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2017年11月6日 心身障害者扶養保険事業に関する検討会(第3回) 議事録

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

平成29年11月6日(月)10:00~12:00


○場所

厚生労働省共用第6会議室(中央合同庁舎第5号館3階)


○出席者

秋山構成員
久保構成員
小竹構成員
駒村構成員
野澤構成員
平松構成員
村山構成員
森構成員

○議題

(1)心身障害者扶養保険事業に関する検討会報告書(案)について
(2)その他

○議事

○駒村座長 おはようございます。定刻の少し前ですけれども、御出席予定の委員の皆様がお揃いになりましたので、ただいまから第3回「心身障害者扶養保険事業に関する検討会」を開会いたします。

 構成員の皆様方には、御多忙のところお集まりいただきまして大変ありがとうございます。

 まず、議事に先立ちまして、事務局から本日の構成員の出席状況等の説明をお願いいたします。

○齋藤補佐 事務局の齋藤でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

 まず、構成員の出席状況について御説明いたします。

 本日は、米澤構成員が所用のため欠席となっております。

 次に、資料について確認をさせていただきます。

 厚生労働省では、審議会等のペーパーレス化の取り組みを推進しており、本検討会においても、今回、試行的にペーパーレスで実施いたします。お手元には、タブレット、スタイラスペン、操作説明書、「審議会等のペーパーレス開催に関するアンケート」、「母子保健」11月号を配付しております。過不足等ございましたら、お申しつけください。

 それでは、操作説明書に基づき、簡単にタブレットの操作方法について御説明させていいただきます。タブレットの説明書を配付しておりますので、そちらをご覧いただければと思います。

 まず、「1.資料の確認です。今回の資料は「議事次第」「心身障害者扶養保険事業に関する検討会報告書(案)」「別紙」の3点となります。タブレットの画面の上方に、マル1第3回議事次第、マル2報告書(案)、マル3別紙という表示が出ているかと思います。これが今回の資料になりますが、もし表示されていないようでしたら挙手していただければと思います。

 資料名の中央を指もしくはスタイラスペンで触れていただきますと、それぞれの資料が表示されます。資料名の右横にある×ボタンに触れてしまいますと資料が閉じてしまいますので、お気をつけください。

 操作がうまくいかない等不具合がございましたら、事務局にお声をおかけください。また、会議中、万一誤って×印に触れてしまい、資料が閉じてしまった場合につきましても、事務局にお声をかけていただければと存じます。

 次に「2.会議資料をめくる」でございます。指で会議資料の表面に触れたまま上下にスライドすることによりページをめくることができます。ページ番号は画面上方の資料名が表示されているバーの下のバーに表示されております。また、ページ番号の左横に表示されている矢印がございます。そちらをタップすることによってもページをめくることができます。また、おめくりいただく資料のページ数が多い場合は、右側のスライドバーを上下にスライドすることによりページを移動することができます。

 操作説明書の裏面をごらんください。今度は「3.資料の拡大縮小」についてでございます。指で任意に拡大・縮小することができます。資料を拡大する場合は、画面に二本指を置いて指の間を広げます。縮小する場合は、逆に指の間を狭めます。操作がうまくいかない場合には、画面上方のバーの中央に丸で囲んだ+と-の表示がございます。このボタンをタップしていただくことで拡大・縮小することができます。

 次に「4.縦書き横書き」についてでございます。資料の向きに合わせてタブレット本体を縦・横に回転することにより画面の向きを変えることができます。

 タブレットの操作説明は以上となります。御不明の点がございましたら、事務局にお声をおかけください。また、大変お手数をおかけいたしますが、会議終了後、今後のペーパーレス開催の環境整備のため「審議会等のペーパーレス開催に係るアンケート」に御協力いただければと存じます。

 以上でございます。

○駒村座長 ありがとうございます。

 それでは、議事に入りたいと思います。カメラ撮影はここまでですか。

○齋藤補佐 はい、こちらでお願いいたします。

○駒村座長 では、カメラ等の撮影はここまでとしたいと思います。御協力よろしくお願いいたします。

 タブレットの説明でありますけれども、初めてなのです。いろいろ審議会はありますけれども、厚生省では多分早いほうではないかと思います。いろいろと気がつかれた点があると思いますので、その場合はメモのほうに書いていただければと思います。

 早速、議事に入りたいと思います。

 本日の議題は「心身障害者扶養保険事業に関する検討会報告書(案)について」です。

 事務局において報告書の案を整理しておりますので、事務局から説明をお願いいたします。

○朝川企画課長 企画課長の朝川です。

 まず、3の別紙から御確認いただければと思います。上の方のタブのマル3というところを押していただくと出てきます。

 これは前回も御説明している内容ですけれども、一応確認のため、報告書本体の前提としてのものでございます。

 財政収支の見通しを計算しているわけですけれども、その前提として、加入者の死亡率は直近のものを使っております。障害者の死亡率につきましては、マル1で直近のもの、マル2で10年前のもの、両方の計算をしております。また、運用利回りについては、30年度以降はA、B、Cということで、この表にあるような前提で3パターン計算をしているということでございます。それ以外はご覧いただいたような前提で計算をしております。

 2ページ目の上の表につきましては、平成20年度以降の加入者についての推計結果でございます。運用利回りがAとBのケースについては、どの死亡率を使ってもこの計算の期間中は積立金は枯渇しない、安定しているということでございます。Cの前提を置いたときだけ、遠い将来において積立金が枯渇する計算が出てくるという結果になっております。

 下の表でございますが、平成19年度以前加入者についての推計の結果です。下の右側の表を見ていただきますと、公費投入期間をこれまでと同じ平成62年度までとした場合に、毎年度投入する公費の額がどのように変わるかの結果です。Aの運用利回りのときには、マル1の死亡率、すなわち両方とも直近の実績を使ったときには公費は76億円で済む。マル2の障害者の死亡率について保守的に10年前の実績を使ってみると91億円の公費の投入が必要で、現在とほぼ同じ水準。運用利回りBのケースについては、マル1で85億円、マル2で101億円。Cのケースは、101億円、120億円。そのような結果が出ております。

 4ページ目をご覧ください。平成20年度以降の加入者について、積立金の積み立て比率がどのように推移するかをケースによって示しているものでございます。後で見ていただきます報告書の(案)は、運用利回りをBのケースで考えましょうという提案をしておりますので、Bのケースを中心に見ていただくと、左側のグラフのBというのは水色のものが見えると思います。B-マル2、運用利回りがBで死亡率がマル2のケースは、途中から上に突き抜けていますけれども、いずれにしても積み立て比率は1をずっと超えているという結果でございます。右側の年金収支のほうを見ますと、水色のラインは常に1を超えてだんだん上がっていくという結果になっています。

 平成19年度以前の加入者については、しばらくページを飛んでいただいて8ページ目です。上のグラフは、公費投入額92億円ということで、現在と同じ水準の公費を投入し続けるとした場合の積み立て比率のグラフです。同じく水色のラインを見ていただきますと、左側の保険収支の方は、最初は0.6をちょっと超えたあたりからしばらくずっと上がっていって、途中から積み立て比率1になる。一方、年金収支のほうの水色のラインを追っていっていただくと、最初は0.3よりちょっと下回るところから始まって、だんだん低下していって、途中から上昇に転じて、平成65年ぐらいから積み立て比率が1に上がるということで、最初は積み立て比率は下がるという結果になっています。

 という前提を別紙で確認していただいた上で報告書(案)の御説明に入りたいと思います。

 それでは、マル2のタブを押していただいて、報告書(案)をご覧いただければと思います。

 1ページ目、最初は「はじめに」ということで、これまでの経緯のようなことが書いてございます。6行目から12行目までの最初の段落は、この制度がどんな制度かということで、地方公共団体が実施する扶養共済制度を独立行政法人福祉医療機構が再保険する制度であるということでございます。

 2つ目の段落ですけれども、これまでの見直しの経過について触れてございます。1996年(平成8年)に、積み立て不足に対して、保険料の引き上げ、あるいは公費の投入、国・地方それぞれ46億円ずつ負担するという措置が講じられましたということが書いてあります。

18行目のあたりから、さらに2008年から、保険料の引き上げと、公費の投入期間を2050年度まで延長する措置が講じられたということが書いてあります。

 さらに、20行目から23行目にかけてですけれども、国においては少なくとも5年ごとに保険料の水準を見直すことにして、そのことを福祉医療機構の中期目標においても明記しているということでございます。

 次に、2ページ目「1.扶養保険制度の現状」でございます。

 まず、現状の1段落目は加入者の推移です。加入者は年々減少しているということでございますが、3行目のところで、加入者の平均年齢は67.3歳から73.2歳と高くなっているということ、さらに、平均加入期間も長くなってきているということが記述されております。

 さらに、2段落目は年金受給者の数です。年金受給者の数は年々増加しているということが書いてありまして、10行目のあたり、平均年齢は54.3歳から60歳と高くなっているということ、さらに、平均受給期間は14年1カ月であったものが18年3カ月と延びているということ、さらに、1人当たりの生涯平均受給額も伸びているということが記述されております。

 その次、15行目からの段落は単年度の収支状況についてでございます。10年前の2008年度においては、保険料、公費の収入が年金給付金等の支出を上回っていたわけですけれども、この間、状況の変化で、2016年度には収入を支出が上回っているという状況でございます。すなわち年金の積立金の取り崩しをしながら運営がされているということでございます。

19行目から24行目は長期の財政状況です。受給者に将来支給する年金の原価相当額は、21行目、2,009億円でございますが、現在、予定されている公費負担額の原価は1,238億円、それを引いたものが責任準備金、必要な積立金の額ですけれども、それが771億円という状況です。それに対して、20行目、年金資産は今740億円ですので、30億円下回っているということで、繰越欠損金が生じているという状況でございます。

24行目以降は広報についてです。これまでの取り組みとして、26行目以降、各種パンフレット、リーフレットなどを使った広報、さらに、29行目からは市町村の窓口の職員の研修などに取り組んでいるということでございます。

32行目からは直近の新規加入者の状況です。一番下の行を見ていただくと、加入者の平均年齢は49歳、扶養されている障害者の平均年齢は14.9歳でございます。

 3ページ目「2.扶養保険制度の見直しについて」でございます。

 「(1)見直しの基本的な考え方」です。2段落目、6行目のところですけれども、この扶養保険制度は任意加入の制度で公的所得保障の上乗せとしての役割を果たしているということ、また、現在の積立金の状況に鑑みますと、財政的には引き続き相当規模の追加的な費用が必要となっているということでございます。

 一方、その受給者については、既に受給権が発生していますし、まだ受給者になっていない既加入者については、保険に入っていることで、保護者が亡くなったとしても年金を受給できるという期待ということもあるので、それらを踏まえた対応が必要であるとしております。

 したがって、現行の制度の枠組みを基本としつつも、現在の経済状況を踏まえ、長期にわたって安定的に持続可能な制度とすることが適当であり、扶養保険制度は終身年金だが、公的年金と違って積み立て方式であることを考慮した上で、現在ある積み立て不足に対する措置を講じるだけではなくて、新たな積み立て不足の発生に対して早期に対応できるようにするための検証を行うべきとしております。

 次に「(2)死亡率及び運用利回りの検証」でございます。

 まず「ア.死亡率」です。死亡率については、20行目にありますが、原則として直近の実績に基づいて設定することが適当と、まず原則論を書いてございます。

21行目で、「但し」ということで、障害者の死亡率については先ほど別紙で見ていただいたとおりです。これは、前回、資料を御確認いただきましたけれども、簡易生命表あるいは公的年金制度の障害者の死亡率は基本的にこの10年間で余り変化していないという結果でしたが、この制度の障害者死亡率が変化しているということで、異なっている動きを示しております。また、死亡率を推計する際に用いることができるデータ数に限りがあることを考慮しますと、10年前の実績も用いることが必要としております。

25行目の段落ですけれども、「なお」ということで、公費の財政支援が始まった1996年改正後も受給期間は長期化しておりまして、平均受給期間が予定より延びる可能性もありますので、短期的な死亡率の変化のみによって今後の財政状況を判断することは難しいものと考えるとしております。すなわち、障害者の死亡率については直近のものと10年前のもの両方を見比べながら考える必要があるということでございます。

 次に、31行目「イ.運用利回り」でございます。この扶養保険制度は積み立て方式であるため、運用におけるリスクは公的年金より小さくせざるを得ないということでございます。仮に運用損失が生じますと、保険料の引き上げあるいは年金額の引き下げなどが必要となるために、長期的な観点から安定的・効率的運用を行うことが重要でございます。

 次に、保険収支の運用利回りにつきましては、これも前回見ていただきましたけれども、安定した実績を上げていることを踏まえますと、現状の1.5%でいいということですが、年金収支の運用利回りにつきましては、機構における運用がリスクを抑えたものとならざるを得ないということ、また、金融庁の設定している標準利率が本年4月に0.25%へと引き下げられたこと、そういったことを考慮しますと、一定の幅はあり得ますが、運用利回りを現行の2.8%から保険収支と同じ1.5%に引き下げることが妥当としてございます。

 これらを踏まえて「(3)具体的な見直し案」でございます。財政収支の見通しを作成するに当たっては、基礎率は直近の実績を基本としつつも、障害者の死亡率については、先ほど見ていただいたように、10年前のものと直近のものの2通り、運用利回りについては3通り、そういう計算をしてございます。

 これが最初に見ていただいた別紙の結果でございます。

 次の段落、13行目ですけれども、(2)の検証結果を受けて財政収支等の状況を見ますと、以下の見直し案が適当であるとしてございます。

21行目でございますが、2008年度以降の加入者、最近の加入者、公費の投入がされていない加入者についてです。これらについては積み立て不足が生じる見込みがないことから、現時点においては保険料と年金給付の水準を維持することが適当としています。「但し」ということで、運用利回りが低迷した場合には、遠い将来ですけれども、積立金の枯渇が生じ得ますので、保険料と給付水準の見直しの検討を行う必要があるとしています。

28行目、2007年度以前の加入者でございます。これらの加入者については、公的責任、それを背景に公費の投入を行っているということが33行目まで書いてございます。

34行目からですが、この制度は任意加入の制度で、給付に必要な費用は加入者本人の保険料で賄うことが基本でありますので、公費投入については必要最低限の額とすべきとしてございます。

 次の5ページ目ですけれども、以上の考え方を踏まえて、2007年度以前の加入者につきましては、現時点においては、保険料、年金給付の水準を維持して、障害者死亡率に直近のものを用いた場合については、公費投入期間の短縮あるいは公費投入額の減額となるものの、障害者死亡率に10年前の実績を用いますと、公費投入期間の延長もしくは公費投入額の増額となるということでございます。

 また、公費投入額を現行と同じ毎年度92億円としても、当分の間、先ほど見ていただいたとおり、年金収支における積み立て比率は低下していくことが見込まれて、運用利回りが低迷した場合には年金収支における積み立て比率が0.04まで低下することが見込まれます。さらに、公費投入額を仮に85億円とした場合には、年金収支において公費投入期間中である2037年度に積立金が枯渇することが見込まれます。単年度の収支状況を見ますと、給付の支出と保険料の収入の差額が拡大を続け、障害者死亡率に直近のものを用いた場合には2029年度に、障害者死亡率に10年前のものを用いた場合には2030年度に、それぞれピークを迎えるということでございます。これらに加え、運用環境については低金利が継続しておりますので、公費投入額の減額については慎重に判断すべきとしてございます。

 また、地方公共団体の負担についてでございますけれども、2007年度以前の加入者につきまして、2017年度末の各地方公共団体の加入者数、受給者数案分をベースに、必要に応じて各地方公共団体の負担額の増減を緩和する観点から、現行の案分による負担額と新しく計算した負担額の差分を2分の1とすることが適当としてございます。

 「3.今後の運営のあり方」についてでございます。

 「(1)定期的な検証と見直し」ということで、33行目、毎年度、福祉医療機構において財政の健全性の検証を行うということ、さらに、少なくとも5年ごとに厚生労働省において検証するということが書いてございます。

 次に、6ページ目「(2)資金の運用・管理」についてでございます。健全な財政状況を確保するために、資産運用については不断の努力を続ける必要がある。特に年金資産の運用につきましては、長期的な運用利回りが財政に与える影響が大きく、また、財政状況を早期かつ着実に安定化させる必要がありますので、安定的かつ効率的に運用すべき。具体的には、年金収支における財政見通しの前提、先ほどご覧いただいた前提である運用利回り1.5%を確保するため、長期的に維持すべき資産構成割合を定めて、運用におけるリスク管理を行うということでございます。

 最後に「(3)広報」についてでございます。この制度は、安心感があるという声があるということで、保護者の不安軽減にもつながるという特徴がございます。さらに、その下、19行目のところです。これは前回もご覧いただきましたけれども、税制上の優遇措置等のメリットがございます。そうしたことをしっかりわかりやすく伝えていくことが重要としてございます。例えば次のような取り組みを提案するとしております。

 まず1つ目が、23行目「広報ツールを活用した障害者行政窓口での周知の促進」ということで、地方公共団体の窓口でリーフレットなどを活用してわかりやすく紹介していく。そのためにリーフレットのひな形を作ったり、制度の案内の際の手引を作って地方公共団体に配付していく。そういったことに努めていくということでございます。

 2つ目は、30行目「障害者やその保護者が利用する様々な制度を活用した広報」ということで、保護者の多くの方が恐らく利用されるであろう場所。例えば障害児のサービス事業所でありますとか、児童福祉、母子保健、医療等、多岐にわたる制度を保護者が利用しますので、そのような制度を通じて、リーフレット、ポスターを使って広報していくということでございます。

 次、7ページ目です。3つ目は「利用者の視点に立った情報発信」ということで、障害者団体あるいは家族会等と連携しまして、利用者の視点に立って扶養共済制度のメリット等を情報提供するということでございます。

 さらに、前回も御指摘いただきましたけれども、インターネット、モバイルなどを活用して広報を行っていくということでございます。

 最後に「おわりに」でございます。今後ともこの制度の円滑な運用が行われるよう、本検討会の検討結果を踏まえ、国は地方公共団体、機構をはじめとする関係者と協力し、所要の取り組みを行う。来年度から施行される第4期中期目標期間においても、将来にわたり障害者に対する年金給付を確実に行うため、運用環境と事業を取り巻く環境変化に対応できるよう、定期的に資金運用に関する基本方針の見直しの検討や財政状況の検証を行って、障害者、保護者等に対して制度の周知を図りながら、引き続き事業の適正な実施に努めることを求めるとしてございます。

 ちょっと長くなりましたが、資料の説明は以上です。

○駒村座長 ありがとうございました。取りまとめの報告書(案)の御説明をいただきました。

 ただいまの事務局の説明について委員の皆様から御質問、御意見ありましたら、よろしくお願いいたします。

 表現回りとか、この辺はどういう意味なのだとか、この辺はもう少し書き加えた方がいいのではないかとか。

 なかなか使いなれないのかもしれないですね。もしかしたら、これはメリット、デメリットともにあって、やはり手元に紙があった方がメモがとれるとか、実はいろいろあるのかなという感じもします。

 いかがでしょうか。

 この報告書は1から7ページという形で、バックデータとか、数字の動きとか、そういうものをつけて出すのですか。

○朝川企画課長 はい。当然、別紙をつけるということでございます。

○駒村座長 資料の別紙のこれが全部出るということですね。

○朝川企画課長 はい。

○駒村座長 前回の資料を見れば多分出ていると思うのですけれども、それぞれデータがどのくらいあったのか。要するに、加入者死亡率は平成24年-28年を使って、一方、障害者死亡率はデータ数の制約などもあって、安定性の問題から、24年-28年と15年-17年を使っていると。この2つのデータを使っている意味が1つ重要な点で、どちらを使うかによってはストーリーが変わってくる部分がありますね。これは報告書の5ページになりまして、4行目は、新しい死亡率だけでやった場合は公費投入期間の短縮が見られると。しかし、死亡率に15年-17年の実績を使った場合は逆に公費投入の延長と投入額の増額が見られると。委員会としては、この2つの状況を考慮しましょうということなのですけれども、厳密に見ると、データとか、なぜこの期間なのですかとかいうのは、もしかしたら疑問に思う人がいるのかもしれない。データ数とかは書いておいた方がいいのかなとか、そういうのはちょっと気にはなりました。

○朝川企画課長 御指摘のとおりでございます。3ページ目の真ん中辺、21行目のところですか。これは前回の資料にあるのですけれども、簡易生命表と公的年金の障害者の死亡率は10年前と比べて余り変わっていないのですが、この扶養共済制度の死亡率だけが変化しているという結果があったわけです。したがって、直近のものだけではなくて、古いものと新しいもの両方の死亡率を使って計算した方がいいのではないかという提案をしております。今日、配付している資料ではその根拠がわからない状態になっていますので、公表するときには関連する資料もつけておきたいと思います。

○駒村座長 その辺は前回のときに使った資料があったわけですから、そういったものをということ。あとは、全体のエッセンス部分についても、公費投入のあり方についても今日の重要な論点です。委員の皆様から御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

 では、小竹構成員、お願いします。

○小竹構成員 公費投入の部分です。この制度はまさに障害者の方の重要な制度ということで、安定的に運用されることが必要だとはもちろん思っているところですけれども、地方公共団体としては、でき得れば現在の負担額を上限として、この報告書では何パターンかの検討が出ているわけですが、今の92億円を上限として是非維持していただきたいなと考えているところです。

 あと、5ページのところに激変緩和の話が出ていますけれども、もし公費投入を見直すということであれば、それは是非ともお願いしたいと考えているところです。よろしくお願いします。

○駒村座長 今回の報告書のエッセンスにもなるわけですけれども、生存率、死亡率が今後どう変化するかというのと、運用利回り次第というところもあるのですが、今の財政が決して余裕があるわけでもない。かといって、今にもだめというほどのものでもない。もちろん運用次第なのだけれどもと。小竹構成員からは、そういうことを考慮すると、現行の公費水準、公費負担額程度は維持すべきだということと、今後の基礎的な見通しが変わっているところが見られれば、遅滞なくこの財政を見直して必要な措置を取ってくれと。こういう御意見だと思います。

 ほかの委員からはいかがでしょうか。御意見いただければと思います。

 森構成員、お願いします。

○森構成員 今のところに近いところですけれども、1点だけコメントをさせていただきます。

 報告書(案)の5ページの21行目と22行目のところですけれども、旧加入者への公費投入についてシミュレーションの結果を踏まえて、公費投入額の減額については慎重に判断すべきと結論づけられています。シミュレーション結果を見ますと、先ほどからお話がございますとおり、障害者の死亡率の状況によっては、現在の公費投入額でも期間の延長が必要となる可能性も示唆されているところです。少なくとも5年に1回見直しがされるという前提におきましては、今回の見直しでは公費投入額については引き下げる状況にはなく、現状維持した上で、今後の見直し時期に前提も含めて再度検証を行うことが適当かなと思いまして、前回もそのような発言をさせていただきました。

 他の委員の方にも御同様の発言があったと認識しておりまして、この観点から、この報告書の「公費投入額の減額については慎重に判断すべき」の記述の後に、例えば「今回の検討においては現行の計画を維持することが適当である」といった表現などを追記していただければと思います。

 以上でございます。

○駒村座長 具体的な文言修正の御意見ということで。

 もしほかの文言修正がありましたら、後でまとめて議論したいと思います。とりあえず、全体について疑問というかコメントとか文言修正。先ほど小竹構成員からは具体的な文言修正部分はないということですね。森構成員からは、今、1つ具体的な文言修正があったということですけれども、ほかはいかがでしょうか。ほかの部分でも結構です。

 野澤構成員、お願いします。

○野澤構成員 前回、私は欠席させていただいたので、前回のことがちょっと抜け落ちているのですけれども。

 具体的な文言の修正等ではないのですが、障害者の暮らしというか、生活のことを考えたとき、この制度というのはいろいろなものとリンクしていると思うのです。今、障害者の雇用は結構伸びていて、これからも法定雇用率は上がりますので、働いて収入を得る人というのはふえてくると思います。その一方で、重度の障害者の中には働けない障害者もかなりいるのです。そうすると、年金だけが生活の糧という方がどうしても出てくると思います。

 特に、今、入所施設はできるだけやめて地域でということになっていったときに、地域で暮らしている障害のある方というのは、親元で面倒を見ている方もいますけれども、例えばグループホームに入っている方は年金だけでは足りないケースがかなりあるのです。基本的にどうしているのかというと、親が持ち出しでやっているわけです。親が死んでいった後のことを考えると、今の年金だけだと生活は難しい。しかも、基礎年金は将来的にだんだん減額されてくることが見込まれている。となると、どうしてもこういうプラスアルファの制度がある程度しっかりしていないと、重度の障害者の生活の安定とか安心がなかなか保てないと思います。

 一方の親にとっても、将来、自分が老いた後、あるいは親なき後のことを考えると、どうしても不安。では、自助努力でやらなければいけないのかというと、消費を手控えて貯蓄ばかりせざるを得なくなる。これが全てとは言いませんけれども、今の個人預貯金だけがどんどん増えていって消費が低迷していることにもつながっていくわけで、公的な機能が果たす役割を重視したときに、地方公共団体の財政状況とかも考えなければいけないのですが、全体から見れば数的にはそんなに多くない人たち、でも、非常に切実なニーズを持った人たちなので、この制度の維持をまず前提に考えていただけるとありがたいなと思っております。

 以上です。

○駒村座長 ありがとうございます。

 基礎年金や障害を持った人たちの生活の重要な基盤になるので、過去分については公費投入をしていますけれども、いずれにしてもこの制度が今後もきちんと守れるようにケアすべきであって、公的な関わり方もその点から決して軽視してはいけないというか守ってほしいという御意見です。この辺は、もう少しコメントを入れた方がいいのか、この報告書全体からそう読み取れればいいのか、野澤構成員、いかがでしょうか。

○野澤構成員 しつこいかもしれませんけれども、できれば前のあたりにそのあたりを強調して書いていただけると、年金でしか生活の糧が見込めない障害者にとって、いかにこの制度が重要なのかというあたりを少し加えていただけると、一般の方にもわかりやすくなるのかなという気がするのです。

○駒村座長 3ページの6行目に「扶養保険制度は任意加入の制度であり、公的所得保障の上乗せとしての役割を果たしているものである」と。この辺にもうちょっと書き込んで、これは極めて重要なので、障害基礎年金の上乗せというよりは、今後の公的所得保障や障害者施策の動向を考えれば、守っていくどころか拡充してもらいたい、より普及を目指してもらいたい、そういう感じなのでしょうか。という御意見があったと思います。この辺は役所の方の原案の中にもそういうトーンは書いてありますけれども、もう少し強く書けないかということだと思います。

 ほかにいかがでしょうか。

 全般的に議論の対象です。最後の広報の状態も含めて加筆部分があれば御意見いただければ。

 小竹構成員、お願いします。

○小竹構成員 本県も加入者の数が伸びていないというところもあっていろいろと工夫をしているところですけれども、この検討の中でも、民間保険との比較とか税制上の優遇措置とかを検討されてきたと思うのです。この資料ですと、6ページの23行目以降のところに書いてあるわけですけれども、こういう制度ですよという紹介ももちろん重要ですが、この制度のこういったところが優れているのですと。本当は民間保険と比較してこれがいいですと書くのが一番いいのでしょうけれども、そういう比較広告的なものはなかなか難しいのかもしれないので、この制度はこういうところが優れていますというそのメリットをわかりやすく伝えられるような、ここにひな形とありますけれども、そういう意味でいくと、全国共通なので、基本となるリーフレットといったものをぜひ統一的に考えていただいて、それを広報の場面で活用して親御さんの方に伝えていくといったことでやれるようにしていただけるといいのかなというのが1点ございます。

 もう一点です。同じ6ページの30行目以降のところに、保護者が利用する様々な制度を活用した広報がいろいろと書かれているわけです。先ほど言ったように、本県は加入者がなかなか伸びないのですけれども、そういう中で、今年度、特別支援学校の方に直接パンフレットをお配りして広報したところ、そこを通じて知って加入していただいた方がいらっしゃいました。近県の状況もちょっと聞いてみましたが、特別支援学校の保護者会とか、そういったところで説明をするのが効果的なのではないかと思っております。先ほど被保険者の平均年齢が14歳とか15歳とかという説明があったと思うのですけれども、ちょうど特別支援学校の世代の方ですので、文科省の関係だとは思うのですけれども、できればそういった特別支援学校への広報も1つの場所として入れていただいてもいいのかなと思っています。

 あとは、ここの中でいきますと、それぞれの団体、障害者団体を通じて広報するというのも有効ではないかと考えておりますので、そういったことも加えていただけるといいのかなと考えています。

 以上です。

○駒村座長 ありがとうございます。

 今の小竹構成員の御意見を裏づけるような情報がこの夏から秋にかけてうちの研究室の方で家族会の方とかに御協力いただいて400500ほどアンケート調査をやったのです。もちろん、身体、知的障害、それぞれ状況は違うわけでありますけれども、制度を知らない方が非常に多くて、非常に低い加入率だった。2008年に保険料を上げたせいかどうかわかりませんけれども、若干負担感を持つ方もいる一方で、メリットがわかりにくいとか、民間に比べてどんないいところがあるのかちょっとわからない。ただ、重要な情報としては、知らなかった、知っていたら入りたいという方が2割から3割ぐらいはいたということです。加入者が広がっているところは、非常にいいよという口コミとか、家族会、団体の方に情報が来ているというのが割と有効ではないかというので、うちの研究室の方でもそういう結果を見ていますけれども、今の小竹構成員のお話はそのとおりかなと。

 本人に近いところへどう届けていくのかというのも、パンフレットを置いていますよというよりは、御本人や家族の方が行く場所、あるいはそういう団体に届くような広報をやる。そして、それはわかりやすくなければいけないということだと思いますので、最後の広報のところでありますけれども、パンフレットの工夫とか、家族会等への配付や情報提供といったものも含めて、この辺はもうちょっと細かく書いた方がいいのかなと思います。行政の窓口に置いているだけということではない方がいい。もちろん、そこの経由のデータ提供も大事だと思いますけれども、あらゆる情報は最後の何メーターの部分がどう届くかというところで、これは物でも情報でもそうですが、出すだけではなくて、最終的には届けなければ意味がないということでございますので、その辺をもう少し強く書き込んでいただいてもいいのかなと思います。

 ほかにいかがでしょうか。

 平松構成員、お願いします。

○平松構成員 広報のところです。静岡市も加入者が少なくてちょっと残念な状況ではあるのですけれども、この広報の6ページの17行目以降に「20歳未満の障害児を扶養する保護者に対して」とターゲットを明確にしてしっかり書いていただいたのは、税制上の優遇措置等のメリットをわかりやすく伝えるというポイントを意識して広報を行うことが重要だということはここの議論の中でも皆さんから出ているところですので、非常によかったなと思います。

 それから、同じページの30行目以降に「障害福祉だけでなく、児童福祉、母子保健、医療等多岐にわたる制度を利用することから、このような制度を通じて広報を行うことも効果的である」と書いてあります。これを読ませていただいて思うことは、こういったことは子育て世代をターゲットにすべきだということでありますと、子育て中の親御さんは、いろいろなことで忙しく慌ただしく暮らしておられるので、文字だけで何かを読んでも、目には入ってくるけれども頭に入らない、心に入ってこないことがあると思います。そういうときに、支援者の方から声をかけてもらうというのが非常に効果があるのかなと思います。

 私ども静岡市では「子育てハンドブック」というものを作って、出生してから中学卒業ぐらいまでのいろいろなサービスを網羅するものを作っています。多分、各自治体でそういうものを作っていて、それを民生委員、児童委員さんですとか、保健福祉センターの保健師さん、子育て支援センターなどの子育て支援員、そして、今はこども園、保育園、幼稚園といった児童福祉施設にも健常児と統合保育を望むお母さん方が多くおられますので、障害を持つお子さんもかなりの数入ってきている状況です。各自治体が児童福祉、母子保健等の目的で作るいろいろな資料にこの制度のことを載せていけば、その資料を活用して支援を行う人たちが理解していただいて、それでお母さんたちに言葉で伝えていくことができるのではないかと思いまして、この30行目以降のところは非常に効果があることではないかなと思います。

○駒村座長 ありがとうございました。

 では、久保構成員からもお願いします。

○久保構成員 今、広報の部分なのですけれども、私は滋賀の育成会の理事長をしていまして、このリーフレットを持って特別支援学校を回ったりもしました。だけれども、説明する側が、どれだけメリットがあるかというのをしっかりわかっていないと、リーフレットを持っていって説明しても、ぱらぱらっとしか入ってくれないのです。ここに書いていただいている相談支援事業所とか放課後デイとかにリーフレットを置いて勧めてもらうというのはいいのですけれども、多分、ここらの職員はこの制度を私たちよりも知らないのです。ですから、私たちも含めて、㏚してもらいたいなと思うここに書かれている人たちを集めて研修するとか、これだけメリットのあることなのだということをよく知ってもらうことがあって初めて、このリーフレットとかポスターを活用しながらこういう人たちに勧めてもらうことが実際にできるのだろうと思うのです。よく知らないので、リーフレット、ポスターがあっても、こんなものがあっていいらしいですよと言うぐらいでは入らないのです。年間を通じてですと、やはり掛金に負担感がありますから、ぽつぽつとしか入ってくれない。滋賀県の育成会で県の特別支援学校を全部回ったのですけれども、そういう経験を思うと、そういう実感があります。私たち自身ももっと勉強する。私も、ここの委員会に入って、民間の保険よりもこんなに有利なのだということを初めて実感としてわかったみたいな状態ですので、みんなそこまで知らないというのがあるのです。それをみんなよくわからないと説明もできないので、勧めることができないと思っています。

○駒村座長 ありがとうございました。

 確かに、20歳未満、さらに在学中の親御さんにとってみれば、ちょっと将来の話かなと思ってしまう。そこまで考える余裕はないと。平松構成員からもお話があったように、支援者、説明者が大事であると。文字データだけではなかなか入ってこない。動画のようなもの、ビデオのようなもの、とにかくそういった説明が流れるようなもの、あるいは支援者が説明できるように。これは久保構成員からも同じ話でしたけれども、説明する側が説得力のある説明ができる状態ですかと。紙を配って、はい、おしまいです、よろしければ入りませんかと言う程度では、20歳前の子供たちを持っている親御さんには響かないのではないのですかという御意見です。この辺は事務局にも広報体制というか、情報提供を従来と違う方法を考えていただきたい、こんなお話だったと思います。

 報告書の文面に書いて、こうしろ、こうしてほしいというふうに残したほうが本当は検討会の報告書としては強くなるのですけれども、もしあれば。いかがでしょうか。このぐらい書いたらもう少し強くなるのではないかと。いかがでしょうか。具体的なアイデアがあればと思うのです。

 では、野澤構成員、お願いします。

○野澤構成員 文言のアイデアではないのですけれども、いいですか。

 私も皆さんの意見に全く賛成です。私も親ですけれども、これまでお金の問題というのはなかなか大っぴらに話をしにくい感じがして、でも、本当はすごく重要なものだと思うのです。久保さんを前に言うのですが、親の会というのはどこも高齢化していて、二十未満の親というのはなかなか入ってこなかったりしますね。こういう方たちは、今、どことつながっているのかなというと、放課後デイだったり、相談支援だったりということだと思うのです。この人たちにいろいろ相談する中でちゃんと説明できるようにしなければいけない。ただ、この制度だけを説明しても、民間のライフプランナーに負けてしまうと思うのです。彼らは物すごく上手ですので。生命保険などお金にまつわるいろいろなこともわかった上で、これがいかに有利なのかを説明できないとやはり負けてしまうと思うのです。なので、相当戦略的に考えないといけないなと思っています。

 私、今、思いつきなのですけれども、福祉医療機構が再保険をやっていますね。この福祉医療機構はいろいろな調査研究事業を毎年毎年やっているので、こういうお金にまつわる生活の安心を家族や本人たちにも感じてもらうにはどうすればいいのかと。現場の放課後デイや相談支援の職員さんたちの中にこういうものをきちんと説明できるスペシャリストに近い人たちを養成していくのがすごく大事だと思うのです。個々のサービスを利用計画で作る、プラス、こういうお金を含めた生活不安を解消していくようなことをきちんと相談できる人をぜひ養成していただく。そのあたりまで広げて考えていった方が、結果的にはこの制度のメリットを伝えることに有効につながっていくのではないかと思いました。

○駒村座長 まさにおっしゃるとおりかなと思っております。FPの資格を持っている民間の中には御自身が障害を持っていらっしゃったり、あるいは家族が持たれていたりということもあって、障害を持った人の家族に対してお金の相談を非常にきめ細かくやっている相談会を持たれている。多分、地域の事業か何か程度の支援しかないと思うのですけれども、今、野澤構成員がおっしゃったように、障害を持った人の家族の家計に対する金銭・家計アドバイス、日々のお金だけではなくて、こういう制度や、将来こういうことが起きますからこういう準備をしておいたらいかがですかというアドバイスがあった方がいいのではないかと。今、この部分が弱いでしょうと。ここら辺は障害福祉部の守備範囲だと思いますので、この制度に限定せずに、障害を持った方の家族に対する家計、金銭、資産運用に関するアドバイスと、金銭管理支援というのでしょうか、家計管理支援みたいな視点に立った上で、これがその中の重要なツールであるとしていかないと裾野が広がらないのではないかというお話です。この報告書の中にどう書くかはわかりませんけれども、障害を持った方の家族に対するライフプランみたいなものの仕組みも強化すればというようなこと。ここまでこの中に明確に書けるかどうかわかりませんけれども、そういう視点から、後でまた事務局と相談して、具体的な文言は入れるという考え方だと思いますので、具体的な文言は入れたいと思います。

 先ほど御意見があった5ページの21行目から22行目の文言修正、具体的な意見のところで、今回の検討においてはというのは森構成からの趣旨だったと思います。そこを詰めてしまいたいなと思いますけれども、どうしましょう。文章的には、森構成員から具体的にこの文章をそのまま使ったらどうかというあれがもしあれば言っていただきたい。

 お願いします。

○森構成員 先ほど言いました言葉で追記していただければと思います。「今回の検討においては現行の計画を維持することが適当である」と。

○駒村座長 事務局、この文言に対していかがでしょうか。

○朝川企画課長 まず、この報告書(案)の作り方が、今、どういう構成になっているかということです。繰り返しになりますけれども、5ページ目の最初の「以上の考え方を踏まえ」という段落で、障害者の死亡率が2パターンあって、そのどちらを使うかによって公費投入額が変わりますという両方の数字が書いてあるわけです。その上で、12行目からの「また」の段落で、いろいろな事情を勘案すると、公費投入の減額は慎重に判断すべきとしています。

 この心は、別紙の2ページ目の下にある表の右側を見てください。5ページ目の上の段落は何を言っているかというと、運用利回りBのケースです。B-マル1とB-マル2という両方の結果がありますということを言っていて、下の方の段落では、しかし、B-マル1、要するに公費投入額を減らす、92億円から85億円に減らすことについては慎重に判断すべきと書いてあるわけです。したがって、マル1とマル2で公費投入額に幅はあるのですけれども、現行の92億円を減らすのは慎重にと書いてございますので、御指摘いただいた趣旨はおおむね表現していると思っています。

 具体的に御提案いただいた表現でいきますと、今回の検討においては現行を維持することが適当ということでございまして、この試算結果に幅があるということが反映されていない。どちらかというと、92億円で決め打ちという結論になってしまっています。公費投入については政府の予算編成という問題がありますので、ここは考え方をしっかり書いていただくことが重要で、表現としては原案としていただければ助かります。その上で、御発言をいただいておりますので、前回の御意見も踏まえますと、多くの委員の方がこの結果で言うとB-マル2が適当であるという御意見だったと思いますので、事務局はそういうことをしっかりと踏まえて予算編成に臨んでいきたいと考えている次第でございます。

○駒村座長 報告書を踏まえて予算編成に入っていく中で、事務局側の判断の余地も、幅がある推計である以上、残しておいた方がという御説明だったと思います。ただ、委員の皆様から、慎重というか、手堅い方がいいのではないかと。あとは、先ほど野澤構成員からお話があったように、任意加入で上乗せだから、決して余裕があるという制度ではなくて、公的障害者施策、さまざまな公的部分をある種支えていく制度だし、この制度の安定性を指標として障害者の方も入っているので、そうそう軽視してはいけないと。その辺も書けという部分で、少しその辺を強化するという御説明もあったので、森構成員、どうでしょうか。動かしてはいかんとまで書くのはボーダーラインが高過ぎるという感じになっています。

○森構成員 そこは、最後は事務局にお任せいたします。

○駒村座長 そうしましたら、修文部分はこの制度の重要性についてより明確に追記するというのと、後半部分の普及・促進に情報提供についてさらにより具体的に障害者の家族に対するライフプランの一部であるようなところも強化すると。この辺の書きぶりはまた事務局と相談したいと思いますけれども、そういう趣旨のことを説明する人がちゃんと説明できるようにする工夫をしていかなければいけないという御意見を踏まえて、最後の広報のところにつけ加えたい。こんな修文にしたいと思っています。

 まだ時間もございます。ほかの委員から追加の御意見がありましたらと思いますが、いかがでしょうか。

 秋山構成員、お願いします。

○秋山構成員 今、おまとめいただいたようなことで、特にそれにつけ加えるということではございませんが、先ほど野澤構成員、久保委員からもお話がありましたように、この制度は、親なき後、そして、実際に障害者の人たちで稼得能力のない人たちがたくさんいらっしゃる。特に知的障害の方々の中では、収入を得ようとしても工賃収入も全く確保できないような実態がありますので、そうした生活の実態をどこかでアピールできるような広報ができないだろうか。

 私、前にもちょっと申し上げているのですが、例えばメディアのことをここに記載していただいています。私は、それはこれでいいのだと思うのですけれども、実際の方法として、例えばNHKのEテレのハートネットみたいなものに、ある人の生活として実際に収入がこのぐらいあって、幾ら働いてもこのぐらいしかならないのだ、そうしたものをカバーするような制度として、今、こういう扶養保険制度があって、これによってこの人たちはカバーされているということを構成したものができないだろうかなと、今、思ったりしているわけです。当然のことながら、私ども、障害者の当事者団体といたしまして、この制度の趣旨、有用性というものを積極的に関係者に深めていかなければならないと思っております。今後、そのために一層努力をしていくことをここで皆さんにお誓いしていきたいと思っております。

○駒村座長 ありがとうございます。具体的にNHKというふうにおっしゃいましたけれども、いろいろな媒体を使って、ああいう番組物であれば、後から誰でも見られるようなものが残ったりすれば、そういう意味ではわかりやすいかなとか、インターネットの時代でもありますから、いろいろな形で特に若い世代に対する情報提供は工夫をしていただくというような御意見だったと思います。

 野澤構成員、メディアの方から何かありますか。先ほどもかなり具体的に踏み込んだ話もありました。私もそうだなと思ったのですけれども。

○野澤構成員 ネーミングがちょっとわかりにくいな、取っつきにくいなという感じがして。似たようなものは結構ありますものね。でも、対案が私の中にあるわけではないのでなかなか言いにくいのですけれども、今の若い親というのはすごく忙しいし、仕事をしている人も結構いますし、従来、我々の若いころに比べると、こういうものに接する機会がもっと少ないような気もするのです。そういう関心を引くような広報戦略をちょっと考えてみてもいいのかなという気はします。

○駒村座長 久保構成員、お願いします。

○久保構成員 リーフレットとか、そういう説明のものをタブレット版とかスマホ版とかもつくっていただいて、ホームページのところからリンクできるようにして、私たち障害者団体の方から流すことも可能です。若い人は集まって来ないけれども、スマホとかタブレットでは随分と情報を集めていますので、そういうものを作っていただけるとありがたいなと思います。

○駒村座長 ネーミングの問題。加入者というか親の方が自分の亡き後とか、そういうリスクに対して、この子はどうなるのだろうかという問題意識で検索したときに、果たしてこの名前のこの名称の制度がインターネットでひっかかるのだろうかと。ひっかかるかどうかちょっと難しいかもしれないですね。

○久保構成員 キーワードがあったら、そこに行くようなものがあるといい。

○駒村座長 そうですね。

○野澤構成員 「心身障害者扶養」では絶対ひっかからないと思う。

○久保構成員 この名前ではひっかからない。

○駒村座長 そういう意味では、インターネット時代で、ネーミングも含めて、検索すれば、こういう制度があるのだというのが上位に来るような形で、ひっかかった後は、正確な情報のサイトに行き、そして、短時間で一応御説明してもらい、さらに加入に入ったときに、自分が幾ら払えばいいのだというステップ的に入っていく仕組みが大事なのかなと。

 これは事務局からの配付ですか、「母子保健」の11月1日号ですから、まさに最新の広報体制がこの10ページ、11ページにありますけれども、もしかしたら当事者の若い世代にこの広報のこと自体を見てもらって、これでどう思いますかとモニターしていただいた方がいいのかもしれないです。この形で行けますか。

 お願いします。

○久保構成員 具体的な案というわけではないですけれども、大阪の堺市の育成会は、みんな集まって普通に会費を集めて、集まってくる会員だけでは少ないので、ITというか、タブレットとか、そういう専門の会員というものもやっているのですね。ですから、通信でみんなが情報を得るとか、情報交換する、その会員みたいなもの。

○駒村座長 ネット会員ですね。

○久保構成員 ええ。ちゃんと会費も集めてやっているのですけれども、ネット会員みたいなものがあるのですね。そういうものも育成会の中でちょっと出てきているというのは、若い人は足を運ばないけれどもそれで集まれるというのがあるのかなとは思っています。ですから、このネーミングではなかなかひっかかってこないけれども、これからの我が子のお金の問題みたいな、そういうものでぴっとひっかかるような文言があったらいいなと思っています。

○駒村座長 村山構成員、お願いします。

○村山構成員 今の4ページから5ページの頭にかけてですけれども、公費投入についての話が書いてあって、4ページの最後のところに「制度を長期にわたって安定的に運営するために必要な最低限度の額とするべきである」と書いてあるところです。今の公費の投入の仕方というのは、将来を見通して所要額を見込み一時金に換算して、それを期間に分けて毎年度定額で安定的に拠出するという考え方なのですが、「必要な最低限度の額とする」というと、毎年変動する可能性があるかのようにも見えてしまう。これは困るので、「引き続き公費の投入は毎年度同じ額」と書くのか、「一定の額で安定的に」と書くのか、そういったことをここに補足していただきたい。そのほうが公費の安定的投入という意味ではいいことと思うので、何か文言を追加したらどうでしょうか。

 保険料も加入時の年齢によって決められ、加入した後はずっと同じ額を払っていただくことになっています。これは加入者にとって長期的にも同じ額の保険料を払い続ければよい、拠出計画が立てられる、だからこういう方法になっていると思います。同じように、公費の投入額についても、毎年度定額で安定的に拠出するというような言葉をつけ加えていただければありがたいと思います。現在の公費投入は毎年度定額なので、もう制度の大前提になっているところはあるのですけれども、念のために書いていただいたほうが安心と思います。

 以上です。

○駒村座長 「最低限度」というのはちょっと強過ぎて、本当に最低部分しか補わないようなので、ぶれが出るのではないかと。むしろ長期的に安定させるためには必要な適切な金額を定額なりというような案分に関してのコメントですけれども、この辺はちょっと技術的な部分とかあると思いますが、事務局からいかがでしょうか。

○朝川企画課長 御指摘ありがとうございます。原案のここに書いてある趣旨ですけれども、4ページ目のイのところから、最初の段落は、要するに、過去、公費投入をすることになりました、公的に責任のある立場から公費投入することにしましたということが書いてある。しかし、原則論として、これは保険制度なので保険料で賄うのが基本だから、公費投入というのは例外なので、例外ものは最低限の額にしましょうと、そういう基本的な考え方が書かれているところなのです。なので、そこに具体的な、毎年度公費投入の話を書くのは必ずしも適当ではないと私は思います。ただ、一方で、コンスタントに継続的に公費投入していくことが重要であるという御指摘はそのとおりだと思いますので、書く場所はちょっと工夫をさせていただいてと思います。

○駒村座長 これは公費の責任に関する哲学的な部分ではないか、実際の毎年の投入金額についての説明ではないです。それはそういう部分なのかなと思います。

 では、この辺は事務局に。これを受けて、後で、本当に最低限度毎年入れればいいのだろうという話にはならないようにしておかなければいけないということだと思います。そう読まれないように事務局とちょっと工夫をしましょうと。村山構成員、それでいいでしょうか。

○村山構成員 はい。

○駒村座長 ほかはどうでしょうか。

 森構成員、お願いします。

○森構成員 先ほどの広報の件ですけれども、障害者アンド扶養、あるいは障害者アンド共済で検索しましたら、たくさん検索できます。

○駒村座長 この制度はひっかかりますか。

○森構成員 ええ、この制度は検索結果がたくさん出てきます。各市町村から出ているのが。ですから、この制度をいかに周知するかということでしたら、ここに行けばいけると思います。障害者アンド扶養、障害者アンド共済、どちらでもいっぱいひっかかります。

 済みません。

○駒村座長 今の20代の子育て世帯に共済とか扶養というキーワードが果たして出てくるかどうか。

○森構成員 それを引いてくれという周知をしていけばいいのではないですか。

○駒村座長 実際にそういう世代の方に、どう見ているかとか、どのようにたどり着けるのかというのを専門とか一定の。確かに、40とか、そのくらいになってくると、扶養とか共済とかという言葉はふだんから使いこなしているわけですけれども、20代の小さい子供や30代の方が実際にたどり着けるかどうか。あと、たどり着いた先がわかりやすいかどうかというところかもしれないですね。障害者と共済と扶養で入れれば、一応、全国のいろいろな自治体の情報サイトにはたどり着けるということのようです。

 ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。

 今日は最後になるのですね。何かありましたら、今日が最後の機会です。修文ではなくて、議事録に残しておきたいということもあれば、この場でお話しいただければと思いますが、よろしいですか。

 では、幾つか修文、御意見がありました。最終的な表現回りについては私にお任せいただけるでしょうか。

(異議なし)

○駒村座長 よろしくお願いします。

 では、最後、社会・援護局障害保健福祉部長から一言御挨拶をお願いいたします。

○宮嵜障害保健福祉部長 それでは、一言御挨拶申し上げます。

 構成員の皆様方におかれましては、本年の5月から熱心に御議論いただきまして、まことにありがとうございました。駒村座長を初め、皆様方のおかげで、本日、一部修文はありますが、報告書(案)がおおむね取りまとめられたところでございます。厚生労働省といたしましては、今後、最終的に決定されました報告書を真摯に受けとめまして、制度の安定的な運営や普及促進について検討してまいりたいと考えております。

 また、現在、厚生労働省におきましては、福祉医療機構の第4期中期目標の策定を進めておりますが、この中期目標におきましても、引き続き定期的な検証と見直しを行うこと、資金を安全かつ効率的に運用することなど、制度の安定的な運営に資する取り組みについて盛り込んでいきたいと考えております。

 構成員の皆様方におかれましては、引き続き御指導をいただきますようにお願い申し上げまして、簡単ではございますけれども、御礼の御挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。

○駒村座長 ありがとうございます。福祉医療機構の中期目標にこの制度の安定性、多分、この報告書を踏まえてですから広報も含めてだと思いますけれども、より積極的に取り組んでいただくということでございます。

 最後に、事務局から今後の予定についてお知らせがありましたら、お願いいたします。

○齋藤補佐 報告書が完成いたしましたら、皆様のもとにお送りさせていただくとともに、厚生労働省のホームページで公表させていただきます。

 それから、大変お手数をおかけいたしますが、机の上に配付させていただいております「審議会等のペーパーレス開催に係るアンケート」に御記入いただき、お帰りの際は事務局に御提出いただきますようお願いいたします。

 以上でございます。

○駒村座長 それでは、これをもちまして本検討会を終了いたします。皆様、ありがとうございました。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部企画課手当係
〒100-8916
東京都千代田区霞が関1-2-2

電話: 03-5253-1111(内線3020)
FAX: 03-3502-0892

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