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- 2025年8月28日 令和7年度第10回入院・外来医療等の調査・評価分科会・議事録
2025年8月28日 令和7年度第10回入院・外来医療等の調査・評価分科会・議事録
日時
令和7年8月28日 13:00~15:00
場所
日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8D
出席者
- 本委員
-
- 尾形分科会長
- 池田委員
- 今村委員
- 津留委員
- 林田委員
- 牧野委員
- 眞庭委員
- 中野委員
- 眞野委員
- 小池委員
- 田宮委員
- 鳥海委員
- 井川委員
- 武井委員
- 秋山委員
- 事務局
-
- 矢野課長補佐 他
議事
○尾形分科会長
こんにちは。定刻になりましたので、ただいまから、令和7年度第10回「診療報酬調査専門組織・入院・外来医療等の調査・評価分科会」を開催いたします。
本日の開催につきましては、対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。
また、今回の会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うことといたしております。
初めに、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は飯島委員が御欠席と伺っております。また、秋山委員が30分程度遅れての御参加、また武井委員が1時間ほどで退出の御予定というふうに伺っております。
なお、冒頭のカメラ撮りはここまでとしたいと思います。
それでは、早速議事に入らせていただきます。まず、第1の議題でございますが、「令和7年度調査結果(速報)の概要について」でございます。それでは、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
入-1の資料に基づきまして令和7年度調査結果の速報の御説明をいたします。前回の8月21日の分科会のほうでも、既に令和7年度調査を一部御報告させていただいて御議論いただいたところでございますが、今回、全体的なものが速報として取りまとまりましたので、報告させていただくものでございます。
8ページ目のほうを御確認いただきたいのですが、令和7年度調査の回収状況の御報告をさせていただきます。入院のほう、総計として58.8%の回収率でございました。外来のほうは43.9%の回収率でございました。これは前回改定時の令和5年度の調査の回収状況と比較しまして、高い水準となったところでございます。
次ページ以降、調査結果を項目ごとにお示ししておるところでございますが、それぞれの内容につきましては、各テーマのところで事務局から資料を御準備させていただいて御議論させていただきたいと思っておりますので、この場での御説明は割愛させていただきたいと思います。あと、ホームページのほうには、詳細な集計結果のデータも併せて公表させていただいております。
以上、御説明になります。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ただいまの御説明ですが、それぞれの調査結果については、今後の議論の中で、また活用していくということですので、特段何かなければ先に進みたいと思います。何か特にございますでしょうか。
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
ありがとうございました。
1つだけ、ちょっと確認したいことがあります。16ページにあります総合入院体制加算・急性期充実体制加算というグラフですけれども、これは横軸が令和6年度なのか、6年と7年が色と横軸でどう違うのか、説明がないので分かりにくいのですが、教えていただけますでしょうか。
○尾形分科会長
これは事務局、お願いします。16ページの図ですね。
○佐々木医療課長補佐
御質問いただき、ありがとうございます。
こちらは令和6年度とそれ以前の届出状況を比較しているものでございまして、各色については、その前年度までに総合入院体制加算の1・2・3、あるいは急性期充実体制加算のどれを算定していたのかというのが、この色分けされているものでございます。ですので、令和6年度の届出状況自体は、横軸の加算の説明に沿って急性期充実体制加算1・2、総合入院体制加算1・2・3、それぞれnが143とか39とか、これは令和6年度の値になっておりまして、前年度の令和5年度が青、赤、ブルー、ピンクで色分けされておりまして、また資料を分かりやすいように修正させていただきます。
○尾形分科会長
よろしいでしょうか。
○牧野委員
了解しました。
○尾形分科会長
ありがとうございます。
ほか、よろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、本件は以上とさせていただきまして、先に進みたいと思います。
2つ目の議題でございますが、「高度急性期入院医療について(その2)」でございます。これもまず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
入-2の資料に基づきまして御説明いたします。
3ページ目以降が高度急性期入院医療(その2)でございます。
まず、4ページ目、特定集中治療室等を有する病院についてでございます。
5ページ目に中間とりまとめの抜粋をさせていただいております。
6ページ目が救命救急入院料等の施設基準、既に整理されたものをお示ししております。
7ページ目が特定集中治療室管理料等の届出医療機関の推移でございます。これも既に5月にお示ししたものを再掲したものでございます。
8ページ目から1-1のテーマに沿ってでございますが、9ページ目、治療室への入室経路。これは令和7年度の調査結果となっております。「救命救急入院料」及び「特定集中治療室管理料」「ハイケアユニット入院医療管理料」「脳卒中ケアユニット入院医療管理料」、それぞれの病室で入院経路の割合を色でお示ししております。薄茶色あるいは茶色のところが救急外来、青色で示されているのが手術室からの入室、濃いピンクが急変による一般病棟からの入室といった形で、入室経路がどうなっているかということの令和7年度の調査結果をお示ししております。
10ページ目でございますが、年間救急搬送件数と重症な入室患者数の関係(ICU)をお示ししておりますが、重症な患者の指標としまして、入室日のSOFAスコア、医療資源投入量、医療・看護必要度のA得点に着目しまして、一定以上である患者数を縦軸で見まして、横軸のほうが、その病院の年間救急搬送件数という形で散布図をお示ししているものでございますが、年間救急搬送件数、病院全体の搬送件数と重症な患者の入室には弱い正の関係がある。相関係数で言うと0.29などといった形の係数となっておりました。
11ページ目がICUにおける年間全身麻酔実施件数との関係性でございます。こちらのほうは正の相関がより強く出ていたということで、0.6前後の水準となっていたという状況でございます。
12ページ目は5月に既にお示しした資料でありますが、「特定集中治療室管理料」を算定する病院の年間全身麻酔件数あるいは年間の救急搬送件数の分布で見ますと、一定数未満である病院が一定数あったということで、こういったところをより詳しく見ていくべきというところが中間とりまとめにございましたので、事務局のほうで13ページ目以降、さらに資料をお示ししておるものでございます。
13ページ目が救急搬送件数とICUの医療資源投入量というタイトルでございます。年間救急搬送件数を1000件、2000件、4000件で区切りまして、1日当たりの医療資源投入量がどういう割合になっているかをお示ししているものでございます。年間救急搬送件数が多い病院ほど、1日当たりの医療資源投入量が高い傾向となっておりました。特に1000件未満のところで下がるような傾向がございました。
14ページ目が全身麻酔実施件数とICUの医療資源投入量でございます。こちらのほうは、全身麻酔件数が多いほど2500点以下の患者数が多い一方で、2万点以上の患者数も多いという形で、ある意味「ハ」の字のような形で傾向が認められたということでございます。
15ページ目でございます。これは救急患者と、全身麻酔件数とをクロスでさらに集計しているものでございます。一番下の年間救急搬送件数1000件未満のところで見ますと、全身麻酔件数が2000件のところ、あるいは1000件以上2000件未満のところは2500点未満の割合が高いといった傾向もございました。これも全体的にクロス集計で詳細に分析したものでございます。
16ページ目がハイケアユニットで同じような分析を行ったものでございます。5月に既にお示ししているデータを再掲しております。
17ページ目が救急搬送件数とHCUの医療資源投入量でございます。こちらのほうも、年間救急搬送件数1000件未満のところで特に差がある傾向がございました。救急搬送件数が多くなると医療資源投入量が高くなる傾向が若干認められたところでございます。
18ページ目が全身の麻酔件数とHCUの医療資源投入量の関係性でございます。こちらのほうも全身麻酔件数が多くなると1日当たりの医療資源投入量が低くなる関係性になっておりました。
さらに、19ページ目が救急搬送件数と全身麻酔件数をクロスで見ているものでございます。こちらのほうも全体の傾向を御確認いただければと思います。
20ページ目は既に5月にお示ししておりますが、SCUで「A205-2」の超急性期脳卒中加算あるいは「K178-4」の経皮的脳血栓回収術が、その病院でどれぐらい実施されているかということの分布を示しておるものでございます。
21ページ目、令和7年調査としまして、SCUの患者受入方針の調査をしておりますので、その結果をお示ししております。「頭蓋内圧持続測定を必要とする患者」を原則受入れ可能と回答したところが全体の5割、「脳梗塞に対するrt-PA療法・血栓回収療法」を受けた患者を原則受入れ可能な治療室は8割といった結果となっておりました。
22ページ目が医師配置要件でございます。
23ページ目もICUのほうで治療室にどのような患者を受け入れるかという治療受入方針の調査をしておりますが、全体的にICU1・2、ICUの3・4、ICUの5・6と横で比較してみた場合、あまり大きな差は認められなかったところでございますが、特にICU1・2については、三次救急で搬送された患者を受け入れている場合が多い傾向が認められたということかと思います。
24ページ目が治療室に配置されている専任の医師でございます。こちらも令和7年調査で、要件になっている専任の医師は、具体的にどのような医師が配置されているのかということで、集中治療の経験を5年以上有する医師、あるいは外科系の医師、内科系の医師、救急科の医師、その他の診療科の医師、初期研修医などといった調査をさせていただいております。その結果でございます。特に夜間・休日については、ICU5・6、HCU1・2については、その他の区分と比較しまして、「その他の診療科の医師」を配置している割合が多いという傾向がございました。
25ページ目、重症患者対応体制強化加算についてであります。
26ページ目が令和4年改定でこの点数ができたときの説明の資料となっております。特に重症患者の対応強化という考え方で、この点数が新設されたところでございます。
27ページ目がその点数の概要となっております。3日以内、4日から7日の期間、8日から14日の期間において、この点数が加算されるということで、施設基準としましては、専従の看護師、専従・常勤の臨床工学技士の配置などが定められております。
また、必要な届出として急性期充実体制加算の届出などが定められており、一定の実績要件も定められております。
28ページ目、この重症患者対応強化加算の届出状況は御覧のようになっております。全体の中の10%未満という形の届出となっております。
29ページ目、この加算を届け出ていない理由につきまして、令和6年の調査結果をお示ししております。施設基準の看護師の2名の確保ができない、あるいは臨床工学技士を確保できない、あるいは急性期充実体制加算の届出ができていないというのが多い理由となっておりました。
30ページ目、特定機能病院の治療室における重症患者対応強化加算も、届け出ていない理由の調査をしておりますが、※印に書いてありますとおり、特定機能病院は、急性期充実体制加算を届け出ることができないため、この加算はそもそも算定できない規定となっておりますが、この調査結果を一応お示ししておるところでございます。「急性期充実体制加算を届け出ていない」というのが一番多い結果となっておりますが、その他の配置に関する回答もあったところでございます。
31ページ目が特定機能病院の治療室における職員の配置状況ということで、令和6年調査の結果でございますが、専従の臨床工学技士1名以上の配置については、92.3%が配置しているということでございますが、看護師は7.7%となっていたという状況であります。
32ページ目が現状と課題でございます。今、申し上げたことを整理しておりますが、お示ししたデータにつきまして、現状の評価をお願いできればと思っております。
説明は以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。
まず、高度急性期入院医療(その2)ですが、12ページ以降でお示しいただきましたように、今後、高度急性期医療、急性期拠点機能を示すのか、さらに精緻に検討していくに当たり、この救急搬送件数と全麻の件数の評価は重要だと思います。
14ページ、全麻の件数が増えると、ICUに関しては医療資源の低いものも増える。逆に、点数の高いものも多くなるという傾向。
そして、18ページのHCUに関しましては、全麻件数が増えると医療資源投入は低くなる傾向という資料ですね。
あと、15ページの全麻の件数、救急搬送件数とICUの医療資源投入量の資料、ここでの上のまとめの○、2つ目には、年間救急搬送件数が1000件以上2000件未満の病院では、年間全麻件数が多いほど医療資源投入量の高い患者数が多い傾向があった一方で、救急搬送件数が1000件未満の病院では、年間全麻件数が多いほど医療資源投入量が高い患者数が少ない傾向ということで記載いただいています。
ここを見ますと、救急搬送件数が4000件以上から5000件未満というふうに減っていきますと、年間の全麻件数2000件以上に着目しますと1日当たりの医療資源投入量が落ちていくのは、確かにそうかなと。特に救急搬送件数4000件から2000件までで見ますと、全麻件数が落ちると医療資源投入量も落ちるというのが見えます。ただ、この救急搬送件数が1000件から2000件未満で見ますと、むしろちょっとばらついていて、一定の傾向とは言えないのかなというふうにも見えます。
ここからは意見なのですが、これまで全身麻酔手術が、イコール医療資源投入量が多いといった見方で我々、見てきているのかなと思いますけれども、医療資源が低い手術であっても、ここのところ、全身麻酔薬の進歩とか技術が進んで、あえて全身麻酔を選択しているようなケースはないのかどうかということ。
もう一つは、逆に手術点数が1万点以上であるが、例えば全身麻酔に頼らなくてもいいような、血管内手術だったり、インターベンションが増えてきたりしてはいないのかということ。あるいは、泌尿器科手術とか産婦人科系の手術で、医療資源が高い手術ですが、全身麻酔ではなくて脊椎麻酔で手術を行っているケースなどは、かなりの医療資源を投入しているにもかかわらず、全身麻酔ではないがために、そこにカウントされず評価されていないということが起こっていないのかどうかという辺りを、精査して見直す必要があるのではないかなと思っています。
つまり、高額手術点数と全身麻酔のありなし、そして医療資源投入量の正しい評価の在り方に関して、これから話がどんどん進んでいってしまうと思いますので、早い段階で一度見直し、精査が必要ではないかなと思っております。今後、新たな地域医療構想とかで急性期拠点機能を評価するということに関しまして、医療資源の投入量の評価をする動きになると思いますけれども、これからインターベンションとか非侵襲的な治療・手術がさらに増えていく傾向の中で、全身麻酔の件数にこだわって評価していくことが果たして正しいのかどうか。この点に関して注意が必要と思いまして、発言させていただきました。この点に関しましては、後ほど事務局よりコメントいただけましたらありがたいです。
一緒に発言させてもらいますけれども、今度は26ページ、重症患者対応体制強化加算、特定集中治療室の質向上のために高い点数をつけていただいているということです。ただ一方では、人員配置、資格要件が厳しいというのがございます。29ページ、施設基準に係る看護師の数に含めない看護師、別に2名以上の確保が必要ということで、これがなかなか困難ですというような意見。31ページには、要件に該当する経験を有する専従の臨床工学技士の確保ができないという記載がございます。医療の質の確保、必要ですけれども、人材確保もなかなか難しくなる中で、働き方改革も考慮しますと、専従ではなくて専任でも対応できないのかどうかというような検討も必要かと思いまして、発言させていただきました。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
前半の部分が事務局への質問ということで、全麻の実施件数と医療資源投入量との関係についての見解ということですが、いかがでしょう。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
今回は別の中間とりまとめの段階でも、一般的な急性期機能あるいは拠点的な急性期機能ということで、どういう指標で急性期機能を評価していくべきかという観点でも、これまで御議論いただいているかと思います。その中で、手術に関しては、これまでも全身麻酔手術件数とか急性期充実体制加算などで取り入れられている件数ということで、この指標で一旦分析したところでございますが、全身麻酔といってもいろいろなものがあるのではないかという御指摘だったかと思います。今、この集計については、どういう手術なのかというところは、そういう詳細な分類をしたものではございませんが、そういった観点で見ていく必要もあるのではないかという御指摘だったかと思います。
事務局のほうでも、そういった観点でさらに詳しく見ていくことができるかということも、ちょっと考えていきたいと思います。
以上です。
○尾形分科会長
よろしいでしょうか。
○津留委員
ありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
私も高度急性期入院医療の中の特定集中治療室等を有する病院について申し上げます。集中治療室等の役割は、救急搬送された重症患者さんや術後の患者さんの医療管理を行うということになりますけれども、これら治療室を有する高度急性期の病院がどんな役割を担っているかというのは、改めてこのデータから見ていく必要があると思います。
まず、ICUについてですけれども、救急搬送との関係、10ページになりますが、年間救急搬送件数と重症な入室患者数の関係について、実人数で分析しておりますけれども、この場合は、多少弱い相関があるというふうに説明では付されておりますけれども、よくよく見るとあまり相関がないのかなという感じがしております。
それから、13ページ、医療資源投入量の構成割合で分析した場合、救急搬送が多い病院ほど医療資源投入量が高い傾向。一方で、全身麻酔との関係は11ページで、重症患者さんの実人員で分析した場合には相関が見られたと。14ページでは、医療資源投入量の構成割合で分析した場合には、全身麻酔が多い病院ほど医療資源投入量が多い患者さん。これは2万点以上になりますけれども、逆に2500点以下の投入量が少ない患者さんも高かったというふうに出ており、全体像が捉えにくいという状況だと思います。
ただ、15ページの表でございますけれども、全身麻酔件数と救急搬送件数、ICUの医療資源投入量ということでの構成割合でございますが、4区分に分かれて救急搬送件数を表しております。それぞれの区分の一番上のバーが全身麻酔2000件以上の病院ということです。救急搬送件数が多いほど医療資源投入量が少ない患者割合が低く、医療資源投入量が多い患者割合が高くなる傾向が見えます。具体的に水色のバーで見てみますと、この水色は2500点未満の構成割合ということになりますけれども、救急搬送の下からいくと、1000件未満だと66.3%、2000件から4000件未満は47.9%、4000件以上だと43.7%ということで、施設数など配慮すべき点はあるかと思いますが、一定の特徴が読み取れることが分かりました。
それから、ハイケアユニットについても同様な集計が19ページに出されておりますけれども、同じようなことが言えるのではないかと思います。
これらICU・HCUを有する病院の在り方について、救急搬送・全身麻酔の実績を指標として整理することができるのではないかと思います。
それから、SCUについてでございます。20ページ、超急性期脳卒中加算、経皮的血栓回収術の実績につきましては、ゼロないし少ない病院が一定数存在することが示されております。SCUにつきましては、t-PAの投与、血栓回収術の実績が一定程度ある病院が設置すべきではないかということについて確認することが必要ではないかと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
ありがとうございます。
私も特に特定集中治療室に関してお話をしていきたいと思います。今回はかなり詳細な分析をしていただきまして、ありがとうございました。
ただ、そこで分かったことは、まず、救急車の台数が多いと、確かに医療資源投入量は多くなるなというのが12ページなどから分かるところですけれども、手術件数の多さがICUの医療資源投入量と必ずしもきれいに結びついているわけではないのではないか。それも見てとれたところです。特に、低い点数の症例も結構あるということになります。この辺は、多分、最初からICUとして多くの手術患者を入れているようなところでは、必ずしも医療資源が多くならないということの現れかなと思っているところです。
あと、23ページで治療室の患者の受入方針というのがあります。これはICUの1・2、3・4、5・6と3つのカテゴリーに分けてありますけれども、まず、今日の入-1の39ページにあったのが届出病床数ですけれども、1・2、3・4、5・6となるに従ってベッド数が少なくなっていっている。特に、5・6のところは、多くが10床未満の小さな治療室ということが、そのデータから分かるわけです。当然、母体となる病院の規模も小さくなるし、医者の数も少なくなるということが、そこにはあるわけです。ただ、処置・モニタリング、患者状態というところを見ると、ほとんど差はないということになります。ですから、特に機能的な点で大きくは違わないのではないかということが見てとれます。
あと、もう一つが救急患者の受入状態ということで、三次の救急に関してコメントをグリーンのところに絞って書いていますが、実は5・6の一番下の段、三次救急のブルーのところ。これは何かというと、原則として自院では受け入れていない、転院搬送を行うというのが多いのですね。ですから、病院の規模が小さい、フルスペックの病院じゃないために、受入れができない重症患者がいる。そういった患者は当然受けられないから、ほかに回すといったことから、こういった結果になっている。ただ、その点を除けば、どの治療室も機能的には変わらないということが言えると思います。
その次の24ページですけれども、専任の医師のところです。HCUは置いておいて、ICUの5・6になると救急の専門医の数が少なくなって、ほかの診療科の医師、特に夜勤での対応が増えてくるということで、少ない医師で多くの診療科の医師が協力しながら、夜間・休日のICUの管理をしっかり行っているということがこの差になるということですけれども、基本的にそこにいる患者像がどう違うのかということを、さらにしっかり分析していかなければいけないと見てとれます。
もう一つが、30ページ、特定機能病院の治療室のことが出てきていますけれども、重症患者対応体制強化加算の算定要件に急性期充実体制加算を取っていることが入っているおかげで、特定機能病院が取れていないということなのですけれども、これに一体どういった意味があるのか、特定機能病院がなぜ駄目なのかということの明確な意義づけをちゃんと求めなければいけないのかなと思います。
私からは以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、鳥海委員、どうぞ。
○鳥海委員
1つ。21ページの脳卒中のケアユニットの入院医療管理料を算定する治療室のうち、頭蓋内圧の測定を必要とする患者さんが50%、t-PAとか血栓回収をやった人は80%が入らないというふうに読んだのです。これは脳卒中のケアユニットを持っているけれども、そういう治療をやっていないのかなと思ったのですけれども、23ページのICUの受入れのほうを見ると、SCUで受けられませんみたいなやつがICUのほうに入っているように、処置・モニタリングの一番下のところなのですけれども、見えるのですね。ですから、脳卒中のケアユニットを持っていても、中でICUと実際のケアユニットを使い分けて、こういう処置に対応しているのだなというふうに思いました。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょう。
池田委員、どうぞ。
○池田委員
池田でございます。
13ページから19ページ辺りですが、ICUやHCUでの医療資源投入量の分析をしていただいていて、一定の傾向が読み取れるようなところもございますが、ここで分析対象としている医療資源の投入量というのが、DPCの1日当たり包括範囲出来高実績点数ということになっております。そうなりますと、1000点以上の処置は包括じゃなくて出来高で算定すると多分なっていたと思うのですが、これが入っていないのかなと。HCUやICUでは、一定程度、そうした処置も行われているのではないかと思いますので、医療資源投入量を評価するときには、もし特段の理由がなければ、それも含めて投入量は評価すべきと考えますので、もし可能であれば、そのような分析もお示しいただけるといいと思います。
この投入量の点数が1万7500から2万となっています。これはほかの表記にそろえるなら、多分1万9999となるべきなのかなとか、そういう細かい点もございますので、またもし見直しいただけるようであれば御確認いただきたいと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょう。
眞庭委員、どうぞ。
○眞庭委員
ありがとうございます。
私も集中治療室管理料の部分で、特に手術件数と医療資源投入量の箇所ですけれども、委員の他の先生方、お話がありました部分というのも重要な因子として考えられると思いますけれども、手術件数が多い施設において投入量が低いという部分。1つ私が考えましたのは、外科系の学会等でも、手術件数が多い施設での手術は手術成績がいいというようなデータも出ている。そこから考えますと、手術件数が多い施設というのは、ある意味、それぞれの手術において、より安定した治療・手術、また術後管理というのができた結果、個々の資源の投入量が抑えられてきているというような捉え方もあるのではないかというふうに思いますので、その辺り、さらに術式であるとか診療科、臓器別であるとか、そういう分析も進めていくと、より見えてくるのではないかというふうに思いましたので、発言させていただきました。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょう。よろしいですか。
ありがとうございました。ほかに御意見、御質問等もないようですので、本件については以上としたいと思います。
それでは、先に進みます。3つ目の議題でございますが、「入退院支援(その2)」でございます。これもまず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
33ページ目以降でございます。入退院支援(その2)でございます。
35ページ目をお開きください。中間まとめの抜粋をお示ししております。病院・病棟機能ごとの期待される機能、その他の観点から、さらに検討を進めることとなっておりました。
36ページ目が既にお示しした入退院支援加算1・2の概要となっております。
37ページ目も既にお示しした入院料別の患者の特徴となっております。
38ページ目、届出と在院日数の状況。
また、39ページ目が入院時支援加算を算定した患者における入院前に実施した事項。これも既にお示ししたものでございます。
40ページ目も退院困難な要因の特徴(まとめ)、既にお示ししております。
41ページ目は入退院支援加算の届出・算定状況、こちらも既にお示ししたものでございます。ちょっと更新したところがあるかと思います。
42ページ目でございますが、退院困難な患者のうち退院調整完了までに時間を要する患者の全入院料と書いておりますが、こちらは令和7年度調査で新たに調査した結果となっております。現行の算定要件となっている退院困難な要因のところと、その算定要件外となっているところは、「身寄りがなく同居者が不明な者」というのも追加しまして調査したところでございますが、どういった患者が退院調整までに時間を要したのか、上位3つを回答してもらうという調査を行っておりますが、結果としまして一番多かったのが「身寄りがなく同居者が不明な者」が73.4%という結果でございます。
その他、現行の算定要件になっているものについては、要介護認定が未申請とか生活困窮者であること、あるいは退院後の生活様式の再編が必要であるといったところが特に多いという結果でございました。
黄色い枠でお示ししておりますが、急性期病棟などの退院困難な要因としては、特に緊急入院がたくさん言われておりましたが、これに関しては、時間を要する患者という観点の調査結果では低いパーセントになっていたところでございます。
続きまして、43ページ目でございますが、病棟ごとに分けて違いがあるかということを集計しておるものでございますが、入院料に応じた大きな結果の違いはあまりなかったということだと思います。
44ページ目は退院調整に人手を要する患者。先ほどは時間がかかるという観点でしたが、44ページ目は人手を要するという観点で調査しておりますので、その結果をお示ししております。比較的似たような傾向になっているかと思います。
45ページ目は入院料別に詳細に分析したものでございます。
46ページ目も再掲となっておりますが、入退院支援加算を算定した患者の「退院困難な要因」。bの「緊急入院であること」と、gの「生活困窮者であること」というところが多いという結果でございましたが、これは急性期のほうが緊急入院であることが多く、また、退院後の生活様式の再編が必要であることというところは、地域包括ケア病棟などで特に多いという傾向であったところ、これは既にお示ししたものでございます。
47ページ目、身寄りがなく同居者が不明な者に対する入退院支援の具体的な内容について、令和7年度調査を行っております。特に多かったのが「入院時に成年後見人等の確認を行っている」、「行政を含めた対応を検討」している、あるいは「病院内で対応を検討し、統一した対応を行っている」が特に多いという結果でございました。
48ページ目が身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドラインでございます。病院の中で、こういった方に対する医療の意思決定、どのように対応していくのかというところ。左下にございますとおり、判断能力があるのかどうかとか、成年後見制度を利用しているかどうかなどに応じて定められております。
49ページ目にそのフローチャートがございますが、こういったところに入退院支援部門が関わって対応しているというところかと思います。
50ページ目が退院先の確保のために工夫している取組ということで、これも令和7年調査の結果でございます。取組としまして、「退院を見据えた調整を入院直後から開始する」、あるいは「入院後速やかに患者及び家族などに説明を行う」といったところが特に多い結果となっておりました。
51ページ目が入院料別で見たものとなっておりますので、御参照ください。
52ページ目が介護支援等連携指導料の算定回数、算定状況を示しております。令和2年のコロナ禍で下がったところが、また元の水準に戻りつつあるという状況かと思います。
53ページ目がその指導料に関する状況、これも令和7年調査で、病棟ごとに課題があるかどうかという割合をお示ししております。課題ありと答えたところは47.6%でございました。
54ページ目は、さらに具体的にどういう課題があるのか。「在院日数が限られるため、入院中のケアプランの作成が難しい」が青色、赤色が「在院日数が限られるため、ケアマネジャーとの連携が難しい」といった課題と考えられることについて調査しておりますが、特にケアマネジャーとの連携が難しいというような回答が多い傾向がございました。特に、急性期あるいは特定機能病院では、ケアマネとの連携が難しいというのが多い傾向がございました。
55ページ目が精神科入退院支援加算、こちらは令和6年改定で新たに新設された件数でございます。その概要をお示ししております。
56ページ目が精神科入退院支援加算の調査結果、こちらは令和6年の検証調査の結果を抜粋してお示ししておるものでございます。入退院支援加算の算定状況につきましては、330施設のうち、「届出あり」は26.4%、「届出の予定はない」が66.4%となっておりました。その理由としまして、「看護師等の配置が困難であるため」が最も多く、77.4%という結果でありました。
57ページ目が医療的ケア児の入院前の支援の評価、これも令和6年改定で新たに新設されたものでございます。
58ページ目がその算定状況でございます。届出施設が195、算定回数はかなり少ない状況になっております。
59ページ目は入退院支援部門の専従配置の状況につきまして調査しております。令和7年度の調査結果をお示ししております。御参照ください。
60ページ目が入退院支援に関わっている職種ということで、配置予定となっている看護師、社会福祉士など以外にどのような職種が関わっているかなどについての調査結果でありますので、御参照いただければと思います。
61ページ目が地域連携診療計画加算でございます。入退院支援加算の中の注加算として使われている点数でございますが、こちらの届出施設数あるいは算定回数の推移をお示ししているものでございます。こちらのほうは疾患ごとに作成された、いわゆるクリティカルパスに基づいた連携を評価する点数でございます。
62ページ目は入退院支援ルールでございますが、医療介護連携推進事業などにおいて、医療機関と介護施設の情報共有・協働などをスムーズに行うための入退院支援ルールを定めるという考え方がございます。
63ページ目が入退院支援ルールのさいたま市の一例をお示ししております。
64ページ目は全県統一で入退院支援ルールを定める取組ということで、かかりつけ医機能の確保のガイドラインのほうから福井県の事例をお示ししております。
65ページ目は高齢者施設への患者紹介に係る金銭の授受の状況ということで、令和7年調査をしております。全部で2659のうち、「受け取ったことがある」という回答があったのが8ということでございまして、どこから受け取ったかの提供元の内訳はこちらに記載されているとおりでございます。
66は医療ソーシャルワーカーの行動基準ガイドラインでございますが、倫理責任のところで、正規の報酬以外に物品や金銭を受け取らないという考え方が示されております。
67ページ目が面会制限の影響ということで、こちらは看護学のほうの研究でございますが、入退院支援の質と、面会で患者・家族の関係性の把握、患者・家族の思いを把握すること等の関係性が示されております。
68ページ目が面会時のルールについて、こちらは令和6年に調査した結果でございますが、面会時のルールをどのように定めているかの結果であります。日中面会制限しているが80.9%でございます。「面会者の年齢に制限を設けている」が61.5%、「1日の面会人数を制限している」が58.8%、「面会は予約性である」という回答が29.8%という形で、面会のルール制限の状況の調査結果をお示ししております。
69ページ目が入退院支援の評価の現行のイメージを改めて整理したものでございます。
70ページ目は退院困難要因などに関する、今、お示ししたものを整理したものでございまして、71ページ目に課題がございますので、こちらに基づきまして御検討いただきたいと思っております。
72ページ目からは、さらに入退院支援(その2)としての後方支援を目的とした円滑な情報共有・地域連携についての資料でございます。
73ページ目の中間とりまとめにおきまして、包括的な入院医療を担う医療機関の機能に関連して、特に後方支援という観点での指標を検討するということがございました。
また、意思決定支援のところにおきましては、患者の意思に基づいた医療を提供できる体制の観点から、こういった患者の意思に関する情報連携などの評価を検討するということが示されておりました。
74ページ目、在宅及び施設患者の後方支援を行う医療機関についてでございます。現状の点数を整理したものでございますが、在宅療養後方支援病院あるいは介護保険施設の協力医療機関の施設要件、対象患者、その他の条件がこのように定められているところでございます。在宅療養後方支援病院は令和6年8月時点で610施設の届出となっている状況でございます。
75ページ目は協力医療機関の役割ということで、令和6年度の介護報酬改定あるいは診療報酬改定の説明資料でございますが、特に青字のところ、医療機関と介護施設の連携については、在宅療養支援病院、在宅療養支援診療所、在宅療養後方支援病院及び地域包括ケアを有する病院について、介護保険施設の求めに応じて協力医療機関を担うことが望ましいこと。これらを施設基準に入れるということで、同時改定のときにこういった対応が行われたところでございます。
76ページ目は、その医療介護連携の推進のイメージということでございます。
77ページ目が介護施設の対応力強化ということで、特にACSCsという患者像の対応、介護施設と協力医療機関が連携することで救急搬送の回数を下げることができたという報告があります。
78ページ目が協力医療機関と協力対象施設との連携ということで、認定看護師の連携といったものがあるということでございます。
79ページ目も老健局の調査事業でございますが、協力医療機関の効果として、救急搬送を減らすことができたという報告がございます。
80ページ目が協力医療機関となっている施設の分布、こちらが令和7年の調査結果で新たに出てきたデータを集計したものでございますが、病棟の種類ごとに、急性期のみなのか、ケアミックス型なのかということも含めて6類型に分類しまして、どれぐらいの協力医療機関を引き受けているかということの分布をお示ししたものでございます。特に地域包括ケア病棟を有する医療機関、あるいは地域包括医療病棟を有する機関などが特に多いという状況でございます。
81ページ目が協力医療機関となっている施設の類型ごとの数ということで、より詳細に3つの病院類型でさらに区分けしましてお示ししているものでございます。入院料ごとの傾向の差はあまり目立たなかったという形かと思います。
82ページ目が協力医療機関として備えている体制ということで、協力医療機関、3つの要件ということになっておりますけれども、その3つの要件を全て満たしているのが青色、入院体制あるいは相談体制など、それぞれどのようになっているかを色分けしてお示ししておりますが、これも令和7年度の調査結果となっておりますので、御参照いただければと思います。
83ページ目が協力医療機関が担当する協力対象施設の入居者数ということで、どれぐらいの患者数の後方支援を担当しているのかということでございます。特に右側のほう、医療機関10床当たりの担当している入居者の数という形で分析しておりますが、50人以上のところもあれば、1名を割るところもあるということで、このような分布になっているという調査結果であります。これは令和6年の検証調査の結果を整理したものでございます。
84ページ目は8月の総会で出された令和6年度の調査結果でありますが、在宅医療の方の病床の確保の状況についての分析結果であります。
85ページ目が救急受入れ、後方支援に関する現状の評価、7月にお示ししたものを再掲しております。こういった形での評価が現在あるということでございます。
86ページ目も総会でお示しした資料でございますが、介護保険施設等の連携に関する点数でございます。左下に赤枠で囲っておりますが、両加算に共通するカンファレンスの要件、こちらのほうにICTの活用、あるいは一定頻度以上のカンファレンスの実施などが定められているところでございます。
87ページ目はICTの平時からの連携ということで、岡山市で水平連携あるいは垂直連携のような形でICTを活用している事例をお示ししております。
88ページ目は地連ネットの事例ということでお示ししております。
89ページ目もICTの情報共有の事例。
90ページ目が人生の最終段階の医療・ケアに関する情報共有の状況で、これは令和4年度の調査結果でございますが、お示ししております。
91ページ目は令和7年度の調査結果ということで、特に病院における地連ネットなどの多職種連携システムの在宅医療提供施設との情報連携のためのシステム導入。病院の側で導入しているかどうかということの調査結果でありますが、25%が「活用している」、75%が「活用していない」という状況であります。活用していない理由は、「導入にコストがかかるから」「維持・管理にコストがかかるから」が特に多い傾向でございました。
92ページ目は協力対象施設入所者入院加算の届出状況であります。こちらは42%が届け出ている、58%が届出なしの状況でありますが、届け出ていない理由で、ICTの確認体制がないため、また月1回以上の頻度でカンファレンスを実施することが困難なためというようなことも多い結果となっておりました。
93ページ目に医療介護連携の中で顔の見える関係の重要性が指摘されておりますが、94ページ目にございますとおり、そういった報酬の評価の実例ということで、様々な連携を評価する点数の中で、カンファレンスの要件など、あるいはICT連携の要件などが定まっておりますので、こういったところを一覧で整理したものをお示ししております。
95ページ目、今、御説明した資料を整理したものでございますが、課題、こういったデータに基づきまして、現状をどのように評価するのか御検討いただければと思います。
説明は以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
ありがとうございます。
まず、質問になります。退院困難な者という回答のときに、令和6年調査と令和7年調査で結構大きな差があって、特に違いがあったのが緊急入院。令和6年調査では、これが大変多くの割合を占めていたはずなのに、令和7年調査では、退院支援に係る手間とか時間とかいうカテゴリーを絞っただけで、ずっと上位にいたものが上位にいなくなってしまったということが起こっていて、非常に奇異に感じるのです。実は、調査票を私、見たのですけれども、令和6年調査と令和7年調査で、この部分に関する調査票のつくりが変わってきているんじゃないかというのが1つ気になっているところです。
特に、44ページ目にある「身寄りがなく同居者が不明な者」は、当初のこの分科会で出てきたときの資料では、外出しで別なところにあって何人いますよというような数字を書き込むような格好になっていたのです。
あと、調査票で気になったのは、その下にある、身寄りがなく後見人や身元保証人などの支援を受けている者という部分が、後から追加になったのだったらいいのですけれども、最初の調査票の中にはこの項目はたしかなかったと。ですから、どうやってつくったのかということも含めて教えていただきたいなという質問です。お願いします。
○尾形分科会長
これは御質問ですので、事務局、お願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
令和6年のほうは、もともと入退院支援加算算定可能な対象患者でございます。それが退院困難な理由でございます。例えば、36ページのほうを御確認いただきますと、入退院支援加算の概要をお示ししておりますが、アからタまでの場合、退院困難な要因に当てはまる患者が、この入退院支援加算を算定できるというふうになっております。この令和6年の調査のほうは、算定された患者のどの要因に当てはまって算定されたのかという人数のほうを調査するといった趣旨で調査しており、その結果が46ページ目のような形になった。例えば、急性期病棟のほうが緊急入院であることに該当するために、この入退院支援加算を取った人が多かったといったような趣旨の調査結果であると理解しております。
一方で、令和7年調査のほうは、その入退院支援部門の業務として、どういった患者さんに特に人手がかかったり、あるいは時間がかかるかという趣旨で、上位3つを選んでくださいという形で聞いていますので、緊急入院の方がいっぱいいたとしても、緊急入院の人よりも、その他、生活様式の再編が必要であるとか、あるいは身寄りがない人のほうが1人当たりの手間がかかっていたり、あるいは時間がかかっていたりするといった趣旨での調査をしているということで、そういう質問の趣旨が異なるという意味で、こういった違う結果になったのではないかというふうに理解しております。
以上です。
○尾形分科会長
牧野委員、いかがでしょうか。
○牧野委員
そうであれば、ちょっと違和感があるのは、緊急入院というのは入院の形態であって、それ以外の例えば悪性腫瘍とか生活困窮者というのはまた別な要素なのですね。ですから、緊急入院というのはいろいろなところに絡んでくるから、逆につけづらくなってしまうと。それだと明らかにバイアスがかかっているのではないかと思いますので、そういった点をちょっと考慮しながら、これを見る必要があるかなと思っております。
以上です。よろしくお願いします。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。
私も今の同じ場所になりますけれども、42ページ、44ページ、退院困難な患者のうち退院調整完了まで時間を要する、人手を要するという問題ですけれども、身寄りがなく同居者が不明な者が多いわけで、現実、医療現場ではこれで大変困っているという状況がございます。どうしても行政が絡むことにもなりますし、行政の対応がのらりくらりの場合は担当者は非常に困難を極めるということになりますので、現行の算定要件外の項目となっているというところは、ぜひ見直しが必要かなというふうに思います。
そして、65ページです。ここでは金銭等の授受の状況という調査結果をお示しいただいていますが、これをどういう問い方をして、それをどう捉えて、どう回答したのかなというのがちょっと気になりました。例えば、医療機関同士、医療機関と介護施設がお互いにお中元、お歳暮をやるというのは、最近では大分減っていますけれども、日常、あり得ることですし、これと例えば患者紹介1件当たり幾ら個別に払いますよという契約とは全く別次元の話になりますので、これは混同しないようにしなければいけないかな。ということで、n数が8件ということなので、そういった点、問題がないかどうか、個別に詳細調査するなり、慎重に調べた上で公表する必要があるかなと。
メディアさんがこれを見ますと、例えば患者を売買しているのではないかとか、変な切り取られ方をするとおかしなことになりかねませんので、この点はちょっと注意が必要かなと思いました。
それと、67ページ、68ページ、せっかく資料をつけていただきましたので、この点もちょっと触れたいと思いますが、面会制限の影響の資料です。面会ルールにつきましては、各医療機関でコロナの後、まだ対応はばらばらだと思います。もう5類感染症になりましたけれども、現在もオミクロンが定点観測で若干増えたりしていますので、私どもでも地元の医師会の内部の感染症情報とかで、インフルエンザがどこで発生して、どれくらい増えているとか、オミクロンがどれくらいはやっているというのは確認しながら、その状況で対応を変えたりしておりますけれどもね。
果たして病床規模で、じゃ、大学病院はどうなのだろうかと。私の知っている大学病院でも、病棟には絶対家族を入れないというところもまだまだあるようですし、特定機能病院と中小病院ではどういった対応をしているのかというのは、ある程度傾向が分かればありがたいなと、これは個人的な興味もあって、そういうふうに思うところです。それを把握した上で、面会制限の在り方といいますか、あと、院内のマスク着用の必要性も含めて、これは厚労省のほうである程度指針を示していただくことも必要かなというふうに感じるところです。
ちょっと長くなりますけれども、77ページでお示しいただいた資料、これは以前も拝見したことがございますが、介護施設と協力医療機関との緊急の対応連携があれば、そもそも連携が取れていれば無駄な救急搬送が減らせるという実態を示していただいているわけですけれども、これは昨日の中医協総会でも、医療機関を取り巻く環境、コストについて、かなり議論されていたと思いますので、そういった視点で、ちょっと意見を述べさせていただきます。
宿日直許可の問題で、例えば協力医療機関側の病院と、連携している複数の老人介護施設がありまして、仮に夜間、介護スタッフから、このケースは救急搬送したほうがいいでしょうか、どうでしょうか、朝まで様子を見ていいでしょうかという電話が頻繁にかかってくる。それで何回も起こされるということになりますと、現在でも宿日直許可の病院では、救急車に対応すればそれなりにインセンティブをつけたり、ぎりぎりの状態で何とか当直を回しているような現状がございます。
ですので、実は、今週の26日火曜日に福岡県のほうの病院団体で、医師の働き方改革の影響とコスト負担に関しての調査結果を持って、財務省の横山副大臣のほうに要望を提出しておりますけれども、医療機関の当直も含めたコストに関しましては、コロナ前とコロナ後で、常勤医師では9.4%上がったり、非常勤医師でも医師の人件費、約14%も増えているという現状がございますので、こういった医療と介護の連携、後方支援の問題もコストの視点を見ていかなければいけないのかな、必要かなと思いましたので、発言させていただきました。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、秋山委員、どうぞ。
○秋山委員
ありがとうございます。遅れて申し訳ございません。
私からも2-2の後方支援を目的とした円滑な情報共有・地域連携について、1点意見を申し上げます。今回、介護保険施設の後方支援を行うことが期待されて、協力医療機関の役割が定められましたが、82ページなどからは、特に地域包括医療病棟、地域包括ケア病棟などの機能を果たしている病院で、相談、診療、常時の入院体制を整えていることが分かります。本来は、77ページにありますように、介護施設等における対応力の強化を支援し、介護施設で安心して療養していける体制を整備した上で、協力医療機関が必要時にすぐに相談・診療に応じたり、あるいは入院できる体制を確保するという趣旨だと考えます。
先ほど津留委員からも意見がございましたが、多数の施設に対して支援を行う場合、医療機関からは介護施設からの入院依頼が増えて、本来受け入れるべき緊急性の高い患者が受け入れられなくなることがあるといった課題も聞かれますので、こうした課題に対応するためにも、介護保険施設における機能を強化して、避けられる緊急入院をいかに減らしていくかということが重要かと思います。
現在、平時からの連携として、月に一度、協力医療機関と介護施設とでカンファレンス等によって入所者の情報を共有することが定められていますが、実際には、これだけでは介護保険施設の機能強化にまでつながるような連携は難しいということで、78ページにもありますように、協力医療機関の専門性の高い人材が介護保険施設を訪問して支援するなど、そういった取組が行われていますので、介護施設の機能強化を推進して、より医療機関と施設との連携体制を強化する上で、より実効的な連携が進むような要件等を検討していくべきだと思います。
それともう一点、遅れて参りましたので、その前の25ページからのところ、1-3の重症患者対応体制強化加算についてもよろしいでしょうか。
○尾形分科会長
どうぞ。
○秋山委員
ありがとうございます。1-3の重症患者対応体制強化加算について、1点意見を申し上げます。30ページの脚注にもございますが、現在、特定機能病院は、急性期充実体制加算の届出ができないために、急性期充実体制加算の届出を要件としている重症患者対応体制強化加算も届出ができていないという状況になっています。特定機能病院においては、今後、ますます高度急性期機能を担っていくという方向性から考えても、治療室において積極的に集中治療を必要とする患者に対応し、地域の医療機関とも協働していく必要がありますので、特定機能病院においても重症患者対応体制強化加算を活用しながら、その役割を果たしていく方向性が望ましいと考えます。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
井川委員、どうぞ。
○井川委員
ありがとうございます。
私からは3点ほどでございますけれども、まず1点目、50ページに退院先の確保を行うために工夫をしている取組というスライドがございます。退院先の確保、それぞれ苦労しながらいろいろ確保しておられるわけですけれども、この中で「特になし」というのが3125施設中、6.2%、約200施設存在するということで、その次ページ、51ページには、病棟別で見た場合が示されておられます。この中で「特になし」というのが多いのが療養病棟入院料ですけれども、20%を超える。療養病棟の中には、それこそ看取りとか、非常に高齢者だけを、退院ということはあまり考えずに取っておられるような施設もままございますので、そういうのはある程度あるのかなという考えは成り立つのです。
同じように見てみますと、急性期一般入院料4~6で「特になし」というのが10%を超えるのです。これに関してはどういうふうに考えたらいいのかというのを、事務局としての見解というのがもしありましたらお教えいただきたいというのがまず1点でございます。
続きまして、53ページ、54ページに介護支援等の連携指導料に関する状況というのを詳しく示していただきまして、課題ありと回答した施設に対して、54ページに課題の内容を細かくお調べいただいています。入院料別で特徴がよく現れていると思われるのですけれども、例えば特定機能病院で見ますと、54ページからの分析では「在院日数が限られるため、ケアマネとの連携が難しい」という回答が80%近くある。それを考えますと、在院日数が短いことが原因かというふうにも考えられるのですけれども、53ページにありますように、20.5%の施設、特定機能病院は課題がないと答えている。そうしますと、在院日数という点では同じと考えますと、この違いはケアマネそのものに連絡がつきやすいか、つかないかというふうな話になってくるわけです。
そうなりますと、ケアマネの調整に時間を要すれば何が起こるかというと、当然、入院中のケアプラン作成が困難になりますし、ケアマネとの連携が難しいということになって、その2つの設問というのは、実はケアマネとの調整時間そのものに従属してしまうということになります。つまり、介護支援等連携指導料の算定には、ケアマネとの調整に時間を要するかどうかということが極めて重要な要素として浮き上がってきているというふうに私は考えます。そうすると、これは診療報酬マターとはちょっと外れるのですけれども、ケアマネをどうするかという視点からどうしていくかということも考えておかないと、この辺のことは進んでいかないのではないかというふうに私は考えます。
次、先ほど津留委員もおっしゃっていました67ページ、68ページ、新型コロナの拡大に伴う面会の在り方について記載がございますけれども、67ページにありますような面会制限のある患者・家族の影響というのは、我々もよく理解しておりますけれども、同時に、そういうふうなものを全くしなかった場合のリスクというのも熟知しております。新型コロナウイルスは変異し続けておりますし、現在話題になっているニンバスのように、咽頭痛がひどくて、高齢者の方なんかは飲み込めないというか、お食事が全然取れないという方がどんどん増えるということが起こったり、今後、重症化することが全くないかと言われると、ちょっとインフルエンザとは同じ5類でも異質ではないかというふうに考えます。
ある程度の面会制限はやむを得ないと考えますけれども、先ほど津留委員もおっしゃったように、ある程度の指針といいますか、そういうものを厚労省も考えていただいたほうがいいかなというふうに私も思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
3点の御指摘のうち、最初の点は御質問だったと思いますので、事務局、お願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
51ページ目の急性期一般入院料4~6で「特になし」が多い理由ということの御質問だったかと思いますが、これについては、すみません、事務局のほうでもなぜこうなっているのかは見解を持ち合わせておりません。申し訳ございません。
○尾形分科会長
よろしいでしょうか。
それでは、田宮委員、どうぞ。
○田宮委員
ありがとうございます。
私から4つほどお願いします。
まず、53ページですけれども、連携に対する課題ということを聞いていただいたのはとても重要だと思うのですが、その前にどのぐらいのところがこの加算を算定をしていたのかという数字が見当たらないので、算定できていないのか、できていても課題だと思っているのか。そこによって解釈が異なるかと思いますので、できれば施設別の算定状況というのをまず教えていただければと思って見ておりました。可能ならお願いしたいです。
それから、次が57、58、医療的ケア児に対して、こういう入院前の加算ができたというのはとても重要だと思うのですが、すごく少ない現状ですね。これもどうしてかというところを、せっかくですので把握していきたいと思います。小児の場合はケアマネというのがいませんので、先ほどの議論にもありましたけれども、誰が間に入ってこういうことをやるのか。多分、総合支援法の関係とかでどなたかがやるのだと思いますが、その辺があまりシステマチックになっていない可能性があるかなと思いまして、せっかくのいい加算だと思うので、その辺を検討いただければと思うことがあります。
それから、3番目は今も話題に出ている面会のことです。ここで面会のことを掘り下げていただいたのはすごく重要だと思っています。意思決定をする上でコミュニケーションがすごく重要ですが、面会が制限されていますと家族も本人の状況は分かりませんし、医師も本人の意思確認も本人の状況も分からないという中で選んでいかなければいけないというのは、非常に困難を極めていたと思うのですね。片や、施設によって、それでもすごく面会を頑張っているところとか、今も井川先生からありましたけれども、コロナの感染の防御との裏返しのところもありますが、それでもいろいろやって頑張っているところとか。
例えば、ICTを活用してオンライン面会的なコミュニケーションをセッティングしているところもありますし、かなり努力して家族に開いているところもあると思うのですね。なので、ぜひここは、ある程度そういうものを評価するようなシステムもあると良いと思います。コミュニケーションが取れないというのはとても課題だと思いますので、お願いしたいと思います。
最後は、90ページですけれども、下のところの意思決定に関わる情報を共有している機関というのが、それぞれの違いが出ていますけれども、そもそも数からして、「共有あり」に比べて「共有なし」のほうが圧倒的に多いですね。これはどういう聞き方をされたのかなというのを確認させていただきたい。意思決定の情報を共有するシステムがあるかないかなのか、それとも、そもそも決定している人はまだ少ないので、意思決定自体をしてない人も「共有なし」に入っていないかなというのが気になります。、それはどちらでしょうか。どちらにせよ、もし情報共有がこんなに少ないと、せっかくACPをやって意思決定がなされたとしても、それが次のところにつながらないというのは意味がなくなってしまうので、ここも大きい課題なのかなと思います。ここは質問の仕方含めて確認させていただきたいと思います。
私からは以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
最後の点は御質問ということですので、事務局、お願いできますか。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
令和4年の調査ですので、すみません、確認させていただきまして、後ほど回答させていただければと思います。
○加古主査
事務局でございます。
こちらは出典のところに記載が不十分で申し訳ございませんが、患者さんごとの状況をお聞きしているものになりますので、実際に共有されたかどうかという観点で2群に分けているものでございます。
以上です。
○尾形分科会長
田宮委員、どうぞ。
○田宮委員
そうなると、患者さんに意思決定の情報がそもそもない方も多いと思うのですけれども、ない場合は共有というのは当然できないですね。患者単位なのか、施設単位なのかも大変重要なことで、今、患者というふうにお聞きしましたので。そうすると、もともとない方が「共有なし」に入っているということになりますか。
○加古主査
御指摘のとおりでございます。
○田宮委員
そうすると、ちょっと意味が違ってしまいますね。意思決定はあるのだけれども、共有できていないのと、そもそも意思決定がないもの、2つの数字が混じってしまっていて「共有なし」が非常に多過ぎるので、その辺も分けて分析いただいて、せっかくあるものは共有できるようにしていただきたいと思います。ありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、小池委員、どうぞ。
○小池委員
ありがとうございます。
私からは1点。42ページ、44ページで、退院困難な患者さんのうち、調整までに時間あるいは人手を費やすということに関して、現行の算定の要件外となってる身寄りがなく同居者が不明という点です。おそらく、要件外になったのは、御本人の状況だけではなくて、ほかの要素と組み合わせて評価すべきという考え方であるということは理解できるのですけれども、実際、医療機関の中では、身寄りがない、あるいは同居者が不明というところで退院調整に非常に苦労されているのも事実です。
一人暮らしの高齢者の増加というのはこれからも進んでまいりますし、昨年の社人研の日本の世帯数の将来推計の中でも、近親者のいない高齢者が今後急増するという推計も出てきておりますので、実際、非常に手間や時間がかかっているということを踏まえた検討をお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
田宮委員、どうぞ。
○田宮委員
すみません、1つ追加、忘れてしまったところがあって、53ページですけれども、ケアマネさんとの連携に時間がかかるということが一番の理由になっているところです。これはケアマネ側の調査も私、いろいろ見たことがありますけれども、ケアマネさんも連携が取れないというのがすごく課題になっています。その工夫の例としてつくば市では、医療者側に連携タイムというのを設けて、この時間は連携を優先していただくとか、そういうことで、割とやりやすかったという経験があります。小さい試みですけれども、何らかの方法でシステマチックにケアマネさんとお互いに会える時間とか、システムをつくるということは双方からの課題なので、重要かと思っております。ありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
事務局、どうぞ。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
本日、御欠席の飯島委員からのコメントをいただいておりますので、読み上げさせていただければと思います。46ページ目の部分に関するコメントです。
入退院支援加算を算定した患者の退院困難な要因のところ。入院前に比べADLが低下し、退院後の生活様式の再編が必要であることが多いようである。年齢や病態にも大きく左右される部分であるが、いわゆる避けられなかったADL低下事例ならば致し方ないのだが、一方で、振り返ってみると避けることのできたADL低下、いわゆるホスピタライゼーション・アソシエイテッド・ディスアビリティの可能性が高いならば、その経験を臨床現場に反映されていくべきであるというコメントがございましたので、この場で御報告させていただきます。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、ほかに特に御意見、御質問がなければ、本件は以上としたいと思います。
それでは、4つ目の議題でございますが、「外来医療について(その3)」でございます。これも事務局から、まず、資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
資料96ページ目以降でございます。
まず、98ページ目、中間とりまとめの抜粋をお示ししております。
99ページ目から3-1.全人的な診療を必要とする患者についてでございます。
100ページ目が地域包括診療料・加算の状況、施設基準などをお示ししております。
101ページ目、地域包括診療料・加算の算定患者に占める高齢者の割合、NDBのデータであります。地域包括診療料の算定患者に占める高齢者65歳以上の割合は92.8%、加算のほうは77.4%という状況でございました。
102ページ目、地域包括診療料・加算を算定された高齢者の受診回数でございます。同一医療機関への受診回数につきましては、6回以上の割合が多いという状況でございます。
続きまして、103ページ目でございます。診療所における検査体制(1)、診療所における各検査項目の実施体制、令和7年度の調査結果で分析しましたので、その結果を集計しております。いずれの項目も、機能強化加算の算定医療機関において、より早期に結果を出せる検査体制が確保されている傾向があったという状況でございます。ちょっと字が小さいですが、縦軸に血液ガス検査、尿検査、HbA1cなど、検査項目ごとに集計したものがございます。
また、104ページ目、引き続いて出血・凝固とか新型コロナウイルスの迅速抗原検査といったようなものとか、検査項目ごとに分析しておりますので、御参照いただければと思います。
続きまして、105ページ目が地域包括診療料の届出医療機関における処方の状況であります。現行の施設要件のほうにも、原則院内処方、あるいは連携する場合は24時間対応薬局と連携といった要件となっておりますが、これらの状況についての令和7年度の調査結果であります。院内処方のみを実施する割合は、「休日・夜間に診療を受ける患者」が最も多く、33.3%、次いで、「予定外の受診をした患者」が21.8%という状況でありました。
106ページ目が7月の分科会でお示ししたものでございます。薬剤適正使用連携加算、地域包括診療料加算の中の注加算として設定されている80点という点数です。算定回数の状況が載っておりますが、この点数につきまして、107ページ目にございますが、加算の算定ありにつきましては7.5%、加算を算定していない理由につきましては、一番多かったのが「当該加算の存在を知らなかったため」ということで、次いで内服薬を減らすことが困難である患者が多いためといった結果となっておりました。
108ページ目も令和7年度の調査結果でございまして、ポリファーマシーの対策の状況であります。それぞれの診療所全体及び機能強化加算の届出あり、あるいは地域包括診療料の届出ありということで、3つの区分に分類しまして、ポリファーマシーの対策の取組状況、それぞれ割合をお示ししております。特に、機能強化加算、地域包括診療料の算定医療機関は多く取り組まれている状況でございます。いずれの区分においても、「診察時にお薬手帳の内容を確認している」が最も多い状況でありました。特に加算の有無によって異なっているところ、薬局薬剤師のトレーシングレポートを受け取っている、あるいは退院元の薬剤師から薬剤管理サマリーを受け取っているといったようなところについては、加算の届出があるところが特に多いという状況がございました。
109ページ目、フレイル・サルコペニア予防に向けた食事指導ということで、論文の抜粋でございますが、下線にございますとおり、糖尿病高齢者の食事戦略は、年齢の進行に伴い、メタボリックシンドロームや肥満治療のための厳格な食事制限から、フレイルやサルコペニア予防のための低栄養の食事指導にシフトすべきであるというようなことが示されております。
110ページ目でございますが、生活習慣病管理料の療養計画書。こちらはどちらかというとメタボリックシンドローム予防を念頭に置いた様式に今、なっておるところでございますが、111ページ目も既にお示しした高齢者の包括管理のイメージでございますが、食事指導について、若年者と高齢者で観点が違うということについて追加でお示ししているところでございます。
112ページ目、生活習慣病管理料についてであります。
1つ目が包括範囲ということで、114ページ目にございますとおり、これは既にお示ししたものでございますが、生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)のそれぞれ点数設定がございます。
115ページ目が管理料(Ⅱ)に包括される主な医学管理料ということで、これも整理してお示ししたものがございます。
116ページ目が算定状況についてであります。
117ページ目、生活習慣病患者における再診料等の6か月当たり算定回数であります。再診料等のレセプト上の主病名が「高血圧症」「糖尿病」「脂質異常症」である外来患者で見た場合の集計でございますが、6か月当たりの算定回数の割合を見ますと、平均して1か月に1回以下の頻度で算定している患者は全体の85%程度であったということでお示ししております。6か月に6回、1月当たり1回程度を赤でお示ししておりますが、平均して1か月に1回以下の頻度となっていたのが85%という状況でありました。
118ページ目が生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)で見たときのものでございます。こちらも平均して2か月に1回以下の頻度で算定している患者の割合は50%前後であったという状況であります。
119ページ目が令和7年度調査の結果を集計したものであります。(Ⅰ)と(Ⅱ)を算定する医療機関に関して、その算定状況を確認したところ、(Ⅱ)のみを算定しているところが73.1%、(Ⅰ)及び(Ⅱ)を算定しているが21.8%、(Ⅰ)のみを算定しているが5.1%という状況であります。さらに、それぞれを算定していない理由を調査しておりますが、こちらに示されておりますとおり、検査の頻度あるいは受診間隔などに応じて、算定していない理由が異なる状況でございました。
120ページ目が生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の算定状況、これも令和7年度の調査結果であります。青いバーが生活習慣病管理料(Ⅰ)、オレンジのバーが生活習慣病管理料(Ⅱ)ということで、それぞれの患者属性に応じて、どのように算定されているかの違いを集計したものとなっております。
121ページ目は生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の検査の実施状況となっております。生活習慣病管理料(Ⅰ)のほうは、外来データ提出加算の算定医療機関を対象として集計しております。算定施設数、算定人数など、こちらにお示ししているとおりでございますが、例えば中央値で見ますと、検査については生活習慣病管理料(Ⅰ)は17.2%、14.6%といったところ。生活習慣病管理料(Ⅱ)については67.4%、69.5%と、6か月の間に検査されているかどうかという中央値はこのようなデータとなっておりました。その他、注射とか病理検査なども結果をお示ししております。
122ページ目は生活習慣病管理料(Ⅱ)の血液検査回数をNDBデータで見ているものであります。6か月当たりの算定回数ですが、特にピンク色のところは6か月の間に検査の算定回数がなかったものをお示ししております。
続きまして、123ページ目から生活習慣病患者の継続算定率についてであります。
124ページ目に6月の生活習慣病管理料の継続算定率のデータをお示ししたところでございますが、こちらのほうは同一の医療機関で同一の管理料を算定しているところで集計したのですが、患者さんによっては、ほかの医療機関に紹介されて継続されている場合もあるのではないかという御指摘がございましたので、事務局のほうで追加で集計したもの、125ページ目を御確認いただければと思いますが、同一医療機関または他の医療機関において継続されている率のほうを集計しております。124ページと125ページを比較して御確認いただければと思います。
126ページ目が特定機能病院の再診患者についてであります。
128ページ目、紹介割合・逆紹介割合による初診料・外来診療料の減算の概要でございますが、129ページ目はNDBデータを用いまして減算の算定回数の状況をお示ししております。特定機能病院(n=88)でございますが、これらの減算算定は0.0%ということでございました。また、地域医療支援病院、紹介受診重点医療機関などについては0.7%あるいは3.5%といったような状況となっておりました。
医療機関ごとに見た、それぞれの値の分布については、下の表で御確認いただければと思います。
130ページ目は逆紹介の申出を行った患者等の割合ということで、令和7年度の調査結果を集計したものであります。特定機能病院あるいは地域医療支援病院・紹介重点医療機関などの400床以上のところという類型で分けまして、逆紹介の申出を行った患者の割合を分析しておりますが、中央値で見ますと、特定機能病院は2.2%、地域医療支援病院は2.7%という形となっておりました。
また、複数科を受診した患者の割合、特定機能病院は6.8%、地域医療支援病院などは5.9%ということでございます。
地域の診療所と連携して診療に当たっているかという、自院と地域の双方がかかりつけである患者の割合について、特定機能病院は0.0%が中央値となっています。地域医療支援病院・紹介重点医療機関は1.1%ということになっておりました。これが逆紹介に関する令和7年度の調査結果でございます。
131ページ目、NDBデータを用いまして、特定機能病院における外来診療料算定患者の主病名の割合を分析しております。特に逆紹介が難しい類型として、悪性腫瘍あるいは難病などの指摘がございましたので、そういった割合を出させていただいておりますが、悪性腫瘍については17.56%、指定難病4.21%、小慢が15.69%といったものが特定機能病院の外来診療患者の主病名となっております。
132は地域医療支援病院の主病名、133ページ目は地域医療支援病院で減算となった患者の主病名をお示ししております。こちらのほうも悪性腫瘍15.10%、指定難病2.52%、小慢9.8%ということで、逆紹介の申出を行った患者さんが減算となっておりますので、そういった申出が行われた患者の病名がこういうふうになっていると見ていただければと思います。
134ページ目はその他の大病院における主病名の状況であります。
135ページ目がその減算対象の患者の主病名となっております。
136ページ目が逆紹介を行う上での課題ということで、137ページ目も令和7年度の調査結果を分析しております。こちら、診療所へ逆紹介するに当たって取り組んでいるもの、青色が特定機能病院、赤色が地域医療支援病院などという形で分けてお示ししておりますが、どういった取組をしているのかということで、逆紹介の提案を行うことがある旨を患者に説明している、あるいはそういったポスターを掲示している、Webサイトに掲載しているといったところが特に多いという結果でございます。その他の取組の状況をこちらに示しております。
138ページ目、逆紹介を行う上での課題と感じていることについてですが、特に多かったのが、複数科受診している患者は調整が困難であるといった回答、あるいは患者さんの理解を得るのが難しいといった回答が多かったという状況です。また、一部、逆紹介先となり得る診療所の情報が少なくて、選定が困難であるとか、地理的に困難であるといった回答もあったところでございます。
139ページ目は外来調査票の診療所のほうで病院から紹介患者を受け入れる上での課題ということで、一番多かったのが「特に課題となることはない」という結果で、60%という状況でありました。その他は「専門的な医療機器が不足している」とか「スタッフが不足している」という回答がございました。
140ページ目が、いわゆる「2人主治医制」についてということで、141ページ目に概要をお示ししておりますが、日常的な受診と専門的な受診のところで、2人主治医型で管理していくといった逆紹介を行っている事例があるということでございます。
142ページ目は令和7年度調査で、こうした取組、病院の専門医師と地域のかかりつけ医師が連携しながら、協働で継続的に治療管理を行う取組の状況について調査しております。その結果であります。青色が特定機能病院、赤色が地域医療支援病院でございますが、こちらについても特に多かったのが、患者への説明を行っている、あるいはポスター、Webサイト等で掲載しているというような取組であります。
143ページ目が診療所側の外来調査票。こちらも大病院と2人主治医型の管理を行っているかについて、「特に取組を行っていない」が一番多く、53%、取組を患者に紹介しているが33%という状況でございました。
144ページ目は患者向けの調査ということで、患者調査あるいは一般市民調査票の中で、この2人主治医型の管理を受けているのか、あるいは受けることについて、どのように考えるかということで調査しております。「受けていると」と回答したのが30.5%あるいは13.2%。「継続的に利用したい」という回答については、8割以上あるいは5割以上という形の調査結果となっております。
145ページ目、現状と課題をお示ししております。146ページ目にございますような課題につきまして御評価いただければと思っております。
事務局からの説明は以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
鳥海委員、どうぞ。
○鳥海委員
ありがとうございます。
133ページの減算の問題なのですけれども、ここで前立腺肥大と乳がんというのが1位と2位を占めているのですけれども、このいずれも逆紹介をするに当たって、ほかの病院から来たのではなくて、検診施設から前立腺の肥大とか乳腺に異常がありますといって紹介された方が多いのではないか。したがって、その逆紹介というものが難しい。例えば、前立腺肥大だったら、じゃ、来年検診を受けてくださいねで終わるような感じがするのですけれども、乳がんだったりした場合に返すに返せないというようなことがあるのではないかと思いました。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
生活習慣病管理料と特定機能病院等の再診患者の特性について申し上げます。
まず、生活習慣病管理料についてですけれども、この管理料につきましては、療養計画書というものに基づきまして、医師と患者間のコミュニケーションをしっかり取りながら、長期間にわたって症状をコントロールすることを評価するものであります。それで、療養計画書はおおむね4か月に1回をめどに交付することが想定されているわけでございまして、それにもかかわらず、121ページ、122ページにおきましては、6か月間検査を実施されていないということが示されており、適切な、これで疾患管理がしっかり行われているかどうかということはいかがかなということになるかと思います。
また、特に管理料(Ⅰ)につきましては、こういう検査料を包括した評価でございますが、解釈によっては管理料の下で長く治療を続けており、検査をしている月としない月においては、患者さんの負担は変わらないということが特色でありますが、120ページを見ますと、生活習慣病の管理の下でしばらく経過した後に、疾病のコントロールが良好であって、合併症や併存疾病も併発せずに検査も頻繁に行う必要がなくなってきたということで、管理料(Ⅰ)を算定しているのだというように解釈できますが、ある一定期間以内に検査をしないということにつきましては、医学管理上どうかなということを感じざるを得ません。
もう少し実態を詳しく分析する必要があるかと思いますが、少なくとも医療資源投入量に応じた包括点数を設定することが必要かということになりますので、場合によりましては、DPCの外来検査のように包括範囲を見直すことも検討すべきではないかと思います。
それから、特定機能病院等の再診患者の特性についてでございます。逆紹介患者の割合につきまして、さらなるデータを御提示いただきまして、ありがとうございました。この逆紹介の要件がかかっている病院の再診につきましては、131ページ以降、疾病の状況を示していただきました。悪性腫瘍、難病、小慢の患者さんの割合が一定数あるということが分かります。
こうした患者さんが逆紹介に結びつきにくくなっているということになるわけですけれども、必ずしも傷病名だけで継続的に外来診療を続けるということに妥当性があるかどうかということは、まだ判断しかねるので、先日来、出ていましたけれども、悪性腫瘍であれば化学療法の継続が行われるとかのように疾病の診療行為の中身、薬剤等のデータを見る必要があるのではないか、さらに詳細な分析をする必要があるのではないかと思います。
ただ、方向性としては、患者さんが地域に戻れる場合は積極的に逆紹介をするということになるかと思いますので、そういった面から、139ページ、診療所におけます病院からの紹介患者の受入れの課題としては、「特にない」が最多である一方、「専門的な医療機器や設備が不足している」、「対応可能なスタッフが不足している」ということもあり、片や138ページは、再診患者の逆紹介を行う上での課題として、治療上の不安を持つ患者さんの理解を得ることが難しいということもありますので、そういう課題を踏まえた上で、144ページに示されておりますが、専門医師と地域のかかりつけ医との連携の内容につきましては、患者さん自身から見た場合は「特に利用したいと思わない」ということが、外来患者さん調査ではそれほど強く出ていません。
ですので、連携の取組を進めつつ、今回、事務局から提示していただいておりますけれども、141ページにあるような「2人主治医制」等の導入なども検討していくことも、継続的な医学管理ということでは必要かなと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。
私は、136ページ以降の再診患者の逆紹介を行う上での課題について、ちょっと意見させていただきたいと思います。
137ページを見ますと、病院側としましては、外来患者に対して逆紹介に関する取組を様々行っているということが見てとれます。
138ページでは逆紹介先の情報が不足しているということで、これはどこの開業医さんが実際患者さんを診てくれるのかというのは、まだまだ可視化されていないということがあろうかと思いますので、この点はかかりつけ医制度が定着すれば解消されるはずかと思います。
139ページを見ますと、診療所側は、受入れに関しては特に支障はないと言っているということで、飛んで144ページ、実際の患者さんの見解として、下のほうを見ますと、「定期的な受診で継続的に利用したい」、あるいは緊急時や特定の専門治療が必要な場合は利用したいという反面、一般市民の調査票では「特に利用したいと思わない」という意見で、ここで乖離が見られるわけですが、これは多分、一般市民がかかりつけ医をまだ持っていないケースも多々あると思いますので、それの裏返しかと思います。
ですので、これについてはかかりつけ医というものを啓蒙する必要があろうかと思いますし、とにかくかかりつけ医制度に関しましては、診療所の医師もまだまだ理解不足のところもあろうかと思いますし、一般市民に対する情報不足の問題もあると思いますので、まずはかかりつけ医制度の定着が最優先されるかなと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
眞庭委員、どうぞ。
○眞庭委員
ありがとうございます。
特定機能病院等の再診患者についてということで、取り上げていただきまして本当にありがとうございます。この課題につきましては、全国の大学病院群のほうでも重く捉えておりまして、現在、AJMCのほうで全国の大学病院本院のほうにアンケートを取って集計されているという状況です。機会があれば、こうした会のほうで、その集計結果を報告させていただきたいというようなお話をいただいておりますので、またよろしくお願いいたします。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょう。
眞野委員、どうぞ。
○眞野委員
ありがとうございます。
自分からはポリファーマシーの件について一言申し上げたいと思います。108ページにデータをお示しいただきまして、ありがとうございます。以前のこの分科会でも、急性期ですと在院日数が短くて、ポリファーマシー対策がなかなか難しいという話があったと思います。このデータを拝見すると、お薬手帳による確認が80%から90%ぐらいありますけれども、中ほどの薬局の薬剤師からのトレーシングレポートを受け取っているとか、あるいは退院・転院元の病院の薬剤師から薬剤管理サマリーを受け取っているというところが、機能強化加算や地域包括診療料加算を届け出ているところで少し高いような傾向が出ていると思います。
お薬手帳に書いてある情報は、一般的には調剤した薬剤の名称、その用法・用量などといった情報になりますけれども、そういう情報に比べると、トレーシングレポートや薬剤管理サマリーには、薬剤調整の状況やその理由なども記載されていると思いますし、患者さんの服薬状況等に関しても、より詳細に書いてあると思います。そのような情報を診療上で把握できることになりますので、ポリファーマシー対策をより行いやすいということなのではないかと思います。このような情報連携を推進することが、ポリファーマシー対策を進める上で非常に重要だと思いました。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、小池委員、どうぞ。
○小池委員
ありがとうございます。
私は、特定機能病院の外来について1点申し上げたいと思います。131ページに特定機能病院の外来診療料の算定患者の主傷病名が出ておりますけれども、外来診療料といっても、診療間隔が分からないということになると、継続的な受診かどうか、あるいは2人主治医かどうかというところが見えにくい可能性があり、この点の確認が必要と感じております。
また、138ページで特定機能病院、大学病院の複数科受診の場合の調整が難しいというふうにあります。この複数科受診というところは、少し深掘りが必要なのではないかと思っております。診療所の側では、139ページにございますように、紹介患者の受入れについては特に問題はないと回答されており、患者さんにとっての大病院であれば複数科が受診できる利便性があることや、外来診療の自己負担の問題等があり、役割分担が進まないといった可能性もあるかもしれませんので、複数科受診の詳細な状況把握今後必要になってくるのではないかと考えております。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
事務局、どうぞ。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
本日欠席の飯島委員から外来に関するコメントをいただいておりますので、読み上げさせていただきます。
109ページ目、フレイル・サルコペニア予防の食事指導でございます。このスライドは、糖尿病高齢者の食事戦略が中心に書かれてある。中年層から前期高齢者へ、そして前期高齢者から後期高齢者へと世代が上がっていくたびに、いわゆるメタボ対策の指導からフレイル・サルコペニア予防に向けた食事指導に重点がシフトチェンジしていく。御存じのように、メタボ対策の視点で後期高齢者世代にも同じような物差しを当てはめてきた長年の経緯があるが、フレイル概念及びその根底をなすサルコペニアへの配慮が徐々に浸透してきており、行政側の事業や国民への指導内容も分岐点を迎えている。
行政側の事業としては、保険課が主導している高齢者保健事業と介護予防の一体的実施が2020年に打ち出され、令和6年度で全自治体の導入が完了となっている。これらを言い換えれば、まずは後期高齢者に対して、健診での疾患重症化予防と同時に、食事・口腔機能に関する栄養・食事・運動・社会参加などのフレイルの包括的視点で他部署と連携を進めていくものである。行政事業であるので、現在は行政職種等で実践している状況であるが、それも限界があり、それに並行して、かかりつけ医も含めた医療管理者側も、この情報をある程度意識して受け皿となっていただく必要があるというコメントでございます。
また、111ページのほうですが、高齢者に必要となる包括管理のイメージ、若年者と高齢者の比較という意味では、このページに書かれている内容で全体的には異論がない。とはいえ、高齢者の身体機能も時代とともに若返ってきているというエビデンスもあるので、同時に高齢者における保健事業との連携としては、フレイル対策、すなわち栄養・運動・口腔のフレイル予防、そしてそこに社会参加や地域でのつながりなどの社会性を包括的に評価していく、介入していくことが求められているといったコメントがございました。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、本件は以上にしたいと思います。
それでは、最後、5つ目の議題でございますが、「データ提出加算(その2)」でございます。これもまず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
147ページ目以降でございます。
まず、149ページ目、御覧ください。データ提出加算の届出を要件とする入院料の拡大についてであります。これまで診療報酬改定において、データ提出加算の届出を要件とする入院料は漸次拡大されてきております。その概要をこちらにお示ししております。
150ページ目、現在の届出医療機関数の推移・割合などでございますが、現在、届出を行う病院の割合については78.4%となっております。届出の医療機関数は、平成24年度以降、増加傾向となっております。
151ページ目が令和6年改定で、データ提出加算の届出を要件とする入院料の見直しということで、このCの区分、精神病棟入院基本料(10対1、13対1)、精神科急性期治療病棟入院料、児童・思春期精神科入院医療管理料はデータ提出が必須という形で、一定の経過措置が置かれているという状況であります。経過措置①、②イという形で定められております。
152ページ目、DPCデータを提出している病床の精神病棟入院基本料のほうですが、データを提出する割合が30.1%という状況となっております。
153ページ目は精神科急性期治療病棟入院料、こちらは39.6%。
154ページ目、児童・思春期精神科入院医療管理料、76.5%という状況であります。
155ページ目は新たにデータ提出加算の届出が要件とされた入院料についてということでございますが、現在は入院料Aの区分、すなわち急性期一般とか特定機能病院、専門病院、地ケア、回復期リハビリテーション、これらを算定する病棟を持っている病院は、届出をしていただくということになっておりますが、それらをいずれも有していない医療機関については、一定の条件の下、当分の間、データ提出加算の要件を満たしているものとみなすという形になっております。これはピンク色の部分、入院料Aの届出がないところで、さらにデータ提出加算の届出がないところが届出の義務が免除されているところでございます。ピンク色の割合が全体的に3割を下回っている状況となっております。
156ページ目は精神系の病棟のほうでございますが、それぞれ15対1、あるいは精神病棟入院基本料が71.5%、あるいは63.9%というのがピンク色になっている状況でございます。こういったところの取扱いが1つの検討課題ということかと思います。
157ページ目が様式1の見直しについてであります。
158ページ目に中間とりまとめの抜粋をお示ししております。
159ページ目、記録や書類作成の業務で簡素化の必要性があるものということで、令和7年度の調査結果をお示ししております。どういった業務の簡素化が必要なのかということで、集計結果でございますが、特に2番目に多かったのが「DPCデータ(様式1)の作成」ということになっております。
160ページ目が様式1において入力を求めるデータということでございますが、DPCデータの中に入っている調査項目、診療報酬改定のために収集しているもの、特に負荷が大きいもの、中程度のもの、小さいものも併せておりますが、診断群分類のDPC制度の運用のための情報、あるいは医療の質に関する情報など、こういったデータがございます。
また、外来・在宅・リハビリもデータがございます。
161ページ目は入院対象の疾患割合が定められている病棟における対象疾患の追加ということで、今、障害者施設等入院基本料、特殊疾患入院医療管理料、特殊疾患病棟入院料につきましては、対象患者が何割以上かということで定められておりますが、現行のDPCデータからは把握がなかなか難しいという状況がございます。
162ページ目、先週の分科会でもお示ししましたが、廃用症候群となっているところが、実は肢体不自由として対象患者とされている可能性があるのではないかという指摘がありましたので、こういったところの分析、障害者病棟や特殊疾患入院管理料などのところについては、DPCデータの様式1をどのように考えるかということ。
また、163ページ目、様式1の作成・提出スケジュールを示しておりますが、データ提出加算では退院とか転棟のタイミングで様式1を作成することとなっておりますが、療養病棟の平均在院日数が400日であるため、入院してから1年以上先にデータが出てくるという形になっておりますので、こういった作成の考え方をどのように考えるかということでございます。
164ページ目が外来データの更なる活用。
165ページ目が令和4年にできた外来データ提出加算、在宅データ提出加算、リハビリテーション加算をお示ししております。
166ページ目は7月にお示しした生活習慣病のガイドラインの例でございます。
167ページ目も再掲でございますが、生活習慣病管理料の血液検査。
168ページ目がDPC制度の機能評価係数Ⅱにおいて、令和6年改定におきまして、医療の質向上に向けた取組ということで、医療の質の3テーマ9指標についてデータを提出したり、公表すると加算で評価されるという形が導入された。
169ページ目にその医療の質指標をお示ししております。
170ページ目が外来医療における医療の質の指標について、こちらは研究班のほうで指標が検討されておりまして、外来における治療管理の指標の例ということで、使用するデータ、外来EFファイルなどを用いて、こういった指標の集計が可能である。
171ページ目が研究班から提出された指標を基に集計したものでございますが、このように医療機関ごとにどういった割合でなされているかという指標を集計することができたところでございます。
172ページ目に現状と課題をお示ししておりますので、こちらについて御議論いただければと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
すみません、ちょうど予定の時間になりましたけれども、もう少し時間を延長してお付き合いいただきたいと思います。
それでは、ただいまの事務局の説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
池田委員、どうぞ。
○池田委員
池田でございます。
ただいま御説明いただいた中での、いわゆる医療の質に関する指標でありますが、こうした病院から提出されるデータに基づいて質の評価を行っていくというのは、もう世界的な流れといいますか、日本はそういう意味では、これからさらに進めていく必要があるような項目だというふうに思っております。
そんな中で、170ページ、171ページで、外来医療における質の評価指標の例というのをお示ししていただいているわけですが、これらはいわゆるプロセスの指標というものでありまして、あとは、この項目を見ますと、診療ガイドラインとか諸外国などでの取扱いを見ますと、いわば質の中でも当たり前の質、本来やらなければいけないものというような指標かというふうに思っております。本来は、このプロセスをきちんとやるのは重要ですけれども、それによって患者さんのアウトカムが改善する。プロセスとアウトカムの関連を見ていく、あるいはアウトカムそのものを測定して、それが改善したというのを見ていくのが本来、一番重要であります。
そうなりますと、先ほど入力の負荷・手間ということでも少し御説明があったところではありますけれども、160ページに示されておりますような、例えばLDLコレステロール値とかHbA1cの値というのは基本的なアウトカムの指標となっておりまして、これらの指標は、例えばイギリスでも外来医療の質評価として20年以上前から普通に取られている。それらを実はペイ・フォー・パフォーマンスと言って、この値が一定の基準を満たしている場合には、追加の診療報酬が払われるというところまでやっている。となりますと、質の評価の観点からいきますと、これらの検査値の値を外していくというのは、ちょっと時代の流れに逆行する点もあるのかなというふうに考えます。
もちろん、入力の手間・負荷というところも十分考慮する必要がありますけれども、こうした指標の重要性というのは、先ほどのプロセス指標と併せて、質の評価という点では取り組んでいくべきものと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
今、池田委員からデータ提出加算に関しての重要性とアウトカムの重要性に触れられましたけれども、それを踏まえまして、世の趨勢として電カル情報も進んでおりますので、そちらのほうも踏まえながら進めるべきだということを申し上げたいと思います。
それから、外来データ提出加算につきましては、これからさらに進めるということを考えていくべきだと思います。これも医療の標準化を進める上から重要であるということには変わりがないわけでありまして、積極的にデータを収集すべきと考えます。ただ、一方通行の収集のみならず、データをフィードバックするということも考えつつ、当該医療機関におけるベンチマークへの活用等を含め、医療機関側のメリットを高めることも考えながら進めていくべきということも考えていったらいいと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。それでは、ほかに特に御意見もなければ、本件は以上としたいと思います。
本日の議題は以上でございます。
それでは、次回の日程等について事務局からお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
本日は御議論いただき、ありがとうございました。
次回の日程は未定でございます。決まり次第、御連絡させていただきます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、令和7年度第10回「診療報酬調査専門組織・入院・外来医療等の調査・評価分科会」を終了させていただきます。本日は長時間にわたりまして熱心な御議論をいただきまして、どうもありがとうございました。
こんにちは。定刻になりましたので、ただいまから、令和7年度第10回「診療報酬調査専門組織・入院・外来医療等の調査・評価分科会」を開催いたします。
本日の開催につきましては、対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。
また、今回の会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うことといたしております。
初めに、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は飯島委員が御欠席と伺っております。また、秋山委員が30分程度遅れての御参加、また武井委員が1時間ほどで退出の御予定というふうに伺っております。
なお、冒頭のカメラ撮りはここまでとしたいと思います。
それでは、早速議事に入らせていただきます。まず、第1の議題でございますが、「令和7年度調査結果(速報)の概要について」でございます。それでは、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
入-1の資料に基づきまして令和7年度調査結果の速報の御説明をいたします。前回の8月21日の分科会のほうでも、既に令和7年度調査を一部御報告させていただいて御議論いただいたところでございますが、今回、全体的なものが速報として取りまとまりましたので、報告させていただくものでございます。
8ページ目のほうを御確認いただきたいのですが、令和7年度調査の回収状況の御報告をさせていただきます。入院のほう、総計として58.8%の回収率でございました。外来のほうは43.9%の回収率でございました。これは前回改定時の令和5年度の調査の回収状況と比較しまして、高い水準となったところでございます。
次ページ以降、調査結果を項目ごとにお示ししておるところでございますが、それぞれの内容につきましては、各テーマのところで事務局から資料を御準備させていただいて御議論させていただきたいと思っておりますので、この場での御説明は割愛させていただきたいと思います。あと、ホームページのほうには、詳細な集計結果のデータも併せて公表させていただいております。
以上、御説明になります。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ただいまの御説明ですが、それぞれの調査結果については、今後の議論の中で、また活用していくということですので、特段何かなければ先に進みたいと思います。何か特にございますでしょうか。
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
ありがとうございました。
1つだけ、ちょっと確認したいことがあります。16ページにあります総合入院体制加算・急性期充実体制加算というグラフですけれども、これは横軸が令和6年度なのか、6年と7年が色と横軸でどう違うのか、説明がないので分かりにくいのですが、教えていただけますでしょうか。
○尾形分科会長
これは事務局、お願いします。16ページの図ですね。
○佐々木医療課長補佐
御質問いただき、ありがとうございます。
こちらは令和6年度とそれ以前の届出状況を比較しているものでございまして、各色については、その前年度までに総合入院体制加算の1・2・3、あるいは急性期充実体制加算のどれを算定していたのかというのが、この色分けされているものでございます。ですので、令和6年度の届出状況自体は、横軸の加算の説明に沿って急性期充実体制加算1・2、総合入院体制加算1・2・3、それぞれnが143とか39とか、これは令和6年度の値になっておりまして、前年度の令和5年度が青、赤、ブルー、ピンクで色分けされておりまして、また資料を分かりやすいように修正させていただきます。
○尾形分科会長
よろしいでしょうか。
○牧野委員
了解しました。
○尾形分科会長
ありがとうございます。
ほか、よろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、本件は以上とさせていただきまして、先に進みたいと思います。
2つ目の議題でございますが、「高度急性期入院医療について(その2)」でございます。これもまず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
入-2の資料に基づきまして御説明いたします。
3ページ目以降が高度急性期入院医療(その2)でございます。
まず、4ページ目、特定集中治療室等を有する病院についてでございます。
5ページ目に中間とりまとめの抜粋をさせていただいております。
6ページ目が救命救急入院料等の施設基準、既に整理されたものをお示ししております。
7ページ目が特定集中治療室管理料等の届出医療機関の推移でございます。これも既に5月にお示ししたものを再掲したものでございます。
8ページ目から1-1のテーマに沿ってでございますが、9ページ目、治療室への入室経路。これは令和7年度の調査結果となっております。「救命救急入院料」及び「特定集中治療室管理料」「ハイケアユニット入院医療管理料」「脳卒中ケアユニット入院医療管理料」、それぞれの病室で入院経路の割合を色でお示ししております。薄茶色あるいは茶色のところが救急外来、青色で示されているのが手術室からの入室、濃いピンクが急変による一般病棟からの入室といった形で、入室経路がどうなっているかということの令和7年度の調査結果をお示ししております。
10ページ目でございますが、年間救急搬送件数と重症な入室患者数の関係(ICU)をお示ししておりますが、重症な患者の指標としまして、入室日のSOFAスコア、医療資源投入量、医療・看護必要度のA得点に着目しまして、一定以上である患者数を縦軸で見まして、横軸のほうが、その病院の年間救急搬送件数という形で散布図をお示ししているものでございますが、年間救急搬送件数、病院全体の搬送件数と重症な患者の入室には弱い正の関係がある。相関係数で言うと0.29などといった形の係数となっておりました。
11ページ目がICUにおける年間全身麻酔実施件数との関係性でございます。こちらのほうは正の相関がより強く出ていたということで、0.6前後の水準となっていたという状況でございます。
12ページ目は5月に既にお示しした資料でありますが、「特定集中治療室管理料」を算定する病院の年間全身麻酔件数あるいは年間の救急搬送件数の分布で見ますと、一定数未満である病院が一定数あったということで、こういったところをより詳しく見ていくべきというところが中間とりまとめにございましたので、事務局のほうで13ページ目以降、さらに資料をお示ししておるものでございます。
13ページ目が救急搬送件数とICUの医療資源投入量というタイトルでございます。年間救急搬送件数を1000件、2000件、4000件で区切りまして、1日当たりの医療資源投入量がどういう割合になっているかをお示ししているものでございます。年間救急搬送件数が多い病院ほど、1日当たりの医療資源投入量が高い傾向となっておりました。特に1000件未満のところで下がるような傾向がございました。
14ページ目が全身麻酔実施件数とICUの医療資源投入量でございます。こちらのほうは、全身麻酔件数が多いほど2500点以下の患者数が多い一方で、2万点以上の患者数も多いという形で、ある意味「ハ」の字のような形で傾向が認められたということでございます。
15ページ目でございます。これは救急患者と、全身麻酔件数とをクロスでさらに集計しているものでございます。一番下の年間救急搬送件数1000件未満のところで見ますと、全身麻酔件数が2000件のところ、あるいは1000件以上2000件未満のところは2500点未満の割合が高いといった傾向もございました。これも全体的にクロス集計で詳細に分析したものでございます。
16ページ目がハイケアユニットで同じような分析を行ったものでございます。5月に既にお示ししているデータを再掲しております。
17ページ目が救急搬送件数とHCUの医療資源投入量でございます。こちらのほうも、年間救急搬送件数1000件未満のところで特に差がある傾向がございました。救急搬送件数が多くなると医療資源投入量が高くなる傾向が若干認められたところでございます。
18ページ目が全身の麻酔件数とHCUの医療資源投入量の関係性でございます。こちらのほうも全身麻酔件数が多くなると1日当たりの医療資源投入量が低くなる関係性になっておりました。
さらに、19ページ目が救急搬送件数と全身麻酔件数をクロスで見ているものでございます。こちらのほうも全体の傾向を御確認いただければと思います。
20ページ目は既に5月にお示ししておりますが、SCUで「A205-2」の超急性期脳卒中加算あるいは「K178-4」の経皮的脳血栓回収術が、その病院でどれぐらい実施されているかということの分布を示しておるものでございます。
21ページ目、令和7年調査としまして、SCUの患者受入方針の調査をしておりますので、その結果をお示ししております。「頭蓋内圧持続測定を必要とする患者」を原則受入れ可能と回答したところが全体の5割、「脳梗塞に対するrt-PA療法・血栓回収療法」を受けた患者を原則受入れ可能な治療室は8割といった結果となっておりました。
22ページ目が医師配置要件でございます。
23ページ目もICUのほうで治療室にどのような患者を受け入れるかという治療受入方針の調査をしておりますが、全体的にICU1・2、ICUの3・4、ICUの5・6と横で比較してみた場合、あまり大きな差は認められなかったところでございますが、特にICU1・2については、三次救急で搬送された患者を受け入れている場合が多い傾向が認められたということかと思います。
24ページ目が治療室に配置されている専任の医師でございます。こちらも令和7年調査で、要件になっている専任の医師は、具体的にどのような医師が配置されているのかということで、集中治療の経験を5年以上有する医師、あるいは外科系の医師、内科系の医師、救急科の医師、その他の診療科の医師、初期研修医などといった調査をさせていただいております。その結果でございます。特に夜間・休日については、ICU5・6、HCU1・2については、その他の区分と比較しまして、「その他の診療科の医師」を配置している割合が多いという傾向がございました。
25ページ目、重症患者対応体制強化加算についてであります。
26ページ目が令和4年改定でこの点数ができたときの説明の資料となっております。特に重症患者の対応強化という考え方で、この点数が新設されたところでございます。
27ページ目がその点数の概要となっております。3日以内、4日から7日の期間、8日から14日の期間において、この点数が加算されるということで、施設基準としましては、専従の看護師、専従・常勤の臨床工学技士の配置などが定められております。
また、必要な届出として急性期充実体制加算の届出などが定められており、一定の実績要件も定められております。
28ページ目、この重症患者対応強化加算の届出状況は御覧のようになっております。全体の中の10%未満という形の届出となっております。
29ページ目、この加算を届け出ていない理由につきまして、令和6年の調査結果をお示ししております。施設基準の看護師の2名の確保ができない、あるいは臨床工学技士を確保できない、あるいは急性期充実体制加算の届出ができていないというのが多い理由となっておりました。
30ページ目、特定機能病院の治療室における重症患者対応強化加算も、届け出ていない理由の調査をしておりますが、※印に書いてありますとおり、特定機能病院は、急性期充実体制加算を届け出ることができないため、この加算はそもそも算定できない規定となっておりますが、この調査結果を一応お示ししておるところでございます。「急性期充実体制加算を届け出ていない」というのが一番多い結果となっておりますが、その他の配置に関する回答もあったところでございます。
31ページ目が特定機能病院の治療室における職員の配置状況ということで、令和6年調査の結果でございますが、専従の臨床工学技士1名以上の配置については、92.3%が配置しているということでございますが、看護師は7.7%となっていたという状況であります。
32ページ目が現状と課題でございます。今、申し上げたことを整理しておりますが、お示ししたデータにつきまして、現状の評価をお願いできればと思っております。
説明は以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。
まず、高度急性期入院医療(その2)ですが、12ページ以降でお示しいただきましたように、今後、高度急性期医療、急性期拠点機能を示すのか、さらに精緻に検討していくに当たり、この救急搬送件数と全麻の件数の評価は重要だと思います。
14ページ、全麻の件数が増えると、ICUに関しては医療資源の低いものも増える。逆に、点数の高いものも多くなるという傾向。
そして、18ページのHCUに関しましては、全麻件数が増えると医療資源投入は低くなる傾向という資料ですね。
あと、15ページの全麻の件数、救急搬送件数とICUの医療資源投入量の資料、ここでの上のまとめの○、2つ目には、年間救急搬送件数が1000件以上2000件未満の病院では、年間全麻件数が多いほど医療資源投入量の高い患者数が多い傾向があった一方で、救急搬送件数が1000件未満の病院では、年間全麻件数が多いほど医療資源投入量が高い患者数が少ない傾向ということで記載いただいています。
ここを見ますと、救急搬送件数が4000件以上から5000件未満というふうに減っていきますと、年間の全麻件数2000件以上に着目しますと1日当たりの医療資源投入量が落ちていくのは、確かにそうかなと。特に救急搬送件数4000件から2000件までで見ますと、全麻件数が落ちると医療資源投入量も落ちるというのが見えます。ただ、この救急搬送件数が1000件から2000件未満で見ますと、むしろちょっとばらついていて、一定の傾向とは言えないのかなというふうにも見えます。
ここからは意見なのですが、これまで全身麻酔手術が、イコール医療資源投入量が多いといった見方で我々、見てきているのかなと思いますけれども、医療資源が低い手術であっても、ここのところ、全身麻酔薬の進歩とか技術が進んで、あえて全身麻酔を選択しているようなケースはないのかどうかということ。
もう一つは、逆に手術点数が1万点以上であるが、例えば全身麻酔に頼らなくてもいいような、血管内手術だったり、インターベンションが増えてきたりしてはいないのかということ。あるいは、泌尿器科手術とか産婦人科系の手術で、医療資源が高い手術ですが、全身麻酔ではなくて脊椎麻酔で手術を行っているケースなどは、かなりの医療資源を投入しているにもかかわらず、全身麻酔ではないがために、そこにカウントされず評価されていないということが起こっていないのかどうかという辺りを、精査して見直す必要があるのではないかなと思っています。
つまり、高額手術点数と全身麻酔のありなし、そして医療資源投入量の正しい評価の在り方に関して、これから話がどんどん進んでいってしまうと思いますので、早い段階で一度見直し、精査が必要ではないかなと思っております。今後、新たな地域医療構想とかで急性期拠点機能を評価するということに関しまして、医療資源の投入量の評価をする動きになると思いますけれども、これからインターベンションとか非侵襲的な治療・手術がさらに増えていく傾向の中で、全身麻酔の件数にこだわって評価していくことが果たして正しいのかどうか。この点に関して注意が必要と思いまして、発言させていただきました。この点に関しましては、後ほど事務局よりコメントいただけましたらありがたいです。
一緒に発言させてもらいますけれども、今度は26ページ、重症患者対応体制強化加算、特定集中治療室の質向上のために高い点数をつけていただいているということです。ただ一方では、人員配置、資格要件が厳しいというのがございます。29ページ、施設基準に係る看護師の数に含めない看護師、別に2名以上の確保が必要ということで、これがなかなか困難ですというような意見。31ページには、要件に該当する経験を有する専従の臨床工学技士の確保ができないという記載がございます。医療の質の確保、必要ですけれども、人材確保もなかなか難しくなる中で、働き方改革も考慮しますと、専従ではなくて専任でも対応できないのかどうかというような検討も必要かと思いまして、発言させていただきました。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
前半の部分が事務局への質問ということで、全麻の実施件数と医療資源投入量との関係についての見解ということですが、いかがでしょう。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
今回は別の中間とりまとめの段階でも、一般的な急性期機能あるいは拠点的な急性期機能ということで、どういう指標で急性期機能を評価していくべきかという観点でも、これまで御議論いただいているかと思います。その中で、手術に関しては、これまでも全身麻酔手術件数とか急性期充実体制加算などで取り入れられている件数ということで、この指標で一旦分析したところでございますが、全身麻酔といってもいろいろなものがあるのではないかという御指摘だったかと思います。今、この集計については、どういう手術なのかというところは、そういう詳細な分類をしたものではございませんが、そういった観点で見ていく必要もあるのではないかという御指摘だったかと思います。
事務局のほうでも、そういった観点でさらに詳しく見ていくことができるかということも、ちょっと考えていきたいと思います。
以上です。
○尾形分科会長
よろしいでしょうか。
○津留委員
ありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
私も高度急性期入院医療の中の特定集中治療室等を有する病院について申し上げます。集中治療室等の役割は、救急搬送された重症患者さんや術後の患者さんの医療管理を行うということになりますけれども、これら治療室を有する高度急性期の病院がどんな役割を担っているかというのは、改めてこのデータから見ていく必要があると思います。
まず、ICUについてですけれども、救急搬送との関係、10ページになりますが、年間救急搬送件数と重症な入室患者数の関係について、実人数で分析しておりますけれども、この場合は、多少弱い相関があるというふうに説明では付されておりますけれども、よくよく見るとあまり相関がないのかなという感じがしております。
それから、13ページ、医療資源投入量の構成割合で分析した場合、救急搬送が多い病院ほど医療資源投入量が高い傾向。一方で、全身麻酔との関係は11ページで、重症患者さんの実人員で分析した場合には相関が見られたと。14ページでは、医療資源投入量の構成割合で分析した場合には、全身麻酔が多い病院ほど医療資源投入量が多い患者さん。これは2万点以上になりますけれども、逆に2500点以下の投入量が少ない患者さんも高かったというふうに出ており、全体像が捉えにくいという状況だと思います。
ただ、15ページの表でございますけれども、全身麻酔件数と救急搬送件数、ICUの医療資源投入量ということでの構成割合でございますが、4区分に分かれて救急搬送件数を表しております。それぞれの区分の一番上のバーが全身麻酔2000件以上の病院ということです。救急搬送件数が多いほど医療資源投入量が少ない患者割合が低く、医療資源投入量が多い患者割合が高くなる傾向が見えます。具体的に水色のバーで見てみますと、この水色は2500点未満の構成割合ということになりますけれども、救急搬送の下からいくと、1000件未満だと66.3%、2000件から4000件未満は47.9%、4000件以上だと43.7%ということで、施設数など配慮すべき点はあるかと思いますが、一定の特徴が読み取れることが分かりました。
それから、ハイケアユニットについても同様な集計が19ページに出されておりますけれども、同じようなことが言えるのではないかと思います。
これらICU・HCUを有する病院の在り方について、救急搬送・全身麻酔の実績を指標として整理することができるのではないかと思います。
それから、SCUについてでございます。20ページ、超急性期脳卒中加算、経皮的血栓回収術の実績につきましては、ゼロないし少ない病院が一定数存在することが示されております。SCUにつきましては、t-PAの投与、血栓回収術の実績が一定程度ある病院が設置すべきではないかということについて確認することが必要ではないかと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
ありがとうございます。
私も特に特定集中治療室に関してお話をしていきたいと思います。今回はかなり詳細な分析をしていただきまして、ありがとうございました。
ただ、そこで分かったことは、まず、救急車の台数が多いと、確かに医療資源投入量は多くなるなというのが12ページなどから分かるところですけれども、手術件数の多さがICUの医療資源投入量と必ずしもきれいに結びついているわけではないのではないか。それも見てとれたところです。特に、低い点数の症例も結構あるということになります。この辺は、多分、最初からICUとして多くの手術患者を入れているようなところでは、必ずしも医療資源が多くならないということの現れかなと思っているところです。
あと、23ページで治療室の患者の受入方針というのがあります。これはICUの1・2、3・4、5・6と3つのカテゴリーに分けてありますけれども、まず、今日の入-1の39ページにあったのが届出病床数ですけれども、1・2、3・4、5・6となるに従ってベッド数が少なくなっていっている。特に、5・6のところは、多くが10床未満の小さな治療室ということが、そのデータから分かるわけです。当然、母体となる病院の規模も小さくなるし、医者の数も少なくなるということが、そこにはあるわけです。ただ、処置・モニタリング、患者状態というところを見ると、ほとんど差はないということになります。ですから、特に機能的な点で大きくは違わないのではないかということが見てとれます。
あと、もう一つが救急患者の受入状態ということで、三次の救急に関してコメントをグリーンのところに絞って書いていますが、実は5・6の一番下の段、三次救急のブルーのところ。これは何かというと、原則として自院では受け入れていない、転院搬送を行うというのが多いのですね。ですから、病院の規模が小さい、フルスペックの病院じゃないために、受入れができない重症患者がいる。そういった患者は当然受けられないから、ほかに回すといったことから、こういった結果になっている。ただ、その点を除けば、どの治療室も機能的には変わらないということが言えると思います。
その次の24ページですけれども、専任の医師のところです。HCUは置いておいて、ICUの5・6になると救急の専門医の数が少なくなって、ほかの診療科の医師、特に夜勤での対応が増えてくるということで、少ない医師で多くの診療科の医師が協力しながら、夜間・休日のICUの管理をしっかり行っているということがこの差になるということですけれども、基本的にそこにいる患者像がどう違うのかということを、さらにしっかり分析していかなければいけないと見てとれます。
もう一つが、30ページ、特定機能病院の治療室のことが出てきていますけれども、重症患者対応体制強化加算の算定要件に急性期充実体制加算を取っていることが入っているおかげで、特定機能病院が取れていないということなのですけれども、これに一体どういった意味があるのか、特定機能病院がなぜ駄目なのかということの明確な意義づけをちゃんと求めなければいけないのかなと思います。
私からは以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、鳥海委員、どうぞ。
○鳥海委員
1つ。21ページの脳卒中のケアユニットの入院医療管理料を算定する治療室のうち、頭蓋内圧の測定を必要とする患者さんが50%、t-PAとか血栓回収をやった人は80%が入らないというふうに読んだのです。これは脳卒中のケアユニットを持っているけれども、そういう治療をやっていないのかなと思ったのですけれども、23ページのICUの受入れのほうを見ると、SCUで受けられませんみたいなやつがICUのほうに入っているように、処置・モニタリングの一番下のところなのですけれども、見えるのですね。ですから、脳卒中のケアユニットを持っていても、中でICUと実際のケアユニットを使い分けて、こういう処置に対応しているのだなというふうに思いました。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょう。
池田委員、どうぞ。
○池田委員
池田でございます。
13ページから19ページ辺りですが、ICUやHCUでの医療資源投入量の分析をしていただいていて、一定の傾向が読み取れるようなところもございますが、ここで分析対象としている医療資源の投入量というのが、DPCの1日当たり包括範囲出来高実績点数ということになっております。そうなりますと、1000点以上の処置は包括じゃなくて出来高で算定すると多分なっていたと思うのですが、これが入っていないのかなと。HCUやICUでは、一定程度、そうした処置も行われているのではないかと思いますので、医療資源投入量を評価するときには、もし特段の理由がなければ、それも含めて投入量は評価すべきと考えますので、もし可能であれば、そのような分析もお示しいただけるといいと思います。
この投入量の点数が1万7500から2万となっています。これはほかの表記にそろえるなら、多分1万9999となるべきなのかなとか、そういう細かい点もございますので、またもし見直しいただけるようであれば御確認いただきたいと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょう。
眞庭委員、どうぞ。
○眞庭委員
ありがとうございます。
私も集中治療室管理料の部分で、特に手術件数と医療資源投入量の箇所ですけれども、委員の他の先生方、お話がありました部分というのも重要な因子として考えられると思いますけれども、手術件数が多い施設において投入量が低いという部分。1つ私が考えましたのは、外科系の学会等でも、手術件数が多い施設での手術は手術成績がいいというようなデータも出ている。そこから考えますと、手術件数が多い施設というのは、ある意味、それぞれの手術において、より安定した治療・手術、また術後管理というのができた結果、個々の資源の投入量が抑えられてきているというような捉え方もあるのではないかというふうに思いますので、その辺り、さらに術式であるとか診療科、臓器別であるとか、そういう分析も進めていくと、より見えてくるのではないかというふうに思いましたので、発言させていただきました。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょう。よろしいですか。
ありがとうございました。ほかに御意見、御質問等もないようですので、本件については以上としたいと思います。
それでは、先に進みます。3つ目の議題でございますが、「入退院支援(その2)」でございます。これもまず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
33ページ目以降でございます。入退院支援(その2)でございます。
35ページ目をお開きください。中間まとめの抜粋をお示ししております。病院・病棟機能ごとの期待される機能、その他の観点から、さらに検討を進めることとなっておりました。
36ページ目が既にお示しした入退院支援加算1・2の概要となっております。
37ページ目も既にお示しした入院料別の患者の特徴となっております。
38ページ目、届出と在院日数の状況。
また、39ページ目が入院時支援加算を算定した患者における入院前に実施した事項。これも既にお示ししたものでございます。
40ページ目も退院困難な要因の特徴(まとめ)、既にお示ししております。
41ページ目は入退院支援加算の届出・算定状況、こちらも既にお示ししたものでございます。ちょっと更新したところがあるかと思います。
42ページ目でございますが、退院困難な患者のうち退院調整完了までに時間を要する患者の全入院料と書いておりますが、こちらは令和7年度調査で新たに調査した結果となっております。現行の算定要件となっている退院困難な要因のところと、その算定要件外となっているところは、「身寄りがなく同居者が不明な者」というのも追加しまして調査したところでございますが、どういった患者が退院調整までに時間を要したのか、上位3つを回答してもらうという調査を行っておりますが、結果としまして一番多かったのが「身寄りがなく同居者が不明な者」が73.4%という結果でございます。
その他、現行の算定要件になっているものについては、要介護認定が未申請とか生活困窮者であること、あるいは退院後の生活様式の再編が必要であるといったところが特に多いという結果でございました。
黄色い枠でお示ししておりますが、急性期病棟などの退院困難な要因としては、特に緊急入院がたくさん言われておりましたが、これに関しては、時間を要する患者という観点の調査結果では低いパーセントになっていたところでございます。
続きまして、43ページ目でございますが、病棟ごとに分けて違いがあるかということを集計しておるものでございますが、入院料に応じた大きな結果の違いはあまりなかったということだと思います。
44ページ目は退院調整に人手を要する患者。先ほどは時間がかかるという観点でしたが、44ページ目は人手を要するという観点で調査しておりますので、その結果をお示ししております。比較的似たような傾向になっているかと思います。
45ページ目は入院料別に詳細に分析したものでございます。
46ページ目も再掲となっておりますが、入退院支援加算を算定した患者の「退院困難な要因」。bの「緊急入院であること」と、gの「生活困窮者であること」というところが多いという結果でございましたが、これは急性期のほうが緊急入院であることが多く、また、退院後の生活様式の再編が必要であることというところは、地域包括ケア病棟などで特に多いという傾向であったところ、これは既にお示ししたものでございます。
47ページ目、身寄りがなく同居者が不明な者に対する入退院支援の具体的な内容について、令和7年度調査を行っております。特に多かったのが「入院時に成年後見人等の確認を行っている」、「行政を含めた対応を検討」している、あるいは「病院内で対応を検討し、統一した対応を行っている」が特に多いという結果でございました。
48ページ目が身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドラインでございます。病院の中で、こういった方に対する医療の意思決定、どのように対応していくのかというところ。左下にございますとおり、判断能力があるのかどうかとか、成年後見制度を利用しているかどうかなどに応じて定められております。
49ページ目にそのフローチャートがございますが、こういったところに入退院支援部門が関わって対応しているというところかと思います。
50ページ目が退院先の確保のために工夫している取組ということで、これも令和7年調査の結果でございます。取組としまして、「退院を見据えた調整を入院直後から開始する」、あるいは「入院後速やかに患者及び家族などに説明を行う」といったところが特に多い結果となっておりました。
51ページ目が入院料別で見たものとなっておりますので、御参照ください。
52ページ目が介護支援等連携指導料の算定回数、算定状況を示しております。令和2年のコロナ禍で下がったところが、また元の水準に戻りつつあるという状況かと思います。
53ページ目がその指導料に関する状況、これも令和7年調査で、病棟ごとに課題があるかどうかという割合をお示ししております。課題ありと答えたところは47.6%でございました。
54ページ目は、さらに具体的にどういう課題があるのか。「在院日数が限られるため、入院中のケアプランの作成が難しい」が青色、赤色が「在院日数が限られるため、ケアマネジャーとの連携が難しい」といった課題と考えられることについて調査しておりますが、特にケアマネジャーとの連携が難しいというような回答が多い傾向がございました。特に、急性期あるいは特定機能病院では、ケアマネとの連携が難しいというのが多い傾向がございました。
55ページ目が精神科入退院支援加算、こちらは令和6年改定で新たに新設された件数でございます。その概要をお示ししております。
56ページ目が精神科入退院支援加算の調査結果、こちらは令和6年の検証調査の結果を抜粋してお示ししておるものでございます。入退院支援加算の算定状況につきましては、330施設のうち、「届出あり」は26.4%、「届出の予定はない」が66.4%となっておりました。その理由としまして、「看護師等の配置が困難であるため」が最も多く、77.4%という結果でありました。
57ページ目が医療的ケア児の入院前の支援の評価、これも令和6年改定で新たに新設されたものでございます。
58ページ目がその算定状況でございます。届出施設が195、算定回数はかなり少ない状況になっております。
59ページ目は入退院支援部門の専従配置の状況につきまして調査しております。令和7年度の調査結果をお示ししております。御参照ください。
60ページ目が入退院支援に関わっている職種ということで、配置予定となっている看護師、社会福祉士など以外にどのような職種が関わっているかなどについての調査結果でありますので、御参照いただければと思います。
61ページ目が地域連携診療計画加算でございます。入退院支援加算の中の注加算として使われている点数でございますが、こちらの届出施設数あるいは算定回数の推移をお示ししているものでございます。こちらのほうは疾患ごとに作成された、いわゆるクリティカルパスに基づいた連携を評価する点数でございます。
62ページ目は入退院支援ルールでございますが、医療介護連携推進事業などにおいて、医療機関と介護施設の情報共有・協働などをスムーズに行うための入退院支援ルールを定めるという考え方がございます。
63ページ目が入退院支援ルールのさいたま市の一例をお示ししております。
64ページ目は全県統一で入退院支援ルールを定める取組ということで、かかりつけ医機能の確保のガイドラインのほうから福井県の事例をお示ししております。
65ページ目は高齢者施設への患者紹介に係る金銭の授受の状況ということで、令和7年調査をしております。全部で2659のうち、「受け取ったことがある」という回答があったのが8ということでございまして、どこから受け取ったかの提供元の内訳はこちらに記載されているとおりでございます。
66は医療ソーシャルワーカーの行動基準ガイドラインでございますが、倫理責任のところで、正規の報酬以外に物品や金銭を受け取らないという考え方が示されております。
67ページ目が面会制限の影響ということで、こちらは看護学のほうの研究でございますが、入退院支援の質と、面会で患者・家族の関係性の把握、患者・家族の思いを把握すること等の関係性が示されております。
68ページ目が面会時のルールについて、こちらは令和6年に調査した結果でございますが、面会時のルールをどのように定めているかの結果であります。日中面会制限しているが80.9%でございます。「面会者の年齢に制限を設けている」が61.5%、「1日の面会人数を制限している」が58.8%、「面会は予約性である」という回答が29.8%という形で、面会のルール制限の状況の調査結果をお示ししております。
69ページ目が入退院支援の評価の現行のイメージを改めて整理したものでございます。
70ページ目は退院困難要因などに関する、今、お示ししたものを整理したものでございまして、71ページ目に課題がございますので、こちらに基づきまして御検討いただきたいと思っております。
72ページ目からは、さらに入退院支援(その2)としての後方支援を目的とした円滑な情報共有・地域連携についての資料でございます。
73ページ目の中間とりまとめにおきまして、包括的な入院医療を担う医療機関の機能に関連して、特に後方支援という観点での指標を検討するということがございました。
また、意思決定支援のところにおきましては、患者の意思に基づいた医療を提供できる体制の観点から、こういった患者の意思に関する情報連携などの評価を検討するということが示されておりました。
74ページ目、在宅及び施設患者の後方支援を行う医療機関についてでございます。現状の点数を整理したものでございますが、在宅療養後方支援病院あるいは介護保険施設の協力医療機関の施設要件、対象患者、その他の条件がこのように定められているところでございます。在宅療養後方支援病院は令和6年8月時点で610施設の届出となっている状況でございます。
75ページ目は協力医療機関の役割ということで、令和6年度の介護報酬改定あるいは診療報酬改定の説明資料でございますが、特に青字のところ、医療機関と介護施設の連携については、在宅療養支援病院、在宅療養支援診療所、在宅療養後方支援病院及び地域包括ケアを有する病院について、介護保険施設の求めに応じて協力医療機関を担うことが望ましいこと。これらを施設基準に入れるということで、同時改定のときにこういった対応が行われたところでございます。
76ページ目は、その医療介護連携の推進のイメージということでございます。
77ページ目が介護施設の対応力強化ということで、特にACSCsという患者像の対応、介護施設と協力医療機関が連携することで救急搬送の回数を下げることができたという報告があります。
78ページ目が協力医療機関と協力対象施設との連携ということで、認定看護師の連携といったものがあるということでございます。
79ページ目も老健局の調査事業でございますが、協力医療機関の効果として、救急搬送を減らすことができたという報告がございます。
80ページ目が協力医療機関となっている施設の分布、こちらが令和7年の調査結果で新たに出てきたデータを集計したものでございますが、病棟の種類ごとに、急性期のみなのか、ケアミックス型なのかということも含めて6類型に分類しまして、どれぐらいの協力医療機関を引き受けているかということの分布をお示ししたものでございます。特に地域包括ケア病棟を有する医療機関、あるいは地域包括医療病棟を有する機関などが特に多いという状況でございます。
81ページ目が協力医療機関となっている施設の類型ごとの数ということで、より詳細に3つの病院類型でさらに区分けしましてお示ししているものでございます。入院料ごとの傾向の差はあまり目立たなかったという形かと思います。
82ページ目が協力医療機関として備えている体制ということで、協力医療機関、3つの要件ということになっておりますけれども、その3つの要件を全て満たしているのが青色、入院体制あるいは相談体制など、それぞれどのようになっているかを色分けしてお示ししておりますが、これも令和7年度の調査結果となっておりますので、御参照いただければと思います。
83ページ目が協力医療機関が担当する協力対象施設の入居者数ということで、どれぐらいの患者数の後方支援を担当しているのかということでございます。特に右側のほう、医療機関10床当たりの担当している入居者の数という形で分析しておりますが、50人以上のところもあれば、1名を割るところもあるということで、このような分布になっているという調査結果であります。これは令和6年の検証調査の結果を整理したものでございます。
84ページ目は8月の総会で出された令和6年度の調査結果でありますが、在宅医療の方の病床の確保の状況についての分析結果であります。
85ページ目が救急受入れ、後方支援に関する現状の評価、7月にお示ししたものを再掲しております。こういった形での評価が現在あるということでございます。
86ページ目も総会でお示しした資料でございますが、介護保険施設等の連携に関する点数でございます。左下に赤枠で囲っておりますが、両加算に共通するカンファレンスの要件、こちらのほうにICTの活用、あるいは一定頻度以上のカンファレンスの実施などが定められているところでございます。
87ページ目はICTの平時からの連携ということで、岡山市で水平連携あるいは垂直連携のような形でICTを活用している事例をお示ししております。
88ページ目は地連ネットの事例ということでお示ししております。
89ページ目もICTの情報共有の事例。
90ページ目が人生の最終段階の医療・ケアに関する情報共有の状況で、これは令和4年度の調査結果でございますが、お示ししております。
91ページ目は令和7年度の調査結果ということで、特に病院における地連ネットなどの多職種連携システムの在宅医療提供施設との情報連携のためのシステム導入。病院の側で導入しているかどうかということの調査結果でありますが、25%が「活用している」、75%が「活用していない」という状況であります。活用していない理由は、「導入にコストがかかるから」「維持・管理にコストがかかるから」が特に多い傾向でございました。
92ページ目は協力対象施設入所者入院加算の届出状況であります。こちらは42%が届け出ている、58%が届出なしの状況でありますが、届け出ていない理由で、ICTの確認体制がないため、また月1回以上の頻度でカンファレンスを実施することが困難なためというようなことも多い結果となっておりました。
93ページ目に医療介護連携の中で顔の見える関係の重要性が指摘されておりますが、94ページ目にございますとおり、そういった報酬の評価の実例ということで、様々な連携を評価する点数の中で、カンファレンスの要件など、あるいはICT連携の要件などが定まっておりますので、こういったところを一覧で整理したものをお示ししております。
95ページ目、今、御説明した資料を整理したものでございますが、課題、こういったデータに基づきまして、現状をどのように評価するのか御検討いただければと思います。
説明は以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
ありがとうございます。
まず、質問になります。退院困難な者という回答のときに、令和6年調査と令和7年調査で結構大きな差があって、特に違いがあったのが緊急入院。令和6年調査では、これが大変多くの割合を占めていたはずなのに、令和7年調査では、退院支援に係る手間とか時間とかいうカテゴリーを絞っただけで、ずっと上位にいたものが上位にいなくなってしまったということが起こっていて、非常に奇異に感じるのです。実は、調査票を私、見たのですけれども、令和6年調査と令和7年調査で、この部分に関する調査票のつくりが変わってきているんじゃないかというのが1つ気になっているところです。
特に、44ページ目にある「身寄りがなく同居者が不明な者」は、当初のこの分科会で出てきたときの資料では、外出しで別なところにあって何人いますよというような数字を書き込むような格好になっていたのです。
あと、調査票で気になったのは、その下にある、身寄りがなく後見人や身元保証人などの支援を受けている者という部分が、後から追加になったのだったらいいのですけれども、最初の調査票の中にはこの項目はたしかなかったと。ですから、どうやってつくったのかということも含めて教えていただきたいなという質問です。お願いします。
○尾形分科会長
これは御質問ですので、事務局、お願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
令和6年のほうは、もともと入退院支援加算算定可能な対象患者でございます。それが退院困難な理由でございます。例えば、36ページのほうを御確認いただきますと、入退院支援加算の概要をお示ししておりますが、アからタまでの場合、退院困難な要因に当てはまる患者が、この入退院支援加算を算定できるというふうになっております。この令和6年の調査のほうは、算定された患者のどの要因に当てはまって算定されたのかという人数のほうを調査するといった趣旨で調査しており、その結果が46ページ目のような形になった。例えば、急性期病棟のほうが緊急入院であることに該当するために、この入退院支援加算を取った人が多かったといったような趣旨の調査結果であると理解しております。
一方で、令和7年調査のほうは、その入退院支援部門の業務として、どういった患者さんに特に人手がかかったり、あるいは時間がかかるかという趣旨で、上位3つを選んでくださいという形で聞いていますので、緊急入院の方がいっぱいいたとしても、緊急入院の人よりも、その他、生活様式の再編が必要であるとか、あるいは身寄りがない人のほうが1人当たりの手間がかかっていたり、あるいは時間がかかっていたりするといった趣旨での調査をしているということで、そういう質問の趣旨が異なるという意味で、こういった違う結果になったのではないかというふうに理解しております。
以上です。
○尾形分科会長
牧野委員、いかがでしょうか。
○牧野委員
そうであれば、ちょっと違和感があるのは、緊急入院というのは入院の形態であって、それ以外の例えば悪性腫瘍とか生活困窮者というのはまた別な要素なのですね。ですから、緊急入院というのはいろいろなところに絡んでくるから、逆につけづらくなってしまうと。それだと明らかにバイアスがかかっているのではないかと思いますので、そういった点をちょっと考慮しながら、これを見る必要があるかなと思っております。
以上です。よろしくお願いします。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。
私も今の同じ場所になりますけれども、42ページ、44ページ、退院困難な患者のうち退院調整完了まで時間を要する、人手を要するという問題ですけれども、身寄りがなく同居者が不明な者が多いわけで、現実、医療現場ではこれで大変困っているという状況がございます。どうしても行政が絡むことにもなりますし、行政の対応がのらりくらりの場合は担当者は非常に困難を極めるということになりますので、現行の算定要件外の項目となっているというところは、ぜひ見直しが必要かなというふうに思います。
そして、65ページです。ここでは金銭等の授受の状況という調査結果をお示しいただいていますが、これをどういう問い方をして、それをどう捉えて、どう回答したのかなというのがちょっと気になりました。例えば、医療機関同士、医療機関と介護施設がお互いにお中元、お歳暮をやるというのは、最近では大分減っていますけれども、日常、あり得ることですし、これと例えば患者紹介1件当たり幾ら個別に払いますよという契約とは全く別次元の話になりますので、これは混同しないようにしなければいけないかな。ということで、n数が8件ということなので、そういった点、問題がないかどうか、個別に詳細調査するなり、慎重に調べた上で公表する必要があるかなと。
メディアさんがこれを見ますと、例えば患者を売買しているのではないかとか、変な切り取られ方をするとおかしなことになりかねませんので、この点はちょっと注意が必要かなと思いました。
それと、67ページ、68ページ、せっかく資料をつけていただきましたので、この点もちょっと触れたいと思いますが、面会制限の影響の資料です。面会ルールにつきましては、各医療機関でコロナの後、まだ対応はばらばらだと思います。もう5類感染症になりましたけれども、現在もオミクロンが定点観測で若干増えたりしていますので、私どもでも地元の医師会の内部の感染症情報とかで、インフルエンザがどこで発生して、どれくらい増えているとか、オミクロンがどれくらいはやっているというのは確認しながら、その状況で対応を変えたりしておりますけれどもね。
果たして病床規模で、じゃ、大学病院はどうなのだろうかと。私の知っている大学病院でも、病棟には絶対家族を入れないというところもまだまだあるようですし、特定機能病院と中小病院ではどういった対応をしているのかというのは、ある程度傾向が分かればありがたいなと、これは個人的な興味もあって、そういうふうに思うところです。それを把握した上で、面会制限の在り方といいますか、あと、院内のマスク着用の必要性も含めて、これは厚労省のほうである程度指針を示していただくことも必要かなというふうに感じるところです。
ちょっと長くなりますけれども、77ページでお示しいただいた資料、これは以前も拝見したことがございますが、介護施設と協力医療機関との緊急の対応連携があれば、そもそも連携が取れていれば無駄な救急搬送が減らせるという実態を示していただいているわけですけれども、これは昨日の中医協総会でも、医療機関を取り巻く環境、コストについて、かなり議論されていたと思いますので、そういった視点で、ちょっと意見を述べさせていただきます。
宿日直許可の問題で、例えば協力医療機関側の病院と、連携している複数の老人介護施設がありまして、仮に夜間、介護スタッフから、このケースは救急搬送したほうがいいでしょうか、どうでしょうか、朝まで様子を見ていいでしょうかという電話が頻繁にかかってくる。それで何回も起こされるということになりますと、現在でも宿日直許可の病院では、救急車に対応すればそれなりにインセンティブをつけたり、ぎりぎりの状態で何とか当直を回しているような現状がございます。
ですので、実は、今週の26日火曜日に福岡県のほうの病院団体で、医師の働き方改革の影響とコスト負担に関しての調査結果を持って、財務省の横山副大臣のほうに要望を提出しておりますけれども、医療機関の当直も含めたコストに関しましては、コロナ前とコロナ後で、常勤医師では9.4%上がったり、非常勤医師でも医師の人件費、約14%も増えているという現状がございますので、こういった医療と介護の連携、後方支援の問題もコストの視点を見ていかなければいけないのかな、必要かなと思いましたので、発言させていただきました。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、秋山委員、どうぞ。
○秋山委員
ありがとうございます。遅れて申し訳ございません。
私からも2-2の後方支援を目的とした円滑な情報共有・地域連携について、1点意見を申し上げます。今回、介護保険施設の後方支援を行うことが期待されて、協力医療機関の役割が定められましたが、82ページなどからは、特に地域包括医療病棟、地域包括ケア病棟などの機能を果たしている病院で、相談、診療、常時の入院体制を整えていることが分かります。本来は、77ページにありますように、介護施設等における対応力の強化を支援し、介護施設で安心して療養していける体制を整備した上で、協力医療機関が必要時にすぐに相談・診療に応じたり、あるいは入院できる体制を確保するという趣旨だと考えます。
先ほど津留委員からも意見がございましたが、多数の施設に対して支援を行う場合、医療機関からは介護施設からの入院依頼が増えて、本来受け入れるべき緊急性の高い患者が受け入れられなくなることがあるといった課題も聞かれますので、こうした課題に対応するためにも、介護保険施設における機能を強化して、避けられる緊急入院をいかに減らしていくかということが重要かと思います。
現在、平時からの連携として、月に一度、協力医療機関と介護施設とでカンファレンス等によって入所者の情報を共有することが定められていますが、実際には、これだけでは介護保険施設の機能強化にまでつながるような連携は難しいということで、78ページにもありますように、協力医療機関の専門性の高い人材が介護保険施設を訪問して支援するなど、そういった取組が行われていますので、介護施設の機能強化を推進して、より医療機関と施設との連携体制を強化する上で、より実効的な連携が進むような要件等を検討していくべきだと思います。
それともう一点、遅れて参りましたので、その前の25ページからのところ、1-3の重症患者対応体制強化加算についてもよろしいでしょうか。
○尾形分科会長
どうぞ。
○秋山委員
ありがとうございます。1-3の重症患者対応体制強化加算について、1点意見を申し上げます。30ページの脚注にもございますが、現在、特定機能病院は、急性期充実体制加算の届出ができないために、急性期充実体制加算の届出を要件としている重症患者対応体制強化加算も届出ができていないという状況になっています。特定機能病院においては、今後、ますます高度急性期機能を担っていくという方向性から考えても、治療室において積極的に集中治療を必要とする患者に対応し、地域の医療機関とも協働していく必要がありますので、特定機能病院においても重症患者対応体制強化加算を活用しながら、その役割を果たしていく方向性が望ましいと考えます。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
井川委員、どうぞ。
○井川委員
ありがとうございます。
私からは3点ほどでございますけれども、まず1点目、50ページに退院先の確保を行うために工夫をしている取組というスライドがございます。退院先の確保、それぞれ苦労しながらいろいろ確保しておられるわけですけれども、この中で「特になし」というのが3125施設中、6.2%、約200施設存在するということで、その次ページ、51ページには、病棟別で見た場合が示されておられます。この中で「特になし」というのが多いのが療養病棟入院料ですけれども、20%を超える。療養病棟の中には、それこそ看取りとか、非常に高齢者だけを、退院ということはあまり考えずに取っておられるような施設もままございますので、そういうのはある程度あるのかなという考えは成り立つのです。
同じように見てみますと、急性期一般入院料4~6で「特になし」というのが10%を超えるのです。これに関してはどういうふうに考えたらいいのかというのを、事務局としての見解というのがもしありましたらお教えいただきたいというのがまず1点でございます。
続きまして、53ページ、54ページに介護支援等の連携指導料に関する状況というのを詳しく示していただきまして、課題ありと回答した施設に対して、54ページに課題の内容を細かくお調べいただいています。入院料別で特徴がよく現れていると思われるのですけれども、例えば特定機能病院で見ますと、54ページからの分析では「在院日数が限られるため、ケアマネとの連携が難しい」という回答が80%近くある。それを考えますと、在院日数が短いことが原因かというふうにも考えられるのですけれども、53ページにありますように、20.5%の施設、特定機能病院は課題がないと答えている。そうしますと、在院日数という点では同じと考えますと、この違いはケアマネそのものに連絡がつきやすいか、つかないかというふうな話になってくるわけです。
そうなりますと、ケアマネの調整に時間を要すれば何が起こるかというと、当然、入院中のケアプラン作成が困難になりますし、ケアマネとの連携が難しいということになって、その2つの設問というのは、実はケアマネとの調整時間そのものに従属してしまうということになります。つまり、介護支援等連携指導料の算定には、ケアマネとの調整に時間を要するかどうかということが極めて重要な要素として浮き上がってきているというふうに私は考えます。そうすると、これは診療報酬マターとはちょっと外れるのですけれども、ケアマネをどうするかという視点からどうしていくかということも考えておかないと、この辺のことは進んでいかないのではないかというふうに私は考えます。
次、先ほど津留委員もおっしゃっていました67ページ、68ページ、新型コロナの拡大に伴う面会の在り方について記載がございますけれども、67ページにありますような面会制限のある患者・家族の影響というのは、我々もよく理解しておりますけれども、同時に、そういうふうなものを全くしなかった場合のリスクというのも熟知しております。新型コロナウイルスは変異し続けておりますし、現在話題になっているニンバスのように、咽頭痛がひどくて、高齢者の方なんかは飲み込めないというか、お食事が全然取れないという方がどんどん増えるということが起こったり、今後、重症化することが全くないかと言われると、ちょっとインフルエンザとは同じ5類でも異質ではないかというふうに考えます。
ある程度の面会制限はやむを得ないと考えますけれども、先ほど津留委員もおっしゃったように、ある程度の指針といいますか、そういうものを厚労省も考えていただいたほうがいいかなというふうに私も思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
3点の御指摘のうち、最初の点は御質問だったと思いますので、事務局、お願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
51ページ目の急性期一般入院料4~6で「特になし」が多い理由ということの御質問だったかと思いますが、これについては、すみません、事務局のほうでもなぜこうなっているのかは見解を持ち合わせておりません。申し訳ございません。
○尾形分科会長
よろしいでしょうか。
それでは、田宮委員、どうぞ。
○田宮委員
ありがとうございます。
私から4つほどお願いします。
まず、53ページですけれども、連携に対する課題ということを聞いていただいたのはとても重要だと思うのですが、その前にどのぐらいのところがこの加算を算定をしていたのかという数字が見当たらないので、算定できていないのか、できていても課題だと思っているのか。そこによって解釈が異なるかと思いますので、できれば施設別の算定状況というのをまず教えていただければと思って見ておりました。可能ならお願いしたいです。
それから、次が57、58、医療的ケア児に対して、こういう入院前の加算ができたというのはとても重要だと思うのですが、すごく少ない現状ですね。これもどうしてかというところを、せっかくですので把握していきたいと思います。小児の場合はケアマネというのがいませんので、先ほどの議論にもありましたけれども、誰が間に入ってこういうことをやるのか。多分、総合支援法の関係とかでどなたかがやるのだと思いますが、その辺があまりシステマチックになっていない可能性があるかなと思いまして、せっかくのいい加算だと思うので、その辺を検討いただければと思うことがあります。
それから、3番目は今も話題に出ている面会のことです。ここで面会のことを掘り下げていただいたのはすごく重要だと思っています。意思決定をする上でコミュニケーションがすごく重要ですが、面会が制限されていますと家族も本人の状況は分かりませんし、医師も本人の意思確認も本人の状況も分からないという中で選んでいかなければいけないというのは、非常に困難を極めていたと思うのですね。片や、施設によって、それでもすごく面会を頑張っているところとか、今も井川先生からありましたけれども、コロナの感染の防御との裏返しのところもありますが、それでもいろいろやって頑張っているところとか。
例えば、ICTを活用してオンライン面会的なコミュニケーションをセッティングしているところもありますし、かなり努力して家族に開いているところもあると思うのですね。なので、ぜひここは、ある程度そういうものを評価するようなシステムもあると良いと思います。コミュニケーションが取れないというのはとても課題だと思いますので、お願いしたいと思います。
最後は、90ページですけれども、下のところの意思決定に関わる情報を共有している機関というのが、それぞれの違いが出ていますけれども、そもそも数からして、「共有あり」に比べて「共有なし」のほうが圧倒的に多いですね。これはどういう聞き方をされたのかなというのを確認させていただきたい。意思決定の情報を共有するシステムがあるかないかなのか、それとも、そもそも決定している人はまだ少ないので、意思決定自体をしてない人も「共有なし」に入っていないかなというのが気になります。、それはどちらでしょうか。どちらにせよ、もし情報共有がこんなに少ないと、せっかくACPをやって意思決定がなされたとしても、それが次のところにつながらないというのは意味がなくなってしまうので、ここも大きい課題なのかなと思います。ここは質問の仕方含めて確認させていただきたいと思います。
私からは以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
最後の点は御質問ということですので、事務局、お願いできますか。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
令和4年の調査ですので、すみません、確認させていただきまして、後ほど回答させていただければと思います。
○加古主査
事務局でございます。
こちらは出典のところに記載が不十分で申し訳ございませんが、患者さんごとの状況をお聞きしているものになりますので、実際に共有されたかどうかという観点で2群に分けているものでございます。
以上です。
○尾形分科会長
田宮委員、どうぞ。
○田宮委員
そうなると、患者さんに意思決定の情報がそもそもない方も多いと思うのですけれども、ない場合は共有というのは当然できないですね。患者単位なのか、施設単位なのかも大変重要なことで、今、患者というふうにお聞きしましたので。そうすると、もともとない方が「共有なし」に入っているということになりますか。
○加古主査
御指摘のとおりでございます。
○田宮委員
そうすると、ちょっと意味が違ってしまいますね。意思決定はあるのだけれども、共有できていないのと、そもそも意思決定がないもの、2つの数字が混じってしまっていて「共有なし」が非常に多過ぎるので、その辺も分けて分析いただいて、せっかくあるものは共有できるようにしていただきたいと思います。ありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、小池委員、どうぞ。
○小池委員
ありがとうございます。
私からは1点。42ページ、44ページで、退院困難な患者さんのうち、調整までに時間あるいは人手を費やすということに関して、現行の算定の要件外となってる身寄りがなく同居者が不明という点です。おそらく、要件外になったのは、御本人の状況だけではなくて、ほかの要素と組み合わせて評価すべきという考え方であるということは理解できるのですけれども、実際、医療機関の中では、身寄りがない、あるいは同居者が不明というところで退院調整に非常に苦労されているのも事実です。
一人暮らしの高齢者の増加というのはこれからも進んでまいりますし、昨年の社人研の日本の世帯数の将来推計の中でも、近親者のいない高齢者が今後急増するという推計も出てきておりますので、実際、非常に手間や時間がかかっているということを踏まえた検討をお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
田宮委員、どうぞ。
○田宮委員
すみません、1つ追加、忘れてしまったところがあって、53ページですけれども、ケアマネさんとの連携に時間がかかるということが一番の理由になっているところです。これはケアマネ側の調査も私、いろいろ見たことがありますけれども、ケアマネさんも連携が取れないというのがすごく課題になっています。その工夫の例としてつくば市では、医療者側に連携タイムというのを設けて、この時間は連携を優先していただくとか、そういうことで、割とやりやすかったという経験があります。小さい試みですけれども、何らかの方法でシステマチックにケアマネさんとお互いに会える時間とか、システムをつくるということは双方からの課題なので、重要かと思っております。ありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
事務局、どうぞ。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
本日、御欠席の飯島委員からのコメントをいただいておりますので、読み上げさせていただければと思います。46ページ目の部分に関するコメントです。
入退院支援加算を算定した患者の退院困難な要因のところ。入院前に比べADLが低下し、退院後の生活様式の再編が必要であることが多いようである。年齢や病態にも大きく左右される部分であるが、いわゆる避けられなかったADL低下事例ならば致し方ないのだが、一方で、振り返ってみると避けることのできたADL低下、いわゆるホスピタライゼーション・アソシエイテッド・ディスアビリティの可能性が高いならば、その経験を臨床現場に反映されていくべきであるというコメントがございましたので、この場で御報告させていただきます。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、ほかに特に御意見、御質問がなければ、本件は以上としたいと思います。
それでは、4つ目の議題でございますが、「外来医療について(その3)」でございます。これも事務局から、まず、資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
資料96ページ目以降でございます。
まず、98ページ目、中間とりまとめの抜粋をお示ししております。
99ページ目から3-1.全人的な診療を必要とする患者についてでございます。
100ページ目が地域包括診療料・加算の状況、施設基準などをお示ししております。
101ページ目、地域包括診療料・加算の算定患者に占める高齢者の割合、NDBのデータであります。地域包括診療料の算定患者に占める高齢者65歳以上の割合は92.8%、加算のほうは77.4%という状況でございました。
102ページ目、地域包括診療料・加算を算定された高齢者の受診回数でございます。同一医療機関への受診回数につきましては、6回以上の割合が多いという状況でございます。
続きまして、103ページ目でございます。診療所における検査体制(1)、診療所における各検査項目の実施体制、令和7年度の調査結果で分析しましたので、その結果を集計しております。いずれの項目も、機能強化加算の算定医療機関において、より早期に結果を出せる検査体制が確保されている傾向があったという状況でございます。ちょっと字が小さいですが、縦軸に血液ガス検査、尿検査、HbA1cなど、検査項目ごとに集計したものがございます。
また、104ページ目、引き続いて出血・凝固とか新型コロナウイルスの迅速抗原検査といったようなものとか、検査項目ごとに分析しておりますので、御参照いただければと思います。
続きまして、105ページ目が地域包括診療料の届出医療機関における処方の状況であります。現行の施設要件のほうにも、原則院内処方、あるいは連携する場合は24時間対応薬局と連携といった要件となっておりますが、これらの状況についての令和7年度の調査結果であります。院内処方のみを実施する割合は、「休日・夜間に診療を受ける患者」が最も多く、33.3%、次いで、「予定外の受診をした患者」が21.8%という状況でありました。
106ページ目が7月の分科会でお示ししたものでございます。薬剤適正使用連携加算、地域包括診療料加算の中の注加算として設定されている80点という点数です。算定回数の状況が載っておりますが、この点数につきまして、107ページ目にございますが、加算の算定ありにつきましては7.5%、加算を算定していない理由につきましては、一番多かったのが「当該加算の存在を知らなかったため」ということで、次いで内服薬を減らすことが困難である患者が多いためといった結果となっておりました。
108ページ目も令和7年度の調査結果でございまして、ポリファーマシーの対策の状況であります。それぞれの診療所全体及び機能強化加算の届出あり、あるいは地域包括診療料の届出ありということで、3つの区分に分類しまして、ポリファーマシーの対策の取組状況、それぞれ割合をお示ししております。特に、機能強化加算、地域包括診療料の算定医療機関は多く取り組まれている状況でございます。いずれの区分においても、「診察時にお薬手帳の内容を確認している」が最も多い状況でありました。特に加算の有無によって異なっているところ、薬局薬剤師のトレーシングレポートを受け取っている、あるいは退院元の薬剤師から薬剤管理サマリーを受け取っているといったようなところについては、加算の届出があるところが特に多いという状況がございました。
109ページ目、フレイル・サルコペニア予防に向けた食事指導ということで、論文の抜粋でございますが、下線にございますとおり、糖尿病高齢者の食事戦略は、年齢の進行に伴い、メタボリックシンドロームや肥満治療のための厳格な食事制限から、フレイルやサルコペニア予防のための低栄養の食事指導にシフトすべきであるというようなことが示されております。
110ページ目でございますが、生活習慣病管理料の療養計画書。こちらはどちらかというとメタボリックシンドローム予防を念頭に置いた様式に今、なっておるところでございますが、111ページ目も既にお示しした高齢者の包括管理のイメージでございますが、食事指導について、若年者と高齢者で観点が違うということについて追加でお示ししているところでございます。
112ページ目、生活習慣病管理料についてであります。
1つ目が包括範囲ということで、114ページ目にございますとおり、これは既にお示ししたものでございますが、生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)のそれぞれ点数設定がございます。
115ページ目が管理料(Ⅱ)に包括される主な医学管理料ということで、これも整理してお示ししたものがございます。
116ページ目が算定状況についてであります。
117ページ目、生活習慣病患者における再診料等の6か月当たり算定回数であります。再診料等のレセプト上の主病名が「高血圧症」「糖尿病」「脂質異常症」である外来患者で見た場合の集計でございますが、6か月当たりの算定回数の割合を見ますと、平均して1か月に1回以下の頻度で算定している患者は全体の85%程度であったということでお示ししております。6か月に6回、1月当たり1回程度を赤でお示ししておりますが、平均して1か月に1回以下の頻度となっていたのが85%という状況でありました。
118ページ目が生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)で見たときのものでございます。こちらも平均して2か月に1回以下の頻度で算定している患者の割合は50%前後であったという状況であります。
119ページ目が令和7年度調査の結果を集計したものであります。(Ⅰ)と(Ⅱ)を算定する医療機関に関して、その算定状況を確認したところ、(Ⅱ)のみを算定しているところが73.1%、(Ⅰ)及び(Ⅱ)を算定しているが21.8%、(Ⅰ)のみを算定しているが5.1%という状況であります。さらに、それぞれを算定していない理由を調査しておりますが、こちらに示されておりますとおり、検査の頻度あるいは受診間隔などに応じて、算定していない理由が異なる状況でございました。
120ページ目が生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の算定状況、これも令和7年度の調査結果であります。青いバーが生活習慣病管理料(Ⅰ)、オレンジのバーが生活習慣病管理料(Ⅱ)ということで、それぞれの患者属性に応じて、どのように算定されているかの違いを集計したものとなっております。
121ページ目は生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の検査の実施状況となっております。生活習慣病管理料(Ⅰ)のほうは、外来データ提出加算の算定医療機関を対象として集計しております。算定施設数、算定人数など、こちらにお示ししているとおりでございますが、例えば中央値で見ますと、検査については生活習慣病管理料(Ⅰ)は17.2%、14.6%といったところ。生活習慣病管理料(Ⅱ)については67.4%、69.5%と、6か月の間に検査されているかどうかという中央値はこのようなデータとなっておりました。その他、注射とか病理検査なども結果をお示ししております。
122ページ目は生活習慣病管理料(Ⅱ)の血液検査回数をNDBデータで見ているものであります。6か月当たりの算定回数ですが、特にピンク色のところは6か月の間に検査の算定回数がなかったものをお示ししております。
続きまして、123ページ目から生活習慣病患者の継続算定率についてであります。
124ページ目に6月の生活習慣病管理料の継続算定率のデータをお示ししたところでございますが、こちらのほうは同一の医療機関で同一の管理料を算定しているところで集計したのですが、患者さんによっては、ほかの医療機関に紹介されて継続されている場合もあるのではないかという御指摘がございましたので、事務局のほうで追加で集計したもの、125ページ目を御確認いただければと思いますが、同一医療機関または他の医療機関において継続されている率のほうを集計しております。124ページと125ページを比較して御確認いただければと思います。
126ページ目が特定機能病院の再診患者についてであります。
128ページ目、紹介割合・逆紹介割合による初診料・外来診療料の減算の概要でございますが、129ページ目はNDBデータを用いまして減算の算定回数の状況をお示ししております。特定機能病院(n=88)でございますが、これらの減算算定は0.0%ということでございました。また、地域医療支援病院、紹介受診重点医療機関などについては0.7%あるいは3.5%といったような状況となっておりました。
医療機関ごとに見た、それぞれの値の分布については、下の表で御確認いただければと思います。
130ページ目は逆紹介の申出を行った患者等の割合ということで、令和7年度の調査結果を集計したものであります。特定機能病院あるいは地域医療支援病院・紹介重点医療機関などの400床以上のところという類型で分けまして、逆紹介の申出を行った患者の割合を分析しておりますが、中央値で見ますと、特定機能病院は2.2%、地域医療支援病院は2.7%という形となっておりました。
また、複数科を受診した患者の割合、特定機能病院は6.8%、地域医療支援病院などは5.9%ということでございます。
地域の診療所と連携して診療に当たっているかという、自院と地域の双方がかかりつけである患者の割合について、特定機能病院は0.0%が中央値となっています。地域医療支援病院・紹介重点医療機関は1.1%ということになっておりました。これが逆紹介に関する令和7年度の調査結果でございます。
131ページ目、NDBデータを用いまして、特定機能病院における外来診療料算定患者の主病名の割合を分析しております。特に逆紹介が難しい類型として、悪性腫瘍あるいは難病などの指摘がございましたので、そういった割合を出させていただいておりますが、悪性腫瘍については17.56%、指定難病4.21%、小慢が15.69%といったものが特定機能病院の外来診療患者の主病名となっております。
132は地域医療支援病院の主病名、133ページ目は地域医療支援病院で減算となった患者の主病名をお示ししております。こちらのほうも悪性腫瘍15.10%、指定難病2.52%、小慢9.8%ということで、逆紹介の申出を行った患者さんが減算となっておりますので、そういった申出が行われた患者の病名がこういうふうになっていると見ていただければと思います。
134ページ目はその他の大病院における主病名の状況であります。
135ページ目がその減算対象の患者の主病名となっております。
136ページ目が逆紹介を行う上での課題ということで、137ページ目も令和7年度の調査結果を分析しております。こちら、診療所へ逆紹介するに当たって取り組んでいるもの、青色が特定機能病院、赤色が地域医療支援病院などという形で分けてお示ししておりますが、どういった取組をしているのかということで、逆紹介の提案を行うことがある旨を患者に説明している、あるいはそういったポスターを掲示している、Webサイトに掲載しているといったところが特に多いという結果でございます。その他の取組の状況をこちらに示しております。
138ページ目、逆紹介を行う上での課題と感じていることについてですが、特に多かったのが、複数科受診している患者は調整が困難であるといった回答、あるいは患者さんの理解を得るのが難しいといった回答が多かったという状況です。また、一部、逆紹介先となり得る診療所の情報が少なくて、選定が困難であるとか、地理的に困難であるといった回答もあったところでございます。
139ページ目は外来調査票の診療所のほうで病院から紹介患者を受け入れる上での課題ということで、一番多かったのが「特に課題となることはない」という結果で、60%という状況でありました。その他は「専門的な医療機器が不足している」とか「スタッフが不足している」という回答がございました。
140ページ目が、いわゆる「2人主治医制」についてということで、141ページ目に概要をお示ししておりますが、日常的な受診と専門的な受診のところで、2人主治医型で管理していくといった逆紹介を行っている事例があるということでございます。
142ページ目は令和7年度調査で、こうした取組、病院の専門医師と地域のかかりつけ医師が連携しながら、協働で継続的に治療管理を行う取組の状況について調査しております。その結果であります。青色が特定機能病院、赤色が地域医療支援病院でございますが、こちらについても特に多かったのが、患者への説明を行っている、あるいはポスター、Webサイト等で掲載しているというような取組であります。
143ページ目が診療所側の外来調査票。こちらも大病院と2人主治医型の管理を行っているかについて、「特に取組を行っていない」が一番多く、53%、取組を患者に紹介しているが33%という状況でございました。
144ページ目は患者向けの調査ということで、患者調査あるいは一般市民調査票の中で、この2人主治医型の管理を受けているのか、あるいは受けることについて、どのように考えるかということで調査しております。「受けていると」と回答したのが30.5%あるいは13.2%。「継続的に利用したい」という回答については、8割以上あるいは5割以上という形の調査結果となっております。
145ページ目、現状と課題をお示ししております。146ページ目にございますような課題につきまして御評価いただければと思っております。
事務局からの説明は以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
鳥海委員、どうぞ。
○鳥海委員
ありがとうございます。
133ページの減算の問題なのですけれども、ここで前立腺肥大と乳がんというのが1位と2位を占めているのですけれども、このいずれも逆紹介をするに当たって、ほかの病院から来たのではなくて、検診施設から前立腺の肥大とか乳腺に異常がありますといって紹介された方が多いのではないか。したがって、その逆紹介というものが難しい。例えば、前立腺肥大だったら、じゃ、来年検診を受けてくださいねで終わるような感じがするのですけれども、乳がんだったりした場合に返すに返せないというようなことがあるのではないかと思いました。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
生活習慣病管理料と特定機能病院等の再診患者の特性について申し上げます。
まず、生活習慣病管理料についてですけれども、この管理料につきましては、療養計画書というものに基づきまして、医師と患者間のコミュニケーションをしっかり取りながら、長期間にわたって症状をコントロールすることを評価するものであります。それで、療養計画書はおおむね4か月に1回をめどに交付することが想定されているわけでございまして、それにもかかわらず、121ページ、122ページにおきましては、6か月間検査を実施されていないということが示されており、適切な、これで疾患管理がしっかり行われているかどうかということはいかがかなということになるかと思います。
また、特に管理料(Ⅰ)につきましては、こういう検査料を包括した評価でございますが、解釈によっては管理料の下で長く治療を続けており、検査をしている月としない月においては、患者さんの負担は変わらないということが特色でありますが、120ページを見ますと、生活習慣病の管理の下でしばらく経過した後に、疾病のコントロールが良好であって、合併症や併存疾病も併発せずに検査も頻繁に行う必要がなくなってきたということで、管理料(Ⅰ)を算定しているのだというように解釈できますが、ある一定期間以内に検査をしないということにつきましては、医学管理上どうかなということを感じざるを得ません。
もう少し実態を詳しく分析する必要があるかと思いますが、少なくとも医療資源投入量に応じた包括点数を設定することが必要かということになりますので、場合によりましては、DPCの外来検査のように包括範囲を見直すことも検討すべきではないかと思います。
それから、特定機能病院等の再診患者の特性についてでございます。逆紹介患者の割合につきまして、さらなるデータを御提示いただきまして、ありがとうございました。この逆紹介の要件がかかっている病院の再診につきましては、131ページ以降、疾病の状況を示していただきました。悪性腫瘍、難病、小慢の患者さんの割合が一定数あるということが分かります。
こうした患者さんが逆紹介に結びつきにくくなっているということになるわけですけれども、必ずしも傷病名だけで継続的に外来診療を続けるということに妥当性があるかどうかということは、まだ判断しかねるので、先日来、出ていましたけれども、悪性腫瘍であれば化学療法の継続が行われるとかのように疾病の診療行為の中身、薬剤等のデータを見る必要があるのではないか、さらに詳細な分析をする必要があるのではないかと思います。
ただ、方向性としては、患者さんが地域に戻れる場合は積極的に逆紹介をするということになるかと思いますので、そういった面から、139ページ、診療所におけます病院からの紹介患者の受入れの課題としては、「特にない」が最多である一方、「専門的な医療機器や設備が不足している」、「対応可能なスタッフが不足している」ということもあり、片や138ページは、再診患者の逆紹介を行う上での課題として、治療上の不安を持つ患者さんの理解を得ることが難しいということもありますので、そういう課題を踏まえた上で、144ページに示されておりますが、専門医師と地域のかかりつけ医との連携の内容につきましては、患者さん自身から見た場合は「特に利用したいと思わない」ということが、外来患者さん調査ではそれほど強く出ていません。
ですので、連携の取組を進めつつ、今回、事務局から提示していただいておりますけれども、141ページにあるような「2人主治医制」等の導入なども検討していくことも、継続的な医学管理ということでは必要かなと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。
私は、136ページ以降の再診患者の逆紹介を行う上での課題について、ちょっと意見させていただきたいと思います。
137ページを見ますと、病院側としましては、外来患者に対して逆紹介に関する取組を様々行っているということが見てとれます。
138ページでは逆紹介先の情報が不足しているということで、これはどこの開業医さんが実際患者さんを診てくれるのかというのは、まだまだ可視化されていないということがあろうかと思いますので、この点はかかりつけ医制度が定着すれば解消されるはずかと思います。
139ページを見ますと、診療所側は、受入れに関しては特に支障はないと言っているということで、飛んで144ページ、実際の患者さんの見解として、下のほうを見ますと、「定期的な受診で継続的に利用したい」、あるいは緊急時や特定の専門治療が必要な場合は利用したいという反面、一般市民の調査票では「特に利用したいと思わない」という意見で、ここで乖離が見られるわけですが、これは多分、一般市民がかかりつけ医をまだ持っていないケースも多々あると思いますので、それの裏返しかと思います。
ですので、これについてはかかりつけ医というものを啓蒙する必要があろうかと思いますし、とにかくかかりつけ医制度に関しましては、診療所の医師もまだまだ理解不足のところもあろうかと思いますし、一般市民に対する情報不足の問題もあると思いますので、まずはかかりつけ医制度の定着が最優先されるかなと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
眞庭委員、どうぞ。
○眞庭委員
ありがとうございます。
特定機能病院等の再診患者についてということで、取り上げていただきまして本当にありがとうございます。この課題につきましては、全国の大学病院群のほうでも重く捉えておりまして、現在、AJMCのほうで全国の大学病院本院のほうにアンケートを取って集計されているという状況です。機会があれば、こうした会のほうで、その集計結果を報告させていただきたいというようなお話をいただいておりますので、またよろしくお願いいたします。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょう。
眞野委員、どうぞ。
○眞野委員
ありがとうございます。
自分からはポリファーマシーの件について一言申し上げたいと思います。108ページにデータをお示しいただきまして、ありがとうございます。以前のこの分科会でも、急性期ですと在院日数が短くて、ポリファーマシー対策がなかなか難しいという話があったと思います。このデータを拝見すると、お薬手帳による確認が80%から90%ぐらいありますけれども、中ほどの薬局の薬剤師からのトレーシングレポートを受け取っているとか、あるいは退院・転院元の病院の薬剤師から薬剤管理サマリーを受け取っているというところが、機能強化加算や地域包括診療料加算を届け出ているところで少し高いような傾向が出ていると思います。
お薬手帳に書いてある情報は、一般的には調剤した薬剤の名称、その用法・用量などといった情報になりますけれども、そういう情報に比べると、トレーシングレポートや薬剤管理サマリーには、薬剤調整の状況やその理由なども記載されていると思いますし、患者さんの服薬状況等に関しても、より詳細に書いてあると思います。そのような情報を診療上で把握できることになりますので、ポリファーマシー対策をより行いやすいということなのではないかと思います。このような情報連携を推進することが、ポリファーマシー対策を進める上で非常に重要だと思いました。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、小池委員、どうぞ。
○小池委員
ありがとうございます。
私は、特定機能病院の外来について1点申し上げたいと思います。131ページに特定機能病院の外来診療料の算定患者の主傷病名が出ておりますけれども、外来診療料といっても、診療間隔が分からないということになると、継続的な受診かどうか、あるいは2人主治医かどうかというところが見えにくい可能性があり、この点の確認が必要と感じております。
また、138ページで特定機能病院、大学病院の複数科受診の場合の調整が難しいというふうにあります。この複数科受診というところは、少し深掘りが必要なのではないかと思っております。診療所の側では、139ページにございますように、紹介患者の受入れについては特に問題はないと回答されており、患者さんにとっての大病院であれば複数科が受診できる利便性があることや、外来診療の自己負担の問題等があり、役割分担が進まないといった可能性もあるかもしれませんので、複数科受診の詳細な状況把握今後必要になってくるのではないかと考えております。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
事務局、どうぞ。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
本日欠席の飯島委員から外来に関するコメントをいただいておりますので、読み上げさせていただきます。
109ページ目、フレイル・サルコペニア予防の食事指導でございます。このスライドは、糖尿病高齢者の食事戦略が中心に書かれてある。中年層から前期高齢者へ、そして前期高齢者から後期高齢者へと世代が上がっていくたびに、いわゆるメタボ対策の指導からフレイル・サルコペニア予防に向けた食事指導に重点がシフトチェンジしていく。御存じのように、メタボ対策の視点で後期高齢者世代にも同じような物差しを当てはめてきた長年の経緯があるが、フレイル概念及びその根底をなすサルコペニアへの配慮が徐々に浸透してきており、行政側の事業や国民への指導内容も分岐点を迎えている。
行政側の事業としては、保険課が主導している高齢者保健事業と介護予防の一体的実施が2020年に打ち出され、令和6年度で全自治体の導入が完了となっている。これらを言い換えれば、まずは後期高齢者に対して、健診での疾患重症化予防と同時に、食事・口腔機能に関する栄養・食事・運動・社会参加などのフレイルの包括的視点で他部署と連携を進めていくものである。行政事業であるので、現在は行政職種等で実践している状況であるが、それも限界があり、それに並行して、かかりつけ医も含めた医療管理者側も、この情報をある程度意識して受け皿となっていただく必要があるというコメントでございます。
また、111ページのほうですが、高齢者に必要となる包括管理のイメージ、若年者と高齢者の比較という意味では、このページに書かれている内容で全体的には異論がない。とはいえ、高齢者の身体機能も時代とともに若返ってきているというエビデンスもあるので、同時に高齢者における保健事業との連携としては、フレイル対策、すなわち栄養・運動・口腔のフレイル予防、そしてそこに社会参加や地域でのつながりなどの社会性を包括的に評価していく、介入していくことが求められているといったコメントがございました。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、本件は以上にしたいと思います。
それでは、最後、5つ目の議題でございますが、「データ提出加算(その2)」でございます。これもまず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
147ページ目以降でございます。
まず、149ページ目、御覧ください。データ提出加算の届出を要件とする入院料の拡大についてであります。これまで診療報酬改定において、データ提出加算の届出を要件とする入院料は漸次拡大されてきております。その概要をこちらにお示ししております。
150ページ目、現在の届出医療機関数の推移・割合などでございますが、現在、届出を行う病院の割合については78.4%となっております。届出の医療機関数は、平成24年度以降、増加傾向となっております。
151ページ目が令和6年改定で、データ提出加算の届出を要件とする入院料の見直しということで、このCの区分、精神病棟入院基本料(10対1、13対1)、精神科急性期治療病棟入院料、児童・思春期精神科入院医療管理料はデータ提出が必須という形で、一定の経過措置が置かれているという状況であります。経過措置①、②イという形で定められております。
152ページ目、DPCデータを提出している病床の精神病棟入院基本料のほうですが、データを提出する割合が30.1%という状況となっております。
153ページ目は精神科急性期治療病棟入院料、こちらは39.6%。
154ページ目、児童・思春期精神科入院医療管理料、76.5%という状況であります。
155ページ目は新たにデータ提出加算の届出が要件とされた入院料についてということでございますが、現在は入院料Aの区分、すなわち急性期一般とか特定機能病院、専門病院、地ケア、回復期リハビリテーション、これらを算定する病棟を持っている病院は、届出をしていただくということになっておりますが、それらをいずれも有していない医療機関については、一定の条件の下、当分の間、データ提出加算の要件を満たしているものとみなすという形になっております。これはピンク色の部分、入院料Aの届出がないところで、さらにデータ提出加算の届出がないところが届出の義務が免除されているところでございます。ピンク色の割合が全体的に3割を下回っている状況となっております。
156ページ目は精神系の病棟のほうでございますが、それぞれ15対1、あるいは精神病棟入院基本料が71.5%、あるいは63.9%というのがピンク色になっている状況でございます。こういったところの取扱いが1つの検討課題ということかと思います。
157ページ目が様式1の見直しについてであります。
158ページ目に中間とりまとめの抜粋をお示ししております。
159ページ目、記録や書類作成の業務で簡素化の必要性があるものということで、令和7年度の調査結果をお示ししております。どういった業務の簡素化が必要なのかということで、集計結果でございますが、特に2番目に多かったのが「DPCデータ(様式1)の作成」ということになっております。
160ページ目が様式1において入力を求めるデータということでございますが、DPCデータの中に入っている調査項目、診療報酬改定のために収集しているもの、特に負荷が大きいもの、中程度のもの、小さいものも併せておりますが、診断群分類のDPC制度の運用のための情報、あるいは医療の質に関する情報など、こういったデータがございます。
また、外来・在宅・リハビリもデータがございます。
161ページ目は入院対象の疾患割合が定められている病棟における対象疾患の追加ということで、今、障害者施設等入院基本料、特殊疾患入院医療管理料、特殊疾患病棟入院料につきましては、対象患者が何割以上かということで定められておりますが、現行のDPCデータからは把握がなかなか難しいという状況がございます。
162ページ目、先週の分科会でもお示ししましたが、廃用症候群となっているところが、実は肢体不自由として対象患者とされている可能性があるのではないかという指摘がありましたので、こういったところの分析、障害者病棟や特殊疾患入院管理料などのところについては、DPCデータの様式1をどのように考えるかということ。
また、163ページ目、様式1の作成・提出スケジュールを示しておりますが、データ提出加算では退院とか転棟のタイミングで様式1を作成することとなっておりますが、療養病棟の平均在院日数が400日であるため、入院してから1年以上先にデータが出てくるという形になっておりますので、こういった作成の考え方をどのように考えるかということでございます。
164ページ目が外来データの更なる活用。
165ページ目が令和4年にできた外来データ提出加算、在宅データ提出加算、リハビリテーション加算をお示ししております。
166ページ目は7月にお示しした生活習慣病のガイドラインの例でございます。
167ページ目も再掲でございますが、生活習慣病管理料の血液検査。
168ページ目がDPC制度の機能評価係数Ⅱにおいて、令和6年改定におきまして、医療の質向上に向けた取組ということで、医療の質の3テーマ9指標についてデータを提出したり、公表すると加算で評価されるという形が導入された。
169ページ目にその医療の質指標をお示ししております。
170ページ目が外来医療における医療の質の指標について、こちらは研究班のほうで指標が検討されておりまして、外来における治療管理の指標の例ということで、使用するデータ、外来EFファイルなどを用いて、こういった指標の集計が可能である。
171ページ目が研究班から提出された指標を基に集計したものでございますが、このように医療機関ごとにどういった割合でなされているかという指標を集計することができたところでございます。
172ページ目に現状と課題をお示ししておりますので、こちらについて御議論いただければと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
すみません、ちょうど予定の時間になりましたけれども、もう少し時間を延長してお付き合いいただきたいと思います。
それでは、ただいまの事務局の説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
池田委員、どうぞ。
○池田委員
池田でございます。
ただいま御説明いただいた中での、いわゆる医療の質に関する指標でありますが、こうした病院から提出されるデータに基づいて質の評価を行っていくというのは、もう世界的な流れといいますか、日本はそういう意味では、これからさらに進めていく必要があるような項目だというふうに思っております。
そんな中で、170ページ、171ページで、外来医療における質の評価指標の例というのをお示ししていただいているわけですが、これらはいわゆるプロセスの指標というものでありまして、あとは、この項目を見ますと、診療ガイドラインとか諸外国などでの取扱いを見ますと、いわば質の中でも当たり前の質、本来やらなければいけないものというような指標かというふうに思っております。本来は、このプロセスをきちんとやるのは重要ですけれども、それによって患者さんのアウトカムが改善する。プロセスとアウトカムの関連を見ていく、あるいはアウトカムそのものを測定して、それが改善したというのを見ていくのが本来、一番重要であります。
そうなりますと、先ほど入力の負荷・手間ということでも少し御説明があったところではありますけれども、160ページに示されておりますような、例えばLDLコレステロール値とかHbA1cの値というのは基本的なアウトカムの指標となっておりまして、これらの指標は、例えばイギリスでも外来医療の質評価として20年以上前から普通に取られている。それらを実はペイ・フォー・パフォーマンスと言って、この値が一定の基準を満たしている場合には、追加の診療報酬が払われるというところまでやっている。となりますと、質の評価の観点からいきますと、これらの検査値の値を外していくというのは、ちょっと時代の流れに逆行する点もあるのかなというふうに考えます。
もちろん、入力の手間・負荷というところも十分考慮する必要がありますけれども、こうした指標の重要性というのは、先ほどのプロセス指標と併せて、質の評価という点では取り組んでいくべきものと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
今、池田委員からデータ提出加算に関しての重要性とアウトカムの重要性に触れられましたけれども、それを踏まえまして、世の趨勢として電カル情報も進んでおりますので、そちらのほうも踏まえながら進めるべきだということを申し上げたいと思います。
それから、外来データ提出加算につきましては、これからさらに進めるということを考えていくべきだと思います。これも医療の標準化を進める上から重要であるということには変わりがないわけでありまして、積極的にデータを収集すべきと考えます。ただ、一方通行の収集のみならず、データをフィードバックするということも考えつつ、当該医療機関におけるベンチマークへの活用等を含め、医療機関側のメリットを高めることも考えながら進めていくべきということも考えていったらいいと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。それでは、ほかに特に御意見もなければ、本件は以上としたいと思います。
本日の議題は以上でございます。
それでは、次回の日程等について事務局からお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
本日は御議論いただき、ありがとうございました。
次回の日程は未定でございます。決まり次第、御連絡させていただきます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、令和7年度第10回「診療報酬調査専門組織・入院・外来医療等の調査・評価分科会」を終了させていただきます。本日は長時間にわたりまして熱心な御議論をいただきまして、どうもありがとうございました。




