2025年9月11日 令和7年度第11回入院・外来医療等の調査・評価分科会・議事録

日時

令和7年9月11日 13:00~15:00

場所

全国都市会館  地下1階 第3会議室、第4会議室

出席者

本委員
  • 尾形分科会長
  • 池田委員
  • 今村委員
  • 津留委員
  • 林田委員
  • 牧野委員
  • 眞庭委員
  • 中野委員
  • 眞野委員
  • 小池委員
  • 田宮委員
  • 鳥海委員
  • 井川委員
  • 河嶋委員
  • 秋山委員
  • 飯島委員
事務局
  • 矢野課長補佐 他

議事

○尾形分科会長
 こんにちは。定刻になりましたので、ただいまより令和7年度第11回「診療報酬調査専門組織 入院・外来医療等の調査・評価分科会」を開催いたします。
 本日の開催につきましては、対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。
 また、今回の会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うことといたしております。
 初めに、委員の交代がございましたので、御紹介いたします。武井委員に替わる新任の委員として、河嶋委員に御就任いただいております。最初ですので、河嶋委員、恐縮ですが、簡単に御挨拶をお願いできますか。
○河嶋委員
 河嶋知子と申します。
 ふだんは名古屋にございますJCHO中京病院で副院長、看護部長を務めております。今回から委員となります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は全委員が御出席でございます。
 なお、冒頭のカメラの頭撮りはここまでとしたいと思います。
 それでは、早速議事に入らせていただきます。
 まず、第1の議題ですが、「診療情報・指標等作業グループからの最終報告について」でございます。それでは、当作業グループの班長であります池田委員より資料の説明をお願いいたします。
○池田委員
 診療情報・指標等作業グループ班長の池田でございます。診療情報・指標等作業グループの最終報告について御説明させていただきます。お手元に資料入-1を御用意ください。
 本作業グループは、これまで5回の議論を重ねてまいりました。直近では、検討状況報告後の7月29日、8月26日に作業グループを開催しておりまして、本日、そのとりまとめを概要に沿って御報告させていただきます。
 まず、1ポツの「急性期の指標について」でございますが、DPC制度や、総合入院体制加算・急性期充実体制加算の評価指標を踏まえ、救急搬送受入件数と地域シェア率、全身麻酔手術件数等について、二次医療圏人口等に着目した検討を行いました。
 20万人未満の二次医療圏等におきましては、救急搬送受入件数は多くなく、総合入院体制加算等で評価されていないものの、地域シェア率が高い病院がございました。こういった人口規模の小さい医療圏では、地域シェア率のような考え方を指標として検討すべきという御意見や、シェア率は二次医療圏の再編等の影響を受けるため、慎重な検討が必要という御意見、また都市部と過疎地域で使うべき指標やその評価は異なるのではないかという御意見がございました。
 また、拠点的な機能をどう整備するかという話にもつながりますので、総合入院体制加算と急性期充実体制加算を併せて整理することや、両加算で異なる実績要件について統一してはどうかという御意見。人口が少ない地域の要件緩和の必要性等について御意見がございました。
 次に、2ポツの「高齢者の入院に関する指標」につきましては、まず、新設の地域包括医療病棟について、疾患別、予定・緊急入院別、手術の有無別の医療資源投入量の分析や、在院日数やADL等のアウトカム指標の分析により、高齢者の入院医療を評価する指標について検討を行いました。
 内科系疾患は包括内の出来高点数が相対的に高く、請求点数には反映されにくい傾向や、救急搬送からの入院や緊急入院の割合が高く、手術を行わない緊急入院はその他に比べ医療資源投入量が高いことが分かりました。
 在院日数は、高齢、転院転棟を除く直接入院、入院初日のADLが低い等の場合に長い傾向にありました。
 次に、地域包括ケア病棟を含む包括期の入院医療を担う病棟について、高齢者救急の受入れ、在宅医療や施設等の後方支援機能に関する指標について検討を行いました。
 包括期の病院の機能を表現し得る指標の候補として、救急搬送の受入れ以外に、協力医療機関である場合等の後方支援の実施状況や、自宅等からの直接入院等が上げられ、それぞれの項目について、各病棟における算定回数や件数にはばらつきが見られました。
 最後に、3ポツの「重症度、医療・看護必要度」につきましては、ICU・HCU用と、一般病棟用のそれぞれについて、令和6年度改定を踏まえた基準該当割合等について検討を行いました。
 ICU・HCU用の重症度、医療・看護必要度に関しましては、致死性不整脈等のリスクに備えた管理の観点を踏まえまして、「蘇生術の施行」「電気的除細動」「抗不整脈薬の投与」「一時的ペーシング」等の処置について、それぞれの重症度、医療・看護必要度での位置づけを検討してはどうかとの意見がございました。
 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度等につきまして、まず、B項目に関しましては、要介護度と相関する傾向が見られ、入院や手術から4~7日後には点数の変化が少なくなる傾向がありました。また、A項目が±2点以上の場合には、同じ方向に点数が動く患者の割合が増えておりましたが、術後早期については、A項目の変化とは逆方向の変化を示す患者も多くございました。B項目の術後7日目以降の変化や、内科系症例での入院4日目以降の変化が安定していることを踏まえ、測定間隔の緩和を検討してはどうかという意見がございました。
 また、内科系症例につきましては、A・C項目が一定点数以上である割合が外科系疾病と比較して低く、重症度、医療・看護必要度がつきにくいことは明らかであるとの指摘がございました。
 また、抗菌薬はA項目で評価されないので、感染症の患者は重症度、医療・看護必要度がつきにくい一方、救急搬送、緊急入院の割合が高いので、この部分の評価を増やすことで、感染症患者等も評価されやすくなるのではないかという意見がございました。
 以上が診療情報・指標等作業グループにおける検討の最終報告となります。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等があれば承りたいと思います。いかがでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。特に御意見、御質問等はないようですので、本件については以上としたいと思います。
 それでは、2つ目の議題に進みます。「DPC/PDPS等作業グループからの最終報告について」でございますが、こちらも当作業グループの班長であります眞庭委員より資料の説明をお願いいたします。
○眞庭委員
 ありがとうございます。
 それでは、入-2に沿って説明いたします。併せて、入-2参考も御参照ください。
 まず、1ページ目、1ポツの「DPC対象病院に係る検討について」でございます。概要ですけれども、DPC対象病院の内訳が経時的に変化している中で、DPC算定病床の割合が50%未満の病院が増加傾向にあることなども踏まえて、DPC対象病院の適切な評価方法等について検討を行いました。
 (2)具体的な検討内容のうち、①「医療機関別係数による評価について」では、特に機能評価係数Ⅱについて検討を行いました。
 2ページ目にお進みください。複雑性係数につきましては、1入院当たり医療資源投入の観点から見た患者構成を評価する項目として設定されていますが、診療対象とする診断群分類の種類が少ない病院で、誤嚥性肺炎等の平均在院日数が長く、1日当たり包括範囲出来高点数の小さい疾患に偏った症例構成の場合、急性期入院医療における評価という点では不適当な評価となっているのではないかという指摘や、複雑性係数におきましては、「患者の病態が不安定な状態から、治療によりある程度安定した状態に至るまで」を特に評価するべきではないか、といった指摘がございました。
 これらの議論も踏まえまして、1入院当たりの包括範囲出来高点数が高い診断群分類の分析を行ったところ、これらの中には、平均的に入院初期の包括範囲出来高点数が高い診断群分類もある一方で、1日当たりの包括範囲出来高点数が全診断群分類の平均値及び中央値よりも低い診断群分類も見られました。
 これらの議論や分析結果を踏まえまして、複雑性係数については、入院初期を特に重視する趣旨で、入院日数の25%tile値までの包括範囲出来高点数により評価するべきではないか、といった指摘がございました。
 さらに、DPC対象病院を構成する医療機関は時々刻々と変化していることから、複雑性係数を含めた機能評価係数Ⅱの適切な評価方法については、引き続き検証を行うべきではないか、といった指摘もございました。
 また、地域医療係数のうち、「医師少数地域への医師派遣機能」については、「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」において、特定機能病院が満たすべき「基礎的基準」として、「地域に一定の医師派遣を行っていること」を設定することが議論されており、第26回の検討会において、とりまとめ案が示されていることを踏まえ、その定義につきましては、特定機能病院の基礎的基準における医師派遣の定義と整合的に検討されるべきではないか、といった指摘がございました。
 次に、入-2の3ページ目、「②点数設定方式について」ですが、DPC制度におきましては、入院初期を重点評価するため、在院日数に応じた3段階の定額報酬を設定しているところ、点数設定方式D以外においては、入院期間Ⅱは平均在院日数により規定されております。
 入院期間Ⅱにつきましては、令和8年度診療報酬改定に向けた議論において、現状の点数設定方式と、実際の患者の在院日数の分布の乖離があるのではないか、等の指摘があり、在院日数の分布等について分析を行いました。その結果、診断群分類ごとの平均在院日数について、ばらつきが小さく、標準化が進んでいる診断群分類が見られた点や、多くの診断群分類において、平均在院日数は在院日数の中央値を上回っている点が確認されました。これらを踏まえ、多くの診断群分類において、在院日数の中心傾向の指標として、平均在院日数は適切でないのではないか、といった指摘がございました。
 こういった指摘も踏まえ、入院期間Ⅱを中央値に見直しを想定した分析を行ったところ、在院日数の変動係数が大きい診断群分類ほど、入院期間Ⅱの変動率が大きい点や、変動係数が0.70未満の診断群分類の大多数においては、入院期間Ⅱの変動率は約20%以内に収まる点や、変動係数が0.7未満の診断群分類であっても、一部入院期間Ⅱが20%以上変動する診断群分類も存在する点が確認されました。
 これらの分析を踏まえ、特定の在院日数の患者数が顕著に多い診断群分類について、制度上、特定の日数までの在院を促すインセンティブが内在しているのではないか、といった指摘があり、これに対しましては、1日当たり入院数の最大値に対する日ごとの入院数の割合の変動係数が著しく低い医療機関が一定数存在していることを踏まえ、病床稼動率を過度に重視した病院経営を行うと、病床の活用が硬直的になり、柔軟な対応ができなくなることから、必ずしも高い病床稼動率を維持しなくてもよい設計とすべきではないか、といった意見がございました。
 また、令和8年度診療報酬改定に向けた特別調査におきましては、多くの医療機関においてクリニカルパスが採用されており、パスにおける入院期間の設定に関して主として参照しているものにつきましては、「診断群分類点数表上の第Ⅱ日」と回答した医療機関が最多でございました。
 これらの議論を踏まえ、点数設定方式におけます入院期間Ⅱについては、在院日数の標準化が進んでいる診断群分類を中心として、原則として、平均在院日数から在院日数の中央値に移行するべきではないか、という指摘がございました。
 一方で、入院期間Ⅱの見直しによる影響を一定範囲内にとどめる趣旨で、入院期間Ⅱの変動率には一定の上限を設けるべきではないか、といった指摘もございました。
 続きまして、4ページ下段になります。2ポツ目、「算定ルールに係る検討について」ですけれども、DPC制度では、制度の安定的な運用のため、算定についての一定のルールを定めているところ、前述のとおり、DPC対象病院を構成する医療機関の内訳は経時的に変化しているため、これらも踏まえた算定ルールの見直しについて検討を行っております。
 まず、(2)の再転棟ルールについてですが、DPC制度では、一定の条件を満たす再入院及び再転棟については、一連の入院とみなすこととし、累次の改定を行ってきております。
 令和8年度診療報酬改定に向けた議論におきましては、DPC対象病院に占める、DPC算定病床以外の病床を有する医療機関の割合が増加していることから、「再転棟」が起こりやすい状況になっているのではないか、といった指摘がございまして、DPC病棟からの転棟後、再転棟までの日数の分布の分析を行ったところ、DPC制度において一連の入院と見なされなくなる、8日目の再転棟の件数が突出して多いことが確認されました。
 これらの分析結果等を踏まえ、同一傷病による再転棟については、転棟後7日間を超える場合であっても、原則として一連の入院として扱うべきではないか、といった指摘がございました。
 続いて、5ページ目、中段、(3)の持参薬ルールについてですが、DPC制度におきましては、患者の負担軽減や、DPC制度下での公平な支払いの観点等を踏まえまして、原則として、入院中の患者に対して使用する薬剤は、入院する病院において入院中に処方することが原則であり、「入院の契機となった疾病」に対する持参薬の使用は、特別な理由がある場合を除き、認めないこととされています。持参薬ルールについて、現況の分析を行いましたところ、全体の持参薬の使用割合については、5%未満の医療機関が最も多く、次いで55%以上60%未満の医療機関が多くございました。
 また、現行のルールで原則認められていない、入院の契機となった傷病に対する持参薬使用割合の分析におきましては、入院の契機になった傷病に対する持参薬使用割合が5%以上となる医療機関が一定数見られ、その中には、自院の外来で処方した医薬品を入院の契機となった傷病に対して使用した割合が5%以上となる医療機関も一定数見られました。
 6ページ目にお進みください。これらの分析結果を踏まえて、持参薬ルールを遵守している医療機関とそれ以外の医療機関との間で不公平な設計となっており、また、患者においても持参薬の持込みに係る不要な手間が発生しているのではないかという御意見がございまして、これらの観点から、入院の契機となった疾病以外の疾病に対する持参薬の使用についても、ルールの見直しを検討する必要があるのではないか、といった御意見がございました。
 一方で、手術を目的とした短期入院のような場合にまで、入院下で再度の処方を求めることは、かえって医療機関側の負担を増やすことになるのではないか、といった意見もございました。
 これらの議論を踏まえ、まずは、「入院の契機となる疾病」に対する持参薬の使用に係る現行のルールの、さらなる周知徹底を図るべきではないか、といった指摘がございました。
 また、「入院の契機となった疾病」以外の疾病に対する持参薬の使用の可否については、令和10年度診療報酬改定に向けて引き続き議論する必要があるものの、検討に当たっては、まずは、持参薬を使用する理由や、使用される頻度が高い持参薬及び診断群分類について調査を行う必要があるのではないか、といった御指摘もございました。
 こちらから御報告は以上となります。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等あれば承りたいと思います。よろしいですか。
 ありがとうございました。特に御意見等がないようですので、本件に係る質疑はこの辺りにしたいと思います。
 それでは、3つ目の議題に進みます。「包括的な機能を担う入院医療について(その3)」でございます。事務局から、まず、資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。
 入-3の資料に基づきまして御説明いたします。
 4ページ目以降、「包括的な機能を担う入院医療について(その3)」でございます。
 5ページ目、中間とりまとめの抜粋でございます。
 6ページ目にもそれを記載させていただいております。
 7ページ目が包括期の入院医療を担う施設基準、これは既にお出ししているものを再掲しております。
 8ページ目が救急受入れや後方支援に関する現状の評価でございます。
 9ページ目は指標のワーキンググループ、7月29日の資料でございますが、包括期の病院機能を表現できる指標の候補ということをワーキンググループで御検討いただいております。評価対象、表で6つ整理されておりますが、救急搬送受入件数、下り搬送等の受入件数、当該病棟への緊急入院、後方支援に係る加算の算定件数、自宅からの入院の件数、あるいは協力施設の介護施設への往診といったところが、包括期の病院機能の指標ではないかということで御議論いただいております。それぞれ評価の観点、懸念点、あるいは在宅、施設、どういう評価なのかということについて整理したものでございます。
 10ページ目が包括期の病棟における後方支援の加算の算定状況であります。病棟種別ごとにどういった分布になっているのか、DPCデータを用いて示しておるのがこちらの資料でございます。
 11ページ目が介護施設の往診加算の届出・算定状況です。こちらも分布をお示ししております。
 12ページ目が包括期病棟における緊急入院の状況の分布でございます。こちらも御参照ください。
 13ページ目、今あるような包括期の病院機能のそれぞれの相関関係がどうなっているかということの分析をしているものでございます。
 14ページ目が病院全体の加算件数と病棟の実績との関係性を集計しているものでございます。地域包括医療病棟、または地域包括ケア病棟を有する医療機関の病院全体での加算の算定状況ということで、施設全体の算定回数を縦軸に取っています。横軸のほうは包括期病棟における算定回数を取っています。これの関係性で、包括期の病棟で受け入れている件数、あるいは病院全体で受け入れている。左上のほうに赤い枠で示しておりますとおり、急性期の病棟のほうで後方支援の受入れを行っていると思われる施設もあれば、包括期の病棟中心で対応している病院もあるということで、そういった機能を果たす上において、いろいろな病棟の活用が行われているという実態を表しているということで、御参照いただければと思います。
 15ページ目が救急搬送の割合が多い地域包括ケア病棟におけるその他の指標というタイトルでございますが、こちらは特に地アケア病棟のほうの救急搬送から入院した患者の割合、サブアキュートと言われる患者の割合が15%を超えるような地ケア病棟の指標の分布をお示ししております。在宅復帰率、平均在院日数、あるいは同一病院内から転棟した患者の割合、重症度、医療・看護必要度といった地域包括医療病棟のほうで出てくる指標で見たときに、こういった地ケア病棟の、特にサブアキュートが多いようなところの指標、どのようになっているかということを示しておるものでございます。
 16ページにございますとおり、地ケア病棟は、直接入院の患者割合も100%から0%近くまで様々な分布になっている、様々な機能が果たされているということでございますので、このうちの、特に15%を超えるところを集計したものが15ページ目の資料でございます。
 17ページ目は地域包括医療病棟の緊急入院の状況でございますが、こちらはDPCデータを用いて、施設から緊急入院を受け入れた患者さんを集計しておるわけですが、この中でA253協力対象施設入所者入院加算を算定できる要件として、在宅療養支援病院であるか、在宅療養後方支援病院であるか、あるいは地域包括ケア病棟を有する病院であるか、いずれかに該当することとなっております。こちらは地域包括医療病棟における受入状況ということになっておりますので、こういったいずれかの要件を満たさないところ、赤色のところがございますが、加算の要件を満たさない病院でも、こういった施設からの緊急入院を受けている例が、DPCデータ上あったということで、あるいは件数も含めて分布をお示ししております。
 18ページ目が協力医療機関となっている施設の分布ということで、こちらは8月28日にお示ししておりますが、令和7年度の調査結果、どれぐらいの施設を引き受けているかというデータでございます。
 19ページ目も既にお示ししたものでございます。再掲しております。
 20ページ目は高齢者施設の連携体制の調査事業で、救急搬送を少なくすることができるという状況。
 21ページ目が在宅療養後方支援病院、あるいは介護施設の協力医療機関のそれぞれの要件を並べておるものでございます。現在、在宅療養後方支援病院は200床以上の医療機関が施設要件となっている状況でございます。
 22ページ目から医療資源投入量についてでございます。
 23ページ目あるいは24ページ目は既にお示しして、中間とりまとめの際にも報告させていただいているものでございますが、地域包括医療病棟の包括内の出来高点数、手術あり、または緊急入院かどうかということで分けますと、このような点数差があるような状況でございます。
 25ページ目も患者ごとの包括内実績点数の分布でございます。
 こちらを、26ページ目は地ケア病棟のほうで分析しているものでございます。地ケア病棟は地域包括医療病棟とは異なって、差がそれほど出ていない傾向があるということですが、緊急入院のほうが予定入院に比べて高い傾向があるということでございます。
 27ページ目、入院受入れが困難となる理由、こちらも8月28日にお示ししておりますが、その中で特に高額薬剤に関連する調査をしておりました。高額薬剤を使用しているということが、入院受入困難となるというところがかなり高いというデータとなっております。
 28ページ目、その高額薬剤の内容ということで、令和7年度調査結果。トルバプタン、パーキンソン病治療薬といった回答が多かったですし、その他も回答が多くて、29ページ目にフリーテキストで記入いただいた回答でどういったものが多かったかということで、抗悪性腫瘍剤、骨粗鬆症治療薬、リウマチ治療薬など、分子標的薬を中心に、こういったところが受入困難事例となっているという調査結果がございます。
 現在、30ページ目にございますとおり、各病棟の入院料に包括されない除外薬剤ということで、告示でお示ししている状況です。こちらのほうが今の算定ルールとなっております。包括期の病棟は包括評価が原則ということになっているわけでございますが、こういった包括内の実績点数あるいは高額薬剤ルールなども含めまして、適切な患者の評価をどのように考えるかということでデータをお示ししたところでございますが、このようなデータを踏まえまして御評価いただきたいと考えております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
 それでは、井川委員、どうぞ。
○井川委員
 ありがとうございます。
 まず、包括期のところで非常に細かく分析していただいてありがたいと思っているのですけれども、12ページに包括期の病棟における緊急入院の状況としまして、地域包括ケア病棟と地域包括医療病棟の緊急入院等が示されまして、13ページでは包括期の病院機能を表現し得る指標同士の関係として、在宅患者の緊急入院数を主軸とした、在宅からの入院に関する加算の算定状況などの関係をお示しいただいています。
 ここで1つ質問なのですけれども、ここで言う包括期というのは、新たな地域医療構想の中で言われる包括期の中に回復期リハビリテーション病棟というのが入っているはずなのですけれども、それを抜いた2つだけと認識してよろしいでしょうか。その1点だけ、まず聞かせていただけますか。
○尾形分科会長
 これは御質問ですので、事務局、お願いいたします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。
 ここでは、回復期リハビリテーションを除いて、地域包括医療病棟と地域包括ケア病棟で分析しております。
○井川委員
 ありがとうございます。
 それでは、続けて質問等させていただきますけれども、13ページの指標のプロットというのは、地域包括ケア病棟と地域包括医療病棟が合算した形で入っているという理解でいいということでございますね。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。
 そのとおりでございます。
○井川委員
 分かりました。
 そうすると、13ページの1つ目の○に、緊急入院が多いにもかかわらず、在宅患者緊急入院加算や協力対象施設入所者入院加算を算定していない施設が多く見られると書かれています。
 それから、下段の左のグラフでは両加算の算定状況の関係を見ておられますけれども、上段の左2つの散布図を見る限り、いずれも算定ゼロというところが極めて多いと考えます。そうすると、散布図でもいずれの算定もゼロというのは1点に集中してしまいますので、マスとして全然分からないというか、散布図の形にならない状況になってしまって、その数の重みが全く見えなくなってしまいます。加算同士の関係を見るには、散布図は適当ではないのではないか。それぞれn数をいっぱい書いていかないと分からないというか、どう散らばっているのか分からないというふうな感じがしております。
 これらの算定がされない理由というのを、事務局は把握されているかどうかをもう一つ御質問したいと思います。在宅患者緊急入院加算を届出しない理由を問う設問は、令和6年、令和7年の調査票には、たしかなかったはずなのです。一方で、協力対象施設入所者入院加算に関しましては、令和7年度調査のほうに入っていたと記憶しています。そうしますと、そこのデータが恐らく出ていると思われますので、そこの部分が分かればお教えいただきたいなと思います。これが1つの質問です。
 続けて行かせていただきます。17ページの囲み部分で、地域包括医療病棟で協力対象施設入所者入院加算の施設基準を満たさなくても、施設からの緊急入院を多く受け入れている病棟があることが示されています。地域包括医療病棟の役目から考えれば当然のことというふうに考えますので、その加算の算定要件に、本来でしたら地ケアであれば地ケアだけでオーケーなのですけれども、地域包括医療病棟そのものも加えるべきではないかなと私は思います。
 あと、27ページ、ちょっと毛色が違うところでございますけれども、入院が困難となる理由として高額薬剤の使用があるということで、以降にその対応薬剤の内容について記載がございます。
 あと、29ページの囲みの2つ目の○には、4分の1を超える回復期リハビリテーション病棟を有する病棟で抗がん剤というものが問題だと回答されております。ほかにいろいろなことがありますけれども、これは回復期リハビリテーション病棟で特有に回答されていたというふうに示されている。この理由は明白で、これらの薬剤が地ケア病棟や療養では包括除外薬剤というふうに出来高算定できるのに対して、30ページに示されますように、回リハではそうなっていないということがあります。抗がん剤治療等、非常に進んでまいりまして、それを継続的に投与することによって命がずっと長らえられるということが実際に起こってきているので、回リハだからといって、そこをしないということは難しい。そうすると、回リハという病棟も除外のほうに加えていくべきだろうというふうに私は考えます。
 以上です。
○尾形分科会長
 1点御質問だったと思いますので、事務局、お願いします。
○鈴木医療課長補佐
 事務局です。
 御質問いただいた在宅患者緊急入院診療加算と協力対象施設入所者入院加算の算定にあまり触れていない理由ということですが、在宅患者緊急入院診療加算に関しては、御指摘のとおり、7年度の調査に入っていませんで、実態のところというのは正確な情報を把握していないというのが実情です。協力対象施設については、令和6年度に設けられましたので調査を行っておりまして、結果は前回の入退院支援の回のところで少し資料を御提示していたのですが、カンファレンス要件などがかなり厳しいということもありまして、協力医療機関自体は依頼されている件数はかなりあるようなのですけれども、困難な理由として挙げられていたものは、半数程度がカンファレンスの要件やICTを設けるという要件をコメントされていた。それを前回の回のときに資料を御提示しています。
○井川委員
 ありがとうございます。
○尾形分科会長
 よろしいですか。ありがとうございました。
 それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
 私は、前半のほうの包括期の入院医療を担う病院の機能について関して、2点申し上げます。
 まず、1点目ですけれども、14ページになります。こちらは病院全体の加算件数の関係ということを表していますけれども、自宅や施設からの緊急入院に対応している病棟についてということで、全体としまして45度ラインの上側にあります赤線で囲まれております急性期病棟で、主に受け入れている病院が多いということが分かりました。
 それから、地域包括医療病棟の救急搬送の対応、それから地域包括ケア病棟のサブアキュートの機能ということについて考えますと、このページでは45度ラインの下側にあります、緑で囲まれていますけれども、こちらのほうで包括期病棟で主に受け入れるということがもっと増えてもいいのではないかということを感じる次第でございます。
 今後、病院としての機能を重視するという方向性に向かうかと思いますけれども、一方で病棟として期待されている機能があるべきでありまして、これに対して加算対象となります患者さんのうち、どうであるかということを見るなど、包括期病棟の指標という観点からしっかりと検討していくべきではないかと思います。
 それから、2点目については、15ページでございます。救急搬送の割合が多い地域包括ケア病棟におきます、その他の指標について示されてございます。地域包括ケア病棟につきましては、以前よりポストアキュートに偏っているのではないか、そういう施設があるのではないかということが指摘されておりました。サブアキュートとポストアキュートがきちんとバランスよくなければならないということでは必ずしもありませんけれども、先ほどの14ページとも関連いたしますが、高齢者救急の増加に対応するということから、地域包括医療病棟だけでなく、地域包括ケア病棟におきましてもサブアキュートの機能をしっかりと担っていくということが必要かと思います。
 そこで、15ページでございますけれども、このページにつきましては、救急搬送の患者さんが15%を超える地域包括ケア病棟ということで整理されているわけでございますが、左上のグラフで在宅復帰率が80%を超える施設が多いということ。
 それから、左下、平均在院日数が22日以下の施設が多いということ。
 それから、右上につきましては、同一病院内から転棟した患者さんの割合、2峰性になっておりますけれども、院内転棟が10%未満の施設があるということが分かりました。
 地域包括医療病棟に近いサブアキュート機能を発揮しているという地ケア病棟が一部あるのではないかということが見てとれます。
 一方で、右下のグラフで、重症度、医療・看護必要度につきまして示されておりますけれども、A2点以上、A3点以上、C1点以上のいずれもが10%未満の施設が多いということで、これにつきましては、重症度が高くない患者さんに対応しているということが分かるわけでございます。
 このようなことから、救急搬送にもしっかり対応した結果として、早期の在宅復帰につなげる機能の高い地域包括ケア病棟ということで見ていく必要があるのではないか。こういう機能を持った病棟があるということを見ていく必要があるのではないかと思います。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
 ありがとうございます。
 私からも、まず10ページの包括期病棟における後方支援に関する加算の算定状況ということで、リード文のほうにも二極化とありますけれども、0件が1300とか、施設が非常に多いということ。先ほど既に御説明いただきましたけれども、これから包括期病棟の後方支援をより促していくために、どうしてこの届出算定が理由ができない理由がさらにいろいろあるのかということを、もう少し整理していく必要があるのかなと思いました。
 11ページに関しましても、同じく届出が264病院で算定ゼロというのが166施設ございますけれども、これに関しましても後方支援を促すという意味で、もう少し深掘りできないかなというところでございます。
 先ほども御意見ございましたが、14ページで、急性期で主に算定している医療機関もあれば、包括期で主に算定している医療機関もあるということですが、恐らく病院自体、ケアミックスの成り立ちの違いであったりということで、元来、急性期主体で重症度、医療・看護必要度の厳格化や、急1から一部機能転換したようなケアミックスといったところと、ずっと地ケアで救急を受け入れて運営しているところでは、恐らく病床の活用の仕方が違うのではないかと思いますので、その辺り、さらに分析できればというところでございます。
 あと、前半部分の総括といいますか、今後、拠点的な急性期機能を担えない医療機関が、一般的な急性期機能として、さらに7対1も算定できないということになりますと、地域包括医療病棟に移行してくるのかなと思われます。今後、新たな地域医療構想の進捗にも影響を受けると思いますけれども、高齢者救急の受入体制を整備するに当たっては、この後方支援に関しまして、包括期の病床、例えば算定要件で200床未満だとか400床以上だとか、病床規模で算定要件に制限をいろいろ設けていきますと、地域で包括期と在宅の連携だったり、病院と介護施設の連携という意味で、後方支援の促しにブレーキをかけることになるのではないかなと思いますので、その点、配慮が必要ではないかと思いました。
 あと、最後ですけれども、29ページ、受入困難事例における高額薬剤の問題ですが、治療上、ある程度高額な医薬品を使用せざるを得ない高齢患者さんもたくさんいらっしゃいますので、行き場がなくなることがないように、ある程度高額な治療薬を使用していても治療が継続できるように、出来高算定の品目を緩和していくとかいうことも必要ではないかと思いました。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、小池委員、どうぞ。
○小池委員
 私も津留先生、井川先生の御指摘いただいた27ページ、29ページ、包括外の高額薬に関してでございます。一言で高額薬といいましても、投与量のコントロールですとか副作用管理等の問題があって受入れが困難というものあり、そういったものはまた別の議論かと思うのですが、受入側の医療機関で医療的に対応はある程度可能なのだけれども、経営上の理由で受入れが困難になるということがあるのならば、そういった医薬品については必要に応じて包括外にする等の対応ができないか、御考慮いただきたいと思っております。
医療の提供方法が変わり急性期の医療も終わっても、高額な薬剤が継続的に投与される中で、状態が落ち着いている、あるいは使用していることで再発が抑えられているみたいな薬がかなり増えているということは考慮が必要かと思います。
 ただ、一律な基準の設定は難しい部分もあると思いますので、例えば副作用とか管理が比較的落ちて容易なもの、転院前の病院で投与量の調整などがある程度ついた維持的な療法になっているもの、投与期間が長期間に及ぶものになっているもの、急性期の医療機関における医薬品以外の投入量はある程度減って、医薬品の投入量だけを維持されているようなものというのを一つ一つ分析した上で、受入元と受入先の医療資源の適正化という観点で分析や議論を進めていただければと思っております。また、この議論は受入側の医療費だけなく、受入元と受入先を合わせて分析する観点についても御考慮いただければと思っております。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
 ありがとうございます。
 私からは2点お話ししたいと思います。
 32ページの課題の上の2つに関してお話ししたいと思います。
 まず、地域包括医療病棟のことですけれども、地域包括医療病棟というのは急性期の医療も行うといった位置づけで設けられたと思います。ただ、急性期病棟になったら、病態とか行う医療内容によって医療資源投入量の差が大きくなってくるわけです。それをカバーするために、DPCでは診断群分類という指標を用いて、その差を評価しているわけです。ところが、地域包括医療病棟では、そういった急性期の患者を扱うにもかかわらず、医療資源投入量の差の評価は現時点ではないわけです。
 ですから、今回の分析の中で分かったことは、緊急入院の症例では医療資源投入量が多くなること。あと、予定手術のための入院における医療資源投入量が少ないといった事実が分かってきたわけですから、それに併せて包括部分の報酬に差をつけていくということも、今後は考慮されるべきではないかと考えます。これが1つ目です。
 2つ目。地域包括ケア病棟における医療資源投入量のことですけれども、救急からの受入れと緊急入院ということを考えたときに、地域包括ケア病棟というのは13対1で、どうしてもマンパワーも少ないですし、受入れにくい。にもかかわらず、頑張って受け入れていただいているということは評価しなければいけない。緊急入院では出来高実績点数が高いということもデータとして示されているわけですから、これを反映させるような評価があってもいいのではないかというふうに考えます。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 眞野委員、どうぞ。
○眞野委員
 ありがとうございます。
 何人かの先生方からも既に御発言がございましたけれども、転院に係る高額薬剤の問題に関しては、現場のほうではよく聞く話だと認識しています。受入側の包括の問題はもちろんあると思いますし、結局、受入側でその薬剤を処方できないので、転院元、すなわち急性期病院のほうでたくさん処方して持たせてくれという話も結構あります。それを条件に転院を受け入れるみたいなこともあるようですし、その場合の薬剤費は急性期側の病院の負担になっていますので、ここはきちんと是正する必要があるだろうと認識しています。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。それでは、特にほかに御意見、御質問もないようですので、本件は以上としたいと思います。
 それでは、4つ目の議題でございますが、「重症度、医療・看護必要度」でございます。これにつきましても、まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。
 入-3の34ページ目以降でございます。
 35、一般病棟の重症度、医療・看護必要度の評価項目の見直し、令和6年改定の見直しの内容。
 36ページ目も同じでございます。
 37ページ目も5月に既にお示ししておりますが、医療・看護必要度Ⅰ・Ⅱの概要。
 38が令和7年度調査で、最新の医療・看護必要度Ⅰ・Ⅱの届出状況のデータをお示ししております。
 39ページ目以降、B項目についてでございます。
 40ページ目でございます。令和2年改定のときのB項目の評価方法の見直しの概要であります。
 41ページ目、一般病棟の重症度、医療・看護必要度の見直しを再掲しておりますが、7対1のところでB項目の測定の見直しがあったということでございます。
 42が入院初日のB得点の内訳のデータをDPCデータでお示ししているものでございます。
 43ページ目が令和5年、6年で比較したもの、これも既にお示ししたデータでございます。
 44ページ目にございますとおり、B項目に関連しましては、特に急性期一般入院料1で測定が義務づけられているところがありますが、こういったところは業務負担軽減のために緩和すべきではないかという御意見もあったということでございます。
 45ページ目、ワーキンググループのほうで医療・看護必要度の記録に関して課題と感じていること、病棟管理者の調査結果でございます。
 46ページ目、要介護度、必要度別の入院時、退院時のB得点の点数でございます。B得点は要介護度が高いほど高くなる。また、要介護4~5では入院時と退院時で分布の変化がほとんど見られないというデータでございました。こちら、既に7月3日にお示ししておるものでございます。
 47も要介護別のデータ。
 48ページ目、B得点の推移の全体像ということで、DPCデータでお示ししているものでございます。B得点全体は、入院後の日数がたつにつれて、患者数の減少とともに緩やかに上昇しているが、各個人の前日との差分の平均については、7日頃から前日と差分がなく、0点近くで安定した推移になっていくというような傾向が見られる状況でございます。
 49ページ目がB得点全体を箱ひげ図でお示ししているものでございます。入院5日頃から前日との差分0点の患者が7割程度で安定するというデータがございます。
 50ページ目が病棟ごとに見たもの。
 51ページ目が予定入院・緊急入院で見たもの。
 52ページ目が、さらにそれを詳しく分析したものでございます。
 53ページ目が手術症例におけるもの。
 54ページ目、7日後にB得点が同程度である患者の割合という形で、もう一度、こういった観点で整理してお示ししておりますが、7割近くが同程度になるということでございます。
 55ページ目以降はB得点の点数とA・C項目との関係性を細かく分析しております。55、56、57、58とございますが、ワーキンググループのほうでも59ページ目のイメージという形で御議論いただいていますが、これらのB得点に関する分析結果でございますが、赤色と青色の部分に分けて整理できるのではないか。B項目は疾患によって悪化した身体機能によるケアの必要性の部分、赤色の部分と、発症前からの身体機能のケアの必要性の部分、青色の部分と、双方反映する指標という考え方になるのではないか。これが急性期の入院経過のイメージ、包括期・慢性期の入院、経過のイメージと併せて、こういった分布になっているのではないかという形のイメージをワーキンググループで御議論いただいたものでございますが、こちらも併せて御議論いただければと思います。
 60ページ目、内科系症例・外科系症例についてでございます。
 61ページ目が内科系症例・外科系症例の重症度、医療・看護度の得点分布。内科系症例のほうはA・Cの点数が低くて、Bの点数が高いというような傾向があったということでございます。
 62ページ目、重症度、医療・看護必要度は、A項目の該当基準を見直さなければ、高齢者救急・内科救急を担う病院への影響が大きくなるといった御要望があったということでございます。
 63ページ目が救急搬送別内科系症例・外科系症例の医療・看護必要度該当割合でございます。救急搬送ありは赤色でございますが、灰色のほうと比べまして、内科系症例では重症度、医療・看護必要割合が高くなるということでございます。
 64ページ目も既にお示しした資料でございますが、内科系症例で特にA項目の中で割合が高いもの、呼吸ケア、免疫抑制剤、緊急入院というところが、外科と比較して内科症例で高いAの項目であるということでございます。
 65ページ目にありますとおり、こうしたことから、内科系症例をより評価する、反映できる指標についてワーキンググループで御検討いただいていたわけでございますが、新たな切り口として、医療資源投入量に基づくもの、あるいは疾患名に基づいて評価する、あるいは救急応需、緊急入院など病院としての負荷の高い項目を評価するという考え方があるのではないかということでございました。
 こういった中で、66ページ目は内科学会のほうからの提供資料でございますが、A・C項目に内科系の技術の追加をしてはどうかという御提案がありまして、67ページ目がそれの具体的な追加リスト、シャント設置などの侵襲度の高い処置でありますとか、侵襲性の高い医薬品などの追加によって、一定程度の内科系症例の重症度の反映ができるのではないかという御提案があったところでございます。
 68ページ目、救急搬送からの入院・緊急入院に占める内科系症例の割合ということでございます。救急搬送からの入院・緊急入院の約8割を内科系症例が占めるというデータとなっております。
 69ページ目は救急搬送後の患者の評価に関する経緯と課題ということで、これまでの経緯も含めて整理したものでございます。平成28年改定がございます。こちらは急性期に密度の高い医療を必要とする状態が「重症度、医療・看護必要度」等において適切に評価されるよう、「救急搬送後の患者」が入院から2日間評価されるということになりました。
 令和2年改定におきましては、救急患者の評価を充実する観点から、必要度Ⅰでは「救急搬送後の入院」の評価が5日に延長され、必要度Ⅱでは「緊急に入院を必要とする状態」が新たに評価されるという改定があったところでございます。
 一方、令和6年改定のほう、「救急搬送後の入院」あるいは「緊急に入院を必要とする状態」について、3日以降に医療資源投入量が低下していることから、評価の日数を2日に短くする変更がなされたといったところでございます。令和6年改定の議論の中では、救急入院のA得点の5日の日数の短縮は、内科系の評価が十分検討されていない中で、バランスを欠いた評価体系になるのではないかという可能性、懸念も指摘されていたところでございますが、令和6年改定後に、こういった内科系症例の必要度の該当割合の低下が指摘されているといった状況にあるということかと考えられます。
 こういった救急搬送を重く評価することのメリットとしましては、入院が必要な密度の高い医学管理を要する患者を評価できること。医療機関にとって救急患者を積極的に受け入れることのインセンティブにもつながること。内科患者を受け入れる医療機関への評価が低いと言われておりますが、こういったところの課題が解消できるのではないかということがございます。
 一方で、該当期間を5日とすることについての課題。医学的管理の密度が低くなった患者を、5日間、ずっと入院させたほうが点数は稼げることになってしまいますと、こういった入院日数の延長の誘引となり得るといった懸念があるかと思います。
 こういった経緯と課題がある中で、70ページ目でございますが、重症度の指標の例ということで、例1、例2という形でお示しさせていただいておるところでございますが、評価の日数を改めて5日間、令和6年改定は2にしたところですが、5にするという対応。ただ、今のように、入院期間を延長するインセンティブにつながってしまうのではないかという懸念があるところでございます。
 そういったところを改善する考え方の一例としまして、医療機関や病棟における受入件数そのものを評価する考え方。具体的には、例2のような形で、救急応需件数の病床当たりの件数、あるいは協力医療機関の入所者入院加算の病床当たりの算定回数を活用して、該当患者割合を評価するという考え方、具体的には71ページ目にございますようなイメージ、計算式などを用いた方法によりますと、こういった在院日数を長く延ばしてしまうというインセンティブがなく、救急を評価できるのではないかということで、例2のような形のものもお示ししておるところでございます。
 72ページ目は1床当たりの救急搬送件数の分布ということで、1床当たりの救急搬送という形で見ますと、内科の症例が多い病院のほうが多くなるということでございますので、内科系を中心に診ている病院のほうが高く評価される指標となり得るということで、外科系・内科系のバランスの改善に資するのではないかということで、73ページ目も1床当たりの救急と協力対象入院加算の算定回数を含めた、足し算した回数をお示ししておりますが、このようなデータとなっているということでございます。
 74ページ目、今、申し上げたことの現状・課題をお示ししておりますので、こちらについて御議論いただければと思います。
 説明は以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
 牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
 ありがとうございます。
 私は、74ページの課題というところに沿ってお話ししていきたいと思います。
 まず、課題の1つ目のB得点のほうですけれども、これは意見になります。看護師の業務負担軽減のためには、B項目の評価を見直すことは重要だと思います。急性期一般入院料1における評価は、必要判定を用いてなくて測定のみを行っています。これは看護師の業務軽減のためにも測定の廃止が適当かと考えます。
 あと、入院料2~6においても、B項目の評価は3点が入院時、既にあって、その後、退院まで3点以上が継続するということが分かっている症例もかなりあります。例えば、要介護度の高い患者というのは、そういった日々の測定から外すということも考えていいのではないか。また、7日目以降になるとB得点の変化がなくなるというのも、今回のデータから分かってきていますので、これに関しても日々の測定から外すということも考慮されるのではないかと考えます。
 あと、もともと重症度、医療・看護必要度というのは急性期らしさを求める指標です。B項目は必ずしも急性期らしさを反映するものではなくて、看護量、介護量の評価には結びつく。日々測定する重症度、医療・看護必要度とは別に、こういった看護量を測る指標として、例えば要介護度なども加味した新たな看護量の評価体系をつくるということを考えてもいいのではないかと思います。これが1つ目です。
 2つ目の下のほうの○です。内科系の評価が低いということに関してのお話です。内科系の評価として、救急患者の評価を厚くするという方向性が68ページ~73ページに示されています。救急患者の評価を厚くするという方向性に異論はございません。ただ、厚くするための方法論として、70ページ以降の考え方が示されていますけれども、69ページに戻っていただいて、69ページで示している赤いところです。該当期間を5日間とすることの課題というところ。5日間とすることで入院日数の延長に結びつくのではないかというのがこの記載だと思いますけれども、実際、5日間にしたときに無駄な入院がどの程度発生するのかということに関するデータは、今までどこにも示されていないのではないかと思います。
 今回の改定で変わりましたけれども、それ以前は5日だったわけです。そのときに、例えば6日目に突然、異常な退院がたくさん起きるということが、必要度Ⅱであれば救急医療管理加算を算定している患者に対して、6日目以後の退院が極端に高くなるといった事実がデータとしてあるのであれば納得するのですけれども、そういったデータは示していただいておりません。ぜひともこういったデータも見せていただいた上で、こういったことを検討していただけないかと思います。
 次に、70ページですが、私、よく理解できないのですけれども、例1というのは、評価日数を改めて5日間とするということは、特に真ん中に改善点というのがあるのですけれども、その改善点がどこにあるのかがよく分からないのですが、もうちょっと詳しく御説明していただけないかというふうに思います。
 あと、例2に関しての質問なのですけれども、連続した指数を用いるというようなことが多分出てくるのかなと思うのですけれども、そういった評価の仕方をすると、いろいろな医療機関が取り組むと指数そのものが変わってくるということで、各医療機関の取組が難しくなるのではないかという懸念があるのですが、これはどうかということの質問です。
 もう一つは、例2に関して、各病棟に案分という表現があるのですが、病院ごとに病棟の種類が異なっています。ICUは救命救急病棟というユニット系もあれば、ケアミックスの病院では回復期や療養病棟もあります。これらを加味して、どのような案分を考えているのかというのも質問になります。
 次に、必要度Ⅱにおいては、救急医療管理加算を用いて評価を行ってきましたが、救急搬送応需件数となれば別にデータを取る必要が出てきまして、これまでの必要度Ⅱを用いた考え方とちょっと異なってくるのではないかというふうに思います。
 あと、そういった応需件数を取るとすると新たな業務が発生する懸念と、各病院がリアルタイムに必要度を把握できないという問題が生じるのではないかということを懸念するのですが、この点に関してはいかがでしょうか。質問です。
 次、ちょっと戻って申し訳ないのですが、65ページの表の新たな評価方法により加点というのが3つありますけれども、これに関しては、私はどれも問題があるように思います。1番目に現行のA・C項目の修正というのがありますけれども、今回、内科学会から新たな提案があって、こういったものを加味していくということで、かなり改善がなされるのではないかと考えるところです。故意にこれらの項目を、必要度を満たすために実施するということは考えにくいと思います。ただ、今までC項目などは外来よりも入院で実施するものを特に選んで加えてきたという経緯がありますので、内科学会が示した一覧表がありますけれども、それがそういった基準と合っているのかということは確認することが必要かと思います。
 私からは以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。70ページを中心に何点か御質問があったかと思いますが、事務局、お願いいたします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。
 これの趣旨というか、例2のような提案がなぜあるのかということに関する再度の説明ということでいただいたところかと思います。繰り返しの説明になってしまうかもしれませんが、基本的にはこれまでの改定の経緯を踏まえまして、救急搬送の入院あるいは緊急入院を必要とする状態を5日に戻すというところが、1つ対案として当然考えられるということかと思いますが、繰り返しになりますが、それをしてしまったときの懸念点、今、牧野先生がおっしゃられたとおり、それが本当に入院日数を延ばすインセンティブになるのかどうかというところの検証が必要ではないかということもございました。
 ですので、そこについて、事務局で今、データを示しているわけではないので、その点は御意見として承りたいということかと思っておりますが、もし在院日数を延ばしてしまう懸念があるとすれば、評価の指標の考え方として、医療機関全体の病床当たりの救急受入件数という形で評価すれば、こういった懸念点が回避できるのではないかということで、おっしゃったように、包括期病棟あるいは急性期病棟、もともとどちらでも緊急入院をきちんと受け入れるということの評価は充実させるべきだという御意見もございましたが、そういった観点も重症度、医療・看護必要度の中で評価できるのではないかということで提案させていただいております。
 ただ、それを病院単位の指標という形で見た場合は、どうしてもこれまでと違って、1点、2点のような断続的なものでない形のものが出てきたり、あるいは病棟単位の点数ではないものを案分するといった新たな考え方を導入しなければいけない、あるいは相対的な値を導入しなければいけないということで、予見性が確保しにくいのではないかという御意見がございましたが、それはそのとおりだと思います。そういった総合的なメリット、デメリットも踏まえて、どういった指標がいいのかということをこちらの場で御議論いただきたいということですので、今、牧野委員がおっしゃったことはごもっともでございますので、こういった様々な立場から御意見いただいて検討を深めていきたいというところでございます。
 以上です。
○尾形分科会長
 牧野委員、よろしいでしょうか。
○牧野委員
 分かりました。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、秋山委員、どうぞ。
○秋山委員
 ありがとうございます。
 私からもB得点に関する論点について2点ほど意見を申し上げます。
 まず、A得点とB得点の変化の関係について、今回、55ページ~58ページにかけて詳細な分析をいただき、ありがとうございます。これらの結果を見ますと、A得点が変化するとともにB得点も変化するという様子がよく分かりました。A得点が下がれば、おおむねB得点も下がるということが見てとれますが、例えば55ページの手術後6日目までの患者においては、A得点が下がっているのにB得点が上がるということも見てとれます。
 これはB項目が患者の状態だけではなく、介助の実施の有無を掛け合わせて評価しているためで、例えば車椅子への移乗では、手術直後で離床がまだ許可されていない状態であれば移乗そのものが発生しないので、状態としては全介助2点であっても介助なしとなり、2掛ける0で0点となります。その後順調に経過して離床が許可されると、移乗は1点もしくは2点と、一旦点数が上がります。そこから自立に従って下がっていくことになります。
 食事摂取も同様で、食事が始まるまでは介助もないため0点、食事が始まれば介助に応じて1点もしくは2点と一旦点数が上がり、その後下がっていくことが考えられます。つまり、手術直後にはA得点が下がっても、B得点は逆に一旦上がることもあり得るということが、今回の分析結果からも示されたように思います。
 また、A得点の改善とB得点の改善にはタイムラグがありますので、A得点が下がっても、同じ日にすぐにはB得点が変わらないことや、A得点が下がった後、その後、A得点が変わらず推移しても、それに遅れてB得点が下がってくるということは十分に起こり得ます。A得点の低下とB得点の低下のタイムラグが小さければ小さいほど、手術後の看護やリハビリの効果が高いということも予測されますので、それによって急性期における医療や看護のアウトカムを評価できる可能性が示唆されたと考察いたします。
 そもそもモニタリング・処置の実施を示すA項目と、患者の状態と介助の有無を掛け合わせたB項目は、ある程度連動しているとはいえ、別のものを測定していますので、こうした関連性の分析ができるのもB項目を評価しているからこそであって、B項目の評価は今後も外せないと考えます。
 先ほど診療情報・指標等作業グループからの最終報告では、B項目は要介護度と相関する傾向が見られるといった記載がありましたが、必ずしも相関関係があるというわけではないと考えます。59ページの囲みにも示されているように、要介護度が高いと、当然、B得点も高くなるわけですが、これはあくまで高齢者が多く急性期に入院しているために、要介護度とB得点とが似たような動きを示す傾向があるということですので、今後、高齢者救急を包括期、すなわち「治し支える」医療機関のほうに移動して急性期と包括期の機能分化が進んだ場合には、治す医療機関に残った、いわゆる急性期の患者像では、要介護とB得点とが違った動きになる可能性もあると考えます。
 そう考えると、機能分化を図った結果として、意図したとおりに患者の移動ができているかどうかを、こうした項目によって、その変化を把握して評価する必要性も出てくるのではないかと思います。そうした観点からもB項目を継続的に測定し、データ分析を進めていくことが大切ではないかと考えます。
 また、今回出されている内科系症例の適切な評価についても、いずれの方法を取るにせよ、新たな評価指標に基づく基準の妥当性を評価する上で、新規に該当した患者のB得点の動向からも検証すべきだと思いますので、その観点からもB項目の評価は今後も継続すべきだと考えます。
 それと、もう一点は評価すべき時期や頻度についてですが、病棟看護師の立場からすると、その日の受け持ち患者のうち、今日、誰が測定対象で、誰が測定不要なのかといったことを確認する作業が増えることになるので、かえって業務が煩雑になり負担が大きくなったり、測定忘れが頻発したりといったことにもつながりかねないと思います。B項目の測定自体はさほど時間がかからないと思いますので、現行どおり、1日に1回の測定が妥当だと考えます。
 先ほど牧野委員からもご発言がありましたが、評価の負担については、8月28日の分科会の資料2の159ページ「記録や書類作成等の業務で簡素化の必要性があるもの」というところを見ても、必要度の評価・記録よりも、むしろDPCの様式1の作成や計画書作成など、様々な書類作成の負担が上回っており、それらと比べて必要度の評価が特段に手間であるということではないように思います。
 今回の資料45ページを見ても、評価の負担よりも、むしろ記録忘れの確認や研修に手間がかかっているようにうかがえます。研修については、令和2年改定でかなり簡素化されていますが、その点について、まだ十分に現場に理解が浸透していない可能性がありますので、引き続き周知していくことも必要だと考えます。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
 ありがとうございます。
 私も同じく48ページから53ページにかけまして、急性期一般入院料1以外では、今後も増え続ける高齢者急性期を担う必要性がございますので、療養上の世話の負担、あるいは看護の介護的なケアの部分は、看護必要度としてB項目で評価は引き続き必要というふうに思います。もしB項目をなくすのであれば、それに代わる指標が何かしら必要かと思うところです。
 また、そのB項目に関しまして、ある程度経過すると、もう変化がないというデータもお示しいただきましたので、それをひたすら記録し続けることはあまり意味がないと思われますので、記録の負担を軽減する意味では、入院後、特定の日数が経過した以降は、同じB得点での評価で計算してもよいのではないかと思うところです。
 あと、71ページから73ページにかけまして、内科系の評価について、救急搬送件数や協力対象施設入所者入院加算の算定回数で、ある程度評価ができるということをお示しいただきました。こういった評価の仕組みは、仕組みとして妥当だと思いますので、さらに検討を進めていただければと思います。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、林田委員、どうぞ。
○林田委員
 ありがとうございます。
 私からは2点、発言させていただきます。
 1点目はB項目についてです。74ページの課題の1つ目に記載があるように、B項目の動きについては様々なパターンがあるのだなということを改めて認識しました。具体的には、介護度とか手術の有無などによって影響を受けていますし、必ずしもA項目と連動した動きにはなっていないということです。日々変動がある部分も必ずあるということですし、したがって、それを踏まえて患者さんのケア業務量把握、先ほど津留委員もおっしゃっていましたけれども、そういう観点からも、B項目あるいはB項目的なデータを取る意義はあるけれども、現場の負担をどう軽減するかという観点から、頻度等をどうするかということになるのかなと思います。
 ただ、頻度については、秋山委員がおっしゃったように、もしこれら様々なパターンに対応するように頻度を変えるといった運用をしようとすると、現場は混乱するのではないかなと思いました。
 それから、2点目は、71ページ目の内科系症例というか、手術のない症例に対する重症度、医療・看護必要度の見直しに関する例2についてです。細かい話で申し訳ないのですけれども、ここで一定の係数を乗ずるというのがございます。この値というのは、現時点でいろいろと流動的かと思いますが、事前に提示されるという想定なのかどうかということを事務局に御質問したいと思っています。というのも、恐らくこの値というのは、分布を見ながら係数の値が決まっていくのだと思いますけれども、例えば前年度分の分布に基づいて値が提示されるようなやり方でないと、医療機関におけるマネジメントにおいて不確実性が高くなると思いましたので、御質問させていただきました。
 以上です。
○尾形分科会長
 後段は御質問ですので、71ページの一定の係数につきまして、事務局の説明をお願いします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。
 あくまで考え方としてお示ししているものでございまして、もしさらに具体的に検討を進めるとなれば、当然、もっといろいろなシミュレーションもお示ししながら御検討いただくということになると思います。あらかじめ定まるものなのか、だんだん変わっていくものなのかどうか、こういった具体的な設計は予断を持っているものではございませんが、あくまでこういった考え方のイメージを御議論いただいているという段階でございます。
 以上です。
○尾形分科会長
 よろしいでしょうか。
○林田委員
 ありがとうございます。
○尾形分科会長
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。それでは、ほかに特に御意見、御質問がなければ、本件は以上としたいと思います。
 それでは、5つ目の議題に進みます。「働き方・タスクシフト/シェア(その3)」でございます。これもまず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。
 75ページ目以降、働き方・タスクシフト/シェア(その3)でございます。
 76、看護職員の働き方についてでございます。
 77ページ目、中間まとめの抜粋でございます。今後の検討の方向性として、ICT活用等に関して、令和7年度調査の結果等も踏まえて、さらに検討を進めるということでございました。
 78ページ目は看護職員の推移、既に総会でお示ししているデータでございます。
 79ページ目、就業別の看護職員の推移となっております。
 80ページ目も既にお示ししたものでございます。
 81ページ目、看護師及び准看護師の有効求人倍率は2.12となっておりまして、看護師の不足傾向があるというデータでございます。
 82ページ目、看護職員の離職理由でございます。これは前回、看護職員がほかの職場に流れているのではないかという御指摘もありまして、お出ししているデータでございますが、ナースセンター登録者の離職理由として「看護職の他の職場への興味」が上位を占めておりまして、「看護職以外の他の職場への興味」が第10位以下となっている状況でございます。
 83ページ目が入院料の施設基準を満たす看護職員の配置を行うに当たり、困難と感じることについて、「大いに感じる」、「感じる」が8割でございます。
 84ページ目、シフトの組み方について、3交代から変則2交代、いずれも「組みにくくなった」という回答が3割となっております。
 85ページ目、夜勤の回数について、「増えた」が2~3割となっている状況。
 86ページ目、看護職員の負担軽減、処遇の改善に関わる具体的な取組としまして、「妊娠・子育て中、介護中の看護職員に対する配慮」が84%で多いというような令和7年の調査結果でございます。
 87ページ目は出生動向基本調査でございますが、約7割が第1子出産後も就業を継続しているといった全体の実態がございます。
 88ページ目に両立支援制度の中での規定がございます。
 89ページ目は看護職員のうちの短時間勤務または夜勤免除者の数ということで、令和6年の調査結果、既にお示ししておるものでございますが、こういったデータとなっております。
 90ページ目が看護職員の負担軽減と処遇改善の具体的な取組、令和7年度の調査結果でありますが、夜勤手当の見直しが15%ということでございますので、ほかの対応に比べて夜勤手当については低いという状況であります。
 91ページ目、看護職員の賃金に関する実態調査でございますが、こちらを見ますと、看護職員の夜勤手当の額、2010年代に入ってからほとんど上がっていない。また、9割以上の病院で深夜帯の割増賃金分と夜勤手当を支給している一方で、深夜の割増賃金のみを支給している病院も4.4%あるという実態となっておりました。
 92ページ目、最近3年以内に実施した看護職員の夜勤者の確保策、こちらも夜勤手当の増額は12.4%という結果となっておりました。
 93ページ目、28年の診療報酬改定、看護職員夜間配置加算が新設されまして、看護職員・看護補助者の夜間配置の評価の充実がございました。また、看護職員の夜間の負担軽減策の取組も評価しているところでございます。
 94ページ目、令和4年改定の評価の見直しの概要であります。
 95ページ目、看護職員の夜間加算のほうでは、病院勤務医及び看護職員の負担軽減、処遇改善に関する体制が整備されていることが算定要件となっておりまして、届出施設数、算定回数が伸びている状況がございます。
 96ページ目は平成30年改定で新設されたものでございます。小規模の病院における夜間救急外来の対応ということで、夜間看護体制特定日減算というものがございます。こちらのほうは小規模の病院の救急外来体制の確保という観点で、病床の小さい規模の場合、一時的に病棟の看護師が夜間救急外来に対応したことにより看護体制が満たせなくなった場合は、入院基本料を減算して評価するといった形の新設がされたということでございます。
 97ページ目が中小病院の夜間の勤務体制、事例2のところで、120床の病院で子育てのために夜勤ができない看護師が増えていて、2名の配置でよければ夜勤がもう少し組みやすくなるといった意見もあるという状況でございます。
 98ページ目が雇用の仲介業者の対応の状況で、既にこれもお示ししておるものでございます。
 99ページ目も既にお示ししておるものでございます。
 100ページ目、認定事業者を認定して、101ページ目、見える化するといった労働部局における雇用の仲介業者に関する施策の状況でございます。
 102ページ目が令和7年調査で、こうした有料の求人サービスを利用している医療機関の状況を調べておりますが、有料の求人サービスを利用している医療機関は66.9%、そのうち認定事業者を利用している医療機関は42.6%、認定事業者とそうでない事業者、どちらも利用している医療機関は42.5%、利用していない医療機関は14.9%という実態でございまして、こちらは令和7年調査の結果でございます。
 103ページ目、無料の職業紹介としてナースセンターの仕組みもございます。
 104ページ目、現状を踏まえまして、記載されている論点についての御検討をいただきたいと思っております。
 3-2がICTの活用について。
 106ページ目、令和6年改定で、看護業務の負担軽減に資する業務管理のうち、ICT、AI、IoT等の業務負担軽減に取り組むことが望ましいという改定がございます。
 107ページ目、こちらも既にお示ししておるものでございますが、令和6年のICTによる業務効率化の補正予算の事業がございます。
 108ページ目、ICTの活用状況。「活用している」は72.9%という状況であります。令和7年の調査結果で、病棟別の状況であります。
 109ページ目、ICTを活用した業務の見直しについて、最も多いのがビデオ形式の会議、あるいは勤怠管理のICT化、紹介状や診断書の入院ソフトの活用、遠隔画像診断の実施といったところが進められているというデータでございます。
 また、右側、特に有効だったもの上位3つを選んでくださいという形の調査結果につきましても、同様の結果となっている状況でございます。
 110ページ目が入院料別に見たICTの活用状況の調査結果であります。こちらのほうも御参照いただければと思います。
 111ページ目、特定機能病院において、「音声入力システムの活用」が特に進んでいるという調査結果であります。
 112ページ目、ICTを活用している医療機関は、看護記録の負担軽減が進んでいるという状況であります。
 113ページ目は事例としての音声入力、あるいは114ページ目、バイタルサインの自動入力といった事例があります。
 115ページ目から看護業務の効率化の主な例として、調査事業のほうから得られた成果をまとめたものでございます。看護業務の効率化の例として、何分ぐらい効率化、改善できたのかということ、入院、情報共有、診察・治療など、115~118ページ目にかけまして、どういったシステムでどういったところが効率化できるのかということの調査結果の例をお示ししておりますので、御参照いただければと思います。
 120ページ目はICTの活用継続に関する課題ということで、令和7年の調査結果であります。ICTの維持・管理コストがかかること。また、使いこなせない職員がいること。ICTの導入に当たって教育や人材育成に時間がかかるというところが継続活用の課題ということで、調査結果が上げられております。
 以上を踏まえて、こういった現状をどのように評価するのか御検討いただければと思います。
 最後、特定行為研修、タスクシフト/シェアについてであります。
 123、特定行為研修についての制度。
 124~127も令和7年9月時点の特定行為研修に係る状況をお示ししております。
 128ページ目、前回御質問いただきました領域別パッケージの特定行為研修の指定研修機関数の推移及び修了者数の推移ということでございます。令和7年9月時点で指定研修機関は277機関、修了者は2765人という状況であります。
 また、129ページ目、就業状況は、病院が85.9%、訪問看護ステーションが6.2%であります。
 130ページ目、特定行為研修修了者の就業状況、都道府県別の状況であります。
 131ページ目が令和6年改定の専従要件の明確化の改定の概要でありますが、132ページ目も既にお示ししているものでございますが、専門的な知見を有する者が、介護施設の求めに応じて助言を行う業務、これが専従業務に含まれるということで、67.2%が感染対策向上加算などに関わっているということであります。
 134ページ目が令和6年の看護補助者に関する見直し。
 135ページ目も同様でございますが、136ページ目は令和7年度の調査で、看護補助者の定着のための取組の状況、こちらは令和6年度に引き続いての調査でありますが、マニュアルの整備、あるいは看護補助者の研修の充実といった取組が特に多い状況でありました。
 137ページ目、看護補助体制充実加算を算定している場合の「直接患者に対し療養生活上の世話を行う看護補助者」の人数は「20人以上」が36.2%で、多くの人数を配置していた状況であります。
 138ページ目、看護職員の負担軽減の具体的な取組について、「他職種との業務分担」あるいは「看護補助者の配置・増員」が71.5%で、多いという状況であります。
 139ページ目が病棟業務のタスクシフト/シェアの状況。「とてもよく進んでいる」が1.6%、「進んでいる」が32.9%ということでございます。「とてもよく進んでいる」」進んでいる」と回答した機関のうち、どういった工夫をしているのかということですが、看護管理者を中心に業務を見直しているのが69.1%、各職種の代表者が集まり整理・見直しをしているが63.1%という状況でありました。
 以上を踏まえまして、こういった特定行為研修修了者が果たす役割、あるいはタスクシフト/シェアの現状についての御評価をいただきたいと考えております。
 説明は以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
 河嶋委員、どうぞ。
○河嶋委員
 ありがとうございます。
 91ページに夜勤手当(夜勤1回当たり)の推移のグラフがございますが、私が勤めている病院においても、夜勤手当を上げたくても財源がないというふうな実態がございます。一方で、この夜勤者の確保というのは非常に喫緊の課題となっておりまして、交代制勤務のシフトが組みづらいという先ほどの実態調査の結果も当てはまっているなと感じているところです。
 当院1病院だけのデータで恐縮なのですけれども、育児に関しての短時間制度を活用している看護職員が、2022年4月では0.3%ぐらいだったのが、2025年6月時点では2.6%まで上がってきております。こういった育児短時間制度に関する権利を守りつつも、夜勤者の確保というのは必ず必要なことでございますが、夜勤回数を3交代でしたら月10回以上、2交代でしたら月5回以上やっている看護職員の割合というのは、3年前は50%台だったものが今は66%程度まで上がってきております。
 ですので、育児をしている人だけではなくて、夜勤になかなか入ることができない新人看護職員のカバーをしているような、一定数のベテランの看護職員の夜勤負担というのが非常に多いものですので、夜勤手当、インセンティブに何かダイレクトにつながるような仕組みの構築というのが非常に重要なのではないかなと考えております。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、眞庭委員、どうぞ。
○眞庭委員
 ありがとうございます。
 私からは特定行為研修についてですけれども、我々の病院でも特定行為研修を修了されて、その実務に当たっておられる看護師さんは徐々に増えてきております。病院としましては、タスクシフト/シェアの観点から非常に効果が出ている、感謝しているところでありますけれども、その一方で、その当該の看護師さんについてなのですけれども、もちろんそういった行為を実施できるやりがい、使命感等によって活躍されているわけですが、あくまでも限時点では看護部内の1吏員というというような立ち位置。つまり、地位とキャリア、今後の職位としてのプロモーションなどを考えたときの具体的なキャリアプランというのが確立していないというのが実際のところかと思います。
 そこには、そういった研修を終えて、持っておられる方々のインセンティブという部分が明確に示されて、もちろん、各施設内ではある程度のインセンティブというのが与えられたりしているのでしょうけれども、こういった研修を終えた方、資格を持たれた方というのが広く評価を受けるような、社会的な行政における仕組みづくりというのをぜひとも考えていただきたいと思います。
 それから、さらに言えば、これからの話になっていくのでしょうけれども、例えばナース・プラクティショナー、これは今、大学によっては大学院を設置して学位を与えるというような仕組みは出てきております。我々の大学でも設置していこうという動きもあるのですけれども、これにつきましても、学位を取って、具体的に医療の現場でどんな地位を持って、インセンティブを持って仕事をしていけるのかというのが必ずしも明確でない。
 例えば、欧米型のフィジシャン・アシスタントというような仕組みも、我々、病院としては視野に入れているのですけれども、それを具体的に進めていく枠組みというものが行政的に確立されていない。確立は無理でしょうけれども、そういった議論が必ずしもまだまだ進んでいないというような状況もあると思いますので、ぜひとも本当の意味で特に看護業務についてタスクシフト/シェアを進めていくのであれば、こういった路線をさらに進めていく必要があるのではないかと思っております。
 私からは以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、秋山委員、どうぞ。
○秋山委員
 ありがとうございます。
 私からも3点、意見を申し上げます。
 まず、3-1の看護職員の働き方についてです。資料冒頭でも看護職員の確保状況が示されていますが、今後、さらに少子化の進行、生産年齢人口の減少が見込まれる中で、看護職員の確保と働き続けられる環境整備の推進は喫緊の課題だと考えています。82ページのデータを見ますと、先ほどご説明もあったように、20代から30代の若年層において、黄色囲みにあるように、「看護職以外の他の職場への興味」というのが退職理由として一定程度上げられており、順位も11位から15位と、決して無視できない状況があります。処遇改善が進まない中で、看護職の他産業への流出も現実的な問題として捉える必要があると考えます。
 また、資料の90ページ、92ページを見ますと、夜勤免除者の配置などによって、子育てや介護を担う職員への配慮が進んでいることがうかがえる一方、夜勤が可能な職員の確保や負担軽減が課題となっています。資料91ページによりますと、夜勤手当は過去20年ほど増加が見られておりません。割増賃金分のみの支給としている病院も4.4%存在するといった状況がございます。夜勤者の確保に向けて、先ほど河嶋委員からもご発言がありましたように、夜勤手当の引上げが必要だと考えます。
 それから、夜間看護体制特定日減算については、資料97ページに救急外来の応援に関する3つの事例のご意見というものが記載されていますが、救急医療に対応する以上、救急外来に人員を確保するのが本来のあり方だと思います。その上で、救急患者の対応がない時間帯には、逆に救急外来のスタッフが病棟に応援に入るといったような運営もあると思います。しかしその逆、すなわち、もともと人員体制が手薄である夜間に、病棟の職員が病棟を離れることについては、入院患者へのケア提供の面で、安全性や質の担保が懸念されるので、軽々に判断しかねる問題だと考えます。
 この減算については、もともと人数が少ない小規模の病院に限定して、年に6日までという特例的なものと考えていますが、地域において夜間の救急体制が足りているのか、病棟の患者の状況がどうなっているのか等の情報がない中で、拡大の必要性があるかどうかというような現状評価はできないと考えます。
 続いて、2つ目、3-2の看護職員のICT活用についてですが、看護業務におけるICT機器活用については、108ページを見ますと多くの医療機関で活用が進んでいるように見えますが、110ページ、111ページにかけて、その内容を細かく見ると、ビデオ会議や勤怠管理等が比較的多く取り組まれている一方、実際に病棟で看護を提供する際や記録の際に活用されるようなもの、例えば音声入力や搬送用ロボットのような取組については、算定している入院料によっては導入率にかなり差があると思われます。また、112ページの看護職員の記録に関する負担軽減の取組を見ても、カルテ間の自動転記やバイタルサインの自動入力といった取組は2~3割に留まっているような現状です。
 ですので、現状の評価としては、看護業務の質の向上や効率化に実際につながるICT機器活用が広く普及しているとは言えない状況だと思います。好事例が幾つか紹介されていますが、それぞれ各医療機関の実際の医療・看護業務の状況に応じて、看護の充実や質の向上のために、ICT機器をどう活用するかをよく検討した上で導入されているように思います。病院の看護の状況がよく分かっている看護管理者がキーパーソンとなり、このような取組を、ぜひ各医療機関で進めていくとよいと思います。情報共有や記録等の効率化の取組が業務全体の効率化や省力化にどの程度つながるのかについては、慎重に検証していく必要があると思います。
 最後に、3-3.特定行為研修・タスクシフト/シェアについてですが、資料132ページを見ると、専門的な知見を有する者が、介護保険施設等からの求めに応じて助言に係る業務を行っているのが約7割に上っています。133ページの右側の表の支援内容を見ると、感染、皮膚・排泄や緩和ケアだけでなく、認知症・せん妄への対応や摂食・嚥下障害など、様々な分野の専門性の高い人材が支援を実施しています。令和6年改定で専従要件が明確化された感染対策、緩和ケア、褥瘡の加算に関するチームの職員だけでなく、他の加算の専従要件についても同様に見直していってもよいと考えます。
 また、看護補助者については看護チームの一員であり、看護職員と看護補助者はパートナーとして協働しています。近年は看護補助体制充実加算等の改定を受け、働きやすい環境整備に向けて、研修の充実や業務マニュアルの整備等、各施設で取組が進んでいることが資料138ページでも示されています。この中で、看護職員同様、給与の見直しが38.3%、夜勤手当の見直しが15.0%と、比較的下位に来ていることが気になります。処遇改善は、よりタスクシフト/シェアを進める上でも重要な点だと考えます。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
 ありがとうございます。
 私もこの3つのジャンルに関して、それぞれ意見を申し上げたいと思います。
 まず、91ページに夜勤手当の資料をつけていただいておりますが、これを見ますと、診療報酬がインフレ・物価高にスライドして上がっていない以上、夜勤手当を十分に出すこともままならない状況であるということは見てとれると思います。次回改定で賃上げ・ベースアップの財源確保はもちろん重要なのですが、このように夜勤手当など、きちんと入院基本料に財源をつけていただく必要があるというふうに考えるところです。
 あと、98ページ以降、仲介会社・紹介会社の資料をつけていただきました。国として業者の認定制度をつくりましたということで、安心ですねという意味合いかと思いますけれども、確かに手数料などはきちんと明示していただいていますが、この紹介料、看護師の年俸の20%から、最近では25%というのもありますけれども、果たしてこれが妥当なのかどうか。認定業者だから安いというわけでは決してございません。
 100ページにございますけれども、早期離職者、退職後6か月以内は返戻金を設けているというのがございますが、これも全額ではございません。1か月でも勤めますと50%とか、3か月で30%とか、業者によってまちまちです。例えば、業者を通じて採用した職員が早期に1か月以内に病欠になりまして、最近ではオンライン診療で適応障害の診断書を簡単にPDFでもらえる時代ですから、それを提出して、そのまま病欠に入って、6か月以降に退職した場合には違約金・返戻金はなしということで、これは合法ということになります。
 職員の賃上げ・ベースアップに関しましては、診療報酬でカバーされましても、この紹介料も人件費だと思いますけれども、これは対象外になりますので、全て病院が負担しております。年間1病院当たり数千万円規模が、この周辺産業にお金が流出しているというのは非常に大きな問題だと思いますので、この認定制度もありがたいのですが、病院団体・医療団体と一緒に、国としてこの人材確保の仕組みをぜひ検討していただければと思うところです。
 あと、看護師のICT活用につきまして、106ページ以降、資料をありがとうございました。120ページにICTの課題の資料をまとめていただいていますが、ここを見ますと、ICTの維持・管理等のメンテナンスコストがかかるというのが82.2%。それ以降、その下の教育・人材育成、これはコストのかかる話ですし、使いこなせていないというのも教育・人材育成が必要ということで、これもコストのかかる話ですし、運営変更、事務負担も人が必要ということで、全てコストがかかる話ばかりなのですね。7番目には人材育成のコストがかかるとはっきり書かれていますけれども、これも42.3%。
 いろいろなICTの取組で導入コストがどれぐらいかかるのかということにつきましては、まずは機器の購入費用、そして導入時の研修コスト、あとは維持・メンテナンスのコスト、保守・点検費用とかを含めますと、これを今後、診療報酬の仕組みで何らか評価するにしましても、そもそもICTにどれぐらいお金がかかっているのかというコストの把握はぜひお願いしたいと思います。今後の議論で必要かと思います。
 最後ですが、特定行為・タスクシフト、134ページに看護補助体制充実加算1の算定基準の資料の中で、(1)のイですけれども、前回改定で「介護福祉士の資格を有する者又は看護補助者として3年以上の勤務経験を有し適切な研修を」という、ここで初めて前回改定で介護福祉士というものが明らかに明示されたわけですけれども、これは質問でございますけれども、介護福祉士の配置の状況などといったデータは今後出てくるのかどうか、ちょっと教えていただければと思います。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 最後の点は御質問ですが、事務局、お願いします。
○平野医療課長補佐
 質問ありがとうございます。事務局でございます。
 今回お出ししております137ページが令和6年度に調査した結果になっておりまして、現状はこちらの調査で御報告というところでさせていただきたいと考えておりました。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。
 ちょっと後の議題ですが、183ページ目で入院料ごとの病棟の職員数の令和7年の調査結果があり、この中に看護補助者の数と、うち介護福祉士の数というふうにありますので、こちらが最新の値でお示しできるものになります。
○津留委員
 ありがとうございます。
○尾形分科会長
 よろしいですか。ありがとうございました。
 それでは、牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
 ありがとうございます。
 私は1点、140ページの特定看護師に関する件です。これは眞庭委員とちょっと重なる点もあるのですけれども、特定看護師、特にパッケージ研修を行うようになって、タスクシフトにも大いに貢献しているというふうに見ることができます。ただ、特定看護師の身分保証という点では、まだまだ各医療機関の対応が一定でないというところがあります。特定看護師の専門性を発揮してもらうためには、通常の看護師とは別の勤務形態を取ることも場合によっては必要です。例えば、術中麻酔補助の業務を行うという特定看護師は、通常の手術室配置の看護師とは全く違った業務を行うことになります。これに対する診療報酬上の評価は、現在はありません。今後は、特定看護師の身分保証というような観点からも、特定看護師業務に対する評価を何らかの格好で考えてもいいのではないかと思います。これは意見です。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、鳥海委員、どうぞ。
○鳥海委員
 ありがとうございます。
 特定行為研修についてでございますけれども、できるだけ多くの項目について簡単に受けられるような環境をつくっていっていただけることが必要だと思います。125ページに、その特定行為研修を行う医療機関が都道府県別で出ていますが、当然のことながら大都市圏の件数が多いわけであります。質問なのですけれども、e-ラーニングも大丈夫だと書いてあるから、隣の県から受けようと思えば、もっと地方の皆さんも受けられるのですね。受けられるようにしないといけないなと思うのが1点。
 それから、研修会のクオリティーを保証するみたいなシステムというのは何かあるのでしょうかというのが2点目であります。
 以上です。
○尾形分科会長
 2点御質問ですが、事務局、お願いします。
○平野医療課長補佐
 御質問ありがとうございます。事務局でございます。
 まず、1点目の御質問、125ページですけれども、こちらの指定研修機関は所在地の都道府県になりますので、ほかの都道府県から来ていただくのは全く構わないという環境になっております。
 また、2つ目に御質問いただきました研修の部分なのですけれども、こちらが特定行為がより進むようにというところで、訪問看護ステーションでの推進等も進めております。例えば、特定行為実施体制推進事業といったところでは、訪問看護ステーションの看護師等が働きながらゆっくり学べる長期型の研修プランとか、身近な地域等で実習ができるような実習場所の調整等も行っておりまして、そのような取組を進めながら研修修了者が増えるようにという取組を進めているところとなります。
 以上となります。
○鳥海委員
 ありがとうございます。
○尾形分科会長
 よろしいですか。
 それでは、田宮委員、どうぞ。
○田宮委員
 ありがとうございます。
 私は2件で、1つは92ページにある夜勤専従の導入がすごく多いという点がちょっと気になっていまして、これは夜間を充実するより、加算すると夜間専従の方が随分増えていくのかと思われますと、労働安全衛生の観点からいうと、夜間専従の方の健康管理とか、その辺の目配りも何か必要ではないかなとちょっと感じました。今あるのか、よく分からないのですけれども、夜間専従だけが増えていくことについて、そういう懸念が少しありますというコメントです。
 それから、先ほど介護福祉士の話がちょっと出まして、私も134辺りを見せていただいて、介護福祉士が定義されたのはすごく大きいことだったと思うのですけれども、この辺の文書は介護福祉士の数については載っていないので、今度説明していただくということで183の話が先ほど出ましたが、介護福祉士がどのように現状なっているのか。介護の専門家が配置でちゃんと認められたことは大きいと思うのですけれども、あまり今日出ていなかったので、その辺が気になったところでした。
 以上の2点です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでしょうか。
 井川委員、どうぞ。
○井川委員
 ありがとうございます。
 私は、特定行為研修について御質問させていただきます。日本慢性期医療協会は、既に350名程度の特定行為研修修了者を輩出しておりますので、その辺の部分は非常に気になるところでございまして、125ページから6ページかけて特定行為研修修了者の現状についての資料、130ページが修了者の就業場所のほとんどが病院であるということが示されております。特定行為研修の制度の趣旨というものは、そもそも発足時は、2025年に向けてさらなる在宅医療の推進を図っていくためという大上段の構えがあったわけでございます。だから、在宅医療を推進していくというところがあったわけですけれども、2025年となった現在、そこのところが変わっているかといいますと、実は2025年に向けてという文言が消えただけで、在宅医療の推進を図っていくということが厚労省のホームページには書かれています。
 ここで、特定行為研修が「3.働き方・タスクシフト/シェア」の項目に入っていますけれども、例えば静脈注射というのが平成14年に医師の指示の下、看護師さんが実施してもいいという行為になったような形の、医師の行為を肩代わりするような、いわゆるミニドクターをつくるような趣旨では本来なかったと考えていますし、そうなってよいかと言われると、この点では疑念を感じるということになります。特に、特定看護師の病棟配置等に加算がつくのは非常に歓迎して、それが増えていくことにつながると思うのですけれども、そのために病棟という単位に縛られ過ぎて、さらにタスクシフトという大上段の言葉によって、結局、ミニドクターになってしまうということは、これは避けなければならない。本来の目的から逸脱しているのではないかと考えています。
 例えば、感染の認定看護師さんが病棟をまたいで活躍できるような、ICTみたいなものを行えるように感染対策室みたいな形でつくられて、そうしたところで活躍してもらえるような形で、例えば特定看護師も病棟をまたいで活躍したり、場合によっては地域に出て活躍するようなことに関する何がしかのインセンティブがつけばいいのかなと考えています。また分科会マターから外れたというふうになってしまって、申し訳ないですけれども、これは1つの意見でございます。基本的に厚労省のお考えとしては、急性期病院のミニドクターをつくりたいということではないだろうと思うのですけれども、もし御意見がございましたらお教えいただきたいなと思います。
○尾形分科会長
 これは事務局、お願いします。
○平野医療課長補佐
 御意見ありがとうございます。
 まず、今、冒頭でいただきました在宅に向けてというところがございましたけれども、御指摘のとおり、特定行為研修制度は、さらなる在宅医療等の推進を図っていくためにというところで、手順書により一定の診療の補助を行う看護師を養成し、確保することを目的に創設されたという制度になっております。ただ、在宅の部分で、先ほど申し上げましたけれども、訪問看護ステーションで研修に人をなかなか出しにくいというところのお声もいただいておりますので、先ほどのような特定行為実施体制推進事業といったところで訪問看護への広がりを進めているというところもございます。
 また、御質問いただきました、今回の資料のように、病院で働く特定行為研修修了者が多いというところで、医師の働き方改革の影響で医師から看護職へのタスクシフト/シェアを進める上で、研修に出しやすい、比較的大きな組織である病院で活躍する看護師が増えているという現状は承知しております。また、今後、在宅医療の需要が増えていく中で、在宅・介護分野での活躍を一層進めていく必要があると思っておりますので、例えば今回、133ページに出しておりますような活躍を現状されているというところを把握しておりますので、後方支援協力医療機関としての連携の可能性も1つとして考えておりますので、そういったところについても引き続き考えたいと思っております。
 御意見ありがとうございました。以上です。
○尾形分科会長
 よろしいでしょうか。
 ほかはいかがでしょう。よろしいですか。
 それでは、ほかに特に御意見、御質問がなければ、本件は以上としたいと思います。
 もうほとんど予定した時間になっておりますけれども、少し時間を延長させていただきまして、引き続きお付き合いいただければと思います。6つ目の議題でございます。「病棟における多職種でのケア(その2)」でございますが、これも事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。
 141ページ目以降になります。まず、リハビリテーション・栄養・口腔加算に関して、143ページ目、中間とりまとめの抜粋がございます。
 144ページ目、令和6年改定の抜粋でございます。
 145ページ目、DPCデータによる集計。こちらのほう、中間とりまとめの段階におきまして、リハビリテーション・栄養・口腔加算がADLのアウトカムにどのような影響が出たのかについて、出ていない、そういうデータはちょっと違うのではないかということで、さらなる分析が必要という御意見がございました。それに関連しまして、さらに詳しく分析しているものでございまして、DPCデータの分析によりますと、退院時にADLが特に大きく改善した患者の割合というのは、加算の算定ありのほうが多いというようなデータでございます。
 146ページ目、ADLが低下した患者はどういう患者が多いかという患者像、要介護度・年齢が高い患者が多いという傾向がございました。
 147ページ目、急性期一般病棟におけるADL低下の割合。左側のほうは8月1日の定例報告のデータを用いて、加算ありのほうのADLの低下割合のデータ、右側の青色のほうはDPCデータを用いてということで、ソースがちょっと違うのですが、加算ありと加算なしでADLの低下の割合がどうなっているかということの分布のデータをお示ししております。
 148ページ目、リハビリの介入状況ということで、介入があった上でアウトカムはどうなっているのかということを併せて分析すべきという御指摘がございました。それに関連しまして、リハビリの介入状況、赤色は算定あり、青色は算定なしということで比較しまして、介入の状況が多いというデータがございます。
 149ページ目、休日などのリハビリテーション、赤色と青色、算定ありとなしで比較しまして、休日のリハビリテーションも多いというデータがございます。
 150ページ目が地域包括医療病棟のほうで、リハビリテーション・栄養・口腔連携加算の同じ集計を152からずっとしております。こちらのほうのデータも同じような傾向となっておりますが、御参照いただければと思います。
 157ページ目がリハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算のうちの、疾患別リハビリテーションの対象とならない患者についても、ADL維持、向上を目的とした指導を行うこととなっておりますが、そういったことに関連した結果でございます。
 158は令和6年調査結果ということで、算定していない病棟と比較して、算定している病棟は、療法士が生活機能の回復、栄養・口腔状態に関与している割合が高いというデータであります。
 159ページ目は低栄養の状況。
 160ページ目はDPCの様式1のほうで、身長・体重と低栄養の有無を入力することに見直しがされておりまして、それに関連したデータの集計になります。
 161ページ目が入院料ごとの入退院時の体重変化、回リハ病棟では、減少・増加とも体重変化がある患者が多いというデータとなっておりました。
 162ページ目、GLIM基準のデータの入力状況の値となっております。
 163ページ目が低栄養状態の変化ということで、低栄養から低栄養だったのが赤色、低栄養から非該当に変わったのが濃い緑ということで、こうしたデータがございます。
 164ページ目、さらにリハビリテーション・栄養・口腔加算と栄養状態の比較ということで、算定ありの患者のほうが入院時の低栄養の割合が高いと把握できてございます。
 165ページ目、リハ・栄養・口腔加算のうちの歯科、口腔に関する状況でございます。入院患者のうちの歯科治療が必要な割合、約85%に口腔機能障害が高齢者の場合はあったというデータがございます。
 これに関連しまして、166ページ目、NDBデータのほうを集計いたしまして、令和7年2月の入院患者のうち、退院後に歯科受診をしたかどうかということで見ておりますが、加算ありのほうがほんのわずか高い値となっておりますが、全体としては歯科受診に大きな差はないという状況でありまして、その右側にさらにどういう患者が誤嚥性肺炎あるいは大腿骨頚部骨折など、病態別に見たデータもございます。
 167からは病棟における多職種の業務ということで、168は中間とりまとめ。
 169ページ目からは、この業務規定を整理したもの。
 170ページ目は生活の場における短時間のリハビリテーションについて。
 171ページ目、そういったことに関する論文の状況などでございますけれども、こちらに御紹介させていただいております。
 172ページ目、入院料ごとの疾患別リハビリテーションの状況、これは令和7年の調査で、疾患別リハビリテーション以外のADL指導がどの程度なされているのかということを調査しておりますが、地域包括医療病棟で特に多いというデータがございました。
 173ページ目、疾患別リハビリテーション以外のADL指導を実施した患者数、こちらも令和7年の調査結果を集計しておりますので、御確認いただければと思います。
 174ページ目が療法士の配置が要件となっている病棟における病棟業務への関与状況ということで、回復期リハビリテーション病棟では、「生活機能の回復に向けた支援」で療法士が関与している割合が高い。あるいは、排泄・離床の促し、体位交換の業務についても療法士が関与している割合が、地域包括医療病棟では地ケア病棟に比べて高いというデータがございました。
 175ページ目、栄養管理に関する中間まとめ。
 176ページ目は6月時点でお示ししておりましたが、病棟で従事する時間が2割未満の場合は、栄養情報提供書、ミールラウンドの実施が低いという結果がありましたが、177ページ目、病棟配置の評価を整理したもの。
 178ページ目が病棟に配置される管理栄養士の業務の規定がどのようになっているかということで整理したものでございます。
 179ページ目は栄養サポートチーム加算など、栄養の職種の配置に関するもの、入院料別に整理して、併算定が可能かどうかということを整理したものでございます。
 180ページ目以降は臨床検査技師の病棟配置。こちらは令和元年の医政局の検討会の資料の抜粋となっておりますが、181ページ目、182ページ目のような臨床検査技師の病棟配置の効果に関する検討がございました。
 183ページ目は令和7年度の調査結果、各職種の病棟の配置、どのようになっているか。臨床検査技師も含めて調査結果がございますので、御参照いただければと思います。
 184からは看護業務とタスクシェアでございます。
 185ページ目は令和6年度の医政局の厚生労働科学研究の研究デザインなどがお示しされているものでございますが、186ページ目、病棟における看護業務の全体像、タイムスタディーが行われたところでございますが、それぞれの業務ごと、赤色が診察・治療に関すること、青色が患者のケアに関すること、黄色が看護記録などといった色ごとに分けまして、どれぐらい病棟業務の比重があるのかということの最新の研究が行われたところでございます。
 これが病棟業務の全体像の中で、187ページ目以降は令和7年の入・外調査の結果、例えば診察・治療に関する業務に関して、どういった職種がどの程度シェアされているのか。濃い青色のほうは関与しているという回答、赤色のバーは主として実施しているということで、その2段階に分けて多職種の関与の状況を調査して、その結果をお示ししているものであります。栄養状態、摂食・嚥下状態、ADL、口腔のスクリーニング評価、計画書の作成などは、管理栄養士・療法士が主として実施しているといった病棟も多かったという状況であります。
 188ページ目が、検査の実施・準備については、臨床検査技師が関与している病棟も3割ぐらいあったといった状況であります。
 189ページ目、食事に関すること。管理栄養士が管理している病棟が多かったが、ミールラウンド、食事変更の調整を主として実施している病棟は2割という結果であります。
 190ページ目、患者のケアの業務分担について。こちらは看護補助者が主として実施しているという回答も多い結果となっておりますが、一部、言語聴覚士、管理栄養士の関与もあるという状況であります。
 191ページ目は口腔ケア、その他の状況が示されております。
 これをまとめたものが192ページ目になりますが、こういった病棟の業務配置による多職種連携の結果、関与している業務と想定されるメリットを整理しておりますので、御参照いただければと思いますが、こういった現状につきまして御評価いただきたいと考えております。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、皆様から御意見、御質問等、承りたいと思います。いかがでしょうか。
 眞野委員、どうぞ。
○眞野委員
 ありがとうございます。
 分担状況で、188ページに薬剤に関する業務内容が列挙されていますので、少しコメントしたいと思います。上から5つの項目が薬剤に関するものですけれども、これらに関して薬剤師の関与がかなりの割合であるというデータかと思います。全体的に見ると、与薬のところは看護師さんが中心だけれども、準備のところで薬剤師の関わりが深くなっているということだと思います。病棟でのこうした薬剤関連業務における薬剤師の関わりについては、薬剤師の病棟配置が進められるようになってから、徐々に増えていると思いますし、主として関わっている割合が高い業務は2項目ですけれども、かなりの割合になっているところが重要かと思っています。
 薬剤の準備・ミキシングのところでは、21.7%で薬剤師が主として関わっているということですけれども、例えば注射用抗がん薬やTPNの調製を薬剤師が行い、点滴バッグに詰めた形で看護師さんの元に届けられたり、あるいは注射調剤も施用単位で病棟に届けられますので、そのセットを使ってそのまますぐに与薬できるという形になります。そういう意味では看護師さんの負担の軽減にかなりつながっているのだろうと思います。また、その上の残薬確認・処方依頼・セットのところでは、看護師さんの負担軽減にもちろんなっていると思いますが、処方に関わりますので医師の負担軽減としても重要な取組かと思っています。
 そういう意味で、現在病棟薬剤業務実施加算の届出は、全体で25%から30%ぐらいだと思いますけれども、届出を何とか増やして薬剤師の病棟配置を進めていくことがより重要と思いながら、このデータを拝見していました。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、秋山委員、どうぞ。
○秋山委員
 ありがとうございます。
 1点意見を申し上げます。リハ・栄養・口腔連携体制加算や病棟の施設基準などで多様な職種の病棟配置が進んでいます。これらの趣旨には、入院中の患者のADLの維持や向上があることを考えても、より一層、生活機能を落とさないための病棟での多職種連携の推進が必要だと考えます。入院中でも食事や排泄、着替え、寝返り、起き上がりといった生活動作が常に発生しており、こうした生活動作に関して、オンデマンドでリアルタイムに介入していくことが退院後の生活に直結し、看護師は看護の視点で、日々こうした支援を行っています。
 今後、病棟に多様な職種の関わりが増えることで、各職種がそれぞれの視点で支援業務を行っていくことになると思いますが、同じ支援行為を行う際にも様々な視点での関わりがあり、多職種がばらばらに関わっていても、患者にとっての必要なケアとはならない可能性もあります。一人一人の患者に対して、どんなタイミングで、どの職種が関わるのか、また、病棟全体の患者の状況に応じて、様々な業務分担のあり方があると思います。患者にとって必要なケアが必要なタイミングで提供される体制を構築する上で、多職種が有機的に連携することが不可欠だと思いますので、マネジメントの知識や経験のある病棟管理者がしっかりとまとめ上げていくことが重要だと考えます。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
 ありがとうございます。
 私からは3点、意見を述べさせていただきます。
 まず、145ページからのリハ・栄養・口腔連携体制加算につきましては、前回改定で大変よい加算をつくっていただいたと思います。その効果も十分出ているようですすし、今回もよい結果のデータも示していただいているところです。恐らく多くの医療機関でもぜひ取り組んでみたいと、これまでも検討してきていると思いますが、届出、算定がなかなか伸び悩んでいる現状に関しましては、もちろん施設基準の問題、土日のリハが8割等のハードルが高いという問題もありますけれどもね。
 届け出ない理由としましては、施設基準に合わせて人員を配置した場合に、その費用対効果を見ますと、通常の疾患別リハの業務をしていたほうがまだいいといった試算をしてみた結果という面もあろうかと思います。制度に見合った診療報酬の加算点数がつけば、もっと届出が増えるはずですので、ぜひこの点は御検討いただきたいと思います。
 同じく、施設基準、人員配置に関しましても、専従2名以上のPT・OT・STがございますが、これを例えば専従1名と緩和していただくだけでも届出が増えるというふうに予想されます。
 あと、180ページ以降、臨床検査技師の病棟配置に関しまして、医療の質向上の可能性については十分理解できます。ただ、配置加算等で点数がつきますと、大規模病院が募集をかけて需給のバランスに支障を来しまして、200床未満の中小病院から退職者が出たり、あるいは新卒者の確保がますます困難になっていくということも出てくると思いますので、その辺りに関しましては一定の配慮が必要かというふうに考えます。
 また、最近では、臨床工学士のフリーランスの会社が病院に委託派遣しているようなケースも出てきておりますので、人員確保が困難となる中、ある程度柔軟に対応できるような体制・仕組みが必要ではないかと考えます。
 最後に、看護業務のタスクシフト/シェア、187ページから191ページにかけまして業務の分担状況の資料を見させていただきますと、セラピスト、PT・OT・STの活躍が目立つ印象があります。これから多職種、タスクシフト/シェアの視点からは、リハビリ、セラピストの可能性が期待できると思います。実際、各医療職種の需給のバランスを見ましても、今後、訪問リハビリの需要が伸びて、そちらにマンパワーが流れる可能性はありますが、リハ、セラピストを病棟に配置して、看護師と協働で業務を分担しながら、一緒にケアを担当するといったフィールドが広がる可能性は十分にあると思いますので、そのような視点で、今後、何を協働してケアしていけるのかということをさらに検討していただければと思います。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでしょうか。
 井川委員、どうぞ。
○井川委員
 ありがとうございます。
 私からは、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の点について、少し意見を述べさせていただきます。先ほど津留委員がおっしゃったように、非常にいい加算だろうと私も思っております。その上で、非常に詳細な分析をしていただきまして、ありがとうございます。今回のこの分析によって、この加算によって、取っているところはADLがしっかり上がっているところが非常に多くて、取っていないところは上がり方が悪いということが分かってきていますし、あと、低下した患者さんに関しては、要介護度や年齢がより高い人たちが悪くなるということも分かってまいりました。
 この中で1つ注目したいのが、145ページ、急性期一般1~6の変化と、それから152ページにあります地域包括医療病棟における変化の中で見てみますと、地域包括医療病棟のほうがはるかによくなった患者さんの比率が高いのです。10以上上がっているのが四十何%というふうに非常に増えている。そういうところを見てみますと、この違いというのを今後分析していって、それに合わせた形でこれを順応させていく必要があるのではないかと思います。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。それでは、ほかに特に御意見、御質問もないようですので、本件は以上にしたいと思います。
 それでは、7つ目の議題の「その他」でございますが、本日、眞庭委員のほうから事務局に資料の提出がございました。こちらについても御議論いただければと思います。それでは、眞庭委員より資料の説明をお願いいたします。
○眞庭委員
 時間を取っていただいて、ありがとうございます。
 7月17日に開催されました第7回入院・外来医療等の調査・評価分科会におきまして、大学病院における逆紹介率が低いという説明がございました。これを踏まえて、全国医学部長病院長会議(AJMC)のほうから、国公私立大学病院本院についてアンケート調査を行いましたので、その報告をさせていただきます。スライド形式になっております資料ですけれども、1ページ目、令和7年6月の診療実績につきまして、82大学病院本院につきまして調査を依頼し、9月2日までに回答がありました78大学、回収率としては95.1%になります。その結果を示させていただきます。
 スライドを送っていただきまして、右下、小さくて申し訳ないです。2ページと打ってあります。令和7年6月の診療科別の逆照会割合の平均値です。全体としましては48.3‰となっております。この月で減算基準30‰を下回った診療科は、23診療科のうち形成外科系、麻酔科系、リハビリテーション系、精神科系の4診療科となっております。
 続いて3枚目ですけれども、2ページ目の診療科別の平均値を大学病院別に箱ひげ図として示した資料となります。中央値が減算基準を下回っている診療科としましては、平均値で下回っていた4診療科に加え、血液内科系、放射線科系、皮膚科系、産婦人科系の4診療科がありました。病院によって低いところから高いところまで分布していることが見てとれます。中には、データ集計が間に合わずに、ゼロという回答もこの中に含まれていることを御了承ください。
 4枚目、6月、1か月間の患者ごとの再診日数を調べた資料です。1日ないしは2日が88%とほとんどを占めており、内訳では4日は2.6%、5日以上は3.3%となっております。
 次のページ、5ページ目で、再診患者が多いと思われる疾病につきましての調査結果です。がんの外来化学療法は再診実患者数の2.2%、生物学的製剤使用の患者は2.4%、難病指定の患者は6.7%と、再診率が高い結果となっております。また、高額医薬品を服用されている患者も4.2%と、再診が高くなっているという結果になっております。
 6ページ目に移ります。診療科別に再診の多い疾病の調査結果です。全体的にがん疾患の病名が上位に来ており、再診が多い傾向となっております。また、逆紹介割合の平均が減算基準を下回っている診療科では、院内紹介が多い例や、一般の病院では受け入れることが難しい疾病や治療内容があるようです。
 7ページ目に参ります。逆紹介割合が低い理由について自由記載でいただいた内容をまとめた資料です。全部で150項目以上いただきましたが、それをこのようにある程度まとめてみました。
 1.疾患・医療内容に関しては、希少疾患や術後のフォロー、指定難病の患者など、大学病院ならではの患者については、紹介が困難である。
 2.患者側の理由に関しては、再発・悪化の不安から継続通院を希望されたり、大学病院の複数の診療科を受診されたりしていて、1診療科のみの転院はデメリットが多い。
 3.その他としましては、身寄りがなかったり、支払い能力などの社会的・経済的理由や患者の態度などによって紹介がしづらいなどの理由も挙げられております。
 まとめまして、大学病院としましては、これまで患者を地域に戻す努力をしてまいっておりますけれども、働き方改革による医師の負担軽減の一環としても、患者の利便性や地域性などを考慮して、外来患者数の適正化に引き続き取り組んでいきたいということです。
 一方で、大学病院でフォローしなければならない疾患もあることについても御理解いただきたいというふうにお聞きしております。
 以上となります。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等があれば承りたいと思います。いかがでしょうか。
 中野委員、どうぞ。
○中野委員
 御説明いただき、ありがとうございました。
 3ページについてだけ触れたいと思いますけれども、診療科別と病院別の逆紹介割合ということですが、先ほど眞庭委員からも御説明あったとおり、ばらつきがあるということはそのとおりだと思います。特に、右端の大学全体について着目してみますと、今回、78大学からお答えいただいているわけですけれども、この時点でもばらつきがあるということでございます。
 当然、右側の部分だけ見ると、大学全体では30‰以上あるということが分かりますし、逆に平均ということでバツのところを見ると、ほぼ50‰ということ。逆に高いところでいくと100‰ということもありますし、ここを見てもばらつきがあるということが分かりました。ということは、逆紹介を進めるに当たって、まだ余地があるかなということは読み取れることが分かった次第です。
 それで、後のページにおきましては、再診が多い疾患とか疾病類ということで御説明があったわけですけれども、以前、厚労省から示されたデータと中身は傾向的には同じかなということが考えられますので、さらに一歩進んで詳細を詰めていかないと、さらなる検討ができないかなと思いますので、さらなるデータの下検討を進めたらいいのではないかと思います。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでしょう。よろしいですか。
 ありがとうございました。ほかに御意見、御質問等がないようですので、本件は以上としたいと思います。
 本日の議題は以上でございます。
 それでは、次回の日程等について、事務局からお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。
 本日は長時間御議論ありがとうございました。
 次回の日程は未定でございます。決まり次第、御連絡させていただきます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、令和7年度第11回「診療報酬調査専門組織 入院・外来医療等の調査・評価分科会」を終了させていただきます。大変長時間にわたりまして熱心な御議論いただきまして、どうもありがとうございました。