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2018年7月17日 独立行政法人評価に関する有識者会議 労働WG(第26回)議事録

○日時

平成30年7月17日(火) 15:00~17:39

 

○場所

中央労働委員会 労働委員会会館講堂(7階)

 

○出席者

今村主査、志藤構成員、関口構成員、高田構成員、戸田構成員、中村構成員、松浦構成員、宮崎構成員

○議事

 

 

○今村主査
定刻になりましたので、ただいまから第26回独立行政法人評価に関する有識者会議労働WGを開催いたします。構成員の皆様におかれましては、お忙しい中、またお暑い中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、土井構成員、松尾構成員、三宅構成員が御欠席です。次に、本日の議事について、事務局から御説明をお願いいたします。
 
○政策評価官室長補佐
政策評価官室長補佐の加藤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。本日は、高齢・障害・求職者雇用支援機構につきまして、平成29年度業務実績評価及び中期目標期間実績評価に係る意見聴取を行うこととなっております。御意見を頂くに当たり、昨年までは全ての評価項目について、法人から説明を行っておりましたが、今年からは自己評価がA評定以上の項目及び定量的指標の達成度が100%未満にもかかわらずB評定であるものなど、事務局が指定した項目について、法人から説明の上、有識者の皆様から御意見、御質問を頂きたいと存じます。それ以外の項目については、法人からの説明はありませんが、御意見がある場合には議事の最後にまとめてお伺いすることとさせていただきます。法人からの説明項目は、参考資料9の高齢・障害・求職者雇用支援機構評価項目一覧、年度評価、期間実績評価中の網掛けされているものとなります。議事の流れとしては、年度評価の各項目について一通り御意見を頂いた後で、期間実績評価の意見をお伺いいたしますので、期間実績評価における法人の説明については、既に年度評価で説明された内容は極力省略の上、御説明のほどよろしくお願いいたします。
 
○今村主査
それでは、議事に入りたいと思います。今、御説明がありましたように、今日は二通りの評価があります。まず、平成29年度の評価と中期目標期間の実績評価ですが、内容が若干ダブりますので、後半の部分については多少、省略をしながらといいますか、効率的にやりながら進めたいと思います。まず、平成29年度実績評価について、御意見を頂きたいと思います。初めに、法人の業務の内容について、1、2分程度で、ごく簡潔に説明をお願いいたします。その後、事務局からの説明がありましたとおり、年度評価のうち自己評定がA評定以上の項目、B評定で定量的指標が100%未満の項目、これは年度目標にはありませんが、これを中心に議論いたします。まず、1-1、「高年齢者雇用に関する相談・援助、実践的手法の開発、啓発等」について、法人から評価の要約の記載内容を中心にポイントを絞って、ごく簡潔な説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
高齢・障害・求職者雇用支援機構でございます。当機構は、高年齢者の雇用の確保、障害者の職業的自立の推進、求職者をはじめとする労働者の職業能力の開発・向上のために、総合的な支援を行っております。本日は、当機構の平成29年度の業務実績と平成25年度から平成29年度までの第3期中期目標期間の業務実績について説明したいと思います。
先ほども御説明がありましたが、参考資料9にあるとおり、当機構は20項目、評価項目があるのですが、そのうち厚生労働省から指定された網掛けの8項目について、平成29年度についても、中期目標期間実績についても、説明したいと思います。なお、実績を取りまとめたポンチ絵を中心に説明したいと思います。
ポンチ絵の構成について説明します。資料1-1ですが、全ての評価項目は2ページのように表紙を付けており、評価項目名と業務内容の所に記載しております。3ページのように、表紙の次のページには実績を取りまとめて自己評価を記載しております。具体的には「Ⅰ 中期目標等の内容」には数値目標、「Ⅱ 目標と実績との比較」には数値目標に対する実績の達成度、4ページの「Ⅲ その他考慮すべき要素」については定性的な取組・要素等を、それぞれ記載しております。また、5ページ以降に詳細な業務実績を記載しております。なお、実績については、当機構については全ての評価項目で目標を達成しており、また当機構の外部の有識者に評価について御審議いただいて、自己評価について、おおむね妥当という御意見を頂いているところです。
2ページに戻って、評価項目の1-1の「高年齢者雇用に関する相談・援助、実践的手法の開発、啓発等」です。高年齢者雇用に関する相談・援助は、社会保険労務士等を高年齢者雇用アドバイザーとして委嘱し、企業に対して定年の引上げや継続雇用制度の導入等について、専門的な相談・援助を実施しているものです。また、実践的手法の開発・提供や生涯現役社会の実現に向けた啓発活動等を行っております。
3ページです。この評価項目の自己評定についてはAとしております。
5ページです。高年齢者雇用アドバイザーによる相談・援助実施件数は、目標3万件以上に対して平成29年度については3万6,978件でした。また、事業主からの課題改善報告が見られた旨の評価は、目標70%以上に対して89.9%でした。いずれについても達成度が120%を上回っております。
法が定める措置を上回る取組、例えば65歳を超える継続雇用などに係る相談・援助については、平成29年3月の「働き方改革実行計画」で、特に推し進めるべき事項とされているところです。左側のグラフのオレンジ色の部分です。昨年度2万1,930件から2万4,691件と、約3,000件増加しております。そのウエイトが高まっているところです。下段に相談・援助の参考事例を記載しております。1例ですが、企業の「賃金規程が整備されていない、いつまで働けるか不明確」といった課題に対して、アドバイザーが相談・援助を行う際に、例えば評価率表というツールを使用して、年齢の段階に応じて就業自由度、役割等の違いをどのように評価して賃金等に反映させるか、企業に分かりやすく提案しているところです。
なお、今年度からは65歳超継続雇用延長、65歳以上定年に係る制度改善提案として取り組むこととしております。6ページの左下です。平成30年度以降、企業に制度改善提案を積極的に行うために、1月から2月に全国で計9回の説明会を実施しました。説明会においては、訪問企業の人材過不足の推移予測を分かりやすく示すための人員フロー図、あるいは企業訪問のアポイント取得のノウハウ集など、提案を行うためのツールを提供して、その使い方の解説をしました。
また、7ページの左側です。平成28年度に作成した65歳超雇用推進マニュアルの改訂を行ったほか、65歳超雇用推進事例集を平成29年度に新たに作成して、約7万部、配布しております。これらのマニュアル等の大半は、アドバイザーから事業主の担当者に直接手渡しをして、具体的な相談・援助において使用しているところです。マニュアルでは、就業規則の具体例を掲載するとともに、業種別のアドバイスを追加しております。また、事例集では、新たな制度導入の背景や進め方、中小企業の取組事例を記載するなど、今後のアドバイザー活動における相談・助言や制度改善提案のよりどころとなるものとして開発に取り組みました。
8ページの右側です。今まで申し上げた取組のほか、「定年引上げについて考える」をテーマとしたシンポジウムの開催だとか、「エルダー活躍先進事例集」による先進的な取組事例の収集・提供など、啓発活動を積極的に実施しました。
業務実績については、高年齢者雇用アドバイザーによる相談・援助、実施件数、事業主からの課題改善効果の評価、このいずれも達成度が120%を上回ったこと、政策課題に対応して、マニュアル改訂や事例集の新規作成等、高年齢者雇用に関する実践的手法の開発・普及等に取り組んだこと、今年度から65歳超継続雇用延長、65歳以上定年に係る制度改善提案という全く新しい手法に向けて、平成29年度から準備を進めたこと。こうしたことを踏まえて、自己評価をAとしております。以上になります。
 
○今村主査
ありがとうございました。大変力の入った報告で、数値も質的な内容もすばらしいと思いますが、この1-1について、御意見、御質問等がありましたらよろしくお願いいたします。数値目標は、この2つだけですよね。あとは参考数値で、それも良好だということですね。よろしいですか。ありがとうございました。次に、1-2にいきたいと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
9ページです。評価項目1-2の「給付金の支給業務」についてです。高年齢者のための雇用環境の整備等を行った事業主に給付金を支給する、国の制度に関わる業務になります。10ページです。この評価項目の自己評定はAとしております。
11ページの右側です。助成金のうち、65歳超継続雇用促進コースについては、厚生労働省による制度改正等もあり、昨年度、多数の申請がなされました。助成金全体で昨年度の10倍を超える1万1,019件の支給を行いましたが、そのうち1万件以上は、このコースの助成金が占めております。助成金の多数の申請を迅速に処理するために、機構全体で部署横断的に取組を行いました。従来は7名体制で審査業務を行っておりましたが、他部署等から最大25名程度の応援を受け入れました。また、審査のプロセスについても、従前の2段階から4段階に細分化を行って、プロセスごとに担当者を割り振ることによって、職員の習熟に応じた審査業務に専念できる体制を構築しました。他部署からの応援を得るに当たっては、応援する職員が分かりやすいように、1次・2次審査用チェックシートと対応表を作成して、迅速かつ均一に審査ができるようにしました。また、不支給事案の不支給理由を都道府県支部に情報提供することで、支給につながらない申請の受理前のフィルタリングを強化し、審査業務の省力化を図りました。
こうした取組により、確認に時間を要する疑義案件を除き、1万件超の申請の処理を年度内に完了することができました。都道府県支部における平均処理期間については31.6日と、昨年度より若干長いものの、おおむね前年度並みとなりました。なお、処理に際しては、特に障害者の助成金の担当部署から多くの応援を得て取り組んだところです。他の事業区分ではありますが、障害者の助成金についても、目標以内に処理を完了したところであり、機構全体としては大きな支障を生じることなく対応できたものと考えております。また、支給件数の増加については、厚生労働省、財務省との調整により追加の予算を確保し、対応したところです。
そのほか、給付金の説明会の実施回数500回以上の目標に対して720回実施して、こちらは達成度120%を上回る結果となっております。
また、機構本部における周知・広報のため、業界団体の訪問についてですが、助成金の多数申請に関する処理に労力を割いたこともあり、達成度120%については若干下回りましたが、訪問数30団体以上という目標に対して35団体実施ということで、目標は達成しております。さらに、不正受給防止対策の取組を推進した結果、昨年度の不正受給件数は0件となっております。
まとめますと、業務実績については、給付金の説明会の実施回数が目標の120%を超えたこと、昨年度の支給件数の10倍を超える助成金の支給申請がある中で、迅速に処理を完了しなければならないという喫緊の状況に対して、機構を挙げて取組を行い、その結果、1万件超の処理を年度内に完了したこと、こうしたことを踏まえて、当機構としては120%相当の実績であると判断して、自己評価Aとしております。以上となります。
 
○今村主査
ありがとうございました。1-2、「給付金の支給業務」についての評価です。ただいまの説明について、御質問、御意見等ありましたらどうぞ。
 
○高田構成員
給付金の効率的な審査が図られたという御説明を拝聴いたしました。相当前なのですが、私が担当していた給付金は途中で打切りになってしまったのですが、またそれが復活といいますか、昔のものとは多少違うところがあるかと思いますが、復活をして、しかも我々がやっていたときには申請が余り十分にはなかったような状況があったのですが、大変多数の応募がある。また、先ほどの御説明でも高年齢者雇用アドバイザーが非常に活発に動いていらっしゃるということで、私も随分長いこと高齢者雇用の研究をやってまいりましたが、非常に順調に進み始めたということで、それは長い協会の歴史の中で、多少私も関わりましたが、様々な準備、ノウハウを積み重ねた結果だと認識しております。そういうことで、そういうものが長い御努力が実ってきたということで、大変結構な結果だと伺いました。
 
○今村主査
今のことに関してですが、一応、念のため確認したいのですが、この項目は過年度がB、Bと続いており、今年度Aということです。その理由として、大量な新たな申請を処理したということですが、これは事業年度と制度改革の期間はどのような関係性でしょうか。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構高齢者助成部長
平成29年度の助成金が主になりますので、1億総活躍社会の実現の中で、できるものから早くやるということで、65歳超の助成金については平成28年10月19日からスタートして、その翌年度の4月末まで1万2,000件の支給対象となっている助成金が出ております。その後、また若干、支給要件を絞って、平成29年5月から新しい助成金が始まっております。若干、年度がまたいでいるという状況があります。
 
○今村主査
分かりました。年度がまたいでいても、その中心は平成29年度で対応したということですね。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構高齢者助成部長
そうです。
 
○今村主査
分かりました。
 
○戸田構成員
御説明ありがとうございます。1点、確認なのですが、そもそも支給件数が増えた要因をどう考えていらっしゃるかというところについてお伺いしたいのですが、9ページには平成29年5月1日に制度改正により助成金額等を変更と書いてありますが、こうした要因が影響しているとお考えなのか、それともほかの要因もあるのかという点について教えてください。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構高齢者助成部長
幾つかの要因があると思います。先ほど御意見いただきましたが、企業においても定年延長等に前向きな企業が増えてきているということは対応している職員からも聞いておりますが、制度の改善の中身として、支給金額が大分増えたという要因があります。支給限度額で66万が120万ぐらいに上がっている。それから、申請について、これまで事前認定、支給申請、支給という流れにしていたのですが、一発支給申請という形で、簡略化したということもあり、そういったことも踏まえて、支給件数が10倍になったと考えております。
 
○戸田構成員
そうしますと、やはり制度がある程度使いやすくなったということと、助成金が増えたということで、今の話を聞いていると、ある程度、支給件数の増加は予想できたと考えられるのですが、それはできなかったということでしょうか。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構高齢者助成部長
ある程度は予想できたと思います。ただ、今の要因に加えて、先ほど平成29年5月から少し要件を絞ったという話をしました。そこで、支給限度額は抑えたわけですが、4月に駆込みというのが起こり、そこで一気に8,000件、4月に申請があったというのがあります。ここは全く想定を超えている事態で、そういった要因もあります。
 
○戸田構成員
そうしますと、やはり4月に度重なる申請があったので、そこを迅速に対応できたという理解でよろしいでしょうか。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構高齢者助成部長
非常に短期間に1万件という申請が上がってきて、これをとにかく早く。申請件数10倍ですが、審査期間が10倍になると大変なことになりますので、ここを何とかしなければならないということで取り組みました。
 
○志藤構成員
今、説明をいろいろ聞かせていただきまして、またこの件でちょっと厳しめのことを申し上げることになるかもしれません。非常に簡単に整理しますと、乱暴な言い方かもしれませんが、読みが甘くて手を打てなくて大混乱になってしまうか、あるいはきちんと予想して、それなりの人員を配置し、体制を取ったことによって、うまくそれを切り抜けることができたかの、何かものが起きるときというのは、その2つだと思うのです。読みが甘くて、きちんとそれを把握できずに、大混乱になること、大きな支障が起きることなく、きちんとそれを読んで対応して、その結果うまくいったということでのA評価というのは、私はちょっと違うかなと思います。
それが例えば今回の災害のように突発的に起こったものに対して、それをきちんと判断し、ジャッジを間違うことなく対応できるか、あるいは本当にこういうときに、ちょっと後手後手に回ってしまって大混乱になるかの境目というのは非常に判断が難しいところなのですが、今回はやはり業務上、これが起こり得ることが分かっている中で、ある程度読みをきちんとして対応して、それがうまくいって大きな支障がなくてよかったということは、普通の仕事の範囲の中での普通に行わなければならない対応なのではないかと思っておりますので、それが特にA評価というようにはちょっと難しいかなと、私は個人的に判断しております。
 
○中村構成員
通常、読みが外れたという話ですが、10倍というのは読みに値するかどうか、読みをはるかに超えているのではないかという気がします。御存じのように、それが例えば倍になった、あるいは4倍になったなら、対応して、人数を増やせばいいではないかということでしょうが、この機構の体制の中で人的資源を、波動に対応して、柔軟に割り当てるだけの余裕があるでしょうか。そんなにないと思います。これまで職員数もギューギュー削減する中でやってきていますから。そういう中で、方法論も含めて工夫しながら、10倍をさばいたというのはかなりの努力ではないかと思っており、これは評価してあげていいのではないでしょうか。
 
○今村主査
数値目標を達成していないといっても、3.3%なのですね。だから、3.3%分の努力に見合うかどうかという御発言だと思います。最終的な判断は私たちがするのではなくて、評価官のほうで判断していただくと思いますが、比較的厳しめの方と、私も含めて、それを若干上回るぐらいの好意的な反応があったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
1点だけ説明させていただきますと、もちろん厳しめな意見も頂きまして、その点は受け止めたいと思うのです。まず、助成金の制度設計なのですが、これは厚労省がやっておられて、我々は決められた制度を支給するという形でやらせてもらっていて、当然その制度を見た段階で、ある程度予想できたのではないかという御指摘は分かるのですが、ちょっと私の説明の中でもお話したのですが、実際、当初積んでいた予算が足りなくて、それを積み増すということもあり、そういう意味で制度設計されていた厚労省のほうでも、ちょっと予想以上に出たという部分はあるのかなと。そういう中で対応した部分は、ちょっと評価いただけるのかなとは思います。
 
○今村主査
独立行政法人として、政策を執行する役割を十分以上に果たしたという御主張かと思います。分かりました。よろしいでしょうか。次に行きたいと思います。1-3をよろしくお願いいたします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
12ページです。この項目から障害者雇用支援事業に移ります。評価項目1-3の「地域障害者職業センターにおける障害者及び事業主に対する専門的支援」についてです。各都道府県にある地域障害者職業センター、略して地域センターにおいて、障害者と事業主の双方に対して、障害者が就業し、就業を継続できるようにするための職業リハビリテーション、略して職リハサービスを提供していくものです。
13ページです。この評価項目の自己評定はAとしております。
16ページです。他の就労支援機関の整備が進み、雇用障害者数も増加する中、地域センターにおいて、他の就労支援機関で支援のノウハウが十分でない精神障害・発達障害等の方々を積極的に受け入れました。その結果、職リハサービスの対象者数は3万2,695人、うち精神障害者数は1万1,925人、発達障害者数は8,254人と、いずれも目標を上回り、過去最高となり、精神障害者数と発達障害者数については、目標に対する達成度は120%を上回っております。特にそのうちでも発達障害者数については、達成度が187.6%ということで、120%を大きく上回る、極めて高い実績を上げることができました。
その右下のグラフですが、精神・発達障害者の利用者全体に占める割合を示している部分があり、それを見ると平成25年度の54.1%から平成29年度は61.7%に、7.6ポイント向上しているところです。また、利用障害者に対するアンケート調査における職リハサービスの効果度も96.1%と、達成度が120%を上回るとともに、こちらも過去最高を更新しております。
17ページです。個々の障害者の特性等に応じて、職業評価を行って、職リハ計画を策定しております。下段に参考として、精神障害者に対する支援の流れを示しております。精神障害者には、様々な職業上の課題のある方がいらっしゃいます。例えば対人緊張が強く疲れやすい方、作業ミスが多い方、自信が持てない一方で、自己の現状からかけ離れた条件の仕事を希望している方、服薬管理の重要性を理解されていない方などです。そういった方々の個々の特性を的確に把握し、その特性に応じた支援目標を立てて職リハ計画を策定し、就職前から就職後まで、職業上の課題等に応じた各種支援を行っていることを示しております。こちらはあくまでも1例で、実際の支援では、特定の特性や課題に対して一律の支援方法で画一的にしているものではなく、個々の障害者の特性に応じた個別性の高い支援を行っているところです。なお、これらのサービスの提供に当たっては、研究部門が開発した支援技法やマニュアル等を活用しているところです。
次に、主なサービスごとの実績についてですが、18ページです。まず、就労の可能性を高め、職業紹介やジョブコーチ支援など、就職等に向かう次の段階への移行を図る「職業準備支援」についてです。右側のグラフのとおり、支援対象者に占める精神障害者、発達障害者等の割合が高まってきております。こうした中で、個々の障害者のニーズに対応した支援や就職実現に向けた取組を行ってまいりました。その結果、就職等に向かう次の段階への移行率が88%、就職率が71.7%と目標を上回っております。特に就職率については、達成度120%を上回り、過去最高の実績となっております。
19ページです。障害者が職場に適応できるよう、障害者及び事業主に対する支援を実際の就労場面で行う「ジョブコーチ支援」です。この事業も右側のグラフのとおり、支援対象者に占める精神障害者や発達障害者の割合が高まってきております。この中で、体調管理等に係る相談を中心とした支援等、事業所や障害のある方々の個々のニーズに応じた支援を行ってまいりました。その結果、支援終了6か月後の職場定着率は88.1%と目標を上回っております。
20ページです。鬱病等による休職者の職場復帰を促進する「リワーク支援」についてです。対象者個々の状況を踏まえつつ、研究部門で開発した技法を活用するとともに、事業主に対しても復帰に係る調整や助言を行うなど、きめ細かな支援を行ってまいりました。この結果、復職率は84.6%ということで目標を上回っております。
21ページです。事業主支援については、平成30年度から精神障害者が法定雇用率算定の基礎に追加されて、障害者の雇用管理に関する専門的な支援がますます重要となってきております。そうした状況の変化を見据えて取り組んだ結果、支援実施事業所数は1万9,028所と目標を上回り、こちらも過去最高の実績となっております。また、事業主支援の課題改善効果度は93.9%と目標を上回り、こちらも過去最高の評価を得ております。
全体をまとめて、業務実績については数値目標の達成度が120%に達していない部分もありますが、今まで申し上げたとおり、精神障害者、発達障害者など、支援の困難性が高い者の割合が増えている状況にあります。こうした中で、指標が10項目あるのですが、そのうち8項目で前年度を上回る実績を上げております。また、10項目のうち7項目で過去最高の数値を更新しております。指標10項目の目標達成度の平均を見ると、125%ということで、120%を超えているところです。こうしたことを踏まえ、当機構としては120%相当の実績であると判断して、自己評価をAとしております。以上になります。
 
○今村主査
ありがとうございました。1-3「地域障害者職業センターにおける障害者及び事業主に対する専門的支援」という所ですが、これについて御意見、御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
 
○松浦構成員
御説明、ありがとうございました。機構の専門性を活用し、より困難な領域において自ら汗を流しておられるのと同時に、他の企業にも対象を広げて、専門的な支援をしてくださっているということで、正に一番重要なところを補っていただいていると受け止めました。1点だけ細かい所ですが、最後の10項目で事業主支援の効果度という項目があったと思います。この事業主支援の効果度というのを、どういうふうに測っているのか、念のために確認させていただきたいと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長
一定期間にサービスを受けた事業主の方々に対しまして、直接、アンケート調査を行って、「特に効果があった」、または、「効果があった」というところを取りまとめると93.9%となったということになります。
 
○松浦構成員
ありがとうございます。
 
○戸田構成員
ありがとうございます。昨年の評価に関しても、この項目に関しては120%を達成していない数値があるので、なかなかAを付けるのは厳しいかなと。Aに足り得る定性的な根拠に関しても、昨年とほぼ同じような理由をおっしゃっているように伺いましたので、なかなかここについては私自身、Aを付けるのは厳しいのではないかと認識しています。その上で1点だけ質問ですが、16ページの右下に地域センター対象者数の推移というグラフがあるかと思います。この中で機構としての御主張としては、発達障害や精神障害の方が人数としても構成比としても増えていると。実際に地域センター対象者数は、トータルで見ても人数が増えているようにうかがえますが、ここについては障害者の方が世の中的に増えているので、言葉が悪いですけれども、機構が受入れのための方策をしなくても増えているものなのか。それとも機構のほうで受入れのために、例えばそういった障害者の方に対して周知、告知等をしたり何らかのことをするとか、そういった取組をされているのかについて教えていただければと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長
ありがとうございます。仕事を探している障害者の方が増えているのは、ハローワークの統計を見てもまさしく御指摘のとおりで、28年度と29年度を比べましても新規の求職者で5.4%増加しているということですから、間違いなく障害者の方は増えています。ただ、かなり景気がいいものですから、実際、ハローワークに来られる障害者の方もいち早く仕事に就きたいという思いの方が大変多いとお聞きしています。ただ、御本人が思っている状態と我々が見た状態とはかなり違っていて、我々のほうとしましてはハローワークに対しまして、相談の中で一定の支援が必要な方についてはすぐ紹介ではなく、まず私どもの機関のほうに御案内していただいて、こちらも職業準備支援等を踏まえて、じっくりとスキルを身に付けていただき、安定した形で仕事に就いていただくことをお願いしているところです。
ハローワーク以外に対しても、例えば地域にも福祉系の就労支援機関というのはたくさんありますが、そういった所に対して、1-3にはありませんが、本日、御説明のない1-4にありますとおり、助言・援助業務という形で、地域の支援機関に対しても助言・援助をして支援力を高めていっています。その中で役割分担として、例えば知的障害者の方であれば、このような支援機関で支援をしていただき、私どものほうには、精神障害や発達障害の方など、他の就労支援機関では支援が若干難しい方について積極的に送り込みをしていただいて、数として見ると全体は増えていますけれども、知的障害者は減って精神障害と発達障害の方が増えている。そういうふうに地域での役割分担がきれいな形で出てきているのではないかと思っています。
 
○戸田構成員
今、おっしゃった点を強調していただくと逆に分かりやすいのかなと。つまり、地域とのすみ分けというところで機構のほうとしては、より難易度の高い発達障害の方、精神障害者の方を、ある程度分担という形で担っているということは重要なポイントだと思いますので、そういうところも、より指摘されるといいのではないかと思います。以上です。
 
○今村主査
ありがとうございます。いかがでしょうか。実際、16ページの右下のグラフを見ると、割合としては精神障害、発達障害、61.7%になります。10ポイントではないけれども、かなり増えているということです。機構の御主張としては、同じページの真ん中よりちょっと上ぐらいに、「他の就労支援機関で支援のノウハウが十分でない精神障害者や発達障害者等の支援を積極的に実施」とあります。その反面、他の機関の支援方法が確立しつつある知的障害、身体障害等については、もう機構にまで入ってこないという御主張ですが、もう少し具体的にお伺いしたいのは、そのためにどのぐらい仕組みを変えて、内容を変えてといった御努力の様子をもう少し具体的に、つまり10項目のうち120%を達成したのは4項目しかないわけで、他は超えているとはいえ110%程度です。それを補ってどれぐらいの努力を質的にされたのか、その定性的な説明を頂ければと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長
先ほども少し申し上げましたが、本日の御説明にはない1-4の項目の中で、地域の就労支援の機関に対して、かなり数多くの研修というものを行っています。その研修についても、初任者レベルから一定程度の就業経験のある方向け等、レベルもかなり取りそろえながら研修を行っていますので、支援機関に対する支援力の向上については地域センターを挙げて努力しているところです。
 
○今村主査
機構の中で、どのぐらい大変だったかお伺いしたいのですが。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長
例えば研修については、毎回、アンケート調査を終了後に行っていて、その中で各種要望ですね、もっとこういうような科目を設定してほしいとか、こういった内容で演習をしてほしいとか、そういった1つ1つのアンケート調査の結果を全て本部のほうで一括して中身をチェックし、全て地域センターに戻して、「そちらの地域で行った研修については、こういった要望が出ているから、ここを来年度に向け、しっかり改めるように」と非常に丁寧に対応しています。
 
○今村主査
お聞きしたかったのは精神障害、発達障害のほうで、これですと精神障害者の雇用支援の推進、20ページですが、達成度は112.8%、復職率は84.6%です。発達障害に関してはこういったデータはないのでしょうか。つまり、機構が努力されて成果が上がっていると。60%以上の割合で入所してくる方に対して、努力をして高いサービスで成果を上げているというものは。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長
20ページの事業は、そもそも精神障害の方向けの事業になりますので、発達障害の方については情報としては持っていませんけれども、個別の事業で申しますと先ほどの18ページの職業準備支援で、就職前にスキルを身に付けていただく支援と、19ページのジョブコーチ支援、こちらは就職した後に、その職場に適応していただくようにジョブコーチと呼ばれる者が職場に赴いて支援を行うものになります。確かに120%という数字だけで言うと、18ページの職業準備支援の所の就職率のみが120%を上回っていますが、他の所については120%まではいっていません。ただ、利用者の数の中で発達障害と精神障害のところに重きを置いて支援をしてきていますので、そこの部分を私のほうとしては自己評価の際に評価させていただいているということです。
 
○今村主査
ありがとうございます。1-2で、大変な支給者数の増加で25人まで増員したといった具体的な数字に比べると、この件に関しては少し説得力に乏しいような感じがします。つまり、120%の半分以下の達成ということなので、それを補って余り有る説明が十分できているかということに関しては、もう少しデータが頂きたかったと思っています。ただ、目標設定のかなりの割合が、未達成の項目がパーセントなのです。80%あるいは75%という目標値がある。そうすると、120%達成するに当たっては80%目標だと100%で125でしたか、そういう意味で、パーセント表示の場合に達成しにくいという状況は考慮しなければいけませんが、それにしても、もう少し説明いただきたかったということは印象として受けています。いかがでしょうか。よろしいですか。次、1-5にいきたいと思います。お願いいたします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
28ページを御覧ください。評価項目1-5の「職リハに係る調査・研究、技法の開発」です。職リハに関する調査・研究及び技法の開発を行い、その成果の普及・活用を図る取組です。
29ページを御覧ください。この評価項目の自己評定はAとしています。
31ページを御覧ください。調査・研究については、終了したテーマの外部評価において3分の2以上の評価委員から、4段階中、上から2段階以上の評価を得ることが目標となっています。平成29年度は終了した5テーマ全てにおいて、全ての評価委員から4段階中、2段階以上の評価を頂きました。そのうち、3テーマについては全ての委員から「優れている」との最上位の段階の評価を頂いています。
次に、32ページを御覧ください。職リハ技法の開発についてです。発達、精神、高次脳機能障害者のそれぞれにつきまして、先駆的な新技法の開発を行いました。また、下段に記載していますとおり、それらを就労支援の現場で活用するために支援技法普及講習を行っています。平成29年度は地域センター等の職員を対象に、20か所以上で実施するという目標に対して26か所で実施し、達成度が120%を上回っています。さらに開発した支援技法を広範かつ速やかに普及するために、外部関係機関を対象とした普及講習を6回実施しました。
33ページを御覧ください。研究・開発成果の積極的な普及・活用の取組についてです。職リハ研究発表会を総合センター及び地方会場6か所で開催しました。また、関係学会での研究成果の発表が20件以上という目標に対して31件、マニュアル、教材、ツール等の作成についても、4件以上の目標に対して5件作成しました。これらの達成度は、いずれも120%を上回っています。特にマニュアルの作成につきましては、「ニッポン一億総活躍プラン」を踏まえた、難病のある人の雇用管理マニュアルの作成などに取り組みました。さらにホームページで研究成果の活用事例の紹介を行うとともに、研修等の講師を昨年より件数を増やして152件実施しました。まとめますと、業務実績につきましては、数値目標の達成度が全てにつきまして120%を超えていることを踏まえ、自己評価をAとさせていただいています。以上です。
 
○今村主査
ありがとうございました。1-5「職リハに係る調査・研究、技法の開発」ということで、目標に関しては全て数値目標120%、外部評価委員の評価も達成しているということですが、いかがでしょうか。特によろしいでしょうか。なければこのままで、次、1-6、お願いします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
34ページを御覧ください。評価項目1-6の「障害者職業能力開発校の運営」についてです。機構が運営する所沢の中央校、岡山の吉備校、この2校の障害者職業能力開発校の業務に関するものです。この2校において、重度視覚障害者、高次脳機能障害者、精神障害者、発達障害者といった、支援が困難な「特別支援障害者」等を広範な地域から積極的に受け入れて、先導的な職業訓練を実施しています。また、訓練の実践から得られた指導技法等を他の障害者職業能力開発校等に普及させる業務も行っています。
35ページを御覧ください。この評価項目の自己評定はAとしています。
37ページを御覧ください。定員充足率につきましては99.6%ということで、95%以上の目標を上回っています。また、特別支援障害者の定員に占める割合については、50%以上という目標に対して、こちらは過去最高の69.3%となり、達成度は138.6%となっています。参考までに申し上げると、他の障害者校においては、定員に占める特別支援障害者の割合は約34%ということですが、機構の障害者校につきましては、その約2倍の割合の特別支援障害者を受け入れています。特別支援障害者に対しては訓練生の障害特性に応じて支援を行っています。例えば、精神障害者につきましては、ストレス対処、体調や気分の自己管理、対人関係構築に関する支援、発達障害者にはコミュニケーションスキル、パーソナルスペースの理解等に関する支援、高次脳機能障害者には、記憶力、注意力低下等を補完する代替手段の獲得等に関する支援を行っています。
下段に、参考として高次脳機能障害者に対する訓練の事例を記載しています。
訓練開始初期に、注意障害によりミスや抜けが多い際に、L字定規を使用して必要な箇所に的確に注意が向けられるような支援を行いました。また、記憶障害を補完するために必要な情報を常に見られる場所に掲示するといった、困難を補うための手段を検討しました。そして訓練中盤以降の職場見学に指導員が同行して、就職に向けた課題・改善策を検討し、職場環境の再現を行って訓練を行いました。
38ページの上段を御覧ください。特注型企業連携訓練の実施について記載しています。施設内の訓練で習得した技能を実際の職場で活用することが困難な重度視覚障害や発達障害を有する訓練生等に対し、施設内訓練と企業での訓練を組み合わせて訓練をするものです。右側の事例は、重度視覚障害者の事例になります。施設内の訓練では、訓練先の企業からデータの提供を受けて職務を再現し、視覚障害者用の各種ソフトを活用して訓練を行いました。また、企業内の訓練では、画面読み上げソフトの動作確認やデータ集計に必要な項目に効率的にアクセスする方法の検証を行いました。
こういった取組によりまして、ページの右側にございますとおり、訓練修了者等の就職率は82.7%と80%以上の目標達成しました。定員に占める特別支援障害者の割合が過去最高の69.3%と、支援の困難度が非常に高まってきた状況の中において、着実に実績を上げたと考えています。これは事業主が集まるセミナー等において、求人確保の協力依頼や早期の職場見学、体験実習といった取組による結果だと考えています。また、就職支援については地域センターと訓練状況を共有し、連携しながら一体的に支援を行っているところです。
39ページを御覧ください。障害者職業能力開発校等に対するアンケート調査における、指導技法等の開発成果の有用度については、平成28年度に作成した職業訓練実践マニュアルについて、95.8%と80%以上の目標を上回っています。各種会議や研修の機会を通じて効果的な普及に努めた結果だと考えています。また、指導技法等体験プログラムについて、中央校において、障害者委託訓練の委託元と委託先を対象としたコースを、平成29年度に新たに設置しました。さらに専門訓練コースの設置・運営サポート事業について、29年度は2校に対して新たに支援を開始し、継続して支援を行った5校のうち、コース設置を目的としていた4校全てについて、コース設置に至るという実績を上げています。こうした実績から見えるように、他の障害者校等において特別支援障害者の訓練機会を更に広げるために、機構としては貢献していると考えています。
全体をまとめますと、業務実績につきましては、数値目標の達成が120%に達していないものもありますけれども、特別支援障害者の定員に占める割合が69.3%と過去最高です。かつ、前年度よりも8.6%と大幅に上昇して、そうした中で目標達成度が138.6%と120%を大幅に超えています。今、申し上げたように支援の困難度がこれまでになく高まってきた状況の中で、就職率80%の目標を達成したこと。それと併せて、専門訓練コースの設置・運営支援を新たに2校に対して開始し、継続支援の5校中、コース設置を目的とした4校全てがコース設置に至ったことなど、他の障害者校等において、特別支援障害者の訓練機会を更に広げるために貢献したということ。こうしたことを踏まえまして、当機構としては120%相当の実績であると判断いたしまして、自己評価をAとしています。以上になります。
 
○今村主査
ありがとうございます。「障害者職業能力開発校の運営」という点についての評価ですが、何か御意見、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 
○戸田構成員
ありがとうございます。この項目に関しては定量的指標で、例えば定員充足率95%以上のように、120%を理論的に超えない目標値もありますから、そういった点も加味して検討しないといけないと思っていますが、この項目に関しても、いわゆる支援の困難な人がどれだけ増えているのかという点と、あとは昨年の評価との関連で検討しないといけないかなと思っています。私も昨年の評価に関して、この項目に関してAは少し甘すぎるのではないかと。確かに支援の困難な方が増えているというのは事実かもしれないですが、それが機構の努力によって指標を維持しているとまでは言い難いのではないか。そのように申し上げたかと思いますが、今年も印象としては同じことを思っています。特に特別支援障害者の増加というところを機構としては挙げているわけですが、特に人数について、こちらに頂いている資料を拝見すると前年度実績が170人、29年度が194人で24人増えていると。この24人増えているというのが本当に大きいものかどうか。大幅に増加とか、その増加をもって能力開発校の運営が、かなり厳しくなるとは言い難いのではないかと考えています。ですから、そこの点については24人増加することでどれだけ苦労しているとか、そういった点について少し補足的な説明をお願いしたいと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長
ありがとうございます。入校の人数で言うと、御指摘のとおり279人中の194人ということですけれども、それぞれの就職率を少し御紹介すると、第3期中期目標期間は5年間あるわけですが、この5年間の平均就職率で特別支援障害者が86%ほど、それ以外の方が91%、大体5%ポイントぐらい就職率において差がある状況になっています。ここの部分で数字としては24人ということですけれども、定員全体は足して279人ぐらいですので、24人というのは1割ぐらいのボリュームを持っていますから、影響として就職率を低めに誘引するという意味での効果は、かなり大きなものがあるのではないかと思っています。
もう1点、これは全体的に言えることですが、先ほども少し言いましたように障害者の方の就業環境が改善してきているので、こういった訓練に行くというよりも就職したいという方が非常に多くなってきていますから、訓練に入って来る方々も、これまで以上に訓練の継続が不安定な方が相当増えてきているというのは、現場からの声になっています。例えば精神の方で体調があまり良くなくて、ちょっと休みがちになったりする。実際、そういう方は修了できない未修了者として、数字としても28年度から29年度に増えています。全体的にそういう訓練の継続が難しい方も増えていて、結局、それが更に就職率の悪化に、特に29年度はつながっているのではないかと分析しています。
 
○今村主査
ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
 
○戸田構成員
もう1つ質問ですが、就職率に関して38ページのデータを拝見しますと、平成29年に関しては全体が82.7%で、特別支援障害者の方の就職率が82.0%です。ここは28年度からポイントが下がっている。特にこれは特別支援障害者の方だけでなく、このグラフには載っていませんが、特別支援障害者以外の方に関しても就職率は下がっているように推察できます。この28年から29年にかけて就職率が下がった理由というのは、どう分析されていらっしゃるでしょうか。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長
御指摘のとおり、特別支援障害者以外の障害者の方も就職率は29年度に特に落ちていますけれども、その理由は、先ほど申しましたように訓練継続がなかなか難しい方々が増えているのが、まさしく29年度はすごく増えたということで、就職率の悪化につながっているのかなと感じています。
 
○戸田構成員
確認ですが、訓練継続されていない方、いわゆる卒業されず未修了の方というのは就職率には含んでいないという理解だとすると、この就職率に関しては、ある程度訓練は受けていた方と推察できます。就職できない方が増えているので就職率が下がっているという理由は、なかなか難しいのではないかと思います。定量的な根拠も併せてお示しいただけると、より説得力が増すのかなと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長
未修了者の方の数は把握しているのですが、29年度は特別支援障害者以外で未修了になった方は16人いらっしゃいます。通常は大体7、8人ぐらいですので倍増しているのですが、修了が難しい方々だけが入ってきているわけではなく、全体的にそういう傾向が出ている中で、実際、数字としては未修了の所に反映してきていますけれども、未修了になっていない方がこれまでと同様の方々というわけではなくて、全体の傾向をまさしくこの数字は示していると。ですから、修了になった方の中でも訓練継続とか就職に向けての力が、すごく弱まっているというのが全体的な流れではないかと思っています。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構総務部長
率直に申し上げますと、就職に対して必ずしも意識が高くない、もっと申し上げると、希薄な方も相当数増えてきているところがございまして、そこが顕著にこういった数字に表れてきているのかなと考えています。
 
○戸田構成員
コメントですが、機構のおっしゃることは何となくそうだなと理解できますけれども、この場で何らかのそういったことを御主張されるのであれば、EBPMと政府も言っていますように、定量的な何らかの根拠等を示されると、より説得力が増すかと思いますので、是非、今後はそうしていただけると有り難いなと思います。この件に関して返答は不要です。
 
○今村主査
JILPTの評価のときに「Bが標準なのです。つまり順調に進んでいればそれはBという、これは前向きの評価である」と御説明されておられました。つまり、Aを取ることは更にそのプラスアルファということになるわけで、この評価に関しては、過去、初年度を除き全てBで推移しています。今年度新たにAということで御提案される場合に、その根拠が、今言ったように特別支援障害者の数が少し増えたということで、定性的なプラスアルファの要因として、それだけで説明するというのは少し厳しいかなと、今、お話を聞いていて印象を受けているところです。
もう1つ付け加えますと、この障害者に関して、機構は非常に高いノウハウを持っていて、素晴らしい研究者、スタッフも抱えておられる。それはそれで素晴らしいことですが、それを高度に維持しているということは、これはAではなくてBだと思います。だから、プラスアルファで何か新たな対応に努力されたという場合に、先ほどの1-2のように緊急対応されたということで、定性的な意味で私はプラスアルファで評価していますという基準は、できるだけ維持していきたいと思います。大体、今のお話を聞いていて、そんなところでよろしいでしょうか。何かありますか。次、1-11です。よろしくお願いします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
57ページを御覧ください。ここから、職業能力開発事業に入ります。評価項目1-11の「離職者訓練」についてです。離職者を対象に、早期再就職に必要な技能・技術、関連知識を習得できるよう、全国に設置している職業能力開発促進センター、通称ポリテクセンター等において、標準6か月間の職業訓練を実施しております。
58ページを御覧ください。この評価項目の自己評定はAとしております。
59ページの、訓練修了者の訓練修了後3か月時点の就職率を見ますと、80%以上という目標に達しまして、平成29年度は87.7%と、過去最高の平成28年度の87.9%と同等の実績となり、目標を大きく上回っております。また就職者のうち、常用労働者の割合についても、81.6%と高い実績を達成しております。雇用情勢の改善に伴い、就職困難度の高い受講者が増加傾向にある中でこれらの実績を達成できたのは、機構の現場でのきめ細やかな就職支援を実施した効果であると考えております。具体的には、中段の主な取組内容にありますとおり、計画的に就職意識の啓発やキャリアコンサルティングを実施したこと、あるいは、採用意欲のある企業の開拓やマッチングに積極的に取り組んだりしております。そのほか、発達障害を想起させる受講者については、支援・対応ガイドの活用、あるいは地域障害者職業センターとの連携により対応を行っております。
加えて60ページにお示ししていますとおり、人材ニーズを把握した上で訓練コースを設定し、適切な訓練コース等の見直しを行っております。また成長分野、建設分野、女性の就業促進を図るための訓練コースの実施施設の拡充を行いました。特に女性の就業促進を図るための訓練コースとして、「デジタルものづくり技術科」及び「CADものづくりサポート科」の実施施設を5施設増やしました。この取組の効果として、入所者に占める女性の割合は毎年度増加傾向にあり、平成29年度は22.9%となっております。こうして設定した訓練コースについては、中段の右下にありますとおり、サンプル調査ですが、昨年度を上回る94.1%と、ほぼ全ての受講者から就職に役立ったという高い評価を頂いております。
その他61ページに示していますとおり、ハローワークとの連携等により、求職者をはじめ、広く地域の方に訓練の魅力をPRする取組を着実に実施した結果、定員充足率は83.3%と一定の水準を達成いたしました。
全体を通してまとめますと、業績評価については、数値目標の達成度が120%に達しておりませんが、雇用情勢が改善され、訓練を経由しない就職が増えることに伴い、高齢者や特別な配慮を必要とする方など、就職困難度の高い受講生が増えている傾向があること。こうした就職率が低下する要因が大きくみられる状況においても、地域障害者職業センターとの連携など組織を挙げて、徹底した就職支援に努めたことにより、当機構の就職率は、昨年度に引き続き、過去最高の実績と同水準の高い実績を確保したこと。さらに、過去最高の実績と同水準の常用就職率を確保し、就職の質の向上にも成果を上げたこと。こうしたことを踏まえ、当機構としては120%相当の実績であると判断し、自己評価はAとしております。以上です。
 
○今村主査
ありがとうございます。「離職者訓練」についてですが、ただいまの御説明に対して御意見、御質問がありましたらお伺いいたします。
 
○戸田構成員
何度も前年以前の話をして恐縮ですが、私はこの項目に関しては評価しております。御説明がありましたように、やはり常用労働者の割合が高まっていることと、おっしゃるように就職が困難な方が増加傾向にあるというところは、ここ数年のトレンドであるだろうと。あとは、その中でも目標以上の高い就職率を達成しているところは、評価できるポイントなのかなと考えています。
2点質問です。1つは、就職困難な方というのは、先ほどの定量的な質問と関連するのですが、具体的にどういう方々を指していて、例えばどれぐらいそういった方が増えていらっしゃるのかについて、教えていただければと思います。2つ目は訓練コースの設定の中で、これは第4期の中期目標かもしれませんが、いろいろとIoTや、ものづくりの中でも最先端な項目を設定されているかと思うのです。平成29年度では、どれぐらいのそうした新しい取組を入れていらっしゃるのかについて教えていただければと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構求職者支援訓練部長
就職困難度の方ですが、基本的には今は高齢者の方の割合について、把握しているところです。具体的には、50歳以上の高齢者の就職率ですが、平成28年度の実績では81.2%でした。一方50歳未満の受講者は、89.4%です。といいますと、50歳以上の高齢者については、就職率が8ポイント程度低い状況にあり、就職困難度が高いということです。平成29年度においては、50歳以上の受講者が全体の18.7%を占めているところです。具体的な数字で言いますと、平成28年度は3,629名でしたが、平成29年度は3,975名の50歳以上の方が入られて、全体の18.7%を占めております。このような形で、高齢者の割合が増えております。
また、もう1つ、精神的な疾患を有する、あるいは周囲とのコミュニケーションがうまく取れずに、転職等を繰り返す等の特別な配慮を要する者については、具体的な数字は把握できてはおりませんが、現場の職業訓練指導員の実感として増えている傾向にあると聞いているところです。特別な配慮を要する者については、手帳などは持っておりませんので、具体的な把握ができない状況です。なお、障害を抱えている方の受講者の自己申告ベースでいきますと、平成26年度については、割合としては0.2%、大体73名の方が障害があり得るという自己申告でしたが、平成28年度については、割合としては0.5%、128名の方が自己申告として、障害を抱えていると申し出ております。これは、あくまでも自己申告で、離職者訓練については6か月ですので、配慮を要するのか否か、手帳を持っているのかどうかまでの把握はできておりませんので、具体的な数字は把握できていない状況です。
もう1つのIoTの関係の、ものづくり分野のコース設定については、成長分野ということで、スマート生産サポート科を平成26年度から開始しております。そのときには4施設で行っており、4施設は定員が196名で行ったところです。平成29年度においては、11施設で行っており、定員が633名で実際にやっているところです。平成30年度に向けても、実施施設を増やしながら進めていきたいと思っているところです。以上です。
 
○今村主査
それ以外はいかがでしょうか。
 
○関口構成員
御説明ありがとうございました。先ほど御説明のありました成長分野、建設分野、女性の就業促進に対応した訓練コースの実施施設を拡充という点で、非常に面白い分野ですし、競合しないと言っているところで、いろいろと御苦労されていると思うのです。こういった実施コースを受講された方の就職率や就職先といったところも、効果として表れているのかという点について、質問をさせていただければと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構求職者支援訓練部長
成長分野は、ポンチ絵で60ページ目です。先ほど申しましたように、「スマート生産サポート科」を行っているところです。そちらについては、平成29年度の就職率は、「スマート生産サポート科」に限って見ますと84.4%となっております。そして建設分野でいいますと「RC造施工技術科」は、こちらにも載せておりますが就職率が87.5%となっております。そして女性の「デジタルものづくり技術科」は、就職率は86.4%となっております。それから、女性専用のコースには、「CADものづくりサポート科」があります。こちらは、就職率が94.5%と大変高くなっております。
ちなみに定性的な問題でいいますと、女性の就業促進のコースを今、拡充をしているところですが、それ以外に政府の「ニッポン一億総活躍プラン」を踏まえ、女性の就業促進のためのコースを増加させるために託児サービスを行っており、訓練受講中、託児所を無料で利用できるサービスです。こちらは、平成29年度においては利用者数が150名で、166人の児童の託児サービスを提供させていただきましたので、併せて御紹介いたします。以上です。
 
○今村主査
今のことに関連して、ものづくりは98%特化ということで、デジタル対応でも、ほとんど、ものづくりはそちらの方面だと思うのです。今後、AIやIoTなどがどんどん進歩していく中で、そういうことに対する準備や構想、先程来、離職者訓練に対してこれだけの効果を果たしているなど、一定の評価をするという御意見がありましたが、今後の見通しについてはいかがでしょうか。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構求職者支援訓練部長
IoTの関係ですが、第4期中期目標においては、就職率のほかに、ものづくり分野のIoT技術等の第4次産業革命の進展に対応した離職者訓練コース受講者数3,760名が、目標値で掲げられているところです。5年間で3,760名ということですので、平成30年度においては定員709名で行っておりますが、各ポリテクセンターの指導員を集めまして、新しいIoTのコースを開発し、実施目標については達成していきたいと思っているところです。
 
○今村主査
民間では実施しにくい、ものづくり分野の先の見通しを立てながら努力しておられるということで、水準目標も80%とパーセント目標で120%が達成しにくいという目標であることも理解した上で、余り否定的な意見は出なかったということで、次に進みます。
次は、1-12について、よろしくお願いいたします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
62ページを御覧ください。評価項目1-12の「高度技能者養成訓練」についてです。産業の基盤となる高度なものづくりを支える人材を育成するための訓練を、高校卒業者等を対象に、各地の職業能力開発大学校及び短期大学校、通称ポリテクカレッジにおいて実施しております。63ページですが、この評価項目の自己評定はAとしております。
64ページを御覧ください。専門課程及び応用課程の修了者のうち、就職希望者の就職率は95%以上という高い目標に対して、平成29年度は過去最高の99.6%という数値を達成し、目標を大きく上回る実績を上げました。また就職者のうち、常用労働者の割合も99.6%ということで、ほぼ100%の実績を達成しております。中段に記載しておりますとおり、全体の65%を実技・実習に充てた実学融合のカリキュラムを設定するとともに、ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングの実施等の的確な就職支援に取り組んだ結果が、今申し上げた結果と数値目標の達成になっていると思っております。特に、発達障害を想起させる学生に対して、地域障害者職業センターや外部の支援機関、家族等と連携し、適切な就職支援を実施し、そうした学生の就職率も95.5%と高水準を達成したことも大きな要因であると考えております。
そのほか、65ページにお示ししていますとおり、訓練コースに関しては、産業界のニーズに的確に対応するための見直しを、適宜実施しているところです。平成29年度においては、中段右の見直し事例にありますとおり、IoTやロボット技術に対応できる人材の育成を目指したカリキュラムを開発いたしました。なお、本カリキュラムについては、生産ロボットシステムコースとして、平成30年度より実際に実施することとしております。またポリテクカレッジの学生の活躍を積極的に対外的に紹介したり、女子学生の入校促進のための好事例の各施設での共有など、効果的な広報活動に取り組みました。なお、職員研修等を通じて好事例を共有すること等により、若年者ものづくり競技大会において過去最高の入賞者数を達成するなど、各種競技大会等での学生の活躍にもつなげました。
そのほか、66ページにお示ししているとおり、共同・受託研究の実施や、他大学等関係機関との連携を行った教育訓練なども取り組んでおります。特に左の下段にありますとおり、共同研究の一例を挙げますと、その成果として国内初のオールステンレス製の洗浄ガンとして製品化されるというような成果を上げております。
全体をまとめますと、業務実績については、もともと120%に達することができない数値目標が設定されている中で、発達障害を想起させる学生に対する就職支援などに取り組み、過去最高、かつほぼ100%の就職率を実現していること。常用就職率についてもほぼ100%と、就職の質の向上にも成果を上げたこと。それから、新たにIoTやロボット技術に対応できる人材の育成を目指したカリキュラムの開発を行ったこと。こうしたことを踏まえ、当機構としては120%相当の実績であると判断し、自己評価をAとさせていただいております。以上です。
 
○今村主査
「高度技能者養成訓練」についてですが、ただいまの説明に関して御意見、御質問等がありましたら、よろしくお願いします。
 
○戸田構成員
御説明ありがとうございました。この点については、就職率のデータを過去から拝見いたしますと、やはり99%を5年度超えていらっしゃるということで、機構としてもいろいろな取組をなさっているということは、今御説明いただいたとおりよく理解しております。その上で、もちろん目標値の95%を踏まえても、少しコメントをさせていただきます。昨年もこの点について申し上げたかと思うのですが、やはり120%に達していない際の定性的な根拠でいろいろな取組をなさっていることは理解できるのですが、なかなか今年度だけAということについては、今の御説明では少し不適切なのかなと。むしろ、Bのほうが妥当なのではないかと考えているところです。
御質問したい点としては、平成28年度から29年度にかけて、何か改善された点や、より他に成果が上がっている点、それから取組として特徴を持って機構として進めていらっしゃる点など、平成28年度に比べて29年度で何かほかに優れているとお考えの点がもしあれば、教えていただければと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
今の質問で、平成28年から29年に取り組んだ点を申し上げます。64ページの配慮を要する学生の所ですが、平成27年度に配慮を要する対応ガイドを策定し、平成27年、28年、29年と3年間で、指導員に対して研修を実施しました。この配慮を要する学生なのですが、シートの1-11と同じように、障害者手帳などをお持ちの方は、はっきりこういう対応というのが分かるのですが、アビリティ訓練も学卒訓練もそうなのですが、どちらかというと自己申告、あるいは授業をしながらこれはちょっとというような感じを受ける者となりますので、そのような対応をするための指導員の研修を充実させたところです。
もう1つは、説明の中にもありましたが、平成30年度からロボットコースを立ち上げるということで、平成28年度からこの準備をしております。特に平成29年度においては、平成30年度から実施するためのカリキュラムの開発、それに連動させる既存カリキュラムの見直し、それと平成29年度は担当する指導員、18人に対して8コース研修を実施し、延べ15回、52日間研修を実施し、平成30年度からの対応を考えているところです。
もう1つは、平成28から29年というわけではありませんが、現在、学生の応募が非常に少なくなってくる、いわゆる2018年問題というのもありましたので、それを踏まえて新たな入校や募集の在り方を、プロジェクトを設置し検討をしてきたところです。その中の一貫として、新たな入校制度を検討してみようということになりました。現在は、例えばA科、B科、C科というように特定の科を入校するというやり方を取っているのですが、そうではなくて、取りあえず科を指定しない形で入校させると。それから、途中から志望する科に移行するというように、試行的に取り組もうと考えております。平成29年度は、そのための仕組みづくり、それからカリキュラムの開発をして、平成30年度からこれも取り組んでいこうとしているところで、そういった準備を進めている状況です。
 
○今村主査
よろしいですか。
 
○戸田構成員
続けて恐縮ですが、今の点は諸々理解させていただきました。やはり、評価という観点から申し上げますと、最初におっしゃった発達障害の方、若しくは支援が困難な方が増えているところが、もしかしたら評価に値するのかなということでお伺いします。実際にこの数年で、自己申告で言った形で構わないのですが、どれだけ増えているのかということについて、何かデータなどをお持ちであれば御披露いただければと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
人数は、平成28年が全体で170人在籍をしております。平成29年は、在校生数としては165名です。平成29年の165名の就職を申し上げますと、この165名というのは全体の在籍数の約3%です。それから2年次においては74名でしたが、そのうち59名が修了をいたしました。そのうち進学が15名、就職が44名ということで、最終的に44名のうち就職ができたのが42名です。2名の方については、就職がなかなか決定しなかったということで、就職率で申し上げますと、95.5%というデータです。
 
○戸田構成員
確認ですが、今の数字は自己申告で発達障害があるとか、支援が困難なという理解でよろしいですか。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
はい、そうです。
 
○今村主査
今の点ですが、途中で数字をフォローしていなかったのですが、170人のうちの165人が在籍ということですか。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
170人が平成28年度の在籍者です。
 
○今村主査
はい。次の165というのは。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
165人が平成29年度の在籍者です。
 
○今村主査
そのうちの59人というのは。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
そのうちの74名が2年生で、その74名のうち修了したのが59名です。
 
○今村主査
では、残りは修了できなかったということですか。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
留年、あるいは休学です。
 
○今村主査
分かりました。その中から絞りに絞って、これだけの就職率になったということですね。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
はい。
 
○今村主査
ありがとうございます。過去の例を見ていますと、前期の第2期は大体96%台で推移していたのが、今年度は95%ということで目標設定をしたところ、途端に25年で99.2%の達成でS評価であったと。その後99.6%と更に増えたのでA評価なのですが、その後のサチュレートというか定常状態にあるという動きにも読めないこともないので、確かに120%を達成できないそもそもの目標ですが、これは高度に維持しているのか、あるいは飽和状態にあるのかが、なかなか判断が難しいところです。
もし定性的に何か新しい努力をしているとお書きいただくのであれば、今の事例と関係するのですが、64ページの右下のように、機構独自のシナジー効果を使って、障害を持つ方が、一方で高度技能者というのがこれからの「ものづくりニッポン」にとって非常に大事な資源になりますが、それが障害を持つ方も安心してそういう所に勧められるようにという機構独自のシナジーを使って提案するようなことをもっと全面にお出しいただければ、何か数字が少し落ち着きすぎているのではないかという印象を払拭できたのではないかと思うのです。その辺りの機構の抱負という言い方は変ですが、「ものづくりニッポン」に対してこういった障害を持った方々も安心して一緒に就職できるような努力を、機構のシナジーの中でどう努力されているかをお書きいただければと思ったのです。64ページで何か付け加えることがありましたらお願いいたします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
この配慮を要する学生への対応は、能開の学校の先生だけでは到底対応できませんので、例えば障害者センターのカウンセラーなどの機構のシナジーを発揮するために、個別に相談をして、こういう場合はどうしたらいいでしょうかという相談をした上で、適切なアドバイスをカウンセラーから受けて、場合によってはカウンセラーも同席して訓練に立ち合ってもらうと。あるいは、本人が自覚していない場合がありますので、そういう場合の対応などを協力しながらやっていくことにしております。
 
○今村主査
そういったところを、もう少し明確に定性的な評価としてお書きいただければと思うのですが。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
ちなみに今申し上げたのは、64ページの右下の欄に書いております。ここが、今申し上げた点です。
 
○今村主査
そうですね。もう少し、これを全面的な定性評価として出していただければ、機構として努力されているということがもっと印象付けられたかなと思います。ということで、あえてここでB評価を覆すほどのものが出ていないという印象を受けたという、おおむねそういう印象ですが、よろしいでしょうか。
では前半の最後に、1-13をお願いいたします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
67ページを御覧ください。評価項目1-13の「在職者訓練、事業主等との連携・支援」についてです。ものづくり分野の中小企業等の在職者を対象に、仕事を遂行する上で必要な専門的知識及び技能・技術の向上を図る2日から5日間程度の短期間の訓練を、ポリテクセンターとポリテクカレッジにおいて実施しております。68ページになりますけれども、この評価項目の自己評定はAとしております。
69ページを御覧ください。受講者及び事業主それぞれに対するアンケート調査で、役に立った旨の評価を90%以上から得ることという数値目標を立てておりますけれども、そのことに対しまして、受講者については99%、事業主については97.8%ということで、目標を大幅に上回る実績となっております。なお、ものづくり分野の中小企業等における人材育成ニーズに柔軟に対応し、右上の実施実績のとおり、訓練実施実績が昨年度比7.1%増ということで、過去最高の数字になっていまして、実際には6万5,309人ということですけれども、こういった訓練実績が上がる中で、前年度と同水準の高い評価を受講者及び事業主から受けているところであります。こうした高い実績を達成できた理由につきましては、企業における人材育成ニーズへの柔軟な対応や訓練コースの適切な見直しを実施した結果であると考えております。
また、下段にありますとおり、平成29年度においては、厚生労働省の要請に的確に対応しまして、新たに生産性向上人材育成支援センターを立ち上げ、ものづくり分野だけでなく、あらゆる分野の企業を対象とした生産性向上支援訓練を適切に実施したところであります。労働局や経済産業局、経済団体、金融機関等ネットワークを最大限にいかして広報を行うことが功を奏しまして、年度途中からの実施だったのですけれども、それにもかかわらず、約4,500人に対して訓練を実施することができました。
70ページになりますけれども、在職者訓練ということで、先ほど申し添えました企業における育成ニーズへの柔軟な対応として、中段に記載した他の地域の施設の指導員の活用につきまして、さらに北海道、北陸、東海ブロックを加えて拡充して実施しております。そのほか、71ページ、72ページに記載しているとおり、在職者訓練コースにつきまして、適切な見直しを行っております。
まとめて申し上げますと、業務実績につきましては、もともと120%を達成することができない数値目標が設定されている中で、企業における人材育成ニーズに柔軟に対応して、過去最高の受講者数を達成したこと、その中でも、受講者及びその事業主からほぼ100%という高い満足度を得ていること、それから新たにものづくり分野だけでなく、あらゆる分野の企業を対象とした生産性向上支援訓練を初年度途中からの実施にもかかわらず、約4,500人という多数の受講生に対して実施したこと。こうしたことを踏まえまして、当機構としては120%相当の実績であると判断しまして、自己評価をAとしております。以上になります。
 
○今村主査
これは1-13ですね。「在職者訓練、事業主等との連携・支援」というポイントですが、御質問、御意見等ございましたらよろしくお願いいたします。
 
○関口構成員
年度途中ということで、生産性向上人材育成支援センターを設置されて、4,500弱の受講生があったというところですが、69ページの枠囲いの中にありますが、昨年度途中ということもあってということで、民間機関等に委託して実施というように記載がありますが、今後、どのような展開をお考えなのかということについて、質問をさせていただきたいと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
生産性訓練は4月から5月にかけまして制度設計をしまして、それから周知・広報をした上で委託をして9月以降にコースを実施して、実績としては約4,500人、コースで330コースの実績ということになっております。平成30年度については、一応、数値目標として、計画として約2.6倍ぐらいの数字で実施するということになっていまして、今後、制度としては同じように委託の形でこの訓練は実施していくということにしています。実施するに当たりましては、平成29年度はモデルとなる、基準となるコースを50コース開発しました。
これをベースに企業に周知を掛けまして実施の広報をしたわけですが、平成30年度は更に5コース追加して実施するということにしていまして、平成30年5月末現在の数字で申し上げますと、冒頭で申しましたとおり、平成29年度が4,500人ぐらいの実績だったのですが、今年度の5月末の実績で平成30年度の年間の見込みとしては、現在2万6,000人ほどの計画が見込まれております。
特に大きな取組として、実は3点、平成29年度に取り組んでおります。1点目が生産性訓練を実施するに当たり、経産省の経産局、各8ブロックあるのですが、ここと意見交換を行い、機構と経産局がそれぞれ生産性をキーワードとした意見交換を行って、協力できる分野について連携を深めていくという取組をしております。
それから2点目としましては、これは厚生労働省のほうと協力を頂きまして地方4団体、経団連、それから商工会議所、中小企業団体中央会、商工会連合会を訪問させていただきまして、生産性訓練について中央から各地域の傘下の所に周知・広報していただいて、機構としても地方にある施設が訪問しやすい環境を作ったということです。
3点目としましては、現在、地域との企業のパイプが非常に強い金融機関も実は巻き込みをしまして、5業団体、全銀協、それから地銀協、第2地協、それから信用金庫協会、信用組合中央会、こちらのほうも厚労省のほうと一緒に協力依頼を掛けまして、経済団体が中央団体4団体と同じように、地方の銀行のほうに施設のほうが出向いて行って、パンフレットの配布だとか生産性訓練の説明ができる環境を作った、こういう取組をした結果が、今、申し上げた5月末の約2万6,000人の実績ができていると。これが更にまた伸びるのではないかと考えております。
 
○今村主査
質問の意図は今後の方針でしたよね。
 
○関口構成員
委託を続けられるということでしたので。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
委託は続けます。
 
○今村主査
目標の設定が90%で達成度120%以上というのはもともと不可能な中で、リアルな数字としては100%達成しているということは確かにおっしゃるとおりでありまして、それだけだったらBになるかもしれませんが、プラスアルファとして生産性向上人材育成支援センターということで、ちょっと変な質問ですけれども、これは類似の業務は過去行っていなかったということですね。全く新規にやったということですね。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
機構がやっている在職者訓練は、実はものづくりに特化していまして。
 
○今村主査
なるほど、そこがポイントですね。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
この生産性訓練は、あらゆる全ての分野の生産性の向上となっていると。
 
○今村主査
分かりました。従来、機構は真にものづくりに特化するということで、自分の手足を縛って外に行かないということは想定しておられたので、むしろもったいないなという気がしたのですが、ここではあえて、それ以外のあらゆる中小企業に対して機構の資源を開放して、人材育成に貢献していくという新たなチャレンジをされているということです。それがプラスアルファの点数的評価としてAとしたいということです。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 
○戸田構成員
私もこの項目に関しては、生産性向上人材育成支援センターの取組というものが定性的な根拠として、やはりB評価ではなくA評価であると主張するに当たる新しい取組で、かつ成果も上がっているということは理解できましたので、そのような根拠として言っていいのではないかということを考えておりました。それを踏まえての御質問なのですが、評価する立場のほうから、あえて厳しめな質問をさせていただきますと、例えばこの生産性向上人材育成センターの中で、物流だとかマーケティングだとか、いわゆる民間でもやっていそうな職業訓練の項目もあるという中で、やはりそれが民業圧迫になるのではないかというような指摘がなされる可能性があるかと思うのです。その点に関して機構としてはどうお考えでしょうか。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
確かに民業を圧迫するわけにはいきませんので、コースを設定する際は民間が行っている事業、カリキュラムを一応全部精査をします。その中からモデルのカリキュラムを作って、あとは事業所のニーズを踏まえて、カスタマイズしていくというやり方を取っていますので、結果として似通ったものができるかもしれませんが、決して民間を圧迫しないようにしていますし、先ほど質問があったように、これは委託でやりますので、なるべくだぶらないようなコースを選定して実施していきたいと考えています。
 
○今村主査
よろしいでしょうか。それでは年度評価について、これまで説明がなかった部分について御質問がありましたらどうぞお願いいたします。1-1、2、3、5、6、11、12、13以外のコメントです。時間も押していますので、もしあればまた後で追加していただければと思います。
次の中期目標期間実績評価なのですが、既に今の年度目標でかなり議論をしておりますので、このようにさせていただきたいと思います。連続している番号がありますので、1-1、2、3を3つまとめて報告していただきまして、次に1-5と6を2つまとめて報告していただき、最後に1-11、12、13の3つをまとめていただいて、全部で3つのセッションといいますか、3つの討論ということにさせていただきたいと思います。それでは、最初のグループからお願いいたします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
それでは、資料2-1の2ページ目を御覧ください。まず評価項目1-1の「高年齢者雇用に関する相談・援助、実践的指導の開発、啓発等」についてです。3ページ目を御覧ください。この評価項目の自己評価はAとしております。
続いて5ページ目のグラフを御覧ください。高年齢者雇用アドバイザーによる相談・援助は、65歳までの雇用確保措置に関するものが減少傾向となりということで、青色の部分です。この部分が減少傾向となり、65歳を超える継続雇用等に係る部分がオレンジ色の部分ですけれども、こちらのほうが増加しております。これは平成25年度の改正高年齢者雇用安定法の施行から時間が経過しまして、65歳までの雇用確保措置を講ずる事業主が増加したことによるものです。
相談・援助実施件数は、目標の3万件を毎年度上回っております。改正高年齢者雇用安定法の施行直前で、事業主の関心が急激に高まったという特殊要因のある平成24年度を除けば、いずれも第2期の件数を第3期については上回っております。また、事業主からの課題改善効果が見られた旨の評価も目標の70%を毎年度上回り、いずれも達成度120%を上回っております。
まとめますと、業務実績につきましては、相談・援助件数、それから事業主からの課題改善効果の評価のいずれについても、全ての年度で達成度120%を超えていること、それから6ページのとおり、ここでは細かい説明はしておりませんけれども、体系的に研修を実施しまして、相談・サービスの質の向上に取り組んだこと、それから平成29年度の中でもお話しましたが、政策課題に対応して65歳超雇用推進マニュアルを作成し、その改訂を行ったり、事例集を新たに作成して開発・普及に取り組むこと、こういうことを踏まえまして自己評価をAとしております。以上になります。
 
○今村主査
連続してお願いします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
次ですけれども1-2です。8ページになります。評価項目1-2の「給付金の支給業務」についてです。こちらのほうにつきましては、9ページを御覧いただければと思います。先ほども御説明しましたとおり、平成29年度実績のみ、助成金の多数処理という特殊な要因がありましたので、自己評価Aということで書かせていただいたと思いますけれども、期間全体を通しては評価項目については、全体に均してBということかなと思っております。
次に12ページになりますけれども、評価項目1-3の「地域障害者職業センターにおける障害者及び事業主に対する専門的支援」についてです。13ページを御覧ください。この評価項目の自己評価についてはAとさせていただいております。
続きまして17ページを御覧ください。職リハサービスの対象障害者数は5年で16万408人と目標を上回っております。そのうち精神障害者数は5年で5万7,548人、発達障害者数は5年で3万5,880人と、いずれも目標を上回っておりまして、毎年度過去最高を更新しております。特に発達障害者数につきましては、目標達成度は163.1%と極めて高い実績を上げたと考えております。発達障害者数の正確な把握を開始した平成21年度と今期の最終年度であります平成29年度を比較しますと、グラフの緑とオレンジの部分になりますけれども、精神障害者及び発達障害者の数の合計は1万1,133人から2万179人ということで、80%以上増加しております。また、精神・発達障害者の利用者全体に占める割合も39.2%から61.7%と、22.5ポイント上昇しております。さらに、利用障害者に対するアンケート調査における効果度は毎年度目標を大きく上回り、過去最高を更新しております。
次に、主なサービスごとの実績についてですが、18ページを御覧ください。職業準備支援についてですけれども、上段のグラフにお示ししていますとおり、支援対象者に占める精神障害者や発達障害者の割合は増加傾向にありまして、平成21年度の53.5%から平成29年度の80.2%と26.7ポイント増加しております。その中で、就職等に向かう次の段階への移行率は毎年度87%を超え、就職率についても毎年度、達成度は120%を上回っております。
次に、ジョブコーチ支援につきましても、支援対象者に占める精神障害者、発達障害者の割合も増加傾向にありまして、平成21年度の30.6%から平成29年度の57.1%ということで、この間26.5ポイント増加しております。こうした中で、支援終了6か月後の職場定着率につきましては、毎年度87%を超え、目標を上回っております。
続きまして19ページを御覧ください。リワーク支援になります。これにつきましては、右上のグラフで各年度の対象者数を示しておりますが、支援対象者数につきましては、前中期目標期間の計8,197人から1万2,201人と、5割近く対象者数は増加しております。そうした中で左上の表のとおり復職率は毎年度83%を超えておりまして、目標を大きく上回っております。また、5年間の達成度の平均は113.3%となっております。
続きまして、事業主に対する支援とその効果度についてですが、下段にお示ししていますとおり、支援実施事業所数は5年で9万1,802所と目標を上回っております。また事業主支援の課題改善の効果度は毎年度目標を上回っております。
まとめますと、業務実績につきましては、数値目標の達成度が120%に達していないものもありますけれども、今中期目標期間の大臣評価は、見込評価を含めて全てAを頂いていること、それから、平成29年度においても指標10項目のうち7項目で過去最高を更新していること、これらを踏まえまして、当機構としては120%相当の実績であると判断して、自己評価をAとさせていただいております。以上になります。
 
○今村主査
いずれも見込評価に従って、今年度の評価をA、B、Aと申告されています。特に3については、先ほどAにちょっと足りないのではないかという、でも惜しい評価ではありますが、全体としてはこの3つについていかがでしょうか。いずれも大臣評価の見込評価のとおりで申告をされているということですね。何か御意見、御質問等ありましたら。では、これはこれでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
では、次の塊に行きたいと思います。1-5と1-6の2つですが、続けてお願いいたします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
27ページを御覧ください。評価項目1-5の「職リハに関する調査・研究、技法の開発」についてです。28ページを御覧ください。この評価項目の自己評価はAとさせていただいております。
続きまして、31ページを御覧ください。調査・研究につきましては、終了いたしました26テーマ全ての外部評価において、全ての評価委員から4段階中2段階以上の評価を頂いております。そのうち11テーマにつきましては、全ての委員から優れているという最上位の段階の評価を頂いております。
次に32ページを御覧ください。職リハ技法の開発につきましては、発達・精神・高次脳機能障害者に係る先駆的な支援技法の開発を行いました。また、地域センターに対する支援技法普及講習を、3年に1回から2年に1回に増加しまして、実施箇所数につきましては平成26年度以降、全て達成度120%を上回っております。
続きまして、33ページになります。職リハ研究発表会については、それぞれの年度で7箇所又は8箇所で開催しております。また、関係学会での研究成果の発表件数につきましても、平成26年度以降、いずれの年度も達成度120%を上回っております。さらに、教材、ツール等の作成につきましては、5年で合計29件作成しておりまして、こちらも達成度は145%ということで120%を超えております。
まとめますと、業務実績につきましては、今中期目標期間の大臣評価は見込評価も含めまして、各年度は全てA評価を頂いていること、それから数値目標の達成度は、全ての年度を見ましても120%を超えていること、これらを踏まえまして、自己評価をAとさせていただいております。以上になります。
 
○今村主査
こちらが大臣見込評価Bに対して自己申告はAということで、その辺の理由を中心にして手短にお願いいたします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
34ページを御覧ください。評価項目1-6の「障害者職業能力開発校の運営」についてです。35ページになりますけれども、この評価項目の自己評定はAとしております。
続きまして、37ページを御覧ください。定員充足率については毎年度97%を超えておりまして、目標の95%を上回っております。また、特別支援障害者の定員に占める割合については、毎年度こちらは過去最高を更新しまして、平成27年度以降については、達成率は120%以上を維持しております。訓練修了者等の就職率についてですが、右の一番下の参考の表を御覧ください。特別支援障害者と特別支援障害者以外で比較しますと、今中期目標期間では4.6ポイント、特別支援障害者の就職率が低くなっており、特別支援障害者の支援困難性の高さが見て取れると考えられます。先ほど申し上げましたとおり、特別支援障害者の割合は高まってきておりますが、その中で、前回の中期目標期間よりも、特別支援障害者も特別支援障害者以外もそれぞれ就職率は高くなっております。全体では右上の表のとおり、毎年度の就職率は82%を超えて、目標の80%を上回り、5年の達成度の平均につきましては、110.5%ということで目標を達成しております。
続きまして、38ページを御覧ください。指導技法等の開発・普及についてです。アンケート調査による開発成果の有用度は毎年度で90%を超えまして、こちらについても目標を上回っております。このほか、他の障害者校等の職業訓練指導員を対象とした指導技法等体験プログラムを実施しまして、その有用度を毎年度96%以上、うち2年間につきまして100%ということで高い評価を得ております。さらに他の障害者校等における専門訓練コース設置・運営への支援を平成25年度から本格実施しまして、5年間で障害者校8校、更に一般校についても5校に実施しております。これによりまして、実際にそのうち5校において専門訓練のコースが設置されております。
まとめますと、業務実績につきましては、設置目標の達成度は120%に達していないものもありますけれども、特別支援障害者の割合について、5年間の達成度の平均が123%であること、特別支援障害者の割合が高く、支援の困難性が高まってきている中で、就職率も毎年度目標達成したこと、専門訓練コース設置・運営サポート事業等により、他の障害者校等において、特別支援障害者の訓練機会を更に広げるために、当機構として貢献をしたこと、これらを踏まえ、当機構としては120%相当の実績であると判断しまして、自己評価をAとさせていただいております。以上になります。
 
○今村主査
ありがとうございます。まず1-5については、見込評価と同様の申告をされておられます。見込評価Aに対して自己申告による自己評価はAということです。それから次が、見込評価Bに対して自己評価Aという申告をされています。御意見、御質問等ありましたら、いかがでしょうか。
 
○戸田構成員
ありがとうございました。1-5については特に異論はないのですが、1-6に関しては、やはり、先ほど平成29年度の評価をさせていただいたときと同じ議論になってしまうので、コメントだけさせていただきます。やはり、定量的な評価としては、120%を超えていない中で、Aとする根拠としては、そういう発達障害の方で特別支援障害者が増加していることを挙げていますが、増加の度合いが、確かに平成28年度から平成29年度にかけて10ポイント近く増加しているので、大幅と言えるかどうか疑問はあるのですが、増加していることは確かであるということです。それが、いかに機構の中で、そうした増加が結構大変なことであって、その中でいろいろと取組をされたところについては、平成29年度の評価の中でも、今一御説明を理解できなかったというところがありますので、同じ説明ではやはりちょっと時間が無駄になってしまいますので、もし何か、特別支援障害者が増えたことによる苦労ですとか、機構がこれだけ成果としてやっていらっしゃったということが、何か定性的なものでも構いませんので、あればもう一度教えていただければと思います。以上です。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長
ありがとうございます。個々の困難具合については、先ほどの資料1-1の所に幾つか事例を掲げていますように、特別支援障害者の方の場合、やはり訓練そのものが非常に難しいので、1の部分の資料をちょっとここでまた御紹介するのも、どうなのかという感じがするのですが。結果として見ると、37ページの右下にありますように、第2期と第3期を比べていただいても、就職率については、実際この数字として改善してきておりますが、それは、特別支援障害者だけではなくて、それ以外の方についても改善してきているというのが数字として出ていますので、2期、3期の間では、かなり私どもが力を入れて丁寧な指導をしてきた結果として数値は出ているのではないかと思います。
あと、この就職率そのものではないのですが、定性的な話にはなるのですが、次の38ページの所で、技法の開発の普及のページにあります。こちらは、第2期の中期計画の中にも、こういった指導技法の開発・普及はテーマとして設定されておりました。ただ、この第3期においては、ちょうどこの38ページの右側の2つ目、「指導技法等体験プログラム」というのと、その下の「設置・運営サポート事業」、こちらはほぼ第3期から初めて実施してきている内容になります。
体験プログラムのほうは、第2期においては、38ページの左下に、「交流集会」というものがありますが、こちらの1つの部品としてやっていた事業なのです。当時は、1日だけ所沢とか吉備に来ていただいて、他校の指導員の先生方に来ていただいて、私どもでやっている訓練校の中身を見ていただいたり意見交換をしたりというイベントでした。第3期においては、指導技法の開発普及をもっとシステマティックにやっていくべきだということで、内容をかなり充実させました。第3期における体験プログラムは、基本的に、2、3日実際に訓練校などに来ていただいて、私どものやっている訓練を見ていただくだけではなくて、中身についても、解説をしたり、具体的な支援の内容をお話ししたりということで、かなり踏み込んだプログラムとして大幅に改変してきています。
もう1つ下の「設置・運営サポート事業」、これは全く新しい取組になります。こちらについては、本当に都道府県のほうで、これから特別支援障害者の方の訓練コースを立ち上げようと言った場合に、そういう具体的なニーズを持っている方々に対するサービスとして第3期から始めたものです。結果としてここに書いてありますが、都道府県が運営している障害校8校に対して、また一般の訓練校5校に対して、具体的な設置運営サポート事業というのを行いましたが、こちらについても、先ほどの資料1でもう少し御説明すればよかったのですが、かなり手間を掛けてやっております。
まず、立ち上げたいという都道府県に私どもの指導員が乗り込みまして、実際、では2年後に精神障害者の訓練コースを立ち上げたいと言った場合に、具体的にどのように立ち上げようか。ニーズなり訓練の計画なりをかなり詳細にお聞きします。そのニーズを踏まえて、実際に都道府県のほうでコースを立ち上げた際に、指導員の先生になる予定の方々に、2、3日こちらに来ていただいて、私どものフィールドを使って訓練の模擬的な取組を行っていた。そういったものを繰り返しながら具体的にノウハウを伝授していくような取組を行った結果、平成25年度から平成29年度までに5校が専門訓練コースを設置できたことになっています。
特にお話をしたいのは、平成29年度では、ようやく効果が出てきたところです。平成29年度について、この設置運営コース、設置を目的とした4校が、全て専門訓練コースを立ち上げることができたということで、5年をかけてようやくこちらの事業も私どもとしては成果が出せるようになってきたと考えております。ちなみに、こちらの指導技法については、今第4期におきましては、国からも非常に重点的に力を入れる事業としてしっかりやれということで、ちょうどこの3期の5年間の経験をいかして、来期は更にこの指導技法の開発に努めていきたいと思っております。
 
○今村主査
ありがとうございます。少し整理をしなければいけないのですが、年度の変化を見たときに、これまでB評価で各年取っていた中で、複数年で見たときに突然Aになるという理由は何なのかということで、今、おっしゃったように、特にここを強調されて、専門訓練コースですか、運営サポート等をやったというふうに。でも、ただこれは、毎年の評価の中、それぞれ年度評価で提案されていてB評価になっているわけですから、ここで改めてそれを繰り返し出してAになるという理由になるのかと。ちょっと説得力が乏しいのと、もう1つは、何回か繰り返されていますが、2期に比べて3期のほうが数字が上がっている。でもこれは、数字が上がるのは当たり前で、上がっているのはB評価なのです。ですから、しかしそれが120%を超えたときに初めてAになるわけですから、そこのロジックをやはりちょっと余りお使いにならないほうがいいのではないかという感じがします。説得力ということであれば、3期平均で120%を超えましたという説得力であれば我々は説得されるということですので、そこは冷静に整理しなければいけない。思いはとてもよく分かりますし、非常に高いレベルのことをやっていらっしゃるということは十分伝わっておりますが、あくまでも形式的という言い方は変ですが、ルールに従ってやっていければと思います。お分かりでしょうか。特にそういう意味で、新たな特段の、通年で見たときにAにする理由は見当たらないという印象です。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長
2点お話を頂いたのかと思います。後者のほうの、例えば就職率が2期と3期に比べて数字がこれだけ改善しましたというのは、確かに御指摘のとおり指標そのものではありませんので、付加的な情報として御紹介させていただいたことになります。前者の部分は、平成25年度から取り組んできましたが、結局、結果が出たのは、平成29年度にようやく結果が出たということです。これまでは、こういったことを取り組んできましたという経過の説明がほぼ大半でしたが、平成29年度については、支援した所全て開校できたという、初めて結果が出たので御紹介させていただいたことになります。
 
○今村主査
大変よく分かりました。ありがとうございます。特に御意見はございませんでしょうか。それでは最後、11、12、13をまとめてお願いします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
54ページを御覧ください。評価項目1-11「離職者訓練」になります。55ページになります。この評価項目の自己評価はAとしております。56ページを御覧ください。就職率は80%以上という目標を全ての年で上回り、平成25年度の86.3%が平成29年度には87.7%まで向上しております。また、常用労働者の割合についても、平成25年度の76%が平成29年度には81.6%と高水準に達成しまして、就職の質の向上についても成果を上げていると考えております。この項目については、見込評価の大臣評価がAでありまして、平成29年度も高水準の実績を上げていることから、当機構としては、自己評価はAということにさせていただいております。以上です。
続きまして、1-12です。58ページを御覧ください。評価項目1-12の「高度技能者養成訓練」になります。59ページです。この評価項目の自己評価はAになっております。60ページを御覧ください。就職率は目標の95%以上というのを全ての年度において達成しております。また、就職率だけではなく、常用就職率についてもほぼ100%の高い水準を達成しておりまして、就職の質の向上という意味でも成果を上げております。このほか、発達障害を想起させる学生への対応だとか、生産ロボットシステムコースの開発などにも、この年間で取り組んだところです。この評価項目の見込評価の自己評価はAでしたが、大臣評価はBになっておりました。平成29年度において、就職率が過去最高をマークしたことに加えまして、第四次産業革命への対応を視野に、生産ロボットシステムコースの開発を実施するなど、新規の新しい取組にもチャレンジしまして、それを達成したことを踏まえて、自己評価としてはAとさせていただいております。以上になります。
続いて、62ページになります。評価項目1-13「在職者訓練、事業主等との連携・支援」についてになります。63ページを御覧ください。平成29年度の実績については、先ほど申し上げたとおり、過去最高の実績であったこと、更には、新たに生産性向上支援訓練を実施したことなどから、自己評価についてAとしておりますが、中期目標期間5年間を通して考えた場合には、見込評価のBをAにランクアップするまでには至らないと判断しまして、この評価項目については、自己評価についてもBということにさせていただいております。以上になります。
 
○今村主査
ありがとうございます。この3つの項目について、今の御説明に対して御意見、御質問等がございましたら、よろしくお願いします。
 
○戸田構成員
ここも、先ほどと同じような質問をして恐縮なのですが、やはり、1-12に関しては、中期目標期間の見込評価をBにしていらっしゃるにもかかわらず、これは大臣評価だと思うのですが、Bになっているにもかかわらず、実績評価ではAとされている理由をもう一度説明していただければと思います。やはり、ちょっとこの点に関しては、平成29年度の評価を議論したときも同様で、やはりBが妥当なのではないかという印象を持っておりますので、もう一度、見込評価はBなのだけれども、その実績評価をAにした理由について御説明いただければと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
61ページの上段の右の表を御覧ください。まず、入校者の定員充足率、これはもう確実に各年度ごと、共に100%を達成していることに加えまして、この学卒、高度技能者養成訓練に関しましては、評価の対象が就職率とはなっているのですが、やはり大事なのはカレッジ、この大学等の魅力をどうアピールするかになると思っております。そのためには、学生が来たいという訓練科、あるいは訓練の内容、これが大事だと考えておりまして、第3期の期間中に科の見直しを行いました。この5年間の中で廃止をした科が19科あります。新設をした科が22科ありまして、トータル、現在設置している科が122科ということです。それぞれの時代、時代ごとに、ニーズを踏まえて産業構造等の変化に対応できるような科を設定してきた。それを基に、広報を展開して入校者を確保し、地域社会が必要とされる人材を輩出したことがまず1点です。
それからもう1点としては、61ページの中段を御覧ください。共同研究・受託研究の表を掲載しております。第3期においては、平成25年度から平成29年度につきましては、トータルで491件の実績であります。第2期につきましては、平成20年度から平成24年度までで、トータルで392件。第2期に比べて第3期は、大幅に120%を超える実績となっております。この共同研究・受託研究については、企業が抱える課題をヒアリング等を行いまして、双方で協議をして、この研究を実施していくというものですので、件数を毎回確保できるものではない中で、これだけ企業等と共同し、あるいは研究を進めていったというところを是非、御勘案いただきたいと考えております。冒頭で申しました訓練科の見直しに加えて、年度評価の中でも申しましたが、ロボットコースの開発についても平成28年度から進めておりまして、平成30年度の実施にこぎ着けたというところも是非、評価の点として御勘案いただければと考えております。以上です。
 
○今村主査
ちょっと簡単に整理しなければいけないのですが、評価官室にも御助言というか御発言を頂ければと思います。あくまでも、Bを取っていれば、それはそれで100%オーケーということをまず我々は認識しなければいけないわけで、Aというのはプラスアルファーの、それ以上の成果があったということで。そのときに、プロセスと、それからアウトプット、アウトカムという評価の項目が2つ、主に2つあると思うのです。今後、我々も考えなければいけないのですが、プロセスとアウトプット、アウトカムが一緒になって混在しているときに、非常に理解が難しい。
特に、高・障・求機構さんの場合には、非常にレベルの高いことを既にやっておられて、そういうモチベーションというか意識は非常に高い。そうすると、プロセスに対してものすごく思い入れがあってそれを書き込まれているのだけれども、結果、アウトプット、アウトカムについては120%足りないというのをどのように説明していくかというときに、やはり、アウトプット、アウトカムは120%、それから、プロセスは定性的なものできちっと作っていくという分かりやすい区別をしていただければ。お話を聞いていて、思いは非常によく分かるのですが、それで十分これでAにしようという説得力にはまだ乏しいという感じがします。
ですから、例えば、先ほどこの件に関しては申し上げましたように、機構の持つシナジー効果を利用して、機構に寄って来る高度技能者に対して特別な付加価値を付けたとか、そういった定性的な努力を通年、5年間を通じてやったとか、そういうことが出ていればまた話は別だという印象はしますが、いかがでしょうか。何か、もし御異論があればですが。
したがって、これから我々は、本当は、こういうことわざがあるのですが、アウトカムがプロセスをドライブすると、結局、我々は行ったことのある所しか行けない。だけれど、プロセスがアウトカムをドライブすると、どこに行くかは分からないけれど、行き着く所はきっと我々の行きたい所だろうということを言うのです。つまり、やはりプロセスは大事にしなければいけない。ですから、その思いをきちっとやっていただけるのであれば、それはやはり定性的な評価の中で、これだけ人員をかけて、典型的な例が1-2だったと思いますが、そういう形で是非。
これは評価官室にもちょっと助けていただきたいのです。Bだとモチベーションがもたない、B評価を持ち帰っただけで組織のみんながやる気をなくすと言われて、それは非常に、私どもは政・独委から頂いた基準に従ってやっているのですので、やはりそこはちょっと評価官室からお助けを頂いて、Bで十分なのだということを説明していただきながら、この項目は終わりたいと思いますので、よろしくお願いします。
 
○政策評価官
すみません、評価官室から補足をさせていただきます。今の制度の中でのB評価というのは、土井先生もおっしゃっていましたが、旧制度のA評定と同じものです。全体に1段階、アルファベットとしては下がったようには見えるのですが、十分目標を達成している、順調に事業が進んでいるというのがB評定ということです。A評定と言うのは、それにプラスして、要は成果が、初期の目標では想定していなかったような成果があるという、それぐらいの意味合いがA評定、かなりの特別なものと言いますか、そういうのがA評定と理解しておりますので、その点、よろしくお願いします。
 
○今村主査
ということですので、どうぞよろしくお願いします。ということで、続いて最後に、法人の監事及び理事長から、年度中期目標期間における目標の達成状況等を踏まえまして、今後の法人の業務運営等についてコメントを頂ければと思います。最初に、法人の監事から、続いて法人の理事長よりお願いします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構監事
資料ですが、恐縮ですがお戻りいただいて、資料1-4、1枚ものです。重要なのは、1ページ目の最後のⅡ以下の部分です。各項目について平成29年度につきましても、これは適切に対応、実施されているということで報告をさせていただいております。また、第3期中期目標の5年間につきましても、適正、適切に対応、実施されてきたという認識をしておりますことを付け加えさせていただきます。以上です。
 
○今村主査
ありがとうございました。続きまして、理事長からお願いします。
 
○高齢・職業・求職者雇用支援機構理事長
理事長の和田です。今日は、本当に長時間にわたりまして、貴重な御意見と、それから御指摘を頂きまして、誠にありがとうございます。私は、この機構の理事長になってもうじき3年になるのです。こちらに来て改めて思ったのが、機構の特徴として、極めて専門性が高い、それから全国に展開している、これも特徴だと思っています。でもこの3年間の中で、やはり徐々にだんだんに変わりつつありまして、それが、極めて高い専門性だけではBだろうという話なのです。
その中で、さらにプラスアルファとして、お話も随分出ていました、相手が、対象が、やはりだんだんに変わってきている。より支援が困難な人になったりとか、それから、求職者がだんだん減ってきて在職者がだんだん増えてきてとか、それからもう1つは、支援の仕方が、対象の利用者の人、一人一人を対象にするもさることながら、もっと大きな、例えば地域の中で中核的な役割を果たしてくださいとか、それから、より企業にアプローチしてくださいとか、そのように変わってきている。
例えば生産性向上支援訓練などというのも、先ほどお話がありましたように、今まで機構ではやっていなかったようなことも。プログラムは機構で開発するのだと。だけれども、やってもらうのは民間の機関にやってもらう、このような動きが要求されたりとか、大分、この3年間で様子が変わってきたと考えております。この動きというのは、これから更にもう、そういう動きが進んでいくのだろうと。
例えば、働き方改革の話題もそうですし、そういう意味で、この機構の第四期の中期目標期間というのがこの4月から始まっているのですが、そういうところを十分に踏まえた上で、やはり国民のニーズ、国のニーズに合わせるような格好で機構の専門性を高めていく。私が来てから支部組織になって、やはり障害者のところと、それから訓練のところが1つの組織になって。これがやはりシナジー効果というのも、本当にぱっとは出てこないのですが、じわじわと出ていると思っていますので、そういうところも、なかなか御説明するのは難しいし、定量的に説明もなかなかできないのですが、この辺も御理解を頂いて、よろしくお願いしたいと。機構としても、コンプライアンスにはもうきちっと留意して、きっちりした事業運営を進めていきたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いします。以上です。
 
○今村主査
ありがとうございます。それでは、ただいまの御発言内容について、御意見、御質問等がありましたらお願いします。
 
○志藤構成員
どうもありがとうございました。ちょっと私が考えておりましたことを、正に理事長がおっしゃってくださいました。1点、御発言の中で、気になっておりましたことがありましたので、それと併せて感想を述べさせていただきたいと思います。御説明の中で、50歳以上高齢者という言葉が何度か出てきまして、それが私はかなり気になっております。実際、定義としては65歳以上が高齢者で現在ありますし、それから、御存じのように、昨年の1月、日本老年学会が、これからの高齢者は75歳以上を高齢者として、65歳から74歳までは社会を支える側に回るのだということをきちんとおっしゃっている中で、高障求機構さんが果たしてきた役割の中で、やはり今まで高齢者と呼ばれていた人たちが社会できちんと働けるということをなさってきた、まさにその先頭に立っておられた方々が、やはり65歳から74歳までの方を高齢者と呼ぶことなく、社会の中できちんと働いていただくために大きく舵をもう一回切り直して、その方々にどのような形で社会に参加していただくかを考えていただく先頭に立っていただかなければいけないのが、多分、高障求機構さんなのではないかと私は思っておりましたので、細かなことですが、50歳以上高齢者という表現は余りよろしくないかと思いますので、そこにちょっと苦言だけ申し上げさせていただいて。
ただ期待することとしては、本当に、これから社会を支える側の方々を、もっと大きく、高障求機構さんのほうでリードしていくような大きなうねりの運動を是非作っていただきたいということを心からお願いをして、感想だけ述べさせていただきました。失礼いたしました。
 
○今村主査
ほかにはいかがでしょうか。今の理事長の御発言は全くごもっともだと思います。対象が変わっている、手法が変わっている。それは是非、今期の評価に定性な指標として。私は、やはりボトムアップがすごく大事だと思います。現場を実際に、専門性の高い状態で現場に触れていらっしゃる方の情報はすごく大事だと思いますので、それがもしかしたら政策にもまたフィードバックできるかもしれないし、是非、そういうことを今後の評価の定性的な部分のところで積極的に御発言をしていただければと思います。
ガバナンスに関してですが、たまたま7月の初めに、私は旧東ベルリン地区のアドラースホーフという産業クラスターをちょっと見てきました。ドイツというのは、トップダウンで官僚的な国だと思ったら全然そのようなことはなくて。何が言いたいかと言うと、毎日のようにセミナーをやって人を集めてそこで勉強会をやったり、意見交換会をやったりして、そうすると、ランチタイムとかコーヒーブレークとかにいろいろな情報交換ができるわけです。つまり、シナジー効果を出すというのは、言葉で言うけれどそう簡単ではなくて、できるだけいろいろな人がいろいろな形でつながっていくという努力を是非。機構の持っているすばらしい資源を横に広げていただく、そういう水平的なヨコのイノベーションを是非広げていただくためにも、機構でできることはまだいっぱいあると思うのですので、是非それを活用していただいて世の中に還元していただいて、そして、次回の報告を楽しみにしておりますので、どうぞよろしくお願いします。
それでは、一応、本日の議事を終了させていただきます。最後に事務局からお願いします。
 
○政策評価官室長補佐
今後の流れについて、御連絡します。本日、御議論いただきました高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成29年度業務実績評価並びに中期目標期間実績評価につきましては、この後、本ワーキンググループにおける御意見や、法人の監事さん及び理事長様のコメント等を踏まえ、厚生労働大臣による評価を決定し、法人及び独立行政法人評価制度委員会に通知するとともに公表いたします。決定したそれぞれの内容につきましては、後日、構成員の皆様にもお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。最後に、構成員の皆様におかれましては、本日、配布した資料の送付を御希望される場合には、机上にそのままにして御退席いただきますようお願いします。事務局からは以上です。
 
○今村主査
ありがとうございました。それでは本日はこれで終了とさせていただきます。長時間にわたりまして、外も中も熱い状態で御議論を頂きまして、本当にありがとうございます。皆様のお帰りがもう少し涼しくなっていることをお祈りして、これで閉会をさせていただきます。どうもありがとうございました。お疲れ様でした。
 

(了)

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