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2017年9月6日 第8回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」議事録

○日時

平成29年9月6日(水)9:00~12:00


○場所

中央合同庁舎5号館専用第22会議室


○出席者

井出アドバイザー、岩崎アドバイザー、上條アドバイザー、野沢アドバイザー、平野アドバイザー、宮嵜障害保健福祉部長、朝川企画課長、内山障害福祉課長、武田精神・障害保健課長、三好障害福祉課障害児・発達障害者支援室長兼地域生活支援推進室長、市川障害福祉課長補佐、照井障害福祉課長補佐、小林障害福祉課地域生活支援推進室長補佐、冨原障害福祉課地域生活支援推進室長補佐、吉野障害福祉課地域生活支援推進室障害福祉専門官、福島障害福祉課長補佐、原障害福祉課福祉サービス係長、高沢職業安定局雇用開発部障害対策課長補佐(オブザーバー)

○議題

1.平成30年度障害福祉サービス等報酬改定に向けて(自立生活援助、共生型サービス、共同生活援助、地域相談支援(地域移行支援・地域定着支援)、自立訓練(機能訓練・生活訓練))
2.その他

○議事

○内山障害福祉課長 おはようございます。定刻となりましたので、只今から「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」第8回会合を開催いたします。

 御出席いただきましたアドバイザーの皆様におかれましては、御多用のところお集まりいただき、誠にありがとうございます。

 本日のアドバイザーの出席状況ですが、千把アドバイザー、二神アドバイザーにつきましては、所用により欠席いたします。

 構成員の出席状況ですが、本検討チームの主査であります大沼厚生労働大臣政務官につきましては、本日、公務により欠席をさせていただきます。

 撮影はここまでとさせていただきますので、報道カメラの方は退席をお願いいたします。

 続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。

 資料1~5と参考資料がございまして、

 資料1「自立生活援助に係る報酬・基準について」。

 資料2「共生型サービスに係る報酬・基準について」。

 資料3「共同生活援助に係る報酬・基準について」。

 資料4「地域相談支援(地域移行支援・地域定着支援)に係る報酬・基準について」。

 資料5「自立訓練(機能訓練・生活訓練)に係る報酬・基準について」。

 参考資料「共生型サービスに係る報酬・基準について」。

 また、上條アドバイザーからの提出資料として「障害者自立生活アシスタント事業 事業概要」を配付させていただいてございます。

 過不足等ありましたら事務局にお申し付けいただければと思います。

 それでは、議事に入らせていただきます。テーマが多いため、議論を前半と後半に分け、それぞれ事務局から説明をさせていただき、質疑を行いたいと思います。

 前半では資料1、資料2に係ります自立生活援助と共生型サービスについて御議論をいただきたいと思います。

 前半の自立生活援助、共生型サービスについて、事務局より資料を説明いたします。

○冨原地域生活支援推進室長補佐 資料1について御説明します。

 自立生活援助ですが、28年5月に成立した改正法で新たに創設された新サービスの1つでございます。

 1ページ目に事業の簡単な説明を付けておりますが、障害者支援施設やグループホーム、精神科病院等から一人暮らしへ移行を希望する障害者の方に対して、一定期間にわたり定期的な巡回訪問や随時対応の相談支援等を行うサービスとなっております。

 2ページ、3ページ目は、厚生労働省令で定める内容についての資料でございます。対象者につきましては先程申し上げましたが、障害者支援施設から退所、グループホームから退居、精神科病院等の医療機関から退院して一人暮らしへ移行した方や、現に一人暮らしをされていてサービスが必要な方。家族と同居している場合であっても、家族の方が障害や疾病等で支援が見込めないケース。これらの方が対象になります。

 3ページのサービスの利用期間につきましては原則1年間となっております。ただし、必要と認められる場合は更新を可能とするという形になっております。

 4ページが関係団体ヒアリングで出されました主な意見の一覧になります。9件の御意見をいただいておりますが、基本的には事業を円滑にできるようにという御意見がほとんどでございます。

 5ページに論点を6点挙げさせていただいております。

 1点目が対象者像、2点目が定期訪問について、3点目が随時対応について、4点目が職員配置、5点目が基本報酬、加算、6点目が他のサービスとの関係となっております。

 それでは、個別の論点について御説明いたします。

 6ページの論点1、サービスの対象者像でございます。新しいサービスになりますので、サービスの対象者像をどのように考えるかという論点でございます。資料の最後に参考資料を付けておりますが、制度を検討する際に横浜市で実施されている事業などを参考にしております。それらを踏まえ、主に軽度の障害者の方の地域定着を図ることを前提とした制度とすべきではないか。その際、訓練等給付に位置付けられていることから障害支援区分による制限は行わず、サービスの対象者は支援区分全般としてはどうかという論点でございます。

 論点2は、定期訪問のマネジメントについてでございます。先程事業の内容を御説明した際に定期訪問という表現を使いましたが、想定としては週1~2回というイメージで考えておりますが、利用者のニーズによっては画一的に毎週訪問するということではなくて、柔軟にタイミングですとか回数を事業者がマネジメントすべきではないかという論点でございます。

 7ページの論点3は随時対応のための体制でございます。随時の対応を行うため、連絡体制の確保をお願いすることになりますが、その際、実際に対応する職員の方につきましては、国家資格等の資格要件は課さないけれども、利用者の状態を適切に把握する能力のある方を確保すべきではないかという論点でございます。

 論点4は職員配置になります。ヒアリングの御意見の中にもありましたが、相談支援事業所やグループホームの事業所など、他の障害福祉サービスとの兼務について柔軟に対応できる仕組みとすべきではないか。特に夜間については24時間対応ということもありますので、そういう柔軟性を持たせるべきではないか。また、サービス管理責任者の配置については、基本的には事業所に利用者がいないという状況になりますので、現行のサービスで言うとグループホームの基準を参考にしてはどうかという論点でございます。

 8ページの論点5、基本報酬、加算についてでございます。こちらは先程御説明したサービスの内容から考えますと、時間単位で評価することが難しい事業になりますので、ヒアリングの御意見にもありましたが、1カ月当たりの定額(包括報酬)としてはどうか。また、事業所によっては社会福祉士や精神保健福祉士を配置する支援体制や、居宅以外の場所に同行して行う支援等も想定されますので、そういった点も評価してはどうかという論点でございます。

 最後、論点6は他のサービスの関係をどのように考えるかでございます。計画相談支援事業所は利用者の福祉サービスの計画を立てる事業所になりますので、そちらとは特に緊密な連携を図る必要があるのではないかという点と、日中活動や居宅サービスの事業所等とは、利用者の状況等についての連絡調整を行う必要があるのではないかという論点でございます。

 9ページ以降には事業の組み合わせ、他のサービスの関係をイメージとしてつくった資料をお付けしております。

 9ページが施設やグループホーム、病院から一人暮らしに移行して、すぐに自立生活援助を利用するパターン。

10ページが、現に一人暮らしをしている方が、支援の必要性が生じて自立生活援助を利用するパターン。

11ページが、障害のある家族の方と同居している障害者の方が利用するパターンの3パターンについて、詳細な資料を付けております。

12ページ以降は、先程御説明しましたが、事業を設計する際の参考にした横浜市の自立生活アシスタント事業の状況について簡単に整理した資料をお付けしておりますが、こちらの説明については省略させていただきます。

○内山障害福祉課長 只今自立生活援助の先行事例のお話をさせていただきましたけれども、自立生活援助の先行事例であります横浜市で実施されている自立生活アシスタント事業というものがございます。横浜市の障害支援課長であります上條アドバイザーから、この自立生活アシスタント事業について取組みを御紹介いただけると幸いです。

○上條アドバイザー 横浜市の障害支援課長、上條です。

 資料の最後に自立生活アシスタント事業の概要を別に付けておりますので、まずそちらを御覧いただければと思います。

 横浜市の自立生活アシスタント事業を簡単にまとめたものですが、事業開始年度は平成13年度となっています。そのころ横浜市では入所施設の量的な課題もあって、グループホームがかなり進んできたところではありましたが、入所なのかグループホームなのか、あるいは家で家族と一緒なのかという選択肢以外にも、ひとり暮らしという選択肢があるのではないかということが挙げられていまして、御本人や家族の高齢化といった背景も当時もちろんありました。そうした中で障害者施設がその専門性を生かして、地域生活を一人で送っていく中で適宜アドバイスをすることで、ひとり暮らしができる方たちも相当数いるのではないかというところがありました。

 初めは幾つかの知的障害者の支援をしている施設でアシスタント事業を平成13年度に始めまして、その後、平成19年度から精神障害者へ拡大し、平成22年度からは発達障害者の方々あるいは高次脳機能障害の支援をしている事業所も加わる形で、現在40カ所の自立生活支援アシスタント事業所が運営しています。

 支援対象者は、次のいずれかに該当する障害者ということで、単身者、2点目が同居家族の障害、高齢化、長期にわたる病気等で日常生活の支援を受けられない方、3点目が家族と同居またはグループホームに現在入居しているのですが、アシスタントの支援を受けながら単身生活等への移行を希望する方といった割と大まかな要件としております。

 支援内容は、訪問による生活支援ということで衣食住に関する支援、健康管理、消費生活、余暇活動など、一般の生活全般にわたってということになります。食事づくりのアドバイスをしたりとか、栄養面の確認をしたりとか、そういったことも含まれます。

 コミュニケーション支援としては対人関係の調整、職場・通所先等との連絡調整ということで、例えばひとり暮らしをする時にアパートを借りる際、アパートの隣の人への挨拶をどうしたらとか、あるいは部屋を片付けたりすることで近隣関係を良好に保つなど、あるいは職場、通所先でも同様のコミュニケーション的な支援も行います。

 アシスタントの配置は、横浜市から委託を受けた事業所がアシスタントを複数配置することにしていますが、そのうちの1人は現場の支援の経験が5年以上の方を専任で配置して、もう一人は非常勤ということで、お一人でやっている事業所もありますし、何人かで1人分やっているという事業所もございます。

 支援の対象地域は、知的障害、精神障害は、横浜市は18区あるのですが、各区に事業所があるので、所在している区を中心として近隣の区も対象としている。発達障害、高次脳機能障害は全市で1カ所となっていますので、全市対応となって、それなりに広範なところをやっていて大変なところもあります。

 利用手続は後で御説明します。

 登録者数は1施設当たり概ね25人程度で、利用者負担なしということで行っています。

 裏面に利用の流れを図示したものが付けられております。まず関係機関と連携しながら支援が必要な人の把握に努めますというのは、アシスタントの事業所から見ての話ですけれども、18区ある区役所の障害者支援担当のワーカーから相談があるケース、あるいは病院やグループホーム、様々な相談支援機関、現在通っている日中活動先などから、ひとり暮らしに対してアシスタントの支援が適当ではないかというようなことで相談が上がって、それに対してアセスメントをしていく。御本人と面談をして了解が得られれば登録をして支援を開始する。支援を開始する際には個別支援計画をつくり、関係機関と連携しながら支援を行う。アシスタントの利用期限はありませんが、おおむね6カ月から12カ月ごとに個別支援計画を見直し、終結の見通しについても検討するという形にしております。

 次の資料で28年度の実績を付けさせていただきました。登録者数の総計は962名。40カ所の事業所ですので1カ所当たり平均利用登録者数は24人となっています。

 年代別で見ますと御覧のとおり40代、50代の方が多い傾向になっておりますが、10代、20代もいますし、高齢の方もいるということで幅広くなっています。

 手帳の所持別で言いますと、知的障害、精神障害の方が事業所数も多いですので、多くなっています。2種類以上の手帳を持っていらっしゃる方もいますので、ここは合計が合わないのでパーセントは出していません。

 生活状況としては、単身の方が約7割ということです。

 日中活動場所としましては、就労、通所で半数以上。ただ、在宅という方も4割近くいらっしゃるというところになっています。

 紹介元の機関としては、区の障害担当が一番多くて半数ですが、そのほかはいろいろなところから紹介が来る。横浜市においては、このアシスタント事業というものがそれなりに認知されているということかと思います。

 事業概要の説明としては以上になります。

 もう一つ付け加えますと、支援を終了することに関して今回の案では1年となっているのですが、知的障害の方々に対する支援を終了するというのは、特に知的障害の方は難しいという状況があります。900人以上の登録者がいて、大体毎年支援を終了する方も200人前後いらっしゃるのですが、多いのは精神障害の方となっています。知的障害の方では5年以上、支援が続いているという方も2割程度いたり、事業所にとっても課題かなというところにはなっています。

 支援を終了した後の繋ぎなのですけれども、最初に支援計画を立てて、その目標が達成したということで支援を終了するケース、アシスタントの支援が不要になったという場合です。ただ、これはしばらくアシスタントなしで生活して、少し不安なこと、あるいは問題が起きたことでまた相談に上がるケースもあります。

 最近では計画相談事業所に繋がっていく、引き継いでいく、アシスタントが終わって計画相談事業所が支援を継続していくといったケースも多くなっています。

 横浜市の事業の概要は、以上です。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 引き続き、資料2の共生型サービスについて事務局から説明をいたします。

○福島障害福祉課長補佐 共生型サービスでございますが、資料2でございます。

 1ページおめくりいただきますと、これまでの取組みが書いてございますが、まずは同一事業所で一体的に介護保険と障害福祉のサービスを提供する取組みとして、富山型デイサービスのように、高齢者あるいは障害者などの多様な利用者に対して同一の事業所で一体的にサービスを提供する取組みというのは、地域の実情に応じまして従来から進められてきているところでございます。

 こういったケースでは、市町村の判断で障害福祉制度におけます基準該当サービスという仕組みを活用してサービスを提供してございますが、一方の介護保険制度上は、このようなサービスを提供できる仕組みとはなっていないところでございます。基準該当サービスに関しましては、市町村の判断ということでございますので、地域によってその取り扱いに差があるという指摘がございます。また、平成24年度には介護保険の療養通所介護事業所において、主に重症心身障害児・者を通わせる児童発達支援等を実施する場合の指定基準の取り扱いを明確化した通知を出しまして、障害児・者の通所サービスとしての利用も可能となっているところでございます。

 2ページ目、これまでの議論といたしまして障害者が65歳になった場合の話でございますが、介護保険優先の原則のもとで介護保険の被保険者となった場合には、使いなれてきた障害福祉サービス事業所、今まで利用してきた事業所が使えなくなるというケースがございますので、社会保障審議会障害者部会の中で、このことについて見直すべきとの意見が出されているところでございます。

 また、「我が事・丸ごと」に関しましては、制度の縦割りを超えて柔軟に必要な支援を確保することが容易にできるよう、事業・報酬体系を見直す。あるいは介護保険、障害福祉制度両方に共生型サービスを創設する。今回の報酬改定において基準報酬についての必要な対応を行うこととされております。

 3ページ、創設の趣旨でございます。障害者が65歳以上になっても使いなれた事業所においてサービスを利用しやすくするという観点。2つ目としまして、福祉に携わる人材に限りがある中で、地域の実情に合わせて人材をうまく活用しながら適切にサービス提供を行うという観点から、共生型サービスを創設するということが盛り込まれた地域包括ケア強化法が平成29年5月26日に成立したところでございます。また、その際、参議院の厚労委員会において、附帯決議におきまして障害者が受けていたサービスの量・質の確保に留意し、当事者及び関係団体の意見を十分に踏まえ、その具体的水準を検討、決定することとされております。

 4ページ、課題としましてまず基準の違いがございます。4ページの下のほうの箱でございますが、これは例えばで申しますと障害福祉サービスの生活介護、介護保険のデイサービスという類似のサービスがございますが、御覧のように例えば人員配置でいけば介護のほうが5対1、障害福祉で言えば障害支援区分が5以上の場合は3対1とされております。これ以外の基準の違いにつきましては参考資料の19ページ以降に付けてございますので、御覧いただきたいと思います。

 5ページ、本検討チームで御議論いただきたい事項ですが、介護保険の事業所が障害福祉の事業所として指定を受ける場合の基準と、この場合の障害報酬の検討をしていただきたいと思います。また、逆の場合は介護給付費分科会で検討することとなっております。

 6ページ、対象サービスでございます。1つ目として、介護保険優先原則が適用される介護保険と障害福祉両方の制度に相互に共通するサービス。2つ目としまして、基準該当の障害福祉サービスとして位置付けられているサービス。これらを踏まえますと、下の表の赤い点線の枠で囲ってあるものが、対象サービスとして考えられるものでございます。

 7ページ、相談支援専門員とケアマネジャーの連携の関係でございます。社会保障審議会介護保険部会で相談支援専門員とケアマネジャーが支援に必要な情報を共有できるよう、両者の連携を進めていくことが適当であり、具体的な居宅介護支援事業所の運営基準のあり方については、平成30年度介護報酬改定に合わせて検討することとするのが適当であるとされているところでございます。

 8ページは、これまでの団体ヒアリングにおける主な意見でございますが、例えば質・量が低下しないように制度設計と報酬上の評価が必要であるですとか、あるいは研修制度を新設することを義務付ける。人員・設備・運営基準等を柔軟なものにするといった御意見をいただいているところでございます。

 おめくりいただきまして、次から論点でございますが、まず10ページのイメージ図を御覧いただければと思いますが、1番目は通常の指定を受けている両方の指定基準を満たす場合でございます。3番目の箱が現行の基準該当サービスでやっているものでございます。点線の枠は通知、ガイドラインにより実施しているものでございまして、報酬額は通常のものでございます。2番目としまして高齢者と障害児・者の支援内容が違うことから、3の基準該当にプラスして専門の職員を配置してはどうかということでございます。障害者で言えばサービス管理責任者、障害児で言えば保育士、児童指導員等の資格職を配置してはどうかということでございます。この箱の高さが報酬額のイメージをしていただければ結構かと思います。

11ページ目以降がそれを文章化したものですが、まず3番についてでございますが、現行の基準該当サービスは約1,200事業所ございます。そこに関しては新たな規制を求めないこととしてはどうか。また、2つ目の箱でございますが、サービスの質や専門性に配慮しプラスアルファで資格職の配置を求める類型を創設してはどうかということでございます。

12ページ目は報酬関係でございますが、3番目の箱に関しましては現行の基準該当サービスの単位を基本として検討してはどうか。また、加算を算定できるようにしてはどうかということでございます。2番目に関しましては、専門性を評価することとして基準該当の報酬単価を引き上げることとしてはどうかということでございます。その他としましては、2、3を含め1と点線の枠を含めまして、全体を共生型サービスとしてはどうかということでございます。

 最後13ページ目でございますが、相談支援専門員とケアマネジャーの連携に向けた取組みについてどう考えるかということでございます。

 以上の点を御議論いただければと思います。

○内山障害福祉課長 今、資料1で自立生活援助、資料2で共生型サービスについて説明をさせていただきました。

 前半の議論では、自立生活援助と共生型サービスそれぞれに分けて御質問、御意見等を賜ればと思います。

 資料1の新しいサービスであります自立生活援助について、御質問、御意見等ございましたらアドバイザーの方等からお願いをしたいと思います。いかがでございましょうか。では野沢さん、お願いいたします。

○野沢アドバイザー 最初に横浜市さんに御質問なのですが、これでやっていてうまくいかなかった例とか、結局入所に戻ったとか、グループホームに行ったとかいう例はどのぐらいあるのかなと。もしうまくいかなかったとすれば、何が問題だったのかという辺りを教えていただきたいのですが。

○上條アドバイザー うまくいかなかったかどうかは別ですけれども、グループホームや施設入所になったり、あるいは入院ということになった方は一定数いらっしゃいます。データは古いですが、ある年で言うと1割の方はグループホーム、入所施設、6%の方が入院という形になっています。これはアシスタントの関わりというよりは、それ以外の関係の様々な課題が複合的にあったのだろうと思います。

 横浜市のアシスタントは、平成13年に始まった時から実際に直接サービスを提供する、処遇を行うというわけではなくて、あくまでも元々障害のある人たちの高齢化に対応してというようなこともあって、ある意味、親代わり的な関わりをしていこうということで、例えば直接ヘルパーのようなことをしたり、指導するというような形ではなくて、本人が望むことをなるべく周りとの関係を調整しながらやっていこうということで、例えばサービスのマネジメントをしたりということも特にはしないようにしようということで、なかなか立ち位置を確立するのに難しかったところがあります。実施している事業所さんが年に何回も集まって、それぞれの事業所が向かっている方向が間違っていないかということを確認しながら進めてきたという経過があります。

 最初の質問の御趣旨と違ってしまっているかもしれませんけれども、そういった中でうまくいかないケースについては、無理して引っ張らないでグループホームに入ったり、入院したりということをしてきたのではないかと思います。

○野沢アドバイザー これはすごく重要な事業だと思っているのです。前回の総合支援法の見直しについて社保審の障害者部会で議論した時も、私はこの必要性というのはすごく感じて力説した覚えがあるのですけれども、これまで障害者の生活というと家族が抱え込むか、入所施設か、そうでない地域生活というとグループホームしかなかったのです。特に知的障害の人の場合。グループホームはとても大事で、まだ伸ばしていかなければいけないと思っているのですけれども、それを前提とした上で、でも本当にグループホームだけでいいのかということを本気で考えていかなければいけない。そういう段階に来ていると思います。

 社保審の議論の直前にイギリスに行って、意思決定支援だとかを勉強した時に、日本はまだグループホームみたいなことを言っているのかみたいなことを言われて、でもイギリスだってグループホームは非常に貴重な資源で大事なのですけれども、建前上はグループホームとはいえ、集団生活にすぎない。deprivation of liberty、自由を剥奪する場だというので監視の対象になっているわけです。

 国連の障害者権利条約の法の前における平等という原則から見れば、そうでない選択肢というものも、障害のない人に近い選択肢をつくっていかなければいけないと思うわけです。その時に自立生活アシスタントが大きなツールになるなと思っているのです。

 この業務をどのように仕事の中身を見ていくかということで、基本的には横浜市さんのモデルを下敷きにした内容です。私はこれでいいと思うのですが、でもこれからもっとプラスアルファのものを期待されていくのだろうなという気がするのです。というのは社会のほうが変わってきているからです。障害だけではなくて単身高齢者はものすごく増えていきます。2035年、東京辺りだと40%の高齢者が独居だと言われて、760万人ぐらいが独居の高齢者になっていくと言われていて、そういう時にどうするのかというところで「我が事・丸ごと」の議論とかができてきたわけです。

 1つ参考にしたほうがいいのではないかと思うのは、オランダのBuurtzorgという団体があります。あそこは高齢者の地域生活を支援している事業体なのですけれども、何をやるのかというと、看護師さんたちが主なのですが、アセスメントからケアプランを立てることから支援に入るところまで全部1人でやるのです。そうでないと高齢者の生活像が見えてこないからということなのです。どういう近隣関係あるいは家族、友人があるのかということを全部見た上で、この人たちの本当の仕事は何かというと、そこに行っていろいろな日常生活の支援をするだけではなくて、インフォーマルな支え合いを再構築して自分たちの仕事を引いていくということなのです。つまり家族や友人や近隣の人たちをコーディネートしながら、そこで暮らす、地域で暮らす高齢者の生活をつくっていく。その上でプロの仕事はできるだけ手を引いていく。いろいろな調査をやると顧客満足度は断トツでナンバーワンなのです。プロの介護とか支援よりも、インフォーマルな友人だとか家族だとかボランティアさんだとか、そのような方たちとの支え合いのほうがいいのではないかみたいなことだと思うのですけれども、そのような仕事もいずれは自立生活アシスタントに求めていくべきというか、当然求められてくるのではないかと思うのです。

 これは障害の分野を超えても、高齢者の世界でも、そのほか単身の人たちはいっぱいいますよね。ひきこもっている人とか。そういうことも考えた時に、これから障害の分野が、いろいろな課題を抱えた地域生活をどうやってつくっていくのかというトップランナーになり得るぐらいに思っているのです。なので、ここが初年度というかこれから始まる事業なので、あまり何もかも乗せてもどうかなと思うのですけれども、将来的なものも見据えた上で制度設計をしていったほうがいいのではないかと思います。

 最初はある程度、業務の幅を広げたり、対象像だとか期間なんかももう少し広げた考え方をしていって、1年、2年やって精査していく中で、いろいろな可能性をまたこの制度改革の中でやっていったほうがいいのではないかと、そのように思っています。

 もう一つ、グループホームとか入所施設は24時間対応できるということでとても大事だと思うのです。ただ、気を付けなければいけないのは、入居した場合にちょっと失敗した時に、すぐに入所に移してしまうという傾向はあると思うのです。地域でちょっとしたトラブルがあると、その人を入所に移してしまう。実際にいろいろな触法行為だとか、地域でトラブルがあった時に割とそういう傾向が今でも見られると思うので、それでも失敗しながらも、失敗した像も地域の人たちに見てもらいながら、そこでまたもう一つ粘ってサポートする者をつくっていくということを考えた時に、入所よりもグループホームと相談支援あるいは地域生活拠点、この辺りを中心的な母体として考えていったほうがいいのではないかと思っております。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 ほかにございますでしょうか。では上條さん、お願いします。

○上條アドバイザー 今、野沢先生がおっしゃったようなことも全くそのとおりだなと思うところですが、横浜市の事業が施設についているのですが、多いのが通所施設です。

 通所の施設で専任の職員と非常勤と先程言いましたが、一定の方々が何年か継続して本人との関係性もつくりながらやっていくということがポイントなのかなと思っています。ただ、利用期間が1年ということであれば、そんなに職員の継続性はないのかもしれませんが、先程言いましたように知的障害の方は比較的長いケースも多いですし、精神の方は最初の関係づくりのところでは、一定数がアシスタントを使いましょうということにはならないということがあるので、それなりの社会生活経験があり、障害者支援の経験もある方が配置できるようなことを考えないと、担当にはなったけれども、御本人に逆に振り回されてしまうこともあり得るので、そこのところはそういった職員が配置できるような制度にしていくことが必要かなと思っています。

 1回当たりではなくて、月ごとの報酬にしたらどうかということになっているので、その点は事業所も入りやすいのかなと思いますが、1人当たり何人見られるのかというところも、なかなか量的に判断するのは難しいから月ごと評価と考えていただいていると思うのですけれども、支援の最初のころは週に1回、2回、顔を出して関係づくりとか、本人の生活の安定化というところをやっていかなければいけないのですが、だんだん月に2回とか月に1回とかになっていく。そういったことも含めて何人ぐらいが適当なのかというところも見ながら報酬の設定をしていただくことが必要と思いますし、その時には繰り返しになりますけれども、ある程度のスキルのある職員が配置できるようなことを考えていただきたい。兼務というのがどこかに出てきていたと思いますが、兼務で多くの人数の人が対応するというメリットもありますが、専任の方がいるといったところも大事かなと。これまでの横浜市の事業を続けてきている中では思うところです。

 以上です。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 ほかにございますでしょうか。平野さん、お願いします。

○平野アドバイザー この制度については、私も大変期待しております。現場を聞くと地域に出て、何でもめるかというと日常生活動作です。生活がアパートなら部屋の中でできるかということよりも、周りとの関係がこじれてうまくいかなくなってしまうことがいっぱいあると聞くのです。ごみの出し方から始まって、夜、音を出したりとか、仲間を呼んで騒いでしまったりとか、逆に今度はこもってしまって周りが心配になってしまったりとか、そういう意味では地域との関係をつくっていく。これが社会参加の前提ですから、そういうものを支えていくことを考えれば必要だと思いますし、歩行でもパーソナルアシストという形で個別の支援をやっていますので、こういう制度が本当に日本でも定着して障害者を支えてくれることが一番重要だと思っておりますし、この制度がうまくいってくれるかというのは、すごく期待しているところなのです。

 そこでいろいろ現場の人が考えていくと、こういうことを既にやっているところもいっぱいあるのですが、横浜市さんはやっていますけれども、やっているところの話を聞くと、施設で言えばエース級を送り込まないとできないと言うのです。素人ではなくてある程度処遇のことも分かっているし、社会資源も分かって調整できる人。エース級の人をやらないとできない。

 例えば個別支援もそうなのですけれども、調整が大変だというのです。もちろん日中サービスを利用すれば、それとの調整もありますし、保佐人とか成年後見人はいないと思うのですけれども、補助人との関係をつくったりとか、場合によっては厄介なのは日常生活支援事業がありますね。それで金銭管理をしている生活支援員さんとの役割分担だとか、かなり細かいことを要求される。それでなおかつうまくやれるようにしていくことを考えると、かなりしっかりした人がやっていけるようになっていく。そういう意味では先程月額の制度も含めて、しっかりした人が入ってきてやれるような形にしないと厳しいのかなと思っています。そういった意味では、そういう配置にしてほしい。

 それから、先程横浜市さんからも言ったのですけれども、スーパーバイザーといいますか、やっていることがちゃんとできているのか。結局、理想は2人ぐらいで家庭訪問してやれれば一番いいのですけれども、現実には1人のアドバイザーさんが行ってかかわっていくことになってきますから、そうすると1人の方の力量に左右されてしまうこともありますので、きちんとやっていることをチェックしていくスーパーバイザーがいないと難しいから、それも込みで体制を考えていく必要があるのかなというのがあります。

 お願いなのですけれども、1つはそういった意味ではこの制度に関してやれる人については、秘密保持という部分も大事にしてほしいなと。これは個人のプライバシーに触れますし、いろいろな問題にもかかわってきますから、考えてほしい。場合によってはいろいろ聞いたのですけれども、相談の中には結婚だとか恋愛とか、どうしましょうかという相談を受けたこともあるといいますから、秘密保持の部分を大事にしてほしいというのと、それから、野沢さんも言われたのですが、アドボカシーの部分です。場合によってはサービスについてクレームがある。文句を言っていいでしょうかということの相談もあると思うのです。その時に本当に自分としては納得いかなかったら苦情を言ってもいいんだよということもきちんと言えるような、そういうアドボケートできるような機能も持っていてほしいなという気がするのです。こういうのも考えてほしい。

 最後は、これも現場から来ているのは、横浜市さんはすごくすぐれた実践をされているのですけれども、聞いていると地方の場合には密度の問題がある。採算として成立するためにはかなり件数を確保するとなるとすごく広い面積になってしまったりして、時間とかとられてしまう。都市部の場合には一定の密度が維持できるのですけれども、地方に行けば行くほど社会資源がなくなるのに、密度がなくてすごく広い範囲になってしまったりとか、あるいは逆に人数が確保できなくて事業として成立しないという、この辺も地方レベルでも成立できるような方策も考えていただきたいというのがお願いでございます。

 大変期待している事業ですので、すぐに成功するとは思いませんけれども、だんだんやっていけるように道が開ければと思っています。

 以上です。

○内山障害福祉課長 ありがとうございます。

 岩崎さん、井出さんからも手が挙がっていましたので、まず岩崎さんからお願いします。

○岩崎アドバイザー 皆さんおっしゃられているように、私も事業者にとっても非常に柔軟に使えるような設計にしていただいている点では大変ありがたいなと思うのですけれども、そこで少し横浜市さんにも聞きたいところがございます。相談支援事業所の相談支援専門員がやっているマネジメントがありますね。先程来、皆さん調整機能に期待するという声が上がっていますが、自立生活援助を担当する職員と相談支援専門員が連携していくことは当然のことなのでしょうけれども、その辺での難しさというものもあるのではないかと感じます。

 今、実際にやらなければいけないけれども、相談支援専門員が忙しくて手が届いていないところとかを多分カバーしてくださるような期待とかを私は持ってしまいますが、実際にマネジメントっていろいろな種類のマネジメントがありますけれども、どこら辺をこの事業がカバーするものということで実際にやってこられたのかということを横浜市さんにお聞きしたいです。また今回の新規事業についてはどこら辺までのことを「調整」ということで考えていらっしゃるのかということ。それが1点です。

 それから、やはり私も皆さんおっしゃっていらっしゃるように、何らかの専門性を持ってやっていただくという点で、加算等そういった手当てをしていただけることが望ましいのではないかと思っていますが、そこら辺はいかがなのかなということ。それから、自治体間の格差のことです。もちろん地理的な問題もあるのですけれども、対象者の中に実際にグループホームさんとか、ほかの入所施設から、あるいは医療機関も含まれるのでしょうけれども、退院される想定のもとで利用される場合と、常に在宅でいらっしゃって御家族が同居されている場合の使い方、それが本当に具体的にどういう方を利用対象として挙げて認めてくれるのかというのは、自治体がこの事業をどう理解してくださるかということにもかかってくると思うのです。だから特に今、在宅で御家族と住まわれている方たちの利用する際のもう少し明確な利用の基準などをお考えになるのか、割と緩やかなまま、そのほうがありがたい点もあるのですけれども、お考えなのかということについてお尋ねできればと思います。

○内山障害福祉課長 それでは、この段階で横浜市さんから今の御質問にコメントがあれば。

○上條アドバイザー 横浜市のアシスタントは、事業が始まってから、先程も言いましたけれども、どのような役割をしていくか、どういう立ち位置で本人とかかわっていくかということに関しては、事業所同士で何度も話し合いながら方向性を確認しながらやってきたというお話をしましたが、この間、相談支援に関する事業所が増えてきた。成年後見もそうですし、計画相談もそうですけれども、そういった中で益々アシスタントはどうするのか。先程マネジメントをするのではないと言いました。本人側に立って、本人の考えていること、していること、困っていることに寄り添う形がアシスタントの仕事だということで、あえてマネジメント的なところからは一歩引いて、もちろんマネジメントするところとの連携というのはとるわけですけれども、本人にしてみればサービスを提供している人たちとは違う、何でも相談できる人という形で存在している。困ったことを解決するために関係性を調整したりというところに役割を持っていることをやってきているところですが、先程平野先生おっしゃったように、関係機関の中では金銭管理してくれる人みたいな位置付けになっていたりとかいうこともあるという話は聞いています。

 あとは本人に寄り添うあまりに本人との距離感の持ち方も、そうは言っても何でもかんでも来られてもというところもありますので、一定の距離をとりながらというところでは、それぞれのアシスタントの個性もあるし、難しいところは共有されているところかなと思います。

 そういった中で相談支援機関が増えてきたところから、マネジメントするところから見ると、あるいは病院、グループホームなどで考えた時に、アシスタントを使えばひとり暮らしできるというのがある程度定着してきている。そういうための資源として期待されていて、実際に本人の家に訪問して相談に対応し、困った時には電話で相談もできたりするという方が1人いることで、周りのサービスがうまく回るということもあります。例えば家を探すといった時に、なかなかアパートを借りにくいというのがありますけれども、アシスタントというような形の関わりをする人がいるよということで大家さんも安心して貸していただける。実際に住んでいる中で困りごとが起きた時に本人に文句を言うのではなくて、アシスタントを通じて調整してくれるというようなことがある。そういう役割をしてくれる人を本人支援の組み立ての中でマネジメントする人がイメージするわけで、マネジメントする人と連携するアシスタントがその役割を果たしていくという形がだんだんとれるようになってきたのかなと思っています。

○内山障害福祉課長 ありがとうございます。

 マネジメントの件や在宅の対象者について事務局へ御質問がありましたけれども、そちらは井出さんの御質問の後にまとめて答えさせていただければと思います。

 井出さん、御質問等をお願いいたします。

○井出アドバイザー 皆さん方から出ているとおり新しい制度なので、横浜市さんの先行事例もあるので期待をしています。

 私は特に質問というよりは、またいつかお願いをしておきたいなと思っていて、今日いただいた資料で論点とかもよく分かりましたので、8ページの論点5で○が上から並んでいるので、○でいくと4つ目のところ、「障害者支援施設等から」というところの2行目「また」の書きぶりの中に減算という言葉が出てくるので、いずれ明らかになったところでまた御説明をいただきたいなと思っています。

 それから、資料を丁寧におつくりいただいて、今回、自立生活援助という新しい制度ができてきて、ほかのサービスは上下の関係からもたくさんあるのですけれども、1つ、流れの中で自立生活援助は単独というケースもあれば、地域移行支援から今回の援助とか、その援助から地域定着支援とか、例えば9ページの一番下だと移行、援助、定着という流れがあって、単独のサービスなので、それはそれなりのメリットがあるのですけれども、連結性というか、周りのサービス等、支援等も充実していくような、あるいは事業所にとってメリットがあるような連結感というか連結性みたいなものも、将来的でいいので考えていただけるとありがたいかなと思います。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 ほかに自立生活援助について御質問、御意見ございますでしょうか。平野さん、お願いします。

○平野アドバイザー 1点、言い漏れたことがありまして、野沢さんに対して異論を申し立てるつもりではないのですけれども、バックアップに関しては施設、入所と通所があると思うので、それは活用したほうがいいかなと思っています。この間いろいろ聞いてみると、今、1つ現実問題としてグループホームの世話人の業務がかなり負担が重くなっているという状況で、これで更にバックアップまでやってくれというのは過酷かなという感じがしますし、実際に何か緊急時に現実問題としてグループホームから世話人がばっとアシスタントとして出掛けていったら、今度はグループホームが空っぽになってしまうという問題がありますので、グループホームの状況を改善するのであればあれですけれども、現実、世話人の方に全部任せるのは厳しいかなというのが1つです。

 2点目として、実際にこういう類似した事業をやっているところに聞くと、夜中の緊急時なんかの呼び出しは、突き詰めて言うと医療的なケアの関係が多いと言うのです。体調が急に悪くなったとか、精神障害であれば陽性症状が出てしまったとか、そういうことがいっぱいあって、結果的に行ってみると多いというのです。そうするとある程度施設の看護師とかが持っているような、そういうところのアドバイスがあると対応しやすいというのがあるということです。

 3つ目は、これは想定したくないのですけれども、災害時のことを考えて、もし緊急の場合、災害で行くとなってくるとグループホームの場合は世話人さんは自分のところの利用者を守ることが一番ですから、そういうことが考えればある程度大きい施設を活用したほうが現実かなというのがあります。

 そして、これはもう少し付加的な効果ですけれども、こういうものを通じて施設のほうもこうすれば地域生活ができるんだ、こうすれば施設から出せるんだという、施設の意識を変革していく機能もあってもいいのかなということで、そういった意味では先程横浜市の上條さんが言われたように、兼務ではなくて選任で人を配置したほうが現実的にサポートできるかなという、この検討をお願いしたいと思います。

 以上です。

○内山障害福祉課長 ほかにございますでしょうか。野沢さん、お願いします。

○野沢アドバイザー 確認なのですけれども、表が幾つかあるのですが、地域定着支援と自立生活援助というのは、併給できないということなのですか。

○内山障害福祉課長 それでは、今の定着支援と自立生活援助の関係を含めて、あと、岩崎さんから御質問のあった在宅での対象者あるいはマネジメントの関係、専門性の評価などについても事務局から現段階で考えていることを少し御説明させていただきます。

○冨原地域生活支援推進室長補佐 岩崎アドバイザーから御質問のありました、在宅の方の支援はどのような形でという点ですが、10ページの他のサービスの関係のイメージマル2を見ながら御説明させていただきます。

 例えばですが、マル2-1の場合ですと当然、地域で暮らしていらっしゃる方ですので、日中活動や居宅サービスを現に使われていると思います。ですので、そういった事業者の方が何かトラブルが発生していることに気づいて、自立生活援助に繋ぐですとか、野沢アドバイザーから御質問があったところにも繋がるのですが、現行の地域定着支援というサービスは、常時の相談支援体制をつくり随時対応するという事業、自立生活援助よりも若干一歩引いた受け身の相談的なところがあるのですけれども、そういった事業所が例えば夜間のトラブルが増えているとか、そういった状況を踏まえて自立生活援助に切りかえるといったようなことが考えられるのではないかと思っております。

 ですので、地域定着支援でやっている随時相談という業務と、自立生活援助の中の業務の1つである随時対応というのは、基本的には重複していると現行では想定しておりますので、併給は基本的には難しいのかなと。バトンタッチする、切りかえるというイメージで現在、考えております。

 専門性という点については、8ページの論点5の基本報酬、加算の一番下の○に記載しておりますが、社会福祉士や精神保健福祉士を配置した場合は加算等で評価するという方法もあるのかなと。一方で各アドバイザーの皆様から言われたとおりスーパーバイザー的な、エース級の方が必要だという御意見もありますので、それらも含めて今後検討していきたいと思います。

○内山障害福祉課長 では野沢さん、お願いします。

○野沢アドバイザー ちょっとしつこくてあれなのですけれども、11ページの2番目で、地域定着支援を利用している障害、疾病等の家族と同居している障害者とありますね。これから多分、高齢になっていく家族と障害のある子供という世帯がすごく増えていくはずなのです。この場合、疾病の中に要介護が必要な家族というのは含まれるという想定でしょうか。

○冨原地域生活支援推進室長補佐 資料1の2ページ、厚生労働省令で定めている事項について説明している資料を御覧いただけますでしょうか。具体的内容マル1の対象者についてですが、Bのところに要件を整理しておりますが、その中でまず単身の場合と、家族と同居している場合でも家族等が障害、疾病等のためとなっているのですが、ここの意味としましては居宅において各般の問題に対する支援が見込めない状況にある方という整理になっております。御質問のありました、ご家族が高齢で寝たきりの場合や、お子さんのお世話があるため障害のある方への支援が見込めないという状況が確認できるのであれば、当然対象になると考えております。

○野沢アドバイザー 多分これからこういうニーズはすごく増えていくと思うのです。その時に共生型を今後どうしていくのかということもあると思うのですけれども、これもいずれは高齢と障害と両方担うようになるんだというぐらいの将来像を持って研修だとかそういうことを組み立てていったほうがいいかなというか、そのほうがやる側としても1つの経営モデルといいますか、ビジネスモデルとして想定しやすいかなと今、イメージしています。

 先程の平野先生の意見は、なるほどそのとおりだなと思ったのですが、でも、そうなるとむしろ入所よりも精神科病院を兼務したほうがいいのかなという気もするし、でもこれは診療報酬とあれなので無理なのでしょうけれども、そうすると兼務というよりも専従でやれるようにしておいて、入所とか精神科病院とは連携でいざという時の運用をやっていくのを考えたほうが、理想に近いのではないかと思うのです。確かにいざという時を考えた時に入所というのは大きな資源だと思うのですが、でもここがハンドルを握ってしまうと簡単に入所に移されてしまう。ちょっとトラブルがあっただけで移されてしまって、本当の趣旨が阻害されるような気がして私はならないのです。随分違うと思うのですけれども、その辺のリスクとベネフィットを考えて制度設計していただきたいと思っています。

○内山障害福祉課長 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。平野さん、お願いします。

○平野アドバイザー 1点だけ、これも検討のお願いなのですけれども、今の2ページ目のところの具体的内容マル1なのですが、具体的な対象者の(1)で※で退院等から3カ月以内。確かに出てから3年も5年も経ってから、この制度を使わせてくれということは特別な場合だと思うのですけれども、精神の関係で言うと退院してから次のサービスに繋がるまでかなり時間が掛かるというのは、よく現場の人から言われるのです。本人が出てからいろいろ気持ちが揺らいで、相談しているうちに6カ月ぐらい経ってしまったというのはあるので、この辺も「限る」とありますけれども、原則としてという形で、場合によっては審査会等である程度そういう事情が関与できれば、そういう人たちも使えるという道を検討していただければというのがお願いで、考慮の余地を入れていただければと思います。

○内山障害福祉課長 ほかに御質問等ございますでしょうか。

 事務局で補足の説明をさせていただきます。

○冨原地域生活支援推進室長補佐 今、平野アドバイザーから御質問があったケースですと、恐らく計画相談支援事業所に相談している状況だと思いますので、自立生活援助が必要ということであれば、10ページのマル2のケースに該当して当然対象になり得ると思いますので、そこは大丈夫かと考えています。

○内山障害福祉課長 岩崎さん、どうぞ。

○岩崎アドバイザー 先程お聞きし忘れた点で、論点2の定期訪問のマネジメント、6ページのところなのですが、定期的な巡回訪問については週1~2回行う想定ではあるが、ニーズに柔軟かつ効果的に対応するために、事業所がタイミングや回数等を決定するためのマネジメントを行う必要があるのではないかということなのですけれども、今の設計だといろいろな人たちが参入できる仕組みになっているように思います。事業者にとっても手挙げをしやすいということになると思うのですけれども、反面、事業所に訪問の回数ですとか、そういったことが任されているということで、その質というものがどのように担保できるのかなということに懸念を持っております。質問なのか意見なのか分からない発言で恐縮です。

○冨原地域生活支援推進室長補佐 当然、質の担保という点は注意して制度設計は考えたいと思います。

○内山障害福祉課長 ほかに自立生活援助について御質問、御意見ありますでしょうか。

 それでは、全体最後のところでもしも残されたものがあればいただくとしまして、引き続きまして資料2に進ませていただきまして、共生型サービスについて御質問、御意見等ございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

○野沢アドバイザー 共生型サービスはすごく可能性を秘めたというか、地方のほうではこれをやっていかないと事業所自体が少なくて、とても回っていかないという面では絶対に必要だと思うのですが、1つは質です。富山型もすごくよくて、いいところも知っているのですが、意外に障害についての特性をよく分かっていなくて、ただ一緒にいるだけみたいな批判を最近よく聞きます。ちらちらそんなあれも見たりすることがあるので、ここは研修等、団体要望の中でも幾つか上がっていますけれども、これはかなりしっかりやってもらわないといけないなと思っています。

 最近、障害福祉というのは予算も伸びてきたし、ビジネスチャンスがあるぞということでいろいろなサービス、放課後等デイをどうやってつくるかみたいなことを指南したり、あるいはショートステイはもっと儲かるみたいな、本当かなということが宣伝文句で流れていたりして、実は共生型についてもいろいろなそういう動きがあるのです。安易にこれをやられてしまうと、ただ単に困っている行き場のないお年寄りと障害者を集めて1つのところに入れておくだけみたいな、そうなってしまうとせっかくの趣旨が台無しになってしまうので、この辺りは研修とともにいろいろな資格要件。あまり狭めてしまうとなかなか広がっていかないのですけれども、最低限のところはきちんと設計してほしいなと思っています。

○内山障害福祉課長 ありがとうございます。

 ほかに共生型サービスについて御質問等ございますでしょうか。

 では、今の質の確保について少し事務局からコメントがあれば。

○福島障害福祉課長補佐 今いただいた御意見は、今後の基準等でどう位置付けられるか、検討を進めてまいりたいと思います。

○内山障害福祉課長 それでは、上條さん。

○上條アドバイザー 横浜は大きな都市なので、障害の事業所も高齢の事業所もそれなりにあるという中では、富山型みたいなところはやっていくかどうか難しいところはあるかと思うのですが、1つは障害のある人たちが通っている障害の事業所が65歳になっても使い続けられる。介護保険の対象者になっても通い続けられるようになるところは、いいところかなと思います。

 障害のある人たちが通所していて、65歳になったから高齢者の施設に行ってくれといっても、なかなか特性に合わせた支援が先程おっしゃったようにできない部分もあるだろうし、本人もなじむかどうかというところがあります。なじんでいるところに65歳以降も使い続けることができたらいいなと思いますが、事業所から見た時に、障害福祉サービスの関係の事務と介護保険の事務と両方やらなければいけないということは事業所が負担になるのではないかと思っています。これはどう効率化しようと思ってもなかなか難しいなと思うのですが、事業所の事務負担といったところも少し考えにどこか置いて設計していただければなと思います。

 以上です。

○内山障害福祉課長 平野さん、引き続きお願いいたします。

○平野アドバイザー これはこれからの検討課題だと思うのですけれども、4のところでこれから一番下の○のところでどういうふうにするのかということなのですが、介護のほうは5対1、障害のほうは重くなれば3対1となるわけですけれども、現場から出ているのは、どのようになるかあれですが、結局、介護のほうに合ってしまうと職員の負担が重くなってしまう。今度は逆に障害のほうになってしまうと軽くなってしまうということで、重い障害者が排除されないような形にしておいてほしい。結局、軽い人だけ入れてしまって職員を減らしたほうがいいのかみたいになってしまうと困るので、重い人を預かっているところがちゃんと受け入れてもやっていけるような、その辺の配慮をしてほしいというのが現場はあると思いますし、私はこれから重い人がちゃんと行く場所を確保するという意味でも、その辺は受け入れたからといった軽い人にしてしまおうとか、重い人は出してしまおうとか、そういうことがないようにしていただくという点だけ御配慮願いたいというのはお願いです。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 ほかに共生型サービスについて御質問、御意見ございますでしょうか。それでは、いただいた御意見等も踏まえて、更に検討を進めさせていただきたいと思います。

 後半の議論に移らせていただきたいと思います。3つございますので、資料3の共同生活援助、資料4の地域相談支援、資料5の自立訓練について事務局から御説明いたします。

○冨原地域生活支援推進室長補佐 資料3について御説明いたします。

 まず1ページ目、2ページ目ですが、共同生活援助の類型の1つである介護サービス包括型の概要でございます。2ページに現状を整理しておりますが、費用額、利用者数及び事業者数は毎年度増加しているという状況でございます。利用者数は平成29年4月の実績で9万2,503人となっております。

 3ページ、4ページは外部サービス利用型の資料になっております。こちらは費用額、利用者については毎年度増加しておりますが、事業所数は30事業所ほど減っているという状況で、利用者数は29年4月実績で1万6,534人、合計しますと利用者数が10万人を超えて、そろそろ11万人に届こうかという状況になっております。

 5ページ以降、4ページにわたりまして関係団体からのヒアリングにおける意見を整理した表になります。前回の検討チームで説明がありましたが、グループホームに対する御意見が一番多く、合計40件の御意見がありました。一番多い御意見としては、No.1のところになりますが、個人単位でのホームヘルプ利用は経過措置ではなく、恒久的な制度に見直すべきという趣旨の御意見を多くの団体からいただいたという状況でございます。

 その他につきましては基本的には人員の拡充ですとか、重度、高齢化への対応といったような御意見を多くいただいたところです。

 続きまして論点の説明に入らせていただきます。9ページに大きく3つ挙げております。1つ目が利用者の見直しについて。2つ目が重度対応について。3点目は御意見が一番多かったところですが、個人単位での居宅介護等の利用の特例についてです。

10ページの論点1でございます。利用者の見直しについては、平成2712月にまとめられた社会保障審議会障害者部会の障害者総合支援法の見直しに関する報告書の中で、グループホームに関しては「障害者の状態とニーズを踏まえて必要な者にサービスが行き渡るよう、利用対象者を見直すべき」とされており、いわゆる宿題事項となっているところでございます。

 一方で、関係団体ヒアリングの中であった御意見も列挙しておりますが、御紹介させていただきますと、1点目が、非該当、区分1の報酬を一定程度の年数で引き下げ、自立生活援助を利用した単身生活への移行を推奨。2点目が、軽度の障害のある人のグループホーム利用も本人自らの暮らしの選択として保障すべき。3点目が、区分1及び非該当者が多様な暮らしを選択できることを実現していくため、自立生活援助事業を充実させることを担保に報酬を減額。4点目が、非該当の障害者がグループホームの利用を継続できるようにすべき。区分1以下の報酬は維持すべきということで、いろいろな切り口の御意見が出ているところでございます。これらを踏まえますと論点としましては非該当や区分1の利用者に係るグループホームの利用方法や報酬の見直しについて、どのように考えるかが論点になると考えています。

11ページは参考でございますが、グループホームは御存じのとおり訓練等給付なので、障害支援区分の認定は必ずしも必要ではないので、区分なしで利用している方もいらっしゃいます。科研費の研究の中で、そういった区分なしの方に実際に1次判定を受けていただいた場合、どのような結果が出るかを参考に整理したものでございます。結果としましては、真ん中の図になりますが、区分2に該当する方が多くて、区分1、区分3が2割程度という状況になっております。こちらは参考で付けさせていただいております。

12ページ、論点2でございます。重度対応型グループホームの新設についてでございます。重度化高齢化の対応につきましても、先程の利用者の見直しと同様に、部会の報告書において「障害者の地域移行の受け皿となるグループホームについて、重度障害者に対応することができる体制を備えた支援等を提供するサービスを位置付け、適切に評価を行うべきである」と整理されております。

 また、先程も御説明しましたが、グループホーム利用者の重度化、高齢化に対応するための報酬改定を望む多数の御意見、御要望があったところでございます。

 これらを踏まえまして論点としまして下段のほうで整理しておりますが、例えば住まいの場であるグループホームの特性は従来どおり維持しつつ、スケールメリットを生かした重度障害者への支援を可能とするため1つの建物への入居を20人、複数のグループホームという意味合いでございますが、それを認めた新たな類型として重度対応型というものを設けてはどうか。また、地域における重度障害者の方の緊急一時的な宿泊の場を提供するため、短期入所の併設を必置としてはどうか。また、職員の配置という点で言うと現行6対1、5対1、4対1となっていますが、例えば手厚く3対1という配置を検討してはどうか。常勤の看護職員を配置する体制を評価してはどうか。こういった視点が論点になるのではないかと考えております。

13ページは、御説明した内容をまとめたものですので、省略させていただきます。

14ページの論点3でございます。個人単位での居宅介護等の利用の特例でございます。こちらにつきましては、グループホームにおいて経過措置として利用者ごとに個人単位での居宅介護等の利用を平成30年3月31日まで認めているというものでございます。特例は平成19年4月から開始し、過去3回延長しているという状況でございます。

 論点としましては、特例については現時点においても必要性は高く、先程論点の1つとして御説明した重度対応型の状況も見ながら検討する必要があるため、特例を3年間延長してはどうか。また、重度対応型として行うとしても、より濃密な介護を行う時間帯があるケースも想定されるため、既存のグループホームと同様に重度対応型グループホームについても特例の対象としてはどうかという点が論点として考えられるところでございます。

 最後に、その他として論点4を挙げております。こちらにつきましては今回ヒアリングで多数の御意見をいただいておりますが、それらを一つ一つ整理するのは難しいので、例示として1点だけこういったものが考えられるのではないかということで整理しております。精神科病院に1年以上入院、いわゆる長期入院者の方の地域移行を促進するという観点で、そういった方に個別の相談援助や支援を行った場合を評価する、新たな加算を検討してはどうかという点を例示として挙げさせていただいております。

 資料3については以上でございます。

 続きまして、資料4について御説明いたします。事業としては先程自立生活援助の説明でも話題になりましたが、地域移行支援、地域定着支援についてでございます。

 1ページ目、2ページ目が地域移行支援の概要でございます。24年度から実施している事業になります。障害者支援施設や精神科病院に入所、入院している方が地域移行するための相談支援といった事業内容になっております。利用者数は平成29年4月で510名ということで、2ページの利用者数の推移を御覧いただきますと、大体500人前後で推移しているということで、大幅な増加はしていないという現状でございます。

 3ページ、4ページ目が地域定着支援の概要でございます。こちらも地域移行支援と同様に、平成24年度から実施しております。先程も簡単に御説明しましたが、地域生活を継続していくために常時の連絡体制を確保し、緊急時の支援を行うという事業になっております。29年4月で利用者数が2,707人ということで、こちらにつきましては毎年度利用者は増加している状況でございます。

 5ページ、6ページが関係団体からの意見となっておりますが、地域移行支援につきましては制度の充実を図ってほしいという御意見が多数出ております。地域定着支援につきましては、夜間の体制等を検討すべきではないかといった御意見をいただいております。

 7ページに論点をそれぞれ1点ずつお示ししております。

 まず8ページの論点1ですが、地域移行支援は、先程御説明したとおり、なかなか利用者が伸びていないという現状も踏まえまして、現に移行の実績を有している事業者の取組みを更に評価してはどうかということで、例えば実績ですとか、社会福祉士や精神保健福祉士などの専門職を配置している事業者、施設、病院との連携を評価した機能強化型というような報酬を新たに設定してはどうかという論点を整理させていただいております。

 9ページが地域定着支援の論点になります。事業内容が連絡体制をとり、緊急時に実際に利用者の方のところに訪問し支援した場合に評価するという形になっていますが、電話のみの対応の時には報酬上、算定の対象外という整理になっております。こういったところで実際に支援を行っている方から、特に深夜、早朝の時間帯の電話対応に負担感がある。これが事業参入の妨げになっているのではないかといった御意見もいただいているところで、この部分について何らかの評価ができたらどうかという論点でございます。

 資料4については以上になります。

 続きまして資料5、自立訓練になります。

 1ページ、2ページでございますが、自立訓練は2種類ございまして、まず機能訓練の概要でございます。身体障害や難病等の方に対して理学療法、作業療法などのリハビリテーション訓練などを提供するサービスになります。利用者数は29年4月で2,192名という状況でございます。

 3ページ、4ページ目が生活訓練の概要になります。こちらは知的障害または精神障害のある方に対して、日常生活を営むために必要な訓練を提供する事業になっております。こちら利用者数が29年4月で1万2,064名となっております。

 5ページ、6ページに関係団体からの御意見を整理しておりますが、機能訓練につきましては、特に日本盲人会連合から視覚障害者の方に対する歩行訓練の観点で多くの御意見をいただいております。

 6ページの生活訓練につきましては、精神障害の方に関する御意見をいただいているところでございます。

 8ページの論点1でございますが、今、御説明したとおり自立訓練は機能訓練と生活訓練に分かれておりますが、それぞれ障害によって利用できるサービスに制限があることに対して、改善を求める要望が多いという状況でございます。また、先程御説明しましたが、日盲連からの御要望として視覚障害者の方に対する歩行訓練は、現状では機能訓練として実施しておりますが、看護職員の配置は視覚障害者の方の歩行訓練には必ずしも必要ないのではないかといった御意見もあります。論点としましては訓練の対象者を限定している施行規則を改正して機能訓練、生活訓練、ともに障害の区別なく利用可能としてはどうかという論点を挙げさせていただいております。

 また、その他としまして機能訓練、生活訓練を障害区別なく利用可能とした場合に、改めて整理が必要な部分があるのではないかという論点でございます。

 以上でございます。

○内山障害福祉課長 資料3、資料4、資料5と説明させていただきました。資料3が共同生活援助、グループホームについて。資料4が地域相談支援。資料5が自立訓練でございます。ここでもそれぞれに分けて少し御質問、御意見をいただけたらと思います。

 まず資料3の共同生活援助、グループホームについて御質問、御意見等ございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。

 では上條さん、お願いします。

○上條アドバイザー ヒアリングの中でも一番多かったという話が先程ありましたが、やはり居宅介護の利用です。包括型のグループホームについても利用者、入居者個人の居宅介護等の利用についての延長というのは、恒久化というような御意見ではありますが、そこら辺の整理というのは特にこれまで変わっているところはないと思われますので、当面、延長ということについてはぜひ要望も横浜市としてもいろいろ聞いておりますので、ぜひ延長していただければと思います。

 とりあえず以上です。

○内山障害福祉課長 ほかにございますでしょうか。野沢さん、お願いします。

○野沢アドバイザー 先程私はグループホームのことを言いましたけれども、グループホームは最重視したほうがいいと思います。やはり今の局面から見ると、重度の方が地域で暮らせることをまず最優先して考えてほしいなと思います。重度の中には高齢化した障害者あるいは医療ケアの必要な人とか、行動障害を持った人とか、こういう人たちは地域で病院や遠く離れた入所施設よりも、できれば地域で暮らしていく。そのためにこの方たちが暮らせるようなグループホームのバリエーションを増やす局面だなと思っています。

 入所も単身もそうなのですけれども、いろいろなやり方を今、試して何がいいのかというのを探っていく時期かなと思っていて、この重度対応型グループホーム、世話人の配置を厚くすることに私は賛成ですし、看護職員の配置も当然必要だと思います。

 規模ですよね。多分すごく批判もあると思います。10人、10人でプラス短期入所、大き過ぎるという批判があると思いますけれども、運用次第で何とでもなる。やっているところも、入所の形式でもほとんどグループホームに近いような運用をしているところもありますし、職員が複数いることのメリットを考えた時に、こういうものも当然検討すべき課題だと思っています。

 そして先程の個人単位での居宅介護ですよね。できれば恒久化してほしいなと思います。3回延長されたと言いますけれども、最初のころよりは今のほうが重度の人のグループホームも増えていますし、益々必要になっていると思います。できれば恒久化を検討してほしいなと思います。

 どんな制度をつくっても運用の仕方によって幾らでも抜け道を考えたり、形骸化したりということはあり得ます。今回の報酬改定の見直しで多分間に合わないと思いますが、バリエーションを増やしていって、運用によって本人がどう変わったのかとか、あるいはどのように難しい人が安定して地域で暮らしていけるのか。そのアウトカムの評価をきちんと見ていって、規模だとか職員配置だとか専門性のある人がどのぐらいいるとか、そういう要件ももちろん必要ですけれども、いろいろなバリエーションの中でアウトカムをきちんと出しているところを評価していくところに、評価の体系を変えないと予算が増えていって、それを悪用しようとする人を排除していくことはできないし、頑張っていい支援をしている人を応援することもできないと思うのです。これはぜひ今回の報酬改定の中で手を付けていただきたいなと思っております。

 もう一つ、ではこの予算が限られた中で重い人、これからそういう人たちを対応できるものを増やしていく時に、どこかを削らなければいけないというのは当然そういう議論は必要だと思います。そうでなければなかなか今の財務省とか国民を説得できないと思うのです。団体ヒアリングはいっぱいあります。基本的に事業者サイドのバイアスがかかっていると思います。どんなに善意で考えたってやはりそういうバイアスがかかっているということを我々は認識した上で、いろいろ考えなければいけないなと思っています。

 軽度の人をどうするのか。これは一番厳しい議論をしなければいけないところだと思っているのですけれども、基本的には私は本人の意思、希望に基づいてやるべきだと思っています。その時に意思決定支援というのは1つのポイントです。多分、アンケートをしたり聞いたりするとグループホームにいたいと答える人は多いと思いますけれども、本当にそれが本人の意思決定支援になっているのかどうなのかということをきちんと見なければいけないのではないかと思います。つまり選択肢をきちんと示せているのかとか、情報をちゃんと提供できているのか、誰がどういうふうな提供の仕方をしているのか、とても重要だと思います。あるいは本人に体験がなければ選べないし、安心感も持てません。失敗した時にやり直せるということも含めて選択肢を提供しているのか。あるいはこういうものを時間をかけてやっているのかとか、慎重にこういうことをやった上で、本当にグループホームを望んでいるのかということを厳しく見ていかなければいけないと思うのです。

 今、軽度の人でグループホームに入っている人の中でも、かなりの人ができればもっと福祉の見えない檻から解放してほしいと本当はどこかで思っている人は多いのではないかと思います。ただ単に1人単身でぽんと放り出すというのではなくて、好きな人と2人で暮らすのもいいし、シェアハウスみたいなものもあるし、いろいろな住まい方、暮らし方が今できてきているのです。そういうものを含めた上で本人は何を望んでいるのか。本人の変化に合わせていろいろ変えていけるみたいなところに重視したほうがいいのではないかと思っております。

 以上です。

○内山障害福祉課長 ありがとうございます。

 では井出さん、お願いします。

○井出アドバイザー 論点とか課題はよく分かりました。

 端的にですが、12ページの論点の一番下の○、「世話人の配置を…から、また常勤の看護職員を配置する体制等を評価してはどうか」は評価してはどうかとありますが、私は必要だと思っているので、御検討いただきたいと思います。

 例示という形で一番最後、15ページに挙げていただいた課題、論点。論点はあくまで例示ということでしたけれども、私はここも一番最後の○ですが、「精神科病院等から…新たな加算を検討してはどうか」は検討してはよろしいのではないかと思っています。

 野沢先生もおっしゃいましたけれども、もう一点、2ページの一番最初の枠組みで費用額という言い方をすると、全体の7.5%が大きいか小さいかは別として、これは今、伸びているところなので、この援助が重要なことはよく分かって、確かに費用額ももっとかけてあげたいという気持ちもあるのですけれども、どこかである部分、この額とかパーセントを見ると、今後の検討の中では厳しいことも言わなければいけないのかななんていうのを自分の中では考えています。質問とかではなくて、またこれも意見ということになります。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 ほかにございますでしょうか。岩崎さん、お願いします。

○岩崎アドバイザー 私も一番最後の15ページの論点4で、精神科病院に入院していらっしゃる方たちが年々亡くなられていっているような状況の中で、少しでも多くの方に退院していただけるような形が望ましいと思いますので、新たな加算というところには大いに期待しているところでございます。

 これは今回の改定の話ではないのですけれども、グループホームは非常に貴重な資源だと私も思っていまして、特に病状が非常に揺らぐ人たちにとって入院しか選択肢がないというよりは、もう少し短期入所の活用ですとか、そういったことができるようになればとてもいいのではないかと思っています。そのためには専門の職員の配置ですとか、そういったことも考えていかなければいけませんけれども、今あるショートステイの利用というのはかなり限定的にしか利用できない状況が多いですし、夜間の体制も決して十分ではないと思うのですが、危機的状況の一歩手前ぐらいのところで入院しないで済むようなサポート体制を今後御検討いただければ幸いです。

 以上です。

○内山障害福祉課長 平野さん、お願いします。

○平野アドバイザー グループホームそのものについては、本当に御意見のとおり重要視していきたいと私も思っております。その中で利用者のところですけれども、先程野沢さんが言ったように、基本的にどこで住むのか、どこで生活するのが一番いいのかということを考えていくのが前提で、施設からグループホームにと単純に考えてしまわないで、いろいろなことがあるんだというのは生活援助の充実と併せて今後考えていく課題だと思っています。その辺では同じ意見です。

12ページのところですけれども、重度型は私も賛成です。そろそろこういう重い方に対応することを考えないと施設からの移行は進まないだろうと思いますから、その辺では期待したいと思いますが、そういった意味で3対1としたと思いますが、実際問題としてただ介護だけの問題ではなくて、例えば土曜、日曜の余暇指導とか、そういった部分もある程度見なければならないと思いますので、そういった意味では手厚くしてもらうことは大事だと思います。

 それともう一つ、先程懸念があったのですけれども、重度の障害者で生活困難が多くなってくるとサービスの質の問題を考えなければいけないので、本当はちゃんとしたサービス管理者なんかも必要でしょうが、せめて第三者評価をちゃんと受けてもらうとか、そういう形で質の担保を考えていくようなことをしていったほうがいいと思いますし、あと、14ページ目ですけれども、重度型の対応になってくると介護ですとか、一番大きいのは外出ですとか利用者の人が外に出たいとか、社会参加したいとかいった時に、どこで支えるかということを考えると、ずっと施設にいっぱなしではなくて、いろいろなことに参加できることを考えていくと、ほかのサービス、移動支援とか組み合わせないと難しいと思うので、その辺は恒久化という問題も含めてセットにしていくことが必要かなと思っています。そういった意味では全体をどのようにするかというバランスの問題があるのですけれども、基本的にはこの線で検討を進めていければと思っています。

 以上です。

○内山障害福祉課長 ありがとうございます。

 上條さん、お願いします。

○上條アドバイザー 先程は論点3だけ先に言いましたけれども、それぞれのところでコメントをさせていただきたいと思います。

 論点1では先程野沢さんもおっしゃっていましたが、障害の比較的軽い人であっても本人がグループホームを希望するということであれば、かなえられるようにしたいと思いますが、一方で自立生活援助等々の取組みも進んでいくことを考えれば、そういった自立に向けた支援もグループホームがするということではないと思いますが、計画相談等を含めてそういった方向をしっかりと持てるような取組みを保障しつつ、本人の臨む暮らしの場を実現できればと思います。

 重度対応型グループホームにつきましては、実際に横浜市も重度対応型のグループホームのモデル事業をやっているということで、ヒアリングの時にも御紹介された団体がいらっしゃいましたけれども、かなり医療度が高い方が多くて、看護師対応ということもこちらに書いてありますが、現状そういう体制がないと対応できないというのが実態です。施設かグループホームかといった時に、10人、10人プラス短期入所という規模あるいは休日に限らない平日も日中対応が必要になってくることを考えた時に、これがグループホームなのかというような疑問ももちろんありますけれども、やはり数人の方でそれぞれの暮らしが確立していて、ただ、夜間を中心とした必要な援助を行うというのがグループホームだという思いからすると、グループホームではないかもしれませんが、こういう体系の支援が必要だということは横浜市のモデル事業を通じて、そういう方たちもいるということは実感しているところであります。

 論点4につきましては、確かに長期入院していた方々の地域移行という難しさがあるということでの加算というのは検討していいかと思いますが、これは有期のものということで一定期間の間の加算という考えなのでしょうか。こちらは質問です。

 以上です。

○内山障害福祉課長 事務局からお答えできるところをお答えしていただければと思います。

○冨原地域生活支援推進室長補佐 論点4の加算につきましては、まだ具体的な検討をしておりませんので、有期なのか無期なのか期間がどれくらいかというのは、全体の財源も踏まえて検討する内容であると考えております。

○内山障害福祉課長 ほかに共同生活援助について御質問、御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 少し先に進ませていただきまして、資料4で御説明いたしました地域移行支援、地域定着支援について御質問、御意見等ございましたらいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 井出さん、どうぞ。

○井出アドバイザー これも1点だけです。8ページのところですが、論点はよく分かりました。8ページの論点については、いわゆるしっかりしているところについて強化をしていくというのは賛成なので、ここはこういったものを御検討していただくことは悪くないのではないかと思います。

 以上です。

○内山障害福祉課長 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。岩崎さん、お願いします。

○岩崎アドバイザー 私も同様でございまして、機能強化型、地域移行支援サービス費というものを新設してという、そこら辺については本当にそうしていただけたほうが地域移行が進んでいくのではないかと思っております。

 ただ、実際に現場で地域移行を進めていらっしゃる皆さんが何に苦労されているかというと、退院するというお気持ちに御本人がなって、それをちゃんと表明してくださって事業に繋がるという、そこら辺を医療機関の人たちと協力し合いながらやっているわけですが、非常に労力と時間がかかっているわけです。ですので今ある初回の加算ですとか、何らかの形で事業に結びつくまでのプロセスを評価していただけるような仕組みづくりをぜひお願いできればと思います。

○内山障害福祉課長 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。

 それでは、先に進ませていただきまして、資料5、機能訓練、生活訓練から成ります自立訓練について御質問、御意見等があればお願いいたします。

 野沢さん、お願いいたします。

○野沢アドバイザー 論点のところで機能訓練と生活訓練の障害の区別をなくして利用可能としてはどうか。私はそのほうがいいのではないかと思うのです。実際にサービスを提供する現場の実情を見てもそうだし、障害という概念の変化を考えても、ともに機能訓練も生活訓練も自立のためのものなのでしょうけれども、障害というのは一種の機能なのか、環境との関係性から考えていくべきなのかみたいなことを考えた時に、あまり機能と生活を厳密に分けて考えるべきではなくなってきているのではないかということを指摘したいと思います。

 資格のある人も誰がやっているのかという面で随分違うかもしれませんけれども、その次の論点2のところで計画的な生活訓練。これはやはり評価してほしいなと思うのです。実際にやっているところを見ると、精神の方でひきこもってしまっている方の家を訪問していって、アセスメントをして、どうやって計画を立てて、家から出て、いろいろな生活が身についていって外出できるようにしてとか、結構そういうことをやっているところもあるので、これは非常に難しいですよね。根気の要る専門性を要求される仕事だと思いますので、この辺りは今後益々必要性が高まっていくだろうなと思うので、きちんと評価してあげてほしいなと思います。

 以上です。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 ほかに機能訓練、生活訓練についてございますでしょうか。では平野さん、お願いいたします。

○平野アドバイザー 8ページですけれども、私もこの論点の方向は賛成なのです。実はこの間、自立訓練のところで現場で漏れているのが、聴覚障害、それも聴覚と知的なものとか持っているような方です。この場合、一体機能なのか生活なのかというどっちつかずになっていて、特に盲重複もそうなのですけれども、そういう重複の障害を持った人たちが本当はこういうのを持って生活訓練を受けたいのだけれども、どちらの類型になるのだろうかというのが、どちらもはまらない人たちがいっぱいいて、こういう人たちが大分増えていますし、そういう人たちのちゃんとしたアプローチができるところというのもあったほうがいいと思います。そういった意味ではこういう形で柔軟に運営できるスタイルをつくったほうが、重複障害の人たちにとっては利用しやすくなってくるのではないか。特にこれからそういう人たちが増えてくると思いますし、そういう人たちに対してきちんと対応できるサービスというのはあったほうがいいと思います。

 それから、視覚障害のところ、私も昔、視覚障害者の施設で働いていたのですけれども、確かに歩行訓練には視覚障害は要らないのですが、ただ、現実には中途失明者、若い人を見ると糖尿病の関係でなる人と、網膜色素変性症でなる人が圧倒的に、高齢者だと緑内障と白内障ですけれども、多いので、なくてもいいと思いますが、付けたら加算を付けるとか、そういうスタイルに切りかえたほうが現実的かなと思っています。

 以上です。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 ほかにございますでしょうか。

 ひと通り御質問、御意見をいただいているようですので、ではここで前半の部分を含めて何かございましたら併せていただければと思いますけれども、いかがでしょうか。

 野沢さん、お願いします。

○野沢アドバイザー 今日のテーマはとても重要、全部重要なのですが、特に重要なものかなと考えてきました。自立生活援助にしても、グループホームにしても、地域定着や自立訓練にしても、これから地域生活、障害があっても地域で暮らしていけるんだ、暮らし続けられるんだということをきちんと考えなければいけないということだと思うのです。

 その時に先程も言ったように、特にこれまで難しいとされていた方たちはどうやって地域で暮らし続けられるのか。医療ケアとか高齢とか行動障害と言いましたけれども、これも見ていると例えば医療ケアの方に対するアプローチと行動障害のアプローチはかなり違うと思うのです。つまりどういうことかというと、行動障害の方たちとかの場合、特に周辺の地域の人たちとのトラブルだとか、触法も含めたそういうことを起こしやすい、起こしかねないタイプの人たち。障害のある本人の支援で専門性が要求されるのと、あるいはそれではなくて周辺の人たちとのコーディネートで専門性を要求されるというのは、かなり本質的な違いがあるような気がするのです。

 この間いろいろな障害者の地域生活はこれからにして、この辺りはすごく議論が錯綜しているような気がしているのです。というのは何かというと、精神障害保健課の検討会に私は入っていて、何年も精神科病院から地域への移行というものがテーマでやっているのですが、そこで気がつくのは、同じお医者さんあるいは看護師さんでありながら、病棟の中で勤務しているドクターと地域をベースにしているドクターは、全く宗教が違うくらい考え方が違うのです。聞いてみるとそれぞれ真実があって確信があるのです。それは何なのだろうなと思うのですけれども、例えば地域生活、分かりやすい例で言うとごみ出しだとか騒音だとか、結構やはり絶えずそういうことが多いのですけれども、これに対する感受性といいますか、感性が圧倒的に違う感じがするのです。

 病棟でずっとやってきた方というのは、ちょっとでも迷惑をかけてはいけないということですごくハードルが高いのです。なのでまだ地域で暮らせるだけのものが整っていませんということで病棟の中にいる。地域でやっている方は、少々そういうことがあっても、そのぐらい当然だぐらいな感じであまりこだわらないのです。むしろその時に、そういうトラブルがあった時に地域との関わりができて、そこで地域との理解を深めたり納得してもらったりというところを端緒にするぐらいでやっています。つまり専門性で言うと地域の人たちに対する説得力だとか、交渉力だとか、胆力だとか、そういうものが備えているのか、それとも病気や障害に対する治療スキルといいますか、両方必要なのでしょうけれども、そのどちらを重視するのかによって全く価値観が違ったりする。

 何を言いたいのかというと、これは地域生活をどうやって進めて定着していくのかという議論をする時に、地域で暮らしていくことに対する感受性といいますか、許容度の高い人たち、地域のリアルな現実を持っていながら、あまり驚きもしなくてちゃんと説得して交渉していける、その人たちを担い手として、その人たちの価値観に基づいていろいろなサービスを考えていくべきなのではないかと思います。

 これは自立というものをどう考えるのかということにも深く繋がっていくと思うのです。先程の自立訓練もそうですけれども、本人を訓練して、何もかも自分一人でできるようにする。これまで自立というと、ともすればそういうことばかり考えてきたと思いますけれども、これからの地域生活を考えていく時に、そうではなくて地域の人の理解を深めていって、何もかも自分でできるのではなくて、支え合いによって地域で暮らしていけるような、そういうことを自立の考え方としてつくっていくべきだろうなと思います。

 ちょっと騒音があったり、ごみ出しに失敗しても、それを失敗しないという支援ではなくて、失敗した時に地域の人たちが「あんた何やってるの」って指導してくれたり叱ってくれたり、あるいは「しょうがないわね」と言って持っていってくれたり、そういう関係の中で本人たちの地域生活をしていくスキルが高まっていく。いずれはできれば御本人たちも、地域の人たちにもいっぱい困っている人たちはいるので、何かの時にお互い助けられる、今度は助けることができるぐらいなところへ持っていける。これから我々は障害のある方たちの地域生活を考えた時に、そういう専門職をつくっていくんだということを想定しながら、いろいろなサービスにどういうふうに評価していくのかということを考えていけるといいだろうなと思っています。

 以上です。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 ほかに各論でも結構ですが、全体を通じて御質問、御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 以上をもちまして本日、予定している議事は終了させていただければと思います。

 次回の検討チームにつきましては、来週になりますけれども、9月13日の水曜日、14時から17時まで、厚生労働省において開催を予定していますので、よろしくお願いいたします。

 本日はお忙しい中、朝早くから長時間にわたりましてどうもありがとうございました。これをもちまして「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」第8回会合を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

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