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2019年10月16日 令和元年度第10回入院医療等の調査・評価分科会・議事録

○日時

令和2年10月16日
9:59~12:02

 

○場所

中央合同庁舎第5号館 専用第15会議室(12階)

○出席者

【委員】

尾形分科会長、山本委員、池田委員、池端委員
石川委員、井原委員、田宮委員、神野委員
菅原委員、林田委員、牧野委員、中野委員
 
 

【事務局】

医療課長、医療技術評価推進室長他

○議題

1.入院患者の評価指標 
2.入院医療等の調査・評価分科会における検討結果報告(案)

○議事

○尾形分科会長
おはようございます。それでは、ただいまより令和元年度第10回「診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)」を開催いたします。
初めに、委員の交代がございましたので、事務局のほうから御紹介をお願いします。
○木下補佐
事務局でございます。御紹介させていただきます。
10月15日付で、松本義幸委員が御退任となっております。また、同日付で、中野恵委員に委員として御就任いただいております。
○中野委員
中野でございます。よろしくお願い申し上げます。
○尾形分科会長
それでは、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、奥委員、武井委員、眞野委員が御欠席でございます。
それでは、本日の議題の「入院患者の評価指標」につきまして、まず議論を行いたいと思います。
事務局より資料の説明をお願いします。
○木下補佐
事務局でございます。本日御用意しております資料は入-1と入-2でございまして、まず入-1におきまして、これまで宿題として残っていた項目について、初めに議論をお願いしたいと思っております。
入-1の2ページにお進みください。今回、御用意しています宿題の対応としまして、3点ございます。「入院患者の評価指標について」ということで、まず1つ目、一般病棟におけます重症度、医療・看護必要度のさらなる分析、2つ目としまして、集中治療室等におけます医療・看護必要度及びSOFAスコアの追加の分析、3つ目としまして、療養病床におけます医療区分等の分析という3つを御用意させていただいております。
3ページ、4ページ以降はこれまでの既存のスライドですので、飛ばしていただきまして5ページまでお進みください。
5ページ及び6ページにおきまして、重症度、医療・看護必要度のそれぞれの項目につきまして、経年でどのような見直し等を行ってきたかというものを改めて整理をさせていただいております。
まず、5ページにおきましては、A項目につきまして、平成20年の導入以降、数を足したり引いたりという経過を御紹介しているところで、平成30年の直近の改定におきましては必要度IIを追加するとともに、IIにつきましては救急搬送後の入院は対象外という対応をさせていただいております。
次の6ページにはB項目、さらに追加となったC項目について御紹介しております。B項目につきましては、20年度に7項目を導入して現行の形になっているところでございます。C項目に関しましては、平成28年に導入いたしまして、その後、少し項目を見直しつつ、平成30年、直近の改定では開腹手術の日数を短くするという対応を行ってきているところでございます。
次の7ページに、これまでいただいた主な指摘事項を整理させていただいております。まず1つ目の「評価項目について」というところでございますが、A項目の薬剤やC項目の手術については、原則入院で実施される医療を適切に評価するために、必ずしも入院でなくてもよいというものについては評価対象から外すなどの整理を行ってもよいのではないか。
2つ目としまして、整理に当たって、例えば抗悪性腫瘍薬の初回投与につきましては、入院で実施する必要性が高い場合もあるというところは留意が必要であろうと。また、C項目については、生検などの入院の必要性が高い処置を含めることも検討すべきではないかという御意見をいただいております。
また、B項目につきましては、現行のB項目が患者の状態と介助の実施の有無を合わせた評価となっていることから、データを用いて正確な患者の状態を把握するのが難しいのではないかという御指摘をいただいております。
2つ目としまして評価基準につきまして、いわゆる基準マル2と呼んでいます項目につきまして、他の病棟での該当割合がどうなっているのかということを分析してはどうかという御指摘をいただいております。
また、SOFAスコアにつきましては、病名とか手術の有無、必要度との関係について、さらなる分析をという宿題をいただいているところでございます。
次の8ページからは、まずA項目の該当の中身を少し見ているところで、これまで御紹介しているスライドをおつけしているところでございますが、A項目の中の専門的な治療・処置につきまして、その該当状況を示しております。
専門的な治療・処置に関しましては、3ページとか4ページをごらんいただければと思います。その中で何項目該当しているかというと、1項目該当の患者さんが9割近くを占めているところです。その1項目該当のいずれに該当しているかということに関しましては、右の円グラフになりますが、約3分の1が免疫抑制剤の管理という項目で該当しているところでございます。
それらのうちの注射と内服の両方が要件となっているものにつきまして、入院と外来のそれぞれの使用頻度の割合を見たのが9ページになっております。比較をするものとしましては、真ん中の麻薬につきましては、内服、注射いずれも入・外でそれぞれ使っている。注射に関しましては入院で使っている比率が高いという状況でございますが、右の免疫抑制剤に関しましては、注射に関しましては高いものから低いものまであるところですが、内服に関しては一番高いものであっても3割程度が入院、それ以外はほとんど外来という状況でございますし、抗悪性腫瘍剤につきましても、一番高いものとしましては6~7割程度、内服の入院が見られますが、それ以外の項目につきましてはおおむね外来で使用されているという状況をお示ししているところでございます。
一方で、手術に関して言いますと、現行の手術のうちの入院の割合が高いもの、低いものを整理させていただいているのが10枚目でございます。そのうち低いものを少し幾つか例を取り出しているところでございますが、例えば開腹手術の膀胱脱手術(その他)につきましては、入院の割合が44.7%ということで、この中でも低くなっているものもあるというところでございます。
他方で、11ページになりますが、こちらは現行、必要度IIの対象外となっています手術1,255を集めてきたものでございます。これをそれぞれ入・外の割合で見ているところでございますが、上のグラフを見ていただきますと、入院での実施割合が100%のものが約300手術、90%から100%未満というところに400手術ぐらいということで、現行、必要度IIの対象外となっているものにつきましても、入院で実施される割合が高いものが結構ある。それを、年間の実施件数と手術の点数でマッピングしたものが下のグラフでございます。
次の12枚目にお進みいただきますと、今、御紹介しました1,255の手術を点数と件数、またそれぞれの入院の割合で分けたのが次の表になっております。見方としましては、上のグラフではまず入院の割合が90%以上の手術の件数の分布を見ています。年間の件数100件未満、100件以上、それをさらに500、1,000、2,000、5,000ととっているところでございまして、例えば1,000件以上でかつ入院が100%というところに33手術ありますよという見方をするものでございます。同じく、点数で見ますと5万点以上かつ入院割合が100%というものが30件ぐらいありますよという見方をするものでございます。
今、申しました33手術もしくは30の手術は、それぞれ具体的に何があるかというのを抜き出したのが次の13ページになっております。
今申しましたそれぞれの該当手術の中身を見ていただきますと、こういった手術が並んでいるところで、これらのうちいずれの項目について必要度IIの対象とするのかしないのかという今後の検討の際に参考になればということで整理をしているものでございます。
次の14ページにつきましては、手術以外で生体検査の中でもそういうものがあるのではないかという御指摘を踏まえまして、一部の生体検査になりますが、検査を入院でやる実施割合を抜き出したものになります。ここで言いますと、D412の経皮的針生検法もしくはD414-2のEUS-FNAにつきましては入院の割合が95%を超えているということで、こういった一部の検査につきましては主に入院で実施されている項目もあるということが見てとれます。
次の15枚目につきましては、現行のB項目の判断基準を整理させていただいているところでございます。こちらは、林田委員のほうから、今のB項目の中が、ADLの患者の状態と、看護職員による当日の介助の有無が一体となって評価されているというところで、なかなか整理が悪いのではないかという御指摘をいただきまして、現行のものを整理しているところでございます。
具体的には、10、11、12、13の項目につきまして、介助なし、あり、もしくは全介助につきまして点数がついているところでございますが、実際、患者さんの状態プラス、介助をやったかどうかというものが掛け合わされた項目となっているところで、患者さんの状態のみの評価になっていないという御指摘をいただいているところでございます。
続きまして、16ページでございます。こちらは菅原先生から御指摘いただいた内容でございまして、基準マル2に該当する患者さんが、いわゆる急性期である7対1でありますとか10対1、あと療養、それぞれでどのぐらいの患者さんがいるのかを比較できることがないのかという宿題をいただきました。
こちらは28年の調査でとったものでございますが、現行の基準に、いわゆるB14点、B15点、あとAが1点、Bが3点の患者さんの割合を見ているところでございまして、一番上がその患者さんの割合でございます。7対1の特定機能病院の一般病棟だと1.7%で、特定機能病院以外ですと4.7%、10対1だと5.2%の患者さんが基準マル2に該当しておりました。他方で、療養のほうにいきますと、それよりも高い割合となっているところが見てとれるかと思います。
他方で、A項目のいずれの項目に該当しているかというところを見ていきますと、そのような基準マル2に該当する患者さんであっても、A項目の該当の状況は異なっております。「心電図モニターの管理」につきましては7対1のほうで高くて、療養のほうで低い。逆に、それ以外の項目でいきますと、「創傷処置」の割合にしてみますと、どちらかというと療養のほうで高いということで、基準マル2に該当する患者さんといえども患者像が少し異なっているという状況が見てとれるかと思います。
ここまでをまとめましたのが17ページになっておりまして、論点を2つ御提示させていただいております。
まず1点目でございますが、重症度、医療・看護必要度を急性期の入院医療の指標としてより適切なものとする観点から、現行の評価項目や評価基準についてどのように考えるか。特に入院で実施されている割合が高い手術等の医療を評価の対象に追加することも含め、入院の必要性等に応じて評価対象を見直すことについてどのように考えるか。また、見直しに当たってどのような点に留意が必要かということを論点として挙げてさせていただいております。
続きまして、2つ目の重症度、医療・看護必要度及びSOFAスコア等についての分析になります。19ページが今の施設基準、20ページが必要度の各項目で、21ページに関しましてはSOFAスコアの内訳をお示ししているところでございます。
22ページは、前回お示しした資料となっておりまして、患者さんの入室時と退室時の患者の該当割合をお示ししております。
23ページにつきましても、それぞれがどのぐらい分布しているかというのをお示ししているところでございます。
24ページからが、今回追加で分析したものでございます。まず、入室日の重症度、医療・看護必要度の該当割合を見たところでございます。全体で見ますと、患者さんが12万人ぐらいいらっしゃるのですけれども、そのうちの9割の患者さんはここで言う必要度の「該当あり」となっております。その患者さんについて入室日のSOFAスコアを見ると、0点が高くて、2割ぐらいでありました。他方で、「該当なし」の患者さんにつきましても、SOFAスコアの分布を見ているのが下半分のグラフでございますが、0点の割合が「必要度該当なし」で高くなっておりますが、分布としましては似たような状況でございます。
同じような見方をしているのが、次の25枚目で、退室日を見た場合も、必要度で見ると「該当あり」が大体9割の患者さんで、点数の分布等々をおつけしているところでございますが、やはり「必要度該当なし」の患者さんにおきましては、SOFAスコアは0点が高くなっている。あとは、横になだらかに落ちていくという分布になっているところがまず見てとれたところでございます。
それを次は手術のありなしで比較したのが26ページになっておりまして、手術ありの患者さんでも、なしの患者さんでも、重症度、医療・看護必要度で見ますと、「該当あり」がおおむね9割前後というところになっています。ただ、隣のSOFAスコアを見ていただきますと、手術ありの患者さんだと0点のところが一番高くなって、順に下がっていくところでございますが、手術なしの患者さんでは、0点は高いものの、1点、2点、3点、4点となるにつれて該当割合が少し高くなっているということで、手術のありなしでSOFAスコアの該当する点数の分布は異なっているというところが違いとして見てとれます。
それを疾患別に分析したのが27枚目でございます。疾患はそれぞれ特性がございまして、大動脈弁の狭窄とかうっ血性心不全につきましては4点、3点のあたりにSOFAスコアのピークがありますし、敗血症に至っては10点前後のところにピークがございます。一方で、気管支及び肺の悪性新生物におきましては0点のところにピークがあるということで、疾患ごとでもSOFAスコアの分布にはばらつきがあるということが今回の分析の中でわかってきたところでございます。
SOFAスコアのシリーズの最後になりますが、28枚目でございます。退院時の転帰と必要度もしくはSOFAスコアがそれぞれどういう状況にあるかというものを分けて分析したものでございます。
まず、左を見ていただきますと、退室日の転帰、退院時の転帰ですが、治癒・軽快、不変、増悪、死亡というところで、必要度の該当があるなしにおきまして、その割合、出現頻度に差はなかったところでございます。
他方で、右を見ていただきますと、入室時のSOFAスコアの点数が高くなるにつれて治癒・軽快の方は減る。死亡の方は、当然点数が高いところは高くなるということが今回の得られたデータからも見てわかったというところが、今回SOFAスコアからの分析で得られた情報になります。
それらをまとめたのが29ページでございまして、論点を1つ御提示させていただいております。重症度、医療・看護必要度やSOFAスコアと手術の有無、傷病名、退院時転帰等の分析を踏まえ、集中治療室における患者の評価指標をより適切なものとする観点から、現行の評価指標の見直しの必要性やSOFAスコアの今後の活用方法・提出対象等についてどのように考えるかという論点を提示させていただいております。
3つ目、療養病棟の評価の分析になります。こちらは32ページに前回いただいた宿題としまして、医療区分3の中心静脈栄養について、今の私どもの調査だと入棟時と基準日の2時点の該当状況ということで、間の様子がわからないという宿題をいただいておりました。あと、カテーテル感染の発生状況について調べてはどうかという宿題をいただいたところでございます。
今回、1つ目の中心静脈栄養の継続期間を推定する方法について追加的な分析を行いましたので、それの御報告をしたいと思っております。
まず、33ページにつきましては、医療区分3のうちの半分の方が中心静脈栄養で要件を満たしているというスライドと、34ページにつきましては基準日と入棟日の2時点の間の期間がどのぐらいかというものをお示ししているところで、34枚目で180日を超えている方が半分ぐらいいらっしゃいますねというところのスライドをこれまで御紹介したところで、宿題をいただいているところでございます。
35枚目を見ていただきますと、今回、どういう分析を行ったかといいますと、中心静脈栄養が入っている患者さんに対して恐らく高カロリー輸液の投与がされているであろうということを見込みまして、高カロリー輸液の投与があったかなかったか。あった場合、どのぐらいの日数をやっていたかという観点で分析を行ったところでございます。
まず、35枚目でございますが、調査期間の6カ月間におきまして退院患者さんを集めてきまして、入院中に1回でも高カロリー輸液を投与した患者さんの割合が医療機関ごとにどのぐらいいらっしゃるかという分布を見たところでございます。0%のところから、高いところだと90%以上の患者さんに対して高カロリー輸液を投与している医療機関があったという分布が見られるところでございます。
このグラフの分布と次の36枚目の分布を比較していただきますと、36枚目が中心静脈栄養の該当患者さんの医療機関別の分布の割合ということで、10%の割合の高さは違うにしろ、ほぼ似たような傾向かなということで、要は、高カロリー輸液の投与の有無をもって中心静脈栄養をやっているかというのを代替変数として今回分析を行ったところでございます。
その分析の結果を一つ御紹介したのが37枚目になってございます。まず、左のグラフの見方でございますが、6カ月の退院患者さんのうち、入院中に1日でも高カロリー輸液をした患者さんが連続してどのぐらい日数の投与をしていたかを見ているところでございます。最長6カ月ですので180日ぐらい入院されている患者さんがいるという想定のもとになりますが、施設の平均の投与期間として90日を超えているという医療機関が一部あるというところでございます。
この調査の限界としまして、例えば50日やって1日休んで40日みたいなものに関しましては、トータルで90という計算ではなくて、その場合は長いほうの50日という計算になってしまうという限界があるというところがまず一つございます。
今のような、限界として、間で休んだ日とか継続できなかった部分を補う意味で右の分析を行ったところでございます。こちらは入院期間を分母にとりまして、そのうちの何日間高カロリー輸液を投与していたかという割合を見ているところでございます。ですので、80%以上というところは、仮に100日入院されているとした場合には、そのうちの80日以上で高カロリー輸液を投与していたということになります。
そういうような病棟全体で見た場合の患者さんの割合というのを見ておりまして、入院期間の8割以上、高カロリー輸液をしていたという患者さんがいる病院が350ぐらいあるという見方をするところでございます。
この37ページの2つのグラフを見ながら、恐らくやっている患者さんに関しましては、入院期間中のほとんどを占める期間におきまして、中心静脈が入った状態で高カロリー輸液が投与されているということで、そこの間の空白だったところがある程度埋められたのではないかなと、事務局としては考えているところでございます。
38枚目、最後のスライドになりますが、療養病棟におけます中心静脈栄養の実施状況について、高カロリー輸液の投与状況を踏まえ、どのように考えるか。また、カテーテル感染の発生状況等についてはどのような分析が可能かを含めて、引き続き検討が必要ではないかという論点を提示させていただいております。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、この議題につきまして3つのパートから成っておりますので、それぞれ御議論をお願いしたいとおります。
初めに、「一般病棟等における評価指標(重症度、医療・看護必要度)」の御議論をいただきたいと思います。この議題に関連して、本日御欠席の武井委員よりあらかじめ御意見をいただいておりますので、事務局から御紹介をお願いいたします。
○木下補佐
事務局でございます。本日御欠席の武井委員から御意見をいただいておりますので、御紹介させていただきます。
B項目の判断基準についてということで、現在のB項目は看護の提供量を測定することが目的で評価しているので、現在のような判断基準になっているが、患者の状態と看護ケアの実施を分けて測定することで患者の状態が正確に把握できると考えるので、患者の状態(ADL)と看護の実施を分けて評価することを検討してほしいと思います。
ただし、B項目の判断基準を改変することになるので、改変前後で値にどのような影響があるかなど、シミュレーションも必要だと考えます。
また、看護師の評価方法が変わること、入力システムの更新等が必要になると思われるので、できるだけ現場の評価者が混乱しないように配慮をお願いしたいと思いますという御意見をいただいております。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、この議題につきまして、御質問、御意見を。
神野委員、どうぞ。
○神野委員
6ページにこれまでの経緯がございます。C項目は今回新たに点数が高いあるいは入院日数が多いような手術を今回挙げていただいたことを高く評価して、C項目の手術の改変は必要かなと思います。
今度はB項目のほうですけれども、今、6ページのほうで、28年改定のときに認知症とかせん妄状態の患者が含まれるように2項目を追加したと。入院医療分科会でも28年改定のときに私ども医療現場として、例えば救急隊とかかかりつけ医も、認知症患者やせん妄になりそうな人は大学には紹介しない、一般病院に紹介されることが非常に多くて、そして、例えば意識がなくなった、めまいがひどい、血を吐いた、あるいは胸が苦しいというような方がいっぱい来る一般病院で、認知症を持っている、あるいは認知症がなくても、入ってからいろいろな処置をするとせん妄になるという人が大変多いということで、この28年改定にぜひということで入れていただいたという経緯があります。
そして、16ページであります。
先ほどの療養と変わらないじゃないかという話と、変わるかという話になると思うのですけれども、明らかにA項目で心電図モニターがついているということが療養と違うところです。だから、せん妄、認知症を持っている方は療養にもたくさんいらっしゃることは当たり前であります。恐らく、創傷処置ということになれば、褥瘡等の処置等が加わっているだろうと。療養の慢性期と急性期の違いは、急に物が変わるのが急性期であって、急に変わらないのが慢性期であると私は思っていますので、そういった意味では、あるときから心電図をぽんとつける必要があることが起きたということで、これは当たり前のデータだと思います。
前々回でしたか、前回でしたか、基準日の前にはどうだったかというのもありましたけれども、既にB項目は満たしているけれども、基準日から心電図がついたというデータが出ていたと思いますけれども、そういった意味で何らかの処置が必要、手術が必要、それから何らかの病態の変化が起きて心電図をつけたということで、それでこの16ページのところでマル2に入ったということが出ているということになるのかなと思います。
そういった意味で、繰り返して申し上げたいのは、一般病棟の一般の急性期の病院、しかも救急車がいっぱい来るような病院で、こういった患者さんをいかにきちんと診るか、そしてその次に流すかということがやはり非常に重要視されている。そういった意味で、マル2ということに関して、私は改めて重要な意味を持つと思うということを言わせていただきたいと思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
林田委員、どうぞ。
○林田委員
ありがとうございます。
先ほど武井委員のほうからのコメントがありましたけれども、私もB項目の判断基準について、ぜひ正確な患者状態を把握できるような形への変更をお願いしたいと考えております。
というのも、先日、中長期的な入院にかかわる評価体系についてお話しさせていただきましたけれども、その中で患者状態の把握というものは非常に重要な要素になります。今後、中長期的な研究において現状把握を行うとともに、現行指標の精緻化、もしくは新たな指標の探索を実施予定にしておりますので、ぜひ現状の患者状態が把握できるように変更いただければと考えております。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
牧野です。まず、B項目に関して私も賛成で、ADLと実際の看護提供を分けて考えていくというのが今後のあり方かなと私も思っています。
もう一つ、急性期らしい入院医療のあり方が問題になっているわけですけれども、やはり入院して行うことが当たり前になっている急性期医療を可能な限り評価するということが、急性期らしさを出せる基準になるのだろうと思います。
今回、手術で9割以上が入院で行うものというのが出てきて、それに対する診療点数の分布とか件数の分布が出ていますけれども、そういった件数、点数にかかわらず、実際に入院して行っているのであれば、それは広く評価していいのではないかと思います。
そうすると、項目数が多過ぎてなかなか難しいということになるのかもしれませんけれども、例えばKコードを使って、このKコードは該当するという格好で、今の評価基準にこの指標をとれば、項目数が多いことは全然問題にならないと思います。
あと、今回、Dコードの部分も、14ページに出てきていますけれども、この中でも例えば経皮的針生検法とかEUS-FNAといったものはかなりの部分が入院で行われている。特に、針生検というのはブラインドで針を刺しますので、後で出血のリスクもある。当然、それに沿った管理とか観察が必要なわけで、こういったものはちゃんと入院医療で必要ということで評価されなければいけないと思います。
さらに加えて、ここに載っていないものというのが実はあって、前からカテーテルということを言っていますが、例えば心カテなんかであればD206というコードです。ここには出てきていませんし、あとは血管造影はEコードになるのですけれども、最近、こういったカテーテル関係は腕からやって日帰りということも多くなっていますけれども、実際、入院でやっているものもあるはずです。ですから、そういったものも一回データをとって、どの程度入院で行われているのかということも確認する必要があるのかと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
池田委員、どうぞ。
○池田委員
済みません。ちょっと私が勘違いしているのかもしれないので教えていただきたいのですが、C項目というのは入院が必要な、あるいは入院で管理が必要な患者がいれば、それで1点ということでは多分なくて、もともと手術、検査等で入院して管理が必要な侵襲性の高い治療を評価するということで、これまでの評価表ですと並んでいるものは、もちろん全麻のものもあるわけですが、それ以上に高くというか、長い期間評価されているものが開頭手術とか開胸手術、そういうものが別途項目として挙がっているというのは、単に入院が必要な患者さんを診ていますかということではなくて、例えば専門性が高いとか、リスクが高いとか、管理に非常に手がかかるとか、そういった要素を評価している項目なのかなと思っているわけです。
仮にそういうことだといたしますと、先ほど13枚目でリストをしていただいたさまざまな術式というのは、例えば左側の入院割合100%、年間1,000件以上の手術というのは、これはおおむね全麻で拾われるものなので、全麻という項目をなくすのでなければ、これを別途、手術の項目として追加するということには必ずしも及ばないのかなと感じました。例えば開頭、開胸に匹敵するようなものが別途この中から探せるかというと、済みません、私の浅はかな臨床知識では必ずしもないので、追加でこれを手術としてリストする必要があるのかというのが理解できていないところです。
一方、右側にある入院の割合が100%かつ5万点以上の手術ということになりますと、一部移植関係の例外があるように思いますが、おおむねこういったものは恐らく追加的に手術としてポジティブリストで評価してもいいものの候補になるのかなと感じているところですが、勘違いがありましたら御指摘いただきたいと思います。
14枚目の検査につきましても、針生検はもちろんこれは出血のリスクとか、日本の場合は少なくとも1泊で様子を見ようというのは普通に行われている、必要性のある入院だと思います。もちろん侵襲がある検査であることは間違いないのですが、開頭手術、開胸手術に匹敵するような、入院して管理の必要な侵襲性の高い治療と同列に並べて評価することが適切なのかどうか。もしそれを同列に並べますと、ほかのものの評価が相対的に低くというか、薄くなる懸念もあるので、そのあたりをどういうふうに検討すればいいか、ちょっとそこが私は理解できていないところで発言させていただきました。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
今の点に関してですけれども、確かにC項目というのはもともと侵襲性の高い手術ということで評価されてきたということは私も認識しています。ただ、今、考えなくてはいけないのは、入院して行うべき医療、入院して行う急性期医療をどうやって評価するかということで、例えば抗がん剤の経口のものは入院でなくてもいいではないかということで、今後、また中医協のほうで議論されると思いますけれども、入院でなくてもできるものという判断で処理されているわけです。
ですから、急性期医療をちゃんと考えようとすれば、入院でなくてはできないものは逆にしっかりとここに入れていかないと、何が急性期の入院医療なのかということがわからなくなってくると思います。
例えば、今回、Kコードということで出てきたのですけれども、実際に入院して行っている中で、膵管ステントとか胆管ステントといった医療行為があります。これは全麻でやりません。ですけれども、入院して行うべき、がんの診療なんかではかなり重要な治療行為になっています。こういったものが今評価される場所が全くないのです。ですから、これがKコードになっているので、あわせてC項目の中で考えていくことになりますけれども、場合によってはA項目の中にこれは入ってきても私はいいのかなと思います。とにかく、入院して行うべきちゃんとした急性期医療がどこかで入っていく、そういった制度設計が必要だと思います。
○尾形分科会長
石川委員、どうぞ。
○石川委員
先ほど、牧野委員のほうで心カテの話、今はカテを日帰りで手からやるというのが大体主流になってきた。もちろん、血管の状態によっては大腿からやるということもありまして、とても日帰りではできないことがあるわけですね。患者さんの容態に応じて、入院が必要だという場合もいろいろな検査のときもあると思うのです。例えば、大腸で明らかにポリープがありそうで、内視鏡でといったときに、一定の年齢が高いと、検査の段階からもう入院で、まず前処置から何からみんなやってということは医師の裁量権ということで私は必要だと思うのです。それを全部、入院でやるべきものではないということはなかなか一概に決められないと思うので、そこら辺は今後の医療ということを考えると、医師の裁量権も十分、患者さんの容態を見てやるような形での采配がいいのではないかと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○尾形分科会長
山本委員、どうぞ。
○山本分科会長代理
今、心カテ、あるいは内視鏡の手術・治療の話が出ましたけれども、特に消化管の内視鏡というのはとかく日帰りの対象で、ちょこちょことできるという認識がありますが、実は大学病院などではもう内視鏡室から緊急コールが、要するに内視鏡の手術中に緊急コールをかけなければいけないような、生死にかかわるような重症例はかなり多くなってきています。一方で、ここの従来の開腹手術の中では、今回資料に挙がっているように入院実施が9割未満というところもあって、今までのCコードの分類があまりにも大ざっぱ過ぎて、医療の、特に手術形態の複雑化、モダリティーの変化に対応していないことは明らかなので、この辺はぜひ細かな見直しをしていただく必要があるのかなと考えます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
石川委員、どうぞ。
○石川委員
加えて、専門的な治療・処置の場合も、内服は全て入院しなくてもいいのではないかということはあるかもしれませんけれども、免疫と抗悪性腫瘍剤の内服でも、医者の判断によっては入院して何日か診たほうがいいのではないかという形はやはりあると思うのです。これも医師の裁量権を一定認めた上で、判断の余地をつくっていただきたいというものでございます。
○尾形分科会長
中野委員、どうぞ。
○中野委員 項目の整理はやるべきだと思いますが、特に16ページの分析結果を踏まえますと、やはり基準マル2のみをもって急性期入院料の基準とすることは違和感があると思います。
○尾形分科会長
池端委員、どうぞ。
○池端委員
今、16ページの表の見方ですけれども、冒頭に神野委員、牧野委員がおっしゃったように、療養との比較を見てもある程度患者像が違うというイメージは湧きます。例えば、病態が急変しそうな患者様でモニターをつけていて、それで危険行動をしたり、それがすごく手がかかるということで重症になったということでイメージは湧く。
一方で、これを違う見方ですると、療養病床の立場で言うと、療養病床であっても少なくともこの基準②と同じような基準で調査したところが、病態像は多少違うと思いますけれども、10%以上、15%近くの重症度、医療・看護必要度が出てしまうということに対してはどう考えるかということです。私は逆に言うと、急性期の病棟でもこういう内容が重症だということはすごく理解できるので、この基準には残すべきだと思っていますが、一方で、この重症度に当てはまる患者さんが療養病床ではひょっとしたら医療区分2,3から外れる、医療区分1という段階である患者さんの可能性もあるのです。喀痰吸引を8回以上してなければ、呼吸ケアをしていても重症度で見てもだめと。これは一物二価ではないか。やはり療養病床の立場であれば、せめて基準②に当てはまるものは医療区分のどこかに入れていただきたい。これはつぶやきですけれども、そんな気がしています。同じ評価をしていただきたいというのが療養病床の立場としての願いです。
これは、林田委員の研究で、それをまたいろいろな点から考えていただけるのではないかと思っています。でも、笑い事ではなくて、本当にどれだけ重症の方を診ているということをこの表はあらわしていることだけは理解いただきたいと思いますし、願わくば私の思いも中医協の総会で考えていただけるとありがたいと思っています。
以上です。
○尾形分科会長
神野委員、どうぞ。
○神野委員
けんかをするつもりはないのですけれども、問題は、例えば療養病床にいらっしゃる人工呼吸器につながっている人は、もうそれで重症度、医療・看護必要度がぼんと高くなってしまう。だけど、例えばずっと1年も2年もつながっている人もいるわけですね。だから、今、急性期の人工呼吸器につながる人は、きょうあすつなげて、あさって抜くという話の人たちの人工呼吸器につながっている重症度、医療・看護必要度です。この心電図モニターに関しても、何らかの処置とか手術をしたのでつけました、それで2日か3日して取りました、これが急性期である。
慢性期の場合は、例えばここであるような創傷処置は、ある程度ずっと創傷処置が必要であるという人たちがいらっしゃるということで、思いはよくわかるし、療養においても何らかの医療区分かどこかで入れる必要はあるのかなと思いますが、ただ、病態は同じというのではなくて、急性期なのか、慢性期なのかは、変化しているか、変化していないかという違いであるということも御理解いただきたいと思います。
○尾形分科会長
池端委員、どうぞ。
○池端委員
反論するわけでは決してありません。急性期か慢性期かは理解している。ただし、今言っているのは医療区分1というのは、入院できないのですよ。療養病床で、医療区分で1であったら退院しなければいけない、入院してはいけない患者さん(という扱い)になっているということが問題だということです。長期でもやはり人工呼吸器はもちろん医療区分に入っていますけれども、医療区分1の段階ですぐ退院させなければいけない。だって、8割以上をクリアしようと思ったら、ほぼ100%近くそういう患者を受け入れないと療養1はクリアできないのです。そういう現実をわかっていただきたい。
だから、急性期と同じ重症度だと言っているわけではなくて、少なくとも療養で入院しなければいけない患者像であるということに対して、基準②が考えられるのではないかということをお話ししたかったので、けんかするつもりはないですし、同じだと言っているわけでもありません。
ただ、せめて入院治療が必要な患者であることを認めていただけるように、医療区分の中に入れていただきたい。本当に現実はそうなのです。退院できなくて、させるところもなくて、どうしようどうしようと日々苦労しているのが療養の現実なので、それを理解していただきたいということで、たまたま基準②が出てきたので、こういう基準で少しでも救えるものがあれば救っていただきたいということで思いを言いました。
以上です。
○尾形分科会長
よろしいでしょうか。
菅原委員、どうぞ。
○菅原委員
ありがとうございます。
今、御議論になっている16コマ目、私が分析をお願いしたのを大変掘り下げていただき、まず事務局には大変感謝を申し上げたいと思います。
神野先生、池畑先生のお話を伺って、なるほど現場は相当いろいろな御苦労をされていて、特に急性期と慢性期の間で同じ評価基準を使っている中でも差があるということは本当によく理解いたしました。
ただ、見え方というか、私なんかが客観的に外から拝見をいたしますと、今、急性期医療のあり方というのは、国の骨太の方針に明記をされた非常に大事な項目であります。客観的に今の急性期医療の評価のあり方が慢性期とどう違っているのかということを明確にしていくということは大変大事なことだと思っております。
同じ基準で、慢性期と急性期を比較してしまうと、少なくとも療養のほうが非常に高い割合で患者さんがこの状態像に該当している人が多い。急性期の評価のあり方としては、状態像の推移、例えば変化しているか、変化していないかという差があるということは本当によくわかりましたけれども、逆に言うと、そういうものが今、この評価項目の中には十分に反映をされていないので、こういう形で療養のほうの評価が低いのか、あるいは急性期がどうなのか、私もこの問題を提起したときに、恐らくこれは一物二価になっているのだということをそもそも最初から、今の池畑先生の御指摘があったように、直感的に感じていたものですから、このような問題提起をさせていただいたのです。
神野先生のお話を伺って、なるほどと。やはりこういう評価が急性期においても大事なのだということは十分理解をした上で、でもさらにあるべき急性期の入院の医療のあり方の評価の基準としては何かもう少し適切なものを加えることはできないのか。でないと、逆に言うと、療養の苦労されている先生方、入院基本料の差がかなりあるものですから、同じ該当基準でこれという話になってしまうと、やはりおかしな話なのかなという問題意識は引き続き持っているということを表明させていただきたいと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
それでは、次のテーマに行きたいと思います。「集中治療室等における評価指標(重症度、医療・看護必要度及びSOFAスコア)」につきまして御議論いただきたいと思います。
18ページから29ページまででございます。この議題に関連しまして、林田委員のほうから資料が提出されていますので、まずその御説明をお願いしたいと思います。
○林田委員
ありがとうございます。
机上配付資料をごらんください。「特定集中治療室及びハイケアユニットに係る課題と今後の方向性について」というタイトルで書かせていただいているものになります。これは、日本集中治療医学会の社会保険対策委員会のほうでまとめさせていただいた資料になります。
2枚目が「特定入院料の施設基準等」ということで、これは御承知のとおりだと思いますので、飛ばさせていただいて、3枚目が「特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度に係る基準」です。こちらに出させていただいているものはA項目だけになりますけれども、基準としてはA得点が4点以上かつB得点が3点以上というものになります。
きょうお話ししたいのはその後の4枚目と5枚目になります。
4枚目は、「特定集中治療室(ICU)等に係る課題と方向性」になりますけれども、学会の先生方も基準を満たすためのモニタリングとか処置等が少し行われているのではないかということで、長期のICU滞在が誘導される可能性があるのではないかということを一つの課題としてまず挙げております。
また、A項目に関しても、一般のところでもお話がありましたけれども、そもそも項目としてふさわしいのかということで、例えばモニタリング項目等があるべきなのか。あるいは、逆に、新しい生命維持治療、そういうものが含まれていないということが問題ですので、その辺に関して課題と考えているということなります。3点目が、ICUで治療を要する重症・重篤患者の背景は非常に多様になっておりますので、現行の指標だけではなくて、患者さんの重症度を評価するようなものも組み入れてはどうかと、3つ課題として挙げております。
下のほうに図がありますけれども、左側のほうはA項目の中で、この項目がそもそも項目としてふさわしいのかどうかということで、29年度の入院医療等の調査・評価分科会の資料を出させていただいております。
右の表に関しては、これはICU学会のほうでJIPADという独自に調査というか、データを集めて分析しているものになります。緑色のところが全症例、その右が重症の症例、要経過観察ということになっております。要経過観察というのは、下のように少し説明がありますが、比較的軽症な患者さんということで、予定手術とかもしくは手技で入院し、24時間以内に生存退院した患者さんというものになります。ただ、これはもともとそういう形で24時間以内に退室させようという意図があったわけではなくて、結果的に、例えば治療の効果等もあってだと思いますけれども、24時間以内で無事に退室されたという方になりますので、その辺に関しては少しデータを見ていただくときに注意していただければと思いますけれども、ICUの中で24時間以内に生存退院した患者さんが4割ぐらいいらっしゃるということで、今の基準がどうなのかということになります。
下のほうで、【方向性】としては、A項目の見直しということで、既存項目を削除したり、あるいは新規治療を追加したりする等の項目の変更、あるいは配点の改変が必要ではないかと。あるいは、ICUの入室基準となる重症度というものを客観的に評価可能な指標も必要ではないか。現在だとSOFA等もありますけれども、そういうものを含めた形で考えてはどうかということを方向性として挙げさせていただいております。
5枚目は、「ハイケアユニット(HCU)に係る課題と方向性」になります。
【課題】の1点目ですけれども、ICUに入るほど高度で集学的な治療は必要ではないという患者さんですけれども、一般病棟で管理するには非常に難しいという患者さんもいらっしゃいますので、その場合にハイケアユニット等の治療室等を使うというのがいいかと思いますが、そういうユニットがないために、患者さんの移行が円滑でない施設がある。逆にハイケアユニットにおいて集中治療室に準じるような重症な患者さんが入室している場合もありますけれども、その患者さんに対してどのような医療が行われているか、医療の質等が担保されているかというのが不明であるということを課題として挙げております。
【方向性】としては、先日、神野委員からもメリハリみたいな形でHCUをどう使っていくのかという話がありましたけれども、特定集中治療室、ハイケアユニット、あるいは一般病棟という患者さんの移行とか、あるいはメリハリをつけた医療をやるという意味に関しては、ハイケアユニットの基準等についてもぜひ再検討してはどうかということですし、ハイケアユニット等にぜひ集中治療医の関与を検討してはどうかということが挙げられております。
下のほうの図も、これも29年度の入院医療等の調査・評価分科会の資料になりますけれども、ハイケアユニットの入院患者さんの入院医療管理料のところをごらんいただくと、「常時、不安定である」という患者さんが3割近くを占めるということで、ぜひこちらに関しても集中的な治療が必要な可能性もあるということで、問題提起をしているということになります。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、この議題につきまして、御質問、御意見をお願いいたします。
池田委員、どうぞ。
○池田委員
林田先生の説明の中でちょっと教えていただきたいのですが、4ページのところで、APACHE IIはよく使う重症度スコアですが、これは入室時のスコアなのですか。あと、今回のこの分科会のほうではSOFAスコアで測定しているのですが、そのスコアの関係といいますか、APACHEが16だとSOFAだどのくらいなのかなどということがもしわかれば、こちらの分科会のほうのデータとの比較ができるかなと思いましたので、もし御存じだったら教えていただきたいと思います。
○林田委員
ありがとうございます。
実は、JIPADの細かいところを私自身が詳しく存じ上げていないので、正しくないかもしれないですが、APACHE IIに関しては、たしか入室後24時間以内の最も悪いものをとっていたかと思いますが、こちらも確認しないとわからないので何とも言えません。
あと、APACHE IIとSOFAの変換に関してもある程度のことはできると思うのですが、今資料を持ち合わせておりませんので、申しわけないですけれども、お答えできないという感じになります。
○尾形分科会
ほかはいかがでしょうか。
山本委員、どうぞ。
○山本分科会長代理
前回の分科会でしたが、私も術後で状態が不安定な患者の場合に、ICUに入れて経過を見る必要があるというお話をいたしました。そもそもSOFAスコアは臓器の重症度、障害度を見ておりますので、患者さんのリスクと直結しないという問題はあると思います。
そういうことで、うちなんかの場合にはかなり重い手術をした後、本当に目が離せなくて、一般病棟ではとても見られないからということでICUに入れるということが多くて、しかも、数が限られているので、状態が安定する前に一般病棟にはき出さなければいけないということで、非常に一般病棟の負荷が高まっているということがあります。
ですので、一つはハイケアユニットに対する評価をもうちょっとしっかりして、中間段階としてハイケアユニットを充実させる方策が必要ではないかということがあります。
もう一つは、今言ったように、ICUのSOFAスコアが決して高くなくても、非常にリスクの高い患者を入れている場合ももちろんありますが、一方で、そこまで重症度が高くないけれども、ここの必要度を満たせる状態にして入れているということがないわけではないということが、ここの学会の対策委員会でも書いてありますし、実際に必ずしもうちのように非常に高い重症度ばかりではないということもあると思いますので、やはり重症度、看護必要度だけで見るのではなくて、別の尺度、例えばSOFAスコアの0点が何%まで許容できるのかとか、その辺はもう少しほかのデータとかけ合わせて比較していく必要があるのかなと考えております。
あと一つ事務局に質問ですが、前に御提示いただいた23ページの資料で、私が理解できなかったのは、「入室時スコアが0点の患者が占める割合」、左の上ですけれども、これが0%の病室の割合、例えばどこかの病院で0%の患者が6割、70%入院しているよという理解なのですか。例えば医療機関ごとにそういう比較ができるとどうなのかなと。例えば医療機関ごとに傾向が見られるとか、そういうことがあるとまた違うのかなと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
○尾形分科会長
事務局、お願いします。
○木下補佐
事務局でございます。
見方としまして、23ページでございますが、今御指摘いただいたスコア0の患者が占める割合は、青だけに着目していただきますと、そこに48ございまして、48の分布を見ているところでございます。nが48ありますので。0点の一人もいないところが6割ぐらい。裏を返すと、0点が100%のところが一部いらっしゃる。
○山本分科会長代理
これは医療機関として、例えばn=16のうちの5%ぐらいだから、2病院ぐらいそういうところがあるという理解ですか。
○木下補佐
はい。そういう見方でございます。
○山本分科会長代理
ありがとうございます。
○尾形分科会長
ほかはいかがでしょうか。
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
牧野です。
山本委員のおっしゃることにちょっと追加したいのですけれども、ICUというのは術後の重症患者、リスクのある手術を行った後の観察・管理に使う、それが目的の一つですね。そうなると、当然入室時のSOFAスコアは0点というのは不思議ではないということになります。一方で、例えば敗血症のようにSOFAスコアの高い患者の治療室としての役割もある。ですから、ICUというのは、最初からICUと、実際に重症患者の治療をするというICUと、2つの使用目的があって、どっちがよくてどっちが悪いということではないと思うのです。ただ、先ほど山本委員がおっしゃったように、SOFAスコアの評価指標を使って、ある一定割合はそういった重症患者を入れるような基準があってもいいのかもしれない。この辺は中医協のほうで判断していただけばいいかなと思います。
もう一つ気になったのは、病態に応じてICU、HCU、ACUを使い分けることができれば、それはもちろん理想的なのです。ただ、大学病院のように大きな病院であればそれぞれ持てますけれども、300床、400床規模の病院で複数のユニットを持つというのはなかなか難しい点もあるということも御理解いただきたいと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ほかはいかがでしょうか。
石川委員、どうぞ。
○石川委員
27ページ目のSOFAスコアのものは、病気ごとにこうやって分類しているのをみると、SOFAスコアがゼロで入室ということも、こういう病気の中で、例えば大動脈弁狭窄でSOFAスコアが0点の人も術前に入室したりということでよろしいのですね。これはそういうことで読むわけですよね。ですから、SOFAスコアがさっきの0%というのが、23ページの「入室時スコアが0%の患者が占める割合」、これは100%0点の患者という病院はさておき、一番左の、病室の割合が特定集中1、2、3、4とも60%を超えているけれども、逆に言えば、30%何がしは0点で入っているというのは、患者のそういった病態に合わせて、次の手術を見てということでよろしいですよね。
そういうことのように、やはり患者の容態に合わせて現場では柔軟にやっているということでいいと思うのですけれども、先ほど来、神野委員と池端委員が言っている、急性期、慢性期でいろいろと物がくっついている、くっついていないという形でありますけれども、患者さんの容態というのはさまざまであって、それを保険のいろいろな基準で、ある面では階層分けするということが、今、より簡略化しようという中でやられてきていることで、はざまの患者さんというのは必ずいるのです。ですから、そのはざまの患者さんをどういうふうにきちんと保険でそれなりの点数をつけてあげられるかということが一番大切な順になるのではないかと思うので、そういうのは井原委員なんかが頑張ってやっていただくことになるのかもしれないのですけれども、そういうことだと思うのです。全部基準でいろいろやるということはできないので、そのはざまにある患者さんをどうやって、現場の医療機関に損をさせないで、それなりに評価してあげるかということが大事なのではないかと思うのです。その辺、これからも工夫していただきたいと思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
井原委員、どうぞ。
○井原委員
私が何をやるわけでもありませんので、まず誤解を解いておきたいと思います。
私がこの前申し上げたのは、今、石川委員がおっしゃったように、医療保険で急性期、慢性期と線を引きます。ただ、線を引いたときは必ず境界のところで判断が難しい患者さんが出る。保険の審査などを通じても、常に境界のところ、ボーダーのところの判断にとても苦慮しているのだと。こういう事実があることは確かです。
しかし、社会保障制度として医療保険をやっていますから、そうは言ってもどこかで線引きはしなければならない。こういう現実もありますので、そこが大変悩ましいというか、難しいところなのだと思っているということです。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
神野委員、どうぞ。
○神野委員
救命救急にしても、特定集中にしても、一般の急性期病院に比べて日当点が非常に高い。だから、重症をたくさん診なければいけない。だから、SOFAが入っているという理由でわかりましたし、重症度分類で該当はなくてもSOFAが高いのが一部にあるということで、そういった意味では、重症をひっかける意味では補完している機能があるのかなと思います。
今回の資料にないのですけれども、今、SOFAスコアが必置なのが重症の1と3でしたか、1と2か、事務局、ちょっと教えてください。
○木下補佐
特定集中の1と2が今必須となっています。
○神野委員
1と2が必須ですよね。そうすると、3と4も要るのではないかという話はないのでしょうか。これは言ったらまずいのかな。
○尾形分科会長
山本委員、どうぞ。
○山本分科会長代理
私も実は同意見で、現状、集中治療の1と2だけですけれども、今回SOFAスコアをデータ分析すると、患者の状態の重症度、医療・看護必要度だけでは見られないところが見えていますので、集中治療の3、4は、私はむしろ救命救急とかハイケアなどにも拡大していいのではないかと。そういうことで、本当の急性期医療の患者の状態というのが分析できるのではないかと私は考えます。
○尾形分科会長
救命救急に広げることは賛成します。
○中野委員
私も同意します。
○尾形分科会長
池田委員、どうぞ。
○池田委員
現場の負担ということもあるのですが、これは仮に日常的に捉えている指標であれば、入室時と退室時のスコアでいいのかどうか。本来、SOFAスコアというのは最終的な死亡率を予測するのは、一連の中で一番悪いときの状態だと記憶しているのですが、そうだとすると、そういう評価もあり得るのかなというつぶやきです。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
よろしいでしょうか。どうぞ。
○山本分科会長代理
SOFAスコアを広げたほうがいいと申し上げましたけれども、現場の負担を考えると、これはそれなりのシステムが入っている施設であれば、もう自動的に数値は出てくるのですけれども、そうでないところはかなり手でやらなければいけないということを聞いておりますので、そこは現場の負担を考えないといけないかなと思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、最後の部分、「療養病棟における評価指標(医療区分)」、30枚目から38枚目につきまして御質問、御意見等を賜りたいと思います。
池端委員、どうぞ。
○池端委員
ここは私が言わないと何も進まないと思うので。
最終的には、37ページのこれが今回の新しい分析のグラフだろうと思います。ここで事務局が何を言いたいかということですけれども、要は中心静脈栄養を医療区分3の半分、全体では十数%ということですが、入院期間中どれくらい高カロリー輸液をやっているかというと、6割以上が圧倒的に多いということまで出してきています。
これをどう考えるかですけれども、急性期の先生方が多いので、急性期の先生方の中心静脈栄養を入れるタイミングとか入れる症例というと、恐らく一時的に食事ができなくなって、その治療期間中、中心静脈栄養をやって、食べるようになったらすぐ切りかえる。だから、少なくとも2週間、3週間の単位で簡単に切りかえられるということだと思うのです。けれども、その後何らかの理由で経管栄養もできずに栄養をとるルートがほとんど中心静脈栄養しかないという状態で療養病棟にこられた患者さんが、当然、入院すればその患者さんはなかなかそこから離脱できない。ということは、入院期間中、ほぼ入れっぱなしになっている可能性が高いという病態像が出る。このデータに対して私は全く異存ありませんし、実態だと思います。
では、それをだめとするかどうかですけれども、ここはもちろん抜く努力をするとか、そういうことをしていかなければいけないと思いますけれども、先ほど言ったように、経管栄養ができない何らかの理由がそれなりにあるのでス。例えば手術で胃を全部取ってしまう、腸が感染等を起こして下痢が続く、あるいは逆流をして誤嚥をしてしまう、そういうことで中心静脈栄養に切りかえられた、あるいは持ち込みでそれが継続されているということが多いので、なかなか経口やほかの手段に切りかえることはできないので、長期中心静脈栄養管理を一概にだめというふうな評価のデータにはしていただきたくない。
一方で、今までずっとありましたように、感染のリスクに対してどういう対策をしているとか、ここに対してはきちんとした対策をやることをある程度要件化するとか、そういうことは必要になってくるかもしれません。けれども、もしこの方が長期はだめだよねとなったら、この方は抜くのか。栄養をとっている手段を抜いて、あとはどうするのかという話になってしまう。しかも、その方は療養病床から行く場所もないということになってしまうので、そこは高カロリー輸液というのは最後の栄養手段だということで来ている方が圧倒的とは言いませんけれども、多いということを理解した上で、この期間を理解していただきたいと思っています。
実際、私自身もまだ現役ばりばりで病棟に張りついている人間ですけれども、本当に中心静脈栄養をしながら経口訓練をして切りかえられるのが1割ぐらいはありますけれども、あとの8割、9割は難しいのが現状なので、その辺をどう考えるかということで、このデータを評価していただきたいということを申し添えておきます。
ただ、先ほど言ったように、感染に対する対策をしっかりしなければいけないということに対しては、全く異存ありませんので、それはいろいろな形で何かアナウンスしていただくことはやぶさかでないと思います。
以上でございます。
○尾形分科会長
石川委員、どうぞ。
○石川委員
ですから、もう現場では池端先生がおっしゃるようなことは我々も経験があるわけですよ。幾つもあった。だけども、保険の診療の中ではどういうふうに評価されるのかという点では大変つらいものがあるということで、そこを変えていただきたいということなのです。そこを変えるべきだと。
患者さんはもちろん抜くわけにいかないし、そのままやるのだけれども、それは医療機関にとっても大変負担になったり、いろいろするのでということで、そこは考えてもらいたいということだと思います。
○尾形分科会長
神野委員、どうぞ。
○神野委員
私の本職は消化器外科だったのですけれども、以前は消化器外科病棟はほとんど全員に中心静脈栄養が入っていたのです。ところが、今は消化器外科病棟はまず入っていないですね。さっさと手術をやって、さっさと飯を食わせてということだと思うし、食道がんだとしても、中心静脈栄養ではなくて、術中に経管栄養を入れておいて、早いうちから腸を使って栄養を入れて、御飯を食べたら抜くという形になっている。
これは非公式ですけれども、大手の中心静脈栄養剤メーカー2社に聞いてみました。一体どこで売れているのかということですけれども、2社ともお口をそろえて、六・四で療養病床で中心静脈栄養を入れていますということで、それがまさにここのデータにつながっていると思うのです。
池端先生がおっしゃるように、どうしようもない、腸がだめになっている人もいっぱいいらっしゃいますので、それに対して栄養の手段を断つわけにいかないと思うのですけれども、今回、ここで大きな問題になっておりますので、やはり何らかのカンファランスとか、感染も含めて、抜くための検討を行ったかどうかということは強いてもいいのかなという気がいたします。
○尾形分科会長
池端委員、どうぞ。
○池端委員
それについては全く賛同したいと思います。そういう努力をしていかなければいけないことは当然だと思いますので、何らかのそういうことをやっていく努力をすることについては、きちんと書き込んでいただいてもいいのかなと思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
田宮委員、どうぞ。
○田宮委員
この点は前から議論になっているところですが、今、議論にありましたように、抜くためのことをきちんとやっているかというプロセスはやはり必要だと思います。
それと、今のお話を伺って思うのは、急性期のIVHのニーズと慢性期のニーズは違うのですけれども、何かそこの境界が、これも難しい議論ですけれども、区別されていないところもあるのかなと思うのですね。
本当にいろいろなことをやって、食べられなくなって、経口摂取が不可能になったときの人工栄養というものに対しては、老年病学会などで出しているガイドラインもありますし、でるだけ経口でやって、だめなら家族とも相談し、医療スタッフとも相談し、次の人工栄養の適用を本人と家族とよく相談して決めるということになっているのですね。なので、まず1つは、これからどうするか、やめることも含めて、抜けないかということを含めてプロセスを評価するということと、インディケーションのところで、これは急性期のニーズではなくて、慢性的な、もうずっと食べられない状態に対する処置であるということを踏まえた確認のようなものもあっていいのではないかと思っています。
20年ぐらい前ですけれども、アメリカの州によっては、IVHをやるときとか経管栄養をやると決めるときは、2人の医者が賛同しないとやってはいけないと決めているのですね。精神科の措置入院と似ているような感じをそのときは受けましたけれども、そこまでインディケーションを厳しくしていた。急性期で必要だというのは本当にそうだと思うのですね。ただ、これからのずっと療養につながる医療機関でもそれをずっとやっていくということを、単につなげるだけではいけなくて、そこで見直すプロセスは検討いただきたいと思います。
○尾形分科会長
池端委員。
○池端委員
今の御意見もごもっともだと思います。そういう意味での国民的議論も一方で必要だということだと思いますけれども、逆に一方で、その国民的議論の中で余りにも経管栄養悪説がぱっと広がってしまって、私ども、経管栄養でいけるのに拒否される。これは本人というよりも家族が多いのですけれども、そういうところでやむを得ず中心静脈栄養を入れなければいけないというところも一定程度いらっしゃるのではないかと思うのです。
そこは、逆にここの議論ではないかもしれませんけれども、広くACPも含めて国民的議論をしながらこの問題を考えていかなければいけないと思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
どうぞ、田宮委員。
○田宮委員
今、池端先生がおっしゃってくださったことは本当にそのとおりで、胃ろうとIVHの違いとか、御家族も、本当は胃ろうはどういうものか、きちっと説明をされて、納得されて選んでいらっしゃらないような感じがあるのですね。胃ろうは穴をあけるから嫌だとか何とかセンシティブに思っていて、点滴だったらそれは医療だからお願いしますみたいな。だから、そこは難しいですけれども、医療者側もできる限り説明して、国民もそこにきちんと意識を持って、事実を踏まえた上でのディシジョンができるような両方の動きをしていかないと、バランスがとれなくなるから必要だと思っています。追加でした。ありがとうございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
神野委員、どうぞ。
○神野委員
話を蒸し返して申しわけないのですけれども、さっきの神学論争的な、重症度、医療・介護必要度のマル2の話ですけれども、急性期と慢性期の話がありました。時間的に難しいので、中医協の先生方の議論になるかもしれませんけれども、マル2の期間という時間軸が、恐らく慢性期のマル2の時間軸は非常に長いし、急性期のマル2の時間軸は非常に短い。その時間軸でもしデータが出れば、公にしていただくととてもうれしいかなと思います。
以上です。
○尾形分科会長
これは事務局に対する御要望ということですか。
○木下補佐
対応可能かどうか、検討させていただければと思います。この分科会のほうにはさすがに厳しいかなと思っております。
○神野委員
今さら申しわけないです。
○尾形分科会長
牧野委員。
○牧野委員
私も蒸し返して申しわけないのですけれども、一つ、突然救命救急入院料のSOFAスコアが出てきたのでちょっと考えていたのですけれども、最後に山本委員がおっしゃったように、これは結構大変なのです。このデータを見ていても、今、1、2は義務になっていて、3、4が義務ではない。例えば敗血症でも0点というのは実はあるのです。それがICUに入れるというのは私は理解できない。恐らくこれは3、4のところがちゃんと評価できずにそんな点数をつけているのではないかという疑いを持つぐらいです。
今後、SOFAスコアを重症度の評価に用いるのはいいと思います。ただ、通常の例えば4対1のほうの救命救急に用いるには、やはり負担が大き過ぎる。救命救急に用いるとしても2、4の2対1、そこまでは同意できると思います。ただ、1、3のほうは今は無理だと私は考えます。
以上です。
○尾形分科会長
よろしいでしょうか。
それでは、次の議題に行きたいと思います。次は、「入院医療等の調査・評価分科会における検討結果 報告(案)」でございます。
事務局から資料の説明をお願いいたします。
○木下補佐
事務局でございます。入-2をお開きください。
入-2で、分科会長と御相談させていただきながら、これまで議論いただいた内容につきまして、今後取りまとめに向けた作業を少し進めさせていただいているところでございます。入-2の「今回の入院医療等の調査・評価分科会における検討結果 報告(案)」というものを御用意させていただいております。今回、できましたら次回まで御議論いただきまして、この取りまとめをお願いしたいと思っております。
先に4ページとか5ページを見ていただきますと、ページの中に白枠を設けております。ここにつきましては、本日、まさに今御議論いただいた内容を後日追加いたしまして、さらなる御検討をお願いしたいということで、白枠のままとさせていただいているところでございます。
まず、「I.概要」というところで、御議論いただきました内容につきまして、目次のような形で、1から次のページの8まで項目をまず列挙させていただいております。
以降、2ページからでございますが、まず構成といたしまして、各点数、入院料等につきまして、届け出の状況から始まりまして、30年度の改定でどういう対応をやったのか、それによってどういうことがわかったのかという順番で整理をさせていただいているところでございます。
具体的な中身につきまして、ポイントだけに絞って御説明をさせていだければと思います。
まず、2ページの「1.急性期入院医療について」ということで、まず届け出の入院料の状況でございます。平成30年の改定におきまして、急性期の一般の1~7に再編を行ったところでございます。このうち、7対1から届け出がどのように移ったかということに関しましては、30年11月1日時点で96.5%、本年度6月1日時点で93.5%が変更していたということがわかっております。
次のポツになりますが、その中でどういう理由でかということで、患者さんに対しましての医療需要があるためという理由とか、施設基準を満たしており、特に転換する必要がないという理由で、現行の急性期1を届け出ている理由が多かったという結果を得ているところでございます。
一方で、7対1から2もしくは3に転換した理由をお尋ねしているところでは、必要度の基準を満たすことが困難であるというのが最も多くて、次いで看護師の確保が困難という理由で転換されたという結果が得られているところでございます。
2ページの下から、必要度の届け出状況になります。次の3ページをお開きください。
3ページの一番上のところで、30年度の改定で方法の必要度IIを新設したということにおきまして、IIを届け出ている施設が、昨年度の調査で、急性期1だと19.3%、特定機能病院だと26.5%であったものが、今年度は29.8%と46.2%とそれぞれ増加をしているという結果を得られているところでございます。
必要度Iを届け出ている理由に関しましては、IIの届け出に対しての評価体制が整っていないという回答が多かったところでございます。一方で、必要度IIを届け出ている理由としては、逆に評価体制が整っているという理由が多かったものと、また、IIを届け出ている理由として、IIを用いた場合、評価票の記入者の負担が軽減されるという回答も多かったところでございます。
「これらの結果を踏まえ」というところでございますが、IIの届け出が進むような取り組みを検討すべきという御意見をいただいているところで、「他方」というところでございますが、IIの届け出は負担軽減に資すると思われるものの、看護師の勤務時間に占める割合としては5分程度という研究報告もあるので、その効果は限定的かもしれないという御意見をいただいているところでございます。
次の中段からでございますが、該当患者の割合の比較になります。
まず、平成29年と30年を比較した場合というところで、急性期Iにおきまして平均6ポイントの差があったということ。30年度のIとIIの該当患者の割合を比較したところ、平均で4ポイント差ぐらいというところでございました。
次でございますが、これらの結果を踏まえ、分科会においては平成30年度診療報酬改定における重症度、医療・看護必要度の施設基準の設定はおおむね妥当との認識で一致したと記載させていただいております。
また、次になりますが、それらの比較をさらに進めたところで、29年度と30年度の差や、IとIIの差につきましては、急性期1においては病床規模との関係があったということを記載させていただいております。
次に、IとIIの該当患者割合の差が大きい医療機関にどういうことがあるかというところで、Iの割合が相対的に高い医療機関におきましては、基準マル2とさせていただきますが、B項目の14、15該当のA1点、B3点の患者さんの割合が高い傾向にあった。一方で、IIの割合が低い医療機関には明らかな傾向は認められなかったということを記載させていただいています。
次の項目ですが、IとIIの各項目をそれぞれ見ていった場合の該当状況に一定のばらつきがあるところでございますが、これらは判定ルールの違い等々が原因ではないかと考えられたところでございます。
続きまして、4ページに「1-2.入院患者の状態」というものをつけております。患者さんの状態に関しましては、急性期の1だけで比較しているところでございますが、病床規模が小さいほど患者さんの年齢が高くなり、要支援・要介護の割合が高くなって、自立の患者の割合が低いという傾向が認められました。
基準マル2の該当患者について見ますと、マル2のみに該当する患者が最も多かったというところが、また、基準マル2のみに該当する患者割合は許可病床の規模が小さいほど高い傾向にあることが認められているところでございます。
続きまして、A2点、B3点を基準マル1と整理させていただいていますが、これに関しまして言うと、A2点は「呼吸ケア」と「心電図モニターの管理」の方の組み合わせでありますとか、「専門的な処置・治療」が多かった。他方で、B項目に関しましてはばらついていたという結果が得られているところでございます。
次、基準マル2のみに該当の患者さんを見てみますと、A1点の項目では「心電図モニターの管理」、次いで「呼吸ケア」、B項目につきましては「診療・療養上の指示が通じる」と「危険行動」の組み合わせ等々が多かったという結果が得られてございます。
また、基準マル2のみに該当する患者の約半分、その前日には「いずれの基準にも非該当」の状態であったというところ。また、非該当の各項目の該当状況を見ますと、A項目は約8割が該当なし、B項目では「口腔清潔」が最も多かったという結果が得られているところでございます。
また、IとIIを比較した場合の基準マル2に該当した患者さんで、A1点が「呼吸ケア」で7割、「心電図モニターの管理」で6割には、IIの評価法の中ではレセプトの処理の中のコードの入力がなかったということも、今回の調査の中で明らかになったところでございます。
一番下のポツになりますが、これらの患者を比較した場合、基準マル2のみに該当する患者さんがほかの基準に比べて年齢が高く、認知症やせん妄を有する割合が高い、要支援・要介護の割合が高い、自立の割合が低いという傾向が確認されたところでございます。また、看護師による直接の看護提供の頻度も高いところでありますが、「医学的な理由のための入院継続が必要である」割合は低く、退院に向けた課題としては「入院先の確保」「転院先の医療機関の確保」の割合が高かったという結果が得られているところでございます。
次の5ページにお進みください。ここにつきましては1-3、きょうの御議論も踏まえて追記したいと思っておりますが、現行としましては、A項目に関しましては「専門的な治療・処置」の患者の9割が1項目該当で、内訳としては「免疫抑制剤の管理」が多かったということを記載させていただいております。
次の「1-4.特定集中治療室管理料」ですが、これまでの経過等をいろいろ書いてございます。4つ目でございますが、特定集中管理料の1及び2につきましては、30年改定におきましてSOFAスコアの報告を要件とさせていただいたところでございます。この入力の時期に関しましては、3~4割は改定前からやっていたということ。先ほど議論がございましたが、3と4につきましても今8割ぐらいが入力をいただいているということがわかっているところでございます。本日の議論を踏まえまして、さらなる追記をしたいと思っております。
5ページの下から、専門性の高い看護師の配置に関してのところでございます。ポツを3つ御用意しておりまして、現行の特定集中の1と2では約9割のところで専門性の高い看護師は既に配置されている。平均として2名、時間としましては延べ60時間というところで、現行の経過措置に関しましては終了を検討してはどうかという御意見をいただいているところでございます。
早期のリハに関しましては今5割ぐらい、特定集中2では8割の届け出をいただいているところでございます。
早期のリハにつきまして、開設主体の分析を行ったところでございますが、特定の傾向はなかったということでございます。
次に話ががらりと変わりまして、短期滞在手術のお話になります。短期滞在手術の算定状況等、現行のものを幾つか記載しているところでございますが、ポツの3つ目でございます。まず、短期滞在の2につきましては、手術に伴う1泊2日を包括した点数でありますが、今の実際の対象手術の平均在院日数は2日を大きく上回っていること。次の短期滞在の3につきましては、4泊5日以内の入院を包括した点数でございますが、一定のものにつきましては入院外で実施される割合が高いものも認められたところでございます。
これらの短期滞在の2に関しては、そもそも算定回数が少ないというところでありますとか、平均在院日数の実態等々を踏まえまして、現行の点数・期間が実態に即していないのではないかという御意見をいただいているところでございます。
短期滞在の3に関しましては、4泊5日よりも短い日数のものや、外来で多く実施されているものもあるということで、短期滞在の1もしくは2の対象手術として検討してはどうかという御意見をいただいております。
「他方」というところで、これらを外来でやっているからといっても、高齢の方は合併症があるということで入院が必要な方もいるのではないかという御意見もいただいているところでございます。
次の「1-6.急性期入院医療に関するその他の事項」で、まず、総合入院体制加算を御紹介しております。
まず、7ページの一番上でございますが、算定状況はほぼ横ばいという状況でございます。届け出の変更も特にないというところでございますが、加算の要件のうち、精神病床に係る要件を満たすことが困難という回答が一番多かったということを記載しております。
「これらの結果を踏まえ」というところでございますが、精神病床の要件の見直しを検討してはどうかという御意見と、一方で、精神病床を有している医療機関の役割を考えると、要件としては妥当ではないかという両方の御意見をいただいているところでございます。
また、要件の一つとなっております産科の標榜等の要件につきましては、地域における医療機能の集約化の障壁となっている可能性もあるのではないかという御意見、また、総合入院体制加算の趣旨に鑑みて、施設基準の整理を検討してはどうかという御意見をいただいているところでございます。
続きまして、抗菌薬適正使用支援加算に関してでございます。こちらに関しましては、今の届け出状況というところでは、急性期の一般の1、特定機能病院、専門病院において多かった。また、専従の職員は看護師が8割でありました。
これに関しましては、多くの施設でいろいろな介入をいただいているところでございますが、把握している抗菌薬につきましては少しばらつきが認められたところでございます。
また、医療機関の中の体制といたしましては、副作用についてチームが把握する体制がないという回答が半分ぐらいから得られているところでございます。
また、次の地域との連携を評価した項目でございますが、周辺地域の医療機関からの相談の実績に関しましては、半数で実績なしということでございました。
これらの結果を踏まえまして、この加算には一定の効果があったという御意見と、地域における医療機関間の支援がさらに進むような見直しを検討してはどうかという御意見をいただいております。
続きまして、「2.地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料について」に移らせていただきます。まず、7ページの最後の行でございますが、届け出の増加が顕著であると、現行の届け出状況から始めておりまして、次の8ページに行っていただきまして、届け出の理由としまして2つ挙げさせていただいております。より地域のニーズに合った医療を提供できるためというのが最も多かったところで、「次いで」というところで、経営が安定するためという御回答をいただいております。
それらの趣旨に関しましては、自院の転棟先というのが最も多くて、次いで在宅医療の後方支援という御回答をいただいているところでございます。
また、次のポツでございますが、30年度の改定におきまして実績の要件というのを入れていただいたところでございます。これに関しまして、自宅等から入棟した患者割合が2割から3割というところが一番多く、自宅から緊急入院の受け入れというところでは3カ月で5~9名というところが最も実績として高かったところでございます。
一方で、ほかの実績要件としてかかっているところでございますが、訪問診療の3カ月で20回以上という要件と、介護保険におけるサービスを提供している、この2つの要件を満たす割合が高かったのですが、そのほかの要件が幾つかあるところでございますが、それらを満たしているところは少なかったという結果も得られているところでございます。
一つ飛ばしていただきまして、それらの届け出機関のうち入退院支援部門の設置状況ですが、約1割でそういった部門がないという結果も得られているところでございます。
これらを踏まえると、最後のところでございますが、いろいろな必要な見直しを行ってはどうかという御意見をいただいている。あと特にACPに関しましては、1と3、2と4で差を設ける必要がないのではないかという御意見もいただいているところでございます。
8ページの下からでございますが、地ケアに入られている入院患者の状態というところでございます。
ポツの2つ目で、入院期間中の手術の実施状況でございますが、眼内レンズ挿入と内視鏡的大腸ポリープ粘膜切除術が多かったという結果が得られておりますし、次のポツでございますが、疾患別リハに関しましては33%でやっていないという結果がわかったところでございます。
一番下にありますが、その実施していない患者さんのADLを見ますと、介助を要する患者さんが多く、一方で病態は安定していたという結果が得られております。
9ページにお進みください。これらの実施していない患者さんの割合を医療機関ごとにみると、ばらつきがあったところでございますが、一部におきましては半分以上に実施していないという医療機関も一定程度ございました。
これらにつきまして、リハの実施が少な過ぎるのではないかという御意見と、これらに関しましては、疾患別のリハができない患者さんにはそれ以外のケアを実施しているという御意見をいただいているところでございます。
次の2-3からでございますが、患者さんはどこから来てどこに行っているかという状況でございます。
地域包括ケアに関しては、入棟元が一番多かったのは、これまでお示ししているとおり、自院の一般病床から来て、退棟先としては自宅が多かったという結果が得られております。
病床規模別に見た場合でございますが、規模が大きいほど自院の一般病床の割合が高くなる、他院の一般病棟が低くなるという結果が得られております。他方で、退院先に関しましては、病床規模にかかわらず自宅が多かったという結果になっております。
さらに、入棟元の組み合わせをいろいろ見ているところでございますが、一般病棟がある場合とない場合を比較した場合、自院の一般病床の入棟が多くなり、他院の一般病棟が少なくなる。退棟先には余り差がないという結果が得られているところでございます。
さらに次のポツでございますが、入棟元の全ての患者が一般病床から入棟しているところが多かったところでございまして、さらには自院の一般病床が占める割合が多くて、それが最も多いという結果が得られているところでございます。
「これらの結果を踏まえ」というところですが、自院における転棟割合が高い医療機関については、地域における機能分化を適切に進めるべきということで御意見をいただいているところでございます。また、許可病床が逆に小さい医療機関は在宅からの入院割合が相対的に高いことを受けまして、地域包括ケアの役割を適切に担っていると言えるのではないかという御意見をいただいております。
次のポツになりますが、在棟日数を比較したところでございますが、入棟元が自院の一般病床とか自宅からに関しましては平均で25~30日であるのに対しまして、入棟元が他院から来ているところに関しましては平均で47.5日と長かったという結果が得られております。
最後のポツに関しまして、前回の御議論を踏まえて、DPCから地ケアの病棟・病室に移動する場合と他の病棟に転棟する場合ということで、さまざま点数の差があるということで、加算等の取り扱いも異なっているという状況でございます。これに関連しまして、さらに転棟するタイミングがどうなるかというと、DPCにおきます点数が地ケアの点数を下回るタイミングに偏っていたという結果も示させていただいているところでございます。
10ページに「これらの結果をふまえ」ということでまとめさせていただいておりますが、施設基準等の要件が同じであるにもかかわらず、点数が異なることは合理性を欠くのではないかという御意見をいただいたところでございます。また、転棟時期が偏っている場合があるということにつきましても、患者さんの状態に応じた適切な管理と言えるのかという御意見をいただいているところでございます。ここまでが地ケアでございます。
10ページの上のほうから、今度は回リハのお話でございます。回リハに関しましては、地ケアほどではないですが、全体として届け出の病床数は増加傾向、さらには1と2の占める割合が増加傾向というところでございます。5、6に関しましては、全体の3%程度を示しているというところでございます。
ポツを1つ飛ばしまして、管理栄養士の配置というところで、30年度改定で1のほうで望ましいという要件を入れているところでございますが、約8割で配置されている。また、要件となっていない2、3、4いずれにおきましても5割ぐらい配置されているという結果が得られているところでございます。
また、回リハに関しましては、先ほどと同じように入棟と退棟先でございますが、入棟元としては他院の一般病床が66.9%、退棟先としましては自宅が51.1%という結果が得られているところでございます。
次に、「3-2.入院患者の状態」です。栄養摂取状況でございますが、約8割が経口摂取ではあるものの、2割の方に関しましては嚥下調整食が必要ということで、こういった患者さんも結構入っているという結果が得られております。
また、次の「3-3.リハビリテーションの提供状況」をまとめております。頻度としましては、週当たりの7~14回、単位数も30~45単位ということで、頻度、単位数とも、当然でございますが、入院料1が最も多かったという結果が得られております。
次の11ページでございます。ポツの2つ目でございますが、実績指数に関しましては全体的に上昇傾向にあった、また、算定要件に実績指数が含まれているところでは高い傾向があったというところが見てとれます。
さらに、実績指数を少し掘り下げたのが3-4でございます。発症から入棟までの期間が短いほど、得点の変化が大きい傾向である。また、提供した単位数が多いほど、FIM得点の変化が大きいということが認められました。さらには、得点の変化を見ますと、入院料1で最も大きかったという結果でございます。
ポツの4つ目でございますが、経年の推移を見たところで、入棟時の値につきましては28年度以降やや低下傾向、退棟時に関しましてはほぼ横ばいということで、いろいろ見ているところではございます。
ポツを2つぐらい飛ばさせていただきまして、最後になりますが、これらの結果を踏まえ、FIM得点の経年的な変化については、測定の精度の担保等を含め、適切な運用を促す仕組みが必要ではないかという御意見をいただいているところでございます。
11ページの最後のところから慢性期のお話になります。まず、届け出状況等でございますが、近年微増という傾向でございます。
12ページにお進みいただきますと、今の経過措置云々の話も含めまして、医療区分2・3の該当患者割合5割を満たすことが困難という理由をいただいているところでございます。
ポツを1つ飛ばしまして、医療区分2・3の該当患者割合に関しましては、昨年度、今年度のどちらも9割、療養の2では7割程度という結果が得られているところでございます。
それらの医療区分・ADL区分を見ていきますと、例えばポツの2つ目でございますが、3カ月間の医療区分の変化はほとんどの患者さんで同じ。医療区分が上がるにつれて、ADL区分3の割合が増加するという傾向も見てとれるところでございます。また、患者さんの疾患を見ますと、脳梗塞、脳出血の方が多かったというところでございます。
また、きょう御議論いただいたところでございますが、各医療区分の該当項目、1項目が最も多いのは、医療区分3だと中心静脈栄養、医療区分2だと喀痰吸引が多かったという結果も得られているところでございます。
次は、本日の議論を追記した上で、また御相談したいと思っております。
12ページの一番下から、膀胱留置カテーテルのお話、前回の御議論を踏まえたものを記載しておりまして、留置状況としまして24%の患者さんに留置されている、そのうち74.1%が3カ月以上留置されていたということ。
13ページにお進みください。これらの患者さんに対しまして、算定している病棟とそれ以外の病棟と比べたところでございます。算定しているところでは、患者割合が6割以上という病棟はなかったということを記載させていただいております。
これらの指導料が算定できない理由に関しましては、医師の確保が困難、あとは対象者がいないということが理由として挙がっているところでございます。
これらを踏まえまして、排尿自立に向けた取り組みを促すという観点から、必要な見直しを行ってはどうかという御意見をいただいております。
療養病棟のその他の事項といたしまして、まず1つとしまして在宅の強化加算でございますが、算定状況を昨年度と今年度を比較したところ、ふえているところで、現行は34%まで来ているところでございます。
ポツを1つ飛ばしまして、療養病棟への入棟元は自院または他院の急性期が多かったところですが、退院先に関しましては約半分がお亡くなりになっているという結果が得られております。
また、看取りに関する指針の策定によって、患者・家族の理解が深まったというところもありますが、困難な理由としましては、入棟前に説明がされていないという御回答が多かったところでございます。
最後のポツになりますが、約7割の療養病棟におきまして、質の高い療養生活の取り組みを実施していた。取り組みによる効果としては、「身体機能の維持・向上」が最も多かったという結果も得られているところでございます。
4-4で障害と特殊のお話になります。こちらにつきましては、ポツの1つ目で、包括範囲が異なるものの、患者像につきましては類似していること。
ポツの4つ目でございますが、それらの患者さんの状態としまして、意識障害がある患者さんは3割、障害支援区分に該当する方が2~3割、また、約6割の方が身障手帳の等級が1級もしくは2級という結果が得られているところでございます。
14ページから、横断的事項をまとめさせていただいております。
まず1つ目でございますが、入退院支援の加算等々の状況でございます。こちらにつきましては、30年改定におきまして入院時の支援加算の新設とか退院時の共同指導料の見直しを行ったところでございます。
これらの加算の届け出状況でございますが、他の項目と類似しているところでございますが、急性期1と特定機能病院でこれらの算定が多いというところは見てとれますし、また、困難な理由としましては、やはり人員の確保ということで、専従の看護師の配置が難しいとか、専任の看護師、社会福祉士の配置が困難という理由をいただいているところでございます。
これらの届け出の有無と平均在院日数の関係を見たところでございますが、いずれの入院料におきましても、届け出ありの施設のほうが平均在院日数は短い傾向が認められたというところでございます。
一方で、ポツを1つ飛ばしていただきまして、病棟に入退院支援の専従もしくは専任の職員が配置されている場合の効果について見ると、専従職員のいる施設と専任の施設との間に大きな違いは見られなかったところも見てとれます。
これらが難しい理由としましては、時間を十分に割くことができない、職員の確保ができなくて調整ができない、家族との日程の調整が難しいというような御意見をいただいているところでございます。
また、退院を困難にしている理由としましては、地域で看取りを行える介護施設が少ないという回答が一番多かったところでございます。
一番下のポツになりますが、今回、入院時支援ということで入院前から評価をいただいているところでございますが、いずれの項目におきましてもおおむね8割以上、さまざまな項目を取り組んでいただいたところでございますが、「褥瘡に関する危険因子の評価」とか「栄養状態の評価」がまだ低かったという結果が得られております。
14ページの下から、今度は退院時の共同指導のお話になります。今回、ビデオ通話等との活用もという要件を入れたところでございますが、なかなか対象者がいないというところと、時間の確保ができないという御意見をいただいているところでございます。ここまでが入退院支援の関係でございます。
次の5-2から、また話が変わりまして、「診療実績データの提出に係る状況」でございます。入院料ごとにそれぞれデータの提出をいただいているところでございますが、現行、まだ対象が経過措置であったり、一部の部分がまだ対象となっていないものの整理をしているところでございます。
まず、現行でございますが、回リハのうち、届け出をいただいているのが62.3%、療養におきましては29.5%、一般病院を分母としますと約6割の病院に提出をいただいているところでございます。
これらの要件を見直すとしたら、次のポツの2つ目の最後のところでございますが、この要件を50床以上とした場合、回リハだと87.2%、療養だと91.7%が対象となるという試算を示させていただいているところでございます。
これらに関しまして、拡大する必要があるのではないかという御意見と、電子カルテのシステムの導入状況等を踏まえて、許可病床の少ない病院については提出が難しいのではないかという御意見をいただいているところでございます。
16ページにお進みください。今度は、対象ではなくて項目に少し話を移させていただいております。まず、30年の改定の中で回リハにFIMを追加したり、療養の中に要介護度等の項目の追加をいただいたところでございます。
これらの見直しについて、次のパラグラフでございますが、やはり入力にかかる負担を考慮する必要があるという御意見が多かったと記憶しております。その中で、個別の項目について、療養において要介護度をいただいているのですが、急性期につきましても要介護度は必須としてはどうかという御意見。一方で、回リハで今とっているFIMにつきましては、それをほかに広げるということに関しましては負担が大きいので、必須とするのは難しいのではないかという御意見をいただいているところでございます。また、るる項目が今あるところの整理も必要だろうという御意見をいただいております。
次にまた話が変わりまして、提出データの評価加算の話でございます。こちらも30年の改定の中で新たにつくった項目でございますが、ここについては、いわゆる様式1とか、外来EFファイル、あとはレセプトの記載の中の未コード化の傷病名を減らすということで、今、創設をいただいたところで、算定要件としましてはそれらの割合が10%未満という場合に加算がとれるという状況でございます。
この加算の算定状況ですが、対象となる医療機関のうち9割が加算を算定している。導入した結果としまして、レセプトに占める未コード化傷病名の割合が29年12月と30年の12月を比較したら1%減少していたということで、一定の効果が見られたところでございます。
それぞれ様式1とか外来EFファイルに関しましては、この未コード化傷病名はほとんど1%未満であるのですが、レセプトにおきましてはまだ10%以上という医療機関が1割程度あるということが今回の分析でわかったところでございます。
17ページでございますが、これを踏まえてどうしていくかというところでございます。現行の4%を踏まえて評価対象の割合について見直してはどうかという御意見。また、これをどうするかということで、未コード化傷病名の割合を減らすという当初の目的を果たしたという御意見もある一方で、今後、回リハとか療養でデータ提出加算が広がるということであれば、その対象が広がることによって未コード化傷病名の割合がまた変わるのではないかということで、慎重な検討が必要ではないかという御意見をいただいたところでございます。
「その他の事項」ということで、認知症ケア加算の話とかせん妄の予防のところを記載させていただいております。認知症ケア加算につきましては、急性期1だと8割ぐらいが加算1もしくは2をいただいているところでございます。
届け出がない理由としましては、医師の確保が厳しいということで、この要件の見直しを検討してはどうかという御意見をいただいております。
せん妄の予防につきましては、介入のタイミングとか、さまざまな対応ということで、少しばらつきがあるということで、そのばらつきが確認できたというところでございます。
その他ということで総合評価加算のお話を少し記載させていただいておりますが、ガイドラインを使用しているという回答の割合が少し少なかったという結果を記載させていただいております。
18ページに進んでいただきまして、これら総合評価加算につきましていただいた御意見としましては、他の項目との整理が必要ではないかということと、創設した当初の目的を一定程度果たしたのではないかという御意見をいただいているところでございます。
次に、患者サポート加算につきましては、現行の届け出の有無によらず窓口では対応しているという機関がほとんどであったという実態が確認できたところでございます。
「6.医療資源の少ない地域について」というところで、これまで対象の一部拡大を行ってきたところでございますが、算定回数はやや増加傾向でありますものの、とれていない項目がありますよねというところ。
ポツの4つ目で、診療報酬による対応には限界があるのではないかという御意見をいただいているところでございます。
7番目につきましては、中長期的な検討ということで、林田先生から御紹介いただきました松田班における研究の状況を御報告させていただいたところでございますが、現行、これにつきましては、急性期から長期療養まで含めた入院医療の適切な評価指標や測定方法について検討を行ったというところでございます。
検討内容につきまして分科会のほうに御報告をいただきまして、次の19ページでございますが、いただいた幾つか御紹介いたします。急性期と長期療養では目的が異なるということで、それを踏まえた評価指標を検討すべきという御意見でありますとか、急性期から長期療養までシームレスに把握・評価することを検討すべきという御意見。2つ目でございますが、今のB項目が患者の状態と介助実施の有無を合わせた評価となっていることから、現在のデータを用いて正確な評価をするのは難しいという御指摘をいただいているところでございます。こちらにつきましては、引き続き作業グループにおいても意見交換を行うこととさせていただいております。
19ページからDPCの話でございますが、19ページ、20ページ、さらには21ページの上までは、前回、DPCの山本先生から御報告いただいた内容を基本的に転記させていただいたので割愛させていただきまして、21ページの8-2までお進みください。医療機関別係数につきまして、少し整理をさせていただいているところでございます。
医療機関別係数につきましては、30年度改定におきまして一連の置きかえが完了したところでございます。激変緩和係数が今残っているところでございます。それを含めまして3点、医療機関別係数のお話を記載させていただいております。
1点目としましては、治験等の実施ということで、現行の評価が入っているところでございますが、22ページの一番上をごらんください。現行は、臨床研究中核病院におけます要件等々を参考にしながら、ここの項目について見直しを検討してはどうかという御意見をいただいております。
機能評価係数の2つ目としまして、次の新型インフルエンザの項目でございますが、こちらにつきましては平成26年度の診療報酬改定におきまして、機能評価係数IIで評価するという方針はお示しいただいたところでございますが、個別の病院の指定状況の把握が困難という実務的な問題がございました。
それに対しまして、ポツの3つ目でございますが、現行、協力医療機関というものが公開されまして、どの医療機関が対象になったかということが明確になりましたので、次の令和2年度からは、機能評価係数IIにおいて評価を行う必要があるということを記載させていただいております。
3つ目としまして、激変緩和係数につきましては、30年度の改定でも改定年のみプラスマイナス2%で対応を行ったところでございまして、次の令和2年度の診療報酬改定においても同じような激変緩和措置を置く必要があるというのを記載させていただいております。
次の8-3、最後の項目になりますが、退院患者の調査の項目に関してでございます。基本的に、現行いただいているデータの公開につきましては、それぞれ公開を進めるという方向でいただいておりますし、対象の病棟につきましてもその範囲を拡大してはどうかというところ、さらに、最後、23ページになりますが、公開データの集計方法というところで、それらのFIMとか要介護度の公開だけではなくて、それらの背景等の解釈が可能となるように、病床数、平均年齢、必要な項目をあわせて公開することとしてはどうかという御意見をいただいております。また、病棟の種別ごとの集計についても検討してはどうかという御意見があったところでございます。
駆け足でございますが、以上になります。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
最初にお話がありましたように、これまでの議論を踏まえた検討結果の報告案ということでございます。きょうの議論の部分はまだ白紙になっているということでございますが、残りあと10分ちょっとしかないのですが、次回もう一回御議論いただいてまとめを諮りたいと思いますが、とりあえず今の段階で御意見、御質問等を承りたいと思います。
石川委員、どうぞ。
○石川委員
基準マル2と出てくるのですけれども、基準マル2というのは、最初の表でマル1、マル2、マル3、マル4という丸をつけてちゃんとやらないと、これは後世に残る文書になるので、ちゃんとしておいてもらいたいのです。よろしくお願いします。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
池端委員、どうぞ。
○池端委員
細かいところで申しわけないのですけれども、まず8ページの3番目のポツ、入退院支援加算に関して、これは質問ですけれども、これは地ケアの入退院支援加算のことを言っていると思うのですけれども、入退院支援加算は一般病床からの地ケア病棟管理料しかとれないのではないでしょうか。療養病床からはとれなかったのではないかと思うのですが、違いましたか。後で確認をお願いします。ちょっとそう聞いていたもので、違っていたらごめんなさい。
もう一つ、地ケアのところで、9ページの一番上の疾患別リハビリテーションができない場合に、患者にそれ以外のケアを実施しているという意見があったと。これは曖昧な言い方なので、ケアの実施というよりも、もう少し内容を、このときにいろいろ出た中では短時間のリハビリテーションを行ったり、退院支援を行ったりとか、いろいろなことがあったと思うので、少し内容を書き込んでいただかないと、ケアというと何をやっているかわからない感じなので、そのときの意見を踏まえてもう少し詳しく言っていただくといいかなと。これは意見ですけれども、お願いします。
もう一つだけ、療養のところで、11ページの下の慢性期入院医療、4-1の最後のポツで、療養入院基本料1が90%、療養2は70%とうたってあるのですけれども、平成30年度の概要データではこれは減って65%だったと思うのです。90、70と書くと、次にもっと上げられるのではないかというイメージが出てしまうのがちょっと心配なので、できたら65という数字も入れていただきたいという気がしました。
それと、もしポツが書き込めるのだったら、分布も、1の場合は80以上に集約されていましたけれども、2に関してはかなりパーセントの分布が分散していたので、この50という線を動かすのが難しいということを私はお話ししたと思うので、もし書き込めたらお願いしたいと思います。これはお願いなので別に構いませんけれども、ちょっと数字のことだけ気になったのでよろしくお願いします。
以上です。
○尾形分科会長
最初の点はわかりましたか。
○木下補佐
改めて確認をさせていただければと思います。
○尾形分科会長
それでは、お願いします。
神野委員、どうぞ。
○神野委員
DPCのところになると、時々わけのわからない質問をして恐縮なのですけれども、教えていただきたいのですが、思想的な問題だと思うのですけれども、21ページの下の治験のところの臨床研究中核病院に関するところ、その次の新型インフルエンザ対策のところ。新型インフルエンザ対策については、平成26年の診療報酬改定からということですので、今さら感があるのですけれども、これは両方ともいわゆる政策医療という国の政策にのっとってやっていることを診療報酬で解決するのかどうかという話です。
例えば新型インフルエンザに関しても、これはきちんと政府の行動計画にのっとっていますので、これは診療報酬なのか、それとも別途補助金等で、患者さんからもらったお金でやるという話なのかどうか。その上の臨床研究中核に関しても、これは日本の研究のためにやらなければいけないのだけれども、これを患者からもらったお金でやるのか、文科省とか厚労省の別途の費用でやるべきなのかというところの思想的なことを教えてください。
○尾形分科会長
なかなか大きな話です。
医療課長、お願いします。
○森光医療課長
まず、新型インフルの関係ですけれども、もちろんそういう御意見はあると思いますが、これは26年の改定の際に議論になって、新型インフルの具体的な病院が決まったのは今ということでございますけれども、全体の体制、行動計画ができたときに、それぞれの病院の評価を診療報酬の中で行うということは中医協の総会で決まっております。
いろいろ御意見があることはわかりますけれども、そういう経緯がございまして、このような、何か起きたときのために対策をとっておくという病院の体制の評価であるということを御理解いただければと思います。
もう一つ、臨床研究中核病院の話ですが、臨床研究の関係については昔と今で随分変わってきております。基本的にはいろいろな技術とか新しいものに関して、保険に入る前に当然出てくるものもありますけれども、保険に入った後の臨床研究で技術を評価していくということが、ある意味、今の保険の導入と同時に進んでいる部分がございます。ですので、例えば新しい技術についてもレジストリをちゃんとやっていく。そのことによって再評価をして高くしたり、下げたりということもあるということで、臨床研究というものについて、診療と完全に分かれているということではなく、質の高い臨床研究というものは診療を支えているということはあると思います。
その中で、臨床研究中核病院というのが、患者申出療養とか先進医療という中ではかなり頑張って、一定の役割を持ってやっていただいているということがありますので、これについては臨床研究中核病院そのものではなくて、保険の仕組みの中の基準として評価されてもいいのではないかということで提案がなされているということだと思います。
○尾形分科会長
神野委員、どうぞ。
○神野委員
ありがとうございます。
決まったことなのであれなのですけれども、そんなことはないと思うけれども、例えば大学病院に脱腸の手術で入ったけれども、機能評価係数IIがついているから医療費が高くなってしまうわけですね。臨床研修の対象の患者さんではなくて、ほかの患者さんもみんな高くなってしまうというところに、これでいいのかなということを思ったのです。これはひとり言です。よくわかりました。
○尾形分科会長
井原委員、どうぞ。
○井原委員
9ページの一番下のポツと10ページの一番上のポツ、DPC病棟と地域包括ケア病棟の関係のことでございます。前回のこの分科会で牧野委員の御質問とその後の空気感から私が発言をしたのですが、私の考えを明確にしておきたいと思います。
DPC対象の病棟から地域包括ケアの病棟に転棟する場合と、地域包括ケア病室に転出する場合で点数が異なっているということについては、私も病棟、病室の施設基準等を考えますと、やはり合理的とは言いがたいと思います。
DPCの点数と地域包括ケア病棟に転棟した場合の点数が異なるということで、DPC病棟より地域包括ケア病棟の点数が高くなるタイミングで転棟する症例があるということは、今回、調査で確認されておりますので、これは必ずしも患者さんの状態に応じた管理ということだけでは説明がつかない可能性もあると思っています。
したがって、DPCの制度設計といいますか、点数の設定を検討するに当たっては、今申し上げたような点を踏まえて、患者さんの状態に応じた適切な医療が提供されるような見直しは当然するべきではないかというのが私の考えです。
結論的には、転棟された場合でもDPCの点数をそのまま算定するほうがよいのではないかと考えているということでございます。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
池端委員、どうぞ。
○池端委員
16ページですけれども、提出項目の追加や内容の見直しのところで4行目、2つ目のポツのところですけれども、「療養病床においてのみ提出を必須とする要介護度について、急性期病棟等においても」と書いてありますけれども、私はうろ覚えなのですが、療養病床は要介護度と、あと栄養指標もDPCに入っていたかと思うのですけれども、これも前のところで回リハにも管理栄養士云々ということもありますし、やはり栄養指標をできれば一般病床も含めて出していただいたらいいかと私は言って、皆さんもある程度賛同いただいたような気がするのですけれども、これは要介護度だけになっているのですが、これについて事務局として何かありますか。
○木下補佐
前回、私どもの検証・調査の項目と今いただいている項目が違うという資料は御提示させていただいて、そこは評価の方法は合わせたほうがいいのではないかという御議論をいただいたところでございます。それをほかのところにも広げるかどうかというのは、あの場では私どもは中身の例示として挙げさせていただいたところでございますけれども、対象を広げるかどうかまでは事務局の御提案には含めていなかったところでございますので、この場の議論として広げる必要があるという結論であれば、その旨、追記させていだたきたいと思います。
○尾形分科会長
よろしいですか。
○池端委員
私はそう思って、一般病床の先生方は栄養指標等を入れることに対して反対があれば別ですけれども、いかがでしょうか。
○木下補佐
栄養指標といいますか、どこから摂取しているかという情報ですので、今の検証・調査の中では提出いただいているところでございますが、それを今の急性期のほかのところで入力いただくかどうかというお話かと思います。
○尾形分科会長
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
牧野です。
池端委員のおっしゃっているのは、要介護度ということだけではなくて、要介護情報というのもたしかついていたはずなのです。それも含めて急性期で出すことは可能だと思います。
○尾形分科会長
菅原委員、どうぞ。
○菅原委員
手短に。18ページのところですけれども、松田先生のグループの報告に基づいて、中長期的な評価の検討についての話があったと思うのですが、その際に、私と健保連の代表の委員の先生から、基本的に病院等の自発的な効率化努力をきちんと評価できるような指標を踏まえたほうがいいのではないかという指摘があったのですけれども、それがここに反映をされていないような気がいたしますので、議事録をきちんと確認をしていただいて、できればそれを入れていただければありがたいと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
それでは、少し時間をオーバーしてしまいましたけれども、本件に係る質疑はこのあたりにしたいと思います。
本日の議題は以上でございます。本日の議論を踏まえまして、事務局におかれましてはこの取りまとめ案の再整理をしていただきまして、次回は取りまとめに向けた議論を引き続き行いたいと思います。
それでは、次回の日程等につきまして、事務局からお願いします。
○木下補佐
事務局でございます。
ただいまの分科会長からの御指示を踏まえまして、本日の議論で追加の内容等も整理させていただきまして、次回、資料の準備をさせていただきたいと思います。
また、きょうは時間が限られていたこともございますので、追加の御意見等がございましたら事務局までお知らせいただければと思います。整理に当たりましては、引き続き分科会長と御相談させていただければと思っております。
次回の開催につきましては、10月30日を予定しております。詳細につきましては改めて御連絡させていただきます。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、以上をもちまして、令和元年度第10回「診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)」を終了させていただきます。長時間にわたりまして熱心な御議論をどうもありがとうございました。

 

 

(了)

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