ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会))> 令和元年度第7回入院医療等の調査・評価分科会・議事録(2019年9月19日)
2019年9月19日 令和元年度第7回入院医療等の調査・評価分科会・議事録
○日時
令和元年9月19日
9:59~11:56
○場所
全国都市会館第2会議室(3階)
○出席者
【委員】
尾形分科会長、山本委員、池田委員、池端委員 |
石川委員、井原委員、奥委員、眞野委員、神野委員 |
菅原委員、武井委員、牧野委員、松本委員 |
【事務局】
医療課長、医療技術評価推進室長他 |
○議題
1.診療実績データの提出にかかる評価
2.短期滞在手術等基本料
3.入院患者の評価指標等
4.DPC/PDPS等作業グループの分析についての報告
○議事
○尾形分科会長
おはようございます。それでは、ただいまより、令和元年度第7回「診療報酬調査専門組織・入院医療等の調査・評価分科会」を開催いたします。
まず、委員の出欠状況について御報告申し上げます。本日は、田宮委員及び林田委員が御欠席ということになっております。
それでは、早速議事に入りたいと思います。本日の議題の「診療実績データの提出にかかる評価」につきまして、まず議論を行いたいと思います。事務局のほうから資料の説明をお願いします。
○木下補佐
おはようございます。事務局でございます。
お手元に資料、診調組 入-1を御用意ください。
2ページ目をごらんください。本日御議論いただきたいテーマを3つ御用意しておりまして、診療実績データの提出にかかる評価、短期滞在手術等基本料、入院患者の評価指標等について、3つ資料を御用意させていただいております。それぞれ関連性が薄いということもございまして、一つ一つにつきまして御検討いただきたいと思っております。
3ページにお進みください。大きく2つに分けまして、データ提出加算及び提出データ評価加算につきまして、まず点数の概況を御説明いたします。
4ページをごらんください。まずデータ提出加算についてですが、1と2が分かれておりまして、1につきましては入院データのみ、2につきましては入院データ+外来データを提出いただいているところでございます。
許可病床数200床以上と200床未満で点数の差を設けているところ、またさらには、提出データ評価加算につきましては、データ提出加算のほうに20点の加算が設けられているところでございます。
次の5ページでございますが、データ提出加算を提出いただくに当たりましての施設基準でありますとか実施に必要な体制、さらには提出いただくデータを6枚目におつけしておりまして、その中で、患者さんの病態等の情報等が含まれている様式1、DPCに用いますさまざまなファイル、また出来高情報としてのEFのファイル等を今データとして御提出いただいているという状況でございます。
次の7ページでございますが、これらの届け出を要件としている入院の基本料等につきましては、7枚目にありますように、26年の改定導入後に順次拡大してきているところでございます。順に申し上げますと、26年の段階におきましては、一般病棟の7対1入院基本料、特定機能病院、専門病院、それに地域ケア病棟につきまして、この要件とさせていただいたところでございます。
28年にはそれを10対1に広げまして、直近の改定であります平成30年におきましては、回リハ、療養の一部、さらには急性期一般の2~7につきまして対象として拡大してきたところでございます。
8枚目におきましては、30年の診療報酬改定におきます附帯意見の中におきましても、2にございますように、「データに基づくアウトカム評価の推進の観点から、より適切な評価に資するデータ提出項目の追加やデータ提出を要件化する対象病棟の拡大について引き続き検討すること」という御意見をいただいているところでございます。
続きまして、9ページから現状を御説明してまいりたいと思います。こちらにつきましては、まず分母に全医療機関8,357を置きまして、そのうちデータ提出加算を算定している病院の数が4,425と52.9%を占めているところでございます。
次の10枚目に進んでいただきますと、こちらは一般病院を分母とした場合のデータ提出加算を算定する病院の割合は60.6%ということで、27年から年々ふえてきているという状況でございます。
次に11枚目でございますが、現在、一部の病棟が対象となっているものとしまして、回リハと療養がございます。回リハにつきましては、全体で見ますと対象となる病床数のうちの62.3%が直近のデータでデータ提出をいただいているところでございます。算定している入院料別に表をつけておりまして、回リハの1、2は少し高目になっていますが、3、4、5、6につきましては少し相対的に低くなっているという状況でございます。
一方で、データ提出加算の療養の状況でございますが、全体で見ますと、病床数ベースで29.5%となっておりまして、こちらにつきましては現行200床以上という要件がかかっているということで、全体に占める割合は低くなっているという状況でございます。
現行のデータ提出加算の状況をまとめたのが13枚目でございまして、横軸に許可病床数を置いて、縦にそれぞれの算定する入院料、入院基本料を並べているところでございます。順に御説明いたしますと、一番上の7対1、10対1、地域包括ケアにつきましては、病床数にかかわらず、全て提出をいただいているところでございます。
次の10対1の200床未満、さらには回リハの1、2、3、4におきましては、本年3月まで50床以上については経過措置がございましたが、もう既に経過措置が切れておりますので、全て提出いただく状況となっております。一番右にあります50床未満又は、保有する病棟が1の場合につきましては、今年度の末まで経過措置が残っているという状況でございます。
次に3段目でございますが、回リハの5、6と療養病棟につきましては、200床以上につきましてはこの3月で経過措置が切れておりまして、残りの200床未満につきましては、現行、データの提出は不要という要件となっております。
※書きにありますように、昨年、経過措置を一部追加したものがございまして、それを御説明しているのが14枚目でございます。こちらにありますように、医療機関全体で見れば、許可病床数が200床以上超えている場合にあるのですけれども、他方で、個々の病棟を見た場合に、主にどちらの病棟が主となるかによって状況が一部異なったところはございます。
医療機関のAを見ていただきますと、データ提出加算が要件となる入院料が200床以上の場合につきましては、当然データをいただくということになっているのですけれども、下のBにありますように、データ提出加算が要件となる入院料、例えば急性期だったりした場合に、これは50床。他方で、データ提出加算が要件とならないような回リハの5、6とか療養のほうをあわせ持つことによって200床以上になるというような医療機関におきましては、昨年の4月に要件を見直したことにより対象となったところではございますが、なかなか体制が追いついていないという実情もございましたので、下のようなBのパターンにつきましては、来年の3月まで経過措置を延長する対象という見直しを改定後にさせていただいたところの御紹介でございます。
次の15枚目以降ですが、先ほど御説明した13枚目の資料で見た場合に、現行提出の対象となっていない医療機関につきまして、もし対象を広げた場合にどのぐらいのボリューム感で病床数の割合がふえるかというのをつけているのが15枚目からになります。
15枚目、30年度の改定直後のデータにおきますと、回リハでございますが、62.3%でございました。そのうち、この3月で一部経過措置が切れて、さらに残りまで対象を広げていくと、おおよそ87.2%ぐらいまで対象が広がるという状況が今のところ見込まれているところでございます。
他方、療養病棟につきましては、16枚目を見ていただきますと、まず、療養病棟をお持ちの医療機関の許可病床の規模を見ていただきますと、今、200床以上を対象とさせていただいているところでございますが、左の病院数で見た場合に、約2割程度が200床以上となっている一方で、療養病棟の場合は、赤のゾーンが50床以上200床未満、さらに青のゾーンが50床未満ということで、200床未満の医療機関が相当数ありますし、病床数ベースで見た場合も、右になりますが、相当の割合で許可病床200床未満という状況が見て取れるところでございます。
そのため、17ページにお進みいただきますと、それらの範囲を拡大した場合、どのぐらい広がることになるのか見込まれるかというのをお示ししているところで、一部、ことしの3月で経過措置が切れているところでございますが、200床未満を対象にした場合には、一番右にありますように、おおよそ9割を超える範囲までデータ提出がカバーできるようになるという見込みを立てているところでございます。
データ提出をいただくに当たりまして、電子カルテの導入状況、さらにはオーダリングシステム導入状況ということも重要なポイントになってこようかと思っておりまして、そちらにつきましては、入院の調査から用いたデータをお示ししているところでございます。昨年の9月時点のこれらの導入状況を見ているところで、今、赤で囲んでいるところが全体としての提出を求めていないところでございます。各入院料ごとにその割合に差が見られるというところでございますし、四角で囲んでおりますように、現行の加算の算定状況につきましては、地域一般の入院料のところでは、対象約6万床あるところでございますが、対象となるところが少ないというところで、さらには、障害入院基本料でありますとか特殊疾患の入院料につきましても、全体の中で一部しかデータ提出加算は算定されていないというところで、電カルの導入状況やオーダリングシステム導入状況というものも重要な要素かと考えているところでございます。
ここまでをまとめましたのが19ページになっておりまして、現状と課題等々は今御説明したとおりでございます。
論点として2つ挙げさせていただいております。回復期リハビリテーション病棟の5、6と療養病棟入院料の200床未満について、データに基づくアウトカム評価を推進する観点から、データ提出を要件とする対象の範囲について、どのように考えるか。2つ目としまして、現在対象となっていない地域一般入院基本料等について、電子カルテの導入状況等を踏まえ、データ提出の取り扱いについてどのように考えるかという2つの論点を挙げさせていただいております。
続きまして、提出項目の概要でございます。今、全体のデータの提出状況を御説明したところでございますが、20ページ以降、実際の項目の中身について少し御検討いただきたいと思って資料を御用意しております。
20枚目に、現在提出いただいている項目の主なものをおつけしております。まず一番左の列でございますが、こちらにつきましては全ての患者さんで提出いただいておりまして、性別、入退院の年月日に始まりまして、入退院経路、身長、体重、高齢者の情報の自立度、ADLの入棟時・退棟時等々につきましては、全ての患者さんで今項目を提出いただいております。
真ん中の項目につきましては、急性期の病棟とか特定の疾患にのみ、必須の項目とさせていただいておりまして、がん、あとはTNMの分類でありますとか肺炎の重症度等々につきましては、該当する方もしくは該当する病棟のみとなっております。
一番右につきましては、回復期もしくは慢性期のみで必須とさせていただいておりまして、療養におきましては要介護度、要介護情報、さらに回リハにおきましてはFIM、精神におきましてはGAFの尺度等が必須の項目となっており、全体でとっている項目と特定の病棟と患者からとっている項目と一部差を設けているところでございます。
実際の項目の中の例を21ページに挙げているところでございます。ここには要介護情報をつけているところで、主に栄養の摂取状況等を、今、情報提出いただいているところでございますが、見ていただくとわかりますように、例えば低栄養の有無に関しましては、有か無の提出をいただいているところでございます。他方で、御協力いただいています入院医療の調査の中の患者票におきましては、下の囲みでございますが、栄養の摂取状況、さらには嚥下の必要性等につきまして、上と比べますと、少し詳細な情報をいただいているところでございます。
こういったものを、今、項目の話と対象としている病棟の話がございまして、22ページ、23ページ以降にありますように、一部の病棟だけではなくて、全部の病棟を対象としたり、項目を少し子細に提供いただくことによりまして、栄養状況の摂取状況を急性期から回復期、さらには障害等も含めまして一覧性を持って比較することができることもありますし、23ページにいきますと、要介護との状況におきましても、療養回復のみならず、急性期もあわせて見ることによって全体としてどういう患者さんの割合でいるのか、さらに24枚目でございますが、日常生活の自立度につきましても、急性期における患者さんの状態像とそれ以外の病棟の状態像というものを網羅的に比較して、今後の検討に生かせるのではないかということを考えているところで、この提出をどこまで求めるのかにつきまして御検討いただきたいと思っているところでございます。
それをまとめましたのが25ページになっております。まず、入力を必須とする項目についてということで、現在、全ての患者さんについてはADLスコアは入力いただいているところでございますが、FIMにつきましては回リハのみとなっております。また、要介護や要介護情報につきましては療養のみということになっているので、こういった必須の項目をどう考えるかというところで、急性期の病棟においても、実際早期からリハビリが実施されていることや、入退院支援や高齢化の観点というものを踏まえますと、入院料の適切な評価のためにデータ入力をどこまで必須として広げていくかについてどのような考え方があるかというところを1つ挙げさせていただいております。
下になりますが、入力項目の追加や内容の見直し、データに基づくアウトカム評価の推進の観点から、より適切な評価に資する入力項目の追加、内容の見直しについてどう考えるのかという論点を挙げさせていただいております。
ただ、追加に当たっては、入力に当たって新たに把握することの負担、また収集するデータの正確性ということも重要であろうと考えておりまして、このデータ提出加算以外で既に把握されている項目や入力を求める対象となる病棟、患者をどうするかということも含めて検討する必要があるのではないかということで、本日さまざまな御意見をいただければと思っております。
次、26枚目から30年に創設いただきました提出データ評価加算のほうの御説明をいたします。27枚目をごらんください。提出データ評価加算につきましては、平成30年度の診療報酬改定におきまして新たに創設いただいたものでございます。作成するデータの質を評価することを目的といたしまして、未コード化傷病名、いわゆるコード化されていない病名の割合を10%未満にすることを目的としまして、その要件を満たしている医療機関に対しまして20点の評価を行うということをしているところでございます。
28枚目を見ていただきますと、その算定状況でございますが、下の円グラフを見ていただくとわかるように、提出データ評価加算を算定する病院は2,200でありまして、分母となりますデータ提出加算2を算定する病院の9割以上、既にこの加算を算定しているという状況でございます。
実際にこの加算を設定したことによりまして、未コード化の傷病名の頻度がどのように変化したかということをおつけしているのが29枚目になっております。まず、全体の割合で見ますと、改定の前におきまして、この割合が5.0%だったものが、平成30年の時点におきまして4%、全体で見ると1%減少したという状況でございます。
各割合の頻度で見たのが下のグラフになっておりまして、10%以上のところも大きく減っておりますし、0%を見ていただきますと約3倍ぐらいにふえている、1%ふえているということで、全体の山といたしまして0~1のところに集積してきているという状況になります。
これを少し細かく見ていきますと、次の30枚目になりますが、こちら、最初に御説明しましたが、提出データの中の様式1の中でどのぐらいの未コード化傷病名が発生しているか見ているところで、こちらにつきましてもほとんどが1%未満というところに集積してきているという状況でございます。
さらにはということで31枚目の外来のEFファイルを見ていただきましてもほぼ同様の傾向で、1%未満もしくは2%未満というところに多くの医療機関が集積しているというところで、要件が現行1割、10%となっているところでございますが、各医療機関のこの状況を見ますと、その水準、もしくは目的等々考えてどういうことが考えられるかということを論点として挙げさせていただいております。
今までの御説明をまとめますと、32ページになっておりまして、現状と課題といたしまして、未コード化傷病名の割合が全体として5%から4%に減少したこと。一方で、提出いただいている割合を見ていきますと、ほぼ全ての医療機関におきまして1割未満という基準は満たしているということ。あとは、外来のコードは落ちついているということがありますが、様式1と比較すると一部高いところとか見られますけれども、ほぼ全ての病院で現行の基準は満たされているというところがございます。
論点といたしまして、その未コード化傷病名の割合の現状を踏まえまして、さらにこの未コード化傷病名を減らすのかという観点からどのような対応が考えられるかということを論点として挙げさせていただいております。
1つ目につきましては以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。それでは、この議題につきまして、御質問、御意見等があれば承りたいと思います。
松本委員、どうぞ。
○松本委員
ありがとうございます。健保連の松本です。
スライド19の論点の1つ目ですが、スライド13、スライド16にありますように、データ提出が必須の療養病棟を有する病院数が約2割、病床数が3割ということで、少数で全体を評価していますので、できるだけ多くの数のデータで評価したほうがいいと思います。かつ、スライド17にありますように、今後、データ提出の病床を拡大するとかなり対象が拡大できるということもございます。さはさりながら、データを提出する基本となる情報化がどのくらい進んでいるかということになりますと、療養病棟における電子カルテとオーダリングシステムの導入が余り進んでいないという状況です。
しかしながら、できるだけ多くのデータ数で評価したほうがいいということですので、加算の前提となる体制整備の状況を踏まえながら、データ提出を要件とする範囲を拡大する方向で検討したらどうかと考えます。
それと、これは診療を行っている先生方にお伺いしたいのですが、スライド18で、地域一般入院料を算定している医療機関226のうち、電子カルテの導入が約3割と低いのですが、これはどのような病院なのかということがもしおわかりになればお教えいただければと思います。
○尾形分科会長
後段は御質問ということですが、どなたか。
神野委員、どうぞ。
○神野委員
今の御質問を含めての話をいたしますけれども、9ページのところに、今、データ提出加算している病院数が出ています。これ以下は全部病床数で話をしています。そうすると、病床数はそれなりに増えてきているのだけれども、病院数では52.9%ということ。ということはどういうことかというと、残りの3,900に関しては非常に小さな、病床が少ない病院であるわけです。いわゆる地域密着している病院というのがこの3,900のほうに入っているということになるのかなと思われます。
今、情報化のお話がありました。もちろん、情報化にはお金かかるわけでありまして、そこのところが非常に小さな病院さんでこの情報化が進んでいないという実態だと思われます。ただ、これらの病院も、今、手書きでレセプトを書いていらっしゃる病院はないはずですので、いわゆるレセコン的なコンピュータシステムは入っておりますので、レセプトデータを別にオーダリングとか電子カルテでなくて入力するようなシステム、これはちょっとそういうデータがあるのかどうかわからないですけれども、あるに違いないし、レセプトは電子化して出せる可能性のある病院はもうちょっと多いのではないかなと思います。
ちょっと意見ですけれども、今おっしゃったように、データ提出加算を拡大することは自分たちの病院のベンチマークというか、の意味からしても、私も賛成いたします。ただ、繰り返し申しますけれども、非常に小さな、地域密着、下駄ばきでちょっと行くような病院さんが今ここに残っているということですので、そこには診療情報管理士さん等々もいないような病院さんであるということですので、そこに対してやるときには、相当、これはどこでやるのか検討ですけれども、データ提出するための教育とか研修体制をきちんとしかないといけないのではないかなと思います。
○尾形分科会長
松本委員、よろしいですか。
○松本委員
はい。
○尾形分科会長
では、池端委員、どうぞ。
○池端委員
今の点について、私も神野委員とほぼ同じ考えで、松本委員がおっしゃったのは、恐らく13対1、15対1で、10対1まで上げられないけれども、地域で急性期をある程度やらなければいけない、100床未満の病院が非常に多いのではないかと想像します。このデータ提出加算がついているこの加算ですけれども、これは、1の場合には退院患者一人当たりに150単位と200単位ということなので、そういう病院、あるいは療養病床もそうですけれども、非常に月の退院数が少ないので、この加算で、では診療報酬を配置できるか、あるいは電子カルテを入れられるかというと、この程度の加算のインセンティブではとてもできないところが多いのです。ではそれをどう対応すればいいかというのは非常に難しいとは思うのですが、そういう実態もあるということをちょっと御理解いただきたい。
ただ、全体的には療養病床もやはり、私は、最終的には、このデータ提出をしていかなければいけないという方向については、協会ともども理事会も諮って賛成しようということで、きょう正式に表明したいと思います。
ただし、そのタイムスケジュールは少し猶予を見ていただきたいなという気はしています。それが次の2年ではなくて、4年ぐらいのスパンをみなければいけない可能性はある。50床未満も入れるとですが・・・。50床までだったら、あと2年間でいけるかもしれませんが、50床未満も全部となると、それぐらいのスパンで、逆に最初から4年後には必ずなりますよということをうたっていただく、いわば少し長いスパンのスケジュールも考えていただけると、本当に小病院にとってはありがたいかなと思っています。
ここまでは意見ですけれども、1つ確認したいのですけれども、14ページの下のほうで、200床以上についてデータ提出加算が義務化されていない病床を合わせて200床以上の場合は、令和2年3月31日までの経過措置の対象としますということですけれども、令和2年4月1日以降は義務化されるということでよろしいのか、それとも、とりあえずこの期間だけはこうしておく、その次に関してはまた別に考えるということでしょうか。
○尾形分科会長
事務局、お願いします。
○木下補佐
事務局でございます。
14ページの経過措置の取り扱いにつきましては、中医協の総会のほうで今後議論したいと思っております。
○池端委員
現時点では決まっていないということでよろしいですね。
○木下補佐
14ページの取り扱いでも、現行としては、来年の3月で切れるということだけが決まっているところで、それ以降、総会で議論しなければそれで終わってしまうということになりますが、今後総会で議論させていただきたいと思っております。
○池端委員
ありがとうございます。ここが入った経緯として、特に精神科病床が非常に大きいけれども負担も大きいということがたしか挙がっていたと思うので、その辺も少し丁寧に団体にもお聞きになっていただいて、全体として、やはり全部提出する方向でいくことに対しては我々協会としては賛成したいということを最後に申し上げます。よろしくお願いします。
○尾形分科会長
石川委員、どうぞ。
○石川委員
18ページ目のものですけれども、電子カルテとオーダリング、これは厚生労働省の統計でも出ていますけれども、病床の大きい病院であればあるほど、電子カルテ、オーダリングの導入率は高いと。これは常識ですね。やはりコストが非常にかかるので、今の現状では、100%電子カルテ、オーダリングを病院にあまねくやるということは難しいので、データ提出加算を全てやるというのは、今の段階では本当に非常に難度が高いと思っています。
ただ、電子カルテ、オーダリングは、新しく新規開業される診療所の方はほとんどが電子カルテの導入をしています。これは私たちの調査ですね。そういう時代はいずれ来るのだと思うのですけれども、いずれにしても、この加算の低さでは、ここのところのいわゆる電子カルテ、オーダリングを充実させるだけのインセンティブにはなっていないというのが一番、ずうっとこのままだろうなと思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
松本委員。
○松本委員
ありがとうございます。健保連の松本です。
データ提出の対象範囲の次は、データ提出の項目について意見を言わせていただきます。
スライド23、24にありますが、急性期の病棟におきましても、要介護度の高い患者割合が増加し、高齢者の割合が非常に増えている、あるいは日常生活自立度の低い患者さんが一定数存在しているということも踏まえると、より適切に評価を行うという観点から、スライド25の提出するデータの入力項目について(案)の3つ目の○にありますが、要介護度等に関する情報をデータ入力項目の必須とすることを検討してもよいのではないかと思います。
それと、スライド32の論点ですが、提出データ評価加算の見直しについて、スライド30の様式1における未コード化傷病名の割合がほとんどの医療機関で1%未満となっており、要件の10%をほとんどの医療機関が満たしているという状況です。このデータ提出評価加算は、データの質を担保するために創設されたということを考えますと、この基準ではもうその役割は終わったと思いますが、何か別の要件を考えてから、この加算の取り扱いをどうするかということを考えたほうがいいのではないかと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。では、牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
牧野です。
今のに関連するのですけれども、25ページの○の上から2つ目と3つ目に関連するところになります。データの提出範囲に関して、要介護度等のデータに関しては、もう既に急性期病院においても、退院支援の中で要介護度はとっているのですね。ですから、これに関するデータは各病院あると思いますので、これに関しては出すことは賛成します。
ただ、もう一つ実はここで言っているのは、回復期リハビリテーション病棟で行っているFIMに関してなのですね。FIMに関して急性期病院でとるのというのは余り妥当ではないかと思っています。といいますのは、FIMってとるのにかなり手間がかかるのと、その手間がかかるというのは、実際の一人の患者さんのFIMをつくるのに手間がかかるのに加えて、研修をしっかり受けなくてはいけない。しかも、急性期病院のたくさんの看護師さん、リハスタッフが一度に受けて、そして同じような信頼性の高いFIMの情報を残せるかというと非常に疑問があります。ですから、FIMに関しては、急性期病院で行うということに関しては反対いたします。
あともう一つ、データ提出加算の32ページの部分ですけれども、データ提出、確かに10%という基準はもう完全にクリアーしてきています。ただ、今多いのが、1%以下というところが多いということですけれども、確かに入院は大体9割5分ぐらいがそこまでの域に達しています。ところが、外来のほうは、残念ながらそれほど高くはなっていない。これに関して高いレベルを求めたとしても、外来ですから、限られた時間の中である一定の診療しかしていない。そこでちゃんとしたコーディングができるだけの情報がとれない場合もたくさんあるわけです。だから、ここに余り高いことを求めるのは決していいことではないと思います。
以上です。
○尾形分科会長
神野委員、どうぞ。
○神野委員
同様の話であります。データ項目に関して、要介護度は持っているか持っていませんか、これだけの話ですので、入れることには何ら反対する理由はないと思いますけれども、FIMはちょっとハードルが高いと思います。
それからもう一つ、最後の未コードの話ですけれども、今後、10%を下げるかどうか、みんな1%クリアーしているではないかという話と、一方で、またさっきの話ですけれども、これからデータ提出加算病院を増やそうという中で、これから初めてデータ提出する人がどんどん入ってくる中で、やはりこれをつけておかないとDPCデータの質が悪くなってくるのではないかと思います。この最後の項目を見直すにはまだちょっと早過ぎるのではないかなという気がいたします。
○尾形分科会長
ありがとうございました。池端委員、どうぞ。
○池端委員
私も、牧野委員、神野委員とほぼ同じ意見ですが、21ページの項目です。要介護情報の中に、要介護度だけではなくて、今、栄養療法を入れようかどうかということだと思います。慢性期の立場からすると、この指標って非常に大事な指標で、しかも、急性期から段階的におりてくるときに、ここがどうなっているかによってかなりいろんなことが違ってくるので、もし手間がそれほどないということであれば、項目も急性期から通して入れていただけると非常にありがたいかなと思っています。
一方で、FIMに関しては、データの正確性等も考えると、とてもとても今入れるのは難しいと、私もこれは強く反対したいと思っています。
それから、加算の問題ですけれども、普通、こういう加算というのは、とっているのが9割以上超したらもう加算の役目は終わったと考えるべきだと思うのですけれども、今おっしゃるように、これから、うちのような50床未満の病院も算定していくことになると、なかなかまだこのICコードに慣れていない病院が入ってくると、ここはそういう努力をしてもらうための加算として、あと残しておいていただかないとモチベーションが上がってこないかなという気がするので、例えば2段階にするとか、そういう方法も含めて何らかの形でやはり残していただきたいなという気はしています。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。松本委員、どうぞ。
○松本委員
ありがとうございます。健保連の松本です。
いろいろ情報をとるのに、現場の負担を増やすようなことはやめたほうがいいと思います。今でも現場は大変苦労されておりますので、FIMを急性期のデータ提出項目に入れるというのはなかなか難しいと思います。この部分については、健保連、保険者としても、特段強く要請するものではありません。
それと、先ほどの提供データ評価加算ですが、10%という基準はある意味ではかなり緩過ぎたのではないかと思います。ですから、廃止とは言いませんが、今、先生方の御意見を聞いていると、もう少し基準を下げたほうがいいのではないかと思います。これによって、さらに新たにDPCに入ってくる医療機関がより現実的な目標値で、かつ、データの質も担保できるということで、基準の見直しをお考えいただければと思います。
以上です。
○尾形分科会長
池田委員、どうぞ。
○池田委員
今の御指摘のことに賛成でありまして、データ提出評価加算は残したほうがいいと思いますが、基準が10%というのはちょっと高過ぎる。実際、忙しい、例えば外来診療の中であるとか、あるいはコードのほうの問題も若干あるので、ゼロにはならないと思いますが、恐らく、この分布を見ると、5%あたりが妥当なところではないかと個人的には感じております。
○尾形分科会長
ありがとうございます。井原委員、どうぞ。
○井原委員
私も、基本的に池田委員の御意見に賛成で、1つ大事なことは、未コード化傷病名の中で、レセプトの場合と、それから様式1のデータの間に明らかに乖離があるのです。レセプトは恐らく翌月の10日までに提出ということで、さっき牧野委員がおっしゃったように、時間的制約がある。様式になりますと少し時間的余裕ありますから、こちらはきちんとコード化がしやすい。これが違いの原因の一つであるとは思います。
これから先、NDBをきちんと分析したり、レセプトのいわゆるビッグデータと言われているものを分析をしようというときに、未コード化ですと、その傷病名はなかったことになります。記録に取り上げられませんので、10%ぐらいだったらとおっしゃるかもしれませんが、レセプトは、御存じのように、膨大な件数ですから、未コード化を含むものが1割あるということは、精度としては件数的に言うとかなりの件数になってしまう。やはりレセプトも未コード化病名は減らしていかなければいけない。
そういう点を考えますと、もう少し電算コード、レセプトの記載要領にも、原則これでレセプトつくるのだということもあるわけでありますから、現場がお忙しいのは今御意見を伺ってよくわかったのですが、修飾語コードとの組み合わせなどについて、入力するときに難しい点があるのかもしれませんが、そこはぜひ早く慣れていただいて、様式もレセプトも未コード化病名はなくして、正確なデータをつくる。正確なデータをつくらないと正確な分析ができない。そうしないと、医療政策に使用するときにも精度の高いものはできないというところに結びつくのだということをぜひ皆さん御理解いただいて、未コード化病名についてはハードルを上げていっても私はよろしいのではないかと思っております。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。神野委員。
○神野委員
何回も申しわけないですけれども、提出データ評価加算の見直しに関しては、繰り返しますけれども、今やっていらっしゃる方はちょっと厳しくしても皆さん対応できるだろうと。そうすると、さっき池端委員が2段階みたいな話をされましたが、これからやる人どうするのというところの配慮がやはり必要かなと思います。これからやる人のところには診療情報管理士さんとかいないわけですよ。恐らく。もしかしたら、先ほどのデータ提出加算そのものの話も、入院期間が長い。そうすると、データ提出加算としていただけるものが少ないとするならば、例えば請求は1入院でなくて、月単位とか、これからやる人たちのことをやはり配慮する必要があるということだけ、もう一回申し上げておきます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。ほか、よろしいでしょうか。
山本委員、どうぞ。
○山本分科会長代理
ちょっとFIMのところに戻りますけれども、急性期、特に高度急性期側のところでも積極的にもちろん病棟にリハ指数を展開していますけれども、目的とするところは早期離床、早期退院でありますので、そもそもこのFIMで見ているところとは目的が違うということで、全くなじまないということは申し上げたいと思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御質問等もないようでしたら、本件に係る質疑はこの辺にしたいと思います。
続きまして、短期滞在手術等基本料につきまして議論を行いたいと思います。事務局のほうから資料の説明をお願いします。
○木下補佐
事務局でございます。
資料の33ページまでお進みください。本日2つ目の議題でございます短期滞在手術等基本料についてでございます。
34枚目をごらんください。現行の手術の算定方法の全体像のイメージをつけさせていただいております。一番短い左の日帰りから、1泊2日の入院、4泊5日まで、5泊以上という4つのカテゴリーに分けさせていただいております。大きく、いずれのカテゴリーにおきましても、1日入院のDPCと出来高ということで、DPCと出来高はそれぞれいずれの場合にも算定する場合がございます。それに加えまして、本日議題として挙げさせていただいております短期滞在手術につきましては、外来で行う場合が1、1泊2日の場合が短期滞在の2、4泊5日までという期間におきましては、短期滞在の3という3つのカテゴリーが設けられてございます。
それぞれの実施件数につきましては、四角囲みでありますように、短期滞在1につきましては1万1000件、これは30年の社会医療でございますので、単月の件数になります。それと同じ範囲の対象となっています手術全体で見ますと82万件ございます。一方で、入院を伴います手術に関して言いますと91万件が全体となっておりまして、その内数としまして、短期滞在2につきまして79件、短期滞在の3につきましては2万3000件というのが全体像でございます。
次の35枚目をごらんください。短期滞在手術につきましては、大きく3つ、1、2、3と分かれております。繰り返しになりますが、短期滞在の1につきましては日帰り、施設要件としては届け出を求めているところでございます。
次に真ん中ですが、短期滞在の2につきましては1泊2日の場合ということで点数が設けられて、こちらも届け出が必要となっております。
一番右の短期滞在の3につきましては、1泊2日を超えて4泊5日までの場合となっておりまして、こちらにつきましては特段厚生局への届け出は求めていないという状況でございます。
※書きに小さく書いておりますが、平成30年度の改定の際に、短期滞在の3と同等の手術におきましては、DPCの対象病院では短期滞在の3は算定できないという見直しを行っているところでございます。
36枚目以降、この短期滞在手術の歴史的な経緯、創設の段階から御説明してまいりますと、創設されたのは平成12年になりまして、その際には、日帰り手術の1と短期滞在の1泊2日入院の2というものを設けておりまして、全てを包括した手術を創設して、医療の質の向上と効率化を図るという観点で創設したものでございます。
平成20年の改定の際には、一定の手術に関しましてはその費用に大きな変動がないということで、1手術当たりの支払い方式として短期滞在の3というものを創設しておりまして、その際には、15歳未満の鼠蹊ヘルニアの手術を対象としてこの中に設けたところでございます。
平成26年の段階で一定程度治療法が標準化されたもの、短期間で退院可能な検査・手術があるということを踏まえまして、この短期滞在の3の中に21種類の手術を段階的に増やしてきたところでございますが、これらの手術を対象として包括点数とするという取り扱いをしております。
ただ、この場合には平均在院日数の計算対象から除くという手当てもあわせてやっているところでございます。
短期滞在3の追加したものが38ページに一覧でおつけしているところでございます。ここ2回の改定におきましては、平成28年で見直しを行っておりまして、一部追加と要件を少し細かくしているところ。30年におきましては、一部の項目につきまして廃止をしたということで、一定の追加や廃止という対応を行っているところでございます。
それぞれどのような点数を算定するかというのが40ページにつけておりまして、一番下の囲みを見ていただきますと、入院の5日目までに手術・検査を行った場合、全ての患者について原則として短期滞在の3を算定する。他方で、5日までに手術・検査を行ったけれども、退院が6日目以降になった場合は、6日目以降は出来高。5日目までに手術・検査が行われなかった場合は全体として出来高で算定するというのが短期滞在3の算定のルールとなっております。
41枚目には対象の手術の一覧をお示ししているところでございます。
42枚目には包括される検査等々の範囲をおつけしています。
直近の算定状況の推移というのを43枚目以降まとめているところで、43枚目が直近の2年間の比較をまとめているところでございます。短期滞在1について言いますと、29年の5月と30年の5月を比較した場合には、一定程度増加しております。対象手術全体で見た場合も増加しているというところで、傾向は同じかと思います。
26年以降の実績を踏まえますと、手術の多くが外来で実施率というのが見られまして、全体も外来に移っていますし、短期滞在1でも外来のほうでシフトしてきているのではないかという傾向が見られます。
一方で短期滞在の2に関しましては、算定回数は極めて少ないという状況でございます。一方で対象の全体の回数は増加しているというところ。また後で御説明いたしますが、短期滞在の2につきましては1泊2日というのを要件としているところでございますが、全体で見ると、平均在院日数が2日にはおさまっていないというところが見られます。
短期滞在の3につきましては、算定回数、DPCを除いたということもありまして、29年と30年を比較すると大幅に減少というところ。一方で、対象の手術全体、短期滞在3に限らず、そのカバーしている手術全体を見ると増加傾向にあるというところ。3つ目につきましても、後ほど具体的な御説明をいたしますが、4泊5日という入院期間を設定しているところでございますが、一部は入院外で実施される割合が高いものもあるというところがございます。
44枚目にお進みください。経年の変化を少し長目にとったのがこちらの44枚目になります。まず、左を見ていただきますと、短期滞在1の算定状況ですが、こちらにつきましては年々増加しているところでございます。ただ、短期滞在手術のいずれの手術が多いかという個別項目を見ることができないこともありまして、短期滞在手術1と同じ手術がどのぐらいされているかというのを見たのが右のグラフになっておりまして、こちらも年々増加しているところでございます。
その右のグラフの内訳を見たのが下になっておりまして、眼内レンズの挿入と大腸内視鏡ポリープの2センチ未満というところが大変多くなっているという状況でございます。
続きまして45ページに進んでいただきますと、こちら、短期滞在2の29年と30年の比較でございますが、そもそも件数自体が極めて少ないという中で、加えまして、平均在院日数の欄を見ていただきますと、1泊2日をはるかに超えているという状況でございます。これは短期滞在2だけを見たところでございます。
次の46枚目は、対象手術全体をDPCのデータから集めてきた場合の平均在院日数になりますが、こちらも、いずれの手術をとってみても1泊2日ではなく、極めて長い範囲の入院期間があるというところで、この一部につきまして、1泊2日で終わった場合に短期滞在2を算定いただいているのではないかということを想像しているところでございます。
次の47枚目にお進みください。こちら、4泊5日までという設定でさせていただいています短期滞在3になります。こちらも平均在院日数を見ていただきますと、結構ばらつきはあるものの、平均として4泊5日におさまっているものから、特に短いものにつきましては1泊、もしくは2泊というところで平均が設定されているという状況もございます。
同じようなデータを、48枚目はDPCデータ全体で見た場合の平均在院日数になっているところでございます。
さらにはというところで、49枚目を見ていただきますと、今申しました平均在院日数だけではなくて、外来でも相当程度実施可能な手術というものが短期滞在3の中には含まれているところで、4割を超えているものに色をつけさせていただいているところでございますが、手術によっては7割、さらには6割が外来で実施可能なものにつきましても短期滞在3の中には含まれているところが見て取れるかと思います。
50枚目に今の御説明した内容をまとめているというところでございますが、それぞれ今後どのような評価を考えられるかということを論点として挙げさせていただいております。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。それでは、この議題につきまして御質問、御意見等を承りたいと思います。
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
牧野です。
まず、短期滞在手術2、余りにも算定している件数が少な過ぎるということと、実際にこれらの手術の在院日数が2日というのとはかけ離れていて、この設定自体が現実的ではなかったのではないかと思わざるを得ないというところです。
次に、短期滞在手術の3のほうですけれども、これがこの30年改定から、DPC病院では、短期滞在手術から離れてしまっているのですけれども、多分、ここでの考え方として、特に外来移行ができるのではないかということを言っているところを見ると、DPCでの手術も含めての話かなと理解してあえて話しますけれども、今、外来でできるものというのは、例えば白内障なんかでも確かに多いのですね。ただ、外来でできるのは、例えば診療所レベルでかなり行っているはずです。
ところが、今、病院のそれに類した診療科というのは、特に大きな病院であればあるほど、直接患者さんが来なくて、そういう眼科のクリニックから紹介を受けて患者さんが来るわけです。そうすると、来た段階で、自分のクリニックでは、高齢であったり合併症があったりして対応が難しい。だから病院に紹介しようと。そういった患者を集めているのが病院の手術なわけで、そこで一つのバイアスがあるので、そういったことを理解していただきたいと思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。山本委員、どうぞ。
○山本分科会長代理
とかく話題に上る白内障手術でございますけれども、今、牧野委員が言われたように、病院でやる白内障手術というのはかなり眼科的、あるいは全身的に合併症が多くて、なかなかクリニックでは手に負えないという患者さんが大半を占めるということであります。
ただ、ちょっと数字的に、44ページですか、入院外の回数が55%ということは、結構まだ入院でやられているのだなあという印象はございます。地域的にも日帰りでできないという部分も、患者さんが通えないというところもあるのかもしれないけれども、もう少しふやせるのかなあということは思います。
一方、病院で、この白内障の手術って件数が非常に多いので、これを本当に日帰りでやろうとすると、かなり体制を整備しないといけない。外来も非常に込んでいる中で、そこから手術室に運んでいくというのは容易なことではありませんので、病院としてもそれなりに日帰り手術センターなりの体制を整備しないとなかなか病院で日帰り手術ができないということがあります。
一方で、この短期滞在手術1の点数を見ると、1日当たりの単価で見ればもちろん日帰りにしたほうが高くなるわけではありますが、1症例当たりの総収入で考えると、やはり入院させたほうが高くなりますので、そうすると、なかなか日帰りのほうにインセンティブが向きにくいという事実は否定できないのかな。だから、幾つかの要素がここは絡んでいるのかなと。ただ、現場の感覚としては、もうちょっと、日帰り、多分ふやせるだろうなというのは実感としてございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。松本委員。
○松本委員
ありがとうございます。健保連の松本です。
まず、これは次の改定ということでなく、中長期的な課題という視点でいろいろ見せていただくと、短期滞在手術でおさまらないような手術まで対象として入っているという状況です。一方で、医療技術が進んで、これまでは短期滞在手術ではできなかったものができるようになったり、あるいは期間が短くなることもありますので、この項目自体、対象となる手術自体を一度中長期的に見直さないと矛盾が生じてくるのではないかと思いますので、これは中長期的な課題として検討をお願いしたいと思います。
それと、スライドの49の短期滞在の3では、外来で実施している割合が高いものがあるということですので、外来でできるものがあれば、やはりそれは短期滞在手術1に移すなど、できるだけ整理していただければと思います。現場の負担にはならないよう、合理的なものについては移していただくよう検討しなければと思います。
以上です。
○尾形分科会長
石川委員、どうぞ。
○石川委員
44ページ目のものですけれども、やはりリスクの点で、外来ではだめで、入院ということになっているわけですが、この患者像、もう少し詳細にやらないと、例えば大腸内視鏡なんかは年齢で一律に1泊としているところもあると思うのですね。ですから、もう少し病像がはっきりすると、白内障の問題も含めて議論ができるのではないかなと思います。
○尾形分科会長
ほか、いかがでしょう。井原委員、どうぞ。
○井原委員
私も、この短期滞在の2というのは、先ほど牧野委員がおっしゃったように、現実的には役割は終えたのかなというイメージを持ちます。それから、短期滞在3なのですけれども、平均在院日数を見ますと、DPC病院でも、一般病院のデータでも、ばらつきはかなり大きいのですね。5日というよりも3日に設定したほうが数字的にはまるようなのも相当数あるのです。ですから、すぐにということかどうかは別にしましても、今、石川委員がおっしゃったような、患者の病態であるとかさまざまな要件を加味した上で、一度ここは、現行の日帰り、1泊2日、4泊5日という3つの区分を、本当にそれだけでいいのか、3泊ぐらいも入れたほうがいいのか、もう一回見直して、外来で行うもの、入院が必要なもの、何日入院が適正なのかということは見直す必要はあるだろうと思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。ほか、よろしいでしょうか。
ほかに御質問等もないようでしたら、本件に係る質疑はこの辺にしたいと思います。
続きまして、入院患者の評価指標等につきまして議論を行いたいと思います。まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○木下補佐
事務局でございます。
51枚目から3つ目のカテゴリーでございます入院患者の評価指標等について御説明いたします。
52枚目で、中医協の基本問題小委員会及び入院分科会におけます指摘事項の抜粋をおつけしております。まず、基本問題小委員会につきまして8月28日に御報告いただいた際に3点ほど御指摘いただいております。地域包括ケア病棟入院患者の3割が疾患別リハを実施していないということについて、理由を含めて検討してほしい。2つ目、手術の実施割合につきまして、地域包括ケア病棟に入院中の実施がどの程度あるのかの分析をしてほしい。3つ目としまして、リハの実績指数がいずれの入院料でも上昇していることについてどのような要因が考えられるか検討してほしいという3点の宿題をいただいております。
また、下半分になりますが、入院調査等、本分科会におきまして、指標グループのほうから平成30年の改定で新たに追加した基準マル2のみに該当する患者のうち、A1点が心電図モニターである割合が多いが、そのような患者についてさらに分析をしてはどうか。いずれの基準にも該当しない状態から基準マル2のみに該当する状態に移行した患者について、非該当日にどのような算定項目の該当状況かの分析をしてはどうか。3つ目としまして、入院中のB項目の該当状況の変化について、手術等の有無を含めて分析してはどうか。4点目としまして、入棟時から退棟時のFIMの変化が増加している時期と、発症から入棟までの期間が短縮している時期とが異なることを踏まえ、引き続き検討が必要ではないか。
さらには、9月5日の会におきましては、中心静脈栄養の長期留置については、感染対策が必要ではないか。また、入棟時のFIMの低下傾向について、発症から入棟までの時期が早まったことだけでは説明し切れない要因があるのではないかといった御指摘をいただいているところでございます。
これらの指摘を踏まえて、現時点で御回答できる内容につきまして、追加で行った分析の結果について御報告いたします。
53枚目は、まず重症度、医療・看護必要度の分析でございます。
54枚目が基準マル2のみに該当している患者の必要度I、次のページが必要度IIについてでございますが、まず、基準マル2のみに該当している患者の該当項目を見ていきますと、A1点は心電図モニターが多くて、次いで呼吸器ケア、創傷処置が多いというところで、B項目とのクロスを見ますと、1点+2点の場合におきましては、診療・療養上の指示が通じる+危険行動が多くなっている。1点×3のほうを見ますと、移乗+衣服+指示が多いということで違いが見て取れるところでございます。
次の55枚目を見ていただきますと、こちら、必要度IIのところでございますが、A1点は心電図モニターが多くて、次は呼吸ケア、創傷処置が多いというところでございます。B項目の1点+2点は、やはり療養上の指示が通じる+危険行動が多くて、次の1点×3につきましては、移乗+衣服+指示ということで、1と2で傾向の差があるものではなかったというところでございます。
次の56枚目でございますが、こちらも同じく基準マル2のみに該当する患者の状態の必要度Iの患者さんを見ているところでございます。必要度Iで基準マル2のみに該当する患者さんのうち、A1点が呼吸器ケアもしくは心電図モニターの患者さんを集めてきまして、必要度IIの中のレセプトのシステム用のコードの該当の有無というところを見ましたところ、該当のコードがないという患者さんが、呼吸器ケアにいたしましても、心電図モニターにしましても、下の円グラフにありますように、相当程度いらっしゃるというところでございます。
さらに、必要度Iで基準マル2のみに該当する患者さんについて、1日当たりの医療資源投入量、これも同じようなファイルからとってこられるところでございますが、資源投入量がゼロという患者さんが4割から5割いらっしゃったということが結果としてわかったところでございます。
57枚目にお進みください。こちら、同じように、基準マル2のみに該当する方で、今度は電算処理コードの中で何に該当するかを見たところでございますが、呼吸ケアの場合は酸素の吸入が7割以上、さらには人工呼吸の方が2割以上いたところでございます。心電図モニターのほうにつきましては、14日超えの呼吸心拍監視が4割、あとはそれぞれ7日以内、7日以上14日以内というのがそこにありますような割合で出現していたところでございます。
58枚目にお進みください。こちら、「基準マル2のみに該当する直前の状況」ということで、いずれも非該当の方が5割程度いたところでございますが、それの前の状況を見たというのが次の59枚目になります。いずれの基準にも非該当の状態から基準マル2のみに移行した患者さんについて、非該当当日の項目の状況を見ると、Aも非該当で8割、Bは口腔ケアの該当が8割、診療所の指示が通じるのは5割から6割という状況になっておりまして、直前は特に該当なくて、基準マル2に該当したときからいろんな行為、処置が発生しているという状況でございます。
60枚目でございますが、手術のありなしで分析してはどうかという御提案をいただきまして、スコアの入院中で大きく変わるか変わらないかという傾向を見たところでございますが、今回の手術という要因でありなしで比べたところ、結果でございますが、手術ありのほうで変化はないという方が多く占めていた。他方、手術なしのほうでは、1点のところで半分程度いらっしゃいますが、2点以上変化あったという方も一定程度いらっしゃるという結果が得られたところでございます。
続きまして61ページから、今度は医療区分・ADL区分の内訳を見ているところでございます。これまで、全体の割合というものを日数でありますとか頻度でお示ししたところでございますが、62ページ以降になりますが、それぞれの割合に該当する医療機関がどの程度あったかというところでございます。
まず62ページでございますが、中心静脈栄養の患者さんが入院している患者さんの中に占める割合別に集計したものでございます。一番多いところを見ていただくとわかるとおり、全体に占める割合は10%未満が多いところでございますが、入院患者さんのうち50%以上、中心静脈栄養されている方がいるという医療機関が少なからずあるという状況が見て取れるところでございます。
同じように、63ページ、喀痰吸引の該当の患者さんの割合でございます。これも大きな傾向としては同じでございますが、10%未満が一番多いところではございますが、50%を超えて該当する医療機関も相当ありますし、90%を超えると、喀痰吸引の該当割合の9割以上という医療機関さんも複数存在していることが見て取れるところでございます。
64枚目には、前回お示ししています患者の在院期間で、相当程度長い期間入れているという患者さんがいるというデータをお示ししたところでございますが、参考としまして65ページでございます。こちらは、日本麻酔科学会の安全委員会の中で、中心静脈カテーテルの挿入患者の手引きから抜粋させていただいているところでございますが、留置期間というところで、少し読み上げますと、「カテーテル留置期間が長いほど感染のリスクは高まるが、留置期間の目安はない」というところでございます。当然ながら、毎日評価し、不要になったら抜去する。留置したまま使用しないとカテーテル感染の原因となり得るという注意書き等々もされているところで、交換の目安、感染兆候等々、定期的に評価するといったことが記載されているところでございます。
66枚目からFIMのスライドでございます。まず、67枚目につきましては、9月5日の会におきまして経年の変化をお示ししたところでございます。
次、68枚目でございますが、入院ごとの実績指数の分布というものをおつけしております。左上を見ていただきますと、入院医療1ということで、そもそもの要件が37以上というところにつきましては、そこにありますように、相当程度、中央値は43から46あたりにあろうかと思いますが、分布として、37をはるかに超えている。他方、入院医療2につきましては、そういった要件かかっていないということもございますが、山は少し低い位置にあるところでございます。
入院料3と4におきましても同様の傾向で、入院料3だと30以上、さらには高いところに相当数の医療機関さんがいらっしゃるところでございますが、入院料4は逆に低いところにも相当数いらっしゃるという状況でございます。
69枚目につきましては、それらの入退棟時のFIMの変化を入院料ごとに見ているところでございます。順に見ていきますと、入院料1、2に関しましては、退棟時は少し緩やかに上昇見られますが、入棟時はやはり下がってきている。入院料3、4につきましても、退棟時はほとんど変わらないけれども、入棟時は下がってきているということで、入院料にかかわらず、入棟時のスコアが下がってきているという傾向は同じかなということが見て取れるところでございます。
次の70ページにつきましては、今度は疾患区分ごとにそういった変化の経年を見ているところでございますが、廃用症候群につきましてはばらばら、ぐちゃぐちゃしているところでございますが、脳血管、整形外科疾患におきましてはやはり経年ごとに今まで見てきたものと同じような変化が見て取れて、平均値が上がっていき、中央値も上がってきているというところが見て取れて、疾患別に見ても、全体で見ても同じ傾向が見て取れるのかなと思っているところでございます。
71枚目も同じような傾向を見ているところで、やはり経年的な変化が見られるという結果が得られているところでございます。
72枚目からがその他というものをまとめたところでございます。
73ページまでお進みください。こちらが手術の実施状況をおつけしたところで、全体として見た場合には、入院期間全体で見ると約2割ちょっと、手術ありという結果だったところでございますが、その内訳ということで、骨の観血的手術とその他の手術がありますよというところをおつけしたところでございます。
74枚目までお進みください。その手術のうちどうなっているのかというのを見たところでございますが、先ほど御紹介しました短期滞在のあるなしを分けて集計しているところでございます。74枚目は短期滞在を除いたものになりますが、この中で行われている手術何かというのの上位15個を集めてきたところでございますが、圧倒的に眼内レンズの挿入を地域ケア病棟で算定されている。2つ目としましては、大腸ポリープの2センチ未満、この2つでほとんどを占めているという状況でございます。
さらに、短期滞在の3を算定されているものにおいて見た場合は、順位はひっくり返るところはございますが、大腸ポリープが6,000件を超えて、眼内レンズ挿入が4,000件を超えているということで、地域包括ケアで行われている手術のほとんどはこの2つということが見て取れるところでございます。
続きまして76枚目で、リハビリテーションの実施につきまして、7月25日の資料でございますが、3割程度実施していないというところが全体の患者数に占める割合でお示ししたところでございます。
施設ごとにその割合がどうなっているのかというのを見たのが77枚目で、参考までに回リハとの比較をしているところでございますが、当然ながら、回リハを見ていただきますと、5%未満というところがほとんどで、逆を言いますと、95%以上リハビリをやっていて、一部に、何かしらの理由でできない方がいらっしゃる。一方で、地ケアを見ていただきますと、実施していない割合が5%未満という医療機関が2割程度あるところではございますが、横を見ていただきますと、全体を見たら3割というところに少し集積しておりますが、3割を超えてリハビリを実施していない患者さんがいらっしゃるという医療機関数も相当程度いて、極端な場合は、50%や80%を超える患者さんにリハビリをやっていない医療機関もあるという状況でございます。
78枚目以降は参考資料をつけさせていただいております。
以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。この議題に関連しましては、池端委員のほうから資料が提出されておりますので、御説明をお願いしたいと思います。
○池端委員
機会をいただきましてありがとうございます。机上配布になっております資料をごらんください。
前回の分科会でも少しお話をさせていただきましたが、これは令和元年度7月に日本慢性期医療協会の役員関連病院、61病院で緊急に3カ月間の療養病棟入院基本料1に入院している患者さんについての中心静脈栄養と看取りに関しての調査を行いました。対象病床数が4,648、入院患者数としては6,246名の分析になります。
表は、次の1ページ以降ありますけれども、グラフのほうがわかりやすいかと思いますので、3ページまで飛んでください。
まず、中心静脈栄養に関してですけれども、3ページのグラフ1にありますように、入院基本料1の入院患者のうち、中心静脈栄養を実施している患者数は18.2%、2割弱ということです。これは1日でも実施したことを1人と数えていますので、こういう数字が出ました。6,246名のうち18.2%が中心静脈栄養で入院されているということです。
その次のページは、そのうち他の医療機関または自宅等から中心静脈栄養を実施した状態で入院してこられた患者さんが約4割、39.6%いらっしゃる。残り6割が自院の療養病床で中心静脈栄養を入れたと考えていいかと思います。
5ページは、その中心静脈栄養を入れた患者数1,135名の分析にして、その中から自分の病棟でその中心静脈栄養を中止した患者様は13.9%。
その次の6ページには、その中心静脈栄養を中止した患者様が158名いらっしゃった。それを全体像として、そのうち約5割、52.5%が経管栄養に変更しました。残りの25%弱が経口摂取に変更できました。残りの20%が抹消の静脈栄養等に変更しましたという結果が出ています。
7ページを見ていただきますと、中心静脈栄養を実施した患者さんのうち、代替可能な栄養法があるにもかかわらず、中心静脈栄養を実施している患者がどれぐらいあったかというと、1,135名中1.5%、患者数ですと17名でした。
その分析をさらにまた進めまして、8ページがあります。その17名中、本人・家族の希望によって実施している患者というのが94.1%、本人・家族の希望以外の理由で実施したのが5.9%ということでした。1名ということです。
あと9ページに関しては、今度、看取りに関連したグラフ7、療養病棟入院基本料1の入院患者のうち、全退院患者のうち死亡退院した患者様は45.4%、4割5分。
そして、10ページのその死亡退院の患者869名中、容態の急変で死亡された方が15%、治療による回復を目指していたにもかかわらず死亡された患者さんが39.9%、4割、それから、医療の継続と看取りのために入院されていた患者さん、治る見込みは極めて厳しいけれども医療は継続しなければいけないで、看取りということで見ていた患者さんが44.3%、医療の必要性はなく、看取りのために入院された、要は施設等に行くことが可能だった患者さんが2.5%ということで、この結果を見ていただいてもおわかりのように、看取りだけのために入院している、療養病床でそれだけ看取るのだったら施設でもいいではないかという御意見がありましたけれども、そうではない、やはり医療を提供しつつ亡くなる患者さんがどんどん多くなってきているという実態が明らかになったかと思います。
中心静脈栄養に関しては、代替可能な手段があるにもかかわらず入れていく方は極めて少ないこともデータとして出ましたので、もちろん、中心静脈栄養、長期継続することを是としているわけではありませんが、他院のところから転院してきた患者さんが一定程度いらっしゃる、4割以上いらっしゃるということを考えると、入れる段階でもう少し慎重に検討できる、それが療養病床で検討できればもう少し違った形ができるかと。
例えば経管栄養でも、一旦入れたものを抜くということは、何らかの形で中心静脈入れて入ってきた患者さんというのは、要は栄養手段として入れているわけですので、ほかの代替のものがなければ、これを抜くということは逆に死に直結するわけですね。これを一旦何らかの理由で他院の先生から言われて入れたものをこちらが抜くということはかなり厳しい話し合いになってしまうということがあるので、そういうことも踏まえたこういうデータが出たということを御理解いただければと思います。
ただ、最後に言いますと、これは役員病院、言うなれば、ある意味では、意識が高い病院のデータということは多少バイアスかかっていることは否めないと思いますけれども、一応そういう前向きに考える病院はこういうことをやっているということで御理解いただければと思います。
以上、ありがとうございました。
○尾形分科会長
ありがとうございました。それでは、この議題につきまして御質問、御意見を承りたいと思います。
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
牧野です。ありがとうございます。
56ページ、まず、基準マル2のみに該当する患者の必要度I、これでIのほうに該当項目がないのが6割から7割ということですね。あと、医療資源投入量もゼロというのが4割から5割というのは、これはDPC病院であれば出来高関連項目をあえてシステムに入力していないということが見事にあらわれているデータかなと思います。ですから、DPC病院がきちんと入力していればこういった格好にはならないのですけれども、入力していなかったということだと思います。
あと、57枚目ですけれども、A1点が心電図モニターのときは呼吸心拍監視、これはほぼ1対1対応するものかなと思うのですけれども、呼吸器ケアに関しては酸素吸入が大部分だったということ。ただ、呼吸ケアの中には、それ以外の体位ドレナージとか、いろんな理学療法的な呼吸ケアの仕方も入っているのですが、これが診療報酬上はないのですね。ですから、ここがやはりIとIIの違いということで、こういったことは避けて通れないことかと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。
武井委員、どうぞ。
○武井委員
ありがとうございます。
私も、今の牧野委員と同じ考えで、スライド56の場合は、やはりまだ看護必要度IIのようにデータでやっていない看護必要度Iなので、実施した項目の入力がまだまだ甘いというか、しっかりされていないのではないかというところと、呼吸ケアで言うと、看護必要土Iの場合は、先ほどお話がありましたが、排痰を促すための体位ドレナージとかスクイージングが要件に入っているのですが、その項目が算定コードにないので、資源投入量として挙がってこないということも、このコードなしのパーセントに影響しているのではないかと思います。
以上です。
○尾形分科会長
事務局、どうぞ。
○木下補佐
事務局でございます。
56枚目の解釈ですけれども、必要度IとかIIだからコードを入力しないというのは、DPCのルールから見た場合に、そこはそもそもおかしいと思いますので、IとIIではなくて、DPCの算定ルールとして見た場合、コードがないというところは問題であろうかと思っておりますので、IだからとかIIだからというところではなくて、そもそもこういうものが入力されていないというところの問題と、今回このような分析をするに当たって、こういうものが入力されていないということで十分な分析ができないというところのほうが問題かなと事務局としては思っているところでございます。
○尾形分科会長
奥委員、どうぞ。
○奥委員
ありがとうございます。
私も、登録がないということは問題だと思うのですけれども、こうやって資源投入量がゼロと書かれると何もしていないように見えるので、EF統合ファイル上の点数がなかったみたいな書き方のほうがいいのかなとは思いました。
○尾形分科会長
神野委員、どうぞ。
○神野委員
59ページの基準マル2に該当する直前の状況というところで、これは、もちろんB項目はそれなりにあるということはもともといろんな身体的状態が口腔清拭とか必要な人が、あるいは衣服の着脱できない人が急性期病院に入っているということだと思うのですけれども、ただ、A項目が非該当が多かったのでほっとしているのです。何らかのイベントがあって、当然のことながら、基準マル2に該当するようになったという証拠だということです。今まで多少風向きとして基準マル2はけしからん的な話があったので、これは逆に基準マル2に至るときにイベントがあって、心電図モニターが必要になったとか、呼吸ケアが必要になったということの証拠だということで、心を強くしたデータであります。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。ほか、いかがですか。
牧野委員。
○牧野委員
牧野です。
まず、先ほど事務局が言ったDPC上の必要なものが入力されていないということは、DPCの制度上でも結構大きな問題だと思うのですね。各診断群の日当点つけるときに、出来高の部分を足していってつくるので、その分だけ、実は実際よりも低い点数設定が世の中で行われているということで、これは非常に問題だと私も思います。
あと2つ目。60ページを見ていただきたいのですけれども、このB項目の変動ですね。これは手術ありのほうは余り大きな変動がなくて、手術なしのほうで変動しているという、これをどう解釈するかということですが、B項目の変動に、手術というのは大きな医療上のイベントなわけです。ですから、イベントに関連した動きはないと。むしろイベントと関連せず、医療行為と関連せず動いているということは、やはり病状の変化によってこれだけ変わるという解釈ができるのかなと思うのですけれども、もしほかの解釈があったら教えていただきたいと思います。
○尾形分科会長
これは、事務局いかがですか。
○木下補佐
この60枚目だけで何かを語るのは正直難しいなあというところで、どういうことが考えられるかとか、さらにこういう観点で分析ができないかという宿題をいただければ取り組みたいと思っているのですけれども、今回いただいた、手術で差を設けたところ、これ以上の結果がなかったということと、あと、当然ながら、分析するに当たっては手術という一つのイベントで変化があるのかなと思ったのですけれども、少なくともそういうことはなかったというところまではわかったかなと。それ以上のことをこれから語るのはなかなか難しいかなという気がしております。
○尾形分科会長
ありがとうございました。奥委員、どうぞ。
○奥委員
想像でしかないのですけれども、これもきちんと項目をつけるかつけないかというその課題かもしれないですけれども、手術があるとB項目でとらなくても、そもそもC項目で手術しているからいいかなという現場のことがあるかもしれないけれども、これだけ見てもそれはわからないという状況だなと思います。
一方で、そういう話をすると、やはりナースが看護必要度B項目を入れるのがすごく大変だからやめたほうがいいんじゃないのという意見もあるかもしれないですけれども、本来、B項目があろうがなかろうが、患者さんが動けようが動けまいが、変化があろうがあるまいが、変化がないことも患者さんにとっては必要な情報であれば、記録自体はしているはずで、B項目として書いていないというだけだろうなと思うのと、実際に去年ちょっと大きな科研で調査したところ、B項目にかかわる点数にどのぐらい勤務中時間かかりましたかというのは、5分ぐらいだったので、5分を長いと見るか短いと見るかだと、そんなに長くかかってないのかなとも思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。井原委員、どうぞ。
○井原委員
先ほどの傷病名の未コード化とも関連するのですけれども、こういうお話を聞いていると、行ったことを正しく正確にデータに入力するということがいかに大切かということだと思います。牧野委員もおっしゃったように、DPCではいつ出来高になるか、コーディングによっては、30日、60日と日数も変化すれば、DPCだと思っていた症例が出来高に急に変わることもあるわけですから、ふだんからきちんとデータを正しく入力しておきませんと、先ほど言われたように、点数設定そのものにも影響を及ぼすことになりかねないと。お忙しいとか、データの管理者がいないという御意見もありましたが、それを言っていては正しいデータは集まってこない。そういうこともわかった上で、きちんとデータはつくっていただかないとうまくないのではないかと思います。
それからもう一つ、先ほどデータ提出加算の点数が低いというお話があったのですが、おっしゃる意見はわかるのですが、これは医療保険でこのように入れますと患者さんの負担金として返ってくる話です。なかなかこういう問題は悩ましくて、意見を言うのは難しい問題だと思うのですが、医療保険の加算だけで全てをやれば、それはこういった問題を患者さんが診療報酬の一部負担金として負担することで解決するのかどうか、もう一度考え直してみる必要があるのかなと、そのようにも思います。
以上です。
○尾形分科会長
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
牧野です。
74枚目のスライド、地域包括ケア病棟で実施される手術に関してですが、これは地域包括ケア病棟で短期滞在手術を除くと。ですから、地域包括ケア病棟で短期滞在の3をとっていないということは、この病棟はDPC病棟を持っている病院の地域包括ケア病棟という解釈でよろしいのですね。
○尾形分科会長
これは御質問ですね。事務局、お願いします。
○牧野委員
追加すると、制度上、DPCの算定をしている病院はこの短期滞在手術3を算定してはいけないということが書かれているのですね。だから、そういった病院はまず間違いなくそうだろうなと思うのですが。
○木下補佐
それで大丈夫です。
○牧野委員
ですから、DPC病棟も持っていて、地域包括ケア病棟も持っていて、なおかつ、わざわざ地域包括ケア病棟に入れて手術をしているというのがこの74ページのグラフになるわけですね。
○木下補佐
そうなります。
○牧野委員
ですから、これはなぜそうするかというと、実は地域包括ケア病棟のほうが点数高いのですよ。特に白内障は。あと、内視鏡的ポリープに関しても、入院期間によってはいろんな加算とかとっていったら、地域包括ケア病棟が点数が高くなるのです。これは点数表見て計算したらわかると思います。ですから、ここは地域包括ケア病棟でやっている。直接地域包括ケア病棟に入れて手術することを誘導したいと多分議論が進むと思うのですけれども、点数が高ければ手術しますということのあらわれかと思います。
以上です。
○尾形分科会長
山本委員、どうぞ。
○山本分科会長代理
これ、本当に全部DPC病院なのですか。むしろ3の日数を超えて出来高でやっている部分も入っているのではないのかなと私は逆に思ったのですけれども、その辺ちょっとしっかりはっきりさせていただいたほうがいいのかなと思いました。
○木下補佐
事務局でございます。
確認はいたしますが、日数超えはそんなに入っていないと思います。全く入っていないかどうかはちょっと確認いたしますが、割合的にはそんなにはないのではないかと思います。
○尾形分科会長
井原委員、どうぞ。
○井原委員
私は単純に、これは地域ケア包括病棟で水晶体の再建手術をやったということで、DPC病院も、DPC病院でない病院も両方含まれたデータだと見ていたのですけれども。
○牧野委員
診療報酬上、短期滞在手術に属する手術を行った場合には必ず算定しなくてはいけないのがルールなのですね。ただ、逆にDPC病院だけは算定してはいけないと書かれているのです。
○井原委員
しかし、地域包括ケア病棟入院料をとっている場合にはDPCの対象外になりますよね。
○牧野委員
であっても、DPC病院というだけでだめなのです。
○井原委員
一般病院であるから、この場合は短期滞在になるはずだということですか。
○牧野委員
そうです。
○井原委員
短期滞在ではとれないということがありますよね。
○牧野委員
だから、74ページのほうは、DPC病院で地域包括ケア病棟に入れて短期滞在手術をやった場合に、短期滞在でとれないから、だから、こういった短期滞在以外の手術として出てくるわけです。ところが、75ページのほうは、DPCを持っていない病院でこれに類した手術をした場合には必ず短期滞在手術でとらなくてはいけないので、ここに出ている状態になるわけです。
○井原委員
そういうことですか。了解しました。わかりました。
○尾形分科会長
事務局、どうぞ。
○木下補佐
事務局でございます。
今の点につきましては後日改めてちょっと整理させていただきますが、今、牧野先生御説明いただいた内容で基本的には正しい内容となっておりますので、改めて整理いたしますが、前提としまして、DPC病院とDPC病院以外の違いと見ていただければと思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
山本委員、どうぞ。
○山本分科会長代理
さっきの60ページの手術ありなしでB項目の変化量というところですが、これはそもそも見ている患者が全然違うのではないか。例えば在院日数もどう違うのか。手術ありの患者さんは割と短期で手術だけしてちゃちゃっと帰ってくる。一方、手術なしの人はすごく慢性で、長くかかって、その間に変化が出ているとか、そういうことはないのかなという推測も成り立つので、その辺もちょっと調べて。これをもし突っ込むのだったら、そういう背景が必要かなと思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。ほか、よろしいでしょうか。
武井委員、どうぞ。
○武井委員
武井です。
地域包括ケア病棟の疾患別リハのところについて、現場でも話を聞いてみたのですが、「リハビリがない」状況は幾つも考えられるのではないかと思います。まずは、先ほど上位2位の手術・処置等の患者さんなんかはやはり自立度が高くて、リハビリの必要がなく、自宅退院ができると予測されること。もう一つは、地域包括ケア病棟の場合、全身状態の悪化に伴いリハビリができなくなるケースがあったり、急性期病院から看取り方針で転院してくるような患者さんの場合はリハビリの提供ができない。もう一つが、嚥下障害があるような患者さんはSTが介入するのですが、この場合、疾患別リハでは算定せずに、摂食嚥下療法で算定するケースがあるということ。もう一つ、地域包括ケア病棟のリハビリは、どちらかというと生活期、維持期リハビリテーションになるので、集団リハビリや理療士リハビリを取り入れている病院があると聞いています。なので、疾患別リハではなくて、ほかのリハビリテーション、疾患別以外のリハビリの提供状況というのはどうなっているのかというところもデータとして出してみたらいいのではないかと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ほか、よろしいでしょうか。
菅原委員、どうぞ。
○菅原委員
ありがとうございます。
基準マル2のみに該当する部分に話をちょっと戻して申しわけないのですけれども、私は医療の中身や現場の中身についてはよく存じないので余りその話は立ち入りませんが、先生方のいろんなお話を伺っていて、なるほどこの部分にもいろんな事情があるのだなということは了解しました。その上で、全体論として言うと、これは今、一般の入院病棟の話をしていて、基本的には急性期の診療報酬をどのように評価していくべきかという話をしているのだと了解しています。
そういった意味では、この基準マル2のみに該当している患者さんの状態像というのが、療養病棟の患者さんの状態像と比べてどれぐらいかぶっているのかといいますか、どれぐらい重複しているのかというのを、資料を見せていただいて、それが余りにも同じような状態像の患者さんがいるのであれば、やはりこの基準というのは一般病棟の評価としてはふさわしくないのではないかなあという気がいたします。
以上です。
○尾形分科会長
ほか、よろしいでしょうか。
池端委員、どうぞ。
○池端委員
今の点とは違うのですけれども、療養に関して少し私の感想を述べさせていただきます。62ページと63ページにそれぞれの病院の施設数のグラフが出ています。まず、中心静脈栄養については10%未満が、これは調査の患者票から出てきた100施設あってということで、やはり圧倒的に10%、20%程度が多いということはこれで見られると思いますけれども、逆に90%以上中心静脈栄養入れているのが2施設あるというのをどう解釈するか。この辺は私としても、選択的に集めない限りこれはあり得ない、一般的に普通、患者さんがニーズがあって受けている場合にはこういうことはちょっとあり得ないと思うので、この辺の病院がどういうスタンスをしているのかちょっと気になるところがあります。
それから逆に、ただ、喀痰吸引に関しては、63ページ、これは結構ばらつきが多いのですけれども、私の知っている病院でも、人工呼吸器を8割以上つけている患者さんばかり入れている療養病床というのは、これはあり得るのですね。選択的にそれだけやっていて、それで回しているというところがあるので、これはこれで意味があることだと思うのですけれども、中心静脈栄養の9割というのはちょっとどうなのかなという気はしているのが感想です。
それから、最後の65ページに参考で出ていることがあります。この参考のとおりだと思います。実際に長期中心静脈栄養を入れる場合に感染のリスクをどう考えるかということが中医協の先生方からも出ておりましたけれども、いろいろ感染の対策をしていっても、結局のところ、ある程度感染を起こして、で、抜いて、入れかえるということをしないとなかなか、事前に調整して、定期的に入れかえていたとしても、感染起こる機会は余り変わっていないという報告がありますので、実際に私自身も経験している中では、確かにこのとおりだなということで、具体的に言うと、3カ月から半年ぐらいの間に突然高い熱、スパイクフィーバーが出て、ほかに感染の兆候が全くない場合、本人はけろっとしている場合はやはり疑って、そして差しかえするとすっとおさまるということがよくありますので、こういうことで注意しているというのが現場の現状かなということを、これは感想ですけれども、感じました。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございます。神野委員、どうぞ。
○神野委員
もう一回、菅原委員のさっきの59ページのところで、確かにB項目だけ見たら、療養とそんなに変わらないじゃないのという話はあるけれども、ここでA項目が出たというところがやはり一つの急性期たるところであるわけでありまして、なので、例えば施設からいらっしゃって、もともと認知症を持っていらっしゃる、そんな方は山ほど救急車で来ますよ。そこで新たにA項目になるような肺炎が重症化したとか、もし外科的でないとするならば、内科的な病状が悪化したとか、あるいは化学療法したとか、そのようなことがあってA項目ふえてきたということですので、急性期の指標としてはやはりマル2はあるのかなと思います。
続きまして、IVHの話は池端委員のおっしゃったとおりだと思うし、それからFIMの話も、ちょっと触れられていませんけれども、IVHの話は、前回もお話ししたけれども、やはり何らかの、抜くことに対してのことをやったという説明責任というものは求めるべきなのかな。それでも入れなければいけない人は入れなければいけないということになると思います。
それから、FIMの話は、今回いろんなデータが出てきて、実際に入棟前の低下というのがデータ上は出ているので、これはこれ以上申し上げる必要はないと思いますけれども、ただ、そうすると、FIMは結構主観的なものが入ってくるというところでのこのデータをどう見るかということになってきたときに、何らかの、前回も申しましたけれども、説明責任というか、評価するような仕組みというものがないと、ただけしからんと言っても、それはなかなか難しい。
前回は適時調査なんていう話をしたけれども、それは余り強く言うとあちこちから怒られてしまうのであれですけれども、例えば医療機能、病院機能評価がそれにたえるかどうかという話もあるかもしれないし、何らかの評価する仕組みというのはちょっと考えないと、それも病院の説明責任として言えるようなことを入れておかないといけないのかなと思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。牧野委員。
○牧野委員
牧野です。
先ほどの菅原委員からの指摘、基準マル2に該当する患者は慢性期、療養と同じではないかということに関してですけれども、そもそもA項目が急性期で行っている医療の全てを拾っているわけではないという問題点があります。ですから、ここに載ってこない急性期医療というのもたくさんあって、それらをやっているかどうかというのが全く判断できていないわけですから、一概に先ほどの意見にはならないかなあと思います。
○尾形分科会長
菅原委員。
○菅原委員
ありがとうございます。
先生方からいろいろ御意見を伺いまして、なるほどなあという部分もございます。でも、54枚目のスライドですかね、基準マル2のみに該当している患者の該当項目のA1は心電図モニターが多いということです。今、牧野先生のおっしゃるように、拾えていないものが多いということは前提ですけれども、資料としてぜひ事務局にお願いしたいのは、先ほど申し上げたとおり、実際に療養に入られている方、どれぐらいこういったモニターというのがつけられているかどうかということは、私は医療に関して素人なのでよくわかりませんけれども、急性期、一般病棟の基本料の話をしているので、その部分の評価を明確にするという意味で、ほかの病棟と違うものがきちんと提供され、入っているのだということをきちんとエビデンスとして示さないと、やはり社会的にはなかなかここの部分の理解を得ることは難しいのかなあという部分がございます。そのあたりの資料を少し何か掘り下げていただければ大変ありがたいなと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。松本委員、どうぞ。
○松本委員
ありがとうございます。健保連の松本です。
今の菅原委員と同じ意見でございます。以上です。
○尾形分科会長
ちょっと事務局のほうも今の御意見を踏まえて検討していただきたいと思います。
それでは、ほかに御質問、御意見もないようでしたら、本件に係る質疑はこのあたりにしたいと思います。
続きまして、DPC/PDPS等作業グループの分析についての報告につきまして議論を行いたいと思います。作業グループの山本班長のほうから資料の説明をお願いいたします。
○山本分科会長代理
資料は入-2、それからあと参考資料としては、入-2参考というのを使って御説明申し上げます。
まず、入-2でございますけれども、DPC/PDPSの作業グループでは、中医協及びこの入院分科会で御指摘いただいた事項を踏まえて分析・検討を進めているところでございます。第1回、第2回の作業グループにおける検討状況については既に御説明しておりますので、きょうは第3回の作業グループにおける検討状況について報告申し上げます。
まず、分析の方向性としては、DPC対象病院の現状について分析して、病院ごとの入退院経路に関する分析、それから、医療資源投入量や在院日数に着目した分析をさらに行っております。
第2回の作業グループにおいて、その医療資源投入量が少ない病院は、他病院に対して支払われる報酬水準に不公平が生じているのではないか、分析対象を広げて、それらの病院の特徴を分析してはどうかということで、入-2参考の6ページをごらんいただけますでしょうか。
5ページがその前の上位、下位100位というところでございますが、6ページは、上位、下位300位まで広げて分析したところでございます。この分析から医療資源投入量の低い病院に着目した分析を進める方向性から、この医療資源投入量が少ない病院のうち在院日数が短い病院については、この左の下に入るところですね。自院内のDPC算定対象病棟以外へ転棟する症例が多いことにより、在院日数が短くなる場合が考えられるということで、DPC/PDPSの点数設定へも影響するため、転棟する症例の割合とあわせて分析を進めてはどうか。あるいは、医療資源投入量が少ない病院のうち在院日数が長い病院については、DPC/PDPSの中で在院日数の延長などの影響も懸念されることから、個々の病院における症例の特徴を踏まえて引き続き分析を行うこととしてはどうかというような意見が出されているところでございます。
また、次のところでございますが、第2回の作業グループにおいて、その病院ごとにDPC対象病棟から自院のほかの病棟に転棟する症例の割合の違いがどれぐらいあるか分析が必要ではないか。あるいは、急性期以外の病棟を持つ病院の分析は許可病床に占める割合の数値だけではなくて、退棟経路などもあわせたさらなる分析が必要ではないかということで、病院ごとの転棟する症例の占める割合に着目した分析と、割合が高い病院の特徴を分析しております。
これは参考資料の10ページ以降、10、11、12ページでございますが、以上の分析から、第3回の作業グループでは、自院内の転棟割合について、医療資源投入量や在院日数との関係を含めて引き続き分析を行うこととしてはどうかという意見があったところでございます。
10ページが、転棟する症例が占める割合が50%を超える病院は、この右端のように長く伸びるということでありますし、11ページに関しては、DPC算定病床の占める割合を横軸にとって、縦軸に転棟症例の割合を見ているところでございます。
さらに、今度15ページ、16ページのお話でございますが、第2回の作業グループにおいて医療資源投入量が少なく、かつ、在院日数が短い病院は、特定の診療科の診療に特化した病院が多いのではないか。そのため、カバーしている傷病の種類等の分析が必要ではないかということで、特定の診断群分類区分に占める割合に着目した分析と、それから、特定の診断群分類区分を多く見ている病院の分析を実施しております。それが15ページ、16ページでございます。
以上の分析から、第3回では、特定の診断群分類を多く見ている病院と、それから医療資源投入量及び在院日数との明らかな相関は見られないということで、特定の診断群分類を多く見ていることを今後の検討に用いることは慎重に行うべきではないかという意見が出されているところでございます。
またさらに、小児に関することでありますが、入院分科会などで主として小児を対象としている病院について別に分析してはどうかというような御意見をいただいておりますので、これは参考資料の17ページ以降でございますが、小児の症例が多い病院については分析の対象外としております。この17ページの矢印の右側のところであります。また、小児の診療を多く実施する病院の傾向について分析を行ったのが参考資料の18ページの資料でございます。
以上のような分析から、小児の診療を多く実施している病院には一定の傾向があるため、このDPCの作業グループにおける今後の検討に当たっては引き続き一定の配慮が必要ではないかということ。そして、対象とする病院の基準については引き続き検討を行うこととしてはどうかという意見がございました。
以上を踏まえまして、参考の19ページが今後の分析の方向性ということをまとめておりますが、ここにありますように、DPC対象病院の要件について検討する上で、医療資源投入量、在院日数、それからDPC病床の数と割合、さらに転棟症例の割合を組み合わせた分析に加えて、各病院における個別症例の特徴に着目した分析を実施すること。さらに、最も多い診断群分類について、医療資源投入量や在院日数との明らかな関係が見られないため、この点については今後の分析に用いることは慎重にするべきではないか。そして、小児の診療50%以上行う病院については分析の対象外としておりますが、今後、DPCの対象病院の要件を検討する上で、小児の診療を主に行う病院の基準については引き続き検討することとしてはどうかということでございます。
続いて、この作業グループの作業内容のもう一つであります医療機関別係数についての報告でございます。地域医療係数、資料の20ページでございますが、地域医療係数のうち治験等の実施、この四角の枠で囲っているところでありますが、の見直しについては、現行の治験等の実施の評価対象となる病院が少ない現状を踏まえると、臨床研究中核病院の要件を参考に評価内容を見直すこととしてはどうかという意見がございました。また、地域医療係数のうち、新型インフルエンザ等の対策、これは参考資料の23ページ、24ページになります。ここについては、新型インフルエンザ等協力病院が把握できるようになったということを踏まえて、機能評価係数IIにおける評価を検討してはどうかという意見でございます。
また、参考の25ページでございますが、激変緩和係数につきましては、診療報酬改定における報酬の変動について、病院個別の要因を特定することは困難であるということから、激変緩和件数に関しては前回の診療報酬と同様に設定することを検討してはどうかというような意見がございました。
また、DPC退院患者調査における報告内容につきましては、FIMや要介護度の集計結果については一定の解釈が可能となる項目については引き続き検討することとしてはどうかという意見がございました。
報告は以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。それでは、この議題につきまして御意見、御質問等がございましたら承りたいと思います。
神野委員、どうぞ。
○神野委員
ちょっと一般論になるかもしれませんけれども、例えば4、5ページあたりで、正規分布の範囲、どこをとるかという話も大きな話で、この赤い枠を大きくすれば外れが少なくなるし、赤い枠を小さくすれば外れが大きくなるわけでありまして、全く一般論ですけれども、どの辺のところを分布の正とするかというところはやはり大きな話かなと思います。
というのは、DPCはもともと、損すると言っては何ですけれども、損する患者さんもいるけれども得する患者さんもいて、その多様性があるから、それでトータルでどうなのという話というふうに、ちょっと乱暴な言い方ですけれども、理解しておりますので、損する患者さんが1人でもいたらけしからんとか、得する患者さんがいたらけしからんという話ではないのではないかなと、これは一般論であります。
それから、転棟の話ですけれども、確かに10ページとか見ると、非常に転棟する症例の割合が多い病院があるということで、恐らく1病棟、DPC病院で、そして、そのほかの病棟が地域包括とか回復期リハとかいろんな先ほどのその他の病棟群というところになるのかなと思うのです。その中で、診療報酬上の話としては、地域包括にDPCからいったら、転棟したら、DPCの点数がいくのですよね。いかないですか。それ、間違いならいいですけれども、もしそういうことがあるならば、ここは、DPCの議論でないですけれども、考えないといけないのかなと。済みません。
○尾形分科会長
井原委員、どうぞ。
○井原委員
DPC算定患者さんが一般病棟のまま地域包括ケア管理料を算定したときには、DPCの点数がそのまま移行します。しかし、地域包括ケア病棟に転棟した場合には、もうその段階でDPCは終了して、地域包括の入院基本料になると。管理料と病棟でそこは分かれております。
○尾形分科会長
事務局、どうぞ。
○木下補佐
事務局から補足です。井原先生の今おっしゃるとおりでございまして、管理料のほうに移った場合、そもそも転棟ではないので、DPCのままということになります。DPCの病棟から地ケアの病棟とか他の病棟に転棟したものにつきまして今回は整理させていただいておりますので、そういう前提で御理解いただければと思います。
○尾形分科会長
ほか、いかがでしょうか。
よろしいですか。
ほかに御意見等もないようでしたら、本件に係る質疑はこのあたりにしたいと思います。
本日の議題は以上でございます。次回の日程等につきまして、事務局からお願いします。
○木下補佐
事務局でございます。
次回の開催につきましては、9月26日を予定しております。詳細につきましては改めて御連絡させていただきます。
○尾形分科会長
それでは、以上をもちまして令和元年度第7回「診療報酬調査専門組織・入院医療等の調査・評価分科会」を終了させていただきます。長時間にわたりまして熱心な御議論、どうもありがとうございました。
ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会))> 令和元年度第7回入院医療等の調査・評価分科会・議事録(2019年9月19日)