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2019年7月25日 令和元年第3回目安に関する小委員会 議事録

労働基準局

○日時

令和元年7月25日(木)
14:58~17:18
 

○場所

厚生労働省9階省議室


○出席者

【公益委員】

藤村会長、戎野委員、鹿住委員、中窪委員
 

【労働者委員】

伊藤委員、冨田委員、永井委員
 

【使用者委員】

佐久間委員、高原委員、橋本委員、正木委員
 

【事務局】

吉永大臣官房審議官、五百旗頭賃金課長、瀧ヶ平主任中央賃金指導官
水島副主任中央賃金指導官、松本賃金課長補佐、手計賃金課長補佐
 


○議題

令和元年度地域別最低賃金額改定の目安について


○議事

(第1回全体会議)

○藤村委員長
 では、ただいまから第3回目安に関する小委員会を開催いたします。本日は、小原委員が遅れて御出席の予定でございます。
 まず、お手元の資料について、事務局から御説明をお願いします。

○松本賃金課長補佐
 事務局でございます。資料の説明とあわせまして、各種団体からの意見書を回覧させていただきたいと思います。資料につきまして、御手元の参考資料を御覧ください。
 こちらは前回の第2回目安小委におきまして、委員から追加の御要望のあった資料でございます。第2回目安小委におきまして、最低賃金・賃金引上げに向けた支援策といたしまして、厚生労働省と中小企業庁でまとめておる支援施策紹介マニュアルというものについて御説明させていただいたところでございます。こちらにつきまして、予算額等、実績といったところがわかるところというかたちでございましたので、こちらで確認し、まとめさせていただいた資料でございます。
 中身につきましては、1ページおめくりいただき、前回のマニュアルで説明したそれぞれの施策につきまして、予算額と平成30年度の実績を掲載させていただいております。予算額につきましては、冒頭のところに説明がございますが、平成31年度当初予算と平成30年度補正予算の合計を記載させていただいております。括弧の中の数字につきましては、平成30年度当初予算の額を記載したものでございます。実績のところにつきましては、各種施策の種類によりまして扱いが異なるのですが、助成金等の関係につきましては、いわゆる交付決定の件数というかたちでございます。税等の関係にございましては、実際に税や貸付について制度を行った件数を載せております。また、後ろのほうになりますけれども、相談支援の関係につきましては、相談のあった件数を載せているところでございます。
 1点、業務改善助成金の部分で、平成30年度実績として870件と記載しておりますが、こちらは平成30年度中に交付決定した件数になります。前回会議で、平成30年度の申請受付件数として約1,000件と申し上げたところですが、こちらは申請の受付件数でありまして、年度後半で受けつけたものにつきましては、交付決定が次年度になります。そこでちょっと前回説明した数字とずれがあるというかたちでございます。
 また、実績のところで「なし」となっておりますのは、今年度から創設された施策になります。予算のところで斜線があって記載がないというところにつきましては、ガイドライン等が施策として載っているものになり、予算が計上しにくいところもあり記載しておりません。
 中身の詳しい説明につきましては省略させていただきますが、資料としてこちらで御提出させていただきます。以上でございます。

○藤村委員長
 どうもありがとうございます。ただいま事務局から御説明のありました資料の内容について、何か質問ございましたら、どうぞお出しください。よろしいですか。いきなり質問というわけにはいかないかもしれませんが、もしのちに質問がありましたら、お出しいただきたいと思います。それでは、配付資料に関する議論は以上といたします。
 前回の小委員会では、労使双方から今年度の目安について基本的な考え方が表明されました。前回の双方の主張を整理しましたので、最初に御確認いただきたいと思います。
 まず、労働者側委員から出された主張です。現在の一番高い最低賃金額985円ですら年間2,000時間働いても、ワーキングプアと呼ばれる年収200万円に届かず、「健康で文化的な最低限度の生活を営む」に足る水準としては充分とはいえない。最低賃金近傍で働く方の多くは、いわゆる非正規労働者であるが、いわゆる不本意非正規と呼ばれる方や、育児・介護など家庭の事情により時間の調整が可能な働き方をせざるを得ない方も少なくない。また、かつては家計補助者中心だったが、自らが主たる生計者として家計を支えている方も増加している。最低賃金引上げの目的は、賃金の低廉な労働者の労働条件の改善のみならず、労働者の生活の安定、労働力の質的向上、事業の公正な競争を確保し、国民経済の健全な発展に寄与することである。ここ数年、過去最高額となる目安を示してきたが、消費マインドを喚起し、「国民経済の健全な発展に寄与」するまでには至っていない。こうした状況を勘案すれば、本年示す目安によって800円以下の地域別最低賃金をなくすとともに、Aランクは1,000円を超えていくべきである。また、1,000円は通過点にすぎず、ナショナルミニマムとしてふさわしい最低賃金水準がどうあるべきかも議論すべき。高卒初任給は時給換算で1,000円前後まで引き上げられており、ハローワークのパートタイム労働者の募集賃金額は、地域別最低賃金を大幅に上回る額となっている。こうした労働市場の実勢から見ても低位な最低賃金を早急に引き上げるべきである。中小・小規模事業者の経営環境の基盤整備に向けた政府施策が早期に確実に実施されるのは当然のこと、個人消費を喚起するためにも、最低賃金引上げのスピードを停滞させてはならない。地域間格差は、公労使3者共通の課題認識の下、近年、最高額と最低額の割合の是正に努めてきたが、金額の格差も縮めるべきであり、ランク間格差も是正すべきである。深刻さを増す人手不足を背景に、各都道府県の地域別最低賃金の水準差が、低い地域から高い地域への働き手流出の一因にもなっている。とりわけ、働き手流出への危機感が強い、Cランク・Dランクの地域の多くで、昨年度は目安を上回る引上げが行われた。「全国的に整合性ある決定が行われるよう」導入した目安制度の目的も踏まえ、本年は、目安の段階で格差を見直すべきであり、Cランク・Dランクの大幅な引上げが必要。最後に、消費税増税への対応については、これまでの増税タイミングと異なり、最低賃金の改定と同時期に引き上げられることも踏まえ、この影響を目安にどのように勘案すべきか、公労使3者で議論すべきである。以上のような主張がなされました。
 一方、使用者側委員から出てきた意見でございます。中小企業を取り巻く経営環境について、先行きに対する不安は根強い。また、中小企業の労働分配率は70%台で推移し、限られた利益の中から極めて高い割合で賃金原資を捻出しており、支払い余力は非常に乏しい状況にある。中小企業者数が直近2年間で23万者減少していることからも、中小企業の経営環境は極めて厳しい状況にある。従業員30人未満の企業における全国平均の影響率は、2012年度の4.9%から、2018年度は13.8%と6年間で急激に上昇しており、地域別では、神奈川が25%を超え、青森や鹿児島、大阪でも20%前後に達している。多くの地域で地域別最低賃金近傍に多くの労働者が張り付いており、最低賃金の引上げが中小企業に与える影響が極めて大きいことは明確である。経済財政運営と改革の基本方針2019等では、最低賃金について「より早期に全国加重平均が1000円になることを目指す」とあり、「より早期に」との表現に、全国の中小企業から、これまで以上の引上げを求められるのではないかとの懸念や不安が噴出している。一方で、政府方針には、具体的な目標年次や引上げ率が示されていない上、中小企業の生産性向上のために思い切った支援策を講ずることが明記されていることから、機械的に最低賃金の引上げを行うということではない。最低賃金は、企業の経営状況に関わらず、全ての労働者にあまねく適用され、下回る場合には罰則の対象になることから、通常の賃金引上げとは性格が異なる。生産性が向上し収益が拡大した企業が賃金引上げに前向きに取り組むべきことは言うまでもないが、強制力のある最低賃金の引上げは慎重に判断すべき。生産性の向上や取引適正化への支援等によって、中小企業が自発的に賃金引上げをしやすい環境を整備すべき。最低賃金制度は、賃金の低廉な労働者に対するセーフティネットであり、賃金引上げや消費の拡大といった政策を目的としたものではない。近年の最低賃金は、いわゆる、時々の事情によって、景気や経営の実態から乖離した、大幅な引上げが行われ続けてきた。これ以上、合理的な根拠を明確に示すことができない最低賃金の大幅な引上げが続けば、中小企業の事業の継続、ひいては企業の存続自体がおびやかされ、雇用や地域経済に重大な影響が及ぶことが懸念される。最低賃金の決定にあたっては、最低賃金法第9条により、労働者の生計費、労働者の賃金、通常の事業の賃金支払能力の3要素を総合的に勘案することが求められており、中小企業の賃金引上げの実態を示し、3要素を総合的に表している賃金改定状況調査結果の第4表を重視すべき旨を主張してきた。今年度の審議においても第4表を重視した審議を求める。明確な根拠に基づいた目安を提示するべく、慎重の上にも慎重に審議を行うべきである。といった御主張がなされております。
 労使の皆さんには、今、私から御紹介したそれぞれの主張について、追加あるいは補足意見があればお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
 では、この後は、公労・公使で個別に主張を伺いながら、開きを詰めていきたいと思いますが、よろしいですか。
 それでは、本日は、公使から始めたいと思います。

(第2回全体会議)

○藤村委員長
 では、ただいまから、第2回目の全体会議を開催します。本日は本年度の目安の取りまとめに向けて、個別に意見を伺いながら、鋭意調整を進めさせていただきました。
 しかしながら、現時点では依然として双方の主張の隔たりがとても大きいことから、本日の取りまとめは断念いたしまして、次回に持ち越すことにしたいと思います。
 それでは、次回の日程と会場について、事務局から連絡をお願いいたします。

○松本賃金課長補佐
 次回の第4回目安に関する小委員会につきましては、7月30日(火)14時から中野サンプラザ15階エトワールルームで開催させていただきたいと思います。

○藤村委員長
 ありがとうございます。それでは、本日の小委員会はこれをもちまして終了したいと思います。議事録の署名につきましては、永井委員と正木委員にお願いいたします。どうもお疲れさまでございました。
 

(了)
<紹介先>

労働基準局賃金課
最低賃金係(内線:5532)

  代表: 03-5253-1111

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