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2017年12月8日 第125回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録

○日時

平成29年12月8日(金)15:15~16:15


○場所

厚生労働省職業安定局第1・2会議室


○議題

・雇用保険制度について
・その他

○議事

 

○松本雇用保険課長 それでは定刻になりましたので、ただいまから第125回雇用保険部会を開催いたします。皆様、お忙しいところ御参集いただき、誠にありがとうございます。本日は委員改選後、第1回目ですので、冒頭につきましては、私、雇用保険課長の松本が司会を務めさせていただきます。まず始めに、厚生労働省では、審議会等のペーパーレス化の取組を推進しておりまして、本日の分科会の説明は、試行的にタブレットで行わせていただきます。事務局からタブレットの操作方法を御説明申し上げます。

 

○田中雇用保険課長補佐 雇用保険課課長補佐の田中です。私のほうから、まずタブレットの使用方法について、簡単に御説明いたします。

(操作説明)

不具合等がありましたら、事務局にお知らせ下さい。以上でございます。

 

○松本雇用保険課長 それでは、議事に移ります前に、4月28日及び10月6日に委員の交代がありましたので、交代された委員につきまして、御紹介申し上げます。交代後の雇用保険部会の委員名簿は資料1です。資料1をお開きください。公益代表委員といたしまして、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の中窪委員。大阪大学大学院高等司法研究科教授の水島委員ですが、本日は御欠席です。次に使用者代表委員として、一般社団法人日本経済団体連合会労働政策本部主幹の坂下委員です。労働者代表委員といたしまして、日本食品関連産業労働組合総連合会中央執行委員の千葉委員ですが、本日は御欠席です。以上の方々に御就任いただきました。委員交代の紹介は以上です。このほかに、本日、秋元委員が御欠席です。

 続きまして、当部会の部会長を選出いたします。部会長の選出につきましては、労働政策審議会令第7条第6項において、当該部会に所属する労働政策審議会本審の公益委員のうちから、労働政策審議会本審の公益委員が選挙することとされております。当部会においては、阿部委員が該当されますので、阿部委員に部会長をお願いしたいと存じます。

○阿部部会長 阿部でございます。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、部会長の就任に当たりまして、労働政策審議会令第7条第8項において、部会長代理を公益委員から、部会長が指名することとされておりますので、当該規定に基づきまして、野川委員を部会長代理に指名させていただきます、よろしくお願いいたします。

 議事に移ります前に、事務局に異動がありましたので、御紹介いたします。まず、職業安定局長に小川誠さん、職業安定担当審議官に小林洋司さん、職業安定局総務課長に田中佐智子さん、雇用保険課長に松本圭さん、雇用保険課課長補佐に田中広秋さんが、それぞれ就任されております。よろしくお願いします。

 それでは、議事に移ります。なお、カメラの頭撮りは以上となりますので、撮影の方は御退室ください。

(カメラ退出)

 

○阿部部会長 まず議題「雇用保険制度について」に移りたいと思います。事務局から資料2について、御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○田中雇用保険課長補佐 改めまして雇用保険課課長補佐の田中です。資料2、財政運営について御説明いたします。まずページ番号で申しますと、資料2の2ページ目、失業等給付関係の収支状況です。失業等給付の収支状況につきましては、平成28年度決算が既に出ており、収入が1兆5,000億円、支出が1兆6,000億円という状況になっており、差引剰余は1,000億円程度減ということで、積立金残高が6兆3,000億程度になっているという状況です。

 さらに、平成29年度予算、平成30年度要求にも記載しておりますが、昨年御審議いただきました、平成29年の雇用保険法改正により、料率のほうが1,000分の6、それから国庫負担のほうが従来55%のところが10%という形になっておりますので、収入のほうが減になりまして、平成29年度予算で申しますと、11,000億円で、支出のほうは19,000億円を計上して、差引で-8,000億円程度。積立金が54,000億円と、大体このような状況になっているところです。

 こういった収支状況を踏まえ、下のほうにスライドしていただいて、3ページ目です。グラフの形で、求職者給付の受給者実人員と、積立金の推移を示しておりますが、今ほど御説明申し上げたように、平成28年から平成29年の改正法の影響で、積立金が大きく減少しているという状況になっております。

 さらに1枚進んでいただいて、雇用保険二事業の関係収支状況です。こちらも平成28年度決算が出ており、収入が5,300億円、支出が4,300億円程度、差引剰余が992億円のプラスで、11,000億円を超える水準となっております。

 さらに平成29年度予算の収入と支出の差引剰余を加えると、12,000億円程度の積立金が、現在、予想されているところです。それに平成30年度の概算要求の状況ですが、政府で掲げております働き方改革、そういった施策の拡充を受け、支出が6,000億円を超える水準で要求をしており、差引剰余は-342億円ということで、やや安定資金残高が少なくなる要求をしているという状況です。

 さらに1枚スライドを進んでいただき、弾力条項についての説明です。まず5ページが、失業等給付に係る雇用保険料率の弾力条項について、原則は、現在1,000分の12の状態ですが、先ほど申し上げました平成29年の雇用保険法改正により、平成29年度から平成31年度までの間、原則を1,000分の10といたしまして、弾力の状況によって、そこから1,000分の4上下できるというような取扱いになっております。

 具体の計算式を真ん中の枠の部分に記載しておりますが、弾力倍率が2を超えるという状況ですと、今ほど申し上げたように、1,000分の10から1,000分の4を下げ、1,000分の6までの範囲で料率の引下げが可能という状況です。反対に弾力倍率が2を下回れば1000分の4を引き上げが可能ということになりますが、赤字で記載しているように、平成28年度決算額におきまして、弾力倍率を計算しますと、4.21という状況です。したがって平成30年度の料率につきましては、1,000分の6まで引下げが可能という状況です。

 続いて6ページ目、二事業に係る弾力条項です。二事業の料率につきましては、事業主負担のみで構成されますが、1,000分の3.5とされており、弾力条項は、真ん中の四角のところに計算式を示しておりますが、1.5を超えるという状況になりますと、こちらは1,000分の3に引き下げるということになっております。同じく赤字で記載しておりますが、平成28年度決算額で計算しますと、1.96という状況です。こちらは弾力倍率によって料率を変更することができるという形ではなくて、変更するものとすると法律上規定されておりますので、1.5を超える状況を踏まえ、平成30年度の保険料は1,000分の3まで引き下げるというように取り扱いたいと存じます。

 続いて、資料の7ページ目です。失業等給付費の今後5年間の収支見込みについてです。昨年の冬の部会におきましても、5年の収支見込みを示した上で、平成29年度から平成31年度までの料率、国庫負担を暫定的に特例的に引き下げるという改正を行ったところです。昨年の試算などをベースにして、更に最新の実績、動向なども勘案した上で、今回、今後5年間の財政の収支見込みを算出しております。

 試算の前提ですが、まず雇用情勢です。平成29年度以降の求職者給付の受給者実人員につきましては、平成28年度の実績は、かなり雇用情勢が改善しておりますので、40万人ということになっております。これをベースとしながら、平成28年改正により、再就職手当の引上げを行っておりますので、その影響も加味した上で、受給者実人員は39万人という形で置いております。

 その他、試算に当たっての前提ですが、雇用保険の収入につきましては、平成30年度要求をベースにして、平成30年度、31年度の料率は、昨年の改正を踏まえ、1,000分の6と仮定しております。また平成32年度以降につきましては、これも昨年の改正の影響で、64歳以上の者に係る料率の徴収免除の経過措置が終了するということになっておりますので、その影響も織り込んだ上で推定しております。失業給付に係る国庫負担につきましては、平成30年度、31年度については、55%のところを10%に引き下げて、計算しております。

 平成29年度の支出額についてですけれども、平成28年度決算額を基本としながら、最新の実績見込みを踏まえ、また、実績との乖離が大きいものについては、これを反映させるような処理を行った上で、更に平成28年度、29年度の改正の影響も加味しております。それから地域延長給付や教育訓練支援給付金等の暫定措置については、法律どおり終了するという前提で試算をしております。さらに予備相当額につきましては、これは含めないで試算をしているところです。

 以上を踏まえた上での数字が、8ページに記載しているとおりです。足元の積立金残高は、平成28年度決算ベースは6.3兆円ですけれども、下のグラフに記載しているとおり、平成34年度見込みで積立金残高が3.5兆円というような状況になっております。平成29年改正の前提となる昨年の部会と、おおむね同様な水準で、若干、雇用情勢が改善している影響で、財政収支が良くなっておりますが、おおむね同様の水準で推移しているというところです。

 次の9ページ、10ページ目につきましては、失業等給付に係る国庫負担と、それから過去の雇用保険料率と国庫負担の推移のほうをお示しておりますので、こちらは、必要に応じてご参照いただければと思います。事務局からの説明は以上です。

○阿部部会長 それでは、御質問やご意見があればいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。それでは、亀崎委員、お願いします。

○亀崎委員 資料2の8ページ目 にあるとおり、 平成34年度までの財政シミュレーションが示されましたが、足元の平成29年度のシミュレーション結果によると、積立金残高が57,370億円である一方、2ページ目の平成29年度予算ベースの積立金残高を見ますと、54,889億円となっています。その差 2,481 億円ですが、この要因として7ページ目のマル2の3ポツ目に記載されているとおり、予算ベース 試算ベースの違いによるものであることは理解しているものの、足元の今年度分だけを見ても、2,481億円もの乖離があることなどを踏まえれば、決算こそが大変重要であると考えているところです。

 その点を理解した上で確認したい こと は、8ページに平成34年度の積立金見込残高と して 3.5 兆円という試算が出されています。この金額水準は、仮に失業者が多数発生した 場合にも 十分耐え うる のか心配しているところでありまして、この点について、厚生労働省としては どのようにお考えか 、見解をお伺いしたいと思います。

○阿部部会長 それでは、お願いします。

○松本雇用保険課長 この8ページ、御覧いただいている積立金の残高ですけれども、平成33年度、34年度でも、年間の支出額の2倍近い積立残高を見込んでいるわけです。当然、不況期には、この基本手当が大幅に支出増になるわけですけれども、この積立金の残高というのは、そういった不況期にも一定程度耐えられる水準ではないかと見込んでいるところです。

○阿部部会長 よろしいでしょうか。

○亀崎委員 本当に耐えられるのかというような心配 危惧はあ りますが 、予測できない将来の雇用情勢に対して十分な対応を図るためにも、今の財源が 十分で あるからという 理由 で、安易な雇用保険料率の引下げや、国庫負担の縮小削減はあってはならないと考えていますので、意見として申し上げておきたいと思います。

○阿部部会長 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。特によろしいですか。それでは、亀崎委員からは御意見を頂きましたけれども、来年度の雇用保険料率につきましては、失業等給付が0.6%、雇用保険二事業の雇用保険料率を0.3%として、特に御異論はなかったように思います。

 それで、後日開催される職業安定分科会へ告示案を諮問していただく形で、今後、進めていくことで差し支えないと考えますが、それでよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、そのように進めさせていただきます。事務局は後日、開催される職業安定分科会において、諮問の手続を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 では、続きまして、「その他」の報告事項について、事務局から資料3と4、続けて御説明いただきたいと思います。よろしいでしょうか。

○松原訓練受講者支援室長 それでは、資料3に基づいて、求職者支援制度の実施状況について御説明をさせていただきます。タブレット上で資料3を開けてください。2ページですが、求職者支援制度の実施状況ということで、受講者数ですが、最近の動きとしては、平成27年度は大体4587人。それが平成28年度は減少しており、2割ぐらい減っておりますが、32,306人となっております。平成29年度は10月までの数字ですが、15,950人ということで、トレンドとしては減少してきているところです。

 表2、表3は就職率ですが、求職者支援制度については、基礎コースと実践コースがありますが、それぞれの就職率を出しております。一番右端ですが、基礎コースで訓練受講後の就職率が56.4%、実践コースで60.9%となっております。この就職率は、下にも書いておりますが、平成26年度からは雇用保険の適用就職率として出しております。同じように平成28年度は、こちらが就職率基礎コースで58.9%、実践コースで63.8%ということですので、就職率の数字自体は上がってきているところです。

 同じものですが、グラフにして制度創設以降の受講者の推移を御提示させていただいております。雇用情勢の改善傾向が続いておりますので、減少が続いております。水準としては、平成24年度の上期がピークで、大体半期で5万人ぐらいありました受講者数が、現在ですと直近平成29年度の上期ですが、こちらで13,812名ということですので、ピーク時の3割を下回っている状況です。求職者の皆さんが就職を優先される中、訓練受講者全体が減少している状況です。

 4ページにスライドしていただくと、制度開始以来の受給者割合の推移とあります。こちらも受講者数が減少している中で、給付金の支給を受ける方も減ってきております。受講者に占める初回受給者の割合が一番右端にありますが、創設年の平成23年度については51.8%、それが直近ですと32.1%まで下がってきております。

 また、次に進んでいただき、実践コース、幾つかの分野別にコースが走っておりますので、その分野別の就職状況です。平成27年度ですが、2行目ですが、そこに受講者の割合があり、どういったコースに多くの方が行っていらっしゃるかが分かります。構成比が括弧書きになっておりますが、多いのが、営業・販売・事務で、その辺りが一番多くて、23.6%です。それに次いで多いのが、人手不足も顕著ですが、介護福祉が22.7%程度。「その他」とありますが、その他が3番手ですが、この中に建設業とか、理容・美容関係のコースなども含まれております。その辺りが1、2、3番手かと思います。

 それぞれについて就職率に多少の差があり、就職率が一番高いのは、介護福祉の72.3%で、非常に高くなっています。それに次いで医療事務、更にIT辺りが6割を超える形で次いでおります。最後のページですが、同じものを平成28年度、一番最近の1年間の通算の数字が取れるところをお示ししております。同じように受講者の割合で多くを占めているのは、営業・販売・事務の所で27.2%、それから、先ほど申し上げた「その他」が20.5%です。ほぼ同じ割合が介護福祉で、この辺りが1、2、3位ぐらいになっています。一番下の就職率を見ていただきますと、同様に介護福祉が73.6%と、就職が非常によく、更に次いで医療事務が66.1%。それからデザイン、デザインというのは、ここの中にウェブのデザインが入っていたり、カラーコーディネーターとかブライダルプランナー等が含まれる所です。そこの就職率もよくなってきているところです。以上、状況についての御説明を終わらせていただきます。

○田中雇用保険課長補佐 続いて、資料4、雇用保険二事業について御説明させていただきます。フォルダーから、資料4、雇用保険二事業についての立ち上げをお願いします。資料の2ページを見ていただきますと、雇用保険二事業の目標管理サイクルについて記載しております。雇用保険二事業の事業主の方々から拠出いただく保険料をもちまして運営しておりますので、PlanDoCheckActionの、PDCAをしっかり機能させた上で、予算を要求させていただいているところです。

 3ページに、二事業の評価方法を記載させていただいておりますが、事業執行率と目標の達成度をもちまして、a評価、b評価、c評価、d評価をそれぞれ付けているところです。このPDCAの詳細については、5ページ以降に、各事業ごとに目標の達成状況がどうだったか、目標を達成していないものについてはその要因が何だったか、そういったことを分析し、それぞれ予算でどのように対応しているのかを、各事業ごとに付けさせていただいているところですが、非常に細かい内容になっておりますので、ここでの説明は省略させていただきます。

 その結果を受けてということになりますが、4ページに二事業の平成30年度概算要求の概要をお示ししております。特に大きなものとして、一番上の「同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善」は、対平成29年度比で167億円ほど増額しております。大きな要因としては、キャリアアップ助成金の拡充です。その下の「女性・若者の活躍の推進」も、大きく増額しており、こちらは右側に主な事項を記載しております。上から3つ目の○印ですが、民間等を活用した効果的な職業訓練と就職支援の推進で大きく要求を拡充しているところです。さらに、旧キャリア形成支援助成金の人材開発支援助成金とか、そういったところの増額を含め、働き方改革関連で893億円ほどの増になっております。「その他経費」については、メリハリを付ける観点でもありますが、117億円ほどの減ということで1,903億円を計上しているところです。この結果、二事業全体で、先ほど御説明したとおり、6,000億円を超えるような水準での要求となっているところです。簡単ですが、資料4の説明については、以上です。

 それから少々、口頭で現状を御報告させていただきます。現在、政府で、総理の御指示に基づき、生産性革命、人づくり革命の政策パッケージをまとめる方向で作業をしております。まだ詳細な情報が来ておりませんが、本日の夕方にも決定予定と聞いております。それに先立つ1130日に、人生100年時代構想会議が開催されており、その場で加藤大臣からリカレント教育の充実に関する取組を御紹介した上で、平成28年度に下げた料率を維持できるよう配慮しながら、教育訓練給付の拡充も含めて関連施策を推進する旨の御発言をいただいているところです。

 一方、総理からは、榊原会長の要請を受けて、料率の引下げについて保険財政の動向を検証しつつ検討するとともに、人生100年時代の鍵であるリカレント教育の拡充や現役世代のキャリアアップ、中高年の再就職支援等の検討をすると。また、来年前半にまとめる基本構想に向けて検討を加速していくという御指示をいただいているところです。

 先ほど御説明したように、雇用保険制度については、既に平成29年の雇用保険法改正によって平成2931年度まで特例的に料率の引下げを行っているところです。そういった中ではありますが、リカレント教育などについては、総理の御指示も踏まえて、また、先ほど亀崎委員の御発言もありましたが、そのような御意見も含めて、雇用保険制度の安定的な運営も考慮した上で、今後、対応の検討をお願いしていくことになると考えておりますので、御承知おきいただければと思います。少々長くなりましたが、説明は以上です。

○阿部部会長 それでは、ただいま資料が2つあったと思いますが、それらに関して御意見、御質問があれば御発言ください。

○菱沼委員 御説明ありがとうございます。雇用保険全体に関わることかと思いますが、意見を申し上げたいと思います。最近の雇用情勢では、直近の10月分だと完全失業率が2.8%という状況で、28年ぶりぐらいの高水準になっているという新聞報道もあったと思います。最近、離職者が少ない状況にあるということで、こういった雇用失業情勢が非常にいい時期には離職者訓練のニーズは割と少ないという感触を持っております。

 そういったときに公共訓練施設とかの機械のメンテナンスとか、古くなった機械とかのリニューアルとか、いろいろ新技術に対応する必要があると思いますので、新たな機械の導入なども検討していくべきではないかと思っています。今、田中補佐からいろいろ御説明があったかと思いますが、リカレント教育の推進も確かに重要だとは思っているところですが、今、景気が良いときに、悪くなったときの備えがすごく大事だと思いますので、その辺も是非、御検討いただければと思いますので、意見として申し上げます。よろしくお願いします。

○阿部部会長 御意見として承ります。事務局では、特にいいですか。

○松本雇用保険課長 雇用保険課としても、また職業能力開発担当とも連携を取りながら、御指摘を踏まえてしっかり対応してまいりたいと思います。

○阿部部会長 その他いかがですか。

○三島委員 説明ありがとうございました。資料4の二事業についてですが、こちらの9ページの上から2番目に「65歳超雇用推進助成金」があり、こちらについて意見をさせていただきたいと思います。この制度については、65歳以上への定年の引上げ等を行う企業に対して重点的に支援を行うことが目的 であると 理解しております。一方で 10 月に発表された平成29年の 高年齢者の雇用状況 の集計結果によりますと、雇用確保措置が未実施である企業が0.3%、475社で、希望者全員が65歳以上まで働ける企業が75.6%という調査結果が出ております。こうした点を踏まえれば、年金受給が段階的に引上げ られる中で 、無収入とならぬように、希望者全員 65 歳まで 雇用確保措置が先決であると思っております。未実施の企業に対して労働局による指導の強化を徹底していただきたいと思います。

○阿部部会長 ありがとうございます。では、御意見として承りますが、事務局から何かありますか。

○松本雇用保険課長 雇用開発部が担当と存じますが、雇用開発部とも連絡を取り合いながら、しっかりと対応してまいりたいと思います。

○阿部部会長 その他いかがですか。

○村上委員 口頭で御報告いただいた政策パッケージの部分ですが、こう した 技術革新の進展 、少子 ・高齢化による 労働力人口の減少などを踏まえれば、限られた人材に対する教育訓練 職業訓練の充実を 図り 、人材育成していくこと 重要性はそのとおりだろうと思っております。 ただし、 充実させていくときには、誰に対してどのようなところに重点を置いて、どのような手法でやっていくの かが 大変重要で すし 、また、財源の問題についても十分議論する必要があるのではないかと思っております。

 先ほど菱沼委員からもありましたが、財源があるときに それを どのように使っていくのかということは、 財源が あるから雇用保険二事業で 助成金を 支給していくという話だけではなく、古くなった 訓練施設 のメンテナンス も必要だと思います。また、国として教育訓練を充実させていこうということであれば、 現状では そこ 国庫負担がないわけでして、一般財源で確保することも十分考えるべきではないかと考えております。また、教育訓練給付を充実させていくことも重要ではありますが、私どもとしては、以前から申し上げておりますが、雇用保険 については、 失業時の基本手当の所定給付日数の見直しであるとか、給付率の改善などについても、早期に見直していく必要があるのではないかと考えておりますので、是非、今後の検当に当たってはそういった点も十分留意いただきたいと考えております。

○阿部部会長 ありがとうございます。御意見として承りますが、私も2点目の、村上委員がおっしゃったように、教育訓練等のPDCAサイクルを回していくことと、一般財源の確保も重要だという点は、私もそのとおりではないかと思いますので、是非よろしくお願いします。事務局から何かありますか。

○松本雇用保険課長 リカレント教育に関する今後の検討もそうですが、雇用保険制度全般にわたる御意見、中期的な御意見だと思いますので、そういった機会を捉えて十分御相談の上、御検討をお願いしていきたいと思います。

○阿部部会長 ありがとうございます。ほかにいかがですか。

○坂下委員 先ほど来、政策の関係と雇用保険財政の関係とか、必要な見直しを図っていくべきだという御議論をなされていると思います。使側としても考え方を述べておいたほうがよろしいかと思いますので、発言をさせていただきます。基本的には皆様と同じです。一番重要なのは、保険財政の安定的な運用であると思っております。したがいまして、必要な見直しは行いつつも、あるいは検討はしつつも、しっかりと財政状況を見ながら、給付と負担のバランスなども考慮しながら対応していく必要があると思いますので、引き続き慎重な検討をしていければと思っております。以上です。

○阿部部会長 ありがとうございます。御意見として承りたいと思います。ほかにいかがですか。よろしいですか。では特に、これ以上ないようでしたら、以上をもちまして本日は終了したいと思います。本日の会議に関する議事録については、部会長のほか、お二人の委員に署名を頂くことになっております。本日の署名委員は、使用者代表は菱沼委員、労働者代表は三島委員にお願いしたいと存じますので、後日、事務局から連絡をお願いします。よろしくお願いします。それでは、本日もお忙しい中、御参集いただきまして、ありがとうございました。


(了)

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