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2021年8月6日 令和3年度第5回入院医療等の調査・評価分科会・議事録

○日時

令和3年8月6日
9:59~11:47

 

○場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア8階(8F)

○出席者

【委員】

尾形分科会長、秋山委員、井川委員、池田委員
猪口委員、井原委員、菅原委員、武井委員、田宮委員、津留委員
中野委員、林田委員、牧野委員、山本委員
 
 

【事務局】

医療課長、保険医療企画調査室長他

○議題

1.短期滞在手術等基本料について
2.慢性期入院医療について
3.横断的事項について
4.DPC対象病院・準備病院の募集について
 
 

○議事

○尾形分科会長
おはようございます。定刻になりましたので、ただいまより、令和3年度第5回「診療報酬調査専門組織入院医療等の調査・評価分科会」を開催いたします。
なお、本日はコロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催といたしております。
まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、眞野委員が御欠席となっております。
次に、厚生労働省において異動がございましたので、事務局のほうから紹介をお願いいたします。
○金光補佐
それでは、前回の分科会以降に異動がございましたので、事務局の御紹介をさせていただきます。
中田勝己医療技術評価推進室長でございます。
○医療技術評価推進室長
中田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○金光補佐
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
○尾形分科会長
それでは、議題に入りたいと思います。本日の議題の「短期滞在手術等基本料について」につきまして、まず議論を行いたいと思います。
事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。
○金光補佐
事務局でございます。
では、資料はお手元の診調組、入-1を御用意ください。今日の議題は全てこちら一つになってございますので、分割しながら御説明をさせていただきます。
短期滞在手術等基本料について、2ページからでございます。
3ページ、短期滞在手術等基本料の概要ということでおまとめしてございます。
4ページが手術の算定方法の全体像でございます。手術、日帰りから1泊2日、4泊5日まで、5泊以上ということでイメージ図を示してございます。
5ページが短期滞在手術等基本料3に係る算定のイメージとなっております。入院から退院まで、入院5日目までは全患者について原則として短期滞在手術等基本料3、DPC対象病院と診療所を除きますが、こちらを算定していただく。入院5日目までに手術・検査を行ったが、退院が6日目以降になった場合、6日目以降は出来高で算定する。こちらは緑で示しているような形です。オレンジで示しているとおり、入院5日目までに手術・検査が行われなかった場合は出来高で算定するという構成になってございます。
6ページ以降、短期滞在手術等基本料の経緯を示してございます。平成12年に日帰り手術と1泊2日入院による手術に関係して短期滞在手術等基本料1と2が設定をされました。平成20年に短期滞在手術等基本料3ということで4泊5日入院による手術が設定されてございます。
7ページ、平成26年に短期滞在手術等基本料3の見直しということで、一定程度治療法が標準化し、短期間で退院可能な検査・手術が存在していることを踏まえて、21種類の手術・検査を対象とした上で、包括範囲を全診療報酬点数とするということで見直しを行いました。
8ページに対象手術の追加したものについて掲げてございます。
9ページ、28年の改定以降、累次の改定で見直しを進めたもののまとめでございます。
10ページには、平成30年度の診療報酬改定で見直しをした内容をまとめてございます。DPC対象病院については、短期滞在手術等基本料2及び3を算定不可としてDPCを優先するということ。それから、DPCの点数の設定については、点数設定方式Dということで、入院初日に点数を多く配分する形での設定をさせていただいて、ある意味、一入院当たりの点数ということでつくってございます。また、併せて個別項目の見直しですとか評価の見直しというものを行ったところであります。
11ページが令和2年の診療報酬改定、同様に評価方法、実際の評価の見直しというものを進めてまいりました。
12ページが短期滞在手術等基本料の対象となっている手術等ということで、1、2、3それぞれに含まれる手術等の内容をまとめてございます。
また、13ページには包括されている検査等ということで、それぞれの短期滞在手術等基本料、どういった内容が包括されているのかということを基本料ごとにまとめているものでございます。
14ページが短期滞在手術等基本料1の年次推移、左側は対象手術の算定実績としてまとめておりまして、青の棒グラフが短期滞在手術等基本料1の対象手術の算定回数、うちオレンジで入院外での対象手術の算定回数、その割合を示しているのが青の折れ線グラフになってございます。実際の短期滞在手術等基本料1の算定実績につきましては、隣の右側のグラフの中で算定回数が棒グラフ、届出の病院数が赤の折れ線グラフ、届出の診療所数が緑の折れ線グラフということになってございます。
続いて、15ページが短期滞在手術等基本料2の年次推移として、左側に対象手術の算定実績、右側に基本料2の算定実績ということでまとめてございます。
併せて、15ページの下側の表では、短期滞在手術等基本料2の対象となっている手術のうち、入院外での実施割合が高いものをピックアップしてまとめております。こちらの4つについて、入院での算定回数と入院外での算定回数ということで示して、入院外での実施割合を掲げてございます。
棒グラフが並んでいる左側のところで見ていただくと、短期滞在手術等基本料2全体で見ると入院外での実施割合はおよそ1割というところからすると、15ページの下側の表でお示ししております入院外での実施割合は比較的高いという数字かなと思います。
16ページは短期滞在手術等基本料2の平成30年と令和2年について、基本料の算定回数、また、対象手術の算定回数をDPC対象病院以外とDPC対象病院とで示しています。また、それに付随して平均在院日数もまとめてございます。短期滞在手術等基本料2、前回の改定のときにも少し御議論いただいたと思いますが、平均在院日数については、1泊2日という短期滞在手術等基本料2のコンセプトからすると少し長いものが多く含まれているといった実態になってございます。
17ページが短期滞在手術等基本料3の年次推移、併せてこちらもお示ししております。平成30年の改定でDPC対象病院はDPCを優先するということになっておりますので、30年を境に少し数字のトレンドが変わっているところでございます。左側が対象手術の算定実績、右側が短期滞在手術等基本料3の算定実績となってございます。
18ページには短期滞在手術等基本料3の対象となっている手術等について、入院での算定回数、入院外での算定回数、入院外での実施割合ということでまとめてございます。これらの手術のうち、赤いアスタリスクを振っているものは短期滞在手術等基本料1、いわゆる日帰り手術でございますが、こちらの対象手術となっているものでございます。そして、一番右で示しております入院外での実施割合については、50%を超えるものについて赤く表示をしております。
19ページでございます。短期滞在手術等基本料3、こちらも平成30年と令和2年とで比較をしてございます。短期滞在手術等基本料3の算定回数と平均在院日数、対象手術について、DPC対象病院でのカウントと平均在院日数をお示ししております。いずれも、特に平均在院日数については平成30年と令和2年とを比較しますと、全体としては短くなる傾向にあるのかなと思います。
20ページでございます。短期滞在手術等基本料3の現在は対象となっていない手術等について、こちらに掲げております条件で抽出をして、その分析を21ページ以降で加えてございます。分析対象とした手術等は、手術、それから1,000点以上の検査、放射線治療等ということで、分析データについては、令和2年4月以降に入院し、令和3年3月までに退院した患者で、当該手術等を1度のみ実施した症例のDPCデータを対象としてございます。
該当症例数が100件以上で、在院日数が平均+1SDが5日以内か7日以内ということで抽出をしたものでございます。そこで、21ページ以降、代表的なものといいますか、全部を挙げているとかなりのページ数になってしまうものですから、その一部についてお示しをしています。例えば、21ページはD237の3、終夜睡眠ポリグラフィー3(1及び2以外)(その他)というコードのものについて見てみると、在院日数はこちらにお示ししておりますとおり平均が2.2日、出来高実績点数も件数と平均はこちらにお示ししておるとおりということで、棒グラフ上もかなり収れんしているというのが見てとれるかと思います。
同様に、22ページではK617-4の下肢静脈瘤血管内焼灼術の在院日数と出来高実績点数の分布。23ページ、24ページも同様にお示ししています。
最後、25ページ、課題及び論点ということでまとめてございます。短期滞在手術等基本料1でございます。対象となっている手術、入院外での実施割合の増加、算定回数、届出病院・診療所数は、元年までの増加が見てとれました。
短期滞在手術等基本料2については、対象となっている手術、入院外で実施される割合は低いものの、一部、入院外での実施割合が高い手術というのが存在していましたし、短期滞在手術等基本料2の対象手術の平均在院日数は、2日を大きく上回るものというのも存在をしておりました。
短期滞在手術等基本料3につきまして、対象となっている手術等は、平成30年度以降、外来で実施される割合は60%程度となっておりますが、一部で、入院外での実施割合が高い手術というのも存在をしていました。平均在院日数は平成30年度と比較して令和2年度に短縮しているものが多かったとなってございます。また、最後にお示ししておりますとおり、対象となっていない手術の中にも、在院日数が短く、算定点数のばらつきが少ない項目というのが存在をしておりました。
これまでの診療報酬得改定においては、診療実態等に合わせ、対象手術等及びその評価について、見直しを実施してきているところでございます。
25ページ、最後に論点ということで、対象手術等の外来での実施割合や短期滞在手術等基本料の年次推移も踏まえて、一定程度治療法が標準化され、短期間で退院が可能となる手術等の評価の在り方について、どのように考えるかということでまとめてございます。
1つ目の議題について、25ページまでで御説明をさしあげました。事務局からは以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、資料で言いますと25ページまでですが、御意見、御質問等を承りたいと思います。
井原委員、どうぞ。
○井原委員
25ページの論点に沿っての意見でございますけれども、まず第1に、18ページに外来での実施率が示されております。ここで、98%と99%の2つというのは、入院をされたケースというのは何か特別な事情があったと考えられるのですけれども、ほかに赤字で示された3分の2程度が外来、3分の1程度が入院というグループは非常に判断が難しいと思います。これは全部の平均の数字だと思いますので、例えば100%近くを外来でやっている、あるいはほぼ100%を入院で行っているというような極端な病院があって平均がこうなっているのかどうかということを、内訳が分かりませんので、もし分かれば病院ごとの傾向ですね。数字の内訳があれば示していただきたいと思います。
もし極端に入院が多いようなケースがあれば、これは入院で実施することに何らかの条件を考慮する必要が出てくる場合もあり得るのではないかと思います。また、在院日数が特に短い病院についても同様だと思います。
2点目ですけれども、14、15、17ページの算定実績のスライドを見比べてみますと、短期滞在2の実績の算定回数を見ますと、1、3と回数の縦軸が2桁、3桁違っていて、2の算定実績が極めて少ないということが明らかだと思います。16ページと19ページの平均在院日数を比べてみましても、短期滞在3より2のほうが長い傾向にありますし、2については、例えばですけれども、必要に応じて3への移行なども考慮に入れながら、今後も短期滞在2を継続するかどうかということについては、見直してみる必要があるのではないかと思います。
最後に、21ページから24ページにお示しいただいたように、算定件数が一定程度ありまして、在院日数が平均化している手術・検査等については、今後、包括化を検討する方向で考えていってよいのではないかと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
18枚目のデータについては、さらにその内訳が示せないかというお話ですが、事務局、どうでしょうか。
○金光補佐
事務局でございます。
検討させていただきます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
中野委員、どうぞ。
○中野委員
私も井原委員とほぼ同様の意見でございますが、論点に沿って、重複するかと思いますけれども、申し上げます。
この短期滞在手術等基本料の3つの区分において、特に2について、算定実績、平均在院日数等々、15、16ページの辺りで示されております。井原委員からも、これどうなのかという御意見でございましたけれども、皆様多分同じ考えかと思いますが、存続可能かどうかを見極めることを2については考えていかなければいけないのかなという感じがしました。
それから、1と3について、3は先ほどご説明もあったとおり平成30年改定でDPC病院が抜けたということであります。1は14ページ。3は17ページですけれども、抜けた後には、外来で対応するものは外来でということでありつつも、短期滞在の基本料をうまく回しながら算定しているのかなということかと思います。
この中にあって、3の在院日数、平成2年と30年の比較ということでは示されているわけですけれども、この日数を見ますと、ちょっと短くなっているということを踏まえれば、先ほど井原委員からもありましたとおり、この点から見直しが必要かなという感じもしております。皆様も同様のお考えかと思いますけれども、実態に即した見直しが必要なのかなと思います。
さらに、現在対象でない疾患について21ページ以降に示されておりますけれども、出来高点数のばらつきが小さいこと、すなわち立ち上がりが大変高くなっていて、一定程度治療法が標準化されているものについて、そして、短期間で退院が可能となるような手術については、これはやはり基本料として算定していく方向でいいのではないかということを今後検討すべきかなと思います。
ただ、こういった話に必ず付き物なのは、やはり質の担保ということだと思いますので、その辺はしっかりと配慮することが大前提だということの下で見直しをかけていくのかなという思いを持って、今回の結果を見ました。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
牧野委員が挙手されていますか。
○牧野委員
ありがとうございます。私も、短期滞在手術等基本料2に関してまずお話ししたいと思いますけれども、15ページになります。ほかの委員と全く同意見でして、まず、そもそも短期滞在手術等基本料2というのは算定回数が非常に少ないのです。縦軸でも一番上は140件という算定回数になっていますので、これを見ても少ないことが分かる。しかも、届出医療機関数がだんだん減少してきているということがあります。何よりも、先ほどからも出ていますけれども、16ページを見ますと、対象手術の平均在院日数が2日を大きく上回っているということを考えますと、これは一部の条件の整った症例でだけ算定することができるのではないかということも考えられるわけです。算定している施設もかなり限られていますけれども、これを算定している施設がこの術式を行った場合、外来でしている症例もあるでしょうし、1泊2日でこれを算定している場合と、さらにそれよりも長い入院で実施している場合もあるのではないかと思うのですけれども、同じ施設の中での割合というのも確認しておく必要があるのではないかと思います。
そもそも短期滞在手術入院料というのは、医療の質の向上と効率化を図るために短期滞在手術の環境整備を図ることが目的と6ページに書かれていますけれども、逆に言うと、一部の条件のいい症例だけで行われて、多くの症例に広げていけないというのであれば、最初の目的を果たしていると言えないのではないかということも危惧するところです。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
林田委員、どうぞ。
○林田委員
ありがとうございます。今後の基本的な方向性については、ほかの委員の方々と同じ意見なのですけれども、1件ちょっと細かいのですが、御質問、事務局に教えていただきたいことがございます。20ページに分析の対象、項目の抽出方法の最後のところに在院日数が以下のいずれかということで、5日以内、7日以内というのがあるのですが、これはどういう基準で選ばれたのかというのを伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○尾形分科会長
事務局、いかがでしょうか。
○金光補佐
ありがとうございます。事務局でございます。
20ページで掲げてございます項目の抽出方法でございますが、まず、短期滞在手術等基本料は4泊5日の手術の設計となってございますので、5日というところに着目をすると、+1SD、5日以内というのはそんなにずれてはいないのかなと考えて、1つこちらをまず抽出条件として入れております。
それだけで見るよりかは、先ほどから先生方からもございますとおり、治療の標準化とか収れんがどれくらいされているのかという広がりみたいなものといいますか、バリエーションというものを見るために、そこから少し広げたような形も見ておくと、比較であったり実態をつかみやすいのかなと考えて、こういったもう一つの抽出条件もつける形で今回のデータ分析を行っているところでございます。
○林田委員
ありがとうございます。一旦トライアル的にこの7日以内だとどうかということで見たというふうな理解でよろしいでしょうか。
○金光補佐
はい。それで結構でございます。
○尾形分科会長
よろしいですか。ほかはいかがでしょうか。
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
牧野です。ありがとうございます。
21枚目から24枚目を通してのことなのですけれども、在院日数の分布という点ではある程度の収れんはあるのですが、21枚目の終夜睡眠ポリグラフィーと下肢静脈瘤のほうは出来高の実績点数ですね。そこそこ収れんされていると見えるのですけれども、その後の子宮内膜掻爬術とか骨内異物除去術の出来高点数はかなり幅があるのですね。在院日数がこれだけ収れんされているにもかかわらず、出来高実績点数はなぜこれだけバリエーションがあるのかということの内容の分析はできているのでしょうか。
○尾形分科会長
これは御質問ですが、事務局、お願いします。
○金光補佐
事務局でございます。
現時点では、21ページから24ページまででお示ししている数字以上のものについてはまだ見切れておりません。ただ、先生おっしゃるように、21ページ、22ページの出来高実績点数の分布と23ページ、24ページの出来高実績点数の分布は、やや広がりといいますか、バリエーションが少し異なるというのは御指摘のとおりだと思いますので、そこら辺、少しほかの手術の分析を行う際にも着目をして、引き続きやっていければいいのかなと思っております。
○尾形分科会長
牧野委員、よろしいでしょうか。
○牧野委員
結構です。
○尾形分科会長
猪口委員、どうぞ。
○猪口委員
ありがとうございます。この短期滞在手術というのはどんどん増えてきたのですけれども、特に2のほうは手術の内容から見て、とても1泊2日の手術ではないものが相当含まれています。実際に在院日数も長いですし、それから、3の場合には、18ページにあるように外来でかなりやられているということもあるので、この2と3は、本当に少し標準化されたものに限って大きく見直す必要があるのではないかなと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、ほかに御質問等もないようでしたら、本件に係る質疑はこの辺りにしたいと思います。
続きまして、「慢性期入院医療について」につきまして、議論を行いたいと思います。
まず、事務局から資料の説明をお願いします。
○金光補佐
事務局でございます。
では、引き続き、診調組、入-1の資料、26ページからでございます。2番目の議題「慢性期入院医療について」でございます。
ページをお進めいただきまして、28ページ、こちらはいつもお示ししております診療報酬における機能に応じた病床の分類図でございます。
29ページ、病床数の推移について(概要)ということで、平成29年7月と令和元年7月のそれぞれ2時点について、一般病棟入院基本料、地域包括ケア病棟入院料、回復期リハビリテーション病棟入院料に加え、今回のテーマである療養病棟入院基本料、障害者施設等入院基本料、特殊疾患病棟入院料について、その増減をお示ししておるものでございます。
30ページからは、療養病棟入院基本料についてでございます。
31ページ、療養病棟入院基本料の概要、療養病棟入院料1と2、それから現在あります経過措置、療養病棟入院料(注11)に規定される点数の看護配置等でございます。
32ページが療養病棟入院料1と2の医療区分とADL区分に応じた点数の別、33ページが療養病棟入院基本料について、包括範囲の内容をお示ししてございます。
34ページは、令和2年の診療報酬改定で行いました基本料の見直し、上段が注11に規定する経過措置を2年間延長し、点数は100分の90から100分の85に減じたこと、また、療養病棟入院基本料の注12に規定する経過措置については終了いたしたこと、それから、下段でございますが、適切な意思決定の支援ということで、適切な意思決定支援に関する指針を定めていることを要件とするというものを設けたところでございます。
35ページは、中心静脈栄養の適切な管理ということで、患者またはその家族等への説明及び他の保険医療機関等に患者を紹介する際の情報提供を要件に追加する等を行いました。
36ページに届出施設数及び病床数の推移を、令和元年までの数字ですが、お示ししております。
37ページが療養病棟入院基本料の平均在院日数の推移、38ページは病床稼働率の推移でございます。
39ページに入院料ごとのレセプト請求点数、1日当たりを入院料等の調査の患者票から引用してきてございます。
40ページ以降、改定前に療養病棟入院料1を届け出ていた病棟の状況ということで、令和2年11月1日時点の状況についてまとめてございます。療養病棟1については、療養病棟1を引き続き届け出ているのが大勢を占めていたということになります。
41ページについては、改定前に療養病棟入院料2を届け出ていた病棟の状況、42ページは、改定前に経過措置(注11)を届け出ていた病棟の状況でございます。
43ページですが、療養病棟入院料1を届け出ている病棟の今後の届出の意向というのをまとめてございます。およそ9割の病棟で現状を維持するというお答えであったと。下段には、転換を検討している病棟、施設の転換先についてのまとめでございます。介護医療院が一番多くて、地域包括ケア病棟が次という結果になってございます。
44ページは療養病棟入院料2を届け出ている病棟の今後の届出の意向、こちらも8割程度で現状維持というお答えになっていて、15%で他の病棟・施設へ転換ということ。転換先については、介護医療院が一番多くて、回リハ病棟がその次であったという結果です。
45ページは経過措置(注11)を届け出ている病棟の今後の意向ということで、およそ3分の2で現状維持というお答え、3分の1では他の病棟・施設へ転換するというお答えでした。介護医療院と地域包括ケア病棟が同じぐらいの結果となってございます。
46ページは療養病棟入院料ごとの医療区分ということで、療養病棟の1、2、経過措置の注11で医療区分1、2、3がどれくらいの割合かを示しております。1ですとおよそ9割、2ですとおよそ3分の2、注11ですとおよそ半分という結果になっております。参考までに、平成30年度調査もお示ししております。
47ページが各病棟における医療区分2、3の該当患者の占める割合の分布、青が療養病棟入院料1、オレンジが2、少なくて見づらいですが、グレーが注11ということでまとめております。また、青の点線では入院料1の施設基準、オレンジの点線では入院料2の施設基準を示してございます。
48ページは、経過措置(注11)の病棟に限って医療区分2、3の該当患者の占める割合の分布を集計してございます。
49ページ、入院料ごとの患者の検査等の状況ということで、上段が過去7日間に検査を実施した患者割合というのを入院調査から引っ張ってきております。療養1、療養2、経過措置(注11)で比較をしております。検体検査(尿・血液等)とエックス線単純撮影がそれぞれ2割、1割程度だったということです。
リハビリテーションの実施状況を下段にお示ししておりまして、各種の疾患別リハの違いがございますけれども、いずれも実施していないという一番下のところを御覧いただくと、療養1で4割、療養2で5割、経過措置(注11)で1割弱という違いがございました。
50ページは入院料ごとの患者のリハビリテーションの実施状況でございますが、過去7日間のリハビリテーション実施回数、単位数というのを集計してございます。療養1、療養2、経過措置(注11)というもので比較をしてございます。
51ページに入院料ごとの主傷病名をまとめてございます。療養1と療養2で一番多かったのは脳梗塞後遺症、経過措置(注11)で一番多かったは廃用症候群という結果でございました。
52ページは入院料ごとの患者の入院の理由ということでまとめてございます。併せて、下のところに平成30年度調査もまとめてございます。
53ページが入院料ごとの患者の平均在院日数、平均値で見ると53ページの下側に表でまとめてございますが、療養病棟1が360.2日、療養病棟2が326.9日、経過措置(注11)が117.7日という結果でございました。
54ページは平均在棟日数でございますが、療養病棟1が294.5日、療養病棟2が401.6日、経過措置(注11)が105.8日という結果でございました。
55ページは入院料ごとの患者の在院期間別割合の分布ということで集計をして、帯グラフでお示ししております。左側は在院期間が短い群、右側は長い群ということで見ていただけるかと思います。例えば180日という数字で見てみますと、経過措置(注11)については、180日を下回る患者さんがかなり多いというのが見て分かるかと思います。
56ページに入院料ごとの患者の退院できない理由を集計しております。療養1、療養2、経過措置(注11)で大きく違うのは、02番、家族の希望にかなわないため、07番、入所先の施設の事由により、退院先の確保ができていないためというものでございました。
57ページは経過措置(注11)を届け出ている病棟の今後の届出の意向を再掲した上で、このお答えの現状維持と他の病棟施設へ転換というところに着目をして、58ページ以降、少し分析を加えてございます。
経過措置(注11)を届け出ている病棟、今後の予定別に分けた場合に患者の主傷病名を見てございます。現状を維持するが左側、他の病棟・施設へ転換するが右側でございます。
また、59ページでは、こちらも現状維持と他の病棟・施設へ転換とで、入院の理由、それから入棟中の患者の医療的な状態というのを比較してございます。
60ページでは、医療区分とADL区分も比較をしてございます。
61ページでは、退院できない理由というものを見ております。少し違いがあるのかなという結果になってございます。
62ページでございます。療養病棟入院基本料を届け出ている病棟の入院患者の医療区分の推移ということで、この表、上が入院料1、真ん中のブロックが入院料2、一番下のブロックが経過措置(注11)ということで、横軸に令和2年8月1日時点の医療区分1、2、3、縦軸に令和2年10月30日、3か月後の医療区分1、2、3と退棟というもので、患者の割合を見ています。
例えばピックアップして御説明すると、令和2年8月1日時点で医療区分1となっている患者について着目をした場合に、入院料1ですと、令和2年10月30日の時点で退棟している患者は36.7%となっておりまして、それを入院料2で見てみますと23.4%、経過措置(注11)で見てみますと72.2%という数字になってございます。一方、医療区分3に着目をしてみますと、令和2年8月1日時点、入院料1の医療区分3、令和2年10月30日に退棟となっているのが26.8%、同様に、入院料2では32.1%、経過措置の注11で33.3%となってございました。こういった集計を63ページ、ADL区分でも同様に行っているものでございます。
64ページからでございます。医療区分3における1項目該当の場合の該当項目を集計していて、一番多いのが13番、中心静脈栄養を実施している状態ということでございます。平成30年度調査の結果も下段にお示しをしてございます。
65ページは、調査基準日3か月前と調査基準日の医療区分の該当項目の比較をしてございます。
66ページは、前回の改定を踏まえて中心静脈栄養の対象患者の変化について入院調査から引用してきてございます。対象患者に変化があったと回答した施設を帯グラフ上、赤で示しておりますが、全入院料で見ると10%ちょっとで変化があったというお答えをいただいております。それを少し分析的に見てみますと、その下、説明による変化があった場合の中心静脈栄養を選択する対象患者の変化の内容というのを複数項目でいただいてございます。全入院料で見ると、ほかのところでもそうですが、中心静脈栄養以外が選択されるようになったとか、家族の希望が減ったというお答えが多かったところでございます。
ここまでが療養病棟入院基本料でございました。
続きまして、67ページ以降、障害者施設等入院基本料等についてということでお示ししてございます。
68ページは障害者施設等・特殊疾患療養病棟等の位置づけということで、従前からお出ししている資料。障害者施設等入院基本料と特殊疾患療養病棟入院料、それから療養病棟について、例えば医療処置の内容等の変動でありますとか、医療スタッフ必要度というところに着目をしてマッピングしてございます。
69ページは、障害者施設等入院基本料に関するこれまでの経緯ということで、平成12年に新設された以後、平成20年と平成28年の診療報酬改定でメジャーな見直しをしてございます。障害者施設等入院基本料の特徴といたしまして、オレンジの枠で塗ってございますが、個別の病態変動が大きく、その変動に対し、高額な薬剤や高度な処置が必要となるような患者が対象で、投薬、注射、処置等が出来高払いとなっているものでございます。
比較して70ページ、特殊疾患病棟入院料に関するこれまでの経緯ということで、こちらは平成6年に病棟として新設されて、平成12年には入院医療管理料が新設されました。障害者施設等入院基本料と同様に、平成20年と平成28年に見直しをしてございます。
青の塗り潰しで書いているところでございますが、特殊疾患病棟入院料の特徴として、処置内容や病態の変動はそれほど大きくないが、医療の必要性が高いということで、投薬、注射、処置等が包括払いとなっている構造になってございます。
71ページでは、平成28年度直近の診療報酬改定で改定した内容の御紹介でございます。
72ページは、それぞれの病棟に関係して主な施設基準等と、一部、一番右側に療養病棟入院料も比較のために載せてございます。看護配置から始まって施設基準、点数、包括範囲というのをまとめてございます。
73ページは、障害者施設等入院基本料等の対象患者ということで、表にまとめてございます。また、入院基本料の要件となっております患者の割合も併せてお示してございます。
74ページでございます。障害者施設等入院基本料届出の医療機関数と病床数。医療関数が棒グラフ、病床数が折れ線グラフということでございます。
75ページは、入院料別にその届出の医療機関数をお示ししてございます。
76ページには、入院料別に届出の病床数をお示ししてございます。
77ページからは、特殊疾患病棟入院料の届出医療機関数と病床数でございます。
78ページが、特殊疾患入院医療管理料の届出医療機関数と病床数のまとめでございます。
79ページにお進めください。障害者施設等入院基本料の対象患者と算定する入院料の関係をイメージ図でお示ししてございます。1番目に全入院患者と書いてございます。紫の点線で囲っているところが、先ほど73ページでお示しした対象患者でございます。入院患者のうち障害者施設等入院基本料でおおむね7割以上という要件になってございます。
また、それとほぼ被るような形で、青で示してございます脊髄損傷等の重度障害者等については、いわゆる特定除外ということで90日超の減算がない規定になってございます。これらは、障害者施設等入院基本料を算定していただくという構造になっております。
その中でも、赤で示しておりますが、重度の意識障害者という類型がございます。重度の意識障害者をこちらでは3つに分けてございますが、一番右のぴょこっと出ているところが脳卒中の後遺症以外の重度の意識障害者、左側の大きな升が、脳卒中の後遺症であるものに限るとなっております。脳卒中の後遺症であるものに限るの中には、医療区分3と2と1というカテゴリーがあって、医療区分2と1のカテゴリーについては、療養病棟入院基本料の評価体系を踏まえた評価とするということで扱ってございます。
この対象患者の外には緑でその他というふうに囲っております。その他の患者さんは、障害者施設等入院基本料を算定いたします。その他の中にも、脳卒中患者、重度の意識障害者以外の方というのがいらっしゃる、こういった構造になっているかと思います。
80ページから障害者施設等入院基本料の算定する入院料のイメージというのをお示ししてございます。横軸に入院期間、縦軸に点数を取った場合のイメージでございます。脊髄損傷等の重度障害者、先ほどの79ページの図で90日超の減算がないと書いたものでございますが、これらについては障害者施設等入院基本料が出来高で算定できるという構成になってございます。
80ページの下段、重度の意識障害(脳卒中の後遺症であるものに限る)の患者であって医療区分3に相当する者については、上と同様に、障害者施設等入院基本料が出来高で算定できるとなってございます。
81ページでございます。重度の意識障害(脳卒中の後遺症であるものに限る)の患者であって医療区分1または2に相当する方については、医療区分を用いた評価を行った上で、療養病棟入院基本料に準じた点数が包括として算定されるところになってございます。
下側、重度の意識障害以外の脳卒中患者及びその他の患者については、90日までは障害者施設等入院基本料が出来高で算定でき、90日以上については、特定入院基本料という形で包括の点数が設定をされております。
ここまでが構造の御説明でございました。
82ページでございます。障害者施設等入院基本料等を届け出ている病棟の対象患者の割合の分布ということで、病棟票から取ってきた対象患者割合を各入院料別にお示ししてございます。
83ページでは、障害者施設等入院基本料、それから特殊疾患病棟入院料それぞれについて、過去7日間に検査実施した患者割合の違い、それから疾患別リハビリテーション実施の状況についての違いをまとめております。
84ページでは、入院している患者さん、対象疾患ごとの該当割合の分布ということで、どれに該当していますかというものを複数選択で取っておるものでございますが、こちらについて、01番の重度の肢体不自由児・者から06番のその他までどういったものが多いのかというのを、左側に障害者施設等入院基本料、右側に特殊疾患病棟入院料ということでまとめてございます。
85ページでは、個別の入院料別にその割合をまとめております。
86ページでは、入院料別に患者の医療区分についてまとめています。
87ページでございますが、こちらは患者の医療的な状態ということで、安定しているか、時々不安定であるか、常時不安定であるかというのを管理票から抽出して、入院料ごとにまとめてございます。
同様に88ページ、医師による診察の頻度というもの、こちらは左側に頻度が少ない、右側に頻度が多いと見ていただければと思いますが、それらを入院料別に比較できるようにまとめてございます。
89ページが看護師による看護提供の頻度でございます。こちらも左側に頻度が少ない、右側に頻度が多いということで比較できるようにまとめているところでございます。
90ページでございます。障害者施設等入院基本料は、先ほど御紹介した対象患者とその他患者に分けて、医療区分の違いがあるのかというものを入院料別に見ているところでございます。
91ページでございます。こちらは左下のところに先ほどの図を再掲しておりますが、ここで赤く囲っております脳卒中患者というところに着目をして、障害者施設等入院基本料のその他の中の脳卒中患者というもので、併せて、療養病棟入院料1、2に入院している脳卒中患者、こちらは※で点線の枠で囲っております。主病名が脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血、その他の脳血管障害の患者ということにしておりますが、こちらについて比較をしております。
なお、点線で囲っている※の中、少し誤植がありまして、P.64以降のスライドにおける脳卒中患者も同様と書いておりますが、このP.64は誤りでございまして、削除していただいて、以降のスライドにおける脳卒中患者も同様と読み替えていただければと思います。
それらについて、医療区分1、2、3の割合を示しております。療養1ですと医療区分2、3がおよそ9割、療養2ですとおよそ7割、障害者施設等ですとおよそ7割という状況になってございます。
また、脳卒中患者における医療的な状態が92ページで、こちらも「安定している」「時々、不安定である」「常時、不安定である」というものの比較をお示ししてございます。
93ページが医師による診察の頻度の比較、94ページが看護師による看護提供の頻度の比較となっております。
最後は95ページでございます。総論、療養病棟入院基本料における患者の状態と、それから、障害者施設等入院基本料等における対象患者について、ここまでるる説明してきたことをまとめてございます。
最後の論点、慢性期入院医療について、求められる役割に応じた医療の提供を推進する観点から、医療の内容や患者の状態を踏まえた評価の方法をどのように考えるかということで掲げているところでございます。
議題の2つ目の事務局からの説明は以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、95ページまでですが、御意見、御質問等を承りたいと思います。
井川委員、どうぞ。
○井川委員
詳細な分析をいただきまして、ありがとうございます。
何点か、1つ意見と、あと2点ほど御質問をさせていただきたいのですけれども、まず1点目は、43ページから45ページにわたって、各療養病棟入院料1から2、それから経過措置の届出をしている病棟の今後の届出の意向というお話で、特に経過措置の病棟で33%が他の病棟への意向があったと記載されているのですけれども、n数が12しかないということもありまして、33%といっても4施設しか存在しない。この状況でこれを、33%ではこうだよという議論には少しならないというか、無理があるのかなと思っております。これが1つの意見です。
続きまして、49ページ以降に出てきますけれども、入院料ごとの患者の検査等実施状況や、あと、50ページの入院料ごとのリハ実施状況を見ますと、経過措置(注11)を算定している病棟でリハビリが極めて多くされているという結果が出てきています。その結果、39ページにありますように、レセプトの請求件数が、療養病床の入院料2よりも経過措置のほうが高いという実態が起こっていて、その要因となっていると推察されるのですけれども、本来であれば、やはり経過措置の病棟というのは療法士の数も少なくて、リハビリ点数も減ってくる、出来高算定できる数も減ってくることが普通と考えるのが自然というか、そのような感じがするのですけれども、今回このデータに関して何かほかに詳細な分析がされているのかというのが1つの質問です。
続けて、53ページ、54ページに平均在院日数と平均在棟日数のグラフが出ております。通常、在院日数が同一病棟に入院していた日数よりも下回ることは普通ないと考えているのですけれども、療養病床の2では平均在棟日数が在院日数に比して非常に高い。これは取っておられる調査票が、平均在院日数は病棟票、平均在院日数は患者票ということから考えたとしても、このデータの差は一体何なのだろうと、1つ疑問に思いました。この原因に関しても教えていただければありがたいと思います。
以上です。
○尾形分科会長
2点御質問をいただきました。事務局、お願いいたします。
○金光補佐
事務局でございます。御指摘ありがとうございます。
1つ目の御質問についてでございます。リハビリの実施について、入院期間が長くなってくるとなかなか算定できなくなるのではないかという御指摘だと思います。個別の患者様がどういった状況かというのは詳細に見切れない部分もあるので、現時点でこれに限った形での細かい分析はまだしておりませんが、例えば、傍証といいますか、先ほど先生からも御指摘をいただいた53ページ、54ページで在院日数や在棟日数をお示ししております。この中で経過措置の注11については、在院日数、在棟日数、いずれもかなり短くなっていることからすると、一般的に思い描ける療養病棟のように長く入院していて、本来であればリハビリの日数というものから大分逸脱する日数なのではないかというスケールから見ると、少し違うのかなと思ったりは、ここは感想なのですけれども、しているところであります。現時点で細かい分析というのはまだ追いついておりません。
御質問の2つ目、療養病棟2について、53ページと54ページで在院日数と在棟日数がひっくり返っているのではないかという御指摘。少し確認をしてみたいと思います。
○尾形分科会長
井川委員、よろしいでしょうか。
○井川委員
結構です。ありがとうございます。
○尾形分科会長
それでは、秋山委員、どうぞ。
○秋山委員
ありがとうございます。私は、資料1の95ページの論点のところでございます。療養病棟における医療内容を踏まえた評価方法についての意見ですが、資料1の47ページにありましたように、療養病棟に入院する患者の医療区分を見ますと、入院料1における医療区分2、3の該当患者割合は95%以上が最も多く、入院料2では50%以上55%未満、75%以上80%未満が最も多いという結果が示されております。入院料1の患者のほうが医療依存度が高いのは明らかですけれども、入院料1と入院料2では同じ20対1という人員配置になっております。
実態としては、例えば、平成30年度の病床機能報告のデータからも、入院料1を算定する病棟の約4割が稼働病床数に対して15対1以上の手厚い配置を行っているという状況もうかがえますので、患者の医療依存度や医療内容を踏まえて、配置を含めた評価方法の見直しが必要なのではないかと考えます。これは意見でございます。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
田宮委員、どうぞ。
○田宮委員
ありがとうございます。大きく2点ありまして、1つは52ページのところです。これは療養型の入院継続の理由ですけれども、これを見ますと、治療のためというのは69%で結構多くなっていまして、ただ、ちょっと思うのは、その下の比較と項目が違っているので、これは質問ですけれども、療養型のニーズが何かというのは前から議論になっているところで、やはり治療のニーズというのは病院ですからあると思うのですけれども、ここが1つ、前と比較ができないのかなということが御質問です。
それに関連しまして、ちょっと先になりますけれども、64ページを見ますと、これは3か月間フォローされた非常に貴重なデータだと思うのです。それを拝見すると、医療区分3番の場合、3か月後の死亡退院という方が23.3%おられます。そうすると3か月で4分の1弱の方が亡くなっておられる、1でもそうですし、2でも同様の傾向になっているのですね。そうしますと本当に、最後まで医療として必要なことを施されておられながらも、やはり亡くなっておられるという事実がありますので、その場合、前回、看取りという言葉に対してかなり議論が出ましたので、看取りという言葉でなくても、人生のかなり最後のところをこちらで過ごされるということになりますと、介護ですとか生活を支える配慮というのが必要なのではないかなと思って拝見しておりました。それが1点です。
もう一つなのですけれども、関連してIVHのことがまた出ておりまして、それを見ますと、65ページとかその前の64ページもですが、やはりまだIVHは多く実施されているという現状があります。その中で、ただ、いろいろ変えていただいたので、対策を練った上でとかお話をいただいた上でIVHをやっていることはよく分かりました。一方、、65ページを見ますと、13番のIVHをやっている状態というのは、3か月間、やはり長期でとどまっているということ、そして、気になったのは、下のほうに赤い線が入っているかと思うのですけれども、中心静脈カテーテル関連血流感染症に対して治療を行っている。IVHの感染に対して治療をこんなに行っているというのは、IVHの感染は割と重篤になるので、これは何を反映しているのかなというのが気になりました。
最後ですけれども、関連してその次のページです。これは診療報酬できちんと家族、患者に必要な説明をするということにしていただいたので、実施する方がまだ10とか少ないのですけれども、実施した方については、家族の希望とか、ほかの方法を選択とか、少し考えた場合にやや減っているという傾向がありましたので、きちんと考えた上での選択ということで、良い方向に行っているのかなと思います。
ただ、ここについては質問で、算定するに当たってはどのような記録を必要としているのか。ちょっとこれは算定が少ないなと思うので、手間なのか、こういうことをお話しするのが大変なのか。10%しかここの説明の加算を取られていない、やっていたとされていないという、10の方たちはいい方向に行っていますけれども、どうして10なのかなというのも少し疑問に思います。
ちょっと多くしゃべりましたけれども、療養型における死亡が多いということと、IVHのことと2点、よろしくお願いします。
○尾形分科会長
では、御質問ですので、事務局、お願いします。
○金光補佐
2点御質問いただいたかと思います。1つ目は65ページの図の中で、項目が左側に並んでおりますが、87番と書いている中心静脈カテーテル関連血流感染症に対して治療を実施している状態が具体的にどういう状態なのか、そもそも中心静脈カテーテル関連血流感染症は重篤な状態なので、長く実施しているのはどういうことなのかという御質問かと思いますが、すみません、これは項目だけを並べておりますので、その辺りの分析はまだ間に合っておりません。ただ、先生の御指摘については受け止めたいと思います。
2つ目、66ページ、これは恐らく少し趣旨が分かりづらかったのかと思いますが、中心静脈カテーテル挿入時の要件である患者、家族等に療養上必要な事項を説明するというのは、基本的に全てでお願いをしているというか、留置する場合に求めておりますので、その上で、回答としてということでございます。
○田宮委員
分かりました。そうですね。勘違いしていました。
○金光補佐
あと、52ページについて。
○田宮委員
すみません。ここに関連してなのですけれども、やったことに対しての何らかの記録とか、そういうのは求めていないのでしょうか。今の66ページですね。家族などにきちんとお話をするということも要件になっているということでしたので、私はちょっと勘違いしました。ただ、それをやったかどうかみたいなものは、特に記録を求めているとかはございますか。
○金光補佐
改定の内容について35ページにまとめてございます。中心静脈注射用カテーテル挿入等についてという1つ目の矢羽のところで書いているものでございますが、要件上は説明を行うこと、また、医療機関に患者さんを紹介する場合には情報提供することを要件としておりまして、どういう内容でありますとか、その内容をどういうふうに記録するかということに関しては要件を求めていません。
あと、補足なのですが、52ページのところで冒頭御意見いただいたかと思います。患者の入院の理由について、令和2年と平成30年の比較。こちらは事前に昨日より前にお送りしていた資料では、平成30年度調査のところで少し誤っている部分がありましたので、最新版ではこちらは項目がそろっているところでございますので、御確認いただければと思います。
○田宮委員
そうでしたか。すみません。頂いた紙のほうを見ていて。では、同じになっているのですか。
○金光補佐
はい。同じになってございます。
○田宮委員
そうですか。では、ちょっと見てみます。
そうすると、でも、治療のためという数はあまり変わっていないのですか。ごめんなさい。新しいほうの52ページですよね。大体同じような感じですね、やはり治療が6割、少し増えていますかね。分かりました。だとしてもというお話で申し上げたので、ありがとうございました。失礼しました。
○尾形分科会長
よろしいでしょうか。
ほかはいかがでしょうか。
○田宮委員
まだ終わっていないですよね。IVHのほう、後半の質問、治療のほうはこれでよろしかったでしたか。
○金光補佐
現時点では細かく見られるものがございませんので、確認を進めさせていただきます。
○田宮委員
あと、25%ぐらい亡くなっているということに対しては、では、御意見ということでよろしいですか。
○金光補佐
はい。御意見として承りました。
○田宮委員
結構人生の最期を過ごしておられるという事実はかなり数字で出ているので、お願いします。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
井川委員、どうぞ。
○井川委員
ありがとうございます。今、田宮委員がおっしゃられたことに関連しまして、死亡退院に関しましては、52ページにありますように、例えば緩和ケアであったり、看取りのというふうに、亡くなることが前提という形で入院してこられる方というのはある程度数、療養病床の中にはおられる。そのほかに、療養病床というのはほかの病棟に比べれば在院日数が極めて長くて、しかも、なかなか退院先が決まらないという方がおられて、その方々が高齢化していかれるということもあります。
そのために、やはり実際的には療養病床でお亡くなりになられる、退院のときの死亡退院率というのは50%前後にどうしてもなってしまうというのが現状であり、特に、療養病床で治療していないから悪くなってしまわれるということがあるかと言われると、私はないと信じております。
例えば日本人が亡くなるときに、今、8割弱が病院で亡くなっているという現実がございますので、急性期でそれだけの数を引き受けていない以上、やはり慢性期で亡くなられる方の数は増えてしまうのだろうと考えております。
あと、TPNのお話ですけれども、66ページにありますように、長期のTPNの実施の際に患者、家族さんに必要な説明をするということが義務化されたことによって、まだまだ確かに10%程度というふうに少ないですけれども、従来でしたら、十分な説明もないままに、例えば急性期でばたばたとしている中にCVを入れられて、CVがあるからTPNという格好になっている場合があったりとか、あと、胃瘻そのものは延命治療だからやめておきましょう、TPNでいきましょうという形で入っていた、TPNがいいのだよというような誤解が実際には減って、特に患者さんや家族さんの希望が減ったということは非常に大きいと私は考えています。
しかし、最新の資料では、95ページの慢性期入院医療に係る課題及び論点のところで、総論の下から3つ目のポツです。以前の資料では67ページになりますけれども、療養病床におけるTPNの問題の根幹は、医療区分3の多くがTPNの1項目のみで対象となってしまっているということだろうと私は思っています。
そのために、今回の調査票の中には、患者票の中で、中心静脈栄養に関して、この項目だけではなくて、実際には開始の契機であったりとか、経過日数であったり、先ほどおっしゃったカテーテル関連感染症、CRBSIの有無であったりとか、TPNの継続理由であったりとか、抜去の見込みだったり、嚥下機能評価の有無、嚥下リハについてなど、非常に多くの項目が記載されるようになっていました。その中で議論をしていく中で、ここの2項目だけを持ってこられて議論をするのは、私はここでするのはちょっとおかしいのではないかと。実際にはこれを全部出した上で議論していただかないと、普通の議論ができないと考えています。ここの点に関して、事務局にちょっとお伺いしたいなと思っております。
以上です。
○尾形分科会長
それでは、事務局、お願いします。
○金光補佐
御意見を承りました。今後の検討において準備したいと思います。
○田宮委員
田宮ですけれども、追加でよろしいですか。
今、井川委員の御意見、本当に現場のことで少し変化が出てきているということ、ありがとうございます。最初におっしゃられていた、やはり慢性ですから、人生どこかで終わりを迎えますし、いろいろな経過の上で亡くなられる方が多いというのは事実で、できるだけの医療をきちんとされているのだと思います。ただ、やはり亡くなられる方が多いと、最期のときのケアというところが、介護士の配置が病院だとどうしてもないわけですね。その辺の日常を支えるということも重要かなと思われてきますと、その辺のバランスですね。必要な治療をやりながらも、介護の視点を入れていくということも必要なのかなと思って発言いたしました。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
井川委員、どうぞ。
○井川委員
事務局、私からでいいですか。療養病床に関しては、介護が看護師と同様の配置を求められておりますので、介護士は半分おります。
○田宮委員
そうですか。
○井川委員
20対1でおります。
○田宮委員
20対1で介護士が、そうですか。
○井川委員
介護の人間が配置されています。
○田宮委員
そうですか。それは介護士としてですか。
○井川委員
基本的には、介護の人間は介護をする。だから、体交があるとかそのようなことに関しては介護士がやって、看護師は看護師の仕事をするような格好ですみ分けといいますか、例えば、急性期病院のように介護士がほとんどいない状況で看護師さんが全部、病状の世話から介護の世話までされるというような状況にはなっていないということを御理解ください。
○田宮委員
国家資格の介護士がその定数以上いらっしゃるという。
○井川委員
国家資格という点で言いますと、まだまだ非常に弱いというのが現状です。
○田宮委員
その点なのですね。介護の専門家というのが今はいますので、それだけ対応していただいていることはよく分かりましたけれども、そこがもう少し検討の余地かなという思いでございます。よろしくお願いします。ありがとうございました。
○尾形分科会長
猪口委員、どうぞ。
○猪口委員
先ほど井川委員からも御指摘がありました療養病床の経過措置の部分ですけれども、わずか20病院ぐらいですので何とも言えませんが、内容を見ると明らかに、これは短期でもないのですけれども、短い入院期間でリハビリを中心に入っていて、恐らく病名から見ても整形外科系の術後のリハとかをやっている病棟だと思うのです。これを経過措置としてよしとするかどうかという議論かなと思っていて、経過措置ですから、今後どのように持っていくかということはちょっと議論をすべきかなとは思います。
それから、事務局でもし分かったら教えていただきたいのですが、中心静脈栄養で家族への説明とかいろいろな要件がついて、結果としては、これは増えているのでしょうか、減っているのでしょうか。その数が分かれば教えていただきたいなと思っております。お願いします。
○尾形分科会長
それでは、事務局、お願いします。
○金光補佐
ありがとうございます。今回、66ページでお示しをしておりますとおり、入院調査からこういったある意味定性的な結果のみが集計できている状況でございまして、マクロで見たときに中心静脈栄養の患者さんが増えているか、減っているかということに関しては、まだ捉え切れておりません。
○猪口委員
分かりました。多分、中心静脈栄養で引いてくると数が分かるのかなという気がしますので、そこら辺も分かれば教えていただきたいと思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。先ほど井川委員、猪口委員が御指摘されましたところと重なりますけれども、42ページ以降の経過措置の資料をいろいろと出していただいています。確かにn数が少ないので何とも言いがたい部分がございますけれども、例えば42ページを見ますと、もともと経過措置の届出で現在も経過措置、そして、一部を地ケアに移行したというところが28%存在していたりとか、今後の意向としては、3分の1ぐらいは移行したいということで、これはn数が非常に少ないのですけれども、ある程度地ケアに移行したいという希望があったりと。
実際、運動器のリハビリが非常に多く行われている実態があったりということですが、そうしますと、恐らくリハビリを行っているようなケースは医療区分1だったりとかということなのかなと思いますし、地ケアに一部移行した事例などを詳細に見ることがもし可能ならば、多分、地ケアのほうに医療区分1の患者さんを集約して、そうすると残りの医療区分2、3の患者さんを、例えば別の病棟を療養の1に変えたりとか、そういった経営努力をなさってらっしゃるのかなというふうにも若干見えるのですけれども、その辺りは個別のケースを見ると分かるようなものなのでしょうか。その辺を教えていただければと思います。
○尾形分科会長
それでは、事務局、お願いします。
○金光補佐
ありがとうございます。経過措置のところ、先生方からもるる御指摘いただいておりますとおり、かなりn数が少なくなっていっておりまして、事務局的にはいろいろ見てはいるのですけれども、これ以上分けていくと、本当に個別の医療機関のケースみたいになってしまうものですから、そこはちょっと、どこまでこういった場に出せるかどうかということも含めて少し、今いただいた御意見も含め、検討したいと思います。
○尾形分科会長
よろしいでしょうか。ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、ほかに御質問もないようですので、本件に係る質疑はこの辺りにしたいと思います。
続きまして、「横断的事項について」の部分について議論を行いたいと思います。
まず、事務局から資料の説明をお願いします。
○金光補佐
事務局でございます。
96ページ以降、横断的事項の議題に関して資料の説明をさせていただきます。
97ページから、今回4つ細テーマをつけてございます。1つ目の細テーマが入退院支援についてでございます。98ページに、入退支援の評価のイメージ図、外来から在宅、そして入院、そして外来から在宅という流れの中で、現行の評価体系をお示ししております。
それを踏まえて、99ページが入退院支援加算の概要というもの。
100ページには、入退院支援加算につく加算ということで、入院時支援加算1、2、それから地域連携診療計画加算というものの御紹介でございます。
101ページから、ややベーシックな資料になりますが、入院料ごとの平均在院日数と病床の利用率、102ページに、入院料ごとの入院継続の理由ということで、各入院料別に見ているところでございます。
103ページに退院できない理由ということで、医学的には外来・在宅でもよいが、他の要因のために退院予定がないと回答した患者について個別に見ていきますと、このような結果になっていて、左側に最も該当するもの、右側に複数回答でお示しをしています。家族の希望にかなわないでありますとか、入所先の施設の事由により退院先の確保ができていない、また、上記全体の調整・マネジメントができていないというお答えが多かったというものでございます。
本人・家族の希望にかなわないためと回答した患者さんについて、その理由を個別に見ていったのが104ページになっていて、全体的に介護、例えば下から5個目の項目ですけれども、自宅に帰った場合、在宅介護等を利用しても家族の負担が大きいなどというお答えが多かったという実態でございます。
105ページが退院後に必要な支援ということで、医学的には外来・在宅でもよいが、他の要因のために退院予定がないと回答した患者において、退院後に必要な支援を見たものでございます。食事・排泄・移動等の介護が多かったという結果になっております。
106ページには入退院支援加算の届出状況を入院料別にお示ししております。結構入院料によって差が大きいというものでございます。
107ページには、入退院支援加算等の算定状況、それから、108ページには算定件数、入院料ごとにその医療機関の中で取られている件数の違いというものもお示ししております。
109ページに、入退院支援加算1を届け出ることが困難な理由というものをまとめております。圧倒的に多いのは、入退院支援及び地域連携業務に専従する看護師または社会福祉士を各病棟に確保できないという人的リソースの問題が一番多かったところでございます。
110ページには、入退院支援部門の設置状況を入院料別にお示ししております。
111ページ、入退院支援加算の届出の有無別に平均在院日数を見てございます。特に表のところでお示ししておりますが、加算1を取っているところ、2を取っているところ、届出をしていないところで在院日数の平均値を比較していくと、加算1において、加算2や届出なしと比較して、おおむね平均在院日数は短かったという結果になっております。
また、112ページでは、退院支援に向けた施設間の連携状況に着目をして、こちらも表でお示ししておりますが、連携施設数が中央値以上と中央値未満で平均在院日数の比較をしておって、中央値以上、たくさん連携施設数があるところのほうが平均在院日数は短いという結果になっておったところでございます。
113ページでは、入退院支援部門を設置していない理由を別に聞いております。入退院支援部門を担当する職員数が十分に確保できていないためというお答えが多かった。その次には、入院時点で退院支援を必要とする患者が少ないですとか、ほかには、入退院支援部門を設置しなくても、各病棟や各職員による十分な入退院支援が行えているというお答えもございました。
114ページでは、施設において退院支援の積極的な取組や促進等を困難にしている事項ということでお答えをまとめてございます。複数回答と最も該当するものをまとめてございますが、担当患者数が多いため、患者1人当たりの退院調整に十分な時間を割くことができないとか、職員数が確保できない、また、患者家族と面会日等を調整することが難しい。そういったお答えもあったところでございます。
115ページには、入退支援加算の算定要件の退院困難な要因というものの該当の具合、116ページには、入退支援加算につく加算の入院時支援加算の届出状況を入院料別にまとめてございます。
117ページに、入院時支援加算を届け出ることが困難な理由ということで、一番多いのは、先ほどもあった専従の看護師の配置が困難というもの。
前回の改定で整理をいたしましたが、入院時支援加算2を算定した患者の入院前に実施した事項ということで、必須項目以外で見てみますと、4割から7割の実施割合。特に褥瘡に関する危険因子の評価や栄養状態の評価というものは低い傾向にあって、入院時支援加算2になっている算定理由として、他職種の協力が必要であったというのが最も多かったことになっております。
119ページです。2つ目の細テーマである認知症ケアでございます。
120ページ、前回の改定で対応いたしました認知症ケア加算の見直しについてでございます。もともと1と2という加算体系だったものに、1、2、3ということで3つの体系に整理をしてございます。
121ページに、その要件等をまとめております。
122ページには、認知症ケア加算の算定状況をお示ししております。
123ページには、届出状況でございます。
124ページに、令和元年度調査から引いております改定前の届出状況もつけてございます。
125ページ、認知症ケア加算1を届け出ていない理由ということで、認知症ケアチームを設置することが困難とか、専任の常勤看護師が週16時間以上業務に従事することが困難というお答えが多かった。
認知症ケア加算2を届け出ていない理由は126ページでございます。認知症患者の診療について十分な経験を有する専任の常勤医師がいない。認知症患者の看護に従事した経験を5年以上有し認知症看護に係る適切な研修を修了した専任の常勤看護師がいない。こういったお答えが多かったところでございます。
続きまして、127ページから、治療早期からの回復に向けた取組についてでございます。
128ページに、特定集中治療室の早期からの取組の評価について、平成30年度に新設をいたしました早期離床・リハビリテーション加算、それから、128ページ下段、令和2年に新設をいたしました早期栄養介入管理加算というものの御紹介でございます。
129ページに、早期離床・リハビリテーション加算の算定状況をお示ししています。
130ページには、令和元年調査から届出状況、改定前のものでございますが、届出の具合を見ております。
131ページ、早期離床・リハビリテーションの状況ということで、取り組んだ場合、自立度の改善でありますとかICU滞在期間の短縮、早期歩行獲得等の効果、今回の新型コロナに関係してもお示しされているところでございます。
132ページに、Post Intensive Care Syndromeの予防としてということで、ICU、HCU、PICU等の施設を対象とした調査で、早期リハを行っていると回答した割合は92.1%とかなり広まっている状況も見てとれるのかと思います。
133ページには早期栄養介入等の現状。左側に実績をつけてございますが、右側に関係学会の調べで、HCUやStroke Care Unit、Coronary Care Unitで、管理栄養士が栄養管理を実施している状況もまとめてございます。
134ページ、135ページに、特定入院料関係の施設基準をまとめております。
4つ目の細テーマは栄養管理についてです。アで栄養サポートチーム加算の御紹介になります。137ページが栄養に関する診療報酬上の主な評価、138ページに入院に着目をした栄養管理に対する主な評価でございます。
栄養サポートチーム加算については、139ページにまとめております。栄養管理を要する患者に対して、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士等が共同して必要な診療を行った場合についての週1回の200点というものでございます。
140ページには、栄養サポートチームの介入効果の報告から引用してございます。一般病棟よりも障害者病棟において改善した割合が高いという結果があります。
141ページには、算定可能な入院料というものでこれまでの経緯をまとめてございます。
142ページから、周術期の栄養管理でございます。
143ページに入院料ごとの年齢階級別分布、144ページに入院料ごとの入院患者の主な傷病、145ページに入院料ごとの栄養摂取の状況、146ページには嚥下機能障害の有無というものの集計をしております。
147ページ、術後の栄養摂取開始の状況ということで、左側に全身麻酔の手術後絶食から栄養摂取を開始するまでの日数を疾病別、右側には年齢別にお示しをしております。
148ページに、各ガイドラインにおける周術期の栄養管理についてということで、日本臨床栄養代謝学会の静脈経腸栄養ガイドラインですとか、こういったもので周術期の栄養管理、具体的な方法もお示しされているところでございます。
149ページ、術前に栄養管理を実施するため経口栄養剤というのが出されている患者さんは現時点で多くいらっしゃると思いますが、栄養剤の半分以下しか摂取できていないという実態があったりですとか、150ページ、術後の経口摂取再開までの日数が短い場合、在院日数が有意に短いですとか、適切な栄養管理が実施されれば、術後の合併症発生率や死亡率が有意に低下するという御報告を載せてございます。
151ページから回復期リハビリテーション病棟における栄養管理についてということで、152ページに、前回の改定で入院料1に導入いたしました管理栄養士専任常勤1名という要件の変更等をお示ししております。
153ページには、リハビリテーション計画書における栄養項目の記載状況のまとめ、また、154ページには、入院料ごとの管理栄養士の配置状況をお示ししております。入院料1が専任常勤1名となっておりますので、かなり高いのに対し、入院料2以下については、入院料なしというのが4割から6割ということになっている結果でございます。
155ページ、専任常勤ということではなくて管理栄養士の施設の配置というもので見てみますと、入院料1が常勤換算4.2名であるのに対し、入院料2から6でも常勤換算で2から3人いらっしゃるということが分かります。
156ページで、1病院当たりの回リハ病棟数を見ておって、1病棟と2病棟で9割ぐらいというような状況になってございます。
157ページで、入院料ごとの管理栄養士の配置状況の変化、2019年と2020年を比較しております。
158ページで、回リハ病棟における栄養摂取の状況、159ページでは、病棟に管理栄養士が配置されている場合の配置されていない病棟との比較をして、ADL改善効率がよいという結果、また、入院栄養食事指導料の算定状況というのも160ページにまとめております。
161ページに、管理栄養士の病棟配置の効果というものも、各種の報告から引用してございます。
最後、162ページでございます。ここまでの4つの細テーマについて点線の中でまとめさせていただいた上で、質の高い入院医療を推進するための入退院支援、認知症ケア、治療早期からの回復に向けた取組、栄養管理について、どのように考えるかということで論点として掲げているものでございます。
長くなりましたが、事務局からの説明は以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明、横断的事項に関わる問題ですが、御質問、御意見を承りたいと思います。
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
ありがとうございます。107ページを見ていただきたいのですけれども、上の四角く囲ってある中で、入退院支援加算の算定件数は増加傾向だか、近年は横ばいという書き方をしているのですけれども、確かに令和元年と2年はそれほど変わらないというのは事実ではあります。ただ、令和2年は入院患者数自体がかなり減っているはずなのです。ですから、それに伴って算定件数が減ってきているということを考えると、近年横ばいというのはちょっと当たらないのではないかなというのがまず意見です。
あと、隣の地域連携診療計画加算ですけれども、これは事前に疾患ごとの計画策定をしておくということが前提で、脳卒中とか大腿骨の頚部骨折のクリティカルパスが前身なのですけれども、これらの疾患に関しては、発症率に大きな変化がなければ、そろそろ一定のところで頭打ちになるということで、2つ目の○に関しては理解ができます。
あと、地域連携診療計画加算というのはいわゆる医療連携なのですね。医療機関同士の連携なのですけれども、最近増えているのは医療介護連携なのです。介護施設との連携。
介護施設というのは種類が多く、しかも規模が小さいということで、より多くの施設との連携・調整が求められていて、大変手間がかかるわけです。
112ページを見ていただきますと、そこに表がありますけれども、連携施設数が多い施設のほうが、そうでない施設に比べて在院日数が短いということがその表から読み取れるわけですが、効率的に入退院支援をしっかり進めるということであれば、いろいろな施設の連携に多くの人員が必要ということも見えてくるところです。
今後、高齢化に伴って入退院支援を必要とする患者が当然増えてきますので、この部分への評価はさらに検討する必要があるのではないかというのが意見です。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
菅原委員、どうぞ。
○菅原委員
ありがとうございます。1点意見、1点質問なのですけれども、まず資料の124こま目です。認知症ケア加算の届出状況についてなのですけれども、こちらを見ますと、急性期のほうはかなり認知症ケア加算の届出の状況が整ってきているなという印象を受けるのですけれども、124、125を比較しましても、療養病棟の入院基本料1、2の部分ですね。特に、届け出ていないという割合がほとんど改善をしていないと思います。
療養病棟には、御承知のとおり高齢者、それから、長い期間入院されている方が多いわけですから、むしろこの認知症ケアに関しましては、この療養病棟について考え直すというか、より積極的に推進する政策が必要ではないかなと思っています。この割合が増えてこない理由について、算定要件だとか施設用件、それぞれいろいろあると思うのですけれども、特に取れないネックになっている部分を掘り下げて、より療養病床で認知症ケア加算が取りやすくなるようなインセンティブづくりというのを少し政策的には考えなければいけないのではないかなと思います。これが1点目です。
2点目の質問ですけれども、160こま目です。管理栄養士の専従・専任配置別のアウトカム指標について、管理栄養士の配置によって様々な効果が生まれているということについては私もおおむね異論はないのですが、こちらの資料で、管理栄養士の配置によってADLの改善効率が良好になっているという資料なのですけれども、管理栄養士が病棟に配置できている医療機関は、それ以外の医療スタッフの配置状況も相対的には良好になる傾向があるかと思いますので、その辺りのコントロールをした上で、管理栄養士の効果がこれで見られているのかどうかということについて質問をしたいと思います。つまり、ほかの要因をきちんとコントロールした上で管理栄養士の効果を見ているのかどうかということについて事務局に質問したいと思います。
以上です。
○尾形分科会長
159枚目についての御質問です。
○金光補佐
ありがとうございます。事務局でございます。
新しい資料の159ページかと思いますが、管理栄養士の専従・専任配置別のアウトカム指標。先生御指摘のとおり、これはあくまでも管理栄養士の専任・専従、両方ありというところに着目をして、なしと比較しているものでございますので、他の因子のコントロールというのは、このグラフの作成上、されていないと思います。
いただいた御指摘はごもっともでございまして、例えば入院料1から6を見てみましても、ほかの従事者でありますとか取組というのはかなり違っているところでございますので、その辺りを少し分析的に見られないかというのは、事務局において検討したいと思います。
○菅原委員
よろしくお願いいたします。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
中野委員、どうぞ。
○中野委員
最後の論点に沿って申し上げます。まず、入退院支援について、今開いておりましたけれども、これは資料を見る限り、入院前からの関係者との連携が推進され、また、病棟と外来部門とも連携を推進する上で、この支援を強化するということは大変好ましい結果を生み出しているようでございますので、この入退院支援は重要な視点というふうに考えるべきだと思っております。
それから、認知症ケアに関しましては、必要性は十分理解できます。そして、届け出るに当たって、今も菅原委員からありましたけれども、そのハードルは、ケアチームの設置困難、また、専任看護師の規定時間の従事が困難だ等々のネックがあるということの理由もここで示されて、分かりました。
これをもって、菅原委員からはインセンティブで取りやすくするべきだという御発言がありましたが、診療報酬においては、とかくこういう人の配置につきましては、次にあるステップとしては、多少緩めて人の配置を考えるという意見が出ることが予想されます。その点につきましては、先ほど菅委員はインセンティブということでございましたけれども、単なる算定基準の緩和というよりも、もう少し多面的な分析をした上での次の条件を見出すということが必要かなと考えております。
それから、早期回復に関しまして、ICU以外で早期リハビリ、また、早期の栄養指導ということが進んでいるわけでありまして、これを実施することによって、学会等の資料にございますとおり、自立度の改善、早期の回復がより進むということが期待されることであれば、この早期介入ということは、より促進すべきだということで、好ましいのではないかと考えます。
それから、栄養管理につきまして、回復期リハビリにおきまして管理栄養士さんが配置されているということで、その効果が示されているわけでございますけれども、それを今後どう展開するかというのは、これも慎重に検討するということになると思います。
それに伴いまして、152ページですけれども、ここで、赤枠内の中ほど、管理栄養士さんの基準のところの書きぶりなのですけれども、入院料1の場合は当然配置が必須なのでいいのですけれども、入院料2以下について、管理栄養士が配置される場合は実施することが望ましいという表現になっております。これは次の153ページの表を見ますと、記載しているかしないかということで明らかに分かれてしまっています。これは配置されている場合は必須に記載するというようにしたほうが分かりやすかったのかなと思いました。これは単なる意見でございます。
座長、すみません。先ほど私は慢性期医療のときに手を挙げたつもりだったのですけれども、画面が消えていたみたいなので、戻って申し上げてもよろしいでしょうか。
○尾形分科会長
どうぞ。それは失礼いたしました。
○中野委員
では、戻ります。47ページについてですが、これは事務局に御質問させていただきたいのですけれども、入院料1と2の施設基準、それぞれ8割以上、5割以上であるわけですが、それ以下の病棟数が上がってくるのかは単純に分からなかったので教えていただきたいと思っています。
それから、質問以外は、この慢性期医療に関しましては、先ほど経過措置病棟のお話が出ておりましたけれども、これはやはりほかの1、2に比べたら明らかにリハビリテーションの日数や在院日数等を含め、明らかに相違する場面がありますので、この辺はきちんとふさわしい病棟への転換ということで考えるべきだと思います。
それから、障害者施設等の入院基本料につきましては、特に脳卒中のところなのですけれども、脳卒中の患者におけます医師による診察の頻度とか医療的状態、看護の提供について、92、93、94ページにそれぞれ整理されておりますけれども、障害者施設等入院基本料と療養病棟の基本料につきまして、それぞれあまり相違がないということを見ますと、脳卒中に関して、療養病棟入院料のほうのことも考えてもいいのかなと、ほとんど同じならばその辺も今後考えていくべきかなと考えておりました。
すみませんでした。以上でございます。
○尾形分科会長
ちょっとよく分からなかったのですが、47ページは御質問ですか。
○中野委員
はい。基準が5割以上、8割以上にあって、それを下っている病棟が示されているのはなぜかということ。
○尾形分科会長
それでは、事務局、お願いします。
○金光補佐
個別に見切れていないので、その理由については把握し切れておりませんが、ただ、一般的なことで申し上げると、これは入院調査から取っているので、例えばいろいろな記載の誤りですとか、何かしら要因があるのかなと。ほかの入院料の調査とかでも基準として設けているものより低い数字が時々出てきたりするので、そこはまた我々のほうでも確認はしておきます。
○中野委員
ありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
山本委員、どうぞ。
○山本委員
入退院支援のところでありますけれども、加算が取れない理由でやはり一番多いのは、人が確保できないという項目かと思います。これは入退院支援をしっかりやったほうが病院にとってメリットが大きいにもかかわらず、人が確保できないという理由が挙がってくる、その理由ですけれども、単純に人的リソースが足らないのか、そういう人材がいないのか、あるいはもう経営的にかなり厳しくて、今の加算では人材を捻出する、あるいは雇用する余裕がないのか。その辺についてはどのように分析をされますでしょうか。これは事務局に質問です。
○尾形分科会長
事務局、それでお願いします。
○金光補佐
事務局でございます。
なかなかお答えが難しい部分なのですけれども、もちろんその両方あるのだと思います。我々は、点数が足りないからとかいうことを分析的に見てお答えすることはさらに難しくなってくるのですけれども、ただ、今回の理由の調査を見ると、そういう人の確保が難しいというお声がありますし、そこについて、テクニカルにどういうことができるか。先ほど菅原委員や中野委員からもございましたが、どういう手当てができるのかというのは、考えられる範囲でしっかり考えたいと思います。
○山本委員
そうですね。やはりここをどのように100%に持ってくかというのは非常に重要な課題ではないかなと思います。
もう一つ、同じことがICUでの早期リハビリテーションについても言えると思うのです。これはデータ的に十分証明されているし、余力があるところではどんどん手を出していく。でも、そうでないところもまだあるというので、どういう形で届出状況を100%に持っていくかというのは真剣に議論すべきかなと思います。これは意見です。
質問は、129ページのリハビリテーションの加算状況が、令和2年度は半年分のデータにしては極端に少ないなというところですが、これはコロナの影響と考えていいのでしょうかという、これも質問です。お願いします。
○尾形分科会長
これは御質問ですので、お願いします。
○金光補佐
ありがとうございます。
129ページで、令和2年度の算定件数が極端に少なくなっている。半年と見込んでもかなり少ないという御指摘でございますが、我々も個別に理由をまだ調査できておりませんので、あくまでも推測になりますが、ほかの年度と比べて変わっていることとすれば、コロナウイルス感染症の感染拡大ということかと思いますので、そういったこともあるのかなと。また、我々がいろいろ聴取していると、やはりこれまでと比べてICUでの動線なども変わってきているということで、リハビリの介入状況もこれまでとは異なっている場合があるといったお声も聞いておりますので、そういったことかなと考えております。
○山本委員
これが最終的にICUの様々なアウトカムに影響するかどうかというところも、先々ですけれども、検証が必要なのかなと感じました。ありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
井原委員、どうぞ。
○井原委員
今の山本委員の意見の関連なのですけれども、128ページ以降を見まして、この早期離床・リハビリテーションというものには一定の効果があるということは、ある程度、コンセンサスがあると思います。
今、ICUだけですので、132ページ、HCUやPICUをお持ちのところではもう既にかなりの割合で行われているという実績もありますから、ここを少し拡大して算定可能にするとか何らかの工夫をすれば、例えば、PICUをお持ちのところでもこういう取組をすれば、130ページの届出状況などが幾らか改善する可能性もあるような気がしますので、ここは少し検討する余地がある。もう少し拡大をしてあげてもいいのではないかなという印象を持ちました。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
井川委員、どうぞ。
○井川委員
ありがとうございます。先ほど菅原委員がおっしゃった認知症ケア加算、療養病床のほうで実際には60%以上取れていないのではないかという御指摘、私どもも実際にそのように感じております。それがなぜ取れないかということに関しましても、やはりドクターが取るのはなかなか厳しい。精神科の先生がおられるということはなかなかないので、それは厳しいのですけれども、看護師さんは、やはり600時間という規定がございますと、600時間を20対1の病棟から出すのはかなり厳しいというのが実際にはございまして、そこら辺のところを中野委員がおっしゃったようにちょっと緩和していただければ、少しはましかなと考えております。これは一つの意見です。
もう一つ意見がございまして、栄養に関する意見でございますけれども、我々、回リハなども含めまして、慢性期病棟には急性期で原疾患の治療が終わって、後遺症や廃用となって転院してこられる方が多くおられますけれども、残念ながら急性期で栄養に関してはあまり関心がないようで、低栄養の状態で転院というのが非常に多く見られる。コロナ禍で、今回このようなポストコロナということでかなりの患者さんを受け取らしていただいて、そのようなことを危惧していたのですけれども、驚くことに、大阪府下のグループ病院で取っていたのが90例ぐらいですけれども、ポストコロナの患者さんを取りますと、重症例のほうがいいのですね。アルブミン値がむしろ高い。これは実際に統計学的に検討しますと、単変量解析ですけれども、有意差が出てしまう。アルブミン値で言いますと、3.3に対して3.0ぐらい。重症例ですから、皆さん基本的にはICUに入っておられる。ICUに入っておられるほうが高いという結果が出てきました。
そうしますと、回リハなどに来られましても、当然、その日からリハビリが割と積極的に加えられる。その結果、全介助の状態にまで落ち込んでおられた方が、かなりの率で自立の状態で帰っていただけるというふうなデータが出てきております。当然、栄養状態が悪ければ、早期の離床とかリハということに関してもリスクが高いものになりますので、もう一つありました早期離床・リハビリテーション加算にもつながるものと考えています。
これを機に、全ての病棟といいますか、急性期も全部ひっくるめて、各医療機関、医療従事者が栄養について真剣に考えていただけるような施策が望まれるような気がいたしております。これも意見です。ありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、ほかに御質問等もないようでしたら、本件に係る質疑はこの辺りにしたいと思います。
どうぞ、中野委員。
○中野委員
すみません。誤解を招いていないかと思い恐縮でございます。私は先ほど、算定については緩和するのではなく、慎重にということを申し上げたのですけれども、その慎重にというのは、緩くではなく、ちゃんと状態を把握した上でということですので、改めて申し上げました。申し訳ございません。重要性は十分理解してございますので、よろしくお願いしたいと思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
それでは、最後の議題に移りたいと思います。「DPC/PDPSの対象病院と準備病院の募集」につきまして、まず、事務局から資料の説明をお願いします。
○金光補佐
事務局でございます。
診調組、入-2の資料を御覧ください。「DPC/PDPSの対象病院と準備病院の募集について」でございます。
「1.DPC準備病院の募集について」でございます。DPC準備病院の募集は、診療報酬改定に合わせて2年ごとに行うこととされております。次回改定に向けたDPC準備病院の募集につきましては、令和3年9月1日から30日までを募集期間として実施させていただきたいと思ってございます。
「2.DPC対象病院への移行手順について」でございます。DPC対象病院の募集という形で参加申請をいただくということになります。同じく3年9月1日から9月30日まで、DPC準備病院となっている病院の方に参加申請をいただく期間として設定したいと思っております。
(2)DPC対象病院への移行時期でございます。DPC対象病院の参加時期が診療報酬改定年の4月1日とされておりますので、次回改定に対応したDPC対象病院への移行時期は、令和4年4月1日とさせていただければと思ってございます。
移行の可否の判定につきましては、基礎係数と機能評価係数IIの導入に伴って、医療機関別係数の算出に要する事務処理期間というものがございます。各病院の制度参加の有無が、他の病院の係数に影響するものでございますので、2.(1)の参加申請を行った時点で行って、DPC対象病院の参加基準を満たしている病院とさせていただければと思います。
事務局からは資料の説明は以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等がありましたら、お願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、特に御意見、御質問等もないようでしたら、本件に係る質疑はこの辺りにしたいと思います。
本日の議題は以上でございます。今日はいろいろな御意見をいただきましたので、事務局は、それらを踏まえてさらに検討を深めていただきたいと思います。
次回の日程等について、事務局からお願いをいたします。
○金光補佐
事務局でございます。
次回の開催は、日程が決まりましたら、改めて御連絡をさしあげます。
○尾形分科会長
それでは、以上をもちまして、令和3年度第5回「診療報酬調査専門組織入院医療等の調査・評価分科会」を終了させていただきます。
本日は、長時間にわたりまして熱心な御議論をどうもありがとうございました。
 

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