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- 2025年8月21日 令和7年度第9回入院・外来医療等の調査・評価分科会・議事録
2025年8月21日 令和7年度第9回入院・外来医療等の調査・評価分科会・議事録
日時
令和7年8月21日 13:00~15:00
場所
全国都市会館 3階 第2会議室
出席者
- 本委員
-
- 尾形分科会長
- 池田委員
- 今村委員
- 津留委員
- 林田委員
- 牧野委員
- 眞庭委員
- 中野委員
- 眞野委員
- 小池委員
- 田宮委員
- 鳥海委員
- 井川委員
- 武井委員
- 秋山委員
- 事務局
-
- 矢野課長補佐 他
議事
○尾形分科会長
こんにちは。定刻になりましたので、ただいまより、令和7年度第9回「診療報酬調査専門組織・入院・外来医療等の調査・評価分科会」を開催いたします。
本日の開催につきましては、対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。
また、今回の会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は飯島委員が御欠席と伺っております。また、鳥海委員が1時間ほど御参加いただき、退出される予定というふうに伺っております。
なお、冒頭のカメラの頭撮りはここまでとしたいと思います。
それでは、早速議事に入らせていただきます。最初の議題でございますが、「中医協総会への報告結果について」でございます。まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
入-1の資料に基づきまして御説明いたします。「中医協総会への報告結果について」でございます。8月6日の中医協総会において、中間とりまとめの報告が行われております。
総会のほうで上がった意見につきまして、こちらにございますとおり、入院医療、入退院支援、救急医療、外来医療、その他個別事項についての御意見がございましたので、こちらを御参照いただければと思います。
説明は以上でございます。
○尾形分科会長
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等があれば承りたいと思います。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、本件につきましては以上としたいと思います。
それでは、2つ目の議題でございます。「賃上げ・処遇改善(その1)」につきまして、これもまず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
入-2の資料に基づいて御説明いたします。
4ページ目からでございます。賃上げを取り巻く状況について。
5ページ目、中医協総会に出されたものですが、医療機関の収支構造の中、人件費がございます。
6ページ目にありますとおり、費用構造の中で人件費が高いパーセントを占めるという状況でございます。
7ページ目、人件費の給与単価、国内の賃上げ動向についての資料です。
8ページ目が給与勧告でございます。最新の令和7年の人事院勧告、3.62%となっておりますので、背景の資料として御参照いただければと思います。
9ページ目から賃上げに係る施策の評価ということです。
10ページ目、医療機関の賃上げの施策の整理ということで、令和3年度の看護職員等処遇改善事業補助金から始まりまして、令和4年10月の看護職員処遇改善評価料の新設、また令和6年度でベースアップ評価料の新設、あるいは初再診料等の引上げなどが行われたところでございます。
11ページ目が看護職員処遇改善評価料の概要。
12ページ目、賃上げのイメージということで、令和6年度、プラス2.5%、令和7年度でプラス2.0%を、ベースアップ評価料あるいは賃上げ税制等の活用により行うこととなっておりました。
13ページ目がベースアップ評価料の全体像及び初再診料の引上げの概要でございます。
14ページ、15ページ目、御参照いただければと思います。
16ページ目が歯科、17ページ目が薬局の基本料の引上げでございます。
18ページ目、賃上げ促進税制の概要が載っておりますので、御参照ください。
19ページ目が令和6年度の補正予算で、こちらは医政局のほうでつくられた補助金の概要となっております。
20ページ目が今年度の骨太の方針でございます。診療報酬あるいは賃上げに関連した記載がございますので、御参照いただければと思います。
21ページ目から診療報酬の算定状況でございます。
23ページ目にございますとおり、看護職員処遇改善評価料及び入院ベースアップ評価料、入院患者に対して算定されるものの要件を整理したものでございます。
24ページ目がその看護職員処遇改善評価料の概要でございます。
25ページ目、看護職員処遇改善評価料の区分の算定状況ということで、165区分までございますが、こういった分布になっているという状況でございます。
26ページ目が処遇改善評価料の、さらに病院類型別の算定状況ですので、御参照ください。
27、28、29は施設基準などの概要をお示ししております。
30ページ目が外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の算定状況でございます。病院が約9割、診療所が約4割の届出。令和7年7月7日時点での状況でございます。
31ページ目が外来ベースアップ評価料と入院のベースアップ評価料の届出の関係、御参照いただければと思います。
32ページ目が届出区分の分布でございます。
33ページ目が、さらに急性期一般を届け出ている病院における、入院ベースアップ評価料の算定区分の状況。
34が地域一般病棟、35が療養病棟、36が精神病棟、37が結核病棟で、38が特定機能病院の状況でございます。
39、有床診のベースアップ評価料の分布となっております。
40ページ目、設立母体別あるいは許可病床数別で、このベースアップ評価料を届け出ているかいないかということの概要、より詳細な集計をしておりますので、こちらも御参照ください。
41ページ目、入院ベースアップ評価料の算定状況、病院全体ということでございます。
42ページ目が有床診でございます。診療科別で分析したものとなっております。
43ページ目から外来でございます。
44、45、46、47、48、49につきましては、施設基準などの概要をお示ししております。
50ページ目は再掲のデータでございます。割愛させていただきます。
51ページ目、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)の届出状況であります。評価料(Ⅰ)のみでは十分な補塡がなされない場合に、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)の届出も可能となっておりますが、その届出状況となっております。(Ⅰ)を届け出た医療機関のうち約4%が評価料(Ⅱ)を届け出ているという状況でございます。
52ページ目、より詳細な分析をお示ししております。
53ページ目が診療科別に分析したものでございます。
54ページ目が外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)の診療科別のものでございます。その他の区分、あるいは整形、眼科、皮膚科などは少ない傾向といったデータとなっております。
55、56、57につきましては、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)と併算定される行為、(Ⅱ)と算定される行為、あるいはそれを割合で見た場合のデータを示しております。どういったところが外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)を届け出ているかに関して御参照いただければと思います。
58ページ目が歯科の外来・在宅ベースアップ評価料の概要。
59が(Ⅱ)の概要でございます。
60が届出の状況となっております。歯科診療所の36%が(Ⅰ)の届出を行っております。
61が(Ⅱ)の届出状況となっております。(Ⅰ)を届け出ている医療機関の4%が(Ⅱ)を届け出ている状況です。
62は、より詳細にその区分などを分析したものでございます。
63ページ目、訪問看護でございます。
64、訪問看護のベースアップ評価料の概要が載っております。
65、66も併せて御参照ください。
67が届出状況、約43%が届け出ているという状況であります。
68が訪問看護のベースアップ評価料(Ⅱ)の届出状況。(Ⅰ)を届け出たうちの約7%が届け出ているという状況でございます。
69は訪問看護ステーションの医療保険と介護保険の利用者の割合ということで、こちらは前回改定のときに示されたデータでございます。
70ページ目、医療機関における賃上げ状況ということで、71ページ目にございますとおり、医療機関の賃上げにつきましては、ベースアップ評価料の賃金改善計画書あるいは賃金改善実績報告書により把握することとなっております。
また、歯科技工所の賃上げ、あるいは薬局に対する調査につきましては、関係団体と連携して把握することとなっておりました。本日、医療機関の賃上げにつきましては、賃金改善計画書を集計したものをお示ししております。令和6年の実績報告書については、8月中に届け出ることとなっておりますので、本日は計画書に基づくデータをお示ししております。
72ページ目以降が病院・診療所についてであります。
73ページ目は中医協総会で4月に報告された計画書ベースでの賃上げの状況でございます。
74ページ目、令和7年度のベースアップ評価料の計画の状況であります。こちらにありますとおり、令和5年度からの賃上げの状況、計画書別になっておりますので、御参照ください。
75ページ目、それをより詳細に見たものでございます。令和6年から令和7年の賃上げ増率のところもお示ししておりますので、御参照いただければと思います。
76はベースアップ評価料の対象職員の賃上げ状況。
77は対象外職種、40歳未満医師の賃上げ状況。
78が対象外職員、事務職員等の賃上げ状況になっておりますので、それぞれ職種別の賃上げ状況を御確認いただければと思います。
79ページ目が薬局・歯科技工所であります。
80ページ目にございますとおり、歯科技工所の賃上げにつきましては、関係団体、日本歯科技工士会の調査に基づいてお示ししております。御参照ください。
81ページ目、薬局の賃上げ状況であります。こちら、日本薬剤師会の調査でございます。賃上げを実施しているか、実施予定があるかどうかなどのデータ、あるいは82ページ目にございますとおり、規模別の状況などのデータをお示ししておりますので、御参照ください。
83から届出方法についてであります。
84ページ目に処遇改善評価料・ベースアップ評価料の算定スケジュールを載せております。
85ページ目に再掲したものがございます。
86ページ目、作成に必要な事項を比較した表がございます。
87ページ目、これは令和6年度の調査結果でありますが、ベースアップ評価料を届け出ていない理由についてでございますが、一番多かったのが、届出内容が煩雑なためというものでございました。その次に、ベースアップ評価料が次回改定後も存続するか不明なため。その次に、患者への説明が難しいためといったようなものが挙げられていたところでございます。
88ページ目は医療法人経営データベースに報告されることになっている内容。
89ページ目、90ページ目が賃金改善計画書あるいは実績報告書。
91ページ目、92ページ目がベースアップ評価料の計画書と実績報告書、それぞれ参考にお示ししております。
これらに基づきまして、現状をどのように評価するか、調査結果などをどのように評価するかなど、御議論いただければと思います。
説明は以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
ありがとうございます。
課題に沿ってお話ししたいと思います。
まず、看護職員処遇改善評価料・ベースアップ評価料といった評価料と、40歳未満の医師や薬剤師・事務職員などの賃上げを目的とした初再診料や入院基本料の引上げが行われたわけです。これにより、医療職の給与水準は上昇したということが示されていますが、ほかの業種と比べて、この幅は明らかに小さいというのが見てとれるところです。
あと、ベースアップ評価料の対象職員と対象外職員の賃上げ状況の評価ですけれども、一見、対象職員のほうが大きく上がっているようにも見えるのですが、事業所によっていろいろな考え方があって、対象職員と対象外職員の差をつけるところもあれば、そうでないところもあるということも現実にはありますので、今回のデータからその評価を行うことは難しいだろうというふうに思っております。
そもそも評価料の申請には、看護職員処遇改善評価料・ベースアップ評価料、それぞれ賃金改善計画書及び賃金改善実績報告書を作成する必要があって、これは大変煩雑で多くの事務作業量が必要になります。このため、今回のデータでも公立病院とか医療法人、100床未満の病院では届け出ていない病院も多く見られています。本来、給与はその病院が得た収益を、人件費としてそれぞれの病院の方針に沿って割り当てるものでありますから、その意味からは、今回の評価料ではなく、入院基本料などの通常の診療報酬で賄われるべきものというふうに認識しております。これによって、他の業種並みの賃上げが可能になるような賃金報酬設定が必要だろうと思います。
そのような一本化が直ちにできないということであれば、看護職員処遇改善評価料・ベースアップ評価料という二本立ての評価料を統合したり、これに係る事務手続を簡素化するということはぜひ必要かと思います。
私は以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
私は、今回のデータを見て、次回の改定について課題となりそうなところについて触れたいと思います。
まず、42ページですけれども、有床診療所におけます診療科ごとの入院ベースアップ評価料の算定状況が出ておりますけれども、評価料区分が高いところにおきまして、保険外診療の割合が高いと考えられます産婦人科が多いということについて、次回改定ではどういった対応が必要なのかということを検討材料にすべきではないかと申し上げたいと思います。
それから、外来・在宅のベースアップ評価料(Ⅱ)との併算定について、関連する診療行為については57ページになりますけれども、人工腎臓を積極的に実施している診療所におきまして、評価料(Ⅱ)の届出がかなり多いということが見てとれます。この評価料につきましては、基本は(Ⅰ)で十分に措置できない場合を想定しまして(Ⅱ)をつくった背景があり、これにつきましては、患者さんの自己負担との関係の議論があって、今のような形になったわけでございます。こうした点から、人工腎臓、いわゆる透析関係の診療行為が多いということにつきましては、自己負担との関係が何かあるかということになると思いますけれども、その辺につきましては、次回改定でどう対応するかについて検討の余地があるのではないかと思います。
それから、ベースアップ評価料届出医療機関の賃金増率について、74ページと75ページでございますけれども、まず、74ページは全体の計画値、75ページは届出書を簡素化する前に限った医療機関ということの比較でございます。74ページのほうが、診療所は加重平均値が低いと出ております。これは届出書の簡素化によって、スタート時点からではなく、途中から賃上げをした結果、そういう医療機関があったという影響に基づくものではないかと考えられるわけでございますけれども、これを考慮したとしても、目標値であります4.5%には届いていないということが現実にあります。
このたびの賃上げの評価の仕組みにつきましては、税制を含めて賃上げを措置するということでもありましたので、税制の活用状況についても見るべきではないかということで、問題点にしたいと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。
私からは、ページに沿いまして、まず12ページに基本方針の左の③賃上げ促進税制の活用という資料、そして19ページにその概要のスライド資料を用意していただきました。実は、4病院団体の調査を行いましたところ、これはもう日本医療法人協会のホームページに公開されておりますが、この賃上げ促進税制が活用できた医療機関はわずか19%しかなかった。ほとんど使えていないという結果も出ておりますので、検討するに当たりまして、そういったことも今後データとして上げていただければと思います。
飛びまして、94ページの現状と課題、ここからは薬局の話ですが、ポツの4つ目に薬局薬剤師の賃上げ率、ここはパーセントの提示がありません。この情報だけだと医療と歯科と薬局とのバランスの比較検討がちょっと難しいかなと思っております。
81ページに日本薬剤師会の内部の調査データをお示しいただいていますけれども、賃上げを実施した、45%、実施予定が30%のみでは、その中身がよく分かりません。
82ページに資料を出していただいていますが、n数は219でありますし、50~229店舗のところは有効回答なしということで、実際のところ、薬局の職員の賃上げがどれぐらいできているのかというのがよく分からないというのがございます。
あと、その下のほうに、経営者の給与を削って実施したという回答が99とか、あるいは経営の個人資産での補塡が57件あったということで、経営が大変そうだなというような印象づけみたいになっておりますが、実際のところ、多くの中小病院でも経営者が給与を減額して耐え忍んでいるような現状がありますので、これは決して薬局に限った話ではないというふうに発言させていただきます。
そして、94ページの現状と課題のポツの1つ目です。75ページにお示しいただきました賃上げ計画のデータによりまして、全医療機関、令和5年度と比較して令和6年度2.69、令和7年度3.40ですが、令和6年度との比較では0.71%しか上げられていないという資料をお示しいただきました。もちろん、公定価格である診療報酬本体が上がらなければ話が始まらないというのは十分理解できるところですが、今後、分科会のほうで、このベースアップ評価料の多少の凹凸といいますか、それを診療報酬の仕組みの中で見直し、修正する作業というのは必要だと思いますし、資料でお示しいただいていますが、例えば看護職員処遇改善評価料と入院ベースアップ評価料を1つにまとめるというような作業も、場合によっては必要かと思います。
ただ、それだけでは、医療機関に従事する我々医療従事者の根本的な処遇改善にはつながらないのかなと懸念するところです。令和8年度改定は、令和8年分と令和9年分、2年分のベースアップということになりますが、このままインフレ基調が続いて、例えば他産業のベアアップ、ベースアップが、インフレ率にスライドして令和8年5%、令和9年5%と上がっていった場合に、さらに格差が広がるばかりということになってしまいます。
まずは、令和6年度のベースアップがどうだったのか、令和7年度のベースアップがどのような結果だったのかという、事実として令和6~7は0.71ポイントしか上げられていないというのはお示しいただいていましたけれども、そもそも令和6年度の診療報酬改定の制度設計にちょっと問題があったのではないかなというふうに捉えるべきではないかなと思っています。賃上げ促進税制も、実際にはなかなか使われていなかったということもございますし、ベースアップ評価料をそもそも診療報酬制度の中に組み入れてしまった以上、ほかの産業並みにベースアップできるような、スライドできるような仕組みを入れるような制度設計も考えるべきじゃないかなということを発言させていただきます。
ちょっと長くなりますけれども、他産業に見合うような賃上げができないということが、また令和8年度改定でも続きますと、これは大変な問題になっていきますし、まずは令和6年をベースとして、この2年分の不足分をどう捉えるのか。我々病院団体のほうとしましては、改定率でいえば、2年分として約4.6%分の不足が出ているのではないかという試算もあります。ほかの産業界が令和7年度5%という実態がある中で、0.71%しか上げられていないということを踏まえまして、令和6年度改定の制度設計から遡って、そこからの修正で不足分を計算し直す必要があるのではないかと私は考えますけれども、事務局におかれましては、どのように考えられますかというのが質問でございます。
以上でございます。
○尾形分科会長
最後の点は御質問のようですので、事務局、お願いします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
今後のベースアップ評価料がどのような形になるのかということの事務局の考えという御質問かと思いますが、分科会は技術的な事項、調査データなどの評価を行うところでありまして、具体的な設計は総会あるいはその他のところで御議論があるということだと思っております。事務局のほうで現時点で何か予断があるものではございません。
以上です。
○尾形分科会長
よろしいでしょうか。
○津留委員
ありがとうございます。
医療機関にとっても、人件費は費用の50%以上を占めているということもお示しいただいていますし、これは病院経営にとっては非常に大きな問題でございますので、ほかの議論とはちょっと別格かなというふうに思うところです。分科会での専門的な調査、技術的な課題解決、もちろん重要なのですけれども、これもぜひ随時的に中医協総会と情報共有を図っていただいて、双方で議論を深めていければと思いますので、この点、事務局におかれましては、重々御理解いただいていると思いますけれども、私からぜひお願いしたいと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、秋山委員、どうぞ。
○秋山委員
ありがとうございます。
3点意見を申し上げます。
1点目は、先ほど津留委員からもお話がありましたが、国内の賃上げの動向についてです。資料の7ページの賃上げの動向を見ますと、社会全体の賃上げ率が5.25%と上昇してきているわけですが、産業全体と医療・福祉の賃上げ状況の比較を見ますと、全産業の改定率4.1%と比較して、医療・福祉については2.5%にとどまっている状況です。実際の給与額でも1.9万円ほどの乖離が見られる状況であり、職責に見合った処遇の改善が必須と考えます。
また、物価・光熱費の高騰の影響を受け、医療機関は深刻な経営難に陥っており、処遇改善や人材確保に取り組みたくても適正な賃上げができないという状況ですので、医療従事者の賃上げに結びつく財政支援が必要だと考えます。
2点目は、診療報酬の算定状況等についてですが、資料40ページに許可病床数別のベースアップ評価料(Ⅰ)の算定状況が示されていますが、算定なしの施設では100床未満が半数以上を占めており、小規模な医療機関において届出が少ない状況がうかがえます。背景として、届出に係る事務作業の煩雑さなどが影響しているものと考えられます。特に、訪問看護は従業員数が5人未満の事業所が約5割と、小規模な事業所が多い状況ですが、ベースアップ評価料を申請しない理由として、申請書類が煩雑、あるいは専門の事務職員もいない中で、申請が難しいといった声も実際に聞いています。
また、訪問看護においては、ベースアップ評価料で評価されている算定額は、医療保険の利用者の人数分にのみかかっていて、介護報酬には処遇改善に関する算定項目がありませんので、このベースアップ評価料のみで十分な賃上げを行うことは不可能だと考えます。資料69ページからも分かりますように、訪問看護事業所の多くは、利用者のうち介護保険の利用者の占める割合が高く、中央値で見ても医療保険の利用者が約3割、介護保険の利用者が約7割となっています。こうした事情から、訪問看護領域においては、特に申請に係る労力と給付額が見合わない状況につながっているものと考えます。
3点目は、先ほど牧野委員、津留委員からありました看護職員処遇改善評価料とベースアップ評価料を統合すべきといった意見についてですが、医療界全体での賃上げのために一丸となって取り組んでいく必要があり、ベースアップ評価料の中で対応するのか、そのほかにも様々な手段が検討されていくことと考えますが、現在、看護職員処遇改善評価料やベースアップ評価料によって、十分とは言えないながらも、ようやく手当てされてきましたので、もしこれが改定後に給与が引き下げられるようなことになれば、個々の職員のモチベーションに大きく影響し、多数の離職にもつながりかねないと思いますので、様々な影響を勘案して慎重に対応していくことが重要だと考えます。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、眞庭委員、どうぞ。
○眞庭委員
ありがとうございます。
皆様の御意見に重複しますけれども、例えば8ページ、人事院勧告の推移、グラフで示していただいておりますが、この1~2年、急速に上がってきているという中で、特に公立病院、それから公的な病院におきましては、この人事院勧告に従う形で給料・人件費を上積みしていかなければならないというのが実際のところで、これまでも話がありましたように、ベースアップ評価料等では到底それが賄い切れないということで、各病院、苦しんでいるという状況が実際のところです。保険医療制度の中でこの辺りの人件費というのをしっかり確保する形というのは、今後もぜひとも検討を進めていただきたいと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、ほかに特に御意見等もないようですので、本件は以上にしたいと思います。
次の議題でございますが、「リハビリテーション(その2)」でございます。これもまず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
95ページ目からでございます。リハビリテーション(その2)です。
96ページ目、中間とりまとめのリハビリテーションの部分の抜粋をお示ししております。
97ページ目からリハビリテーションの専従要件についてということで、98ページ目にございますとおり、回復期リハビリテーション病棟の専従、あるいは疾患別リハビリテーションの専従要件を赤枠で示しております。
また、99ページ目に疾患別リハビリテーションの施設基準をお示ししているところでございます。専従要件の状況でございます。
100ページ目、早期リハビリテーションの介入について。
101、102については、既に入院分科会で御議論いただいた資料を再掲しております。
103ページ目、曜日ごとに初期加算の算定状況をお示ししておりますが、土曜日、日曜日あるいは祝日などで低いという状況がございました。
104ページ目、急性期における曜日ごとの早期リハビリテーション介入の状況ということで、金曜日に入院した患者に、入院後3日以内にリハビリを開始した割合が低いというデータでございました。
105ページ目が休日リハビリテーション提供体制加算と、回復期リハビリテーション1の届出状況をお示ししているものでございます。こちら、休日リハビリテーションを評価する点数の加算の状況でございます。
106ページ目、退院時リハビリテーション指導料についてであります。
107ページ目、点数の算定回数の推移などをお示ししております。
108ページ目、退院時リハビリテーション指導料について、リハビリテーションを入院中に実施していたかどうかということでございまして、67%が実施していた、33%はなかったというデータでございます。
また、算定されていた患者の入院日数についてもお示ししております。
109ページ目、書類作成についてであります。
110ページ目、リハビリテーションに係る書類作成。リハビリテーション実施計画書または総合実施計画書の作成が必要ということになっておりますが、そちらについては、医師による説明が必要という形になっております。
111ページ目、リハビリテーション総合計画書の算定状況ということで、算定回数は伸びている状況でございます。
112ページ目、目標設定等支援・管理料、平成28年改定で新設された点数の説明が載っております。
113ページ目がその際の議論の中医協の資料でございますが、維持期リハの患者を背景とした点数であったということでございます。
114ページ目は創設後算定回数がどうなっているかということでございます。
115ページ目がその概要となっております。
116ページ目、リハビリテーションの総合実施計画書の記載項目。
117ページ目に、この目標設定等支援・管理料の記載項目を比較する形でお示ししております。
118ページ目、専従要件の現状、あるいは早期リハビリ介入の現状、その他について、現状をどのように評価するか御議論いただければと思います。
説明は以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
それでは、井川委員、どうぞ。
○井川委員
ありがとうございます。詳細に御報告いただきました。
私のほうから、リハビリテーション・回リハということですので、まず発言させていただきますけれども、103ページ、104ページにおきまして、急性期における土日祝日のリハビリテーションがまだ不十分であるというふうなデータが出ております。これは、例えば令和5年度から診療報酬改定されまして、その結果として、令和5年度と比較された場合にどうなるかというデータは、ぜひとも出していただきたいなと考えております。
続きまして、ページ順に行きます。108ページ、退院時リハビリテーション指導料でございますけれども、この算定した患者のうち、疾患別リハビリテーション料を算定していない患者は33%で、続けて退院時リハビリテーション指導料を算定して、かつリハビリを実施しなかった患者というのは、在院日数が短いほど多かったと記載されております。事務局としては、これはうがった考え方なのかもしれませんけれども、多分、短期間入院でリハもしない患者に、退院時リハビリテーション指導料を算定するのはいかがなものなのかというふうな考え方に基づくデータなのかなというふうな気はいたしますけれどもね。
現在ももっとグローバルな視点で考えますと、超高齢社会の日本を考えますと、高齢者の在宅でのリハビリテーションに対する意識とか、急性期に入院した際の早期リハビリテーションの必要性というものを啓蒙する、非常にいいチャンスであるように私は思っております。そういう観点から言うと、ここのところは別にあってもいいのかなというふうに思っております。
続きまして、109ページ、リハビリテーションに係る書類作成についてでございますけれども、ここにもお書きになっておりますように、非常に煩雑で重複しているものがかなり多いということもございますので、もし可能であるならば統合していただいて、ちょっと点数を増やすか何かしていただいて、書類を一本化するというふうにやって書類の枚数を減らすということをしていただきますと、書類に追われているセラピストというのは結構おりますので、そういう観点からは必要な措置ではないかというふうに考えております。
それから、124ページから実績指数、除外患者、重症患者について、それぞれ組み合わされた検討がなされております。特に、158ページにはリハビリテーション。
○尾形分科会長
すみません、回復期リハ病棟については、この後の議題です。取りあえずここまででよろしいですか。
○井川委員
ごめんなさい。大丈夫です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
まず、最初の98ページですけれども、疾患別のリハビリテーション料の施設基準におきます療法士の専従要件についてです。これはリハビリルームにおきまして実施されるリハビリそのものの質が落ちないようにということに配慮されつつも、病棟でのリハビリを実施することができるということを明確化する必要があるのではないかというふうに感じる次第でございます。
それから、土日祝日のリハビリテーションの関係でございますが、実施状況について103ページに示されているとおり、土日祝日のリハビリ実施割合が平日に比べて低いと。104ページを見ますと、金曜日、休日前に入院した患者さんは、特に入院後3日以内にリハビリを開始しない傾向があるということでございます。より早期の在宅復帰へと向かうためにも、入院直後からリハビリを開始して、土日も含めて中断しないようにするということをしっかりと算定要件等、検討してもいいのではないかと考えます。
次、先ほど井川委員からも出ましたけれども、106ページから退院時リハビリテーション指導料について、入院中にリハビリを実施した患者さんについて、退院する際に指導するというのがこの趣旨でございますけれども、108ページを見ますと、在院日数が短い患者さんに対してはリハビリを実施しないということが出ておりますので、早期のリハビリを開始するということにつなげるためにも、退院時リハビリ指導料に入院中のリハビリテーションを要件化するということが必要ではないかと考えます。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。
まず、98ページですが、これまで急性期一般病棟でのリハビリ実施が少ないといったデータも見られていたかと思います。今後、セラピストの確保もなかなか難しくなってくると思いますし、そこで各病棟の入院料における専従要件を見直していただいて、配置された病棟で行う業務以外の時間を有効活用して、他の病棟や外来でのリハビリ業務も可能とするようにできれば、限られたセラピストの人員で、より有効にリハビリが提供できるようになるのではないか、期待できるというふうに考えておりますので、御検討いただければと思います。
井川委員も御指摘されましたが、102ページ以降、急性期リハビリテーション加算について、土日リハの体制が取れていない関係で、土日祝日の実施が少ない。そして、入院から3日以内の早期リハビリテーションの介入が、金曜日だと土日にかかりますので割合が低くなる傾向ということをお示しいただきました。
101ページには脳卒中、急性期からリハビリ介入したほうが機能回復にもよいというエビデンスも示していただいております中で、限られたセラピストで土日祝日を均てん化してリハを提供できるようにするためには、セラピストの働き方も看護師同様、土日祝日の出勤が当たり前というような意識改革も必要かと思いますが、限られたセラピストを有効活用するという意味でも、専従要件を少し緩めるということの検討も必要かと思います。
私からの意見は以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、鳥海委員、どうぞ。
○鳥海委員
ありがとうございます。
退院時のリハビリテーション指導料ですけれども、107ページ、108ページ辺りで、井川委員もおっしゃっていたのですが、入院中にリハビリテーションがなくて、退院時だけぽんとリハビリのあれが出てくるというのはどういうものかなと思ったのですけれども、調べてみても保険的には問題がないという解釈です。比較的ほかのリハビリが書類、ペーパーワークの問題とかでハードルが高い中にあって、退院時のリハビリテーション指導料は割と算定が容易なのではないかと思います。患者さんが帰るときに、それなりの必要性を医師が認めて、ちゃんと医師等が指導を行うということが確保されているのであれば、このままでいいのかなというのが自分の意見であります。よろしくお願いします。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
ありがとうございます。
私は、急性期リハビリテーション加算の件です。38%が4日目以降から取り始めている。その原因が土日祝日のリハができないということが要因だということは見えているわけです。土日祝日にリハビリを行おうとすると、かなりのマンパワーが必要になる。ここにある加算だけで、そのマンパワーを十分確保できないということも分かっているわけですから、なかなか手が出せない。ただ、効果があるということは、もういろいろなデータが示しているところですので、ぜひともやりたいと思っている医療施設は多いと思います。ですから、そういったところが一歩踏み出せるように点数設定をするとか、先ほど津留委員がおっしゃいましたように、いろいろな専従要件を緩和するとか、そういったことでもって休日のリハが進むようにするのがいいかと思っております。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。それでは、ほかに特に御意見等ないようですので、本件については以上としたいと思います。
それでは、4つ目の議題に進みます。「回復期リハビリテーション病棟について(その2)」でございます。これも事務局から、まず、資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
120ページ目以降でございます。回復期リハビリテーション病棟について(その2)。
121ページ目、中間とりまとめの抜粋を記載させていただいております。
122ページ目以降、実績指数と重症患者についてであります。
123ページ目にございますとおり、回復期リハビリテーションの施設基準、リハビリテーション実績指数、入院料1と3に設定されているところでございます。
124ページ目、その実績指数要件のある1と3、あるいは実績指数要件のない2と4で実績指数の状況をお示ししたデータでございます。
125はリハビリテーションの実績指数の除外基準ごとの該当患者のFIM利得の状況ということで、全疾患あるいは脳血管リハ、運動器リハ、廃用リハ、それぞれお示ししております。
また、126ページ目、除外基準の該当患者割合ということで、こちらも分布でお示ししております。前回お示ししたものより、ちょっと詳しい分析をしております。
127ページ目は重症の患者割合ということで、入院料1・2及び3・4のところで4割以上、3割以上という形で示されているものでございます。
128ページ目、重症患者割合の施設基準導入のときの中医協での議論、平成20年改定のときの議論をお示ししております。
129ページ目、重症患者基準とリハビリテーション除外基準を比較したものでございます。
130ページ目、除外基準の対象患者について、重症患者基準とどういう重複関係にあるのかということでお示ししておるものでございます。
131ページ目が重症患者基準とリハビリテーションの除外基準のFIM利得の状況であります。20点以下の患者は、廃用リハ、脳血管リハでFIM利得が小さい傾向がありました。
132ページ目に計算式をお示ししております。
133ページ目、FIMの概要、ADLの指標ということでございますが、運動項目、認知項目、それぞれで1点から7点までという点数で構成されておるものでございますが、134ページ目にございますが、退棟時のFIMの項目と在宅復帰率の関係性ということで、特にトイレ動作、移動などに分けて集計しておりますけれども、5点から6点の監視から自立に移行した部分について、特に自宅への退院割合が大きく増加するという傾向が見られたところでございます。
135ページ目がトイレ動作について、入棟時と退棟時のFIM利得の変化をお示ししておるものでございます。転棟退院の場合、自宅退院の場合、それぞれに分けてお示ししておるものでございます。
136が施設ごとのFIM得点が低下した患者の割合ということで、こちらも前回に引き続きお示ししておるものでございます。
137から質の高いリハビリテーション。
138にございますとおり、運動器リハの算定単位数の見直し、令和6年改定で行われたところでございますが、139ページ目、運動器リハのFIM利得について、令和6年改定前と改定後で検証したものでございますが、改定前の7単位以上提供されていたところを赤枠で囲っております。また、改定後、5単位から6単位というところを赤枠で囲っております。こちらのFIMを比較したところでございますが、FIM利得に大きな変化はなかったという状況であります。
一方で、提供されている単位数、黄色の網かけで6単位超えの割合をお示ししております。改定前は33.2%、改定後は20.7%といったような状況で変化が認められております。
140ページ目が運動器リハビリテーション料の上限単位数についてということでございますが、こちらはいずれかの要件に当てはまる場合は6単位を超えたリハビリテーション料が算定可能となっておりまして、具体的なQAなどもお示ししておりますが、こういった施設基準の別表に該当する患者については、9単位算定できるという解釈がございます。
141ページ目、疾患別リハビリテーション料の提供単位数とFIM利得の関係、こちらは前回お示ししておるものでございますが、廃用リハ、脳血管リハ、運動器リハのそれぞれの状況についてお示ししております。
142ページ目も前回お示ししたデータでございます。
143ページ目、回復期リハビリテーション病棟において、廃用リハビリテーションの割合、7.3%でございますが、さらにその内訳として疾病名の状況でございます。御参照いただければと思います。
144ページ目が回復期リハビリテーションの廃用リハビリテーションの実施割合ということで、こういったたくさんの割合を占めているような病棟もあるという状況であります。
145ページ目、ベッド上のリハビリテーションに関する論文などを抜粋したものでございます。
146が入棟時のFIMと要介護度別のFIM利得ということで、要介護度が高い、運動項目が低い場合に相対的にFIM利得が低い傾向があります。
147ページ目、要介護4・5患者のリハビリの実施単位数でございますが、4・5の患者にも1日当たり、ほかと変わらないぐらいの単位数でリハビリが提供されているというデータでございます。
148ページ目、退院前訪問指導の有無とアウトカムの差異ということで、回復期リハビリテーション病棟協会のデータでございます。
149、退院前訪問指導、これは前回改定のときに示された再掲でございます。
150ページ目が令和7年度の調査結果で、退院前訪問指導をやる場合の所要時間のデータがございます。60分以上要しているのが多いということでございます。
151ページ目、そういった指導内容でございますが、家屋調査が多いというようなデータがございました。
152から質の高いリハビリテーション体制ということで、153ページ目にありますように、地域リハビリテーションの活動に参加することが望ましいということが、回復期リハ1と2の入院料のところで設けられたところでございます。
154が令和6年度調査で、そういった地域支援事業の参加率のデータでございます。70%ということでございます。
155が地域リハビリテーション事業の概要。
156が生活機能回復の点数である排尿自立支援加算の算定状況。
157が嚥下機能回復体制加算の算定状況であります。
158、159に課題をお示ししております。こちらについて御議論いただければと思います。
説明は以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
それでは、井川委員、どうぞ。
○井川委員
先ほどはちょっとフライングしまして、すみません。
124ページから、実績指数除外患者、重症患者について、それぞれ組み合わせた検討がなされております。非常に細かい内容でありがたいと思っておりますけれども、158ページにはリハビリテーション実績指数と重症患者の基準について、現状をどのように評価するかという課題として上げられております。現状では、事務局御指摘のとおり、重症患者と除外患者にともに該当する患者さんが結構増えてきているということは理解しておりますけれども、これを重ならないようにすればするほど、もともと重症患者割合を導入した理由の一つであります患者選別を防ぐという理念からは、少しずつ離れていってしまうのではないかという気がいたします。
ただ、除外基準のうち1点だけ。設定当時から10年近く経過しまして、入院患者の30%がもう85歳以上というふうな状況になっている現在、80歳以上という基準は、131ページの左上の赤枠のように、該当患者割合がかなり多くなってしまうという点でいいますと、少し緩過ぎるというふうな可能性は考えられると思っています。
続きまして、136ページ、回リハも5%のところで切られている、赤線が引かれているのですけれども、これはあたかも地域包括医療病棟のADL低下患者割合5%という数字に似ていて、ちょっとどうなのだろうと思っています。ただ、地域包括医療病棟における5%という数字も、何ら根拠なくと言ったら失礼ですけれども、何らデータなく、突然5%という数字で始まっております。今回も、この段階で64%は5%以下だからという話になっておるのですけれども、ここの検証というのはもう少ししっかりとされる必要があるかと思っております。
それから、140ページ目です。運動器リハですけれども、早期歩行、ADLの自立を目的とした運動器リハ(Ⅰ)は9単位まで可能というふうに疑義解釈を出していただいているのですけれども、実は現場では保険者によっては全く認めないという地域もあったり、もともと運動器リハに関しては、4単位を超えると全てカットというふうに査定される地域。あと、廃用リハビリテーションに関して言いますと、70歳を超えた廃用リハというのは3単位しか認めないという地域もあるという状況でございます。
こういうふうなローカルルールがまかり通っているということは非常に大きな問題で、患者さんに対する差別みたいな形につながっておりますので、これは地域によって受けられる医療サービスが異なるということでございますけれども、これらに関する何らかの是正というのは必要だと考えますけれども、事務局としてはどういうふうにお考えなのか、これは1つ質問として伺いたいと思っております。
それから、例の141ページ、毎回同じことを申し上げて申し訳ないのですけれども、廃用リハと運動器リハに関しましてはカーブが指数関数的であり、脳血管リハに関しては直線的なカーブになっているという点でいいますと、形が違うということは言えると思いますけれども、すなわち、イコールFIM利得が小さいということにつながっているというわけではございません。
また、139ページ、今回の改定で6単位に減らしたときの影響というのを見ていただいておりますけれども、例えば令和6年度改定前の8から9単位のところのFIM利得というのは、実は25を超えて27ぐらいあるのですかね。ところが、令和6年度改定の5~6辺りですと25を切ってしまう。この3単位という差をどう考えるかということでございます。そういうふうな意味でいいますと、同じだというふうに断言するのはいかがなものかと私は思っております。
それから、150ページでございますけれども、退院前訪問指導の所要時間でございます。所要時間に関しまして、60分以上利用していて、しかも120分以上150分未満の割合が最も多かったと記載されています。これはリハビリテーションの疾患別リハでいいますと、6単位から9単位というふうな、一人の患者さんに丸々1日使うレベルの労力を使って行っているということになりますので、ここに関してはもう少し何らかのインセンティブをつけてあげないと、そのために一人のセラピストを雇わないといけないということにもつながってきますので、そういうふうな考慮は必要かと思います。
以上です。ありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
1点御質問だったと思いますので、事務局、お願いします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
リハビリテーションの算定回数についての地域差に関連した御質問だと思います。どういった地域差があるのかということについて、今、事務局として把握しているものはございませんが、当然、診療報酬制度は全国統一的に運用できるようにしていくべきということでございますので、また実態の把握など、考えていきたいと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
除外基準と上限単位数について申し上げます。
まず、実績指数の除外基準ごとの患者さんのFIM利得については、125ページに見るとおりでございますが、実績指数の除外基準のうち、80歳以上、それから認知症機能が低い24点以下の患者さんと患者さん全体と比べますとFIM利得に大きな差がないので、FIMが改善しないからといって、いわゆる選別されているわけではないということになりますので、除外するという必要性は乏しいのではないかと感じます。
それから、実績指数の対象から運動20点以下を除外するということについては、131ページを見ますと、脳血管疾患のリハビリと廃用症候群のリハビリの場合にFIM利得は小さい。運動器リハに関しては、FIM利得の平均値は全体とほぼ同水準でありますので、運動器リハを実施するにつきましては、運動20点以下の場合、実績指数を対象範囲に含めてもよいのではないかというふうに考えます。
それから、退棟時のFIM点数と自宅への復帰率については、134ページに示されていますが、いずれの項目におきましても、5点に比べて6点の患者さんにつきましては、自宅への退院の割合が伸びております。そもそも回復期リハビリテーションの役割として、急性期を終えて自宅に帰すということが目的になりますので、FIM利得の差分を見るだけではなく、少なくとも得点として6点まで持っていくということを目指すべきではないかと考えます。
それから、上限単位数関係でございますけれども、運動器リハビリテーション料の算定患者さんのFIM利得については、139ページにございますけれども、前回の改定で上限を6単位としたということになります。FIM得点で、この改定により、特段何か悪い影響が出ているということは感じておりませんが、一方で6単位を超えて運動器リハビリテーションを実施されている患者さんもある程度いらっしゃるということになります。ですが、このFIM利得、どうなっているかと見ますと、ほとんど変わっていないですので、上限単位の例外的な取扱いについて、今後どんなふうに考えるか、少し検討する余地があるのではないかと思う次第であります。
それから、141ページで疾患別リハビリテーションの提供単位数別のFIM利得で、廃用症候群リハビリテーションについてになりますけれども、運動器リハビリテーションと同じようなFIM利得の傾向が見られますので、廃用症候群リハビリテーションについても、上限の取扱いについて検討する余地があるのではないかと感じます。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、小池委員、どうぞ。
○小池委員
ありがとうございます。
今の中野委員の御指摘にも重なるところがございますけれども、134ページのFIM利得が5から6に上がるところで患者さんの状態に大きな差があるというところ、これは非常に興味深いところかと考えております。FIM利得が同じ1上がるといっても、これが2から3に上がった場合と5から6に上がった場合、意味が違う可能性があるかもしれないというところですので、今後の1日当たり上限設定の議論をする際には注意が必要な所見と思っております。実際確認してみる必要はあると思いますけれども、FIM利得に加えて、5、6の境界以上になったか、以下であるかといった割合の変化などを確認するなどして、FIM利得の単なる数字の差だけでは見えない部分が見落とされることがないように、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。
私からは、まず124ページ、実績指数の分布に、回リハの2・4では実績指数を求められない、あるいは要件が設定されていないという理由なのか、実績指数が低いことを考えますと、ある程度全ての病棟に実績指数を求めるということも必要なのではないかと思います。これは意見でございます。
136ページにDPCデータ、令和4年から令和6年5月、これは施設ごとのFIM利得が低下した患者の割合のデータをお示ししていただいておるところですが、令和6年度改定で重症者の受入れ率、これはハードルが厳しいがためにFIM利得が低い症例が増えているのではないかなという点がちょっと気になります。回リハでのリハビリ提供の効率性が場合によっては落ちているのではないかという懸念がございますので、この令和6年改定前後で、重症者の受入れとFIM利得の関係が分かるようなデータを今後お示しいただければと思います。これは要望でございます。
144ページ、ここでは廃用症候群、10%未満の施設も多い。一方では30%以上の施設も見られるということで、このように廃用症候群が多い施設における廃用症候群の基となる疾患はどのようなものなのか。本当にリハビリが必要な疾患なのか、対象なのかどうかということの詳細が分かれば次回でも教えていただきたいと思います。そこで質の高いリハビリ提供が疑われるような場合には、廃用症候群の患者割合に何らか一定の制限を設けることも検討する必要があるのではないかというふうに考えるところです。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、田宮委員、どうぞ。
○田宮委員
ありがとうございます。
私は、この疾患別リハの議論の中で、以前の改定のときに大分議論になった心リハ、大血管リハについてはあまり出てこなくて、143ページを見ますといまだに0.1%しか算定されていないという実態が分かります。なので、nが少ないので議論には出ないのかと思いましたが、あのとき議論になりましたように、心不全、増えていますし、大血管の介入も高齢者にも大分なされている中、循環器対策基本法とか学会のほうでも、何らかの慢性期に対する高齢者の心リハについて増やさないとニーズに対応できていないという議論があって、回復期での大血管リハの算定につながったと理解しています。
ただ、あのときにいろいろ議論になりまして、心リハは危ないので、循環器の専門医がいないと駄目じゃないかという議論も出まして、その結果、まずは基準は緩めずに行こうということになって、99ページにありますように、医師の基準が心大血管リハだけ非常に厳しいまま残って認められたという経緯がございました。これはリスクというのは大事だと思いますので、このプロセスというのは理解できますけれども、見ますと、ほかは全て医師は、特に専門は限定していないわけですね。専任常勤2人とか1名とか、そういうことで、廃用については脳血管に準じるということですけれども、どうしても心大血管だけが循環器または心臓血管外科の医師が時間中、常時いることという、かなり厳しい条件が残されているのです。その結果、このように0.1%しかやっていないと。
左側のグラフで心不全が廃用の中の3%という数字が出ていますけれども、前にも議論になったように、廃用もいろいろあるので、今も話題に出ましたが、どうしても心不全の心リハのニーズが非常に多い中、心リハの対応を廃用でやっているということも議論になっていました。ですので、本当に心リハをやる場合のリスクが循環器の専門医を常勤配置しなければいけない程度なのかとか、またはそこをきちんとリファーラルをすることによって大丈夫なのかとか、あと指導者がつくことで何とかならないのかとか、議論があってよいと思います。とにかくニーズが多い中、対応できていないという現実は少しずつでも進めていかなければいけないのではないかなと思っております。
あまりこのことが議論に出ていないので、また急にということはいろいろあるかもしれませんが、一歩ずつでも、このまま忘れずに、着実にニーズに対応できる対策を議論していくことが必要ではないかと思い、発言させていただきました。ありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、ほかに特に御意見等もなければ、先に進みたいと思います。5つ目の議題でございますが、「慢性期について(その2)」でございます。これも事務局から、まず、資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
160ページ目以降でございます。
161が療養病棟入院基本料についてであります。
162ページ目、前回の入院・外来分科会での意見を掲載させていただいております。
163ページ目が中間とりまとめの抜粋でございます。
164ページ目、入院料別の平均在院日数の推移ということで、中医協総会に出た資料ですが、お示ししております。
165ページ目、病床稼動率の推移でございます。
166ページ目が届出施設数と病床数の推移となっております。ともにやや減少傾向となっております。
167ページ目、令和6年調査におきまして、他の入院料の届出状況ということで、既に5月にお示ししたものでございますが、再掲しております。
168ページ目、入院基本料の見直しということで、医療区分に係る評価体系の見直し、また中心静脈の評価の見直しなど行ったところでございますが、169ページ目、この医療区分の見直しの概要でございます。
170ページ目、入院料の見直しの概要がございます。
171ページ目が療養病棟における医療区分2・3の算定日数ということでございますが、入院料1の基準が8割以上、入院料2のほうが基準5割以上ということになっておりますが、それぞれの病棟で現在どういったパーセントになっているのかということを、DPCデータを用いてお示ししておるものでございます。療養病棟2のほう、95%を超える施設が該当患者は6割以上だったというデータでございます。
172ページ目、医療区分3の疾患・状態、処置の患者の割合でございます。青色が令和6年、オレンジ色が令和5年ということで、診療報酬改定を通じて、こういった変化が出ているのかどうかということについての分析でございます。入院料1・2ともに多くの医療区分3の項目で患者の割合が増加しているという状況でございます。
173、療養病棟における医療区分2の疾患・状態の患者の割合ということで、こちらもオレンジが令和5年、青が令和6年ということで比較しているものでございます。消化管の出血が反復継続している状態、その他の指定難病等、慢性閉塞性肺疾患、医療用の麻薬を必要とする悪性腫瘍、医師及び看護師の常時の管理が必要な割合といったものが増加していたという状況でございます。
174につきましては、医療区分2の処置に該当する患者の割合の状況であります。ほぼ全ての項目で該当する患者が増加していたという状況であります。
175、療養病棟における疾患・状態、処置の区分の該当割合ということで、入院料1・2とともに処置等の区分2が減少し、処置等の区分3、疾患・状態の区分3の割合が増加しているということでございます。こちらのほうが令和6年改定の30区分に入院料の評価を分けた見直しの検証として、今回分析したデータでございます。
176ページ目が医療区分と医療資源投入量でございます。入院料30区分の包括内出来高点数の分布を示しております。ADL区分の高い入院料4、7、13、16等では、ケアの手間を反映した入院料が設定されているという状況であります。
177ページ目が入院料2のほうの分析でございます。御参照ください。
178ページ目、療養病棟における身体的拘束の実施状況であります。30%以上の患者に実施している施設が23.8%あったという状況であります。
179ページ目、認知症のある患者に対する処置等ごとの身体的拘束の状況、処置と身体的拘束の関係性、認知症2で見たもの。180ページ目は認知症なしで見たものでございます。全体の割合としましては、認知症2だと25.7、なしの場合だと13.6ということで比較して御参照いただければと思います。
181ページ目、身体的拘束の実施状況の患者像別ということで、デバイスと認知症のあり、なしの2バイ2でクロスして集計したものでございますので、御参照ください。
182は入院料ごとの認知症の有無、こちらは既にお示ししているものを再掲しております。
183ページ目、療養病棟の見直しの中の経腸栄養管理加算の新設の概要でありますが、184ページ目が摂食嚥下支援加算の見直しの状況でございます。
185ページ目も5月に既にお示ししたデータでございますが、療養病棟において受けている医療行為・処置でございます。
186ページ目が療養病棟における摂食嚥下機能回復の取組に係る診療報酬上の評価を整理したものでございますので、御参照ください。
187ページ目、療養病棟の摂食機能・嚥下機能回復に必要な体制の有無ということで、入院料1と2のそれぞれに分けて、体制ありと答えたところは青色、パーセンテージでお示ししております。
188ページ目がこうした加算の算定状況、どのような関係性で算定されているのかということで、届出状況の関係性を整理したものでございます。
189ページ目、経腸栄養管理加算の算定状況、令和6年の調査結果、既に5月にお示ししたデータでございますが、算定状況と届出困難な理由をお示ししたものでございます。
190ページ目は新たにNDBデータを用いて集計したものでございますが、経腸栄養管理加算の届出をしている施設であっても、実際に算定された回数は0回のところが多いというのが判明したところでございます。こうした算定状況も併せて御評価いただければと思っております。
191ページ目、摂食嚥下機能回復体制加算の算定状況と届出しない理由ということで、届出していても算定が0回というところが多いというようなデータとなっておりました。こちらも御評価いただければと思っております。
192ページ目は療養病棟において在宅退院を評価する仕組みということで、注10に在宅復帰機能強化加算という点数がございますので、こちらの概要をお示ししております。
193ページ目、この施設基準の届出状況を分析しまして、在宅復帰機能強化加算の算定と在宅復帰あるいは死亡退院の状況、それぞれ集計しておりますので、御参照ください。
194ページ目からが障害者施設等入院基本料、特殊疾患病棟入院基本料についてであります。
195ページ目に施設基準などを整理したものがございます。
196ページ目、令和6年改定で、障害者施設入院基本料で患者要件の「難病患者等をおおむね7割」というところの「おおむね」が削除されたという見直しが行われたところでございます。
197ページ目、障害者施設等入院基本料と特殊疾患療養病棟入院料の平成19年の総会における考え方の整理であります。
198ページ目が障害者施設の入院基本料のこれまでの経緯ということで、平成12年に創設されて以降、どのような見直しが行われたのかということの整理をしたものでございます。
199ページ目から届出医療機関数あるいは病床数の推移であります。
200ページ目も入院料別の届出医療機関数・病床数。
201ページ目は特殊疾患病棟入院料の平成6年に創設されて以降の改定の概要でございます。
202ページ目から届出医療機関数・病床数の状況。
203ページ目が医療機関数・病床数の状況などをお示ししております。
204ページ目、7対1障害者施設等入院基本料の患者構成ということで、令和6年調査の結果をお示ししております。施設基準の対象となる患者の割合の状況、基準が7割という設定でございますが、それを満たす病棟の状況でございます。
205ページ目、特殊疾患病棟入院料の患者構成ということで、こちらも基準に該当する患者がどのようになっているかに関する調査結果をお示ししております。
206ページ目、対象疾患ごとの該当状況ということで、青、赤、緑、黄色、それぞれ肢体不自由、脊椎損傷などの内訳ごとに、どういった患者が入棟しているかに関するデータをお示ししております。
207ページ目、患者の傷病名のデータでございますが、廃用症候群というデータが出てくる状況でございまして、こちらに関して対象が把握しづらいといった指摘もあるところでございます。
208ページ目、入院料ごとの年齢階級別の分布、こちらは障害者のところを赤枠で囲っておりますので、御参照ください。
209ページ目に現状と課題を整理したものをお示ししておりますが、こういった現状について御評価いただければと思っております。
説明は以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
井川委員、どうぞ。
○井川委員
詳細に検討いただきまして、ありがとうございます。特に、スモンを除きました27区分の算定数とか、従来の9区分に本来だったら当てはめるとどうだったかというデータは少し欲しかったのですけれども、それぞれどの程度のパーセンテージで算定されているかということに関しては、非常によく分かりました。
ただ、このデータの中に、例えば褥瘡を発生している患者、処置区分で言いますと2の患者さんに対して、当然、長期入院の間に肺炎を起こしたり、尿路感染を起こしたりとか、2つ目の処置区分が入った場合のデータというのは存在しないのですね。それに対して、同様に医療資源投入量が増えるはずなのですけれども、そこの部分は反映されにくいというのが、幾ら細かくしても、そこら辺が難しいというふうに実感しております。できれば処置区分が2つ重複したような場合には、区分を少し上げるというふうな形の何らかの工夫が今後必要になってくるのかなというふうな気はいたしております。
それと、身体的拘束に関して181ページに資料がございますけれども、一生懸命頑張っているところは、デバイスがあって認知症があっても0%というところが30%ありながら、逆にデバイスもなければ認知症もないのに20%以上の人に身体的拘束を行っているところが19.9、2割近くあるということは、病院そのものの問題なのか、それとも患者像の問題なのかということははっきりして、その上で評価していかなければならない問題かなと思いますので、その辺は詳細を詰めていただければなと思っております。
あと、188ページに、これは非常に大事な問題だと思いますけれども、非常に面白いデータを出していただきました。嚥下機能の届出状況の円グラフを3つ重ねまして、どういうふうに取っておられるかという、見ていてすぐ分かるというデータでございますけれども、これらから、経腸栄養管理加算を届出している施設の多くは、専任の管理栄養士を配置することによって要件をクリアしているというのが非常にはっきり分かりました。同時に、他院もしくは自院でVFとかVEを実施できる体制を有している施設が、実は3分の1ぐらいしかないということも明らかにされています。
確かに、VFやVEというのは、嚥下状態を把握するには非常に有用だと思いますけれども、今後の改善の可能性とか、そういうことを示唆するものではありません。実際、80歳以上の高齢者を検査いたしますと、健常と思われている患者さんでも、遅延とか残留というふうなものが発見されるということもあります。STが常時行っている、例えば反復唾液嚥下テストや水飲みテストというふうなものなどの簡便な嚥下機能評価法というのが、訓練をしていくのには非常にタイムリーでふさわしいというふうに考えております。
そういう意味でいいますと、こういう簡易な嚥下機能評価法を実施する体制を有していることを要件に入れて、VFやVEというのを必須項目としないという選択肢もありかなというふうに考えております。そうすることによって、より訓練が加速していって、より嚥下機能がよくなっていくのであれば、そのほうがいいのではないかと考えます。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
まず、入院料1・2の関係でございますけれども、医療区分2・3に該当する患者さんの入院料が算定された割合は171ページに示されております。入院料2の場合でも、5割以上はもとより8割以上の施設が相当数あるということになっておりまして、入院料1と2はそもそも該当患者割合で区分しておりますので、これを見ますと、そもそも1と2に分ける必要があるのかどうか等、改めて検討する必要があるのではないかと思った次第でございます。少なくとも入院料2の該当患者割合を5割以上とする基準は、実態から見ても妥当性に欠けるのではないかという感じがしております。
それから、医療区分2・3の処置におけます中心静脈栄養の取扱いについてでございますが、172ページ、174ページを見ますと前回改定の影響を反映しているということは見てとれますけれども、185ページからは令和4年度と比較ということになっておりますけれども、中心静脈栄養の割合が増加しているという傾向が見られます。
188ページは、井川委員も触れられましたが、栄養管理に関する体制についての届出状況という図が示されておりますけれども、これを見ますと十分な体制が決して取れていないなと感じるところでありますし、特に摂食嚥下機能回復体制加算の届出が極めて少ないということが分かります。引き続き、この体制整備を進めることはもとより、よく調査で出てまいりますけれども、患者さん御本人、それから御家族の理解を促すような取組に着目すること、また、加えてアウトカムを重視した評価ということも考えていかなければならないのではないかと思います。
次は、医療資源投入量に関してでございますが、以前お願いいたしましたデータにつきまして、お示しいただきましてありがとうございます。176ページ、177ページになりますけれども、入院料の4、7、13、16はADLが低い患者さんが該当するということで、点数が高く設定されているということになりますが、実際の資源投入量は高くはないということが分かりました。次回改定に向けた課題となるのではないかということを申し上げたいと思います。
それから、退院先の状況について、193ページでございますけれども、在宅復帰機能強化加算なしの状態でも、それなりに在宅に退院している患者さんがいることが見てとれます。加算によって在宅復帰を促している方向には必ずしもなっていないように思いますが、平均在院日数など、別の切り口として新たな分析をした場合に加算の効果が見えてくる可能性もありますので、実態についてはさらに分析を進めていってはどうかと思います。
それから、加算ありで死亡退院が50%超えということを示されておりますので、これは医療保険の療養病棟としては決して望ましい姿とは言えませんので、加算の要件として、死亡退院を含めた在宅復帰率を見るということもあり得るのではないかということを申し上げたいと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、秋山委員、どうぞ。
○秋山委員
ありがとうございます。
療養病棟について2点意見を申し上げます。
まず、176、177ページの療養病棟における医療区分と医療資源投入量の図を見ますと、患者像によって医療資源投入量やケア量に差があるということが分かります。恐らく病棟によって患者像に差があることが考えられますので、医療の必要性が高い病棟においては、それに対応できるための人員配置体制等も検討が必要かと思います。
そこも含めて、179、180ページの身体的拘束の状況を見ますと、認知症の有無、処置の有無等が身体的拘束に関連していると言えるかと思うのですが、181ページの左上のグラフを見ますと、デバイスありで認知症ありの患者に対しても身体的拘束0%を実現している病棟が3割もあれば、右下のグラフのように、デバイスなし、認知症なしの患者に対しても身体的拘束を実施しているという病棟が2割もありますので、先ほど井川委員からも御指摘がございましたが、この違いが一体何によるものなのか、人員配置、特に夜間の人員配置等にも違いがあるのかどうか、そういったことをもう少し掘り下げた分析が必要かと思います。
右下のデバイスなし、認知症なしの患者に身体的拘束を実施している2割の病棟では、恐らく個別に様々な事情があると推測はされますが、左上のような、デバイスがあり、認知症があっても身体的拘束0を実現している病棟での取組を、恐らく手厚い見守りや様々な工夫が行われているものと考えられますが、こうした取組を広げていくことが大切だと考えます。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、田宮委員、どうぞ。
○田宮委員
ありがとうございます。
先ほども出ている中心静脈栄養がいろいろ変わったわけですけれども、また少し増えてきているということで、そういう視点で見ると、今の議論にあった拘束のところですけれども、179、180ページを見ると、上が認知症のある患者さんですけれども、経管栄養と中心静脈栄養は真ん中辺りにありますけれども、多い状況になっていますね。上のほうにある検査とか交換とか、一時的なものと別に考える必要があると思います。なので、今回の資料には出ていませんけれども、前回の資料では24時間の拘束の場合にラインなどが多いという結果も出ていたので、恐らくこの経管栄養、中心静脈栄養の患者さんは24時間の拘束になっていると思います。
認知症のない方においても同様に、認知症のある患者さんよりは少ないですけれども、これはかなりの数が、認知症がなくても24時間、中心静脈栄養または経管のために拘束されている現状というのは、これはどうなのかなと思わざるを得ないと思います。それを何とか経口で維持できるような、今、議論に出ましたけれども、そういうサポートをもっとした上で、認知症もないのに拘束しながら中心静脈栄養にずっとつながれているという患者さんについての在り方は、さらなる議論が必要ではないかなと思いました。ありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。
井川委員、どうぞ。
○井川委員
ありがとうございます。
先ほど中野委員から176ページ、177ページに関しまして、医療資源投入量が少ない割には、4、7、13、16の入院料が高い、そこのところは見直すべきだというお話がございましたけれども、ここの部分というのは、ADLが悪くて人的投入量を評価していただいた部分でございますので、そこのところを削ってしまいますと、ますます寝たきりが増えるというふうな観点から言うと、今回の改定、先般の改定、全部そうですけれども、どちらかというと医療資源投入量一辺倒になっておりまして、人的投入量に関してはあまり評価されていなかったということがございます。
それに関しまして、この医療区分のところではADL区分というのがもともと入っていたおかげで人的投入量が少し加味されている。そういう観点からいいますと、ここを医療資源投入量が少ないから安易に下げるべきだという議論には、私はならないのではないかと思っております。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、特にほかに御意見等がなければ、本件は以上としたいと思います。
それでは、6つ目の議題でございますが、「食事療養(その2)」でございます。事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
210ページ目以降でございます。食事療養(その2)でございます。
211ページ目、中間とりまとめの抜粋を記載させていただいております。
212ページ目、これも既に6月にお示ししたものでございますが、食事療養の概要でございます。入院時食事療養(Ⅰ)、特別食加算、食堂加算、特別料金の支払いを受ける食事の提供など、全体像をお示ししております。
213ページ目が入院時の食費基準額の見直し。6月にお示ししたものでございます。
214ページ目がCPIの動向ということで、足元の2025年1月から6月平均のところも、引き続き食料支出が上がっている状況でございます。
215ページ目、入院時の食費の基準が引き上げられ給食提供に関して見直したことということで、令和7年度の調査結果を新たにお示ししております。令和6年度の調査結果が青で、令和7年度の調査結果がオレンジでございますが、見直し、20円の引上げ後、給食の内容を変えて経費削減を行ったなどがそれぞれ5割あるというような状況でございました。
216ページ目、令和6年6月以降の給食事業者への委託業務に関する状況でございますけれども、完全直営の医療機関の3.6%は、給食を委託から完全直営に切り換えていたというデータもございました。
217ページ目が特別食加算の概要であります。
218ページ目も5月にお示ししたものでございますが、入院料ごとに栄養摂取がどうなっているか。青色が経口摂取のみ、赤色が経口摂取と経管栄養など、こういった入院料ごとの状況。
219ページ目も嚥下調整食の状況をお示ししたものでございます。
220ページ目、普通食と嚥下調整食の1日当たりの食材費のデータということで、嚥下調整食は普通食より食材費が高いといったデータでございます。
221ページ目、見た目や栄養量等に配慮した嚥下調整食の提供ということで、見た目を改善した嚥下調整食の提供によって、エネルギー摂取量の増加あるいはADLの改善が認められたといった報告があるというデータでございます。
222ページ目が食堂加算の概要であります。
223ページ目、病棟における食堂での食事の状況。こちらは令和7年度調査ということで、食堂での食事の状況、病棟別A票、B票、C票、D票、それぞれで分析しておりますが、全体では、「希望する患者のみ食堂で食事をしている」が最も多く、使用していないという回答も一定数あるという状況でございます。
224ページ目が特別料金の支払いを受けることによる食事の提供。こちら、主な要件のところも抜粋してお示しておりますが、追加的な費用として、1食当たり17円を標準として、社会的に妥当な額の支払いを受けることができるという規定が現在ございます。
これに関連した調査結果、225ページ目にございます。行事食あるいはハラール食などの特別な食について、追加料金を取っているのかどうかということに関して、約8割の医療機関は追加料金なしで行事食対応などを行っていたということでございます。約2~3割の医療機関は、ハラールなど、あるいは選択メニューなどを追加料金なしで行っているという調査結果でございました。
226ページ目、現状と課題を整理したものでございますが、こういったデータを基に現状を御評価いただきたいと思っております。
説明は以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等、承りたいと思います。いかがでしょうか。
津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。
私からは、226ページ、現状と課題、まとめにつきまして意見を述べさせていただきたいと思います。
令和6年度改定で30年ぶりにようやく30円上げていただきまして、その後、中間年改定で20円上げていただきました。しかし、昨今の物価高騰、人件費高騰、委託費高騰、食材費高騰、特に米の値段が上がっていることから、病院の給食部門が赤字のままの環境は変わってございません。1つのデータとしましては、年間で病院の給食部門平均赤字額はおよそ3000万円といったデータもございます。
令和7年度調査でも明らかになるかもしれませんが、委託業者のほうからは、現在でも期中にもかかわらず、3つの理由で委託費値上げを言ってきております。1つは食材費がさらに高騰し続けているということ、もう一つは職員の最低賃金が上昇しているということ、3つ目は米の価格が上がっているということで、委託費の値上げに病院が対応しなければ貴院から撤退しますよという脅しのようなことをされまして、病院のほうは悲鳴を上げているという状況でございます。
病院の給食が赤字で提供されているという、この事実は、入院患者さん、あるいは国民は恐らくほとんど知らないのではないかと思われますので、給食部門の赤字の状況が今後も変わらないようであれば、このままでは本当に病院自体が経営破綻で消えてなくなってしまうということもございますので、令和8年度に必要な診療報酬改定財源とは別に、これは強調しますけれども、来年度の改定財源とは別に、患者さんにもこの点、御理解いただいて、一部自費負担をお願いするということも検討の選択肢の一つかなと考えるところでございます。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、鳥海委員、どうぞ。
○鳥海委員
ありがとうございます。
食事療養については、皆様のおっしゃるようなことと一緒なのですけれども、食事は入院している最中に、その患者さんを支える大きな力になっていると思うのです。先ほども御発言ございましたけれども、食材の高騰に対応するには、現状の値上げ幅は小さいだろうということは言えると思います。それから、社会の国際化、外国人の方の増加ということで、ハラール食とかベジタリアン食というのが容易に提供できるように配慮するべきでありますし、普通のメニューでも、一般の方が肉か魚か、あるいはベジタブルかというようなことを選択できるような工夫が望ましいと思います。
それに関わって17円までの追加料金というのがありますけれども、この御時世的に考えて、その17円の幅がどうかということも、また改めて検討していただきたいというふうに思います。
それから、食堂加算というものがあるのですけれども、食堂を使って何ぼというところでしょうか。要するに、食堂を持っていれば取れるようなところがあるのかなと思うのですけれども、その在り方についても、また御議論いただければと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
221ページに嚥下調整食として、見た目にも配慮した工夫ということが示されておりますけれども、こういう内容はどんどん進めていくべきだと思いますが、220ページによりますと、それなりにコストがかかるということになっておりますので、その点をどういうふうに整理するかということは検討の余地があるかと思います。
それから、食堂加算についてですけれども、222ページ、223ページに示されておりますけれども、加算が算定されているにもかかわらず、必ずしも食堂で食事をお摂りになっていないという実態があるということになっております。病棟の種類の違いによるということもあるかもしれませんけれども、加算の在り方についての検討が必要ではないかと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。それでは、ほかに特に御意見、御質問もないようですので、本件は以上としたいと思います。
それでは、7つ目、最後の議題でございますが、「人口・医療資源の少ない地域における対応」でございます。それでは、事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
227ページ目以降でございます。人口・医療資源の少ない地域における対応であります。
230ページ目からでございますが、人口規模別の二次医療圏ごとの診療所の変化、こちらも既にお示ししたデータでございますが、地域ごとに医療の課題が異なっているという状況であります。
231、232も御参照いただければと思います。
233につきましても5月22日の分科会でお示ししたデータでございますが、人口規模ごとに救急搬送件数、地域シェアといった状況が違うというデータがございます。
235ページ目は地域医療対策協議会の取組の概要。
236ページ目、へき地における医療の施策。
237ページがへき地医療拠点病院の概要あるいは活動実績の状況でございます。
238ページ目が医師偏在対策に関するとりまとめでございます。医師偏在是正の具体的な取組がこちらに示されておりまして、239ページ目が医師確保計画の実効性の確保でございます。①重点医師偏在対策支援区域、②医師偏在是正プランというような取組の今後の施策の考え方が示されております。
また、240ページ目、経済的なインセンティブ等でございます。こちらのほうは、診療報酬において、どのような対応が考えられるか、さらに検討を行うということでございますが、医師偏在対策に関連した診療報酬の対応の記載がございます。
241ページ目、全国的なマッチング機能の支援、リカレント教育の支援、都道府県と大学病院等との連携パートナーシップ協定というような取組の考え方が、医師偏在対策パッケージとして示されているところでございますので、紹介いたします。
242ページ目、2040年に向けた広域的な圏域のイメージというものでございます。こちらは7月24日の地域医療構想及び医療計画等に関する検討会の資料でございます。大学病院本院からの医師の派遣が黄色で示されておりますが、併せまして、緑色の急性期拠点からの医師の派遣が期待されるということがこちらで議論されているという状況でございます。
243ページ目、医療資源の少ない地域のヒアリング結果ということでございます。
244ページ目、入院・外来の実態調査でヒアリング調査を行うことになっておりまして、医療課のほうで6月27日から7月23日にかけまして、医療資源の少ない地域に存在する保健医療機関15施設に順次ヒアリングを行っていたところであります。
245に外来医療・在宅医療についての主な意見。
246ページ目、情報通信機器を用いた診療(オンライン診療)に関する意見。
247ページ目が入院に関する意見。
248ページ目が救急医療体制あるいはその他に関する意見ということで、主な御意見を抜粋してお示しさせていただいております。
249ページ目が医療資源の少ない地域に配慮した施設基準等の緩和でございます。
250ページ目に概要をお示ししておりますが、現在、こういった医療資源の少ない地域に配慮した要件の緩和の実例、左側に各項目があって、その概要が右側に載っておりますが、こういったものが診療報酬で示されているところでございます。
251ページ目、平成24年以降の累次の改定において、こういった施設要件の緩和について進められてきているところでございます。
252ページ目に令和6年度改定における評価の見直しの概要を記載させていただいておりますが、回復期リハビリテーション病棟入院料の届出を病室単位で可能とする区分の新設、あるいは地域包括ケア病棟の要件の「自院の一般病棟からの転棟患者の割合」の要件の緩和、あるいは在支診・在支病の要件の中のD to P with Nを実施できる体制の整備に関する要件、こうした見直しが令和6年改定で行われたところであります。
253ページ目が、その医療資源の少ない地域の定義に関する見直しの中医協の資料でございます。
254ページにございますとおり、令和6年改定では、青色のところに関する見直しが行われたところであります。
255が巡回診療、医師派遣等の支援に関するものでございます。
256ページ目、支援を要する地域でございます。
257ページ目にございますとおり、今、DPC制度の機能評価係数Ⅱにおいて、地域医療係数の体制評価指数の中のへき地の評価で、へき地拠点病院の指定の中で、巡回診療、医師派遣、代診医派遣などの実績に応じた報酬上の評価が行われているところであります。
258ページ目が大学病院本院群において医師少数地域への医師派遣、こちらも新たに令和6年改定で追加されたところでございます。
259ページ目が医療資源の少ない地域でのヒアリング結果、先ほどお示ししたものの、特に派遣に関連したものを再掲しておりますが、外来医療について、派遣の回数を減らしたいという要望があって、こういった医師がいなくなると外来医療体制が厳しくなるといった意見が出ていたところでございます。
また、260ページ目にございますとおり、へき地診療所におきましては、へき地拠点病院以外からの医師の派遣も生命線となっているといった意見があったところでございます。
261ページ目、二次医療圏の人口・人口密度の分布ということでございますが、全二次医療圏の平均値以下であるところが268医療圏、全国の人口密度以下である二次医療圏が194あるということで、こうした人口の少ない小規模な二次医療圏を踏まえたところを御議論いただきたいところでございます。
262ページ目が小規模な二次医療圏における支援のイメージということで、小規模な二次医療圏においては、へき地診療所などが定められ、対応が行われているところでございますが、病院あるいは拠点的機能を有する病院、医政局でも議論が行われておるところでございますが、こういったところを支援していくというイメージ図をお示ししております。
263ページ目が実施状況ということでございます。
264ページ目、へき地拠点病院の概要を改めてお示ししておりますが、医療活動の実施状況、下のところの表にございます。
265ページ目はへき地医療拠点病院の加算の届出状況。この加算というのは、※印に書いてありますとおり、総合入院体制加算あるいは急性期充実体制加算のような拠点的な急性期機能の評価の加算でございますが、こちらを届け出ているところと、へき地医療拠点病院とどういった関係性になっているのか、人口規模別にお示ししておるものでございます。
266ページ目が、さらに主要3事業、巡回診療、医師派遣、代診医派遣が加算ありとなしでどうなっているのか、あるいは人口規模別でどうなっているかというのをクロスで集計したものでございます。
267ページ目、オンライン診療関係。D to D、D to Pの遠隔医療でございます。
268ページ目、へき地におけるオンライン診療の活用状況、6月に既にお示ししたものを再掲しておるところでございます。
269ページ目は令和4年改定の公益裁定の状況でございます。
270ページ目が医学管理料の算定状況。こちらも既に6月にお示ししたものを再掲しております。
271ページ目、医療機関所在地のベースで見て、都道府県で人口100万人当たりの算定回数、どれぐらい各地域でオンライン診療が定着しているかということでございますが、管理料ごとに地域差が見られるというような状況がございます。
272ページ目、医療資源の少ない地域でのヒアリング結果。へき地で高齢者を対象にオンライン診療を実施する場合、機器の手助けのコストや時間がかかるとか、そういった診療報酬の引上げが必要であると感じているといったような意見があるところでございます。
273ページ目、遠隔連携診療料、D to P with Dに関する技術の評価をする点数の概要をお示ししておりますが、274ページ目、算定回数はかなり少ない状況がございます。
275ページ目、D to P with N、特にへき地診療所が実施する場合は50点の加算が令和6年改定で新設されたところでございまして、これについては、276ページ目、既にお示ししたものでございますが、加算の算定届出医療機関数あるいは算定回数などがこのような状況となっているということでございます。
277ページ目、with Nの事例ということで、鳥羽市の状況、診療所の事例を改めてお示ししております。
278ページ目はリカレント教育などに関連したもの、令和5年の医療法改正で、地域医療支援病院の中で、かかりつけ医確保のための研修を行うことが位置づけられたところでございます。
279ページ目、280ページ目、それぞれの病院団体で行っているリカレント教育に関連するような研修の概要をお示ししております。
また、281ページ目、マッチング機能の支援、大学の連携パートナーシップ協定といったところの取組のイメージ図もお示ししております。
282ページ目に現状と課題ということでお示ししておりますが、人口・医療資源が少ない地域を取り巻く状況、施設基準の緩和、あるいは巡回診療、医師派遣など、その他のこういった支援に関することにつきましての現状の評価等をいただけましたら幸いでございます。
説明は以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
小池委員、どうぞ。
○小池委員
ありがとうございます。
私から3点ほど。
1つ目は医師派遣についてです。数の限られたヒアリングではありますが、259、260ページをみますと、拠点的な急性期機能というのは、病院からの派遣だけでも、DPC本院群のみならず、へき地医療拠点病院、さらにはそれ以外の病院も実態としてあるということを踏まえ、果たしている機能に注目した評価も考えていくということが、地域医療を維持する上で重要ではないかと考えております。
2点目が265ページ辺りですけれども、総合入院体制加算や急性期充実体制加算というのは、人口が少ない二次医療圏では、そもそも件数要件を満たすのが非常に厳しい可能性がございます。人口規模とかシェア率とか近隣の医療圏の状況を踏まえた上で、基準の緩和あるいは別の形の評価も考慮の余地があるのではないかということを考えております。
3点目です。人口・医療資源の少ない地域におけるオンライン診療のところですけれども、医療資源が豊富にあるところで、主として患者さんの選択とか利便性の向上のためのオンライン診療と、へき地等におけるオンラインとは、代替手段がないとかアクセスが非常に厳しいという要素があり性格が異なるということを改めて指摘したいと思います。ですので、そういう地域については、D to P with Nとか機器操作の手助けのコストも賄えるような評価の仕方ということも考えていただくということは重要だと思います。
また地域の範囲をどう考えるかということも重要と思います。既存制度に関して、医師少数区域、医療資源が乏しい地域、地域振興立法の対象地域等等、複数の異なる定義があります。いずれにしても、対面による医療へのアクセスが厳しい地域ということをうまく拾い上げるような対象地域の設定についても御検討をお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、鳥海委員、どうぞ。
○鳥海委員
ありがとうございます。
へき地医療ですけれども、現在、日本で地方の医療を担っていらっしゃる開業医の先生方は、比較的年齢が高い傾向にあると思うのです。ですので、そういうところで医療機関自体の継承がかなわなければ、廃業していかなければいけないところが多く出てくると思います。そうすると、その地域の医療過疎化というものが余計進行することになると思うのです。
そして、それに対して、地方の医科大学なんかから、例えば機能評価係数Ⅱでポイントを補塡して協力してもらおうという考えは確かにありなのですけれども、前もこういう場でお話ししたことがあるかもしれませんけれども、地方の医科大学、皆さん人材が豊富なわけではなくて、大学病院の本院群と申しましても、人材が都市部に流出して人手が足りないというところは多いと思うのですね。ですので、あまりそれに頼り過ぎるというのは現実的でないだろうということと。
それから、地域医療で、例えば医院を継承する。ここで新しく医療機関、クリニックをやるというような場合に、その保険点数を高くするというのはなかなか難しいところもあるかもしれませんけれども、こういうことを言っていいのかあれですけれども、例えば税制の優遇とか、そういうような面でも配慮してあげることで、地方で開業がしやすい環境というのもつくっていく必要があるかなと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、秋山委員、どうぞ。
○秋山委員
ありがとうございます。
私からもD to P with Nについて1点、意見を申し上げます。
まず、資料の276ページの看護師等遠隔診療補助加算の届出医療機関数、それから研修受講者数の増加傾向を見ますと、D to P with Nの提供体制が整備されてきているというふうに受け止めています。
一方で、資料272ページの医療機関からのヒアリング結果のところでは、4つ目のポツの①にもありますように、D to P with Nを実施する上で、訪問した看護師が実施してよい処置の範囲や診療報酬が請求可能な範囲が明確ではないといった指摘がございます。D to P with Nにおいては、看護師がそばにいることでオンライン診療では受けられない検査・処置がタイムリーに受けられたり、また患者の症状や状況を正確に把握することで医師に伝えることができたり、また患者の生活を踏まえた療養支援が行われたりといったようなメリットが考えられますので、さらなる評価の在り方について検討する上では、現在、実際どのような処置や療養支援が行われているのか、処置や療養支援の実態を把握することが必要だと思いますし、それらの実態を踏まえた上での検討が重要かと思われます。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
眞庭委員、どうぞ。
○眞庭委員
ありがとうございます。
医療資源の少ない地域への医療人材の確保、特に医師ということになると思いますけれども、例えば242ページ、そうした取組の広域圏域でのイメージということで、矢印を使って大学病院本院から、それぞれの地域の拠点病院から人材派遣というような図が出ておりますけれども、この矢印がいわゆる一方通行、片道切符的なことになってはいけないということを、ここで1つ改めて考えないといけないのではないか。
つまり、その地域において、医療人材、特に若手医師等が循環していくような形というのをしっかりとイメージしていく。医療人材、専門性、高度な医療ということにも常に頭を持っていくというようなところもありますので、そういった循環というような視点で、この医師派遣というのを見ていく。そういった観点から医療制度というのも考えていく必要があるということを、この図を見ていて改めて感じました。
私からは以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。ほかに御意見、御質問等もないようですので、本件については以上としたいと思います。
本日の議論は以上でございます。
次回の日程等について事務局からお願いします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
本日、御議論いただき、ありがとうございました。
次回の日程は未定でございます。また御連絡いたします。
すみません、1点だけ資料に誤りがございました。261ページ目の資料のリード文に「全二次医療圏の人口平均値は28.2万人」と記載されておりますが、「38.2万人」というのが正しいということで、下の表のほうにはそのように記載されているのですが、リード文の記載が誤っておりましたので、これは後ほどホームページのほうも修正させていただきますが、この場で訂正させていただきます。申し訳ございません。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、以上をもちまして、令和7年度第9回「診療報酬調査専門組織・入院・外来医療等の調査・評価分科会」を終了させていただきます。皆様の御協力によりまして、本日は時間内に終えることができました。ありがとうございました。本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。
こんにちは。定刻になりましたので、ただいまより、令和7年度第9回「診療報酬調査専門組織・入院・外来医療等の調査・評価分科会」を開催いたします。
本日の開催につきましては、対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。
また、今回の会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は飯島委員が御欠席と伺っております。また、鳥海委員が1時間ほど御参加いただき、退出される予定というふうに伺っております。
なお、冒頭のカメラの頭撮りはここまでとしたいと思います。
それでは、早速議事に入らせていただきます。最初の議題でございますが、「中医協総会への報告結果について」でございます。まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
入-1の資料に基づきまして御説明いたします。「中医協総会への報告結果について」でございます。8月6日の中医協総会において、中間とりまとめの報告が行われております。
総会のほうで上がった意見につきまして、こちらにございますとおり、入院医療、入退院支援、救急医療、外来医療、その他個別事項についての御意見がございましたので、こちらを御参照いただければと思います。
説明は以上でございます。
○尾形分科会長
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等があれば承りたいと思います。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、本件につきましては以上としたいと思います。
それでは、2つ目の議題でございます。「賃上げ・処遇改善(その1)」につきまして、これもまず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
入-2の資料に基づいて御説明いたします。
4ページ目からでございます。賃上げを取り巻く状況について。
5ページ目、中医協総会に出されたものですが、医療機関の収支構造の中、人件費がございます。
6ページ目にありますとおり、費用構造の中で人件費が高いパーセントを占めるという状況でございます。
7ページ目、人件費の給与単価、国内の賃上げ動向についての資料です。
8ページ目が給与勧告でございます。最新の令和7年の人事院勧告、3.62%となっておりますので、背景の資料として御参照いただければと思います。
9ページ目から賃上げに係る施策の評価ということです。
10ページ目、医療機関の賃上げの施策の整理ということで、令和3年度の看護職員等処遇改善事業補助金から始まりまして、令和4年10月の看護職員処遇改善評価料の新設、また令和6年度でベースアップ評価料の新設、あるいは初再診料等の引上げなどが行われたところでございます。
11ページ目が看護職員処遇改善評価料の概要。
12ページ目、賃上げのイメージということで、令和6年度、プラス2.5%、令和7年度でプラス2.0%を、ベースアップ評価料あるいは賃上げ税制等の活用により行うこととなっておりました。
13ページ目がベースアップ評価料の全体像及び初再診料の引上げの概要でございます。
14ページ、15ページ目、御参照いただければと思います。
16ページ目が歯科、17ページ目が薬局の基本料の引上げでございます。
18ページ目、賃上げ促進税制の概要が載っておりますので、御参照ください。
19ページ目が令和6年度の補正予算で、こちらは医政局のほうでつくられた補助金の概要となっております。
20ページ目が今年度の骨太の方針でございます。診療報酬あるいは賃上げに関連した記載がございますので、御参照いただければと思います。
21ページ目から診療報酬の算定状況でございます。
23ページ目にございますとおり、看護職員処遇改善評価料及び入院ベースアップ評価料、入院患者に対して算定されるものの要件を整理したものでございます。
24ページ目がその看護職員処遇改善評価料の概要でございます。
25ページ目、看護職員処遇改善評価料の区分の算定状況ということで、165区分までございますが、こういった分布になっているという状況でございます。
26ページ目が処遇改善評価料の、さらに病院類型別の算定状況ですので、御参照ください。
27、28、29は施設基準などの概要をお示ししております。
30ページ目が外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の算定状況でございます。病院が約9割、診療所が約4割の届出。令和7年7月7日時点での状況でございます。
31ページ目が外来ベースアップ評価料と入院のベースアップ評価料の届出の関係、御参照いただければと思います。
32ページ目が届出区分の分布でございます。
33ページ目が、さらに急性期一般を届け出ている病院における、入院ベースアップ評価料の算定区分の状況。
34が地域一般病棟、35が療養病棟、36が精神病棟、37が結核病棟で、38が特定機能病院の状況でございます。
39、有床診のベースアップ評価料の分布となっております。
40ページ目、設立母体別あるいは許可病床数別で、このベースアップ評価料を届け出ているかいないかということの概要、より詳細な集計をしておりますので、こちらも御参照ください。
41ページ目、入院ベースアップ評価料の算定状況、病院全体ということでございます。
42ページ目が有床診でございます。診療科別で分析したものとなっております。
43ページ目から外来でございます。
44、45、46、47、48、49につきましては、施設基準などの概要をお示ししております。
50ページ目は再掲のデータでございます。割愛させていただきます。
51ページ目、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)の届出状況であります。評価料(Ⅰ)のみでは十分な補塡がなされない場合に、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)の届出も可能となっておりますが、その届出状況となっております。(Ⅰ)を届け出た医療機関のうち約4%が評価料(Ⅱ)を届け出ているという状況でございます。
52ページ目、より詳細な分析をお示ししております。
53ページ目が診療科別に分析したものでございます。
54ページ目が外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)の診療科別のものでございます。その他の区分、あるいは整形、眼科、皮膚科などは少ない傾向といったデータとなっております。
55、56、57につきましては、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)と併算定される行為、(Ⅱ)と算定される行為、あるいはそれを割合で見た場合のデータを示しております。どういったところが外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)を届け出ているかに関して御参照いただければと思います。
58ページ目が歯科の外来・在宅ベースアップ評価料の概要。
59が(Ⅱ)の概要でございます。
60が届出の状況となっております。歯科診療所の36%が(Ⅰ)の届出を行っております。
61が(Ⅱ)の届出状況となっております。(Ⅰ)を届け出ている医療機関の4%が(Ⅱ)を届け出ている状況です。
62は、より詳細にその区分などを分析したものでございます。
63ページ目、訪問看護でございます。
64、訪問看護のベースアップ評価料の概要が載っております。
65、66も併せて御参照ください。
67が届出状況、約43%が届け出ているという状況であります。
68が訪問看護のベースアップ評価料(Ⅱ)の届出状況。(Ⅰ)を届け出たうちの約7%が届け出ているという状況でございます。
69は訪問看護ステーションの医療保険と介護保険の利用者の割合ということで、こちらは前回改定のときに示されたデータでございます。
70ページ目、医療機関における賃上げ状況ということで、71ページ目にございますとおり、医療機関の賃上げにつきましては、ベースアップ評価料の賃金改善計画書あるいは賃金改善実績報告書により把握することとなっております。
また、歯科技工所の賃上げ、あるいは薬局に対する調査につきましては、関係団体と連携して把握することとなっておりました。本日、医療機関の賃上げにつきましては、賃金改善計画書を集計したものをお示ししております。令和6年の実績報告書については、8月中に届け出ることとなっておりますので、本日は計画書に基づくデータをお示ししております。
72ページ目以降が病院・診療所についてであります。
73ページ目は中医協総会で4月に報告された計画書ベースでの賃上げの状況でございます。
74ページ目、令和7年度のベースアップ評価料の計画の状況であります。こちらにありますとおり、令和5年度からの賃上げの状況、計画書別になっておりますので、御参照ください。
75ページ目、それをより詳細に見たものでございます。令和6年から令和7年の賃上げ増率のところもお示ししておりますので、御参照いただければと思います。
76はベースアップ評価料の対象職員の賃上げ状況。
77は対象外職種、40歳未満医師の賃上げ状況。
78が対象外職員、事務職員等の賃上げ状況になっておりますので、それぞれ職種別の賃上げ状況を御確認いただければと思います。
79ページ目が薬局・歯科技工所であります。
80ページ目にございますとおり、歯科技工所の賃上げにつきましては、関係団体、日本歯科技工士会の調査に基づいてお示ししております。御参照ください。
81ページ目、薬局の賃上げ状況であります。こちら、日本薬剤師会の調査でございます。賃上げを実施しているか、実施予定があるかどうかなどのデータ、あるいは82ページ目にございますとおり、規模別の状況などのデータをお示ししておりますので、御参照ください。
83から届出方法についてであります。
84ページ目に処遇改善評価料・ベースアップ評価料の算定スケジュールを載せております。
85ページ目に再掲したものがございます。
86ページ目、作成に必要な事項を比較した表がございます。
87ページ目、これは令和6年度の調査結果でありますが、ベースアップ評価料を届け出ていない理由についてでございますが、一番多かったのが、届出内容が煩雑なためというものでございました。その次に、ベースアップ評価料が次回改定後も存続するか不明なため。その次に、患者への説明が難しいためといったようなものが挙げられていたところでございます。
88ページ目は医療法人経営データベースに報告されることになっている内容。
89ページ目、90ページ目が賃金改善計画書あるいは実績報告書。
91ページ目、92ページ目がベースアップ評価料の計画書と実績報告書、それぞれ参考にお示ししております。
これらに基づきまして、現状をどのように評価するか、調査結果などをどのように評価するかなど、御議論いただければと思います。
説明は以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
ありがとうございます。
課題に沿ってお話ししたいと思います。
まず、看護職員処遇改善評価料・ベースアップ評価料といった評価料と、40歳未満の医師や薬剤師・事務職員などの賃上げを目的とした初再診料や入院基本料の引上げが行われたわけです。これにより、医療職の給与水準は上昇したということが示されていますが、ほかの業種と比べて、この幅は明らかに小さいというのが見てとれるところです。
あと、ベースアップ評価料の対象職員と対象外職員の賃上げ状況の評価ですけれども、一見、対象職員のほうが大きく上がっているようにも見えるのですが、事業所によっていろいろな考え方があって、対象職員と対象外職員の差をつけるところもあれば、そうでないところもあるということも現実にはありますので、今回のデータからその評価を行うことは難しいだろうというふうに思っております。
そもそも評価料の申請には、看護職員処遇改善評価料・ベースアップ評価料、それぞれ賃金改善計画書及び賃金改善実績報告書を作成する必要があって、これは大変煩雑で多くの事務作業量が必要になります。このため、今回のデータでも公立病院とか医療法人、100床未満の病院では届け出ていない病院も多く見られています。本来、給与はその病院が得た収益を、人件費としてそれぞれの病院の方針に沿って割り当てるものでありますから、その意味からは、今回の評価料ではなく、入院基本料などの通常の診療報酬で賄われるべきものというふうに認識しております。これによって、他の業種並みの賃上げが可能になるような賃金報酬設定が必要だろうと思います。
そのような一本化が直ちにできないということであれば、看護職員処遇改善評価料・ベースアップ評価料という二本立ての評価料を統合したり、これに係る事務手続を簡素化するということはぜひ必要かと思います。
私は以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
私は、今回のデータを見て、次回の改定について課題となりそうなところについて触れたいと思います。
まず、42ページですけれども、有床診療所におけます診療科ごとの入院ベースアップ評価料の算定状況が出ておりますけれども、評価料区分が高いところにおきまして、保険外診療の割合が高いと考えられます産婦人科が多いということについて、次回改定ではどういった対応が必要なのかということを検討材料にすべきではないかと申し上げたいと思います。
それから、外来・在宅のベースアップ評価料(Ⅱ)との併算定について、関連する診療行為については57ページになりますけれども、人工腎臓を積極的に実施している診療所におきまして、評価料(Ⅱ)の届出がかなり多いということが見てとれます。この評価料につきましては、基本は(Ⅰ)で十分に措置できない場合を想定しまして(Ⅱ)をつくった背景があり、これにつきましては、患者さんの自己負担との関係の議論があって、今のような形になったわけでございます。こうした点から、人工腎臓、いわゆる透析関係の診療行為が多いということにつきましては、自己負担との関係が何かあるかということになると思いますけれども、その辺につきましては、次回改定でどう対応するかについて検討の余地があるのではないかと思います。
それから、ベースアップ評価料届出医療機関の賃金増率について、74ページと75ページでございますけれども、まず、74ページは全体の計画値、75ページは届出書を簡素化する前に限った医療機関ということの比較でございます。74ページのほうが、診療所は加重平均値が低いと出ております。これは届出書の簡素化によって、スタート時点からではなく、途中から賃上げをした結果、そういう医療機関があったという影響に基づくものではないかと考えられるわけでございますけれども、これを考慮したとしても、目標値であります4.5%には届いていないということが現実にあります。
このたびの賃上げの評価の仕組みにつきましては、税制を含めて賃上げを措置するということでもありましたので、税制の活用状況についても見るべきではないかということで、問題点にしたいと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。
私からは、ページに沿いまして、まず12ページに基本方針の左の③賃上げ促進税制の活用という資料、そして19ページにその概要のスライド資料を用意していただきました。実は、4病院団体の調査を行いましたところ、これはもう日本医療法人協会のホームページに公開されておりますが、この賃上げ促進税制が活用できた医療機関はわずか19%しかなかった。ほとんど使えていないという結果も出ておりますので、検討するに当たりまして、そういったことも今後データとして上げていただければと思います。
飛びまして、94ページの現状と課題、ここからは薬局の話ですが、ポツの4つ目に薬局薬剤師の賃上げ率、ここはパーセントの提示がありません。この情報だけだと医療と歯科と薬局とのバランスの比較検討がちょっと難しいかなと思っております。
81ページに日本薬剤師会の内部の調査データをお示しいただいていますけれども、賃上げを実施した、45%、実施予定が30%のみでは、その中身がよく分かりません。
82ページに資料を出していただいていますが、n数は219でありますし、50~229店舗のところは有効回答なしということで、実際のところ、薬局の職員の賃上げがどれぐらいできているのかというのがよく分からないというのがございます。
あと、その下のほうに、経営者の給与を削って実施したという回答が99とか、あるいは経営の個人資産での補塡が57件あったということで、経営が大変そうだなというような印象づけみたいになっておりますが、実際のところ、多くの中小病院でも経営者が給与を減額して耐え忍んでいるような現状がありますので、これは決して薬局に限った話ではないというふうに発言させていただきます。
そして、94ページの現状と課題のポツの1つ目です。75ページにお示しいただきました賃上げ計画のデータによりまして、全医療機関、令和5年度と比較して令和6年度2.69、令和7年度3.40ですが、令和6年度との比較では0.71%しか上げられていないという資料をお示しいただきました。もちろん、公定価格である診療報酬本体が上がらなければ話が始まらないというのは十分理解できるところですが、今後、分科会のほうで、このベースアップ評価料の多少の凹凸といいますか、それを診療報酬の仕組みの中で見直し、修正する作業というのは必要だと思いますし、資料でお示しいただいていますが、例えば看護職員処遇改善評価料と入院ベースアップ評価料を1つにまとめるというような作業も、場合によっては必要かと思います。
ただ、それだけでは、医療機関に従事する我々医療従事者の根本的な処遇改善にはつながらないのかなと懸念するところです。令和8年度改定は、令和8年分と令和9年分、2年分のベースアップということになりますが、このままインフレ基調が続いて、例えば他産業のベアアップ、ベースアップが、インフレ率にスライドして令和8年5%、令和9年5%と上がっていった場合に、さらに格差が広がるばかりということになってしまいます。
まずは、令和6年度のベースアップがどうだったのか、令和7年度のベースアップがどのような結果だったのかという、事実として令和6~7は0.71ポイントしか上げられていないというのはお示しいただいていましたけれども、そもそも令和6年度の診療報酬改定の制度設計にちょっと問題があったのではないかなというふうに捉えるべきではないかなと思っています。賃上げ促進税制も、実際にはなかなか使われていなかったということもございますし、ベースアップ評価料をそもそも診療報酬制度の中に組み入れてしまった以上、ほかの産業並みにベースアップできるような、スライドできるような仕組みを入れるような制度設計も考えるべきじゃないかなということを発言させていただきます。
ちょっと長くなりますけれども、他産業に見合うような賃上げができないということが、また令和8年度改定でも続きますと、これは大変な問題になっていきますし、まずは令和6年をベースとして、この2年分の不足分をどう捉えるのか。我々病院団体のほうとしましては、改定率でいえば、2年分として約4.6%分の不足が出ているのではないかという試算もあります。ほかの産業界が令和7年度5%という実態がある中で、0.71%しか上げられていないということを踏まえまして、令和6年度改定の制度設計から遡って、そこからの修正で不足分を計算し直す必要があるのではないかと私は考えますけれども、事務局におかれましては、どのように考えられますかというのが質問でございます。
以上でございます。
○尾形分科会長
最後の点は御質問のようですので、事務局、お願いします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
今後のベースアップ評価料がどのような形になるのかということの事務局の考えという御質問かと思いますが、分科会は技術的な事項、調査データなどの評価を行うところでありまして、具体的な設計は総会あるいはその他のところで御議論があるということだと思っております。事務局のほうで現時点で何か予断があるものではございません。
以上です。
○尾形分科会長
よろしいでしょうか。
○津留委員
ありがとうございます。
医療機関にとっても、人件費は費用の50%以上を占めているということもお示しいただいていますし、これは病院経営にとっては非常に大きな問題でございますので、ほかの議論とはちょっと別格かなというふうに思うところです。分科会での専門的な調査、技術的な課題解決、もちろん重要なのですけれども、これもぜひ随時的に中医協総会と情報共有を図っていただいて、双方で議論を深めていければと思いますので、この点、事務局におかれましては、重々御理解いただいていると思いますけれども、私からぜひお願いしたいと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、秋山委員、どうぞ。
○秋山委員
ありがとうございます。
3点意見を申し上げます。
1点目は、先ほど津留委員からもお話がありましたが、国内の賃上げの動向についてです。資料の7ページの賃上げの動向を見ますと、社会全体の賃上げ率が5.25%と上昇してきているわけですが、産業全体と医療・福祉の賃上げ状況の比較を見ますと、全産業の改定率4.1%と比較して、医療・福祉については2.5%にとどまっている状況です。実際の給与額でも1.9万円ほどの乖離が見られる状況であり、職責に見合った処遇の改善が必須と考えます。
また、物価・光熱費の高騰の影響を受け、医療機関は深刻な経営難に陥っており、処遇改善や人材確保に取り組みたくても適正な賃上げができないという状況ですので、医療従事者の賃上げに結びつく財政支援が必要だと考えます。
2点目は、診療報酬の算定状況等についてですが、資料40ページに許可病床数別のベースアップ評価料(Ⅰ)の算定状況が示されていますが、算定なしの施設では100床未満が半数以上を占めており、小規模な医療機関において届出が少ない状況がうかがえます。背景として、届出に係る事務作業の煩雑さなどが影響しているものと考えられます。特に、訪問看護は従業員数が5人未満の事業所が約5割と、小規模な事業所が多い状況ですが、ベースアップ評価料を申請しない理由として、申請書類が煩雑、あるいは専門の事務職員もいない中で、申請が難しいといった声も実際に聞いています。
また、訪問看護においては、ベースアップ評価料で評価されている算定額は、医療保険の利用者の人数分にのみかかっていて、介護報酬には処遇改善に関する算定項目がありませんので、このベースアップ評価料のみで十分な賃上げを行うことは不可能だと考えます。資料69ページからも分かりますように、訪問看護事業所の多くは、利用者のうち介護保険の利用者の占める割合が高く、中央値で見ても医療保険の利用者が約3割、介護保険の利用者が約7割となっています。こうした事情から、訪問看護領域においては、特に申請に係る労力と給付額が見合わない状況につながっているものと考えます。
3点目は、先ほど牧野委員、津留委員からありました看護職員処遇改善評価料とベースアップ評価料を統合すべきといった意見についてですが、医療界全体での賃上げのために一丸となって取り組んでいく必要があり、ベースアップ評価料の中で対応するのか、そのほかにも様々な手段が検討されていくことと考えますが、現在、看護職員処遇改善評価料やベースアップ評価料によって、十分とは言えないながらも、ようやく手当てされてきましたので、もしこれが改定後に給与が引き下げられるようなことになれば、個々の職員のモチベーションに大きく影響し、多数の離職にもつながりかねないと思いますので、様々な影響を勘案して慎重に対応していくことが重要だと考えます。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、眞庭委員、どうぞ。
○眞庭委員
ありがとうございます。
皆様の御意見に重複しますけれども、例えば8ページ、人事院勧告の推移、グラフで示していただいておりますが、この1~2年、急速に上がってきているという中で、特に公立病院、それから公的な病院におきましては、この人事院勧告に従う形で給料・人件費を上積みしていかなければならないというのが実際のところで、これまでも話がありましたように、ベースアップ評価料等では到底それが賄い切れないということで、各病院、苦しんでいるという状況が実際のところです。保険医療制度の中でこの辺りの人件費というのをしっかり確保する形というのは、今後もぜひとも検討を進めていただきたいと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、ほかに特に御意見等もないようですので、本件は以上にしたいと思います。
次の議題でございますが、「リハビリテーション(その2)」でございます。これもまず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
95ページ目からでございます。リハビリテーション(その2)です。
96ページ目、中間とりまとめのリハビリテーションの部分の抜粋をお示ししております。
97ページ目からリハビリテーションの専従要件についてということで、98ページ目にございますとおり、回復期リハビリテーション病棟の専従、あるいは疾患別リハビリテーションの専従要件を赤枠で示しております。
また、99ページ目に疾患別リハビリテーションの施設基準をお示ししているところでございます。専従要件の状況でございます。
100ページ目、早期リハビリテーションの介入について。
101、102については、既に入院分科会で御議論いただいた資料を再掲しております。
103ページ目、曜日ごとに初期加算の算定状況をお示ししておりますが、土曜日、日曜日あるいは祝日などで低いという状況がございました。
104ページ目、急性期における曜日ごとの早期リハビリテーション介入の状況ということで、金曜日に入院した患者に、入院後3日以内にリハビリを開始した割合が低いというデータでございました。
105ページ目が休日リハビリテーション提供体制加算と、回復期リハビリテーション1の届出状況をお示ししているものでございます。こちら、休日リハビリテーションを評価する点数の加算の状況でございます。
106ページ目、退院時リハビリテーション指導料についてであります。
107ページ目、点数の算定回数の推移などをお示ししております。
108ページ目、退院時リハビリテーション指導料について、リハビリテーションを入院中に実施していたかどうかということでございまして、67%が実施していた、33%はなかったというデータでございます。
また、算定されていた患者の入院日数についてもお示ししております。
109ページ目、書類作成についてであります。
110ページ目、リハビリテーションに係る書類作成。リハビリテーション実施計画書または総合実施計画書の作成が必要ということになっておりますが、そちらについては、医師による説明が必要という形になっております。
111ページ目、リハビリテーション総合計画書の算定状況ということで、算定回数は伸びている状況でございます。
112ページ目、目標設定等支援・管理料、平成28年改定で新設された点数の説明が載っております。
113ページ目がその際の議論の中医協の資料でございますが、維持期リハの患者を背景とした点数であったということでございます。
114ページ目は創設後算定回数がどうなっているかということでございます。
115ページ目がその概要となっております。
116ページ目、リハビリテーションの総合実施計画書の記載項目。
117ページ目に、この目標設定等支援・管理料の記載項目を比較する形でお示ししております。
118ページ目、専従要件の現状、あるいは早期リハビリ介入の現状、その他について、現状をどのように評価するか御議論いただければと思います。
説明は以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
それでは、井川委員、どうぞ。
○井川委員
ありがとうございます。詳細に御報告いただきました。
私のほうから、リハビリテーション・回リハということですので、まず発言させていただきますけれども、103ページ、104ページにおきまして、急性期における土日祝日のリハビリテーションがまだ不十分であるというふうなデータが出ております。これは、例えば令和5年度から診療報酬改定されまして、その結果として、令和5年度と比較された場合にどうなるかというデータは、ぜひとも出していただきたいなと考えております。
続きまして、ページ順に行きます。108ページ、退院時リハビリテーション指導料でございますけれども、この算定した患者のうち、疾患別リハビリテーション料を算定していない患者は33%で、続けて退院時リハビリテーション指導料を算定して、かつリハビリを実施しなかった患者というのは、在院日数が短いほど多かったと記載されております。事務局としては、これはうがった考え方なのかもしれませんけれども、多分、短期間入院でリハもしない患者に、退院時リハビリテーション指導料を算定するのはいかがなものなのかというふうな考え方に基づくデータなのかなというふうな気はいたしますけれどもね。
現在ももっとグローバルな視点で考えますと、超高齢社会の日本を考えますと、高齢者の在宅でのリハビリテーションに対する意識とか、急性期に入院した際の早期リハビリテーションの必要性というものを啓蒙する、非常にいいチャンスであるように私は思っております。そういう観点から言うと、ここのところは別にあってもいいのかなというふうに思っております。
続きまして、109ページ、リハビリテーションに係る書類作成についてでございますけれども、ここにもお書きになっておりますように、非常に煩雑で重複しているものがかなり多いということもございますので、もし可能であるならば統合していただいて、ちょっと点数を増やすか何かしていただいて、書類を一本化するというふうにやって書類の枚数を減らすということをしていただきますと、書類に追われているセラピストというのは結構おりますので、そういう観点からは必要な措置ではないかというふうに考えております。
それから、124ページから実績指数、除外患者、重症患者について、それぞれ組み合わされた検討がなされております。特に、158ページにはリハビリテーション。
○尾形分科会長
すみません、回復期リハ病棟については、この後の議題です。取りあえずここまででよろしいですか。
○井川委員
ごめんなさい。大丈夫です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
まず、最初の98ページですけれども、疾患別のリハビリテーション料の施設基準におきます療法士の専従要件についてです。これはリハビリルームにおきまして実施されるリハビリそのものの質が落ちないようにということに配慮されつつも、病棟でのリハビリを実施することができるということを明確化する必要があるのではないかというふうに感じる次第でございます。
それから、土日祝日のリハビリテーションの関係でございますが、実施状況について103ページに示されているとおり、土日祝日のリハビリ実施割合が平日に比べて低いと。104ページを見ますと、金曜日、休日前に入院した患者さんは、特に入院後3日以内にリハビリを開始しない傾向があるということでございます。より早期の在宅復帰へと向かうためにも、入院直後からリハビリを開始して、土日も含めて中断しないようにするということをしっかりと算定要件等、検討してもいいのではないかと考えます。
次、先ほど井川委員からも出ましたけれども、106ページから退院時リハビリテーション指導料について、入院中にリハビリを実施した患者さんについて、退院する際に指導するというのがこの趣旨でございますけれども、108ページを見ますと、在院日数が短い患者さんに対してはリハビリを実施しないということが出ておりますので、早期のリハビリを開始するということにつなげるためにも、退院時リハビリ指導料に入院中のリハビリテーションを要件化するということが必要ではないかと考えます。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。
まず、98ページですが、これまで急性期一般病棟でのリハビリ実施が少ないといったデータも見られていたかと思います。今後、セラピストの確保もなかなか難しくなってくると思いますし、そこで各病棟の入院料における専従要件を見直していただいて、配置された病棟で行う業務以外の時間を有効活用して、他の病棟や外来でのリハビリ業務も可能とするようにできれば、限られたセラピストの人員で、より有効にリハビリが提供できるようになるのではないか、期待できるというふうに考えておりますので、御検討いただければと思います。
井川委員も御指摘されましたが、102ページ以降、急性期リハビリテーション加算について、土日リハの体制が取れていない関係で、土日祝日の実施が少ない。そして、入院から3日以内の早期リハビリテーションの介入が、金曜日だと土日にかかりますので割合が低くなる傾向ということをお示しいただきました。
101ページには脳卒中、急性期からリハビリ介入したほうが機能回復にもよいというエビデンスも示していただいております中で、限られたセラピストで土日祝日を均てん化してリハを提供できるようにするためには、セラピストの働き方も看護師同様、土日祝日の出勤が当たり前というような意識改革も必要かと思いますが、限られたセラピストを有効活用するという意味でも、専従要件を少し緩めるということの検討も必要かと思います。
私からの意見は以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、鳥海委員、どうぞ。
○鳥海委員
ありがとうございます。
退院時のリハビリテーション指導料ですけれども、107ページ、108ページ辺りで、井川委員もおっしゃっていたのですが、入院中にリハビリテーションがなくて、退院時だけぽんとリハビリのあれが出てくるというのはどういうものかなと思ったのですけれども、調べてみても保険的には問題がないという解釈です。比較的ほかのリハビリが書類、ペーパーワークの問題とかでハードルが高い中にあって、退院時のリハビリテーション指導料は割と算定が容易なのではないかと思います。患者さんが帰るときに、それなりの必要性を医師が認めて、ちゃんと医師等が指導を行うということが確保されているのであれば、このままでいいのかなというのが自分の意見であります。よろしくお願いします。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
ありがとうございます。
私は、急性期リハビリテーション加算の件です。38%が4日目以降から取り始めている。その原因が土日祝日のリハができないということが要因だということは見えているわけです。土日祝日にリハビリを行おうとすると、かなりのマンパワーが必要になる。ここにある加算だけで、そのマンパワーを十分確保できないということも分かっているわけですから、なかなか手が出せない。ただ、効果があるということは、もういろいろなデータが示しているところですので、ぜひともやりたいと思っている医療施設は多いと思います。ですから、そういったところが一歩踏み出せるように点数設定をするとか、先ほど津留委員がおっしゃいましたように、いろいろな専従要件を緩和するとか、そういったことでもって休日のリハが進むようにするのがいいかと思っております。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。それでは、ほかに特に御意見等ないようですので、本件については以上としたいと思います。
それでは、4つ目の議題に進みます。「回復期リハビリテーション病棟について(その2)」でございます。これも事務局から、まず、資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
120ページ目以降でございます。回復期リハビリテーション病棟について(その2)。
121ページ目、中間とりまとめの抜粋を記載させていただいております。
122ページ目以降、実績指数と重症患者についてであります。
123ページ目にございますとおり、回復期リハビリテーションの施設基準、リハビリテーション実績指数、入院料1と3に設定されているところでございます。
124ページ目、その実績指数要件のある1と3、あるいは実績指数要件のない2と4で実績指数の状況をお示ししたデータでございます。
125はリハビリテーションの実績指数の除外基準ごとの該当患者のFIM利得の状況ということで、全疾患あるいは脳血管リハ、運動器リハ、廃用リハ、それぞれお示ししております。
また、126ページ目、除外基準の該当患者割合ということで、こちらも分布でお示ししております。前回お示ししたものより、ちょっと詳しい分析をしております。
127ページ目は重症の患者割合ということで、入院料1・2及び3・4のところで4割以上、3割以上という形で示されているものでございます。
128ページ目、重症患者割合の施設基準導入のときの中医協での議論、平成20年改定のときの議論をお示ししております。
129ページ目、重症患者基準とリハビリテーション除外基準を比較したものでございます。
130ページ目、除外基準の対象患者について、重症患者基準とどういう重複関係にあるのかということでお示ししておるものでございます。
131ページ目が重症患者基準とリハビリテーションの除外基準のFIM利得の状況であります。20点以下の患者は、廃用リハ、脳血管リハでFIM利得が小さい傾向がありました。
132ページ目に計算式をお示ししております。
133ページ目、FIMの概要、ADLの指標ということでございますが、運動項目、認知項目、それぞれで1点から7点までという点数で構成されておるものでございますが、134ページ目にございますが、退棟時のFIMの項目と在宅復帰率の関係性ということで、特にトイレ動作、移動などに分けて集計しておりますけれども、5点から6点の監視から自立に移行した部分について、特に自宅への退院割合が大きく増加するという傾向が見られたところでございます。
135ページ目がトイレ動作について、入棟時と退棟時のFIM利得の変化をお示ししておるものでございます。転棟退院の場合、自宅退院の場合、それぞれに分けてお示ししておるものでございます。
136が施設ごとのFIM得点が低下した患者の割合ということで、こちらも前回に引き続きお示ししておるものでございます。
137から質の高いリハビリテーション。
138にございますとおり、運動器リハの算定単位数の見直し、令和6年改定で行われたところでございますが、139ページ目、運動器リハのFIM利得について、令和6年改定前と改定後で検証したものでございますが、改定前の7単位以上提供されていたところを赤枠で囲っております。また、改定後、5単位から6単位というところを赤枠で囲っております。こちらのFIMを比較したところでございますが、FIM利得に大きな変化はなかったという状況であります。
一方で、提供されている単位数、黄色の網かけで6単位超えの割合をお示ししております。改定前は33.2%、改定後は20.7%といったような状況で変化が認められております。
140ページ目が運動器リハビリテーション料の上限単位数についてということでございますが、こちらはいずれかの要件に当てはまる場合は6単位を超えたリハビリテーション料が算定可能となっておりまして、具体的なQAなどもお示ししておりますが、こういった施設基準の別表に該当する患者については、9単位算定できるという解釈がございます。
141ページ目、疾患別リハビリテーション料の提供単位数とFIM利得の関係、こちらは前回お示ししておるものでございますが、廃用リハ、脳血管リハ、運動器リハのそれぞれの状況についてお示ししております。
142ページ目も前回お示ししたデータでございます。
143ページ目、回復期リハビリテーション病棟において、廃用リハビリテーションの割合、7.3%でございますが、さらにその内訳として疾病名の状況でございます。御参照いただければと思います。
144ページ目が回復期リハビリテーションの廃用リハビリテーションの実施割合ということで、こういったたくさんの割合を占めているような病棟もあるという状況であります。
145ページ目、ベッド上のリハビリテーションに関する論文などを抜粋したものでございます。
146が入棟時のFIMと要介護度別のFIM利得ということで、要介護度が高い、運動項目が低い場合に相対的にFIM利得が低い傾向があります。
147ページ目、要介護4・5患者のリハビリの実施単位数でございますが、4・5の患者にも1日当たり、ほかと変わらないぐらいの単位数でリハビリが提供されているというデータでございます。
148ページ目、退院前訪問指導の有無とアウトカムの差異ということで、回復期リハビリテーション病棟協会のデータでございます。
149、退院前訪問指導、これは前回改定のときに示された再掲でございます。
150ページ目が令和7年度の調査結果で、退院前訪問指導をやる場合の所要時間のデータがございます。60分以上要しているのが多いということでございます。
151ページ目、そういった指導内容でございますが、家屋調査が多いというようなデータがございました。
152から質の高いリハビリテーション体制ということで、153ページ目にありますように、地域リハビリテーションの活動に参加することが望ましいということが、回復期リハ1と2の入院料のところで設けられたところでございます。
154が令和6年度調査で、そういった地域支援事業の参加率のデータでございます。70%ということでございます。
155が地域リハビリテーション事業の概要。
156が生活機能回復の点数である排尿自立支援加算の算定状況。
157が嚥下機能回復体制加算の算定状況であります。
158、159に課題をお示ししております。こちらについて御議論いただければと思います。
説明は以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
それでは、井川委員、どうぞ。
○井川委員
先ほどはちょっとフライングしまして、すみません。
124ページから、実績指数除外患者、重症患者について、それぞれ組み合わせた検討がなされております。非常に細かい内容でありがたいと思っておりますけれども、158ページにはリハビリテーション実績指数と重症患者の基準について、現状をどのように評価するかという課題として上げられております。現状では、事務局御指摘のとおり、重症患者と除外患者にともに該当する患者さんが結構増えてきているということは理解しておりますけれども、これを重ならないようにすればするほど、もともと重症患者割合を導入した理由の一つであります患者選別を防ぐという理念からは、少しずつ離れていってしまうのではないかという気がいたします。
ただ、除外基準のうち1点だけ。設定当時から10年近く経過しまして、入院患者の30%がもう85歳以上というふうな状況になっている現在、80歳以上という基準は、131ページの左上の赤枠のように、該当患者割合がかなり多くなってしまうという点でいいますと、少し緩過ぎるというふうな可能性は考えられると思っています。
続きまして、136ページ、回リハも5%のところで切られている、赤線が引かれているのですけれども、これはあたかも地域包括医療病棟のADL低下患者割合5%という数字に似ていて、ちょっとどうなのだろうと思っています。ただ、地域包括医療病棟における5%という数字も、何ら根拠なくと言ったら失礼ですけれども、何らデータなく、突然5%という数字で始まっております。今回も、この段階で64%は5%以下だからという話になっておるのですけれども、ここの検証というのはもう少ししっかりとされる必要があるかと思っております。
それから、140ページ目です。運動器リハですけれども、早期歩行、ADLの自立を目的とした運動器リハ(Ⅰ)は9単位まで可能というふうに疑義解釈を出していただいているのですけれども、実は現場では保険者によっては全く認めないという地域もあったり、もともと運動器リハに関しては、4単位を超えると全てカットというふうに査定される地域。あと、廃用リハビリテーションに関して言いますと、70歳を超えた廃用リハというのは3単位しか認めないという地域もあるという状況でございます。
こういうふうなローカルルールがまかり通っているということは非常に大きな問題で、患者さんに対する差別みたいな形につながっておりますので、これは地域によって受けられる医療サービスが異なるということでございますけれども、これらに関する何らかの是正というのは必要だと考えますけれども、事務局としてはどういうふうにお考えなのか、これは1つ質問として伺いたいと思っております。
それから、例の141ページ、毎回同じことを申し上げて申し訳ないのですけれども、廃用リハと運動器リハに関しましてはカーブが指数関数的であり、脳血管リハに関しては直線的なカーブになっているという点でいいますと、形が違うということは言えると思いますけれども、すなわち、イコールFIM利得が小さいということにつながっているというわけではございません。
また、139ページ、今回の改定で6単位に減らしたときの影響というのを見ていただいておりますけれども、例えば令和6年度改定前の8から9単位のところのFIM利得というのは、実は25を超えて27ぐらいあるのですかね。ところが、令和6年度改定の5~6辺りですと25を切ってしまう。この3単位という差をどう考えるかということでございます。そういうふうな意味でいいますと、同じだというふうに断言するのはいかがなものかと私は思っております。
それから、150ページでございますけれども、退院前訪問指導の所要時間でございます。所要時間に関しまして、60分以上利用していて、しかも120分以上150分未満の割合が最も多かったと記載されています。これはリハビリテーションの疾患別リハでいいますと、6単位から9単位というふうな、一人の患者さんに丸々1日使うレベルの労力を使って行っているということになりますので、ここに関してはもう少し何らかのインセンティブをつけてあげないと、そのために一人のセラピストを雇わないといけないということにもつながってきますので、そういうふうな考慮は必要かと思います。
以上です。ありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
1点御質問だったと思いますので、事務局、お願いします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
リハビリテーションの算定回数についての地域差に関連した御質問だと思います。どういった地域差があるのかということについて、今、事務局として把握しているものはございませんが、当然、診療報酬制度は全国統一的に運用できるようにしていくべきということでございますので、また実態の把握など、考えていきたいと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
除外基準と上限単位数について申し上げます。
まず、実績指数の除外基準ごとの患者さんのFIM利得については、125ページに見るとおりでございますが、実績指数の除外基準のうち、80歳以上、それから認知症機能が低い24点以下の患者さんと患者さん全体と比べますとFIM利得に大きな差がないので、FIMが改善しないからといって、いわゆる選別されているわけではないということになりますので、除外するという必要性は乏しいのではないかと感じます。
それから、実績指数の対象から運動20点以下を除外するということについては、131ページを見ますと、脳血管疾患のリハビリと廃用症候群のリハビリの場合にFIM利得は小さい。運動器リハに関しては、FIM利得の平均値は全体とほぼ同水準でありますので、運動器リハを実施するにつきましては、運動20点以下の場合、実績指数を対象範囲に含めてもよいのではないかというふうに考えます。
それから、退棟時のFIM点数と自宅への復帰率については、134ページに示されていますが、いずれの項目におきましても、5点に比べて6点の患者さんにつきましては、自宅への退院の割合が伸びております。そもそも回復期リハビリテーションの役割として、急性期を終えて自宅に帰すということが目的になりますので、FIM利得の差分を見るだけではなく、少なくとも得点として6点まで持っていくということを目指すべきではないかと考えます。
それから、上限単位数関係でございますけれども、運動器リハビリテーション料の算定患者さんのFIM利得については、139ページにございますけれども、前回の改定で上限を6単位としたということになります。FIM得点で、この改定により、特段何か悪い影響が出ているということは感じておりませんが、一方で6単位を超えて運動器リハビリテーションを実施されている患者さんもある程度いらっしゃるということになります。ですが、このFIM利得、どうなっているかと見ますと、ほとんど変わっていないですので、上限単位の例外的な取扱いについて、今後どんなふうに考えるか、少し検討する余地があるのではないかと思う次第であります。
それから、141ページで疾患別リハビリテーションの提供単位数別のFIM利得で、廃用症候群リハビリテーションについてになりますけれども、運動器リハビリテーションと同じようなFIM利得の傾向が見られますので、廃用症候群リハビリテーションについても、上限の取扱いについて検討する余地があるのではないかと感じます。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、小池委員、どうぞ。
○小池委員
ありがとうございます。
今の中野委員の御指摘にも重なるところがございますけれども、134ページのFIM利得が5から6に上がるところで患者さんの状態に大きな差があるというところ、これは非常に興味深いところかと考えております。FIM利得が同じ1上がるといっても、これが2から3に上がった場合と5から6に上がった場合、意味が違う可能性があるかもしれないというところですので、今後の1日当たり上限設定の議論をする際には注意が必要な所見と思っております。実際確認してみる必要はあると思いますけれども、FIM利得に加えて、5、6の境界以上になったか、以下であるかといった割合の変化などを確認するなどして、FIM利得の単なる数字の差だけでは見えない部分が見落とされることがないように、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。
私からは、まず124ページ、実績指数の分布に、回リハの2・4では実績指数を求められない、あるいは要件が設定されていないという理由なのか、実績指数が低いことを考えますと、ある程度全ての病棟に実績指数を求めるということも必要なのではないかと思います。これは意見でございます。
136ページにDPCデータ、令和4年から令和6年5月、これは施設ごとのFIM利得が低下した患者の割合のデータをお示ししていただいておるところですが、令和6年度改定で重症者の受入れ率、これはハードルが厳しいがためにFIM利得が低い症例が増えているのではないかなという点がちょっと気になります。回リハでのリハビリ提供の効率性が場合によっては落ちているのではないかという懸念がございますので、この令和6年改定前後で、重症者の受入れとFIM利得の関係が分かるようなデータを今後お示しいただければと思います。これは要望でございます。
144ページ、ここでは廃用症候群、10%未満の施設も多い。一方では30%以上の施設も見られるということで、このように廃用症候群が多い施設における廃用症候群の基となる疾患はどのようなものなのか。本当にリハビリが必要な疾患なのか、対象なのかどうかということの詳細が分かれば次回でも教えていただきたいと思います。そこで質の高いリハビリ提供が疑われるような場合には、廃用症候群の患者割合に何らか一定の制限を設けることも検討する必要があるのではないかというふうに考えるところです。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、田宮委員、どうぞ。
○田宮委員
ありがとうございます。
私は、この疾患別リハの議論の中で、以前の改定のときに大分議論になった心リハ、大血管リハについてはあまり出てこなくて、143ページを見ますといまだに0.1%しか算定されていないという実態が分かります。なので、nが少ないので議論には出ないのかと思いましたが、あのとき議論になりましたように、心不全、増えていますし、大血管の介入も高齢者にも大分なされている中、循環器対策基本法とか学会のほうでも、何らかの慢性期に対する高齢者の心リハについて増やさないとニーズに対応できていないという議論があって、回復期での大血管リハの算定につながったと理解しています。
ただ、あのときにいろいろ議論になりまして、心リハは危ないので、循環器の専門医がいないと駄目じゃないかという議論も出まして、その結果、まずは基準は緩めずに行こうということになって、99ページにありますように、医師の基準が心大血管リハだけ非常に厳しいまま残って認められたという経緯がございました。これはリスクというのは大事だと思いますので、このプロセスというのは理解できますけれども、見ますと、ほかは全て医師は、特に専門は限定していないわけですね。専任常勤2人とか1名とか、そういうことで、廃用については脳血管に準じるということですけれども、どうしても心大血管だけが循環器または心臓血管外科の医師が時間中、常時いることという、かなり厳しい条件が残されているのです。その結果、このように0.1%しかやっていないと。
左側のグラフで心不全が廃用の中の3%という数字が出ていますけれども、前にも議論になったように、廃用もいろいろあるので、今も話題に出ましたが、どうしても心不全の心リハのニーズが非常に多い中、心リハの対応を廃用でやっているということも議論になっていました。ですので、本当に心リハをやる場合のリスクが循環器の専門医を常勤配置しなければいけない程度なのかとか、またはそこをきちんとリファーラルをすることによって大丈夫なのかとか、あと指導者がつくことで何とかならないのかとか、議論があってよいと思います。とにかくニーズが多い中、対応できていないという現実は少しずつでも進めていかなければいけないのではないかなと思っております。
あまりこのことが議論に出ていないので、また急にということはいろいろあるかもしれませんが、一歩ずつでも、このまま忘れずに、着実にニーズに対応できる対策を議論していくことが必要ではないかと思い、発言させていただきました。ありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、ほかに特に御意見等もなければ、先に進みたいと思います。5つ目の議題でございますが、「慢性期について(その2)」でございます。これも事務局から、まず、資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
160ページ目以降でございます。
161が療養病棟入院基本料についてであります。
162ページ目、前回の入院・外来分科会での意見を掲載させていただいております。
163ページ目が中間とりまとめの抜粋でございます。
164ページ目、入院料別の平均在院日数の推移ということで、中医協総会に出た資料ですが、お示ししております。
165ページ目、病床稼動率の推移でございます。
166ページ目が届出施設数と病床数の推移となっております。ともにやや減少傾向となっております。
167ページ目、令和6年調査におきまして、他の入院料の届出状況ということで、既に5月にお示ししたものでございますが、再掲しております。
168ページ目、入院基本料の見直しということで、医療区分に係る評価体系の見直し、また中心静脈の評価の見直しなど行ったところでございますが、169ページ目、この医療区分の見直しの概要でございます。
170ページ目、入院料の見直しの概要がございます。
171ページ目が療養病棟における医療区分2・3の算定日数ということでございますが、入院料1の基準が8割以上、入院料2のほうが基準5割以上ということになっておりますが、それぞれの病棟で現在どういったパーセントになっているのかということを、DPCデータを用いてお示ししておるものでございます。療養病棟2のほう、95%を超える施設が該当患者は6割以上だったというデータでございます。
172ページ目、医療区分3の疾患・状態、処置の患者の割合でございます。青色が令和6年、オレンジ色が令和5年ということで、診療報酬改定を通じて、こういった変化が出ているのかどうかということについての分析でございます。入院料1・2ともに多くの医療区分3の項目で患者の割合が増加しているという状況でございます。
173、療養病棟における医療区分2の疾患・状態の患者の割合ということで、こちらもオレンジが令和5年、青が令和6年ということで比較しているものでございます。消化管の出血が反復継続している状態、その他の指定難病等、慢性閉塞性肺疾患、医療用の麻薬を必要とする悪性腫瘍、医師及び看護師の常時の管理が必要な割合といったものが増加していたという状況でございます。
174につきましては、医療区分2の処置に該当する患者の割合の状況であります。ほぼ全ての項目で該当する患者が増加していたという状況であります。
175、療養病棟における疾患・状態、処置の区分の該当割合ということで、入院料1・2とともに処置等の区分2が減少し、処置等の区分3、疾患・状態の区分3の割合が増加しているということでございます。こちらのほうが令和6年改定の30区分に入院料の評価を分けた見直しの検証として、今回分析したデータでございます。
176ページ目が医療区分と医療資源投入量でございます。入院料30区分の包括内出来高点数の分布を示しております。ADL区分の高い入院料4、7、13、16等では、ケアの手間を反映した入院料が設定されているという状況であります。
177ページ目が入院料2のほうの分析でございます。御参照ください。
178ページ目、療養病棟における身体的拘束の実施状況であります。30%以上の患者に実施している施設が23.8%あったという状況であります。
179ページ目、認知症のある患者に対する処置等ごとの身体的拘束の状況、処置と身体的拘束の関係性、認知症2で見たもの。180ページ目は認知症なしで見たものでございます。全体の割合としましては、認知症2だと25.7、なしの場合だと13.6ということで比較して御参照いただければと思います。
181ページ目、身体的拘束の実施状況の患者像別ということで、デバイスと認知症のあり、なしの2バイ2でクロスして集計したものでございますので、御参照ください。
182は入院料ごとの認知症の有無、こちらは既にお示ししているものを再掲しております。
183ページ目、療養病棟の見直しの中の経腸栄養管理加算の新設の概要でありますが、184ページ目が摂食嚥下支援加算の見直しの状況でございます。
185ページ目も5月に既にお示ししたデータでございますが、療養病棟において受けている医療行為・処置でございます。
186ページ目が療養病棟における摂食嚥下機能回復の取組に係る診療報酬上の評価を整理したものでございますので、御参照ください。
187ページ目、療養病棟の摂食機能・嚥下機能回復に必要な体制の有無ということで、入院料1と2のそれぞれに分けて、体制ありと答えたところは青色、パーセンテージでお示ししております。
188ページ目がこうした加算の算定状況、どのような関係性で算定されているのかということで、届出状況の関係性を整理したものでございます。
189ページ目、経腸栄養管理加算の算定状況、令和6年の調査結果、既に5月にお示ししたデータでございますが、算定状況と届出困難な理由をお示ししたものでございます。
190ページ目は新たにNDBデータを用いて集計したものでございますが、経腸栄養管理加算の届出をしている施設であっても、実際に算定された回数は0回のところが多いというのが判明したところでございます。こうした算定状況も併せて御評価いただければと思っております。
191ページ目、摂食嚥下機能回復体制加算の算定状況と届出しない理由ということで、届出していても算定が0回というところが多いというようなデータとなっておりました。こちらも御評価いただければと思っております。
192ページ目は療養病棟において在宅退院を評価する仕組みということで、注10に在宅復帰機能強化加算という点数がございますので、こちらの概要をお示ししております。
193ページ目、この施設基準の届出状況を分析しまして、在宅復帰機能強化加算の算定と在宅復帰あるいは死亡退院の状況、それぞれ集計しておりますので、御参照ください。
194ページ目からが障害者施設等入院基本料、特殊疾患病棟入院基本料についてであります。
195ページ目に施設基準などを整理したものがございます。
196ページ目、令和6年改定で、障害者施設入院基本料で患者要件の「難病患者等をおおむね7割」というところの「おおむね」が削除されたという見直しが行われたところでございます。
197ページ目、障害者施設等入院基本料と特殊疾患療養病棟入院料の平成19年の総会における考え方の整理であります。
198ページ目が障害者施設の入院基本料のこれまでの経緯ということで、平成12年に創設されて以降、どのような見直しが行われたのかということの整理をしたものでございます。
199ページ目から届出医療機関数あるいは病床数の推移であります。
200ページ目も入院料別の届出医療機関数・病床数。
201ページ目は特殊疾患病棟入院料の平成6年に創設されて以降の改定の概要でございます。
202ページ目から届出医療機関数・病床数の状況。
203ページ目が医療機関数・病床数の状況などをお示ししております。
204ページ目、7対1障害者施設等入院基本料の患者構成ということで、令和6年調査の結果をお示ししております。施設基準の対象となる患者の割合の状況、基準が7割という設定でございますが、それを満たす病棟の状況でございます。
205ページ目、特殊疾患病棟入院料の患者構成ということで、こちらも基準に該当する患者がどのようになっているかに関する調査結果をお示ししております。
206ページ目、対象疾患ごとの該当状況ということで、青、赤、緑、黄色、それぞれ肢体不自由、脊椎損傷などの内訳ごとに、どういった患者が入棟しているかに関するデータをお示ししております。
207ページ目、患者の傷病名のデータでございますが、廃用症候群というデータが出てくる状況でございまして、こちらに関して対象が把握しづらいといった指摘もあるところでございます。
208ページ目、入院料ごとの年齢階級別の分布、こちらは障害者のところを赤枠で囲っておりますので、御参照ください。
209ページ目に現状と課題を整理したものをお示ししておりますが、こういった現状について御評価いただければと思っております。
説明は以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
井川委員、どうぞ。
○井川委員
詳細に検討いただきまして、ありがとうございます。特に、スモンを除きました27区分の算定数とか、従来の9区分に本来だったら当てはめるとどうだったかというデータは少し欲しかったのですけれども、それぞれどの程度のパーセンテージで算定されているかということに関しては、非常によく分かりました。
ただ、このデータの中に、例えば褥瘡を発生している患者、処置区分で言いますと2の患者さんに対して、当然、長期入院の間に肺炎を起こしたり、尿路感染を起こしたりとか、2つ目の処置区分が入った場合のデータというのは存在しないのですね。それに対して、同様に医療資源投入量が増えるはずなのですけれども、そこの部分は反映されにくいというのが、幾ら細かくしても、そこら辺が難しいというふうに実感しております。できれば処置区分が2つ重複したような場合には、区分を少し上げるというふうな形の何らかの工夫が今後必要になってくるのかなというふうな気はいたしております。
それと、身体的拘束に関して181ページに資料がございますけれども、一生懸命頑張っているところは、デバイスがあって認知症があっても0%というところが30%ありながら、逆にデバイスもなければ認知症もないのに20%以上の人に身体的拘束を行っているところが19.9、2割近くあるということは、病院そのものの問題なのか、それとも患者像の問題なのかということははっきりして、その上で評価していかなければならない問題かなと思いますので、その辺は詳細を詰めていただければなと思っております。
あと、188ページに、これは非常に大事な問題だと思いますけれども、非常に面白いデータを出していただきました。嚥下機能の届出状況の円グラフを3つ重ねまして、どういうふうに取っておられるかという、見ていてすぐ分かるというデータでございますけれども、これらから、経腸栄養管理加算を届出している施設の多くは、専任の管理栄養士を配置することによって要件をクリアしているというのが非常にはっきり分かりました。同時に、他院もしくは自院でVFとかVEを実施できる体制を有している施設が、実は3分の1ぐらいしかないということも明らかにされています。
確かに、VFやVEというのは、嚥下状態を把握するには非常に有用だと思いますけれども、今後の改善の可能性とか、そういうことを示唆するものではありません。実際、80歳以上の高齢者を検査いたしますと、健常と思われている患者さんでも、遅延とか残留というふうなものが発見されるということもあります。STが常時行っている、例えば反復唾液嚥下テストや水飲みテストというふうなものなどの簡便な嚥下機能評価法というのが、訓練をしていくのには非常にタイムリーでふさわしいというふうに考えております。
そういう意味でいいますと、こういう簡易な嚥下機能評価法を実施する体制を有していることを要件に入れて、VFやVEというのを必須項目としないという選択肢もありかなというふうに考えております。そうすることによって、より訓練が加速していって、より嚥下機能がよくなっていくのであれば、そのほうがいいのではないかと考えます。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
まず、入院料1・2の関係でございますけれども、医療区分2・3に該当する患者さんの入院料が算定された割合は171ページに示されております。入院料2の場合でも、5割以上はもとより8割以上の施設が相当数あるということになっておりまして、入院料1と2はそもそも該当患者割合で区分しておりますので、これを見ますと、そもそも1と2に分ける必要があるのかどうか等、改めて検討する必要があるのではないかと思った次第でございます。少なくとも入院料2の該当患者割合を5割以上とする基準は、実態から見ても妥当性に欠けるのではないかという感じがしております。
それから、医療区分2・3の処置におけます中心静脈栄養の取扱いについてでございますが、172ページ、174ページを見ますと前回改定の影響を反映しているということは見てとれますけれども、185ページからは令和4年度と比較ということになっておりますけれども、中心静脈栄養の割合が増加しているという傾向が見られます。
188ページは、井川委員も触れられましたが、栄養管理に関する体制についての届出状況という図が示されておりますけれども、これを見ますと十分な体制が決して取れていないなと感じるところでありますし、特に摂食嚥下機能回復体制加算の届出が極めて少ないということが分かります。引き続き、この体制整備を進めることはもとより、よく調査で出てまいりますけれども、患者さん御本人、それから御家族の理解を促すような取組に着目すること、また、加えてアウトカムを重視した評価ということも考えていかなければならないのではないかと思います。
次は、医療資源投入量に関してでございますが、以前お願いいたしましたデータにつきまして、お示しいただきましてありがとうございます。176ページ、177ページになりますけれども、入院料の4、7、13、16はADLが低い患者さんが該当するということで、点数が高く設定されているということになりますが、実際の資源投入量は高くはないということが分かりました。次回改定に向けた課題となるのではないかということを申し上げたいと思います。
それから、退院先の状況について、193ページでございますけれども、在宅復帰機能強化加算なしの状態でも、それなりに在宅に退院している患者さんがいることが見てとれます。加算によって在宅復帰を促している方向には必ずしもなっていないように思いますが、平均在院日数など、別の切り口として新たな分析をした場合に加算の効果が見えてくる可能性もありますので、実態についてはさらに分析を進めていってはどうかと思います。
それから、加算ありで死亡退院が50%超えということを示されておりますので、これは医療保険の療養病棟としては決して望ましい姿とは言えませんので、加算の要件として、死亡退院を含めた在宅復帰率を見るということもあり得るのではないかということを申し上げたいと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、秋山委員、どうぞ。
○秋山委員
ありがとうございます。
療養病棟について2点意見を申し上げます。
まず、176、177ページの療養病棟における医療区分と医療資源投入量の図を見ますと、患者像によって医療資源投入量やケア量に差があるということが分かります。恐らく病棟によって患者像に差があることが考えられますので、医療の必要性が高い病棟においては、それに対応できるための人員配置体制等も検討が必要かと思います。
そこも含めて、179、180ページの身体的拘束の状況を見ますと、認知症の有無、処置の有無等が身体的拘束に関連していると言えるかと思うのですが、181ページの左上のグラフを見ますと、デバイスありで認知症ありの患者に対しても身体的拘束0%を実現している病棟が3割もあれば、右下のグラフのように、デバイスなし、認知症なしの患者に対しても身体的拘束を実施しているという病棟が2割もありますので、先ほど井川委員からも御指摘がございましたが、この違いが一体何によるものなのか、人員配置、特に夜間の人員配置等にも違いがあるのかどうか、そういったことをもう少し掘り下げた分析が必要かと思います。
右下のデバイスなし、認知症なしの患者に身体的拘束を実施している2割の病棟では、恐らく個別に様々な事情があると推測はされますが、左上のような、デバイスがあり、認知症があっても身体的拘束0を実現している病棟での取組を、恐らく手厚い見守りや様々な工夫が行われているものと考えられますが、こうした取組を広げていくことが大切だと考えます。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、田宮委員、どうぞ。
○田宮委員
ありがとうございます。
先ほども出ている中心静脈栄養がいろいろ変わったわけですけれども、また少し増えてきているということで、そういう視点で見ると、今の議論にあった拘束のところですけれども、179、180ページを見ると、上が認知症のある患者さんですけれども、経管栄養と中心静脈栄養は真ん中辺りにありますけれども、多い状況になっていますね。上のほうにある検査とか交換とか、一時的なものと別に考える必要があると思います。なので、今回の資料には出ていませんけれども、前回の資料では24時間の拘束の場合にラインなどが多いという結果も出ていたので、恐らくこの経管栄養、中心静脈栄養の患者さんは24時間の拘束になっていると思います。
認知症のない方においても同様に、認知症のある患者さんよりは少ないですけれども、これはかなりの数が、認知症がなくても24時間、中心静脈栄養または経管のために拘束されている現状というのは、これはどうなのかなと思わざるを得ないと思います。それを何とか経口で維持できるような、今、議論に出ましたけれども、そういうサポートをもっとした上で、認知症もないのに拘束しながら中心静脈栄養にずっとつながれているという患者さんについての在り方は、さらなる議論が必要ではないかなと思いました。ありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。
井川委員、どうぞ。
○井川委員
ありがとうございます。
先ほど中野委員から176ページ、177ページに関しまして、医療資源投入量が少ない割には、4、7、13、16の入院料が高い、そこのところは見直すべきだというお話がございましたけれども、ここの部分というのは、ADLが悪くて人的投入量を評価していただいた部分でございますので、そこのところを削ってしまいますと、ますます寝たきりが増えるというふうな観点から言うと、今回の改定、先般の改定、全部そうですけれども、どちらかというと医療資源投入量一辺倒になっておりまして、人的投入量に関してはあまり評価されていなかったということがございます。
それに関しまして、この医療区分のところではADL区分というのがもともと入っていたおかげで人的投入量が少し加味されている。そういう観点からいいますと、ここを医療資源投入量が少ないから安易に下げるべきだという議論には、私はならないのではないかと思っております。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、特にほかに御意見等がなければ、本件は以上としたいと思います。
それでは、6つ目の議題でございますが、「食事療養(その2)」でございます。事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
210ページ目以降でございます。食事療養(その2)でございます。
211ページ目、中間とりまとめの抜粋を記載させていただいております。
212ページ目、これも既に6月にお示ししたものでございますが、食事療養の概要でございます。入院時食事療養(Ⅰ)、特別食加算、食堂加算、特別料金の支払いを受ける食事の提供など、全体像をお示ししております。
213ページ目が入院時の食費基準額の見直し。6月にお示ししたものでございます。
214ページ目がCPIの動向ということで、足元の2025年1月から6月平均のところも、引き続き食料支出が上がっている状況でございます。
215ページ目、入院時の食費の基準が引き上げられ給食提供に関して見直したことということで、令和7年度の調査結果を新たにお示ししております。令和6年度の調査結果が青で、令和7年度の調査結果がオレンジでございますが、見直し、20円の引上げ後、給食の内容を変えて経費削減を行ったなどがそれぞれ5割あるというような状況でございました。
216ページ目、令和6年6月以降の給食事業者への委託業務に関する状況でございますけれども、完全直営の医療機関の3.6%は、給食を委託から完全直営に切り換えていたというデータもございました。
217ページ目が特別食加算の概要であります。
218ページ目も5月にお示ししたものでございますが、入院料ごとに栄養摂取がどうなっているか。青色が経口摂取のみ、赤色が経口摂取と経管栄養など、こういった入院料ごとの状況。
219ページ目も嚥下調整食の状況をお示ししたものでございます。
220ページ目、普通食と嚥下調整食の1日当たりの食材費のデータということで、嚥下調整食は普通食より食材費が高いといったデータでございます。
221ページ目、見た目や栄養量等に配慮した嚥下調整食の提供ということで、見た目を改善した嚥下調整食の提供によって、エネルギー摂取量の増加あるいはADLの改善が認められたといった報告があるというデータでございます。
222ページ目が食堂加算の概要であります。
223ページ目、病棟における食堂での食事の状況。こちらは令和7年度調査ということで、食堂での食事の状況、病棟別A票、B票、C票、D票、それぞれで分析しておりますが、全体では、「希望する患者のみ食堂で食事をしている」が最も多く、使用していないという回答も一定数あるという状況でございます。
224ページ目が特別料金の支払いを受けることによる食事の提供。こちら、主な要件のところも抜粋してお示しておりますが、追加的な費用として、1食当たり17円を標準として、社会的に妥当な額の支払いを受けることができるという規定が現在ございます。
これに関連した調査結果、225ページ目にございます。行事食あるいはハラール食などの特別な食について、追加料金を取っているのかどうかということに関して、約8割の医療機関は追加料金なしで行事食対応などを行っていたということでございます。約2~3割の医療機関は、ハラールなど、あるいは選択メニューなどを追加料金なしで行っているという調査結果でございました。
226ページ目、現状と課題を整理したものでございますが、こういったデータを基に現状を御評価いただきたいと思っております。
説明は以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等、承りたいと思います。いかがでしょうか。
津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。
私からは、226ページ、現状と課題、まとめにつきまして意見を述べさせていただきたいと思います。
令和6年度改定で30年ぶりにようやく30円上げていただきまして、その後、中間年改定で20円上げていただきました。しかし、昨今の物価高騰、人件費高騰、委託費高騰、食材費高騰、特に米の値段が上がっていることから、病院の給食部門が赤字のままの環境は変わってございません。1つのデータとしましては、年間で病院の給食部門平均赤字額はおよそ3000万円といったデータもございます。
令和7年度調査でも明らかになるかもしれませんが、委託業者のほうからは、現在でも期中にもかかわらず、3つの理由で委託費値上げを言ってきております。1つは食材費がさらに高騰し続けているということ、もう一つは職員の最低賃金が上昇しているということ、3つ目は米の価格が上がっているということで、委託費の値上げに病院が対応しなければ貴院から撤退しますよという脅しのようなことをされまして、病院のほうは悲鳴を上げているという状況でございます。
病院の給食が赤字で提供されているという、この事実は、入院患者さん、あるいは国民は恐らくほとんど知らないのではないかと思われますので、給食部門の赤字の状況が今後も変わらないようであれば、このままでは本当に病院自体が経営破綻で消えてなくなってしまうということもございますので、令和8年度に必要な診療報酬改定財源とは別に、これは強調しますけれども、来年度の改定財源とは別に、患者さんにもこの点、御理解いただいて、一部自費負担をお願いするということも検討の選択肢の一つかなと考えるところでございます。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、鳥海委員、どうぞ。
○鳥海委員
ありがとうございます。
食事療養については、皆様のおっしゃるようなことと一緒なのですけれども、食事は入院している最中に、その患者さんを支える大きな力になっていると思うのです。先ほども御発言ございましたけれども、食材の高騰に対応するには、現状の値上げ幅は小さいだろうということは言えると思います。それから、社会の国際化、外国人の方の増加ということで、ハラール食とかベジタリアン食というのが容易に提供できるように配慮するべきでありますし、普通のメニューでも、一般の方が肉か魚か、あるいはベジタブルかというようなことを選択できるような工夫が望ましいと思います。
それに関わって17円までの追加料金というのがありますけれども、この御時世的に考えて、その17円の幅がどうかということも、また改めて検討していただきたいというふうに思います。
それから、食堂加算というものがあるのですけれども、食堂を使って何ぼというところでしょうか。要するに、食堂を持っていれば取れるようなところがあるのかなと思うのですけれども、その在り方についても、また御議論いただければと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
221ページに嚥下調整食として、見た目にも配慮した工夫ということが示されておりますけれども、こういう内容はどんどん進めていくべきだと思いますが、220ページによりますと、それなりにコストがかかるということになっておりますので、その点をどういうふうに整理するかということは検討の余地があるかと思います。
それから、食堂加算についてですけれども、222ページ、223ページに示されておりますけれども、加算が算定されているにもかかわらず、必ずしも食堂で食事をお摂りになっていないという実態があるということになっております。病棟の種類の違いによるということもあるかもしれませんけれども、加算の在り方についての検討が必要ではないかと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。それでは、ほかに特に御意見、御質問もないようですので、本件は以上としたいと思います。
それでは、7つ目、最後の議題でございますが、「人口・医療資源の少ない地域における対応」でございます。それでは、事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
227ページ目以降でございます。人口・医療資源の少ない地域における対応であります。
230ページ目からでございますが、人口規模別の二次医療圏ごとの診療所の変化、こちらも既にお示ししたデータでございますが、地域ごとに医療の課題が異なっているという状況であります。
231、232も御参照いただければと思います。
233につきましても5月22日の分科会でお示ししたデータでございますが、人口規模ごとに救急搬送件数、地域シェアといった状況が違うというデータがございます。
235ページ目は地域医療対策協議会の取組の概要。
236ページ目、へき地における医療の施策。
237ページがへき地医療拠点病院の概要あるいは活動実績の状況でございます。
238ページ目が医師偏在対策に関するとりまとめでございます。医師偏在是正の具体的な取組がこちらに示されておりまして、239ページ目が医師確保計画の実効性の確保でございます。①重点医師偏在対策支援区域、②医師偏在是正プランというような取組の今後の施策の考え方が示されております。
また、240ページ目、経済的なインセンティブ等でございます。こちらのほうは、診療報酬において、どのような対応が考えられるか、さらに検討を行うということでございますが、医師偏在対策に関連した診療報酬の対応の記載がございます。
241ページ目、全国的なマッチング機能の支援、リカレント教育の支援、都道府県と大学病院等との連携パートナーシップ協定というような取組の考え方が、医師偏在対策パッケージとして示されているところでございますので、紹介いたします。
242ページ目、2040年に向けた広域的な圏域のイメージというものでございます。こちらは7月24日の地域医療構想及び医療計画等に関する検討会の資料でございます。大学病院本院からの医師の派遣が黄色で示されておりますが、併せまして、緑色の急性期拠点からの医師の派遣が期待されるということがこちらで議論されているという状況でございます。
243ページ目、医療資源の少ない地域のヒアリング結果ということでございます。
244ページ目、入院・外来の実態調査でヒアリング調査を行うことになっておりまして、医療課のほうで6月27日から7月23日にかけまして、医療資源の少ない地域に存在する保健医療機関15施設に順次ヒアリングを行っていたところであります。
245に外来医療・在宅医療についての主な意見。
246ページ目、情報通信機器を用いた診療(オンライン診療)に関する意見。
247ページ目が入院に関する意見。
248ページ目が救急医療体制あるいはその他に関する意見ということで、主な御意見を抜粋してお示しさせていただいております。
249ページ目が医療資源の少ない地域に配慮した施設基準等の緩和でございます。
250ページ目に概要をお示ししておりますが、現在、こういった医療資源の少ない地域に配慮した要件の緩和の実例、左側に各項目があって、その概要が右側に載っておりますが、こういったものが診療報酬で示されているところでございます。
251ページ目、平成24年以降の累次の改定において、こういった施設要件の緩和について進められてきているところでございます。
252ページ目に令和6年度改定における評価の見直しの概要を記載させていただいておりますが、回復期リハビリテーション病棟入院料の届出を病室単位で可能とする区分の新設、あるいは地域包括ケア病棟の要件の「自院の一般病棟からの転棟患者の割合」の要件の緩和、あるいは在支診・在支病の要件の中のD to P with Nを実施できる体制の整備に関する要件、こうした見直しが令和6年改定で行われたところであります。
253ページ目が、その医療資源の少ない地域の定義に関する見直しの中医協の資料でございます。
254ページにございますとおり、令和6年改定では、青色のところに関する見直しが行われたところであります。
255が巡回診療、医師派遣等の支援に関するものでございます。
256ページ目、支援を要する地域でございます。
257ページ目にございますとおり、今、DPC制度の機能評価係数Ⅱにおいて、地域医療係数の体制評価指数の中のへき地の評価で、へき地拠点病院の指定の中で、巡回診療、医師派遣、代診医派遣などの実績に応じた報酬上の評価が行われているところであります。
258ページ目が大学病院本院群において医師少数地域への医師派遣、こちらも新たに令和6年改定で追加されたところでございます。
259ページ目が医療資源の少ない地域でのヒアリング結果、先ほどお示ししたものの、特に派遣に関連したものを再掲しておりますが、外来医療について、派遣の回数を減らしたいという要望があって、こういった医師がいなくなると外来医療体制が厳しくなるといった意見が出ていたところでございます。
また、260ページ目にございますとおり、へき地診療所におきましては、へき地拠点病院以外からの医師の派遣も生命線となっているといった意見があったところでございます。
261ページ目、二次医療圏の人口・人口密度の分布ということでございますが、全二次医療圏の平均値以下であるところが268医療圏、全国の人口密度以下である二次医療圏が194あるということで、こうした人口の少ない小規模な二次医療圏を踏まえたところを御議論いただきたいところでございます。
262ページ目が小規模な二次医療圏における支援のイメージということで、小規模な二次医療圏においては、へき地診療所などが定められ、対応が行われているところでございますが、病院あるいは拠点的機能を有する病院、医政局でも議論が行われておるところでございますが、こういったところを支援していくというイメージ図をお示ししております。
263ページ目が実施状況ということでございます。
264ページ目、へき地拠点病院の概要を改めてお示ししておりますが、医療活動の実施状況、下のところの表にございます。
265ページ目はへき地医療拠点病院の加算の届出状況。この加算というのは、※印に書いてありますとおり、総合入院体制加算あるいは急性期充実体制加算のような拠点的な急性期機能の評価の加算でございますが、こちらを届け出ているところと、へき地医療拠点病院とどういった関係性になっているのか、人口規模別にお示ししておるものでございます。
266ページ目が、さらに主要3事業、巡回診療、医師派遣、代診医派遣が加算ありとなしでどうなっているのか、あるいは人口規模別でどうなっているかというのをクロスで集計したものでございます。
267ページ目、オンライン診療関係。D to D、D to Pの遠隔医療でございます。
268ページ目、へき地におけるオンライン診療の活用状況、6月に既にお示ししたものを再掲しておるところでございます。
269ページ目は令和4年改定の公益裁定の状況でございます。
270ページ目が医学管理料の算定状況。こちらも既に6月にお示ししたものを再掲しております。
271ページ目、医療機関所在地のベースで見て、都道府県で人口100万人当たりの算定回数、どれぐらい各地域でオンライン診療が定着しているかということでございますが、管理料ごとに地域差が見られるというような状況がございます。
272ページ目、医療資源の少ない地域でのヒアリング結果。へき地で高齢者を対象にオンライン診療を実施する場合、機器の手助けのコストや時間がかかるとか、そういった診療報酬の引上げが必要であると感じているといったような意見があるところでございます。
273ページ目、遠隔連携診療料、D to P with Dに関する技術の評価をする点数の概要をお示ししておりますが、274ページ目、算定回数はかなり少ない状況がございます。
275ページ目、D to P with N、特にへき地診療所が実施する場合は50点の加算が令和6年改定で新設されたところでございまして、これについては、276ページ目、既にお示ししたものでございますが、加算の算定届出医療機関数あるいは算定回数などがこのような状況となっているということでございます。
277ページ目、with Nの事例ということで、鳥羽市の状況、診療所の事例を改めてお示ししております。
278ページ目はリカレント教育などに関連したもの、令和5年の医療法改正で、地域医療支援病院の中で、かかりつけ医確保のための研修を行うことが位置づけられたところでございます。
279ページ目、280ページ目、それぞれの病院団体で行っているリカレント教育に関連するような研修の概要をお示ししております。
また、281ページ目、マッチング機能の支援、大学の連携パートナーシップ協定といったところの取組のイメージ図もお示ししております。
282ページ目に現状と課題ということでお示ししておりますが、人口・医療資源が少ない地域を取り巻く状況、施設基準の緩和、あるいは巡回診療、医師派遣など、その他のこういった支援に関することにつきましての現状の評価等をいただけましたら幸いでございます。
説明は以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
小池委員、どうぞ。
○小池委員
ありがとうございます。
私から3点ほど。
1つ目は医師派遣についてです。数の限られたヒアリングではありますが、259、260ページをみますと、拠点的な急性期機能というのは、病院からの派遣だけでも、DPC本院群のみならず、へき地医療拠点病院、さらにはそれ以外の病院も実態としてあるということを踏まえ、果たしている機能に注目した評価も考えていくということが、地域医療を維持する上で重要ではないかと考えております。
2点目が265ページ辺りですけれども、総合入院体制加算や急性期充実体制加算というのは、人口が少ない二次医療圏では、そもそも件数要件を満たすのが非常に厳しい可能性がございます。人口規模とかシェア率とか近隣の医療圏の状況を踏まえた上で、基準の緩和あるいは別の形の評価も考慮の余地があるのではないかということを考えております。
3点目です。人口・医療資源の少ない地域におけるオンライン診療のところですけれども、医療資源が豊富にあるところで、主として患者さんの選択とか利便性の向上のためのオンライン診療と、へき地等におけるオンラインとは、代替手段がないとかアクセスが非常に厳しいという要素があり性格が異なるということを改めて指摘したいと思います。ですので、そういう地域については、D to P with Nとか機器操作の手助けのコストも賄えるような評価の仕方ということも考えていただくということは重要だと思います。
また地域の範囲をどう考えるかということも重要と思います。既存制度に関して、医師少数区域、医療資源が乏しい地域、地域振興立法の対象地域等等、複数の異なる定義があります。いずれにしても、対面による医療へのアクセスが厳しい地域ということをうまく拾い上げるような対象地域の設定についても御検討をお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、鳥海委員、どうぞ。
○鳥海委員
ありがとうございます。
へき地医療ですけれども、現在、日本で地方の医療を担っていらっしゃる開業医の先生方は、比較的年齢が高い傾向にあると思うのです。ですので、そういうところで医療機関自体の継承がかなわなければ、廃業していかなければいけないところが多く出てくると思います。そうすると、その地域の医療過疎化というものが余計進行することになると思うのです。
そして、それに対して、地方の医科大学なんかから、例えば機能評価係数Ⅱでポイントを補塡して協力してもらおうという考えは確かにありなのですけれども、前もこういう場でお話ししたことがあるかもしれませんけれども、地方の医科大学、皆さん人材が豊富なわけではなくて、大学病院の本院群と申しましても、人材が都市部に流出して人手が足りないというところは多いと思うのですね。ですので、あまりそれに頼り過ぎるというのは現実的でないだろうということと。
それから、地域医療で、例えば医院を継承する。ここで新しく医療機関、クリニックをやるというような場合に、その保険点数を高くするというのはなかなか難しいところもあるかもしれませんけれども、こういうことを言っていいのかあれですけれども、例えば税制の優遇とか、そういうような面でも配慮してあげることで、地方で開業がしやすい環境というのもつくっていく必要があるかなと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、秋山委員、どうぞ。
○秋山委員
ありがとうございます。
私からもD to P with Nについて1点、意見を申し上げます。
まず、資料の276ページの看護師等遠隔診療補助加算の届出医療機関数、それから研修受講者数の増加傾向を見ますと、D to P with Nの提供体制が整備されてきているというふうに受け止めています。
一方で、資料272ページの医療機関からのヒアリング結果のところでは、4つ目のポツの①にもありますように、D to P with Nを実施する上で、訪問した看護師が実施してよい処置の範囲や診療報酬が請求可能な範囲が明確ではないといった指摘がございます。D to P with Nにおいては、看護師がそばにいることでオンライン診療では受けられない検査・処置がタイムリーに受けられたり、また患者の症状や状況を正確に把握することで医師に伝えることができたり、また患者の生活を踏まえた療養支援が行われたりといったようなメリットが考えられますので、さらなる評価の在り方について検討する上では、現在、実際どのような処置や療養支援が行われているのか、処置や療養支援の実態を把握することが必要だと思いますし、それらの実態を踏まえた上での検討が重要かと思われます。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
眞庭委員、どうぞ。
○眞庭委員
ありがとうございます。
医療資源の少ない地域への医療人材の確保、特に医師ということになると思いますけれども、例えば242ページ、そうした取組の広域圏域でのイメージということで、矢印を使って大学病院本院から、それぞれの地域の拠点病院から人材派遣というような図が出ておりますけれども、この矢印がいわゆる一方通行、片道切符的なことになってはいけないということを、ここで1つ改めて考えないといけないのではないか。
つまり、その地域において、医療人材、特に若手医師等が循環していくような形というのをしっかりとイメージしていく。医療人材、専門性、高度な医療ということにも常に頭を持っていくというようなところもありますので、そういった循環というような視点で、この医師派遣というのを見ていく。そういった観点から医療制度というのも考えていく必要があるということを、この図を見ていて改めて感じました。
私からは以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。ほかに御意見、御質問等もないようですので、本件については以上としたいと思います。
本日の議論は以上でございます。
次回の日程等について事務局からお願いします。
○矢野医療課長補佐
事務局でございます。
本日、御議論いただき、ありがとうございました。
次回の日程は未定でございます。また御連絡いたします。
すみません、1点だけ資料に誤りがございました。261ページ目の資料のリード文に「全二次医療圏の人口平均値は28.2万人」と記載されておりますが、「38.2万人」というのが正しいということで、下の表のほうにはそのように記載されているのですが、リード文の記載が誤っておりましたので、これは後ほどホームページのほうも修正させていただきますが、この場で訂正させていただきます。申し訳ございません。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、以上をもちまして、令和7年度第9回「診療報酬調査専門組織・入院・外来医療等の調査・評価分科会」を終了させていただきます。皆様の御協力によりまして、本日は時間内に終えることができました。ありがとうございました。本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。




