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2017年8月4日 独立行政法人評価に関する有識者会議 労働WG(第21回)議事録

○日時

平成29年8月4日(金)12:58~15:42


○場所

中央労働委員会労働委員会会館講堂(7階)


○出席者

今村主査、志藤構成員、関口構成員、戸田構成員、中村構成員、松浦構成員

○議事

○今村主査

 それでは、よろしいでしょうか。定刻になりましたので、ただいまから第21回独立行政法人評価に関する有識者会議労働WGを開催いたします。構成員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただき誠にありがとうございます。本日の御欠席は高田構成員、松尾構成員、三宅構成員、宮崎構成員です。

 それでは、本日の議事について事務局から説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 事務局より、本日の議事について説明いたします。本日の議事につきましては、対象法人として高齢・障害・求職者雇用支援機構になり、議題としては2点あります。(1)「中期目標期間見込評価に係る意見について」(2)「業務及び組織の全般にわたる検討の結果、並びに講ずる措置の内容に係る意見について」です。それぞれについて、若干説明いたします。

 参考資料11ページを御覧ください。真ん中辺りに、中期目標期間見込評価と付けております。高齢・障害・求職者雇用支援機構につきましては、本年度平成29年度が5年間にわたる中期目標期間の最終年度に該当します。そのため、最終年度に実施される中期目標期間終了時に見込まれる業務の実績の評価を年度評価と同様に行うこととしております。これについての意見聴取が(1)1点目です。(2)ですが、中期目標期間見込評価に加え、業務・組織全般の見直しに関する内容につきましても、本ワーキンググループの意見を賜ることとしております。

 この業務・組織全般の見直しにつきましては、先ほどの参考資料11ページ目の真ん中より下辺りに書かせていただいております。これは、独立行政法人の制度について、統括的に定めた通則法というのがあり、その法律の第35条の規定を根拠とし、主務大臣である厚生労働大臣が、中期目標期間終了時までに法人の業務の継続、又は組織の存続の必要性、その他、その業務及び組織の全般にわたる検討を行い、その結果に基づき所要の措置を講ずるもので、次期中期目標の内容に反映することを目的として実施するものです。

 なお、この業務・組織全般の見直しにつきましては、本ワーキンググループにおける議事として、明示的には含めておりません。参考資料1、別添1の開催容綱を確認いただくと、3の意見聴取の対象の中には、年度評価、見込評価、期間実績評価と上がっており、明文で、この業務組織全般の見直しは定めておりませんが、従来より、法人所管課の意見があり、御意向を踏まえ、第4号「その他1から3までに掲げる事項に関し、重要な事項」と位置付け、本ワーキングの御意見を賜ることとしております。

 本日御議論いただく2つの議題につきましては、次期中期目標、来年度からの中期目標の内容に反映するものになりますので、どうぞよろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○今村主査

 ありがとうございます。それでは、高齢・障害・求職者雇用支援機構の中期目標期間、見込評価について議論をいたします。

 初めに、国民に対して提供するサービス、その他の業務の質の向上に関する事項に係る項目別評定のうち1-1「高年齢者雇用に関する相談・援助・実践的手法の開発、啓発等について」、高齢・障害・求職者雇用支援機構からポイントを絞っていただき、ごく簡潔な御説明をお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 高齢・障害・求職者雇用支援機構です。第3期中期目標期間見込評価に係る業務実績について、資料1-1に沿って説明いたします。まず初めに、資料の構成について説明いたします。1ページ目が事業の体系で、評価項目は全部で20です。全ての評価項目につきまして、2ページ目のような表紙を付け、評価項目名、第3期中期目標期間の平成25年度から27年度までの各年度の自己評価と大臣等の評価、28年度と見込評価の自己評価、それに業務の概要を記載しております。さらに、3ページで自己評価と実績の概要として(1)数値目標、(2)数値目標に対する実績の達成度、(3)その他、定性的な取組・要素等をそれぞれ記載しております。4ページ以降に、詳細な業務実績を記載しております。

 なお、前回の平成28年度の年度評価の際の有識者会議の御指摘を踏まえ、当機構として量的・質的に高い業績を上げたと考える部分につきましては、委員の皆様に分かりやすいように、「過去最高」などと赤字で注記したり、あるいはオレンジ色に着色して記載しておりますので、御留意いただければと思います。また、説明に当たっては時間に限りがありますので、先に開催された28年度評価において説明した内容については、できるだけ省略し、法人として自己評価をAとしている所を中心に御説明したいと考えております。

2ページ目にお戻りください。評価項目1-1「高年齢者雇用に関する相談・援助、実践的手法の開発、啓発等について」です。

3ページ、この評価項目の自己評価はAとしております。

4ページ目の左側のグラフに示しているとおり、高年齢者雇用アドバイザーによる相談・援助実施件数は、平成25年度の改正高年齢者雇用安定法の施行から時間が経つにつれて、65歳までの雇用確保措置を講ずる事業主増加に伴い、相談・援助の内容に関しては65歳までの雇用確保措置に関するものが減少傾向になり、その反面65歳を超える継続雇用等の自主的な取組に関する、例えば65歳を超えてもモチベーションを持って働き続けてもらうためにはどうすればよいか、といったような個別具体的な相談・援助へと、徐々に重点をシフトしていく中において、右上の数値目標達成状況の欄にあるように、実施件数につきましては、目標の3万件を毎年度上回り、事業主からの課題改善効果が見られた旨の評価も目標70%、これも毎年度上回っております。さらに、達成度がいずれも120%を上回っております。

 次の4ページの左下のグラフですが、改正高年齢者雇用安定法の施行直前で、事業主の関心が急激に高まったという特殊要因があります平成24年度を除けば、第3期における相談・援助の実施件数は、いずれも第2期の件数を上回る結果となっております。これらアドバイザーの相談・援助は、高年齢者の雇用確保措置や、65歳を超えた継続雇用の推進に寄与していると考えております。

これに加えて5ページ目の上段になりますが、アドバイザーによるサービスの質の向上に向け、5年ごとの研修受講や企業ニーズに合わせた研修内容の拡充など、体系的に研修を実施しております。

さらに5ページの右下に示しているとおり、平成286月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」において、「継続雇用延長・定年引上げのマニュアルを本年度中に作成する」とされたことを受け、平成28年度末と限られた時間の中で、「65歳超雇用推進マニュアル」を作成しております。このマニュアルには、定年引上げを進める手順を示すとともに、現状把握のためのチェックリスト、企業事例の紹介など、制度改善を強力に進めていくための工夫を凝らしております。

 アドバイザー活動におきましては、これまで高齢者が働きやすい環境整備や、労働意欲の向上に取り組んでまいりましたが、今後は定年引上げ、制度改善に大きく舵を切っていくこととしております。このマニュアルは、アドバイザー活動の流れを変える画期的なものと考えております。

 実際にアドバイザーからは、企業へアプローチする際、大変参考になるという声があるほか、企業からも大変評判がよく、既に在庫がなくなり、25,500部を増刷したところです。以上です。

 

○今村主査

 ありがとうございます。それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。

 

○戸田構成員

 ありがとうございます。28年度の実績評価のときにもいろいろと質問して、コメント等もしましたので重複は避けますが、通期の中期目標期間を通じて自己評価をAとすることについては、妥当ではないかと考えます。

 先ほどおっしゃっていただいたように、「65歳超雇用推進マニュアル」を作られて、それを作っただけではなく、それを実際に活用して、例えばアドバイザーの業務の中でうまく活用している、あとは企業の中でも実際に、より高齢者の方を就業させるところに寄与しているところは認められるかと思いますので、やはり、そのような意味では数値目標は達成していることは、さることながら質的にもAというのは妥当ではないかと考えます。以上です。

 

○今村主査

 ありがとうございます。ほかには、いかがでしょうか。1つだけ質問です。これは前回も議論をしましたが、目標設定が高齢者アドバイザーに相談・援助件数、前年度の最終実績は41,747件に対して、目標が3万件ということについて目標設定が少し低過ぎるのではないかという議論をした記憶があります。それに対して、36,868件で122.9%で確かに120%を超えている。これは、また来期以降の議論のときに目標設定をどうするか議論になるかと思いますが、もう1つの改善効果についての評価が70%以上とある所で、前年の最終は80%とあります。

 今年度を通じて、昨年度、低めの目標設定と指摘を受けたわけですが、その辺についてはいかがでしょうか。これについて、A評価と目標設定の基準との関係でいかがでしょうか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用推進・研究部長

 先達てもお話いただいたところですが、おっしゃるようなところは、ないことはないわけです。ただ、件数につきましても改正法施行直後の関心が高まっている状態から、雇用確保措置がほぼ定着し、その意味ではアドバイザーによる働き掛けの難易度が高まった中で、いろいろな工夫をして何とか、こういった数字に漕ぎ着けたと考えているところです。

 その意味では、低めにと考えているわけでは全くありませんが、今おっしゃったような目標の設定の仕方については、今後ともと言いますか、この次に向けても、どのようなもの、どのようなことを目標にするのか。それから、その水準はどれだけ適正かといったようなことは、しっかり考えていきたいと思います。

 

○今村主査

 ありがとうございます。ほかには、よろしいでしょうか。

 

○松浦構成員

 御説明ありがとうございました。私もこの期間を通してのトータルの評価という意味では、Aが妥当なのではないかと考えます。改正法の直前に相談件数が増えることは、想定された事態だったと思いますが、その改正法そのものへの対応というよりも、高齢者雇用をどうしていくかということが、その後も継続的に検討を続けていくということが非常に重要なポイントになってくると思いますので、そういった継続的な検討に引き続きずっとコミットされたことと、コミットの背景として平成25年から研修などが体系的に実施され、アドバイザーの専門性の向上を図られたという点から、やはりこの期を通じての取組は、トータルでの評価に値するのではないかと思います。

 

○今村主査

 ありがとうございました。委員の皆様から期間を通じてAでよろしいのではないかという意見が出ていますので、その方向で取りまとめで。1つだけ気になることは、いろいろ一生懸命努力されていることは、ものすごくいっぱいよく分かるのですが、アウトカムに関する中で、指標は、このシンポジウムの満足度とフォーラムの満足度、これだけでしょうか。つまり、受講した人たち、あるいはサービスを受けた人たちが実際にどのような効果があったかを示すような指標は、ほかにはどのようなものがあるかを教えていただきたいのです。もちろん、これで結構ですが、教えていただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用推進・研究部長

 啓発関係の指標については、今おっしゃったとおりです。それから、高齢関係のサービス全体については、数字3万ともう一つ挙げている、課題改善効果がどうか、こちらで見ているところです。以上です。

 

○今村主査

 ありがとうございます。それでは、次に行きます。よろしいですか。

 次は、1-2、給付金の支給業務です。お願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 次に7ページ、評価項目1-2「給付金の支給業務」についてです。

8ページ、この評価の自己評価はBとしています。

9ページの右側の表のとおり、給付金の説明会については、目標値の150%程度の回数を毎年度継続して実施していまして、また機構本部における周知広報のための業会団体への訪問数も、数値目標を設定した平成27年度以降、毎年度数値目標を上回るなど、効果的かつ効率的な支給業務を行ったと考えています。以上です。

 

○今村主査

 では、御意見、御質問等ありましたら、よろしくお願いします。よろしいですか。

 では、特になければ、1-3に行きます。お願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 次に、10ページ、この項目から、障害者雇用支援業務に移りますが、評価項目1-3の「地域障害者職業センターにおける障害者及び事業主に対する専門的支援」について御説明します。

11ページ、この評価項目の自己評価はAとしています。

13ページ、障害者に対する支援とその効果度については、他の就労支援機関が増加する中、地域センターにおいては、他の機関では支援が困難な精神障害・発達障害等の方々を積極的に受け入れた結果、対象者数の5年推計値は、延べ159,641人となりました。そのうち、精神障害者数の5年推計値については、延べ57,029人、発達障害者数の5年推計値については、延べ34,533人で、いずれも目標を上回る見通しであるとともに、平成28年度までの実績値を見ても、毎年度過去最高を更新しています。特に支援の困難性の高い精神障害者数と発達障害者数を合わせた目標達成度については、120%を超えています。

 なお、13ページの右側のグラフの数値をベースに、発達障害者の正確な把握を開始した平成21年度からの前中期目標期間中の4年間と、今中期目標期間の4年間の数値を比較しますと、精神障害者と発達障害者の数は、55,328人から73,249人と、率にすると32.4%増加していまして、精神・発達障害者の利用者全体に占める割合については、45.7%から57.4%と11.7%向上しています。また、利用障害者に対するアンケート調査における効果度は、毎年度目標を大きく上回り、過去最高を更新しています。

 次に、主なサービスごとの実績についてですが、14ページ、職業準備支援については、右上のグラフでお示ししているとおり、支援対象者に占める精神障害者や発達障害者等、グラフで申し上げると、緑とオレンジの部分の割合が高まっている中において、発達障害者に対する体系的支援プログラムの全国実施等、個々の障害者のニーズと特性に対応した支援や、就職実現に向けた取組を行った結果、次の段階への移行率は、毎年度87%を超え、就職率についても毎年度68%を超えるとともに、達成度120%を超えています。

 次にジョブコーチ支援についてですが、14ページの下段にお示ししているとおり、支援対象者に占める精神障害者や発達障害者の割合が高まっている中において、個々の事業所や障害者のニーズや課題に応じた支援を行った結果、支援終了6か月後の職場定着率は、毎年度87%を超え、これも目標を上回っています。

15ページ、リワーク支援については、右上のグラフのとおりに、支援対象者が増加しているとともに、発達障害の傾向を有する等の支援の困難性の高い者が増えている中で、研究部門で開発した技法を活用して、個々の状況に応じた実践的な支援を行った結果、左上の表にあるとおり、復職率については、毎年度85%前後となり、目標を大きく上回っています。

 なお、14ページの右側の2つのグラフの数値をベースに、職業準備支援の就職率と、ジョブコーチ支援の定着率について、これも前中期目標期間で平成21年から平成24年までの4年間と、今中期の4年間の平均値を比較しますと、職業準備支援については、精神障害者と発達障害者の利用者全体に占める割合が、16.3%増加している中で、就職率については65.1%から69.1%に、4ポイント上昇しています。また、ジョブコーチ支援についても、職場定着に困難が生じやすい精神障害者の利用者全体に占める割合が2.8%増加する中で、定着率については86.6%から87.8%に、こちらも1.2ポイント向上しています。さらに、リワーク支援の復職率について、15ページの右側のグラフの数値をベースに前中期と今中期の平均を比較しますと、利用者数については796.1人増加する中で、復職率が82.7%から85.1%に2.4ポイント向上しています。

 支援の困難性の高い利用者を積極的に受け入れることにより、目標の難易度が高まっている中で、前中期目標期間を上回る高いレベルでの目標達成を実現したことは、評価できるのではないかと考えています。

 続いて、事業主に対する支援とその効果度についてですが、15ページの下段にお示ししたとおり、事業主のニーズに応じて積極的に支援を実施した結果、支援実施事業所数の5年推計値は、延べ9968所と目標を上回る見通しとなっています。また、事業主支援の課題改善の効果度は毎年度目標を上回っていまして、高い評価を得ています。

今まで申し上げたものの中に数値目標の達成度が120%に必ずしも達していないものもありますが、今まで申し上げた取組・実績に加えて、今中期目標期間の平成25年度から3か年の大臣等の評価がAであること、平成28年度においても多くの項目で過去最高の実績を上げていること等を踏まえて、当機構としては、この項目の実績については、120%相当であると判断しています。以上です。

 

○今村主査

 ありがとうございます。それでは、御意見、御質問、よろしくお願いします。

 委員の皆さまが考えたように数値の質問なのですが、14ページ、今、過去最高を全てで記録しているとおっしゃった中には、実は平成25年が過去最高というのもありますよね。14ページのジョブコーチ支援の推進のところで、平成25年からずっと比べて期間を通じて右下がりになっているのですが、これは何か、つまり、特別の質的なこの部分も伸びていると判断されるということですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 今中期の4年間の流れが、やや右下がりだという御指摘ですね。

 

○今村主査

 はい、そうですね。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 ジョブコーチの支援については、全体的に精神障害者の方が非常に増えていることが一番大きな要因ではないかと思っています。特にジョブコーチの場合は、精神障害者の方がこの平成25年度から平成28年度にかけて5.2%増えているのですが、この精神の定着率が4年間平均で81.3%ぐらいになっています。

 一方で、このジョブコーチの支援が効果的な知的障害者の層が、平成25年度から平成28年度にかけては2割も減少していまして、ここの知的障害者の方の定着率が9割ありますので、この10%の差がかなり大きく効いていまして、精神が増えて、知的が大きく減少したのが若干右下がりになっている要因ではないかと思っています。ただ、それぞれの定着率そのものについては、前中期に比べてはそれぞれ向上していますので、支援の厳しい環境の中でも一定の成果は上げることができたのではと思っています。

 

○今村主査

 期待どおりのお答えをありがとうございます。

 

○戸田構成員

 御説明ありがとうございました。この項目は平成28年度の実績評価のときにも申し上げたことですけれども、数値目標で120%を達成してない際にAとする際には、それなりの根拠が必要だというところで、平成28年度の評価の際にも、より支援が必要となる方が増加している中で、そういう支援が困難な中で、機構としては御努力をされて目標を達成していることを根拠にしているとおっしゃっていたかと思うのです。そこが少し、13ページの対象障害者数の推移を見ても、増加はしているということなのですけれども、やはりこれを見て、なかなかAとまで言えるのかというところは、もう少し説明が必要なのではないかと思います。過去の評価を見ても、平成26年度以前に関しては評価基準が違いますので、今の基準で見ますと平成26年度以前ではAのものは普通今回の評価基準ではBと見なすものですので、やはりそういう意味では、Aと付けられるのであれば、もう少しより困難になっていることを数字ももちろん重要ですが、それ以外にももう少し説明がないと、説得力に欠けるのではと考えます。以上です。

 

○今村主査

 ありがとうございます。ほかには、いかがですか。

 

○松浦構成員

 資料を随分分かりやすくしていただいて、ありがとうございました。戸田構成員もおっしゃっいましたけれども、御専門のお立場ですと発達障害、精神障害の方々が増えた大変さもある程度実感としてお分かりになるのだと思うのですが、恐らくそういうことがあまりよく分かっていない一般の立場からすると、そこの大変さを少し具体的に説明していただくほうが理解しやすい気がいたします。実際、そういう現場にいたり、そういう研究をしてきたわけではございませんので、その大変さをもう少しかみ砕いて御説明いただけると、より分かりやすいのかなと。ただ、この期のトータルの評価という意味では、過去の評価結果ですとか、これまでのお取組を見る限り、Aということでも不適切な判断ではないと思います。ただ、一般に大変さを御理解いただけるような工夫がもう少し必要なのではないかと思います。よろしくお願いします。

 

○今村主査

 関連ですね。どうぞ。

 

○中村構成員

120%以上がAであるということで見ると、確かに何か説明すべきであるというのはごもっともなのですが、80%に対してのものとなると、96%まで確保しないと120%いかないわけですよね。ですから、頑張って頑張って頑張った上での数値目標というのは、我々も検討する必要があるのかなという気がしておりまして、80に対しての119%というのは、ほとんど合格点だろうと考えまして、私はAが妥当ではないかと思っております。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 私どもの苦労ぶりをうまく表現するのは、本当に勉強させていただいて、次回以降、もう少し評価していただけるような作りをしていきたいと思っています。

 取組の中で1つだけ御紹介させていただくと、今中期は14ページにあります、就職等に向かう次の段階への移行の促進の中で、発達障害者の支援のところで、オレンジ色にしているこの発達障害者に対する体系的支援プログラムを、特に今中期としては力を入れておりまして、25年度からこのプログラムを全国実施してまいりました。内容としては、より発達障害者の方の特性に応じて、やや不足しているスキルをしっかり身につけて、あとは実習なり、企業での職場体験と組み合わせながら、発達障害者を支援するというプログラムなのですが、ちょうど前中期の平成21年度から24年度ですと、この発達障害者の就職率というのは62%程度でした。今中期の25年度から28年度の平均では、67.6%ということで、発達の方も、非常に就職支援が難しい、また支援の困難な層ではありますけれども、このプログラムを導入することによって、5.4%ポイント引き上げることができておりますので、こういった当機構の特徴でもある研究開発の部門と実践の部門がうまく連携して、実績を上げることができた例として御紹介させていただきます。

 

○今村主査

 それで、ちょっと増えていることに関することで14ページの対応なのですけれども、オープンイノベーションかクローズドイノベーションかという話なのですが、独立行政法人の場合、どうしてもクローズドになりやすい。何を申し上げたらいいかというと、地域やNPOとか協同組合とか、同じようなことを目的としている組織がいっぱいあるわけですよね。そういうのとどのようにコラボレーションしていくかということは、とても重要な今後の見通しだと思うのです。つまり、増えているから全部ここで抱え込んで大変だ大変だと言っているだけでは、これはクローズドイノベーションの悪い例だと思うので、いかに地域にノウハウを解放して、お互いに、エコシステムという言葉を使っているのですが、非常に組織同士の連携を保ちながら、増えていく問題を解決しないことには、ここだけでずっと引き受けていくということは、将来破綻する危険もあるわけで、そういうことをお考えになって、是非検討していただきたい。

14ページのジョブコーチ支援の推進の一番下に、「地域センター、社会福祉法人等のジョブコーチ等が協同支援を実施し、地域センターのジョブコーチが」とありますが、組織とかプラットフォームをお作りになって増えた人間に対して対応していくというような、そういう新しいオープンイノベーション的な試みもあってもいいのではないか。これはあくまでも意見でございます。是非御検討いただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 今回のこのテーマでいいますと、次の1-4がまさしく地域の支援機関に対して、私ども専門機関として助言・援助をするという取組でございます。役割分担としましては、どうしても地域の支援機関というのはまだまだ発達、精神の支援ノウハウがまだまだ不十分ですので、むしろ身体、知的など、従来の手法でできるところは地域の支援機関にお願いして、地域の支援機関で困難だというケースは特に私どもに回していただいているということになりますので、地域においては一定の役割分担がきっちりできていると思っております。

 

○今村主査

 幾つか数値的には疑問があるものの、努力については評価をしたいという御意見だと思います。どうもありがとうございました。次は1-4です。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 次に16ページ、評価項目1-4「地域の関係機関に対する助言・援助等及び職業リハビリテーションの専門的な人材の育成」について御説明いたします。

17ページになりますが、この評価項目の自己評価はBとしております。

18ページになりますが、関係機関に対する助言・援助について、支援を実施した関係機関数の5年間の推計値は延べ9,351所でありまして、毎年度過去最高を更新しております。また、関係機関へのアンケート調査の有用度につきましても、毎年度達成度120%を上回っております。

 職リハに関する実務的研修の実施回数やその有用度についても、毎年度目標を上回りました。

19ページですが、障害者就業・生活支援センター職員研修とジョブコーチを養成するための研修の実施回数につきましては、毎年度数値目標を達成しております。また、研修受講者への有用度調査と、研修受講者及び所属長への追跡調査につきましても、それぞれ毎年度、数値目標を上回っております。

このほか、平成28年度には、就労支援の裾野拡大に伴う多様な研修ニーズへの対応を図るための階層的な研修体系の再構築を行うとともに、身近な地域での受講機会の拡大を図っております。以上です。

 

○今村主査

 ありがとうございます。では、御意見、御質問をお願いします。

 先ほどの質問の続きなのですけれども、エコシステムというような発想からいくと、ここはBなのですけれども、違った組織同士のコミュニケーションをするようなことを前提とした人材というのは、機構の中には特に意図して育てていらっしゃるのかどうか。講習会をしたらそれでノウハウを移転したねではなくて、もっと横のつながりを促進したりとか、こことここはうまく付けたらもっとうまくいくのではないかとか、地域全体を見通して、結果的には機構の負担が軽くなるということなのですけれども、そういう発想を育てていらっしゃるかどうかということだけお伺いできればと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 この研修とか、セミナーといった形で、ノウハウを伝授したり、個別に助言・援助するという業務もありますけれども、機関同士のネットワークを高めていくという意味では、私ども地域センターが中心となって、例えば精神障害者の就労支援の協議会とか、発達障害者にも協議会がありますけれども、それぞれ地域の支援機関だけではなくて、精神の場合ですと、医療機関とか、あと学校関係、こういった方々も一緒に入っていただいて、年間3回から4回各地域でやっています。そういう協議会の中で、しっかり顔の見える関係が構築できているのではないかと思います。

 

○今村主査

 是非そういう触媒の役割も引き続きお願いしたいと思います。ほかにはありませんか。次は1-5、職リハの所です。よろしくお願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 次に20ページの評価項目1-5の「職リハに関する調査・研究、技法の開発」についてです。

21ページになりますが、この評価項目の自己評価はAとしております。

22ページの調査・研究につきましては、終了した調査・研究に対する外部評価において、終了した21テーマ全てにおいて全ての評価委員から4段階中2段階以上の評価をいただき、うち8テーマにつきましては、全ての委員から「優れている」という最上位の評価をいただいております。

23ページ、職リハ技法の開発についてですが、発達・精神・高次脳機能障害者に係る先駆的な支援技法の開発を行っております。また、開発した技法の早期活用に向けて、地域センターに対して実施する支援技法普及講習を、当初の3年に1回から2年に1回に増加して、実施箇所数は平成26年度の25か所、平成27年度は20か所、平成28年度は26か所となりまして、いずれも達成度120%を上回る実績となっております。さらに、支援現場のニーズに基づき、複数の障害別講座を組み合わせた実施方法とするなどの工夫を行う等、内容の充実を図っております。

24ページになりますが、職リハ研究発表会を、それぞれの年度で7か所又は8か所開催するとともに、関係学会での研究成果の発表件数につきましても、平成26年度以降、いずれの年度につきましても、達成度120%を上回っております。また、研究・開発成果の普及・活用の取組に関しまして、マニュアル、教材、ツール等の作成については、平成25年度以降24件作成して、既に中期目標値を上回っておりますが、5年間の推計値は29件ということで、達成度という意味では145%を見込んでいます。以上です。

 

○今村主査

 ありがとうございます。御意見、御質問をお願いいたします。

 

○戸田構成員

 御説明ありがとうございます。職リハに関してもやはり、先ほどの話でも、障害者の方が増えて、支援されている方が増えているということからも考えられるように、非常に社会的にも重要性が増しているという中で、着実に進められているという印象を持っております。

1つ御質問は、職リハの技法のここは研究についての評価をする項目ですが、機構はこれまでいろいろ新しい技法を開発しようと取り組まれているということは、理解されているのですが、今後の話に向けての質問です。今、いろいろな技法の開発ですとか研究を進めている中で、今課題として感じていること、これからもう少しこういったテーマについては取り組まないといけないですとか、あと、まだまだこの部分については研究開発が不十分であるというようにお考えになっている点について教えていただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構研究企画部長

 研究につきましては、20ページの職リハに関する調査・研究の実施の所で、重点目標を4つ立てておりまして、特に発達障害、精神障害、高次脳機能障害、難病、こういった支援が難しいと言われているところについて、重点的にやっていくということが必要だと認識しています。また、研究といいましても、研究報告書だけを作ってもなかなか理解していただけないということがありますので、できる限り分かりやすいものを作る、マニュアル化する、ツール化するといったことも含めて、職リハの技法を広めていくといったことが重要だと考えております。

 

○戸田構成員

 すみません。追加といいますか、ちょっと質問の角度を変えて御質問させていただきたいのですが、確かにそういうマニュアル等を通じて普及させると、ただ、研究として終わらせるだけではないというのは、重要な観点かと思います。やはり、今後の5年間の中期計画目標の中での評価を検討する上では、まだまだ研究をもう少し進めていく必要があるとお考えなのか、それとももう研究についてはある程度未知なこともなくて、あとは実際に実践でどう運用させるかですとか、そういうところが課題なのかというところについて教えていただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構研究企画部長

 実際のところ現場で困っているといった話は多々ございますので、ここで十分だということはないと考えております。実際に地域センターのほうで重点化しているというお話を先ほどからさせていただいておりますけれども、そういった支援困難者に対して、これからもしっかりと続ける必要があると思っておりますし、例えば28年度の研究でいいますと、22ページの上から2つ目の所で、「保健医療、福祉、教育分野における障害者の職業準備と就労移行等を促進する地域支援のあり方に関する研究」ということで、他分野との連携とか地域の連携、こういった分野についても、これからも続けていかなければいけないということを含めて、全体としての職リハを円滑に押し進めていく必要はあるだろうと考えています。

 

○今村主査

 今のに関連しての質問なのですが、学会等での発表件数は20件が目標で、最近値は34件ということで、何人で発表していらっしゃるのですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構研究企画部長

 研究員として、実際30人程度おります。その中に20件という目標を設定した理由が、全体を総括している研究員、研究主幹、統括研究員がおりますけれども、それらを除いた者が前回の中期目標を設定する際、大体21名でした。それで各自1件ずつやるといったことを考えています。また、研究員の出身につきましても、研究を専門にしている者もいますけれども、半数以上が職業カウンセラーということで、研究を専門にしていないということがありますので、そういった観点から、前回の設定の20件というのは妥当であったのではないのかなと考えています。

 

○今村主査

11件ぐらいということですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構研究企画部長

 はい、それを目標としております。

 

○今村主査

 目標設定の仕方については、次期に向けて議論するとして、それでは次にいきたいと思います。今度は1-6です。お願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 次に、25ページの評価項目1-6「障害者職業能力開発校の運営」について御説明いたします。

26ページになりますが、この評価項目の自己評価はAとしております。

27ページですが、特別支援障害者に対する職業訓練、就職促進における定員充足率95%以上、特別支援障害者の定員に占める割合50%以上という目標につきましては、積極的な募集周知を図ったことで、定員充足率は毎年度97%を超えて、数値目標を上回ったことに加えて、定員に占める特別支援障害者の割合は、毎年度過去最高を更新しまして、平成27年度、他の障害者校が3割程度であったのに対して、これは4年間の平均ですが59.6%ということになっておりまして、27年度以降につきましては、達成度120%以上となっております。

 それから、訓練修了者等の就職率は80%以上という目標につきましては、特別支援障害者に対する施設内訓練と企業内訓練を組み合わせた、特注型企業連携訓練等の実施や、企業のニーズと訓練生の障害特性に応じた訓練カリキュラムの充実を図っております。また、就職促進の取組として、企業に積極的に働きかけるとともに、地域センターと一体的に就職支援を実施しております。この結果、右側のグラフにありますように、前中期目標期間の平均では、定員に占める特別支援障害者の割合が49.4%、就職率が86.8%だったのに対しまして、今中期におきましては、特別支援障害者の割合が高まり、6割を超えてきた中にあって、就職率の4年間の平均が89.8%と、前中期目標の平均を3ポイント上回り、達成度が110%を超えたことは、難易度が高い目標をクリアしたものと考えております。

 次に、28ページになりますが、指導技法等の開発・普及についてです。精神障害者及び高次脳機能障害者への先導的な職業訓練で得られた指導技法等を取りまとめた実践マニュアルの作成、障害者校等への普及を行いまして、アンケート調査による開発成果の有用度は、平均で92.3%と、毎年度数値目標を上回っております。

 そのほか、特別支援障害者の訓練機会を更に広げられるよう、他の障害者校等の職業訓練指導員を対象とした、指導技法等体験プログラムを実施し、有用度が4年間平均で97.7%ということで、高い評価を得ております。さらに、他の障害者校等における専門訓練コースの設置・運営の支援を平成25年度から本格実施しておりまして、個別のニーズを把握して、訓練計画の助言や、OJTによる指導技法等の提供、あるいは訓練開始後のフォローなど、4年間で障害者校6校、一般校に対しましても5校で実施しております。これによりまして、5校において、新たな訓練コースを開設又は開設予定ということになっております。

こちらにつきましても、数値目標の達成度は、120%を超えていないものもありますが、これまで申し上げたような取組実績を踏まえまして、当機構としては、120%相当の実績であると判断しております。以上でございます。

 

○今村主査

 ありがとうございます。御意見、御質問をお願いします。

○戸田構成員

御説明をありがとうございました。確認の質問なのですが、この項目もAですので、やはり数値目標が120%を達成していない際には、やはりそれなりの理由が、説明が必要であると考えているのですが、やはり機構としてA として評価されている根拠を、ポイントだけもう一度御説明いただけますでしょうか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 ただいまの御説明にもありましたように、特別支援障害者の割合が非常に大きく伸びているところにもかかわらず、就職率が対前中期よりも拡大しているところが、簡単に言うとポイントかなと思っています。御説明にもありましたが、27ページの右の棒グラフがありますが、第2期においては、赤い所、定員に占める特支者の割合というのが、5年間平均で49.4%です。第3期の4年間では59.6%ということで、構成比において10.2ポイント増えているということは、構造的にかなり変化が生じているというように私どもは理解しています。その中で、就職率は先ほど第2期は5年平均で86.8、第3期で89.8、ちょうど3ポイント拡充しています。特に難しい層としては、精神障害者の方の訓練後の支援というのは、非常に難しいところがありまして、精神障害者だけで、この5年、4年の動きを見ますと、第2期の平成20年度から24年度においては、精神障害者の方の就職率が78.5%でした。それが今中期4年間では、86.2%まで引き上げていますので、我々の中でも、できる限り支援のノウハウを高めながら、難しい方にも有効な訓練を実施することによって、就職率が下がることなく、3%上げることができておりますけれども、この辺りは、私どもとしましては十分Aの価値があるのではないかなと考えております。

 

○今村主査

 簡単な質問なのですけれども、定員に占める特別支援障害者の割合が増えたことで、資源の配分がどのぐらい偏ってきたという、具体的な。つまり、それ以外の、従来からやっている構成比から比べると、特別障害者の割合が増えた、だから大変だということなのですが、それに係る人工数といいますか、人員配置で特に大きな障害、この場合は課題ですが。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 精神の方とか発達の方のコースというのは、当然設けてはいるのですけれども、できる限り精神や発達の方でも一般の訓練コース、例えばCADとか、通常のコースにできるだけ行っていただくように、支援をさせていただいています。ですので、通常の県立の訓練校とは違いまして、入る段階では、希望が若干あやふやでも、導入訓練と申しまして、当初に、実際、訓練課題をやっていただいて、この方であれば、別に発達のコースにいかなくても、こちらのCADのコースでいけるのではないかというのを、個別に11件判断しまして、それぞれ訓練させていただいていますので、その構造が変わったからといって、訓練のコースの人員のばらつきが出るということは特にはないです。

 

○今村主査

 見かけ上の数値ほどは、障害者の負担は大変ではないというようには話は受け取れますよ。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 現場では、いかにして発達や精神の方の特性を理解しながら、発達、精神の専門コースではない、より就職のしやすい本当にスキルを身につけるコースに行っていただくかということは大変苦労しております。

 

○今村主査

 あと、すごく単純な質問なのですが、2627Bで、28も仮にもしBだとすると、その前の主張では過去全部AだったからAだというように御主張されましたので、それと同じ論法でいくと、半分以上がBだとすると、そこはちょっとAにはなりにくいなということは、前提としておっしゃっているということでよろしいですか。仮にですが。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

28年度の指標がですか。

 

○今村主査

 そうです。仮にです。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 全体を見て、また評価していただけるのではないかなと思っております。

 

 ○今村主査

 よろしいですね。では、次にいきたいと思います。1-7をお願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

29ページです。評価項目1-7の「障害者雇用納付金の徴収及び障害者雇用調整金、報奨金等の支給業務」についてです。

30ページになりますが、この評価項目の自己評価はAとしております。

今中期目標期間における最大のミッションは、平成27年度から新たに適用対象となる常用雇用労働者数100人超200人以下の事業主への対応でした。適用拡大対象事業主は、資力や事務処理能力、情報収集力等において、大企業と比較して脆弱な面があると懸念されまして、納付金制度への理解や徴収が難しいことが想定されました。そのため、31ページの左側に示すとおり、適用拡大対象事業主の周知に向けた取組を重点的に実施しました。平成26年度と27年度には個別訪問を合計で34,619件実施しまして、納付金制度の説明を行ったほか、平成27年度と28年度には目標を大幅に上回る回数の事業主説明会を実施しまして、特に申告・納付の直前となる平成27年度第4四半期に重点的に説明会を開催しております。

 このほかにも、収納に向けた取組として、平成28年度には申告事業所数が前年度の22,000件から48,000件と、倍増以上になる中で納付督励等を積極的に実施しまして、例年の2倍以上となる2,300件超の電話督励を行っております。こうした取組によりまして、常用雇用労働者200人超の事業主で、毎年度収納率99.8%以上となったほか、平成28年度から新たに申告・納付が開始された適用拡大対象事業主の収納率につきましても、「今中期目標期間、最終年度までに99%以上」という目標にも関わらず、初年度である平成28年度から99.86%という高い実績を上げて、中期計画の所期の目標を1年前倒しして達成しております。

 この収納率の実績に関しまして、国が直接徴収業務を実施している平成27年度の国税徴収の収納実績は97.33%、それから労働保険徴収における100人から299人の事業規模の収納率が99.38%ということを鑑みれば、99%の目標設定が困難度の高いチャレンジングな目標であったと考えまして、1年前倒しして達成したことは高く評価されるべき実績ではないかと考えております。

 収納率においては数値目標が高いことから、計算上120%を達成することが不可能であるわけですが、今申し上げたような取組実績を含めて、当機構としては120%相当の実績があると判断しております。以上になります。

 

○今村主査

 ありがとうございます。御意見、御質問をお願いいたします。

 

○関口構成員

 非常に取組の結果が出ていて、その点については大変評価をしている部分なのですが、投入コストの部分が若干気になりまして、平成26年度、27年度でどのぐらいの人員を押さえたりとか、いろいろなところでコストが投入されていると思います。平成26年度で実績が上がって、平成27年度以降はまた更にいろいろな、電子納付システムを利用されたりとか、そういったところに誘導されたことで更に高い実績を上げられたのかと思いますが、平成26年度に掛けられたコスト、それから、平成27年度、28年度に掛けたコストで、どんなところで工夫されたのか、お分かりの範囲で結構ですから、教えていただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構納付金部長

 コストにつきまして、詳しい資料をお持ちしていないのですが、基本的には嘱託職員を増員したということがあります。業務については支部の高・障業務課が担当しておりまして、これは障害・高齢を兼務していて、この中で業務を工夫して、平成27年度、28年度については納付金業務のほうに業務をシフトして対応したところです。

 

○今村主査

 今の御質問を数値的に言うと、平成27年度から急速に707回、平成28年度に601回と増えている。これは、目的、因果関係は、徴収率へのアウトカムですか。講習会の数を増やしたアウトカムは徴収率ですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構納付金部長

420回が説明会の目標です。これは次年度に向けて、23月の概ね8週間の間に集中して説明会を開くものです。平成27年度707回というのが平成28年度に向けてやっていることとなります。

 

○今村主査

 アウトカムは平成28年度来ていると。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構納付金部長

 平成28年度は拡大から1年経っており、拡大が終わっているので、平成29年度に向けた説明会ですので、601回という形になっています。

 

○今村主査

 これは前年度も議論になっていますが、収納率99%というのは意見が2つに分かれていて、大変チャレンジングだと、機構のおっしゃるとおりだという方と、もともと達成しやすいから、これはこういう収納率になっているのだろうという、昨年の議論がありまして、全く分かれているわけですね。そうすると、今の707回というのは今年度は減っているわけですね。99.97%から99.82%に減っている。マイナス0.15ですから。そういう意味での因果関係としては、投入しても余り伸びないと。つまり、そもそもここはサチュレート、飽和はしているという収納率は何かという、昨年の議論が生きてくるような気がするのですが、いかがでしょうか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構納付金部長

 平成27年の99.97%は200人超の規模の大きい所での数字で、順調に99.93%、99.96%、99.97%と伸びてきました。平成28年度につきましては、新しく100人超から200人以下に拡大したということで、対象事業主数も倍以上に増えた中で99.82%という実績を出した。これは前年度の707回の説明会、新規の事業主向けに260回を追加してやっているものでして、通常であれば週1回程度、8週間で47の都道府県で、380件程度行うのが通常なのですが、支部の高・障業務課のほうでかなり無理して回数を増やしてやった結果、99.82%と、初年度の平成28年度から実績を出したと考えています。

 

○今村主査

 では、400回であれば98%に落ちたかもしれないということですね。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構納付金部長

 その可能性はあると思います。

 

○今村主査

 そういう微妙なところで均衡しているという機構の御説明ですね。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構納付金部長

 はい。

 

○戸田構成員

 ありがとうございます。関口構成員の質問でも関連するのですが、資料31ページ、評価の視点の(5)に「専門性の向上と業務の効率的かつ効果的な実施に努めているか」という観点がありまして、この効率性という観点から、機構として取り組まれていることについて御説明いただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構納付金部長

 まず、こちらの(5)ですが、納付金制度については自主申告、自主納付でして、これは3年に1度調査し、確認をすることになっております。それで、まず最初に(調査を行う担当職員を対象とした)研修会を開いております。また、2年目以降を対象とした経験交流会を開いております。その中で、またコンプライアンスが重要ですので、その業務もやっております。さらには、例えば、フォローアップ研修といって、実際に本部から支部に出向いて行って、やり方とかそういうものを見ながら、伝えながらOJTの形式で効率化を図っています。

 

○今村主査

 罰則規定はありますか。納入しない場合には。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構納付金部長

 資料を提出しない場合については30万円以下の罰金となる場合があります。それだけです。立入調査権とかそういうものはないです。

 

○今村主査

 よろしいですか。次にいきたいと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 次、32ページです。評価項目1-8の「障害者雇用納付金に基づく助成金の支給業務」についてです。

33ページですが、この評価項目の自己評価はBとしております。

現地調査等による確認を要する助成金を除く1件当たりの平均処理期間を第3期中期目標期間の最終年度には、30日程度とすることが数値目標となっておりますが、処理期間は毎年30日以内となっていて、目標を上回る実績を達成しております。以上になります。

 

○今村主査

 いかがでしょうか。特に御意見がなければ次にいってよろしいですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 次に、35ページです。評価項目1-9の「障害者雇用に関する各種講習、相談・援助、実践的手法の開発、啓発等」についてです。

36ページになりますが、この評価項目の自己評価はBとしております。

37ページの右下の表ですが、数値目標のある就労支援機器利用率につきましては、地方説明会を新たに開催する等、一層の普及・啓発に取り組み、目標である60%以上を毎年度上回る実績となって、機器の貸出事業所数も前中期を上回る水準で推移しております。また、左上の障害者職業生活相談員の資格認定講習につきましても、受講者数が毎年度過去最高を更新するとともに、各科目の質を向上させる等の取組を行った結果、講習修了者へのアンケートにおける有用度が平均で97.6%と、高い評価を頂いております。

 さらに38ページですが、実践的手法の開発・普及としまして、事業主が雇用の具体的なイメージを持つことができるよう、新たに精神障害者及び発達障害者の雇用ノウハウに関する動画や、高次脳機能障害者の障害者雇用コミック版マニュアル等を新たに作成しまして、ホームページ等を通じて事業主に情報提供をするとともに、障害者雇用事例リファレンスサービスについて内容の充実を図っております。以上になります。

 

○今村主査

 ありがとうございます。いかがでしょうか。これはBということですね。

 つまらないことなのですけども。38ページの左上に漫画があって、下の右に「働く広場」の表紙に絵があります。かなり似通っています。こういう傾向の描画家を採用していらっしゃるという判断は。つまり、何が言いたいかと言うと、特定の方に依頼しているのかということです。競争入札という言い方は変ですが、極端なことを言えば、特定のチャネルに一括に丸投げでお願いしているか、あるいは、個々にちゃんと責任を持って選択しているのですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用開発推進部長

 マニュアルの作成につきましては、シナリオという形でこちらのほうで用意して、それを入札公募で、オープンな形で編集とか、漫画の執筆者も含めた形で企画を御応募いただくと、そういうことでやっております。

 

○今村主査

 では、「働く広場」の編集は全く別に発注していると。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用開発推進部長

 それは別です。

 

○今村主査

 ありがとうございます。

 

○志藤構成員

 すみません。勉強不足で申し訳ないのですけども。就労支援機器の普及啓発の所なのですが、これは具体的にどういったものがあるのか、教えていただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用開発推進部長

 多くが視覚障害者向けと聴覚障害者向けの機器になるのですが、視覚障害者向けですと、拡大読書器とか画面読上げソフトといったものです。それから、聴覚障害者の方ですと、聞き取りやすくするための対話支援ソフトです。それ以外にも、下肢障害の方や発達障害の方向けの、ノイズを排除できるようなヘッドホン、そういったものを各種用意しています。

 

○志藤構成員

 それをそちらの機構のほうでお持ちになっていて、必要な方に貸し出すということですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用開発推進部長

 そうですね。業者さんと契約をして、御提供いただく、それから、リースという形で業者さんから借りているもの、買い取ったもの、幾つか種類がありますが、そういった形で、機構が持っているものを事業主の方にお貸しするものです。

 

○志藤構成員

 事業主の方がそれを借りて、そして、職場で雇用するときにそれを使うわけですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用開発推進部長

 そうですね。職場実習という形で、雇入れ前、それから、雇入れ直後に、その方に合うかどうかも含めて、お試しで基本半年間、最大でもう半年間、1年間貸出しをしていただいて、その方に合ったもの、それが事業主さん、それから、当事者の方に合えば、それをまた別の形で購入していただく、そういう流れです。

 

○志藤構成員

 システムとして分かりました。その上での質問なのですけども、60%というのは、何となく数字としては100%常にそれがいろいろな所で活用されて、使われて、それで、それをきっかけに、こういうものがあればこういう方の雇用が割とできやすいかと御理解いただいて、それが促進されるツールだと思いますが、それを60%としておられる理由がもしあれば。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用開発推進部長

100%になってしまうと隙間がなくなってしまって、先ほどの話で、貸出し期間が最大1年となるので、100%だと待機期間が非常に長くなってしまい、必要なときにお貸しできない状況にもなってしまうので、一定の余裕というのか、そこを見込んで機器を用意していると。当然、種類によっては常に100%の状態でお貸ししているものもありますし、あと、少し余裕があるというのは、ソフトに対して一般のパソコンというのも、ソフトとセットで端末を用意しているので、そこの部分に少し余裕があって、貸出しの利用率がその分少し低くなるような構図になっております。

 

○志藤構成員

 よく分かりました。だとすると、これは多分、数値目標としてパーセントを書くのに、値すると言うと変な言い方ですが、ふさわしい項目かどうかをお考えになったほうがいいのではないかという気がしました。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用開発推進部長

 御指摘ありがとうございます。次期中期目標に向けて、率がいいのか、それとも貸出し件数とか、数字のアウトプットのような目標がいいのか、それも含めて検討したいと思います。

 

○志藤構成員

 是非そうなさったほうがよろしいと思います。

 

○今村主査

 今の御指摘は、正に同じことで、以前、所沢の高・障機構のほうにお邪魔したのです。そういう素晴らしい機器を開発されて、高い集積度を持っていらっしゃるのに、なぜそれが普及しないのかと、既に疑問に思っています。ですから、もうちょっと目標設定を工夫されて、そして、できるだけ安いコストで民間に御利用していただく、機構のそういうノウハウがちゃんと普及していくような、是非そういう数値目標を検討していただければと思います。

 

○関口構成員

 特例子会社について質問させていただきたいのですけれども。37ページの「障害者雇用エキスパートの役割」という所で、平成25年度から28年度までの相談・援助実施件数が提示されています。36ページの「考慮すべき要素」の所では、設立の所でも、エキスパートの方が効果的にサポートされていることも、1つの役割として求められているように読み取れるのですけれども。例えば、平成28年度の1,739件のうちで、設立に対してどのぐらいサポートされていたのかとか、それから、設立したのだけれども、それに対して個別に運用ですね。運営がうまくいくまではある程度の月日が必要だとは思いますが、そこに対して継続的にサポートされてきたのかとか、大まかで結構ですから、その辺りは実績としてどういった形で関与されているのか、お分かりの範囲で結構ですから、お教えいただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用開発推進部長

 ありがとうございます。まず、平成28年度を見ますと、エキスパートでの相談・援助件数が1,739件と申し上げました。そのうち特例子会社に係る相談は110件になっております。それ以上の内訳が設立に係るものなのか、運営後の状況に関するものなのかという、細かいものはありませんが、承知している限りで申し上げると、やはり設立に関する相談ですね。今、親会社も含めて雇用率の達成を求められている中で、どういう形で障害者の雇用率を達成しようか、その手法として、特例子会社をどういう形で作ったらいいのか、仕事をどう切り分けて任せるのかといった相談が多いと承知しています。

 

○今村主査

 よろしいですか。次にいきたいと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 次に39ページ、評価項目1-10の「障害者技能競技大会(アビリンピック)の開催」について御説明します。全国と地方のアビリンピックを開催するほか、平成27年度については国際アビリンピックに選手を派遣しております。

40ページになりますが、この評価項目の自己評価はBとしております。

41ページの右側ですが、全国アビリンピックにつきまして、競技種目を障害者の能力開発及び雇用・就業動向等を踏まえた種目に重点化するなど、効率的かつ効果的な大会運営を実施した結果、来場者へのアンケート調査による障害者の職業能力・雇用に対する理解が深まった旨の評価は、いずれの年度も96%以上と目標を大きく上回り、特に平成28年度については98.7%と過去最高となっております。また、国際アビリンピックの派遣選手に対して、専門家による強化指導・支援を実施して、金賞2人を含む延べ11人の選手が入賞しております。また、地方アビリンピックの競技種目数については毎年度増加しておりまして、平成28年度に過去最高となったほか、参加選手数も前中期目標期間の実績を大きく上回る水準で推移しております。以上になります。

 

○今村主査

 ありがとうございます。御質問、御意見等はありますか。具体的な質問なのですが、増えた背景は何なのか。参加の助成金が増えたのか、あるいは、何か特別な要因があるのか。参加者に対しては補助金とかは支給していらっしゃるのでしょうか。これは完全に自腹、手弁当ですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用開発推進部長

 アビリンピックの参加者につきましては、全国大会のほうで特別支援学校の方が参加しやすい、ビルクリーニングとか製品パッキングとか、そういったものを実施しており、地方大会でも、全国大会で実施することによって、地方予選として各都道府県単位でやっておりますので、全国大会を目標に地方でも競技を実施するということで、全国を目標にした広がりができているのではないかと思います。

 

○今村主査

 それが山形県370人の背景と。分かりました。よろしいですか。これで1-10までが終わりました。ここで法人出席者の入替えをいたします。5分程度休憩を取りたいと思います。時間が若干押しておりますが、2728分ぐらいまでにはお戻りいただければと思います。よろしいですか。

(休憩)

 

○今村主査

 それでは再開させていただきます。続いて、「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」のうち、1-11「離職者訓練について」、法人からポイントを絞ってごく簡潔な御説明をお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

42ページ、この項目から、職業能力開発事業になります。評価項目1-11「離職者訓練について」御説明いたします。

43ページ、この評価項目の自己評価はAとしております。

44ページにお示ししているとおり、訓練開始時からの段階的できめ細かな面接指導や、ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティング等による就職支援を重点的に実施した結果、右上のグラフのとおり、訓練修了者の訓練修了後3か月時点の就職率は毎年度過去最高の実績を更新し、80%以上の数値目標を大きく上回っております。質的な面でも、離職者訓練はものづくりの知識・経験のない方に6か月という短い期間で、企業が必要とする即戦力として養成していく訓練であるにもかかわらず、44ページにお示しているとおり、毎年度事業主団体や企業等へのヒアリング等を実施し、企業のニーズを踏まえた訓練科・訓練カリキュラムの見直し等を行った結果、常用労働者の割合が毎年度最高の実績を更新し、平成28年度については81.6%の高水準を達成しており、44ページ右側の「訓練修了者活躍事例」にあるとおり、企業が求める人材を的確に供給できているのではないかと考えております。なお、訓練科の設定に当たっては、ものづくり分野を中心に当該地域において民間では実施できない訓練を実施し、成長分野、建設分野、女性の就業促進を図るための訓練コースの実施施設の拡充を行っております。

数値目標の達成度については120%には達しておりませんが、今まで申し上げた取組・実績や、平成25年度~平成27年度までの大臣評価がAであったことを踏まえ、当機構としては120%相当の実績であると判断いたしました。以上です。

 

○今村主査

 では御意見、御質問等ありましたら、よろしくお願いいたします。これは前期末が84.8%で、今期に入って、先ほどおっしゃったように、ずっと右肩上がりで常に前年度を上回っているということで、よろしいですね。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 はい。

 

○今村主査

 特になければ、次に行きます。1-12をお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 次に46ページ、評価項目1-12「高度技能者養成訓練」についてです。

47ページにあるとおり、この評価項目の自己評価はAとしております。

48ページでは専門課程及び応用課程の修了者のうち、就職希望者の就職率95%以上という高い数値目標が設定されているところを、年間の授業時間の約65%を実技・実習に充てた実学融合のカリキュラムを設定するとともに、ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングの実施等、的確な就職支援に取り組んだ結果、右上のグラフのとおり、平成28年度において過去最高の99.5%となるなど、毎年度目標を大きく上回る実績となっております。中期目標期間中の就職率の平均値については、前中期目標期間の97.3%に対して、今期については99.3%であり、2%、就職率の平均の実績が向上しており、現時点においてはほぼ100%の就職率を達成しているほか、常用労働者の割合についても、同様に毎年度ほぼ100%という実績になっております。

また、発達障害を想起させる等の特別な配慮を要する学生に対して適切な就職支援を行うため、職業能力開発部門と障害者雇用支援部門が一体となって調査研究を実施し、支援のヒントとなる事例を数多く掲載した、現場に即したガイドの「訓練・学習の進捗等に特別な配慮が必要な学生の支援・対応ガイド」を作成しております。このガイドの活用及び地域センター等との連携の結果、平成28年度においては修了生のうち、特別な配慮が必要な学生が72名いる中で、そのうち70人を就職・進学させるなど、法人としてのシナジー効果を最大限に発揮し、就職困難度の高い者に対しても適切な対応をしたと考えております。

そのほか、ものづくり産業における技術動向や、企業から聴取した地域の人材ニーズ等に対応した訓練カリキュラムの見直しを随時行い、地域産業から求められる人材育成をし、採用した企業からも高い評価をいただいております。加えて49ページ下段にお示ししているとおり、共同・受託研究についても、前中期目標期間中の実績を上回り、毎年度100件程度実施しております。実際に地域の農産物加工会社から依頼を受けており、農産物の外皮の剥離装置を開発するなど、地域の中小企業が抱える課題解決等に貢献し、この共同研究についてはマスコミにも取り上げられております。

数値目標が高いことから、計算上達成度が120%に達することが不可能である中、今まで申し上げたような取組・実績を踏まえ、当機構としては120%相当の実績であると判断しております。以上です。

 

○今村主査

 御意見、御質問等いかがですか。

 

○戸田構成員

 御説明ありがとうございました。項目1-11と同様で、こちらもA評価というところについては、妥当なのかなと考えております。次期の中期目標に向けてのコメントですが、就職率は、先ほど御説明ございましたようにほぼ100%に達しているというところは、就職していない方の属性を見ると分かっておりますので、今後は、例えば実際に就職された方に対して、その企業がどう評価しているか。あとは、これは可能かどうか分からないですが、その就職された方がその後職場で定着しているかといった、別の観点も少し考慮されて、その中で訓練の内容を見直すとか、そういうこともあってもいいのではないかと思いました。この点はコメントとさせていただければと思います。以上です。

 

○今村主査

 労働市場の状況がここのところ良好なわけですが、そもそも90何パーセントという高止まりなので、そういう労働市場の好転しているインパクトというのはどのぐらい考えられますか。余り関係ないですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 当然この間、雇用情勢は良くなっていることはございますが、そういう要素が全くないとは考えておりませんが、今まで申し上げたような当機構のいろいろな取組、これが就職率なり、常用労働者の割合上昇というものにつながっているものと考えております。

 

○今村主査

 ありがとうございます。はい、どうぞ。

 

○松浦構成員

 就職率がかなり高くなっているということもさることながら、先ほど今村主査がおっしゃいましたように、やはり労働市場の影響がそれなりに反映されている面があると思われます。例えば平成21年が大体どのグラフも底になっていて、そこから上がっていく傾向にあるのは、恐らく2008年のリーマンショックで労働市場が一気に悪化したのが、その後改善してきた影響を受けている部分もあるのではないかと思いました。ですから、その中で労働市場の影響だけではなくて、機構さんの御努力によって就職率が改善したという部分を、どのように目標として設定して、遂行していっていただくべきかという観点からすると、先ほど戸田構成員からもご指摘がありましたように、やはり就職率という目標では限界があるのではないかという気がいたします。目標設定のところで、今後知恵を絞っていく必要があるのではないかと思っております。感想になりましたが、以上です。

 

○今村主査

47ページのその他考慮すべき要素の3番目の○で、「産業構造の変化や技術革新等を踏まえ、自然エネルギーの利用技術などの電気に関する」とありますが、今後の産業構造の変化を見据えながら、メニューを引き続き不断の努力で改善していかれるということで、積極的な労働市場的な発想で対応されるということを期待しております。どうもありがとうございました。次は1-13よろしくお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

50ページの評価項目1-13「在職者訓練、事業主等との連携・支援」についてです。

51ページで、この評価項目の自己評価はBとしております。

52ページにありますように、受講者及びその事業主それぞれに対するアンケート調査の結果等を、訓練カルテにより分析し、訓練コースの改善等に取り組んだほか、人材育成ニーズに即した訓練コースが提供できるよう、事業主団体等と共同した訓練コースの開発等を行い、更に平成27年度からは施設の枠を超えた指導員の専門性の有効活用による多様な訓練コースを提供した結果、毎年度受講者数が増加するとともに、アンケート調査で、役に立った旨の評価を90%以上から得るという数値目標について、受講者について99%前後、事業主についても98%弱ということで、目標を大きく上回る実績となっております。また、指導員派遣、施設設備貸与など、事業主が行う人材育成の支援も行っております。以上です。

 

○今村主査

 これについてはいかがですか。特になければ、次に進んでよろしいですか。では1-14をお願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

54ページの評価項目1-14「指導員養成、訓練コースの開発、国際連携・協力の推進」についてです。

55ページで、この評価項目の自己評価はBとしております。この評価項目には数値目標がないため、取り組んだ内容をまとめております。

56ページにあるように、職業訓練指導員を養成するハイレベル訓練を平成26年度に創設し、実施しております。また、職業訓練指導員の技能等を向上させるスキルアップ訓練を実施するとともに、地方の受講者の受講環境を整備するため、引き続き全国の公共職業能力開発施設を実施場所とする出前型研修等を実施しております。加えて57ページにあるように、職業能力開発に関する調査・研究を行い、その成果をホームページで公開したほか、全都道府県において産官学が連携した地域コンソーシアムの構築・地域の特色をいかした様々な訓練コースの開発、民間教育訓練機関や教育訓練サービスの質の向上の支援や厚生労働省等からの要請に応じた開発途上国への支援等を行っております。以上です。

 

○今村主査

 それでは御意見、御質問をお願いいたします。一つだけ、ちょっとこれはアウトカムとしてどうかという、若干の疑問です。56ページのそもそもハイレベル訓練とか、スキルアップ訓練というのは、これは指導員のレベルを上げるということですよね。ところが、このスキルアップ訓練、受講者の満足度、つまり指導員が満足したというようなのです。これは最終的には訓練を受ける人たちが指導員がスキルアップをして、良かった良かったと思うのではないかと、思うのですが、いかがですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長

 公共職業訓練部です。今おっしゃられたとおりでして、訓練の質といいますか、内容を評価する一つの指標として、満足度というのを設定しておりまして。満足度の結果を踏まえて、訓練の内容を見直すことにも使っております。確かにほとんど100%になれば、これは一番ベストではないかとは思うのですが、やはり中には訓練の内容をもう少しこうしてほしいとか、そういう意見も取り入れて、この満足度としております。今後少しこの辺はまた検討したいと考えております。

 

○今村主査

 恐らくそういう最後の末端のアウトカムまでの連携が必要になるかと思います。是非、御検討をお願いいたします。

 

○関口構成員

 私もよく分からないところがありましたので、教えていただければと思うのです。国際連携協力の推進のところで、二点です。実際に直接的に海外から研修員、あるいはということで訓練指導員を受け入れたということが一つ。それから国あるいはJICA等が実施した国内研修、これは、海外の方を対象とした国内研修に対して、機構から専門家を派遣されたということで、よろしいのですか。それであればということなのですが、正式名称等は忘れてしまったのですが、例えばハイダーであるとか、ああいったところも別にあると思うので、そこと機構がこれからされることの住み分けとか、優位性というか、専門性というか、どういうふうに今後考えていらっしゃるのかという辺りについても、簡単で結構ですので教えていただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構総務部長

 まず、国内研修の講師としてということで、25人職員を派遣ということですが、これは対象者は海外から来られた方に対して、機構の職員を講師として派遣しているということです。他の機関との棲み分けといいますか、優位性ということで御質問ありましたが、やはり機構は、ものづくり訓練ということが中心でそれに特化しておりますので、その辺りを中心に国際連携協力をできればと考えているところです。

 

○今村主査

 では、次に行ってよろしいですか。1-15をお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

58ページ、評価項目1-15「効果的な職業訓練の実施、公共職業能力開発施設等」について、御説明いたします。

59ページで、この評価項目の自己評価はBとしております。この評価項目には数値目標がないため、取り組んだ内容をまとめております。

地域連携人材育成強化支援事業等を通じ、都道府県や業界団体をはじめとした関係機関等に対して、機構のノウハウや資源を活用した支援を実施するとともに、毎年度約3,500事業所に対するヒアリング調査により、人材ニーズを把握する等、PDCAサイクルによるカリキュラム等の適切な見直しを行っております。また、成長が見込まれる分野としてICT、環境・エネルギー等に関連する訓練コースを新たに開発したほか、女性の就業ニーズ等に対応した訓練コースの開発・普及を図り、その実施施設の拡充を図るとともに、平成27年度から託児サービスの提供も開始しております。以上です。

 

○今村主査

 何かありますか。コメントだけですが、60ページの右下の一番下に、先ほどお話のあった、「女性職員を中心としたプロジェクトチームを組織し」と以下あります。女性の就業ニーズで、特に就業環境が整っていない女性に対してやはり訓練のニーズは高いと思いますので、是非このニーズ把握を実施した後、これはきちんと組織の活動に反映されるようなルートも確保していただければと思います。では時間も押しておりますので、1-16に行ってよろしいですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

62ページの評価項目1-16「求職者支援制度に係る職業訓練認定業務等」についてです。

63ページでこの評価項目の自己評価はBとしております。

訓練実施機関が抱える訓練運営上の課題の改善のために、機構独自の創意工夫の取組として、機構が有する職業能力開発及び就職支援のノウハウを基に、「求職者支援訓練サポート講習」を全国の都道府県支部で実施しております。そのほか、機構の職業能力開発ノウハウをいかした「カリキュラム作成ナビ」をホームページでの公開や、認定申請に係る相談等を通じて訓練実施機関に提供し、訓練カリキュラム作成の支援を実施するとともに、不正防止の徹底を図るため、訓練実施機関に対する定期的な実施状況の確認を確実に行っております。以上です。

 

○今村主査

 御意見、御質問はいかがですか。よろしいですか。では、次に行きます。1-17をお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

65ページの評価項目1-17です。こちらは高・障・求各業務に共通する事項をまとめた評価項目です。

66ページで、この評価項目の自己評価はBとしております。この評価項目には数値目標がないため、取り組んだ内容をまとめております。

法人統合によるシナジーの一層の発揮に向けて、職業能力開発部門と障害者雇用支援部門が共同し、「訓練・学習進捗等に特別な配慮が必要な学生への支援・対応ガイド」をまとめ、機構職員を対象とした研修に加え、都道府県や民間教育訓練機関等の職業訓練指導員も対象とするスキルアップ訓練として、専門的研修を実施し、機構内外でノウハウが広くいかされるよう努めたほか、コンプライアンス研修の実施や、外部通報窓口の設置準備等、内部統制充実・強化を図りました。そのほか、都道府県支部単位としての一体的な広報やメールマガジンの発行を開始するとともに、情報セキュリティ対策を確実に実施しております。以上です。

 

○今村主査

 御意見、御質問等ありますか。よろしくお願いいたします。一応念のため、シナジー効果がしっかり発揮できるように、引き続き66ページにも赤字で書いてございますが、スキルの共有化をしっかりとお願いしたいと思います。ここで一応1-17まで終わりました。

 続いて、業務運営の効率化に関する事項、財務内容の改善に関する事項について、議論をしたいと思います。先ほどと同様の流れで、法人からポイントを絞って、ごく簡潔に御説明いただき、その後質疑応答ということでお願いいたします。それでは2-1からお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

69ページの評価項目2-1「効果的・効率的な業務運営体制の確立、業務運営の効率化に伴う経費の削減等」について御説明いたします。

70ページでこの評価項目の自己評価はBとしております。

本部の管理部門について、旧能開機構との統合後、3年以内に19名の削減を実現しております。また、一般管理費を平成24年度と比べて平成29年度までに15%以上の額を節減する数値目標に対して、既に18.2%の節減を行っております。業務経費についても平成24年度に比べて、平成29年度までに5%以上の額を節減する目標に対し、平成28年度において4.7%節減を行っており、平成29年度において目標を達成する見込みです。そのほか、地方施設の移設・集約化や調達等合理化計画に基づく、一者応札・応募の改善等に取り組んでおります。以上です。

 

○今村主査

 御質問、御意見をどうぞ。

 

○戸田構成員

71ページの下側に、一者応札・応募の占める割合のグラフが載っております。平成28年度で18.8%、その一者応札や応募があるということですが、具体的に主なものは、一者応札・応募になっているものは何ですか。その点教えていただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構経理部長

 一者応札で多いのは、訓練用機器の購入の関係と訓練の委託を地方において行っていますが、その関係が多くなっております。あとは機器等の保守・点検業務、これらが一者応札の多い主なものです。

 

○戸田構成員

 ありがとうございます。訓練等の機器ですと、やはりそういったものを取り扱っている企業なり、業者なりが限られているという、そういう背景があるという理解で、よろしいですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構経理部長

 はい、そのとおりです。高度な訓練を行っておりますので、それに対応する訓練機器は非常に特殊なものが多くなっております。そういった関係で、製造メーカーが限られているといった点もありまして、そのように一者応札になる可能性が高くなっております。

 

○今村主査

 よろしいですか。それでは次に行きたいと思います。3-1、お願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

72ページ、評価項目3-1「財務内容の改善に関する事項」について御説明いたします。

73ページで、この評価項目の自己評価はBとしております。この評価項目には数値目標がないため、取り組んだ内容をまとめております。

不要財産等の処分について、既存の計画に基づき、平成28年度までに98件の職員宿舎の処分を行っております。雇用促進住宅については、主に地方公共団体への入居者付き譲渡に取り組み、平成28年度からは入居者付き民間売却に着手しました。売却環境が整った物件を東西ブロックに区分けし、一括売却する一般競争入札を行った結果、西ブロックについて売却しております。以上です。

 

○今村主査

 いかがですか。ほかになければ、次をお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

75ページ、評価項目4-1「その他業務運営に関する重要事項」について御説明いたします。

76ページで、この評価項目の自己評価はBとしております。

数値目標については人件費予算の節減に関するものになっており、平成24年度と比べて平成29年度までに5%以上節減という目標を達成しております。そのほか、積極的な職員募集により人材確保に努めております。以上です。

 

○今村主査

 御意見、御質問等お願いいたします。よろしいですか。では、ありがとうございました。それでは続いて、法人の監事及び理事長から、中期目標期間における中期目標の達成状況等を踏まえ、今後の法人の業務運営等について、コメントをいただければと存じます。最初に、法人の監事から、続いて法人の理事長よりお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構監事

 それでは、まず監事から。本機構は従前より適正かつ効率的に業務を実施してきたと認識をいたしております。今後とも、業務が適正かつ効率的・効果的に遂行されますよう注視をしていきたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

 

○今村主査

 ありがとうございました。次は、理事長からお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長

 理事長の和田でございます。本日は、有識者の皆様方から多くの貴重な御意見、それから御指摘をいただきまして、誠にありがとうございます。当機構は第3期の中期目標期間を通して、高齢者・障害者・求職者等の総合的な雇用の支援を行う専門機関としまして、常に法人統合のシナジー効果による取組も行いながら、常に国民の皆様の立場に立って、利用者本位のサービスを提供して、相応の貢献を果たすことができたのではないかと自負しております。また、働き方改革等の政府の重要方針にも、当機構関連の内容が多数盛り込まれておりまして、引き続き当機構が果たすべき役割というのは重要であるというふうに認識しております。次期中期目標期間におきましても、こうした政府の方針や法改正等に的確に対応して、役職員一丸となって業務運営を進めていくという所存でございます。最後に、業務を効率的・効果的に推進するためのガバナンス強化とか、PDCAによる目標管理の徹底、それから内部統制の整備、情報セキュリティ確保等についても遺漏がないように整備して参る所存でございます。簡単ではありますが、私のコメントとさせていただきます。

 

○今村主査

 ありがとうございました。それでは、ただいまの御発言内容について、御意見、御質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。よろしいですか。

 では、続いて高齢・障害・求職者雇用支援機構の業務、組織全般の見直しについて、議論していきたいと思います。初めに、見直し内容について、法人所管課からポイントを絞って、簡潔に御説明いただき、その後に質疑応答という流れで進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○職業安定局雇用開発部雇用開発企画課長

 見直し内容ということで、資料1-3と資料1-4が関係資料ですが、内容的には両方とも同じで、資料1-4については背景事情を最初に書いているという違いですが、あとは同じ内容ですので、主に資料1-3を使って説明いたします。背景事情について、まず資料1-4を御覧ください。

 最初の10数行にわたって、見直しに当たっての背景事情です。現在、御案内のとおり、少子化・高齢化の進行により、本格的な人口減少社会が到来するという見通しになっています。このような中、昨年に一億総活躍プランを策定し、また今年の3月に働き方改革実行計画が策定されています。これらにおいても、若者、女性、高齢者・障害者等の働く意欲と能力を持つ全ての人々が活躍できるような社会の実現、あるいは技術革新と産業界のニーズに合った能力開発の推進といったものが掲げられているところです。高齢者・障害者雇用に対する専門的な知識及び技術に基づく支援ですとか、民間では実施が困難な職業訓練といったことは、確実に高齢・障害・求職者雇用支援機構において担っていただきたいと考えているところです。あとは資料1-3と資料1-4と同じ内容ですので、字の大きい資料1-3を御覧いただければと思います。

 まず、事務・事業の見直しです。1番目として、高齢者等に関する雇用支援業務です。先ほど申し上げたように、一億総活躍プラン、あるいは働き方改革実行計画において、将来的に継続雇用年齢や定年年齢の引上げを進めていくということが非常に重要である。そのための環境整備が不可欠であるという形で指摘をされています。ここには書いておりませんが、2020年、平成で言えば32年ですが、そこまでを集中取組期間と設定されており、その間はしっかりとした取組が求められているということです。見直し当初案として3本の柱を立てています。1番目は、事業主等に対する専門的・技術的支援に係る体制の整備です。これまでも高年齢者雇用アドバイザーによる相談・援助は行ってきたわけですが、更にこれに加えて、企業に戦略的にアプローチする、あるいは具体的な制度改善の提案を行うといった積極的な関与を行い、しっかりと65歳以降の継続雇用、あるいは65歳までの定年の引上げに対する支援を拡充することが1番目の柱です。2番目の柱は助成金の関係で、65歳超雇用推進助成金というものが現在はありますが、この助成金について、しっかりと周知広報を図るというものです。これは当然のことですが、効率的かつ適正な支給事務に努めるといったことを機構に実施していただきたいと思っております。3点目は、地域全体の気運の醸成です。これまでも様々な取組を機構において実施しているところですが、65歳超雇用推進マニュアルの内容の充実、あるいは優良事例の選定・表彰制度の見直しといったものを行い、またその優良事例の横展開を行います。そのための情報提供機能の強化を図るということを機構にやっていただきたいと思っております。また、継続雇用延長や定年引上げ等に特化したシンポジウム、それだけではなくて様々なやり方はあろうかと思いますが、それらの開催を行い、しっかりと啓発・広報活動の充実を図ることに機構に努めていただきたいと思っています。目標設定についても、しっかりとここの部分はどういった効果があるかを検証できるような目標を設定していきたいと思っています。

 続いて2ページは、障害者に係る雇用支援業務です。これも一億総活躍プラン等において、障害の有無に関係なく、希望や能力、適性等に応じて活躍できる社会が必要であるということが記載されております。特に、先ほど来機構からも説明があったように、障害特性に応じた支援が必要である、精神障害者や発達障害者に対する就労支援が非常に重要なミッションとして考えられると思っています。見直し当初案として3本の柱を立てております。1本目として、これも先ほど来の議論になっていますが、精神・発達障害者に対する就労支援の充実です。地域障害者職業センターによる支援を更に充実させることはもとより、機構だけで何とかしようというのはかなり無理があるということがあるので、支援のノウハウが不足しているような地域の就労機関に対する助言援助も含めて、地域全体で障害者を支えていくことを目指していきたいと思っています。また、企業に相当程度頑張っていただきたいというのもありますので、次の2点を掲げています。まずはジョブコーチの養成研修の拡充です。障害者でも働いている方に寄り添って支援することが、ジョブコーチの任務にありますが、ジョブコーチの質的な向上、あるいは研修機会の拡充を図ってジョブコーチ自体を増やしていくことを、2本目の柱として掲げています。また、民間企業において障害者雇用管理の経験等を有している人材の人材情報を登録し、事業者が自ら課題に応じてそれらの方々から実務的な助言・援助を受けられる体制を作ることを、3番目の柱として掲げています。

 次のページは職業能力開発です。機構においては、ものづくりを中心に民間にできるところは民間にというコンセプトの下に、これまでも職業能力開発行政を担ってきていただいているところですが、第4次産業革命、いわゆるIoTAI、ビッグデータといったものに対応した訓練の改革が求められているということです。働き方改革実行計画とか、あるいは未来投資戦略2017といったところにも、中小企業等の生産性向上に向けた人材育成を支援することが重要だと掲げられており、機構においてもこれらの政府方針に沿った取組を担っていただきたいと思っております。見直し当初案として、5項目を掲げています。まず、1番目は、中小企業等に対する生産性向上に向けた人材育成支援の強化です。金融機関等と連携した相談支援の強化とともに、ものづくり分野における在職者訓練の拡充、あるいは民間機関を活用して、生産性向上支援訓練を積極的に実施することを担っていただきたいと思っています。また、第4次産業革命に対応した訓練カリキュラムの開発にも尽力していただくとともに、IT力強化のための訓練カリキュラムを中小企業等の生産現場で働く方々のためにもということで、しっかりと開発していただき、民間機関等を活用して訓練を実施する、その普及を図ることを1番目の柱として掲げています。2番目の柱として、先ほども機構の業務として説明のあったことの引き続きの実施ということですが、育児をしながら働くことを希望する女性、あるいは子育てから仕事への復帰を目指す女性等が受講しやすい訓練コースの充実を図る、あるいは託児サービスの提供等により訓練を受講しやすい環境の整備を推進することも担っていただきたいと思っています。3番目の柱も引き続きの実施ということですが、地域の産業ニーズ等を踏まえた人材育成の推進です。当然のことですが、PDCAサイクルをしっかりと徹底し、訓練コースについては不断の見直しを行う、地域の実情に合った訓練内容となるようにしっかりと見直していくことが掲げられています。また、これも従来から実施していることではありますが、地域の企業・業界団体・民間教育訓練機関あるいは自治体としっかりと協議し、それぞれの強みに応じた役割分担を決めていくことも必要かと思っています。次の柱は、実際に訓練機関で指導するのは訓練指導員ということですが、訓練指導員についても時代の要請に合わせて質の高い訓練指導になるように、しっかりと質の向上を図っていかなければいけないということです。訓練指導員の確保に向けて、訓練指導員の魅力等の周知の強化を図るとともに、訓練指導員の専門性の向上を図るのは当然のことですが、それに加えて最新の技術に対応できるような訓練指導員の方を活用と。任期付きの職員の方の採用も含めて、しっかりと取り組んでいただきたいと思っております。能力開発の最後の所ですが、障害者職業訓練における先導的役割の発揮ということです。やはり民間にできないもので第一に掲げられるのは、この部門だと思います。障害者の職業訓練における先導的な役割を、今後ともしっかりと果たしてもらいたいと思っています。

5ページは、共通事項として組織・運営の見直しです。見直し案として4つ掲げています。1番目が業務運営体制についてです。先ほど機構からも説明があったように、雇用促進住宅の譲渡・廃止ということで努力していただいているところですが、これも平成19年の閣議決定に基づいて、平成33年度までに全て譲渡・廃止を完了することとされています。引き続き機構におかれては努力をしてもらいたいと思っています。また、これはもう言わずもがなですが、不断の見直しを行い、効率的・効果的な業務運営にしっかりと努めていただきたいということです。2つ目の柱は、情報セキュリティの強化です。我が省の所管団体でも情報漏えい問題が起こっていますが、そのような問題が起こらないように、しっかりと情報セキュリティ対策をハード面及びソフト面で不断の見直しを行って、しっかりと強化していただきたいと思っています。3つ目は、これも政府全体の方針ということなのですが、インフラ長寿命化計画の策定です。厚生労働省においては、平成27年にインフラ長寿命計画(行動計画)を作っていますが、その中には水道、病院、あるいは能力開発施設といった施設について、しっかりと点検診断を行い、インフラとして維持できるように建替え、補修等も含めてやっていけということが計画に入っているわけですが、機構においても点検、診断を順次やっているということですので、平成32年度までに個別の施設計画を策定して、施設の効率的な維持管理を図っていただきたいと思っています。

 最後ですが、不要資産の処分、国庫返納です。職員宿舎の見直しに関する実施計画は平成24年に行革担当大臣の決定ということです。それを受けて、不要資産とされた職員宿舎については、現段階で用途廃止は行っていますが、国庫納付が可能な場合には国庫納付を行うことを考えていただければと思います。以上が見直しの骨格ということで、さらに中期目標の設定においては適正なアウトプット、アウトカムの設定に向けてしっかりと検討していきたいと思っているところです。以上です。

 

○今村主査

 ただいまの御説明について、御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。

 

○中村構成員

 当初案について評価するものですが、ここのスキーム上仕方ないのかもしれませんが、背景としてあるところの文章の中に、全体として高齢者とか、我々がここで対象としているものに対して、こういう機会を与えるとか、技能を付けるとか、何とかボトムアップするということで一生懸命努力されているのです。しかし、高齢者うんぬんを考えたときには、既に高い技術、能力を持つ優れた高年齢者をリスペクトして、更にというところが抜けていると思うのです。是非それを入れてほしいと。優れた技能を持っている人は、再度ITを勉強させるとかしなくても、十分に活躍できるような土壌があるはずですから、そこを踏まえた上で、更に人材を育成していくというような視点で書かれるのであるならば私は大賛成です。以上です。

 

○職業安定局雇用開発部雇用開発企画課長

 御指摘はもっともだと思います。少し言葉が足りないところがありますので、そういう点をしっかりと踏まえて見直しをしていきたいと思います。

 

○戸田構成員

 全体的なところから申し上げますと、今回見直しということで第3期の中期目標計画の中で、いろいろと機構が取り組まれたところの中で、課題とかできていないことも含めて、次期の中期目標をどうするかという議論のたたき台の文章だと理解しています。書いてあること自体に特に異論はないのですが、見え方として「見直し」と言えるような内容なのか、つまり、これまで機構はいろいろと高齢者、障害者、求職者に関して諸々の取組をしていて、かなり実績を上げているということで、そこを引続き機構の業務を推進していくというようなニュアンスは受け取れるのですが、例えば機構が抱えている課題に対してもう少しこの点は進め方として見直しをするというようなことを書かないと、そもそもこういう文書を見る人間からすると、見直しをしているのかという疑いも掛けてしまうと。言葉としては少し失礼な言い方で大変恐縮ですが、そういう観点から課題というところ、引き続き機構として重要な業務を推進していくという観点は重要なのですが、その中でも課題とか、まだまだ機構としては十分に取り組めていないことも併せて書きつつ、それに対してこういうことも観点として見直しをしていくというような書き方にしたほうが、より何を言わんとしているかということは伝わるのかなと思いました。この点も是非ご留意いただければ幸いです。

 

○職業安定局雇用開発部雇用開発企画課長

 御指摘ありがとうございます。確かに、こういう課題があるというのをしっかりと書かずに、見直し当初案ということで書いておりまして、御指摘のように、これまでの機構に担っていただいているミッションの引き続きの部分が多いというのは事実です。見直し案ということで提示するというのが慣例になっていましたのでこういう書き方になっているのですが、新しい部分も幾つかあるのですが、確かにこの部分が新しいというのをしっかりお示しするように、今度の中期目標の改訂においては、この骨格を基に肉付けをしていくということですので、肉付け作業のときにしっかりと分かるように書いていきたいと思っております。

 

○関口構成員

 障害者に係る雇用支援業務についての所です。御説明にもあったと思うのですが、自分の大学だけではなくてほかの大学でも教える機会があるわけですが、卒業時に就職をするというところで、非常に発達障害系の学生の割合が増えてきているというのを感覚として持っています。本人が認めているいないにかかわらず、少し心配だという学生が、ここ10年ほど増えてきているという感想を持っており、そういったところで機構の業務になるのかどうかというのは私は分からないのですが、今日の御報告にもありましたように、機構で教えている学生に対するケアがあったかと思いますので、そういったノウハウも是非いろいろと公表していただいたりとか、そういったことをまとめていただいて、広く私どもが全て共有できるようなことも考えていただければ、大変うれしいなと。そういった御経験を非常に持っていらっしゃると思うので、その点の期待も込めてというところで、本当にコメント程度ですが、今のお話をお伺いして思ったところです。以上です。

 

○職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課長

 障害者雇用対策課です。今、御指摘の発達障害者への支援対象が大きな課題であるという認識については、今回の文書の中では2-1に大きくは含まれているものと考えておりますが、実際に目標などを作っていく際には、御指摘も留意して考えてまいりたいと思います。

 

○戸田構成員

 今の点に関連してですが、御説明していただいた資料の中では4ページの最後の○の「障害者職業訓練における先導的役割の発揮」という所に、そのニュアンスに近いことは書いてあるかと思うのですが、機構は高齢者と障害者と求職者という幾つかの部門を兼ねているということですので、そういう意味ではシナジー効果をしっかりとはっきりしていくということは、今でもいろいろ取組をされていて、シナジー効果が出るような取組をされているということは理解しておりますが、今後も引き続き、是非機構としても御検討いただいて、ほかにもいろいろな観点があるかと思いますので、例えばここでは障害者職業訓練という、職業訓練の話と障害者というところを掛け合わせて議論しているわけですので、そういう観点も含めてシナジー効果をより追求していくという項目は、4ページの障害者職業訓練の所に加筆するのか、この資料の5ページの業務運営体制の所に加筆するのかはお任せいたしますが、そういうところもきちんと書いていただくと、より機構として持っている強みを更にいかしているというような印象を与えることになると思いますので、是非そういうことも検討していただければと思います。以上です。

 

○職業安定局雇用開発部雇用開発企画課長

 御指摘ありがとうございます。今の中期目標においてもシナジー効果について目標設定しているわけですが、我々としては引き続きその点を、業務の共通的なところで組織運営とは少し違うと思うのですが、業務の共通的な目標として、次期についても設定していきたいと思っております。

 

○今村主査

 構成員の方の意見が一段落したところでお伺いしますが、ないものねだり的なことを言えば、そもそもこの分野というのは省庁を超えて考えなければいけない問題が多いので、しかも機構の中だけで解決できるという問題ではないかと思うのですが、AIとかIoT、いわゆる第4次産業革命といったことに関して、どこまで対応できるかというのは、機構の中だけでやるという目標設定の仕方では限りがあるということは前提で申し上げますが、文脈としてどうかなと思ったのは、3ページにある見直し当初案の「中小企業等に関する」という所で、「第4次産業革命等」と書いてあって、「働く者のIT力強化」と書いてありますが、これはITを利用する力なのか、ITに負けない力なのか、その辺の御説明をお願いいたします。

 

○参事官(人材開発政策担当)

 御指摘ありがとうございます。○の一番最後の矢印の所をおっしゃっていると思いますが、ITと考えたときに、IT産業そのものの高度化という観点と、ITのユーザーサイドとして技術を使いこなすというところがありまして、この最後の部分は「使いこなす」という意味でのIT力の強化ということです。

 

○今村主査

 主に機構の対象というのは、中小企業がメインと考えてよろしいでしょうか。

 

○参事官(人材開発政策担当)

 おっしゃるとおりです。

 

○今村主査

 そうすると、中小企業の現場でITやいろいろなものが普及してきて、中小企業の場合には設備を丸っ切り入れ替えて働き方が変わってしまうということも可能性として大いにあり得ますよね。そういうことに対しても柔軟に対応できるだけのIT力ということでしょうか。

 

○参事官(人材開発政策担当)

 それにつきましては、実際の実態を見ながら、中小企業に実際に取り入れられるものを訓練として埋め込んでいこうという発想です。

 

○今村主査

 これはJILPTの調査ですが、ITによって代替される職種がいろいろありますが、そういうものに機構として対応できることは何なのか。つまり、今おっしゃったIT対応力でいいのかと思いますが、そういうところに向けての訓練体制の整備ということですが、ITによって奪われるおもてなし系とか、そういう部分をどのようにシフトしていくかとか、具体的な。

 

○参事官(人材開発政策担当)

 機構の場合は基本的にものづくりが中心なので、ものづくりの分野の中で、いわゆる技能の部分だけではなくて、そのプラスアルファのところでいろいろなことがあると思うのですが、そういうことも念頭に置いた上での、この部分ですと在職時訓練を中心とした対応を考えているということです。

 

○今村主査

 もちろんそうなのですが、いわゆるインテグラル型というのでしょうか、モジュールでぽんぽんと取り替えるのではなくて、従来の日本のものづくりの、膝を突き合わせて皆でものをつくるというスキルの部分が、かなり代替されていく危険があるのではないか。そういう部分についてはどうなのでしょうか。

 

○参事官(人材開発政策担当)

 具体的に個別のケースについては、総論としては書きにくいところがありますので、個別のユーザーごとに実際にどういうことができるのかということを、現場を見ながら考えていくと。それについては、もちろん念頭に置いています。

 

○今村主査

 そのようにシナリオはいろいろなことが考えられて、非常に不確実な部分はありますから、そこのところはきめ細かく、可能性を大いに踏まえて考えていただければと思います。

 たまたま授業で“THE WORLD WE MADE”という本を使っていまして、2050年の人がどのように地球を作ってきたかという話を書いて、あくまでも架空の話です。2050年というのは極端ですが、1年、2年という単位ではなくて、5年後、10年後に、どういうスキルが、どういう産業構造でどのようになるか、ものづくりの分野で柔軟に可能性をいろいろと捉えて、シナリオをお書きいただければと思います。

 

○参事官(人材開発政策担当)

 この中で民間機関等を活用というのも、要は外部の力も使いながらということを念頭に置いておりますので、正に主査がおっしゃるような方向を同じように考えているところです。

 

○今村主査

 この講演でハマグチさんなども言っていますが、企業という組織に頼らないで自分でやっていく人も出てくると思うのです。それが、広い意味でのものづくりの中でどのぐらいのシェアを形成していくかというのも、今後の見通しがよく分からないところで、あくまでも中小企業の枠を守ればいいのか、あるいは新しく個人として起業していく人たちをどのように取り入れるとか、いろいろな可能性があると思うので、その辺は柔軟に考えていただければと思います。お願いいたします。

 もう1つ、同じページの「子育て女性が活躍する社会の」という○にありますが、そこに、あくまでも「女性等が受講しやすい訓練コース」と書いてあるのですが、私どもが以前に調査したら、女性が活躍している職場と活躍できていない職場というのを見ると、活躍している職場というのはIoTとかAIとまではいかないのですが、いわゆるB to Bとか、コンサルティングといった、高度なICTスキルなどを持った職場での女性というのは、非常に活躍されています。一方で、対人社会サービスとか、労働集約的な職場では、どうしても活躍できていないということは、受講しやすい訓練コースではなくて活躍しやすい訓練コース、そういった職種、業種を見据えた上で訓練コースを用意するという発想も必要なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。ものづくりという限定があるので難しいでしょうか。

 

○参事官(人材開発政策担当)

 それにつきましては、むしろ次の「地域の産業ニーズを踏まえた」という形でやっていますので、一般的に、実際に現場で必要なものだというものについては、現場ニーズを踏まえながら、その場に合ったものをこれからも引き続き作っていくところですので、ここら辺は合わせ技で見ていただければなと思います。

 

○今村主査

 あともう1つです。これから、ますますAI化やIoT化が進んでいくと、GOOGLEなどの職場を見ても分かるように、対人関係、コミュニケーション力、特に感情的な部分を含めての職場対応力、人的対応力というのは非常に必要になってくるのですが、それは、ものづくりの範疇ではないとは必ずしも言えないと思うのです。ものづくりの現場でも、広くソフトウェアとかシステムなどをものづくりと考えれば、そういう部分でのクリエイティブな創造力、イノベーションの力というのはコミュニケーション力に依存することがますます多くなってくるのですが、そういう意味での訓練というのはどのようにお考えでしょうか。

 

○参事官(人材開発政策担当)

 今おっしゃったような観点では、橋渡し訓練であるとか、実際にコミュニケーション能力は難しい方もおられますので、それももちろんコースの中に入れ込んで考えていますので、それも引き続き我々としても進めていきたいと思っております。

 

○今村主査

 是非よろしくお願いいたします。

 

○志藤構成員

 今村先生の話を伺ったので余計なことになるかもしれませんが、私がやっている仕事の中で認知症というものもあるのですが、大きな流れとして、認知症は病気というよりその人の個性であるというように、流れが大きく変わりつつあります。そういう意味で考えると、高齢であること、障害をもっていることが当たり前のことであって、その方々が活躍できる社会がくるということが当たり前だと考えれば、本当に最先端のことをやっておられるわけですので、細かな一つ一つの御苦労というのは本当によく分かりますし、心から敬服いたしますが、ある種の志というか、これが日本という国を大きく変えていく1つの切っ掛けになるというような視点からの取組を是非お願いしたいと思います。

 

○職業安定局雇用開発部雇用開発企画課長

 先生のおっしゃることは本当にごもっともだと思います。そういう高い志を持って、次期中期目標の設定もしていきたいと思います。

 

○今村主査

 これは既に御発表の中でおっしゃっていたので繰り返すこともないと思うのですが、1ページの一番最後のシンポジウム等の開催等についてをかなり柔軟に考えていくとおっしゃっていたのですが、大学でもアクティブラーニングとかPBLなど教育手法が変わっています。だから、アウトカムを受講者に対して定着させるのであれば、一方的な受動的なシンポジウムのような教え方ではなくて、ワークショップ型の教育手法もたくさんありますので、できるだけそれを受講者にアウトカムとして定着させるという手法も、教育手法のほうも御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

○松浦構成員

 気になったのが、3ページで「子育て女性等が活躍する社会の実現のための人材育成の推進」ということで、育児をしながら働くことを希望するということで、育児というのが1つ立っているのですが、もちろん、ものづくりの中で、特に検査業務などには女性がたくさんいらして、子育てとの両立も1つの大きな課題なのですが、特に中小企業の生産現場にいらっしゃる方というのは、ある程度高齢化してきており、介護という問題もかなり顕在化しつつあると思います。ですので、育児だけではなくて介護という視点もどこかに入れていただくことを、御検討いただけるようであればお願いしたいと思います。

 

○参事官(人材開発政策担当)

 今、実際にニーズとしてかなり言われているところが育児なものですから、育児に注目して中で書いておりますが、そういった視点も可能かどうか内部で話をした上で、可能であれば考えさせていただければと思います。

 

○今村主査

 これは言わずもがなですが、育児は終わりの見通しが立つのですが、介護は見通しが立たなくて、人生計画が全く狂ってしまう危険があるので、こちらのほうが深刻度が高いかもしれませんし、是非御検討いただければと思います。

 よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、以上で高齢・障害・求職者雇用支援機構の業務・組織全般の見直しについての議論を終了いたします。法人所管課におかれましては、構成員の皆様から本日頂いた御意見等を踏まえ、見直し内容の修正等について御検討いただき、内容の最終的な確定をよろしくお願いいたします。

 最後に、法人及び法人所管課より一言頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長

 本日は長時間にわたりまして、有識者の皆様方から大変貴重な御意見を頂きまして、誠にありがとうございます。特に、前段の部分は先ほどコメントしましたので、後段の部分につきましても、大変活発に御意見を頂きまして、これから国から示される中期目標に基づいて、特に機構の強みというのをいかしながら、創意工夫やシナジー効果を発揮して、役職員一同、先ほど先生のおっしゃった高い志を持って、しっかりと取り組んでまいりたいと思っています。今後ともよろしく御指導をお願いいたします。

 

○職業安定局雇用開発部雇用開発企画課長

 先ほど来、たくさんの御意見を頂きまして、ありがとうございました。頂いた御意見を基に見直し内容について、修正の必要の有無等についてもしっかりと検討していきたいと思っています。よろしくお願いいたします。

 また、それを基に中期目標を策定していくということで、肉付けをして、また来年になろうかと思いますが御意見を頂くということで、御指導賜るということになりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

○今村主査

 それでは、事務局から今後の流れについて説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 まず、本日御議論いただいた2つの議事は、中期目標期間見込評価については、この後、本ワーキングにおける御意見、法人の監事及び理事長のコメントなどを踏まえ、厚生労働大臣による評価を決定し、法人及び独立行政法人評価制度委員会に通知するとともに公表いたします。

 もう1つの議事であった業務・組織全般の見直し内容についても、同様に本ワーキングにおける御意見を踏まえ、厚生労働大臣が決定し、独立行政法人評価制度委員会に通知するとともに公表いたします。決定したそれぞれの内容については、後日構成員の皆様にもお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。

 それから、中期目標作成に向けた今後の流れについて、若干御説明させていただきます。参考資料111ページを御覧ください。大まかな流れを書いていますが、本日の議題にあった中期目標期間見込評価の実施、それから業務・組織全般の見直し、御意見を踏まえた内容を決定し、総務省の独立行政法人評価制度委員会にお送りします。その後、独立行政法人評価制度委員会で点検が行われ、その点検結果に基づき出される意見を踏まえて、厚生労働省において次期中期目標案を作成するという流れになります。

 次期中期目標案については、来年1月以降に再度総務省の独立行政法人評価制度委員会の審議に付されることが予定されております。このため、次期中期目標案についても、来年1月頃のこのワーキングでの意見聴取を予定していますので、どうぞよろしくお願いいたします。今後の流れについては以上です。

 本ワーキンググループの次回の開催については、来週の89()14:00からを予定しており、場所は厚生労働省本省の17階の専用第21会議室です。議事としては、勤労者退職金共済機構を対象とし、今日と同じく中期目標期間の最終年度に該当するため、中期目標期間見込評価、業務・組織全般の見直し内容について、御意見を賜りたいと存じます。

 最後に事務的なお知らせになりますが、本日配布した資料は大量になりますので、郵送を御希望される場合は前回までと同様に、机上にそのままにして御退席いただきますようお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○今村主査

 それでは、本日は以上とさせていただきます。長時間にわたり熱心に御議論いただき、ありがとうございました。この広い講堂でのシリーズも最後です。お疲れ様でした。ありがとうございました。


(了)

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