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2019年3月26日 第86回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会議事録について

○日時

平成31年3月26日(火) 15:00 ~ 17:00

 

○場所

TKP赤坂カンファレンスセンター
ホール14B会議室

○議事

〇  鎌田部会長
 それでは定刻になりましたので、ただいまから第86回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会を開催いたします。
 本日の委員の出欠状況ですが、公益代表の勇上委員、労働者代表の小倉委員、使用者代表の遠藤委員、川上委員がご欠席との連絡を受けております。
 
 それでは議事に入ります。まず、議題(1)労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案についてであります。本件については、省令案要綱について、3月26日付けで厚生労働大臣から労働政策審議会会長あてに諮問を受けております。併せて、議題(2)「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」を受けた在留管理基盤の強化に向けた対応についてにつきましても、議題(1)と関連する話ですので、併せて説明をお願いいたします。この他、事務局よりこれまでの部会でいただいたご指摘に関する資料が提出されていますので、まとめてご説明をお願いいたします。
 
 それでは、お願いいたします。
 
〇  古舘外国人雇用対策課長
 外国人雇用対策課でございます。どうぞよろしくお願いいたします。外国人の関係で、本日資料1-1、1-2、それから資料2、参考資料1をご用意させていただいております。まず、議題(1)の関係につきまして、ご説明をさせていただきます。資料1-1をお開き下さい。労働施策総合推進法の施行規則の一部を改正する省令案要綱ということで、諮問文と省令案要綱を付けさせていただいております。内容につきましては、大変恐縮ですが次の1-2でご説明させていただければと思います。
 資料の1-2をお開きいただきますようお願いします。1ページ目の上段、「課題」のところにございますが、今般、在留資格「特定技能」の創設によりまして、14の特定産業分野におきまして、外国人労働者の受入れが行われることになります。現在、事業主の皆様方から、新たに外国人を雇い入れた場合、または、その外国人の方が離職された場合には、外国人の方の氏名、在留資格等の項目につきまして、厚生労働省に届け出ていただいております。その際、事業主の皆様方には外国人が所持している在留カード等をご確認いただくこととなっております。この特定産業分野につきましては、入管法令上、届出項目の1つとなっております「在留資格」とは異なるものとして、届出の際にご確認いただく在留カードには記載はされないということとなってございます。この特定産業分野につきましては、法務省が発行し、通常パスポートに添付されております「指定書」というものに記載されるということになってございます。ハローワークにおきましては、この雇用状況届で得た情報を基に事業所訪問等を行っておりますが、その際、より適切に雇用管理改善に向けた助言指導に取り組めるよう、こうした特定産業分野につきましても把握をさせていただきたいと考えております。そのため資料の下段の「対応」にございますが、労働施策総合推進法の施行規則を改正いたしまして、1つは「法務大臣が指定する特定産業分野」を届出事項に追加をするということと併せまして、届出事項の確認方法として、特定産業分野を確認するために必要な「指定書」を追加させていただきたいと考えております。併せまして、資料の一番下、枠外での記載で恐縮でございますが、要綱にあります「所要の規定の整備」の中身になります。現在、在留資格「特定活動」というものがございます。内容といたしましては、ワーキングホリデーですとか、東京オリンピック・パラリンピック対応の建設分野・造船分野の受入れを行っている、そういった活動類型を含む在留資格になってございますが、こちらにつきまして、現在、この在留資格「特定活動」に併せまして、活動類型についても、運用上、届出をお願いしている状況でございます。こちらにつきましても、こうした活動類型を記載いただくということが明確になるように、今般、施行規則を改正させていただきまして、この活動類型、ワーキングホリデーですとか建設分野・造船分野といった類型も、届出事項に追加させていただくと共に、確認をする書類といたしまして、これも同じく「指定書」を追加させていただきたいと考えているところでございます。
 資料の2ページ目は、具体的な記載や確認方法のイメージを載せさせていただいております。右側の届出様式が上下二段になってございますが、雇用保険の被保険者になる場合とならない場合とで様式が二通りございます。いずれも太枠で囲っておりますところ、「在留資格」の部分に、例えば特定技能1号(介護)といった形で、特定産業分野についても記載をいただければと考えているものでございます。また、この特定産業分野の記載にあたりましては、資料の左下に載せております「指定書」をご確認いただくことで、どの分野かが分かるということになってございます。
 資料の3ページは、ご参考までに現行の外国人雇用状況届出制度の概要を載せさせていただいているものでございます。以上が議題(1)の説明になります。
 続きまして、議題(2)関係の説明をさせていただければと存じます。こちらも雇用状況届出の届出事項に関する案件になります。資料の2をお開きいただけますでしょうか。資料2「在留管理基盤の強化に向けた対応について」という資料を添付させていただいております。まず、資料上段の「背景」からですが、昨年末の関係閣僚会議におきまして、「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」というものが取りまとめられております。その中で、「在留管理基盤の強化」という項目が盛り込まれました。【現状認識・課題】という項目にございますが、今後、外国人材の受入れが拡大し、活動も多岐にわたっていくということが考えられるなかで、外国人の方の在留状況・就労状況をより確実に把握をし、管理を行うということが重要になっていく。そういうような問題意識の中で、具体的施策の一つといたしまして、外国人雇用状況届の届出事項として在留カード番号というものを追加いたしまして、この番号を含めた情報を法務省、厚生労働省が両省で共有をし、法務省のほうで持っている外国人の在留状況に関する情報と突合を行うといったことを通じて、より一層雇用管理、在留管理を適切に行っていこうと、こういった取り組みにつきまして、「平成31年度中に所要の措置を講ずることを目指す」ということが盛り込まれたところでございます。これに関しまして、資料の下段、「対応」に記載させていただいておりますが、労働施策総合推進法の施行規則を改正いたしまして、平成32年3月に外国人雇用状況届の届出事項として在留カード番号を追加させていただきたいと考えております。この在留カードの見本を資料の右下に掲載しておりますけれども、このカードの見本の右上に赤囲いがございます。この赤囲いの番号が、外国人個々人に割りあてられる在留カード番号になりまして、こちらの番号を外国人雇用状況届出に記載をいただければと考えているものでございます。併せまして、この在留カード番号を届出いただいて、蓄積をするというためにはシステムの改修が必要になってまいります。こちらのほうも来年3月には完成する見通しでございますが、現時点では期日までは特定できていない状況でございます。省令改正の諮問につきましては、施行期日を含め、改めてこの部会でお諮りをさせていただきたいというふうに考えておりますが、システムの改修等もございますので、本日ご説明させていただき、よろしければこうした方針で準備を進めさせていただければと考えているものでございます。以上が議題(2)のご説明になります。
 続きまして、参考資料1をお開きください。先般の部会で諮問させていただきました外国人雇用管理指針につきましては、2月末の職業安定分科会におきまして答申をいただきました。3月15日には法務省令の公布も行われまして、現在、法務省令も踏まえて、私ども事務局で指針の公布に向けた作業も進めております。この指針につきましては、一部を除き本年4月1日施行ということで考えております。この指針についてご審議いただく中で、委員の皆様方からご指摘をいただいておりました指針に関する周知の取組につきまして、今回、資料の中でまとめさせていただいております。資料の2の「主な取組」のところにマル1マル2マル3と記載させていただいておりますが、まずマル1広報資料の作成ということで「外国人雇用はルールを守って適正に」というリーフレットを作成いたしております。こちらはハローワークの職員が事業所訪問の際等に活用している基本的な周知の資料になりますが、今般の改正内容を含めまして、指針の内容をできる限りわかりやすく説明できるように、現在見直しの作業を進めているところでございます。それから、部会の中でもご指摘をいただきましたが、この指針の中身が事業主の方はもちろん労働者の方にも伝わるようにということも含めまして、指針の外国語版についても、今後作成をしていきたいと考えております。また、わかりやすいパンフレットに併せまして、指針の各項目につきまして根拠法令ですとか解釈とか、もう少し詳しい内容を盛り込んだような資料も併せて作成していきたいと考えております。
 続きまして、マル2の説明会の開催ということですが、都道府県労働局におきまして、外国人を雇用している事業主の方向けの雇用管理セミナーというものを開催しております。この中で、改正指針についてもしっかり周知を図っていきたいと考えております。また、※印にございますが、毎年6月を「外国人労働者問題啓発月間」と設定をさせていただいております。こうした機会も活用して周知に取り組んでいきたいと考えております。
 最後にマル3の事業所訪問になりますが、ハローワークの職員が外国人雇用状況届の情報を基に、外国人を初めて雇用した事業所さん等を中心に個別訪問を行い、労働関係法令ですとか雇用管理に関する相談があれば応じる、あるいは指針に基づいて必要があれば助言・指導を行っていくというような取り組みを行ってまいります。また、訪問の中で法令違反の蓋然性が高いケースがありましたら、労働基準監督署や地方出入国在留管理局といったところともよく連携を図っていきたいと考えております。
 資料の2ページ目につきましては、こうした改正後の指針や関係法令に照らしまして、ハローワークの職員が雇用管理の改善を求めるようなケースのイメージについて、お示ししたものでございます。一つ一つの説明は省略させていただきますが、周知にあたっては、こうした具体的な事例、イメージも交えながら、できる限りわかりやすく指針の内容が伝わるように取り組んでいきたいと考えているところでございます。それから最後に申し訳ございません。冒頭、資料1の諮問の関係のご説明を忘れたのですが、資料の1の諮問の関係につきましては、施行期日を平成31年4月1日ということで、要綱の中に盛り込ませていただいているところでございます。説明は以上でございます。
 
〇  鎌田部会長
 ありがとうございます。それでは、本件についてご質問、ご意見等がありましたら、ご自由にご発言をお願いしたいと思います。なお、冒頭申し上げました、欠席委員に誤りがありました。労働者代表の紺谷委員、春川委員もご欠席ということですので、ご訂正をお願いいたします。それでは、自由にご発言をお願いいたします。はい、小林委員。
 
〇  小林委員
 参考資料の1について、今後は改正方針に基づいてハローワークの事業所に対して助言・指導を行うと書かれています。一方で、どのような助言・指導があったのかや、的確にそれを把握することが、次期の指針の見直しの際にも有益になると思いますので、是非とも助言・指導の内容や件数等について、定期的に部会に報告いただきたいというお願いです。
 
〇  鎌田部会長
 これについてコメントありますか。
 
 
〇  古舘外国人雇用対策課長
 私共のほうも地方の指導の状況をよく把握をしていきたいというふうに考えております。部会の報告につきましては、またよく考えさせていただければと思います。
 
〇  鎌田部会長
 はい、ということです。他にございますか。はい、村上委員どうぞ。
 
〇  村上委員
 議題(1)と(2)、と資料1については、このような方向でやっていただくことは必要かと思っております。今、小林委員からもありました、参考資料の1では、外国人雇用管理指針を踏まえた取組についてということですので、関連して一点お願いを申し上げたいと思います。先般、外国人労働者の中で、結核の集団感染が広がっているという報道がなされております。保健所としては、それは寮での集団生活が感染拡大の一因と分析しているということでありました。以前、部会でも申し上げたのですが、私共のところにもミャンマーの実習生からの相談がありまして、劣悪な環境の寮に住まわされて、ネズミに足をかじられたというような話であるとか、その他いろんな病気にかかってるというようなこともございます。入管法の規定で入国時に結核等についてスクリーニングを行うということにはなっておりますけれども、入国時だけでのチェックだけでは、感染拡大を防げないのではないかと思います。実際に感染されてる方もいらっしゃるので、対策が十分ではないのではないかと思っております。改正指針では、宿舎についても言及していただきましたけれども、ハローワークにおいても、借り上げ社宅等も含めて外国人労働者の住環境が適正なのかについても、確認などをいただき、適宜、助言・指導等を行っていただきたいと思っております。また、労働行政の問題ではないのかもしれませんが、感染してることが分かった時点ですぐに診療を受けられるような体制の構築についても感染拡大防止の観点から必要かと思いますので、そうしたことも政府内でご努力いただきたいと思っております。以上です。
 
〇  鎌田部会長
 あの、ご意見ですけれども、何かコメントありますか。事務局。特になければ、指針のこの今のご指摘を踏まえて、しっかり対応いただきたいというふうに思います。
 
〇  古舘外国人雇用対策課長
 今回、指針の中でも寄宿舎の衛生環境面も含めて盛り込ませていただいております。感染症そのものへの対応をハローワークの現場でどういったことができるのかということは、よく考えなければなりませんが、感染症については、先程ご指摘いただいたように、水際での対応とか今後スクリーニングを強化していこうということも進められております。引き続き、私共もどういったことができるかということについては考えていきたいと思いますが、まずは指針の周知にしっかり取り組みたいと思います。

〇  鎌田部会長
 よろしいですか。はい、この他ございますか。よろしいですか。それでは、他にご質問・ご意見ないようですので、当部会としては議題(1)について、厚生労働省案を妥当と認めることとし、その旨を私から労働政策審議会職業安定分科会会長にご報告申し上げたいと思いますがよろしいでしょうか。
 
(異議なし)

 はい、ありがとうございます。それでは、報告文案の配布をお願いいたします。
 
(報告文案配布)
 
 はい、お手元に配布された報告文案により、職業安定分科会長あて報告することとしてよろしいでしょうか。
 
(異議なし)
 
 はい、ありがとうございます。そのようにご報告させていただきたいと思います。また、議題(2)についても、特段のご意見はなかったようですので、事務局に説明いただいたとおり、来年3月に届出事項に在留カード番号を追加するということで必要な対応を進めていただき、追って当部会において省令案要綱の諮問を行っていただくようお願いしたいと思います。
 
 はい、ありがとうございました。それでは、次の議題に移らせていただきます。次の議題は、雇用調整助成金等の追加給付についてであります。事務局からご説明をお願いいたします。
 
 
〇 河野雇用開発企画課長
 雇用開発企画課長でございます。資料の3をご覧いただけますでしょうか。本日は雇用調整助成金等の具体的な追加給付の進め方につきましてご報告申し上げます。
 2ページをお開きいただきますでしょうか。まず、事業主向け助成金と就職促進手当に共通する内容につきましてご説明をいたします。助成金等の受給時期が平成23年度以降の分につきましては、基本的に労働局で支給申請書等を保存しておりますので、労働局において追加対象事業主等を特定し、追加給付枠を算定して4月以降順次お知らせを送付することといたしております。
 なお、助成金等についての行政文書の保存期間は5年としておりますけれども、保存期間満了後、公文書管理を所管する内閣府の同意を得て廃棄することとされていますところ、平成23年度及び平成24年度分は、保存期間は満了しておりますが、内閣府の同意が得られていないことから基本的に保存されていたものでございます。一方で下のでございますけれども、助成金等の受給時期が平成22年度以前の分につきましては、労働局で支給申請書等を保存しておりませんので、4月以降一定の要件に該当する場合に追加給付の可能性があることにつきまして、お申し出の呼びかけを行い、お申し出をいただき、関係書類により追加給付の対象となることが確認できた方から順次給付を開始することといたしております。
 追加給付※の2のところにございますように、追加給付業務の進捗状況については、ホームページでお知らせをすることといたしております。以後、助成金ごとにご説明をいたしたいと思います。
 4ページをご覧いただけますでしょうか。まず、雇用調整助成金についてでございますけれども、追加支給額の算定についてでございます。雇用助成金は景気変動等により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が休業、教育訓練、または出向により雇用維持を図った場合に、その費用を助成する制度でございます。(1)の部分でございますけれども、休業または教育訓練の場合の追加支給額の算定についてご説明をいたします。追加支給額は助成額単価の差額に休業等の延べ日数を掛けまして加算率を加えて算定をいたします。この助成額単価の差額は、中ほどの式にございますように、それぞれの企業の助成額単価と見直し前の雇用保険の基本手当日額の最高額の差額となります。各企業の助成額単価の算定には、年間賃金総額でありますとか、被保険者数、所定労働日数等が必要になります。計算例を2つお示ししておりますが、雇用保険の基本手当日額の見直し後の幅は、受給期間によって異なっておりまして、その幅でそれぞれの企業で何人の従業員を何日間休業させたかといったことにより、人日が入りまして計算をしてまいります。
 5ページをご覧いただきますと、毎月勤労統計の再集計値等を踏まえた雇用保険の基本的日額の最高額の見直しについてお示しをいたしております。中ほどグレーの網掛けをしておりますところは、額が変わりませんでしたので追加支給は発生をいたしません。
 6ページをご覧いただけますでしょうか。追加支給の対象となる事業主についてご説明をいたします。掲げております(1)から(3)すべてに該当する場合に対象となります。まず(1)のところでございますが、雇用保険の基本手当日額の最高額の見直しにつきましては、前のページでご説明した通りですので、平成16年8月から平成23年7月末、平成26年8月から平成31年3月17日までの間に休業や教育訓練にかかる判定基礎期間の初日があるもの、または、出向期間の初日があるものでございます。(2)のところは、見直し後の額で支給を開始する前までに支給決定されたものというものでございます。(3)でございますけれども、支給決定金額が雇用保険の基本手当日額の最高額を用いて算出をされており、先程ご説明いたしました企業ごとに算定される助成額単価と見直し前の雇用保険の基本手当日額の最高額の差額が1円以上であるものでございます。なお、※のところにありますとおり、合併等の場合は事業承継により同一の事業主とみなすことができる場合は追加支給の対象となります。また、すでに倒産している場合、事業所承継等により事業が引き継がれていない場合には追加支給の対象となりません。
 次のページでございますが、雇用調整助成金の追加支給の進め方についてご説明をいたします。冒頭にご説明いたしましたとおり、平成23年度以降の受給分につきましては、労働局から追加支給対象の事業主の方にお知らせを送付いたします。2番目の○のところでございます。大変申し訳ないことでございますけれども、既に保存期間が満了しております平成23年度の支給申請書等につきまして、7つの労働局におきまして一部が保存されておらず、追加支給額を正確に算定できないことが確認をされました。7つの労働局が保有しております支払関係の文章や関連データ等探索をいたしまして、それらを最大限活用すると7つの労働局すべてで追加支給の単価が0円から55円の間となる事業主は特定をできるものの、正確な追加支給額が算定できない場合がございます。このような場合には、点線囲いの部分の3番目のポツでございますけれども、想定される追加支給額の単価を下回らないように、関連事項の数値を設定したうえで追加支給額を算定することといたしております。具体的には(a)の場合、休業手当等支払率、助成率が特定できない場合、この場合は6局ございますが、それは、それぞれ想定される最大の率を設定して追加支給額を算定してまいります。(b)の場合、平均賃金額等が特定できない場合、1局がこれに該当いたしますが、雇用保険の基本手当日額の最高額の変動幅、この期間については55円でございますが、これを差額に設定をいたしまして、追加支給額を算定してまいります。なお、この措置を講ずることによる影響額は極めて少ないとみております。
 8ページをご覧ください。平成22年度以前の受給分についてでございますが、文章の保存期間を経過しておりまして追加支給の対象者や支給金額の把握ができませんので、事業主の方にお申し出をいただきまして、左の欄にお示しをしております追加支給に必要な情報について右側にお示しをしております確認できる書類により確認させていただき、追加支給を行うこととしております。その際、労働局が保有しております関連データ等により追加支給に必要な情報を把握できる場合には、その情報を最大限活用してまいることにしております。以上、雇用調整助成金についてのご説明でございました。
 次に労働施策総合推進法に基づきます就職促進手当についてご説明をいたします。10ページをご覧いただけますでしょうか。まず、(1)追加給付額の算定についてでございますが、まずマル1の場合、就職促進手当が全額支給される場合については、就職促進手当日額の差額に給付日数を掛けまして加算率を加えて算定をいたします。11ページにお示しをしておりますように就職促進手当日額の上限額、こちらは変更なしと記載されておりますけれども、省令で5,820円と規定をされておりまして、毎月勤労統計によるスライドはございませんので今回も変更はございません。一方で下限額や賃金日額に応じた給付割合を乗ずる賃金日額の範囲につきましては、毎月勤労統計によるスライドがございますので影響を受けます。
 10ページにお戻りいただきまして(1)マル2にお示ししているように自己の労働により収入がある場合、就職促進手当の減額があった場合の追加給付額の算定もお示しもいたしております。(2)のところで追加給付対象者をお示ししております。平成16年8月以降に就職促進手当を受給していた方であって、次に示しておりますマル1またはマル2に該当する方が追加支給給付の対象者でございます。具体的にはマル1にありますように、就職促進手当が上限額又は級地区分のどちらにも該当しない方、マル2にございますように、自己の労働による収入があり、就職促進手当の減額等があった方が対象になります。
 12ページをご覧いただけますでしょうか。就職促進手当の追加給付の進め方についてご説明をいたします。雇用調整助成金と同様でございますけれども、平成23年度以降の受給者につきましては、追加給付対象の方にお知らせを送付いたします。平成22年度以前の受給者につきましては、文書の保存期間を経過しており、追加給付対象者が分からないため、お心あたりのある受給者ご本人からお申し出をいただき、下の表の左の欄に示している必要な情報につきまして、右側にお示しをしております確認できる書類で確認をさせていただきまして、追加給付を行うことといたしております。同様でございますが、労働局が保有する関連データ等により追加支給に必要な情報が把握できる場合には、最大限活用してまいることとしております。
 13ページ以降は、追加給付が発生するその他の事業主向け助成金でございまして、育児休業取得促進等助成金、中小企業人材確保支援助成金、建設雇用改善助成金につきまして追加支給額の算定、対象となる事業主、お申し出いただく際の必要書類についてお示しをしております。説明は省略させていただきますけれども、ホームページ等で周知を図ってまいりたいと思っております。
 最後のページ、28ページ、参考資料の最後でございますが、追加給付を行う助成金等、ちょっと誤字があり恐縮ですが、助成金等の支給実績につきまして参考でお示しをしております。私からの説明は以上です。
 
〇  鎌田部会長
 はい、ありがとうございます。
 それではこの件につきましてご質問、ご意見がありましたら自由にご発言をしてください。はい、松浦委員。
 
〇  松浦委員
 細かい話で恐縮ですが、3点確認をさせていただければと思います。資料の2ページの追加給付の進め方について、平成23年度以降の方はお知らせの到着を待つことになると思いますが、所在地が変更されている場合なども変更後の所在地に案内が届くという認識で良いのかということが1点目です。平成22年度までに支給された場合と同様に事業主側から申し出が必要なケースがあれば、そのケースを周知する必要があるのではないかと思い質問させていただきました。やはり漏れのない仕組みにしておくことが信頼獲得に重要だと思っている次第です。
 次に6ページの下の※について2点確認をさせていただきます。職業安定分科会の中で、会社合併や事業譲渡があった場合は、事業が引き継がれているのであれば、原則として合併後の会社または譲渡先に追加給付するというご答弁があったと思います。1つ目の※にはそれが書かれていますが、質問の1つは、今回追加給付する時点では当該事業が行われていない場合でも、一旦事業が引き継がれたのであれば、合併や分割事業承継後の会社に対して追加給付が行われるということで良いのかという点です。
 もう1つの質問は、今述べたことを前提とした場合、2つ目の※は1つ目の※と同様に、過去に受給していた事業主が倒産した場合でも、事業承継された現在の事業主に追加給付するということが記載されているとの認識で良いのか確認をさせてください。※があえて分けられていることに加え、記載内容が上の※は「事業承継による同一の事業主とみなすことができる場合は追加支給の対象となる」と記載されているのに対して、下の※は「事業承継等により事業が引き継がれていない場合は追加支給の対象とはならない」と異なる言い回しになっていて、分かりづらいため確認をさせていただきました。以上3点です。
 
〇  鎌田部会長
 それでは、事務局の方でご回答お願いします。
 
〇  河野雇用開発企画課長
 まず1つ目の所在地変更の場合でございますけれども、平成23年度以降分の受給分につきましては、労働局が保有しております過去の申請書類等の中に雇用保険の事業所番号が記載をされております。雇用保険システムに保存されております事業主情報をこの番号で紐づけをいたしまして、最新の所在地にお知らせをしたいと思っております。従いまして、基本的に平成23年度以降に受給された事業主の皆様にはお知らせをお待ちをいただくということで考えておるところでございます。
 次のご質問の6ページの部分でございます。ちょっと分かりにくい記載となっておりまして大変恐縮でございます。まず、合併等の場合でございますけれども、下の※でございますけれども、既に倒産をしている場合は追加支給の対象にならないわけでございますけれども、ある会社はなくなっているけれども、合併でありますとか、会社分割であるとか承継とか、事業承継により同一の事業主とみなすことができる会社が存在する場合は、追加支給の対象となるということを言いたい為の記載でございました。事業承継の考え方でございますけれども、これは単に会社の名称を変えるという場合は当然でございますけれども、新しい事業主が旧の事業主の権利義務を法令上包括承継する場合と言うのは、当然含まれます。次に、合併等の場合ですけれども、新旧両事業の資本金でありますとか、人事、事業の内容等に密接な関係があってこの新旧両事業に実質的な同一性が認められる場合、これにつきましては同一の事業主ということで解釈してまいりたいというふうに思っております。これらの取り扱いに関しましては、現行の助成金においても同様の取り扱いを行っておりまして、今後、ホームページ等で分かり易くお示しをしてまいりたいと思っております。
 
〇  松浦委員
 改めて確認ですが、一つ目の※は、会社合併した当時には支給対象となる事業が承継されたが、数年後にその事業を辞めてしまい、今は当該事業を行っていない場合でも追加支給を受けられるという理解でよいでしょうか。また、二つ目の※については、既に倒産している事業主は追加支給の対象とならないというご説明をいただいたと思いますが、そうするとこの記載されている「事業承継により事業が引き継がれてない場合」とはどのような意図か教えていただければと思います。
 
〇  鎌田部会長
 はい、事務局どうぞ。
 
〇  河野雇用開発企画課長
 ケースごとで事業承継についての判断というのは変わってくると思いますけれども、今申し上げた様に、新旧両事業の同一性が認められているかということでございます。資本金、資金、事業の内容などが実質的に同一性が認められない場合は、同一の事業主とはならないということだと思いますが、個別の事案で判断されるべきところがあると思います。
 2点目の部分でございますけれども、倒産と書いてありますが、Aという会社はなくなっているけれどもBという会社に引き継がれている場合は、1番目の※に入るけれども、そうでない場合は追加支給の対象にならないという書き方をしております。
 
〇  松浦委員
 後ほど明確にしていただければと思いますが、合併や事業承継が認められたタイミングで同一事業主か否かが判断をされるということで良いんですよね。
 
〇  河野雇用開発企画課長
 ご質問の趣旨を良く理解してないかもしれないのですけれども、3年前に同一の事業主とみなせる状態であったが、現在は同一の事業主とみなせる状態でない場合ということをおっしゃっているのであれば、今同一の事業主とは認められないということになると思います。
 
〇  鎌田部会長
 つまり、直近判断時で、同一性判断をするってことですか。
 
〇  河野雇用開発部企画課長
 はい。
 
〇  鎌田部会長
 とういうことになるんですね。ということだそうです。直近の時点で。
 
〇  松浦委員
 ご説明は理解しましたが、若干の違和感があります。当時支給をされているべきものが、遅れて今追加で支給されるわけですから、追加支給を受ける今のタイミングで、対象事業を行っていなければ払わない、すなわち、このタイミングで支給要件を満たしているか否かを改めて判断するという部分には違和感が残ることはお伝えしておきたいと思います。
 
〇  鎌田部会長
 理屈の部分ですね。
 
〇  松浦委員
 はい。
 
〇 河野雇用開発企画課長
 申し訳ございません。もう一度整理をいたしましてお示しをすることにしたいと思います。
 
〇  鎌田部会長
 私が何か言うとさらに混乱をするようで申し訳ないんですけども、つまりその支給対象である資格を判断する判断時がいつなのかということ、これについては一応の説明があって、ただ、理屈的にどうなのかっていうのは、それはご検討ということでしょうか。
 それから、倒産に関しては倒産した事業主には払わないっていうのは、はっきりしてるんですけども、問題はその事業承継をした場合にどうなのか。現時点、直近の判断時において事業承継されたものがもちろんまだ生きてなければ支払われないわけですよね。そうすると、その事業承継したものが以前のものと同一であるかどうかという判断をして、支払うということになるんですね。だから同一性判断とそれから判断すべき時点と2つ分かれてて、そのことをうまく分けて説明して下さい。一応ご説明は説明としてそうかなと。理屈の部分は、ちょっと私もよく分からないですが、後でもしわかれば教えていただきたいと思います。これに関連してでも結構ですが何か疑義があればご質問頂ければと思います。はい、審議官どうぞ。
 
〇  田畑大臣官房審議官
 若干の補足ですけれども、今回新たにこの規定を設けたわけでなくて、今の現行の助成金の支給の中で事業承継の規定をある意味同じ考え方で運用するという形になっています。今、部会長がおっしゃっていただいたように判断の時点が、今の現行の制度とそんなに開かないような時点で判断しているケースが多いのだと思いますけども、今回、場合によってはかなり前のものを承継するかどうかを判断する。ただ、基本的には同一法人かどうかというところは1つの当てはめになると思いますので、今企画課長からもお話がありましたけども、現行の取り扱いをどうしているかということをもう一度整理をして、今回の当てはめがどうなるかということを整理したうえで、今の制度と同様の考え方で適応するのを基本にしながら、混乱のないように対応をして参りたいと思っております。
 
〇  鎌田部会長
 理屈はともかく説明はすっきりして、具体的に個別に出来るかどうかというのは、またこれからですね。同一性判断っていうのはそれなりに難しいものがあると思いますけれども。
 よろしいですか、その点について。他にございますか。玄田委員どうぞ。
 
〇  玄田委員
 ご説明ありがとうございました。雇調金(雇用調整助成金)というものの性格の問題だと思うんですけども、どういうものであるべきかこと、緊急性と言いますか、やむ得ない事態に対して、本当に迅速に必要な策を講じるっていうことに関して言えば、今どういう理由をつけるにしても、必要な時期に必要なものを設定できなかったということは大いに反省をすべき点であって、これはどういう政策をするにしても、非常に猛省しなければならないという点だと思っております。
 もう1点気になるのは、そういう緊急性と同時に非常に厳しい状況にある複数の事業者間において同一性をもった場合に、平等性っていうものが実は補助金っていうのが非常に重要性をもっているんじゃないかと。同じ業種、同じような地域と同じような規模にあった時には、そういう状況にあるときに特定の助成だけが有利に働いてそうじゃないと有利に働かないってことがないようにってことが恐らく補助金の文言にあるかどうかは分かりませんけれども、少なくとも補助金の精神としてあるんじゃないかっていう印象をもっております。そうした時に、何を申し上げたいかっていいますと、7ページの今回6事業所について必要なものが申請書の情報がなかったっていうことについて、こういう取扱いをするっていうことは、いたしかたないと言いますか、どうしようもないって言いますか、当然これがベストなんだろうとは思っております。ただ一方で若干思うのは、そうなった場合、結局6労働局以外の事業所で実際似たような状況があったところがあったときに、ある意味では、この6労働局の管轄だったところが、大変有利な取り扱いをなされるというふうなことを考えるということがないだろうかと。そうした場合には非常にひとつの極論ではありますが、こういうことが6労働局であってしまっているが為に、だとすれば一律な対応を平等にするとするならば、こういう取扱いを6労働局に限らず全体でするということも一つの方策としては考えられると思うのですが。やはりそういうことは考えにくいっていうことであれば、なぜこのような策がベストであるというふうに考えられたかっていうのは、一応やはりこの会においては確認した方が良いと思いますので、もし補足があれば次お願いできればと思います。
 
〇  河野雇用開発企画課長
 今回7つの労働局におきまして、今般の行政文書の取扱いの為に追加支給額が正確に算定できなくなったということにつきましては、誠に遺憾なことであると思っております。事業主の方の保護の観点から、この7局においては想定される追加支給額の単価を下回らないようにデータを設定して、追加支給額の算定をするわけでございますけれども、正確な追加支給額の算定ということを基本的な原則としてやってまいりたいと思っております。7局以外の局におきましては、その正確な追加支給額の算定というのができる状態にございますので、この原則に則って追加支給を実施してまいりたいと考えたものでございます。
 
〇  玄田委員
 正確性と言うのを最重要としてこの算定したっていうのは理解いたしました。
 
〇  鎌田部会長
 他にございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、特に他にご質問ご意見がないようでしたら、雇用調整助成金等の追加給付については本日出されたご意見を踏まえ、しっかり進めていただくようお願いしたいと思います。
 なお、今話題になりました、7労働局の取り扱いに関連いたしまして、部会長である私から一言発言をしたいと思います。
 今回一部の労働局において雇用調整助成金の支給決定文書が適切に保存されておらず、対象事業者の特定に必要な情報が残っていたことは幸いでしたけれども、追加給付額の正確な算定が出来なくなったことについては遺憾に思います。厚生労働省においては、金銭給付に係わる文章を多量に管理している重みを再認識し、文書管理を今一度徹底するとともに文章が保存されていなかった事業主の方が不利益を被らないよう適切な対応をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。はい、どうぞ。
 
〇 土屋職業安定局長
 今、部会長から厳しいお言葉をいただいたというふうに思っております。この7労働局においてこういう取扱いをすることになったということについては、私どもとしても書類の保存という点で誠に遺憾であるというふうに思っておりまして、その上で先ほど企画課長からご説明したような考え方でしっかり取り組ませていただきたいと思っております。今の部会長の言葉も重く受け止めさせていただきたいと思っております。併せて玄田委員からお話しがございましたように、もともとこの雇用調整助成金の支給、そもそもにあたって毎月勤労統計のデータ問題から本来の給付という意味では的確な給付がその時点でできていなかったということについても、ここもしっかりと受け止めさせていただきたいというふうに思っております。いずれに対しましても、私どもの行政として今回こういった追加支給ということになったことについて改めてお詫びを申し上げ、今いただいたご指摘を踏まえて今後の取り組みをきちんとやってまいりたいと思います。また引き続きのご指導をよろしくお願いします。
 
〇  鎌田部会長
 はい、それでは予定されている議題は以上で終了いたしましたので、本日の部会はこれで終了いたします。
 本日の会議に関する議事録については、労働政策審議会運営規定第6条により、部会長の他2名の委員に署名をいただくこととなっております。つきましては、労働者代表の村上委員、消費者代表の渡辺委員にお願いしたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
 

(了)

 

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