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2018年7月19日 独立行政法人評価に関する有識者会議 医療・福祉WG(第16回)議事録

○日時

平成30年7月19日(木) 9:30~11:47

 

○場所

中央労働委員会 労働委員会会館講堂(7階)
 

○出席者

真野主査、五十嵐構成員、石井構成員、石渡構成員、梅里構成員、河村構成員、名里構成員、橋田構成員、松原構成員

○議事

 

 

○真野主査
おはようございます。定刻になりましたので「第16回独立行政法人評価に関する有識者会議医療・福祉WG」を開催します。お暑い中、お集まりいただきましてありがとうございます。
本日は、三田構成員が欠席という御連絡です。石渡構成員は少し遅れるとのことですので、始めたいと思います。最初に事務局から説明をお願いします。
 
○政策評価官室長補佐
政策評価官室長補佐の加藤と申します、どうぞよろしくお願いいたします。本日は、「国立重度知的障害者総合施設のぞみの園」につきまして、「平成29年度業務実績評価」及び「中期目標期間実績評価」に係る意見聴取を行うこととなっております。
御意見をいただくに当たり、昨年までは、全ての評価項目について法人から説明を行っておりましたが、今年からは、自己評価が「A評定以上の項目及び定量的指標の達成度が100%未満にも関わらずB評定であるもの」など、事務局が指定させていただきました項目について、法人から説明の上、有識者の皆様から御意見、御質問をいただきたいと存じます。
それ以外の項目については、法人からの説明は行いませんが、御意見がある場合は、議事の最後にまとめてお伺いすることとさせていただきます。法人からの説明項目は、参考資料9「国立重度知的障害者総合施設のぞみの園 評価項目一覧(年度評価・期間実績評価)」中の網掛けされているものとなります。議事の流れとしては、「年度評価」の各項目について一通り御意見をいただいた後で、「期間実績評価」の御意見をお伺いいたしますので、期間実績評価における法人の説明につきましては、既に年度評価で説明された内容は極力省略の上、御説明のほどよろしくお願いいたします。
 
○真野主査
ありがとうございました、それでは議事に入りたいと思います。のぞみの園についてですが、平成29年度業務実績評価に関係する意見ということで、最初に、国民に対して提供するサービス、その他の業務の質の向上に関する事項ということで順番にやっていきたいと思います。
進め方ですが、法人の業務概要について1、2分でしょうか、簡潔に説明いただいて、その後、事務局から説明があったとおり、年度評価の自己評定がA以上の項目、及びB評定であっても定量的指標が100%未満の項目などを中心に議論したいと思います。
まず、1-1の施設利用者の地域移行への取組です。評定はBですが、これについて法人から「評価の要約」の記載内容を中心に、ポイントを絞って簡潔に説明をお願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
国立重度知的障害者総合施設のぞみの園でございます。よろしくお願いいたします。本日説明させていただきます事業企画局長の大須賀と申します、どうぞよろしくお願いいたします。今、お話がありましたとおり、法人の業務の概要、それから1-1の項目について説明させていただきます。座ったままで失礼させていただきます。
資料1-1です。平成29年度業務実績に関する説明資料です。3ページが、のぞみの園の事業体系図になっております。のぞみの園は、重度の知的障害者に対する自立のための先導的かつ総合的な支援の提供、調査及び研究等を行い、知的障害者の福祉の向上を図っていくという事業を行っています。内容につきまして、5項目に分けて表を作成しております。一番左が総合施設の運営の部分です。総合施設の運営業務として、1番目に地域移行の取組、2番目に入所利用者の高齢化に対応した支援です。3番目として、こちらは有期限のモデル的支援の構築になりますが、著しい行動障害等を有する者等への支援、4番目に矯正施設を退所した知的障害者等への支援、5番目として発達障害児・者への支援等が総合施設の設置・運営業務です。
その右に、調査・研究、情報提供があります。こちらは、のぞみの園のフィールドをいかした調査・研究等を全国に情報発信しております。
その右は、養成・研修、援助・助言です。附帯業務は、診療所の運営等です。
5ページです。こちらは我が施設の現状といったところです。利用者の方々の平均年齢は、63.9歳です。19歳から93歳の方までいらっしゃいます。平均入所期間が38.6年となっています。障害支援区分(1~6)の平均が5.9です。全国38都道府県から受けているといった状況です。
入所利用者については228名いらっしゃいます。平均年齢は先ほど申しましたとおりですけれども、有期の方を除いた平均年齢で見ると全体の平均の63.9歳が66.2歳になっているといった状況です。平均入所期間も先ほど申しましたとおり、有期の方を除きますと41.6年と、かなり高齢化も進んでおりますし、長期の利用の方が増えているといったところです。かい摘まんで今の法人の概要等を申し上げますと、御説明させていただいたとおりでございます。
続きまして、評価項目に入ります。1-1は、施設利用者の地域移行への取組です。重度知的障害者のモデル的支援を行うことにより、施設入所利用者の地域移行を推進するということで、指標としては施設入所利用者を16%縮減するというところです。それから参考指標として、地域移行した方の数が指標になっております。この項目につきましては難易度「高」ということで区別させていただいており、重度の知的障害、それから高齢や長期の利用者が多い、常時医療的支援が必要な方が多くてなかなか地域へ戻られても受入先の事業所の確保が困難なケースが多いこと。今、いろいろな受入れ先を探しているところですが、その間も更に入所者の状況が変化しておりますし、なかなか難易度の高い取組であるということです。
今年度の平成29年度までの施設入所利用者の増減としては、目標16%に対して実績で言いますと22%といったところです。これは地域移行された方、残念ながらお亡くなりになった方も含めて利用者の減ということです。そういう意味では、達成度として137%といったところです。
参考資料ですが、これがメインになると思いますが、地域移行の取組がございます。こちらは目標が5人でしたが、平成29年度は2人であったというところです。なかなか地域移行が進まない状況としましては先ほど申しましたとおりです。平成29年度に地域移行された方がどのような方であったのかというのは、7ページを御覧いただきたいと思います。右側の下に、平成29年度に地域移行した2名の状況を記載させていただいております。年齢は64歳と74歳の方、どちらも46年間入所されていて、開設当初の頃からいらした方ということです。Aさんと書いてありますけれども、保護者懇談会で地域移行について御説明させていただいたところ、保護者の方から、地元に戻ってきてほしいという希望があり、出身県内のほとんどの事業所をこちらから探させていただき、受入れに前向きな事業所を見つけることができたところです。何度か見学をしたり、宿泊体験を通じて、そちらになじんでいけるだろうという判断があり、移行につながったというところです。
Bさんにつきましては74歳の方です。こちらも昨年、5年ぶりにアンケートを行い、その中で移行に同意された方です。なかなか障害者支援施設としては難しかったので、この方につきましては介護保険での施設への移行が決まったというものです。いろいろショートステイなど利用しながら、この方についても慣らしていったといいますか、様子を確認させていただいて、結果的には移行につながった事例です。
8ページ、結果的には、2名の移行であったというところなのですが、本人、それから保護者への働きかけ、保護者懇談会や宿泊体験などを通じて、私どもとしてはいろいろ尽くしてきたというところだったのですが、2番の下のほうですが、約220人の方にアンケートを取りましたが、同意された方が4名だったのです。なかなか同意というのは厳しいようなところもあります。
その右側のところに利用者さんの状況を書いております。常時医療的ケアが必要な方が36.2%で、歩行が困難で車椅子を利用されている方が34.8%、そういったように、地域へ戻るには難しそうな事情を抱える方が多かったということでもあり、なかなかうまくいかなかったのですが、特に平成29年度におきましては地域移行の対象者を11名の方に絞り、特にその方々について積極的に進めたというところです。11名と申しましたのは同意をされた方に加え、自宅に帰省などされている方、我々としても、ある程度可能性があるのではないかと思われる方についてターゲットを絞って進めていったところです。8ページの一番下の辺りの赤字になっている所ですが、地域移行に結び付かなかった事情を書いてあります。いろいろと進めていって、移行先が確保できたのですが、なかなか高齢のために状況が変化してしまって最終的に移行に結び付かなかった事例とか、かなり進んだ段階でしたけれども最終的に保護者の方の同意を得られなかった。それによって移行できなかった事例です。そういった事情もあり、結果的に2名になったということです。
結果の数字は見たとおりなのですが、一定の取組をさせていただいたということで、恐縮ですがB評定ということで、自己評価Bと書かせていただいたところです。簡単ですが説明は以上です。
 
○真野主査
ありがとうございました。B評定で、2名が地域移行ということです。何か御質問などございますか。
 
○梅里構成員
地域移行ということで、16%の縮減を目標とされているのですが、これは基本的には今入所されている方全員を地域移行させるのが最終目標になっているのか。要するに、16%というのは全部に対するパーセントで目標値を設定していますよね。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
はい。
 
○梅里構成員
だから、この中で今入所することが余り適切ではない方を地域移行していくという考え方だと分母が変わってくると思うのです。要するに、そもそも入所そのものをやめるという考え方で16%が設定されているのか、どうなのか。基本的な役割の問題なのです。その考え方はどうなっているのでしょうか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
16%と申しますのは、結局、これは中期計画で目標値を定められたところではありますが、第二期(この前の期間)の実績なども踏まえて、当然ながら全員というわけにはいかないでしょうけれども。
 
○梅里構成員
ということは、全体を母数にした16%ということは、基本的には順次、可能であれば日中一時支援の利用を進めて施設入所者をゼロにしていくという考え方に基づいているということですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
私どもの働き掛けとしては、全ての方に進めているといいますか、打診をさせていただいているところでございます。
 
○梅里構成員
ということは、すみません、のぞみの園そのものが知的障害者の入所サービスというものを実施しない方向であると。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
16%は、前期において全利用者数、地域移行や死亡退所も含めて、第3期はこれぐらいできるだろうということなのです。それを合わせて見込んだと。
その中で、6ページに書いてありますが、目標の設定根拠にあるように、第2期終了時の入所利用者数に削減率を乗じて、これを指標と。
 
○梅里構成員
今、お尋ねしたのは、16の数字がどうこうということではなくて。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
今後の計画にも関わると思うのですけれども、むしろ有期とか、そういう方を受け入れていく前提なのです。ですから、それが全部になるということでは。
 
○梅里構成員
ではないのですね。有期で受け入れていくという考え方で。現在は新規に受入れをされていませんよね。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
有期の方は受け入れています。
 
○梅里構成員
有期は受け入れているということですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
ただ、長期の方の受入れはしていません。
 
○梅里構成員
分かりました。ありがとうございます。
 
○真野主査
ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。
 
○河村構成員
御説明、ありがとうございます。質問なのですが、地域移行を推し進めていらしたと思うのですけれども、当然ながら保護者の側の同意がなければ無理に進めることができるはずもない。保護者の側との状況のことを少しお尋ねできればと思います。保護者懇談会など開催されていて、地域移行について説明されているということになっています。この懇談会自体に、もともと御出身があちこちの都道府県にまたがっているとは思うのですが、保護者側としてどれぐらいの出席率があるのかを、ちょっとお伺いできればと思います。
その保護者に対してアンケートで同意と回答されたのが4名だけだったということで、その中でも、7ページに例が出ているBさんという方ですが、こういう方ですと、回答のところで保護者の方が高齢になってきたことが同意の理由とありますが、こういう方というのは、それこそ、先ほどちょっとお話がありましたが、ときどき帰省されていたりする方であって、だからこそ受け入れたり面会にいらしたりすることの御都合を考えたときに、保護者の方が高齢になってきたことが同意の理由と、そういうように理解してよろしいのでしょうか。以上2点、質問させていただければと思います。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
1点目ですが、8ページを御覧いただきますと、97家族に懇談会のとき面談を実施しておりますので、入所者にということですので、そのうちの2分の1弱ということになります。2点目を、もう一度お願いできますか。
 
○河村構成員
地域移行の同意の理由が、保護者の方が高齢になってきたことになっているので、なぜ、これが同意の理由かを確認というか。この方はときどき帰省をさせたりとかをしていらっしゃるから、そうであるからこそ保護者の方が高齢になってきたことが同意の理由と、そういうように理解してよろしいのですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画部次長
のぞみの園事業企画部次長の古川と申します。ただ今の質問ですが、Bさんに限らず、最近は御家族が疎遠な、なかなか高齢のために会いに来られなくなっています。そのために、どうしても会えないことで故郷に戻っていただいて距離感を縮めたいということも多くなってきています。今回の場合も正に、この方は義理のお姉さんなので、お兄さんが亡くなられてからかなり疎遠だったのですが、やはり御本人の面倒を見てくれて、早く地元に帰ってということで、改めて移行の希望がありました。
Aさん、Bさんについては13年前からずっと引き続き、繰返繰返し移行について御説明をさせていただいてきたので、本当に頑なに拒まれていたものが、今回、今お話したような理由で改めて同意を頂いたということです。
 
○真野主査
よろしいですか、お願いします。
 
○名里構成員
すみません、質問ではなく意見になるかと思います。毎年、同じようなことを発言させていただいているわけですが、地域移行の困難さが家族の同意を得るのが難しいかということとか、高齢であることとか、そういったことが主で難しいのだということを今回も表現されているのですが、すごく大事なのは、8ページの1番の「粘り強く行ってきた」の3つ目のポツですが、地域移行に向けて、地域生活で必要なニーズを確認し、支援計画の作成という、その人がどういう暮らしがいいのかということを、どういうふうにアプローチして、御本人の様子を把握しながら、こういう暮らしがいいのではないかということを家族にお伝えしたけれどもなかなか難しいとか、御本人へのアプローチと手応えみたいなものをどういうようにやってきたのかということをもう少し表現されたら、そういうことが、のぞみの園に求められているところなのではないかなと思います。その辺をやられていることだと思うので、いろいろな形で表現されていると思うのですが、ここでも何らか表現されたらいいのではないかと思っています。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
ありがとうございます。おっしゃられたような点につきましては、私どものグループホームの中で利用者さんに体験していただいたりしながら、そういった様子を御家族など、笑顔が出たとか、そういうレベルにもなってしまうのですが、そういう地域移行をされた場合、この方にとってどのぐらいプラスになるかみたいなところを私どもとしてはお伝えさせていただいたりしながら、進めているところではございます。これは、今年度以降も引き続き強力に進めていきたいと思っています。ありがとうございます。
 
○真野主査
ありがとうございました。ほかの構成員の方はいかがでしょうか、よろしいでしょうか。それでは次、1-2になりますか、こちらに移りたいと思います。よろしくお願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
それでは1-2、施設入所利用者の高齢化に対応した支援です。9ページを御覧ください。
高齢の施設入所利用者に対する専門性の高い支援の実践ということで、参考資料としましては、高齢知的障害者支援に関するセミナーを開催しておりますので、その参加者(人数)、参加された方の満足度がどれぐらいであったのかといったことを資料としては付けさせていただいております。
これにつきましては、重要度「高」にさせていただいております。真ん中あたりに記載してありますが、全国の知的障害関係施設における65歳以上の利用者が1万7,511名です。これは全体の27%であるというデータもございます。私どもの施設は平均年齢が先ほど申し上げたとおりですし、もう一段、二段上になっているところです。そういった意味で、高齢入所者への支援というのは、どこに行っても喫緊の課題となっているといったところです。私どもが行っている専門性の高い支援を全国の施設等に情報発信すること、そういった形で、その内容を現任者研修などを通じて伝えていくことといったことが非常に重要ではないかということで重要度を「高」とさせていただいているところです。
Ⅱ 目標と実績との比較です。平成29年度につきましては、セミナーの参加者は、目標値150人に対して実績値は211名、参加者の満足度も目標値は80%以上でしたが、実績値では77%だったということです。参加人数は達成されているところですが、満足度の部分では若干100%を下回ってしまったという結果です。
併せて、私どもとしましては、内部で法人内での研修を行ったり検討チームを作っていろいろ検討を行ってきたり、支援の質を高めるための努力は引き続きさせていただいているところです。そういったところも加味しまして、評価としては初期の目標を達成していると捉えさせていただいて、自己評価として、Bを付けさせていただきました。
10ページに全体の取組状況を参考に書かせていただいております。それから、今申しましたけれども法人内研修者の実施、これはチーム等を作っていろいろ検討しているところでございます。それから、県外の特別養護老人ホームなどに出向いて実務研修などを行ったり、そういったところも戻ってきてから法人内で報告会をやったりとか、全体で支援のレベルを高めるような取組を随時やっているところです。
日中活動プログラム等ですが、1つには、安心・安全な支援の提供、それから環境の設定というところがあります。身体機能が低下してまいりますので、その予防を目的とした「余暇活動における健康増進プログラム」も、平成28年度から実施しているところです。
また、医療との連携が重要ですので、認知症ケア研究チームを作り、そういった中で実践事例の共有などをしながら支援に努力させていただいているところです。こういった取組について、一番下にありますけれども、私どもの機関誌ニュースレター、これは四半期に一度作っている冊子ですが、こういったものに、申し上げたような内容を情報提供したりしながら全国に発信しているところです。この関係につきましては、以上です、よろしくお願いいたします。
 
○真野主査
では、構成員のほうから何か御意見、御質問はありますか。
 
○名里構成員
医療的ケアの痰の吸引等の研修をして実施できるというのは、あえて言いますが、登録研修機関は書かれているとおり、なられていくのでしょうか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
今、指定にはなっておりません。
 
○名里構成員
是非、なられたらいいのではないかと思うので、のぞみの園が研修する機関になられて、ほかの地域でも、そういう同じような介護職員の方の研修の場になるというのは何か役割としてあるのではないかなと思うので、是非、御検討いただきたいと思います。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
資料にありますので、いろいろ協力しながら進めていければいいと思っております。ありがとうございます。
 
○真野主査
石渡構成員、どうぞ。
 
○石渡構成員
石渡です。遅くなりまして、申し訳ありません。今の名里構成員の御質問とも関わるのですが、のぞみの園の高齢者支援は、診療所とか研修研究部門との連携というのがすごく大きな意味を持ってくるのではないかと思いますけれども、その辺り、今の御報告では、何か余り明確になっていなかったかと思いますが、この辺りは何か補足していただけるようなことがあればお聞きしたいところなのですけれども。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
研究部門というか、職員と研究チームを組んで、10ページの4段目にあるような認知症研究学会での実践事例の発表といったことをやったり、その上の段ですけれども、「余暇活動における健康増進プログラム」を職員でチームを組んで研究したり、そういうことをやっております。これらは発表もさせていただいております。そういう中で研究部門と関わりながらやっているというところです。
 
○石渡構成員
ありがとうございます。やはりその辺り、のぞみの園でなければできない支援というのは診療所とか研究機関と一体化しているというところが、またそれぞれの診療所、研修研究部門の意義というところにもつながってくるのではないかと思うので、何かその辺りをきちんと発信していただきたいと思います。では、お願いという感じで。
 
○真野主査
では、ほかにありますでしょうか。
 
○梅里構成員
セミナーの満足度ですが、今、「満足」「やや満足」ぐらいで77%かなと思うのですが、これは80%ぐらいが満足してくれるだろうという想定だったのですよね。だから、これが80%に足りなかったのはどういうところに一番の理由があるのではないかという分析をされているかどうかということと、そのために次回のセミナーで、これを上げるために何か手を打っていると、このように変えていこうという計画をされているかどうかを教えていただけますか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
この研修をやったときに、併せてアンケートを取っておりまして、その中に幾つか御指摘いただいております。また、若干、段取りが余りよくなかったようなところもありましたし、幾つか細かい点の御指摘があったので、そこは次回のセミナーのときにはいかせるように努力していきたいと思います。そこは担当のほうで協力しながらやっていくつもりです。ありがとうございます。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
1つ、よろしいでしょうか。そのセミナーの関係ですが、今、意見が幾つかあったという中で、配布した資料と、御説明いただいたときの資料はページを追加してあったので、手元で見て探すのが大変だったという意見が散見されました。
担当の話だと、やはりそういう資料の話、あるいは、会場が暑いとか、少し書く所がないとか、そういうところで、やや不満が出がちだというようなことですので、少なくとも資料に関しては事前によく打ち合わせして、齟齬がないようにしていくことが大事かなと思っております。
 
○梅里構成員
セミナー形式だと、どうしても来られる方の人数には限界が出てしまう。その目標値は上回っているのですが、そういった意味では、資料の10ページ目にテキストを有償頒布しているという記載があります。例えば、このセミナーの様子をDVDに録っていれば後で見ることができるのですが、このようなサービスを検討されているかどうかということと、このテキストの有償頒布はどれぐらい出ているか、販売のニーズがすごく高いのかどうなのかという、2点教えていただけますか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
先に1点目のところですが、例えば、e-learningとか、いろいろ全国に発信しやすいというか、全国の支援者の方に届きやすい仕組みみたいなところを当然ながら考えていかなければいけないと思っておりますし、第4期の目標を立てる段階で、やはりいろいろなもの、これに限らずいろいろな研究成果も含めてですけれども、全国の支援の現場に、どのように私どもが発信していくのか、そこが非常に重要ではないかと思います。そこはまだまだ足りない部分があると思いますので、ニュースレター、ホームページとか、これまで活用してきたものもありますけれども、それ以外にも、もっと広がりがあるような形を取れるように私どもとしても努力していきたいと思っております。
 
○国立重度知的障害者総合施設理事(寺澤)
のぞみの園の理事の寺澤と申します。よろしくお願いいたします。御質問いただいた10ページのテキストの関係の販売数ですが、これについて、平成29年度は341部の販売となっています。
 
○真野主査
ありがとうございます。ちなみに、セミナーを年1回やっていくということですね。ほかの構成員の方はどうでしょうか。よろしいですか。それでは、これはいいということで、1-3に移ります。お願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
1-3です。著しい行動障害等を有する者等への支援です。これは有期限での受入れということで、著しい行動障害等を有する方、それから、精神科病院に社会的入院等をしている知的障害者の受入れということです。おおむね3年をめどとして、有期限でモデル的な支援として取り組んでいるところです。落ち着いた状態にしまして、また地域にお返しするというか、地域に移行させるということです。
指標としては、受入れの人数、それから研修を実施しておりますので研修の実施回数、研修参加者、それから、先ほどと同じように研修での満足度といったものを指標としております。こちらも難易度は「高」とさせていただいておりまして、真ん中辺りに記載してありますが、暴力行為とか、拒食、被虐待、医療連携とか、いろいろ状態の異なる方が多くて対応がなかなか難しいと、また地域の施設での受入れが難しいということで私どものほうに入所されて来る方ということです。
それから、福祉と医療の連携が非常に重要であり、専門的で、かつ高度な支援が必要であるといった事情があります。
それから、地域移行と申しましたけれども、3年以内に私どもとして支援を達成したいところです。また、県内、自治体ではなかなか行き場のなかった方々ですので、その方々も、また関係自治体等と連携しながらお戻しするようなことになるのですけれども、そこもなかなか難しい部分があるということで、難易度としては「高」と設定させていただいております。
実績です。受入れ者数は29年度が3名、研修としては2回であったのを4回とさせていただきまして、研修参加者についても予定よりも多い人数で、200人に対して352人を受けさせていただきました。それから、研修の満足度については、94%と非常に高いものであったといったことから見て、これについては、初期の目標を上回る成果が得られていると、私どもとしては考えて自己評価はAとさせていただきました。
参考に、12ページを御覧いただきたいと思います。こちらについては、取組、今の内容等について記載しております。2番の所に受け入れた利用者の3名の方の特徴等を書かせていただきました。1,他害、放尿、脱衣とか、著しい行動障害があったり、過食によって非常に体重が増加して家庭での支援が困難となった。そこで受入先が見付からない状態になって、私どものほうに入所された方。それから、2,染色体異常で非常にまれな状態の方ですけれども、こういった方で非常に大学病院等でも受入れが困難であった方がお一人と、それから、3の方は、気管切開を受けて、入所中の施設で対応が困難になった行動障害のある50代の女性、こういった方々を平成29年度については受け入れたところです。
こういった支援ということですので、4番ですが、職員の専門性の向上が必要ということです。こちらについては法人内で研修をやらせていただいています。国の研修も含めまして、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修、実践研修)を行ったり、外部団体の研修に職員を派遣したりといった取組をしております。
こちらについても一番下の所に、5.情報提供及び普及とあります。これは今まで取り組んできたニュースレターによる情報提供とか、先ほどと同じ話になりますけれども、支援施設等の求めに応じての講師派遣も行っております。それから、障害者支援施設等で働いている職員の方を現任者研修として受け入れたり、こういった取組をさせていただいているというところです。先ほど申しましたとおり、全体として取組が進んだということで、A評定を付けさせていただきました。説明は以上でございます。
 
○真野主査
それでは、構成員の方から何か御質問はありますでしょうか。
 
○河村構成員
御説明ありがとうございます。基本的な数字の質問で恐縮ですけれども、12ページの所に受入れと、地域移行の人数が年度ごとに書いてありますが、これの5年間の合計という書き方をされているのですが、そもそもの質問で恐縮ですけれども、ここで書かれている受入れ者数というのは、その年度に新たに受け入れられた方ということでよろしいですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
そうです。
 
○河村構成員
そうですか。それで、期限付きで受け入れてということで伺って、大体3年がめどというように御説明してくださったのですが、受け入れられた方というのは、施設におられなくなるというのは地域に移行される場合だけが全てと理解してよろしいのでしょうか。というのは、例えば、25年度に2人が来られて、1人が移行された。では、26年度に新たに2人来られているということは、この段階では受け入れられていらっしゃるからというのは、前の年度からの方も合わせて3人なのかなという理解するのは、それはよろしいのでしょうか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
そういうことでございます。
 
○河村構成員
そうなのですね。それで、今の段階、平成29年度ですと、これを25年度から全部受入者数を足して、それから移行された方を引けば、8人の方がいらっしゃるという理解でよろしいのですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
考え方としては、そうなります。
 
○河村構成員
あと、どういうことになって受け入れられるのが終わりになるかというのは本当に地域移行だけで、3年がおおむね有期限のめどということを伺いましたけれども、地域移行がなかなか難しいということになると、そのまま3年超えていらっしゃるということもあるということなのでしょうか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
それはございます。私どもでこういった支援が必要で、こういった取組でやっていけばこの方は落ち着いておられるので、地域に戻してよろしいのではないでしょうかということで、もともとおられた自治体にお話をするわけですが、そうはいっても、3年たったりしていますが、受入れ可能な施設がなかなか見つからない状態だということもありますし、そこは近隣の所も含めて幅広く探したりしているところですが、若干難しいところもあるということです。
 
○河村構成員
分かりました。ですから、資料の作り方は、もともとの目標設定だと思いますが、要するに、各年度で新たに何人の方を受け入れられるかということが目標になっていると思いますけれども、実際には多分、前の年からおられる方もあるわけですし、実際に今、何人いらっしゃるかということが、それなりに大変な負担になっていらっしゃるのではないかということで、それは重々お察しいたしますので、分かりました。ありがとうございます。
 
○真野主査
よろしいですか。では、次は1-4です。よろしくお願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
1-4の矯正施設等退所者への支援です。こちらも有期限での受入れということです。矯正施設等を退所された知的障害者がおられまして、この方々についても有期限のモデル的支援として取り組むといったものです。期間としては、おおむね2年ということです。指標としては、受入者数、また研修を行っておりますので研修の実施回数、研修参加者、研修満足度について指標とさせていただいております。こちらは難易度「高」ということで設定させていただいております。これについては地方の機関との連携を当然、必要とするということなのですが、なかなか組織等の目的の違いがある中で取り組む必要があるということで難易度が高いということです。貧困、虐待、暴力等の知的障害だけではなくて、発達障害、精神障害を併せ持つ等、なかなか複雑な状態にある方が多いということで課題が非常に多いということです。
それから、先ほどと同じ話になりますが、受入れを行う一方、地域移行を当然考えながらやっていかなければいけないというところですが、矯正施設退所者ということで、そういったイメージもありまして、なかなかグループホームなどで受け入れられるかというと、そこは躊躇されるようなことが多いということで、全体的に見まして難易度が高いという取組だと考えております。
参考指標です。受入れ者数は、目標5人に対して実績が3名だったということです。研修の実施回数については、4回予定していたものが3回でした。ただ、これについては事情がありまして、この取組はまだまだ広がりのあるものではありませんけれども、研修に参加しやすいように、当初は2回、東と西で考えていたものを東京で1回に集約したといった事情もありまして、回数的には1回減っているということです。ただ、参加者を見ると、もともと300を予定しているところ、296名の方に御参加いただいたということで、おおむね想定どおりの方に参加いただけたのかなと思っております。研修の満足度については、84.7%ということで目標を上回ったところです。この取組は外的要因に大きく影響されるといったことがあります。受入れ者数の目標が5人だったところが3人になったというところですけれども、Ⅲ、その他の考慮すべき要素と書いてありますが、受入れについては計画的に進めていくところですが、関係機関の中で事情ができてしまった場合に、途中で、計画どおり入所の手続に至らないようなケースがあります。1で書かせていただいているとおり、医療少年院から来る予定であった方ですが、担当医の方の交代によって、いろいろ治療方針の変更が生じてしまったとか、精神病院からの入所を予定していたのが保護者の方の事情で調整がなかなか難しくなった例とか、救護施設から受入れする予定だったのですが、途中で所在不明になってしまった事例など、いろいろそういった事情があり、予定どおりなかなか進まなかったということです。一応、考慮すべき要素として書かせていただいたところです。
今の状況等について14ページに書かせていただいておりますが、取組内容については、多くの機関との連携が必要だということです。司法と福祉、行政等です。いろいろ関わりがあるところが多いものですから、そことの打合せなど、難しいところがあるといったところです。
受け入れた利用者の特徴です。知的障害だけではなく発達障害等を併せ持つ方が多いので支援がなかなか難しいケースが多いということです。年々、扱っている方のケースをよく見てみると、困難度が増していて、少年の方については家庭内における問題が多いところがあって家族への支援なども関係する機関と一緒に協力して進まなければいけないということで、なかなか難しさが増しているといったところです。平成29年度の受入れ者数は3名ですが、窃盗の経歴のある方が多いということで、特に1名の方は15回も矯正施設に入所した経歴を持っているということです。
それから、地域移行とフォローアップです。地域移行は常に考えていかなければいけないのですが、先ほど申しましたとおり、そのイメージに罪名とかがあって、イメージが厳しいということもあって、引き受けられる所は少ないということがあります。フォローアップなども重要なので、そこにも気を付けて取組んでいるということです。
15ページの所に情報提供等について書かせていただいております。上のほうからですが、ニュースレターなどに、そういった支援の実情というか、実践事例について紹介させていただいたり、研修会などの報告なども載せております。全国の支援の現場に情報発進するということ、ここに書いてありますが、『理論と実践で学ぶ知的障害のある犯罪行為者への支援』という本も刊行したところです。
参考として、16ページですが、今、申しました矯正施設を退所した知的障害者に対する支援体系です。一番左のほうを見ていただくと、矯正施設の刑務所・少年院から出所されるということで、いつ出所するということが決まって、そこから関係機関で、地域生活定着支援センターがメインになりますけれども、支援会議などを重ねながら入所に向けた取組がなされるということです。1人のケースについて、2、3か月をかけながらやっていくということです。ですから、先ほど申したとおり、途中まで計画をさせていただいたところが、どこかの時点でその方の入所が至らなくなってしまうと、また次の方へということになり、割と時間を掛けてやっているというところと、私どもの受入れについても、ある程度特徴のある方々ですので、随時、どんどん受け入れるということでもありませんので、一定期間を空けながらやっていくといったことでもありまして、目的としていた方々に何かあると、人数的には5名の受入れが3名になってしまったというような事情になったりとか、多機関と連携しながらやっていくという中での難しさがあるのかと思います。これについては、以上でございます。
 
○真野主査
それでは、構成員の方から御意見はどうでしょうか。
 
○梅里構成員
地域移行の数が出ていますが、合計17人ですか。これらの方が、のぞみの園を出られるわけですけれども、ほかの施設に移っていかれる方と、それから、自宅というか、在宅に戻って自立が出たという方とを見たときに、どのぐらいの人数になっているのかということを教えていただきたいということ。
それから、有期限のモデル的な支援という格好で行われているのですよね。2年なら2年の間に、16ページの図の真ん中に、生活(居住)支援と、日中活動支援という格好ですが、矯正施設は退所されているということで、のぞみの園のほうでは、要するに、再犯を防止するような、矯正に関するようなプログラムといったものは含まれていないのですか、それはないのですね。単に、生活とか活動支援。ということは、2年の間で在宅に戻って自立できるかどうかというのは、どういう基準で、これまでは在宅に行けるとか、これは施設とかという、その2年の間にどういう状態に持っていこうとされているのか、のぞみの園のほうですね。その辺はモデルの支援事業の中で、2年間でこういう状態に持っていって、自立できるようにするというような何か目標基準のようなものをお持ちなのでしょうか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園地域支援部長
のぞみの園地域支援部長をしております小林と申します。よろしくお願いします。最初の御質問ですが、退所後はどういう所に移行しているかということですけれども、大体半数ぐらいの方がグループホームを中心に移行していただいております。次に多いのが、アパートで独り暮らしの方が5名ほどいらっしゃいます。ほかに入所施設で2名ぐらい、病院に行った方も、精神病院に入った方もいらっしゃいますし、自宅に戻られた方というのは2名になります。そのほかということになりますけれども、のぞみの園で受け入れた方々が全てうまくいっているということではなくて、実は入所中に逮捕されてしまったりといったこともあって、再び矯正施設に戻った方は5名ほどいます。モデル的支援で日中と夜間とか、どういった支援をしているかということなのですが、まず第一は、安心して生活していく場所を提供することが大事だと思っております。そこに居てもらわないと支援は提供できませんので、出ていきたければ出ていける人たちですので、そこに居て支援を提供するという関係性をつくっていくことが一番大事だと思っています。どこまで仕上がったら出すかということですが、まずは関係機関の方にお集まりいただいて、次の場所をつくっていただくというのがあります。その中で適当な場所が見付かったらということになりますが、そこはハードルが高くて、なかなか難しい部分があります。こちら側の見立てとすると、支援関係がうまくいくという状況でしょうか、要するに、福祉の支援を受けながら生活することが本人にとって心地よいというようにイメージできれば、次の施設へ移行する準備ができたというように考えます。その中で次の施設で関係性をつくっていくと。どうしても受入先が見つからないという場合は、アパートで、福祉的なサービスをつくりながら組み立てていくという方法もつくったりします。いろいろな方法、その人の出身地に帰ってもらうような形が一番ベストですので、資源の状況もあると思いますので、その辺も含めながら検討して、移行していただくという形を取っております。以上でございます。
 
○真野主査
ほかの構成員の方、お願いいたします。
 
○石井構成員
最近の入所者の方は知的障害のみならず発達障害、精神障害を併せ持つので困難度が高くなるという御説明をしていただきました。また、今の支援ということを説明していただきましたが、こういう方は、やはり医療の支援を継続的に行われなければいけなくて、医師との、医療者との関係というのも、信頼関係がないとうまくいかないと思います。そういった方でも長い信頼関係のもとに生活されている方もたくさんいらっしゃると思います。そうなると、地域に戻したときに、医療のほうまで同時にサポートできていけるのか、あるいは、地域の医療関係者と、どうつなぐことができるのかという辺りはどうでしょうか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園地域支援部長
困難度が高い人というのは、本当に最近は非常に多くなってきています。特に性犯の方とか、放火の方とか、去年は受けていませんけれども、御相談があったのは事実です。これまで5名ほど受けております。性犯の方は5名、放火の方が確か4名ぐらいだと思いますが、そのぐらいの方を受けています。
医療との関係がどうなのかということですが、直接、のぞみの園で、支援するということではなく、その人を支援する支援チームというのを作っていただくようにしています。支援チームは定着支援センターを中心に、あとは地元の相談支援の方々にも入っていただいてということになると思います。その中で、のぞみの園の医療情報というものを伝えつつ、どこに住むかということによって、次の医療機関をどこにするかといったところもやっております。我々としても医療情報というのは必要な部分もありますので、まず、矯正施設から出てくるときは診療情報提供書のようなものを頂いた上で支援をしておりますし、それを引き継いだ形で、次の地域で住む場所の医療機関の方に引き継いでいただけるように提供書を提供しているということになります。以上でございます。
 
○真野主査
よろしいですか。それでは、次に行きたいと思います。少し飛んで、1-8をお願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
資料の25ページ、1-8は、養成・研修、ボランティアの養成の項目です。障害福祉や保健医療に従事する者の資質向上を図るための研修会とセミナーの開催をするとともに、事業を実施、定期的に現任者研修を実施、それから、ボランティアの受入れなどです。参考指標としましては、研修を実施していますので、研修の満足度、実施回数、参加者、それから、受入れ研修等、受入れ者数などを数値として記載しています。実績等は御覧いただいたとおりで、おおむね100%以上というところですが、1点だけ、実習生の受入れが150人の予定に対して実績が140人だったというところです。それにつきましては、一番下の項目の考慮すべき要素の所に書いておりますが、実施については年度が始まる前辺りに、学校と調整を行わせていただいています。学校のほうで、生徒の事情などもあると思いますが、年度に入ってから事情が発生して、一定程度のキャンセルがあったということで、当初は目標を上回るような予定で組んでいたのですが、結果的には下回る結果となったものです。
次のページです。昨年度、私どもが行った「のぞみの園主催研修会」で、どの場所でどのぐらいの参加者であったかです。これまでの内容とダブる部分もありますが、満足度のところは、先ほど御指摘があったように、取り方として、「満足」「やや満足」を足してどのぐらいだったのかというような形で満足度を取っています。研修会の参加者につきましては、全体で1,434名。今、申しました満足度については、平均で87.3%だったということです。下のほうに現任者研修の実績がありますが、高齢知的、行動障害、矯正施設、発達障害の4つのテーマのコースについて、これだけの受入れをさせていただきました。実習生の受入れについても、保育がメインになりますが、全体で140名でした。ボランティアにつきましては全体で1,176名。いずれも数字の実績です。下回った項目が1つありましたが、全体で見れば、おおむね所期の目標を達成できたのではないかということで、私どもとして自己評価Bと付けさせていただきました。これにつきましては以上です。
 
○真野主査
ありがとうございました。それでは、構成員の先生方から、いかがでしょうか。
 
○梅里構成員
細かいことで恐縮ですが、研修の実施状況ということで、トータルでは計画の9回に対して実績が10回あるということで、上回っているのですけれども、種類別に見た場合に矯正施設等退所者の研修が、平成28年、29年ともに、4回計画したのだけれども実績としては3回になっている。これが2年間続いているのですが、1年だと、たまたまその年はできなかったということも分かるのですが、2年続いているというのは何か理由があるのですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
先ほど申しましたとおり、まだまだ対象になる参加者が余り多くは想定できないということもありまして、1か所で、全国で一度に集約してやったほうがいいのではないかという判断で。
 
○梅里構成員
そういう判断があったと。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
はい。続けてになってしまいましたが、東京でやらせていただきました。結果的にはある程度の方が参加していただいたということです。
 
○梅里構成員
では、平成29年は、もう最初から3回の計画にしておけばよかったという話ですね。
 
○真野主査
よろしいですか。
 
○河村構成員
研修会やセミナーの開催の場所についてお尋ねします。研修会はいろいろと、京都府や大阪や東京などでも、あちこちでやっていらっしゃると思いますが、セミナーは地元というか高崎でやっていらして、200人とか300人の御参加もあるようなのですが。これは、全国向けの情報発信というか、養成・研修うんぬんということを考えると、開催場所というのは、やはり地元の高崎でないと他のいろいろな業務との兼ね合い上で難しいという感じでしょうか。それとも、高崎でもこれだけ数がいらしてくださるというのは、周辺の方々に限らず、かなり遠方からもお見えになっているのかどうか、そういった辺りについてお尋ねしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
個人的な受け止めで言いますと、そういった御意見を頂けるのは非常に有り難いと思っておりますし、全国発信しなければいけないということもありますので、そういったことも念頭にこれから考えていければいいと思っています。やれることであれば、もう少し拡大してやっていきたいという気持ちはもちろんありますので、いろいろと検討していきたいと思っています。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
直近で、今年もセミナーを前橋で開いたのですが、そのときも地元の割合が8割、群馬県内がですね。それ以外は、予定者では、北は岩手から南は熊本まで参加者の申込みがありました。
 
○真野主査
確認ですが、私が先ほど、年に1回ですかと聞いた、福祉セミナーというのと、この医療福祉セミナーというのは。ああ、ですから、福祉セミナーというのが1回ですね。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
先ほどのテーマで申しますと、それについては1回だったということです。
 
○真野主査
それは9番ですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
はい。
 
○真野主査
その福祉セミナーというのが9番ですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
1番です。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
高齢者支援をテーマにしたものは1番です。先ほど申し上げた、満足度が77%だったものは1番です。
 
○真野主査
それは、ここには入っていない。なるほど。それで、下の2つはなぜここに、2017年のものは、ここに入れているのですね。先ほどの所は、なぜ1回。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(寺澤)
上の、2018年というのは、今年の2月に開催したので2018年という形にさせていただいています。これは平成29年の業績評価ですので、年度で捉えれば、2018年と書いてはありますが、一応、平成29年度の実績として挙げさせていただいています。9番のほうは2017年で、昨年の春に開催しているものですので、年度で捉えたときに実績として載せさせていただいているということです。
 
○真野主査
すると、本当は最初の1-3か何かのときに、両方を議論したほうがよかったということですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
こちらは発達障害等に対する取組の1つとしてやっているもので内容が違います。あの項目では、年に1度の取組でした。
 
○真野主査
内容が違うということですか。なるほど、分かりました。よろしいですか。では、次は1-9ですね、お願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
1-9です。資料の27ページを御覧ください。こちらは知的障害者関係施設等からの求めに応じて、支援の方法やいろいろな取組に対する援助・助言を行うものです。これにつきましては、我々から周知を図りまして、全国の施設から御利用されるように努めるといったものです。ニュースレターやホームページに紹介させていただいて、私どものほうに何か、疑義とか求めがあるようであればお問合せくださいということで進めているものです。指標としましては、実施件数(お問合せいただいた件数)と、講師を派遣させていただいた件数を指標とさせていただいています。目標としては、援助・助言の件数を150件としたところ昨年度は217件ありました。それから、講師の派遣についても、目標の100件に対して実績で148件あったということです。積極的にいろいろと進めているところですが、こちらの特徴としては、行動障害や知的障害者の高齢化の問題、それから、発達障害、触法関連の問題などについて、要請される方のニーズに沿った効果的な方法を私どもが選択して実施するなど、援助・助言に取り組んで、結果的に数字的にも目標値を大きく上回ったところです。今後ともホームページなどを使って利用拡大に努めていきたいと思っています。全体として目標以上の取組が進んだということで、自己評価をAとさせていただいています。
28ページに、件数の推移、上のほうには、どういったところから相談があったのか、また、下には、どういった内容が多かったのか。行動障害とか、高齢の方への対応、発達障害など、そういったものについて電話での照会もありましたし、講師派遣についても求めがありました。それをグラフにしたものです。利用促進への取組につきましては、先ほど申しましたとおり、ニュースレターなどへの掲載や、リーフレットなど、そういったものを通じてこれからも利用促進に努めていきたいと思っています。この関係については以上です。
 
○真野主査
ありがとうございました。
 
○梅里構成員
電話等での相談ということでは、特に強度行動障害者や高齢知的障害者への支援の問合せが多いという記載があり、これに対して、この法人の研究による成果内容や実践による結果から得られた支援方法等を丁寧に支援していく、説明していくというようなことがありますが、今、電話で対応するということでやられている内容について、マニュアル的なものを作って提供できるようにしているとか、そのようなことはありますでしょうか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
援助・助言をした内容についてはニュースレターの中で報告させていただいたり、そういった形で全国にもお伝えしたりしています。
 
○梅里構成員
支援した内容について、何らかのガイドラインとかマニュアルとか、そのようなものにまとめておくのが非常に有効ではないかと思うのですが。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
そこは御指摘いただいたとおり、検討していきたいと思います。
 
○梅里構成員
最初のテキストも入っておりましたね、あれを支援のためのマニュアルとか、そのようなものに作り上げていくといいのではないかと思いました。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
ありがとうございます。
 
○梅里構成員
もう1点だけ、よろしいでしょうか。援助・助言についての目標値が150件という設定で、これに対して、かなり上回った実績を上げていますが、見せていただくと、平成25年、26年と毎年150件の目標を立てているのですね。それで毎年これを上回っている。平成25年、26年と経過してくれば、相談や助言の件数がもう少しあるだろうということは容易に分かるので、平成27年、28年、29年と、各年度でだんだん目標値を上げていくとかですね、そうでないと、昨年の実績でもう200件近い相談が既に来ているところを、また今年も150件の目標を設定するというのは。毎年150件の設定なのですよね。この辺は少し漫然とした目標設定になっていないかと感じますが。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
基本的に、期ごとの目標設定というのは向こう5年間でどうするかということではあるのですが、先生がおっしゃったように、実績が結構離れていった場合、途中で見直したりなどということもないわけではありませんので、御指摘を踏まえて努めていきたいと思っています。ありがとうございます。
 
○真野主査
ありがとうございました。ほかに、いかがでしょうか。
 
○石渡構成員
この御相談ですが、全国、割と万遍なく御相談があるのか、それとも、やはり関東近辺などが多いのか、それから、御相談が、例えばリピーター的に、ある所から何度も来るのかとか、その辺りのこと。それから、電話相談と講師派遣とでは内容的に違いがあるのかというようなことを少し教えていただきたいのですが。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(寺澤)
全国でどういった地域から御相談があるかということですが、割と、群馬周辺、関東周辺というのは多いのですが、その手段として電話なども使うということもありますので、北海道とか福岡とか九州なども何件かは来ています。いずれにしても、私どもの援助・助言についてはニュースレターやホームページで、こういう活動をしていることは伝わっていますので、その冊子などを見ていただいてお問合せいただくようになっていますので、当然、地域に限定することなく対応はしています。
 
○石渡構成員
電話相談と講師派遣についてですが、行動障害や高齢知的など、課題別のようなことは分かるのですが、内容の質としては、講師派遣というのはどういうようなものですか。依頼があって講師派遣をしていることになるのですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(寺澤)
講師派遣については、全国からいろいろと問合せを頂いて、ここの地域に来ていただきたいというようなお話を頂いて伺うというような形ですので、そこは、お問合せいただければ全国に対応させていただくという状況です。
 
○真野主査
私もちょっと気になっていたのですが、講師というのは何か研修やセミナーをしに行くというイメージなのですが、これは助言なのでコンサルとかアドバイザーという意味でしょうか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(寺澤)
援助・助言については、いろいろなやり方があると思っていまして、例えば電話で対応するものや、こういった形で講師を、先生がおっしゃったように、セミナーや研修会をやるので、それに来ていただくなど、それはそれぞれの御要望にしっかり応えられるように、私どもは体制を整えているという状況です。
 
○真野主査
では、ここで講師と言っているのは、本当の意味での講師ということですね。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(寺澤)
はい、そうです。
 
○真野主査
分かりました。よろしいでしょうか。それでは、前半の最後ですね、1-10をお願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
1-10、その他の業務について、資料は29ページです。こちらは附帯業務になるものです。大きなものでは、診療所の運営等があります。それから、地域への貢献といったこともありますが、通所支援事業の利用、一般就労への移行、短期入所、日中一時支援の利用など、こういったものを指標としてまとめさせていただいています。目標と実績の比較を御覧ください。通所支援事業の達成度は107%。一般就労への移行者数については、3人の目標に対して2人でした。短期入所の利用数は目標の1,600日に対して実績は2,157日、日中一時支援の利用については200日の目標に対して227日と、それぞれ上回っています。診療所につきましては、昨年もいろいろと御指摘を頂きましたが、次の30ページを御覧ください。こちらは診療所の役割を書かせていただいております。細かく説明いたしませんが、当然ながら、施設利用者に対する適切な医療の提供、それからもう1つは、地域医療への貢献という2つの役割があると書かせていただいています。先ほど申し上げましたとおり、医療的ケアが必要な方が非常に多いといったこともありまして、医師・看護師がいますが、診療所で業務をしているだけではなく、実際に寮に出向いて訪問して看護を行ったりなど、そういったこともやっています。
参考に、診療所の運営状況のペーパーをお配りしています。こちらは昨年も提出させていただきましたので、平成25~29年度まで5か年の収支状況をまとめたものです。収入・支出は数字で見たとおりです。収入も下がっています。支出のほうは上がっています。医科・歯科と分かれていまして、施設利用者と一般の方のそれぞれの利用件数、こういったものを付けております。1日平均の入院患者数やCTの検査数も参考に付けさせていただいています。今年度は収入が減少していますが、この要因としましては、当然ながら、入所利用者が少なくなっていることもありますが、内科のほうで長期投与へ変更したといったことがあります。これまで1か月ごとにやっていたものを3か月に変更しました。これは利用者さんの負担なども考えてそういうやり方を取ったこともあります。そういうことによって、件数や収入が減ってしまっているということです。支出のほうが増えていますが、これは2名の方が退職されたので、退職手当の約1,200万円ぐらいが入っています。それから、必要なソーシャルワーカーの採用や外部歯科医師の招聘など、そういったことで経費的にかさんだところです。収支差はありますが、診療部の経費の7割が人件費ということです。先ほども若干、触れましたとおり診療所のスタッフは診療所にいるだけではなくて、生活寮のほうへ訪問医療を行って、そういった取組をしたり、生活寮での健康増進プログラムを行ったりなど、いろいろな取組を行っていますが、こういったものは収入として出てくるものではないということもあって、診療所の単体での運営状況を見ると赤字になっているところは変わりないということです。こちらにつきましては、附帯業務全体を見直さなければいけないということで、厚生労働省からも、在り方検討会等での指示もありますので、これも含めて検討していかなければいけないと思っています。今年度から、こういった財政面も考慮した検討会などもやるということで進めているところです。診療所の関係は以上です。
資料の29ページをもう一度御覧ください。実績の下回っていた就労移行のところですが、下から5、6行目に書いています。就労移行支援に6名の方が在籍して、一般就労に向けた訓練を行っていましたが、うち2名は一般就労することができました。これは行政機関と介護福祉施設ということですが、あと4名の方は、なかなか一般就労に向けた基礎的技術の習得には至らずに、まだ訓練を継続中であるなど、なかなか厳しい状況です。今後に向けてといいますか、いろいろな職種の企業から見学や体験実習の受入れ協力を頂いたりしながら、数字が上がるように進めていこうとしているところです。
全体としましては目標を下回っているものも1点ありますが、他の事項についてはおおむね所期の目標を達成しているということで、B評価を付けさせていただいています。1-10については以上です。
 
○真野主査
ありがとうございました。御質問など、いかがでしょうか。
 
○名里構成員
短期入所と日中一時支援について、地域にお住まいの方々のニーズが高いサービスだと思いますが、そもそもその目標値の1,600日と200日の設定の根拠は何だったのでしょうか。短期入所の定員が15人だと、フルであれば5,000何日になるのではないかと思うので、その中で1,600日というのがどうやって出てきたのか。それから、実績はここにそれぞれ出ていますが、希望をお断りすることがあるのか、そういった実績状況というか、そのようなことをもう少しお話いただけますか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
目標につきましては、前期の取組状況を勘案して、中間的なというか、平均的な数字を取って第3期の目標としています。第2期の平均などが参考になっています。それから、基本的に、お断りするケースはそんなにはないと思いますが、短期利用等で、たまたま、お使いになりたい日程が登録されている人の中で重なってしまう場合もないとは言えませんので、そういう意味では使えないこともあるかもしれませんが、基本的にはおおむね希望されたとおりお使いになっていると思っています。
 
○名里構成員
すると、定員15名はいつも満杯ということはないということですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
ないですね。
 
○名里構成員
もう1点、日中一時の定員というのもあるのですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(櫻井)
まず、短期入所ですが、15床ということで、それがフルになるということは年間を通して、まずありません。それで、希望が重複する場合には、他の寮の空いたベッドを使っていただくことで調整しています。そういったことで、受け入れるときに、1つの寮ということではなくて、ある程度、複数の寮を見学していただいて、寮間においても情報を共有して受け入れる体制は取っているということになっています。
それから、日中一時の定員については、特に定員は設けていません。以上です。
 
○真野主査
よろしいですか。他の先生はいかがですか、よろしいでしょうか。
 
○梅里構成員
就労支援についてですが、先ほど来、いろいろな支援事業をやってきましたが、そういう方たちではなくて、就労の支援だけの対象者が6人ということでしょうか。この就労支援を受けられる何か条件のようなものがあるのですか。単に仕事がないというだけでここに来ているという話なのかどうかなのですが。どういう方が対象になっているのでしょうか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(寺澤)
就労支援の中身としては、就労移行支援というサービスがありまして、就労移行支援サービスの内容については4ページを御覧ください。障害者総合支援法に基づくサービスということで、日中活動の中に就労移行支援という事業があります。ここでは4名となっています。2名の方が就労に結び付いたということで、6名のうち2名ということで、現在は4名という数字になっています。就労移行支援サービスの中身は、就労を希望する人に就労に必要な知識及び能力の向上のための必要な訓練等を行うというような事業です。これは、まず、そういったサービスを受けたいという方がいらっしゃれば相談支援事業所に相談をして、その内容を把握した上で、その本人が市町村に申請をするという手続の中で、サービスの期間やサービスの内容を支給決定するという仕組みになっています。そういった過程の中で御利用されているという状況です。
 
○梅里構成員
基本的には、障害を持った方が対象ということですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(寺澤)
そうです。
 
○梅里構成員
自宅から来られるのですか。自宅というか、入所されている方ではなくて、外来で来られているのですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(寺澤)
この方たちは通所ということで、自宅から通われている方です。
 
○真野主査
ありがとうございました。よろしいですか。これで、国民に対して提供するサービス、その他の業務の質の向上を終わりまして、次が、業務運営の効率化及び財務内容の改善に関する事項、その他の業務運営に関する重要事項ということです。選ばれているのは1つの項目だけで、2-3ですね。では、ポイントを絞ってよろしくお願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
資料39ページになります。Ⅱ-2-3で、業務運営の効率化に伴う経費削減という項目です。こちらにつきましては、目標の内容として、一般管理費及び事業費等の経費について、中期目標期間の最終年度(平成29年度)の額を、前中期目標期間の最終年度(平成24年度)と比べて16%以上節減するという目標です。指標もこのとおりです。前期期間の最終年度は16.7億円です。ですので、おおむね14億の数字を目指して執行を管理するという目標でした。真ん中辺りに、目標と実績との比較の欄があります。こちらについてですが、16%以上という目標に対して、実績でいいますと、小数点以下も入れると15.8%ですので、達成度としては98.8%となっています。ここに書いてあるような努力はいろいろとしてきましたが、最終的には、この数字になったということです。節減率については目標を下回ってしまったのですが、運営費交付金の予算を御覧いただくと、平成24年度に比べて平成29年度は大幅な縮減となっていて、16.7億円であったのが平成29年度は約9億円の運営費交付金であったところですね。そういったところもありまして、若干、下回っておりますが、自己評価としてBを付けさせていただきました。
その他の考慮すべき要素の所に、この数字になってしまった言い訳的なところを書かせていただいていますが、施設の老朽化とか防災対策といった観点から緊急、不可避な工事を実施したといったことも大きな要素としてありました。これは※を付けておりますが、平成30年1月に、耐用年数の超過や老化に伴う屋内壁面とか、廊下の床の漏水のある建物があり、屋上防水・外壁改修工事を年度の最後の近くになって取り組みました。こういった事情、ここに書いてありませんが、年度末に自己都合でお辞めになった方がおられて、そこで退職手当が発生したとか。そういった要素もありまして、結果的には目標を0.2ポイント下回る結果になったということです。
参考までに次のページを御覧いただきますと、左側に、運営費交付金の推移があります。平成24年度が一番左になりますが、16億6,500万円で、平成29年度は8億9,600万円と運営費交付金としては縮減されています。ただ、運営費交付金を当てた形での執行額を御覧いただくと、右側の一般管理費・事業費等の欄にありますが、14億200万円と、結果、こうなりましたので、目標の16%に若干、届かなかったです。今の運営費交付金が約9億円に対して執行額が14億円と説明しましたが、こちらは平成28年度までに当期に繰り越した予算が約5億円ありました。節約的な意味合いで、厚労省のほうと調整して、その金額が積立金という形で繰り越してきたのですが、その予算5億と、最終年度に予算措置として頂いた運営費交付金を合わせた形で、最終年度の執行をということで進めさせていただきまして、執行額は14億円になったというところです。繰り返しになりますが、おおむね目標を達成したのではないかということで、恐縮ですが、自己評価Bを付けさせていただきました。説明は以上でございます。
 
○真野主査
ありがとうございました。それでは御質問、御意見は。
 
○五十嵐委員
確認ですけども。実績との比較の中で説明されている診療収入については、利用者が減少する中、収入確保に努めたというのが、経費節減の説明の中に入っておりますが、この内容がこの数値にどんな影響を与えたのかということを御説明いただきたいと思います。もう1つは、微妙な数字ですので、その他の考慮すべき要素の中に、これは臨時となっていますが、これは、ある程度のスパンの計画があれば当然出てくるべきものなので、たまたまその年度にということだと思いますので。逆に、金額が具体的にどのぐらいだったのかと、年度がずれれば、現実には100%になったのかどうかというのは、数字の話なので重要だと思いますので、そこは御説明いただいたほうがいいと思います。以上、2点をよろしくお願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
事業費については、そこに書いてありますが、屋上防水・外壁改修工事が1億2,000万円です。あと、宿舎解体撤去工事が4,000万円ほどです。あと、収入の確保がここにどれだけ影響しているかというところについては、分析しておりません。申し訳ありません。
 
○五十嵐構成員
その点は分かりました。何で聞いたかと言うと、経費節減の数字の仕組みの中で、この収入の金額が何か影響しているのですか。私は、なかったという理解ですが。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
こちらは、ありません。
 
○五十嵐構成員
そうすると、これは収入確保に努めた結果、そのために、むしろ経費削減の逆の、このために必要な事業費をかけたとか、そういうことでの話で書かれているのか、なぜ、これを書かれたのかを聞きたいわけです。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
収入のうちで、全体が減る中で、ある程度確保したことを記入させていただいたのですが、必ずしもこの部分で適切ではなかったかなと、今の御指摘を頂いて思います。
 
○真野主査
よろしいですか。ほかの委員はどうでしょうか。よろしいですか。診療所については、前から数年間いろいろ議論してきて、収入がなかなか増えず、支出が少しずつ増えている状況なので、五十嵐先生が言われるように、我々も非常に気になるところなので、今後の見直しというか、在り方の話もあるようですから、また検討をお願いします。
それでは、全体で何か項目を選んでやっていますので、その他の触れられなかった項目での御意見で、よろしいですか。若干、遅れ気味ですので、次に入っていきたいと思います。
次は、中期目標期間の実績評価になりますね。同じように、国民に対して提供するサービス、その他の業務の質の向上に関する事項を最初に行いたいと思いますが、時間もかなり押していますので、ちょっと項目をまとめて、法人側から最初の4項目を駆け足で説明していただいて、その後で議論をしたいと思います。最初の4つをお願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
それでは、1-1から御説明します。資料2-1になります。先ほどと同じように、自己評価を書いてある資料の6ページになります。全体の評価としては、平成29年度、地域移行の数が下回った所がありましたが、5か年の取組ということで、全体の数字としては、16%縮減に対して実績が22%であったということで、これは目標を上回ったということを捉えて、A評価とさせていただきました。こちらの見込評価と同じ形になっています。あとは内容的には同じになりますので省略させていただいて、次の項目へ行きます。
1-2で、資料8ページです。高齢知的障害者支援に関するセミナーの参加者、満足度です。5か年間を見てまいりまして全体を通じた参加人数は1,167名で、これは目標と比較すると123%で、達成ということになります。次は、参加者の満足度ですが、これも全体を通して見ますと、最高値が99%で、最低は77%でしたが、おおむね目標を達成できたのではないかということで、これも見込評価のときと同様に、A評定を、私どもとしては付けさせていただいております。
続きまして、1-3、10ページになります。こちらは、著しい行動障害等を有する者への支援ということで、行動障害を持った方の有期限の受入れです。受入れ人数と、関連の研修実施回数、人数、満足度です。こちらは、目標として最終年度まで年間2人といったものが実績としては3人でしたので達成度は150%です。それから、研修の実施回数、参加者、いずれも目標をかなり大きく上回っているところです。それから、各年度の研修満足度につきましても、最高で96%で最低でも94%で、かなり好評価を頂いています。こちらも併せまして、昨年度の評価もA評価とさせていただきましたが、中期期間としての自己評価もAとさせていただいております。
続けさせていただきます。1-4で、資料12ページです。同じく有期の受入れということで、矯正施設等を退所した方の受入れについて、受入れ者数、研修関係の実施回数、参加者、満足度は、こちらを指標としています。受入れ人数は、期間内合計25名が目標でしたが、実績は19名で、達成度76%です。2,3は、研修の関係です。それぞれ100%には届いておりませんが、先ほど申したような要因等も考慮して、これまで取り組んできた内容を、実施回数も参加者数もおおむね9割になりますし、研修の満足度は多少上回ったこと、こういったことも考慮して、自己評価としてはBとさせていただきました。1~4については、前回の見込評価のときと同じような評定を自己評価としては付けさせていただきました。以上でございます。
 
○真野主査
ありがとうございました。それでは、御意見はどうでしょうか。よろしいですか。最初の1-1だけが、全体を通してではAになったということですね。よろしいですか。ありがとうございました。それでは、後半の4つですね。これもまとめて御説明をお願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
それでは、1-8の養成・研修、ボランティアの養成です。資料は21ページからです。よろしくお願いいたします。養成・研修、ボランティアの養成につきましては、指標として、研修の関係ですので、満足度、実施回数、現任者研修の受入れ、実習生の受入れ、ボランティアの受入れ、それぞれの人数を指標とさせていただいています。真ん中辺りに目標と実績との比較がありますが、研修の満足度については、最高98%で、最低でも87%ですので、達成度123%~109%となっています。研修の実施につきましては、目標が44回に対して実績が46回とか、それに伴い参加人数もそれぞれ増えていますし、満足度についても96%という評価を頂いております。それぞれの数値が達成度121%、118%となっています。それから、数字を御覧いただくと、現任者研修の受入れも達成度が165%、実習生の受入れ、ボランティアの受入れについても、全体を通して目標を上回っています。以上、全体的には目標をおおむね達成しているという評価をして、自己評価としてはBを付けさせていただきました。
続きまして、1-9の援助・助言です。資料23ページです。こちらは、援助・助言の実施件数と講師派遣の回数です。それぞれ目標値があり、援助・助言の実施件数が750件に対して実績が983件、講師派遣は500件に対して671件と、それぞれ大きく上回ったこともあり、私どもとしましては、これについては自己評価Aを付けさせていただいています。見込評価と同じ評定とさせていただきました。
続きまして、1-10です。その他の業務になります。これは、通所支援事業とか、診療所の関係、一般就労への移行者数、短期入所数、日中一時支援の利用件数です。そういったものを指標としています。通所の利用率は、かなり高いです。それから、一般就労への移行者数は、15人の目標に対して実績は10人で達成度67%、短期入所の利用につきましては、最終年度に1,600日に対し、実績は2,157日で、先ほど申しましたとおりです。日中一時支援についても同じく、200日に対して227日ですので達成できています。
あとは診療所の関係ですが、いろいろ取組を挙げさせていただきます。先ほど、厚労省の在り方検討会の質問をさせていただいたときに抜本的に見直すかのような言い方をしましたが、厚労省からの報告書によると、私どもの診療所は入所者に必要な医療を提供して、支援の質を高めていることで非常に評価を頂いております。そういった意味で、施設に関連する事業として捉えるべきだと。当然ながら、赤字の解消等については取り組んでいきますが、そういった評価もいただきながら、財政的な見直しを当然ながらやるといったような目標を立てているところです。全体としては、数字を御覧いただいたとおりですが、全体として、所期の目標を達成しているものと捉えて、自己評価はBと付けさせていただきました。1-10までということで、以上でございます。
 
○真野主査
今、10までですね。次も。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
すみません。2-3です。資料は32ページになります。こちらは先ほど申しましたとおりで、一般管理費及び事業費等の経費について、前期の最終年度と比較して16%以上節減するという目標です。最終年度の数字については先ほど申し上げたとおりで、98.8%となっています。参考指標に付けていますが、競争性のある契約の比率を高めたり、常勤職員数を削減したりとかの取組、それから、総事業数に占める自己収入の割合については達成していますが、最終年度における節減の比率としては15.8%でした。一番下に書いておりますが、節減率については多少、目標を下回っていますが、ちょっと繰返しになりますが、交付金については平成24年度と比べても大幅な節減はできているといったことから、途中の執行状況なども勘案して、私どもとしては、自己評価Bを付けさせていただきました。説明は以上でございます。
 
○真野主査
ありがとうございました。それでは、御意見はいかがでしょうか。
 
○五十嵐構成員
今の節減の所ですが。同じことは言いませんが。これは、中期目標の所も最終年度ですよね。指標があくまでも最終年度になっていて、それで、こんなことがあって、たまたま達成できませんでしたという話なので、もう少し丁寧に説明していただいたほうがいいかと思います。先ほど話しましたように、最終年度だけ上がってしまったのが、そういった臨時的なものであれば、それは5年前の所をやれば、全体としてはそういう意味で達成しているとか、そういったことを少し説明していただいたほうが、なるほどと感じるので、明確に数字が引き下がっているとなると、形式だけで見ると、これはBであるという形になりかねないので、その辺はそういった説明を追加したほうがよろしいかと思います。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
ありがとうございます。
 
○真野主査
今、求めているのですね。今ではなくて、文章中に。
 
○五十嵐構成員
いや、先ほど頂いたので。もう話をしましたので。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
失礼いたしました。申し訳ありません。
 
○真野主査
あとの方は、どうでしょうか。
 
○梅里構成員
運営費の交付金について、平成28年までの繰越しがあったのでという話でしたよね。ということは、逆にそれを平成29年度に使いましたので、次年度以降、また交付金が上がることを想定されているのでしょうか。要するに、最終年度は9億レベルでしたっけ。最終年度は、その9億のレベルでは運営していけないということですね。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
そうですね。この年度については繰越金があったものですから、それを含めたので運営できたところです。
 
○梅里構成員
最終年度にかなり圧縮できたということではないのですね。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
圧縮できたというよりは、それまでの節約分の結果、使えるお金があったのでというところです。
 
○梅里構成員
そうですね。分かりました。
 
○真野主査
だから、先のことですが、今後また、これが運営交付金が増えちゃうのではないかを気にされているのですね。それは得ですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
そうですね。そこは必要額を毎年度、厚労省のほうと調整しながら予算を付けていただいている状況ですので。また、積立金とか、今期が新しく始まりましたので、そういった金額もありませんので、また、必要額を毎年予算で頂くような形で運営していくように考えています。
 
○真野主査
診療所の話に戻ってしまいますが、先ほど、要は診療所の人件費は診療所についてだけではないのだというお話もありましたが、少し難しいかもしれませんが、管理会計的に、どこまでが診療所のアクティビティで、どこまでがその他の、全体に対してのサポートのアクティビティかなど、今後は、ざっくりでいいですから分けていただくというのも手かなとは思ったのです。やはり支出がどんどん増えていて、この中で人件費の割合がかなり多いのは間違いないと思いますので。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
実質的に、その平面的な形で業務をやっていたりする場合の金額の当て方というか、セグメントなのでいろいろやり方があるのだと思うのですけれども、もしかして工夫の余地があるのかなとは思っております。
 
○真野主査
これだけを見ていると、かなり悲惨な感じを受けますので。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
ありがとうございます。
 
○真野主査
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございました。それではこれで少し早くなったのですが、あとは今日説明がなかった期間実績評価、後半の部分で先ほど説明がなかった部分で、何か御質問がある方はお願いします。
 
○河村構成員
恐れ入ります、資料の28、29ページ辺りのⅡ-2-1の効率的な業務運営体制の確立の所です。これは評価がどうということではなくて、実態の質問なのですけれども、29ページにあるように、常勤の職員数を減らしていらしていると。もともと、のぞみにいらした方々が高齢になられていたりなどで、だんだん入所者の方が減ってきていらっしゃるので、それに見合ってということで減らされてきているように思うのですけれども、先ほど来、いろいろな有期の形でいろいろな方々を受け入れるようになられたり、いろいろ地域移行の取組があったりなどいろいろ困難な業務も新たにいろいろ増えてきていらっしゃるということでお察しします。あとは対外的な広報というか、ナショナルセンターという言葉をのぞみさんに対して使っていいかよく分かりませんが、全国向けのいろいろな情報発信、相談、助言など、講師に行かれたりしていらして、この人数、こういう規模で減っていらして、質問は現状を、お尋ねできればと思ったのですが、人繰りとして、どんな感じでいらっしゃるのでしょうか。例えば、先ほど議論があったのですが、助言うんぬんの所で、もっと頑張れば、目標設定をもう少し高くできないかなとか、そういう話もあったと思うのですが、本業のことをいろいろなさっていながら、全国のいろいろな所からの問合わせに答えられたり、場合によっては出向いて話をしに行かれたりするときに、今どんな状況でいらっしゃるのかをお尋ねできればと思いました。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
国の機関ですから、どうしても定員管理的なところは厳しくなっても仕方ないことかなと思いますし、利用者さんの数、利用者の方が減っていく分に対して、関わっていく職員の数も、ある程度当然ながら見ていかなければいけないということで、厚労省から、このぐらいの人数でやっていくようにという御指示があって定員が示されているのだと思うのです。先生がおっしゃったとおり、いろいろな業務を多角的にやっていくのも事実ですので、可能であればおっしゃったような話があると有難いなと、法人としては思っておりますが、限られた予算と人員の中で、できるかぎりのことを工夫しながらやっていかなければいけないと思っております。そういった中で、附帯業務等、いろいろ無駄なということはないのですが、いろいろなところを考えながら業務を進めていくように厚労省から指示を頂いていると受け止めております。
 
○河村構成員
ありがとうございます。定員増とか、そういうことには多分なかなかならないと思うのですけれども、現状でどうですか、先ほどの相談・助言うんぬんの業務が人繰りの関係で、やはり制約がある程度あるという状況がありますか。先ほど例えば電話でいろいろ相談を受けて依頼があれば出向いてお話をしたり、講師になられたりなどということもおありになると伺いましたが、そういうものが受け切れているものなのか。現状であれば、大体要望に対して受け切れている状況でしょうか。どうでしょうか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
講師派遣も含めて御依頼いただいたものは基本的に受けられていると思っています。現状の中で、できるだけ工夫しながら御要望に応えるようにしているということです。
 
○真野主査
ありがとうございます。全体を通してよろしいですか。それでは一応、これで期間実績評価に関しては終わります。次いで、法人理事長、監事からのヒアリングになります。法人の監事及び理事長から、年度中期目標期間における目標の達成状況を踏まえ、今後の法人の業務運営についてコメントを頂ければと思います。最初に法人の監事から、次いで法人の理事長からお願いいたします。最初に監事の先生からお願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園監事(堀口)
監事の堀口でございます。隣に同席しておるのが同じく監事の佐藤でございます。どうぞよろしくお願いします。資料1-4「監査報告」として、監査報告を簡単に御説明いたします。平成29年事業年度監査についてです。監事は両名とも非常勤で勤務しておりますが、法人の理事会等重要な会議は監事の出勤日に合わせて行っていただいています。個々の事業ごとに全部報告を受けておりますし、必要に応じて説明を求めるなど年間を通じて監査業務を行っております。また12月と5月には、各事業所に出向いて実地監査を実施いたしております。また会計監査については、会計監査人が適切な監査を実施しているかどうか検証するとともに、監査人から職務の執行状況について報告を受けております。また必要に応じて説明を求めております。以上の方法により監査した結果、平成29事業年度に係る業務監査及び会計監査において、のぞみの園は通測法、のぞみの園法、業務報告書等に則り、適正に運営されているものと考えております。また監査報告において、業務における法令遵守あるいは中期目標の達成に向けての状況、内部統制システムの状況について述べているとおり、特に指摘すべき問題点は認められませんでした。
次に独立行政法人改革等に関する基本的な方針等過去の閣議決定において定められた監査事項については、特段の指摘事項はございません。以上、平成29年事業年度監査報告についての説明とさせていただきます。
また、全体の3期の中期目標計画全体については、重度の知的障害者の自立に向けた支援や調査研究に取り組むとともに、その成果の発信に努めて、厳しい状況の中で着実に事業を推進してきたと考えております。今後も引き続き、のぞみの園は障害者支援の向上に重要な役割を果たすことを期待しております。以上、発表させていただきます。
 
○真野主査
ありがとうございました。それでは法人理事長からお願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
失礼します。本日は貴重な御意見、御助言を頂きまして本当にありがとうございました。第3期の目標期間中でございますが、ただいま御説明させていただいたり、いろいろ御質問を承りましたけれども、概ね目標は達成できたのではないかという認識をしております。ただし、幾つかの事項で目標数値が達せないものもございましたので、これまで精一杯努めたつもりでございますけれども、もう少し工夫の余地もあったのかなということも考えております。
さて、第4期ですが、これを受けての第4期は今年4月から始まっておりますが、先ほど話題になりました地域移行についても5名という目標は維持することになっております。移行のプロセスは非常に大事にしながら、そのアプローチというのでしょうか、仕方、利用者あるいは保護者に対するアプローチについても、もう少し工夫をして、その5名が達成できるような努力を引き続きしてまいりたいと思っております。また強度行動障害をお持ちの方、あるいは矯正施設を退所した方々の受入れについては、第4期では拡充することになっております。併せて、期間中の退所というのでしょうか、地域移行についても、きちんと、その中で100%するようにというような目標が提示されております。入所時点から関係機関と連携を密にしまして、当然、入所中に安定した生活を送れるような支援をするのはもちろんのことですが、退所後も見据えた、退所時期を見据えて関係機関と十分連携を取ってまいりたいと思っております。
また診療所の収支改善についてはいろいろお話もございました。大きな課題だと認識しております。現在、新年度からチームを立ち上げて方策を検討しております。年内に具体策をまとめて実施していきたいと思っております。さらに調査研究、研修・養成、援助・助言については、引き続き真摯に取り組んでまいりたいと考えております。のぞみの園が関係機関の皆さん、関係団体の皆さん、あるいは関係施設の方々から引き続き信頼されて、頼りにされる存在であり続けられるように精一杯努力してまいりたいと思いますので、皆さまの御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げまして、最後に一言ということで終らせていただきます。ありがとうございました。
 
○真野主査
ありがとうございました。何か御質問などございますか。
 
○五十嵐構成員
コメントがなかったので申し訳ないのですが、監事の方、お二人は非常勤で、監査報告書の監事の署名と、御出席なされている監事のお二人の氏名が違うので、当然、新任で、この監査報告書に関しては特に、この業務をやられたわけではないということですよね。これは人事上の問題で仕方ないと思うのですが、これは非常勤と非常勤では、なかなか難しいと思うのですが、引継ぎは十分に監事同士で行われているのでしょうか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園監事(堀口)
その点につきましては、私の場合も佐藤の場合も同じですけれども、私は地方銀行から来ていますが、前任の監事も同じ地方銀行で、十分な引継ぎをもって申し上げました。ですから、先ほどの名前の変更も申し上げなかったのは、私が十分責任を持っていますという、そういう意思表示もありまして、監査報告をさせていただいた次第でございます。
 
○五十嵐構成員
ありがとうございました。
 
○真野主査
ほかは、どうでしょうか。
 
○梅里構成員
評価項目の設定の話ですが、最初の所に施設利用者の地域移行への取組というのが評価の項目になっております。今の理事長のお話でも行動障害等については、次年度以降、拡充していくと。知的障害者の有期限の支援についてはどうなのかなと、それも拡充していく話ですよね。ということは、1-1の評価項目というのは、重度知的障害者の支援を適正に行っていくという趣旨の評価項目であるべきなのかなと。地域移行が先にあるのではなくて、重度の知的障害の方に対しても有期限で適切に対応していくというのがあって、その中に有期限での支援と、適切な地域移行の推進という2つが入ってくるという考え方です。その地域移行が先に来てしまうと、何か、帰すことが一義的な目的になっていて、最初にこの評価項目を見たときに、のぞみの園は、もうどんどんどんどん縮小して止めていく方向なのかなと受け止めかねないような評価項目になっている。だから、いずれも適切な支援が評価項目になるべきなのかなと私は感じましたので、一言だけ。
 
○真野主査
では、お願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。たまたま有期で、地域移行の評価の対象にしている方たちは、有期でなくて、ずっとお預りするという前提で旧法人時代に来ていただいた方たちですので、そういう方たちと有期とは、区別をしているという中での話です。それと、今おっしゃったとおり、そういう無期、有期でない方も適切な支援をすることによって地域移行にも結び付くということだと確かに思いますので、それは委員のおっしゃるとおりだと認識しております。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(寺澤)
すみません、ちょっと補足させていただきます。この評価項目の設定自体は、中期目標がございますので、それの出てくる順番になっておりますので、先生の御指摘は大変ありがたいお話かと思うのですが、一応、項目自体の立て方はそういうことになっていると思います。
 
○真野主査
ありがとうございました。
 
○名里構成員
今のお話に関連するかと思うのですが、途中で質問させていただいた日中一時支援の利用で断わってなくて実績がこれぐらいというお話ですが、私としてはちょっと意外で、もっと地域のニーズはあるのではないかと思うのです。診療所の一般の外来も減っていることを考えると、周辺地域の障害をお持ちの方々にとっての満足度、そういうのというのはどういう感じなのかなということを、研修の満足度は取られているのですが、利用者の満足度のようなものを取られていない。もちろん、のぞみの園の場所などを考えると、利用がなかなかということがあるのか、その辺りの何か地域の周辺の障害の方々にとってのニーズのようなものを把握されて、そういったことにもできるだけ応えていくような、更に、そういう方向だったらいいのではないかなと思いました。
 
○真野主査
よろしいですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
ありがとうございます。今、利用者の満足度も大事ではないかというお話だと受け止めました。これも含めてよく考えていきたいと思います。一般の利用者は、表を見ると減ってはいないのだと思っておりまして、平成28年から平成29年はむしろ増えている状況であります。こういう方も増やすために、最近は入所者ではなくて地域の障害者の方の健診も、一定の曜日を決めてさせていただくというようなこともPRさせていただいています。その後、診察につながればいいなという思いもございまして、そういう活動も始めさせていただいております。
 
○真野主査
ありがとうございました。ほかはよろしいですか。
 
○松原構成員
意見ですが、説明資料について、前からもっと数値だけではなくて、プロセスを書いてくださいというリクエストに対して、今回はそれを書き込んでいただいて、ありがとうございました。それでもやはり、まだもう一歩、例えば相談を受けたときに何件受けたというだけではなくて、どんな相談に対してどのように対応したなど、こんな事例に対して連携しただけではなく、どのように連携した、どのようにそれだけの困難な事例に対して対応していっているなど、もう少しプロセスを書き込んでいただけると、非常に分かりやすくて有難いです。ニュースレターとか、研究報告書などを頂いていますので、それを見れば分かるのですが、この短時間の中で、より皆が分かりやすくするためにも、そこをもう一歩踏み込んで書き込んでいっていただきたいと思います。ほかの機関と比べて、のぞみの園さんの場合には、より数値的な指標よりも質的なプロセスのところが、より重要ではないかなと思っておりますので、是非、その点をよろしくお願いいたします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
ありがとうございます。全部を書き込めないとは思いますが、代表例とか、こんなことがあるというようなことについては留意していきたいと思います。
 
○真野主査
ありがとうございました。ほかはよろしいですか。それでは本日の議事を終了したいと思います。最後に事務局から今後の流れをお願いします。
 
○政策評価官室長補佐
今後の流れについて御連絡いたします。本日御議論いただきました、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の平成29年度業務実績評価並びに中期目標期間実績評価については、この後、本ワーキンググループにおける御意見や法人の監事様及び理事長様のコメント等を踏まえ、厚生労働大臣による評価を決定し、法人及び独立行政法人評価制度委員会に通知しますとともに公表いたします。決定したそれぞれの内容については、後日、構成員の皆様にもお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。最後に構成員の皆様におかれましては、本日配布した資料の送付を御希望される場合には、机上にそのままにして御退席いただきますようお願いいたします。事務局からは以上でございます。
 
○真野主査
ありがとうございました。それでは本日はこれで終了となります。長時間にわたり、ありがとうございました。これで夏は終わりですが、また春先ぐらいに予定されますか。
 
○政策評価官
すみません、PMDAが見込評価の段階ですので、1月に、次期中期計画について御意見をお伺いする機会を設けたいと思っております。
 
○真野主査
分かりました。ありがとうございます。急に振ってすみませんでした。それでは今日はどうもありがとうございました。
 

(了)

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