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2019年6月19日 令和元年度第3回入院医療等の調査・評価分科会・議事録

○日時

令和元年6月19日
9:59~11:31

 

○場所

全国都市会館第1会議室(3階)

○出席者

【委員】

尾形分科会長、山本委員、池田委員、池端委員
石川委員、井原委員、奥委員、神野委員
菅原委員、武井委員、林田委員、牧野委員、松本委員
 
 

【事務局】

医療課長、企画官他

○議題

1.一般病棟入院基本料等
2.入退院支援

○議事

○尾形分科会長
おはようございます。定刻になりましたので、ただいまより「令和元年度第3回診療報酬調査専門組織入院医療等の調査・評価分科会」を開催いたします。
まず、委員の出欠状況でございますが、本日は川上委員が御欠席ということになっております。
それでは、早速議事に入りたいと思います。「一般病棟入院基本料等」及び「入退院支援」につきまして議論を行いたいと思います。
まず初めに、事務局のほうから一括して資料の説明をお願いいたします。
○木下補佐
おはようございます。事務局でございます。
お手元のパットのほうで診調組入-1をお開きください。本日、「入院医療を取りまく現状」「一般病棟入院基本料」「入退院支援」、3つのセクションで用意させていただいております。
まず、入院医療を取りまく現状ということで、3ページまでお進みください。こちらは出典が患者調査となっておりまして、年齢階級別の入院/外来受療率の推移をお示ししているところでございます。左が入院になっておりまして、各年齢階級ごと、それぞれ下がっているところでございますが、特に65歳以上におきまして顕著に低下傾向というところでございます。外来に関しましても、経年の推移を見ていきますと、低下傾向にあるということが見てとれるかと思います。
4ページは、病床の種類別に見た病床数の年次推移となっています。総病床数に関しましては緩やかな減少傾向。一般病床は近年横ばいからやや減少傾向という全体的な様子が見てとれるかと思います。
5ページ以降は入院基本料ごとの資料をおつけしているところでございます。5ページが入院料別の病床数の推移でございまして、全体的に低下傾向となっているところでございますが、7対1に関しましては、平成26年以降、減少傾向という状況になっているのが見てとれるかと思います。
6ページにつきましては、平均在院日数の推移をおつけしているところでございます。グラフの一番下に来ているのが7対1ということになっておりまして、7対1の入院基本料が最も短く、全体的に見て近年横ばいの傾向というところでございます。
7ページは、病床の稼働率を同じく入院基本料別に見ているところでございます。病床稼働率、7対1の入院基本料が最も高くて、近年のデータで80%を超えてきているというところでございますし、27年以降、病床稼働率は、7対1と10対1に関しましては上昇しているという傾向が見てとれるかと思います。
8ページにつきましては、前回本分科会でお示ししました今回の入院医療等の調査の施設票から見ました平均在院日数と病床利用率を基本料別でおつけしている資料でございます。
9ページは、入院1日当たりの入院医療費の推移と平均在院日数を合わせたグラフになっております。左の軸で1日当たりの入院料の推移、右のほうで平均在院日数をお示ししているところでございます。平均在院日数は減少傾向、1日当たりの医療費は増加傾向というところが見てとれるかと思います。
10ページは、各入院基本料、特定入院料ごとの大まかな全体の様子をおつけした資料でございますので、御確認いただければと思います。ここまでが入院医療を取りまく現状をまとめたところでございます。
11ページ以降は、今回の入院基本料で得られました情報につきまして、患者の状態、重症度、医療・看護必要度、看護職員の配置状況、今後の届出の意向というセクションに分けて御説明してまいります。
12ページは、入院料ごとの年齢階級別の分布をおつけしております。今回につきましては、上から特定機能病院、専門病院、急性期の1、2~3、4~7、地域一般、ここまでの範囲につきまして各年齢階級別の分布等々を御説明してまいります。
資料のつくりといたしましては、13ページを見ていただくとわかりますが、特定機能病院と専門病院をおつけしまして、次のページで急性期の一般と地域一般をつけて、資料の構成をしているところでございます。
13ページは、特定機能病院と専門病院の年齢階級別の分布をおつけしているところでございますが、それを各病床数、100床ごとで区分しているところでございますが、こちらにつきましては、病床の差に応じまして年齢階級の分布の違いは明らかでないということが見てとれるかと思います。
14ページは、若干n数の幅があるところでございますが、一番n数が多いのが左上の急性期一般の入院料になっておりまして、ここで約1万2800名程度の状況が見てとれるところでございます。こちらを病床規模別に年齢階級に分けていきますと、急性期の一般1に限った話ではございますが、病床規模が小さいほど高齢の患者が多いという傾向が見てとれるかと思います。
15ページ以降は、要介護度の患者さんの割合をお示ししているところでございます。
16ページには特定機能病院と専門病院をおつけしていますが、こちらは数が少なく、分布もばらばらという状況でございます。
他方で、17ページは、先ほどと同じように、急性期の一般入院料1、左上をごらんいただきますと、病床規模が小さいほど要支援・要介護の患者さんの割合が高くなっているという傾向が見てとれるかと思います。
18ページは、日常生活の自立度別の割合をお示ししているところでございます。
19ページは、特定機能病院と専門病院でございますが、おおむね自立の方が多数を占めているという状況でございます。
20ページです。左上、急性期の一般入院料を見ていただきますと、青の斜線が「自立」になっておりますが、病床規模が小さいほど「自立」が減って、それ以外の方がふえていくという傾向が見てとれるかと思います。
21ページからは医師・看護師による医療提供の状況でございます。21ページから入棟中の患者の医療的な状態ということで、青の斜線が「安定している」、赤のポツポツが「時々、不安定である」、緑のところが「常時、不安定である」という方をお示ししているところでございます。
21ページの特定機能病院と専門病院につきましては、病床規模で大きな差は見られないというところでございます。
22ページ、こちらも病床規模の差で何かしら傾向がというのはなかなか見にくいところでございますが、急性期の一般1だけを見ていきますと、「時々、不安定」「常時、不安定」という方が4割程度を占めているというところが、病床規模にかかわらず見てとれる状況かと思います。
23ページからは医師による診察(処置、判断を含む)頻度の割合になります。青が週1回程度以下、赤いところが週2~3回、緑が毎日、紫の波々が1日数回という頻度の割合になっております。23ページの特定機能病院、専門病院につきましては、余り傾向というものは見えないところでございますが、24ページに進んでいただきまして、急性期の一般1を見ていただきますと、これまでと同様の傾向で、病床規模が大きいほど医師による診察の頻度が多くなるという傾向が認められるところでございます。
25ページは、看護師による直接の看護提供の頻度になっております。青が1日に1~3回、赤が4~8回、緑が4~8回を超えた頻繁な観察・管理が必要というカテゴリーになっております。25ページの特定機能病院に関しましては、直接の頻度が4~8回またはそれ以上の患者で6割ぐらいを占めているという状況でございました。
26ページは、なかなか傾向というところはないところでございますが、急性期の一般1を見ていただきますと、直接の提供頻度が4~8回またはそれ以上が6割程度ということで、25ページとほぼ同じぐらいの頻度で看護師による看護が提供されているという状況かと思います。
27ページは、入院料ごとの入院時の褥瘡の有無と退棟時の褥瘡の有無を比較したグラフになっております。褥瘡の有無について見ますと、入院時、退棟時ともに青い部分「皮膚損傷・発赤なし」が最も多い。一部の入院料におきまして、入院時よりも退棟時に「持続する発赤」「真皮までの損傷」を有する患者さんが多くなっているというところが、パーセントとしてはわずかですが、見られるというところでございます。
28ページからは次のテーマ、重症度、医療・看護必要度について御説明してまいります。
29ページは、これまでの基本小委もしくはこちらの分科会のほうで医療・看護必要度につきまして、こういった視点で分析してはどうかといただいた主な指摘事項をまとめさせていただいております。6月12日に開催されました基本問題小委におきましては、重症度、医療・看護必要度Iの改定前後の割合の変化について、分布を含め、分析が必要ではないか。2つ目としまして、必要度のIとIIの差について、また分布、さらなる分析をしてはどうか。3つ目としまして、必要度の該当項目についての分析も必要ではないか。4つ目といたしまして、B項目の14・15を用いた新基準に該当する場合についての分析が必要ではないかという御意見をいただいております。
6月7日の本分科会におきましては、必要度Iの割合が改定後に大きく上昇している医療機関について、分析が必要ではないか。IとIIの差について、両方を算出している医療機関に限定して分析を行うべきではないか。必要度について、病床規模で分けて分析を行うべきではないかという御意見、御指摘をいただきまして、それらを踏まえて、今回現時点で御用意できる分析結果をおつけしているところでございます。
30ページは、現在の必要度に係る基準1でございます。いただいた御意見のB項目の14・15というのは、こちらで見てとれるかと思いますが、B14は診療・療養上の指示が通じる場合、Bの15は危険行動に該当するというもので、後ほどの分析の際もこの項目について別に分析を行っているというところでございます。
次のページにつきましては、専門病院、特定機能病院等の数値等をおつけしているところでございます。
32ページは必要度Iの概要で、対象病棟の入院患者について毎日測定して、直近3カ月の割合を算出するというところです。繰り返しでございますが、青の患者の状況等の14・15が先ほどのBの14・15に該当するところでございます。
33ページにつきましては、必要度IIの概要になっておりまして、こちらも対象病棟の入院患者について、A項目及びC項目は日々の診療実績データを用いて測定して、直近3カ月の該当患者の割合を算出するというものになっております。
34ページは、7対1の入院基本料の施設基準に係る経緯を簡単におつけしています。平成18年に創設されまして、20年に重症度、看護必要度の基準が導入され、その後、累次の見直しを行っているというところをおつけしているところでございます。
35ページは必要度のA項目、36ページはB項目、C項目のそれぞれの変遷というところをおつけしているところで、御参考に見ていただければと思います。
37ページは、現行の医療・看護必要度、前回改定におきまして必要度I、必要度IIと見直したことに伴いまして、それぞれの患者割合の要件を一覧でつけているところでございます。
中身を38ページから御説明してまいります。38ページは、医療・看護必要度の種類を各入院料ごとの1から7、地域一般につきまして、必要度I、必要度II、どちらに届け出ているかという状況でございます。急性期の1につきましては、2割程度必要度IIよりも使っているという結果が得られているところでございます。
平成29年、平成30年、いずれもこの割合の報告があった施設のみを選び出しまして比較したのが39ページ以降となっております。39ページは、29年と30年の割合の比較でございます。この場合、いずれの施設の平均を見ても、30年のほうが割合が高いという結果が得られているところでございます。
40ページ以降、入院料ごとの分布をお示ししているところでございます。39ページで平均を見たところでございますが、例えば急性期の入院料1で見ていただきますと、29年の分布が緑の山、30年の分布がオレンジの山となっているところでございますが、山全体が右のほうにシフトしているという傾向が見てとれるかと思います。その傾向につきましては、入院料2、4、5、いずれにおきましても左に緑の山があって、右のほうに黄色っぽい山があるという傾向が見てとれるかと思います。
41ページ、入院料6、7、さらには地域一般の1、特定機能病院等をおつけしているところでございますが、やはりいずれの入院料におきましても、改定前よりも改定後の割合が高いという分布の状況が見てとれるかと思います。
42ページは、それぞれの施設でどのぐらいのポイントの差があるかというのを見ていっているところでございます。29年、30年でおおむね5ポイントぐらい差があるということを見込んでいたところでございますが、今回急性期の一般入院料1で平均を集めますと、5.6ポイント。それ以外につきましても、施設数、少なくなってきているところではございますが、大体4~5ポイントのところ。急性期の4につきましては若干高いポイント差が出ているところでございますが、おおむね平均として5ポイントとなっているという状況でございます。
それの分布を見ていっているのが43、44ページでございます。こちらの見方としましては、差を見ているところでございまして、その差の平均値、中央値もあわせてグラフの中におつけさせていただいております。
43ページ、急性期の一般の1を見ていただきますと、こちらの施設数は322あるところでございますが、平均値の差が5.6、差の中央値も5.4となっておりますし、分布を見た場合も、おおむね2.5もしくは5ポイント程度のところに集積して、ほぼ正規分布の形に近づいた分布の結果となっているところが見てとれるかと思います。
急性期の2に行きますとn数が少なくなっていること。4、5で85施設ぐらいというところがございますが、ちょっと傾向は異なっているかなというところが見てとれるところでございます。
44ページに行きますと、急性期の6、7、地域一般1、特定機能病院というところをつけしております。この差を見ていきますと、分布が43ページと違って、0ポイントから2.5ポイントぐらいのあたりに集積しているという状況が見てとれるかと思います。ここまでが29年と30年を比較したものになっております。
続きまして、45ページからは必要度のIとIIを比較したところでございます。前回のときに御説明した資料と数字が大きく異なって見える階級があるかと思いますが、そちらに関しましては、必要度のIIにつきまして、各施設から0と報告いただいたところもまとめて前回事務局のほうで集計していたという点がございました。その点につきましては、その施設に確認したところ、0ではなくて、測定していないことを0と報告いただいていたということがわかりまして、0となった施設を全部除きまして、改めて再集計を行ったところ、必要度につきましては、0で該当した施設が抜けたこともありまして、平均値としては高くなっているというところで、IとIIの差で見ると、そこの差が小さくなっているということが今回分析する過程でわかったところでございます。事務局のほうでそこに気づくのがおくれたことはおわびしたいと思っております。
45ページから改めまして資料の御説明をしてまいります。45ページにつきましては、今、申しました必要度のIとIIでいずれも回答があった施設。特にIIにつきましては、0であった施設を除いております。いずれも入っているというところのデータを比較しているところでございまして、例えば急性期の一般の1でいきますと、施設数152の中で、必要度Iの平均が35.4、IIのほうで31.3という結果が得られたというところで、各入院料ごとの差を平均したのが45ページになっております。
46ページは、それの分布を見ているところでございます。こちらは急性期の1と2、さらには特定機能病院をおつけしているところでございます。IとIIを比較した場合、Iのほうが高いということで、赤っぽい山がIIになりまして、山吹色のほうがIになりますので、それぞれの山の雰囲気というものが見てとれるかと思います。
47ページは、急性期の4と5をおつけしていますが、全体として見た場合には、IIよりもIの割合が高い傾向にあるということが見てとれるかと思います。
48ページからは、先ほどと同じように、必要度のIとIIにつきまして差を集めていったというものになります。その場合、IとIIの差につきましてもおおむね5ポイントぐらいの差があるという見込みを立てたところでございますが、今回見ていただいてわかると思いますが、入院料1、2、4が大体4ポイントぐらい。7で5ポイントぐらいの差ということで、それぞれの平均を見た場合の差が見てとれると思います。
それらにつきましては、49ページ以降、分布をおつけしているところでございます。
49ページは、1カ所資料の間違いがございまして、特定機能病院の一般の7対1の入院料で、15よりも高いところにグラフが出現しているところがございますが、それはデータのミスでして、そこは該当する項目がないというところで、ここはグラフ上、見えている4施設は存在しないということでございます。申しわけございません。繰り返しますと、平均値・中央値に影響はないところでございますが、グラフ上、4施設計上されているように見えますが、実際は存在しないものでございまして大変申しわけございません。
その部分を除いて見ていただきますと、急性期の1のところでいきますと、2.5ポイントから5ポイント未満のところの施設が最も多くなっていますし、急性期についても同じ傾向。特定機能病院も同じ傾向が見てとれるかと思います。
他方、50ページに行っていただきますと、急性期の4、5におきましては、その差を見ていきますと、0ポイントから2.5ポイントの施設が、そんなに数に差があるわけではございませんが、多くなっているというところが見てとれるかと思います。
51ページ以降は、今度はそれを病床規模別に分けて見ていっているところでございます。199床以下、あとは200床刻みで見ていっているところでございます。急性期の一般入院料におきまして、病床規模別に改定前後を比較したところでございますが、どの病床規模におきましても緑の山よりも山吹色の山のほうが右のほうにシフトしているということが見てとれます。
52ページにおきましては、その差を見ているところでございますが、600床以上につきましては2.5ポイントから5ポイントですが、それ以下につきましては5ポイント前後の医療機関が多く集積しているというところが見てとれるかと思います。
53ページは、IとIIを病床規模別に見ているところでございます。この場合もどの病床規模におきましても、山としましてはIIよりもIのほうが高いという傾向が見てとれます。
54ページまで行っていただきますと、その差の分布というところでございますが、平均値を見ていきますと、病床規模が大きくなるにつれてその差が小さくなるという様子がございますが、おおむね2.5ポイント前後のところで差が集積しているというところが見てとれるかと思います。ここまでが全体の該当割合の差を比較していったグラフでございます。
続きまして、55ページ以降は、個別の評価項目ごとの該当患者割合をそれぞれ見ていっております。似たようなグラフが出てくるところでございますが、55、56、57ページにつきましては必要度IのA項目、58ページ以降は必要度IIのA項目となっておりまして、似ているところですけれども、それぞれ必要度I、必要度IIに分けて集計をさせていただいております。
55ページは、急性期の一般入院料1と2につきましては、4と5に比べて、必要度IのA項目につきましては心電図モニターの管理、専門的な治療・処置の該当患者が多かったという傾向が見てとれます。
56ページに行っていただきますと、急性期の6、7、地域一般の1に関しましては、一定の傾向が認められず、ばらついているという状況になっております。
57ページは、特定機能病院と専門病院のA項目の該当患者割合でございます。こちらになりますと、前のページ等と比較していただきますと、専門的な治療・処置の該当患者が多く、特に免疫抑制剤の管理、ドレナージの管理というものに該当する患者さんの割合が高くなっているという違いが見てとれるかと思います。
58ページから必要度IIの患者さんにつきましての該当患者割合をおつけしているところでございます。急性期の1におきましては、A項目のうち専門的な処置の該当患者が最も多くて、続いて心電図モニターの管理の該当患者が多かったという傾向が見てとれます。
59ページは、急性期の4、5、さらに特定機能病院というところをおつけしているところでございます。こちらは並べたこともありまして、特定機能病院におきまして専門的な治療・処置が多くて、先ほどと同じように免疫抑制剤の管理、ドレナージの管理が多くなっているというところが見てとれるかと思います。
60ページからB項目の整理になっております。必要度Iに関して見ますと、急性期の1、2、4、5におきましては、B項目のうち口腔清潔、衣服の着脱の該当患者が多かったという結果が得られております。
61ページにお進みいただきますと、急性期の6、7、地域一般の1でございます。こちらにつきましてもB項目のうち口腔清潔、衣服の着脱の該当患者が多かった。割合の差はありますが、傾向としてそういうものが認められているところでございます。
62ページは、特定機能病院と専門病院になりますが、こちらの場合は、B項目のうち口腔清潔の該当患者が多かったというところがございます。
63ページからは必要度IIの該当患者割合を集めているところでございます。こちらは先ほどと違う傾向としまして、口腔清潔に加えて、寝返りの該当患者が多くなっているというところでございます。
64ページ、必要度IIのB項目につきましても口腔清潔の該当患者が多かったということは、あまり差がないところでございます。
個別項目の最後のほうになってまいりますが、65ページと66ページは、それぞれC項目の割合を見ているところでございます。65ページは、入院料ごとに見た場合、ほぼ全ての入院料におきまして、C項目では骨の手術の該当患者が多かったところでございます。
66ページ、必要度IIにつきましては、救命等に係る内科的治療の該当患者が多かったという結果が得られているところでございます。
ここまでがそれぞれの項目の該当患者の割合をまとめたところでございます。
67ページ以降は、指摘いただきました事項の新基準2、先ほど申しましたB14・15につきまして少し分析を行ったところでございまして、そちらの御説明をさせていただきたいと思います。
67ページでどういうふうにこれを見るかというところの御説明をしたいと思います。67ページの左半分「急性期一般入院料1」と囲まれているところをごらんください。点線の上に改定前はどういう状況だったかというのをおつけしております。急性期の一般1でnが3万35となっておりまして、その患者さんに関しまして、旧の基準、もともとの基準の1、3、4にどのぐらい該当していたかというのが上半分になります。
右を見ていただきますと、B14・15を加味した新基準の2の該当割合を入れているのが半分になっていまして、青でつけています17%ということでございます。これらの患者全体のうち基準を満たす患者さんを抽出したのが下半分になっておりまして、3万人いた患者さんのうち、旧基準で大体25%ぐらい、新基準だと30~35%ぐらいは該当したという結果が得られておりますので、旧基準で見ますと、その中から7,800人が選ばれ、新基準でいくと1万人ぐらいが選ばれて、それぞれが基準のうちどれぐらいを満たしていたかということを見ておりまして、四角で囲んだ右下になりますが、入院料の1で言いますと、新基準のB14、B15に該当する患者さんが新基準マル2になるところでございますが、該当患者さんのうち50.8%は新基準の2で満たしていたという形のグラフになっております。
急性期2以降、それぞれの入院料ごとに新基準該当割合がどうなっているかというのを分析しているところでございます。繰り返しでございますが、急性期の1におきましては、新基準の2の該当患者さんが50.8%。右に行っていただきますと、急性期の入院の2になりますが、新基準の2の該当割合が62.2%という結果になっております。
68ページに進んでいただきますと、急性期の4と5になりますが、それぞれ新基準の2の該当割合が、急性期の4だと70.5%ということで、新基準1の58.9を上回っている。同じく68ページの急性期の5につきましても、新基準の2が新基準1を回って64.8%という結果が得られているところでございます。
69ページにつきましては、急性期の6、7をおつけしております。
70ページには地域一般の1をおつけしているところでございまして、こちらの場合は、新基準の1が48.8%で、新基準の2だと64.1%という結果が得られているところでございます。それぞれnが大小ございますので、その点は留意しながらごらんいただければと思います。
71ページは、特定機能病院と専門病院になります。特定機能病院につきましては、新基準2の該当割合は25.9ということで、新基準1もしくは新基準3の該当割合からすると少なくなっているという結果が見てとれるかと思います。
72ページからは必要度IIで同様の分析等を行っているところでございます。まず、72ページを見ていただきますと、必要度IIで見た場合に、新基準の2の該当割合が、新基準1が66%に対しまして34.6。急性期の2につきましては、新基準1の61.8に対しまして、46.6という結果が得られているところでございます。
73ページを見ていただきますと、3と4をそれぞれつけているところでございまして、必要度IとIIで傾向が若干違うというところがあろうかと思いますが、新基準2の該当割合をそれぞれおつけしているところでございます。
74ページは、急性期の5と特定機能病院をおつけしていますが、特定機能病院につきましては、新基準の2の該当割合は新基準1よりも少なくなっているというところは、必要度IとII、同じ傾向かと見てとれるかと思います。ここまでが必要度の比較の御説明になります。
75ページ以降、看護職員の配置状況を御説明してまいります。
76ページは、急性期看護補助体制加算の届出状況になります。こちらの結果としましては、全ての入院料におきまして、25対1急性期看護補助体制加算(看護補助者5割以上)を届け出ている施設が最も多かったという結果が得られております。
77ページは看護補助加算の届出状況です。地域の一般入院料の1と3におきましては看護補助加算1、地域の2では看護補助加算2を届けている施設が多かったという差が見てとれるところでございます。
78ページから2枚ほど今後の届出の意向というスライドをおつけしているところでございます。
79ページを見ていただきますと、グラフの見方としましては、青のところが増床、ポツポツのところが現状維持、網をかけているところが削減(転換を除く)、赤いところが他の病棟へ転換というところでございます。施設数が少ない階級もございますが、現状維持を選んでいるところが多かったという結果になっております。
80ページは、ほかに転換を検討しているところの転換先はどこですかというのをお尋ねしているところでございますが、nが非常に少なくなっているというところを留意しながら見ていただければと思います。
今まで御説明したところをまとめたのが81ページになっておりまして、現状と課題というところでございますが、読み上げますと、患者の状態につきましては、入院料・病床規模ごとの患者の状態を見ると、急性期一般入院料1では、許可病床99床以下を除き、病床規模が小さいほど高齢の患者、要支援・要介護の患者の割合が多く、自立の患者が少ない傾向にあった。
重症度、医療・看護必要度に関しては、平成30年度診療報酬改定において、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の一部項目の見直し、当該患者の基準の追加、必要度IIの新設を行った。
Iの該当患者割合について、改定前と改定後を比較すると、全体として改定後の割合のほうが高く、急性期の1においては差が2.5ポイント以上5ポイント未満の施設が最も多かった。ただし、入院料によって、分布にばらつきが見られた。
改定後の重症度、医療・看護必要度IとIIの割合を比較すると、全体としてIの割合が高く、急性期の1においては差が2.5ポイント以上5ポイント未満の施設が最も多かった。同じく、入院料によって分布がばらついていたということが見てとれたところでございます。
平成30年度に新設された必要度の基準を満たした患者は、Iの該当患者のうち約5~7割、IIの該当患者のうち約3~5割であった。
看護職員の配置状況につきましては、全ての急性期一般において、25対1(5割以上)の届け出が最も多かった。
今後の届け出意向につきましては、現状維持が最も多かったという結果が得られております。
本日御議論いただきたい論点といたしまして、○の1つ目、必要度の改定前後の該当患者割合の差や、改定後のIとIIの割合の差を見ると、急性期一般入院料1等におきまして5ポイント前後の施設が多かったことについて、どのように考えるか。2つ目といたしまして、必要度の改定前後の割合の差や、IとIIの割合の差に着目した分析や、項目別・基準別の該当患者割合に着目した分析について、今後届出入院料や患者の状態等の観点も踏まえて進めてはどうかというところを論点として挙げさせていただいております。
82ページ以降は最後の塊になりまして、入退院支援の御説明をしてまいりたいと思います。
83ページにつきましては、入院料ごとの入院継続の理由ということで、前回お示ししたものでございます。このうち上から3つ目、緑の「医学的には外来・在宅でもよいが、他の要因のために退院予定がない」というところにつきまして、84ページ以降、その理由等をお尋ねしているところでございます。
84ページを見ていただきますと、退院できない理由につきまして、全体として「家族の希望に適わない」「入所先の施設の事由により退院先の確保ができない」「全体の調整・マネジメントができない」という回答が入院料にかかわらず多かったという傾向が見てとれますし、複数回答だとそれがより顕著にあらわれるというところが見てとれます。
85ページで、「本人・家族の希望に適わない」と回答した患者さんにつきまして、さらにその理由を見ているところでございますが、全体として介護に関連する理由の割合が高かったという結果が得られております。
86ページは、退院後に必要な支援は何かというところで見ますと、入院料の差にかかわらず、「食事・排泄・移動等の介護」の割合が高かったという結果が得られております。
87ページは、退院へ向けた目標・課題というところでございます。こちらはそれぞれ入院されている病棟ごとの傾向の違いがございまして、急性期であれば、当然ながら「疾病の治癒・軽快」が高いですし、回リハにつきましては「低下した機能の回復(リハビリテーション)」の割合が高いという結果が得られているところでございます。
長くなりましたが、説明は以上でございます。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの資料に基づきまして議論をしたいと思いますが、全体が87枚ございまして、少し多いので、議論の整理上、3つぐらいに分けて順次検討していきたいと思います。最初にスライド番号2番から27番まで。続きまして、スライド番号で28番から54番まで。最後にスライド番号55番以降ということで、おおむね3つに分けて御議論いただければと思います。
まず初めに、スライド番号2番の入院医療を取りまく現状からスライド番号27番、患者の状態までの部分につきまして、御質問、御意見を承りたいと思います。石川委員、どうぞ。
○石川委員
きょうは、いろいろと詳細なデータが出てきているのですけれども、事務局にお聞きしたいのですが、3ページ目、これはマクロで見て、入院、外来の落ちてきている推移ということですけれども、これについて何もコメントがなかったのですが、これの原因とか推測できることがあれば教えていただきたいと思っているのですけれども、いかがでしょうか。
○尾形分科会長
事務局、お願いします。
○木下補佐
事務局でございます。
外来のほうでいきますと、受療率が低下している要因としましては、受診日数が伸びてきているということが一番大きいと言われているかと思います。
入院のほうにつきましても、受療率、病院の中に入られている患者さんにつきましても、平均在院日数が短くなっているところと、在院日数で言うと、6ページあたり、一般病棟に関しましては日数が短くなってきているという傾向はないところでございますが、長期の入院しているところに関して言いますと、その日数が短くなっているということで、受療率の経過に寄与していると考えております。
○尾形分科会長
石川委員、よろしいですか。
○石川委員
わかりました。
○尾形分科会長
ほか、いかがでしょう。池端委員、どうぞ。
○池端委員
質問です。9ページの出典は「医療費の動向」になっていますが、これは病床種別全体の表なのか、この対象が何なのか、出典が明らかでないので教えていただきたい。
もし全体であれば、病床種別ごとにこういう表が出せれば、すごく病床の特徴が見えてくるので、ありがたいとは思うのですけれども、いかがでしょうか。
○尾形分科会長
事務局、お願いします。
○木下補佐
事務局でございます。
医療費の動向に関しましては、省内の関係課に確認して、病床種別ごとで出せるか検討したいと思います。
○尾形分科会長
松本委員。
○松本委員
ありがとうございます。健保連の松本です。
スライドの14と15です。急性期一般入院料1では、病床規模が小さいほど高齢の患者や要支援・要介護の患者が多いという傾向にありますが、これが99床以下では当てはまらないというのが見てとれます。
また、スライド20では病床規模が小さいほど「自立」の患者が少ない傾向にありますが、これも99床以下ではちょっと傾向が異なるようですので、99床以下の医療機関がどのような診療内容になっているかという点についてもう少し見られないかなという感じがしております。
○尾形分科会長
99床以下のところの追加的な分析というお話ですが、この辺はどうでしょう。
○木下補佐
いろいろやってみたいとは思いますが、差が出るかは今の段階ではわからないところでございます。
○尾形分科会長
ほか、いかがでしょう。石川委員、どうぞ。
○石川委員
9ページ目のスライドです。1日当たりの医療費が上がって、平均在院日数が下がってということで考えますと、これはお答えがなかったのですけれども、基本的には医療が高度化あるいは集中化してきたということ、この裏返しで考えればいいということでしょうか。
○尾形分科会長
事務局、お願いします。
○木下補佐
医療費の上がっている要因としては、そういうところが寄与していると認識しております。
○尾形分科会長
よろしいですか。
○石川委員
はい。
○尾形分科会長
ほか、いかがでしょう。神野委員、どうぞ。
○神野委員
いろいろ言われる前に言いわけをしておかなければと思いまして発言しますが、今回は27枚目までですけれども、最後の入院時と退棟時の褥瘡の有無ということで、あたかも入院料1、2、あるいは急性期入院料のところで褥瘡がふえているというのは、歩いている人が急に脳卒中になって、ICUに入って、そして治療して、なかなか寝たきりが改善せずに退院した、退棟したということになれば褥瘡がふえるということですので、決して中の入院の治療が悪かったとか、手をかけていなかったということではないということ。これは当たり前の話ですけれども、押さえておきます。
もう一点、医師の診察回数が週1回かというところがどうしても議論になると思いますが、正直言って特定機能病院も含めて週1回しか見ていないというのは、一体何だ、それはと。病院管理者として、あるいは臨床医としては、何だ、それはと思わず大きな声を上げたくなるのです。ただ、これも事情として、例えば山本委員は眼科ですけれども、眼科で病棟にドクターが行かないんだけれども、術後、眼科の部屋で診察するとかいうのは、病棟に行っていませんねと。あるいはリハビリとかで、主治医はたまにしか診ていないけれども、リハ医が毎日診ているとか、そういったケース、細かく言うといっぱいあるという気がいたします。いろいろ話題になる前にいろんなケースをよく精査いただきたいと思います。
○尾形分科会長
御意見として承っておきます。
山本委員、どうぞ。
○山本分科会長代理
今の関連で。まさに24、25のところ、特定機能病院と急性期一般の1で週1回程度以下が結構な数いるというのはちょっと不思議だなと。考えにくいと思うのです。だから、どういうケースが該当するのか、もし事務局でおわかりになれば。多分わからないかなと思いますけれども。今、神野委員が言われた外来で診察するからとかなんとかというのは、どうなのですか。そういうのは本当に該当するのか。この辺はクエスチョンマークで、データのとり方にもうちょっと工夫が必要なのかなと思いますが、事務局はどうお考えなのかなと思って。
○尾形分科会長
この辺は何か追加情報がありますか。
○木下補佐
記載要領を少し確認させてください。ちょっとお時間を下さい。
○尾形分科会長
池端委員、どうぞ。
○池端委員
私、調査票を忘れてしまったのですけれども、ここは一個一個の患者票で拾ったものですね。
○木下補佐
はい。
○池端委員
その患者が、1週間に1回も診察していないということを丸をつけたところがあるということですね。ちょっと考えにくいのです。療養ですらあり得ないと思っているので。
○尾形分科会長
奥委員、どうぞ。
○奥委員
今のことに関連してですけれども、恐らく患者票は病棟のナースがつけていることが多いと思うのですが、どう捉えて答えたのかというところが大事なのだろうと思うのは、ナースについても急性期で1日1~3回しか行かないということは本当はないだろうなと思うので、どう考えたのかがわからないと、このまま信じるのはちょっと難しいなとは思います。主治医が来るのがとか、そういう考え方をしたとかあるのかなと思います。
○尾形分科会長
神野委員。
○神野委員
これがこれから大きな論点になるかどうかは存じませんけれども、もしこれが大きな問題であるならば、病院団体等で追加調査をするということも可能なのかなと思っております。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
松本委員。
○松本委員
ありがとうございます。松本です。
今回の調査において、特定機能病院85施設のうち、今回回答があったのは34施設ということだったのですが、調査票はどれくらい配付されたのですか。
○尾形分科会長
事務局、お願いします。
○木下補佐
事務局でございます。
特定機能病院に関しましては、61施設に調査票を配布させていただいております。
○尾形分科会長
どうぞ。
○松本委員
61施設のうち34施設ということで、半分を超えてはいますが、特定機能病院については、保険者としては高い報酬を払っているわけです。このような調査については全数出てくるぐらい協力していただきたいと思いますし、厚労省や大学病院協会などでも協力するように働きかけていただきたい。さすが特定機能病院だということで、全数出てくると、山本委員が心配されるようなことがなかったかもしれませんので、よろしくお願いします。話題とずれますが、数自体として気になったものですから、意見として述べさせていただきました。
ありがとうございます。
○尾形分科会長
山本委員、どうぞ。
○山本分科会長代理
御指摘ありがとうございます。大学病院の医療に関する委員会の委員長をやっておりますので、次の機会に周知したいと思います。ありがとうございます。
○尾形分科会長
よろしくお願いします。
事務局、どうぞ。
○木下補佐
事務局でございます。
記載要領を確認いたしましたが、週の頻度に関しましては、こちらが記載に当たって何かしら留意点等を記載していることはございませんで、やはり現場のほうで看護師長さんが患者票を記載する際に御判断いただいているということかと思いまして、今の記載要領等でこちらから見解を述べるのは難しいなと思っております。
○尾形分科会長
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
牧野です。ありがとうございます。
医師の診察とか看護師による直接の観察とか、この辺の実際の質問票を今、見ているのです。医師のほうはどう書いてあるかというと、01のところが「週1回程度以下、医師による診察(処置、判断含む)が必要」と書いてあるのです。ですから、単に診察して、新たな指示とかそういった判断をしなければここに該当しないということで、実際に医者が行っていても医者が診察したことにはなっていないという可能性があるのだと思います。
看護師のほうに関しても、01というところが「定時の観察のみで対応している」。だから、定時が例えば2時間に1回だったら、それだけ行っていても、それは別になって、その次の項目が「定時以外に1日1回~数回の観察及び管理が必要」という項立てになっているのです。回答が。ですから、この回答の場所を見直したほうがいいのかなと。
○尾形分科会長
石川委員、どうぞ。
○石川委員
この議論は毎回出てくるのですよ。要するに、質問のとり方が全く悪くて、不正確なデータになっているわけですね。これで例えば医師の働き方とか医療従事者の働き方を判断されたらたまらないわけです。ですから、これはきちんと正確なデータを出すべきだと。それで中医協に上げるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○尾形分科会長
事務局、どうぞ。
○木下補佐
事務局でございます。
ここにつきましては、調査票の段階でもたくさん御意見をいただきまして、今回の診察がただ診察だけではなくて、処置とか判断も含むという形に、前回のこの分科会での御指摘を踏まえて調査票は変えさせていただいたというところでございます。
他方で、今いただいた御意見、結果がまだおかしいのではないかという御指摘はあるかと思いますので、そこは先ほど神野先生からも御意見いただきましたように、この調査の限界かもしれませんので、団体さんの御協力とかも得ながら、もう少し何かしら掘り下げるようなことができるのであれば検討したいと思いますが、今のこの調査結果のみから何かしらを語るということは難しいなと思っております。
○尾形分科会長
池端委員。
○池端委員
今、木下補佐がおっしゃったとおりだと思うのですけれども、最初の設問は、医師の指示の見直しがあったか、ないかということで議論していて、指示の見直しがなくてもちゃんと医師は診察をしているよね、処置もしているよね、1週間同じ指示の中で、見直しがなくてもやっていますよということをあぶり出そうとしてこういう設問に変えたと。いわゆるバージョンアップしたはずなのですが、答えていただく方がそれを理解しているかどうかが疑問視されたということだと思うのです。次回の調査のときに調査票の書き方とかマニュアルをつくっていかないと、いつまでたってもこれが評価に値しないデータになってしまう可能性があると思うので、その辺を次回この分科会でも検討していただければと思います。
それと同時に、前に苦い思い出があるので、このデータがひとり歩きすると、また同じことを繰り返す可能性がある。今回公表する場合はコメントをつけていただかないと、また1号側の先生方がいろいろおっしゃると困るので、それはちょっと気にしています。
以上です。
○尾形分科会長
奥委員、どうぞ。
○奥委員
今の公表の仕方に関連して、少なくとも調査票に書いてあった言葉をきちんと書いて、ただ「1日1~3回」ではなくて、括弧して、あったことまで入れておくと、少しはぶれが少ないのではないか。先ほど定時以外に1日3回だったという話だったので。ではないですか。
○尾形分科会長
事務局、どうぞ。
○木下補佐
事務局でございます。
奥先生から御指摘で、定時という表記が、今、私どもの手元の調査票と異なっていまして、そこは確認をさせていただいて、調査票と合わせるということは対応させていただきたいと思います。
患者票に関しましては、御承知のとおり、2年に1回の調査になりますので、今年度は患者票はないというところでございますので、次回、改定が終わった後の患者票の中でまた御議論いただいて、どうするかというところを御相談させていただければと思っておりまして、今年度の調査には患者票がないというところは御了解いただければと思います。
○尾形分科会長
ほか、いかがでしょう。よろしいですか。
それでは、後でまた戻っていただいても結構ですが、とりあえず先に行きたいと思います。続きまして、スライド番号28、重症度、医療・看護必要度からスライド番号54、該当患者割合の差までの部分につきまして、御質問、御意見等を承りたいと思います。いかがでしょうか。武井委員、どうぞ。
○武井委員
ありがとうございます。
前改定で急性期病院の現状として、せん妄患者や認知症患者が多くて手がかかるということで、基準2が入りました。この結果を見ると、やはり急性期病院にに認知症患者やせん妄の患者が多く、そのような患者をケアしつつ、短い在院日数で退院させている状況は、本当に大変だなということを改めて感じるところです。基準2が該当患者割合に影響しているところはデータから見てとれていますが、基準Ⅱが追加になったことで評価が二重にされている等がり、該当患者割合に影響が出ていないかを調査してみることも必要ではないかと感じました。
もう一つ、IとIIの差の分析というところが論点にもあるのですが、看護必要度IIを選択している病院が少ないため、データ数が少ないことや、グラフを見ても、母集団=nが小さ過ぎるデータが多いので、これを使った分析で大きな変更を検討するのは問題があると思います。分析するデータを工夫して、今後看護必要度IIを議論する資料等を提示していただければと思います。
以上です。
○尾形分科会長
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
重症度、医療・看護必要度の改定前後の割合の変化に関してですけれども、今回の改定で7対1相当の部分で5ポイント、4~6のところ、10対1相当の部分で3ポイント引き上げられたのです。今回の調査で入院基本料1の7対1相当のところでは平均で5.6ポイントの上昇で、ほぼ妥当な引き上げだったと今回の結果から見ることができると思います。
一方、4~6、10対1相当は、大体4.4から7.7ポイントと上昇幅が大きくなっているのです。これはnが小さいという指摘も確かにあるのですけれども、ばらつきも結構大きい。それはnの小ささが関係しているのだと思います。ただ、入院基本料1においても、199床以下の医療機関では5ポイントを超えて変化した医療機関が結構多かったのです。これを考えると、今回のこれに影響を与えているのがいわゆる認知症、せん妄項目です。こういった患者が多いところほどより高く点数が上がってきたという解釈ができるのかなと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
松本委員。
○松本委員
ありがとうございます。松本です。
牧野委員の意見と一致する部分はありますが、重症度、医療・看護必要度の改定前後の該当患者割合や、改定後のIとIIの割合の差について、一番母数が多い急性期一般入院料1は、大体5%前後の施設が多かったということですから、一部項目の見直し等を含めてほぼ狙いどおりであって、妥当であったと評価しております。
ただ、もともとの基準値について、中医協の議論では1号側の幸野がもう少し高い値を設定すべきではないかと主張しておりましたが、この議論は別の機会にしたいと思っております。
あと、今回IIについて、スライド45のときに説明がありましたが、集計の取り扱いでミスがあったようでございます。前回の議論では、IとIIについてかなり乖離があったという意見が多く出ていましたが、今後の議論にも影響しますので、今後はこのようなことがないように注意していただきたいと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
牧野委員。
○牧野委員
牧野です。
重症度、医療・看護必要度IとIIに関してです。制度設計上、IとIIの差を5ポイントにしたのです。前回のこの会議のデータを見ると疑問も結構あったのですけれども、今回の会議のデータを見る限りは、両者の差が入院基本料1で4.1ポイント、IとIIの分布を見ても5ポイントという差が妥当だったのではないかなと見てとれます。
以上です。
○尾形分科会長
ほか、いかがでしょう。山本委員、どうぞ。
○山本分科会長代理
今の重症度、医療・看護必要度のIとIIのことで、38ページに入院料別にIIをどれくらいとっているかとありますが、特定機能病院が載っていないのは、nが少ないからですか。特定機能病院がどれくらいIIをとっているかというのは、数字をお持ちでしょうか。
○尾形分科会長
事務局、お願いします。
○木下補佐
すぐ確認いたします。入れていないのは、特段意図があってではないところでございますが、すぐ確認いたします。
○山本分科会長代理
うちはIIでやっていて、予想外にIIが少ないなという実感。追いつかなかったというところもあると思いますけれども、うちではIIをとることによって、現場の負担がかなり減ったという看護サイドからの声が出ておりますので、これを申し添えておきたいと思います。評価についても本来の看護業務に関連する部分だけの評価をすればいいということで、看護サイドからは非常に好評でございますので、ここは申し添えておきたいと思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでしょう。
事務局、わかりましたか。
○木下補佐
特定機能病院の入院基本料を算定しているところのIとIIの割合は、Iのほうが70.6、IIのほうが26.5になっています。100にならないのは、未回答が1つあったところでございますが、ほかと比べてもIIの割合は非常に高いという結果になっております。
○尾形分科会長
それならここに載せておいても別に構わないのではないですか。
○木下補佐
失礼いたしました。修正しておきます。
○尾形分科会長
ほか、よろしいでしょうか。
それでは、また戻っていただいても結構ですので、その先に行きたいと思います。スライド番号55、必要度Iの項目ごとの該当患者割合からスライド番号87、入退院支援までの部分につきまして、御質問、御意見等をお願いしたいと思います。牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
牧野です。
先に質問ですけれども、必要度Iの医療機関とIIの医療機関というのは、全く別個の医療機関と考えていいのですか。それとも両方のデータを出していて、かぶっているところもあると考えていいのでしょうか。
○尾形分科会長
事務局、お願いします。
○木下補佐
両方出している場合は重複して集計しております。
○尾形分科会長
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
牧野です。
そうであれば、一番気になるのは必要度のC項目のところなのです。手術のところですが、Iのところだと開頭術と開胸術もあって、骨の手術が一番多いということになっているのですが、IIで見ると全然違っているのです。IIだと、救急等に係る内科的治療が圧倒的に多くて、入院基本料1で開頭とか開胸が0%と。ちょっとおかしいのではないか。この調査期間中に開頭も開胸もこんなに少ないものかと非常に疑問に思うのです。あと、骨の手術もかなり少ない。
1つ考えられるのが、それぞれの項目で日数がかかるはずなのですが、日数を考慮されていないのがここに出てきているというのが一つ考えられるのですが、仮にその数字を載っけたとしてもまだ少ないなと思うのです。この辺、事務局、何か答えを持っていますでしょうか。
○尾形分科会長
C項目の部分についての御質問ですが、事務局、お願いします。
○木下補佐
事務局でございます。
まず、日数の件に関して先に申し上げますと、資料の下の2行目に書いてあります「nは患者数×日数(人・日)」で計算させていただいております。
該当の頻度を見たときに、急性期の1でいきますと、nが3万。必要度IIでいくと、急性期の1が5,500ということで、6倍ぐらい差があるというところがありますので、計算が必要かと思いますが、0.1というのが何人に該当するのかというところは、ちょっと気をつけなければいけないかなと思っておりますが、さはさりながら、0というのはどうかという御指摘かと思いますので、そこは可能な範囲で確認をさせていただきたいと思います。
○尾形分科会長
よろしいですか。
○牧野委員
はい。
○尾形分科会長
ほか、いかがでしょう。田宮委員。
○田宮委員
最後のほうに飛んで恐縮ですけれども、入退院のところのデータを大変興味深く見ていて、入院継続の理由とか、83ページからいろいろ出ていて、今、話題になっている緑の「医学的には外来・在宅でもよいが、他の要因のために退院予定がない」というところが療養とかに多いので、その後、退院できない理由とか、随分深掘りして聞いていただいていて、とても貴重なデータだと思います。それを拝見すると、84ページの退院できない理由というのは、家族の希望に合わないというのが、一番nが多い療養型では多いのですね。
家族の希望が何かなと思って、85ページを見ると、「同居できない」とかいろいろありますけれども、最も多いのは、一番下から3番目「自宅に帰った場合、在宅介護等を利用しても家族の負担が大きいため」と言っています。でも、そうならば、施設ケアに決めて、施設を待っているのかなと思うと、そうでもなくて、85ページの下から2番目、入所先の施設が確保できるまでの入院を希望するというのも少ないのです。だから、ここのディスクレパンシーが何かなと考えていたのです。家に帰った場合の負担が大きいことをすごい懸念していて、どうしようもない。でも、施設に入ることを決定しているわけでもないという状況で病院にいるのかなと思うのですね。ちょっと違うかもしれませんけれども。
その後、86ページとかで必要なものが何かというのを聞いていただいていて、私の地域でのデータ、市でやったレベルとかで言いますと、ここの中にはないのですが、いつでも預けられるショートステイ、しかも医療ニーズにも対応できるショートステイがあれば、もっと在宅でやれるという方がマジョリティーだったのですね。全体の3分の2ぐらいいる。「その他」の中にそういう自由記載があったのかもしれないですけれども、その辺の状況が。
私が総合してみると、もう少し家族に対する支援みたいなことを、ショートステイは難しいかもしれないですが、フレキシブルのとき、何かのときには助けられるという体制が病院なり療養病床にあるということが非常に大きいキーポイントになって、もっと患者さんが退院できるのではないかなと読み取ったので、ちょっとコメントさせていただき、また、「その他」の退院後に必要な支援のところに自由記載があれば、教えていただきたい。2点です。
○尾形分科会長
最後のところは御質問ですが、「その他」の自由記載というのはわかるのですか。
○木下補佐
事務局でございます。
現時点でちょっと難しいところでございますが、後で確認して、もし御回答できるものがあれば御用意したいと思います。
○尾形分科会長
池端委員、どうぞ。
○池端委員
今、療養のことで御意見をいただいたので、私もデータ的に持っているわけではないのですけれども、私が知り得ている範囲での療養の現状ということをお話ししたいと思います。感覚的にはこうなのですね。というのは、ある程度サービスをそろえば在宅に行けるとこちらが思って御説明しても、いや、それは負担が大きいと。では、施設を申し込んでくださいと言いながらも、今が居心地がよくて、何かあれば病院で先生が診てくれる。本人もそれで満足している。施設へ行くと外づけの医療を考えなければいけないということで、何となく満足してしまっていて、なかなか在宅が進まない。あるいは施設転換も進まない。特に入院料の2に該当するような、医療区分2・3以外の1に該当する方々でそういう方が。今、介護医療院という政策ができたので、そこに何とかシフトしていこうということになっていますけれども、そういう患者さんのくくりが一定程度あるのは、現場感覚としても実態かなと思っています。
○尾形分科会長
田宮委員、どうぞ。
○田宮委員
ありがとうございます。
その場合に御家族がもう少しサポートをすれば家に帰れそうという方は、どのぐらいでしょう。
○池端委員
今、一番多いのが、いわゆるショートステイを利用される方。特に小規模多機能でお泊まりもできるということで、実態としては月のほとんどをお泊まりにしてしまって、月1回、2回家へ帰って在宅扱いにしている。そういうサービスに行ってしまっている方が私の地域では圧倒的に多いです。それが在宅なのか、本当にその人が幸せなのかということとは別の感覚かなと。地域包括ケアの今後の将来像というところで、小規模多機能等をどんどん進めなければいけないという報告書は出ていますが、実態と現状が違っている部分もあるのではないかなという気はしています。これは私の個人的な感覚もあるので、語弊があるといけないのですけれども。
だから、ショートステイの利用というのでも、一時あった特養とか老健の29日か30日ショートステイで、1日だけ家に帰ってまたということを、今、老健はだんだんできなくなってきていて、そのかわりを小規模多機能の施設がやっているということが現状であります。
○尾形分科会長
どうぞ。
○田宮委員
よくわかりました。ただ、家族に対してもう少し支援というのが何かあるとよいと思います。介護保険というのは家族から介護の社会化ということで、家族でなくて社会が見るよということで、すばらしく発展してきたのですけれども、家族に対する直接支援というのは、現金給付についてはいろいろ議論の末、実施しなくなって、その後余り議論になっていないところだと思うのです。
例えばドイツとか海外の例だと、介護家族も年に2週間程休暇を取ることになっていて、その間のショートステイやヘルパーの費用は介護保険が見るとか、家族に対するカウンセリングがあるとか、家族に対してちゃんと介護教室をしなければいけないとか、家族に対してもう少しサポートがあります。現在、小規模多機能に全部行ってしまっている部分とか、家族の支援で、もう少し在宅に進められるのではないかなと感じているところです。
私の知り合いの施設で24時間いつでもショートステイを受けるという老健があるのですけれども、そこはおうちには寝に帰るだけ。あとはいつでも連れてきていいというと、100%おうちに帰っている。おうちだか施設だかわからないですが、それでもずっと施設にいるよりはいろんな意味でいいところも大きくて、そういうこともこのデータから考えられるかと思います。
貴重な現場の御意見、ありがたく思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。武井委員、どうぞ。
○武井委員
今の入退院支援のところですが、私が注目したのは、スライド84の退院できない理由に、「上記マネジメント全体ができていない」という項目が上位に入っているというところです。上記マネジメントということは、この上にある全項目ができていない施設がこれだけあるのかと、このグラフから見てとれ、どういう状況なのか、加算との関連性はどうなのか、そのような分析も必要があるのではないかと思いました。どのような体制なのかも含めてです。
スライド85の家族の希望に合わない理由について、「在宅に帰った後の介護負担」等のことがあるのですが、これを考えると、在宅介護がどの程度介入されているのか、その前のスライドにもありましたが、介護保険申請がされているのか、されていないのかなどの情報を入院時にケアマネや行政としっかり共有して、協働して入院時から退院調整していくことも必要なので、行政、ケアマネとの連携がどの程度行われているのかという情報も、議論していく上で必要だと思いました。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。菅原委員、どうぞ。
○菅原委員
ありがとうございます。
入退院支援、83こま目のスライドですが、これをどういうふうに読めばいいのかということを確認したいのです。特に気になるのは、「現時点で具体的な退院日が決まっているため、それまでの間入院を継続している」という回答が、いずれの区分においてもそれなりの割合がいるのですけれども、これは入院継続の理由をどの段階で判断しているかということが非常に大事なポイントのような気がするのです。
もう一つは、この回答は足し合わせると100%になっていますが、複数回答ではないですね。
○木下補佐
事務局でございます。
選択は1つだけ選ぶ形になっております。
○菅原委員
そうすると、入院継続の理由というのを、例えば特定機能病院の回答をお願いしたときに、一番最初の回答にプライオリティーがあると思うのですが、現時点で最初から具体的な退院日が決まっているから継続しているのだとお答えをした患者票が2割以上いらっしゃるという解釈でよろしいのですか。
○木下補佐
事務局でございます。
解釈としてはそうなるかと思いますが、退院日までの日数が、恐らく急性期であれば、あす、あさってとか、平均の入院期間が12日ぐらいですので、そのぐらいかと思いますが、そもそも入院期間が60日とか40日の場合は、そこの期間が長くなっているということはあり得るかと思いますが、ある一定の日にちで見た場合には、その割合としてこうなっているということかと思います。ですので、何日後に退院するかという情報まではここに入っていないので、それを加味した場合にはどうなるかということは、この調査だけでは分析できないかなと思っております。
○尾形分科会長
菅原委員。
○菅原委員
ありがとうございます。
いずれにしても、この資料自身も読み方がもしかしたらコントロバーシャルというか、今回入退院の評価というのが当然入っているわけですが、その一つの趣旨の中には、スムーズな入退院を行って、在院日数の短縮ということも含めて政策目標に沿った形での加算だったと思いますけれども、そういった意味では、加算効果というか、そもそもの目的にこの結果がそぐわないような。要するに、そもそも入退院の期日が決まっているので、そこまで入院が継続されてしまうという逆の効果があるとすれば、非常に大きな問題のような気がしますので、また質問票の聞き方という話になるのかもしれませんけれども、ここは少し丁寧に説明されたほうがいいような気がいたします。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
井原委員、どうぞ。
○井原委員
今の先生の御質問ですが、この選択肢しかないと、多分なのですが、眼科の白内障であるとか、睡眠時無呼吸であるとか、ポリープの切除術などの場合、患者さんに入院していただき、その翌日手術です、3日後退院ですというスケジュール感をお話ししているケースは、特定機能病院などは相当数あると思います。そうすると、調査のこの文言で言えば、現時点で内視鏡手術なども非常に短期間で済みますので、大体この日が退院ですという御予定を患者さんにお話ししているケースは、私たちの病院調査でもたくさんいらっしゃるのです。そういうものも、回答する人によっては具体的な退院日はわかっていますと。ただ、それまでの間、現時点では入院していますというのに入っているので、必ずしも入院を故意に延長しているという意味ではないと私は捉えたのですけれども。
○尾形分科会長
菅原委員、どうぞ。
○菅原委員
ありがとうございます。
私もそのように思いますが、先ほどこれは複数回答でなくて一択ですかとお話をしたのは、普通であれば、「医学的な理由のため、入院医療が必要である」というところにファーストプライオリティーというか、そこに一番置かれるはずのものが、何でこんなに20%もプライオリティーの低いところに丸がつくのかというところに逆に疑問も感じるので、ここの部分は丁寧に評価をされたほうがいいのではないかという指摘でございます。
○尾形分科会長
石川委員。
○石川委員
先ほど田宮委員の言われた家族の話です。実は今、各地で地域医療計画や地域包括ケアシステム構築などをすすめています。その中で、退院先は出口としての重要性というのがあるのではないかと思うのです。ただ、日本の場合には入院医療、急性期医療が中心でかなり頑張ってやってきて、そこの医療レベルやアメニティーも皆さん、努力されてきたという一つの裏返しで、慢性期とか介護分野の不十分性というのが、こういうところでギャップになっているのではないかと思うのです。
ですから、私たちは地域包括ケアシステムというのを今、一生懸命やっていますが、そういった地域の受け取り方も含めて、こういう分野で検討していかなければいけない。これは中医協マターで、中医協の先生方に検討していただくためのメッセージとしてここは伝えるべきだと思うのです。非常に大事なので、入院医療をうまく回していくためには慢性期、介護の部分をきちっと解決してもらいたい。それから家族の部分、地域の部分ということになるのではないかなと思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
67枚目と72枚目の比較になるのですが、要するに、重症度、医療・看護必要度のIとIIを比較して見ていくと、先ほど申したとおり、気になっているのが新基準4というところにあるC項目のところです。これが67枚目では4.8%。それに対して、必要度IIで見ると1.4ポイント。3倍ぐらいの差があるのです。余りにも差が大きくて、同じ母集団のものを見ているとは思えない。これは別のものを見ているのではないかなという気がしているので、C項目を本当に拾えているのかどうかということを確認していただきたいというのが一つあります。いかがでしょうか。
○尾形分科会長
事務局、お願いします。
○木下補佐
御指摘を踏まえて、元データを確認するという作業はしたいと思いますし、また、どこでその差が生じているのかということも御報告できればと思います。
○尾形分科会長
林田委員、どうぞ。
○林田委員
ありがとうございます。林田です。
スライド67から74について、新しくできた看護必要度の基準2であるB14、B15を用いた基準の件ですが、各入院基本料におけるこの基準を満たしている割合と、12枚目のスライドの基本料ごとの患者の年齢構成をみると、高齢者が多いところはこの該当割合が高くなっているように見受けられます。基本問題小委でもB14・15の新基準に該当する場合に関する御意見がありましたが、もちろん詳細な分析は必要だと思うのですが、この基準の該当割合には年齢構成がそのまま反映しているのかなと感じました。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。山本委員、どうぞ。
○山本分科会長代理
先ほどの退院日までの何とか、83ページのところですけれども、特定機能病院が多いという御指摘で、井原委員からサポートいただきました。もう一つは、多くの疾患で今、パスを導入していますので、ほぼパスで決めて、そうすると、そこからバリアンスが出ない限りは退院日が決まりますので、それをどちらに入れるか。医学的理由のほうに入れるのか、退院日が決まっているからと振り分けるか、その差が出ているのかな。そこでどちらへ判断して丸をつけたかで決まってくるのかなと。これも一つ大きな理由ではないかと思います。
○尾形分科会長
ありがとうございました。
一通り御意見をいただきましたが、全体を通じてでも結構ですが、何か御意見があれば。牧野委員、どうぞ。
○牧野委員
全体を通してという格好にもなるのですけれども、実は今回の調査のあり方と限界を感じているという部分があります。といいますのは、例えば14ページ、入院基本料1の100床以上の部分に注目していくと、病床規模が小さいほど高齢者の割合が高くて、17ページを見ますと、要介護認定、介護度の高い人が多いということ。20ページを見ますと、認知症高齢者の日常生活自立度の低いほどが多く、22ページを見ますと、そういった人は医療的な状態に関しては病床数の影響を余り受けていなくて、医師による1日1回以上の診察回数が少なくて、26ページを見ますと、看護師による直接看護提供の頻度については、余り病床規模等は影響がないということです。
要は、これは高齢者が多いということと医学的な介入、看護師の介入は全く無関係だと見えるのです。本来高齢者の多いところほど何らかの介入があってしかるべきだというデータが出てこなくてはいけないところが、そうなっていない。我々医療従事者が実際に忙しいと思っている部分が今回の調査に反映されていないなという気がするのです。ですから、もうちょっと調査項目を工夫しなくてはいけないのではないかと思います。これは私の意見ですけれども、いかがでしょうか。
○尾形分科会長
石川委員、どうぞ。
○石川委員
これは推測ですけれども、疾病別の問題があるのだと思うのです。年齢別、疾病別の問題で、看護師の行く回数とか、あるいは医師の行くものというのは違うのではないか。そこが詳細に見られていないという限界はあると思います。
○尾形分科会長
よろしいでしょうか。
○牧野委員
はい。
○尾形分科会長
ほか。神野委員、どうぞ。
○神野委員
今のお話の続きですけれども、いろいろなところで病床規模が小さいほど云々であるという話があって、99床以下というのがちょっと特異なデータというところで、これは恐らく専門病院基本料をとっていないけれども専門病院であるというところといわゆる地方の僻地の病院のデータが一緒になってしまっているので、99床以下に関してはちょっと特別な値をとっているのかなという気がいたします。
100~199以降に関してはいろいろな項目がきれいな波になっておりますので、ここは何らかの病院特性というものがあると思われます。恐らく199までというのは、地域の中で包括的に見るような中小病院という流れでしょうし、その中で様々なタイプの患者さんを診ている小さな何でも屋さんというような性格なのかな。大きなところになってくると、専門の科がたくさんあるということで、自立度とか介護度とか、いろいろなものが線引きされていくのかなと思います。
以上です。
○尾形分科会長
ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
それでは、一通り御意見、御質問が出たようですので、本件に関する質疑はこのあたりにしたいと思います。
続きまして、これは報告事項でございますが、平成31年度機能評価係数IIにつきまして、事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。
○堤補佐
事務局でございます。
資料入-2をごらんください。平成31年度機能評価係数IIについてでございますが、これまでDPC分科会に報告しておりました事項でございます。DPC/PDPSにおいては、全医療機関の係数を毎年4月に改定しておりまして、その技術的な事項についてもろもろ書いてございます。例えば一番下のポツですと、一度起こった震災に対して、その際の経過措置的なものはこういうふうにやりましたと。そういったことを記載しているものでございます。
参考資料としまして、現在DPC病院が何病院あるかを参考1に載せておりまして、参考2は各係数の分布とヒストグラム。これも例年出しているものでございます。あと、機能評価係数IIの具体的な内容として参考3をつけてございます。あと、ホームページに各医療機関ごとの係数の値というものを載せさせていただいております。
以上でございます。
○尾形分科会長
報告ということでございますが、何か御質問があれば。よろしいですか。
それでは、特に御質問がないようですので、本件にかかわる質疑もこのあたりにしたいと思います。
本日用意いたしました議題は以上でございます。
次回の日程等につきまして、事務局のほうからお願いいたします。
○木下補佐
事務局でございます。
次回の開催につきましては、予定ではございますが、7月3日を予定させていただいております。詳細につきましては、改めて御連絡させていただきます。
○尾形分科会長
それでは、以上をもちまして「第3回診療報酬調査専門組織入院医療等の調査・評価分科会」を終了させていただきます。長時間にわたりまして熱心な御審議、どうもありがとうございました。

 

 

(了)

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