ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央最低賃金審議会(目安に関する小委員会)> 平成30年第3回目安に関する小委員会 議事録(2018年7月17日)

 
 

2018年7月17日 平成30年第3回目安に関する小委員会 議事録

労働基準局

○日時

平成30年7月17日(火)
15:00~18:30
 

○場所

厚生労働省9階省議室


○出席者

【公益委員】

仁田会長、戎野委員、中窪委員、藤村委員
 

【労働者委員】

伊藤委員、小原委員、冨田委員、永井委員
 

【使用者委員】

佐久間委員、高橋委員、橋本委員
 

【事務局】

井上大臣官房審議官、武田賃金課長、瀧ヶ平主任中央賃金指導官
伊㔟副主任中央賃金指導官、由井賃金課長補佐
大野賃金課長補佐、松本賃金課長補佐


○議題

平成30年度地域別最低賃金額改定の目安について


○議事

(第1回全体会議)

○仁田委員長
 それでは、定刻になりましたので、ただ今から、第3回目安に関する小委員会を開催いたします。本日、使用者側の秋田委員が御欠席となります。
 前回の小委員会では、労使双方から今年度の目安について基本的な考え方が表明されました。前回の双方の主張を整理しましたので、最初に御確認いただきたいと思います。
 まず、労働者側委員からは、最低賃金が依然として低い水準にあり、地域間の格差が依然として大きいことについて課題意識を持っている。引き続き、当面めざすべき水準を意識した目安を議論すべきであり、まずは、800円以下の地域別最低賃金をなくすことが急務である。その上で、トップランナーとも言えるAランクは1,000円への到達を図りたい。到達時期については、経済環境等にも配慮しつつ、2020年を目途にしながら今年の目安額を決定したい。インフラが充実し、生活圏、経済圏が広範囲となり人手不足がますます深刻化する中、隣県や都市部との格差拡大は働き手の流出に直結しており、この状況を早急に是正しなければ地方における中小・零細企業の事業継続・発展は厳しい。地方最低賃金審議会の自主性発揮を促す観点からも、中央においても地域間格差是正に向けた議論が不可欠。本年においても、最高額と最低額の比率の更なる改善を図っていく必要がある。最低賃金額の最高額は958円、最低額は737円であるが、最高額の958円で2,000時間働いたとしても、ワーキングプアと称される年収200万円にすら到達せず、憲法第25条 、労働基準法第1条 に照らしても、低水準である。非正規労働者の処遇改善が社会的要請であることは、本年においても配意を求められた「働き方改革実行計画」でも指摘しており、昨年の目安に関する小委員会における公益委員見解でも述べられたとおりである。雇用形態に関わらず、働いて稼いだ賃金で家族とともに生活できる社会を実現すべき。人材不足への対処として、高卒初任給や非正規労働者の時給を戦略的に引き上げている企業も散見される。高卒初任給や非正規労働者の時給実態も勘案すべき。といった御主張がありました。
 一方、使用者側委員からは、最近の経営環境は、急激な原油価格の上昇、原材料価格の増大、労働力の確保が困難な状況による人件費の高騰など、経営コストの上昇圧力が非常に強く、中小企業の景況感は総じて悪化している。中小企業の経営者は賃金支払能力が乏しい中、深刻な人手不足に対処するために、実力以上の賃上げを強いられているのが実態である。最低賃金は全ての企業・使用者にあまねく適用され、下回る場合は罰則の対象になることから、通常の賃上げとは性格が異なる。政府による各種支援策の効果は未だ十分に上がっているとは言えない現状であり、近年の大幅な引上げによる企業経営への影響を十分に考慮した審議をすべき。「働き方改革実行計画」に記載された「年率3%程度を目途として、名目GDP成長率にも配慮しつつ引き上げていく」という政府方針は、毎年3%程度、機械的に引き上げることではなく、名目GDP成長率が3%に達しない場合は、それを考慮しながら引上げ額を議論することである。そうでなければ、目安審議や地方最低賃金審議会で金額審議を行う意味はない。名目GDP成長率や賃金改定状況調査、物価動向をはじめ、3%程度の引上げ目安を示す明確な根拠となるデータは見当たらない。最低賃金の決定にあたっては、最低賃金法第9条により、労働者の生計費、労働者の賃金、通常の事業の賃金支払能力の三要素を総合的に勘案することが求められており、中小企業の賃上げの実態を示している「第4表」はまさにこの三要素を総合的に表していると認識している。今年度の審議においても「第4表」を重視した審議を求める。明確な根拠に基づいた納得感のある目安を提示すべき。といった御主張があったかと思います。
 また、前回の小委員会におきまして、次の4点について、検討を求める御意見がありました。
 まず、1 至近の外部労働市場の状況が把握できる資料の提示、2 第1回の小委員会で配付された、初任給の上昇額と率の推移に関して、高卒初任給の実額を把握できる資料の提示、3 同じく第1回の小委員会で配付された、連合及び経団連の春季賃上げ妥結状況に関する資料のアップデート、4 先般の西日本の豪雨に関する状況の把握。の4点でございます。
 これらの御要望につきましては、事務局で御意見を調整いただいた上で、資料を御用意いただいております。まずその資料の御説明をお願いしたいと思います。

○大野賃金課長補佐
 本日は御手元の資料の他に、各種団体の要望書の一部を回覧しておりますので、適宜御参照ください。前回の目安小委との間に届いた要望書になります。
 次に配付資料について御説明いたします。一枚目の資料は、外部労働市場の状況に関する資料として、公共職業安定所で受理したパートタイムの1求人票当たりの募集賃金額を都道府県ごとにお示ししています。常用雇用のパートタイム労働者を対象としており、1求人票当たり1募集賃金として算出しております。なお、求人票には募集賃金の上限と下限を記載することになっており、1ページが上限と下限の平均額を1募集賃金として算出したもの、2ページが募集賃金の下限額を1募集賃金として算出したものになりますので、御確認いただければと思います。
 続きまして、3ページと4ページが高卒初任給の実額を示したものです。3ページは、第1回の目安小委員会の資料No.1の7ページで労務行政研究所の「労政時報」を基にして初任給の上昇額・率の推移を示しておりましたが、今回、同じ労政時報の数値を用いて平成25年度からの実額をお示ししています。
 4ページは、賃金構造基本統計調査に基づき、企業規模10人以上、企業規模10から99人の別に、高卒初任給の月額、所定内実労働時間、時間当たり初任給、時間額比を示したものになります。なお、実労働時間は、高卒1年目に限定したデータがありませんので、一般労働者の所定内実労働時間を用いております。また、1÷4、1÷7の時間額比は、地域別最低賃金の全国加重平均額との比率であることにご留意いただければと思います。
 5ページは、第1回の小委員会の資料 No.1 の 12 ページ「春季賃上げ妥結状況」について、集計結果の数値を更新したものです。連合の二つの集計数値について、本年7月6日の集計の最終版の数値に差し替えるとともに、経団連(大手企業)について、本年7月10日集計の最終版の数値に差し替えています。労使各側の委員から補足があれば、後ほどお願いいたします。
 6ページ以降の資料は、平成30年7月の豪雨の状況に関する資料です。本日午前中の時点で事務局において把握できた最新の状況をお示ししています。2枚目以降で被害状況として、人的被害やライフライン、交通、河川等の状況が記載されています。また、最後から4枚目のページから、河川、がけ崩れ、土砂災害、鉄道施設等の主な被害について図示した資料を付けておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 資料の説明は以上です。

○仁田委員長
 それでは、労使の皆様には、私から御紹介したそれぞれの主張についての補足や訂正、また、本日提出の資料についての見解など、追加・補足意見があればお伺いしたいと思います。いかがでございますか。

○高橋委員
 本日、御提出いただきました追加資料に関して1点お願いさせていただきたいと思います。高卒初任給の関係で、4ページ、賃金構造基本統計調査の数字をお示しいただいたのは大変ありがたいことだと思っているのですが、これは初任給の平均額なのではないかと思います。
 最低賃金の審議にあたりましては、成長力底上げ戦略推進円卓会議で、高卒初任給につきましては、より低位な層の初任給をイメージしながら議論していたことを思い起こせば、もちろんより低位といったときにどの低位なのかといったことは労使、各側でその当時合意がなかったので、いくつかのパターンでも結構だと思います。例えば、第1・十分位であったり、第1・四分位であったり、それは色々なパターンがあり得るかと思いますので、平均額を否定するわけではありませんが、より低位な層の高卒初任給の関係がどのようになっているかということに関する資料を次回追加でご提出いただければと思います。以上です。

○仁田委員長
 実行可能性についてはいかがでしょうか。

○大野賃金課長補佐
 賃金構造基本統計調査については、第1・十分位、第1・四分位についてデータをとっておりますので、労使各側のご意見がなければデータとしてご用意することは可能かと思います。

〇仁田委員長
 分かりました。労側はいかがですか。

○冨田委員
 先ほど高橋委員からもありましたとおり、高卒初任給についてどの数字を比較するのかということについては合意ができていないということがありますので、どの層の水準をみていくのかという点については、資料を見せていただいた上で改めて検討することを前提とするならば、参考資料としてお示しいただくことはよろしいのではないかと思いますので、ご検討いただければと思います。

○仁田委員長
 それでは、急いでデータを提供していただいて、適当と思われる数字を、いずれにしても正確には出てこないので推計数になりますけれども、ご検討いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
他には何かありますか。よろしいですか。
 もしよろしければ、この後は、公労・公使で個別に主張を伺いながら、取りまとめに向けて詰めていきたいと思います。よろしゅうございましょうか。
 それでは、本日は公使から始めたいと思います。
 
(第2回全体会議)

○仁田委員長
 それでは、ただ今から、第2回目の全体会議を開催します。本日は、今年の目安を取りまとめるべく、個別に意見を伺いながら、鋭意調整を進めさせていただきました。
 しかしながら、現時点では依然として双方の主張の隔たりが大きいことから、本日の取りまとめは断念し、次回に持ち越すことにしたいと思います。よろしゅうございますか。

(異議なし)

○仁田委員長
 労使双方におかれては、本日の議論も踏まえ、目安を取りまとめるという観点から、再考をお願いします。それでは、次回の日程と会場について、事務局から連絡をお願いします。

○大野賃金課長補佐
 次回の第4回目安に関する小委員会は、7月24日(火)14時から中野サンプラザ15階エトワールルームで開催いたします。

○仁田委員長
 以上をもちまして、第3回目安に関する小委員会を終了します。議事録の署名につきましては、冨田委員と高橋委員にお願いします。皆様、どうもお疲れ様でした。
 

(了)
<紹介先>

労働基準局賃金課
最低賃金係(内線:5532)

  代表: 03-5253-1111

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央最低賃金審議会(目安に関する小委員会)> 平成30年第3回目安に関する小委員会 議事録(2018年7月17日)

ページの先頭へ戻る