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2018年8月29日 第1回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」議事録

○日時

平成30年8月29日(水)10:00~12:00

 

○場所

全国都市会館大ホール(2階)

○出席者

有賀アドバイザー、石津アドバイザー、井出アドバイザー、岩崎アドバイザー、小川アドバイザー、佐藤アドバイザー、野澤アドバイザー、橋本アドバイザー、渡邉アドバイザー、大沼厚生労働大臣政務官、橋本障害保健福祉部長、内山企画課長、源河障害福祉課長、得津精神・障害保健課長、山口障害福祉課障害児・発達障害者支援室長兼地域生活支援推進室長、米澤障害福祉課長補佐、福島障害福祉課長補佐、石井障害福祉課長補佐、村本障害福祉課長補佐、齋藤障害児・発達障害者支援室長補佐、内野地域生活支援推進室長補佐、冨原地域生活支援推進室長補佐、大平地域生活支援推進室相談支援専門官
 

○議題

1.次期障害福祉サービス等報酬改定に向けた今後の検討の進め方について(案)
2.障害福祉サービス等報酬改定検証調査等(平成30年度調査)の実施について
3.その他

○議事


○源河障害福祉課長 少しお時間が早いようですが、皆様おそろいのようですので、ただいまから「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の第1回会合を開催いたします。
議事に先立ちまして、本検討チームの主査である大沼厚生労働大臣政務官から、一言御挨拶を申し上げます。
○大沼政務官 皆様、おはようございます。
御紹介いただきました、厚生労働大臣政務官を拝命しております、大沼みずほと申します。
本日は、お忙しい中、第1回障害福祉サービス等報酬改定検討チームにお集まりいただき、感謝を申し上げます。
平成30年度の障害福祉サービス等報酬改定におきましては、本日御出席の井出アドバイザー、岩崎アドバイザー、野澤アドバイザーにも真摯に丁寧な御議論をいただいて、この平成30年度の検討チームの中で御議論いただいた結果、改定率+0.47%を確保いたしまして、この改正障害者総合支援法等により創設されました新サービスの基準・報酬の改定並びに障害者の重度化・高齢化への対応、また、医療的ケア児・精神障碍者への支援や就労支援サービスの質の向上などの課題に対応した見直しを行ったところでございます。
一方で、この取りまとめに当たりましては、「次期報酬改定においては、サービスの質に関する調査研究を行うなど、サービスの質を報酬体系に反映させる手法等を検討する」とされております。
このため、3年周期で開催していた検討チームを常設化いたしまして、お集まりいただいた新しいメンバーも加えまして、アドバイザーの皆様のお知恵をおかりいたしまして、次期報酬改定の基礎資料を得るための各種調査であったり、また、来年10月に予定されております消費税率の引上げに伴う報酬改定などについて検討を行い、しっかりと国民の皆様に説明できるように、論拠を持った報酬改定を行い、我が国の障害福祉施策を着実に前進させていきたいと思っております。
アドバイザーの皆様には、精力的に御議論いただくことをお願い申し上げます。また、最後になりますが、今般、国のほうで障害者雇用に関する問題が発覚いたしたことは、私といたしましても大変遺憾なことと思っております。国が率先してこの障害者雇用に真摯に取り組むことが何よりも大事なことであると思っております。厚生労働省といたしましては、公的機関が皆さんの模範となるべき姿を見せられるように、今後、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。
また、1回目のスタートとなります。どうぞ皆様よろしくお願いいたします。
本日はまことにありがとうございます。
○源河障害福祉課長 続きまして、本検討チームの構成員等を御紹介させていただきます。
構成員等につきましては、資料1の別紙をごらんください。
主査である大沼政務官を含む6名の構成員に加え、10名の外部有識者の方々をアドバイザーとしてお招きしております。
まずは、本検討チームのアドバイザーから御紹介させていただきます。
社会福祉法人青い鳥横浜市東部地域療育センター所長の有賀道生さんです。
明治大学教授の石津寿惠さんです。
和光大学教授の井出健二郎さんです。
早稲田大学人間科学学術院教授の岩崎香さんです。
柏市保健福祉部障害福祉課長の小川正洋さんです。
東京大学社会科学研究所社会調査・データアーカイブ研究センター教授の佐藤香さんです。
毎日新聞論説委員の野澤和弘さんです。
医療法人聖母会成田地域生活支援センター施設長の橋本美枝さんです。
宮代町福祉課長の渡邉和夫さんです。
なお、立教大学教授の平野方紹さんにつきましては、本日所用により欠席でございます。
次に、本検討チームの構成員を御紹介いたします。
本検討チームの主査は、ただいま御挨拶をさせていただきました、大沼厚生労働大臣政務官です。
副主査の橋本障害保健福祉部長です。
構成員の内山企画課長ですが、本日は遅れて出席でございます。
同じく構成員の山口障害児・発達障害者支援室長兼地域生活支援推進室長です。
同じく構成員の得津精神・障害保健課長です。
申し遅れましたが、私は障害福祉課長の源河と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
また、オブザーバーとして、職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課も参加いたしますが、本日は欠席させていただいております。
最後に、事務局として、当課の職員も同席させていただいております。
なお、本検討チームの議事は公開とし、本検討チームにおける審議内容は、皆様に御確認いただいた上で、後日、厚生労働省のホームページに議事録として掲載する予定となっております。あらかじめ御了承いただきますようよろしくお願いいたします。
また、大沼厚生労働大臣政務官につきましては、公務によりここで退席させていただきます。
○大沼政務官 どうも皆様よろしくお願いいたします。
(大沼政務官退室)
○源河障害福祉課長 続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます前に、1点御連絡いたします。
厚生労働省では審議会等のペーパーレス化を推進しており、本検討チームにおいてもペーパーレスで実施いたします。このため、会議資料については事前に厚生労働省ホームページに公開し、一般傍聴の方は、資料を印刷するか、お手持ちのノートパソコン、タブレット等の端末に保存の上、各自御持参いただくようにお願いしております。
構成員及びアドバイザーの皆様へは、紙の資料の代わりにタブレット端末を配付しておりますので、資料についてはお手元のタブレットを操作してごらんいただくこととなります。操作についての説明書をお手元に配付しておりますが、御不明な点等がありましたら、適宜事務局でサポートさせていただきますので、御遠慮なくお申しつけくださいますようお願いいたします。
次に、本日の資料の確認でございます。
資料1 「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」開催要綱
資料2 次期障害福祉サービス等報酬改定に向けた検討の進め方について(案)
資料3 平成30年度報酬改定を踏まえた今後の課題及び次期改定に向けた検討
資料4 障害福祉サービス等報酬改定検証調査等(平成30年度調査)の実施について
参考資料 障害福祉分野の最近の動向
を配付しております。
資料に過不足等がございましたら、事務局にお申しつけください。
それでは、議事に入らせていただきます。
まずは、資料1~3に基づき、本検討チームの設置の趣旨や次期障害福祉サービス等報酬改定に向けた検討の進め方等について、担当から御説明させていただきます。
○福島障害福祉課長補佐 事務局です。
それでは、資料の説明に入らせていただきたいと思います。
まず、資料1です。
本検討チームの開催要綱になってございます。
「1.目的」でございますが、報酬改定の検討を行うために本検討チームを設置しまして、アドバイザーとして有識者の皆様の参画を求めて、客観性・透明性の向上を図る観点から、公開の場で検討を行うこととしております。
「2.当面の検討項目」ですが、障害福祉サービス等報酬改定の基礎資料を得るための各種調査、2つ目といたしまして来年10月に予定されております消費税率の引上げに対応するための報酬改定、3つ目としてその他となってございます。
「3.検討チームの構成委員等」につきましては、先ほど紹介がありましたので、省略をさせていただきたいと思います。
続きまして、資料2でございます。
こちらのほうが次期障害福祉サービス等報酬改定に向けた検討の進め方ということで、本日は1回目ですが、本日の議論は次期報酬改定に向けた課題や検討事項の整理、また、調査方法等について議論をいただきたいと思います。第2回目の時期につきましては本年10月を予定しておりますが、来年10月に予定されております消費税率の引上げに伴う障害福祉サービス等従事者の処遇改善についての議論を予定しております。また、11月につきましては、障害福祉サービス等の報酬における消費税の取扱いについて予定しております。
下のほうに、参考となりますが、政府予算編成。通常の年であれば12月ごろになりますが、予算編成がありますので、その過程の中で障害報酬の改定率が決まり、翌年の2月~3月ぐらいに改定の内容が決まり、今回でいきますと10月に報酬改定が実施されるというスケジュールになります。この検討会の議論の状況につきましては、適宜社会保障審議会の障害者部会に報告することとしてございます。
次に、後ろのほうの参考になりますが、「参考1」が障害福祉人材の処遇改善の部分になります。昨年度の政策パッケージの中で記載されている抜粋になりますが、処遇改善の部分、下線部分になりますが、まず、介護の部分が書いてございまして、介護職員などの処遇改善にこの処遇改善の収入を充てるということで柔軟な運用を認めることを前提に、勤続年数10年以上の介護福祉士について月額8万円相当の処遇改善を行うこととされておりまして、障害福祉人材も介護人材と同様の処遇改善を行うと記載されてございます。
「参考2」でございますが、平成26年に消費税率が5%から8%へ引き上げた際の対応になりますが、この際、診療報酬、介護報酬の検討状況を踏まえて、当時は社会保障審議会障害者部会で議論を行い、報酬改定を実施したということになっておりまして、その主な内容としましては、各サービスの給付費の対象費用から人件費などの非課税品目を除いた課税費用率を算出いたしまして、これに税率の引上げ分を乗じて基本報酬の単位数に上乗せをしたという対応をとってございます。
続きまして、資料3になりますが、その前に参考資料で報酬改定のところを少し触れたいと思います。
参考資料の14ページになりますが、「平成30年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容」ということで、障害者の重度化・高齢化の対応など、幾つかの課題に対応した改定内容となっておりまして、先ほど政務官の挨拶にもございましたように、改定率は+0.47%ということになってございます。
下のほうにそれぞれの課題と対応が箱の中に書いてございますが、1つ目が「障害者の重度化・高齢化を踏まえた、地域移行・地域生活の支援」ということで、この対応としましては、グループホームの新たな類型として、日中サービス支援型の類型を創設したり、あるいは新サービスであります「自立生活援助」の報酬設定をしてございます。
その下の「医療的ケア児への対応等」でございますと、看護職員の配置を評価する加算を創設したり、障害児の通所サービスについては、利用者の状態や事業所のサービス提供時間に応じた評価を行う。あるいは、これも新サービスになりますが、「居宅訪問型児童発達支援」の報酬を設定してございます。
右のほうへ行きまして、「精神障害者の地域移行の推進」でございますが、精神障害者の方の地域移行を進めるという観点で、グループホームでの受入れに係る加算を創設してございます。
その下の「就労系のサービスにおける工賃・賃金の向上、一般就労への移行促進」ということで、一般就労への定着実績に応じた報酬体系とすることとか、あるいは、就労継続支援A型でいきますと平均労働時間、B型でいきますと平均工賃、それぞれの実績に応じた報酬体系としております。またここでも新サービスの「就労定着支援」の報酬を設定してございます。
その下の「障害福祉サービスの持続可能性の確保」ということで、ここでは送迎加算の見直しなどを行っております。
昨年2月にこの概要を取りまとめたところでございますが、その際、「終わりに」ということで、次期報酬改定に向けて引き続き検討・検証を行う事項として、全部で13項目について検討等を行うこととしてございます。
資料3に戻っていただきまして、こちらが先ほど申し上げます13の課題、それと次期改定に向けた検討、どういった調査の中で何を検討していくかという全体の図になりますが、まず、左側のブルーの箱の中が、今ほど申し上げました13の課題でございます。
1つ目が「サービスの質を踏まえた報酬単位の設定」ということで、改定概要のほうでは、次期報酬改定においては、サービスの質に関する調査研究を行うなど、サービスの質を報酬体系に反映させる手法等を検討することとされております。
2番目の「客観性・透明性の高い諸情報に基づく報酬改定」につきましては、報酬改定の基礎となる諸情報について、客観性・透明性の高い手法により把握するための所要の措置を講じた上で、きめ細かい報酬改定を適切に行うための検討を行う。
3つ目の「食事提供体制加算について」は、食事提供に関する実態等の調査・研究を十分に行った上で、引き続き、そのあり方を検討する。
4番目の「就労継続支援A型と放課後等デイサービスの送迎加算」につきましては、送迎対象者の実態を把握した上で、送迎加算のあり方を検討する。
5番目の「身体拘束等の適正化について」は、今回の報酬改定では身体拘束の記録を行っていない場合の減算を設けたところでございますが、身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会の開催や指針の整備などについても努力規定として置いておりますが、その辺も含め、さらなる見直しについて検討することとされております。
6番目の「居宅介護について(利用実態把握等)」ということで、ここにつきましては、利用実態等を把握しつつ、身体介護と家事援助の報酬や人員基準について検討することとされております。
7番目の「重度障害者等包括支援の対象者の要件について」、ここも対象者の要件についてその利用実態を把握した上で対応を検討する。
8番目は「就労移行支援利用後の一般就労について」でございますが、就労移行支援の利用を経て一般就労した際の雇用形態や労働時間の推移について実態を把握した上で、対応を検討する。
9番目の「就労継続支援A型における最低賃金減額特例について」でございますが、重度の障害者との雇用契約締結当初に最低賃金減額特例を適用している事業所があるわけですが、こうした事業所について、今後、適用者数、適用期間、最低賃金の減額割合などの実態を把握した上で、対応を検討する。
10番目ですが、「就労移行支援における支援内容の実態把握と今後の対応」ということで、基本報酬については、就職6カ月以上の定着実績をもって評価することとしておりますが、今後、就労移行支援の具体的な支援内容、一般就労への移行や就労定着実績との関係性等の実態を把握した上で、支援内容の評価のあり方について検討する。
11番目が「共同生活援助における個人単位で居宅介護等を利用する場合の経過措置の取扱いについて」ということで、今回の報酬改定でこの経過措置は延長されておりますが、新たな類型であります日中サービス支援型の施行状況を踏まえた上で、引き続きそのあり方を検討する。
12番目が「計画相談支援・障害児相談支援のモニタリング実施標準期間等について」ということで、今回の報酬改定において標準の担当件数等を定めておりますが、モニタリングの実施標準期間の見直しに伴う効果や影響を検証した上で、障害児相談支援のあり方も含めさらなる見直しについて引き続き検討するとされております。
最後に「医療的ケア児者について(判定基準の調査研究)」ですが、医療的ケア児の厳密な定義、判定基準について、調査研究を行った上で、評価のあり方について引き続き検討すると、各13項目、それぞれ記載されているわけでございます。
これらの課題につきましてどのような調査で行っていくかということで、右端の箱になりますが、赤い部分が、本検討チームで御議論いただく、国がシンクタンク等に委託する部分になりまして、今、3つの調査がございますが、障害福祉サービス等報酬改定検証調査、2つ目が経営状況に関する事項ということで経営概況調査と経営実態調査、ここにつきましては、今年度調査を予定しておりませんので今回の資料としてはつけておりませんが、また来年度以降調査をしていくことになってございます。3つ目が従事者の処遇改善に関する事項ということで処遇状況等調査。この3つの調査で対応していくこととしています。
点線の下になります。こちらは補助金になりますが、公募型の補助金で「障害者総合福祉推進事業等」と書いてございますが、もう一つは厚生労働科学研究費補助金ということで、これらの補助金と委託費を使って調査を進めていくということでございます。
次のページへ行きますと、今年度から来年度、再来年度に向けた全体的なスケジュールで、現段階で決まっているものが記載されてございますが、この赤くなっている部分が先ほど申し上げました13の課題に対応する部分で、この丸数字が1ページ目の課題の番号に対応してございます。今年度の報酬改定検証調査でいきますと、全部で6本ございまして、訪問系サービスの支援実態調査、2つ目が地域生活支援拠点等の整備に関する実態調査、3つ目が生活介護のあり方に関する実態調査、4つ目はグループホームの「個人単位で居宅介護等を利用する場合の経過措置」の利用状況に関する調査、5つ目は相談支援専門員の担当件数の実態把握などに関する調査、最後は就労移行支援と就労継続サービスの実態に関する調査研究ということで、それぞれ予定してございます。31年度も、それぞれ検証調査、総合福祉推進事業、厚労科研費などを使って、この課題に対する調査を行っていくことを予定してございます。
説明は以上になります。
○源河障害福祉課長 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等がございましたら、お願いいたします。
石津アドバイザー、お願いします。
○石津アドバイザー 詳細な説明をどうもありがとうございました。
初歩的なことをお伺いするようで大変恐縮なのですけれども、今、御説明いただきました調査のスケジュールのところにつきまして。例えば、平成30年度に「こういった項目」ということで表の中で書かれているところですけれども、その項目について30年度でやることはわかりますが、その調査をする対象の年度というか、結局、改定される前の年と改定された年と、あるいはすぐに効果があらわれるかどうかということを考えるとその翌年もと、ある程度、当該年度だけではなくて前の年とか、当年度とか、翌年度とかと調べるというイメージなのかなと、そこのところがわからなかったので教えていただけますか。
○福島障害福祉課長補佐 後ほど資料4で説明いたしますが、報酬改定の検証調査でいきますと今年度の調査実施時期は30年10月ということで、10月時点での調査になります。
また、継続して調査をしていく必要性があるものについては、来年度以降の調査で今回の調査結果を踏まえて対応していきたいと考えてございます。
○石津アドバイザー ありがとうございます。
10月に調査されるのは30年度の改定後の調査ということなのか。それとも、結局、改定される前がどうで、改定されたらどうなのかという、何かそういったところが見られるものなのかというところに関心があったのですけれども。
○福島障害福祉課長補佐 基本的には30年度の調査になります。
○石津アドバイザー わかりました。私の拙いイメージだと、改定の効果といったときには、何か報酬が上がったところ、上がる前はどうだったけれども上がったらどうだったみたいな、そういうところが見られるのかなという気持ちもいたしましたけれども、その年度のみの調査をされるというわけですね。
○福島障害福祉課長補佐 そういうことでございます。
○源河障害福祉課長 野澤アドバイザー。
○野澤アドバイザー 野澤です。
報酬改定検証調査は、いろいろなサービス類型ごとにいろいろやられるのですが、既に始められているものとこれから始めるものとあるのですよね。これはどんなことを調査するのかというのは知りたいなと思っているのですね。
というのは、前回やその前もそうですけれども、私がさんざん言わせていただいたことが、同じサービスをやっていながら質が全然事業所によって違ったりして、それが報酬に反映されないというところが最大の問題だと思っているのですね。それは何でかというと、障害者サービスというのは、利用者、つまり、消費者側の選好という市場原理がなかなか働かないというところに問題があって、つまり、利用者側が判断能力やコミュニケーション能力がなかなか難しくて、自分でいいものを選べない。主張できない。それでは、家族はどうなのかといったら、やはり家族も、私も家族ではありますけれども、預けている相手に対するいろいろな遠慮とか屈折感があってなかなかうまく働かない。家族自身が事業をやっている場合もあるという利害相反もある。どうしても利用者の支援区分とか、職員の数や資格とか、利用時間とか、そういう形式的な要件で報酬や加算が決められている。いい支援をして、障害のある方の生活の向上とか、満足度とか、上がったところに高い報酬をあげる。そうではないところは下げるということをやっていかなければいけないと思っています。
今回のいろいろな調査が、こういうサービスの内容や質とその利用者の生活の向上との関連性といいますか、相関関係がある程度出てこなければ、この辺の私が言っているところには余り届かないのかなという気がするので、そこを知りたいなと思っているのですが、いかがでしょうか。
○福島障害福祉課長補佐 サービスの質ということの御指摘だと思いますが、先ほども御紹介しましたように、概要の中でサービスの質を踏まえた報酬単位の設定ということは言われておりますので、今後3年間の中でそれぞれのサービスについてどのような評価をしていくかということをそれぞれ検討していくことになりますが、現時点で決まっているというか、今回の調査の中で先ほど示した課題の1番とか2番の対応ということでは、生活介護のあり方に関する実態調査のところで、少しそういう質の評価をどのように行っていくかを検討していくこととしてございます。
○野澤アドバイザー わかりました。
結構難しいというのはわかっているのですね。そこら辺はオールマイティーなものになるとは思っていないのですけれども、いろいろなところで、外国とか、あるいは介護保険のサービスでも一部試みられていることなので、少しずつそういうものに関連性がつながっていくようなものにしていけたらと思いますので、調査の内容はとても重要だと思いますので、そのあたりのことを留意していただければと思っております。
○岩崎アドバイザー 御説明ありがとうございます。
直接関係しないことかもしれないのですけれども、参考1として出していただいている障害福祉人材の処遇改善の件なのですけれども、こちらは、そういう意味では、先ほど来、話題になっている質ということではなく、勤続年数あるいは資格といったことによって処遇改善が図られるということだと受けとめております。介護保険は非常に始まってから長い年月がたっておりますけれども、障害福祉サービスはそれに比べると非常に短い年限で、最近立ち上げられた事業所等も多いと思うのですね。ですので、これは同一事業所に10年以上勤続した人という受けとめをしているのですけれども、そういった場合に、高齢者の領域と同様というあたりは、少し柔軟な運用ということで障害福祉サービス独自に考えていただけるようなところがあったら、教えていただきたいと思います。
○福島障害福祉課長補佐 現時点で障害の処遇改善の内容で特段決まっているものはございませんが、これから介護の状況も踏まえ、また、障害と介護は違う部分もございますので、そこも十分に踏まえた上で検討をして、またこの検討チームで御議論いただきたいと思っています。よろしくお願いします。
○源河障害福祉課長 ほかにございますでしょうか。
もしよろしければ、皆様の御関心が多分調査の内容にあるかと思いますので、次の議題に移らせていただいて、次の議題を御説明した上で、資料1~3についてもまだ御質問等があるようでしたら、そこで承れればと思います。
次、資料4について、担当から御説明させていただきます。
○福島障害福祉課長補佐 それでは、資料4の説明に移らせていただきます。
2ページ目になりますが、こちらが障害福祉サービス等報酬改定検証調査の概要ということで全体を取りまとめたものです。調査の目的としましては、次期報酬改定に向けて、先ほど申し上げました検討が必要とされた事項や平成30年度に行った報酬改定の効果検証に必要な事項について調査を行い、各サービスの提供実態を把握することを目的としてございます。今年度実施する調査といたしましては、先ほど申し上げました6本、現時点では訪問系のサービスから始まりまして、6番の就労移行支援・就労継続支援サービスの実態調査までの6本を予定してございます。調査の方法といたしましては、まずは調査時期が平成30年10月、調査対象となる事業所等の抽出方法については無作為の抽出を行うこととしてございます。今後のスケジュールでございますが、本検討チーム終了後、9月下旬から調査票等の作成に移りまして、10月に調査を実施し、来年3月に調査結果を取りまとめ、報告書を公表する予定にしてございます。
次のページからが個別の調査内容になりますが、1つ目が訪問系サービスの支援の実態調査です。こちらのほうは特に課題に対応した調査ではございませんが、訪問系のサービス、いわゆる居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、このようなサービスになりますが、これらのサービスの従業者の種別ごとのサービス内容の実態を把握し、従業者要件のあり方を検討する基礎データあるいは国保連のデータでは把握できない支給の実態を調査することを目的といたしまして、それぞれ事業所・市町村に調査を行うこととしてございます。事業所調査では、共通項目として利用者の属性や障害種別、居宅介護の事業者であれば初任者研修修了者が居宅介護計画を作成している件数、重度訪問介護でいいますと従業者の種別ごとの役割や新人のOJTや担当の交代時の引き継ぎに要する時間などですが、市町村調査でいきますと各サービスの支給決定時間、これらを調査することを予定してございます。
次のページへ行きますと、地域生活支援拠点等の整備に関する実態調査ということで、こちらも課題のほうに特に対応した調査ではございませんが、障害者の方の重度化・高齢化で、「親亡き後」を見据えて地域生活支援拠点等を整備するというのが障害福祉計画に決められておるところですが、平成29年9月時点で42市町村11圏域の整備にとどまっていて、大半がまだ整備されていないという状況になってございますので、その未整備の自治体における課題の抽出、分析・検証が必要であるということで、未整備の自治体における課題の抽出あるいは整備済みの自治体であれば、必要な機能の取り組みの傾向について、整備類型別、地域別等の視点から分析・検証していくということで、こちらは市町村を対象にした調査ということで、主な調査項目は、整備状況や整備するのが特に困難な機能、整備類型、独自に付加している機能等を調査することとしてございます。
次のページですが、こちらは生活介護のあり方に関する実態調査ということで、課題1の「サービスの質を踏まえた報酬単位の設定」と2番目の「客観性・透明性の高い諸情報に基づく報酬改定」の課題に対応する調査になってございまして、生活介護におけるきめ細かい報酬改定を適切に行うための検討を目的とした調査でございます。調査のポイントとしましては、生活介護における多種多様な支援実態が明らかになっているわけですが、その提供サービスの質の評価に資するデータを把握し、検証を行うこととしてございまして、調査対象は生活介護事業者で、主な調査項目につきましては、支援の提供状況について、障害支援区分別・障害種別別などを軸に、一定の傾向があるかどうかの分析を行うための項目を調査する。あるいは、質の向上を図るという観点から、障害特性を踏まえた機能の内容等について調査を行うことを予定してございます。
次のページですが、こちらは共同生活援助(グループホーム)になりますが、「個人単位で居宅介護等を利用する場合の経過措置」の利用状況に関する調査研究ということで、こちらは課題11番の部分について対応した調査になります。先ほども申し上げましたが、平成30年度の障害福祉サービス等報酬改定におきまして、新たな類型であります日中サービス支援型を設けられたことによりまして、その施行状況を踏まえ、一方で経過措置を延長しておりますので、経過措置の状況について確認をした上で、引き続きそのあり方を検討することを予定してございまして、検証のポイントとしましては、職員配置や支援時間、報酬算定等の関係を分析する。効果的・効率的な支援方法を検証するということで、調査対象としましては、経過措置を適用している共同生活援助事業所、もう一つはそこでサービス提供をしている居宅介護等事業所等になります。共同生活援助事業所に対する調査といたしましては、利用者の障害支援区分とか、重度障害者支援加算の対象の有無、あるいは生活支援員の配置について、この辺を調査し、もう一方の居宅介護・重度訪問介護事業所につきましては、利用者の支給決定の区分や支給決定の支給量、この辺を調査していきたいと考えてございます。
次のページが、相談支援専門員の担当件数の実態把握及び標準件数の妥当性に関する調査研究ということで、こちらも課題に該当しているものはございませんが、今回の報酬改定におきまして、相談支援専門員が1カ月に実施するサービス利用支援等の標準担当件数、これは35件というものを設定して、一定程度超過する場合は基本報酬の逓減性を導入したところでございますが、この35件について業務実態に見合った適切な水準となっているか、その妥当性を検証することを目的としておりまして、今回の標準担当件数を設定したことによりましてばらつきは解消されていくと見込まれておりますが、まだばらつきがある場合はそのばらつきの要因分析、あるいは相談支援専門員の担当件数の設定のあり方についての次期報酬改定に向けて検討するための基礎資料とするということで、調査対象は計画相談支援事業所と障害児相談支援事業所、調査項目につきましては、相談支援専門員の基本情報としまして雇用形態や経験年数、あるいは1人当たりの平均担当件数を調査していくことを予定してございます。
6番目が就労移行支援及び就労継続支援サービスの提供実態に関する調査研究ということで、こちらは課題の8番と9番。8番が「就労移行支援利用後の一般就労について」、9番目が「就労継続支援A型における最低賃金減額特例について」でございます。今回の報酬改定では、就労移行支援では就労定着割合、就労継続支援A型では平均労働時間、就労継続支援B型では平均工賃月額、それぞれに応じた報酬体系としたところでございますが、今回のこの調査においては、就労移行支援の利用を経て一般就労をした際の雇用形態や労働時間数についての実態把握、あるいは就労継続支援A型の重度障害者との雇用契約における最低賃金減額特例の適用をしている事業所についてその特例の適用者数や適用期間を調査することを予定しておりまして、調査対象は、就労移行支援事業所あるいは就労継続支援A型・B型、就労定着支援の事業所でございます。主な調査項目としては、基本情報といたしまして、法人種別とか、事業の実施形態、定員等々、あとは報酬改定前後の事業変更の状況、サービス提供の拒否の状況、一般就労への移行者数などを調査する。就労継続支援A型におきましては、先ほどの減額特例の適用者の状況を調査することを予定してございます。
10ページが障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査についてでございます。これも毎年実施しているものでございますが、障害福祉サービス等従事者の処遇状況、福祉・介護職員の処遇改善の加算の影響等を評価・分析し、報酬改定のための基礎資料を得るものでございまして、これも調査時期は同様に30年10月を予定してございます。調査項目といたしましては、一番下の4番目になりますが、処遇改善の加算の状況や、従業者の方の給与の状況、職員個人の処遇の状況などを調査することを予定してございます。
次のページ以降、こちらは補助金の事業になるので参考にはなりますが、それぞれ課題に対応している部分になります、1つ目が総合支援法の見直しに向けたサービス実態の把握及びその効果の検証のための研究ということで、これは厚労科研になりますが、課題としては7番目の「重度障害者等包括支援の対象者の要件について」の調査を行うことも予定してございます。2番目が障害福祉サービス等報酬における医療的ケア児の判定基準確立のための研究で、こちらは課題の13番目に対応した研究になります。3番目が食事提供体制加算等に関する実態把握ということで、こちらは障害者総合福祉推進事業になりますが、課題の3番目と4番目、この調査の中で送迎加算に係る実態調査も行いますので課題の4番目にも対応していることになります。
次のページに行っていただきまして、4番目が障害者の虐待の未然防止に関する研究ということで、こちらも総合福祉推進事業になりますが、こちらは課題の5番目、「身体拘束等の適正化について」の部分でございます。5番目が居宅介護の支援の実態調査、それも障害者総合福祉推進事業ですが、こちらは課題の6番目、「居宅介護について(利用実態把握等)」になります。6番目が就労移行支援事業所における効果的な支援と就労定着支援の実態及び課題に係る調査研究ということで、こちらは課題の10番目ということで「就労移行支援における支援内容の実態把握と今後の対応」。最後に、こちらは課題には対応してございませんが、グループホームを利用する障害者の生活実態に関する調査研究ということで、こちらも総合福祉推進事業を予定してございます。
資料の説明は以上でございます。
○源河障害福祉課長 資料4の調査の中身について、今、担当から御説明させていただきましたが、資料4の内容を聞いて改めて資料3について御疑問や御意見が生じたということもあると思います。資料3についてでも、資料4の全体あるいは個別の調査でも構いませんので、御質問、御意見等がございましたら、お願いいたします。
○野澤アドバイザー なかなか難しいなと思って聞いていたのですけれども、やはり各種の調査の項目とか目的とかと見ると、サービスを提供する側の実態の調査なのですよね。そのサービスを提供することでどういうふうに利用者が変わってきたのかと、質をはかるには利用者側の調査が必要ではないのかなと思うのですよね。
これを見ると、新たなサービス類型について、自立生活援助とか定着とか、これは厚労科研のあれですよね。それについては利用者側の調査も入っているので、生活介護にしても、グループホームにしても、訪問にしても、利用者側の調査は必要ではないのかなと、今、聞いていて感じたのです。
これは全体的に絶対に必要だと思っているのですよ。やるのはとても大事だと思っているのですが、どういうふうに質との関連性を見ていくのかというところでは、もう少し利用者側のほうも含めた調査で関連性を見ていく。これは難しいですかね。厚労省自体が直接調査に入るのはなかなか難しいのかな、厚労科研でやったほうがむしろいいのかなという気がして、今、なかなかどうすればいいのかと対案も出せずに言っているのですけれども、率直な意見の交換として、ちょっとお伺いしたいなと思うのです。
○福島障害福祉課長補佐 今年度につきましては、特に利用者からの調査は余り予定されてはいませんが、実際に多分利用者向けの調査ということになると、自治体を通じてなのか、事業者を通じてなのかというのは、多分やり方はいろいろあると思いますし、来年度の調査研究の中でどの程度何がやれるかというのは来年もまた検討していきたいと思います。
○佐藤アドバイザー 今のお話とかかわるのですけれども、事業者調査で質の評価をするという場合に、調査をするからには、どういう回答があったら質が高いと評価する、どういう回答ならばこの提供サービスは質が低いと評価するのかという軸を設定する必要があります。そうした設計のもとで調査票というか、質問用紙をつくらないと、恐らく意味がないというか、役目が果たせません。そのような、何を質が高いと定義するのかということを想定して調査を実施していただきたいのですが、現段階で何か想定している内容のようなものがありましたら教えていただけますか。
○福島障害福祉課長補佐 質の評価ということでは、本年度の調査では生活介護の部分になりますが、生活介護に関しましては、非常に支援内容も幅広いものですから、現段階でこういうものであれば質が高いとか質が低いと言えるような、ある意味、決め打ちのようなことはしてございませんので、まさにこの実態を見た上でどういう方向で議論をしていくかということを考えていく必要があると思ってございます。
また、先生が御指摘の調査票に関しましては、今年度は、検討チームの開催が少し遅くなった関係もありますので、来年度以降、この検討チームでも調査票に関して少し御議論いただけるようにしていきたいと思ってございます。
○井出アドバイザー 御説明ありがとうございました。
一本一本の内容というよりは調達のほうでお伺いしたいのですけれども、先ほど、資料3のスライド1でこのチームの中では赤の囲みのところを考えるのだと、資料4でことしは6本あってということなのですが、先ほど資料4のスライド10で処遇のほうは毎年やっている、ことしもやるのだと。そうすると、まずはスライド2、検証調査、30年度調査の概要で、この中に6本ある。まず、この6本は、個別に調達するのか、それとも上のタイトルの調査、検証調査、30年度調査一式のようなスタイルになるのかどうか、教えていただけますか。
○福島障害福祉課長補佐 この6本は全て一括して報酬改定検証調査ということで調達をかけてございます。
○井出アドバイザー わかりました。
お願いは、このチームがきょう開催されて、10月調達ということなので、6本を抱える委託をするのだと思いますが、いわゆる応札する業者というのはなかなか大変だと思いますので、スケジュールとか、競争性とか、あるいは回収率とか、あるいは大きなこの30年度の調査と処遇の大きいものが2本走るので、事業者の負担の軽減とか、そうしたところも考慮していただけるとありがたいなと思います。意見だけです。
○福島障害福祉課長補佐 すみません。調達は既に終わっておりまして、今、先生がおっしゃられたいろいろなところは、総合評価ということでやらせていただいております。
○佐藤アドバイザー 質問なのですけれども、処遇の調査は昨年度も実施されているということなのですが、その報告書等は公表されているのでしょうか。もしされているとすればぜひ拝見したいと思うのですけれども、入手の経路について教えていただければと思います。
○福島障害福祉課長補佐 既にホームページで掲載してございます。
○佐藤アドバイザー わかりました。
○源河障害福祉課長 皆様、日々研究とか、取材とか、あるいは地域療育センターや地域生活支援センター、あるいは自治体で事業者の方や利用者の方に接していらっしゃると思いますので、その日々の御経験を踏まえて、御質問、御意見等をいただければ大変助かります。
○野澤アドバイザー さっきの食事提供体制加算の実態調査はどんなことをやるのでしたか。これは厚労科研のほうですかね。
○福島障害福祉課長補佐 食事提供体制加算は、総合福祉推進事業の中でやりますが、昨年、大分指摘を受けておりまして、食事の内容や栄養面の部分あるいは金銭面の話とか、そこら辺を踏まえた調査になると思います。
○野澤アドバイザー これは前回も結構焦点になったところで、私はもう忘れているところもあるので確認の意味でもあるのですけれども、この間、いろいろな制度も変わっていく中で、継ぎはぎでいろいろなものが激変緩和されてやられてきて、これもたしか自立支援法ができたときに1割負担をするのだと、その緩和策として食事提供体制加算はできてきたのですよね。でも、実質的には、今、ほとんどゼロに近いようなもので、その一方で入所施設の食事については本体の報酬の中に組み込まれている。グループホームの利用者には一切それはない。ばらばらなのですよね。
ほかにもいろいろなものがあって、入所施設は補足給付があるし、グループホームは部屋代の月1万円のあれがあるけれども、在宅で通所を使っている人は一切そういうものはないとか、継ぎはぎですごく矛盾が出てきているので、一度こういうものを全部ゼロベースで考えて、これを全部廃止したらどのぐらい財源があって、これを使えばどんなことができるのかというのを、ある程度、提示していきながらやらないと、事業者側の合意というのはなかなか難しいのかなと、この間のいろいろな意見も聞いて思うのですよね。その辺の工程みたいなところをいろいろ考えてやっていかないと、一生懸命こういう実態が出ましたとやっても、なかなかうまく進まないのかなという気もするのです。
○福島障害福祉課長補佐 御意見をありがとうございます。
まさにおっしゃられるように、実態調査の結果だけではなく、他制度とのバランスの問題もございますし、さまざまな視点の課題、前回の議論の中で大分ありましたので、それらを踏まえた今後の議論の出し方というか、資料のつくり方も踏まえて、そういったことで対応していきたいと考えてございます。
○橋本アドバイザー 私は事業所の職員ですが、夫が難病で身体障害者、子供が知的障害者で自閉症です。身体・療育・精神の3種の手帳を所持する家族でもあります。
今回の報酬改定では相談支援の件についてお話ししたいのですけれども、相談支援の重要性をお考えいただいて、業務負担に応じた加算や独立採算がとれるシステムづくりをされたのかと思います。ただ、現状、1人で計画相談を行っている事業所も多く、基本報酬が引き下げられたことで事業を廃止する事業者が出るのではないかと心配しています。日々相談支援専門員はモニタリングで走り回っていることから、厚労省から出されている通知や加算の解釈等も周知されていない現状があります。現に、今年度、旧単価の請求でよいところを新単価で請求してしまった事業所も多いようです。今後、加算を取りはぐれて減収から事業所が撤退することがないよう、わかりやすい方法で周知徹底していただけるようお願いしたいところです。
また、セルフプランについて、私も以前子供が放課後等デイサービスを利用する際にセルフプランを作成しました。正直、ふだん私は計画を作成している立場なのですけれども、我が子のことは全く見えないものでして、作成する際にかなりとまどったということがあります。その際は市の担当者が親身に一緒につくってくれましたので何とかなりましたけれども、事業所で個別支援計画をつくっていただいたときには、こういうことがうちの子には大切なんだと、目からうろこが落ちた思いがしました。当たり前のことが書いてあるのですけれども、本当に我が子のことはなかなか家族は見ることができないものだと、その当時は思いました。計画が示されれば、育てていく上での指標が持てます。障害児を育てていく家族は、本人と一緒に暗闇に放り込まれたようなものです。生活や成長していく上で起きるさまざまな変化に対応していくことに疲弊しています。今後、継続的に障害福祉サービスを利用していくことが予想される障害児については、計画相談が入り、相談支援専門員が長い人生の伴走者となってくれることが望ましいと思います。そのためにも、相談支援事業所が増え、事業所内の相談支援専門員が増えること、そして、相談支援専門員の質が向上していくことに期待したいと思っています。今後、相談支援専門員の担当件数やモニタリングに関する調査が行われていくようですので、関心を持って見ていきたいと思っています。
以上です。
○源河障害福祉課長 ありがとうございます。
○大平地域生活支援推進室相談支援専門官 御意見をありがとうございます。
改定の内容につきましては、今回、相談支援のほうでは大変たくさんの加算もつけさせてはいただいたところではあるのですが、運用の仕方などでまだとまどっていらっしゃるところがあるというのはお聞きしていますので、できる限りきちんとお伝えしていく方法をこちらでも考えさせていただきながら進めてまいりたいと思いますし、4月に市町村向けには出させていただいている通知などもありますので、それをさらに皆さんのほうでも読み込んでいただけるように、自治体さんなども通じてお伝えしてまいりたいなと思っています。
また、セルフプランにつきましては、おっしゃっていただいたとおりで、本当に御本人さん御自身で選んでセルフプランを実施していただいている場合はいいのですけれども、まだ体制整備が整っていないというところでセルフプランにならざるを得ないという状況も多々あると認識しておりますので、そこも含めて今回の報酬改定をうまく活用していただきながら相談支援事業所にしっかりと対応していただけるようにということも、あわせて呼びかけていきたいなと考えておりますので、また御意見をよろしくお願いいたします。
○橋本アドバイザー ありがとうございます。
○源河障害福祉課長 今、相談支援について御意見をいただきましたが、自治体の立場から、相談支援だけではなくほかのものでも結構ですので、せっかくお越しいただいたので、指名をして恐縮ですが、小川アドバイザーに最初に御意見をいただければと思います。
○小川アドバイザー 柏市の小川でございます。
今、御意見がありましたように、相談支援の重要性は、現場、自治体の人間として強く感じているところでございます。ただ、そうはいっても高齢のほうと比べると、相談支援員の立場というか、報酬とかの部分ではまだまだやはり優遇されていないという声を自立支援協議会の中でも聞くところでございます。例えば、高齢だとケアマネージャーというきちんとした資格があるから認知されているのですが、障害の部分だと、相談支援専門員の立場というのはまだまだ認知されていないという実情があります。
ただ、相談が支援の入り口であって肝になります。柏市の場合は事務局で説明があった地域生活支援拠点等を整備しているところでございますが、緊急対応をする中で相談支援専門員が一番重要な役割であって、ふだんからケースに関わっている相談支援専門員が、地域生活支援拠点があったとしても、私どもはそこが全てではなくて市にある地域支援の中で優良な地域資源だよという言い方をしており、いろいろな地域資源のどこにつなげるかという入り口になりますので、そこの部分は大事であり,相談支援専門員を評価してあげたいという思いがあります。
また、件数の問題とかというのがあるのですけれども、確かにそれはそうなのですけれども、アドバイザーからも意見があったように、例えば、件数で縛ってしまうと、自治体の首を絞めるようなところもないわけでもなくて、結局、優秀な質の高い専門員はいっぱいやりたくてもできなくなってしまうという部分と、相談支援専門員が横並びで一律となってしまうと、どうかなという部分もあります。例えば、スキル、年数に応じて評価してあげるとか、役職として高齢分野のように主任相談支援専門員を設けるとか,役割的なもの,スキル,経験年数が何年以上だと報酬を上げるとか、そういった方法もあるのかなとは思っております。
あと、相談以外の全体の御意見の中で、他のアドバイザーの意見の中でも出たのですが、いろいろな調査をする中で、事業所ベースに聞くのも大事だし、それとあわせて当然当事者の意見を聞かないといけない。例えば,自治体でも国に合わせて障害者福祉計画並びに障害者基本計画を3年に1度程度あわせて、策定したりします。柏市の場合は両方あわせた計画を「ノーマライゼーションかしわプラン」ということで3年に1度改定しているのですが、そのニーズ調査をするときには、障害当事者と支援者の両方の意見、無作為抽出の部分も障害当事者団体や事業所とのヒアリングも含めまして、両方をミックスした中でやらなければいけないという部分と、個別に障害者支援をやっていく中で,時代とともにいろいろな制度,サービスが出てきたのですけれども、やはり市の立場でいうと、財源の部分というのも大きい問題なので、そういった中で、全体のサービスをもう一回考える,見直すといった意見もあります。障害者のサービス向上のための意見を聞きたいけれども、財源の問題もあるし、事業者の声を聞きたいけれども優先的に何をやるかなど,いろいろな側面がある中で、自治体としては両方の声を聞きながらやっていかなければいけないと思っています。私の立場としては、現場に近い自治体ですので、厚生労働省さんの全体の立場も理解できますし、同じように直接当事者団体、障害の場合はその障害の特性に応じてそれぞれの違いがあってそれぞれの要求をしてきますので、その声もわかるし、福祉人材の確保も何とかしたいという点もございます。そういったことから、事業所の方が,幾らかでもやりがいを持ってやれるような報酬改定にするために何がいいかということを考えなければならないという部分もありますし、また、調査をするときに、プラン策定のときの調査の仕方として、どういう設問を出すかによって施策も違ってくる場合があるので、その出し方がうまくいくよう考えなければならない。こういうものがあるからこの施策を重点的にやるという方向性に導くためにすごく重要なことなので、ニーズ調査を計画するとき、やるときには、非常に苦労したところでございます。
地域生活支援拠点も、最初、整備するときには、本当に国の絵しかなかったときに、それで財源をつくるときにも、そういった地域の声や事業者の声や市としてのケースワーカーの意見といったものを総合して聞く中で、それで何を重点的に優先的にやるかということを考えていった経緯がございますので、初めての立場でどういった形で意見や皆様のお力添えができるかわからないのですが、現場に近い立場ということで何か意見を言えたらと思っておりますので、今後ともよろしく御指導をお願いいたします。
以上でございます。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
続きまして、渡邉アドバイザー、全体でも結構ですので、お願いいたします。
○渡邉アドバイザー 市町村の現場を担当させていただいておりまして、私どもは、小規模な市町村でございますので、そもそも対象者の方の人数も少ない。あるいは、サービス事業所も足りない。どうしてもそんな場面に遭遇することが多くございます。
そういった中で、利用者の皆様、住民の皆様の声をお聞きする中で、事業者の皆様を育てるといいますか、近隣との連携によりまして、広域での事業も取り組んでおりますけれども、そういった形で、報酬改定、事業者にとって、先ほどサービスの質の問題も出されておりましたけれども、良質のサービスを提供する事業者が育成されるような報酬のあり方、そういった今後の方向性を見出していただければありがたいなと感じております。
以上でございます。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
今、自治体の方から御意見をいただきましたので、相談支援についていただきましたコメント、調査のあり方、ニーズ調査とか、どういう設問をするかとか、そういう点についても御意見をいただきましたので、事務局のほうでコメントをさせていただきたいと思います。
○内野地域生活支援推進室長補佐 地域生活支援推進室の内野と申します。
相談の関係で、御意見をいただきまして、どうもありがとうございます。
我々も、相談支援事業はサービスの入り口の部分で非常に重要だということで、これまでもいろいろ取り組んできている状況でございます。
一つは、お話にありました高齢者に比べるとということがございましたけれども、障害者の相談については、以前から、自治体さんでもいろいろ取り組んできていただいており、相談事業、身体・精神・知的、それぞれかなり前からずっと続いてきているということもございまして、その流れで障害者総合支援法の中でも位置づけられていることもございます。資格試験が高齢者の場合はありますけれども、障害者の場合はそういう流れの中で来ているということもありますので、今の仕組みとしては研修をしっかり受けていただいて、様々な手法を身につけていただいて、修了証書を持ってもらうことでしっかり相談をやっていただくというような対応をさせていただいているということでございます。こういう形で今は現場の方々にもしっかりやっていただいている状況でありますので、そういう中で相談支援専門員さんの力量も高めていければということで、我々も研修などの機会を設けて進めていければと思っております。
相談支援専門員さんですけれども、先ほど緊急対応や地域資源の話がありましたけれども、まさしくそういう方々、現場の方々が、日々障害者の方に向き合ってもらって、いつ何時でも対応できるような対応をしていただいたり、足りない資源があったら市町村の自立支援協議会の中で御議論いただいて、どのように進めていくのかという議論もしていただいておりますし、そういうことをさらに深めていけるようなことも、我々としてもどのようにお伝えしていくことができるのかということについても考えていきたいと思っております。
今回の平成30年度の報酬改定でございますけれども、今まで基本的には基本報酬のみであったということでございますけれども、サービスの質の内容に応じて加算を数多くつけさせていただいておりますので、そういう意味では大きな相談支援の報酬改定ということになりましたけれども、今回、検討チームで調査もさせていただくということで、それ以外にも先ほどの補助事業の調査研究なども含めて、我々としても現場の実態を見つつ今後に向けて議論ができればと思っておりますので、引き続き御意見がありましたらいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○源河障害福祉課長 小川アドバイザー、渡邉アドバイザー、ありがとうございました。現場に近い自治体で日々接している中で、これはおかしいとか、もっとこうしたらいいのではないかという点があるかと思いますので、今後ともいろいろ御意見をいただければと思います。
本当は指名するのは恐縮なのですけれども、有賀アドバイザー、日々現場でいろいろお感じになることがあると思いますので、専門家の立場から御意見をいただければと思います。
○有賀アドバイザー それでは、現場の立場からということで、自己紹介も兼ねてなのですけれども、先年度まで国立のぞみの園の診療所のほうで9年間臨床をやっていまして、この4月から横浜の療育センターで主に乳幼児の特に自閉症のあるお子さんの療育や診療にかかわっているのですけれども、いろいろなサービスの質の向上の話がいろいろあったのですけれども、私は現場サイドでやっていた中で、例えば、いろいろな加算がつくとか、そういうことでサービスの向上が得られたと全く思えなくて、これは、臨床の現場、あとは介護の従事者などにも話を聞くと、お金がつくからといって自分の仕事がすごく充実したとか、そういう話は全く上がっていないですね。
サービスの質の低下を招く要因としては、こういういろいろなサービスを提供しようとするためにいろいろな制度が設けられるわけですけれども、制度がつくられれば必ず評価やいろいろな手順を踏まえなければいけないということがどうしても出てくると思うのですけれども、例えば、書類作成が必要とか、私もいろいろな各種診断書や意見書とかを書くことに非常に忙殺される毎日だったのですね。こういうサービスを使うためには医師の判断が必要とか、あとはこういう判定会議をしなければいけないから会議に出席してほしいとか。
我々が非常に仕事をする上でモチベーションが下がってしまう要因というのは、本来やりたい現場の仕事があるにもかかわらず、そのようなサービスの提供をする上で必要な、いわゆる事務的な処理に追われなければいけないということがほぼ毎日あり、現場でやっている職員も、残業はすごいし、朝から早く出勤して書類を作成してから現場の直接支援に携わるとか、そういうことが非常に毎日いろいろな現場で起こっていると思うのですよ。
そういうことを考えると、例えば、利用者が暴れたりとか、そういうことですごく大変だということはあるのですけれども、我々はそういうことにほぼ耐えられます。耐えられないのは、そういうような本来業務ではないところに忙殺され、さらに何でその仕事をもっと早くできないのかということのプレッシャーに耐えられないことが多いのではないかと現場サイドからは感じているので、そのあたりも含めて、業務分担とか、もうちょっとスリム化は逆にできないのかとか、そういうことについても議論していただきたいと現場サイドからは感じています。
以上です。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
○岩崎アドバイザー 今の有賀先生の御発言にも関連するのですけれども、私もそれは現場の皆さんの声として本当に切実なものがあろうかと思っています。先ほど質問させていただいたこととも関連しますが、「障害福祉サービス等従事者」というあたりの「等」にどこまでの人が含まれるのだろうかということもぜひお尋ねしたいなと思っています。
きょうの資料で申し上げますと、10ページのところの平成30年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査が行われるということでございますし、また、経営実態の調査も昨年の報酬改定のところで拝見させていただいたのですが、障害者総合支援法に含まれていない、特に地域活動支援センター、地活ですとか、あるいは事務を担っていらっしゃる職員さんのこととかはなかなか表には出てこないところでございますが、そういったいろいろなサポートがないとなかなか現場が回っていかない。でも、小さな事業所さんですと、事務職員さんを雇う余裕がなくて、結局、それを現場の職員さんが一生懸命なれない中でやっているということがあって、残業が積み重なる、疲弊するという悪循環が生まれているというところが、正直、あると思うのです。そこら辺で、今回、調査をされるということの中に、そういった視点や項目が少し含まれているのかどうかということをお尋ねしたいと思います。
○福島障害福祉課長補佐 いろいろ御意見をありがとうございます。
今回の調査の中で、いわゆる事務処理の部分とか、いわゆる直接サービス提供以外の部分のところの調査は含まれておりません。今、アドバイザーから御指摘があったような、実際、現場において事務処理が大変ですとか、そういった方の処遇も含めてどうしていくかというのは、報酬改定だけではなくて、先ほど有賀先生がおっしゃられたように、書類の簡素化の話とか、そういったところはこの報酬改定の検討チームの場でまた御議論する部分があるのかもしれませんけれども、全体の中で少しやれることは何なのかということを考えていきたいと思いますし、また、現場の声としていろいろな御意見があるかと思いますので、そこら辺を、次回以降、また聞かせていただければと思います。
○源河障害福祉課長 野澤アドバイザー、お願いします。
○野澤アドバイザー 初回なのでいろいろな思いついたことを言わせていただきたいと思うのですけれども、相談支援ですよね。これは極めて大事なものだと私は最近本当に認識するようになって、冒頭にも言ったように、特に知的な障害や重度の精神障害の方、みずからの判断能力をうまく行使できないという方の場合に、なかなかその選好というか市場原理が働かないと言いましたけれども、それを補ったり代替したりする役割として相談支援があると思うのですよね。
ここ数年、放課後等デイサービスがすごく増え過ぎてしまったみたいで、野放図な使われ方をしている。あるいは、就労継続支援A型の事業所の問題とか、これも本当は相談支援がきちんと現場で機能していれば、理想的にはこういうことはある程度防げるはずなのですよね。そんなことを考えたときに、相談支援というのはほかのサービスとはまた違う役割があると思っていて、ほかのサービスがアプリケーションだとすると相談支援というのはそれを動かすOSのような、ちょっと古い言い方ですかね、そういう機能を持っているのだなと思うのですね。これまでは母体法人の引力がすごく強いのですよ。むしろ利用者側の引力を働かせてもらわなければいけない。本当は母体法人から独立して、利用者側に立ったいろいろなニーズを酌み取って、サービス提供も自立支援協議会と連動しながらつくっていくみたいな、本来の目指しているものに近づける必要があるとここに来て思います。
もう一つは何かというと、この総合支援法のサービスだけではなくて、例えば、成年後見などは、今、利用促進会議をやっていますけれども、ここで言われているのは、専門職後見人が、例えば、月に1度ぐらいやってきて、財産管理はいいかもしれないけれども、身上監護とか身上保護と言われる、そんなものはできるのかという議論をされているのですよ。こういうものが本当にできるのは、本人のことをよく知っている家族とか、サービスを提供している、日々顔を合わせている職員さんだと。ただ、この人たちの場合は利害相反の関係にある。それでは、一体誰がそれを調整するんだというときに、チームで本人のベストインタレストを導き出すのだとか、チームでチェックをし合うのだと。そのチームのかなめは何かといったら、相談支援は非常に大きな期待を担っていると思います。
あるいは、この春に終末期の医療介護のみとりのガイドラインが改定されましたけれども、そこでも医療だけに任せるのではなくて、介護とか福祉のほうのいろいろな専門職もチームの中に入ってやっていくのだと。あるいは、家族のない人のみとりをどうするのかといったときに、家族等がそういう役割を担うのだといったときに、ここでとりあえず思い浮かぶのは相談支援の方だったりするわけですよね。
そう考えていくと、今回の報酬改定はすごく明確なメッセージが出たと思います。ただ、なかなか現場の相談支援専門員の方々の意識がついていっていないといいますか、これまでの現実から見た報酬改定というところにとらわれ過ぎていて、そうではなくて、全くこれからの本当に必要とされる相談支援とは何なのかみたいな、理想像をきちんと打ち出して、報酬改定によるメッセージだけではなくて、もっと強く現場の意識改革ときちんとした体制の組み直しみたいなものをやっていく必要があるのではないかということを感じております。
もう一つ、ついでに言わせていただくと、就労の問題。今、中央官庁のあれで、これは本当に大変なとんでもないことだと思うのですが、この民間のほうの就労移行はどうなのか。移行率は上がっていて実績は上がっていますけれども、中身を見ると、結構どうなのかというものはありますよね。
一つは、これまでも、就労移行に関しては、移行率と実績というものがある程度客観的な数値として出てくるので、それと報酬とが連動しやすいと言われましたけれども、これもよく見てみると、たまたま近くにいい企業があって積極的にやったから、ほとんど大したこともやっていないのに移行率だけちゃんと稼げている就労移行事業者は結構ありますよ。そのかわり、物すごく苦労して、本当に開拓して、いい仕事をしているところがあるのは知っています。定着といったって、一体誰の努力で定着しているのか。本当は本人や家族や企業だと思うのですよね。月に1回ぐらい面談をしてどのぐらいのことができるのかみたいなことも、厳しくこれから検証していかなければいけないのだろうなと思います。
一番の問題は、正直に言って、企業側が雇用率を達成するために別のNPOとかの法人に丸投げをして、そこが、障害者を集めていろいろなことをやって、企業はほとんど来なくてただお金で雇用率を買っているみたいな実態というのはありますよ。そういうものをどうしていくのか。本当の障害者の就労とは何なのかということをここはもう一度抜本的に検証して見直していく時期ではないかと思います。
そのあたりは今回の調査になかなかかかわってこないかもしれませんが、そういう問題意識を持ってやっていってほしいなと思っています。
以上です。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
私にとってはOSとアプリケーションの例もすごくわかりやすかったのですけれども、ただいま、計画相談の重要性、就労の問題点、課題についても御指摘いただきましたので、順番にコメントをさせていただければと思います。
○大平地域生活支援推進室相談支援専門官 御意見をありがとうございます。
相談支援につきましては、今、お話ししていただいたとおりと私どもとしても認識はしております。
ただ、先ほどもお話しさせていただきましたけれども、相談支援事業自体が始まってから長く時間はたっているのですけれども、この計画相談支援が始まってからはまだそれほど時間がたっていないところで、より多くの方にケアマネジメントという手法を使って障害のある方が望む生活に寄り添っていけるような支援をつくっていくことが目的ではあるのですけれども、皆さんにそれを届けるために、平成24年以降、たくさんの相談支援専門員を養成する必要がありました。そういった意味では、まだ質というところが伴えていないというのが現状にありまして、そこを何とかしていきたいというのが、研修制度の見直しを含めて考えているところです。
ただ、相談支援につきましては、計画相談のみではありませんので、地域生活支援事業の中にある障害者相談支援事業や基幹相談支援センターといった個別の相談支援の部分と、そこから見えてくる課題をどう解決していくのかという部分、あるいは個別の相談支援をやっていただいている方の人材育成を地域でどう図っていくのか。そういったあたりも含めて相談支援体制をどうつくっていくのかというところも大きな課題となっていると思っていますので、そのあたりと報酬の部分とあわせてよりよい相談支援体制を築いていけるようなことを今後も考えさせていただければと思っています。
相談は以上です。
○石井障害福祉課長補佐 就労支援を担当しています、障害福祉課の石井でございます。
野澤アドバイザーからいろいろと意見をありがとうございます。
移行支援事業所に関して結果として移行率はいいけれどもということは、まさにそのとおりという部分もあるのかもしれない。つまるところ、実態、いわゆる支援のプロセスというものが我々はまだわかっていないというのもございます。ですので、実は今回の調査の中で、推進事業になるのですけれども、移行者の支援はどんな内容をやっているのか、その結果、実際に移行がどうだったのかということも別途調査させていただく予定でございますので、今の御指摘についてはそういった中で分析させていただきたいと思います。また、いわゆる障害者雇用との連動というところはおっしゃるとおりでございますので、引き続き担当部署である職業安定局とも連携しながら、そもそもの障害者の就労とはどうあるべきかというところは引き続き検討をさせていただきたいと思います。
以上です。
○源河障害福祉課長 ほかに、全体を通して何かあれば、皆様にお伺いしたいと思います。
○石津アドバイザー 全体としてというか、本当に細かいお話で恐縮なのですけれども、ちょっと質問させていただいてよろしいですか。私もこの処遇状況等調査についてお伺いさせていただきたいのですけれども、処遇改善についてはずっと積年の課題であって、先ほど紹介いただいたこの「政策パッケージ」でも月額平均8万円相当の処遇改善ということも出ていて、給料を上げることは大切だと思っていました。今日お伺いさせていただいて、お金の問題と、労働条件といいますか、時間のこととか、あるいはいろいろなその中身の問題とあわせて見ていく必要性をすごく感じたところです。
私のほうからの質問は、細かくて恐縮なのですけれども、この調査で、「調査対象サービス」における給与等の状況という形にされています。私は現場がわからないのですけれども、いろいろなサービスがあって、1人がいろいろなサービスをかけ持ちでされていらっしゃるということかと考えていったときに、そのサービスごとに給料を案分するような形で、多分統計なり計算なりをされるのかなと推測するところです。そうしてみますと、どのように案分していくのかという、それが時間なのか回数なのかわかりませんけれども、それによってサービスごとの給料というものが相当変動するということではないかと感じるところです。どういう形で案分するかということは、何か統一的な方針を出されていらっしゃるのかどうかということと、結局は案分しているわけですから、最終的には1人の従業員のサービス提供の総和が100%ということなのかなと思うのですけれども、そういう形の計算になっているのかどうかというところをちょっと教えていただけますか。
○福島障害福祉課長補佐 個人の方の給与の問題ですけれども、この調査においては、給与を案分するということはいたしておりませんので、その方、AさんならAさんがもらっている給料をそのまま記載していただく。その際に、幾つかのサービスをまたがってやっている方に関しましては、メーンとなる業務、サービスのところで計上していただくことになろうかと思います。
○石津アドバイザー ありがとうございました。先ほど申しましたように、私は現場がちょっとわからなかったので。例えば、通常の管理会計的な考え方からいうと、業務に応じて案分しながら、このサービスについてのコストは幾らかかっているとか、そういう形でやっていくものなのかなと思いましたけれども、この調査においてはそういう形ではなということなわけですね。
ちょっと考えてみます。
○福島障害福祉課長補佐 個人の方の給与の問題ですけれども、この調査においては、給与を案分するということはいたしておりませんので、その方、AさんならAさんがもらっている給料をそのまま記載していただく。その際に、幾つかのサービスをまたがってやっている方に関しましては、メーンとなる業務、サービスのところで計上していただくことになろうかと思います。
○石津アドバイザー ありがとうございました。先ほど申しましたように、私は現場がちょっとわからなかったので。例えば、通常の管理会計的な考え方からいうと、業務に応じて案分しながら、このサービスについてのコストは幾らかかっているとか、そういう形でやっていくものなのかなと思いましたけれども、この調査においてはそういう形ではなくてということでされているということなわけですね。
ちょっと考えてみます。
○源河障害福祉課長 橋本アドバイザー、お願いします。
○橋本アドバイザー 質の評価を行う調査を行っていくということですけれども、その際に問題になってくるのが、見守りに対してどのように評価をするかということが挙がってくるかと思います。
例えば、精神障害者の方で統合失調症の方や鬱病の方などは、がんがんと何か支援をしていくことが本人たちの負担になってしまう。ある程度、距離感というものを保って、そっとそこにいることがとても大事な部分というのもありますので、ただ単に見守りをしているからこれは質が悪いという評価にはしないようにしていただきたいなと思っております。
以上です。
○福島障害福祉課長補佐 御意見をありがとうございます。
まさに、今、おっしゃられたような障害特性を踏まえて、どのような支援が適正かということは、今回の調査の中で、障害種別ごととか、そういったところで一定の傾向があるかというところも調査いたしますので、その結果を踏まえて対応していきたいと思います。
○源河障害福祉課長 皆様の御意見を伺われて、資料1とか2とかに戻っていただいても結構ですので、ほかに何かございますでしょうか。
どうぞ。
○野澤アドバイザー すみません。これで最後にしますけれども、人材確保というのはこれから大問題になっていくと思うのですね。いろいろ考えても若い人はどんどん減っていきますし、ここで処遇改善の話がありましたけれども、特に若い方、この福祉の職に入られて間もない方というのは、賃金の安さはわかった上で入っていく。でも、何でやめていくのかというと、主に相談できる人がいないとか、どうしていいかわからない、法人の理念がわからないとか、そういうことが多いですよね。そのときに、どうやって確保していくのか。
一つは、入りをどうするかということばかりを見ていますけれども、今度はやめていく人をどうするのかというところは意外におざなりになっていて、福祉に希望を持って入ってきている人が何とかやめずにいられる、あるいはやめてもほかの福祉の現場に行くと。入ってきた人は情報がないので、そこの事業所というか、施設に入ると、そこしか福祉というのは情報がないので、ここでいろいろ質問してしまうと福祉は嫌だということで、一般のほかの仕事になってしまう。でも、ここの法人やここの施設はだめだけれども、もっといい法人や施設があるという情報を彼らに御提供する。あるいは、いろいろなことを相談できるものを、この施設や法人の枠を超えてそういうものができていくと、随分変わるのだろうなと思うのですね。
今、企業などは、本当にすぐやめていく人のために、3カ月後の研修とか、半年後の研修とか、この最初のころの研修は物すごく工夫して充実してやっていますね。これまでこういう研修というのは、法人任せ、施設任せ、あるいは本人任せになってきたけれども、やはり横断した形でこういうものをやっていく必要性は、今、出てきているのではないかと思います。本来であれば業界が主体的にやったりするのがいいと思うのですけれども、なかなかそこまでいかない段階では、国がある程度その辺のことも後押しする。そんなこともセットで処遇改善の中で考えていただけると、十分状況は変わってくるのではないかと思います。
以上です。
○源河障害福祉課長 ありがとうございます。
○岩崎アドバイザー 野澤さんのお話とも関連するのですけれども、処遇改善で手当てを変えるというお話になったときに危惧するのは、事業所で勤続10年ということがもし非常に重宝されると、そのまま人が動かなくなってしまうだろうということが懸念されるところでございます。ですので、福祉業界全体としてどのくらいその領域でお勤めいただいているのかということを評価していただけるような形になれば、とてもいい方向に行くのかなと…これは個人的な意見でございます。
それと関連して、先ほど意思決定支援のこともお話しされていらっしゃったのですけれども、私もその意思決定支援というのは障害者の領域では非常に大きな課題だと思っております。ただ、今、ガイドライン等で示されている内容が展開しているのかというと、地域で実際に意思決定支援会議が開催されたというお話は、残念ながらまだ余り耳にすることはございません。
それと、相談支援専門員は、ある意味、意思決定を支援するという立ち位置にも立ち得ると思うのですけれども、サービス管理責任者に関して言うと、実際にサービスを提供しているというところがあって、利益相反の問題がどうしても出てきてしまうということを懸念していたりもします。ですので、福祉人材の確保ということを考えたり、あるいは、御本人を代弁するとか、そういうことを考えたときに、もっと当事者の方たちをその仕組みの中に入れていっていただけるようなことを御検討いただければとも思っております。
以上です。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
野澤アドバイザーから指摘がありました福祉人材の人材確保の話は、福祉業界に限らず、どこの業界でもやはり人材確保に苦労していて、やめていく人をどうするか等は課題になっておりますので、福祉業界でも同じなのかなと感じました。
ほかにございますでしょうか。
どうぞ。
○有賀アドバイザー 人材確保の話が出たので、障害医療に携わる医師の人材確保もかなり急務かと思っておりまして、障害医療に携わる医師はかなり少ない状況で、一極集中みたいな、特に昨年の私が勤めていたのぞみの園では、当然群馬県内はほぼカバーする形になるわけですけれども、大体いろいろなところでかかっても、うちでは診られませんとか、そういう形でお断りされて、私のいたところに来る。これはいろいろな手間暇がどうしてもかかってしまうとか、例えば、何か医療検査をする上で非常に手間暇がかかってしまうとか、そういうことで、言ってしまえば、医療機関に関して言えば、言葉は悪いですけれども、割に合わないみたいなところがあって、少しハードルが高いみたいなことはあるのかなと、特に重たい障害を持った方が医療機関を受診するに当たってはハードルが高いということで、どうしても専門機関、限られた機関に受診するということになってしまう。
私もかなり数多くの方を診ていたのですけれども、正直、もっと地域でプライマリーケアなどはしていただけたらなどという気持ちはあって、すごく悩ましい医者としての生活を送っていたわけなのですけれども、そういう上では、障害医療に携わる医師に対するインセンティブみたいなものをつけてほしいなという気持ちは正直ありました。
これは医療側の課題ではあると思うのですけれども、障害医療に関しては、例えば、医学部での講座なども余りなくて、我々はそういう教育を受けてこないのですね。そういう意味では、もう少し障害医療に対する医学教育も、医学部レベルから、そういうところからの発信とかも必要であろうと、改めて私も障害医療に携わって感じたことなので、意見としてお話しさせてもらいました。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
皆様、ほかにございませんでしょうか。
本日予定している議事は、以上で終了となります。
次回の検討チームは、詳細な日時や場所等が決まりましたら、改めてお知らせさせていただきます。
本日は12時までの予定でしたが、特に御意見等もないようですので、これをもちまして、「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の第1回会合を閉会させていただきます。
お忙しい中、お集まりいただきまして、本当にありがとうございました。

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