ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 肝炎対策推進協議会(肝炎対策推進協議会)> 第21回肝炎対策推進協議会 議事録(2017年11月6日)




2018年3月14日 第21回肝炎対策推進協議会 議事録

健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室

○日時

平成30年3月14日(水)15:00~17:00


○場所

厚生労働省専用第21会議室(17階)


○出席者

伊藤 綾子 (薬害肝炎原告団)
岡田 京子 (全国B型肝炎訴訟東京原告団)
川田 義廣 (日本肝臓病患者団体協議会幹事)
清本 太一 (全国B型肝炎訴訟北海道原告団)
小池 和彦 (東京大学大学院医学系研究科消化器内科教授)
武田 せい子 (薬害肝炎原告団)
田中 純子 (広島大学大学院医歯薬保健学研究院疫学・疾病制御学教授)
西村 愼太郎 (日本肝臓病患者団体協議会相談役)
林 紀夫 (関西労災病院院長)
本多 伸行 (健康保険組合連合会理事)
溝上 雅史 (国立研究開発法人国立国際医療研究センター研究所ゲノム医科学プロジェクト長)
山中 朋子 (青森県健康福祉部医師確保対策監)
米澤 敦子 (日本肝臓病患者団体協議会常任幹事)
脇田 隆字 (国立感染症研究所副所長)
考藤 達哉 (国立研究開発法人国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター長)

○議題

(1)平成30年度肝炎対策予算案について
  ・ 平成30年度予算案概要
  ・ 肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業
  ・ 事務手続きの簡素化
(2)肝炎対策の指標に関する研究の報告について
(3)その他

○議事

小野肝炎対策推進室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第21回「肝炎対策推進協議会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 冒頭の議事進行を担当いたします厚生労働省肝炎対策推進室長の小野でございます。きょうはよろしくお願いいたします。

 本日は、大久保委員、柿嶋委員、釜萢委員、熊田委員、中澤よう子委員、中澤善美委員の6名の委員から御欠席の連絡をいただいております。委員総数20名中14名の委員の先生に御出席をいただいておりますので、委員総数の過半数に到達しております。肝炎対策推進協議会令第4条第1項の規定により、本日の会議が成立していますことを最初に御報告いたします。

 また、本日は参考人といたしまして、国立研究開発法人国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター長、肝炎情報センター長の考藤参考人に御出席をいただいております。

 それでは、カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、カメラの皆様方は御退室をお願いいたします。

 議事に入ります前に、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。

 お配りしている資料、分厚い冊子の4ページに配付資料の一覧がございます。この冊子の5ページから資料1-1「平成30年度肝炎対策予算案の概要」。13ページから資料1-2「肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業について」。17ページから資料1-3「肝がん研究の推進及び肝がん患者等への支援のための最適な仕組みの構築を目指した研究成果報告」ということで、こちらは小池委員から御提出いただいた資料となっております。同じく28ページからの資料1-4が資料1-3の別冊という形になっております。続いて、35ページから考藤参考人に御提出いただいた資料2「肝炎の病態評価指標の開発と肝炎対策への応用に関する研究成果報告」。53ページからが資料3「C型肝炎特別措置法に基づく給付金の請求について」。56ページから資料4「平成30年度診療報酬改定について(肝炎対策に関係する主なもの)」となっております。資料5につきましては、別冊になっておりまして、分厚い冊子とは別に別紙という形でお配りしております。配付資料の4ページの一覧の中では資料5「身体障害者手帳の交付実績について」と記載しておりますが、資料自体のほうには「肝臓機能障害に係る障害認定状況に関する調査結果」ということで、タイトルが異なっておりまして恐縮ですが、こちらが資料5となっております。

 参考資料につきましては、分厚い冊子のほうにお戻りいただきまして、58ページから肝炎対策基本法、64ページから基本指針、79ページから肝炎対策推進協議会令となっております。80ページから参考資料4といたしまして、「各地肝炎対策協議会患者委員アンケート結果」ということで、こちらにつきましては、伊藤委員、武田委員、岡田委員、清本委員、川田委員、西村委員、米澤委員から連名で提供いただいた資料となっております。

 配付資料につきましては、以上でございます。

 資料の欠落などがございましたら、事務局にお申し出ください。

 特にないようでしたら、以降の議事進行につきましては、林会長、よろしくお願い申し上げます。

林会長 それでは、議事を始めさせていただきます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

 本日の議事は、お手元にお配りしてございますが、1番目が「平成30年度の肝炎対策予算案等について」。1が平成30年度予算案概要、2が肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業。2番目が肝炎対策の指標に関する研究の報告について。3番目がその他でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、最初の議題「平成30年度の肝炎対策予算案等」に入りますが、事務局より御説明をどうぞよろしくお願いします。

小野肝炎対策推進室長  それでは、資料1-1、分厚い資料の5ページからになりますが、こちらに沿って平成30年度の肝炎対策予算案の概要について説明をさせていただきます。

 5ページの下の段をごらんください。平成30年度の肝炎対策予算案につきましては、総額で168億円ということで、今年度予算に比べまして15億円程度の増額となっております。特に増額となった主な要因といたしましては、1番の2つ目のにございますとおり、肝がん・重度肝硬変の治療研究の促進のための仕組みの構築ということで、こちらで新たに10億円程度の予算を計上しているところでございます。

 それ以外につきましては、1番の肝炎の医療費助成、2番の肝炎ウイルス検査と重症化予防の推進、3番の地域における肝疾患診療連携体制の強化、4番の国民に対する正しい知識の普及、5番の研究の推進、それぞれにつきまして今年度とおおむね同額の予算を確保しているところでございます。

 新規事業の肝がん・重度肝硬変の事業につきましては、後ほど別途御説明をいたしますので、それ以外の事項につきまして来年度の取り組みを御報告いたします。

 6ページの上の段をごらんください。肝炎の医療費助成につきましては、インターフェロン治療、核酸アナログ治療、インターフェロンフリー治療につきまして、医療費の助成を行っているところでございますが、30年度の予算案につきましては、今年度の70億円に対して73億円ということで、若干の増額を図っております。最近の医療費助成の利用状況ですとか、昨年11月にインターフェロンフリー治療のマヴィレットが新たに承認されたことなどを踏まえて必要な額を確保しているところでございます。

 次に6ページの下をごらんください。この事業につきまして、昨年、都道府県からの御提案がございまして、それを受けて、政府の地方分権改革推進本部においてこちらにあるような決定がされております。四角の(37)と書いてあるところが推進本部の決定になりますが、大きく2つ指摘を受けております。肝炎治療特別促進事業につきまして、1つは、所得状況の確認などについて、個人番号、いわゆるマイナンバーの活用が可能であることを地方公共団体に周知するということになっておりまして、これにつきましては、昨年の秋に開催されました地域ブロック戦略会議などで地方公共団体への周知を図っているところでございます。地方公共団体が条例で定めるところによりまして、この医療費助成制度でマイナンバーを活用することができるということになっております。

 2点目が下の段落です。核酸アナログ製剤治療の更新に当たって、毎年医師の診断書の提出を求めて、認定協議会を開催することの必要性について、肝炎治療戦略会議などでの意見も踏まえて検討して、30年中を目途にその結論を出すことという指摘を受けているところでございます。この指摘を受けまして厚生労働省で検討を行った上で、2月に肝炎治療戦略会議での御議論もいただいて、この事業の事務手続の見直しについて検討しているところでございます。

 その検討の内容が7ページの上の段でございます。核酸アナログ製剤治療の更新手続につきまして、左側が現行、右側が対応方針でございますが、現行では毎年医師の診断書あるいはそれにかわるものとして検査結果とお薬手帳の提出をしていただき、その都度認定協議会を開催していただくという手続になっておりますが、これを都道府県の判断によって事務の簡素化が図れるようにして、診断書またはそれにかわる書類の確認は3年に一度以内でよいことにして、それ以外の年はお薬手帳によって核酸アナログ製剤を処方されているという確認だけでよいことにしてはどうかと考えているところでございます。

 7ページの下は、患者、関係者などから御意見をいただいているところでございますが、現行の医療費助成制度では、B型肝炎に対するインターフェロン治療について助成回数は1回だけとされているところでございますが、これについて2回目の助成も認めてはどうかという御意見をいただいてきたところでございます。これにつきましても、先月の肝炎治療戦略会議で専門の先生方の御意見もいただいた上で、来年度より2回目の治療についても助成を認めるという方向で検討しているところでございます。

 8ページ、重症化予防事業の定期検査費用の助成についてでございます。対象医療というのが上の段の表に書いてありますが、そこに一部見直しがございます。ちょっと見にくいかもしれませんが、Cの血液化学検査というところの最後にZTTというのが検査項目で入っておりますけれども、ZTTにつきましては、診療報酬改定によりまして、ことし4月から保険診療の対象から外れることになっておりますので、それに合わせて定期検査費用の助成対象の項目からも外すことにしております。

 もう一つ、定期検査費用の助成につきましては、申請手続を簡素化してほしいという御要望をいただいているところでございます。特に医師の診断書について省略ができないかという御意見をいただいております。現行でも診断書の提出は初回のみとしておりまして、2回目以降は省略可能としておりますが、さらに初回分の省略もできないかということで検討いたしましたところ、最後の対応方針のところにございますけれども、1つは医療費助成を受けて、そこでウイルスの排除に成功して、定期検査費用の助成と切りかわるときに、医療費助成のほうで1回診断書を既に御提出いただいていて、そこからまだ1年たっていないという状況であれば、改めて診断書を出していただく必要はないというふうに見直しをしたいと考えております。

 その下の2点目、これは各都道府県での工夫ということにはなりますが、自治体によっては、例えば肝炎患者支援手帳の中に医療機関で病名などを記載いただいているというやり方をしているところもあると伺っておりますので、そのような都道府県の工夫によって診断書にかわる確認手段がある場合には、そうした方法での確認も認めてはどうかと考えております。

 次に、9ページの下の段、肝疾患診療体制についてでございます。こちらにつきましては、昨年3月のこの協議会でも御議論いただきまして、改めて医療体制に関する通知を発出して、各地域で医療体制の整備に取り組んでいただいているところでございます。

 現状では、拠点病院が全国で70カ所、専門医療機関が3,200カ所程度となっております。拠点病院について、資料には書いていないのですけれども、ことしの4月から新たに横浜市立大学附属病院が拠点病院の指定を受ける予定になっておりまして、4月以降は71カ所。1カ所ふえるということをこの場で御報告させていただきます。

 次の10ページは、前回の協議会でも概算要求の説明の中で御説明させていただきましたが、来年度より肝疾患患者相談支援システムの導入を検討しております。こちらは、各拠点病院に相談支援センターがございますけれども、そちらの相談員が御活用いただくシステムということで、相談内容を記録したり、過去の相談の記録を確認したり、その中で模範的な回答事例を検索するとか、さらには全国的な相談の動向などの把握、分析もしやすくするためのシステムです。こちらを導入していくことで各拠点病院の相談対応力のさらなる向上を図っていきたいと考えております。

 次に11ページ、肝炎総合対策推進国民運動事業、いわゆる「知って、肝炎プロジェクト」でございます。上の段の資料の下のほうにございますが、今年度につきましては、「日本肝炎デー」に合わせた「知って、肝炎プロジェクト」のイベントの開催、都道府県や市町村への表敬訪問、今年度は愛媛県での集中広報の実施、さらにラジオ番組やスポーツ紙などを活用した啓発、ポスターの作成、危険予告動画の作成などさまざまな啓発の取り組みをしてきたところでございまして、来年度も引き続き普及啓発に取り組んでいきたいと考えております。

 特に都道府県、市町村への訪問につきましては、11ページの下にございますとおり、都道府県については現時点で30カ所訪問をしておりますので、残り17カ所もできるだけ早期に訪問できるように取り組みを進めていきたいと考えております。

 最後に12ページ、研究の推進に関しましては、昨年度見直しを行いました肝炎研究10カ年戦略に基づき取り組みを進めております。このうち政策研究につきましては、12ページ下にございますとおり、来年度9つの課題を進めてまいりたいと考えております。特に下のほうの四角で囲った3つが来年度からの新規の研究となります。1つが東京大学、四柳先生による「肝炎ウイルスの新たな感染防止・残された課題・今後の対策」についての研究、2つ目が東京大学、小池先生によります「肝がん・重度肝硬変の治療に係るガイドラインの作成等に資する研究」、3つ目が金沢大学の金子先生を中心とする「地域に応じた肝炎ウイルス診療連携体制構築の立案に資する研究」となっておりますので、これら3つを来年度新規に実施していきたいと考えております。

 資料1-1、来年度予算につきましては以上でございます。

林会長 どうもありがとうございました。

 それでは、御質問、御意見がございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。どうぞ。

西村委員 日肝協の西村です。2点ございます。

 1点は9ページですが、拠点病院の位置づけの表に関連することですが、後の議題で肝がん・重症肝硬変の研究のところで指定医療機関の指定がされることになると思います。それとの関係をわかりやすく説明いただけたらと思います。

 2点目が肝疾患連携拠点病院の相談支援システムについてということで、データベース化されるということですけれども、データベースのもとになる記録、フォーマットを公開していただきたいということです。

 以上です。

林会長 事務局、よろしゅうございますでしょうか。

小野肝炎対策推進室長 1点目の拠点病院と指定医療機関の関係ということですが、制度上はあくまで指定医療機関は指定医療機関として肝がんの事業の指定があって、こちらの拠点病院の指定とは別ということになります。それぞれ都道府県において指定をしていただくということになりますけれども、通常は重複といいますか、概ね同じになるであろうと我々としては想定しております。

竹之内室長補佐 肝炎室、竹之内です。

 今の相談支援システムのフォーマットの公開というのはどういったイメージのものか、具体的にもう少し細かく、説明いただけないでしょうか。済みません。事務局として今の意味をつかみ切れなかったのですが。

西村委員 相談員さんが相談を受けられて、データベースに入力をされるわけですけれども、そのときの入力のフォーマット、様式ですね。

林会長 様式というのは、その内容なのか、システムの話なのか。

西村委員 内容のほうです。

小野肝炎対策推進室長 入力した後の内容。

西村委員 入力する前の、どういう項目を入力。

林会長 入力する項目のフォーマットがあるのかどうかという御質問かもわかりません。

小野肝炎対策推進室長 相談内容は個人情報になるので、公表は無理だと思うのですけれども、項目ということですね。

西村委員 はい。

磯田肝炎対策専門官 専門官の磯田でございます。

 3月2日に行われました肝炎情報センターが主催の全国の拠点病院の相談員向けの研修会。済みません。正式名称を今、お出しすることはできないのですが、そちらのほうで実際に相談員の方々がこのシステムを使っていただくというデモンストレーションも行いました。その際の資料について、恐らく近日中に公開していただけるのではないかと思いますので、そちらのほうを御参照いただければと思います。

西村委員 はい。ありがとうございます。よろしくお願いします。

林会長 ほかいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、先に進みまして、またございましたら、お聞きいただければと思います。

 次は「肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業」でございますが、事務局からよろしくお願いいたします。

小野肝炎対策推進室長 それでは、資料の13ページ、資料1-2をお願いいたします。肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業につきまして、現時点での検討状況を御説明いたします。13ページの下、事業の概要となっております。前回の協議会でも概算要求の時点の内容を御説明しておりますが、そのときから大きく3点変更がございます。1つ目が、当初は肝がんのみを対象の事業ということで概算要求をしておりましたけれども、予算編成過程の中で重度肝硬変、非代償性肝硬変までを対象に含むということで事業の対象を拡大しております。

 2点目です。概算要求の時点では、事業費については国庫10分の10、全額国庫負担ということで要求をしておりましたが、こちらにつきましては、国、地方で2分の1ずつ負担をするという形に見直しをしております。

 3点目は事業の実施開始日ですけれども、概算要求の時点ではまだ明確に定まっておりませんでしたが、予算案の中でことしの12月1日開始の予定ということになっております。

14ページの上段です。もともと概算要求の時点で肝がんに対して治療研究を促進する理由ということで整理しておりましたが、重度肝硬変が対象に加わったことで、考え方を整理し直したものとなっております。基本的には肝がんのときの考え方を重度肝硬変にも当てはめているという形になっております。詳細については後ほどお読みいただければと思っております。

14ページの下の図が事業のイメージ図ということで、ちょっと複雑な図で恐縮ですけれども、研究の流れ、お金の流れ、利用の流れを全て1枚に入れるとこういう形の図になります。まずは都道府県に指定医療機関というものを指定してもらって、患者さんは都道府県に申請をしていただいて、事業に参加するという意味で「参加証」という名前にしておりますけれども、そういう証書をもらった上で指定医療機関を受診していただくと、医療費の助成が受けられるという形になります。お金の流れとしては指定医療機関から審査支払機関に請求していただくという形になっています。

 研究に関しましては、大きく2つ流れがございます。1つは指定医療機関から直接提供していただくデータと、もう一つは患者さんから診断書という形、ここでは「臨床調査個人票」という言い方をしておりますが、そういう形で都道府県を経由して流れていくデータと2つの流れを想定しております。

 現在、このスキームを文書で定める準備をしているところでして、その概要が15ページの上の実施要綱(案)ということになっております。こちらについては内容を現在精査している最中でございます。

15ページの下は、患者さんを中心に事業の流れをあらわしたフロー図となっております。患者さんが指定医療機関を受診されて、そこで肝がんあるいは重度肝硬変と診断をされたところで、入院記録票というものを受け取っていただくことを考えております。この入力記録票自体は、特別な申請手続などがなくても、病院で診断されればもらえるような形を考えております。この入院記録票をその後、肝がん、重度肝硬変で入院されるたびに医療機関に提示していただいて、チェックをしていただくということを考えております。なので、この入院記録票を見れば患者さんがいつ肝がん、重度肝硬変で入院をしたかということがわかり、1年間で4カ月に達しているということを患者さん自身も医療機関も都道府県も一目でわかるようなものにしたいと考えております。

 実際に助成を受ける場合には別途正式な申請が必要でして、4カ月が近づいてきたどこのタイミングで申請するかというのは、患者さんと医療機関で相談していただいて考えていただく必要がありますけれども、4カ月に到達する前のどこかのタイミングで正式に都道府県に申請をしていただいて、その際に臨床調査個人票という診断書と所得を確認するための書類などを出していただいて、参加者証の交付を受けていただくということになります。そして、実際に4カ月目に到達したときに入院記録票と参加者証を提示していただければ、医療費の助成が受けられるという流れを考えているところでございます。

 この事業のうち対象患者あるいは対象の医療についての基準、臨床データの収集方法、あるいは先ほどお話がありました指定医療機関の要件などにつきましては、今年度小池委員を代表者とする研究班を組織いたしまして、そこで検討を進めていただいております。その状況につきまして、この後、小池委員から御報告をお願いしたいと考えております。

林会長 お願いします。

小池委員 それでは、ただいま御説明がありましたように、この事業の認定の基準等について研究班のほうで議論させていただきました。その成果を御説明申し上げます。

 お手元の資料の17ページをごらんください。17ページ上にございますような研究班名、29年度単年の研究班で検討いたしました。

 背景でございますが、皆様御存じのように、ウイルス肝炎に起因する肝細胞がんの生命予後は、いろんなことで飛躍的に向上してまいりました。一方で、肝がんは根治治療後も頻回の再発を来すことが特徴ですが、これまで行われてきたコホート研究の多くが初回治療例を対象としており、再発を繰り返す中でどのように病態が変化していくのか、どのような治療がQOLを維持しつつ、再発の防止につながるか等については十分な検討がされてきておりません。

 次のページに参ります。我が国は、これまでにいろんなウイルス肝炎に対する治療の助成の仕組みが整備されてまいりました。先ほど御説明がありましたように、平成30年度には国は新たに肝炎ウイルスによる肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業を創設して、これらの患者等への支援のための仕組みを構築する予定であります。

 そこで、今回の研究班で命じられた目的としては、18ページ下のように3つあります。1番がこの研究の支援の対象となる患者や医療を定めること。2番目としては臨床データの収集内容及び方法を検討すること。3つ目として研究や支援に関する医療機関についても検討を行うということでございます。

 研究者は、19ページの上にございますように、私を含めた7名で行われまして、その研究組織図のとおりに検討を行わせていただきました。

20ページ、検討結果をかいつまんで御説明いたします。20ページの下、1番の研究や支援の対象となる患者や治療でございます。これに対しては、肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業の対象者としてB型・C型肝炎ウイルスに起因する肝がん・重度肝硬変(非代償性肝硬変)を対象とされております。したがいまして、矢印の右にありますように、3つ、B型・C型肝炎ウイルスに起因すること、肝がんであること、あるいは非代償性肝硬変であることの判定基準を定める必要がございます。

21ページの上、B型・C型肝炎ウイルスに起因することの判定基準です。B型に関してはHBs抗原が陽性であるということを基準といたしましたが、注意すべき点としては、B型慢性肝炎が続いた後に、HBs抗原の消失例が見られることがあるということでありまして、HBs抗原が陰性であっても、過去に半年以上継続するHBs抗原陽性が認められるものについては含まれることとするとさせていただきました。

 C型に関しては、HCV抗体が陽性である。もちろん、それで肝がんあるいは重度肝硬変ということですけれども、であれば認定すべきだろう。つまり、昨今の抗ウイルス治療でHCV-RNA陰性者がふえておりますから、HCV-RNAで入れてしまうと、ここに含まれない患者が出てきてしまいます。B型・C型に起因することの判定基準は以上でございます。

 続きまして、21ページの下、1-2は肝がんであることの判定基準。これは申請の際に用いる基準ということですが、下線が引いてありますとおり、現在あるいは以前に肝がんであることを次のいずれかの方法で確認されたものということになります。1つ目は画像所見です。造影CT、造影MRI、あるいは血管造影/造影下CTで診断されたもの。2つ目の所見としては病理所見。これは全例が行われるわけではございませんが、肝がんの切除標本や腫瘍生検等で診断された人は当然含まれるだろうということになります。

22ページの上、肝がんであることの判定基準(医療機関窓口で用いる基準)については、どの病名の基準を使うかということで議論いたしました。結論としては、3行目にありますように、電子カルテ用ICD10対応標準病名を用いるのが最もいいだろうということになりました。これはもちろんICD10そのものを基本にした病名マスターなのですが、ICD10そのものは病名が粗過ぎて、うまく実態に合っていない点があるということでありまして、22ページ下にありますように、電子カルテ用ICD10対応標準病名マスターは、一例を示してありますが、「肝癌」「肝細胞癌」「肝細胞癌破裂」等々とあって、そしてこれにコード番号も割り振られているということで、これが最も使用しやすく、実際に合っているだろうという結論となりました。

23ページ、非代償性肝硬変であることの判定基準です。これは申請の際に用いる基準としては、6行目「現在あるいは以前に非代償性肝硬変であることを次のいずれかの基準で判定する」。1つ目はChild-Pughスコアで7点以上。いわゆるChildB以上ということになります。あるいは別に定める非代償性肝硬変の対象医療行為の治療歴を現在あるいは以前に有するということです。例えば腹水・食道静脈瘤治療、肝性脳症等の肝不全及び肝硬変合併症の治療が含まれるということで、これについてはこの後出てまいりますので、そのときに御説明申し上げます。

 1-3、医療機関窓口で用いる基準については、先ほどと同じでありまして、電子カルテ用のICD10対応標準病名を用いて、そこにございますような肝硬変の病名のついている方を判断するということになります。

24ページ、1-4は支援の対象となる医療行為です。もちろん、B型・C型肝炎ウイルスに由来する肝がんあるいは重度肝硬変の人が入院した場合に、関係ない医療行為による入院もあるわけですから、この支援の対象となるものについては、ここに3つで示してございますように、肝がんの診療行為、非代償性肝硬変の診療行為、肝疾患に関連する医療行為、これについては肝庇護療法やB型肝炎の治療薬等も含まれます。これをその支援の対象となる医療行為としようということです。

 2番目の非代償性肝硬変の診療行為は、腹腔穿刺とか胸水・腹水濾過濃縮再静注法(CART)、あるいは内視鏡による食道や胃静脈瘤の治療、肝不全・肝硬変合併症に対する治療、こういったものが含まれるとしております。

24ページの下は対象となる診療行為の分類です。1として肝がん及び非代償性肝硬変の治療目的の入院と判断できるもの。例は上で申し上げたものでございます。

 2として、上記1ではないが、関連する医療行為として支援の対象とするもので、これは例えばCT撮影とか、B型肝炎に対するエンテカビル治療でございます。

 なお、ここに明記されておりませんが、例えば肝がんに対する化学療法、最近分子標的薬も種類がふえてまいりましたが、そういったものも含まれるということで、これについては今後適宜拡充していくべきであると意見しております。

 続きまして、臨床データの収集内容及び方法です。研究班であるということでございまして、データを生かして次なる診療に生かしていこうということで、非常に貴重なデータとなることが期待されております。結論から申しますと、データに関しては、25ページの下にありますNCDNational Clinical Database)を用いてデータを収集しようということになりました。NCDというのは、もともと外科の症例を登録するということで、外科学会を中心にして非常に苦労して築き上げたデータベースでございますが、これは今では各種の専門医制度に関連する外科以外のところでも活用されているシステムでございます。

 例えば、NCDでは日本肝癌研究会による全国原発性肝癌追跡調査が行われていて、このデータ収集も行っておりますが、今回の事業と肝癌追跡調査との違いは、1つは肝がんだけでなく重度肝硬変のデータも収集する。肝がんの追跡調査というのは、あくまでも初発時のデータ収集を目的としておりますので、これ以外の頻回の再発の場合もデータ収集ができるようなシステムに改築していただけるということで、使用することにしております。

26ページをごらんください。このようなウエブを使って入力が可能ということでございます。

26ページの下にございますのは、細かく読みませんが、臨床データの収集でございますから、当然ですが、NCDを導入している指定医療機関に入院した場合に入力が可能ということでありまして、余り小さい病院ですとNCDには加入しておりませんので、そこでのデータ取得については今後また検討が必要だと考えております。

 先ほど申しましたが、複数回入院の入力に可能なようにシステムを対応していただく予定であります。

 最後、27ページをごらんください。先ほど質問もございましたが、指定医療機関でデータ収集医療機関の要件ということなのですが、上のほうに指定医療機関とあります。これは、拠点病院は当然含まれる。肝疾患診療連携拠点病院等の肝疾患専門医療機関が想定される。がん診療連携拠点病院等のがん診療専門医療機関等が想定される。それ以外にも、一番上に書いていますが、ウイルス肝炎から生じた肝がん・非代償性肝硬変の医療行為を行うことが指定医療機関ということになりますから、指定医療機関には一番小規模な場合、肝疾患に専門化している開業医の先生でもこの指定医療機関とはなり得るということになるかと思います。

 これに対して、上段の下にあります臨床データ収集医療機関は、現在のところNCD参加施設に限られる。ただし、既に現在日本で5,000以上の施設が登録しておりますので、この肝がん・重度肝硬変患者のデータを収集するには十分とまでは言いませんけれども、非常に有力なデータが得られるものと考えております。

 最後、まとめでございます。これは読みませんので、ごらんいただければと思います。

 説明は以上です。

林会長 どうもありがとうございました。

 どうぞ。

小野肝炎対策推進室長 済みません。先ほどの西村委員からの御質問、若干説明が足らないところもあったので追加をいたします。今もお話がありました肝がん・重度肝硬変事業の指定医療機関と拠点病院や専門医療機関との関係ですけれども、27ページの図にもありますように、おおむね重なり合うことを想定しておりますが、肝がん・重度肝硬変の指定医療機関というのは、あくまで肝がん・重度肝硬変の治療をやる機関である一方で、拠点病院、特に専門医療機関のほうは肝炎の医療をするところということで指定をされておりますので、そういう意味では、肝疾患の専門医療機関の中で、肝炎の医療はできるけれども、肝がんについて専門的なことはちょっとできないというところがあれば、そういうところは肝がんのほうの指定医療機関にはならない可能性があるということで、完全には重ならない部分も出るだろうとは想定しております。

林会長 恐らく今回のこちらの指定医療機関のほうが圧倒的に数が多くなりますね。今の御説明ですと、拠点病院に比べると、はるかに指定医療機関数が多くなりますね。

小野肝炎対策推進室長 専門医療機関に関しましては、都道府県によって二次医療圏に1カ所みたいな感じで限定的に指定しているところもあれば、かなり数多く指定しているところもあるのですけれども、こちらの肝がん・重度肝硬変のほうの指定医療機関につきましては、患者さんの利便性も考えてできるだけ多く指定をしていただきたいとは思っているところです。

林会長 最終的にその指定については各都道府県で指定される。

小野肝炎対策推進室長 そうですね。

林会長 県によっては少しばらつきが出てくるかもわからないということですね。

小野肝炎対策推進室長 はい。

林会長 それでは、今の件、全体につきまして、御質問がございましたら、よろしくお願いします。どうぞ。

武田委員 患者が県をまたがって違う医療機関へ行くときの場合は、それは通じるのですか。

林会長 事務局、いかがでしょうか。

小野肝炎対策推進室長 県をまたいでも利用できるような仕組みにしたいと考えております。

林会長 どうぞ。

西村委員 西村です。

 まず、室長さんに対してですが、この制度、今までの肝炎の治療の制度も含めまして、患者さん、家族の方には非常にわかりにくい制度になっておりまして、これはもっとわかりにくいのではないか。今回の場合、患者さんが放っておいても、入院したら医療機関のほうから参加証、何か用紙をくれるということですので、患者さんが認識がなくても、何らかの事業に参加してしまったのだなということがわかる仕組みにはなっていると思うのですが、その辺をわかりやすくするような説明書、リーフレットみたいなものをぜひつくっていただきたいということ。

 それから、基本的には医療機関のほうから手続をするということから始まるわけでしょう。ですから、指定医療機関の問題がちょっとひっかかっているのですけれども、専門医療機関の場合は、規定では肝がんの診断まではできるけれども、治療の技術はどうでもいいと。語弊がありますが、治療までは触れていないわけです。その辺で、指定医療機関の要件というのを明確に12月までに示していただけると思うのですが、なるべく早く公開していただきたいと思っております。

 それから、小池先生のほうにお聞きしたいのですけれども、22ページに関係することです。ICD10コードというのを私は全然認識がないのですが、ここで規定されると。ただ、それが大ざっぱ過ぎてということで、一例として下の項目が示されているわけですけれども、上の項目にあるもので、下の項目にない疾患が1つありますね。具体的には肝内胆管がんですが、患者会のほうでも時々ウイルス性肝炎の肝がんの患者さんが何回か再発する中で肝内胆管がんが併発して出てくるという例がありまして、皆さんそれぞれ困っておられます。特に化学療法の問題で困っている方が多いのです。手術をやった後の問題になるのですけれども。

 別冊のほうに説明があるのかどうかあれですが、別冊のほうで治療法、お薬の名前とか術式とかが具体的に書かれていますけれども、その中で肝内胆管がんの場合、胆汁うっ滞とかいろんなことで体液を外へ出さなければいけないという治療があります。それから、別冊の中で示されている抗がん剤の中で、具体的には出ていないものもあったと思うのです。先ほど追加していくのだという御説明がありましたから、そういう中で具体的に出てきたら追加がされると思うのですが、その辺のことについてもう少し詳しく御説明いただけたらと思います。

林会長 これは先生がいいですか。事務局のほう。

小池委員 1点、明確にお返事できるものは、胆管細胞がんは含まれます。それは議論としてはC型肝炎で出てくる肝がんの中に肝細胞がんのみならず、胆管細胞がんがあるという事実がデータとしてありますので、閉塞性胆管がんのような肝外胆管がんではなくて、肝内胆管がんに関しては含まれるという結論となっております。

 付録の30ページ、31ページにICD10対応標準病名マスターがありますが、これも今、見ると肝内胆管がんは入っていないみたいですので、これが載っていなければだめということではありませんで、当然ながら今、申し上げたようなものについては認定されると考えております。薬剤及び抗がん剤等も今後適宜取り入れていくということになると考えております。

林会長 ありがとうございました。

 抗がん剤は次々新しいものが出てまいりますので、そこのところは当然変わってくるだろうと思います。

 それ以外に御質問等ございませんでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。

 少し複雑な点もあるのですが、実際問題指定機関が明確になれば、少なくともそこに行ってこのお話をされたら、後の手続は進めることができるということと考えてよろしいですね。

小野肝炎対策推進室長 まず一つはできるわかりやすい制度にということで、どうしても確認をしなければいけない手続などがあることはあるのですけれども、なるべくそういうのが少なくて済むように工夫をしていきたいと思っております。

 指定医療機関の要件というお話がありましたが、基本的に今、考えておりますのは、1つは肝がん・重度肝硬変の治療ができること。当たり前と言えば当たり前ですけれども、具体的には資料の1-4、31ページ以降にいろんな医療行為が出ておりますが、こうした医療行為の全部または一部ができる医療機関であるということがまず大前提であろうと思っております。

 もう一つは、まさにお話が出ておりますように、この事業についてきちんと患者さんに御説明をしていただいたりするような、そういう面でも御協力いただける医療機関ということが要件になってくるかと思っております。

林会長 ありがとうございました。

 よろしゅうございましょうか。どうぞ。

西村委員 追加ですけれども、例えば指定医療機関になっていないところに肝がんの患者さんが入院した場合に、行政のほうから肝がん患者さんが入院したら、こういう制度があるから登録しなさいというお誘いはされるわけですか。

小野肝炎対策推進室長 そこは指定医療機関以外だとちょっと難しいかなと思います。まず指定医療機関がどこだということを周知するということと、あとは、指定医療機関ではないけれども専門医療機関になっているようなところがあれば、そういうところもチラシとかそういうことで御協力をいただける面があるかどうかというところかと思います。

林会長 どうぞ。

西村委員 再度済みません。肝疾患の医療費助成制度の中で、都道府県によってちょっと違うと思うのですが、大阪などは手挙げ方式で、一定の要件を満たせば協議会で審査をして認定施設になるということですけれども、先ほど言いましたように、患者さんが指定医療機関を選んで入院ができない場合が多々あるわけです。そういうときに、たまたま肝がんが見つかって、そこの施設で入院、治療をする場合、患者さん、家族のほうからこういう制度があるから、先生、指定医療機関として登録するように手続を進めてくださいと言わないと事は前に進まぬということになるわけですか。

小野肝炎対策推進室長 まずは国もそうですし、各都道府県からも肝がん・重度肝硬変の治療をやっておられるような機関にはできるだけ指定医療機関になってくださいという周知をしていくのだろうと考えております。

西村委員 ありがとうございます。

林会長 恐らくそういう治療ができるレベルの病院だと指定医療機関になる確率が非常に高いと言えるのではないかという気がします。ただ、西村委員の御指摘のように、県によっては適当な医療機関がない地域も当然出てまいりますので、そこはまたお考えをいただければと思います。

 ほかに、よろしいでしょうか。

 それでは、先に進ませていただきます。議題2「肝炎対策の指標に関する研究の報告について」でございます。これは考藤参考人のほうから御説明をよろしくお願いします。

考藤参考人 肝炎・免疫研究センターの考藤です。

 お手元の資料、35ページからになりますので、おあけください。35ページの上段は、当研究班の課題名でありまして、略して指標班ということで、今年度から活動を始めております。今年度の成果に関しまして御報告いたします。

35ページの下段は、肝炎対策推進室が全国の自治体に向けに行っている担当者会議で提出された資料であります。肝炎政策を進めるに当たりまして、事業主体というものが明確に定められています。ウイルス肝炎の検診からいわゆる受診、受療、さらに肝硬変・肝がんの治療に至るまで、実際にいろんな事業主体が関係しているということでありますが、特に自治体におきましては、その指標として数値目標を設定するということを求められております。

36ページの上段は、平成29年度の肝炎対策に関する調査ということで、調査対象期間は平成28年度になっておりますが、肝炎対策推進室の調査結果になります。内容に関しましては、基本的な指針に沿いまして、実際に自治体の事業におきまして数値目標を定めているかどうかということと、さらにその内容について調査を行いました集計結果になります。全国47都道府県の中で実際に数値目標を定めて対策に取り組んでいるという答えられたところが全国35カ所、35自治体ということになっております。その中で特に肝炎対策に特化した計画を定めている都道府県は19都道府県という結果であります。

 右側を見ていただきますと、目標を定めていないというところもまだ残っているということから、具体的な数値目標として政策を考えていただくということが非常に重要であるということを繰り返しお伝えしているということであります。

36ページの下段に関しまして、これは一例でありますが、昨今特に注目されております肝炎医療コーディネーターに係る目標の例ということで、同様の調査結果を肝炎対策推進室がまとめられています。これは一部でありますが、例えばそれぞれの目標をごらんいただきますと、実際に養成数を設定している。例えば栃木県は5年で500名養成。あるいは福井県は年間50名養成。このように数値目標を明確化して目標を立てておられるところもありますが、それ以外に数値としてはっきりとされていないというところもあるということで、各自治体で目標の内容とか数値目標の設定がさまざまであって、実際に肝炎医療コーディネーター一つとりましても、適正な養成人数あるいは配置場所といったものは何なのかというところがまだ一定の見解が得られていないということがあります。

37ページは、同調査をまとめた目標の設定状況の表になります。それぞれ肝炎ウイルス検査あるいは受診勧奨・フォローアップ、医療・支援体制という項目に大きく分けまして、施策、技術・体制、プロセス、アウトカムと指標を群分けいたしますと、そのような形になります。

 個々の項目に関しまして、最後にある丸数字は自治体の数ということになりまして、さまざまな形で現在は自治体に委ねて指標の設定がされているというのが現状であります。

 もう一度先ほどの図に吹き出しのような形でお示ししました。37ページの下段になります。例えば肝炎対策の流れを見たときに、左から行きますと、どの程度肝炎ウイルス検診が利用されているのか、あるいは肝炎ウイルス検査で陽性者が出たときにどのようにフォローされているのか。その方々がどのように適切に治療されているのか。さらには慢性肝炎から肝硬変へ移行している方々というのは日本でどれ位いらっしゃるのか。このようなさまざまな課題があるわけですが、現在のところこれを正確に調査して確認するような作業は行われていないということが一つの課題であろうと思います。

 このような現状認識を踏まえまして、38ページの上段に示すような研究班で政策及び肝炎医療に関しまして指標づくりということを始めました。実際に指標の考え方の整理として38ページの下段に示しております。指標とはということで、吹き出しのように少し強調して書いておりますが、事業改善のための目印として利用される数値表現であるということが基本的な概念になります。プロセスとアウトカムを扱う量的なツールであり、これは肝炎政策に当てはめて考えますと、肝炎医療指標あるいは自治体の事業の指標、拠点病院の事業指標に関しまして、いわゆる指標を作成する必要があり、さらには事業の中で実際に運用することでその有効性を評価していく必要があるということです。

 もう一つ、それぞれの指標には重みづけが必要であろうという認識があります。その下に例えばとして自治体事業指標のところに書いてありますが、この研究班では3つの重みづけをそれぞれの指標に与えるということを計画しております。

 1つ目は絶対指標ということで、例えば自治体事業に関しましては、各実施主体の肝炎対策に係る計画において研究班として必ず採用すべきと考えるものであり、特に実施・達成状況を評価するものということで、括弧つきで基本法及び基本指針、あるいは通知に記載があるものは、必ず行うべき絶対的な指標であろうという考え方であります。

 その次のレベルとしては標準指標ということで、計画に採用されることを求めるけれども、実施主体ごとに策定された計画の達成状況を評価することができる指標であるということで、各実施主体において肝炎対策をさらに促進するために参考にできる指標ということで、そこの括弧づきの説明になります。

 3つ目は参考指標ということで、実施主体の特色に合わせて計画に採用してもよい指標ということで、括弧づきの説明になりますが、根拠となる数値が明記されていないもの、あるいは各自治体が独自に取り組むべき項目、このようなものを参考的に指標として設定したいということで、それぞれの重みづけに関しましては、後ほど個々に指標が出てまいりますので、それとあわせて御検討いただけたらと思います。

39ページに進みまして、当指標班のタイムラインを上段に示しております。最初に肝炎医療指標、あるいは自治体事業指標、拠点病院事業指標をそれぞれ作成する小グループをつくりまして、候補を作成いたしました。その過程で実際にその指標がどれくらい有効性、妥当性があるのかといったことをまず内部で検討しまして、その次に外部の有識者の方々に評価委員になっていただきましてその評価を行いました。実際指標作成のプロセスとして39ページの下段に示しております。内部の研究班での候補を作成し、それについて外部の評価委員の方々を含めて一堂に会して再検討を行うということで、この過程でデルファイ法という指標の作成の過程のよりどころになる方策を用いまして、内部、外部の人々のコンセンサスを形成していくというプロセスをとりました。この方法に関しましては、参考に書いておりますが、がんセンター等で行っております診療の質指標ということで、このような考え方で作成されておりますので、それを参考に当指標班でも指標作成のプロセスを行いました。実際にそのような検討を多数回経まして、ことしの1月に最終的に平成30年度に運用していただくべき指標案を確定いたしました。

40ページ、横に長い表になっております。これは今のプロセスを御説明するための作業用シートになります。さまざまな項目が少し小さい文字で書いてあります。これは肝炎医療指標のごく一部、作業用シートを提示しております。議論の中で根拠となる例えばガイドラインあるいは厚労省からの通知は何なのかということを明記することに努めましたし、実際に指標の評価を行う場合に5段階評価を行いまして、それの平均点をとってその妥当性を客観的に評価していくということで、そのような内部の研究班の班員の評価を踏まえて、外部の評価委員の評価をつけていただきまして、一堂に集まった指標評価会議での議論を踏まえながら、再度採点を行うということで決定いたしました。

41ページ、同様に横長のものをお出ししております。これは最終的に行いました指標の候補の代表例をお示ししております。最終的に現時点では肝炎の医療指標として32、自治体事業指標として26、拠点病院事業として21の指標案を確定しております。

42ページ以降は、今年度作成した全ての指標案をお示ししています。実際にこういった指標案をそれぞれの事業主体で次年度運用していただくということを目的にしております。個々の説明は省略させていただきます。42ページは肝炎の医療指標の1から8、43ページは肝炎医療指標の9~1844ページが肝炎医療指標19から肝硬変指標の3まで、45ページが肝炎制度の1~4までということで、ここまでが肝炎医療指標のグループになります。

 おめくりいただきまして、46ページも横長になっておりますが、次は大きなブロックであります自治体事業指標の詳細になります。

46ページが自治体検診の1~1247ページが自治体のフォローアップの1~4、加えて自治体施策の1~10ということになっております。48ページが拠点病院事業の指標で、拠点1~21ということになっております。繰り返しになりますが、指標はあくまで数値として評価するということを原則的に持っておりますので、分子と分母で評価される数字であるということを再度御確認いただきたいと思います。

 このような指標を現在固めておりますが、実際の運用に関しまして、以下御説明いたします。49ページの上段は、その運用指標のポンチ絵でありますけれども、平成29年度に固めた指標案を実際に平成30年度にまず運用していただくというイメージ図であります。あくまで肝炎医療政策指標班、通称指標班から病院あるいは自治体のほうにアンケート調査を行わせていただくということで、自治体のほうへの調査は、肝炎対策推進室が常時行っておられます自治体の事業評価に加えていただくような形をイメージしております。そのような形で調査を依頼して、結果をいただきまして、調査の結果の集計を行いまして、結果の報告を交互に行うあるいは全体の会議でも行うということで、それぞれの事業主体、拠点病院、専門医療機関、あるいは自治体といったところに、その評価をもとにして次年度の御自身の事業を計画あるいは運営していただくということをイメージしております。

49ページの下段はそれを文章化したものでありますが、指標の運用に向けてということで、黒ポツの指標評価のための調査対象者の整理、あるいは調査方法の整理、調査依頼の流れ・調査時期・回収時期、さらには指標評価と解析結果の報告ということで、想定しております年次を書いておりますのでそこもごらんいただきながら、そのようなイメージで書いております。あくまで個々の事業主体に結果をお返しし、全体の中で個々の事業主体がどのような形で実際の事業を行えているかということをまず見つめていただくということが大事と考えておりますし、その会議の場としてブロック会議とか、あるいは情報センターが主催しております拠点病院間の連絡協議会等、こういったところを少し活用しましてその結果の普及に努めていきたいと考えております。

50ページの上段は、今、申し上げた指標とは少し異なる臨床的な重要性を鑑みた研究を行っております。といいますのは、肝炎対策基本指針の見直しによりまして、肝硬変への移行率を低下させる、さらには肝がんの発症率、死亡者を減少させるということが肝炎対策基本指針の大きな目標になっております。ところが、実際に慢性肝炎という状態から肝硬変という状態にどれぐらいの数の方、あるいは率の方が移行しているのかということを示すようなデータは存在しておりません。それをつかむことが将来的に肝炎対策基本指針の効果的な運用に非常に大事であるという認識を踏まえまして、臨床的に肝硬変への移行率を測定する重要な指標として何か検討できないかということから始めました。

 実際に臨床的にこれをはかるのは極めて難しい課題であります。といいますのは、肝硬変の診断一つをとってみましても、個々の主治医あるいは病院レベルで大きくその診断の基準というものは異なっております。つまり、複合的な因子で肝硬変というものが診断されるという背景から、一律に肝硬変という診断が全てそろった状態で行えるわけではないという事実があります。そういった限界も考えながら、現在どのような取り組みをしているかということを御説明します。

 3つの患者集団で検討しようと考えております。あくまで肝硬変の診断、あるいは慢性肝炎の診断のよりどころとなるのは肝生検と考えておりますので、例えば3つのコホートで検討という右の枠の中をごらんいただくと、1のところ、肝生検を2回以上施行して、1回目は慢性肝炎、2回目は肝硬変の診断となった方。これは慢性肝炎から肝硬変への進展の年数とその状態の把握が一番確実な方々になります。経過年数によりまして移行の年数を算定しようという試みです。

 2、2つ目の対象は、肝生検で肝硬変と診断された方から振り返りまして、その図におきましては真ん中の大きな三角形で囲まれたところになります。肝生検で肝硬変と診断された方を振り返って、いろんな臨床データ、指標等を踏まえまして慢性肝炎と診断された年次をたどっていきます。それによりまして、実際に慢性肝炎から肝硬変に至った方々の年数と人数を割り出して、それを移行率として算定しようという試みです。つまり、後方視的に観察するグループです。

 3つ目のは前方視的に観察するグループで、慢性肝炎と肝生検で診断された方を長期的にフォローすることによりまして、その方々が特定の診断指標を持ちまして肝硬変と診断された場合に、その経過年数と人数から移行率を算定しよう。この3つのグループで検討したいということで、研究班を開始いたしました。

 今回は実際に汎用性が高い指標としてAPPIFIB-4という臨床指標をまず解析しようということで、今年度は実施いたしました。

 その結果の一端を御説明します。50ページの下段をごらんください。データの数が非常に多かったグループをきょうは御紹介いたします。それは2番目のコホートの集団で、肝生検で肝硬変と診断された方を振り返って後方視的に観察して、慢性肝炎と診断された時期を確認していこうという試みです。そこにありますように、APPIFIB-4F2significant fibrosisと診断された時期から肝硬変と診断された生検の時期までの期間と進展率を測定いたしました。これはいずれも抗ウイルス治療の入っていない方を対象にしております。B型肝炎が22例の方々、C型肝炎が121例の方々ということで、施設は当病院を含めまして3施設で実施いたしました。

 その結果を51ページの上段と下段に示してあります。上段が全てのデータの折れ線グラフ、下段はそれを平均値でならしたグラフでありますが、我々自身も非常に驚いたことにAPPIFIB-4も、これはC型の方に限っての話でありますが、同じような結果が得られました。つまり、APPIFIB-4、左と右にありますが、下の点線が慢性肝炎、上の点線が肝硬変と考えていただいたらいいのですが、0のところが生検で肝硬変と診断されたポイントであります。いずれにしましても、C型の方を対象にして検討いたしますと、APPIでもFIB-4でも慢性肝炎、significant fibrosisと判定された時期から肝硬変に至るまで約12年だったということで、これはAPPIFIB-4がC型の方の進展率を判定する上で非常にいいマーカーになるということを示していると考えております。次年度はこの検討を、さらに全国の拠点病院に御協力いただきまして症例数をふやして検討するということです。

 もう一つは、B型肝炎の方は今回症例数が少なく、十分なデータがそろっていないのですが、B型肝炎の方は、現在得られている感触では、APPIFIB-4は十分な指標とはなり得ないという印象があります。ですので、次年度では新しい指標の探索も含めて研究を加えていきたいと考えています。

 最後、52ページの上段です。今年度の成果として黒丸を2つ挙げております。肝炎医療指標、自治体事業指標、拠点病院事業を実際作成いたしましたので、これを次年度運用していただきまして、その指標自体を検討していただくといことを考えております。2つ目は、臨床的に肝硬変への移行率を評価していくための適切な指標を確立したいということで、拠点病院全体に症例の御提示をお願いするということに加えて、B型肝炎等で新たな指標となるような移行率指標を探索していきたいと考えております。

 以上になります。

林会長 どうもありがとうございました。

 それでは、今の件につきまして、御質問、御意見がありましたら。どうぞ。

川田委員 日肝協の川田と申します。

 2点ほど大枠の件でお伺いしたいのですけれども、この資料の中に職域のことが言葉すらなかなか出てこないということで、大変難しいというのはよく議論して承知しているのですが、その点についてはどのようにお考えだったのか。それが1点目です。

 2点目は、出だしにプロセスとアウトカムとそのようにおっしゃられております。一応、自治体のあたりの指標のところを眺めさせていただくと、私の勝手な想像でありますけれども、このデータでどんなふうにアウトプットが表現できるのかなと考えてみたら、ちょっと失礼かもしれませんが、これまで肝炎対策推進協議会で厚労省さんが出されたデータ以上の姿が見えるのかどうか、やや疑問に感じたところがあります。

 特にプロセスの点について、前回でしたか、幾つかの地域においてすばらしいプロセスを御紹介されて、そしたら率が10倍ぐらいにはね上がったということが具体的に出ているわけですから、それがそのまま指標になるというのは難しいと思いますけれども、そういったプロセスがもう少しにじみ出てくれればいいのになというのが私の印象でございます。その辺は何か議論がございましたでしょうか。

林会長 考藤先生、よろしゅうございますか。

考藤参考人 まず、職域に関してですが、現在ウイルス肝炎検査を職域でどうするかという取り組みは、別の政策研究班で精力的に進行中ですので、今回はこの指標の中ではあくまで肝炎政策の中での大きな事業主体として自治体と拠点病院、2つを大きく取り上げまして指標づくりを始めてみたということになります。

 他の研究班での成果を踏まえまして、今後職域の指標も加えていけることは、恐らく指標の内容によっては可能だと思っていますので、それは次年度以降ぜひ検討させていただきたいと思っています。

 2つ目のプロセス、アウトカムの話ですが、御指摘のとおりで、実際幾つの項目は既に自治体の事業実施の調査の中に入っております。ところが、冒頭で申し上げましたように、現在は全ての自治体がそういった数値目標を立てて実施、あるいはその評価を行っているわけではないと思っておりますし、全国共通の重要性を持った指標としてこちらが提案して、そこのデータを挙げていただくことで、それぞれの事業実施の主体がさらに今の実施の状況というものを全国の中で評価できるということも大きな意味があります。重みのことも少し御説明しましたが、重みをつけることによって、通知等で言われているところは非常に重要な指標なのだというこちらからのメッセージになりますし、さらに次段階、次々段階、3段階ある重みの中でどれくらいそれを達成していけるのかという評価を自治体自身あるいは拠点病院自身がやっていただくことでそれぞれの努力目標が達成できると我々は考えています。研究班の中でも実際にこれがどのように現実的に運用されて効果につながっていくのかというのは非常に興味深く考えているところがあります。そこを実際に運用してみていただくことで、それぞれの指標が全て完全なものではありませんので、個々の指標の評価自体をそれぞれの事業実施主体にお願いして、さらによい指標にして、その結果が見える形、利用できるようなものにしていきたいというのが政策研究班の中での議論の主体でした。ですので、これはまさに生もので、これから育てていくべきものだと私自身は考えております。

林会長 ありがとうございました。

 ほか御質問。どうぞ。

米澤委員 38ページの下の段です。簡単な質問ですが、指標の考え方の整理というところで、各指標に重みづけを行うということで、ここに書かれているものは、自治体事業指標について、絶対指標はこうである、標準はこうである、参考はこうであるという記述がございますが、これは自治体だけしか記述がありませんので、肝炎医療指標についてと拠点病院事業指標についてはどのように考えたらいいかという質問です。

考藤参考人 ありがとうございます。

 御指摘のとおりで、同様に重みづけをそれぞれの肝炎医療指標、拠点病院事業指標にも行っております。このときの重みづけの基準は、一つは医療指標に関しましてはガイドラインになると思います。つまり、今、B型肝炎、C型肝炎、肝がんもそうですが、ガイドラインが整備されています。それにどれくらい準拠した形で実際に現場で医療ができるかということを想定して、絶対と次の標準を規定しています。

 参考に関しましては、具体的に言いますと、HBs抗原の定量測定ですとか、自治体によっては保険で認められないようなところもあると聞いております。そのような実際に保険診療外の項目になる場合は参考指標とすべきではないかという議論を研究班の内部で行いました。

 拠点病院事業に関しましても、基本指針の見直しの中で拠点病院の事業として求められている項目、それぞれの項目が明記されています。基本的にはほとんど全てが絶対であるという形になっていますが、その中でも努力目標として頑張ってもらいたいと研究班内部で意見が出たところは、少しその重みが軽くなっているというように御理解いただければいいと思います。

林会長 ありがとうございました。

 ほか御質問。どうぞ。

伊藤委員 考藤先生、今のあれを文章化していただきたいということが1点。

49ページ、肝炎医療政策指導班。研究班があるうちはこれでよろしいかと思うのですけれども、31年以降研究班がなくなったときにどうなるのかということをお伺いしたいのと、細かいことですが、役所のところで自治体事業指標案のところで結果の報告が出てきて、役所の方がそれを見て改善するというのは、自主的に改善していくのか。どうやってつながっていくのかということ。もう一点、その結果の報告というのは、私たちに公開されるのかどうか。2点教えていただけたらと思います。

林会長 これは事務局に答えていただくか、どちらがよろしいですか。

考藤参考人 どちらでも。

林会長 事務局が答えますか。

小野肝炎対策推進室長 自治体の評価指標に関しましては、最終的には各都道府県でそれぞれ計画を持っておられますので、計画の見直し時期は自治体によってまちまちですけれども、できる限りそういう中に反映していっていただくということを目指していくのだろうと思っております。

林会長 考藤先生、追加ございますか。

考藤参考人 小野室長がおっしゃったとおりで、自治体の事業計画の中にそれを反映していただいて、例えば研究班のイメージですけれども、前年度の指標の数字を少し踏まえて次年度の数値を立てていただくということができれば、生きた指標になるのかなと考えています。

伊藤委員 結果の報告はどうでしょうか。

林会長 あと、結果の報告は。

考藤参考人 結果の報告は、先ほど少し申し上げたのですが、これも肝炎対策推進室との相談になるのですが、できるだけ担当者の方には生のデータをお返ししたいと政策班としては考えておりますし、一般の方にもわかりやすい形で、政策班としては公開できるような形を目指したいなと考えています。ここはあくまで相談の結果になります。

林会長 事務局、何か追加ございますでしょうか。よろしゅうございますか。

小野肝炎対策推進室長 はい。

林会長 ほかに。どうぞ。

武田委員 では、各県の肝炎対策推進協議会でもこれの結果というのは全て出るようになるのでしょうか。30年から使用ですか。

林会長 よろしゅうございますか。

小野肝炎対策推進室長 この研究班として指標の御提案をしたとしても、必ず計画に入れてくださいと強制まではできないので、最終的にそれを計画に取り込むなり各県で評価するかというのは、それぞれの県でのお取り組みということにはなってまいります。

武田委員 では、絶対的なものではないということになるのですか。

小野肝炎対策推進室長 国でも毎年都道府県の実態調査をやっておりますので、そういう中ではこうした指標の状況を把握していこうと思っております。

林会長 どうぞ。

伊藤委員 43ページ、指標案ということで、案がついておりますので、患者として希望させていただきたいと思います。上から3つ目の肝炎の11ですが、初回DAA治療失敗例に対する2回目以降のDAA治療前のRAS検査を実施しているというのが「標準」という形になっております。先ほど考藤先生のお話ですと、ガイドラインを参考にしてというお話がありましたが、ガイドラインでは12月に改定されましたガイドラインに1回目、不成功者の場合、複雑かつ難治な耐性変異について書かれておりました。C型肝炎の新薬は頭打ちというか、あともう一つ、2つと聞いておりますので、残された患者が適切な治療に結びつくように。一度失敗した患者は本当に落ち込んでおりまして、状態が進んでいる患者が私の知り合いにもおります。標準ではなくて、絶対ということで御検討いただけたらというのが希望です。

考藤参考人 1点説明させていただきますと、ここは政策班も大事だと思っています。ところが、さきほど申し上げましたが、保険診療に現在なっていないのです。ですので、それを絶対にするということの無理を議論しまして、今回はガイドラインに明記されているのは存じていますけれども、標準ということにさせていただいたという側面があります。

伊藤委員 わかりました。

林会長 ほか。どうぞ。

武田委員 患者からと言うのでしたら、2月に愛媛県でも肝炎対策推進協議会があったのですが、29年度は、愛媛県の場合は重点啓発地域になっていたものですから、新聞の一面に肝炎のことが出ていることが何日もございまして、その中でJリーグなどでも「知って、肝炎」のブースをつくってアンケートをとっておりましたが、広告代理店に依頼をしているみたいで、専門家でないから、アンケートをとっても質問に答えるときに不適切というか、よくわかっていない。ですので、コーディネーターを、愛媛県の中では医療関係だけになっているのですが、患者会などからも認定を増やしていただくとか、今後私たち肝炎ウイルス検査を職域にももっと重点的に置かなくてはいけないということについて話し合いをしているので、そのためにも職域にもコーディネーターをつくるということをこの指針の中に入れていただければありがたいかなと思っております。

林会長 では、それはお聞きさせていただきます。

 それ以外はよろしいでしょうか。どうぞ。

西村委員 基本的なことですけれども、肝炎ウイルス検診、気づいていない方がまだたくさんおられるということで、先進的な方法ということで、自治体名を挙げて例を示されたこともあったと思うのですが、問題は、せっかく地方自治体が制度として集団個別検診も含めて、がん検診とか特定検診とかやっているわけですから、それに合わせて肝炎ウイルス検診を入れるかどうか。やっているかどうかという指標も、誘導するという意味ではありませんけれども、効果を上げているところがたくさんあるわけですから、そういうものもぜひ指標として入れていただきたいというのが1点です。

 各自治体で格差があるということで、格差是正のために情報センター、考藤先生を中心に、肝炎対策推進室も入ってブロック会議をやっておられますね。情報センターのホームページを見ますと、1月26日に拠点病院の連絡協議会の代表者の研修と、担当の医師の研修をやっておられて、特に医師向けの研修でパネルディスカッションがやられて、ブロックから先生方が何人か発表されて、意見交換をされている。その中身は、それぞれのブロックの活動内容とか、どういうふうにブロック会議をやっていったらいいか、持ち回りをどうするかとか、自治体の間の悩みとか交流ということがホームページに紹介されていたのですが、そういうものもぜひ協議会の中に反映させていただいて、特に地域格差をなくすという意味で前向きに出ている問題を公表して、委員の協議の参考にしていただきたいということです。

 きょうも、できましたら1月26日のことを、大ざっぱで結構ですから御紹介いただけたらと思うのですけれども。

林会長 今、わかりますか。

考藤参考人 もちろん、わかります。確かにブロック会議は昨年度から肝炎対策推進室と一緒に始めた事業でありまして、自治体の方々と拠点病院の方々、結局、4つの事業主体の人たちが集まって、その場に我々が赴いて地域の話をさせていただくのですけれども、今年度から肝炎室の提案もありまして、実際に事業の運用上の自治体の担当者の方が難しく感じておられることに焦点を絞って意見を出してくれという形になりました。

 そこで今回非常によかったのは、きょう小野室長のほうから冒頭説明がありましたが、手続の簡素化です。重症化予防の手続の簡素化のところが、自治体の担当者の方々は非常に難しさを感じておられて、実際に費用面も発生しますし、診断書をなくす方向で何とかならないかという意見をそのブロック会議でかなり出していただきました。それを実際に室のほうでかなりもんでいただいて、きょう紹介があったような形の簡素化につながったということで、確かにこのようなブロック会議を開催することで、一つ一つ自治体の方々が感じておられるような困難を解消の方向に持っていけるという実感が今は得られています。

 1月26日の連絡協議会ですが、そのようなことも再確認させていただいて、それぞれの拠点病院の担当者の方々も重要性を非常によく認識していただいていまして、実際に拠点病院の担当の者に聞いてみても、自治体の担当の方の姿が見えない、顔を知らないという状況も実際あるみたいです。そのようなことを取っ払っていくということが、各ブロックの中で進めていくという一つの始まりになりますし、最終的には地域ごとの格差というものも少なくしていく方向にできるのではないかという実感があります。その拠点連絡協議会の中のパネルディスカッションでもそのような意見が得られましたので、次年度以降も変わらずそれを続けていきたいと思いますし、今、西村委員から御指摘があったように、全て一気にというわけにはなかなかいかないのですけれども、一つ一つ難しさを解消していける手続のこととか、そういったところを我々も力を加えていけたらなと考えているところです。

林会長 もう一人御質問、どうぞ。

清本委員 B肝原告の清本です。

 国のほうでせっかくこういった指標をつくって、とてもいいものだと思うのですが、それを地方自治体におろしたときに反映されない。我々患者からも国のほうにこういった指標があるから、ぜひともやってほしいという場をもたないと、県民、道民からの声というものが役所のほうに反映されないのです。47ページに絶対項目の真ん中のところで協議会の開催というのも入っているのですが、地方によってはとても閉鎖的な協議会であったり、公開されていなかったりと、なかなか患者が絡めない部分があるので、ここの中に盛り込めるなら盛り込んでいただきたいのですけれども、それこそブロック会議の場とかでも患者とのかかわり、声を聞けるような協議会になるよう進めていただければと。お願いでした。

 以上です。

林会長 よろしいですか。

岡田委員 B肝原告団の岡田です。

 指標の重みについて意見なのですけれども、資料の45ページ、肝炎制度について、制度の3と4ですが、こちらは今、参考になっています。この指標を作成されたのが1月ということでしたが、その後大分状況が変わってきておりまして、患者団体としても、せっかく制度があるのに、患者さんがその制度の利用になかなかつながっていないということを、これは何とかしなければいけないということで、各病院の医師の皆様に私どもがつくったリーフレットなどの手渡し、お願いという活動を最近強めているところです。

 その後、2月7日に厚労省から通知として日本肝臓学会と各都道府県に対して、「肝炎対策に関する周知・広報への御協力依頼」という通知が出されていると思うのです。なので、38ページの参考指標とする基準ですけれども、ここに根拠となる数値がないものとあるのですが、今回厚労省から通知を出していただいたことで、これは非常に重要なことですし、ぜひ患者さんを助成利用につなげていただきたいということで、もう少し重みを上げてほしいという意見です。ぜひよろしくお願いいたします。

林会長 これはお聞きしておいて、御検討いただきたいと思います。

考藤参考人 はい。承ります。

林会長 もう一人、どうぞ。

伊藤委員 42ページの肝炎医療指標案の肝炎-5です。電子カルテによる陽性者アラートシステムについてです。標準になった重みについてのお考えを伺いたい。

 以前、手術前検査のことで御質問させていただいたときがあるのですけれども、今回診療報酬の改定ということで、患者に結果が伝わらないことがないように改善されるということを希望しますが、1年半前のときには全国の拠点病院でスタートしているので、研究班の報告がまだ出ていないというお話でした。アラートシステムが拠点病院でどの程度広がっているのか、また、アラートシステムが導入できていない病院はどのような状況になっているのかということがわかりましたら、お教えいただきたいと思います。

林会長 今、わかりませんよね。

考藤参考人 数はちょっと把握できていないです。

林会長 これはこれでお返事させていただきます。

 では、時間に限りがございますので、先に進めさせていただきます。時間が余りましたら、最後にお聞きさせていただきたいと思います。

 それでは、3番目の議題「その他」でございますが、3点ございます。まず、医薬・生活衛生局からの御報告をよろしくお願いいたします。

医薬・生活衛生局 医薬・生活衛生局の医薬品副作用被害対策室長でございます。

 資料の53ページ、私からはC型肝炎特別措置法の改正と広報について、簡単に御報告いたします。53ページの下をごらんください。御存じかもしれませんが、C型肝炎特別措置法、いわゆる薬害肝炎の感染被害者の製剤投与の時期を問わない早期・一律救済、こちらの要請に応えるべく平成20年に議員立法により施行したものでございます。

 特定の血液製剤、多くはフィブリノゲン製剤、それから第9因子製剤の一部でございます。こちらの投与を受けたことによりましてC型肝炎ウイルスに感染された方または相続人に対して、症状に応じて給付金を支給するものでございます。

 内容としては、肝がん、肝硬変、死亡の場合には4,000万円、慢性の場合は2,000万円、無症候のキャリアについては1,200万円でございます。

 この給付金を受けるためには給付対象者であるということ。具体的にはこの製剤の投与を受けて感染したということについて、裁判の手続の中で確認ということになっております。具体的には、下の図にもありますが、国を相手取って訴訟を起こしていただきまして、その裁判手続の中で投与された方であるということについて確認した上で、基本的には国と和解をしていただきまして、その結果をもってPMDA、医薬品医療機器総合機構から給付金を受けるということでございます。

 この裁判所に対して、期限つきの特別立法でございますので、訴えの提起につきまして、平成30年1月15日ということで現行法はなっていたのですが、昨年の特別国会におきまして法改正がございまして、下の囲みのところにございますように、平成35年1月15日まで5年間延長されたということでございます。

 法律上1月15日となっていますが、これは日曜日でございますので、次の日の1月16日までにこの訴えの提起を行うということになってございます。結果、5年間延長されたということでございます。

 次のページにお進みください。現状を御報告いたします。上の段の左側は、C型肝炎特別措置法に基づいて裁判を提起された方の推移でございます。折れ線グラフが累計で、棒グラフが各年の数字でございます。法律が施行された20年ごろはかなり多かったのですが、この数年間は100件弱。ことしは恐らく法律の期限が切れる可能性があるということで、提訴がふえたと思っておりますが、若干伸びておりますが、基本的には100件前後で推移しているところでございます。

 右側が提訴された方のうち既に和解等をされた方でございます。累計で2,310人となってございます。

 以上が法律の状況でございます。

 法律の改正によって提訴の期限が延長されたことにつきまして、我々としては広報に努めているところでございます。54ページの下は、厚生労働省のホームページに載っています広報の材料というか、具体的には地方自治体、都道府県または市町村の広報紙にそのままコピーペーストの形で載せていただくことを想定しております。ホームページに載っているということについて、都道府県の担当者会議等の場におきまして我々から周知いたしまして、既に複数の自治体において同じような広報をしていただいているという状況でございます。

54ページの下、文字が細かくて恐縮ですが、厚生労働省とPMDAにおける電話相談窓口についても引き続き開設しております。

55ページに進んでいただきまして、こちらも同じようなものでございます。右側の囲み記事は、このままではございませんが、同じようなものが政府公報の形で新聞各紙に先月掲載されております。このような形でこの法律の延長があったことと、中身については、まず製剤の投与を受けた可能性のある方については、肝炎検査の受検を呼びかけておりまして、その結果、感染したということが判明した後に裁判を起こしていただくということについて広報しているところです。引き続きいろいろな機会を捉えて周知に努めていきたいと考えております。

 以上でございます。

林会長 ありがとうございました。

 この件につきまして、どうぞ。

伊藤委員 薬害肝炎原告団として申し上げます。54ページの和解者数をごらんください。最近の被害者判明数が伸びない理由として、カルテ調査が進んでいないということです。企業側の推定人数では、少なくとも1万人以上の被害者がいるということが言われております。現在、和解した方は2,300人です。大病院ではカルテが多過ぎて調査が全く進んでおりません。薬害被害者ということだけではなくて、肝炎患者、肝炎にかかっているということを知らない方が多数いらっしゃいます。私たちはこれを何とかしたい、救ってほしいと思っております。5年延長されましたけれども、このままのペースでは全く見込みがないというか、被害者は救えません。厚労省全体の重要事項として早急に取り組んでいただきたいというのが切にお願いしたいことでございます。よろしくお願いいたします。

林会長 それ以外にいかがでしょうか。よろしゅうございますか。

 それでは、またございましたらその都度お聞きいただければと思います。

 それでは、次に障害保健福祉部から御報告、よろしくお願いします。

障害保健福祉部 障害保健福祉部企画課でございます。

 資料5をごらんください。肝臓機能障害に係る障害認定状況に関する調査結果について、御報告をさせていただきます。

 調査の目的ですが、平成28年4月より基準の改正をいたしましたが、その障害認定状況について把握することを目的としております。調査期間は、平成28年度の1年間についての調査ということで行っております。

 3番が結果概要でございます。(1)として交付の状況ですけれども、平成28年度の交付件数は2,806件、そのうち新規交付は2,608件、再認定による交付は198件となっておりました。却下件数は107件となっておりました。新規交付の状況ですけれども、2,608件のうち1級が1,026件、2級は844件、3級は415件、4級は323件となっております。なお、下に参考として福祉行政報告例のほうの数字を載せております。26年度の新規交付は1,062件、27年度の新規交付の件数は1,036件となっておりました。

 おめくりいただきまして、2が再認定の交付の状況でございます。表をごらんいただきますと、左側に既に所持していた手帳の等級。表頭のほうが再認定後の等級となっております。身体障害者手帳3級の所持者41名ございましたが、そのうち再認定により1級に変更した者が25件、2級に変更した者が8件となっております。また、身体障害者4級の所持者29件のうち、再認定で1級に変更した者が9件、2級に変更した者が12件という状況になっております。

 3は、Child-Pugh分類別の認定状況でございます。数字は表に入っておりますが、身体障害者手帳交付件数2,806件のうち、平成28年度の肝臓機能障害の障害認定基準の見直しで広げましたChild-Pugh分類Bに該当するものは1,258件となっておりまして、全体の44.8%を占めております。

 最後のページは却下になった理由を書いておりますが、読み上げは割愛させていただきます。

 以上でございます。

林会長 ありがとうございました。

 この件について御質問、御意見ございましたら、どうぞ。よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございました。

 それでは、その他の3件目、健康局から御報告をよろしくお願いします。

小野肝炎対策推進室長 それでは、分厚い冊子のほうの56ページ、資料4をお願いいたします。平成30年度の診療報酬改定の中で肝炎にかかわる部分について御報告をいたします。

56ページの下、先ほど定期検査の助成のところでも触れましたが、膠質反応の検査、ZTTの検査につきましては、平成28年度の診療報酬改定のときに既に別の医療技術に置きかわっていて、臨床上実施されていない技術等という整理をされて、平成30年3月31日までの間に限って算定できるという整理がされておりました。これに従いまして来年度以降は診療報酬の対象から外れるということになっておりますので、定期検査の助成対象からも除外をするということにしております。

57ページ、手術前検査についてです。手術前に肝炎ウイルス検査を行った場合に、その結果が患者さんにきちんと説明されていない場合があるということがこれまでの研究などで明らかになってきております。それを受けまして、これまで通知を発出したり、あるいは基本指針の中にも位置づけたりして、説明がきちんと行われるように協力を求めてきたところでございます。

57ページの下の図になりますが、このたびの診療報酬改定におきまして手術前医学管理料の算定に当たって、この図の真ん中の四角で囲った部分でありますが、本管理料に包括されている肝炎ウイルス関連検査を行った場合には、当該検査の結果が陰性であった場合も含め、当該検査の結果について患者に適切な説明を行い、文書により提供することという留意事項が新たに追加されておりますので、診療報酬上も手術前の検査で肝炎ウイルス検査を行った場合は、その結果を患者にきちんと説明をするということが位置づけられたところでございます。

 以上でございます。

林会長 この件につきまして御質問等ございましたら、どうぞ。よろしゅうございますでしょうか。

 それでは、これ以外に何か御意見等がございましたら。どうぞ。

川田委員 日肝協の川田です。

 冒頭の最初の議題のところで聞きそびれたので恐縮なのですが、質問があります。まず、患者団体は、肝硬変を対象に含めていただいたことに対して大変喜んでおります。12月になったというのは少し残念ですが、とにかく肝硬変、肝がんというものが対象になったということは一番大きな成果というか、結果に感謝しております。

12月にスムーズに立ち上がってほしいというのがございます。あるところでは重症化予防事業を実施していないというところもあるようでございます。現在費用の案分を半分ずつという形で、昨年より変わりましたが、12月までにどんな状況でしょうか。各自治体がスムーズに立ち上がれる状況にあるのかどうかお伺いしたいということであります。

 重ねてお願いしたいのは、現在でもかなりハードルが厳しいと認識しておりますが、実効性が早く出てくるように実績報告を頻繁にお願いしたいというのがあります。患者団体の認識としましては、非常にありがたいけれども、毎年肝硬変、肝がんで3万人亡くなっているという中で、先回お聞きしたところでは、大体1万人ぐらいが対象になるかなというぐあいでしたので、まだまだ課題があるなという認識でおります。

 質問のほうをよろしくお願いします。

林会長 どうぞ。

小野肝炎対策推進室長 都道府県につきましては、これまでにも年明け以降、担当部長さんとか担当課長さん向けの説明会があったり、今後も説明会を開催することにしております。また、きょうお示ししているような実施要綱なども早目に都道府県にお示しして、御質問や御意見を受けたりというようなコミュニケーションをとりながら、現在準備を進めているところでございます。実績報告につきましても、事業実施後できるだけ早目にできるように準備をしたいと思っております。

林会長 1件、参考資料4に御意見があると事前にお聞きしていたのですが、よろしいのでしょうか。よろしくお願いします。

米澤委員 参考資料4、80ページから数ページありますが、アンケートにつきまして、これを掲載するいきさつ等を簡単に御説明したいと思います。

 肝炎対策につきましては、各都道府県でそのばらつきがこれまでも指摘されておりましたが、考藤先生の指標班が立ち上がりまして、では、実際はどうなのかということで、各都道府県の患者委員にアンケートをとりました結果になります。参考までに提出させていただいたということです。

 以上です。

林会長 ありがとうございました。

 いろんな御意見がございますので、非常に参考になると我々も思っておりますので、患者さんからの貴重な御意見でございますので、ごらんいただければと思います。

 どうぞ。

岡田委員 今のアンケート結果についてですけれども、厚労省の方にお願いがあるのですが、80ページの議事録の公開について、公開していないところがまだかなり多くあるのですが、公開しない理由はないと思うので、厚労省からできましたら各都道府県に対して指導していただけたらと思いますが。

林会長 どうぞ。

小野肝炎対策推進室長 なかなか指導までは正直難しいです。ここは最終的には都道府県の対応できる範囲でということになると思いますけれども、各都道府県が公表しているかどうかといったことを調査して公表させていただくことはできるかと思っております。

林会長 最後5分ほどございますので、これ以外でも御意見。西村委員、どうぞ。

西村委員 考藤先生の研究班のことですけれども、拠点病院の相談員さんの雇用形態、前回の協議会でも意見を申し上げたのですが、雇用形態によって働き方が違うと思いますので、ぜひ評価指標の中に入れていただきたいと思います。御要望だけ。

考藤参考人 はい。

林会長 どうぞ。

米澤委員 先ほど時間がなかったので、ちょっと戻って申しわけないのですけれども、考藤先生の指標班について、47ページの自治体事業指標案の上から2つ目、重みが「参考」となっている件です。「都道府県別、妊婦健診の肝炎ウイルス陽性者フォローアップ実施市町村の割合」というところですが、なぜこれが「参考」になっているのかという疑問と、私たちとしてはもう少し重みを置いてほしい。せめて「標準」にできないかという要望です。

林会長 考藤先生、これは答えられますか。

考藤参考人 はい。現状だけ。ここに関しましては、さまざまな意見が出まして、評価会議、外部の方々、当然自治体の担当者の方々も入っていただいているのですけれども、いろいろ意見がありました。項目として書き出すのはこのように2行とか3行で簡単なのですが、実際にその人数とかをとるすべが自治体によってはなかなか難しいという実情を聞いておりますので、最初から重みを非常に高くするのは少し難しいのではないかという意見が、特に自治体の外部委員の方々からありました。その辺を踏まえまして、今、米澤委員がおっしゃっていただいたとおり、このデータはすごく大事なデータだという認識はもちろんありますので、今後こういう形で少し指標に入れていくことで実際に大事なのだというメッセージになると思うので、そこは次年度以降の検討課題とさせていただきたいと思います。

米澤委員 よろしくお願いします。

林会長 ほかはよろしゅうございますしょうか。

 それでは、これで議事を終了させていただきたいと思います。

 最後に事務局から何か御連絡ございますでしょうか。

小野肝炎対策推進室長 本日は活発な御議論をありがとうございました。

 本日の議事録につきましては、原案ができた段階で各委員に送らせていただきますので、内容の御確認をお願いいたします。その後ホームページで公表させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

林会長 どうもありがとうございました。

 それでは、あと3分しか時間がございませんが、本日の会議をこれで終わらせていただきます。

 どうも活発な御議論、ありがとうございました。

 


(了)
<<<本件に関する問い合わせ先>>>

健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室
関口、鎌田:代表番号:03-5253-1111(内線2948)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 肝炎対策推進協議会(肝炎対策推進協議会)> 第21回肝炎対策推進協議会 議事録(2017年11月6日)

ページの先頭へ戻る