、こういう繰り下げをしている方には、ひょっとしたら裁定請求をしていない方がいらっしゃる可能性がないか気になりまして、どういう基準で繰り下げというカテゴリーに判定されているかについてお伺いしたいというのが1点です。
2つ目は、これはこちらからお伺いすることではないかもしれないのですけれども、5ページの新規裁定者なのですが、こちらだけ期間を25年ではなくて20年で区切っているということがございまして、これの趣旨を確認したいということでございます。
最後に、運用の関係で、16ページになりますけれども、よく短期資産が多いと機会損失がある等々が言われることが結構ございますが、最近の状況を見ると、私の理解としては、中央銀行の、例えばイールドカーブ・コントロール等がありまして、なかなか国内債券の運用がしにくくなっているという現状があると理解しています。今後、短期資産と国内債券のカテゴリーを分けるのをやめるとか、そのような報道もあったような気がします。そのような環境の変化があって、基本的には機会損失ではないという理解をしているのですけれども、それでよろしいかということです。
この3点をお願いします。
○村田調査室長 まず、1点目の繰下げをどうやって判定するかということでございますけれども、こちらは御本人が年金の請求をする段階で、御自分で繰り下げをするかどうかということを判断されて、繰下げで請求されて増額されるということですので、特に何かしているわけではなくて、それをそのまま統計をとっているものでございます。
2点目の、なぜ新規裁定を20年以上でとっているかということでございますが、こちらは昔のことになりますが、従来厚生年金は、厚生年金の被保険者期間が20年以上ということで厚生年金が出ていた時代がございまして、そういう意味で、1人前の年金は20年以上みたいなことがあって、平均年金月額の水準を新規裁定の20年以上の男子で見ていた時代がございました。そういったこともあって、従来統計の連続性ということで、新規裁定者については20年以上でずっと見てきていて、それが残っているという状況でございまして、今後どうするかというのはまた検討していくのかと思いますが、今のところは、従来と同じような統計をとるということで、20年以上で見ているということでございます。
○菊池部会長 もう一点。
○石川資金運用課長 資金運用課長でございます。
先ほど3点目でお尋ねがありました、短期資産の割合が増えていることについてでございます。確かに御指摘のとおりでございまして、現状ではGPIFにおける運用におきましても、短期資産の割合が多くなってきているというのが実態としてあります。これは、国内債券の時価評価のウエートが下がってきており、なかなか国内債券に投資をしづらい環境があるということも背景でございます。
先ほどお触れになりました、国内債券と短期資産を合わせてポートフォリオ管理をすることについては、今年度、年度計画での取り扱いにおきまして、そういった国内債券と短期資産を合わせて管理するということで運用を行っている現状でございまして、短期資産を引き続きこのままの状況で、ずっと短期資産で持ち続けるというわけではなく、投資機会を今後随時、市場の状況も見ながら投資判断を行っていくということになりますけれども、今あるポートフォリオの管理の中で、現状では国内債券と短期資産を合わせて管理しながら、ポートフォリオからの乖離許容幅の範囲内にあるかを管理している状況であります。現状ではそういった運用で行っており、当面は市場の動向を見ながら引き続きポートフォリオに基づく運用をしていくというのが現状ということで御理解いただければと思います。
○菊池部会長 ありがとうございます。
最後に、浅野代理からお願いします。
○浅野部会長代理 質問が3点と、あとは確認事項が2つございます。
○菊池部会長 時間が来ていますので、ちょっと手短にお願いします。
○浅野部会長代理 わかりました。
1点は、先日もセミナーで頭出しをさせていただいたのですが、被保険者数とか受給権者数のデータの網羅性とか正確性の確認。これはどのような形でやられていて、また、体制としてどのようにされているのかということを教えていただきたいと思います。
2つ目が7ページです。特別支給のところは年金額が前年と比べて全部減少しているのですが、これは先ほど御説明があった旧法から新法への移行ということでいいのかどうかです。
3つ目は8ページなのですが、受給権者数の右のほう、前年度の比較で、ここは単位が円になっているのですけれども、これは多分千人ではないかと思うので、これはタイポではないかと思います。
18ページですが、先ほど来話が出ている被保険者数の人数が26年の財政検証に比べて相当ふえているということなのですが、これは定量的な要因分析としてどういう分析をされているのか。後ほど基礎年金の御説明がありますが、基礎年金でも全体で相当ふえていると思うので、1号被保険者、2号被保険者の移動だけではないように思うのですけれども、その前提の設定の仕方と実際の実績との違いというところはどのような問題があるのかというところを教えていただければと思います。
最後、20ページですが、積立比率の実績と将来見通しの差。ここも先ほど運用のところが大きくて実績と財政検証の結果で差があるというお話でしたが、もう少し定量的な要因分析がされているのであれば御説明いただきたいと思います。結構差として大きいのではないかと思います。
仮に運用成績がよかったから、これだけ今、積立比率が見通しに比べて高くなっているということになりますと、一方で金融危機みたいな状況になると、この辺の運用積立比率がどうなるのかということは、何かシミュレーションみたいなものをされているのであれば教えていただけたらと思います。
以上です。
○武藤数理課長 私のほうから、先に御回答させていただきます。
まず、後半のほうの2つになるのではないかと思いますけれども、被保険者数の増で、厚生年金の被保険者数増と、あるいは基礎年金で見るときの公的年金全体での被保険者数増とを定量的にどのように分析しているとかいう点についてでございます。いろいろな分析の仕方はあろうかと思いますが、例えば先ほど申し上げましたように、厚生年金の被保険者で言えば、年齢層ごとに見て財政検証のデータと比べて今の実績が、どこの年齢層がふえているかということで見るというのが1つあると思います。これはどの年齢層においても厚生年金の被保険者はふえているのかなというのがそこで見てわかったということです。
あと、公的年金被保険者数全体ということでいきますと、基本的に20歳から60歳までは全員被保険者ということになりますので、公的年金被保険者がふえる要因としては、60代の被保険者がふえるということになりますので、そちらでふえている要因は、高齢者のほうの年齢層がふえているということで、被保険者がふえているということなのかなと分析されるところです。
いずれにしても、その他定量的な分析がいろいろあり得ると思いますので、考えてみたいと思います。
○浅野部会長代理 そうしますと、財政検証の見通しのときのアサンプションといいますか、見通しの仕方とか、そこに課題があったのかとか、そういうことはないのでしょうか。
○武藤数理課長 基本的には、公的年金被保険者は生産年齢人口の増減に応じて増減するというのが基本になってくると思いますので、人口推計の枠に応じて連動しながら増減するというのが基本で、だからこそ、国民年金のほうで見ますと、公的年金被保険者全体というのは厚生年金ほどずれないということになって、高齢者のほうが若干ふえた要素とかが出てくると思います。そこはもうちょっとしっかり細かく見ていければと思いますというのが1点です。
あと、積立度合いの乖離で、これも定量的な分析ということですけれども、本日、御質問をいただいて、今ここでぱっとは答えられないのですが、積立比率がふえる要素としては、分母の積立金がふえる要素と、分子の支出が小さくなってふえるという要素が2つあることになるわけです。それぞれを固定したり動かしたりしながらやってみればわかるのだと思いますが、大きいのは積立金の効果のほうだと思われますので、そこらあたりをどれぐらい、どういうことができるかということを、きょうの御質問をいただきながら、引き続き考えてみたいと思ったところでございます。
以上です。
○村田調査室長 初めに簡単なほうからですが、8ページの円というところは御指摘のとおり千人の間違いでございますので、訂正させていただきたいと思います。
それから、1つ目に御質問いただきました被保険者数と受給権者数の数値について、網羅性や正確性をどう確認しているかということでございますが、こちらの統計は、例えば受給権者につきましては、原簿等からデータを取得している全数統計でございまして、標本調査ではございませんので、標本調査のような標本誤差はないとまずは考えております。また、被保険者数とか受給権者数につきましても、前年度からの伸びとか、ほかの統計表との整合性なども見て十分なチェックもしているということでございます。
2つ目の御質問は、7ページの各歳別に見た平均額が減少している原因ということでよろしいですか。こちらは各歳別になりますので、それぞれの欄の各歳の前年度と今年度は、対象者が1世代ずれております。去年から今年への変化ということであれば、コーホート的に斜めに見ていただいたほうがいいかと思うのですが、例えば平成29年3月末で62歳の方は9万2332円ですが、30年3月末には9万5274円ということで、ここはコーホート的には上がっております。
それから、次の63歳、平成29年3月末の10万742円から、次の年、斜め下だと10万2572円ということで、ここも上がっておりまして、多分、去年と今年の年齢ごとにただ伸びを見たというところは、集団の違いなのかなと思います。
○菊池部会長 ほかにもいろいろおありかと思いますが、少し時間が押していることもございますので、この辺で厚生年金保険(第1号)についての報告の聴取を終わらせていただきたいと存じます。
引き続きまして、国民年金・基礎年金制度についての報告を聴取いたします。時間がございますので、その点、進行に御協力いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○武藤数理課長 引き続きまして、資料2「平成29年度財政状況-国民年金・基礎年金制度-」をご覧ください。
1ページ目に行っていただきまして、まず、基礎年金勘定の収支状況でございます。平成29年度の収入総額が24兆4768億円で、前年に比べまして4713億円の増でございます。一方、支出の総額につきましては、下の欄ですけれども、23兆5998億円で、前年度に比べまして4272億円の増でございます。その結果、収支残が8770億円出ているということでございます。
なお、平成24年8月に成立いたしました被用者年金一元化法に伴いまして、特会法もあわせて改正されたところですけれども、積立金についても全体で整理して、平成27年度から10年間にわたって基礎年金の積立金の一部は基礎年金拠出金の軽減のために充てられていくこととなったところでございます。
この積立金の一部というのは、先ほど厚生年金の御説明時にも簡単に申し上げた、いわゆる妻積みの元本とその運用収入を合わせたものですけれども、被用者年金一元化直前時点で見てみますと、それが合計約1.6兆円になってございました。それが10年かけて基礎年金拠出金の軽減のために充てられていくことになったところでございまして、基礎年金拠出金の軽減のために積立金より受け入れられる分、先ほど申し上げました1.6兆円の10分の1ということで、約1600億円となりますが、その額は積立金より受け入れという欄に、ここでは9829億円という数字が書かれておりますが、その中に含められておりまして、その分の基礎年金拠出金が控除されているという整理になってございます。
支出欄を見てみますと、基礎年金給付費の本来分というところで、支出総額の下の欄でございますが、これが22兆4089億円となってございまして、前年に比べて7256億円、3.3%の伸びというところです。
下から3段目の拠出金算定対象者数をご覧いただきますと、5444万5000人で、前年度に比べまして20万6000人、0.4%の増ということで、ほぼ横ばいとなっているところでございます。
この欄の数字は年によって多少のでこぼこはございますけれども、先ほど来話も出ていますが、基礎年金拠出金算定対象者、基本的には20歳から59歳までの人口の増減があって、人口だけで考えると、それに伴って減少していくという趨勢の中にあるわけですけれども、近年は被用者化の進展に伴い1号被保険者が減少して、2号被保険者が増加するという内訳の変化がございます。先ほどもお話が出ておりましたが、その結果、この数字がほぼ横ばいになっているところでございます。
続きまして、2ページ目でございますが、基礎年金の制度別の給付負担状況で、これは平成29年度の確定値の数字でございます。この表は確定値の数字ですので、先ほど申し上げました基礎年金拠出金軽減のため、積立金より受け入れられている分については、控除前の数値となっておりまして、その軽減額は、ここでは括弧書きの数値として再掲させていただいているところでございます。
基礎年金給付費の本来分が22兆4065億円、旧法分の交付金として算定される額が1兆1501億円で、その両者を合計した分が右の欄にございます23兆5566億円となっているところでございます。
この中で、下の表の右側のほうに、特別国庫負担があります。これが3574億円ありまして、それを差し引いた残りが拠出金で、これが各制度に分担されるということになります。それは左の欄であります23兆1993億円になっているところでございまして、各制度下の欄にある拠出金算定対象者数の比で按分して、各制度に割り振るということになります。
次に、3ページ目に参りますが、今度は国民年金勘定の収支状況でございます。平成29年度の欄を見ていただきますと、時価ベースの収入総額が4兆4306億円でございます。このうち保険料が1兆3964億円で、前年度に比べて1105億円、7.3%の減少となってございます。この動きにつきましては、保険料の月額は引き上げられており、納付率も上昇するなどの保険料増加要因がある一方、御案内のとおり、1号被保険者そのものが減少していることなどの要因のほうが大きくて、結果的に減少となったものと考えております。
次に、国庫負担につきましては1兆9363億円で603億円、3.0%の減になっているわけでございます。これにつきましては、下の支出の欄を見ていただきまして、基礎年金拠出金が平成29年度は3兆4571億円ということで、前年度に比べて1364億円、3.8%減ってございますが、基礎年金拠出金のおおむね半分が国庫負担でございますので、これが国庫負担の減につながっている構造になっているところでございます。
収入に戻っていただきますと、時価ベースの運用収入が5892億円ということで、前年度に比べて1038億円の増加でございます。なお、丸い括弧つきの再掲で、年金積立金管理運用独立行政法人納付金が3296億円となっていますが、これは平成28年度末までの累積運用収入の中から納付されたものでございます。
また、2つ下の欄の積立金より受け入れ。これは資金繰りのために積立金から受け入れられるものでございますが、250億円でございます。
支出総額は4兆1578億円となっており、結局の収支欄のところでございますが、下の欄を見ていただきますと、時価ベースで2728億円となっているわけでございます。これは積立金より受け入れの250億円を上回っていますので、その額を控除し、さらに、その下の業務勘定から積立金への繰り入れ64億円を足したものが前年度との比較で書いてある積立金の欄、右の数字で見ると2542億円ということですけれども、これが実質的な意味での収支残に当たるというものです。積立金は9兆2210億円、時価ベースということで、前年度に比べて2542億円増加している状況になってございます。
最後に、運用利回りでございますが、6.70%という状況でございます。
4ページ目は御参考ですけれども、3ページの保険料収入の内訳で、現年度保険料と過年度保険料別に見たものでございます。(再掲)の前納保険料の欄ですけれども、この中には平成29年度、30年度の2カ年分の保険料を前納していただく、いわゆる2年前納の総額に加えまして、29年度分の保険料を半分、半年分や1年分まとめて納付があった額、あるいは1カ月前納ということもできますので、1カ月前納分なども含めて総額を計上しております。
以上でございます。
○村田調査室長 続きまして、5ページをご覧ください。こちらは給付状況についての資料でございます。掲載しております数値は、新法の基礎年金と旧法の国民年金を合計したものとなっておりまして、被用者年金のいわゆる「みなし基礎年金」に係る分は含まれてございません。
まず、受給権者数でございますが、平成30年3月末は合計で3546万9000人となっておりまして、前年度に比べ99万9000人、2.9%の増加となってございます。このうち老齢年金・25年以上は3224万7000人となっておりまして、1.9%の増加でございます。通算老齢年金・25年未満につきましては、30年3月末で92万7000人、前年度に比べ71%の増加となってございます。
通算老齢年金・25年未満が前年度と比べて増加しておりますのは、受給資格期間が25年から10年に短縮され、受給資格期間が10年以上25年未満の方が受給権者となり、この分類のところに含まれているためでございます。
年金総額につきましては、1つ下の段のところになりますが、30年3月末で23兆6514億円となっておりまして、前年度に比べて5549億円、2.4%の増加となっております。この大部分を占めております老齢年金・25年以上について見ますと、30年3月末で21兆4839億円、前年度に比べ2.1%の増加となってございます。
続きまして、6ページは繰上げ支給・繰下げ支給の状況についての資料でございます。まず、繰上げ支給の男女合計の受給権者数でございますけれども、平成30年3月末で449万8000人となっておりまして、前年度に比べて16万4000人、3.5%の減少となっております。近年の状況を見ますと、減少傾向で推移しております。一方、繰下げ支給の受給権者数ですが、こちらは平成30年3月末で42万5000人となっておりまして、前年度に比べて2万4000人、6.1%の増加となってございます。
続きまして、7ページでございます。こちらは上段と下段がございますけれども、まず、上段につきましては、老齢年金受給権者の平均年金月額及び平均加入期間についての資料でございます。男女合計の老齢年金・25年以上の平均年金月額は、平成30年3月末で5万5518円となっておりまして、前年度に比べまして145円、0.3%の増加となってございます。この増加の要因でございますけれども、平成29年度は年金額の改定がマイナス0.1%の減額改定であったものの、平均加入期間が延びていることから、平均年金月額が増加したということでございます。
下段につきましては、新規裁定者についての資料でございます。まず、男女計の老齢年金・25年以上に係る新規裁定者の老齢年金の平均加入期間でございますが、こちらは平成30年3月末で389月となっておりまして、前年度に比べて16月の減少となってございます。この減少の要因でございますけれども、受給資格期間の短縮に伴いまして、年金請求を行った結果、従前の短縮前の受給要件を満たしていることが判明したといった方が一定数いらっしゃいまして、こういった方々は比較的被保険者期間がぎりぎりで短いと考えられますため、平均加入期間を減少させる方向に働いたのではないかと考えております。平均年金月額が前年度に比べて2440円減少しているのも同じような理由なのではないかと思っております。
続きまして、8ページは老齢年金受給権者の年齢構成でございます。男女合計で見ますと、割合が最も多いのが65歳以上70歳未満のところの26.5%、次いで70歳以上75歳未満の23.2%となってございます。平均年齢は、男性が75.0歳、女性が76.6歳、男女計で75.9歳となっております。こちらは前年度末と比べますと、男女合計で前年度末が75.6歳でしたので、プラス0.3歳の上昇ということで、若干ではございますが、年齢構成が高いほうにシフトしているという状況でございます。
続きまして、9ページは老齢年金受給権者の年金月額の分布でございます。こちらも今回から新しくお示しする資料でございます。上のほうが受給権者全体に関する分布になっておりまして、下側がいわゆる基礎のみ、ここで言うと「基礎のみ共済なし・旧国年」とありますが、そういった1階部分だけしかもらっていないと思われる層の分布でございます。さらに、それぞれ左側に老齢年金・25年以上、右側に通算老齢年金・25年未満の分布を示しております。まず、上側の受給権者について、左側の老齢年金・25年以上の分布を見ていただきますと、年金月額が6万円から7万円の階級のところが43.2%と半分近くということで、最も多くなっております。右側の通算老齢年金・25年未満の分布を見ますと、比較的低い水準の金額階級のところの割合が高くなっているということが見てとれます。
続きまして、10ページは被保険者の状況でございます。まず、被保険者数でございますけれども、第1号被保険者数は引き続き減少傾向が続いておりまして、平成30年3月末で1505万2000人となっており、前年度に比べて70万2000人、4.5%の減少となってございます。第3号被保険者数につきましては、平成30年3月末で870万1000人となっておりまして、前年度に比べて18万8000人、2.1%の減少となってございます。被保険者の平均年齢は、30年3月末で第1号被保険者が39.2歳、第3号被保険者が44.3歳となってございます。
下のほうに、免除等の状況についてお示ししております。平成30年3月末の免除者数につきましては、前年度に比べて法定免除者、申請全額免除者、申請4分の3免除者、申請半額免除者、申請4分の1免除者のところで、全体的に人数が減少している状況でございます。
11ページは第1号被保険者の分布を男女合計で見たものでございます。一番右の割合のところを見ていただきたいのですが、最も多いのは20歳以上25歳未満のところの22.1%となっております。国民年金の第1号被保険者には、いわゆる自営業の方とか無職の方など、いろいろな方がいらっしゃいますけれども、この年齢層は、特に学生の方が多くなっておりまして、そういうことでウエイトが大きくなっているということでございます。次に多いのが55歳から60歳未満のところで13.1%になってございます。こちらの年齢層では、被用者の方が退職されて第1号被保険者に移ってくる、あるいは配偶者の方が退職されることで、第3号被保険者ではなくなって第1号に移ってくる、そういったことで割合が大きくなっていることが考えられます。また、今回、45歳から50歳のところも13.0%と比較的大きめになっているのですが、今、第2次ベビーブームの団塊ジュニアの方が43歳から46歳ぐらいにいらっしゃるので、そういったこともあって、この辺りの層が大きいのではないかと思っております。
12ページと13ページは今見た分布を男女別に見たものなので、説明は割愛させていただきまして、14ページをご覧ください。
14ページは第3号被保険者の分布でございます。第3号被保険者につきましては、最も多いのが45歳以上50歳未満のところの19.1%、それから、40歳以上45歳未満のところの18.9%ということで、この辺りをピークとした山の形になってございます。
15ページと16ページは今見た分布を男女別に見たものでございまして、3号被保険者の場合は女性が大方を占めているということで、こちらは割愛させていただきます。
次に、17ページは国民年金保険料の納付状況を年齢階級別に見たものでございます。こちらの資料も今回から追加させていただいたものでございます。見ていただきますと、おおむね年齢階級が高くなるにつれて納付率が上昇する傾向が見てとれます。20歳以上25歳未満のところの納付率だけがその傾向とちょっと違って、25歳以上30歳未満の納付率よりも高くなっているのですけれども、先ほど申しましたように、20代前半は相当数が学生の方と考えられまして、学生納付特例を利用されて、保険料納付を猶予されている方が多くいます。そういったことの影響もあって、こういった数字になっているのではないかと思います。
年齢計の納付率を見ますと、平成29年度分保険料の現年度納付率は66.3%となっております。こちらは6年連続の上昇でございます。また、平成27年度分保険料の最終納付率は73.1%となっております。統計をとり始めた平成14年度以降で最高の水準となってございます。
○武藤数理課長 続きまして18ページ、積立金の運用状況でございます。
資産構成割合といたしましては、国民年金の場合は預託金が3.0%、市場運用分が96.3%、財投債が0.7%でございまして、運用利回りは6.70%でございます。また、下の表は厚生年金と国民年金の合計の資産区分別の内訳ですので、先ほどの厚生年金の説明の際と同様の数値となっております。
19ページに移りまして、財政検証における将来見通しとの比較でございます。厚生年金と同様、国民年金に関しましても、将来見通しとベースをそろえる必要がございますので、実績推計という欄をつくっております。
こちらと将来見通しを比べるということで見ていただきますと、保険料収入は将来見通しで1.6兆円と見込んでいたものが1.4兆円で、やや小さくなっております。なお、将来見通しの数値については、厚生年金同様ですが、ケースEの数値と比較してお話しさせていただきたいと存じます。
次に、国庫負担でございますが、将来見通しで2.2兆円と見込んでいたものが1.9兆円と少なくなっております。右側に支出の基礎年金拠出金という欄がございますけれども、4.0兆円と見込んでいたものが、拠出金按分率の低下などの影響で3.5兆円という支出になってございまして、少なくなっております。これを反映して、2分の1国庫負担につきましても見通しより実績のほうが低くなっているところでございます。
運用収入でございますけれども、将来見通し上、0.3兆円と見込んでいたものが0.6兆円の運用実績だったということでございます。給付費につきましては、将来見通しで0.1兆円、実績推計でも0.1兆円ということで、ほぼ同じ数値になっております。
合計しまして、収支差引残は、将来見通しの上ではマイナス0.0兆円だったものが、実績推計では0.3兆円でございます。年度末積立金は将来見通し上10.6兆円だったものが11.6兆円という数字になっているところで、これまでの運用収益が多かったということで、結果的に多くなっている状況は厚生年金と同様でございます。
続きまして20ページ、基礎年金の被保険者数及び受給者数についてでございます。実績と将来見通しを見ていただきますと、被保険者数のほうはやや大きくなっております。受給者数の実績につきましては、例年同様で将来見通しとの大きな乖離はないところでございます。
21ページは財政指標の比較で、まずは年金扶養比率でございます。29年度の数値につきましては、上の表の一番下の数字で1.98、将来見通しの数値1.9と近い値になっているところでございます。
続きまして、22ページの保険料比率につきましては、29年度は87.2という数字で、財政検証では86.6という数字で、87近く、それほど大きな乖離でもないと考えてございます。
次に、23ページでございます。収支比率ですが、こちらは括弧の中の時価ベースで見ていただくということでございますけれども、29年度は80.7という数字でございまして、財政検証の数字は下で99.0。これよりはよくなっているということです。分子が支出で分母が収入の比率でございますので、数値が低いほうが財政状況はよいということを示す数値になりますけれども、運用収入がプラスであったことを要因としてこのようになっているところでございます。
最後、24ページの積立比率でございますけれども、財政検証ベースで補正したということで、繰延分を積立金に加えて算定したものでございますが、平成29年度の欄、上の表の左下の数値になりますけれども、積立比率は括弧の中の数字の7.1でございます。これに対して、財政検証では、下の表の数字で5.7でございまして、実績のほうが高くなっているわけです。これは右のほうに要因分解してございますけれども、前年度末の積立金が財政検証の見込みよりも大きかったことに加え、実績の支出のほうがやや小さくなって、分母が小さくなっていることなどの影響と考えているところでございます。
私からの説明は以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に対しまして、御質問をいただきたいと存じますが、5時を過ぎる可能性が若干ございますので、もし時間どおり御退室委員の方がございましたら、先にお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、どなたからでもお願いいたします。
翁委員、お願いします。
○翁委員 1つだけ御質問させていただきます。4ページに前納保険料の推移がありますが、全体の保険料のウエートとしては引き続き高いわけですけれども少し下がってきているのかなというような感じもするのですが、それをどう見ていらっしゃるのかということ。
あと、前納分で6カ月とか1年とか2年とか、いろいろございますけれども、今、その大体の割合はどんな感じになっていて、何か傾向とかがございましたら、教えていただきたいと思います。納付率との関係で少しは寄与しているのかどうなのか。そのあたりが気になっております。
以上です。
○武藤数理課長 ただいまの前納保険料の数字ですけれども、確かに低下傾向にはなっているように見えますが、全体の保険料収入自体も1号被保険者数の減少に伴って減っておりますので、そこは全体と比べてどうかということだと思います。今、この時点で分析はできていませんけれども、続けて分析させていただきたいと思います。
その中で、前納保険料が約5000億円になっていますけれども、先ほど翁委員からも話がありましたように、29年度の保険料分と30年度の保険料分を一度に納めていただく2年前納という制度もありますが、当年度分の前納保険料、つまり、29年度の1年前納、あるいは半年前納、1カ月前納分というものもございます。
具体的にその内訳がどうかを調べてみたのですけれども、実は、その内訳がきちんと実績として把握できる状況にまだなってございませんので、引き続き努力してみたいとは思いますが、ただ、前納保険料の大部分が当年度分、ここで言う29年度分に当たるというふうには思っておりますので、年によって変動はしておりますが、そういうことではないかと考えております。
○菊池部会長 ほかにいかがでしょうか。
野呂委員、お願いします。
○野呂委員 1つは簡単な意見で、19ページの有効数字ですけれども、0.幾らがあまりに多いので、100億単位のほうが数字としてはいいと思います。これは希望でございます。
質問は20ページなのですけれども、被保険者数の29年度実績、第2号を見ますと4145万人とあるのですが、これは資料1のほうの18ページ、3912万人よりも多い理由はどういうことかという質問です。これは本当に純粋な質問でございます。
○武藤数理課長 御質問ありがとうございました。
国民年金のほうの資料の20ページは、基本的に基礎年金の被保険者数ということで、1号、2号、3号別ということになっておりますけれども、2号の中には旧厚生年金、厚生年金1号以外にも旧共済の被保険者がいらっしゃいますので、その分の差が出てきまして、本日前半のほうで説明させていただきました資料は、基本的には旧厚生年金の範囲になっているというところです。
○野呂委員 ということは、60歳以上の方もこの基礎年金に入っているということですね。この方たちは保険料を払っていないと思うのですけれども。
○武藤数理課長 基礎年金の拠出金算定対象者になるかどうかという意味だと、60歳で確かに切られているわけですけれども、保険料は60歳をまたがれても18.3%、同様に納められるということだと認識しております。
○菊池部会長 ほかにはいかがでしょうか。
どうぞ、浅野部会長代理。
○浅野部会長代理 1点だけ御質問させていただきますが、22ページの保険料比率なのですけれども、実績と財政検証のシミュレーションが、結果としては同じような率になっているのですが、中身の項目を見ますと大分大きな乖離があると思うのです。このあたりはどういうふうに評価をされているのか。たまたまこれだということであって、物すごく本質的には問題があるのかどうか、そのあたりを教えていただければと思います。
○武藤数理課長 御質問ありがとうございました。
国民年金勘定に国民年金保険料を納める第1号被保険者の収支状況に係る保険料比率ということですけれども、国民年金勘定の収入は保険料収入があるわけですが、支出としては、基礎年金の拠出金があるわけで、基礎年金拠出金自体は被保険者数に応じて案分率が掛かって、拠出金を負担するということになります。そういうことで、1号被保険者、最近趨勢で減ってきている傾向にあるわけですけれども、保険料収入が減る一方、国民年金勘定から見た基礎年金拠出金の負担も減るということになりまして、両者そこは収入が減れば支出も減るという構造になっておりまして、その中で、保険料比率がそれほど変わらないというようになっているのかなと見ているところでございます。
○浅野部会長代理 ありがとうございます。
○菊池部会長 ほかにはいかがでしょうか。
枇杷委員、お願いします。
○枇杷委員 1点だけですけれども、19ページの財政検証時の見通しとの比較のところで、第1号被保険者が当時の見通しよりもさらに減ってきているということで、こういう構造的なものがあるということなのかなと思うのですが、今後の見通しのときにそれを、やはり見通しの修正そのものをしたほうがいいのかなという雰囲気もあるのですが、そこら辺の現状のお考えをお聞かせいただければと思います。
○武藤数理課長 財政検証は来年に控えておりまして、今、作業的にはだんだん始めているというところなのですけれども、この5年間を見てみますと、おっしゃるとおり、5年前の財政検証のときの見通しよりは1号被保険者が減って、その反対として2号被保険者がふえているという状況でございます。来年行います財政検証に向けて、どう見込むかということにつきましては、まず、発射台の変化分、これは織り込むということになりますので、1号被保険者が減ったり、あるいは2号被保険者がふえたりした数字から出発するという意味において、1号が減って2号がふえるという傾向が続くということです。
その後、将来的な傾向につきましては、財政検証で被保険者区分をどう推移するかということはいろいろ悩みながらやっているのですけれども、従来の手法でそんなに、特段修正が必要だという認識も持っていませんので、将来的な傾向の変化については今までどおりの方法でやっていくということかなと思っております。
○枇杷委員 構造的には、まだそこは大きく変わったということではないという感じですか。事実として減ったものは当然取り込むのですが、構造的に変わったら、カーブそのものを変えていくということですね。
○武藤数理課長 それがずっと1号被保険者が減り続けて2号被保険者がふえ続けるというところの見込み方までは、なかなかそこまでは、そういう蓋然性までは見込めないかなと思っています。
○菊池部会長 小野委員、何かございますでしょうか。よろしいですか。
あとはよろしいでしょうか。
それでは、以上で国民年金・基礎年金制度についての報告の聴取を終わります。なお、今後、審議の過程で疑義が生じましたら、事務局を通じて照会させていただきますので、御協力をよろしくお願い申し上げます。
それでは、説明者の皆様は席にお戻りください。
(厚生労働省 武藤数理課長、村田調査室長 関係者席へ移動)
○菊池部会長 最後に事務局から、連絡をお願いいたします。
○山本首席年金数理官 次回の第80回「年金数理部会」は12月17日月曜日の午後4時から、全国都市会館第1会議室で開催いたします。
連絡は以上でございます。
○菊池部会長 そういうことで、引き続き週明けにまたございますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
それでは、第79回「年金数理部会」はこれにて終了いたします。どうもありがとうございました。

                                                                                                    

                                                                                       (了)

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