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2018年9月20日 第1回「裁量労働制実態調査に関する専門家検討会」議事録

労働基準局労働条件政策課

○日時

平成30年9月20日(木)10:00~12:00

 

○場所

厚生労働省専用第22会議室

○議題

・これまでの経緯について
・裁量労働制に関するこれまでの調査について
・今後ご議論いただきたい事項について
・今後の進め方について
・その他

○議事

 

 

○労働条件政策課課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第1回「裁量労働制実態調査に関する専門家検討会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、御多忙のところお集まりいただき、まことにありがとうございます。

 本検討会の進行について、座長が選出されるまでの間、事務局にて議事進行を務めさせていただきます。

 労働基準局労働条件政策課の久米と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、本検討会の開催に当たり、労働基準局長の坂口から御挨拶を申し上げます。

○局長 おはようございます。労働基準局長の坂口でございます。

 皆様には御多用のところ御参集いただきまして、まことにありがとうございます。

 本検討会でございますけれども、さきの通常国会で働き方改革の関連法案で議論がございました。また、そのときに決議されました附帯決議、こういった内容を踏まえまして、私ども厚生労働省で実態調査を裁量労働制に関しまして行ったわけでございますけれども、その調査に関していろいろ公的統計についての有意性であったり信頼性について、多々御指摘をいただきました。そういった点をしっかりと反省いたしまして、私どもとしてまたこの裁量労働制の現行の実態についてしっかりと正確に把握するために、この検討会ということでお願いをする次第でございます。この統計であったり、労働経済、そして労使関係の専門家の方々について、お集まりをいただいたということでございます。

 私どもとしまして、適切な手法でしっかりと正確なデータを収集して、そして、その結果に基づいて適切に分析をして、そして、その上で政策の議論につなげていくということは、これは政府全体で今、EBPMを推進しておりますけれども、そういった観点からも重要でございますし、また、当然のことでございます。

 また、先ほども申し上げたような経過がございました。国民の皆様にいろいろ我々厚労省の行う調査についての御懸念を抱かせてしまったということもございますので、その点の払拭ということもしっかりとやっていかなければいけないと考えておる次第でございます。

 皆様におかれましては、それぞれの専門的な知見から忌憚のない御議論をしていただいて、この検討会を進めていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○労働条件政策課課長補佐 続きまして、御出席いただいております構成員の皆様を御紹介いたします。御参集者名簿順に、早稲田大学商学学術院教授の小倉一哉様。

 公益財団法人連合総合生活開発研究所客員研究員の小島茂様。

 東京大学大学院経済学研究科教授の川口大司様。

 早稲田大学教育・総合科学学術院教授の黒田祥子様。

 早稲田大学政治経済学術院教授の西郷浩様。

 一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部統括主幹の鈴木重也様。

 獨協大学経済学部教授の樋田勉様。

 以上、7名となります。

 また、オブザーバーとして、本日は所用により欠席ですが、総務省政策統括官(統計基準担当)付調査官の宮内竜也様にも御出席いただきます。

 続きまして、事務局を紹介いたします。

 労働基準局からは、労働基準局長の坂口。

 大臣官房審議官(労働条件政策、賃金担当)の田中。

 総務課長の富田。

 労働条件政策課長の黒澤。

 労働条件政策課調査官の中嶋です。

 また、政策統括官(統計・情報政策、政策評価担当)からは、統計企画調整室長の細井。

 審査解析室長の田中です。

 また、本日は別の公務のため欠席しておりますが、参事官(企画調整担当)の中井も次回以降、出席いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

 続きまして、お配りいたしました資料の確認をお願いいたします。

 資料といたしまして、資料1「開催要項」。

 資料2「これまでの経緯について」。

 資料3「裁量労働制に関するこれまでの調査について」。

 資料4「今後ご議論いただきたい事項について」。

 資料5「今後の進め方について(案)」でございます。

 その他、座席表をお配りしております。

 不足などございましたら事務局までお申しつけください。

 次に、お配りした資料にございます本検討会の開催要項について御説明いたします。資料1をごらんください。

 趣旨について御説明いたします。裁量労働制は、時間配分や時間配分や仕事の進め方を労働者の裁量に委ね、自律的で創造的に働くことを可能とする制度であるが、制度の趣旨に適った対象業務の範囲や、労働者の裁量と健康を確保する方策等について、課題がございます。

 これらの課題につきましては、平成25年度労働時間等総合実態調査の公的統計としての有意性・信頼性に関わる問題を真摯に反省し、改めて、現行の専門業務型及び企画業務型それぞれの裁量労働制の適用・運用実態を正確に把握し得る調査手法の設計を労使関係者の意見を聞きながら検討し、包括的な再調査を実施した上で、現行の裁量労働制の制度の適正化を図るための制度改革案について、検討を実施する必要があると考えております。

 このため、統計学者の皆様、労働経済学者の皆様、労使関係者の皆様を含む専門家からなる検討会を開催し、裁量労働制の実態把握のための新たな調査について、調査設計等の検討を行うということでございます。

 また、検討事項につきましては、調査方法及び集計方法、調査事項、新たな調査の結果の検証などを予定しております。

 以下、事務的な内容につきましては割愛させていただきます。

 次に、本検討会の座長についてお諮りいたします。

 ただいま御説明いたしました開催要項の参集者の(2)におきまして、「検討会の座長は、参集者の互選により選出する」としております。これに従い、座長の選出を行います。

 座長の選出につきましては、事前に各構成員の皆様に御相談させていただいたとおり、西郷構成員にお願いしたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○労働条件政策課課長補佐 ありがとうございます。御賛同をいただきましたので、西郷構成員に座長をお願い申し上げます。

○西郷座長 どうぞよろしくお願いいたします。

○労働条件政策課課長補佐 それでは、座長に御就任いただきます西郷構成員より、御挨拶をいただきたく思います。よろしくお願いいたします。

○西郷座長 僭越ですけれども、互選で選ばれたということで、どうぞよろしくお願いいたします。

 今回、労働経済学の御専門の方、実務に明るい方、そして調査技術に明るい方に構成員を務めていただきまして、裁量労働制実態調査について御議論いただく形になりますけれども、この裁量労働に限らず、労働時間を捉えることが結構難しい面がございます。ですので今回、非常に専門性の高い方にたくさん集まっていただいていますので、まずは労働時間をどう捉えるのかという広い観点から、そして、スペシフィックにこの裁量労働制に関連する労働時間をどう捉えたらいいか、そういう広い観点からの議論をしていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○労働条件政策課課長補佐 ありがとうございました。

 カメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。

(カメラ退室)

○労働条件政策課課長補佐 これ以降の進行は、西郷座長にお願いいたします。

○西郷座長 皆さん、改めましてお忙しいところどうもありがとうございます。

 先ほども申し上げたのですが、本当に専門性の高い方に来ていただいているということで、かなり実り多い議論ができるのではないかと私自身も期待をしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 初めに、本日の進め方に関して事務局からこれまでの経緯や過去の調査、今後の検討事項や進め方に関する資料を説明していただいて、その後に議論に入りたいと思います。

 では、資料2から資料5につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

○労働条件政策課調査官 承知いたしました。それでは、御説明させていただきます。

 まず資料2「これまでの経緯について」とタイトルのついた資料についてでございます。

 表紙の次のページ、1ページは裁量労働制の制度の概要をまとめたものであります。専門業務型と企画業務型の2つのタイプにつきまして、対象業務、導入手続等を整理しております。上半分が専門業務型の裁量労働制についてです。対象業務は、厚生労働省令及び大臣告示で定められた専門的な業務でありまして、例として示しておりますように新商品や新技術の研究開発、人文科学や自然科学の研究等となっております。

 導入する際の手続でありますが、労使の協定により対象とする業務や対象となる労働者に講ずる健康・福祉確保措置の内容などを定めていただき、労働基準監督署に届け出ることを求めております。

 労働時間といたしましては、この労使協定において定めた時間を労働したものとみなすことになります。

 下半分が企画業務型の裁量労働制であります。対象業務は、事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であり、業務遂行を大幅に労働者の裁量に委ねるものでありまして、例として示しておりますように、企業の企画部門で経営環境等を調査分析し、経営計画を策定する者などであります。

 導入する際の手続は、労使委員会におきまして対象となる業務、対象となる労働者に講ずる健康・福祉確保措置の内容等を決議し、労働基準監督署に届け出ることを求めております。

 労働時間としては、この決議で定めた時間を労働したものとみなすことになります。

 続いて、2ページと3ページであります。こちらはデータの問題から先般成立した働き方改革関連法には盛り込まずに、国会提出前の段階で削除することとなった改正事項であります。

 2ページが労働政策審議会の建議であります。(1)のところでは、企画業務型裁量労働制の対象業務の要件について2つの類型の追加、それから、対象労働者の健康確保措置の強化でございます。

 (2)では手続の簡素化、(3)では裁量労働制の本旨の徹底ということで、始業・終業時刻を含め時間配分の決定を労働者に委ねる制度である旨の明確化などを内容とするものであります。

 3ページは、昨年9月の法律案要綱でございますが、今、御説明をいたしました建議を深めたり追加した部分といたしましては、1のところは追加する業務の内容の明確化、それから、2は対象労働者につきまして大臣が定める基準に該当する知識、経験等を有するものとすること。4では厚生労働大臣が定める指針について、労使が決議内容をその指針に適合させること。5のところでは、労働基準監督署が指針に関して助言、指導を行うことができることといった点がございます。

 その上で4ページ、こちらは今、申し上げました改正事項の削除を含めまして、平成25年度労働時間等総合実態調査に係る一連の経緯をまとめたものでございます。時系列で整理をしておりますが、1月から3月の日付が入ったところにございますように、まず裁量労働制の労働者と一般労働者の平均的な者の1日の労働時間として、それぞれ異なる仕方で調査した数値を比較してしまっていたことがわかり、その旨を国会に報告するとともに、その後、裁量労働制の改正について法案から削除することになりました。その際、2月28日のところにありますように、裁量労働制についてはその実態を把握し直した上で議論をし直すこととなったものでございます。

 また、裁量労働制に係るデータ自体、異常値により実態を反映したものと確認できなかったため、3月にこれを撤回しております。

 その後、5月の日付のところでございますのは、残る一般労働者に係るデータの精査でございまして、論理チェックなどのプロセスを経た精査結果、再集計結果を報告いたしたところでございます。

 5ページは、その後、裁量労働制の実態把握について示されました閣議決定や国会の附帯決議を掲載したものでございます。

 まず一番上の●でありますが、6月の閣議決定、経済財政運営と改革の基本方針2018であります。ここでは裁量労働制については現行制度の施行状況を把握した上で、対象業務の範囲や働く方の健康確保措置等について、労働政策審議会で検討を行うとともに指導を徹底するとされております。

 また、2つ目の●でありますが、衆議院厚生労働委員会における附帯決議です。裁量労働制に関する項がございまして、裁量労働制について、労働時間の状況や労使委員会の運用状況等、現行制度の施行状況をしっかりと把握した上で、制度の趣旨にかなった対象業務の範囲や働く方の裁量と健康を確保する方策等について、労働政策審議会において検討を行い、その結論に応じて所要の措置を講ずることとされております。

 また、3つ目の●は、参議院厚生労働委員会における附帯決議ですが、ここにも裁量労働制に関する項がありまして、そこでは裁量労働制については、今回発覚した平成25年度労働時間等総合実態調査の公的統計としての有意性・信頼性にかかわる問題を真摯に反省し、改めて現行の専門業務型及び企画業務型それぞれの裁量労働制の適用・運用実態を正確に把握し得る調査手法の設計を労使関係者の意見を聞きながら検討し、包括的な再調査を実施すること。その上で、現行の裁量労働制の制度の適正化を図るための制度改革案について検討を実施し、労働政策審議会における議論を行った上で早期に適正化策の実行を図ることとされております。

 6ページは、裁量労働制の実態把握のあり方等について、これまで御指摘をいただいている事項の例であります。こちらは今、ごらんいただきました附帯決議のほか、国会における質疑の中で御指摘をいただいた内容、それから、本日、参考資料4として付しておりますが、労働分野における調査手法に関する与党のプロジェクトチームによる調査手法等に係る提言、こうしたものの中から事務局におきまして一定の整理をいたしたものでございます。

 順にごらんをいただきますと、まず調査対象につきまして事業主だけでなく、労働者に対しても実態調査を行うべきではないか。裁量労働制の適用事業場数や適用労働者数の集計が行えるよう、報告をもとに、データの整備を行っておくべきではないかといった御指摘をいただいております。

 また、調査事項につきまして、調査票への記入や結果の解釈が適切に行われるよう、設問や用いる用語の定義、調査票のデザインなどは、簡潔でわかりやすくすべきではないか。裁量労働制適用労働者の実労働時間は、みなし労働時間と乖離があるのではないか。裁量労働制適用労働者と一般労働者の労働時間について、異なる調査方法・条件のデータを比較するのは不適切ではないか。裁量労働制の適用前後での働き方・労働時間・賃金の変化を把握・比較すべきではないか。裁量労働制適用労働者は、企業の裁量により、制度を適用されているのではないか。本人同意や労働者の裁量の状況を把握すべきではないか。効果的な健康確保措置の実態についても、把握できるようにすべきではないか。労使委員会の運用状況の実態についても、把握できるようにすべきではないかといった御指摘でございます。

 調査方法につきまして、調査的監督を含め、前例にとらわれずに、郵送、ウエブ等の手段も検討した上で、調査を行うべきではないか。業者の委託に当たっては、業務遂行能力等に応じた適切な業者選定等を行うべきではないかといった御指摘。

 集計方法につきましては、不適切なデータが集計されないよう、エラーチェックを含めて、適切な設計を行うべきではないか。誤集計を防ぐため、調査票にはナンバリングを行うべきではないか。調査票は、集計後も適切に管理・保存を行い、個々の回答内容について秘密保持も含め適切に管理し、目的外には利用しないようにすべきではないかといった御指摘をいただいております。

 続いて資料3「裁量労働制に関するこれまでの調査について」を御説明いたします。

 ここでは表形式の資料の左側に、先ほど来、言及しております厚生労働省が実施した労働時間等総合実態調査を、そして右側にはJILPT、独立行政法人労働政策研究・研修機構が実施した裁量労働制等の労働時間制度に関する調査、こちらを並べまして調査方法、調査対象、主な調査項目等をごらんいただけるようにしております。

 まず左側の労働時間等総合実態調査でございますが、一番上の欄、目的は時間外労働及び休日労働の実態、割増賃金率の状況、裁量労働制の実態等を把握することであり、労働時間制度全体の調査でございました。調査主体は厚生労働省、そして調査方法は調査的監督という方法。これは労働基準監督官が臨検監督の一環として事業場を訪問し、使用者からの聞き取りや関係書類の確認により労働時間等を把握する方法でございます。調査時期は平成25年4月から6月、調査対象としたのは1万1575事業場でしたが、先ほど申し上げました精査を通じ、無効回答としたものを除きますと精査後の事業場数は9,077となっております。

 なお、裁量労働制に係るデータについては撤回をしており、この精査後の集計には含まれておりません。

 続いて、2ページからが主な調査事項でございます。基本的な事業場属性について把握をした上で労働時間、休日等に関する事項といたしまして、1週や1日の所定労働時間ですとか、時間外、休日労働に関する36協定の有無やその延長時間に関すること。それから、時間外労働の実績といたしましては、1日や1週における時間外労働の実績、それから、月や年の実績について把握をしたものでございます。こうした実績については、調査対象月の時間外労働が最長の者、平均的な者に分けて把握をしていくものでございました。

 このほかは休日労働の実績について、その有無や日数、また、一番下の欄のところに割増賃金率、こうしたものの調査をやってございます。

 続いて、3ページが裁量労働制に関する調査項目であります。適用労働者数、1日のみなし労働時間数、労働時間の状況について当該事業場における実績が最長の者、平均的な者それぞれについて。また、休日労働や年間労働日数についても当該事業場における実績が最多の者、平均的な者それぞれについて調査をしたものであります。

 続きまして、もう一つの調査、JILPTが実施した調査につきまして、1ページに戻っていただきまして、右側の欄をごらんいただきたいと存じます。

 まず目的は、弾力的労働時間制度を中心とした労働時間制度について、事業場及びそこで働く労働者の実態や要望を把握するためでありまして、調査方法は、調査票の郵送によるアンケート調査であります。実施時期は平成2511月から12月です。調査対象ですが、この欄にも分けて書いておりますように、1つは裁量労働制導入事業場とそこで働く労働者であります。

 厚労省抽出分と付したところになりますが、裁量労働制導入事業場から5,414事業場を抽出して調査票をお送りし、そのうち1,614事業場、29.8%から回答をいただいております。また、労働者につきましては各事業場で働く専門業務型裁量労働制、企画業務型裁量労働制、フレックスタイム制、管理監督者、一般労働者について、それぞれ2人ずつ、計10人の方に回答をお願いしまして、合計で1万23人、18.5%から回答をいただいております。

 もう一つ、事業場データベース抽出分と付した項でありますが、こちらは常用労働者30人以上規模の事業場から7,586事業場を抽出して調査票をお送りし、そのうち2,428事業場、32.0%から回答をいただいております。あと、労働者については各事業場につき10人の方に回答をお願いし、合計で1万2983人、17.1%から回答をいただいております。

 2ページからが主な調査事項であります。基本的な事業場属性について把握した上で、労働時間、休日等に関する事項として事業場に対しまして1週や1日の所定労働時間、労働時間の把握方法などについて、また、当該事業場で採用している労働時間制度や評価制度について、それから、裁量労働制を御存じであってこれを導入していない場合には、導入していない理由についてもお聞きしております。

 3ページが裁量労働制に関する項目であります。どのような業務に適用しているかや裁量労働制の導入理由、手続の負担感に関すること、また、適用対象とするための要件でありますとか、業務の遂行に関すること。これは出退勤のルールや仕事の指示の方法に関することなどであります。そして、特別な手当に関すること。それから、みなし労働時間数と実際の労働時間数、みなし労働時間の算出方法や特別休暇の有無についても聞いております。このほか、健康・福祉確保措置、苦情処理措置、対象業務の範囲についての意見、手続についての意見、裁量労働制導入の効果や今後の裁量労働制についての意見などをお聞きしております。

 4ページからは、労働者に対する調査項目となります。まず年齢や最終学歴、勤続年数や役職、職種など基本的な属性について把握した上で、労働時間、休日等に関する事項としましては、1日の所定労働時間や裁量労働制の場合のみなし労働時間、それから、実際の労働時間、出退勤のルールや休日労働、深夜労働の回数、年休の取得状況や特別休暇の有無、労働時間管理に関する御意見などをお聞きしております。

 その下の欄が仕事・職場に関する事項でありまして、御自身の仕事に当てはまることを選んでお答えいただいたり、業務の遂行方法の決定ですとか上司の業務指示などについてお聞きしております。

 5ページが健康状態に関する事項でして、健康上の不安や1日の睡眠時間についてお答えいただいたものです。

 そして、最後が裁量労働制に関する項目ですが、会社の健康・福祉確保措置への意見や苦情処理措置についての申し出の有無や満足度をお聞きするもの。それから、裁量労働制で働くこととなった理由、満足度、対象業務の範囲についての意見等についてお聞きしております。

 続きまして資料4にまいります。こちらは今、御説明を申し上げました附帯決議や国会等における質疑や提言、それから、これまでの調査における項目、手法等を踏まえまして、今後、御議論いただく事項として考えられるものを挙げてみたものでございます。

 ごらんいただきますと、1が調査対象。これは事業場や労働者といった調査の範囲、抽出方法等についてです。

 2が調査事項。過去の調査事項や指摘事項を踏まえた項目例であります。

 マル1は裁量労働制で働く方の労働時間と働き方の状況でして、例としてはみなし労働時間、労働時間の状況、休日及び休日労働、年次有給休暇、業務の遂行に関する事項、特別な手当・休暇等です。

 マル2は裁量労働制の運用状況でして、例としては対象となる労働者の要件、労使委員会の運用状況、本人同意及び同意の撤回、労働時間の状況の把握方法、健康・福祉確保措置、苦情処理措置等です。

 マル3は裁量労働制への評価でして、例としては裁量労働制導入の理由・効果、裁量労働制導入に係る手続、対象業務の範囲等です。

 続いて、3が調査方法。訪問、郵送、ウエブ等の方法についてです。

 このほか4は調査機関、5は集計方法、6は分析方法、7としてその他を挙げさせていただいております。

 最後に、資料5にまいります。こちらは今後の進め方についての案であります。本日、御議論いただいた後、次回は調査方法、調査項目について議論を深めていただき、その後、1カ月に1回程度この検討会を開催し、裁量労働制の実態把握のための新たな調査設計について、年内をめどに議論の整理を行うというものでございます。

 私からの御説明は以上でございます。

○西郷座長 御説明どうもありがとうございます。

 それでは、ただいまの御説明を踏まえまして議論のほうに入りたいと思います。

 事務局からあらかじめ工程表のようなものをいただいておりまして、通常この工程表はこういうお役所の調査ですと、何分かけてこれぐらい議論してくださいということもあるのですけれども、今回は80分自由に議論してくださいといただいていて、私もどういうふうに進めたらいいのかなと思案しているところではあるのですが、きょうは何か特に決めていただくことよりは、むしろ今後の議論に役に立つような材料をなるべく多く出していただくことが重要だと思いますので、そういった観点からぜひ構成員の方にいろいろな御意見をいただきたいと思います。

 ただ、80分間何もなしで議論するというのもなかなか難しいと思いますので、先ほど事務局から出していただいた資料の番号で言うと4番、今後議論いただきたい事項についてというものが一応のポイントというか論点になると思いますので、これに沿って議論は進めていただきたいと思っております。

 ただ、1~7で詳しく書いてあるところが1と2になりますけれども、それぞれ独立のものというよりは、例えばこういう調査事項を調べるためには、こういう抽出方法でやるべきだといったような、それぞれ関連するところではありますので、一応この順番に沿って議論は進めてまいりたいと思いますけれども、例えば2番の議論をしているときに1番に戻るとか、あるいは3番に飛ぶとか、そういうことがあっても全然構いませんので、ぜひ御自由に御発言いただければと思います。

 それでは、まず調査対象ということなのですが、これに関しましては先ほど御紹介いただいた2つの調査がございまして、平成25年に行われた労働時間等実態調査というものと、JILPTが行った調査です。

 厚生労働省が行った調査のほうは、事業場を対象とした調査になっていて、JILPTが行った調査は、事業場とそこで働く労働者も抽出の対象となっているということで、後者に関しては恐らく今の公的統計ではなかなかとれない構成になっていると思いますけれども、その一方で労働時間を把握するという観点からは、事業場だけではなくて、あるいは世帯だけではなくて、両方一遍に聞くというのがかなり効果的なのではないかという議論があり得ると思います。

 その点も含めて、まず調査対象について構成員の方々の御意見等を伺えればと思いますけれども、いかがでしょうか。

○小島構成員 その前に少し、これまで事務局から御説明いただきました経過あるいは厚労省が調査した実態調査とJILPTの調査の項目について、今後の具体的な調査項目、議論に資するために幾つか質問なり意見があるのですが、よろしいですか。

○西郷座長 では、まずは今、御説明いただいたことに関しまして全般的に御質問等がございましたら、よろしくお願いします。

○小島構成員 幾つかあるのですけれども、1つはこれまでの経過、経緯について、特に参考資料3で詳細な説明がされておりますので、厚労省が実施した実態調査についての質問・意見が1つです。

 2つ目は、JILPTの裁量労働制の調査についてですが、質問というよりは答弁者が今日はいないので意見だけ述べたいと思います。これは、今後の調査を実施するに当たっての参考になるのではないかと思いますので、発言します。

 長くなりますが、まず厚労省の実態調査についての質問と意見について、3点ほど述べたいと思います。

 1点目は、参考資料3で、実態調査の検証がされています。この中の資料8に調査項目というものがあります。一般労働者と裁量労働者の1日、1週、1カ月、1年の労働時間の実態についての調査項目です。これには一般労働者の1日の時間外労働(最長時間数)の「最長の者」と「平均的な者」となっているけれども、実態調査結果報告書には、この1日の時間外労働の結果が記載されていない。なぜ記載されなかったのか。調査項目もあるし、参考資料3の後ろのほうにエクセルデータで一般労働者の1日の時間外労働の集計結果もあるのに、それがなぜ結果報告書に記載しなかったのかということが質問です。

 多分、これは時間外労働の1日の限度基準が定められていないためではないか。時間外労働については1週の限度基準が15時間、1カ月45時間と決められていますので、裁量労働者と一般労働者について1週、1カ月、1年の時間外労働が記載してある。そういう意味で限度基準が決められていない1日の時間外労働は記載しなかったのではないかと思われる。しかし、実際は調査項目もあり、その集計結果のエクセルデータもあるのに、なぜこれを記載しなかったのかが疑問です。

 2点目は、実態調査で、一般労働者の1日、1週の時間外労働については「最長時間数」と調査票には記載されています。しかし、報告書には「最長時間数」とは書いていなかった。調査票には1日、1週の時間外労働の「最も長かった時間数(最長時間数)」で、対象月の「最長の者」と「平均的な者」の時間数を記載しろと書いてある。しかし、1カ月、1年の時間外労働の時間数については「最長時間数」とは書いていないので、1日、1週の時間外労働の時間数と1カ月、1年の時間外労働の時間数とは別の集計方法になっている。なぜこういう2つ別の集計方法をとるような設問をしたのかが2つ目の質問です。

 平成2510月に提出された実態調査の結果報告書の中には、そういう1日、1週の時間外労働の「最長時間数」とは記載されていなかったということで、それについては精査結果として、今年5月に公表されたものには1週の「最長の週」(参考表1で1日「最長の日」)と記載されておりますので、そちらのほうが正確だと思います。では、なぜ1日と1週の時間外労働(最長時間数)と1カ月、1年の時間外労働とで、別の集計時間を調査したのかが2つ目の質問です。

 3点目ですが、この実態調査については労働基準監督官の監督業務の一環として行っている調査的監督であり、業務統計であるということで調査票(質問票)が公表されていません。なぜ調査票を公表できないのか。調査票が公表できないような調査報告については外部からはそれらが妥当かどうかの検証ができませんので、そういうものを公的な資料として使うべきではないのではないか。ましてや裁量労働制について賛否両論がある労政審・労働条件分科会で、政策判断のための資料として活用すること自体が間違いではなかったのか。この調査票を公表できないような実態調査結果を審議会資料として提出したことが、一連の問題の発端になったのではないかと私は感じているのですが、これについてどう思うかということです。とりあえず3点ほど私からの質問です。さらに、先生方が意見を出された後で、JILPTの裁量労働制の調査について意見を3点ほど述べたいと思います。

○西郷座長 ありがとうございます。

 それでは、3点ございましたけれども、よろしくお願いいたします。

○労働条件政策課調査官 お答え申し上げます。

 まず用語の定義でありますとか、数値の持つ意味といったものに関して公表資料、いわゆる白表紙の中にきちんともう少しはっきり書いておくべきではなかったのかという御指摘だと思います。

 まさに今回の問題を振り返りますと、そのようにそもそもの定義でありますとか、設計でありますとか、その数字がどのような定義のもと、拾ったものなのかということについて、もっとはっきりと公表資料の中に入れておくということがあれば、これは後々それを活用していく段階におきましても解釈の誤りですとか、不適切な比較ということが防ぎ得ることになるわけでございますので、そういったことがされていなかったという点が反省点でございます。

 これにつきましてなぜなのかという点につきましては、一番大きな理由としては前例踏襲でやっていたというところがあるのだと思っておりまして、この調査自体は定期的にやっているものではございませんけれども、初めてということではなくて、改正の必要があるとき、制度改正を検討する際に行っているものでございまして、そういった中で比較可能性ということも考えた中で恐らく前例のとおり、今までどおりやっておくことが問題がかえって生じないといいますか、比較可能性の問題を損ねないといいますか、そういったような考えもあって、恐らくは前例に従ったということだと思っておるのですけれども、そのようなことで本来もう少し丁寧に書いておくべき定義でありますとか、その数字の持つ意味といったもの、こういったものを入れてこなかったところは前例にとらわれたという反省点でございまして、そういうところについては今回、国会でも指摘をいただいておりますし、また、与党のPTの提言の中でもこういった意味での指摘はいただいておりますので、私どもとしてこの検討会での御指摘も踏まえながら、新しい調査において留意していくべき点だと考えてございます。

 もう一つは、1日と1週、1カ月、1年の関係でございますけれども、1カ月の数字につきましては調査対象月の数字でありますので、そういった意味で最長、最短というものがあるわけではなくて、1つの数字があるというところでございますので、調査対象月の数字を拾ってもらうということ。それから、1年のほうにつきましては、これは調査の前年の数字を拾ってくるということでございますので、そういった意味でこれも1つの数字が定まるというものだったということでございます。

 一方で1日と1週について、これが平均的な者についても最長の労働時間数を拾ってくることになっていたことについて、今回、公表資料の中でそこまで丁寧な記述がない中で、我々自身、その意味について取り違えてしまったところがあるわけでございますけれども、これについてどういった点なのか。つまり過剰労働ですとかそういったことを考えたときに、意味ある数字ということがあったのかもしれませんけれども、率直なところ、我々としてはこういう数字だったということにつきまして当時、認識がなかったところでもございますので、そういったところで誤ってしまった点でございます。

 最後、調査的監督の点でございますけれども、これは調査票について開示できない理由につきましては、まさに臨検監督の一環として行っているところでございますので、そういった意味で監督の内容にかかわることということで調査票を開示できないということで、これまで対応しているわけなのですが、まさに御指摘がありましたとおり、それでいいのかというところがあるのだと思います。そういった意味で、調査的監督という方法についてメリット・デメリットそれぞれある中で、調査票について開示できないという点についてどのように考えるか。この点をどのように見るべきかという点についても含めまして、適切な調査方法、調査設計ということで御知見を賜れればというのが今回、我々の思いでございます。

○西郷座長 ありがとうございます。

 今の御説明に関してリジョインダーみたいなものはないですか。

○小島構成員 すっきりしないところはありますけれども、とりあえず今日の段階では、初回でもありますので、以上にします。

○西郷座長 よろしいですか。

 それでは、ただいまの御説明全般に関してまず御質問等があったら伺いたいと思いますので、いかがでしょうか。

○小島構成員 ではもう一方のJILPT「裁量労働制に関する調査結果」の労働者調査について3点ほど、これは質問というより意見です。

 参考資料5になります。38ページに「今後の裁量労働制について」ということで、最後に質問Q31とそれの付問があります。Q31の設問としては、現在の裁量労働制についてどう考えるかということで、その選択肢としては「今のままでよい」と、「変えたほうがよい」の2つの選択肢しかない。回答者の中には、「制度を廃止すべき」あるいは「規制を強化すべき」と考えている人もいると思うのです。そういう人たちの回答を初めから排除しているのです。ここは選択肢としてはあと2つ、本当はつけるべきではないか。「廃止すべき」あるいは「規制を強化すべき」という選択肢。さらに、現在、自分は裁量労働制の適用になったけれども、制度がよくわからないという人もいるので、その制度を今後どうするかと聞かれてもわからないという人も当然います。ですので、「わからない」という回答をつけておくというのが通常の質問項目ですが、これもない。何故、回答が2つに絞られているのか。この設問自体が中立的な設問になっていないと思います。

 そして、「変えたほうがよい」と回答した人が、どう具体的に変えるべきかということについて、次の付問につながる。しかし、その変更すべき選択肢としては、全ての項目が、「裁量労働制の現行の規制を緩めろ」という趣旨の内容、あるいは労働時間の適用除外、今回の高度プロフェッショナル制度への誘導質問になっていると言わざるを得ないのです。また、「変えるべき」という人の中には、今の「制度を廃止したほうがよい」という人もいると思うのですが、この選択肢としては「廃止」とか「規制を強化すべき」という選択肢はなくて、規制緩和、時間労働の適用除外というような選択肢しかない。これでは政策誘導の設問でしかないと思います。

 もう一つ前の設問、Q30では裁量労働制の業務対象の範囲についての質問となっています。現在の業務対象についてどう思うかの質問に対し、「狭い」、「広い」、「不明確」の選択肢がある。そして、「狭い」、「不明確」と答えた人については、どこが改善されるべきかという設問になっているが、現在の裁量労働制の業務範囲が「広い」と答えた人については、どう改善すべきかについて何の回答も求めていないのです。ということで、これも現在の制度の規制緩和(対象拡大)の方向に持っていこうという誘導質問になっています。JILPTがこういう誘導的な質問票をつくるとは通常考えられません。私が知っている限りでは。そういう意味では発注元の厚労省からの強い要望なり圧力があったのではないか。あるいは直接的な圧力はなかったとしても、JILPTとして政策担当者の意図を忖度してつくった設問ではないか、そう受けとめざるを得ないと思います。このような恣意的な、誘導的な設問というのは、これから絶対にやめるべきだと思います。

 なお、裁量労働制の緩和、労働時間について労政審・労働条件分科会で議論されたときに、このJILPTの調査結果については十分に検討されていないのではと思います。一般労働者と裁量労働者の1カ月当たりの労働時間は、明らかに裁量労働制の労働者のほうが長いというデータがJILPTの調査結果にあるので、これを使いたくなかったのではないか。もう一方は今、指摘したようにQ31Q30の政策誘導的な質問が、発注元(厚労省)の意図によると指摘されることを避けたのではないか。そう考えざるを得ないというのが私の意見です。これについては別に答弁は要りません。

 以上です。

○西郷座長 ありがとうございます。

 何かございますか。

○労働条件政策課調査官 恐縮です。簡単に、まず1点目のところは、例えばQ30で対象業務の範囲について狭い、あるいは現行制度でよい、広い、不明確という選択肢の中で、例えば範囲が不明確とお答えいただいた方に対する附問といたしましては、特別の処遇、雇用管理を要件とすべきでありますとか、一定以上の人事等級を要件とすべき、あるいはその資格ですとかコンピテンシーなどを要件とすべきという形で、要は不明確になっている部分をクリアにして、そのことで明確化といいますか、限定化といいますか、そういったことにつながるような設問設計にむしろなっているのではないかと思っているということが1点でございます。

 いずれにいたしましても、何かもちろん他意があったというわけではございませんので、設問を含めまして調査設計について、この検討会で専門的な知見を頂戴できればと考えているというのが1点でございます。

 それから、JILPTの調査につきましても、これも労政審の中で労働者調査ならではの部分といいますか、厚労省の調査の中でできない部分、満足度でありますとかそういった労働者調査によって初めて拾えるような項目についてお出しをして、議論をしてきたというところを申し上げさせていただきます。

 以上でございます。

○西郷座長 ありがとうございます。

 ほかに何か御説明に対する質問はございませんか。どうぞ。

○樋田構成員 私から調査の技術的な面について2点、質問をさせていただきたいと思います。

 まず第1に、平成25年の労働時間等総合実態調査における事業場内での労働者の選択の方法について、もう少し詳しく教えてください。

 第2点目も類似の内容ですが,JILPTの調査において事業場ごとに10名を無作為に抽出した方法について教えてください。よろしくお願いします。

○西郷座長 よろしくお願いします。

○労働条件政策課調査官 お答えいたします。

 25年の私どもの監督官が行った調査でございますけれども、これは実際に事業場にまいりまして聞き取りでありますとか、あるいは賃金台帳などの書類の確認ということになります。そうしたときに最長の人に着目をしてやるものにつきましては、聞き取りもそうでございますし、また、その台帳なども見て確認をしていくということであります。

 それから、平均的な方につきましても、同じようにこれは書類と聞き取りと両面から見ていくことになるわけですけれども、平均的なというところでどのような定義かと申しますれば、1カ月で調査対象月において最も多くの労働者が属すると思われる時間外労働時間数の層に属する労働者のことを言うということでありまして、そういった意味で台帳を見ながらその平均的な、つまり最も多くの労働者が属する層を監督官が現場で特定をして、その方の時間を拾ってくるというやり方でやっているというのが調査のやり方でございます。

 それから、JILPTのほうでございますけれども、これは10人の方にお渡しをしてくださいということでやっておるわけなのですが、例えば裁量労働制の、厚労省抽出分というほうはもう少し細かく労働者の属性指定をしておりまして、10人という中で企画型裁量、専門型裁量、フレックス、管理監督者、一般労働者というぐあいに分けた上で、それぞれ5つのカテゴリー、2人の選び方につきましては、これは事業場の方にお任せをしておるということでございます。

 事業場データベースの10人ということに関しましても、同じように事業場の方からお渡しをいただくということでございまして、それ以上の属性を指定しているというようなやり方ではございません。

○西郷座長 ほかにございませんか。

 それでは、先ほど申し上げましたように、資料4に書いてあります調査対象とか調査事項とか、そういった項目に関して順に御議論あるいは御意見をいただきたいと思っております。

 まずは調査対象、事業場の調査、労働者、その中で労働者も選んで、労働者自身に回答していただくという方法あるいは世帯を対象とする調査という方法も余り効率的でないかもしれませんけれども、あり得ると思いますが、調査対象あるいは抽出の方法に関して何か御意見があったら伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。ひな形になるのは具体例ということで資料3にあります平成25年の労働時間等総合実態調査、厚生労働省が実施した調査と、JILPTが実施した裁量労働制等の労働時間制度に関する調査というものが2つのひな形になると思いますけれども、それ以外にも御自身でなさった調査等、もし過去の経験を踏まえて御意見がありましたらいただきたいと思います。いかがでしょうか。

 川口先生、どうぞ。

○川口構成員 裁量労働制で働いている方は、労働者全体に占める割合がそれほど高くないと思うので、まず裁量労働制で働いている方が多くおられるような事業場を選んで、そこから抽出していくのがいいのかなと思って伺っていました。

 当然、裁量労働制で働いている方と、そうでない一般労働者の間での労働時間の比較ということが、今回の調査の目的の1つであると理解しておりますので、当然、裁量労働制を入れていない事業場もサンプルの中に含めてくることが必要だと思いますけれども、これもランダムにとってくるというわけではなくて、裁量労働制を導入している事業場となるべく近い属性の事業場を選んできて、その中から一般労働者を選んでくるというような調査の目的に合ったような形で、システマティックな抽出を行う必要があるのかなと思いました。

 先ほど樋田先生から御質問があった点でもあるのですけれども、事業場の中からどのように労働者を選んでくるかということで、その担当者が事業場の中の裁量労働制で働いている方の労働時間の分布を知っている。知っていることを前提にして最頻値を抽出する形になっているという御説明だったわけですが、これはほかの例えば賃金構造基本統計調査などで事業場が労働者をランダムに選んでいく選び方とは違う選び方になっておりまして、この点に関してどのような抽出の方法がいいのかということを慎重に議論していく必要があるのかなと思いました。

 調査対象に関しては、私の意見は以上です。

○西郷座長 ありがとうございます。

 1つ、マッチングというか比較が目的であれば、事業場のマッチングをどう考えるかというのが重要なのではないかという御指摘で、2点目は、基本的に2段抽出している格好になる。最初に事業場を選んで、その次に労働者を選ぶという、その2段目の抽出の仕方というのをちゃんとすべきではないかという、これは樋田先生がなさった質問と同じというか、同じ種類の質問になると思います。

 いかがでしょうか。これは伺っておくだけで今はよろしいですか。何かリプライというか、そういうものがあるようだったら。ありますか。

○労働条件政策課調査官 御知見をいただければ。

○西郷座長 わかりました。

 どうぞ。

○小島構成員 今の点に関連して、労働者調査は事業場を通じて労働者に調査票を配付してもらう。そのときにどういう配り方をするか。先ほど質問をした最頻値、一番多く働いているようなグループを抽出するという方法と、あるいは裁量労働制を適用している労働者の中で年代別、男女別といったような比率で選ぶという方法もありますので、これはどういう結果を求めるかにもよると思うのですが、それらを含めて今後、検討すべきではないかと思います。

○西郷座長 そのマッチングに関しても、例えば比較よりは全体の集計をするんだということが第1の目的であるということであれば、日本の平均値を求めることが重要なんだということであれば、また違った考え方も取り入れなければいけないし、その両方が重要だということであれば、妥協点をどこかで見出すという形になると思いますので、そもそも調査で何を一番の目標として、それを達成するためにはどういう設計が要るのかという話になるのかなと思って伺っておりました。

 あとは2段目の抽出に関しても、調査票を配付するに当たってどれぐらいの情報を使えるかということです。最初から年齢とか性別とかで層別できて配れるということであれば、そのほうが絶対にいいと思いますし、そういうコントロールまで事業場にやってもらうのはなかなか大変だということも一方ではあると思いますので。

 小倉先生、よろしくお願いします。

○小倉構成員 川口先生がおっしゃった裁量制の事業場と属性の似た事業場というのは、もちろんそのとおりだと私も賛成をいたしますし、もう少し踏み込めば、裁量労働制が適用されている労働者の属性と合う人たちを比較対象にしないと、厳密には物は言えないのではないかと考えます。もちろんそれ以外の労働者が要らないと言っている意味ではなくて、裁量労働制が適用されているような人たちの業種、規模、勤続年数、職種、仕事内容ぐらいのところはある程度そろえて、かつ、裁量労働制でない人たちを比べないと厳密には比較にならないのではないか。それもだから事業場だけではなく労働者の属性に関しても考えたほうがよいと思っております。

 労働者の事業場に配った上でどういう人に配るかというお話は、これは結構事業場任せになってしまうので、どれだけこちらが厳密にこういう人たちにこれだけ配ってくださいと言っても、むしろスペックを切れば切るほど回収率が下がる可能性もありますので、議論したほうがいいなと思っています。

 以上です。

○西郷座長 ありがとうございます。

 ほかにございますか。黒田先生、お願いします。

○黒田構成員 まず私自身の理解が及んでいないのかもしれないのですが、最初に座長がおっしゃった問題提起として、そもそも調査対象を事業場だけにするのか労働者だけにするのか、それとも両方にするのかというところのコンセンサスをつくってからのほうがいいのではないかと思います。こ初の問いに対しては、既にほかの先生方がおっしゃったように両方に聞くほうがよろしいかと思います。やはり柔軟で自律的な働き方というのは、そもそも事業場が非常に把握しにくい制度だと思いますので、事業場から上がってきたデータと実際に働いていらっしゃる労働者の方々に実態を把握することによって、そもそもその乖離自体がどれくらいあるのかということも、今後のこの制度を考える上で大きな参考資料になるだろうと思っています。

 それから、では両方に聞きましょうというときに、目的は何なのかということもクリアにしておいたほうがいいと思うのですが、1点目はまず裁量労働制で働いている人の実態把握をきちんとしなくてはいけない。この点はこれまでもこの自律的な働き方の拡大の是非について十数年議論されてきていながら、なかなか議論が進まない状態だった背景には、JILPTさんの調査を除いて、きちんとした調査がほとんど行われてこなかったということがあろうかと思います。今回はそういう意味では既存の公的統計なども使いつつも、きちんとした調査をすべきだと私も思っています。

 もう一つの目的は、ほかの先生方もおっしゃいましたけれども、制度を適用された方とされていない方がどれくらい違うのかということを労働時間だけではなくて、健康面など他の点への影響も併せて把握していく必要があることかと思います。

 こうした目的を踏まえて、どのように労働者を抽出するのかというところが問題になってくると思うのですけれども、先ほど来、先生方がおっしゃっていたことと繰り返しになりますが、これは結構ランダム性が重要になってくるのだと思います。先ほど小倉先生がおっしゃったように、余りにも細かく指定し過ぎるとなかなか抽出ができなくて、結局、比較できないぐらいのサンプルしか集まらないという問題が出てきてしまいますので、これは統計がご専門の先生方にも御意見をお伺いしたいのですが、できるだけランダムに配ってくださいというような形で集めて、上がってきたもので可能な限り統計的手法を用いて属性をマッチングした上で比較をする。そういった手法がいいのではないかと考えています。

 以上です。

○西郷座長 ありがとうございます。

 鈴木委員、お願いします。

○鈴木構成員 ただいまの黒田先生の御指摘に関連して少し申し上げます。事業場調査と労働者調査を同一の方について行い、その差を見ることは、かなり画期的な御提案ではないかと思っています。統計の素人なので間違っていたら先生に御指摘をいただきたいのでございますけれども、よく労調と毎勤でずれがあるという指摘があります。対象者が違うということが最大のずれの原因と思いますが、もう1つ言われておりますのが兼業・副業の影響です。労働者調査を行うときに、そういったところのバイアスといいますか、影響を抜くことが可能なのかどうかについて先生方の御意見をいただければと思います。

○西郷座長 答えるのはこちらということになるのかもしれませんが、小倉先生、よろしいですか。

○小倉構成員 黒田先生のほうが多分詳しいと思うのですけれども、まず対象が違いますよね。毎勤は事業場ですし、労調は世帯ですし、聞き方も違いますから、たしか労調は月末1週間で、たしか私の記憶では副業は調査員の人は外して聞いているのではないかと思うのですが、いいですよね。外してくださいみたいな仕様書があった気がするのですけれども、どのみち会社が把握していない時間は含まれる可能性があると言われているのです。毎勤のほうは事業場に聞いていますから事業場の要するに出勤簿と言っていいのか、賃金台帳と言っていいのかわかりませんけれども、労働時間の記録が残っているもので答えているということですから、本来はマッチしているのが正しいのでしょうけれども、調査によって全く同じということもまたほぼないので、黒田先生なんかはさらに生活時間調査とかで世帯を対象にしていらっしゃるので、もう少し補足的な御意見をいただければと思います。

○黒田構成員 小倉先生が以前、毎勤と労調の比較の分析をやっていらっしゃったかと思います。私はそれほど詳しくないのですが、少しだけコメントさせていただきます。具体的な数字ははっきり覚えていないのですが、兼業・副業している労働者の割合というのは、まだそれほど大きくはない、たしか数パーセント程度だったという先行研究もあったかと思います。

 そういう意味では、恐らく御懸念は副業・兼業をしている人たちの副業・兼業の労働時間に長くて、実は主な事業場で働いている労働時間はそれほど長くないにもかかわらず、総労働時間がとても長いように見えてしまうことではないかと今お伺いしていて思ったのですけれども、そういう意味では労働者に対する質問項目のときに、先ほど小倉先生がおっしゃったように主たる事業場で働いている業務に関しての労働時間というような聞き方をきちんとしておくことで、ある程度その問題を回避できるのかなとお聞きしていて思いました。

○西郷座長 ありがとうございます。

 ほかにございますか。では、樋田先生。

○樋田構成員 調査の方法について先生方の御意見におおむね同意します。事業場の調査では、裁量労働を導入している事業場と同じような属性の事業場を選ぶことが基本かと思います。その際に、可能であれば,裁量労働を導入している事業所のリストにある情報を層別変数に使い、一般の事業場に対して層化無作為抽出を行うというのがよろしいのではないかなと考えています。

 次に,労働者の抽出がさらに難しい問題だと思います。公的統計として統計精度を評価できるようにできるだけ努力すべきと考えています。そのためには、事業場内での無作為抽出が必要です。事業場内で無作為に労働者を選んでもらうのは結構難しいかもしれません。国土交通省の自動車輸送調査では,事業場が所有しているトラック、バス等からいくつかを選ぶ際にナンバープレートの番号を利用して選ぶような工夫をしています。労働者の場合は,例えば誕生日を利用するなど,できるだけ事業場内でランダムに労働者を選ぶように工夫するとよいと思います。

○西郷座長 ありがとうございます。

 川口先生、お願いします。

○川口構成員 比較可能な労働者を比較するというのが非常に重要だということがほぼ共有されたのだと思うのですけれども、それはそのとおりで、その話と層化抽出で似たようなタイプの人をランダムサンプリングするという話と、比較すべき階層を使って必ずそれに従って抽出をしなければいけないかというと、必ずしもそうでもない部分があると思うのです。要するに例えば事業場とかに関して層化抽出でやるのだけれども、そうすると中でランダムに選ばれた人で裁量労働の人と一般労働者だと属性が大きく異なることもあり得るわけで、でもその場合でも年齢ですとか性別を聞いておけば、後でそこの部分を整理しながら統計的に比較可能な人々の労働時間の違いを析出していくことができるので、恐らく今まで御指摘があったように、2段階目のところで層化をしてしまうと実査が難しくなるという御指摘があったので、どこまでをサンプリングでやって、どこまでは後の統計処理でやるのかということで、考え方の整理ができるのかなと思いました。

 もう一点、補足なのですが、私の知識が不正確で、労働力調査は月末1週間の労働時間を聞いているのですけれども、調査票を見てみると副業が入っているということなので、今回、調査をするときにはその点なんかもきちんとさせた上で調査すべきかなと思いました。

○西郷座長 労働時間の比較といったときに、労働者一人当たりにするのか、本当に総労働時間というのは絶対に供給側から勘定しても、事業側から勘定しても合うはずなのだけれども、労働者の勘定の仕方というのが事業場が勘定している労働者の数というのと、世帯で勘定した雇用者の数というのはそもそもずれている可能性があるので、なかなか難しい面があるのですけれども、それで先ほど黒田先生が御指摘になっていた、そもそも調査するときに事業場だけに調査票を配るのか、事業場の中の労働者にも調査票を配るのかということに関しては、皆さん大体両方に配るべきだという意見になっているようなのですけれども、そういう理解でよろしいですか。もしそれができるということであれば、私もそれがいいのではないかと思うのです。

 ただ、その一方で資料3のJILPTの調査の回答率を見ていただくと、大体2割ぐらいという感じで、今までは調査的監督ということでやっていたので、回答率は非常に高かったはずなのですけれども、それを統計調査として行うことになって、いわゆる基幹統計ではなくて一般統計で始めるような格好になると、恐らくこの回答率だと公的統計として受け入れられない可能性もあるのです。ですので回答率という観点から両方に事業場の調査票と、労働者用の調査票を用意して、事業場を経由して労働者に調査票を配るというのが回答率という面から本当に実行可能なのかというのは、私自身は少し気になっているところではあるのですけれども、どうですか。やってみないとわからない面があるので、厚生労働省がやる調査ですということにすれば、回答率が上がる可能性はあるわけですけれども、どんな感じなのかなと。

 あと、それと関連して私ぜひ聞きたいと思っているのは、事業場を経由して労働者の方に調査票を配ったときに、記入というのはどういう形で行われるのですか。事業場の中で例えば1週間ぐらい時間を置いて、何月何日までにこの調査票を書いて持ってきてくださいというような感じのやり方になるのですか。

○小倉構成員 今のお話は、後者から言うと封筒を10個入れて、別の封筒にして、締め切り別にしていると思います。なので普通は勤務時間中にやるよりは家に帰ってやるのではないか。それから、上司の目は通さないというのは大分普通のやり方。

 回収率、回答率については、私の経験では高いほうぐらいです。標本としての代表性の問題はあるのですが、多分、実査したときにはこのぐらいというのは結構高いほうぐらいに私は認識しています。いいとは言っていないです。

○西郷座長 実態から考えて、これはかなり妥当な数字ではないかということですね。

○審査解析室長 いわゆる民間がやられている調査とか、JILPTの統計というのは独立行政法人が行っている調査ですので広い意味では公的統計に該当するのではないかと思いますが、これらの調査で2割というのが高いというのは私も経験上そうだとは思います。

 ただ、厚生労働省として行政機関が実施している統計調査としての回収率となってくると、ちょっと違ってきているのかなと。事業場で言えば普通は6~7割ぐらいですし、労働者でも半数ぐらいの回答を得られるケースというのがまあまあ一般的という形になって、それでも総務省から審査を受ける場合は回収率が低いと言われるぐらいなので、2割という数字は我々行政機関からすると低い数字ではあり、行政機関で実施をすればもう少し変わってくるのかなという印象は持っております。

○小島構成員 労働者の回答用紙の回収の方法ですが、JILPTの調査は直送です。労働者が直接JILPTに送っているのですが、事業場を通じて回収すればもっと回収率が上がるのではないかと思うのです。そこはプラス・マイナスの両面あります。直接労働者が直送するということであれば、気兼ねなく書けるけれども、事業場を通じてとなると確かに回収率は上がるかもしれないが、そこは気兼ねするかどうかという危惧はあります。そこはどちらを選ぶかです。

○西郷座長 ありがとうございます。

 川口先生、どうぞ。

○川口構成員 回収率なのですけれども、回収率が仮に低くても労働時間とは無関係にランダムに落ちているのであれば問題ないわけです。ですけれども、労働時間が短いところは回答するけれども、長いところはそれを世の中にさらしたくないので回答しないということが起こってしまうと、この2割、3割で回収されたものが世の中の実相を的確には反映していないということが起こってしまうわけで、こういう疑念をできる限り払拭するためには、できる限り回収率を上げるような努力をするべきだと一般論ですけれども、思います。

○西郷座長 いわゆる欠測処理というものになるのですが、それがモデルに基づいて欠測の処理ができるぐらい豊富な情報があればいいのですけれども、大抵の場合なかなか難しいということが多いので、それをモデルに基づかないで正確な推定をするためには、なるべく回答率は高いほうがいいという結論になるとは思いますが、これで高いほうだというとちょっとなかなか。

○小倉構成員 今の川口先生のことに関連して申し上げると、事業場に対しては一定の期間後に督促という形でかけることは結構一般的で、その場合、15%だった回収率が20%に上がるというくらいのことはできると思いますが、今回もし手法が事業場に送ってどういう方法でか、そこの従業員の方に配ってくださいといった場合の従業員への督促は難しいのかなと。先ほど小島さんがおっしゃったような、企業に1回返したものを返してもらう。その場合も封筒を厳封にするという方法は絶対に必要だと思いますし、ただ、私の懸念は企業に1回、回収をお願いするという経緯を踏んだ時点で下がるのではないかという気が。連合総研さんの場合は組合を通してだから、まず普通はそこでまとめてとやると思いますけれども、通常の会社の場合はどうでしょうね。ちょっと難しいかなと思います。

○西郷座長 ありがとうございます。

 資料4の1のところで残り30分ぐらいになってしまって、済みません、時間のマネジメントがうまくいっていなくて、調査対象に関しましては回収率等、懸念材料はあるかもしれないけれども、事業場だけではなくて事業場で働いている労働者にも調査票を配るような方法で設計するのがよさそうだというか、できればそれが望ましいというようなまとめで、2番目の調査事項についても本来、恐らくは非常にたくさんの議論があると思うのですが、便宜的にマル1、マル2、マル3と分かれておりますので、この調査事項のマル1に関しまして何か御意見等がありましたらお願いいたします。

○川口構成員 マル1のところで項目なのですけれども、賃金に関して聞かれているのが特別な手当、休暇ということで、裁量労働制が入っているがゆえに追加的に支払われている部分だけが入っているように見えるのですが、裁量労働制で働いている人とそうでない人の間の労働時間の違いが仮に出てきて、裁量労働のほうが長いという話に仮になったときに、でもそれは賃金との見合いという部分もあると思うのです。労働時間は長いけれども、ベースになっているような賃金が高い。なので労働者はそれなりに納得して、そのような制度を選んでいる可能性もあるわけで、賃金の総額の部分も把握しておく必要があるのではないかと思いました。

○西郷座長 ありがとうございます。

 どうぞ御自由に。どうぞ。

○小島構成員 調査項目について2点ほど。この資料4の2-1、労働時間と働き方の状況で、ここに挙げられているようなことは当然、聞くべきだと思います。これを全て事業場と労働者両方に聞けるかどうかは、整理しなければいけないと思います。

 今回の働き方改革関連法の中にも、安衛法の改正の中で「労働時間の把握の徹底」ということがたしか入っていたと思うので、そういう意味では1に入っている労働時間の状況をどういう手法で把握しているかということについての設問も必要ではないのかと思います。たしかJILPTの調査では、事業場調査には裁量労働制の専門型あるいは企画型、フレックス制の労働者、その他といったような職種に対して、その時間把握についてタイムカードを使う、PCのログイン・ログアウト、自己申告、あるいは把握していないとか、そういう選択肢がある。時間把握の方法を事業場と労働者両方に聞くというのも必要ではないか。多分、事業場と労働者では違う結果になるのではと思うので、そういうものも検討したらどうかと思います。

 もう一つは、裁量労働制を導入した前後で働き方や労働時間はどう変わったかといったような調査ができないのかなと思っています。これはJILPT2013年5月に公表した調査資料No.120の「労働時間に関する企業ヒアリング調査」で、裁量労働制を入れた後、どういうふうに働き方等が変わったかという質問があります。これはヒアリング調査ですけれども、そういうものを参考にしてアンケート調査ができるかどうかについても、検討をしたらどうかと思います。

○西郷座長 ありがとうございます。

 ほかにどうですか。どうぞ。

○黒田構成員 調査項目については、具体的には今後しっかり練っていくことになると思うので、きょうは頭出し程度に今、思いついたことなのですけれども、労働時間の状況を把握する上で1日当たりを把握するのか、1週間なのか、月なのか、年なのか、年の中での最長の月なのか、それとも平均なのか、このあたりは考えていく必要があろうかと思います。

 それから、全体のボリュームの時間だけではなくて、働く時間帯とか深夜労働の頻度など、これはJILPTさんの調査にも入っていてとても有益な知見だと思うのですが、そういったことで時間帯に関する情報についても質問項目があってもいいのではないかと考えています。

 先ほど小島構成員がおっしゃったビフォー・アフターというのは、経済学者からしても本当に重要な御指摘だと思います。願わくばパネルデータで同一個人を同じ時期にずっと追跡することができれば、それが一番望ましいと思うのですが、なかなか今回の場合はワンショットの調査ということで、それがかなわないということであれば、御提案のように何らかの回顧情報、振り返った情報というものを1問ぐらい入れることによって、何か情報を得られる可能性はあると思います。

 ただ、その場合に少し考えなくてはいけないのは、裁量労働制が導入されたのが例えば15年前とかになってしまうと、その15年前と今日を比較しても余り意味がないということになってしまうので、聞き方については工夫が必要ではないかと思っております。

○西郷座長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。主にマル1のところについて議論いただいていますけれども、マル2やマル3に越境していただいても全然構いません。まず主にマル1に関して何かほかに御意見ございますか。

 それでは、主にマル2に関して御意見がありましたら伺いたいと思いますけれども、いかがでしょうか。どうぞ。

○鈴木構成員 大変細かい点ですが、属性のところで勤続年数があり、これはこれで重要だと思うのですが、裁量労働制の場合には専門的な知識を活用しながら仕事をする方が多く、勤続年数というよりは、経験年数データもあったほうがいいのではないかと思っています。

 以上です。

○西郷座長 ありがとうございます。

 では、お願いします。

○小島構成員 2-2のところで運用状況についての事項ですと、労働組合の立場から言うと労使委員会の運用状況の実態をどこまで調査で明確にできるかというのがポイントと考えています。特に企画型裁量労働制に関連して労使委員会の運用状況について、労使委員会の委員の選出、構成、指名方法などの実態が明らかになるような設問、これらもJILPTの調査がありますので参考にしながら検討すべきと思います。

 また、裁量労働制は本人同意の手続及び同意の撤回の手続の方法。これは実態がどうなっているのか。できれば過去1年ないし2年、3年の中でどのくらいの撤回があったのかといったような実態をとれれば、そういう聞き方ができるかどうかもありますけれども、そのようなことも検討してみたらどうかと思います。

○西郷座長 ありがとうございます。

 樋田先生、どうぞ。

○樋田構成員 調査項目についてなのですが、まずJILPTがとっていた個人属性、今回、比較をするということになると、個人属性をできるだけコントロールすることが必要になるので、調査負担が増えすぎない程度に,個人属性、年齢、性別、学歴等の個人属性を調査すべきと思います。

 また,JILPTの調査で回収率が芳しくない一因は調査項目が豊富で調査負担が大きいこともあると思います。調査の項目は少なくともJILPTの調査よりも減らし,回収率の向上につなげる努力が必要かと思います。

○西郷座長 ありがとうございます。

 ほかにいかがですか。小倉先生、お願いします。

○小倉構成員 皆様の御意見、全てごもっともだと思っておりまして、勤務時間をどう把握しているかは今後も重要な判断材料になりますし、個人属性はもちろん前提としてここにあえて載せていないのだと思いますが、そこにあえて私からつけ加えさせていただくならば、職業、職種分類を大分類だけではなくしないと、後々比較できなくなってしまうので、管理的な仕事とか専門的な仕事だけで裁量制の人なんかはほとんど専門的な仕事に入ってしまうわけですから、仕事の中身のほうを少し考えないといけないなと思っています。どうやるかはまた別の話です。

 それから、順番的なことで申し上げれば、先ほど小島さんの最初のほうの指摘にあったように、余りにも政策誘導的な調査だと思われることは決して得策ではございませんし、ここは中立に議論すべき場だと私も思いますので、その辺はやはり考えていただきたいなと思っております。

 以上です。

○西郷座長 今、御指摘いただいたことのうちの最後の点になるかもしれませんけれども、統計調査としてやるということであれば、客観性というのは最初に考えなければいけないことなので、これを統計調査としてやるといった時点で客観性というのは一番大事に守らなければいけないことだと思います。その点では今までの調査的監督というのは、どうしても客観性というのが外から見ていて疑念を抱かれるようなところはあるのかなと私自身も思っておりましたので、これが統計調査として行われることは非常にいいことなのではないかと思っております。

 ほかに何かマル2に関してございますか。

○小島構成員 たしかJILPTの労働者調査では、今、自分がどういう働き方をしているか、裁量労働制の中でも専門型か企画型か、あるいはフレックス制であるのか、それ以外といったようなことを選択するという設問があった。自分が専門型あるいは企画型裁量労働制と答えても働き方の実態は違うということもあると思うのです。そのため、自分はどういう働き方と言われているか。でも実際はどういう働き方をしているのかということについて、専門型あるいは企画型、フレックス型、一般の働き方なのか、その実態がわかるような調査が出来るとおもしろいなと思っています。この辺も検討していく課題ではと思います。

○西郷座長 ありがとうございます。

 ほかに何かございますか。黒田先生、どうぞ。

○黒田構成員 何度も失礼します。先ほど小倉先生がおっしゃった職種に関する情報というのは、私も非常に重要だと思っていまして、サンプリングのときにどうすべきかというのを考える必要があるかと思うのですが、お聞きしていると皆さんのイメージとしては、まず事業場にばっとまいて、いろいろな労働制のもとで働いている労働者に例えば一般労働者も裁量労働者もという形でサンプルを抽出するというようなイメージでお伺いしていたのですけれども、そうすると現在、裁量労働制で働いている方々というのは、ほとんどが先ほどおっしゃったように専門型の資格を有しているような方々ばかりなので、一般労働者から出てきた回答と、裁量労働制で働いている専門的な職種の方々というのをうまくマッチすることができるのかというところは慎重に考える必要があるのではないかと思います。例えばJILPTさんの調査で職種という欄を見ますと、教育関係の専門職というようなところがありますけれども、そこには大学教員も入れば小学校の先生も入る。そこをマッチさせていいのかというようなところを考える必要もあると思っています。

 そういう意味では先ほどの話に戻ってしまいますが、事業場にまいて、まず最初に裁量労働制で働いている人だけをサンプルとして抽出して、それに非常に似た属性の人を別の調査で一般労働者としてとってくるというような調査をするのか、それとも一斉にばっとまいてしまって、できる限りその中で工夫するのか、そのあたりを考える必要があるのではないかと思いました。

○西郷座長 ありがとうございます。

 抽出の方法というか、調査の設計そのものについての御意見だったと思います。

 あと、それに関連して、この中でどこで聞いたらいいのかわからなかったので、先ほど黒田先生がおっしゃっていた1回限りの調査なのか、それともこれからずっと続けていくような調査なのか、どちらをイメージしたらよろしいですか。それによって先ほど黒田先生がおっしゃっていた差をとるというもの。サンプリングの仕方でローテーションサンプリングみたいに2回続けて聞くところを半々ぐらいにしておいて、1期ずつずらして労働力調査や何かでとられているような方法をとればDifference-in-differences、水準の推定だけではなくて差の推定もきちんとできるような設計にしたほうがいいのかとか、調査の回数は1回限りの調査なのか、ずっと続けていく調査なのかというのも、それによって調べられることの範囲が変わってくるという面もあるのですが、どちらをイメージしたらよろしいですか。

○労働条件政策課調査官 もちろん制度の見直しの都度、必要な実態を把握していくということだと考えておりますので、そういった意味で制度を今後、これまでもそうですけれども、適時見直しをしていくわけでございますので、実態把握というのも都度都度行っていくものだと思っております。そういった意味で前後との継続性のようなものを意識しながらということは、まさに御指摘のとおりかと存じます。

 一方で、同時に今回の調査につきましても何か完結した知見といいますか、エビデンスといいますか、そういったものが頂戴できるようなものであれば、大変幸いでございます。

○西郷座長 済みません、あと15分ぐらいしかなくなってしまって、それでは主にマル3のところ、裁量労働制への評価ということに関して、何か御意見をいただければと思います。よろしいですか。

 あとは本当はマル4でその他というか、ここに挙がっていないような項目で、こういうことはぜひ入れておくべきなのではないかということがあったら御意見をいただきたいと思います。

 今回の調査とは直接かかわりはないのですけれども、JILPTの調査で労働者に配っている調査票の質問の内容というのは、その労働者が当該事業場に勤めるに当たってという質問に特化されているような面がありますね。先ほど鈴木構成員から御質問いただいた労働力調査で調べた労働時間と、毎勤等で調べている労働時間がどうも合っていないということに副業があるのではないかとか、そういう御指摘がありましたけれども、もしこの調査票の中で当該事業場のことだけではなくて、その労働者がどういう働き方をしているのかというのを調査項目の中に含めるというのはありなのですか。労働時間のずれはいろいろ原因があると言われているのですが、直接的に今までそれが捉えられたということは、世帯調査は世帯調査だけで独立して行われて、事業場の調査は事業場の調査として独立で行われていて、なかなか事業場を介して労働者に調査票を配って、その労働者がどういう暮らしぶりないしは働き方をしているのかというのは、なかなか直接的に捉えられることが少なかったというか、多分なかったのだと思うのです。

 もしそういうことができるのであれば、今まで労働経済学の分野なんかでなぜだと言われていたことが、調査で直接明らかにできるのかなという感じを私はずっと前から思っているのですけれども、ただ、今回のこれに関連させてそういうことまでやるというのは欲張り過ぎな面もあるので、そういうことを強く主張しようとは思いませんけれども、当該の事業場と関連がないような項目も入れて構わないようなイメージで捉えてよろしいのですか。先ほど最初に挨拶させていただいたときに、広くと言ったときにはそういうことも考えていて発言させていただいたのですが、委員の先生方から御意見いただくときに、そういうことまで含めて御意見をいただいてよろしいという理解でよろしいですか。

○労働条件政策課調査官 今、座長から御指摘がございました。JILPTの労働者調査の調査票を見ながら御説明させていただきますと、まず最初の属性のようなところでは、当然、当該事業場以外の仕事一般に対する考え方のような項目は入ってございまして、仕事と余暇のバランスについてどのように考えているのかというところで、仕事に生きがいを求めていて全力を傾けているというような選択肢から、仕事は重視せず余暇に生きがいを求めるというところまで、少しグラデーションをつけたような選択肢を用意して選んでもらったりとか、あるいは会社に対する帰属意識のようなものを聞く問いもございまして、そういった意味では属性を把握する中で、事業場での仕事を離れた仕事全般に関する考え方ということは1点把握してございます。

 その上で、労働時間に関する情報につきましては、御指摘がありましたとおり、ここでは副業やバイトの時間は除いてくださいというふうに書いておりますので、そういった意味ではまさに当該事業場での仕事ぶりとなるわけですけれども、同時に労働者につきましては健康状態に関するものを聞いたりとか、そういった点がございますので、若干、恐らくは裁量労働ですとか、調査の本旨をよりよく把握する観点からの補足的な質問として組み込まれているのではないかと思ってございます。

○西郷座長 ありがとうございます。

 それでは、2の調査事項に関して何かほかにございますか。先ほども言いましたように、きょうは個別の議論を細かくするというよりは、今後の議論の役に立ちそうな御意見について幅広く伺えればと思っておりますけれども、ほかにいかがでしょうか。

 それでは、項目としては3、4、5、6とあるのですが、これは個別というか調査事項や対象が決まらないとなかなか議論がしにくいものかなと思いますので、まとめて今の時点で言っておきたいことがあれば伺いたいと思います。

 それでは、調査方法、調査期間、集計方法、分析方法に関して何か御意見がございましたら伺いますけれども、いかがでしょうか。川口先生、お願いします。

○川口構成員 集計方法のところにかかわることなのですが、我々研究者が集計をするときにはプログラムを書いて、全部自動化した上で記録を残して処理をします。恐らくエクセルとかを使って、その場でデータを操作してやると再現性がなくなってしまうので、再現性があるような形で生のデータから公表する数字までを出すということを確実に行う。後で間違いは当然あってはならないですけれども、間違いが生まれることもあるわけですが、なぜ間違ったのかということがそのプログラムを見ればわかるというような状況にしておくことが非常に大切だと思っています。

○西郷座長 ありがとうございます。いわゆるログをとるというか、後から過去にやったことが追跡できるような形で集計や何かもされるべき。多分、統計調査といった場合には大体そのようになっているというのが私の理解なのですけれども、そういうことでよろしいですか。

○統計企画調整室長 はい、ありがとうございます。そのとおりでございます。統計の再現性を保つということは非常に大事であると思います。ですので、データにつきましても、後々に再集計ができるような形にしておくことが望ましいと考えております。

 実際に現在、委託している統計につきましても全てではございませんけれども、そうしたデータ等の納入をお願いしているところでございます。

○小倉構成員 全くそのとおりで、私が長い間、調査研究してきたときに一番最初にやるのがデータクリーニングなのですけれども、異常値の処理ですとか無回答をどう処理するか。私は基本的に報告書にその過程を書きます。こういう理由でここから先は異常値として処理してしまった。相対的な問題なので本当はあるかもしれないけれども、それを入れてしまうと平均値に非常に大きな影響を与えるということを踏まえて、そこでログをとっているわけではないですが、そのことは正直に出します。データクリーニングはその上でしないと集計、分析には大きな影響を与えますので、多分、川口先生がおっしゃっているのはそこから後の話だと思うのですが、私はその前のこともきっと大事だと思って、そういう理解でよろしいですか。

○川口構成員 私が申し上げたのは、データクリーニングの過程も全部プログラム化して、生の調査票のデータから集計されて公表されているものまでが通貫した形で再現できなければならないのではないかということです。

○西郷座長 ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 それでは、先ほどから何度も申し上げていますように、きょうは今後の議論の糧となるような御意見をいただくということが中心でありましたので、今後もう少し具体的に議論を詰めていければなと思っております。

 きょうはまだ御意見等、おっしゃりたいことがたくさんあるかもしれませんけれども、そろそろ時間ということもございますので、きょうの議論はこれぐらいということにさせていただきたいと思いますが、それでよろしいですか。事務局にバトンを返すような形でよろしいですか。よろしくお願いいたします。

○労働条件政策課課長補佐 皆様ありがとうございました。

 そうしましたら、およそ時間となりましたので、事務的な御説明をさせていただきます。

 次回の日程につきましては、10月下旬ごろを予定しておりますけれども、確定次第、開催場所とあわせて追って御連絡をさせていただきます。

 以上でございます。

○西郷座長 それでは皆さん、大変貴重な御意見をたくさんいただきまして、どうもありがとうございます。今後、細かいところを含めて、またさらに活発に御議論いただければと思います。本日は本当にお忙しいところどうもありがとうございました。これで第1回の検討会を終わらせていただきます。

 


 

 

(了)

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