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2018年8月9日 第145回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

労働基準局労働条件政策課

○日時

平成30年8月9日(木)10:00~12:00

 

○場所

中央労働委員会講堂

○出席者

【公益代表委員】

荒木委員、安藤委員、川田委員、平野委員、守島委員
 

【労働者代表委員】

川野委員、櫻田委員、中川委員、村上委員、世永委員
 

【使用者代表委員】

秋田委員、齋藤委員、早乙女委員、佐久間委員、杉山委員、松永委員、輪島委員
 

【事務局】

坂口労働基準局長、田中審議官、富田総務課長、黒澤労働条件政策課長、石垣監督課長、久知良計画課長、中嶋調査官

○議題

(1)「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について
(2)その他

○議事

 

 

○荒木分科会長 それでは、御予定の方は皆様おそろいということですので、ただいまから第145回「労働政策審議会労働条件分科会」を開催いたします。
本日の委員の出欠状況ですが、御欠席の委員としまして、公益代表の黒田祥子委員、水島郁子委員、両角道代委員、労働者代表の柴田謙治委員、八野正一委員、弥久末顕委員、使用者代表の佐藤晴子委員と承っております。
本日の議題に入る前に、前回当分科会を開催してから事務局に異動がございました。定足数の報告とあわせて事務局より説明をお願いします。
○労働条件政策課調査官 それでは、事務局の異動につきまして御紹介をさせていただきます。
まず、労働基準局長の坂口です。
続いて、大臣官房審議官(労働条件政策、賃金担当)の田中です。
次に、総務課長の富田です。
労働条件政策課長の黒澤です。
監督課長の石垣です。
次に、定足数について御報告いたします。労働政策審議会令第9条により、委員全体の3分の2以上の出席、または公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。
○荒木分科会長 それでは、カメラ撮りはここまでということでお願いします。
本日の議題に入りたいと思いますが、本日の議題は「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律について」です。
資料について事務局より説明をお願いします。
○労働条件政策課調査官 承知しました。
それでは、本日御説明する資料の確認をさせていただきます。御説明をいたしますのは大きく3点でございまして、資料1、2、3という形で付してございます。
そのほかは参考資料ということで9点ほど付しておりますが、こちらはこれまでお出しいたしました関係する建議でありますとか附帯決議、現行省令や告示の条文などをまとめたものでございますので、特段御説明のほうは割愛をさせていただきます。
御説明をさせていただきます資料の内容でございますが、まず、No.1は、36協定に関して労使当事者が留意すべき事項などを整理した指針案のイメージでございます。資料No.2が、36協定の様式案。資料No.3が、年次有給休暇の時季指定義務につきまして、年休を前倒しで付与した場合の取り扱い。これは絵などで整理をしたものでございまして、以上3点でございます。順番に御説明をさせていただきたいと存じます。
まず、資料No.1でございます。タイトルは「労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針案(イメージ)」というものでございます。「1 目的」から始まりまして、9つの項目に分けて留意すべき事項などを整理したものでございます。
順番に、まず「1 目的」です。こちらは36協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項などを整理したものでございます。そのことにより労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとすることを目的とするということでございます。
次に「2 労使当事者の責務」でありますが、ここの内容は3行目あたりからごらんいただきたいと存じます。「労働時間の延長及び休日の労働は必要最小限にとどめられるべきであり、また、労働時間の延長は原則として限度時間を超えないものとされていることから」としまして、労使当事者は、これらのことに十分留意した上で時間外・休日労働協定をするように努めなければならないとするものでございます。
続いて「3 使用者の責務」でございます。ここには2つのことを書いてございますが、1つは(1)の安全配慮義務についてであります。使用者は、時間外・休日労働協定において定めた労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させることができる時間の範囲内で労働させた場合であっても、労働契約法第5条に基づく安全配慮義務を負うことに留意しなければならないというもの。
2つ目が(2)脳・心臓疾患の労災認定基準の関係であります。ここでは、認定基準を引用する形で3行目からになりますけれども、1週間当たり40時間を超えて労働した時間が、1カ月においておおむね45時間を超えて長くなるほど業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できるとされていること。それから、発症前1カ月間におおむね100時間または2カ月間ないし6カ月間において1カ月当たりおおむね80時間を超える場合には業務と発症との関連性が強いと評価できるとされていることに留意しなければならないと書くものでございます。
おめくりいただきまして、「4 業務区分の細分化」についてであります。こちらでは、労使当事者は、協定において業務の種類について定めるに当たっては、業務の区分を細分化することにより当該業務の範囲を明確にしなければならないといったことを規定するものでございます。
続いて「5 限度時間を超えて延長時間を定めるに当たっての留意事項」であります。
(1)の内容ですが、こちらも3行目当たりからがポイントでありますが、「労使当事者は」の後、臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合をできる限り具体的に定めなければならず、「業務の都合上必要な場合」、「業務上やむを得ない場合」など恒常的な長時間労働を招くおそれがあるものを定めることは認められないことに留意しなければならない。
(2)でありますが、「労使当事者は」で始めまして、協定において限度時間を超えて1、2。1というのが1カ月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させることができる時間でありますし、2は、1年について労働時間を延長して労働させることができる時間でありますが、こうした時間を定めるに当たっては、労働時間の延長は原則として限度時間を超えないものとされていることに十分留意し、当該時間を限度時間にできる限り近づけるように努めなければならないとするものでございます。
(3)では、限度時間を超える時間に係る割り増し賃金の率を、政令で定める率を超える率とするように努めなければならないということを規定するものでございます。
続きまして「6 1箇月に満たない期間についての延長時間の目安」でありますが、ここでは1カ月に満たない期間において労働する労働者について、延長労働させることができる時間を定めるに当たっては、当該期間の区分に応じて、それぞれの目安時間を超えないものとなるように努めなければならないと書いてございます。
具体的には、2ページ先の別表をごらんいただきたいと存じます。別表でありますが、期間としまして1週間、2週間、4週間、目安時間としてそれぞれ15時間、27時間、43時間というところでございます。現行の限度基準告示におきまして、こうした一月未満の区分の定めがございますので、それを目安時間として生かしていこうというものでございます。
1枚おめくりいただきまして「7 休日の労働を定めるに当たっての留意事項」となります。労使当事者は、協定において休日の労働を定めるに当たっては日数をできる限り少なくし、及び労働させる時間をできる限り短くするように努めなければならないとするものでございます。
続いて「8 健康確保措置」についてであります。これは限度時間を超える延長時間を定める場合には、限度時間を超えて働く方に対する健康確保措置を協定で定めていただくこととなりますが、その健康確保措置としまして望ましい内容を指針で示すというものでございます。具体には、1から9に掲げるもののうちから協定することが望ましいことに留意しなければならないとするものであります。
中身でございますが、1が労働時間が一定時間を超えた労働者に対する医師による面接指導。2が深夜労働の回数制限。3が勤務間インターバルの確保であります。これに続く4から9が現在の企画業務型裁量労働制に係る指針におきまして、健康福祉確保措置として例示されているものを掲載してございます。4は代償休日または特別な休暇の付与ということでありますし、5は健康診断の実施、6が年次有給休暇の連続取得を含めた取得促進、7が心とからだの健康問題についての相談窓口の設置、8が必要な場合には適切な部署に配置転換をすること、9が産業医等による助言・指導を受け、または労働者に産業医等による保健指導を受けさせることという内容になってございます。
「9 適用除外等」であります。ここでは、まず(1)から(3)で研究開発業務について整理をしております。新技術、新商品等の研究開発業務につきましては、法律上、限度時間の対象とはならないことから、まず(1)において、先ほどごらんいただきました5、これは限度時間を超えて延長時間を定めるに当たっての留意事項であります。それから6と8、8は限度時間を超える場合の健康確保措置として望ましい事項でありますが、これらは適用しないこととする。一方で、健康管理の観点から(2)(3)を規定し、適用していくというものでございます。
(2)をごらんいただきますと、労使当事者は、時間外・休日労働協定において労働時間を延長して労働させることができる時間を定めるに当たっては、限度時間を勘案することが望ましいことに留意しなければならないこと。
加えて(3)では、労使当事者は、時間外・休日労働協定において1カ月について45時間または1年について360時間を超えて労働時間を延長して労働させることができることとする場合には、当該協定において当該時間を超えて労働する労働者に対する健康確保措置を定めるように努めなければならず、健康確保措置については、8に掲げるもののうちから定めることが望ましいことに留意しなければならないとするものでございます。
最後に(4)でありますが、こちらは適用猶予となる業務における当面5年間の取り扱いについてのものでございます。先ほどの5、6、8については適用しないとした一方で、5年後の規制の適用に向けまして、(2)の研究開発業務と同様に、協定に当たり限度時間を勘案することが望ましいことに留意しなければならないとするものでございます。
以上が資料1についての御説明でございます。
続きまして、36協定の様式案について、資料2-1、2-2で御説明をさせていただきます。2-1のほうは特例延長を行わない場合の様式、2-2のほうが特例延長を行う場合の様式となっております。現行のものと比べ、多少なりとも違いのあるところは赤字としてございます。
まず、2-1の様式でありますが、この様式の上3分の2くらいまでが時間外労働について、そしてその下が休日労働についての記載欄となっております。時間外労働のところを左から右に記載事項を追っていただきますと、時間外労働させる必要のある具体的な事由ですとか業務の種類などのほか、右のほうに目を移していただきますと、延長することができる時間を書いていただくというものであります。1日、1カ月、1年について、法定労働時間を超える時間数を書いていただくものでありますが、これまでの取り扱いも踏まえまして、所定労働時間を超える時間数も併記できることとしております。また、1年の記載欄では、年間の時間数をきちんと管理できるようにということで、起算日の欄を設けているところであります。
目を下のほうに移していただきまして、休日労働の欄でありますが、この欄の右のほうに労働させることができる法定休日の日数、その場合の始業・終業時刻を書いていただく欄を設けているところでございます。
この箱の一番下のところに1行、上記で定める時間数にかかわらず、時間外労働及び休日労働を合算した時間数は、1カ月について100時間未満でなければならず、かつ2カ月から6カ月までを平均して80時間を超過しないこととし、チェックボックスに要チェックとしたところでございます。こちらは今回の法改正で休日労働も含めた時間外休日労働の時間数、これが単月100時間未満、複数月の平均では月80時間以下とすることとされました。この水準は、特例延長を行わない月も含めて時間外労働及び休日労働の合計値として満たしていただく必要があります。このことはもちろん法文でも担保されているわけでありますが、労使の協定レベルでもその旨定めていくということで、昨年秋の法律案要綱の際にもお諮りしたところでございます。これはできる限り簡便な形でできるようにということで、チェックボックスという形にしたという趣旨でございます。
続きまして、次のページが記載心得でありまして、実際には様式の裏面となるところであります。例えば1では業務区分の細分化といった話、2では限度時間、月45時間、年360時間以内で記入するといったことですとか、そのような留意事項を参照できるものとしているところでございます。
続きまして、2-2の様式のほうに移らせていただきます。こちらが特例延長を行う場合の様式であります。1枚目は先ほどの様式と同じでありますので、2枚めくっていただいたところが特例延長を記載する部分となっております。一番左が臨時的に限度時間を超えて労働させることができる場合、右側には1カ月、1年、それぞれの特例延長について記載いただく欄を設けております。1カ月のところでは、限度時間を超えて労働させることができる回数を6回以内で書いていただくということ。その右の欄には、法定労働時間を超える時間数と休日労働の時間数を合算した時間数、これを100時間未満で記載いただく欄。そして、1年のところでは、法定労働時間を超える時間数を720時間以内で書いていただく欄を設けているところでございます。
下のほうに目を移していただきますと、限度時間を超えて労働させる場合における手続、限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置、これらを書いていただく欄を設けているところでございます。
次のページが裏面に来る記載心得となります。何点かの紹介にとどめますが、1の(5)では、時間外・休日労働の時間数は月100時間未満で記入するということですとか、(9)では、先ほどの指針案イメージでごらんいただきました健康確保措置を掲載いたしまして、選択していただけるように用意をしているところでございます。
様式の説明は以上とさせていただきまして、最後に年休の資料、資料No.3に移らせていただきたいと存じます。こちらは年休を前倒しで付与した場合の年休時季指定義務の考え方を整理した資料となります。資料のつくりといたしましては、一番上の箱が条文のイメージ、真ん中の箱が、要すればどういう取り扱いになるのかということをもう少し平易に書いたもの、これを下の絵でもごらんいただけるようにしているというつくりでございます。
1枚目でございますが、これは通常の前倒しの際の扱いを書いたものであります。法定の基準日、4月1日入社の場合であれば10月1日となりますが、これより前に10日以上の年休を与えることとしたときは、その日から1年以内に5日の年休を取得させなければならないとするものであります。例えば、下の絵のように、入社日である4月1日に10日の年休を与えることとした場合には、翌年の3月31日までに5日取得させるというものであります。
続いて、2ページ、こちらがダブルトラック発生時の扱いというものであります。考え方を整理したものでありますが、ここでは入社した年とその翌年とで年休の付与日が異なる日となるケースの扱いであります。具体には、初年度は法定の基準日である10月1日に10日付与するが、2年目以降は全社的に付与日が4月1日とされているため、これに従って4月1日に付与していくようなケースであります。この場合、5日の時季指定義務の履行期間に重複が生じますので、年休の取得状況の管理が複雑になり得るところかと思います。このため、最初に10日の年休を与えた日から、次に年休を与える2つ目のトラックの周期まで、これを1つの期間と捉えまして、その長さに応じた日数を当該期間中に取得させることも認めるというものでございます。
絵でごらんいただいたほうがわかりやすいかと存じます。下の右側の絵でごらんいただきたいと思いますが、最初の付与日である10月1日から次のサイクルの周期である翌年3月31日まで、これを1つの期間と捉えまして、この期間内に1年当たり5日に相当する日数を比例的に取得させることを認めるというものであります。こちらが2枚目の内容でございます。
3枚目はごく簡単に申し上げます。これは1枚目、2枚目の履行期間が経過した後は、そこを起点として次の1年のサイクルが始まるという、そのことに尽きるものでございます。下の絵、左側の例1にありますように、4月の入社時点で前倒し付与した場合には、3月末に1年間の履行期間が終了するわけでありますので、次は直後、4月からの新たな1年間で5日の時季指定を行っていくというものでございます。念のため、こうしたことについても規定をしていくということであります。
最後に4枚目であります。履行期間前の年休取得の取り扱いについてであります。こちらは年休を前倒しで分割付与する場合、例えば絵のように、4月1日の入社時点で5日、その後、7月1日で5日付与するようなケースについてであります。この場合、付与した年休の日数が10日に達する7月1日が基準日となりまして、その日から使用者の時季指定義務が発生することとなります。このとき一部前倒しで付与された年休を労働者が実際に取得した場合に、当該日数分については、7月1日から始まる履行期間における時季指定義務がその日数分果たされたこととするというものでございます。
内容は以上でございますが、年休の時季指定につきましては、前回もわかりやすく丁寧な周知が必要という御意見を多く頂戴いたしました。周知に当たりましては、まず、そもそも原則的な付与の仕方だとどうなるのかということをしっかりと示した上で、前倒し付与している場合にはということで、今回御説明した資料のような内容をよく整理して周知していくことで対応したいと考えてございます。
私からの説明は以上でございます。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等があればお願いいたします。
中川委員。
○中川委員 中川でございます。
36協定の様式について意見をさせていただきたいと思います。まず、過半数代表者についてですけれども、過半数代表者というのは今回、法定基準を解除するかを決める重要な役割を担うことになっているということで言うと、今回の資料にありますとおり、記載心得の8番目のなお書き以降にあります過半数代表者を選出する者はどうやって選出するかということと、使用者の意向に基づいて選出された者でないこと、この要件を満たさない場合は有効な協定とはならないことに留意するということ、そのようにしっかり書いていただいているところは、労働側としては評価させていただきたいと思います。
ただ、実際問題、前のページの協定届に戻っていただくと、現行の協定届でもそうなっていたと思うのですけれども、使用者のみが押印までする形式となっていると思います。通常、労働組合であれば、恐らく労働組合印や委員長印などの角印や丸印を押した形で提出していると思いますけれども、協定の持つ意義を踏まえれば、過半数代表者の場合も氏名及び押印まで含めてしっかりやるべきではないかと思いますので、御検討いただけたらと思います。
以上でございます。
○荒木分科会長 ありがとうございます。
事務局からいかがですか。
○労働条件政策課調査官 ありがとうございます。
私どもの今の考えということで申し述べさせていただきますと、まず、協定の当事者となる使用者、それから労働者代表につきましては、どちらにつきましても、自署または記名押印ということで求めているところであります。ただ、使用者につきましては、御案内のとおり代表者印のほかに、支店長でありますとか人事部長といった権限を示す印鑑を用いることが見込まれるために、様式上も押印スペースということで設けているところでございます。ただし、使用者が自署する場合には、押印をもって省略できるということでやっているところであります。
他方、労働者代表につきましては、今、御指摘もありましたように、権限を示す印というものをもっておらず、自署する場合が多いと考えられることから、この様式では特段押印スペースを示していないところであります。
今回、自署あるいは記名押印に係る取り扱いを変えるものではございませんので、そういった意味で、様式については従前どおりということでお示ししているところでありますけれども、御指摘のありましたような協定の持つ意義ですとか手続の重要性については十分認識をしているところでありますので、そういった点の周知については諮ってまいりたいと考えてございます。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
輪島委員。
○輪島委員 ありがとうございます。
様式2-1と2-2のところでお伺いしたいと思います。まず確認ですが、2-1は36協定を結んだときに出すということで、今、御指摘があったように、使用者側としては印を押して出す。資料2-2は36協定及び特別条項つき36協定を結んだときに出す様式ということで、どちらかを申請するということでよろしいかどうかという確認でございます。
2点目ですが、資料2-1の一番右側の「起算日」というところで「(年月日)」と書いてありますけれども、私どもとしては西暦というふうに書いてはどうかなと。来年5月に元号も変わるということなので、その間に混乱がないように、年月日と書けば西暦なのかもしれませんが、西暦と明示をしていただければいいのではないかと思っております。
それから、2-1の2ページ目ですが、必要なことを全部書くとこういうふうになるのかなと思いますが、さすがにこんなに細かい字がいっぱいあると厚生労働省のセンスを疑うなということで、読みやすいものにするべきではないかと第一印象として思いました。
今も御説明がありましたが、記載心得ということで、これは昔から心得という表現だと思うのですけれども、これは様式の裏側ですから、基本的には記載要領、どうやって書くのかということを書いてあるのだろうと思いますと、裏側の1番のワンフレーズですけれども、業務を具体的に記入し、業務と区分して記入すること。確かにこれは要領だと思うのです。しかしながら、2番に行くと、留意すること。2の(1)は記入することができる。(2)も記入することができる。こういうのは要領のエリアかなと思いますと、これは要望ですが、記載の要領の部分と記載の心得の部分を少し分けて、要領のところは上に寄せて、大きな括弧でくくったりしてわかりやすいようにするのが適切ではないかなと。
それから、強い要望を申し上げたいのですが、この様式が確定しましたら、厚生労働省のホームページでエクセルの表にして公開をしていただく。企業はそれをダウンロードすると、エクセルのところで数字をプルダウンで入れることができる。ここの100時間以上を、様式2-2で言えば右側の1カ月のところに、100時間未満ですから100時間以上は入れられないようにそもそもしておく。右側も720時間以上は記載ができないようにしたり、入力後、全体を保存したときに、例えば要チェックのところにチェックが入っていなければ保存ができなくて、チェックが漏れていますよということがちゃんとわかるようにするとか、デジタルに対応するような様式にしていただきたい。それと、それを監督署へ電子申請できるような仕組みにしていただきたい。
少なくともそうなると、この様式を使って申請をしたものは、書面上は法令違反がないものということになるのではないかと思います。そうすれば監督署の窓口としても、基本的にこの様式を使った電子申請のものは法令違反をチェックする手間が省けるというような意味合いでは生産性が高まると思いますし、監督署の窓口の業務もそれなりに適正な水準になるのではないかと思いますので、この点は強く御要望申し上げたいと思っているところでございます。
以上です。
○荒木分科会長 今の点について、事務局よりお願いします。
○労働条件政策課長 労働条件政策課長でございます。
今いただいたうち、3点に関して申し上げますと、1点目、資料No.2-1と2-2はどちらかを使うということに関しましては、御指摘のとおりでございます。36協定に関しましては、行政官庁に届出をすることにより、その免罰効が発生するというものでございまして、今回、このように2-1と2-2に分かれておりますのは、限度時間を超えて労働させるような場合に関して、従来はこのような省令様式がなかったわけでございますが、このたびは省令様式をつくると。それが2-2でございます。したがいまして、限度時間を超えて労働時間を延長することができるように労使で合意するのであれば2-2になりますし、そこをされないのであれば2-1ということでございます。
2点目でございますが、起算日(年月日)でございます。まず、起算日に関して年月日で明確化をしたほうがよいということに関しましては、本日も参考資料5でつけておるわけでございますが、平成29年にこの分科会でいただいております建議の中でも御提案いただいておるところでございます。今の西暦の点に関しましても、記載の仕方としまして御指摘を踏まえて少し検討をさせていただきたいと存じます。
続きまして、3点目でございます。裏面の記載心得に関しましては、本日の資料は案としてお示しするものでございますが、1つとして、省令様式ということもございまして、やはり法令としての正確性をまずは担保するということで、1枚におさめようという意図もございまして、小さくなっているところは大変恐縮でございます。
一方、いわゆるまさに記載要領というものと、どちらかというと配慮すべき心得のようなもの、性格が2つあるものが混在しているのではないか、そこを分けたほうがむしろ見やすいのではないかという御指摘と受けとめました。現在の記載心得の項目に関しましては、基本的に上から下へと申しますか、各欄に関して、それぞれの欄、各事項に関しまして要領的なもの、あるいは心得的なものを書いているわけでございます。そのようなやり方がわかりやすいか、あるいは今、御指摘いただきましたように、記載されている心得の中身の性格によりまして分類したほうがいいのか。このあたりも少し書き方を工夫させていただいて、また改めて御相談をさせていただきたいと存じます。
○監督課長 監督課でございます。
ただいまの4点目の強い要望ということでいただいた点でございます。これについては輪島委員に御指摘いただきましたように、事業主の方の御負担を減らすという意味でも、監督署の業務を効率的に行っていくという意味でも大変重要なことだと思っております。
私どもは、ことし3月から「スタートアップ労働条件」ということで、厚生労働省のホームページ上に事業主の方が労務管理や安全衛生管理のことなどをやりやすいようなサイトをつくらせていただいております。その中で、36協定の届けを出すときの作成支援ツールというものをつくらせていただいておりまして、現行の36協定の届け出でございますけれども、電子上で時間の欄をどんどん埋めていって作成するという形になっているのですが、ここで時間をかなり超えているとか、所定時間が例えばとんでもない10時間とかというようなことで書いてある場合にはエラーとなりまして、正しい記載をしないと次に進めないというか、作成が完成できないようになっています。こうしたものを改正後についても同じように見直しまして、使っていけるようにということで、取り組んでいきたいと思っております。
以上でございます。
○荒木分科会長 よろしゅうございますか。
輪島委員。
○輪島委員 ありがとうございます。
記載心得について、要望ですので、よく調整をしていただければと思います。もう一つリクエストですけれども、この様式以外に記入例、よく解説本に載っているような、またパンフレットにもあると思いますが、例えばカーソルがそこへ行くと後ろの心得がふっと出てきて、なるべく長時間労働は短く協定しましょうとか、そういうことがここに書いてあるだけではなくて、様式を作成しているところで参考のところもよくわかるように、そこがちゃんと周知されるように、さらにお願いをしたいなと思っているところです。
○荒木分科会長 中川委員、いかがでしょうか。
○中川委員 輪島委員にお聞きしたいのですけれども、先ほど強い要望の中で「電子申請」とおっしゃったと思うのですが、それは、それこそ確定申告みたいにコンピューター上で申請するものを意味しているのか、それとも先ほどの監督課長からの説明のようにネット上やサイト上でそういった申請の書類をつくるということをおっしゃっていたのか。先ほど調査官から、協定書に自分でサインするという説明があったので、ちょっと意味合いがわからなくて、済みませんけれども、聞かせていただけますか。
○輪島委員 私の申し上げた趣旨は、作成をして、e-Govの時代でございますので、できれば電子申請もできるような仕組みと。そこの書面の印とか、書面のところが現状どうなっているのかは、厚生労働省から御説明いただければと思います。
○荒木分科会長 事務局、いかがでしょうか。
○労働条件政策課調査官 今の御指摘の点でありますけれども、担当課長からも説明いたしましたが、厚生労働省のホームページでは今、「主要様式ダウンロードコーナー」というところがございまして、そこではまさに委員がおっしゃったようにツールとして作成するのに電子媒体を使いたいねという方向けにも利用いただけるように、様式をファイルの形で公開をしているものもあります。
同じページには、まさに電子申請もできるようにということで、電子署名ですとか一定の要件をきちんとクリアしたものであれば、電子申請できるような作成のツールもあるところでございます。恐らく輪島委員からの趣旨というのも、そこの部分を要件というよりも、今あるものがそれぞれにおいて適切に利用できるようにという趣旨ではないかと思いますので、当然、我々としては、様式をアップデートするというのは最も簡便なこととしてできるわけですし、電子申請についても一定のルールのもとでできる。できるならば、そこに簡便な形でリンクを張ったりだとか、今あるルールのもとできちんと利用促進できるようなところは便宜を尽くしていけという趣旨だと理解しておりますので、その両面で対応するということだと考えてございます。
○荒木分科会長 よろしゅうございましょうか。
それでは、ほかにいかがでしょうか。
川野委員。
○川野委員 今ほどの議論にも関連する同じ内容を含めてですが、前回もお話をさせていただいたとおり、この36協定の様式に係る部分でございますけれども、過半数代表者が法令によって設定された強行規定を解除する機能があるということは、先ほど中川委員が発言されたとおりでございます。そういった重要な役割を適切に果たすべき存在として、使用者、事業主代表、過半数代表が大変重要な手続を行うことであると我々は思っています。
そこで、輪島委員からあったように、電子化することについては、我々も入力作業等々が簡素化される部分では、大いに事務的手続が簡素化されることから賛成でございますけれども、その実効性における保証の観点では、電子申請は不適切な手続にどうチェックがかかるのか不安が拭えない状況があると申し上げておきたいと思います。
先ほどありましたとおり、記載心得の中身は記載要領的なものも含んでおり、整理が必要だという御指摘はまさに同感でございます。加えて言いますと、記載心得の中に、労働基準法第106条の法令等の周知義務を追記いただきたいと思います。パンフレット等では周知方法が書いてあり、3点あるわけでございますけれども、常時各作業場の見やすい場所に掲示する、書面で労働者に交付する、加えて磁気テープ、磁気ディスク等の記録媒体でそれを印刷できる機器で見られるということが挙げられています。我々がこの手続において重要視しているのは、上限規制が課せられたことを労働者が知って、自分たちの働き方を自覚するということ、また、その手続を経て上限規制が適用される人たちの健康確保にみずからもかかわるという視点が欠かせないと思っています。そうした手続の重要性も含めて、記載心得に、そうした周知義務の内容も含めて追記いただければと思います。
以上です。
○荒木分科会長 重要な御指摘だと思います。
ほかにはいかがでしょうか。
櫻田委員。
○櫻田委員 ありがとうございます。
私も、今の様式の記載心得の記載も含めて述べさせていただきたいと思うのですが、まず、チェックボックスのところです。今回、チェックボックスが入ったということは、上限時間を超えて協定を締結、届け出した場合ということだけではなくて、実際に働いた時間が2カ月ないし6カ月平均で80時間以内という要件を超えた場合にも、労基法の違反として処罰の対象となることを意味しているということで、大変大きな意味合いがあると思っております。
記載心得の7番に説明がされているのですけれども、表面のチェックボックスのところの一文を一読しただけでは、なかなか内容がわかりづらいのではないかと思っています。こういった重要な意味合いを持つ箇所であるからこそ、正確に趣旨を理解していく必要性があると思います。36協定の新様式において、現場の労使がともに理解することができる内容であることが必要であると考えますので、チェックボックスが形骸化しないためにも全体に丁寧な周知が必要だと考えております。
もう一点、今ほど川野委員からも周知ということの必要性がありましたが、「限度時間」というのも今回の上限規制の一つの大きな指標であると思っております。特別条項の新様式の裏面の記載心得にも、限度時間に関しては記載がされるべきであると思っております。月45時間、年360時間というところの記載は入れていただきたいと思いますし、あわせて、この点についての周知もしっかりとしていただきたいと思っております。
以上でございます。
○荒木分科会長 川野委員、櫻田委員から御意見がありましたけれども、事務局から何かございましょうか。
○労働条件政策課調査官 まず、櫻田委員からいただきました、チェックボックスの趣旨なども含めて全体に丁寧な周知ということで、その点につきまして、意を尽くしていきたいと思います。
それから、限度時間につきまして、これは記載心得の中で書くときに、当然、45時間、360時間の範囲内で記入するということで書いているところでございます。もちろんこの記載心得だけではなくて、そもそも協定に至る過程の中で労使の当事者の方がテーブルに着く前に十分な認識をということは当分科会でも全体として指摘いただいていることと存じますので、そういったことで工夫をしてまいりたいと思います。
それから、周知義務につきまして、この様式に書いていくのがどうかというところは正直、御指摘は大変重要と思いながら、労使が協定をしていく場面でありますので、先ほど来、協定に直接かかわるようなこと、あるいは記載にかかわるようなことをよく整理してという御指摘もいただいているところでございますので、そういったものとどう整理をしていくのか。
ただ、いずれにしても、この券面だけではなくて、周知義務も含めて今回の法の趣旨の重要性だとかそういったところをきちんと浸透させていけということが全体としての御指摘の趣旨だと思いますので、その趣旨を酌みながら、どのように対応できるか考えていきたいと存じます。
○荒木分科会長 よろしいでしょうか。
川野委員。
○川野委員 周知義務のところについては御検討いただきたいと思います。また、建議や参議院厚生労働委員会の附帯決議の中にあるとおりでございますが、使用者は、過半数代表者が各規定に基づく事務を円滑に遂行できるよう必要な配慮を行わなければいけないこととすることを省令で定めるとされていますが、その省令において、社内施設や社内のイントラネットの利用等、必要な配慮の具体例と申しますか、どういうことをもって事務を円滑に遂行できるような配慮ということについて、具体例を列挙していただいて、監督指導の際に徹底していただきたいと思います。
具体例としては、従業員の意見集約のための議論をする場の提供であったり、社内のイントラネットの利用とか、情宣活動のためのコピー機とか印刷設備の利用等々があるかと思うのですが、そうしたものがわかりやすく具体例として列挙されることを望みます。よろしくお願いいたします。
○荒木分科会長 御意見ということでございました。
佐久間委員。
○佐久間委員 佐久間でございます。ありがとうございます。
事務局のほうに、様式等々、これだけ資料を作成していただきまして、ありがとうございます。
先ほど輪島委員も意見を述べておりました様式の電子申請ですけれども、もちろん紙ベースの届け出というのも残っているわけですので、そこの中で労働者または事業所内に周知していくというのは、使用者なりの当然の義務だと思います。ただ、今、小規模事業者、中小企業者の規模の小さいところは、どうしてもまだまだ36協定、そして特別条項というのもやったらいいのか、また、存在自体もまだ普及していないというのが実情のところもあると思います。
労働基準監督署等に行くということは、あまり行ったことがない事業者にとっては、当初はなかなか気が引けることもあります。ですから、電子申請というか、例えばこの様式を厚生労働省のホームページやシステムからダウンロードして、申請できるよう、ぜひ電子申請をお願いしたいなと思います。これは参考資料にもありますが、平成29年6月5日の建議にも電子申請の促進ということが載っております。ただ、これは社会保険労務士の関係も入っているのですけれども、電子署名というのがあると、またここで一つ敷居が高くなってしまうものですから、入力したものをダウンロードして印刷ができて、それを労働者側、また使用者側で確認なり、掲示板などに張って周知をしながら、例えばコンビニに行ってPDFで送信できるようにしていただきたい。PDFの作成ソフトも小規模事業者はまだまだ取得していないというのもありますから、安易な方法でできるような形をぜひ考えていただければと考えております。
以上でございます。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
事務局からお願いします。
○労働条件政策課長 先ほど来、電子申請を御議論いただいているところでございますが、ただいま佐久間委員から御指摘いただきましたように、29年の建議におきましてもその方向性は示されておるところでございます。言うまでもないところでございますが、電子申請はあくまで届出の手法としてあるものでございますので、それによって何か法律上の義務が解除されるものでもございません。逆に言うならば、電子申請を便利にできる中において、逆にとるべき義務、果たすべき手続といったものが漏れることがないようにすることも当然必要であろうと思います。
恐らく輪島委員からの御指摘も、企業側の御負担、特にこの時代でございますのでということもあろうと思いますし、佐久間委員がおっしゃいましたように、特に中小企業の方に対して、今回、働き方改革というものの取組みについては私ども政府といたしましても、とにかく丁寧に御支援申し上げるというスタンスで取り組むこととしておるわけでございますので、中小企業、小規模事業者の方々におきましても、使いやすい方策といったものを考えていく。あるいは、そういったものが進んでいくということは、私ども行政、受け付ける側にとりましても簡便に事務が進むというような観点もあろうかと思っておりますので、いずれにいたしましても、ただいま御議論いただいていることを踏まえまして、実務的な対応と周知のあり方は検討してまいりたいと考えてございます。
○荒木分科会長 輪島委員。
○輪島委員 資料3をよろしいでしょうか。前倒しで付与した場合の特例ということで、丁寧に図も入れていただいてわかりやすくなったのかなと思っているところでございます。
そこで幾つか教えていただきたいことがあります。まず1点目は1ページ目の左側の図です。通常の法定どおりのものをやっていくとどうなるのかということを、まず基本で周知していただきつつ、前倒しで付与した場合にどうなるのかという、基本と応用みたいなものをきちんとわかりやすく、まず入り口で説明をしていただければと思っているところでございます。
そこで、2ページ目、本質的には変わらないのですが、下の図の通常の付与の場合と右側の第2項の場合、多くのケースで、4月1日入社で10月1日に法定どおり付与するけれども、多くのケースで4月1日に全社員が起算日になるかと思うのですが、一方で、カレンダーで1月1日が起算日だという企業も少なからずあるので、図としては同じで、青い4月1日が1月1日になるだけなのですが、周知という観点では、そのようなところも含めて、4月1日のところだけではなく、1月1日もそうだよなというのがわかるように、この図ではなく、パンフレットとかいうようなところなのかもしれませんが、お願いをしたいと思います。
もう一点は、さらなる応用というか、サービス業、流通業で言われておりますのは、4月1日の新入社員、定期採用というようなことではなく、毎日が雇い入れ日で、365日雇い入れをしているので、その雇い入れ日の半年経過後に年休の付与日が来る。つまり、365日年休の起算日が来るという企業も少なからずあるわけでございまして、それをどう書くのかは難しいところなのですが、そのようなところも企業の実態を御理解いただいて、周知の際にはそういうことも含めてカバーした周知をお願いしたいと思っています。
最後、4ページ目の第4項の図についての要望です。左のところに「年休の履行期間開始前に」という表現がありますが、その上の箱の「第4項の内容:履行期間前の年休取得の取扱い」の2行目には、「その日から使用者の時季指定義務が発生する」という表現があって、こちらの表現のほうが上の2段目に書いてあることからすれば、下の履行開始期間開始前にという表現ではなく、上の表現と合わせて、時季指定義務開始前にということと同義なのではないかと思うので、違う言葉を使う必要はないのではないかという気がするので、資料3について、そこは修正を御検討いただければと思います。
以上です。
○荒木分科会長 事務局からお願いします。
○労働条件政策課長 4点御指摘をいただきました。
1点目で御指摘をいただきましたように、まさに1ページ目の左下でございますが、この通常の付与というものが全くの原則なわけでございまして、法律におきましてもこれが原則になってございます。今回お示ししております資料No.3につきましては、原則よりも前倒しで付与する場合の付与の仕方に関して省令で定めるべしということが法律の規定になってございますので、それに基づいて、今回このような資料を御用意しておるということでございます。したがいまして、あくまでも原則はシンプルな左下であるという点は、周知においても誤解のないようにしてまいりたいと考えてございます。
一方、今回幾つかのパターンを示しておりますのは、それぞれの労務管理実務、企業の現場において、実際にはさまざまな労使の工夫により、年休の取得促進に取り組まれていると承知しているところでございまして、代表的なものに関しまして、今回の5日指定して与えるということの考え方を整理させていただいたというものでございます。
その点から申し上げますと、2点目に御指摘がございました、2ページ目で青丸が4月1日とあって、これは1月1日のパターンも多いと。これもまさに1つの例示として、このダブルトラックのもので書いてございますので、この場合には4月1日から与えなければいけないというものでもございませんので、そういった誤解を招かないような周知を工夫していきたいと思います。
その点に関しましては、先ほどのように流通などで毎日雇入れ日があり、それぞれに個人個人で6カ月ごとに発生していくというものも全く法律上、いわば原則的なものでございますので、それも当然可能なものでございますというか、本来の原則でございますので、そのあたりの周知もと思っております。
最後に、履行期間開始前というのは、確かにこの説明上わかりにくい点がございましたら恐縮でございますが、御指摘いただいた趣旨のとおりでございます。余りいろいろな言葉を多用するとわかりにくくなるかと思いますので、できる限りシンプルな説明に努力してまいりたいと存じます。
○荒木分科会長 よろしゅうございましょうか。
世永委員。
○世永委員 資料3の年休の前倒しの付与の関係です。今、周知方法その他につきまして御説明がされました。さまざまなパターンが今回示されましたので、改正内容とあわせて特例内容についても、この間、労働側からも申し上げておりますけれども、周知方法について改めて要請をさせていただきたいというのが1点です。
2つ目としまして、年次有給休暇の管理簿の関係についてです。2015年の建議においては、3年間確実に保存しなければならないこととするとなっております。ただ、この間、第143回と第144回の分科会の資料にありました省令や指針に定める事項については記載されていませんでした。この点もあわせて省令で規定すべきと考えております。
また、管理簿の保存につきまして、これも建議の中で3年間とありますけれども、これが時効期間プラス1年間ということであれば、今後も時効期間プラス1年と規定していくべきではないかということとあわせまして、2015年の建議における長時間労働の抑制策であります健康確保措置に係る記録についても同様と考えておりますので、要請をしてきたいと思います。
以上です。
○荒木分科会長 今の点、事務局、いかがでしょうか。
○労働条件政策課調査官 まず、年休の周知の件につきましては承りました。ここは丁寧にさまざまなパターンがあるということ、基本のパターンとともにわかりやすく丁寧に周知をしていくということで承ったところでございます。
それから、年休の関係でございます。3年保存ということで、どういった趣旨からなのかという点がまずあったかと存じますけれども、ここにつきましては、27年の建議で管理簿を作成して3年間保存するということが入っているわけでありますが、基本的に労基法109条で、労働者の名簿ですとか、賃金台帳でありますとか、そういったところが重要な書類について3年保存とされているところでもございますので、そういったことを踏まえて建議で3年というところをまとめていただいたと理解しております。
そういったことについて、今後の省令で作成を義務づけるということで27年の建議もいただいているところでございますので、そういった点の御指摘、それから建議を踏まえまして、また今後の当分科会の中でお示しさせていただきたいと考えてございます。
あわせまして、健康確保措置についても同様だよねという御指摘をいただきました。これもまさに27年の建議で作成と3年保存となっているわけでございますので、そういったことをこれまでの経緯、建議を踏まえまして、今後の分科会の中でお示しさせていただければ幸いでございます。
○荒木分科会長 よろしゅうございましょうか。
秋田委員。
○秋田委員 ありがとうございます。
年休の2ページ目の左側の通常の付与という図でわかりやすく示していただいたのでありがたいのですけれども、これだけだと誤解を招くような感じがしております。例えば10月1日に10日付与された場合に、これを1年以内に5日取得します。次に4月1日に11日付与されたものを、これも1年以内に5日取得しますということになります。この場合、合計で見ると、10月1日から翌3月31日までに10日取得しているのですけれども、実際の実務上の運用としては、先に発生した年休が2年間有効ですので、そこから充当していきますから、実際に取得されたこの10日は10月に付与された分から10日をまず消化していくことになります。実務上そういう管理になると思います。それでも当然、取得義務は果たされているわけですけれども、この図だけ見ると、4月1日発生のものからも5日消化していかなければいけないのではないかという誤解を生じる可能性があると思います。
これは通常の1ページ目の図を2年間とか延ばしていただいても同じような疑問が出てきますので、ぜひその辺はわかりやすいようにお願いしたいと思います。
○荒木分科会長 事務局からお願いします。
○労働条件政策課長 ただいまの点ですが、年次有給休暇に関しましては繰越というものがございまして、ここは通説的な解釈におきましては、労使において特段の合意がない限りは、基本的には先に付与されたものから充当されていくというものでございまして、企業の実務におきましてもそういったものが多いと考えてございます。
一方、今回の5日間取得をさせることに関しましては、当該年度において新たに発生したものだけが対象となるのではなく、前年から繰り越されたものも含まれているわけでございます。したがいまして、どのように充当されるのかというのは繰越の場合と基本的には同じことになろうかと考えてございます。この点に関しましても、周知においてわかりやすく取り組んでまいりたいと考えてございます。
○荒木分科会長 杉山委員。
○杉山委員 ありがとうございます。
年休の付与について1つお願いがございます。「年休5日付与」ということだけが認識され、付与の方法に誤解が生じている気がいたします。自発的に労働者が5日間取得した場合にも、さらに5日与えないといけないといった誤った考え方を持っている企業もありますので、39条8項の規定についても周知していただきたいと存じます。年休は労働者からの申出による自発的な取得が本来の趣旨だと思いますので、そういった点を踏まえ周知をしていただければと考えております。
○荒木分科会長 ほかにはいかがでしょうか。
川野委員。
○川野委員 資料1のほうでよろしいですか。資料1の指針案のイメージにかかわる部分について要望といいますか、意見を申し上げたいと思います。
1ページに「3 使用者の責務」を記載いただいています。(1)において、使用者の責務として、労働契約法5条に基づく安全配慮義務を負うことに留意しなければならないこととするということが盛り込まれ、過労死認定基準の内容も記載いただいたところでございます。この点については、過労死労災事件の民事裁判実務では極めて重要な内容が盛り込まれたと認識しております。加えて言いますと、上限規制の水準をめぐる議論の中において、労災認定基準を法定することが、特別条項を使っての時間外労働を協定枠内では労災の民事上の責任が生じないというようなミスリードといいますか、そうした主張が懸念されてきたわけでありますし、今なおそういう懸念がございます。
そのような主張に対しては、今回(2)を記載いただいたわけでございまして、あくまでも過労死認定基準の枠内であっても安全配慮義務にあるということを、ミスリードが生じないようにするためには、「過労死認定基準に達する長時間労働に対しても使用者の安全配慮義務の責任があるということ」が認識できるように、指針に明示できないかと考えます。
ここでは「留意」という言葉を使っていただいていますけれども、こうしたことが働き方改革関連法をつくる前提にあったわけでございますので、使用者の責務のところに、安全配慮義務の責任の部分をもう少し強く書き込んでいただければという要望がございますので、よろしくお願いいたします。
○荒木分科会長 輪島委員は関連してでしょうか。では、輪島委員から。
○輪島委員 ありがとうございます。
川野委員のおっしゃったミスリードというのが、いまいち私どもは理解できません。どういう趣旨だったのでしょうか。ここに書かれているのは(1)も(2)も大変重い言葉だと。使用者の責務と書かれている項目でございまして、特に(1)については労働契約法5条に基づく安全配慮義務ということで非常に明確に書かれていて、むしろ非常に重いなと思っていて、襟を正して今度の働き方改革関連法案の趣旨に沿って、企業側としてもきちんと再度このような趣旨を理解することは大事だと思っておりますし、(2)につきましても、過労死ということは絶対にあってはならないという趣旨から、今度の上限規制の導入についても大きな決断をしたと考えております。
その点からすると、イメージではございますけれども、この指針に非常に重い記述がされていると考えているところでございまして、その点で、誤解とかいう趣旨なのかどうかよくわかりませんけれども、この趣旨を踏まえて、また、建議に書かれた中身かなというふうにも理解をしておりますので、その点はもう少し御説明をいただければと思います。
○荒木分科会長 では、川野委員、いかがでしょうか。
○川野委員 ありがとうございます。
輪島委員御指摘のとおり、誤解といいますか、過労死認定基準は上限規制と直接連動しているわけではございませんが、上限まで働くことができるということを、ここまで働かせても法定上問題がないと解釈し、「民事上の責任がない」というような使用者の発言を我々も耳にしたことがございます。そうした事案を担当する弁護士さんのお話も聞いているわけでございます。こういうことが起こらないようにするためにも、ミスリードという表現が適切かどうかは別においておきまして、誤解を生じないようにする必要があるということで意見を申し上げたということでございます。
○荒木分科会長 輪島委員。
○輪島委員 言わずもがなだと思いますけれども、働き方改革実行計画を作成する前段で、2017年3月13日に労使合意ということで、上限までやるものではないと、そのことは労使で確認し、それを実行計画に反映させている。また、使用者側としては、労使合意をつくる過程において、基本的には連合と経団連会長の労使合意でありましたけれども、ここに参列していただいている日本商工会議所、全国中小企業団体中央会の代表とも事前に十分すり合わせをした上での労使合意、そういうことを踏まえた実行計画と法律がさきの国会で可決、成立をしているということでございますので、一企業人なのか、一弁護士の御発言なのかもしれませんが、そのことと全体がこれからどのように今度の法律を重く受けとめて現場で実行していくのかというところのギャップが少しあるのかなと思いますので、その点だけ申し上げておきたいと思います。
○荒木分科会長 村上委員。
○村上委員 今の点ですけれども、働き方改革実行計画を作成する前段で、労使で話し合いをしてきてこういった規制になってきたということは、輪島委員がおっしゃるとおりだと思っております。
私どもも、資料No.1の指針案のイメージで、国会の附帯決議なども踏まえて、また前回こちらから申し上げたことも踏まえて、労災認定基準も書いていただいたということもありますし、労契法の安全配慮義務も書いていただいていると承知しております。ただ、このこと自体をどうこうするという話ではなくて、上限規制の水準をめぐる議論の中で、「ここまで働かせてよいという誤解が生じるのではないか」という御意見が世の中にたくさんあったことも事実でございます。決してそういうことではないのだということは指針を読めばわかるのですけれども、成熟した労使関係がある職場ばかりではございませんので、労働組合がない職場で働く労働者にも、また、今回初めて36協定を締結するといった使用者の皆さん方にも、そういうことが伝わるような周知の仕方、あるいは解説の仕方などをしていただきたいという要望でございます。
○荒木分科会長 事務局からお願いします。
○労働条件政策課長 御議論いただいております指針案(イメージ)の3の(1)の安全配慮義務でございます。先ほど来御議論いただいておりますように、法律における、むしろ上限時間というものの性質の議論ということだと受けとめますけれども、上限時間というのはあくまで上限であり、時間外労働、労働時間の延長、これはできる限り短くするという考え方は今後も変わりませんし、そちらに向けて労使当事者に御努力をいただくという考え方によって、この指針全体ができ上がっているわけでございます。
また、労働契約法第5条の安全配慮義務に関しましては、今回の法改正において何ら触れるものではございませんので、従前どおり安全配慮義務といったものは労働契約に付随する義務、あるいは労働契約法の規定にのっとって使用者に課されているものであると認識をしてございます。
一方、そういった議論に関しましては、国会におきましてもやりとり、審議があったと承知しております。それを踏まえまして、本日、資料が大部で恐縮でございましたが、お手元の参考資料7に参議院における附帯決議というものがついてございます。ごらんいただいている方は1枚おめくりいただければと思うのですが、この参議院における附帯決議の五、事業主は、特例の上限時間内であってもその雇用する労働者への安全配慮義務を負うことなどに留意するよう指針に定め、徹底を図るというものをいただいております。この点に関しましては、過労死防止に全力で政府として取り組んでいくという立場からも大変重く受けとめているところでございまして、まさにこれと同内容によりまして、この3(1)、さらに申し上げれば3(2)も記載をさせていただいているところでございますので、そのような御理解をいただければと思います。
あわせまして、先ほど村上委員からも、誤解のないような周知ということもいただいております。大変重要なポイントであると認識しておりますので、周知に当たっては細心の注意をしてまいりたいと考えております。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
ほかにはいかがでしょうか。
村上委員。
○村上委員 資料No.1の指針案のイメージですけれども、今の議論にもつながるのですが、行政の指針はさまざまな定め方があるかと思っておりまして、今回の労働基準法に基づく指針は行政の指導監督の根拠になるということもあり、かつ刑罰法規でもあるので、かなり堅めに書かれているという印象を受けました。ほかの法律の指針に比べてかなり堅めに書いてあり、そうした性質を持つ指針だと思っております。
ただ、今回、36協定を新たに締結するような事業所の皆さん、数えるとおそらく100万とか200万という単位で36協定が新たに出されてくるのではないかと思っている中で、この指針は指導の根拠ということだけではなくて、労使当事者の行為規範の一つになるものではないかと思っております。
そういった観点で言うと、何をどこまで書けるのかというのはあるのですが、国会での附帯決議であるとか、あるいは昨年の労働条件分科会の建議の前文で、なぜこの上限規制をつくらなくてはいけないのかという議論をしてきた経緯などの文言が盛り込まれたところだったのですが、この指針案の中にはそういったことが入っておりません。例えば労使当事者の責務の中に記載する事項なのかもしれませんが、働き過ぎによる過労死等を防止するためとか、労働時間の基本原則は労働基準法第32条なのだというようなもので、何のために上限規制をやらなくてはいけないのかというところがもう一言何か入っていると、より理解が進むのではないかという印象を持っております。追記はなかなか難しいかもしれませんけれども、70年ぶりの大改正ということでありますし、また、これを職場に定着させなくてはいけないということからすると、もう一言、今回の改正の意味や意義に関する言葉を追加していただくことはできないだろうかというお願いでございます。
2つ目には、同じ指針案の2ページ目の5(1)の「限度時間を超えて労働させることができる場合」のところです。ここは確認ですが、この点はこれまでも限度基準告示に関する通達の中で、特別条項を結ぶときというのは臨時的な場合であって、業務の都合上必要な場合や、業務上やむを得ない場合というような、恒常的な長時間労働を招くおそれがあるときは認められないということを記載していたと思います。国会での附帯決議でも同様の指摘があって、今回の指針案になってきたと思いますが、この意味合いは、これまでの通達で示してきたものと同様であって、別にそれを緩めるような話ではないのかということの確認です。また、もし「業務の都合上必要な場合」と記載した協定を届け出てきた場合、それを見た監督署として、これはもう少し明確に書いてほしいということで返戻して指導されるのかということについて、確認をしたいと思います。
○荒木分科会長 事務局からお願いします。
○労働条件政策課長 村上委員から2点御指摘をいただきました。
まず1点目の周知に当たりまして、今回の働き方改革に関しましては、大変その意味するところが広いものでございまして、なぜそのような取組みが今、必要とされているのかということに関しまして、中小企業の事業主の皆様も含めて御理解をいただいていくことが大変重要であると考えてございます。
一方、現在、イメージとしてお示ししておりますものは、法律の委任を受けまして、労使協定をする当事者に留意いただくべき事項というものでございますので、もちろん法改正の趣旨は大変重要でございますが、ここに背景をまた入れ込んでいきますと、とりとめもなくなってしまうという懸念もございまして、ここはわかりやすさとの兼ね合いであると思っておりますが、いずれにいたしましても周知をしていく中において、なぜ今回このような上限ができ、なぜこのような指針がきちんと法律に基づいてできたのかということを周知におきまして取り組んでまいりたいと考えております。
2点目、5の(1)でございます。このように業務の都合上必要な場合など長時間を招くものに関しては認められないということに関しましては、村上委員からも御指摘をいただきましたように、先ほどの参考資料にもございますが、国会の附帯決議でもいただいておるところでございます。この点に関しましても、現行の告示でいわゆる特別条項という場合に同趣旨のことを申し上げておりまして、そのようなものではなく、できる限り具体的に書いていただくということを周知しておるところでございまして、今回もそれと同趣旨でございます。それを緩めるものではございません。
仮に漠然としたものが届け出られた場合、詳細はおくといたしましても、基本的には労使で話し合った上でそのようなものを出してきていただいておるものでございますので、何かその書きぶりに関して不適当であると思うものに関しましては、行政官庁として助言指導を申し上げる。恐らくは労使においてもう一度話し合っていただいて、どういったものか、さらに特定をしていくことができるのかできないか、そういったようなことをまたお考えいただくことであろうと思います。
いずれにしましても、中小企業の皆様を含めまして、今回の法改正がきちんと施行されていくためには、丁寧な御説明、丁寧な御支援が必要であると考えておりますので、あわせてそういった視点を持ちながら取り組んでまいりたいと存じます。
○荒木分科会長 よろしゅうございましょうか。ほかにはいかがでしょうか。
では、安藤委員。
○安藤委員 資料No.2-1、2-2について、1つコメントさしあげたいと思います。
この協定届についてなのですが、これは労使が仮に初めて36協定を締結して届け出をする、そういうケースであっても非常に内容が決めやすく、また記入がしやすいものであるとよろしいかなと考えております。その点から2点、確認というか教えていただきたいのですけれども、まず、協定の有効期間、右上にありますが、労働基準法施行規則の16条の2によりますと、有効期間を設けないといけないとありますが、その有効期間がどのくらいの長さでよいのかということについて特段の定めがないように、資料を見ていてそう感じました。この資料を見る限り、当然、1年間についての時間数を明記することから、多くの場合、1年とされることが多いと思うのですが、これが2年にしても、3年にしても、10年にしても有効なのか。協定の有効期間の決め方についても裏面などに明記してはどうかと感じました。
また、今回、法改正に基づいて中小企業については猶予がございますが、2019年4月1日から新たなルールに従わないといけないということで、仮に現行の協定の有効期間が続いていたとしても出し直さないといけないものなのか、このあたりについても明示しておいたほうが一般の企業の方々、また労働者の方々にとって便利なのかなと感じました。
2点目なのですが、協定の当事者ということで、左下のほうに「(労働者の過半数を代表する者の場合)の選出方法」とあります。この下に年月日を書かせるコーナーがありますが、これは選出の日をあらわすということでいいのかということを一応確認させていただきたいと思います。これを初めて書く人にとっても記入しやすいという観点からは、ここに書いてある年月日は何なのかというのがわかるとよろしいかと思いました。
ちなみに、裏面の記載心得の8に過半数代表の選出手続についての考え方が述べられておりますけれども、任期についての定めがないということを以前から私は気にしております。協定届の左下にある選出方法の下の年月日が選出日だったとして、例えば数カ月前に選ばれた人だったらよろしいと思いますが、3年前、5年前、10年前に選出日が書かれている人が来たとして、その人が今の労働者の過半数を代表しているのかという点からは非常に疑義があると感じております。
その観点から、本来であったら、過半数代表者の選び方として、挙手であるとか投票であるとかだけでなく、何についての意見を申し述べるような観点から選ばれるのかということを、過半数代表者の候補者が伝えないといけないものだとも思いますし、また、任期もできるだけ定めるべきだと思うのですが、そのあたりについてのルールが明示されていると、個々の企業、個々の労使関係、また、特に新たにこのような協定を結ぶ人にとって利便性が高いと思うので、考え方を教えていただければと思いました。
以上です。
○荒木分科会長 事務局からお願いします。
○労働条件政策課長 まず、私から1点目に関してでございます。現在におきましては、協定の有効期間に関しましても労使の協議、合意によって自主的に定めるべきものであるという考えのもとに、何年でなければならないといったものは解釈としても示していなかったと認識をしてございます。
その点に関しましては、基本的に今後も同様であると思っておりまして、各事業場の労使におきまして、この有効期間に関しましても十分に御議論をいただいた上で定めていただくものであると考えているところでございます。
また、現在、36協定がある場合といったこともございましたが、これは資料でつけてございますが、法律の附則に経過措置がございまして、施行日をまたぐ協定が現在ある場合には、その現在の協定の初日から最大1年間は有効であるという経過措置がございます。したがって、施行日をまたいで有効な労使協定が現在存在している場合におきましては、基本的にはその協定が終わった段階で新しい様式によって届出をしていただくことが基本になるものであると考えてございます。
○労働条件政策課調査官 続きまして、委員から御指摘のありました様式のところ、一番下の日付は何を記入する欄なのかということでございますけれども、ここにつきましては届け出の日付を書いていただくということでございます。
そうなりますと、先生の意識としましては、選出の日付はどうなるのかということになるのかと存じますけれども、選出の方法は、当然適正な方法でやっていただくわけですが、その中で何か持ち回りのような場合で期間に幅を持って決められるようなケースもあるかと存じます。そういった意味で、クリアカットな特定の位置の日付で書くようなことにもなっていないのかなと、現行のものとしては理解しております。
その上で任期の話がございました。これにつきましては、その都度選出をしていただくということから、特段の任期というのを決めていないわけですけれども、決め方のルールといたしましては、法に定める協定などをする、その代表を選ぶのだということを明示した上で投票、挙手などの適切な方法でやっていただくということでございますので、任期は特段示していない。ただ、先生の御指摘にありましたような、何のための代表を選ぶのかということに関しましては、今もルールでございますので、そこのところを徹底して周知していくということだと考えているところでございます。
○荒木分科会長 よろしゅうございますでしょうか。
それでは、世永委員、どうぞ。
○世永委員 ありがとうございます。
前回も発言させていただきました自動車の運転業務の関係についてです。限度基準告示では、四輪以上の自動車の運転を主として行う業務となっております。「主として」の業務の明確化が急務だということであります。一般則が適用されるのか、適用猶予なのかということです。特に現場から、判断基準は日数なのか、時間なのかという問い合わせもあるということと、例えばバス事業においても、運行管理補助者につきましては兼業でドライバーをしている人も結構おりますので、そういった場合の取り扱いについても問い合わせがあるということです。
そういう意味では、来年の4月1日からの施行ということでありますので、今まで論議された内容とあわせまして、現場が混乱しないようにスピード感を持った対応ということで要望をさせていただきます。
以上です。
○荒木分科会長 事務局からお願いします。
○労働条件政策課調査官 今、御指摘をいただきました点であります。個々のケースにおいて自動車運転業務に当たるのかどうか、これを現場でわかりやすく判断できるようにという御指摘だと理解しております。まさに委員から御指摘がありましたように、具体的な場面できちんとわかるように、委員からは配車担当がドライバーを務めているようなケースということで御指摘があったかと思いますけれども、そのような現場でよく生じるケースを我々としてもよく勉強した上で整理をしていきたいと思っております。
委員から今、一般則なのか猶予なのかという意味で、法の施行準備の一環なのだと、そういうスピード感を持ってという御指摘だったと理解しております。我々としてもそういった認識を持ちながら作業を進めていきたいと存じます。
○荒木分科会長 ほかにはいかがでしょうか。特段ほかに御意見、御質問等はございませんでしょうか。
それでは、ほぼ御意見、御質問等が尽きたと思いますので、本日は以上としたいと思います。
きょうもさまざまな質問のほかにも御意見もあったところでありますので、事務局においては、これらの意見を整理した上で、諮問に向けた準備を進めていただきたいと考えております。
最後に、次回の日程について事務局からお願いします。
○労働条件政策課調査官 次回の労働条件分科会の日程、場所につきましては、調整の上、追ってお知らせをさせていただきます。
○荒木分科会長 それでは、以上をもちまして、第145回「労働条件分科会」は終了といたします。
なお、議事録の署名につきましては、労働者代表の川野委員、使用者代表の秋田委員にお願いをいたします。
本日はどうもお忙しい中、ありがとうございました。

 

 

(了)

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