ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(生活保護基準部会)> 第30回 社会保障審議会生活保護基準部会(2017年7月26日)




2017年7月26日 第30回 社会保障審議会生活保護基準部会

社会・援護局

○日時

平成29年7月26日(水)10:00~12:00


○場所

厚生労働省専用第21会議室


○出席者

駒村 康平 (部会長)
岩田 正美 (部会長代理)
阿部 彩 (委員)
岡部 卓 (委員)
小塩 隆士 (委員)
栃本 一三郎 (委員)
山田 篤裕 (委員)

○議題

・生活扶助基準の検証
・有子世帯の扶助・加算の検証
・その他

○議事

■駒村部会長 おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから、第30回「社会保障審議会生活保護基準部会」を開催いたします。

 まず、本日の委員の出欠状況について、事務局より御報告をお願いいたします。

■鈴木社会・援護局保護課長 本日の委員の皆様の御出欠の状況でございます。宮本委員より御欠席との御連絡をいただいております。その他の皆様は御出席いただいております。

 また、事務局におきまして7月に人事異動がございましたので、御紹介させていただきます。

 八神大臣官房審議官でございます。

 それでは、部会長、議事進行、よろしくお願いいたします。

■駒村部会長 それでは、本日の議事に入りたいと思います。前回の部会では、生活扶助基準検証の進め方を議論し、モデル世帯を設定した上で、消費支出データをきめ細かく分析していくこととしました。本日は、事務局のほうから分析作業の進捗状況を報告いただき、それを踏まえて議論していきたいと思います。また、有子世帯の扶助・加算についても、今後の検証に当たっての考え方を事務局から御報告いただきたいと思います。

 では、事務局のほうから、資料1-1についてお願いいたします。

■清水社会・援護局保護課長補佐 それでは、資料1-1について、簡単に御説明させていただきます。

 1ページをお開きいただければと思います。生活扶助の検証に当たっては、前回の基準部会でモデル世帯の設定について御議論いただきましたけれども、前回の議論も踏まえて検証作業班においてデータの集計、分析方法について御議論いただきながら進めてるところでございます。

 本日の部会におきましては、その作業の進捗状況を報告させていただくとともに、今後の具体的な検証作業に向けた御議論、御意見をいただければと考えてございます。

 1ページ目でございますけれども、分析を行うための五十分位の設定方法について、前回の部会から追加・修正した部分について簡単にまとめさせていただきました。

 まず、一番上、モデル世帯の条件でございますけれども、前回の部会で、高齢単身世帯、夫婦子1人世帯ということで設定させていただきましたけれども、追加修正案ということで、前回の部会の中でも、高齢単身世帯については、安定したデータが得られるかどうかという懸念がございまして、高齢夫婦世帯を追加してはどうかという御意見をいただきましたので、高齢単身世帯のデータを補完するという意味も含めて、高齢夫婦世帯のデータとしても追加してございます。

 また、夫婦子1人世帯についても、これはデータの均質化を図るためということで、就業世帯に限定させていただいてデータ分析をさせていただきたいということで載せてございます。

 また、生活保護受給世帯と推察されるデータの除外方法のところでございますけれども、追加修正案の上のところでございます。自動車に関連する条件ということで、前回、自動車関係費について支出がある世帯等については生活保護世帯とはみなさないという対応をしてございましたけれども、生活保護世帯でも自動車の保有を認められる場合があるためということから、自動車に関連する条件を除いております。

 また、これは技術的な面での修正でございますけれども、現住居以外の住居、土地の保有につきましては、現在、借り受けているデータは把握できない項目でございましたので、今回の条件からは外すことにいたしました。

 また、その下の高齢者の貯蓄を考慮した年収の設定方法というところでございますけれども、これまで貯蓄残高を平均余命で割ったものを年収に加えるという方法を御提案させていただきましたけれども、追加分として、月々の貯蓄取崩額を年収に加える方法というものでも1つパターンとして追加して集計してございます。

 こちらについては、平均余命であると全員が将来予測して合理的な貯蓄を取り崩すとは限らないことから、実際の貯蓄取崩額を加えたものについても集計させていただいております。

 また、外れ値の除外方法ということで、これについても、データを安定するため、調査月の収入と、全国消費実態調査は年収については調査月の前年1年間の年収を記載するということになってございますので、調査月と年収の乖離が非常に大きいデータについては除外する等の外れ値の除外を行ってございます。

 2ページ以降はそれぞれの細かい設定について再掲したものでございまして、下線部が主な変更点というところでございます。

 1点、「モデル世帯毎の設定」のところでございますけれども、2番、「夫婦子1人世帯」のところで、先ほど就業世帯に限定ということで申し上げましたけれども、さらにそれを2パターンでデータを準備してございます。

 1つは、有業者あり世帯と勤労者世帯ということで、これは違いとしては、自営業者を含むか含まないかという違いでございます。有業者あり世帯の方は自営業者を含む、勤労者世帯の方は会社勤め等のものでございますので、自営業者等を含まないデータということでデータをセットしてございます。

 これの理由としては、*2のところでございますけれども、全国消費実態調査における年収の記載方法が勤労者世帯と自営業の世帯ではその記載内容が異なるということで、自営業の世帯については売上高から諸経費を差し引いた純益というものを記載するということになってございますので、データを均一化させるために、勤労者世帯のみのパターンも集計してございます。

 ページ飛びまして4ページをごらんいただければと思います。こちらについては、その五十分位に分けたデータをもとにどのような視点で分析していくかということでまとめたものでございます。

 1については、「消費支出額の変動に関する検証」ということで、それぞれ五十分位ごとの消費支出額について、年収の減少によってそれぞれ消費支出がどう変化するか。急激に変化する点、変曲点ですとか、消費支出が減少しない分位、抵抗線があるかどうかというような点を分析してはどうかということで挙げてございます。

 2につきましては、「家計の赤字・黒字分岐点に関する検証」ということで、こちらについては、五十分位別に、家計の状況、赤字なのか黒字なのかという状況を確認いたしまして、黒字世帯の割合等が変化する分位等があるか検証してはどうかということで挙げてございます。

 また、3といたしましては「品目別の消費支出の状況に関する検証」ということで、これは消費支出に占める各費目の支出割合、食費であるとエンゲル係数が代表的なものでございますけれども、そういった状況について確認しまして、年収の減少によって家計の状況がどう変わるか、特定の費目の支出割合が増加、減少している分位があるかどうか検証してみてはどうかということで挙げてございます。

 次ページ以降、現段階での集計結果を提示してございますけれども、現段階で例えば変曲点などの具体的な分析結果が出たものではございませんけれども、おおむねの傾向などを見ていただきまして、今後、どういった視点でどのような分析作業をしていけばいいかということで御議論いただければと考えてございます。

 5ページ目をお開きいただきますと、こちらについては、1点目の消費支出額の変動に関する検証ということで、高齢単身世帯、また次のページで高齢夫婦世帯、夫婦子1人世帯ということでそれぞれグラフ化したものでございます。高齢単身世帯、高齢夫婦世帯については、左の図については貯蓄額の考慮方法ですけれども、これは平均余命で割ったものを年収に加えた場合のグラフ、右側が貯蓄取崩額を年収に加えたものということで、それぞれ両方のグラフを記載してございます。

 続いて7ページ目ですけれども、夫婦子1人世帯でございます。こちらについても、左側は自営業者を含む有業者あり世帯、右側が勤労者世帯ということで、それぞれ消費支出の変動状況ということでまとめさせていただいたグラフでございます。

 続いて8ページが家計の赤字・黒字分岐点に関する検証ということで、それぞれ黒字世帯の割合がどう変化するかをグラフ化して掲載したものでございます。8ページが高齢単身世帯ということで記載してございますけれども、高齢世帯につきましては、一般的にも、貯蓄を取り崩して、月々の家計としては赤字の世帯が多いという状況がございますので、グラフとしては、各分位毎のバラツキもございますけれども、高分位になると、赤字世帯の割合が多くなる、貯蓄の取崩額が多くなってくるというような状況になってるかと思います。

 9ページ目については、高齢夫婦世帯ということでまとめてございます。

10ページ目につきましては、夫婦子1人世帯というところでその黒字世帯の割合を提示してございますけれども、こちらについては、低分位のところで少し黒字世帯の割合が減少しているところが見受けられるかなと思っております。

 続いて11ページ以降が、同じような表が何枚も続きますけれども、それぞれ品目別の消費支出の状況に関する検証ということで、10大費目別にそれぞれの消費支出に占める割合をまとめて掲載させていただいております。それぞれ、高齢単身世帯から並べてございますけれども、11ページは食費支出の場合ということで、こちらについては、低収入の方が食費の支出割合が高い、エンゲル係数が高いというような左肩上がりのグラフになっているというところが見受けられるかと思います。

 それぞれ10大費目別にそういったグラフ化しておりますけれども、特徴的なところで申しますと、13ページ、光熱・水道の支出についても同じく左肩上がりのグラフになっているかと思います。

 それから、15ページ、被服・履物の支出でございますけれども、それぞれの分位ごとに支出の有無等によって数値にバラツキがございますけれども、傾向としては左肩下がり、収入部位が下がると支出割合が減っていくというような傾向にあるかと見ております。

 それから、飛びまして19ページ、20ページは教養娯楽支出、また、ほかに分類されないその他の支出というところでありますけれども、これも若干傾向としては左肩下がりの傾向が見られるかと思ってございます。

21ページ以降はそれぞれ高齢夫婦世帯で同様に10大費目別の支出割合のグラフでございます。傾向としては、先ほどの高齢単身世帯と似通っているかと思いますので、またご覧いただきながらいろんな御意見をいただければと思ってございます。

 少しページ飛びまして、31ページが夫婦子1人世帯のグラフがまた同様に続きます。夫婦子1人世帯については、食費支出の割合については所得分位ごとに余り大きな差は見られないという状況になってございます。

 次いで32ページについては住居の支出の割合ということで、これは年収分位が下がると支出割合が増えるという状況になってございます。ただ、これは持ち家の状況の有無とかは関係なく、単純に平均したものでございますので、その点については御留意いただければと思ってございます。

 その他、また光熱・水道の支出等々については、先ほどの高齢世帯と同様の状況が見受けられるというところあと、38ページについては、夫婦子1人世帯のデータで子どもがいる世帯なので、教育費の支出割合グラフを載せてございます。

 また39ページ、40ページは教養娯楽、その他の支出割合ということで掲載しておりますけれども、傾向としては左肩下がりの傾向が見受けられるかと思います。

 それから、最終の41ページでございますけれども、特に夫婦子1人世帯の場合については、子どもの年齢によって支出が変わる影響もあろうかと思います。参考といたしまして、五十分位ごとの子どもの平均年齢ということでまとめたものでございます。低収入の分位のほうが子どもの平均年齢が低いという状況が見て取れるかと思いますので、そういった点についても留意が必要ではないかということで参考として掲載させていただいております。

 冒頭に申し上げましたとおり、現段階の作業の進捗状況ということの御報告で、詳細な分析はこれからとなりますので、また比較対照とする所得分位の検討に向けた集計、分析手法について御議論いただければと思ってございます。

 資料の説明は以上でございます。

■駒村部会長 ありがとうございました。

 今日の最初の議題は、現在のデータ分析の状況について皆さんの御意見をいただきたいということでございまして、資料の3ページで1つ、貯蓄ですね。現役世代と高齢世代ではかなり消費のパターンが違っているというところで、現役と高齢世代分けて、高齢世代については、この貯蓄の取崩等をどのように考慮するのかということを2パターンで考えてみているというのが少しポイントになります。

 そして、一連の作業目的というのは、4ページにありますように、どこかでこれ以下の消費にはできないというポイントがあるのかどうなのか明らかにするというのがこういう作業をやっている狙いであるわけですけれども、こういう視点で今日いろいろな集計を出していただきましたけれども、委員の皆様から御意見いただきたいと思います。

 では、この資料1-1についての御発言。

 山田委員、お願いします。

■山田委員 まず、高齢夫婦世帯というのを参照世帯として加えていただきまして、ありがとうございます。高齢者のモデル世帯を今回考えるということですので、慎重にこういった形で多角的に見ていくということは重要かと思います。今、資料、折れ線グラフ、ぱらぱら見ても、高齢単身世帯というのはかなりぎざぎざになっているのですけれども、相対的に言えば、高齢夫婦の世帯のほうが余り折れ線がぎざぎざしてないので、やはり高齢夫婦世帯を見るというのは重要かなと改めて思いました。

 さらにそれを踏まえて、今、部会長からも発言がありましたように、高齢世帯の場合には特に貯蓄をどう扱うかというのはいろいろと丁寧にやらなくてはいけないところだと思います。よく高齢者というのは所得が低いけれども、貯蓄は持っているのではないかと。ただ、いろいろな全国消費実態調査の細かい資料を見ますと、低所得世帯というのは大体貯蓄がない世帯も多いですので、やはり低所得世帯を見ていくとなると、貯蓄取崩というのは見ていかなくてはいけないと思います。

 今、その貯蓄に関しては、2パターン、3ページでやっていただいています。経済学でどう貯蓄を考えるかということですけれども、1つは、ライフサイクル仮説モデルという形で、生涯を見通し、消費をなるべくでこぼこしないように平準化して、貯蓄を積み立てて、高齢期にはそれを取り崩していくという考え方があります。この3ページの1番の平均余命で割るというのはそういったライフサイクル仮説モデル的な考え方かなと思います。

 一方で、それ以外にも、予備的動機での貯蓄というのもございます。どういうことかというと、貯蓄を、平均余命が、自分の寿命が尽きるときに全て取り崩してしまうのではなくて、ある程度不測の事態に備えて貯蓄をとっておくということ。要するに、亡くなったときでも貯蓄はゼロにならないということですね。あとは、それ以外にも遺産動機ということで、遺産動機も大きく2つありまして、1つは子どものためを思って純粋に利他的に遺産を残すために貯蓄をするというのと、もう一つは、自分のため、要するに、子どもに介護をお願いしますそのかわり遺産を残しますということで、戦略的な意味で貯蓄を残すといった、もう一つ遺産動機あるのですけれども、それを考えると、貯蓄をどのように扱うかというのは非常に難しくなってくるわけです。

 ただ、もう一つ、経済学では恒常所得仮説というのございます。恒常所得仮説というのは何かというと、消費自体がその人の長期的な所得水準を反映しているという考え方になります。

 ここでもう一つ、高齢世帯を丁寧にやっていただく上で、もちろん作業量との兼ね合いがあると思うのですけれども、私からのお願いは、消費自体がもし長期的な所得水準を反映しているのだとすれば、五十分位を所得で区切るのではなく、直接消費で区切っていただいたとしても、それほど、もしこの恒常所得仮説に基づくとすればおかしなことではないと。

 後からこのグラフで見ていくとかなりでこぼこしていて、ここでどこを参照基準にするかということをこれから見ていかなくてはいけないわけですけれども、そこの部分がなかなか見えてきにくいというのは、もしかしたら消費で、例えば五十分位で区切った場合には、さらに恒常所得仮説に基づくとすれば、当たり前ですけれども、消費で区切っているわけですから、もう少しなだらかな線が見えてくるのではないかということがあるので、作業量との兼ね合いですけれども、それをやっていただきたい。

 ちょっと長くなって済みません。もう一つは、かなりでこぼこしていて、ここでどこが変曲点か、なかなか見えにくいということについては、やはりデータのばらつきというのもございますので、前回、分散分析のようなことをやられたと記憶していますけれども、それに類することをやってみて、統計的にもどこら辺で異質なポイントがあるだろうかというのを見ていただきたいというのが私からのお願いです。もちろん、これも作業量との兼ね合いですけれども、ぜひお願いしたいことです。高齢世帯については特に丁寧にやっていただきたいと思います。

■駒村部会長 ありがとうございました。扶助の基準をどこで比較するのかということは、所得で並べていくという考え方があって、それに対して貯蓄取崩をどこまで考慮するかという話があるのですけれども、貯蓄の取崩に関してもいろいろと幅があるということで、だったらば消費で並べていってもいいのではないかと、こういう御提案だったと思います。

 それから、変曲点を見つけ出すといっても、データ特性上、見てわかるような変曲点がなかなか見つけづらいならば、対データ分析で明らかにするということに入っていったらどうかという御提案だったと思います。ほかに御意見があればと思います。

 岩田委員、お願いします。

■岩田部会長代理 今の山田先生の御意見も含めて、作業部会でも前回これらについてかなり議論したのですけれども、結局、所得階層とは何かという場合に、要するに豊かか豊かでないかというのをグレード分けしたということになりますよね。

 ところが、この年収の階層で見ますと、1つは高齢層が非常に特殊であるということと、それから夫婦と子世帯の場合は、子どもの年齢が出ていますけれども、結局、世帯主年齢とも非常に絡んでいて、それが細かく分けることができないものですから、所得が高そうに見えるけれども、それは年齢が高いということにしかすぎないというようなことが当然あり得るわけですね。

 今まで、例えばエンゲル係数という場合は、消費支出総額に対する食費率ということですけれども、その場合、所得と消費水準に余り乖離がない時代のものだったと思うのですね。ところが、今は消費支出、つまり、平均消費性向というのは必ずしも大きくないので、どういうやり方をしてもうまくエンゲル係数は、エンゲルの法則ほど出ないのですよ。

 私も、作業部会以降、ちょっとあれこれやってみたのですけれども、うまく出ないですね。一番高いところが低くなって、一番低いところが高くなるというのは出るのですけれども、真ん中がぐちゃぐちゃなのですね。山田先生が今おっしゃった消費水準でやってみる意味は、私もあると思うのです。というのは、生活保護は、結局のところ、最低生活費の問題なので、消費支出と考えていいだろうと思いますので、それでやったらいいかなと思っています。

 ちなみに、これで階層分けした唯一の例として、東京都の家計調査があります。「都民のくらしむき」(東京都生計分析調査というのですけれども、これはちょっと特殊な調査でして、生計費支出の七分位の階層分けをしています。この生計支出というのは消費支出+住宅ローンなんかも含んだ土地家屋購入支出なのです。

 今、消費支出のところだけで見てみますと、やはり真ん中がでこぼこしている。すごく明瞭に出るのは高い第7階層。第6と第7の間でぐっと下がるとか、第1だけがちょっとエンゲル係数上がるとか出るのですけれども、やはり中がかなりでこぼこしているので、やってうまくいくかどうかという気はちょっとするのですけれども、ただ、所得保障なのだけれども、最低生活費の保障なので、消費支出に限定していくというのは一つのやり方かなとは思います。

 ただ、こういう相対比較でやる場合所得階層というのは年収というふうになっているので、私の知る限りは、消費支出水準(生計支出)を使ったのは、東京都の調査だけです。東京都が成功していればいいかなとちょっと思ったのですけれども、余りそうでもないかもしれません

 それからもう一つの、前から私がいろいろ言っていますけれども、全国消費実態調査の限界といいますか、2人以上世帯でも、3カ月。1人世帯は2カ月。場合によっては1カ月でも算定に入れているそうです。ですから、非常に季節的な、つまり、生活費の費目というのは、毎日毎日出る費目と、それから年に何回か出る費目とかありますよね。後で子どもの費用の問題が出ると思うのですけれども、例えば年に何回か旅行に行くとか、あるいは入学のときなんかに買うみたいなものがどの程度反映されるかというのは、非常に少ない月の調査ですと、サンプル数は多いのですけれども、なかなか難しいところがあるので、この辺は家計調査なんかを見ながら多少補正をしないと無理なのではないかなという気もちょっとしているのですね。

 最後にもう一点だけ、貯蓄取崩額の問題なのですけれども、貯蓄取崩額というのは非常に難しいもので、これは実際のその月の取崩を年収に換算して載せているのですね。その月に払った取崩額を、過去、調査時点から1年前の年収に合わせるというのが何となく釈然としないということがあるのですね。

 実際どう使われるかではなくて、階層という意味があるとすると、単純に平均余命でやる方がすっきりはすると思う。ただ、なだらかに出ないです。なだらかに出るということは、多分、山田委員のおっしゃったように、実際のその月の消費に見合ったような階層設定した方がなだらかに出るという意味だろうと思うのですね。そうなると、消費水準を使う意味が出てくるかなあと。これはすごい冒険だと思うのですけれども、生活保護イコール低所得層というのにすごく幻惑されてきて、最低生活費を決めるという意味をもう一回考えると、収入階層ということに必ずしもこだわらなくてもいいかなという気がします。

 以上です。

■駒村部会長 今のお二人の御発言のように、経済力をどう捉えるかというのがポイントではないかということで、収入にのみ限定される議論ではないという見方も大事ではないかということですけれども、ほかの委員からも御発言、御意見いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 栃本委員、お願いします。

■栃本委員 大変興味深いデータで、作業班の方、大変だったと思いますけれども、その一方で、学問的にと言うと変なのですけれども、すごくおもしろいデータなので、数十ページにわたる解説というか、分析ができるようなことのデータになっていると思うのですね。今、ここまで作業中ですよという話をお聞きしたのですけれども、例えば貯蓄額の考慮方法で、取崩とか平均余命でやっているわけだけれども、2つ出していただいて、その両方を比較して理屈をつくっていく作業、それも大事だと思うのです。これは学問的に。

 それともう一つは、例えば65から7070から7575から80みたいな形で区切った場合に、この貯蓄額の実際の取崩というものと平均余命の取崩を比較した場合にもすごくおもしろいデータになると思うのですね。実際、データの数とかそういうのができるのかどうかわからないですが。それは事例として、やはりデータの数があるので、それでもって結論づけるというのは難しいのだけれども、事例分析というか、事例として見るというのは意味があると思うのですね。統計上はサンプル数として難しくとも、参考例、事例として作業班の方で検討していただければ、いろいろなご意見があったときに説明力が増すと思います。

 それともう一つは、5ページの右左の表とか、12ページの住宅支出の右左のもので、第31ないしは第32分位のところが、平均余命でやったところは3332ぐらいのところがあって、ここがぽんと出ていますよね。それで、取崩の方は全然そうでなくて、12ページのところの、やはり同じ32かな。これは住宅支出の部分なのだけれども、これがぴょぴょんと出ていて、一方、取崩考慮の方はそうでもないという。これは多分32のあたりなのだろうけれども、これは何でなのですか。どういうことでこのようになっていると、専門家のかたは解釈するのですか。

■駒村部会長 データの何かの特殊なところが位置しているのではないかと思いますが、わかりますか。

■清水社会・援護局保護課長補佐 そこまでの個別のデータでどうかというところまでは見てないのですけれども、恐らくそのデータの中で、住居の支出であれば、例えば敷金とか、あとはリフォームとかした場合については住宅の支出に入ってきますので、例えば個別の世帯でそういった特殊な要因でぱっと支出が増えたというような、個別データについて該当する分位がそれぞれで異なったのがもしかしたら影響しているのかとは思いますけれども、詳細な分析まではしていません。

■栃本委員 右左見て、それから全部見てみると、今お話しした5ページ目のところと12ページ目のところは同じように突出しているそういうのもちょっと見ていただけたらなと思いました。

 以上です。

■駒村部会長 ほかの委員から御発言。

 阿部委員、お願いします。

■阿部委員 何でこの作業やっているのかというのを念頭に置きつつこの表を見ればいいと思うのですけれども、私たちは五十分位に分けて、その中で生活保護の最低生活費と比較対照となる分位はどこなのか、どこから以下なのかと言った方がいいと思いますけれども、というところを見るといったところですので、今までは第1十分位ということで、これで見ると5以下のところで見ていたことになるのですけれども、それで本当にいいのだろうか。その下の5以下のところに特別な家計の支出や消費というので何かそれ以上の世帯、中級階級と違うのがあるのかどうかということを見ているということなのですね。

 それで、このたくさんの折れ線グラフを見ているわけですけれども、そういった意味では、上の方の階層が多少ジグザグしたもの、余り関係ないというのがあると思います。ですので、私たち見なければいけないのは恐らく15以下ぐらいのところだと思うのですね。

 そうしたときに一番気になるのが、夫婦子1人世帯も今回出していただきましたけれども、先ほど山田先生が少しおっしゃっていたかもしれませんけれども、このくくりが非常に大きいということで、特に子どものある世帯の場合は、子どもの年齢によってすごく家計の支出のやり方が異なるものになってくると思うのですね。例えば子どもの年齢がまさにこれから高等教育の関わる年齢の子どもであれば、ほかの支出を抑えてでも教育費の方に回すだろうし、子どもがまだ未就学児ぐらいであれば、それよりも娯楽費ですとか、遊園地に連れていったり、そういう方に使うということがあったりするということで、そうしたときに、それと所得階層の中での子どもの年齢の分布がどうかという話ですね。

 下の方の階層の方々が小さなお子さんばかり抱えている割合が非常に多いということであれば、そこだけ取り出して比較対照、生活保護にかかっていらっしゃる御家庭はもちろん小さなお子さんを抱えている家庭だけではないですから、そこを参照基準としていいのかといったことがあるかなと思います。

 ですので、今回、非常に興味深いあれではありますけれども、高齢もそうだと思いますが、各分位による年齢構成の分布の偏りをより詳細に見ていく必要があるのではないかなと思います。そのためには、重回帰分析とかいろいろほかの統計的な手法もありますので、見ればいいのかなと思います。

 あともう一点は、こうやって拝見させていただいた中で、作業部会でも何度も出てきているのですけれども、私たちとしては、ある一定の層から、目で見て明らかに違う家計構造のところがあるのではないかという期待を持ってこれをやっているわけですね。ですけれども、見た感じは多少でこぼこはあります。でこぼこというのは、もちろんデータがそのまま反映されますので、その中ではいろんな特殊なのがあります。でこぼこあるのはしようがないのですけれども、全体的に見たときに、でも、かなりなだらかであると。どこかまで上がっていって、そこから急激に下がるとか、どこかまで上がって、どこから急に下がるとか、どこかまではフラットで、どこから急に上がるとか、そういった閾値というのが明らかに見られるというのは、このグラフだけ見ると余りないなあと。特に15分位以下のところでは余りないなというのが結論かなと思います。

 そうすると、どこを切ったらいいのかというのが非常に難しい問題になってくるのですけれども、この作業をやってみて、もしかしたら、今の日本の家計の構造というのは、低所得世帯と中の下ぐらいの世帯の中での家計構造にそれほど違いはないのではないかということも考えられると思うのですね。そうした場合は、参照とするのをもう少し下位のものだけに限らなくてもいいというような議論も出てくるのではないかなと思いました。

 以上です。

■駒村部会長 今、阿部委員のお話があったように、データで分布図にして見て、明らかにここから下はかなり苦しい生活をしているだろうなというのを見て、わかれば、そこを一つの参照基準にできるというつもりで作業を続けたわけですけれども、なかなか出てこないと。41ページでも、今、阿部委員が触れたように、子どもの平均年齢を所得階層別に並べていくと、13ぐらいまでのところが就学前、あるいは1年生ぐらいかと。そして、13から35ぐらいが小学校低学年、35以上ぐらいが小学校の高学年みたいな形になっているのではないかと。結局、お父さん、お母さんの年齢が若いと年収も少ないので、このような分布をしていると。いろいろなファクターがこの消費構造の背後にあるので、見ただけで、このライン、この点から下がということはなかなか言えないので、専門的になりますけれども、データ分析でやはり明らかにする段階に入るという御意見も、山田委員、阿部委員からもあったかと思います。

 ほかの委員で御発言ない方はどうぞ。

 では、小塩委員、次、岡部委員の順番でお願いいたします。

■小塩委員 非常に丁寧に統計をまとめていただきまして、ありがとうございます。ちょっとテクニカルな質問をさせていただきます。先ほどから貯蓄の取り崩しの処理についての議論がありました。3ページに2つの方法が説明されています、実際に貯蓄の取崩分が観測されるわけですから、私は、どうして平均余命を使って試算するのかその趣旨がちょっとわかりません。データがあるのだったら、2だけでいいのかなという素朴な疑問があります。それが1つです。

 それから関連して、この2式を見ると、取り崩している世帯はもちろんあるのです、貯金している世帯もあるはずです。その場合処理はどうされているのですか。年収からネットで差し引く額が出てくる可能性があるのです、どう処理されているのか。

 さらに、この貯蓄の扱いは、高齢者に限ら、ほかの層も同じようにできるはずですので、高齢層だけこれを議論する根拠がわからないで。仮に根拠があるとしたら、この取崩分が年収に比べてかなり大きいから、高齢層については、この部分特別に見ましょうということであればそれでいいのです、そういう確認がしっかりされているのかちょっと疑問に思いました。

 それからもう一つ、これはコメントですけれども、阿部先生もおっしゃっていますように、特に子どもの年齢とか、あるいは親の年齢もそうかもしれないですけれども、観測できるような属性をできるだけコントロールしてからでないとなかなか解釈が難しいと思います。特に食料の比率が非常に安定的でしたよね。31ページの結果を見ると、食費支出の割合がどの階層でもほぼ同じです、恐らくこれは子どもさんの年齢が、所得が高いほど高くなるとことを反映しているだろうと思います。そういう点をコントロールしないとなかなか解釈は難しいなと思いました。

 以上です。

■駒村部会長 この部分は皆さんと議論しなければいけない部分で、前段の部分の3つの御質問のうち、一番最初の取崩のデータそのものを使えばという話は、先ほど岩田先生から、そのデータが少し心配な部分があると。使いづらいのではないか、いろいろなノイズが入ってきているのではないかというお話があったので、そこはまた、事務局でもいいですし、岩田先生でもいいので、重ねて御説明いただければと思います。

 2つ目の、高齢で貯蓄している世帯はどうなっているか。これはちょっと技術的な確認をと思います。それから、貯蓄を動かすのは別に高齢者に限る話ではないのではないのという話も、これまた皆さんで議論した方がいいのではないかと思います。

 2番目についてまず、事実はどうなっているか、お願いします。

■清水社会・援護局保護課長補佐 貯蓄をしているケースということで3ページのところで数式を書いてございまして、貯蓄取崩額を加える数式ということで、この右の預貯金+繰越金というところが実際の貯蓄を増やしたものというところで、算式としては、貯蓄引き出しから貯蓄金をマイナスしたらマイナスになるケースをどうしているかという御質問かと思いますけれども、それについては、マイナスになった場合は加味していない、年収そのものを使うという処理をしてございます。

■駒村部会長 では、今のポイントのところで集中して議論して、その後、岡部先生。

 では、岩田先生、お願いします。

■岩田部会長代理 問題は、この貯蓄の引き出しとか繰り入れというのはその月の収支の中で出てくるもので、要するに実支出外支出、実収入外収入といいますか、通常の消費でもなければ非消費支出でもないというところで出てきます。これはとてもトリッキーで、要するに、年金は大抵金融機関に入ってきますね。そこから取り崩して使っていくわけですけれども、そのようなことが1つあるということで、月々でも見る場合にもちろんこういうのは使えるのですけれども、年収にそれをプラスするというのは非常に難しい。

 ところが、1の方が私はどちらかというといいかなと思うのは、これは単にロジックだけですけれども、これは平成19年に1回使っているということもあるのですけれども、この資産、負債というのは別の調査、年収と同じように、別途調査しているのですね。だから、月々の家計収支、家計簿調査とは違うのですね。だから、そういう意味の整合性がある。

 ところが、2の場合は家計収支を年収にくっつけたというところがちょっと危険かなという感じはするのですけれども、これをやるぐらいなら消費支出で素直にやる手もあるかなと。要するに、高齢世帯の家計というのは基本的に赤字家計なのですよ。貯金を前提にしているので、貯金取崩が普通なのですね。だから、年収を使わずに、その月、例えば2カ月とか3カ月の平均の収入にこれを加えるというやり方ももう一つあると思いますけれども、それはちょっとわからなくもないですけれども、やや小細工に過ぎるというか、そんな感じ。

■阿部委員 関連でいいですか。

 私も平均余命で割る方がいいと実は思っていて、というのは、これは勤労世帯との整合性もあると思うのですね。なぜかというと、私たちは五十分位に分けるときにだけ使っているわけで、実際の消費支出を使っているわけではないですね。分けるのに使うということを考えたときに、その家庭の経済的なポジションを決めるためにこれを使っているわけで、例えば勤労世帯であっても、年収がすごく高い世帯であっても、それ全部使うわけでなくて、貯蓄に回す分もあるのですね。でも、その世帯はその年収分を経済力があると考える。そのように考えるのであれば、高齢者世帯の場合は、貯蓄を取り崩して、それを使わないという選択をすることもあるかと思うし、2年後に海外旅行に行くために今とっておこうと考えるかもしれませんけれども、使おうと思ったら使えるというものがある。ですので、その経済力という面で、50の階層に分けるというときにはこのやり方もありではないかなとは思っております。

■駒村部会長 ほか、今の小塩先生のコメントに対して、いろんな知恵が、アイデアがあればと思いますが、いかがでしょう。

 小塩先生、いいですか。作業班ではそのような議論が。

■小塩委員 納得しました。いわゆるポジションを見るという面では1でもいいかなということですね。それはよくわかります。そうすると、負債の方が資産よりも大きい場合は、それもカウントするということですね。

■阿部委員 高齢者ではないと思いますけれども。その理屈では。

■小塩委員 わかりました。

■駒村部会長 いかがでしょう。

 よろしければ、岡部委員、先ほど手挙げていましたが。

■岡部委員 各委員の方から意見がほとんど出されおりますので、私からは一応確認ということで発言させて頂きます。4ページに、3点入っています。1番目は、山田委員初め皆さまがおっしゃた、この五十分位で変曲点、抵抗線を見つけることがここ何回かの部会では非常に難しくなってきていますそのため、この変曲点、抵抗線を考えるに当たっては、別データ分析手法でやっていただ、変曲点、抵抗線に当たるものを提示していただくのがよいと考えます。これは作業班の方でやっていただければと思います。

 2点目は、当初のところで、高齢者の方、生活保護の中で、高齢者単身、夫婦世帯が半分近く占めています。その中で高齢者の収入と支出を考えたとき、そこではやはり貯蓄、あるいは負債等入れて収支を考えて頂くことをお願いいたします。これは、生活保護全体の受給されている方全体でこれをいれることは非常に大きな意味を持っているのではないかと考えます

 3点目の費目別の検討で、これはデータだけ、なぜここにこうなっているのか解釈するのは、なかなかわかりづらいと考えます。教育の費目はデータの出方が違っています。次のところでも、生活の実態とか意識のところに出てくるかと思いますけれども、例えば23ページの光熱費です

23ページ 33ページにもあります、光熱費の出方が、逆に出ています。これは生活保護でいくと2類世帯共通経費の中の費目になります。これは生活の様式が変わって、生活の資源に関わってきます。例えば家電製品を非常に使用するようになったことがあります当然このあたりのところが、支出としてあらわれている。このあたりどう考えるかになると思いますこの3番目のところは、費目別でどういう傾向があって、それをう解釈していくのかは、最低生活費を考える上で非常に重要だと思います私の方としてはこのあたりの検証も、このデータだけで見ても見えませんので、もう少しこの解釈をどうするかを考え、最低生活費に反映させていただければと考えます。特に御質問等ではありませんので、意見ということさせて下さい

 以上です。

■駒村部会長 光熱費のところが逆とおっしゃった。

■岡部委員 例示でお話をしたのです、生活様式が変わ、家電製品を使う割合が高くなってきているので、その支出が出ていると考えます。第1五分位のところで非常に高くなっています。それは夫婦世帯でもそうですし、高齢者世帯でも同じです。この点をお伝えしました

■駒村部会長 ほか、いかがでしょうか。関連する議論。

 岩田先生、お願いします。

■岩田部会長代理 済みません、何度も。

 2点で、今の岡部先生の御意見は、光熱・水費を、食費と足してやると結構きれいに出るのです。ちょっと抵抗しているところも。ただ、五十分位の意味が余りはっきりしないところもあるので難しいところですけれども、それからもう一つのポイントはその他の支出なのですね。その他の支出の中をもうちょっと分けて、例えば交際費とか、いろいろな会費とか、そういう社会参加の費用みたいなものをもう一つ出していって、この辺、なかなか難しいですけれども、どのぐらいを基準として考えるかというのを、見ていくといいかなとは私も思っています。

 もう一点は、先ほど阿部委員もおっしゃった、分位というのは経済力の階層差というのを示しているということで、相対比較というのはそのうちの比較的低所得のポジションにある人たちの消費水準ないしは内容と生活保護がほぼ均衡しているというような見方でずっと来たのですね。来たのですけれども、よく考えるとなぜ第1十分位と生活保護が一致しなければならないかというのはよくわからないのです。それから、なぜ平均の6割なのかというのもきちっとした説明があるわけではないのですね。

 要は、その最低生活費で現代の日本社会で限界を超えない生活ができるかということが一番大事なのですけれども、マーケットバスケットとエンゲル方式みたいに使えば、その実態と食費という一番コアにある栄養の充足というところでできていたのですけれども、その方式が今使えないとすると、何を持っていくかというのは難しい第1十分位というのはある意味でもっともらしいですけれども、理屈がはっきりしているわけではない。消費水準で見ていったときに費目構成にある法則性があるとして、そこでどこをとるかというのは難しいですけれども、それさえうまくいけば、限界消費水準を決めることはできるかもしれません

 ですから、相対比較という考え方を転換しないとちょっと難しいかなという気もするのですね。その辺ちょっと私、わからないですけれども。だから、今までの家計法則みたいのが必ずしも効かないのか効くのか。全消のデータをもうちょっといじって補正していくと効くのか効けば一番いいですけれども、効かないとすると、もうちょっとあれこれやって、少なくとも教育とか医療とか住宅を除いた生活扶助の水準としてどの辺の消費水準が適当かというのを何らかの根拠で決めるというのをしなければならない。所得分位がその根拠になるかどうかというのはもうそろそろ反省した方がいいかもしれないなという気もちょっとしています。非常に難しい話です。

■駒村部会長 ターゲットが最低生活として保障すべき消費水準はどこなのかということを議論するとして、今、岩田先生お話しになったように、相対貧困の考え方で第1十分位と、あるいは一般世帯の6割といった考え方が果たして格差やデフレや低経済成長の中でその考え方をやって続けていたら、本当に最低消費水準が維持できるのかどうかを我々は見なければいけないと。従来の所得で並べかえていくという考え方から少し転換しなければいけないのではないかと。この辺の議論が今日の、そしてどこの水準をもって最低保障すべき消費水準なのかということをこれから考えていかなければいけないと。課題の整理をしていただいたということだと思います。

 ほかに、この第一資料について御意見ありますか。結論めいたことはないわけでございますけれども、経済力をどう並べていくのかという並べ方について限界が出てきているので、1つ新しい並べ方を変えてみましょうかというのと、それから、世帯構造も非常に複雑化しているので、見て、ここだというほどはっきり出てこないので、データ分析をやって、ここから構造的な変化が起きているのではないかというところを見つけ出すステップに入ったらどうかという、作業の今後の考え方に関しての議論を行ったわけです。

 よろしければ、資料1-2の方に移っていきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

 では、事務局から、資料1-2について御説明をお願いします。

■清水社会・援護局保護課長補佐 それでは、続きまして資料1-2について説明させていただきます。

 「生活保護受給世帯の生活実態及び生活意識について」、1ページ目お開きいただければと思います。私どもの方で一般世帯及び生活保護受給世帯の生活実態及び生活意識の状況を把握するため、平成28年を調査時点といたしまして、生活実態及び生活意識の調査を実施してございます。

 こちらについては、「調査の概要」のところに書いてございますとおり、その基準の検証にも資するため、一般世帯と生活保護世帯の生活実態を明らかにしようと実施しているものでございます。基本的には単発で実施したものでございますけれども、前回、平成22年にも同様の調査をしてございます。

 今回、調査対象としては一般世帯と生活保護世帯それぞれで実施しておりますけれども、こちらのうちの生活保護世帯の一時的な集計ができましたので、御紹介させていただくところでございます。資料としては、先ほど申しました平成22年の調査結果と比較をする形で、重なった項目について比較するという資料を提示させていただいてございます。順番に特徴的なところだけ説明させていただきたいと思います。

 2ページ目につきましては、普段の生活についてということで、外出着の購入頻度ですとか、それぞれ被服の購入頻度、あと、入浴等々についての項目でございます。サンプル数がどうしても1,000ケースということで限られていますので、年度によって多少の変動というものがございますけれども、毎月衣服を購入している世帯が多少減っていたり若干下がっている項目もある、一方で、その理由として、「金銭的に余裕がないから」という割合が減っていたりというところで、おおむね、特に大きな変動は見られないということになってございます。

 3ページ目以降、3ページ目の右側からは耐久消費財の保有状況でございます。4ページ目の右肩、ルームエアコンのところを見ていただきますと、「ある」の世帯が増えているというところが見て取れるかと思います。全体的には、耐久消費財の保有割合については、おおむね保有している世帯の割合がどの品目についても上昇しているような状況でございます。

 その中で、5ページの左下のところでございますけれども、6年間の変動として携帯電話の保有率というのがやはり上昇している傾向が見受けられるのかなということで、平成28年の調査では8割の生活保護世帯が保有しているという状況でございます。

 5ページの右側以降が親族・近隣とのお付き合い等の状況ということで調査項目がございます。この右下の「友人・別居の家族・親族に会いに行くか」というところでございますけれども、こちらについては、「よく行く」というところが、比較をすると増えている状況でございます。

 続いて6ページの方は、大きな項目としては「レジャーや社会参加について」という項目がございます。特徴的なところだけ申し上げますと、6ページの右下、ボランティア・社会活動等の状況についてお聞きした項目でございますけれども、平成22年と比較しますと、「ある」という世帯の割合が数字としては減少しているところでございます。

 また、7ページの左上のところですけれども、散歩、体操、ジョギング、その他のスポーツの実施状況というところで、こちらについては、やはり同じく「ある」という世帯が減少している傾向が見受けられるのかと思ってございます。

 また、同じく7ページの右下でありますけれども、インターネットの利用については、これは先ほどの携帯電話の保有とも関わってくるかと思いますけれども、利用している割合というのがやはり上昇している傾向が見受けられるのかなと思ってございます。

 8ページについては、家計の状況というところ、また生活の程度という項目を記載してございます。1つ、貯蓄の状況のところが、「ほぼ毎月貯蓄している」の割合が見た目上増えてございますけれども、設問の関係で、28年の設問については「貯蓄をしている」と「全く貯蓄をしていない」と2択になっておりますので、見た目上、数字がかなり変わっておりますけれども、少し設問の設定の変更ということで御留意いただければと思ってございます。

 続いて9ページ以降は、育児ですとか子育て、子どもの教育に関する項目の比較でございます。こちらについては、調査対象のうち子どもがいる世帯のみに回答している項目でございますので、さらに回答数が少なくなります。なので、ちょっと項目ごとのばらつきというものも、調査上どうしても生じてきてしまうというところには御留意いただければと思ってございます。

 それぞれ、遊園地、動物園等の状況ですとか、あと、10ページ以降になりますと、教育の関係、学習塾に通わせるとか、進学に対する考えということで項目を記載してございます。こちらについては、冒頭、1ページの方に調査対象の属性、数字を載せてございますけれども、各年度でそれぞれその調査対象になりました世帯の属性の割合が多少変わってございますので、そちらについても留意する必要があるかと思います今回の資料については単純に数字だけを比較したものを並べて掲載したものでございますので、そちらについても御留意いただければと思います。

 これ以降、先ほど申しましたように、一般世帯を対象にした調査もやってございまして、本来の目的といたしましては、一般世帯とその生活保護受給世帯の生活実態等が比較してどう違うのか、また一般世帯でも所得階層別にどう違うのかというような集計を今後実施してまいりたいと思いますけれども、一般世帯については、少し国民生活基礎調査のデータを入手しまして集計する必要がございます。今年秋ごろから集計作業に着手予定でございますが、こちらについても、まとまり次第、御提示させていただければと思ってございますので、そういった集計作業に向けた御指示等も、もしあればいただければと思ってございます。

 資料の説明は以上でございます。

■駒村部会長 ありがとうございます。では、資料1-2についての御議論をしたいと思います。データに関しての質問や御意見ありましたら、どうぞ、どこからでもいいですので。

 阿部委員、お願いします。

■阿部委員 ありがとうございます。

 今おっしゃったとおり、恐らくこれは平成22年と28年の比較というよりも、22年の被保護世帯と一般世帯の差、それと28年の被保護世帯と一般世帯の差がどのように変わってきたかというのを見るのが主目的かと思いますので、集計の方を待ちたいと思います。

 ざっと拝見させていただいたところ、恐らくこの22年と28年の被保護者の世帯の差はほとんどが年齢分布が変わってきたことによって説明できると。ですので、高齢者の方々の必要なものがより増えていて、それで年齢の若い方や子どものある世帯のものが少し減っているといった状況になっているのかなと思いました。

 あと、最後の9、10ページのところは、中学生以下の子どものことですので、ここだとかなり属性がそろってくるのですけれども、まずサンプル数として、平成28年は135サンプルしかないと。前は212あったのに135まで下がったというところで、非常に統計的な有意性を出すのが難しいところかなと思うのですが、ちょっと残念なところでは、この5~6年間、子どものある世帯に対してさまざまな政策が打たれてきたと思うのですね。特に生活保護の子どもたちに対する。なのですけれども、余りそれが見える状況ではないなと。むしろ進学に関する考えとかは、サンプル数が少ないので統計的に有意でないかもしれませんけれども、また下がっている傾向にあるので、この統計では、それで生活保護世帯の子どもたちの状況全体がよくなったか悪くなったか、なかなか言えないかと思いますけれども、ちょっと残念なところかなと意見として述べさせていただきたいと思いました。

■駒村部会長 栃本委員、お願いします。

■栃本委員 対象者数というか、数が今回、28年度は995というので、限界がある。全部がっちゃんこした形でそれぞれの項目について出ていますのでさっきも話したように、統計上いろいろあるのでしょうけれども、事例という形で、高齢者世帯であるとか母子世帯であるとか傷病世帯その他ということで、ソーシャルコンタクトであるとか、その他もろもろというものを区分けして出していただきたいなということですね。あと、高齢者世帯というのは、高齢者単身と夫婦というのは分けられるのでしたか。

■清水社会・援護局保護課長補佐 データとしては分けられます。

■栃本委員 だったら、それも、さっきのとは直接つながらないのだけれども、参考までに見せていただきたいなと思いました。特に子どものいらっしゃる御家庭と高年齢の単身とか夫婦で、ソーシャルコンタクトであるとか、その他、物事についての考え方というのはかなり違うはずですね。というので、事例として受け止めますのでぜひ出していただきたいなと思います。

 以上です。

■駒村部会長 ありがとうございます。ほかに。

 岡部委員、お願いします。

■岡部委員 興味深く見させていただきました。私の方は、先ほどの私の意見と重なります。プラス10ポイント以上の項目は、22年と28年度の比較ですると、給湯器やルームエアコン、食堂セット、携帯電話、インターネット、それと貯蓄というのがポイントとして上がっています。これは先ほど、携帯電話とかインターネットの普及であるとか、電気機器、家電のあれが非常に普及されたということが1つ背景にあるのではないかと考えます。世帯類型別に、高齢、母子、傷病・障害、その他世帯でどういう傾向があるのかということを見れればと思っています。そこを見て頂きたい考えます。これが1点目です。

 2点目気になることで、これは基準に直接ということではありませんが、7ページ、「散歩、体操、ジョギング、その他スポーツ」というのが43から10.8までポイントが30%以上下がっています。これは世帯類型とか、あるいはそれぞれ属性で見ていけばこれが見えてくるかなと思いますが、丸めてこれぐらいの数が減っているのは、高齢者が多く、次いで傷病・障害も多いと推量できます。これはある意味では、医療扶助のあり方とか、健康増進的な支援であるとか、あるいは社会参加につながってくる話でもあります。この数字を見て、何かの間違いではないかなと思うくらい、非常に差があると思います。

 それと貯蓄の関係ですけれども、非常に貯蓄が上がっているということで、生活保護世帯の中で、最低生活の中で貯蓄するほど余裕があるのかどうかということになりますが1つは、制度変更で、進学等の場合、学習の費用については、収入認定除外の取扱いをして、それが影響しているのかなと考えます。そのため、この貯蓄の見方も、別な言い方をするならば、余裕があるのではないと見られるため、私の方としては、そうではないという解釈として読み取った方がよいのではないか。そういう意味でも、有子世帯の子どもの教育費がそこに反映していると推量はしています。

 以上です。

■駒村部会長 丁寧に見ないといけない部分がたくさんあるので、貯蓄が増えているぞみたいな話、余裕あるじゃないかなんて話になるといけないかなと思います。それから、スポーツのところも随分な変化ですね。もう一度データ、4分の1になるというのはまたすごい変化なので、世帯構造の変化だけでどうかと思いますので、ちょっとこれも確認してみてください。

 では、山田委員、お願いします。

■山田委員 貯蓄に関しては、8ページですけれども、「まったく貯蓄していない」というのはむしろ44.7%から78.7%に上がっているので、多分、先ほどありましたように、設問の選択肢変更の関係で、「ほぼ毎月貯蓄している」という選択肢に寄ってしまっているからそう見えるだけで、実態としては「まったく貯蓄していない」という人が増えた、平成22年では44.7%だったのが、平成28年では78.7%に増えたという方が、設問の選択肢として同一な箇所なので、見なくてはいけないと思います

 あとは、先ほど冒頭でも阿部先生がおっしゃいましたし、今、岡部先生の方でも御指摘ありましたように、世帯構成比率が動いているので、そこをコントロールして見ないことには、今の4分の1になぜ変動たかというのも含め、そうなっているのかというのはちょっとわかりにくいのではないかと思います。

■駒村部会長 ほか、いかがでしょうか。

 よろしいでしょうか。

 一般世帯との比較のデータにもなりますので、今日の御指摘で、余り細かく分けるとどうかということになると思いますけれども、もし可能、余りにも少なくならない範囲であれば、少し細かく、高齢世帯を単身と複数で見るのも大事かもしれませんので、少し丁寧に見られるように、もう一回分析を続けていただければと思いますし、一般世帯との比較は次回以降やりたいと思いますので、準備の方をお願いします。

 では、続けて資料2について議論していきたいと思います。事務局から説明をお願いします。

■清水社会・援護局保護課長補佐 それでは、資料2について、「有子世帯の扶助・加算の検証の考え方(案)」ということで資料を準備してございますので、簡単に説明させていただきたいと思います。資料、1ページをおめくりいただければと思います。

 今期の基準部会の1つ大きいテーマとして、有子世帯の扶助・加算の検証ということを挙げてございますけれども、もともと一般世帯との均衡だけではなく、子どもの貧困対策の観点からどう考えていくかというような御指摘をいただいてるところでございます。

 今回は、検証に当たって、現行の扶助・加算の体系を踏まえてどういった検証を進めていくかというところ、また全体の体系をどう考えていくかと、全体の考え方ということで整理しましたので、御議論いただければと思ってございます。

 資料でございますけれども、左側が「現行の有子世帯の扶助・加算の体系」ということで、生活扶助基準として基準生活費、またそれに加算される児童養育加算・母子加算等がございます。また、教育に関する費用については、義務教育については教育扶助、高等学校等の費用については生業扶助の中の高等学校等就学費ということで現在の体系なっております。

 こちらをどのような視点で考えて検証していくかというところで、右側に考え方を整理してございます。下の方から御説明させていただきますと、この生活扶助基準の基準生活費のところでございますけれども、こちらについては「最低限度の生活を営む上で基本となる需要」ということで、その生活扶助本体、1類、2類の「検証の視点」のところでありますけれども、こちらについては、生活扶助基準本体については、子どものいる低所得者世帯との均衡上、水準が妥当なものとなっているかというような現行の水準、均衡方式の考え方をもとに、先ほどの消費水準との比較等々ということで検証していってはどうかということで挙げてございます。

 上で、特別な需要ということで整理してございますけれども、それに加えて、子どもの健全育成にかかる費用ということで、就学費用ですとかその他の自立助長に資する子どもの費用ということで掲載させていただいております。

 この右上の方ですけれども、「子どもの教育にかかる費用の検証」ということで、こちらについては、教育にかかる費用ということで言うと、支出品目もわかりやすいと、限定的にも考えられるかと思いますので、この教育にかかる費用、範囲ですとか水準が妥当なものとなっているかという点については、文科省で実施されております子どもの学習費調査等をもとに、実態がどうなっているかという分析、集計をいたしまして、必要なものを算定していくということで考えてございます。

 その下の「子どもにかかる費用の検証」というところで、冒頭申し上げましたとおり、これまでの基準部会の方でも、子どもの保障すべき水準というのは、一般世帯との均衡だけではなくて、子どもの貧困対策の観点から、自立助長に向けた費用、健全育成に向けた費用の分析が必要ではないかというような御意見をいただいておるところであります。そういった健全育成、自立助長に関する、それに必要な費用はどのようなものかということを検証していくというところで考えてございます。

 その下の「ひとり親世帯のかかり増し費用の検証」、これは従来の母子加算の検証ということになるかと思いますけれども、こちらについても、ふたり親世帯とひとり親世帯の消費にどのような違いが見られるのか等々含めまして、ひとり親世帯であるがゆえに必要な費用としてどういったものがあるのか、水準がどのぐらい必要なのかの検証をしていくということで、体系とそれぞれの検証の視点ということでまとめてございます。

 その表中の一番下のところでございますけれども、「検証に当たっての留意点」というところで、子どもにかかる費用の検証、健全育成ですとか自立助長に関するものにつきまして、この生活扶助本体で保障すべき範囲と、考え方、検証の方法等、どういったことで実施していったらいいかというところでまた御議論いただければと思ってございます。

 また、丸の下については若干技術的な面でございますけれども、どうしても全国消費実態調査というのは世帯単位の消費データでございますので、この中から子どもにかかる費用についてどう分析していくかというところも、その分析の手順、作業手法として御意見をいただければということで挙げてございます。

 資料の説明については以上でございます。

■駒村部会長 ありがとうございます。ではこの有子世帯の扶助・加算の考え方についての議論を進めたいと思いますが、これについても、考え方の整理ですので、委員の皆様から御発言いただければと思います。いかがでしょうか。

 岡部委員、お願いします。

■岡部委員 教育扶助、生活扶助基準の中で、教育扶助、生業扶助、生活扶助の加算の中で、真ん中に「子どもの健全育成にかかる費用」と書いていただいているということです。私としては、この基準部会でこの考え方を出していただいたというのは非常に意義のあることではないかと考えております。この健全育成という言葉は、児童福祉法の第2条に書かれている、全ての国民は心身ともに健やかに育成されるよう努めなければいけないと。これはそこから健全育成というのをとって、健全育成を行うということで、これは全児童に及ぶ対策を健全育成という言葉で使っています

 これを具体的に児童福祉の政策でみると、一般児童対策と要保護児童対策と2つ分かれています。この中でいくと、基本的に全ての児童が受けるというのは極めて普遍的なニーズに対応するということですので、この考え方で、教育、生業扶助と加算というのを出していただいたというのは、私自身としては極めて画期的な考え方の御提示ではないかと考えます

 これは児童福祉法、子どもの貧困対策法の考え方にも整合性がありますし、生活保護の中でも同じスタンスで、同じ地平の中で考えていただく考え方ではないか思っております。私の方としてはこれで出していただいたことを支持をします

■駒村部会長 ありがとうございます。岡部委員、健全育成の内容を2つに分けて、項目が教育と、それから自立助長とかかり増し経費とこの3つですけれども、ほかに何か考慮するべきことはありますかね。自立助長の中に広くとれるでしょうかね。

■岡部委員 そうですね。私の方ではまだ頭の中で整理してないのですけれども、基本的に健全育成というのは育ちの保障ということになると思うのですけれども、育ちの保障というのは養育と教育が入っていると思います。その中で考えたとき、もう一つの視点からすると、体であるとか心であるとか、社会的なもの、全て育ちを行っていくと。例えば生活扶助基準の1類の中で飲食。飲食物費食の保障をしていくということでありますし、もう一つは、学びの保障となると義務教育、あと高等学校等上級学校の学びの保障もしていくということになります。また子どもが社会的な関係性、社会的な存在になっていくためにはいろんな社会的・文化的な経費も出てくるでしょうから、その中で、最低生活費というのは水準均衡方式ですから、一般世帯との均衡をどう図っていくのかということになります。ここは全ての子どもにとって必要ミニマムをどのように設定するかということになってくるのではないかと思います。

■駒村部会長 ありがとうございます。均衡で見られる部分と、それから子どもの健全育成で見られる部分と、それは岡部委員の今のお話によると心身の健全な発育みたいなものなのでしょうかね。

■岡部委員 そうです。

■駒村部会長 そういった視点で、こういう特別な需要というものを議論していったらどうかと。この具体的な参照すべきデータなどはこれからになると思いますけれども、ほかの委員でいかがでしょうか。

 栃本委員、お願いいたします。

■栃本委員 この中でひとり親世帯のかかり増し費用の検証というのはすごい重要だと思うのですね。ただ、ふたり親世帯とひとり親世帯の消費にどのような違いが見られるかというのは、単純に比較してもわからない部分があるので、その間の中にいろんな構成要素があると思うのですね。そこら辺を丁寧に、作業班でされるのかな、見ていただくことが必要だと思うのですね。

 私は、親に関わるいろんな、ふたり親でない場合の支出って結構あると思うのですね。我慢しているというか、子供のために削っているということが本当はすごくあると思うのですよ。前の部会のときも発言しましたけれども。そういう意味で、ひとり親世帯のかかり増し費用の検証というのは私は非常に重要だと思っています。

 それともう一つ、特別な需要という表現をして、健全育成と自立助長となっているのだけれども、その右側に、子どもの教育にかかる費用の検証と子どもにかかる費用の検証という、上3段重ねみたいになっているのだけれども、これはちょっと工夫した方がいいのではないか。上3段でなくて、横に並列した方がいいと。ちょっと細かいことだけれども、概念的にね。でないと、ちょっと変な、真ん中との整合性がとれなくなる。

 それともう一つは、ここでは書いてないけれども、昔話したブルデューの社会関係資本とか文化資本というものが極めて重要で、それを別の表現をすると自立助長とか何とかと言っているのだけれども、やはり文化資本とか社会関係資本、どのように蓄積するかというのは、巣立っていく準備としてとても重要だと思うのですね。それは先ほど母子とかそういうのを分けて意識調査をみていく、親しい人がいるのかかとか、病院に行っているかとか、そういうのがあったではないですか。そういう観点から言っても、表現的には子どもの教育とか子どもにかかるという表現になっていますが、それ以外にももう少し広い概念で見ていかないと見落としてします、気づかないで落としてしまう部分があるのではないかと思いました。

 以上です。

■駒村部会長 ありがとうございます。このひとり親世帯とふたり親世帯を単純に差を見てということなのか、生活構造は違うので、家計構造自体、世帯構造自体が違うという部分で、何かかかり増し経費で出ているのではないかということを丁寧に見た方がいいと。単に差分を見るだけではないですよと。それから、自立助長の概念は、広くとっていて、教育ととれる部分はいいとしても、自立助長の部分は社会関係資本や外のつき合いみたいなものも含めて、自立助長の概念がここに入っているんですよねという、すごく狭くとるのではなくて、そこは広目にとった方がいいのではないかという御意見だと思いますけれども、ほかに。

 山田委員、お願いします。

■山田委員 私も栃本先生と重なることなのですけれども、1つは、ひとり親世帯のかかり増し費用というのを考えた場合に、今、家計構造自体が違うのではないかということについて言えば、例えば就労している場合に、子どもの宿題とか見てあげられないから塾に通わせなくてはいけないとかいうことで、単純にかかり増し費用と言っても、上の部分ですね。この青色のボックスで書かれた部分とオレンジ色のボックスで書かれた部分も関係してくると思いますので、単純に比較して、差分がどうで、かかり増し費用の検証ということにはならないのではないかということが1点目。

 2点目として、似たような議論としては、子どもにかかる費用全体についても、例えば子どもがいなければ消費が膨らんでいる部分もありますし、子どもがいればそうしたいろんなものを削って子どもの費用に充てている部分もあります。そうすると、似た所得を持ってきて、子どもがいる世帯と子どもがいない世帯を比べてみても、なかなか子どもかかる費用というのが単純に差分では出てこないと思うのですね。ですから、1点目の家計構造の話とも関係しますけれども、そこの部分を作業班では丁寧に見ていかなくてはいけないと思います。

 3点目としては、実は一番最初の資料にも関わるのですけれども、住宅費をどう考えるのかということです。私も、住宅費のことをいろいろと調べていて、日本の場合には、賃貸住宅は当然住宅費としてかかるわけですけれども、もう一つ気をつけなくてはいけないのは、住宅ローンを抱えている人たちです。EUの定義にならえば、過重住宅費負担者というのは、所得の4割以上を住宅費用が占める家計をそのような定義をしているわけですけれども、その住宅費には、当然ながら家賃も含まれますし、あと住宅ローンの返済というのも含まれます。

 住宅ローンを抱えている人は資産が積み上がっているのだからいいでしょうという考え方もありますけれども、日本の場合には第1所得十分位で、この住宅ローンでの支払いが収入の4割を超える人というのは実は6割で、先進加盟国の中でも物すごく高い。要するに、かなり低所得層でも無理して住宅ローンを組んでいるという実態がある。そうすると、その住宅ローンの重みのためにかなりほかの部分が、教育費も含めて圧縮されている可能性があるので、一番冒頭に、一般世帯の均衡だけでなく、これは岡部先生も御指摘されたことですが、やはり子どもの健全育成にかかる費用というので考えなくてはいけない。単純な比較では出てこないだろうということもやはり考えていかなくてはいけないと思います。

 私からは以上です。

■駒村部会長 阿部委員、お願いします。

■阿部委員 皆さんおっしゃっていることと重なる部分もあるかとは思いますけれども、この分け方をしたときに一番気になるのが、子どもにかかる費用とか子どもの教育にかかる費用というところが、子ども自身に関わる費用だけではないというところが必ずしもこの図からは見えてこないかなと思うので、そこは気をつけなければいけないところかなということですね。子どもの健全育成ということを考えれば、例えば子どもの健全育成のために、子どもを海水浴に1回ぐらいは連れていきたいというのがあって、それは子どもの体験ということでも非常に重要だと思うのですけれども、でも、子どもの費用だけでなくて、親も一緒に行かなければいけないので、それは親のところに出てくるわけですね。費目とかで出てきたりするので。食べ物にしても、親はこちらで、子どもだけはお肉食べさせるとかいうわけでもないので、全体的に子どもを健全育成するためには家計全体に重みがかかってくるだろうなというところなのですね。

 先ほど山田委員がおっしゃった住宅費のところもそうで、子どもがいることによって、少しは住宅環境のいいところですとか、子どもが勉強できるようなスペースがなければいけないということで、子どものない世帯よりかは住宅費が高いところに住むというような選択をしているところもすごく多いと思うのですけれども、ほかの基準生活費ですとか住宅扶助のところのそういったところの増えた分もこの加算でこのように見るという形になればいいですけれども、そうでないふうにして検証してしまうと、住宅のところをぱっと抜いてしまって比較をしてしまうということになるかと思います。この点線の線引きというのが実際はかなりファジーなのではないかと思うので、そこのところは、検証するときにそれも含めて、家計全体の中身を見ていく必要があるのかなあと思いました。

■駒村部会長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

 小塩委員、お願いします。

■小塩委員 先生方のおっしゃること、私もそのとおりだと思います。確かに子どもの健全育成とか、あるいは自立助長は非常に重要な目的だと思うのです、今回特に力を入れないといけないのは、この一番上のくくりにあります、子どもの貧困対策だと思うのです。これが、喫緊の政策課題になっていると思います。ですから、今回の見直しでも、特に子どもの貧困対策、子どもが貧困に陥らないようにどのように加算したらいいのかという点の検討が必要だと思います。

 ちょっと質問ですけれども、現時点で、特にこういうことについて注意をして加算について見直そうという、何かそういうものが既に具体的にあるのでしたらぜひ教えていただきたいと思います。

■駒村部会長 事務局、いかがでしょうか。

■鈴木社会・援護局保護課長 現時点でこうするという決まったものはございません。これまでの先生方の議論の中から考えていくということでありますけれども、今日のこの紙に出てないこととしては、結局、最終的には扶助費としてその世帯に支払われますので、その全体像をきちっと見て検証しなければいけないと考えております。

■駒村部会長 ほかにも、生活困窮者と生活保護の部会の方では大学進学の扱いについて少し議論になっていますけれども、そこはちょっとまた扱いが違うので、我々は、基準で、金額ベースで考慮できることを議論していくと。いろいろ今日議論があったわけですが、阿部委員もおっしゃったように、実際にこれを検討するとなかなか難しい、ファジーと言われればファジーかもしれませんけれども、逆にこれは国民の皆様に納得していただくようなものを考えていかなければいけないという部分もあるので、ちょっと悩ましい部分もある。どういう材料を使いながらこれをやっていくのかということになると思います。

 岩田先生、お願いいたします。

■岩田部会長代理 結構これは難しい話で、基準生活費の場合は一般扶助の考え方でいきますので、その中に子どもというのは1類で多分入ってくる食費とか何か、そういう部分になってくると思うのですけれども、ただ、そこも結構幅が広いですね。特別に重要というのは、一般扶助である生活保護制度にカテゴリー扶助を挿入しているのですよね。これが加算なのですけれども、加算は、これまでの経緯から言うと、もちろん生活保護の中でオリジナルに生み出して、それが逆に一般化していくというのもあったと思うのですけれども、一般の例えば母子対策とか児童対策とかいうものを生活保護という世界の中に読みかえるときにどういう加算としてつけるかという、そういう均衡ですよね。そういう方式と2面あったと思うのです。

 今回これをやるのを私たちが素直に、そうか、児童の健全育成を生活保護の世界でもしようということでナイーブに取り組んでいいものなのか。そうではなくて、つまり、これは一般的な子どもの健全育成というのが日本の、子どもの貧困というよりも、子ども対策として喫緊の課題であるとすれば、極めて一般政策が大事であって、その一般政策を生活保護も漏れなく取り込む、そこが大事なのではないかと思うのですね。だから、生活保護だけ何かうまいことできるかというと、そこは結構難しい。

 ただ、母子世帯の場合だと、相対貧困率で半分ぐらいいきますし、生活保護でも一つの特有のカテゴリーをなしているので、そこをどうするかという問題はもちろん出てきますし、だから、自立なんかについては非常に見やすいとは思うのですね。健全育成というのは一番大事で、一番難しいと思います。

 ただ、先ほどの議論の中で、例えばひとり親世帯の場合だと家計構造が違うのではないかという話が出ましたけれども、ひとり親世帯の家計構造、生活も、母子世帯の家計構造というのは一般の家計構造に非常に近いのです。生活保護の家計構造の中で特殊なのはそれ以外ですね。だから、老齢世帯とか傷病・障害世帯というのは非常にエンゲル係数高いです。ところが、母子世帯は違うのです。かなりいろんな費目に出ている。それはそうせざるを得ない。そうやって一般に、どこかくっついていかないと子育てができないということの多分あらわれだと思うのですけれども、非常に特殊な形をむしろとらないのですね。全体が圧縮されているのかもしれない。ちょっとよくわからないです。

 ですから、その辺もよく精査して見ていく。それから、生活保護の母子世帯の場合はさらに非常に特殊というか、逆に母子世帯の成り立ちというか、なぜ母子世帯になったかというような経緯や何かで非常に多くの貧困要因がそこに投影されているという場合があると思うのですね。例えば10代の妊娠とか、未婚のまま母子世帯になったとか、あるいは母子世帯で非常に多子であるとか、そのような状況というのはカテゴリー別扶助の中でさらに特別なケースになると思うのですね。

 そのような要素も、生活保護がどのように見ていくかというのは生活保護らしい取組ではないかと思うのですけれども、一般的な児童健全育成のための取組と、それを生活保護の中でどう具現化していくか、あるいは生活保護として、生活保護世帯の有子世帯をどう援助するかという構えというのは必ずしも同じではないように思います。だから、どうしたいのか。何というか、この際、生活保護もいろんな加算をちょっと豊かにしましょうという話なのか、逆に、生活保護の中でここまでできているのだから、低所得層の有子世帯にもうちょっと開いていこうというのか、そのあたりの構えがどっちなのかなというのが私の基本的な疑問です。

■駒村部会長 ありがとうございます。なかなか難しいのをいただいて、押し上げ効果まで目指していくのかどうかと。もちろん、我々の守備範囲というのは生活保護の範囲でやるわけですけれども、その中で一定の成果が出てくれば、それは当然押し上げ効果も出てくるのかなあとは思います。この辺の議論をまた、今の岩田先生の議論も今後続けていかなければいけないと思いますし、それから、ひとり親世帯とふたり親世帯の家計構造は似ているのではないのかという御指摘で、これもデータに基づいて分析していくと。そこをさらに深掘りして生活的なものまで見ていくのか。例えば時間的な余裕があるのかないのか、1人で子どもを見ている方と夫婦で協力して見ている方で、何か生活に無理があるようなところがあるのか、それを金銭的に評価すべきなのかすべきでないのか、こういったことも議論していかなければいけないと思いますので、この辺も多様なデータで検証していくということになると思います。

 栃本委員、お願いします。

■栃本委員 さっき言ったように、ひとり親世帯のかかり増しの部分をちゃんと見ましょうよということを申し上げただけなのですね。それともう一つは、最も不利益な状態のある人に対して積極的に取り組むというのが基本的なロールズの格差原理という原則だから、一般政策、それはあるかもしれないし、それとの関係はあるかもしれないけれども、やはり生活保護世帯ということでなかで一番不利益な状態にあるわけだから、その方々に対してきちっとした、積極的に対応する、行うというのはとても重要だと思うのですね。

 それと、健康的で文化的なという部分の文化的なというところに関わるものですよね。今のこの図柄のなかで健康的で文化的なというのの文化的な最低限というか、そういうものをこの際、こういうものから見定めるということでもあるのですね。住宅とか健康というのはもちろん最低限の生活を営むという構成としていうまでもなく重要なのだけれども、文化的なというのは、なかなかわかりにくいというか、そういうところがあるのだけれども、それが具体化しているのはこういう部分なわけだから、丁寧にしっかりワーキングで進めていただきたいなというお願いですね。

■駒村部会長 この文化的なという部分、難しいですよね。あと余り時間もないので、また今後の議論を続けていきたいわけですけれども、子どもたちがいろいろなクラブ活動とかサークル活動とか、いろいろやっていて、多くの子どもが入っている中に、例えばユニフォームがなければ入れませんよということになったときに、そういったものを使えない状況があるのかどうなのか、それが子どもの心身の発達にどういう影響を与えてしまうのかなんていうことも考えなければいけないのか、そこまで考えなくてもいいのかどうなのかとか、いろいろな、次から出てくる世帯水準によってどういったものを持っているのか、参加しているのかということを丁寧に検証していかなければならない。その中で、ある程度のところで判断しなければいけないところが出てくるだろうなとは思います。

 どこかで期限を持って結論を出さなければいけないわけですので、国民の皆さんにも納得いただくような範囲で、ここで子どもの健全成長はこのぐらいを保障すべきではないのかということになっていくのではないかなあと思います。どこから先に始めるのかという議論は、また考え方もあると思いますので、今後も議論していきたいと思いますけれども、ほか、いかがでしょうか。あと5分ぐらいですけれども。

 岡部委員、お願いします。

■岡部委員 私が健全育成と言ったのは、どの子どもも全てがこの基本的な育ちの保障ができると。教育と養育の保障ができるということで、そういうことに対して同じラインに入っているのを考え方としてうたったということが非常に意があると。

 それともう一つ、ひとり親の方の場合、極めて不利な状態に置かれているということは、逆に言うと、それを同じだったときに、これはまた追加で、先ほど加算というのはそういう性格のものですから、そ必要な項目は何かということを見ていただきたい。

 それで、小塩委員が、子どもの貧困対策ということでは2004年から、生業扶助で義務教育以上の方の教育の機会を保障するということが、貧困対策法の前にそういうことができたということが1つあると思うのですけれども、もう一方、今の制度的な仕組みで、世帯の認定であるとか収入の認定であるとか、あるいは資産の保有の関係で、子どもの貧困対策に当たるような内容のことは行ってました。これはこの基準の話のときに、そういうことはある意味では、それプラスお金が出ているということでなくて、制度の中でその分はカウントできる部分があるのではないかと考えます。それを行う、追加の費用が何かということの検証が必要なのではないかと思っています。

 私の方で、先ほど、子どもの貧困対策はこの生活保護の領域でどうなのかということですけれども、もう一方、先ほど座長がちょっとおっしゃられたように、生活保護と生活困窮者自立支援法の中で学習支援事業が1つ、有料塾ではなくては、無料塾等も含めて塾代の助成をやっています。子どもの貧困対策で、これが十全かと言われるといろいろ評価が分かれることがあるかと思いますが、進められているのではないかと考えています。今後もっと進めなければいけない。とりわけ世帯の類型からすると、ひとり親の場合は、就業率、非常に高いですよね。8割ぐらいが就業されている。その中で、その人たちに対して何ができるかということを、生活保護の制度の中でかかり増し費用というように考えていただければとよいのではないかと考えています。

■駒村部会長 ありがとうございました。

 では、岩田先生。

■岩田部会長代理 さっき阿部委員もおっしゃったことですけれども、日本では子どもの貧困と言うと、子どもにともかく何するかということしか考えてないのですけれども、今やっているかどうか、多分やっていると思いますが、イギリスのインカムサポートの場合は、例えば母子世帯のお母さんが大学に行くと、その間、インカムサポートが出る。だから、極めて自立助長的なのですよ。日本ではにわかにそういうことが承認されるとは思わないのですけれども、ただ、例えば子どもの生活をよくするためには親の生活をよくしなければいけなくて、生活保護の所得保障というのは一つの手法ですけれども、所得保障を何のためにするかというときに、特に小さい子どもを持った若い父親、母親をもう一段上げていくような、何らかの就労をしているときに、2~3年、生活扶助をきちっとそこに出すというようなやり方は結構いいと私は思っているのです。このために、イギリスでも非常にスティグマが強いですけれども、短期的にインカムサポートを利用した人の率というのは結構高いのです。しかも、例えば大学に勤めている職員やなんか、私も使ったわというようなことをすっと言えるような環境があるのですね。

 日本はやはり物すごくそこの差が大きい。私が生活保護と一般というような言い方をした場合の一般というのは、一般の中に、特に母子の場合だと低所得層ですよね。生活保護層ではない、だけど、ぎりぎり層ですね。ここと常に比較されるので、やはりそこへの視点というのは常に持っていて、もうちょっと抜本的な、そのようなことができるといいかなと。日本でも就労支援の方で短期的に出ますよね。あのようなやり方。

■栃本委員 1分で終わります。

 今の岩田先生のお話ね、僕は前から、要するに子どもの貧困というよりも親の貧困がもともと基本だと申し上げている。子どもの貧困に社会は目が向くし、それが政策課題というのは分かりますが、そちらばかりに目が行くのはおかしい。そもそも世帯なのですから。世帯という単位の中で貧困な子どもは、ないし子どもの貧困が起きているわけで、子どもはもちろんそうだけれども、そのおおもとのところ、家族、家庭という社会の最小でかつ最も重要な単位の中で親の方が相対的収奪を受けているのですよ。だから、その部分をどうするかということは非常に重要だということを繰り返し申し上げているので、そこら辺も見ていかないと、流行ものと言うとあれだけれども子どもの貧困ばかりに光が当たるのはどうかと。親と言う一つの存在が重要なので、そういうことも考えていただきたいなということです。

■駒村部会長 いかがでしょう。

 そろそろ時間も来ておりますが、よろしければ、今日の議論は以上にさせていただきたいと思います。

 最後に、次回の開催について、事務局から連絡をお願いいたします。

■清水社会・援護局保護課長補佐 次回の日程でございますけれども、9月4日、午前中を予定してございます。場所は未定でございますので、また、決まり次第、追って御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。

■駒村部会長 それでは、本日の議論は以上とさせていただきます。御多忙の中、ありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(生活保護基準部会)> 第30回 社会保障審議会生活保護基準部会(2017年7月26日)

ページの先頭へ戻る