ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(年金事業管理部会)> 第40回社会保障審議会年金事業管理部会議事録(2018年11月28日)

 
 

2018年11月28日 第40回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

○日時

平成30年11月28日(水)13:30~15:30

 

○場所

全国都市会館 第2会議室
東京都千代田区平河町2-4-2
 

○出席者

増田部会長、大山部会長代理、石井委員、岩瀬委員、喜田村委員、斎藤(聖)委員、齋藤(衛)委員、椎野委員、西沢委員、西村委員、原委員

○議題

(1)次期中期計画の策定に向けて
(2)その他

○議事

 

 

 

○黛年金事業運営推進室長 定刻前ではございますが、皆さんお揃いですので始めさせていただきたいと思います。
ただいまより第40回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
委員の出席状況でございますが、本日は、原委員、松山委員及び山口委員が御欠席でございます。また、喜田村委員におかれましては遅れての御出席、齋藤衛委員におかれましては、他の用務のため途中で退席されるとの御連絡をいただいているところでございます。
本日は議事の前に、審議会のペーパーレス化について説明させていだきます。
厚生労働省では、審議会等のペーパーレス化を進めているところでございますが、当部会におきましても、今回よりペーパーレスの取組を実施させていただきます。
そうは申し上げましたが、今回の資料1-1は量が結構多いものですから、こちらに関しては便宜上、紙の資料も用意させていただいております。
委員の皆様の前の机上にお配りいたしましたタブレット端末ですが、操作方法はお手元の操作説明書という1枚紙の表裏にまとめてございます。これから簡単ではありますが、御説明させていただきます。
現在、画面上には議事次第が表示されているかと思いますが、画面左上に表示されている「マイプライベートファイル」というものを指で軽くたたいていただきますと、本日の資料一覧が表示されます。これで表示した資料のタイトルをまた軽くたたいていただければ、それが表示されるということになってございます。
あとはスマートフォン等でおなじみだと思うのですけれども、画面を2本の指で開いたり閉じたりすることで、資料の拡大、縮小ということが行えるようになってございます。
他の資料を表示させたい場合は、上のほうにある「マイプライベートファイル」をタッチしていただいて、資料一覧に戻っていただいた後、御希望の資料を表示させるということでご覧いただければと思います。
会議中に不明な点がございましたら、近くの事務局の職員がサポートいたしますので、遠慮なくお申し付けください。
なお、傍聴される方につきましては、あらかじめ厚生労働省ホームページでお知らせしているとおり、御自身のタブレット端末等を使用してご覧いただくこととしております。
それでは、議事進行につきましては、増田部会長にお願いしたいと存じます。
恐縮ですが、カメラにつきましてはここまでで退室をお願いします。
 

(報道関係者退室)

 
○増田部会長 それでは、議事に入りたいと思います。喜田村委員が後ほど遅れて出席ということなので、早速始めたいと思います。
「次期中期計画の策定に向けて」を議題にいたしたいと思います。
この関係は前回、機構の基幹業務について御議論いただきました。今回はそのときに議論できなかった他の部分ですが「組織、人事、内部統制、システム刷新など」について、これまでの取組状況や課題を機構からまず御説明いただいた後に御議論いただきたいと思います。
それでは、機構のほうから早速説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○田中日本年金機構企画調整監 日本年金機構の田中と申します。資料1-1と1-2について御説明させていただきたいと思います。
資料1-1はお手元に紙で配付されておりますが、資料1-2のほうはタブレットを御参照いただくということになります。
資料の構成を簡単に御説明させていただきますと、まず、資料1-1は「第3期中期計画策定に向けた機構におけるこれまでの取組について(基幹業務以外)」ということで、前回、基幹業務に関して、約9年間にわたる第1期中期計画、第2期中期計画の取組の概要、成果、課題について御説明させていただきまして、今回、その基幹業務以外ということでの御報告でございます。
また、資料1-2につきましては、平成27年12月に業務改善計画を取りまとめたときに、再生プロジェクトとして具体的な施策を取りまとめさせていただきましたので、その総括ということで、別紙にまとめさせていただきましたが、内容につきましては、この再生プロジェクトも組織改革、業務改革、人事改革ということでございまして、中期計画の内部統制を中心とした記載と重なる部分がございますので、資料1-1の中期計画関係の資料に沿って御説明させていただければと考えております。
それでは、資料1-1の説明をさせていただきますが、本日は業務運営の効率化に関する事項、あるいは業務運営における公正性及び透明性の確保等に関する事項ということで御説明させていただきます。
資料は大変分厚くなっておりますが、なるべくポイントを絞って御説明させていただきたいと思います。何せ結構分量がございますので、40分程度お時間をいただいて御説明させていただければと考えております。
まず、1ページから「効率的な業務運営」の「業務の合理化・効率化・標準化」ということでございます。
2ページでございますが「取組の概要と成果」ということでございます。
これまでも全国統一的な業務の標準化を図るため、機構発足以降、業務処理マニュアルの改正を行ってまいりましたが、業務改善計画の一環としまして、ルール全体を体系的にまとめる「統一業務マニュアル」というものを、平成27年度から作成に着手いたしました。
「取組の経緯」でございますが、業務削減会議の設置、経過管理・電子決裁システムの稼働開始ですとか、業務の合理化、効率化等について着実に取り組んできたところでございます。
3ページに課題をまとめさせていただいておりますが、一つは矢印のところ、拠点用の統一業務マニュアルについて、現場からの意見を集約しながら、継続的に精緻化・改善化をしていく。また、本部リスク管理の見直しに向けた今後の取組を踏まえて、本部用マニュアルを速やかに整備していくということです。
また、業務支援ツールの改善についても取り組んでまいりたいということでございます。
次に6ページで「業務改善の推進」ということでございまして、中期計画ではお客様や拠点の職員の要望や提案を踏まえて、業務改善を継続、実施していくということが掲げられておりまして、職員提案、お客様の声、業務削減提案、業務改善工程表に沿って取組を進めてまいりました。
2つ目の○にございますが、これについては平成29年4月から集約して、新たな「業務改善工程表」として一元的に管理、実施しているところでございます。
右下に対応完了数ということで数字を掲げさせていただいておりますが、9割ぐらい提案数に対して対応を完了しているということで、多くの提案が改善されてきていると考えております。
具体的な事例については7ページに記載しておりますので、後ほどご覧になっていただきたいと思います。
課題としまして、一番下でございますが、業務改善提案のための環境整備ということで、提案しやすい環境づくり、提案への検討状況の確実なフォローアップ体制をどのように確立していくかということが課題ではないかと考えております。
次に10ページから「事務センターにおける業務の標準化・効率化」でございます。
「取組の概要と成果」の1つ目の○でございますが、年金事務所で行っていた届書の審査等々の定型業務につきまして、都道府県単位で設置した事務センターに完全集約を実施いたしました。
また、外部委託を活用すること等によって、機構全体の業務の標準化、効率化を図ったところでございます。
また、2つ目の○で、組織のスリム化と事務処理の一層の効率化・標準化を進めるために広域集約化を進めてまいりまして、全国47拠点ございましたが、これを16拠点に統合いたしました。また、外部委託を拡大して、業務の増加を吸収したところです。
3つ目の○で、これまでの部会で何度か御報告をさせていただいておりますが、外部委託業務につきましては、個人情報保護の観点から機構が用意した場所で委託業務を行う「インハウス型委託」を進めているということでございます。
11ページに課題をまとめさせていただいておりますが、一つは事務センターのマネジメント体制の構築ということで、まずはこれまでの集約効果を十分に見定める必要があるということですが、今後の事務センターが担うべき機能・位置づけを明確にするとともに、大きな拠点になってまいりましたので、その運営・管理のあり方、マネジメント体制についてどのような検討を行っていくかということを一つ掲げております。
2つ目としまして、事務センターの基盤的業務を支える無期転換職員の育成と確保ということと、正規職員、無期転換職員、有期雇用職員、外部委託業者の役割をそれぞれ整理する必要があるということを課題として掲げさせていただいております。
また、2つ目の業務の標準化・効率化については、引き続き進めてまいります。
また、一番下の外部委託の効率化ということで、インハウス型委託は推進していくわけですが、あわせてペーパーレス化の促進ですとか、新たな技術の活用によって外部委託の効率化をどのように図っていくかということが課題だと考えております。
14ページで、中期計画で「お客様の住所の適切な把握と返送郵便物の適切な対応」ということが記載されております。
まず、お客様の住所につきましては、住基ネットで本人確認情報の提供を受けることが可能な受給権者につきましては、平成23年7月から住所変更届等の提出を原則不要といたしました。
また、平成30年3月から被保険者につきましても、住所の移動情報、住基ネットから取得することによって、届出の省略を行っております。
次に返送郵便物ということでございますが、平成29年4月から機構本部から定期的に個人のお客様に送付する郵便物につきまして、業務運営の効率化、お客様サービスの向上を図る観点から、郵便物管理システムを構築して運用しているところでございます。
次に「2.外部委託の活用と管理の適正化」でございます。16ページをおめくりいただきまして、1のところでございます。
当機構は基本計画におきまして、積極的に外部委託を行うこととされておりまして、そこのマル1からマル5にございますような業務について、外部委託を行っているところでございます。
これにつきまして、真ん中の「2.情報セキュリティと品質の確保」ということでございまして、まず「マル1情報セキュリティの確保」につきましては、平成28年度に外部委託実施要領を改正いたしまして、例えば守秘義務契約書の写しの機構への提出を義務化したり、インターネット環境の隔離を義務化するなどの取組をするとともに、マル2でございますが、SLAの活用によってサービス品質の確保を図ってまいりました。
しかし、残念ながら、先般から御報告させていただいたとおり、扶養親族申告書に係る一連の業務における事務処理について、業務改善命令をいただいたということもございまして「調達・外部委託管理ルールの見直し及び組織体制の強化」を実施しているところです。具体的には、17ページにまとめさせていただいておりますけれども「マル1調達ルールの見直し」とか「組織体制の強化」「インハウス型委託の推進」ということで、これは先般から取組については御報告させていただいておりますので、説明は省略させていただきますが、こういったことに取り組んできているということでございます。
19ページに課題をまとめさせていただいておりますが、課題につきましても前回まで御報告させていただいているとおり、まずは調査委員会から御提言いただいておりますので、これを着実に実施していくということで「年金個人情報を取り扱う外部委託の適正な管理」「優良な受託事業者の確保」「調達に精通した人材の確保・育成」に努めてまいりたいということでございます。
次に21ページから「社会保険オンラインシステムの運用・改善・開発」ということで、まずは「現行システムの改善・開発」でございます。
22ページをおめくりいただきまして、これにつきましては制度改正・業務改善に伴うシステム開発の対応を確実に実施してまいりまして、制度改正については住基ネットワークの活用ですとか、業務改善については労働保険情報の活用ですとか、25ページに一覧でまとめさせていただいておるところでございます。
また、セキュリティ対策については、従来から生体認証、情報認証によるアクセス管理などを実施してまいりましたが、平成27年の不正アクセスによる情報流出事案を踏まえまして、独立したインターネット環境の構築ですとか、年金個人情報専用共有フォルダの設置や自動暗号化を行うとともに、検疫PCの導入などを図ってまいりました。
また、一番下の暫定支払環境の整備ということで、年金給付システムが被災した際にバックアップデータ等を用いて、年金の支払いが行えるように平成24年4月に年金給付システム一部機能を地方に設置いたしました。
次に23ページが「オープン化・効率化の取組」ということで、最適化計画を踏まえて、オープン化による効率化の取組を計画的・段階的に進めてまいりました。
まず、記録管理システムについては、周辺サーバシステムについて順次OS契約から自己保有に移行して、一般競争入札を実施しております。
また、端末のアプリケーションや設備につきまして、窓口装置(WM)等を平成19年度から入札による調達を開始しました。
真ん中の年金給付システムにつきましても、順次メーンフレーム系機器の集約を実施するとともに、平成31年5月の周辺サーバシステムの更改で、ドキュメントやプログラムの著作権を機構に帰属させることを予定しているところでございます。
一番下のシステム運用管理業務については、社会保険庁時代には随契としておりました年金給付システムに係るオペレーション業務や運用支援業務を一般競争入札に移行しました。
24ページで、新たに開発したサーバ系システムにつきましても、著作権は当初から機構に帰属する形での調達を実施しております。
参考資料が少しございますが、29ページに課題をまとめさせていただきました。
一つは「現行システムの適切かつ確実な運用等」でございますが、まず、システム刷新までの間に、現行システムにおける改善対応の範囲・方針についてどのように対応していくか。また、現行システムを刷新システムに移行するため、各部門の協働体制をどのように確立していくかということでございます。
また、年金給付システムの最適化につきましても、着実な推進を図るために、検討体制をどのように構築して進めていくかということを課題として整理させていただきました。
次に31ページからが業務システム刷新でございます。
32ページにつきましては、御案内のとおりフェーズ1、フェーズ2ということでそれぞれ取組を進めているところでございます。
まずはフェーズ1につきましては、記録管理に係る事務処理業務全般につきまして、デジタル・ファースト原則を踏まえて、電子化と業務手順の見直しを行って効率化・適正化を実現するシステムを構築しているところです。
3つ目の○にございますとおり、経過管理・電子決裁システム、あるいは個人番号管理システムにつきまして、平成29年1月より稼働を開始しております。
「経過管理・電子決裁システム」ですが、これによりまして、紙届書の移動の廃止ということで、ペーパーレス化によりまして事務所から事務センターへの紙の届書の進達が不要になったり、電子決裁が促進されたということでございます。
また、審査過程にシステムによる論理チェックを導入し、審査のシステム化を実現するとともに、届書処理の進捗状況の本部・拠点での共有化などによる処理遅延の防止が図られました。
これにつきまして、一番下にございますが、対象届を段階的に拡大してまいりまして、現時点では適用関係届書件数の約80%が経過管理・電子決裁システムの対象となっております。
33ページの個人番号管理システムにつきましても、マイナンバーでの対応を開始したということでございます。
次にフェーズ2では真ん中の○にございますが、人の生涯にわたる年金記録を正確に把握・保持し、拠点にとらわれない業務を実現できるデータ構造とするとともに、制度改正等に柔軟かつ迅速に対応できるプログラムにつくりかえるなど、システムの構造問題の解消を図るとともに、拠点・本部が一体となった対策の実施・管理を行えるよう対策系業務のシステムを構築するということで進めているところでございます。
具体的には
1データベースを制度別・拠点別から、個人別・全国ベースにしていくこと。
2業務アプリケーション・プログラムの構造を簡素化するといった取組。
3フェーズ1の対象とならなかった業務について、電子化・統一化を図っていく。
といった方向で取組を進めていくということでございます。
34ページにつきましては「情報セキュリティ・システム専門委員会」で種々御提言いただいておりまして、幾つか取組を進めているところでございます。
まず、「プロジェクト憲章」の年内の策定に向けて、現在作業を進めております。
また、業務プロセス点検を平成29年12月に実施いたしました。
さらに、「開発準備工程」を円滑に実施するために「開発準備工程推進協議会」を平成29年11月に設置したということで、様々な取組を進めているということでございます。
なお、一番下の○で、フェーズ2開発の完了時期でございますが、開発規模や難易度に加えまして、業務プロセスの徹底した検証が重要であるということなどを勘案しまして、遅くとも2026年1月までを目指しているということでございますが、開発準備工程等における検討を経て、さらに工期とその短縮に向けた検討を行っていくこととなります。
参考資料を何枚か付けておりますが、課題につきましては40ページから整理させていただきました。
まず、共通課題ということでございますが「デジタル・ファーストの原則による事務処理業務の効率化」ということでございまして、一つは届書の電子化の利用促進をどのように進めていくかということです。
2つ目としましては、システムチェックのさらなる拡充ですとか、添付書類の省略、これらの取組を進めていく必要があるということでございます。
3つ目でございますが、それでもなお紙届書や手作業は残りますので、それについてAI-OCRですとかRPAといった最新の技術を活用した対策をどのように検討していくかということです。
4つ目でございますが、中小規模の事業所への対応を念頭に機構独自の取組を進めていくということで、例えばということですが、簡便にインターネット経由で届出ができる「事業所版ねんきんネット」みたいなものを導入してはどうかということでございます。
2つ目の○でございますが「フェーズ1構築時の教訓を踏まえた刷新プロジェクトの実施」ということが課題かと考えています。
個別の課題でございますが、フェーズ1につきましてはさらなる事務処理の効率化ですとか、41ページに書いていますマイナンバーによる情報連携、フェーズ2につきましてはデータ構造の見直しですとか対策系業務のシステム化、こうしたことが課題として考えられるのではないかということで記載させていただきました。
次に43ページからは項目が変わりまして「内部統制システムの有効性確保」ということでございます。
44ページに「内部統制システムの基本方針」ということで、当機構では基本方針に基づく7つの事項を柱として、内部統制システムの有効性の確保を進めているところでございます。
この7つの柱に沿った取組については、これから個別に御説明させていただきたいと思います。
まず、45ページから「コンプライアンス確保とリスク管理の取組」でございます。
46ページでございます。まず、リスク管理体制につきましては、体制の整備ということで、一番上から3つ目の○でございますが、平成28年4月にリスク統括部を設置するとともに、4つ目の○ですが、各拠点長から日時の業務報告を実施するという取組を行っているところでございます。
また、リスク管理の主な取組ということで、それぞれのリスクについて、例えば情報セキュリティリスクでいえば、何度も御説明申し上げていますが、不正アクセスによる情報流出事案を受けて、情報セキュリティに係る組織面、技術面あるいは業務運営面について全般的に見直しを実施いたしました。
システムリスクに関しては、システム事故やシステム障害発生の極小化や早期復旧に向けた対応を行ったところでございます。
事務リスクに関しては、種々の事務処理誤りの再発防止策を講じるとともに、最近では振替加算の総点検ですとか、事務処理誤りの総点検といったことに取り組んでいるということでございます。
また、災害その他リスク対策にも、そこに記載があるような取組を行っておりまして、一番下はリスク管理やコンプライアンスに関する意識の醸成のために研修を実施してきたということでございます。
49ページに課題をまとめさせていただきました。まず、リスク管理やコンプライアンス意識を引き続き醸成していく必要があるということでございます。
2つ目は「リスク管理に対する高度化」ということで、リスクの把握に対する感度、対応のスピード及び的確さの高度化を図るため、どのような取組を行っていく必要があるかということでございます。
3つ目でございますが「本部内のリスク管理」ということで、本部各部の把握した各種情報を一元管理し、リスクに的確に対応する仕組みをどのように構築していくかということでございます。
4つ目は「本部現業部門のリスク管理」ということで、事業全体の工程管理についての責任部署の明確化ですとか、取り扱いの正確性の確保、あるいは部署ごとの進捗管理などを行うために、どのような取組を行っていくかということでございます。
最後は「自然災害に対するリスク管理」についてです。インフラ停止への対策を含めて、より広範な対応を行うための検討を進めていくということを課題に掲げさせていただいています。
次に「ルールの徹底」でございます。これにつきましては52ページに記載がございますが、一番上の○の真ん中あたりでございます。これまで機構ではルールの統一的・体系的な整理がなされなかったということもございまして、ルール全体を体系的にまとめる統一業務マニュアルを作成いたしました。
また、ブロック本部の指示発出権限を廃止しまして、統一的にルールを設定する体制を構築いたしました。
また、2つ目の○ですが、これまで業務処理を行う際の各種業務支援ツールというものがございました。これは現場での作成を認めていたわけですが、情報セキュリティの観点から、個別に作成・利用することを禁止いたしました。
一番下でございます。中央年金センターで処理する全届書、出力リストなどについて、751種類の業務処理マニュアルを作成いたしました。
これらについて、53ページで「現場実態を踏まえたルールの設定」ということで、本部に「業務品質管理部」を設置したり、2つ目の○でございますが、現場における指示の確認ですとか、マニュアルの遵守状況。これは事業推進役という地域マネージャーが調査して、統一業務マニュアルに関する現場の意見などを本部にフィードバックする仕組みを確立いたしました。
「(3)守るべきルールの明確化・職員の負担軽減」ということでございます。これにつきましては「指示・依頼」の発出ルールを見直ししまして、発出件数を「5割」以下に削減いたしました。
次に「2.ルールの徹底」でございますが、これは地域部を責任部署と明確化しまして、先ほど申し上げた地域マネージャーが現場指導を行ったり、ルール徹底担当者の設置、理解度チェック、テレビ会議システムを活用した現場向け説明を実施するなど、指示の理解度向上を促進したところでございます。
55ページに課題ということで整理をさせていただきました。
一つは「現場実態を踏まえたルールの設定・守るべきルールの明確化」ということで、これを引き続き改善していく必要があるということでございます。
また、「確実なルールの徹底」ということで、ルールをつくりましたので、これをどう徹底していくかということが大きな課題かと考えております。
次に57ページと58ページは「適正な監査の実施」です。監査につきましては、ブロック本部と同様に全国9カ所で監査担当者を常駐させた監査体制としておりましたが、平成27年4月に東京と大阪の2拠点にいたしました。
外部専門家を招いて研修したり、内部監査を担う人材を継続的に育成するとともに、3つ目の矢印ですが、監査法人や金融機関等での業務または監査の経験のある方、あるいは公認内部監査人の資格を持っている方について、機構設立以降延べ28名を監査専門職として採用いたしております。
監査機能につきましても、2つ目の○でございますが、平成28年7月から一般監査を業務検査と業務監査ということに機能分化をしまして、機能の明確化、強化を図りました。
下のほうの「特別監査の実施」ですとか、システム、情報セキュリティ、外部委託といった監査体制の強化を図ったということでございます。
課題につきましては60ページにまとめさせていただきました。
一つは「監査体制に係る課題」ということで、引き続き外部から人材の登用を進めますが、機構内部の実務に精通した職員を監査人とするために、どのような監査手法、監査内の高度化を図っていくかということです。
あるいは、監査人の計画的な育成ですとか、監査調書の品質を平準化、高度化させていくために、どのような体制整備を行っていくかということを課題に掲げさせていただいています。
「監査手法に係る課題」ということで、監査項目を恒常的に見直す手法やルールについてどのように検討し、確立していくか。あるいは、以下の監査手法の開発とございますが、調達プロセス、年金給付業務、徴収業務、個人情報保護について、監査の取組の強化、充実をどのように図っていくかを課題として掲げさせていただいております。
次に63ページと64ページの組織風土改革でございます。
一番上の○にございます機構発足直後から、理事長直轄の「組織風土改革実践PT」を設置して取組を進めてまいりました。
2つ目の○にございますが「日本年金機構再生本部」で改革案を検討しまして、平成27年12月に、御案内のとおり業務改善計画をまとめました。
この計画を着実に実行するため「自ら考え、自ら改革する」をスローガンに、拠点ごとにプロジェクトチームを立ち上げて、再生プロジェクトを現場レベルでも実践しているということでございます。
65ページに課題ということで掲げさせていただいておりますが、組織風土改革については引き続き、職員が一丸となって、国民の信頼に応えられる組織をどのように実現していくかという不断の取組が必要ではないかということで考えております。
次に67ページ、68ページの文書でございます。
68ページの一番上にございますとおり、機構発足当初から「当面、当該文書の保存期間を超えても廃棄しない」ということで、保存期間を超えても文書を廃棄しないという取り扱いをしていましたが、平成25年に一部廃棄を実施しまして、また、平成29年度には、部会にお諮りさせていただきましたが、年金額や年金記録に関係しない文書については、保存期間終了後の廃棄を可能とする取り扱いとさせていただきました。
また、一番下の○ですが、平成30年2月に、これも部会にお諮りをさせていただいて、経過管理・電子決裁サブシステムで届書の画像化処理を行った電子データを、原本として保存する取り扱いとさせていただいたところでございます。
課題につきましては69ページに3つほどまとめてございますが、まず、法人文書の保存期間の見直しということでございます。現在、最長で30年とされているところですが、制度上の必要性とかお客様との関係を考慮した上で、どのように保存期間を整理、実施していくかということです。
2番目の○で、法人文書の適正な管理・保管ということで、簡単に言えばコストの関係もございますので、それを踏まえてどのような保管管理を行っていくか。
3つ目で、電子申請や電子媒体で提出された届書を原本として適正に管理・保管する方法を検討し、実施していくということが課題かと考えております。
次に71ページから、「組織改革」ということでございます。組織改革につきましては、機構発足時から取組を行っております。
72ページの一番上で、この日本年金機構でございますが、47ある社会保険事務局を9ブロック本部にスリム化して、本部・9ブロック本部・47事務センター・312年金事務所という組織体制で発足いたしました。
また、組織の一体化を図るため、本部の企画・管理機能の体制を強化してリスク・コンプライアンス担当部署を設置するなど、内部統制機能を強化いたしました。
その後、本部関係につきましては「(1)業務執行体制の強化」ということで、必要な部署を設置したり、「(2)コールセンター対応」ということで、各種ダイヤルの設置をしたりしてまいりました。
「3.年金事務所・事務センター関係」につきましては、(3)の記録問題もございましたので、紙台帳とコンピュータ記録の突き合わせ事業の拠点として、平成22年6月に「記録突合センター」を全国29カ所に設置するとともに、事務センターの「突合記録審査グループ」や、年金事務所の「年金記録課」と併せて、年金記録問題に集中的に対応してきたという経緯がございます。
次に76ページから業務改善計画以降ということでございます。
これにつきましては本部改革として「常勤役員会」の設置ですとか、2つ目の○にございます「事業企画部門」と「事業推進部門」の横断的体制の確立。3つ目の○は「年金給付業務部門」の設置。4つ目が地域部の設置ということでございます。
2つ目の大きな改革として、ブロック本部を廃止して本部に統合いたしました。
結果として、2つ目の○にございますが、568人の定員を、年金事務所や事務センターへシフトして、お客様との接点である現場を強化するということに取り組んでまいりました。
77ページに課題を掲げておりますが、こういった形で組織の見直しを行ってきたわけですが、1つ目の○でございます。事業企画部門・事業推進部門について、現場から見てわかりやすい組織のあり方をどのように検討・追求していくか。あるいは、地域部の機能強化ですとか、機構における業務分担・役割の見直しを図っていく必要があると考えております。
79ページ、80ページは「拠点等ビジネスプロセス改革」ということで、端的に言うと、年金事務所や事務センター等の組織改革ということなのですが、これは業務にも密接に係る改革ということで、総称してビジネスプロセス改革と呼ばせていただいております。
まず、年金事務所につきましては「(1)お客様チャネルの見直し、サービス拡充」ということで、従来の都道府県単位から全国ベースで拠点網を見直したり、役割に応じた年金事務所体系の再構築を検討するために「チャネル戦略プロジェクトチーム」を設置しております。
具体的には3つ目の○にございますが、年金事務所分室を開設したり、4つ目の○は予約相談の実施。あるいは、下のほうのマルチランゲージサービスですとか、テレビ電話の導入ということで、多様なチャネルの整備を図ってまいりました。
「(2)徴収体制の整備」ということで、事業実績の向上を図るために、一部の年金事務所の厚生年金保険業務を近隣の年金事務所に集約したり、2つ目の○でございますが、全国レベルで対応困難となっている徴収事案について、直接滞納処分を実施する徴収専門の本部組織として、特別徴収対策部を東西2カ所に設置いたしました。
81ページでございますが「正確な給付業務体制の確立」ということで、年金給付審査業務につきまして、事務センターから年金事務所へ段階的に移管しました。
事務センターは先ほどの御説明のとおりでございます。
3.は障害年金センター・中央年金センターの設置をいたしました。
また、(3)として、これも何度か御報告しておりますが「本部現業部門のあり方・本部リスク管理の見直し」に取り組んでいるということでございます。
83ページに課題をまとめさせていただきましたが、一番上でございます。本年の重点取組課題である「お客様チャネルの再構築」「徴収体制の整備」「年金給付業務の抜本改革」あるいは「事務センターのビジネスモデルの確立」について、引き続き十分な効果検証を行いながら、課題に取り組んでいくということでございます。
「お客様チャネルの再構築」につきましては、3つほど矢印をしてありますが、年金事務所の拠点配置のあり方をどのように見直していくか、街角の年金相談センターについて、お客様の利用状況にあわせて配置場所をどのように見直していくか、各拠点の相談ニーズ・事業機能に応じた効率的な拠点の運営方法をどのように検討していくかということでございます。
徴収体制につきましては、年金事務所の業務集約のあり方について改めて検討するとか、特別徴収対策部の運営状況を踏まえつつ、集約をどのように進めていくか、「年金給付業務の抜本改革」につきましては、1つ目の矢印でございますが、年金給付全体の執行体制をどのように構築していくか、あるいは、中央年金センター、年金給付業務の中核を担う組織としての役割をどのように構築していくか、障害年金業務は、集約の効果と問題点の整理ということと、年金事務所における障害年金業務のスキルの維持・向上をどう図っていくかということでございます。
あとは先ほどの説明と重複しますので省略をさせていただきまして、次に85ページから「人事及び人材の育成」の関係でございます。
まず、機構の人員体制について、86ページに整理をさせていただきました。
人員体制につきまして、基本計画に基づく人員削減をこれまで着実に実施しており、1,608人削減してまいりました。
一方で、記録問題の対応を着実に実施するとともに、基本計画策定時には想定されなかった業務、厚年の未適対策とか、国内の強制徴収業務ですが、これについて毎年度必要な予算、人員を確保してまいりました。
これらの結果、機構発足時の2万5491人から2万1683人ということで、3,808人まで削減を実施いたしました。
課題としましては、引き続き基本計画に基づく人員削減の未実施分については、今後の業務の効率化やシステムの刷新にあわせて、着実に実施をしていくということと、一方で、基本計画策定時に想定されなかった新たな業務につきましては、不断の合理化、効率化を図りながら、円滑な業務遂行のための実施体制を確保していくということを掲げさせていただきました。
89ページと90ページは「人員配置の適正化」ということで、これは業務実態調査というものの実施をいたしまして、年金事務所や事務センターの業務区分と適正人員の算出を行い、職種ごとの定員の拠点間格差を順次是正してまいりました。
これにつきまして、課題に書かせていただきましたが、引き続き実施をしていくわけですが、どのような手法で行っていくかが課題ということで考えております。
93ページから、人事方針、人材登用、適正な人事評価制度でございます。
94ページから、機構発足時からの取組ということでございます。
まず、組織の一体化ということでございますが、社会保険庁時代に指摘されていました三層構造を排除するために、全国異動を基本とするということで、人事異動を実施してまいりました。
現時点の全国異動の実施状況でございますが、平成30年4月の時点で8,704人ということで、機構全体で約8割の職員が全国異動を実施したということでございます。
また、2つ目の○でございます。平成23年4月から、本部における新卒正規職員の一括採用を実施しております。これによりまして、平成30年4月は2,067人の機構採用の職員がいるという状況になっております。
「2.組織の活性化」では、若手・民間出身者の所長への積極的登用を行いました。
「3.無期転換職員及び有期雇用職員の活性化」「女性の活躍推進」等にも取り組んできました。あるいは、一番下の人事評価制度につきましては、評価項目・評価指標の見直しを随時実施してまいりました。
95ページから業務改善計画以降の取組でございます。まず、組織の一体化に関しては一般職の人事権も本部に一元化いたしました。
2つ目は「組織の活性化」でございますが、一番上の○のキャリア形成の全体像(ゼネラリストとスペシャリスト別のキャリアパスなど)が新たに整理するとともに、3つ目の○ですが、専門性を確保する観点から、年金給付分野やシステム分野に専門職を設置いたしました。
3つ目の「無期転換職員及び有期雇用職員の活性化」で、2つ目の○でございますが、賞与支給制度を平成30年度から導入いたしました。
また、女性の活躍推進にも、引き続き取り組んでいるということでございます。
96ページが「適正な人事評価制度の運用」ということで「信賞必罰の人事評価」を行いました。
これにつきましては、一番上の○にございます組織貢献への加点評価の導入ですとか、成果だけではなくてプロセスも評価する仕組みを導入する、あるいは、3つ目の○でございますが、向上意欲の乏しい職員につきまして、能力改善プログラムを実施しますが、改善が見られない場合には降格を厳正に実施したということでございます。
「活性化」につきましては、若手登用とか役職定年制度を段階的に導入いたしました。
100ページに課題をまとめさせていただきました。
まず、一番上の○で「安定的かつ確実な業務運営体制を確保する人事体制の確立」ということでございますが、全国一括採用に伴い、機構採用の正規職員が半数程度になる中で、全国拠点網を安定的に維持・運営する観点から、人事体系、人事施策及び人事配置ルールをどのように再構築していくかということで、今は事務局採用の職員がまだ残っておりますが、5年もたつとだんだん、機構採用の正規職員が半数程度になる中で、どのような人事を行っていくかということでございます。
2つ目は、高い専門性を担う職員を安定的に確保・育成する人事体系の構築。
3つ目は、事務センター等の基盤的業務を担う人材の育成とキャリアパスの確立ということで、これは前回も御報告させていただいたところでございます。
2つ目の○でございますが「職員の役割明確化、職種毎の処遇や人材育成の抜本的見直し」ということでございます。
まず、1つ目。組織を安定的に運営するために、正規職員、無期転換職員、有期雇用職員、それぞれの役割の一層の明確化をどのように図っていくかということでございます。
また、無期転勤職員についても拡大・活性化につなげるために、どのように役割を明確化して、その役割に応じた人事体系を確立していくか。あるいは、有期雇用職員については安定的な採用と、雇用期間を前提とした役割をどのように整理していくかということを課題として掲げさせていただいています。
「高年齢者の役割強化」についても検討していきたいと考えています。
一番下の人事評価でございますが、これにつきましては成果主義に軸足を置いた評価体系から、機構全体あるいは国民への貢献なども評価の視点に含めた総合的な評価体系の見直しについて、どのように検討していくか。あるいは、職員の希望とやりがいにつながるようにするため、評価のあり方をどのように見直していくかということを課題として掲げさせていただいております。
102ページから「人材育成」ということで、研修でございます。これにつきましては機構発足当初から、本部においては階層別研修、制度研修等々を実施して、ブロック本部では実務研修を中心に実施してまいりました。
また、本部では内部資格制度、外部資格補助制度といったものを創設いたしました。
次に「ブロック本部統合後の研修」ということですが、人事一元化に伴いまして、研修体系を統一化しまして、本部主体の研修に見直しました。これによりまして、研修の充実が図られ、また、職員が全国共通の研修を受講することができて、職員育成の強化につながっていると考えております。
(1)として、本部主導の統一的な研修にシフトしたということです。
103ページの「(2)研修環境の充実・拡大」ということで、通信研修の拡大ですとかテレビ会議研修の開始、あるいは音声つき教材の提供などを実施したということでございます。
105ページに課題をまとめさせていただいておりますが、「階層別研修・業務研修の見直し」ということで、階層別研修については、より効果的な研修とするためにカリキュラムをどのように見直していくか。
業務別研修につきまして、無期転換職員や有期雇用職員を含めて階層別といいますか、習熟度に応じた集合研修を実施させるなど、実務研修をどのように再構築していくかということでございます。
2つ目で、これも重要なポイントでございますが「専門人材や基盤的業務を担う人材の育成」ということで、特に高い専門性が求められる分野(年金給付、徴収、調達、システム及び情報セキュリティ)の研修をどのように強化していくか。また、事務センターなどの基盤的業務を担う人材の育成のための研修体系をどのように整備していくかということを課題として掲げさせていただいております。
また、研修の質の向上、無期転換職員・有期雇用職員の育成も大きな課題でございます。
107ページから「働きやすい職場環境の確立」でございます。
108ページにこれまでの施策をまとめさせていただきましたが、【勤務時間管理・縮減】【メンタルヘルス対策・健康対策の強化】【休暇取得の促進等】【健康保険組合と連携した取組】ということで、109ページに矢印の表で取組をまとめさせていただきましたが、これをご覧になっていただきますと、平成22年からかなり取組の充実を図ってきたということがお読み取りいただけるのではないかと思います。
110ページの課題ですが、これにつきましては引き続き、職員が働きやすい職場環境づくりに努めていくということで、2つ目に書かせていただきました「働き方改革の取組」ということで、労働基準法の改正がございましたし、併行して業務効率性の向上ですとか、あとは同一労働同一賃金の観点から無期転換職員や有期雇用職員の休暇制度の見直しを行ってまいります。
また、メンタルヘルス対策についても引き続き強化をしていくということでございます。
113ページから「個人情報の保護」でございます。
114ページにこれまでの取組をまとめさせていただきました。機構発足当初から生体情報認証によるアクセス管理等を行ってまいりましたが、御案内のとおり、平成27年の不正アクセス事案の対応としまして、インターネット環境の分離や、先ほど申し上げた年金個人情報専用共有フォルダの設置といった対策を講じてまいりました。
また、一番下でございます。これも繰り返しでございますが、外部委託事案についても、対応させていただいたということでございます。
115ページに矢印の図表でまとめさせていただきましたが「組織面」「技術面」「業務運営面」ということで、おおむね体制面での整備は整ってきたと考えておりますが、116ページに課題で掲げさせていただいております一番上の○ですが、外部からの攻撃手法が多様化、巧妙化しているということもありますので、それに応じて情報セキュリティ対策を継続的に見直していく必要があるのではないかと考えております。
119ページ、120ページは「情報公開の推進」ということでございます。これにつきましては、機構発足当初から法律で情報公開が義務づけられているものと、2つ目の○にありますような個別規程で公表を実施しているというものがございまして、情報セキュリティインシデントですとか、役職員の制裁、事務処理誤り等々、これは122ページに一覧表でまとめさせていただきましたが、これらのものについて幅広く情報公開をしているとともに、3つ目の○にございますとおり、アニュアルレポートを発行しておりまして、基幹業務の実績ですとか、財務関連データ、あるいは役員報酬も含めて公表をしてきているところでございます。
体制につきましても、業務改善計画以降、開示規制の整備、あるいは担当理事の設置、リスク統括部の設置など、体制整備を図ってきたということでございます。
したがいまして、121ページの一番下に課題を書かせていただきましたが、今後も機構の業務運営の状況について、よりわかりやすい情報の公開に取り組んでいく必要があるということでございます。
123ページ、124ページから「契約の競争性・透明性の確保」ということでございます。
1つ目の○は第1期中期計画期間中でございますが、調達委員会や契約監視委員会を設置しまして、調達の公正性・透明性の確保を図ってまいりました。また、調達関係諸規程の整備も図ったところです。
2つ目の○の第2期中期計画期間中も、契約監視委員会の指摘もございまして、さらに調達手続を厳格化したということでございます。
125ページにございますとおり「調達業務の集約と効率化」ですとか「競争性の確保とコスト削減」ということで、毎年度競争性のある契約は80%以上、あるいは、調達計画額から10%以上のコスト削減を目標にして、毎年度達成しているという状況でございます。
128ページに課題を整理させていただきました。
1つ目は、調達ルールのさらなる適正化とルール厳守の徹底による公正性と透明性を確保するとともに、適切な調達単位と契約期間の見直しによる効率化と競争性の向上を図るということでございます。
2点目が、価格競争によるコスト削減の過度の重視を脱するということで、業務の効率化を追求しながらも、業務の正確性とサービスの質の向上を図るということでございます。
129ページから不要財産の処分に関することでございます。
130ページにこれまでの取組の記載がございますが、平成27年10月に会計検査院から、保有する合理的理由が認められない土地、建物については、速やかに国庫納付するようにという御指示がありまして、具体的には8宿舎・4事務所等に対して指摘がございました。
これについては順次国庫納付を完了いたしましたが、3つ目の○でございます。平成29年に残りの宿舎等についてその必要性を検討しまして、見直し方針を取りまとめました。
4つ目の○で、この見直しの結果「速やかに廃止することが適当」とされた22宿舎のうち、まず、入居者がいない6宿舎につきましては、先行して国庫納付を進めているということでございます。
一番下の入居者がいた16宿舎については、平成30年6月に入居者の退去が完了しましたので、現在、国庫納付に必要な準備を進めているということでございます。
131ページに課題ということで書かせていただいておりますが、見直しの結果、今後廃止することが適当と見込まれる49宿舎につきましては、新たに宿舎需要予測を実施しまして、宿舎保有、広域住居手当、借上宿舎についてコスト比較を行って、廃止すべき時期を検討するということでございます。
また、当面存続する128宿舎についても、同様のコスト比較を行って、その必要性を検討してまいります。
一番下の年金事務所につきましても、仮移転中の4カ所について整備方針を検討していくということでございます。
中期計画に向けたこれまでの取組と課題は以上でございます。
再生プロジェクトの取組状況と今後の課題は資料1-2でございます。時間もなくなりましたし、おおむね今の説明と重複しておりますので、また御質問等ありましたら、必要に応じて追加して御説明させていただきたいと思います。
私からは以上でございます。

○増田部会長 御苦労さまでした。
今、説明していただいたものと、前回の後半のほうで議論したものが次期中期計画の策定に向けて、まず、年金機構が現状どういうことをやってきたのか。そして、そこでの課題は何なのかということの整理を行ってもらいました。
その説明があったわけですが、これを受けて、これから各委員の皆様に御意見をいただきたいと思います。次回は年明けになると思いますけれども、次回、次々回と、あと2回この部会を開催して、今度は次期中期計画、その後に全体中期目標がありますけれども、こうしたものを文書化して、それを次にまとめていくというステップをとっていきたいと思っております。
それに向けての現状の把握と、課題の整理というのが今日の段階であります。
それでは、ただいまの説明について、御意見や御質問等をいただきたいと思うのですが、大変広範囲な項目で、組織、人事、内部統制とか多岐にわたるのですが、順番にというよりは、どの部分でも結構でございます。各委員の皆様から御説明を聞いて、それで御質問の点、あるいは御意見等がおありの部分をおっしゃっていだきたいと思います。
最後に、一度違う項目に行ってから、また気がつかなかったことがあれば、もとのところに戻っていただいても結構ですので、どうぞ皆様方のほうで、お気づきの点はおっしゃっていただければと思います。
それでは、よろしくお願いいたします。
齋藤衛委員、お願いします。

○齋藤(衛)委員 齋藤でございます。
21ページの「社会保険オンラインシステムの運用・改善・開発」の項目の課題のところで、権利の関係については記載があるのですけれども、これらの周辺のシステムは基幹システムとは違って、恐らく、いわゆるITのですね。足の速いシステムを基盤にして構築されているのではないかと思うのですけれども、そこの保守であるとか、運用であるとか、ソフトウエアのメンテナンスみたいなところは、どういう形でやられているのかといいますか、基幹システムよりも早目に動いていくのではないかと思うのですけれども、それはちゃんとフォローされているのかどうかは伺いたいと思います。

○増田部会長 今のシステムの関係について、お願いします。

○久島日本年金機構理事 久島でございます。
おっしゃるとおり、メーンフレームとは違いましてup to dateな技術を使いながらやっていますけれども、その維持管理、メンテナンスは大きく3つに分かれています。
まず、ハードウエアの保守。これは故障対応とか、そういうものがあったときの対応のための一つです。
あと、つくり上げたソフトウエアです。それのアプリケーション保守と呼んでいますけれども、それが2つ目です。
もう一つが運用監視といって、運行状況を把握して、故障があったり、何かトラブルがあったときの一次切り分けがあるということをアウトソーシングしています。全て3つ契約していて、一つ一つのプロジェクトでやるのを原則としているのですが、アプリケーションとは違いまして、運用監視は割と色々なシステムが集約できるので、可能な限りオーバーヘッドがないような形で集約してやっています。
大体、基本5年でのサイクルで、ハードウエアの更改のタイミングでということと、あとは開発があったときには、またそのタイミングでということでやっています。
以上です。

○齋藤(衛)委員 ありがとうございました。

○増田部会長 齋藤委員、よろしゅうございますか。
それでは、他に何かございますか。
斎藤委員、お願いします。

○斎藤(聖)委員 課題という形できちんと、大変わかりやすくまとまっているなというのが、まずコメントです。
これだけ広範囲なところをカバーしていただいているのですが、通常出てくるようなグローバル、国際化といったことが出てこないのが、何となく違和感を覚えました。今、特に新たな法案が出てきておりますけれども、これから海外の方が労働者として入ってくる。そして、日本人も海外に出たり入ったり、モビリティがものすごく高まってきている。その中で年金制度のあり方、それに対応するシステムといったところはどうなっているのかが気になりました。

○増田部会長 ありがとうございました。
今の関係は理事長さんと、場合によっては高橋年金管理審議官にもお願いしたいと思います。
まず、高橋年金管理審議官、どうぞ。

○高橋年金管理審議官 主に前回の業務運営の部分では、今後の外国人の増加に対してどう対応していくか、適用・徴収の話で若干ふれてございましたけれども、御指摘のように、今回の入管法改正で非常にたくさんの特定技能の方が今後入ってくる。また、既にかなり多くの外国人の方が入っている。
今回の新資格につきましては、法務省とよく連携をして、法務省からも情報の提供を受けながら、しっかりと適用を行っていく。
その外国人の記録も、個人番号とつなげた上で、適切な適用をして、その記録をしっかり持ち、海外に戻られるときは脱退一時金を支給する場合もありますし、また、長期記録保存する場合もございます。
また、事務所等では様々な言語の対応を、マルチランゲージの対応でございますとか、様々な多言語のパンフレットですとか、そういうことに今後、より一層進めていかなければいけないと考えております。

○増田部会長 あと、機構の理事長さんのほうからございますか。

○水島日本年金機構理事長 おっしゃるとおり、外国人の方の適用、あるいは給付も含めてなのですけれども、極めて重要な課題だと思っております。
ただ、これは今までの振り返りをしておりますので、そういう意味では、やはり状況が大きく変わっていると考えておりますので、次期中期計画においては大きな柱として、その問題を取り上げていく必要があると考えております。

○増田部会長 今の関係は、恐らく中期計画が、形式的にはまずは厚労大臣のほうに出すことになると思うので、厚労省の政策的な検討と、それを執行する上での機構のほうのきちんとした執行体制の確保という意味で、次期中期計画では斎藤委員が御指摘のとおり、それは一つの論点というか問題になると思いますので、なるべくそのあたり、政策のところはよく厚労省のほうも、次期中期計画になるのか、どういうふうにしていくのかを省内でよく検討されて、それで機構とよく話を詰めていただければと思います。よろしくお願いします。
あと、斎藤委員、今の関係も含めて、他にございますか。

○斎藤(聖)委員 ついでに人事のことを申し上げたいと思います。先ほどマルチランゲージの対応ということがございましたが、海外の制度を見る研修など研修にグローバルな観点を加えるとか、人材採用も、今までとはちょっと視点を変えた形で御対応をいただければと思います。
以上です。

○増田部会長 理事長さん、どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 御存じだと思いますがISSAと申しまして、スイスにある国際社会保障協会でございます。現在、ここに人材を派遣しているのと、モンゴルが社会保障制度を整備しつつございまして、そこのお手伝いといいますか、そこに1人派遣をいたしております。
そういう意味で、いかに海外の方々に対応する人材を育成していくかということが大きな課題だと思っておりますが、なかなか英語だけで対応できるということではございませんで、育成に関しては極めて難しい面があるとは思っておりますが、今、年管審がおっしゃったように、今はマルチランゲージサービスを導入いたして、電話で多言語のサービスを提供いたしておりますが、そういうサービスをより拡充していくということが必要だと思っております。
いずれにいたしましても、人材の育成という面と、インフラの整備と両面で対応していかないといけないと思っています。

○増田部会長 どうぞ。

○斎藤(聖)委員 人材の育成というのももちろんなのですけれども、もう一つ付け加えると、ITの利用がグローバル化には非常に重要になってくると思うのです。今は翻訳機能がかなり高度になってきて、外国語で吹き込むと日本語に翻訳してくれるものが出ています。年金に関しますと、用語がやはり特別で難しくて、通常の翻訳ではなかなか翻訳し切れないところがあるので、年金に対応したものを開発する。そういうITとグローバルと両方の知見を持った方を育成あるいは採用していただけたらと思います。

○増田部会長 どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 御意見を拝聴いたしまして、そうだと思います。十分に検討してまいりたいと思います。

○増田部会長 それでは、よろしくお願いいたします。
他にはいかがですか。
岩瀬委員、どうぞ。

○岩瀬委員 またいつものごとく細かいことで恐縮なのですけれども、19ページの外部委託の活用と管理の適正化の課題についてお尋ねしたいのですが、これの1つ目の○で、矢印の2つ目なのですれども「新ルールの実施状況を把握し、その結果を踏まえて、より効率的かつ実務の実態にあったルールとしていくための継続的な取組」と書かれていますが、これをやるに当たって、新ルールの実施状況をどのように把握して、集計して、分析するのか。その方法を具体的にお考えになっているのでしょうか。
そういうことを把握して、集計したデータは公表されるのかされないのか。その2つを教えていただけませんか。

○増田部会長 それでは、これはどなたか。
お願いします。

○日原日本年金機構理事 御質問をいただきまして、どうもありがとうございます。
ルールはこちらでも大変色々御指摘をいただいておりますように、つくって終わりということではなくて、その徹底、それから、ここに書かせていただいておりますように、実効あるものとして定着しているのか、今のルールがベストなものなのかどうかということを常に見ていく必要があるだろうということで書かせていただいております。
どのように把握していくのかということで御指摘をいただきましたけれども、一例として申し上げますと、従来からの御説明と重なって恐縮でございますが、履行開始前の検査の状況、履行中管理、履行後検査、あるいは全体として実績の報告書を作成して、事業担当部署が履行管理を行うということになっているわけですけれども、こういった結果につきましては、調達企画部のほうにも登録をしてもらうということになっておりまして、こういったものを通じて把握していきたいと考えております。

○増田部会長 岩瀬委員、どうぞ。

○岩瀬委員 履行前検査、履行後検査等は、具体的な事業をやる場合に、外部委託だから、その検査で間に合うということでよろしいのでしょうか。

○日原日本年金機構理事 それも申し上げましたけれども、それに加えまして、外部委託の実績報告書というものも、最後に事業担当部署では作成するということになっておりまして、これも調達企画部に登録してもらうということになりますので、こういったものを通じて把握してまいりたいと考えております。

○増田部会長 わかりました。また何かあれば。
他には。
西沢委員、どうぞ。お願いします。

○西沢委員 2つありまして、一つは94ページで、人事の全国異動のことなのですけれども、三層構造という昔の言葉を使って、今でも三層構造が残っているのかどうかよくわからないですけれども、昔は都道府県ごとに、例えば帳票が違っていたり、事務処理プロセスが違っていたりしたので、全国異動が必要だったと思いますが、もしそれがマニュアルの一元化とか、あるいは業務プロセスの一元化で解消されているのであれば、全国異動というのは女性も社会進出して、共働きが標準モデルになってくる中で、かなりコスト、負荷がかかると思いますので、ここは業務手順の一元化などをチェックした上で、全国異動ありきではなくて、例えば優秀な職員がある地域で実績を挙げて、他の地域でそれを伝達するとか、それはものすごく意義があると思うのですけれども、ここは全国異動ありきではなくて、当初どうしてこうした経緯になったか見直して、現状それが是正されていれば見直したいというのが私の意見です。
もう一つ、この人事異動に関しまして、一括採用というのは、私は不勉強なのですけれども、物理的に全て東京の本部でやっているのか、あるいは、東京、大阪、福岡みたいに本部の人が出向いてやっているのか、どういうことなのでしょうか。
例えば、会社員だとエリア限定正社員みたいに、ある特定の地域でずっと過ごしたいという方が優秀でいれば、そういった方を採用すればいいので、今でも例えば高井戸から大阪とか福岡に出向いてエリア限定正社員を採用していますみたいになっているのか、私はそういった方法、次の中期計画を考えたほうがいいと思います。
あと、もう一点。話は変わりますけれども120ページで情報公開の話がありまして、アニュアルレポートの発行とか、私は非常にいいと思っているのですけれども、これも我々というか、行政サイドの視点でできていない、つくられていないかをチェックしたほうがいいと思うのです。というのも、年金制度は必然的に、理論的に今の制度が構成されてきたというよりも、制度改正の経緯を経て、こうなってしまった。当時の政治状況や国民の理解の到達度も含めて、こうなってしまったというところが多々あると思うのです。例えば、国民年金と基礎年金の関係とか、違いを答えてくださいと言われても、普通はあまりよくわからないです。
ですから、今の制度があたかも理論的帰結であるかのようになっている。こうですと、2階建てですと言っても、どうかなという感じなので、職員の方は制度改正の経緯も踏まえながら、こういった形になっているということを念頭に置きつつ、とはいえ、今、こういった制度になっているので、こういう制度で行っていますみたいに説明しないと、多分多くの国民の方は納得してくれないと思いますので、我々としては今の制度が当たり前なのですけれども、そうではなくて、そういうバックグラウンドも踏まえながら説明すると、より情報開示が建設的になるのかと思います。
以上です。

○増田部会長 今、御意見の部分と、実態の質問の部分とありましたけれども、どなたか。
理事長さん、お願いします。

○水島日本年金機構理事長 まず、全国異動に関してでございますけれども、基本的に基本計画に書いてございます全国異動に関しましては、管理職を育成するルールとして全国異動があったと考えております。
そういう意味で、全国異動は今、御指摘のとおり、県別の不統一でありますとか、そういうことに関しましては徹底的に排除いたしまして、今はなくなったと考えておりますので、その点に関して対処は終わったと思いますが、まず、全国の一括採用をベースといたしますと、各県別に必要な人員を採用しているということではございませんので、一定の全国異動を、おっしゃるとおり、管理職になっていく過程では一定の全国異動が必要だということになると思います。
そういう意味で、ある意味では職種を分けていく必要があるかと。例えば、一般職をつくるとかいう意味ではなくて、専門職制度とか、そういうことによって分けていく必要があるかと思いますが、いわゆる、あえて全国異動を行うという状況は終わりつつあるのではないかと思っています。
ただ、組織を維持する上で必要でございますので、そのような異動を行っていかなければならないと考えているところでございます。
それから、それぞれの採用に関しましては、全て一括採用でございまして、もちろん、大阪や福岡や、それぞれに行って採用しておりますが、そこで採用した人を福岡にだけ置くと言って採用しているわけではございません。全国に配置することを前提といたしております。
いわゆる地域限定職というのは採用いたしておりませんが、正規職員でそういうベースの職員を考えるのとか、無期化した職員でそういうベースを担っていくのか、あるいは正規職員の中でも一定の希望等を踏まえて、そのような職種を担う人材を育成しているのかということは、発足後10年経っておりますので、一定の人事制度のあり方、全国組織としてのあり方をここでもう一度つくり直さなければならないと思っております。御指摘のとおりだと思っています。
色々な経緯を踏まえながらも、また、県別の不統一とかそういう事態に戻らないように十分配慮しながら、制度のあり方を検討していかなければならないと思っているところでございます。
そもそも、情報公開について、制度の過去の経緯と、どうしてこうなっているのかということも含めてきちんと情報公開をする。あるいは、そういう人材を育成していくということが必要ではないかという御指摘かと思いますが、やはり研修制度はそういう意味で、ある意味で知識を売る商売でございますので、知識あるいは実務にしている商売でございますので、まさに研修制度というのが極めて重要だと思っております。
今、研修の充実を図っておりますが、そもそもの年金制度のあり方も含めた、歴史的な経緯も含めた研修に関しても現在、充実を図りつつございまして、そのような研修を行いつつあるということでございますが、より充実してまいりたいと思っております。

○増田部会長 他にはございますか。
椎野委員、どうぞ。

○椎野委員 私のほうから質問をさせていただきたいと思っています。
お客様の声というのがよくこのデータに入ってくるのですが、このお客様というイメージはどういう方を指しているのか。私の印象ですと、国民一人一人をイメージしていると感じています。
もちろん、それは大事なことですが、事務処理という形では、特に厚生年金は企業が取得、喪失、算定等、賃金の改定のような細かな作業をしなければいけないとなっています。この事務作業の効率と言われた場合に、添付書類、届出一つにしても今まで以上にとても煩雑になっているような気がしてなりません。ですから、ぜひお客様といった中に、企業の手続という業務もきちんと理解していただき、企業もお客様であるという意識をもって今後の課題に挙げていただければと思っております。
以上です。

○増田部会長 今の関係で、お願いします。

○上野日本年金機構理事 ありがとうございます。
ただいま、ご指摘いただきましたお客様の声は、色々な方からいただいています。平均で1カ月当たり1,300件ほどの御意見等をいただいておりまして、その中身を見てみますと、受給者の方が3割ぐらい。被保険者の方が3割。あとは事業所関係の方からも実際にお電話、お手紙等でいただいていまして、1割ぐらいあると承知しています。
また、事業所の総務であるとか、労務関係の方々には現在、全国で約11万3,000人の方々に、職域型の年金委員として御活躍いただいています。
これらの職域型年金委員の方たちにおきましては、定期的に年金事務所にお越しいただいて、定期連絡会であるとか、定期的な研修会といったところでもご意見等をいただいております。今後もこういった機会を通じて、多くの皆様から御意見をいただいて、よりよいサービス改善をしていきたいと思っておりますので、引き続き、また御指導をよろしくお願いいたします。

○椎野委員 努力しているのは大変感じていますが、やはり年金事務所ごとの対応というのが、回答の仕方を含めて、ばらつきがあります。できるだけ統一した対応を徹底していただきたいと思っております。
お願いいたします。

○上野日本年金機構理事 承知いたしました。戻りまして、機構内に徹底させていただいて、引き続きサービス向上に努めたいと思います。
ありがとうございます。

○増田部会長 理事長さん、どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 事務所ごとに取り扱いが異なるということがございましたら、ぜひ御指摘をいただきたいと思います。即座に是正をするように指示をいたします。

○増田部会長 よろしくお願いします。
他に。
西村委員、どうぞ。

○西村委員 事前説明で御指摘させていたものについては、幾つか御訂正をいただいたので、ありがとうございます。
34ページの工期短縮について書いてくださいということとか、意識付けのところとかで順番を入れかえていただいたのでありがとうございます。
ここで今、業務運営におけるというところだったのですが、職員の仕事についてなのですが、働き方改革のことを書いていたのでちょっと思ったところですけれども、いわゆる年金業務以外の仕事はどのぐらいあるのかということがよくわからないのです。
一応、私も会社員の端くれですので、会社に勤めていると色々な届出をしたりとか、交通費の精算をしたりとか、出退勤の手続をしたりとか、そういうところがどのぐらい手間がかかっていて、どれだけ日常やるべき、もちろん年金の仕事の時間をとっているかというのが、この資料だけだとよくわからないので、その辺の、どうやって効率化をしていって、その職員の方々が年金の仕事に集中できるかということについて、わからなかったらわからないでいいですけれども、どのぐらい分析をされているということと、今後そういうことも、斎藤聖美委員からもありましたけれども、デジタル化の世の中ですので、できるだけそういうことも効率化をやっていただきたいというお願いで、私の質問にさせていただきます。
お願いします。

○増田部会長 どなたかお答えになりますか。
お願いします。

○町田日本年金機構理事 人事部門担当の町田でございます。
我々は例えば出張ですとか、出退勤ですとか、そういうものにつきまして間接業務と呼んでいるのですが、具体的に何パーセントかという数字は今、持ち合わせておりませんけれども、ほぼほぼ、いわゆる基幹業務といいますか年金業務をやっているというのは、我々のほうで、例えば出退勤につきましても、今はシステム化しておりまして、朝来たらいわゆるクリックをすればよい。帰るときにも、時間を入れてクリックすればいいということで機械化を図って、それを整理いたしまして、給与等に反映させている。
それから、出張につきましても全て電子化しておりまして、電子決裁をしておりますので、出張があったといたしましても、特に細かい出張につきましては、1万円未満の金額につきましてはまとめて申請できるとか、そういう運用もしておりますので、そういう形で簡素化、効率化を図っている。
今、さらに色々な面で利用者の意見を聞きながら、改善できるところは引き続き、システムも進歩してきておりますので、そういうものにあわせて引き続き整理をしていきたいと考えております。
以上でございます。

○増田部会長 それでは、他にはございますか。

○大山部会長代理 40ページのところでまとめて申し上げたいと思うのですけれども「社会保険オンラインシステムの運用・改善・開発 (2)業務システム刷新」と書いてある内容です。
業務システムの刷新と書いてあるので、システムだけではなくて業務も入っている。これは政府がずっと前から言っていることだと思いますけれども、この中でデジタル・ファーストの話が出てきて、これもまた10年ほど前から申し上げていることなのですが、電子的に情報をもらうということは、その後の業務の正確性を確保する上で非常に重要な点になると思います。
その意味でこれを進めるのは結構なのですけれども、やはり目的として、その前のページにずっと戻っていただくとあるのですが、正確性を確保するということを明確に方針として位置づけていただきたいと思うのが1点目です。
2点目として、40ページのところに色々書いてあるのは、ある意味格好いい書き方になっていまして、もう少し色々状況を長く見せていただいていると、業務システムの刷新をやるためには、もっと原点に戻るといいますか、もともとのところに戻る必要があるかなと。
これは何を申し上げたいかというと、これも何度か申し上げているのですが、例えば今、届出をフェーズ1の中で幾つかやってきたと思います。
フェーズ1の中で追加する届出についても結構ですし、あるいは、フェーズ2でやります適用、徴収といった業務の中の色々なものを、やはり業務のフローを「見える化」していただきたい。
大きく全体像が把握できる中で、どことどこが同じになるのかということをお考えいただくのが非常に重要ではないかと思うわけです。
一例の紹介で恐縮なのですが、つい先日、特許庁の流通の委員会がありまして、私はそちらの委員長を務めているのですが、先日行った会議では、ざくっと申し上げますと1万人月の工数がかかる開発を、特許庁の職員が15名で回している。
色々なところの企業の、色々経験をお持ちの方たちが集まって、その方たちも同じ意見になったのですが、かつては心配でしようがなかったけれども、今は安心して聞いていられる。それくらい変わったということで、私も同じ思いであります。
これはもう非常にうれしいことで、1万人月というと、こちらの例で言うと、大分まだ差があるのですけれども、それでも1桁はもうなくなっているので、十分可能性があるかと。
ただ、特許庁さんは職員の方たちが、もともと技術だったり、現場とシステム開発を行ったり来たりしていることもあります。
そういうことで、特性の違いはもちろんありますし、経験値も違うとは思いますけれども、ただ、そういう前例があって、そちらのほうの中では業務の可視化を明確にやり上げてきています。
それを現場の方と、システムを開発する側とでしっかりと打ち合わせをして、システム側の人が現場の方のサインをもらわないとその次に進まないように、手を打って進めているというのが現状にございます。
これは一例でありまして、これが本当にうまくいくかどうかは、この後がまだありますから何とも言えませんけれども、少なくとも従来の、長年やっています業務システム刷新の年金の話から見ると、出口がなかなか見えなかったのが、少し方向性として、あるいは可能性が出てきている。それは時間と費用を莫大にかけるのはできないことはないのですけれども、一定程度の範囲でやり上げようとすると、今度は、今回のものはかなり有望ではないかと思いますので、その点を考えますと、ぜひ原点に戻って業務のフローを可視化し、それのAs-isからTo-beをつくり、それを次のシステムの開発に回すという、従来年金局のほうで、あるいは機構のほうで色々トライアルをやっていただいているのは結構なのですが、もう少し全体が見えるような仕掛けを、幾つかの例をとって具体的に始めていただくのがよろしいのではないかと思います。
今日はそのことを強く申し上げたいと思います。
よろしくお願いします。

○増田部会長 理事長さん、どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 おっしゃるとおり、まず、システムに関して正確性をまず目的の第一に掲げるべきだという御指導だと思います。
その点に関して、改めて書き方も含めて考えてみたいと思います。
もちろん、正確性を第一だと考えてやっておりますが、常に正確性が第一だということを言い続けているかということになりますと、反省すべき点があるかと思います。
可視化すべきだと、大山先生からかねがね、私ども事務局も御指導を頂戴しています。ビジネスプロセスモデルノーテーションという手法を御指導いただけると思うのです。
その努力をしてきておりますが、そのノウハウがまだ十分にでき上っていないことはおっしゃるとおりだと思いますし、そういうシステム開発の要件定義にどういうふうにきちんと結びついていくか、あるいは、情報の共有に結びつけていくかということに関して、今の可視化している取組が十分かということは、そうではないということはおっしゃるとおりだと思います。そういうモデルも含めて御指導いただきまして、その方向を徹底的に追求するということを、次期中期計画の中に盛り込んでまいりたいと考えております。

○増田部会長 よろしいですか。
どうぞ。

○大山部会長代理 1つだけ。
その意味では、申しわけないのですけれども、今までCIOの久島さんだけだったのですが、業務のほうの理事もぜひそこには、これからお入りいただいて、業務側の声を十分反映した上でシステム設計に進んでいただくほうが。
今の予定ですと、後ろがちょっと延びておりますので、そこをしっかりやっていただきたいと思います。
よろしくお願いします。

○増田部会長 お願いします。

○日原日本年金機構理事 御指摘をありがとうございます。
ぜひ、今、御指摘いただいた点を十分に踏まえて進めてまいりたいと思います。
よろしくお願いいたします。

○増田部会長 機構内の現場の声がきちんとシステムに反映できるようにという御指摘だと思いますので、よろしくお願いします。
他にはいかがですか。
岩瀬委員、どうぞ。

○岩瀬委員 ルールの徹底の課題についてお尋ねしたいのですけれども、この課題の中には地域部の事業推進マネージャーをどういうふうにして現場指導を実施させていくのか。これも課題だと思うのですけれども、課題に入っていないのですが、関係ないのですか。
これは地域部の事業推進役が十分機能してなかったというのは。53ページと55ページの課題です。

○水島日本年金機構理事長 このルールの徹底のところです。

○岩瀬委員 これは設定されているのだけれども、これで十分なのか。課題の中には事業推進役について書かれていないのですけれども。

○増田部会長 理事長、どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 ルールの徹底を図る役割で、最大の役割を担っているのは地域マネージャーでございまして、既に地域マネージャーは一つの事務所を年間に5、6回は回って、もっと回っているかもしれませんが、ルールの徹底状況を把握しているわけでありますが、それは十分機能していると思います。
ただし、これを引き続き行っていく面があると思いますので、例えば55ページの「確実なルールの徹底」とは、どのように改善してルールの徹底を図っていくかということは、この中には地域マネージャー制度をさらに、どのように改善していくか、活用していくかということが入っているわけでございまして、もし書くということでございましたらここの中に書くようにいたしますが、この中には入っております。

○岩瀬委員 よろしいでしょうか。
私はこの課題の中に書いていただきたいと思うのですが、地域マネージャーは実際に動いているのだけれども、本当にそんなに効果が出ているのかということは非常に疑問を持っているのです。現場で話を聞くと、実は地域マネージャーとのコミュニケーションが十分できていない。なぜかというと、地域マネージャーは大体1年か2年で変わっていくわけですね。そうすると、現場との信頼関係がつくられる前にどんどん人がかわっていく中で、現場の実態を正確に把握できているかというと、非常に疑問があるのです。
ですから、ここの取組というのは、中期計画においてもうちょっときちんとしていただきたい。
ついでにお聞きしたいのは、本部におけるルールの徹底というのは課題に入っていますか。見逃してしまったのですけれども、教えていただけませんか。

○増田部会長 後のほうは御質問ですけれども、理事長さん、お願いします。

○水島日本年金機構理事長 地域マネージャーはそもそも現場の出身者を充てております。基本的には、原則としてその地域において所長を経験した者を地域マネージャーとして任命しているわけですが、その実際の在任期間は、人にもよりますけれども2年弱ぐらいかもわかりません。
かなりハードな仕事でございまして、常に現場を回っているわけでございますので、そういう意味では一定の時期には代えてあげなければいけないと思っております。
代えたからといって、現場の把握力が落ちるかということに関しても、極めて優秀な人材を配置いたしておりますので、基本的にはそういうことはないと思っておりますが、現場の意見の中では、私が聞いている限りは地域マネージャーが非常によく現場の意見を聞いて反映してくれていると聞いておりますが、不足な点があれば、その点についてはさらに把握をした上で、改善すべきは改善していきたいと思っております。

○増田部会長 あと、もう一点質問があったと思うのですけれども、そちらのほうは。
それでは、お願いします。

○日原日本年金機構理事 もしご質問を十分に理解していないようでしたら御指摘いただければと思いますけれども、本部の中の状況の把握、特に本部の中のリスクの把握は大きい課題だと考えておりまして、前回の改善命令をいただいて、それに対する措置状況の中でも御説明させていただきましたし、今回の基幹業務以外の取組の中でも何カ所か課題だと書かせていただいておりますけれども、これは本部の中の、特に現業のリスクの洗い出し、それから、その管理体制をどうしていくかということが中心となりますが、これは非常に重要な課題として取り組んでいきたいと思っております。

○増田部会長 岩瀬委員、どうぞ。

○岩瀬委員 課題の洗い出しはいいのだと思うのですけれども、それをどう徹底させるかというのは。
徹底させるということは、先ほど御説明があったのかもしれませんけれども、今、そこのページが出せないので、それが書かれているのであれば、そこを教えていただけますか。
書いていないのだったら書いてもらう。

○増田部会長 理事長さん、よろしいですか。

○水島日本年金機構理事長 まず、本部の中に関しましては、常に常勤役員会を毎週やっておりますし、筆頭部長会、筆頭グループ長会等々ございますので、お互いに情報を共有する仕組みはでき上がっていると思います。
現場との関係では、日報を通じまして毎日報告をさせておりまして、本部に関しても、果たしてそのような仕組みを導入しなければならないかどうかということについては今、検討いたしておりますが、日原理事が御説明申し上げましたとおり、本部リスクを、本部の仕事のあり方について検討していく過程の中で、そのようなものについて、どのような仕組みで吸収していくべきか、あるいは、制度的な改善が必要かどうかについては検討していきたいと思っております。

○岩瀬委員 その検討をするということを課題として、中期計画の策定に向けた文書の中に書いてあるのか、書いていないのかを教えていただけますか。
書いていなかったら書いていただきたいのですけれども。

○田中日本年金機構企画調整監 まず、今、理事の日原が申し上げた本部のリスク管理というのは、49ページのリスクの項目で、3つ目の「○本部内のリスク管理」、あとは4つ目の「○本部現業部門リスク管理」ということで記載をさせていただいております。
また、マニュアルの整備ということでございますが、これは55ページの、「ルールの徹底」というところの課題で、時間の関係上説明を省略させていただきましたが、○の矢印の3番目です。「本部におけるリスク管理の見直しに向けた今後の取組を本部現業部門のマニュアルに速やかに反映」ということでございますので、そういった形の課題で整理をさせていただいているということでございます。

○岩瀬委員 もう一つ聞いてよろしいでしょうか。

○増田部会長 どうぞ。

○岩瀬委員 私は理事長の今の説明が理解できなかったのですけれども、色々な情報共有の仕組みは、部長会議とか色々な会議をやってもうでき上っているとおっしゃいましたね。できあがっていながら、なぜ情報共有ができなかったのか。今回のSAY企画の問題を今、検証作業班で作業をしていますけれども、それがよくわからないのです。
できあがっていて、なぜ情報共有ができなかったのかということを教えていただけませんか。

○増田部会長 理事長、どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 担当部門がリスクをリスクとして把握しなかったら、リスクとして報告されないわけですね。
ですから、リスクをリスクとして把握するというのを、どういう形で仕組みとしてつくるかということを、本部のリスクのノウハウの中で、本部現業を把握して、本部現業のあり方の正確性あるいはリスク等々について把握をする中で、リスクがきちんとリスクとして把握される体制をどうつくるかということが、その中の課題だということでございます。

○増田部会長 そうしましたら、これは次回、中期計画の中身を具体的に議論することにしましょうか。

○岩瀬委員 わかりました。

○増田部会長 それでは、今までの御指摘も踏まえつつ、よくその点を検討しておいていただきたいと思います。
この部分はよろしゅうございますでしょうか。
それでは、中期計画の策定に向けてということで、現状と課題を整理する作業を行ってまいりましたが、これについてはここまでといたしたいと思います。
次回ですけれども、これまでの議論を踏まえて、先ほど申し上げました中期目標、中期計画、平成31年度の計画を議論するという場になりますので、そこは具体的な案文を機構のほうから示していただいて、それに基づいて御議論いただきたいと思います。
これを次回と次々回と2回やって、それで取りまとめをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
続きまして、その他の議題ですが、こちらは先般、会計検査院から指摘されたようでありますので、その関係について機構から説明してもらって、それで質疑としたいと思います。
それでは、機構のほうからお願いします。

○尾崎日本年金機構経営企画部長 それでは、機構のほうから報告いたします。日本年金機構経営企画部の尾崎でございます。よろしくお願いいたします。
お手元に資料2がございます。その中に、2ページ目に1枚紙で概要をまとめておりますので、その概要に沿いまして説明いたします。
平成29年度の会計検査院の検査結果報告ということでございまして、ここにございますとおり2つの項目の指摘があり、それぞれにつきまして「事務処理の現状」「指摘内容」「今後の対応策」をまとめさせていただいたものでございます。
まず1項目です。この表の中の一番上でございますけれども、まず受給者に係る本人の確認情報の照会に関する指摘がございます。
右側に「事務処理の現状」ということでまとめさせていただいておりますが、私ども年金機構はJ-LIS、これは総務省所管の団体でございますけれども、そこから毎月被保険者、受給者の転入、転出あるいは死亡などの異動情報を月次で情報を受けておりまして、年金機構で記録の更新を行っております。
また、次の○にございますけれども、年金の支給を適正に行うという観点で、年1回、大体2月下旬から3月上旬でございますけれども、そのときにJ-LISから受給者全員の情報、生存・死亡に関する情報を年次情報ということで、年1回情報を受けて確認しております。
会計検査院からは、次の○のところにございますとおり、J-LISから毎月、それから年1回と報告を受けている中で、月次の情報を活用することによりまして、年次の情報の対象範囲を限定できるのではないか。今まで年次情報は、受給者全員について情報を受けておりましたが、年次報告でなければこの確認ができない新規裁定者に限定することによりまして、削減が可能ではないかということで、2年間で6.3億円ほどの削減可能額をお示しいただいておりますが、そのような御指摘を受けたということでございます。
今後の対応といたしまして、年次情報につきましては、次の年次情報、平成31年、来年の2月頃の次回の年次情報の照会の際に、年次情報でなければ確認ができない新規裁定者に限定いたしまして、経済的・効率的に対応していく方針でございまして、関係者との間で、この点につきましては調整済みという状況でございます。
なお、これは上のほうにございますとおり、10月10日に会計検査院よりこの事項について公表、指摘をいただいたということでございまして、これまでの間で調整を行ったところです。
2つ目の事項として、交通事故などの第三者行為事故に係る年金の調整事務についてです。
「事務処理の現状」の最初の○にございますけれども、交通事故など、第三者の行為が原因で遺族年金あるいは障害年金が給付されるという場合につきましては、最終的には加害者の方が責任を負うべきだという考え方によりまして、被害者が損害賠償を受けたときには、その価格の限度で年金の支給手停止をするということになっております。
ただ、ここには書いてございませんけれども、受給者が損害賠償を受けるのに相当な時間がかかりますのでその間、年金支給がないと、この受給者あるいは被害者の方の生活保障という観点で適切ではないということで、通常は年金を先行してお支払いして、後で年金額を調整するという形で事務を進めております。
次の○でございますけれども、この支給停止を行うためには、損害賠償額とその内訳の慰謝料、それから実支出額、これらを御本人から提出していただいて、それを機構としてしっかり把握する必要がある。その上で、支給期間等の計算等をするということになってございます。
機構におきましては御本人の方に、事故情報届の受付後、損害賠償額等についておおむね6カ月経過後に照会いたしまして、仮にまだ提出されていなければ提出を求め、さらに提出されていなければ再照会、督促といったことを行う手順になっておりますけれども、なかなか再照会や督促に時間がかかり、御本人からも回答がないということで、事務が進まない事例も出ていることでございます。
会計検査院の指摘のところにありますとおり、そういった状況を踏まえまして、これまでも機構におきましては事務処理要領を定めまして、手続を進めてきたわけですが、再照会、督促といった支給停止の部分について、より具体的な手続をもう少ししっかりと定めて、関係部局に周知徹底すべきだという御指摘をいただきました。また、(2)のところにございますけれども、損害賠償額などが把握できないと事務が進まないわけですが、御本人が損害賠償額等、機構に提出をしない場合でも、もともと年金の請求をする最初の段階で、損害保険会社への支払照会に必要な同意書をあわせて提出させる。年金請求、事故状況届の際にあわせて提出させるという、最初の段階でそういうことをやっておけば、仮に御本人がその後損害賠償額等の提出をしなくても、途中で機構が自ら損害保険会社に確認の提出を求めることにより、事務が進むだろうという御指摘です。
3番目の○ですが、実支出額につきまして、御本人からの提出がない場合でも、その提出・回答をしない場合には、それがないものとして処理をするという手続を進めれば事務が進むのではないかと。このような御指摘を受けた次第です。
右側の「今後の対応策」ですが、こちらの指摘は11月9日に公表されたものでございます。2週間ちょっと前でございますけれども、この公表を受けまして、今の事務処理要領を改正いたしまして、会計検査院の指摘も踏まえまして、マル1、2、3の指摘を踏まえた具体的な手続等を追加し、関係部局に周知徹底するということで、速やかに対応していきたいと考えております。
会計検査院からの2つの指摘についてしっかり対応するということで、御報告させていただいた次第でございます。
説明は以上でございます。

○増田部会長 ありがとうございました。
それでは、この関係について、何か御質問や御意見は。
西沢委員、どうぞ。

○西沢委員 1つ目のほうなのですけれども、私はJ-LISにお金を払っていると知らなくて、そもそも節約できたとしても年間14億も払う必要があるのかと思うのです。J-LIS自体が集めた情報ではなくて、地方自治体が行政として住所変更とか死亡とかの届出を受理して、その情報を管理しているのか何しているのかわからないですけれども、それをもらってくるのに、節約できたとしても年間14億円を払う必要が、2億円とかでそういった事故が起きていて、これをもらうのに14億円を払うことが適正なのかということは、皆さんで問題意識とか認識とか、J-LISとの価格。この8円とか3円がどう設定されているのかがわからないし、そこはやはり被保険者の保険料や税金で皆さんが運営されている以上、この価格の適正性については、事前にここでも、部会とか外部に周知すべきだし、ここの価格交渉をどうされていたのか教えていただきたいです。

○増田部会長 それでは、お願いします。
どうぞ。

○尾崎日本年金機構経営企画部長 J-LISでございますけれども、これはJ-LISから情報をいただくことによりまして、御本人から書類の届出が不要になるという、御本人にとっても機構にとっても、そういった意味での効率化等が図られるものでございますし、また、J-LISについては、住民基本台帳ネットワークと接続しておりますので、きちんとした形で受給者等の異動情報が入ってくるということでございますので、私どもといたしましては、他の機関と同様に、このJ-LISからの記録をもとに事務処理を進めていくことが基本と考えており、今後ともこういう形で対応していこうと考えております。

○高橋年金管理審議官 私のほうから補足します。

○増田部会長 高橋さん、どうぞ。

○高橋年金管理審議官 要するに、J-LISのシステム運営費あるいはシステム構築経費というものを、J-LISから情報提供を受ける関係機関、年金機構は一番ボリュームが大きいので、うちの支払額が一番大きくなっていますけれども、他の様々な関係機関等が費用を出し合う。それでシステム維持費ですとか、開発費ですとか、運営費を賄っているということで、うちはかなり大手のユーザーなものですから、できるだけ割り引いていただいています。J-LISの手数料については、住民基本台帳法に基づき、総務大臣の認可を受けて定める仕組みとなっていますが、国民が納得うる手数料になるよう総務省へ申し入れしてまいりたいと考えています。こういう点につきまして、今後とも引き続きしっかりとやっていきたい。

○増田部会長 西沢委員、何かございますか。

○西沢委員 価格交渉をされたというのはわかりましたけれども、その経緯を我々も知りたいし、当初彼らがどういう価格を出して、多分彼らのランニングコストをユーザーに割り当ててやっていると思うのです。ですから、そこはしておいたほうがいいし、あとは敷衍して、切手代も多分年間で物すごくお金を払っていると思いますけれども、大口ユーザーであれば個別価格交渉をして、1通当たり1円でも2円でも下げてもらう努力はすべきであるし、そのプロセスを国民に見せることによって、負担の納得感も得られてくると思いますので、これだけ見ると、いきなり3円、10円、8円という数字が出て、年間17億払っていると驚きますので、やはりプロセスを見せることが重要だと思います。

○増田部会長 今の点は、今後に向けての検討事項として受けとめます。

○高橋年金管理審議官 そうですね。今後の課題として、先方ともよく調整しながら、可能な範囲での情報公開は大事だと思いますので、努めてまいりたいと思います。

○増田部会長 他にはよろしゅうございますか。
それでは、この議題はここまでといたしたいと思います。
本日の議題はこれで全て終了となりましたので、審議事項は先ほど申し上げたとおりでございますが、次回の日程につきましては、事務局から改めて御連絡することといたします。
それでは、会議はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。
 

 

(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(年金事業管理部会)> 第40回社会保障審議会年金事業管理部会議事録(2018年11月28日)

ページの先頭へ戻る