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2018年12月20日 第4回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」議事録

○日時

平成30年12月20日(木)10:00~12:00

 

○場所

全国都市会館第2会議室(3階)

○出席者

石津アドバイザー、井出アドバイザー、岩崎アドバイザー、小川アドバイザー、野澤アドバイザー、橋本アドバイザー、平野アドバイザー、渡邉アドバイザー、橋本障害保健福祉部長、内山企画課長、源河障害福祉課長、得津精神・障害保健課長、山口障害福祉課障害児・発達障害者支援室長兼地域生活支援推進室長、米澤障害福祉課長補佐、福島障害福祉課長補佐、石井障害福祉課長補佐、村本障害福祉課長補佐、齋藤障害児・発達障害者支援室長補佐、内野地域生活支援推進室長補佐、冨原地域生活支援推進室長補佐、大平地域生活支援推進室相談支援専門官
 

○議題

1.障害福祉サービス等に関する消費税の取扱い等について
2.障害福祉人材の処遇改善について
3.その他

○議事

○源河障害福祉課長 定刻となりましたので、ただいまから「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の第4回会合を開催いたします。
御出席いただいたアドバイザーの皆様におかれましては、御多用のところお集まりいただきまことにありがとうございます。
本日のアドバイザーの出席状況ですが、有賀アドバイザー、佐藤アドバイザーが御欠席です。
なお、岩崎アドバイザーにつきましては、所用により途中退席されます。
また、本年検討チームに初めて御出席されるアドバイザーの方を御紹介させていただきます。
立教大学教授の平野アドバイザーです。
○平野アドバイザー 平野です.よろしくお願いします。
○源河障害福祉課長 続きまして、構成員の出席状況ですが、新谷厚生労働大臣政務官につきましては、公務により欠席です。また、橋本障害保健福祉部長、得津精神・障害保健課長につきましては、おくれて出席の予定でございます。
撮影はここまでとさせていただきます。
続きまして、本日の資料を確認させていただきます前に、1点、御連絡いたします。
厚生労働省では、審議会等のペーパーレス化を推進しており、本検討チームにおいてもペーパーレスで実施いたします。操作説明書をお手元に配付しておりますが、御不明な点等がございましたら適宜、事務局がサポートいたしますので、御遠慮なくお申しつけくださいませ。
次に、本日の資料の確認です。
資料1「障害福祉サービス等に関する消費税の取扱い等について」。
資料2「障害福祉人材の処遇改善について」を配付しております。
資料に過不足等ございましたら事務局にお申しつけください。
それでは、議事に入らせていただきます。まずは資料1及び資料2について担当から御説明させていただきます。
○福島障害福祉課長補佐 事務局です。
それでは、資料の説明に入らせていただきます。
まず資料1ですが、こちらは消費税の引上げに伴う対応の部分でございますが、1ページ目でございます。消費税の引上げ対応、これまで本検討チームで議論を重ねていただきまして、その内容を踏まえまして平成30年12月17日の大臣折衝において対応が決まってございます。御報告という形になりますが、大臣折衝の内容といたしましては、障害福祉施設等が負担する課税費用について、障害福祉サービス等報酬で適切に補填を行う。実施は2019年10月ということで、報酬の改定率としては0.44%でございます。
下のほうに※2ということで改定率が書いてございますが、ここは障害福祉サービス全体の課税経費割合、これは平成29年の経営実態調査に基づく数字でございますが、それに消費税の引上げ分を乗じまして改定率が0.44%となってございます。
下に行きまして報酬改定の方法でございますが、基本報酬単位数への上乗せということで、課税経費割合に税率の引上げ分を乗じまして、それを基本単位数に上乗せをするということでございます。加算の取扱いにつきましては単位数が小さくて、上乗せが1単位に満たないといった理由から個々の加算単位数への上乗せが困難であるということで、加算分につきましても基本単位数に上乗せを行うということでございます。
また、基本報酬に対する割合で算出する加算につきましては、基本報酬の単位数が上乗せされることで今回はそれらについては対応を行わないことにしてございます。
2ページ目が費用構造の推計の結果ですが、こちら平成29年の障害福祉サービス等経営実態調査から数値を用いて算出したもので、一番右の赤い部分の一番下の部分が加重平均で23.9%と課税費用の割合を算出してございます。
続きまして、資料2、処遇改善についてでございます。
1つ目として、新しい経済政策パッケージに基づく処遇改善についてということで、2ページ目でございますが、こちら従来何度も資料としてお出ししておりますが、平成29年12月の新しい経済政策パッケージの抜粋になります。
次のページですが、処遇改善、こちらも大臣折衝で決まった事項がございますので、御報告をさせていただきますと、新しい経済政策パッケージを踏まえ、障害福祉サービス等の特性に応じ勤続年数10年以上の介護福祉士等(介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、保育士、心理指導担当職員、サービス管理責任者、児童発達支援管理責任者及びサービス提供責任者)を算定基礎とし(国費90億円程度)、事業所内の配分に当たっては介護人材の処遇改善を参考に適切な対応を行う。こちらも2019年10月実施ということで、これまで御議論いただいておりました部分、前回お示ししました8職種について算定基礎として計上をすることに決まってございます。
4ページが処遇改善についての今回、議論いただく部分でございますが、加算の取得要件ですとか加算率の設定あるいは事業所内の配分について、介護人材の議論を踏まえ、引き続き検討を行うこととしてはどうかということでございます。
下の絵でいきますと、左側のオレンジ色の部分が大臣折衝で決まった事項になります。真ん中と右の論点I、論点IIの部分ですが、加算率の設定、事業所内の配分について引き続き検討を行うこととしてはどうかということでございます。
5ページ目は論点の1つ目で、加算率の設定の部分でございますが、新しい経済政策パッケージの趣旨あるいは介護人材の議論、現行の処遇改善との整合性、これまでの検討チームでの御議論、関係団体からの御意見、障害福祉サービス等の特性を踏まえて、加算の取得要件ですとか加算率の設定についてどのように考えるかという論点でございます。
対応案といたしまして、まずは加算の取得要件のところですが、加算の対象サービスとしては、これまでの処遇改善加算と同様のサービス種類とするということです。下のほうに行きますと、長く働き続けられる環境を目指すという観点ですとか、一定のキャリアパスや研修体制の構築等が行われているということを担保して、これらの取組を一層推進するということで、現行の処遇改善の(I)~(III)を取得している事業所を加算の取得要件とした上で、さらにマル1、マル2の要件を付してはどうかということで、1つ目が処遇改善加算の職場環境等要件に関して複数の取組を行っていること。2つ目としまして、処遇改善加算に基づく取組についてホームページへの掲載などを通じた見える化を行っていること。これらの要件を付してはどうかというところでございます。
6ページ、次は加算率の設定のところでございますが、経験・技能のある勤続年数10年以上の介護福祉士等が多いサービスを高く評価することとして、サービス種類ごとの加算率は、それぞれの勤続年数10年以上の介護福祉士等の数を反映した形で加算率を設定することとした上で、同じサービス種類の中で経験・技能のある勤続年数が長い介護福祉士等の数が多い事業所について、さらなる評価を行うこととしてはどうかということで、こちら介護人材のほうの議論でいきますと、介護福祉士の配置が手厚いと考えられる事業所を評価する加算として、介護ではサービス提供体制強化加算といったもののほか、特定事業所加算ですとか日常生活継続支援加算、こういった加算があるわけでございますが、これらの取得状況を加味して加算率を2段階に設定するという案を提示してございます。
そのイメージは下のほうの図になりますが、左側のほうが職員配置が手厚い事業所、右のほうがそうではない事業所。これは加算の取得の有無で判断をするということでございます。
障害のほうではどう考えるかということで、障害のほうも同様に考えるということで、福祉専門職員配置等加算、これが職員配置の評価をしている加算としてございますので、その取得状況を加味して加算率を2段階に設定してはどうかということ。あとは福祉専門職員配置等加算がないサービスについては、職員配置の手厚さを把握することが困難でありますので、加算率に差を設けないこととしてはどうか。あとは介護人材の議論で示されている特定事業所加算、これらは訪問系のサービスにつく加算でございますが、これらの加算の取得要件の中には職員配置以外の要件も含まれておりますので、それについてこの取得の有無で加算率に差を設けることについて、どのように考えるかというところでございます。
7ページ目が、先ほど申し上げました職場環境等要件の障害福祉課長通知でございます。これらの記載している内容が職場環境要件になってございますので、これらの取組を実施していることを要件にしてはどうかという提案でございます。
8ページへ行きますと、処遇改善加算の福祉専門職員配置等加算ですとか特定事業所加算の対象サービスを示しておりますが、●がついていないサービスについては加算率に差を設けないこととしてはどうか。福祉専門職員配置等加算に関しましては、これを用いて差をつける。特定事業所加算の訪問系4つについては、加算の内容を鑑みてどう考えるかということでございます。
9ページ目が加算の内容になりますが、左のほうが福祉専門職員配置等加算ということで、例えば常勤の直接処遇職員のうち資格保有者の割合を示しているものですとか、常勤職員の割合を示しているものがございます。一方、右の特定事業所加算につきましては、そういった人材要件のほかに重度障害者対応要件ですとか体制要件といったようなものがございますので、必ずしも職員の手厚さだけで評価をしているものではないということでございます。
10ページ、論点の2つ目、こちら事業所内の配分の論点でございますが、こちらも事業所内の配分ということで、介護人材、昨日介護のほうでは社会保障審議会介護給付費分科会で審議報告(案)が示されてございます。その中で配分について一定のルールを示してございまして、そこが四角の中で記載してございますが、経験・技能のある介護職員につきましては月額8万円の処遇改善となる者、または処遇改善後の賃金が役職者を除く全産業平均賃金、こちら年収440万となっていますが、以上となる者を設定・確保するということ。2つ目として、経験・技能のある介護職員は、平均の処遇改善額がその他の介護職員の2倍以上とする。3つ目として、その他の職種は平均の処遇改善額がその他の介護職員の2分の1を上回らないこと。改善後の賃金額が役職者を除く全産業平均賃金を超えない場合に改善を可能といったルールを設けることを審議報告(案)に示してございます。
介護人材の事業所内の配分はそういうことになってございますが、障害分野ではどう考えるということで、障害福祉の観点で言えば、障害福祉サービス等の特性を考慮する必要があるということで、以下、示してございますが、障害福祉サービス等において考慮すべき事項ということで、資格保有者以外に研修などで専門的な技能を身につけた障害福祉人材への配慮ということで、例示を書いてございますが、例えば行動障害がある方への対応ということで、強度行動障害支援者養成研修ですとか、さまざまな障害により意思疎通が困難な者への対応として、手話通訳者・要約筆記者養成研修ですとか、就労系のサービスで言えばジョブコーチなどがございますが、このような研修を受けた方々が実際にサービス提供を行う場面では重要な役割を果たしているといったことで、こういった部分についてどう考えるか。あるいは障害福祉サービス等事業所の職員配置状況を踏まえて、どう考えるかというところでございます。
次のページが強度行動障害支援者養成研修の概要になります。幾つか研修の概要がついていますが、12ページ目は意思疎通支援の支援者、それぞれ人数ですとか資格要件を記載してございます。
13ページ目はジョブコーチの支援ということで、ジョブコーチの部分を記載してございます。
14ページ目でいきますと、これも10月31日の第2回の検討チームで出している資料でございますが、サービスごとの職員の割合を示しているものでございます。こういった有資格者以外にも、さまざまな職種の方々が現場で支援にかかわっているということを踏まえてどう考えるかというところでございます。
16ページ目以降が介護人材の今までの議論で、こちら12月12日の給付費分科会の資料になりますが、これまで議論を重ねてきたものを記載してございまして、24ページ目以降に介護報酬改定、昨日行われました給付費分科会で示された審議報告(案)が記載してございます。その中で今回の議論に関係する部分といたしまして25ページ目以降になりますが、(2)として加算の対象(取得要件)というところでございます。○の2つ目といたしまして、真ん中ほどにポツが3つほど書いてございますが、1つ目が現行の介護職員処遇改善加算(I)から(III)までを取得している事業所を対象とすることとし、加えて、介護職員処遇改善加算の職場環境等要件に関し、複数の取組を行っていること。3つ目として介護職員処遇改善加算に基づく取組について、ホームページへの掲載等を通じた見える化を行っていること。これらを求め、加算の取得要件とすることが適当である。その際に、職場環境等要件に関し実効性のあるものとなるよう検討することが適当であるとされてございます。
(3)で加算率の設定のところでございますが、マル1としてそれぞれのサービス種類ごとの勤続年数10年以上の介護福祉士の数に応じて設定することが適当であるとされてございます。マル2としまして、サービス種類内の加算率ということで、真ん中ほどになりますが、介護福祉士の配置が手厚いと考えられる事業所を評価するサービス提供体制強化加算等の取得状況を加味して、加算率を2段階に設定することが適当であるとされています。
(4)といたしまして、事業所内の配分方法について記載されてございます。
マル1ですが、経験・技能のある介護職員、その他の介護職員、その他の職種の設定の考え方ということで、経験・技能のある介護職員は、勤続年数10年以上の介護福祉士を基本とし、介護福祉士の資格を有することを要件としつつ、勤続年数10年の考え方については、事業所の裁量で設定できることとする。その他の介護職員は、経験・技能のある介護職員以外の介護職員とする。その他の職員は、介護職員以外の全ての職種の職員とするというふうに提案されてございます。
次のページへ行きまして、具体的な配分方法について記載がございます。経験・技能のある介護職員において、月額8万円の処遇改善となる者または処遇改善後の賃金が役職者を除く全産業平均賃金以上となる者を設定・確保すること。2つ目として、経験・技能のある介護職員は、平均の処遇改善額がその他の介護職員の2倍以上とすること。3つ目は、その他の職種は、平均の処遇改善額がその他の介護職員の2分の1を上回らないこと等が記載されてございます。きのうの議論では大きな修正はなかったと聞いてございますので、介護はこの方向で今、議論が進んでおります。
それを絵にしたものが次のページになりますが、配分の方法でいきますと右の絵になりますが、一番左側、ここが経験・技能のある介護職員ということで、月額8万円の処遇改善または役職者を除く全産業平均賃金の水準の設定・確保ということでございます。
2番目のところに行きますと、マル1とマル2のところでマル2の2倍以上にするということとなっておりますし、一番右端の選択に行きますと、マル3についてはマル2の2分の1を上回らないというふうにされているところでございます。
次が現行の福祉・介護職員処遇改善の加算率の見直しについてでございますが、こちらも今まで検討チームの場で御議論いただいている内容ですとか、関係団体からの御意見を踏まえて以下の対応を行うこととするということでございます。
まずは次期報酬改定に向けた対応ということで、今回指摘があった内容につきまして、次期報酬改定に向けて2019年の社会福祉施設等調査を行う際に、調査票で今回指摘のあった利用者がいた場合に対応できる人数を記入してくださいという文言のところですが、この記載を削除した上で調査を実施し、その結果を次期報酬改定に適切に反映させるというのが対応としてございます。
一方、今回指摘を受けているわけですので、そこに係る部門の暫定的な見直しとして、訪問回数と常勤換算の従事者数が20人以上の部分であって、1カ月の訪問回数1に対して1カ月の常勤換算従事者数1以上の事業所の数値を見直しの対象としまして、そこの常勤換算従事者数を平均値に置きかえて加算率を見直す。重度訪問介護と行動援護に関しましては、2人対応ですとか長時間の対応が多いという実態を踏まえまして、1カ月訪問回数1に対して1カ月の常勤換算従事者数が2以上の事業を見直しの対象とするということで、暫定的に一部見直すということでございます。
以下、財務省の指摘と前回、我々が行った検証結果が出ていますが、一番最後の検証結果の中の黄色くマーカーしている部分の一部を見直すことにしてございます。
以上で説明を終わります。
○源河障害福祉課長 ただいまの説明につきまして御質問、御意見等がございましたらお願いいたします。渡邉アドバイザー、どうぞ。
○渡邉アドバイザー 御説明ありがとうございます。
申しわけありませんが、私は前回の日程が議会と重なりまして、欠席させていただきました。議事録も拝見いたしました。その中でいろいろ御意見があり、御検討があったという内容、それで、大臣折衝で方向性も固まったということでございますけれども、対象となる介護福祉士等で同一事業所に10年という要件につきまして、私どもの地元の事業者さんの声等もございますし、また、現場に近い我々の感覚といたしましても非常に心配なところがどうしてもございまして、あえて確認のためといいますか、今後の運用面での柔軟な取扱いに関するお願いも含めまして確認させていただきたいと思うのですが、やはり同じキャリアでありましても事業所を移った方が対象にならないのかとか、そもそも事業期間の短い新しい事業所の中で対象者が生まれないのかとか、そういったあたりの心配ですとか、また、今後の事業所での対象職の囲い込みですとか、本人が事業所を移りにくいというようなこともちょっと心配な点がございます。そういった意味で第166回の介護給付費分科会の資料を見させていただきますと、勤続年数10年の考え方については事業所の裁量で設定できることとするということも記載されておりますけれども、この辺も含めまして確認をさせていただければと思います。
○福島障害福祉課長補佐 介護のほうで勤続年数10年以上の介護福祉士の部分を勤続年数10年の考え方は事業所の裁量で設定できるということにされてございまして、まだ詳細、ここより細かい部分についてはまだ示されておりませんが、基本的にはここは障害も並んでいこうと思ってございますので、介護のほうでまたより詳細な資料が出てきたら、それを踏まえて同様の対応をとっていくことになろうかと思います。
今ほど御発言のありました事業所間の異動ですとか、新規の事業所、過去の経歴も含めて勤続年数10年以上の方をどうするかというところで事業所の裁量ということで、そういった方も対象にするようになるのではないかと思いますが、いずれにしても介護の詳細な資料が出てきてから対応していきたいと思ってございます。
○渡邉アドバイザー ありがとうございます。
○源河障害福祉課長 ほかにございますか。
○石津アドバイザー 今のご意見に関連して私も確認させていただきたいのですけれども、経験年数10年について施設で裁量できるということはわかったのですが、もう一つの後半のお話の新設の事業所に関しては、そもそも配分の対象にならないのかなと、私の読み方だとそういうことかなという感じもいたしますけれども、そこはそういうことではないということですか。施設の裁量というのは配分があれば施設の裁量でいけますが、そもそも勤続年数10年未満のところだと配分がないのかなというような読み方もできそうなのですけれども、いかがですか。
○福島障害福祉課長補佐 ここも介護のほうの詳細な部分を待ってということになりますが、恐らく新規の事業所でも過去の経歴も含めて10年以上の経験があれば、そういった方も対象になるのではないかと思いますので、介護の対応を踏まえて同様の対応を行いたいと思います。
○源河障害福祉課長 ほかにありませんでしょうか。
○野澤アドバイザー 説明ありがとうございます。
最初にこの点が議論になったので、この点を最初に私も意見を言いたいと思います。
現場のいろいろな法人というか職場を見ていて思うのは、年数だけでなかなか戦力をはかれないというのはあるのかなと思うのです。表現が難しいのですけれども、ほかに行っても通用しない人がずっとその職場年数で10年以上いる人って結構いるわけです。やる気もあって、力もあって、もっと自分の力を存分に振るいたい、あるいはあの人が欲しいと持ってくる人もいるわけです。そうした場合に、例えば7年、8年やっていて、9年目から別の事業所に移った。しかるべきポジションになって、サビ管とかになったとか、その方は新しい事業所だと1年目になるわけです。前の職場にほかに移りようがない方がちゃんと加算の対象になっていくことを考えると、ちょっとこれは現場の実態にそぐわないなという気もします。
もう一つは、今もお話があったように、私も知っているのですけれども、老舗の法人に入ったところ中身がひどい。虐待まがいのことも結構あって、それを言っても改善されない。これでは自分の心が折れそうだと言って起業して新しく立ち上げた。やる気があって若手の職員もどんどんそこに来ている。でもそこはまだ立ち上がって2、3年なので全然この対象にならないとすると、どうなのかなと思うのです。
この加算の1つのコンセプトというのはよく理解しているつもりなのです。つまり、入って若いころは、20代ぐらいはいいけれども、結婚して子供ができて、それ以降も介護や障害の現場で働き続けたいというリーダーをちゃんと育てていく。ほかの産業に負けないぐらいの処遇をきちんとできるようにする。これはまさしく大賛成なのです。
その一方で、いいところは伸ばし、そうでないところは淘汰していくという、それもやはりとても重要なことだと思っていて、せっかくの貴重な財源なので、有効に使うことを考えたほうがいいなと思うのです。
介護のほうでどのような議論をしているのか、そこまで我々が介護のところへ行って話すわけにはいかないのですけれども、障害の部門はもっと流動性が高いような気がしていて、肌感覚ですけれども、しかも介護保険と見比べると障害の場合には自立支援法以降ですよね。どんどん予算も伸びて、いろいろな新しい事業所が増えてきたというのは。その辺のタイムラグがあるので、障害は介護と全くイコールではなくて、障害独特の状況というものに鑑みた配慮があってもいいのかなと思います。特に勤続年数10年とか、私も最初からちょっとひっかかっているところで、流動性を高める、1つのところに終身雇用みたいなものがどんどん崩れ出していて、特に福祉職というのはリードする役割みたいなところもあって、資格を取り、いい仕事をすればほかのところにキャリアロスせずに移っていけるといういい面があるので、その辺のところを反映できるような仕組みにすべきかなと思っております。
以上です。
○福島障害福祉課長補佐 御意見ありがとうございます。いただいた御意見も踏まえて検討していきたいと思いますが、繰り返しになりますけれども、勤続年数10年の部分のところは介護の詳細な部分を待って同様の対応をしたいと思ってございます。
○源河障害福祉課長 どうぞ。
○橋本アドバイザー 御説明ありがとうございます。橋本です。
私は施設長の立場としてお話させていただきますと、離職されない職場を目指すのが第1だと思いますけれども、利用者と信頼関係を結んでよい支援ができるためには、ある程度継続してその事業所で勤めていただくことを職員には目指してほしいと思っている中、こういう10年勤続というところで1つの御褒美ではないですけれども、そういうものがあるというのは目標になるのかなというふうには、施設長の立場としては思っていました。家族の立場でもあるのですけれども、家族の立場としましても職員が転々と変わるというのは信頼関係も築きにくいですし、いつ行ってもその職員がいるという安心感というものもございますので、やはり長く勤めてほしいというのがありますので、できるだけ同じ事業所で長期に勤めていただけると家族としても助かるという思いはあります。
以上です。
○平野アドバイザー 2点ほどあります。1点目は資料1の消費税の関係なのですが、前回、5%から8%に引き上げられる時も,引き上げ分を報酬本体に掛けたので、今回もそれにならってやるということで、これはこれで妥当かなと思っています。消費税引き上げに対して全然対応しないというわけにはいかないので、前回と同じやり方で、前例踏襲とと言うと失礼ですけれども、同じやり方でやることはこれで妥当だと思っておりますので、了解ということです。
2点目は加算のことで何点かあります。1つは資料2の14ページ目です。ここでは2つありまして、1つは加算の対象に社会福祉士と精神保健福祉士を加えていただいたことです。これは感謝しています。両資格とも従事者のパーセンテージはまだ低いのですけれども、障害報酬ではこれが認められたことで、いわゆる有資格者を障害関係に誘導するという意味では、障害領域は従事者の専門性を評価するということであれば、人材確保の面ではプラスになると思っています。
もう一つは、職員構成でのことです。福祉・介護職員で「左記に該当する者」、つまりこの介護福祉士などの資格以外の従事者が半分を占めているというのが障害領域の特徴だと思います。実際に現場の声を聞いても、職業指導員ですとか、点字を教える職員というような介護や保育にはない職種がいっぱいあって、それらがすごく重要な仕事をしているので、こうした人たちを何とかできないかという声が上がっています。本来は法人の基礎体力があれば、その基礎体力でそうした人たちに手当をすればいいのですけれども、現場の声では小規模のところ、基礎体力のないところほど人材確保が難しいということですので、なかなか声を出せませんが、処遇改善の財源の利用については、できれば柔軟性を持たせてほしいと言っています。また、職場の中に賃金格差が出きて、自分たちも頑張っているのに評価されないというのでは職員のモチベーションが低下してしまいます。法人の中での分配の柔軟性をもっと持たせてくれれば、障害の場合、様々な職種がチームワークで仕事をしているということもあり、そのチームワークを崩さない形で全体をやっていく。その配分の柔軟性を高めてほしいのが1点目です。
それから、皆さん方と同じで、勤続年数10年目というのがいろいろな意味でひっかかっています。同じ事業所、同じ法人の中であれば比較的わかりやすいのですが、例えば全く違うところから来た人の場合、その前歴換算をどうするか。それから、同じ法人の場合でも、例えば保育から障害児施設に移ったというようなことはどうするのか。こういったケースも随分いっぱいあるので、やはり事業所内での柔軟性を持たせてほしいと思います。
これはある施設長から聞いたのですが、保育士が保育所で障害のない子たちの成長、発達を理解した上で障害児施設に来ると、すごくいい効果があるというのです。逆に障害を持った子たちの保育をした保育士が保育所に行くと、すごくまたいい意味で処遇ができる。そういう異分野交流といいますか、こういったものも現場の中では意図的にやっているところもありまして、そういうところを生かしていくという意味でもある程度、柔軟性をお願いしたいというのが第2点目です。
最後に、これは現場からの感想なので今後の課題になると思うのですが、勤続年数10年の人材をどう活用するかです。現場の人に聞くと、10年選手ぐらいの人たちをケアマネや日常生活支援、地域支援をする人たちに回したいと言っているのです。2、3年の経験の浅い人たちではなくて、一定の経験を持っていて、実力を持った人を地域でサポートする人たちに回したいという考えを多く聞きます。しかし、今回のように施設に10年選手がいなければとなれば、地域支援を手厚くするための10年選手を回したいが、施設に抱え込んでしまうよねという話になりました。これから地域を支えていく人材をつくっていく、そして地域に出していけるような体制にしなけれなならないことを考えると、施設のほうを手厚くするのも大事なのですけれども、地域を支える要素を今後の検討課題として持っていただければ、今の障害福祉の施策の推進にはいいと思っております。その辺は御検討願いたいと思います。
○福島障害福祉課長補佐 御意見ありがとうございます。今いただいた御意見、今後の課題の部分もございますが、配分のところに関しましてはまさに先生おっしゃっていただいたとおりで、我々もそういう認識で今回、提案をさせていただいているところでございまして、いろいろな方がサービス提供を担っているという実態、障害と介護の若干の違いがありますので、そこら辺を踏まえて配分のルールをどうするかというところを御意見いただいていると思っていますので、そういった御意見を踏まえながら検討してまいりたいと思います。
○野澤アドバイザー 基礎的なことなのですけれども、同一法人内で勤続年数10年の方というのは、この分野で働いている方の何%ぐらいいるのか。法人をまたがって通算で10年以上働いている人というのは何%ぐらいなのか。それぞれ大体でいいのでわかりますか。
○福島障害福祉課長補佐 法人をまたがって勤続年数10年以上というところのデータがございませんので、そういうデータは持ち合わせておりません。
○野澤アドバイザー もう一つは、介護と比べると介護はどのぐらいなのかというのがもしわかれば教えてほしいのですが。
○福島障害福祉課長補佐 同一法人内、障害のほうでいけば約3割程度だと思います。介護の数字はすぐにはございませんので、わかれば後ほど情報を提供したいと思います。
○野澤アドバイザー 常勤職員を分母にして3割ですよね。パートとか含めたらこんなにないですよね。
○福島障害福祉課長補佐 常勤も非常勤も含めての割合です。
○平野アドバイザー 1点言い漏れたのですけれども、今回の提案の中で資格職以外にも一定の研修を積んでこられた人たちを、専門的な人と見なすというご提案がありましたがこれは大変賛成です。というか、むしろこれはすごくいいと思っています。
実は障害関係の事業所・施設と他の福祉分野の事業所・施設の職員構成のピラミッドをいろいろ研究していますが、単純に言うと保育や介護は比較的きれいなピラミッドなのです。若い人がいて、だんだん年齢が上がっていくと減っていくという構造になっています。しかし、障害に関して言うと逆台形といいますか、新卒の若い人よりも20代、30代でほかから入ってくる人たちが相当多いという傾向があります。
これはさいたま市で障害福祉計画の策定のための調査でわかったのですが、従事者の年齢別で見ると意外と40代、50代、60代が厚くなっているのです。つまり、ほかの業種から転入してきた人がいて、そういった意味でも介護や保育とは違う職員ピラミッドになっていまして、逆にそれが障害のいろいろな多様性になっていると思うのです。
ですから、職員となってから現場で頑張って強度行動障害支援者資格を取ったりとか、いろいろな研修をして現場で頑張っていること、先ほど野澤アドバイザーも言われましたけれども、現場で頑張って自分の質を上げようとして努力したということを評価していいと思うのです。介護の場合は、確かに現場で3年頑張れば介護福祉士の受験資格が生じるということもあります。障害の場合でも現場で強度行動障害支援者などの研修を受けて自分なりに頑張った、こういう人たちをきちんと評価してあげるという試みは、現場のモチベーションを上げる上でもすごく効果的ですし、頑張った評価が反映される。このことがすごく大きいと思います。それは先ほど言った、自分は途中から入ったけれども、頑張って研修すればこうやってよくなってゆくんだということが見えるというのはすごく大きい意味を持っているということで、この点については評価したいと思っています。
○岩崎アドバイザー 私も先生方と基本的に申し上げたいところは変わらないのですけれども、これは何回も多分議論になっているのですが、総合支援法の中で今回対象になっている事業以外の事業に従事している職員さんの割合とか、もしわかれば教えていただきたいのですが、相談とか地活ですとかその他補助事業いろいろありますよね。ですのでそういったところに従事している方と、今、対象になっている事業に従事している人の比率をお調べになったようなデータはございますでしょうか。
○福島障害福祉課長補佐 地域生活支援事業ですとか、いわゆる補助事業でやっているようなものに関しましては、経営実態調査ではとっていませんので、そういった比較したデータは今ございません。
○岩崎アドバイザー そうですよね。ただ、申し上げたいのは、結局、同じ法人内で相談の事業だけのことではなくて、補助事業に従事している人たちは、今回の対象にならないということがあると思うのです。ですので非常に凹凸が事業所の中で出てきてしまう。それは本当に介護よりも非常に幅広く事業があるので、配属に対して不満が出たりとか、あるいは逆にこの事業に行ってこういうことをやりたいけれども、なかなかそこにお金がかかってくるというふうになったときに異動ができないだとか、事業を展開していく際に足かせになるような状況が生じないだろうかということが非常に心配になっています。ですので事業所の中の裁量ということについて幅を大きく持たせてもらいたいなと考える次第です。
あと、さっき平野先生もおっしゃっていましたけれども、ほかの業界とか、ほかの障害福祉という領域でないところから入ってこられる方たち、それは資格を持っている、持っていないなどを含め、いろいろな方がいらっしゃると思いますけれども、例えば資格を持っているという人に関しても、私が中心になってやっている精神障害の領域なんかですと、医療とか保健の領域からこられる方とかもいて、そういった方たちの経験と技能というものは非常に地域に貢献できるものだと思うのですが、そこら辺をどういうふうに見るのかということについても、ぜひ裁量の幅を持って認めていただけるような形でお願いしたいなと思います。
また、現在、地域で抱えている就労系のサービスなんかだと、いろいろな技能を持った職員が、技能に対して指導するという立場で職員として勤務されていたりとかします。そういう人たちがどういうふうに人員配置上換算されているのかというのは事業所によって違いますが、でも非常に多様な人たちがそこにいらっしゃるということを障害の特色としてぜひ御留意いただきたいと思っております。
もう一つは、現行の処遇改善加算(I)~(III)というものが今回の加算のベースになると御説明をいただきましたが、現在の処遇改善加算に対する要件になっている事柄について成果といいますか、そういったものはどういうふうに評価していかれるような形になりますでしょうか。
私が何を心配しているのかというと、今回挙がっている職場環境等要件というところにもいろいろな条件が並んでいますけれども、これに関しても絵に描いた餅になってしまっては何の意味もないと思います。ですので、実質的にそれがちゃんと果たされているのかどうかということが、その事業所のサービスの質に直結してくると思いますので、きちんと評価できるような仕組みも含めてぜひ考えていただければと思います。
以上でございます。
○小川アドバイザー 今まで意見がありましたように、今回の処遇改善の全体的な考えとして、資格を取得している人だとか、長く勤務している人だとか、あるいは困難な支援をしている人とか、いわゆる頑張っている人を手厚く評価していくという方針とか基本的な考えはとてもよいと思っております。
そういった中で行政側の立場というか、少しお願いしたい点を申し上げますと、なるべくわかりやすいキャリアパス要件にしてほしいというのが1つございます。理由といたしましては、介護系に比べまして障害系というのは小規模の事業所が大変多くて、介護のほうは結構事務職を置いている事業所とか多いのですけれども、そういう事務職を置いていないところが多くて、現場の合間をもって事務に当たる人も結構多いのです。
2つ目としては、支援者としては優秀だけれども、管理者としては力不足の方が多いというか、いわゆる現場系で事務系が苦手という方が実際にいるという感じがございます。
3つ目としましては、書類を作成している職員は現場もやっていて、書類作成が大変だから、処遇改善加算はそこまで回らないからとらないでいいやというところも増えてしまうのではないかという懸念もございます。
4つ目として、行政側の立場で言ってしまうと、私どもは中核市ということで指導監査権限があるので、指導監査する側も要件が複雑になってしまうと確認作業が大変になってしまうのです。例えば指導に行ったときに、あなたはキャリアパス要件IIを取っていますか。取っているとなったら、内容を確認する必要があります。例えば、研修をどのぐらいやっていますかとか、その研修は全ての職員に周知されていますかとか、研修実行報告書等を閲覧していますかとか、研修受講者が他の職員に伝える等のことをやっていますかといったことを聞くことになり、複雑になればなるほど確認に時間を要します。それとそもそも制度が変わると書類を読まないで何から何まで何か変わった通知が来たのだけれども、教えてくれというように、事業所が市に相談に来るケースも結構多いのです。こういった現状から、制度をきめ細やかにつくるのはいいのですけれども、難し過ぎると、私どものほうも一生懸命理解しながらかみ砕いて現場系の人にわかるように説明する部分も結構ございますので、こういったことからも加算を受ける事業所の職員がなるべくわかりやすいような書類とか区分にしていただけたらと思います。
以上です。
○源河障害福祉課長 ありがとうございます。
先ほど来、皆様から障害福祉サービス等の特性を考慮する必要があるという御意見を頂戴しております。介護人材の処遇改善を参考に適切な対応を行うとなっておりますが、資料2の10ページで、私どもとしても障害福祉サービス等の特性として考慮すべき事項があるのではないかというので、資格保有者以外に研修などで専門的な技能を身につけた障害福祉人材への配慮と、障害福祉サービス等事業所の職員配置状況を挙げさせていただいております。アドバイザーの皆様方から他職種との連携が多い、小規模の事業所が多い、他分野からの参入が非常に能力を発揮していただいて有効だ等々の御意見をいただいておりますが、ほかに障害福祉サービス等の特性という点で御意見がございましたら、ぜひお願いしたいと思います。
○平野アドバイザー これも既に各先生方からも発言があったとおり、意外なものがいっぱいあります。例えば栃木県で関わりのある就労継続Aの事業所です。そこはレストランとパン工場を持っていまして、レストランでは超一流の料理を提供すると言うことで地元のホテルのシェフを引き抜きました。またパンもホテルのベーカリーの職人を引き抜いて、それで一流の味と内容で売れ行きを伸ばしているというのもあります。これはまさに障害ならではのものですし、それが結果的に利用者の工賃のアップや、地域の方々の食の向上につながっている。そういう意味でいい形での取り組みをしていまして、そういうものを評価してあげるといいと思うのです。
こういう言い方は少し乱暴ですけれども、福祉職員が調理の技術を覚えるよりも、本当のシェフの人を呼んでやったほうがはるかに美味しい料理が提供できます。そのほうがお客さんも喜びます。これは障害領域特有のことですが、こうしたことがいい効果を与えていまして、こういうところも現場サイドから見れば評価してほしいし、それは先ほど言った利用者の利益にもつながっています。
以上です。
○野澤アドバイザー 今、平野アドバイザーの言うとおりで、本当に私もそのとおりだと思います。むしろ障害以外の福祉以外のところでやってきたスペシャリストが障害者の就労とかで一番戦力になったりしているのです。その辺はきちんと見てあげるべきだなと思います。
それとおととい、障害者の文化芸術の振興法が通って、その委員会があって私も委員で出たのですけれども、そこでも言われたのが、これから現場で障害者芸術や文化を指導できるような職員さんが非常に必要だと。先駆的な取組をしているところはまだほんの一部なのです。やりたいけれども人がいないというところとか、そもそもそういう意識がないところが圧倒的多数で、これからそういうところに指導できる人とか、目利きができる人が必要で、これはもちろん福祉職員さんの中からもそういう才能がある人、センスがある人がいるのですけれども、むしろ美術教育を受けている人の中でも働く場がないものだから、美術とは全く違うところに行っている人がかなりというか、そちらのほうが多いぐらいなのです。それはもったいなくて、むしろそういう人たちが障害者福祉の仕事と融合するような形で、もっともっと障害のある方たちの中にもそういうやりたいという人もいれば、能力のある人も潜在的にいますので、その発掘とかに努めるということを考えたときに、こういう分野も少し見ていってもいいのかなと思います。
○岩崎アドバイザー 私も先生方がおっしゃっていることに賛成です。演劇をやっていたりだとか、そういった取組とかも少しずつですけれども、広がってきていると思いますし、また、商品化と考えたときに、皆さんの作品をうまくデザインして、外に商品として発信していくというところの人材というのは非常に求められているけれども、なかなかそういうプロの方を雇用しようという発想にまでは至っていないというのが悲しい現実だと思うのです。また、これが処遇改善という枠組みなのかどうなのかというと、難しいところだと思います。それはどうしてなのか。今回、正規の職員さんを対象としているということでございますよね。だからそこら辺はどういう枠組みで考えていくのかというのはまた検討しなければいけないところだろうと思います。私がイメージしているようなことというのは、多分非正規でいいではないかと言われるところもあろうかと思います。
もう一つ、障害ならではというふうに言っていただいたことで、申し上げたいのは、いろいろな障害領域で障害のある方たちがそこを乗り越えて、自分の経験を生かして働きたいと希望されているということで、もちろん正規職員さんも徐々に増えてきております。ですので、そういった障害当事者の活用ということも少し御考慮いただければありがたいと思います。
○橋本アドバイザー 多分、岩崎先生が最後におっしゃったことと同じことかもしれませんが、障害特有という意味ではぴあサポーターが今、職場に出てきておりますので、そういう方々の活用ということを岩崎先生が今、研究なされていると思うのですけれども、ゆくゆくこういうものに乗せていっていただければと思います。
○井出アドバイザー 論点が2つあって、消費税のほうはこれでいいと思っています。それから、2のほうは10ページのところで今、御議論いただいているのですけれども、私は今回出されている研修とかの制度があって技能を身につけた云々というのは賛成で、そこに例も挙がっています。あと、きょう先ほど課長さんからも別の何かこちらの気づきのないところを挙げてくれというのですけれども、私はどこまで展開するかいろいろ委員の先生方の御意見を聞いていただいて、参考とか展開していただきたいのですが、基本、私はそこに出ているようなある程度の研修とか制度のもとで、技能を身につけたような方を基本的には障害の特性として配慮をまずはしていただきたいなと思うのが意見です。
以上です。
○小川アドバイザー 障害者の就労、技能ということで、福祉のレストランとかパンづくりだとかそういったいろいろな話が出てくるとは思っていなかったのですが、実は千葉県の柏市でも話に出たような内容でやっている例がいくつかあります。例えば障害者がつくった物だから買ってくれという時代は終わっていて、障害者がつくっても誰がつくっても商品の価値化というものを考える必要があり、そういった取り組みを柏市でも進めています。当然クオリティーの高いものは売れるのです。パンの販売の例で申し上げますと、障害福祉サービス事業所が精神障害者をパンの販売や製造で雇用しているのですが、その事業所は美味しいパンをつくり、年間2000万ぐらい売り上げていて、昨年地元で店を拡張しオープンしたときも行列ができました。これは障害福祉サービス事業所の商品でもクオリティーが高いものをつくる。商品の価値化を進めていこうということで、美味しければパンが売れ、結果的に工賃が跳ね上がるという形で、工賃向上の一つの仕組みとして柏市が進めている部分でございます。
また手打ちうどんの職人さんを雇って、手打ちうどんでおいしい店ということで障害者を雇用している例とかもあります。他には,先ほどレストランという話があったのですけれども、レストランのシェフを引き抜いてきて、その人を管理者とかそういった役職にして、調理とかそういうものを障害者に教えながら工賃を向上しているというのがあるので、その辺については加算になるかどうかわからないのですけれども、例えば事業所の中の範囲で特色ある雇用だとか、そういった部分には何らかの配慮をするということを例えば考えるとかあってもいいと思います。また,野澤アドバイザーの意見にもあったのですが、障害者アートも柏市は進めています。市の施設の一部に障害者も働く喫茶があって、そこでは障害者雇用と、障害者のつくった作品を置いて販売しているのです。12月の障害理解週間でも販売会をやったりしています。今年は12月7日にアリオ柏という大型ショッピングセンターで販売会をやりました。各ブースで障害福祉サービス事業所の商品が結構売れて、少しは工賃アップにつながったのではないかと思います。障害者アートということで芸術的な絵を描くような人や優れた加工品をつくる人とかがいますので、そういった部分もうまくいかせるよう進めていきたいと考えています。
そういう障害者がもっている何らかの才能というか持っている部分を伸ばす、それに取り組んでいる人だとか、あるいは事業所によっては高齢者を企業戦士と言う名目で雇ってその能力を活用してもらう,障害者の支援に当たってもらっている所もあります。そんな取組とかもありますので、いろいろな方法があると思うのですけれども、そういった部分で何らか事業所の評価をする。特色ある人を雇ったりだとか、特色ある何か事業をやることによって、結果的にその事業所がいい方向に行った場合を評価するみたいなものがあるといいかなと思います。
以上です。
○福島障害福祉課長補佐 先ほどいただいた質問でお答えするものが。
介護の勤続年数10年以上の介護福祉士の割合ですが、こちらも大体3割程度となってございます。
また、岩崎アドバイザーから今回の処遇改善は正規職員だけかというところですが、今のところ正規、非正規という決めは特にございませんので、非正規であってもなるのではないかと思ってございます。
○石井障害福祉課長補佐 就労系を担当しています石井でございます。
まさに就労系サービスというところが恐らく介護と大きく違うところ、障害福祉分野で少し特色のあるところかなというところで、各アドバイザーの方々からいろいろと御意見を頂戴しました。
井出アドバイザーからの御意見にも係りますが、処遇改善の枠組みの中で各アドバイザーからいろいろお話があったものを対応するのか、それとも就労系サービスはまさに生産活動という、またほかのサービスとも違った活動をしているところでございますので、生産活動をより高めていくという観点からやるべきなのかというのは、少し整理させていただきたいと思います。
補足させていただきますと、現状でもA型、B型で例えば工賃もしくは賃金の向上に係る指導員等を置いた場合は、別の加算を設けているというような取組で対応しているものもございますので、そのような方法なのか、それとも処遇改善をどうするのかというところは、少し整理させていただきたいと思います。
以上です。
○源河障害福祉課長 ほかにありますでしょうか。
たくさん御意見をいただきましてありがとうございました。今回の処遇改善で対応するのか、それとも前々から皆様から意見をいただいておりますように、人材の確保に処遇だけでなく、もっといろいろな広い意味から取り組むのか、いろいろ考えさせていただきたいと思います。
ほかにございますでしょうか。
○野澤アドバイザー 2点です。
基本的に今回の処遇改善のコンセプトとか方向性は、私は賛成なのです。ベテランの方が安心してこの分野で働き続けられるように、そのモデルを示していく、構築していくということは、本当に物すごい人材難の中で一番大事だと思うのです。
その上でなのですけれども、1つ先ほど橋本アドバイザーからもありましたが、管理者にとっては同一のベテランの人が長くやってくれるというのはすごくやりやすいだろうと思うし、家族にとっても安心だと思うのです。それは私も認めるのですが、その一方で利用者自身にとってどうなのだろうなと考えたときに、必ずしも同じ人がずっといるのが若い障害者の場合いいのだろうかと、私は親ですので、親は同じヘルパーさんが来てくれたりするのが一番安心なのですが、本人の顔を見ると違ったりするのです。それも考えなければいけない。
もう一つは、これからの時代というのは大きく変わっていく中で求められるサービスも、求められるマネジメントも変わっていくだろうし、変えていかなければいけないと思っております。1つは現役世代の人口が物すごい減っていく中で、省力化というのが求められていくだろうし、そういうことに対応できるマネジメントが必要になってくると思います。そして、高齢化、重度化に対応できるようなサービスの質も変えていかなければいけないと思いますし、むしろ地域貢献みたいなことも含めてトータルで、ただ単に目の前の障害者を支援してよくしていくだけではない、いろいろなものをこれから求められていく。つまりイノベーションが求められていくと思うのです。
そのときにベテランの人、勤続年数10年以上の人に高い給料を保証して、ずっとい続けてもらうというだけでは、むしろ阻害要因になるリスクもあるのではないかということも考えるのです。これはこれで二律背反で難しいのですけれども、保証しなければいけない一方で新しい血を、そういう変化に応えられるような力を持った人を導入していくことも同時に考えなければいけなくて、その新しく入ってきた人がどう見ても自分より能力が劣る人が高い給料をもらって、自分はこれだけなのかとなったときに果たして入ってこられるのか。
そう考えたときに、勤続年数と資格だけではなくて本人の能力に見合った賃金を保証しなければいけないし、あるいは少なくとも研修を受けていろいろなことができるようになつたときに、それを保証できるような仕組みをどこかで考えていかなければいけないのではないかと思います。それは特に介護よりも障害のほうに求められるものではないかと、先ほどから就労とかいろいろなことを考えも、これが1点です。
もう一点、この考え方というのは日本型雇用の終身雇用をベースにした考え方だと思うし、基本それでいいと思うのですけれども、この分野はやはり流動性がほかの一般職に比べて高くて、そこがまたいい点でもあると思うのです。これまで他職種からといいますか、転入組、どういう人たちが転入してきているのかなと考えたときに、工場で働いたり、ドライバーをやったり、どちらかというと単純作業をやってきた人たち。この人たちが今、ブルーカラーの省力化が非常に進んできたので、仕事がなくなってきたということで福祉分野に入ってきている。
もう一つがシニア層です。定年になったけれども、年金の支給まで間があるので働かなければいけない。まだまだ元気だという人たちが結構入ってきて、この人たちは、人によってもちろん違うのですが、割と賃金が低くても納得してくれる割合が高い層だと思うのです。
これからのことを考えたときに、むしろホワイトカラーの省略化もこれから進んでいくわけで、その人たちの受け皿として、私はこの分野というのは大きな可能性を持っていると思っているのです。某銀行はこれからの数年間で1万6000人リストラすると言っていますし、そんなのはいっぱいありますよね。つまり人工知能だとかITなどによってどんどんこれからホワイトカラーがITやAIに置きかえられていくときに、この分野というのは非常に魅力のある分野だと思います。その彼らが入ってきたときに、どちらかと言えば高い賃金、高い能力を持っている、高い賃金を保証されている高い能力を持っている人、人によって違うので一概に言えませんけれども、そういう人たちをイメージしたときに、ただ、勤続年数が長いがために高い給料を保証されていることが、むしろ入ってくることの阻害要因になりやしないかということも懸念されるところがあると思うのです。
これは本当に難しくて、全部これまでの議論をひっくり返すつもりは毛頭ないのですけれども、長く安心して働き続けられる見通しをつける一方で、こういう新しい血が導入できるような仕組みもどこかで考えていかなければいけないと思いますし、そんなに財源はないので、今回の処遇改善でも勤続年数と資格だけではないいろいろな能力を持った人たちに、少しそちらのほうも配分できるような道を残しておくということは、私は今後のことを考えたときに大事かなと改めて思いました。
以上です。
○石津アドバイザー 済みません、小さいことで1点お伺いしたいところがあるのですけれども、資料の5ページの一番下のところですが、加算の取得要件のところで処遇改善加算に基づく取組についてホームページに記載というところがございます。私も見える化というのがすごく重要だなと思っているところで、利用者への情報提供ですとか、あるいはサービス提供側の意識を高めたりとか、地域への理解への促進とか、そういった意味で見える化はとても大事だと思っているところですが、他方、施設の規模によっては小さいところだとホームページ等を持っていらっしゃらないところもあるのかなというのも一つありますし、あるいは情報の比較可能性、先ほどの例えば情報を利用者が見るとか、比較可能性というところから考えてみますと、1つの情報を提供するサイト、それがこちらだとWAM NETなのかちょっとわかりませんけれども、そういったサイトで一覧的にわかるような形にするというのが、見える化ということを促進して、その意義を高めるのに重要かなと考えているところです。ホームページも重要ですが、1つのサイトで見るようにできる仕組みがあるといいかなと思っております。
○福島障害福祉課長補佐 情報公表に関しましては、先生おっしゃられるようにWAM NETの話で今、情報公表制度を進めているわけですが、今回の部分について今後どうしていくかというのは少し検討させていただきたいと思います。
○橋本アドバイザー 野澤アドバイザーの話でまさにそのとおりだと思います。利用者の立場からして言えば、いろいろなたくさんの人とかかわることで経験というものも伸びますし、柔軟な対応ができるようになる経験値というのが上がるという意味でもいいと思います。
やはり長くいるからいいというわけではないという人がいることも現場では確かですし、その辺、長いからいいというだけではないと思います。ただ、施設長として募集を出して人が来てくれればいいのですけれども、来てくれないという現状があるので、都会のほうではそうでもないかもしれないのですが、そうなると現場としてはとにかくやめないでほしいという思いが一番にあるのです。ですからぜひこういう処遇改善などをしていただく中で、この仕事をやりたいという人が増えてくださると現場も大変助かります。
あと、配分方法についてなのですが、先ほど御説明がありました27ページの図なのですけれども、1番が経験・技能のある介護職員。真ん中の図が経験・技能のある介護職員とほかの介護職員。右側の図が経験・技能のある介護職員と他の介護職員、その他の職種となっておりますが、介護保険と同様に、この図の3つを全て行うのは事務の負担量がかなり増えるので、事務職員がいない事業所も多い障害分野では難しいのではないかと考えております。
処遇改善については、私も施設長として不公平感と事務の煩雑さに非常に悩まされているのですけれども、もしこの左側の1の経験・技能のある介護職員だけをやるということになると、今まで処遇改善加算を受けてきた勤続年数10年未満の職員が受けられなくなって離職者が出る心配がありますし、右側の3段階のものは、余りにも事務が煩雑になってしまって処遇改善を取得しない事業所が出てくるのではないかと思います。
あくまでも私の感覚なのですけれども、真ん中の1の経験・技能のある介護職員と、2の他の介護職員の2の中に、その他の職種も入れていただけると運用しやすいのではないかと思いました。
以上です。
○渡邉アドバイザー ただいまの事業所内での配分方法についてでございますけれども、私もたまたま昨日町内の事業所の方と意見交換といいますか、話す機会がございまして、この点に関して意見交換したのですが、定義に合う合わないだけではなくて、本来、能力のある方、頑張っている方をしっかり処遇したいというようなことを申されておりまして、定義に合うから8万円程度、合わないから半分というような22ページにあるような介護の例、こういう画一的な扱いにしないでほしいというような声をいただいております。
今回の処遇改善につきましては、ベテランの専門職の処遇のさらなる底上げ、さらなる人材確保、離職、流出の防止という意味で非常に価値がある大切なものだと思いますので、その趣旨、効果を高めるためにも、その辺をぜひ柔軟にお願いしたいという声がございました。よろしくお願いいたします。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
ほかにございますでしょうか。
最後に全体を踏まえて何かございますでしょうか。
では、以上をもちまして本日予定している議事は終了となります。
次回の検討チームにつきましては、詳細な日時や場所等が決まりましたら改めてお知らせさせていただきます。
本日はお忙しい中、長時間にわたり、また、本日も日々の御研究や現場、行政等々の立場からたくさん御意見を頂戴いたしまして、ありがとうございました。これをもちまして本日の検討チームを閉会いたします。ありがとうございました。

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