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2018年7月12日 独立行政法人評価に関する有識者会議 地域医療機能推進WG(第4回)議事録

○日時

平成30年7月12日(木) 15:23~18:04

 

○場所

中央労働委員会 労働委員会会館第612会議室(6階)
 

○出席者

福井主査、大西構成員、押淵構成員、柿崎構成員、亀岡構成員、河村構成員、坂井構成員、藤本構成員

○議事

 

 

 

○福井主査
ただいまから、「第4回独立行政法人評価に関する有識者会議地域医療機能推進WG」を開催いたします。構成員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。議事に入ります前に、新任の構成員を紹介させていただきます。4月1日付けで河村小百合様、株式会社日本総合研究所調査部上席主任研究員に構成員として御就任いただいております。どうぞよろしくお願いします。
次に、本日の議事について事務局から説明をお願いします。
 
○政策評価官室長補佐
政策評価官室長補佐の加藤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。本日は、地域医療機能推進機構につきまして、「平成29年度業務実績評価」及び「中期目標期間見込評価」に係る意見聴取を行うこととなっております。御意見を頂くに当たり、昨年までは、全ての評価項目について法人様から説明を行っていましたが、今年からは、自己評価がA評定以上の項目、及び定量的指標の達成度が100%未満にも関わらずB評定であるものなど、事務局が指定させていただきました項目について、法人様から説明の上、有識者の皆様から御意見、御質問を頂きたいと存じます。それ以外の項目については、法人様の説明はございませんが、御意見がある場合には、議事の最後にまとめてお伺いすることとさせていただきます。
法人様からの説明項目は、参考資料9、「地域医療機能推進機構評価項目一覧(年度評価・見込評価)」中の網掛けされているものとなります。
議事の流れとしては、年度評価の各項目について、ひととおり御意見をいただいたあとで、見込評価の意見をお伺いいたしますので、見込評価における法人様の説明につきましては、既に年度評価で説明された内容は極力省略の上、御説明のほどよろしくお願いいたします。
3つ目の議題であります業務・組織全般の見直しについては、通則法第35条の規定を根拠といたしまして、主務大臣が、中期目標期間終了時までに、法人の業務の継続又は組織の存続の必要性その他その業務及び組織の全般にわたる検討を行い、その結果に基づき、業務の廃止若しくは移管又は組織の廃止その他の所要の措置を講ずるものであり、次期中期目標の内容に反映することを目的として実施するものでございます。これにつきましても、本WGの御意見を賜りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 
○政策評価官
続きまして、私から参考資料1について説明させていただきたいと思います。今、加藤から説明がありましたとおり、今後の有識者会議では明らかにB評定というもの以外の評価項目を中心に御意見をいただきたいと考えております。特にB評定以外の場合、明確な評価の根拠を総務省から求められており、主務大臣としても評価が難しい部分ですので、ここに絞って御意見をいただきたいと考えたためでございます。
また、平成27年に独法評価制度が改正されまして以降、評価実績の蓄積も進んできましたので、参考資料1におきまして、特に御意見いただく数としてはA評定が多くなると思いますので、A評定を中心に総務省の指針などに示された評価の考え方を改めて整理しました。新しいものではないとは思うのですが、改めて御説明させていただきたいと思います。
参考資料1の表紙をおめくりいただき、1枚目、個別の評定区分の意味につきましては昨年度までも御説明させていただいているとおりで変わりません。改めて説明させていただきますと、評定区分は5段階評価、B評定が標準でございます。特に、数の多いA評定について改めて御説明申し上げますと、中期計画(目標)における所期の目標を上回る成果が得られているというのがA評定です。定量的指標がある場合は達成度120%以上、指標がない場合には所期の目標を上回る成果をきちんと示すことが求められているというのが大原則でございます。
更に次のページ、主務大臣によるA評定の判断ポイントとして、更にその部分をブレイクダウンしております。駆け足で御説明しますと、1の(1)、定量指標が複数あり、全て達成度120%以上という場合には基本的にはA評定ですが、例えば毎年120%を大幅に上回っているという場合には、そもそもの目標設定に立ち戻って、考え方の明示や目標値の妥当性の検証も必要とされておりますので、その点も含めて御意見をいただければと思っております。(2)複数の定量指標のうち一部のみ達成度120%以上、あるいは目標が非常に幅広くて定量指標が一部しか付いていないケースもあると思います。そういう場合、すぐA評定ということではなく、A評定とする場合には、目標の難易度や定性的であってもいいから成果を説明していただくということが必要になります。
定量指標がない場合ですが、(1)参考指標の実績値を用いて成果を説明することは可能だということなのですが、その基準となる実績値の設定に関する考え方をきちんと示すことが必要とされております。また、(2)として、定性的な成果を説明するということも十分可能なのですが、この場合、アウトプットではなく、できるだけアウトカムの説明をしていただくことが重要かと考えております。
3点目として、難易度を中期目標に付けております。項目については評価を1段階引き上げることができるというように総務省の指針で定められております。例えば、達成度100%でもA評価とすることができるということになります。ただし、すみません、今日御審議いただきますJCHOさんにつきましては、中期目標を策定したあとに制度が変更されたこともあり、現在付いている難易度につきましては正式な中期目標が付いておりませんので、参考値ということで御理解をお願いします。また、仮に正式に付いていた場合でも、難易度を理由に評定を引き上げる場合は、評価の度に難易度の検証をしていただくということになっておりますので、難易度についても御意見をいただければと思っております。私からは以上になります。
 
○福井主査
ありがとうございます。よろしいでしょうか。それでは議事に入りたいと思います。最初に、平成29年度業務実績評価についての御意見を伺いたいと思います。はじめに、法人の業務概要について、1、2分程度で簡潔に説明をお願いいたします。その後、事務局からも説明がありましたとおり、年度評価のうち自己評定がA評定以上の項目、B評定で定量的指標が100%未満の項目等を中心に議論いたしますので、まず1-1、診療事業等。(1)地域において必要とされる医療等の提供について、法人から評価の要約の記載内容を中心に、ポイントを絞ってごく簡潔な説明をお願いいたします。
私の個人的なお願いですが、昨年度に比べて評価が高くなっている場合、こういう点が良くなっているということも加えて説明していただければ大変ありがたいです。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
地域医療機能推進機構の山田と申します。本日はよろしくお願いいたします。
まず法人の概要ということですが、資料1-1、表紙をめくった1ページを御覧ください。当機構の設立は平成26年4月1日、設立して4年ちょっとということになります。機構の事業は2の機構の目的にありますが、病院、介護老人保健施設、看護学校といった施設の運営を行い救急医療、災害医療、へき地医療、周産期医療、小児医療といった5事業やリハビリテーション、その他地域において必要とされる医療と介護を提供する機能を担うということが当機構の業務ということになっております。
組織の規模ですが、病院数は57病院、病床は全部で大体1万4,000床ということになります。老健施設は26施設、看護師養成施設は7施設、以下、訪問看護ステーションや地域包括支援センターを運営しております。職員数の規模は大体2万4,000人ということで、独法の中では2番目ぐらいに大きい法人ということになります。そして、円グラフにありますけれども、地域医療機構病院の病床数ということで、一番多いのがオレンジ色、200床未満の病院、次が300床未満の病院、ほかの独立行政法人に比べ小さい病院が多いということが違いと言えます。もちろん、一番大きな違いは介護老人保健施設を運営し、医療と介護を一体的に運営しているというところではありますけれども、病院に限って言いますと小さい病院が多いのが特徴ということになります。
法人の説明は以上として、座長からお話がありました評価項目1-1の説明を差し上げたいと思います。3ページ以降になります。3ページは、中期目標や中期計画の内容が書いてあるということで、4ページ以降の説明とほぼ重複します。ポイントを絞るということで、実績についての説明というところで計画の中身などに触れさせていただきたいと思います。
4ページを御覧ください。4ページで、地域のニーズに応じて病床機能を見直すというのが当機構の目標とあります。実績としては棒グラフにありますとおり、例えば一番左の地域包括ケア病棟でありますと28年度は36病院でしたが、29年度は39病院ということで3病院、40床増えるということで、地域のニーズに応じた対応をしてきているということがあります。
5ページ目を御覧ください。こちらは全体がポイントで囲まれておりますが、「自治体と連携した移転建替えの推進」ということが目標として掲げられております。こちらは先に申しますと定量評価になじまない部分だと思っております。正に10個移転するところを12個移転とか、そういったことはまずあり得ないことでして、こちらは総務省指針に沿って言いますれば、「一定の条件を満たすことを目標としたもの」という意味での定性的な目標だと思っております。平成29年度は佐賀県伊万里市に伊万里松浦病院というものが当機構の病院でありますけれども、そちらにつきまして、長崎県松浦市からの移転要望に応じて移転建替えを決めたというところが実績だと考えております。上のほうの「問題点」というところですが、松浦市においては地域医療の核となる公的医療機関がない、二次救急を担う医療機関もないということで、救急搬送の約7割が佐世保市など、市外の医療機関に搬送されているという、医療提供体制が危機的な状況にあるというのが松浦市です。このため、長崎県松浦市から地域医療構想を踏まえ、当機構に対して松浦市内に移転していただきたいという要望を受けたということで、この要望をかなえるためにいろいろ取り組んだというのが昨年度の実績になります。
その中身が左下です。病院は元々、都道府県知事からの許可を受けて開設するというもので、勝手に作ることができないものです。その中でも、松浦市が属する医療圏は国が定める基準を上回る、いわゆる病床過剰地域で病院新設が制度上は原則不可、そういった地域にあったということがあります。また、松浦市や地元医師会ともいろいろな調整を経て、病院を作っていいという合意をある程度得ることができたのですが、その後の手続でも一部の医療機関から、当時87床で作ろうと考えておりましたけれども、それは既存の病院を圧迫する等のいろいろな指摘があり、病床数の見直しを求められたということもあります。
その中で、「調整状況」とありますけれども、地元自治体、医師会、あと住民、そういったいろいろな方々と計9回の会議を通して様々な調整を、機構の職員が一体となって粘り強く進め、丁寧な説明をすることによって移転への理解を得ることができました。その結果、昨年12月の長崎県医療審議会において、原則不可のところ、医療法の特例措置が認められ、松浦市内での病院新設が承認されたという実績を残したということがあります。
開設当初は、調整の結果67床のスタートですが、かぎ括弧にありますけれども、「建築にあたっては100床の建築を可とする付帯条件付き」ということで、100床までは増やしていいということで承認されました。その時期についてはまだ未確定ですが、そういった調整までできたということがあります。ここでいう成果というのは、地域のニーズの変化に対応し、県を越えての移転に道筋を付けたということ、法律上病院の開設が不可であったところを可にしたところが成果だと考えているというものになります。
6ページの地域協議会。独立行政法人地域医療機能推進機構法第20条で意見を聞くことになっておりますが、こちらについては普通に取り組んだということだと思っております。住民の声を聞いたものは真ん中のピンクにありますが、今日は説明を省略いたします。
最後の項目が7ページ、ここもポイントで大きく囲まれております。こちらが定量的指標に掲げられているものですが、真ん中の表にあります1,2,3,4、これらの全てを満たす病院数を49病院にするというのが目標となります。平成25年度から、その数は順調に増加し、46病院が年度計画の目標を達成しております。そして、2,3,4というのは全57病院ということになっております。表の横に割り算が書いてありますけれども、当機構の病院は全部で57ですので57/49という計算をしますと116.3%ということで、元々120%という数字が出ないというところはありますが、2から4までは全部実施したことになります。1については46病院ということで、こちらは全部でないということですが、それについての未達成の要因として、文章にありますけれども、「以下のとおり」とあり、紹介率・逆紹介率の向上というところが達成できなかったわけです。当機構は200床未満の病院が多いということで、地域で病院がここだけというところもあり、元々が診療所や他の病院などからやってくる紹介患者よりも、直接家から病院に来てしまうという患者さんがどうしても多いという状況がある。直接来院を抑制することは基本的にできないということ、そういった困難な状況、達成が容易ではない状況がある目標ではありますが、22病院中13病院が目標を達成し、全部で46病院となっております。
定量的指標上はそういうわけで46/49、達成度は93.9%。これだけですと、もちろん先ほどの総務省指針で言えばCということですが、元々の達成が容易ではない高い目標だというものをここまで実施したというところを、厚生労働大臣や有識者の皆様に評価いただきたいと考えております。
以上、最後にⅢで考慮すべき要素というところです。繰返しになりますが、厚生労働大臣や有識者の皆様に当機構の昨年度の実績を評価していただくに当たって、この点は考慮いただきたいという部分です。ポツの1つ目が移転の部分です。自治体等関係機関との調整を粘り強く進めて、丁寧な説明により住民の理解を得ることで、特に移転に係る困難な問題を乗り越えて、県を越えた病院移転等の道筋をつけた。この実績について、評価いただきたい。次の「また」というのは、先ほどの数値目標の部分ですけれども、当機構の病院の大半が地方に立地する中小規模の病院で、医師確保が厳しさを増す中で地域から期待される機能を発揮するための病院の体制整備を進めたというところを評価いただきたいと考えているというものです。
以上です。1-1の説明は長くなりましたが、ほかの説明を短くすることで帳尻を合わせたいと思います。
 
○福井主査
ありがとうございます。それではこの1-1、3ページから7ページにつきまして、ただいま御説明がありました事柄について御意見・御質問等がございましたらお願いいたします。
 
○河村構成員
御説明ありがとうございます。今年から参加させていただきます、よろしくお願いいたします。私は今回初めてなのですが、独法通則法改正前の旧体制のときに、総務省の旧政独委、政策評価独立行政法人評価委員会に10年間おりまして、後半4年間ぐらい厚生労働省の担当もさせていただき、JCHOさん、独法に移行される前の段階で名古屋の病院にお邪魔させていただいたこともあります。どうぞよろしくお願いいたします。
お尋ねしますけれども、この項目、定量的な指標は1つしかないということでした。全部、それで分かる話でも決してないとはもちろん思うのですが、先ほど政策評価官から御説明があったとおり、この数字からいくとBも危ないんですよね。Bも危ないところをAに持っていけるかどうかという話だと思います。
その関係でお尋ねしますが、最初のほうで御説明くださった病院の話、移転建替えの推進で松浦市の話の御説明がありました。これ、全体像をちょっと確認をお願いしたいのですが、評価書の本体の6ページ、7ページ以下のところに6つの事例があると書いてあって、慢性的な赤字経営の状態にあった6病院、ですから、JCHOさんが個別の病院として抱えていらっしゃる課題というのはこの6病院がおありになって、今回、この伊万里松浦病院、資料6を御説明くださったのですが、ちょっと拝見しただけですが、他の病院についてはもう既に去年までのところでめどが付けられたなかで、伊万里松浦病院は最後まで残っていた案件という理解でよろしいものなのでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
御質問ありがとうございます。ほぼ、その理解で結構だと思います。
 
○地域医療機能推進機構理事(西辻)
管理担当理事の西辻です。基本的にはおっしゃったとおりなのですが、そこに書いてあります登別、さいたま北部、湯河原、それと大阪みなと、これらについては現在既に建替えの計画が進んでいる、あるいは計画中ですが、桜ヶ丘だけは一応場所については決まりましたが、具体的な建替内容の決定には至っておりません。そういう意味では桜ヶ丘を除いたら御指摘のとおりということです。
 
○河村構成員
であれば、事実上残っていらっしゃる、そのうちの2つが課題として残っていらしたうちの1件についての進捗が顕著に見られたからということでよろしいですか。まだ、桜ヶ丘のところは残っていらっしゃるということで、その状態で顕著なという評価に値するかどうかということかと思います。そういうことでよろしいですか。桜ヶ丘のほうが進まないということは何か理由などがありますか。
 
○地域医療機能推進機構理事長
桜ヶ丘のほうは、進まないということではなくて、現場の市と全て契約が整って、市の役場があるところがありますが、その市の役場のところに移る、移った後に新しい病院がそこに移るというところはもう合意ができています。しかし、まだ市が移っていませんので建設を始めるということができません。ただ、大きな方向性については市と我々が合意に達したということでございます。
市の建物があるので移転がなされていないということで、計画はしている、計画どおり進んでいるということでございます。
 
○河村構成員
そうすると、その年々によって具体的に抱えている個別の案件があって、その年にどういう局面が当たるかということで考えていかなければいけない。それで評価しなければいけないということだと思います。恐らく、一番大変な問題が残っていらしたところが伊万里松浦病院ですか、大きく進展したかなということですよね。
 
○地域医療機能推進機構理事長
はい。
 
○河村構成員
私は参加していませんが、過去の年度評価のところを見ると、ずっとBできていらっしゃるのですが、過去の年度においては、今ここに書いてあるような1、2、3、それから5というようなところの進捗が過去の年度であったのですか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
移転場所が決まったとか地元自治体さんとの話合いが付いたとか、そういった成果は今まで出てきております。
 
○河村構成員
ああ、そうなのですね。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
その上で、余りうまくプレゼンテーションしていなかったということもあり、過去のものはB評価ということかと思っております。
 
○河村構成員
過去、それでB評価ということなのに、今年1件お出来になったところでAというのは、ちょっとどうかなという感じもいたします。
 
○地域医療機能推進機構理事長
ほかの病院、登別や桜ヶ丘、大阪みなとなどは、もちろん市、あるいは住民とかなり交渉しましたが、実際にこの組織を担当している者が、客観的にというのはなかなか難しいですが、今回の伊万里松浦は困難さのレベルが極めて違いました。ほかの大阪みなとなど、もちろん大阪市、当時橋下さんが市長ですけれども、何度も交渉しましたし、登別も私自身も何度も交渉しました。これらは、いわゆるプロセスにおいて時間が掛かったということはありましたけれども、冷汗をかくような困難さということはございませんでした。しかし、今回の伊万里松浦というのは今、山田が簡単に説明しましたけれども、全体としては来てほしいのだけれども、一部の医療機関、本当に一部なのですが、極めて強い反対をしている。医療機関の中でも一部なのですが、これで非常に困って、難渋したという意味で、明らかにほかの移転と比べて難易度が違ったということが実際に組織を運営している者の実感です。
 
○福井主査
県をまたいだということも。
 
○地域医療機能推進機構理事長
もちろんそうですね。それもそうです。それは先ほど言ったとおりだと思います。
 
○福井主査
ほかにはいかがでしょうか。
 
○柿崎構成員
6ページ、協議会の件です。真ん中に「市民講座を開催した」とあります。市民講座というのは、それほど要望が強いものなのでしょうか。市民講座ってどのような感じのものが開かれたのでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
御質問ありがとうございます。この秋田病院の実際の講座が何なのかは本部で把握していないのですが、基本的には病院では糖尿病対策など、健康対策をこういうようにやりましょうといったことはやっております。無料で受けられるということもありますから人気があります。
その上で、ちょっと病院まで行けないという方の声を受けて、自治会の集会所ですか、地元まで出かけたというところが正に地域住民のニーズに応じたことだという理解です。すみません、説明が不足しておりました。
 
○柿崎構成員
かなり納得しました。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
すみません。
 
○柿崎構成員
講座と言うと、何と言うのでしょうか、ちょっと違うわけです。もうちょっと実態に即した、生活習慣病などの対応をされるとかいう。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
はい、そうです。
 
○福井主査
ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、1-2に移りたいと思います。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
資料1-2の説明をいたします。まず10ページを御覧ください。こちらは5事業などの事業の成果であります。まず1つ目は救急医療を書いています。真ん中のポイントにありますが、院長主導による救急搬送依頼を基本的には断らないとか、そういった基本的ですが地道な取組を行い、年度計画の目標は平成25年度より4%以上の増加のところ、それを大きく上回る8.9%の増加を達成したということがあります。具体的な数字は、目標の86,192件に対して90,227件ということになります。この8.9%にどのような意味があるかというのが次のポツで、増加率が全国平均の7.3%よりも高い水準ということです。これは、右下の棒グラフですが、全国平均というのは消防庁の統計で、平成25年の1年間と平成29年の1年間の全国の救急車の出動件数を比べたものです。5,346,087件が5,735,915件になったということで7.3%ということですが、地域医療機構の病院は小さな病院がある中で、それを1.6ポイントも上回る8.9%を達成したというところは、高く評価いただきたいと考えています。8.9%と7.3%の差が1.2倍というところは評価に値するのではないかと考えているというものです。
続いて11ページです。災害医療については、平成29年度のちょうど今頃ですが、九州北部豪雨があったということで、こちらに対して資料にある対応をしたということです。下のほうのへき地医療です。左の枠のポイントです。当機構の病院自身も医師確保が困難な状況の中、医師不足地域の自治体等からの要請に応えて、医師等の派遣を継続的にしたということです。実績の数字は「実績」の矢印の次のポツですが、31病院から延べ6,683人日派遣したということになります。これは2期連続で対前年度比以上の派遣実績です。右のほうの棒グラフを御覧いただきまして、平成26年度、平成27年度は大体5,000人です。この頃、既に厚生労働省の報告書で「よくやっている」と高い評価を受けていたわけですが、それよりはるかに大きな数字という意味での6,446人が平成28年度で、平成29年度は更に237人多い6,683人といった人数の医師等を派遣したというところは、へき地医療に大きく貢献したと考えています。その派遣人数の6割以上が、実際にへき地へ派遣されたということです。
13ページです。5事業の残りの2つの周産期医療と小児医療です。両方とも、冒頭、「取り巻く情勢に鑑み、平成29年度から数値目標に掲げないこととなった」と書いてあります。こちらは、元々、周産期ですと分娩数を増やすという目標が掲げられているのですが、少子化と産婦人科医師数の減少といった話がありますので、厚生労働省と相談しまして、分娩数を単に増やすといった数値目標を達成するために闇雲にやるというのはおかしいということで、数値目標は掲げないこととなりました。そうは言いましても、分娩をやる施設については、しっかりと実施したということを書いております。「特に」という2段落目ですが、集約化された先という意味での地域周産期母子医療センターが当機構にも6病院ありますが、ハイリスクの分娩数が806件で、平成25年度より5.2%多いと。母体搬送患者の受入れも580件で平成25年度より20.3%多いということでやっています。小児科医療も同様に、小児科医不足という話がありますので数値目標に掲げないこととなりましたが、書いてあるとおりに実施したということです。
14ページです。5事業以外にリハビリテーション、5疾病、当機構の目玉でもある健康管理センターの健診といったところも、資料にある数字のとおりに頑張っているということで、実績としては残したということになります。
最後に考慮すべき要素ですが、2つあります。1つ目は、数値目標の救急車による救急患者の受入れです。これについては、ほとんどが中小規模の病院のため、受入数を増やすことが困難で、「うちでは対応できない」という診療科が必然的に増えてくるという意味ですが、困難な中で、平成27年度から前倒しで目標を達成し、かつ伸び率が全国平均の1.2倍以上であるというところを評価していただきたいということです。2つ目は、へき地医療です。当機構の病院自身も医師確保が厳しい中で、当機構以外の医療機関へも医師等の派遣をし、それを継続的に実施したということです。こういったところを評価いただきたいということです。説明は以上です。
 
○福井主査
構成員の皆さんから御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。
 
○藤本構成員
御説明ありがとうございました。救急の目標が大分右肩上がりで、搬送患者数が増えたというところを高く評価していただきたいというお話だったと思います。確かに、現場の先生方、看護師が頑張っているという意味では高い評価だと思うのですが、気になっているのは、先ほどから何度も「医師と看護師が少ない中で」という御説明がある中で、この件数が右肩上がりの割合に比べて、スタッフの数は追い付いているのかどうかということです。これは質問です。
あと、これは意見なのですが、患者の中で軽症者が運ばれてくる割合が低くなるということがとても大事だと思うのです。軽症の患者には、また適切な医療機関にかかっていただくという意味でも、先ほどの住民に対する教育が必要なのではないか、病気予防の話といったことももちろん大事なのですが、その地域での適切な医療機関のかかり方といったものも、併せて啓発していく必要があるのではないかと思いますので、そのことについては意見という形になりますが、今後は、軽症者割合もデータとして取れるようでしたら、併せて取っていただけたらと思います。以上です。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
2つ目の軽症者割合については、今は統計がありませんので、正に啓発が必要だと思います。ただ、小児救急だけは運ばれてくる患者割合の統計がございまして、全国だと平成27年度と28年度を比較した場合の伸び率は大体3%ぐらい、中等症や重症の患者で運ばれてくる方がいるようなのですが、当機構の伸び率は6.9%です。元々が1,207人から1,290人と人数が小さいので伸びも大きく見えるのはありますが。また、平成29年度は1,525人でした。平成27年度と29年度を比較した場合、18.1%伸びています。その辺りと連動させる形で調べていきたいと思います。スタッフの数は、目に見えて増えているわけではありませんので、勤務シフトをどのように組んでいくかといったことでやっているということかと思います。
 
○地域医療機能推進機構理事(西辻)
補足します。スタッフの数ですが、業務実績評価書の136ページを御覧ください。後で出てくるところなのですが、中程に「医療関係職種(常勤職員)の状況」と書いてあります。平成29年4月と平成30年4月を比べて、平成29年度中に医師がプラス6人、看護師がプラス101人、コメディカルがプラス93人となっています。一方、事務職はかなり合理化をして減らしておりますので、そこを減らして、真に医療の提供に必要な部分を増やすことによって、こういった救急の対応を可能にしているということです。
 
○福井主査
ほかにはいかがでしょうか。
 
○押淵構成員
へき地医療への支援という意味では、大変有り難く思っております。私のような、へき地の医療に携わっている者から見たら、これだけの実績を上げているのは大変有り難いことだと思っておりますが、一方で、今は働き方改革が叫ばれている時期にありまして、多分へき地の支援となる移動が困難な地域への派遣が多くあったと思いますが、そこを勤務時間として入れられて、そしてこの人数であったのでしょうか。もし入っていなければ、将来的に大変困難な事態になるのではないかと思うので、お聞きします。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
移動時間は勤務時間に入っておりません。そこは正に御指摘のとおり、移動時間も拘束時間ですので、どのようにしていくのかというのは国全体で考えていくことかとも思います。
 
○亀岡構成員
亀岡でございます。内容的には非常に頑張っておられるのが分かるところですが、例えば10ページを開いていただきますと、あくまでもこれは私が言っていることではなくて客観的なものです。先ほどの評価の考え方等については、計画と実績の比較ということになっているのですが、全国平均と比較して、全国平均の伸び率よりもこちらの伸び率の割合が120%であると。これが評価として、事実としてあるのですが、当初の求めている評価とどういうリンクをして、こういうことをここで出されているのでしょうか。
あと、13ページの小児医療についても同じようなことで、これは伸び率が平均よりもいいのだということについては、何ら疑問を持つものでもないし、事実なのですが、これが今までB評価だったものがA評価に変わる1つの要素であるのだというところの関連性について、説明をお願いできますか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
こちらは、定量的指標としてどのように考えるのかというのは大きな課題だと思っておりまして、元々は4%以上増加させるという目標ですので、単純に言いますと3,315件増やすのだという目標だと理解しますと、3,315件増加という目標に対しまして、実際に7,350件増やしておりますので、そういう割り算をすると200%以上という数字になります。
元々の数字を足した数で計算するのか、伸ばそうと思った目標の数で割るのかというのは1つあると思いまして、その辺りは数年前も議論があったそうで、取りあえず全体でやろうということで記載した形になっています。本当に80,000台の数値で、分母と分子で計るのが適切なのか、それとも今申しましたように、元々は4%増やす、数字で言うと3,315ですけれども、3,315増やすというのとどちらがいいのかというのは、評価が分かれると思います。
私としては、元の数字が大きいと、これはたまたま80,000で済んでいますが、100,000とか200,000という大きな分母が既にありますと、とてもではないですけれども、2割増しなどというのは無理ですから、それは大きな数字が元々あるとか、そういったことに関係なく、どれだけ増やすのかということがふさわしいものは、そうやって評価いただくのが適切だと考えております。
 
○福井主査
ほかにはいかがでしょうか。
 
○河村構成員
1つ御質問と1つ意見です。まず質問です。ここでなさっているお仕事は、5疾病のほうは独法で担う仕事ということでよく分かるのですが、健診・保健指導というのが出てきて、独法というのはそもそも民間でできなくて、どうしても国民に必要なことをやるというのが大前提だと思うのですが、この健診・保健指導というのも、JCHOさんの各病院が地域で置かれている立場を考えたときに、そんなに優先度が高いものなのかどうか。これがまず質問です。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
今の質問に対しては、病気になってからという考え方ではなくて、予防医療、その後の介護といったことをシームレスに提供するというのも1つの強みだと考えていますので、健康診断というのも1つの重要な仕事だと思っております。
 
○河村構成員
それは各地方にたくさん病院を持っていると思いますが、各地で健診を提供するのは、東京だと専門の病院もありますし、たくさんあると思うのですが、地方には余りないという感じなのでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
ない所はないですし、ある所はもちろんあります。
 
○河村構成員
そこはやはり5疾病などのところと、優先順位としてはどうなのかなという感じがします。
あと、これはコメントなのですが、御説明いただいたときに、目標値が元々とあったものが、例の少子化の影響があるとか、分娩数などを実数をもって評価するのが余り適切でないのでという御説明で、それは分かるところもあるのです。実際の評価書の本体のところの32ページに書いてある辺りだと思いますが、これを先ほど政策評価官から御説明のあった、総務省として全府省横断的に掲げている評価の指針の考え方からすると、元々掲げられていた目標をスラッシュにして落としているところがあるわけです。それで駄目だとか申し上げるつもりは全然なくて、いろいろ各地の病院、大都市で人口がある所ばかりではない所にたくさん病院をお持ちだと思うのですが、やっていらして大変な実績を上げているとは思うのですが、こういう実際の数字が出ている中で、A評価というのは、私の意見としては正直申し上げて難しいのではないかと思います。
何が何でもAにしなければいけないということはないのではないか。先ほどの1-1の御説明のときにも感じたことですが、元々やっている仕事が相当大変なのではないかと拝察申し上げます。そういう中でBが付くだけでも、それは十分に大変なことであって、必ずしもAが付かなければいけないというものでもないので、やはり横断的な評価の基準に照らすと、私はここはB評価が適当ではないかと思います。これは意見です。
 
○地域医療機能推進機構理事(西辻)
1点だけ回答をさせていただきます。健診のところです。御指摘のように都内の病院などで、どの程度健診をやる必要があるのかという御意見はごもっともだと思うのですが、実際には、先ほど200床以下の小さな病院が多いという話をしましたが、ロケーション的にも、元々病院が足りない時代に病院を作るということで、旧社会保険病院などへき地に所在している病院が結構あります。そういった病院でやっている健診に関しては、病院に来られる方への対応だけではなく、健診車をできるだけ回してほしいといったニーズもかなりあるものですから、健診についてもJCHOとして地域医療を支えていく上で、一定のニーズは当然あるだろうと思っています。
 
○地域医療機能推進機構理事長
もう1つ、河村構成員から120%に達していないということですが、1つだけ委員の方に御理解いただければ有り難いと思うのですが、我々の組織は4年半前に全く違う組織になる中で、率直に申し上げて、各病院がどのぐらいの実力があるか分からない中で目標を立てなければいけないところがありました。そうして実際にやってみると、例えば先ほど話した救急の話ですが、考え方は2つあると思いますが、文字どおりにやると、実際には100,000以上の救急をやらなければ120%にはならないのです。このことは、私も機構内で院長を務めた理事とも何度も話をしましたが、どうやっても100,000にいくことは不可能に近いです。そういう意味で、元々これは我々の責任でもあるのですが、当初ほとんど何も分からないところで立ち上げた時期に目標を立てなければいけないという事実がありましたので、そういう意味では目標自体の立て方に反省という意味もあるし、実際には救急のほうは90,000幾らですが、100,000というのはほとんど不可能に近い数だという意見が多いということだけは、申し上げさせていただきます。
 
○大西構成員
今のお話にも関係するのですが、救急のところで57病院ありますが、全ての病院で救急を担っておられるということでよろしいのでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
救急は全部です。
 
○大西構成員
その中で、やはり大きな所も小さな所もありますし、伸び率が非常に大きい所は医師の配置を工夫されたということもありました。そういう頑張った所と、平均的にどういったかということも少し詳しくお話をしていただいて、どこが、一番伸びた所はどのぐらい伸びた、又はいろいろな事情があって、難しかった所はこうだったという話も参考にさせていただければなと思います。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
200以上伸びているような病院は。
 
○大西構成員
「200」というのは何がですが。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
200件ぐらいという。
 
○大西構成員
1病院について、1年前に比べて200件伸びているということですか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
平成25年度と比べてということです。
 
○大西構成員
25年と比べて。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
それは10ぐらいになります。病院によって地域差がありまして、傾向として説明するのも難しい感じでして、200床未満の小さな病院ですが、600~800くらい増やしている病院もあります。
 
○大西構成員
200床の所で800増やしているのですか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
ええ。かなり頑張って、年間150~200前後増やしているということです。傾向としてうまく言えなくて申し訳ないのですが、都市部でも伸ばしている病院もありますし、今申した病院は田舎のほうです。答えになっていなくて申し訳ありません。
 
○押淵構成員
先ほど健診の話がありましたので、狭い範囲ですが、近傍のJCHOの病院の役割ということで話をさせていただきますと、先ほど事務局から話があったように、200床以下の病院というのは、その辺ではほとんどいろいろな事業を担っている所が多かったのと、JCHOの元々の出自は社会保険病院で、社会保険病院というのは企業に勤める方々の健診を担っていたというところから、健診の事業というのは正に社会保険病院の大きな役割だったということと、もう1つは民間の病院では採算が合わない事業でもあったと。そういう時代からの歴史的な役割を担ってきて、今やその地域でのリーダーとして、他の民間の医療機関とのいい意味での緊張関係を保って事業展開しているというように評価すべきではないかと私は思っております。
 
○福井主査
ほかにはいかがでしょうか。救急についての意見です。最初に指標を決めるのはみんな苦労をしていて、よく分からないところも多々あるのですが、救急車の台数よりもどちらかと言うと応需率で見たほうが、つまり、リクエストがあったうちの何パーセントを受け入れたのかを見たほうが、私は救急の活動を正当に評価できるのではないかと思っています。ただ、今から変えるべきだという話ではありません。住民も小児も減っていく可能性がありますので、リクエストがあったときにどれぐらい応えられたかというのが、救急についてはいいのではないかと個人的には思っています。
 
○柿崎構成員
これは質問というよりも、どう考えていいのかを教えていただきたいのですが、先ほど働き方改革が出ましたが、こういう実績評価でありがちなのは、一体的な存在よりもパーツにばらして、一個一個を評価して、頑張ろうとやると特にマンパワーが必要な所、つまりこれだと救急病院とかへき地をそれぞれ一生懸命やると、人間は同じ数なので、どこかで質的な、あるところまでは目標値の高さと質的な向上と比例的になるのかもしれませんが、どこかで違う面が出てきますよね。そこら辺は、今後どのように私たちが考えればいいのかということで、去年ぐらいから気になっていたのですが、先ほど話が出たので。要は、現場にしわ寄せがいくという話なので、その辺はどのように。
 
○地域医療機能推進機構理事長
今、柿崎構成員から大切な問題提起がありました。先ほども藤本構成員からの救急のときに医師が足りているのかどうかということにお答えしました。
一方で、働き方改革で、職員に過剰な労働をさせることはできませんので、しっかりした時間を決めるということに取り組んでいる最中です。一方、先ほど100,000は無理だけれども90,000ぐらいならいけると言いましたが、これは定性、定量的にですが、はっきり申し上げて、病院の中では現有の中で、夜でも普通に行えばできるのだけれども、意識が少し後向きの病院もあったのです。同じ給料をもらっているのに、夜に救急を受け入れるのはどうかと。そういう意識がある所はやめてもらい、過重労働にならない範囲で、普通の医師なら当然やってくれる範囲までは私たちは伸ばすという所が、大体今の線だというのが、私の大きなピクチャーの把握です。
 
○福井主査
指標は難しくて、1項目ずつ取り出して評価しようとすると、全体像が見えなくなってしまいます。できましたら地域全体、病院のある地域全体の健康度、疾病だとか死亡率が、トータルとしての指標になれば、いいのかも分からないですけれどもね。でも、ほかの医療機関もあるし、実際は難しいです。
時間のこともありますので、評価項目1-3に移りたいと思います。説明を簡潔にお願いできますでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
17ページを御覧ください。地域包括支援センターについては、委託先は市町村が決めるものですけれども、市町村から選んでいただいた施設を平成29年度は2つ増やしたということで、地域住民や市町村の信頼を得たことが17ページに書かれています。
18ページは、老健施設と訪問看護のことが書いてあります。老健施設については真ん中のポイントにありますけれども、在宅復帰率について年度計画で目標を掲げました。46.9%というのは28年度の実績でして、在宅復帰を進めるのだというのは介護保険法の改正時に更に明確化されたということもありまして、2年間で50%にするという目標で、29年度は48.5%にしました。その結果、3.6ポイント上回る50.5%という在宅復帰率を達成したことになります。
下のほうに在宅復帰率の表がありますが、29年度の目標は48.5%、それに対して実績は50.5%で、真ん中に28年度の全国平均がありますが、こちらは厚生労働省の調査です。事前説明のときに、これは27年の数字と申しましたけれども、間違いで、28年度の数字でした。ですから、28年度は、当機構は46.9%ですので、全国より16.5ポイント上回っていたということで、29年度は、全国の数字がないので比較しておりませんけれども、おそらく同じような差があるぐらい当機構の在宅復帰率は高いと考えております。訪問看護については、右のほうの26年度よりも40%増やすという意味での116,085件を計画に掲げた目標として、実際は140,562件ということで、121.1%という数字になったというものです。
この項目の最後の19ページは、認知症対策です。認知症対策は新オレンジプランというのもあるぐらいに大事だということです。表の真ん中辺りに実績とあります。その辺りで、物忘れ外来や認知症外来といった枠組みをしっかりと整えたということがあります。考慮すべき要素においても同じことですけれども、老健の在宅復帰、訪問看護といった支援や、重要な課題で認知症対策に率先して取り組み、地域包括ケアに取り組むという手引書も作って、各病院の取組を促す等、地域包括ケアの仕組みの構築を強力に推進したということで、評価をいただきたいと考えております。説明は以上です。
 
○福井主査
構成員の皆様からの御意見、御質問がありましたらお願いいたします。
 
○河村構成員
地域包括支援センターのところで質問です。今、11病院になっているということですが、JCHOは元々が社会保険とか、厚生年金、もう1つは船員とかあって、その3つからなっている病院だと思いますが、地域包括支援センターの数というのは、今後どんどん増えるようなものでもない、それぞれの地域の病院でこれを設置するとすればということで、いろいろ立場があり、それほどたくさん増えるものではない。そういった御事情があるのか、どうでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
アンテナを張っておりまして、正に市町村が委託先を探しているときは積極的に応募しようということで、正に相手次第ということで、数の目標はできません。後で見込評価に出てきますが、前橋市が探していたというのもありまして、30年度にもう1つ増えたというのがあります。
 
○河村構成員
では、それは元が社会保険病院だからとか、厚生年金病院だからとかで違うということは決してない。あくまで地元にどのような必要があるかということで。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
そのニーズに応えるために。
 
○河村構成員
分かりました。
 
○福井主査
ほかにいかがでしょうか。ないようでしたら次にいきます。評価項目1-4をスキップして、1-5についてお願いします。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
1-5については、22ページを御覧ください。質の高い人材の育成・確保です。医師の育成については、JCHO版病院総合医の養成ということで、他の団体に先駆けて、JCHO版病院総合医育成プログラムを作ったというのが実績としてあります。
23ページ、こちらは質の高い看護師の育成とありますが、ここが自己評価をAとした大きな理由ということになります。29年度からの取組ということでは、特定行為に係る看護師の研修。特定行為というのは手順書を基に、言わば、医師の代わりに診療行為を行うという医師の負担軽減や働き方改革に必要な制度で、保健師助産師看護師法にある制度ですが、この研修についてポイントの1つ目ですが、公的病院グループとしては初めて指定を受けたということと、そのことが他に良い影響を及ぼしまして、指定研修機関数の増加に貢献したということ。それはどういうことかというと、右のほうの枠の「他機関への影響」という所がありますが、日赤など、他機関もJCHOみたいになりたいと言っていただいたということがありまして、平成30年2月にも日赤が指定を受けて、指定研修機関数の増加に貢献したということ。
もう1つのポイントは、「各指定研修機関においては」というところですが、国のほうでは、7年後に10万人以上を目指しているということですが、実態として、ホームページ情報では、34都道府県69機関で、大体募集人数はそれぞれ30人前後ということで、単純に掛け算すると2,000人ぐらい、29年度は養成するために募集したということですが、その中で当機構は、年間130人の研修を可能とする体制を作ったと。1割はいきませんけれども、6、7%という大きな割合を占めるということは、地域医療への貢献と共に制度の普及といった国の目標達成に大きく貢献した。この辺りを評価いただきたいと考えております。
看護師についてはもう1つありまして、認定看護管理者教育課程というところで、リーダーシップも図れて、地域包括ケアシステムの構築を図るための看護師を養成するということですが、ポイントの1つ目にあるとおり、認定看護管理者が所属する病院の割合は、独立行政法人で1番高く、全国でも3番目に高くなっています。それが横にある日本看護協会のニュースリリースの棒グラフになります。
最後、24ページ、看護師養成施設の運営というのも当機構の業務ですが、看護師の合格率は棒グラフにあるとおり、当機構の青いほうが全国平均よりも常に高いという実績を上げています。最後は、(3)の所の一番下ですが、地域住民に対する教育活動、先ほどの市民講座と重複しますけれども、地域住民に対する研修としては、全57病院がやっております。29年度は、計1,080回、延べ26,484人の方に参加していただいたということになっております。
考慮すべき要素は、今、申したことの繰り返しになりますが、医師の働き方改革や、国策に貢献している特定行為に係る看護師の研修機関としての体制整備について評価いただきたいと。あと、認定看護管理者についても評価いただきたいと思います。以上です。
 
○福井主査
それでは、構成員の皆様から御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
 
○河村構成員
質問です。質の高い看護師の養成ということで、特定行為に係る研修というのをやっているのは、JCHOで最初に御説明があって、看護師の養成施設は全国57病院のうち7病院に併設されているのですか。そこで研修もやっていらっしゃるという理解でよろしいですか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
看護師養成施設でやっているわけではありません。
 
○河村構成員
ではないのですか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
病院の現場で、現に働いている看護師に対して研修しています。
 
○河村構成員
やっているということなのですね。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
はい。
 
○河村構成員
そうすると、その対象というのは、あくまでJCHOの各病院で働いていらっしゃる方が対象ということですか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
そうです。
 
○河村構成員
では、各地域でほかにいろいろ病院がありますが、そういう所の看護師まで受け入れるということでは、そもそもないということで。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
それは、今はしておりません。
 
○河村構成員
分かりました。
 
○福井主査
24ページの下から4、5行目に書いてありますが、JCHOで先陣を切った総合医育成プログラムは、その後どうなったのでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構理事長
この総合医、いわゆる後期研修の19番目の話ではなくて、後期研修の更に上ですね。サブスペシャリティーのことで、いわゆる病院で働く総合医ということでして、そこには現在、3名が実際に研修を実施していて、新たな応募もきています。また、たまたま今日ですけれども、来年からまたうちの病院で養成をして、多くの若い人を連れて来て、実施したいという医師と面接しました。そういうことで、始まったばかりですけれども、今のところホスピタリストは3人がもう研修を始めていて、また更に少しずつ増えていくと同時に、総合医を養成する指導医、かなり著名な方で、その人も非公式ですが、今日の段階で、JCHOに来たいという意向を表明してくれたので、少しずつ増えていくのではないかと思っております。
 
○福井主査
ほかにいかがでしょうか。
 
○坂井構成員
いろいろな取組、本当に大変だと思います。特定行為も一度御説明いただいたときにお聞きしたと思いますが、もう少し聞きたいのが、これはどういう病院でなさっていて、130名は研修可能というのは分かりましたけれども、実際は今、では、どういう実績で、ということと。
それと、こういう方々がいろいろ活躍していただくというのは、かなりの大きな病院体制の所ということもあるでしょうが、できましたら、JCHOが思っていらっしゃるような、へき地とか、余り島にはないとおっしゃったのですが、余りそういう所はないと聞いたのですけれども、どうしてもドクターが通えない。この間の大雨とか、地震とかいろいろあったときに、本当に出勤ができないようなそういう状況の病院も出てきたときに、うまくドクターと連携して、コンピューターも最近あると思いますから、そういう所と連動したような取組み方というのが私はすごく大事だと思います。その辺、お聞かせください。
 
○地域医療機能推進機構医療担当副部長
JCHOの河嶋と申します。看護を担当しております。今、具体的なところの御質問だと思っておりますけれども、現在、合計で29年度が82名、2年目の30年度に入り54名が研修しております。研修そのものはe-ラーニングを使った放送大学を活用した受講、基本的な共通科目は放送大学を活用して、区分別科目という実践的なところは現場で業務時間中に基本的には行うということです。働きながらですので、業務をしながらやっている状況です。
へき地でということなので、今はJCHOの職員に対してやっておりますが、やはり教育する医師の負担というのがかなり大きいものですから、本部のほうで共通テキストを作成しまして、それを用いて共通の教材を使って同じ質を保つということで工夫をしております。あとは、授業内容等は動画を活用して、できるだけ現場の医師の負担が少なくなるような形を現在、作成途中です。まずは、JCHOの職員で質を担保してから、JCHO外の看護師に関しては今後の課題ということで計画しております。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
補足すると、今のところ34病院に82人の方がそれぞれおりまして、先ほど伊万里松浦病院等を申しましたけれども、100床ない病院ですが、そういった病院でも研修生がいるという形ではやっております。
 
○福井主査
ほかに、大西構成員どうぞ。
 
○大西構成員
非常にシンプルな質問です。28年度と29年度を比べたときに、29年度に取組を始められて成果が上がっているのが、この特定看護師の研修制度だと理解してよろしいでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
そうです。
 
○大西構成員
ほかのものは、継続してやっておられるものは成果を上げてきているということですね。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
はい。
 
○福井主査
ほかにいかがでしょうか。
 
○亀岡構成員
認定看護管理者教育課程というところですが、これは確か日本看護協会のほうでされている1つの制度だと思いますが、ここで80%ということなので、57のうちの80%となっておりますけれども、非常にこれは大事なことかと思っております。いわゆる地域包括ケアという中においての、正に看護師の人がその中核になっていくのだというような認識を持っておられるということでよろしいでしょうか。ということは、80.7というのは、100%という可能性はあるのでしょうか。それは、そもそも無理があるのですか。あとは、教育の仕方ですと、e-ラーニングとか、そういうことをベースにされたのですか。
 
○地域医療機能推進機構医療担当副部長
57病院全ての看護管理者とは、看護部長とか、副看護部長にこの認定看護管理者資格というのを持っていただくために今研修をしておりますので、100%というのはあり得るかなと思っており、そこを目指して実践しております。
それから、教育内容に関しては、e-ラーニングではなくて、品川の本部に研修センターを持っておりますので、そこに実際に来ていただいて、研修センターのほうで教育をしております。あとは、ほかの教育機関で受講して資格を得るものもおります。両方とも活用しております。
 
○亀岡構成員
分かりました。
 
○福井主査
認定看護管理者がいる病院は、いい看護を提供しているというデータはあるのでしょうか。なかなか難しいですよね。
 
○地域医療機能推進機構医療担当副部長
日看協も、なかなかその辺りはアウトカムというのは出せていないところであります。
 
○河村構成員
お忙しいお医者様の負担や仕事が少し軽減されたとか、そういうことには。それはないですか。
 
○地域医療機能推進機構経営企画部患者サービス推進課長
患者サービス推進課の吉浪と申します。成果というところは非常に言われるところなのですが、実際には、看護協会のほうでも表してはいないところです。けれども、他施設の看護職への教育支援であったり、他施設間のネットワークの形成、多施設間の看護人材交流の推進というようなところに、非常に頑張っているという成果は出ております。
 
○福井主査
ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。それでは、評価項目2-3に移りますが、よろしいでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
31ページを御覧ください。こちらはコスト削減とか経営改善という部分ですので、上の左のほうにPDCAサイクルの絵がありますが、そういった取組もしっかりやることによって、下のポイントの所ですが、28年度の赤字病院のうち9病院が黒字化し、5病院が経常収支率の改善、そして、黒字病院数が44病院になりました。28年度よりは2つ増えまして、見込評価書にも出てきますけれども、26年度は38でしたから、6つ増えているという状況になっております。
32ページ、業務コストの節減等というところで、ポイントの中でも左のほうで、調達等の合理化です。元々民間団体だったことで随意契約の件数の割合は高かったわけですけれども、昨年度、平成29年度の実績としては、随意契約の件数の割合は18.5%ということで、28年度の23.9%に比べるとマイナス22.6%というところまでもってきたということになります。2者以上の応札、事実上、随契ではないかと言われているものではないという意味ですけれども、2者以上の応札があったものについては、1.7ポイント増加の86.6%というところで、かなり競争体制も作って、業務コストを節減してきているというところはあります。
あとは、右のほうに、後発医薬品の数量シェアも、国の数値目標を上回る成果、一般管理費の節減も15%削減するというのが中期計画の目標ですけれども、それは、4年連続で達成してきているというところです。考慮すべき要素でありますが、多くの公的医療機関が厳しい経営状況の中で、地域医療機構は職員に意識改革を行い赤字病院の原因を徹底的に分析し、収益の向上と費用の削減に努めたというところを御評価いただければと考えております。説明は以上です。
 
○福井主査
それでは、ただいまの説明について、御意見、御質問等をお願いいたします。いかがでしょうか。
 
○河村構成員
質問です。昨年がB評価になっているのですが、それとの違いがどこかというところの確認をお願いしたいのです。赤字病院の数が減った辺りでしょうか、28年度から29年度の違いのところで御説明をお願いできればと思います。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
昨年度の黒字病院は42だったわけですが、2つ増やしたところが違うというのはあります。随意契約のほうは実は昨年度はもっと、大幅に減らしておりまして、割合で言うと40幾つだったのを23.9%に大幅に下がったのですが、20%ぐらいは普通だろうということでBだったのかなと思います。平成29年度は更に切り込んで18.5%まで下げてきたというところが、正に他の法人に勝るとも劣らない成果が出てきていると考えております。
 
○河村構成員
赤字病院数だけで分かる話ではもちろんないと思いますが、ずっと横ばいだったのが、今年減ったという、そういう感じなのですか。
 
○地域医療機能推進機構理事長
なぜ今回はBからAにというのは、もちろん赤字病院が減ったという数値的なこともありますけれども、私が一番大事にしていることは数だけではなくて、従来に比べて29年度はデータに基づく改善策の検討が行われたということと、職員、特に院長、事務長等の病院の幹部の意識が随分変わったと思います。釈迦に説法ですけれども、どんなグループでも、院長の能力とかやる気で、病院経営というのはかなり変わってくるのです。我々の病院も率直に申し上げて、全ての院長がスーパーマンではありません。どうしても院長の限界、あるいは思い込みがあって、本来はやるべきことができないということがあったのですが、特に29年度になってからは問題を見える化して、本部の職員が、時には遠隔で、時には実際に赴いて、時には会議に出てきてもらって、本当に病院長に問題の在り処に気が付いてもらって一緒に解決するという、意識改革というか、そういうことを28年度に比べて大幅に実施したという、それが結果的には赤字病院の数が減ってきたというように考えております。
 
○河村構成員
ありがとうございます。そういうところが、もう少し細かく資料で説明してあればなという感じもして、お取組のことはよく分かりました。ですから、本部のほうで結構いろいろ関わられるようになった。ただ、国立病院機構などでは、そういうことは大分前からやっていらっしゃるという話は聞いていますので、是非そういうことを続けていただければ、きっとまた業績も上がってくるのかなという感じはいたします。ありがとうございます。
 
○福井主査
ほかにいかがでしょうか。
 
○大西構成員
黒字で推移されているのは、すばらしいことだと思います。ありがとうございます。57病院のうち44病院が黒字ということですから、13病院がまだ赤字という状況。ただ、28年度は13よりも9多かったということですから、赤字の所が。というように理解してよろしいのでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
赤字病院に多かったという形になります。
 
○大西構成員
その9病院が、28年度の赤字病院のうち9病院が黒字化したという話と、今、13残っている赤字病院というのは。それと、2、黒字になったというのがその数字のつじつまをどう合わせればいいのかなと思いますけれども。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
これはいろいろな事情によって、残念ながら黒字から赤字になったという病院もありまして。
 
○大西構成員
そういうことですか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
それで黒字病院の総数としては、42から44という数字になります。
 
○大西構成員
なるほど。それから、お尋ねしたかったのは、JCHOの場合は、介護業務と診療業務と両方やっていて、それは患者さんがたくさん集まってくることに寄与しているとか、又は収益の管理に寄与しているとかというところで、何か特徴的なことはありますでしょうか。これは経営の内容についての話ですけれども。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
それは、やはり病院にありまして、老健施設を併設している病院は今は26病院ですが、そこは隣に病院があるということで連携しています。
 
○大西構成員
老健のある所は収益が高いということが言えるのですか。
 
○地域医療機能推進機構理事(内野)
内野と申します。老健施設併設の所も、老健をうまく活用している所もあれば、ただ老健を置いているという所もありますので、一概に老健があるから、それが経営に非常に寄与するということではないと思っています。ですから、なるべくその老健をうまく活用して運営するようにということを、今、本部のほうで主体的にやっております。
 
○大西構成員
それができている所は成績が良いということですね。
 
○地域医療機能推進機構理事(内野)
はい。
 
○福井主査
ほかにいかがでしょうか。黒字から赤字に移行した病院は、何か特別な要因があって、そうなったのでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構理事(内野)
やはり医師の予期せぬ退職が一番大きいです。これは大学医局との関係とか、五月雨式に抜かれる場合もありますし、あるいは、1科の診療科が突然なくなるというケースも出ておりますので。
 
○福井主査
そうですか。
 
○地域医療機能推進機構理事(内野)
はい。
 
○福井主査
ほかにいかがですか。よろしいでしょうか。それでは、評価項目の3-1について説明をお願いします。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
34ページを御覧ください。真ん中のポイントですが、こちらは経常収支率100%以上とするというのが目標になっております。それに対して、職員の経営意識の改革、経営力の強化という左の部分と、病院、本部が一体となった経営改善と費用削減取組という右の部分、2つ合わせて経常収支率は101.3%となり、年度計画に定めた目標を達成し、4期連続で安定した黒字経営が図られたという成果を残しました。
考慮すべき要素にありますが、多くの公的医療機関が厳しい経営状況にある。特に人件費増が避けて通れないところがある中で、これは後ほどの資料に出てきますが、それで収益増加と費用削減に取り組んだ。それで、4期連続で経常収支率100%以上を達成したところは、考慮いただきたいと思っております。
資料の35ページ、「経営状況の推移」という棒グラフですが、経常収益は3,690億円、経常費用は3,642億円、経常収支は48億円になっております。左の表で診療業務、介護業務、教育業務と分かれており、もちろん病院の診療業務がほとんどを占める3,535億円というところですが、そういった数字で経常利益は黒字を出している形になります。
最後、37ページ、給与費という青い所ですが、+0.8%ということで、割合は低いとはいえ、実額でいうと給与費が15.3億円増えた。委託費も10.5億円増えている。こういったところが経営を圧迫する苦しい要因といいますか、ある意味外的要因ですが、その中で先ほど申した経常収支率101.3%を達成した状況が成果と考えております。説明は以上です。
 
○福井主査
ありがとうございます。この点についてはいかがですか。
 
○藤本構成員
今回の資料の中にはないのでお尋ねしたいのですが、退院した患者さんが在宅に帰られる割合はかなり高くなっているというお話でしたが、例えば退院した患者さんが2か月以内とか、そういう短い期間でまた再入院する割合のデータは取られているのでしょうか。なぜこのような質問をするかと言いますと、要は病院の中のベッドの回転率を上げて患者をどんどん退院させれば、収益としては上がりますし、在宅復帰率も上がりますが、そうやって地域に帰っていった方々たちが、本当に健康な状態で自宅での生活を継続してできるかというところが、私としましては大変気になるのです。その辺について何かデータがありましたら教えていただきたいのですが。
 
○地域医療機能推進機構理事(内野)
当機構はデータを多分取っていないと思いますが、変な言い方ですが、民間病院とは違いますので、回転率を上げたいとか、DPCのまた一番上の所から入れたいから早く帰すとか、全ての病院はそのようなことを全く行っておりません。ですから、在宅復帰率が高いのは、これは手前みそですが、恐らく良くなってお帰りになる方が多いのだろうと私は思っています。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
あと、私は説明をしていませんが、訪問看護ステーションで在宅の支援もしておりますので、2か月以内が高いか低いかとか、そういう話とは別かもしれませんが、そういった形で在宅に関して支援をしているというのが当機構の病院です。
 
○藤本構成員
では、追加でいいですか。
 
○福井主査
はい、どうぞ。
 
○藤本構成員
これは意見ですが、今回の費用的なことの評価なので、なかなかデータとして乗ってこないと思うのですが、ただ、JCHOさんは、ほかと比べて医療の質がどう高いのかというところも、何か分かるようなものがあると、また評価にかなりプラスになっていくのかという気がしましたので、これは意見として申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 
○福井主査
ありがとうございます。ほかにはいかがですか。
 
○亀岡構成員
36、37ページになるのですが、これはもしかしたら4年間ずっと経常収支比率がプラスになっている。これは大変素晴らしいことで、比較は他の公的な病院と比べているのですが、中には、こちらでも大きくマイナスの所もまだある。平均すると、こういう形になっていると思うのです。収入の増加と費用の増加もあるのですが、先ほどのだと管理費は15%以上の削減を図っているのだということを言われているのですが、今回、収入は増えているのがあります。先ほどおっしゃった入院の診療収入です。だけど、費用も少し増えているのですが、先ほど管理費が15%というのと、費用が増えてきているということの関連性について、15%減というのは、御説明でどこを言われたのかと思って。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
こちらは一般管理費でして、一般管理費は病院全体の中には出てこないものです。
 
○亀岡構成員
口頭でもいいです。
 
○地域医療機能推進機構監事(石尾)
原価ではなくて、その下に本部の費用とか、グループ全体の費用が。
 
○亀岡構成員
一般管理費というのがありますね。
 
○地域医療機能推進機構監事(石尾)
それはこちらの原価ではなくて、本部費用で別立てになっているのです。だから、こちらの説明には入っていないのです。それはあくまでも病院の原価のほうです。
 
○亀岡構成員
でも、経常には入りますよね。
 
○地域医療機能推進機構監事(石尾)
経常には入ります。
 
○亀岡構成員
経常には入っているけれども、ここには入っていないのですか。
 
○地域医療機能推進機構監事(石尾)
そこには入っていないです。
 
○亀岡構成員
そういうことですか。
 
○地域医療機能推進機構監事(石尾)
はい。
 
○亀岡構成員
でも、経常には入りますよね。
 
○地域医療機能推進機構監事(石尾)
はい。
 
○亀岡構成員
先ほどおっしゃった、経常収支を含めたものですよね。
 
○地域医療機能推進機構監事(石尾)
そうです。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
そういう意味では、下にある、「その他経常費用」という緑の中に、一般管理費が含まれています。「その他経常費用」というふうにまとめてしまいますと、緑色は平成28年度よりも2億円増えているわけですが、一般管理費自体は金額は増えていても、計画値とか目標値よりは下回っているという関係になります。
 
○亀岡構成員
分かりました。
 
○福井主査
ほかにはいかがですか。
 
○大西構成員
今の経常収益の棒グラフを拝見しますと、これは診療報酬会計とか、いろいろな影響はあるのかもしれませんが、平成26年度と平成27年度ではプラスになっていて、平成27年度から28年度は少し減になっている。平成28年度から29年度はまた少し上がっている。こういう波というのは、そういう制度の問題なのですか、それとも患者さんの動きとか、何らかの事情があってということなのでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
やはり診療報酬の改定です。改定を受けてより対応できるようになるのが2年目というのもありますので、2年目のほうが高いということになります。
 
○大西構成員
今年はまた改定があったばかりですから、影響が出るという可能性があるということですね。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
それは可能性があります。
 
○福井主査
ほかにはいかがですか。よろしいですか。それでは、今まで説明していただいた項目以外の説明がなかった項目が何項目かありますが、御意見なり御質問なりありましたら。よろしいですか、B評価になっている所も御意見がありましたら。
ないようでしたら次に移りたいと思います。中期目標期間の見込評価、資料2-1を御覧になっていただいて、同じように説明を頂いて、それから御意見、御質問を受けたいと思います。ただ、内容がかなり似ておりますので、簡略化していただければと思います。最初に資料2-1の1ページから。2ページはよろしいですか。では、ここから簡単な説明をお願いします。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
資料2-1、1、2ページはほとんど一緒といいますか、総括用ですので省略いたします。
 
○福井主査
1-1について、よろしくお願いします。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
資料の構成はほとんど一緒ですので、違う所を中心に説明していきます。4ページ、平成30年度の数字が入っているのが前回の資料との違いで、地域包括ケア病棟は平成30年度2病院、更に増える予定ということになっております。
5、6ページが自治体と連携した移転建替えということですが、5ページは先ほどの伊万里松浦病院、その他5病院については先ほど河村構成員からありましたが、ミスマッチがあった5病院についても自治体と協議して移転を決めたというのを、この5年間で成果として上げているというものになります。
7ページの地域協議会については、説明を省略いたします。
8ページが数値目標ということで、ポイントの赤文字ですが、2,3,4の3つについては、57全ての病院の体制を整備したということで、平成29年度は1が46病院だったということですが、平成30年度は57病院、達成が容易ではない高い目標ではありますが、昨年の後半から集中的に取り組んでいるということもあり、平成30年度の見込みでは全57病院達成できる予定です。平成29年度が難しかったのは、今さらですが、前半の数字が少し悪かったため目標達成には至らなかったということですが、平成30年度当初から悪くないため目標達成が可能という説明を今から差し上げます。赤い文字にありますが、全57病院を目標にしておりますので、57病院/57病院、100%というのが達成率では最大の数字ということになります。
最後に9ページです。達成できるとする理由は、そこの表にありますが、左のほうに「平成30年3月末」とありますが、紹介率未達成5病院、逆紹介率未達成7病院ですが、11病院ができていなかったということで、57病院から引き、46病院が達成できていたということです。昨年の後半からの取組を強化したことによって、昨年度は4%以上で、今年度は5%以上と、目標が上がったにもかかわらず、5月末時点では紹介率未達成病院2病院、逆紹介率未達成病院3病院で5病院と、つまり52病院は達成できているという状況まで持ってきております。あと10か月ありますので、あと5病院増やすという見込みも今のところ立っているということで、57/57と見込評価では考えております。
以上、考慮すべき要素として、結果的には困難な目標なわけですが、あと57病院は全てが達成という状況になりそうだということと、あと1つ目のものは、先ほどと一緒です。移転建替えは大変困難な目標だということを考慮いただきたいということで、Aとしております。説明は以上です。
 
○福井主査
ありがとうございます。構成員の皆様から何か御質問、御意見がありましたら、お願いします。
 
○亀岡構成員
8ページですが、先ほどあった体制の整備が、平成30年度には57病院を見込んでいると。左側というのは、ポイントを読ませていただくと、なかなか難しいと書かれているのですが、目標だからいいでしょうと言われるとあれですが、今、平成30年度の7月で、間もなく8月を迎えようとしているときなので、読めると思うのです、来年3月末までなので。今のこの段階でも全57病院だというお話でよろしいでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
今の段階ではそうです。
 
○亀岡構成員
今の段階で。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
今の段階ではという言い方は、4、5月は達成していない病院があるわけで、ある意味、それよりも5%以上が目標ですから、5%を切っているこの5病院は、6月以降は正に5%以上、6、7%を叩き出さないと、平均として5%以上にならないということですが、そういう意味で、今、4、5月の借金を返せるような数字は一応出していますので、10か月後には57病院にいくのではないかと考えています。
 
○地域医療機能推進機構理事長
先ほどの病院経営のほうでも、本部がかなり積極的に行っています。一元的には病院の院長の責任ですが、場合によってはかなり強く指導をしているということです。これも全く一緒で、今、我々にとっては優先課題がたくさんありますが、紹介率・逆紹介率については、頻繁に当該院長と協議していますし、本部から実際に理事あるいは担当部長が行って指導していますので、これについては当該病院、問題の病院は十分に、かなり真剣に受け止めていますので、私は、最終的には書いてあるとおりになると思っております。
 
○亀岡構成員
ありがとうございます。
 
○坂井構成員
かなり前向きな取組をされるということで、先ほど目標値がありましたが、5ページで県を越えてということは、本当にいろいろ大変だったと思います。多分大きな団体からのいろいろなこともあったと思うのですが、これは私自身もこういうことに遭遇して、いろいろなことを思ったものですから、まず、いずれ100床開設なさる部分と、今の診療報酬上のいろいろな問題をされるときに、先ほども少しドクター等の関係で黒字だった所が赤字になったとか、いろいろな状況がある中で、あえてこのことをそれぞれの地域医療という部分で受けて立とうとされるというのは、私は非常に大きな意義はあると思うのです。では、それを本当にうまく経営していく取組み方の中で、何か特化とか、いろいろなお考えがあるのかを少しお聞きしておきたいと思います。何か特化したようなやり方で取組をされて、うまく経営を回していこうと思われているのか、スタッフの確保のほうに努力をなさろうとしているのか、それをお聞きしたいと思います。
 
○地域医療機能推進機構理事長
幾つかの限定したサービスに特化するかということですけど、これは私自身は、先生のこの問いに対して答えははっきりしていて、これは我々はやりたい医療ではなくて、求められる医療をやろうということで、救急の急性期のこともあるし、地域包括もあるし、リハビリもある。これは我々はやりたいということではなくて、求められる医療をやると。これについては随分地元の人と協議しました。それから、医師の確保については、先ほど2つの県にまたがるということで、大学の名前は申し上げませんが、想像していただければ分かりますが、その2つの県の有力な大学に、これは我々は自治体と交渉したのと同じぐらいの割合で行っています。それで、開設した際には、両大学からはできる範囲で医師派遣を行っていただくということを、今もやっていますし、これからもやるし、今、一定程度のポジティブな返答を得ているということです。
 
○柿崎構成員
国立がん研究センターとの包括協定です。高度急性期から慢性期まで幅広い疾患に対応できる機構の病院というのは、どれぐらいあるのでしょうか。つまり、実態的に連携できるところというのは。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
まず、この医療連携は、やはりがんセンター病院に北海道から九州までの患者が行っているということがあります。ですから、一次的な医療が終わった段階で、JCHOの各地に点在している病院が引き受けて、その後の治療をやっていく形になると思います。
 
○柿崎構成員
57病院全部できるのですか。資料の16ページを見ると、高度急性期から慢性期まで幅広い疾患に対応できる機構の病院、全部ということですか。
 
○地域医療機能推進機構理事長
何病院やっているかというのは、背景を説明させていただきますが、がんセンターは、これは日本で文字どおり、がんのトップ医療機関です。ところが、退院するような人は、がん治療のフォローアップと同時に、がん以外のいろいろな疾患を持つことがありますよね。ところが、がんセンターにはそういうことをやる人は必ずしもいないのです。ところが、JCHOの病院は、それこそ総合医ではないけれども、いろいろ包括的に診る人が今いるし、実際にこれから増やすということで、がんセンターを退院した人が地元に戻ることがありますよね、九州とか。そのときには言っていただければ、我々はその病院に連絡して受け入れる。そういう体制ができたということです。
 
○柿崎構成員
実態的には何病院が締結の対象に成り得るのですか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
がんだけに限ると、45病院ですが、今、理事長からありましたように、がんしか疾病を持っていない方だけには限らず、ほかに持病をお持ちの方もいますから、その持病の治療という意味でも、がんセンターから帰ってきたという意味では、57病院という考え方です。
 
○福井主査
結局、45病院と協定を結ぶということでしょうか、それとも57病院全部ということでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
協定自体は機構として結んでおりますので、法人として結びましたから57病院にしています。具体的には、患者さんによるという形になります。
 
○福井主査
今、サバイバーシップが問題になっていて、治療を終えた患者さんが長生きしますので、ほかの病院でフォローを受けるようになってきています。したがって、こういう協定は非常に意味があるのではないかと思います。ほかには何か。
 
○河村構成員
意見ですが、ここの項目の所が、先ほど細かくお尋ねした、いろいろ困難な事情を抱えていらした地域で、いろいろ意見等、説明はあれだということで、そういうところで十分評価できると思います。ただ、少し気になるのが、数値目標の書き方で、こういうふうに57病院中の57病院しか達成できないということで、それはそのとおり事実なのです。でも、それをもってして何か高い評価とは、そういう御説明はなさらないほうがいいと思います。それは、せっかくほかの府省とか、ほかの独法も共通でやっていらっしゃる、そういう尺度があり、各地域で本当に困難な事情を抱えていらっしゃることはすごくよく分かりますし、元々の経緯も、RFOがあれだけ、できるだけ売却できるところは売却というふうになさって、それでもなかなかうまくいかなかったところを束ねて発足されていることも、すごく、どれだけ大変かということは重々承知しています。でも、やはり100以上出ないものが出たから、高い評価というのは、そういう御説明は多分なさらないほうがいいのではないかと思います。ただ、この項目については、ほかの所でいろいろな事情を御説明くださっているので、こういう評価は十分できるのではないかと思っています。以上です。
 
○福井主査
よろしいですか。それでは、評価項目1-2についてお願いします。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
評価項目1-2は10ページから始まりますが、11ページは救急医療で、先ほどと全く同じです。達成していますということで、高く評価いただきたいということです。12ページは災害医療で、平成28年の熊本地震への対応というのが、先ほどの資料から加筆されているという部分です。ちなみに、今年度は、西日本豪雨でもDMATを2チーム出しました。
13ページがへき地医療です。へき地医療の一番上に、先ほど口頭で申しました平成27年3月に取りまとめられた厚生労働省の報告書で、読み上げませんが、高く評価されているということもありますので、この数字を評価していただきたいということです。数字自体は先ほどと同じです。
その後、各年度のへき地の資料がずっと続きます。18ページですが、周産期医療については数値目標に掲げておりませんが、赤枠の御覧のとおりの形となっており、対基準値増減率という所に▲があります。母体搬送患者は目標を達成しています。
19ページの小児医療については、小児救急患者自体は、対基準値増減率は3.6%で、数値目標には達していないということにはなっております。
20ページのリハビリテーション、5疾病、健診、この辺りも、先ほどとほぼ同じで、増えている部分ということになります。考慮すべき要素も、先ほどと同じという形になります。説明は以上です。
 
○福井主査
ありがとうございます。御質問、御意見等がありましたら、お願いします。
 
○河村構成員
意見ですが、ここの項目については、先ほど平成29年度の所で申し上げたことと同じです。先ほどの項目でも申し上げましたが、過去を振り返ると、4年間の中でB評定が付いているときもありますし、平成29年度については、私自身A評定は少し疑問だと思っておりますので、その考え方に立つと、通期でAは難しいのではないかと思います。
 
○福井主査
ありがとうございます。ほかにはいかがですか。それでは、評価項目1-3に移ります。よろしくお願いします。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
22ページを御覧ください。地域包括支援センターにつきましては、先ほど口頭で申しましたように、平成30年度は13になるということです。アンテナを張って市町村から受託できるものはコンペに勝って受託していきたいということで、実績としては13になる見込みです。老健施設につきましては、現時点で在宅復帰率が50.5%。介護報酬改定もありましたので、もっと伸ばしていこうとは思っています。在宅復帰率は全国平均を上回っているところを評価いただきたいということについては、先ほどと変わりません。23ページの訪問看護も同様です。
24ページに認知症対策とありますが、上の表は先ほどと一緒ですが、5年間という意味においては、新オレンジプランにおいて作るべきとされている、下のほうにあります認知症疾患医療センターというものを平成26年10月に1病院、長崎県の諫早総合病院でしっかりやっていますという点を追加説明させていただきます。考慮すべき要素は先ほどと同じで、地域包括ケアの取組をしっかりやっているという点を評価いただきたいと考えています。以上です。
 
○福井主査
ありがとうございます。ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等がございましたらお願いします。ここについてもよろしいでしょうか。平成29年度の部分とかなり似ていますので。
それでは、評価項目の1-5が自己評価Aになっていますので、そちらについての説明をお願いします。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
28ページ以降についてです。先ほど大西構成員からもございましたが、30ページにあるとおり、質の高い看護師の育成のため特定行為研修をしっかりやっているという点を、5年間全体として評価いただきたいということです。31ページの認定看護管理者教育課程も同様です。それから、最後の32ページに、東京医療保健大学との連携とあります。こちらは、4年制大学を出て看護師になるという時代の流れもありますが、機構法では看護大学を運営できるとは書いてありませんので、他の法人に頼まなければならないということがあります。その中で看護師が不足している千葉県、人口10万人当たりの看護師数が全国で2番目に少ない県だそうですが、その県内にある船橋の千葉看護学部の施設を大学に貸与して看護大学を開設しました。その他は先ほどの説明と同じで、考慮すべき要素も同様です。説明は以上です。
 
○福井主査
いかがでしょうか。何か御質問、御意見等ございますか。
 
○亀岡構成員
先ほどお話していただいた中で、4年制の看護学校ということで、今は3年制というものもあると思いますが、今後4年制というのが、質が高いということでなっていくと思います。看護師の数と質との関係は、今後どのように考えられていくのでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
当機構が運営している看護学校は全て3年制になっています。大学は運営できませんので、3年制になっております。全部大学になるかというと、やはりそこは、他の事情などいろいろとありますので、まずは看護師養成施設でといった方も一定の人数ありますし、そういう看護師が全く駄目というわけでもありませんので、引き続き看護学校の運営の中でやっていきたいと思っています。
当機構の看護学校を卒業したのですが看護大学に進学するということで、当機構の病院に就職せずに看護大学に行ってしまうという人も中にはいるわけですが、その辺りは機構法の制約もありますので、当機構で大学を運営するわけにはいきませんから、そこはもう少し考えなければいけないとは思っています。
 
○福井主査
ほかには、いかがでしょうか。
 
○柿崎構成員
どこにあったか分からなくなってしまいましたが、看護師の離職率に触れていたところがあったのですが。保育所の話か何かで。それがどうなっているか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
確か4-1に書いてありまして、資料2-2のページでいうと171ページです。院内保育所のことですね。
 
○柿崎構成員
伺いたいのは、離職率がどういう感じなのかということです。
 
○地域医療機能推進機構医療担当副部長
平成29年度の当機構の看護師の離職率は平均して11%でして、日本看護協会調べの全国の看護師の離職率と全く同様ということになっています。
 
○福井主査
ほかには、いかがでしょうか。では、自己評価Aの、評価項目2-3に移りたいと思いますが、よろしいですか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
39ページを御覧ください。先ほど座長から御示唆がありました、救急の応需率の関係です。救急を断らないようにしろとか、そういう指示を各病院に対して行いまして、そういったことをフォローアップするというPDCAサイクルを回しているということはあります。ポイントとしては、平成25年度には赤字病院が57のうち34病院あったのですが、平成29年度は13病院まで減ったということです。ちなみに、平成26年度、発足当初は赤字病院は19でした。発足のときに15減らしたということですが、19から見ても、19、15、15、13と、赤字病院を3割以上減らしてきたという点は経営改善の取組の実績ではないかと考えています。
41ページを御覧ください。業務コストの節減等という所の左上にポイントとして囲まれていますが、給与・賞与水準としまして、平成25年度まで病院ごとにばらばらだった給与水準を統一し、各病院の経営状況に応じたメリハリのある給与・賞与制度を作りました。そういったことで、病院全体の給与費は平成25年度よりは少なくなりました。人件費増の世の中ですので、平成26年度よりどんどん増えてはいますが、それでも平成25年度よりは下回っているという状況を今は達成していることになります。それから、右のほうに、調達等の合理化計画や、下にあります一般管理費の節減の点については、先ほど説明したとおりです。説明は以上です。
 
○福井主査
ありがとうございます。いかがでしょうか。
 
○亀岡構成員
1つお聞きします。先ほどの質問の中で、平成29年度は平成25年度に比べると赤字病院が13病院に減少したというお話でした。ただ、この13病院というのも、中には黒字から赤字になった病院もあるし、もちろん赤字が黒字になったものもあり、差し引き13病院に減少したというふうにお聞きしました。黒字から赤字になった病院を今後、黒字にしていく要素、また、なぜ赤字になったかということも含めて、もう来年が目標ですから、若干お聞きできますか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
制度的には、本部の中に経営改善委員会というものを作りまして、病院と一緒に一つ一つ原因をつぶしていくことをしっかりとやっています。昨年までやっていなかったわけではありませんが、より一層重点的に取り組む仕組みを作っております。それで減らしていこうと考えています。
 
○亀岡構成員
黒字から赤字になった病院がありましたが、それは戻るのでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構理事長
よろしいでしょうか、大事な質問なので。3つぐらいあると思います。医師がいなくなってしまうということについては、まず、JCHO内部でも足りないのですが、それでも、JCHOの中で少し手助けしようということは今、正にやっています。それから、先生方には釈迦に説法ですが、JCHOになって今まで民間の病院を独立行政法人という公的なものにして、我々は当初、規則をかなり厳しめにしました。例えば、地元の医師の給与面での待遇が余りにもリジッドで、それでJCHOを去るということが実際あるのです。これは御想像に難くないと思います。それは独法の規則の中でできるだけ弾力的にやることとして、そういうことで今は対処しようと思っています。それから、また始めますが、病院の院長だけではなく、本部の理事も各大学の医学部長あるいは病院長に。従来もやっていますが、本部全体でお願いをしに行く。地元の大学でも、全国ネットワークを持っている病院と連携することはメリットがあるのですね。そういうメッセージを送って、少しずつ地元の大学も、今言ったようなことで、前に比べると医者を送ってくれる傾向にあります。
 
○押淵構成員
総務省の統計で、独立行政法人化して黒字を求められている施設は、できる限りその施設の中の、従来の耐用年数を過ぎたものでも更新せずに医療器械を維持してきたという経緯がありますが、いよいよその期限がだんだんと、10年、12年と過ぎていきますと、更新せざるを得なくなって、それで赤字化したというところが目立ってまいりましたが、当機構ではいかがでしょうか。手控えはないのでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構理事(内野)
最初のJCHO発足のときに5年計画というものを立ててもらいました。今度は、より詳しく、10年計画の中で機器整備計画を全病院に作っていただいています。ですから、それにのっとって、減価償却費が急に大きくならないように、あるいはその負担が大きくならないようにという、10年間をかけた投資の計画を立ててもらっていますので、多分大丈夫であろうとは思います。
 
○押淵構成員
それから、もう1つ。赤字になった要因の中で大きいものは医師の逃散ですね。これは私も大変苦労していますが、今国会で法律が通れば、平成32年度からは各都道府県の知事の責任になるという法律ができます。その根幹を成すのは各都道府県の地域医療対策協議会で、そこに各都道府県の有識者や医師会、大学の関与が求められていますが、そこに是非、機構としても積極的な働き掛けをして、都道府県の知事の役割を我々のほうからきちんと自覚させていくことをしながら、医師の不足の解消に努めていくことも大切ではないかと思っています。是非、御検討いただきたいと思います。
 
○福井主査
ほかには、いかがでしょうか。
 
○河村構成員
質問を1つとコメントがあります。質問は、41ページで、先ほど人件費について、率で見るとグッと下げられて、その後少し上がったところがあるということでしたが、上がったというのは、病院ごとに異なっていた給与水準の統一、これは大変なことだと思いますが、そういう新たな給与・賞与制度を作ったことの影響なのか、それとも、何か人員的な、人を多く確保したとかそういうことでしょうか、どちらでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
意図しましたのは、正に人事院勧告などで人件費がどんどん上がっていますので、さすがに平成26年度よりも平成27年度のほうが少ないといったことはできていませんが、平成25年度よりは少ないということを申したつもりでした。
 
○河村構成員
比率がポンと跳ね上がったところ、平成28年、これはどういう要因ですか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
先ほどの診療報酬改定で収益額が下がりましたので、その分、割り算の関係でそうなりました。
 
○河村構成員
分かりました。これはコメントですが、今のところ、そういう御事情があるのは十分理解できますし、独法の発足の経緯が、異なる3つの病院を一緒になさって、そこを統一して、どれだけ大変だったかと思います。報酬の面で統一した制度を構築されたなどの点は非常に高く評価できる、すばらしいことではないかと思います。そういう病院が集まったにもかかわらず、赤字病院、いろいろ課題を抱えている所もまだ残っているとは思いますが、ずっと収支相償を達成して、経常収支率を高い数字で出していらっしゃるので、ここの項目が通期A評価は妥当だと思います。
 
○福井主査
ほかには、いかがでしょうか。
 
○大西構成員
私も、今のお話に大変賛同するところが多いです。新しくできた機構ですし、グループ病院をどうやってまとめていくか、また、安定的な経営が進んでいくための基盤としてどういったところを整えていくかについて、この4年間にわたる御尽力が反映されたと思います。一方で、今回の資料を拝見していますと、平成29年度の資料と非常に似たものになっています。やはりメリハリといいますか、4年間を通じて成し遂げられたことをハイライトするものと、一昨年と昨年を比べて成果として上げるところと、少しメリハリをつけてお話されたほうが良い評価につながっていくのではないかと感じました。ここでは4年間を通じた御尽力の成果が上手く表現されていると思いましたので、河村構成員のおっしゃるとおり、私も高い評価に値すると感じています。ありがとうございました。
 
○福井主査
付かぬ事をお尋ねしますが、労働基準監督署が入ったために人件費が増えて赤字になった病院はないのでしょうか。我々のところは、ひどい赤字になりましたが。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
一時的に費用が増えた病院はありましたが、それが原因で赤字になった病院はありません。
 
○福井主査
そうですか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
確かに、1,000万円とか数千万円払ったという病院はありますが、何とか黒字で、決算で耐えたというものはあります。それがどこかというところまでは。
 
○福井主査
時間外手当を払っても、それぐらいで済んだのですか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
はい。
 
○福井主査
すばらしいですね。分かりました。ほかには、いかがですか。それでは、評価項目3-1についての説明をお願いします。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
評価項目3-1、43ページを御覧ください。こちらは毎年度経常収支率、上下はありますが、いずれも100%を超えているということで経常収支率100%以上達成を4年連続で果たしたというところで、この資料には書きませんでしたが、5年目の今年度も同様に達成し、5年連続で達成すると思っておりますのでAと考えております。
財務状況は44ページですが、一応、念のため損益計算書の説明をさせていただきます。経常利益はずっと30億とか50億という黒字を出しておりますが、臨時損失がありまして、当期純利益は初年度は赤字となっております。当機構は平成26年4月に発足しましたが、平成26年6月のボーナスで前団体のときの3月、2月、1月、その辺りの在籍期間の賞与も払ったことにより、これで大きな臨時損失が出たということで、そういう意味では、A評価ではないという意味にはならないと考えております。27、28の大きな▲も主に減損で、使わなくなった建物などの価値を下げたということで大きな金額が出ております。ただ経常収支は黒字ですし、あと当期純利益も御覧のとおり、平成30年までいけば当期純利益も▲は全部消えると考えておりますので、なおさらAだと考えているものです。説明は以上です。
 
○福井主査
この点についていかがですか。
 
○藤本構成員
この収益、費用のところを見ても、病院の経営のことに関して書いてあると思いますが、JCHOで持っている介護の施設や、そういった所での経営改善は特に念頭には置いていないのですか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
それはしております。この資料自体が病院ごとになっているように見えるのは、当機構の作り方の問題かもしれませんが、病院の附属老健、附属訪看という位置付けになっておりますので、1病院の経常収支というのは、老健、訪看、看護学校、全部含めた形になります。
 
○藤本構成員
そうすると、そういう所の収益の改善とか、そういうことは資料の43ページの中のどこに入ってくるのですか。一見、病院のことだけを扱っているように私には受け取れましたので。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
ここは老健に対して何もしていないわけではありませんが、狭い意味での病院に特化して書いてしまったというのはあります。失礼しました。
 
○藤本構成員
ありがとうございます。
 
○福井主査
ほかにいかがですか。
 
○亀岡構成員
先ほど最後におっしゃった44ページですが、損益計算書、平成26年度の当期の純利益が大きくマイナスになりましたと。平成29年度、平成30年度通しでやれば、この当期の純利益も通算ではプラスになりますというお話がありましたが、別途、資料2-2がありますが、平成26年度から平成30年度予算とありますが、これは確認ですが、この上では一応プラスにはなっておりますが、この予算というのは平成29年度までの実績に平成30年度の予算を加えた予算書ですか。もしそうでなければ、平成30年度の単年度の予算を総額で結構ですので教えていただけますか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
中期計画そのものですね。
 
○亀岡構成員
今言っている趣旨は分かりますか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
理解はしております。資料2-2は単に中期計画の数字ですので、そういう意味では実績を全く反映していない数字になります。
 
○亀岡構成員
一応、平成29年度までの実績は今分かりますので、平成30年度、単年度で結構ですので、収入と経常収益と経常費用、あと臨時があれば含めて、予算を、今は6月ぐらいまでは実績が出ているのでしょうが。というのは、先ほど平成30年度の段階では、通しでプラスになるというお話があったものですから。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
平成30年度のものは、各病院の数字を足した数があるのですが、今は手元になくて申し訳ありません。基本的には、良い意味で上振れをさせるように今までやってきたこともありまして、平成29年度も計画で48億円出ると予想していたわけではなくて、結果的に48億出ました。ですから、診療報酬改定で平成30年度はこれより低いですが、少なくとも平成28年度並みの経常収支は出る見込みという説明です。
 
○亀岡構成員
そうすると、経常利益は48億以上出ると。今の話では更に上振れするというお話ですから。そういう認識でよろしければ、その回答で結構です。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
平成30年度の各病院の足し上げた数字があるのですが、今日は持ってきてないのですが、その数字より大きいだろうという意味であって、48億より大きくなるだろうという意味ではありません。
 
○地域医療機能推進機構監事(石尾)
黒字にはなるのでしょうけど。
 
○亀岡構成員
今言われたのは、通算で累計が黒字になるという話だと、自動的に幾らぐらいと出てこないといけないことになりますよね。それでお聞きしたかっただけです。
 
○地域医療機能推進機構理事(西辻)
年度計画を主務大臣に提出しますので、各病院ごとの収益見込みを足し上げた年度計画上の数字があるのですが、確か40億ぐらいだったと思います。30億程度ではなかったと思いますが。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
38億9,300万円です。
 
○亀岡構成員
分かりました。それが平成30年度の経常利益ですね。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
純利益です。経常利益はその上ですので、少しお待ちください。
 
○亀岡構成員
純利益が。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
純利益が38億で、臨時損益をマイナス1億見込んでおりますので、経常収支は39億余です。
 
○亀岡構成員
分かりました。ありがとうございます。
 
○福井主査
ほかにはいかがですか。よろしいですか。それでは、資料2-1で説明がなかった評価項目について、何か御質問、御意見等ありましたらお願いします。
 
○河村構成員
評価項目4-1、その他の業務運営の所で、元々3つの種類の病院があったところをいろいろルールとか規則を厳格化されてという話は、先ほど理事長がしてくださったのですが、その関係でお尋ねしたいと思います。
私が4、5年前に政独委で関わっていたときに、最初、JCHOさんが3つ一緒になってできるというときに、民間で、全然国のルールにのっとっていないし、会計処理などで実は何か問題が結構いろいろ出てきていて大変という話を伺ったような記憶があって、その辺りはいかがですか。こちらの評価書を見ますと、その後、会計検査院からも指摘が来たりしていろいろ対応されているようですが、今はそういう特定の病院で会計処理の問題がまとまって出てしまったとか、そういうことは一切ないという感じですか。
 
○地域医療機能推進機構理事(西辻)
御指摘のとおり、3団体を一緒にした最初の平成26年度は、レギュレーション、共通のものを病院にやってくださいと言っても、10年も20年も長く違うルールでやってきた人たちが、いきなり変わるのは非常に難しかったと思います。そこは、我々の内部監査でも全病院の書面監査をやるとともに、実地監査を行い、監事にも内部監査ということで毎年幾つかの病院を回っていただく、外部監査の会計監査人にも全ての病院を1回ではなく、平均2回とか3回回っていただいて、ルールどおりやるということを、この4年間本当にしつこく確認してきました。
ただ、それでもまれに、まだこういうことをやっていたのというものも出ますが、それは確認したときに改善させるということでやっております。恐らくこの5年間で、こんなのがまだあったのみたいなものは、なくなるだろうとは考えております。
 
○河村構成員
ありがとうございました。
 
○福井主査
ほかにはいかがですか。
 
○藤本構成員
看護師の離職防止と復職支援のところで、院内保育所を運営と書いてありますが、それ以外の対策や何か取組はありますか。これ1点という理解でよろしいですか。
 
○地域医療機能推進機構医療担当副部長
評価書には余り詳しく書かれていないのですが、勤務時間を柔軟に対応するとか、それと付随しますが、先ほどの研修等はe-ラーニングを活用する等、そういったことをやっております。
 
○藤本構成員
ありがとうございます。
 
○福井主査
ほかにはよろしいですか。私から質問といいますか、可能であればということですが、質を均てん化する、標準化する最良の方法は、医師やナースが横に移動することだと思います。難しいとは思います。病棟の凹凸も人が動かないために起こる。病院も人事交流がもっと頻繁に起これば、実は良い所の文化を持ち込むことができます。なかなか難しいのですが、せっかくこういうネットワークの病院群ですので、何かそういうことができればいいなと思います。感想です。
 
○地域医療機能推進機構理事(西辻)
正に福井主査がおっしゃるとおりで、JCHOは元々の3団体の職員の身分をそのまま引き継ぐのではなく、一旦退職をしていただいて、JCHOで新たに採用という形を取っています。旧団体のときにはその病院への就職ということでしたが、JCHOでは、JCHOに就職したということで、広域異動を了解してくださいということで採用しています。もちろん、現実には広域異動をやるということは、その分、宿舎の確保や広域異動手当などコストの問題も出てきます。ただ、主査がおっしゃったように、交ぜることに伴うデメリットよりもメリットのほうが圧倒的に大きいですから、均てん化、あるいは特定の病院だけの変な仕事のやり方をなくすといった意味で、基本的には広域異動をやるというスタンスです。広域異動させる場合、できるだけ本人の負担がないように、昇進と併せて異動させるといったことも含めて本人の意向、病院の意向も踏まえつつ、できるだけ広域異動を進めるというスタンスでやっております。
 
○福井主査
単独の病院では、絶対にできないことですので、是非そういうメリットをいかしてもらえればと思います。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
看護部長さんとかは転勤で就任ということをやっております。
 
○福井主査
ほかにないようでしたら、次に移ります。法人の監事及び理事長から年度・中期目標期間における目標の達成状況等を踏まえ、今後の法人の業務運営等について、コメントを頂ければと思います。最初に法人の監事から、その後、法人の理事長からお願いします。
 
○地域医療機能推進機構監事(石尾)
それでは私から説明をさせていただきます。監査報告書については、資料1-3の37ページ以降に記載されておりますので御参考に見ていただければ結構です。監査報告の内容ですが、独立行政法人通則法第19条と第38条の規定に基づいて、独立行政法人地域医療機能推進機構の平成29事業年度の業務、事業報告書、決算報告書と財務諸表について監査を実施した結果について御説明します。なお、監査の方法及びその内容については、37ページにある監査報告書に記載しておりますので割愛させていただきます。
監査の結果は、法人の業務は法令等に従い適正に実施され、また中期目標の着実な達成に向け効果的かつ効率的に実施しているものと認めます。内部統制システムに関する業務方法書の記載内容は相当であると認めます。また、内部統制システムに関する理事長の職務の執行について、指摘すべき重大な事項は認められないということです。3番目、役員の職務の執行に関する不正の行為又は法令等に違反する重大な事実は認められません。4番目、財務諸表等に係る会計監査人新日本有限責任監査法人の監査の方法及び結果は相当であると認めております。5番目、事業報告書は、法令に従い、法人の状況を正しく示しているものと認めます。Ⅲ、独立行政法人改革等に関する基本的な方針等過去の閣議決定において定められた監査事項について違反する事実は認められない。
これが監査報告書に記載されていることです。また監査等を踏まえ、現在の法人の業務運営の状況や今後の課題、改善方針についてのコメントを幾つかさせていただきたいと思います。まず、平成29年度の決算については、我々は公的医療機関ですので、人事院勧告に準拠せざるを得ない、ある意味人件費の増加を前提とした事業運営をしなければならないところですが、その中におきましても、機構は独自のメリハリのある人事制度、給与、賞与水準の維持により、人件費を適正化、また材料・設備については、共同入札等を推し進めるなど経営改善に努めたことによって、年度計画で定めた経常収支率100%以上を達成し、経常利益48億円を確保したと。この点について正に機構発足以来4年連続で安定した黒字経営を図っていることは評価できると感じております。
診療事業等については、地域において必要とされる5事業又は地域包括ケアを実施し、さらにJCHO版の総合医の育成プログラム又は特定行為に係る看護師研修の推進など、この4年間をかけて、質の高い医師・看護師を育成する体制整備は十分に行ってきて、これからはその中において、より多くの人材を世に出していく段階にきていると感じて評価をしております。
今後、機構は発足5年目を迎えたことを踏まえて、これまでJCHO本部から各施設に対して指示や地域計画の目標達成に向けた取組等を通知しているわけですが、これが各病院の各職員に確実に伝達又は浸透されるように、的確な指導等を進めていく必要があると考えております。また我々監事は、理事長との面談や役員会の際に意見を申し上げておりますし、改善すべき事項があった場合には、理事長に対して助言を行いたいと考えております。以上です。
 
○福井主査
それでは理事長からお願いします。
 
○地域医療機能推進機構理事長
本日は様々な貴重な御意見、アドバイスを本当にありがとうございました。頂いた御指摘を真摯に受け止めて、これからの運営にいかしていきたいと思います。今年度はJCHOにとって第1期5年が終わる、言わば総決算の年ですので、これまでの4年間を簡単に振り返ってみたいと思います。
3つの大きなテーマに絞って話をさせていただきます。1つ目のテーマは、医療と介護についてです。具体的なポイントを4点挙げたいと思います。1点目は、我々が最優先課題の1つとしてこれまで取り組んできたのは、時代、地域が求める地域包括ケアの充実でした。多くのJCHO病院の現場では、実際は急性期医療に対する信仰、言わば7対1信仰が根強くあり、急性期病棟から地域包括ケア病棟への移行に対して強い抵抗感がありました。しかし、やりたい医療ではなく、地域のニーズに応えることこそ我々の仕事だとの意識改革を職員に徹底し、強力に推進してまいりました。
2点目としては、JCHOの病院自身も医師確保が困難でしたが、JCHO以外の離島、へき地などに対する支援はJCHOの重要な使命と考えて継続的に実施してまいりました。3点目としては、多くの時間、エネルギーを使って地域住民、自治体のニーズに応えてきたことです。その典型的な例が長崎県松浦市への病院移転です。この移転に関しては2つの県にまたがり、しかも、一部地元関係者の意見が錯綜し、交渉は極めて困難でした。しかし粘り強い交渉の結果、最終合意に達することができました。4点目としては、「断わらない救急」を合言葉に、救急医療の充実に努めてまいりました。中期計画に掲げる目標値を3年連続前倒しで達成するとともに、全国平均を大きく上回る伸びとなりました。その他、我が国の医師の働き方改革に貢献するため、看護師の特定行為研修や、JCHO版ホスピタリスト養成などについても積極的に取り組んでまいりました。
2つ目の大きなテーマは、財政基盤についてです。運営費交付金に頼れないJCHOにあっては、達成が困難であっても財政的自立が不可欠であるとの考えの下、組織運営を行ってまいりました。このため、多くの公的医療機関が厳しい経営状況にある中で、4年連続経常黒字を達成し、地域医療を担い続けるための強固な財政基盤を確立できたと考えております。
最後、3つ目のテーマはJCHOのガバナンスについてです。先ほど河村構成員、大西構成員からもありましたが、JCHOは組織、文化、歴史、給与体系などが全く異なる、しかも民間の団体が独法になるという極めて特殊なケースで、多くの困難に直面してまいりました。しかし、4年半経過した今、メリハリのある給与体系をはじめ、各病院の特性、事情をいかしつつも、独法にふさわしいガバナンスを有する組織に成長したと感じております。
以上、簡単に4年半を振り返ってみましたが、委員の先生方又は監事からの様々な御指摘があったように、JCHOにはこれからも改善すべき課題が多くあります。本日頂いた貴重な御意見や御指摘を真摯に受け止め、これからの運営に役立ててまいりたいと考えております。委員の皆さんにおかれましては、引き続き御指導のほどよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。
 
○福井主査
最後に、地域医療機能推進機構の「業務・組織全般の見直し」についてです。法人所管課からポイントを絞って簡潔に御説明いただきたいと思います。
 
○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長
資料2-3に基づいて御説明します。1ページの最初の3段落は、高齢化に伴う医療介護ニーズの増大・多様化等の背景を書いております。このような状況の中、厚生労働省としては、患者それぞれの状態にふさわしい良質、かつ適切な医療を効果的かつ効率的に提供する体制を構築するため、地域ごとにバランスの取れた病床の機能の分化・連携を進めるとともに、地域医療として一体的に地域包括ケアシステムを構成する在宅医療や介護サービスの充実を図るための取組を進めているところです。
JCHOについては、全国に病院を展開し、高度急性期から慢性期までの幅広い医療機能を有し、また、約半数の病院に老健施設が併設されている特長を有しております。こうした特長をいかしつつ、5疾病5事業、リハビリテーション、在宅医療、その他地域において必要とされる医療・介護を提供し、地域医療、地域包括ケアの要として、予防・医療・介護をシームレスに提供していくことが求められております。
このため、地域医療機構の業務については、地域において必要とされる医療・介護を提供する機能の確保を図ることを目的として、機構の資源を最大限有効活用し、業務運営の効率性、自立性及び質の向上も念頭に置き、以下の方向で見直しを行うこととしております。なお、「見直しを行う」とここで書いておりますが、何か大きく事業内容を変えるとか、この事業をやめるということはなく、この4年、5年で、しっかり違う3つのグループを統括して基盤を作っていただいたと思っておりますので、今やっていただいている事業を引き続き実施することが基本的な内容になっております。
2ページ以降、具体の事業について御説明します。第1のⅠ、診療事業等のうち、1の地域において必要とされる医療等の提供です。なおこの項目は、現在の中期目標の項目に沿った内容です。こちらについては、地域協議会等を活用しながら、地域のニーズの把握に努め、地域での取組が十分でない分野を積極的に補完するなど、都道府県で策定された地域医療構想の実現に向け貢献するとしております。先ほど理事長からも、やりたい医療ではなく、求められる医療を実施していくという御説明がありましたが、正にそういった内容を書いております。特に、高齢化の進展に基づき需要が大きく増える見込みがある在宅医療や認知症対策について積極的に貢献することとしております。
次に、2の質の高い医療の提供については、これまでと同様に5疾病5事業、リハビリテーション、健診・保健指導等、地域連携クリティカルパス、臨床評価指標、こういったものの取組を進めることとしております。
次に3番の高齢社会に対応した地域包括ケアの実施です。地域の住民が住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう病院、老健施設等のリソースを最大限有効活用し、地域医療・地域包括ケアの要として、予防・医療・介護をシームレスに提供する体制の充実・強化を図ることとしております。特に病院に隣接し、病院と一体的に運営されているという地域医療機構の老健施設等の特色をいかして、医療ニーズの高い方を受け入れ、医療と介護との連携の推進に積極的に取り組むこととしております。また、自宅での介護や看取りのニーズを踏まえて、在宅復帰支援、在宅療養支援を一層推進することとしております。
次に、Ⅱの教育研修事業の1、質の高い人材の育成・確保です。機構の全国ネットワークを活用して、急性期から慢性期まで幅広い医療を提供している特色をいかした臨床研修プログラムやキャリアパスにより、引き続き質の高い職員を育成・確保することとしております。また、高齢化や医師不足地域の問題に対応するため、医師不足地域でも貢献できる総合的な診療能力を持つ医師の育成に引き続き取り組むこととしております。さらに、特定行為に係る看護師の育成をより一層拡充することとしております。2番の地域の医療従事者及び地域住民に対する教育についても、引き続き取り組んでいくこととしております。
Ⅲ、その他の事項の1、患者の視点に立った良質かつ安心な医療の提供です。患者の視点に立って、患者さんやその家族からの相談体制の充実、クリティカルパス、またチーム医療を引き続き実施していくこととしております。2番の医療事故・院内感染の防止の推進、3番の災害、重大危機発生時における活動についても、従来どおり引き続き取り組むこととしております。
第2の組織の見直しです。こちらも組織を大幅に見直すということではなく、国の医療・介護政策への対応や、ガバナンス強化の観点から、必要に応じ柔軟に組織を見直すこととしております。
第3の業務全般に関する見直しです。JCHOにつきましては、国の運営費交付金が入らない独立行政法人ですので、財政的に自立した運営を引き続き実施することとしております。また政府の「働き方改革」を踏まえて、労働関係法規の遵守、また地域の医療提供体制への影響を考慮して、職員の健康が確保されるような働き方に取り組んでいくこととしております。説明は以上です。
 
○福井主査
ただいまの説明について、何か御質問等ありましたらお願いします。いかがですか。
 
○河村構成員
組織の見直しのところで、今御説明があって、ガバナンスの強化として本部の組織体制の重点化と書いてありますが、病院数の規模が違うかもしれませんが、国立病院機構は100何十病院とありますが、各地の病院を見ますと、地域ごとに分けて、それぞれの役員も置かれてやったりとか、そういう体制も取ったりもしますが、そういうことは、特にJCHOさんではそこまではお考えではない感じですか。
 
○地域医療機能推進機構理事(西辻)
JCHOも現在全国を5つの地区に分けて、地区担当理事を置くとともに地区の統括事務所を置いております。
 
○河村構成員
やはり、やっていらっしゃるのですね。失礼しました。申し訳ありませんでした。分かりました。
 
○藤本構成員
意見ですが、3ページのⅡの所で、内容を見ますと、地域の医療従事者と介護従事者に対する教育も含まれておりますので、Ⅱの表題には「医療・介護従事者」あるいは「介護」という言葉を入れたほうがいいのではないかと思います。以上です。
 
○福井主査
ほかにはいかがですか。よろしいですか。以上をもちまして、地域医療機能推進機構の業務・組織全般の見直しについての議論を終了したいと思います。法人所管課におかれましては、構成員の皆様から本日頂いた御意見等を踏まえて、見直し内容の修正等について御検討いただいて、内容の最終的な確定をお願いしたいと思います。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
1つだけ報告が漏れておりましたので、あと30秒いただければと思います。資料1-3、「財務諸表等」という、先ほど監事の報告書が付いた資料の26ページを御覧ください。当機構の過年度の財務諸表の附属明細書に一部誤りがありましたので、この場をお借りして報告いたします。26ページに似たような表が4つありますが、一番上が平成29年度の附属明細書の資料で、下の3つが誤った平成26、27、28年度の修正の表です。「役員及び職員の給与の明細」の支給額の集計が過年度分について誤っていたのが見つかりましたので、今年度の附属明細書に再集計した後の明細ということで、その3つの表をそれぞれ掲載しております。ただ、この誤りは附属明細書だけの誤りで、具体的には給与が30億円ぐらい過剰に書いてあったということですが、本体の損益計算書は正しい数字が入っておりましたので、過年度の貸借、損益計算書、キャッシュフロー、そういったほかの書類に対しての修正はありません。これだけの修正になります。報告は以上です。
 
○福井主査
最後に事務局からお願いします。
 
○政策評価官室長補佐
今後の流れについて御連絡いたします。本日、御議論いただいた地域医療機能推進機構の「平成29年度業務実績報告評価」並びに「中期目標期間見込評価」については、この後、本WGにおける御意見や、法人の監事様、及び理事長様のコメント等を踏まえ、厚生労働大臣による評価を決定し、法人及び独立行政法人評価制度委員会に通知するとともに公表します。また、「業務・組織全般の見直し」内容についても、同様に、本WGにおける御意見等を踏まえ、厚生労働大臣が決定し、独立行政法人評価制度委員会に通知するとともに公表します。
決定したそれぞれの内容については、後日、構成員の皆様にもお送りしますので、よろしくお願いいたします。なお、「中期目標期間見込評価」及び「業務・組織全般の見直し」内容については、参考資料2の別添7の流れのとおり、独立行政法人評価制度委員会へ通知後、同委員会において点検が行われて、その点検結果に基づき出される意見を踏まえ、厚生労働省において次期中期目標案を作成することとなります。そして、次期中期目標案について、来年1月以降、再度、独立行政法人評価制度委員会の審議に付されることが予定されているため、次期中期目標案等についても、来年1月頃に本WGでの意見聴取を予定しておりますので、よろしくお願いします。
最後に、構成員の皆様におかれましては、本日、配布した資料の送付を御希望される場合には、机上にそのままにして御退席いただきますようお願いいたします。事務局からは以上です。
 
○福井主査
ありがとうございます。長時間にわたり、熱心な御議論をありがとうございました。これで本日の議事を終了とさせていただきます。ありがとうございました。

 

 

 

 

 

(了)

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