2025年6月26日 令和7年度第5回入院・外来医療等の調査・評価分科会・議事録

日時

令和7年6月26日 13:00~15:00

場所

全国都市会館  地下1階 第3会議室、第4会議室

出席者

本委員
  • 尾形分科会長
  • 池田委員
  • 今村委員
  • 井川委員
  • 津留委員
  • 林田委員
  • 牧野委員
  • 秋山委員
  • 眞庭委員
  • 中野委員
  • 眞野委員
  • 小池委員
  • 田宮委員
  • 鳥海委員
事務局
  • 矢野課長補佐 他

議事

こんにちは。定刻になりましたので、ただいまより、令和7年度第5回「診療報酬調査専門組織・入院・外来医療等の調査・評価分科会」を開催いたします。
 本日の開催につきましては、対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。
 また、今回の会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うことといたしております。
 初めに、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、飯島委員、武井委員が御欠席ということでございます。また、秋山委員、田宮委員におかれましては少し遅れての御参加と伺っております。
 なお、冒頭の頭撮りはここまでとさせていただきたいと思います。
 それでは、早速、議事に入らさせていただきます。
 まずは議題1ですが「働き方・タスクシフト/シェア(その1)」につきまして、まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。入-1の資料に基づきまして御説明いたします。
 まず、3ページ目以降でございますが「1-1.看護職員に係る現状」でございます。
 4ページ目をお開きください。看護職員就業者数の推移でございます。准看護師は低下傾向で、看護師などを全部合わせた看護職員就業者数は増加傾向となっております。
 5ページ目、有効求人倍率につきましては、全般的に他の職業よりも高い傾向が継続しており、不足傾向にあるということでございます。
 6ページ目が、就業看護職員の年齢階級別構成割合ということで、近年はだんだん、40歳以上の看護職の数が増えており、高齢化が認められるという状況でございます。
 7ページ目、就業場所別看護職員の推移ということで、病院はほぼ横ばいにある傾向でございます。一方で、訪問看護ステーションあるいは介護保険施設などで働く看護職員の数が増えているという傾向がございます。
 8ページ目が、年齢階級別看護職員の就業場所で、25歳未満のような若い職員については病院で働く割合が多いですが、年齢階級が高くなるほど病院の割合は減っていって、介護保険施設などで働く割合が増えていくという状況でございます。
 9ページ目が、都道府県別人口10万人当たりの看護職員就業者数で、首都圏等の都市部などで全国平均よりも少ない傾向があります。
 10ページ目が、看護職員の離職率の推移であります。こちらは一般労働者とほぼ同程度で推移している状況であります。
 11ページ目は、看護教育制度の概念図ということで、看護師国家試験の合格者数は5万6906人ということでございましたが、12ページ目にございますとおり、看護師学校養成所卒業者数の推移となっておりますが、令和3年度以降は減少傾向となっているという状況であります。内訳で見ますと、大学のほうは増加傾向がございますが、養成所などについては減少傾向となるという、全体として令和3年度以降は減少傾向となっているという状況であります。
 13ページ目が、看護師学校養成所の1学年定員数、入学者数及び定員充足率ということで、定員充足率については、養成所のほうで低下で、82%ということになっております。また、大学のほうでも100%を下回るという値が直近の値となっております。
 14ページ目が「看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」ということで、①から⑦までの方針に基づいた取組が進められているところであります。
 このうち、15ページ目にございますように、看護職員の確保については、新規養成、復職支援、定着促進という3つの柱で様々な取組が進められている状況であります。
 16ページ目が、都道府県ナースセンターによる就業・資質向上支援の概要図でございます。都道府県ナースセンターにおいて、潜在看護職の復職支援でありますとかマッチングなどが行われているという状況でございます。
 17ページ目が「雇用仲介事業(職業紹介事業、募集情報等提供事業)の対応について」ということで、こちらは労働部局のほうから資料を頂いて提示させていただいておりますが、医療・介護・保育分野における職業紹介事業所に支払う手数料が高い、あるいは転職勧奨により早期離職してしまうといった指摘がありまして、厚生労働省の労働部局における取組の状況でございます。職業紹介事業所につきましては、手数料の開示、あるいは返戻金制度の推奨、転職勧奨の禁止といった取組が年度を追って進められている状況でございます。
 18ページにございますとおり、職業紹介事業、募集情報等提供事業、それぞれにおきまして、また、令和7年1月1日の施行において、お祝い金・転職勧奨の禁止といった取組でありますとか、職種ごとの紹介手数料実績の見える化等の取組が進められている状況であります。
 19ページ目が、こういった事業者選別の見える化の推進ということで、こちらは厚生労働省の「人材サービス総合サイト」というサイトにおいて、こういった看護職員の確保のための見える化、具体的な実績として、手数料がどうなっているか、あるいは定着状況がどうなっているかといったことも全て紹介事業者ごとに把握することができる。こういう一覧のできる閲覧サイトが整備されているところでございます。
 20ページ目以降が、負担軽減とタスクシフト/シェアの取組についてであります。
 21ページ目、病棟看護職員の勤務状況でございますが、特に赤囲みしておりますが、夜勤回数について増えた、夜勤シフトの組み方が組みにくくなったという形で、これは病棟看護管理者票の調査結果でありますが、病棟の管理が夜勤は大変になっているという状況がございます。
 22ページ目が、看護職員の負担軽減の主な変遷であります。
 23ページ目が、これは全体像という形で、看護補助者との役割分担の推進、業務分担のさらなる推進、あるいは看護職員の手厚い夜間配置といった様々な着眼点で加算などが設けられておりますので、御参照いただければと思います。
 24ページ目が、看護職員夜間配置加算の届出状況でありますが、上が届出施設数で見たものでございますが、右肩上がりにはなっておりますが、大体1,500弱というものが直近の値ということになっております。
 25ページ目が「ICT、AI、IoT等の活用による業務負担軽減の取組の推進」という形で、こういったことを取り組むことが望ましいということが看護職員夜間配置加算などにおいて定められたところでございます。
 26ページ目にございますとおり、こうした活用の取組の状況でございますが、こちらに示しているとおりのようなところでございます。2割から3割程度というところでございます。
 27ページ目にございますとおり、ICT・AI・IoTの効果、あるいはどちらかといえば効果があると回答したのが大体約7割であるというものが病棟看護管理者票になっております。
 28ページ目が、令和6年度補正予算の事業でありまして、生産性向上に関するタブレット端末、離床センサー、インカムなどの補助金の概要をお示ししております。
 29ページ目は、音声入力による記録時間削減の取組の状況ということで、残業時間がこれにより短くなったという成果が報告されております。
 30ページ目が、バイタルサインの自動入力によって、こちらも時間外業務が減らすことができたという報告がなされております。
 31ページ目でございますが、こちらは令和6年度の調査でありますが、看護記録に係る負担軽減の取組をしている病棟は63.4%で、その具体的な実施内容についてはこちらに記載されておるとおりということでございますので、御参照いただければと思います。
 32ページ目、看護業務の負担軽減についてでありますが、負担軽減の取組を行っているのが72%で、取り組みたいが困難と回答したところについては、看護職員の人材不足があるため、できないという回答が最も多いという状況でありました。総合的に見た勤務状況について、約3割が改善した、どちらかというと改善したという回答でしたが、一方で約3割がどちらかというと悪化した、または悪化したという形で、それぞれ分かれているという状況がございます。
 33ページ目でございます。「看護職員の負担軽減及び処遇の改善に関する具体的な取組」ということで、これは急性期病棟における取組状況、また、地ケア・回リハ病棟における取組状況がこちらにお示ししているとおりでございます。
 34ページ目が「看護職員の業務負担軽減の効果」でありますが、細かいところになっておりますが、この赤枠で囲っておりますのは、業務負担軽減の取組のうち、他職種との業務分担に関連するものでございます。この赤枠に囲われているもの、比較的上位に来ているものも多いというところでございますが、たくさん項目がありますので、こういった形で赤枠でお示しさせていただいております。
 35ページ目が、令和6年改定で、療養病棟入院基本料における看護補助体制充実加算、また、36ページ目が、急性期看護補助体制加算、看護補助加算における看護補助体制充実加算についてであります。
 37ページ目、入院料ごとの病棟の看護職員・看護補助者の数でありますが、入院料ごとに看護補助者の配置の人数、あるいは看護職員の割合は異なっている状況がございます。特に回リハあるいは療養病棟で看護補助者のほうが配置が手厚いという状況がございます。
 38ページ目にございますとおり「看護職員と看護補助者との業務分担状況」でありますが、上のようなリネン、ベッド作成、物品配送のようなものから、下のほうにありますような、直接看護と言われるような食事介助、排せつ介助といった取組の状況が全体の傾向としてこういった形になっているということでございます。
 39ページ目が「『直接患者に対し療養生活上の世話を行う看護補助者』について」でございますが、看護体制充実加算を算定している場合の「直接患者に対し療養生活上の世話を行う看護補助者」の人数は、療養病棟及び障害者施設等において20人以上が36.2%で、多くの人数を配置していたという状況であります。
 40ページ目が、計画の達成状況であります。今、申し上げたような加算においては、看護職員の負担軽減・処遇改善に係る計画の策定が求められているところでございますが、この計画の状況については、約7割が達成可能であるという回答であった一方、約2割は達成が困難であったという回答がございました。達成困難な項目として、看護補助者の配置・増員ができなかった、業務量の調整、看護職員と他職種との業務分担が困難であったという回答がございます。
 41ページ目は、昨日の中医協総会で示されたデータでございますが、看護業務補助者等の従業者数は平成26年以降減少しております。看護業務補助者と介護福祉士の合計数も同様の傾向ということになっております。
 42ページ目は「看護補助者の雇用形態等」でありますが、正規雇用の割合は減っております。許可病床100床当たりの看護補助者数も全体的に減少傾向となっております。
 43ページ目でございますが「看護補助加算の届出・算定状況」であります。施設数で見ますと、急性期看護補助体制加算は横ばいの状況であります。看護補助加算の届出施設と算定回数は減少傾向となっております。
 44ページ目でございますが、看護補助者への研修例ということでこちらにお示ししております。
 また、45ページ目が「看護補助者ラダー」でございます。こういった形で退職者の減少を目指して、キャリアパスを整備するという取組がありまして、46ページ目にございますとおり、こういった看護補助業務の細分化・明確化によって配置を促した結果、高い定着率を維持できたという報告がございます。
 47ページ目が「看護補助者の定着状況について」ということでございますが、マニュアルの整備や研修の充実といった取組が7割行われており、ラダーの整備は約3割において行われていたというのが調査結果となっております。
 続きまして、48ページ目以降が「1-3.特定行為研修、タスクシフト/シェア」でございます。
 49ページ目が、特定行為に係る看護師の研修制度であります。
 50ページ目が、特定行為研修指定研修機関数と修了者数の推移であります。指定研修機関は増加しております。また、特定行為研修修了者数は直近の値で1万1840人という形になっております。
 51ページ目が「特定行為研修修了者の就業状況」でありますが、約9割は病院で勤務しているという状況になっております。
 52ページ目が、修了した看護師の、どの領域の研修を修了しているのかということでございますが、栄養・水分管理の薬剤投与関連、人工呼吸器関連。こういったものが多いという状況であります。
 53ページ目が、病院の中でどういった病棟で配置されているかということでございますが、高度急性期の特定集中治療室管理料といったところが多いという状況であります。また、病床規模別で見ると、病床規模が大きいほうがたくさん配置されているという状況であります。
 54ページ目が、医師から看護師へのタスクシフト/シェアの状況であります。一番多いものが注射、採血、静脈路の確保などが74.7%で最も多いという状況でありますが、その中で特定行為に関するものの状況、赤色でお示ししておりますが、病床規模別に見た状況を下のほうのグラフでお示ししております。
 55ページ目に、今、申し上げたことを整理したものがございますので、御参照いただければと思います。以上のような現状についてどう評価するか、さらに検討を進めるべき事項についてどのように考えるかについて御検討いただければと思います。
 説明は以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
 眞庭委員、どうぞ。
○眞庭委員
 眞庭のほうからは、最後の特定行為の件につきまして1つ意見を申し上げたいと思います。
 この特定行為を担当する看護師さんは、我々の施設でも徐々に増えてきておりまして、集中治療室であったり手術室内であったりでの特定行為を担当していただいて、非常にメリットを感じているところです。我々の施設でも研修のほうもさせてもらっているのですけれども、その中でやはり、ただ、研修を受けていただける看護師さんという人材の確保という部分がなかなかうまくいかないということ。これは示されておりますように、そもそも、看護師さんの通常の業務というものが非常に多忙で、こういう研修に割く時間というものが十分に確保できていない。それから、そういう研修を受けることに対するインセンティブ的な部分というものが不十分であるがために、どうしても看護師さんは、興味は持っておられるのですけれども、そちらに積極的に参加していくということが難しい状況ということがあろうかと思います。そういう点、これは産みの苦しみというところもあるのでしょうけれども、そういうところにも、まず、研修を受ける段階でのインセンティブというものを今後しっかりと検討していく必要があるのではないかと思っております。
 それからさらに、実際に研修を修了して特定行為ができるようになった方につきましても、それによるメリット、キャリアとしてのメリットという部分をしっかりと提示していくことも必要だと思います。そこの部分でのインセンティブということもさらに今後しっかりと、これは病院単位でも考えるべきことだとは思いますけれども、仕組みとしての考えということもしっかりと検討を進めていく。それによって、特定行為の看護師というものがより充実してくるのではないかと思います。
 ただ1つ、我々の施設でもですけれども、問題点としましては、看護師さんの専門性というものが進んでいくことによって、逆に通常の看護業務におけます役割というものが薄くなっていく危険も感じております。例えば、専門的に業務を行う看護師さんが通常の病棟業務のシフト体制から外れていくということになりますと、場合によっては我々の施設でも7対1の維持が難しくなってくるということも危惧されておりまして、そういう点ではやはりさらなる人材確保というものが必要だと考えております。
 それから、もう一つですけれども、この特定行為は徐々に拡大していくということで、ありがたい限りなのですけれども、特に、例えば高度急性期病院、外科は人材不足という状況が生じている中で、心臓血管外科の領域では特定行為に関して、例えば手術にも直接参加できるような、いわゆる欧米でいうフィジシャンアシスタントという立場の方というものをぜひとも確保して、直接、外科医の診療・手術に参加していただいて、そこをサポートしていただけるという体制を外科領域では求められる。そういう声も出ておりますので、さらに次のステップとして、その行為の範囲というものを広げていくということもぜひとも今後検討していくべきと考えております。
 私からは以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
 ありがとうございます。牧野です。
 まず、今の意見にかぶるところで、特定行為研修者のところですけれども、53ページのところを見ますと、どこで働いているのかというものがこれで見てとれるのですけれども、ただ、ここにないものがあって、例えば手術室とか外来とか、こういった入院関係の診療報酬と関係ないところで仕事をしている人たちもいるわけでして、そういったところの実態ももうちょっと分かるようなものをつくるべきかなという気がします。
 あと、もう一つは、やはり特定行為を行った、実際に働いている看護師さんたちに対する評価というものがもう少しあってもいいのではないかなというのは今と同じ意見です。
 ここからは、また別な観点からのお話になりますけれども、まず、看護補助者に関するところです。33ページのほうを見ていただきたいのですけれども、看護補助者の配置・増員。これがかなり高い割合を具体的な取組として行っているということになっています。
 ただ、41ページから43ページの辺りを見ていただきますと、ここでは看護補助者の数の推移が出ているのですが、平成26年から令和5年の間で28%ぐらいですが病院での看護補助者が減少しているのです。
 100床当たりの看護補助者も減少で、これは42ページですけれども、特に正規雇用者が減っているということです。
 43ページでは、急性期の看護補助体制加算の算定が横ばいで、看護補助加算は減少しているという、これらのデータは看護補助者が徐々に減少しているということを示しているわけです。そして、増えていないです。
 そうなると、33ページのデータが矛盾しているように思えてくる。急性期であっても包括期であっても、7割の施設が看護補助者を配置したり増員したりしている。そして、上のコメントでは「配置・増員が進められている」という記載になっているのですよ。令和5年までは減少しているはずなのに、何でその後の1年間で急に増加したと捉えることができるのですかということが私としては疑問です。
 ということは、実はここでは取組であって、その成果が実際には出ていないのではないか、実際に看護補助者の増員ができていないという可能性もあるのではないかということも考えなくてはいけないと思います。特に看護補助者を介護施設と、人材の取り合いになって、確保が難しいということもありますので、これはお願いですけれども、病院単位での看護補助者の増減、本当に各病院で増やしていっているのかどうか。そういったデータをつくっていただきたいというのがお願いです。
 次に、第2点目です。27ページとか37ページにあります「看護職員の業務負担軽減の効果」に関してのグラフになります。私は、このグラフに何か一定のバイアスがあるのではないかなというのが気になるところです。特に看護職員の増員というものが下から8番目のところにあるのですけれども、これでいくと、効果として比較的小さいように見えるのですよ。ただ、看護職員が実際に増えると個々の看護職員の負担が減るのではないかということは単純に思うわけですけれども、どうしてほかのクラークの配置とか補助者との業務分担などよりも効果が小さいと評価しているのかというところがよく理解できないでいます。
 実は、これは看護管理者票ですから、看護管理者がそう考えている、感じているというところを表しているわけで、実際にその病棟で実施して、そして、効果があったということを検証したり実感したりして得られたものとは違うのではないか。そういった意味で、これにはバイアスがあるのではないかなというところを感じた次第です。
 私からは以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
 私も、牧野委員が触れた最後の34ページについて意見を申し上げます。
 この表を見ますと、MSWとかクラーク、看護補助者、管理栄養士、それから、薬剤者への業務シフトが望ましいということが示されておりますけれども、これは今、牧野委員もおっしゃったとおり、病棟の看護師長クラスだと思いますが、そちらの方々の意見ということで表がまとめられておりますので、逆に受ける側として挙がっておりますほかの職種、受ける側がどのように感じているかというものはやはり調べていく必要があるのではないかと思います。
 本来、看護補助者へのシフトというものは当然の流れだということになるわけですけれども、一方でそれぞれ、専門の技能・技術を有しているセラピスト、それから、栄養士に対して、具体的にどのような業務を分担してもらったらいいか考えているかということについては、この表からは読み取れませんので、さらに詳細に検討すべきだと思います。
 さらに、薬剤師についてでございますが、昨今、病院に薬剤師が足りないという中にあって、薬剤師との業務ということで、ここでも業務分担で挙がっておりますので、これは病棟の看護師長さんのお考えではありますけれども、あまり現実的なものではないのかなと思う次第でございます。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
 ありがとうございます。看護職の働き方、タスクシフト/シェアに関して何点か意見を述べたいと思います。
 今回、看護職員の需給の問題、看護師学校養成所、あと、定員割れの問題に関して、たくさん資料をお示しいただきました。ありがとうございました。
 まず、13ページの下で、ここに大学が3年課程となっていますが、ここは多分、4年課程の誤りかなと思いますが、令和6年には大学も充足率が97.6%、定員割れとなっているという実態も見せていただきました。しかし一方では、これから看護大学を新設しようとしている事例で、福岡県でも実は来年度開校する看護大学があるのですけれども、あとは現在、私立大学が一般の課程、他の学部も定員割れになっていまして、それならばまだ看護師希望者の学生ならばかき集めることができるだろうということで、そういう経営戦略なのかもしれませんけれども、他の学部をやめてでも看護課程、看護学校を新たに設立しようという動きがございます。今後新設されようとしている看護学科、看護大学がどれくらいあるのか。これは文科省は把握しているのではないかと思いますけれども、これは一度確認しておいたほうがよいと思います。今後、これから新設の大学、新設の看護課程もほとんど全て定員割れになると思いますし、そうすると、パイの奪い合いで看護専門学校がますます廃校になっていくということも現実だと思います。
 それで、6ページに就業看護師の年齢階級別構成割合の推移、あと、9ページに都道府県別の看護職員の数をお示しいただいています。看護専門学校は全国的に減少していますが、特に東北とか北陸地方が先行して看護学校が廃止ないしは廃校になっていると聞きます。今回の資料には看護師の都道府県別の平均年齢の資料がありませんが、恐らく東北とか北陸地方は地域の拠点の役割を果たすような公的・公立が比較的多いと思いますが、これらの看護職の平均年齢は既に50歳を超えているとお聞きしています。そうするとどうなるかというと、看護専門学校は消滅していって、新しい新卒の看護師は入職してこないとなりますと、10年以内には看護職の平均年齢が定年に達して、看護師が定年退職しても新しい看護師は入職してこないということで、医師不足も深刻なのですけれども、看護師がいなくなることで病院が消滅していくのではないか。そうなると、地域医療が破綻してしまうということになりますので、医師不足、医師の偏在対策も非常に重要ですけれども、むしろ、看護師の偏在対策を急いだほうがいいのではないかと感じるところです。これは意見です。
 17ページでお示しいただきました紹介会社の問題ですが、紹介料として看護師の年俸の25%とか、最近は30%の手数料を取るというところもあります。そうすると、平均80万円とか90万円とかを医療側に請求されるということになりますが、これはいわゆる医療費の中の職員の人件費分が外部の業者に流出しているという形にもなります。6か月勤務すれば違約金の支払いはないケースが多いかと思いますけれども、そうしますと入職すると、それこそ前回の分科会でもありましたように、オンライン診療で初診で適応障害の診断書を発行してもらって、病休になってしまう、6か月を過ぎるとすぐに退職してしまう。それで、紹介料は一切戻らないという一部悪質なケース。これはどこの病院でも経験しているのではないかと思いますが、そのような悪質業者には決して優良企業とかというお墨つきを与えないように、ここは基準をしっかりしてほしいなと思うところです。
 あと、先ほど牧野委員も御指摘されましたけれども、看護業務の負担軽減に関して、27ページを見ますと、効果がある、どちらかというと効果があるという意見が7割。これはICT、AI、IoTで7割あるというデータですけれども、26ページを見ますと、実際はまだまだ活用が少ないというデータがございまして、これは医療機関としましてももっと、ICT、AI、IoTを導入して取り組みたいところではありますが、やはり初期の導入費用、維持メンテ費用、投資額もばかにはなりません。一部補助金を用意はしていただいていると思いますが、維持メンテ費用まではカバーされていないという現状があります。やはりここは入院基本料を適切に上げていただかないと、これはなかなか進まないなというのは意見でございます。
 最後に、47ページ、看護補助者です。看護補助者の勤続年数の資料は非常にばらつきがありまして、これは恐らく民間病院では短くて、公的・公立では長い傾向があるのではないかなと思いますので、今後検討するに当たっては、その辺りのクロス集計とかを見せていただければと思います。
 それで、看護師の負担軽減として様々な加算をつくっていただいているところではありますが、先ほど牧野委員も御指摘されたように、看護補助者がそもそもいない。これだけ他業種の賃金が上がっていきますといなくなるのは当然といいますか、例えば病院の近くにショッピングセンターとかができますと一斉にいなくなるわけです。パートの看護助手の時給を他業種と比較しても全く勝てないという状況になりますので、これは次の改定ではインフレ、人件費高騰に対応できるような根本的な診療報酬の引上げを行っていただかないと、この看護職員の負担軽減、あるいは看護補助者の確保という問題は決して解決しないのではないかなと思います。これは意見でございます。
 長くなりました。以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、小池委員、どうぞ。
○小池委員
 ありがとうございます。私からは2点、看護補助者の部分と特定行為研修修了看護師について意見を申し上げたいと思います。
 看護補助者のところで、35ページなのですけれども、療養病棟入院基本料の看護補助体制充実加算で、介護福祉士の位置づけが明確にされたということは非常に有意義だと思っております。その意味で介護福祉士による成果ですとか効果の見える化ということが大切かと思います。
 例えば38ページの分担の状況で、介護福祉士の有無でどう違うのか、等分析して違いを示していくということ、療養病棟以外でも直接、患者に対して療養上の世話を行う場合や、後に出てくるPOCの場等でも療法士とともに介護福祉士がどんな活躍をし、効果を出しているかの分析が必要ではないのかと思っております。
 2点目の特定行為研修修了看護師のところなのですけれども、特定行為はもともと在宅医療等の推進が一つの目的だったと承知をしておりますけれども、病院の活躍も非常に増えてきております。一方、2025年までに10万人程度の養成目標というところに関しては、今は1万2000人弱と、まだまだ少ないようです。やはり効果が見えてくるようになるためにはクリティカルマスではないですが、ある程度の数がいて初めて見えるところというものがあるかと思います。
 つまり、いる日といない日があるとか、あるいはできる行為が非常に限定されているということになると、なかなか効果も可視化されないのかなと思っておりますので、分析していく際にも、例えばパッケージがどのようなもので、特定行為研修修了看護師がいるかどうかとか、一定数以上の配置があって、毎日、誰か1人はどこかに入れるかどうか。そういった状況の有無に応じた分析が必要なのではないかと考えております。また、計画的な養成ですとか、配置、処遇ということを促していくという検討も必要ではないかと考えております。
 私からは以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 井川委員、どうぞ。
○井川委員
 介護職員の詳細なデータをお示しいただきましてありがとうございます。私からは3点お話をさせていただきたいと思います。
 実は、本日頂いた資料を拝見すればするほど、私どもは現場で感じている看護職員の不足の理由がよく分からなくなるという面白いデータだと私は思っています。看護職員数は年間6万人弱が養成されまして、卒業したての看護職員は、8ページのように、ほとんど病院に就職されます。しかも、10ページにあるように、離職率も他業種に比べて低いという状況で、さらに病床数は、当然のことながら、施策の関係で、ここ10年間で1万床ぐらい減っていますし、7ページの就業別看護職員数の推移を見てみますと、2015年がありませんけれども、一番近い2014年から見ると、97.8万人から3万人以上増えている。単純に計算すると、1床当たりの看護師さんの数は増えているはずなのですけれども、現実はそうではなくて、看護師不足を感じて、場合によってはその確保に、先ほどお示しいただいたような、業者に頼らざるを得ないという状況が現実としてある。
 この数字の中で私が違和感を覚えるとすると、離職率です。11%とされている、要するに、一般の方よりも低いと言われているのですけれども、日本看護協会は、このグラフとともに、都道府県別でも離職率を出しています。そうしますと、私どもの住んでいる大阪の離職率はこれよりは高くて、14%ぐらいありますし、東京も非常に高いという状況で、大都市圏で離職率が非常に高くなっているというのが現状でございます。そうすると、離職された方が中で転職されて同じ病院に行かれるのであれば数としては変わらないわけですけれども、結果的に離職された方がどこか別の職業に就かれるとか、それとも、例えば家庭に入られるとか、そういうことをすれば数的にどんどん減ってくるということでございますけれども、そういう離職をされた方々のその先というものを厚労省としては把握されているのかどうかを一つお伺いしたいなと思っています。
 実は、同様のことは看護補助者にも言えて、介護のプロの介護福祉士というものは、調べてみますと、毎年6万人、看護師さんの数よりも多く合格者数があります。さらに、看護補助者には、介護福祉士のみならず、介護士や看護助手と呼ばれるような、資格を持たない方々も相当数含まれます。しかし、介護施設の数が年々増加していますし、あと、介護職への処遇改善加算等が介護側に非常に手厚いということもあって、給与面の差があって、病院側は非常に苦労するわけですけれども、そういうこともあって、やはり介護施設側に流れているということが一つ言えるのかなと思っています。
 結果、我々病院側にはなかなか来てくださらないということが言えます。実際、療養病床では介護士の20対1の基準が満たせずに、看護職員でカバーしなければならないという事態も起こっています。介護福祉士の資格取得後、どういうところにお勤めになっていかれているのかということの把握も必要なのではないかと思います。
 最後に、特定看護研修修了者のお話でございますけれども、日本慢性期医療協会では、この研修が始まったとき、平成27年から指定研修機関でありまして、9区分16行為全てを修了してもらうということを現在までに行って、300名以上の修了者を出しておりますけれども、指定研修機関数や修了者数は確かに年々増えてきていますけれども、ここで注意しておく必要があるのは、多くの病院単位での指定研修機関や日本看護協会での研修では、栄養・水分管理に関わる薬剤投与管理を含めた数行為のみ限定されているということです。先ほど小池委員がおっしゃいました、できる行為が限定されている、数が少ない方があちこちにばらばら、いろいろなできる行為がそれぞれ、皆さん、同じ行為ができるわけではないわけです。そういう意味で言いますと、例えばある行為を特定看護師さんがおられるからお願いしようとしても、それは実際はその行為の部分を取っておられなければできないということになります。
 元来、この制度は、2025年の医療需要を支えていくために、急性期病棟には24時間、常時1人で、回復期や慢性期の病棟というものは日中1人、介護施設には1人、訪問看護師は約8割という計算で、合計10万人という計算をされて、2025年までに養成するというところから創設されましたけれども、51ページにありますように、約9割の研修修了者が病院で従事しています。先ほど出ましたように、病院でよく実施される特定行為でタスクシフトとして行われやすい行為としては、例えば気管切開チューブの交換であったりとか、CVの抜去であったりとか、PICCの挿入からデブリや陰圧閉鎖療法を含めたような褥瘡処置というものが挙げられますけれども、先ほど申し上げたように、必ずしも研修修了者であれば皆さんそれができるわけではないということで、今後、これをどうしていくかというものは、数は増えたけれども、実際にはできない行為がいっぱい出てくるということで考えなければいけない一つの大きな課題だと思っています。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 最初の点は御質問ということで、看護師等の退職後の動向ですか。
 事務局、分かれば。
○平野補佐
事務局でございます。御質問ありがとうございます。
 先ほどの離職の件、離職をした方がどこに行かれているのかという部分なのですけれども、詳細は今、把握しているものがないので、またお調べをしたいと思っておりますけれども、今、井川委員がおっしゃったように、減少してはいないので、恐らく流動しているのではないかというところは想像するところでございます。そういった状況について、また次回のこの看護職員の検討の回で詳細を報告させていただきたいと思います。御質問ありがとうございました。
○尾形分科会長
 よろしいですか。
 ほかはいかがでしょう。
 眞野委員、どうぞ。
○眞野委員
 ありがとうございます。
 先ほど来、34ページのデータについて少し御議論があったかと思います。これは効果を表しているのではなくて、師長さんが思っているところが出ているのではないかというお話だったと思いますけれども、例えば他職種との関係を示したような項目に関しては、もしかすると他職種の配置があるかないかが単に示されているだけということも考えられると思います。例えば病棟に、MSWでもいいですし、薬剤師でもいいですけれども、実際に配置されているところの看護師長さんがどう考えているのか、どう捉えているのかという解析ができればもう少し分かりやすくなるのではないかと思いました。
 これに関連して、もう一つ、看護師さんの確保のためにいろいろな対策が講じられています。診療報酬上は処遇の改善とか、あとは看護補助者等へのタスクシフトという取組が分かりやすく、33ページにも看護補助者の配置・増員が進められているということが示されていると思います。こういう業務をシフトする相手方の確保というものは大事なことだと思いますけれども、一方で、これからだんだん人口は減っていきますので、今後、こういった方々の人材の確保がより難しくなるのだろうと思います。そういう意味では、人から人へのシフトをやっているだけでは多分、限界が来るのではないかと思います。
 26ページとか27ページ辺りにわざわざ赤枠で囲んで示されていますけれども、例えば27ページではICT、AI、IoT等の活用で、7割が効果がある、どちらかといえば効果があるとなっていますが、26ページではなかなか進んでいない、30%ぐらいしか取り組んでいないということなので、この辺をどうやって今後伸ばしていくかとか、そういうことも考えていくことが大事なのではないかと思いました。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 今村委員、どうぞ。
○今村委員
 日本医師会の今村です。
 特定行為に関しても質問が幾つか出ていたかと思いますが、特定行為研修はパッケージ化されて始まったのではないかと思います。在宅・慢性期領域パッケージ、外科術後病棟管理領域パッケージ、術中麻酔管理領域パッケージなどですが、卒業生は出ているのか。もし出ていれば、卒業生の現在の動向を調べているのか。それらの方々がどこにお勤めになっているのかが分かれば教えてください。
○尾形分科会長
 事務局、これはいかがですか。
○平野補佐
 事務局でございます。御質問ありがとうございます。
 領域別パッケージにつきましては、修了者が既に出ておりまして、そちらの推移としましても内部的には把握をしております。こちらにつきましても、次回、看護職員の検討する回でまた資料としてお出しをしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○尾形分科会長
 よろしいですか。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、ほかに特にないようですので、本件は以上にしたいと思います。
 次の議題に進みたいと思います。次が2番目です。「病棟における多職種でのケア(その1)」ということでございます。まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。56ページ目から御説明をいたします。
 57ページ目に「急性期病棟、地域包括医療病棟及び地域包括ケア病棟の機能の比較(イメージ)」ということでお示ししております。病棟の趣旨、看護配置などの基準をお示ししております。
 58ページ目が、令和6年改定の内容でございます。
 59ページ目も同様、60ページ目も、こちらは施設基準の参考でございます。
 61ページ目でございます。「入院料ごとの病棟の職員数(40床あたり)」でございますが、この資料においては、看護職員と看護補助者と管理栄養士とリハビリ職と相談員という形で、それぞれの職種が各病棟でどれぐらいいるのかということで並べてお示ししておるところでございます。
 62ページ目ですが、これはリハビリ・栄養・口腔連携体制加算を算定している病棟において、それぞれの病棟業務について各職種がどのように関わっているのかということを病棟調査票で調べております。栄養のスクリーニング、ADLのスクリーニング、認知機能のスクリーニング、口腔のスクリーニング、摂食のスクリーニング、栄養管理、ミールラウンド、経腸栄養、退院前の居宅への訪問指導といった業務につきまして、各職種がどの程度関わっているのかということについてのデータがございます。看護職員、薬剤師、理学療法士、その他、こういった形でなっております。
 63ページ目は、これをもう少し分析したものでございまして、リハビリ・栄養・口腔加算の算定がある赤色と、算定がない青色とで比較する形でお示ししておりますが、こういった病棟多職種が求められているこの加算ありですと、例えば栄養状態のスクリーニングについては管理栄養士の関わりが多くなって、その分、看護職員の関わりは逆に少なくなるという形で、こういった加算の多職種配置によって、それぞれの業務のシェアが一定行われているのではないかという形で、こういった分析をしておりますので、御参照いただければと思います。
 64ページ目でございます。これは各病棟入院料において専従療法士の配置とその業務内容の規定について整理しておりますので、御参照いただければと思います。急性期一般入院料1で【リハ・栄養・口腔連携体制加算】、また、地域包括医療病棟、地ケア病棟、回リハ病棟、療養病棟、それぞれPT/OT/STの配置基準がどうなっているかということと、そこで配置されているPT/OT/STが疾患別リハと兼務できるのかどうかということに関する規定、また、病棟配置の療法士がどういった業務をやることになっているのかということに関する規定、休日のリハが求められているのかということに関する規定。
 下の灰色のところは疾患別リハの部分の配置基準などの規定でございますが、こういった形となっております。疾患別リハとは兼務できないという形で定められておりますが、病棟配置の療法士の業務内容については、リハビリ・栄養・口腔加算においては定められておる、全ての入院患者に対するADLの維持、向上等を目的とした指導を行うということになっておりますが、その他について、今、明記はされていないという状況でございます。
 65ページ目が「病棟に配置されている療法士の業務内容」ということで、こちらは令和6年の入・外調査の結果であります。療法士の疾患別リハビリテーションの提供以外の業務について、ADL等の評価、他職種へのポジショニング等の助言、可動域等や退院後を考慮した患者へのケアの提供、疾患別リハビリテーション料等の対象とならない患者へのADL維持・向上の指導。こういったものが行われているという状況であります。
 66ページ目は、地域包括ケア推進病棟協会が出している「POCリハビリテーションのすすめ」というものの抜粋でございますが、療養中の患者の傍らで、20分未満の短時間で、リアルタイムに直接加入するリハビリテーションについて提案がなされております。
 67ページ目は「病棟専従の療法士の介入事例」ということで、ADL維持・向上を目的としたワンポイントのADL動作の指導、あるいは看護職員の業務として実施される体重測定、環境調整といった業務を療法士の観点からやっているという例が示されております。
 68ページが「回復期リハビリテーション病棟での短時間のリハビリテーションの実施について①」ということで、これも令和6年の調査結果でございます。入院料ごとの短時間のリハビリテーション実施割合ですが、全体的に10~20%といった状況でありますので、こういった短時間リハビリテーションはかなりやられているところは少ないという状況でございます。
 69ページ目が「回復期リハビリテーション病棟での短時間のリハビリテーションの実施について②」ということで、これは専従の職員がいるのかどうかということについてでございます。01、02、03のような形で、セラピストが常駐しているかどうかということについては、している割合は少ないという状況であります。
 70ページ目が、リハビリ・栄養・口腔加算の説明でございますが、71ページ目にございますとおり、この算定届出は現在9%というデータでございました。届出がなされていない理由は、常勤専従のセラピストの配置が困難であるため、土日祝日は提供が困難なためというものが多いという状況であります。
 72ページ目が、栄養管理体制の基準の明確化の入院料通則の改定の概要でございます。
 そこで、73ページ目にございますとおり、このGLIM基準の活用状況になりますが、地域包括医療病棟入院料を算定している施設においては100%、特定機能病院入院基本料を算定しているところが40.4%と最も低いという状況でありました。
 74ページ目が「GLIM基準による評価を導入したことによる影響(回リハ1)」ということで、栄養評価に時間がかかるようになったという回答が多かったわけですが、その中で、多職種の連携が進んだとか、低栄養と判定される患者さんが増えたということが影響として挙げられている状況でございます。
 75ページ目が、低栄養リスクの状況であります。低栄養リスク患者は、急性期一般で約4割、地域包括医療病棟などで約8割ということですが、これはスクリーニングによって、この低栄養はきちんと見つかっているのではないかという評価についても、前回、前々回などで御意見をいただいていたところでございます。
 76ページ目が「管理栄養士の病棟等への配置の評価について」ということでございます。管理栄養士の病棟等への配置が定められている特定入院料及び加算はこちらになっておりますので、整理してお示ししております。
 77ページ目に「管理栄養士の病棟での業務状況」であります。管理栄養士が、就業時間の5割以上、病棟で従事している割合は38.1%でしたので、病棟以外で従事している管理栄養士も多いという状況であります。病棟で従事している時間が2割未満の場合は、特に栄養情報提供書の作成、あるいはミールラウンドの実施割合は低いということになりますので、こういったことを踏まえ、どのように考えるかということを御検討いただければと思います。
 また、78ページ目が「入院料ごとの管理栄養士の病棟での業務状況」でございますが、管理栄養士の専任配置が要件となっている回復期リハビリテーション病棟入院料1、あるいは地域包括医療病棟入院料においては、病棟で業務に従事している時間は長いという結果でございましたが、ほとんど病棟で業務に従事していない病棟というものはあるといった状況でございます。
 79ページ目が「病院及び介護保険施設における管理栄養士の業務の現状」ということで、こちらは日本栄養士会などの調査の報告書でございますが、一定割合、給食関係業務にエフォートを割いているというデータがございます。
 80ページ目、栄養サポートチーム加算でございますが、こちらは算定施設数につきましては右肩上がりにはなっておりますが、全体で1,806施設という届出状況であります。算定回数は御覧のとおりとなっております。
 81ページ目にございますとおり、算定可能な入院料等については、改定ごとに見直しがなされてきており、拡大傾向でございます。
 82ページ目にございますとおり、入院料ごとのサポートチームの加算届出状況はこういった形になっております。
 83ページ目が、届出をしていない理由については、所定の研修を修了した医師・看護師・薬剤師の配置が、確保が困難というものが一番多いという結果が、これは令和4年の調査結果でございますが、示されております。
 84ページ目、今、御説明したことでございますが、このようなデータを踏まえまして、どのように評価するのか、あるいはさらに検討を進めるべき事項について御検討いただければと思います。
 説明は以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
 眞野委員、どうぞ。
○眞野委員
 ありがとうございます。
 63ページのデータなのですけれども、これはいろいろな業務の主担当者がどう変化しているのかを見たものだと思います。これが例えば単なるタスクの右から左へのシフトになっているのかとか、あるいはタスクをそれに関係する職種がシェアすることによって、例えばトータルの業務量が減っているとか、業務時間、業務にかかる時間が減っているとか、そういうところまで解析できると、より効果を図りやすくなるのではないかなと思います。もし可能なのであれば、そういった解析をしていただけると分かりやすいかと思います。
 一方で、今、申し上げたように、単に業務が効率化したとか生産性が上がったとか、そういうことだけではなくて、やはり大事なのは、患者にとってどういういいことがあったのかとか、そういうことだと思いますので、在院日数が短くなるとか、医療安全が向上するとか、そういうことも併せて評価するのももちろん大事だなと思っています。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
 ありがとうございます。私は3点お話ししたいと思います。
 まず、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算についてということで、今、眞野委員もおっしゃっていた63ページのところからいきますけれども、やはりこれを見ますと、この加算の算定によって多職種の協働が進んでいると私は解釈できると思っています。そして、特に療法士の病棟配置がADLの評価、維持や廃用予防といった観点から意義があるのではないかと思います。
 71ページのほうに飛んでいただきたいのですけれども、ここでは届出を難しくしている要因を書いているわけです。やはり療法士の確保ができないということで、これが効果があると分かっていても算定できない大きな要因になっている。特に注目していただきたいのは、この2つ下のほうの赤で囲ったところですけれども、土日祝日に提供するリハビリテーション単位数が平日の8割ということが書かれているのですけれども、これは結構大きな障害になっていると思います。といいますのは、普通は5日でいいところを、7日リハをしなくてはいけないということはかなりのリハビリスタッフが必要になります。確かに疾患別リハという観点では、これは切れ目のないリハビリというものは重要なのですけれども、ただ、それと同時に、高齢化した病棟での入院患者のADLの維持とか廃用予防ということも考えると、この要件が厳し過ぎるのかなということも思うところです。
 次に、75ページに行きます。入院時栄養スクリーニングで、低栄養のリスクを評価しているものですけれども、これは前にもお話ししたと思うのですけれども、地域包括医療病棟では管理栄養士が病棟の専任配置ということになっています。これによって、急性期の1~6、地ケアの1~2と比べて、低栄養の割合が高くなっています。これらの病棟での高齢化率、ADL、要介護度は差がないということが分かっておりますので、その中で低栄養が多いというのは、管理栄養士によって栄養スクリーニングを行うことで、より確実にそれが実施できているということを示していると思われます。低栄養の評価ができれば、それに沿って今度は栄養改善への取組に結びつくということを考えると、やはり管理栄養士の病棟配置というものは意味があるだろうということが言えます。
 次に、83ページです。栄養サポートチーム加算のことですけれども、ここには届出をしていない理由というものがあります。それで、実は80ページを見ますと、届出施設は増えているのですけれども、算定回数は必ずしも増えていないのです。これは対象患者がいないということ以上に、算定が難しい要件、すなわち、人的要件の問題が大きいのではないかと思います。今、診療報酬では、加算を算定しようとすれば人的マンパワーの要件がついてきます。特にこの栄養サポートチーム加算では、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士という4つの職種が共同で診療を行うことを求めています。これはやはり病院にとってはかなり負担が大きいですから、この4つの職種が共同で診療を行うということは時間的制限もあって、算定件数が伸びない大きな要因になっているものと考えております。
 私からは以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
 まず、リハビリ・栄養・口腔連携体制加算についてです。62ページですけれども、この加算につきましては、専任の常勤の管理栄養士を必ず配置するということになっておりますので、この表から見ると、いわゆる管理栄養士が行うべきと思われる内容、すなわち、栄養状態のスクリーニング、栄養管理計画、それから、ミールラウンドにつきましてはもっと積極的に管理栄養士が関わるべきではないかと思いました。
 セラピスト関係でございますけれども、63ページ辺りからでございますが、いわゆる短時間リハをもう少し推進すべきという内容のペーパーづくりになっているのかと読み取れます。それで、これは先ほどの看護とのタスクシフト/シェアに関係しているかと思いますけれども、66ページ、67ページにも示されたとおり、あくまでもこれは、この内容は事例かと思いますけれども、専門のセラピストが実施するということの結果、看護職が実施するよりも効果があるかということの視点から内容を検証すべきでないかと思います。
 それから、栄養サポートチーム加算に関してでございますが、このチーム加算を届け出ていない理由として挙がっておりますけれども、チーム設置のメリットが少ないということもありますけれども、この加算につきましては、先ほど事務局、牧野委員も触れておられましたけれども、私はこの80ページの表を見ますと、届出も算定回数もあまり増えていないなと解釈いたしました。いずれにしましても、これについては、特に82ページにあるとおり、療養病棟の届出が極めて少ないという状況と思います。
 そこで、先ほど加算を届け出ていない理由ということで触れましたけれども、こういう回答があるわけでございますが、高齢者の入院が今後ますます増加するという状況にあって、このチームのニーズはこれからますます重要になってくると思いますので、前回、第4回の入院・外来分科会で話題となりました中心静脈栄養との関連も含め、今後、栄養管理という観点からどのように推進するべきかということをさらに検証すること、また、評価はどのようなものが適切であるかということを検討すべきでないかと思います。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
 ありがとうございます。私は84ページ、病棟での多職種ケアの問題の現状と課題を中心にお話しさせていただきます。
 施設基準、人員配置に関しましては、今後、生産年齢人口の減少が加速化すると言われている2030年に向けて、本当に専従配置である必要があるのか、専任でも可能なものは専任として、フレキシブルに多職種でカバーし合うような体制づくりが必要ではないかと思っているところです。先ほども看護職員の確保は非常に難しいという現状にありますが、一方では、地域によってはリハビリセラピストならば比較的確保が可能なケースもあるとお聞きしています。リハスタッフで看護業務をどの程度カバーできるのか、どういった内容であれば業務のカバーが可能なのかというものは、63ページにも一部お示しいただいていますけれども、これを検討していく必要があると感じます。
 過疎地の中小病院によっては、職員全体の働き方改革として、セラピストでも嚥下の評価も兼ねているのかもしれませんけれども、夕方の食事介助のカバーに入って、病院全体の職員の残業時間を減らすような地道な努力をされている医療機関もあるとはお聞きしていますので、様々な視点で今後、看護師からリハビリセラピストへのタスクシフト/シェア、どういったものが可能なのかということを検討していく必要があるかなと思います。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 井川委員、どうぞ。
○井川委員
 ありがとうございます。
 66ページにPOCリハについての資料がございます。地ケア推進病棟協会で推奨している短時間のリハですけれども、当然、疾患別リハは1単位20分に満たないということで、算定はできません。完全ボランティア実施となるために、実施割合で言うと、68ページに示されたように、非常に少ないということになりますし、69ページにあるように、空き時間といいますか、施設管理者などが何とかやってくれという感じで、無理やり両方頼んでやってもらっているのが実情でございますけれども、行っているということになります。これは本来ですと、例えば看護師さんや介護士さんなどが食事介助のときに少し立ってもらうとか、そういうことができれば一番理想的で、将来的にはそういう形になればいいかと思いますけれども、なかなか今ではそういう形は取れないので、セラピストが実際にやっている。
 ただ、算定の仕方が非常に難しいと考えております。といいますのは、例えばリハであれば、カルテにリハを実施したという形で、20分間のリハをしたという形を書いていけば済むわけですけれども、トイレで例えば脱着行為をした、ズボンを下ろしてあげて、立って下ろしたということを短時間でやりますと、それをいちいちカルテに記載していると、カルテに記載している時間が下手したら長いということになってしまって、それを書くのがなかなか面倒ということになります。そういう点を考慮して、やはり点数とかをつけていただければ非常に喜ばしいと思います。
 また、前回診療報酬改定で心血管リハにのみ復活しました集団リハというものもやはりある程度の効果が、やっているところが見られておりますので、そういうデータも地域包括ケア推進病棟協会では持っておりますので、適応拡大が必要ではないかと考えております。
 それと、71ページのリハ・栄養・口腔連携体制加算の取れない理由のところで、牧野委員は土日祝日のリハビリテーションというものができないというのが非常に多くて、これは結構厳しいので、要件が厳し過ぎるのではないかという話をいただいたと思うのですけれども、これは前回の改定のときの議論の中で、やはり土日祝日というものを全部挟むと、今、振替休日がありますから、例えば金曜日に入院すると火曜日まで全くリハビリも何もしないという状況が生み出されるということで、この要件がついたと記憶しています。
 やはり高齢者にとって、特に地域包括医療病棟が要件を満たされるわけですけれども、その中で、入院当初から4日間何もしないというのは、ADLが完全に落ちてしまいますので、まず、ほとんどの人がその入院日数上限の範囲内で帰れないということになって、後方病院に転院になるということから考えると、ここのところはすぐに緩めてもいいかと言われると微妙なところと考えております。
 それと、75ページにあります、低栄養リスクを有する患者割合というものが出ておりますけれども、これはリスクを有する患者です。だから、GLIM基準には到達しない時点ということですから、GLIM基準で低栄養と判定された患者の数というものはここには出てこないということですね。そのデータがもしあるのであれば、各病院にどの程度の方が、低栄養と判定された方がおられるのかということをお示しいただければありがたいなと思います。
 それから、79ページ、管理栄養士の業務の現状というものが示されております。右にある介護保険施設では、本来の仕事であります栄養管理業務が業務の半分以上を占めているのに対しまして、左の病院の管理栄養士では3割に満たないのです。調理等のいわゆる給食管理業務の中に実は調理とか、そういうものが入ってくるのです。調理等の給食管理業務が増えているという状況です。これは、調理師や調理補助員の不足というものを物語っています。
 本来、管理栄養士としての業務に専念できるような方向に持っていかないと、80ページ以下にある栄養サポートチーム加算も当然算定できませんし、栄養管理という意味では非常に低調となってしまって、結果、患者さんの入院期間の延長にもつながりますので、ぜひともここのところは手を加えていただきたいと考えます。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 75ページですか。低栄養リスクを有する患者と、実際に低栄養の方のデータということですけれども、この辺はどうですか。
○日名子補佐
 事務局です。
 御認識のとおりで、今、お示ししているものはスクリーニングでリスクありとなったものです。GLIM基準に該当するかというものも調査を行っておりますので、また次回、データをお示しできるように準備したいと思います。
○尾形分科会長
 よろしいですか。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。ほかに特に御意見、御質問がないようでしたら、先に進みたいと思います。
 3番目の議題でありますが「入退院支援(その1)」ということでございます。まず、これも事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。85ページ目以降でございます。
 まずは87ページ目をお開きください。「入退院支援に係る診療報酬の主な変遷」ということで、いろいろな点数が統廃合されるなどで進められて今の評価に至っている状況でございます。
 88ページ目、入退院支援の評価のイメージ図でございます。令和5年の意見交換会の資料でございますので、御参照いただければと思います。
 89ページ目が、入院時の連携の評価。
 90ページ目が、引き続き、入院時の連携の評価の点数。
 91ページ目が、入退院時の連携。
 92ページ目が、在宅療養中の支援とか、こういったような医療介護連携に関する報酬の評価がございます。
 93ページ目が、入退院支援加算1・2の概要であります。それぞれの部門の設置でありますとか人員配置基準、また、連携機関との関係性。こういったことの施設基準を整理しておりますので、御参照いただければと思います。
 94ページ目は、入院時支援加算の概要であります。
 95ページ目は、入院時支援加算の平成30年のときに新設された際の点数の説明の絵でございます。入院を予定している患者が入院生活や入院後にどのような治療過程を経るかをイメージし、安心して入院医療を受けられるよう、入院中に行われる治療の説明、入院生活に関するオリエンテーション、服薬中の薬の確認、褥瘡・栄養スクリーニング等を入院前の外来において実施し、支援を行った場合の評価で、これが入院時支援加算でございます。
 96ページ目が、入退院支援加算1・2の見直しということで、令和6年改定においては、この青字で書いてあるところが算定要件として追加になったというところでございます。
 97ページ目が「入退院支援加算の届出・算定状況」でございます。届出の施設数は、こちらにありますとおり、だんだん増加している状況で、今、5,000医療機関弱ぐらいが入退院支援加算の届出をしている状況です。また、入院時支援加算についても3,000弱ぐらいのところが届出をしている状況となっております。算定回数は、下にございますとおり、算定回数が増えている状況であります。
 98ページ目が、病棟ごとの割合で見た届出状況ということでございます。急性期一般1~3では9割ぐらい、急性期一般4~6では6割ぐらいが届けられているという状況であります。一方で、地域一般あるいは療養病棟入院料などでは、3~4割が入退院支援加算の届出がなく、かつ入退院支援部門の設置もないという状況でありました。
 99ページ目が、届け出ていない理由であります。理由としましては、専従の看護師の配置が困難なため、専従の社会福祉士の配置が困難なため、また、退院支援が必要な患者が少ないためというものが多い状況でありました。
 100ページ目が、退院困難な要因であります。入退院支援加算を算定するときの退院困難な要因について、こちらは急性期病棟が赤色のバーになっております。一方で、地域包括ケア病棟などは水色でお示ししておりますので、それぞれの病棟ごとにどれぐらいの割合になっているかということをお示ししておるところでございますが、特に急性期一般入院料1については「緊急入院であること」というものが最も多いという状況でございます。一方で、hにお示ししておりますような「入院前に比べADLが低下し、退院後の生活様式の再編が必要であること」ということで算定されているものが、地ケア病棟、回リハ病棟などにおいて特に多いという状況でありました。
 101ページ目は、入院時支援加算の届出と在院日数の関係です。入院時支援加算の届出ありのほうが入院の在院日数が短いというデータがございます。
 102ページ目が「入院時支援加算を算定した患者における入院前に実施した事項」であります。①②⑧の必須のものに加えまして、入院中に行われるような褥瘡の危険因子・栄養状態、服薬中の薬剤確認。こういったところにつきまして一定行われているというデータでございます。
 103ページ目が「予定・緊急入院区分と入院前の入退院支援部門の関与の有無」でございます。これを見ますと、予定入院と緊急入院で比較した場合、予定入院のほうが入退院支援部門の関与ありが多いというデータになっております。
 104ページ目は「高齢者の退院に向けた課題」と題されておりますが、医政局の検討会での資料でございますが、高齢になるほど、同じ疾患でも在院日数が長くなり、ADL低下や認知症等の合併症、単独世帯の増加等によって、こういった方々への退院の支援というものが課題になってくるということでございます。
 105ページ目が、退院時共同指導料の概要であります。退院時共同指導料1のほうは在宅の担当する医療機関を算定する点数で、2のほうが入院医療機関が算定する点数となっておりますが、こちらにつきまして、算定回数はコロナ禍で減っておりますが、その後、また増加傾向になっているという状況であります。どちらかというと、入院医療機関のほうが算定する2のほうが多く算定されている状況であります。
 106ページ目が「入院料別の入院患者の特徴」ということで、特に入退院支援の業務に関連してくる要素、病棟ごとの在院日数の長さであるとか、予定・緊急入院区分の状況でありますとか、入棟前の場所の状況、手術の有無、あるいは入院の理由といった、入棟している患者の特徴を整理して並べたものであります。
 また、107ページ目以降、入棟患者の流れのものを病棟ごとにずっと後ろにかけて一覧で示しておりますが、特に退院先の部分について、急性期の場合は自宅退院が多いということでございまして、109ページ目が地域包括医療病棟、110ページ目が地ケア病棟となっていきますが、こういったところですと、介護施設への退院というものが20%ぐらいという形になっておりますので、こういった病棟ごとに退院先が異なってくるということがこちらのデータから分かるかと思います。
 113ページ目に、これらの特徴をまとめておりますので、御参照いただければと思いますが、急性期においては、入退院支援加算算定患者のうちの退院困難な要因は緊急入院というものが多いという状況であります。地域包括医療病棟につきましては、緊急入院とともに、退院後の生活様式の再編が必要であることが多くなってくるということもございますし、地ケア病棟につきましては、退院先・転棟先は、自宅の割合が最も高い一方で、介護施設なども3割ぐらい出てくるということ。入退院支援加算を算定した患者の退院困難な要因は、これも退院後の生活様式の再編が必要であるというものが多いという状況であります。回リハ病棟や療養病棟も御覧のとおりでございますが、このように、入退院支援において実施されている支援は、入院料・患者像によって異なる可能性があるということで、こういったデータ、現状を踏まえまして、どのように評価するのか、さらに検討を進めるべき事項について御検討いただけますと幸いです。
 もう一つ、115ページ目の3-2を御説明したいと思います。
 116ページ目にございますとおり、地域包括ケアの中での高齢者救急の対応で、こういった介護施設あるいは在宅療養している方との中での医療、入退院の円滑な実施というところが求められるところであります。
 117ページ目は、新たな地域医療構想に関する取りまとめの内容でありますが、この中で強調されておりますが、発症後の生活機能を維持するためのリハビリテーション、退院後の生活環境も踏まえた退院調整。こういったものが重要になるという指摘がありますし、また、在宅医療を提供する医療機関や高齢者施設等と地域の医療機関との連携強化が求められるということも指摘されております。
 118ページ目でございますが、医療機関機能報告の中での医療機関機能、在宅医療等連携機能につきましては、地域での在宅医療の実施、他の医療機関や介護施設、訪問看護、訪問介護等と連携した24時間の対応や入院対応を行うという病院機能・医療機関機能が指摘されております。こういったものが入退院支援の機能に関わるかもしれないということで、こちらを御紹介させていただいております。
 119ページ目が、令和6年改定の高齢者医療の在り方の見直しということで、赤丸で囲ってあるような中に、医療機関や介護施設等との平時からの連携の推進という観点も令和6年改定でなされたところであります。
 具体的には、120ページ目にございますようなところで(1)から(5)まで、介護施設と医療機関の平時からの連携、急変時の対応、入院調整、早期退院といったことが介護施設の支援として地域包括ケアシステムの中で求められていくといった考え方が示されておるかと思います。
 121ページ目が、入退院支援加算1・2の見直しということで、令和6年改定で見直しが行われておりますが、この中で122ページ目でございますが「入退院支援加算届出医療機関における連携体制」というタイトルになっておりますが、急性期病棟を有する医療機関、あるいは地域包括医療病棟を有する医療機関などの区分に分けまして、連携機関の数がどうなっているかというものを示しているのがこちらの資料となっております。この入退院支援加算1の場合は25以上と連携することとなっておりますが、具体的な連携機関数はこうなっているという状況であります。
 123ページ目が、協力対象施設への医療提供の状況ということでございます。
 124ページ目が、こちらは医政局の資料でございますが「介護施設等における対応力の強化」ということで、ACSCsという考え方、こういった緊急入院を避けることができると考えられるぜんそくや糖尿病などの一連の疾患・状態。こういったところを、協力医療機関が介護施設に対してきちんとした対応を行うことによって救急搬送の回数を減らすことができたといったデータが示されております。
 125ページ目が、救急出動件数と搬送人員の状況ということで、過去最多となっているという状況がございます。
 126ページ目が、6月13日にもお示ししましたが、高齢者の救急搬送率が増加している中で、この入退院支援部門との関連とこういった救急体制等の現状等も踏まえまして、これをどのように評価するのか、さらに検討を進めるべき事項についてどのように考えるかということで御検討いただければと思います。
 事務局の説明は以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
 井川委員、どうぞ。
○井川委員
 ありがとうございます。
 療養病床の112ページに患者さんの流れというものが示されておりまして、退院先が診療報酬のために少しずつ死亡退院というものが非常に増えているというお話を記されております。療養病床において死亡退院が多いのは、急性期や回復期、包括期で治療し切れずに、かつ医療ニーズが多くて早期退院が困難な患者さんというものは、急性期や回復期での入院日数の短縮の流れの中で施設や住宅での療養が困難という患者さんが増えてきているのだろう。その結果だとは思われるのですけれども、また、療養病床入院基本料における医療区分2・3が8割以上という維持をすることも求められているわけで、当然ながら、高齢者でマルチモビリティーの複雑な病態の患者を抱えているということもその一つの理由であろうと思うのですけれども、さすがに61.6%は多いかなと私も実は思います。
 といいますのは、我々のグループにはかなり重症な患者が来ておりますけれども、在宅復帰率がやはり30%を超えますし、それから、死亡退院も40%には満たないという状況でおります。日本慢性期医療協会では、療養病棟は療養する病棟ではなくて、先日も申し上げましたけれども、まさに治療病棟にならなければならないと訴えていますけれども、文字どおり療養している、すなわち、看取りを行っている病院がまだまだ多いのではないかということをこの数字は示しているのではないかと考えて、これが入退院支援加算を届けていない理由の中で、退院支援が必要な患者が少ないという理由が療養病床で多いという結果にもつながっているのだろうと思います。そういう意味で言うと、非常に残念な結果ということになります。
 この一つの大きな理由と考えられるのが、前回改定で医療資源投入量を中心に考えた30区分という形で医療区分は細分化されましたけれども、現在もなお、治療し在宅復帰させていても大きなインセンティブというものは存在しないのです。看取りとして療養していただいているものとあまり変わらないというのがあります。例えばTPNを継続しつつ、経口移行を進めて、できるだけ在宅に持っていきたいと考えても、それに対する点数というものは医療区分2のままという状況になりますし、逆にTPNを続行しながらみとりをされていても同じ点数ということが起こっていて、それは非常に大きな問題で、要するに、治療していることに対する評価というものは全くされないということになっておりますので、今後の医療区分の変更の大きな課題だろうと考えています。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
 まず、入退院支援加算についてですけれども、100ページに示されてありますけれども、緊急入院と、ADLが低下して退院後の生活再編が必要な患者さんということの2区分が多いということが示されております。緊急入院の患者と、生活再編が必要な患者さんということでは支援の内容が異なるということが当然考えられますので、具体的にどのような支援が行われているのかということは、さらに詳細に支援の内容を見たほうがいいのではないかと思います。
 それから、入退院支援部門との関わりということでございますけれども、103ページに示されておりますけれども、緊急入院を中心に、いわゆる急性期の病棟に入る患者さんにとっては入退院支援部門の関与が少なく、それから、回リハ、療養病棟の患者さんに対しては入退院支援部門の関わりが多くということがうかがえるわけでございます。これは当然といえば当然ということかもしれませんけれども、患者像、それから、病棟によって異なる視点という観点から、入退院支援の評価をさらに考えていく必要があるかと思います。検討の材料になるのではないかと思っております。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
 ありがとうございます。私からは2点お話ししたいと思います。
 まず、113ページの退院困難な要因の資料、そして、114ページの現状と課題のまとめに関して発言させていただきます。ほかにも、入退院支援やら地域包括医療病棟の資料をいろいろお示しいただいています。これは以前にもお話しさせていただいた内容になりますが、この退院困難な要因として緊急入院であることというものが挙がっていますが、これに加えて、やはりマルチモビリティーの高齢者は救急搬入時に直ちに診断がつかないことが多い。経過がどうなるのかの判断が難しい。せめて48時間、経過を見ないと、治療的介入、医療資源投入が本当に必要なのか、あるいは早期に多職種でリハビリして、退院調整して帰せる患者なのか、なかなか判断がつかないことが多いという現状があります。
 特に急性期一般と地域包括医療病棟のケアミックスの場合、非常に効率の悪い病棟運営をしている場合がございますので、せめて48時間以内であれば遡って、どちらかの入院料の算定を確定すればよし。これは転棟の5%に当たらないとしていただけると、高齢者の急性期患者をより適切な病棟で診ることができて、この入退院支援、あと、退院調整もよりスムーズに動けるのではないかと思いますので、ぜひ御検討いただきたいということでございます。
 もう一点、127ページ、医療と介護の連携、急変時等の対応についてのまとめの資料、そして、124ページ、介護施設等における対応力強化の資料について、ここでは緊急時対応連携ありなしで救急搬送件数の違いをデータでお示しいただいています。例えば高齢者施設で診ている心不全の患者さんなどで、例えば水分貯留によって体重増加で何kg以上オーバーしたらとか、こういった症状が出た場合とか、こういった兆候が出てきた場合には早期に外来を受診させるとか、あるいは訪問診療で施設に赴いて利尿剤を調製するということで、無駄な救急搬送・救急入院を減らすことが可能なケースが間々あります。救急搬送になる前の連携対応の評価を検討してもよいのではないかと思います。例えば熊本県などではそういった取組を行っている医療機関もあると聞きますので、そういった取組を評価して、施設からの高齢者の救急搬送を減らすことを考えたほうがいいと思っております。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
 ありがとうございます。私は入院時支援加算のところから始めていきたいと思います。
 102ページのところですけれども、ここではどういった項目に対応しているのかということが出てきています。①②⑧が必須で、まず、③~⑦は必須であるということですけれども、ほとんどの施設が全項目に8割以上対応している。これはいわゆるPFM(Patient Flow Management)の一部として入院支援部門が機能しているということをイメージしていて、これによって病棟看護師の業務軽減にも結びつくものであって、病院全体の効率化に向けた動きが進んできている。これを導入しているところはそう言えるのではないかと思います。
 あと、予定入院については、この入院時支援加算としての評価がある一方で、緊急入院については、残念ながら、それに類する評価がない。しかし、100ページを見ますと、退院困難な要因で最も大きなものは緊急入院ということになります。103ページのところで緊急部門、入院支援部門を通ることなく緊急入院の患者は病棟に入っていくという、これはごく当然のことなのですけれども、裏返せば入院支援部門が担ってきた業務を全て入院後のスタッフが実施するということ。これがやはり退院調整を困難にする、時間がかかる要因となるわけですから、今後、高齢者が間違いなく増えてくる。それで、高齢者の緊急入院が増えるということが既に分かっているわけですから、この部分に対する対応ということ、緊急入院患者の退院支援を強化できるような対応や評価が必要だと思います。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、小池委員、どうぞ。
○小池委員
 ありがとうございます。私からは1点、119ページの救急患者連携搬送料、いわゆる下り搬送についてです。
 地域医療資源の有効活用ですとか医療機関間の役割分担を進めるという点で非常に意義があり、また、さらなる活用が求められているのだと思っておりますが、普及に向けて、通知の中で、下り搬送に自院または受入側医療機関の病院救急車を使うようにというところがハードルになっているようなお話を伺います。この背景に、平成28年3月の医政局・消防庁の転院搬送における救急車の適正利用の推進というものがあるやに伺っております。もちろん、消防機関の救急車の適正利用というものは重要な課題であると思いますけれども、地域全体で医療資源を効率的に活用するための下り搬送で救急の受入キャパシティーを大きくするということが、結局は重症患者の受入れの促進にもつながるということも踏まえた検討というものを進めていくことが大切ではないかと思っております。
 以上、意見でした。ありがとうございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、鳥海委員、どうぞ。
○鳥海委員
 ありがとうございます。2つです。
 105ページの退院時共同指導料の中で、退院のときに在宅を担当するドクターと入院中のドクターが共同で説明をして、文書でこれを提供するということでございますが、令和2年、これはコロナでがくんと落ちていて、回復傾向にあります。昨今、リモート診療とか、そういうことでああいうものはいい、こういうものはいいという話を私どもはしているわけでございますけれども、これは対面ということに限られていて、状況でリモートでもいけるようなものかなと思うのですけれども、これについて、リモートで行っても今のところは駄目なのだと理解しているのですけれども、そういうものはリモートとかを使ってできると、より算定も増えるのではないかなと思うのが一点。
 もう一点は、112ページの療養病棟の死亡退院61.6%という問題ですけれども、自分が療養病棟に入って、もし普通に退院できたらラッキーだなと思うのですけれども、在宅医療でも、この間、いろいろ問題が出ていましたけれども、ACPの確認というものは療養病棟においても非常に、もちろん、家族も含めてなのですけれども、御本人がそういうことが納得できるような状況であれば、ACPの確認というものが非常に大切なのかなと思いました。こちらは意見です。
 ありがとうございます。以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、田宮委員、どうぞ。
○田宮委員
 ありがとうございます。私は4つありまして、
 まず、98ページ辺りですけれども、今、101ページと98ページ、両方見ていまして、1個確認ですけれども、101ページは入退院ではなくて入院時支援加算でよろしかったでしょうか。これは今までの、前のページと違うものなのでしょうか。それを確認したいです。
 あと、でも、これを見ると、届け出ているところが早く帰っているように結果が出ていて、それはとてもいいと思っているのですけれども、今まで私が入退院支援のことを研究してきたときには、やはり難しい人にそれをやったりすると、個人のレベルではなかなかきれいに結果が出なかったので、そういう意味で見ると、急性期一般については、特に98ページを見ると、急性期一般の1と4と6とは大分、加算の届出状況が違うので、それを一緒に見ていると見誤るかなと思っていたので、急性期一般については、入退院か入院かも確認の上ですけれども、1~6を一緒に示してしまうのはよくないのではというコメントです。ただ、このことは別としても効果が出ているのはすごいなと思っていす。
 それから、次の104ページなのですけれども、高齢者の退院に向けたというところで、人口の単独世帯の割合と両方、グラフを出していただいていて、これは本当にそうだろうなと思うのですけれども、今、1対1の対応はできるデータがないので、実際に単独世帯だと入院、入退院、退院がどのぐらい大変かとか、そういうことがダイレクトには分からない状況だと思います。
 でも、高齢者の医療の全体像の話の中でも、家庭のこと、家族のこともきちんと配慮するということも挙げてくださっていたように、この実態を把握するということはすごく大事なので、レセプトではどうしても家族のことは分からないので、こういう機会に家族の関係、単独かどうかと、その後の困難さとかをどこかで、個人で対応できるようにしていただけるとありがたいなと思うのがあります。
 それから、次は、先ほどから話題が出ている療養病棟の死亡退院の話で、112ページです。やはり求められている機能と実態というものを見ていかなければいけないのかなと思っていて、一つは介護医療院への移行というものが最近どうなっているのか、よく分からないので、医療ニーズがある方の介護ニーズはそちらということにはなっていたかと思うので、それがどうかなということです。
 最後に、もう一点、先ほどの家族の話に近いのですけれども、125ページの救急搬送で、やはり救急搬送の実態というものを、夜間ではないと分からないとか、入院しないと分からないとか、レセプトではかなり限定があって、今、問題になっているような施設からの搬送について、そのまま帰った事例とかもいろいろ含めると分からないので、先日も申し上げましたが、やはり政策上とても重要なので、救急搬送を実態を把握するという工夫が要るかなと思いました。
 以上です。ありがとうございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 介護医療院への転換について、何か分かりますか。最近の状況ということです。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。
 すみません。今はデータを持ち合わせていないので、また療養病棟について議論の機会があるときにはそういったことも検討したいと思います。
 あと、101ページ、入院時支援加算なのか、入退院支援加算なのかということだったのですが、これは入院時支援加算さんのほうでして、御説明させていただきましたとおり、95ページ目にある点数、予定入院の患者さんが外来で説明をするということの点数に関する効果ということで、在院日数が短くなるというデータをお示ししているものでございます。
○田宮委員
 では、一定、効果が出ているわけですね。よかったです。
 ただ、救急については、先ほど申し上げたように、少し分けていただいたほうがいいのかなと思います。
○矢野医療課長補佐
 あと、どういった患者さんが入退院支援業務が大変かということについては、先日御承認いただきました令和7年度の調査のほうで、どういった方が時間的に業務が大変なのか、あるいは人手という意味で大変なのかということの調査を行うことになっておりますので、その調査結果がまた出ましたら、この分科会でデータをお示ししますので、またそれに基づいた御議論をお願いできればと思っております。
 以上です。
○尾形分科会長
 よろしいですか。
 それでは、秋山委員、どうぞ。
○秋山委員
 ありがとうございます。
 まず、退院困難な要因を持つ患者が増えていることや機能分化を推進する観点からも、入退院支援はどの病院でも当たり前に求められる機能となっています。入退院支援部門の関与がない場合には病棟や外来で看護師による調整が求められるわけですが、入退院支援においては、患者・家族との綿密なコミュニケーションの上で、病状や生活状況に応じた丁寧な意思決定支援が求められますので、病棟や外来での看護のついでに行えるようなものでは決してないと思います。入退院支援部門が広く整備されるような方策について検討が必要だと思います。
 ただ、資料の106~113ページにも示されたとおり、入院料によっては患者の入院前後の状況や、予定・緊急入院かどうか、入院目的等が異なっていることを考えると、資料の113ページにあるように、求められる入退院支援の在り方も異なるということは理解できます。
 また、高齢者救急を受け止める機能の拡充については、今回改定の大きな課題の一つでありますが、124ページにありますACSCsへの対応等を考えても、本来は介護施設等における対応力の強化を図り、高齢者の救急搬送を減らすということが求められると思います。現行の協力対象施設との平時からの連携、急変時の診療の求め、入院調整に加えて、今後は病院の専門性の高い人材が介護施設に出向いて再入院を予防するための体制整備を行う等の取組が求められ、そのような方策について、さらに検討を進めるべきではないかと思います。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 眞庭委員、どうぞ。
○眞庭委員
 1点だけ「3-2.円滑な連携の推進について」というところですけれども、例えば我々急性期病院からしましても、一人の患者さんの診療情報を複数の施設と共有させていただくということになりますと、実際には、例えば紙媒体で何十ページにも及ぶ診療情報を準備して共有していくという非常に負担が大きい現状もあります。そうした中で、場合によっては個人情報の漏えいというリスクというものも抱えながら、そういう部分で患者支援センターのほうにも負荷が相当かかっているというところです。
 この会議のほうで話題にするべきことかとも思いますけれども、ぜひともそういう部分を施設間の一人の患者さんの診療情報というものを完全に電子化して共有するというシステムを構築していただければ、それぞれの施設部署の負担も減りますし、この円滑な連携というものがやはり推進されていくのではないかと思いますので、適切な会議体のほうでそちらをしっかりと進めていただきたいと思いました。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 井川委員、どうぞ。
○井川委員
 すみません。1点だけ、先ほど鳥海委員が発言されました、療養病棟へ入院して、生きて帰れればラッキーという発言はさすがに、議事録が残るこの場ではふさわしくないと思いますので、ぜひとも撤回をお願いしたいと思います。
 以上です。
○鳥海委員
 大変失礼いたしました。
○尾形分科会長
 それでは、そのように扱わさせていただきます。
 林田委員、どうぞ。
○林田委員
 ありがとうございます。101ページ目のスライドの件です。
 入退院支援に関しては、入院してからではなくて、できるだけ早い段階からの関わりが重要ということで、これまでも様々な診療報酬上の対応が進められてきたわけなのですけれども、実際にこういう形でデータで示されたことは非常にすばらしいなと感じました。
 それで、非常に細かいことなのですが、恐らく誤記だと思われるのですけれども、全ての中央値が届出ありと届出なしで、同じになっております。ただこれは届出ありの割合を在院日数が短い方から積み上げていって累積で50%になるところとは値が違うようです。特に療養病棟等は恐らくそうだと思いますけれども、届出ありに関して、例えば217.6日というのが中央値になっていますが、恐らく150~200日未満もしくは100~150日未満のところ辺りになるかなと思います。すみませんが、データを修正いただければと思います。
 以上です。
○尾形分科会長
 これは検討していただきたいと思います。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。それでは、本件につきましては以上としたいと思います。
 大分時間が押してまいりましたので、申し訳ありませんが、あと2つ議題が残っておりますが、これを一括して扱わさせていただきたいと思います。「4.リハビリテーション(その1)」と、それから「5.食事療養(その1)」でございます。まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。129ページ目以降になります。
 まず、130ページ目を御覧ください。リハビリテーションの役割分担のイメージの絵で、こちらは令和5年の意見交換会のときの資料を載せております。脳卒中の発症からの身体機能のモデルと、医療保険、介護保険でどのようにリハビリテーションが提供されるのかに関するイメージ図がございます。
 131ページ目です。こちらはイメージ図をもう少し詳細にまとめたものでございます。脳卒中の発症だけではなくて、高齢者の肺炎のモデルだとどのような形になるかということもお示しする一方、必要なリハビリテーションのイメージを下のほうで絵でお示ししております。リハビリテーションについては、疾患により低下した身体機能・ADLの向上を目的としたもの。具体的には、疾患別リハビリテーションによる集中的リハといった目的のリハビリテーションもございます。また、紫色にあるような、安静臥床による廃用症候群の低下予防、ADLの低下予防に関するリハビリテーションを提供したもの。また、残存する身体機能を活用した生活機能回復を目的としたもの。こういったものが特に入院中のリハビリテーションで求められるものということでイメージ図をお示ししております。
 132ページ目以降が「4-2.生活機能回復リハビリテーションについて」ということで、133ページ目にございますように、このイメージ図でいきますと、緑色の部分に関する内容でございます。
 134ページ目が「退院後の自立を目指した生活機能リハビリのイメージ」ということで、例えば排尿・排便に関するモデルですと、ピンク色にあるような、疾患により低下した身体機能の回復をするものと、自宅の環境に合わせて生活機能を回復させていくようなリハビリテーションがだんだん退院に向かって必要になってくるということ。一方で、紫色にありますような、廃用症候群を予防するということ。こういったリハビリテーションが必要ということで、このようなイメージになっております。
 135ページ目でございますが、生活機能回復に関する診療報酬の例ということで、A251、排尿自立支援加算でございますが、こちらは尿道カテーテル抜去後といった形の限定された患者さんで算定できるものになっておりますが、こういった排尿に関する自立支援に関する点数、届出状況でございますが、令和5年で届出が増えておりますが、算定回数が全体で1,200弱、届出医療機関数がオレンジで示されておりますとおり、1,000強といったところでございます。
 136ページ目が、日本慢性期医療協会のほうで示されているものということで、院内リハと院外リハの組合せによって、生活訓練に関するリハビリテーションの提供に関する提案がなされております。この院外リハが有効ではないかということで、こちらが示されております。
 137ページ目、院外リハビリについては、今、3単位60分まで医療機関の外で行うことができるとされておりますが、これに関連して、138ページ目でございます。「屋外等での疾患別リハビリテーション実施単位数について」で、令和6年で調査しておりますので、これの調査結果でございますが、3単位を超えて実施しているものも45%ぐらいあったということでございます。そもそも、下に書いてありますとおり、この疾患別リハを実施した1,767症例のうち、屋外でやったというものは128症例ということでございますので、その128症例について、60分以上やったというものが45%だったということでございます。60分を超える際の実際の例については、日本作業療法士協会のデータが右側にございますとおり、自宅でのADL訓練とか、公共交通機関の利用とか、こういったことがなされる場合があるということでございます。
 139ページ目が、退院支援に関してでございます。
 140ページ目、退院前訪問指導というものがございまして、これは令和5年のときの入・外分科会の資料でございますが、入院と転倒を減少させる効果がこの退院前訪問指導にあるという報告があるということでございます。
 141ページ目が、その算定回数でございます。平成31年以降、減少傾向にあって、令和5年にやや増加したというデータでございます。
 また、142ページ目でございますが、退院前訪問指導は、回復期リハビリテーション病棟では包括になっている。これは別途、出来高で取るのではなくて、包括評価という形になっているということでございますが、このDPCデータを解析しまして、全入院患者の3~5%ほどに実施されているというデータとなっておりました。各入院料を算定する施設において、退院前訪問指導を実施している病院の割合について見ますと、右下の表にございますとおり、14~24%という状況でございました。
 143ページ目が、退院前訪問指導に関して、どのような職種が行っているかということについては、理学療法士、作業療法士などが多いという状況でございました。
 144ページ目が、高次脳機能障害でございます。こちらは高次脳機能障害の手引から抜粋したものでございますが、高次脳機能障害は、特に機能回復のためのリハビリテーションが開始から最大6か月行う、また、1年間の訓練が望ましいということがございますので、長期のリハビリテーションがかなり必要になるという病態とされております。
 145ページ目にございますとおり、回復期リハビリテーション病棟における高次脳機能障害のある患者の割合については、こちらに御覧のとおりとなっておりまして、一定の割合があるという状況でございます。
 146ページ目は、こういった高次脳機能障害支援普及事業でございます。障害部門の施策の一つということでございますが、こういった高次脳機能障害の支援拠点として全国に123か所あるという状況でございます。
 147ページ目にございますとおり、こういった支援拠点での相談件数というものも9万件近くあって、近年は横ばいということになっております。
 148ページ目にございますとおり、こうした高次脳機能障害の退院支援、入院中における退院支援、特に(2)のところでございますが、支援に係る情報提供、そして、障害者手帳とか、そういったことに関する申請の手続とか支援が十分に行われていないという意見もあった。また、高齢患者が多い病院では、壮年期の患者対応のノウハウが蓄積されにくいので、地域の障害福祉関係とのネットワークも希薄になりやすいということで、障害関係サービスとの連携というところが課題があるのではないか。また、退院時に相談窓口の情報を伝えることが重要ではないか、支援拠点の紹介も重要ではないかといった指摘があるという状況でございます。
 149ページ目が「4-4.疾患別リハビリテーションの早期介入について」ということでございます。
 150ページ目にありますように、これはイメージ図のピンク色のところに関するリハビリテーションについての、特に早期介入という観点についてであります。
 151ページ目にございますとおり、これは医政局の資料ではございますが、高齢者については、早急の退院、早期のリハビリテーションが重要であるということが指摘されております。
 152ページ目にございますとおり、脳卒中に関しても早期のリハビリテーションの介入が重要であるということが学会等でお示しされているところでございます。
 153ページ目が、令和6年改定の中で、この疾患別リハビリテーションの中の急性期リハビリテーション加算が新設されたことの説明のスライドでございます。
 154ページ目にございますとおり、急性期リハビリテーション加算は、いずれも発症日からリハビリテーション開始までの日数についての要件はないということで、いずれでも算定可能であるという点数になっております。
 155ページ目で、これは急性期リハビリテーション加算等の算定状況の中で、14日以内に疾患別リハビリテーションを実施した症例のうち、3日以内に介入できていない割合が38%ということで、ガイドラインなどで求められている早期の介入ができていないと思われる例も38%あるのではないかということで、こちらはDPCデータに基づいた解析結果となっております。
 156ページ目に、今、申し上げたところの現状をまとめておりますが、課題としまして、このような現状をどのように評価するのか、さらに検討を進めるべき事項についてどのように考えるかということについて御検討いただければと思います。
 これが4.のリハビリテーションでございます。
 もう一つ、157ページ目以降、食事療養についてでございます。
 158ページ目、入院時食事療養費に関しては、平成6年からその制度が創設されまして、以降、平成18年に算定単位を1日当たりから1食当たりへの見直しなどが行われたりしておりますが、159ページ目にございますとおり、令和6年においては、食費の基準が1食当たり30円の引上げ、令和7年改定において20円の引上げという形の改定が行われたところでございます。
 160ページ目は、入院時食事療養費に係る全体の概要ということで、入院時食事療養の額が載っておりますが、それに付随する特別食加算でありますとか食堂加算、あるいは特別料金の支払いを受けることによる食事の提供に関する1食当たり17円。そういった食事療養に関する規定をこちらで取りまとめたものをお示ししております。
 161ページ目が「入院料ごとの栄養摂取の状況」ということで、令和6年調査にございますとおり、経口摂取が青色、経口摂取と経管栄養と併用しているものが赤色、経管栄養と経静脈栄養のみというものは水色という形で、病棟ごとにどういう栄養摂取状況になっているかということを示したのがこちらの表でございます。
 162ページ目は、さらに嚥下調整食の必要性があるかどうかという観点での調査結果であります。急性期病棟だと約1割、包括期病棟だと約2割、慢性期病棟だと約4割が嚥下調整食の必要性があるという調査結果となっております。
 163ページ目は、食費の基準額の見直しのまとめでございます。
 164ページ目は、こうした食費の基準額見直しに関連して、実際、食事がどのようになったかについては、これまで5月22日などにもお示ししておりますが、納入方法や食材等の変更を行って、さらなる経費削減を行ったということで、食事の質の改善につながったかという意味では、経費の増加につながったという回答が挙げられておったところでございます。
 165ページ目が、今、申し上げたところの現状を整理したものでございますが、これに関連しまして、どのように評価するのか、さらにどのような検討を進めるべきかについて御意見いただければと思います。
 説明は以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 申し訳ありません。ちょうど予定の時間になってしまいましたけれども、いま少し時間を延長して議論をいただければと思います。
 それでは、ただいまの事務局の説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
 津留委員、どうぞ。
○津留委員
 お時間がない中で、すみません。3点ほど意見を述べさせていただきます。
 まず、141ページ、退院前訪問指導料580点で、回リハでの退院前訪問指導の実施のデータをお示しいただきました。回リハについての実施のパーセントが非常に低いという評価なのか、まあまあやっているという評価なのか、見え方によって様々だと思いますが、例えば比較的若い脳卒中の後遺症の患者さん、脳血管リハの患者で新たに片麻痺になったケースの場合、これは自宅でのADLの動作を評価・訓練というものは非常に有効であるということは現場、回リハスタッフも十分にそれは分かっているわけです。
 それで、多職種でお一人の患者に付き添って、多職種が約半日を潰して、そうやって、それに必要とする時間と人員と労力を考えますと、回リハの中でも包括の中で4~5%やられているというのはよく頑張っているのではないかなという評価もあるかと思います。それに見合うような評価がさらにあれば恐らく実施率も上がるのではないかと思いますので、それは期待できると思っております。
 あと、144ページから148ページにかけまして、高次脳機能障害のリハビリの資料を多く御用意していただきました。これは牧野委員も脳神経外科医でいらっしゃいますのでよく御存じだと思いますけれども、脳卒中の後遺症での高次脳機能障害で、問題になるのは、高齢者の場合は認知症と同じようなケア体制とか介護サービスでも対応可能だと思いますけれども、若いくも膜下出血後の高次脳機能障害のような場合、まず、患者さん自身にこの後遺症を理解してもらう。そして、御家族にこの障害に関してしっかり理解してもらう。そして、社会復帰に向けては、会社だったりとか周囲の人々、受入先の方にこの障害に対する理解をしていただくというのが大事なのですけれども、これは非常に難しいわけです。一見、全く後遺症もなく、正常に見えてしまいますので、これはどこが後遺症なのか、なかなか理解されないという現状がございます。
 特に就労支援を行う場合、今では、146ページにありますように、国・公的機関による支援体制といいますか、支援施設とかがかなり充実しているのかなと思いますが、社会復帰へのハードルはまだまだ高いと思いますので、皆さんのこの後遺症に対するリテラシーの底上げは必要だと思いますが、特にこの就労支援に関しましては、かかりつけ医、主治医、あと、産業医との密な連携に対して、より高い評価が望まれるところだと思います。
 そして最後、165ページ、食事療養の問題について触れたいと思います。前回改定で、過去およそ約30年放置されてきた食事療養費を30円プラス20円と上げていただいたところではありますが、結果としては、165ページにありますように、質が上がったというものがわずか4%しかないという現状です。食事療養費に関しましては、さらに上げていただければありがたいのですが、これだけ米の価格が高騰し、食材費が高騰し、人件費の高騰が続きますと、さらに50円上げていただいても、結局は給食委託業者が、人材不足を盾にして、医療機関側の足元を見て、さらなる委託料引上げを要望し、右から左へと費用が移っていくということにもなりかねないと思っています。
 とはいえ、医療機関側の給食部門がこのままずっと赤字の状態でいいというわけにはいかないと思いますので、どうしても財源がないというのであれば、患者負担増も含めた見直しを検討することも必要ではないかと思います。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
 リハビリテーションに関して意見を申し上げます。
 まず、131ページ、イメージ図を事務局から示していただきました。これはADLが向上するにつれて、集中的なリハビリの必要性が徐々に低下して、逆に生活機能回復のリハビリの必要が増えてくるという、この概念はかなりしっくりくるものだと思います。
 ただ、134ページに生活機能リハビリの事例が示されておりますけれども、これを見ますと生活介助の延長線のようなイメージをもってしまいますので、今日の冒頭の課題でありました看護業務のタスクシフト/シェアに通じるものがあるかもしれませんが、リハとして実施する効果を科学的に示されることが必要ではないかと思います。
 それから、急性期のリハビリに関しましては、入院直後からなるべく早くリハを開始することが大切だということは当然なのですけれども、急性期の加算についてはリハビリの開始日についての縛りがないということになっています。115ページの図に示されたとおり、多くの患者さんは入院の当初からリハビリを受けているという実態はありますので、この状況を踏まえて、リハビリにどう取り組んでいるかということを踏まえた上で、さらに進める方向性について、加算の在り方を検討していく必要があるのではないかと思います。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、秋山委員、どうぞ。
○秋山委員
 すみません。遅れて参りまして、最後に1.のタスクシフト/シェアについて1点意見を述べさせていただいてよろしいでしょうか。
○尾形分科会長
 どうぞ。
○秋山委員
 ありがとうございます。資料の冒頭にもありますように、看護師の確保状況は、令和6年度には大学の定員充足率も100%を切っておりまして、今後、一層の少子化の進展を考えますと、看護職員の確保と、また、働き続けられる環境整備の取組が喫緊の課題だと言えます。
 その上で、21ページの病棟の職員の勤務状況を見ますと、複数項目で悪化傾向のほうが改善よりもかなり上回っている状況がありますが、27ページの負担軽減の効果では、最も効果があるというところを見ると、特に看護補助者との業務分担が有効だということが分かります。
 41ページにもありますように、看護補助者の確保は大変厳しい状況にあるわけですが、令和6年度の改定で新設されました看護補助体制充実加算では、当該医療機関での3年以上の経験や、必要な能力を段階的に示して育成評価に活用するということを評価しておりまして、資料の45~46ページにもありますように、今まさに研修の実施や業務の見直しなどが図られ、看護補助者の定着のための取組が進められている段階ですので、効果が出るまでに多少時間はかかると思いますが、処遇改善と併せて、今後も着実に進めていく必要があると思います。
 また、職員の負担の中では、特に夜勤が可能な職員の確保や夜勤者の負担軽減が非常に大きな課題になっています。夜勤の働き方やシフトの在り方も多様化してきていますし、検証においては夜勤に関する項目も調査していると思いますので、参考になるデータがあれば出していただければと思います。
 加えて、生産性向上や業務負担軽減の点では、音声入力やバイタルデータの自動入力などが有効だと考えられますが、31ページにもありますように、まだまだ推進が必要な状況ですので、具体的な活用が進むための方策について検討が必要かと思います。
 最後に、全般的に、病棟においては、看護補助者や多職種との業務分担、ICTを活用した効率化、特定行為研修修了者の活用、多様な勤務形態の導入や、短時間正規雇用の看護職員の活用等、様々な取組を具体的に行わなければならない状況で、病棟間、職種間での複雑な調整や、病棟の状況に応じた解決策を具体的に実現していくことが求められています。入院患者の状況を見ても、高齢化に伴って状態が変動しやすく、注意深く対応しなければならない患者が増えていますので、こうした高度な病棟管理を行っていくための看護管理者のマネジメント機能を強化する方策についても検討を進めるべきだと考えます。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、小池委員、どうぞ。
○小池委員
 ありがとうございます。私は、入院時の食事の基準額について1点だけ触れさせていただきたいと思います。
 津留先生も触れられていたとおりではあるのですけれども、特に現状の把握方法について、165ページにあるように、もちろん、経営努力が必要とはいえ、食材の組合せを変えて対応ということになると、質への影響というものも懸念されるところでございますし、そのような状況があるとすれば、今後、医療経済実態調査のほうで給食用の材料費ですとか給食委託費が仮に把握できても、なかなか真の姿が見えなくなる可能性もあるのではないかなという点は懸念しております。例えば食材であれば、消費者物価指数であるとか食品の価格動向調査とか、それに限らずなのですけれども、様々なデータも見ながら、また、給食のコスト構造を踏まえて、食材費以外の人件費、光熱水費、委託費の動向も踏まえた実態の把握と対応についての検討を進めていただきたいと思っております。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
 ありがとうございます。私からは1点だけです。
 リハビリテーションに関して、155ページのところですけれども、ここで初回算定日が分かるようになっています。急性期のリハビリに関しては、切れ目のないリハビリということが重要なのは皆さん御存じのとおりです。その意味で、土日祝日のリハビリがちゃんと行われているのかということも把握しておく必要があると思います。
 ここでは、この14日間の中で何日間リハビリを受けたのかとか、あと、場合によっては実際にこの加算を算定している患者、算定していない患者での土日のリハビリの実施率といったデータも出していただきたいなという、これはお願いです。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 井川委員、どうぞ。
○井川委員
 ありがとうございます。
 135ページに排尿自立支援加算の算定状況が示されておりますけれども、排尿自立というものはやはり人間の尊厳に関わる部分ですので、非常に重要と考えています。このデータは調査票ではなくてNDBデータからのものですから、届出機関数が1,000程度というのは非常に算定率としては低いということになります。そういう意味で言いますと、届け出ない理由に関して詳細な検討が必要と考えます。
 次に、136ページですけれども、我々、日本慢性期医療協会が記者会見で使用したスライドが転用されています。退院前には、社会復帰を前に、社会復帰を円滑に進めるための実践的な訓練である院外リハというものは多くの患者でやはり必要であると我々は考えております。例えば歩道には排水のための傾斜が必ずありますので、院内リハで幾ら平たんな道を歩いていただいても、外へ出た瞬間に下肢の疲労感が非常に強いということは間々あるわけでございます。そういうものも鑑みて、できるだけ社会復帰をしていただこうということを考えると、1日3単位という制限というものは何のためにあるのだろうと考え、やはりこれは撤廃していただければと思います。
 138ページは、3単位を超えた院外リハを実施した症例が45%もいたことが証明されていますけれども、これはやはり患者のADLや社会復帰を願うために、個々の医療機関や療法士がボランティアであるということを認識していただきたいと思います。
 151ページにありますように、高齢者に対する早期リハが重要であることはエビデンスとしてあるわけですけれども、155ページに示されていますように、早期リハビリテーション加算等の初回算定日は、3日以内に介入できていない割合というものは38%もあります。しかも、これはDPCデータからのデータですので、実際にリハを実施されなかったデータ、患者さんというものはこの中に入ってこなくて、それがまださらに相当数いるということを考えますと、リハの実施率としてはまだまだ少ないのかなというイメージを持ちます。前々回に申し上げましたように、やはり大胆な施策が必要なのかもしれません。
 最後に、食事療養についてですけれども、嚥下調整食の話が出てきております。162ページでございますけれども、ここでは急性期病棟の約1割、包括病棟で約2割、慢性期病棟の患者の約4割が嚥下調整食の必要性があると判断されています。しかし、糖尿病食や胃潰瘍食、貧血食とか、あと、嚥下困難者のための流動食、経管栄養のための濃厚流動食などは特別食という形で特別食加算を取りますけれども、嚥下調整食の場合は、実際には治療食なのですけれども、そういう感じの算定ですし、実際は取れていないということで、そういう加算の算定要件の拡大というものも必要なのかなと思っております。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。それでは、ほかに特に御意見、御質問がなければ、本件は以上としたいと思います。
 本日用意した議題は以上でございます。
 次回の日程等について、事務局からお願いします。
○矢野医療課長補佐
 事務局でございます。本日はありがとうございました。
 次回は未定でございます。決まり次第、御連絡をいたします。
○尾形分科会長
 それでは、以上をもちまして、令和7年度第5回「診療報酬調査専門組織・入院・外来医療等の調査・評価分科会」を終了させていただきます。時間がまたオーバーしてしまいましたけれども、大変長時間にわたりまして熱心な御議論、どうもありがとうございました。