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2018年11月14日 薬事・食品衛生審議会 要指導・一般用医薬品部会 議事録

○日時

平成30年11月14日(水)15:00~

 

○場所

厚生労働省専用第21会議室

○出席者

出席委員(16名)五十音順

五十嵐   隆、  稲 葉 雅 章、  乾    英 夫、 金 澤    實、
神 田 敏 子、  合 田 幸 広、○新 保 卓 郎、 多 田 弥 生、
長 島 公 之、◎橋 田    充、  濵 野 明 子、 平 石 秀 幸、
福 島 紀 子、  村 島 温 子、  望 月 眞 弓、 渡 邉 和 久
(注) ◎部会長 ○部会長代理
他参考人3名
 

欠席委員(3名)五十音順

川 原 信 夫、 寺 崎 浩 子、 長谷川 洋 一
 

行政機関出席者

森    和 彦 (大臣官房審議官)
山 本    史 (医薬品審査管理課長)
関 野 秀 人 (医薬安全対策課長)
矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
森 口    裕 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)

○議事

 

 

○医薬品審査管理課長 定刻になりましたので、少し遅れておられる先生もおいでですが、ただいまから薬事・食品衛生審議会要指導・一般用医薬品部会を開催させていただきます。委員の先生方におかれましては、大変お忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
はじめに、今年になりまして本部会の委員の変更がありましたので、新しく委員に任命された先生を御紹介させていただきます。お一人目は、国立医薬品食品衛生研究所副所長の合田幸広委員です。続いて、公益社団法人日本医師会常任理事の長島公之委員です。現時点で委員19名のうち15名の委員の御出席を頂いておりますので、定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。また、本日は審議事項の参考人として、お三方に御出席いただいております。議題1の関係で部坂耳鼻咽喉科医院院長の部坂弘彦先生です。議題2の関係で、東京歯科大学市川総合病院産婦人科教授の高松潔先生です。公益社団法人日本産婦人科医会常務理事の宮﨑亮一郎先生です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
また、前回開催以降、厚生労働省と医薬品医療機器総合機構において人事異動がありましたので、御紹介いたします。まず、厚生労働省のほうですが、安全対策課長の関野です。続いて、医薬品医療機器総合機構安全管理監の森口です。審議役の坂本です。審査マネジメント部長の美上です。一般薬等審査部長の蛭田です。
続いて、部会を開始する前に、事務局より所属委員の皆様の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告させていただきます。今回、全ての委員の皆様より薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいております。委員の皆様には会議の開催の都度、書面を御提出いただいており、その点について大変御負担をお掛けしておりますが、何とぞ、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
それでは、橋田部会長に以降の進行をお願いいたします。頭撮りは、ここまでとさせていただきます。退室等をお願いします。
○橋田部会長 橋田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、事務局から配布資料の確認をお願いします。
○事務局 配布資料の確認をさせていただきます。資料については、今回より試行的にペーパーレス化を実施しております。各委員におかれましては、お手元のタブレットの端末で資料を御確認いただければと思います。まず、タブレットの使用方法について御説明させていただきます。ペーパーレス審議会タブレット操作説明書がお手元に置いてあるかと思いますので、併せて御確認ください。操作説明書の1ページを御覧いただくと、タブレット端末は資料を画面に表示した状態で配布されているかと思います。ほかの資料を画面に表示するには、画面左上の「181113要指導・一般用医薬品部会」という所をタップしていただければと思います。
本日の資料として、議事次第、座席表、当部会の委員名簿、フォルダー形式になっている資料1、資料2-1、資料2-2、資料3、資料4、資料5と表示されているかと思います。資料の閲覧方法ですが、それぞれのPDFファイルをタップしていただくと閲覧することができます。表示内容の拡大や資料のページ移動については操作説明書に記載されていますので、御確認いただければと思います。なお、本会議では今回が初めてのタブレット使用ということもありますので、御参考として、議事次第、座席表、部会委員の名簿、資料1、資料2-1、資料2-2については紙の資料も机上配布しております。必要に応じて御活用ください。改めて資料を確認させていただきます。本日、席上に議事次第、座席表、部会委員の名簿を配布しております。議事次第に記載されている資料1から資料2-2は、あらかじめお送りしているものです。このほか、当日配布資料として、資料3は、医療用から一般用への転用に関する評価検討会議の報告について、資料4は、競合品目・競合企業リスト、資料5は、専門協議委員リストでして、これらについてはタブレットにて配布しています。過不足等がありましたら、適宜お知らせいただければと思います。
○橋田部会長 過不足等はよろしゅうございますか。それでは、本日の議題に入ります。まず、事務局から審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて、報告をお願いします。
○事務局 それでは、タブレット中の資料4をお開きください。本日の審議品目に係る競合品目・競合企業リストを御覧ください。競合品目・競合企業リストの選定理由について説明させていただきます。
1ページ、議題1のフルナーゼ点鼻薬〈季節性アレルギー専用〉は、ステロイドであるフルチカゾンプロピオン酸エステルを含有する点鼻用製剤です。効能・効果は「花粉による季節性アレルギーの次のような症状の緩和として、鼻づまり・鼻みず・くしゃみ」であり、同様の効能・効果を有する製剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
2ページ、議題2、メンソレータムフレディCC1及び同CC1Aですが、抗真菌成分であるイソコナゾール硝酸塩を含有する膣用外用剤です。効能・効果は「膣カンジダの再発」ということです。同様の効能・効果を有する製剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しています。説明は以上でございます。
○橋田部会長 ただいまの事務局からの説明について、何か御意見はありますでしょうか。よろしゅうございますか。それでは、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、ただいま皆様の御了解を得たものとさせていただきます。それでは、各委員からの申出状況について、報告をお願いします。
○事務局 議題1、フルナーゼ点鼻薬〈季節性アレルギー専用〉については、申出状況に基づきまして退室委員なし、議決に参加しない委員は稲葉委員となっています。議題2のメンソレータムフレディCC1及び同CC1Aについては退室委員なし、議決に参加しない委員は稲葉委員、多田委員、平石委員、村島委員です。以上でございます。
○橋田部会長 ただいまの事務局からの説明について、御意見はございますか。よろしいでしょうか。それでは、皆様に御確認いただいたものとして、議題に入ります。
本日は、審議事項が2議題、その他事項が1議題となっています。それでは、その他事項が審議事項に関するとのことですので、最初にその他の事項から入ります。では、お願いします。
○事務局 その他事項として、資料3を御覧ください。医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議の報告についてです。こちらは審議事項1に関連しますので、審議事項1に入る前に事務局より説明させていただきます。
以前、本部会において御了承いただきましたスイッチ成分の新評価スキームについてです。こちらについては、本年8月1日までに計5回の会合を開催しています。第5回までの会議結果については、既に委員の先生方にはメールで都度御報告させていただいておりますが、改めてこの場で報告させていただきます。
1ページを御覧ください。新しい評価スキームにおいては、厚労省のホームページでスイッチの要望成分を広く募集しております。点眼薬、胃腸薬といったものから緊急避妊薬、片頭痛薬といったものまで幅広く要望として提出されています。第5回までの会合を終えまして、資料3の1ページに掲げられている15成分について、スイッチOTC化の妥当性に関する会議結果が確定しまして、結果を公表しているところです。2ページ以降に会議結果の詳細をお示ししておりますので、議論のポイントだけ簡単に紹介いたします。
2ページを御覧ください。ヒアルロン酸ナトリウムです。医師の診断が必要な疾患であるドライアイといったものを効能・効果から削除して、一般用医薬品、眼科用薬の承認基準に規定されるような効能・効果のみとすることで、OTC化については可とされています。
3ページを御覧ください。レバミピドです。こちらも同様に医師の診断が必要な疾患である胃潰瘍といったものは効能・効果から削除して、OTCとして適切な効能・効果とすることでOTC化について可と判断されています。
4ページを御覧ください。レボノルゲストレルです。緊急避妊薬ですが、こちらについては、完全に妊娠を阻止させることができないこと、避妊薬等に関する患者自身のリテラシーが、まだ十分ではないこと、悪用や濫用の懸念があること等から、現時点においてはOTC化について否と判断されています。パブコメ等で多くの御意見を頂きましたが、各種課題の解決が必要であることから、OTC化については最終的に否と判断されています。検討会議の意見としては、課題の解決に向けて関係団体において検討を進めるべきとされています。将来的なOTC化の議論を妨げるものではないという付言もあるところです。
6ページ、こちらは5つまとめてということですが、トリプタン系の片頭痛である治療薬の5成分です。こちらについては、患者自身が、自分の症状が片頭痛によるものと判断するということは容易ではないということから、OTC化については否と判断されています。
7ページ、クリンダマイシンです。ニキビの適応ということで出てきていますが、耐性菌のリスク等からOTC化については否と判断されています。
8ページ、ベタメタゾン酪酸エステルプロビオン酸エステルです。こちらはベリーストロングのステロイドです。現状、OTCのステロイドはストロングの範疇であることも踏まえ、ベリーストロングのステロイドについては医療用医薬品でも慎重に使用すべき薬剤であることから、OTC化は否と判断されております。
9ページ、メロキシカムです。こちらは医師の診断が必要な関節リウマチというものを効能・効果に含めない等、OTCとして適切な効能・効果とすること等を条件にOTC化については可と判断されています。
10ページ、本日の審議事項1であるフルチカゾンプロピオン酸エステルについても、こちらのスイッチの検討会でOTC化について可と判断されています。その際、OTC化する場合の留意事項として3つほど条件が付いております。使用期間は3か月を限度とし、それ以上の使用に際しては、通年性アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、副鼻腔炎など、他の疾患の可能性も高くなるので、鼻腔内の所見が観察できる耳鼻咽喉科専門医の診察が望まれること。それから、医療用医薬品の適応年齢を考慮しまして、適用年齢は成人とすべきであること。それから、症状により適宜増減するか、1日の最大噴霧量は8噴霧を限度とすべきであるとされました。後ほどの審議の中で御検討いただければと思います。
11ページ、ヨウ素・ポリビニルアルコールです。こちらは医療用では用時希釈が必要な製剤ですが、一般の消費者が自ら容易に使用できるような製剤工夫をするということで、OTC化については可と判断されています。
12ページ、カルシポトリオールです。こちらは乾癬の診断が皮膚科専門医でないと容易ではないということで、OTC化については否と判断されております。
最後、13ページ、レボカバスチン塩酸塩です。既承認の同種同効薬の一般用点眼剤の効能・効果に倣うということでOTC化については可と判断されています。
今後、会議の結果についても、随時、部会のほうに報告させていただく予定です。以上でございます。
○橋田部会長 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議の審議内容について報告いただきました。ただいまの内容について御質問、御意見等がありましたら、お願いいたします。多くの品目について検討が行われているということですが、その中の転用可とされたものについては、今回のような形で開発が進められるということかと思っております。よろしゅうございますか。それでは、その他の事項について御確認いただいたものとさせていただきます。
次に、審議事項に移ります。議題1について、機構から概要の説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは、機構から資料1のフルナーゼ点鼻薬〈季節性アレルギー専用〉について御説明いたします。申請者はグラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社です。お手元には製剤サンプルをお配りしておりますので、そちらも御参考ください。審査報告書3ページ以降を御覧ください。本剤は、医療用医薬品であるフルナーゼ点鼻液50μg56噴霧用を要指導・一般用医薬品にスイッチするものです。本剤は、ステロイドであるフルチカゾンプロピオン酸エステルを含有しています。医療用フルナーゼは、1994年にアレルギー性鼻炎と血管運動性鼻炎を適応症として承認され、2005年に再審査結果が通知されております。
4ページの中段を御覧ください。申請者は、本剤を要指導・一般用医薬品とする意義について、こちらに示す点から説明しております。1点目として、アレルギー性鼻炎はQOLを低下させることが知られており、また、罹患者は増加していること。さらに、本疾患は自己判断が可能と考えられること。2点目として、ステロイド点鼻薬は比較的有効性及び安全性が高く、くしゃみ・鼻みず・鼻づまりに対して等しく効果を有すること。3点目として、1日2回の投与であり有用性が高いということ。4点目として、既に一般用医薬品として販売されているステロイド点鼻薬のベクロメタゾンプロピオン酸エステルの点鼻薬において、製造販売後調査で特段の問題が認められなかったことです。
その下、医療用フルナーゼの使用成績調査についてです。安全性解析対象症例3,208例において副作用発現は23例、0.72%で、鼻内刺激感など、主に局所の副作用が認められ、重篤なものはありませんでした。有効性については、アレルギー性鼻炎において有効率96.5%でした。本剤の外国での使用状況については、本年8月時点で、アレルギー性鼻炎の一般用点鼻薬として、米国、英国を含む30か国以上で販売されています。また、本剤は、昨年の第2回と第3回の医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議にて、要指導・一般用医薬品の転用の可否が議論され、5ページに記載した留意事項とともに転用は可能と判断されております。評価検討会議での議論と、その対応については、後ほど御説明いたします。
5ページ、ロ項及びハ項についてです。本剤の規格及び試験方法は、医療用フルナーゼに準じて設定されており、本申請のために新たな試験は行われておりません。
5ページから6ページのニ項からヘ項についてです。これらは医療用フルナーゼ申請時の資料が参考として提出されており、本申請のために新たな試験は行われておりません。
その下、ト項の臨床試験に関する資料を御説明いたします。本申請のために新たな臨床試験は行われておらず、医療用フルナーゼの申請時に提出された臨床試験及び使用成績調査の結果が提出されました。なお、医療用フルナーゼですが、当初はエアゾール剤として開発されていましたが、フロンを使用しない製剤とするため、開発の途中で点鼻液に切り替えられた経緯があります。そのため、エアゾール剤と点鼻液の試験成績が提出されました。また、背景因子による層別解析の結果も提出されました。
有効性について、7ページの表1の一番右の欄に、各試験の最終全般改善度が中等度改善以上であった割合をお示ししています。表の一番下、第III相の点鼻液とエアゾール剤の比較試験で、申請用法・用量と同じ1回100μgの1日2回投与群において、点鼻液で81.3%、エアゾール剤で69.9%の改善が確認されました。本剤の最大用量である1日400μg群も含め、ほかの臨床試験においても同様に有効性が確認され、また、有効性に影響する背景因子は認められませんでした。
7ページの下から、安全性についてです。エアゾール剤の臨床試験における副作用発現率は2.0%、申請用量と同じ1日200μg群においては2.2%、最大用量である1日400μg群においては0%でした。また、8ページの5行目ですが、点鼻液の臨床試験における副作用発現率は1.1%、申請用法・用量と同じ1回100μgの1日2回投与群においては1.3%、最大用量の1日400μg群で0%でした。どちらの剤形においても鼻出血や鼻の疼痛などが認められましたが、重篤なものはありませんでした。また、副作用発現率に影響する背景因子は認められませんでした。
8ページの中段、審査の概略を御説明いたします。規格及び試験方法並びに安定性については、医療用フルナーゼと同様であるため特段の問題はないと判断しました。
続いて、有効性についてです。本剤の効能・効果は季節性アレルギー性鼻炎ですが、提出された臨床試験は1試験を除き、通年性アレルギー性鼻炎を対象としています。これについて、機構は、8ページの下段以降にお示ししますように、アレルギー性鼻炎の発症機序や本剤の作用点は同じであること。季節性アレルギー性鼻炎を対象とした1試験で有効性が認められていること等から、示された資料で、季節性アレルギー性鼻炎に対する本剤の有効性の評価は可能と考えました。
また、機構は、要指導・一般用医薬品が一般的に比較的軽度な疾病を対象としていることを踏まえて検討を行いましたが、臨床試験成績において重症度によって有効性に差異は認められず、使用成績調査において軽症例で高い有効率が認められたことから、要指導・一般用医薬品としての有効性については問題ないと判断しました。
次に、安全性についてです。9ページの下段から10ページにかけて御覧ください。機構は、類似効能を持つ医薬品との併用時の安全性について申請者に確認しました。10ページに記載しているとおり、本剤とステロイド内服薬、点鼻薬との併用は注意が必要なため、添付文書中で注意喚起されています。また、ステロイド以外の製剤との併用については作用点が異なるため、併用による影響は認められないと考えること。本剤は血中移行性が低いため、内服剤等との薬物相互作用を起こす懸念は低いと考えることが回答されました。機構は、臨床試験と使用成績調査の結果、併用に関する申請者の回答及び添付文書の記載を踏まえ、本剤の安全性について特段の問題はないと判断しました。
10ページの下段から、効能・効果、用法・用量、使用上の注意についてです。基本的に評価検討会議の議論と、既承認ステロイド点鼻薬に基づき設定されています。特に用法・用量について、評価検討会議では、審査報告書5ページにも記載している次の3点の留意事項が付されました。1点目は、使用期間は3か月間を限度とし、それ以上の使用は耳鼻咽喉科専門医の診察が望まれること。2点目は、15歳以上を対象とすること。3点目は、1日の最大噴霧量は8噴霧を限度とすることです。これら全てが用法・用量と使用上の注意に反映されており、問題ないと判断しました。
11ページの中段、適正使用及び情報提供資料についてです。本剤は懸濁剤であり、医療用の添付文書にも用時振盪と記載されているため、振盪しなかった場合のリスクや安全対策の必要性について申請者に確認しました。申請者によると、本剤は〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇とのことですが、添付文書や資材において使用前に振盪するよう注意喚起がなされました。また、本剤の容器はガラスボトルであるため、取扱上の注意について申請者に確認したところ、添付文書及び外箱においてガラス製であることが明記され、注意喚起がなされました。そのほかは、既承認のステロイド点鼻薬と同等の資料が作成されており、現時点で特段な問題はないと判断しました。なお、本剤の用量は、医療用と同じ1本当たり8mLです。これは、通常使用時では約2週間分に該当するため、本剤の使用期間を考慮しても、特段の問題はないと判断しました。
総合評価です。12ページにある効能・効果、用法・用量において、本剤を承認して差し支えないと判断しました。なお、承認条件として、少なくとも3年間の安全性等に関する製造販売後調査を課すことが適切であると考えております。説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○橋田部会長 ありがとうございます。それでは、本日、参考人としてお越しいただいております部坂先生から、御意見や補足等をお願いいたします。
○部坂参考人 部坂耳鼻咽喉科医院の部坂と申します。皆様御存じのように、花粉などによるアレルギー性鼻炎というのは非常にQOLを落とし、学習意欲や労働の生産性の低下が落ちることが知られています。日本においては、アレルギー性鼻炎の有病率は30、40%近くです。スギ花粉症は30%近くあります。花粉症の有病率がこの10年間で10倍近く増えているということも事実です。
アレルギー性鼻炎の治療は、内服と点鼻が主に使用されていますが、内服の場合には抗ヒスタミン作用が強いため、眠気がやはり出て、意欲の低下や生産性の低下も落ちます。現在、スイッチOTCで内服薬で、第一世代、第二世代が出されておりますが、それでも職業上とか体質的に合わない方には問題とされています。その点、点鼻薬については、血管収縮性の鼻炎に関して粘膜を収縮する作用がありますので、使用をずっと続けると粘膜が収縮して、余計に鼻閉を呈することがありますが、ステロイド性の点鼻薬はそのようなことはありません。
ステロイド点鼻薬は、やはり効果が強いということと、副作用が少ないと、いわゆる鼻アレルギーに対する、くしゃみ・鼻みず・鼻づまりの3症状を軽減するということで、むしろ内服薬に比べて全身副作用も少ないですし、一般用医薬品には適切な薬剤だと考えています。先ほど機構からの説明もありましたが、副作用もほとんどありませんし、安全性は確保されていると考えてよいと思います。点鼻薬で粘膜に噴霧した際の血管への移行度は0.06%と非常に低く、局所内での抗炎症作用が出現しているもので、安全性も高く、一般用医薬品として妥当だと考えており、また、先ほどあった3種類のベクロメタゾン系の点鼻薬が市販されていますが、それ以上に効果も高いですし、安全性も確保されていると思います。また、諸外国、米国、英国でも一般用医薬品化されておりますので、この製剤は一般用医薬品として妥当だと考えております。以上です。
○橋田部会長 ありがとうございました。ただいま、部坂先生あるいは機構から頂きました説明に対して、御質問あるいは御意見等がございましたらお願いいたします。
○金澤委員 金澤と申します。部坂先生には、季節性アレルギーと通年性のものをお伺いしたいと思います。この両病型の、クリアカットな鑑別は難しいと思うのですが、その辺りはどうかということと、この薬剤は、あえて季節性アレルギーに使うとうたわれていて、1年のうち3か月を限度とするとなっているわけですけれども、OTCで3か月というのはチェックのしようがない、本人の以外にはチェックのしようがないと思われるので、その辺は部坂先生というよりは機構の見解をお伺いしたいと思います。
○部坂参考人 季節性と通年性のことですが、もともとこの製剤は、通年性で出ていて医薬品として認められていたのですけれども、やはりスギ花粉症のときには非常に重症度が高まるわけでして、アレルギー性鼻炎のガイドライン2016というものにも、重症性のある場合には点鼻薬をまず使うようにということもありますので、そのガイドラインに沿った点鼻薬の使用を季節性の花粉症には認めてもよろしいのではないかと考えます。
○金澤委員 そうなると、その疾患は季節性のアレルギーですか、通年性のアレルギーですか。
○部坂参考人 季節性のアレルギーになります。
○金澤委員 季節性のアレルギーですか。通年的に症状があってもということになるわけですか。
○部坂参考人 はい。花粉症のアレルゲンを持つ方と、ハウスダストやダニのアレルゲンを持つ方は混合していますので、春先には花粉の症状が出て、それ以外には通年性の症状が出るという方のほうがむしろ多いですし、それに伴う治療が舌下免疫等で行われているのも現状です。
○金澤委員 ありがとうございます。機構のほうはいかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 機構から回答いたします。複数の花粉に対して発症していて通年性のように判断される場合や、通年性であるのに季節による変動が出てしまうという場合があるため、症状のみからでは自己判断ができない可能性もあると考えます。もし、万が一通年性の方が使ってしまっても、3か月を超える投与は禁止しておりますので、長期使用が必要な場合は医療機関を受診することになり、大きな懸念はないと考えております。以上は、専門協議においてもコメントを頂いていまして、どちらであっても有効性及び安全性に問題はありません。
また、市販のベクロメタゾン点鼻薬においては、製販後調査において適正使用状況が確認されております。そちらにおいては、用法・用量をおおむね遵守されていましたので、大きな問題はないものと考えています。
○金澤委員 3か月というのは、使用者がいろいろな薬局に行って買おうと思えば幾らでも買えてしまうということで、3か月を超えて使用しないことというのは、能書きには書いてあると思うのですが、実際上、それを規制したり守らせるということは相当困難だと思うのです。その点についてはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構から回答いたします。本剤は要指導医薬品となりまして、薬剤師さん等の服薬指導や事前チェックの上で使われることを想定しております。なので、買う度に薬剤師さんがどのぐらい使われているかとか、3か月以上使っていないかというチェックはしていただけるものと考えています。ただ、御本人が正しく報告しないという話には、ちょっと何とも回答は申し上げられないのですけれども、基本的には適正に使用できるような形で考えております。
○金澤委員 今、医療保険の場合は、コンピューターでチェックが可能になってきているわけですけれども、この場合はほとんど実質的にはチェック不可能で、実際私もそこまでやる必要はないと思うのですが、ただそういう落とし穴があるなということを感じたわけです。
○乾委員 薬局・薬剤師の立場から申し上げます。日本薬剤師会の乾です。金澤先生がおっしゃっておられるように、なりすましとか偽りということについて、我々薬剤師会としても1つの薬局、かかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師を選んで見付けてくださいということで、国民にも啓発していますけれども、まだまだそれが機能していないところもあります。セルフチェックシートでしっかりと確認しながら、偽られたとしても毎回確認をすることをやりますので、御自身がうそを言っているということがやはりだんだんと、それは患者さんというか購入者にとっても偽って購入していることになりますし、また、それ以外にも、こういうOTCを本当に頻繁に御購入となると非常に高くつくということもありますので、その辺はやはり賢明なというか、ほとんどの住民の方は医療機関を受診されるということが、当然ながら通年の大概のケースとしては受診されるというのが大勢だと、私は現場におりまして思っています。
○橋田部会長 よろしいでしょうか。では、長島委員、お願いいたします。
○長島委員 ここをきちんと把握できるように、例えば普通の医薬品で記入するようなお薬手帳にもこのことをきちんと書いていただいて、医療機関を受診する場合にはそれもきちんと持っていくというようにするとか、あるいはセルフチェックシートは必ずこの中に入れることというようにして、本人が使用を始めた日とか、あるいはほかのステロイド剤を使用している場合はその使用期間を書くとか、それは必ず入れて記載していただくとか、あるいは、お薬手帳にも薬剤師さんができるだけ書くということを、きちんと決めたほうがいいように思います。
○稲葉委員 血液の移行はすごく少ないということで、多分余り問題ないのかも分からないのですけれども、もし長期にわたる使用でしたら喘息のステロイドの少量投与でも、骨折リスクは高まるという日本からの報告もありますので、季節性に限って1年間で3か月以内ということは、やはり遵守する必要はあると思います。
○橋田部会長 これについては、いかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。
○渡邉委員 よろしいですか。
○橋田部会長 では、お願いいたします。
○渡邉委員 一薬局の薬剤師として発言させていただきます。先ほど先生方が御指摘された内容、頻回の購入とか連用ということに関して、我々は非常に注意しております。その都度、セルフチェックシートを用いるなりして確認を取っています。何回もやっているうちに、患者さんというか来局者の表情から、ある程度のことは把握できるかと思います。
お薬手帳の件なのですけれども、我々はお薬手帳をお持ちの方には必ず記入するようにしていますし、もしその場でお持ちでない方には、持ち帰ってから必ずお薬手帳に記入していただいて、今現在このお薬をOTCとして使っているということを、診療機関のお医者さんにきちんと申告していただくように指導しております。
○橋田部会長 よろしいでしょうか。薬局・薬剤師の側からも、そういうことに関しては十分御対応いただくということが当然条件になってくるかと思っております。ほかに只今のことに関して、あるいは新しいことでも結構ですが、御意見や御質問等はございますか。
○長島委員 一応、1週間使用して効果がなければ医療機関を受診ということで、大体これは1週間使えば見極めが付くということでしょうか。
○部坂参考人 花粉症のひどい時期に使用すると、1週間使っても余り効果が感じられない場合もありますし、そういう際には内服やほかの物と併せて使わないと症状が取れないことがありますので、1週間だけ使ってその後というのは、使う時期によって、来年は花粉がかなり飛ぶそうなので、飛んでいる時期には余り効果が感じられない方もいらっしゃるとは思います。
○長島委員 安全性を重視して一番短いところでやれば、1週間というところが一番安全だと考えてよいのでしょうか。
○部坂参考人 長期間使わないということで、1週間という期限は私どもの臨床では余り感じられないような気がいたします。
○長島委員 機構側で、この1週間というのの根拠は何でしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 あくまで漫然とした投与を防ぐためという記載になります。例えばですが、資料概要の72ページを御覧ください。エアゾール剤とベクロメタゾン製剤の比較試験の結果です。上のほうのグラフにおいては、くしゃみ発作、鼻汁、鼻閉の症状の推移が記載されているのですが、1週間程度で半分近くには落ちていますので、ある程度の効果は得られるのではないかと考えます。
○長島委員 安全性を重視すれば、1週間というところも妥当かなと思いました。ありがとうございました。
○橋田部会長 ほかにいかがですか。
○望月委員 添付文書と患者さん向けの使用説明書の表現のことで、2か所ほどあります。まず、添付文書の「してはいけないこと」の3番の太字の所の「本剤の使用後は、ステロイド点鼻薬を使用しないでください」という表現は、どういう意味合いで書かれているかを、まず説明してください。
○医薬品医療機器総合機構 ほかのステロイド点鼻薬も含めて使用期間を制限しております。また、ステロイド剤の大量投与は良くないと考えていますので、こちらの製剤を使用する場合は、本剤の用法・用量を守って使用して、ほかのステロイド剤を使用しないでくださいという趣旨です。
○望月委員 多分「使用後」には、使用した直後の意味と、ある一定程度の期間、上の文章の3か月とかの後に、また継続して別のステロイドの点鼻を使う場合などがあるとおもいます。また、同時並行で使う場合、同時並行というのは、直後に使う場合と一定程度の期間が終わった後に使う場合、あるいは医師から別途処方された場合と、いろいろなものがここに含まれるような気がします。もう少しきちんと書いていただかないと、今のような趣旨がちょっと伝わらないのではないかと思いますので、一度御検討いただけたらと思います。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。検討いたします。
○望月委員 続いて、もう1つよろしいでしょうか。マル8使用者向け情報提供資料の1ページの右側のほうなのですが、「妊婦又は妊娠していると思われる人」という項目の中の設定理由に、禁忌という言葉が出てきます。よく、禁忌というのは一般の方にはよく分からないだろうと言われていますので、ここをもう少し分かりやすい表現で書いていただいたほうがいいかと思います。
○医薬品医療機器総合機構 併せて検討させていただきます。
○橋田部会長 ただいまの添付文書と情報提供資料のそれぞれについては、今伺いました形でもう一度文言を御確認いただくというか、御検討いただくということでよろしいですか。ほかにいかがですか。
○平石委員 このお薬は、要指導の医薬品として承認を可とするかを検討していますが、この要指導医薬品に関しては、一般的に販売した医薬品の品名や数量、販売日時、販売者名、提供した情報の内容等を書面に記載して、2年間保存しなければならないという規定があるとされます。このお薬については総合評価として、有用であって安全性も高いということである一方、承認条件として承認後、少なくとも3年間の安全性等に関する製造販売後の調査を実施するということをうたっているわけですけれども、具体的にどういうシステムで有害事象を収集するのか。つまり、販売した薬剤師さんたちが購入者に対して説明するときに、例えば有害事象と思われる症状が出現した場合は、直ちに販売者側に知らせるとか、そういった情報提供と収集方法についてお伺いしたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 機構から回答いたします。まず、積極的な調査として副作用頻度調査というものが実施されます。例数としては、3年間で1,000例の調査を目標としておりまして、購入される場合に薬剤師さんが患者様に協力依頼をして、どのような副作用が起こったか起きなかったかというようなものを調査するものになります。それとは別に、この調査以外で発生した自発的な報告についても、収集し集計するというシステムになっています。
○平石委員 そうすると、申告制度ということなのですか。
○医薬品医療機器総合機構 副作用頻度調査のほうは、アンケートになります。
○平石委員 アンケートですね。理解しました。
○橋田部会長 よろしいでしょうか。
○長島委員 機構の言ったセルフチェックシートですけれども、販売店向けあるいは使用者向けの情報提供資料にも全くそのことが書いていなくて、つまり、3か月使用したのか、ほかのステロイドを使用しているのかをチェックすることができない状況ですので、そこにきちんとチェックをしましょうと、セルフチェックシート等をできればきちんと使ってやりましょうということを入れるべきだと思います。
○医薬品医療機器総合機構 Q6以外の対策が必要ではないかという趣旨でよろしいでしょうか。
○長島委員 使用者向けの所に、セルフチェックシートでというのが書いてありますでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 本剤の販売時に想定される情報提供の仕方なのですけれども、セルフチェックシートと使用者向け情報提供資料を、使用者と共に薬剤師さんが見ながらチェックを行って販売するということを考えておりますので、セルフチェックシートのQ6に、ステロイド点鼻薬を過去1年のうち3か月以上使用した人ということが書いてあり、そこをチェックしていただくことで適正使用は可能と考えています。
○長島委員 やはり、副作用の予防とかというところで、ここはきちんとやっていただいたほうが良いと思います。
○新保委員 アレルギーではなくて、急性上気道炎、いわゆる風邪とかインフルエンザでも、鼻水が最初の症状ということがあるかと思うのですけれども、そういう場合にこのお薬を使用して問題はないのか、あるいは問題になった事例の報告みたいなのはないのかどうか、その辺はいかがでしょうか。
○橋田部会長 いかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 本剤の添付文書の「してはいけないこと」のほうに、次の診断を受けた人として感染症というものがあります。ですので、感染症の人は基本的に本剤を使わないでいただきたいです。ステロイドですので大事を取ってということで、感染症の人は本剤の使用を避けていただくようお願いしたいと思っております。本剤は基本的に花粉症が対象になりますので、疾患を持っている方はある程度自己判断ができるのかなと考えていますので、余りそういうことは想定されないと考えているのですけれども、既存の点鼻ステロイド薬の製造販売後調査においては、そういった事例は確認されておりません。
○新保委員 こういうお薬を使い慣れている方が、風邪とかインフルエンザになったときに自分で判断できるのかどうかということなのですけれども、余り問題事例が今までなかったということであれば、分かりました。
○長島委員 今の点は、自己判断はできないという前提で考えるべきだと思います。
○橋田部会長 いかがですか。
○稲葉委員 添付文書ですが、「相談すること」の2のその他で、眼圧上昇と書いてあるのですけれども、緑内障の人は使っては悪いという形で書いておいたほうが分かりやすいかなと思います。もう1つ、液剤の中にアルコールが入っているのです。結構、アルコールのアレルギーって多いのですけれども、本剤でアレルギーがあった人と書いてあるのですが、これはアルコールかも分からないのだけれども、アルコールアレルギーのある人とかというのは書く必要はないのでしょうか。
○橋田部会長 今の御質問に対しては、いかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 余りそういう事例は見たことがないのですが、本剤に関しては添加物の所に入っている添加物を記載しておりまして、アルコールが入っていることは分かる状態にはなっています。
○橋田部会長 今の問題に対して、何か追加はありますか。
○医薬品医療機器総合機構 1点追加させていただきます。添付文書の「相談すること」の(5)においても、「薬などによるアレルギー症状を起こしたことがある人」と記載しておりますので。
○医薬品医療機器総合機構 先ほどのアレルギー以外のものに使われた場合のお話ですが、相談することの(6)に、季節性アレルギーによる症状か他の原因による症状かはっきりしない人は、薬剤師の相談を受けることとなっていますので、恐らく自己判断されるとあれなのですけれども、分からない人はここで薬剤師さんにきちんと相談して、購入されるのではないかと考えております。
○長島委員 そうすると、薬剤師の方が診断をするということになりますか。
○医薬品医療機器総合機構 診断ということではなく、あくまでそういう既往歴があることを自覚されている方が相談されるというケースになるかと思います。
○長島委員 はっきりしない場合は、やはりきちんと医療機関を受診していただくというようにすべきかと思います。
○医薬品審査管理課長 OTCの現場を考えますと、まず薬剤師さんに御相談いただき、薬剤師さんはそういう状況を聞き取った上で、恐らく受診勧奨を、近医のほうに受診をお勧めになるとか、そういうのが流れだと思います。そういううまく連携の取れた患者さんへのアドバイスができるようには必ずしたいと思います。そういったことを企業の資材ないしはチェックシート、添付文書等で問うようにしていきたいと思っております。
○長島委員 そこを是非徹底していただきたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 承知いたしました。
○橋田部会長 今、それぞれ御説明がありましたように、医療用から要指導・一般用に転用される医薬品につきましては、薬局で薬剤師から要指導医薬品として必要な情報を添付文書、情報提供資料等を用いて十分に説明していただき、また患者の状態を聞き取っていただいた上で、ただいまご議論いただいたような問題が認められれば、必ず受診勧奨という形に進むというのが全体のシステムかと思いますので、これを前提にご検討いただけたらと思っています。
○乾委員 それと、医療用から要指導・一般用への転用の検討会でも指摘されたことが1つあります。やはり点鼻薬は、正しくきちんと使用方法を守って使わないと効果が半減するということで、添付文書にも患者に渡す文書にも一連の中で使用方法については書かれてはいるのですけれども、当然初回というか購入時には、薬剤師がしっかりとこの容器から蓋を取って、初回は空打ちをしてということで、指導は当然ながらするわけです。この使用方法の所で、文書にも容器を垂直に立てて持ちながらと書いてあるのですけれども、垂直にというのが分かりにくいかもしれないので、その辺の表現も、真っ直ぐのほうがいいのか、そういうことも含めて、薬剤師がしっかりと説明して正しく使っていただくのですけれども、やはり文書にも使用方法だけ別に1枚にしていただくとか、購入者がはっきりと理解できるようにしていただけたらなと、これは要望です。
○橋田部会長 使用方法についても十分な注意喚起が行われているということ、またそういう視点からの資料への要望でした。ほかにいかがですか。
○濱野委員 購入者にはいろいろな手続はしますけれども、その後、使用した後に何か気が付いたことがあったり、良くならなかったときには再度来てくださいとお声掛けをしていますし、そのような売り方をしています。それで異常が見られる場合はすぐにドクターのほうに行っていただくというようにして、日々やっておりますので、十分に注意していきたいと思っています。
○橋田部会長 ありがとうございました。ほかにいかがですか。今いろいろ御注意、ご意見を頂きましたが、添付文書あるいは情報提供資料の中で改める必要があるというご指摘につきましては御検討いただくということ、また実際に患者さんに薬をお渡しになる薬局・薬剤師の方ではチェックシートの扱いも含めて今のような問題を十分理解しそれに対して適切に対応いただくということが要点かと思います。こうした全体のシステムの中で取り扱われることを条件とし、また文言の修文も含めて対応するということでよろしいでしょうか。それでよろしければ、いろいろ御議論を頂きました内容を前提として、議決に入らせていただきます。
なお、稲葉委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくこととしておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。また、要指導医薬品に該当するとしてよろしいでしょうか。
                                   (異議なし)
○橋田部会長 ありがとうございました。御異議がないようですので、承認を可、要指導医薬品に該当するとし、薬事分科会には文書配布による報告とさせていただきます。ありがとうございました。また、部坂先生におかれましては、お忙しいところ御出席を頂きまして、どうもありがとうございました。
                               (部坂参考人退室)
○橋田部会長 よろしいでしょうか。それでは、議題2に移らせていただきます。議題2の資料2-1について、機構から概要の説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは、議題2の資料2-1、メンソレータムフレディCC1及びメンソレータムフレディCC1Aについて説明します。申請者はロート製薬株式会社です。CC1が腟錠のみ、CC1Aが腟錠にアプリケーターが付いた製剤で、腟錠自体は両者とも同一となっております。お手元に製剤サンプルをお配りしております。こちらは外箱だけではなく中身も実際のものを模しておりますので、CC1Aについては内袋も開封して御参考にしていただければと思います。
審査報告書の3ページ以降を御確認ください。本剤は抗真菌成分イソコナゾール硝酸塩を含有し、1985年に承認された医療用医薬品アデスタン腟錠300mgを要指導・一般用医薬品に転用するものです。
続いて、4ページの表1、本剤と既承認製剤との対比表を御覧ください。右側から、医療用医薬品には、1日1回6日間連続で投与する6日療法製剤アデスタンG100と、1回2錠のみを投与する1日療法製剤アデスタン腟錠300mgの2種類が承認されております。このうち、6日療法製剤に関しては、右から3番目にあるとおり2008年に一般用医薬品に転用されております。
本剤は、1日療法製剤を要指導・一般用医薬品とするもので、既承認の6日療法製剤である一般用医薬品とは異なる用法・用量となります。また、5ページの上段に記載しておりますが、本剤は要指導・一般用医薬品とするに当たり、医療用医薬品が300mg錠を1回2錠投与するのに対して、使用者の利便性を考慮して1錠中の有効成分量を600mgとして投与錠数を1錠としております。なお、腟錠の大きさや形状は医療用医薬品とほぼ同じです。
中段より、申請者は、本剤を要指導・一般用医薬品とする意義について次のように説明しております。1点目は、腟カンジダは外陰部の強いそう痒感、特徴的な帯下及びその増量などの症状を示すため、過去に医師による診断を受けたことがある場合には自己判断が可能である。2点目は、過去の製造販売後調査において、症状の軽減や挿入のストレスから途中で投与を中止した例が報告されているが、本剤は1回の投与のみであるため、途中で投与を中止されるおそれはない。3点目は、手指による腟錠の挿入に抵抗感を持つ使用者にとって、アプリケーター付きのCC1Aは投与時のQOL及び服薬コンプライアンスの改善が期待できる
その下です。本剤の安全性に関して、医療用医薬品の使用成績調査では副作用発現率は1.5%で、疼痛、陰門腫脹感、帯下増加、そう痒感、発赤など、局所の刺激感のみで全身的な副作用や重篤な副作用は認れられませんでした。続いて、6ページの2段落目です。一般用医薬品の6日療法製剤の製造販売後調査では、副作用発現率は1.5%で、腫脹感、刺激感、おりものの変化、疼痛、熱感、かゆみなど、いずれの副作用も重篤なものではありませんでした。続いて、3段落目です。外国での使用状況について、一般用医薬品として1錠当たり600mgを含有する1日療法製剤がシンガポールで承認されております。また、アメリカ、イギリス、ドイツなどでは、他成分の同種同効薬の1日療法製剤が販売されております。
その下、ロ項及びハ項の資料についてです。先にも述べたとおり、CC1とCC1Aは、アプリケーターの有無の違いだけですので、ロ項はCC1を用いた試験結果が提出され、ハ項はCC1及びCC1Aそれぞれの製剤を用いた加速試験結果が提出されています。ホ項について、医療用医薬品は1錠中に有効成分を300mg含有する腟錠を2錠投与するのに対し、本剤は有効成分600mgを含有する腟錠を1錠投与するため、医療用医薬品2錠と本剤1錠との生物学的同等性に関する資料が提出されております。
続いて、7ページのト項についてです。本申請のために新たな臨床試験は実施されておらず、医療用医薬品申請時の臨床試験成績及び使用成績調査結果が提出されました。有効性は8ページの表3を御覧ください。3試験を対象に評価され、1日療法製剤の各試験における改善率は77.2~87.9%であり、6日療法製剤と統計学的に有意な差は認められませんでした。安全性については、534例中6例の1.1%に副作用が認められており、全て局所の刺激症状に限定されておりました。
続いて、審査の概略について説明します。9ページです。規格及び試験方法並びに安定性について提出された資料より、特段の問題はないと判断しました。生物学的同等性について、本剤は腟粘膜からの吸収を意図したものではなく、その作用部位は腟内表面となるため、血中濃度推移ではなく、in vitroでの薬剤感受性及び製剤からの薬物の放出性が評価されております。
機構は、有効成分のイソコナゾール硝酸塩は難溶性であるため、腟内では徐々に溶解し飽和状態になっていると考えられることから、本剤においても、飽和状態が長時間維持されるか確認することが必要と考え、腟内を模した条件での評価を申請者に求めました。
申請者は、腟内環境を模した条件で6日間経時的に薬剤感受性試験を実施し、本剤1錠と医療用医薬品2錠とで経時的効果に差がないこと、また、イソコナゾール硝酸塩の飽和溶液とも差がないことを示しました。加えて、両製剤の崩壊性、溶出性、濡れ性、懸濁液の流動性等の物理化学的性質についても大きな差は認められないことが示されました。
機構は、示された結果より、本剤1錠と医療用医薬品2錠は腟内環境において同等の効果を示すこと、腟内での溶出性、腟内保持状態に差がないと考えられることから、生物学的に同等であると判断いたしました。
続いて、9ページ下の有効性について説明します。機構は、本剤1錠と医療用医薬品2錠との生物学的同等性が示されたことから、本剤の有効性を医療用医薬品申請時の臨床試験及び使用成績調査に基づいて評価することは差し支えないと判断しました。いずれの試験においても、医療用医薬品の1日療法製剤は75%以上の改善率を示し、特段の問題はないと判断しました。
10ページの安全性についてです。医療用医薬品及び一般用医薬品の6日療法製剤における調査では、副作用は局所に限定され、発現頻度の高いもの及び重篤なものは認められておりません。しかしながら、機構は、本剤は投与後腟内に6日間維持される製剤であるため、6日の間にほかのカンジダ治療用の腟剤及びカンジダ治療用以外の外皮用剤が使用されることを懸念し、対応を求めました。
申請者は、本剤使用後6日間は他のカンジダ治療用の腟剤を追加使用しないこと、カンジダ治療薬以外の外皮用剤を外陰部に使用しないことを、添付文書及び情報提供資料に記載すると回答し対応されました。機構は、示された対応策を踏まえ、現時点で安全性に特段の問題はないと判断いたしました。しかしながら、本剤は要指導・一般用医薬品として初めて1回の投与で治療を行う製剤であるため、製造販売後の調査において、併用薬の使用も含め副作用の発現状況を注視する必要があると考えております。
続いて、11ページです。効能・効果は、既承認一般用医薬品の同種同効薬と同様に設定され、問題ないと判断しました。用法・用量も、既承認一般用医薬品の同種同効薬及び医療用医薬品の内容を参考に設定され、問題ないと判断いたしました。使用上の注意についても、同様に特段の問題はないと判断しました。包装単位は、お配りしている製剤サンプルのとおり1箱1錠入りのみとなっております。そのため、使用者が誤って連日使用してしまうおそれはなく、問題はないと判断しました。
一番下の段落から、適正使用及び情報提供資料について説明します。本剤は、薬剤師の情報提供の下、使用者の自己判断で適切に薬剤を選択・使用できるかが重要となります。12ページです。一般用医薬品の6日療法製剤の製造販売後調査では、自己判断が誤っていたケースは4,769例中5例で、99.9%の使用者は適切に自己判断できておりましたが、使用者は適正使用のための対策として、中段の箇条書きの部分のとおり、まず、1点目、使用者が本剤の使用対象であるか自己判断できるように、腟カンジダの特徴的な症状及びよく似た症状を示す他疾患の詳細な症状を示す、3点目、万が一、自己判断を誤った場合、治療が遅れないよう使用後3日及び6日経過後に症状が改善、消失しない場合には、医師の診療を受けるよう注意喚起する、4点目、本剤は1回の投与で効果があることを明記し、ほかの腟剤の追加使用を行わないよう注意喚起するなど、添付文書、セルフチェックシート、情報提供資料を整備しています。
また、本剤は1回のみ投与するものであるため、投与後に腟錠が体外に脱落した場合には、十分な治療効果が発揮されない可能性があることから、13ページにあるとおり、挿入された腟錠が体外に脱落するおそれがあること、脱落した際には、医師又は薬剤師に相談することが、添付文書、情報提供資料において注意喚起されました。機構は、提出された資料で問題ないと考えますが、本剤は要指導・一般用医薬品では初めての1回の投与で治療を行う製剤であるので、製造販売後の調査においては適正使用状況も含めて十分に確認する必要があると考えております。
その下、アプリケーターについてです。CC1Aは、腟錠挿入の負担軽減を目的にアプリケーターを付属した製剤です。このアプリケーターは、一般用医薬品の6日療法製剤で使用されているものと同じです。機構は、使用方法が分かりやすいよう添付文書及び情報提供資料に記載されていること、再使用できない1回使い切りの使用とされていること、形状は使用者が馴染みやすいよう生理用タンポンを参考に設計されていることから、アプリケーターを付属することに特段の問題はないと判断いたしました。
最後は総合評価です。以上のような検討を行った結果、13、14ページにある効能・効果、用法・用量において、本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。なお、承認条件として、少なくとも3年間の安全性等に関する製造販売後調査を課すことが適切であると判断しております。説明は以上です。
○橋田部会長 続いて、議題2の資料2-2について、事務局から概要の説明をお願いします。
○事務局 資料2-2に基づき、本剤の毒薬又は劇薬の指定の要否について説明いたします。資料2-2ですが、タブレット上では2-2-3を御覧ください。申請者提出資料です。1ページに背景事情があります。現行の医薬品医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の施行規則において、イソコナゾールの硝酸塩を含有する腟錠は、現行の医療用の製剤の状況を踏まえ、1個中のイソコナゾールとして300mg以下を含有する場合を除いて劇薬に該当すると定められております。
先ほど説明がありましたが、今般の申請品は600mg含有製剤です。こちらについて、次のページに毒性データ等があります。600mg含有の本剤についても劇薬の指定基準には該当しません。用量としては医療用と同じ600mgであることから、承認に際しては600mg以下を含有する腟錠も、劇薬の指定から除外することが適当であると考えているところです。説明は以上です。品目と併せて、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○橋田部会長 それでは、本日、参考人としてお越しいただいている高松参考人、宮﨑参考人から御意見、あるいは補足をお願いいたします。
○高松参考人 東京歯科大学市川総合病院産婦人科の高松です。本日は日本産科婦人科学会を代表して意見を述べるためにまいりました。先ほど、機構の方からお話がありましたとおり、腟カンジダは非常に頻回に発症し、女性のQOLを大変損なうものなので、このような製剤がOTC化されるということは非常に望ましいかと学会としては考えております。
しかも、今まではOTCとして6日間毎日の製剤であったものが1日1回製剤になったということは、大変、利便性が高いのではないかと考えております。また、他の製剤としてオキナゾールという製剤が医療用にあり、1錠製剤が既に出ていてそれを望まれる方も多いので、その意味でも利便性が高いと考えております。
この件について、以前に日本産科婦人科学会に意見を求められたときに、学会内の女性ヘルスケア委員会で議論いたしました。そのときに出た意見、心配、懸念は2点です。1点は、カンジダ以外の疾患に対して投与されてしまう可能性はないのか、2点目は、基礎疾患がある場合、特に糖尿病がある場合には糖尿病を見落として頻回に繰り返すということもあるので、基礎疾患がある女性の基礎疾患が見過ごされる可能性があるという、この2点が懸念されるという意見でございました。
それに対して、今回上がってきた資料では、ほぼ適切にコメントがなされていると考えておりますが、1点、使用者向けの情報提供資料にはあるのですけれど、添付文書の「してはいけない」の(2)に、「他の疾患の可能性がある」とだけ書いてあるのですが、そこを「他の疾患の可能性や糖尿病などの基礎疾患がある可能性が考えられる」としていただいた方がよいのではないかと思います。やはり、基礎疾患の鑑別、ピックアップが非常に重要だと我々は考えますので、そこを加えてもいいのではないかということのみが意見です。以上です。
○橋田部会長 ありがとうございました。では、お願いいたします。
○宮﨑参考人 産婦人科医会の宮﨑といいます。医会は、まず、どちらかというと開業医の先生たちが非常に多いので、開業医の先生方にとってみれば、この疾患で通院してもらうということは、開業医の先生方の生活圏を一方では奪ってしまう可能性が十分にあり得るということで、大変、会員が危惧しております。
実際に厚労省のまとめた疾病統計を見ても、昭和59年辺りはかなりのカンジダの方がいて治療対象にしておりましたが、ここ数年、特に激しくこの疾患群が落ち込んでいる。ただし、その調査が10月であるということが少し味噌でして、通年でという形ではないことが非常に悩ましいところです。我々が見ていても、季節的には6~9月くらいに掛けてがどうしても多いので、ただ、同時期に調べていることは間違いないので減りつつある状況ではあろうかと思います。
もう1つは、600mgの腟錠の医薬品になっているものに関しては、極力通院してもらい、きちんとした場所に入れてもらうということを指導してきてまいりました。したがって、アプリケーターを使われるということですが、そこの部分に関しても非常に懸念している先生方がいらして、実際に腟を傷付けてしまうのではないかと、そのとき我々は、逆に言うと、生活圏を奪われて、なおかつ、それを治療しなければいけないという過激な発言をされる先生方がおられたのも事実です。
もう1つ、最近気になっているデータがあります。深在性の真菌症の薬剤耐性菌が出てきているという報告があり、最近では、表在性の真菌症に関しても薬剤耐性が出てきているという報告もありますので、安易に使われることは我々としては望みません。ただし、要指導・一般用医薬品としてくれるのであれば、それはやむを得ないということをおっしゃってくれる先生方もおられるというところです。以上が今の現状です。
○橋田部会長 ありがとうございました。ただいま、機構から審査結果について御報告を頂き、また、高松参考人、宮﨑参考人から御意見を頂きました。ご説明いただきました内容につきまして、御意見、御質問等をお願いいたします。
○五十嵐委員 質問です。7ページの1日療法、6日療法等の治療効果が出ているのですが、統計学的に有意差がなかったという表現だけなのです。どのような検定をして、その結果を知りたいと思います。その辺りの数字は分かりますか。
○医薬品医療機器総合機構 今回の検定なのですが、示しているパイロット試験やクロトリマゾール対象二重盲検比較試験については3群比較試験です。
○五十嵐委員 具体的な数値はどこにありますか。
○医薬品医療機器総合機構 今のお話は、資料概要の76ページです。これは医療用医薬品のデータなのですが、表ト-10。
○五十嵐委員 資料のどこですか。
○医薬品医療機器総合機構 資料概要です。
○五十嵐委員 分かりました。76ページですね。
○医薬品医療機器総合機構 はい。
○五十嵐委員 ありがとうございました。
○長島委員 1日療法と6日療法の安全性の比較についてです。一般用で使われる場合は、必ずしも適正に使われない場合もあるということを前提に、安全性を比較する必要があるのではないかと思うのですが、その点を確認してあるのかということ。それから、実際に販売するときには、この選択は購入者自身が行うのですよね。その場合に、600mgというのは、忙しいとか連日それが困難という例外的なものであって、原則としては6日療法のものという位置付けなのか、全く同等の位置付けで販売されるのかについていかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 まず、1日療法と6日療法の選定についてです。1日療法は、連日投与で忙しい方ということを想定しております。セルフチェックシートを御覧いただくと、下段に1日療法と6日療法ということで選択が書かれています。6日間治療を続けられる方は6日療法を使用していただき、1日療法はその下に書いており、忙しくて6日間使用できない方については1日療法を使っていただくということになります。実際には、このセルフチェックシートを見ながら、薬剤師と相談して購入されるということになります。
○長島委員 もう一度お伺いします。これは安全性の観点からすると、原則は6日療法をお勧めして、どうしても忙しいという場合に、例外的に1日療法をお勧めするという位置付けのほうが良いように思うのですが、それはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 1日療法と6日療法の安全性に関して、医療用医薬品のデータですが、副作用の状況については、局所症状のみで重篤な副作用は発現していないということから、2つの療法で変わるということはないと考えております。ただ、もちろん、今まで6日療法を使われている方が多いと思いますので、まず、そこで使っていただき、忙しくて使用できないという方について1日療法を使用していただくという形になると考えています。
○長島委員 参考人の先生方にお聞きしたいのですが、安全性等について、特に一般的に使うという場合に、全く同等で同じように並列にお勧めしていいものなのかということについて、いかがでしょうか。
○高松参考人 原則的に薬効を考える又は副作用を考えれば、全く同等に考えていいと思っています。現実、開業のクリニックの先生方と病院の先生方の勧め方は少し違うと思うのですが、実際に病院の場合には毎日通ってもらうわけにはいかない方、忙しい方が多いので、「どうしますか」、「1錠で」ということが多いのも事実だと考えています。
○宮﨑参考人 開業医の立場から、きちんとした所に入っていないということが一番の問題です。漫然と治療をし続けたくないという事もあるので、できれば、きちんとした場所にきちんとした所へ入れたいということがあります。最近、女性の社会進出という事で、どうしても通ってくることができない、ということをおっしゃる女性の方たちが多いというのも事実です。そういう人に対しては、一週間通って来られる人であれば、毎日来てくださいと。治りの具合に関しては、やはり来ていただいているほうが早めに治るという印象があります。
○長島委員 説明のときに、忙しいので6日間連続してできないとか、そういうことが困難とか、連続が難しい人のものですということを、きちんと説明していただくということが必要だと思います。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。情報提供資料には、選択についても記載しておりますので、そこを踏まえていただき、購入の際には薬剤師に情報提供いただくようにしたいと思います。
○橋田部会長 よろしいでしょうか。ほかに何かございますか。
○多田委員 皮膚科の立場からです。2-1-9のチェックシートです。「剤形の選択へ」という所の下の「腟症状がある」の下で「はい」に答えると、その下に、外陰部に発疹を伴うかゆみがある場合、クリームを併用することもできます。ただし、ただれのひどい場合はクリームは併用できませんので、腟剤のみで使用してくださいという記載があります。
ただれがひどい場合には、医師に掛かっていただくほうに誘導していただきたく、腟剤の使用だけで、あたかも外陰部のただれがカンジダの症状の一部であるような誤解を招きかねないので、記載の変更を検討していただきたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。確かに、外陰部のただれがひどい場合は別項目にあり、「使用しないで医師の診療を受けてください」となっていますので、そこと少しずれがありそうなので、表現内容について検討させていただきたいと思います。ありがとうございました。
○橋田部会長 ほかにいかがでしょうか。
○稲葉委員 内科なので的外れな質問になると思います。これは再発例なのですが、1日療法と6日間で症状の改善度は変わらないのですけれど、その後の再発のデータについてのことと、もう1つは、症状が良くなって6日間たったらカンジダがなくなっていると思います。そうすると、感染するようなカンジダは症状がなくなったら腟内から消失していると考えてよろしいのでしょうか。
○橋田部会長 お願いいたします。
○高松参考人 カンジダ腟炎ですが、カンジダ自体は腟内から完全には消えませんので、腟内のバランスを整えることが重要です。常在菌、カンジダ、人体の免疫力のバランスが崩れた場合、抗生物質を飲んだとか体調が悪くなったような場合に、カンジダが増えてきたものを戻すだけですので、消えるということはないと考えています。
我々の父親の世代の先生方は、カンジダは「しも風邪」です、「おしも」の風邪だから一生に何回もかかるという説明をしていたくらいなので、繰り返すというのはしようがないかということが現実ですし、完全に消失するものではないという認識です。
○橋田部会長 ほかにいかがでしょうか。
○神田委員 これは、再発治療薬ということですが、ただ、再発を繰り返す場合は使ってはいけない、してはいけないということになっていますよね。それが2か月以内に起きたか、あるいは6か月以内に2回以上起きたか、その場合にはしてはいけないということになっております。ということは、使い方は、再発したと思っても6か月間は様子を見て、再発を繰り返した後に使用するのか、その場合、再発したときには別の治療法をするという意味なのか、具体的にどのようにするのか。6か月様子を見て再発を繰り返さないことを確認してから使うお薬なのか、その辺りが分からないので御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 セルフチェックシートを御覧ください。最初の所に、腟カンジダの再発を繰り返している方、2か月以内に1回又は6か月以内に2回以上発症したという方は、もう使用しないで医師の診療を受けてくださいとしておりますので、ここに該当しない場合は本剤を使用できるのであり、6か月待つのではなくて、6か月以内に2回症状が起こる場合は、このお薬を使わずに医師の診療を受けるようにという形で使っていただくものです。
○橋田部会長 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○神田委員 はい。
○橋田部会長 ほかに何かございますか。
○五十嵐委員 先ほどの資料2-1の資料概要の76ページを見ると、菌の陰転率に関しては、評価日が第一、第二と2つあります。6日療法のほうが、菌の陰転率が1日療法よりも明らかに有意差を持って高いというデータも出ています。
しかし、ほかの評価項目、例えば、外陰そう痒感、帯下感とかは、恐らく患者の自覚症状ではないかと思います。そのほかに、外陰腫脹とか発赤は、恐らく医師の評価結果です。菌の陰転率に限って見ると、6日療法のほうが、良いように見えます。
つまり、1日療法と6日療法の効果は同等であるとほかの評価項目からは言えるのですが、菌の陰転率に関しては必ずしもそうでもないとの結果です。審査報告書には、有効性の中に菌の陰転率についての記載がありません。陰転率のことも記載すべきかと思いますが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 医療用医薬品の評価は、臨床症状と菌の陰転率との総合評価として評価されております。先ほど76ページと申し上げたのですが、全般改善度としては77ページに記載しております。この全般改善度について差がないということで評価しているものです。
有意差は認められませんが、6日療法のほうが少し良いような傾向が見て取れます。今回、OTCとする1日療法については、6日間連続の投与の必要がないというところから使用者のQOLの改善も見込め、OTCの場合、途中で良くなったという印象があり使用を中止してしまうという方もいらっしゃる、若しくは、使用を忘れてしまう方もいらっしゃいますので、そういうところから総合的に考えても、1日療法の有用性はあるのかと考えております。
○橋田部会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。本医薬品に関しましても、添付文書、情報提供資料、チェックシートの情報の再確認を行う、あるいは使い方の説明と確認につきまして実際の医薬品提供の現場においてきちんと対応していただく必要があるということかと思います。その場合、もしも文言等の修文が入るようでしたら、私が確認させていただきます。
それでは以上を条件として議決に入らせていただきます。なお、稲葉委員、多田委員、平石委員、村島委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。それでは、本議題について承認を可としてよろしいでしょうか。また、要指導・一般用医薬品に該当するとしてよろしいでしょうか。併せて、製剤についての劇薬指定を解除するということにさせていただいてよろしいでしょうか。以上、この3点をお諮りさせていただきます。
                                   (異議なし)
○橋田部会長 それでは、御異議がないようですので、承認を可、要指導・一般用医薬品に該当、劇薬指定を解除するとし、薬事分科会には文書配布による報告とさせていただきます。ありがとうございました。また、高松参考人、宮﨑参考人におかれましては、お忙しいところ御出席いただき、どうもありがとうございました。
それでは、本日の議事については終了いたしました。最後に、事務局から何か連絡いただくことはありますか。
○事務局 次回の部会の開催日程ですが、先生方の御予定を伺い調整させていただきますので、その際にはよろしくお願いいたします。以上です。
○橋田部会長 よろしいでしょうか。それでは、薬事・食品衛生審議会要指導・一般用医薬品部会を閉会いたします。どうもありがとうございました。
 
( 了 )
 

備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬生活衛生局 医薬品審査管理課 課長補佐 大原(内線2737)

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