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2018年5月31日 第9回 医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会

○日時

平成30年5月31日(木)

 

○場所

厚生労働省共用第8会議室

○議題

○長房企画官 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第9回「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」を開催させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ本検討会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
本日、三浦構成員からは御欠席の連絡をいただいております。また、事務局の審議官の椎葉が1時間程度で退室する予定でございます。
なお、構成員の人事異動に伴う交代がございましたので、あわせて御紹介させていただきます。栃木県保健福祉部医療政策課長、吉澤敏弘構成員です。
今回は参考人として、聖路加国際病院院長、福井次矢様。
東京都福祉保健局医療政策部地域医療担当課長、久村信昌様。
滋賀県健康医療福祉部医療政策課、鎌田広明様。
以上、3名の方にお越しいただいております。
続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。配付資料ということで、資料1-1、1-2、2-1、2-2、3-1、3-2、3-3、その他参考資料として、参考資料1から参考資料5-2までをおつけしております。もし欠落がございましたら、事務局にお申しつけください。
冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。
(カメラ撮り終了)
○長房企画官 それでは、以降の進行を座長にお願いしたいと考えております。
座長、よろしくお願いいたします。
○桐野座長 それでは、議事1、ネットパトロール事業についてに移りたいと思います。事務局から資料の説明をお願いいたします。
○長房企画官 それでは、議題1「医療に関する広告規制等について」ということで御説明させていただきます。
まず、議事次第の参考資料1に、「医療若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)等について」というものをおつけしておりますが、この5月8日に、省令、告示、ガイドラインが公表されましたので、その旨、御報告をさせていただきます。施行は6月1日となっております。
続きまして、資料1-1、1-2に沿って、ネットパトロールの実績等について説明させていただきます。
まず、資料1-1の1ページ目をおめくりください。医療等に係るウエブサイト監視体制強化のための事業ということで、平成30年度は5,000万円で実施しております。
スキームの概要でございますが、ポンチ絵の真ん中にございます受託事業者のほうで、まずウエブサイトの監視を行います。監視を行った結果、問題のある表示が見られた場合、右側の矢印になりますが、医療機関のほうに通知を行います。通知を受けた医療機関がウエブサイトを修正すれば、それで終了ということになるのですが、医療機関側が修正を行わない場合、左側の矢印になりますが、自治体に情報提供をしまして、自治体のほうから指導等をお願いするという仕組みでやってきております。
以上がスキームの全体像でございまして、2ページ目が、これはあくまで参考でございますが、ネットパトロール相談室ということでウエブ通報のフォームを設けております。これをツイッターで周知するなどして、国民からの通報を促しているということでございます。
3ページ目は、具体的なパトロールの事務フローになります。
マル1「事業者による書面審査」ということで、まず受託事業者のほうでウエブサイトのチェックを行います。その下のところに【対象】とございますが、入り口は2つございます。一般からの通報があったウエブサイト、キーワード検索の結果に出てくるウエブサイト、これらについて審査を行うということでございます。
次に、審査の結果、ガイドライン抵触の疑いのある事案につきましては、マル2になりますが、評価委員会に審議をかけることにしております。評価委員会というのは、下に※印でつけておりますが、医師や弁護士などの専門家で構成される会議体でございます。
評価委員会における評価の結果、これは違反だと判断した事案につきましては、マル3になりますが、医療機関に通知を行うことになります。医療機関に通知をした後、1カ月後に改善状況を確認しまして、改善が認められない場合は自治体に情報提供するという流れでやっております。
4ページ目以降が実績になります。上の表は審査の結果でございます。審査件数ということで総数603件、うち一般からの通報によるものが494件、キーワード検索によるものが109件となっております。
不適切な表示が見られたウエブサイト数でございますが、総数160件、うち一般からの通報74件、キーワード検索86件となっております。
マル3が医療機関数。通知を行う場合、系列の医療機関にも通知をしておりますので、ウエブサイト数に比べて数が増えることになります。総数517件、うち一般からの通報が178件、キーワード検索が339件となっております。
下の表が、通知した後どうなったかといったものをフォローアップしたものです。各医療機関の対応状況ということで、トータル517の医療機関に通知をしたわけですが、うち改善が確認されたものが97機関、修正中ないし修正依頼中のものが86機関、リスティング広告取り止め162件。リスティング広告を取り止めますと広告に該当しなくなりまして、広告ガイドラインが適用されなくなるという状況になります。次に未対応が7機関でございます。なお、今後、通知後の対応を確認すべきものが165機関残っております。
5ページ目は、一般からの受付情報になります。総数が1,612件ございまして、このうち医療広告関係の情報が864件、医療広告以外の情報が748件ございました。
これをどう処理したかというものが下の表になります。医療広告関係は864件あったわけですが、このうち同一機関に関する情報の重複を排除したものが569件になります。この569件のうち494件を審査しまして、うち146件について違反の疑いがあると判断したわけですが、最終的に違反ありの判断に至ったものは74件であったということでございます。
ネットパトロールの実績に関する報告は以上になります。
続きまして、資料1-2でございます。「医療広告ガイドラインにおける対応の整理」ということで、ネットパトロールで発見された事例などを中心に整理をしております。
1ページ目をおめくりいただきまして、新ガイドラインに基づく禁止事項を並べておりますが、これらの禁止事項に沿って事例を並べる構成になっております。
2ページ目、「広告が可能とされていない事項の広告について」ということで、まず見方ですが、青帯部分が具体的な事例になります。その下の表ですが、左側の医療広告ガイドラインというものがこの度公布した新ガイドラインに基づく扱いの整理となっております。
まず、事例1-1、がん免疫療法専門クリニック等の専門外来でございます。これにつきましては、新ガイドラインにおきまして、既存の広告であります看板やチラシなどにつきましては引き続き広告はできません。他方、ウエブサイトにつきましては、限定解除の要件を満たせば掲載ができることになります。
事例1-2が、ガイドラインに例示のない審美歯科等の診療科目の扱いについてです。先ほどと同様、医療機関の看板やチラシ等、既存の広告につきましては引き続き広告はできませんが、ウエブサイトにつきましては限定解除の要件を満たすことで掲載ができることになります。
3ページ目、事例1-3ですが、がん専門医等の、告示で定める基準を満たすものとして厚生労働大臣に届け出がなされた団体の認定する資格名ではない資格名・指導医・認定医の扱いについてでございます。新ガイドライン上、既存の広告につきましては引き続き広告ができませんが、ウエブサイトにつきましては限定解除の要件を満たすことで広告はできるのですが、活動実態のない団体による認定資格などを広告する場合には、誇大広告に該当するということで掲載はできません。
事例1-4、治癒率等の数値の扱いについてでございます。既存の広告については引き続き広告はできませんが、ウエブサイトにおきましては限定解除の要件を満たすことで広告はできるのですが、合理的な根拠を示し、客観的に実証できる必要があるという扱いにしております。
4ページ目は虚偽広告の扱いになります。総じて、事例2-1から2-5にございますように、パーフェクトを保証するような広告が目立ったことと、事例2-6にございますように、これは絶対無理だろうといった表示も目立ったというのが去年の実績でございます。新ガイドラインでも引き続き禁止されることになります。
5ページ目、比較優良広告についてでございます。これ以降、主に事例を中心に御説明させていただきます。
大きく2つございまして、最上級の表現ということで、「国内最高峰」「No.1」「口コミ第1位」といった表現が数多く見られたということでございます。その他、他の病院よりも優れている旨の表示ということで、「限られたドクターのみが行える治療」「どこでも受けられる治療ではありません」「○○アワードを受賞した」といったものも見られました。下の帯が、有名人が来ていますという、これもよく見られる広告であったということでございます。
6ページ目は誇大広告の事例でございます。事例4-1が〈センターの記載〉ということで、ガイドライン上、法律の規定ないし国で定める事業を実施する機関、あるいは都道府県が認める医療機関でなければ、センター表記はだめなのですが、こういった認定がないにもかかわらずセンターを標榜している医療機関があったということでございます。
下の事例4-2になりますが、「知事の許可を取得した病院です」、これは法における当然の義務なのですが、これを強調したような表示をする機関もあったということでございます。
7ページ目は、体験談でございます。既存の広告である看板やチラシについては引き続き広告はできませんが、ウエブサイトにつきましても、治療の内容、効果に関する体験談については掲載できませんが、病院の建物がきれいだったとか、治療の内容や効果に関係のない体験談につきましては、限定解除の要件を満たすことで掲載ができるようになるということでございます。
8ページ目は、ビフォーアフターの扱いになります。こちらにつきましても、既存の広告につきましては引き続き広告はできません。一方、ウエブサイトにつきましては、治療の内容や費用、リスク、副作用について十分な説明を付し、かつ限定解除の要件を満たすことで掲載が可能になります。なお、掲載する写真について加工・修正、撮影条件の変更などをする場合、虚偽、誇大に該当し、掲載が禁止されます。
9ページ目は、公序良俗違反ということで、わいせつな画像を張っている事例が見られたということでございます。
最後の10ページ目は、その他ということで、品位を損ねる広告の事例でございます。費用を強調する記載ということで、「早割○円off」「特別価格」「お得プラン」といった表示があったほか、プレゼントでお客さんを誘引するような表示も多く見られたということでございます。
私からの説明は以上になります。
○桐野座長 どうもありがとうございました。
事務局より説明があったネットパトロール事業について、御議論をいただきたいと思います。
どうぞ、山口構成員。
○山口構成員 資料1-1の4ページに、ネットパトロール事業からいろいろ指摘を受けた各医療機関の対応状況がございますけれども、恐らく今はまだここでとまっていて、自治体からの指導というところに至っていないのかなと思うのですけれども、この後、未対応の医療機関に対して自治体が指導するときに、どこまで徹底して指導ということになるのか、改善しない場合の罰則みたいなものがあるのかどうかということが1つ。
もう一つは、確認ですけれども、最後の5ページに一般からの通報事案の審査状況ということで、違反ありが74件となっています。これは、審査が終わったということで、このことについて医療機関へこれは違反ですよという連絡はまだしていないという段階でとまっているのでしょうかということを確認させてください。
○桐野座長 事務局、お願いします。
○長房企画官 まず資料の4ページ目の未対応の件になりますが、これは構成員がおっしゃったとおり、自治体に通報すべき事案ですが、通知のタイミングが今年度に入ってからとなっております。今後の対応としましては、自治体の方と密に連携、相談しながら、適切に対応していきたいと思います。
なお、違反のあった表示に対してどう対処するかということでございますが、まず行政指導を行って、改善が見られなければ行政処分、それでも解決に至らなければ罰則ということを検討する流れになろうかと思います。
もう一点、5ページ目の表の右側の違反あり74件の扱いについてですが、これも評価委員会の評価の結果、違反ありと判断がなされまして、医療機関のほうに通知が行われております。
○木下調整官 1点補足をさせてください。
○桐野座長 どうぞ。
○木下調整官 企画官より説明いたしました、4ページの未対応の7機関に関しまして、3月時点では未対応ということでございましたが、現時点におきましては自治体に情報提供が済んでいるという状況です。時点のずれがあったというところを御理解いただければと思います。
また、山口構成員から御指摘のあった5ページの74件に関しましては、4ページの上の欄にあります、マル2の74件と合致しておりまして、この74件に対しまして該当する医療機関について178件と。その後の対応につきましては、下半分の対応状況の中に含まれているという整理となっております。
○桐野座長 それでは、平川構成員、どうぞ。
○平川構成員 ありがとうございます。
今の行政処分、行政指導との関係の実効性の確保についての関連の質問ですけれども、例えば医療広告に関して、これまで都道府県などが行政処分もしくは行政指導を行ってきた実績とか、もしくは場合によっては訴訟を起こすとか、そういうところまで行くような実績があるのかどうか、教えていただきたいと思います。
○桐野座長 事務局、お願いします。
○長房企画官 御指摘の件ですが、去年、自治体調査を実施しておりますが、2016年度の実績として、行政処分に関しては9件、中止命令ないし是正命令を出していると承知しております。刑事罰につきましては、いま数字を持ち合わせておりません。
○桐野座長 平川構成員。
○平川構成員 ありがとうございます。
行政指導等を含めれば、これは牽制機能ではあるのですけれども、どうしても医療法の場合、保険診療と違って、こういう制度の実効性の確保がどうも弱い気がします。医療保険であれば、例えば指定取り消しとか、そういう権限が付与できているのですけれども、牽制機能としては、場合によっては訴訟まで起こさざるを得ないという形になると、行政側としてはちょっとハードルが高いのかなと思いますので、実効性あるものにするという意味では、どうやってこの制度を担保していくのかという点が重要かと思いますので、今後の課題ではないかということで、これは意見として言わせていただきたいと思います。
○桐野座長 事務局、どうぞ。
○長房企画官 御指摘ありがとうございます。
○桐野座長 そのほか、いかがでしょうか。
木川構成員、どうぞ。
○木川構成員 弁護士の木川でございます。
私は今、弁護士としていろいろな医療機関とかウエブメディアにアドバイスをしておりますけれども、実は以前、検察官をやっておりまして、東京地検でこの医療法を初めとする医事・薬事法の取り締まりを担当しておりました。それで、規制する側、される側、両方の立場を経験した観点から申し上げますと、一番大事なのは、何が良くて何が悪いかを明確にするということだと思います。
今回、事務局に非常に御尽力いただきまして、かなり詳しいガイドラインができたのですけれども、それでもまだ細かい部分で不明確な点が残っています。ですので、従前、Q&Aがあったと思いますけれども、それを早目に今回の改正に合わせたQ&Aを出していただいて、不明確になっている点を明確にしていただきたいと思います。
細かい点を申し上げるとたくさんあるのですけれども、今日は2点だけ申し上げたいと思います。
1つは、医療機関の検索情報サイトです。医療機関ポータル。これが第5回の検討会の議論を振り返ってみますと、ウエブサイトに含まれて認知性がないから、広告可能事項の制限解除の対象になるというふうに理解していたのですけれども、その理解でよろしいのかどうかということと、それをぜひQ&Aにきちんと盛り込んでいただきたいということでございます。
2点目ですけれども、そういうふうに広告可能事項の制限が解除される場合には、従前どおり、未承認薬品を使った治療についてもウエブサイトに情報を掲載可能であるという点についても、ぜひQ&Aに盛り込んでいただきたいと思います。
明日施行なので、本来的にはもう既にQ&Aが公表されていてもいいのではないかと思いますけれども、できるだけ早目に御対応いただければと思います。
○桐野座長 今の件について、事務局から何かございますか。よろしくお願いします。
○木下調整官 事務局でございます。
まず、Q&Aに関しましては、できる限り速やかに発出したいと思っております。木川構成員から御指摘がありました従前のQ&Aの必要な部分につきましては、速やかにこちらも御用意できると思いますし、今後、今回ウエブサイトが対象になったことによって新たな事例等も出てくると考えておりますので、そこで明らかになったこととか問い合わせが多かった事例につきましては、Q&Aの中に盛り込んでいくということをさせていただきたいと思います。
ポータルサイトの取り扱いにつきましては、御指摘いただいたように、基本的に誘引性の観点から広告に該当しないという整理になろうかと思っています。それもQ&Aの中で明確にしていきたいと思っております。
最後の未承認薬の取り扱いにつきましては、基本的には限定解除に該当するということは考えておりますけれども、その際、恐らく未承認薬を御利用になる場合は自由診療に該当するということでございますので、いわゆる4つの要件のうちの最後の2つ、費用とかリスクという部分が大変重要になってくると考えております。そこに関しましては個別の事案ということもあろうかと思いますが、何を記載するかということにつきましては、関係者の御意見もいただきながら明確にしていきたいと考えております。原則としては限定解除に係るということで問題ないかと思いますが、具体的にどういう形であれば問題ないかということについては、少し整理させていただきたいと考えております。
○桐野座長 そのほか。どうぞ。福長構成員。
○福長構成員 ありがとうございます。
私も未対応の7機関について御質問しようと思ったのですけれども、自治体への通報済みということで了解いたしました。
それで、参考までに教えていただきたいのですけれども、5ページ目の一般からの通報状況のところで、医療広告関係が864件、それと余り数に差がないのかなと思うのですが、医療広告以外のものが748件という形で出ているのですけれども、このごろ、医療機関と誤解しやすいような整体の相談が消費生活センターには入っているのですが、医療広告以外のところは具体的にどんなものが入っていたのかというところを参考までに教えていただければと思います。
○桐野座長 お願いいたします。
○長房企画官 医療広告関係以外の通報の内容についてお尋ねをいただきました。主なものを申し上げますと、ご指摘の接骨院や鍼灸などの医療類似行為関連の通報もございましたし、健康サプリメント関連の情報などもございました。
○桐野座長 その他。磯部委員、どうぞ。
○磯部構成員 磯部でございます。
ちょっとリアルなところというのがいまいちよくわからないところもありまして、評価委員会等で評価をした上で医療機関に対して通知を発出したのだけれども、1回の通知では改善が見られなかったのであれば、直ちに自治体に情報提供するのか、通知対象になるものについては全て通知するのか、あるいは複数回改善をお願いしたけれども、改善が見られないような悪質なケースについてのみ自治体に提供しているのか、そのあたりのさじかげんというのはいかがでしょうか。
○桐野座長 どうぞ。
○長房企画官 資料1-1の3ページ目になります。マル3の※印になりますが、医療機関にまずは通知を行って、1カ月後に改善状況を確認します。その際、医療機関とやりとりを行って、きちんと改善してくれればそれで終了となりますし、改善の意思があるということであれば少々待つことにはしています。ただし、改善の意思が確認されなければ、自治体に通報することになります。
○桐野座長 磯部委員。
○磯部構成員 ありがとうございました。
改善が確認されれば、そのようなケースそれでとりやめであり、もうちょっとロスタイムをくださいというときであれば待ちますよといったことで、いわば悪質性があるとか、事態の改善が見られないだろうということが明白なケースだけ自治体に通報するということなのかと理解しました。
疑わしきは情報を共有してみんなで見ていくというほうがいいのか、ここにおいて実質的な悪質性の判断を事業者にまずしていただいてというのがよいのか、情報共有をどういうふうに豊かに融通するべきなのかどうなのかというところが、関心があるところであります。
今後続けていけばもっと件数もふえるでしょうし、特に悪質だったというケースについてこそリソースを投入して長く見ていくというやり方もあるでしょうから、方法はいろいろだと思うのですけれども、基本的なあるべき姿として、妙に絞り込む必要もないわけで、できるだけ広くやりとりができるというのも一理あるのではないかという感想を持ったのでコメントです。
○桐野座長 山口構成員。
○山口構成員 今回、資料1-2で具体的に違反項目というのが出てきたわけですけれども、今回は資料として出ましたので、ある程度これを見ることができるわけです。今後、こういうのがよくないのだということを広く公表していくことで、例えば一般の人が通報することにもつながりますし、それからウエブサイトを出しているところも、これはだめなのだなと自主的に判断できると思います。そういった情報をどのような形で今後出していく用意があるのかということと、今回この検討会に出てきましたけれども、今後定期的に報告というか、また1年たってこういう結果でしたということは伝えていただくような場があるのかという2点を教えていただきたいと思います。
○桐野座長 先ほどの磯部委員の発言も含めて、事務局から何かあれば。
○木下調整官 事務局でございます。
先ほど磯部構成員から御指摘いただきました、広くひっかけるのか、あとは特に悪質なものをどうするかというところは、昨年度1年間やってみて明らかとなった課題の1つかなと思っております。
昨年度の対応といたしましては、改善が見られない、そういう意味でいくと悪質性の高いものに関しましては情報提供を自治体にさせていただいたところでございます。
その一方で、ネットパトロール事業の中で十分に確認ができなかったものにつきましては、違反に該当しないということで、昨年度におきましては自治体に対し情報提供させていただいていないという状況でございます。
それらにつきまして、受けとめる側の自治体の実行上の問題もあろうかと思っていますので、この6月から実際に全面施行となった場合に自治体においてどのぐらい御対応いただけるかという実効性の部分とあわせて、状況を踏まえてやっていく必要があろうかと思っていますので、そこに関しましては自治体と相談させていただきながら、ネットパトロール事業からどういう情報を提供して、それを有効活用いただけるかということにつきましては、今年度、対応方針も含めて考えていきたいと思っております。
山口構成員から御指摘がございました情報の提供をどうやっていくかということに関しましては、若干繰り返しになりますが、Q&Aに関しましては、事例がある程度重なってきて共有する必要があろうということに関しましては、積極的にホームページ等を介してこちらからも情報提供していきたいと思っていますし、この検討会の場におきましても、一定程度数がたまりましたら報告させていただきたいと考えております。
○桐野座長 ありがとうございました。
そのほか、いかがですか。木川構成員、その後、大道委員。
○木川構成員 先ほどの平川先生の御質問に関して、もと取り締まりをしていた立場から御説明させていただきますと、私が2年間、医事・薬事法の担当をしている間に、医療法の広告規制で事件化したのは1件もなかったです。
それは、一つには誇大広告という要件が刑事事件として取り扱うには曖昧過ぎるということと、刑事事件にする場合には故意が必要ですけれども、そうすると誇大広告をすることについての故意を立証しなければいけないわけですが、それは非常にハードルが高い。先ほど事務局から御説明があったように、何度も行政指導を受けているにもかかわらず、行政処分を受けてもまだやっているというような場合でないと、なかなか刑事事件にまでならないということがあると思います。
ですので、罰則があるからオーケーということではなくて、基本的には行政処分のほうで対応していかざるを得ないのだろうと思います。
○桐野座長 この点は、今後の問題ということでよろしいですか。
○木川構成員 今後の問題というか、最終的には罰則もありますというふうに事務局のほうから毎回毎回御説明があるのですけれども、罰則の適用というのはなかなか難しいのではないかと。そういう意味で、行政のほうで対応していただくことが必要ですし、それは刑事事件にするときでも行政処分するときでもそうですけれども、何がよくて何が悪いかということをきちんと根拠を持って明確にすることが必要だということを申し上げたいということでございます。
○桐野座長 これは事務局から何かコメントはございますか。どうぞ。
○総務課長 いろいろと御意見をいただいてありがとうございます。
今回の医療広告の問題というのは、やはり社会的に大きな問題になっているということが一つ背景となって、この前の医療法改正につながっているという面があるということがまず一つ大事なポイントかなと思っております。
今、御議論いただきましたように、その実効性をどう確保するかということが大きな課題になっておりますが、一つは我々としてしっかりと念頭に置かなければいけないのは、こういった広告規制に対する罰則の規定が現に設けられているということです。それが実際に発動されるかどうかというのは、いろいろと実務上の課題があるというのは、今の木川先生の御指摘だろうと思いますが、一方で、そういったものが法律上明らかな罰則事項になっているのだということは、社会的にも重要な問題として現場の皆様にはよく御理解いただく必要があるのではないかと思っております。
一方で、行政のいろいろな権限を今回医療法でも創っていただいたところでございますので、そういったことをしっかりと適用していくために、これは国だけではなくて、現場を抱えていただいているのは地方公共団体の皆様でございますので、地方公共団体の皆様のいろいろな御意見をお聞きし、そしてまた実務体制を十分とっていただきながら進めていく必要がある部分だろうと思っております。
私どもとしても、とはいえ国から全て地方自治体に丸投げとはなかなかいかない話でありますし、実際の法律の運用ということになりますと、法律の解釈をどうやっていくのかというところは非常に大きな課題になってくるところでありますので、まさにこういった検討の場でいろいろな先生方の御意見をいただきながら、今回ガイドラインという形でまとめさせていただきましたし、また先ほども御指摘がございましたが、Q&Aという形でいろいろと情報を提供していくということも大事だろうと思っております。
恐らく地方の現場でもいろいろな事例が出てくるのではないかと思っておりますので、そういった事例もぜひ国にフィードバックをしていただきながら、国でも医療広告に関するホームページを作っておりますので、そういったもので周知をしながら、国と地方とで連携をとって進めていくようにしていきたいと考えております。
○桐野座長 よろしいですか。では、大道構成員、どうぞ。
○大道構成員 資料1-1の1ページのポンチ絵にあるように、当初、ネットパトロールを実施するということで受託事業者がずっと見ていって、これはまずいのではないかというところをピックアップするという事業だったと思うのですが、結果的にはこの半年で1,600件を超える一般からの通報ということで、これは毎日十数件入ってくるということは、私自身もちょっとびっくりしたのですけれども、それほど国民がこの件に関する関心が高い。それは悪いことではないと思っております。
そういうことで、キーワード検索の審査件数も少ないということで、今年度のネットパトロール事業のやり方に関して、これを受けて変更等のお考えはございますでしょうか。
○桐野座長 事務局からお願いいたします。
○長房企画官 一般からの通報、キーワード検索につきましては、バランスよく審査をしていきたいと考えております。
昨年度の状況として、当初、キーワード検索を中心にやってきていたのですが、そうこうするうちに一般からの通報がどんどんたまり、その処理をするために、特に年度後半は一般からの通報に専念するといった状況になりました。
その対応として検討しておりますのは、まず、パトロール人員の増強ということで、今、受託事業者のほうにお願いしております。
それから、評価委員会の方でも、事案の数がたくさん上がってくれば、これを効率的にさばく必要がございます。評価委員会の開催については、これまでは月1回としておりましたが、これを月2回開催にするということで、4月から運用しております。
いずれにしても、効率的、効果的な処理を心がけて対応していきたいと考えております。
○桐野座長 そのほか、ございますか。
三井構成員、どうぞ。
○三井構成員 資料1-2の2ページの具体例のところですけれども、診療科目に関して、ガイドラインに例示のない審美歯科ということで、審美歯科を事例として出していただいていますけれども、ガイドラインの15ページ、16ページ、広告できない科目として審美歯科、インプラントが歯科関係について記載がありまして、前々回のこの検討会でもそこのところを私のほうからも少し質問させていただいた部分ですけれども、診療科目が限定解除で出すことができるというふうにとれるのですけれども、前々回の内容では、診療科目としては審美歯科、インプラント科というのはだめであって、いわゆるウエブ広告に関して、その内容に関しては限定解除で広告ができるというふうに解釈をしていたわけですけれども、これは解釈が変わったのか、その辺をお教え願いたいと思います。
○桐野座長 いかがですか。
○木下調整官 事務局でございます。
1-2の審美歯科の御質問かと思います。上段と下段で大きくわけておりまして、いわゆる一般的な従来の広告として扱っていたのが上段の医療機関の看板やチラシということに関しましては、限定解除されませんのでできませんよということをまず明記させていただいています。一方で、ウエブサイトに関しましては、限定解除の対象となりますので、診療科名であってもウエブサイトには記載できるという整理になります。
三井構成員から御質問がありました、前回の御回答のときに、ウエブサイトであっても診療科はだめですよというような趣旨を事務局から御説明したということであれば、それは訂正させていただきまして、今回お示ししている内容が正しいということで、改めて周知していきたいと思います。
○桐野座長 よろしいですか。
どうぞ、三井構成員。
○三井構成員 参考資料1、5月8日の新しいガイドラインの15ページの最下段、「広告することができない診療科名の表示について」の次のページです。その中で、歯科に関する名称として「インプラント科」「審美歯科」など。「なお、これら法令に根拠のない名称と診療科名とを組み合わせた場合であっても、その広告は認められない」とガイドラインに明示されているのですけれども、今度、このガイドラインがウエブのほうにも載ってきているというところなので。
○木下調整官 事務局でございます。
御指摘のとおり、その取り扱いが不明瞭という感じは事務局としても思っておりますが、今後の整理としましては、御説明しましたとおり、従来の看板とかに関しましては広告の扱い、一方でウエブサイトに関しましては、診療科も含めまして限定解除をされますので、そこは取り扱いが異なる。ここで同じ広告という言葉が今書いてあるところで、そこが不明瞭になっているということであれば、限定解除ができるということを明確にする必要があろうかと思っています。
ですので、今回の資料1-2で、診療科名であっても限定解除ができますよという取り扱いが厳格な今後の取り扱いとなりますので、そういう意味で言うとここの記載が少し不十分かなと受けとめます。申しわけございません。
○三井構成員 うちのほうとしては非常にありがたい部分で、前回も申し上げていました審美歯科であるとかインプラントというのは世間で一般に施されている診療であるということで、そこが認められるということは非常にありがたいのですけれども、このガイドライン、参考資料1の1ページ目のところを見ましても、ウエブページの事前説明とか、ウエブページに関しましてというところでの前文が入って、そこで広告がだめというふうに書かれておりますので、もしそれが限定解除されるならば、そこをきちっとどこかで明示をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○桐野座長 木川構成員、どうぞ。
○木川構成員 今の三井先生の話に関連してですけれども、ガイドラインの6ページに(1)として「広告が可能とされていない事項の広告」というのがあって、その具体例のところに3つ目のポツで「未承認医薬品による治療の内容」というのが書いてあります。これは先ほど私が御質問差し上げたところですけれども、従前のガイドラインをそのままちょっと書き直した結果こうなっているのだと思いますが、今、三井先生がおっしゃったように、これをそのまま読むと、広告可能事項の制限が解除されても禁止されるかのように読めてしまうと思いますので、このあたりも整理していただければと思います。
○桐野座長 限定解除という言葉がなかなか難しいので、そこですぱっとはわかりにくいということだと思います。
○木下調整官 御指摘を踏まえて対応したいと思います。
○桐野座長 そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、この件については一応ここで議論を終えて、次に行きたいと思います。今年度も、ネットパトロールを引き続き頑張っていただきたいと思います。
それでは、議事の「2.医療機能情報提供制度について」に移ります。事務局から資料の説明をお願いします。
○木下調整官 事務局でございます。
お手元に資料2-1、2-2と、適宜資料3、4、5を用いながら御説明させていただきたいと思います。
本検討会は、昨年から直近にかけまして、この6月に施行を控えております医療広告のガイドラインの関係を中心に御議論いただいたところでございます。本検討会の名前にありますように、医療情報の提供のあり方ということが大きなテーマの一つとなっておりますので、医療法の中におきます医療機能情報提供制度の現状を整理させていただきまして、今後、どういう情報提供のあり方をしていくかということにつきまして、改めてこの検討会で御意見を伺いたいと思って、この議題を今回セットさせていただいております。
まず、現行の制度につきまして、資料2-1を用いまして御説明いたします。
1枚おめくりください。医療機能情報提供制度につきましては、平成18年の医療法改正を受けまして、平成19年度よりスタートしております。
内容といたしましては、病院、診療所、歯科診療所、助産所に対しまして、医療機能に関する情報を県にまず御報告いただくことを義務づけております。報告を受けました都道府県におきましては、住民・患者に対してわかりやすい形で提供するということを行っております。
実施主体として、都道府県に今行っていただいておりまして、実態として、救急・災害の医療情報を含む情報を一体的に提供いただいているところと、別途、医療機能情報に特化した形でホームページ等を作成していただいているところと、大きく2つに分かれていると思っております。
対象項目につきましては、資料3と4を見ていただくとわかると思いますが、非常にたくさんの項目を網羅的に集めているという状況でございます。この項目自体に関しましても、後ほどお話をしたいと思っております。
また、報告の手続に関しましては、各医療機関の管理者から所在する都道府県に対しまして、頻度としましては年1回以上の御報告をいただいているところでございます。
また、基本情報に関しましては、速やかに報告をお願いしているところでございます。
報告を受けた都道府県の対応といたしましては、インターネットを通じて公表、インターネットを御利用できない方に対しましては、書面または備えつけの端末での情報公開をいただいて、住民の方々に情報提供をするということをお願いしているところでございます。
具体的なイメージを多少見たほうがいいと思いますので、参考資料5をお手元に御用意ください。1枚おめくりいただきますと、単純で大変恐縮ですけれども、厚生労働省のホームページには各47都道府県のリンクをまとめさせていただいているという状況になっております。
次ページから各県のものをおつけしておりまして、例えばということで最初に千葉県のものをつけております。千葉県の場合はこういった形で、まず医療機関を選び、次に診療科を選んで、受診したい曜日もしくは時間を入力して、その後に各医療機関につながっていくというものが千葉県さんのページになっております。
一枚おめくりいただきますと、島根県と山口県をおつけしておりますが、こちらにつきましてはフォームが非常に似通った形で、医療機関から探すのか、さらには島根県に関しましては、右半分に薬局もセットで一つのページから見ることができるというような工夫もされているところでございます。
最後、愛知県のページを見ていただきますと、今見ていただいた医療機関、助産所、薬局というものに加えまして、特徴的かなと思ったのは、医療機関の中に、一覧から探すとか、地域名に加えまして、駅から探すというような項目も追加されております。患者さんが最寄り駅から近いところを探すというような、実際に利用される方に寄り添った形の工夫もされている県もございます。制度の発足から10年近くたっているこの間におきまして、各自治体の中でそれぞれの発展を遂げているというのが現状になっているところです。一方で、従前どおりのところで、10年間余り発展を遂げていない自治体もあるということが見てとれるかと思います。
資料2-1にお戻りください。2ページが制度発足時に私どもから御提供させていただいたイメージ図となっております。この中で見ていただきたい項目としましては、右下にありますように、「医療機能の情報の具体例」というところで、参考資料3-4を見ていただくと細かい内容も見てとれるところではございますが、診療情報もしくは診療科のみならず、利用する患者さん方に必要な項目としまして、アクセス方法と書いておりますが、ここに関しましては、駐車場がありますか、どうですかという方法もございますし、費用負担に関しましては、クレジットカードが使えますか、どうですかという項目も、医療機能情報提供制度の中では集めさせていただいているところでございます。
加えまして、医療の実績、結果に関する事項も集めているところになっておりまして、項目としましては非常に多くの項目を集めさせていただいている一方で、これらの情報を御提供いただいております医療機関に関しましては、こういう情報を毎年年1回以上報告いただいているということで、相当な御負担をかけているのではないかと危惧しているところでございます。
まずは、報告項目の関連といたしまして、資料2-2を御用意ください。医療機能情報提供制度の中で、診療の具体的な項目に関しましては、診療報酬の算定の状況等を踏まえまして報告いただいている項目も多数ございます。そのため、診療報酬におきましては、原則2年に1回の改定が行われているということもございまして、それに一定程度対応する必要があろうと考えております。
1ページをごらんいただきますと、今年度、平成30年度の診療報酬改定におきまして、幾つか新たな項目等も追加がされているところでございます。1ページには、見直す必要があろうと事務局で今考えている項目の例を挙げさせていただいているところでございまして、個別の診療領域、例えば精神・神経科領域におきます認知症に関する項目でありますとか、産科領域におきます妊産婦さんの連携の指導、さらには最下段になりますが、今回新たに新設されましたオンライン診療の実績の有無及びその内容、こういったことが今回の30年度診療報酬改定を受けて、こちらの医療機能情報提供制度でも対応してはどうかと、事務局において考えているところでございます。
2ページには、御参考ということで、今回の平成30年度診療報酬改定の概要をおつけしているところで、今後の検討の際に参考にしていただければと思っております。
3ページ以降が現行の項目になっておりまして、例えば4ページを見ていただきますと、提供するサービスの内容というところにさまざまなものがございますが、専門外来の有無の次のあたりに、オンライン診療の実績の有無という欄を設けて、情報として追加してはどうかと事務局のほうで考えているところでございます。
この場で全ての項目について御検討いただくというよりも、このような視点で今後、項目の見直しを行っていきたいと考えているところの例示として、今日は御紹介させていただいているところでございます。
14ページをお開きください。今後、医療機能情報提供制度を見直す際に、このような論点で御検討いただけないかということで、事務局で整理した案になっております。まず、大きな視点としまして、本制度に関しましては制度の発足から10年以上が経過しているというところで、医療を取り巻く環境というものが大きく変化しており、それらを踏まえた見直しが必要ではないかと考えております。
その際に必要な視点としまして、利用する患者さんの利便性とか、情報を実際に提供いただく自治体、また医療機関の負担ということも考慮した対応が必要ではないかと考えているところでございます。
見直すことが必要と考える項目の例として大きく2つ掲げてございまして、個々の項目に関しましては、今申しましたような、今般の診療報酬改定に伴うもの、2つ目としまして、他の制度と重複している項目に関しては整理が必要ではないかと考えております。また、海外の類似制度に関しましては、後ほど福井先生から御説明いただく中にも含まれてございますが、海外の項目との比較ということもやって、新たな項目を追加してもいいのではないかと考えております。
マル2としまして、先ほど少し御説明いたしましたが、各県の運用状況につきまして、後ほど今日来ていただいています自治体からの御説明もあろうかと思いますが、実際、利用する経路等につきましては、従前のパソコンのみならず、最近ではスマートフォン、タブレット等の普及に対してどう対応していくかという観点もあろうかと思っています。
また、訪日外国人、在留外国人の増加に伴う外国語への対応も必要ではないかと考えております。その他、何か新たな対応ということも今後考えていく必要があろうと考えております。
今後、こういった点につきまして、論点そのものに関しても、また見直しの項目につきましても、本検討会で御検討をお願いしたいと思っております。
○桐野座長 今後の議論の論点が今述べられましたけれども、続いて、参考人としておいでいただいている方々に御説明をお願いしたいのですが、最初に聖路加国際病院の福井先生から資料3-1、続いて東京都の久村様から資料3-1、滋賀県の鎌田様から資料3-3について、順番に御説明をお願いします。
それでは、福井先生のほうから。
○福井参考人 聖路加国際病院の福井です。
資料3-1にございますように、平成29年度、厚生労働省の研究費を使って、「医療情報の適切な評価・提供及び公表等の推進に関する研究」を行わせていただきました。
この研究には2つの大きなテーマがございました。医療機能情報提供制度の調査を行って、何かしら将来の見直しに向けて提言することが1つです。もう一つが、医療の質の評価。我々がクオリティー・インディケーターと呼んでいる医療の質を表す指標を、できるだけ多くの病院で測定できるよう、具体的な指標を作成して、それを試験的に用いて、評価するというものです。
本日は、医療機能情報提供制度に関するアンケート調査を行いましたので、それについて報告させていただきます。
1ページ目には、調査の目的を記しております。先ほど事務局から御説明がございましたように、平成19年に本制度が創設されて以降、大きな見直しがなされておらず、相対的な評価も行われてこなかったように伺っております。そこで、現状の実態を把握して、国民にとってより必要な情報を提供できるような制度にする目的で調査を行いました。
アンケート項目として、まず、認知度、知っているかどうかについて伺いました。利用したことがある人については、受診行動につながったか。また、どういう情報があったら利用するのか。そして、現行の項目を示した上で、ほかに必要だと考える項目があるかどうか。医療の質をあらわす指標を追加することについての意見などを伺いました。
2ページ目をごらんください。方法についてですが、日本能率協会総合研究所に登録されている、いわゆる調査パネルの方々を対象に、年齢、性別、都道府県の人数分布を住民基本台帳年齢階級別人口と合致させるようにセレクトして、その集団を対象にアンケート調査を行いました。2,875名から回答が得られ、男性、女性、ほぼ半々、少し女性が多い。年齢分布はこのようになっていて、地域の分布もそこに記したような数字になっています。
3ページは、年齢や性別についてのデータです。スキップさせていただきます。
4ページです。2,875名の方々のうち、57%近くの方が過去1年以内に医療機関を利用したことがある。そういう方々が対象になった回答だということでございます。
5ページを見ていただきますと、医療機関を選ぶ際にどういうところから情報を得ているかという質問につきましては、58.9%が知人や家族からの情報、34%がインターネット情報、28%がかかりつけの先生からの情報になっております。特に情報は入手していないという方が21%いました。
次の6ページは、一つ一つの項目について、とても重視している、あるいは重視していると回答した方々の割合を示しています。病院へのアクセスを非常に重視しているというのが86.6%、どういう病気を診てもらえるのかというのが85%、その他が73.5%でして、これは次のページに書いてありますように、院内サービスが63%、費用44%、手術件数が42%となっています。
次の7ページには、その他で記載された事柄を多いものから挙げています。記載があった338件中、病院の評判、働いている医師の評判が24.6%ということです。つまり、73.5%がその他をとても重視している、あるいは重視していると回答して、その中の24.6%ということになります。口コミ、待ち時間、駐車場があるかどうか、病院の雰囲気などが挙げられています。
8ページは、医療機関検索サイトを知っているかどうか。知っていたのはたった11%ということでした。
9ページ目、医療機関検索サイトを知っている人の中で、利用したことがある方は61%に上ります。
10ページは、検索サイトを利用したことのある方々の中で、役に立ったかどうか。91%の方が役に立ったと答えています。
11ページが、検索サイトから得た情報としまして、病院へのアクセス、対応可能な疾患、院内サービス、費用、手術件数などの順番になっています。
アクセスしたことのある方々に、さらにあればいいと思われる情報について聞きましたけれども、70%の方は特にないとのことでした。今挙げられている項目で十分ということだろうと思います。8%の方が医師のプロフィールについての情報があればいいと答えています。以下、駐車場、医療サービスなどの順番になっています。
13ページ、医療の質をあらわす指標を追加することについて伺いました。医療の質の指標の例としましては、その病院で治療を受けている糖尿病の患者さんでの血糖コントロールが目標レベルを超えている患者さんの割合とか、脳梗塞の患者さんで早期にリハビリテーションを開始した患者さんの割合、がんの治癒率、患者さんの満足度のように、診療にかなり深くかかわる質指標を追加することについて伺いました。
そうすると、非常に役に立つという方が29%、役立つと思うという方が60%でして、合わせて89%の方がこのような医療の質指標を追加することについて賛同しているということになります。
それから、医療機関検索サイトの認知経路。これは、グーグル、ヤフーなどを介してアクセスしている。それから、各都道府県の県庁のホームページ、行政機関の広報紙などとなっています。
15ページですが、これはアメリカ、オーストラリア、イギリス、フランスにつきまして、
病院の医療の質について、どういう経路で公表されているかを調べて比較したものです。アメリカではHospital Compareというところで、全施設の83%の病院について58項目の医療の質に関する数値を公表しています。その一番下のところが公表しているインディケーターの主な項目でして、死亡率、医療安全、再入院率、患者さんの声、治療効果、治療に要する時間などの情報が得られます。
オーストラリアは、My hospitalというところからアクセスできます。17項目が公表されています。
イギリスは、御存じのように、国営のNHSがやっていますけれども、そこで全ての施設について、何と1,925項目について公表しています。
フランスも、これは公的な機関でして、そこで全ての病院について51項目の指標を公表しているということでございます。
そこから先はホームページの例です。16ページ、17ページは、「ひまわり」からアクセスすると、聖路加国際の場合は、こういう項目についての情報が得られます。「ひまわり」については後ほど話があると思います。
外国の例といたしまして、18ページが米国のHospital Compareからボストンにある病院についてアクセスしますと、このようなホームページに入ることができます。そこでは、General informationから始まって、患者の経験、Survey of patients’experiences、それからTimely & effective care、合併症と死亡などの項目に入ることができます。
20ページの表を見ていただきますと、医療の質に関するものでして、左から2つ目のカラムがMOUNT AUBURN HOSPITALという、今アクセスしている病院についてのデータで、50分といいますのは骨折して病院に来て痛みどめをもらうまでにかかる時間です。マサチューセッツ州の平均は51分で、全国の平均が49分といった比較ができるようになっているというものです。
その次のページがオーストラリアの例でして、これはMy hospitalというところから、Gold Coast University Hospitalというところにアクセスしたものです。22ページを見ていただきますと、上の表は救急室に行ってどれくらい待つか、その時間を書いています。2011年から2012年が3時間26分かかっていたのが、上のほうを見ていただきますと、2016年から2017年は2時間58分にまで短縮した。3時間26分から2時間58分というのはMedian timeです。その右側のカラムを見ていただきますと、90%の患者さんが救急室を出るまでにかかる時間が最新のものでは5時間38分だとのこと。それで、似たような病院ではどれくらいかかっているかというと、8時間3分かかっているというふうに、いわゆるベンチマーキングが行われていて、この病院がかなり努力をして時間を短縮してきているということがわかるようになっています。
次がイギリスの例です。これは全ての病院のデータにアクセスできます。ここでは口コミの評価なども、右側などは5つ星で患者さんの声みたいなものも提供されているということです。真ん中の赤で囲っているところは、いわゆるクオリティー・インディケーターに相当するものです。
最後の24ページには、結論といいますか、この調査を行って感じたところを記しています。医療機関検索サイトの認知度は現状は11%と低いものの、アクセスした方々にとっては非常に役に立つ情報源になっています。したがって、より積極的な周知活動を行う必要があると思います。
それから、私たちが同時に行っている研究テーマともかかわるものですから、医療の質指標について伺いましたところ、90%近い方がこういう医療の質をあらわす指標についても公表してほしい、することが好ましい、そのような意見でした。
今後、このような検索サイトを改善する中で、できましたら医療の質をあらわす指標も公開する方向で考慮していただければありがたく存じます。
以上でございます。
○桐野座長 ありがとうございました。
続けて、東京都の久村参考人、お願いします。
○久村参考人 東京都福祉保健局、久村でございます。改めまして、よろしくお願いいたします。
私のほうからは、医療機能情報提供制度を活用して運用しております東京都医療機関情報システム「ひまわり」につきまして御説明をさせていただきます。
こちらのシステム「ひまわり」でございますが、東京都は15年度より運用を開始してございまして、平成20年度、こちらの医療機能情報提供制度に対応した内容にシステム改修を行いまして実施をしております。
こちらの運用につきましては、東京都保健医療に関する情報提供、あるいは相談を行う保健医療情報センター、こちらも「ひまわり」と名称をつけておりますが、こちらのセンターを設置しておりまして、こちらのほうで運用を行っているところでございます。
2番目でございますが、このシステムの「ひまわり」を活用いたしました情報提供のメニューでございます。まず、(1)といたしましては、インターネットによる医療機関情報の提供がございます。
2つ目のメニューといたしまして、専門相談員等による医療機関案内ということでございまして、こちらは保健医療情報センター「ひまわり」のほうに電話で医療機関等の御案内のお問い合わせ等がございました場合に、この医療機関情報システムを活用して御案内をするというものでございまして、こちらは後ほど出てまいりますが、例えば病気の不安だとか、制度の案内みたいな形での保健医療福祉相談と一体として運用しております。
それから、音声自動応答による医療機関案内、4番目、外国人向け医療情報サービスということで、こちらも同様に「ひまわり」への外国人からのお問い合わせに対しまして、システムを活用して外国語で診療ができる医療機関を御案内しているというところでございます。
5番目、転院支援情報システムといたしまして、「ひまわり」のサブシステムといたしまして、医療従事者の方が転院支援に必要な情報を検索できて、容易に情報を入手できるようなシステムを構築して運用してございます。
実績でございますが、下の表に記載のとおりでございますが、一つはインターネットのアクセス件数、こちらはトップページでございますが、27年度から28年度、28年度から29年度と大幅な増加を示してございまして、こちらのほうは委託業者に確認したところ、最近のウエブブラウザにつきましては、本人のサイトの閲覧にかかわらず、サイトの先読みをするというふうなところがあるので、その影響ではというお話をいただいたところでございますので、このあたりを今後どういうふうに取り扱うかを考えていきます。
それから、※印をおつけしておりますのは、先ほども御説明しましたが、医療機関案内以外に相談対応も行っておりますので、そちらのほうは相談対応の数字も含めた実績という形になってございます。
2ページ目でございます。こちらは「ひまわり」のホームページでございます。先ほども出てまいりましたが、薬局機能の情報提供システム、東京都では「t-薬局いんふぉ」と呼んでおりますが、こちらのほうと同ページで情報提供をさせていただいております。「ひまわり」が左のほうでございますが、医療機関を探す場合は、キーワードで探す、あるいは項目を指定して探すという中で、場所、日時、この中には、先ほども出てまいりましたが、駅からの検索もできます。それから、診療科目であったり、対応できる外国語、診療の領域であったり、あるいはそのほかの項目から探すというふうな、幾つかの項目指定からの検索ができるという形になってございます。
東京都のシステムの特徴でございますが、他の道府県さんも実施されているかと思いますが、東京都は、例えば脳卒中、糖尿病、認知症、こういった形でカテゴリーとして新たに独自の項目を設けておりまして、そちらのほうから情報提供をさせていただくという取り組みを行っております。
それ以外に、例えば利用できるクレジットカードの種類とか、送迎、児童預かりなんかの院内サービスといった独自の項目も追加しておりまして、きめ細かな情報提供に努めているところでございます。
3ページ目、そういった独自の取り組みの一つの例でございます。先ほど申し上げました、「他の項目から探す」というところをクリックしていただきますと、こちらの上段の画面になるわけですが、その中で例えば糖尿病に対応できる医療機関を探すということで、右から2番目をクリックいただきますと、下のほうに検索画面が出てまいります。
こちらの検索条件の部分につきましては、東京都が独自に設定しているものでございまして、外来診療の状況でございますとか、入院治療の内容、あるいは患者教育等々につきまして項目を設けてございます。
4ページ目の下の欄が、こちらの検索を行った結果、糖尿病の分を抜粋したものでございます。例えば外来診療で対応できる内容、入院治療で対応できる内容、患者教育も含めてという形で、これはある病院の糖尿病の部分の結果の抜粋でございますが、こういった形で表示をさせていただきまして、糖尿病に関しましては例えばこの患者教育の内容までも含んでいるということにつきまして、かなり評価をいただいているところでございます。
5ページ目でございます。もう一つの独自の取り組みといたしまして、転院支援情報システムとサブシステムでございます。転院先を探す場合に、日常的に連携がある医療機関、あるいは近接する医療機関につきましては情報をお持ちなのですけれども、東京都の場合、都民の方の受療行動が広範にわたっているというところもございます。そういった場合に、遠隔の医療機関の情報となると、なかなか情報がないというところがございますので、転院先を探していただくときに、こちらの転院支援情報システムということで、医療機能情報提供制度の項目に独自項目をプラスいたしましてシステムを構築して、この医療機関さんのほうはこのシステムを活用して情報を検索していただいて、転院先を探していただくきっかけとなればということで、こういったシステムをサブシステムとしてつくって運用しているところでございます。
6ページ目でございます。先ほど、医療機関の案内と福祉相談のほうを一体として運用しているという御説明をさせていただきましたので、保健医療情報センター「ひまわり」の保健医療情報の提供事業全体を簡単にお話しさせていただきたいと思います。
保健医療情報提供事業の1番目が保健医療福祉相談ということで、都民の方からの保健医療福祉に関する相談や問い合わせに対して対応するというものがございまして、こちらのほうは平日の午前9時から午後8時まで開設しております。
2番目の医療機関案内が、これまで御説明しております医療機関情報システムを活用いたしまして、医療機関案内の問い合わせに対して対応するものでございまして、こちらは24時間の運用でございますが、そのうち保健医療福祉相談と共通する平日の午前9時から午後8時につきましては、一体として運用しているところでございます。
それから、「ひまわり」のほうではもう一つ、外国語による情報提供事業ということで、言語といたしましては、英、中、韓、タイ、スペインの5カ国語でございますが、外国語で診療できる医療機関のお問い合わせ、あるいは日本の医療制度などのお問い合わせについて対応するという事業でございまして、こちらは毎日午前9時から午後8時まで開設しているところでございます。
こういった取り組みの対応時間とか体制、それから29年度の実績というのは下の表にまとめて記載させていただいております。
7ページ目をおめくりください。今、東京都のほうで課題と考えているところについて御紹介させていただきたいと思います。1番目は都民の利用促進ということで、先ほどお話に出ましたけれども、東京都の「ひまわり」の認知度も12.3%でございますので、認知度の向上、それから「ひまわり」の利用を一層促進していきたいと考えてございます。
それから、医療機関さんからの報告率でございますが、定期報告の報告率は約8割、また変更報告も適宜行われていない状態でございますので、やはり都民の方に適切な情報を提供していくためには報告率の向上。それから、前年と同じだよという形で簡単にお答えいただくような医療機関さんもいらっしゃいますので、報告の内容の精度の向上にも努めていきたいと思っております。
それから、医療機関の負担ということで、我々はきめ細かく情報提供していきたいというふうに取り組んでいるところでございますが、その裏返しといたしまして調査項目が多い。あるいは、病床機能報告というようなほかの報告物もあるというところで、こういった報告に対する負担については、医療機関さんからいろいろ御意見をいただいているところでございます。
4番目でございますが、医療機関、情報の多さというところがございますので、東京都もキーワード検索であったり、項目検索というところで、検索機能の向上に努めているところでございますが、まだまだ絞り込み困難というお話もいただいておりますので、一層の工夫が必要なのかなと考えてございます。
それから、記載はしていないのですけれども、例えばこれまで地域医療構想や保健医療計画の改定という中で、病床の機能分化・連携という議論が進んできたところでございますが、今後はこういった病床、病院の機能分化、役割分担というのをきちんと都民の方に伝えていかなければいけない。そういったツールとして、こちらのシステム、ウエブを活用しなければいけないのではないかと考えているところでございます。
もう一つは外国語対応でございますが、現在、東京都は外国語対応につきまして、16カ国語につきまして言葉に不自由することなく診療が可能というレベルAから、会話に自信がないが、図示や単語の羅列で診療が可能という形で、A・B・Cのランクづけで公表しているところでございますけれども、この分けの内容の再整理も含めまして、より外国語対応の情報を充実させていきまして、こちらの情報をベースに、都内の医療機関同士の連携、あるいは宿泊施設、観光施設等の関係機関との連携を強化していく、こういった取り組みを今検討しているところでございますので、外国語対応については来年度以降、充実させていきたいと考えているところでございます。
以上、雑駁ではございますが、東京都からの御説明でございました。ありがとうございました。
○桐野座長 続きまして、滋賀県の鎌田参考人、お願いいたします。
○鎌田参考人 滋賀県医療政策課の鎌田と申します。
私のほうからは、滋賀県の「医療ネット滋賀」という名称のシステムを運用しておりますので、このことについて簡単に紹介させていただきたいと思います。
まず、滋賀県の医療機能情報提供制度の運用の概要ですけれども、インターネットによる医療機関からの報告と紙媒体による報告を併用しておりまして、今は90%ぐらいがインターネットによる報告になっております。
それで報告いただいた内容を県のほうで審査しまして、問題がなければそのまま公表するという形で、公表の仕方としてはインターネット、同じような「医療ネット滋賀」による公表と、あとは東京都さんにもありましたように電話音声案内もやっておりまして、その形で、特に高齢者の方やネット環境がない方に対して電話音声案内という形で対応しております。
資料をめくっていただきまして、基本コンセプトです。当県では、平成28年にちょうどシステムを改修いたしまして、1年ちょっとたって一定の成果を上げましたので、その点を中心に簡単に御紹介させていただきます。
基本のコンセプトとしましては、当然、県民の使いやすさ向上という形で改修いたしました。大きく分けて2点あります。スマートフォン、タブレットに対応したデザインを有すること。あと、東京都さんにもありましたように、外国人の方への対応を強化するという点でございます。
4ページ、真ん中のものが滋賀県の「医療ネット滋賀」のトップページになります。検索の仕方としましては、現在診療中であったり、休日、急患診療所であったりとか、歯医者であったり、項目を分けて簡単に検索したい方と、あるいは詳しく検索したい方で分けるような形、あるいはキーワード検索という形で、タブを分けて検索しやすいような形で工夫しております。
5ページ、検索結果の表示についても工夫しております。基本的に県民さんは自分の住んでいる地域から近い医療機関を受診されたいと思いますので、近い順に表示したり、また一次医療機関、二次医療機関、三次医療機関というふうに順番に優先的に表示するようになっています。
次に、これは当県の改修前の課題であったのですけれども、診療時間は少なくとも1年に1回定期報告をしていただいているのですが、クリニックの先生が突然明日休む、1週間後に休みたいといったときに、それを報告するような機能がなくて、県民の方から、これを見て行ったのにあいていなかったという苦情がありました。そこで、急な診療時間の変更や休診を踏まえて、スケジュールを管理できるような医療機関からの報告機能をつけて、検索にもそれを反映できるようにしたところでございます。
次のNo.6は薬局機能に関するものですので、割愛させていただきます。
7ページですけれども、視覚障害者や高齢者への配慮も行っております。具体的には、視覚障害者の方には音声の読み上げ機能を追加したり、文字の拡大機能、あるいは英語にも中国語、韓国語でのサイト表示も可能となっております。
8ページになります。ここは当県が最も改修時に力を入れたところでございまして、先ほどからありましたように、スマートフォンへの対応であります。当県のホームページのアクセス状況を申し上げますと、県民のアクセスのうち30%がスマートフォンからの対応ということを委託業者から聞いております。
従来はスマートフォンで検索をしても、文字がパソコン画面のままで小さい、あるいは、詳細なことを検索しようとすると重たくて遅いという県民からの意見がありまして、県民が操作しやすいようにスマートフォンに最適化するような形で改修したところでございます。
この点につきましては、先ほどからありましたように認知度の問題もありまして、医療機能情報提供を知っている人はインターネットで、例えばグーグルとかヤフーで「医療ネット滋賀」と入れていただいたら何の問題もないのですが、知らない人はどうやって検索するのかとなったら、通常、例えば住んでいる地域、滋賀であれば「大津市 歯医者」という形で検索するわけです。そうすると、上位に表示されない限りは、知らない人はずっと知らないままで、例えば民間の口コミサイト等に行ってしまうということがあります。そこで、検索結果が上位に表示されるように委託業者に改良を求めています。これはなかなか短期間では難しいのですけれども、委託業者に依頼して努力していただいているところであります。
No.9でございます。先ほど申し上げましたように、外国語については当県では英語、中国語、韓国語の3カ国語に対応しております。滋賀県も在留外国人がふえておりまして、その対応という観点と、あと先ほど申し上げた民間サイトとの差別化を図るというのでも外国語の対応を重視しております。
10ページは割愛させていただきます。
11ページ、ここからは県民の方ではなくて医療機関に向けての機能になります。従来、当県のシステムでは定期報告の際に一から全て入力するような制度となっておりまして、先生からは、そんなに暇ではない、さまざまな報告があるのに、どうにかしてくれという意見をいただいておりまして、変更があった分だけを入力できるようにするという形で、医療機関の負担を軽減するように改修したところであります。これによって、自治体の審査する量も大幅に減りますので、負担も軽減されております。
また、この制度の根幹としまして、医療機関が最新かつ正確な情報を報告、入力しているかが肝になってくると思いますので、随時報告するように促す意味でも、こうやって簡単な報告にしましたよということを周知して、随時報告の報告率も上げようと努力しているところでございます。
12ページは飛ばしまして、13ページをお願いします。次は、県が管理する機能ですけれども、従前は60%程度の報告率であったのですけれども、これを改善するという意味で、まずシステムのほうから未報告機関に対して、登録しているメールアドレスに直接督促できるようにするというシステムを導入しました。これにより、一次的にはまずメール督促を使って、さらに報告がない医療機関に対しては別途書面で督促をするということを去年より開始したところ、20%程度上がりまして、80%強の報告率になっております。
15ページ以下が、まとめでございます。28年度の改修によりスマートフォン、タブレットへの対応、あるいは外国人向けの多言語翻訳機能を追加し、医療機関に対してはスケジュール登録機能を追加した。県・保健所については、未報告分の督促機能で報告率を向上したという点でございます。 当県の「医療ネット賀」に関しては、以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
○桐野座長 どうもありがとうございました。
ただいま福井先生及び東京都、滋賀県から御説明があったのですが、この内容について何か御意見や御質問はございますでしょうか。
尾形構成員、どうぞ。
○尾形構成員 事務局のペーパーでもよろしいですか。
○桐野座長 一応、まず3人の参考人の御説明の内容に限って。すぐ後にそれをやらないといけないので一緒でも結構です。どうぞ。
○尾形構成員 それでは、あわせてお話しします。
医療機能情報提供制度ということで、事務局の資料2-2の最後の14ページに今後御議論いただきたい論点というのが載っていますが、2つ目の○で、「見直す際には、利用する患者さんの利便性や、自治体・医療機関等の負担等も考慮した対応も必要ではないか」と書かれています。これは全くそのとおりだと思うのですが、あわせて、今日のお話を伺っていると、そもそも何のために情報提供を行うのか、そういう原点をもう一回再確認しておく必要があるのではないかと思います。
事務局の説明にあったように、平成18年に医療法の改正が行われて、現行の医療法ですと、第2章に「医療に関する選択の支援等」という新しい章が置かれていて、その柱の一つがこの医療に関する情報の提供という位置づけだと理解しております。そうすると、情報の提供というのは、患者等による医療機関の選択を支援するというのが本来の目的なのではないかと思います。
そうした観点から何点かコメントさせていただきます。まず、福井先生の資料3-1ですけれども、全体として大変有意義な調査研究だと思いますし、今後、参考にすべき内容が多く含まれていると思うのですが、特にその中でアメリカのHospital Compareについて何点かコメントしたいと思います。
3-1で言うと15ページ、あるいは18ページから20ページの部分ですが、ここではHospital Compareが取り上げられていますが、このほかにNursing Home Compare、Home health compareというような、ナーシングホームあるいは在宅医療について同じようなコンペアしたホームページが設けられているわけですけれども、ここで重要なのはコンペアということだと思います。先ほど福井先生の御説明にもあったように、その病院が州平均値あるいは全国平均と比べてどうかという形で示している。あるいは、18ページで言うと、左下のほうにOverall ratingということで1つ星から5つ星までつけて、この病院の場合だと4つ星になっていますけれども、こういう形で比較情報として出しているというところが非常に大事だと思います。比較情報がないと選択ができないので、そういう意味からも、日本が直ちにここまで行くとは思いませんけれども、非常に参考になる話だと思います。それが1点目です。
あわせて、ここではこういう非常にわかりやすい、住民の方が使えるホームページであると同時に、いわば2段階の情報開示が行われているのだと思います。どういうことかと言うと、バックデータがデータセットという形で公開されています。そういう意味では一般国民にわかりやすい形で情報開示されているのと同時に、それを支えるデータの公開も行われている。そこは非常に大事ではないかと思っています。
3点目として、Hospital Compareを誰が運用しているのか、これは15ページに整理されていて、実施機関は一応国ということになっている。確かにアメリカ厚生省のホームページであるのですが、同時にここはCMSというメディケアとメディケイドの運営主体でもあるので、そういう意味からすると保険者という観点もないわけではない。その辺、保険者機能という観点から捉えることも可能なのかなと思います。特に我が国は都道府県がこの4月から国保の保険者にもなっているわけですので、そういった視点は一つ大事だろうと思います。
最後に、今後、質の指標等を検討するに当たって、例えば国立病院機構がクリニカル・インディケーター、臨床評価指標等を既に公開されているので、こういう既存の公開データは非常に参考になると思いますので、次回以降、ぜひその辺を資料として出していただければと思います。これは要望です。
○桐野座長 ありがとうございました。
それでは、平川構成員、どうぞ。
○平川構成員 福井参考人の調査結果の中で、医療の質指標について強調されております。多分アウトカム評価を明確にしていくという形になると思うのですが、例えば重症患者が比較的多い、治癒率が低い疾病の患者を多く抱えている病院であれば、治癒率が余り向上しないということや、軽症患者を多く抱えている病院についてはアウトカム評価が高いとか、条件によってはさまざまな評価が出てくる可能性があります。その辺、海外の比較のサイトであるとか、また今回の調査結果を踏まえて、どういう形で質の指標を今後検討していけばよいのかということで、御示唆がございましたらお願いしたいと思います。
以上です。
○桐野座長 福井参考人、どうぞ。
○福井参考人 医療の質指標、QI、クオリティー・インディケーターと我々は呼んでいますけれども、それの公表には確かにいろいろな問題がございまして、公表することについて、直ちに皆さんから、もろ手を挙げて賛同していただけるかどうか、実はわからない状況でもございます。今、おっしゃったように、病院の果たす機能によって、どういう患者さんがかかっている病院かによって、指標の解釈は随分変わってきます。それらを同じ土俵で比べることで、かえってバイアスがかかるのではないか。その懸念はずっと引きずっていて、数値を患者さんの特性などによって標準化するといったテクニカルなこともある程度は可能ですけれども、まだ完成の域に達していないというのが実情でして、指標をどういうふうに提示するかという点について、まだ考慮すべき点があると思います。
ただ、この点に関しましては、尾形先生がおっしゃったように、医療機関を選択するために役に立つという側面と同時に、数値を測定して公表することで、直ちにそれぞれの医療機関の医療の質が高まるということが明らかです。つまり、数値を公表すること自体が改善につながるということも事実ですので、それぞれの医療機関の医療の質を高める効果がかなり大きいと理解していただいたほうがいいのではないかと思っています。
○桐野座長 先ほどちょっとお話があったので、国立病院機構も同様のことをかなりやっていまして、膨大な量のデータがありますけれども、これは主に自己評価をして、医療の質の改善を行うということを主要な目的としてずっとやってきているもので、病院の選択に使われているものとは性質が違うと思います。
山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 全般的なことでもいいですか。
福井参考人のお話で、調査をした結果、知っている人が使うと9割が役に立つとおっしゃっているということで、やはりこの問題は、調査の結果では11%の方しか認知していなかったということだと思います。それに、これはウエブ調査ですからインターネットができる人の中で11%と考えると、実際の国民を考えるともっと数が低くなるのではないかという気がいたします。
この情報提供制度ができたときに、当初は無機質な情報提供のあり方だったのが、かなり都道府県に差はありますけれども、徐々に使いやすさは向上してきていると感じています。ただ、私はこの検討会には6年前の2012年から入っていまして、そのときも同じように周知されていないというようなことが問題になって、6年前とほとんど変わっていないなという現実に愕然とする思いがしています。
例えば検索をするときでも、都道府県のトップページから入っていっても、なかなかこの検索システムに行き着かないのです。検索のキーワードに、例えば何々県、医療機関、検索と入れると割とトップに出てくる。今も滋賀の「医療ネット滋賀」ということで、滋賀県、医療機関、検索とやると1番に出てくるのです。だから、そういう検索のやり方を知っている人ぐらいでないとなかなか行き着かないと思います。今回、論点にいろいろあるのですけれども、大前提として周知ということをどれだけやっていくのか。
先ほど参考資料5の中で、厚生労働省で各都道府県のサイトに行き着けるようなことがあったのですけれども、通常、医療機関を探すときに厚生労働省のホームページに入る人はまずいないと思います。これももちろん大事なのです。厚生労働省の中にもつけていただかないといけないのですけれども、やはり都道府県がこういう情報提供をしているのだということをもう少し強力に知らせていくことが大事かなと思っています。
それから、論点の中にどういう項目を載せていくのかということで、先ほど東京都の方がおっしゃったのですけれども、機能分化がどんどん進んでいく中で、機能分化を理解できていない方が多いということからすると、今後役立つとしたら、どういう機能を持ったところなのかということがこの中でわかるようにしたほうがいいかと思います。
病床機能報告制度のときに、住民への公表ということを考えて、そこの医療機関がどういうところから入院してきて、退院後はどこへ行っているかというような項目を報告していただくことになったと記憶しています。だとしたら、都道府県はその情報を持っているわけですから、それをうまく医療機関の検索のところにリンクしていくことで、そのあたりが住民に役立つ情報提供になるのではないかなと思いました。何かうまくそこがリンクして使われていないのではないかと思っています。
それから、質が公表されるとしたら、数値の読み方を会得しないと、患者が適切に使っていけないと思いますので、私はこの質の公表ということを考えるときに、患者の見る目を高めるという視点で考えていくことも大事なのかなと思いました。
以上です。
○桐野座長 そのほかにございますか。
本多構成員、どうぞ。
○本多構成員 先ほど尾形先生がおっしゃったこととも関係しますが、平成26年の医療法改正の第6条の2の中に、国民の責務として、医療提供施設の機能に応じ、医療に関する選択を適切に行い、医療を適切に受けるよう努めなければいけないというような条項が盛り込まれております。このような法改正の趣旨からしますと、患者が適切な選択ができるように情報がわかりやすく提供されているかという点も非常に重要だと思っており、国としても積極的に進めていただきたいと思います。先ほど山口構成員からご発言がありましたように、周知していくことについても国としても十分努めていただきたいと思います。
一方で、先ほどいろいろ紹介がありましたが、情報提供については医療機関にもかなり負荷がかかりますので、病床機能報告制度もありますし、ここにも書かれているように診療報酬改定に伴うものということで、保険局の担当になるかもしれませんが、診療報酬から得られる、レセプト情報からも得られる情報があれば、活用していただき、できるだけ情報をわかりやすくしていただければと思います。
とは言うものの、掲載情報を余り精緻にしても、利用されなければ意味はありませんので、利用者側がどういう点を望んでいるのか、できるだけそういう声も反映していただくような仕組みも一方では必要かと思います。先ほど一例に出ていました診療報酬の加算の項目等は、一般の方が見ても全然わかりませんし、例えばオンライン診療料といっても、オンライン診療料とはどういうことなのか、例えば、概ね30分以内の保険医療機関でなければいけない等の要件も詳細に伝えていただき、診療報酬の細かい内容というよりは、今回の改定によって、患者にとってどういう点が変わったのかということを知らしめていただくことが大事なのではないかと思います。
一方では、今、医療・介護の連携になってきており、医療施設の中には介護医療院が今度新たに出てきていますので、今後は医療と介護を連携づけるような情報も必要になってくるのではないかと思います。
私も個人的には質は非常に大事だと思っていますが、数値だけを比較してしまいますと、例えば、非常に優位な病院ですと、非常に難しい手術の症例数が多いため必然的に死亡率は高くなってしまいますので、単なる数値だけの比較は危険があるかと思います。そういうところもわかりやすく解説していただけるように工夫をしていただく必要があるかと思います。
○桐野座長 さまざまな意見が出ておりますので、事務局から説明がありました発表内容も含めて御議論いただければありがたいと思います。
木川構成員、どうぞ。
○木川構成員 先ほど滋賀の鎌田参考人から御説明がありましたけれども、SEO対策を民間と張り合っていてもなかなか成果が出ないというのは、それは予算に制限があるからそうだろうなと思いますし、山口先生からあったように、6年前と余り状況が変わっていないというのは、率直に申し上げて、今後もそんなに変わらないのではないかなと思います。
もともと民間と張り合うこと自体が無理な面があるので、何か民間と共同してやっていくような方法というのはないのかなと思います。これはただの感想です。
○桐野座長 そのほか、いかがでしょうか。
三井構成員。
○三井構成員 まず1点は中のアンケートの部分ですけれども、今回の保険改定を反映させてというところですけれども、歯科なんかは特に今回の改定で基本診療料の医療安全に対する項目という部分が評価されて、ここの部分は10月からということですけれども、ここに関しましては患者さんのより安全性という部分がありますので、そういう部分をきちっとつけ加えてほしいという要望であります。
それから、各地区で外国人対応をされているようですけれども、ここの外国人対応に関してですけれども、恐らく都道府県の県庁とかそういう役所でされるのは、どこの医院へ行ったらいいかというコーディネートだけをされているのではないか。実際には、滋賀県でも東京都でも今見ましたら数が倍、倍、倍という形でふえているというところですけれども、中にはデータが外国語対応可という医院がありますけれども、その部分はほとんど病院ではないか。一般の医院、歯科医院で対応していかなければ、今後の外国人観光客の数に対して対応することは不可能かなと思いますので、そういうような部分でももっと医療通訳というものを各都道府県でどのように確保していただけるかというところも考慮していただけたらありがたいかなと。受付窓口だけではなく、医院での通訳という形でないと対応し切れなくなる時代がやってくるのではないかと思います。
○桐野座長 石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 日本医師会の石川です。
私は県のこういう医療情報の担当もやったり、実際につくってきたりしたのですけれども、非常にお金をかけた割にはみんなに見ていただけないなというのは、常日ごろの感想としてありました。
実は医師会のほうでも、市の医師会、県の医師会、それから日本医師会でも広報をやったりしまして、いろいろホームページをつくったり、こういう案内もつくってきたのですけれども、これもなかなか見ていただけないのですね。というのは、どういう必要性があってこういうものを探すのかという国民の視点からの、何で探すのかということから始めないとなかなかうまくいかなくて、国民によっては症状がどこの医療機関がいいのかとか、そういうこともわからないので、頭痛だとか、そういう症状から始めたりという工夫をしました。これは市の医師会のほうです。
県のほうは、もちろんそうではなくて、1年に1回の医療機関情報をまとめて出すということですけれども、そういうことでしようがない、それなりの役割分担があるのかなと思いながらやっているのですけれども、それぞれに結構お金を使ってやっている割には利用が少ないというのはずっと今までの感想でした。
それから、今こうやって見ていますと、医療機関案内という感じで、医療機関情報ということになっているのですけれども、ついこの間、私は市の医療介護機関の白書をつくりまして、やはり介護も一緒にやらないと、国民の目線だと、介護サービスも同時に調べたいというニーズもありまして、ここは一体化していて、今は医療のことだけやっていますけれども、国民目線から行きますとそういう感じであるなと思いました。
以上です。
○桐野座長 何人かの方から医療と介護についての意見があったのですが、介護に関して今回、情報提供機能を拡張するということは考えられますか。
○木下調整官 事務局でございます。
介護につきましては、本当に縦割りと言われそうですが、介護は別の検索の仕組みがございます。そちらに関しましては、また機会がありましたらこの検討会にも情報提供をさせていただきたいと思います。介護のサービスの検索サイトは、もう既に別につくられているところでございます。
○桐野座長 当面はそういうことらしいですけれども、何か御意見があれば。
全般的に医療機能情報提供制度、あるいは今回、最終的に報告項目の改正に向けての議論ということでお願いしたいのですが、御意見はございますか。
福井先生、どうぞ。
○福井参考人 3名の構成員の方々からクオリティー・インディケーターについての御意見がございましたが、将来、全国の病院で測定していただけることを想定して作成した23分野36項目のQIについて、幾つかの病院団体でそれをはかっていただいて、使えるかどうかの検証を行っています。
その項目は、先ほど御意見がございました、非常に難しい手術とかそういうことではなくて、患者さんの満足度、つまり、何%の人がその病院にかかって満足したと答えているかとか、転倒、転落の患者さんの割合、褥瘡の発生率、インシデント・アクシデントレポートの出てくる割合と、その中の医師からの報告の割合とか、病院全体のジェネラルなテーマについてのQIがほとんどで、それらが全ての病院で測定可能かどうかを今検証しているところでして、その結果を踏まえて、今後のこの制度の見直しのときに入れていただけるかどうか、検討していただければありがたく存じます。
以上です。
○桐野座長 一つお聞きしたいのですけれども、私から言っていいのかどうかわからないですが、クオリティー・インディケーターを算出するときに、多くのものはDPC情報からそのまま自動的にとれるので、病院の追加的な作業が余り要らない。追加的作業が要らないように工夫することもかなり可能かと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○福井参考人 先生がおっしゃるとおりです。ただ、DPCだけですと、それに入っていない病院が大多数なものですから、そこのところをどうするかという話が一つございます。
もう一つは、実はそれぞれの病院でDPCとは別個に数値を出していただいた項目のほうが、改善することが多いようです。知らないところで数値が出るものについては、病院を挙げてその数値を改善しようというモチベーションが上がらないのではないかと思います。少し苦労して数値を出すと改善につながるような印象を持っています。
○桐野座長 どうぞ、平川構成員。
○平川構成員 そういう意味で、安全とか医療環境向上というのは、比較するというのも重要なのですが、一方で、診療報酬制度でもそういうインセンティブが入っていますので、診療報酬でもやって、こっちの医療情報でもやるとなれば、その整合性がなければ、逆に利用者にとっても混乱してしまう可能性もありますので、その辺の整合性をとっていったほうがいいのではないかということ。
あと、報告項目についても、医療機能評価機構の認証を受けているかどうかというのは入っているのですが、他にもJCIという医療機能を認証する団体もありますので、そことの関連性も含めて整理していく必要があると思います。県で評価し、厚労省で評価し、医療機能評価機構で評価するというように、いろいろなところがやっているので、その辺の関連性を整理して考えていく必要があるのではないかと思います。意見として言わせていただきます。
○桐野座長 そのほかはございますでしょうか。
だんだん時間も迫ってきたので、ぜひこれは言っておきたいということを。
どうぞ、福長構成員。
○福長構成員 消費者としては、医療機関のQIというのが表示されるというのはとてもありがたいことだと思います。
先ほども皆さんおっしゃっていますけれども、私も自分で居住地を入れて診療科目を入れると、民間のものが出てくる。それで、東京都、医療機関で出すと東京都の「ひまわり」が出てくるのです。
そういうことを考えて、民間のところを見ると口コミ情報みたいなものがありますけれども、それよりも国として自治体のほうが提供される情報の中に、質がわかるような、おっしゃるように標準化するというのはなかなか厳しいかと思いますけれども、目安としてそれはとてもありがたいと思いました。よろしくお願いしたいと思います。
○桐野座長 そのほかいかがでしょうか。
引き続いて御議論いただくことになると思いますが、今日は時間も迫ってまいりましたので、今日の議論については出していただきました御意見を踏まえて、各構成員の意見については事務局で取りまとめを行うということでお願いいたします。また、次回の検討会において、再度、この問題については御意見をいただきたいと考えております。
よろしいでしょうか。
どうもありがとうございます。
事務局から何かございますか。
○長房企画官 次回の日程等につきましては、改めて御連絡をさせていただきます。本日の検討会資料につきましては、本日中に厚生労働省ホームページに掲載する予定です。
以上です。
○桐野座長 それでは、これで閉会いたします。ありがとうございました。
 

(了)

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