ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(家庭用品安全対策調査会)> 令和3年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会家庭用品安全対策調査会 議事録(2021年10月14日) - (1)
2021年10月14日 令和3年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会家庭用品安全対策調査会 議事録
医薬・生活衛生局医薬品審査管理課化学物質安全対策室
○日時
日時 令和3年10 月14 日(木)
14 : 0 0 ~
○場所
厚生労働省仮設第4 階議室
○開催形式
Web会議
○議事
○事務局 定刻となりましたので、ただいまより「令和3年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会家庭用品安全対策調査会」を開催いたします。皆さまには、お忙しい中御出席いただきありがとうございます。本日の調査会は、対面ではなくWeb開催としており、座長の五十嵐先生及び御説明いただく河上委員を除く他の委員につきましては、厚生労働省外から参加いただいております。また、傍聴に関しては、YouTubeでライブ配信を行っております。資料につきましては、通信負荷軽減の観点から、基本的に画面に投映はしませんので、傍聴されている方々も含め、Webサイトに掲載してある資料をお手元に御用意ください。 議事に先立ちまして、前回の調査会以降、委員の交代がありましたので御報告いたします。畝山委員が御退任され、後任に新たに国立医薬品食品衛生研究所の井上委員が御就任されています。
また、事務局に異動がありましたので御報告いたします。厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課化学物質安全対策室長に大久保貴之が着任しております。大久保室長より、一言御挨拶申し上げます。
○大久保室長 皆様こんにちは。ただいま御紹介いただきました大久保と申します。本年7月より、化学物質安全対策室長を拝命しております。本日はお忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございました。今後の御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○事務局 事務局です。本日の出席委員の状況について御紹介いたします。井上薫委員、北嶋聡委員、桒形麻樹子委員、永沼章委員、黒田嘉紀委員、波多野弥生委員、福山哲委員、以上がWeb経由にて御参加いただいております。座長の五十嵐良明委員及び河上強志委員におかれましては、対面にて御臨席いただいております。
○五十嵐座長 桒形先生、ビデオをオンにしていただけますか。
○桒形委員 申し訳ございません。ちょっと今、携帯からになってしまったので。変な画面で申し訳ございません。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 よろしくお願いします。
○事務局 よろしくお願いします。家庭用品安全対策調査会の現在の総委員数は9名であり、定足数が過半数の5名となっております。本日は全ての委員の先生方に御参加いただいておりますので、この会議は定足数に達していることを御報告申し上げます。
続いて、審議を開始する前に、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について御報告させていただきます。薬事分科会規程第11条においては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定しております。
今回、御参加いただいている全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を4月下旬頃に御申告いただいております。また、御申告から開催まで、期間が空いたため、改めて変更がないことを御申告いただいておりますので御報告させていただきます。委員の皆様におかれましては、会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き御理解と御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
続いて、資料の確認を行います。先日、電子媒体にて送付したWeb会議用資料のうち、配布資料一覧に沿って確認いたしますので、お手元に議事次第を御用意ください。
まず、配布資料は議事次第、委員名簿、資料1-1、資料1-2、資料1-3がございます。参考資料として参考資料1~4がございます。資料が多く大変恐縮ですが、不足等がございましたらお申し付けください。
続いて、調査会の公開の取扱いについて御説明いたします。調査会の公開、非公開に関する考え方は、委員の自由な発言が制限され、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、又は個人の秘密、企業の知的財産などが開示され、特定の者に不当な利益又は不利益をもたらすおそれがある場合以外は、基本的に公開することになっています。本調査会はこれに該当しないと考えられることから、公開とさせていただきます。
本調査会はWeb開催としているため、対面での進行と一部異なる部分がございます。議事に先立ち、審議の進行方法等について、事務局より御説明させていただきます。
まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御意見、御質問をしていただく際は、ミュートを解除し、初めにお名前をお知らせいただいてから御発言ください。また、御発言のタイミングが重なった場合などは、座長から順に発言者を御指名いただきます。会議中、マイクの調子が悪い場合などは、音声の代わりにメッセージに御記入いただくようお願いすることがございます。
なお、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡ください。また、もしビデオ会議が終了するなどのトラブルが発生した場合は、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認をお願いします。
以降の議事進行については、五十嵐座長にお願いいたします。座長、どうぞよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 本日の座長を務めます国立衛研の五十嵐です。よろしくお願いいたします。
それでは議事に入ります。議題の1つ目、審議事項1の「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律施行規則の一部を改正する件について」、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局です。資料1-1を御覧ください。改正の経緯ですが、有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律(略称「家庭用品規制法」)の第4条第1項において、厚生労働大臣は、厚生労働省令で、家庭用品を指定し、その家庭用品について、有害物質の含有量、溶出量又は発散量に関し、必要な基準を定めることができると規定されており、同法施行規則の別表第一において具体的な基準を定めています。
施行規則別表第一の「基準」の項目中には、①基準及び②有害物質の含有量等を測定するための公定の試験法が定められていますが、省令の改正には時間を要するため、試験法の変更が柔軟に行うことができないといった問題点も指摘されております。さらに、分析技術の進歩や、分析に必要な試薬や器具等の入手困難になる可能性等を考慮の上、適時適切に対応できることが必要と考えられます。
このため、今回の改正においては、施行規則別表第一の「基準」の表の見直しを行い、②有害物質の含有量等を測定するための公定の試験法を別途定める通知に移行させ、①の基準のみに簡略化した形で規定する改正を行いたいと考えております。
具体的な「基準」の項目の見直し内容は、2.改正(案)の表のとおりとしたいと考えております。改正時期についてですが、令和3年度冬に公布し、公布の1年後に施行を予定しております。
また、今後、資料1-2で示すように、試験法は別途通知により、「試験法通知」としてお示しすることになります。なお、資料1-2において、新たに追加された記述には下線を、削除された記述には抹消線が引いてあります。
また、今後、試験法通知の改正は、次のとおり行うことといたします。①家庭用品安全対策調査会の意見を聴取する。②パブリックコメントの実施を行った上で改正する。また、試験法の内容は厚生労働省のウェブサイト等で公表する。説明は以上です。
○五十嵐座長 ありがとうございます。この審議事項1は、審議事項2と併せて審議いたしますので、引き続き審議事項2の「防虫剤及び溶剤を含有する家庭用品の試験法の改正について」、説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-3を御覧ください。改正の経緯を簡単に説明いたします。4,6-ジクロル-7-(2,4,5-トリクロルフェノキシ)-2-トリフルオルメチルベンズイミダゾール(別名「DTTB」)及びヘキサクロルエポキシオクタヒドロエンドエキソジメタノナフタリン(別名「ディルドリン」)は、防虫剤として繊維製品等に用いられています。
これらの防虫剤について、DTTBは経皮及び経口毒性が極めて強く肝障害を引き起こすとの報告があることから、ディルドリンは経皮吸収され体内蓄積する可能性があるとの報告があることから、「家庭用品規制法」に基づき、皮膚に直接接触するおしめカバー等の繊維製品等の家庭用品について規制基準が制定されています。
また、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン及びメタノールは、溶剤として家庭用エアゾル製品等に用いられています。これらの溶剤について、テトラクロロエチレン及びトリクロロエチレンは、継続的に人体に吸入された場合には体内蓄積し、肝障害又は腎障害等を起こすおそれがあるとの報告があることから、メタノールは視神経障害等の毒性を有し、特にエアゾル製品として使用されるとき経気道吸収されやすいとの報告があることから、「家庭用品規制法」に基づき、家庭用エアゾル製品等の家庭用品について規制基準が制定されています。
今回の試験法改正の経緯ですが、平成29年9月28日に開催された家庭用品安全対策調査会及び平成29年10月25日に開催された化学物質安全対策部会において、ガスクロマトグラフィーを用いて試験を実施している有害物質について、試験法の見直しを順次検討し、当該調査会及び当該部会で改正案を審議する方針が了承されています。
今回、DTTB、ディルドリン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン及びメタノールについて、既存の試験法の問題点に対応した試験法がまとまりましたので、改正を行いたいと考えております。改正の経緯の説明は以上です。
○五十嵐座長 ありがとうございました。次に、河上委員より、改正試験法について説明をお願いいたします。
○河上委員 国立医薬品食品衛生研究所の河上と申します。私のほうから、現行試験法の具体的な問題点、及び今回提案します改正試験法の概要について説明させていただきます。資料1-3の「今回の試験法改正の経緯」と書かれた所の途中以降、要点が文章としてまとめられているのですが、分析フローを見ながらのほうが説明を理解しやすい、分かりやすいと思いますので、参考資料3を用いて説明させていただきたいと思います。お手元に参考資料3を御用意ください。よろしいでしょうか。
参考資料3ですが、左側に現行試験法の現在の分析フローやその課題、右側に今回提案します改正試験法について、それぞれ概要を記載しております。現行試験法の問題点ですが、はじめに参考資料3、防虫剤2種類の試験法について記載してあるほう(1ページ)を御覧ください。まずDTTBです。こちらに構造式を示しておりますが、ベンズイミダゾール骨格を有していることから、ガスクロマトグラフによる分析において誘導体化が必要とされています。現行試験法では、発がん性のあるジメチル硫酸によるメチル誘導体化が採用されておりますが、こちらが有害試薬の使用ということで問題とされています。また、ガスクロマトグラフによる測定時ですが、現在の技術から見ると分離能の低い充填カラムを用いており、そのため2種類のカラムによる確認が必要であるということで、操作が煩雑となっていることが問題とされています。
次に、ディルドリンですが、こちらもガスクロマトブラフによる測定時に2種類の充填カラムを用いることになっており、操作が煩雑と考えられています。これらの2つの有害物質ですが、対象家庭用品がどちらも同じなのですけれども、フローを見ていただきますと分かるように、前処理方法が異なっております。そこで、これら2つの物質について、前処理方法を統一することで試験の効率化が期待できるということで、それを実施しています。
右の改正試験法(案)を御覧ください。まず概要ですが、塩酸メタノール還流抽出による抽出を行い、強陽イオン交換カラムを用いた精製操作を行うことによって、前処理方法を統一することができました。また、測定時には分離能の高いキャピラリーカラムを用いたガスクロマトグラフ並びに質量情報などが得られ、精度の高い分析のできる質量分析計を用いることで、分析精度の向上や煩雑さの解消を図ることができました。
DTTBについては誘導体化がありますが、こちらは誘導体化にトリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、PTAHを用いることで、現行法よりも安全に誘導体化し、測定することが可能となりました。なお、PTAHが共存すると、ディルドリンの感度の低下が認められる、分析値の低下が認められるところがありましたので、これら2種類、前処理法は統一しましたが、測定時には別々に測定する方法となっております。これが防虫剤2種類の改正試験法の概要です。
次に、参考資料3の裏側(2ページ)を見てください。こちらは、溶剤3種類の改正試験法の概要を示しております。まず、メタノールですが、左側の欄を見てください。現行試験法が記載されておりますが、先ほどの防虫剤と同様に2種類の充填カラムを使用しており、精度や煩雑性といったものが問題とされています。また、テトラクロロエチレン及びトリクロロエチレンについてはヘッドスペース法を用いておりますが、このヘッドスペースガスについてガスクロマトグラフに注入する試料量が3μLということで非常に少なく、測定時のばらつきが起き、そのため繰り返し分析が必要とされており、測定には充填カラムも使用されているということで、これらが問題点として挙げられています。これらの3種類の溶剤類についても前処理方法が異なるということで、これらを統一することで効率化が期待できます。
そこで、提案します右の改正試験法(案)を御覧ください。改正試験法(案)では、試料の溶解溶媒に乳酸エチルを用いたヘッドスペース法を採用しました。これにより、前処理方法の統一化が実現できました。ヘッドスペースガスの採取量は1mLとし、さらに、キャピラリーカラムを用いたガスクロマトグラフ質量分析計を測定に使用することで、精度の向上と煩雑さを解消しました。本試験法では、これら3種類の有害物質を同時に測定することが可能となっています。以上が資料1-3の「1.規制基準改正の経緯」の(2)「今回の試験法改正の経緯」から試験法の主な変更点までの説明です。今回、提案させていただいております試験法の詳細については、資料1-3の「3.試験法改正案」という所に、資料1-2のどこに記載されているかという記されておりますので、詳細はこちらを見ていただければと思います。また、これらの改正試験法ですが、詳細は参考資料4に記載しておりますけれども、複数機関による妥当性評価試験を実施し、精度及び再現性ともに基準値の測定に問題はなく、十分な妥当性が確保されているということを確認しております。説明は以上です。
○五十嵐座長 ありがとうございました。今回、事務局からの提案は2つあり、1つは、現在、施行規則別表第一の「基準」の項目には、基準値と試験法が定められていますが、適時適切に改正できるよう基準の項目は基準値のみとして、試験法は別途、通知に移行させるとのことです。もう1つは、試験法に関してですが、DTTB、ディルドリン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン及びメタノールのガスクロマトグラフィーを用いた試験法について、現行の問題点に対応した方法がまとまりましたので改正を行いたいということです。ただいまの御説明に対して、委員の先生方から何か御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
特にないようですが、試験法に関しては、変更点として前処理の統一化とか、誘導体化を安全な試薬で行う、それから、キャピラリーカラムを用いるという方法で、精度が良くなったということもあります。河上先生は説明されていませんでしたが、ガスクロの検出器についても、FIDの代わりに質量分析を用いて定性力も上がりましたし、ECDという検出器も、それよりも質量分析のほうが、管理がしやすくなったということで、すばらしい改良法ができたのではないかと思っております。基準項目について、何か御質問等はございませんか。北嶋委員、お願いいたします。
○北嶋委員 科学的なところは特段、問題はないと思うのですが、省令に書いてあったものを通知に落とし込むところの手続論的なところ、この部分はおそらく、今後パブコメをすれば、質問として挙がってくるように思います。この法的な御説明がなかったように思うのですが、この点につき、補足説明を頂ければ誤解がないように思うのですけれども、いかがでしょうか。
○五十嵐座長 事務局、いかがでしょうか。省令から通知に試験法を落とすことによって、何か不都合等、あるいは何か変わることがあるのかどうかという点ですが。
○事務局 法改正については、法令担当に確認を取っており、特に問題のない旨伺っております。ただ、先ほど北嶋先生がおっしゃったとおり、パブリックコメントの際に、それに対して質問が来るというのはこちらも考えておりますので、どのような質問が来るかによって、もう少し詳細については詰めた上で回答できればと考えております。あと、各条に掲げている試験法なのですが、先ほど口頭で御説明した規定試験法ですけれども、これに代わる方法でそれが規定試験法以上の精度がある場合には、その試験法を用いることができるとしております。ただし、その結果について疑いがある場合には、規定試験法で最終の判断を行っていただければと考えております。以上です。
○五十嵐座長 北嶋委員、よろしいでしょうか。
○北嶋委員 この法的なところは、法務の方とすでに御相談されている、という理解をいたしました。御指名いただいたので、この延長でもう1つ確認させていただきたいのですが、試験法については、食品添加物とか、他の法令でも検討されている試験法があって、河上先生が検討されている方法というのも、こうしたことを考慮されてのことだと思いますので、選ばれた試験法は現時点でのスタンダードな方法という理解でいるのですけれども、そういう説明の文言は余りここでは出てこないのです。すなわち、標準法であるといったことを謳うことは難しいというお考えなのでしょうか。河上先生が好みで実施しやすい方法を選択しているわけではなくて、地衛研の皆様も納得して、これはいい方法だなということで、納得済みの方法が掲げられているという理解なのですが、そういう説明や理由に関する文言の記載がないところが少し不安に思います。この点もパブコメで質問として挙がってくるのかなとは思うのです。この点はいかがでしょうか。
○河上委員 一応、参考資料4がそうなりますが、こちらは厚生労働科学研究費を頂いて、複数の地方衛生研究所の方々と協力して開発した試験法です。食品や食品添加物の分析法との統一性というところは、そういった試験法を参考にさせていただきますが、それぞれ対象の製品が違います。そういったところで精製の方法とかが異なってくるので、参考にはしますが、これを見たとか、これと同じですというところは記載をしていないのですけれども、そういった利用はさせていただいています。参加していただいた地方衛生研究所の皆様とかと一緒に妥当性評価試験を行っておりますので、現場で実際に検査をされる方においても十分に実施可能な試験法になっていると理解しています。
○北嶋委員 ありがとうございました。よく理解できました。
○五十嵐座長 そのほか、ございませんか。井上委員、お願いいたします。
○井上委員 国立衛研の井上です。御説明ありがとうございました。今回の改正というのは、恐らく今回、具体的に示していただいた物質だけでなく、今後も試験法を改良しなければいけないというか、改良されるということが見込まれるということがあっての改正というように理解しているのですが、それでよろしいでしょうかということです。あと、分析法については専門ではないので、具体的な意見は申し上げられないのですが、今回、具体的に対象になったディルドリンとかDTTBというのは、昭和40年代、50年代は使われていてということなのですけれども、現在の家庭用品の中での使用状況というのはどうなのかというのを、もし御存じでしたら教えていただけたらと思います。以上です。
○五十嵐座長 では、河上委員、お願いいたします。
○河上委員 まず、分析法に関しては、分析技術は最近、進歩が激しいところもありますので、どんどん新しい分析法なり新しい機器が出てきます。そういったものに柔軟に対応していくためには、通知で改正しやすいようにしていったほうがいいということもあり、今回改正しています。現在まだ問題点が指摘されて改正できていないものを、やはり厚生労働科学研究費を用いて試験法の開発をしていますので、今度、通知になりましたら通知試験法ということで改正を目指していく予定になっています。
2つ目の御質問ですが、ディルドリンやDTTBは確かに古い化合物です。現在どうなっているかということですが、基本的に使用させないことという規制が昭和50年代にできていますので、基本的に使用されていないことになっております。こちらは事務局に答えていただいてもいいのですが、毎年、各都道府県で一定数調査されたものが化学物質安全対策室のホームページに結果として出ていると思うのですけれども、、この2つの化合物に関しては、規制されて以降、検出はほぼないと。特にここ10年、20年は確かなかったと記憶しております。以上です。
○井上委員 ありがとうございました。そうしますと、続きになってしまうのですが、例えば、輸入された製品から検出される可能性があるので、今回の分析法の改良ということが必要だったという理解でよろしいでしょうか。
○河上委員 そうですね。1つは、全世界中で使っていないということを確認するのはなかなか難しいところがありますので、今後もそういった健康被害がないということにするためには検査をすることが必要ということで、そのために試験法を改良するということがあります。あと、ディルドリンに関しては羊毛に使っていたということで、それも2000年前半ぐらいですが論文で報告されているもので、中古の羊毛製品から微量ですけれども検出されたという報告もあります。それは健康被害が生じるようなレベルではないのですが、そういった事例もあります。そういったものもあるということを含めて、分析法は常に新しくしていくほうがいいだろうと考えています。
○井上委員 ありがとうございました。
○五十嵐座長 波多野委員、お願いいたします。
○波多野委員 御説明ありがとうございました。今回の資料を拝見して、試験法のアップデートがやりやすくなったというのが多分大きいと思いますが、それ以外にも、基準値、具体的な値が施行規則の別表第一の中にくっきり見えてくる形で記載されるようになったのは、非常に分かりやすくなったのではないかという印象を持ちました。
私からは細かい点で幾つか確認です。今作っていただいている試験法の文章に関して、1つどうかなと思ったのが、施行規則の基準のほうで「検出されないこと」となっているものがあると思います。例えば、塩化ビニルとかもそうですが、今回作っていただいた文章を見ますと、以前では、「認められることがあってはならない」というところを、「認められるかを確認する」という形になっておりまして、「検出されないこと」と言っているのであれば「認められないことを確認する」ではないのかなと思ったのです。この書き換えについてはどういった意図でなさっているかを確認したいというのが1点目です。
○河上委員 1つは、これまで基準に直結した文章になっていたので、例えば、「ピークは認められてはならない」という書き方でしたが、今回は試験法という位置付けに一応なるということでしたので、それで言葉尻をそういった形に合うように直しているのですが、今、御指摘いただいたように、もう少し文章を直したほうがいいという所がありましたら、そこは御指摘いただけると助かりますし、最終版に向けて直していきたいと思っております。
○波多野委員 分かりました。「認められないこと」という表現をわざわざ避けたのかなと思ったのですが、そういう意味ではないということですか。
○河上委員 そうです。「認められないこと」と書くと、これまでの基準の文章と同じ形になって、これが基準に合わせているような形になるということがありましたので、その表現をどういうふうにしたらと。あくまで基準で一応切り離されている試験法になっている体裁なので、そこをどう表現しようかというところはあります。
○波多野委員 もう1か所、ここはと思った所が、資料1-2の61ページ、「標準液の保持時間と一致する保持時間の位置にピークを示すか確認する」となっておりまして、その後ろに「ただし」とあります。これは従来の「示してはならない」に対しての「ただし」だと思いますが、こういった細かい所は、まだこれから調整されるということでよろしいですか。
○河上委員 ここは普段確認試験が入ってくるので、試験法全体として確認試験までがセットと考えています。ですから、ピークを示すかどうか確認して、ピークが認められたときに確認した所だけで終わってしまうといけないので。ただし、ピークが認められたときは、ピークが確実にこの化合物であることを確認しなければならないという意図で、そういう書き方をしています。そういう意図ですが、もう少し文章を。
○波多野委員 今回の修正内容であれば「ただし」がなくてもいいのかなと思ったので御質問しました。
○河上委員 分かりました。それは検討します。
○波多野委員 もう一点は素朴な疑問ですが、今回事務局のほうでお示しいただいた施行規則の改正案の所ですが、クレオソートに関連するジベンゾ[a,h]アントラセン、ベンゾ[a]アントラセン、ベンゾ[a]ピレンの並び順ですが、ベンゾ[a]ピレン、ベンゾ[a]アントラセンは、以前は「ヘ」の所にあったのを、前のほうに持ってこられているのは何か意図があってですか。確認をお願いします。資料1-2の並び順と合っていないのは何かあるのですか。
○事務局 特に意図はありません。
○波多野委員 分かりました。そうであれば、これはもとどおり「ヘ」の所、ベンゾ[a]ピレン、ベンゾ[a]アントラセンはアイウエオ順の形になるということでよろしいですか。
○事務局 最終的に並びのほうは、もう一度チェックをした上で正しいものにさせていただければと思います。
○波多野委員 すみません、細かいところで。ありがとうございました。
○五十嵐座長 波多野委員、以上でよろしいですか。
○波多野委員 はい。
○五十嵐座長 そのほかの委員で何か御質問、御意見がありましたらよろしくお願いします。
特にないようですが、私のほうから確認だけさせていただきます。今回、資料1-2の記載ぶりについてですが、防虫剤のDTTBとディルドリンについて前処理を統一したという説明がありました。ということは、資料1-2の30ページと65ページの2の「試験法」、「試験溶液の調製」という文案が、2つの物質で共通ということだと思います。この共通の部分というのは、現行では、例えばテトラクロロエチレンとトリクロロエチレンなどがありますが、それでは共通部分の操作というのは削除されて、異なる部分だけを書いているという記述になっています。今回はメタノールのテトラクロロエチレン、トリクロロエチレンと同じことになるので、メタノールについても同一部分は削除して、異なる部分を記載するのではないかと思っております。今回は多分、提案の試験法の内容説明ということで、詳細に1物質ずつ書いていると思いますが、試験法通知として発出する場合には、試験法操作の共通部分の記載方法について、統一した考えで修正を行っていただくようお願いいたします。よろしいですか。
○事務局 了解いたしました。こちらで再度必要な所を修正させていただきます。ありがとうございます。
○五十嵐座長 そのほか資料1-2の記載、あるいは資料1-1の基準の項目の記載ぶりについて、何か御質問、御意見等ありましたらよろしくお願いします。いかがですか。
特にないようですね。ありがとうございました。施行規則別表第一及び試験法を改正する方針については、特に問題はないということで、このとおり進めたいと思います。一部、語句の修正等はこれからだと思いますが、それについては事務局で対応していきたいと思います。
続きまして、2つ目の議題、「その他」ですが、事務局から何かありますか。
○事務局 特に現時点で御用意している議題はありません。
○五十嵐座長 委員の皆様から何かコメント等ありますか。全体を通してで結構ですが、いかがですか。
○北嶋委員 非常に細かいことですが、これは定義ではなくて言葉遣いについての質問です。別表のところで、先ほどのテトラクロロエチレンのところなどでは表記が、エアゾル製品となっていますが、普段、耳にするのは、エアロゾルと「ロ」が入る文言と思うのですが、これは業界として家庭用品の場合は「エアゾル」という言葉遣いが正式な呼称なのでしょうか。あるいは、こうした言葉遣いは何かに準拠して選ばれているものなのでしょうか。
○事務局 多分、もともとの法律自体が古いものですから、当時は使用されている用語は、全部定義付けをした上で使っているものだとは思います。ただ、確かに先生のおっしゃるとおり、現在では昔とは少し違う言い回しもあると思いますので、最終的には問題がないかどうかの確認は事務局でさせていただきたいと思います。
○北嶋委員 ありがとうございます。おそらく関係者の方が受け取り方としては、お答えとは逆なのではないかと思いまして、すなわち今回、改正された法律に載っている言葉を使いました、あるいは引用しました、という使われ方がするのでは、と思うのです。すなわち、この通知こそが引用されるのではないかと。例えば、ワックスも小さい「ッ」ではなくて、「ツ」が大きい「ワツクス」になっていますが、これを引用するかたちで使用されることが想定されます。一方で、家庭用品の世界ではこういう言葉遣いをしている、ということであれば、特段、問題はないと思います。この辺りのチェックは、法務になるのか、それとも五十嵐座長や河上先生のように、基準等を作られている委員、あるいはこの調査会の場なのかと思いまして、少ししつこいようですが質問いたしました。
○河上委員 エアゾル製品については、私は把握していないので分からないのですが、アゾ化合物に規制を導入したときは、製品の分類名は、日本商品分類から持ってきているところがあります。それを参考にして、全てというわけではないのですが、日本商品分類を参考に記載したということがありますので、確認してみないと分かりませんが、ひょっとしたらそちらがそうなっているかもしれないですし、それは見てみないと分からないところがあります。ただ、規制が、最初の頃の文献なりを見ますと、全部家庭用エアゾル製品と書いてあるので、そこからずっと変わっていないということだけは分かっています。
「ッ」については、私より事務局からお話していただいたほうがいいと思います。これは多分、法律用語で、小さい「ッ」を「ツ」で書かなければいけないというところからきていると思います。
○事務局 法律の所で、「もって」というのは「もつて」と全て大文字で書かれておりますので、そのようになっております。本日の資料の中で、法律に該当する所はそのような書き方をしておりますが、今回資料として御用意しているものには全て小さい「ッ」に直って読みやすくしておりますので、特に法律関係以外の用語では、そういう縛りはないと思っております。
○北嶋委員 ですから、省令を変えることは非常に大変なことなので、語句なども変えることは非常に大変だったことと思います。今回、通知にしたことによって、そういったところも変えやすいと言ったら言い過ぎかもしれませんが、分析法と並行し、言葉遣いもみておくとよいのかな、と思った次第です。
○五十嵐座長 通知試験法も小さい「ッ」は使えないのですか。
○事務局 いや、今回、通知に落としますので、その辺はきちんと読みやすい普通どおりの記載にさせていただきます。
○五十嵐座長 分かりました。波多野委員、いかがですか。
○波多野委員 ワックスについては、家庭用品品質表示法の消費者庁のホームページでは、「ワックス」と読みどおりに表記されているようです。法律のほうは確認していないのですが、家庭用品品質表示法との絡みはありますよね。
○事務局 法令担当ではないので、私の経験で申しますと、古い法律で、以前に作られたものは「ツ」が大きい形でした。恐らく、新しいものに関しては、実際に読んでいる状態の「ッ」を使っているものだと思います。家庭用品規制法に関しては非常に古く、昭和40年とかのものだと思いますので、法律、省令について大きな「ツ」が使われているものだと理解しております。以上です。
○波多野委員 このワックスを、家庭用品品質表示法と合わせるかどうかということも、今後の検討ということでよろしいですか。
○事務局 そこは正直申しますと、文字の使い方は法律の段階では合っていないものは普通にあると思います。法律を変えようとしますと、国会で議論を頂く必要がありますので、なかなかそこの統一は難しいですし、ずれているものも多々あるものと思っております。
○波多野委員 承知いたしました。ありがとうございます。
○五十嵐座長 そのほかはいかがですか。特にないように思いますので、本日議論することは以上で終了かと思います。それでは進行を事務局にお返しします。
○事務局 本日は、御議論いただきましてありがとうございました。本件については、この調査会の上にある化学物質安全対策部会に上程し、進めてまいりたいと思います。議事録については、後日皆様に御確認いただいた後に公開されますので、あらかじめ御承知おき願いたいと思います。
以上をもちまして、家庭用品安全対策調査会を終了いたします。本日はどうもありがとうございました。
○五十嵐座長 ありがとうございました。
(了)
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