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2023年9月14日 令和5年度第7回入院・外来医療等の調査・評価分科会・議事録
○日時:令和5年9月14日
14:00~16:00
○場所:日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8E
○出席者
【委員】
尾形分科会長、猪口委員、井川委員 飯島委員 鳥海委員
池田委員、津留委員、武井委員、林田委員、牧野委員
山本委員、中野委員、眞野委員、小池委員、田宮委員
【事務局】
加藤課長補佐 他
○尾形分科会長
こんにちは。それでは、ただいまから、令和5年度第7回「診療報酬調査専門組織入院・外来医療等の調査・評価分科会」を開催いたします。
本日の開催につきましては、対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、今回の会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、秋山委員が御欠席です。また、猪口委員が遅れての御参加、田宮委員が途中御退席と伺っております。
それでは早速議事に入らせていただきます。
まずは、1つ目の議題であります「入院・外来医療等の調査・評価分科会におけるこれまでの検討状況について検討結果(中間とりまとめ)(案)」でございますが、最初に、事務局から資料を一括して説明をいただいて、その後、区切って議論を行っていきたいと思います。
それでは、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○加藤補佐
ありがとうございます。事務局でございます。
それでは、入-1「入院・外来医療等の調査・評価分科会におけるこれまでの検討状況について検討結果(中間とりまとめ)(案)」ということで、こちらの資料を御説明させていただきたいと思います。
これまでの開催において、1ページ目にお示しさせていただいていますとおり、1から10までの項目について御議論いただきました。今回「中間とりまとめ」ということで本日御議論いただいた後、一旦総会のほうにも御報告いただくということで、これまでの取りまとめをさせていただいておりますが、資料1がワードベースの文章、参考資料のほうにこれまで御説明させていただいたスライドをおまとめさせていただいております。こちらのワード文書のほうで、これまで御議論いただいた内容、我々事務局としてまとめた内容に加えて、先生方から御指摘いただいた点についてまとめてございますので、こちらを少し丁寧めに御説明させていただければと思っております。少しお時間いただきますが、御承知おきいただければと思います。
2ページ目からでございます。「Ⅱ.検討結果の概要」ということで、今回、この分科会において御議論いただくに当たり、まず1つ目の○、人口構成、人口動態について2040年を展望し、65歳以上の人口の伸びは落ち着くが、2025年までの間、一時的に75歳以上人口が急増すること、そして2030年前半には85歳以上人口の増加率が上昇すること、一方で、生産年齢人口は一貫して減少が見込まれているということ。そして、それに伴って2つ目の○でございますが、1行目の後段から、医療・介護の支え手の減少が見込まれていること、3行目、高齢化に伴う高齢者救急の需要が増大すること、こうした背景から、効果的・効率的な入院・外来の医療提供体制や医療従事者の負担軽減、そして医師等の働き方改革といった観点を踏まえて、この調査結果を御検討いただいたというふうに認識しております。
この前提の下、1から10まで御議論いただいたわけでございますが、簡単にポイントをかいつまんで、1ポツの一般入院料のほうから御説明させていただきたいと思います。
1-1でございます。まず、重症度、医療・看護必要度でございます。
1つ目のポツから御説明します。令和4年度の診療報酬改定におきまして、急性期1と2~5の一部におきまして必要度Ⅱが要件化されました。その結果、急性期入院料1に関しましては、89%までこのⅡを用いている医療機関が増えたということでございます。
2つ目は、該当患者割合が一定低下したこと、必要度Ⅰにおいて低下幅がより大きかったこと。
3つ目は、今回「心電図モニターの管理」の項目が削除されておりますが、「点滴ライン同時3本以上の管理」の項目に関しては「薬剤3種類以上の管理」に変わり、この該当割合が高まったということを御報告させていただきました。
こうした分析結果に基づいて御議論いただいた後、3ページ目でございますが、追加的な検討としては、A項目のうち「創傷処置」や「呼吸ケア」についてはより詳細な分析の必要性について御指摘いただき、またC項目に関しては、直近のデータに基づいて再度分析すべきではないかということで御指摘いただいております。
「(入院料ごと・疾患ごとの該当状況について)」ということで、今回、特に高齢者救急にフォーカスを置いて様々分析を行っております。
1つ目のポツですが、急性期1に関しましては、このA得点2点以上の割合、基準2の部分及び基準3に関しては、ほかの基準1よりも該当割合が高かったということでお示ししています。
また、1に関しては、該当割合は2~5日目にピークがあり、その後横ばいになっていたということでございます。
特に急性期1に関しては、75歳以上に限った場合も含めて、「専門的な治療・処置」「救急搬送後の入院/緊急に入院を必要とする状態」の該当割合が高くございました。
その次でございますが、A項目の該当割合においても、今申し上げた専門的な治療、緊急入院の該当割合が高かったということでございます。
その下が、75歳以上に多い疾患ということで、誤嚥性肺炎や尿路感染症にフォーカスした分析について御案内しております。
下から2つ目でございます。75歳以上の誤嚥性肺炎、尿路感染症に関しては、基準1に該当する割合が高かったということ。
また、一番下のポツにおきまして、誤嚥性肺炎、尿路感染症に関しては入院初日~5日目において全疾患よりも該当割合が平均よりも高く、救急搬送等で満たしている割合が高かったということをお示ししています。
続きまして、(2)の1つ上でございます。B得点に関しましては、前回のこの分科会でも御議論いただきましたけれども、急性期1のうち平均在院日数の長い群や急性期2及び4で高い傾向にあることを踏まえ、機能分化の推進や急性期1における高度・専門的な医療を評価する観点から、急性期1におけるB項目以外の項目による評価を重視すべきではないかという御指摘もいただきました。一方で、急性期病棟におけるADLの低下した患者に対するケアの評価の観点からは、B項目による評価は重要ではないかという御指摘、双方をいただいたところでございます。引き続き、この点に関しましては分科会としてもしっかり取り上げて御議論いただくものと認識しております。
4ページ目の下のほう、(2)の平均在院日数に関しましては、現在、急性期1、施設基準としては18日でございますが、9割以上の施設においてこの18日よりも2日以上短かったという結果でございました。
また、区分を設けて、平均在院日数が長い群において分析を行っております。その特徴を見てみますと、その下に幾つか並べてございますが、そういった医療機関においては、いわゆるケアミックスの医療機関が多かったこと、全員麻酔手術の件数が少なかった、救急搬送件数が少なかったといった傾向が見られてございました。
5ページ目へ移っていただきまして、「(3)その他」の上でございますが、平均在院日数の区分による患者の状態や医療の内容の違いを踏まえれば、急性期1における指標としては、平均在院日数の短縮化が考えられるのではないかという御指摘をいただいております。
「(3)その他」でございます。こうした急性期の御議論の中で、急性期における機能分化の在り方としては、地域包括ケア病棟など13対1の看護配置を基準としている病棟で救急搬送を受け入れるということを御議論いただいたところでございますが、そういったところに関しては十分に受け入れることは難しいのではないかという御指摘もいただいておりまして、どのような病棟でこういった急性期の高齢者を受け入れるのが適切かということに関して再度議論が必要ではないかということで御指摘いただいております。
また2つ目に関しましては、こうした高齢者救急に関して、まずは診断をつけることが重要であって、その後、三次救急等の医療機関から転院搬送を行い、地ケアなどで転院搬送を受け入れるのではないかという指摘もいただいているところでございます。
ここまでが急性期一般の御議論でございます。
6ページ目へ移っていただきまして、1-2でございます。急性期充実体制加算は前回の改定において新設された加算でございますが、これに関しまして分析を加えてございます。様々な分析がなされておりますが、今回、分科会で特に御議論いただきましたのは、総合入院体制加算との比較でございます。
上から3つ目でございますが、急性期充実体制加算を算定している医療機関においては、令和2年よりも4年時点のほうが小児・周産期に係る診療実績を有する割合が低かったという結果もございまして、その下の2行目でございますが、精神科医療の提供体制が縮小しないようにすることが必要ではないかという御指摘もいただいているところでございます。
後段、急性期充実体制加算に関しましては、許可病床300床未満について御議論がありました。こちらに関しては、この300床未満の急性期充実体制加算を届け出ている医療機関は6施設あって、いずれも所属している二次医療圏にはほかの急性期充実体制加算を届け出ている医療機関があること、また、1つの二次医療圏を除いて特定機能病院が存在していることが明らかになってございます。
こうした分析に基づきまして、最後のポツでございますが、高度かつ専門的な急性期医療の提供について、地域における基幹的な役割を果たす医療機関を評価する観点からは、許可病床数300床未満における基準は不要ではないかという御指摘をいただいたところでございます。
「2.特定集中治療室管理料等について」ということで、ICUについて御議論いただいております。
こちらに関しましては、6ページ目の下に○が3つございますが、今回は、重症度、医療・看護必要度の項目に加えてSOFAスコアに関して分析をいただいてございます。
7ページ目でございます。そのICUにおける必要度について御議論いただきました。
4つ目のポツでございますが、入室日の必要度の該当患者に関しては、入室日のSOFAスコアが高い傾向にあったということ。
5つ目でございますが、必要度6点以上と比較し、SOFAスコア5以上、10以上の方が退院時の転帰とより相関していたということでございます。
7つ目でございますが、必要度の該当患者割合が90%以上の施設に限定した場合においても、入室日のSOFAスコア5以上の患者の割合はばらついていたということを報告させていただきました。
このようなSOFAスコアの必要度との比較の中でいただきました御意見としましては、7ページ目の下から2つ目でございますが、SOFAスコア単独で指標として使用するのは慎重になるべきではないかという御指摘をいただいております。
また、7ページ目の一番下でございますが、RRSを行っている病院では入室日のSOFAスコアが高くならないのではないかということで御指摘いただきましたので、こうした点を含めて今後慎重な検討が必要だという御指摘をいただいてございました。
2-2、HCUの重症度、医療・看護必要度でございます。こちらに関しまして、上から5つ目でございますが、人工呼吸器やECMOの使用、血管作動薬の使用等、常時監視の必要性が高い治療を行っている割合の高いHCU、低いHCUの比較をしても、心電図モニター、輸液ポンプの該当患者に関してはいずれも高く、2群で差が見られなかったということ。
その2つ下でございますが、患者ベースで見ても、心電図モニターの管理や輸液ポンプの管理は、状態や入室経路によらずほぼ全ての患者が該当していて、項目としては不要ではないかという御指摘をいただいたことを御紹介させていただきたいと思います。
8ページ目の下から2つ目でございます。こちらは、同様にB項目についても御議論いただきまして、このB項目に関してはICUと同様に不要ではないかという御指摘もいただいたところでございます。ただ、その下にございますが、B項目を基準から外す場合においても測定は継続すべきという御意見もいただいてございます。
ここまでは急性期病棟一般における御議論でございましたが、9ページ目の3ポツからDPC/PDPSについて御説明させていただきたいと思います。
「3-1.DPC対象病院に係る検討について」ということで、概要としましては、DPC対象病院数は令和4年4月時点で1764病院ございますが、急性期病床200床未満の病院が増加傾向であるということ。2つ目でございますが、DPC制度になじまない可能性がある病院について、平成30年以降指摘されていたところでございます。これに対してどう対応するのかといったところが主な課題でございました。
9ページ目「(1)医療機関別係数による評価について」ということです。まず、保険診療係数に関しましては、適切なDPCデータの作成という観点から3つの項目について評価を行ってございますが、いずれにおいても該当している医療機関に関しては相当程度少なくなってきたということから、下から3つ目のポツの最後の行でございますが、これをDPCの対象病院の要件とすることも考えられるのではないかという御指摘をいただいたところでございます。
また、適切なコーディングという観点では、部位不明・詳細不明コードの使用割合が高いところに関してアンケート調査及びヒアリングを行いました。一番最後のところでございますが、やはりそういった病院においては、コーディングの体制の不備に起因する不適切なコーディングが多かったという結果が得られてございます。
10ページ目に移っていただきまして、上から1つ目のポツでございます。こちらは、こういったものに対してコーディングテキストの記載内容の充実を含めて精査を行うことということで御指摘いただいたところでございます。
続きまして、効率性係数・複雑性係数について御議論いただきました。
2つ目のポツでございますが、効率性係数の算出方法については、2行目後半からございますように、症例構成が偏っている医療機関に対して、在院日数短縮という本来の趣旨にそぐわない評価となる場合があるという御指摘がございました。
その2つ下でございます。また、複雑性係数に関しては、1入院当たり医療資源投入量の観点から見た患者構成を評価する項目として設定されているものの、その下でございますが、診断群分類の種類が少ない病院においては、急性期入院医療の評価としては不適当な評価となっているのではないかという御指摘もいただいたところでございます。
最後のポツでございますが、こうした実態を踏まえまして、算出方法の見直しやDPC対象病院の基準の見直し等の対応が必要ではないかという御指摘をいただいたところでございます。
10ページ目、下から2つ目、救急医療係数に関しては、1つ目のポツのかぎ括弧にございますとおり、入院初期の実際の医療資源投入量と診断群分類点数表に基づく点数の乖離という評価を行っているわけでございますが、名称から受ける印象と実際の中身が異なるだろうということから、一番最後にございますとおり、名称の変更について検討すべきという御指摘をいただいてございます。
11ページ目へ移っていただきますと、地域医療係数でございます。こちらは様々御議論いただきました。3つ目のポツにありますとおり、上限値の5割以上を取得している病院の割合が大学病院本院群では100%と非常に高くなってきていることが指摘されております。一番最後のポツでございますが、社会や地域の実情に応じて求められている機能の評価という観点から、新たに評価を行うことについて検討すべきということで御指摘いただいたところでございます。
(2)のDPC対象病院の要件に関しましては、3つ目のポツでございますが、データ数が少ないDPC病院があるということで御指摘いただいております。
下から3つ目でございますが、データ数が少ないDPC対象病院は複雑性係数の値が高い傾向にあって、データ数が一月当たり90以下の病院においては診療密度が低い傾向であったという結果を御報告させていただいてございます。
最後「また」でございますが、DPC対象病院に一定の基準を設けるとともに、DPC制度からの退出についても検討する必要があるという御指摘をいただいたところでございます。
12ページ目、3-2の算定ルールについて、(1)点数設定方式に関しまして、上から2つ目でございます。A方式に関しては、令和4年度診療報酬改定において、入院期間Ⅰをより重点的に評価する体系へ見直しを行いました。いわゆる17%のところでございます。
こちらに関しまして結果を見てみますと、その下のポツでございますが、点数設定方式Aに関しては、在院日数の明らかな延長・短縮は見られませんでした。こうした分析等も踏まえてさらなる分析を行いました。
4つ目でございますが、経年的な医療資源投入量の変化等が確認されたところでございます。
特に5つ目のポツの2行目でございますが、入院期間Ⅰにおいて医療資源投入量が設定点数を大きく上回る例が存在することが確認されました。
こうした実態を踏まえ、最後のポツの下から3行目でございますが、入院期間Ⅱより早期に退院させる場合であっても十分な評価ができるよう検討すべきではないかという御指摘をいただいたところでございます。
また、12ページ目の下段「(2)短期滞在手術の算定ルールについて」ということです。こちらは特別調査も行いまして、実際に入院・外来でどのような判断基準で短期滞在手術が行われる場所、形態が決まっているかということでヒアリングを行ったところ、入院外で行えない理由としましては、13ページ目の一番上でございますが、設備・人員体制が整備できないという御意見が多かったというふうに認識しております。
こうしたヒアリングの結果を踏まえて、引き続きこの短期滞在手術については検討をしていくということにしております。
13ページ目、「3-3.診断群分類に係る検討について」ということです。
1つ目のポツは、先ほど申し上げましたが、コーディングテキストの見直しを行うということ。
そして3つ目のポツでございますが、既に導入しております肺炎や脳梗塞に対するCCPマトリックスに関しましても、現状、研究班が動いてございますので、その結果も踏まえて、今後、妥当性について検証するとともに必要な見直しを行うということでございます。
「3-4.退院患者調査に係る検討について」ということです。平成15年度の導入以降、これまでこのような形で退院患者調査を行ってまいりまして、それに不足するものに関する特別調査ということで対応してまいりました。この退院患者調査に関しましては名称の変更等一定の見直しが必要だということで、14ページ目の一番上でございますが、こうしたものに関して整理を行うということで御意見をいただいてございます。
14ページ目「4.地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料について」ということで御議論いただきました。
まず、前回の改定で盛り込まれております救急について御議論いただきました。2つ目のポツでございますが、地ケアを持つ病院における救急搬送の受入れ件数に関しては100件以下の医療機関が多いが、ばらつきも見られた。また、受入れに関して、患者の症状を見て受入れの可否を判断している割合が高かったということでございます。
また、上から5つ目でございます。救急搬送の入棟経路に関しましては、病院類型、併設の病棟の類型を分析しておりますが、明確な差は見られませんでした。
少し飛びますが、15ページ目の上から3つ目のポツでございます。地ケアの病棟における在宅医療の提供状況に関しても前回改定を行っておりますが、こちらの基準を満たすのは訪問診療の基準を満たしている医療機関が多かったということでございます。
上から8つ目のポツでございます。地ケアに関して、今回、重症度、看護・必要度についても分析しましたが、かなりばらつきが大きかったということを結果として御報告しております。
地ケアの役割ということで様々御議論いただきました。下から5つ目のポツでございますが、機能が多様であることを尊重すべきではないかという御意見もあり、救急搬送、あるいはポストアキュート、サブアキュート、バランスを持って見るべきなのかどうなのかといったところで非常に多数の御意見をいただいたところでございます。
また、下から4つ目でございますが、救急搬送のみならず、緊急患者の受入れをしっかりやっているのであれば、救急がなくとも地域の役割を果たしているのではないかという御意見もいただきました。
下から2つ目でございますが、高齢者の救急医療に関しては、症状が不安定で医療資源投入量が多く、地ケアで受け入れることを推進する方策が必要であるという御指摘もいただきまして、こちらは、夜間を含め手厚い看護配置が必要であろうという指摘もいただいたところでございます。
15ページ目、下から1つ目、最後のポツでございますが、短在についても御議論いただいておりまして、短在をたくさん受け入れている病院においては地ケア病棟の指標がよくなりやすいことが指摘されてございます。こちらに関してもどう対応するのかということでいろいろと御指摘をいただいたところでございます。
16ページ目の5ポツ目でございますが、回リハに関して御議論いただきました。5-1、回リハにおける適切なアウトカム評価ということでございます。
少し飛びまして6つ目でございますが、リアのFIMに関しまして分析を詳細に行いました。入棟時のFIMが76点以上の患者に関してはFIMの変化率が小さい傾向にあったということ、運動器疾患に関しては、6単位以上のところのその後の運動FIMの改善に関しては大きく寄与していない、単位数の増加に伴う明らかな改善はなかったということが確認されてございます。
また、その下でございますが、データ提出加算に関しては、FIMの変化の大きさは時期によって異なる可能性について報告もさせていただきました。こういったことも踏まえて、今後、データ提出加算においては、一定、入院後の定期的なデータの提出に関しても検討すべきではないかということで御指摘いただいたところでございます。
16ページ目、下から2つ目でございますが、第三者機能評価の認定を受けていない医療機関との比較において、近年の入棟時のFIMの低下については、認定を受けているほうが比較的緩やかだということと、FIMの適切な評価に関する実施を行っている割合が高かったということで御報告させていただきました。
17ページ目へ移っていただきまして、上から2つ目でございますが、体制強化加算に関しては効果が大きく出ていないことから見直しが必要ではないかということ。
最後に関しましては、先ほど来ございました第三者機能評価について、設置基準の厳格化を図るべきという指摘がある一方で、FIMの適切な評価に係る取組の推進に着目して検討すべきではないかという御指摘もいただいたところでございます。
「5-2.質の高い回復期リハビリテーション医療の提供について」。
回リハ1では、管理栄養士について専任配置になってございますが、約2割の病棟においてはこの入院栄養食事指導料が全く算定されていないという結果を御報告したところでございます。
また、嚥下機能の検査等を行っている場合においては、経腸栄養の離脱割合が高かったことを御報告しています。
3つ目でございますが、退院前の訪問指導に関しては退院後のADL向上に有効であるが、全く実施していない医療機関が約40%存在したということでございます。
4つ目でございますが、身体拘束に関しては、拘束実施率が急性期よりも多くて、30%以上の病棟が多い傾向があったということでございます。これについては様々御議論いただきました。その下のポツでございますが、身体拘束については、看護師のケアのみでなく、薬剤の使用や環境整備について病院全体で工夫を行っていくべきだということで御指摘いただいたところでございます。
下から2つ目でございますが、もう一つの観点として、地域リハビリテーションの活動支援事業について、総合事業へのリハスタッフの確保に関して多くの市町村で不足して困っているという現状を御報告させていただきました。
こういったものに対して様々御意見をいただきました。一番最後のポツでございますが、入院栄養食事指導を実施していない回リハ1については、必要な患者に実施するよう改善を求めるべきではないかという御指摘。
18ページ目に移っていただきまして、上から2つ目ですが、退院前訪問指導を推進すべきということで御指摘いただきましたが、ICTの活用や地域の医療機関との連携も考慮すべきとの御指摘もいただいたところでございます。
最後のポツでございます。地域貢献活動に関しては、回リハ1では61%ということでございますが、これは高いとは言えないため、向上を目指すべきという御指摘をいただきました。
ここまでが回リハでございましたが、18ページ目、6ポツから療養病棟ということで御議論いただいております。
「6-1.療養病棟入院基本料における医療区分等について」ということです。
1つ目のポツでございますが、現在、医療区分3の項目であります中心静脈栄養は14.3%、人工呼吸器の管理は2.2%の患者に実施されていたということを御報告させていただきました。このデータ提出加算が進んでおりますので、今回、詳細な分析を行いましたので、その結果を御報告させていただきました。
18ページ目の最後のポツでございます。医療区分3として評価されている疾患・状態や処置等について、疾患・状態の医療区分3かつ処置等の医療区分3の医療資源投入量はそれ以外の組合せより高いことを御報告させていただきました。
また、19ページ目に移っていただきますと、2つ目のバーでございますが、組合せの内容によって医療資源投入量の内訳が異なることも明らかになりました。
また、その下のポツでございます。療養病棟におけるリハビリテーションに関して、特に入院料I(医療区分1・ADL区分1)でございますが、医療資源投入量がリハに関して高く、単位数も多いということを結果として御報告させていただいてございます。
また、上から4つ目、医療区分についてのところでございますが、1つ目のバーでございます。疾患・状態としての医療区分3と処置等としての1~3の組合せについて、医療資源投入量について2~3倍の違いがあることから、医療資源投入量に応じた適切な評価を行っていく上で医療区分を精緻化する必要があるのではないかということで御指摘いただいたところでございます。
また、下から4つ目のポツでございますが、今、申し上げました入院料Ⅰについて。これに関しては、包括内外の医療資源投入量を見た上で評価の在り方について検討すべきではないかということ。
19ページ目、最後のポツでございます。介護医療院などにおいて経腸栄養や喀痰吸引などの医療処置が可能な実態というのが明らかになってございますので、最後の行の右半分でございますが、医療療養病棟と介護保険施設のすみ分けについて、介護保険施設での医療提供の在り方について議論を進めていくべきという御指摘をいただいたところでございます。
続きまして「6-2.療養病棟入院基本料における中心静脈栄養について」でございます。こちらは、前回の改定で、VE、VF等の体制が取れていない場合においての評価の見直しを行ってございます。
これに関しても様々御議論いただきました。20ページ目、下から4つ目でございますが、中心静脈へのカテーテルに関しては、留置期間が長いほどカテーテル関連の血流感染症発症の罹患歴のある患者割合が高くなるということでございまして、特に151日以上留置していると31.2%の患者さんが感染しているということでございます。
こういったところから御議論を深めていただきましたけれども、下から2つ目でございます。中心静脈栄養が漫然と続いている可能性があって、医学的根拠に基づいて腸を使った栄養管理へシフトし、過不足のない中心静脈栄養が行われるような促しが必要だろうということ。
最後のポツでございますが、医療区分3としては、経腸栄養が可能な患者は対象とせず、腸閉塞等の腸管が利用できない患者のみ対象とすべきではないか。あるいは、それ以外の患者に対しては、評価を3ではなくて2あるいは1に引き下げるのが必要ではないかという御指摘もいただきました。
最後のポツでございますが、静脈経腸栄養ガイドラインにおいて、この全体的な適応に関して列挙されてございますが、それ以外の疾患でも適応になるものがあるのではないかという御指摘もあったところでございます。
21ページ目「7.外来医療について」ということで、まず「7-1.かかりつけ医機能等」について御議論いただきました。
上から4つ目でございますが、地域包括診療料1・2、地域包括診療加算1・2の届出を行っている施設における疾病別の患者数としては、高血圧症を有する患者というのが平均201.2人ということで最多でございました。
時間外対応加算1・2、これはかかりつけ医に係るような要件でございますが、こうしたものは在医総管や小児かかりつけ診療料などにおいて多かったものの、特定疾患療養管理料においてはそうした差が見られなかったことを指摘しております。
その3つ下でございますが、特定疾患療養管理料は、算定回数は多いが対象疾患が分かりにくく、見直しが必要だという御指摘をいただいたところでございます。
その下、特定疾患療養管理料については、医療法の改正に基づく書面交付を意識した対応が必要だという御指摘もいただきました。
最後のポツでございますが、高血圧、糖尿病、脂質異常症のいずれも、再診患者のかなり多くに外来管理加算や特定疾患療養管理料が算定されている一方で、地域包括診療料や地域包括診療加算、生活習慣病管理料の算定が極めて少なく、医学管理の質の観点でどのような診療報酬がふさわしいのか考える必要があるという御指摘をいただいております。また、併算定については検討が必要なのではないかということで御指摘いただいたところでございます。
「7-2.生活習慣病対策」ということです。21ページ目の最後でございますが、この管理料については、算定回数や届出医療機関数が若干増えているということ。
22ページ目、最初でございますが、この管理料に関しては、療養計画書を作成しづらい、あるいは自己負担が高い患者の理解が得られにくいということが、その算定を困難と感じている理由として多く挙がっているということを御紹介させていただきました。
また、下から4つ目でございますが、高血圧、脂質異常症、糖尿病患者の外来診療において、外来管理加算及び特定疾患療養管理料が算定されている割合が多いということに関して再度指摘しております。
下から2つ目でございますが、生活習慣病管理料の療養計画書について見直しが必要という指摘もいただいているところでございます。
「7-3.外来機能の分化の推進」ということで、前回の改定で紹介受診重点医療機関についての加算を設けてございますが、こちらは、特定機能病院なども含めて現状を御報告させていただいてございました。
3つ目のポツでございますが、紹介なしで外来受診をした患者の割合を病床規模別に見たところ、全体的に減少傾向にあって、病床数が多い病院においても減少傾向が顕著であって、患者数の推移についても同様の結果でございました。
そういった結果を踏まえても、なお、外来機能の分化・連携をさらに進める必要があるだろうという御指摘をいただいたところでございます。
「8.外来腫瘍化学療法について」でございます。こちらは前回新設している報酬でございますが、22ページ目、最後のポツでございます。外来ケモの診療料を届け出ている病院において、化学療法を実施した実患者数のうち、1サイクルも外来で化学療法を行わずに、全て入院で化学療法を実施した実患者数の割合が中央値として23%あったということ。
23ページ目に移っていただきまして、特に急性期充実体制加算及び総合入院体制加算を届け出ていた施設においては、中央値29%、24%ということで、高い傾向にあったということを御報告しています。
上から6つ目でございますが、時間外の体制について、外来ケモを届け出ている診療所では、速やかに受診が必要な場合には、連携しているほかの医療機関において診療ができる体制を取っているという施設が多くございました。
その2つ下でございます。療養・就労両立支援指導料の算定状況については、平成30年以降徐々に増加していますが、算定回数は引き続き低水準であるということを御報告しています。
下から3つ目でございますが、外来ケモに関しましては多職種が関わるものであり、外来化学療法に係る指針を作成することが医療の質の向上にもつながり、また、医療機関のチームワークの醸成にも役立つのではないかという御指摘をいただいたところでございます。
最後のポツでございますが、総合的な体制を構築・評価することが必要なのではないかという御指摘をいただきました。
23ページ目「9.情報通信機器を用いた診療について」ということで、オンライン診療について御報告しております。
24ページ目、9-1、オンライン診療の算定状況ということで、現状では、令和5年4月1日時点で7500の医療機関が届け出ております。こちらは今回アンケート調査等も行っておりまして、患者票、一般票において、それぞれ対面診療と比べて十分な診療を受けられないと感じたという割合が、それぞれ20.5%、56.1%ということで、一定割合そのように感じられている患者さんがいるということが分かりました。
下から4つ目でございますが、もう一つの観点としまして、患者票においては、オンライン診療受診者のうち受診医療機関の所在地と居住地が異なる割合が6.8%、一般票では28.8%という割合で報告されております。
また、形態として異なりますが、患者が看護師といる場合のオンライン診療ということで、D to P with Nが僻地や在宅の場で活用されてき始めているという御報告をさせていただきまして、より離島や僻地においてそういった活用が望まれるのではないかという御指摘をいただいたところでございます。
25ページ目、9-2でございますが、そうしたオンライン診療を行う医療機関の特性ということです。
1つ目のポツでございますが、ほかの医療機関への紹介を実施した件数割合は2.5%以下でございました。
3ポツでございます。様々な要件が撤廃されてございますが、情報通信機器を用いた診療が1割を超える医療機関は1割弱であり、5割を超える医療機関は1%ということでございました。
いずれにおいても、傷病名としては、COVID-19が最多であったということ。
その下でございますが、中には、不眠症を多く診ているという医療機関もございました。
その下でございますが、一方で、初診では麻薬や向精神薬の処方は行わないということが指針で決められてございます。こういったところに対して適切に対応すべきではないかということで御指摘いただいてございます。
所在の問題に関しましては、郵便番号を使った解析が今後課題ではないかという御指摘もいただいたところでございます。
続きまして、26ページ目、横断的個別事項ということで「10-1.身体拘束を予防、最小化する取組について」御報告しています。
1つ目のポツでございますが、実施率50%を超える病棟・病室も一定程度あったという御報告もさせていただきまして、具体的に、その患者の状態や実施理由について御報告しています。ライン・チューブの自己抜去防止や転倒・転落の防止が9割を占めていたことや、7割の患者さんにおいて24時間の拘束がされていたという結果を御報告しています。
一方で、上から3つ目でございますが、約9割の医療機関がこういったマニュアルに関しては策定しているという実態もございました。
こういった状況に対して様々な御指摘をいただきまして、組織としてこの課題に取り組むべきこと、また、介護における取組を参考にすべきであろうということ、また、社会全体における理解を醸成していく必要があるという御指摘もいただいたところでございます。
「10-2.入退院支援について」ということで御議論いただいております。
27ページ目に移っていただきまして、この入退院支援加算を算定している医療機関に関して様々なデータを分析しておりますが、入退院支援加算を届け出ているところにおいて、特に回リハに関しては、届け出ているほうがより早期から転院患者を受け入れていること、リハ職による退院前の訪問指導がより実施されていることが特徴として挙げられております。
下から4つ目でございますが、入退院支援加算届出ありのほうが、いずれの入院料においても平均在院日数が短かったという結果が出てございます。
また、下から2つ目でございますが、入院料別の対象者や施設の特徴を踏まえた入退院支援という視点が非常に重要なのではないかということで御指摘いただきました。
また、最後のポツでございますが、この入退院支援加算算定患者に対する実施項目に関しては、一番最後、全て必須項目にすべき時期ではないかということで御指摘いただきました。
28ページ目「10-3.急性期におけるリハビリテーション・栄養等について」ということで前回御議論いただいた内容でございます。
(1)の急性期におけるリハビリテーションに関しては、2つ目のポツからございますが、実施割合のばらつきが非常にあるということ。
3ポツ目では、そもそもリハの専門職の配置にばらつきが大きいということ。
4つ目でございますが、リハ職がより配置されているところのほうがADLの改善が大きかったということが示されてございます。
6つ目では、土日祝日におけるリハビリテーションのエビデンスについて御紹介させていただいておりましたが、急性期において日曜日に実施していないという割合が一定程度あったということで御報告させていただきました。
また、ADL維持向上等体制加算について様々御指摘をいただきました。算定ができない理由等を様々御議論いただきましたが、いずれにおいても、急性期入院医療においては高齢者のADL悪化を防ぐことが喫緊の課題であることや、下から4つ目でございますが、看護体制や介護福祉士の配置を含めてパッケージとして対応を検討すべきという御指摘もいただいたところでございます。
休日を含めた切れ目のないリハビリテーション提供体制が必要だということで御指摘いただきました。
最後、課題としまして、脳血管障害がこのADL維持等向上体制加算の中で対象疾患に含まれていないことが課題なのではないかという御指摘をいただいたところでございます。
29ページ目、急性期における栄養管理ということで、低栄養の状況等について情報を共有しております。
上から5つ目でございますが、こういった管理栄養士が配置されている状況においても、栄養情報提供書の作成やミールラウンドに関しては、ほかの項目に比べると実施割合が低かったこと、介護との連携において重要である栄養情報提供加算の算定回数が少ないこと等が指摘されたところでございます。
また、ほかの入院の患者に比べると、介護施設や福祉施設から入院する患者に関しては、低栄養や摂食・嚥下障害を有する割合が高いということをお示しさせていただきました。
世界的には低栄養の基準が定められており、今の通常の評価項目に関しては、DPCにおいてその項目として設けることはどうかという御指摘もいただきました。
(3)の1つ上でございますが、医療と介護の連携がさらに進むように検討してはどうかということで御指摘いただいたところでございます。
最後でございますが、「(3)急性期におけるリハビリテーションと栄養の取組」ということで、栄養、離床・リハビリテーション、口腔における計画作成においては、各職種の関わり合いというのが非常に少ないのではないかという御指摘もいただきました。
最後のポツでございますが、リハの実施の時間帯以外では、やはり看護師等における生活リハの提供がされることも重要だろうということで御指摘いただいたところでございます。
非常に長くなってしまって大変恐縮でございますが、このような形で事務局で取りまとめさせていただきましたので、御議論いただければと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、全体を3つの部分に分けて御検討いただきたいと思います。
まず、1ページから14ページまでです。項目で言いますと、「1.一般病棟入院基本料について」「2.特定集中治療室管理料等について」「3.DPC/PDPSについて」までのところで御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
ありがとうございます。
4ページの4つ目のポツになりますけれども、「急性期医療を必要とする患者に対する医療・看護を適切に評価する観点から、『救急搬送後の入院/緊急に入院を必要とする状態』については、日数の短縮化や、5日間の中でも入院後日数によって重みづけすることが考えられるのではないか」という指摘に対する違った意見を述べさせていただきたいということで発言させていただきます。
多分この文章というのは、高齢者の誤嚥性肺炎とか尿路感染症が医療資源投入量が少ないにもかかわらず必要度が高いということで出てきたものだと理解しています。実はこれに関してなのですけれども、【別添】資料編①の25ページに散布図が出ています。横軸に急1における1日平均医療資源投入量、縦軸に必要度基準該当割合という格好で出ているのですけれども、実は、この横軸の1日当たり医療資源投入量というのは、入院基本料とリハビリテーション料を除いている。したがって、ここには手術料が入っているのです。そうすると、手術を行うものはみんな右のほうに行ってしまうことになります。左下の赤く書いてあるあたりのところは全部内科疾患なのです。肺炎があったり、尿路感染症があったり、上のほうに行くと心不全があったり、脳梗塞があったり。こういったものは手術をしませんので、医療資源投入料は低く見えます。ですから、このグラフ自体はそういうバイアスがあるということを見ながら議論しなくてはいけないことになると思います。当然、右のほうには悪性新生物、がんが多く入ってきていますので、ここはどうしても手術料が高くなるということがあります。
そういったことを踏まえてもう一度考えていただきますと、予定入院と異なって、緊急入院、特に内科疾患ですね。肺炎とか尿路感染といったものは、救急で運ばれて来るときに病名がついて搬入されるわけではないのです。熱が出て呼吸も悪い、そういった中で搬入されてきて、それに対して診断をし、そして一定の検査を行っていく。ですから、病名がつくまでにある程度の時間がかかるし、検査もしなくてはいけない。しかも、高齢者は既に複数の基礎疾患とか既往症を抱えていますので、病態は一層複雑になります。
そういったことを考えますと、この救急搬送に関する5日間という評価は、ある意味、そういったことで設定されているわけで、医療資源が少ないということでこの5日間が不適切ということには決して当たらないという指摘をさせていただきたいと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
私からは3点述べさせていただきます。今まで発言させていただいたことについての付記という感じでございます。
まず1点目。今、医療資源の投入の量ということで牧野委員からもございましたけれども、地域包括ケア。5ページの「その他」になりますけれども、地域の包括ケア病棟につきましては、いわゆる救急搬送後の直接の入棟の場合、それから、それに対して三次救急医療機関等からのいわゆる下り搬送については、当然、医療資源投入量が明らかに変わるということがありますので、そういう観点からも、評価の在り方については今後慎重に議論すべきではないかということ。入れるとしたら、5ページの「(3)その他」の3つ目のポツ。患者の受入れについても評価すべきではないかという2つ目のポツの御指摘がありますので、それを受けて3つ目に入れていただけたらどうかなと思います。
2点目は6ページの「1-2.急性期充実体制加算について」です。これは過去に2度ほど会議で触れました。この場面では精神などが俎上にのりましたが、地域医療に支障が生じないという観点から、この急性期充実体制加算につきましては、特に加算を届け出る場合においては、各地域で行われております地域医療構想調整会議のほうで議論をするということなどを要件に入れてはどうかということを申し上げました。この点も付記いただければどうかと思います。
その下の2ポツの特定集中治療室管理料関係でございます。過去に発言する場面がございませんでしたので、これが初めての発言になってしまうのですけれども、このたびの4年度改定におきまして、救命救急入院料1・3については評価票がICUからHCUに変わっております。ですので、ここのときはそれで取りあえず終わっているわけですけれども、次回改定に向けては、この必要度、今は測定ということで終わっておりますが、該当患者さんの割合を要件化してみてはどうかということを考えて検討すべきではないかということを、今まで意見を言っておりませんけれども、入れていただけたらどうかなと思っております。
算定要件的なこと、評価内容的なことにつきまして申し上げましたけれども、これは中医協総会のほうで御議論いただくというのは重々承知しておりますので、書く場合においては工夫が必要かもしれませんけれども、御配慮をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。
今回、中間取りまとめをいただきましてありがとうございました。また、資料の4ページ目の(2)の上の1つ目のポツに、B項目以外の項目による評価を重視すべきではないかとの指摘があった。一方で、B項目による評価は重要ではないかとの指摘もあったということで、両論併記していただいたということにも感謝申し上げます。
また、4ページの上から2つ目のポツ「救急搬送後の入院/緊急に入院を要する状態」については、日数の短縮化や、5日間の中でも入院後日数によって重みづけすることが考えられるのではないか。
そして、5ページ目の(3)の上の1つ目のポツで、平均在院日数の短縮化が考えられるのではないか。
そして、5ページ目の「(3)その他」の1つ目のポツ、どのような病棟による急性期の高齢者等の受入れを推進すべきか。
それで、(3)の2つ目のポツで、三次救急等で初期対応を行った後の転院搬送についての評価、地ケア病棟によるこうした転院搬送の患者の受入れについても評価すべきということを書いていただいています。
あとは、75歳以上の誤嚥性肺炎、尿路感染に関わるその傾向と問題点など、特に医療資源の投入量を軸にかなりのボリュームで記載していただいているところです。
以上を踏まえまして、ここからは意見を申し上げたいと思います。
これらを踏まえますと、今後は高齢者の急性期を医療資源投入量で切り分けるという方向性もちょっと見えてくるわけです。では、現実の医療現場はどうかということをちょっとお話しさせていただきたいと思います。
当然三次救急は、高度かつ専門的医療を担うために急性期充実体制加算だったり総合入院体制加算の評価をよりブラッシュアップしていけばよろしいかと思います。しかし、地域の救急医療の現場はむしろ二次救急、7対1がその多くを担っているということも事実であります。その中には、軽症、中等症もあれば、医療資源投入量が少ない救急も見ているとは思いますけれども、そればかりではなく、医療資源をかなり必要とする高齢者救急にも対応しているからこそ、地域の急性期医療は何とか回っている実態があるということです。二次救急を7対1で受け入れて、その後、ポストアキュートとしてケアミックスの地ケアで、その後、在宅復帰に向けてリハビリを行いながら、診療したり、あるいは、地域の医療連携で二次救急の7対1からほかの地ケア・回リハに転送する。つまり、三次救急と、あとは地ケア・回リハがあれば二次救急は要らないよということには全くならないということをここで一つ確認しておきたいと思います。
これは、新型コロナ第7波、8波、現在の9波でも現実対応しているところではありますけれども、二次救急医療機関が高齢者の救急を支えているから三次救急が機能発揮できているわけで、新型コロナクラスター等で地域の二次救急が受入れ困難になりますと、途端に三次救急が逼迫して、通常の一般の急性期疾患、心筋梗塞だったり脳卒中の受入れができないことにつながって、助かる命が助けられないといった事態に陥る。つまり、二次救急の7対1が医療資源の投入量にかかわらず幅広く受け入れる機能を有していることが重要なポイントであると思っております。
今回はあくまでも中間取りまとめですので、今後は、地域における二次救急の7対1が地域包括ケアシステムの中で三次救急に負担をかけないようにして、現状どのように地域の急性期を支えているのか、その実態をつぶさに見ていきながら適正に評価を行っていくことが重要と考えております。
単に75歳以上の高齢者だからとか、単に医療資源の投入量が少ないからという視点のみで切り分けるのではなく、地域の二次救急の7対1をどのように適正に評価すべきなのかというのは、令和5年の調査結果も出てくると思いますので、三次救急ならばもちろん高度、専門的でいいと思いますけれども、二次救急がかなりの部分、高齢者の重症も見ていると思いますので、その点はしっかり議論を重ねて評価していきたいと思います。
非常に長くなりましたけれども、これは以前にも申し上げましたが、来年度、医師の働き方改革がスタートします。宿日直許可が取れていれば、大学は医師を派遣してくれるでしょうし、取れていなければ派遣はなくなるわけですけれども、夜間これまで二次救急で対応できていた医療機関が夜間の救急車の受入れを控えるといったことで、地域の医療提供体制に突然変化を来すおそれも懸念されます。そうしますと、一気に三次救急に負担がかかってしまうという可能性があります。
こういった点も踏まえまして、急性期の入院料、特に重症度、医療・看護必要度に関しては、B項目の取扱いについても今後慎重に議論を進めなければいけないと思うところでございます。
以上、ありがとうございました。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、林田委員、どうぞ。
○林田委員
ありがとうございます。
4ページ目、5つ目の急性期入院料における看護必要度のB項目の重要性について、少し補足という感じで意見を述べさせていただきます。
急性期において、A得点とB得点というのは非常に関連が強いので、A得点が高ければB得点も高くなりがちという傾向は確かにあるのではないかと考えています。そのため、A項目だけで急性期の患者像が把握できるのではないかという議論については、一定程度許容できるのではと考えているところです。ただ、現在の看護必要度が人員配置の基準にもなっていることを考えますと、B項目的な要素を重視しないというのには違和感があるというのが私の意見になります。
というのも、もしB項目的なものを診療報酬上重視しないということになり、例えばそれに伴って十分な看護師配置がなされなくなった場合、極端な状況においては、A項目については生命に関わる内容のため必ずケアを実施することになると思いますけれども、B項目については直接生命に関わらない部分というのが大きいため、ケアの優先度が下がる可能性もあると考えるからです。
同じA得点だとしても、B項目的なケアを実施するかどうかというのは、患者さんのQOLや機能回復の程度に大きく影響する要因のため、例えばアウトカムの視点から診療報酬上反映できればそれが一番いいと考えるわけですけれども、現時点ではそれが難しい。そうであれば、B項目、あるいはB項目に準ずるような評価の部分については看護の手間暇にも大きく影響するため、診療報酬上何らかの形で。例えば現在のB項目ですと、ケアの実施の有無も把握できますので、そういうプロセス的な視点からの評価は非常に重要なのではないかと考えています。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
牧野委員、挙手されていますか。
○牧野委員
ありがとうございます。
先ほど中野委員から突然出てきたので、あえて私は反論させていただきます。
今回、中野委員からは、救命救急病棟入院料1・3に関して基準値を設けるべきだということが突然出てきたのですけれども、確かに今、2・4には基準値があります。ただ、2・4と1・3では全く性質が違うのです。2・4というのはICUです。ですから、入れる人をかなり限定していて、2・4を持っているところは1・3も同時に持っているはずです。
そういった点で、1・3のことをお話しさせていただきますと、まず、救命救急病棟というのは救急患者に限定して入れる施設です。そして、救命救急病棟を持っているのは三次救急を行っている機関であって、ここは二次救急と比べて1施設当たりの搬入される救急車の数の桁が違うのです。たくさんの救急車を受けているのです。そういった施設がたくさんの救急車を受けるためにはそれなりにちゃんと安心して入室させられる治療室が必要だということで、この救命救急入院料の1・3が設けられているとあります。
そして、何よりも、通常のICU、HCUと違うのは、緊急患者、救急患者に対してですが、当然、搬入当時は病名もついていない、病態の把握も十分できていない、それに対して入院して治療・観察していくための治療室です。ICUとかHCUであれば、この必要度に合わせて、例えば特殊な治療などが必要であれば当然ここでするわけですけれども、そういった治療自体はほとんど行わないのがこの救命救急病棟です。
以前、ICUでもって評価していましたけれども、それと比べると、HCUの評価にしたほうが高くはなりました。ですけれども、通常のHCUに比べるとまだまだ低い。それは当然のことなのです。これはあくまでも救急患者対応の治療室ということで、病態把握が十分でない中で観察して、病態悪化を防いで、不幸な転帰を取らないようにするための部屋ということですので、ここの基準策定に当たっては極めて慎重であるべきだと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょう。
中野委員、どうぞ。
○中野委員
牧野先生、ありがとうございました。そういう意味では、議論の俎上にのっていない段階で今日意見を申し上げてしまいましたけれども、私も実態を把握という意味では先生のおっしゃることはよく分かります。今後の議論の方向性ということでちょっと投げかけたというところでございますので、引き続き。いずれは次のステップを踏むことになると思いますので、ちょっと早出しにはなりましたけれども、その辺の御理解もいただきつつ、今後議論をよろしくお願いしたいと思います。
と私が言っていいのかどうか分かりませんけれども、すみません。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
山本委員、どうぞ。
○山本委員
既に牧野委員、津留委員からお話がございました高齢者救急の部分でございます。例えば医療資源投入量で見たときの24ページ、あるいは25ページのデータ。特に24ページ、中間取りまとめでいうと3ページの真ん中よりちょっと下のところで、急性期一般入院料1と地域一般入院料でほぼほぼ差がないではないかということを言っていますけれども、先ほど牧野委員が言ったように、24ページも25ページも、手術のあるものもないものも全部一緒くたにひっくるめての比較ではないかと思います。全体が2.4だから、これとこれは1.2で、1.4だというのはかなり乱暴な比較で、こういう方向へ持っていきたい方たちは飛びつくデータだと思いますが、この辺はかなり慎重に取り扱う必要があるのではないかと思います。
繰り返しになりますが、高齢者救急というのは最初からおでこに「私は尿路感染症でございます」と言って入ってくるわけではないので、非常に多彩な病態を持っている。それから、薬もたくさん飲んでいる。経過もよく分からず、アナライズな聴取も十分にできないような患者さんを対象に救急現場は対応していますので、そこは十分配慮が必要ではないかと思いますし、繰り返し申し上げさせていただきたいと思います。
あとは、急性期充実体制加算及び総合入院体制加算のところなのですが、ここは特定機能病院が除外されているということがございます。特定機能病院は、御承知のように、もちろん大学病院の本院もありますが、それ以外のいわゆるがんセンター、ナショセングループ、総合病院としての形態を取っていない病院も含まれています。一方で、大学病院の特に本院はみんな総合病院としての形態を取って、内容的にはこの急性期充実体制加算あるいは総合入院体制加算に十分合致する診療を行っていますので、特定機能病院だからということで一概にここから除外するというのはいかがなものかなと思います。ここはぜひ考え直していただければと思うところでございます。
あと、急性期充実体制加算の基準のところで、心臓カテーテル手術は入っているけれども心臓血管外科が入っていない、これは一体どういうことか、逆ではないかという議論もございます。あるいは、脳神経外科的な手術も入るのかもしれません。要するに、これから医師の働き方改革を進める上で、より一層病院の拠点化・集約化が必要な手術等についてはやはりこの中に盛り込んで、拠点化・集約化を進める後押しをする必要があるのではないかと思う次第でございます。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょう。
中野委員、どうぞ。
○中野委員
先ほど急性期充実体制加算について触れて、今、ちょうど山本先生から急性期充実体制加算の話が出ましたので、コメントを申し上げます。
集約化ということで、外科のほうでいろいろ御議論されているやに受け取りました。確かに、医療の質ということで、集約という観点で見ていかなければいけないと思いますので、この場合はそれなりの集約化に合わせた要件ということを考えていかなければいけないのかもしれませんねということだけコメントさせていただきます。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
では、田宮委員、どうぞ。
○田宮委員
すみません。退室しなければいけないので、先のほうのことなのですけれども、よろしいですか。
○尾形分科会長
どうぞ。
○田宮委員
すみません。では、今のページのところではなくて、22ページと2カ所だけちょっと言わせてください。
22ページの2つ目のポツのところに「多くの施設で、糖尿病を主病とする患者に定期的な眼科受診を勧めていた」という文言があるのですけれども、これはあくまで生活習慣病対策の管理料を取っている施設においてという話です。取っている施設も余り増えていない状況もあり、さらに全体を押しなべると、この糖尿病網膜症の検査というのはまだまだ進んでいない状況がありますので、そこが誤解のないように「算定した手術の中では」ということを書いておいていただいたほうがいいかと思いました。
同様なことで、これも前に議論にもなったと思うのですが、27ページ。先に行って恐縮ですけれども、「入院時支援加算の届出有りの方が、いずれの入院料においても平均在院日数が短かった」という言葉があります。これもたしか議論の中で、あくまで届出ができる病院の体制の影響であって、入退院時支援加算によって平均在院日数が短くなったわけではないので、そこもちょっと気をつけた言い方に直していただければと。例えば「届出有りの病棟全体の平均在院日数は短かった」とか。決してこの入退院時支援加算をやったところのほうがほかと比べて短いという感じではないように。この課題も大きいと思いますので、その辺を御検討いただければと思いました。
ちょっと先のほうに行かせていただいてすみません。ありがとうございました。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、これまでいろいろな御意見をいただきましたので、事務局からコメントをお願いいたします。
○加藤補佐
事務局でございます。
様々な視点での御指摘ありがとうございました。急性期入院料ということで、特に必要度について御議論いただいたところでございます。資料としましては24ページ目、25ページ目に関する御議論をたくさんいただいたと思っております。
まず、牧野委員から、ワードの文書における4ページ目の4ポツ目、救急搬送5日間について御意見いただきました。ベースになるのがスライドのほうの25ページ目。こちらに関しては、外科系の疾患等も入っているのでということで御指摘いただきましたが、いずれの疾患においても、地域一般等や急性期2から6においても、そういったところで必ずしも外科的な手術が行われていないというわけではないと思いますので、我々はこれ自体が間違いだとは思っておりませんが、一定の見方としては、こちらは偏った見方につながるのではないかという御指摘は承ったところでございます。
高齢者における医療資源の投入に関してどのような見方で見るべきなのかということに関して、今後も引き続き御議論させていただければと思っておりますが、先ほども資料の説明の中で申し上げましたとおり、そもそもこの必要度というものは何を見ていくべきものなのかということで、前回も御議論いただきましたとおり、看護師等の手間を見るのか、あるいは入り口論という話もございました。機能分化の中で使うべき指標なのか。現在、急性期1から6の中でこの必要度の該当割合が異なることも踏まえて考えますと、機能分化という観点でも当然これまで用いてきたものだと考えております。
そのような観点で、この必要度という項目の妥当性を評価するに当たって何を基準にして議論するべきなのか。これに関してはしっかり整理した上で再度御議論いただくべきものだと思っています。我々は、この高齢者急性期は今後の主な議題だと思っておりますが、介護・看護は現場に非常に負担感が多い中で、適切な評価の在り方というものはこの必要度の本来的な意義も含めて議論いただくべきものだと思っております。また、必要度では評価し得ない部分もございますので、そういったところを含めて今後議論を深めさせていただきたいと思っております。
関連しまして、津留委員からも御指摘いただきました。この高齢者急性期の部分、特に御指摘いただきましたのは、資料の5ページ目の「(3)その他」のところでございます。三次救急ということで御指摘いただきましたが、すみません、この5ページ目の「(3)その他」の2つ目のポツで「三次救急医療機関等」ということで「等」を入れさせていただいてございます。これまでも議論させていただいたときに繰り返しコメントさせていただいておりますが、事務局として配慮が十分でなかったかもしれませんが、我々として、この三次救急でまず受けるべきだというメッセージ性を込めるつもりもなく、二次救急でも同様かと思っております。地ケア等やその他医療資源投入量が明らかに少ない患者さんにおいて、リハ等が同時に提供され得る環境で療養されるほうが適切な患者さんにおいては速やかな転院搬送を行うということは、患者本位の医療を提供するにおいても非常に重要なことだと思っております。三次救急ということで少しフォーカスがされてしまいましたが、あくまで救急搬送は診断が重要だということを山本委員からも御指摘いただきました。その診断がされた後、高齢者にとって最適な療養環境で入院していただくことが事務局としても重要だと思っておりますので、そうした観点がしっかり表現されるような表現ぶりにここを少し工夫させていただきたいと思っております。
また、津留委員からは、働き方の観点からも御指摘いただきました。御指摘のとおり、2024年4月から医師の働き方改革の上限規制の適用がされることを踏まえますと、救急に関しては地域の現場で一定程度集約化されることを踏まえると、こういった転院搬送がより適切に行われて、より適切な療養環境に高齢者に入院していただくことの重要性が高まってくるかと思っておりますので、そうした点も踏まえて今後さらに議論を進めていきたいと思っております。
中野委員からは、急性期充実体制加算に関して地域医療構想調整会議との絡みについてこれまでも繰り返し御指摘いただいていたところでございますが、これに関してどのように取り扱えるのか、事務局としてもまた検討させていただきたいと思います。
救命救急入院料に関しまして牧野委員からも御指摘いただいております。この1・3、そして2・4の性質の違いや、そういったところも踏まえて、この入院料自体に議論が必要だということは承りました。ここでこれまで議論していなかったものをこの中間取りまとめに記載するというのは現状ではなかなか難しいと思いますので、改めて議論の場がどういう場であるべきかということで検討させていただきたいと思います。
また、林田委員からはB項目について御指摘いただいております。B項目はA項目と連動しているからなしでいいということではないのではないかということでございます。これは、看護師の方々の手間ということを評価するに当たって重要な項目だとは事務局としても認識しておりますけれども、項目として機能しているのかどうかという観点も重要かと思います。指標として、患者さんの評価を分けるに当たって機能しているかどうかということと、それを重視するかどうかというところはまた別の観点としてもあるかと思います。これも引き続き必要度の在り方の中でまた御議論させていただきたいと思いますし、御指摘いただいたようなプロセスの観点からの評価ということで、こちらも重要な視点かと思いますので、また事務局としても検討してまいりたいと思っています。
また、山本委員からも御指摘いただいております。特定機能病院に関して、こちらは急性期充実体制加算の対象でないことについて御指摘いただいております。急性期充実体制加算の要件自体がそもそも、一般病院の中で診療実績が充実している医療機関とはどのようなものかということで要件設計もされておりますので、特定機能病院が果たす役割は何なのか、そういったところに関しましては現在文科省でも検討会が開催されていることも踏まえて、特定機能病院の評価の在り方ということは改めて検討させていただきたいと思っております。
また、急性期充実体制加算の評価項目として、心カテだけではなくて、心臓血管外科や脳外の診療実績なども必要なのではないか、そういった集約化の観点からも重要ではないかということで御指摘いただいておりましたので、こういったところに関しましても今後検討させていただきたいと思っております。
田宮委員から回復期についても御指摘いただいておりましたが、急性期に関して事務局からのコメントは以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ただいまの事務局からのコメント、よろしいでしょうか。何か追加的な御意見ございますか。
中野委員、どうぞ。
○中野委員
事務局のお答えをありがとうございました。それで、ちょっと言い忘れたといいますか、DPCについては前回の中間報告についてもどなたからも発言がなかったのですけれども、私はこのDPCのワーキンググループ委員でありますので、引き続き、山本座長のもとで検討していきたいということを決意表明いたします。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御質問等がないようですので、先に進みたいと思います。
次は14ページから21ページまでの部分でございます。内容的には地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、療養病棟の部分でございますが、この21ページまでの部分につきまして御意見、御質問を承りたいと思います。
井川委員、どうぞ。
○井川委員
ありがとうございます。今回、ポジティブな意見、ネガティブな意見を含めて非常にきっちりと書いていただいてありがたいと思っております。地域包括ケア病棟の入院料に関して少し意見を述べさせていただきます。
私が従来から申し上げておりますように、いわゆる緊急入院、要するに救急車を経ずに在宅のほうから直接入って来られる患者さん、そういう方々を受け入れるというのは地域包括ケア病棟の非常に大きな役目であり、それをしっかりやっている病院というのはやはり評価すべきだろうということに関して非常にきっちり書いていただいているのは非常にありがたいと思っております。14ページの「4.地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料について」の4番目のポツのところにしっかりと「緊急入院の患者は34.9%」と。今まではこれは一切書いていただけなかったので、書いていただいて非常にうれしいなと思っているのです。
その2つ下のポツのところに、実は救急搬送後、他の病棟を経由せずに地域包括ケア病棟に直接入棟した患者の特徴が書かれているのですけれども、実はこの特徴というのは、同じく緊急入院の患者にも見られておりますので、ぜひともそこのところも追記で入れておいていただきたいと思っております。
それから、同じ14ページの一番下のポツの、上から2つ目の横バーのところで入院経路別の医療資源投入量について書かれていますが、ここの「緊急搬送後、直接入棟」というのは多分「救急搬送後」の誤りだと思いますので、訂正をお願いいたしたいと思います。「包括範囲の医療資源投入量が多い傾向が見られた」と。実際にグラフで3段に分かれている包括の部分に関して言ったわけですけれども、そのちょうど間に当たるのが緊急入院患者の医療資源投入量でございますので、「次いで緊急入院患者の医療資源投入量が多かった」というふうに追記していただければうれしいなと思っております。
15ページでございますけれども、下から3段目のポツで、救急搬送後直接入棟の患者ではリハビリテーションの実施頻度が低い理由がここに書かれております。直接入院だとリハビリテーションがすぐには難しいというのが結論づけられたような形で書いてありますけれども、実際には急性期であろうが何であろうが、早期にリハビリテーションというのが言われております。事実としてはこうなっているのだけれども、やはり必要だ、早期にやるべきだろうというふうに記載すべきだろうと私は思っております。
続きまして、回復期リハビリテーション病棟のほうに移らせていただきます。
16ページの5ポツの上から5番目、1日当たり提供リハビリテーション単位数についてのお話でございます。これは全国平均で見た数字でございますので、あくまでも基金による査定といいますか、それによるバイアスというのが絶対に入っていて、廃用であったり運動器というのは脳血管と同じような形には絶対にならない。そういう意味でいいますと、下がっている要因としてそれがあるという事実だけは認識していただけるような書き方が何とかできないかと。非常に難しいところではございますけれども、そういうふうな配慮ができないかと思っております。
それから、17ページの「5-2.質の高い回復期リハビリテーション医療の提供について」でございます。上から4番目のポツで、バーで言いますと3つ目、身体拘束のお話です。身体拘束を実施している患者というのは主病名が脳卒中、脳梗塞である者が多い。これは、いわゆる認知症あるなしで判断できないような高次脳機能障害であったり、そういうものが非常に増えているということが我々の現場の観点から言えるわけでございます。高次脳機能障害の方というのは、できるだけ早期にリハビリをしてさしあげたいということで、回リハのほうに非常に早く移ってきていただきますけれども、実際にはそこのところが回復されておられないので、思いもよらない行動をされることがあります。そういうものに対する拘束というのは少し多めになろうかという意味でいいますと、ここの部分は、するべきではないという事実はございますけれども、ある程度納得できるような内容かなと思います。
その下に書いてありますように、「看護師のケアのみでなく、薬剤の使用や環境整備について病院全体で工夫を行っていく必要がある」ということに関しては全面的に賛成いたしたいと思います。
同じくその部分で18ページの上から3つ目のポツで、リハビリテーションで自宅への復帰を目指すことを目的としているので、地域貢献活動ということです。これは高いとは言えませんけれども、ただ単に何もなしで、回リハ病棟だからしなさいと言われても、実際に動きが取れるわけではございませんので、何らかのインセンティブが必要であるという意見はあるということを書いていただければうれしいと思います。
続きまして、療養病床でございます。今回、療養病床に関しましては医療区分の見直しという一大事業がされる結果となりました。実際に見せていただいたグラフから、やはり医療区分3の中でも医療資源の投入量が非常に違うということは見せていただいておりますし、処置と疾患ともに医療区分3という患者さんの医療資源投入量は平均に比べてかなり高い。3倍近く違うということがありますので、それに関する見直しに関してはやはり必要だろうと思います。
ただ、内容に関していうと、私がいつも申し上げておりますように、現場の負担という点でいいますと、中身を変えられるとさらに負担が増えるということもありますので、医療区分をある程度変更するというのはやむを得ないとしても、今ある項目に関してはできるだけいじらないということが必要かと思っております。
あと、中心静脈栄養に関してでございます。一番最後の中心静脈栄養のガイドラインのお話ですけれども、これは、私が少し申し上げたり、猪口先生から御意見があったところを書かれていると思うのです。ここの部分で「経腸栄養が禁忌で、静脈栄養の適応となる疾患はこれ以外にもあるのではないか」と書かれておられますけれども、「禁忌」というのはちょっと言い過ぎかなと。「適応」として少し緩めにしたほうが。例えば「経腸栄養が進みにくい」であったり、いろいろあります。例えば低たんぱく患者さんに関していいますと、腸管浮腫などがあって、ふだんよりも消化吸収という点では非常に劣る。そういうふうなことがあったり。例えば長期に絶食をしていますと、腸管粘膜が萎縮していて、経腸栄養からの吸収が劣る。そういうふうなことに関していいますと、禁忌とは言えないけれども、やはり一旦TPNで栄養状態を上げたほうがいいだろうと。そういう観点からいいますと、「禁忌」と書かれるとちょっと書き過ぎかなという気がいたしております。
以上です。ありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、飯島委員、どうぞ。
○飯島委員
ありがとうございます。
17ページ、質の高い回復期リハのところを中心にということでお話ししたいと思います。今からのお話は、この文章をこういうふうに直してほしいということよりも、改めてより強化するように仕向けていただきたいというお願いの意味でお話しします。
まとめて言いますと、当たり前のことを通常の診療でどう確実に実施するのかというところが大きく問われているかなというデータにも見えました。なぜかといいますと、例えば回復期リハは自宅も含めて復帰を目指すところが目的と書かれてあって、当然、学問的にも、リハビリテーションと栄養の両方が必要で、その両方ともがセットで提供されなければならないということも当たり前の考え方になっている。あと、病院から地域に戻した後に日常生活をどうにか継続できるようにというところの助走部分をどう作ってあげるのかというところ。そこには原因疾患を完全に治せないにしても、自宅に戻ったときに維持できるかどうか、そこのイメージ出しのところが重要かなと思います。
その意味で、17ページから18ページにかけまして、例えば2割の病棟が入院栄養食事指導料を全く算定していなかったとか、あとは、摂食・嚥下機能障害の方々に対する嚥下機能評価に対して経腸栄養の離脱割合が高かったという前向きなエビデンスがあるわけですけれども、なぜ実施されていないのか。そこにマンパワーだとか何だとかいろいろな諸問題があるとは思うのですけれども、やはりやるべき患者さんには確実にやるとか。
あと、退院前の訪問指導に関しましても、退院後の自立度、ADLの向上には有効でということが出ながらも、40%の医療機関が全く実施できていない。それに対して、当たり前で、やったほうがいいとされるものを確実にやるというところの対応策をどのように促せばいいのかということになってしまうのかなと思うのです。
原因は、当然、深掘りしていけば、マンパワー云々、ほかの問題、いろいろあるかもしれませんけれども、最低限のことは確実にやっていこうというふうにどう促していくのかというところではないかと思います。
実は、リハビリテーションと栄養というところの話題が29ページとか30ページの後半戦にも出てきて、似ているところの視点があるかなと思いますけれども、そこはまた後半戦で発言できればと思います。まずその視点をきっちりと確実にというところの促し方をぜひとも推進していただきたいと思いました。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。
16ページの5-1の上から5ポツ目、先ほど井川委員がもう御指摘されたところでございますけれども、少し補足という形で。あと、28ページ以降の10-3の急性期リハのところにも関わってくる話です。
リハビリにしっかりと対応している医療機関に対してその評価を行うということは重要だと考えますが、一方で、都道府県ごとの減点査定、独自のといいますか、統一されていない問題もやはり重要視するべきかなと思います。こういったものはもう格差はなくなってきたのだと聞いておりますけれども、やはりダブルスタンダードとも言える暗黙の年齢別・疾患別リハ上限単位数ルールとでもいいましょうか、そういったものが存在しているのではなかろうか。すぐ隣の都道府県では算定できて、自分の県では幾ら頑張っても減点査定されるというのでは、リハビリを頑張って提供している医療機関、特にセラピストにとっては非常に残念なことだと思います。
ちなみに、とある都道府県、F県としまして、どんなふうになっているかというのをちょっと御披露しますと、例えば急性期における疾患別リハにおきましては、脳血管で60日までだと、80歳未満だと9単位、80歳から89歳は7単位、90歳以上だと5単位とか。あるいは、61日を過ぎますと、80歳未満でも6単位とかいう形で下がってきます。運動器に関しましては、80歳未満でも6単位、90歳以上で4単位とか。呼吸器ですと、80歳から89歳までは6単位、そして90歳以上だったら4単位。で、心大血管、あと、廃用症候群に関しても、どんなに頑張っても3単位までと。
回リハに関しましてもほぼ同じような感じ。脳血管に関しては、80歳未満で9単位、80歳から89歳が7単位、5単位とか。あとは、運動器に関しましては6単位、4単位。回リハに関しましても、心大血管、そして廃用症候群に関して3単位までということ。そういった暗黙のルールがございます。都道府県独自のルール、このバイアスの影響というのはあると思いますので、それをこの書きぶりに入れていただくかどうかというのはまた別問題だと思いますけれども、今後これに関してはちょっと検討が必要かなと思っていますので、意見をさせていただきました。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、猪口委員、どうぞ。
○猪口委員
すみません。遅れて入りましたので、もしかすると説明があったかもしれませんが、16ページの一番上の地ケアの話です。ここの1行目に「ポストアキュート、サブアキュート」という表現がされています。これは日本語で表現すると何がいいのかなというのは難しい話だなと実は前から思っていて、特にサブアキュートをどのようにここで表現するかというのは極めて重要です。地域医療構想における病棟機能においても、このサブアキュートを日本語でどういうふうに表現していくのかというのは極めて重要だと思っております。非常によくまとまった文章だと思うのですが、その中にどう書かれるのかというのは非常に重要な話だと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
中野委員、どうぞ。
○中野委員
私は療養病棟の改定の18ページのあたりでございます。先ほど井川委員からも、現場に混乱を招かないようにということがございましたが、今、医療区分のほうで、具体的に3掛ける3という9分類の考え方もここに示されておりますけれども、何はともあれ、入院する患者さんが、ということになりますから、患者さんの状態に関してもきちんとした理念についてしっかりと議論していかなければいけないのではないかと思っております。
それから、経過措置の病棟が廃止されるわけですけれども、これに伴って療養病棟の在り方をしっかり議論していくのはあえてここでちょっと言っておいたほうがいいかなと思います。
それから、20ページの中心静脈関係でございます。各委員のいろいろなコメントをまとめられておりますので、そこに入っているかもしれませんけれども、改めて私も表現したのは、可能な限り速やかに抜去することは当然だということで以前申し上げたと思います。それに伴って、理念はそうであるけれども、結局、それほど抜去に必ずしも実際に伝わっていないのではないかというデータが出ておりましたので、改善の余地がおありだということを改めて入れておいたほうがいいのかなと思って、可能でありましたら付記をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
それでは、これまでに出されました御意見等につきまして、事務局からコメントをお願いいたします。
○加藤補佐
ありがとうございます。
それでは、4ポツ以降で御意見をいただいたところを簡単にコメントさせていただきたいと思います。
井川委員から様々御指摘いただきました。まず、地ケアに関しましては、この救急・緊急入院のところを様々御議論いただきましたが、その表現ぶりについて細かく御指摘いただきましたので、反映すべきところに関しては反映させていただきたいと思っております。
緊急入院におけるリハビリテーションについて早期に実施すべきであるというところに関しましては、ごもっともだと思っておりますし、事務局としても非常に重要なことだと思っておりますので、この表現ぶりについては工夫させていただきたいと思っております。
これは津留委員からも御指摘いただきましたが、脳血管リハの単位数が高いという表現ぶりについても、地域差がある査定の状況に、特に運動器に関しては大きく影響を受けているのではないかということで御指摘いただいております。我々もそのような状況があるということに関しては耳にしているところでございますが、実態としては把握し切れていない部分もございますので、どのような書きぶり、工夫ができるのかということに関しては、また持ち帰らせていただきたいと思います。
この個別の状況の是正に関しましては、繰り返しになりますが、査定している支払い基金との関係性上、我々としては、機能としては、所掌しているものに関してはそこはこだわる部分でございますので、越権行為にならないよう配慮しないといけない部分はございますが、我々はしっかりデータを分析させていただいて、マスでこのようなデータが出ているのだということは適切な評価につながることだと思っております。どれぐらいの単位量のリハが行われると、どれぐらいのFIM利得があるのか、これをしっかりと示していくことが重要だと思っておりますので、そのような観点からも今回資料をまとめさせていただきました。また、より精緻な分析ができるよう、データ提出加算に関して今回も入棟・退棟のみならずデータを出していただくことについて御提案させていただいたわけでございます。そのような背景に関して理解させていただいた上で、記載ぶりについては少し工夫ができないか検討させていただきたいと思っております。
また、高次脳機能障害を持たれた方の入院早期の状態において拘束が必要な状態があるということで御発言いただきました。そのような状況においてもどのような工夫ができるのかというのは非常に重要なことで、やむを得ない拘束があるのではないかということはこれまでも繰り返しいただいたところでございますが、その上でなお、どのような形で最小化していくのかということで前向きな御議論をいただいたと思っておりますし、できるだけそのような形でまとめさせていただきたいと思っております。
地域貢献活動に関してもインセンティブが必要なのではないかということで御指摘いただきましたので、こういったところに関しても記載ぶりを少し検討させていただきたいと思っております。
また、療養における医療区分について、精緻化すること自体は御賛同いただいたとともに、項目に対しては変更は不要ではないかということで御指摘いただきました。
また、中心静脈栄養に関しましては、経腸栄養の禁忌以外の部分の病態もあるのではないかということで、恐らくこういったガイドラインでも記載されてございますが、禁忌であるものとそれ以外のもので適応においては少し段階があるのではないかということに関しては、これまでも御議論いただいたところでございますので、そういった状況も踏まえた評価ということは今回も取りまとめの中で記載させていただいたところでございます。そうした御指摘も踏まえて検討を進めさせていただきたいと思っております。
飯島委員からは、様々な回リハなどにおける栄養や退院前の訪問指導について、当たり前のものをどのように最低限やっていただくのかということで非常に重要な御指摘をいただきました。我々医療課としては、様々なところで要件として盛り込むことがこうしたものを徹底する一つのツールだと認識しているところではございますが、そういったものになじまないものもございますので、どのような形でそれが現場で徹底され得るのかというところは引き続き検討させていただきたいと思っております。
津留委員からも御指摘いただきました。先ほど井川委員からの御指摘のところでまとめてコメントさせていただきましたが、現状、特に運動器、廃用においては様々な査定の状況があるということに関しましては、我々、改めて認識させていただきたいと思いますし、我々の診療報酬と現場の査定状況の乖離ができるだけ小さくなるようなエビデンスをしっかり示した上で、何に取り組めるのか、また検討していきたいと思っております。御理解いただければと思っております。
猪口委員から、サブアキュートという表現ぶりについて、日本語でどう表現するのか、非常に重要なポイントであるということで御指摘いただきました。これに関しましては、現状の中間報告で、このような書きぶりがいいのではないかということで、今この段階で表現ぶりを議論していただくには恐らく時間が十分ではないと思いますので、中間取りまとめに関しましてはこのまま出させていただいて、どのような表現ぶりがいいのかということに関しては、引き続き御議論させていただきたいと思っております。
最後、中野委員から療養について御指摘いただいております。経過措置病棟を廃止することを踏まえて、そもそもの療養の在り方について検討が必要だろうということに関して御指摘いただきました。
また、TPNに関しては改善が必要であろうということを明確に記載すべきということで御指摘いただきましたので、この記載ぶりについてはまた検討させていただきたいと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ただいまの事務局からのコメントはよろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは、ほかに御質問等もないようですので、先に進みたいと思います。
最後の部分です。21ページから30ページまで、外来医療、外来腫瘍化学療法、情報通信機器を用いた診療、横断的個別事項についての部分でございますが、この部分につきまして御意見、御質問等を承りたいと思います。
鳥海委員、どうぞ。
○鳥海委員
ありがとうございます。
23ページの8つ目のポツの療養・就労両立支援指導料でございますが、現在、担がん患者さんが社会で増加をしているわけでございます。療養・就労両立支援指導料というのはすごく大切だと思うのです。ここに、平成30年度以降徐々に増加はしているが算定は低水準と書いてございまして、あまり伸びない。伸びないでこれは終わっているのですけれども、この後に、これは今の社会の中でもっと増やしていったほうがいいと思うのです。この指導料は結構面倒くさい。面倒くさいという言い方はこの場で適当かどうかは分からないのですけれども、なかなか煩雑でございまして、産業医との何かとかいろいろあって思うようにできないということもありますので、この低水準な算定を改善すべく、算定しやすい仕組みを今後とも前向きに検討していただければと思いますのが1つでございます。
もう一点、外来の化学療法の時間外対応加算でございます。こちらのほうにつきましては、下から2つ目のポツでございますが、「加算が減算されることについても仕方がないのではないかとの指摘があった」という表現でございます。加算が減算されるということは、多分、クリニックの先生方は結構センシティブな捉え方をされるのではないかと思うのですけれども、いただいた資料の中では、化学療法をやっている中で、57%はこの時間外のあれを届けていないのです。実際、1、2、3とあって、1、2、3から減算するというよりは、この57%に届けていないところについて、4でも5でもいいのですけれども、地域の基幹病院と提携して、より安全に質の高い化学療法ができるように、そういうコネクションを持って算定の数を、安くてもいいと言うといけないのかもしれませんが、増やしたほうがいいのではないかと。減算するという言い方をするとやる気がなくなってしまうかなと思うものですから。ただ、それにくっつかれるという言い方もよくないのかな、基幹病院はクリニックと提携するわけですけれども、例えばこういう10個のクリニックからあれして、例えばここのところが外来化学療法の新しく作った4というのを算定していますよと言ったら、そのくっつかれた基幹病院のほうにもぜひインセンティブというか、くっつかれ放しですと沈没してしまうかもしれませんので、そこの御評価もお願いしたいということを意見として述べさせていただきました。
どうもありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
ありがとうございます。
28ページの一番下のポツのところです。これはたしか前回、井川委員がおっしゃったことだと思うのですけれども、ADL維持等向上体制加算のところの要件で、施設基準の中で脳血管障害が対象に含まれていないのは課題という指摘があったのです。実はこれは参考資料4の130ページの右のほうに施設基準があって、そこの3つ目の○のところに「循環器系、新生物、消化器系、運動器系若しくは呼吸器系」ということが書かれているのです。実はここに脳血管障害は確かにないのですけれども、ICD-10の分類でいくと、循環器系疾患の中に脳血管障害が入るのです。ICD-10のIの0から99というのは循環器系で、Iの60から69が脳血管疾患なのです。したがって、ここには脳血管疾患が含まれるという解釈のほうが私は正しいのではないかと思っているのですけれども、この点を確認していただきたいと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
井川委員、どうぞ。
○井川委員
ありがとうございます。
身体拘束に関して少し意見を述べさせていただきます。ここに書かれておりますように、身体拘束は極端に言えば絶対悪といいますか、やらなければいいにこしたことはないものであるのはまず間違いなく、皆さんが同じように考えておられると思うのです。それをどれだけ減らすように努力しているかということを重要視していて、それをどのように診療報酬の中で評価していくかということが今回ここに書かれている内容の一番メインだろうと思います。
そういう意味でいいますと、26ページの10-1の一番下のポツ、身体拘束ゼロに向けての取組の中の「病院全体として理念を掲げ、身体拘束ゼロに向けた方針を明確にしていく必要があり、多職種からなる職員全体で、組織一丸となった取組が評価されるべき」という文言は非常に重要な意味を持って、それに対してどういうふうな評価基準を設けていくかということになろうかと思います。
例えば拘束予防の研修会というのは実際にはほとんどされていなくて、そういうものに関する参加要件であるとかいうものを加えていって、それが必要必須項目であるという形で持っていくというのも一つの手かなと私は思っております。
以上です。ありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、これまで出された御意見等につきまして、事務局からコメントをお願いします。
○加藤補佐
ありがとうございました。
それでは、まず、鳥海委員から御指摘いただいたところでございますが、両立支援指導料に関して低水準のところ、伸び悩んでいるが、非常に重要なものなので、より算定されるようなことが必要だという記載ぶりが必要だということで御指摘いただいたと思っております。こちらはそのとおりだと思っておりますので、記載ぶりはまた検討させていただきたいと思っています。
また、時間外対応ができていないところが今57%あって、そこが減算というのはどうなのかという御指摘、非常に重要な御指摘をいただいたと思っております。こうした外来兼務の体制を充実させるに当たって、57%の医療機関がそのような状況であることも踏まえると、どのように連携していくのかということは非常に重要なポイントでございまして、受け手である病院のほうが正しく評価されるということも一つ大きなポイントだと思っております。これをどのように位置づけていくのかというのは次の改定でも非常に重要な課題だと思っておりますので、記載ぶりについてもその点を含めさせていただきたいと思います。
牧野委員から、ADL維持向上体制加算について、28ページ目の最後のところでございます。脳血管疾患、脳血管障害がこの対象疾患に含まれていないものに関して、心血管のほうに含まれているのではないか、ICD-10ではそのような定義ではないかということで御指摘いただいております。確かに、ICD-10ではそのように位置づけられるのかもしれませんけれども、現状、算定要件に関して、我々の課題ではございますが、その点が明確に明記されていないということでございますので、それは現場の方々に理解していただけるように記載ぶりについては少し工夫が必要かと思っております。引き続き、この記載を残させていただけたらと思っております。
井川委員から身体拘束についてまた御指摘いただきました。様々な評価基準等の御指摘もございましたが、やはり研修会等でどう実効性を持たせていくのかというところ、必須項目にすべきということで御提案もいただきましたので、この点も含めてまた今後引き続き検討していきたいと思っております。
コメントは以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ただいまの事務局からのコメントにつきましていかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。
それでは、ほかに御意見、御質問等もないようでしたら、本件に関わる質疑はこのあたりにしたいと思います。
本日の議論は以上でございます。本日も様々な貴重な御意見を頂戴いたしました。本日御議論いただいた内容につきましては、事務局とも相談の上、必要な修正等をした上で、中医協診療報酬基本問題小委員会のほうに報告をさせていただきたいと思います。必要な修正等については私に御一任いただけますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、そのように取り扱わせていただきたいと思います。
それでは、次回の日程等について事務局からお願いいたします。
○加藤補佐
本日もどうもありがとうございました。次回の開催は未定でございますが、決まりましたら御連絡させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○尾形分科会長
以上をもちまして、令和5年度「第7回診療報酬調査専門組織入院・外来医療等の調査・評価分科会」を終了させていただきます。
本日は、皆様の御協力によりまして時間内に終了することができまして、大変ありがとうございました。
本日はお忙しい中、大変熱心に御議論いただきましてありがとうございました。
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