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2018年6月4日 第36回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

○日時

平成30年6月4日(月)14:00~17:00

 

○場所

厚生労働省18階 専用第22会議室 
東京都千代田区霞が関1-2-2
 

○出席者

増田部会長、大山部会長代理、石井委員、岩瀬委員、金田委員、喜田村委員、斎藤(聖)委員、齋藤(衛)委員、椎野委員、西沢委員、西村委員、原委員、安井委員、山口委員

○議題

(1)日本年金機構における業務委託のあり方等に関する調査委員会報告書について
(2)日本年金機構の平成29年度業務実績について
(3)その他

○議事

 

 

 

 

○藤原参与 定刻より少し早いですけれども、只今より第36回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
初めに、委員の出席状況ですが、本日は、藤井委員及び松山委員が御欠席でございます。また、椎野委員におかれましては、おくれての御出席、原委員におかれましては、ほかの用務のため途中退席されるとの御連絡を頂戴しております。
それでは、議事進行につきましては、増田部会長にお願いしたいと存じます。
恐縮ですが、カメラにつきましては、ここまでで御退室をお願いいたします。

 

(報道関係者退室)
 

○増田部会長 それでは、議事次第に従いまして、議事の(1)「日本年金機構における業務委託のあり方等に関する調査委員会報告書について」を議題といたします。
本日は、調査委員会の安田委員長にお越しいただいております。
まず、水島理事長から報告をいただき、その後、安田委員長から報告に関する所見をいただきたいと思います。それでは、水島理事長から報告をお願いします。

○水島日本年金機構理事長 本年3月20日に公表いたしました扶養親族等申告書の外部委託に係ります事案につきまして、外部委員のみによる調査委員会を機構に設置いたしまして、検証いただいてまいりました。

○増田部会長 理事長、どうぞお座りください。

○水島日本年金機構理事長 では、恐縮ですが、座らせていただいて、お話をさせていただきます。
今般調査委員会の調査報告書が取りまとめられましたので、その内容を御報告申し上げまして、その後、調査委員会の安田委員長より御所見をいただきたいと考えております。
まず、事案の概要について申し上げますと、当機構におきましては、毎年所得税法に基づきまして、所得税が課税される老齢年金について、お客様から扶養親族等申告書を提出いただきまして、提出された申告内容をもとに所得税を源泉徴収するとともに、全ての受給者の方々に公的年金等の源泉徴収票をお送りする事務を担っております。平成30年分の扶養親族等申告書の送付、お送り申し上げたお客様の数は全体で800万人強でございました。
平成30年分の扶養親族等申告書の事務処理に当たりまして、申告書の記載内容のデータ化を一般競争入札、最低価格落札方式の手続を経まして、株式会社SAY企画に委託したところでございますが、当該事業者の入力漏れ及び入力誤りが多数発生いたしまして、源泉徴収税額の誤りなど、多くのお客様に影響を及ぼす事態が発生いたしました。
それに加えまして、SAY企画におきましては、機構との契約に違反し、かつ機構に無断で中国の関連事業者へ再委託を行っている実態が判明するなど、お客様に大変な御迷惑、御心配をおかけする事態を招きました。まず、このような事態を招きましたことにつきまして、深くおわびを申し上げる次第でございます。
このような経過を踏まえまして、平成30年3月20日に厚生労働大臣から、今後業務を委託する場合における事務処理のあり方を見直し、こうした事態が二度と生じないよう措置すること。一連の事態の内容とこれらに対する日本年金機構の取組を公表し、丁寧に説明すること等の大変厳しい口頭による御指導を頂戴いたしました。
この大臣からの御指示を踏まえまして、同日記者会見を行いまして、申告書等に係る一連の事務処理に関しまして、お客様におわびを申し上げますとともに、事案の経過等につきまして説明を行ったところでございます。
その後、衆議院及び参議院の厚生労働委員会の集中審議等におきまして、本事案に関する当機構の外部委託業務の管理に対する厳しい御指摘が相次ぎました。一連の業務実態・プロセスの徹底した検証及び再発防止の徹底が求められた次第であります。
また、平成30年3月26日の参議院予算委員会におきまして、厚生労働大臣から、今回の事案を踏まえて、外部の専門家にも入っていただいた、そうした調査組織をしっかり立ち上げて徹底的に見直していく必要があるとの御答弁がなされたところでございます。
このような議論、経過を踏まえまして、平成30年4月6日付で外部委員4名で構成されます調査委員会を設置いたしました。調査委員会に調査・審議をお願い申し上げました事項は3点でございます。まず、1点目は、申告書等に係る一連の業務実態・プロセスの検証及び本事案が起きた原因の究明。2点目は、機構が業務を委託する場合における事務処理のあり方の見直し。3点目は、今後の機構における業務処理、業務プロセスの最適化を検討するに当たっての基本事項でございました。調査委員会では、委員の皆様に精力的に御議論をいただきまして、大変限られた時間の中ではございましたが、このたび報告書を取りまとめていただいたところでございます。
詳細は、これから担当理事より御説明いたしますが、ポイントといたしましては、組織的対応に至らなかった履行管理体制、履行能力のない業者を選定してしまった調達手続、組織横断的な検討が十分にされていなかったプロジェクトマネジメント、調達や外部委託の実務のプロを十分に養成してこなかった人材育成などについて、今後の外部委託・調達管理のあり方や今回の事案を踏まえまして、検討すべき機構運営の基本的事項など、広範な御提言をいただいたところでございます。
当機構といたしましては、いただきました御提案を可及的速やかに実行するために、本日付で機構内にプロジェクトチームを設置いたしました。御提言を重く受けとめ、早期かつ着実な実現を図ってまいる所存でございます。
3年前、不正アクセスによる情報流出事案が発生し、業務改善命令が発せられたところでございます。業務改善計画の期間は、3年間を集中取組期間といたしておりました。本年度はその最終年度に当たるわけであります。この間、当部会の委員の先生方には種々御教示、御指導をいただいてまいりましたにもかかわらず、このたびこのような事案が発生したことにつきまして、大変申しわけなく、ざんきの念にたえません。
また、現在進めております業務改善計画におきましては、現場重点主義を掲げ、組織の一体化、ルールの徹底等、現場の改革に取り組んでまいりましたが、現場はよくついてきてくれたと思いますし、強くなったと思っております。また、本事案の対処に関しまして、拠点の職員全員を投入いたしまして約500万件のチェック作業を行っております。それだけに今般本部においてこのような問題が発生し、現場に多大な迷惑をかけたことについては、大変申し訳なく思っておりますし、責任を痛感しているところでございます。
今般の業務委託に係る事案は、本部において発生した問題であります。今まで取り組んでまいりました業務改善計画において、本部へのメスの入れ方が甘かったと強く反省をいたしております。本調査報告書において、本部内の情報共有、リスク管理体制、プロジェクト管理体制、外部委託の位置づけのあり方、人材の育成、人事体制のあり方等について厳しく御指摘をいただいております。
当機構といたしましては、このたび調査委員会より御提言いただきましたこれらの具体的対応策に組織を挙げて取り組んでまいりたい。また、マイナスからのスタートであるということを改めてかみしめまして、信頼される組織を目指して努力してまいりたいと考えております。
報告書の内容につきましては、担当理事より御説明いたします。

○増田部会長 それでは、お願いいたします。

○日原日本年金機構理事 では、続きまして、座ったままで大変恐縮でございますけれども、報告書の概要につきまして、お手元の資料1-2、調査委員会報告書(概要)という資料に基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。
まず、1ページ、本調査委員会設置の経緯と概要でございます。この調査委員会では、(2)にございますように、今回の一連の業務の実態の検証と原因の究明、また、機構が業務委託を行う際の事務処理のあり方の見直しなどにつきまして調査・審議をしていただきました。(3)にございますように、委員の方々は全員外部の方で構成されておりまして、委員長は、本日御出席いただいております一橋大学の安田先生にお願い申し上げました。
(4)の調査手法でございますが、関係資料のほか、機構とSAY企画の役職員にヒアリングを実施いたしまして、これらをもとに分析を行っていただいたということでございます。
開催実績は(5)のとおりでございますが、4月10日の第1回から精力的な御議論をいただいて、取りまとめていただいたというものでございます。
次に2ページに参りまして、本事案の概要でございます。(1)のところで今回の扶養親族等申告書に係る業務の流れにつきまして、再度簡単に触れさせていただきたいと思います。
まず、マル1にありますように、今回の事案では税制改正によりまして申告書の様式が大きく変わったということでございます。サイズが大きくなりまして、マイナンバーや所得など記入していただくところも追加になったということでございます。
マル2にございますように、この新しい様式の申告書を受給者の方約800万人に発送して、記入・提出をしていただいた後に、マル3でございますけれども、提出された申告書に記入漏れがないかといった審査を審査担当の業者2社が行って、その後にマル4で申告書の内容をデータ入力するという流れでございますが、このデータ入力を委託した業者がSAY企画であったということでございます。
その後にマル5、6にございますように、入力されたデータをもとに、機構で平成29年分の源泉徴収票の作成、また、平成30年分の年金の源泉徴収税額を算出する。こういった流れの業務でございました。
(2)でございますが、このSAY企画の契約違反行為によりまして一連の問題が生じたということでございまして、具体的に申し上げますと、マル1にございますように、納品おくれが常態化して、入力漏れにより、履行しないものもありました他、仕様書などに定められた作業手順を守っていなかったということによりまして、納品物に相当のデータ誤りを発生させた。また、マル3再委託禁止となっている部分について、無断で中国の関連事業者に再委託をしていた。マル4機構への各種の報告が未提出でありましたり、あるいは虚偽の報告を行うといったことでございました。
こうした契約違反行為の結果、マル1源泉徴収票の表示誤り、マル2入力漏れによる源泉徴収税額の誤り、また、入力誤りによる源泉徴収税額の誤りも生じたということでございます。
今回の件が判明したきっかけは、昨年末に機構の法令等違反通報窓口に匿名の通報が寄せられたということでございまして、その後の主な対応経過をまとめたものが右側の「機構の主な対応経過」でございます。
今回の件は、契約としては1つでございますが、それに基づきます4つの問題が次々に連続して、いわば重なりながら判明をして、対応してきたという経過になってございます。
具体的に申し上げますと、1月6日にSAY企画への特別監査を実施して、中国関連事業者への再委託が判明したのに続きまして、1月15日以降は、機構のコールセンターに源泉徴収票の氏名誤りについて苦情をいただきまして、氏名の入力誤りが判明したということでございます。
こうした源泉徴収票の表示誤りの発生を受けまして、2月上旬に同じSAY企画が入力データの作成を行っております申告書の処理につきまして確認作業を実施いたしましたところ、8日には誤って入力されている率が高いということがわかりまして、12日にはさらに入力漏れが判明したということでございます。その後、事態の全体がおおむね把握されました3月20日に記者会見を行ったということでございます。
なお、このページの下の※印にございますが、中国への再委託につきましては、日本IBMに委託をいたしまして、情報セキュリティ面での調査を実施しております。この調査結果としましては、受託事業者、再委託事業者からの情報の流出は生じていないと判断したこと。それと中国の再委託事業者に送付されていた情報が氏名と振り仮名のみであったとの結論を得ているということでございまして、さらにIBMの報告書を第三者機関に委託して検証も行っております。これらの結果につきましては、別添資料1として添付をいたしております。
また、今回の件を踏まえまして、3月から4月にかけて実施した年金個人情報を取り扱う外部委託先119契約に関する特別監査につきましては、重大な検出事項は、既に4月6日プレスリリースをさせていただきました恵和ビジネスによる再委託の事案があったのみでございました。こちらの結果につきましては、別添資料2として同様に報告書に添付をさせていただいております。
次に3ページ、本件の契約締結後の業務等の実態でございますが、本件の業務委託契約は、仕様書などに基づいて実施されていたわけでございますが、委託業者におきます業務実態と、それに対する機構の対応状況がどのようであったかという検証をまとめたものでございます。
(1)にございますように、業務開始10日前までが提出期限となっております作業員名簿と守秘義務契約書の写しが提出されませんで、機構としても必要書類の提出を督促いたしたものの、未提出のまま業務開始を認めてしまったということがございます。
(3)の履行方法にございますように、仕様書などではベリファイ入力という方式を行うよう明記しておりましたにもかかわらず、このベリファイ入力が行われなかったということでございまして、これについては、機構は是正を複数回指示したものの、改善させることができなかったということでございます。また、禁止されているにもかかわらず、無断で中国の関連事業者に再委託をしておりまして、外部からの通報があるまで機構ではこの実態を認識できなかったということ。
さらに、その次の4の履行体制でございますが、作業員が予定人員を大きく下回っておりまして、人員不足で業務を行う体制が不十分であった。機構側は繰り返し是正を指示しても改善させることができなかったということでございます。
(5)につきましては、機構は、納期のおくれについては頻繁に是正指示を行いましたものの、納期のおくれが常態化いたしておりまして、その後、入力誤り、入力漏れが多数判明したということでございます。また、深刻な業務実態となっていたことに関します理事長への報告、業務停止や契約解除の検討が、この事案判明後の1月と大幅におくれたということがございます。
さらに、入力誤りなどの補正指示等、そういう対応はとったのですけれども、フォローが十分でなかったということがございます。
そのほか、(7)委託業者に求めております自主点検も形骸化しておりまして、機構でもその内容の確認が十分に行えなかったということがございます。
このようにしてみますと、4ページの一番下でございますが、SAY企画に関しては契約不履行が多く確認されておりまして、今回のような規模の業務を履行する能力に乏しかったという点。それから、機構の担当部署では、問題意識を持ちながらも、別の業者に切りかえることは現実的には難しいという認識のもとで、源泉徴収事務に支障が生じないように、期限までにSAY企画に納品をさせるということに注力していたということでございまして、このために問題の全体像の把握、また、組織としての危機感の共有が図られなかった。もっと早い段階で組織を挙げた対応に切りかえることができずに、深刻な事態を招いたことは真摯に反省すべき点であると指摘をいただいております。
続きまして、5ページ、本事案に係る調達手続の実態でございます。契約全体の履行状況を見ますと、SAY企画を本事案の履行能力を有する業者であるということで選択いたしました機構の調達手続に問題があると考えられるということで、そちらの実態の検証をした部分が5ページからになっております。
まず、(3)の入札準備段階のところでございますが、入札方式について見ますと、これは総合評価落札方式も選択肢としてはあったわけですけれども、原則に従いまして最低価格落札方式を採用したということでございます。
マル2の参加資格についてでございますが、機構の調達案件では全省庁統一資格を使って参加資格を決定しておりまして、予定価格に応じて等級が決まる仕組みでございます。今回の案件では、A等級が本来の等級でございましたけれども、入札参加者の拡大を図るために、機構におきまして通例に従いましてB、C等級まで拡大したということがございました。
調達単位について見てみますと、事前に実施した情報提供依頼におきまして、3社から一括履行可能という回答がございました。コスト面ですとか履行管理の容易さということから、特段の疑問を抱かずに一括調達方式を選択したということでございます。結果といたしましてC等級のSAY企画が1社だけ応札したということでございました。
また、事後に入札に参加されなかった事業者に確認いたしましたところ、やはり数量が大き過ぎるという意見も多かったという状況でございました。
続きまして、7ページ、検証結果を踏まえました今後の外部委託・調達管理のあり方でございます。機構の担当部署におきましては、機構内のルールに基づいて業務を行っていたわけでございますが、履行能力に乏しい業者が今回のように応札してきた場合に、それを阻止できるという仕組みにはなっておりませんでした。また、委託業者が適切に履行していないことが明らかになった段階で組織を挙げた対応に切りかえることができなかったということでございまして、機構は大量かつ長期にわたりまして重要な個人情報を業務として取り扱う機関でございますので、こうした業務に伴うリスクに対応できるように、今後の外部委託や調達管理のあり方をどう見直していくかという点をこの5章で提言していただいております。
その基本的な考え方でありますが、7ページの(1)今後の外部委託のあり方(総論)のマル2機構における外部委託の活用の基本的なあり方というところをごらんいただければと思います。そちらにございますように、これまで機構では平成20年の基本計画に基づきまして、届書の処理やデータ入力あるいは年金相談など個人情報を取り扱う業務におきましても外部委託を推進してきたということでございます。
報告書では、この点につきまして、これらの業務は季節的な業務量の変動が大きい。あるいは専門の民間事業者のノウハウが生かせるなど、これまで進めてきた外部委託の活用は一定の合理性があって、基本的な方向は適切とした上で、年金事業の運営に対する国民の信頼という特別な事情を鑑みて検証結果を踏まえた今後の方向がまとめられております。
その基本的な考え方が8ページからになってございます。(ア)でございますが、基本的な考え方としましては、コスト削減の観点は引き続き重要であるが、今後はあわせて業務の正確性とサービスの質の向上を重視するよう、転換する必要があるということ。また、コストの捉え方自体につきましても、今回の事案の対応に多額の費用を要したことや、年金業務への信頼を損ねたという、目に見えないコストが生じたことなどを踏まえて、中長期的に見て低いコストになっているかという観点から捉え直す必要があるという点を御指摘いただいております。
(イ)からが具体的な対応策になってまいります。まず、(イ)では個人情報漏えい防止などの観点から、年金個人情報を取り扱う業務につきましては、業務の性質に応じて、できる限り機構が用意した場所で委託業者に行わせるインハウス型委託を進めるということを提言いただいております。これによりまして、情報セキュリティのリスクとか、仕様書と異なる業務が行われてしまうというリスクを機構がコントロールしようというものでございます。
(ウ)年金個人情報を取り扱う外部委託のうち、業者の履行能力の見きわめが必要なものにつきましては、総合評価落札方式の適用を原則化するという点。
(エ)年金個人情報を扱う外部委託の調達につきましては、全省庁統一資格の本来等級の適用を原則化するという点につきまして、御提言をいただいております。
こちらにつきましては、少し飛びますけれども、14ページの別紙1をごらんいただきたいと思います。こうした考え方を平成29年度の契約に当てはめてみますと、インハウス型委託を検討する業務として対象になるのは、赤枠の部分の届書の処理業務とかデータ入力業務などの中の主な履行場所が機構外となっているものということになってまいります。また、最低価格落札方式を採用しておりますもので、総合評価落札方式の適用を原則化する業務といたしましては、青枠の部分になるということでございます。
8ページにお戻りいただければと思います。続きまして、8ページの(オ)ルールを厳格化するだけではなくて、いわば優良な業者に機構の業務を受託しやすい環境を整えるという点からは、適切な予定価格の設定とか複数年契約、それから複数の届書の処理や、入力を通年で委託するといった業務の包括的な委託などを積極的に活用していくということ。
(カ)委託内容の複雑さですとか重要度に応じまして、企画から調達、管理、また、コンティンジェンシープランに至るまで一括して管理するとともに、組織横断的に事業を進める体制を確立するということ。
(キ)情報提供依頼、仕様書の作成、入札方式の選択、履行開始前の検査などにつきまして、具体的なルールを定めて徹底することという提言をいただいております。
おめくりいただきまして、9ページから11ページでは、この具体的な方策を調達の各段階に応じてより詳細に整理、提言いただいた部分になっております。前のページで御説明させていただいたもの以外で申し上げますと、マル2の情報提供依頼につきまして、情報収集すべき事項の明確化や、優良な事業者を発掘するという観点から対象事業者の拡大を図るといったこと。
マル4の(ウ)調達単位でございますが、履行能力に問題が生じることがないように、必要に応じて調達単位を適切に分割すること。
マル9の履行開始前検査でございますが、これを制度化して、この検査で不適切、不適格と判断された場合には契約を解除し得る規定を整備する。
11ページ、履行中の立入検査につきましては、履行開始前と履行中の立入検査の目的や内容を明確化して、履行開始前は履行能力の検査を、履行中は開始前に検査した事項が守られているかどうかや履行状況をチェックするといったこと。
マル12の問題発生時の組織的な情報共有でございますが、契約不履行などがありました場合には、事件や事故などとしてリスク統括部に報告して、リスク統括部のモニタリングや分析を経て、内容に応じてリスク管理委員会に報告する仕組みを設けることなどの提言をいただいております。
12ページ、本事案を踏まえ検討すべき組織運営の基本的事項ということでございまして、ここではもう少し組織あるいは分野横断的に検討すべき事項というものについて提言をいただいております。まず、(2)新規案件ですとか、あるいは多くのお客様に影響のある業務など、機構におきます重要な事業につきましては、事業企画からお客様に届くまでの一貫した工程管理を行うこと。また、組織横断的な事業推進体制の確立などについて御提言をいただいております。
(3)外部委託に係る体制の見直しと強化でございますが、現在の調達部は実務中心の部署でございまして、このために外部業者の調査ですとか、あるいは機構内のこうした案件に関する調査を行う企画のセクションを新たに組織化すること。また、調達の内容も複雑化しているということで、業界に精通した調達人材の育成についても提言をいただいております。
続きまして、(4)定型的な業務への組織的な対応につきましては、定型的な業務を担うための人材の育成、確保とあわせまして、大規模な調達がほとんど本部で行われているという実態から、本部現業部門のリスクの所在、また、その対応策についても検討を進めるべきであるという点について御指摘をいただいております。
そのほか、IT化やシステム化を進めて入力業務そのものを減らしていくということや、役職員の意識改革についても提言をされているということでございます。
13ページの「おわりに」では、これまでの検証や提言のまとめをいただいておりますほか、報告書が取りまとめられました後は、機構におきましていただいた提言を実行するという段階に入るわけですけれども、その段階においてということで2点。第1点目は、外部委託を行うに当たってのコストをどのように考えるかという点。2点目といたしましては、調達や外部委託の実務に精通し、継続的に携わる人材を安定的に確保していくための検討の必要性ということについて指摘をしていただいております。
最後でございますけれども、年金制度への信頼は、正確な実務が全ての基礎であるということを改めて認識をして、制度を実務として正確かつ公正に運営するというミッションを真に果たせる組織となることを期待する。このように提言をいただいております。
御説明のほうは以上でございます。

○増田部会長 ありがとうございました。
続きまして、安田委員長においでいただいておりますので、委員長さんのほうから所見をお願いいたしたいと思います。

○安田調査委員会委員長 では、所見を述べさせていただきます。日本年金機構における業務委託のあり方等に関する調査委員会の委員長を務めました安田でございます。機構から一通り御説明をいただきましたが、最後に私からこのたびの調査委員会における調査・審議を務めた中での所感について述べさせていただきます。
まず、調査委員会は4月10日より計4回開催し、報告書を取りまとめるに至りました。調査委員会の役割としては、私どもは3点を頭に入れて作業をいたしました。1点目は、本事案の原因を究明し、機構の外部委託に関する課題を抽出するということです。2点目は、その抽出された課題の解決を目指す具体的再発防止案を見出すということ。3点目は、さらに高齢者社会に欠かすことのできない社会インフラとしての機構の業務体制、外部委託体制づくりを広範囲な視点で提言する。こういうことで盲目的に作業をやってまいりました。
調査に当たっては、事実関係や現行ルールに関する数多くの資料の検証、関係者からのヒアリング、個別ミーティング、さらには各委員の経験や知見を生かして忌憚のない議論を精力的に行ってまいりました。大変限られた時間ではありましたが、この調査報告書には、ほか3名の委員の方々の一方ならぬ御協力をいただいた結果であるということをまず申し述べておきたいと思います。
では、提言の要点に関して申し上げたいと思います。報告書の概要については、先ほど日原理事より説明がございましたが、このたび調査委員会として具体的対応策を広範に提言しました。これを御説明させていただきます。まず第1点目は、機能部門横断的なプロジェクト体制の導入を提言しております。今回の税制改革に伴う一連の扶養親族等申告書等にかかわる事業は、約800万人の国民にかかわる一大事業でありました。それにもかかわらず、機構全体の重要事項であるとの認識が十分醸成、共有されないままに、従来業務として個別部門ごとに作業が進められてきました。そこには縦割り組織の問題が潜在していると思います。
具体的に申し上げますと、このプロジェクトの工程は大変多くの段階に分かれており、したがって、かつ担当部署も分かれていました。各部門それぞれは自己の任務遂行に真面目に取り組んでこられましたが、部門間の横の連携が弱く、また、組織上下間のコミュニケーションも不十分でした。プロジェクト全体についてスケジュール管理、工程間管理、リスク把握等を一体として管理する体制が欠けていたために、一部門の危機が実は全体の危機に及ぶという認識が大変弱かったというふうに言えます。
また、入札においても、複雑で重要な業務委託先を選定するにおいて、通常の書類審査で1社だけ入札してきたC等級の業者が最低価格を入札して、選ばざるを得なかったという状況の中でも、ルールどおり行われているためにということで、その潜在的リスクに声を上げる部分がなかったことも残念なことでございます。
事業の性格によりますけれども、重要かつ複雑な事業については、入り口段階で機能組織横断的なプロジェクトマネジメントの全体像が確立されるべきであり、今回調達企画セクションの組織化を提言しました。将来的にはプロジェクト全体のマネジメントをする専門部署の設置も急務かと思います。
この部署で特に担っていただきたいのは、一部門の危機を全社共通の認識とし、経営陣が適切な判断を下せるようにリスク統括部との連携を密にすることと、危機に陥った際のコンティンジェンシープラン、代替案を事前に作成するということでございます。今回の事象を見ますと、担当部門は問題発生時、何とか部門内で解決しようと必死に行動しましたけれども、機構全体の危機になることを感知せずに、情報が経営に上がるのが遅過ぎたこと。担当部門は途中から業者の履行能力に疑問を持ち始めましたが、ほかの部署がないと。何とか1人で問題業者で乗り切ろうと指示・是正を繰り返していたこと、そのものがかえって傷を大きくしている行動が見てとれます。横断的プロジェクト方式というものは、こうしたことを防止する一策になると考えております。
2点目は調達手続に関してであります。業務の質の向上と個人情報の守秘を確実にするために、業務に合わせた調達方法を導入すること。そして、機構の調達能力の高度化を図ることを提言しております。一連の検証において、SAY企画に関しては、作業員等の履行体制の不備や必要書類の未提出、契約不履行に当たる行為が数多く散見されました。問題は、なぜこのような履行能力が欠如した同社に外部委託することになったのかということでございます。そこには機構の現行の調達手続に基本的な問題があったと考えております。
機構が10年来進めてきた積極的な外部委託は、外部の新しいノウハウを得、コストを下げ、効率化を高めるためには一定の成果をもたらしてきたことは言うまでもありません。しかし、いつしかあらゆる案件に最低価格落札方式を優先する。A等級案件にも入札資格にB、C級まで広げて委託業者を招く。一括調達を優先するといった硬直的な思考にはまっていたことは否定できません。その結果、最低価格で入札した履行能力に疑義のあるC等級のSAY企画が選考されて、大きな問題を発生したわけでございます。
業務の外部委託は民間企業でもずっと行われてきました。ただ、民間企業では行き過ぎた外部委託の失敗経験をもとに、最近は価格重視一辺倒の観点から、効率化を追求しつつも、業務の正確さとサービスの質を重視する観点を強めてきています。自社のコア業務は内製化し、ノウハウを企業から消失させないようにすることもしてきております。機構の外部委託も同様に柔軟な発想でもって転換しているときになっているのではないかと思われます。
また、機構が大量かつ長期にわたり重要な個人情報を取り扱う機関であるということに鑑み、特定個人情報を扱う重要課題については、外部委託する場合も、機構がみずから厳重に情報を管理できるインハウス型の委託を推進すべきと提案しております。これによって、国内外への業務委託から生まれる個人情報漏えいリスクや再委託が発生するリスクは回避できると思われます。ぜひとも実現していただきたいと思っております。
ところで、総合評価落札方式になるとコストが上昇するのではないかと危惧される方もいますが、我々はコスト・フォー・バリューという考え方を出したいと思います。価値に対してどれだけのコストがかかっているのか。その上で見ると、国民の安心と満足する質を提供する仕組みに対するコストと考えれば、中長期的には総合評価方式というものは十分メリットがあるものと思われますし、さらに、優良委託先と協働することで、将来AIやRPA等の最新のIT技術を活用していけば、大きなコスト削減につながるのではないかと期待しております。
3点目は履行管理体制に関してでございます。機構の現行の縦割り組織が生むタコつぼ現象をいかに打破するかは、組織上最も大事な課題です。今回業務を受託したSAY企画の履行状況には当初より大きな問題がありました。仕様書の要求を忠実に実行することなく、入力漏れ、入力誤り、常態的納品おくれを起こしていたこと。なかんずく契約した800人体制が約130人体制にしかなっていなかったことは、今回問題発生の最大の原因であることに疑いの余地はありません。
しかし、こうした問題に対する機構の一連の履行管理対応も大変お粗末でございました。業務委託側の問題解決能力がなかったことも厳しく指摘せざるを得ません。各担当者は、与えられた部門の任務に忠実に、何とか納期に間に合わせようと必死に取り組んでいたことは事実です。しかし、それは仕様書に沿ってということに甘んじ、たびたび現場で是正の指示を出し、SAY企画をつっつくことに終わっていたのではないかと思われます。指示を出しても、それが実際に実施されたかというフォローをすることがなく、指示内容そのものが問題を解決する内容になっていなかった。さらに、仕様書その他の書類が書いてあればというところに頼っていたというところにこの履行体制の弱さがあったと思います。問題が深刻化すると何とか自部門で解決しようとして、組織全体に及ぼしかねない危機意識が薄かったことです。本部組織のリスク管理の弱さは、こうした部門のタコつぼ現象の解消から始めなければなりません。
4点目は、調達外部委託や特定業務の専門人材の育成を強く提言しております。これまで申し上げてまいりました3点の組織や運営ルールの改革をしても、肝心の人材がいなければ目的は達成できません。今回の事案が発生した原因の根っこには、調達や外部委託や特定業務の実務に精通し、そうした業務に継続的に携われる人材が組織的に育成されてこなかったことがあります。目きき力や問題解決力がなかったのもそのあたりが原因かと思われます。
年金業務に従事したり、外部委託を含めた複雑な業務をこなす民間金融機関、民間企業にはいわゆるホワイトカラー職人と称される専門家がいます。自分の業務に精通し、内部の他部門や外部の業界からも一目置かれる専門人材です。機構においても実務のプロフェッショナルを長期安定的に育成する観点から、現在の人事制度の枠にとらわれない具体的な検討が望まれると思います。
まとめに入る前に、1月以降発生しました中国委託業者への再委託と大量の入力ミス、入力漏れの発見後の対応について付言させていただきます。先ほど日原様の方からもお話がありましたように、その後の対応は大変迅速であり、専門家を雇い、問題がないこと。さらにはお客様に迷惑をかけないように、全職員があらわれて入力を済ましたということにつきましては、案件の影響を最小限にとどめるために、おおむね必要な対応がなされたと委員会のほうでは判断しております。
今回の報告のまとめに入りますが、今回の報告内容は、機構の従来からの外部委託の考え方、方針に関して大きく転換を求める内容も含んでおり、実現に関し、機構にとって大変な努力を要するものになっていると思います。機構においては、設立後も依然として国民の信頼を失う事態が続けて発生しており、極めて遺憾でございます。これからいわばマイナスからの機構の再出発が求められています。様々な企業変革を見てきました私どもの経験から申し上げますと、これまで民間の企業において、今回のような不祥事をばねに大きく改善し、顧客の信頼を取り戻した会社は、出発に当たり2つの共通点を持っております。1つは、言うまでもなく現行の問題を率直かつ徹底的に全社の問題として直視する姿です。問題を厳しく見据えなければ、本当の解決策も出てきません。もう一つは、自分の仕事に大きな意義や社会的価値を見出し、その使命達成のために改革しようとする力を沸き立たせていることです。銀行や支払い問題で問題を起こした保険会社は、こういうことで立ち直ってきております。
機構の仕事の意義や社会的価値は、超高齢化社会を迎え、老齢年金受給者が3,600万人を超える我が国にとって、欠くことができない大切な社会インフラです。最大の老齢者の情報プラットフォームを用い、個人情報を守った正確な業務で受給者に安心と信頼を提供する業務は、大変とうとい使命を担った仕事だと思われます。社会インフラとしての自らのミッションを全職員が自覚し共有すること。そして個々の職員が自ら立ち上がっていくこと。このことが国民に信頼される機関として再出発するための原点であることを訴えたいと思います。
受給者に大きな迷惑をかけ、不安をもたらした今回の問題については強く反省し、真摯に原因を直視していただきたいのですが、それで組織や職員が縮こまってしまうことがあってはならないと思います。経営学で言う経営の失敗学というのは、二度と同じ問題、過ちを起こさないために、そして失敗があったゆえに、さらに高みの経営ができるように問題をしっかり究明するということを意味しております。
短期間で4人の委員でまとめた報告書ですが、年金機構がすぐれた社会インフラへ向かう契機になればと望んでいます。特に私も年金受給者の資格を持った一人ですので、そういうことを切に望んでおります。
こういうことが4人の委員を代表いたしました所感でございます。

○増田部会長 ありがとうございました。
今日は、冒頭水島理事長から御報告がございましたが、特に第三者委員会の安田委員長にもおいでいただいておりますので、これからは各委員の皆さん方から、先ほどの水島理事長からの御報告、そして調査委員会の報告、両方について御意見あるいは御質問等があればお願いしたいと思います。各委員の皆さん方のほうから御質問等があればお願いします。それでは、初めに岩瀬委員からお願いいたします。

○岩瀬委員 まず、短期間でこのような報告書をつくっていただきまして、ありがとうございました。私が言うのも僣越ですけれども、部会の委員として委員長及び委員の先生方にお礼を申し上げたいと思います。
その上で、報告書に書かれていたことについて二、三、水島理事長にお尋ねしたいことがあります。お尋ねする前に、まず部会長にお願い事があります。今回の事案は、3年前に125万件の年金個人情報が不正アクセスで流出した際に、機構側は、最大の問題として情報共有がうまくいっていなかったということをかなり反省事項としておっしゃっていたと思います。その上で、これを経営課題として取り組んで、情報を共有していくのだとこの間ずっと言ってきたと思うのですけれども、それが今回できていなかったことによって、こういう問題が起こったのかなと思います。
今後その報告書に基づいて機構がいろいろ対応策をつくっていかれるのでしょうけれども、部会としてもその対応策が本当に実効性のあるものなのかどうかというのを検証していく必要があるのではないかと思います。3年前にこういう流出事件が起こったときにも、部会が検証するのだということを言っていたのですが、そこは十分できていなかったのかなということがありまして、それは私たちの反省材料の一つなのかなと思いますので、作業班で機構の対応策がきちんととられているのかどうか、これを恒常的に検証していく課題として取り上げていただきたい。それを御検討いただきたいということです。これを検証するに当たっては、部会としてもある程度調査に入らないと、報告書だけ読んでというのではなかなか実感を持てないと思いますので、検証と部会としての調査を作業班でやるに当たって御検討いただきたい。これがお願いでございます。

○増田部会長 今の点については、私の方も今回の事案が起きて、部会としてどう取り組むかというのは非常に重要な問題であると思いますので、今の岩瀬委員のお話も含めてきちんと検討したいと思いますが、また最後のほうで皆様方にお諮りをしたいと思います。

○岩瀬委員 質問を二、三よろしいでしょうか。水島理事長にお願いしたい。

○増田部会長 どうぞ。

○岩瀬委員 この調査報告書の中に業務履行体制について十分確保されていなかったという記載があります。業務開始10日前までに提出期限であった作業員名簿及び守秘義務契約書等の写しが提出されていなかった。にもかかわらず、その必要な書類を未提出のまま業務の開始を認めてしまったという指摘があるのですけれども、800万人の個人情報を扱う事業をするに当たって、守秘義務契約書の提出がないのに、なぜ事業の開始を認めたのか。誰が認めたのか。これを教えていただけませんか。

○増田部会長 水島理事長、どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 経緯といたしまして、守秘義務契約書に関して、何度か提出を求めたけれども、11月になったという経緯でございます。申しわけございませんが、作業員名簿と守秘義務契約書を求めるというのは、年金個人情報、なかんずく特定個人情報を仕事として行う上で、守秘義務を果たしてもらうと。加えて、日本年金機構法におけます罰則も適用されるということでございまして、この点を周知させるということがこの目的でございます。
このような目的のものについて提出をされないまま事業開始を認めたということに関しましては、誠に遺憾でございまして、あってはならないことだと思っております。これを誰がどのような経緯で認めたかということについては、基本的に認めるということを決定したという経緯がございません。いわば事態の推移に任せて事業が開始されたということが実態だと思っております。誠に遺憾でありますし、これに関しましては、しかるべく対処を行いたいと思っておりますが、現在、その他の契約に関しまして、そのような事態がないかということについては調査を行っております。
先ほど日原の方から御説明いたしましたが、特別監査を行いました119契約に関しましては、現在のところそのような事例はないということを確認いたしております。一部メンテナンスに欠けていたところがございますが、それは修正をさせているところでございます。
このような事態になりましたことについては、誠に申しわけないと思いますし、今後二度とこのような事態がないように徹底してまいりたいと考えております。

○増田部会長 岩瀬委員、どうぞ。
○岩瀬委員 この案件以外のことはお聞きしていませんので、結構です。
認めるということを決定していないということですけれども、この契約を機構の理事長代理人としてSAY企画と契約した人は、当然この人のゴーがなければ進まないのではないですか。給付調整室長がこの問題に関しては把握していないといけないし、その人がやめろと言えば進まないはずですね。彼が言ったのか、言わなかったのかは別として、彼は認めたわけですね。SAY企画と機構の契約書を読むと、契約解除権の行使について書いているわけですね。本契約または仕様書に定めた内容に違反したときは、何の予告もなしに契約の一部または全てを解除できると書いているわけです。なぜこの契約解除権を行使しなかったのですか。重要な守秘義務契約書の写しが出ていないということに対して、これは重要なことだったという認識は全くないのですか。
○増田部会長 理事長さん、お願いします。

○水島日本年金機構理事長 調査をいたしました経緯でございますが、担当者から作業員名簿及び守秘義務契約書が出ていないということについて、室長に対して報告がなされたかどうかということについて、実は明確でございません。その点が組織のあり方として極めて問題であるということは、御指摘のとおりでございまして、業務開始は申告書をSAY企画に渡すところから始まるわけでございますが、その時点で守秘義務契約書及び作業員名簿が提出されていなかったということについては、担当室長は確認をしていないというふうに言っております。

○増田部会長 岩瀬委員、どうぞ。

○岩瀬委員 理事長の説明は全然わからないのだけれども、機構の仕様書において、あるいは契約書においても、作業開始の10日前までに800人の守秘義務契約書の写しを提出しないといけないというルールを決めているわけですね。最終的に130人しか出なかったにしろ、10日前というのは9月22日なのですが、その時点でこれが出ていない。担当者が室長に報告したかどうかわからないと。こういう組織はあるのですか。担当者も知っているわけですね。室長も知っていると思うのだけれども、担当者が判断して、きちんとその室長に言って、この業者は業務遂行能力がないという判断をそこの場でやるべきだったのではないですか。何かわけがわからないのですけれども。

○増田部会長 理事長、どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 今から考えますと、その時点で契約を解除して、別の業者と折衝を開始すべきであったと考えております。

○増田部会長 どうぞ。

○岩瀬委員 これは、写しが出ていなかっただけでなくて、SAY企画がどこで作業をするかという作業の場所についても、実はSAY企画が出した運用仕様書の中に書いていないのです。機構の定めたルールにおいては、一般競争入札においても、特に必要な資格として運用仕様書の合格というのがあるわけです。重要な設備について書いていない運用仕様書を合格させた理由というのもよくわからないのだけれども、その設備、場所、どこでやるかというのが出てきたのが9月15日なのです。これは10月2日の作業のかなり前だけれども。これを見ると、フロア面積というのは512平米としか書いていないわけです。800人で作業をするのに512のフロア面積しか確保していないということは、できないということをその場で瞬時に判断できると思うのです。普通の感覚で言えば。単純に割ると、1人当たり0.64平米しかないわけです。これは公衆電話ボックスのスペースと同じスペースなのです。こんなのができるわけがないのです。これを現場に行って見ているわけですね。現場の担当者の責任もすごく大きいと思うのです。この段階ですぐわかるはずだと思うのです。
もう一つ、これも報告書に書いていますけれども、9月28日に業務開始前打ち合わせを実施した際に、目視で十分確認しなかった、できなかったというのがあるのだけれども、現場に行ってみれば、人がそろっているか、いないか、どういう机の配置になっているかどうか、ベリファイ方式でやる場合の配置なのかどうかというのが瞬時に判断できると思うのです。これをやらないで、やらせ続けたというのはどういうことなのですか。一種の共犯関係にあるのではないでしょうか。
すみません、9月28日に業務打ち合わせに行ったのは誰なのですか。名前はいいですけれども、役職を教えてもらえませんか。

○増田部会長 理事長さん、どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 経緯を申し上げますと、運用仕様書においては、この会社は池袋本社でございまして、池袋が作業場所として届け出られていたということでございました。その後、9月15日に戸田を新たな作業場所として届出が来ております。9月28日、現場に担当参事役及び担当者が参りまして現地の確認はしたということでございます。 その時点で狭いということは指摘したということでございますが、説明は、二交代ないし三交代で行うので、ここでできるという説明であったようでございます。それについて十分に議論を詰めずに認めたということについては極めて問題だと。御指摘のとおりだと思います。
この報告書にも御指摘いただいておりますが、このために、従来履行開始前の検査は行ってまいりませんでしたが、今後履行開始前の検査を行うということを制度化するという方針で現在進めているというところでございます。

○岩瀬委員 部会長、申し訳ないですけれども、もう一つだけ。

○増田部会長 余りこればかりやっているというわけにはいかないので、ちょっと待ってください。次のやつでまた振りますので。
先ほど安田委員長の方からもお話がありましたとおり、不祥事をばねにその後きちんと解決するためには、もちろん仕事自体が社会的インフラとして極めて重要だと。当然そういう認識はお持ちになっていると思うのですが、今回起きた事案のきちんとした原因究明と、何があったのか、それに対してどう対応していくかということが大変重要なところであって、今、岩瀬委員から幾つか御質問がありましたけれども、現場の人たちから詳細にいろいろ聞き取りをして、誰がどうだったかということを多分やられているのだと思うのです。年金事業管理部会としても公的な場ですので、今回のことについて、実際にどういうことが行われたかというのを委員がいろいろ質問するというのは当然なわけで、ただ、ある程度限られた時間の中できちんと第三者委員会を設けてそれなりのものはとられたのではないか。これからこの場でほかの委員からもいろいろお話をお伺いいたしますけれども、せっかくの場ですので、どういう聞き取りがあって、どうだったかということを理事長さんが責任を感じていろいろ御答弁されていますが、少し細かな点については、御担当の理事さんとかいろんな方にも、何があって、どういうところが問題があったのかということは、きちんと事実を踏まえてお話をいただきたいと思います。
それから、今日最後の方で申し上げたいと思いますけれども、今日この1日ということではなくて、これからも委員のほうからいろいろ追加でお問い合わせ等をする必要も出てくるかと思いますので、それについては誠実に御回答いただければと思います。
ということで、岩瀬委員、どうぞ。

○岩瀬委員 1月半前ぐらいになるのですが、今、理事長が言ったように二交代制について、僕も事前のレクで聞きましたが、二交代制でやるという説明を受けて、では、見たのですかと聞いたら、夜ビルの周りに行ったら、電気がついていたからやっていたのだろうみたいな確認の仕方しかしていないのです。これはちょっと信じがたいのです。
もう一つ、10月分の自主点検報告書が出たのは11月21日なのです。守秘義務契約書の写し、130人分のものが出たのは、たしか11月6日だと思うのですけれども、ということは、自主点検報告書に人員がそろっていると書かれているわけです。これはそろっていないのを機構はわかっていて、自主点検報告書、適正というのを受け取っているわけです。何でそこで適正でないというふうに書き直させなかったのですか。これは虚偽の報告書を受けたのではなくて、虚偽だとわかっていて受けているというのはどういうことなのか、教えてもらいたいのです。

○増田部会長 それでは、お願いします。日原理事さん。

○日原日本年金機構理事 今の虚偽の報告書という御指摘でございますが、こちらは報告書の方でも取り上げられておりますが、その当時は源泉徴収事務のほうに支障を生じさせない、それに間に合わせるための納期までに入力したデータを納品してもらうということに担当部署としては非常に意識が集中しておりまして、そちらの納品おくれの対応におわれたということでございまして、SAY企画から提出のあった、今、御指摘がございました報告書の確認、あるいはそのフォローが十分行えなかったということだと理解しております。

○増田部会長 どうぞ。

○岩瀬委員 だったら、報告書は、虚偽の報告書を受け取ったと書いているけれども、これは訂正すべきなのではないの。虚偽の報告書というより、虚偽をわかっていて受け取っているわけですから。
それと、納期おくれを防ぐために祈るような気持ちで指示をしたと説明を受けているのですが、具体的には何もやっていないわけです。二交代だと言いながら、夜ビルの周りを見回ってみたら、電気がついていた。これが機構における指示なわけですか。

○増田部会長 理事長さん、どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 二交代あるいは三交代を確認するために、本当に夜にやっているのかということを確認するために現場に行ったことは事実でございまして、そのこと自体は担当者としては努力をしたと思います。その結果が人員体制についての充足に至らなかったということについては、あるべき仕事をしていないということだと思いますが、その点だけが否定されるということではないのではないかと思います。
それから、自主点検報告書について適として受け入れてしまったということについて、誠に遺憾であります。このような仕事のやり方について全面的に見直さなければならないと思いますし、このような事態になっていることについて強く責任を感じております。

○岩瀬委員 わかりました。どうもありがとうございます。

○増田部会長 それでは、ほかの委員の方からお願いします。斎藤委員、どうぞ。

○斎藤(聖)委員 先ほど委員長からの御報告でそうだったのかと納得がいきました。同じようなことがほかの組織でも起きているはずなのに、ほかの組織では問題にならないのはどうしてなのだろうと思っておりました。そうしましたら、委員長のほうから、そういうことをずっとやってきたいわばプロフェッショナルな人材がいるから未然に防げるというお話を伺って納得いたしました。
年金機構ではそういうプロフェッショナルな人材がいるとは思えません。今までの過程からしてもそういう人材を育ててきたとは思えません。ですので、いつもこういう事態があったときには、「真摯に受けとめ、今後気をつけます」という精神論のお話を伺うのですが、具体的にそういう人材をどこかから採用することを真剣に考えていただきたい。機構の給与体系で難しいのであれば、その例外をつくって、いい人材を補給していただきたいと思います。
そうでなければ、こういう事象は繰り返し起こるのではないでしょうか。年金機構というのは新しい組織と言うと語弊があるかもしれませんが、今までそういう人材を育てるようなことをしてきていません。であるならば、外の人材をもっと採用していくべきではないでしょうか。そのための予算を使ってしかるべきだと私は思います。
以上です。

○増田部会長 ありがとうございました。
今の御意見について、理事長さん、ございますか。
それでは、理事長さん、安田委員長がおいでいただいておりますので。

○水島日本年金機構理事長 これは私自身の強い反省も含めて申し上げますと、反省だけしていても仕方がないではないかということかも分かりませんが、基本計画には管理職を育てる方法というのが書いてあります。専門職を育てる方法は書いてありません。組織としてこれについて真剣に取り組まなければいけないと思ってまいりましたが、この機会にこれは実現させていただきたいと思います。
外部人材に関しましては、慎重でなければならないと実は考えております。というのは、年金制度というのは非常に難しい制度でございますので、これを外部人材、どういう形でどのような人を採用していくかということについては、斎藤先生がおっしゃっている内容と同じだと思いますが、スペックをきちんと決めて行ってまいりたいと思いますが、基本的には長期安定的な人材をどのように確保していくのか。この組織は事務組織でございますので、極めて専門的な分野を長期にわたり担当する人材が必要だと思っております。ぜひ御理解をいただきたいと思っています。

○増田部会長 安田委員長、どうぞ。

○安田調査委員会委員長 御指摘のとおり、今回の場合、組織の問題とともに、人材不足のところが大変大きいと思うのです。先ほど岩瀬様がおっしゃったように、行ったけれども、指示、もっと早くやれ、もっときちんとやれと言われても、どうやってやるのか、どういう形でベリファイをやるのかわからないのですよ。他のところというのは、事務、その業務を10年、20年やって、いろんなところとつき合った人がいるから、問題解決の提案をして、こうしろという指示が出るのです。それが相当欠けていたなと。
調達についても、実は調達をどこに決めるのでなくて、事前にどこはどういうふうなうわさがあって、どういう経験があるというのを全部ためているのですけれども、これもなかった。多分そこのところは、人事ローテーションが非常に速いような形で、専門家を育てるような組織になっていなかったのかなと。そういう意味では、委員がおっしゃるように、いろんな組織改革と同時に、急いでそういう人事制度の改革でもって専門のプロをつくったほうがいい。一番いい例は、保険金の支払い問題が起こった後に、保険会社の中ではホワイトカラーの職人、このプロをつくったというのが、その後出てこない一つの理由になっているので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

○増田部会長 ありがとうございます。
斎藤委員、また改めて先ほど理事長さんがおっしゃっていましたが、何かございますか。

○斎藤(聖)委員 正しく理解したのか、ちょっと不安ですけれども、長期安定的な人材というのは当然必要だと思いますが、その長期安定的な人材を育てるために外から何年か、もう定年近い方でも例えば5年ぐらい指導してもらうとか、そういう人材の使い方もあるのではないでしょうか。今いる人材をこれから育てるというのが何年かかるのか。その間にまた同じようなことが繰り返されるのではないかと危惧いたします。

○安田調査委員会委員長 私のそういう経験から申し上げますと、今、民間から50になった人というのは、一流は絶対に来ません。ですから、それよりも若い人で、民間に交流させる。一番いいところに行かせる。海外に行かせる。そういう形でやったほうが学び方は速いと思います。それか、本当に限られた人材ですごくいい位置。教える先生が一流か二流かでもって学び方が全然違うのです。色んなところでいただいていますけれども、一流の人が来なかったところというのは、やはりレベルが低いのです。年金のこれだけの情報を使っていいというと、とんでもない、魅力的に感じる場所ですが、それをどうやるのかということがあります。
もう一つは、専門知識が必要なら、そんな高度な専門家だけでなくて、着実にやる愚直な専門家もいるのです。今後どういう専門家をどれくらいということを考えていただいて、それに合わせた人事制度を導入していただければと思います。

○増田部会長 ありがとうございます。
斎藤委員から今お話があった点、それから安田委員長さんからお話があった点も、いずれにしても今までリスク統括部のようなところが機能していなかったというのが現実の問題ですので、それを人事ローテーションという格好で若い層からきちんと確立していくのか、あるいは適切な人材をどのような形で入れていくのか、これは非常に重要なポイントですから、また中でよく御検討いただきたいと思います。
それでは、西沢委員、どうぞ。

○西沢委員 報告書は大変よく分かりました。ありがとうございました。
本件に関して、報告書に書いていないことで追加で今後調べていただいたら教えていただきたいのが、一つは源泉徴収の事務なのです。平成29年度税制改正で、施行が平成30年からというので、皆さんの準備期間が1年ちょっとということで、今回扶養親族等申告書の様式を大きくしたり、変えたわけですが、例えば施行を1年ずらせれば、お客様モニター調査を入れたり、皆さんの準備が持てたのではないかということで、税制改正とこの施行時期について、もっと前さばきで実務的な負荷がかからないように調整できなかったかという問題が一つあります。これは今回に限らず、年金機構が源泉徴収していくというのは極めて難しいことで、会社と違って全て郵送ベースですし、疑問があればコールセンターを通さなければいけないということで、しかも、源泉徴収というのは予定納税の性格があって、仕組みが理解しにくいですね。今後1年の所得見込みを書けと言われても、なぜそれを書かなくてはいけないのかということは、理解しにくい。高齢者だけを専ら相手にする、高齢者がメーンのお客さんである年金機構として、源泉徴収をこのまま担っていき続けられるのかという疑問があります。
ですから、もっと源泉徴収を簡単にして、例えば一つの税率で取っておいて、あとは確定申告してくださいという手もあるはずですし、日本年金機構にどういう負荷がかかっていくのかという前さばきをもっとできなかったのかというのを知りたいです。
2点目が、もともと年金機構の発足は、「廃止・解体6分割」ですよ。「社保庁のごみを一掃する」と総理大臣に言われて、「廃止・解体6分割」のうちの一つが民間委託ですね。ですから、民間委託ありきで発足して、「廃止・解体6分割」というフレーズが出てくるぐらいなので、冷静な判断があったかどうか疑問に思っています。ですから、本当に民間委託ありきでこれまで10年間やってきましたけれども、その背景には社会保険庁は能力が低くて任せられないから分割するということだったのかもしれませんが、本当に民間委託でいいのかどうかというのは、以前も消費税との絡みで申し上げていますし、情報流出のリスクもありますので、そこは10年前にさかのぼって見直しまして、民間委託でなくて、内製化を進めていくと。
今回も報告書の中で書かれていらっしゃるように、見えないコストがあるわけです。情報流出とか政治的な問題になってしまうという見えないコストを計量すれば、たとえ内製化のコストが高かったとしても、あるいは一般入札落札方式でなくて、総合評価落札方式が高かったとしても、見えないコストも含めたトータルで見ればコストは安くつくと思いますので、そこは見直していくべきで、正々堂々とコストとして要求すべきものは要求していくべきだと思います。
3つ目は、報告されなかった方々のメンタリティーです。岩瀬さんが今おっしゃいましたけれども、何で言わないのかなと。伺った話だと、納期に間に合わせるというのが至上課題で、納期にさえ間に合ってしまえば、コンプライアンスで違反が起きていても何とかなるだろう。納期に間に合わなくて政治問題化して、マスコミに上げられると大変なことになるからというメンタリティーがあったと推測しますが、確かに日本年金機構の場合、何か問題が起きると、すぐに政治問題になって、マスコミで取り上げられて大問題になってしまうという恐怖心があると思うのです。それはそれをつくってきた外部の我々の問題でもあるので、政治問題化する、すぐにマスコミで取り上げられてしまうという状況については、どういうものが皆さんの根底にあるのか、報告しなかった根底にあるのか調査して、そこは払拭しないと、また同じことが起きると思います。
以上です。

○増田部会長 今の話のうち、特に冒頭の話などは、今、厚労省のほうの制度設計で機構のほうにどういうふうにいつから実行してもらうかにまさにかかる話です。高橋審議官からもお話しいただくのと、あと理事長さんのほうから。

○高橋年金管理審議官 では、前の2つ。1つ目の前さばきの部分です。我々も源泉徴収の今回の事務を受けて、例えば税制改正があって、そこをどう実施するか。様式をどうするかとか、そこをつないで、国税とのやりとりとかを去年やっていたわけです。
しかしながら、ことしこういうふうになってみて、様式が複雑で分かりにくい、これは高齢者の方に御理解、とてもいただけないということになって、では、もっと大胆に分かりやすい様式にするとか、さらに源泉徴収の仕組みについての議論とか、そういうことを、今回の事案で上がって、これは相当まずかったということで見直しをし、色んな見直しも今、話は進んでおりますが、本当はそういうことをこういう事案が起きる前にちゃんとできないといけないということは反省しておりまして、そういう前さばき、機構が実務としてしっかりやっていけるような制度をちゃんとつくっていくと。これは大事なことだと肝に銘じたいと思っております。
2つ目の社会保険庁から年金機構が発足するに当たっての基本計画で外部委託の推進という考え方が盛り込まれております。これは、当時入力業務からいろんな電話の対応とかを全部職員がやる、あるいは非常勤職員でやるという仕組みで、ここを外部委託できるものは外部委託にということで基本計画には織り込んであります。
しかし、今、改めて基本計画を見返してみると、基本計画というのは慎重に書いてありまして、外部委託するに当たっては慎重な判断、品質とか効果の問題とか、業務品質の面とか、そういうことを見ながらちゃんとやるということは書いてあるわけでありますし、そういう意味で、委託の数が非常にふえたときに、それを管理していくというところの詰めをしっかりやりながら、単純なものは委託するという基本はある程度合理性があるので維持しながらも、委託する場合のあり方を抜本的に見直してやっていくということが必要なのではないかなと思っておりまして、そういうことでしっかりやってまいりたいと思っております。

○増田部会長 理事長さん、どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 3点目の報告されていなかったメンタリティーの問題でありますが、先ほど来岩瀬委員からも御指摘をいただいていますが、情報共有のあり方として、ちょっと論点がずれますけれども、例えば振替加算は、中からあれだけの問題があるということが報告されて、対処をしてきたわけであります。
今回の事案についても、年が明けまして事態が把握された段階からの全拠点も含めた対応というのは、それぞれの人たちが本当に必死にやってくれたと思います。それだけに、もっと早い段階でわからなかったということについては本当に悔やまれるわけですけれども、そのメンタリティーというのは、私はずっと話を聞いている限りは、仕事をやり遂げるというメンタリティーが強過ぎて、問題が発生しているということについて思い至らなかったということが実態ではないかと思っています。それはむしろ経営の問題そのものでございまして、どういう体制でそういう議論、テーマを取り上げていくかということについては、今回本部の仕事を全部洗い出しますので、その中で解決をしていかなければいけないと思います。
もう一点は、本部現業部門というのが相対的に重視されない部門であったということも事実です。製品の全体をつくり上げる上で、今回の調査委員会でも御指摘をいただきましたが、外部委託というのをどういうふうに位置づけて、製品をきちっとつくり上げるためにどのようなリスク管理を行うかということについて、組織全体としてできていなかったということだと思います。
メンタリティーの問題については、仕組みだけでは片づかないと思いますが、この報告書の最終ページにお書きいただいた内容、インフラとしての自覚を持つということが最終的な行き着くところだと思っておりますが、そういう点も含めてよく調査を考えまして、また御報告を申し上げたいと思います。

○増田部会長 西沢委員、よろしいですか。

○西沢委員 はい。

○増田部会長 それでは、委員の皆さん方、他にございますか。では、西村委員からお願いします。

○西村委員 今、色んなお話があった中で、余り昔の話をするのは怒られるかと思うのですが、少しデジャブ感を感じております。その中で、今、若干触れられたところもあると思うのですが、2008年のレポートに始まりというところがあるのですけれども、2008年のときにはITと外部委託に視点が当たっていて、そこの対処をというお話があったかと思います。時代が前後するかもしれませんが、記録問題の話があり、近年では先ほどから出ている情報漏れの話もありということで、何を言いたいかというと、ターゲットは当たっているものの、改善というものには非常にスポットライトが当たって、こうやりましょうというお話があったかと思うのですが、思い起こすと、その当時から、特に民間企業でも近年はプロジェクトの捉え方というものが非常に広くなっているということは、今般の調査報告書でも取り上げられているのではないかと感じているところなのですけれども、言葉は悪いですが、実行段階になると、やや矮小化されているのではないかというのが今回の感想です。
実際世の中ではと言うと怒られるかもしれないのですけれども、ITと言っても業務全体をという話になりますし、今般の場合には「外部委託」という言葉に非常にターゲットが当たっていますが、源泉徴収をどうやって集めるかから始まって、正確な情報を収集して、正しい処理を全て行うというところまでがプロジェクトという一つの考え方ですので、そこのプロジェクトというものの捉え方が、世の中が変わってきていますし、機構さんあるいは厚生労働省全体を含めてもそういう管理をしなければいけなくなっているのではないかと思うのです。
そういう観点が、お答えの中というと、質問がそういう全般的なことではないので、非常にお答えづらいところがあるかと思うのですけれども、プロジェクトをどう捉まえていて、そこの管理をどのようにして、その一つ一つについて、例えば問題が起こったらエスカレーションをどうするという設計をどのようにしたのかというところが、よく分からないところがあると感じています。
従って、ここで一つ一つのお話を伺うというよりは、世の中の情報とか世の中の動きとか、プロジェクトというのは、世の中でどう捉まえているか、今回はどう捉まえなければいけないということを最初にきちんと議論して、プロジェクトを立てるということをして、省と機構とプラス外部業者も含めた全体でどう管理していくかという設計が必要になってくるのかなと思っておりますので、ぜひそういうことをやっていただきたいということ。
今回は、もしそこの観点がちょっと欠如していたとしたら、今後どうやっていくかというところをお考えいただきたいですし、一応そうやったのだけれどもうまくいかなかったということであれば、なぜうまくいかなかったのか、きちんと反省していただきたいなと思っております。個別の点については、先ほどからお話が出ているとおりで、皆さん、一生懸命やられていると思いますし、自らの職務をきちんとやろうとされているということは重々承知しておりますので、経営問題の一言。一言と言うと怒られるのですけれども、ということではなくて、問題をきちんと組み立てて考えていただきたいなと思ったので、御意見を差し上げました。
以上です。

○増田部会長 これは機構の方で考えておいてもらえればよろしいですね。

○西村委員 そうですね。それで結構です。

○増田部会長 それでは、安井委員、お願いします。

○安井委員 年金機構も歴年、点々と各問題を起こしている。前回の、第3か、第4のピークポイントかもしれませんけれども、年金情報流出事件が先月時効を迎えて、一つの終盤を迎えている。また、その後も毎年のように各問題が発生している。品の悪い言葉で言いますと、年金機構自身が焼け太りしているのではありませんか、問題を起こしたら、その都度自己媒体、自己機構、自己組織が拡大しつつ、あるいは縮小を停止している。歴史的に見ますと、余り好ましくない。あるいは国民感情からすると、納得できないような状況が来ているのではないですか。そんな感じを持っております。
ただ、年金機構自身が、各問題が発生すると、対症療法で苦労されているということは十分承知しておりますが、あるいはそれ以外の対症療法の中に重大なエラーがあったとは思わない。不足はあったかもしれませんけれども、重大なエラーがあったとは思えない。
ただ、現時点では次元を変えた抜本的な対症療法、あるいは対応策、あるいは改善計画というものをそろそろ構築し直す時期に来ているのではありませんかという感じがしております。そういう意味では、今回の安田委員長の御報告あるいは御提案を含めて、もう一度次元を変えた抜本改善案というものを考える時期に来ているのではないか、そんな感想を持っております。

○増田部会長 ありがとうございました。
理事長さんのほうから今の御意見について何かございますか。よろしいですか。あるいは安田委員長さんのほうから。

○水島日本年金機構理事長 どうお答え申し上げればいいかですが、最近、私が考えていることを申し上げ、なぜこういうことが起き続けるのかということについて、個別の局面でその問題それぞれに、例えば本部のこういうところに問題がある、ああいうところに問題があるということは、色々あります。その対症療法でなくて、そもそもではないかということだと思いますが、最近、私が中で言っておりますのは、この仕事に関して、情報の非対称性が甚だしい。そういう意味で、自ら律する仕組みを持たないと、ちゃんとした仕事ができないだろうと思います。今ごろ何を言っているのだということだと思いますが、誠に力不足でございますが、今回も外部委託の問題に限定せず、どこに問題があるかということについて、組織全体として見直していくということは行いたいということでございます。
先ほどのメンタリティーも含めてですが、それをどう変えていくかということについては、基本的には一つずつ問題を解決していくということしか方法がないのではないかと思っておりますが、また色々御指導いただきたいと思います。

○増田部会長 安井委員、どうぞ。

○安井委員 極端な話、1億の年金の拠出者とそれの受取人がいるということを前提にしますと、ひょっとすると、一億通りの形態がある。極端な話、そんなのが現実ではないかと思います。事務処理能力というのが、現在の年金機構の状況の中で、肥大化した組織をメンタリティーとかそういったものの中でどれだけ律することができるのかということになると、その点はいささか疑問に思う。

○増田部会長 どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 一言だけ。決して肥大化している面はないと思っております。もちろん、効率化をする余地はございますけれども、現在の4,000万人近い受給者に対してきちんとお支払いをして、6,000万人の被保険者の保険料をきちんと収納して、その記録を管理していくという事業を行っていく上で、かつ受給者がどんどんふえていっているわけでありますから、その中で現在の組織のあり方について見直す点はありますが、決して肥大化しているとは思っておりませんが、御意見を踏まえて内容についてはもう一度見直してみたいと思います。

○増田部会長 安井委員。

○安井委員 肥大化と申し上げたのは、膨大な量、質量であるということを言ったわけです。無駄に膨らんでいるということを言ったわけではありません。

○増田部会長 ありがとうございました。
それでは、山口委員。

○山口委員 安田委員長に1点質問させていただきます。今回の詳細な御報告で、業務委託というところですけれども、一部門の危機が全体の危機につながることですとか、認識を新たにした部分がございます。今、機構が3年の業務改善計画を進めている中でのテーマは、本部と拠点の一体性を、ルールを徹底して強化するということで、拠点の業務を強化するということは、当然それを支える本部の業務も強化していくという表裏の関係だと思うのですが、そういう中で、本部に機能を集約するなど、本部の中の組織もこの間かなり大幅に変わってきているのですけれども、今回それとは違ったところで問題が起こりました。委員長の御所見の中で、履行管理体制について縦割りを排してという御指摘があったのですが、これからも本部の業務運営体制をさらにつくっていかないといけないというときに、大きな組織ですと、連携をとるとか横断的にといったときに、どうしても縦割りの弊害というところを中々除去できないといいますか、問題点としてあらわれやすいということがあるかと思います。民間企業の例も参考にしながらということを先ほどお示しになられていましたが、今後機構の業務、特に本部の業務体制というときに、縦割りに陥らないようにするために特に気をつけなければならないことがもしございましたら、教えていただければと思います。お願いします。

○増田部会長 安田委員長、どうぞ。

○安田調査委員会委員長 今、色んな御指摘のところは出てきたところで、一つ、何で下のほうから上に上がらなかったのだろうと。これも縦割りで、自分たちは自分の任務を一生懸命やることですから、仕様をやるところは仕様だけやる。調達だけやる。それから実行するところは納品管理だけやる、進行評価は別々というふうになって、自分の任務は一生懸命やって指示するのだけれども、それが横になるところに中々なかったと思うのです。これをどうやって打破するかというのは、組織を一新するというよりも、企業側から言うと、一つは自分たちの目的意識を一番一緒にしましょうと。例えば私が納期におくれて、また入力ミスをしたら、どんなことが会社に起こるのか。保険会社で言うと、20件支払いミスをやると、ブランドを毀損するのですよ。そういうものをどれだけみんながシェアできるかというのが一つ。
もう一つは、先ほど斎藤先生がおっしゃったように、それぞれ専門家がいるのです。専門家同士というのはいるけれども、そうすると、横から前からというのは、実はそれを専門家の中でのある一定のローテーションを必ずやるか、専門家同士が集まる場というのをしょっちゅうつくってみるとか、そういう形をやる。
それから、本部に全部置けばいいのか。これはわかりません。銀行や保険というのは集約と分散を繰り返して、ずっと集約すると、必ず問題が起きて、分散すると、また問題が起きる。これをある時期繰り返していくのです。組織は生き物ですから、今、どちらがいいのかはわかりませんけれども、そういうのが要るのかなと。
ただ、先ほど言ったように、我々が見ていると、どんなに組織をやっても、人のところを早くしないと出てこないのかなと。
もう一つついでに申しますと、先ほどお示ししたプロジェクトのところは、今回一番最初の提案がなっていますように、こういう複雑な問題というのは一気通貫で一回やってみるのですね。保険の書きかえをやるときは、保険証を書く人からシステムをやる人まで全部行ってシミュレーションをやって、お客さんをやって、申込書までやりやすいように変えるのです。そういうのがプロジェクトのやり方で、プロジェクトでいろいろなものがあったら、どこがおかしいかというのは、皆さん、青、黄、赤の信号をやりながら、そういう進捗状況を見ているというのをやっている。
それから、リスク統括部というのは、今回も言っていますけれども、待っているリスク統括では余り意味がないのですよ。事件が起ききましたと報告しても、彼らは解決能力、よく分からないから。エンタープライズ・リスクマネジメントというのは、彼らがそういう大きいところにプロアクティブに乗り込んでいって、今、見て探すのです。そういう仕組みでともかく大きい組織を回していこうというのがあるので、縦割りの専門性を生かしながら、横のところは人の交換とかなんとかというのがあるのかなと思います。

○増田部会長 ありがとうございました。
山口委員、よろしいですか。

○山口委員 はい。

○増田部会長 石井委員、どうぞ。

○石井委員 すみません。非常に簡潔に2点だけ確認させていただきたいのですけれども、性善説でなくて性悪説に立たざるを得ないような仕事をしてきたものですから。
まず、第1点は、この悪徳業者に対して1億8,000万という契約代金のようですが、この代金は払っていない。払っていたとしたら、返してもらう。こういうことでよろしいかどうかというのが1点目。
2点目。この悪徳業者と大変仲よくなった、内部に黒いネズミはいない。つまり、個人的な費消などということは一切行われていないということは確定的であるかどうかということだけ。本件に関しては非常に大きな不祥事だと思いますので、ここだけ御確認をさせていただきたいのです。

○増田部会長 理事長さん、お願いします。

○水島日本年金機構理事長 まず、現在SAY企画に対しては約2億円余りの損害賠償請求を行っております。実は12月までの検品が行われたものについては、支払いが行われております。その後、検品を行ったものについては、約4,000万円でございますが、支払いを留保いたしまして、相殺をいたしております。今後訴訟を行って、少しでも取り戻すということについてベストを尽くしてまいりたいと考えております。
次に、内部に問題がなかったかという御指摘でございますが、これに関しましては、私もヒアリングをしていただいた方に、その点についても確認をしていただくようお願いをいたしました。それに関しましては、ヒアリングの結果ではそれがないということでございまして、周辺の情報、調査を行った上でもそのようなことはないと考えております。

○増田部会長 よろしいですか。

○石井委員 結構です。ありがとうございました。

○増田部会長 確認ですけれども、損害賠償請求額は2億。

○水島日本年金機構理事長 はい。2億余りということで、正確に。

○増田部会長 今回の事後処理の関係で多分機構のほうで内部職員を相当使っていろんな作業をされて、残業代とか様々なものが発生しているのではないかと思うのですが、そういったものの処理はどんなふうにされていますか。

○水島日本年金機構理事長 内容を精査いたしまして、この損害賠償に頼ると申しますか、として請求すべきものについて、全部合計したものが約2億余りでございまして、それらの対象のものは全て含んでおります。

○増田部会長 その中に含んでいると。

○水島日本年金機構理事長 はい。

○増田部会長 わかりました。
ほかには。齋藤委員、お願いします。

○齋藤(衛)委員 短目にします。非常に丁寧に仕事をしていただいたと思うのですけれども、一つ気になっているのは速度感でございまして、1月の頭に問題を認識してからこの場で審議が行われるまでそれなりに時間が経過しているということが少し気になるというところで、特に外部委託に関しては、先般の情報漏えい事件のときには、ネットワーク接続をとめて時間をとって対応するということをしたと思うのですが、この件に関しては本年度も外部委託を使わざるを得ないという状況にあるかと思いますので、いろいろ本質的な対応策を御提示いただいていますけれども、どの程度が本年度実施されて、本年度の契約というのはどの程度信用に足るものなのかということをお示しいただけたらなというのが一つでございます。
これは、最初に岩瀬委員のほうから御提案いただいた作業部会での検証の中で御検討いただくのがいいかもしれないのですが、この部会と年金機構さんとの関係において1点気になっているのは、1月から4月までの対応のタイムテーブルの中で2回管理部会が行われていて、そこでこの件が全く話題になっていないというのは、お互いにどうなのかなという気がします。丁寧に全部資料を積み上げてからここで審議するということだとは思うのですけれども、そうはいっても、我々自身も報道で状況を知るみたいなこともありますので、そこに関して事前に御相談いただくような仕組みを検討していただけないかなと。これが2点目でございます。

○増田部会長 最初の今年度の外部委託の関係の方を。

○水島日本年金機構理事長 これに基づくルールに関しましては、7月末までに整備をしたいと考えております。現在年金個人情報を扱う、特定個人情報を扱う業務の契約が具体的に走っております。これに関しましては、基本的にここで御議論いただきました内容を踏まえて、必要な対処は行った上で、入札も含めて、まだ入札をしておりませんが、入札を行うということでございまして、私どもといたしましても、この御提言を踏まえて、後に検証していただいてもきっちり御説明ができるような契約の内容で契約を行ってまいりたいと考えております。

○増田部会長 わかりました。
どうぞ。

○高橋年金管理審議官 2点目の部会との関係です。部会の開催で御報告するのがこの時期になってしまったということは、大変申し訳なく思っております。1月、2月の時期のことでございますけれども、確かにこの事案は、調査報告書の中でもありましたように、幾つかの事案が複層的に次々と出て、特に1月、2月、3月ですが、機構側も年金局側もこの事案の中身を把握し、それに対する対応を本当に全力でやりながら、ちょっとずつわかってきた。わかってくるたびに次の課題がわかって、これをどうやろうかと。こういうことの繰り返しでございました。そういう点で、全体をまとめて、全貌がわかって公表できたのが3月20日ということになったわけでございます。
しかし、そうはいっても、対策、当面のお客様への対応は、4月に向けて全力を尽くしたけれども、事案の究明と今後の防止対策を至急練らないと、次の年度の事業にもかかわるということで、外部専門家の委員会を立ち上げていただいて、鋭意調査をして、部会の報告がこの時期になった。もう少し早い段階、中途での御報告あるいは御意見を伺うという機会を設けることが必要だったのではないかなと反省しつつ、またこれからの進捗状況のフォローの調査、そのあたりのところにつきましてもいろいろよろしくお願い申し上げたいと考えております。

○増田部会長 齋藤委員。

○齋藤(衛)委員 この場では何となく批判が多く出るような形になってしまいがちですけれども、年金事業が円滑に進むということが大目標だとすれば、ある程度未そろいの資料でも色々検討はできるのかなというので、今後御検討いただければと思います。よろしくお願いします。

○増田部会長 ほかに委員の方から。よろしゅうございますか。
岩瀬さん、よろしいですか。

○岩瀬委員 はい。

○増田部会長 そうしましたら、今、各委員の方から色々御意見等もございました。そして機構のほうから今後について色々検討されるというお話もございました。今日のここの場での議論を踏まえて、先ほどもございましたけれども、特に外部委託の見直しについては、本年度の分をどうするかということもございますので、今年、次に部会が予定されているのは、今月1回あって、その後ですね。ですから、報告書を受け取って、そちらの方で色々御検討はされると思いますが、本年の9月いっぱいぐらいまでには外部委託の見直しについて取りまとめて、部会に報告をしていただきたいと思います。
あと、年金事業管理部会の中で、前回の情報漏えいの問題があって、そちらの方で業務改善計画をおつくりになって、検証作業班というのをつくって、それでいろいろ業務改善の進捗状況について確認をしてきたわけですが、今回の問題も業務改善がきちんと進んでいたかどうかということから言うと、まだ漏れているところが色々あったということになると思います。したがって、部会のほうでそういう検証作業班というのがありますので、そこでこの業務改善計画について、また現地に行くなり何なりして確認をするということも必要になるかと思いますし、それから機構の方の取組も、先ほど組織のお話等もございましたし、色々な規定の見直し等も行われるのではないかと思いますので、そこは検証作業班の委員の先生方とも御相談したいと思いますが、そこを中心に業務改善計画の進捗状況の確認、なかんずく今回の問題についてどういうふうに取組が改善されているかということを、そういった場を使って確認をさせていただきたいと思います。
各委員の皆さん方で、今回のことを含めて、色々機構に対してお考えをお持ちになっていると思いますので、随時御意見があれば機構の方に委員の立場で質問していただきたいと思いますし、それから全員の委員の皆さん方にお知らせをしますので、例えば検証作業班の方で現地を確認したりというときに、自分もついていきたいという方は、ぜひ一緒にご参加いただいて御確認いただきたい。こんなふうに思います。
機構の方では、委員の方からの色々な調査等について求めがあった際には、可能な限りきちんと対応していただきたいと思います。
今回の問題についての当部会としての対応等については以上にしたいと思いますが、よろしゅうございますか。

 

(「はい」と声あり)


○増田部会長 それでは、報告書等の関係については、このようにさせていただきたいと思います。
引き続き当部会として今回の問題は注視していきますので。最後、齋藤委員からもお話がありましたとおり、随時当部会に報告していただきたい。これは厚労省に対してもお願いでございます。
あと、記者発表等をされるときに、私の方にも厚労省からこういう記者発表をしたとか連絡が来ましたけれども、各委員の方にもきちんと連絡して、それは折に触れて各委員のほうに情報共有できるようにしておいていただきたいと思います。
なお、安田委員長さんには今回特別にお願いして今日おいでいただきましたけれども、ここで退席をされます。本日は、お忙しい中、御出席をいただき、誠にありがとうございました。

○安田調査委員会委員長 どうもありがとうございました。

 

(安田調査委員会委員長退室)


○増田部会長 それでは、続きまして、議事の2番目、3番目の方に進みたいと思います。議事の2番目は「日本年金機構の平成29年度業務実績について」でありますが、こちらについては本日及び次回の2回にわたって審議をしたいと思います。
日本年金機構法で年度ごとの機構の業務実績の評価を行うに際して、当部会で審議をするということになっておりますので、その関係の審議ということになります。
本日は、お手元に平成29年度における業務の取組状況等について記載した業務実績報告書(案)が機構から提出されております。数字等でところどころ空欄になっているところがあると思いますが、これは今月もう一度予定されているときまでに全部埋めていただくということですが、全体の機構の考えております案というものを今日出していただいておりますので、それについて機構から説明をしていただきたい。
それから、議事の3番目で「その他」とあるのですが、その他の議題については、「行政手続コスト」削減のための基本計画について、事務局から一括して報告していただきたいと思います。
初めに、資料等が全部配付されていますので、全部まとめて説明をしていただいて、一括して質疑という形にして、今日は従来より時間を延長してございますが、時間までそれを行った上で、次回に実績報告書については審議を継続したいと思います。
それでは、まず機構から説明をお願いします。

○田中日本年金機構企画調整監 それでは、お手元資料2「平成29年度業務実績報告書(案)」について御説明させていただきたいと思います。全体で120ページという資料になっています。なるべくポイントを簡潔に御説明させていただきたいと思いますが、それでも30分程度頂戴させていただければと存じます。
ページをおめくりいただきますと目次がございまして、またお開きいただきますと「はじめに」ということで、1ページ目から4ページまで記載がございます。これについては省略させていただきますが、一つは、2パラ目にございます平成29年度、集中取組期間の2年度目ということで、「再生加速‐現場力強化の年‐」と位置づけまして、お客様との接点になる現場を中心とした組織づくりを進めたということでございます。昨年の1段階目の「形を作る」工程を受けて、2段階目の「中身を入れる」工程を進めているところでございまして、おおむね順調に進捗しているということでございます。
ただ、3ページ目から4ページ目に今ほど説明、議論いただきました扶養親族等申告書の業務委託について記載をしておりまして、お客様に御心配と御迷惑をおかけしたということで、大変申し訳なく、深くおわび申し上げるという記載を3ページから4ページ目に書かせていただいております。
それでは、計画のほうの1ページ目から御説明させていただきたいと思います。表につきましては、一番左が平成29年度計画、真ん中が取組状況、右欄が自己評価となっております。まず最初に国民年金の適用収納対策ということで、1ページ目は適用でございます。1つ目は確実な適用の実施ということで、一つは住基ネットで把握した全ての20歳到達者のうち、1号被保険者として適用すべき方に対して、加入の届出勧奨を行いました。
2つ目のマル、住基ネットで把握した34歳と44歳到達者の方、また、退職者及びその被扶養者の方に対しても届出勧奨等を行いました。
一番下は関係機関との連携・協力ということで、ハローワークや市町村等関係機関との連携・協力を行いまして、制度の周知等を実施いたしました。
2ページ、3号不整合についてでございます。下の方のマル2つでございますが、29年度は30年3月末に特例追納制度の期限を迎えますことから、対象者に特定期間該当届及び特例追納の個別勧奨を実施いたしました。
また、特定受給者につきまして、平成30年4月から年金額が9割保障されることや、30年3月末までに特例追納すれば年金額を増額できる可能性があるということをお知らせいたしました。
3ページ目からは国民年金の収納対策でございます。これにつきましては、平成29年度は、国民年金保険料の最終納付率70%を達成することを目指しつつ、中期計画期間中に現年度納付率60%台半ばを目指していくということです。ただ、ここは数字がまだそろっておりませんでして、一番下に数字、納付状況とございます。平成27年度分保険料、28年度分保険料、29年度分保険料、それぞれ基準年から7%、4%、1%上乗せした実績を目標としておりまして、平成27年度分保険料、いわゆる最終納付率、あるいは過年度1年目につきましては、既に目標を達成しているところがございますが、29年度分保険料については、次回御報告させていただきたいと思います。
4ページ目、口座振替実施率等、特別催告状につきましても、まだ数字がまとまっておりませんので、次回御報告させていただきます。
5ページの下から市場化テストの関係でございます。6ページをおめくりいただきまして、一番下のマルでございますが、市場化テストに関しましては、個人情報保護の観点から受託事業者全てに対して、個人情報に係るセキュリティ対策等の状況を立入検査いたしました。結果は適正であったということでございます。
7ページ目、強制徴収の取組についても数字がまとまり次第、御報告させていただきます。
8ページ、9ページ目もそういった観点から説明は省略させていただきます。
10ページ、後納制度と任意加入制度の利用促進ということで、5年後納制度につきまして、30年9月までの時限措置として施行されていますが、29年6月に、これまで勧奨していない方で効果的と考えられる50歳から53歳の方、約70万人を対象に申し込みの勧奨を実施したところでございます。
2つ目のマル、5年後納制度の終了に向けて、制度を周知し利用を促進するため、後納可能な未納期間を有する全ての対象者に勧奨を実施する予定として、準備を進めているところでございます。
11ページ、特定付加保険料の利用促進に関しましても、平成29年9月に未提出者約15万人に対して再度届出勧奨を行いました。
また、対象者約49万人に対して、40万人の方から届出がございまして、約82%と高い利用率となったところでございます。
12ページ目からは厚生年金保険・健康保険等の適用・徴収対策でございます。適用に関しましては、12ページから13ページに書いてございますが、引き続き5人以上の事業所への加入指導を優先的に行うということと、機構全体で新規適用目標事業所数14万8,000事業所、あるいは被保険者数38万3,000人を目標として加入指導に取り組んだところでございます。
14ページから実績が書いております。14ページの下の方に優先加入指導事業所への取組状況等について記載をさせていただいておりまして、10人以上の事業所につきましては1,611事業所、5人以上の事業所につきましては7,818事業所ということで、合わせた目標7,986に対して、適用済事業所9,429ということで、118%の達成率ということになっております。
15ページ、新規適用事業所数の目標達成状況ということでございます。これにつきましては、目標数が真ん中にございますが、14万8,000に対して16万5,000ということで、111%達成。特に加入指導による適用となった事業所数8万を目標としましたが、9万9,064ということで、123.8%の達成率ということになっております。
16ページの一番下、既に適用されている事業所に対する取組ということでございます。事業所調査の数字は17ページの一番上、調査事業所数自体は56万5,000件から48万2,000件と多少下がっておりますが、これにつきましては、総合調査に重点を置いたということでございまして、総合調査実施数につきましては29万8,000から32万4,000ということで、かなり大幅に、14.5%増加しているという状況でございます。
18ページは、短時間労働者に対する適用拡大への対応ということで、事前お知らせの送付ですとか事業所調査を実施することによって、加入手続を促進したということでございます。
20ページからは厚生年金保険等の徴収対策でございます。これにつきましても数字がまとまっておりませんので、次回報告させていただきますが、21ページの上の方にございます収納実績、28年度で見ますと98.9%ということで、大体こういった傾向が今、続いているということで、数字については次回御紹介させていただきたいと思います。
24ページから年金給付でございます。これにつきましては、例年サービススタンダードということで御報告申し上げていますが、25ページの真ん中に記載がございます。サービススタンダードの達成状況については、遺族年金に関しては、おおむね達成率90%を確保いたしました。これに対し、老齢年金・障害年金に関しては、達成率80%後半にとどまったということでございます。そのうち、老齢年金に関しましては、支給開始年齢の引き上げですとか、受給資格期間の短縮による受付件数の増加によりまして、平成29年8月から10月の単月では達成率70%台まで減少しましたが、平成29年度後半にかけて順次回復してきておりまして、目標に近づいたということでございます。
障害年金に関しましては、当初障害年金審査業務の全国集約の影響を受けましたが、30年3月単月では達成率90%の目標を達成しているということで、順次回復傾向にあるということを御紹介させていただきたいと思います。
27ページ、振替加算の総点検について、これもまた後ほど御説明します。
27ページの真ん中、障害年金をめぐる諸問題への課題につきましては、この管理部会の場で御指摘いただきまして、29年9月4日に「障害年金初期対応の手引き」を改訂いたしました。また、下から2つ目のポツでございますが、昨年4月に全国の障害年金審査業務を障害年金センターに集約したところでございます。
28ページから29ページは、年金不正受給対策や債権管理対策の強化ということでございますが、29ページの真ん中の欄、債権保全に向けて専任チームによる定期的な納付督励等の取り組みを強化して、結果として債権数631件、債権額1億4,000万円を回収したということでございます。
30ページから年金記録問題、年金記録の正確な管理と年金記録問題の再発防止ということで、まず年金記録の確認等の対応ということですが、これにつきましてはまだ数字が入っておりませんので、次回報告させていただきたいと思います。
31ページの真ん中にございますとおり、記録確認の取組のフォローアップとしまして、過去に年金事務所に相談に来られた方が、そのときには発見できなかった方の年金記録のサンプル調査結果を踏まえて、再調査を行いました。29年度は主に「年金記録照会申出書」の再調査を行いまして、30年末までに「ねんきん特別便」を含めて全ての調査を完了するという見込みでございます。
33ページは、年金記録関係の(2)再発防止及び年金記録の正確な管理の実施ということでございます。これにつきましては、基礎年金番号の適正な付番ということで、右欄のところに書いていますが、マイナンバーを特定することによって同一人に複数の基礎年金番号が払い出されることを防止したということでございます。
35ページの事務処理の正確性の確保ということで、事務処理誤りは全体として減少傾向にございますが、一方で、36ページの上のほうに振替加算の総点検ということで記載させていただいておりますが、御案内のとおり、振替加算の総点検につきまして、9月に公表させていただきました。右側にございますが、公表対象者のうち98.7%の方に既に支払いを完了したということでございます。
また、年金に係る事務処理誤り等の総点検ということで、今ほどの振替加算の総点検を踏まえまして総点検を行いまして、3つのアプローチ(事務処理誤り、お客様の声、リスト)から点検を実施しまして、その結果を平成29年12月に公表したということでございます。
37ページの一番下から重点三事案の発生状況ということで、若干まだ減少しないところもございますが、様々な取組を進めて発生防止の取組を進めているところでございます。
40ページから年金相談、情報提供でございます。これにつきましては、1つは40ページの下、年金相談窓口の体制見直しということで、正規職員、年金相談職員及び社会保険労務士による安定した窓口相談体制の構築に向けて各種取組を進めています。
41ページの下から3番目のマル、予約率でございます。29年3月末時点では26.5%でございましたが、30年3月末時点で62%まで上昇しております。また、お客様からも肯定的な御意見をいただいているということでございます。
42ページ、受給資格期間の短縮に係る年金相談体制の構築ということでございます。右側の評価の欄に記載させていただきましたが、専用ブースの増設とか相談職員の確保を行いまして、予約制を推進した結果、大きな混乱なく対応することができたということを御報告させていただきたいと思います。
44ページからテレビ電話でございますが、ことしの1月に佐渡市でテレビ電話を設置いたしました。これにつきましては、1日2件ほどの御利用をいただいているということでございます。
44ページの下、コールセンターにつきましては、29年度は、受給資格期間短縮に伴う年金請求書送付による予約受付と、今、申し上げました扶養親族等申告書送付による入電集中がございまして、オペレーターをふやしたり、受電エリアの見直しを行ったり、職員による支援を含めた休日・夜間対応を行いましたが、非常に急激な増加・集中に対応し切れず、応答率44.7%ということでございました。
45ページの真ん中にございますが、総呼数、平成29年は1,000万件ということで、平成28年度は477万件ですので、大体倍ぐらいの入電になったということで、応答数もふえてはいるのですが、やはり応答率が低い数字にとどまったということでございます。
47ページから分かりやすい情報提供の推進でございます。まず、ホームページでございますが、バリアフリー化の観点からさまざまな取り組みをしたということを御紹介させていただきます。
48ページ、ねんきんネットサービスの提供について、利用者の促進を図りました。
49ページの真ん中、「ねんきん定期便」による情報提供も引き続き行っているということでございます。
51ページ、(3)公的年金制度に対する理解の促進につきましては、年金セミナー3,650回、制度説明会2,885回ということで、前年を上回る取組を行ったということを御紹介させていただきたいと思います。
54ページ、7、お客様サービスの向上につきましても、28年度に引き続きCS推進の取組ですとか、あるいは55ページの一番下にございます各調査の実施ということで、お客様満足度アンケートを実施している。
あるいは56ページの真ん中、分かりやすい文書の作成ということで、お客様向け文書モニター会議の開催などを行っているということでございます。
58ページ、8、ICT化の推進につきましても、(1)にございますとおり、電子媒体申請の推進等、着実に取組を進めているということでございます。
60ページ、年金制度改正等への対応ということでございます。年金制度改正、昨年度は2つ大きな施行がございまして、1つは60ページの真ん中、年金機能強化法が8月に施行されました。これにつきましては円滑に施行されたということですが、61ページの右側の欄に書いてございますが、年金請求書の入った封筒(約67.6万人)を送付するとか、既存のブースあるいは予備ブース、臨時相談ブースを増設して相談対応を実施しました。
結果については、61ページの一番下、52.8万人の方に29年10月から半年間で初回支払いがされたということでございます。
62ページ下、短時間労働者への任意適用拡大ということで、周知広報を行って、制度の適用を促したということでございます。
63ページの下、(2)社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)への対応につきましては、全職員を対象として研修を実施するなど、取組を行ったということでございます。
ただ、64ページの一番下、情報連携の開始ということで、今年の3月以降順次実施していくということを目指しておりましたが、様々な課題がございましたので、当面の間システムの抑止ということが行われているということでございます。
65ページから2、業務運営の効率化に関する事項の1、効率的な業務運営体制でございます。統一業務マニュアルは、昨年4月に運用を開始しましたが、これの周知徹底を図らせていただきました。
67ページ、社会保険オンラインシステムの関係、フェーズ1が30年3月から、これまでの届書に加えて、マイナンバーを活用する対象26届書について、「経過管理・電子決裁システム」の対象に追加し、稼働したということでございます。
70ページ、2、運営経費の抑制ということで、これは毎年度実施しておりまして、中期計画期間内、来年度まで一般管理費15%減、あるいは業務経費5%減ということですが、4年度目の昨年度におきましては、一般管理費につきましては、平成25年度比で12%程度に相当する額、あるいは業務経費は4%程度に相当する額の削減が目標になっておりますが、それぞれ一般管理費マイナス31.5%、業務経費マイナス4.3%ということで、目標を達成しているという状況でございます。
72ページ、3、外部委託の推進につきましては、先ほどから御議論がございましたとおり、外部委託業者における契約違反がございましたので、それについての記載を書かせていただいたということでございます。内容につきましては省略させていただきます。
76ページ、契約の競争性・透明性の確保につきましては、目標を競争性のある契約の占める割合を80%以上の水準とする、あるいは調達計画額につきまして10%以上削減するということでございますが、それぞれ83%、11.7%ということで、目標を達成しているところでございます。
なお、77ページの一番下に、先ほどの外部委託の議論に関連しまして、調達手続の見直しについても進めることを記載させていただいているところでございます。
78ページ、5、社会保険オンラインシステムの運用・開発、見直しにつきましては、先ほど御説明したフェーズ1に引き続きまして、79ページの上、フェーズ2への対応を進めているところでございます。
右側の欄にございますとおり、情報セキュリティ・システム専門委員会で示された基本方針に基づいて、要件の安定化等を着実に進めるとともに、フェーズ2の開発を進めるに当たっては、フェーズ1の取組状況の整理、評価を行いまして、体制強化に向けた準備とか、実務の実態を踏まえた事務処理手順の検証を進めたところでございます。
81ページ、3、業務運営における公正性及び透明性の確保とその他業務運営に関する重要事項についてでございます。1、内部統制システムの有効性確保につきましては、1つ目のマル、業務改善計画に基づきまして、28年度からの3年間を集中取組期間として取り組んでいるところでございます。昨年度は2年目でございますが、2つ目のマル、71項目の改革事項のうち70項目について実施済みということで、残る1項目、ブースの設置ですが、30年7月に実施予定ということになっております。
82ページ、(2)組織改革については、「本部の現場力強化」「経営資源管理機能の統合による組織の一体化及び効率化」「情報共有体制の更なる強化」を目指して取り組みを行っております。例えばということで、82ページの一番下、ブロック本部の本部への統合を昨年4月に完全統合いたしました。
84ページ、業務改革ということで、業務の集約・効率化、お客様対応チャネルの拡充、年金給付業務の抜本改革、事務センターのビジネスモデルの確立、公正な公権力行使業務の再構築をテーマとして取り組みを進めております。
1つ目の業務の集約・効率化につきましては、繰り返し申し上げましたように、障害年金センターの設置ですとか、84ページの一番下にございます年金事務所の機能集約、あるいは85ページの真ん中にございます事務センターの広域集約、これについてそれぞれ進めているところでございます。
85ページの一番下、お客様対応チャネルの拡充でございます。86ページをおめくりいただきまして、分室の設置に向けた準備ですとか、マルチランゲージサービスの導入、あるいはテレビ電話相談の試行実施を進めているところでございます。
88ページ一番上、年金給付業務の抜本改革につきましては、給付の正確性を確保することを目的としまして、事務センターで行っております審査業務を年金事務所に移管するということを85拠点で進めさせていただきました。
事務センターのビジネスモデルの確立、公正な公権力行使業務の再構築についてもそれぞれ必要な検討を進めているところでございます。
89ページから業務改革(ルールの設定・徹底)でございますが、指示等の半減、現場負担の軽減ということで、平成29年度につきましては、平成26年度比で約8割の指示等を削減したということでございます。
90ページ、業務ルールの設定・徹底、不統一の排除ということで、マニュアルの一元化を行ったところでございますが、2つ目のマルにございますテレビ解説や拠点での職場内研修で業務手順の徹底を図るとか、理解度チェック、テストということを行いました。
92ページ、組織風土改革の取組ということで、外部有識者による研修を実施いたしました。
(3)コンプライアンス確保とリスク管理の取組については、コンプライアンス意識の向上のために各種研修等を行いました。
94ページ下のほうからはリスクに関する記載がございますが、それぞれのリスクに対するリスクアセスメントということを実施いたしたところでございます。
97ページからは適正な監査の実施ということでございますが、4月1日に監査体制を見直して、監査内容の質的向上を図りました。
98ページから99ページにかけて特別監査の実施ということでございます。先ほどの調査委員会の報告書の中でも触れられておりましたが、外部委託先4社に対して実施した特別監査では、1社が禁止されている業務の主体的部分を海外の関連事業者へ再委託していることが判明いたしましたので、3月下旬から、個人情報を取り扱う全ての外部委託先への特別監査を実施したところでございます。
100ページ、(8)文書の適正管理につきましては、この部会で御議論いただきましたが、年金額及び年金記録等に関係ない文書につきましては、29年12月に細則を改正いたしまして、廃棄を可能とする取り扱いといたしました。
また、2つ目のマル、画像化処理を行った電子データにつきましても、原本として保存する取り扱いとしまして、具体的な取扱方法については現在検討を進めているところでございます。
102ページ、人事及び人材の育成につきましては、戦略的な人事施策ということで、組織の一体化及び組織の活性化に向け、お客様との接点である現場を重視した人事施策を行ったということでございます。
103ページ、例示として管理職の若手登用、専門職の配置等について記載をさせていただいているところでございます。
104ページでございます。一つ一つの御説明は省略させていただきますが、真ん中あたりに全国異動の促進とか、女性の活躍推進、あるいは105ページ、無期転換職員及び有期雇用職員の活性化について記載をさせていただいております。
105ページの一番下、適正な人事評価制度の運用ということで、お客様のために努力する職員には処遇を厚くして、意欲・実績ともに低い職員には厳しい処遇となるように引き続き厳正に運用を行っているところでございます。
106ページの一番下、人材の育成につきましては、本部主体の統一的な研修体系を構築しまして、職員が効果的に研修を受講できる環境整備に努めました。
また、年金給付業務の抜本改革を進めるに当たりまして、ことしの1月に人材開発部に「給付業務研修強化室」を新設したということでございます。
107ページの真ん中、研修環境の拡充ということで、テレビ会議研修、音声付教材の提供等を行っているところでございます。
108ページの真ん中あたり、働きやすい職場環境の確立ということで、メンタルヘルスケア対策等について取り組んでいることを記載させていただいております。
110ページ、3、情報公開の推進ということでございます。各種情報のモニタリングと発生事案への対応とか、111ページの上、適切な情報公開に努めますとともに、112ページ、情報共有の促進ということで、地域マネジャーの活動ですとか、一番下、テレビ会議システムを導入したということを記載させていただいております。
114ページ、4、個人情報の保護に関する事項につきましては、28年度に引き続き組織面、技術面、業務運営の取り組みを進めさせていただきまして、例えば共有フォルダの自動暗号化ですとか検疫PCの設置ということを進めてまいりました。
116ページ、インターネット環境の構築ということで、インターネット環境確立に向けてさまざまな準備を実施したということでございます。
118ページ、外部委託先における個人情報の管理ということで、個人情報保護対策の強化等を実施させていただいたところでございます。
120ページに外部委託先における個人情報の保護・管理に関する実施状況に係るシステム監査を実施したということを記載させていただいております。
121ページ、予算については次回御報告させていただきます。
一番下、宿舎でございますが、国庫納付等を順調に進めているところでございます。
大変雑駁ですが、説明については以上でございます。

○増田部会長 それでは、事業管理課長様からお願いします。

○竹林事業管理課長 年金局の事業管理課長でございます。
私からは資料3-1に沿いまして、「行政手続コスト」削減のための基本計画について御説明させていただきます。お時間の都合がございますので、手短に御説明させていただきます。
おめくりいただきまして、3ページ、規制改革推進会議等における議論について紹介をしております。日本を「世界で一番企業が活動しやすい国へ」というゴールに向かいまして、日本再興戦略2016におきましては、事業者の生産性向上という文脈で、事業者目線での規制改革、行政手続の簡素化、IT化を一体的に進める新たな規制・制度改革手法の導入ということがうたわれておりまして、具体的には次のページに書いてございますが、行政手続簡素化の3原則ということで、デジタルファースト、ワンスオンリー、書式・様式の統一でございますけれども、この3原則を踏まえまして、行政手続コストを2020年までに20%削減するという目標が立てられております。その中で税や社会保険関係事務につきましては、大きなウエートを占めております。
5ページでございます。昨年6月にこの分野の基本計画がつくられておりますが、これを本年3月末までに改定するということになっておりました。
おめくりいただきまして、6ページ以降、今回改定された基本計画に盛り込んだ内容につきまして、御説明をさせていただきます。
7ページでございます。一番大きな話が電子申請の義務化でございます。こちらにつきましては、法人税のほうでも電子申告の義務化という議論がございまして、一足先に昨年末の税制調査会のほうで内容が決定され、ことし法案が通っております。私どもといたしましても、企業の負担軽減のために、経済団体等の御意見も聞きまして、なるべく法人税の取り扱い等、対象法人でありますとか、適用時期でありますとか、合わせたほうがいいだろうということで、今回その内容を盛り込んでおります。
具体的には義務化の要件というところでございますが、主要12手続、厚生年金の関係ですと、賞与支払届、算定基礎届、月額変更届の3手続になりますけれども、これらにつきまして、大法人。ここで言う大法人とは、資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人等でございますが、そういう法人の事業所が行う場合につきまして、電子申告を義務化する。適用時期につきましては、法人税と合わせまして、30年4月1日以後に開始する当該大法人の事業所の事業年度から適用していく。具体的にはことしの秋ごろに関連の法令を改正し、交付し、あとは準備期間とする予定でございます。
仮に電子申告が義務化された後に紙媒体が出てきた場合の取り扱いでございますが、電子申請に切りかえていただくことが原則ではございますが、やむを得ない理由がある場合には、次回以降の電子申請を促しつつ、申請を受け付ける運用をさせていただきたいと考えております。
おめくりいただきまして、8ページでございますが、その他、基本計画に盛り込まれました行政手続コスト削減の関係の対策について、簡単に御紹介したいと思います。4点書いてございます。1つは、マイナンバーの活用によるバックヤード連携ということでございまして、既に本年3月5日より実施しておりますけれども、厚生年金保険者の氏名変更届あるいは住所変更届につきまして、マイナンバーを活用して届け出そのものを廃止する、省略する取組をしております。
また、事業主の方はこれまで年金手帳を保管して、そこに書いてある基礎年金番号で手続をしていただいておりましたけれども、今後マイナンバー利用によりまして、年金手帳の保管等の事務コストが削減可能になるものと考えております。
2点目、厚生年金保険の関係で、事業主を経由して提出されます従業員本人の押印や署名を求めている届出の手続がございます。このうち7つの手続につきましては、事業主が本人の意思を確認したことを届出に表示することで、御本人の押印や署名は省略するということを盛り込んでおりまして、今年度のなるべく早い時期から実施予定でございます。
3点目、添付書類の省略ということで、現在厚生年金の場合は、賃金台帳あるいは出勤簿について補完的に添付を求めておりますれども、今後日本年金機構が適用事業所に対して行う調査の中で確認することによって、こうした賃金台帳等の添付を省略するという対応を行いたいと思っております。今後速やかにマニュアル等の改正を行って実施していく。また、法人登記簿についても添付省略に向けて関係省庁と検討を進めてまいりたいと思っております。
その他、30年1月より厚生年金保険専用ダイヤルを設置するなど、わかりやすい利用勧奨に努めてまいります。
私からの説明は以上でございます。

○増田部会長 ありがとうございました。
今、業務実績報告書と行政手続コスト削減のための対策と2つ御説明いただきました。以上についてまとめて質疑等を行いたいと思うのですが、大分時間が来ておりますのと、それから業務実績報告書については次回、今月内に行いたいと思いますが、せっかくの機会でございますので、何か聞いておきたいということがあれば、御遠慮なく委員のほうからどうぞ。では、西沢委員から。

○西沢委員 「『行政手続コスト』削減のための基本計画について」の8ページ目の3つ目の添付書類の省略についてです。これは補完的に必要としている書類で賃金台帳・出勤簿を事業主に求めていたということなのですが、普通に考えると、法律か何かに基づいて事業主にそういう義務を課すならわかるのですけれども、これはマニュアルでそれを求めていたということで、どういう根拠でその書類を求めていたのか。今までが曖昧だったのではないかと思うのです。何らかの義務を課すので、マニュアルで課していたというのはおかしな話かなと思いました。
私の感覚がおかしいのかもしれないのですけれども、本来であれば法律にすべきだったもので、他にもこういうものがあるのかなと。私の感覚がおかしいのか、おかしくないのか。そして、他にもこういうマニュアルで事業主に義務を課しているものがあるのかといったことを教えていただきたいです。

○増田部会長 それでは、お願いします。

○竹林事業管理課長 御質問ありがとうございます。
厚生年金に限りませんが、行政の関係のいろんな書類につきましては、まず届出書の記載内容、それに具体的につける添付文書みたいに、法律やそれに基づく省令で具体的に書いているものもあれば、法律の規定でそういった具体的に名指しされた文書以外も賃金の確認でありますとか、労働関係の確認とかにつきまして、一般的な調査監督権限というものも行政庁のほうは持っておるものですから、そういう意味で、この辺の賃金台帳・出勤簿についても、省令で名指しでこれを添付しなさいと書かれているわけではありませんけれども、行政の一般的な調査権限の中でこういったものも確認させていただいていたということでございます。
ただ、これにつきましては、ここに書いてございますように、今後立入検査などのときに、適用事業所が行う調査の中でしっかり確認できれば、書類として添付していただく必要はないという形で、調査権限の中での取り扱いを変えていきたいと思っているところでございます。
事業主の方に他にも過度な負担なり、負担を軽減できるような措置がないのかどうかにつきましては、引き続きしっかりチェックしていきたいと思っております。

○増田部会長 よろしいですか。

○西沢委員 はい。

○増田部会長 今の関係というわけでもないのですが、いろんな添付書類を省略するので、情報連携について、去年の秋、政令をつくりましたね。今年の春から情報連携を進めるというふうに思われていたのですが、新聞で情報連携をストップしたと出ていたのですけれども、去年の秋につくった政令は今とめているのですか。厚労省のほうですか。

○宮本事業企画課長 事業企画課長でございます。
情報連携は、秋に政令ができたわけで、政令はもう成立をしているわけですが、その後、今年の4月、情報連携を開始しようとしていたところでしたけれども、まさにこの業務委託の問題が起こったり、そのほかにも幾つかの問題がありまして、政令はそのまま効果がありますが、情報連携は、もう少し状況を見てから、また再度やり直すということで、延期をしているという状況でございます。
それにつきましては、今後業務委託の見直しであるとか、そのほか内閣府がつくっている仕組み自体にも問題がある、あるいは地方自治体が、今まで紙でやっていたものを情報で受け取るので、それについて習熟する必要があるということがありまして、そういった課題を解決した上で、情報連携をまた改めて考えてまいりたいと考えております。

○増田部会長 政令はそのままになっているということですが、政令でスタートの時期は書いたのでしたか。

○宮本事業企画課長 はい。政令でスタートの時期を年金機構だけ留保しておりましたけれども、それを解除するという形で政令は書いたということで、今は情報連携できるような状態になっているわけですけれども。
○増田部会長 今はね。ただ、事実上とめていると。

○宮本事業企画課長 事実上とめているということでございます。

○増田部会長 厚労省の判断でできる状況になったら。

○宮本事業企画課長 政府全体は内閣官房の判断で決めておりますけれども、それは厚労省と相談しながら、内閣官房の判断でとめているということでございます。

○増田部会長 では、いつぞやこちらのほうにこういう格好で進めますという報告があったかと思うのですが、どういう状況になったらこれをスタートさせると。近々スタートさせて、そこのところはまた報告してください。

○宮本事業企画課長 そのときには御報告させていただきたいと思います。

○増田部会長 よろしくお願いします。
大山部会長代理、どうぞ。

○大山部会長代理 すみません。今の西沢委員のお話にちょっと関係することですが、システムの方を見ている者としては、今の話はすぐに感じるところがありまして、そこについて質問したいと思います。確かに行政側が調べるという話については、異論がないところなのですけれども、それを申請の時点で必要とするのかどうかというのは、非常に重要な違いが出てきます。すなわち、義務化していないとすれば、何らかの形で調査する必要があるのは、その時点で確認しておこうが、事務手続上、後にいろんなものを残さないという効果があるのだろうと思うわけですけれども、多くの場合、その場でやらなければいけないのか、それともその後やればいいのかということについては、税の例ではありませんが、全部電子化するときに、帳票類を送らなくてもよくするという話も行われているわけでありまして、これをするだけで電子申告、あるいは届出をやる方にとってはものすごくハードルが下がってくる。ましてや紙が残ってくるかどうかについて、現在ですと、別に郵送している例もあって、そんなことも出てくるのだろうと思います。
これは、現在年金機構さん及び年金局のほうでいろいろ御努力いただいている業務の可視化の話も含めて考えたときに、トータルで見る人がいないと、結局はその場その場で、その業務自体に努力をして一生懸命やるのだけれども、それが過剰な負荷をかけているということになるのではないか。
年金記録の問題についても、御案内のとおり、最後は本人にねんきんネットで確認いただくというのが究極のコレクションのやり方になると思うのです。事業所から届けられたデータを一生懸命確認したところで、結局は抜けが出てしまうということであれば、その辺の考え方は、この業務を見直しをする際に今のような視点を頭に入れて、なぜそこでやらなければいけなかったのか、あるいはなぜそれを求めているのかというのを高度なレベルで1回お考えいただくようなことが必要ではないか。現場に行くと、それはやらなければいけないとい
うふうに必ずなってしまうので、ぜひその辺をお考えいただきたいなと思います。これはお願いです。

○増田部会長 今の部会長代理の話、よろしくお願いします。

○水島日本年金機構理事長 はい。

○高橋年金管理審議官 はい。

○宮本事業企画課長 はい。

○増田部会長 他には。岩瀬委員、どうぞ。

○岩瀬委員 記録確認の取組のフォローアップについて伺いたいのですけれども、これは、これまで過去に年金相談で提出された年金記録照会申出書をサンプル調査をして、それを踏まえて全件調査をした。さらに、それを来年度末までにもう一回調査をするという意味でよろしいのでしょうか。それとも僕のとり方が間違えているのでしょうか。ここはちょっとわかりにくいので、教えてもらえませんか。

○増田部会長 御担当の方。所属も含めて教えてください。

○向山日本年金機構部長 年金記録企画部の向山でございます。
御指摘のとおり、過去の年金事務所における相談のときに判明しなかった同記録について、サンプル調査を一昨年行いまして、その結果、費用対効果があるということで、実施する意味があるだろうと思われる2つの方法について、全数調査を昨年の7月から実施しております。

○増田部会長 よろしいですか。

○岩瀬委員 わかりました。

○増田部会長 他には何かございますか。安井委員、どうぞ。

○安井委員 報告書の21ページなのですけれども、収納実績について、98.8%、99.9%ということで、華々しい数字が載っているのですが、これはいわゆる公務員の方とか大企業の方は安定的に提出されているわけで、これを分析できるから、資本金とか人数で回収率が悪いところ、収納率が悪いところの表をつくっていただきたいのです。そこをよく見ないと次の改善につながっていかない。完全にとれる部分というのは別の扱いになるわけで、今後に向かってとれないところを表記していただきたい。

○増田部会長 機構のほう。どうぞ。

○野口日本年金機構理事 厚生年金保険の収納率の関係で規模の関係、とりやすいところ、とりにくいところがあるのではないかという御質問かと思います。私どものほうで、先ほど来適用拡大ということで、加入指導を進めさせていただいておりまして、かなり規模の小さいところも含めて、現在適用が拡大している状況でございます。そうした中、非常に努力もさせていただいている中で、何とか現状の収納率を確保させていただいているという状況でございます。
規模別にどういう収納率かというのを出している数字はないのでございますが、かなりの程度、中小、小さなところも含めて、また今後5人未満の事業所のところもより適用を進めていくという状況になってございますので、そういうことも含めて、適用の収納の努力を引き続きさせていただかなければいけないと考えているところでございます。今、御指摘の趣旨も踏まえて、どのようなことが考えられるかということは、ちょっと考えさせていただければと思っています。

○安井委員 特に収納率の悪いところを表現していただきたい。それに対してどういう対策を練られたのかということを具体的に拝見したいと考えているわけです。

○増田部会長 98.8とか98.9か、そこの全体の相場観も大事なのですが、そういう小規模のところにどんどん広がっていっている中で、そのあたりをターゲットにした数字というか、あるいはそれに対してどういう対策を今とっているのかとか、そのあたりの説明があればいいと思うのです。

○野口日本年金機構理事 どのようなお示しの仕方ができるかを少し考えさせていただければと思います。

○増田部会長 では、それは次回、よろしくお願いします。

○野口日本年金機構理事 はい。

○増田部会長 他にはございませんか。西村委員、どうぞ。

○西村委員 単に後でいいので教えてくださいというお話です。先ほど西沢委員からございました添付書類の省略のところですが、そもそもこの2つの帳簿については、労基法で賃金台帳については保存すべき帳簿として、出勤簿については補助簿として規定されているにもかかわらず、あえてまた確認しなければいけない理由があってこうやっているのかと思いますけれども、なかったら、そもそも労基法違反ではないのかという気がしますので、そこの考え方について、後でいいので教えてくださいということで、お願いします。

○増田部会長 それでは、それはまた委員のほうに対応をお願いしたいと思います。
それでは、実績報告書については、次回色々質疑をしたいと思いますので、本日はここまでという形にしたいと思いますが、よろしゅうございますか。


(「はい」と声あり)


○増田部会長 それでは、大変長時間にわたりましてありがとうございました。
本日の議題は終了したということで、次回の日程について、事務局から改めて御連絡をすることにいたしたいと思います。
今日、様々御意見とか要望等もございましたが、そういったことを機構のほうできちんと受けとめて、また対応していただきたい。
それから、今日は余り時間がございませんでしたけれども、業務実績報告書、次のときには数字も全部入れていただくということになりますが、なお、その他さらに書き足すところがあればきちんと書き足して、次回は総括的な説明は結構ですけれども、この中のどこをどういうふうに埋めたのか、そのあたりを中心に御説明いただいて、その後、質疑したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○事務局 はい。

○増田部会長 それでは、本日の会議はこれで終了させていただきます。
委員の皆様、どうもありがとうございました。御苦労さまでした。

 

 

 

(了)

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