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2023年10月5日 令和5年度第9回入院・外来医療等の調査・評価分科会・議事録


 

2023-10-5 令和5年度第9回入院・外来医療等の調査・評価分科会
 
○日時:令和5年10月5日
13:00~15:00
 
○場所:東京虎ノ門グローバルスクエア コンファレンス ROOM A+B
 
○出席者
【委員】
尾形分科会長、秋山委員 猪口委員、井川委員 鳥海委員
池田委員、津留委員、武井委員、林田委員、牧野委員
山本委員、中野委員、小池委員
 
【事務局】
加藤課長補佐 他
 
○尾形分科会長
 こんにちは。それでは、ただいまより令和5年度第9回「診療報酬調査専門組織入院・外来医療等の調査・評価分科会」を開催いたします。
 本日の開催につきましては、対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。
 また、今回の会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、飯島委員、田宮委員、眞野委員が御欠席でございます。
 それでは、早速、議事に入らせていただきます。
 まずは、1つ目の議題ですが、「中医協基本問題小委員会・総会の報告結果について」につきまして、事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。
○加藤補佐
 事務局でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、入-1を御覧いただけますでしょうか。「中医協基本問題小委員会・総会への報告結果」ということで、簡単にまとめさせていただいております。委員の御発言があった部分を御報告する形にさせていただきたいと思っております。
 入院医療と外来に分けて御案内させていただきたいと思いますが、まず「入院医療について」、幾つか御指摘をいただいております。
 まず、急性期充実体制加算に関しては、構想調整会議に関して記載いただいておりましたが、この調整会議の承認自体が機能分化につながらない可能性について御指摘いただいたとともに、総合入院体制加算と急性期充実体制加算の移行に関して、地域における総合的な医療提供体制の確保に重要な総合入院体制加算に関しては、評価を引き上げる必要があるのではないかということで御指摘いただいております。
 必要度に関しまして、「注射薬剤3種類以上の管理」について、どのような薬剤がこの該当割合上昇に寄与しているのか、詳細な分析が必要なのではないかということで御指摘いただいております。
 また、75歳以上の誤嚥性肺炎や尿路感染症などに関して、急性期1の病棟で対応するのは妥当なのか、機能分化を促進するためにも、どのような制度設計があり得るのか、そういった議論が必要なのではないかということで御指摘いただいております。
 また、高齢者急性期に関しても何点か御指摘いただいておりまして、最初から受入病棟を決めるのは難しいのではないか。総合的な判断ができる救急対応病院でトリアージを行って、必要に応じて適切な医療機関への転院搬送が必要なのではないか。
 地域包括ケア病棟等における高齢者急性期に関しては、直接入棟患者への医療資源投入量が多いことを踏まえると、直接入棟と転院搬送に関しては分けて評価する必要があるのではないかといった御指摘をいただいております。
 効率性係数に関して、DPCでございますが、適切な評価ができるよう具体的な検討を進めるべき。また、複雑性係数に関しては、計算方法の見直しではなくて、退出を促すルールを考えるべきではないかということで御指摘をいただいております。
 続きまして、2ページ目に移っていただきますと、回リハに関しては、第三者機能評価の厳格化、FIMの適切な評価については何らかの対応。また、FIMの定期的な提出に関して議論を進めるべきという御指摘をいただいております。
 また、療養に関しましては、医療資源投入量に差があることを踏まえて、精緻化の方向に賛成という御意見。どのような患者を医療保険で対応すべきかという視点を含めて、具体的に検討を進めるべきという御意見もいただいております。
 また、リハや栄養に関しては、口腔管理の取組について、医療機関の歯科標榜の有無、外部の歯科医療機関との連携状況によって、どのような差があるのかという分析も加えていく必要があるのではないかという御指摘をいただいております。
 「外来医療について」でございます。
 御指摘いただいたのは、特定疾患療養管理料を算定している医療機関に関して、より多面的な観点から検討が必要なのではないか。
 2つ目は、対象疾患については、かかりつけ医機能の発揮が求められる疾患という観点からも分析すべきではないかという御指摘をいただいております。
 また、コロナ禍の影響で、生活習慣病患者に対する診療の質の観点から、どのような影響が出ているのか。長期処方なども含めて検討すべきではないかという御指摘。
 また、糖尿病の悪化等が見られているのではないかという御指摘もございました。
 5つ目でございますが、同じく特定疾患療養管理料に関しては、医療法改正による書面交付への対応、生活習慣病管理料の療養計画書の見直しについて、医療の質、患者の負担、効率性の観点からさらなる検討が必要とされております。
 また、生活習慣病の再診患者の多くに外来管理加算や特定疾患療養管理料が算定されている一方で、地域包括診療料や地域包括診療加算、生活習慣病管理料の算定は極めて実態を考えると、かかりつけ医機能をどのような診療報酬項目で評価すべきなのかということで、そういった整理が必要なのではないかという御指摘をいただいております。
 オンライン診療に関しましては、指針に沿っていない不適切な運用がなされているという指摘があったことに関して、さらなる分析を求められるような御指摘をいただきました。
 簡単ではございますが、このような形で中医協総会への報告結果について御報告させていただきました。以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして御意見、御質問等、承りたいと思います。いかがでしょうか。
 猪口委員、どうぞ。
○猪口委員
 ありがとうございます。
 中医協の御意見としても、高齢者救急がかなり増えている中で、高齢者の中に高度急性期で受け入れなければならない患者もいる。最初から受入病棟を決めるのは難しいということは、この分科会でも出ていた意見だと思います。
 さらに、2つ下の地域包括ケアで直接入棟、それから転院搬送による受入れを同様に評価するのはかなり疑問があるということで、直接入棟の医療資源投入量が多いことを指しているのかなと思いますけれども、これも分科会の意見で出ていたと思います。
 それから、2ページの外来の3つ目です。コロナ渦の影響で長期処方が増えている。その辺の実態と、それが医療機関にどのような経営的な影響が出ているかということも、これは実際に肌身で感じて、そうだなと思っていますので、少し資料があるといいかなと思いました。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。ほか、いかがでしょう。
 山本委員、どうぞ。
○山本委員
 同じく高齢者救急の部分で、真ん中より下のところで、救急対応ができる施設でトリアージを行い、必要に応じて適切な後方転送という話が出ておりまして、これはこの分科会でもそのような資料も出て、議論もされているところです。
 ただ、私、自分のところの病院を考えると、ほとんどが高齢者、2次救を受けていますけれども、各地域で救急隊とのコミュニケーションがかなりしっかり取れているので、割とその段階でマッチングができている。もちろんコロナなどで、どこも救急が破綻状態のときはまた別ですけれども、平時であればその辺のコミュニケーションがしっかり取れているので、あまりミスマッチは生じていないのではないか。割と救急隊がしっかりと適切に、そこは日頃の付き合いの中で、これはこの病院ということがしっかりやられているのではないかというのが実感です。残念ながらデータがないので、そこは本来、データを詰めるべきなのかなと思います。
 ここにあるような救急対応ができる施設は、どことは言いませんが、例えば湘南地区にある民間の法人などは、取りあえず全部受けて、自分のところの救急車で関連する2次後方病院に送るということがされていますけれども、あれが果たして本当に効率的なのかどうか。私自身、見に行きましたけれども、かなり人手もかかっていますので、あれが本当に適切かどうかというのは、ちょっと検討が必要なのではないかなと思います。もちろん地域によって違うけれども、繰り返しになりますが、消防隊と病院とのコミュニケーションがかなりしっかり取れているところが多いのではないかなという印象です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。
 牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
 ありがとうございます。牧野です。
 私は、1ページの一番下にあるDPCの効率性係数、複雑性係数のところに関してのコメントですけれども、効率性係数は適切な評価につながるように具体的な検討を進めるということは賛成です。あと、複雑性係数のほうは、計算の仕方が問題というよりも、参加してくる病院が以前とは違ってきているということが一番大きな理由ですので、参加の要件とか、それに加えて退出のルールを考えるという意見には賛成です。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございました。
 基本問題小委あるいは総会に中間取りまとめを御報告したわけですが、基本的には評価していただいたと思いますが、こういう追加的なコメント等いただいておりますので、こういったことも含めて、今後また、この場でも検討していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、次の議題に進みたいと思います。2つ目の議題でございますが、「診療報酬・指標等作業グループからの最終報告について」と、3つ目の議題でございますが、「急性期入院医療について(その4)」につきまして、事務局及び池田班長から資料の説明をお願いいたします。
○加藤補佐
 まず初めに、事務局から少し資料の御説明だけさせていただきたいと思います。入-2と入-2参考のほうで、これまで診療情報・指標等作業グループの中で御議論いただいた、主に指標についておまとめいただきましたので、前回、中間報告ということで一旦御議論いただきましたが、こうしたさらなる検討事項について、今回、この下線部のほうで追加的に検討いただいた内容をおまとめいただきました。
 ということで、池田班長から御報告いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○池田委員
 池田でございます。
 それでは、診療情報・指標等作業グループからの最終報告ということで、入-2の資料の本体と別添の資料編に基づきまして報告させていただきます。9月6日に報告させていただいた中間報告の後に、作業グループで新たに議論して追加した内容につきまして下線を引いておりますので、その部分を中心に説明させていただきます。
 まず、本体資料のP.3から追記があるとおり、中間報告以降では、主に「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度」についての検討を行いました。
 まず、A項目の個別の項目のうち、「注射薬剤3種類以上の管理」について、別添資料の24から26に分析結果を掲載しておりますが、こちらは急性期一般入院料1よりも急性期一般入院料4-6で長期間該当する傾向にありました。
 また、該当日数が長くなるにつれて、該当している薬剤が「アミノ酸・糖・電解質・ビタミン」など、静脈栄養に関するものである割合が増加する傾向にありました。
 次に、別添資料の27から30ページでは、個別項目のうち「呼吸ケア」の分析結果を掲載しております。必要度Ⅰにより「呼吸ケア」に該当する患者のうち一定程度は、必要度IIの対象となる診療行為が実施されていなかったなどの結果が見られました。
 別添資料の31から34ページは「創傷処置」についてですが、こちらも必要度Ⅰにより「創傷処置」に該当する患者のうち40%程度が、必要度IIの対象となる診療行為が実施されておらず、また「重度褥瘡処置」の実施割合は、急性期一般入院料1よりも急性期一般入院料4や5で高く、また長期間入院する患者において高いという結果でした。
 次に、抗悪性腫瘍剤の使用に関する分析結果ですが、対象となっている薬剤の中には、入院で使用する割合が低い医薬品も一定数あるという結果が得られました。
 本体資料の4ページ、そして別添資料の37から41ページは、B項目に関する追加の分析結果ですが、まず、別添資料37ページにありますように、入院初日にB得点が3点以上である割合は、急性期一般入院料1などよりも地域一般入院料などで高い傾向や、同じく別添資料の38のとおり、入院2日目以降にB得点が3点以上となる割合は、入院初日に3点以上である場合に高く、入院初日に2点以下である場合との差が大きいという傾向が見られました。
 また、別添資料の39のとおり、入院初日のB得点が高い場合に、その後、B得点が3点以上となる割合は、急性期一般入院料1よりも地域一般入院料などで高い結果でした。
 C項目についても分析を行っていますが、入院での実施率について、以前と傾向が異なる手術があることや、手術実施日から退院までの日数と全体の在院日数には差があるということなどの結果を得ております。
 また、短期滞在手術を実施した患者は、現在は必要度の評価対象外となっていますが、短期滞在手術の中には、全医療機関における入院外での実施割合と病院における入院外での実施割合との差が大きいものも認められました。
 本体資料の6ページに、これらの分析結果についての追加意見を追記しておりますので、その主なものを紹介させていただきます。
 主な意見の2つ目以降ですが、「注射薬剤3種類以上の管理」については、対象薬剤や上限日数とともに、初期を重点的に評価することについて検討すべきではないか。
 「呼吸ケア」や「創傷処置」の項目は、評価基準を必要度IIに統一すべきではないか。
 また、「創傷処置」に該当する診療行為から重度褥瘡処置の実施は削除すべきではないか。
 「抗悪性腫瘍剤の使用」等については、外来での化学療法の実施を推進する観点から、見直しを行うべきではないか。
 急性期の医療ニーズに着目した評価体系とする観点からは、7対1病棟の必要度基準においてB項目は適さないのではないか。専門的な治療処置の各項目について、重みづけを見直すことが考えられるのではないか。
 短期滞在手術を実施した患者についても、必要度の評価対象に加えるべきではないかのような意見がございました。
 以上が中間報告時点からの主な追加点となります。以上です。
○加藤補佐
 続きまして、事務局から入-3の資料の御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、3ページ目を御覧いただきますと、これまでの分科会におきましても、この必要度に関して様々御意見、御指摘をいただいたところでございます。
 1つ目のポイントでございますが、急性期一般入院料1においては、B項目以外の項目により評価を重視すべきではないかという御意見や、3つ目でございますが、ADLの改善状況に関しては、このB項目による把握が必要なため、測定は継続すべきだという御意見もいただいておりますし、すみません、飛ばしましたが、2つ目でございますが、B項目は重要ではないかという御意見もいただいております。
 一方で、2つ目の観点でございますが、急性期病棟における人員体制の在り方についても、この必要度に絡めて御意見を様々いただいておりますが、1つ目のポツでございます。要介護の高い高齢者等における急性期医療をどのような病棟で担うべきかということを検討すべきではないか。
 また、介護のための業務と看護のための業務は異なるため、介護の必要性が高い病棟においては、介護職員の活用を進めるべきではないかという御意見もいただいておりました。
 最後、病棟間の機能分化や、急性期病棟からの早期転院を推進していくに当たっては、回復期や慢性期の病棟における看護補助者の配置や連携がより重要なのではないかという御意見を幅広くいただいているわけでございます。
 こうした議論をいただいてございましたので、今回、事務局としましては、必要度がどのような形でこれまででき上がってきたのかということで、資料をまとめさせていただいております。
 4ページ目から、平成19年の7対1の入院料の施設基準に係る建議書から御説明させていただいておりますが、赤字の部分でございます。現行の7対1の入院基本料の基準を見直し、急性期等手厚い看護が必要な入院患者が多い病棟に限って届出が可能となるようなものとすることということでまとめられておりますし、5ページ目に行っていただきますと、平成20年度診療報酬改定の基本方針におきましては、この効率的な提供をするための機能分化を推進する視点や、効率化余地があると思われる領域の評価の在り方について検討するという観点から、必要度については議論が及んでいるということをおまとめさせていただいております。
 この後も様々御議論ございますが、8ページ目に飛んでいただきますと、リード文の中の1つ目の○の2行目後半からは、看護補助者の配置の評価として急性期看護補助体制加算が新設されておりまして、その際に、看護職員は看護職員でなければできない業務に専念するという観点から、こういった必要度を用いたという記載がございました。
 また、9ページ目に行っていただきますと、平成24年度の改定においては、患者像に即した適切な評価や病床の機能分化を一層推進する観点から、重症度・看護必要度の基準を満たす患者割合の引上げが行われておりますし、その下へ行っていただいて10ページ目、繰り返しではございますが、患者像に即した適切な評価や病床の機能分化を一層推進する観点から、該当患者割合の引上げが行われております。
 11ページ目に行っていただきますと、平成26年度改定を御説明していますが、こういったところでの改定が非常に参考になると思います。具体的には、1つ目のポツにございます「時間尿測定」の該当患者割合は、7対1入院基本料より15対1の入院基本料で最も高いこと。そういうことを踏まえて、時間尿の測定というものは削除されているという経過をお示ししています。そういった回答を行うに当たっては、太字下線部にございますとおり、急性期患者の特性を評価する項目へ変更していくということで改定が行われてきたということでございます。
 同様な観点で、平成28年については12ページ目で、13ページ目では、平成30年度の7対1の入院基本料が、今の急性期入院料1-7までの改定が行われた年でございますが、これに関しても、医療ニーズを反映する診療実績の指標の一つとしてという表現ぶりがなされております。
 15ページ目、16ページ目で、令和2年、令和4年度の診療報酬改定も、同様の観点から改定がなされてきたのではないかと分析しています。
 17ページ目に、その経緯をおまとめしておりますが、繰り返しになりますが、1つ目でございます。「医療機能の分化・連携を推進する」観点や、医療ニーズに着目した急性期等の手厚い患者への対応を評価する基準として用いられてきたということを記載しております。
 繰り返しになりますので、少し飛ばさせていただきますが、下から2つ目などは、B項目に関して、これまでは術後の早期離床を進めるとB項目が低く評価され、基準を満たしにくくなる場合があることから、相関性の高い項目を削除するなどの対応を行っていることを御報告したいと思います。
 こういう形で経緯をまとめさせていただきましたが、我々も必要度について今後御議論いただくに当たっては、このような経緯があったということを前提に、また御議論いただければと思っております。
 続きまして、18ページ目以降は、これまでの経緯としてまとめさせていただきましたが、今回の改定におきましては、現状、これだけ高齢化が進み、さらに75歳以上、85歳以上の患者さんが増えることを見越した上で、適切な急性期の必要度としてどうあるべきかということを御議論いただく必要があるという観点から、資料をまとめさせていただいております。
 20ページ目までが前回改定説明資料でございますし、21ページ目が現行の必要度ということ。
 そして、もう一つ重要なのが22ページ目でございますが、これまで機能分化という観点からということで、地域医療構想にも寄り添うという観点で、この必要度についても御議論いただいたところでございますが、7対1の病床、急性期一般1に関しては、特に近年、少し上昇傾向にあるということをお示しさせていただいております。
 一方で、繰り返しになりますが、24ページ目、御覧いただきますと、これから増えてくるのは65歳以上ではなく、75歳以上、85歳以上の人口だということでお示しさせていただくとともに、先ほども御議論いただきました、25、26においては、繰り返しになりますが、高齢者の救急搬送で軽症・中等症の患者さんが増加しているということでございます。
 27ページ目以降、これまで一度お示しした資料でございますが、御紹介させていただきたいと思います。特に、今後、もう一つ考えないといけない観点としては、マンパワーが不足してくるだろうということでございます。
 そういう観点で、33ページ目以降の看護職員の負担軽減策というのは、次の改定においても非常に重要な観点だと思っております。
 看護補助者に係る加算も34ページ目におまとめしていますが、前回改定においても、35ページ目にお示ししていますとおり、看護補助者の定着という観点も含めて、この看護補助体制充実加算というものを設けておりますし、そのような中で、38ページ目、現状、医療機関が直面している看護補助者の確保がしづらくなってきているという課題に対して、どのように対応していくのかということが、今後議論の中では重要な背景になってくると考えております。
 39ページ目は、今まで御議論いただいた中で、高齢者に関して必要度の該当患者割合が、5日目、そして6日目の中で大分変化が生じている。救急搬送5日間というものの影響についてお示ししていますし、40ページ目は、現行、これだけ高齢化が進んだ中においては、急性期1の平均在院日数が長い群において、B得点が3点以上という割合が多くなっていること。そして、基準2や3に該当しないが、基準1に該当するところが、これまた平均在院日数が長い群において割合が高くなっているということをお示ししています。
 41ページ目でございますが、同様に入院初日のB得点の内訳、先ほど池田班長からも御報告いただきましたが、3点以上の該当割合が地域一般のほうで高くなっているということをお示ししております。
 42ページ目は、B得点の推移ということで、急性期1、一般全体のいずれも、入院中のB得点が3点以上となる割合は、初日に3点以上である場合が非常に高く、要介護者が多いということが推測されますが、入院初日にB得点が2点以下の場合において差が大きかったということをお示ししています。
 最後、43ページ目でございますが、B得点の推移ということで、特にB得点2点あるいは3点以上だったところ、下半分でございますが、これに関して該当患者は、特に特定機能病院や急性期1において低く、それ以外のほうが高いという傾向をお示ししています。
 このような背景を踏まえて、44ページ目に論点をお示しさせていただいております。医療従事者の人材確保が今後、より困難となることが予想される一方で、高齢者の急性期医療のニーズが増大する中において、医療機関からの機能分化による効率的な医療の提供を推進する観点から、重症度、医療・看護必要度の在り方についてどのように考えるのかということで論点をお示しさせていただきました。
 説明は以上になります。よろしくお願いいたします。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、この2つの議題、一括して扱いたいと思います。ただいまの説明につきまして御意見、御質問等、承りたいと思います。
 牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
 牧野です。ありがとうございます。
 42ページ、以前から分母に退院患者を含まないものも出してほしいということでお願いしていたので、ようやく出していただけたかなと思って、ありがとうございます。結構興味深いことをこのデータが示していると思うのですけれども、左側を見ますと、一般入院料1、右は1も含む全体ということで、どちらも同じような傾向が見られるということです。
 まず、初日にB得点が1点とか2点であっても、2日目になると3点になる人が20から30%ぐらい出てきていて、それが日にちがたつごとにだんだん増えていくのですね。3点はそれ以上ないので増えないのですけれども、2点とか3点は増えていくということと。あと、0点の場合がちょっとおもしろい動きをしていて、2日目になると30%ぐらいに増えるけれども、それが6日目ぐらいまでに徐々に減ってくるという動き。恐らく、これがまさに急性期病棟の動きではないかなと思うのです。手術とか、ある一定の治療行為を行って、それによって行動に制限がかかる。それで一時的に悪くなるけれども、その後だんだん介助されるとB得点がまた下がってくるといった動きを示しているものとして、これは大変注目できると思います。
 ただ、逆にそこから先の部分ですけれども、ほとんど動きがないのですね。ということは、もともとこのB得点というのは日々の変動があるということを前提につけているはずなのですけれども、少なくとも全体を平均してしまうとそういった変動が見えなくなるということになると思います。
 もう一つの問題は、3点の割合が徐々に増えてきている。もともと入院時0点だった人、1点だった人だけを見ている、2点だった人だけを見ていても、だんだん日にちがたつに従って、入院している限りは3点になっている。ということは、多分、入院中のADLが落ちていっているということの裏づけなのかなと、私は考えたのです。ということは、入院中のADLを落とさないための取組がいかに重要かということの裏づけになるデータかなと見ました。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。
 猪口委員、どうぞ。
○猪口委員
 急性期入院料(その4)の看護必要度についてです。多くのデータから、急性期の看護必要度とは何なのだろうというような疑問が、どうも示されているように思います。それで、確かに看護における、例えば急性期入院患者さんの医療的観点から、どのような介助が必要であるか、どこまで動かしていいかという医療的な判断、これは当然あってしかるべきです。しかし、入院時から高齢者が多い場合に、要介護の方が最初から入ってきているという状態。また、骨折等で要介護の方が増えるという状態。これらは安定していて要介護の人が増えているのだということが言えると思いますので、ここはいわゆる療養上のお世話以上に、介護というものが直接的に必要なのではないかと思います。そのように考えると、B項目そのものが介護の項目ではないかと見えてきます。
 それで、昨今の看護補助者が集まらないという状況から考えても、介護職を急性期にも、ましてや慢性期の入院にもきちんと位置づけることによって、そこにしかるべき資格を持った方、またそこを目指す方に来ていただくということを、病院全体として考える時期に来ているのではないかということを強く感じました。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
 B項目関係でございますけれども、先ほど牧野委員から入院後のB3点以上の動きについて詳細に分析いただき、皆さんも納得されたと思いますが、このB項目、急性期入院の指標として用いている意義というのは、手術等が終わった患者さんを主体として、ケアの手厚さというか、量を評価することにあると思います。。41ページでは、入院初日にB3点以上の割合は、特定機能病院が最も低くて、急性期一般1-5へ向けて入院料が下がるほど高くなるということが示されていて、病床機能のイメージとは逆の順番になっているということになります。ほかのデータから見ても、このB項目、どういう位置づけとなるか、従来どおり急性期の指標として果たして妥当なのかどうかということについて改めて申し上げたいと思います。
 それで、この急性期の指標については、先ほども事務局から詳細な説明がありましたけれども、17ページにかけて詳細に経緯が示されております。これを見ますと、改定のたびごとに考え方が検討され、内容が推移しているということがよく分かります。それで、病床機能の分化とか強化という観点から、急性期の指標についてということで、改めてこの資料を見てみますと、そもそもこの指標については、根本的な検証、また議論がされるべきではないかということを考えさせられてしまうものでございます。この議論が進んだ結果、抜本的な見直しということになるのではないかということを思いつつ、今回は、まずは、令和6年度の改定についてでございます。
 先ほどの診療グループの報告にもありましたとおり、今回、急性期一般入院料1の7対1病棟につきましては、B項目は適さないのではないかという表現がありましたけれども、改めましてB項目については廃止していいのではないかということを申し上げたいと思います。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
 ありがとうございます。
 今回、急性期入院料について(その4)という形で重症度、医療・看護必要度のこれまでの経緯をおまとめいただきました。そして、44ページに課題と論点も書いていただいていますけれども、改めてこの資料を見返しまして、平成20年に改定スタート後、これを重症度、医療・看護必要度の初版、バージョン1としますと、過去18年、分科会でこの作業を繰り返してきていまして、今回はバージョン9と言っていいのか分かりませんけれどもね。
 前回改定では「心電図モニターの管理」を外し、「点滴3本」を「注射薬剤3種類」に変更して、「輸液や血液製剤の管理」の点数を変えたわけですけれども、前回もその結果というか、その変化を踏まえまして、精緻なシミュレーションを行って7対1がどれぐらい適切に変わるのかということは、データを見ながら見直し案のマル1からマル4まで示されて、たしか2022年1月26日だったと思いますけれども、公益裁定で見直し案3に決まったという前回改定の流れがあったかと思うのですね。
 今回の22ページに示されていますけれども、結局、前回改定で7対1は逆に微増という結果が出たわけですけれども、前回の改定で重症度、医療・看護必要度が変わって、医療現場はどんなふうに変わったのか。そして、7対1が結果としては微増になってしまって、変わらなかった理由は何なのか。新型コロナの影響だったのか、どこに問題点があったのかという、これまでマクロの視点での分析といいますか、そういうことがちょっとできていなかったのかなと。今回の中間まとめは最終まとめまでで十分な議論ができていなかったのかなと、振り返って、ちょっとそう思うところです。
 今後、我々が各A項目、B項目、C項目の見直しをやっていくかと思いますし、必要度1から2への促しのための要件の設定だったり、最終的には要件を満たす患者の該当割合の設定を、必要度1、2でそれぞれ何%にするのかというところで、成果として来年の改定で7対1がどれぐらい減らせるのかといった御議論が中医協でも行われると思いますけれども、7対1をどれぐらい減らしたら我が国の医療にとって適正なのかというのも、何かよく分からないまま各論の議論をしているのですけれども、それでいいのかなと、資料を見ながらそういった疑問も感じたところであります。これは意見です。
 今回お示しいただいた42ページ、43ページの資料、先ほどからB得点の御意見が出ました。これだけ見ますと、入院時B得点3点以上の患者さんは、いつまでたっても3点以上だね、手がかかる患者さんということで、急性期一般入院料1にはふさわしくないといった印象づけるような資料とも見れるのです。
 ただ、今回、退院患者も含めないデータもお示しいただきまして、例えば42ページの、長期になれば入院時2点の薄緑の線も、経過では3点以上になる患者が徐々に増えていくといった、先ほど牧野委員も御指摘されましたけれどもね。そうしますと、B項目3点以上の患者が3点以上を維持しやすい傾向というのは当然のことだと思いますけれども、これだけで急性期一般入院料1にふさわしくない指標と言えるのかというのは、私は個人的にはちょっと疑問に思います。
 43ページ目の○、2つ目の文章の記載もございますけれども、このデータを見ますと、例えばグラフの下、左側では、入院初日にはB得点2点、そしてグラフの下の右側ではB得点3点以上をお示しいただいていますけれども、急性期1と急性期2以降、ほとんど差がない。変わらないと見るべきなのかなと。当然、青線の特定機能病院に関しましては、さすがに平均在院日数の関係で、治療が終わればB得点2点でも3点でも、すぐに後方病院とかに転院されると思いますので、これだけの差が現れているのかもしれませんけれども、急性期一般1とそれ以外がほぼ一緒と見てとれるかなと思いますので、これだけでB得点3点がふさわしくない指標だということは言えないのではないかなというのが私の意見です。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、秋山委員、どうぞ。
○秋山委員
 ありがとうございます。
 先ほど牧野委員からも42ページの結果のところで御発言がありましたように、B得点が一旦上がっても下がるというところが、入院医療における看護のアウトカムだと言えます。その点では、回復期病棟では既に日常生活機能評価表が、そのような使われ方をしておりますが、急性期においても看護のアウトカムを見るという視点で、B得点はむしろ利用価値があると考えています。
 続いて、入-3の3ページの主な御指摘の2つ目の○に、「介護のための業務と看護のための業務は異なるため、介護の必要性が高い病棟においては、介護職員の活用を進めるべきではないか」と書かれております。今回御欠席の田宮委員から御指摘のあった内容かと思いますが、私の理解しているところでは、看護の専門性と介護の専門性が異なるので、それぞれの専門性が発揮できる場に適切な専門職が配置されるべきといった趣旨であったように記憶しています。
 入院医療の場というのは、24時間継続する医療ニーズが求められる場であって、そこでは医療ニーズにタイムリーに応えられる看護職が24時間、患者の状態を持続的に観察・評価して、その時々によって最適な方法を選んで療養生活援助を行っています。そのため、入院医療の場というのは、看護の専門性こそが発揮できる場であって、介護の専門性が発揮できる余地は少ないと思います。従って、入院医療の場には、介護職を配置するよりも、むしろ24時間を通して患者さんの医療・看護のニーズに対応できるだけの十分な看護師と看護補助者を配置すべきだと考えます。
 御指摘では「介護の必要性が高い病棟においては、介護職員の活用を進めるべきではないか」と書かれていますが、私はむしろ本末転倒ではないかと思います。介護の必要性が高い状態であれば、すなわち介護の必要性が看護の必要性を上回っている状態と考えるならば、もはや24時間継続的な医療ニーズが求められる状態ではないのではないかと思います。その場合は、むしろ患者を一日も早く介護の専門性が発揮される場に移すことを考えるべきだと思いますし、看護の必要性よりも介護の必要性が高ければ、もはやそこは病棟である必要はなく、在宅や介護施設等で介護の専門性に基づく生活援助を受けながら断続的に医療を受けられるようにすべきではないかと思います。
 そのためには、病院に介護職を配置するのではなく、逆に、在宅や介護施設等に特定行為研修修了者をはじめ、高度な医療ニーズにも対応できる看護職を手厚く配置していくことを考えるべきだと思います。そうすることで、在宅や介護施設等からの無駄な救急搬送を減らすこともできますし、在宅・介護施設等で適切な感染管理や生活リハビリの推進、あるいは穏やかな看取りといったものが実現できると思います。
 私自身も大学病院と老人保健施設の両方で看護師として勤務した経験がありますので、看護の専門性も介護の専門性も共に理解しております。以前、回復期リハのところで身体抑制の議論がございましたが、認知症高齢者のリハビリを身体抑制してまで回復期病棟で行うくらいであれば、むしろ老健でゆっくりと生活リハを進めたほうが効果的だと思いますし、よほど人間的だと思います。どこでリハビリを続けるのか、あるいはどこで療養を続けるのか、病院が適しているのか介護施設が適しているのか、その高齢者の状態に応じて療養の場をトリアージすることのほうが重要で、そうした退院先の適切なトリアージができるところに高い評価を与えるべきだと思います。
 以前にも申し上げましたが、そもそも要介護度の高い高齢者、重度の認知症の高齢者に、一体どこまで濃厚な急性期治療が必要なのかという入口の議論、入院決定する前の外来での適切なトリアージが重要ではないかと思います。高齢者の命は、ただ長く生かされる命ではなく、豊かに生き切る命だと思います。お元気な方であれば、100歳だろうとカテーテル治療で豊かに生き切ることもできるかもしれません。一方で、寝たきりのまま、誤嚥するからといって食べたいものも食べさせずに、ただただ生かされる人生というのは、一体誰が求めている、誰のための人生なのかと考えさせられます。
 急性期医療の入口・出口の議論をしっかり行うことと、重症度、医療・看護必要度については、看護の専門性と介護の専門性を明確に区別した上で、24時間の継続的な医療ニーズに応えられる看護の必要度に特化した評価票として、すなわち、要介護度とは異なる評価票としてブラッシュアップしていく必要があると考えます。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、小池委員、どうぞ。
○小池委員
 ありがとうございます。
 入-2の6ページ、入-3の特にB項目に関して、意見を述べさせていただければと思います。急性期病床は急性期医療を主に担うべきという考えは適切な方向と考えます。これまでの一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に関する経緯、大変詳細にお示しいただきました。B項目は急性期の医療の必要度を測定する上で適切な指標ではないということになれば、B項目を必要度該当基準に用いないという考え方には妥当性があるのではないかなと考えております。
 ただ、高齢救急の問題とかADLの低い方の急性期をどこで診るのか、またもし急性期病棟から転倒・転院するとすれば、誰がどこで診るのかということの検討は引き続き大切と考えます。急性期の対応のために医療や看護の資源が集中的に配置されている急性期病床から、初期対応を終参考資料の19ページの位置づけなどを見ておりますと、地域包括ケア病棟とともに、地域一般病床が果たす役割もあるのかと考えております。
 ただ、その場合も、受け入れる側の医療機関にとって、医療・看護、さらに介護が必要な患者への対応のための人的資源の投入が可能となるよう、、類型化、評価ということを考えていく必要があるのではないかと考えております。
 以上です。ありがとうございました。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、林田委員、どうぞ。
○林田委員
 ありがとうございます。
 私のほうから、細かいのですが、先ほど牧野委員から発言があったデータの見方に関して、少し気になることがありましたので、させていただきたいと思います。
 私の勘違い、聞き間違いなのかもしれませんけれども、42ページのスライドの中で、入院初日にB得点が2点だった患者さんに関して、ADLがもしかしたら悪化しているのかもしれないといった御発言があったように思います。。これは恐らく左下のグラフを見ながら、割合が増えていっていることを御覧になっての御発言だったと思ったのですけれども、恐らくADLが悪くなったというよりも、ADLがよくなった人が退院されたことで、悪い人だけが残っているという理解のほうが正しいのかなと思いました。左上のグラフでは、退院患者も含むと下がっていますので、恐らく2点だった人が悪くなって割合が高くなっているということではないのではと思います。
 もちろん、御発言の中でそれを踏まえてADLの悪化というのをぜひ防ぐべきだという御発言がありましたので、私もそれに関しては同じ意見です。ただ、データの見方に関して、私のほうの勘違いかもしれませんが、そういうふうな御発言があったような気がしましたので、コメントさせていただきました。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございます。
 それでは、井川委員、どうぞ。
○井川委員
 ありがとうございます。
 私も急性期病棟の入院体制の在り方に関する点で少し述べさせていただきます。介護に関して言いますと、今、高齢者がどんどん増えている。入院してこられる患者さんそのものの介護度が少しずつ上がっているという観点からいいますと、介護をするということと看護をするということをある程度分けて考えるべきだろう私は考えています。
 例えば同じ患者さんの体位交換をするにしても、看護師さん2人でされるよりも介護士と看護師とお二人ですれば、残りの看護師さんたちは効率的な看護の仕事がしっかりできるわけですから、そういうふうな観点からいいますと、そういうふうな使われ方、使い方というものをしっかりしていく。50対1とか75対1ではなくて、25対1程度の看護補助者の配置を加えて、そういうことをしっかりしていけば、看護師は看護師の仕事がかなりできるのではないかなと1つ考えています。
 もう一点ですけれども、これは先ほど秋山委員が少し述べられた点に関して、私からのコメントであります。秋山委員がおっしゃったのは、回リハで例えば拘束までしてリハビリテーションするぐらいであれば、施設等でゆっくりとリハビリテーションをやったほうがいいのではないかという御意見をいただいたのですけれども、私が考えるのは、例えば回リハにおける拘束というのを考えなければならない1つの大きな問題は、それが非可逆性といいますか、リバーシブルかどうかであろうかと思います。例えば回リハに来られる方々というのは、急性期で非常にタイトな治療を受けられた後、移ってこられますので、せん妄ということが非常にあります。
 そういう方に関して言えば、回リハで多少拘束があったとしても、短期間でリハビリをしてあげるほうがはるかにADLが上がる。その上で在宅復帰を目指せるということになるのですけれども、その方々を施設のほうに移行させることになると、そこから例えば歩行訓練まで行けるかということになるとなかなか厳しい。そうすると、寝たきり患者が増えてくるということの逆行性といいますか、悪影響を及ぼす可能性がありますので、私は、一定、そこの部分は考えておく必要があると思っています。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。ほかはいかがでしょう。
 猪口委員、どうぞ
○猪口委員
 ありがとうございます。
 先ほどちょっと抜けてしまったのですけれども、この急性期の資料の27ページと28ページのポンチ絵について意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、27ページは、今回、議論になっている、重症患者を受け入れた後、早期に後方連携で転院させるということを示しているので、まさにこのとおりだろうと思っております。今回、こういうような形がつくられることが望ましいなと思って見ておりました。
 続いて、28ページのほうですが、これは自宅とか高齢者施設からの救急入院を、この3つ並べてどこで受けるのですかというように見えるのですが、8次医療計画の中に、高齢者救急等の救急患者については、2次医療機関を中心にということが書かれていると思います。今回のここでの議論は、地ケアをある程度手厚く、そして受けられる体制をつくるということが可能なのではないかというお話が出ていると思いますので、それも1つの考え方だと思います。
 また、3次救急については、8次医療計画でも高度な救急に専念するということが書かれておりますので、これもこのとおりでよいだろうと思いました。
 特に、高齢者救急というのは初期の的確な診断が必要であり、それから受傷前からの身体状態を的確に判断することも非常に重要になりますので、それらに応じて初期の入院施設、もしくは診断をする施設を選ぶことが重要なのだろうと思いながら、この図を見ておりました。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、山本委員、どうぞ。
○山本委員
 最初にこの重症度、医療・看護必要度が導入されたとき、何だ、これはと思ったのです。何でもあり、みんな突っ込まれて、ごった煮みたいだなと。もうちょっとすっきり、重症度は重症度でちゃんと切り分けられないのか。たしかそういう議論も病院団体の中でもされたこともあったように記憶して。ただ、今、実際の現場を見ると、これでいいのだなと思います。なぜかというと、そこに入院している患者にどれだけの手間、つまり人的資源をどれだけ投入しないと、その患者を退院まで持っていけないか、そこをまさに評価しているということです。
 ですから、例えばさっきありましたB得点が急性期1にふさわしくないのではないかという議論というのは、実際にそういう患者さんが入って、そういう治療を急性期一般1の治療を受けている以上、それだけの人的資源を投入しない限り、退院まで持っていけないわけですから、ここは今のやり方で全然問題はないのではないかなとむしろ思います。
 では、何で高齢者がそれだけ急性期1の治療を受けているかというのは、もちろん全体の高齢者のボリュームが増えていることもありますが、一方で、医療技術の進歩によって、どんどん低侵襲化が進んでいる。かつてだったら、80代、90代の患者さんにやらなかったような手技が、外科的処置もそうだし、カテーテル処置もそうですけれども、どんどん低侵襲化が進んで、かなり高齢な人にも安心して安全にできるようになってきた。だからこそ、こういう急性期に高齢の患者さんが入ってきているというところも見逃してはいけないのだと思います。
 そうなったときに、病棟の看護師さんがもつのですかという話で、確かにそれで看護補助者の充実が図られてきた。ただ、この前も分科会で私、申し上げましたが、現場はこの仕組み、もう破綻していますので、ここは次の仕組みを考えていかないと現場はもたない。もちろん、理屈の上では看護と介護は違うのだ、そこは分かりますが、現場はそれでは回っていないのだというところもしっかり直視すべきではないかなと思います。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、いろいろ御意見頂戴しましたので、事務局からコメントをお願いいたします。
○加藤補佐
 事務局でございます。
 様々御議論いただき、ありがとうございました。指標にとどまらず、幅広く急性期医療の在り方について、非常に貴重な御意見をいただいたと思っております。いただいた御意見と事務局としてのコメントを簡単にさせていただきたいと思っております。
 まず、牧野委員からB項目に対して、その解釈について御意見いただきました。入院中にADLを落とさないことが重要だということで御指摘いただきました。また、このデータの見方に関して、我々も非常に様々な解釈の仕方があると思っておりますが、林田委員が御指摘いただいたように、退院患者を含まないということになってきますと、退院患者がどんどん回復して出ていった上で、なお残っている患者さんの中での割合だということに関しては、そういった解釈で注視していかないといけないということであるかと思っておりますので、そういった点に留意しながら解釈していきたいと思っております。
 また、猪口委員からは、このB項目自体は介護の負担を表している、介護の項目なのだという御意見をいただいております。また、2回目の御発言では、転院搬送に関して、早期に転院搬送していくシステムが望ましいのではないか。8次医療計画においても、この高齢者急性期救急に関して、2次救急が受け入れることが前提となっていることを御紹介いただきましたし、中医協の中でも、今後、この救急に関して議論する際には、現状、28ページでは医療計画を引用して使用しておりますけれども、こういった御意見も踏まえた上で御議論いただくよう事務局としても取り組んでいきたいと思っております。
 中野委員からは、B項目に関する解釈について、手術後の回復を見るためのものなのではないかということをお示ししていただいた一方で、こういったところに関しては、中長期的に根本的な検討、抜本的な見直しが必要なのではないかということとともに、短期的には、次の改定においては、この急性期7対1のB項目は廃止すべきではないかという御指摘をいただきました。
 また、津留委員からは、指標を用いたシミュレーションについて、マクロの観点の評価が必要なのではないかということと、本来議論するに当たっては、7対1をどの程度減らす必要があるのかという観点に立って議論が必要なのではないかということで、前回も御指摘いただきましたが、議論するに当たっての難しさ、また再度御指摘いただいたと思っておりますが、そういった視点も今後取り入れながら、分科会、中医協総会においては議論していく必要性というのを改めて実感したわけでございます。御指摘ありがとうございます。
 また、秋山委員からは、このB項目に関して、アウトカムを見るという意味では非常に重要なのではないか。そして、看護・介護の専門性が異なるのではないかということで御指摘いただきました。また、介護の必要性が高いのであれば、早期に病院から介護施設のほうへ退院・転院することが必要であって、介護施設にはそういった専門性の高い特定行為研修修了看護ナースの配置などが有効なのではないかということ。そして、そういう適切なトリアージを行える医療機関を評価すべきという御指摘をいただいたと認識しています。要介護度とは異なる看護の必要度としての指標を、今後ブラッシュアップしてつくっていく必要があるのではないかというような御指摘をいただきました。
 また、小池委員からは、今回のこの見直しにおいては、B項目を外すのは妥当なのではないかという御指摘。そして、どういったところが受け入れるのかということで、地ケアに限らず、地域一般等もその対象になるのではないかということで御指摘をいただいたと思っております。
 また、井川委員からは、看護と介護は分けて考えるべきだろうということ。そして、介護福祉士の配置の必要性について御指摘いただいたとともに、回リハのリハビリの意義についても改めて御指摘いただきました。介護施設におけるリハと回リハにおけるリハの異なる点、リバーシブルなものに対するリハビリテーションの意義について御指摘いただいたと思っております。
 最後、山本委員からは、B項目も急性期の人的資源の投入を評価するに当たっては有効なのではないかということで御指摘いただいたとともに、低侵襲化が進んでいる中での必要度の在り方について御指摘いただいたということと。最後、非常に重要な御指摘だったと思っておりますけれども、現行の看護補助者における仕組みについては破綻していて、現場においては介護福祉士が必要だという現状になっていて、そういったシステムを早期に考えるべきではないかということで、非常に重要な御指摘をいただいたと思っております。
 こういったこれまでの御指摘を踏まえて、事務局としてはまた取り組んでいきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。御指摘ありがとうございました。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ただいまの事務局のコメント、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、次の議題に進みたいと思います。4つ目の議題でございますが、「DPC/PDPS等作業グループからの最終報告について」につきまして、これも事務局及び山本班長より、まず資料の説明をお願いいたします。
○加藤補佐
 事務局でございます。
 まず、資料だけ簡単に御説明します。入-4と入-4参考におきまして、DPC/PDPS等作業グループから最終報告ということで資料をまとめさせていただいております。こちらは、先ほどの指標と同様に、中間報告から新たに加わっているところに関しては下線を引いてお示しさせていただいております。これまで御議論いただいたところをまとめていただいておりますので、山本班長から御説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○山本委員
 入-4が最終報告でございます。それから、資料は入-4参考を御覧ください。
 入-4ですが、中間まとめから変わった部分について下線が引いてあります。
 まず、2ページ目の上から5つ目の○のところですが、保険診療係数についてです。この保険診療係数において評価を行っている「部位不明・詳細不明コード」について精査した結果、一部のコードについては「臨床的に付与せざるを得ない場合が多い」、やむを得ないということで、これは「部位不明・詳細不明コード」の計算対象から除外すべきではないかという指摘があったところでございます。
 続いて、3ページ目の一番上の○は、効率性係数・複雑性係数に関するところです。追加の検討内容でありますが、効率性係数については、診療対象とする診断群分類の種類数や構成によらず在院日数短縮の努力を評価するのであれば、各医療機関の平均在院日数と、各医療機関の症例構成による補正を行った全国の平均在院日数の相対値を取る手法に変更することが望ましいのではないかというような指摘がございました。この具体的なモデルケースについては、入-4参考の51ページと52ページに載ってございますので、こちらは御参照いただきたいと思います。
 それから、複雑性係数については、その下の○でありますけれども、1日当たりの医療資源投入量の観点での評価のほうが急性期入院医療の評価としては妥当ではないか。
 それから、「1日当たり」での評価の場合、短期での入院に該当する一部の診断群分類については適切な評価とはならないのではないかということ。
 それから、「1入院当たり」での現行の評価手法は入院医療の労力の評価という観点では妥当性があり、急性期入院医療の評価という観点から、むしろ評価の対象とする医療機関の基準自体を検討すべきではないかという指摘がありました。
 次に、入-4の4ページです。地域医療係数については、一番上の○でありますけれども、令和4年度改定で新設した感染症の項目について、第8次医療計画の内容を踏まえると、令和6年度の改定以降、新型コロナウイルス感染症対応への評価から、入院医療に係る協定締結の評価へと移行していくことが考えられるのではないかというような指摘がありました。
 また、急性期医療を取り巻く環境の変化も踏まえ、新たに評価を行い得る内容について検討を行っておりますが、それは4ページの真ん中から下の辺りですね。例えば脳死下臓器提供の実施、多職種協働による医療の提供、医師少数地域への医師派遣機能、外国人患者の受け入れ体制。そして最後に、医療の質向上に向けた取組というところで挙げられた意見をまとめてございます。それぞれについて意見がいろいろあったというところでございます。
 それから、次が6ページ目、ここはDPC病院の要件というところでありますが、データ数の少ないDPC対象病院においては、複雑性係数の値が高くなって診療密度が低い傾向にあったという点を踏まえて、特にこのデータ数が少ないDPC対象病院については、医療機関別係数を含め、適切な包括評価となっていない現状がありますし、それから、DPCの目的である急性期医療の標準化という観点からも制度にはなじまないのではないかという指摘。
 また、診療密度が低い点については、他のDPC対象病院に対する包括評価にも影響することから、何らかの対応が必要ではないか。
 また、複雑性係数に係る検討内容も踏まえると、データ数に係る一定の基準をDPC対象病院の要件として設定することも考えていいのではないかということが指摘されているところであります。
 また、保険診療係数の検討内容を踏まえて、保険診療係数において評価を行っている「適切なDPCデータの作成」に係る3つの基準については、DPC対象病院の要件として位置づけることが望ましいのではないかという指摘があったところでございます。
 次に、7ページに移っていただいて、「算定ルールに係る検討について」というところでありますが、3つ目の○です。参考の103から105ページに幾つかグラフが載っています。
 104ページ、点数設定方式Aで設定される診断群分類の中で、入院期間Ⅰにおいて医療資源投入量が設定点数を大きく上回る診断群分類については、在院日数ごとの設定点数と実績の関係を踏まえると、点数設定方式Bを適用することで、実態に見合った評価が可能になるのではないかという指摘がありました。
 また、標準化が進んでいると考えられる診断群分類についての評価を検討したところ、107ページのグラフにございますように、現行の点数設定方式は、基本的に医療資源投入のパターンに沿った評価となっており、早期退院させた場合への評価として十分ではないのではないかということであります。
 次、108ページにありますが、これは入院初期を重点的に評価する点数設定方式で、D方式でありますけれども、一定の入院期間が見込まれる分類について、入院初日に高い評価をすることはなじまない可能性があるのではないか。
 また、入院期間Ⅰで入院基本料を除く包括評価を行うことで、粗診粗療に対する高い評価を避けつつ、なおかつ入院期間IIより早期に退院することを一定程度評価できるのではないかということです。
 そして、在院日数が不要に延びないような評価方法は重要でありますけれども、この場合に対象とする分類については、同質性の高い分類に限るなど条件をしっかり設定して、この臨床的な観点も踏まえて慎重に検討する必要があると考えたところでございます。
 最後に「3.診断群分類に係る検討について」の8ページの一番下のところでありますけれども、診断群分類の見直し作業については、現在も複数班で検討作業が実施されておりまして、医療資源の同等性あるいは臨床的類似性の観点から、ICDコードと傷病名の対応関係の見直しや手術、手術・処置等の見直し等の対応を検討されているということでございますので、具体的な検討例については、参考の129、130ページにあるところでございます。
 DPC/PDPS等作業グループからの報告は以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして御意見、御質問等、承りたいと思います。いかがでしょうか。
 池田委員、どうぞ。
○池田委員
 池田でございます。
 こちらの御報告の中での複雑性係数につきましては、一般的に考えて複雑とは考えられないような疾患群に対して、あるいはそういう疾患を大半見ているような医療機関の評価には適さないような状況に今、なっていまして、当初、DPCの制度は急性期入院料の評価という観点から、この複雑性係数が入ったわけですが、そういった点数設定、係数になじまないような病院が一部、DPC対象病院となっているところに非常に問題があると認識しているところでございます。評価の対象とする入院医療機関の基準、例えば診療対象とする診断群分類の種類が非常に少ない病院については、この制度からの退出ということも含めまして検討すべきと考えます。
 また、もう一点でございますが、医療の質の向上に向けた取組ということで5ページに記載がございますけれども、DPCデータを用いた臨床指標、いわゆるプロセスの指標、アウトカムの指標といったものは、今、様々な病院あるいは病院団体等で取組がされておりまして、それに基づいた医療の質の改善あるいは効率化のいろいろな活動も非常に積極的に行われていると認識しております。今回、医療の質向上のための体制整備事業で使われている9指標の指標の算出や公表を評価することは、非常に意味のあることだと思いますし、今後はこれ以外にも様々なDPCを用いた質の指標というのは開発されておりますので、将来的には様々な質改善に用いられるような指標を活用している病院は高く評価すべきと考えております。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、小池委員、どうぞ。
○小池委員
 ありがとうございます。
 非常に丁寧な議論がなされていることが分かりまして、本当に感謝しております。
 私からは1点、入-4の5ページ、あるいは入-4参考の74ページの大学病院の医師派遣機能に関してです。地域医療の支援機能ということも大学病院の大切な役割になってくる中、働き方改革に向けた取組の中で、大学病院に勤務する医師の勤務時間の長さがかねて指摘されております。勤務時間は兼業先と通算されることになりますので、勤務時間を短くするために、例えば兼業先の派遣機能が減ることがないことが必要とありまして、今回、この問題を取り上げていただけたこと、非常に意義深いものと考えております。
 特定機能病院は、以前、ほぼ大学病院でしたけれども、徐々に大学病院以外の特定機能病院も増えておりますし、また今後、様々な役割を有する大学病院の分院の役割ということも考えていかなければならない中、大学病院が果たす機能の議論というものがさらに進むということに期待しております。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、林田委員、どうぞ。
○林田委員     
 ありがとうございます。
 5ページ目の医療の質向上に向けた取組の件です。先ほど池田委員からもお話があったように、こういう取組をやっているところを高く評価するというのは非常にいい方向性なのかなと思います。ただ、指標の一覧の算出元のところを見ますと、サーベイランスあるいはDPC、レセプトという形でデータソースが分かれていますので、今後このような指標を算出するというふうになるようであれば、DPCの項目等に入れるとか、そういうふうなことも考えていくというのも方向性としてあっていいのかなと考えておりますし。
 また、項目の中では、恐らく先ほどの指標等グループのほうでも出ていましたけれども、算定の対象とならないような項目等、EFファイルにデータ入力されないものもございますので、そういうふうなものに関しては、先ほどの看護必要度のところでも算定の対象とならないか、必要度IIの該当対象となる診療行為についてもEFファイル等に入力することとしてはどうかという話があったように、算定はされないけれども、項目としては0点として書き出す、入力するという方向性もあってもいいのかなと考えております。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。
 猪口委員、どうぞ。
○猪口委員
 ありがとうございます。
 私も、このDPCの対象というのは、急性期の病棟という考え方がいいと思います。ですので、データ数が少ない場合にその基準をある程度設けて、さらに退出ルールというものも多分必要になるので、これを設けることに賛成したいと思います。
 また、これも関係すると思うのですが、DPC病棟の中に地ケアの病室がある、もしくは地ケアの病棟の中の一部がDPCということも散見されます。その場合に、DPCに入れて地ケアに移っても、DPCのIIまではDPCの算定というルールになっていると思います。先ほどから地ケアのことが語られていますが、地ケアに入棟したら地ケアに応じた点数というのが、正しい方向だと思います。引き継ぐルールというのは、DPCをかえって見えなくしてしまっていると思いますので、ルールを見直して適正なものにすべきではないかと思っております。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
 牧野です。ありがとうございます。
 102ページのことでちょっとコメントしたいのですが、平成22年と平成4年の違いを書いているのですけれども、約10年の間で日本のDPC病院の医療の在り方が大きく変わっているということを示していると思うのですね。入院医療において行うことを一生懸命前倒ししている。そして、入院期間Ⅰの中で多くの医療行為を行うというふうにどの病院も変わってきているのだろうと思います。ですから、以前であれば、例えば22年は入院期間Ⅰの間で1.12倍が平均だったのが、今は1.19倍が平均になっているということで、これだけ大きく動いているのであれば、それに合った点数設定方式に移行しないと各病院の努力が報われないなという気がします。
 ですので、やり方としてはいろいろあると思うのですけれども、B方式を増やすとか、先ほど山本先生が示された幾つかのやり方も含めて、ぜひとも今回の改定で変えていただきたいなと思います。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、事務局からコメントをお願いします。
○加藤補佐
 事務局でございます。
 非常に貴重な御意見、ありがとうございました。簡単ではございますが、事務局からコメントさせていただきたいと思います。
 まず、池田委員から複雑性係数について御指摘いただいております。評価するに当たり、なじまないような疾患に関して、あるいは病棟・病院に対して、計算方法で対応するのではなくて、退出するということの検討が妥当なのではないかという御指摘をいただいたとともに、地域医療係数の中での質の評価に関わる項目に関しては、9項目に限らない評価が本来は妥当でありつつ、こういったところに関しては、今後様々な指標の活用について検討が必要なのではないかということで御指摘いただきました。これまでも検討されておりましたが、具体的に9項目ということで御議論いただいたのは今回初めてでございますので、まず、実現可能性等も含めながら、よりよい評価の在り方については、今後、引き続き議論させていただきたいと思っております。ありがとうございます。
 また、小池委員からは、大学病院を中心とした医師の派遣機能に関して、働き方改革の観点からも非常に重要ではないかということ。兼業を多く行っている大学病院の機能の評価という観点で、その重要性について御指摘いただきました。次の改定は、まさしく上限規制が適用されるタイミングでもございますので、そういった観点からも御指摘を踏まえて検討してまいりたいと思っております。
 林田委員からは、DPCのこの項目に、先ほどの質の評価の観点から、見るべき項目については入れてはどうかということで御提案いただいたと思っております。指標に関して、算定とならない診療行為をEFファイルにという御発言もございましたが、これに関しても検討するとともに、現場での負担感がどのようなものであるのかというところも、我々、十分に把握しながら、慎重にこの点に関しては検討させていただきたいと思っております。
 また、猪口委員からは、先ほどもございました複雑性係数に絡めたデータ数の少ない医療機関、DPC病院において、退出ルールを設けるのは妥当だ、賛成だということで御指摘いただいております。また、地ケアとDPCの関係性について、これまでも議論などもなされてございますが、改めてここで検討が必要なのではないかと御指摘いただきました。ありがとうございます。
 最後、牧野委員からは、102ページ目を用いまして、平成22年と現行のR4のこれだけの診療密度の分布の差ということを踏まえると、点数設定方式の何らかの変更が必要なのではないか、妥当な評価をするに当たっては、この見直しが必要なのではないかと御指摘いただいたと認識しております。こうした指摘、非常に重要だと思っておりますので、事務局としても、御指摘を踏まえて具体的にどのような方式があり得るのか、検討を続けたいと思っております。御指摘ありがとうございました。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ただいまの事務局のコメント、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、先に進みたいと思います。5つ目の議題、最後の議題でございますが、「令和5年度調査結果(速報)概要」につきまして、これも事務局から資料の説明をお願いいたします。
○加藤補佐
 それでは、入-5を御覧いただけますでしょうか。令和5年度の入・外調査の結果の速報ということで御報告させていただきたいと思っております。
 2ページ目、3ページ目で今回の調査の概要をお示ししておりますが、4ページ目に回収状況をお示ししています。令和5年度に関しましては、令和3年度に比べて回収率、若干低くなってございますが、こちらは今回のコロナの特例の見直しに当たって、5ページ目にあります項目で御覧いただきますと、(5)新興感染症にも対応できる医療提供体制の構築に向けた評価等について(その2)ということで、こちらのデータを中医協総会のほうでも活用させていただきました。こちらを夏に活用することが決まっておりましたので、今回の回収に当たっては締切りを若干早くするという形で対応させていただいていたことが、一定程度影響してしまっているのではないかと事務局としては受け止めておりますので、その点を踏まえて受け止めていただければと思っております。
 5ページ目、御覧いただきますと調査項目ということで、オレンジ色がかかっているところが令和5年度の項目でございますが、(1)から(8)までございます。前回の分科会で、既に(6)働き方改革と(8)医療資源の少ない地域については御議論いただいたこと。そして、今、申し上げましたように、(5)新興感染症に関しては、総会のほうで用いさせていただいたということで、それを踏まえた御説明をさせていただければと思っております。
 6ページ目から調査の概要ということで、前回も調査項目を決めていただく際にお示ししたものでございますので、割愛させていただきたいと思います。
 14ページ目からが「共通項目」で、平均在院日数と病床利用率、調査票がまたがった部分に関しては最初にお示しさせていただいてございます。
 15ページ目からが一般病棟に関してです。
 16ページ目、平均在院日数や病床利用率。
 17ページ目、在宅復帰率。
 18ページ目に、必要度Ⅰ・IIの届出状況ということでお示ししています。
 19ページ目は、看護必要度における該当患者割合でございます。こちら、令和4年度でも取ってございましたが、同様の傾向で、令和5年1月から3月においても、改定前に比べると、該当患者割合についてはおおむね低くなっているという結果が示されております。
 20ページ目、救急医療に関してでございます。これまでも御議論いただいたような下り搬送等を念頭に置いた設問項目になってございますが、御覧いただきたいと思っているのが、救急救命センターにおいては、入院料、何を取っているかということでお示ししているとともに、21ページ目、御覧いただきますと、急性期1の高度救命センターや特定機能病院において救急受入件数が非常に高くなっているということでございます。急性期1の高度救命センターにおいては、平均6000前後ということで、台数としてはかなり多くなっているということでございます。
 22ページ目は、救急搬送をより受け入れるために必要な体制ということで、看護職員や医師の体制強化が挙がっているとともに、23ページ目に移っていただきますと、転院搬送の実施状況ということで、先ほども件数が多いと申し上げました急性期1の救命センターや特定機能病院において、その病院に入院する必要はない、高度急性期以外のところで対応可能ということで搬送されていたケースがあることが、こちらのグラフとしてお示ししているところでございます。
 一方、その転院患者の受入状況ということで、24ページ目、御覧いただきますと、逆に急性期の1から2-3も含めて一定程度あるということと、地域一般や地ケアにおいても一定程度あるということでお示ししています。
 25ページ目、その転院搬送を受け入れるために必要な体制ということで、こちらもお示ししていますが、同様に医師・看護職員の体制が必要だということが結果として上がってきています。
 26ページから急性期充実体制加算の要件をお示しさせていただいておりまして、27がその届出状況でございます。また、総合入院体制加算からの移行について、これまでも御議論いただきましたが、28ページ目、御覧いただきますと、総合入院体制加算からの移行に伴って、診療科を減らした、入院医療の提供状況において、精神科においては34から32施設ということで、減少傾向にあることをお示ししています。
 29ページ目、300床未満についてもこれまで御議論いただきましたが、こちらはこれまでも示してきた、それぞれの300床未満の急性期充実体制加算を届け出ている医療機関が、ほかにも同じ二次医療圏で届け出ている機関があるということをお示しした資料です。
 それに対して、30ページ目、そうした300床未満で届け出ている医療機関に関する実績を御覧いただいております。右側を御覧いただくと分かりますとおり、実績は一定程度差があるということでございまして、31ページ目、個別に見ていただきますと、左側で御覧いただけますとおり、300床未満の基準に該当しているものの、それ以上の一般の基準は満たしていないところが一定程度ございまして、300床以上の医療機関に適用される施設基準のみで見た場合は、3・4はクリアしているものの、それ以外はクリアしていないという結果をお示ししています。
 32、33は、総合入院体制加算の現状をお示ししています。
 34ページ目からは、ICU等における状況でございまして、35ページ目に届出病床数、平均在院日数をお示しするとともに、必要度に関する届出状況を36ページ目。
 37ページ目に、該当患者割合ということで、これまで御議論いただいていた状況とそれほど大きく差はないと思っております。
 38ページ目、治療室における医師の業務ということで、1から4までお示ししていますが、それぞれの分布について御覧いただいたとおりでございます。
 また、40ページ目は、専門性の高い看護師の配置状況。ICU、HCU、共にこのような状況ということでございます。
 41ページ目は、重症患者対応体制強化加算、前回新設項目でございますが、左上にございますとおり、届出状況としては、急性期充実体制加算の算定が前提になっておりますが、現状、データでは16施設ということで、その困難な理由等に関してお示ししております。
 42ページ目以降、地ケアと回リハに関連したデータでございますが、43ページ目、これまで同時改定という観点から、介護保険施設との連携について伺っています。43、44を御覧いただきますと、対象施設ごとにおいて、介護保険施設との連携に係る項目、電話等における相談体制や、往診あるいはオンライン診療、それぞれどれぐらい実施しているのか、実施体制はあるのかということでお聞きしています。多くは電話における対応を行っていて、一定程度、往診を行っているところもあるという傾向が出てきております。一方、オンライン診療での対応は、割合としては少ないといったこと。
 45ページ目、介護保険施設との連携体制の構築ということで、かなりばらつきがございますが、21施設以上の施設と取り決めを行っているという割合が一定程度高いところが、地ケア、在支病あるいは後方支援病院で一定程度あるということ。
 そして、46ページ目、中を見てみますと、同一法人内・関係法人内における介護保険施設との取り決めを行っているという施設も、病院ごとによる差はそれほどないように見えますが、一定程度あるということでございます。
 47ページ目から回リハ、こちらはFIMの測定に関する取組状況でございます。
 48は、外来に対するリハビリテーション。
 そして、49ページ目は、自院の回リハから退院した患者に対するリハビリテーションをお示ししています。
 50ページ目は、退院前の訪問指導と退院後のリハビリテーションの関係性についてお示ししています。
 51ページ目は、これまでも御議論いただいたような地域貢献活動にどの程度参加しているのかということでお示ししていることと、52ページ目は、心リハ、前回の改定で対応した心大血管リハビリテーションに関して、入院した患者さんが受けているリハビリテーションの場所についてお示ししているところでございます。
 54ページ目は、療養に関してです。療養、現行では、本年度の3月をもって経過措置に関しては期限が切れるということでございますので、その状況について確認しています。右側にその基準を満たせないものは何なのかということで分布をお示ししていますが、併せて55ページ目にお示ししていますのは、こちらは入・外調査ではございませんが、今、医政局が各都道府県と連携して行っている調査においては、この枠囲みの中の結果を御覧いただきますと、経過措置の対象になっているが、対応方針が未定の医療機関が2施設、厚労省が把握できていない医療機関に関しては1施設となっております。合わせて3施設ですが、全て診療所という結果になっております。
 56ページ目、医療区分2・3の該当割合ということで、御覧いただいているとおりになります。
 57ページ目、新興感染症に対応できる医療提供体制ということで、58ページ目が新型コロナに関する受入状況。
 59ページ目は、今回、個室料という観点で、個室加算が特例でもコロナに関しては算定していただけるような状況になってございますが、それを含めた全体における特別な料金を求めなかった人数の割合ということでお示ししています。
 60ページ目以降は、中医協の総会でも既に御議論いただいた部分でございますが、入院におけるコロナ対応において、看護師の追加配置があったかないかというところを中心にお示ししていますし、その後、64ページ目から、外来におけるコロナの対応状況、追加的な配置や効率化等々について聞いてございます。
 67ページ目からは、前回御議論いただきました医師等の働き方改革の推進に関する項目でございますので、こちらは説明を割愛させていただきたいと思います。
 71ページ目から(7)外来医療に係る評価ということで、今回、かかりつけ等に関して、この外来の項目で聞いております。
 まず、72ページ目は、研修の修了状況ということで、これまで日本医師会のかかりつけ医機能研修の修了状況については聞いていたものの、今回、全日病あるいは日病における、このプログラムの修了者の割合等も聞いているところでございます。
 73、74で、紹介・逆紹介割合の結果をお示ししています。
 75ページ目、76ページ目、地域包括診療料・加算の介護保険制度における要件、何を満たしているかというところをお示ししています。
 76ページは、診療所に関する要件。
 77ページ目は、機能強化加算に関する実績、現行、何で満たしているかをお示ししています。
 78ページ目は、小児かかりつけ診療料の届出状況と、届けていない理由について、これまでも聞いておりますが、同様の結果になっているということでございます。
 79ページ目は、生活習慣病に係る外来受診実人数ということで、何で受診しているのか、そして何が算定されているのかということで、生活習慣病管理料あるいは特定疾患療養管理料を算定している人数をお示ししています。
 80ページ目は、これまでも聞いておりますが、生活習慣病管理料の算定において困難な理由ということで、例年どおり、計画書の署名を受けることや自己負担割合が高いということに関して、主な理由として挙げられてございます。
 81ページ目は、医科歯科連携。
 82ページ目は、多職種の関与ということでお示ししています。
 83ページ目、時間外対応加算。
 84ページ目は、前回対応しました連携強化診療情報提供料の算定状況についてお示ししています。
 85ページ目から、かかりつけ医機能の施設が提供している機能は何なのかということでお示ししています。一番多いのは「必要時に専門医に紹介する」ということになってございますが、こちらに関して、機能強化加算届出の有無で詳しく分析しているのが86ページ目でございます。これまでと違う項目としては、下のほう、オン資を用いて、薬剤情報や健診情報を活用しているのかという項目も含めて聞いてございます。
 87ページ目は、患者票でございます。患者さんが何を求めているのか、求める役割は何なのかということで、一番多いのは「必要時に専門医に紹介してくれる」こと、2番目は「どんな病気でもまずは診療してくれる」ことということで、この2つが高いという結果。
 インターネットは、患者票とは傾向としては一定異なりまして、「どんな病気でもまずは診療してくれる」ことが一番高くなってございます。
 89ページ目、介護との連携でございますが、これまでの傾向と相違ございませんが、主治医意見書を作成するということが非常に高い割合で満たされておりまして、それ以外は半分を下回っているという傾向でございます。
 これも同様に機能強化加算の届出の有無で分析しておりまして、機能強化加算を届け出ているところは、主治医意見書の作成以外の部分に関しても一定程度高くなっているということでございます。
 91ページ目は、介護との連携。
 92ページ目に、障害福祉サービスとの連携を、機能強化加算の届出有無別にお示ししています。
 94ページ目からは、書面を用いた患者への説明ということで、医療法の改正を念頭に置いた設問項目を設けております。こちらに関して、患者の病状、治療の内容について、実際に実施しているという結果でございますが、95ページは、同様に機能強化加算の届出有無。
 そして、96ページ目は、患者票で求めているものは何なのかということで、病状、治療内容について当然高くなっている。
 インターネット票においても同様の傾向ということでございます。
 もう一つ、98ページ目、疾病毎における複数医療機関の受診割合ということで、生活習慣病、上3つでございますが、いずれも0~2%ということで、割合としては少なくなっており、がんや脳血管疾患等、あるいは下のほうに行っていただきますと、発達障害等に関して複数医療機関を受診している割合が高いということ。
 99ページ目、こちらはインターネット票でございますので、通院している患者さんはそれほど多いわけではないと思いますが、このような結果になっております。
 100ページ目、かかりつけ医を決めていない理由も患者票、インターネット票でお示ししています。
 102ページ目は、外来ケモに関して、薬剤の後発品の割合。バイオシミラー等を含むものとしてお示ししています。
 103ページ目が、現在の外来ケモの施設としての対応状況。
 104が、院内掲示。
 105が、ホームページへの掲示状況について詳しく分析しています。
 続きまして、107ページ目は、前回既に御議論いただきましたので、飛ばさせていただきたいと思いますが、医療資源の少ない地域における保険医療機関の実態についてということでヒアリング等を行っております。
 最後、112ページ目、「その他の調査結果」で、113、114で、現在の人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスのガイドラインを踏まえた指針の策定状況について、入院と外来でお示ししています。こちら、同時改定の意見交換会の議論を踏まえたものでございますが、左側に指針作成の有無、そして右側にその活用状況の把握や指針の見直しの有無について割合をお示ししております。当然ながら、外来においては入院に比べて低くなっているということでございます。
 115ページ目は、術後疼痛管理チームの届出状況ということで、届けていない理由に関しては、専任の薬剤師あるいは看護師の確保が難しいという状況が挙がってきています。
 速報でございましたが、説明は以上になります。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして御意見、御質問等を承りたいと思います。
 鳥海委員、どうぞ。
○鳥海委員
 ありがとうございます。
 まず、58ページから66ページ、新興感染症の対応状況でございますけれども、皆さん、患者さんたちを診ていて、コロナにかかられた人が大変混乱して、いろいろなところに電話をかけまくったり、どうしていいか分からなかったりということがありますので、診療状況、受入れのことはここに書いてあるのですけれども、これもホームページとか何かで、患者さんが病院に行って診てもらえないとか、そういうのではなくて、在宅で情報が取れるような情報を医療機関のほうから公開していただけると、患者さんはすごく助かるのではないかなと思うので、そういうことも考えていただいていいかな。
 そのホームページに関してですけれども、105ページの外来化学療法に対する取組についてというところがございまして、これも副作用等、具合が悪くなったときに、来院に関して相談窓口を設けているというのが58.6%、これがホームページに公表している割合だそうですが、病院に掲示する、病院まで行って、こういうものがあるのかなと見るよりも、今のコロナの話と一緒で、昨今の状況で安全・安心な医療を提供するためには、その対応についてホームページ上に積極的にもっと公表するように促していただければなというのがございます。
 そして、113ページから114ページの適切な意思決定に係る指針の策定状況でございますが、入院で急性期一般病棟入院料の届出をしている医療機関では77%、その他、地域一般病棟入院料を有するグループだと40~50%と、ちょっと下がるようでございます。もちろん、これは入院の状況によって仕方ないのかもしれないですけれども、今後の医療の質の改善という点から、できるだけこういった策定と有効利用ということをプッシュしていただけるといいのではないかなと思います。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。
 牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
 ありがとうございます。
 私は、21ページから22ページの辺りの、今、一番問題になる高齢者救急に関わる部分ですけれども、まず、21枚目を見ますと、救命救急センターを含む急性期入院料1の施設がたくさんの救急患者を受け入れているというのは事実だと思うのですね。今後、さらに高齢者救急患者が増加してくるわけで、それに対応するためには、これらの施設の受入れを維持する。これをやめてしまうと、多分破綻してしまいますので、維持しつつ、急2から急6、さらに回復期での受入れを促し、強化する取組が必要になるという流れではあるのですけれどもね。
 ただ、その下の22ページにあるように、特に右側の真ん中辺り、休日・夜間に入院を受け入れる医師の体制を組めない施設というのが現実には多いのだと思います。これから働き方改革で、医師がいろいろな医療機関で当直するということがなかなか難しくなってくるということで、急2から急6、さらに回復期でこれからどんどん救急車を受けてくださいということにはなかなかならないかなと思います。そうであれば、急1で受け入れた救急患者が急1でなくても対応可能ということであれば、平日、日中に早くに転院すると。その取組が今後ますます重要になるだろうということで、ここの部分の評価というのが重要かなと思います。
 2つ目、これは質問ですけれども、32枚目、円グラフが大きく1つ、総合入院体制加算の届出状況ということで書かれているのですが、88.9%は届出がない。この中に急性期充実体制加算は入っているのか、入っていないのか。そこのところを教えていただきたい。もし入っていないとしたら、なぜそれを抜いてしまったのだろうというのがちょっと気になるのですが、そこも含めて教えてください。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
 調査概要について、気になった点について触れさせていただきます。
 まず、27ページの辺りですけれども、総合入院体制加算から急性期充実体制加算に移った医療機関の数が出ていますけれども、前も一度触れられたことがありますが、精神科の入院医療を取りやめたところがあるということ、改めて確認ですけれども、急性期充実体制加算を健全に運用させていく上でも、また地域医療の発展・推進の観点からも、特に問題とか異存がなかったのかということを踏まえ、より慎重に推移を見届ける必要があるかなと思います。
 それから、90ページ前後でございますけれども、かかりつけ医機能についての関係で、介護との連携の関係でございます。要介護認定に関する主治医の意見書の作成について取り組んでいると書かれていますけれども、作成という点のみでとどまっていたら、それが真の意味での連携かということとともに、90ページでは、サービス担当者会議への参加、それから地域ケア会議への参加等について、機能強化加算の届出のありなしについて示されておりますけれども、それぞれにつきまして、5割、2割止まりでございます。ということで、この程度でとどまることなく、さらなる推進を目指していただきたいと思います。
 それから、96ページでございますけれども、書面を用いた患者さんへの説明についてでございます。患者票におきましては、7割を超える患者さんから、病状や治療内容についての説明を希望しているとあります一方、施設票を見ますと、同じ内容については5割程度の回答となっております。実態と患者さんの希望との差が生じているのではないかと見られました。このたびの医療法の改正に基づくかかりつけ医の制度整備を視野に入れる必要があるのではないかと思います。何らかの対応が必要かと思います。
 それから、113ページと114ページでございます。適切な意思決定に係る指針の策定状況についてでございますが、人生最終段階におけます医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン等の内容を踏まえた指針について、作成状況等について示されておりますけれども、入院と外来を並べてみますと、特に外来の取組が劣っていることが見受けられます。高齢者の増加はもとより、早期から意思決定を支援していくという必要性が今後ますます増えていくと思いますので、その観点から、これもかかりつけ医機能として1つの大きな役割だと思いますが、その対応が必要と考えられます。
 それから、先ほどの説明で、4ページの回収状況について、一般のオンライン調査で対象者数が2000で、回収人数が2244と書いてありましたので、この処理状況はどうですかとお聞きしようと思っておりましたところ、、インターネット票の説明、88ページに2244と出ていましたので、これはおそらく複数回、回答されている人がいらっしゃるけれども、そういうふうに処理されたのだと解釈しましたけれども、これにつきましては、特に処理上問題がなかったということでよろしゅうございますか。コメントいただければと思います。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
 ありがとうございます。
 今回、速報値のデータをお示しいただきまして、ありがとうございます。
 最初のほうからいきますけれども、まず、17ページでございます。ここでは、急性期充実体制加算があるほうが、むしろ在宅復帰率が悪いというデータはちょっと意外な感じもしまして、それで5ポイント、6ポイント差があるということで、この辺りの理由はちょっと調べる必要があるのかなと感じたところです。
 21ページです。救急搬送患者の受入状況、先ほど牧野委員も御指摘されましたけれども、受入患者の年齢構成に違いがあるのか。ほとんどないのだろうと思いますけれども、もしそのようなデータが見れるのであればありがたいなと思ったところです。
 あと、22ページ、これも牧野委員が御指摘されましたけれども、右側の救急搬送をより多く受け入れるために必要な体制ということで、最も該当する要素が休日・夜間に入院を受け入れる医師の体制ということで、これだけ多いと。これは裏を返すと、来年度、医師の働き方改革がスタートすれば、宿日直許可を取った医療機関は夜間の救急を少し控えたりということも起こり得ますので、相当数、受入れが困難になるのではないかということがちょっと懸念されるといった見方をしたところです。
 あと、23ページでは、特定機能病院、高度救命救急センターで50%程度、高度急性期以外でも対応可能と判断された患者がいたということで、これは質問票は、多分5月に延べ何人いましたかという聞き方だったと思いますけれども、その中で50.0%というのはかなり高い数値かなと。そこでも患者さんが現状、下り搬送につながっているのかどうか、そういった件数がどれぐらいあるのかなというのが分かればありがたいなと思いました。
 24ページでは、他院からの転院搬送ということで、高度急性期以外の対応可能というケースはほとんどなかったというものもデータとして示されていますので、この辺は適切に転送・搬送は行われているのだなと思ったところです。
 そして、25ページになりますけれども、ここでは右側に主に地ケア病棟では、休日・夜間に入院を受け入れるには医師が必要。そして、看護の体制がないと、ということでございますので、転院搬送の受入れは非常に難しいという切実なデータなのかなと見ました。
 そして、ちょっと飛んでいただきまして、43ページから46ページにかけては、介護施設等との連携に係る状況の資料をお示しいただきまして、緊急時の往診対応ということで、地ケアの2ではあまりできていないと。そもそも200床未満ではありませんので、在宅療養支援病院にも該当しないという問題は存在していると思いますので、そこで200床以上の地ケアのある病院が介護施設と連携を強化するためには、それを促すような、またそういった仕組み、加算などが必要なのではないかなと思ったところです。これは意見です。
 そして、48ページから50ページ、回リハから退院した後のリハビリの資料をお示しいただきました。ここでは、回リハから退院後のフォローが非常に重要だなと。その後のリハビリにつながらない結果として、ADLが低下してしまって再入院につながるということは避けなければいけないと思いますので、退院後の訪問リハとの連携はまだまだ少ない状況ということが見えますので、その辺をより評価する仕組みが求められているのかなと思ったところです。
 そして、57ページから66ページにかけまして新型コロナの対応のデータをお示しいただきました。58ページを見ましても、多くの医療機関がコロナ、入院で対応していたということが見れますし、第9波は沖縄とかで一部大変だったということを聞きましたけれども、何とか乗り越えたのかなと思われます。ただし、今年から来年にかけて、冬場、第10波と呼んでいいのかどうか分かりませんけれども、どうなるかは全く先行き不透明ですので、感染拡大の状況を見て、病床が逼迫してきた際には、診療報酬上の早急な対応も必要なのかなと思っているところです。
 以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、小池委員、どうぞ。
○小池委員
 大変興味深い結果をどうもありがとうございました。
 2点、働き方改革関係とかかりつけ医機能に関してコメントしたいと思います。
 まず、38ページ、治療室の医師の業務ですけれども、夜間、どんな医師が治療室の対応をしているかということが示されておりますが、特に管理料の種別に分けて分析すれば、先日議論もございました、治療室の医師がいるべきなのか、常時、治療室内に勤務すべきなのかの議論に役立つのではないかと考えております。どこまで分析か可能か御検討いただければと思っております。
 2点目、85ページから88ページにかけてのかかりつけ医機能に関してです。先日、国民・患者に対するかかりつけ医機能をはじめとする医療情報の提供等に関する検討会の設置が決まるなど、かかりつけ医機能についての議論が進んでいる中で、非常に興味深いデータになっていると感じております。
施設票と患者票を突き合わせてみますと、医師側が考えるかかりつけ医に必要な機能と、患者が求めている機能が見えて、非常に興味深いです。
 それぞれが必要と考える率は違うのですが、上位の傾向というのはおおむね一致しているように見たのですが、1つ大きなギャップがある項目がございました。それは「どんな病気でもまずは診療できる」あるいは「してくれる」というところです。患者票、インターネット票では最多あるいは2番目に挙げられているものが、施設票では26項目ある例のうちの下から5番目となっています。かかりつけ医機能の定義を決めるのが本分科会の役割ではないかもしれませんが、どんな病気でもまず診てくれるということをどう考えるか、また評価の在り方ということについて、今後必要になってくるかと思いますので、この点、コメントしておきたいと思います。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、井川委員、どうぞ。
○井川委員
 ありがとうございます。
 私のほうからは、42ページ以降ですけれども、地ケアの実績要件等の見直しの影響についてという点で意見を述べさせていただきたいと思います。
 43ページに地ケアの介護保険施設等との連携に係る状況が示されておりますけれども、いずれの入院料でも電話相談は100%近く可能となっておりますけれども、一方で往診となると対応できない医療機関が非常に多い。往診となりますと、医師1名がその間、院外に出ていくということになりますので、医師の追加配置ということが必要になりますけれども、これから医師の働き方改革等で夜間の当直等がなかなか来てくださらないということになりますと、さらに厳しくなると考えております。
 44ページに在支病を届けている医療機関での連携体制の結果が出ておりますけれども、本来ですと必須であるはずの機能強化型でも70%程度しか往診が実施できていない体制ということで、正直に書いていただいたのだと思いますけれども、これが現実だろうと私は推察しております。そのために1名の医師を加配するというのは厳しいと考えております。としますと、軽症高齢者の救急搬送等の課題ということは、これからも全て併せて検討していくべき問題だと考えています。
 私どものグループ、26病院ほどございますけれども、26病院中、大体7割に当たります18病院が在支病を取っております。うち地ケアがあるのは10病院ですので、残りのところはほとんど回リハか、もしくは医療療養ということでございますけれども、ほとんどの医療療養病棟は、同一法人内の施設や、時には近隣の介護保険施設等に頼まれて電話の相談とか、それから往診は無理ですけれども、外来受診を受け付けるということをやっております。入院患者のうちの5分の1程度は、そういうふうなところから入ってこられるという感じになっております。
 高齢者の救急の問題は、マルチモビディティとか介護の側面、あと社会性ですね。一人暮らしの方はなかなか帰れないということも含めますと、急性期や地ケアというある程度限定した病棟で解決するべき問題ではなくて、全ての医療機関が考えて積極的に取り組んでいかないといけない。例えば療養病床にどの程度、各施設から直接入棟しているのかとか、そういう調査をした上で、そういうものに対する評価を与えていくということも考えていく必要があるのではないかと考えています。
 以上です。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 申し訳ありません。予定の時間になりましたが、少し時間を延長してお付き合いいただきたいと思います。
 ほか、よろしいでしょうか。よろしければ、いろいろ御意見、それから御質問も頂戴しておりますので、事務局のほうからコメントをお願いいたします。
○加藤補佐
 事務局でございます。
 様々御指摘、御質問ありがとうございました。簡単ではございますが、コメントさせていただきたいと思います。
 まず、鳥海委員から、コロナを例にホームページで情報提供することの重要性について御指摘いただきました。外来ケモにおきましても、ホームページ上で公表することが重要なのではないかということで御指摘いただいたところでございます。
 また、人生の最終段階の部分においても、地域一般においても、医療の質の観点から、こういったガイドライン等の取組は重要なのではないかということで御指摘いただきました。
 また、牧野委員からは、救急機能の観点に関して、急性期1で非常に多くの救急搬送を受け入れている現状に鑑み、働き方改革の中でも医師の確保をしっかりやっていくことが非常に困難になってくることが予想される中で、非常に重要なことだということと、急性期2-6においては、非常に対応が困難になってくるのではないかという御指摘をいただいております。
 32ページ目の総合入院体制加算の届出状況ということで、こちらの分母は、今回A票全てになっておりますので、88.9%の中に急性期充実体制加算を届け出ている医療機関が含まれていることになりますので、よろしくお願いいたします。
 中野委員からは、28ページ目にお示ししています急性期充実体制加算の中で、精神科の入院医療に取り組んでいるところが34から32に減った部分について、影響について今後も見ていくべきではないかということで御指摘いただいたと思っております。
 また、かかりつけ医機能としての介護との連携に関して、主治医意見書だけではなくて、サービス担当者会議や地域ケア会議などにおける取組に関しても評価すべきではないかということで御指摘いただきました。
 また、同じくかかりつけ医のところに関しては、書面の説明についての医療機関と患者との期待の差、あるいは項目は一定程度似通っているのではないかということと、7割と5割ということで差があることに対しての一定の対応が必要なのではないかということで御指摘いただきました。
 また、人生の最終段階について、外来においてもかかりつけ医機能として、そうしたガイドラインを整備するなどの取組の必要性についてコメントをいただきました。ありがとうございます。
 津留委員からは、急性期充実体制加算の医療機関の在宅復帰率が低い点について御指摘いただいております。こちらは、平均在院日数が短くなっていることも影響しているかというふうに事務局としては捉えておりますけれども、これに関して、今後、どのような要因が考えられるのか。今回の調査では少し限界がございますけれども、今後もそういった観点をもって見ていきたいと思っております。
 また、救急の受入台数に関して、年齢別にどうかということに関しましては、すみません、今回の調査においてはそういったデータを取っておりませんので、この調査においては対応が難しいわけでございますが、そうした観点も、高齢者救急を見ていくという観点では非常に重要なポイントだと思いますので、今後の調査の設計においては参考にさせていただきたいと思っております。
 また、救急搬送の受入れに関して、この働き方改革を踏まえても、なお看護師や医師の確保が非常に厳しい状況のデータについて、非常に切実なデータであるということでコメントもいただいております。
 また、地ケアなどの介護施設との連携に関しては、これを進めるに当たっては仕組みが必要なのではないかということでコメントいただきましたし、回リハに関しては、退院後の訪問リハにつなげることの重要性についても御指摘いただいたところ、こちら事務局としても非常に重要なポイントだと捉えてございます。
 小池委員からは、治療室における常時勤務についての検討において、今回の調査結果は活用可能なのではないかということで御指摘いただきました。また、様々な観点でデータ分析できると思っておりますので、引き続き、このデータを上手に活用させていただきながら必要な検討をしていきたいと思っております。
 また、かかりつけ医の検討結果についてのコメント、医師と患者の求めるものの差異に関しても、どんな病気でも診てくれるという項目に関して差があるのではないかということで御指摘いただいたところでございます。また医政局とも連携しながら、こういったかかりつけ医の対応についても引き続き検討していきたいと思っております。
 また、井川委員からは、介護施設との連携等の中で出てきております往診については、70%しかできていないという現状も御指摘いただいておりますけれども、追加的な配置が必要になるような現状についても御披露いただきました。同時改定の中では非常に重要な議論になってくると思いますので、実現可能な仕組みとして、どのような仕組みが考えられるのかといった点について事務局としても検討を深めてまいりたいと思っております。
 様々、非常に貴重な御意見をいただいたと思っております。御指摘ありがとうございました。以上でございます。
○尾形分科会長
 ありがとうございました。
 ただいまの事務局からのコメントですが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、この議題は以上としたいと思います。
 本日用意した議題は以上でございます。
 次回の日程等について、事務局からお願いいたします。
○加藤補佐
 ありがとうございます。
 中医協の議論も今後、大分深まってくる時期でございますので、そろそろこの分科会に関しても取りまとめさせていただきたいと思っております。次回の日程に関しては、また追って御連絡させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○尾形分科会長
 それでは、以上をもちまして令和第5年度第9回「診療報酬調査専門組織入院・外来医療等の調査・評価分科会」を終了させていただきます。
 長時間にわたりまして熱心な御議論、どうもありがとうございました。

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