2025年9月18日 令和7年度第12回入院・外来医療等の調査・評価分科会・議事録

日時

令和7年9月18日 13:00~15:00

場所

全国都市会館  3階 第1会議室

出席者

本委員
  • 尾形分科会長
  • 池田委員
  • 今村委員
  • 津留委員
  • 林田委員
  • 牧野委員
  • 眞庭委員
  • 中野委員
  • 眞野委員
  • 小池委員
  • 田宮委員
  • 鳥海委員
  • 井川委員
  • 河嶋委員
  • 秋山委員
事務局
  • 矢野課長補佐 他

議事

○尾形分科会長
 こんにちは。定刻になりましたので、ただいまより令和7年度第12回「診療報酬調査専門組織 入院・外来医療等の調査・評価分科会」を開催いたします。
 本日の開催につきましては、対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。
 また、今回の会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は飯島委員が御欠席と伺っております。また、秋山委員から40分ほど遅れての参加と伺っております。それから、池田委員が1時間ほどで御退出される予定と伺っております。
 なお、冒頭のカメラの頭撮りは、ここまでとしたいと思います。
 それでは、早速議事に入らせていただきます。
 まずは議題の第1でありますが、「急性期入院医療について(その3)」につきまして、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。
 入-1の資料に基づきまして御説明いたします。
 3ページ目以降、「急性期入院医療について」でございます。
 4ページ目に中間まとめの抜粋が記載されております。一般的な急性期機能について、及び拠点的な急性期機能についてという形で中間とりまとめがございまして、そちらの抜粋をさせていただいております。
 5ページ目がDPC制度における急性期機能の評価。7月にお出しした資料でございます。
 6ページ目、急性期機能に着目した評価指標の現状と課題ということで、一般的な急性期機能、拠点的な急性期機能、それぞれにつきまして、救急搬送、全身麻酔手術、総合性などの観点での現状・課題を整理したもの、7月にお示ししたものでございますが、再掲しております。
 7ページ目でございます。急性期一般入院料算定病院における救急搬送受入件数別施設数でございます。上の青色のほうが急性期一般入院料1における救急搬送受入件数別施設数ということで、急性期一般入院料1の算定病院では、救急搬送件数が様々という状況であります。急性期一般入院料2~6については、多くは1000件未満という形になっている状況でございます。
 8ページ目は7月に既にお示しした資料でございますが、各二次医療圏(20万人未満)の最大救急搬送受入件数の状況でございます。人口が少ない地域における救急医療の現状でございます。
 9ページ目も地域シェア率で見た状況で、7月にお示ししたものを再度掲載しております。
 10ページ目が急性期入院料1の算定病院における施設整備・人員配置・実績等というタイトルでございますが、許可病床数当たりの常勤医師数、許可病床数当たりの全身麻酔件数、許可病床数当たりの夜間時間救急数を、救急1000件未満、1000~1999件、2000件以上という3つのグループに分けて、それぞれ見たものでございます。2000件以上のところが、これらの値が高いといったデータとなっております。
 11ページ目、急性期一般入院料1算定病院における収支の状況であります。救急搬送受入件数が多くなるほど、医業収益・医業費用ともに大きくなる傾向であります。医業利益率についても、救急搬送受入件数によってばらつきがあり、どちらかといいますと、救急搬送受入件数が多い病院では低い傾向となっていたという状況でございます。
 12ページ目、急性期一般入院料1算定病床における1患者1日当たりの包括範囲出来高点数でございます。こちらも3つのグループに分けまして包括範囲出来高点数を見ますと、救急搬送が多いほうが高いという傾向があったところでございます。また、右側のほうは、さらに手術なども組み合わせたグループで分けた傾向でございます。
 13ページ目はDPC病院群別の包括点数に対する包括範囲出来高点数の比という集計をしておりますが、緑色が救急搬送1200件以上、灰色が1200件未満という形になってございますが、救急搬送受入れが多いほど包括範囲出来高点数が高いという傾向がございました。
 14ページ目は参考ということで、再掲でございますけれども、専門病院の状況。
 15ページ目、こども病院の状況。
 16ページ目はこども病院における地域シェア率、既にお出ししたものを再掲としてお示しておるところでございます。
 17ページにございますとおり、急性期入院医療の評価、急性期における医療資源等の確保の必要性、それぞれお示ししておりますが、こういったところを踏まえまして、現状と課題をどのように評価するかということで示しております。
 18ページ目からは総合入院体制加算・急性期充実体制加算についてであります。
 19ページ目が総合入院体制加算、20ページ目が急性期充実体制加算の施設要件でございます。
 21ページ目がその施設要件をちょっと整理したもので、総合入院体制加算1のみで定められている施設基準、青色のほうで、急性期充実体制加算1のみで定められているもの、おおむね共通の施設基準が真ん中にございます。こういった形で施設基準を整理したものがございます。
 22ページ目、総合入院体制加算・急性期充実体制加算届出病院の手術実績要件を満たす割合という形で、それぞれの届出病院において、こういった手術実績など、どの程度の割合を満たしているのかということについて集計したものでございます。
 23ページ目は総合入院体制加算・急性期充実体制加算の化学療法の実績でございます。
 24ページ目がその実績要件を満たす割合、0から9までございますので、満たす状況を集計したものでございます。
 25ページ目は所属二次医療圏と病院属性ということで、こちらも御参照いただければと思います。
 26ページ目が実績と病院属性ということで、実績要件を満たす数が多い病院ほど、許可病床数、常勤医師数、救急搬送件数、全身麻酔手術がいずれも多いという傾向がございました。
 27ページ目、総合入院体制加算・急性期充実体制加算の対象となる心臓血管手術についてであります。この手術実績要件のうちの心臓血管外科手術については、対象となる手術の要件が加算によって異なっております。具体的には、総合入院体制加算の対象手術には、急性期充実体制加算において対象となっている人工心肺を使用する冠動脈、大動脈バイパス手術等は入っていないといった違いがあるところでございます。
 総合入院体制加算の手術については、40件未満の病院が多いものの、急性期充実体制加算の対象手術については、40件以上の病院が多いといったデータがございます。
 28ページ目は参考で、それぞれの手術の要件が記載されております。
 29ページ目が実施件数の分布をお示ししたものでございます。施設当たりの心臓血管医師数が横軸でございまして、縦軸が心臓血管外科手術件数ということで、外科医の人数が多いほど手術件数が多いというような状況でございます。
 30ページ目が心臓血管外科手術の施設数と、心臓血管外科医の区分ごとにどのような分布になっているかを見たものでございます。
 31ページ目は標榜の割合。
 32ページ目が入院医療提供割合ということで、小児科・産婦人科・精神科のそれぞれの状況をお示ししたものでございます。
 33ページ目が診療情報・指標ワーキンググループでの主な御意見、抜粋したものでございます。
 34ページ目は5月に既にお示ししたものでございますが、二次医療圏における救急搬送件数。
 35ページ目が、そのうち地域シェアで見たものでございます。
 36ページ目が小規模な二次医療圏における支援のイメージということで、拠点的な機能を有する病院、こういったへき地診療所等への支援が期待されるのではないかということで、イメージを既にお示しした資料でございますが、再掲しております。
 37ページ目がへき地拠点病院の加算届出状況、こちらも既にお示ししたもの。
 38ページ目もへき地拠点病院における主要3事業の状況、これも既にお示ししたものでございます。
 39ページ目が加算実績を満たす割合と7診療科標榜数ということで、総合性の観点から標榜診療科の割合と手術を満たす数の関係性を集計したものでございます。
 40ページ目も参考でございますが、各診療科を標榜している病院の割合。
 41ページ目、急性期病院において精神病床に入院する精神科領域の患者、これも8月にお示ししたものでございます。
 42ページ目、拠点的な病院での精神病床数の変化の集計結果であります。こちら、DPCデータを用いたものでございますが、令和4年から令和7年まで総合入院体制加算を取っていた施設、左下にございます。また、令和5年から急性期充実体制加算を取った施設、令和6年から急性期充実体制加算を取った施設、令和7年から取った施設、それぞれのグループに分けまして、令和4年から令和7年にかけて精神病床の届出数あるいは届出施設数がどのように変わっていったかという形で集計したものでございますが、令和5年の急性期充実体制加算を取っている施設については、精神病床届出数が減ったり、あるいは病床の届出数が減ったりという形で、変化が見られている状況であります。
 43ページ目、今、申し上げたところの現状と課題をお示ししておりますので、これらにつきまして御意見いただければと思います。
 事務局の説明は以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等をお受けしたいと思います。
 津留委員、どうぞ。
○津留委員
 ありがとうございます。
 まず、私からは11ページについて意見を述べさせていただきます。急性期一般入院料1算定病院における収支状況の資料をお示しいただきました。これは2023年度のMCDBのデータ、あと病床機能報告からの資料ということです。この救急搬送件数が増えれば増えるほど、結果として医業費用がどんどん増して、対医業収益比率が増えて、結果として医業利益が悪化、経常利益も悪化していくと。すなわち、頑張って救急車を受け入れるとどんどん赤字になるという収支構造になっているわけですが、これはもはや尋常ではないと認識すべき内容かなと思います。根本的に制度として矛盾していると思いますし、制度が破綻しているとも思います。
 2024年度の診療報酬改定、0.88%でしたが、これも物価高騰、インフレに見合っておりませんので、2023年度のこのデータよりも収支が改善しているということはちょっと考えにくいです。つまり、2024年度、2025年度の状況はもっと悪くなっているというふうに認識すべきかなと思います。我々病院団体も間もなく公表する予定ですが、四病院団体の病院経営定期調査の速報値が間もなく出せると思いますが、それを見ていただいても同じような結果が見ていただけると思います。
 今年の医療経済実態調査、実調のデータが出てくるのを待ってからでは遅いのではないかと思いますので、このまま地域医療が崩壊していくのを待つのではなくて、抜本的な見直しが急がれますし、来年度、令和8年度の改定を待たずして、期中改定なり、令和7年度の補正予算を使ってでも緊急的な補助をして、早急に解決すべき内容かなと思うところです。来年の改定まで8か月半もございますし、その間、恐らく救急医療機関は経営がもたない危険性が高いと思いますので、その間も地域で救急車、24時間体制、不眠不休で一生懸命受けている医療機関がどんどん経営が悪くなっていくというのは、これは決して看過できない内容かと思いますので、早急な対策が必要と思いましたので、意見を言わせていただきました。
 あと2点、すみません。
 28ページの心臓血管外科の要件で求められる対象手術が、総合入院体制加算と急性期充実体制加算で異なっている点。これはどういう経緯でこのようになったのか。あと、中医協でどういうふうに承認されたのかというのは、これまでの議論のプロセス等の説明がないと、これを整理するのは判断が難しいかなというのが正直な感想です。
 43ページの課題の○の1つ目にも該当しますが、この手術要件に関しまして、昨今の医学の進歩から、従来の開胸手術、CABGからPCIに今、移行していますけれども、そのスピード感も加味して、この要件を考えなければいけないのかなと思っています。すなわち、技術が上がりまして非常に進歩したデバイスがどんどん使われるようになりまして、今、CABGの手術症例、非常に激減しているのではないかと思われます。そういった現状とミスマッチしていないかどうかということも、学会等の意見も聞いて、より慎重に検討すべきかなと思います。それを見誤って、おかしな基準ができ上がってしまいますと、要件を満たすために、PCIでも何とか対応可能な患者を、逆に無理して開胸するということがないように、そこはきちんと慎重に検討したほうがよいと思います。
 最後ですが、43ページの課題の○の1、2、3、全てに関係しますけれども、今回もいろいろ資料をお示しいただきまして、総合入院体制加算・急性期充実体制加算、それぞれ成り立ちが異なるわけですけれども、今後の急性期拠点機能の役割を考える場合に、地域の医療提供体制として分かりやすくするためには、例えば総合入院急性期充実体制加算とか、これは仮称ですけれども、そういった名称として加算として1つにまとめて、精神科の医療もある程度必要要件に組み入れて、今回の手術件数もそうですけれども、例えば脳神経外科、心臓血管外科も、開頭術・開胸術から、PCI、インターベンション、ステント、コイリングにどんどん移行してきていますので、そういった時代にマッチした内容に整理整頓する。
 これは以前から発言させていただいていますけれども、全身麻酔件数にこだわらずに、脊椎麻酔であっても、その手術で使用する医療材料とか医療機器、そのときに必要なスタッフの数とか人員、あとロボット手術の場合の設備投資、それらに見合ったような医療資源投入量で正しくその辺を評価、見直しする必要があるかなと思っています。例えば、人口規模20万未満の医療圏でも、手術基準をあまり高過ぎないように注意して、最小限の精神科の機能も持たせた上で、総合入院急性期充実体制加算、仮称ですけれども、加算の5であれば、1病院ぐらいは拠点的な急性期として、その地域を支えることができるように、医療機関として算定届出が可能になるような、ちょっとシンプルに整理してはどうかなと思いましたので、発言させていただきました。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
 私も前半と後半の部分について、それぞれ意見を申し上げます。
 まず、急性期における医療機関の機能についての部分でございますが、急性期一般入院料につきましては、救急搬送受入件数別の施設数として7ページに示されておりますが、入院料2~6は救急搬送が1000件未満に集中していることが分かります。一方、1のほうでも1000件未満の病院が相当数あることが分かります。
 それで、12ページについていいますと、1日当たりの1患者さんの包括範囲出来高点数が示されておりますけれども、これにつきましては、救急搬送や全身麻酔手術が多いほど出来高点数が高いということで、同じ入院料1の中におきましても医療資源投入量に差があることが分かります。
 14ページ以降では、専門病院やこども病院、それから、一般ということで、また少し様相が異なることが示されておりますので、これらにつきましては配慮する必要があるということも分かりますが、いずれにおきましても、入院料1を今までどおり1つのグループとして扱うということが、今後の医療機関の機能という切り口を考えた場合は、どういうことであるかを考えていくべきかということを思っております。
 それから、後半部分の総合入院医療体制と急性期充実体制加算についてでございますが、21ページ、主な施設基準ということで、施設基準として、この2つの加算については共通する部分がかなりあるということが見てとれます。
 22ページ以降で、実績要件で満たす割合について、実績基準の充足状況が示されているわけですけれども、総合入院体制加算1と急性期充実体制加算1が似ていること、総合入院体制加算2と急性期充実体制加算2が似ていることが分かるわけです。一方、26ページにつきましては、実績と病院属性という観点から、この2つの加算の病院につきまして、一体的に整理したものが示されております。これに基づきますと、許可病床数、常勤医師数、救急搬送の件数、全身麻酔の手術数、いずれの場合も右肩上がりということになっておりますので、実績要件を満たす項目が多ければ多いほど、より拠点的な急性期の病院という解釈になるのではないかと思います。
 それで、このようなことから、今、津留委員からもございましたけれども、総合入院体制加算と急性期充実体制加算を統合し、医療機関機能を新たに評価し直すということが考えられるのではないかと思います。その際、そもそもこの加算の成り立ちは異なるものでございますので、27ページに心臓血管外科について示されておりますけれども、これにつきましても、より専門に特化した場合と総合的に実施される場合につきまして、それぞれ特色があります。こういうことも踏まえて、このような点を考慮しつつ、実績要件の充足状況をどのように評価するのか、丁寧に議論していけばいいのではないかと思います。
 それから、総合入院体制加算3につきましては、実績要件はあまり満たしていないということになりますけれども、25ページ、二次医療圏と病院の属性というページを見ますと、人口の少ない地域におきまして、この3の届出が多いことが示されておりますので、地域性に一定の配慮をすることも考えていかなければならないのではないかと思います。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでしょうか。
 牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
 ありがとうございます。
 それでは、私から4点ほどお話ししたいと思います。
 まず、11ページ、これは津留委員とも重なるのですけれども、急性期一般入院料1算定病院における収支の状況と表題にありますけれども、救急搬送件数4000件以上の施設の営業利益がマイナス2.3%、経常利益もマイナス1.3%と、4つのカテゴリーに分けて書かれていますけれども、その中で最も低いというのが事実です。これらの医療機関というのは、規模も大きく、全身麻酔も多く、職員も多く、重装備の施設ということになります。そういったところほど医療内容が高度でありまして、当然、材料費率も高くなる傾向がある。多くの救急患者を受け入れるためには、それなりの体制をつくらなければいけないということで、かなり多くの費用がかかるのが事実です。
 こういったところは、地域医療体制確保加算での評価というのもあるのですけれども、そういったものがあってもまだ十分でないということで、今後、こういった施設を維持するためには、またそれなりの評価を考えなくてはいけないのではないかと思うところです。これがまず第1点です。
 次、43ページの課題に沿って、3つの○、一つ一つをお話ししていきたいと思います。
 まず、1つ目の○ですけれども、総合入院体制加算と急性期充実体制加算というのがありまして、これが今回の議論の中で急性期の拠点機能というものを評価する指標となり得るということで、要件がかなりかぶっている部分もあるのですけれども、評価する方向性がもともと若干異なっているというのも事実です。総合入院体制加算は、あくまでも産科・小児科・精神科を含む幅の広さ、総合性を評価しているのに対して、急性期充実体制加算は、救急や高度な手術といった高度な急性期機能ということに焦点を当てて評価しているということになります。
 ただ、今後、急性期の拠点的な機能も評価体系として位置づけるのであれば、先ほど津留委員もおっしゃったように、1つの評価体系にまとめていくということも考慮されるだろうというふうに思います。ただ、評価する方向性が異なっておりますので、その趣旨を生かした体系を考慮することが必要だろうと思います。
 あと、総合入院体制加算と急性期充実体制加算で、例えば心臓血管外科であったり、腹腔鏡下手術と胸腔鏡下手術、正常分娩と異常分娩など、要件が微妙に違うところがありますけれども、こういったものは当然統一して分かりやすくすることが必要だろうと思います。
 あと、総合入院体制加算と急性期充実体制加算の評価点数で、急性期充実体制加算のほうがちょっと高いのではないかというような書き方もされていますけれども、実は総合入院体制加算のほうは、急性期一般入院料の場合にはDPCの機能評価係数Ⅰになっているのです。それに対して、急性期充実体制加算ではそうではない。DPCの係数になると、出来高であれば14日間と決められているものが、15日目以降でも係数に乗ってきますから算定できるということで、若干違う部分があります。ですから、体系を統一するのであれば、そういった点も考慮して検討することが必要だろうと思っております。
 次に、2つ目の○です。人口の少ない地域での総合入院体制加算や急性期充実体制加算の急性期拠点機能を評価する指標をクリアすることが難しいというのは、今までのデータの中でお示しいただいたとおりです。人口の少ない地域における拠点的な病院が地域を支えていけるようにするためには、救急受入実績を中心に組み立てた上で、受入件数のみならず、地域シェアといったものを考慮して評価体系をつくることが望ましいと考えます。ただし、この場合、単に二次医療圏ということではなく、地域の医療圏の実情も当然考慮する必要があります。
 また、集約を求めない手術の一定の実績というのも考慮されていいと思います。集約を求められる手術というのは、実績要件に入れることには無理があると思いますので、人口の少ない地域用の評価体系というのも、その部分では導入してもいいのではないかと考えます。
 最後、3つ目の○です。精神科の部分です。精神科の入院体制というのは大変重要ですけれども、7月17日のこの分科会で示されたごとく、総合病院に勤務する精神科医が減少しているというのも現状であります。総合病院に精神科病床のない二次医療圏が多く存在しているというデータもお示しいただいたところです。急性期の拠点機能に精神科病床を必須要件とするには、無理があるのではないか。精神科主体の病院が地域の中の精神科医療で重要な役割を担っているといった医療圏もあるわけです。各医療圏の中の精神科医療の提供体制を考慮して、特に精神科救急に対応するシステムの構築が必要かというふうに考えます。
 私からは以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。それでは、ほかに御意見、御質問がないようですので、本件は以上としたいと思います。
 それでは、2つ目の議題に進みます。「働き方・タスクシフト/シェア(その4)」でございます。これも、まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。
 44ページ目以降でございます。
 46ページ目、中間とりまとめの抜粋をお示ししております。
 47ページ目は令和7年度調査結果でございます。ICTを活用した医師事務業務の省力化に関わる取組の状況であります。ICTの活用、いずれの取組につきましても、80%以上の病院で取り組まれていないという状況でありました。取り組まれている場合の取組状況としましては、「説明動画の活用」、「WEB問診・AI問診」、「外来診療WEB予約システム」が多いという結果でございました。また、効果についても、青、赤、緑でお示ししている状況であります。
 48ページ目が令和7年度調査、いずれの取組も「作業効率の上昇」、「労働時間の短縮」が得られるという効果が多いといった結果となっております。また、労働時間の短縮効果が得られるとの回答が多い取組につきましては、「臨床データ集計等でのRPA活用」、「退院サマリー等の作成補助を行う生成AI文書作成補助システム」、「説明動画」、これらが労働時間短縮効果が得られるという回答が多いものでございました。
 49ページ目、医師事務作業補助者が実施している業務とICT活用のイメージでございます。1から48までの医師事務作業補助者の業務につきまして、それぞれのICT活用、どのようなものが考えられるのかということで、医政局のほうと併せて取りまとめているものでございます。
 50ページ目、生成AIを活用した文書作成補助システムの業務効率化のイメージということで、手作業でやるものから、音声入力あるいは生成AIを活用したものということで、ICT活用の度合い、あるいは効率化の部分を整理したものでございます。
 51ページ目が具体的な個別の病院において、どれぐらいの効果があったのかということで、医政局総務課調べとなっておりますが、こちらの調査結果をお示ししておるものでございます。
 52ページ目、現状と課題がございますので、これを基に御意見いただければと思っております。
 説明は以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
 津留委員、どうぞ。
○津留委員
 ありがとうございます。
 私からは、52ページのまとめを中心に意見を述べさせていただきます。現在、医師事務作業補助者は、医療現場ではなくてはならない医療スタッフの一員です。医師事務作業補助者は、そもそも医師の事務作業負担の軽減ということで、タスクシフト/シェアでスタートして、医療現場でこれまで育んできたという経緯がございます。ICTが活用されて、その取組が評価されれば、医師事務作業補助者の人員はもっと減らすことができるとか、人件費を減らすことができるのではないかといった論調に向かいがちかなと思いますが、効率化を促進して作業効率が上がれば、医師の事務作業をさらに医師事務作業補助者のほうにシフトして、医師の事務負担を減らすといった方向に持っていくことが重要だと思います。
 つまり、ICTの活用、イコール医師事務作業補助者の人員削減とか点数を下げるといった方向に向かわないように、注意が必要だと思います。せっかく医療現場でこれまで医師事務作業補助者を育ててきましたので、この作業補助者が他産業に流出するようなことは避けなければいけないと思いましたので、発言させていただきました。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
 牧野です。ありがとうございます。
 私もこの問題なのですけれども、まず、医師事務作業補助者の補助ということですが、今、医師事務作業補助者がある程度確保できていたとしても、今後の労働力人口の減少に伴って確保しづらくなるというのが近い将来に見えているわけです。そういった意味からも、この部分でのIT化というのは、私は極めて重要じゃないかと思っております。現在、こういった取組をしたいと思っても、取り組まれていない病院、8割以上の病院が取り組んでいないというデータが出てきているわけです。ただ、導入している病院ではそれなりの効果があるというふうに認めています。
 システム導入には、導入費用、運営費用、更新費用と多額の費用が発生するわけです。ですから、今後、そういった人材が確保できなくなるということも考慮して、こういったICTの導入に関して何らかの支援ということも考慮したらいいのではないかと考えるところです。
 私からは以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。それでは、ほかに御意見、御質問等がなければ、本件は以上としたいと思います。
 3つ目の議題に進みます。「医師の診療科偏在について(その2)」でございます。これも事務局から、まず、資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。
 53ページ目以降、医師の診療科偏在についてでございます。
 55ページ目に中間とりまとめの抜粋をお示ししているところでございます。
 56ページ目も8月28日にお示ししたものでございますが、令和6年、令和7年において実施した常勤医師1人当たりの時間外労働時間の平均値でございます。青色が令和6年、赤色が令和7年ということで、2年連続調査しておりますが、結果としまして、特に心臓血管外科、消化器外科、脳神経外科などで長いというような状況がございました。
 57ページ目が令和7年度調査で、診療科別の医師確保の状況で、困難に感じている診療科としまして、「内科」、「麻酔科」、「整形外科」、「外科」が多いといった状況でございました。
 58ページ目が手術の休日・時間外・深夜加算1の施設基準でございます。この中に、交代勤務制あるいはチーム制の導入というところがございますが、特にチーム制の導入のところ、下線を引いてございますが、夜勤時間帯に緊急呼出し当番を行った者について、翌日を休日としていること。ただし夜勤時間帯に当該保険医療機関内で診療を行わなかった場合は、翌日を休日としなくても差し支えない。こういった基準があるところでございます。これまで(1)(2)(3)のいずれかを実施するとなっていたところでございますが、令和6年度改定において、(3)は必ず実施した上で、(1)か(2)を実施するという形に要件が見直しされたところでございます。
 こうした中、下線を引いておりますが、当該緊急呼出し当番において、予め診療の実施の有無を予見することは困難と考えられるため、診療が実施されなくとも、通常、緊急呼出し当番の翌日は休日として扱われることになると考えられるというような運用があるということでございますので、こちら、お示ししておるところでございます。
 59ページ目はオンコールの取扱いについてということで、令和2年の医政局の資料でございます。オンコールは、待機時間全体について労働から離れることが保障されているかどうかで判断するということになっております。
 60ページ目が手術・時間外の加算の算定状況、こちらは令和7年度調査であります。nが1340でございますが、「算定していない」が1080、「算定している」が青色で192、「一部の希望診療科で算定できていない」が68といった状況であります。
 このうち、経過措置終了後、算定継続が困難かどうかということも調査しておりますが、回答施設169でございましたが、この中で「夜勤翌日の休日対応」、「緊急呼出し当番翌日の休日対応」が一番多いということで、こういったところが算定困難な要因として最も多かったといった調査結果となっております。
 61ページ目は令和6年10月に示された資料で、山口大学の取組、日本消化器外科学会の提出資料であります。
 62ページにございますとおり、消化器外科領域における病院別機能分化の取組ということで、各病院が話し合って連携先病院と協議した上で、手術症例の集約化・均てん化、あるいは化学療法の取扱いといったところの連携体制を徐々に構築していった結果の御報告がありましたので、まとめたものでございます。
 63ページ目がNDBデータの集計でありますけれども、医療機関別の高度な手術の実施状況ということで、消化器外科領域の高度な手術、定義としましては、下の※印にありますとおり、手術難易度D、Eかつ4時間以上の手術でございますが、こういった手術につきまして、医療機関数の分布、横軸に年間の手術実施件数、縦軸が医療機関数という形でお示ししたものでございます。手術件数が年間50件未満のところがかなり多いというような状況となっております。
 64ページ目が診療科偏在の現状と課題、今まで御説明したことを整理しておりますので、これを基に御意見いただければと思っております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問を承りたいと思います。
 鳥海委員、どうぞ。
○鳥海委員
 ありがとうございます。
 57ページ目、今回、私たち、外科系の不足ということについて大きな懸念を抱いているわけでございますが、実際、どこの診療科が足りないかということで見たときに、内科というのが一番多くて、私、内科ではないのですが、外科から見ても、1つの病院で内科がしっかりしていないと、外科はなかなか生かせないというようなところがある。もちろん外科医の不足というのは大切なことです。協議していかないといけないですけれども、病院の根幹としては、内科は結構大事だなということを忘れてはいけないというのが、意見として1つございます。
 それから、61ページ、62ページの山口大学の事例でございます。山口県とか、そういうところですと、Type1からType3まで病院を層別化して、その機能を分化させるということは比較的容易かなと思うのですが、もちろん一個一個の病院についても、開業して、これから病院を大きくしていくのだという上昇思考があったり、それぞれで考えるところがあると思うので、絶対これでやってねというのは強制できないので、御協力お願いしますということだと思うのですけれども、これが人口の多いところになってまいりますと、例えば東京とかですと、いろいろな層別の病院で、自分はどこの下に入るかとか、そういうような区分けが難しくなってくると思います。
 しかし、今後、外科を持っている病院でも、どこもダヴィンチがあるわけではございませんので、こういうある程度機能の役割分担を外科の中でもしていくということを検討するのは大切なことだと思います。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
 まず、60ページでございますけれども、手術の休日・時間外・深夜加算1の算定で、継続困難の理由として、先ほどもご説明がありましたけれども、夜勤翌日の休日対応、緊急呼出し当番の翌日の休日対応が数多く上がっているということでございました。この件を見ますと、いわゆる休日に関する対応が困難ということになりますけれども、この要件を満たさなくてよいということに仮になってしまいますと、結局は勤務が連日ということになり、この加算がそもそも働き方改革のためにということでありますので、この趣旨が成り立たなくなっていくということになります。算定要件の取扱いと加算の評価については、慎重に判断する必要があるかと思います。
 それから、63ページでございますけれども、医療機関別高度な手術の実施状況ということで、多くが年間の手術件数が50件未満であるという一方、年間200件以上実施している医療機関があり、これは多くが大学病院本院ということになっております。この差は医師数によるものが大きいと思われますが、61ページ、62ページ目に示されております山口大学のサテライト施設と基幹施設の振り分けなども参考にしつつ、高度な手術の実施に当たっては、実施する機関の拠点化、すなわち高度な手術の実施については、集中・集約化ということを目指すべきではないかというふうに考えます。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
 ありがとうございます。
 私からは、64ページの現状と課題について、前半部分の手術の休日・時間外・深夜加算1に関して意見を述べさせていただきます。
 58ページにあります施設基準を改めて見まして、また60ページの算定状況を見ましても、要件がちょっと細か過ぎるのかな、そして厳し過ぎるのかなと思います。実際、休日・時間外・深夜に手術を担当して診療に対応した場合に、加算の要件はむしろ緩和して算定しやすくした上で、手当だけはきちんと支給させるというふうにしたほうがよいのではないかと思います。実際、オンコールして、夜間診療対応したのに、その手当が出ないというのは問題でありますし、医療機関側も加算を届け出て、その加算分をしっかりと頑張った医師に手当分の財源として原資に充てることができればよいと思いますので、その点数を若干下げてでも、この要件を緩和して算定届出をしやすくしていただければと思うところです。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
 牧野です。ありがとうございます。
 私は、60ページの手術の休日・時間外・深夜加算1の算定状況というところからお話ししたいと思いますけれども、実は8割の施設が算定できていないというのが事実です。病院全体で算定できているとしたところが192施設、15%。これは令和7年度調査ですから、経過措置があって取れている施設もあるわけで、この経過措置がなくなったときには、多分60~70の施設が取れなくなるのではないか。
 その要因としては、夜勤翌日の休日対応とか緊急呼出し当番翌日の休日対応といった翌日の勤務制限ということが大きく影響してくるということになります。夜間に常に多くの業務のある施設であれば翌日を休日とすることは分かりますけれども、施設によってはその確率が小さく、そういった施設においても翌日を休みにしなければいけないということが現実にはなかなか難しいだろうと思います。医師を集約して特定の施設のみに集めて対応するということであれば可能と考えますが、直ちにその対応ができる施設というのが限られるのも現実です。多くの医師の勤務環境を改善できる緩和策というのも、現時点では必要じゃないかと思います。
 一方で、手術、特に高度な手術の集約化というのは、今後、絶対に避けて通れないだろうと思います。57ページに出ていますが、麻酔医が足りないということも多くの医療機関が感じています。ですから、麻酔医も同じように多くの手術が集まるところに集約していくということが今後必要になりますので、そういった点からも、特に高度な手術に関しては、ある一定の基準の施設で行うということが必要だろうと思います。
 私からは以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。それでは、特にほかに御意見、御質問がないようですので、本件は以上にしたいと思います。
 それでは、4つ目の議題に進みます。「透析医療」でございますが、これも事務局から、まず、資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。
 65ページ目以降、透析医療でございます。
 66ページ目、慢性透析患者数と透析歴の内訳というデータをお示ししております。透析患者は約34万人で、2021年まで緩徐に増加傾向でしたが、2022年からは減少傾向となっている状況でございます。新規の導入患者の高齢化を反映して、透析患者全体の高齢化が進んでいるという状況でございます。
 67ページ目が透析医療に係る診療報酬上の評価でございます。4時間未満、4時間以上5時間未満、5時間未満という点数、及び場合1、場合2、場合3と点数が分かれる形の評価になっている。この場合1、場合2の具体的な施設条件でございますが、透析装置の台数26台未満、あるいは1台当たりの患者数割合が幾つかといったところで、効率性の高い体制を取っている場合の点数に分かれている状況でございますが、下のほうにその場合に応じた届出医療機関数が令和4年、令和5年、令和6年と記載されております。ほぼ慢性維持透析1の届出となっており、慢性維持透析2のほうは数が少なくて、さらに減少傾向の状況となっております。
 68ページ目が人工腎臓の算定回数の推移であります。算定回数で見ましても、慢性維持透析2・3の算定回数が相対的に減少して、1が相対的に増加している状況であります。
 69ページ目が腹膜透析の患者数と透析・移殖患者の推移ということでございます。腹膜透析の患者数は増加傾向でありますが、腎移植のほうは希望者に比して献腎移植が少ない状況が継続しているという状況でございます。
 70ページ目が末期腎不全に対する腎代替療法の比較をまとめておりますので、御参照いただければと思います。
 71ページ目が国際比較でございます。日本では血液透析の割合が多くて、腹膜透析などは比較的少ない状況がございます。
 72ページ目、透析診療に係る診療報酬上の評価でございます。点数を整理しておりますので、御参照いただければと思います。
 73ページ目はそれらの届出の状況であります。
 74ページ目以降が令和7年度の調査結果を示しております。透析医療の災害対策の取組状況であります。透析医療継続のための対策、災害対策マニュアルの策定が80.5%で最も多い。電源車や給水車の受入体制の確保22.9%と低いなど、このように取組状況にはばらつきがある状況であります。
 また、日本透析医会災害時情報ネットワークへの登録、自治体との連携などの確保のいずれも選択したのは76.1%。逆にいいますと、それ以外の医療機関はこういった体制がないという状況でございます。
 患者に対する情報提供を実施している医療機関は66.8%といった状況でございました。
 75ページ目は参考で、透析医療の災害対策につきましては、厚生労働省防災業務計画にも示されておりますが、日本透析医会の仕組みを活用した情報提供が行われるといった仕組みとなっております。
 76ページ目がシャントトラブルに対する取組であります。シャント閉塞等のシャントトラブルの頻度は高くて、透析患者の入院理由として最も多いものでございます。
 こういったシャントトラブルに対する取組の状況ですが、自院で治療を行っているが23.4%、事前に連携している医療機関に紹介するのが70.2%という状況でしたが、事前に連携していない医療機関に紹介しているのが5.9%といった状況でございました。
 77ページ目が腹膜透析の提供体制。透析を実施しているが19.5%。一方で、自院において腹膜透析を実施していない医療機関が77.1%と、一番多いという状況であります。
 こういったところに対して、腹膜透析を導入したことがない、または診療をしていない理由は、nが158でございますが、調査した結果、対象となる患者がいないためが一番多いですが、その他としまして、器具設備を備えていないため、医師がいないため、医療スタッフがいないため、バックアップ体制の不安などといった回答がある状況でございました。
 78ページ目が腎代替療法に関する情報提供の状況であります。全ての患者に対し、腎代替療法の3つの選択肢を提供している医療機関は51.2%、情報提供の取組をしていない医療機関が35.6%という状況でありました。
 79ページ目が導入期加算・腎代替療法実績加算の算定要件などでございます。こうした導入期の十分な説明、あるいは腹膜透析も含めた実績などを評価する点数の抜粋でございます。
 80ページ目が緩和ケアに関する取組の令和7年度調査結果であります。医療用麻薬を用いた疼痛緩和を実施している医療機関が32.2%、緩和ケアを実施している医療機関は17.6%、終末期や透析医療中止に関する意思決定支援を行っている医療機関は35.5%といった状況でございました。
 81ページ目に今、御説明した内容を整理しておりますので、これらを基に御意見いただければと思います。
 事務局から説明は以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
 田宮委員、どうぞ。
○田宮委員 ありがとうございます。
 透析について、こんなふうに突っ込んだお話は今まであまりなかったように思うのですけれども、まず、全体として66ページにありますように、透析の高齢化が非常に進んでおりまして、70歳以上が半分以上を占めていて、その割合が増えている状況です。新規導入もその左側にありますけれども、平均年齢が71歳ですので、透析患者の高齢化が非常に大きな問題になっています。
 今回のこの資料の中に入っていないのですけれども、私も老健施設等の現場にいますと、透析の方が高齢になって通ってこられなくなるのです。今は病院が全部持ち出しで透析バスなどで送迎していますけれども、だんだんADLが悪くなりますと、車椅子にも乗れなかったり、特殊な状況が必要な送迎になってくるのです。そうすると非常にマンパワーもお金もかかってくるけれども、今、そういうところの補助はどこにもない状況で、現場ではこれから要介護の高齢者の透析患者が増えていくときにどうするのだろうということは、結構議論になっているところです。透析医会の報告書なども見ましても、介護になった透析患者の在り方は見ていかなければいけないというふうになっています。
 今回もそれに関する資料として探しますと、78ページに通院困難な患者さんに対する対応というのが出ていまして、療養病床を案内するが77%、特養が63.9になっていて、2割が透析中止をお話しするということになっていて、これもちょっとびっくりしたのですけれども、こんなふうに療養病床は入れているのか、私はちょっと分からないですけれども、特養につきましては、案内されても受入側が困難を感じている例が多いというのは聞いています。
 例えば、秋田の県議会が要望書を出しているというのを、私もたまたま探してみたのですけれども、特養のほうでは受け入れなければいけないけれども、受け入れるには非常に大変で、送迎もして、特別な医療ニーズが必要になってくるのです。そういう対応とか看護師の充足ということを考えると、1年間、1人当たり200万円程度が特養で必要になって、受け入れていくにはそのぐらいのお金がないと。でも、それを持ち出してまで受ける。やっているところもあるのでしょうけれども、その辺が非常に課題になっていると思われます。
 なので、介護のほうで、そういう方の介護サービスについての要望書というのを、この秋田の例では介護保険について出していたのですけれども、これは両方で歩み寄っていかなければいけない課題で、医療のほうではもう少し送迎に対する加算、必要な人が送迎を受けることに対して、今は全く評価がないので、透析の費用の中から出しているというのが実態でしょうけれども、それではもう賄えなくなっている状況に来ていますので、その議論をしなければいけないのではないかなと思っています。
 片や介護のほうでは、その入所者を受け入れる。送迎だけはしていただいたとしても、施設ケアはどうしても必要になってくる方もおられますので、そういうことの議論も必要かと思いますが、医療のほうでも、送迎の困難さ、これから非常にニーズも増える中、検討しなければいけないのではないかなと思っています。代替療法が増えていますし、腹膜透析とか在宅とかもありますけれども、それは在宅の住居の状況とか家族の状況とかもいろいろ必要になるので、それで賄えていくというのは、これを推進していることはとてもいいことだと思うのですけれども、それでは賄えない。
 これだけ増えてきた医療技術を適用して、余命をエンジョイできてきた透析患者さんがこれだけいらっしゃる。その方が必然的に高齢化してきて要介護になるという状況で、医療はどうするべきかという議論はしていかなければいけないのではないかなと思っています。
 私は以上です。ありがとうございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
 ありがとうございます。
 68ページの算定回数の推移を見ますと、慢性維持透析2及び3が相対的に減少しているということをお示しいただきました。これは件数で見ると全体の数%、2.5%ぐらいになっているかと思います。実際に治療を受ける患者さんにとって、この1・2・3がどのような質の違いがあるのか、点数に応じた利益・不利益があるのかないのか。このようなところを見ても、慢性維持透析1・2・3の複雑な点数の仕組みはもうなくして、一本化して、時間による区分のみというふうに簡素化してもよいのではないかと思いましたので、意見させていただきました。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、鳥海委員、どうぞ。
○鳥海委員
 ありがとうございます。
 1点だけ。76ページのシャントのトラブルに対する取組ですけれども、シャントのトラブルというのは必ず起きるものだと思うのですが、この中でどうしていますかというあれで、事前に連携していない医療機関に紹介するというのが6%ほどあるのですけれども、実際、患者さんにしてみると、自分のシャントにトラブルが起きたときにどこに行っていいか分からないという不安がすごくあると思うのですね。ですので、こういうことを防止するために、いろいろな透析の医会、コミュニケーションを取っているものがありますね。そういう団体が中心になってでもいいのですけれども、必ず連携するようにというような義務化とかを透析医会を通じて進めていただいたらいいかなと思います。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
 まず、77ページですけれども、腹膜透析等の提供体制として、血液透析を実施する医療機関のうち、腹膜透析の導入や診療等を実施している医療機関は19.5%止まりということ。それから、78ページ、腎代替療法の3つの選択肢を提示している医療機関は51%でございますけれども、その一方、情報提供の取組をしていない医療機関は35.6%と示されております。これらを見ますと、腹膜透析の取組、情報提供が決して十分ではないということが明らかかと思います。
 また、シャントトラブルへの対応については76ページに示されておりますし、80ページにおきましては、緩和ケアや患者さんの意思決定支援についてということで示されていますが、いずれも十分とは言えない状況ではないかということが分かります。ですので、患者さんのQOLを考慮した質の高い透析医療を推進するという観点から、先ほど津留委員から区分の見直しということもありましたけれども、人工腎臓の評価の在り方を抜本的に見直すことも必要なのではないかというふうに考えます。
 それから、腹膜透析、今後さらに増やしていくということを考えた場合には、今、導入期に取りあえず説明等をなさっているかと思いますけれども、途中経過の血液透析からの切替えという場面からの促しも必要になっていくということも考えられますので、その辺も考慮していく必要があるかと思います。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。それでは、ほかに特に御意見、御質問がなければ、本件は以上にしたいと思います。
 それでは、5つ目の議題に進みます。「小児・周産期医療について」でございます。これも事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。
 資料82ページ目以降でございます。
 83ページ目にございます項目に沿って御説明いたします。
 85ページでございます。日本の人口の中での14歳以下の人口は、今後も減少していくと推計されます。
 86ページ目は出生数・出生率の推移であります。
 87ページ目が年齢階級別に見た推計外来患者数の年次推移。
 88ページ目が年齢階級別に見た受療率の推移、特に小児のところをクローズアップしてお示ししております。
 89ページ目、診療科別の医療施設数の年次推移であります。
 90ページ目は医療計画の検討会の中の小児医療体制の概要図であります。
 91ページ目が周産期医療体制の概要図となっております。
 92ページ目、産婦人科を標榜する医療機関数と分娩取扱実績の推移ということで、こちらも減少傾向となっている状況であります。
 93ページ目、ハイリスク妊産婦の増加という資料でございますが、妊娠の高齢化などに伴いまして、ハイリスクの妊産婦が増加しているというものがございます。
 94ページ目、小児科外来診療の評価であります。
 95ページ目が入院医療管理料の施設基準の概要をお示ししております。
 96ページ目、令和6年改定におきまして、一般病棟と一体的に運用する小児入院医療管理料3の見直しというものがございました。成人患者との混合病棟となる場合の評価が新たに導入されたところでございます。
 97ページ目、小児入管の届出状況でございますが、令和6年改定の影響と考えられますが、小児入院管理料の届出が減少し、小児入管3の届出が増加しているといった状況でございます。
 98、小児入管の病床当たりの小児入院患者数の割合でございます。平成30年、令和3年、令和6年と、3年ごとに経年変化を見ておりますが、令和3年のときに下がりましたが、令和6年は上昇しているところであります。小児入院管理料1で最も高いというような状況であります。
 99は1日当たりの入院患者の施設分布、こちらも年次推移でお示ししたものでございます。令和6年改定で小児入管4から3に変わったという変化が見てとれるかと思います。
 100ページ目が地域別に見たもの。一番下に人口少数地域型がございますが、こちらでは1日当たり小児入院患者数が少ない施設が多い状況となっております。
 101ページ目が月ごとの推移ということで、入院料別に見たものでございますが、7月から8月に入院患者が多い状況となっております。
 102ページ目も小児入管3から5までを載せております。
 103ページ目が小児特定集中治療室管理料の施設基準であります。
 104ページ目、PICUの概要であります。青色のところ、当該専任の医師は、宿日直を行う医師ではないことといった要件がございます。令和6年の改定事項となっております。
 105ページ目、PICUの変遷という形で改定内容の概要をお示ししているところでございます。
 106ページ目は算定回数、届出施設数、令和6年に減少しているといったデータとなっております。
 107ページ目がNICUの施設基準概要であります。
 108ページ目、算定回数の推移でありますが、こちらは管理料1が減りまして、算定回数自体は横ばいになっております。
 109ページ目がNICUの届出状況で、こちらのほうは令和6年で管理料1が大きく減少して、管理料2が増加したといった令和6年改定後の結果が見られる状況であります。
 110ページ目、NICUの病床当たりの入院患者数の割合、平成30年、令和3年、令和6年と3年の経過を見ているものでございます。ほぼ横ばいといった状況かと思います。
 111ページ目、1日当たりの入院人数の施設分布、年次推移であります。1日当たりの入院人数が1~6人程度の施設が最も多い状況であります。
 また、112ページ目は地域別で見たものであります。人口少数型の二次医療圏では少ない傾向があるという状況であります。
 113ページ目が新生児1日当たりの施設ごとの入院患者の月次推移でございます。入院人数は、2月から4月において減少する傾向がございました。
 114ページ目が総合周産期特定集中治療室管理料の中の、母体・胎児集中治療室管理料などの算定基準を示したものでございます。
 115ページ目、こちらの算定回数及び届出数でございますが、令和6年に減少したという形になっております。
 116ページ目以降、母体・胎児集中治療室の要件でございますが、117ページ目、医師の配置要件について。
 118ページ目にございますとおり、令和6年改定で、この母体・胎児集中治療室管理料、青字で書いておりますとおり、当該専任の医師は、宿日直を行う医師ではないこと。また、専ら産婦人科又は産科に従事する医師が常時2名以上当該医療機関内に勤務していること。そのうち1名は専任とし、当該治療室で診療が必要な際に速やかに対応できる体制をとること。このような見直しが行われたところであります。
 119ページ目は再掲でございますので、説明は省略いたします。
 120ページ目、地域別の変化でございます。地域区分別では、東北で4治療室、近畿で3治療室が減少したということでございます。関東信越では1治療室が増加したというデータとなっております。
 121ページ目はMFICU連絡協議会の公表資料ということで、厚生労働省での要望書の内容であります。今まで算定できていた94施設のうち、今回算定不可の施設が10施設で11%といった状況にあるということが、こちらの要望書にございます。
 122ページ目、断続的な宿日直許可の基準、中医協総会で令和5年に示されたデータでございます。
 123ページ目も同様でございます。
 124ページ目、特定入院料を算定する治療室における宿日直許可の状況、これは令和6年の調査、既にお示ししたものを再度掲載しております。
 125ページ目、MFICUにおける診療体制。これは令和5年のときの前回改定時のデータでございます。
 126が周産期医療体制の構築、医療計画の指針にMFICUの体制に関する基準が定められております。
 127ページ目が母体搬送件数等でございます。
 128ページ目も医療計画の中の周産期医療体制のところ、救急搬送に関する記載の部分を抜粋しております。
 129ページ目、母体搬送受入件数の状況であります。青色は総合周産期母子医療センター、オレンジが地域周産期母子医療センターとなっております。母体搬送の受入件数の分布でございますが、0件の施設が関東信越に1件存在しておりました。1~9件の施設が、関東信越、東海北陸、近畿に1施設ずつ存在している状況でございました。
 130ページ目が多胎妊娠の分娩件数の状況であります。0件の施設があったということがございます。
 また、131ページ目、帝王切開の実施件数でございます。49件以下の施設はないという状況でございましたが、最も少なかった50~99件の施設がございましたが、北海道、東海北陸、近畿に1施設ずつ存在しているという状況でありました。
 132は分娩時週数が33週以下の分娩件数。こちらは0件はございませんでしたが、1~9件の施設が一部あったという状況でございます。
 133ページ目が算定対象となる妊産婦・産褥婦であります。
 134が現在の算定要件の留意事項でございますが、リスクの高い妊娠と認められる妊産婦であることが要件となっておりまして、具体的にはアからカに掲げる疾患などでリスクが高いということでございます。
 135ページ目が産科異常出血への対応ということで、こうした産科異常出血時において高次の周産期施設での管理が必要となるといった記載がございます。
 136ページ目、これに関するMFICU連絡協議会の要望書でございますが、アからカに加えて、分娩時の出血に関するところも算定対象となることを明確化すべきではないかといった要望となっております。
 137ページ目、小児成人移行期医療についてであります。
 138ページ目、移行期医療の概要であります。小児を中心とした医療から成人を対象とする医療に切り替えていくプロセスを「移行」と言いまして、成人になっても良質な医療が継続されるように、こういった移行期医療の体制を考えていくといったことがございますが、139ページ目、これに関する令和7年度の調査結果であります。小児科以外の医療機関調査でありますが、「定期的に小児科に受診していた患者を紹介により受け入れた人数」あるいは小慢に罹患していた患者数を調査しておりますが、いずれの区分においても、その人数は少数ということでございました。病院・診療所ともに中央値はゼロということでございます。
 140ページ目、成人移行期患者を受入経験のある主な診療科の結果であります。「内科」が最も多く、次いで「消化器内科」、「精神科」となっておりました。
 141ページ目、成人移行期にある患者を受け入れたことがない理由でございますが、対象患者の紹介がなかったが85%で最も多いという結果でございましたが、その他、専門的な医療機器・設備の不足、対応スタッフの不足、医師の専門的な知識・経験の不足が言われたところであります。
 142ページ目、小児科療養指導料・難病外来指導管理料の抜粋をしております。小児科療養指導料につきましては、算定対象となる疾患、脳性麻痺、先天性疾患などといった小児の患者さんが対象になり、これを評価する点数でございます。また、難病外来指導管理料につきましては、指定難病の患者などに対する医学管理の評価でございます。
 143ページ目は指定難病と小慢の指定の関係性ということで、小児慢性特定慢性疾病756に対して、それに対応する指定難病はどれぐらい該当するかということが疾患群別に示されたものでございます。
 144が小児・周産期の環境、母体・胎児集中治療室の要件、小児成人移行期医療というところにつきまして、現状及び課題を整理しておりますので、御意見いただければと思います。
 説明は以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
 井川委員、どうぞ。
○井川委員
 ありがとうございます。
 周産期医療と移行期医療について、厚労省のほうが調べていただきまして本当にありがとうございます。非常に感謝しております。この辺は結構埋もれていた世界、特に移行期医療に関しては埋もれていた世界だと思います。ですから、少し発言させていただきます。
 周産期医療に関しまして、最初の母体と小児の部分のところが絡むと思うのですけれども、84ページ目以降に小児と周産期医療の環境について資料をお示しいただいています。個別の資料に関しては、それぞれが十分理解できる資料であって、とりわけ一個一個に対して特に質問はないのですけれども、全体的に見れば病院財政的には結構厳しい。季節差があって、どうしても満床にならなくて病床を埋め切れない科であるなという感じがしております。
 精神科と併せて収益が厳しいだろうということで、各医療施設で先生方をなかなか増やせないというのが逆に言うと実態で、例えば57ページの先ほどの医師の偏在のところでございましたように、小児科とか精神科とか産婦人科というのは、50%ぐらいの病院に既に存在しない。存在しないものですから、当然募集していないので困難ということにはならないのだと思います。一方、内科は非常に積極的に取り込まれるので、医師が足りないという話になるのだろうと思います。そういう点でいいますと、この辺はどうしても埋もれてしまう、問題にならないということになろうかと思います。
 1点申し上げたいのは、私、以前、小児心臓外科医として、和歌山県の田辺市という白浜のすぐ近くのほうに赴任したことがございます。和歌山県というのは、和歌山医大が大阪の近くですから、紀伊半島の一番上側。あと、反対側に参りますと三重大学がありますけれども、三重大学は津市ですので、これも紀伊半島を越えて、さらに北側で、一番南にあります新宮市とか串本町というところになりますと、そこに到達するだけでも3時間、4時間、下手したらかかってしまうというふうな地域でございます。当然、そこで生まれたブルーベビーを運ぶためには、ドクターカーでクベースを運んでいかないといけませんので、往復合わせて6時間、7時間かかってしまうと、大概の場合は助からないというふうな事態が当時ございました。
 私が小児心臓外科医として、ちょうど中間点にございました田辺市というところに赴任したわけですけれども、そこで何例かお助けしたりしていくのですけれども、継続しないのです。1人だけの心臓外科医、もくしは、そのときにNICUの医師は1人だけで、なかなかそこが増えていくような環境にない。先ほど57ページにありましたように、小児科というのはもうからない科ということで、なかなか拡張していただけないので、NICUのほうで診ていただかなければ当然心臓の手術もできないというところがございます。つまり、大都市圏のような場合ですと話は別ですけれども、そうでない地方の都市、地方の県の場合は、医療圏という概念からかなり外れた状況で、ここの部分の施策というのは考えていかなければならないというふうな気がしております。それが1点でございます。
 それから、私が感謝申し上げたいのは移行期医療でございます。皆さん、よく御存じのことだと思いますけれども、小児病棟というのは原則的には15歳未満で行くことになっております。例外的に小児慢性特定疾患を持たれる患者さんというのは20歳まで入院していてもいいよということにはなっておりますけれども、原則的には15歳未満。つまり、16歳になった途端に小児病棟には入れないということになっています。
 小児慢性特定疾患も、2022年に18歳に成人が変わってしまったので、ちょっと体制が変わっていますけれども、それまでは20歳までは小児慢性特定疾患で医療的補助が受けられましたけれども、そこから後は、ここの資料にございましたように、難病のほうに入っていない項目に関しては、突然、医療補助が切れるというふうな状況になっていて、お母様方も非常に苦労している。
 ここで1つお伺いしたいのは、お示しいただいた資料というのが、転院先から見て、どの程度の患者さんがおられましたかという話なのですけれども、我々の小児のほうの経験からいいますと、母子センターなどの小児センターなどが結構抱えていて、どこにもやれない。もしくは、例えば御家族さんが御自宅で人工呼吸器をつけながらこどもを見ているというふうな状況は結構あるのです。そういうものの全数の把握というのはされているのかどうかを、1点だけ先に伺えればと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○尾形分科会長
 これは事務局、お願いします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。
 健康局の担当課ともしておりますけれども、それに近い調査など、参考になるものはあるかもしれませんが、網羅的な調査はないということでございます。
○井川委員
 ありがとうございます。
 小児特定疾患の算定件数だけを見ますと、人数からいいますと、20歳までの間で恐らく5000件ぐらいの人数はおられるのです。その上でさらに難病で取られている、もともとこども時代からという方もおられるので、もっと数的には増えてくるだろうと思うのですけれども、そういうものは実際に把握していただきたいなというのが1つの要望です。
 さらに、今回、その方々を成人の施設が取れない理由が141ページに書かれています。対象となる患者さんがいなかったというのは、もともと紹介が難しいというふうに小児病院のほうも考えていますので紹介していないというのはあるのですけれども、問題は、その下の医師・スタッフの専門的な知識・経験が不足しているためという項目でございます。20%ありますけれども、多くの移行期患者というのは何かといいますと、小児のうちにほとんど病状固定されている。小児の疾患としてはほとんど終わっている方が大半です。
 その状態で成人になられて肺炎になられたり、尿路感染だったり、先ほど申し上げた、お母様とかお父様が人工呼吸器を見ておられる方のレスパイトをしてほしいという話のときに入院の依頼が来るわけですけれども、成人ばかり見ていた病院でこどもを診るのは怖いという恐怖心。だから、この問題は専門的な知識とか経験というものではなくて、むしろ怖さのほうが恐らく先立っているのではないかという気がいたします。
 そうすると、実際に私が母子センターとかに勤めた関係で、私のところに同じ母子センターでしたから紹介が来るのですね。母子センターのほうから紹介で来て、その患者さんを取りますと、看護師さんはその子をアイドル化しまして、結構見てくださいます。結果的に何度も繰り返し入院して、お母様方のレスパイトを助けてさしあげられるということが実際に起こるのですけれども、そういうふうな観点からいうと、診療報酬というのは、恐らく何かの加点をつけることによって取ろうかと思う病院が少しでも増えてくれれば、それは少しきっかけになると思いますけれども、多分問題は受け取る側の心の問題であって、それは例えば医師の教育であったり、総合診療医の教育というものに入ってくるべきものというふうにも考えられます。
 ですから、診療報酬がこれによって何かついて、少しでも取ってくださる施設が増えていけば、多分、移行期医療の患者さんのためにはなると思いますけれども、根本的な部分でいうと、そこのところをしっかり教えるというふうな体制が必要なのではないかなと私は思っています。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、小池委員、どうぞ。
○小池委員
 ありがとうございます。
 井川先生のお話とかぶる部分もございますが、私も移行期医療の部分です。
医療の進歩で経過が長い患者さんが増える中、成人診療科でも診ていただけるような体制整備が必要だという点で1点、意見を申し上げたいと思います。
 139ページで小児の受入れがもともと少ない、特に小児慢性特定疾病では少ないというデータが出ています。
 また、141ページでは対象患者の紹介がないとの回答が多いとされていますが、ニーズがないというよりは、適切な紹介先がなかった、見つけられなかったという可能性があるのではないかと思っております。
 143ページにございますように、小児慢性特定疾患のうち、約半数が指定難病になっていないということになりますと、指定医療機関があるか、医療費助成が利用できるかという観点でも、紹介先が見つけられない可能性があるのではない可能性があると思って、このデータを拝見しておりました。
 もちろん、適切な条件を付す必要もあると思いますし、治療経過が長くなってくる中で、小児診療科の医療スタッフや先生方との関係性もある中、患者さんや家族の希望を踏まえた紹介先を見つけることがむつかしいというのもあると思うのですけれども、適切な場合には医療が継続的に受けられるような対応が必要ではないかと思っております。いずれにしても、小児慢性特定疾病に限ることではなく、移行期医療の問題の推進を図っていただくことが小児科医の負担軽減にもつながるのではないかと思っております。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。それでは、ほかに特に御意見、御質問がないようですので、本件は以上にしたいと思います。
 6つ目の議題でございます。「災害医療について」でございますが、これも事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。
 146ページ目以降でございます。
 147の項目に沿って御説明させていただきます。
 149ページ目、災害拠点病院の指定状況でございます。
 150ページ目がDMATの概要図でございます。
 151ページ目がBCPの作成に関する規定でございます。下線を引いております。
 152ページ目のほうは機能評価係数Ⅱ、DPC制度の評価の中で、こういった災害医療に関する評価がございます。災害拠点病院、DMAT、EMIS、BCPなどがあるという状況であります。
 153ページ目が能登半島地震支援へのスタッフ派遣等について。
 154ページ目にございますとおり、令和7年の調査結果となっておりますが、災害派遣の医療チームの設置状況は以下のとおりとなっておりますが、病棟ごとに見ていきますと、「特定機能病院」で最も高い。また、「急性期一般入院料1」の算定病院で高いといった状況であります。
 155ページ目が令和6年能登半島地震支援へのスタッフ派遣ということで、「検討した」医療機関の割合につきましては、「特定機能病院」、「急性期一般入院料1」、「専門病院」の順に多いという状況であります。「派遣した」と回答した医療機関の割合も同様であったといった調査結果となっております。
 156ページ目、令和6年能登半島地震派遣の検討の課題ということでございますが、派遣を検討した際に困難であったこと、「現地の状況把握と情報収集」、「派遣に当たっての交通手段の確保」、「派遣中の労務管理」というのがありますが、この中で「派遣中に自施設のスタッフ配置基準が満たせなくなること」が青色でございますが、こういった回答もあったという状況でございます。
 157ページ目、能登半島支援の派遣職種であります。検討した職種と実際派遣した職種、いずれの入院料区分におきましても、「看護師」、「医師」、「事務職員」、「薬剤師」が多いという調査結果となっております。
 158ページ目、こちらは入院料、その他の入院料で調査結果をお示ししております。
 159ページ目、こちらは大規模な地震が発生したときの施設基準の緩和、入院基本料等の施設基準を職員派遣により満たすことができなくなる場合の取扱いについては、適宜、事務連絡を発出している状況であります。その地震発生の日と事務連絡の発出の日をお示ししておりますが、こういった形でこれまで対応している状況であります。
 160ページ目、DMATの自動待機基準でございますが、現在、①から③については、自動待機を行うことになっております。
 161ページ目が診療所におけるBCPの状況でございます。診療所においてはBCPを「策定している」と回答している割合が約30%という状況であります。
 災害に備えるための取組につきましては、備品の備蓄、あるいは職員の参集と安否確認の方法を定めているなどが多い状況であります。
 162ページ目、新型コロナウイルス感染症に係る取扱いでございます。
 163ページ目にございますとおり、令和7年度の調査において、スタッフの派遣に関して検討したか、また派遣したかという形で調査しております。その病棟区分別にお示ししておりますとおり、特定機能病院、急性期一般の順に多いということでございます。
 164、困難なことでございますが、こちらも「派遣中に自施設のスタッフ配置基準が満たせなくなること」というのが回答としては多い状況でございました。
 165は派遣職種でございます。派遣を検討した職種、実際派遣した職種ということでございますが、「看護師」、「医師」が多い状況であります。
 166、派遣職種、その他の病棟でお示ししたものでございます。
 167ページ目は新型コロナ感染症の施設基準の取扱いであります。令和6年3月5日付の事務連絡でございますが、この取扱い、現在の感染状況も鑑みまして、令和8年5月31日まで延長している状況でございますが、①にございますとおり、月平均夜勤時間数の変動に関する取扱いをお示ししております。
 施設基準等に関する取扱いにつきましての保険局医療課の調査結果、①から④にございますとおり、こういったところに該当しているという状況であります。
 168が、今、申し上げましたところの現状と課題を整理したものでございますので、こちらにつきまして御意見いただけますと幸いです。
 説明は以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
 河嶋委員、どうぞ。
○河嶋委員
 ありがとうございます。
 大きく2点なのですけれども、まず、機能評価係数Ⅱの件ですけれども、152ページにありますが、機能評価係数Ⅱの評価内容②については、現状においては災害拠点病院の指定とか、DMATの指定、EMISへの参加、BCPの策定というところが評価されているのですけれども、派遣実績というのは評価されていない状況です。災害時における医療従事者の派遣というのは、今回いただいた調査で、能登半島地震や新型コロナウイルス感染症の感染拡大時において、ある程度実績がありますし、今後も必要となることから、医療従事者の派遣実績についても評価対象としてはいかがかと考えます。特に災害支援ナースは、医療法・感染症法において、その位置づけが明確になったことから、その派遣実績というのを評価対象としてよいのではないかなと考えます。
 もう一点ですけれども、159ページ、派遣のことなのですけれども、大規模災害発生の際の職員派遣によって、入院基本料等の施設基準を満たすことができなくなる場合の取扱いというのが発出されたのですけれども、被災地支援というのは迅速・継続的に対応する必要があることから、今後も同様の災害発生の際には速やかに同様の発出を要すると考えられますし、こういったことがあらかじめ分かれば、医療現場としては安心して派遣できるのではないかなというふうに思います。
 新興感染症も同様で、新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の取扱いについて、今後も同様の新興感染症の感染拡大の際には速やかに発出していただけると、同じく医療現場としては安心して派遣できるのではないかなと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
 ありがとうございます。
 それでは、168ページの課題について意見を述べたいと思います。
 まず、○の1つ目に災害医療に関する調査結果を踏まえてという記載がございますけれども、大規模災害が発生して、直ちに被災地に災害派遣支援を行うことで、一時的に自院の施設基準を満たせない場合の臨時の特例措置については、例えばこれくらいの災害規模の場合は、これくらいの期間、特例として認める云々、自動的に自動発信できるように、ふだんからある程度災害規模をシミュレーションしてスタンバイしておくことも可能ではないかなと思います。例えば、能登みたいに1月1日に発生したとしても、たとえ省庁がお休みでも、自動発信するか、もしくはあらかじめのパターンを、この診療報酬上の取扱いとして示していくこともありではないかなと思うところです。
 それと、168ページの○の2つ目ですが、161ページを見ますと、診療所においても災害に関してBCP、30%未満は策定ということですが、診療所であっても策定しておくことは悪くはないことですし、ある程度義務化してもよいのではないかと思います。ビル診療所とかで、いつか事件があったと思いますけれども、放火で火災が発生した場合とか、そういったことも含めますと、いろいろな災害というのはあり得ますので、そういったものを想定しておくことは重要だと思います。
 あと、168ページの○の3つ目です。新型コロナの話がここでちょっと出てきましたが、関連しまして、新興感染症に関しまして、診療所がかかりつけ医として初期診療を行うといった義務はあると思うのですけれども、新型コロナのときにも問題になりましたけれども、かかりつけ医と思って患者さんが受診したら、発熱は自分のところで診ないよ。ほかを受診してくれということで、患者さん側としては、自分はどこに行けばいいのかというようなこともあったかと思います。そのような診療拒否が原則ないようにする必要があると思いますので、その辺りはかかりつけ医制度を次期診療報酬改定で評価する場合には、施設基準・要件として、きちんと整理する内容かなというふうに思います。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、ほかに特に御意見、御質問がなければ、本件は以上としたいと思います。
 それでは、7つ目の最後の議題に進みます。「業務の簡素化」ということでございますが、これも事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。
 169ページ目以降でございます。業務の簡素化について。
 170ページ目は令和2年改定のときの業務の効率化・簡素化といったところの改定内容であります。
 171ページ目は令和4年改定の際の内容。
 172ページ目は令和6年改定における内容という形で、毎回、改定のときに簡素化の検討が行われております。
 173ページ目は令和7年調査において、簡素化の必要性があるもの。こちらは施設調査票において調査した結果をお示ししたものであります。この中で特に多かったものは、「計画書作成」、例として、入院診療計画書、退院支援計画書、リハビリテーション総合実施計画書などの結果が一番多くて、44.2%でございました。また、DPCの様式1の作成が38.2%、その他、30%台で、医療・看護必要度、患者による署名・押印、施設基準の届出、厚生局への定例報告といったところが次いで多いというのが、施設票の結果はこういう形になっております。
 174ページは病棟調査票においての調査結果となっておりますが、こちらの中で特に多かったのが「計画書作成」、患者や家族の署名・記名押印、その次に重症度、医療・看護必要度の記録といった順番で簡素化の必要性があるという形の令和7年度調査結果であります。
 175ページ目、規制改革推進に関する決定内容でございますが、署名又は記名・押印を要する文書については、それを不要とすることについての可否を厚生労働省は検討するという形で定めらさております。
 176ページ目、診療報酬上、署名又は記名押印を求めている様式の例というのがございます。医師または患者・家族、両方必要なもの、あるいは一方が必要なものなど、それぞれとなっておりますので、参考としてこのようなものがあるということでお示ししております。
 177ページ目が入院診療計画書であります。様式、別紙がございますが、署名欄を設けておりまして、主治医や患者、その家族の署名が必要であるといった形が、入院料の施設基準の中で示されているところでございます。
 178ページ目がリハビリテーションの書類でございます。こちらは既に8月21日にお示しした資料でございますが、リハビリテーションの総合実施計画書は医師による説明が必要という形になっております。
 179ページ目、様式のほう、それぞれの説明者あるいは患者の署名が必要という形でお示しされております。
 180ページ目が様式1のデータということで、こちらも負担が大きいという調査結果でございましたが、8月28日に御議論いただきましたので、その資料を再掲しております。
 181に現状と課題をお示ししておりますので、こちらについて御意見いただければと考えております。
 説明は以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
 鳥海委員、どうぞ。
○鳥海委員
 ありがとうございます。
 業務の簡素化でありますが、もちろんDPCデータの作成、様式1の簡素化というのは十分できることだと思います。そのほか、計画書、同意書等、患者さんはたくさん名前を書いて判こを押すわけでございますけれども、入院の前とか手術の前になると、何にサインしているのか分からないまま、いっぱい書類が来て、本当に盲目的にサインして判こを押しているというのもあるので、そういう縛りを患者さんにあまりしたくないなというふうに思うわけであります。
 一方、医療の質というものを絶対担保したいという希望もあるわけでございまして、そこのせめぎ合いで、判こを省略するとか書面を省略する以外のできる簡素化はどんどん進めていったらいいなと思います。
 中でも、これは医療機関にとってですけれども、施設基準の届出というのがありまして、人員がこうなっていて、変わると、例えば診療報酬、次はこういうものが取れなくなるというのがあるのですけれども、それを今、毎月出したりというのがあると思うのですけれども、それを3か月とか半年ごとにしていただくとか、そういうような施設基準の届出の見直し、全ての施設基準についてそうだというわけではないのですけれども、選択して、そういうことができるものについては、それも御検討いただきたいなというふうに思います。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
 ありがとうございます。
 177ページにもお示しいただきましたけれども、入院診療計画書を電カルで入力しまして説明を行って、それをわざわざ紙にプリントアウトして患者もしくは家族にサインしてもらって、再度ペーパーをスキャンして電カルにまた読み込んでといった一連の作業も、恐らく電子でサインして入力ならば、紙、プリントアウトは省略できるかなと思います。ただし、電子サインが可能な端末、タブレット、機器を導入するとなりますと、これは完全な病院の持ち出しということになりまして、設備投資費用が発生するということになりますし、それを病棟どこでも対応できるようにとなると、その台数分が必要となってきます。
 これは医師事務作業補助のところでもICT導入の評価の話で、牧野委員よりお話ありましたけれども、こういう業務の簡素化には必ず費用が発生するということは避けて通れません。そうしますと、その全てを病院の持ち出しというのはなかなか厳しいものがございますので、患者の医療の質向上という意味で、適切に補助・支援をしていただくとか、あるいは入院基本料である程度ちゃんと補えるような基本料をつけていただくとか、そういった必要性があるかなと思います。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、河嶋委員、どうぞ。
○河嶋委員
 ありがとうございます。
 178ページからのリハビリテーションに関する計画書に関してですけれども、この計画書の説明というのは非常に重要なのですけれども、私も日頃、医療現場で働いておりますけれども、医療現場において、適時に医師が患者さん、あるいは家族にこの内容をタイミングよく説明を行うということは非常に難しくて、非常に煩雑な業務の一つとなっております。例えば、あらかじめ医師から指示を受けた理学療法士等が患者さんや家族に説明を行って同意を得るというふうなことを可能とするなどの仕組みが必要なのではないかなと考えます。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、秋山委員、どうぞ。
○秋山委員
 ありがとうございます。
 私からは書類等作成業務の簡素化について、1点意見を申し上げます。176ページを見ますと、様式例の中に訪問看護指示書等が含まれていますが、医師の指示書については、看護師等が診療の補助を実施するための法的な根拠になる文書ですので、計画書等の文書とは署名の意味が異なると思います。様式の簡素化には賛成ですが、それぞれ様式における書面の意味に照らして慎重に検討していく必要があると考えます。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
 牧野です。ありがとうございます。
 今、現場はとにかくいろいろと業務を簡素化したいと思っているわけです。特に、今回、記録ということもあるのですけれども、173ページとか174ページを見ると、173ページは施設ですから、主に事務長が答えていると思います。174ページになると看護師が答えている。微妙に内容が異なってくるというのも見てとれます。ただ、173ページを見ると、計画書作成、事務長が答えてもこれが問題ですねとなっています。
 実際、私、最近入院して分かったのですが、とにかく入院前もそうだし、入院してからもそうだし、やたらとサインをさせられる。かなりの部分は形式的になっているものもあるのではないかと思います。計画の説明をちゃんと受けるということは、当然大事なわけですけれども、その全てに対して、一枚一枚、全部サインしなければいけないのかというと、実際患者の立場としても疑問を感じたという経験があります。ですから、ある程度まとめられるものはまとめるというようなことも必要じゃないかと思います。
 あと、173と174で一番上にあるのが、重症度、医療・看護必要度の記録というもので、特に174ページのほうでは4割の現場のスタッフが負担を感じているというのは、これは重く受け止めたほうがいいのかなと思っております。
 あと、174ページでカンファレンスの記録というのも、意外と皆さん、負担になっているのだなということを感じました。最近、AIとかを使うと、自動音声入力から、さらにそれをサマライズするというものも世の中にはあるのですけれども、IT化というのはそれなりに初期投資もかかる、ランニングコストもかかるということですので、今後、そういったものの導入は絶対必要だと思うのですけれども、そのための方法も考えなければいけないだろうなというふうに思っております。
 私からは以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 今村委員、どうぞ。
○今村委員
 今、いろいろ御議論がありましたが、特に簡素化等の中で、今後IT機器などいろいろな仕組みが、非常に重要になってくるだろうと。ただ、そういったものの導入には多額の費用がかかるという御指摘もありました。ITの有効性は大きいものの、それを安易に要件として義務づけることがないように、そこは慎重にご検討いただく必要があるということを1点強調しておきたいと思います。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 ほかに特に御意見、御質問等もないようですので、本件に関わる質疑は以上としたいと思います。
 本日の議題は以上でございます。
 それでは、次回の日程等について、事務局からお願いいたします。
○矢野補佐
 事務局でございます。
 次回の日程は未定でございます。決まり次第、御連絡をさせていただきます。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、令和7年度第12回「診療報酬調査専門組織 入院・外来医療等の調査・評価分科会」を終了させていただきます。長時間にわたりまして熱心な御議論、どうもありがとうございました。