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2021年7月8日 令和3年度第4回入院医療等の調査・評価分科会・議事録

○日時

令和3年7月8日
15:00~16:06

 

○場所

全国市長会館 第1会議室

○出席者

【委員】

尾形分科会長、秋山委員、井川委員、池田委員
猪口委員、井原委員、菅原委員、武井委員、田宮委員、津留委員
中野委員、林田委員、牧野委員、眞野委員、山本委員
 
 

【事務局】

医療課長、保険医療企画調査室長他

○議題

1. 回復期入院医療について
 
 

○議事

○尾形分科会長
こんにちは。定刻になりましたので、ただいまより、令和3年度第4回「診療報酬調査専門組織入院医療等の調査・評価分科会」を開催いたします。
なお、本日はコロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。
まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、委員全員が御出席ということでございます。
それでは、早速議事に入らせていただきます。まず、本日の議題であります「回復期入院医療について」につきまして、議論を行いたいと思います。
事務局のほうから、一括して資料の説明をお願いいたします。
○金光補佐
事務局でございます。
では、お手元の入-1の資料を御用意ください。2ページ目、3つのテーマを今日は、御用意してございます。
1つ目が、短いですが、「回復期入院医療を取りまく状況について」ということでございます。
3ページにつきましては、前回もお出しさせていただいた「診療報酬における機能に応じた病床の分類」という資料になります。
4ページでございます。「病床数の推移について」ということで、29年7月時点の各入院料の届出病床数と元年7月時点の届出病床数の比較というものを、一般病棟入院基本料については、うち7対1でありますとか、入院料1、2、3というものを特出ししてございます。
あとは、地域包括ケア入院料、回復期リハビリテーション病棟入院料、療養病棟入院基本料というところで2時点での比較をしているものでございます。
お進みいただきまして、5ページからは「地域包括ケア病棟入院料・管理料について」ということでございます。
6ページから8ページまでは「地域包括ケア病棟の経緯」ということで、3つのタームに分けてお示しをしてございます。
【平成16年度診療報酬改定】で、亜急性期入院医療管理料というものが創設をされ、その後【平成26年度診療報酬改定】において現在もございます地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料という形で組み直し、創設という形になってございます。ここでお示ししておりますとおり、役割ということで「マル1急性期治療を経過した患者の受け入れ」「マル2在宅で療養を行っている患者等の受け入れ」「マル3在宅復帰支援」の3つがこの役割ということでされているものでございます。
8ページは、28年度の改定以降に行っている見直しということをまとめてございます。
9ページにつきましては、30年の診療報酬改定で行った「在宅復帰率の見直しマル2」についてのまとめのスライド、こちらには地ケアと、後ほどもお示ししますが、回リハについての内容が記載されてございます。
10ページでは「救急・在宅等支援病床初期加算等の見直し」でありますとか、病棟の特性を踏まえ、医療機関での看取りの方針を定めておくことの規定といったことの見直しを書いてございます。
11ページは「「在宅復帰率」の設定により想定される在宅復帰の流れ(イメージ図)」というものでございます。それぞれの病棟、急性期一般1とありますとか、地域包括ケア病棟、回リハ病棟、療養病棟においてどういった流れが在宅復帰率の算出に含まれるのか。その退院と転院というものについて、色はいろいろございますが、太い矢印で示しているものを在宅復帰率の計算の中に参入しているということを模式化しているものでございます。
12ページは令和2年度診療報酬改定の後、現在の地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料に関係した施設基準のまとめでございます。赤枠で囲っているところが、実績部分として求めているものになります。
13ページ、14ページにつきましても、令和2年の改定の内容及びそれを踏まえた現在の状況についてのまとめでございます。
13ページは、他の病棟に転棟する場合、一般病棟のDPCから地ケア病棟に転棟する場合、転棟後もDPC/PDPSによる点数を入院期間IIまで算定するという見直しを行いました。
また、14ページは「重症度、医療・看護必要度」について、現時点の該当患者基準というものはA得点1点以上、またはC得点1点以上ということで運用されていることの御紹介です。
15ページにつきましては「入院料別の届出病床数の推移」ということで、地ケアが左側、回リハが右側ということで、これまでの経年的な変化をお示ししてございます。地ケアのほうは平成26年に創設後10.7倍、同じ期間で見ると回リハは1.2倍、いずれも増加をしているということでございます。
16ページは、以前もお示しをした令和2年の入院調査の結果で、「地域包括ケア病棟・病室を届出ている理由」という質問に対する答えでございます。「地域包括ケア病棟・病室にすることで、より地域のニーズに合った医療を提供できるため」ですとか、「地域包括ケア病棟・病室の方が経営が安定するため」といったお答えが多かったということでございます。
17ページ、地ケア病棟の入院料、入院医療管理料1・2において、在宅復帰率が70%という施設基準と比べてどのようになっているかというものを分布で示しているものでございます。70%を大きく上回る医療機関がかなり多く存在しているというところでございます。
18ページは、自院の一般病棟からの転棟割合というもので、上段に令和2年5月、下段に令和2年10月で入院料ごとにまとめてお示しをしております。
これを入院料別に分類し直してみると、19ページでお示ししているものになります。令和2年10月に入院医療ごとで見た自院の一般病棟からの転棟割合ということで比較をしていただきますと、棒グラフで示しておりますのが病棟数、折れ線グラフで示しておりますのが累積の頻度となっておりまして、「入院料1」「管理料1」については0%というのが非常に大きい割合を占めている一方で、入院料2になりますと大きな割合、つまり50%とか60%、ひいては90%以上というところに大きなピークがある。累積の頻度もそういったカーブになっているところでございます。
20ページ、「自宅等から入棟した患者割合」についても、令和2年5月と令和2年10月、それぞれ入院料ごとに分布をお示ししてございます。
これも同様に、21ページで入院料別に分けてみたときにどのようになったかというのをお示ししているところでございます。入院料1及び管理料1というのはやや高い傾向にあって、入院料2、管理料2というのはゼロとか、低い数字、低い割合のところに医療機関が多いという状況でございました。
22ページが「地域包括ケア病棟・病室の自宅等からの緊急患者の受入れ数」の分布、23ページは救急の実施の有無というものでございます。
また、24ページには「地域包括ケア病棟入院料の重症度、医療・看護必要度の届出状況」というものを、令和2年度の調査で結果が出たものをこちらにお示しをしているところでございます。比較していただきますと、重症度、医療・看護必要度II、この赤いところを届け出ている医療機関の割合というのが増えているというところが分かるのではないかと思います。
届出理由について、25ページでまとめてございます。上段は必要度I、下段は必要度IIということで区分けをしてございますが、必要度Iにつきましては「評価表の記入のほうが容易であり、重症度、医療・看護必要度IIの方法に変更する必要性を感じないため」が多くて、必要度IIにつきましては、重症度、医療・看護必要度IIを用いた場合、Iよりも評価記入者の負担が軽減されるためというのが多かったという結果になってございます。
26ページ、27ページでは「入棟元の割合分布」というものを、それぞれの棒が医療機関をお示ししておりますが、その分布について示しているものであります。
26ページでございますが、上側に伸びているブルーの割合が「自院又は他院の一般病棟からの入棟割合」、そして下のほうに伸びているオレンジの棒が「自宅等からの入棟割合」ということで、それぞれの項目といいますか、縦の組合せで見ていただくと、それぞれの構成割合というものが分布で見て取れる形になってございます。一般病棟からの入棟割合が高くて自宅等からの入棟割合が低いという医療機関が見られる一方で、その逆の構成割合となっている医療機関も見られ、その分布というのは様々でございました。
26ページからはさらに狭くして、自院の一般病棟からの入棟割合というものに着目した場合、例えば施設基準の中にもございます60%という数字、この赤い点線で示しているところが60%でございますが、これを超えるような医療機関というのがおよそ半数ほどあるというような状況で、その中には自院の一般病棟からの転棟割合というのが100%というふうになっている医療機関があるというのがこの分布図から見て取れます。
一方で、自院の一般病棟からの転棟割合というのがゼロという医療機関も一定程度存在する。この分布図で言うと右側に当たると思いますが、一定程度存在をしていて、自宅等からの入棟割合の分布を見ると、その割合が高い医療機関というのがその中で多く占めているというのも、これまた見て取れるのではないかというふうに思ってございます。
28ページは、地ケアの在宅復帰率でございます。これを自院の一般病棟からの転棟割合、6割未満と6割以上とで分けて比較をしてみますと、6割未満の病棟の在宅復帰率、それから6割以上の在宅復帰率というところでは平均値、中央値に大きな差というものは基本的にはないのかなというふうに、この数字、またこの分布というのを見ているところでございます。
29ページ以降、地ケア病棟の入棟元別の分析というものを加えてございます。その際、マル1、マル2、マル3というふうに示しております考え方に沿って区分をしてございます。マル1が「自宅等」、マル2が「一般病棟」、マル3がマル1、マル2以外ということで、例えば介護老健ですとか一般病床以外の病床等ということになってございます。
30ページです。「入棟元別の患者の年齢について」ということの比較になってございます。一番左が「全体」、緑色は全体を示してございますので、その横の「自宅等」「一般病棟」「その他」を比較していただければと思いますが、「自宅等」から入棟した患者と「一般病棟」から入棟した患者で傾向の差はないのだろうと思ってございます。一方で、「その他」から入棟した一番右の患者さんの年齢というのはほかと比べるとやや高い。平均で見ると84となってございますが、高い傾向であったということかと思います。
31ページでございます。「入棟元別の主傷病名」の比較を作成してございます。左から2つ目から「自宅等」「一般病棟」「その他」となってございますが、「自宅等」からの入棟の場合には腰椎圧迫骨折というのが一番多いパーセントとなってございます。「一般病棟」の場合には、大腿骨転子部骨折というのが一番多い割合になってございます。「その他」を見てみますと、誤嚥性肺炎ですとか尿路感染症、これは20%でほぼ同じ数字ですが、それぞれ最も多かったという数字になってございます。
続いて32ページですが、「入棟元別の患者の入院理由」というものの比較でございます。患者の入院理由、それぞれで比較をしてございます。一般病棟からの入棟患者の理由で見てみますとこのオレンジになりますが、「リハビリテーションのため」というのが多い傾向にあったのではないかと見てございます。
33ページですが、「入棟元別の患者の入院継続の理由」という分析でございます。どの入棟元でも「医学的な理由のため、入院医療が必要である」というのが最多であって、ブルーとオレンジ、両方で見てみますとかなり多いというところでございます。
34ページでございます。「入棟元別の平均在棟日数及び在宅復帰率」でございます。こちらにお示しをしているとおりでございますが、平均在棟日数は左側で見てみますと、ブルーでございますが、「自宅等」の入棟が在棟日数については短い傾向にあって、「一般病棟」と「その他」の平均値、このバツで示してございますが、平均値で見てみると同じくらいなのかなというふうに見てございます。
また、右側は「入棟元別の在宅復帰率」の比較でございます。分布はかなり多様でございますので、なかなか一律の説明は難しいところでございますが、平均値で見てみると「自宅等」のほうが高くて「その他」のほうが低いといった状況になっているということでございます。
35ページ、入棟元別の重症度、医療・看護必要度の比較をしてございます。患者の入棟元ごとで基準を満たす患者割合というものに差がある状況になってございます。ブルーのところをそれぞれ見ていただければと思いますが、1番、2番は「自宅」というものの割合、それから3番、5番、6番、7番、これは要は「その他」というふうに分類されるかと思いますが、介護老健ですとか特養といったところ、または10番以降は「他院の一般病床」から始まって「他院の一般病床以外」とか「自院の一般病床」といったところ、それぞればらつきがあるというところかと思います。
36ページは「病床種別にみた患者の年齢分布」ということで、ここからは一般病床と療養病床の比較というものをしてございます。この比較を見てみますと、療養病床のほうが一般病床に比べて最頻値の年齢区分というものがやや低い傾向にはありますが、平均値は一緒ですし、中央値もほぼ一緒というような結果でございました。
37ページでございます。「病床種別にみた患者の主傷病名」、一般と療養とで比較をしてございます。一般病床では大腿骨転子部骨折というものが多い一方で、療養病床では誤嚥性肺炎ですとか腰部脊柱管狭窄症みたいなものが最も多かったという状況になってございます。
38ページでございます。「病床種別でみた場合の患者の入棟元」の比較でございます。療養病床の患者さんの場合ですと、一般病床の患者さんと比較をして「自宅」、それから「他院の一般病床」というのが多くて、一般病床の患者さんの場合には「自院の一般病床(地域一般、回リハ、地ケア以外)」というところに大きなピークがきているのかなというふうに見てございます。
一方、39ページの退棟先で比較をしてみますと、こちらについては大きな差というものは見られないと考えてございます。
40ページでございます。病床種別で重症度、医療・看護必要度を比較してございます。療養病床のほうが、基準を満たす患者割合はやや低いのかなというふうに見てございます。
41ページが平均在棟日数、一般と療養の別で見ております。療養病床のほうが、やや平均在棟日数が長くなるといった傾向かと思います。
42ページ、43ページではリハビリの単位数を見てございます。過去7日間のリハビリの単位数という形で、入院調査で取っているものの結果でございます。特養、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、その他の居住系介護施設から入棟した患者の平均値を見てみますと、1日当たり2単位以下ということになってございます。
それらを箱ひげ図で比較をしてみますと43ページになっておりまして、赤い線で引いてあるのが2単位掛ける7日の14単位した場合の数字になっていて、基本的には全体を見比べるとその前後で分布をしてございますが、先ほど申し述べたとおり特養、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、その他の居住系介護施設から入棟した患者の平均値2単位を下回るといった状況でございました。
44ページに、まとめと論点を掲げてございます。「地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料について、求められる役割に応じた医療の提供を推進する観点から、地域包括ケア病棟における医療の実績や内容を踏まえた評価の方法をどのように考えるか」ということで提起しております。
続きまして45ページ以降、「回復期リハビリテーション病棟入院料について」、御説明を加えます。
46ページと47ページには、リハビリ病棟の経緯ということでお示しをしてございます。平成12年度に回復期リハビリテーション病棟入院料を新設して、平成24年までの状況が46ページに示してあり、47ページには平成26年から直近、令和2年までの改定内容を記載してございます。
48ページは、令和2年の診療報酬改定後の施設基準等についてでございます。さっきの地ケアのお示しと同様に、赤く点線で囲っている部分が実績部分として施設基準の中に設けておるものでございます。
49ページでは50ページと併せて令和2年の診療報酬改定内容をお示ししてございますが、「実績要件の見直し」「管理栄養士の配置に係る見直し」、また50ページでは「日常生活動作の評価に関する取扱いの見直し」、または入院患者に係る要件から発症からの期間に関係する事項を削除したということも併せて盛り込んでございます。
51ページは、回復期リハビリテーションの実績の評価に用いるアウトカム指数のリハビリテーション実績指数の計算の方法について、こちらをお示ししております。
また、52ページではFIMの計算方法、中身についてもまとめてございます。
53ページでは「回復期リハビリテーション病棟の入院患者に係る主な要件について」ということで、リハビリテーションを要する状態ごとに算定上限日数が設けられているということで、患者の要件をこの表の中で1番から5番ということでお示ししてございます。それぞれについて算定上限日数60日から180日の範囲内で設定をしているということの御紹介です。
54ページは平成30年度の改定の「在宅復帰率の見直し」に関する資料再掲、55ページも届出病床数の推移の再掲であります。
56ページは、在宅復帰率について病棟の種類ごとに示してございます。
57ページはリハビリテーション実績指数、これはまた回復期リハビリテーション病棟の種別ごとに1から6までで、改定前後の比較をしております。改定前のブルーに比べて、改定後、赤の色のバーのほうが長い。すなわち、リハビリテーション実績指数が高いというような結果になってございます。
58ページは入棟時FIM等の年次推移ということで、実績指数の計算の結果ではなく、それぞれ入棟時FIM、それから退棟時FIMの違いというものを経年的にリハビリテーション病棟協会から提供された資料でお示しをしてございます。
併せて、その下側には「発症から入棟までの日数」ということで、その経年変化もお示ししているところでございます。
59ページは入院調査で取りました「回復期リハビリテーションを要する状態について」ということで、リハビリテーション病棟入院料1から6まででその違いというものを見てございます。
同様に、60ページもリハビリテーション病棟協会から提供されている2020年の実態調査の結果でございまして、青が脳血管疾患、オレンジが運動器疾患ということで、この2つで大半を占めておるところでございますが、入院料1から入院料6、59ページともやや整合するような形で構成割合に差があるというところが見て取れるかと思います。
61ページでございます。「疾患構成の年次推移」ということで、最新2020年まで、これもリハビリテーション病棟協会が提供された資料でございますが、全体で見たときの「脳血管系」「整形外科系」「廃用症候群」「その他」ということで、どういった割合の変化が出てきているかということでございます。全体としては、経年的に「脳血管系」の割合が少なくなっていっていて「整形外科系」の割合が上昇しているといったトレンドになっているところでございます。
62ページは、入院料別の重症度でございます。入院時運動FIMを比較していただくということで、26点以下、27点から52点、53点以上ということで色分けをしてございます。入院料1から6までこちらはお示しをしておりますが、1から4と5、6を比較すると、5、6のほうが入院時運動FIMは高い傾向、すなわちFIMで見たときの重症度が軽い患者さんというのが多いということでございます。
63ページ以降、疾患別リハについて少し資料を加えてございます。63と64については以前もお示しをしましたが、それぞれの疾患別リハ、回リハの1から6でどういった届出状況になっているかというのをお示ししております。
脳血管リハと廃用症候群、それから運動器についてはおおむねかなりの割合の医療機関が届出をしていただいている一方で、心大血管リハ、それから呼吸器リハについては一部の医療機関にとどまっている状況がございます。
一方で65ページ、「心臓リハビリテーションの効果について」、せんだっての入院分科会でも心臓リハについて委員から言及があったところでございます。こちらのお示しは、急性期から回復期の心臓リハを行うことでFIM等を改善するという報告があったということで、その状況についての資料、エビデンスでございます。
また、66ページで回リハ病棟での心リハによってFIM等が改善するという報告もあったということで、かなり有効であるというところは報告として挙がってきているということの御紹介になります。
最後は67ページでございます。まとめと論点、「回復期リハビリテーション病棟入院料について、質の高いリハビリテーション医療の適切な提供を推進する観点から、リハビリテーションに係る実績や実施している医療の内容を踏まえた評価の方法をどのように考えるか」ということで提起してございます。
事務局からの資料の説明は、以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ただいま一括して資料を説明していただきましたが、これからの議論につきましては大きく2つに分けてお願いしたいと思います。まずスライド番号の2番から44番までの部分ですね。「回復期入院医療を取りまく状況について」から「地域包括ケア病棟入院料・管理料について」までをまず御議論いただきたいと思います。それから、その後、45番以降ですね。「回復期リハビリテーション病棟入院料について」を御議論いただきたいと思います。
それでは、まずスライド番号2番から44番までの部分につきまして、皆様から御意見、御質問等をお受けしたいと思います。いかがでしょうか。
猪口委員、どうぞ。
○猪口委員
ありがとうございます。
いろいろと多方面で検討されているのはよく分かるのですが、実は13ページに前回の改定で、DPC病棟から地ケア病棟に行った場合の期間が少し変わったりということが出ております。ほかでも一般病棟からの転院の割合がすごく高い施設があるとか、19ページでも入院料の任意になるところはずっと90%以上増えていくというようなことがあって、何となく地域包括ケア病棟の利用の仕方というのが様々なのだろうなという気がします。
ただ、DPCから転棟、もしくは転院した場合、DPCの点数がそのまま継続する場合としない場合があるので、この継続する場合はどれくらいの割合で継続されていて、また、そこの入院料の単価が本来の地ケアの単価と比べてどうなのかというようなことのデータが取れるならば、そういうものをお願いできないかなという気がしております。
これはDPCの分科会等でもそういうような調査をされるのかもしれませんが、本当にこの実態がなかなか見えないので、ぜひそこの解析をお願いしたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○尾形分科会長
DPC病棟から転棟した場合のことですが、事務局いかがでしょうか。
○金光補佐
事務局でございます。
御指摘いただいたことは、ごもっともかと思います。というのは、前回の改定でまさにこのDPCからの転棟の場合に、期間にまでDPCの点数を算定するという改定をしておりますので、そこについては少し今回分析は間に合っておりませんが、どこまでできるのかということも含めて検討してみたいと思います。
○猪口委員
ぜひよろしくお願いいたします。
○尾形分科会長
それでは、井原委員どうぞ。
○井原委員
私も今、同じところを猪口委員とかぶって手を挙げたのですけれども、ここは前回の改定でDPCの診療報酬の点数と回リハの診療報酬の点数が逆転するところで、自院の中での転棟がその近辺で非常に多く見られたという傾向があったものですから、それで前回このように期間2まではDPCを継続するという新しいルールを導入してみたわけです。
それで、今、事務局からもお話がありましたが、分析期間のデータがまだ十分ではないかもしれませんが、地域ケア病棟への転棟のタイミングに、前回の改定のときにそこの資料は十分に出ておりましたので、そのタイミングに変化があったかどうかということを今回の分科会の会期中に分かるかどうか分かりませんが、傾向だけでも分かればお示しいただければ、こういう改定をやった影響というのが果たしてどの程度あるものかということが分かるので、ぜひこれはお願いですけれども、間に合いましたら事務局にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○尾形分科会長
ただいまの御要望はいかがでしょうか。事務局。
○金光補佐
事務局でございます。ありがとうございます。
どのように分析できるかも含めて、少し検討を加えてお示しできるように努力したいと思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
山本委員、どうぞ。
○山本委員
今の点ですけれども、井原先生、DPCの作業グループでたしか前回の改定のときに幾つか疾患を絞ってデータを出していましたよね。だから、それは同じものでやって、それがどう変わったかというところを見るだけでも随分違うんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。たしか前回のDPCワーキングでそれをやっていたはずなので、ちょっと引っくり返して見ていただけたらいいなと思います。
それから、質問なのですが、ちょっと理解が足りないのですが、26ページのグラフと27ページのグラフというのは同じものを見ているのですか。ちょっと見た目は違うなと思うのですが。
○尾形分科会長
では、これは御質問ですので。
○金光補佐
事務局でございます。すみません。説明が不十分でございました。
26ページと27ページの違いということですが、改めて、26ページは真ん中の線より上側は「自院又は他院の一般病棟からの入棟割合」を見ています。一方で、27ページは自院のみで一般病棟からの転棟割合というところで見ておりますので、他院が入っているか、入っていないかという違いがございます。
○山本委員
分かりました。ありがとうございます。
○尾形分科会長
それでは、牧野委員どうぞ。
○牧野委員
ありがとうございます。
まず25枚目の必要度のところですけれども、必要度IとIIとあって、特に必要度IIのところで、その理由として0-2のところですね。Iよりも評価記入者の負担が軽減されるというのが一番多い状況で見て取れます。よく考えますと、地ケア病棟の必要度というのはA項目とC項目しかなくて、B項目がないんですね。ですから、必要度IIを取ればもう全く看護師さんがつける必要はないというので大変負担が減る仕組みになっているなということがこれで見て取れました。これは感想です。
あとは、質問というか、お願いなのですけれども、21ページとか、あとは19ページもそうなんですけれども、入院料の2が自院の一般病棟からの転棟患者が多いというのが19ページで示されていて、21ページのところでは入院料2では自宅からの入棟割合が30%未満のほうがかなり多くなってきている。その上のクラスになると棒グラフが急に下がっていくということが見られます。
それで、この入院料1というのはたしか200床未満で、200床以上が入院料2で、そして400床以上だと自院からは6割未満しか入れてはいけない。
ただ、入れてはいけないのではなくて、入れた場合には90%に減算されるということなのですけれども、実際に90%の減算がどの程度400床以上の病院にとって効いているのか。先ほどDPCからの移行で入院期間2まではDPCの点数を引きずりますから、DPCの点数が高ければ90%減算されてもあまり影響されないということも起こるのかなということもちょっと考えているところです。
それで、お願いなんですけれども、この入院料2に関して病床規模単位でどういった状況になっているのか、この19ページと21ページのグラフですね。これは、病床規模単位で作ることはできますでしょうか。
○尾形分科会長
これは御質問ですので、事務局お願いします。
○金光補佐
事務局でございます。
可能と考えていますので、分析を進めたいと思います。
○尾形分科会長
よろしいでしょうか。
○牧野委員
ありがとうございます。
○尾形分科会長
ほかはいかがでしょうか。
秋山委員、どうぞ。
○秋山委員
ありがとうございます。
私も先ほどの重症度、医療・看護必要度のことでいくと、40ページの一般病床の看護必要度のIとIIがありまして、一般病床の必要度Iのほうが34%で、いわゆる施設基準の14%に比べてはるかに高い状態だということと、それからIIと比べても差が大きくなっていますので、この基準を満たしているところがA項目1点以上、C項目1点以上で、具体的にどういう項目が該当しているのかというところがもし分かれば教えていただければと思いますが、いかがでしょうか。
○尾形分科会長
事務局、これはいかがでしょうか。
○金光補佐
整理してお示しできるようにしたいと思います。
○秋山委員
よろしくお願いします。
○尾形分科会長
よろしいですか。
では、中野委員どうぞ。
○中野委員
先ほど来、26ページ、27ページの話が出ておりましたのでまたそこに戻りますけれども、19ページから始まって26、27、この辺りは自院の一般病棟からの転棟割合等々で示してあります。特に26、27は「入棟元の割合分布」が示されているわけですけれども、これを見ますと自宅から全く入棟しないパターン、それから逆に自宅等のみから入棟しているというパターンが示されているわけで、これは両極端でございますけれども、こういうパターンがあるということは、裏を返せば先ほど示されましたいわゆる地域包括ケア病棟の3つの役割があるわけですが、この役割をバランスよく担っているとは言えない施設が多々あったということが明白になったのかと思います。
それで、さらに後ろのページでは30ページ以降になりますが、病床種別でいわゆる一般病床、または療養病床別で分析していただいていますけれども、これを見ますとこの分類によって患者の背景とか入棟元が異なるわけでありまして、これに基づいてさらに入棟元別でいきますと疾病、主たる疾病の割合、それから在棟日数とか、いわゆるリハビリの単位数の違いが出ていることが明らかになっております。
そういうことですので、先ほど病床規模別で分類をということもありましたけれども、この役割について一部しか担っていないという地域包括ケア病棟につきましては、やはり実態を知るということが必要かと思いますので、これをどういう形にするかということになるかと思いますけれども、今後違いを評価なり、新たな要件設定につなげることを考えていかなければいけないかと思った次第でございます。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
井川委員、どうぞ。
○井川委員
ありがとうございます。
今、受入れ機能に関して中野委員からもお話がございましたけれども、私はどちらかというと逆の考え方でございまして、ポストアキュートとしての運用とか、サブアキュートを中心とした運用にやはり分かれてしまうので、その地域差というのがかなり出てくる病床が私は地域包括ケア病床だと思っています。例えば、院内で高度急性期を持っている病院と、回リハと地ケアしか持っていない病院で分かれますと、それぞれ担うものが違ってくる。そういうのは当然かなというふうに考えています。
そういう意味で言いますと、このばらつきというのは仕方がないというふうに考えてはいるのですけれども、ただ、やはり先ほどからちょっと話題に出ていますように、27ページに示されています左端の自院の一般病棟からの転院がほぼ100%という病床というのは地ケア病棟としての位置づけとは少し意味合いが違うのかなという気がしておりますし、それから牧野委員からも御指摘がありましたけれども、19ページのグラフの1、2と比較しても歴然とした分布の差がございますので、そういうふうな機能の差というのはしっかりと見極めた上で地ケア病棟の運用の仕方、ここがちょっとおかしいんじゃないかというところは見つけていかないといけないかと思っております。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
菅原委員、どうぞ。
○菅原委員
ありがとうございます。
今、井川委員がおっしゃったことと私もかなりかぶるところがあるんですけれども、今回の26枚目、27枚目を見ますと、やはり自院の一般病棟からの入棟割合並びに自宅等から入棟した割合にかなり差が見られているということだと思います。やはりこの分析をするときに、おのおのの病院がどういう形でケアミックスを実現しているかというのは非常に重要だと思っていまして、一般病棟が少なくて地ケアがかなりあるとか、あるいはその逆のパターンでその割合の構成比によって当然この運用のされ方というのは変わってくると思いますので、病床の保有状況だとか、あるいはケアミックスの割合、相対的な比率みたいなものを反映させてこの分析を深められると、もう少しこのようなばらつき具合の原因というのが分かるのではないかと感じました。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
山本委員、どうぞ。
○山本委員
今お話しのあった自院から入るか、自宅から入るかというのは、例えば自分のところの病院の中でも非常にこれは同じようにばらつきがありますが、中からすごくいっぱい行ってしまうところもあればそうでないところもあって、ケアミックスの場合、一つは急性期病棟の運用をどういうふうに考えているか。さっきちょっと前に話の出たDPCの2の期間のところで、見事にタイミングよくちゃんと次へ移していくところは自院からのあれが上がってくるし、その辺を逆にあまり気にしないでおおらかにやっていると、結構一般病棟でDPCの3の期間でもだらだら引っ張っている病院も実はあるんですね。そうすると、ここの自院の比率が下がってくるというところがあるので、これはどちらがいいかというのはなかなか本当に難しいところがあるなというふうに私自身は思いますし、その病院の方針にも、特に急性期病棟の運用の方針で変わってくるのではないかなというのが感想です。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
井原委員、どうぞ。
○井原委員
私も今のお話の関連なのですけれども、私は11ページの在宅復帰率の表がすごく分かりやすいと思っていまして、この目的だけではなく、現在の入院医療の全体像を見るのにとてもいい表だと思っています。
そして、多分これは出口、入り口の話になるのでしょうが、急性期病床からの患者さんの流れに目詰まりが起きているというようなことが最近よく言われます。それで、今のお話にもあったように、例えば他院からの受入れの評価を少し見直すとか、そういう目詰まりが起きにくいようなさらなる改善の工夫みたいなものが考えられたら、急性期病棟がより急性期病棟として目詰まりなく患者さんのフローがよくなるというようなことが得られるような期待感はあります。
また、それが地域医療、今言われています地域連携の充実という目標にもつながると思いますので、その辺りに診療報酬上、医療政策の部分も大きいかもしれませんが、診療報酬上でも何か工夫ができたらいいのではないかというような感想を持っています。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
井川委員、どうぞ。
○井川委員
ありがとうございます。
病床種別ですね。療養病棟から行ったか、一般病床から地ケアを通っているかということに関しての意見を少し述べさせていただきます。
最後の事務局が出しました44ページの論点のところにも書かれておりますように、やはりその2つというのが前の診療報酬改定のときにもかなり議論になったりしておりました。注目して私も見させていただいたのですけれども、40ページに重症度、医療・看護必要度については一般34に対して療養31という数字が出ていて、事務局はこれを療養病床のほうが基準を満たす患者の割合が低い傾向にあるというふうに書いておられるんですね。
これは、私はいろいろ統計というか、研究をしましたけれども、P1で言いますと0.05のところが0.1にもいかないという、どう考えても統計学的有意差も何もないというところで、このように傾向というふうに書かれてしまうと、これはオフィシャルな文章だと出てしまいますので、いかにも何か療養病床が重症度が低いんだよというふうな感じにイメージされるので、ちょっとこれは訂正していただきたいというのが一つございます。
その点で考えますと、それぞれが変わりがないというふうな感覚でいきますと、その後の39ページの退棟先にはやはり差がないということから考えると、療養をいっぱい持つ我々としては、ほっとしてといいますか、療養も割としっかりやっているじゃないかというふうな感覚でおります。
それで、37ページの疾患別で差が出ているのは、やはり入棟元として一般病床の患者さんは自院の一般病床、地域一般とか回リハ、地ケア以外のところが多くて、療養は自宅退院の一般病棟というものが多くて、実はこれで言いますとサブアキュートの患者の受入れがやはり増加してくるという点から、そういうふうな変化が起こったのではないかと考えています。
また、療養病床の地ケアでやはり平均在院日数がやや長くなっておりますけれども、38ページにあるように療養病床には他院の一般病床からの転院患者が多くて、どうしても入棟元の一般病床から来られた患者さんは一般病床では退院できなかったから地ケアに来られているわけですので、そういうふうな患者をやはり受け取った結果としてちょっと長引いてしまったというふうに考えております。
全体的に見ると、一般から来られるのと療養から来られるのは多少機能的にすみ分けというものがされているかとは思いますけれども、療養病床からの地ケアのほうは十分な機能を果たしていると私は考えております。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、また戻っていただいても結構ですが、とりあえず先へ進みたいと思います。スライド番号45番以降、「回復期リハビリテーション病棟入院料について」の部分でございます。この部分につきまして御質問、御意見等を承りたいと思います。
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
ありがとうございます。
63ページと64ページのところで、届け出ている疾患別リハビリテーション料というところで、一定割合の心大血管リハビリテーションですとか呼吸器リハビリテーションというのが入っているんです。
ただ、回復期リハビリテーションの病棟の入院患者の要件の中で心疾患というのは実はないわけでして、にもかかわらずこういったものが取れるというのは、血管手術の後とか、そういったことで取っているのかなという気はするのですけれども、具体的にどういった疾患でこの心大血管リハとか呼吸器リハとかを取っているのか、この辺は分かるでしょうか。
○尾形分科会長
これは、事務局いかがでしょうか。
○金光補佐
事務局でございます。
63ページ、64ページの疾患別リハの届出に関連して、いわば回リハを要する状態と合わないのではないかというような御指摘だと思っておりますが、これは医療機関としてこの疾患別リハを届け出るか、届け出ないかということになりますので、入院患者に対してこの該当する疾患別リハを実施しているか、していないかということではないというところでございます。ですので、そういった意味ではその医療機関は例えば外来で心大血管リハをやっていたりといったことはあるのではないかと考えてございます。
○牧野委員
分かりました。ありがとうございます。
○尾形分科会長
よろしいですか。
ほかはいかがでしょうか。
田宮委員、どうぞ。
○田宮委員
ありがとうございます。
今お話があったところなのですけれども、前回の委員会でもお話しさせていただきましたが、やはり心疾患のニーズというのは増えていると考えられます。しかし、先ほどもちょうどお話があったように対象疾患の中に入っていないわけですね。逆に今の牧野委員がおっしゃったことを確認してということでもいいのですが、まずは53ページのところに入れていくことがニーズに合うのではないでしょうか。資料にも出していただいていますが、回復期リハでやっているところの効果というのも出ていますし、他に心リハについてはいろいろエビデンスが出ているところなので、検討してよいのではないかと考えています。53ページの要件です。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
猪口委員、どうぞ。
○猪口委員
今の心大血管のリハビリなんですけれども、これだけの資料では何とも言い難いのですが、心大血管のリハビリというのは私のイメージでは心臓外科とか循環器の病棟のすぐそばにあって、術後とか急性期を対象にしている場合が多くて、ほかのリハビリとはちょっとありようが違うのではないかという気がしています。
ですから、そういう意味で、もしも回リハで53ページで対応しようとすると、3番の廃用症候群、ここには心臓とは書いていないですけれども、肺炎等というふうに考えると、循環器に起因した廃用症候群は十分回復期リハビリテーションで対応すると思いますが、一般的な心血管は並べている機械も違いますし、ほかの回リハとは何かちょっとイメージが違うというような気がしているので、もう少しそこら辺のデータがないとここは判断できないかなという気はしていますけれども、現状でも回復期リハの3番で、そこはいわゆる廃用症候群としての循環器の患者さんは読み取れるのではないかと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
では、事務局お願いします。
○金光補佐
事務局でございます。
心臓リハビリについて、幾つか御意見をいただきました。御意見を踏まえて、いろいろな着眼点があるかと思いますが、まさに田宮委員がおっしゃられたように最近のニーズ、心大血管リハに対するニーズでありますとか、そういったことは今回お出しできておりません。あくまでも今回65ページ、66ページでお示しをしておりますとおり、心臓リハビリの効果というものがあるというようなことをまずお示しさせていただきましたので、それを踏まえてそういったニーズというものがさらに上がってきている現状について言及いただいたことを踏まえて、少しそういった背景も我々のほうでは整理をしたいと思います。
また、猪口委員からもございましたとおり、それを例えば回復期リハビリテーション病棟で受け入れるような状況になるとするならば、53ページにお示ししている、現行では多分3の要件で読める場合もあるとは思いますけれども、どういった形になるのか。それを入れ込むとした場合にどういった問題があるのか等々については、少し議論をいただけるような資料をこちらでも整理をして議論に供させていただければと思ってございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。
それでは、58ページなのですが、入棟時のFIMが経年で低下する傾向は確かにデータとしてお示しいただいているところです。この問題ですけれども、回リハ病棟協会の先生がたしか今年の6月の『病院』という雑誌に論文を出されていまして、日本医療機能評価機構の病院機能評価の中に、回リハ病棟の機能に焦点を絞って付加機能審査というものがありまして、その審査に認定されている病院と非認定病院では入院時のFIMの低下の仕方に大きな差が見られるのではないかというようなデータもちょっとありましたので、これは平均値ではかなり下がってきているんですけれども、病院によっては下がっていない病院、非常に下がっている病院というものがもしあるとするならば、それはなぜなのかというところをもう少し深掘りといいますか、細かな分析が必要なのかなと、このFIMのデータの出し方が適正なのかどうかというところもよく調べたほうがいいのかなと思っているところです。これは、意見です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
続いて、牧野委員どうぞ。
○牧野委員
ありがとうございます。
同じく58ページなんですけれども、下のほうですね。「発症から入棟までの日数」なんですけれども、ずっと19年まではだんだん短くなってきていて、2020年になると、平均値だと思うのですが、これが上がっているんですね。恐らく今まで発症から2か月以内に回リハの入院をしなくちゃいけないという要件がなくなったので、長い人が増えたので、発症から入棟までの期間の長い人が混じってきたので、ここで急に今までのトレンドと変わってしまったということで、実際に多くの人はまだ発症から短い期間で入院している人もそれなりに増えてきているのではないかなという気がしているんですけれども、これは例えば入棟日数の日数分布で、発症からの期間ごとの入棟人数というような別の出し方をすると、今回の要件が変わったことの影響を排除して実際の傾向を見ることができるのではないかと思うので、そういったものを作っていただきたいというのがまず一つです。
もう一つが、61ページになります。ここで脳血管系がだんだん割合として下がってきているということが出ているのですけれども、では実数はどうなんだろう。回リハのベッド数が増えていれば、実数はむしろ増えているけれども割合として下がっているということも起こるはずですので、この実数に関してのデータというのも作れないでしょうか。
以上です。
○尾形分科会長
2点ほど御要望ということですが、事務局どうでしょうか。
○金光補佐
ありがとうございます。
61枚目のスライドについて、さらなる分析ということで御指示をいただきました。データ元が回リハ協会のデータでございますので、それを細分化できるかどうかというのは我々からも当たってみたいと思いますし、もしくは我々の所有しているデータでそういった切り口の分析ができるかということについても検討したいと思います。
○尾形分科会長
よろしくお願いします。
菅原委員、挙手されていましたか。
○菅原委員
ありがとうございます。
先ほどの津留委員の御発言と同じ趣旨でございますので、結構でございます。
○尾形分科会長
ほかはいかがでしょう。
中野委員、どうぞ。
○中野委員
58ページですけれども、私もここについては分析をお願いしたいと思っておりました。発症から入棟までの日数が延びたことに加えて、逆に入棟時のFIMががくんと下がった割には、今度は改善幅がぎゅっと上がっているので、本当にそれまでのトレンドと違うということが見て取れます。先ほどの事務局の説明にありましたとおり、より詳細な分析をお願いしたいと思います。
それから、59ページですけれども、要する状態ということで、リハビリテーション入院料の1、2は同じ傾向で、脳血管疾患が50%を超えている率でございます。それに加えて3、4になりますと40%台、30%台となっておりますけれども、この1、2に対して3、4の差というのはSTの配置ということが効いているということも想定されるのですけれども、この辺も分析をさらにお願いできたらと考える次第でございます。
それから60ページでございますけれども、これはリハ協会様の御提供の資料でございますが、これにつきましては1、2、3、4、5、6できれいに脳血管が比例的に推移しているのですけれども、こういうものだと思えばこういうものだと思うのですが、これはどうしてこうなっているのか。これが駄目だというわけではなくて、何か御知見がございましたら教えていただきたいと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
では、事務局お願いします。
○金光補佐
ありがとうございます。
まず59ページの点で質問といいますか、御意見を取り違えていたらあれなのですけれども、疾患の状態の構成割合の変化と、例えば従事者、例えばセラピストの配置などの違い等に何か関係があるのかというような見方ができないかということでよろしゅうございますか。
○中野委員
はい、そういう趣旨でございます。
○金光補佐
分かりました。突合はなかなか難しい部分もあるかとは思いますが、例えばSTさんの配置というものについては改定で対応したりしておりますので、そこら辺は少し経年変化とともに比べられないかということはトライしてみたいと思います。
また、60ページで変化、かなりきれいなグラデーションになっているのはというような御指摘かと思います。今回、入院料1から6に関係して入院料別の原因疾患の違いというものの御提示にとどまっている部分もあって、併せて62ページで入院時の運動FIMというものの変化もお出しをしておりますが、例えばこれらを組み合わせたりですとか、変化の違いというものについては今、作業グループのほうでもまさにもんでいただいているところだと思っていますので、その辺りの結果も踏まえてお示しできればと思ってございます。
○中野委員
了解いたしました。よろしくお願いいたします。
○尾形分科会長
それでは、井川委員どうぞ。
○井川委員
ありがとうございます。
私も58ページの入棟時FIMと退棟時のFIMの部分の経年変化がやはり気になっておりまして、津留委員や中野委員がおっしゃるように詳細なことを調べていただきたいと思いますけれども、現在あるデータだけ読ませていただきますと、やはり2016年のFIMの利得を計算する実績指数ですね。アウトカム評価の導入と2018年の実績指数の引上げといいますか、それと並行に2つずつ、1段ずつというか、階段状に下がっているというふうにも見て取れる状態でございます。
これを恣意的と言うのはちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、入棟時FIMをやはり低く見積もりがちになったのか、もしくは61ページにございますように整形外科疾患が増えてきております。そのほうがやはりFIM利得を高く得やすいということもございますので、そういうものがあったのか。
多少、両者が絡んでいるのかなとは思いますけれども、FIMは御存じのように運動では13項目に分けて評価します。特に介助の程度を25%、50%、75%で区切っておりまして、感覚的に例えばちょっと厳しめに半分かなというのを少し多めというふうな感じにすると、簡単に1点上がってしまうんです。それで幾つも項目がありますから、見事に数点上がってしまうということが実際にありまして、そういう点でいいますと感覚的な部分がかなり多い。
同じようにバーサルインデックスというものが使われていますけれども、バーサルインデックスの場合は10項目で、しかもできるかできないか、介護が要るかという3段階にしか分かれていない関係上、割とそういう恣意的なものが入りにくいということもあります。
そういうふうな点から考えますと、FIM利得というか、FIMだけに偏った評価法というものが今後いけるのかどうかというのも考えていかなければならないのかなという気がしております。実際に日慢協としては、やはりBIというのも一回考えてみたらというふうな意見を出しております。
さらに、先ほど田宮委員がおっしゃいました。前回の分科会でもおっしゃいましたし、今回もおっしゃっていますけれども、心臓リハなどが入ってきますと、心臓リハはどう考えても最初のベースのFIMが高いんですね。そうすると、重症度で絶対取れないという方が非常に増えてしまって、そこの実績部分のところでカウントされない方がどんどん増えていく。呼吸器リハも同じような格好でこれを取った場合、回復期リハビリテーション病棟に入れてくると、実質的に患者数が増えてくるものに関して実質的指数が取れないという逆転現象が起こってしまうリスクを背負うということから考えると、いつの時期かは分かりませんけれども、そういうふうなFIM利得一辺倒に偏った実績評価というのは考え直さなければならないのではないかというふうに個人的には思っています。
以上です。
○尾形分科会長
御意見として承っておきます。
ほかはいかがでしょうか。前のほうに戻っていただいて、全体を通じても結構です。
津留委員、どうぞ。
○津留委員
ありがとうございます。
ちょっと前に戻って恐縮ですけれども、42ページです。これは地ケアでのリハビリ退院数で、この資料の御説明で特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、その他で2単位以下のところが多かったということなのですが、ここに老健施設が上のほうにありまして、患者像としては多分似たような患者さんというイメージなのですけれども、老健施設のほうは逆に2単位以上が7割くらいいらっしゃって、同じような患者像かと思いますけれども、特別養護老人ホーム以下は2単位以下が6割くらいを占めているというのは何か分析といいますか、細かなところでこの理由というのは分かっているのでしょうか。これは、質問です。
○尾形分科会長
これは、事務局で分かりますか。
○金光補佐
事務局でございます。
今、先生から御指摘をいただきました42ページで介護老健とそれ以外というところでございますが、この実施しているリハビリの単位数について、その違いを分析するところまでは至っておりません。
ただ、ファクトだけでございますが、ページ数でいいますと29ページを御覧いただきますと、いわゆる介護保険の施設については枠の中で書いておるのですけれども、マル1番の「自宅等」の中には介護医療院ですとか特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム等々が入っている一方で、介護老健施設については「その他」というふうに分類をしていて、少し位置づけを変えている部分はございます。
ですので、そういった違いももしかするとあるのかなと思いますが、今いただいた御指摘を踏まえて、少し何か別の切り口なりで分析できないかということは考えてみたいと思います。
○津留委員
ありがとうございます。
○尾形分科会長
よろしいでしょうか。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。ほかに御質問、御意見等がないようでしたら、本件に係る質疑はこの辺りにしたいと思います。
本日は、いろいろ貴重な御意見、コメントを頂戴いたしました。事務局としては、さらに今日の御意見を踏まえて分析を深めていっていただければと思います。
本日の議題は、以上でございます。それでは、次回の日程等につきまして事務局からお願いいたします。
○金光補佐
事務局でございます。
次回の開催は未定でございますので、決まりましたらまた御連絡をさせていただければと思います。
○尾形分科会長
それでは、以上をもちまして、令和3年度第4回「診療報酬調査専門組織入院医療等の調査・評価分科会」を終了させていただきます。
本日は、お忙しい中、熱心に御議論いただきましてどうもありがとうございました。
 

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