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2017年7月18日 独立行政法人評価に関する有識者会議 労働WG(第18回)議事録

○日時

平成29年7月18日(火)13:00~16:00


○場所

中央労働委員会労働委員会会館講堂(7階)


○出席者

今村主査、宮崎構成員、松浦構成員、中村構成員、戸田構成員、高田構成員、関口構成員、志藤構成員

○議事

 

○今村主査

 戸田委員がお見えになっていませんが、定刻になりましたので始めさせていただきます。ただいまから第18回独立行政法人評価に関する有識者会議労働WGを開催いたします。構成員の皆様におかれましてはお忙しい中をお集まりいただき、誠にありがとうございます。本日は、松尾構成員、三宅構成員が御欠席です。

 初めに牧野政策評価官から御挨拶いただきます。

 

○政策評価官

11日付けで政策評価官に着任した牧野と申します。どうぞよろしくお願いします。今日は大変お暑い中、またお忙しい中をお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。

 私から、この場を借りまして独立行政法人の評価について、簡単に御説明させていただきます。独立行政法人の評価の方法については、平成27年度に変更されてから今回で3回目の評価になります。初年度の平成26年度評価の結果については、総務省から厚生労働省も含めて幾つかの省庁が名指しで、「A評定以上の割合が高い」という指摘を受けたところです。また、昨年度は名指しということはなかったのですが、特にA評定以上の評定については、「評定を付すに至った判断の根拠、理由等が合理的かつ明確に説明される必要がある」という指摘を受けたところです。これらを踏まえて、今回の評価についても、総務省の指針に則った厳正な評価を行っていきたいと考えております。

 評価のルールについて、参考資料22ページを御覧ください。真ん中に「項目別評定」というものがあり、Bを標準とするというのが大原則です。定量的指標を設定している項目については、100%以上120%未満の場合にB評定となります。120%以上の場合にA評定になります。その120%以上に加えて、質的に顕著な成果があった場合にはS評定ということになります。したがって、今まで見ていると、法人によっては定量的目標が120%未満であるにもかかわらず、自己評定でAを出してきている所が結構あるのですが、数値目標をまず達成しているかどうかをきちんと確認していただき、達成していないにもかかわらずA評定ということであれば、なぜA評定なのかという根拠を合理的に説明していただきたいと思います。

 構成員の皆様にも、独立行政法人の厳正な評価という観点から、是非御意見を頂ければ有り難いと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

○今村主査

 では、本日の議事について事務局から説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 本日の議事は議事次第にあるとおり、高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成28年度業務実績評価に係る意見聴取です。評価項目ごとに法人側から、業務実績及び自己評価について説明いただき、有識者の皆様から御意見、御質問を頂きたいと思います。

 評価の仕組みについて、基本的なことだけ御説明させていただきます。参考資料3の総務大臣が定める「独立行政法人の評価に関する指針」が、評価の基本ルールになります。主立ったところとしては、B評定が標準であること、A評定以上を付すには定量的指標において120%以上の達成度が求められている、こういった点に御留意いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 なお、独立行政法人の評価のスケジュール全体については、参考資料110ページに書いてあるとおりです。業務実績報告を主務大臣、厚生労働大臣に提出いただきましたので、今日は2つ目の箱の法人の長等からのヒアリング、外部有識者からの意見聴取に当たります。今後、法人所管部局において評価を実施し、その後に点検、公表・通知という流れになっていきます。事務局からは以上です。

 

○今村主査

 それでは、高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成28年度業務実績評価について議論していきます。初めに、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項のうち、1-1「高年齢者雇用に関する相談・援助、実践的手法の開発、啓発等」について、高齢・障害・求職者雇用支援機構から、ポイントを絞って簡潔な御説明をお願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 資料1-1に沿い、順次御説明いたします。初めに、資料1-1の構成について御説明いたします。1ページは当機構の事業の体系で、評価項目が20あります。2ページのように、全ての評価項目について表紙を付け、その中で評価項目名と業務内容のポイントを記載しています。3ページのように、表紙の次のページには平成28年度の実績の概要を取りまとめ、自己評価を記載しています。具体的に申し上げると、(1)の目標の内容には数値目標、(2)の目標と実績との比較には数値目標に対する実績の達成度、(3)のその他考慮すべき要素には、定性的な取組・要素等を記載しています。さらに4ページ以降について、各々の詳細な業務実績を記載しています。なお、この後の業績の説明については、各項目とも、3ページ目のような実績の概要と自己評定を記載したページを中心に、御説明させていただきます。

 まず、2ページの評価項目1-1の「高年齢者雇用に関する相談・援助、実践的手法の開発、啓発等」について御説明いたします。高年齢者雇用に関する相談・援助は、社会保険労務士等を高年齢者雇用アドバイザーとして委嘱し、企業に対して定年の引上げや継続雇用制度の導入等について、専門的な相談・援助を実施するとともに、実践的な手法の開発や提供等を行う業務です。3ページを御覧ください。この評価項目の自己評定はAとしています。目標の「高年齢者雇用アドバイザーによる相談・援助実施件数30,000件以上」に対し、36,868件、事業主からの課題改善効果が見られた旨の評価は目標の70%以上に対して、90.2%とどちらも達成度が120%を上回っています。これに加えて、昨年6月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」において、「継続雇用延長・定年引上げのマニュアルを本年度中に作成」するとされたことを受け、年度末までに「65歳超雇用推進マニュアル」を当機構で作成しました。詳しくは7ページにお示ししているとおりで、このマニュアルには様々な企業事例を紹介するとともに、定年引上げ等を進める手順を具体的に示した画期的なものであり、アドバイザーからは企業へのアプローチの際に非常に参考になるとの声があり、今後のアドバイザー活動の拠り所になるものと考えております。このほか、8ページでもお示ししているとおり、定年引上企業に学ぶことをテーマとしたシンポジウムの開催や、エルダー活躍先進事例集による先進的な取組事例の収集提供など、啓発活動を積極的に実施しました。以上です。

 

○今村主査

 ただいま御説明のあった事項について、御意見、御質問等がありましたらよろしくお願いします。

 皆さんがお考えになっている間に質問いたしますが、A3の資料の中で去年も問題になったのですが、前年度基準値が41,747件で、今年度は36,868120%を達成というのは奇異な感じがします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用推進・研究部長

 今程の御質問にお答えします。昨年度も「目標はこの数字でいいのか」ということがありましたが、目標を設定したときは法改正直後であり、その時点では高年齢者雇用アドバイザーの訪問はウェルカムだったわけですが、年々行くこと自体について難易度が上がっていることもあり、今回はそのままの数字とさせていただいたところです。

 

○今村主査

 昨年度はそういうことでBという評価だったのですが、今年度はそこからAになるという顕著な理由は「少し難易度が上がっている」という御説明ということでよろしいですか。それでは説得力がないような気がいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用推進・研究部長

 今年度の評価についてAにした理由は、2つの数値目標のこと、こちらもありますが、それ以外に質的に高い成果があると考えたからです。

 具体的には、一億総活躍などの流れを受け、これまでアドバイザーというのは高齢者が働きやすい環境整備など、高齢者雇用の内容を充実するというようなことをしていたのですが、その流れを変えて、定年引上げ、継続雇用延長と、制度改善のほうに大きく舵を切る、そういうことをするために限られた時間で制度改善を強力に進めていくための工夫を様々に凝らしたマニュアルを作成したことから、Aとさせていただいたものです。

 

○今村主査

 施策を実現するにはアウトプットでこういうことをしたという、単なる行動の指標ではなくて、実際に問題点に到達し、こういう成果があったという、つまり施策を実行したとかそういうことではなく、その結果こういう具体的な成果があったという質的な説明があって然るべきだと思いますが、今の御説明だと、そういうアウトカムに関する説明が全くないので、去年のBから今年のAに明らかに変わったという積極的なサポートは全くないという印象を受けますが、いかがでしょうか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用推進・研究部長

 作成したのは年度のおしまいということでしたが、制度改善などとんでもないという企業からも関心を示していただいたり、また、マニュアルは非常に評判がいいところで、現在もう既に在庫がないということで増刷しているということで、これをもって、この後はどんどん成果を出していけるものと考えているところです。

 

○今村主査

 昨年からの議論を聞いていますが、それだけではAになるという十分な理由は、個人的に私は全く受けていないのですが。委員の方は御自由におっしゃってください。

 

○戸田構成員

 お話を伺っていて、数値目標に関しては後で申し上げるとして、質的な成果としては、マニュアルを作成し、それがアドバイザーの拠り所になるものであるという評価があったとか、非常に参考になるという声があったというのは、評価すべきポイントであると考えています。そういう点を強調されて、Aになるためには定性的にも合理的な根拠が必要だという話ですので、そういうところを踏まえて評価されるのであれば、ある程度は納得できると思っています。

 質問ですが、数値目標の中で、相談・援助の実施件数は3万件以上という中で、これは私見ですが平成25年に高年齢者雇用安定法が改正されて、その頃は、いわゆる65歳までの雇用確保措置に向けて企業がどう取り組んでいけばいいのかについて、非常に関心が高かったことがあったと思いますが、それから法律が改正されて数年たつと、先進的な企業はそうした取組を既にやられている所もあるでしょうし、関心のない企業については引き続きそのままだというように考えれば、相談件数が減少していくことはある程度は理解できることだと考えるのですが、相談実施件数の数え方として御質問させていただきたいのですが、基本的には事業所なり企業の方が機構に御相談されて、それを基本的には引き受けるという話なのか、例えば機構のキャパシティの問題で、企業からの相談があった場合にも対応できないというようなことも含まれているのかといったように、件数について御説明いただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用推進・研究部長

 この相談ですが、こちらからお声を掛けて、「来てもいい」という返事を頂いた所に行かせていただき、その上で相談・援助をさせていただくという仕組みになっています。その際、なるべく多くの方の御相談ができるように様々な工夫をしたり、あるいはより効果が高い所ということで、どういう企業を選ぶかということも工夫させていただいているところです。

 

○戸田構成員

 そうしますと、機構側から企業に相談の機会を御提供されるという話だと思うのですが、そもそもそのように訪問される企業を選ぶ基準というか、企業のほうから課題があって相談をしたいという持掛けが多いのか、機構のほうで情報収集される中で、企業に御相談しに行くという形なのか、その点についても教えてください。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用推進・研究部長

 企業の選定については、私どもでは厚生労働省とともに61日現在の制度、あるいは高齢者の雇用状況等を共有させていただいており、そういったようなものであるとか、過去の相談結果といったものを基に、ここについては必要性が高い、ここについては以前に課題があったということで選定しているところです。こちらから行っているということです。

 

○松浦構成員

 資料の3ページに、作られたマニュアルについて、「定年引上げ等を進める手順を具体的に示した画期的なもので」と記載があります。高年齢者雇用改正法が施行される段階でも、定年の引上げを検討した企業は何社か出ていたと思いますが、このタイミングで「定年引上げ等を進める手順を具体的に示した画期的な」というのはどういう内容なのかを教えていただきたいと思います。

 もう1つは、この資料は非常に好評で増刷されるということなのですが、紙の資料は後からだんだん見られなくなってくるという面があるので、これを団体のURLなどに内容を掲載する予定があるかどうか、以上2点を教えていただけますか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用推進・研究部長

 まず、法改正時点で早々と次に向けて考えた企業もないことはなかったと思いますが、実際のところは法律で定められた範囲までという企業がほとんどでした。それを法改正後、時間がたつ中で雇用確保措置まではできるように大体なってきたというところで、この一億総活躍プランなどの動きもあり、次に更に定年を引き上げる、あるいは継続雇用延長を更に先に延ばすということ、高齢者雇用の中身を充実する話から、また制度を一段前に進めるというほうに進めていくものであるということで、アドバイザー活動の流れを変えるというもので、「画期的だ」と申し上げたものです。

2つ目の御質問ですが、当機構のホームページにも載せているところです。

 

○今村主査

 これに時間を掛けていることもないと思うのですが、1つだけ質問と、今後の軸を固定化するためのコメントをしたいと思います。

2番目の数値目標が70%以上という中で、改善が見られたというのは、質問項目の答えは1つですか、2つですか。それによって、「まあまあ見られた」というのも含めて改善効果ありとするのか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用推進・研究部長

 改善が見られたということについては、私どもも詳しく知りたいと思いまして、「制度を改善した」というものから、「制度改善に向けて検討を進めた」「今検討中である」「理解が深まった」と、様々な段階ごとに把握し、次につなげたいとしているところです。

 

○今村主査

 「改善が見られた」というのは、どこで線を引かれたのですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用推進・研究部長

 今申し上げたところまでです。

 

○今村主査

 一番最後が聞き取れなかったのですが、何とおっしゃいましたか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用推進・研究部長

 今申し上げた中では、一番下のところが「次に向けて理解が深まった」というところです。

 

○今村主査

 「次に向けて理解が深まった」というのを改善効果があったと解釈するのですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用推進・研究部長

 改善効果があったと見ているところです。

 

○今村主査

 それはちょっとおかしいです。理解が深まったというのは改善効果と言えるのでしょうか。つまり、これは機構に申し上げているのではなくて、総務省がこのように書いているので仕方がないのですが、毎年言っているのですが、「アウトプット(アウトカム)」というのはすごく奇妙なのです。アウトカムというのは本当に効き目があったということを評価するわけですから、それを「アウトプット(アウトカム)」というのは変な話で、今言ったように、4番目の答えは、「改善効果があった」と、アウトカムとカウントすること自体が疑問だと思うので、今後のためにもアウトカムをきちんと評価するのだということを、総務省のフォーマットが不完全だから余り強くは言えないのですが、是非そういう方向で自己評価をしていただければと思います。

 ですから、数値目標は2つあるのですが、それだけで機構の1番の成果を評価するに足るかどうかということもあります。設定そのもののレベルが低いという、去年の園田構成員の御指摘がそのまま生きていると思いますし、その辺は最終的な評価を決定するときに御検討いただければと思います。

 特になければ次にいきますので、1-2をお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

9ページ、評価項目1-2「給付金支給業務について」です。高年齢者のための雇用環境の整備等を行った事業主に給付金を支給する国の制度に関わる業務です。10ページを御覧ください。この評価項目の自己評定はBとしております。給付金の説明会の実施回数500回以上の目標に対して、760回です。機構本部における周知・広報のための業界団体への訪問数は30団体以上の目標に対して35団体に対して実施ということで、いずれも数値目標は上回っています。このほか、11ページに示しているとおり、事業主に届きやすい周知・広報や効率的な支給事務に取り組んだほか、不正受給防止対策の取組についても推進しました。以上です。

 

○今村主査

 御意見等がありましたらお願いいたします。特になければ、1-3をお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

12ページです。この項目から障害者雇用支援業務に移りますが、評価項目1-3「地域障害者職業センターにおける障害者及び事業主に対する専門的支援」についてです。各都道府県にある地域障害者職業センター、略して地域センターと申しますが、障害者と事業主の双方に対し、障害者が就業の場を得て、それを継続することができるようにするための職業リハビリテーション、略して職リハサービスを提供するものです。この項目は若干説明が長くなりますが、御容赦願います。

 まず、13ページを御覧ください。この評価項目の自己評定はAとしており、数値目標が10個あるのですが、そのうち6つが過去最高の実績になっています。まず、職リハサービス対象者数と、アンケート調査における効果度に関するものです。1415ページに詳しく示しているとおり、他の就労支援機関が増加する中で、地域センターにおいては医療機関等、一層の支援ネットワークを強化し、他の機関では支援が困難な精神障害あるいは発達障害等の方々を積極的に受け入れた結果、職リハサービス対象者は32,332人、うち精神障害者数は11,804人、発達障害者数は7,643人ということで、いずれも目標を上回り、かつ過去最高となるとともに、精神障害者数及び発達障害者数の目標達成度は120%を上回っています。また、利用障害者に対するアンケート調査における効果度についても、95.6%と目標を上回っており、こちらも過去最高の数字になっています。

 次に、主なサービスごとの実績についてです。まず、就労の可能性を高め、職業紹介やジョブコーチ支援など、就職等に向かう次の段階への移行の促進を図る職業準備支援については、16ページにあるとおり、支援対象者に占める支援の困難性の高い精神障害者や発達障害者等の割合が高まっている中において、個々の障害者のニーズに対応した支援や就職実現に向けた取組を行った結果、次の段階への移行率が過去最高の89%、就職率が達成度120%を上回る68.3%と、どちらの目標も大きく上回っています。

 次に、障害者が職場に適応できるよう、障害者及び事業主に対する支援を実際の就労場面で行うジョブコーチ支援については17ページに示しています。こちらに示しているとおり、支援対象者に占める支援の困難性の高い精神障害者や発達障害者の割合が高まっている中において、事業所や障害のある方々の個々のニーズに応じた支援を行った結果、支援終了6か月後の職場定着率は87.1%と目標を上回っております。鬱病等による休職者の職場復帰を促進するリワーク支援については、支援対象者のうち発達障害の傾向を有する等の支援の困難性が高い者が増えている中で、18ページのとおり、個々の状況等を踏まえつつ、研究部門で開発した技法を活用しながら実践的な支援を行った結果、復職率は85.1%と目標を大きく上回っています。

 職業準備支援の就職率、ジョブコーチ支援の職場定着率、リワーク支援の復職率は、前年度比で若干減少していますが、精神障害者や発達障害者等、支援の困難性の高い方を積極的に受け入れている中にあっては、一定の水準を維持しているのではないかと考えております。

 続いて、支援実施事業所数と事業主に対する追跡調査における課題改善効果に関する目標についてです。19ページです。精神障害者が法定雇用率算定の基礎に追加される平成30年度が近付き、障害者の雇用管理に関する専門的な支援がますます重要となる中で、事業主のニーズに応じて積極的に支援を実施した結果、支援実施事業所数は18,524所と目標を上回り、過去最高の実績となっています。また、事業主支援の課題改善効果度は92.4%と、こちらも目標を上回っていまして、高い評価を得ています。これらのサービスの提供に当たっては、研究部門が開発した新しい支援技法を取り入れ有効に活用するとともに、支援内容の向上や改善を図った取組など、機構内で知見を共有することによって、常によりよいサービスの提供に取り組みました。以上です。

 

○今村主査

 ありがとうございます。どうぞ、お願いいたします。

 

○中村構成員

 過去最高というのがこれだけあるというのは頑張りの評価だと思うのですが、基準に従って評価すると、では120%は幾つあるのと言われたときに、3つぐらいしかないわけです。10個あるうちクリアしているのが3つと考えると、一生懸命頑張っているけれども想定内のBが妥当かなと思うのですが、いや、そうではないのだ、目標そのものがおかしいのだということが何かあれば別ですが、10項目のうちの3つというのは評価をするとBとなると思うのですが、この点についてはいかがですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 昨年も議論になったと記憶しているのですが、120%の達成度について、では、この数字がギリギリの119では駄目なのかという議論があったかと思います。120というのは、あくまでメルクマールであるというところで、例えば目標が80%程度であれば、120取ろうとすると96%ということで、非常に難しい目標になってしまいます。したがって、単に120にいっている数が少ないからというだけではなくて、私どもとしては目標が120を達成するのが事実上極めて困難なもの、そういった目標についても、例えば過去最高を上回っているということであれば、Aという評価に相応しい指標と言えるのではないかと考えております。

 

○中村構成員

 ただ、昨年と比べてとか過去と比べてという評価項目がないので、そこは非常に辛いところかなという気がしています。

 

○戸田構成員

 評価に当たっては、やはり120%というものが基準で、それを超えたものをAとするのが基本だと考えています。では、120%を超えなかったらどうなのかというところについても、仮にそうだったとしても何らかの合理的な説明ができるのであれば、私はAにしてもいいと考えているところです。その観点から質問なのですが目標がかなり厳しいとか幾つかの理由をおっしゃっていただいたかと思うのですが、改めて機構としてこの項目をAにする定性的な理由、説明を、もう一度ポイントだけを絞って教えていただけないでしょうか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 冒頭の説明にもありましたように、今回例えば就職率や、6か月後のジョブコーチ支援の職場定着率が、前年に比べてマイナスになっている点が幾つかあります。大きな要因として、私どもが考えているのは、対象者の方が非常に増えています。その中でも、特に支援の困難な精神障害者の方や発達障害者の方が増えてきておりますので、この就職率や職場定着率の部分については、総体に占める支援困難な精神や発達の方の割合が増えることに伴って、どうしても結果としての指標はやはり若干マイナスになっていくのは、やや仕方ないところもあるのかなとは考えております。

 私どもの基本的な考え方として、他の地域の支援機関で支援ができる利用者の方々については、そちらのほうを御利用いただいて、地域の支援機関で支援ができないような支援の困難な精神や発達の方を積極的に地域センターで取り込んで支援をするという役割だと思っていますので、できる限り支援技術を高めながら、こういった支援困難な方々に対しても結果が出せるような形で、引き続き努力しているところです。

 

○戸田構成員

 度々すみません。今おっしゃっていただいた中で、精神障害の方が増えていらっしゃるというお話がありましたが、恐らく16ページの「参考:職業準備支援対象者数の推移」をおっしゃっているのかなと私は理解しました。数字を見ても若干増えているという印象を持ってしまうという意味では、おっしゃるとおり、なかなか支援が難しい方が増えているのであれば、成果が下がってしまうのは当たり前な話です。やはりそういうことも加味して評価をすべきだと私は考えます。この16ページのグラフだけを見る限りでは、そこまで顕著にそういった難しい方々が増えているとも言えない。何かそういったデータなり合理的な説明があると、Aと付けるのに納得がいくわけですが、ここを見ているだけでは少し難しいのかなと思っています。もし何か追加的な説明があれば、教えていただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 準備支援の所で数字で申し上げますと、精神と発達が非常に増えているということで、合計して80%を超えている状況です。特に、精神の方が対前年に比べて、数字の上では13.2%増えているということで、698から790への増え方が最終的な成果にかなり影響が出ているのではないかと思っています。具体的な数字で申しますと、例えば精神の方であれば準備支援終了後に就職できた方が、平成28年度の実績で65.8%、発達の方で66.3%ということで、平均で68.3%という数字になったわけですが、ここの部分の利用者数が増えていくと、結果としてかなり厳しい、難しい運営を求められると思っております。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長代理

14ページの職リハの対象者の数ですが、若干増えがどうかという話なのですが、全体を見ますと一番右下に書いてありますように、職リハ全体の対象者は昨年度は32,332、その前が31,954と増えています。その内訳は、ピンク色が発達、オレンジ色が精神障害です。例えば発達ですと、7,175から7,643、精神ですと11,495から11,804ということで、全体として難しいといいますか、なかなか支援が困難で就職も難しいと言われている方々の割合が高まっていると思います。

 もう一点は、なかなかこの職リハ関係の指標は多岐にわたっていますので、どこを中心に見たらいいのか戸惑うところもあると思いますが、我々がいろいろと御説明を差し上げているように、どれだけ難しい対象者を対象にしているのかということと、そういった方々に対する職リハサービスの効果があったのか、ないのかというところを中心に見ております。例えばここで言いますと、14ページの(2)(3)、数値目標の達成状況と書いてありますが、精神障害者が11,804人対象で、これは過去最高で、達成度は120.4%です。同じく、発達障害者を7,643人対象にして、これも過去最高で、達成度で言いますと173.7%と非常に飛躍的な高い数字になっています。それから、そういった方々に対して、どういった効果があったのかというアンケート調査をしています。職リハサービスで非常に助かった、あるいは効果があった、よかったという方が95.6%で、これも過去最高で、達成率は119.5%という数字になっています。

 もう一点は、16ページの「就職等に向かう次の段階への移行の促進」ということで、私どもが就職に向けて、次の段階に向けていろいろとサービスを提供して、難しい方が増えているというのは先ほど御説明があったとおりです。先ほどの座長の話ですと、就職率、どれだけアウトカムがあったのかということですが、実際に就職された方が68.3%ということで、これについても達成度としては136.6%ということで、難しい方が増えていく中で目標に対して120%を超えるような実績を上げているということ、諸々、他にもあるのですが、そういうものを中心に判断しますと、昨年度もそうなのですが、私どもとしてはこの事業についてはA評価が相応しいのではないかと考えています。

 

○今村主査

 昨年度も、この項目は確かAになっていたと思います。理由がどうだったかは思い出せないのですが、例えばこのからくりとして、今、正におっしゃった就職率が68.3%で、136.6%の達成率だということですが、このからくりはどうなっているかというと、大きいほうの32ページを見ますと、期末の数字でもう68.1%になっているのですね。その68.1%ではなくて、目標を50%以上と低めに設定して、それで68.3137%というからくりになっていますので、そこは割り引いて考える必要があって、120%を達成していると手放しで評価できるかどうかは去年も議論になりました。やはりそこは、120%達成だと無条件で認めるかどうかというのが依然として残ると思います。ですから、もう平成29年度で終わりですから、平成30年度からの開始に向けて、そもそもこの話は先ほど評価官からも説明がありましたが、期の途中において突然B標準にしてくださいという話がきていますので、それは機構側としてはなかなか後出しじゃんけんみたいな感じかと受け取っている部分もあって、その気持ちはよく分かります。しかし、逆にこの機会に、100から1202割増しまではBなのだという意識で、そこの基準をしっかりと守る上で横の公平性みたいなものを保っていくことが、我々は重要だと思います。ですから、先ほど戸田委員も説明してくださったように、では去年と明らかにどのぐらい進歩しているのかということを、はっきりと定性的に説明していただければと思います。

 先ほど、中村委員からもありましたように、例えば過去最高でもなく120%もないというのが幾つかあります。それについては、どのように説明するかということだけを、最後に伺っておきたいと思います。例えば、ジョブコーチ支援者の職場定着率が87.1%、達成度が108.9%は過去最高ではありません。リワーク支援終了者の復職率85.1%、達成度は120%にはなっていませんが、過去最高でもありません。ですから、120%にもならないし、過去最高にもならないものが2つ以上あるにもかかわらずAという申請をしている根拠ですね。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長代理

 例えば、今おっしゃった18ページのリワーク、85.1%、達成度113.5%ですが、昨年も高い水準の86.1%になっていますので、若干減っているといえども、私どもとしては全体として高い水準を維持していると思っております。なかなか難しいのは、その下の参考の所で棒グラフがありますが、リワーク支援対象者の推移ということで、平成18年に比べて対象者は5倍に増えています。私どもとしては対象者が非常に増えていく中で、限られた人員体制と予算の中で集中的なサービスを提供し、皆様方御承知のとおり、非常に難しい仕事ではあるのですが、こういった方々の職場復帰に向けて積極的に取り組み、高い水準の復職率、あるいは達成率で言えば113.5%という形ですが、そういうものを掲げているということです。これのみで、私どもはA評価としているわけではなくて、先ほど申し上げたような諸々の肝となるような数値も当然参考としながら、全体を見ればA評価として相応しいのではないかと考えております。

 

○今村主査

 リワーク終了支援者は分かったのですが、その後のジョブコーチ支援終了者の説明はいかがですか。リワークは数が増えているからと、それはそれなりの説得力があるのですが、ジョブコーチ支援終了者はいかがでしょうか。過去最高でもなく、120%も超えていないということですが。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 ジョブコーチも、全体としてはやはり支援困難者が増えているということに尽きるわけです。特に職場定着の場合は、精神障害者の方の職場定着が非常に大きな課題になっており、なかなか効果的な支援が難しい対象層です。私どものジョブコーチ支援で見ますと、精神の方の利用者が対前年に比べて8.6%増えている一方、ジョブコーチ支援の効果が期待できる知的障害者の方々はマイナス7.8%ということで、数字が高く出やすい知的の方が大きく落ち込んで、非常に定着支援の難しい精神の方が増えていますので、上下の差が、そのままこの支援の結果に数字として反映してきている状況です。

 

○今村主査

 ありがとうございます。時間もありませんので、アドバイスというか勝手なお願いですが、120%を超えることが厳然たる要求、前提ですので、それを満たさない所について、後から説明をくださったような定性的な部分をきちんとセットでプレゼンを作っていただいて、理解できるようにされることが一番よろしいのではないかと思いますので、是非御協力をお願いいたします。では、次にいきます。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

20ページ、評価項目1-4の「地域の関係機関に対する助言・援助等及び職業リハビリテーションの専門的な人材の育成」についてです。地域の関係機関に対する助言・援助等は、働くことを希望する障害者が年々増加する中で、地域の関係機関において効果的な支援が行われるようにし、そのネットワークにより障害者の就業を支えられるようにするための取組です。これに加えて、実務者等に対する研修等を、地域センターと幕張の総合センターが共同して実施しております。

21ページを御覧ください。この評価項目の自己評定はBとしております。関係機関に対する助言・援助については、22ページにお示ししているとおり、関係機関数1,560所以上の目標に対して、2,105所と目標を大きく上回り、過去最高となるとともに、関係機関への有用度調査80%以上の目標に対して、97.4%と目標を大きく上回っております。職リハに関する実務的研修の実施回数は、年47回以上の目標に対して66回実施し目標を上回っております。また、マニュアル・教材の提供を受けた者、又は研修受講者の所属長への有用度調査、80%以上の目標に対して94.9%とこれも目標を上回っております。

職リハの専門的な人材育成については、23ページにお示ししましたとおり、障害者就業・生活支援センター職員研修とジョブコーチを養成するための研修実施回数は、いずれも目標を達成するとともに、研修受講者への有用度調査、85%以上の目標に対して98.6%。研修受講者及び所属長への追跡調査、80%以上の目標に対して94.1%となり、いずれも目標を上回っております。このほか、就労支援の裾野拡大に伴い、研修体系の再構築を行い、身近な地域で受講機会の拡大を図っております。以上です。

 

○今村主査

 では、御意見、御質問等をお願いします。

 

○戸田構成員

 この項目に関しては、個人的には妥当な評価だと思っております。少し細かい質問で恐縮ですが、23ページの主な職リハの専門的な人材の育成の所で、数値目標ではないですが、そういった職リハの専門的な人材の育成を図ったかという項目が、評価の視点であると思います。その中で、幾つか主な取組内容の所に、新規と付けていらっしゃる所があります。この内容を見ますと、高・障・求ですので、いろいろな機能を併せ持つ機構としていろいろと連携して取り組んでいるという観点から、かなり評価できるところなのではないかと思います。特に一番最後にある、発達障害のある学生へということで、求職者に対する就業支援と、障害者に対する支援の両方を組み合わせで行っていらっしゃるということで、かなり機構の持つ強みをいかしていらっしゃるのではないかと感じています。この点について、人材の育成を新規にやっていらっしゃる背景や、それをやられての取組の現時点での課題がもしあれば、教えていただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 この人材育成の所は、なかなか数字で表現するのが非常に難しい所でもあり、我々の目標設定も研修の回数でセットしておりますので、120%までいくのか、いかないのかという点では判断が難しいので、かなり定性的な部分が中心になります。御指摘のとおり、今回新規として、この人材育成については、階層的な研修体系に再構築したというのが、今回一番大きなところではないかと思っております。

23ページの右側のポンチ絵、もともと平成25年度の状態を御覧いただきますと、私どもの本部のある幕張で、発達障害者のセミナーと職リハ実践セミナーを行っておりました。一方地域センターでは、就業支援基礎研修を役割分担としてやっていたのですが、いずれも研修内容は当然カリキュラム等をお示しして募集をかけているのですが、ではどういったレベルの研修なのかという経験年数などの想定を対外的にお示ししていなくて、そういう意味では行ってみたら難しすぎたとか、簡単すぎたというところが、受講後のアンケートを見ても、そのようなお答えがありました。幾つか研修をやっていますので、もっと体系的に、まずはこれをやってください、次はこれを受講してくださいと。又は経験があるのであれば一番下は飛ばして2つ目から受講してくださいというように、御本人のニーズに合ったようなバラエティーがあるような体系を作ることによって、受講者の方の無駄が少しでもなくなって、より効果的な研修ができるように大きく変えたのが見直し後となります。したがって、地域センターで就業支援基礎研修をやっておりますが、これは経験年数ゼロの方が対象で、もう1つ上の就業支援の実践研修は、2年以上の実務経験のある方、更にスキル向上では3年以上というように、目安としてこういったものをお示しして、中のカリキュラムについても相当な内容で見直しをして体系化したというものです。

 一番下の就業支援課題別セミナーというのは、見直し後の絵を見ていただいても、横に少し飛び出ていますが、いわゆる研修体系のレベルから少し離れて、今、現に現場で困っているニーズを踏まえて、より今風のトピックスを選んで課題を設定していこうという内容になっており、平成28年度から始めたものです。御案内のとおり、今は大学等の中でも発達障害の方、又はその傾向をお持ちの方がたくさんいらして、学校現場は相当お困りですので、大学の方にも参加いただいて、こういったテーマで研修を行ったという趣旨です。

 

○今村主査

 いかがでしょうか。よろしいですか。私からは、少し直観的な質問と少し突拍子もない意見ですが、1-4で、確かに120%超えは4件ぐらいあります。1-3も、120とそれ以下が同じようなものなのですが、片方はAで片方はBというのは、何でかなと思います。3のほうが赤が多いことは認めますが、この辺りの基準をしっかりしないといけないと思います。繰り返しですが、1-3Aというのが少し唐突な感じがします。そういった客観的な基準、大変だと思いますが、軸がぶれないようにしなければいけないということを提案として申し上げたいと思います。

 もう1つの突拍子もない質問、これはあくまでも感想です。1-4で、地域の関係機関に対する助言・援助ですが、お伺いしたいのは機構の発想の中にエコシステムという発想があるかどうかという突拍子もない質問なのですが。湖とかに蛙がいて、魚がいて、鳥がいてという、ああいう絵です。これは組織にも同じことが言えて、人がいて組織があって、地域にいろいろな存在がいるわけですね。それが有機的につながっているかどうか。場合によっては捕食関係もあるかもしれませんが、そういう発想でやっていられるかどうかです。つまり、何人研修しました。満足度はこれだけですと。単発ではやるのだけれども、それが横にどうつながっているかという発想でやることで、有機的にこういう地域への助言、正にアウトカムが蓄積していくことになると思うのです。

 この間、googleで日本語でエコシステム、例えば社会的企業と引くと余り出てこないのですね。しかし、英語でSocial Enterprise Ecosystem Picturesとやると、たくさんきれいな絵が出てきたりします。つまり、日本にそういう発想が少し足りないのかなというのが、私の正直な印象です。人が自由に行き来して、地域の中でお互いに知識を融通し合ったり、経験を融通し合ったり、正に高障機構の頃から機構はすばらしい障害者支援のノウハウを持っていらっしゃいます。そこからスピルオーバーして、地域にどんどん普及してほしいというのが、そもそもの長年の期待ですが、そこがコミュニケーションのレベルにまでうまく生態系が維持できるようになっていらっしゃるのでしょうか。突拍子もない質問ですが、数字としては確かに着実に展開していらっしゃるのですが、そういう部分の向上があるかどうかです。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 助言・援助業務の大前提として、地域の支援機関を把握するのが大前提です。この支援機関の中で、我々がネットワークのハブになりつつ、どこにどのような支援機関があるのかをしっかり把握した上で、当然我々はこういうサービスを提供していますというのを各支援センターに情報提供していますので、ここで言っている助言・援助というのは、本当に支援機関から、これで困っているので相談に乗ってくださいという、11件の御相談に対して対応しているものです。例えば、会議でセミナーをやって利用者を集めて何か話しましたというものではなく、全て個別対応でしていますので、その大前提としてはネットワークをしっかり構築して我々はその中心で業務を円滑に回しているところです。

 

○今村主査

 地域のコアとして、機構の中のセンターも含めて、うまく活用していけるようにしていただければと思います。特になければ、1-5の職リハについて、お願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

24ページの評価項目1-5の「職リハに関する調査・研究、技法の開発」です。職リハに関する調査・研究及び技法の開発を行い、その成果の普及・活用を図る取組です。25ページを御覧ください。この評価項目の自己評定はAとしております。調査・研究については、終了した調査・研究に対する外部評価において、3分の2以上の評価委員から4段階中、上から2段階以上の評価を得ることが目標となっておりますが、26ページでお示ししているとおり、終了した5テーマ全てについて、全ての評価委員から4段階中2段階以上の評価を頂き、そのうち2テーマについては、全ての委員から優れているという最上位の段階の評価を頂いております。

 次に、職リハ技法の開発についてです。発達、精神、高次脳機能障害者に係る先駆的な支援技法の開発を行いました。また、それらの就労支援の現場で活用するための支援技法普及講習について、地域センター等の職員を対象に、20か所以上で実施する目標に対して、27ページでお示ししているとおり、26か所で実施し、達成度が120%を上回っております。更に、開発した支援技法を広範かつ速やかに普及するために、外部関係機関を対象とした普及講習を5回実施しております。

研究・開発成果の普及・活用への取組に関して、マニュアル、教材、ツール等の作成については、28ページにお示ししているとおり、「ニッポン一億総活躍プラン」を踏まえた「難病のある人の就労支援マニュアル」の改訂版の作成など、4件以上の目標に対して8件作成し、達成度が120%を上回り、過去最高の実績となっております。また、職リハ研究発表会を総合センター及び地方会場7か所で開催するとともに、関係学会での研究成果の発表が20件以上の目標に対して、過去最高の34件実施し、いずれも達成度120%を上回っております。更に、ホームページで研究成果の活用事例の紹介を行うとともに、調査・研究の概要を紹介するサマリーや、パンフレットにおいて図表を増やすなど、見やすさの向上にも取り組んでおります。以上です。

 

○今村主査

 御質問、御意見をお願いいたします。この160%というのは、過去を振り返ってみると、前中期の最終値が6か所で、それを目標数値3か所に落として、それで160%なのですね。だから、そういうのも今後は考えなければいけないと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構研究企画部長

 確かに最終年が6か所だったのですけれども、これ以前が徐々に増えてきて、この年は6か所になっていたということもありますので、当初の計画としては3か所と設定しております。ただ、実態として、地方からの要望が非常に多いということがあって、できる限り応えるという対応をしていたところ、やはり目標値としては、平成27年度は3か所としていたのですけれども、取りあえず1か所増やしてやりました。結果として、昨年よりは1か所増えたという状況になっています。

 

○今村主査

 よろしければ、次の1-6に行きます。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

29ページ、評価項目1-6の「障害者職業能力開発校の運営」についてです。機構が運営する障害者職業能力開発校2校、所沢にある中央校と、岡山の吉備校において、重度視覚障害者や精神障害者、発達障害者といった支援が非常に困難な特別支援障害者等を、広範な地域から積極的に受け入れ、先導的な職業訓練を実施するとともに、訓練の実践から得られた指導技法等を、他の障害者職業能力開発校等に普及させております。

30ページを御覧ください。この評価項目の自己評定はAとさせていただいております。定員充足率95%以上、特別支援障害者の定員に占める割合50%以上の目標については、31ページと32ページにお示ししているとおり、積極的な募集・周知を図ったことで、定員充足率97.5%と、数値目標を上回ったことに加え、定員に占める特別支援障害者の割合は、他の障害者校が3割程度であるのに対して、過去最高の実績となる60.7%で、これも達成度が120%以上となっております。

 訓練修了者等の就職率80%以上の目標については、32ページにお示ししておりますとおり、特別支援障害者に対する施設内訓練と企業内訓練を組み合わせた特注型企業連携訓練等を実施するとともに、企業への積極的な働きかけや、地域センターとの一体的な支援を図った結果、入所者6割以上が支援困難度が高い特別支援障害者である中で、就職率89.6%と、平成27年度実績を1.7ポイント上回り、目標を達成するとともに、特別支援障害者を重点対象とした、平成20年度以降定員に占める特別支援障害者の割合が年々増加する中にあって、2番目に高い実績になっております。

 障害者職業能力校等に対するアンケート調査における指導技法等の開発成果の有用度が80%以上の目標については、33ページにお示ししているとおり、平成26年度、平成27年度に開発・検証した、精神障害者向け委託訓練に係る指導技法等を取りまとめたマニュアルについて、各種会議や研修の機会を通じた効果的な普及に努めた結果、都道府県等からの有用度評価は93.1%と、数値目標を上回っております。これらに加え、高次脳機能障害者に対する指導技法等を取りまとめた実践マニュアルを作成・配布したほか、特別支援障害者の訓練機会を更に広げられるよう、他の職業能力開発校における専門コースの設置・運営への支援を新たに3校に対して実施しております。以上です。

 

○今村主査

 御意見、御質問をお願いいたします。

 

○戸田構成員

 こちらの項目に関しても、先ほどの項目と同じで、120%を超えていないところがありますので、定性的にも優れているということを説明できないといけない項目なのかと考えています。定員充足率については95%以上ですので、単純に考えて100%を超えて定員を上回ってしまうということがありますので、こちらはいいとしても、それ以外の項目で120%に至っていないものを120%と同等とみなせる根拠について、いろいろ御説明を頂きましたが、もう一度簡潔にポイントだけ教えていただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 就職率のところが特にポイントかと思います。目標80%以上で、就職率89.6%。説明がありましたように、前中期期間は平成20年度から始まっておりますけれども、その5年間と今中期の4年間の9年間の中で、今回の89.6%というのは2番目に高い実績です。1番目は、平成26年度の93.9%です。ただ、背景として言えるのは、先ほどの特別支援障害者の割合というのが、年々内数として増えてきております。平成26年度では修了者に占める特別支援障害者の割合が59.4%でした。今期は、これが61%と増加しておりますので、訓練の支援、その後の就職に向けて、非常に困難な方々が割合として増えてきている中で、前年度よりもプラス1.7ポイントの就職率を上げたというところで、A評定が相当ではないかということです。

 もう一点の定性的なところで説明になかった部分の補足をさせていただきます。33ページを御覧ください。どうしても訓練校ですので、訓練の運営なり、その後の就職率がメインになります。実はそれ以外にも、障害者に対する訓練の指導技法の開発・普及にも今中期からかなり力を入れています。33ページの主な取組の中で、一番下に「専門訓練コース設置・運営サポート事業」とありますけれども、これは今中期から特に力を入れている事業です。これは、全国に障害者の訓練校が19校あって、そのうちの2校を私どもが運営しています。そういった、その他の障害校においては、どうしてもまだまだ身体が中心です。私どものほうで、先進的に精神とか発達の方向けの専門コースを運営しています。そういうノウハウを、他の障害校で訓練コースを設置する際に、2年、3年かけて支援していこうというものです。

 右のほうにその流れ図が書いてあります。例えば、どこかの障害校で、発達障害者を受け入れる専門コースを作りたいというニーズがあった場合に、私どものほうでそのニーズをよく把握しながら、具体的な支援の内容としては、どのように対象校に訪問させていただいて、今後の訓練計画を、来年度からか、再来年度からか、そういう細かい打合せをしながら、1番は私ども機構が運営している訓練校に、他の障害校の指導員の先生に実際に来ていただいて、私どもがやっている訓練の現場を見ていただく、又はOJTという形で実際に指導をしていただく。そのように、非常に手のかかる支援を、時間をかけながら実施しているところです。

 一番下にあるように、平成28年度は全部で6校このサポート事業をやっていました。この6校のうち3校については新たに支援を開始しました。右下の表に具体的な障害校名が書いてあります。新しく開始した3校のうち、2校は一般校という、いわゆる障害者の訓練校ではない、普通の職業訓練校の方々にお越しいただいて支援を行っております。障害校と一般校では、そもそも訓練の仕方が、例えば一般校であれば、20名、30名を集合的に訓練をするということが中心になります。障害校の場合には一人一人、その人の進捗度合に応じて個別に指導していくというやり方になります。障害校の指導であればまだしも、一般校の先生方に、障害校の支援ノウハウを伝えるというのはなかなか困難な、正しくチャレンジングな仕事です。そういう中で平成28年度は新たに3校のうちの2校が一般校だったというのは、私どもとしてはかなり前向きな結果を出せたのではないかと思います。

 

○今村主査

 それをお伺いしても、30ページの(2)の目標と実績との比較を読ませていただいて、唯一121.4%が1つだけで、他はみんな100%をちょっと超えただけです。よかったですね、これでBですねとしか読めないのです。この大きなのを見ると、56.4%で、前期末が50%、1039588.18094.780と、いずれも目標をダウンして目標設定しています。先ほどのように期中平均ではなくて期末なので、必ずしもそれは妥当しないのです。その目標設定の中で、その後の環境変化で、確かに民間が進出して、困難度の高いものが多い機構のほうに集まってくるという状況はあるにしても、数値目標は数値目標ですから、それは目標設定後の環境変化をどのぐらい質的に評価に加味するかということについては、今お伺いした限りでは十分受け止められない感じがするのです。Bでよかったねという表現だけです。

 あくまでもBというのは合格ですから、これは価値観を変えなければいけないです。Bというのは、100120%でこれは合格なのです。皆さんはAばかり取って生きてこられた方なので、Aを取らないと不満だと思うかもしれませんけれども、この評価に関してはBが合格ですので、やはり価値観を変えなければいけない。それから高障機構の場合には、障害者・高齢者というように、社会的に弱者を対象にするので、ちょっとでも良いことがあると、それを過大に評価するという価値観的なバイアスもあるかもしれません。そこを我々は客観的に、これはBの文章ですねと言って受け止めなければいけないのではないかと、皆様の御意見を聞いていて思います。

1-3も同様に、なぜ3Aで、4Bかというのは、いまだによく理解できない。その辺は軸をしっかり持っていきたいと思います。どうぞ最終的な評価を決めるときには、よろしく御検討をいただきたいと思います。次は7をお願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

34ページ、評価項目1-7、「障害者雇用納付金の徴収及び障害者雇用調整金、報奨金等の支給業務」についてです。納付金制度は、障害者雇用率未達成の事業主から納付金を徴収し、雇用率を超えて障害者を雇用する事業主に対して調整金を支給するなどにより、障害者雇用にかかる事業主間の経済的負担の調整を図るものです。

35ページを御覧ください。この評価項目の自己評定はAとしております。納付金の収納率については36ページにお示ししているとおり、期限内の納付勧奨や、電話等による納付督励等の取組を積極的に実施したことにより、99%以上という極めて高いレベルの目標に対して、常用雇用労働者数200人超の事業主で99.82%となったほか、平成27年度から適用対象が拡大され、平成28年度から新たに申告・納付が開始された常用雇用労働者100人超200人以下の事業主からの収納率は、今中期目標期間最終年度までに99%以上という目標にもかかわらず、初年度である平成28年度から、中期計画における所期の目標を上回る99.86%という実績になりました。

 事業主説明会の開催回数については、適用拡大対象事業主等に対し、手続を分かりやすく解説するとともに、納付金申告時期前の第4四半期を中心に、601回開催し、420回以上の目標を大きく上回りました。このほかに事業所訪問調査の新規担当者及び経験者、それぞれの研修の実施による調査の的確な実施等について、積極的に取り組んでおります。以上です。

 

○今村主査

 御意見、御質問はいかがでしょうか。これは、昨年度はB評価なのですが、今年度になってA評価を申請した顕著な根拠は何でしょうか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構納付金部長

 納付金部です。平成28年度については、新たに適用拡大事業主が100200の部分です。これが、初めて出てくるものです。この適用拡大事業主というのは、規模も小さい所がありますので、なかなかその経営基盤がしっかりしていない。また、初めてですのでこういう制度を御存じないということで、いかに初年度からきちんと納付していただくかというのが重要かと思っております。

 その結果、初年度から、中期計画中平成29年度までに99%以上の収納を目指すというものですが、1年間前倒しで目標を達成することができたということについてのA評価を自己評価としております。

 

○今村主査

 質問ですけれども、説明会が増えたのは、因果関係としては適用拡大事業主が増えたので、説明会が増えたということですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構納付金部長

601回のうち、160回ほどは新規のための説明会です。

 

○今村主査

 分かりました。120%を超えた要因というのは、そういう制度変更による対応だということですね。ただ、99%という目標設定自体が高いので、そもそもこれは達成可能だということで設定しているわけです。これが100%というのは、残念ながらあと0.9%落ちればC評価です。それなのに、あえてここでこれを含めてAにするという根拠はどういうことなのか。99%という達成しやすい目標を、ちょっとでも達成したということでAなのか、そこが分かりにくいのです。そもそも99%に設定するということは、ほぼ達成、100%可能だということで設定したと。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長代理

1つは部長から申し上げたように、収納率ですので、最大頑張っても100%なのです。そうすると、2割増しで120%近いというのは、そもそもあり得ない数字なのです。ですから、我々としてはこれをいかに100%に近付けて、全事業主からしっかり徴収するのかということが我々のミッションだと思っています。ですから、120%という目標は、これについては妥当しないと思っています。

 それから、納付金部長から申し上げたように、今までは300人以上の事業主、大企業だけを対象にしていたのを、段階的に200人以上、100人以上にまで落としてきた、中小企業も対象にしてきたということです。その最初、100人以上まで落としたスタートが昨年度だった。その対象事業主の数は36ページの赤字の所に書いてあるように、非常に大きく拡大しています。申告事業主数で48,190、前年は22,000幾つなのです。つまり、対象事業主が倍増しています。かつ、対象事業主の資力も当然落ちますし、事務能力も落ちる、いわゆる中小の下の部分に当たるような所を対象に、しっかり収納しなければいけない。

 そういう状況の中で、その下にもいろいろ書いてあるように、当然放っておいたのでは納付していただけませんので、電話督励ということで2,337件。前年が1,000件ですから、倍の電話督励うんぬんという形に、能動的な活動をしつつ、いろいろ督促状の発出、あるいは督励の訪問も加味して、いかにローラー作戦でしっかり徴収するかということを行いました。

 結果的にアウトカムの指標としても、納付していただいた事業主が100200人、いわゆる一番小さいカテゴリーのところで99.86%、200人超えが99.82%ですから、今回の拡大に伴って、特にそこの事業主に集中的に私どものリソースを投下して、それより大きな規模の企業の収納率と同等の成果を上げたというところで、今回はA評価にさせていただいているということです。

 

○今村主査

 最後に1つ、依然として疑問なのは、今年度143%達成したと。これが大きなAの根拠だとおっしゃったのですけれども、実は昨年は168.3%達成しているのです。昨年度と状況が変わったから急に頑張ったのだという説明は、昨年度既にそれ以上の件数である707件を達成していますから、環境変化でうんと頑張ったという説明は若干説得力に欠けると思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構納付金部長

 説明会については、昨年度707回というのは、新規の部分が260回入っています。これは、理解して自主申告・自主納付が原則ですので、こちらのほうできちんと事業所に説明して納得していただけるということで、昨年度は初年度ということで707回、今年度も目標を大きく上回る601回ということで実施しています。

 

○今村主査

 冒頭に、昨年と違って今年はAという理由は何ですかと聞いたのですが、御説明いただいたものは余り説得力がなかったような印象でした。それは、あくまでも一生懸命頑張っていらっしゃることを聞きたいのですけれども、やはり我々としては軸をぶらせてはいけないということで、こういう質問をさせていただきました。御無礼をお許しいただきたいと思います。残念ながら、十分なAの根拠はちょっとお伺いできなかったというように受け止めさせていただきます。他の構成員の方から何かありますか。

 

○高田構成員

 新規の100200人規模の事業主の納付率が99.8%というのは、私は素人なのでこれをどのように的確に評価すべきなのかよく分かりませんけれども、98%を超えるという納付率は大変なことではないかと思います。それは、それなりにいろいろな原因があるのだと思いますけれども、高い成果を上げたと言ってもよろしいのではないかと、私個人としては考えております。

 

○今村主査

 時間がないので簡単に申し上げますけれども、勤退機構のときにも申し上げたのですけれども、情報セキュリティの問題が目標設定後に発生したと。サイバーテロに対応して、新たな対応をしなければいけない。でも、結果的には何もなくてよかった。努力はうんとしたのだけれども、何もなかったということで評価は変わらないというのはおかしいのではないかという説明をされました。これもそれと同じで、前年度の期末の数字が99.94%とか既に高いわけです。それで99%と設定しているということは、ある程度何も起こらないというか、これを維持できるということを前提にしてやっているわけです。これは、来年度の目標設定のときに、我々の検討課題として提案させていただきます。次に1-8をお願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

37ページ、評価項目1-8「障害者雇用納付金に基づく助成金の支給業務」についてです。障害者雇用のための作業施設の整備や、必要な介助、通勤対策に要する経費について助成を行う国の制度に係る業務になります。

38ページを御覧ください。この評価項目の自己評定はBとしております。「現地調査等による確認を要する助成金を除く1件当たりの平均処理期間を30日程度」とすること、というのが数値目標となっております。39ページにお示ししているとおり、平均処理日数は27.6日と目標を達成しています。この他に助成金、事務処理研修テキストの改訂、新規担当者向け研修、調査マニュアルの作成等に取り組みました。以上です。

 

○今村主査

 特になければ次に進ませていただきます。次は1-9をお願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

40ページ、評価項目1-9「障害者雇用に関する各種講習、相談・援助、実践的手法の開発、啓発等」についてです。

41ページを御覧ください。この評価項目の自己評定はBとしております。この評価項目には様々な事業が含まれております。このうち数値目標が設定されておりますのは、就労支援機器の普及・啓発についてのみとなっております。44ページにお示ししているとおり、就労支援機器の利用率60%以上の目標に対して実績は67%となり、目標を上回っております。また、就労支援機器の貸出事業所に対するきめ細やかなフォローアップの実施等により、貸出し終了後のアンケートでは、有用度が87.4%という高い評価を得ました。

 また42ページにお示ししておりますが、障害者を5人以上雇用する事業所で選任が義務付けられている障害者職業生活相談員の資格認定講習については、講習修了者数が過去最高となり、DVD教材の改訂や、相談技法の講義を取り入れる等の講習内容の充実を図った結果、講習修了者へのアンケートで、有用であったとの回答が96.9%と高い評価を得ました。

43ページにお示ししておりますが、実践的手法の開発・普及として、事業主が雇用の具体的なイメージを持つことができるよう、新たに発達障害者の雇用のノウハウに関する動画を作成し、ホームページへの公開や、DVDの作成を行い、事業主への活用促進を図りました。また、「障害者雇用事例リファレンスサービス」の充実を図り、掲載事例総数は2,879件、そのうち合理的配慮事例は581件、重点的に収集した難病患者の事例は122件となりました。このほか9月の障害者雇用支援月間を中心とする啓発広報活動にも取り組んでおります。以上です。

 

○今村主査

 御意見、御質問をお願いいたします。特によろしいですか。それでは1-10をお願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

46ページ、評価項目1-10「障害者技能競技大会(アビリンピック)の開催」についてです。アビリンピックは、障害のある方々が技能競技を通じて、職業能力の向上を図るとともに、企業や社会一般の方々の障害者に対する理解・認識を深め、その雇用の促進を図ることを目的とするものです。平成28年度は、全国と地方のアビリンピックを開催しました。

47ページを御覧ください。この評価項目の自己評定はBとしております。数値目標は、全国アビリンピック来場者に対するアンケート調査による、障害者の職業能力・雇用に関する理解が深まった旨の評価を90%以上とするということで、詳しくは48ページと49ページにお示ししておりますが、98.7%と目標を達成し、過去最高の評価となりました。

48ページのとおり、参加選手が370人と過去最高となる中で、効率的かつ効果的な運営、積極的な周知・広報を行いました。

49ページにあるように、地方アビリンピックを、効率的かつ効果的に開催・運営した結果、競技実施種目数は延べ408種目、来場者数は16,047人と、いずれも過去最高となっております。以上です。

 

○今村主査

1-9のときに、私は1-10を見ていました。アビリンピックは随分時系列的に伸びているという印象を持って、それを質問したかったのですが、時間がないのでいいのかと思いました。アビリンピック自体は、着実に増えているということです。その背景というのは何かあるのでしょうか、アビリンピックに対する需要というか、位置付けと言うか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用開発推進部長

 担当部長です。アビリンピックについては、全国大会で、特別支援学校の生徒を対象とするような種目、例えばビルクリーニングだとか、喫茶サービスといった種目を平成20年度以降展開しており、それが、地方大会でも実施されるようになっています。そういう意味で若い方、特に特別支援学校の生徒の参加が増えているということで、参加選手数が伸びていると思っています。

 

○今村主査

 新たな種目を追加することで、目標が増えて、障害を抱える人たちがいろいろ努力して頑張ろうというきっかけになっているということですね。何か質問はありますか。

 

○関口構成員

 評価項目とは直接関係はないのですけれども、48ページで、山形で行われたアビリンピックで、選手数は過去最高ということなのですが、来場者数が平成26年に比べて半分以下です。これは天候であるとか、そういったことの要因で来場者数自体は減ったというようなことがあるのかを、お分かりの範囲で結構ですので教えていただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用開発推進部長

 来場者数については、前回平成26年は愛知県名古屋市で開催されました。これまで大都市で実施をするケースが多かったものですから、昨年度の山形、今年度は栃木で開催しますけれども、そういう規模の地方都市というのは、集客の面では、県とも連携をして来場者を増やすという取組はしていますが、元となる人口が少ないという意味で、愛知県の開催に山形は及ばなかったかと思っています。

 

○今村主査

 よろしいでしょうか。それでは1-1から1-10まで終わりましたので、ここで法人出席者入替えということで5分間休憩させていただきます。

(法人出席者入替え・休憩5)

 

○今村主査

 それでは再開します。続いて、「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」のうち、1-11、「離職者訓練」について法人からポイントを絞ってごく簡潔な御説明をお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 先ほどと同じ資料1-150ページを御覧ください。この項目から職業能力開発事業となります。評価項目1-11、「離職者訓練」について説明します。離職者を対象に早期再就職に必要な技能・技術、関連知識を習得できるよう、全国に設置している職業能力開発促進センター、通称ポリテクセンター等において、標準で6か月の職業訓練を実施しております。

51ページです。この評価項目の自己評定はAとしております。訓練修了者の訓練修了後3か月時点の就職率が80%以上という数値目標に対して、5253ページでお示ししているとおり、地域の人材ニーズを踏まえた効果的な訓練の実施に努めたことはもとより、訓練開始からの段階的できめ細かい面接指導や、ジョブカードを活用したキャリアコンサルティング等による就職支援を重点的に実施した結果、平成28年度は過去最高の87.9%と目標を大きく上回る結果となりました。

 また、就職者のうち常用労働者の割合は81.6%と、前年度を上回り過去最高の実績となりました。更に、就職支援に活用するツールについても適切に見直しを行っております。加えて、53ページでお示ししているとおり、人材ニーズを把握した上で、ものづくり分野を中心に当該地域において民間では実施できないものを実施し、訓練科の設定に当たっても必要な訓練の内容変更、新設・廃止等を行ったほか、成長分野・建設分野・女性の就業促進を図るための訓練コースの実施施設を拡充いたしました。

 そのほか、54ページにお示ししているとおり、定員充足率の向上に向けて、求職者に訓練をあっせんするハローワークの職員と、求職者双方の訓練への理解が深まるように取り組んだ結果、定員充足率は前年度実績を上回る84.3%となっております。以上です。

 

○今村主査

 ありがとうございます。御意見、御質問等ありましたら、お願いいたします。

 

○戸田構成員

 ありがとうございました。この項目もそうなのですが、数値目標に関しては120%達成していないということで、改めて何度も恐縮ですが、定性的にもAだと主張できる根拠が必要になってくると思っております。機構としては、その点どのようにお考えでしょうか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構求職者支援訓練部長

 今の御質問ですが、まず、就職率は87.9%です。52ページを御覧ください。中段左側のグラフです。赤い線が就職率で、今回、87.9%と上昇してきました。その就職の質、雇用の質ですが、常用労働者として就職した率についても、この5年間毎年着実に上げてきており、70%台から今回81.6%まで雇用の質、就職の質を上げてきたということが1点あります。

 この数値については、そのページの上段の右上のピンクの所の上から3行目に「参考」とあります。都道府県立の職業能力開発施設における就職率、当然、都道府県とは職業訓練の中身や役割が違うのですが、同じ離職者を対象に雇用情勢が改善する中で、それぞれ取り組んでいる中でも都道府県では80%にまだ達していないという状況で、私どものポリテクセンター等で行う離職者訓練については、今、申し上げた数値を達成させていただいたということです。

 この離職者訓練については新規学卒の方を対象とするものではなくて、もう既に社会人の方を対象とします。職種転換、あるいは業種の転換を図る、いわゆるものづくりの知識や経験のない初心者の方々を、6か月の短い間で、ものづくりの企業が必要とする即戦力として養成させていただきました。

 この資料には記載しておりませんが、受講者の方々にその訓練が就職の役に立ったのかアンケート調査をしたところ、93.4%の方々から役に立ったという回答を頂きました。就職された事業所にも満足度を調査したところ、訓練修了生を採用していただいた企業から、採用して満足したという回答を95.3%の企業から頂き、今後も採用したいかどうかと更にお尋ねしたところ、91.5%の企業から今後も採用させていただきたいということで、手前味噌ではありますが、企業が求める人材を供給できているのではないかと考えております。

 もう一点、一方で、実は先ほど来いろいろお話がありましたが、私どもは一般訓練で、しかも集団訓練です。それでも、最近はなかなか就職が難しい方々が増えており、精神的な疾患を有する方で集団訓練に支障のない方かを、入所面接のときに判断させていただいて入っていただいておりますが、やはり、訓練を続けると周囲等のコミュニケーションがなかなか難しいとか、あるいは理解のスピードが遅いとかという点が多く見られます。こういう点については、私ども機構の中で先ほどの障害者部門と連携をして、特に全国の施設数で申しますと、35のポリテクセンターが所在する地域障害者職業センターの職業カウンセラーに相談させていただき、そういう方々への円滑な対応をさせていただき、就職に結び付けていくという粘り強い対応をさせていただいているという状況です。そういう観点から、今回Aにさせていただいたところです。

 

○戸田構成員

 私も昨年、この場で同じような質問をさせていただきました。確かに常用就職率が増えていて再就職される方の質も上がっているということで、昨年はAが妥当なのではないかと考えておりました。今回もお話を伺っていると、実際にアンケート調査をされていて高い満足度があるという点や、障害者部門との連携というところでいろいろと就職率を上げる取組をされているということは、評価されるべきポイントだと考えております。やはり、そういうことも含めて御説明していただくと、よりAという評価に関しては説得力が増すのではないかと思いました。以上です。

 

○松浦構成員

 これは中長期的な、もう少し先の話になるのかもしれないのですが、目標設定の目標値が高いと、当然120%以上にならないので、目標値設定のときにどのように設定するのかが重要なポイントになります。80%や90%まで達しているものをさらに高い目標値に上げていくのは非常に難しいので、目標設定のあり方について、今後検討の余地があるのではないかかと今までの御議論を聞いていて思いました。

 もう1つは、例えば、同じ80%や90%でも、対象者の分布など内容が変わって、より困難になっているという御説明があったのですが、それを定性的に説明するだけではなく、客観的に見える形で説明していただく、若しくは、そういう定性的な分布の変化を反映した形で目標を設定いただくということを、今後検討していただく必要があるのではないかと思いました。以上です。

 

○高田構成員

 先ほどの御説明で、就職率が質、量ともに改善されているということはよく理解できました。施策の評価に関して考えると、何をした結果がそういう数値の改善に結び付いたのかという説明がほしいかと。つまり、偶然的な結果ではなくて、こういうことを我々がやったから改善したのだという説得ができるような御説明があると、非常に分かりやすいと思います。その点に関してはいかがでしょうか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構求職者支援訓練部長

 早速ですが、52ページを御覧いただきたいと思います。就職の質を改善してきた取組としては、中段の「主な取組内容」という所です。就職支援ツールを活用し施設ごとに就職促進活動計画を作成ということで、これまで毎年、そういうツールを見直して中身のレベルアップをしてきました。

 特に私どもは全国ネットワークの施設ですので、それぞれの施設の好事例を集めて、同じページの左下にありますが、就職促進活動計画を作る際には、具体的にいつどこで誰が何を支援していくのか、具体的に全国の好事例をまとめて、大きなツールとしては2つあり、就職支援マップという、いつどこで誰が何をするということをまとめたもの、それから、非常に就職率が高い実績を確保してきた職業訓練指導員の方々のノウハウを集めて、就職支援行動ガイドという、私どもでいうスーパー指導員がどのような特徴を持った支援をしているのかというノウハウを集めて、実はそれは受講者の方々にお見せするツールではなくて、先ほど申したようにいろいろ就職が難しい受講者の方に出会ったときにスーパー指導員が何をしたのか、どういう取組をしたのかという事例を集めて、指導員が現場で困らないようにツールの開発をし、毎年見直しをしてきたという点があります。

 もう1つは、53ページです。コースの設定そのものについてです。上段に人材ニーズ把握とあります。各種事業主団体や企業に必要な人材ニーズの把握をしておりますが、これは毎年、全国の指導員が自ら前年度と違う約3,500の事業所を回り、ニーズの把握をしてコース設定をしているということ。それから、特に私どもは民間の教育訓練機関との役割分担を図る上で、ものづくり分野に限定した訓練をしております。中段ですが、その中でも現在の政府の政策に基づき、成長分野、これは「スマート生産サポート科」、このICT技術を活用した生産設備の技術を学ぶ科を開発して設定する。さらに、前年度から施設、コース数の拡充をしてきた、人手不足が言われている建設分野についても新たにコースの開発をして実施施設を拡充してきた。さらに、全員参加型の社会を作るという政府の施策に基づき、女性の就業促進に対応した訓練コースということで、女性の就業ニーズに合った訓練コースを開発しコース設定しております。

 こういうコース設定の観点から、労働市場が求めるコースの提供ができているのではないかと考えております。就職支援のノウハウの積み重ね、さらに、訓練コースの毎年の見直し、ニーズに沿った対応が就職支援、就職の質の改善につながったものと考えております。以上です。

 

○今村主査

 ありがとうございます。よろしいですか。

 

○高田構成員

120%アップという意味は、どのように理解すべきなのか私には確信が持てないのです。その年は例年とは違い非常に飛び抜けて成果が上がった、かつ、それが前年の取組に原因があってそのようになったのだという場合に120%、質的なものも含めて、質というかここでは量しか書いていないのですが、そういうことになるのではないかと。

 今のお話ですと、毎年の着実な成果の積み重ねとしてこの数値が出たという御説明で、その御努力は非常に御立派だと思います。飛び抜けて今年何か違ったことをやられたというようなことでないと、質的に捉えた場合に120%的なものとは説明しにくいのではないかと考えるのです。そういう点で、特に昨年度はこういう点が効いたのだというところが特定できると非常に納得しやすいかと思います。

 

○今村主査

 若干意見の傾向が違いますけれど、1つ、これは入れ知恵というわけではなくて変な言い方ですが、今の話を総合すると、例えば、先ほど少し話題にした1-31-11の違い、旧高障機構と能開機構のそれぞれ中心的な業務で一番力を入れて努力されているところだと思います。それぞれAということで申請されましたが、120%に足らない数値が多いのではないかという同じ状況なのです。

 ただ、1-11の違いは、戸田構成員がおっしゃったように、例えば、質の内容に関する指標が常用就職率が上方に伸びていますという客観的な傍証データがある。それから、他の同種の職業訓練に比べると、明らかに10ポイント近く就職率が高いですという傍証データを出してありますので、なるほど120に達していなくても、これはかなり高いレベルで進んでいるのだということが理解できるのですが、残念ながら1-3の所は新たな取組とかいろいろ書いてあるのですけれど、こちらからどうですかと聞かないと、その背後で困難者が増えているのですという言葉での説明しかこの中に出てこないということが、若干、違うのかと思います。

 あと、入れ知恵という点です。今、高田委員のあれにお答えするとしたら、主な取組内容はたくさん並んでいるわけですから、この中で新たに取り組んだ内容には赤い星印とか、大幅な努力をして改善したところは黄色い星印とか、ビジュアルに分かりやすくしていただくと、なるほど質的に中身も変わっているのだなと分かるのではないかと思いました。

 ただこのように主な取組内容として並べていると、これは前年と同じことをやっているのだなと、そうではないのでしょうけれど、そのようにプレゼン資料を作られるとそういう印象を持つと思うので、その辺りは今後の課題かもしれませんが、去年からいろいろな意味で議論が百出しており、今年は去年ほど文書が厳しくないので、もう少し甘くしてもいいのではないかという認識ではなくて、客観的に公平に時系列比較でも同じ基準で評価しているのだということを心掛けたいと思いますので、その辺りは客観的な評価を傍証データで説明するという努力は、高田委員と同じことを別の方向からおっしゃってくれていると思うので、是非、お願いしたいと思います。ということで、若干、これはポジティブな評価も入っていたということでよろしいでしょうか。

 次に、1-12をお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 すみません、1点だけ、今、御指摘いただいた点です。御指摘を踏まえて今後、対応していきたいと思いますが、質の評価についてアピールしたい部分を何か目立つようにしたらどうかというお話があったかと思います。例えば、今見ていただいた離職者訓練の所、53ページを見ると、訓練コースの設定、訓練の実施という所の「成長分野・建設分野、女性の就業促進に対応した訓練コースを設定し」という所です。先ほども部長から説明したかと思います。

 こういう感じで質的な部分でも少し工夫して新しいことをやったという部分を若干見えやすいようにしております。ただ、御指摘いただいたので、まだ少しアピールが足りなかったのかと思いますが、念のため、すみません。

 

○今村主査

 今後の課題だと思います。先ほどの数値に入っていないけれど、客観的に追加されているということをどのように事後的に評価するのかという問題があります。先ほどの勤退機構のときもそうですが、サイバーテロの被害に遭わなかったから目標数値としては同じなのだけれど、ものすごく努力しているというものを、リスクが増えた場合のことをどのようにするのかとかいろいろな問題があるので、それは評価官室で、是非、今後の課題として。この間も申し上げましたが、おっしゃるとおりです。できるだけ、それは前向きに評価していきたいということですので、よろしくお願いいたします。

 では、次、お願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

55ページです。評価項目1-12、「高度技能者養成訓練」についてです。産業の基盤となる高度なものづくりを支える人材を育成するための訓練を、高校卒業者等を対象に各地の職業能力開発大学校及び短期大学校、通称ポリテクカレッジにおいて実施しております。

56ページに書いてありますが、この評価項目の自己評定はAとしております。「専門課程及び応用課程の修了者のうち、就職希望者の就職率を95%以上」という高い数値目標が設定されているところ、57ページにお示ししているとおり、年間授業時間の65%を実技・実習にあてた実学融合のカリキュラムを設定するとともに、ジョブカードを活用したキャリアコンサルティングの実施等の的確な就職支援に取り組んだ結果、過去最高の99.5%と目標を大きく上回る実績となり、就職者のうち常用労働者の割合も99.6%とほぼ100%の実績となりました。

 加えて、未就職者は全国で8名となっており、現在の就職率は天井に近い状況にあると考えております。念のため申し上げると、この8名の未就職の理由については、例えば、本人に就職意思の問題があるとか、身体、精神等の障害があるだとか、経済的な理由によって、進学する予定だった方が取り消してしまったという理由です。

 そのほか、詳細は57ページにお示ししているとおり、実学融合の訓練を実施することにより、地域産業から求められる人材を育成し採用企業からも高い評価を頂くとともに、発達障害を想起させる学生に対して地域障害者職業センターや外部支援機関、家族等と連携して適切な就職支援を実施しております。

 また、58ページにお示ししているとおり、高校訪問の実施手順、分析方法、女子学生の入校促進のための好事例の各施設内での共有等、効果的な広報活動に取り組んだほか、5960ページにお示ししているとおり、共同・受託研究の実施や大学等関係機関と連携した教育訓練などにも取り組んでおります。以上です。

 

○今村主査

 御意見、御質問をお願いいたします。

 

○戸田構成員

 こちらの項目は、数値目標が就職率95%以上ということで、もちろん、120%という基準では100%を超えてしまいますので、理論的にはあり得ない数値かと思います。やはり、高い水準ということは理解しておりますが、定性的にもきちんと理由を説明していくということが必要なのではないかと思います。

 先ほどの御説明で、99.5%という実績の中で、未就職は8名いらして、その8名の方の理由をおっしゃっていただいて、就職率に関しては天井が近いと、ほぼ未就職の方に関しても機構としてはできることはやっているという理解なのかと思っています。

 やはり、それは重要な指摘で、評価をする上では考慮すべきポイントかと思います。それ以外にこの項目に関して定性的に評価できる、Aとして主張する根拠として機構が考えているポイントについて教えていただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長

 公共職業訓練部の西山です。今、御質問があった点について、若干、補足を交えながら説明いたします。まず、未就職者ですが、平成27年度も同じく8名、昨年度、平成28年度も8名なのですが、平成28年度は実は最初6名でした。その後2人、1人は母親がちょっと自分の子供が行く進路ではないということで取り消したケース。もう1つは、家庭の事情で、どうしても親御さんの介護をしなければいけない。そういうことで2名ほど就職内定の取消しということになっております。実質的には8名にはなったのですが、その中で、平成27年度は24校のうち16校が就職100%。平成28年度は18校で100%を達成しているという状況です。これが補足になります。

 もう一点、配慮を要する学生の問題があります。資料の57ページですが、主な取組内容の○の4つ目です。発達障害を想起させる学生に対する就職支援ということで、学生への支援・対応ガイドを平成26年度に取りまとめて、平成27年度から一部、機構で活用し、平成28年度からは一般に公開としてきたのですが、この配慮を要する学生が平成28年度は全体で約170名ほど在籍しております。このうち、72名が修了して、うち70名が就職されております。

 未就職は先ほど申しました8名のうちの2名に含まれるわけですが、配慮を要する学生が未就職の状況となっております。この配慮を要する学生に関する資料の57ページに対応ガイドがありますが、これは取りまとめるのが相当難しいものです。専門性を特に要するということもありますし、いろいろな範囲があり、これを作成するに当たっては、第1部のほうで話がありましたが、私どもの組織の中に総合センターがあります。その中にカウンセラー、あるいは研究員がいらっしゃいますので、そちらとも話をしながら、どういう場合がこれに該当するかということを大きな視点で取りまとめたのが、この対応ガイドです。

 この対応ガイドを私ども指導員に対して、平成27年、平成28年から研修を実施して、きめ細かな、あるいは配慮のあるような対応ができるように研修も実施し、就職のほうへ結び付けていくという取組をいたしました。

 

○今村主査

 今の話はアウトプットの話なのですが、つまり、やりましたとか、回数はどれだけですという話なので、是非お聞きしたいのはアウトカムがどうなったか。つまり、ここに「連携した支援を実施」と書いてあって、発達の度合、障害の度合が大きい子たちに対してマニュアルをやりました。実施しました。でも、その結果、成果はプラスなのか、マイナスかという話がまだ聞けていないのですが、アウトカムのほうを手短にお話いただけますでしょうか。現場で、確かにそういう声が上がったという程度の御説明なのか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長代理

 今99.5%で、残り8人という話を先ほど申し上げたと思うのですが、その分の補強の材料を今、提供させていただいているということで、そこまでやることによって8人まで、これはどうしても、いかようにも就職できない方は残ってしまうのですが、それ以外のいわゆる障害ではないけれども、そういった傾向を持つ方々についてはうちの訓練学校のほうで対応できているということ。

 

○今村主査

 分かりました。そうすると、つまり数字としては変わっていないけれども、落ちないのを防いで、なおかつちょっと上げたというのは、この4番目の取組のお陰であると、そういう因果関係になるわけですね。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長代理

 はい。もう1点だけ、多分、今御質問になったのは、プレミアで何か就職率以外で取り組んだ材料はないのかというお話だと思いますが、資料の5960ページ辺りです。例えば59ページ、こういった高度の技能者養成の学校的な所ですから、訓練をして就職させる以外にも研究的なもの、いわゆる地域に役立つ、企業に役立つ、プラス訓練生のモチベーションを引き上げるための取組は、非常に大事だと思っています。そういう意味で、企業、団体との共同研究・受託研究と書いてありますが、それについても98件ということで、前年に比べて中身はずっと変わってくるのですが、そういった取組を一生懸命取り組ませていただいて、地域、社会、あるいは企業に貢献しているという話と、もう1つは就職率との裏腹になりますが、60ページです。

 訓練コースの見直しは、正に生産性向上なり、企業のニーズに合わせた訓練コースを改変することによって、就職率も上がるし、あるいは受講生を確保するという大きな役割があるのですが、そういったものに積極的に取り組むということで、例えば生産ラインの自動化による中小企業の生産性の向上が今、強く求められているところです。あるいは、生産管理者に対する、機械の本質安全化に対する訓練、対応といったものもカリキュラムの中に織り込むことによって、新たなニーズに対応できると。そういうことを繰り返し繰り返し行いつつ、就職率の向上にもつながっているということです。

 

○今村主査

 ありがとうございます。

 

○戸田構成員

 お話を伺っていますと、以前から受託研究等をやられていることは存じ上げておりますし、訓練コースの見直しというところも、平成28年度に限らず以前からやっていらっしゃるということで、そこの取組に関しては否定するつもりも全くなくて、評価させていただきたいと思っているのですが、評価をAとするには、それなりに合理的な説明が必要であるという中で、就職率が100%に近いというところは理解している中で、それ以外に例えば今のお話ですと、少し私の推測も入ってしまうのですが、発達障害のある学生に対する支援をやっていらっしゃると。この取組自体は、機構の持つ複数の機能を連携して取り組むという上では、私は非常に評価できると思っているのですが、その中で、例えば発達障害の学生が増えているということが、先ほどのお話でも若干あったかと思うのです。その中でも就職率を維持されているという話であれば、それなりに機構の努力によって、就職率が維持できているということで、そのような説明をしていただくと、よりAと評価するには説得力が高い話になるかというように、お話を聞いていて感じたのです。平成28年度では、発達障害のある72名の方が修了というお話がありましたが、これは前の年度から比べて増加傾向にあるという理解でよろしいでしょうか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長

 お答えいたします。平成27年度ですが、数字的にはほぼ変わりません。ただ、先ほど申し上げたとおり、平成26年度に取りまとめをして、平成27年度から発達障害の方に該当するか否かというのが、やっとそれで分かったということですので、それが正確に数字として把握できたのが、実は平成28年度ということですので、潜在的には多分、同等数の方がいらっしゃったと考えております。

 

○今村主査

 これはある意味でシナジー効果ですね。高障機構と能開機構が一緒になった、ある意味で評価項目には現れないのですが、非常に大きなシナジー効果だという意味もあるのですが、そういう理解でよろしいですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長

 はい。

 

○今村主査

 ありがとうございます。特にほかによろしいですか。次は1-13、在職者訓練です。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

61ページ、評価項目1-13の「在職者訓練、事業主等との連携・支援」についてです。ものづくり分野の中小企業等の在職者を対象に、仕事を遂行する上で必要な専門的知識及び技能・技術の向上を図る2日から5日間程度の短期の訓練を、ポリテクセンターとポリテクカレッジにおいて実施しております。62ページのとおり、この評価項目の自己評定はBとしております。

 受講者及びその事業主それぞれに対するアンケート調査で、役に立った旨の評価を90%以上から得ることという数値目標に対して、アンケート結果等を活用し、訓練カルテによる訓練コースの改善等に取り組んだほか、地域のニーズに即した多様な訓練コースが提供できるよう、他地域の施設の指導員の活用や事業主団体等々共同した訓練コースの開発等を行い、受講者について98.9%、事業主については97.9%と、目標を大きく上回る実績となっております。また、他地域の施設の指導員の活用については、前年度から実施している北陸及び九州・沖縄ブロックに中国及び四国ブロックを加えて実施しております。そのほか、66ページにあるとおり、指導員の派遣や施設設備の貸与など、事業主が行う人材育成の支援をしております。以上になります。

 

○今村主査

 ありがとうございます。御意見、御質問等ありましたら、よろしくお願いします。特になければよろしいですか。あくまでも今後の参考ですが、目標設定が前期末98.8%を90%、97.9%を90%とあります。90%台を維持するのは非常に大変であるということですが、今期はずっと98%、98%、99%、98%とか、もう一方も97%、97%、97%。ですから、来期どの程度の数値を設定するか、なかなか難しいところがあるかと思います。そういう意味では達成度は十分だということで、ありがとうございます。次は1-14、お願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

67ページ、評価項目1-14の「指導員養成、訓練コースの開発等、国際連携・協力の推進」等です。職業能力開発総合大学校において、職業訓練指導員を養成するためのハイレベル訓練及び職業訓練指導員の専門性の拡大、レベルアップ等を図るためのスキルアップ訓練を実施しております。68ページにあるとおり、この評価項目の自己評定はBとしております。この評価項目には数値目標がないため、取り組んだ内容をまとめておりますが、詳細は69ページにお示ししているとおり、ハイレベル訓練及びスキルアップ訓練を実施するとともに、地方の受講者の受講環境を整備するため、引き続き全国の公共職業能力開発施設を実施場所とする出前型研修のほか、通信を活用した訓練の試行実施を行っております。また、70ページ、71ページにあるとおり、職業能力開発に関する調査・研究を行い、その成果等をホームページで公表したほか、37府県における産・官・学が連携した地域コンソーシアムの構築、地域の特色を生かした様々な訓練コースの開発、民間教育訓練機関の教育訓練サービスの質の向上の支援や厚生労働省等からの要請に応じた開発途上国への支援等も行っております。以上になります。

 

○今村主査

 ありがとうございます。御意見、御質問等はいかがでしょうか。

 

○戸田構成員

 先ほど御説明がありましたように、受講者数の増加を図るための取組という項目が69ページの真ん中の下側にありますが、その中で通信を活用した訓練を試行実施と新規でやられているというお話がありましたが、こちらについて、もう少し詳しく、どんな取組をされているのかについて教えていただけないでしょうか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長

 通信を活用した訓練ですが、スキルアップ訓練は地方の職業訓練指導員が受けやすい環境を作るということで、研修の中でも一般研修、資料の69ページの真ん中辺りですが、ポツの2つ目にあるとおり、一般研修と技能開発研修、これらに通信による研修を実施することにしました。そのやり方なのですが、個別研修と集合研修、この2種類によって構成されているのですが、集合研修は受講者に会場に来てもらって、対面式で研修をすると。個別研修ですが、これは別に集合しなくても、在勤あるいは自宅にいてもできるという方法を取ろうと考えて、Web、あるいはメール等の通信方法により、講師から受講者に対して課題の提示、あるいは回答を受けて、それから評価をするという方法を取り入れております。これにより、これまでは集合で研修を実施するということで、なかなか受講までつながらなかったのですが、この通信を導入することにより、これからどんどん受講者が増えるものと捉えて、これから取り組んでまいりたいと考えております。

 

○今村主査

 よろしいですか。

 

○戸田構成員

 情報通信の技術も発達しており、例えば職業訓練に関しても、バーチャルリアリティの活用とか、いろいろそういう技術が出てきておりますので、是非そのような活用等も含めて御検討いただければと思います。ありがとうございます。

 

○今村主査

1つだけ、目標に関する話で、考慮すべき要素・目標の中の「その他考慮すべき要素」の5番目の○、「国、国際協力機構等からの委託等を受けて」と書いてありますが、積極的・効果的・効率的と書いてあります。これは本当はニーズは潜在的にものすごくいっぱいあるわけですよね。だから、ごくわずかしか受け入れていないというのは、ほかに代替的な教育機関がアジアからの訓練生を受け入れる所があるのか、あるいはもう能力的に限界で、これしか受け入れられないのかというのは、現状はどうなのでしょうかね。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長

 研修生の受入れについては、受け入れる施設、まず受け入れ側の問題が1つあります。もう1つは、JICAのほうから研修計画が示された際に、今度は機構のほうで、それを受けられる期間かどうか、この2つが大事になってきております。基本的には海外の研修生は受け入れるということで考えてはいるところなのですが、今申し上げたこの2点を十分JICAと調整しながら、進めていくことになります。

 

○今村主査

 分かりました。質問はそれだけにしておきます。ほかによろしいですか。次の項目、1-15、効果的な職業訓練ですが、お願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

72ページ、評価項目1-15の「効果的な職業訓練の実施、公共職業能力開発施設等」についてです。73ページにあるとおり、この評価項目の自己評価はBとしております。この評価項目には数値目標がないため、取り組んだ内容をまとめておりますが、詳細は74ページにお示ししているとおり、地域における職業訓練の質の検証・改善に係る取組、地域連携人材育成強化支援事業等を通じて、関係機関等に対して、機構のノウハウや資源を活用した支援を実施するとともに、75ページにあるとおり、約3,400事業所に対するヒアリング調査により、人材ニーズを把握する等、PDCAサイクルによるカリキュラム等の適切な見直しを行っております。

 また、76ページにお示ししているとおり、女性向けの訓練コースの実施や託児サービスの提供等、女性のものづくり分野への就業促進を図ったほか、77ページにあるとおり、定員充足率の向上の取組については、離職者訓練、高度技能者養成訓練等も、関係機関との連携や周知・広報の強化に取り組み、離職者訓練は84.3%と前年度実績を上回り、高度技能者養成訓練は100.6%となっております。以上になります。

 

○今村主査

 ありがとうございます。御意見、御質問等ありましたらお願いします。特に御意見はよろしいですか。

 

○戸田構成員

75ページにPDCAサイクルについて、こちらはPDCAを回して訓練コースの見直しというところで、どんなことをやられていらっしゃるのかということを書いてあるかと思うのですが、一般的にPDCAサイクルというのは、かなりいろいろな目標を立てて、コースの内容の見直し以外にも、やろうと思えばいろいろとできるのではないかというところで、機構のお考えとして、コースの見直し以外にPDCAサイクルを回して、例えば改善されているとか、新しい取組をされているということがもしあれば教えていただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構求職者支援訓練部長

 このPDCAサイクルには書いていないところを補足説明させていただきますが、職業訓練の見直しに係るPDCAサイクルとして、業務のプロセスをチェックしている、というのがあります。PDCA、それぞれの区分ごとに、例えば離職者訓練で申しますと、職業訓練の理解促進に向けた取組として、展示物とか、看板とか、あるいは施設の入口での広報スペースの改善を図るとか、あるいは就職支援や訓練の質の向上という観点から言うと、先ほどの説明にもありましたが、施設見学会やハローワークとの連携の仕方を工夫する。施設の利便性の向上や不便の解消という観点から、交通アクセスについて、更に地元の公共機関との連携を深める。災害とかミスを防止するという安全の観点から、安全教育をしっかり行い、プロセスを管理する。リスク防止の工夫をする。そういったものを訓練のコースの見直し以外にも取り組んで、毎回、要改善事項をリストアップして、改善に取り組んでおります。

 

○今村主査

 よろしいでしょうか。

 

○戸田構成員

 ありがとうございます。

 

○今村主査

 それに関連してですが、どの評価を見てもPDCAPDCAと、金科玉条のごとくPDCAが出てくるわけですが、恐らく旧能開機構としては、これは自家薬籠中の物だと思うのですが、何か独自のPDCA手法というのは持っていらっしゃるのかどうかということと、もっとほかの呼び名もいろいろあって、エビデンスベイスト・デザインとか、デザインですよね。つまり、同じサイクルの中を既知の目標だけの設定でグルグル回っているのではなくて、シンクアウトボックスで、更に新たなデザインを取り入れて、より発展的にサイクルが展開していくという印象が、これを見ているとないのですが、そういう発想はお持ちかどうか。その2つですね。同じことですけれどもね。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構求職者支援訓練部長

 独自のものとしては、75ページの中段の上に書いてありますが、「機構版職業訓練ガイドライン」を策定しており、職業訓練の種類にかかわらず、離職者訓練以外の高度技能者養成訓練、在職者訓練、様々な訓練に共通するプロセス、それぞれのニーズ把握から見直しのやり方、あるいは訓練の実施の際の注意の仕方をガイドラインにまとめており、これに基づいて取り組んでおります。このガイドラインが職業訓練以外で、民間の教育訓練機関での実施の厚生労働省が定められたガイドラインの基になったということをお聞きしております。新たなものとしては、今すぐにお答えするものはないのですが。

 

○今村主査

PDCAと言うと、厳格にやっていていいなということがあるのですが、実は同じサイクルの中を回っているだけではないかという危惧もあるわけで、そういう意味ではデザイン思考ですね。新たなデザインを作り出していくような、そういう思考を持ったPDCAという、機構独自の発想があっていいのではないかという期待を込めて質問させていただいたのですけれども。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構求職者支援訓練部長

 新たなニーズというか、ものに対しての取組は、職業能力開発総合大学校の所に基盤整備センターという、職業訓練のカリキュラムやテキストの調査・研究を行う所があり、市場のニーズをそこで整理しております。全国の職業能力開発施設からの情報を基に、そこで整理をして、新しい取組への基盤というか、ベースを作っていくというような取組をさせていただいています。

 

○今村主査

 ありがとうございます。先ほどのようにシナジー効果も出ているようですし、是非、新しいガバナンスの仕組みをどんどん作り出していっていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

○松浦構成員

 同じページで75ページなのですが、左のちょうど真ん中の下辺りで、「評価・分析を踏まえた訓練コースの見直し」ということで、在職者訓練の廃止が993、新規が1,029ということで、これだけ見るとほぼ総入替えのように見えてしまったのですが、これは何か理由があるのでしょうか。在職者訓練の廃止、新規が非常に多いことについて、補足的にご説明をいただけると有り難いです。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長

 ただいまの質問ですが、在職者訓練については、シートがこのシートではなくて、1-13がそのシートになります。コースの設定に当たっては、シートは1-1575ページの上のほうに、運営委員会があろうかと思います。75ページの右側に地方運営協議会があり、施設の運営をいろいろ議論する場です。離職者訓練、高度技能者養成訓練、在職者訓練に関しては、この地方運営協議会の下に訓練計画専門部会を設置して、民間との競合、あるいは地域ニーズに合致しているかどうか、これらを精査することになっております。

 訓練計画専門部会の中で、在職者訓練に関しては、これは離職者訓練もそうなのですが、設定したコースが、まず民間と競合していないかどうか。あるいは、地域ニーズに合致しているかどうか。これらを精査する際に、当然、昨年度実施した内容を踏まえてアンケート調査をしたり、あるいはヒアリング調査を行って、次年度のコースを設定するときに余り効果がなかった場合、これは廃止した上で、新しいニーズに合わせたコース設定をすることにしております。その結果、平成29年度計画の見直しということで、75ページの左側にある数字なのですが、在職者訓練に関しては、新規で1,029コース設定をし、変更が78、廃止が993ということで、平成28年度は全体で7,638コースを設定しております。

 ちなみに、平成27年度ですが、7,312コースということで、平成28年度は平成27年度に比べて326コース増やしている。それだけ昨年やったコースを精査して、廃止するもの、あるいは訓練コースの見直しをするもの、あるいは廃止はしたのですが、地域ニーズに合致するような新たなコースを設置するものというようにして、毎年見直しをした結果、この表にある数字が出てきているということになります。

 

○松浦構成員

 ありがとうございます。全体の分母が7,600以上あるということですね。分かりました。

 

○今村主査

 よろしいですか。次は1-16です。お願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

78ページになります。評価項目1-16、「求職者支援制度に係る職業訓練認定業務等」についてです。当機構は民間教育訓練機関に対して、制度の周知・広報、訓練計画の策定に関する相談援助、訓練の審査・認定、訓練実施に関する助言・指導を実施しております。79ページにありますとおり、この評価項目の自己評定はBとしております。求職者支援訓練サポート講習を55回以上実施するという数値目標に対しまして、全国の都道府県支部で67回実施しまして、目標達成度も121.8%となっております。

 また81ページにお示ししているとおり、求職者支援訓練サポート講習につきましては、訓練実施機関の要望を踏まえ、新たに2つのテーマを追加して実施し、受講者へのアンケートでは、「満足」又は「やや満足」との回答が97.5%と高い評価を頂きました。そのほか機構の職業能力開発のノウハウを活かした「カリキュラム作成ナビ」をホームページでの公開や、認定申請に係る相談等を通じて訓練実施機関に提供し、訓練カリキュラム作成の支援を実施するとともに、不正事案の防止徹底を図るため、訓練実施機関に対する定期的な実施状況の確認を確実に行いました。以上になります。

○今村主査

 この件につきましてはいかがでしょうか。

 

○戸田構成員

 評価の考え方として、私からも繰り返し申し上げていて恐縮なのですが、数値目標で120%を超えているというところがAの基準であるという考えで、もしそうでないとしても、合理的な理由があればAにしてもいいというように考えているわけですが、今回、数値目標を見る限りでは120%を超えているということで、Aにしてもいいのではないかという話もあるのですが、すみません、本当に逆説的な質問で恐縮なのですが、なぜ機構は数値目標が120%を超えているにもかかわらず、評価をBにされているのかと。Aにしてもいいのではないかという意見に対して、もし機構のお考えがあれば教えていただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構求職者支援訓練部長

 この数値目標の67回の実績ですが、55回以上に対して67回のサポート講習を実施したということの達成度が120%なのですが、この取組は機構独自の取組でございまして、中期目標には、実施回数の目標設定はございません。なぜ私どもが自ら年度計画においてこの目標を定めたかと申しますと、御存じのとおり雇用情勢が改善をしてきておりまして、求職者支援訓練を受けられる方が減ってきております。当然民間の実施機関からも、受講者が減れば、コースの提供、審査の回数も減るということで、授業の量の総量が減る中で、どのように質を高めていこうかということで、自ら取り組んだこのサポート講習の実施回数です。しかもサポート講習の目的は、民間の実施機関の訓練の質を維持向上させていくのが目的でございまして、求職者支援訓練そのものの主な目的とは少し異なる形になりまして、求職者支援実施機関の訓練の質を維持向上させていくという中で取り組んだものでございます。

 その中で言いますと、サポート講習を受けられた満足度が、昨年を下回ってしまいまして、そこが私どもとしてはAを付けられなかった理由でございます。81ページの中段から下に、求職者支援訓練サポート講習の実施状況というのがございます。(1)から(7)までのテーマを元に、実施回数、受講者数、満足度を並べております。今年実施したサポート講習の質が97.5%の満足度、昨年が99.6%の満足度を頂きましたので、実施回数は目標の120%を達成しましたが、質の点で、やや昨年を下回ったということでBとさせていただきました。

 

○戸田構成員

 求職者支援制度については御説明がありましたように、やはり失業率が低下するとそれだけ雇用保険も受給できない求職者は減少しますので、やはりニーズが減少するというのはおっしゃるとおりだとは思うのですが、とは言え、リーマンショック以降の失業率が急上昇した時期に最初は基金として作られた制度ですが、今失業率が低い中でもまだまだ失業者の方がいらっしゃるわけで、そうした求職者支援制度を引き続き運営していくということは重要ですので、そういう観点からもいろいろと御検討いただければと思います。先ほどの御説明については特段、異論等はございません。

 

○今村主査

 どうぞ。

 

○政策評価官

 今、中期目標にない自主的目標という御説明があったと思うのですけれども、これは法人の評価としては自己評価が出ているのですが、主務大臣評価の対象とはならないというように理解しておりますので、そういう観点で御覧いただければと思います。

 

○今村主査

28年度のみということですね。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構求職者支援訓練部長

 はい。中期目標には、定性的な取組で実施状況確認を的確に行うということがあるのですが、その点、実施状況確認の中でその訓練の質を維持向上させていくということの観点で、機構が自ら求職者支援訓練サポート講習の実施をし、その実施回数を、28年度から初めて数値目標化させていただいたということでございます。

 

○今村主査

 そういう扱いにさせていただきます。次に1-17をお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

82ページ、評価項目1-17になります。こちらは高・障・求の各業務に共通する事項をまとめた評価項目になります。83ページにありますとおり、この評価項目の自己評定はBとしております。この評価項目には数値目標がないため、取り組んだ内容をまとめておりますが、詳細は8485ページにお示ししているとおり、法人統合によるシナジーの一層の発揮に向けて、平成26年度に取りまとめた「訓練・学習の進捗等に特別な配慮が必要な学生への支援・対応ガイド(実践編)」が現場の支援に十分いかされるよう、機構職員を対象とした研修に加え、都道府県や民間教育訓練機関等の職業訓練指導員も対象とするスキルアップ訓練として専門的研修を実施し、機構の内外でノウハウが広く活かされるように努めたほか、コンプライアンス研修実施や外部通報窓口の設置準備等、内部統制の充実・強化を図りました。そのほか、8687ページにお示ししているとおり、都道府県支部単位としての一体的・効果的な広報や情報セキュリティにおける組織的・人的・技術的な対策も実施しております。以上になります。

 

○今村主査

 御意見、御質問はありますか。あくまでもこれはコメントですけれども、情報セキュリティに関しては、先ほど勤退機構のセキュリティ対策の例もありましたので、何か事が起きたときの重大さを考えて、十分御検討して、御配慮、御対策を御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。特になければ、以上で117まで終わりましたので、次の事項に移りたいと思います。

 「業務運営の効率化に関する事項」「財務内容の改善に関する事項」及び「その他業務運営に関する重要事項」に係る「項目別評定」について、議論したいと思います。先ほどと同様の流れで法人からポイントを絞って簡潔な御説明を頂き、その後、質疑応答をお願いいたします。それでは、2-1からお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 引き続き資料1-188ページを御覧ください。評価項目2-1の「効果的・効率的な業務運営体制の確立、業務運営の効率化に伴う経費節減等」についてです。89ページにありますとおり、この評価項目の自己評定はBとしております。一般管理費を、24年度に比べて29年度までに15%以上節減するという数値目標に対し、18.2%の節減を行っております。業務経費についても、24年度と比べて29年度までに5%以上節減するという目標に対し、4.7%の節減を行い、目標達成に向け着実に節減を図っております。

 そのほか詳細は9091ページにお示ししているとおり、地方施設の移設・集約化や調達等合理化計画に基づく一者応札・応募の改善に取り組みました。以上になります。

 

○今村主査

 ありがとうございます。御質問等ございますでしょうか。よろしいですか。

 

○宮崎構成員

 資料の1-2A3の資料ですけれども、198ページがこの2-1の評価資料ですが、こちらで見ますと、評価する項目に事業の費用対効果という項目も年度計画に記載されていまして、1-2の資料をよく拝見すると、アウトプット情報とインプット情報を対比する表が随所に付いているのですけれども、例えば175ページは、アウトプット、アウトカム情報の右側に(2)で主要なインプット情報とあるのですが、28年度の欄は全部バーになっていまして、注書きで「独法会計基準の改正を踏まえて、事業単位とインプット情報を整合させるため、現在検討中であることからバー表示とする」と書かれております。ただ、独法の会計基準が変わって業務達成基準の適用というのは28年度から、もう適用しているはずですので、これはどういう意味なのかということです。

 あと、もっと前を見ていくと、1-10まではバーではなくて、この資料は空白になっているのです。これはバーの意味なのかを確認したいのが1点です。結局確認しているのは、バーなのか空白なのか、バーである理由は、基準改正というのはもう終わっていると思うのですけれども、どのような理由かと、これが2点目です。

3点目はこの費用対効果というのは分析していないように資料から見られるのですが、この点は如何ということが3点目です。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構経理部長

 予算、経理を担当しております谷でございます。よろしくお願いします。28年度から基準の見直しをやっておりますけれども、これは27127日に独立行政法人の会計基準の改定がございました。これは御案内の話だと思いますけれども、セグメント情報の開示や運営費交付金の収益化基準の見直しが決められております。その中で、法人の会計基準について、損益均衡の仕組みを維持しつつ、原則として業務達成基準を採用するということで、その中で、業務達成基準採用に際して、機構内部でどの経費を計上するかを今検討しております。28年度決算を基に検討しておりまして、次期中期計画からそれを採用して、ここに記載することとしております。

 

○宮崎構成員

 それでもう1点確認なのですが、例えば資料1-231ページは、バーではなくて空白になっているのですが、これはどういう意味ですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 今の部分を確認しましたところ、うちのほうの記載漏れのようです。

 

○宮崎構成員

 はい、分かりました。バーにされるということでよろしいのですね。

 

○今村主査

28年度もバーということですね。よろしいですか。行政コストの計算が本当はできれば大変素晴らしいと思うのですが、数値が出てこないということですね。次に、3-1をお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

92ページの評価項目3-1、「財務内容の改善に関する事項」についてです。93ページにあるとおりこの評価項目の自己評定はBとしております。この評価項目には数値目標がないため、取り組んだ内容をまとめておりますが、94ページにお示ししているとおり、予算額の節減を図るとともに、不要財産等の処分についても既存の計画に基づきまして29件の職員宿舎の処分を行いました。そのほか95ページにお示ししているとおり、地方公共団体が取得意向を示さなかった雇用促進住宅について、東西ブロックに区分けし、入居者付きで一括売却をする一般競争入札を行い、西ブロックについて売却いたしました。以上になります。

 

○今村主査

 ありがとうございます。この件はいかがでしょうか。よろしいですか、特になければ次にまいります。最後に4-1をお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

96ページ、評価項目4-1、「その他業務運営に関する重要事項」についてです。主に人事に関する内容になっております。97ページにありますとおり、この評価項目の自己評定はBとしております。数値目標は人件費予算の節減に関するものですが、24年度に比べ、29年度までに5%以上節減をするという目標を達成しております。そのほか、詳細は98ページにお示ししているとおり、国に準じた給与制度の運用による適正な給与水準の維持や積極的な職員募集による人材の確保に努めております。以上になります。

 

○今村主査

 ありがとうございます。98ページに数値が出ておりますが、いかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは次に、法人の監事より業務の監査結果等を取りまとめた「監査報告」について、御説明いただくとともに、監査等を踏まえた現在の法人の業務運営の状況や今後の課題、改善方針等についてコメントをお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構監事

 お手元の資料1-41枚ものです。表裏、一番最後のほうになるかと思います。こちらが私どもの28年事業年度の監査報告になります。本文、重要な部分は1ページの最後のローマ数字2及び次のページの部分です。全ての項目について、適正、適切に対応・実施されているということを報告させていただきます。以上でございます。

 

○今村主査

 ありがとうございます。続いて法人の理事長より、日々のマネジメントを踏まえ、現在の法人の業務運営の状況や今後の課題、改善方針等についてコメントを頂ければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長

 御説明させていただきます。当機構は高年齢者・障害者・求職者・事業主といった、それぞれのレベルでのニーズを的確に踏まえて、利用者本位の質の高いサービスを提供するということを使命としております。今後の方針ですけれども、高年齢者と障害者と求職者、それぞれの業務ごとに簡潔に申し上げたいと思います。高年齢者に関しましては、先ほど来議論になっています65歳超の雇用推進マニュアルというのがございますので、それらを有効に活用しまして、高年齢者の雇用アドバイザーによる相談・援助を今後も推進してまいりまして、年齢に関わりなく働ける、そうした企業の一層の普及を図ってまいりたいと思っております。

 障害者の雇用支援事業に関しましては、法定雇用率が来年から上がるということを踏まえ、これを的確に実施すること。それから先ほど今村先生からエコシステムのお話がありましたけれども、やはり障害者職業センターというのがそれぞれの地域の中核になると考えておりまして、そういうところで、ほかの就労支援センターへの援助だったり、それからそういう所では扱えない極めて困難な障害者の方を扱ったりというような、地域の中核の存在ということをこれからも目指してまいりたいと考えております。

 職業能力の開発事業に関しましては、離職者の早期就職に向けた訓練とともに、ものづくり分野を主体としてきておりますので、今後もその方針は変わらずに、更に時代の変化に応じた、例えばロボットとかITであるとか、そうした訓練内容の見直しも当然図ってまいります。それからやはり地域での連携というか、地域の産業を育成するために、人材の育成だったり生産性の向上だったり、そうしたことに力を注いでまいりたいと考えておりまして、今後とも関係機関と積極的に連携しながら進めてまいりたいと思っております。当然のことながら、支部化をしましてシナジー効果も期待されておりますので、そういうことにも力を注いでまいりたいと思っております。

 

○今村主査

 ありがとうございました。ただいまの御発言内容について、御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。よろしいですか。それでは、高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成28年度業務実績評価に関わる今後の取扱いについて、事務局から御説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 本日、法人から説明のありました業務実績及び自己評価に対して構成員の皆様から寄せられた御意見、法人の監事及び理事長のコメントも踏まえて、厚生労働大臣による評価を決定いたします。本日は主査を初めとして120%以上の目標を達成していない項目について、評価のぶれがないようにという御示唆を頂きましたので、改めてルールに立ち返り評価書を取りまとめてまいりたいと思います。評価結果につきましては、法人に通知するとともに公表いたします。決定した内容につきましては、後日、構成員の皆様にお送りいたします。

 また本日は評価のみならず、目標の設定についても御意見いただきましたけれども、高齢・障害・求職者雇用支援機構につきましては、本年度が中期目標期間の最終年度に該当するため、来年度以降の目標設定に向けた議論も開始してまいります。参考資料111ページを御覧ください。目標策定に向けた流れとしまして、8月からのステップを書いております。今回、84日金曜日開催予定の第21回労働WGにおきましては、中期目標期間の最終年度に実施される、この一番最初の四角の所、中期目標期間見込評価の実施について御意見を賜ることとしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 労働WGの次回の開催については、来週724日月曜日13時からを予定しております。暑い中の連日の開催、恐縮でございますが、場所は本日同様、こちら中央労働委員会の7階講堂でございます。議題としましては、労働政策研究・研修機構の中期目標期間評価について、御意見を賜ることとしております。

 最後に事務的なお知らせになりますけれども、配布した資料の送付を御希望される場合は、事務局より送付いたしますので、机上にそのままにして御退席いただきますようお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○今村主査

 理事長からもお話がありましたが、最近はこの職業が将来なくなるとか、あと何年もつだろうとか、そういうことが盛んに言われ、非常に重要な役割を果たしている機構だと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 本日は長時間にわたり、熱心な御議論ありがとうございました。どうもお疲れさまでした。

 


(了)

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