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2022年6月10日 令和4年度第3回入院・外来医療等の調査・評価分科会・議事録


 

○日時:令和4年6月10日
15:00~17:00

○場所:日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8E
 
 
○出席者
【委員】
尾形分科会長 池田委員 猪口委員 小池委員 飯島委員
井原委員 菅原委員 武井委員 田宮委員 津留委員 井川委員
中野委員 林田委員 牧野委員 秋山委員 山本委員
【事務局】
保健医療企画調査室長 他
 
○議題
1.看護の処遇改善に係る診療報酬上の対応に向けた技術的検討において必要な調査・分析について その3
 
○尾形分科会長
こんにちは。定刻になりましたので、ただいまより、令和4年度第3回「診療報酬調査専門組織 入院・外来医療等の調査・評価分科会」を開催いたします。
なお、本日は新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。また、今回の会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うことといたしております。
委員の出欠状況について御報告いたします。本日は眞野委員が欠席と伺っております。
それでは、早速、本日の議題であります「看護の処遇改善に係る診療報酬上の対応に向けた技術的検討において必要な調査・分析について その3」につきまして議論を行いたいと思います。入-1「看護の処遇改善について 技術的検討において必要な調査・分析 その3」につきまして、まず事務局から資料の説明をお願いいたします。
○金光補佐
事務局でございます。
資料入-1を御準備ください。「看護の処遇改善について(技術的検討において必要な調査・分析 その3)」でございます。
2ページでございますが、検討に向けたスケジュールの考え方、こちらはこれまでお示しさせていただいているとおりでございます。
ページをお進めいただきまして、3ページについては、令和3年12月22日の大臣折衝事項ということで、看護における処遇改善の仕組みについての説明でございます。
4ページ以降、中医協でこれまでいただいた御指摘の再掲になりますが、入れているところでございます。
4ページが3月23日。
5ページ、6ページが4月13日の当分科会でございます。
7ページが4月27日中央社会保険医療協議会でいただきました御指摘、8ページも同様です。
9ページでございますが、5月19日、前回の当分科会でいただきました御指摘でございます。
1つ目の○でございますが、病床稼働率のばらつきがあるため、診療報酬における入院料等の算定回数と、病床機能報告等による看護職員数のデータを病院毎に紐付けて分析し、算定回数と看護職員数の相関を把握すれば、外れている病院を同定しつつ、より詳細な議論ができるのではないか。
2つ目、看護部門に配属される看護職員数は病院毎にばらつきが大きいため、当該病棟の看護職員数という切り口と、その施設全体の看護職員数という2つの分析が必要。本分科会では、平均値だけでなく、どの程度ばらつきがあり、そのばらつきが許容できる範囲なのかを分析する必要がある。
その次でございますが、どの集計においてもばらつきがあるという結果であった。ばらつきを収束させるのは難しいだろう。ばらつきをまとめていくのではなく、むしろ、ばらつきに応じた診療報酬を考える必要がある。
4つ目の○ですが、病院にはそれぞれ特性があり、患者数や看護職員の病棟配置割合等は病院毎に異なり、類型化したり入院料等の分類で整理しても近似値にはならないだろう。したがって、職員数と最も多い入院料を見て、医療機関毎に係数を設定するように、医療機関毎に点数設定をするのが一案ではないか。
パラメータである看護職員数と算定回数であるが、算定回数については「入院」という切り口を主体として整理することも考えられる。
最後の○ですが、「きめこまやかさ」と同時に「シンプルさ」が求められる。膨大な解析のエビデンスが必要という考え方もあるが、事務局の方で実際に点数化した場合にどのようになるのか、シミュレーションをいくつか出してほしい。それを確認し、フィット感を探っていくことが必要ではないか。こういった御意見をいただいておりました。
こちらも含め、6月1日の中央社会保険医療協議会で、前回の分科会での御議論を御紹介さしあげたところでございます。それを踏まえ、いただきました御指摘、10ページにまとめております。
分科会での指摘のとおり、「当該病棟の看護職員数」と「その施設全体の看護職員数」という2つの視点は、診療報酬で評価していく方法を考えるに当たり、「整理の道しるべ」になるのではないか。
2つ目の○でございますが、分科会の指摘を見ると、1つ目、なるべくばらつきを小さくする方法、2つ目、ばらつきがある前提で医療機関毎に点数を設定する方法、の2つの方向性が、意見の中に出ているように見える。1つ目の①については、ばらつきがある程度の期間において、安定的に収束し、それが継続するということが、診療報酬という仕組みを考える上で考慮すべき事項だと思う。②については、検証のしやすさという観点で選択肢となるのではないか。
3つ目の○ですが、いくつかのシミュレーションを通じて、様々な点数設計を検討しながら、丁寧に合意形成していくことが重要。また、実際にどうやって運用していくかも議論できたらよい。
4つ目の○ですが、比較的ばらつきが少なく、補助金と比較してあまり齟齬のない点数設計が見つかることを期待しているが、その一方で、どのような点数設計になったとしても、診療報酬である以上、患者数の変動等によって、処遇改善に必要な費用に過不足が生じることは避けられない。その際、重要なのは、ある程度、余裕を持ったバッファを設定しておくことで、過不足に柔軟に対応できる仕組であり、今後は、そうした視点も併せて検討しておく必要がある。
5つ目の○ですが、看護職員の配置状況から、入院料を主体で考えることは理解できる。一方、3割程度病棟外にも看護職員が配置されているため、その部分を入院患者だけが負担することについては、合理的説明が必要。
最後の○ですが、患者が負担する医療費が増えることにつながるため、患者が納得いくような、説明が可能な仕組みを作っていく必要がある。こういった御指摘を6月1日の中医協のほうではいただいてございました。
11ページでございます。データ分析についてということ。5月19日の当分科会でいただきました御指摘、先ほど御紹介したとおりでございますが、太字で下線を引いておるところ、ポイントかと思って事務局のほうでつけてございます。
診療報酬における入院料等の算定回数と、病床機能報告等による看護職員数のデータを病院毎に紐付けて分析し、算定回数と看護職員数の相関といった御指摘。
当該病院の看護職員数という切り口と、その施設全体の看護職員数という2つの分析という御指摘。
算定回数については「入院」という切り口を主体として整理するという御指摘。
「きめこまやかさ」と同時に「シンプルさ」。また、事務局のほうで実際に点数化した場合にどのようになるのか、シミュレーションをいくつか出してほしいという御指摘。
これらの御指摘を踏まえ、今回、2つ御用意しております。1つがデータの相関関係、2つ目が点数のシミュレーションの分析を実施しておりますので、以降の資料で御提示さしあげたいと思います。
12ページ、1つ目の「データの相関関係について」でございます。
13ページへお進めください。こちら、横軸に看護職員数を取り、縦に入院料の算定回数を取ってございますが、これでプロットを医療機関ごとにして相関関係を見ております。データについては、出典を下に書いてございますが、令和2年度の病床機能報告から看護職員数、令和2年7月1日時点を取り、入院料の算定回数については、NDBデータとDPCデータから、令和2年10月から令和3年9月までということで作ったものでございます。
一方、14ページでございますが、病棟部門の看護職員数を横に取り、縦には外来部門の看護職員数を取った場合に、医療機関ごとのプロットを作り、相関関係を見てございます。相関係数0.78ということでございます。
これらが御要望いただいてございました相関関係のお示しでございます。
続きまして、15ページ以降でございますが、「点数のシミュレーションについて」でございます。
16ページ、御覧ください。
上段でございますが、看護における処遇改善についてということ、これも幾度も抜粋しているところでございます。2行目から、令和4年度診療報酬改定において、地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員を対象に、10月以降収入を3%程度(月額平均1万2000円相当)引き上げるための処遇改善の仕組みを創設するとなってございます。
また、中段、5月19日の分科会でいただいた御指摘も同様に太字、下線を引いてございます。
それらを踏まえ、矢印の下でございますが、点数化するに当たり、具体的なイメージとして、必要点数をここに書いてある数式で計算してございます。分子に看護職員の賃上げの必要額。こちらは、対象の看護職員数×1万2000円×12か月、掛ける社会保険負担率の1.165。分母には、対象となる基本診療料項目の算定回数を年間で取っておりますが、これに10円を掛けたものを据え、割り算して必要点数を計算してございます。
その際、2つの形でのシミュレーションというものを作ってございます。1つ目が一定の間隔、こちらは20パーセンタイルごとに分割し、点数を5種類で設定した場合と、2つ目、できるだけ細分化した点数を設定した場合とで、どのような点数水準になるのかということで組んでいるところでございます。
17ページ、御覧いただきますと、それを構造化して表にしてお示ししてございます。モデルが、大別すると①から④まで、個別に見ると①、②、③、④、それぞれ1と2という形で分けており、トータル8個のモデルでお示ししております。モデルを構成するに当たって、対象職員をどのように考えるか。対象となる基本診療料項目をどのように考えるか。点数のバリエーションをどのように設定するのかということで分けてございます。17ページの表は全体をお示ししているのみでございますので、18ページ以降で一つ一つ御説明をさしあげられればと思います。
まず、18ページ、モデル①-1の場合の点数ということで御提示してございます。こちらについては、右の上のほうの表形式のところでまとめておりますが、対象職員は医療機関全体として全ての部門の看護職員という形で計上してございます。対象となる基本診療料項目は入院料ということにしてございます。点数のバリエーションは5種類の点数を設定するということで考えてございます。この対象職員、それから対象となる基本診療料項目に着目して、先ほどの16ページでお示しした数式に当てはめて、こちらは医療機関全体として計算と書いてございますので、医療機関ごとにどのような点数になるのかというのをヒストグラム化してお示ししてございます。横軸に必要点数ということで、1点幅刻みで取っていて、縦には施設数ということのヒストグラムでございます。
これを5種類の点数ということになってございますので、0~20パーセンタイル、20~40パーセンタイル、40~60パーセンタイル、60~80パーセンタイル、80~100パーセンタイルということで分割し、この合間にあります10パーセンタイル、30パーセンタイル、50パーセンタイル、70パーセンタイル、90パーセンタイルというところで点数を設定してございます。したがいまして、例えば0パーセンタイルから20パーセンタイルまでに属する医療機関では、この10パーセンタイルのところの点数である30点を実際に医療機関全体として算定する。一人一人の患者さん1日当たり計上していくという点数になるということで御理解いただければと思います。これがモデル①-1の場合の点数設定でございます。
19ページ、御覧いただきますと、モデル①-2の場合の点数でございます。対象職員、対象となる基本診療料項目はモデル①-1の場合と同様でございますが、点数のバリエーションにつきましては細分化、ここでは100種類を御提示してございますが、100種類とした場合の点数として設定しているところでございます。100種類というのは、その下のヒストグラムはモデル①-1と一緒でございますが、1~100点までの100種類の点数を設定するということで、ここにお示ししてございます。したがいまして、先ほど16ページで必要点数に関してお示ししました対象職員、対象となる基本診療料項目で、それぞれの医療機関ごとに点数を作って、それぞれの医療機関ごとの点数というのは100種類ございますので、100種類の1~100点の中から選ぶということになります。
続きまして、20ページでございます。モデル②-1の場合の点数、これは21ページとセットでございますが、対象職員については、全ての部門の看護職員となりますが、病棟単位として計算しています。※で振ってございますが、病棟部門以外の看護職員数については、病棟部門の看護職員の割合に応じて各病棟に按分計上しているということでございます。対象となる基本診療料項目は入院料、点数のバリエーションは5種類の点数として設定してございます。
これは、下に表でお示ししておりますが、入院基本料等の名前、急性期一般入院料1から始まって、20ページは有床診療所入院基本料まで、21ページでは救命救急入院料1と3から始まって、緩和ケア病棟入院料1と2までございますけれども、これらそれぞれについて、18ページであったようなヒストグラムを作って、そのヒストグラムを5種類に割っていって、10パーセンタイル、30パーセンタイル、間のところで点数を作っていくと、例えば急性期一般入院料1ですと43点、50点、55点、63点、84点となっていくというものでございます。
なお、注で、上から5つ目の※になりますが、病棟数が5以下の入院基本料等については、ここでは記載を省略させていただいております。
こういった形で、5種類の点数をそれぞれの入院料ごとに作っていった場合が、モデル②-1ということでございます。
一方で、22ページでございますが、モデル②-2の場合の点数でございますけれども、こちらは全ての部門、病棟単位として計算し、対象となる基本診療料項目は入院料、そして5種類ではなく細分化、100種類とした場合の点数として設定しているということでございます。
このヒストグラムは、急性期一般入院料1を例にとってお示ししていますが、入院料の種類ごとに100種類の点数を設定していくということで、黄色の枠の中を御覧いただきますと、100種類の点数については、入院料の種類ごとに中央値を基準に1点刻みで設定する。中央値が50以下の場合は1点から100点。本例、この急性期一般入院料1の場合は中央値55点となっておりますので、6点から105点の点数を設定しているということでございます。
なお、5点以下となる場合は6点、106点以上となる場合は105点を算定することとなります。
続きまして、23ページでございます。今度は、外来部門と外来部門以外(病棟・手術室・その他)の部門ということで分けて対象職員を計算しているということでございます。それに応じて、対象となる基本診療料項目は、初再診料と入院料という形で、外来部門を初再診料に、外来部門以外(病棟・手術室・その他)については、入院料につけるということで点数をつくってございます。それぞれ5種類の点数を設定するということでございますので、これは医療機関単位となるところでございますが、左側に外来部門、右側に外来部門以外を取った場合、それぞれ5種類、外来部門ですと3点、4点、5点、7点、10点、外来部門以外ですと25点、34点、42点、52点、66点となるところでございます。
24ページでございますけれども、モデル③-2ということで、こちらは5種類ではなく、細分化した場合の点数ということでございます。外来部門については、1点から15点の15種類、外来部門以外については、先ほどまでと同様、1点から100点までの100種類の点数を設定しているところでございます。
25ページでございます。今度はモデル④-1としてお示ししてございます。モデル④-1はどういうことかと申しますと、右上の表を御覧いただきますと、外来部門と外来部門以外で分けておりますが、外来部門については、対象となる基本診療料項目は初再診料とした上で、点数のバリエーションは5種類の点数。外来部門以外については、病棟・手術室・その他というところは先ほどと同様でございますが、病棟単位として計算しております。入院料につけるということになって、5種類の点数を設定するということですので、25ページに外来部門をお示しし、26ページには外来部門以外を病棟単位として計算した場合のそれぞれの点数ということで、27ページも含めてお示ししているものであります。
最後、28ページ、モデル④-2ということで、外来部門と外来部門以外ということ。こちらも同様でございますが、点数は細分化して、外来について15種類、外来以外は100種類ということで計上しているものであります。
29ページからでございます。ここまで申し述べたモデルは8個ございました。ここにもサマリしてございますが、矢印の下でございます。シミュレーションにより算出した医療機関ごとの点数について、それぞれの方法に基づく算定金額合計を賃上げの必要額で割り返したときのパーセント表示について、処遇改善に必要となる金額と診療報酬による収入見込み額にどの程度乖離があるかを分析してございます。
30ページ、御覧いただきますと、モデル①-1とモデル①-2を左右に置いていますけれども、モデル①-1は、先ほど御説明したとおり、全ての部門、医療機関全体として対象職員を計上し、これを入院料に割り付け5種類として点数を設定した場合。一方、モデル①-2については、それを細分化した場合となっております。
赤い点線については、ゼロ%。要は、処遇改善に必要となる金額と診療報酬による収入見込み額が同じというところでございまして、このヒストグラム右側、赤い線の右側が点数が入ってくる量が多い、左側が点数が少ないというところを示すことになりますが、左右、こういった分布となっております。
モデル①-1の場合は、四分位範囲が12.3%、分散が0.017。モデル①-2の場合は、四分位範囲が1.0%、分散が0.003ということでございました。
これを31ページでは、モデル②について、左右、②-1と②-2ということでお示ししております。点数の種類と、また四分位範囲、分散というものをこのようにお示ししておって、32ページ、モデル③について、お示ししてございます。
33ページは、モデルの④ということで、乖離の状況について、お示ししております。
最後の34ページでは、このモデル①-1からモデル④-2まで一覧にして、お分かりいただきやすいようにまとめてございます。基本診療料項目を何とするのか。点数のバリエーションを何種類と考えているのか。最終的な点数の種類、どうなっているのか。最終的には5種類から6815種類までなってございますが、こういった形。四分位範囲が何%のところになっているのか。分散がどうなっているのか。また、ヒストグラムがどのようになっているのかということを最後、一覧にまとめてございます。
今回、データの相関と点数のシミュレーションにつきまして、まとめたものの資料を御提示した次第でございます。
以上でございます。
○尾形分科会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、これを一括して扱いたいと思います。御質問、御意見等を承りたいと思います。
池田委員、どうぞ。
○池田委員
池田でございます。大変詳細な分析とシミュレーション、ありがとうございました。
いわゆる点数のバリエーションを細かくすればするほど、当てはまりはよくなるということなので、ここはどこまで当てはまりをよくするかということと、診療報酬の設定のシンプルさとそのバランスをどう考えるかということだと思うのですが、もし、今後、できましたら、乖離率の分布など、最後にお示しいただいているのですが、例えば横軸に本来払うべき点数、縦軸がモデルといいますか、この支払いの場合に実際にもらえる金額というので散布図などを見せていただけますと、非常に乖離の大きい施設がどんな特徴なのかなどということを考える上での参考になるかと思います。
なので、この中でどういうパターンでということがもし議論の中で絞られてきた場合には、そのような形で、非常に乖離の大きい病院というのがどういう特徴があるのかということの確認ができればと感じました。
もう一点ですが、この点数のバリエーションを多くすれば、もちろん当てはまりはよくなるのですが、それにしても、いずれのモデルでも、ヒストグラムを見たときに、右のほうに必要点数が極めて高いといいますか、例えば90パーセンタイルの平均的な金額をつけたとしても、それでは全く必要点数として足りないという医療機関が、どのモデルでも存在しているわけですね。ここが、例えば入院料とか初再診料では反映できないような、何らかの看護職の方の数あるいは手間ということに関係するような、何か特別な状況がある病院なのかどうか。
これは、具体的には、ぱっと思いつくことだと、例えば全身麻酔の手術が多いとか、内視鏡などの処置が多いとか、同じ入院数・外来数でも、特に手がかかる、あるいは看護職の方の手が必要になるような処置などが多いとか、あるいはICUなり何なり、いずれにしても、この部分が入院患者さんの数とか外来患者さんの数だけでは説明できないような、何か要素がもしあるのであれば、それも併せてモデルの中に変数として入れてみるということも考えるのがよいのかなと感じました。もしも事務局のほうで、現時点で必要点数が突出して高いような、今回のモデルでは、いわゆるアウトラインになるような病院に、何か一定の特徴があるということがありましたら、御教示いただければと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、後半の外れ値の病院の特性等について、何か分かるかということですが、事務局、お願いします。
○金光補佐
ありがとうございます。
先生のおっしゃっているのは、例えば18ページとか19ページで右のほうにある60という数字とか、22ページにある382という数字のことを念頭に置かれて、今、御指摘いただいたのかなと思っておりますが、すみません、現時点でこれら一つ一つについて、どういう状況かというところの分析が、まだ追いついておりません。ただ、今、御指摘いただいたように、どこまでモデルに入れるのか、一般化して制度化していくところまで持っていくのかということの前に、まずどういった特徴があるのかというのは、先ほどもるる御指摘を賜りましたので、その辺も含めて承りたいと思います。
○尾形分科会長
池田委員、よろしいでしょうか。
○池田委員
結構です。よろしくお願いいたします。
○尾形分科会長
ほか、いかがでしょうか。
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
牧野です。ありがとうございます。大変詳細な分析、シミュレーションをしていただき、ありがとうございます。
34ページを見ると、5分類よりも分類の種類が多いほうが、当然中央に集約されてくるということが分かったわけですし、その中でも、例えば①-2と③-2というのは、ここまでうまく中央に集まるものだなと、私もちょっと驚いて見ているところです。ただ、こういった処理をするから、どの施設も真ん中に集まるというふうに見えるのですけれども、ここから外れているところ、特に左のほうに外れているところ。
①-2とか③-2というのは、中央から右側は該当施設なしということが前のページのほうで書かれていましたけれども、逆に頂ける収入が不足する施設というのが左のほうにあると理解しているのですけれども、これが最大でどの程度不足するのかというようなこと。つまり、金額としてというのと、支払った看護師への報酬に対するパーセンテージ、何%ぐらい不足してくるのか。そういった計算はもう既にできているのでしょうか。これは質問です。
○尾形分科会長
これは御質問ですので、事務局、お願いします。
○金光補佐
事務局でございます。
それぞれについて実数がございますので、先生の御質問については、あるということになります。ただ、先ほど冒頭で御説明したとおり、これはあくまでも令和2年度の数字を使って今、算出しておりますので、最新の数字を使っているわけではないということは、留保としてあるかなと思います。
○尾形分科会長
牧野委員、いかがでしょうか。
○牧野委員
もちろん、その点は承知しています。診療報酬を使う以上、毎月のように算定患者数が変わりますので、どこまでいっても精緻化することはできないと僕は思っているのですけれども、取りあえず、ここで使った、一番誤差が少ないと思われているデータの中で、どこまで大きな差が出るのかということが知りたいなと思ってお聞きしました。ぜひとも、今回使用したデータでそれを示していただければいいかと思います。よろしくお願いします。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
山本委員、どうぞ。
○山本委員
今の牧野委員の質問は、多分30ページの右のグラフで、左の点数少、マイナス50%というところで、つまり、半分しかもらえないところがあるという理解じゃ駄目なのですか。1つ目の質問です。
○尾形分科会長
これも御質問ですので、事務局、お願いします。
○金光補佐
30ページで御覧いただきますと、マイナス50%以下というところがあるということでございます。
○山本委員
ということは、本来必要な金額の半分しかもらえないところがここにいるよということですね。
○金光補佐
おっしゃるとおりです。
○山本委員
もう一つ質問は、数学的処理が不慣れでよく分からないのですが、19ページのグラフで、結局こういう問題が生じるのは、右端に60のところがいる。これは、このヒストグラムが右のほうにだらだらと長い尾を引いていくために生じているわけですね。そうすると、100種類の点数だから右端にぼんとはみ出す部分が出てくるけれども、それをずっと長く尾を引くことに、それぞれ1点刻みでやっていったら、全部過不足がなくなるということなのでしょうか。そういう設定は可能なのでしょうか。
○尾形分科会長
事務局、お願いします。
○金光補佐
今、先生が御指摘いただいたとおりであって、19ページにいる60の医療機関のところは、現時点ではどこかに記載があったかと思いますが、1点から100点までしか点数を設定しておりませんので、100点を超えるところについて、100点でしか点数が計上できないがために過小になるという構造でございます。
○山本委員
では、そこをちゃんとそれぞれ1点刻みで乗せていたら過不足はなくなるという理解ですね。それは制度設計として不可能ではないということでしょうか。
○金光補佐
事務局でございますが、そういうことでございます。
また、冒頭、池田委員からもありましたけれども、外れ値のところがどういった分布になっているのか、どういう特性があるのかみたいなことを示してほしいということも先ほど承りましたので、それも含めて、このテイルの引き方がどうなっているのかというのは、今、御下問いただいたものと承知してございます。
○山本委員
ありがとうございます。
○尾形分科会長
よろしいですか。
ほかはいかがでしょうか。
中野委員、どうぞ。
○中野委員
池田委員と山本委員のご意見と同様のことを申し上げようと思っておりました。池田委員の御指摘については、事務局も準備するということですので、お願いいたします。
それから、山本委員がおっしゃった、右のほうにだらだらという点については、ここで示された100種類というのは取りあえずの100種類だと思いますので、その数は増やしてみるべきかなと思いました。今、事務局からそういう御意見を承りましたので、対応していただけたらと思います。
それから、p34の表を見てですが、乖離度がどうかということ。要するに、医療機関に入るものと出ていくものがしっかり合うというところを見なければいけないと思いますが、分散と四分位範囲から、おのずと何となくこれかなというのが絞れていくのかなと思います。①-2、③-2辺りが該当していくのかなということを考えている次第でございます。
さらに、入院料のみか、外来もかについての考え方は中医協で決めていただくことになるのですけれども、①―②と③―②については、その差があるということと、さらに一歩ゆずって考えるならば、②-2も該当していくのかなということで、この辺りをさらに精査していけばいいのかなということは思っております。
ただ、先ほど池田委員より御指摘があったとおり、点数の少ない医療機関が含まれておりますので、この点はきちんと精査して決めていく必要があります。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
猪口委員、どうぞ。
○猪口委員
非常に詳細なシミュレーション、ありがとうございます。
これを見ると、結構分散が少ないところ。それから、先ほどから何件か指摘がありますばらつき。これも、大きいばらつきを考えると、看護師の数の割に入院の数が相当少ないということが考えられるかなと思いますけれども、実際は、設定したとしても、その後の入院数とか看護師の数が変動しますので、どのような期間の入院数とか、どの時点の看護師の数という予測というのは、今の時点で立っているのでしょうか。
○尾形分科会長
これは御質問ですね。事務局、お願いします。
○金光補佐
事務局でございます。
先ほど御紹介したとおり、看護師の数については、令和2年7月1日時点と御紹介したとおり。また、入院料の算定回数は、令和2年10月から令和3年9月として1年間を取ってございます。今、猪口委員からあったとおり、どのような期間を取るのか、それから、どのような時点を取るのかということは、制度設計全体の中で考えていくことかなとは思います。
○猪口委員
ある程度の期間を取りませんと、どうしてもばらつきが出るので、見た感じでは1年ぐらいの期間の入院数と、あとは、できるだけ直近の看護師の数というのが近づくのかなと思いました。ただ、実際やってみると、また変動しますので、それをどのようにカバーしていくかということもちょっと考える必要があるのかなという気がしました。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、秋山委員、どうぞ。
○秋山委員
ありがとうございます。
皆様と同意見、外れ値の問題はまだ議論の余地があるかと思いますが、今回お示しいただいた34ページの医療機関ごとの必要額と収入見込み額の乖離の状況を見て、今回提出されたモデルの中から選ぶとすれば、モデル①-2もしくはモデル③-2が、四分位範囲や分散を見ても乖離が小さく、点数の種類としても現実的かと思います。
さらに、①-2と③-2について考えますと、シンプルな設計にするという点と、入院患者の多くが外来や入退院支援部門等の他部門と連続した関わりがある点を考慮して、入院料に加算する①-2が適しているのではないかと思います。
私からの意見は以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、小池委員、どうぞ。
○小池委員
ありがとうございました。
乖離の四分位範囲が小さく、分散が小さく、点数の種類がなるべく少なくなるものがよいというお考えに私も賛成です。そうなると秋山先生がおっしゃっているように、①-2とか③-2が候補と思いますが、私は、看護師は入院・外来双方にいることから、ご負担をお願いする患者に説明しやすいという意味で、外来も考慮する③-2のほうがいいのではないかと思っております。
外れ値の個別の分析は非常に重要かと思います。資料では、乖離率をお示しいただいておりますけれども、乖離額も示していただきたいと思います。大規模な医療機関ですと乖離率が小さくても、乖離額としてはかなり大きくなってしまうのかなと思っております。
なお、これらの検証を行った上で、もし合理的な説明や理解ができないような結果となった場合には、前回も出ていた医療機関ごとの点数設定ということも検討してはどうかと思います。約2700の対象医療機関ごとに必要な額を措置ができるような入院料あるいは入院料と初再診料に加算、もしくは、診療報酬に一律に係数を掛けるということが出来れば、少なくとも外れ値がなくなってくるかと思いますし、次の改定のときに調整するということも技術的には可能かと思います。
私からは以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。
まず、様々なパターンでシミュレーションをお示しいただきまして、感謝申し上げます。皆さんの御意見と大体同じなのですけれども、本日資料の10ページに6月1日の中医協での御意見、○の4つ目に、ある程度、余裕を持ったバッファの設定をすることで柔軟な対応が必要じゃないかという御意見もございました。
今回の12月22日の大臣折衝の文書の中に、予算措置が確実に賃金に反映されるようにという、この「確実に」という言葉は非常に意味が重い言葉かなと感じておりまして、22ページを見ても、急性期一般入院料1においてもかなりばらつきがありまして、単に施設基準で求められている病棟の割当の最低限度の看護配置以上に、過酷な医療現場においては様々な理由があって看護配置の加配が行われていると思いますけれども、ある程度これも考慮される形での点数設定ができるかなと思います。
ただ、先ほどからあります外れ値。加配されている理由がいろいろあろうかと思いますけれども、実際、その辺りがどういうふうになっているのかというのは、また事務局の調査をお待ちしたいと思いますけれども、御意見にもありました、外れている中でのマックスの値というのは、どの辺まで外れているのかというのは非常に気になるなと思っています。現場の看護師さんに必要な賃金が確実に届くようにということで、先ほどの余裕あるバッファを含めまして、その辺は考慮しなければいけないなと感じておるところでございます。これは意見でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、中野委員、どうぞ。
○中野委員
先ほど猪口委員より、今後、中医協のほうでお決めいただくことになるであろう算定ルールに関して御発言があったと理解しました。算定に当たっての期間のこと、それから、看護師さんの数についてですが、特に看護師さんの数については、それほど頻繁に大きな変動があることは少ないと思うのですが、大きく動くと響いてまいりますので、年度途中において、プラスマイナス5%なり3%なり、ある一定数を超えた場合は、直ちに届出の上、算定点数を変えるというルール化を図れたらいいのかなと思います。今後中医協のほうでルール化を図っていただく必要があると思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、菅原委員、どうぞ。
○菅原委員
ありがとうございます。
今回の対応は、看護職員等の処遇改善のための所要額をまず確実に医療機関に届けるという措置でございますので、事務局の示した案のうち、過不足のばらつきの小さい配分方法を少し詰めていく。今回の場合でいいますと、今回の枠内では、①-2とか③-2をベースに議論すべきなのかなという印象は私も持っております。
ただ、10枚目のスライドだったと思いますけれども、中医協のコメントの中に、診療報酬点数をいじるということは、基本的には患者や利用者にとっては医療サービスの価格に当たるわけですので、点数の加算というのは患者の負担増になるということにも配慮・留意しなくてはいけないと思っております。
今般のコロナ禍を通じて、対象機関の看護職員等の待遇改善については、国民的理解をかなり得られやすい状況だと思っておりますけれども、これまで例えば妊婦加算とか、それから今、問題になっているマイナンバーカードの保険証利用の際の加算等々、国民の負担感情というものは非常に難しいものがございますので、今回の措置についてもどのような方に負担を按分していくべきかということについては、きちんと慎重に合理的な説明ができるようにしていく必要があるかと思っております。
先ほど、委員から指摘も多少あったと思いますけれども、入院基本料に付加する案では、入院患者に負担を課すことになるわけですけれども、より幅広い観点から負担をお願いするならば、初診・再診を含めて、外来・入院、両方で負担をお願いするほうが、もしかしたら国民的な理解を得られやすいかもしれないなという気はいたします。
一方で、初診・再診を入れた場合には、例えば現在行われている紹介状なしの外来定額自己負担同様、医療機能の分化の方向性としては、負担を入れていくという方向は正しいような気がいたしますけれども、一方で追加される負担額の増分によっては、患者さんの受診抑制がかかって、当初見込んだ配分がそもそも達成されない可能性も出てまいります。そういった意味では、ベースとなる初診・再診料に対して追加される付加額がどの程度の負担割合になるのか、この辺りも少し資料を出していただいて、その影響・効果を見極めたほうがいいのかなと思いました。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、山本委員、どうぞ。
○山本委員
1つ目は意見です。先ほど、乖離率だけじゃなくて、乖離額を見るべきじゃないかという御意見がございましたが、非常に同感でございます。かつて、消費税の補塡不足が生じたときに、補塡率という率だけで計算されて、総額の大きい大学病院が大変な被害を受けたという実例がございますので、ここはぜひ額も見ていただきたいと思います。強く要望いたします。
もう一つは、今、お話があった外来と入院での負担の割合というところですが、今回のシミュレーションというのは、外来部門で何割、総額の必要な部分を何割見ているのかというのは何か定めているのでしょうか。途中の数字だと、外来看護師1に対して、入院看護師8みたいな数字が散布図で出ていましたが、それに基づいているのか、その辺はこれから計算するのか、あるいは既に今のシミュレーションの中に盛り込まれているのか、いかがでしょうか。
○尾形分科会長
これは御質問ですので、事務局、お願いします。
○金光補佐
ありがとうございます。
事務局でございますが、外来の計上の仕方についての御質問だと理解してございますが、23ページ以降、モデル③とモデル④については、外来部門を分けて点数を作成してございます。その際には、それぞれの医療機関において、外来部門に所属するナースの数。それから、16ページの必要点数の作り方のところと併せて御覧いただければと思いますけれども、外来部門に所属する看護職員の数×1万2000円×12月×1.165を、初再診料の回数で割り返しておりますので、作り方としてはそういう作り方をそれぞれの医療機関ごとにしているということでございます。
○山本委員
かなり実態に合わせて見ているという理解でよろしいですね。ありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。
林田委員、どうぞ。
○林田委員
ありがとうございます。
既に多くの委員の方々から御意見が出ていますので、重複は避ける形にしますけれども、今回出ているモデルですと、①-2とか③-2をベースに考えるということに関しては賛成です。外れ値に関しても非常に重要だと思いますので、特徴がきちんと類型化できるのであれば、それを反映させたモデルというものが、できるのかなと思いますけれども、それが難しいということであれば、外れ値のところに関しては、特に乖離額が大きいところですけれども、例えばDPCの激変緩和係数のように、少し個別に対応することがあってもいいのではと思っております。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
井川委員、どうぞ。
○井川委員
ありがとうございます。
まず最初に、看護職員数と入院料算定回数の相関係数が0.94という非常に高い係数だったのにびっくりしておるのですけれども、これを見てみますと、結局、入院料の算定回数でほとんどの看護師さんの数をある程度把握できるというぐらいの相関係数ということになっております。これほどのシミュレーションをしていただいたことに非常に感謝しております。
それはそれとしまして、先ほどから御意見が出ています乖離の状況から言いますと、①-2と③-2というのが一番分散率も少ないですし、妥当だと思いますけれども、10ページの中医協の指摘の中にありましたように、入院患者だけが負担することについては、合理的説明が必要という点で考えると、菅原委員がおっしゃるように、入院だけではなくて、外来患者さん一人一人から取られるような③-2というのが一番適当ではないかと私は思っております。④-2はかなり小さくなりますけれども、種類が非常に多くなるということがございます。ということから考えると、現実的には③-2を主体として考えるべきかなと思っております。
それと、先ほど小池委員のほうから乖離額のお話が出ましたけれども、この乖離のヒストグラムが全て5%という値で出ておりますけれども、5%そのものを金額に換算しますと、例えば500人の看護師さんがおられる病院ですと、下世話な話ですけれども、年間8400万円ぐらい。そうすると、その5%といえども400万円を超えてしまうということがございますので、この辺はもっと細かく出していただいたほうがいいかなと思っております。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
飯島委員、どうぞ。
○飯島委員
飯島です。ありがとうございました。
各委員の先生方からのコメント、基本的には異論がないので、私も①-2とか③-2と絞られてきたかなという印象は持ちます。
もう一つ、改めて資料の16ページ、点数のシミュレーションというところの一番上に、こういう目的で今回やろうとしているのだということが書かれていて、2行目、地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関ということで、注1を見ると、特にコロナだけに言及せずに、いわゆる救急搬送の件数が多かったり、3次救急の、いわゆる救急がかなり大変であるというところの看護職員に対して、月額このぐらいと、ある意味目的をリアルに書かれてある。それが実際、どのシミュレーションを選択するにしても、確実にそういくのかどうかというところがもう一つの大きな課題ということと。
あと、注2に、ほかの職種、理学療法士さんとか作業療法士さんとかコメディカルと書いてあります。そこで柔軟にというところで、とは言っても、大義名分としては看護職員が月々このぐらいと書いてあるので、その辺を当然各病院が最終的に受けて、どう配分するのかというところは病院次第ということになるのでしょうけれども、ここまで目的をしっかり掲げてある。誰々にどのぐらいをということが掲げてあるというところで、そこが表向きはこうだったけれども、なかなかそうじゃないねとならないように、ぜひとも工夫するべきかなという印象は持っております。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
猪口委員、どうぞ。
○猪口委員
いろいろな委員の方々のお話で、何か意見はそろっているようにも思うのですが、ちょっと気になりますのは、例えば24ページのモデル③-2を考えますと、この場合、外来だと1点から15点の点数が設定されているわけで、これは医療機関によって初再診の上乗せになるわけですね。それは、患者さんから見ると結構大きい。特に外来の場合が大きいかなと思います。
それから、①-2とか③-2の場合に、100種類で入院料が1つの点数に設定されるので、非常に単価の高い病棟だと割安感があって、安い病棟だと割高感が逆に出るのかなという気もしますので、その辺をちょっと考慮に入れて考えたほうがいいかなという気がいたしました。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
ありがとうございます。
皆さんの意見をお聞きして、③-2という方向にだんだん向かっている感じがしています。私もそれでいいと思うのですけれども、外来の初診料・再診料に乗せた場合に、1つ懸念事項としてあるのが、今、病院の外来がかかりつけ医機能のところと、紹介受診重点医療機関として提示されていて、そちらの方向に向かって進んでいかなければならない医療機関。特に大学病院、特定機能病院群と地域医療支援病院は、外来患者数が多いところは減らさなければいけないということで、対応をこれから1年以内に取っていくということをしている病院なのですね。ですから、今後、外来患者数というのは医療機関ごとに明らかに大きく動いてくると思われます。
ですから、仮に一度制度を作ってしまったとしても、そういった変化があるということで、必ず見直しをかけなければいけないということを考慮に入れていただきたいというのが私の意見です。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
井原委員、どうぞ。
○井原委員
ありがとうございます。
今まで、いろいろな委員から御意見をいただいて、多分、その方向で今後も議論が進んでいくと思うのですけれども、私は1つ違う視点からお願いがありまして、この仕組みが最終的には総会で決定されるということは十分承知しているのですけれども、実務的な対応についての配慮というのも、併せて御検討いただきたいと思っています。診療保険で行うことですから、つまり、レセプトとして提出されることになるわけですけれども、その際に、レセプトを作成する医療機関の方々とか点検を行う審査支払機関とか受け取る保険者の方々にとって、なるべく分かりやすい制度になるということをお考えいただきたいと思っています。
診療報酬改定時に新設項目がございますと、レセプトの点検時にエラー項目が出てきてしまって、対応が非常に難しいケースが決して少なくありません。ですから、実際に運用を始めたときに現場で混乱が生ずるという事態は、私は避けるべき、避ける必要があると思っておりますので、ぜひその点はよろしくお願いしたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほか、よろしいでしょうか。
井川委員、どうぞ。
○井川委員
ありがとうございます。
今回の調査、既存の収集可能なデータから得られたものですけれども、今年度の一番最初の議論のときに新しい調査をするかどうかというお話が少しございました。時間の関係でそういうものが全然できないまま、既存のデータでシミュレーションして、今回の診療報酬にどう乗せるかという議論になっていますけれども、今後、これが継続的に続き、次回の診療報酬改定にも乗ったり、またコロナの影響で、急性期への救急搬送が多かった頃の大臣折衝のときのお話でこういうふうにかなり制限された施設・病院だけになっているという問題があります。
これが実際に運用されたときにどうなっていたかということを把握していくような、調査も併せて必ずやるということをしておいていただかないと、特にどういうふうな配分をされたか。看護師だけでなく、各職種のところに配分されている病院と、看護師だけに配分した病院、そういうこともしっかりと把握していく必要がありますので、今回の点数配置以外の部分も今後しっかり詰めていただきたいなと思っております。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございます。
ほか、よろしいでしょうか。それでは、ほかに特に御意見がないようでしたら、本件に関わる質疑はこの辺りにしたいと思います。
今日は大変活発にいろいろな御意見を頂戴いたしまして、ありがとうございました。本日の御意見を踏まえまして、議論の経過につきまして中医協総会のほうに報告したいと思います。最終的な資料の調整につきましては、分科会長であります私に御一任いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(委員首肯)
○尾形分科会長
ありがとうございました。それでは、そのように取り扱わせていただきます。
本日の議題は以上でございます。
次回の日程等について、事務局からお願いいたします。
○金光補佐
次回の開催につきましては、日程が決まりましたら御連絡をさしあげたいと思います。
○尾形分科会長
令和4年度第3回「診療報酬調査専門組織 入院・外来医療等の調査・評価分科会」を以上で終了させていただきます。
本日は活発な御意見をどうもありがとうございました。
 

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