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第141回先進医療会議 議事録
日時
場所
出席者
新井座長 竹内座長代理 北脇構成員 黒瀨構成員 近藤(晴)構成員 近藤(正)構成員 比企構成員
松山構成員 山本構成員
【事務局】
医療技術評価推進室長 先進・再生医療迅速評価専門官 医療課主査 医療課長補佐 研究開発政策課長
研究開発政策課長補佐 治験推進室長補佐 他
議題
(先-1)(別紙1)
2 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
(先-2)(別紙2)(告示番号旧3/jRCTs071180052)
(先-3)(別紙3)(告示番号旧 23/jRCTs051190048)
3 その他
議事
16:00開会
○新井座長
それでは、時間となりましたので、ただいまより「先進医療会議」を開催したく存じます。
まず、初めに構成員の先生方の出欠状況でありますが、本日は佐藤構成員、手良向構成員、長瀬構成員、滝田構成員が御欠席でございます。欠席されます構成員の先生方からは、委任状の提出があり、議事決定につきましては、座長に一任とされております。
また、比企構成員におかれましては、本日、遅れて参加とお伺いしております。
それでは、続きまして、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○医療課主査
事務局でございます。本日も、どうぞよろしくお願いいたします。
頭撮りについてはここまでにさせていただきます。
それでは、まず資料の確認をさせていただきます。
議事次第、委員名簿に続きまして「新規技術(3月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)」として、先-1の資料がございます。こちらには別紙1がついてございます。
続きまして「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」として、先-2、別紙2及び先-3、別紙3の資料がございます。
資料につきましては、以上でございます。
今回の先進医療会議におきましては、現地及びウェブを組み合わせたハイブリッド開催で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等については、送付させていただいた資料を閲覧していただきます。
発言者は、会議資料(公開資料、非公開資料)のページを、あらかじめ御発言いただけますと議事の進行上助かりますのでよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○新井座長
ありがとうございました。
資料等についてはよろしいでしょうか。
よろしいようでございます。
それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果について事務局から報告をお願いいたします。
○医療課主査
事務局でございます。
今回検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。
松山構成員より「新規技術(3月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて」における受理番号176番の技術について報告がございました。
松山構成員におかれましては、検討対象技術について、自らが所属する保険医療機関からの届出に係る医療技術であるということから、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術に関する検討及び事前評価に加わることができません。
事務局からの報告は以上でございます。
○新井座長
ありがとうございました。
そのほかに出席されている構成員におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○新井座長
確認させていただきました。ありがとうございました。
それでは、議題1「新規技術(3月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について」の資料が提出されておりますので、事務局から御説明をお願いいたします。
○医療課主査
事務局でございます。
それでは、先ほど御説明させていただきましたとおり、松山構成員におかれましては、整理番号176の技術に関する検討及び事前評価には加わらないこととなりますので、大変申し訳ございませんが、御退席をいただくようお願い申し上げます。
(松山構成員 退席)
○医療課主査
ありがとうございます。
それでは、資料について御説明をさせていただきます。
今回、先進医療の新規届出技術について、振り分け審議をいただく技術について、先-1の資料に基づき、御説明をさせていただきます。
1件目の技術は、受理番号176番、技術名は「β2GPIネオセルフ抗体検査」でございます。
適応症につきましては、「不育症」でございます。
今回、東京大学医学部附属病院から申請がございました。
係る費用につきましては、表にお示ししたとおりでございます。
続きまして、技術の概要につきまして御説明をさせていただきます。
別紙1にお移りいただきまして、1ページ目を御覧いただければと思います。
まずはじめに、(先進性)につきましては、記載のとおりとなっております。
内容の(概要)について御説明をいたします。
不育症は不妊症と異なり、妊娠はできるが流産や死産を繰り返し、生児を産むことができない病気である。日本では、不育症患者が推計140万人いると考えられており、少子高齢化が進む日本において克服すべき重要課題である。しかし、不育症患者の半数以上は原因が不明で、治療法がわからないことが多いのが現状である。
大阪大学と神戸大学の共同研究により、脳梗塞のような重要な臓器の血管に血の塊が詰まり生命を脅かす血栓症や、流産、妊婦の生命を脅かす妊娠高血圧症候群などの病気を引き起こす抗リン脂質抗体症候群の原因となる全く新しい自己抗体(ネオセルフ抗体)が発見された。
不育症とネオセルフ抗体の関係については、2019~2021年度AMED成育疾患克服等総合研究事業「不育症、産科異常に関わるネオ・セルフ抗体の研究開発」において、臨床研究が行われた。この臨床研究において、不育症の女性227人についてネオセルフ抗体を測定した結果、52人の患者で陽性となった。不育症におけるネオセルフ抗体陽性の頻度は、不育症の原因を調べたほかの検査の中で最も高く、ネオセルフ抗体が不育症を起こす重要な原因になっている可能性が示唆された。また、この227人の不育症患者のうち、既存の不育症検査では原因が判明しなかった患者は121人おり、このうち24人がネオセルフ抗体のみが陽性となった。
今回、β2GPIネオセルフ抗体の保険収載を目指して、β2GPIネオセルフ抗体の有効性を示すことを目的とした多機関共同臨床研究を、先進医療として実施することとした。
(効果)でございますが、本研究は、原因不明の不育症患者の原因解明に寄与する可能性がある。本研究によって、β2GPIネオセルフ抗体が不育症を起こす要因であることを示すことができれば、これまで原因不明で流産、死産を繰り返した患者に対して、精神的、肉体的なストレスを軽減し、生産率向上へ貢献できる。
ページをおめくりいただきまして、3から4ページ目のところでございますが、こちらの2-1、②にございますとおり、本技術においては使用する医療材料及び医薬品は未承認に該当することとなってございます。
先-1の資料にお戻りいただきまして、本技術は、資料先-1下方の【備考】の「2 以下のような医療技術であって、その実施による人体への影響が極めて小さいもの」に該当すると考えられましたため、先進医療Aとして振り分け案を提示させていただきました。
1件目の御説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○新井座長
ありがとうございました。
ただいまの御説明について、何か質問、御意見等ございますでしょうか。
特にないようでございます。
それでは、受理番号176の技術につきましては、先進医療Aとして振り分けたく存じます。
松山構成員におかれまして、お戻りいただいてよろしいでしょうか。
(松山構成員 着席)
○新井座長
松山構成員に戻っていただきました。
次に、事務局から「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」の資料が提出されております。
2件ありますので、まずは1件目から、事務局より御説明をお願いいたします。
○医療課主査
事務局でございます。
それでは、資料先-2に基づいて御説明をさせていただきます。
今回、旧告示番号3番として実施されておりました、全身性エリテマトーデスに対する初回副腎皮質ホルモン治療におけるクロピドグレル硫酸塩、ピタバスタチンカルシウム及びトコフェロール酢酸エステル併用投与の大腿骨頭壊死発症抑制療法につきまして、九州大学病院から総括報告書の提出がございました。
なお、本議題につきましては、既に先進医療技術審査部会で取り上げられたものでございます。
まず、技術の概要でございますけれども、「全身性エリテマトーデス(初回の副腎皮質ホルモン治療を行っている者に係るものに限る。)」が適応症となってございました。
医療技術の概要ですが、難病に指定されている特発性大腿骨頭壊死症の詳細な発生機序は未だ明らかとされていないが、副腎皮質ホルモンが誘因の一つであることが明らかとされている。副腎皮質ホルモン剤治療が必要不可欠となる全身性エリテマトーデス、SLE患者は他疾患と比較して大腿骨頭壊死症の発生率が高く、初回副腎皮質ホルモン治療後25.0~44.4%もの患者に大腿骨頭壊死症が発生すると報告されている。ステロイド関連大腿骨頭壊死症の基礎疾患はSLEが最多で全体の30%を占めると報告されており、SLE患者におけるステロイド関連大腿骨頭壊死症の発生抑制治療法開発は解決するべき喫緊の課題である。しかし、本症に対して臨床的に明確な有効性が証明された治療法は未だ世界的にも報告されていない。
近年、動物を用いた基礎実験において、ステロイド投与に続発する骨壊死に対して、クロピドグレル硫酸塩、ピタバスタチンカルシウム、トコフェロール酢酸エステルによる単独での発生抑制効果が報告されている。さらに作用の異なる薬剤2剤を併用することによって単剤よりも優れた骨壊死発生抑制効果が認められることが確認されている。
本研究では、SLEと診断され、初回副腎皮質ホルモン治療を受ける患者において、クロピドグレル硫酸塩、ピタバスタチンカルシウム、トコフェロール酢酸エステルの3剤を併用投与し、ステロイド性大腿骨頭壊死症の発生抑制効果を検討する。
続いて、有効性及び安全性に関する評価結果の詳細がございますが、説明は割愛させていただきまして、次のページの○結論のところでございますが、「本試験で用いたクロピドグレル硫酸塩、ピタバスタチンカルシウム及びトコフェロール酢酸エステル併用による大腿骨頭壊死発生抑制治療法は安全であることが確認され、本試験によって一定の予防効果があることが示唆された。さらなる検証が必要ではあるが、本試験が今後の大腿骨頭壊死の発生予防法開発につながることが期待される」とのことでございます。
次に、「2.先進医療技術審査部会における審議概要及び検討結果」の「(2)議事概要及び検討結果」のところでございますが、○全身性エリテマトーデス治療における大腿骨頭壊死症の発生は長年の臨床上の課題の一つであり、3剤の内服という比較的コントロールのしやすい医療技術で、予防効果が得られるということであれば、臨床的意義は高いと考えられる。医学的な是非を検討するためには、エビデンスの積み重ねがまだ必要な段階とは考えるが、一定の有効性の傾向は認められるため、今後の進展に期待はできると考える。
当該技術の総括報告書を了承し、先進医療会議に報告することとした。」とのことでございます。
続きまして、評価委員の御担当者の評価について、御説明のほうをさせていただきます。
別紙2の3ページ目を御覧いただければと思います。
主担当の岡田構成員からの御評価でございますけれども、有効性に関してはE、「評価された46例のうち8例で大腿骨頭壊死症が発生し、発生割合は17.4%であり、発生割合が25%未満であることに対する検定のp値は0.1167で、片側有意水準20%の基で有意な差が認められたとされている。長期の試験の中で得られた貴重な症例のデータとして、臨床的な意義は高いと考え、一定の有効性の傾向は認められたのではないかと考える。一方、症例集積が困難な試験であり、中間評価を実施予定であった、50例までデータを集積することができなかったことから、統計的な優位差に関しては限定的であり、医学的な結論を出すためには、新たなエビデンスの追加が必要であると考える。」
安全性に関してはB、「重症度別の有害事象集計では重症が2.2%、中等度が10.9%、軽度が28.3%だったとされており、多くは原疾患由来であり、重篤な有害事象と判断された症例においても、原疾患由来の有害事象であり、試験薬との因果性は証明されていないことから、安全性には問題ないと考える。」
技術的成熟度に関してはB、「使用される試験薬は、重篤な有害事象があまり認められる製品ではないが、対象とする疾患の重篤性と、コントロールの困難さを鑑みると、ある程度多くの経験を積んだ医師または医師の指導の下で実施されるべき段階と考える。」
総合的なコメント欄のところでございますが、「全身性エリテマトーデス治療における大腿骨頭壊死症の発生は長年の臨床上の課題の一つであり、3剤の内服という比較的コントロールのしやすい医療技術で、予防効果が得られるということであれば、臨床的意義は高いと考えられる。医学的な是非を検討するためには、エビデンスの積み重ねがまだ必要な段階とは考えるが、一定の有効性の傾向は認められるため、今後の進展に期待はできると考える。」
また、薬事承認申請の効率化に資するかどうか等についての助言欄でございますが、「今回の臨床試験から、三剤併用による全身エリテマトーデスにおける大腿骨頭壊死症発症予防に関して、一定の有益なデータは得られていると考える。本試験において使用された医薬品について、今回対象とした疾病に対する薬事承認申請が行われるのであれば、参考資料等での活用として、申請の効率化には資するものと考える。」
続きまして、副担当の上村構成員の御評価でございます。
有効性に関してはE、「本研究は、SLEと診断され初回副腎皮質ホルモン治療を受ける患者を対象として、クロピドグレル硫酸塩、ピタバスタチンカルシウム、トコフェロール酢酸エステルの3剤を併用投与し、ステロイド性大腿骨頭壊死症の発生抑制効果を検討するPOC studyである。当初の目標症例数は150症例であったが、50例の症例登録に9年間を要しており、計画症例集積のためには相当な試験期間の延長が必要であることから、独立データモニタリング委員会より試験継続不可の判断がなされ、結果がまとめられた。症例集積が難航した最大の理由としては、副腎皮質ホルモン治療歴のないSLE症例が少なかったと考察されている。
本試験の結果、FAS症例46名のうち大腿骨頭壊死を発生した症例は8名、発生割合は17.4%と計画時に期待した19%に近い値であり、信頼区間の上限がヒストリカルコントロールから設定した25%を下回っており、片側有意水準20%の基で事前規定した統計学的有意差は得られた結果である。
本試験により3剤併用投与の有効性に一定の期待はされるものの、本試験は対照群を設定しない単群試験として有意水準を片側20%と設定したPOC studyとしての位置づけで実施された試験であり、検証試験において従来の医療技術と比較し有効性を評価することが適当と考える。」
安全性に関してはB。
技術的成熟度に関してはBとなっております。
事務局からの説明は以上でございます。
○新井座長
ありがとうございます。
ただいまの御説明について、何か質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。それでは、ありがとうございます。
それでは、2件目について事務局から説明をお願いいたします。
○医療課主査
事務局でございます。
それでは資料先-3に基づいて御説明をさせていただきます。
今回、旧告示番号23番として実施されておりました、「糞便微生物叢移植」につきまして、滋賀医科大学医学部附属病院から総括報告書の提出がございました。
なお、本議題につきましても、既に先進医療技術審査部会で取り上げられたものでございます。
まず、医療技術の概要でございますけれども、「再発性Clostridioides difficile関連下痢症・腸炎」が適応症となってございました。
医療技術の概要ですが、「Clostridioides difficile 関連下痢症・腸炎(Clostridioides difficile infection: CDI)は日和見感染であり、一般的に抗菌薬の投与に関連して発生する腸炎である。抗菌剤の投与によって腸内微生物叢が菌交代現象を起こし、異常増殖したClostridioides difficileの産生する毒素(CD toxin)により発生する。CDIの治療には原因抗菌薬の投与中止、全身状態の管理に加えて、Clostridioides difficileに感受性を有する抗菌薬の経口投与が行われるが、再燃を来し再発となる症例も存在する。これらの再発性もしくは治療抵抗性CDIに対する治療選択肢として、海外を中心に糞便微生物叢移植(FMT)の有用性が報告されている。一方で、本邦ではこれまでに十分な検討がなされていない。
本研究では、治療に難渋する再発性CDIに対するFMTの有効性・安全性を検討する。FMTにはドナー便より抽出した微生物叢抽出液を用いる。」
続いて、有効性及び安全性に関する評価結果の詳細がございますが、説明は割愛させていただきまして、次のページの○結論のところでございますが、「主要評価項目としての奏功割合は50%となり、再発性CDIに対する単回のFMTの奏効率の95%信頼区間の下限が、ヒストリカルコントロールによって定めた閾値奏効率を上回るという結論は得られなかったが、臨床的には2症例とも有効であったと判断している。」とのことでございます。
次に、「2.先進医療技術審査部会における審議概要及び検討結果」の「(2)議事概要及び検討結果」のところでございますが、「○全登録期間を通じて2例の登録に留まった理由として申請者らはCOVID-19診療下における登録可能症例の集積困難を挙げているが、さらに登録可能症例の増加に関する取り組みを積極的には行わなかった理由については、本技術の実施期間中に治療に用いる材料として新鮮便よりも凍結便を用いる方法が効率的かつ主流となりつつあったという当該分野での治療上背景の変化を述べている。
本技術における手法に関する有用性の有無を将来に向けて評価しようとするならば、新たに凍結便を用いた臨床研究が、COVID-19の影響を脱した現在の環境下で適切に実施されるならばそれが望ましいと思料した。
当該技術の総括報告書を了承し、先進医療会議に報告することとした。」とのことでございます。
続きまして、評価委員の御担当者の評価について御説明のほうをさせていただきます。
別紙3の3ページ目を御覧いただければと思います。
主担当の真田構成員からの御評価でございますけれども、有効性に関してはE、「目標症例数23例に対して全登録期間を通じて2名の登録しかなく終了した点から、本研究からの本技術の有用性に関する統計学的、客観的な評価を加えることは不可能であると言わざるを得ない。よって評価不能の観点から「その他」の判断とした。」
安全性に関してはD、「有効性と同様に、安全性に関しても、一部に本技術と因果関係がないと思われる有害事象が報告されているが、本技術特異的な安全性につき懸念を生じる事象は報告されなかった。一方、わずか2例の実績からではそれが安全であるとも危険性があるとも評価することは難しく、有効性と同様に評価不能の観点から「その他」の判断とした。」
技術的成熟度に関してはA、「本技術の計画及び2例の実施状況に鑑みて、本技術を実施するにあたり当該分野の専門性を持つ医師にさらに特別な追加的経験が必要であるという判断には至らなかった。」
総合的なコメント欄のところでございますが、「全登録期間を通じて2例の登録に留まった理由として申請者らはCOVID-19診療下における登録可能症例の集積困難を挙げているが、さらに登録可能症例の増加に関する取り組みを積極的には行わなかった理由については、本技術の実施期間中に治療に用いる材料として新鮮便よりも凍結便を用いる方法が効率的かつ主流となりつつあったという当該分野での治療上背景の変化を述べている。
申請者が述べるように、凍結便を用いて本技術の手法を新たに実施することに関する意義はなおも存在するのではないかと思料するため、本技術における手法に関する有用性の有無を将来に向けて評価しようとするならば、2例の登録に留まった本技術の結果のみを議論するよりも、新たに凍結便を用いた臨床研究が、COVID-19の影響を脱した現在の環境下で適切に実施されるならばそれが望ましいとも思料した。」
また、薬事承認申請の効率化に資するかどうか等についての助言欄でございますが、「本技術からの評価や判断は「不可能」であったとの観点から、本欄のコメントはない。」
続きまして、副担当の平川構成員の御評価でございます。
有効性に関してはE、「目標症例数23例に対して、2名の登録・評価があり、うち1例に奏効が認められ、もう1例は併用禁止薬の使用により評価不能例とされた。奏効率は50%であり、95%信頼区間は1.3~98.7%であった。
目標症例数に到達していないことに加えて、2例のみの結果に基づいて統計的観点から有効性に関する評価、考察を行うことは困難であることから、判定は「その他」とした。なお、2名の登録で終了した理由については、主としてCOVID-19に対する感染対策による対象疾患の減少であると考察されている。」
安全性に関してはD、「有害事象として、1例に総胆管結石、別の1例に胆管がんが認められた。いずれも因果関係は否定されている。また、ドナーに有害事象は認められなかった。
有効性に関する議論と同様に、データ不足により集団レベルでの安全性に関する評価、考察を行うことは困難であり、判定は「その他」とした。」
技術的成熟度に関してはD、「技術的成熟度については、判断が困難であり、主担当に委ねることとした。」となっております。
事務局からの御説明は以上でございます。
○新井座長
ありがとうございました。
ただいまの御説明について、何か御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、どうもありがとうございました。
本日の議題の残りは、その他となっておりますが、事務局から何かございますでしょうか。
○医療課主査
事務局でございます。
事務局からは、特にございません。
○新井座長
構成員の先生方から何かございますでしょうか。
特にないようでございます。それでは、本日の議論は以上としたいと思います。
次回の開催について、事務局から説明をお願いいたします。
○医療課主査
事務局でございます。
次回の開催については、令和7年4月10日木曜日15時からを予定しております。いつもと開催時間が異なりますので、御注意ください。場所については別途御連絡をさせていただきます。
○新井座長
ありがとうございました。
それでは、これをもって第141回「先進医療会議」を終了といたします。
御協力に感謝申し上げます。ありがとうございました。